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1949/03/18 第7回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第007回国会 本会議 第28号
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1949/03/18 第7回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第007回国会 本会議 第28号

#1
第007回国会 本会議 第28号
昭和二十五年三月十八日(土曜日)
 議事日程 第二十六号
    午後一時開議
 第一 昭和二十二年度一般会計歳入歳出決算、昭和二十二年度特別会計歳入歳出決算
 第二 臨時物資需給調整法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第三 水路業務法案(内閣提出)
 第四 在外公館等借入金整理準備審査会法の一部を改正する法律案(海外同胞引揚に関する特別委員長提出)
    ―――――――――――――
●本日の会議に付した事件
 渡米国会職員団に寄せられた米国の厚意に対する感謝の件及び日本国会議員団に寄せられたカナダの厚意に対する感謝の件(議長発議)
 日程第一 昭和二十二年度一般会計歳入歳出決算、昭和二十二年度特別会計歳入歳出決算
 日程第二 臨時物資需給調整法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 水路業務法案(内閣提出)
 日程第四 在外公館等借入金整理準備審査会法の一部を改正する法案(海外同胞引揚に関する特別委員長提出)
    午後二時二十二分開議
#2
○議長(幣原喜重郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 渡米国会議員団に寄せられた米国の厚意に対する感謝の件及び日本国会議員団に寄せられたカナダの厚意に対する感謝の件(議長発議)
#3
○議長(幣原喜重郎君) 先般、わが国会議員の一行が、マツカーサー元帥のあつせんにより、米国民主政治の理念並びに運営研究のため渡米した際、米国連邦議会を初め、訪問した各州議会並びに朝野各界及びハワイ・テリトリーから懇篤な待遇を受け、また滯米中カナダ政府から特に招待され、同国議会及び政府並びに国民から心からなる歓待を受け、議員団の目的達成に多大の協力と便宜を與えられましたことは、本院として衷心感謝にたえないところであります。
 つきましては、この際両国の寄せられたる好意に対し感謝の意を表するため、本院は特に院議をもつてそれぞれ感謝の決議をいたしたいと存じます。この発議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#4
○議長(幣原喜重郎君) 起立者多数。とつてさよう決定いたしました。
 つきましては、決議の案文を朗読いたしましてお諮りいたします。
   渡米国会議員団に寄せられた米国の厚意に対する感謝決議
  衆議院は、わが国会議員団が、連合国最高司令官マツカーサー元帥の極めて好意的な斡旋により、米国民主政治の理念並びに運営研究のため渡米した際、米国連邦議会及び議会図書館、南カロライナ、マサチユーセツツ及びニユーヨーク各州議会並びに訪問した諸都市その他朝野各界及びハワイ・テリトリーが、わが議員団に対し示された好意並びに原題に対し、ここに、深甚な感謝の意を表わすため、次の決議をする。
  そもそもマツカーサー元帥は、わが国の民主的、平和的文化国家としての再建のため、不断に援助され、この目的達成のため、今般特にわが国会議員団が米国民主政治の理念並びにその運営を親しく調査し得る機会を供與されたりである。
  議員団は、全行程を通じ、米国各地において同国国民の心からなる歓迎を受け、米国連邦議会及び各州議会の議事運営を議場において傍聽する等特別の便宜を供與され、特に南カロライナ、マサチユーセツツ及びニユーヨーク各州議会においては、上下両院の共同決議をもつて議員団歓待の意を表明された。
  一行は、二ヶ月間にわたる米国観察によつて、民主政治のあり方を充分に調査研究し、多大な成果を收めて三月十三日帰国したのである。
  衆議院は、ここに、連合国最高司令官マツカーサー元帥に対し、深甚な敬意と謝意を表し、且つ、米国連邦議会及び議会図書館、南カロライナ、マサチユーセツツ及びニユーヨーク各州議会並びに訪問した諸都市その他朝野各界及びハワイ・テリトリーの好意と厚遇に対し、衷心より感謝の意を表明するとともに、一行の体得してきた知識を活用し、民主国家の建設と議会政治の完成のために一段の努力をいたし、もつて世界平和と民主主義の発展に奇與せんとする決意を宣明する。
   日本国会議員団に寄せられたカナダの厚意に対する感謝決議
  衆議院は、わが国会議員団がカナダを観察した際、同国議会、政府並びに国民の示された好意と厚遇に対し、深甚な感謝の意を表わすため、次の決議をする。
  今般、わが国会議員団は、民主政治の理念と運営を親しく調査するため渡米したのでもあるが、その際カナダ政府より鄭重な招待を受け、同国議会の運営を併せて調査することができたのである。
