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1972/04/12 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 建設委員会 第5号
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1972/04/12 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 建設委員会 第5号

#1
第071回国会 建設委員会 第5号
昭和四十八年四月十二日(木曜日)
   午前十時七分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月三日
    辞任         補欠選任
     中村 禎二君     小枝 一雄君
 四月四日
    辞任         補欠選任
     小枝 一雄君     中村 禎二君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         沢田 政治君
    理 事
                大森 久司君
                竹内 藤男君
                山内 一郎君
                松本 英一君
    委 員
                上田  稔君
                熊谷太三郎君
                小山邦太郎君
                中津井 真君
                中村 禎二君
                田中  一君
                中村 英男君
                田代富士男君
                二宮 文造君
                高山 恒雄君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       建 設 大 臣
       国 務 大 臣
       (近畿圏整備長
       官)
       (中部圏開発整
       備長官)
       (首都圏整備委
       員会委員長)   金丸  信君
   政府委員
       建設大臣官房長  大津留 温君
       建設省都市局長  吉田 泰夫君
       建設省道路局長  菊池 三男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中島  博君
   説明員
       自治省行政局選
       挙部選挙課長   佐藤 順一君
   参考人
       日本道路公団総
       裁        前田 光嘉君
       日本道路公団理
       事        吉兼 三郎君
       日本道路公団理
       事        三野  定君
       首都高速道路公
       団理事長     鈴木 俊一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○建設事業並びに建設諸計画に関する調査
 (建設行政の基本施策並びに建設省関係予算に
 関する件)
○屋外広告物法の一部を改正する法律案(内閣提
 出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(沢田政治君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 建設事業並びに建設諸計画に関する調査のため、必要に応じて日本道路公団並びに首都高速道路公団の役職員を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(沢田政治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(沢田政治君) 建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題とし、建設行政の基本施策並びに建設省関係の予算について質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○田中一君 最初に伺いたいんですが、道路問題です。道路というものが一体何であるかということです。道路の持つ性格、道路の持つ目的、道路というものはだれのものか。戦後二十八年たって――かつて占領軍から日本のあらゆる国土計画というものに対するところの発言があり、そうしてそれが基本となって今日の都市並びに全国の一応の生活基盤というものの中心となったところの計画ができ上がった。しかし二十八年たった今日、道路というものの性格は相当変わったんじゃなかろうかと私は思うのです。もし変わらぬとするならばどうして変わらないのか、変わったとするならばどう変わったか、そしてこれが将来、われわれの生存というものと、それから将来へのわれわれの希望あるいはビジョンというものはどうあるべきかという点について、それぞれの立場でお答えを願いたいと思うのです。
#6
○政府委員(菊池三男君) ただいまの御質問、道路の一番基本的な問題であろうかと思います。実はそのお答えをいたしますには、昭和二十九年に第一次の五ヵ年計画ができてまいりましてから、今度第七次の五ヵ年計画の改定というようなことに進んでおりますが、そのときの各一次、二次、三次という目的を見てみますと、いま先生のおっしゃいます道路のねらっております傾向というものが一番はっきりしているのではないかと思いますので、そのことについてちょっと簡単に申し上げます。
 第一次のときには特に目標の記述がありませんでしたが、第二次、第三次等の段階におきましては、やはり交通情勢に対して非常に道路が立ちおくれているから、道路の改良、舗装の整備を緊急に行なうんだというのが第二次、第三次。それから第四次になりますと、それにあわせて、「産業基盤の強化と同時に国民生活の向上に資する」ということばが入ってきております。それから第五次、第六次と、だんだん国土の総合開発計画というものの対応ということが強くなってまいりまして、同時に、国土の有効利用、あるいは流通の合理化というような、生活に結びついた内容が強くなっております。で、今度の第七次の場合にはさらにそれが強まりまして、生活優先の道路というような形が非常に強くなり、また、国土の普遍的な利用、過疎対策、そういう、従来ありました産業基盤の整備、産業道路であるという考え方から、生活道路というのが主体に変わってきておると思います。
 今後どうなるかということでございますけれども、これは私ども、まだ将来のことを云々するにはたいへん基礎知識も少ないものでございますけれども、こういう趨勢からして、やはり生活優先道路、生活に結びついた道路というものが今後ともますます伸びていくのではないかと思います。建設省で出しております「国土建設の長期構想」というところにおきましても、同じように、産業優先の道路から生活優先の道路へ切りかえて、そういうものを充実していくんだということがはっきりうたわれておりますので、今後の道路整備はそういう方向へ進んでいくのではないかと思います。
#7
○田中一君 第七次のこの法律案、いま提案されておる法律案を見ると、おっしゃるとおりに変わっております。そうすると、いままでの第六次までの計画で行なったところの道路というものが、今日、国民の生活に、あるいはその環境に大きな障害になっているという事実は認められますか。
#8
○政府委員(菊池三男君) 先ほど申しましたように、道路の整備が急に進んでまいりまして、その結果、環境と問題があることも承知しております。ただ、先ほど言いましたように、第四次あるいは第五次五ヵ年計画ぐらいから、そういう問題にも、国民生活環境との調和というようなことも考えて進めてきておりますので、結果的には、異常な車の伸びというようなことから確かに生活環境がこわれておるということは認めますけれども、これは必ずしも道路の整備だけによるものだというふうに考えておりません。
#9
○田中一君 第一次から第六次までの行なった事業、その事業が、今日、人間社会をおかすものである、人間社会をおかしておるものであるということになった場合には、それじゃ修正いたしますか。修正ということばは、それは直すという意味じゃないんです。計画されているものは変更し得るかどうかという点であります。第六次までに策定した計画というものは、当然、それは第何次、何次でもって方向が違ってきております。したがって、これは根本的に、でき上がったものをつぶしてたんぼにしろというんじゃないんです。計画されたものが当然変更さるべきものだという前提で、道路を、あなた方がやっている道路を考えていいですね。
#10
○政府委員(菊池三男君) 計画されておるということでございますけれども、その計画の中にも、いわゆる地域開発としてこういうような計画でいくべきであるという計画、それからそれがもっとオーソライズされました、たとえば都市計画決定というようなものできめられておる計画、これは内容的に若干違うと思います。総合的な、たとえば、将来、県あるいは地域で持っております計画につきましては、たとえば道路の通るルートが町の中を通っていたと。従来はわりあいに使いやすいようにということで、バイパス等につきましても比較的市街地から離れないで中を通っているという例がございます。しかし最近は、そういう公害等を避けるためになるべく外へ回す、あるいは環状的な性格を持った道路にしたいということで、そういう意味で計画を変えておることはございますし、またそれは当然かと思います。ただ、都市計画決定というようなことになっておりますものにつきましては、従来、沿道の建築の制限その他全体の町づくりがそれに基づいて行なわれておりますので、必ずしも、それがすぐ変わるというところにいくかどうかわかりませんけれども、少なくとも今後、そういう特に拘束をされないような計画につきましては、現在でも新しい考え方というものに対処して変わっていっていると思っております。
#11
○田中一君 金丸さんに伺うのは最後に伺いますから、そのつもりで考え方をきめておいていただきたいと思います。
 第一次から第六次、この間には、産業重点とかあるいはいろいろなその時代の要請によって計画されてきた。それから今日、第七次の策定にあたっては、はっきりいっているように、沿道の環境保全に十分配慮し、道路整備と環境との調和をはかるという非常にいいお題目が並んでいるんですが、これに徹底するつもりですか。これに徹底するつもりでしょうね。したがって、いままでの計画というもの――計画決定した、しないの問題じゃないんです。いままで実施されておらぬもの、これらの問題は当然検討さるべきであるというように私は理解をするんです。計画決定しているからもうだめなんだというのではあり得ないと思うんです。
 たとえば、一つの話題を出しましょう。終戦直後、二十一年に占領軍は第二環状線というものを東京に――東京というか、東京の中心に命令をしました。そうして、これに基づいてその計画を立てておりましたが、御承知のように、戦後の混乱から多少立ち直ってきた二十五年に再度これを修正した。当時は百メートル道路、それが四十メートル道路に変更された。それが二十五年です。二十五年から今日まで二十三年間、まだ何にもやっておらない。むろん、占領軍が命令したこの計画というもの、占領軍が撤退する――撤退と申しますか、駐留軍に変わった瞬間に、以前に、これが計画変更されて、そして今日まで二十三年間、いまだに何にも手をつけない。そして、その沿道と目される路線付近の住民は、一切の権限というものを失われた結果、今日どうにもならない状態に置かれていることは局長も知っておるとおり。これは建設大臣もよく御存じのとおりです。そして、われわれの同僚の衆議院の原茂君が、この三月に内閣に対して質問書を出しております。その答弁を拝見すると非常にあいまいな表現、これは局長も知っているはずです。答弁書いたんだろうと思う。これに対する説明をしてほしいんです。二十一年に決定され、二十五年に修正、再決定されて、そして、じんぜん二十三年間いまだに放置されておる。この路線に対しては、当然、その当時決定したものだからどこまでもやるんですと、決定だ決定だ、東京都にやらすんだという意思なのか。あるいは、いままで緊急整備でいろんな計画を立てた、今日その非を悟って、そして新しい人間本位の道路をつくるんだということに方向が変わった以上、これらの過去の計画そのものが当然是正されなければならぬと私は思う。私は行政というものを信用しようとしている。しかし、こういう事例があるとおりの問題というものは許すことができないんです。
