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1972/04/19 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 建設委員会 第6号
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1972/04/19 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 建設委員会 第6号

#1
第071回国会 建設委員会 第6号
昭和四十八年四月十九日(木曜日)
   午前十時七分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         沢田 政治君
    理 事
                大森 久司君
                竹内 藤男君
                山内 一郎君
    委 員
                熊谷太三郎君
                小山邦太郎君
                古賀雷四郎君
                中津井 真君
                中村 禎二君
                米田 正文君
                田中  一君
                中村 英男君
                二宮 文造君
                高山 恒雄君
   国務大臣
       建 設 大 臣  金丸  信君
   政府委員
       大蔵省銀行局長  吉田太郎一君
       建設大臣官房長  大津留 温君
       建設省住宅局長  沢田 光英君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中島  博君
   参考人
       住宅金融公庫総
       裁        浅村  廉君
       住宅金融公庫理
       事        沖  達男君
       日本住宅公団総
       裁        南部 哲也君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○住宅金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(沢田政治君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 田中君から発言を求められておりますので、これを許可いたします。田中一君。
#3
○田中一君 いま、理事会でもお話ししたとおり、前回の十七日の委員会が突如として中止された、まず、この経緯を伺いたいと思います。これは委員長に伺いたいと思います。
#4
○委員長(沢田政治君) 田中君が御指摘のとおり、当建設委員会は火・木定例日とすると、こういう決定に相なっておるわけであります。特別な事情のない限り、十時から委員会を開催するということになっているのも御承知のとおりであります。したがって、十七日が定例日であることもこれは事実であります。したがって、委員長としては所定の手続をとりました。十七日十時から委員会を開催する旨を公報をもって招集をいたしておるわけであります。ところが、当日、理事会を開きました九時五十分ごろだろうと思いますが、大臣が出席できないという事実が判明をいたしたわけであります。そこで、なぜ大臣が、当委員会の定例日にもかかわらず出席できないかということを政府委員等から、関係者からお聞きいたしました。理事からもお聞きいたしました。その結果、衆議院の建設委員会出席のため当委員会には出席できない、こういう事実であったわけであります。私、委員長としてはまことにふんまんやる方ないところであります。これ委員長の私憤ではなく、しかも、はっきり公報によって定例日であるということが明らかになっておるわけであります。それを、定例日以外の衆議院に出席するということは、ひいては参議院軽視であるし、当委員会無視である、こういうことでありますから、時間をずらして開催するという手段はとるべきではない。この責任を明確にしなければ次の議案に入れない旨を政府委員並びに与党の理事に申し入れまして、当日は委員会を中止いたした経緯がございます。まあ、経緯のみ申し述べましたが、そういう経緯であります。
#5
○田中一君 少なくとも今日まで一院の定例日には委員会を開かない。これはまあ会期末等で衆議院の本会議に法案が上程される、その時間だけ大臣が出席する場合、あるいは衆議院の委員会で採決をする、五分なり十分来てくれという場合には行ってもらうという経緯はありました。しかし、定例日というものが変更されている、衆議院のほうが優先するという形の運営のしかたはしたことはないんだ。あとで聞いた話ですが、社会党の理事が欠席だったということになりますと、少なくとも委員長は与党自民党の理事の諸君とはかつてそれらの決定をしたものと思います。いま理事会――理事・委員長打ち合わせ会で伺うところによると、与党の理事の諸君もそれに対しては、それは阻止しようとして努力したということを言っております。こういう慣行がもし新しく容認されるならば、今後の運営はできません、何といっても日本は二院制でありますから。定例日としてきまっているものが、どこからどういう形でそれが決定されたか。これは私から大臣に聞くわけにいきませんから、委員長から、どういう経緯で――おそらく大臣の意思で行ったとは思いません。したがって、その経緯を明らかにしてほしいと思う。そして、今後再びこのようなことのないように、もしもあるならば、定例日の時間というものを無視してまで行くなんということになりますと、もうとても審議ができるものじゃないんです。ことに、この国会は相当激突するような重要法案がたくさんございます。これらの一つ一つ見ても、そんな軽率なことを建設大臣がするとは思いません。したがって、どこにその真意があり、そして、どこからそれが強行されたか、強行したという力がわいてきたか。
 それに対して与党の理事にあわせて伺いたいんですが、与党の理事が全部承認しないというものならば大臣を引っぱってくれば、いんです。それもせずにそれを容認したということになりますと、一応、山内理事にその点もあわせて伺っておきたいと思うんです。
#6
○山内一郎君 いまの経緯は沢田委員長の述べられたとおりです。われわれとしても当然その委員長のいま言われたことになるように最大の努力をした結果がそうなった。こういうことで特にわれわれがどうしたということはございません。委員長の述べられたとおりでございます。
#7
○田中一君 少なくとも定例日である、そうして法案もかかっている、その法案を審議しようということが事前に打ち合わせできている、前回の委員会のときにも、せんだって散会したあとでありますけれども。前々回の委員会でもそのことが約束されている。それが無視されるという、どこからその発想が生まれたか、その原因を突き詰めていただきたいんです。
#8
○委員長(沢田政治君) その点につきましては、委員長から明確に大臣に経緯を明らかにしてもらいたいと思います。ただ、誤解があるようでありますから――与党の理事と委員長が暗黙裏にこれを承認したんじゃないかと、こういうような疑念があると、これは将来のために困りますので、この際、明らかにしておきますが、それを黙認したりなんかした事実はないわけであります。ないという理由は、明らかに公報をもって衆議院も同じ日に、参議院は定例日でありますから、公報によって委員長これを招集いたしたわけであります。暗黙裏に認めたならば時間をずらすとか何かするはずでありますが、あえて、そういう情報を知りつつも公報に掲載したという事実は、与党の理事と委員長が暗黙裏に承知して、そうしてそれを認めたという事実がない証拠だと思います。特に当日の理事会では与党の理事から委員長も聞きました。あなた方がそれを容認したのかと、こういうことを私が聞いたわけであります。そのとき山内理事も、それは容認しない、これはたいへんなことになるから、こちらのほうに出席せよとわれわれは主張したのだ、ところが大臣の判断で向こうに行っちまったんだ、実はわれわれも困っているんだと、こういう表明があったわけであります。それ以上その点をせんさくしておっても、責任がどっちにあるかと言っても、これはどうにもらちがあきませんので、委員長としては、ずらしてそれを開くとか、待って開くとかということをせずに、やはり当委員会の権威を守るために中止のやむなきに至った、この経緯だけは委員の皆さんから御理解願いたいと思います。
 そこで大臣、いまあなたは経緯を聞いておられると思います。当委員会は当日の十七日は定例日でありました。あなたも公報等をもって御承知のはずであります。しかも定例日に定例日以外の他の院の委員会に出て、そして、こちらのほうには、まあ、ことばきつく言いますと無断欠席であります。無断欠席したという、こういうまあ汚点を残したあなたの判断というもの、どういう判断をされ、どういう経緯でこうなったかということを建設大臣にこの際、明らかにしていただきたいと思います。
#9