  議員団は、オツタワにおいて、カナダ国民の心からなる歓迎の裡に、同国議会及び政府より鄭重な歓待を受け、議場の傍聽についても特に便宜を供與されたのである。
  衆議院は、一行の帰国に当つて、ここに、カナダ議会、政府並びに同国国民の示された好意と厚遇に対し、衷心より感謝の意を表する。
 この案文に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#5
○議長(幣原喜重郎君) 起立多数。よつてその通り決定いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
#6
○議長(幣原喜重郎君) 日程第一、昭和二十二年度一般会計歳入歳出決算、昭和二十二年度特別会計歳入歳出決算を議題といたします。委員長の報告を求めます。決算委員長本間俊一君。
    〔本間俊一君登壇〕
#7
○本間俊一君 昭和二十二年度の一般、特別両会計の決算につきまして、委員会の経過並びに結果をご報告いたします。
 予算執行の概要を申し上げますと、一般会計歳入の決算額は二千百四十四億六千七百余万円、歳出の決算額は二千五十八億四千百余万円でありまして、差引八十六億二千六百余万円の剩余を生ずるわけであります。しかしながら、この剩余中には、同年度から翌年度に歳出予算の繰越しがありまして、これが財源を留保いたしておく必要がありますので、その金額十七億千二百余万円と、前年度の剩余金の使用残額八億三千二百万円とを控除いたした六十億八千百余万円が、本年度に生じた純剩余金であります。この剩余金は、財政法第六條の規定によりまして公債または一時借入金の償還の財源に充てなければならないこととなつておりますので、その二分の一相当額の三十億四千余万円は昭和二十四年度の予算にこれを計上し、残りの大部分は昭和二十三年度の予算の財源として使用済みであります。
 右決算額を予算額に比較いたしますと、歳入の予算額二千百四十二億五千六百余万円に対して二億千百余万円の増加を示しております。歳出においては歳入予算額と同額でありますが、前年度からの繰越額十九億六千万円を加えますと、予算現額は二千百六十二億千六百余万円でありまして、そのうち支出済額は二千五十八億四千百余万円、二十三年度に繰越した金額は十七億千二百余万円であります。繰越しのうち、おもなるものは、政府事業再建費、地方警察費、国民教育費、学割改革費、石油増産対策等に関する経費であつて、政府職員等の給與水準引上げに関する具体的措置の決定が遅れたのと、その他の事故によつて年度内に支出を終らないものがあつたため、財政法第四十二條但書前段の規定によつて翌年度に繰越した金額は十億八千五百余万円であり、一方終戰処理費、公共事業費、物資及び物価調整事務取扱費、生活保護費、外国貿易使節団宿舎設備費等に関する経費のうち、避けがたい事故によつて事業が遅れ、または予定計画を遂行することができなかつたため財政法第四十二條但書後段の規定により繰越しとなつたものが六億二千七百余万円あります。
 繰越制度の運用につきましては、国庫支出の遅延等の原理となることが多いのでありまして、検討の必要あることを指摘いたしたのでありますが、その後内閣におきまして、従来の運営方針を改め、多少これらの事務は促進されているように見受けられるのでありますが、いまだわれわれの満足するがごとき抜本的改正がなされず、従つて、これが支拂い遅延その他おもしろからざる原因となつている事実を認めるのでありまして、さらに再検討の必要があると存ずるのであります。
 次に予備費でありますが、その総額は二十億円でありまして、これを支出した金額は十九億七千七百余万円であり、支出残額は二千二百余万円であります。予備費の支出につきましては、第五回国会において、一部を除き事後承諾を経ておりますので、ここには説明を省略いたします。
 大蔵省証券及び一時借入金の発行または借入の最高限度額は四百億円でありましたが、実際発行した大蔵証券の額は七百二十三億円でありまして、一時借入金につきましては、実際に借入れをしたものはなかつたのであります。
 特別会計の決算につきましては、おのおのの決算書についてごらんを願うことにいたしまして、説明を省略いたしたいと存じますが、本年度の決算に揚げられた特別会計数は二十六でありまして、その歳入歳出の決算総額は、歳入決算額四千百九十一億一千三百余万円、歳出決算額三千七百二十五億余万円であります。さきの一般会計と合計いたしますと、歳入決算総額は六千三百三十五億八千余万円、歳出決算総額は五千七百八十三億四千百余万円となるのであります。しかしながら、以上のうち相当たがくな重複勘定がありますので、これを控除して、いわゆる概算いたしますと、歳入決算総額は四千百九十八億八千四百余万円、歳出決算総額は四千六十億三千九百余万円となるわけであります。しかして、これをただちに財政支出であると即断し得ないのはもろんでありますが、大体の傾向はこれによつて推知し得るのでありまして、これを同年度の国民所得一兆千億から判断いたしますれば、国民負担が相当の重壓であつたことがわかるのであります。
 以上が昭和二十二年度決算の大綱であります。
