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1972/08/24 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 災害対策特別委員会 第11号
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1972/08/24 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 災害対策特別委員会 第11号

#1
第071回国会 災害対策特別委員会 第11号
昭和四十八年八月二十四日(金曜日)
   午後一時十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 八月二十三日
    辞任         補欠選任
     松本 英一君     前川  旦君
 八月二十四日
    辞任         補欠選任
     前川  旦君     松本 英一君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         秋山 長造君
    理 事
                古賀雷四郎君
                高橋雄之助君
    委 員
                伊藤 五郎君
                梶木 又三君
                佐藤  隆君
                柴立 芳文君
                濱田 幸雄君
                前川  旦君
                宮崎 正義君
                藤井 恒男君
                星野  力君
   政府委員
       総理府総務副長
       官       小宮山重四郎君
       農林大臣官房審
       議官       澤邊  守君
       建設省計画局長  大塩洋一郎君
       建設省河川局長  松村 賢吉君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村田 育二君
   説明員
       北海道開発庁総
       務課長      羽鳥 光夫君
       国税庁直税部所
       得税課長     水口  昭君
       厚生省環境衛生
       局水道課長    国川 建二君
       農林省構造改善
       局次長      杉田 栄司君
       林野庁指導部長  松形 祐堯君
       通商産業省立地
       公害局工業用水
       課長       柴田 益男君
       気象庁予報部長  毛利圭太郎君
       自治大臣官房過
       疎対策管理官   市橋 光雄君
       自治大臣官房参
       事官       栗田 幸雄君
   参考人
       水資源開発公団
       理事       井元 光一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○災害対策樹立に関する調査(台風第三号及び昭
 和四十八年七月三十一日未明の九州北部を中心
 とした大雨による災害等に関する件)(異常渇
 水による災害対策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(秋山長造君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二十三日、松本英一君が委員を辞任され、その補欠として前川旦君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(秋山長造君) 次に、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 災害対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に水資源開発公団の役職員を参考人として出席を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(秋山長造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(秋山長造君) 次に、災害対策樹立に関する調査を議題といたします。
 まず、台風第三号及び昭和四十八年七月三十一日未明の九州北部を中心とした大雨による災害等について政府から報告を聴取いたします。小宮山総理府総務副長官。
#6
○政府委員(小宮山重四郎君) 台風第三号による災害及び昭和四十八年七月三十一日未明の九州北部を中心とした大雨による災害について御報告申し上げます。
 台風第三号は七月三十一日に本邦南方海上に発生し、十六日には沖繩県の石垣島の東方海上から宮古島付近を通り、十八日には黄海へ抜けましたが、この台風は宮古島、石垣島を中心とする沖繩県下に被害を与えました。その被害は、県からの報告によりますと、一般被害は、負傷者五名、家屋の全半壊は二百三十六むね、床上浸水が一千二百四十二むね、床下浸水二千百十九むね、施設関係等の被害額は約十四億円になっております。
 この災害に対し、沖繩県及び那覇市は十六日に災害対策本部を設置し、また、被害の特に大きかった宮古郡城辺町、下地町及び上野村の三町村に十九日災害救助法を適用し、必要な応急救助を実施いたしました。
 また一方、七月三十日黄海に発生した低気圧は東北東に進み、同日の夜日本海西部に入り、三十一日には日本海中部に達しましたが、この低気圧の中心から南西に延びる寒冷前線は、三十日の夜から八月上旬にかけて九州北部を中心に局地的集中豪雨をもたらし、福岡県をはじめとする各地に大きな被害が発生いたしました。その一般被害は、警察庁の取りまとめますところによりますと、死者及び行くえ不明者が二十九名、負傷者十名、家屋の全半壊流失が百九むね、床上浸水九千二百六十三むね、床下浸水が二万八千五百一むねとなっております。また、施設関係等の被害につきましては、県からの報告によりますと、公共土木施設約八十四億円、農地等約八十六億円、中小企業関係約十一億円、その他合わせまして合計約二百四十一億円となっております。
 この災害に対して、福岡県及び太宰府町ほか十八市町村は災害対策本部を設置し、また、この災害による被害の特に大きかった太宰府町ほか十市町村に七月三十一日災害救助法を適用し、必要な応急救助を実施いたしました。
 政府といたしましては、直ちに関係係官を現地に派遣し、調査並びに応急対策の指導につとめるとともに、早期に災害査定を実施できるようつとめております。今後、被災現地の実情把握を急ぎ、被災者の救済を第一として災害復興を進め、災害の早期復旧及び必要な財政金融措置等を鋭意推進してまいる所存でございます。
 以上でございます。
#7
○委員長(秋山長造君) ただいまの御報告に対し質疑のおありの方は順次御発言願います。
#8
○古賀雷四郎君 私、九州北部を中心としました台風による災害の現地等を視察してまいりましたので、その関係につきまして若干の質問をさせていただきます。今回の九州北部の水害は、非常に区域が狭くて、しかも大量の死者が出たということで特異な現象でございます。いろいろ現場を検討してみますと問題点がたくさんございます。そこで、問題点の件につきまして一つ一つお伺いしていきたいと思います。
 まず、林野庁にお願いしたいと思います。太宰府で大量の死者が出ました。これは伐採した材木を蓄積しておったものがこの台風によって流されたということで、家屋に相当の被害を生じて中におられる方がなくなられたというようなケースだそうでございますが、そもそも材木をそういうあぶない個所に置くこと自体が私は非常に問題であろうと思いますが、そういう点につきまして、林野庁からひとつそれらに関する問題につきまして御報告を願いたいと思います。
#9
○説明員(松形祐堯君) お答え申し上げます。
 この個所は県と地元の水城村との県行造林地になっておりまして、昭和十一年に契約いたしまして植林されたもので十三ヘクタールほどでございます。それが大体三十八年生になりましたので、地元の村のほうからこれを伐採するような要望がございまして、県が検討しました結果、風致関係等もございまして、分割して伐採したらどうだろうというようなことがございまして、大体そのうちの約四ヘクタール、三分の一を伐採いたしたものでございます。これを契約いたしましたのは六月でございまして、七月一日から伐採にかかっております。この物件は、本数にして約三千本、材積にして六百八十立方ということになっておりまして、その中で五百本ほどを残しまして、すでにその三千本のうち約千七百本は搬出しております。したがって残りの約八百本ほどのものが林内にためられたり、あるいは伐倒したままあった、こういうことでございまして、先ほど御報告ございましたような集中豪雨等がございまして、その残ったものが、その奥地なりあるいは周辺の崩壊のために土石流とともに一緒に流された、こういう実態でございます。
#10
○古賀雷四郎君 私は、起きてしまったからしかたがないじゃなくて百ミリくらいの集中豪雨というのは常に起こり得るという前提に立たざるを得ないと思うわけでございます。特に六月に伐採を許可したということは、集中豪雨がくるということはもう目の前にきているその段階で伐採を許可して伐採させるというような計画がいいのかどうか、その点はひとつ十分お考え願いたい。大体樹木は秋から過ぎに切るという話を聞いておりますが、どういう事情であったかぼくはよくわかりませんけれども、そういう伐採の時期等につきましてひとつ御検討願わないとこういう事故が起こり得るということであろうと思います。そういう点につきまして私は、今後林野庁の指導方針といたしましてどういうぐあいに考えておられるか、それを明確にひとつお願いしたいと思います。
#11
○説明員(松形祐堯君) お答え申し上げます。
 ただいま御指摘ございましたように、一般的に木材は夏場には生長いたしておる関係から、樹液の流動がとまりましてから、秋口から切り始めるというのが一般的になっております。この場合、村当局からいろいろ要請があったのではないか、これは想像でございますが、こういうことで台風時期にこういうものを切ったということは、まことに私どもちょっと注意が足らない点があったのではないかというふうには想像いたします。しかし、このような集中豪雨が想定されたということもない関係もございまして、たいへん指導のしにくい面もございますが、私ども一般的には秋に切るような指導をいたしておりますので、この点もう一回私どもも十分検討させていただきまして、指導するなりいたしたいというふうに考えております。
#12
○古賀雷四郎君 お答えはわからないでもないですが、そういう原則的なことをやってもらわないとやはりこういう問題が起こる、林野庁はその指導を徹底すべきであると私は思うわけです。それから、かりにやむを得ない事情で地元の要請で切る場合でも、たとえば、がけくずれが起きて土砂流が起きて、それが一緒になって流れるような個所には置かないというような配慮が十分必要ではないかと思うんですけれども、これはひとつぜひ林野庁で厳重に指導するよう重ねて要望しておきます。
 それからもう一つ林野庁にお伺いしたいのですが、三号線から見てみますと、どういう林道か知りませんが、林道を中心としまして非常ながけくずれが起きている。そこで林野庁は、従来から特別会計で独立採算制をとっておられますから、なかなか道路をつくってもあとの手当てができないとかいろんな問題があろうかと思いますが、それが災害の直接原因になったかどうかは別としまして、ああいう森林のところにある道路からたくさんがけくずれの赤はだが出ているというのは非常にみっともないことでございます。この点について今後私はそういったがけくずれが起こらないような処置を林道にも十分やっていただきたいと思うんですが、それに対してお答えを願いたいと思います。
#13
○説明員(松形祐堯君) お答え申し上げます。
 福岡県を中心といたしました林道の被害が約百八十カ所一億七千万円程度出ておりまして、特に国道三号線から見える分野が多いんじゃないかというふうに思っております。私ども一般的な交通林道といたしまして、これが開設なり、あるいはのり面緑化とか、あるいは最初から道路計画いたします場合に通過地点とか、そういう点については十分前々から指導はしておるわけでございますが、つまり単価とかいうような面等がございまして、過去につくった林道につきましてややそういう配慮が足りなかったというような分野がございます。したがって、本年度からはそういうものに対しての特別な予算等も十分配賦いたしまして、のり面緑化等を中心といたしまして必要な処置をとるということに予算措置をいたした次第でございまして、なお今後そういうようなことがないように十分私ども指導してまいりたいと思っているわけでございます。
#14
○古賀雷四郎君 まあ何でもできるようなお話ですが、私は実際やってもらわないと非常に困るわけでして、従来からありました林道等はそういう関係でなかなか完全に処理ができない、そういった従来の林道も含めましてひとつ全国的に御調査の上ぜひ処置していただきたい、それを強く要請しておきます。おそらくあの道路もそう古くない林道だと私は考えておりますが、私の見当違いかもしれませんが……。
 そこで、林野庁のほうは終わりまして、建設省のほうにお伺いしたいのですが、今回の災害は上流から下流に至るまで相当な災害でございます。特に渓流部の災害というのは非常にひどくて幾多の死者も出ております。まことに残念でございますが、それらに対しまして今後建設省がどういうぐあいな手を打たれるのか、また災害査定はいつやられるのかということをお伺いしたいと思います。
#15
○政府委員(松村賢吉君) 今回七月三十日夜半から七月三十一日未明にかけての前線の通過による異常降雨で、これにつきましては、ただいま総務副長官のほうから御説明がありましたが、公共土木施設の被害につきましても千六百四十四カ所、約七十二億円ほどございました。それで、これにつきましては、建設省といたしましては、三十一日に災害査定官と河川局の砂防課の担当官を派遣いたしまして被害の調査に当たらせるとともに、応急対策、今後の復旧の指導にも当たらせたわけでございます。それで、被災個所のうち特に緊急復旧を要する個所についてはすでに応急復旧工事を完了済みでございまして、また直轄災害個所についてはすでにもう現地調査を完了しております。また補助災害につきましては現地の準備が完了する九月十日から緊急査定を実施する予定でございます。
 それで、これの災害に対する建設省の対策の方針でございますけれども、まず渓流部のいろいろな被害、これにつきましてはさしあたり緊急砂防を実施していきたいと考えております。それからあと中小河川等につきましては、これは災害等関連助成を考慮して復旧していきたい。それから中小河川そのものの改修対策、これにつきましても緊急に手当てすべきところ、これはその中で繰り上げて先にやっていくというふうに考えております。
