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1972/04/24 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 建設委員会 第7号
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1972/04/24 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 建設委員会 第7号

#1
第071回国会 建設委員会 第7号
昭和四十八年四月二十四日(火曜日)
   午前十時九分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     竹内 藤男君     柴田  栄君
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     柴田  栄君     竹内 藤男君
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     米田 正文君     梶木 又三君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         沢田 政治君
    理 事
                大森 久司君
                竹内 藤男君
                山内 一郎君
                松本 英一君
    委 員
                梶木 又三君
                熊谷太三郎君
                小山邦太郎君
                古賀雷四郎君
                中津井 真君
                中村 禎二君
                田中  一君
                中村 英男君
                西村 関一君
                田代富士男君
                二宮 文造君
                高山 恒雄君
                春日 正一君
   国務大臣
       建 設 大 臣  金丸  信君
   政府委員
       内閣法制局第二
       部長       林  信一君
       大蔵省理財局次
       長        小幡 琢也君
       労働省職業訓練
       局長       遠藤 政夫君
       建設大臣官房長  大津留 温君
       建設省計画局長  高橋 弘篤君
       建設省都市局長  吉田 泰夫君
       建設省住宅局長  沢田 光英君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中島  博君
   説明員
       大蔵大臣官房審
       議官       岩瀬 義郎君
   参考人
       住宅金融公庫総
       裁        浅村  廉君
       住宅金融公庫理
       事        沖  達男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○屋外広告物法の一部を改正する法律案(内閣提
 出)
○住宅金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(沢田政治君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 四月十九日、竹内藤男君が委員を辞任され、その補欠として柴田栄君が、また同二十日、柴田栄君が委員を辞任され、その補欠として竹内藤男君がそれぞれ委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(沢田政治君) ただいま報告しましたとおり、委員の異動に伴い理事が一名欠員となっておりますので、これより理事の補欠選任を行ないます。
 理事の選任につきましては先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(沢田政治君) 御異議ないと認め、それでは理事に竹内藤男君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(沢田政治君) 次に、屋外広告物法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○田代富士男君 屋外広告物法の一部を改正する法律案が提出されておりますが、この広告のことについては非常に解釈がむずかしいと思うんです。しかし、今日の活発な経済活動を考えてみますと、この広告によっても、一面は、このような経済活動がなされてきたと言っても過言ではないんじゃないかと、このような見方もされているわけですが、私たちが朝日をさましまして夜眠るまで、もうわれわれの周囲というものはすべて広告で埋められ尽くしております。広告の洪水というか、その広告の内容も、よい広告もあれば悪い広告もある。ここらあたりが一番の問題点になってくるんじゃないかと思います。その広告に対しましては、世間でもいわれておりますが、広告を制するものは天下を制す、このようなこともいわれております。そして最近の企業自身を見てみますと、どのような流れになっているか。広告の問題を考えずして企業は成り立たないといわれてもしかたない実情じゃないかと私は思う次第です。
 そういう意味で御承知のとおりに、現在は大量生産の時代です。その大量生産の製品をいかようにして販売するか、ここに広告というものが必然的に考えざるを得ないような状態になってくると思います。そういうわけで、その広告自身の内容ですが、二十年ぐらい前の広告、十年前の広告、それから現在の広告の内容というものは質が全然違うと思うんです。大企業におきましては、価格の競争の時代よりも、非価格といいますか、価格でない競争、すなわち広告宣伝によるところの競争ということが、現在大きく取り上げられている状態じゃないかと思います。この価格の競争じゃなくして、非価格の競争、こういう意味から今日の広告というものに対するいろいろな動きが起きているわけなんです。そういう意味におきまして、いまこれは第一条にもうたわれておりますとおりに、「美観風致を維持し、及び公衆に対する危害を防止するために、」と、いろいろありますけれども、もちろんこのような第一条の精神はありますけれども、現在の企業のあり方と、私はいま簡単に述べましたけれども、これと考えた場合に、私は一致点が見出せられないような感じがするんです。矛盾を何となく感じるんです。こういうわけで、まず最初に広告と現在の広告の状態、それから私は広告の質が変わってきているということ、これと、この第一条の精神にのっとって、これを改正しようという趣旨と、ちょっと矛盾点を感ずるんですが、大臣、まず最初その点をいかがお考えでございましょうか。
#7
○国務大臣(金丸信君) まさに十年前、あるいは二十年前、現在と比べてみますと、広告の内容も非常に違っておると思うわけでございますが、まあ今日非常に環境整備ということも唱えられておりますし、また乱雑な、またあまりに目を刺激するような広告、その他目にあまる広告物があるわけでございますが、そういうものに対して取り締まっていかなければ、環境保全と申しますか、美化、ことに都市の美化という点においては、非常にこの広告というものは阻害をいたしておるというような考え方、それは十年前より、より以上に都市の美化という点においては阻害の度合いというものが非常に多いのじゃないか、このように考えておるわけでございます。そういう意味で法改正というものは必要である、こう思っておるわけでございます。
#8
○田代富士男君 いま、大臣もちょっと申していらっしゃいましたが、十年前と最近の広告が全然内容が違うということは、広告自身の考え方は、私もこれはちょっと広告の本を、この問題を取り上げますから読んでみましたら、まあ心理学にウエーバー・フェフィネルの法則というものがあるそうです。この心理学のウエーバー・フェフィネルの法則というのはどういう法則かといえば、たとえば一つのわれわれの肉体でもよろしいですが、力を与える、それじゃその力を与えた場合に、同じ力であった場合には、その力がだんだんと弱く感じていくんだ、だから力を与える、その力を感じさすには最初の力よりもより力を加えていかなければならない、そういう心理学が、ウェーバー・フェフィネルの法則というのがあるそうなんです。これを広告業界といたしましては、大いに取り入れているんじゃないかと思うんです。だから、一つの広告が出る、同じ広告をやっていたら、広告にならない。たとえば終戦直後銀座にネオンサインが輝いた、このときはこのネオンが鮮明に浮き彫りされたでしょう。しかし、同じネオンが輝くようになった。そうしますと、その効果というものは半減する。それで、いま申しますウエーバー・フェフィネルの法則のように、さらに相手よりも強力なものを印象づけなければならぬ、こういうような意味から現在では、屋上に自動車が載ったり、ブルドーザーが載ったり、地球儀が載ったり、そうしていろんな看板も、もう壁一面のこんな大きい看板が載せられるような、今日のような広告になった。それが風だとか、そういうもので予期されないような状態でいろいろな危害を与えている。こういう問題に対して、これは私は考えていただかなければならない。こういう広告を出さねばならぬ。私がいま言うように、オートメーション化されまして、多量に製品を出している。その製品をはかさなくちゃならない。しかし、一面にはこういう面が考えざるを得ない。こういうところから、これは私は一面から考えるならば、資本主義経済の宿命的なものじゃないかと思うわけなんです。