 この点について、これは建設大臣に伺っておきたいんですが、この沿道に、この路線内にあるところの人たちの生活というものが二十何年間どうなっているか。行政官庁が一片の、計画決定したんだからだめなんだといって、それを縛っておくなんということは――水俣病にしても何にしてもたくさんあります、事例が。犯罪を犯したものが潜在して何十年という間、人間を苦しめるという判例は道路以外のものでもたくさんある。いまだにそうした事実が残されておる。計画決定だからもうどうにもなりませんということの答弁では納得できない。建設大臣、あなたの名前で出ている回答だから、質問書に対する答弁だからおわかりだと思いますが、あいまいなことを言って糊塗する、そうして、これは東京都の責任だ、東京都が――私はこう思う――あらためて、これはやめるから、中止するからという意思決定があれば、これに対して審議会にかけて、その答申があれば、答申を尊重した場合には、それはやめるんだというようなことをおそらく言うだろうと思う。この事実というものをどうするつもりかということです。たいへんな長い間、二十何年間痛めつけられていままでいるというこの現状というものをどう考えるか。官僚諸君に人間的な心があるならば、率先して建設大臣はこういう問題に対して、どうなっているか、どうしようとするのか、困難なら困難ではないかと指導する義務はあろうと思う。これは環状二号線の問題について建設大臣の答弁を聞きたいと思う。ただ、建設大臣は内閣に出した質問書に対して答弁しておりますが、これを越えた答弁でも一向差しつかえございません。
#12
○国務大臣(金丸信君) 原先生の質問書の問題につきましては、私も閣議で了承をいたしておりますし、その内容は建設省がつくったものですから十分承知いたしておるわけでございますが、環状二号線の問題につきまして、問題はいわゆる二十何年間このまま放置しておいたところに問題がある。いわゆる精神的な圧迫と申しますか、そういう問題をどうするんだ、こういう例は一つこればかりじゃない、ほかにもあると私は思います。そういう問題は一応回答書には、東京都に十分連絡をとりながらなお推進するというような話の向きで御返答いたしておるわけでございますが、しかし、なかなか困難だと私は思います。いままでかかってできないものが、なおかつ推進するといってできるのかと、ことに民意を尊重しながら道路をつくっていこうというこの時代に、はたしてそれができるかと、こういう政治判断をいたしてみますと、なかなか困難だという私は感じがします。そういうことでございますから、十分これは東京都と連絡をとって速急にこの是非を決定をいたしたいと、こう思っております。
#13
○田中一君 道路局長、もう一ぺん君に質問するけれども、第一次から第六次までは目的が相当変わってきておる。いま大臣が答弁したこの事実は占領軍から命じられたものなんです。いいですか。しかし、これも計画決定してあるんだからどうにもなりませんというような局長じゃ困るんです。この作文は、おそらく第七次のこの計画の案文は君のほうで書いたと思うんです。そこで、そうなると、先ほど答弁しているように、道路というものは決して産業優先でもなけりゃ自動車のために広げるものでもないということです。人間社会のせめてもの生活の安定、生活の不安というものをなくすことによってその効果が発揮されるんだということなんです。私は最近つくづく思う。どの山へ行っても観光道路をつくる、観光道路をつくって山はだを白くして樹木を枯らしている。たとえば、いまだに解決されない問題としては日光の太郎杉の問題があります。これも建設大臣お聞き願いたいと思うんです。国道の拡幅のために日光廟の前の神橋のわきを三十メートル削って、あそこにある樹齢三百年という大きな杉の木を三十本か四十本切り倒してそこを道路にするんだという考え方が栃木県の知事の事業として提案されて、政府は許可をした。そこで日光がだいぶ問題になっておる。当委員会でも二回か三回その問題を論議した。そうして栃木県の土地収用委員会では、これは県が負けました。負けたところが、今度はまたそれを再度抗告をしているのは栃木県なんです。そのしり押しをしてやっているのは建設省なんです。この問題どうなったか道路局長説明していただきたいと思います。
#14
○政府委員(菊池三男君) 太郎杉の問題につきましては、ただいま先生お話しのとおりでございます。一度、一審で県が負けまして、そのまま控訴をしているという段階でございます。それの高裁の控訴審が、たぶん今月のまあ半ばと言っておりましたが、少しおくれておりますけれども間もなくまた結審になろうかと思います。これはちょうどあそこの東照宮の神橋の前が非常に狭くなっておりまして、まあ観光バスが相当大きいものが来て、そこで交通がふくそうするということで交通事故につながってはたいへんだということから、やはり交通事故を防止するためには、太郎杉という由緒のある木ではありますけれども、人命にはかえられないということで切らなければならないんじゃないかということが一番発端の原因でありますけれども、これは今度の控訴審の結果がどう出ますか、また、それによって私どもも十分その結審の意向を参酌しながら考えてまいりたいと思っております。特に宇都宮まで高速道路ができまして、宇都宮から日光の馬返のところまで一般の有料道路という形で、これも相当規格の高い有料道路をいま建設中でございます。あと二年ぐらいででき上がると思います。そうした場合に東京から非常に時間的に短くなりますので、日光あるいは東照宮というところに車で行く方々が相当ふえるのではないか。したがいまして、そういう有料道路ができますと東照宮等につきましても相当混乱するのではないかと思いますけれども、これは必ずしも道路側の要請だけで云々という時代ではなくなってきていると思いますので、そういう点もあわせ考えまして、また結審の結果を見てどうするか対処したいというふうに考えております。
#15
○田中一君 そうすると、またそのままあの化けものは生きているんだというんですか。政府は当時、何年前か、七、八年前の話ですが、この路線については代案を考えるといって考えているんです、事実。それは全部御破算で負けたらけしからぬというんで控訴させて――使嗾者が政府なんです――させて、どこまでもそれを強行するんだという考え方に現在統一している意見なんですか。代替地はたくさんあります、道路の。何も樹齢三百年という木を切らなきゃならぬという根拠はどこにもないんです。ことに環境庁ができて以来、政府の姿勢は変わったと思う。ここに書いてあるのはバスで観光客を助けるんじゃないんです。沿道の環境保全、これを言っているんです。観光客の命を助けるんじゃないんです、道路というものは。道路整備の場合には、その地域の環境、地域の住民の命を守ることなんです。そうして代案はどうなっておるんですか。四つの代案があったはずです。それに対して調査をしたのかしないのか、そういうものはもう御破算にして、環境庁が言っている、今度の第七次計画に盛り込んでおる精神を殺そうというんですか。だから私は言うんです。再々言っているのは、過去に決定したものはどうしてもするんだというこの考え方は間違いです。二十八年前に決定したものが実行されない。いまのように世論並びに第一審で政府の計画が、政府が使嗾してやらせようとする計画が負けたんだ。政府というものは裁判所を信用する、そうして一審で服罪するのがあたりまえなんです。行政訴訟はことにそうです。観光客云々という問題じゃないんです。三百年樹齢のものを三十本、四十本、その杉を切っていいかどうかという問題、これは心の問題なんです。道路には心があるんです。形じゃないんだ。もう一ぺん、大臣に耳打ちしてもいいから、大臣からひとつこの道路に対する信念というものを披瀝願いたいと思う。
#16
○政府委員(菊池三男君) 先に――先ほど、ほかに計画路線があったけどどうなったのかという御質問がございましたので、それについてお答えいたします。
 あの太郎杉を切って道路を広げるという以外に、三ルートあるいは四ルート、トンネルにするとか川の対岸に渡すとか、いろいろなことを検討いたしまして、その結果どのルートにつきましてもなかなかいい結果が出ないということでございます。ただ私も、まだいま結審寸前でありますので、そういうことに対してどうする、こうするということが、まだいまの段階も結審の寸前にしてそういうことを言える立場ではありませんので特に申し上げられないわけでありますけれども、考え方といたしましては、最近のそういう趨勢から、先生の言われますようなことも十分考えなければいけないだろうというふうに考えております。
#17
○国務大臣(金丸信君) その問題につきましては、当時その問題の起きたころは、道路をつくればよろしいというような考え方が、多分に思想が支配しておったと思うわけでございますが、この時点になれば、ただつくればいいということは考えられない、あくまでも環境保全ということも考えなくちゃならぬ、あるいは先生の御指摘のような、道路には心がある、まさに心のある行政もやらなくちゃならぬと私は思います。そういう意味で、何百年という杉を切るということがはたしていいか悪いか、こういうことも十分考えなくちゃならぬ問題でありまして、裁判は裁判、私の考えといたしましては代案をもってこれにかえるべきだ、こう考えております。
#18
○田中一君 道路局長、そのあとの代案ですね、代案の調査の結果、それを書類で報告していただきたいと思う。そうしていま大臣は、裁判は裁判、たとえ第二審で勝ったとしても、それは今日の国民の考え方、国のあり方から見て、それにそのまま従うということもないというようなニュアンスの答弁があった。道路局長は行政官だから弐まったものをやるのでしょうけれども、この国会でも何という局長だったか忘れたけれども、だいぶ前の話だから、十年ぐらい前の話だから――はっきりとそういうことの検討をするということは――蓑輪君だったかな、言っているわけなんですよ。したがって、その調査がどういう形で、どのくらいの期間を、どのくらいの金をかけて調査したのか、知らしてほしいのです。ことに局長が、金がかかるとか、かからぬとかという寝言を言うはずのものじゃないのですよ。何を君言っているのだ、金がかかるとかかからぬとか。こんなむだな金を使っている今日の社会ではないのだ。金がかかる、かからぬの問題は君の問題じゃない。金がどうしてかかって――十倍二十倍とかかるものかどうか、その問題をひとつ、それも一緒に資料の中にちゃんと明記して出してほしいと思う。
#19
○政府委員(菊池三男君) 先ほど申しましたように代案が三本か四本ございます。それにつきましては費用がどのくらいかかるとかいうことも全部出ておりますので、後ほど書類で提出いたします。
#20
○田中一君 日光の駅からお宮までの間は、これは車の乗り入れをさせない道路にしなければならないのです。歩道専用にしなければならないのです。どの神社仏閣でも名所でも車がどんどん――その神橋なんというのも、ずいぶんこれは有名な、民族的な――民族的と言っていいか、日本の大ぜいの心の中に残っている一つの名所です。その橋をわきに持っていって、そうしてそこに大型バスがどんどん乗り入れることのできる環境なんというものは世界じゅうどこにもないのだよ、君。たとえばアメリカなんというところはあまりたいした風光明媚なところはないけれども、グランド・キャニオンに行ったって、その周辺は自動車で行けない。グランド・キャニオンのあの遺跡、偉観というものは馬で歩くのです、馬で。徒歩で行くか馬で行く以外にないのです。このように自然を守っている国は、先進国どこでもそうなんです。いままでずっと江戸から続いている日光街道の杉なんというものは死滅しちゃっている。一部分形骸が残っているところもある。しかし、あの家並みの神橋までの道というものは当然自動車というもの、乗りものを入れないこと、これが本物なんです。観光バス云々なんということ、次元の低い考えを持って時代を知らないという道路行政というものは認められないのです。その点はどうですか。これは道路局長、心を入れかえてほしい。現在のわれわれ社会というものを、新しい認識のもとに道路行政を担当しなければならぬということに気づかぬだろうか。真剣に答弁願いたい。