#16
○古賀雷四郎君 私は今回の災害を見てみますと、渓流部の処置が十分でないという点もたくさんあります。たとえば砂防堰堤ができていないとか、川が非常に渓流で曲がって当然直流するようなところの処置ができないとか、いろんな問題がございます。また、そのすぐ下流にいきますと板付の飛行場を中心としました平野でございまして、山からすぐ雨が集まる。ところが肝心の中河川なり小河川がほとんどできていない。これは板付の飛行場に着くときに上方から見ていただくと、河川はほんとうに原始河川のままである。その中に非常に家屋が建てられ、スプロールが行なわれておるという現況でございます。
 そこで私は、従来から建設省が中河川あるいは小河川対策につきまして努力していただいておるのは十分わかりますが、しかし残念ながら、ほんとうのそういった水害が大都市のすぐ近くで起こり得るというのは、ちょっと私も非常にいままでの治水対策のやり方に反省をしなければいかぬのではないかという気がするわけです。また、おそらくまあ河川局あたりも予算が足らずに困っているのではないかと思うのですが、総務副長官に、将来のこういった災害、渓流も含めましての小河川対策、こういった問題につきましてひとつぜひ新しい観点から問題を処理していただくように、特に災害対策の本尊であります総理府でぜひひとつこれらの問題を積極的に取り上げていただきたい。おくれているのは、全国各地を見ましてもそういった渓流等中小河川、都市河川でございます。この点につきましてひとつ明快な御答弁をいただきたいと存じます。
#17
○政府委員(小宮山重四郎君) 先生のおっしゃいますように、中小河川の改修砂防ということは国民の生命財産を守る非常に重要なことでございますので、中央防災会議といたしましては、ぜひこの改修工事等々については防災会議として関係各省に要望いたします。
#18
○古賀雷四郎君 総務副長官のおことばをかたく信じて、努力していただくことを懇願したいと思います。
 そこで私は、ちょっとどなたか道路局から来ておられますか。来ておられないようですから、それなら河川局長にひとつお答え願いたいと思います。実は今度の災害で国道三号線がにっちもさっちもいかなくなった。この三号線というのは九州の唯一の大動脈です。大動脈が通れぬようになった。そして、あるところではやはり浸水の深さがこのくらいある。車も通れない。私もちょうどそのとき板付に行っておったのですが、福岡まで出るのに、福岡市街地まで出るのに約二十分ぐらいで行けるのですが、そのときは一時間半かかって遠回りしていったというようなことです。みんな道を抜けるのにたいへんでございまして、これはほんとうに国道の動脈をとめるようなことになりまして、その原因がどこにあるのか、この原因をどういうぐあいに対処しようとするのか、建設省からひとつ御答弁をいただきたい。
#19
○政府委員(松村賢吉君) 国道三号線の冠水、これに対します対策でございますが、これは三号線のルート等につきましてもバイパス等を新たにつくる予定があることでございますが、さしあたりの問題といたしまして、やはりこの原因となっておりますのは御笠川の改修がおくれているということが一つの大きな原因かと思います。それで、御笠川の改修につきましては、四十六年から中小河川として着工しているわけでございますけれども、まだ十分な段階まで至っておらない。それで、特に問題になりましたただいまの板付地区、それからさらに上流の二日市地区、こういうところに冠水しているわけでございますけれども、こういう地区につきましては、特に河積が小さくて井ぜき等の工作物が多いためはんらんしているところがあるわけでございます。こういうところの井ぜき等の工作物、これにつきましては緊急にこういう部分を先に施工いたしまして、取り除く方法等によりまして改修を先にやっていこう、そういうことによりまして暫定的に被害を少なくしていこう、根本的には御笠川全体の改修をやるということでございますが、とりあえずそういうところの改修を先にやっていくということでやっていきたいと思っております。
#20
○古賀雷四郎君 私は、その答えではちょっと満足できないのですよ。実は、あの国道のあの地点のところはしょっちゅう水がたまるところです。これは、道路局はよく知っておられる。だから、そういったたまるところを何で処置できないのか、いままで処置をほうっておいたのはどういうことなのか、その辺の原因をお伺いしたいのですが、これはやめておきます。できるだけ早期にひとつ三号線をとめるようなことがないようにぜひしていただきたい。この前の水害のときもあの地点はやはりこのくらいの水がきて車がとまった。それは短時間で済みましたが、そういった事象が続いているところでございます。そういった点でひとつ河川局長から道路局長に十分お伝えを願って、これが処置の万全を期していただきたいとお願いしておきます。
 そこで私はもう一つ自治省にお伺いしたいんですが、宇美町とかいろいろなところでがけくずれの地点がございます。これで死亡者が出ております。まあ、がけくずれが起こるのはもうやむを得ないといたしまして、そういう危険地に住んでいる人がたくさんおられる。そこで、議員の諸先生の御意向で集団移転の問題がようやく法律化したという段階です。そこで私は自治省にお伺いしたいんですが、私は各町村に、各町長さん方にこういう法律があるのを知っていますかということをいろいろ聞くわけですね。そうすると、いや知らないと。初めて聞きました、そんないい法律がありますかというようなことを言われる。そこで、自治省は担当省として今日までその周知徹底についてどういうぐあいにやってこられたか、それを御説明願いたいと私は思います。
#21
○説明員(市橋光雄君) お答え申し上げます。
 昨年の末に防災集団移転特別措置法が議員立法において成立いたしました。昨年の年末に自治事務次官の名前をもちまして、その法律の趣旨とか制度につきまして各県に御通知を申し上げた次第でございます。これは市町村の事業でございますので、直接的には市町村の理事者の方々の御認識が必要でございます。その点につきましては県を通じまして市町村に周知徹底をしていただくというようなことで御通知を申し上げておる次第でございます。その後、要綱あるいは計画の策定要領等につきましてもそのつど県を通じまして御連絡を申し上げておる次第でございます。そういったような形で周知をはかっておる次第でございまして、そのほかには、法律に関します解説書等をつくりましたので、そういったようなものも県にお送りをいたしましているわけでございます。ただ、この法律が、わりと、何と申しましょうか、実態的に複雑なために、具体的な適用要件等につきましていろいろ判断に迷っておられる部分があるわけでございますので、これにつきましては、そのつどまた県に御相談を申し上げまして、適用になるだろうか、あるいはちょっと無理だろうかというようなことの協議と申しましょうか、御相談を申し上げておるというようなことで周知をしている次第でございます。
#22
○古賀雷四郎君 建設省でも災害危険地を相当調査いたしたわけですね。そうすると、一万七千カ所ぐらいあるといわれているわけです。この危険地のところに住んでおられる方はやはりほんとうに貧乏な方が多くて、全くあぶないところに住んでおられる。だから、そういった方を安全な個所に移して安心した生活ができるようにしてあげるのは当然のことですよね。私は、その集団移転の法律ができて全国の町村長が知らないと、そういったことばを聞いてがっくりしちゃったですね。だから、議員立法だから、どちらかというと政府当局としては押しつける一方だというような感覚で知らぬ顔をしているんじゃないかというような疑いさえ――これは誤解ですよ。ぼくの誤解だろうと思うんだけれど、そういう気さえせざるを得なかった。だから、この点については、私は、こういう立法の、特に議員立法につきましてはほんとうに周知徹底してもらうように、議員の諸先生が現地の御要請に応じてそういう問題をひっさげて議員立法したわけですから、これは現地の要請に適合するわけですね。そういった立法を県に通知したなりで、全然それでオーライ、そういうことじゃ私は自治省の責任は免れないと思うんです。だから、その点については、今後、細部にわたるまで周知徹底していただくように要望しまして、私の質問を終わらしていただきます。よろしく。いまの答弁をちょっとしてください。
#23
○説明員(市橋光雄君) ただいま先生から、市町村の町村長さんの法律に対します認識が、非常に知らないということを伺いましてたいへん私ども責任を感じている次第でございます。ただいま御指摘のありましたように十分指導の徹底をはかりまして、あるいは制度の趣旨の徹底をはかりまして、その該当するもの等につきまして十分に、できる限り、その採択と申しますか、この法律の対象にいたしたい。また、現在までもそういうふうなことでやっておりますので、ひとつ、今後とも……。
#24
○宮崎正義君 私は、なるたけダブらないで質問をしていきたいと思います。
 まず第一点は、太宰府町の宅地造成によって相当な被害が出た、その現状をつまびらかにひとつ御説明を願いたいと思います。どなたかな。建設省ですよ。――それでは、答弁のできる人を、ほかの質問をやっている間にお呼び願いたいと思います。
#25
○政府委員(松村賢吉君) すぐ呼びます。
#26
○宮崎正義君 その次にいきます。
 台風十号――きょうの議題には取り上げられていないように思いますが、実は九州西方を抜けた台風十号は日本海の北部を大曲がりしながら、これがものすごい低気圧に変身して北海道を襲って縦断をしてしまった。この台風十号くずれといいますか、これはもう対策がくずれちゃ困るんですが、俗にいう台風十号がくずれて北海道を集中的にやったという、その被害状態について御説明をひとつ願いたいと思います。
#27
○政府委員(小宮山重四郎君) 八月十七日から十八日に至りました台風十号について被害総額は約四十三億でございます。うち公共土木施設が二十八億六千七百万円ほどの被害を与えております。幸いにいまのところ、リポートがございませんけれども、死者が一人もいらっしゃらなかった。行くえ不明者もいらっしゃらなかったし、負傷者もいらっしゃらない。ただ、床上浸水が六百四十六むね、床下浸水が二千八百七十二むねということでございます。
#28
○宮崎正義君 ただそれだけのことでしたらたいしたことはない、集中豪雨、台風が通り抜けて去っていっただけだというふうな軽い印象しか受けとめていないような感じなような答弁だと、私はいまそういうふうにとったんですが、そんなものじゃないんです、実際問題は。一つずつ指摘していきたいと思いますが、急傾斜地の区域指定というものが全体で北海道に対してどれだけできておるか、これは建設省の関係になっておるかな、これをひとつまず答弁してもらいたいと思います。
#29
○政府委員(松村賢吉君) 急傾斜地の指定がいま北海道で何%できているということにつきまして、いまちょっと資料を手元に持っておりませんので、いま照会しておりますから後ほどひとつお答え申し上げます。
#30
○宮崎正義君 開発庁長官も願ったんだけれども、秋吉総務監理官見えていますかね。――まだ見えていませんね。
 じゃあ私のほうから、時間の関係等がございますので私の知っている範囲のことを申し上げながら対策をどうするのかということをお伺いします。
 大体総点検を道でやりまして、千十五カ所やったわけです。国の現在の区域指定になっているところが八十五カ所あるわけです。国が認めて予算措置をしたのが八十五のうちのわずか二十八カ所しかやってない。金額にすると約二億円です。これがまだできてないところが五十七カ所あるわけです、予算措置がされてないところ。今回この十号で、国が予算を立てて予算措置をしてやっている工事中のところが二カ所破れておる。これはもう御答弁願って、その場所まで全部はっきりしていただいたほうがいいと思うんですがね。私が知っていますからみな参考に申し上げます。そこは小樽の東雲町、それから浦河のしょべ町ですか、手戻りということばが俗にいわれておりますが、これが今回、工事中の二カ所がやられているわけです。申し上げたいのはこの地域じゃないのです。室蘭管内で現在区域指定となっているところが九カ所ある。そのうちの七カ所が土砂くずれになったわけです。室蘭管内だけでも九カ所あって、そのうちの七カ所がもう今度の被害を受けているわけです。幸い、いま総務副長官がおっしゃったように人災はなかった。なかったからいいのじゃないのです。当然八十五カ所認めている。そのうちの二十八カ所しか国が予算を措置していない。予算を出していない。五十七カ所はまだ予算も何も、考えも何もなされていない、そういう予算措置の問題については。そういう中の室蘭管内で九カ所のうちの七カ所、これはもう全部と言っていいくらいです。それがくずれているわけです。幸いにして人的災害がなかった。これがあったらどうなるか。だから災害というのは忘れたときにくるといわれておりますが、そんなようなことでこれはえらい事故になるところだった。ですから当然、区域指定というところに指定されている個所というものは、もうこれは優先的に予算措置をしていかなければならないということは前々私は申し上げているわけです。そういうことから考え合わしてみまして、今年度のことについてどんなふうに予算措置をされていこうとするのか、一カ所大体どれくらいの予算を組んで対策を講じようとしているのか、そういうこともひとつ建設省のほうから御答弁願いたい。
#31
○政府委員(松村賢吉君) お答え申し上げますと、ただいま先生から御指摘ありましたように、指定個所八十五カ所でございまして、そのうち現在まで着手しているものは実は四十一カ所着手しております。それで四十八年度実施中のものが二十八カ所ということでございまして、そのうち十五カ所が完了しております。今後建設省といたしましては、がけくずれの危険が予想される危険個所に対し、その緊急度を勘案いたしまして計画的に事業を実施していくことにしております。特に四十七年度に対しまして四十八年度は、まあ全国的に予算額といたしましても約倍額、実は見ておるわけです。四十九年度につきましても、今年度にさらに倍増を計画して予算要求することになります。こういうことで、この危険個所につきましての、特に緊急を要する個所から順次早急にこれの対策を立てていきたいというふうに考えておる次第でございます。
#32
○宮崎正義君 まだ足りないですよ、答弁が。一カ所どれくらい予算を組んでいるか。
#33
○政府委員(松村賢吉君) 失礼いたしました。一カ所、平均いたしますと約二千万円。
#34
○宮崎正義君 私の調べたのとだいぶ違いますね。これはおっしゃるように平均ですから、個所によってはだいぶ違います。
 じゃ問題を縮めまして室蘭管内だけを伺ってみましょう。
#35
○政府委員(松村賢吉君) ちょっと室蘭管内につきましての資料ございませんで、北海道全体の全額を申し上げてみたいと思います。北海道につきましては四十七年度が全体で当初予算といたしまして一億八百万円ございます。それで四十八年席が二億二千六百万円でございます。そのほか四十七年には補正予算といたしまして一億六千万円つけておるという状況でございます。四十八年度の予算が二億二千六百万円でございまして、二十八カ所でございます。ですから、北海道のを平均いたしますと約一千万円弱になりますね、北海道につきましては。全国的の平均で申し上げますと約二千万円ぐらいになるわけでございます。