 この際当時を回想いたしますと、第一次吉田内閣は、ポツダム宣言の忠実なる履行と経済の再建とを目ざして予算を編成いたしたのでありますが、各種の困難なる前提條件はありましたけれども、この予算が適切に運営せられ、財政処理が円満に遂行せらるならば、わが国経済の再建も軌道に乘るものと確信いたしておつたのであります。ところが、同年五月末、片山内閣にかわり、予算編成当時予測しなかつた幾多の事情が発生したとはいえ、厖大なる追加予算が続々と提出せられ、ほとんど当初予算の倍額に近い予算となつてしまつたのであります。片山内閣によつて、八月以降年度末までに提出せられた追加予算は、一般会計十五件、特別会計十件、計二十五件でありますから、毎月平均三件ずつの追加予算が提出せられておつたというわけでありまして、いまだかつて、わが財政史上その例を見ない状況であつたのであります。従つて、その実行はうまく行くわけはないのであります。
 私は、この決算の上における数多い非違、不当を十分審査して、まことに遺憾であると思うのでありますが、それらは予算の執行に当る下級官吏のみに責任を負わせるに忍びない気持がいたすのでありまして、当時内閣の財政処理が、もう少し適切になされたならば、あるいはこれらの事案も少くなつていたのではないかと思うのであります。のみならず、私の最も遺憾に思うのは、新憲法が施行になり、財政法が制定された初めての年度であり、財政経済政策のきわめて重大なる年であつたにもかかわらず、財政処理がなぜ適切になされなかつたかということであります。いまさら片山内閣をどうこう言うのではありませんが、政局の不安定と連立内閣の欠点というものは、この決算を審査いたしまして、さらに痛切にその感を深くさせられるのであります。
 御承知の通り、インフレーションは終戰以来どんどん進行しているのでありまして、昭和二十二年に入りまして第三期的な症状を呈して参つておつたのであります。すなわち通貨は、財政の赤字による政府資金の民間撒布超過額を第一の原因といたしまして、猛烈な勢いで増発を続け、しかも物価は、通貨の増加率を上まわる率をもつて上昇して参つたのであります。これを数字をもつて示しますと、昭和二十一年度末の九百億台の通貨は、二十二年度末には二千二百三十億というふうに、二倍半になつておるのでありますが、物価は前年度に比較いたしまして三倍強を示しているのであります。かたがた、労働攻勢を背景とした物価と賃金との惡循環もいよいよ烈しくなつて、流通秩序は混乱し、かてて加えて、やみ行為は横行し、もつて惡性インフレの危機は寸前に迫つているとの感を抱かしむるものがあつたのであります。今日から、これらの事情を顧みましても、心あるものは、まことに恐怖・戰慄の感なきを得ない感じがいたすのでございます。かくのごとき社会情勢の中にあつてなされた財政処理の結果がこの決算でありまして、りつぱな決算ができようはずがないのであります。
 三大労働立法、すなわち労働組合法、労働基準法及び労働関係調整法が、前年度から引続いて制定施行せられたことは御存じの通りでありますが、戰時的諸法令の廃止と、これら労働立法の整備と相まつて、今日の労働組合の健全なる発達と相なつたのでありますが、その胎動、陣痛の悩みは、この年が絶頂であつたのであります。従つて、労働争議も非常に多く、かつ過激と認められるものも少くなかつたのであります。これが予算執行の上に影響しないはずはないのでありまして、一例をあげますと、会計理事者が労働攻勢と予算及び会計法との間に板ばさみとなつて、遂にむりな会計処理をなしたというようなことは相当多いのであります。また一般的に公務員も労働攻勢の一翼をなしていた結果、財政処理の上に少からざる影響を及ぼしていることも、見のがすことができない一点でございます。
 次に、この予算を検討いたしまして、財政が国民経済の上にいかに重要なウエートを持つているかということについて一言いたす必要があろうかと存じます。国民所得の三〇%ないし四〇%のものが財政收入となり、財政支出は国家資金計画の六〇%ないし七〇%を占めるということでありまして、このことは、古今東西にわたつてその例を見ないのであります。アメリカや英国においては、財政というものが国民経済上軽いウエートしか持つていないのでありますが、わが国の財政は、非常に国民経済上重要であるのでありまして、従つて予算の執行いかん、すなわち決算がうまく行われるかどうかということは、きわめて重要な事柄であると信じます。
 私は、以上のような観点から昭和二十二年度の決算を審議いたしまして、多くの違法、不当の処置があつたことは、はなはだ遺憾に存ずるのであります。各委員と当局との間において、終始熱心な質疑応答が繰返されたのでありますが、それは会議録によつてごらんを願うことといたしまして、これを省略いたします。
 三月二日に討論を終局して採決いたしました結果、多数をもつて、川端君の動議の通り、違法、不当並びに措置当を得ないもの計三百七十八件を除き、他はこれを異議なきものと議決いたした次第であります。
 なお最後に一言申し上げておきたいことがあります。決算は、さきに申し述べました通り、きわめて重要な案件でありますが、ややもすると、国民も国会もこれを軽視し、従来国会においても、これを議案として取扱わず、内閣からの報告案件として取扱つて参つたのでありまして、国会は予算を決定するが、あとは野放しになつておるのであります。しかるに、新憲法の精神から、かかる報告説に対して議案説が唱えられておるのでありますが、去る三月八日、本委員会はこの問題を取上げまして、斯界の権威といわれる数名の方々に参考人として御出席を願い、その意見を聴取いたしたのであります。これは決算制度上相当重要なことでありますので、これらの意見を簡單にひろういたしておきたいと存するのであります。