#21
○政府委員(菊池三男君) あるいは私ごとばが足りなかったかと思いますけれども、実はあの太郎杉のところは観光バスだけが多いのではなくて、実はあの上のほうにも舗装地区に部落がございます。ふだんでも相当東照宮を見てそのまま日光へ上がるという車がたくさんございます。したがいまして、東照宮だけでしたら、あるいは歩いて云々ということもできるかと思いますけれども、そういう通過交通――通過交通といいますか、東照宮を見てさらに日光へ上がる車もあると思いますので、やはりやるとすれば、何かあの道路にかわるべき広い幅の二車線あるいは四車線の道路が要るのであるという前提で代案を考えたわけでございます。したがいまして、その代案も、地形上からはほとんどがどのルートを通っても相当なトンネルになると思いますけれども、そういうような形でそういう大きな交通を抜こうとしたわけであって、しかもそれが、必ずしもお金が高いからやめたということではなくて、やはり一つの案でいきますと、対岸のあそこにあります金谷ホテルの下をトンネルで抜いていく。そして、その先にまたそこに橋梁をかけて大谷川を渡らなきゃならないというようなことになりますと、やはりそこで相当山も切らなきゃいけませんし、また、あそこに新しい橋が、神橋に並行した――こっちから、手前から見ますと二重になったような形で新しい橋が出てくる、また、その神橋の風景もこわすじゃないかとか、いろんなそういう考え方を総合的に考えて、その代案はむずかしいだろうと申し上げたわけで、あるいは先生おっしゃいますように、もうそこのところはあまり交通が通らないということであれば、それも一つの考え方でございますし、また、私どものほうも、もしそういうふうなことになれば、交通の状態を見ながらやはり対処すべきことが出てくれば何か対処するような形で進んでいきたいと考えております。
#22
○委員長(沢田政治君) 太郎杉の件のほかに田中議員はもっとたくさん質問あると思います。だから、これに区切りつけたいと思うのです。というのは、この委員会でも一回取り上げられているわけです。当時の坪川建設大臣も、裁判という問題じゃなく、やはり議員に言われたこともよくわかる、自然を守るということもよくわかる、だから、皆さんの言うような趣旨に沿って努力したいと、こういうように約束しているわけですよ、ここでね。その後また控訴しているわけです。ところが、いま金丸建設大臣は、裁判は裁判だ、代案でやりますということを明確にしたわけだ、ここでね。そういうことでありますから、少なくとも、裁判がかりにまた再び政府が負けても、これはもう控訴しませんね。その点ははっきりしてもらわなくちゃいかぬと思います。代案でやるということははっきりしています。しかし、また、そう言いながらも控訴するかもわかりませんから、しませんね。
#23
○田中一君 なかなか言いにくいこともあると思うけれども、それは金丸さん、はっきりおっしゃい。そして、あそこを車を通さないことです。全然、何といいますか参道の古い家並みありますね、あれを残すことなんです。ああいう家並みを残す、それ以外にないんです。日光というものは橋や陽明門ばかりじゃないんです。あの町全体がよい環境であり、また、それを残すべき貴重なる文化財です。その意味で建設大臣ずばり言ってかまわないですよ。
#24
○国務大臣(金丸信君) 先ほど来から申し上げたとおりの私は考え方で臨んでいきたいと思います。ただ、あの中へ自動車を入れるとか入れないという問題は、代案をつくることによって、そういう問題も出てくることでありましょうし、それは地元と十分話し合って検討したい。裁判の問題については、勝とうと負けようと代案でいく、こういうことで御理解いただきたい、こう思います。
#25
○田中一君 どうも第七次計画に入ってしまうと法案の審議もありますから、あまり触れないでおきたいと思うのですが、ただ、ガソリンの消費高というものは鈍化しているというように聞いておるのですが、それはどういうことになっていますか。自動車によるガソリンの消費量、その点、ちょっと財源のことについて説明してほしいと思います。
#26
○政府委員(菊池三男君) ガソリンの消費量が鈍化しているということよりはガソリンの消費量の伸び率が鈍化しておるということでございます。ちょっと私いまここに手元に資料を持ってきておりませんけれども、数年前までは毎年のガソリンの消費量の伸び率が一四%あるいは一三%――一五%くらいのときもございます――ぐらいであったのが、ここ二年ぐらいは大体一〇%ぐらいの伸びであります。自動車がふえておりますのでガソリンの消費量そのものはふえておりますけれども、伸び方が減ってきておるということでございます。
#27
○田中一君 そうすると、ガスのほうはどうですか。ガスのほうは相当ふえているということですか。プロパンガスのほうです。
#28
○政府委員(菊池三男君) ちょっと手元に資料を持ってきておりませんので、ちょっとそれお答えいたしかねます。
#29
○田中一君 将来ともに一般財源を相当投入しようというこのかまえ方、ことしから出ていますね、それが。そうすると、十九兆五千億というのは、仕事の量からいうと――四十七年度の出来高、実際の量ですよ、量としては比率はどれくらいになります。たとえば一兆円でいままでこれこれできた、四十八年度以降は一兆円でどれくらいできるわけですか。
#30
○政府委員(菊池三男君) 従来の五ヵ年計画が十兆三千五百億、今度の五ヵ年が十九兆五千億ということで、約二倍近く、一・八幾らという倍率でございますが、それだけ伸びますと、当然事業量は通常の考え方ですと同じ倍率で伸びるわけでありますけれども、物価の値上がりあるいは用地の値上がり等によりまして必ずしもそれと同じようにはいかないかと思います。ただこれは今度の第七次の延長の数字を見まして、あるいはその第六次の延長の数字と突き比べてみますと、これは五ヵ年計画をきめますときには、一般国道につきましては、国道については改良を何キロ、それから舗装を何キロ、それから主要地方道何キロ、県道を何キロというふうに距離を出しますので、前回の五ヵ年と対比すればすぐわかるわけでありますけれども、ちょっと私、いま新しいのを持ってきておりますが、古いのがここにさがせば出てくると思いますけれども、ちょっといま出てまいりませんが、いずれにいたしましても、そういう物価の値上がりとか、そういうものによって必ずしも同じような倍率で延長は伸びないということが一つと、それからやはり環境との調和というようなことで、従来やっておりましたよりもどうしても建設費は相当割り高についております。従来たんぼの中をいけばよかったものが、高架になる、あるいは山のほうへいく、あるいはそれに対するいろいろな対策を講ずるというようなこと、いろいろな公害対策の関連が相当な今度の五ヵ年計画の中でも費用になると思います。そういうのを入れますと、必ずしも同じような比率の伸びにならないのじゃないかと思います。それからもう一つ、これは五ヵ年計画の事業をやる場所によっても違います。比較的山地のほうに多い一次改築の多いときの伸びと、それから二次改築と申しまして市街地付近にバイパスをつくるというようなときになりますと、これは単価がまるきり違いますので、どうも直接比較するものさしとしては非常にむずかしいと思いますけれども……。たいへん観念的で申しわけありませんが、そういう物価の値上がり、用地の値上がり、あるいはそういう構造的な、あるいはルートの選定による事業費の上がりというようなものから、従来よりは伸び率は、整備率は落ちると思います。
#31
○田中一君 道路公団の総裁と首都高の理事長二方にお伺いいたしますが、どうも、たとえば調布の烏山の辺の接点ですね、道路公団、首都高、これらのものが地元の反対によって難渋して、仕事がおくれておるということ。そしてこれは最初――常々言っているように、私はかつて首都高速道路公団の設立をやめろと、道路公団でできると、首都高速道路公団の法律ができたときに私はそう主張したものです。というのは、結局、原資は大体同じような構成でもってできていると思いますけれども、計画そのものが、全体計画ができないために、常にそういう摩擦というよりも計画が発表されないままにある程度の仕事を進めていくということのためにああした問題が起きるのじゃなかろうかと思うのです。しかし、今日二つの公団があって、二つの公団それぞれやっておりますから、現在の全体計画――道路というものは、おれの持ち分はここからここまででいいんだというものではないんです。日本の国は非常に道路も長い。おれの区分はこれだけだからこれだけ計画すればいいんだということじゃなくて、全体の計画がなくちゃならない。たとえば新宿のちょっと先の、何というところでしたかね、代田橋かどっかでもってちょん切って、あとは次の仕事だというような計画では、やはり地元が不安を感ずるんです。あの首都高速道路と中央道との接点、これらがどういうことになっているのか、どういう計画でこういうふうに進んできているのか。政府が余分なことを言って、なかなか両公団の考え方に対して同調してくれないからああいうような不始末ができるんだということになるのか。たとえば渋谷から東名高速にわたる仕事にしても、だれがどこをつくる、どれがどこを受け持つなんということばかり言っている。その点はどういう計画になっているか。これは道路局長から説明したほうがいいと思うけれども。
#32
○政府委員(菊池三男君) 中央自動車道につきましては、これは日本道路公団がやっておりますが、これは中央高速道路、東名高速道路、その他を問わず、一般的な考え方といたしましては、外郭環状道路までは日本道路公団で、それから内側は、これはいろいろ交通の一貫性等もありまして、これは首都高速道路公団という考え方でやっております。ただ、東名あるいは中央自動車道につきましては、まだ外環がその当時はっきりしておりませんでしたので、環状八号線まで持ち込んでくるということで、環状八号線までが日本道路公団で仕事をやり、それから内側は首都高速道路公団がやるという考え方でやっております。これは、そのほかの東北自動車道あるいは常磐自動車道等につきましても同じような考え方でやっております。
#33
○田中一君 それが一貫して計画されないから、施行されないから、いまのような、現状のような問題が起きるのです。大臣そうでしょう。あなたおくにに帰るのにも非常に不便でしょう。あれが一緒に、一挙に両方できていれば何も文句ないのですよ。計画がきまっていないとかきまっているとかということでなくて、道路というものは一貫したものなんですよ。道路というものは寸断されたのでは道路じゃないのです、これは。そういうような行政指導やっているのですか。あるいは両公団から、いま現在どうなっているか、具体的に説明をしていただきたい。そしてあの烏山の地点のあの問題等はどこが担当しているのか、それも説明してほしいと思うのです。
#34
○政府委員(菊池三男君) 中央自動車道等と、それからこの首都高速道路公団との結びつきは、実は中央自動車道のほうが早くできましたし、また首都高速道路としては網の整備のほうがおくれまして、これは当初から同時にできるということは非常にむずかしいような考え方を持っておりました。そのほかの道路につきましては、これは高速道路ができると同時に、首都高速のほうもできて、同時に供用するのだという基本的な姿勢で考えております。特にこの中央自動車道路につきましては、烏山のところで、実は御承知のように、これは日本道路公団のやっておる区間でございますが、沿道に東京都の住宅供給公社の建てた住宅がございまして、その方々の反対ということで現在八百メートルぐらいの区間が仕事ができずに――前後はほぼできておりますけれども、まだつながっていない状態でございます。したがいまして、道路公団におきましても、これは道路公団とそれから東京都とそれから東京都の住宅供給公社、それに地元のそこに入っていらっしゃる方々と、四者協議会をつくりましていろいろと打ち合わせをしております。先般、日本道路公団としては、もうこれが最終ぐらいの思い切った案をお出ししまして、地元の方にお示しして、まだ地元の方からそれに対する御返答はいただいていないようでございます。またこまかいことは道路公団からお話を伺えると思いますけれども、そういうようなことで、私どもは一日も早くこれがつながるような形で早く了解をつけて工事をしたいと。実は二、三日前に、また別の現道のほうから早くその烏山の分の道路をつくれというような期成同盟会もできたということを私、新聞で見ましたけれども、できるだけ早くそれを供用させたいというふうに考えております。