#36
○宮崎正義君 よくお調べになって答弁してくださいよ。私は知っているのですよ。ですから、あげ足とって申しわけありませんけれどもね、大体八百万円程度ですよ。それで、単年度でこれは大体工事を進めたいわけですよね。ところが、単年度にならないんですよ、これ。なぜならないんでしょうか。
#37
○政府委員(松村賢吉君) どうも失礼いたしました。確かに先生の御指摘のように単年度で全部完成しておりません。したがいまして、一カ所が二千万円ということですが、単年度といいますか……。
#38
○宮崎正義君 二千万円は全国平均でしょう、北海道のことを言っている。
#39
○政府委員(松村賢吉君) 全国平均でございます。北海道につきましての計算をちょっといまここにしておりませんが、いま単年度施工個所二十八カ所で割りますと約八百万円ということになります。したがいまして、単年度でこれが全部でき上がるということにはなっておりません。
#40
○宮崎正義君 ですから、忘れたころに災害がくるといって工事中にやられている。先ほど御答弁がありました、四十一カ所着手して十五カ所だけしか完成していない、こうですね、御答弁ございましたね。それ、引いてみますと二十六カ所です。これらの点がどんなふうに進捗しているかということも、これは御存じないだろうと思うんですがね。北海道開発庁長官おいでにならない。秋吉総務監理官ですか――秋吉さん、おいででございますか。
#41
○説明員(羽鳥光夫君) ちょっと都合がありまして、総務課長でございますが……。
#42
○宮崎正義君 今回の十号台風の被害総額と、北海道開発の将来のためにどんなふうな受けとめ方をしておりますかね。
#43
○説明員(羽鳥光夫君) 今回の被害といたしましては、直轄、補助等含めまして、私たちが承知しておるところでは約四十億円でございます。北海道というところは非常にいろいろな意味でこれから新しい開発を進めるところでございますが、同時に、こういう災害につきましても、私どもといたしましては関係の省とよく連絡をとりまして、すみやかな拡充をはかってまいりたいと、こう考えております。
#44
○委員長(秋山長造君) 速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#45
○委員長(秋山長造君) 速記をつけて。
#46
○宮崎正義君 いまあなた約四十億とおっしゃいましたけれども、総務副長官は四十五億と言う、五億違うんですがね。五億というのは、これは数字でいえば簡単ですけれどもね。
#47
○説明員(羽鳥光夫君) ただいまのは公共土木関係でございまして、それ以外に一般被害を現在調査中でございますが、これが約五億ございます。したがいまして、災害全般といたしましては四十五億ということに説明を訂正させていただきます。
#48
○宮崎正義君 私、意地悪でそんなことを言っているんじゃないんです。少なくとも今後、北海道を開発していく上について、一つ一つの事件、事実、災害、そういったものを総括的な考え方の上に立ってどう対処していかなければならないかということが一番大事になってくると思うんです。それじゃ開発庁としては、どこでそんなふうな被害を受けて、どんなふうな状態になっているかということを掌握しておられますか。
#49
○説明員(羽鳥光夫君) 具体的な個所別の掌握はいたしておりませんが、局、道を通じまして個所数並びにその被害額というものは一応掌握しております。
#50
○宮崎正義君 質問できない、それでは。
 先ほど河川局長から御答弁がございましたね。北海道の今回の公共土木施設関係の二十八億四千六百八十四万七千円、こんなふうにおっしゃいましたですね。副長官だったですか、御答弁あったはずですよ、一番最初に。
#51
○政府委員(小宮山重四郎君) はい。公共土木のやつは二十八億六千七百万でございます。
#52
○宮崎正義君 ありましたね。
#53
○政府委員(小宮山重四郎君) はい。
#54
○宮崎正義君 これは建設省関係はどうなんですか、国のほうの関係は。
#55
○政府委員(小宮山重四郎君) 先ほど申し上げました総額は四十三億八百万ということで、けさの集計ですと三十四億でございます。防災会議のほうで関係各省にいろいろけさから連絡いたしまして、集計いたしまして、先ほど出ましたのが二十八億六千七百万、公共土木でございます。農地が二億一千万円、農作物等については調査中でございますけれども、そういう数字でいま押えております。
#56
○宮崎正義君 いま私お伺いしたのですが、建設省の関係、これは道じゃないんですか。道自体が調査した分じゃないんでしょうか。国のやつは別になっていると私は思うんですがね。
#57
○政府委員(小宮山重四郎君) 建設省のほうは二十八億四千六百万ほどでございます。一部、ほかのものが入っておりますので、二十八億六千七百万ということでございます。
#58
○宮崎正義君 わかりました。
 そうしますと、先ほどの急傾斜地法を適用されている区域指定の問題にまた戻ってまいります。この室蘭管内の七カ所のことについては、ここばかりじゃございませんでしょう、今度やられたところは。どんなふうな処置をされようとしているか、河川局長から責任ある御答弁をひとつお願いいたしたいと思います。いつ、どういうふうにしていくか。
#59
○政府委員(松村賢吉君) 被害のあった個所につきまして現在調査しているわけでございますが、人工がけのところ、それから自然がけのところ、これ等ございまして、これを公共事業の対象になるところ、そうでないところ、いま分類中でございます。現在まだ最終決定しておりません。
#60
○宮崎正義君 これはこれ以上質問をしましてもなかなか明確な答弁は調査中でできないだろうと思います。私が申し上げましたことは室蘭管内ばかりではないのでございますから、要するに八十五カ所の区域指定になっている部分について、一カ所八百万程度の予算を設けて、単年度で当然工事はやっていかなければならないのを、単年度でできないような予算措置をし、今後実行していこうとすれば、今回の十号台風がぐるっと回っていってそして襲っただけで、すでに七カ所も八カ所も指定されている区域がくずれているということを、こういう実態というものをしっかりお考えの上で措置を願いたいと思います。これは建設大臣に私はこの点確約をとりたいぐらいに思っているんですが、残念ながらおいでになりませんので、小宮山総務副長官から建設大臣にもよくひとつきょうのことをお話し合いをしていただきませんと、結局、災害が起きますと総務長官のほうにきてしまうわけですから、ですから、やはりそういう面はひとつ閣議の上でもよくお話し合いの上で予算措置ということを十分にお取り計らいを願いたい、こう思うわけです。その御答弁と、河川局長の責任ある実際の現場をどうやっていくかということを御答弁願いたいと思います。
#61
○政府委員(小宮山重四郎君) いま先生のおっしゃったことについて建設大臣に御報告申し上げておきます。
 地すべり対策は近年、予算的にもたいへん伸びておりますけれども、北海道の場合は私も実情を十分聞いておりませんけれども、地方防災で集めた数字等から判断いたしますと、先ほど申した公共土木のものには地すべりの費用は入っていないと思っておりますけれども、地すべりは民有地等々でございますので、今後いろんな手を使いまして、治山あるいは農林省関係の予算等々を使って、こういうものが極力少なくなるように努力したいと考えております。
#62
○宮崎正義君 御存じのように、地元負担が大体二割で、あとの十分の八の十分の四が国であり、道である。非常に地方自治体というものは手を出したくても出せない実情です。これは私はきょう時間が許されるならば、もっと長くやって、全国の急傾斜地法を適用されている個所、一万幾らという個所があるわけですが、そのことについて詳細にきょうはお伺いするつもりでいたんですけれども、一つの事例だけをあげて、全国に及ぶ考え方を共同審議の上で、総理府も建設省も厚生省も関係所管庁でお考えを願いたいと思うんです。これをしませんと、雨が降れば必ずがけがくずれ、山くずれというものは伴ってくるわけですから、この点ひとつよろしく、御配慮を願いたいと思います。じゃ河川局長から……。
#63
○政府委員(松村賢吉君) ただいま先生のほうからいろいろ御指摘がございました。非常に私ども参考になったわけでございますが、このがけくずれ急傾斜地の対策につきまして、私どものほうでは特に金の面から一カ所の工事を二つに分けているということではございませんけれども、やはり工事の段取りその他から、個所の大きさ等で二年にわたるものが出てくるというわけでございます。これはできるだけ一年間で早急にできるような対策を私ども講じていきたいというふうに考えております。
 なおまた、地元の負担金の話でございますが、現在、一般のところでは約二〇%の負担金がかかるわけでございます。それから特に公共施設、まあ道路その他に関連のあるところ、こういうところは一〇%でございますが、これの軽減につきまして、さらに来年度予算といたしまして私どものほうはこれを軽減したいということでもっていろいろ検討しているところでございます。
 以上でございます。
#64
○宮崎正義君 それでは太宰府の宅地造成の件について。
 今回の災害の原因の大きな一つの問題としては、山頂へ、山頂へ、山頂へという無計画な宅地造成がなされたから大きな被害が出たのだというふうに取りざたされております。また事実そうであろうと思うんです。こういう点について詳細をひとつ説明を願いたいと思います。
#65
○政府委員(大塩洋一郎君) 今回の太宰府中心の災害の発生の原因は、がけくずれあるいは特に大谷川の鉄砲水等について、その代採された樹木等が家屋をこわしたというようなことが被害の中心的な原因になっているように報告を受けております。で、確かにこの太宰府町国分寺付近というところは市街化の可能性が強いところでございますので、ここは市街化区域に編入いたしまして市街化を認めている地域でございます。ここにつきましては、福岡市のベッドタウンといたしまして最近宅造が盛んでございまして、確かに最近そういう建築物が相当ひんぱんに建ってきたところでございます。そういうことで、そういう人家に対しまして、その宅地造成等につきまして、この市街化区域につきましては都市計画法の開発許可という許可制でもって対応しているところでございますが、報告によりますと、この宅地造成の開発許可を受けましたものにつきましては被害はなかった。で、この地区は、既存の、すでに建っておりました家屋について被害が生じているというふうに私どもは聞いている次第でございます。
#66
○宮崎正義君 私は残念ながら現場を見ておりませんので、いま御答弁を聞いていても、御答弁の中もあいまいなんですね。おそらく局長さんもごらんになっていないから、聞いただけの報告ですからあいまいだと思うんです。私もあいまいなんです。あいまい同士の話ですから、これはあいまいな話になってしまうんでまことに残念なんでございますが、これはまた現地等も私も行ってみたいと思っておりますが、いずれにしても、いまお話がありましたけれども、これは宅地造成として開発のほうで許可したものについては被害がなかったように思うという御答弁でしたけれども、この要望書が私の手元に来ているわけです、現地の。この開発された山間傾斜地の各所が破れていったということなんです。各所が破れたというのですね。ですから、そうなりますと、許可したところはだいじょうぶだったんだというのと、ちょっとこうつじつまが合わないように思うわけですがね。私はこの要望書の中身で申し上げているわけですからね。ですから、この点をもう少し計画性というもの、県、市町村、国が十分なる綿密な連絡をとりながら計画をしなければならぬと私は思うのですが、ちょっとこの要望書の内容と違うのですが……。
#67
○政府委員(大塩洋一郎君) 一般的にいいまして、宅地造成を規制する法律といたしましては、宅地造成に関しましては宅地造成等規制法という法律がございます。これはがけくずれとか、あるいは土砂の流出等のおそれがある区域につきまして、地盤軟弱とか、そういう場所につきまして宅地をつくりますと、それが原因となって災害を引き起こすということにかんがみまして、擁壁だとか、あるいは排水施設等をねらい撃ちいたしましてそれを許可にかけようと、こういう趣旨のものでございます。この宅地造成等規制法と、それから旧住宅地造成事業法という法律がございますが、この旧住宅地造成事業法というのは、都市計画区域内におきまして、宅地開発がひんぱんに行なわれるというようなときに、付近に迷惑をかけないように、道路あるいは排水等の施設が十分であるからということを見る、そういうことを基準とした規制でございます。それを大体受け継ぎました都市計画法の開発許可の制度も、旧住宅地造成事業法と同じように、まあ都市計画法の中の特に市街化区域につきましては開発を許可されるわけでございますが、その道路あるいは擁壁、溢水等のおそれがないように、いずれも宅地造成をしますその造成工事あるいは造成行為について、付近に迷惑がかからないように、あるいは危険を生じたりしないようにという宅地造成行為自体についての規制法なのでございまして、そういう意味で申し上げますと、この太宰府地区につきましては、宅地造成等規制法の指定がなされていないのでございます。で、福岡県におきましては、四十二年に福岡市の地域につきまして行ないました。また北九州地域につきまして四十一年ごろ指定いたしておりますが、この地域はまだ宅地造成等規制法の指定をしていない地域でございます。
 で、私が先ほど申しましたのは、旧住宅地造成事業法、この法律及びそれを引き継ぎました都市計画法の開発許可制度、これによって、いま申しました道路とか排水とかいうような面に着目した規制を行なってきたということでございまして、宅地造成等規制法の規制ではなくて、この後者の開発許可によって建てられたものが相当ございます。それらにつきましては、報告によりますと、これらの中では被害は受けていなかったということを申し上げたのでございます。したがいまして、この宅地造成の工事によって災害が起きることを防止しようとするこれらの法律としては、まだ限界がございます。だから、その周辺の山とか、がけくずれというようなところの根本のほうを押えるということのほうが、この場合におきましては必要であったろうと思いますが、いずれにしましても、しかし、それらの水が流れてきましたときに、こういう急傾斜地でありますれば、がけくずれその他を引き起こすおそれがあるかもしれませんので、この宅地造成等規制法の適用につきまして、いま福岡県のほうにおきましては、当該太宰府の地域についてもこの宅地造成等規制法の対象区域にすべきではないかということで、いま検討を進めているように報告を受けております。これはいずれも知事が指定することになっておりますので、市町村と相談するということが必要になっております。現在、市町村のほうからそういう陳情があがっているのがそういう意見書となっているのではないかというふうに考えまして、そういう点に焦点を当てて御答弁さしていただきました。
