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1947/07/30 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 水産委員会 第4号
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1947/07/30 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 水産委員会 第4号

#1
第001回国会 水産委員会 第4号
  付託事件
○魚價に関する小委員長報告
  ―――――――――――――
昭和二十二年七月三十日(水曜日)
   午後一時五十四分開會
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○魚價に関する小委員長報告
  ―――――――――――――
#2
○委員長(木下辰雄君) 只今から水産委員会を開会いたします。魚價問題に関する小委員会の経過、並びに結果について小委員長の御報告を願います。尾形君。
#3
○尾形六郎兵衞君 昨日魚價対策の小委員会を開催しまして、いろいろ研究しました結果、こういう成案を得たのであります。
 一、昭和十一年度の魚價は、当時非常にお魚の豊富な時でありまして、大体においてお魚の値段の安かつた時でありまするが、その六十五倍という價格につきましては満足なものではないが、ややそれで止むを得ないものとして認めようじやないか。但し現在は資材が約半分のものは闇で買わなければならないような結果にありますので、この漁業家の経済を十分考えて、政府におかれてはこれに考慮を拂つて、一つこの價格の決定に当つて貰いたい。
 次に、政府より漁業用の資材を余り貰わないで、且つ漁獲したものが家庭配給の対象にならないような、沿岸魚業家の取る「えび」とか「すずき」、「たい」等の高級魚については、この際公定價格を撤廃して貰いたい。
 次に、お魚の魚種別につきましても、相当考慮を拂つて價格を決めて貰いたい。
 この三点を條件附にいたしまして、昭和十一年度の六十五倍という價格を一つ認める。こういうことに小委員会では決定したのでありまするから、正式にこの水産常任委員会におかれまして、一つ決議として決めて戴くように、委員長においてお取計らいをお願いいたします。
#4
○委員長(木下辰雄君) 只今小委員長の御報告がありました。これに対して皆さんの御意見なり御質疑がありましたらお願いいたします。
#5
○江熊哲翁君 ちよつと小委員長にお尋ねしますが、今あなたの言われた中に、資材が半分しかないかということを言われたようであつたが、どうも資材と魚價との関係に対する我々の非常に強い要求があつたことが、ちよつと説明が足らないように思うのですが、今のところ、私共としましては、資材は今日非常に入手困難である、そこへ持つて行つて、資材が自由に入つていた時の價格を基準にして、六十五倍というようなことを考えることに非常に不合理性がある、だから今度の價格というものは、資材が公定價格を以て十分に手に入るということを前提とした場合のことを云つておるのでありまして、資材が依然として今日の状態であるならば、魚價を六十五倍という價格にしたとか、或いは七十倍にしたとかいうことによつては、到底解決すべき問題ではないということを、非常に小委員会では強く主張しておる。そのことが委員長の御報告の中にはつきりしていないから、私特にその点を繰り返して申上げて、皆さんの御参考に供したいと思います。
#6
○青山正一君 只今江熊さんが発言した通りの氣持で、私も田中さんと同じでありますから、さよう御承知を願います。
#7
○委員長(木下辰雄君) 外に御発言ありませんか。
#8
○尾形六郎兵衞君 只今江熊さんよりお話がありました通りに、資材のことについて非常に強い話があつたのは事実であります。それで資材については、別に水産常任委員会内に資材の委員会を作つて、そうしてこれを調査し、且つ確保する方法を講じて欲しいという申込みを委員長にしようじやないか、これまで実は相談したのであります。且し私は今、今回の魚價を決めるにつきましての結論を三つだけ申上げたわけであります。言い足りない点があつたかも知れませんが、江熊さんの言うようなお話がありまして、それは別個に資材の委員会でも作つて貰つて、その方でそれをやろうじやないかというお話があつたのは事実であります。今の魚價につきましても、資材の裏付けがあつての話だということも言われたのでありますが、説明の足りないところは補足して置きます。