#35
○参考人(前田光嘉君) 中央自動車道につきましては、御承知のとおり、本線につきましては、三十七年に建設大臣の施工命令を受けまして、昭和四十三年度に供用開始を目途として工事を実施いたしまして、調布−河口湖間は、昭和四十四年三月に命令どおり完成し、供用を開始いたしました。高井戸−調布間につきまして、この区間七・七キロメートルございますが、昭和三十七年から昭和四十一年にかけましてルートを発表し、昭和四十一年三月から逐次工事を実施した次第でございます。烏山北住宅地区は、昭和三十九年度から東京都と協議を進めまして、東京都の担当する放射五号線及び都市計画道路二百十九号線、あわせまして昭和四十一年の七月に都市計画決定をいたしております。昭和四十四年から四十五年にかけまして用地買収をいたしまして、四十六年度完成という目途に、昭和四十五年の七月に地元に工事の概要を説明し、協力をお願いしましたところ、この烏山住宅団地に接近しているということから、地元住民から反対運動が起こりまして、約八百メートルの区間につきましては、遺憾ながら工事を昭和四十五年八月から中止をせざるを得ない状況に立ち至りました。自後、現在まで約二年半の間、当公団と東京都、都の住宅供給公社、地元の対策協議会、この四者で話し合いを進めてまいりまして、本年三月にも会合を開きました。
 当公団といたしましては、先ほど局長からお話ございましたように、考え得る最善の案といたしまして、まず団地内につきましては騒音防止施設として道路をおおうシェルターを設ける、それから、こういうふうな道路構造によって居住環境が著しくそこなわれる住宅につきましては、東京都住宅供給公社と協議の上、居住者の移転をお願いする方法を考えるという提案をいたしました。で、これに対しまして、地元の方々から、これを裏づける資料の要求がございましたので、公団といたしましては目下資料整備中でございまして、近く資料によりまして再提案をすることにいたしております。今後につきましては、ただいま局長からお話ございましたように、国道の二十号線が非常に交通が渋滞しておりますし、また沿線の住民の方々にもたいへん御迷惑をかけておりますために、こういうふうな状況を改善するためには、一そう公団としてこの地区における道路交通の打開のために、また、いまお話ございましたように、この地区の外、あるいは内からここを通って交通する方々、たとえば東京都の三多摩地区とか、あるいは山梨県の方々から早くつくれという要望もございますので、この烏山地区における新しい提案に基づきまして地元の方々の御了解を得て、さっそくにも工事に取りかかりたいと考えております。われわれは、こういうふうな問題がこのほかにもございますけれども、誠心誠意案をつくりまして、地元の方々と協議を進め、その御理解を得た上で道路をつくりたい、そのための最善を尽くす所存でございます。
#36
○田中一君 問題は、当初からあれが結ばれるんだという計画にあったように聞いておるんです。これに対して計画決定なり施工命令なりというものがおくれる行政面の欠陥からああいう問題が起きるんではないかと思うのです。たとえば住宅供給公社があれをいつ建設したか。少なくとも中央道なり首都高速道路なり、これを築造しなければならないという案が出たのは非常に古い話なんですよ。その場合に路線としておおむねこの辺だということになるならば、住宅が建つ前にそれに対する手当てをすべきだと思うのです。その決定と命令がおくれてくるから、実際施工する面のほうではそういう困難にぶつかるということだと思うんです。その点の経緯はどうなっておりますか。
 そうして、形から見れば、どうも道路公団は道路公団で、自分の計画で自分の守備範囲はこれだといってやっている。首都高速は首都高速で、あとから、何年かたってから施行命令なり決定が出て、おまえの区分はこれだといわれたからそれをやっているのだというような非常に統一されないばらばらな計画なり命令なりが出ているのじゃなかろうかと思うのです。私こういう事例も事実知っているんです。こういう事例も知っております。常にある接点の問題、それはどういうことになっているか、一ぺん正直に話してほしいのです。計画決定とそれから施工命令というようなものがいつどういう形で出てくるのかです。
#37
○参考人(三野定君) この中央道と烏山北住宅でございますが、烏山北住宅というものを一団地の住宅として都市計画決定をされております。で、この地区につきましては、中央道は昭和三十七年に基本計画がきまりまして、三十七年の五月に整備計画がきまりまして、施工命令をちょうだいをいたしたわけでございます。ルートもほぼその当時きまっておったわけでございまして、当時この近所はまだ開発されていない部分でございましたので、将来の開発をおもんばかりまして、いい環境づくりという意味で都市計画の御指導を得ることになりました。東京都のほうでその辺の計画調整をしていただいたわけでございます。一方、烏山北住宅は昭和三十九年の十一月に事業認可が得られまして、まあ整備計画よりもあとになるわけでございますが、四十年の三月に工事に着手をされまして、第一次の入居が四十一年の二月ということになっております。で、都市計画の手続にいろいろ時間がかかりまして、中央道のほうが都市計画決定ということになりましたのは、その年の七月三十日でございます。ここにまあ正式の計画決定という行為がなかったという理由からでございましょう、第一次の入居の際には中央道の部分はただ空地になった図面で募集がなされておりまして、ここのところが中央道の烏山地区の問題の発端となりました。知らされていなかったということでたいへんおこられたわけでございます。住宅公社のほうでそういうふうに説明をしていなかったということでございます。第二次からは道路が入った図面で募集がしてございまして、問題はこの第一次のところにあったわけでございます。私どもの具体的な路線発表は四十一年の十月ということになりまして、都市計画決定のあとにいたしたわけでございます。この辺のいわゆる計画決定、それから事業の関係はただいま申し上げたとおりでございます。
#38
○田中一君 そうすると、行政上の欠陥からそういう事態が起きたということになるわけですね。路線をつくることはその前に決定しているのだ。住宅供給公社だってこれは公共事業です。したがって、同じ公共事業を行なうものとして、この意思の決定が、意思が別々になるということはないと思うのです。どちらにその責任があるかというと、道路用地として確保しなかったというところに原因があるのじゃなかろうかと思うのですが、その点はどうなんですか。
#39
○参考人(三野定君) この都市計画の事務的な決定の前ではございましたけれども、計画はお互いに調整が済んでおります。道路敷地ということははっきりしておりましたので、この用地取得のどうのという問題は私はないと思っております。一たん私どもの用地の部分も住宅公社のほうで一括取得をされまして、私どものために取っていただいておったわけでございます。したがいまして、用地取得の問題ではなくて、むしろ、この当時はやはり道路の環境問題に対する、まあ社会的な認識、私どもも含めましてまだ十分にわかっていなかった、そういう意味で住宅と道路の関係がどうも設計がまずい形になったというのが今日の結果を招来したのではなかろうかと、こういうふうに考えております。
#40
○田中一君 この秋の補正予算の国会のときでしたけれども、道路公団の広島へ私行ったことがあるんですよ。あそこで、あの辺の用地の問題をいろいろ聞いてみますと、とうてい仕事ができないというんです。奥地も、乱開発よりも買い占められてどうにもならない。この場合どうするかというと、これは計画変更の承認を受ければ、かりに十キロやるやつが、その金でもって一キロしか使えない場合には一キロでもいいんだというような答弁を道路局長はしておりました。そういう、いまのような形で今後とも道路の用地に対する――用地と道路の関係ですけれども、予算を使っていこうとするのか、あるいは実施計画というものは必ずできるんだという計画で行なおうとするのか。どうもどんぶり勘定みたいな気持ちがしてならないわけなんです。あとは政府が認めればいいんだということになるのか、その点はどうなんです。これは道路公団がいま東北にしても中国道にしても数々の仕事をやっておりますけれども、用地の取得というものはもうきまっているのかどうかということなんです。計画どおりにきまっているかどうか。
#41
○参考人(前田光嘉君) 道路公団の用地につきましては、毎年その事業年度の取得計画をつくりまして、予算をそれに充当してやっておりますが、現在までのところ御指摘のように、地区によりましては、やっぱりかなりの幅の地価騰貴もございますけれども、全体といたしましては、われわれの想定したとおりの取得が行なわれてきております。われわれも土地を買収いたしますときには政府の方針に従いまして、客観的な鑑定評価、近傍類地の価格を算定しておりますので、そういう見積もりをやっておりますと、そのとおりやっております。ただ全体の事業経過を見てみますと、数年前に立てた総事業計画の中で、用地費が上がっておるとか、あるいはまた当初考えなかった以上に、たとえば二車線を四車線にするとか、こういうふうなこともございまして、総事業費から見てみますと、かなりの額の事業費の改定ということをお願いせざるを得ないものもできておる状況でございます。
#42
○田中一君 道路局長、それでいいの。もしも部分的に取得ができないという場合の予算措置はどういうことになるのか、計画を変えれば事業費のうちの用地費に繰り入れができるんですか。
#43
○政府委員(菊池三男君) これは用地がもしできなかった場合には、事業費の変更をして工事費に繰り入れることは可能でございます。
#44
○田中一君 首都高速道路公団もそういうケースでやっておるんですか。あなたのほうはあまりそういう問題はありませんか。
#45
○参考人(鈴木俊一君) 私どものほうにつきましては、いまお話に出ましたような、何といいますか、極端な事例といいますか、そういうようなものはあまりございませんでした。年々の予算のワクの中で適宜事業量を調整いたしておるというようなケースでございます。
#46
○田中一君 そこで今度、中央道の問題ですが、中央道はあとの二車線はいま工事やっておるのですか、どのくらい進んでおりますか。
#47
○参考人(三野定君) 中央道の調布――八王子間は当初から四車線でやっておりますが、八王子から西が御承知のとおり二車線で当初つくられております。その後、交通の一番多い八王子から大月までの区間につきまして拡幅工事を現在実施中でございます。これは相模湖を境にいたしまして二つの時期に分けて着工をいたしましたので、最初の八王子から相模湖に至ります間はこの四月二十日に完成をいたしまして、四車線で供用を開始いたします。残りの相模湖――八王子間につきましては本年の十二月というふうに予定をいたしております。そういうことで順調に工事は進んでおります。
#48
○田中一君 建設大臣に伺いますが、この幹線の高速道路がもう四車線でだめだということです。ことに中央道、一番初めの仕事でありましたけれども、これはもうどうしてもいかぬといったら、用地だけでも、金がなかったから買っておくのだといって、用地だけ買っておった。もう六車線にしなければだめだということになろうと思うのですが、その点はどうですか。今後の幹線高速道路というものはどういう規模のものにしなければならないかということなんです。たとえば車が多いからこうするのだということの以前に、こうしなければ衝突事故等人命にかかわる事故が多発するから、この構造にしなければならないのだということが先行しなければならぬと思うのです。その考え方が、したがって、たとえば東名高速道路にいたしましても途中までしか六車線じゃない、あとは二車線になっている。カーブの多い、あるいは勾配の強いところが二車線になっておる。中央道も同じことなんです。したがって、今後の考え方としては六車線を原則とするということぐらいにならなければ、車は通らぬだっていいです、安全運転できれば。その点はどう考えていますか。
#49