 まず消極説というべき意見は、新憲法の上において種々の民主的な規定が設けられ、なかんずく国会が国権の最高機関となつているが、決算に関する新憲法第九十條の規定は、用語は多少異なつておるが、旧憲法第七十二條とまつたく同じ規定であつて、決算については旧憲法時代と異なる取扱いをなすべき根拠が薄弱であるから、決算の最後の決定は会計検査院がこれをなすべきものであつて、国会が決算を議案として取扱い、これを最終的に決定するのは憲法違反であるというのでありまして、これは大石教授及び会計検査院の説でございます。
 これに対し積極説ともいうべきものは、憲法の文字の解釈からすれば、あるいは消極説のごとくにも考えられないことはないが、憲法の解釈は、かくのごとく狭く解釈すべきではなく、憲法第八十三條は、財政処理の国会議決中心主義を明らかにして、国会の財政監督権を強化しているのであるから、決算を国会の議決案件として、決算の最終的決定を国会になさしめることは新憲法の精神であるというのであしまして、この主張は、清宮、大西両教授並びに入江本院法制局長らの意見であつたのであります。
 ところが、これに対して折衷説とも申し上げたらよかろうかと思うのでありますが、決算が会計検査院において検査確定することは消極説の通りであるが、わが国の会計検査院は行政部の一部となつているのであるから、国会の附属機関ではない、従つて行政部でなした決算の確定を、もう一度国会において議決案件として取扱い、違法、不当、妥当なりと議決することは、これまつたく国会の自由であり、何ら憲法に違反するものではない、但し、それは憲法第八十三條の財政処理ではないというのでありまして、これは大蔵省の平井君の説であります。
 以上三つの学説は、きわめて注目すべき意見でありまして、これは国会において早晩解決せられなければなたない問題であることを申し添えまして、私の報告を終わる次第であります。(拍手)
#8
○議長(幣原喜重郎君) 本案については討論の通告があります。これを許します。井之口政雄君。
    〔井之口政雄君登壇〕
#9
○井之口政雄君 ただいま提出されました二十二年度一般、特別両会計決算に対しまして、日本共産党といたしましては、全面的にこれを承認することができないのでございます。
 まず第一に、二十二年度の歳入歳出決算は、財政法第三十九條の規定によりますと、二十三年の十一月三十日までに会計検査院に送付されていなければならぬのでございます。しかるに、翌年の一月三十一日に至つて、ようやく会計検査院の検査を受けるというほどの、実にてんやわんやで急ごしらえにこしらえたものである。これでは、会計検査院が十分の審議ができないのは当然でございます。なお終戰後、この時にはすでに翌々年二年にも及んでおるのでありますから、予算の遂行に対しましても相当明確な秩序が確立していなければならなかつたにもかかわらず、そうなつていない。これは社会党内閣の重大なる責任だつたと思います。
 当時共産党は、野坂氏の反対討論をもちまして、この予算の遂行が、国民所得を一千数百億も超過していて、国民経済を破壊するインフレ財政に導くであろうということを指摘しておられました。また、歳入は大衆から、歳出は資本家へ、こういう予算であることも指摘されておりました。半分以上は非生産的に使われまして、経済を破綻させ、日本の独立を危うくするものであるということも、前もつて指摘されていたわけでございます。他方、賃金は千八百円ベースでくぎづけされて、今日の吉田内閣の低賃金政策に至る端緒を、すでにこの財政が開いております。そして、この野坂氏の日本共産党の代表としてなされました意見は、そのまま的確に事実上立証されて参つておるのでございます。
 従つていま歳入歳出の実行面を見てみますと、どうでございますか。未確認額でさえも、歳入で五億円に達し、歳出で百五十億円に達しておるような状態でございます。概算拂いの精算未了のごとき百二十六億円にも達する有様であります。それらの未確認歳入や歳出に対してしては、証明書さえもないというのが実情、会計検査院の質問、問合せに対してすら、回答ができないというほど未確認として遅れているのでありますから、実際を考えてみますならば、たとい、あとでつじつまをいかように合せましようとも、予算の実行面がいかにルーズに行われ、その間にいかに不正が予算の一方面に伏在しておるかということを、これは的確に物語つていると思います。
 特別会計の分を見ましても、農林省関係食糧管理特別会計、これはこの間問題になつておりますが、そういうところで、すでに二十二年において五億からの貸出未確認額がございますし、国有鉄道――今、国鉄の多くの労働者の方々が、この收奪されたところの賃金の支拂いを要求して闘つております、そういう国有鉄道事業が、すでに二十二年度において、歳入四億円、歳出十一億円という多額の未確認が出ているわけであります。これだから、ああした問題も起るので、われわれは、予算の実例について、深く深くここに思いをいたさなければならぬと思います。
