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1972/07/13 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 災害対策特別委員会 第10号
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1972/07/13 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 災害対策特別委員会 第10号

#1
第071回国会 災害対策特別委員会 第10号
昭和四十八年七月十三日(金曜日)
   午後一時十分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         秋山 長造君
    理 事
                古賀雷四郎君
                高橋雄之助君
                中村 英男君
                上林繁次郎君
    委 員
                伊藤 五郎君
                梶木 又三君
                佐藤  隆君
                柴立 芳文君
                八木 一郎君
                藤井 恒男君
                星野  力君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  齋藤 邦吉君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○災害対策樹立に関する調査
 (小委員長の報告に関する件)
 (災害弔慰金の支給及び災害援護資金の貸付け
 に関する法律案の起草に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(秋山長造君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。
 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。
 まず、桜島等の火山活動による災害及び個人災害等の対策に関する小委員長から、小委員会における調査の経過並びに結果について報告いたしたい旨の申し出がありますので、これを許します。佐藤小委員長。
#3
○佐藤隆君 桜島等の火山活動による災害及び個人災害等の対策に関する小委員長報告をいたします。
 風水害等の自然災害によりとうとい人命や家財を失った人々に対する救済、いわゆる個人災害救済の対策につきましては、この災害対策特別委員会におきまして、すでに各委員と政府当局との間に熱心なる質疑応答が重ねられてきましたことは御承知のとおりであります。
 桜島等の火山活動による災害及び個人災害等の対策に関する小委員会におきましては、私の一応取りまとめました草案を提示いたしますとともに公明党の上林君及び宮崎君の両君から、すでに発議されております災害見舞金法案との調整、また各党の意見調整をはかり、所要の立法を行なうことに意見が一致し、お手元に配付いたしております災害弔慰金の支給及び災害援護資金の貸付けに関する法律案の草案を決定した次第であります。
 以下、本案の趣旨及びその内容につきまして、御説明申し上げます。
 わが国は、地理的、気象的悪条件に災いされ、年々歳々おびただしい風水害等の自然災害をこうむり、多くのとうとい人命や財産が失われ、かつきわめて甚大な被害を受けておりますことはいまさら申すまでもありません。特に局地的な集中豪雨等の多発性という異常気象と相まって、山くずれ、がけくずれといった群発的な災害が急激に増加してきている傾向も見られるのであります。
 いわゆる一般災害の対策及び予防につきましては、災害対策基本法をはじめ各種の法律並びに行政運用により対策が講ぜられているところでありますが、いわゆる個人災害に対する救済措置につきましては、昭和四十七年に市町村災害弔慰金補助制度が設けられ、市町村が自然災害によって死亡した者の遺族に対し弔慰金を支給する場合にはその災害弔慰金の一部を国が補助するというものでありますが、これではまだ十分とは言えないのであります。したがいまして、災害により死亡した者の遺族に対して、弔慰のため、市町村が、市町村と都道府県と国との負担のもとに災害弔慰金を支給し、また、災害により世帯主が重傷を負いまたは住居、家財に相当程度の損害を受けた世帯の世帯主に対して、生活の立て直しに資するため市町村が都道府県の原資手当てを得て、災害援護資金を貸し付けることができる制度を講じようとするものであります。
 以下、この法律案について、その要旨を申し上げます。
 まず、この法律における災害の定義でありますが、暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波その他の異常な自然現象により被害が生ずることをいうことといたしております。
 次に、この法律の二本の柱の一つである災害弔慰金の支給についてでありますが、市町村は、政令で定める災害により死亡した住民の遺族に対し、五十万円の災害弔慰金の支給を条例によって実施することができることとし、この市町村の災害弔慰金に要する費用につきましては、その最終負担は、市町村と都道府県が四分の一ずつ、国が二分の一ということにいたしております。
 もう一本の柱である災害援護資金の貸し付けにつきましては、市町村は、その区域に災害救助法が発動されるべき被害の発生している災害その他の災害により、世帯主が療養一カ月程度以上の負傷をし、あるいは住居、家財に政令で定める相当程度の損害を受けた世帯のうち、その所得が政令で定める一定額未満の世帯の世帯主に対し、生活の立て直しに資するため、五十万円をこえない範囲内で政令で定める額の災害援護資金の貸し付けを条例によって実施することができることといたしました。この災害援護資金の償還期間につきましては、据え置き期間を含み十年をこえない範囲内で政令で定めることとし、金利につきましては、据え置き期間中は無利子とし、据え置き期間の経過後は年利三%としております。
 また、災害援護資金の原資につきましては、市町村に対しては、国による三分の二の無利子の資金手当てのもとに、都道府県が全額を無利子で貸し付けるものとしております。
 最後に、この法律の施行期日は、政令で定める昭和四十九年四月一日以前の日としておりますが、その政令で定める施行の日前に生じた災害から適用することができることを明らかに規定いたしました。
 なお、草案の中には数多くの政令がありますが、災害弔慰金の政令で定める災害としては、全国のどこかに災害救助法が発動されるべき被害の発生している市町村が一つでもある災害のほか、その程度にまで達しないが、関係知事が厚生大臣と協議して定める災害をいうものとしております。また、災害援護資金の政令で定める災害としては、その市町村の属する都道府県下のどこかに、災害救助法が発動されるべき被害の発生している市町村が一つでもある災害も含めることとしており、また、その貸し付けが受けられる世帯の所得制限の政令で定める額は、全世帯の三分の二程度が、貸し付け対象となることを目途として定めることを予定しております。
 なお、住居、家財についての政令で定める相当程度の損害としては、浸水の場合を例にとりますと、家財を移動することができなかった床上浸水以上を予定しております。
 さらに、災害援護資金の据え置き期間は原則として三年でありますが、特別の事情のある場合は五年が予定されております。
 以上で政令の予定される内容の説明は終わります。
 なお、特に、この法律の実施のためには、さきに述べましたように、数多くの政令と、市町村の条例の制定が必要でありますが、そのための政令がすみやかに準備され、また、この法律の趣旨が徹底し、市町村の実施体制が早急に整備されるよう関係各省の積極的な行政指導を要望いたしますとともに、災害援護資金の返済不能等の措置につきましては、本制度が新しいものであり、その基礎データがありませんので、事務費と合わせて、一応三%の利子でこれをまかなうとの前提で立案いたしてはおりますが、据え置き期間経過後の償還状況等によっては、必要に応じて、立法措置を含めた所要の措置を講ずることとし、市町村財政に過重な負担とならぬよう、関係各省十分協議すべきことを申し添え、小委員長の報告を終わります。
 なお、この草案を委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案と決定されるようお願いいたす次第であります。
 委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#4
○委員長(秋山長造君) 以上で小委員長からの報告は終わりました。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(秋山長造君) 次に、災害弔慰金の支給及び災害援護資金の貸付けに関する法律案起草の件を議題といたします。
 本草案の趣旨、内容につきましては、ただいまの小委員長の報告にありましたので説明を省略さしていただきます。
 本草案に対し質疑、御意見等がございましたら御発言をお願いします。――別に御発言もありませんので、質疑は終局したものと認めます。
 本草案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本草案に対する意見を聴取いたします。齋藤厚生大臣。
#6
○国務大臣(齋藤邦吉君) ただいまの法律案につきましては、政府としてはやむを得ないものと考えております。
#7
○委員長(秋山長造君) それでは、本草案を災害弔慰金の支給及び災害援護資金の貸付けに関する法律案として本委員会から提出することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(秋山長造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、本会議における趣旨説明の内容につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(秋山長造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時二十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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