○政府委員(菊池三男君) 四車線の道路より六車線の道路のほうが非常に望ましいことであろうと思います。ただ、安全の考え方からいきますと、二車線道路と四車線道路というものはこれはもう対面交通であり、二車線は非常に危険である、四車線ならばそれは非常に安全性が強くなってまいります。四車線と六車線の道路につきましては、その点についてはほぼ同じで、どちらかといいますと、キャパシティ――量の問題であろうかと思います。したがいまして、ただいまの計画におきましても、将来の交通の予測をいたしまして、六車線にすべきところは、すでに用地を六車線手配し、暫定的に――これも当初から、先生のおっしゃるように、あいておってもいいんだからということで六車、当初からつくってしまえばそれが一番よろしいわけですが、やはりなるべく全国的に使ってもらえるようにということになりますと、どうしてもやはり延長を延ばすことも考えなければいけない、延長を延ばすことばかりではいけませんけれども。そんなことで、どうしても六車線は暫定四車であるという形で進んでおりますので、なかなか将来、全部六車ということはむずかしいのじゃないかというふうに考えております。
#50
○国務大臣(金丸信君) 私は高速自動車道路というものは、二車線では高速自動車道路とはいえない、最低限四車線なくちゃいかないという感じがいたしております。中央道のお話が出たわけでございますが、私も中央道で出入りをいたしておるわけですが、全く二車線のところは危機感を感ずる。また、実際問題として事故も相当多発いたしておるという状況からいたしましても、最低限四車線にすべきだという私は感じがいたしておりますし、まあ、いま先生は六車線というお話もありましたが、六車線にできればそれにこしたことはないんですが、これを広く全国民に利用してもらうという意味では、最低限四車線でいくということがいまの財政1そうでなくても二車線でも延ばしたいというところでございますから、私は、四車線であることが最低の高速自動車道路の規模だと、こう考えております。
#51
○田中一君 道路というものは、平和なものなんです。だから、自衛隊に金を使うくらいならば、どうしても道路は六車線にしなければならないものなんです。道路、道ってやつは、けだものだって道をちゃんとつくっているんです。自分の道を知っているんです。あるんです。人間の生活に一番必要なものといえば、やっぱり根幹というやつは道路が一番必要ですね。そうすると、もうあなたが六車線を原則としようというぐらいなかまえ方を持つ建設大臣であってほしいと思うんです。ドイツのアウトバーンは、これは戦争道路でありましたが、日本の道路は、全部、国民の平和のための道路なんです。たとえ四車線であっても、一台の車が事故を起こした場合には、もう一車線があるからいいなんというようなものでなくて、最近の車というのは大型化しているんです、何か事故や故障があってもはみ出してしまうんです。そのくらい大きなものなんです。金丸さん、六車線をこれから必ず原則とするような方向にいこうという答弁をすると非常に幸いだと思うんですが、どうですか。
#52
○国務大臣(金丸信君) 十分検討してみたいと思います。
#53
○田中一君 かつて多摩川の土手に、河野建設大臣があの土手に住宅群をつくりたいといって提案したことがありました。これは全く、もうあげてこれをたたきつぶしました。なかなか河野一郎という人は、ああいう性格を持っていますけれども、悪いと悟ったらすぐにやめる人です。で、やめるといってやめました。そうなると、今度はその下に外郭環状線をつくろうという思想が並行して生まれてきて、今日、もう何年になりますか、いまだにそれに対する結論が出ておらないというのが今日の現状です。私は首都圏というものを考えてみる。東京が首都であるという考え方を詰めてみる。そうして、一億人の人間のうちの一割、一千万以上の人間がこの東京――東京周辺に三千万人ぐらいの人間が生活するわけなんです、よい環境を求めながら。そうなると、もはや東京の環状線というものは、もっと大型にならなければ、われわれの生命なり、あるいは健康なりは守れないという段階にきていると思うのです。車が多くなるから、交通が激しくなるから道路をつくるんだという考え方は、これは捨てべきです、いまの段階では。将来の東京、将来の首都圏、この構想に立つ道路網の建設が当然、想定されなきゃならない。
 私、いろんな資料を持っておりますが、二十一世紀の道路なんというものを勉強している人たちもいます。これには、あなた方建設官僚も非常に尊敬している鈴木雅次さんなどもメンバーで参加しておりますが、外郭環状線がいまだに全線の事業計画決定もしておらない。これで、いままでの歴代の大臣の答弁集、これに対する答弁集を集めてみると、こうなっておるんです。一番最初は瀬戸山三男君です。それから次に橋本登美さん、西村英一さん、保利さん、坪川さん、根本さん、西村英一さん、もう一ぺん。現大臣と、この方々の答弁集、なかなかおもしろいです、人間的なものがはっきり出ていまして。たとえば保利建設大臣は、「実は私もこの陳情を直接伺いました。写真も拝見しました。はて無理だなという感じを、ありていに言って持っておるわけでございます。」という答弁をしている。根本建設大臣はこう言っている。地元住民に非常な反対があるのを、住民の意向を無視してやらない、話し合いの場を設けて解決をする努力をすること、少なくとも従来の八環のような公害はない、地元地域の住環境も改善され、地区全体の改革になることと思う一つのプロジェクトを持って話をしていくことが現在妥当なのではないかと私は思うと、こう言っている。金丸さんは――読んでいいでしょう。非常に国民のための道路政策を考えての、これはいいですか、もう一ぺん言いますよ。県、市町村、それに住民、これが一体となって反対するような道路なり、計画はよろしくない、建設をやめべきだと言っているわけですね、あなたが。それこそそういう考え方でやっていかなきゃならないということなんですね。そして「道路をつくったために、東京あるいは六大都市に非常に悪循環を来たしておるという傾向があると思うのですよ。その悪循環を来たすという道路を、いやがるものをなおつくるということについては、これは考えなくちゃならぬだろう。」「県、市町村、そして住民がまっぴらごめんだ、こういうことであればこれはとりあえず取りやめるべきだ、こういうふうに考えております。」、これは金丸さんの非常に尊敬すべき発言なんです。
 そこでこの問題は、前段の環状第二号の話、これを結論づける伏線じゃないんですよ。ああいうケースもある、このケースもあるということを言っているんです。そしてこれは、幸いに埼玉県知事は、私の仲間であり、かつまた非常にかわいがっている男がなりました。埼玉県では一部用地の取得をしたということを聞いておりますが、これは道路局長、どうなんですか、用地の取得をしたということを言っておりますが。
#54
○政府委員(菊池三男君) 埼玉県内におきましては、この外環がすでに事業化されております。十七号の新大宮バイパスから、いまのところ千葉の市川のところまでが国道二百九十八号線ということで国道の認定をいたしまして事業に着工しており、ただいまお話しのように、埼玉県内におきましては一部用地の取得は終わっております。これはまだほんの一部ではありますけれども、取得は終わったところがあります。
#55
○田中一君 しかし、まだ事業決定してないところがありますね。
#56
○政府委員(菊池三男君) それでは、ちょっと全般について申し上げますけれども、この外郭環状道路は、東京の湾岸道路を除きまして、全部で、大井埠頭からぐるっと一周いたしまして八十六キロございまして、そのうちまだ都市計画……。
#57
○田中一君 道路局長、君よりぼくのほうが詳しいから説明しないでもいいよ、そんなことは。そんなことはいいんだよ。
#58
○政府委員(菊池三男君) それでは、もっと簡単に申し上げますと、都市計画決定をしていないところが和光と多摩川のところと二ヵ所ございます。
#59
○田中一君 もう金丸さん、この道路では同じことを繰り返すんです。十キロ、二十キロぐらい先を、神奈川県のほうから迂回するという道路にしなきゃならぬと思うんです。そうして高速道路がたくさんできます。たとえば東名ができ上がった。中央道ができる。関越も通る。それから東北道も通る。こうなってきますと、このゲートあるいはランプに結ぶような計画にならなきゃならぬと思うんです。都内の道路というものは、これはもう何にもならない。同じことを繰り返す、同じことを繰り返すんです。それも八環との距離も非常に近いところがある。もっと大幅に広げることです。道路がたくさんあれば何でもいいんだというのじゃないんです。先住民がいるわけなんですよ。人のいないところにつくりなさい、先に計画を。ただ反対するから云々じゃないんです。首都圏における道路はかくあるべきであるというビジョンがなくちゃならぬのです。どうも行政面では、車が多いから道路をつくって、これに逃がすんだとかいう考え。もし、しいて申すならば、いまも申し上げたように、厚木から八王子に抜け、八王子から川越に抜け、これが大宮に抜けるという、この道路をまずつくる、そこに逃がしておく、車を。そこから出発して再検討すべきだと思うんです。それを先に検討をすぐやる。都心の外郭線などは外郭じゃないんです、もう。同じことを繰り返すのです。だから地域住民は必死に反対します。当然ですよ。反対しなきゃならぬのですよ、こいつは。こういうことを何年も何年も繰り返しておるというところにどうにもならないものがあるんですが、建設大臣、これは凍結しようじゃありませんか、この問題は。そうして部分的に事業を開始しているいう、つばきをつけて、こうなっているのだということじゃない形でしなさい。八環だって現にそうでしょう。八環ですらまだ満足じゃない。この外郭線というものは、たしか河野構想から出発したのじゃなかったかと考えておりますけれども、これはどうしても、この問題だけはきょうこの辺で休止符を打つということにならなきゃならないのです。
 菊池君、君、大臣に何ぼちょぼちょ言ってるんだい。大臣は大臣の政治家としての信念を持っているよ。こんなものを言っているんじゃない、君は。建設大臣、これは一言の結論でいいんです。いま、あなたが衆議院で答弁してきているように、もうこの辺できめなければいかぬ。用地買ったり、まあ埼玉県は通過道路はあっても自分のほうの幹線道路がないから、ほしいと思うんだろうけれども、もう私は、畑に話をして、これはもうやめろ、実際やめろと言います。そうして当然、国が、通過する道路でなくちゃつくらないというんじゃなくて補助工事で幹線道路つくってやりなさい。埼玉のほうに、埼玉は社会党の知事だからいけないというなら、いけないならいけないといってみたってかまわない。もうこの辺で休止符を打つ、凍結する、計画決定、だから、しなければならないんですということだけでは済まない。もう一ぺん建設大臣、さらに前進して、あなたの信念を言っていただきたいと思う。あと始末はそこにいる官僚連中がするんですから、行政官がするんですから、御答弁願いたい。
#60
○国務大臣(金丸信君) 外郭環状線の問題につきましては、私も建設委員長をやっている当時から何回か陳情を受けたわけでございまして、当時のいわゆる構想によってやっていることについては、私もうまくないということで、建設省にあるいは大臣に陳情して、これはこのような状況でやるべきじゃない、こういうお願いはいたしたわけでございますが、先生御案内のように、私が釈迦に説法のようなことを申し上げて恐縮ですが、放射線状に入ってくる道路が環状線によっていわゆる交通の円滑をはかるという点においては、この外郭道路が必要であるということだけは思うわけでございます。ただ、地域住民のいわゆる意向を無視してやるわけにはいかない。
 そこで私はまあ一つの提案でございますが、ひとつ全部地下の中にもぐらしちゃったらどうだろうか。それでもだめだ、こういうことであれば、これはまた一つの話し合いですが、一回地下へ全部もぐらしてしまう、こういうような考え方で、道路に金がかかってもいい、こういうことで、ひとつ考え方の基本を変えて全部もぐらせる、こういうような考え方でいったらどうかな、こういうことで私は道路局長にもその話はいたしておるわけでございますが、そういうことで話し合いがついてよろしいということであれば、これは前向きにやる、それもだめだということであればまた考えなくちゃならぬ問題であります。私は住民の意向を無視して道路をしゃにむにつくるというようなことは絶対にいたしたくない。あくまでも対話のある道路をつくってまいりたい、こういうふうに考えております。