 以上のようにルーズな実行をやつておるものでありますから、確認済みの分を見ましても、歳入未確認が年々増加して来るという、こういう状態、これ全国民が苛斂誅求によつてしぼりとられた税金がどのように使われているかについての大きな疑惑を抱くに至らしめる根本原因と思います。
 政府が当然とらなければならぬ歳入の部分で、いまだ收入に立ち至つていないものは、五百三十三億四千五百万円というものがあげられております。これらは主として大資本家から当然とらなければならない租税部分でございますが、それがほとんど脱税の形において残されてしまつた。また価格差益金の納付金にしたところで六十八億円でございます。特殊物件の收入でさえも十四億円、特別会計で收入未済額は、專売局で七十七億という大きな金でございます。食糧管理で七十三億、どうです。この食糧管理で、七十三億なんというものが、まだ未收入になつている。事実を申し上げます。財産税が三十二億であります。これは会計検査院が指摘している数字です。これを單なる宣伝というふうにお考えになるところに根本的な誤諮がある。
 支出の方面を見まするに、予算それ自体が、終戰処理及び価格調整費の占める割合は実に五二%にも達している、半分以上達しているという、こういうものである。しかも、終戰処理費は六百四十一億でありましたが、年度内に使い切れないほどのものを予算で組んでおる。その部分だけても、四億円から支出が余つている。しかも、これの支拂い状態は、概算拂いで、ちやらんぽらんで金が出されているのです。そうして、その精算も完了いたしておりませんし、工事費が過拂いになりまして、あとは当然とらなければならないものが、その返納に至らないもの多額にあるのでございます。さらに価格調整費に至つては、国民の税金をもつて大企業の独占利潤を保護するもので、これは大企業からは租税の徴收を怠つておいて、片方に與えるという不当な執行が行われているわけであります。
 次に復興金融資に対しましては、まるで詐欺的に奪い合いを始めて與えられたところの有様、が実によく決算の上にも現われて参つております。しかし、それもごくわずかでございます。昭和電工問題について、あの大きな腐敗事件が国民の前に明瞭になりましたが、会計検査院の調査は、それに対しましても、ごく部分的であり、またほんとうにずさんなものであります。徹底したメスを入れておりません。こうした犯罪事件までも起したような復金は、二十二年度に限らず、いち早く今日までの分をすでに全部調査して、国民の疑惑を解いておるべき性質のものであります。それだのに、それをやつておりませんから、その後に至つても、しばしばいろいろな不正事件が伏在している状態でございます。麻生炭鉱への融資問題も、いまだに不問に付せられておりますが、こういうものも早くどんどんとやつて、国民の前に明瞭にしなければならぬ性質のものであると思ます。
 さらに、本決算で見のがすことのできないものがございます。それは特殊物件関係でございます。これは、すでにこの二十二年度までに大部分が処理されてしまつております。かかるに、売拂額の六十一億九千万円に対しても、驚くなかれ、未徴收額が十二億円に達しております。この特殊物件の価格なるものが、そもそもインチキきわまるもので、これが非常に詐欺的に安く算定されていることは、会計検査院みずから指摘している通りである。そういうふうな、ほとんどくれるにひとしいような低価格のものでさえも、いまだに未徴收に立ち至つている。これは国民的な財産が奪い去られている実情を物語つているものであります。
 廃兵器類の決算において、国家の大財産であつたものが処理されて、かえつて処理費として、あべこべに政府の方から出さねばならぬものが二億六千万円もあるというような、こういう状態は、われわれが常識をもつてしても判断し得ないものであります。国家が当然收納すべき部分に対して何の追及もしていなかつたという、これは歴然たる証拠でございます。艦艇の解撤作業に至ちましては、二十二年以前に着手いたしました部分に対しても、経理措置がいまだにとられていないということが報告されております。全国民の、いたく憤慨するところとなつている次第でございます。
 要するに、予算審議の場合にわが党が指摘いたしましたことは、そのまま予算の遂行にあたつて的中しております。それのみではなく、その使途の方法に至つても不当事項が続出し、不正が雑然として集積されておる状態であります。これらの混乱は、積んで積んで積み上げまして、今日の不当な状態に立ち至つております。大金融閥を富まし、独占資本と結託せしめるもとを、この時代にすでに開いております。植民地化、軍事基地化を可能ならしめる、あらゆる堕落と不正の実体は、もうすでに二十二年度のここにおいて種がまかれております。
 われわれは、日本の独立を確保せしめる全面的な講和を希望する次第であります。低賃金と重税と農業の破壊政策に反対して、平和を守るために党は闘つておりますが、それには決算を巖格に審査し、一切の不正を摘発し、独占資本を利する一切の政策におさらばを告げねばならない。そうすることによつて初めて国民は明るい政治を持ち得ると思います。これこそは、そういうことをして初めて二十三年度の決算をさらに正しいものとなすことができると、われわれは思つております、かくいたしまして、この決算に対しまして、私たちは全面的に賛同を表することができないのでございます。これをもつて終わります。(拍手)