 これは広告論になって、大臣に質問してどうかと思いますけれども、きょうはこういうわけで第一条の「美観風致を維持し、及び公衆に対する危害を防止する」ということが主題の点になっているわけなんです。そういうわけで、現在この趣旨に基づきまして、各都道府県におきましては都道府県なりの審議会というものが持たれまして、いまこういう問題について鋭意検討をされていると思います。しかし、ただいまも申しましたとおりに、広告の性格自身が十年前、二十年前と変わってきていると同じように、時代も高速道路ができた、新幹線ができた、世はスピード時代になった、いままでは各県単位にそういう審議会というようなもので、十二分にとは言えないけれども一応審議が尽くされてきたけれども、今後はそのように、もう一時間もあれば一つの県はまたがってしまう――二つの県あるいは三つの県にまたがるといった場合に、それぞれ県単位の審議会となりますと、条例に基づいて行なわれておりますが、幾ぶんかニュアンスの違う面があった場合に、全体観に立った場合にこの趣旨に沿いかねない場合があるんじゃないかと思うのです。そうした場合に、建設省としては現在の行政指導のみで足りるとしているのか。私はさらにこれは広域問題といたしまして、大臣のもとに――いま都道府県単位に審議会が持たれていますけれども、それをもってこういう点からも第一条の精神に沿うようにすべきじゃないかと思うのですが、大臣いかがでございましょうか。
#9
○政府委員(吉田泰夫君) おっしゃるとおり、高速道路とか新幹線といった非常に高速の広域にわたる交通施設が発達してまいりまして、そういう施設の沿線あるいは沿道というものにつきましては、一瞬のうちに長い距離を走るわけでございますので、従来各県別で足りていた規制内容等につきましても、そういった高速交通機関に乗っている人からのながめというものを考えますと、非常に短時間に県から県に移ってしまうということは十分あるわけでございます。したがいまして、建設省といたしましては、そういった高速交通施設が開通になりますつど、通達等をもちまして、各県での規制内容、特にそういう高速交通施設にかかわるような区域におきます規制のあり方につきまして、できるだけ統一をとるよう、少なくとも、ある県ではそういう沿線が規制されない、ある県では規制されるというような違いのないように指導してきたところでありまして、一応現在までのところ、各県でもそういった方針にのっとって統一をとっていると考えられます。
 そういう行政指導以上のことに発展させるべきではないかという御指摘でございます。なるほどそういう面もございますが、やはり都市の美観風致の維持というような観点は、かなりその地域地域の住民の方々の美観風致を求める意識と、それに対応すべき規制措置の内容の程度ということにかかっているものと思われまして、屋外広告物法は、制定以来、法律ではその根拠、大まかな項目というものをあげるにとどめ、内容の詳細につきましては、すべて各県の条例にゆだねているという立て方をとっております。この立て方は、やはり基本的には現在においても必要であり、また妥当ではないかと考えておりますので、おっしゃるような特定の高速交通施設等につきましては、行政指導によってこれの統一を極力はかっていくという方針でまいりたいと思います。
#10
○田代富士男君 それは現在やっていらっしゃることなんですね。条例に基づいて行政指導でやっている。しかし、それで補いがつけない面が出てきているわけなんです。高速道路だとか、あるいは新幹線等ができた場合には、その県単位でやった場合、ばらばらになる点があるから、それを統括的にやるべき方法はないか。そういう面として、いま大臣のところでそういうものを、第一条の精神に基づいて、さらに行政指導が効果的に発揮できるようなそういう審議会を持ったらどうか、これが趣旨なんですよ。大臣どうですか。
#11
○国務大臣(金丸信君) 現状の各県県条例というようなものだけではもの足りないという面もあるやに私も思うわけでございますが、問題は、広告条例を逸脱して選挙のようなものにえらくタッチされるようなことになったんでは困るということを私は心配をいたしておるわけです。そういうことのないためには、中央でそういうものはないほうがあるいはいいんじゃないか、自主性にまかしたほうがいいんじゃないか、こういう考え方を持っているんですが、先生のおっしゃることもわからぬわけじゃないわけです。
#12
○田代富士男君 じゃ、この問題で最初から話していても、あとにいろいろな問題がありますから、またこれは後ほどのことにも関係してくることだと思いますから最初にお聞きしたことでございますが、後ほどまたこのことについては関連してお尋ねしたいと思います。
 次に、第一条にありますとおりに、「公衆に対する危害を防止するために、」ということがこの精神になっておりますが、現在広告物が四メーター以上の看板につきましては、建築基準法の対象にのって、その基準法の具体的な規制というものが働いているわけなんです、四メーター以上の看板は。ところが、四メーター以下の看板は、現在はそのようなものには当てはめられていないわけなんです。もちろんこれも屋外広告物法でありますけれども、都道府県の条例やその施行規制等を見ますと、具体的な安全規則というものが示されておりません。私もそのために、代表的なものとして、東京都の条例あるいは大阪府の条例をここに持っておりますが、これをいろいろ比べてみました。全部調べてみました。そこで、この各都道府県の条例あるいは施行規則を見ますと、広告を掲示する位置だとか、あるいは形状、規模あるいは色彩等については定めることになっている。ところが、看板の大きさ、重量あるいは材料、それから材質、施工法、耐久性、取りつけるべき建物・工作物の構造・材質との関係、こういうような力学的な基準というものはこの中には明確にされていないのです。そういうわけで、建設省として統一的な基準を考えるべき必要があるんじゃないかと思うのですが、どうでしょうか。
#13
○政府委員(吉田泰夫君) 御指摘のとおり、建築基準法で確認を要する工作物というのは、高さが四メートルをこえる広告塔などでございまして、それ以下の高さの比較的低い広告物等につきましては、建築基準法による確認という適用は受けません。したがいまして、建築基準法のような詳細な技術的な審査を経るという点がないということはおっしゃるとおりでございます。しかしながら、屋外広告物法に基づく条例あるいはそれに基づく規則等によりまして、実際には小規模な広告物につきましても、その倒壊なり落下ということのおそれがないような、そういう審査を多少はやっているわけでございまして、そのためには添付図書として設計の図書などを広告物のものによりましては添付させる。そういうことで、最小限度の危険性というものは、この許可に当たる設計についての審査において行なっているというわけでございます。ただ、建築基準法による確認とは違いましてそれほどに詳細な、かつ、技術的な調査が行なわれているかどうかは、実際にははなはだ疑問な点もございますので、今後美観風致の維持と並んで、非常に重要な二大目的となっております危険防止という点につきまして、さらに遺憾のないように措置したいと思います。おっしゃるような最小限の統一的審査要領といったようなものも確かに有効かと思います。そういう点を十分考えさせていただきたいと思います。
#14
○田代富士男君 いま申し上げたことが、この第一条の特に「公衆に対する危害を防止する」――事故が起きてから解決するのに力を注ぐよりも、いかにしてこの事故を防ぐかというところに力を入れるのが行政面の責任者として一番考えなくちゃならないところじゃないかと思います。局長がいまそのような決意を申されましたから、そのように希望したいと思います。
 次に、屋外広告業者についてちょっとお尋ねしたいと思います。今回のこの法令によりますと届け出制ということが出されておりますが、この届け出制ということに踏み切られたそのねらいは何を主とされたのか、その点を簡単に御説明願いたいと思います。
#15
○政府委員(吉田泰夫君) 屋外広告物の適正をはかるためには、直接、条例による許可制度の運用、これによりまして広告主を規制するということが第一でございますが、しかしながら、実際には屋外広告業者というものが屋外広告物の表示につきましてその大半の役割りを果たしているわけでございます。こういう業者が実際上占めている役割りの大きさというものを考えますと、少なくともその業者の実態を把握する、それに基づきまして今後の行政指導を的確に行なう基礎とする、その他、常時こういった業者あるいは業者の組織等と県当局が密接に情報を連絡交換し、あるいは知識を交換するというようなことによりまして、直接的な許可制による広告物の擬制と劣らないような実際上の効果が期待されるんじゃないか、こういうことを考えまして、それで届け出をしてもらうように条例で義務づけることができるという根拠規定を置きたいと考える次第でございます。
#16