#68
○宮崎正義君 非常に土質が悪いそうですね。非常によくないそうです。ですから、いまお話がありました中にも土質の問題がございました。それから擁壁の問題も、これはたいへん問題があるのです。連結ブロックでやっているところがすぐくずれてしまう、これはもう災害になれば、雨が降れば。施工法にもなってきますけれども、施工法の中に入ってきますけれども、連結ブロックというものをやっているところが非常にくずれているのが多い。これはくふうのほうにもなりますけれども、裏込めが非常になされていない、そういう関係がある。それから御存じのように、ブロックになっていますから水の排水が思うようにいかないというところで、またしかも厚み等、御存じのように非常にちゃちなものです。それであの傾斜地に壁をつくろうというのですから、これまた非常に専門的な技術からいえば無理な問題があるわけです。これはもう計画局長ですから、全体の計画をおやりになると同時に、河川局長のほうも、河川の造成をやっていくときも連結ブロックをずいぶん使っていますね。それで必ずあの集中豪雨で、また北海道なんか融雪期になりますと、水の量がすごいものです。私は北海道の各所を幾つも知っておりますが、もう普通では河川といわれるぐらいなかんがい用水をつくっているところがほとんど連結ブロック、これがみんなくずれてしまう。そういう問題だとか、それから道路課長おいでになりませんけれども、道路をつくっていきますその壁も、山のほうは連結ブロックを使ってみたり、コンクリートを流してみたり、いろいろなくふうをやっておりますけれども、これなんかも非常に将来技術的な問題としてお考え願わなければならないのじゃないかと思うのです。実は室蘭の場合も宅地造成で今回やられているのです。まあ人が死ななかったから、どの新聞もどの新聞もでかでかと取り上げなかったのですけれども、室蘭の場合もこれは全くあぶなかったのです。これも宅地造成。しかも、業者のことを言っては何でございますけれども、この排土の処理ができない。また、工事をやっているまつ最中にやられた。小さい業者がやる場合には、何というのですかね、予算の関係等もあるのかもわかりませんけれども、いずれにしましても、宅地造成をやったところからくずれているということが非常に多いわけです。土質の関係もありますでしょうし、くふうの関係もありますでしょうけれども室蘭の増市、それから登別も一カ所今回ございました。これはみな宅地造成です。
 ですから、いま大塩計画局長がおっしゃるような法的な根拠の上に立っての施工ならば、また、工事上の技術、くふうといいますかね、そういうものが完全であるならば、そういうことはないわけです。それが目が届いていない。また、建築許可する場合でも、さらにいろいろな問題が起きます。もう道路の幅員は行きどまりは何メーターなくちゃならないとはっきりわかっているわけですが、それができていない。また、山頂へ山頂へと住宅が建つ場合に、じゃ、道路がどのように完成されているかというと、なかなか規定された道路法による道路という構造令によるものがはたしてできているかできていないかという問題が一ぱいあるわけです、これは事実の面を私一ぱいつかんでおりますけれども。いずれにしましても、こういうふうに考えていきますと、いまマイカーでどこまでも、山の上でもどこへでも道がありさえすれば行けるから、どんな山頂でも家を建てるというふうな考え方を持つようになるから、よけい私は危険だと思うのです。ですから、こういう問題も、山くずれ、がけくずれというものは、道を開けば必ず起きてくるんだということも一応考えていかなければならないのじゃないかと思うのです。こういう点で、山頂に対する宅地造成の計画、これは十分に考慮していかなければならないと思うのです。この要望書にも「今後当面する生活環境の整理と、本格的な復旧を行なうにあたり、県、市町村ともに膨大な経費を要することから、政府におかれましては、この災害の特性を十分ご認識のうえ、別紙要望事項についてご検討のうえ格別のご援助をたまわりますよう要望いたします。」と、こうなっておりますが、最初によい原因をつくって間違いのない施工をしておるならば、こういうことの経費も軽減ができると思うのです。災害が起きますと、その経費というものは、つくるよりもよけいに金がかかっていくということを再認識をしていただきたいと思うのですがね、この点いかがですか。
#69
○政府委員(大塩洋一郎君) 大体、室蘭の件につきましてはつまびらかにしておりませんけれども、一般的に申しまして、山の上へ住宅がだんだん上がっていく、宅地開発が上がっていくという風潮、大都市周辺には多く見られることでございます。そこで、そういう場合におきましては、特に市街化区域、調整区域の線引きの際に、そういう開発することが災害のおそれが非常に多いところというのは調整区域の中に入れることを原則としておりますが、市街化区域の中におきましても、やはり中腹ぐらいまでは市街化区域に入っているというようなときに、いまのような問題が起きるだろうと思います。だから、そういう場合におきましては、傾斜度が非常に強くかつ地盤軟弱というようなところにつきましては宅地造成等規制法という法律がございます。これは専門の特殊な技術工法の大臣の認定を得た資格者でないとつくれないとか、その他工法上のいろいろな厳格な審査が行なわれるはずになっております。できるだけそういうところにつきましては宅造等規制法の適用をすべきであり、もし残っているとしたならば、それを早急に指定するように指導してまいりたいと思います。で、そのほか一般的にいいまして、大きな宅造になりますと、都市計画法の開発許可におきまして、災害が発生しないように留意することということで、特に傾斜地になりますと道路のつけ方がきわめてむずかしくなります。道路、排水施設等につきましては、相当の配慮を払って条件をつけているはずでございますが、それらの今後の監督につきましても、基準その他を一そう、そういう傾斜地等につきましては強化していくべきだと考えております。そのようにいたしたいと思います。
#70
○宮崎正義君 指導してもらいたいという、ことばじりをとらえるわけじゃありませんけれども、そういうのが御答弁の中にありましたけれども、行政指導のほうはそちらのほうのことでありまして、私のほうは国民の側に立って、そういうことをしてもらっちゃ困るんです。災害が起きるようなことを許可してはならぬという立場なんです。そういうことで質問をしているわけですから、ひとつ、法はこうなっております、ああなっておりますじゃなくて、事前に災害の起きないようにしていくのが私たちの役目でもあるのだというふうに考えなければならぬと思いますので申し上げているわけですから、どうかこの点もひとつ十分に将来とも御考究願いたいと思うわけです。
 私の受け持ちの時間が来ておりますので、きょうは質問をこの程度にとどめますけれども、きょうは小宮山総務副長官がおいででございますので、私がずっと質問をしてまいりました急傾斜地法の予算の問題あるいは今後の災害防止に対する打っていかなければならない諸般のいろいろな宅地造成の問題等もありますので、これらを含めての御答弁をしていただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#71
○政府委員(小宮山重四郎君) 先生のおっしゃったこと、たいへん私もごもっともでございますし、今後防災体制の中で急傾斜の問題をどう取り扱っていくか、先ほど申しましたように、予算等は相当取れておりますけれども、今後その工事のあり方あるいは危険地をどう取り扱うかというような問題をやはり再検討する必要がございますし、いま北九州の宅地造成の問題は日本全国各地にある問題でございます。この辺についてもやはり見直しをしていく必要があろうかと思います。
 それから最後に、先生のおっしゃっておりました防災というのは、起きてからではたいへんな経費がかかるわけでございます。私も昨年の七月豪雨等々を見ておりまして、ほぼ二十年前あるいは十五年前ぐらいの日本の財政規模ならばそういうことでよかったのでありましょうが、やはりこのように豊かな日本になった以上、その被害額と比較をしてみれば、どっちが経済能率がいいかというような問題も考える必要があろうかと思いますので、今後ともその方面についても鋭意努力さしていただきたいと考えております。
#72
○委員長(秋山長造君) 本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#73
○委員長(秋山長造君) 次に、異常渇水による災害対策に関する件を議題といたします。
 本件に対し質疑のおありの方は順次御発言願います。
#74
○前川旦君 全国的な異常渇水でありますが、私は特に、いま飲み水にもたいへん困っております、人間の生存をも脅かそうとしております問題の高松市に住んでおりますので、高松の渇水を中心にしましてお伺いしたいと思います。
 初めに、今度の高松市の異常な水不足に対しまして、通産省あるいは建設省、自治、大蔵、水資源公団等のたいへん対応した御努力に対して、市民の一人として御礼を申し上げたいと思います。また、徳島県、高知県等隣接県その他の多くの地方自治体からいろいろ救援の手を差し伸べていただいておりますことも、この席をかりて、市民、県民の一人としてお礼を申し上げたいと思います。
 そこで高松市の現状につきましては、もう新聞あるいは週刊誌等でつまびらかにされておりますので私は省略をいたします。現在の状況を私のほうから申し上げたいと思いますが、数日前に若干雷雨がありました。その前に若干降雨がありまして一時好転をいたしましたけれども、あしたまで、八月二十五日まで何とか日量五万七千トンの配水は確保できる、八月二十六日から三十一日までは七千トンカットしまして五万トン、九月一日から三日までは四万三千トン、九月三日以降は三万八千トンの配水がやっとであるというたいへんこれは危機状態であります。御承知のように、九月の三日以後は三万八千トンといいますと、また一日に五百台ぐらいのトラックを出しまして、完全断水地域がだいぶできますから、配水をしなければならなくなるわけであります。高松の市民もたいへんこれは疲れ切っております。こういう姿にまた戻るということになりますと、これは人道上の問題でもあり、治安上の問題にもなるわけであります。したがいまして、何をおいてもまず原水の確保が至上命令であるという非常に断崖絶壁に立ったような状態であります。そういうことでありまして、高松、これは松江も共通することでありますが、水道の水が出ない、飲み水が不足するという、こういう事態に対して、今後、水道の責任者である厚生省はどういう見通しとどういう対策をおとりになるのか、最初にまずその点をお伺いしたいと思います。
#75
○説明員(国川建二君) お答えいたします。
 ただいまも御指摘にございましたように、水道用水の需要は、最近におきます生活水準の上昇あるいは人口の都市への集中等に伴いまして、都市周辺地域におきましては非常に増加しておるのでございます。まあ申し上げるまでもなく、水道用水は都市の生活、もちろん農村生活についても同じでございますけれども、不可欠なものでございますので、あくまでその需要に見合った水源あるいは水量は、水質とあわせまして……。
#76
○前川旦君 ちょっと、いまこの問題をどうするかということなんです。どういうふうにするおつもりですかということを聞きましたのですから、将来長年に対する一般論を伺っているのでないので、簡潔に言ってください、時間がないから。
#77
○説明員(国川建二君) 特に香川県に対しましては、香川県営水道を、これは水道用水供給事業といたしまして現在工事中でございまして、特に吉野川の水資源開発計画とあわせまして将来の水は、特に香川県下につきましては、香川県営水道をもちまして各関係市町村の需要をまかなう計画で工事を進めておるところでございます。
#78
○前川旦君 いや、厚生省、これほど水に困って飲み水に困っているわけです。しかし私はうしろ向きのことを言いたくありませんけれども、水道に対する厚生省の態度が一体どういうものか、たとえばほかの通産省なりほかの官庁、水資源開発公団が必死になっていろいろ考えて頭をひねっているのです。肝心の厚生省の声がちっとも聞こえない。ですから、いまの高松の水が不足している、どうするかというのに対して、厚生省はこれからどういう態度をおとりになるのか、どういう方針を持っておいでになるのか、そのことをお聞かせ願いたいと言っているのです。
#79
○説明員(国川建二君) 申し上げます。
 こういう干ばつの際の対策といたしましては、もちろん応急の対策と恒久対策がございますけれども、応急対策といたしましては、現在の施設をフルに生かすだけではなくて、現在それぞれの地方公共団体、県等におきまして渇水の体制をとるための調整を行ないまして、たとえば他の用水等と渇水緊急調整のための水の確保を関係者の間におきまして調整をとる、あるいは緊急に地下水等応急水源を確保する、あるいは隣接の水道管同士の、可能な場合でございますけれども、水の弾力的な応援体制をとるということを厚生省といたしまして、県を通じましてそれぞれの技術的な問題その他をもちまして対策を進めておるのでございますけれども、恒久的に並行いたしまして、特に水道の問題で一番大事なものは水資源、水源の確保でございますので、予算的にあるいは財政的にも水源の確保をまず第一に重点にあげます。それから同時に、現在の水道の規模が比較的小さいというようなことからもろもろの問題が出ておりますので、水道はできる限り広域的に運営すべく、現在の事業形態等も将来広域化の方向へ進めるということで続けておるわけでございますが、このような問題も今後もちろんないとは申せませんので、ただいままでのとっている措置につきましてさらに進めるつもりでございます。
#80
○前川旦君 それでは厚生省に約束していただきたいと思いますが、厚生省としてはいまの緊急渇水――この水の原水もない、やっと四、五日は三時間は出ているのですよ、その前は二十四時間断水のところもたくさんあった。その前の段階にすぐまた逆戻りするのですよ。こういう緊急事態で厚生省としてはいまの原水を確保するためにいろいろ積極的に乗り出してきて、何というか本気になって取り組む姿勢があるのかないのか、そういうふうになってもらいたいのですが、どうなんですか、これから。そのことを約束してもらいたい。
#81
○説明員(国川建二君) もちろんこれは現在の段階といいましても、かなり場所によりまして深刻な問題になっております。私どもは時々刻々と関係の水道事業体それから府県と連絡をとっておりまして、必要な場合は国として関係省等につきましても、いつでもそういうことをするということでやっておりますし、ただいまの段階では市町村あるいは県の段階でいろいろな対策が極力講じられておるのでございますが、私どももそれをバックアップするといいますと語弊があるかもしれませんけれども、これは水道問題でございますので、厚生省といたしましてこれについては全力をあげるつもりでもちろんおります。
#82