#9
○委員長(木下辰雄君) 外に御発言ありませんか。
#10
○大畠農夫雄君 資材の点ですが、現状において、資材は要求額のどの位補給ができる見込なんでありますか。
#11
○尾形六郎兵衞君 これは会の度毎に農林当局よりもお話がありますが、現在大体燃油の方は七割程度の配給があります。綿糸の方は約二割、これは漸次増加しておる傾向になつております。マニラーロープは、戰時中から今日に至るまで、正式の配給というものは一遍もない状態であります。今後の見通しにつきましては、水産局長から一つお話を伺つて戴きましよう。
#12
○政府委員(藤田巖君) 只今の尾形小委員長からのお話の通りの実情でございます。燃油の方は、今お話の通り大体七割見当は確保をされておりまして、漁獲物をリングで出します場合には、その程度のものは確保されておるように考えております。
 それから魚網の方は、これは大体從來原棉の割当てが需要量の半数位で、生産量が更にその割当量の半数、つまり需要量の四分の一程度ということになつておつたのであります。併し最近は魚網の生産もずつと向上して参つておりますので、現在の見通しとしては、大体魚網も需要量の半分程度は確保することが可能じやないかというふうに考えておる次第であります。
 それから、マニラにつきましては、これはマニラの原産地が非常に荒廃しておりますので、而も又需要が世界的に旺盛でありますので、当分なかなか割当てされることが困難であろう、若干数量は参つておりますが、これも極く僅かな程度であります。
 從來マニラは、全体でたしか七千六百万ポンド位需要があるところへ、渡つております数量はたしか六・七%であります。これも重点的に私共の方で配給をしておりますので、例えば底曳でありますとか、そういう方面に重点的に配給しております関係上、一般にはなかなか確保が困難であると思います。マニラについては、これはどういたしましても輸入に仰ぐ外はないのでありまして、國内産の大麻もこれは栽培が制限されております。その外についても、代用の繊維というのも恰好なものはございませんので、我々としては必要な数量は極力輸入に仰がなければならん実情でありますので、この方の折衝を続けておる次第であります。
#13
○千田正君 この昭和十一年度の魚價の六十五倍というのは、外の物價が六十五倍であるから、これも六十五倍で止むを得ないじやないかというような、あやふやな態度の決定の仕方は私は不賛成であります。なぜかというと、國民はこの魚價にしろ、すべての物價に対しても、非常な関心を持つておるときに、我々水産常任委員会において、外が六十五倍だとするとどうだとか、これも六十五倍でよいじやないかとか、不満足ながら賛意を表するというような態度では僕は不満足だと思います。もう少し研究して、材料が四分の一しか入らない、或いは燃料がこれだけしか入らない、綜合的に言つて、六十五倍でなければ通らないということを、はつきり宣言するのでなかつたならば、よい加減な態度で、政府の持つて來たものに賛成するというわけにはいかんと思うのですが、この点皆さんの御意向を承つて置きたいと思います。
#14
○大畠農夫雄君 今、小委員長のお話では、配給物資を配給することを條件として、六十五倍の價格を決定したというのでありますが、現在において綿糸が二割、燃油が七割見当しかないという場合に、この六十五倍といも現在の決定が既に不当である、そうすると、こういう見通しがある時に、その公定を作つて、仮に綿糸が二割だというならば、それ以外配給がなかつた分に対しては、公定を値上げしてもよいという幅を持つてでしようか、そりは持つておらないのでしようか。
#15