○田代富士男君 いま局長が話された趣旨も踏まえた上だと思いますが、実際仕事をやっていらっしゃるこういう広告業の人たちの考えというものはどうであるか。ここに陳情を受けたその陳情書を持ってきております。この屋外広告業の団体の皆さん方の御意見というものは、全部読むわけにはまいりませんけれども、これはあくまで登録制にしてもらいたいということをここで業者自身がお願いをしますということで言ってきているわけなんです。そういう意味で、なぜかといいますと、十分な能力やあるいは経験を持たずして、広告の倫理もわきまえない一部不心得業者の悪徳行為によって起きているところのいろいろな広告が現在問題になっていることをここで言わんとしていらっしゃると思いますが、そういうことはまことに遺憾のきわみであるが、これを解決するためには、申すまでもなく業者の自覚、認識の向上とともに、行政指導に待つほかないと思うと、世論もまたこれ要望しているところだと、そういうような現状にかんがみて、第一段階の施策として、業者の登録制実施のための法律の制定が緊急の要務であると、こういうわけで昭和四十年ごろよりこういう希望を述べていらっしゃるわけなんです。登録制という希望を仕事をやっている業者自身が言っておりますけれども、これに対する考え方はどうですか。
#17
○政府委員(吉田泰夫君) 私どももこの法案の立案の準備段階におきましてはいろいろな考え方をあわせ比較いたしたわけでございます。その中に、このたび提出いたしております届け出制のほか、登録制といったものも考慮したんでございますが、いろいろ深く検討いたしましたところ、やはりこの屋外広告業というものは非常に出版とか新聞、放送といったものと並んだ表現の自由ということに密接に関連する業種でございまして、そういう点で他の一般の業種と同一に論ずることはむずかしいんではないか。一方、登録ということになれば、これも登録の規定のしかたにもよりますが、通常、登録制というものは、その登録をするについてある程度の資格、要件を掲げます、その要件に該当をしていなければ登録されないというようなことが一つと、それから登録されないで営業する場合を禁止するという無登録営業の禁止ということを大体内容としておりまして、これを要するに、許可あるいは免許というほど強い内容ではありませんが、分類いたしますと禁止を解除するといった形の一つであろうかと思います。その辺をあわせ考えますと、確かに届け出制よりは登録制といったより強い制度によって業そのものを監督できるほうがその面では望ましいわけでございますけれども、一方、表現の自由といったことに関連する度合いの強さを考えますと、やはりそこまでいくのは行き過ぎではないか、届け出制によりましても、少なくも業の実態を把握し、そして有効な指導が非常にしやすくなるということでございますので、現段階におきましては届け出制を新設することによりおおむねその目的が達せられると、こう考えた次第でございます。
#18
○田代富士男君 そこで、これを見ますと、「都道府県は、条例で定めるところにより、その区域内において屋外広告業を営もうとする者は都道府県知事に氏名又は名称、営業所の名称及び所在地その他必要な事項を届け出なければならないものとすることができる。」と、このように第八条はなっておりますが、その他必要な事項を届け出るということになっている、これはどのようなことを考えていらっしゃるのか、この点をちょっと御説明願いたいと思います。第八条。
#19
○政府委員(吉田泰夫君) 届け出の最小限度必要なものはこの法律に書いたものだと思いますが、このほかに、法人であればその役員の名称とかあるいは屋外広告業の営業内容、これは看板業とかネオン業とか大別されるものがありますが、そういったものも県の判断によってはここに追加することも必要ではないかと、このようなことを考えております。
#20
○田代富士男君 いまちょっと簡単に御説明されたと思いますが、さっきの答弁で局長は、まだ広告業の実態というものは登録制まで踏み切るというわけにはいかないということを御答弁されましたけれども、いま私が、第八条の、その他の必要な事項ということに対して質問をいたしましたが、こことの関連ですけれども、現在この違反広告のために多くの事故が起きております、第一条の目的に反するような。まあ違反広告物が数百万件ぐらいある、このようにいわれておりますが、落下事故だとか、ネオンが燃えたとかいろいろあります、内容は。そういうように報道されておるから、今回は、そういう広告業者に対して、より行政指導を加えて、公衆に対する危害を防止しようということをやろうという、そういうわけで届け出制がされておりますが、「その他必要な事項」というそのことを聞いただけでも、役員の名称だとか営業内容とか、そういうものまで掌握をするということになりますと、これは今回の法案では届け出制になっておりますけれども、将来の問題としてここまで掌握をしていこうと思うならば、もう登録制に踏み切ってもいいんじゃないかと。だから、今回は無理といたしましても、将来、これは業者の声でもありますし、登録制に踏み切るべきであると思います。大臣いかがでございますか。
#21
○国務大臣(金丸信君) 十分ひとつ検討してみたいと思います。
#22
○田代富士男君 十分検討と言いますけれども、検討も検討しっぱなしということがあるわけなんですが、その点はいかがでございますか。私が言っているのは、第一条のこの「目的」というものには、まあ「美観風致を維持し、」とありますが、もう一つは生命の尊重という上から、「公衆に対する危害を防止する」。業者も登録制にしてくれと。しかし、建設省の立場としてそのあれにいかないという。しかし、第八条のこれでいきますと、「その他必要な事項」と見ただけでも、ここまでやるならば、登録制に踏み切ったほうがいいんじゃないかと。まあ表現の自由ということに問題があるということはありますけれども、今回はできないにしても、将来はこのように業者の声も反映さしたらどうかというわけなんですが、大臣どうなんですか。
#23
○国務大臣(金丸信君) 大部分の業者がそれを望むのであれば、当然考えてもしかるべきだと私は思っておりますが、しかし表現の自由という問題もあることでございますから、その辺よくひとつ前向きで検討してまいりたい、このように御了承願いたいと思います。
#24
○田代富士男君 まあ今後よく業者の意向を反映していただきたいと私は思います。
 それから、屋外広告物法の改正法案を審議することで、まあ私も少しばかりこの広告の実態というものを初めて知ったわけなんです。そういう目でいま見ていきますと、町を歩いているだけでも違反広告というものがあまりにも多い。その辺のたとえば商店街を歩いても、喫茶店の看板が、何々が幾らだというものが道にはみ出されたり、いろいろ屋根からは広告物が突き出されたり、全部その目で見ましたら違反物が見受けられて、実は驚いている次第なんですが、こういうわけで建設省としてこまかいことまでは掌握できないと思いますが、その実態をどのようにつかんでいらっしゃるのか、つかんでいらっしゃる範囲内で御報告願いたいと思います。
#25
○政府委員(吉田泰夫君) 昭和四十六年度の違反広告物の数を各都道府県を通じまして概数で集計いたしました結果は、張り紙の違反が一番多くて三百五十万件、その他張り札百万件、立て看板八十数万件、その他とありまして、五百五十万件という違反があったものと推定されます。この傾向としては、張り紙は非常に軽易なもんですから、依然として違反件数が多いわけですけれども、張り札、立て看板というものが最近非常に違反のものがふえたという傾向にありまして、その三つの種類以外というものはそう数は多いわけではございません。その点を考えまして、今回も張り紙、張り札、立て看板というものの適正化ということに重点を置きたいと考えておる次第でございます。
#26
○田代富士男君 いま違反件数が張り紙で約三百五十万件、張り札で百万件、立て看板で八十五万件、その他で五百五十万件と、このように言われましたけれども、これだけの違反件数がありますが、これに対して野放しにされたのか、従来どのような指導をやられてきたのか、そこらあたりをひとつお願いします。
#27
○政府委員(吉田泰夫君) 張り紙につきましては、現行法でも、その違反が明らかなものについては知事が直接撤去することができるようになっております。この条文に基づきまして即時撤去した件数が約百五十万件というふうに出ております。また張り札、立て看板その他につきましては、現行法では、相手方が確知できないとき、これは知事が撤去できるのでございますが、確知できます場合には除却命令を出しまして、なお従わないときに行政代執行法の規定により代執行するという、非常に手間のかかる方法によらざるを得ません。そういったことで張り札につきましては約五万件の除却命令を出しております。立て看板についても六万件余りの除却命令を出しております。ただ、張り札、立て看板でも、相手方が確知できないものあるいは非常に古くなっておるようなものがありまして、実際には年に一回ぐらい美化運動などと称する一斉美化促進の日が大体各県きめられまして、そういった運動の一環として、非常に古くなったあるいは落下しそうな状態になっているようなものは、張り札、立て看板も除去いたしておるという実情でございます。
#28
○田代富士男君 まあ、そういうことはしてきたとおっしゃいますけれども、いまこの数字から見ますと、違反件数とそういう命令を出されて撤去された数というものは非常に少ないわけなんですね。努力をしたといえばそれまでですけれども、今回こういう改正案を出されておりますから、ここらあたりも今後力を入れてもらわなくちゃならない点じゃないかと思いますが、それとあわせまして、道路上に置かれた広告物に対してどう考えていらっしゃるのか。法規制をどう考えておるのか。また、それと同時に広告塔あるいは突き出し看板につきましては、おそらくその他というところに含まれていると思いますけれども、問題はここらあたりもあるんじゃないかと思うのですが、やはり今回の改正の法案の内容が広告塔やそこまでも及ばないということもあるかと思いまして、その他というところに含めていらっしゃるかと思いますけれども、この第一条の「美観風致を維持し、」という点から思うならば、こういう広告塔や突き出し看板等は一番「公衆に対する危害の防止」という点からも考えていかなくちゃならないし、よほど力を入れなくちゃならない点じゃないかと思うわけです。