#61
○田中一君 一つの考え方でありましょうが、かつてこういうことがあったんです。中央道つくるときに、あなたも知っているとおり、赤石山脈を直通しようじゃないか、こういう考え方を出しました。約八十キロの隧道をつくらなければならぬというので、困難だということに技術的になったことがあります。八十キロ隧道というのが世界にない、モンブランの隧道が何キロぐらい――十二キロぐらいだったかな、たしか。道路局長知らぬかい、ぼくは通ってみたけれども、二十二キロぐらいあったかな……。
#62
○政府委員(菊池三男君) 十キロです。
#63
○田中一君 十キロか。その程度のもので、あすこの中央道の摩耶山じゃない、何といったかな……。
#64
○政府委員(菊池三男君) 恵那山……。
#65
○田中一君 恵那山は何キロあったかな、あすこは。
#66
○政府委員(菊池三男君) 八キロ……。
#67
○田中一君 八キロ。そうすると、もう八十キロ隧道というやつはちょっと夢のようなもんでありまして、なかなか困難じゃないかと思うんです。これはまあ、しかし優秀な技術家がいて、それが可能だと大臣に答申すれば、それは一つの考え方です。ただ、これに固執することであっちゃならぬということです。もっと外敦に持ってこなきゃだめじゃないかということを言っているんです。外敦に厚木のほうから高速道路でもっていくというような道路をまず先行しなきゃならぬということです。詰まるからこうだ、詰まるからこうだということは、行政のうちの落第生なんです。田中角榮君、日本列島改造論なんていう一つのものを打ち出しているけれども、ここに大きな首都圏というものにまたがるところの、大きな障害のない、国民全部が喜ぶというような道路をつくることのほうが先行しなきゃならぬということです。表へまずつくって中へ順番に持っていらっしゃい。したがって、環状二号線も、これはもう遺物です。でありますから、首都圏の大動脈というもの、道路の動脈というものは、まず完成しつつあるところの高速道路を結んだ大きなものにするという考え方でなきゃならぬと思う。それが先行する。だから外敦線というものは凍結をする。計画決定してあるんだからといって、それにどこまでもしがみつかないで、よりょく首都三千万の住民の平和と繁栄というものを考えてやるという構想が先行しなきゃならぬと思うんです。
 いまお話しの隧道論、これも一つの考え方です。しかし、技術的にどうかなという気持ちが、私はいままでの例からしてするんです。そうすると、隧道の方向を、二、三年でも、五年でも、十年でもいいから考えて、一ぺん検討してみてください、一つの考え方ですから。しかし、それ以前に、大きくすべての交通を逃がす道路を計画していただきたいと思うんです。これはおそらく百五十キロくらいになると思うんです。いいではないですか。もう首都圏というものは近過ぎるんです。首都圏というものはもう一つなんです。これに中央には山がございますから、山を避けてもよし、隧道を抜いてもよろしいし、大きな円をかいて持ってくる。五十キロなんていうもんじゃなくなってきたのです。したがって、大首都圏の動脈として、動脈の道路としてそれを検討し、それを実施するということのほうが最良なる方法であると思います、将来を考えた場合には。もう一度建設大臣、菊池君なんかのことばを聞かないで……。
#68
○国務大臣(金丸信君) 先生のおっしゃられることも十分私にはわかります。ですから、いまの時点において、いまのような考え方で道路をつくるということはいたしません。そういう問題、そんなような考え方でいくということについては話は凍結だ。ですから、いろいろ創意くふうをして、対住民との合意も得ていけるというものができない限りやるわけにはいかない、こういうふうに御理解いただきたいと、こう思います。
#69
○田中一君 あとまだあるけれども、あとはどっちみち第七次計画がきますから、そのときにもう少し質問をいたします。
#70
○委員長(沢田政治君) 以上をもちまして、本件に関する質疑は一応終了いたします。
    ―――――――――――――
#71
○委員長(沢田政治君) 次に屋外広告物法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#72
○田中一君 自治省来ていますね。先に自治省のほうに聞いていきます。
 かつてこの法律の一部改正があったときにも非常にやかましく聞いておったんですが、公職選挙法との関係を明らかにしてほしいのです。たとえば、今度の場合には、今度の法律の改正の要点は、違反張り紙、立て看板の除去、それから罰金、この三つが選挙に関係がある問題になってくる。そうすると、公職選挙法によるところの選挙の張り紙、これに対する届け出の義務なんか、申請の義務なんかがあるのかないのかという問題。むろん衆議院選挙のように一定の場所に張れということにならない選挙もございます。その場合どうなるのか、その点の関係を説明してほしいと思います。
#73
○説明員(佐藤順一君) まず一般論から申し上げます。
 屋外広告物法に基づく施行の権限は知事にあるわけでございます。公職選挙法の違反文書に対する措置の責任は選挙管理委員会にあるわけでございます。しこうして、選挙管理委員会のほうにあります職員は、違法の文書図画、これを発見いたしました場合には、公職選挙法百四十七条の規定によりまして撤去の命令を出すというたてまえになっております。それに対しまして、伺いますと、屋外広告物法の施行という見地からは、知事がこれを除去するという規定があるようでございますが、しかし、この法律は、いろいろな面を条例で規定するようにされておるようでございます。そして条例で適用除外の規定がございまして、公職選挙法関係で掲示できる文書について適用除外をされている面があるというふうに聞いておりますので、その面につきましては、もう一度立ち戻りまして選挙管理委員会の職責に移ってまいるものもある、こういうふうな関係と理解いたしております。
#74
○田中一君 憲法二十一条の出版と表現の自由ということを、政治活動というものがこれを非常に強く強調しているわけなんです、われわれは、政党というものがね。この関係はどうなりますか。というのは、たとえば愛国党という政党がありますが、これはのべつやたらに違反張り紙をしていることは、もうわれわれ常に目につくところです。これを取り締まっているのかどうか、あるいは、これに対して除去命令を出しているのかどうか、これは自治省でわかるでしょう。東京都呼ばないでもあなたわかっているでしょう、どういうことをしているかということは。そういう関係はどうなんですか。あれは政党であるから憲法二十一条にあるように自由に張れれるんだというような認識を持っているのか、どっちなんです。
#75
○説明員(佐藤順一君) 公職選挙法は、選挙に関連して選挙運動ないしは選挙の際の政治活動が公正に行なわれるということを目的として規定をいたしております。したがいまして、公正確保のための必要最小限度の規定、制限を設けていると、こう考えられます。それに対しまして、いまお尋ねの具体の例でございますが、率直に申しまして、手元に資料がございませんで状況はつまびらかにいたしておりませんが、しかし御指摘の問題ないしはその時点というものが国政選挙の時期ではない、通常の時期でございますといたしますならば、やはり議員おっしゃいましたとおり、政治活動についてはできるだけ自由にという考え方が一方にあることは御承知のとおりでございます。
#76
○田中一君 これは都市局としては、今回の張り紙等の問題はどういう認識をもって提案されているんですか。政治活動と選挙、この二つに分けて説明してほしいと思います。
#77
○政府委員(吉田泰夫君) 今回の改正の第一点、改正の中の一つとして、従来張り紙だけにしか適用されてなかった屋外広告物のうちで、張り札及び立て看板につきましても、長期間放置され、管理されていないというようなものにつきましては、一々代執行の手続を経ることなく、直接知事あるいはその命を受けた職員が除却できるという点がございます。この点につきまして、御質問の政治活動あるいは選挙ということを通じましての、思想の表現の自由であるとか政治活動の問題ということは、憲法上も最も重要なものとして尊重さるべきことはもとよりでございます。しかしながら、今回の私どもの改正案で御提案申し上げている内容というものは、いわば立て看板と申されているような、張り紙などに準ずる程度の軽易なものでありまして、しかも非常に違反の実態が多く、代執行を一々やっておるということになりますとその煩にたえないというところから、従来もこの種の違反広告物が非常に目立ちまして、市街地の美観、風致を著しく害しているということでございますので、非常に重要なそういう思想の表現の自由であるとか政治活動あるいは選挙というようなことにつきましても、今回の改正によるような規制ということはやむを得ないんではないか。もちろん、先ほど申しましたように、屋外広告物法そのものを公職選挙のためのビラ、ポスターのたぐいには適用しないよう指導しておりまして、各県の条例においてもそのように規定されておりますので、選挙期間中の公職選挙法によるビラのごときは、事実上はこの法律は適用されておらないということでございます。
#78
○田中一君 そうすると、選挙活動でビラ張りをする、これを撤去する時期というものは、これは選挙活動でビラ張りをする場合には永久に張っていてもいいということになるの。
#79
○政府委員(吉田泰夫君) 選挙活動のためのポスターなどというものは選挙の告示から選挙当日までのことでありまして、もちろん、その後になれば、その期間中に張られたものといえども広告物法の、あるいはその条例の対象となるというわけでございます。
#80
○田中一君 よく吉田君も知っているとおり、最近ずいぶん赤いまるの入った田中内閣打倒なんというビラが張ってあるでしょう。あれは条例による申請をして許可を受けて張っているものという認め方をしているんですかどうか。
#81
○政府委員(吉田泰夫君) 一々の実態を把握しておりませんので一がいに申せませんが、おそらくは許可を受けたものもあり、あるいは受けないものもあると考えております。
#82
○田中一君 許可を受けないで張った場合、張った行為、張っている品物そのものに対する罰則というものは適用するの。それとも、どういうことになるの。張るという行為をした者を罰するのか、罰金というものがありますからね。それとも、ビラの内容によって、これは田中一のビラだなというときには田中一を罰するの、どういうことなの。
#83
○政府委員(吉田泰夫君) 屋外広告物法に基づく条例によって罰則の適用を受けますのは、張りました者というか、そのポスターを表示した者ということでございまして、これがなかなか把握しがたい場合もありますが、ポスターの表示その他から、たとえば無許可では張ってはならないところに張ったという者がはっきりわかれば、その人を対象として追及していく、こういうことでございます。表現の内容そのものという意味ではなくて、張るべき場所、張ってはならないような場所に張ってあると、こういうような場合のことでございます。
#84
○田中一君 申請するには手数料を払わなければならぬからね、許可を受けると。そうすると、手数料というものはどういう意味の手数料なのか。張っていい場所と張って悪い場所とはおのずから条例できめています。けれども、たとえば東電の持っている電柱に東電から許可を受けて張った――許可が前提ですね、所有者の。その場合には、東電から許可を受けましたといって申請をして、それで都のほうには若干の手数料を払う、こういうことになっているようですが、それはそのとおりですか。手数料を払うというのはどういうことなんですか。
#85
○政府委員(吉田泰夫君) 手数料は、地方自治法の規定を受けまして広告物条例で規定されておりまして、それを根拠に徴収しているわけでございますが、ポスター、張り紙、張り札のたぐいのものは、通常、たとえば一枚につき二円といった比較的少額のものでありまして、もっと大きな看板になりますと、それに応じて一件当たり高くなっておりますが、要は、許可に要する事務手数、あるいは広告物規制その他の広告物行政を行なう、その許可物件を含めまして、そういった行政を行なうために必要な手数料と考えております。
#86