○前川旦君 それでは原水の問題で、気象庁に来ていただいておりますが、これから先一カ月の見通しをどういうふうに立っていらっしゃいますか、気象庁から報告をいただきたいと思います。
#83
○説明員(毛利圭太郎君) 申し上げます。
 ただいま北太平洋の高気圧が日本をおおっておりますけれども、やや南下いたしましてこれから多少降雨の傾向も出てまいりますが、九月は全般的に申しますと、上旬は残暑がやはりきびしく、下旬には秋雨前線で天気がぐずつく日もございますが、一般には晴れの日が多くて雨量が少な目と予想しております。高松地方につきましては、九月の雨量はやや少な目で、現在の予測でございますと、平年は百七十六ミリでございますが、その四〇ないし七〇%の七十ないし百二十ミリと予想しております。問題はこの少雨傾向を解消いたしますまとまった雨量が必要なのでございますが、この点につきましては現在のところ台風の活動にたよるほかはございません。ただいまの予報でございますと、九月は一ないし二個、日本に台風が接近または上陸することを予想しておりまして、そのコースいかんによりましては高松地方に大雨の降る可能性がございます。ただ、その公算でございますが、台風が一番日本に近づきます公算は下旬が一番大きく、次いで上旬も幾らかの公算があるという予想でございます。
#84
○前川旦君 そうしますと、例年の確率といいますか、例からいって九月は少ない、しかも、その中でもまだ少なくなりそうだという予想ですね。それから台風はコースがはずれればから振りになりますね。そうすると、九月一ぱい水が解決できるという確かな見込み、これはだれにも立ちませんけれどもね、実際。立てろというのがこれはむちゃですけれども、その可能性のほうが強いというふうに考えてよろしゅうございますね、可能性の問題ですが。
#85
○説明員(毛利圭太郎君) ただいま先生がおっしゃいましたように、可能性につきまして、われわれといたしましては全般的な程度ではやや可能性は少ないんでございますが、台風にたよるという予想で現在しております。
#86
○前川旦君 それではこの原水の確保について、まず最初に、水資源公団にお伺いをいたしますが、水資源公団は阿讃山脈にトンネルを抜いておりますね。いまどれぐらい工事が進捗しておりますか、簡明に御説明いただきたいと思います。
#87
○参考人(井元光一君) 香川用水の全体では――全体と申しますと末端の事業までで、私のほうは事業費にしてその約三分の一程度承っておるわけでございますが、約五〇%の進捗率でございます。全般として五〇%程度の進捗率であります。水資源公団の施工部分は約八〇%ぐらい進んでおります。そのうちの、ただいまのお話にございました導水トンネルは約八キロございまして、掘さくが完了しておりまして、現在巻き立ての作業中でございます。その巻き立ては約半分、五〇%程度進捗中でございます。
#88
○前川旦君 トンネルはずっと通じているわけですね。巻き立てというのはコンクリートで巻いているわけでしょう。そうすると、コンクリートを巻いているところが半分、巻けていないところが半分、こういうことのように伺いましたが、その巻いてないところは連続しているんですか、断続しているんでしょうか、どういう形で巻いてあるところ、巻いてないところということになっておりますか。
#89
○参考人(井元光一君) 巻いてあるところは連続してございます。
#90
○前川旦君 そうしますと、巻いてあるところが八キロ、巻いてないところか大体八キロ――八キロのうちの半分でしたっけ、その数字どうでしたか。
#91
○参考人(井元光一君) 八キロのうち、掘さくして全部貫通してあります、そのうち半分ぐらい巻いてあるわけです。
#92
○前川旦君 半分巻いて、半分岩のはだが出ているわけですね、そのままになっている。これを通して通水をすることが技術的に可能であると判断する人もかなりいるんですが、技術家の立場として可能なのかどうなのか、無理をすれば可能なのかどうなのか、その辺について御見解を伺いたいと思います。
#93
○参考人(井元光一君) 現在ほぼ完成しております東部幹線水路は、香川県の渇水対策連絡協議会の要請によりまして、緊急通水を実施しておることは御存じのとおりでありますけれども、上流部のただいまの導水トンネル、いわゆる阿讃トンネルの巻き立ては途中でありますが、さらに今後このままの渇水が続きまして通水の要請を受けたときは万障を排しても通水可能の処置をいたしたいと思っております。
#94
○前川旦君 たいへん重大な決意をいただきました。そこで通水をするにはかなり無理があると思いますね。この岩盤をそのままくりぬいただけですから、そこを通しますから、保安上の問題ではどういうことが問題になるんでしょうか。技術的な御説明いただければ幸いだと思います。
#95
○参考人(井元光一君) 一般的には素掘りのトンネルに通水するということは御存じのとおり非常に不安があるわけです。その不安と申しますと、御存じのように中央構造線があの部分を通っているわけです。これに対して、この上、素掘りに通すということは、浸透、漏水、それから落盤、それから現在やっております斜坑の付近の特に支保工の多い部分のゆるみ、こういうようなものが予想されるわけです。こうした不安は私ども非常に持っているわけでございます。
#96
○前川旦君 それに対する対策はどのようなものがあって、どういうことを考えていらっしゃるのか、また可能――もちろんこれは先ほど通す決意を述べられましたから解決可能というふうに判断していらっしゃると思いますけれども、その辺のところをあらあら御説明いただきたいと思います。
#97
○参考人(井元光一君) 土木の専門語で申しますと、保安対策としては捨て巻きと申しまして、支保工のある下のほうの部分をコンクリートで巻く、それから水の漏れたり散在するようなところはかけひと申しまして、といのようなものをつくる、そういう装置をいたしまして、できるだけ水が裏のほうに回ったり、地盤をゆるめたりしないように、それから現在の工作物にひずみがこないような措置をしなければならないと考えております。
#98
○前川旦君 そういう準備をして、実際に導水することかできる量ですね、水を流す量――日量といいますか、量でもけっこうです。それからどれくらいの期間ならだいじょうぶだという期間ですね、それはどういうぐあいに判断されますか。
#99
○参考人(井元光一君) これはまた一番大切なことで、そうした危険な、心配のある中に水を通すということは、できるだけ水が少なくて、しかも短期間であってほしいわけであります。それを具体的に申しますと、約半トンくらいで、一カ月以内程度くらいにしていただきたいというふうに考えております。
#100
○前川旦君 半トンというのは。
#101
○参考人(井元光一君) 半トンというのは一トンの――一日八万六千四百立米ですか、その半分くらい、四万トンくらい一日になるわけです。
#102
○前川旦君 そういう保安を考えながら、できるだけその被害を少なくする努力をしながら、そういう現実に通水ができるまで、県から要請があったとしましてどれくらいの期間が見込まれますか。最大限努力して突貫工事をやったとして、どれくらいの見通しが立ちますか。
#103
○参考人(井元光一君) 普通一カ月ぐらいと申したいわけですけれども、一カ月をどれくらい縮められるかという、いまのおことばから推定いたしますと、二十日間ぐらいまでは短縮が一番うまくいった場合に可能ではないかというふうに考えております。
#104
○前川旦君 もう一つは、水を流す方法ですけれども、じかに水をトンネルの中に流すというやり方と、危険な個所は鉄管を使うという方法が可能なのかどうか。と申しますのは、八キロで、コンクリートで巻いてあるところは水が流せますね、これは四キロ。巻いてないところはあぶない、これが四キロ。かりに、この四キロだけでも水道管を使う。高松市で私聞きましたら、五百ミリの直径の水道管であれば、六キロでも七キロでも高松市があと使えるんだそうですね。ですから買い取ってもいいということなんです。そういうことができるのかどうか、また、した場合に保安上の問題はかなり解決するのかどうか、工期は若干早くなるのかどうか、その辺の見通しはいかがなんですか。
#105
○参考人(井元光一君) いま申しました地盤のゆるみとか、漏水とかという対策に対しては、確かに先生の、パイプを使うという御忠告に対しては一部救えるんじゃないかと思います。しかし、その反面において、五百ミリのパイプに合わせる技術的な対策を立てるということならば、その方向で行くとすれば、またそれにそれなりの非常にむずかしい問題も出てくるわけです。それはまだ具体的に、これはどういうことかということまで詰まっておりませんけれども、その五百ミリを、たとえば半トンの水を流すということに合わせるためには、相当いままで考えていたよりも変わったポンプの種類を使って圧送しなければならない。したがって、ポンプはめったにあるものでないような種類を使うと、特注しなければならない。そうすると、ポンプの費用も非常に高くなる。で、パイプは非常にありがたいわけですけれども、その他の条項で難問題が出てくる、こういうふうに考えておるわけでございます。まだ十分な検討をしたわけではございません。
#106
○前川旦君 私は通産省にお願いしまして、それだけのパイプ、鉄のパイプですね、それがはたして調達が可能なのかどうか実は調べてもらったんです。そうしますと、いまの段階で調達は可能であるだろうという――業界をずっと調べてくれまして、そういう答えを、調査の結果を通産省からもらっています。ですから、直に水を流す、あるいはパイプを使う、どちらがより危険が少ないのか、どちらにメリットがあるのか、その辺が私は技術家じゃありませんからわかりませんけれども、十分に判断していただいて、一つの何というか、判断の材料にしていただきたいと思いますが、いかがですか。
#107
○参考人(井元光一君) その点はまだ相当検討しないとはっきりしたお答えが出せませんが、そんなにのんきなことも言っておられませんけれども、しばらく時間を拝借したいと思います。
#108
○前川旦君 この緊急導水をやりました場合に、来年の完成予定にどういう影響を及ぼすのか、来年のこの導水トンネルの完成予定がいつごろになって、それにどういう影響を及ぼすのか、緊急導水が終わったあと、かりに突貫工事やったとしたら、そのおくれをどれぐらい取り戻せるのか、その辺の判断どういうふうにお考えですか。
#109
○参考人(井元光一君) 緊急工事をやった場合に、おくれを取り戻すとおっしゃる、ちょっと意味が……。
#110
○前川旦君 導水をやりますね、無理して。そうすると、来年の導水トンネルの完成予定におくれが出るはずですね、これが一体どれぐらいのおくれが出るのか。かりに二月おくれが出るとしますね、いまの段階で。それをあと突貫工事で復旧をやれば、それを一月のおくれぐらいにとどめることができるのかどうか、その辺の判断をお伺いしたいんです。
#111
○参考人(井元光一君) 緊急工事が常識的に一カ月程度と先ほど申しました。これに使用期間、どのくらい水をかけるかという期間がこれに加わるわけでございます。さらに、もとへ戻さないと通水できないわけでございます。もとへ戻す工事がこれに加わると二カ月ないし三カ月かかるわけです。それでこれらをプラスいたしますと、どうしても四カ月程度は通水がおくれるわけでございます。ですから来夏の通水が非常に困難になるというふうな考えを持っております。
#112
○前川旦君 いまのままで突貫工事をすれば、何も無理をしないで、来年の三月には大体この導水トンネルはできるであろうということを伺ったことがあります。そうすると、四カ月おくれるとすれば七月ですね。そうすると、来年の水の困るピーク、八月ですけれども、これまでには、たとえ緊急通水をやっても、それまでには間に合わせられるということが言えるんじゃないですか。
#113
○参考人(井元光一君) ただいまの数字を合わせておられますと、そういうことになるかもしれません。三月の通水というのは、いまの半分残っておるところの巻き立てが三月にできる、こういう説明を申し上げたわけです。ちょっと舌足らずだったと思います。その巻き立てが完了しても、まだ巻き立てのあと始末というものが一カ月余りかかるわけでございます。これは巻き立てをやったあとはグラウトをやったり、水抜きのホールをつくったりしまして、トンネルからの水がしみ出てきたものの処理、それと、どういうふうに巻き立てが岩盤についているかどうか、そういうことを、あと念入りに一カ月ぐらいはかかって工事をやるわけなんです。こういう期間が一カ月ぐらいないとぐあいが悪いので、一カ月ぐらいたちませんと実際通水できる時期というものは出てこないわけです。ですから、どうしても八月ないし九月に入るんじゃないかという計算でいるわけです。
#114
○前川旦君 八月ないし九月というと、一月ピークのところにかかりまして、非常に重大なところですね、八月になるのか、九月になるのかというのはね。非常にデリケートなところだと思いますが、しかし、それにしても緊急通水をやって、来年のまたこの水の渇水時期には、何とか突貫工事をやれば手が届きそうな気がいたします、私は技術屋じゃありませんけれども、いまの御答弁聞きますと。そういうことでありますので、私はこの問題はたいへん大事なことだと思います。
 そこで先ほど、県から正式な要請があれば実施するとはっきりおっしゃいましたけれども、まだ県は要請しておりませんがね、しかし、それにしてもこれだけ原水が不足しておるのですから、予備的な準備というか、要請を予想して着手されるべきだろうと思いますけれども、その辺はいまどうなっていますか。
#115
○参考人(井元光一君) これは着手しているかどうかという――着手しているとも申し上げられますし、着手じゃないんじゃないか、こういうふうに言われてもそれも通るわけでございますが、実は通水の場合に相当手間がかかって、しかも私のほうでいままで、ほんとうに通水した場合にこれは相当時日がかかるから、工事の一部であるし、万一のことに備えて先回りしてやっておく必要があるのじゃないかと、こういうふうに考えまして――これはどんなものかと申し上げますと、隧道――いま申し上げました隧道の一番下のほうに暗渠があるわけです。その暗渠の付近に相当程度どろがたまっておるわけです。このどろは、万一の場合に相当手間がかかるしするものですから、現在、もうそろそろ片づけを始めている、こういうふうな措置はしておると。ですから、これがもうおまえのところでやっているんだと申せば、私のほうでもこれは一部に入るんだと、こういうふうに申し上げてもいいわけです。
#116
○前川旦君 準備の予備というと、ことばはおかしいんですけれども、まだほかに手をつけたら、やっておけばやっておけるようなものもあるんじゃないですか、どうなんですか。これからまだもう少し準備を――準備の予備です、これはね。準備の予備を積極的に進めておかれる気持ちありますか、お考えありますか。
#117