○国務大臣(金丸信君) 衆議院における法案審議に関連しまして、事のいかんを問わず当委員会の定例日に出席しなかったことはまことに遺憾であります。今後はかかることのないよう十分注意いたしますとともに、深くおわびを申し上げるわけでございますが、事の重大さを私もなおこの委員会に参りまして痛切に感ずるわけでございますが、まあ大臣の判断だと、こういうことでございますが、実は私も衆議院の委員長に、どういう理由でこういうことになったんだと詰問をいたしたわけでございます。法案を通すということだからこういうことにしたんだと、こういうことで、実は私は逃げ口上を申し上げるわけでない、責任は私に全部あるわけでございますが、参議院と話し合いが済んでおったと、こういう判断で私は軽い気持ちで出席したと、まことにそこの辺に私のそそうのところがありましたことを深くおわびを申し上げるわけでございます。
#10
○委員長(沢田政治君) この件について発言のある方……。
#11
○田中一君 衆議院の委員長と参議院の委員長が話し合いがあったという判断をしたと言われたんですが、そういう事実があったのですか。
#12
○委員長(沢田政治君) そういう事実はありません。衆議院の委員長から私に対して、こういうことでありますから了解願いたいとか、そういうことは政府委員からもなければ、ましてや衆議院の委員長からも全然ありません。全然音信もありません。この事実だけは明確にしておきます。
 そうなりますと、大臣、あなたは、衆議院と参議院と理解がついたというのは、どういう事実とどういう情報を根拠にしたか、この際、明らかにしていただきたいと思います。
#13
○国務大臣(金丸信君) 建設省の政府委員のほうから建設委員会に出席してほしいという話があったものですから、私はそちらへ出たわけでございますが、どちらにいたしましても、その判断を、私がいま一度その辺で委員長に十分に話をし、なお委員長からこちらの委員長の了解をとる、そういうようなことまで確かめてやらなかったところに手落ちもあるわけでありまして、この問題を起こしましたのは一にかかって私にあります。何とぞひとつお許しを願いたいと思います。
#14
○委員長(沢田政治君) 先ほどあなたが自今こういう行動をとらぬと――しかも結果的には、理由はともあれ参議院の定例日を無断欠席したということはやっぱり参議院軽視になるわけでありますから、自今こういうようなことはしないと陳謝と同時にお約束できますか。
#15
○国務大臣(金丸信君) 自今こういうことは絶対いたさないことをお約束、お誓いいたします。
#16
○委員長(沢田政治君) この件に対して御質問がなおある方は御発言願います。
#17
○二宮文造君 いま大臣から明確な答弁がありましたので、あえて根掘り葉掘りという態度をとることもどうかと思うのですが、ただ一言、私、気になりますのは、大臣がそう判断されたときに、政府委員のほうから、衆議院の建設委員会に出てもらいたいと、こういうお話があったので、そこで大臣が判断をされて、参議院と話し合いがあったのか、それじゃそっちに出ていいのかと、こういうふうにからだが衆議院のほうに動かれたような趣旨の発言がありました。その政府委員にお伺いをしたいのですが、その場合、大臣に、衆議院の建設委員会に出席をするように連絡をした政府委員の判断は、参議院の建設委員会と了解がついたと判断をしてそう言われたのかどうか、この点ちょっとお伺いしたいのです。そうしませんと、今後も、大臣はやはり非常にお忙しい、それを補佐される政府委員の方が状況の判断を誤しられると、またぞろこういう問題が出てくるのじゃないか。したがって、いわゆる政府委員が衆議院の建設委員会に出席方を大臣に要請をされた、今後どういう判断でそういう要請をされるのか、この点を詰めておきたいと思うのです。
#18
○政府委員(大津留温君) 私のたいへん早合点といいますか思慮の欠けました判断によりまして、参議院の建設委員会に対しましてたいへん御迷惑をおかけいたしまして、責任を痛感しておる次第でございます。心からおわびを申し上げます。
#19
○委員長(沢田政治君) 官房長、もう一つ聞きますが、あなたの助言があったと思うのですね、大臣に。それで、野党の理事か与党の理事か私の言動かによってそういう判断をした事実がありますか。そうとするならば重大問題です。全くあなたの独自の判断でやったのか、この際、私は誤解を受けたくありませんから、明確にしていただきたいと思います。
#20
○政府委員(大津留温君) 全く私の一人合点で判断いたしまして御迷惑をおかけいたしました。
#21
○委員長(沢田政治君) 本件に関して他に質問ございますか。――なければ、大臣の先ほどの陳謝と約束によって本件を処理したいと思います。本件については、これで一応打ち切ります。
#22
○国務大臣(金丸信君) まことに申しわけありません。
    ―――――――――――――
#23
○委員長(沢田政治君) 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 住宅金融公庫法の一部を改正する法律案の審査のため、必要に応じて住宅金融公庫並びに日本住宅公団の役職員を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#24
○委員長(沢田政治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#25
○委員長(沢田政治君) 住宅金融公庫法の一部を改正する法律案を議題とし、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#26
○田中一君 住宅金融公庫で前回も質疑した一人でありますが、民間に宅地造成の融資をしているという先がこっちにあるわけです。これに対してあんたのほうの連絡員に、何という会社か明らかにしてくれ、こういう要求をしているけれども、それは出てまいりません。年次ごとに何という会社にどのくらいの金を貸している、そして、その金を貸して、どのくらいの宅地造成ができ、上物が乗って幾らで売却しておるか、一つの事例としてそれを明らかにしろと言うけれども、これは秘密であるという言辞を弄しております。それはそこにいる沖君が言っているのです。われわれの国には秘密というものはないはずです。ことに国会から要求されたものが、秘密という理由で資料の提出を拒否された例はございません。もしも、この答弁が相変わらずそういう答弁をするならば、委員長から公文書をもって要求いたします。したがって、その点についての総裁の答弁をしてほしい。
#27
○参考人(浅村廉君) ただいまお話のございました点、私も担当理事から報告を受けまして、いろいろ考えたのでございますが、実は私ども、政府関係の機関でございますけれども、やはり金融機関でございますので、従来から個々の融資先についての、名前であるとか金額であるとかといったような資料は御容赦願ってまいってきた経過がございます。そこで、ただいまのお話の点、どのような資料にしたらよろしいかというようなことをいろいろ考えておるわけでございまして、私どもといたしましては、このほかにもいろいろな融資がございまして、たくさんの融資先に融資をいたしておりますので、お尋ねのこの点につきましては、特に会社の名前等は、公庫側から明らかに出すということも、特に問題でもあれば別でございますけれども、どういうものかというような気もいたしますので、これは資本金幾ら以上の会社であるとかいうようなことで御容赦を願えたらばというような気持ちもいたしましたので、その点あまりはっきりいたさずに今日に相なったわけでございます。十分考えました上で、どのような資料を提出すべきかということを検討いたしまして、また御連絡を申し上げたいと思います。
#28
○田中一君 そうすると、日本の今日の憲法下、各法律というものの中で、住宅金融公庫は融資をしている先は発表できないという制約が法律上あるんですか、あると認められて、いまの発言でしょうか。
#29
○参考人(浅村廉君) 私はそのようなかたいことを申し上げておるわけではないのでございまして、ただ従来からそういう慣行でやってきておったということ、それから他の金融の同類のものも、みなそのようなことでやっておるという事実、そのようなことに基づきまして、そういうことで、どの程度の資料を御要求によって出すべきかということを考えておるということを申し上げましたので、別に法律上どうのこうのとか、そういうかた苦しいことではございません。私のほうでできる限り資料の作成方法について検討いたしまして、提出を申し上げたいと考えております。
#30
○田中一君 市中銀行の融資先の信用等があるからという、市中銀行等が行なっておるところの慣行、これと、少くなとも国の資金をもって融資をしているというものが明らかにできないという根拠は、私は納得できないのです。しょせん住宅金融機関であるからということではないはずです。これはだれに聞いたらいいか。金融公庫を監督している建設大臣、どうお考えになりますか。
#31
○国務大臣(金丸信君) なかなかむずかしい問題で、実は金融関係のことですから、秘密的というものでないにしても、発表すべきであるかどうかということについて考えさせる面もあるし、また、先生の御指摘になるような考え方で、当然オープンで公開すべきである、こういう考え方、なかなか判断に苦しみます。
#32