 まあ、こういうところから考えていきますと、ただいま局長が数字を述べられまして、張り紙あるいは張り札等に対しましてどのように指導してきたかということに対しまして、除去命令を出して、張り紙等においては違反が三百五十万件であったのに対して撤去件数が百五十万、このように説明をされたわけなんですが、こういうこともそうでございますけれども、私がいただきました資料によりますと、この「その他」の広告塔あるいは突き出し看板等の違反件数が十三万八千三百二十五件になっている。それに対して除去命令件数が八千十九件、命令をした。それに対して実際除去されたのが千百二十二件、こういうような数になっているわけです。こういうことを考えていきますと、私は、張り紙、張り札、立て看板よりも広告塔や突き出し看板というものが公衆に対する危害というものが多いわけなんです。これこそは除去命令が出されたならばそれに従わざるを得ないけれども、これは違反件数の百分の一も除去されてないと。こういうことに対してこれは問題じゃないかと思うんですが、この点、大臣いかがでございますか。これが第一条の精神からするならば、「美観風致を維持し、及び公衆に対する危害を防止するために」は、その「その他」の中に含まれた、ここが一番問題点じゃないか。ただいま私がどのくらいの件数かということを聞いたときにも「その他」については説明がなかった。説明がないところこそ、私は、これは一番大事じゃないかと思うんです。どうですか。
#29
○政府委員(吉田泰夫君) 最初に私からお答え申し上げます。
 張り紙、張り札、立て看板が非常に全体の件数、違反件数ともに非常に多いものですから、先ほどはその数字のみを例示させていただきましたが、その他のものにつきましても、かなりの違反件数があることは事実でございます。今回の改正は、前回の改正によって張り紙の撤去の根拠は置かれましたが、その後の実態を見ますと、それに次ぐ違反件数の量の多い張り札、立て看板、こういったものについても張り紙と同様な直接除却の規定が必要であろうと、こう考えた次第であります。これはその違反件数の多さばかりでなくて、その広告物自体の軽易さと申しますか、財産価値的にも、その他形態的にも簡便なものであるというような点、あるいは通称捨て看板と称されて張りっぱなしにされることが非常に多いというような性格の看板であるというような点を全体的に考慮して、今回張り札、立て看板に限ることとしたわけでございます。おっしゃるように、広告塔とか突き出し看板というものの違反件数はそれらに比べればかなり少ないんですけれども、それにしても、危害等の観点から見ればむしろ問題だということはそのとおりでございます。これにつきましては、しかしながら、その財産価値とか、取りつけ方の違い等から見まして、必ずしも直ちに知事の直接の権限によって撤去するということは適当ではないんではないか。しかしながら、これを放置するということはもちろん許されませんので、こういった張り札、立て看板の簡易な除却措置を講じていただくとともに、それによって生じた人員その他の余力をもって、その他の違反広告物に対する監督措置、なかんずく除却命令、並びにそれに基づく代執行措置というものを今後は大いに励行しなければならないと考えています。
#30
○国務大臣(金丸信君) いま局長から説明があったわけでございますが、私はこの問題についてはまさにそのとおりだと思いますし、この問題については積極的に――建設省の建築基準法の関係もありましょうし、あるいは都市局との関係もありましょう。それをあわせてひとつ積極的に指導して、この問題を解決していくようにいたしたいと、このように考えております。
#31
○田代富士男君 じゃ、そのようにひとつお願いをしたいと思います。
 それで、この法案の内容を見てみますと、こういう違反広告物を出した業者に対する指導というところでこの問題が切れているわけなんです。しかし、よく実情を考えてみますと、その業者だけを責めるわけにもいかないというのが実情じゃないかと思うんです。というのは、まあ、これはある業者から聞いた話ですが、一日いまこれを出せば、東京都あるいは大阪でも、清掃局に撤去されますよ、そういう看板であっても、もうすぐ撤去されてもよいからこれを出してくれと広告主から強引に頼まれる。そうすれば、広告業者としても商売ですから、そういうこと御承知の上でしたならばやりましょう、こうなるわけです。これはもうたいへんなことじゃないかと思うのです。ここに一つその例を端的に載せました、これは埼玉県のあれですが、「首都圏経済」という、ここにありますけれども、ここにこういうことが載っておりますが、「大宮市と与野市は「屋外広告物規制条例」で市内の路上に乱立する求人や売り出し用の広告看板の一掃につとめているが、規制効果はさっぱり。」だ。というのは、これは一度立て看板を取り払ってもその日の夜中にまた立てかけ、市がまた撤去するというイタチゴッコ。しかも、この種の広告看板は広告主が業者に委託してやらせているものがほとんどのため〃犯人〃はなかなかつかめず条例施行後、一、二年になるが、両市が罰則規定を適用したケースはゼロ。」である。そして「両市の担当者は「いまの条例ではこれ以上取り締まりようがない」とあきらめ顔。ひたすら業者の協力にむなしい期待をかけている。」と、ほかにもちょっと書いてありますが、大体こういうような内容なんですね。
 そこで私は、これは業者に対する指導ということもされておりますが、まあ、ここまで及ぶか及ばないかというところを私は大臣に提案として二つあげたいと思うのですが、業者に対しては行政指導をされますが、こういう無理解な広告主に対する提案として、一つは、何らかの形で一般の行政指導によりまして、無理解な広告主に対して行政指導できるようなことができないものか、そういう規則をつくることができないものか、これが第一点です。第二点は、広告というものに対する考え方というものがまだ一部のスポンサーには無理解な面があります。そういうわけで、こういう広告に対する屋外広告物法のこういうものを理解さす、啓蒙さす意味におきまして、そういう営業所の店頭に、そういう広告主に読んでもらうためのパンフレットなんかを出しましてPRをしていって、そして今回の改正案のねらいとしていらっしゃる第一条の精神に沿うように、こういうようなことは、そういうパンフレット等常備させていきながら、こういうことをやるということはできないものか、その点なんです。そこまでいかなければ、業者だけではこれは済まされないと思うのですが、大臣いかがでございますか。
#32
○国務大臣(金丸信君) お説のとおり、これだけの違反件数をとても建設省だけでやれといってもやれるものでもないし、県だけでやれといってもやれるものではないということですから、やはり精神面から開発していく必要もあるだろうと、そういう意味でPRというものは必要であろうと私は思います。ひとつそういう面で創意くふうしてみたいと思います。
#33
○田代富士男君 これは私の提案でございますから……。
 それともう一つは、同じようなことで、今度は、このような危害を受けた人、あるいは美観をそこなうようなものがあった場合の苦情処理の体制というものが、現在はどこに持っていってよいやら、その苦情処理の窓口というものが一般に知られていない。そういう苦情処理体制というものを今後どうしていくか。これもいま私の提案と同じように、そうしなければこれは解決できないと思うのです。この点に対してはいかがでございましょうか。
#34
○国務大臣(金丸信君) 先ほど申し上げましたPRと一緒に、そういう面の苦情処理所というようなものを各県とも連絡をとりながら、ひとつPRの中でやっていきたい、こんなように考えております。
#35
○田代富士男君 大臣が、私がいま二、三点提案をしまして、それを建設省としても何とかやっていきたい、そういうすべてのものを。そこで私は、これも一つの提案ですが、そういうすべてのことをひとつ含めまして、たとえば交通事故から幼児を守ろうとか、われわれの生命を守ろうというようなことで、年に何回かそういう交通事故をなくするためにいろいろ交通安全週間というようなものが持たれております。その交通安全週間そのものが交通事故をどれだけ少なくしているかという確固たる数字の面にはあらわれてないにしましても、それはかなりの直接的、間接的に影響は大きいと思うのです。そういう意味で、この第一条の「美観風致を維持し、及び公衆に対する危害を防止する」という立場からいま不備な点、建設省としても努力されているけれども、不備な点を私は提案として二、三申し上げた。それを総括的に申し上げますと、違反屋外広告物排除運動、仮の名前をつけますと違反屋外広告物排除運動、そういうような週間をつくりまして、忍耐強く――これは一回や二回で効果は出てこない。そのことを、何でも忍耐力といいますから積み重ね、それを持続していく。一つじゃなくて、一つの点として打ち上げた、点をつないでいけば線になるごとく、忍耐強く持続して、そして今回の改正案のねらいとされますこういうようなことにしていくために、違反屋外広告物排除運動というものを一年に何回かあるいはこういうものを総体的にやれるかどうか、大臣はどのようにお考えであるか。いま私が個々の問題を提案したのに対して取り組んでいくとおっしゃいました。それは総括すればこういうことになるのですが、どうですか。