○参考人(井元光一君) ちょっと苦しい答弁なんですけれども、突貫工事につきまして、御存じのとおり現在一部通水しております香川用水の一部につきましては、労務をいただきまして、思いがけない労務をいただきまして、突貫工事にたいへん助かったわけです。そういう意味からのお手伝いをしていただけるということも考えておるわけなんですけれども、こういうもののさらに御援助を受けたときの工期の圧縮、こういうことは、先ほどの香川用水の一部はあかりの工事でありまして、このあかりには非常に優位に運用できたわけです。今度の場合にはトンネル内の非常に狭い中をやるわけです。しかも捨てコンとか根固めとか、地すべりの措置というようなものに対してはなかなかそうした労務は――もっとほかにできるかもしれませんけれども、一番肝心のところになかなか使えないわけです。それで私どもそういう意味におきまして、いろんなことを検討して、何とかいまのうちに圧縮できないかというような検討をいたしておるわけですけれども、実際手戻りのないような仕事があればいまのようにやっておるわけですけれども、トンネル内に手をつけるということはもうすぐ手戻りのほうになるので、実際問題として応急工事に対してそう期日の圧縮というものはむずかしいのじゃないかと考えているわけです。
#118
○前川旦君 この香川用水は飲み水だけじゃなくて工業用水、それから農業用水も含んでおりますが、農林省それから通産省ですね、これに対するいまの緊急通水を危険でも場合によったらやらにゃいかぬという決意を述べられましたけれども、通産省、農林省あるいは厚生省、どういうふうにこれお考えですか。
#119
○説明員(柴田益男君) ただいまの緊急通水の件につきましては工業用水を所管する当省といたしましても異議はございません。できることであれば積極的にこの際通水をして高松の上水道を救うというのはけっこうというふうに考えております。
#120
○説明員(国川建二君) 先ほども先生から御指摘ございましたように、高松市の現状は必要な給水量の約六割程度が三時間給水というような形で一応は給水されているわけでございますが、先の見込みはきわめて、現在のままいきますと悲観的なのでございます。したがいまして、これは将来の対策としまして、いま香川用水の緊急使用ということももちろん検討されておるわけでございます。私どもとしましては、現在県内で最大の努力を払いまして水の確保を行なっているわけでございますけれども、この導水路を使うことについて、もちろん用水確保の見地からいいますと何ら問題はございませんし、そういうことにつきまして十分関係方面と協議いたしまして進めてまいりたいと思っております。
#121
○委員長(秋山長造君) ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#122
○委員長(秋山長造君) 速記をつけて。
#123
○説明員(杉田栄司君) 農林省といたしましても現在異常な事態になっております高松市等の上水道につきましては、全面的にできるだけのことをするというたてまえでおります。御承知のように、満濃池から農用水を現にできております導水路を通じまして一部供給をいたしております。なお計画でいきますと、明年度農業用水も水資源公団から受けて目的を達成させたいというふうに思っております。したがいまして、その計画にできるだけそごがないような形で今回に対処できることが望ましい、かように考えておりますけれども、若干この異常事態に対処するために工期等がおくれても、これは異常事態でありますからやむを得ないことだというふうに思っております。
#124
○前川旦君 私は水資源公団の決断に対しましてほんとうに敬意を表します。しかし、落盤とか地盤がゆるむとか、かなりの危険を覚悟しなければいけない。行政の面でその前にもっと努力する余地はないものだろうかということをいろいろ考えてみているのですけれども、その一つは、高松へ水を送っております府中ダムから番の洲の工業地帯に工業用水がだいぶ行っております。いまどれぐらい行っていますか、通産省。
#125
○説明員(柴田益男君) 能力といたしましては六万トンございますが、現在は五〇%制限いたしておりますので、三万トン程度でございます。
#126
○前川旦君 飲み水がなくて市民は非常に被害を受けています、それから町の商店街の人も。それはみなじっとしんぼうしているわけです。どこにも損害賠償を請求してくれなんという、そういう気持ちはないわけなんですよね。その中で企業の社会的責任という面から考えて、やはり優先するのはこれは人間の生存の問題が一番優先しますから、何といっても工業用水か飲み水かということで競合してきますと、それはもう工業用水をカットせざるを得ない。これは常識だろうと思います。で、通産省も、きょうの新聞で見ましたけれども、この水問題起こって、私は皆さん方と接して、ずいぶん前のイメージと変わりましたね、福祉重点に。ですから、この際この工業用水のカットをさらにカット、そのカット分を飲み水に回すという指導をすべきだと思うんです。それが行政指導でできる。行政面での努力をやっぱりやらなければいけない。その点についての可能性はどうお考えですか。
#127
○説明員(柴田益男君) 先生の御趣旨ごもっともでございまして、去る八日に各通産局に通達を出しまして、生活用水確保のために工業用水を制限するということは認めろということを指導しておりますけれども、この坂出の場合、現在上水が二〇%制限と聞いております。それに対しまして県のほうでは工業用水四〇%ということでございましたが、さらに通産局が直接各工場に要請いたしまして、さらに一〇%上乗せして現在五〇%の工業用水の制限をやっている状況でございます。この五〇%の制限でございますが、受水している企業が現地で十五企業ございます。そのうち大手が二、三社ございますけれども、五〇%の限度、この五〇%ということでこの大手企業につきましては設備の保安上の問題、あるいは市民に都市ガスとかあるいは電力を供給しております四国電力あるいは四国ガスに対する重油供給、そういうものを確保しなきゃなりませんので、そういう意味では保安上そういう社会的な供給責任からいたしまして五〇%が一応限度であるということを局を通じて聞いております。
#128
○前川旦君 そこで考えられるのは、臨海工業地帯ですから何もダムから山奥の――山奥ではないけれども、上のほうのダムから工業用水を適用されなくてもタンカーに積んできて海岸へ工業用水を着ける、そういうことで工業用水を確保して、その分だけダムから取れるやつをカットして飲み水に回すということが常識として考えられるわけです。おそらくそのネックになるのはコストの問題だろうと思いますけれども、そういうことをやった場合に、接岸設備とかあるいは水をためる設備とか、あるいはその輸送費とかコストの問題があると思います。しかし多くの関係の市民なり農民なりが――これは工業用水五〇%カットだと言うけれども、農業用水だって五〇%カットですから、飲み水だって三〇%カットですから、ですから永久にということじゃない、期間があるわけですね。ですから、その間少々水の単価が上がっても、飲み水優先ということで、そういう形でのダムからの工業用水カットをさらに進めるということを積極的に考えてやるべきではありませんか。その点いかがなんですか。
#129
○説明員(柴田益男君) 先生御指摘の、上水道をさらに制限して、タンカーで水を運ぶ、それによって置きかえるということでございますが、この場合、われわれ聞いておりますのは三つの問題点があると聞いております。第一は、もちろん費用の問題もございますけれども、タンカーで水を運んできた場合の受け方、受ける受水能力の問題でございます。あそこの大きな企業と申しますと、四国電力、亜細亜石油、それから三菱化成。三菱化成、亜細亜石油、それぞれ一応貯水槽に受けて、それから工業用水に使うということでございまして、大きなタンカーが使えない。せいぜい二、一三千トンのタンカーということですと、タンカーで運ぶ場合の能力として、受水能力からいって五、六千トンが限度であるということを聞いております。その受水能力の問題がございます。それから、これはさらに検討してみなければわかりませんけれども、受水して普通の工業用水に流すというその切りかえがどの程度うまくいくか、その辺の技術的な問題がまだ残ろうかと思います。そういう意味で費用――費用もこれは一トン五百円ないし八百円、通常の水に対して五十倍ないし八十倍の値段になるわけですけれども、費用の負担の問題、受水能力、それから受けた水を工業用水に流す技術の問題この辺が問題になるかと思います。
#130
○前川旦君 ここに八月十一日の日経の記事がありますが、この日経新聞の記事によりますと、三菱化成の坂出工場では一日五千トン、タンカーで運んでいるという記事が出ておりますけれども、すでにやっているわけですね。この三菱化成がいま一番水を使っているでしょう。五割カットでもおそらく一万三千トンぐらい使っているはずですね。せめてこれを日量五千トンか七千トンでもカルトできれば、その分だけ飲料水の原水がふえるわけですね。実際、現実に、これ対策としてやっているんです。ですから私は通産省がもっと突っ込んで、突っ込んでですよ、可能性のぎりぎりまで、ぎりぎりまで突っ込んで、こういう方法に切りかえるのは可能かどうか、ぎりぎりの限界まで突っ込んでいって、そうして見通しがあれば切りかえさせる、こういう方向で取り組むという姿勢がほしいのです。これいかがですか。
#131
○説明員(柴田益男君) 現在の五〇%制限でも、三菱化成、非常に水が不足だということで、同系の会社から水をもらった実績があるように聞いておりますけれども、さらにこれを制限することになりますと、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、三菱化成の場合はコークス生成ガスを四国電力なりあるいは四国ガスに送っておりますので、これに対する影響ということはできるだけ阻止しなければならないということでございまして、先生の御趣旨ごもっともでございますが、なおその点については検討していきたいと、そういうふうに考えております。
#132
○前川旦君 これは私があなたにこれこれ調べてくれといって事前に頼みました。それから日がわずかですから、あなたも十分に詰めた検討を企業との間にできるひまがなかったと思いますよ。私はそう思いますね。ですから、たとえばいま一万三千トンが減ったら実際にガスの供給なり電力の供給にどれだけ影響を及ぼすのか、現実の問題として、ほんとうの話です、ぎりぎりの限界まで考えた場合。で、ガスなり電力なりのぎりぎりのところまでかりに供給を落としたとして、ぎりぎりのところまでですね、落としたとして、詰めて詰めて詰めたらどれぐらいの水が浮くのだと、こういう作業はやる時間なかったでしょう。
#133
○説明員(柴田益男君) はい。
#134
○前川旦君 なかったですね。ですから私は、そういう作業に前向きに取り組んでもらえるかということ、これが一つなんですよ。
 それから、そういう保安上それから電力とガスの供給上これだけの水はどうしても要るのだとなれば、これはやはり残さなければいけませんね、どうしてもやむを得ませんね。しかし、それにしても、まだタンカーで運んでいって置きかえるという方法が、これはコストの問題で一番ネックになっていると思うのですが、わずかの期間ですから、みんな犠牲を払っているのですから、水の単価が高くなるからといって渋るのじゃなくて、企業に通産省はもっと押し込んでいく。みんな平等の犠牲を払っているのだ、少々高くてもそういうやり方で使えというような、そういう強いかまえの詰め方をやってもらえるかということを聞きたいのです。
#135
○説明員(柴田益男君) なおその節水の可能性につきましては御趣旨を体しまして検討してまいりたいと、そういうふうに考えております。
#136
○前川旦君 その検討検討という、常用語なんでね、検討する検討するというのは。私はそういう前向きの――検討ということは、それはここで済んでしまうということですよ、いままでからいうとね。慣用語なんです、これは。そうじゃなくて、もう一つ突っ込んだ迫り方をしてもらえるかということを聞いているのですから、その点はいかがなんですか、率直におっしゃっていただきたいと思うのです。
#137
○説明員(柴田益男君) なお節約できるかどうか積極的に取り組んでいきたいと思います。
#138
○前川旦君 それでは自治省にお尋ねをいたしますが、この水危機でたいへんな出費をしているのです、地方自治体は。たとえば丸亀市では、高松ほど深刻ではありませんが、これ七月段階に井戸をどんどん掘りまして、五カ所ほど深井戸を掘って、それに簡易浄化設備をつけて水道管へ直結をした。この費用がおそらく、精算すれば一億円はいままでかかっているだろう。それから高松の場合は、たとえば職員が毎日五時から十一時まで自衛隊と一緒に水を配っていますから、その給与がばかになりません、約七千万ほど、八月の三十一日で予想してくくってみても七千万程度だろうと。それから水のタンクを買ったり、携帯マイク――これは近所にふれて歩くために携帯マイクが要ります。そういうものを含めて二千七百五十四万円をこえている。トラックの借り上げ代は千七百万円をこえている。六カ所ほど小学校の校庭を配水の基地に使っていますから、校庭の復旧費だけでも八百万円はかかる。それから水をくみ上げる、水を取るところの仮施設でも二千五百万円はかかる。それからたき出し、これは私どもも応援に出ましたけれども、たき出しを受けましたが、これも八百三十七万円をこえる。大型ポンプが三百万をこえる。鉄のタンクが六十万をこえる。そのほかに土地改良区への支払いや、それから応援に来た人への謝礼等を全部含めて計算すると、八月の末で二億円に達するだろう。しかも、まだこれ進行していますから、まだまだ先だいぶ出ますね。これはたいへんな負担なんです。で、私は特に自治省にお願いしたいのは、特別交付金の対象として――干害ですから、災害ですから、当然なじむ問題であるし、対象になる問題だろうと思います。いま具体的に金額がどうのこうのということじゃなくて、これは十一月か年末にきめるのでしょう、ですから特別交付金の対象としてこのたいへんな出費を見てもらえるかどうか、その方向で進んでもらえるかどうか。ぜひもらいたいわけなんですよ、対象にしてもらいたい。その点についてのはっきりしたお答えを聞かせていただきたいと思います。
#139
○説明員(栗田幸雄君) ただいま御指摘のありました渇水対策に対する特別交付税の問題でございますが、お話がありましたように特別交付税の決定の時期は、十一月ごろまでに資料をとりまして、来年の二月でございますので、その間にこれらの市の実情を十分聴取いたしまして、それからまたこれらの市の財政状況等を勘案いたしまして、こういったものについて特交の対象としてまいりたいと、このように考えております。
#140
○前川旦君 いろいろこれから資料集めにゃいかぬ。これは高松だけじゃありません。全国的にこれが広がってきますね。松江なんかもひどいそうです。ですから、そういうのを含めて実態を調べなきゃいけませんのはこれはわかりますが、みんな音を上げてますから、特別交付金の対象として当然見るべき問題であると思いますので、どうかこれ見ていただきたい。その点をもう一つ、特別交付金の対象なんだと、歯切れよくひとつおっしゃってもらえませんか。
#141