○田中一君 監督官庁である建設大臣がおそらくそのような指示をしているのかもわかりません。しかし私は、それでは、はっきりと当参議院の建設委員会の委員長として、沢田委員長に公文書をもって要求していただきたいと思うんです。個人のものを信頼するんじゃなくて、個人の信用なり名誉でも――どっちみちこの住宅金融公庫法というものは金のないやっと金の借りられないやつに貸すんだということになっているんです。したがってその会社の、金があるかないか知らぬけれども、その名誉なり信用なりを傷つけるものとは考えられない。これが公表できぬということになると、国会の権威というものはないわけなんです。行政上の調査もする権限を持っているんです。公開とか公表とか言っているけれども、当委員会は新聞記者に発表する機関でも何でもないわけです。住宅金融公庫の将来との運営について審議をするためにも、大デベロッパーに融資をしているというこの事実、その事実がどこにどのくらいの規模のものがいっているか、それがどのような形で分譲されておるかという点を明らかにしたい。しいて申しますならば、住宅金融公庫に愛情を持っているからこういう発言が出るわけです。もし、そこに何ら暗いものがなければ、堂々と当委員会に提出することが当然であります。当委員会の要求に対して拒否するという権限はないはずです。国会が要求する資料が住宅金融公庫から提出されないということはあり得ないんです。その点は、これから考えて云々なんていうことはあり得ません。
#33
○参考人(浅村廉君) 別に私のほう、他意あってやっているわけじゃございませんので、なぜその辺はっきりしないかという経過を申し上げたわけでございます。別に、私どもの立場からすれば一つの基準と基づいてやっておることでございますから、資料の提出をお断わりするなどという大それた気持ちは毛頭持っておりませんが、金融機関でありますので、従来そういうことまではやっていなかったということで御容赦を願いたいというお願いを申し上げておるわけでございます。どうしてもそれがいけないということでありますれば、また監督官庁とよく御相談をいたしまして、私どもは政府関係の機関でございますし、別に特にかたくななことを申し上げる気もございません、そのような点で私もただいま迷っておりますので、卒直に私の立場を申し上げたわけでございます。なおよく相談をいたしまして、できるだけ善処いたしたいと急います。
#34
○田中一君 私は住宅金融公庫の本質、現状というものを詳細に承知してこの法案の審議をいたします。したがって、それが明らかにならなければ、きょうはこの審議をいたしません。したがって、この点は善処するなら善処をするようにしておやりなさい。
 なお、委員長から、いまの総裁の発言に対してひとつ法律的に検討の上、私の要求どおりの納得する答弁が出、資料が出ることを進めていただきたいと思います。
#35
○国務大臣(金丸信君) 国会で調査権で調査するということになれば当然出さなくちゃならぬということでございますから、それを出すか出さないかというだけのことであって、当然要求があれば、強い要望でございますから出すべきである、こう私も判断します。出すように善処いたします。
#36
○委員長(沢田政治君) この際、田中君から公文書をもってということばがありましたが、これは公文書でなくても、委員からそういう発言がございましたから、正式に、田中君の求める資料を当委員会に提出するように要求しておきます。もしこれが法的とか何かの関係でできないということになるならば、その根拠を申し述べるべきであって、根拠がなければ当然調査権に基づいて提出することをこの際、要求しておきます。よろしゅうございますか。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#37
○委員長(沢田政治君) 速記つけて。
#38
○田中一君 今度提案されている法律案で、少なくとも国民大衆の融資の金利が逓減されておる。これは望ましいことなんです。しかし、これではまだ高過ぎますということが一つ。
 それからもう一つ、高過ぎますということは、むろん住宅金融公庫もそう力がないだろうから、大蔵当局から、どういう根拠で五分二厘という線に落ちついたかという経緯を説明してほしいのが一つ。
 もう一つの問題は、貸し付け金額、一戸当たり貸し付けされた金で規模がきまっております。最小の規模がきまっている。一番小さい規模がきまっておって、それに対する二百五十万という融資というものが家のどのくらいになるかということなんです。
 あと第二の問題は、それではとても、二十七坪だったか二十四坪だったか、その坪数は建たない。建たなければ、あとはどっちみち市銀なり何なりの融資を受けなければならないんです。あるいは手持ち資金を持っているかどうか、これを入れるか、あるいは融資を受けなければならないというものでなくては建たないわけなんです。二百五十万を借りても建たないわけなんです。そして、この融資を受ける国民は当然借地なりあるいは自分の土地なりを持たなければ融資が受けられないわけなんですよ。そういう点から見ると、住宅金融公庫の使命というものはこれで十分だと言えないんです。十分だというのは少し美しいことばで言っているんだけれども、しようがないじゃないかということにならざるを得ないんですよ、これではね。庶民に対する住宅金融といういまの範囲では、これにこたえて申し込みするものがいるかどうかという点を懸念するわけなんです。住宅ローンの問題は銀行局長来たら聞きますけれども、前回の委員会では、必ず、ほかの金利の引き上げがあろうとも住宅ローンに対してはいままでどおり無選択で貸しましょう、これを指導いたしますという言明をしているにかかわらず、四、五日たつと全銀連は、住宅ローンというものをもう選択して、おそらく返せそうなやつに貸すんだろうということになっている。また翌日になるとそれを否定する声明が出ておりまして、したがって、住宅金融公庫自身が国民大衆に対して融資をするというこの限度額というもので、はたしてこれに満足して融資を受けようとするものがいるかどうかという点を懸念するわけなんです。
 昨年度の融資もたしか十四万何千戸のはずでしたが、これが沖君に聞くと十八万戸ぐらい申し込みがありましたと言うけれども、そのうちでもってもう書類上不適格と見られるものが何万戸か何万人か落ちて、ぎりぎりの線でようやく金貸すことだけはできたという現状である。そうすると、実際に四十八年度のこの予算に計上されている前年度よりももっとふくれ上がっているところのこの計画というものは、はたして完全に――完全じゃない、ある程度までも完遂できるかどうかということになると相当疑問があるわけです。むろん直ちに申し込みによって契約をしたものでも鉄筋の場合には二年ないし三年とかかると言っております。昨年度の申し込み並びに定数はわかりましたが、契約をした後に解約になったという数字の報告を受けておらないんですが、四十七年度はどのくらいあったかどうか、それを説明してほしいと思うんです。
#39
○参考人(浅村廉君) 昨年度の実績、これは四十七年度について申し上げます。
 申し込みは、個人住宅につきましては十八万五千二百六十四戸でございます。それに対しまして実績が十六万九百八十七戸ということになっております。つまり、その差し引きの数字、差額が、まあ申し込みはしたけれども一応辞退をした、辞退と申しますが、結局契約に至らなかったという数字でございます。
#40
○田中一君 予算要求の際に金利五分二厘という、この点の交渉の経緯を説明してください。そして大蔵省は何と言っているのか。
#41
○参考人(浅村廉君) 私どもは、五分五厘の金利は非常に安い金利で、これは公庫創立以来の特に政策金利として重要な金利であるということを考えておるわけでございます。したがいまして、これは他の私どもでやっております融資の金利、六分五厘だとか七分だとか七分五厘だとか、さようなものと比べますと、それほど差し迫った感じを私どもは実は持っておりませんのですが、ただ、私どもが財政投融資の資金を借りてまいります。その貸し付けを受ける金利が六分五厘から六分二厘に下げられまして、〇・〇三の引き下げがございましたので、まあ私のほうも、他の金利の引き下げと同じくこの分も当然ひとつ〇・〇三下げてもらいたい、したがって、五分五厘を五分二厘にしていただきたいという要求を大蔵省に出したわけでございます。大蔵省でも――いろいろ建設省を通じまして大蔵省とまたお話をしたわけでございますが、いろいろ検討していただきました結果、来年度は五分二厘に下げることでよかろうということにしていただいたわけでございます。
#42
○田中一君 二百五十万限度額と、それから土地に対する融資がとまった――とまったというか中止になったという経緯を説明してください。
#43
○参考人(浅村廉君) 昨年予算を要求いたしましたときは、私どもの融資額は最高四百万円という線でお願いをいたしたわけでございまして、その内訳は土地費が百五十万、その上に建つ住宅が二百五十万、合わせて四百万ということでございました。これはたいへんな増額の要求でございまして、実は、ただいまは土地費なしの百五十万ということでやっておりますのを、そのようなことで四十八年度からやらせてもらいたいという要求をしたわけでございます。ところが、それはあまり急に大きくなり過ぎるんで、特に土地の問題は考え方もいろいろありますので、四十八年度は、上物についていままで百五十万であったのを百万をふやして二百五十万にしようと、このようにしていただいておるわけでございます。なお、土地費の融資を全然してないかと申しますと、これは私ども特に限られたものにつきましてはただいまもやっております。たとえば区画整理済みの土地であるとか、公共事業で立ちのきを余儀なくされた者とか、あるいは公営住宅からどく方とか、あるいは災害の場合とか、いろいろ場合を限定しておりますが、それには土地費をある程度融資をしておりますが、一般的には土地費の融資の制度はございません。来年度はその点を一般的に広げようと思いましたけれども、何しろ金額が非常に多いことでもございますので、二百五十万円、これは上物ということできめられたという経緯でございます。