#36
○国務大臣(金丸信君) まさにそのとおりだと思いますが、PRやる上におきましても、このような週間を年に何回かつくるということは徹底する。ただパンフレットだけでは徹底しないと思いますし、こういう週間をつくることはまことに意義あると思いますから、十分考えて前進していきたいと思います。
#37
○田代富士男君 この運動をやっていただいてこの精神に沿うことができれば幸いだと思います。われわれも協力を惜しむものではございません。
 それで、今度は事故が起きた場合のことをお尋ねしたいと思うのです。いまは事故を防ぐにはどうするか、そういう予備運動をいまも申し上げました。事故が起きた場合、たとえば現在一般的に行なわれている契約制度でありますと、広告物の引き渡しと同時に広告物の一切の責任というものは広告主に移ることになっております。しかし、その広告物が事故を生じた場合には、原因がどこにあるかというその究明が非常にむずかしい。その原因は元請の設計ミスであるのか、あるいは下請の施工ミスなのか、あるいはもうそういう年期を経たからなのか、あるいは広告主の管理が不十分と言い切れるかどうか、いろいろ考えられますけれども、そこの責任体制というものが明確ではない。だから、そういう意味におきまして品質保証制度といいますか、とともに広告自体の状況に応じた責任の明確化、こういうわけで物理的基準とともに、あわせてこれを検討していくべきじゃなかろうか。そうでないと、事故が起きた場合に責任がないわけです。責任がどこにあるか、これを明確にされた。この点いかがでございますか。
#38
○政府委員(吉田泰夫君) おっしゃいますように、個々の事故が起きた場合のケースケースで責任の所在が分かれてくると思います。そういった点もございますので、御指摘のような方法によりまして事故が起きた場合の責任の所在というものを明らかにするような方策についても、なかなかむずかしいのでございますが、検討いたしたいと思います。
#39
○田代富士男君 いまの点は非常にむずかしいと建設省自身がそのように申していらっしゃる。そこに、事故が起きた場合の問題点がどこにあるかということが明確にされていない、だからこの際明確にしよう、実はそこがむずかしいんですがという、そこが議論になりますけれども、私はそういう意味から保証期間ということを設けまして、広告業者と広告主との間に契約書を取りかわすことを義務化したらどうだろうかと思うんです、契約書。それと同時に、アフターサービスについても良心的にやらしていく。まあ現在契約書を取りかわしている例はあまりないと思いますけれども、こういう点に対して行政指導をやっていくべきじゃなかろうかと私は思います。それと同時に、一般のテレビやカメラでは保証制度、そういうカメラの保証制度と同じように広告業界にも広告物の品質保証制度を取り入れまして、そしてやっていくならば、業者自体の信用を高めることになります。まだ登録制にもいかない業界であるということを局長一番最初に言われたけれども、そういう意味からも業界自体の信用を高めまして向上発展につながると思うんですが、大臣、いかがでございますか。
#40
○国務大臣(金丸信君) 非常にむずかしい問題だと思うんですが、確かにこういう制度ができればお互いに責任のありかがわかりますし、また信用も非常に高まってくるということも考えられますが、ひとつこれは前向きで研究さしてください。
#41
○田代富士男君 まあ大臣がそう申されるならば、すなおに聞き入れていきたいと思います。研究をしていただきたいと思います。
 それからこの法案の第九条でございますが、第九条においては、いままで置かれていなかった講習会を今回初めて置くということが出てきておりますが、この講習会を何のためにやるのか、まずお尋ねしたいと思います。
#42
○政府委員(吉田泰夫君) 法案の条文にもありますように、広告物の表示あるいは広告物を掲出する物件の設置に関し必要な知識を修得させること、これを目的とした講習会ということでございまして、屋外広告物の表示の適正化をはかるためには、許可制度による運用、それから業者の届け出制による実態の把握と指導、それと並びまして実際に営業活動を行なう広告業者の責任担当者、これが実際は広告物行政の適否を左右する役割りをになっているものと考えます。したがいまして、営業所ごとにそういった基礎的な知識を持った者を配置して、少なくとも法令関係あるいは美観に対する配慮のあり方などについて全く知らないがために結果的に違反を犯すというようなことを少なくともないようにしたい、こういうふうに考えたわけでございます。それが第九条を設けました基本的な考え方でございます。
#43
○田代富士男君 端的に第九条を申し上げますと、必要な知識を有してなくてはならないと、そういう必要な知識を修得した人、これを営業所に配置するという、必要な知識を修得するための講習会であると、これが第九条の一応の趣旨というふうにいま御説明がありましたが、私お尋ねしたいのは、講習会の課程を修了しなくても広告に対する必要な知識を有している人というのは幾らでもいる、そういう人に対してはどういう配慮をするのか。講習会を受けなくてはならない、こうなっておりますが、もうすでに大ぜいの人がいらっしゃる。この点、まずちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#44
○政府委員(吉田泰夫君) この法律で考えております講習会の科目なり内容というものは必要最小限度の基礎的知識と考えておりますので、さほど長時間あるいは恒久にわたるものではございません。したがいまして、この講習会を修了した者と同等以上の知識をすでに持っている、別の法律に基づくいろいろな資格を取っているとかいうようなことは相当あると思います。そういう人々につきましては、何もあらためてこの講習会の課程をどうしても受けてもらわなけりゃならないという必要はないわけでございまして、今後、具体的に条例を制定してもらう際に的確に指導して、むだな講習会を義務づけるというような規定にならないように配慮いたしたいと思います。もっとも、他の法令の規定による知識の内容というものが、私ども考えております、たとえば屋内広告物条例に関する知識というものについて的確に義務づけられておるかどうかというような点もありますので、もし一部足りない面があれば、その分だけを受講していただくというようなことも考えられると思います。
#45
○田代富士男君 いま局長が話された話を一つ一つ第九条に当てはめますと、当てはまらない面もあると思うんです。この第九条の目的というものは、ただいまもお聞きいたしましたとおりに、必要な知識を修得さすのが目的であると局長自身も御答弁になりました。それならば、講習会を経なくてもそれだけの知識を持った人はたくさんおるんだと、そういう人のことに対してはもうこの条文の中では、いま局長が答弁されたとおりに、それはもう当然のことでありますと、これに書いてないけれども、それは含まれておりますということ、そういう意味のことをただいま答弁なされました。しかし、これをすなおに読んでいきますと、そうはとれないと思うんです。だから、第九条をすなおにちょっと解釈していただけませんか、もう一度。
#46
○政府委員(吉田泰夫君) 第九条は、「都道府県は、条例で定めるところにより、屋外広告業について、営業所ごとに広告物の表示及び広告物を掲出する物件の設置に関し必要な知識を修得させることを目的として都道府県の行なう講習会の課程を修了した者が置かれていなければならないものとすることができる。」、こういう条文でございまして、文字どおり解釈してまいりますと、まず講習会修了者を設置しなきゃならないということをするかしないかは条例できめるのだということが一つと、それから、その細目につきましても条例で定めるということであります。それで、法律では、その条例の書き方として、屋外広告業の営業所ごとにそういった修了者というものは置かれていなければならないということが書けるんですよということと、その講習会なるものは都道府県が行なうものでなければならないということと、それから、その内容は、広告物の表示及び広告物を掲出する物件の設置に関し必要な知識を修得させることであるということが書かれておると解しております。
#47
○田代富士男君 ちょっと私すっきりしませんね。歯切れが悪いですね。私なりにすなおにこれを読みますと、条文をすなおに読む限り、「講習会の課程を修了した者」「が置かれていなければならない」、こう規定されているんです。こう規定されている以上は、いま局長は条例でまず定めるんだと言いますけれども、都道府県は条例において講習会の課程を修了した者以外についての適用除外を書くことばできないじゃないかと思うんです、すなおに読めば。だから、修了者のみに限るという意味の条文になっていると私は思うんです。私がいまお尋ねいたしました、あなたの言うとおりに、講習会を受けてなくてもそれだけの知識がある人もこれはまあ考えられますよということならば、このような「講習会の課程を修了した者」と規定せずに、何々と、あるいは何々が定めるとかの表現になっていなくてはならないじゃないですか、局長の言うような御答弁をこの第九条に生かすならばですよ。あるいは何々に関し必要な知識を有する者が置かれていなければならないというような表現になっていないじゃないですか。あなたの言っていること、つじつま合いませんよ。ここにはっきりと書いてあるじゃないですか。だから、都道府県は条例に定めるというが、都道府県は条例において講習会の課程を修了した者以外についての適用除外を書くことはできないというんです。あなたの言っていらっしゃることはすなおに読めませんよ。どうなんですか。