○尾形六郎兵衞君 只今のお話御尤もですが、私共としましては、魚價の要求に対してもつと強い要求を持つておるのです。持つておりますが、これは私共の意見だけでは決まるものじやない、この間中、農林当局とも何かと話をし、且つ物價廳の長谷川部長もおいでになつて、いろいろお話を聽いております。政府当局、安本当局におかれては、闇資材を以て漁業経営をやつた原價というものは、今日認めることはできない、こういうはつきりした態度がありますのでここで落付いたわけでありまして、いろいろ調査した材料も持つておりますので、決してあやふやではないつもりであります。我々としましては、むしろ生鮮魚介類の公價などは、即時撤廃すべきものだ、その方が生産者のためにもなり、消費者のためにもなるという私は確信を持つております。けれども、それが今俄かに実現しないところに悩みがあるのじやないかと、こう思つて、この辺で、不満足ながら成案を得まして決定したわけであります。
#16
○委員長(木下辰雄君) ちよつと申上げますが、小委員長の報告がまだ徹底していないように思いますが、私はこう解します。昭和九、十、十一年度の魚價を基準としてやるが、九、十の統計がないために十一年度の東京市場における統計を取つて、現在の魚價と比較して見ると、約一、九四倍になつておる、それでその当時の値段を六十五倍すると、現在の價格に一・九四倍したものと大体同じになる。併しながらこれは資材が全面的に配給されるという條件で初めてこういうようになるので、資材が二倍とか三倍という以上は、それを勘案して魚價を決めようというのが第一の條件だつたと私は思います。
 第二は、その当時が非常に大漁だつた、資材も非常に多量だつた、今は非常に量が少い、その方も勘案して決めるべきである。第三は、資材は全く配給がない、而も家庭向配給を行つていない高級魚、「たい」、「えび」、「いとより」、そういう魚族は全く資材の配給のない以上これは統制をはずすべきものだ、この三つの條件が加味して、これを承認するように決定したと私は拜聽いたしましたが、そうでしたね。それで全部資材を配給したならば六十五倍でよろしい、一・九四を加えたのでよろしい。併し現在は非常に配給が少いから、それでは満足しない、それ以上の魚價を出せということになつたようでありますが……。
#17
○青山正一君 これはボロを突くわけではないですが、一・九四倍を加えるのではなしに、掛けたのでありますね。
#18
○委員長(木下辰雄君) そうでございます。他に御質問ありませんか。
#19
○丹羽五郎君 高價魚族、即ち「たい」、「えび」、それから「すずき」というようなものに対しまして、資材の裏付けがないから、これは統制を撤廃すべきものだという観念でこの小委員会はお決めになつたのですか。
#20
○委員長(木下辰雄君) それと、家庭向の配給がない、大衆向の配給になつていないということと、資材の配給がないというような魚は、魚種をちやんと限つて統制を撤廃せよというのが、小委員長の御報告であつたと思います。
#21
○丹羽五郎君 資材の裏付けがないから、それは統制を撤廃しまして……
#22
○委員長(木下辰雄君) ない上に、家庭向の魚ではない、現在家庭に行つていない「たい」とか「えび」とか「いとより」とかいうようなものは、魚種を限つて統制を撤廃すべきものではないかというのが小委員長の條件のようでした。
#23
○丹羽五郎君 家庭用の魚ということについてはデリケートな問題で、結論は、資材の裏付けがないから撤廃するというのか、それに家庭用に向いてない魚であるから撤廃するというのかとどつちでありますか。
#24
○尾形六郎兵衞君 家庭用に向かないというよりは、一般の需要者に万遍なくこれを配給できないという点です。その魚が向かないというより、数量において普遍的に配給できない、而もそれらを獲るのに要する資材は、殆ど政府の配給を受けてない故に、これは價格の統制を撤廃して貰いたい、こういうのです。
#25
○大畠農夫雄君 水産局長にお伺いしたいですが、十一年の「いわし」の一貫目の價格を六十五倍しますと、現在で幾らになりますか。
#26
○政府委員(藤田巖君) これは資料の取り方でいろいろ出ようかと思いますが、昭和十一年の東京の市場での調でありますが、それによりますと、その当時の「いわし」の値段を六十五倍いたしましたものは一六円三十二銭であります。現在の公安價格が二十二円であります。從つて「いわし」については、これはむしろ他の魚に比べて非常に勝り過ぎておるというような現象になつております。
#27