○説明員(栗田幸雄君) 御指摘の方向で進めてまいります。
#142
○前川旦君 もう一つ。それでは、いまいい答弁いただきましたが、同じ交付してもらえるんであれば、どうか実情に応じて、もうスズメの涙みたいのじゃなくて、十分に、一〇〇%ということはありませんけれども、できるだけ実情に応じた、何というか、交付を努力をしてもらいたいと思います。当然のことですけれども、その点についてどうですか。
#143
○説明員(栗田幸雄君) 全国の災害の状況等の問題もございますし、それから交付税のワクもございますが、そういった中で努力をしてまいりたい、このように考えております。
#144
○前川旦君 厚生省にお尋ねしますが、水道のために水タンクとか、それから施設を――浄化施設なんかね、つくったところがたくさんあります。そういうのは補助の対象にしてもらえますか。
#145
○説明員(国川建二君) 実はこの干害、いわゆる干ばつの際の施設工事につきましては、従来その必要な資金は融資という形で行なってまいっておりまして、いまお尋ねのものにつきましては、ただいまの段階では、先生のおっしゃるようなことについては方向がまだ決定いたしておりません。
#146
○前川旦君 決定をしておらないのであれば、これからの問題として真剣に考えていただきたいと思います。
 それでは最後に、大蔵省に来ていただいておりますが、この水が出ないことで目に見えない損害がずいぶんあるんです。これは、たとえば八月というとお盆です。そうすると、お盆ですと盆踊りなんかやりますね。しかし、盆踊りのようなものは全部中止になりました、一部はやりましたけれども。それから、町を歩いてみますと、人通りが少ないんです。なぜ少ないかというと、給水車がいつ来るかわかりませんから、家庭の主婦が待ちかまえているわけです、携帯マイクが鳴ったらすぐどっとおりてくるということで。ですから町には出られない。それから、ちょうど学校が休みですから、家族ぐるみで疎開をしている家庭もあります、御主人だけ残しましてね。そういう点で一般的に商店街の売り上げは減っております、はっきり言いまして。それから特に被害を強く受けておりますのは、飲食店、ふろ屋、クリーニング屋、散髪屋さん、旅館、こういうところはほんとうに泣いているわけです。極端な例ですけれども、水が出ませんから、散髪屋さんでも水がなければ商売にならないでしょう。ですから、いなかへ行って、親類の井戸からもらい水して毎日毎日自分のところの軽四輪で運んできて、それをためてそれを使う。それだって、一カ月も二カ月もそれをやって、ただでもらうというわけにいきません。これは、実際水を売り買いすれば法律に触れるでしょうけれども、やっぱり目に見えない謝礼というものが要りますね。売り上げが減って、それに目に見えない出費というのはあるんです。それで非常に苦しんでいるのですよ。ですから、私はいろいろ調べてみましたけれども、干害で、特に干ばつで売り上げが減ったから特に税金を免除するという規定はないようです、残念ですけれどもないようですね。しかし、これは実際に行政末端の、何といいますか、税金関係の末端の事務処理として、こういう実情をちゃんと踏んまえて、実質的な減税といいますか、実質に応じた減税措置をとって実情に合わすという努力をやっていただきたいと思う。この点についていかがですか。
#147
○説明員(水口昭君) ただいま御指摘のように、高松の、たとえば飲食店とかあるいはクリーニング店、こういったところの事業をやっておられる方は、今回の渇水のために営業上かなりの影響を受けておられる方が少なくないと思います。したがいまして、われわれ税務当局といたしましても、ことしの所得税の課税にあたりましてはそのような実情を十分に把握いたしまして、あたたかい気持ちで納税相談等を行なってまいりたい、かように考えております。
 それからなお、クリーニング屋さんとかあるいは食堂経営者、こういった方は予定納税をされている方が多いと思いますけれども、これらの方のうち、ことしの渇水等によりましてことしの所得が去年に比べて相当減少するというふうに見込まれる方につきましては、十一月十五日までに減額申請書という書類を税務署に出していただきますと、第二期分の予定納税額が減額されるということにもなっておりますので、この制度もひとつ御利用いただきたい、かように存じます。
#148
○前川旦君 末端の官庁――税務署になりますかね、いまあなたの言われたようなそういう指導が下まで通っているか通りていないかによって納税者の気持ちというのはたいへん違いますし、実際問題として徴税額もやっぱり現実に応じたものになるんです。腹立ちまぎれで、腹立てながら泣く泣く納めるのと、ようやってくれたと言って気持ちのいい思いで税務署を見るのとこれはうんと違うわけなんです。ですから、いまあなたの言われたことを私はここだけにとどめないで、どうかひとつ末端まで十分に浸透さしていただきたいと思いますが、その点いかがですか。
#149
○説明員(水口昭君) おっしゃるとおりでございまして、私がかれこれ申し上げませんでも、地元の国税局でも今度の渇水のことは非常によく存じておりますし、そういう方向で処理するかと思いますが、なお先生の御趣旨をよく伝えまして、そういう方向で進みたいと思います。
#150
○前川旦君 最後に、これは原水がないことにはもうどうにもなりません。そうしてさっきの気象庁さんのお話じゃないけれども、雨を待ってるぐらいたよりないことはありませんね。実際いま高松が救われているのは、土地改良区等が非常に犠牲を払って、満濃池から水を送ってくれているので、それでやっといまの、何といいますか、三時間給水ができている。千二百年前の弘法大師さんに依然として助けてもらっているんですがね。千二百年間ちっとも進歩がなかったんだろうかと思っておかしな気もいたしますがね。しかし、それはそれとして、どうか原水確保、これをやらないと、もう市民は体力的にも限界にきます。バケツ二はいに水をもらって公務員住宅の四階、五階までエレベーターありませんから上がります。またおりてきて一番しっぽにくっつく。そうすると、二時間ぐらいかからないとふろ一ぱいにならない。バケツ一ぱいはトイレ一回でなくなるのですよ。ですから、もうふらふらになっているという実情なんです。どすから、一種の人権問題みたいなかっこうになりかかっているという思いがいたしますので、どうかひとつ原水の問題水資源公団それから通産省、工業用水にどんどん行っているということはどうもやっぱり割り切れない思いを抱きます、抱いている人がたくさんおりますがね。どうかひとつ前向きに取り組んでいただきたい。このことはいままでも前向きに取り組んでもらいましたけれども、なお一そう突っ込んでの御努力をお願いをして、決意をいただきまして質問終わりたいと思います。
#151
○説明員(柴田益男君) いま高松市の中でも自家用水をくみ上げている工場につきましては三千八百トンを要しております。高松市あるいは坂出の工業用水を含めまして先生の御趣旨を積極的にくんでまいりたい、こういうように考えております。
#152
○梶木又三君 ことしの異常渇水、私、農業関係の被害について若干お尋ねしたいと思います。
 ことしの異常渇水は先ほど来いろいろお話ございましたが、私、非常に特色を持っていると思うわけでございますが、六月以来全国的な規模で起きておる。その間一部解消したところもありますが、先ほどの気象庁のお話のように、まだこれから先行きだいぶ不安な点もあります。そこで、いままでの農業被害、それから干ばつ対策、これについてどの程度実施されたか、まず、その概況について御説明願いたいと思います。
#153
○政府委員(澤邊守君) 農業関係の干ばつ被害の概要でございますが、今年六月ごろから不足傾向があらわれまして、七月に入りましてから、その傾向が一そう顕著になりました。特に雨の少ない地方といたしまして、北海道の西部、東北、北陸、近畿、山陰、瀬戸内の各地方でございましたけれども、七月末から八月の初めにかけて、台風六号、その他一部の豪雨等によりまして、北海道、東北北部、東海、四国の南部、九州の各地において、降雨によりまして一部改善をされております。しかしながら、これらの地区部におきましても、回復困難なものが見られるほか、他の地域、中四国、瀬戸内、山陰地方等を中心といたしまして、その他の地域におきましても、依然として記録的な干天が続きまして、用水不足が一そう深刻の度を加えておるという現状でございます。
 八月二十三日現在で、私のほうで取りまとめました各都道府県からの報告による農作物の被害状況は、面積で四十四万五千ヘクタール、金額で五百七十三億円に達しまして、四十二年以来の大きな被害になっております。作目別で主要なものを見てみますと、水陸稲――稲作でございますが、約二十一万ヘクタールで二百七十一億円、ほぼ全体の半分――二分の一を占めております。次いで野菜が四万ヘクタールで百六億円、果樹七万ヘクタールで百四億円というのが主要なものでございまして、その他たばことか、主要作物、雑穀、イモ、豆、その他桑だとか、花卉にまで及んでおります。なお、二十三日現在でただいま数字を申し上げましたが、けさの新聞等で一部関東地方におきまして、二十三日現在の私どものほうの調査では、なお調査中ということで数字が上がってきておりませんでしたのが、私こちらへ出席している間に正式な報告があったようでございまして、千葉、長野、これがそれぞれ三十億ばかり追加になっておりますので、それを加えますと、先ほど申し上げました五百七十三億に六十億ばかり追加になりまして、六百三十三億ということになるわけであります。なお、ただいま申し上げました数字も、なお一部の県については調査中ということで報告が参っておりません。その点御了承いただきたいと思います。これらの被害は県の報告数字をただいま申し上げたわけでございますけれども、干ばつという農作物被害の特殊性からいいまして、技術的ないろいろむずかしさもございますし、かなり流動的でございます。と申しますのは、一雨降りますと、かなり回復するということがございますので、農林省といたしましては、最終的には干ばつが解消した時点で、私のほうの統計情報部の調査結果を待って被害額を確定をするというようなことにいたしております。
 次に、対策の概要でございますけれども、係官を現地に派遣したり、その他の方法で、実態の把握につとめておりまして、用水確保のための応急対策工事を積極的に実施して、被害を最小限度に食いとめるよう県を通じて指導いたしております。また県からの要請に応じまして、地方農政局所有の揚水機の貸し出しを積極的に実施をして、用水確保につとめております。また水陸稲だとか、あるいは蚕繭、あるいは果樹の被害の著しい地帯につきましては、必要によりまして農業災害補償制度によります共済金、あるいは保険金の仮払いを行なうように、都道府県知事を通じまして現在指導をいたしております。なお、かんがい応急対策事業に対する国庫補助につきましては、過去の例からいいましても、全国的な被害による応急対策を行なった場合には助成をした例がございますので、これらの現在の実施状況を見ながら、過去の先例も参考にして、現在財政当局と折衝中でございます。また、被害県を通じて要求がございます天災融資法の低利融資の貸し付けにつきましては、先ほど申しましたように、従来の例で農林省の統計情報部の最終的な被害調査結果に基づきまして、適用あるいは融資額等を決定をいたしておりますので、それの結果を待って最終的に十分に検討いたしたいというふうに考えております。主要な対策概要並びに被害の概況でございます。
#154
○梶木又三君 かんがい応急対策の前の実施状況はどうですか。
#155
○説明員(杉田栄司君) かんがい応急対策はいま審議官のほうから若干申し上げましたけれども、それぞれ各地方農政局あるいは都道府県を通じて、積極的に被害を最小限に食いとめるということでやっておるわけでございますが、現在までにその費用にいたしまして、約三十億になる対策事業を実施中でございます。
#156
○梶木又三君 私の記憶によりますと、三十億という応急対策をやったときは、大体助成をやったと記憶しているのですが、今後三十億よりまだふえるのじゃないかと思いますが、一応いまの時点で三十億と押えて、助成をやるといいますか、見通しといいますか、これは私はどうしてもやっていただきませんと、府県なりあるいは町村、あるいは土地改良区等がいままでに相当の出費をいたしておりますので、これはもうどうしてもやっていただきたい、かように考えるわけですが、その辺もう一回決意といいますか、見通しをお答え願いたい。
#157
○説明員(杉田栄司君) 助成をする方向ということで、先ほど申し上げましたように、財政当局と折衝中でございますが、過去の例で申し上げますと、これは査定事業費になりますけれども、昭和四十年に十三億、昭和四十一年に十億というような、そういう事業費に対して助成した経緯がございます。したがいまして、現在出ております三十億に査定比率をかりに七割といたしましても、それらをオーバーいたしますので、ぜひ農林省といたしましては、助成する方向でもっていきたいということで努力するつもりでおります。
#158
○梶木又三君 ぜひ助成できるようにお願いしたいと思います。
 それからこの四十二年の大干ばつのときですね、応急対策で助成を行なう中に、激甚指定というのかな、激甚に対するさらにかさ上げのようなのがありますね。今回それ、もしかいまお答えのように実施するとして、四十二年のときのような激甚の取り扱いができるかどうか、この点等についてどうですか。
#159
○説明員(杉田栄司君) 激甚の要件がいわゆる全国農業所得推定額のおおむね〇・一五%ということになっております。昭和四十八年度でこれを推定いたしますと、約四十一億ぐらいになるのじゃないかというふうに思われます。そういう観点からいたしますと、大体まあ二十億、先ほど申し上げました二十億というようなことでは、そのレベルには達しないのではないかというふうにただいま考えております。なお、今後、被害額等がさらに詳細になってまいります過程で十分検討していきたいと考えます。
#160
○梶木又三君 先ほどの農産物の農業被害で五百七十億ですか――私、二十日でしたか、福島県へ行ったのですよ。きのうのテレビでも出ていましたけれども、山の木も枯れておる。山の木が枯れておるぐらいですから、私、行きましたところはちょうど桃の産地だったのですがね、非常に実がこうからからになりまして、干上がっておるのですよ。まだ四十二年のように樹体にまで影響したというところへはいっておりませんが、もう実はほとんどからからになっておるというところを見てきたのですよ。きのうのテレビでも出ていました。そこで五百七十億で、先ほど、あなたこの報告をまとめた時点で、さらに追加があるというお話しだったですわね。テレビで千葉県もやっていました。千葉県だけでも三十億か、きのうやっていましたがね。四十二年のときに農業被害はどのぐらいだったのですか。
#161
○政府委員(澤邊守君) 四十二年は大干ばつの年でございますけれども、その当時の農作物被害は八百八十二億。この中に、ちょっとお話の出ました果樹の樹体被害が百六十九億ばかり入っております。まあ現在の被害額と比べます場合、当時と価格が違いますので、その辺はいまのほうがかなり上がっておると思いますので、実質的な被害を比べる場合には価格の点も考慮しなければいけないと思いますが、当時の価格で被害額は八百八十二億でございます。