#48
○政府委員(吉田泰夫君) おことばでございますけれども、この九条は講習会修了者を設置することを義務づけること自体を条例にゆだねておるわけでございまして、そういう条例を規定したければ規定できるという根拠を置いたわけでございます。規定のしかたにおいて、たとえば、この法律の趣旨等から、各県において同等以上、はるかにそれ以上というような知識をすでに持っている、あるいは持っていることが他の講習会なり訓練などによりましてその資格等によってはっきりしておるというようなものをはずすということは、この条文から私はすなおに読めると考えます。
#49
○田代富士男君 歯切れが悪いですよ。おそらく質問をしている私だけがおかしいと思っていない。おそらくこの担当の委員の方、全部おかしいと思うんです。すなおにこれを読めばどうなるかというんです。まあ局長ですから、条文をこのように読むんだと私教わらなくてはならない立場ですが、だから、この条文の読み方、何々はと、何々の定めるところにより何々ねばならない、こういう条文の解釈のスタイルについては、この条例あるいは規則というものは、法律に何々ねばならないと書いてある以上はですよ、その制限を受けて限定された解釈しか出てこないではないですか。こういうところから考えると「都道府県の行なう講習会の課程を修了した者」、講習会修了者以外は一切認められないということじゃないですか。あなたの言っていること、ちょっとおかしいじゃないですか。何々は何々の定めるところにより、何々ねばならない、こういうスタイルの解釈については、私の言うとおりじゃないですか、条例だとか規則というものは、法律に何々ねばならないと書いてある以上は。だから、その制限を受けて、限定された解釈しか出ない。しかし、あなたは拡大解釈しているじゃないですか。読めない。その点どうなんですか。
#50
○政府委員(吉田泰夫君) 繰り返すようでございますが、まずこの九条は、講習会修了者を置かなければならないものとする、しない、これをまず条例にゆだねております。次に、講習会修了者を置かなければならないとする条例におきましても、必要以上のことを要求する必要もないわけですから、一定の資格の者は、講習会修了者並みに見まして、そういう者が置かれておればこれは別だ、そういう者が置かれてない場合に、この講習会を修了した者を置きなさい、こういうことを規定することは当然できると考えております。
#51
○二宮文造君 関連。
 ここに「など」が入っていれば、局長のおっしゃることはわかるのですよ、「講習会など」と入っておれば。ところが、これが文言どおりになりますと、「など」が入ってないと、いわゆるこの法律に基づく講習会しか規定されてないでしょう。田代委員はそれを言っているわけです。だから、局長のおっしゃるような拡大解釈は、この文言から出てこない。ところが、あなたのおっしゃる趣旨はそういう趣旨なんだ。ここで質問と答弁が食い違っているわけです。明確にいえば、「など」が入れば一番あなたのおっしゃるとおりになるわけです。なぜそれを抜いているかという説明をしていただいたらわかると思います。
#52
○政府委員(吉田泰夫君) この条文をつくります際に、もちろん法制局の審議も経ておりますが、講習会修了者を条例で置かなきゃならぬと、こう規定する場合に、この法律の趣旨から見てそのような、それと同等以上の知識を持っている者をあえて義務づける必要も本来ないわけですから、そういう人につきましては、条例で書く際に、そういう者がおる場合は、講習会の修了者を義務づけた規定を適用しないというふうに書くことばできるわけでございます。
#53
○委員長(沢田政治君) 速記とめて。
  〔速記中止〕
#54
○委員長(沢田政治君) 速記つけて。
#55
○国務大臣(金丸信君) この問題は確かに文面としてはわかりにくい文面だと私も思います。また、わかりやすく書くことが適正だと思うわけでございますが、法制局で、これでそういう解釈になるということで、こうやられたわけですから、法制局を呼んでいただいて、一応検討していただければなお幸いだと思います。
#56
○委員長(沢田政治君) この点に関しては、局長との質疑のやりとりでは解明できません。でありますから、一部この点に関してのみは保留しておいて、質問を続行さしていただきますが、法制局を呼んでください。そういう解釈になり得るかどうか、この点については保留しておきます。
#57
○田代富士男君 委員長から、この問題に対しては一応保留ということでございます。そこで、建設省のこの問題に対しては保留を一応いたしまして、この問題は後ほどまた審議すると思いますが、やはりこの第九条の講習会の問題につきましては、労働省もこれは御関係があるんじゃないかと思うんです。そういうわけで、講習会の課程を修了した者、私は労働省で行なわれております講習会の教科書も見さしていただきました。これが労働省で行なわれている講習会の教科書なんです。これだけの広告美術関係法令集から施行法の材料、これ内容によりまして違いがありますが、教科編成指導要綱、これは高等訓練課程、私は、全部はまだ読んでおりませんが、目次とか大綱を見さしていただきました。そうしますと、第九条でなそうとしていらっしゃる講習会の課程というものは、屋外広告物に関する法令が六時間、それから屋外広告物の表示の方法に関する事項が四時間、屋外広告物の施工に関する事項が八時間、合計しますと十八時間、延べ時間が。これで講習会を修了ということになるわけなんです。その人を営業所ですか、ここに置かなくちゃならないということに第九条はあるわけなんですが、ここにありますこれだけの勉強を過去に積んだ人も、いまの第九条をすなおに読みますと、いま二宮委員が指摘されましたとおりに、修了した者などと、あるいは定めるところによると、そういうものがあるならば、これは全部含まれる道があるならばいいんですが、「修了した者」と限定されたならば、片方は十八時間の講習会のために、これだけ勉強した人が再び講習会を受けなくてはならないのかどうなのか。私はそういう点から考えまして、この問題は建設省も大事なことですが、労働省としても実際やっていらっしゃることだから、当然これは労働省ともいろいろ協議をなさいまして、このように法案として出てくる以上は、いま大臣がおっしゃるとおりに、法制局の皆さんとも相談した上で出したんだ、そういうことでありますし、私は当然、労働省とも相談なさった上でこれ出されたと思いますが、労働省は、屋外広告物改正法案について、建設省が事前に協議がなされたのかどうなのか、端的に御答弁願いたいと思います。
#58
○政府委員(遠藤政夫君) ただいま田代先生御指摘の点につきましては、事前に事務的な打ち合わせが必ずしも十分でなかった、このことをはなはだ遺憾に思っております。今後こういうことのないように十分注意してまいりたいと思います。
#59
○田代富士男君 いま労働省のほうといたしまして、事前に十分打ち合わせがなされてなかったということを端的に申された。私いまそれをお聞きいたしますならば、意外という以外にない。この法案一つ出すには、あらゆる角度からそれぞれの関係というものを鋭意検討されまして、万遺漏なきを期されて出されてくるについて、事前にそういうことが打ち合わせがなかった、これは私はたいへんな問題だと思うんです。大臣、これいかがですか。労働省とは事前に打ち合わせがあまりされなかったというのです。大臣、いかがでございます。
#60
○政府委員(吉田泰夫君) 私ども、この条例の書き方によっていろいろな適用除外例が書けると思っておりましたものですから、この法案そのものにつきましては一応各省と連絡し打ち合わせたつもりでございますが、特に非常に密接な関連のある、この職業訓練法による広告美術仕上げの過程に関することにつきまして、詳細な打ち合わせを失念して国会に提出することになりました。関係の方にも御迷惑をかけましたことをおわびいたしますとともに、今後は十分注意さしていただきたいと思います。
#61
○田代富士男君 だから、まあ事前に打ち合わせができなかったことに対していま局長おっしゃいましたけれども、私は労働省もこの問題に対してちょっと関係もあるんじゃないかと思うのです。というのは、労働省も、法案が出る場合には、労働省に関係のある点は全部目を通されると思うのです。そういう面で、労働省所管事項である以上、協議が建設省からされたとかされなかったにかかわりなく十分に働きをしていかなくてはならないと思うわけなんです。そういうわけで、この問題が事前にそういうことが協議されずして出てきた、そこにいま委員長から、これはこれ以上質疑をしても平行線をたどるだけである、そういうことで、いま法制局を呼んでこれをただそうじゃないかということになった。そこらあたりの問題が出てきたのは、そういう点が関係あるんじゃないかと思うのですね。だから、事前に準備ができなかった法案を、まあ大臣は知らなかったといえばそうですけれども、事実いま両局長のお話で大体のことは大臣おわかりになったと思うのですが、大臣、この事態をどうされますか。
#62
○国務大臣(金丸信君) ちょっと労働省から話があるそうですから……。
#63