○江熊哲翁君 その「いわし」の問題について、私実際の問題についてちよつと申上げてみたいと思います。「いわし」は当時非常に魚獲が多く、値段が非常に安かつたので、搾滓などにも使つておつた、こういうわけであります。ですから、今の局長の御説明を以てみても「いわし」が非常に引上げられておる、それは殆ど零に近いような肥料になつておつた時のことで、まだ大変引上げておるじやないかということになるので、決して「いわし」自身が今日値段が非常に高くなつておる、今度の六十五倍で非常に高くなる、こういうことには決してならないのだということは、お問違いにならないようにして載きたい。
#28
○青山正一君 その当時、この「いわし」は南鮮、北鮮に氾濫しておりまして、その当時は現在の十倍以上の数量があつたわけです。その点を一つお含み置き願いたと思います。
#29
○尾形六郎兵衞君 先程から小委員長の報告、又委員方のいろいろの御意見至極御尤もな御意見ばかりと考えております。小委員会で先程原案を決定されましたにつきましてはいろいろ事情があると考えます。從つて原案に賛成いたします。
#30
○門田定藏君 ちよつと局長にお尋ねいたします。先程のお話で、原棉で約半分入つておるが、魚網は約四分の一しか出ておらんという御説明でありましたが、あとの四分の一の原棉は今どこに行つておりますか。
#31
○政府委員(藤田巖君) 大体原棉の割当を四半期毎にいたしております。それで大体製綱工場で消化し得る程度を考えまして、次の期において割当するものを加減して行つております。当初、昨年度は初めの額は実は八万梱戴きました、八万梱と申しますと、平年需要量が大体九万位いであります。八万梱の枠を戴いて、それが完全に網になりますなをば、大体需要は賄えるという数字であつたのであります。ところがその実際の割当通りに米棉が実は入つて來るのが非常に遅れまして、たしか去年の十月しか入つて來ません。第一回は從來手持でありました分、一万梱程度を割当てました。その後魚網の工場が非常に復旧しておりませんので、割当てたものだけがどうも糸になり網にならなかつたのであります。從つてその次の割当がずつと減つて参りまして、結局、結論においては、たしかに昨年度の割当が三万数千梱とというふうなことに相成りました。それでそれが順繰りに遅れて來ております。從つて現物といたしましては、もうすでにこれは網の工場に入つて、そうしてできているというふうなことに、順繰りにつまりずれて來ております。そういうふうな事情になつております。
#32
○丹羽五郎君 今、小川氏の動議がありましたが私も小委員会においては、恐らくこの魚價において大きな不満を持つておられることは、よく小委員会の意図も諒察ができておるのであります。現在これ以上に上げるということには、他の統制品目とのいろいろの対照もあると一應数学的には考えられると思います。私はこの場合、是非とも早い機会にもう一度、綿糸なんか、裏付け物資が廻らなくなるから、もう一つ早い機会に、今度は魚價の改正をして戴くということを希望いたしまして、小川君の動議に賛成をいたします。
#33
○委員長(木下辰雄君) 小川君、丹羽君から委員長報告通り決議決定したいという動議がありましたが、御異議ありませんか。
#34
○委員長(木下辰雄君) 御異議ないと認めまして、本委員会において委員長の報告通り決議いたします。これで本日の委員会は閉会いたします。
   午後二時二十二分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     木下 辰雄君
   理事
          尾形六郎兵衞君
   委員
           大畠農夫雄君
           門田 定藏君
           丹羽 五郎君
           松下松治郎君
           加藤常太郎君
           寺尾  豊君
           小畑 哲夫君
           青山 正一君
           岩男 仁藏君
           江熊 哲翁君
           小川 久義君
           矢野 酉雄君
           千田  正君
  政府委員
   農林事務官
   (水産局長)  藤田  巖君
   総理廳事務官
   (物價廳第二部
   長)      長谷川 清君
ソース: 国立国会図書館
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