#44
○田中一君 二百五十万の貸し付け限度の規模というものは、最低幾らに、何坪に押えてますか。
#45
○参考人(浅村廉君) 二百五十万は規模が八十平米以上ということになっております。
#46
○田中一君 それで、四十八年度の融資戸数は、いままでの経験とそれから現在の諸物価――諸物価と申しますが、建築材料その他ローン等の値上がりによって、どのくらいの申し込みがあろうという推定のもとにその予算を組んでいるか伺いたいと思います。
#47
○参考人(浅村廉君) 私どもは毎年度、五カ年計画に基づきまして各種目につきましての融資対象戸数をきめていただいております。来年度は十四万三千戸という計画を立てております。これは実はふたをあけてみなければ正確にはわかりませんけれど、ただいまの状況でございますと、非常に私のほうに問い合わせがたくさん来ておりまして、早く貸してくれという要求が非常に多いわけでございます。大体毎年そう変わった数字でないところできめていただいておりまして、従来の経緯あるいは今後の見通し等いろいろ織りまぜまして、私はこの程度をこなすことは十分できるものという確信を持ってただいま臨んでおるわけでございます。
#48
○田中一君 建築材料の値上がり等が非常に大きく今後の住宅建設に響くと思うんです。大体一坪当たりの単価、どのくらいに押えておりますか。これは沢田君に聞きます。
#49
○政府委員(沢田光英君) 公庫の標準建設費でございますが、これは四十八年度におきましては各種ございます。木造の、いわゆる東京辺でございますと、平米当たり三万九千百円でございます。それから耐久構造でございますると、特別地域、すなわちこの辺で平米当たり四万八千円。いずれもこれを坪に直しますと、いまの四万八千円は坪当たり十四万五千二百円になります。先ほどの木造は十一万八千二百円何がし、かような数字になります。
#50
○田中一君 それで八十平米を建てるとすると、どのくらい手持ち資金がなくちゃならぬことになるかな。そうしてこれはいつの積算なの、昨年の夏ごろ……。
#51
○政府委員(沢田光英君) おおむね前の年の六月から七月にかけて積算をいたします。
#52
○田中一君 それで……。
#53
○政府委員(沢田光英君) 最近の値上がり状況でございますが、これは一番新しい資料でとっておりますが、木材が値上がりをする、あるいはセメントが値上がりをする、そのほかのものもつれて上がっておる。もっとも、木材等は多少下がりぎみになっておりますが、二月、二月でとってみますと、各種の平均で、おおむねその単価増分だけで一三%――ネットで一三%の値上がりがあった。これは木造のほうは二〇%をこします。それから耐火構造の高層のほうは一〇%程度にとどまる。これを平均をいたしまして、各種私どもの事業をやっておりますものの中では、おおむね二割というものの二月、二月の比較では値上がりになっておるわけでございます。ただし、木材等はこれから値下がりの傾向がございますから、多少は下がるかというふうに感じております。いずれにいたしましても、公庫の、あるいは公営、公団の単価というものは一年前の単価でやっておりますし、したがいまして、相当な無理といいますか、通常の年よりは相当な無理があろうというふうに感じております。
#54
○田中一君 建設大臣に伺っておきますが、一連の本年度の住宅建設というものが、たとえばいまの個人住宅にいたしましても、個人の負担が非常に重くなっている。これは二百五十万にしても、資材その他の値上がりによって同じことを繰り返している。ましてや土地価というものを考えた場合には、これはもうとうてい受けられぬものではなかろうかと思うんです。これは持っている人はいいでしょう。建てかえもいいでしょう。公営住宅にいたしましても、公団住宅にいたしましても、同じことが言えるわけです。この予算のとり方というものは――これはたしか金丸さんがとったんでしょう、この予算はね。交渉したんでしょうけれども、この程度でとめているんでは、おそらく本年度は容易なことではないように私は考えているわけなんです。したがって、これから公団の昨年の現状、ことし、これからの見通し、公営住宅の現状、見通し等を伺いますけれども、根本的にもう一ぺん住宅政策というものそのものを見直してみるということが必要な段階にきているのじゃなかろうかと思うのです。その点について住宅金融公庫、昨年こういうことを言った。住宅金融公庫はもはや使命が終わったのじゃないか、装いを新たにして新たな方向に向かって進め、こういう注文をつけておったわけです。全体の住宅政策についてどういうお考えを持っているか。ことに住宅金融公庫の今度の法律改正というものは、浅村総裁に聞くと、もう非常に照会が多いという。私は、それがほんとうにきまるものは少ないのじゃないか。土地を持っている者、たとえば住宅生協あたりに――勤住協ですね、勤労者住宅協会から流してもらっておるところの住宅生協あたりに十分に貸している、この額もだいぶふえましたね、ことしは。そういう点について建設大臣、もう少し住宅問題に取っ組んでほしいと思うのです。住宅金融公庫の今後の、この法律改正後におけるところのあり方に対して十分に関心を持っていただきたいと思うのですが、その点を伺っておきます。
#55
○国務大臣(金丸信君) 昭和四十八年度の予算につきましては、まさに私が責任で獲得いたしたということでございますが、実は御案内のように、私が大臣になったのは十月二十二日でございますから、予算は大体コンクリートされておるという状況で、最後の大蔵大臣折衝のときでしたが、この金額の問題につきましても、これじゃまことに僅少過ぎる、こんなことで家が建つと思ったら間違います、私はここへ来てすわり直してここまでコンクリートされたものをどうしろというわけじゃないが、いま一回ひとつこれは将来に対して考え直してもらわなくちゃならぬと思っているというようなことを言ったところが、昭和四十九年度については考えましょう。私も住宅のあり方につきましては、いま審議会に住宅政策はいかにあるべきかということで答申を求めておるわけでございますが、それと相まちまして、住宅政策に対してひとつ洗い直してみたい、こういう考え方を持っておるのですが、そのとおり大蔵大臣は、来年度の公庫の金についても相当のことを考えてくれると私は思っておりますが、しかし財政にも限界があることですから、その限界のある分は、余分のところはひとつ利子補給というようにことを考えてみようじゃないかと、それは確かにいい案だと、ぜひひとつ私なども立案して持ってくるから、四十九年度に対しては格段の配慮をしてもらいたい、こういうお願いをして帰ったんですが、先生の御指摘のとおり、住宅五カ年計画というものはこの辺で洗い直して再出発すべきじゃないか、このように私考えております。
#56
○田中一君 吉田銀行局長に伺いますが、せんだって、あなたがここで住宅ローンの問題について、どういうことになっても住宅ローンだけは従来どおりの方針でいるように指導するというお話しがあったのですが、あれから間もなく全銀連ですか、選択融資だというようなことを新聞にも発表されました。それから金利を上げるということも発表されました。また一日おいて、いや従前どおりだというような発表をされた。これは相当あなたが動いたものだと思うのだが、どういう経緯でそうなったか、ひとつ説明していただきたい。そしてなお結論として、いまお聞きなさったかもしらぬけれども、住宅金融公庫の融資にしても、もうすべてせいぜい二百五十万貸すから二十七坪ぐらい建てろと、こう言う。ところが、十坪くらいしか建たないような現状なわけなんです。どっかで融資を受けなければならないものが多いんで、そこで今後の方針として、銀行局長がどの場合でも優先して住宅に対しては貸し付けをしようという方針を確立していただければ、住宅金融公庫もことしはどうやら計画されているものが完遂できるということになろうかと思うんですよ。私は住宅金融公庫が失敗してくれたほうがいいとは思っていないのです。やはり何といっても計画されたものが完全に――不十分ながらもその残りのものがあなたのほうで市銀なりどこなりから融資をされて完遂することが望ましいわけなんです。それで伺うのですが、せんだってあなたが言ってすぐに、一週間ばかりたったらばああいう反発がありました。現在と今後どういうぐあいに住宅に対して行政指導をなさるか。これも最後ですから、がちっと方針を説明してほしい。
#57
○政府委員(吉田太郎一君) まさにいま先生御指摘のような動きがございました。ただ、これは多少新聞の――新聞もそうは書いていなかったと思いますが、全国銀行協会としてきめたということではなくして、金融機関の関係者が、そういう住宅ローンも詰まってくると何とかしないといけないなあといったようなことばを言ったらしゅうございまして、正式にきめたのは、実は昨日、全銀協といたしまして住宅ローンの金利は引き上げない、据え置くということをきめたのがただ一つでございます。