#10
○議長(幣原喜重郎君) これにて討論を終局いたしました。
 採決いたします。本件を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#11
○議長(幣原喜重郎君) 起立多数。よつて本件は委員長報告の通り決しました。
     ――――◇―――――
 第二 臨時物資需給調整法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
#12
○議長(幣原喜重郎君) 日程第二、臨時物資需給調整法等の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。経済安定委員長小野瀬忠兵衞君。
    〔小野瀬忠兵衞君登壇〕
#13
○小野瀬忠兵衞君 ただいま議題となりました臨時物資需給調整法等の一部を改正する法律案について、委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、経済統制を実施する根拠法規として昭和二十一年十月二月公布せられた臨時物資需給調整法が、臨時立法として、当初その有効期限を昭和二十三年四月一日または経済安定本部の廃止の時のいずれか早い時に限定されていたが、その後におけるわが国経済の実情は、いまだこの法律をまつたく不要とするには至らず、すでに三回の改正により有効期限を逐次延長して、本年四月一日または経済安定本部の廃止の時のいずれか早い時となつておりますが、本年度において経済統制の大幅緩和を実現したにもかかわらず、なお若干の物資についてはその統制を継続する必要があるので、本法の有効期限を延長して、附則第二項中「昭和二十五年四月一日又は経済安定本部の廃止の時の何れか早い時」を「昭和二十六年四月一日」に改正せんとするものであります。本案の内容は、その第一項において、現行法で「昭和二十五年四月一日又は経済安定本部の廃止の時の何れか早い時」とされているのを「昭和二十六年四月一日」と改め、有効期限をさらに箇年間延長せんとするものであります。これは前に述べましたように、若干の物資について統制が継続されるので、有効期間の延長が必要なためでありますが、なお経済安定本部が、今次国会に提出の経済安定本部設置法の改正法律案によつて、「昭和二十五年五月三十一日」とされている現在の廃止予定時期を削除いたしまして、臨時的官庁たる性格を改める予定になつているので、「又は経済安定本部廃止」去々という字句は適当でないので、これを削除しようというのであります。
 次に第二項は、本法の附則第二項に関するものでありまして、昭和二十二年に本法を改正した際に、その附則第二項に、経済安定本部総務長官が、一箇月ごとの期間を限り、特定の産業団体を指定して臨時に輔助的統制事務を行わせて来たのであるが、その後物資調整官制度の整備と統制事務の整理の結果、昭和二十四年十月以降は民間産業団体を使う必要が全然なくなつたので、この際この不要に帰した規定を削除しようというのであります。
 本案については、去る二月二十五日提案理由の説明を聽取し、引続き三月二日、九日及び十一日に審議をいたしました。委員会においては、最近の大幅な統制解除に関連し、また公団の廃止や滯貨物資の放出に伴う経済情勢の急激なる変動及び影響にかんがみまして審議の愼重を期し、資料の要求をいたしまして、熱心なる質疑が行われました。特に現在の統制物資、ことに石油、食糧、肥料等に関する状況について、きわめて詳細なる質疑応答がかわされました。また統制の解除に併い事業者団体法の改正の必要が指摘さてなしたが、これに対し政府も大いに努力する旨の答弁がありました。
 さらに、本法の有効期限を一箇年間延長するよりも、むしろ本法を廃止して、統制の残存やむなきものについては新しく統制の單行法を制定すべきではないかとの質問に対して、政府は、もし本法を廃止して、残存のものについて法律をつくるとすれば、統制に関する法律が多くなるのみならず、漸次統制を解除しようとしても、国会の休会中は当該統制法が廃止できないために不都合を生ずるから、むしろ現行法を一箇年延長しておいて、その間に統制は適当に部分的に必要に応じて廃止して行くこととし、それでもなお一箇年後に統制の残存するものがあれば、そのときに本法の廃止とともに新しい統制法をつくるのがよいであろうという答弁ありました。
 かくて、十四日討論に入りましたが、共産党を代表して米原委員は、本案が官僚統制であり、国内的にも国際的にも大衆の犠牲において資本家擁護の統制を継続するものであるから、その有効期限を延長せんとする本案には反対であると述べられました。また自由党を代表して永井委員は、わが国経済の復興発展により統制の解除は現に拡大しつつあるけれども、なお主要物資の一部は統制の持続を必要としているがゆえに本案には賛成であると述べられました。次いで採決に入りましたが、本案は多数をもつて原案通り可決されました。
 右御報告申し上げます。(拍手)
#14
○議長(幣原喜重郎君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#15
○議長(幣原喜重郎君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 第三 水路業務法案(内閣提出)