○田中一君 東電の電柱に張る場合には東電は料金を徴します。取るのです。これは財源の一つになっております。けれども、それを許可する許可しないの問題は、それは正当に、張っていい場所に張った場合、これは東電に払うのは使用料です、結局。けれども、都が行政上手数料を届け出によって取る、大きな看板はたくさん取る、小さい看板は安いというようなことは、その発想というものはどこからきているのか。行政上のいろんな費用がかかるからということなのか。それは市民税を払っている、いろんな諸税を払っているから、当然のこっちの権利だ、やる必要何もない。また、それが常にそういう届け出をして行なわれておる、たとえばポスターなりビラなりが私は少ないと見ているのです、事実。多いと見てないのですよ、正しく行なっておると思ってないのです。そうなると、手数料を取るということはどういうことなのか。その発想は何なのか。これも自治省に伺ってもいいのだけれども、どういうことで手数料を取るのか。その財産を持っている人に料金を払うんならこれはいいと思うのです。その行政官庁が他人の財産にビラ張るんだといって手数料を取るという考え方がどこからきているかということを聞きたいのです。
#87
○政府委員(吉田泰夫君) おっしゃるとおり財産権を主張させるというような意味の使用料でないことは明らかでございます。広告物法及び条例では、全然法律の許可対象にもしない、無条件にいけないという場所もきめてあれば、ある一定の場所あるいは一定の物件につきましては知事の許可を受ければ広告物を張り出してよろしい、無許可ではいけないというような規定もあるわけでございます。問題の許可手数料というのは、その許可にかかる場合に出てくる問題であります。この手数料の性格は、地方自治法二百二十七条によりますと、「地方公共団体の事務で特定の者のためにするもの」と、こうありますが、結局、ある特定の人に、普通ならば禁止されている広告物の掲出を特に許可してその禁止を解除する、こういう特定の行為を行なうわけでありまして、もとより、それに伴ってある程度の事務費その他がかかりますし、関連する広告物行政の費用もかかるわけでございますので、そういったこともあわせ考えまして手数料を取る妥当な根拠が出ているものと考えます。
#88
○田中一君 これは、自治省のほうにお願いしますが、一体この手数料が、東京都がどのぐらい年収があるかお調べ願いたいと思うのです。件数がどのぐらいあるのか。ちょっとどうも空文にすぎないのじゃないかと思うのです。どの地区に五十枚張りますといって二百枚張ったって、一々検査して、確認して歩くわけにいかないでしょう。どうもそこのところが事務費を負担するのだと、自治法にある、第何条でしたか、そういうことをおっしゃっているけれども、どうもそれが実際に行なわれているかどうかということなんです。そうして、今度の違反てやつは、違反だから罰金も取るでしょう。罰金を取る。罰金を取った例がどのくらいあるか、それもひとつ調べてほしい。これは自治省でなくてもいい、建設省でいい。
#89
○政府委員(吉田泰夫君) 東京都の調べによりますと、手数料の収入は、昭和四十五年度実績は二千八百七十三万円、四十六年度も大体その程度が見込まれるということでございます。なお、罰金につきましては、最近は法制定直後とは違いましてかなり違反件数が――起訴され判決が確定しているものもありますけれども、まあ全国的に見て十数件という程度でございまして、一件当たりというようなものにはちょっとならないわけでございます。
#90
○田中一君 そうすると、いま現在東京都でやっているやつは、張り紙、ポスター、一枚幾ら取っているの。手数料一枚幾ら。それから何というか、かってに張っちゃいかぬでしょうから、張られる財産を持っている人には金を払っているんでしょうから、それはどうなっておりますか。
#91
○政府委員(吉田泰夫君) 東京都の場合は、ポスター、張り紙、張り札は一つ二円であります。立て看板五十円、それからもっと大きな野立ての広告板のようなものは百五十円というようなことになっております。所有者、管理者のほうにどの程度のものを使用料として払っているかにつきましては、ちょっと調べておりませんのでお答えいたしかねます。
#92
○田中一君 もう一ぺん言いますがね、商業的に張り紙をする、ポスターを張るという場合には、そういう申請があろうかと思う。しかし、政党活動、政治活動、それから政党等が行なう場合には、もう一ぺんはっきりと根拠と実態を説明してほしいと思うんですよ。歯切れよく言ってください、歯切れよく。
#93
○政府委員(吉田泰夫君) ただいまの御質問は、広告物法の対象とすべきかどうかという点でございますか。――それでございましたら、屋外広告物法は都市の美観、風致の維持あるいは危害防止ということを目的といたしまして、非常にその掲出すべき場所であるとかあるいはどういう物件に表示していいか悪いかとか、そういうようなことを中心といたしまして取り締まる、規制する法律でございます。表現の内容は非常に多々ありますし、大別して、いまのような営業目的のものとその他のもの、なかんずく政治的なものあるいは選挙的なものということが言えると思いますが、その思想、表現の内容そのものには立ち入りませんで、それを審査の基準として許可する、しないというわけではない法律でございます。そういう性格のものでございますので、一切の表現を営利なども含めましてあわせて考えておりまして、その美観、風致、危害防止等の観点で見るものは、そういう掲出すべき場所なり物件、あるいは掲出される広告そのものの大きさとか色彩、形態、こういったものに限られている次第でございます。
#94
○田中一君 そうすると、政治活動あるいは政党の活動によってやるものは全然関係ないんだという、いいんですね、それで。
#95
○政府委員(吉田泰夫君) そういう政治的なものについて、その内容がいいとか悪いとかという判断は全くしない。しかしながら、そういう広告物でありましても広告物であることには変わりないということで、その張りつける場所とか物件とか、規格、寸法のごときものについては対象になるわけでございます。
#96
○高山恒雄君 これは簡単なような法律だけどね、非常にむずかしい法律です、施行にはね。あんたのいまの政党との関係どうするかという問題で、田中委員がお聞きになっているんだがね、選挙期間中はこれは当然該当されるでしょう。しかし、選挙以外の場合に新人候補者が出た場合には、事前の運動はこれはあり得るんですよ、必ずね。そうすると、選挙期間中以外のものも考えられるが、以外は、やらせぬということですか。そういう点がちょっとはっきりしないんだがね。
 それからもう一つ、美観の関係も含めてやっておるという、美観を考えなくちゃいかぬと私も思いますよ、美観の点はこれは非常に大事だと。そういう点は修得させる、今後まあ広告の表示等に関していろいろ指導をするということで、美観も考えたものにするのか、これが一つ。
 美観も考えたものにするならば、地方自治体にある程度のことをまかせてしまって、都道府県は別別にやるということはこれまたおかしいじゃないか、こういうふうに考えるんですが、その点どうですか。三つの問題で……。簡単な法律だけど、なかなか内容はむずかしいんだよ。
#97
○政府委員(吉田泰夫君) この屋外広告物法あるいはそれに基づく条例で適用除外としておりますのは、公職選挙法によるポスターといった広告物でありまして、選挙法の適用を受けないもの、つまり選挙告示以前の段階で広告物が張られる場合には、それは政治的な目的のものでありましても広告物法の対象になります。なりますということは、何も張ってはいけないというわけではありません。これは一般の広告物も同様でありまして、条例で定める、条例でまずすべての場合に張ってはいけないという場所があれば、そこには張ってはいけない。それから、許可を要するときめられた場所では許可を受けてください。それから、張ってはいけないときめられました物件には張ってはいけません。それから、許可を受けなければ張ってはいけないという物件につきましては許可を受けてください。まあ大体そういうことでありまして、その場合に、どういうものなら許可できるというような、寸法とかあるいは地面からの高さとか、まあ、そういったことがおおむね条例で規定されているという関係でございます。
 それから、各県ばらばらになるではないかという点は、まあ確かにそういう面もあります。しかしながら、屋外広告物法の考え方は、特に美観、風致の維持、それを表現をある程度制約してでも確保しなければならない、この判断につきましては、やはり各地方の特性その他を考えまして、条例に基本的にはゆだねるということが適切であろうという判断で、基本的な項目だけを法律に書き、それを受けまして詳細、具体的には条例で定めるという法体系をとっております。これはまあこれなりに意味があるし、地方の条例による判断というものにまかせることが適切ではないかと現在も考えております。ただ、あまりにもばらばらになることのないように、実は私ども一のほうで行政指導として標準条例案というものを通達で出しております。これは拘束力はありませんけれども、できるだけそれに合わせて、不必要にばらつきが生じないように考えている次第であります。
 なお、第二点の御質問は、政治活動のためのポスター自体が美観を害するかどうかということかと思いますが、先ほど申しましたように、若干、色彩とかというような点については規制できるようにはなっておりますが、大部分はその広告物自体の形態、大きさ、こういったもの、あるいは設置する場所等の話でございまして、ポスターの中にどういう字あるいは絵が書かれ、それ自体が美観を害するというような判断は、この法律及び条例の対象外といたしておる次第でございます。
#98
○田中一君 まあ、そういう詭弁をしておるけれども、選挙の事前運動はこれは見のがしていますということが実情なの、実態なの。それとも建設省は、選挙の事前運動は、絶対に事前運動的なものをやっちゃいけないということを通達を出すつもり。
#99
○政府委員(吉田泰夫君) 何度も申しますように、広告物の内容に対する判断はできないし、また、すべきでないということでありまして、したがいまして、政治活動的なものあるいはその他の営利的なもの、そういう内容を区分してどういうふうにしろというような通達は、今後とも出すつもりはございません。
#100
○田中一君 東京都は二千何百万円という手数料が入ったと言うけれども、これ内容わからないかな、内容が。
#101
○政府委員(吉田泰夫君) 都の許可いたしました分は、先ほどは四十五年の数字を申し上げましたが、四十六年の数字で申し上げますと金額で三千二百三十四万円となっておりまして、件数は広告板が約二千二百件、その他となっております。小さな看板――立て看板その他ポスター等の小さな看板は区に委任しておりまして、その区の許可分は金額で三百五万円、件数ではポスターが千二百、立て看板が五百三十七、広告板が七百三十等でございます。以上は件数でございまして、数量からいうといずれも一見相当数量がありますので、たとえば都の許可分でありますと、すべての数量を合わせますと約六十七万件、区の許可分で約六十万件ということになります。
#102
○田中一君 そうすると、たとえば田中一連絡事務所という立て看板があると、立て看板、これは広告じゃないね、表示ですね。これは事事務所があるんですよという表示だから、これに該当しないわけですね。
#103
○政府委員(吉田泰夫君) いま申されたようなものが事務所に張り出されている場合には大体自家広告ということでありまして、それも広告物の一つではありますが、条例によりまして適用を全く除外しているか、あるいは一定の、特に大きくない規格のものに限りましては適用除外しておるという扱いになっております。
#104
○田中一君 許可を受けるには手数料は一回払えば一年でも二年でも生きているの。
#105
○政府委員(吉田泰夫君) 広告物の種類にもよりますが、立て看板のようなものであれば一年ぐらいということを考えております。
#106
○田中一君 立て看板でないものもありますよ。ぼくの事務所にあるんだって事務所の表示は広告じゃないですよ。
#107
○政府委員(吉田泰夫君) さっき申したように、特に大きな規格でない限り、普通自家広告は広告物でありますけれども、広告物条例の適用を除外していることが多いわけであります。しかし、許可を要するとされましたものにつきましてはやはり一応一年ぐらいを許可期間と定めて、自後更新しているというのが実態でございます。