 ただ、今後の問題といたしまして、私ども、いまお説のとおり、住宅ローンこそこれからの金融機関の業務中の非常に大きなウェートを占めていくべき問題であると、かように考えておるわけでございます。で、そのためには現在程度のウェート――金融機関の貸し出しの中のウェートでございますれば、私どもが指導をして据え置きなら据え置きということでやっていけるかと思います。しかし、今後住宅ローンというのが非常にウェートが高くなって重要な要素を占めてまいりますと、大銀行はともかくといたしまして、地方銀行あるいは相互銀行、信用金庫といったところではなかなか金利を据え置くということもむずかしい問題が将来の問題としては起こってくるのではないかと、かように懸念しておるわけでございます。そのためにはやはりこの際、金利のあり方等について一つのルールというようなものをつくっていくべきじゃなかろうかという角度から、現在、金融制度調査会の住宅金融部会で検討をお願いしておるわけでございまして、たとえばヨーロッパでございますと、そういう場合に、たとえば金利が上下したとき、毎月の返済金額は一定としておく、ただ返済期間を延ばしていくというやり方をとっておる国もございます。あるいは、これはたしかアメリカであったと思いますが、そういう国では二種類の契約で、利用者が選択するというやり方をやっております。一つは固定金利で一切の金利情勢に変動なしにいくという契約方式、それからもう一つは、金利の変動に応じてそれを上下する、自分の事情によってどちらが有利かを選択して、どちらかの契約をするというやり方も試験的にやられておるようでございます。で、わが国も将来の問題としてはそういう何らかのルールを確立していくことが、住宅ローンがこれからほんとうにふえていくためには必要ではなかろうか、事あるごとに私どもが指導していくというやり方ではなかなか長続きはしないという問題もあろうかと思います。ただ、現在程度の貸し出し程度、それからいままでの金融機関、いままでのように企業金融ばかりやっておって、消費者ローンであるとか住宅ローンに向けるべき資金量が非常に少ない程度でございます段階においては、私どもが十分指導をして、あまり利用者の反発を買わないようなことをやっていきたい、かように考えております。いずれにいたしましても、秋ぐらいまでには金融制度調査会で結論を出して、長期にわたるそういうルールをつくっていきたい、かように考えております。
#58
○田中一君 労働金庫もあなたのほうの監督下にあるわけですね。
#59
○政府委員(吉田太郎一君) 共管でございます。
#60
○田中一君 労働省と。
#61
○政府委員(吉田太郎一君) はい。
#62
○田中一君 そこで、住宅生協が特定なるものに融資をする制度をむろんとっております。とっておりますが、労働金庫の多くの貸し付けは、むろん家計の不足を補うという場合もありましょうが、長期で貸しているのは大体住宅資金が多いと思うんです。住宅資金に融資している額はどのくらいになっていますか、資料お持ちですか。
#63
○政府委員(吉田太郎一君) ちょっといま至急調べましてお答えさしていただきます。――必ずしも住宅生協であるかどうか、おそらく住宅生協の部分がかなりの部分だと思いますが、労働金庫の総貸し出し三千六百八億のうち個人向けに住宅融資をいたしております金額が千九百八十億、約五五%でございます。
#64
○田中一君 浅村君、君に伺うんですが、労働金庫は御承知のように相当数の資金を住宅建設のために融資をしているわけなんです。で、勤住協に対する本年度の割り当てがきまったそうでありますが、幾らになっております、金額で。
#65
○参考人(浅村廉君) ちょっと調べましてお答え申し上げます。――四十七年度の計画戸数は勤住協に対しまして六千戸の割り当てをいたしております。それで、この大部分を勤住協は各地の住宅生協に委託をしておりまして、その戸数は五千百四十四戸でございます。
#66
○田中一君 四十八年度は。
#67
○参考人(浅村廉君) 四十八年度の数字は勤住協の要求等をいま受けておりまして、ほぼ前年度と同じかあるいは少しふえるかという程度の数字でございます。
#68
○田中一君 これ割り当てきめたんじゃないですか、もう。私、要求はきめられたように聞いておりますが……。
#69
○参考人(浅村廉君) 実はこの割り当ては、割り当てと申しますか、毎年度の事業計画の決定は建設省の大臣の承認を受けることになっておりまして、まあ、そういうような手続もございますし、ただいま何戸に決定したかということをまだ申し上げる段階にいっておりません。ただいまの六千戸を少しふえる程度でおさまるんではなかろうかという見通しを申し上げたわけでございます。
#70
○田中一君 浅村君ね、もっと要求は大きいでしょう。勤住協の要求は大きいでしょう。それはわからなければ沢田君、君のほうわかっていれば……。
#71
○政府委員(沢田光英君) つまびらかなことはわかりませんけれども、勤住協から私どもの公庫のほうに出てくる要求は勤住協の分と住生協に落とす分でございますが、さほど大きくないという例年の状況でございます。ただし、勤住協のほうと住生協のほうの間でどういうことになっているかということは、ちょっと私どもわかりませんけれども、その辺の食い違いがあるかという気がいたします。
#72
○田中一君 前回の委員会でも申し上げているように、大体住宅生協は土地の造成をやりながら分譲している形をとっております。だから、せんだっても激しく言っているように可能な範囲の融資をすべきだと思うんです。方向としてはどういう方向をとっているのですか、政府として。
#73
○政府委員(沢田光英君) 四十七年度の実績の一部でございますけれども、勤住協のほうに大部分いっているわけでございますが、勤住協の全体で六千戸のワクという、いま公庫の総裁からも報告ございました、そのうち契約に至ったものは五千六百戸で終わっております。この中に住生協の分が大部分入っておるわけでございまして、したがって、住生協の能力も――おそらくこれ土地問題だと思いますけれども、ダウンをしてきているんではないか。私どものほうは住生協を含めて勤住協を通じて希望が出てくれば、これはけっこうなことでございますから、全面的にこれにはワクをつけるという方針でいきたいと思っております。
#74
○田中一君 そこで、住宅金融公庫法の改正については、いまの企業に貸し付けてるのは二口あるそうですね、浅村君。二口、公庫ではね。いわゆる企業に、デベロッパーに融資をしている口が二口あるというように聞いておるが、そうですか。
#75
○参考人(浅村廉君) おっしゃるとおりでございます。
#76
○田中一君 その二件の名前は両方とも知らしていただきたいのです。一件の大きいほう、大型に融資しているほうの契約書、それから、ここにある貸し付け方針というものも、むろん内容にはそれが条件になっておると思いますが、完成の期日、それから土地の買収費、売却費、これはまたすぐひっくり返って個人と住宅金融公庫が契約を締結するわけですから、でき上がった場合には。そうでしょう。その場合に、これはむろん現在の金利あるいは条件においてやっておると思いますが、その間にデベロッパーの利益というものがどの程度まで認められておるのか、実際の数字で示していただきたいと思うのです、実際の数字で。もしも、四十七年度に融資をしたという二件のものがまだ未完成でありますというならば、四十六年度で完成したものについて、その点の詳細な資料をお出し願いたいと思います。これについては、時間もありませんから、質問はいたしません。その資料をお出し願いたいと思います。完成した分の配分、それから、むろん公募の形をとっておるものと思いますから、公募の方法をどうしているか、どういう行き方をしているか、国民に周知徹底さすためにはどういう形をとっているのかということとか、現在まで公庫が指導したところの実績というものを資料でお出し願いたい。
#77
○参考人(浅村廉君) 私ども民間宅造に対する融資というのを数年前からやっております。いまおっしゃいましたように、たとえば四十七年度と申しましても、これはただその年度に貸しただけでありまして、一つの一貫した計画でございますので、すでに数年前に貸し付けて、その事業ができ上がって、土地を分譲したり、上物を建てて売ったりしておる例もございますので、そういうもので御説明したほうがよかろうかと思いますから、一応そのような資料によってまた御説明をいたしたいと思います。
 それから、この制度は、できましてそう新しいことでもありませんし、あまりこれを広げるという気持ちもございません。あまりこれを拡大して予算のワクの中で大きなものをどんどんこれに回すという気持ちもございません。あるところでおさめておきたいという気持ちでやっております。大体こういう関係のデベロッパーは、それぞれしかるべき協会に所属しておりますので、私どもは大体、こういう制度が始まりましたということを、そういう協会に連絡をいたしまして、そうしてその協会の中で話し合ってもらう。一つは、そういうものを通さないと、通すというか、そういうところを中に入れておきませんと、私どもも信用の点で問題を後に起こしても困りますから、慎重にやっております。別に、新聞に広告してどうのこうのというほどのことはいたしておりませんが、そのような方法で周知をはかってやっております。