○政府委員(遠藤政夫君) 私の担当いたしております職業訓練あるいは技能検定制度の運用の面でいろいろと問題がございます。その一番大きな問題は、こういった職業訓練の修了者あるいは技能検定に合格した技能士の処遇の問題、こういう資格を持った人たちが、それぞれ同じ範畴に属します各省関係のいろいろな国家試験あるいは検定、こういったものにつきましてそれなりの処遇を受ける、二重の試験あるいは検定を受けるようなことのないような措置を講じてまいるということが私どもの大きな仕事でございます。この点につきまして、従来、建設省は特にいろいろ関係がございまして、建設省関係のいろいろな営業許可とか、こういった広告物の関係もございますが、こういった点につきましては建設省でも特に配慮していただいておりまして、過去におきましては、こういった共通の面についての資格を優遇すると、こういう措置をとってまいっております。今度の関係におきましても、ただいま先生御指摘のように、事前に十分緊密な連絡が不十分な点はあったと思いますけれども、先ほど都市局長から御説明がございましたように、条例によりまして、職業訓練の修了者、技能士あるいは職業訓練指導員につきましては、これを講習会の過程を修了したものとみなして処理できる、こういう配慮からそこまでの御連絡がなかった。と申しますのは、従来もそういったことで処理をしていただいておりますので、処理できるという考え方で措置をされたように伺っております。その後、私どもも内閣法制局、建設省とも十分連絡をとりまして、そういうふうに措置できるという内閣法制局の回答をいただきまして、私どもそれでよろしいのじゃないか、こういうふうに考えておった次第でございますので、その点、私どもの事前の連絡が必ずしも十分でなかったことは遺憾でございますけれども、これでよろしいのじゃないかということで処置いたしましたことを釈明さしていただきたいと思います。
#64
○委員長(沢田政治君) 速記とめて。
  〔午前十一時三十五分速記中止〕
  〔午前十一時五十四分速記開始〕
#65
○委員長(沢田政治君) 速記つけて。
#66
○田代富士男君 いままで林部長のおいでくださるのを待っておりまして、大臣も法制局の御意見を聞こうじゃないかということでございます。問題点となっているのは、もうすでに、いまお話をお聞きになったかと思いますが、屋外広告物法の一部を改正する法律案の第九条のところでございます。九条の、「都道府県は、条例で定めるところにより、屋外広告業について、営業所ごとに広告物の表示及び広告物を掲出する物件の設置に関し必要な知識を修得させることを目的として都道府県の行なう講習会の課程を修了した者が置かれていなければならないものとすることができる。」、ここの第九条の解釈についてであります。この条文をすなおに読む限り、「講習会の課程を修了した者や置かれていなければならない」と規定している以上は、都道府県は条例において講習会の課程を修了した者以外についての適用除外を書くことはできないではないかと、これは私の意見であります。ところが局長は、林部長がおいでいただく前に何回もここで質疑を繰り返しましたが、委員長が、それじゃ話にならないと、質疑をちょっと打ち切られまして、その後また再開しまして、じゃこれは「講習会の課程を修了した者」となりますと、これは職業訓練とか、そういう面では労働省の所管にもなってまいりますし、当然これだけのことが第九条に出ているならば、労働省とも事前に打ち合わせがあったはずだと、そういう意味で、質疑を再開されまして、労働省にお尋ねをいたしました。端的に言いまして、事前に打ち合わせはあまりされておりません。それが建設省と労働省の間で私なりにいま確認できたわけなんです。で、それが私のみならず、この当委員会の委員長が、建設省と労働省が協議もしてないものがこういう第九条として出てくるのはおかしいと、再度委員会が質疑を一応とめられまして現在に至ったわけなんです。
 そこで、この問題に対して建設省の立場とすれば、「講習会を修了した者」ということは――講習会を修了しなくてもこれだけの資格を持った人が一ぱいおるわけです。その人はどうするか。含まれている、そういう見解でございますが、それならば、修了者のみに限るという意味の条文にこれはなるわけなんですけれども、建設省の御意見のとおりであるならば、何々など、あるいは何々が定めるとかの表現になっていないではないかと私は言いたい、建設省の意見のとおりであるならば。また、何々に関し必要な知識を有する者が置かれていなければならないというような表現にもなっていない。建設省の言うとおりであるならば、このようにならなくちゃならないけれども、そうなっていないじゃないか。だから、これは私は理解するわけにはいかない。このように私がいま論議を進めていた時点で法制局の林部長においでいただきましたから、ひとつこの第九条のことについてお考えをお願いしたいと思います。
#67
○政府委員(林信一君) たいへんお待たせ申し上げまして失礼いたしました。
 第九条の解釈、特に第九条と条例との関係でございますが、要点は、この第九条に書かれているところは、「講習会の課程を修了した者」というものについてしか書いてございませんので、これと同等以上の知識なり能力なりを有する者はどうするんだと、こういうお尋ねと存じますが、第九条は「条例で定めるところにより、」というふうに広く委任をしてございまして、その内容は、一定の講習課程を修了した者を屋外広告業者が置かなければいけないと、こういう義務づけを条例でするという内容でございます。
 そこで、その義務をいかなる者に課するかということでございまするが、もちろん不必要にあるいは不合理に義務を課するということは九条自体がおそらく予想してないというふうに解釈すべきじゃなかろうかと存じます。したがいまして、必要最小限度に義務を課するということであれば、たとえば、いまのような同等以上の知識、能力を持っている者、そういう者につきまして、この条例の定め方、これはテクニックの問題でございますが、条例自体を適用しないとするか、あるいは、そういうところを除いて、その他の屋外広告業者が設置しなければならぬという内容に書きますか、書き方はいろいろあると存じます。いずれにいたしましても、その内容が、もし同等以上の知識、能力を有することが明らかであるという者が置かれている場合に、それに重ねて講習課程を修了した者を置かなきゃならないという義務づけをすることはおかしいんじゃないかと、それは常識的には申し上げられると存じます。したがいまして、条例の内容もおそらくこれはまあ、いま申し上げたようにいろいろな書き方があると存じますけれども、法律は条例に委任しておりますので、その条例のほうで、そこはしかるべく御検討いただいておきめいただければ、別にその内容は九条に反するということにはならないだろうと、かように存じます。
#68
○田代富士男君 ちょっと、いまの部長の見解はいつの時点の見解ですか。
#69
○政府委員(林信一君) いつの時点とおっしゃる意味が私のほうちょっとよくわかりませんが、少なくとも、ただいまにおいては、私はさように考えております。
#70
○二宮文造君 これはおそらくこの屋外広告物法一部改正を法制局に建設省から相談をしたと思うんです。当初からのそういう御見解なのか、それとも最近にわたって法制局はそういう見解に変われたのか、そのいつの時点の見解ですかという田代委員の質問は、当初相談を持ちかけられたときからずっと一貫してのそういう御見解なのか、今日に至っての御見解なのかということをいま聞いているわけです。これは法制局として非常に大事な解釈の問題だろうと思うんです。御答弁によっては、責任問題にもなるかと思うんです。その点をよくお考えになって御答弁いただきたい。法律ですからね。お願いしたいと思います。
#71
○政府委員(林信一君) いつの見解なのかというお尋ねの趣旨が少しわかってまいりましたんですが、実はこまかい審査は参事官がやっておりますものですから、逐一、私、報告を受けておりませんけれども、したがいまして、その九条のただいまの問題点につきまして、そのような解釈ということを当時意識しておったわけじゃございません。したがいまして、これを変更したとか、しないとかということじゃございませんので、かりに最初からこの問題が出ておったと仮定して考えました場合でも、おそらく同様なことを申し上げたというふうに存じます。
#72
○田代富士男君 それは私、すなおに読んだ場合、ちょっと納得できないと思うんです。もう一回お尋ねしますが、まあ私は法律学者でもございませんし、教わっていく立場の私でございますから、そういうものに対しても教えてもらいたいし、しかし教えていただくだけじゃなくして、これは国民全体の基盤になることでございますから、厳正にいかなくちゃならないんですが、だから、いまのことで、これは法律が条例に委任しているんじゃないかというようなことですけれども、〇〇は〇〇の定めるところにより〇〇ねばならないというスタイルの条文の解釈については、その条例あるいは規則は、法律に何々ねばならないと書いてある以上は、その制限を受けて限定された解釈しか出てこないんじゃないかと思います。そういう立場からいきますと、講習会修了者以外は一切認められないということじゃないかと思うんですが、どうですか。それで、いま二宮委員から、いつの時点でということに対して、当初からそういうあれでございましたかということに対して、おそらく当初から、聞かれたならばそうだということでございますが、……。
#73
○二宮文造君 違う、違う。当時は意識してなかった。
#74
○田代富士男君 まあ当時は意識してなかったけれども、これ当初から聞かれたならばおそらくこうだったと思うけど、当初はそういう考え方はなかったと、一たんはそう言われたけれども。まあ、そういうことでございますが、いま言うように、法律で何々ねばならないと書いてある以上は、条例あるいは規則もその制限を受けて限定された解釈しかできないと思うんです。ところが、いまの部長の話では、こういうことにならないわけなんです。その点はどうなんです。