#108
○田中一君 私の家の門柱にも田中一という表札がかかっているんだけれども、これは何だろう。
#109
○政府委員(吉田泰夫君) 広告の定義には入りますが、いわゆる自家用ということで適用除外になっているというわけでございます。
#110
○田中一君 金丸さん、妙な問答になっちゃいましたけれども、表札なんというものは掲げなきゃいけないような地域もあります。ありますというのは、居住者を、子供まで全部名前、世帯主を書いて表示している町もあるわけなんです。これはやっぱり広告ですかな。いわゆる広告ですかね、どうなんでしょうか、大臣。大臣でも選挙のときには、選挙の事前でもポスターぐらい張るわね、金丸建設大臣来たるというようなことぐらいどんどんやっています。けれども、こういうことがあいまいなのが一番困る、はっきりしてもらわなければ。これは違反事項だといって罰金幾ら取られるか知らぬけれども、罰金取られる。そうすると敵に、あいつに罰金取らしてやれといって妙なポスターどんどん張ったっていいわけです。一枚幾らになるでしょうか。一枚かりに罰金千円取られたってたいへんなものですよ、貧乏な選挙をやっている者には。だから選挙期間中並びに選挙の事前運動――事前運動なんてものはかってにやっているんですから、そいつがどうなるのか、これは明らかにしないと非常に困ると思うんですよ。罰金取るところもあるし、取らぬところもあるということになるともっと困る。その点身近に大臣はどうお考えになるか。
#111
○国務大臣(金丸信君) この法案を提出するということにつきまして一番私が感じたことは、選挙はどうなるのだ、こういうことで選挙の広告という問題、これだけは慎重に扱ってもらいたい、これを慎重に扱わぬということになると国会をこの法案ば通らない、ぼくだって反対だと、こう言っているが、そのほうは心配ないということだから、それじゃ出そうということであります。
#112
○田中一君 大臣がそういうつもりで、提案者がそういうことを言うならその点は触れません。またどなたかそれは触れるかわかりません。ただ私は、日本のように色とりどりのネオン広告、屋外広告が多い国は最高だと思うのですよ。ことに一番心配するのは、高速道路沿いの赤とか青とか、ああいう交通規制の色をやられるのが一番困る、非常に危険なんです。大型の、激しい色とりどりのものがカーブのところなんかにずらっと出てくると運転を誤ります。広告収入というのを調べてみると、電通の調べでは、私は年間二兆円ぐらいあるんじゃないかと思ったところが、八千何百億程度だ、一兆円ないそうです、電通の調べによりますと。私はそんなものじゃないと思っている。新聞、テレビその他のあらゆる広告媒体がありますから、これはやってみたらたいへんなものだと思う。これがみんな物価の中に入っているわけなんです。ことに屋外広告は、交通の面からいいましても、美観の面からいっても、そうあるのが美観だと言う人もいるかもしらぬ、たくさんあるのが美観だと言う人がいるかもしらぬが、私は、首都高速道路を通ってみても非常に熾烈な色彩のネオン広告が多いのですけれども、これなどは逆に交通面から規制するということはできないものですか。
#113
○政府委員(吉田泰夫君) 御指摘のように、特に信号機、道路標識等まぎらわしいとか、非常な光を放ちまして交通上危険だということは最も注意すべきことでございます。また、特に新幹線とか高速自動車国道というような各県をまたがるような高速交通施設になりますと、その危険の度合いも一そう高いというわけであります。したがいまして、こういったものにつきましては従来からも名神あるいは東名あるいは新幹線ができるつど十分統一をとった条例の規定を整備するとともに、それらの高速道路あるいは鉄道の沿線において相当幅員にわたる分を禁止区域等にするよう通達等をしてきた次第でございます。
 なお、沿道、沿線の土地に設置されている工作物などが交通の危険を生じさせ、または著しく交通の妨害になるおそれがある、こういうような場合には道路交通法の規定がございまして、警察署長は除却命令、あるいは相手方が確知できないときにはみずから除却するというような規定がございます。
#114
○田中一君 しかし、これは結局条例できめるんでしょう。幾ら交通の面からどうこう言ったところが、自分の家の屋根に看板あげているという場合には、そう激しく取り締まりするなんということはないと思うのですよ。一ぺん深夜でなくて十一時ごろでも高速道路の辺歩いてごらんなさい、どんなものがあるか、非常に危険です。こういう点は実際に禁止している個所と禁止されたものがあったら、その事例を説明してみてください。
#115
○政府委員(吉田泰夫君) 先ほど申しましたように、通達でもって屋外広告物の標準条例というのを出しております。各県これにならいまして各地域の特性に応じ若干の取捨撰択をして条例として制定しているのが実情でございますが、道路、鉄道等の区間につきましては、一定の区間は禁止区間とし、その他の区間は許可区間というふうにするなどによりまして条例の対象にいたしますほか、鉄道や道路から展望することができる地域ということで沿線七十メートル、あるいは高速道路などは、たとえば五百メートルといった区間にわたって許可区域等にしておるわけでございます。
#116
○田中一君 では、次に要綱の二にある業者というのはどのくらいあるのです。業者は今度は届け出制度というのができますが、登録しないでもいいのですか。届けすればいいのですか。届けするにはどういう手数料を取るのか。
#117
○政府委員(吉田泰夫君) 屋外広告業者は完全には把握いたしておりませんが、推定いたしますと全国に約六千六百業者と見込まれます。もちろん大きなものから小さなものまであるわけでございます。今回の改正を御提案している中では、この屋外広告業者につきまして届け出を採用いたしたいと存じております。これは登録というわけではなくて届け出といたしましたのですが、その理由は、登録という場合には、これは許可というほどではありませんけれどもややそれに近く、つまりその登録を受けなければ営業ができない、その一般的な営業の禁止を登録ということによって解除するという意味合いになりますので非常に許可に近い。やはり表現の自由にからむ特殊な業種でありますので、その点を勘案いたしまして、無登録営業は禁止するという意味合いでは登録ということばを使うことは行き過ぎではないか。しかしながら、屋外広告業者が実際上、屋外広告物のあり方について支配的な力を持っているわけでございますから、この業者を少なくとも十分に把握し、かつ、その把握したことに基づきまして特に行政指導を強化していくということが、法律あるいは条例で禁止とか許可ということを規定し、これを厳重に励行することのほかに、あるいはそれ以上に効果があるのではないか、こう考えまして、そういうことで届け出制を考えたわけでございますので、したがって、これは登録等に伴うような特別の資格要件というものも格別必要ではなく、届け出れば受理しないということもない、しかしながら、とにかく届け出はしてもらいたい、こういう規定にいたしたわけでございます。
#118
○田中一君 講習会ではどういうことを受講するのか。
#119
○政府委員(吉田泰夫君) この講習会といたしましては、やはり営業所単位には専門のその講習会修了者を置いてもらいたいということでございますので、いわば営業所単位の責任者という者が最小限持っていていただきたい知識というものを講習したいと考えております。届け出制程度のものに対応する講習会でありますので、そう長時間かけて深く掘り下げるような講習会というのもオーバーだと思いますが、最小限度の知識というものを掌握してもらいたい。私ども現在考えておりますのは、この屋外広告物法の趣旨が美観、風致の維持と、公衆に対する危害防止ということでありますので、この二つの目的、趣旨というものを十分理解してもらうということでありまして、そういう観点から見ますと、少なくとも屋外広告物に関する法律あるいは条例あるいは関連する規定、法令等の知識というものを知っておいてもらいたい。それから、屋外広告物の表示の方法、これも条例等に規定があることが多いわけですけれども、そういう条例で最小限きめられていることを守るというばかりでなくて、もう少し積極的にいいものをつくってもらうというような意味でそういう表示の方法ということを勉強してもらう。それから、屋外広告物については簡単な張り紙のようなものがありますけれども、相当工事を伴う、施工ということが伴うものがありますので、こういうものについても勉強していただきたい。そういうようなものを含めまして、大体三日間ぐらいの講習会が適当ではないかと考えております。
#120
○田中一君 これは屋外広告物というものの従業員というか、これは電気も知らなければならぬ、ガスのことも知らなければならぬ、大工さんのことも知らなければならぬ、ブリキ屋のことも知らなければならぬ、たいへんな幅の広い講習を受けなければならぬと思うのです。むろん法律を知らなければならぬことは当然のこと。これ、どんなことを何日間でやるという、そんな短日間でできっこないですよ、あらゆるものを知らなかったら、屋外広告バラエティーに富んでいるから、いろいろなものがあるんだから。それは、そういうことのできる技能者を置かなければならぬことになると、資格でもつくらなければしようがないじゃないですか。講習じゃなくて資格をつくって、屋外広告士でも何でもつくらなくちゃしようがないじゃないですか。あらゆるものを知らなければできませんよ、これ、専門家というものは。どう考える。
#121
○政府委員(吉田泰夫君) おっしゃるとおり、この屋外広告物、したがって、その屋外広告物業という業態も非常に大から小、複雑なものから簡単なもの、幅があるわけでございます。御指摘のように、その一番、最も大きな、あるいは高度の技術を要するようなものになりますと、これは相当の熟練した技術、経験、知識を持たなければならないことは当然でありまして、そのすべてをこの屋外広告物法にいう講習会によって満足させるということはとうていできないわけであります。しかしながら、その場合には別途、たとえば業者としては建設業法の許可が要るだろうと思われますし、あるいは建築基準法の確認を受けなければならないということになって、そういった各法令からくる資格、免許、許可等のものが、必要に応じ、業者としてあるいはその従事する者として要請された制度になっていると思います。私どもは非常に大から小まである屋外広告物の、しかも届け出といった程度の軽易な事態に対応させて、条例で講習会修了者の設置義務を課する場合には、先ほど申した程度の基礎知識を最低限修得した者をもって足りるということにすることが適当であると考えております。
#122
○田中一君 どっちみちこれは地方に委任して、これによって地方で条例をつくるのだけれども、標準の条例の案を出してくださいよ。それを見ればわかるでしょう。いま吉田君の説明だけじゃ、どうも、どんなことやってどういう人を養成するのかちょっとつかみにくい。地方にやらすのでしょうから、地方に、さっき言った標準条例、そういうものをつくって渡してあると言うが、それをひとつこの次の委員会に出してください。
 そうして、結局それがいなくちゃ商売できないんだと書いてあるんだね。支店、出張所にもいなくちゃだめだよと、こうなっておりますね、法律案は。そうなると、どういう程度の人を、どういうぐあいに持っていくのか、これは非常に営業の条件としてむずかしいものだと思う。それから罰則ですね、罰金というのは標準でどのくらい取るつもりでいるのか、それも大体、案があるでしょう。それもひとつ一緒に出してください、次の委員会まで。
#123
○政府委員(吉田泰夫君) 罰金につきましては、条例で十万円以下の罰金ということになるわけでございますが、標準条例として考えておりますものを次回に提出させていただきます。
#124
○田中一君 十万円以下の罰金、ずいぶん幅が広いけれども、ポスター一枚でも十万円以下の罰金になるんですね。その点はどういうふうにランクしているのか、それを出してください。それからもう一ぺん質問することもあります。
#125
○委員長(沢田政治君) 本法律案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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