 それから計画は、私どもはもちろん詳細に審査いたします。ただ、これはむずかしい問題でございますが、その利潤をどの程度に制限するとか、そういうようなきちっとした基準というものは別にございません。ただ、私どもで適当と認めるところでその計画を承認いたしております。一つの傾向はございまして、私のほうでいろいろな資料によって検討いたして、一つの線というものは持っておりますが、特にどの程席以上はいけないとかいいとかといったような基準を持ってやっておるわけではございません。内容を十分審査いたしまして、そうして、でき上がりましたものが、どの程度の価格で売買されるか、最後の商品の値段等に十分目を光らせまして、そうしてそれが近傍類地のそのような事業のものから比べまして、相当安いというようなところでなくてはならないし、いろいろなところで妥当な線を出して指導しておるわけでございます。
#78
○田中一君 そうすると、民間のデベロッパーに対する融資は今後ともなるべくやめていくんだということですか。
#79
○参考人(浅村廉君) 私はやめるとは申しておりませんので、非常に重要な種目がたくさんございますから、私どもはこの種目も適当には伸ばしていきたいと思いますが、特にこれに非常に力を入れて今後大幅に伸ばそうとか、そういうようなことでなしに、ことばがちょっと悪かったと思いますが、全般的にこれを指導してまいりたい。別に、この程度をもう少しカットするとか、そのようなことを申し上げておるわけではございません。
#80
○田中一君 市中銀行が融資する場合には、ただ金を貸すっきりなんです。土地を取得し造成をして、幾らで売ろうと、一般市中銀行はそういう形をとっています。しかし住宅金融公庫は、少なくとも国の金ないし国が管理する金を融資しているわけなんですから、これは一般の不動産業者の親玉みたいに、幾らでももうけていいんだ、金さえ貸せばいいのだというものじゃないことは、いま総裁の説明どおりそれは認めます。認めますが、やはり民間デベロッパーは、よいものならば民間の金が十分に借りられるはずです。したがって、住宅金融公庫が融資する民間デベロッパーに対する指導というものは、もっとシビアでなくちゃならぬ。一般市中銀行が土地の取得に幾らでも金を貸した時代があります、つい最近にも。そうでない、実際にこれが消費者に対してどのような価格でいき、会社の利潤がどうなるかという点にまで、その融資している事業そのものに、そこまでのことをしなければ、もうおやめなさい。何も民間デベロッパーに買いあさりの資金――一番心配するのは買いあさりの資金なんです。これをやっては、ますます地価を上げるばかりなんです。一種の仮需要。住宅金融公庫が仮需要を促進するんじゃないかという議論を二、三年前からしておりましたけれども、申し込みが何倍あった、何倍あったところが、仮需要が何倍あったということなんです。入っているのは、百のものなら百きりないんです。百に対して二百申し込めば、あとの残っている百というものは仮需要なんです。地価を上げていく。地価が上がるじゃないかとずいぶん指摘したものです。したがって、もうこれは総裁に聞くのをやめて、建設大臣、住宅金融公庫の民間デベロッパーに対する融資というものは、そこまでの監督ができなくて、どんぶり勘定みたいにケース・バイ・ケースでもって判断してやっているのだということじゃ困るのです。したがって、今後とも――一定の基準はあるけれども、そういう方向はもうとらないで、そういう民間企業は、一般市中銀行なり何なりの資金でやるようにする方向で、現在法律はそうなっておりますから、それは凍結さすということの方向が望ましいと思うのですが、どう思いますか。
#81
○参考人(浅村廉君) 私ちょっと……。
#82
○田中一君 君に聞かない。
#83
○参考人(浅村廉君) ただいまの点、ちょっと申し上げますが、私どもでやっております民間宅地造成資金の貸し付けにつきましては、むろん非常にシビアな条件をつけております。たとえば一団地の面積が二十ヘクタール以上なくちゃいけないとか、それから全体の面積の七〇%以上が一区画二百平米程度未満に区分されたものでなければいけないとか、あるいはその二百平米程度のものは九百万円をこえちゃいけないとか、ずいぶんこまかい規制を設けまして、その限度でやっております。それから土地を買収する費用については、私どもは融資をしておりません。デベロッパーが買収して土地を持っておる、それを造成したいということで初めて私どもは立ち上がるわけでございまして、造成以後のめんどうを見るわけでございます。そのようなことで、非常にきびしく事業を規制しておりますし、なお事業内容につきましても、ただいま申し上げましたように、十分検討いたしまして、決して不当なもうけ仕事をやってもらう気はございませんから、その点も今後とも厳重に監督をいたしてまいりたいと考えております。
#84
○国務大臣(金丸信君) 私は公共宅造というようなものに相当なウエートを置くべきだという考えを持っております。デベロッパーの問題も、いま総裁から話がありましたように、非常に借りている数は少ないと。しかし、その少ないのも、今後これを大幅に拡大するということのないように指導してまいりたいと考えております。
#85
○田中一君 これは住宅公団のほうに伺っておきますが、住宅公団、いま三都市圏にどのくらいな土地を持っていますか。南部君。
#86
○参考人(南部哲也君) 住建と宅地と両方ございます。住宅建設のほうで現在持っておりますのは六百七十二ヘクタールでございます。それから宅地のほうは大体、全体の六割は首都圏が占めておりますんで、こまかい数字はちょっといま手元にございませんが……。
#87
○田中一君 住宅公団が建てようという土地が六百七十二ヘクタールと。そうすると、本年度の予算は大体これに集中するわけですか。それとも、その他にも土地はあるんですか、当てになるものが、新しいものが。
#88
○参考人(南部哲也君) 毎年新規に大体二百ヘクタールぐらい購入しております。多いときには五百ヘクタールぐらい購入した年もございます。そういった手持ちの累計が、ただいま申しました六百七十二ヘクタールでございますが、年間、最近のあれでいきますと二百ヘクタール足らずは購入できるということでございますんで、両方合わせますと、建設戸数八万戸のうち宅地の必要な七万二千戸というものに対する用地はあるわけでございます。ただ、これに対する地方公共団体との話し合いその他、これが難航しておるということになっておるわけでございます。
#89
○田中一君 建設大臣に伺いますがね、いま南部総裁が言っているように、とてもじゃない四十七年度の住宅公団の建設が近畿圏では二〇%程度だと、完成したのが。それから首都圏並びに中部圏ではどのぐらいになっていますか、南部総裁。
#90
○参考人(南部哲也君) 四十七年度の事業だと思いますが、四十七年度の事業は年度末までに大体三万二百戸ばかりの発注を了しております。これは四十七年度の全体計画を一万八千戸実は削減いたしまして、事業計画上これは翌々年度に回るということです。したがいまして、四十七年度としては七万戸ということでございます。七万戸に対しての三万強ということでございます。
#91
○田中一君 予算が通ったばっかりだから、むろんその計画持っているでしょうけれども、実際に建設されるというものの推測をしてみますと、半分できないんじゃないかと思うんです。いま住宅公団の南部総裁が言っているような建設戸数でありながら半分できないと思います。そして歴年の持ち越しのやつがございます。それを含めても計画の半分できないんじゃないかと思うのです。これは住宅公団の一つの計画を見ましても、地方公共団体との摩擦、それから適地じゃないところに土地を持っている、また土地を確保しているという、その土地が、これから行なわなきゃならぬということになりますと、とても計画どおりな充足はできない。それから新しく二百ヘクタール程度のものを毎年買っていると言うけれども、この価格というものは相当大きく値上がりをしている、高騰しているという現実から見ましても、とうてい予算上の計画に当てはまるようなものじゃない。それから分譲にいたしましても賃貸にいたしましても、国民の負担はますます大きくなってくるということです。こういう点から見た場合に、住宅公団は庶民大衆の住宅を供給する団体でありますから、何とか新しい方法――新しい方法というのはいろんな方法があります。少なくとも予定どおりな完成を見るという方向で善処しなきゃならぬと思うのですが、どんなぐあいに考えていらっしゃるか。そして先ほども言っているように、住宅公団のものも含めた総洗いをして国民にこたえるという方向を見出してほしいと思います。いま総裁、ああいうことを言っているけれども、見込みどれくらいと言うと、これ全部できるつもりでございますという答弁しか出ないから、金丸さんあなたの判断、どうお考えになるか、いままでの過去の実績から見てどうですか。
#92
○国務大臣(金丸信君) いま先生御指摘の、また先生もご承知のような隘路がいろいろあるわけでございますから、そういう隘路を解決しなければ、また四十七年度の轍を踏まざるを得ないという結果になるだろうと私も思います。ですから、その隘路を一つ一つ解決するということを考えなければ、これはいつになっても解決することはできないと思います。そこで、住宅政策はいかにあるべきかという答申を待ちまして、私も思い切った対策を講じなければ住宅公団の使命を完遂することはでき得ない、このように考えております。