#16
○議長(幣原喜重郎君) 日程第三、水路業務法案を議題といたします。委員長の報告を求めます。運輸委員長稻田直道君。
    〔稻田直道君登壇〕
#17
○稻田直道君 ただいま議題となりました水路業務法案について、運輸委員会における審査の経過並びに結果を御報告もうしあげます。
 本法案は、去る三月八日、本委員会に付託せられまして、三月十日、背不より提案理由の説明を聴取し、これを愼重に審議いたしたのであります。
 本法案の趣旨を簡單に申し上げますと、現在水路業務に関する法律といたしましては、明治二十三年に制定せられました水路測量標條例のみでありますが、新憲法が施行せられました今日におきましては、法令の体制上現代に不相応であり、またその内容においても現情勢に適応いたしませんので、現行條例に全面的に改正を加えまして、種々新しい規定を織り込んだものであります。
 その内容の主なる点をあげますと、まず第一点といたしましては、水路業務の目的及びその業務の内容の用語について定義を規定したのであります。次に第二点といたしましては、水路業務の主要部門である水路測量に関しまして測量の基準を定め、その成果に一定の標準を與えまして、資料の交換に資することといたしたのであります。第三点といたしましては、海上保安の立場から、港湾施設の状況について、地方公共団体等にたいしまして資料の提出または報告を求めることができることといたしました。第四点といたしましては、海上安全の指針である水路図誌は常に現状に一致させておく必要がありますので、これを複製し、あるいは類似刊行物を発行しようとするときは海上保安庁長官の承認または許可を受けなければならないことといたしました。
 次に本法案に対する質疑の主なる点を申し上げますと、第六條において、海上保安庁以外の者が国または地方公共団体から費用の補助を受けて水路の測量を実施しようとするときは海上保安長官の許可を受けなければならないと規定されているが、費用の補助を受けない場合は自由であるかとの質問に対しまして、政府委員より、かかる場合は測量に規模もきわめて小さく、従つて許可を受ける必要はない旨の答弁がありました。また第十八條に測量船に著しく接近してはならないとさだめられているが、測量箇所をあらかじめ周知するにはいかなる方法によるのであるかとの質問に対しまして、政府委員より、官報に掲載するとともにラジオ放送を行い、周知に遺憾のないよう措置する旨の答弁がありました。その他の詳細については会議録に讓ることといたします。
 次いで自由党の關谷勝利君より、第八條中に「前條」と規定されているが、これは明かに誤りと認められるので、これを「第六條」と改めること、また第十條中に「地方公共団体又は港湾法に規定する港湾管理者に対し、その管理する港湾」と規定されているが、まだ港湾法案が内閣より提出されておらないので、これを「地方公共団体その他港湾施設の管理者に対し、その管理する港湾施設」に改めること等の修正案の提出がありました。
 次に討論に入りまして、日本共産党を代表して林百郎君より、本法案に対しまして、第一点として、講和会議締結前に單独で国際水路会議に加盟するのは妥当ではない、第二点として、現下の現状において水路測量及び海象観測等の成果を交換することは、わが国を軍事基地化させるおそれがある、第三点として、障害物を除去するため定置漁業の作業に支障を及ぼし、しかもこれ対するかんぜんなる保障を期し得ない、第四点として、港湾の修築に制肘を加えるためその修築に支障を来す等、以上の理由により反対の旨を述べられました。
 かくて討論を打切り、ただちに修正案について採決の結果、起立多数をもつてこれを可決し、次いで修正部分を除く原案について採決の結果、これまた起立多数をもつて可決いたしました。よつて水路業務法案は修正議決すべきものと決した次第であります。
 右御報告申し上げます。
#18
○議長(幣原喜重郎君) 本案について討論の通告があります。これを許します。上村進君。
    〔上村進君登壇〕
#19
○上村進君 私は、日本共産党を代表して、ただいま提案になつております水路教務法案に対して、簡單に反対の意見を表明するものであります。
 いまや、あらゆる法案が、今国会を通じまして、吉田自由党内閣の売国政策のもとに、日本の全面講和の引延ばし、日本の軍事基地化、植民地化と完全なる隷属のもとに着々用意がなされておるのであります。この法案も、その現われの一つであります。すなわち、その第一條においては、まことに巧みな擬装文句をもつて、水路測量の成果その他の海洋に関する科学的基礎資料を整備し、もつて海上における安全の確保を図るとともに、国際間における水路に関する情報の交換に資することを目的とする、と規定いたしてありますが、一体だれのための海上に安全でありどこの船の航行の安全であるというのであるか。
 去る三月四日のスカジヤツプの覚書によつて、日本海運の運行体制には革命的な一大変更が断行せられ、全日本船舶の現有トン数百八十万重量トンのうち、国際的な外航に従事し得る船舶は、わずかに三十万重量トンにすぎない悲惨な状態になるのであります。この船舶のうち、昨日の中小商工業者の危機突破大会で端的に証明されたごとく、吉田内閣の産業破壊政策による荷動きの減退は、日本船舶の三分の一に及ぶ七十万トンの痛ましい繁船状態を各港に現出しているのであります。また外航就航は、国際海運と公正な競争のできない強度の制限のもとに、事実上は外国船舶のため、ほとんど独占されているのが日本海運の現状であります。これによつて、船員その他の海運労働者は首切り、低賃金、労働強化、失業の窮乏に追い込まれ、中小海運業、造船業者は倒産の運命に突き落とされることは明らかであります。