#162
○梶木又三君 何かこの被害額が四十二年よりことしのほうが少ないから、いまのお話聞くと、ことしのほうが軽いような印象を持っておられるんですが、被害額そのものはそれは確かに少ないかもわからぬ。私は気象庁のああいう報告を見ましても、降雨状況は私は四十二年よりも深刻だと思うのですよ。先ほども前川委員から高松のお話がるるございましたがね。あるいは松江。まあ、ことしの全国的な降雨状況から見ますと、私は四十二年以上に深刻なものがあると思うのですよ。まあ幸いだいぶん農林省で一般のかんがい事業あるいはかんがい特別対策事業ですかな、あの四十二年の大干ばつを受けて、四十三年から四十六年だったと記憶するのですが、間違っておったら訂正してください、かんがい対策事業等をやったために、農産物そのものには、まあ四十二年よりは被害が少なく済んだんだろうと思うのですよ。その間、相当苦労もしていますよね。それはそれとしましてね、しかし、いずれにしましてもこの六百億をこえる被害が出たと、こういうときは、先ほど統計調査部のほうの結論が出てからという御説明だけどもね、六百億出れば、もういまここで天災融資法は適用するんだと、こう言えませんかな。この点についてどうですか。
#163
○政府委員(澤邊守君) 天災融資法を適用いたします場合、従来の考え方といたしまして、県の報告もさることながら、全国的に統一した方法で農林省の統計情報部の出先機関が調査をいたしました結果に基づきまして、適用の可否あるいは適用した場合の融資ワクというのも、それを基準としてきめておるわけでございますが、先ほどもちょっと申し上げましたように、干ばつの被害は非常に時々刻々進行しておるという面がございます反面、雨が降りますればかなり回復するという場合もあるということで、ほかの水害等と違いまして、最終的な被害が確定いたしまするのにやや時間を要するということでございます。四十二年の大干ばつの際の例を見ましても、やはり九月に入りましておおむね干ばつの被害が終了といいますか、終息したという段階で調査をいたしまして、天災融資法の適用を決定いたしましたのは、十月に入りまして二十日過ぎではなかったかと思います。これは、天災融資法は、御承知のように次の農業生産のために必要な再生産資金を貸すというたてまえになっておりますので、そのような時期にきまりましても対処できるということもございまして、確定を待って措置をしておるということでございます。
 確かに四十二年と比べて金額は若干下回っていますけれども、四十二年に次ぐ大干ばつでございますので、この適用は、まあ私、感じといたしましては、おそらく適用できるのではないかというようなふうにも思いますけれども、何と申しましても、いま言いましたような干ばつの被害の特殊性からいいまして、最終的な結果を待ってから十分に検討したいというふうに思います。
#164
○梶木又三君 まあ、ひとつぜひ適用を願いたいと思います。
 それから自創資金ですね、これに充てるワクはあるかどうかということと、それから自創資金を貸し付ける場合に、去年五十万から八十万に貸し付けワクをふやしていただいたですね。それで、たとえば島根県のように、昨年水害でこてんこてんに痛めつけられたと、そこへもってきて、同じ農家が、これはえてして水害を受けたところに限ってまた干ばつ受けるもんなんですよね、水利施設等がいかれておるから。そこで同じ農家がことし干ばつ被害を受けたと、こういう場合ですね、さらにワクをふやしていただけるかどうか、この点につきましてどうですか。
#165
○政府委員(澤邊守君) 自作農資金の貸し付けにつきましては、天災融資法によります低利融資でなおそれを救済できないというような場合に自作農資金の長期低利の融資をするということにいたしておりますので、先ほど申しましたような天災融資法の適用をきめます際にあわせて十分に検討してまいりたいと思います。融資ワクにつきましては十分ございますので対処できると思います。さらに、先生のおっしゃいました特例的に一戸当たりの融資額の上乗せをするというような点につきましても十分検討いたしたいと思います。
#166
○梶木又三君 構造改善局のほうにお尋ねしますが、先ほどもちょっと触れました四十二年の大干ばつに対応して四十三年から四十六年までの時限的な措置で干害特別対策事業をやりましたね。干害というのは平野部で、もちろん平野部もあります、ことしは。平野部もありますが、平場地帯はそれぞれ長年かかっていろんな施設をやっておりますから、わりあい干ばつの被害が少ない。やはり何といっても、ことしでも、先ほどの農業被害の報告を聞いても六百億以上出ておっても水陸稲関係は二百何十億でしたか、やっぱり畑作が多い。だから結局、畑作関係あるいは水稲については山間地とは言いませんが、結局、奥まったところの水利施設の悪いところですね。だから小さな団地だと思うんですよ。そこらをいま生産調整やっておるときだから切り捨てろと言うたらそれまでだけれども、そういうことはなかなかできないことなんですから、一般の団体営とか、県営はもちろんのこと、一般の土地改良でなかなかできない。私は四十三年からの特別対策事業、非常に小団地のところで効果があったと思うんですよ。こういうことを今後干ばつに際してお考えあるかどうか。その点について、四十九年すぐに検討の時期もありましょうから、あるいはまたいろいろ実態の調査等もありましょうから、いま直ちにとは申しませんが、こういう干ばつ、ことしの干ばつを受けてひとつ実態を調査願った結果、やはりそういう一般の土地改良事業で救えないと、こういう事態があれば、もう一度ああいうことをお考えになる余地があるかどうか、これについてひとつお伺いしたいと思います。
#167
○説明員(杉田栄司君) 四十三年から四十六年までにやりました干ばつ地帯特別水源整備事業、これは四十三年以前に干ばつ被害が非常にひんぱんに発生しておる地域を対象に実は農業用水の安定的な供給をはかると、そういう水源の拡充をするということで実施されたものでございまして、それなりに非常に効果があったと思っております。しかも、これは三年間に限っているという趣旨は、やはり水源の整備はほんとうに恒久的な対策でやる必要がある、これはいわゆる従来の土地改良事業のかんがい排水事業等で整備すべきものであるが、これは四十二年の大干ばつにかんがみて特別に早急に措置する必要があるということで、特に採択基準等を引き下げまして、三年に限って実施したわけでございますが、その実施状況を見ますと、どうものどもとを過ぐれば熱さ忘るといいますか、そういう感じがございまして、だんだんに先細りになりまして、希望も出てこなくなったというような経緯がございます。そこで、その実態を調べめみますと、やはり小規模にやらなきゃならない、そういうところもございますし、むしろ小規模では非常に効率の悪い水源整備になるというような一面もございまして、事業としては三年間で終息した、もちろん三年間で限ったわけでございますけれども、だんだんに先細りになったという経緯があると思っております。そこで今後は、やはり畑作地帯あるいはまた一部高台の水田地帯を含めまして恒久的な本格的な水源整備をやっていくべきではなかろうかというふうに思っております。したがいまして、今回の干ばつに対しまして再度の干ばつ地帯特別水源整備事業を現在は考えていないということでございます。
#168
○梶木又三君 抜本的な水利施設ができればそれにこしたことはないんですが、なかなか時間もかかりますし、それからどうしても抜本的な水利施設からはみ出る地帯もなきにしもあらずだと思うんですよ。この点はこのぐらいにとめますが、何かことしの干ばつ状況、これは私、それは実際四十二年からこの五、六年の間に相当水源対策ができておりますから事情が変わっておると思いますが、しかし、ことしも六百億以上の被害が出ておるんですから、一ぺん調査願って、いろいろ御検討願いたいと思います。これについてはもう御答弁は要りません。
 そこで最後に、いまお話しの、今後はどうしても畑作関係、ことしも相当な被害が野菜、果樹その他畑作関係のほうが水稲よりも多いぐらい出ておるわけですから、いままでもうだいぶ鋭意力を入れていただいておりますが、畑作についての水利施設、畑地かんがいですね、それからまた北海道等におきまして草地のかんがい、いままで北海道で草地かんがいというような観念はなかったと思うんですが、ことしはだいぶやけて、一番草等はもうすっかりやけちゃったと、こういう実態も出ておりますので、ひとつ畑地かんがいのほうに力を入れていただきたいと思います。
 それから水が貴重なことは、これはもう言うまでもございませんし、ますます深刻の度合いを増しておる。そこで農業水利権、これはもう私は絶対に守ってやらねばならないと思っております。しかし、その農業水利権に、慣行水利権にあぐらをかいて、やはり農業も水を乱費――乱費ということばは言い過ぎかもわかりませんが、使い過ぎの面もあるわけですから、この際できるだけ農業用水も節約してひとつほかのほうに回す、こういう考慮も今後必要だと思うんですよ。農林省でもそういう観念で、あれは何年でしたか、合理化対策事業、四十七年、昨年ですね、昨年から農業用水合理化対策事業を興していただいて、私これはほんとうに時世向きの仕事だと思っております。ところが、あんまり伸びないんですな。もっともっと伸びてしかるべきだと、いまの社会情勢から見ましてね、伸びてしかるべきだと思うんだが、去年二地区、ことしも二地区でしたかな。これはどういう点に問題があるのか、その点につきまして、ひとつお考えを……。
#169
○説明員(杉田栄司君) 農業用水合理化事業につきましては、先生の御指摘のような観点から、特に都市化が進んで、いわゆる農業用水量に余裕のある水をできるだけ地域全体に使用するというような観点からこの事業が制度化されたわけでございますけれども、一つには、いわゆる農業用水が農民にとりましては先祖伝来のいわゆる資産的な価値を持っておるわけでありまして、その間に、その建設あるいは維持管理等に多年にわたって農家が投資されておる実態があるわけでございます。そして、まあ土地はもちろんでございますけれども、水に対するいわゆる干ばつ等の悲惨な状態というのはよく身をもって農家はわかっておるわけでございまして、異常な執着がございます。そこへいわゆる法律のたてまえからいきまして、現在の農業用水がかりに余ったとしたら、それは自動的に国に帰属すると申しますか、水利権水量が減るというようなたてまえになっております。その辺が、いわゆる水が余りましたといえば既得権利み減るというようなふうに思いがちでございまして、なかなか農家の側から、もう水は余るようになりましたというような、そういう申し出がないというのが実態でございます。実は農業用水そのものは、ただ単に農作物のための用水だけではなくて地下水を通じて地下水を涵養したり、あるいはまたその地域の自然保護等に大いに役割りを果たしておるわけでございまして、その地域全体のやはり資産という形に現在もなっております。ただ単なる農業用水ではない。したがいまして、もちろん農業用水を仕組む場合には、その地域全体の同意と申しますか、総意でもって実施されておるという、まあ経緯がございまして、なかなかあらためて総意で農業用水の余剰分を積極的に他種水利に振り向けていこうということが出てこないというのが、まだもちろん始まったばかりでございますからよくわかりませんけれども、その辺が問題点でございまして、次々にいわゆる申請事業として上がってこないというのが実態だと思っております。しかし、まあ現在着工しております地区あるいはまた本年度着工します地区が相当な成果があがってまいりますならば、そういう実態を見た上で、あるいは研究した上で特に都市化の進んでおる地帯にこういう事業が仕組まれるし、またそういうふうに指導すべきではなかろうかと、こういうふうに考えております。
#170
○梶木又三君 結局やはり事業が新しいから、いま説明がありましたように、農民にまで徹底してないんだと思うんですよ。だからPRなり指導面を強化していただくということと、それと先ほど申し上げたように、やっぱり既得水利なんですから、それを合理化して少なくした場合に、ただ召し上げるじゃこれはやっぱり農民絶対にうんと言わないですよ。だから農民が自分で一生懸命合理化事業をやって、それで、それをただ取られるじゃこれはもう当然ついてこないのはあたりまえですから、これはやっぱりそれ相当の代価は何らかの形で支払うべきだと思うんですよね。そういう点のひとつPRなり指導をやっていただきたい。
 それから小さな事業であると実際問題浮いてくる水が少ないから利用面も限定されると思うんですよ。だから、たとえばこれは大きな構想なんだが、利根川水系一つとらえて、利根川水系のそういう合理化対策事業を各個所個所でやっていくということになれば、それを全部積み上げると相当な量が浮いてくるんじゃないかと私は思うんですよ、実態調査したわけじゃないですからどのぐらい浮くかわかりませんが。それで農業が合理化対策事業やって水不足になりゃそれはもう問題外ですが、農業もよくなる、それで水も浮くと、こういうことであれば、ひとつ大きな気持ちでもって今後対処願いたい。
 だから、こういう事業のひとつ指導、PRを徹底して進めていただくことと、いま言うたように、単発的に小さな事業が出てくるんじゃなくて、一つの水系をとらえて今後やるようなお考えがあるかどうか、この点につきましてお尋ねをいたしまして、質問を終わりたいと思います。
#171
○説明員(杉田栄司君) まことに先生のおっしゃるとおりでございまして、いわゆる既得水利権を取り上げるというような形でこの事業を仕組むということは全く不可能であるし、また適当とは言えないというふうに思います。したがいまして当然農業用水の合理化をはかるためにはそれ相応の措置、たとえば昔とは違いまして非常に省力化が進みまして、非常に短期間に植えつけをするとかあるいは収穫をするとかいうことにもなっておりまして、水利権水量としてはなかなか減らないけれども、水の総量としては、あるいは流域全体として見た場合には相当に合理化できる余地があるということがあるわけでございますから、施設の近代化なりあるいはまたその維持管理等につきましても、省力化できるように必要なコントロールシステムを導入するというような措置をとりまして、ほんとうに農家の納得を得た上でこういう合理化事業というものは進めていくべきであろうというふうに思っておりますし、それは地域が広ければ広いほど効果があるわけでございますから、水系全体につきましてさらに一そう調査も加えて、御説のように農民の指導もいたしてまいりたいというふうに思っております。
#172
○委員長(秋山長造君) 本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。どうも長時間御苦労さまでございました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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