#93
○田中一君 せんだっての公営住宅の問題について、同じケースにおちいるおそれが、住宅金融公庫並びに住宅公団の行なおうとするもの以上に深刻な現実が待っているということを指摘したいのです。これは統計から見ましても、地方公共団体、都道府県別にいたしますと、やはり首都圏、中部圏、近畿圏という三都市圏というものに建設の重点が置かれ、またそこに困難さがあり、また四十七年度の実績を見ましても、予定の一割いっているところが上々の口ということになります。むろん、だから都道府県においては、便、不便あるいは適、不適というものを言わなければ、大体一〇〇%建てられているところもあるようです。しかし、何といっても、要求されている住宅適地というものはこの三都市圏に七〇%以上占めているという現状から見て、これらに対する方途もあわせて考えなきゃならぬと思います。
 私はここで最初に伺いたいのは、建設大臣が就任されてから――三月だと思いますが、公営住宅の払い下げ、公団住宅の払い下げ等の要求に対して、おれはその方針だということを言われたということを聞いておるんですが、まあ、これ妙な形の速記録というか、記事になっていますから、ちょっと読み上げてみますけれども――あとで読みますが、この払い下げの問題については建設大臣はどういうお考えを持っているんですか。
#94
○国務大臣(金丸信君) 払い下げは、マイホームという立場から、だれしもが自分の家にしたいという考え方を持っておるだろうと、こういう考え方であります。
 いま一つ、都会地における、とても宅地の供給が困難なところ、そういうところに対しては建てかえ、そうして現在一階なり二階であるものは五階なり六階なりにしていくと。しかし私はその際、建てかえて入るべき人は当然優先的にいままでの人が入るんですが、その場合、できるだけ今度は、前の家を払い下げできるに近い程度のもので払い下げてやれるようなことも考えてやるべきじゃないかと。しかし、そういうような考え方の中で、十五年たてば払い下げをいたしますという話もしてある、こういう約束したものを、全然それは待った、だめだと、こういうことはおかしいじゃないかと。まあ、その場所によりけりですが、私は山梨は甲府ですから、甲府あたりのところでも、もうこれはとても上に建てるわけにはいかないし、木造の建物ももう建てかえなくちゃならぬ、いわゆる湿地帯のところに建っているというようなものも、自分の家になれば建てかえるという気持ちも持っている、もう期限も来たと、こういう一つの希望を持ってきょうまで自分の家をできるだけ保管してきた、そういう者にもこたえてやるべきだと。こういうようないろいろ考えの中には、都会地と地方の都市あるいは町村、こういうものを同じに扱うというわけにはいかないなと、こういうように私は感じております。
#95
○田中一君 私もかつて経験があるんです。川崎が高度成長政策をとって以来、もう全部工場群です。それも騒音、排気ガス、あるいはどうにもならぬような状態に立ち至っている中で、公営住宅がここに二十戸、あすこに三十戸、こっちに四十戸というぐあいに点々と焼けあとにできて、もう住むにたえなくなっている。そして川崎市が指導する形でもって払い下げをしてくれと。そのときに公営住宅法改正して、御承知のように、建設大臣の承認を得なきゃならぬことにしてありますから、来たときに、これはもう当然居住地じゃないということ、しいて言うならそこはもう指定を取り消さなきゃいけない、住宅地としての指定を。そうすれば当然主管行政庁でそれを移していくということになると思うんですけれども、これ、なかなかそこまでいかない。そこで、工場等に売ってしまえ、売るという前提で話をしたらどうかということで進めて、金刺君でしたか、市長は。その方向で二千戸ぐらい移したことがあるんです。これはひどいものです。したがってケース・バイ・ケース、いろんなものがあるのはわかっています。ただ、橋本登美さんが言ったと思うんだけれども、住宅公団の払い下げの問題が突如出てまいりました。それから昨年の選挙の前に古川丈吉君そのほか二人、この三人とも落選しましたけれどもね、昨年の選挙で。やはり公団払い下げなんて言うと落選するはずですよ、これは。三人とも落選しちゃった。こういうことで特定なるだれかが特別な利益を受けるということはあり得ないんですよ。公営住宅の払い下げにいたしましても、なるほど、あなたのおっしゃるとおりケース・バイ・ケースです。土地によってはそのほうが適当な場合もあります。しかし、その場合には当然時価主義です。時価主義ですね。建物なんか木造の家なんかあってもどうにもならぬですよ、こいつは。そんなもの五百円だって運賃のほうが高くなっちゃいます、どうしたって。これは土地の問題なんです。そういう木造建築で、長い間働いている勤労者が、その土地が一坪二十万円になった、三十万円になったといって買える資金があるとは私は考えません。そうすると、やはりその背後には不動産業者なりあるいは銀行なりが裏づけになって、あるいは大資本が裏づけになって、それを買って、幾らかのさやを取って新しい新居を求めるということにならざるを得ないわけなんですよ。したがって、政府の政策が根本的にきまるまでは払い下げすべきものじゃないんです。それで、これはまああなたが、払い下げしてくれという団体が来たから調子を合わしたものだと思います。
 それで、いまあなたの答弁聞くと、それはケース・バイ・ケースでいろいろやっていいところはいいじゃないか、やって悪いところはだめだよということだと理解いたしますけれども、聞き捨てならぬことをあなた言っているんですよ。革新市長がいつもじゃまするんだということを言っているんですね。これははなはだおもしろくないんですよ。たとえば静岡県の清水町の町営住宅の払い下げの問題について、「革新系の知事、首長が払い下げに反対している、今陳情のあった静岡県清水町の住宅については早急に払い下げをするよう申し入れる。」、こういうことをあなた答弁しているんです。これはむろん小山省二代議士と一緒に行ったときの会見記でありますが、まあ住宅問題は政党政派に関係ございません。革新市長こそ一生懸命国民に住宅を与えようという努力をしているんです。政府自身が建てられない金、補助金だけやって建てろというからできないというのであって、実際に建てられる価格のものをやれば土地は何とかするでしょう、いま土地も当然事業主体が持たなきゃならないんですけれども。どうもこれかひっかかって言いたくないけれども言うわけなんですが、さらに言っているんですよ。「先程も云ったように払下げは私の信念であるから必ず実現するよう努力したい」と、こういうことを言っておりますけれども、これはいまお話しのようなケース・バイ・ケースだということになれば、これはもう私もそう思います。そして場所によれば絶対おやめなさいと言いたいんです。その権利者、金を持っているわけじゃないんですよ、四十万、五十万の。一坪どんな場合でも二十万、三十万するんですよ、最近は。そうなると結局よくない行政になるということなんです。
 そこで、せんだって公営住宅の明け渡し条件というもの、これはあなたのほうで何とか考えなきゃならぬということを大臣も言ってました。そして、これはどういう方法でいくか、検討するとも言ってます。こういう問題があるんです。これはね、二百四十万という該当者たちと思いますが、長野県の地方事務所長――「長野地方事務所長」というから県でしょうね、県営でしょう。ある居住者に対して県営住宅明け渡し請求書、「昭和四十七年八月三十一日付高額所得者認定通知書をもって通知しましたが、あなたは、県営住宅に引続き五年以上入居され、かつ、収入金額が最近二年間引続き公営住宅法施行令第六条の三に定める基準を超えていますので、県営住宅等に関する条例第二十三条第一項の規定により、下記のとおり県営住宅の明渡しを請求します。期限が到来した場合には、七日以内に当該住宅を明渡してください。なお県営住宅等の管理に関する規則第十六条に規定する特別の事情等により、県営住宅の明渡しが困難な場合は期限を延長することができますから申し出てください。また、退去後の住宅については、県営住宅以外の公的資金による住宅への入居等について配慮しますので、ご相談ください。」、こういう通知が来たわけなんです。明け渡し請求期限が四十八年四月七日、もう来てしまった。今日のわれわれのあらゆる、しいて言えば、生存活動というものは住宅に始まるわけなんです。生活活動が住宅に始まるわけです。そこで、こういうものをもらいますとね、これは法律できめてんだからと言って当然自動的に出すでしょう。不安でならないわけですよ。