 また提案理由においては、今般海上保安庁水路は、その筋の許可を得て、近くモナコの国際水路局に加盟の予定であり、従つて加盟各国は、国際水路会議の決議によつて、国内における水路に関する資料及び情報を提供交換する云々とうたつてありますが、一体日本政府は、いつから自主的外交権を発動し得ることになつたのであるか。これは明かに、一九四五年九月二日の降伏文書、一九四七年七月二日の極東委員会の日本に対する降伏後の基本方策の違反である。ましてや、日本政府が各種の国際会議に参加することに対し、英国などからはげしい反対が出ていると伝えられている今日、かかる国際会議参加を前提とする本法案は、全人民の要求である即時公正な全面講和を妨げるものであり、われわれは、この吉田内閣の陰謀的な、なしくずし講和に対し、全人民に名をもつて糾彈せざるを得ないものであります。
 次に法案の重要な條項は、第十三條、第十四條において、水路測量実施のために、海上保安庁に、かきや、さく等の障害物除去に強大な権限を與え、これによつて自由に定置漁業や区画漁業に重大な影響を及ぼす行為をすることができるのは、見のがすことのできない点であるのであります。
 政府は、日本海運業建設のために何ら根本的、積極的政策を立案することなく、突如として法案のごとき、まつたく不急にして、国民負担の予算を必要とする不当なる法案を提出したことは、吉田内閣の買弁性と植民化の現われとして、われわれは、日本民族の独立と平和にために、断固反対するものであります。
 これをもつて討論を終わります。(拍手)
#20
○議長(幣原喜重郎君) 是にて討論は終局いたしました。
 採決いたします。本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#21
○議長(幣原喜重郎君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り決しました。(拍手)
     ――――◇―――――
#22
○議長(幣原喜重郎君) 次に、日程第四は委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり
#23
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。
 日程第四、海外公館等借入金整理準備審査会法の一部を改正する法律案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。海外同胞引揚に関する特別委員会理事玉置信一君。
    〔玉置信一君登壇〕
#24
○玉置信一君 ただいま議題となりました在外公館借入金整理準備審査会法の一部を改正する法律案について、その提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 在外公館等借入金整理準備審査会法は、昭和二十年九月七日、外務大臣の訓令に基き、在外公館または邦人自治団体もしくはこれに準ずる団体が、邦人救済並びに邦人引揚げに要するところの費用を借入れた金額は、政府が現地通貨で表示された借入金を、法律の定めるところに従い、かつ予算の範囲内において、将来返済すべき国の債務として証人するというのであります。借入金を提供した者は、法律施行後九十日以内に、政令の定めるところにより、証拠書類を添えて外務大臣に出し借入金の確認を請求することになつておるのであります。その締切り期日が三月十九日に迫つた現在において、借入金の確認請求関係者は全国至るとこりに広汎に散在しているために、その趣旨が徹底せず、一部地方の窓口においては、独断で適否判断をするというようなところもありましたが、最近ようやく周知徹底の効果が現われて来たのであります。請求期日の締切りが明十九日一日しかないわけで、本法の趣旨が失われるおそれも多分にありますので、ここに期日をさらに二箇月延長せんとするものであります。
 しかして本案は、当委員会において審議いたしましたところ、全会一致をもつて委員会提出に決定いたした次第でありますから、何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことを切にお願いする次第であります。
 以上をもつて提案理由の説明を終ります。(拍手)
#25
○議長(幣原喜重郎君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり
#26
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。
 これにて議事日程は議了いたしました。本日はこれにて散会いたします。
    午後三時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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