 ことに、だんなさんはいいとしても、奥さん方はたまったものじゃない。うちのおとうさんの収入はどうなんだろうと調べてみた。私は一つの例としてこういうものを調べた。一体、終戦直後から――まあ第一回にしましょう。第一回か、まあ二十五、六年ころに入居した人、この人は夫婦に子供二人、一人は二十何年たって大学生になっている、一人は高校生と、こういう人の家計というものを総理府がいつも発表しているところの指数からつくり上げてみると、こうなるんですよ。月額二十一万七千五百円かかる。それで、たとえば大学、高校の入学金、月謝等も全部月割りにしてみると月に二十一万七千五百円かかる。これは貯金も何にもできない姿ですよ。医療費も国民健康保険入ってんでしょう、二千円ぐらいに見て、こういう実際の金がかかるというんです。一番かかるのはやっぱり教育費です、子供二人いますと。五万円、それに小づかいが一万五千円くらい、弁当代その他もかかって六万五千円くらいかかるわけです、大学生、高校生の子供二人に。ちょうどこの人たちが公営住宅にずうっとしんぼうして入ってた人。で、営々と賃金も上がってきたという人です。そうして、この人は一体年齢どのくらいかと推定してみると、四十七、八歳から五十二、三歳。大体民間の会社でもって五十五歳が定年です。官公庁でも、どうやら五十五過ぎると、どうだい、どうだいと催促がくる。五十七か八になれば、あっち見こっち見て、先輩もやめちゃった、じゃ、しようがない、やめるとなると、いくところがなくなってくるんです。これ、私うちの家内に一ぺん見せて、どうだろうかと。それから娘たちにも見せました。それでよく足りますねと言った娘もいます。これが普通の二十年、三十年、学校出てから働いて、あるいは社会に出て労働に従事して、ようやくここまできた労働者、勤労者なんです。その場合に、法律の明け渡し請求の収入を得ているから出ていけと言われた場合に一体どうなるのか。一体どういうことになるのか。むろん、退職した、それは会社によっては六百万、八百万もらう大会社もあれば、あるいはそれまでいかないような人もいるかもわからない。こういうことを考えてみますと、われわれはもう絶対あの法律は反対してました。たしか自民党と民社とで賛成したんじゃなかったかな。二宮君どうだったかな、あの法律は。われわれは反対した、絶対いかぬと言って。ところが、とうとう通っちゃった。それで、いまこういう通知が、大体百十二、三万戸ある居住者の中でだんだんふえていくんですよ。
 そうして、どうかというと、なるほどことしのいま騒いでおります春闘でも、繁栄企業は二万五千円賃上げしたというところがあります。そういう家庭が、ずいぶんそこらで出ていけ出ていけと言ったところが、住宅金融公庫、これは該当しません。住宅公団が、でき上がるものは、半分もできないとすると、どこにいくのかということです。これはあっせんしてくれますと書いてある。どこにいくのか。そうして五十五で定年になったら、またどこか入れてくれるのかどうか、こういう保証がなければ――せんだってくどく申しました、それは問題だと。これは大田の発想から、何とか額を上げたらどうだろうかということを言ってます。とにかく、ことしの春闘で二万円の賃金が上がりますと、年間二十四万上がっちゃうんです。それにボーナスがくっつくと、そうすると実収その人は五百万円ぐらいになっちゃうんです。これはね、どうあってもあなた、この間も何とか額を上げたらどうかと。これは、われわれは政府にまかしている。政令にまかしているんです。政府の権限でいかようにもきまるわけなんです。これはね、ぼくはそう思うんだ。沢田君なんか高級官僚だから給料は相当いいと思うし、その辺にいる課長補佐あたりは全部これもひっかかるんですよ、出ていけに。あなた方は公務員住宅にいて、二千円か三千円の家賃でもっていいだろうけれども、一般勤労者はたまったものじゃないわけなんだよ。これをひとつ凍結してください。建設大臣は、先日は、額を上げたらどうだろうかという非常に興味深い、そうしてまた適切な発想をお漏らしになりましたけれども、物価が安定する、そうして生活が安定するというときまで凍結する、指導する。指導というか、行政指導するつもりはないかということ。それから、出ることが困難な人はいてもよろしいというから、そうすると、いてもよろしいという何があるんですから、全部いなさいという通知を出すこともできる。これはむろん一千万、二千万取ってるやつなんか相手にするんじゃないですよ。あるそうです、こういう人が。公営住宅に住んで、そうして、あっちにもこっちにもアパートをつくって人を入れたりなんかしているのがあるそうです。そういう人もいるそうです。これは例外です。そういう人を考えているわけじゃない。少なくともまともに働いている勤労者、この人たちがこうした不幸な目におちいることは、住宅政策を根本的に考える現時点では、一つの方針は、この法律を政令で凍結する、もう一つは、あなたが発想して言われたところの限度額を上げるということ、これをひとつ考えてみようじゃないですか。そして大臣のひとつ御答弁をいただきたい。
#96
○国務大臣(金丸信君) 先般、私申し上げたんですが、まあ凍結するということもしばらくの間のことですから、それも一つの方法でありましょうし、一番いいことは金額を上げるということが適切であろうということも思います。当時きめた金の価値ときょうの金の価値というものは相当違っておると思いますから、そういう意味でも検討すべき要は十分にあると思います。両方ひとつあわせて検討して、前向きで善処したいと、御了解願います。
#97
○田中一君 そうすると、四月七日に出ていけと言っている、いま申し上げたような通知書がきているのですが、これらに対してとにかく直ちに行政指導をして――あの政令、あれ二年ごとに更改するはずだったかな、あの政令は。それは沢田君どうなっているの。
#98
○政府委員(沢田光英君) ああいう一連の入居基準から、それからいま超過基準、これにつきましては毎年検討いたしまして、必要があれば変えるということになっておるわけでございます。
 それから田中先生のいまのお話でございますが、定年真近の議論、これをどうするのだという議論、実はこの法律改正のときもずいぶんございました。それを受けまして、実は法律の中で、条例で特殊なものはきめて、それを除くというかっこうにしてございます。その条例のモデル条例の中に、やはり定年が真近で非常にあとで不安定になるというふうな条件も実は入れてございます。こういうものの運用によってやはり個々のケースで相当な救済ができるのじゃないか、かように考えております。
#99
○田中一君 それは所有者が県営なり町営なり市営なり、そんな意思表示というものはあんばいしやしないのですよ。画一にやるのです、当然。小学校の先生で、おくさんも学校の先生をしている、御主人もしている、そうすると高額所有者。勤労者というものは働くことによってのみ喜びもあれば、また、それによって将来の安定というものを考えている。これは年金に通ずるものなんですよ。これくらいの家賃は年金増してやる、年金増してやるからこれで家賃を負担するということが正しいのです。五万円年金だなんて、八万人かそこらしか対象になっていない。いまこうして年金闘争やっておるわけですよ、国民は。これは沢田君、君のかわりにもやっているわけなんだよ、これ。国民全部のためにやっているんだから、いまの前向きに検討するということは、私が申し上げたいのは、ここでずばりと言ったほうがいいじゃないかと思う。政令にまかして、大臣にまかしてあるんだから。しかし、これは法律によって政令にゆずるとなっているのですから、この当委員会で発言したっていいじゃないですか。どの場合でも五百万以上の収入がなければ食えないです、もう。ほんとうに食えないです。
#100
○国務大臣(金丸信君) ほんとうに前向きに検討いたしますから御期待をいただきたいと思います。
#101
○田中一君 いつごろまでに――連休明けでいいですかな。そうすると、いろいろな法律も促進されると思うのだがな。
#102
○国務大臣(金丸信君) 個々の、いまのような話の問題についてはさっそくにも指導をいたしたいと思います。なお、大局的な問題につきましては、まあ、先生せっかちに言わぬで、いま少し研究さしてください。前向きでやります。
#103
○田中一君 そうすると、こうした通牒に対しては一応指導しておくと、いまこういう物価がどんどん上がっているんです。政府は物価を上げる政策をとっているんだ。ちょっとそれは待てと、こういうような通牒を出す、一応……。
#104
○政府委員(沢田光英君) モデル条例の内容でございますが、これでおそらくそこもきめておるし、そのケースが当てはまるかどうかわかりませんけれども、幾らかありまして、その中に、入居者が近い将来において定年退職する等の理由により収入が減少することが予想されるとき、こういうときにはこれを適用しないというふうな指導をしてございます。いまのケースが当たるかどうかわかりませんけれども、これの運用が間違っておるようなことがあれば、これは直ちに指導したいと思います。
#105
○田中一君 それはね、いま退職云々という特別なケースというのじゃなくて、居住者全部が同じケースなんですよ。これだけ物価が上がったんじゃあどうにもなるものじゃないですよ。先行き下がるという見込みがない。公団住宅その他の公共住宅にお世話しましょうといったところが、公団住宅ができ上がらないと。どうするのですかと言うんです。それ追い出すのですか。
#106
○委員長(沢田政治君) もう少し明確な答弁してください。
#107
○国務大臣(金丸信君) 二人の家族では幾ら、あるいは四人の家族では幾ら、そして学校へ行っておる子供があればどのくらに、あるいは大学へ行っている子供があればどのくらい。きょうの時点において金のかかることは計算すればわかると思います。そういうところから積算してひとつ考えてみたい、こう思います。
#108
○委員長(沢田政治君) 本法案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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