#75
○政府委員(林信一君) これは九条をよくお読みいただきますとおわかりいただけると思いますが、第九条の主語は「都道府県は、」ということでございます。内容は、「都道府県は、」「置かれていなければならないものとすることができる。」と、法律自体は、都道府県がこういうことができると、義務づけができるということを規定しているだけでございまして、法律自体が設置を義務づけたわけではございません。設置を義務づけますのは、条例でございまして、その条例という法形式によりまして設置義務が出てくる。条例で初めて置かなければならないという表現が出てくるわけでございます。法律はただ、都道府県がそういうことができると、いわば権能を与えた形でございまして、義務は条例の中身できめると、これが第九条の趣旨でございますから、したがいまして、ただいま仰せのように、法規自体が義務づけておるではないかということではございませんで、条例が義務づける権能、それを法律が与えたという形でございますから、その点は条例に委任されておるということでございます。
#76
○田代富士男君 どこまで聞いても私、これおかしいです。
 またもう一つは、これは法の解釈じゃありませんが、部長がおいでになる前には、建設省と労働省とは話し合いがこれはされてないのです、綿密な。綿密な話し合いをされてないままに法制局は出された。綿密な――あなたがおいでになる前に私は聞きました、建設省に。綿密な連絡がされてない。それを法制局はやられた。それでいま二宮委員から時期の問題についての質問があったときに、当初はそういう考え方はありませんでした。それはそうでしょう。労働省と打ち合わせてしてないのです。労働省と当初打ち合わせているならば当初からその考え方があったけれども、労働省と打ち合わせせずに出されたものだから、いまあなたの答弁で、最初はそういう考え方はなかったと。打ち合わせやっていないのです。打ち合わせをされた上に法制局がまとめられて法文化されて出てくるもんです。これは国民の憲法です。ところが、関係のあるこの講習会の修了者という、これでいきますと、この条文でいきますと、講習会を受ける人は、屋外広告物に関する法令が六時間、屋外広告物の表示方法に関する事項が四時間、それから屋外広告物の施工に関する事項が八時間、合計十八時間で講習会修了となる。ところが、労働省の所管で行なわれている職業訓練というのを私はここに本を持ってきております。部長これごらんになってください。これが関係法令集です。施行法、これだけです。教科書編成指導要綱、高等訓練課程。三千時間から五千時間かかって職業訓練をやっているのです。その人も、このままでいくならば新たに十八時間の講習会を受けなくちゃならないということです。労働省はそれを話していないのです、建設省に。建設省も相談していないのです。だから、あなたがもうすなおに二宮委員の質疑に対して当初はその考え方がありませんでしたと言うのはそのとおりです。だから、最初この第九条を考えるにおきましては、労働省関係の講習会のそれはなかったということが浮き彫りにされております。そのような法制局として、関係のこれ労働省の意見もいれないものを発表してもいいのですか、そこらあたりはどうですか。
#77
○政府委員(林信一君) 繰り返して申し上げるようになりますが、これは条例に委任してございますので、すべて条例が定めるところでございますが、まあ、どこまで詳細に法律規定するかと、これは確かに問題ございます。仰せのような書き方もあるいは第九条でくふうできると思いますけれども、この課程を修了した者と同等以上の者というのは、常にこれは考えられるわけでございまして、そういったものを一般的に予想いたします場合には、第九条では条例で始末をすると、こういう前提になっておりますので、特に労働省がどうこうというふうに具体的にそれだけ取り上げて論ずるわけにも私どもまいらないわけでございますが、手続の上におきましては建設大臣が閣議提起いたしましても、次官会議は経ておりますし、あるいは閣議で全閣僚一致した上での御提案でございますから、この法律でどうしても読めないという場合は別でございますけれども、その辺はおそらく第九条の運用の、応用の問題になるのではないかというふうに考えます。
#78
○委員長(沢田政治君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#79
○委員長(沢田政治君) 速記をつけて。
#80
○田代富士男君 部長、これは応用の問題だとか拡大解釈されたならば、部長のような専門家の方は理解できますが、これは広告業者という登録制をしてくれといっても登録制はまだ早いですよと、だから届け出制にしましょうという、そういう現在の弱小業界の人にここまで論議しなければ理解できないようなことが理解できますかね。それと同時に、私はもうこれは大臣、ちょっと大事なことですから、何か生理現象でしたらなんですけれども、ちょっと大事なことですから……。これは私ほんとうはなんですけれども、これは言いたくないと思いましたが、もう私はこういうことをあらためて言う必要はないと私なりにきめておりましたけれども、いま法制局の林部長が、これは応用の問題だとか、そういうふうに言われますと、また言わざるを得ないことなんです。というのは、二宮委員が、当初はこの考え方はありましたかと言ったら、当初はないと言う。この考え方は当初はなかった。そして、私はいま言っておきますよ、大臣。大臣は、労働省と建設省の打ち合わせがなかったということをこれは御理解いただいたと思う。だから、法制局としては当初はそういう考え方がなかったと。その証拠になるかならないか、これは大臣が判断してください。私は正式な証拠をもってこの委員会で浮き彫りされた、当初はこの考え方がなかったということを言います。いま委員長から各委員会に対しまして、この条例を出せということになっていたのだけれどもどうなったのだということで、いま標準条例を配られました。各委員の手元に行っております。各委員の手元にいま行っているのは、第五番目の「講習会修了者の特例」というところに一、二、三と出ております、特例が。特例はここに出ておりますけれども、ここが問題なんです、大臣。
 よく聞いていただきたいのは、私がこの広告法案を質疑をするということで調査をし始めました。そして、去る四月の十二日、当委員会で初めてこの法案の質疑が開始されたわけなんです。この質疑が開始された時点で田中委員から、標準条例の案を出しなさいということが言われております。これは速記録に明確に載っております。そこで、それに応じまして標準条例の改正案というものが出されました。大臣、その改正案がこれです。委員会の要求に応じて出された改正案、四月十二日の委員会です。それが終わったあとに出された改正案です。その改正案と今日ただいまいただきましたこの改正案とを比べます。そうしますと、どうなっているかといいますと、第一回目にいただきました改正案、これはきょうの改正案と比べますと、第五が「講習会修了者の特例」になっておりますが、第一回目にいただきましたこの条例の改正案は、第五番目は「屋外広告業を営む者に対する指導、助言及び勧告」になっている。これは、きょういただきましたこの案では第六番目になっている。すなわち、この第一回目にいただきました資料を中心に私なりに調査を進めていた。そこで、いま浮き彫りされている、講習会修了者云々の問題が浮き彫りされて、労働省との打ち合わせもされていないということが浮き彫りされてきた。これじゃ、この条文自身が読めないのはあたりまえです。何回も何回もいま言っているとおりに、何々などだとか、何々が定めるという表現になっているならば建設省の意見も受けられますが、受けることができない。だから、こういう意味で、正式な委員会で請求した資料がこういう違いがあるということは、これは一体どういうことなんですか。だから私は、法制局が、いま二宮委員がおっしゃった、当初はこの考え方はありませんでしたという、当然です。労働局も事前に打ち合わせがなかったと浮き彫りになってこの問題が出てきたじゃないですか。この点委員長いかがでしょう。
#81
○委員長(沢田政治君) ただいま与党の理事とも若干相談してみましたが、いままでの審議経緯に基づき、非常にこれ以上この問題をここで質疑応答しても、質疑応答だけでは、これはやっぱり審議過程における政府側の資料の出し方に対する不誠意の問題もありますので、解明できないと思います。でありますから、委員長としては、本案に対する質疑は一応本日はこれで打ち切って、次回の連休明けの委員会でこの法案に対する進め方をもう一回論議したいと思いますので、一応きょうはこれで打ち切ります。で、午後一時二十分から住宅金融公庫の法案に入りたいと思います。御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#82
○委員長(沢田政治君) そのように決定いたします。
 一時二十分まで休憩いたします。
   午後零時十七分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二十九分開会
#83
○委員長(沢田政治君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、米田正文君が委員を辞任され、その補欠として梶木又三君が選任されました。
    ―――――――――――――
#84
○委員長(沢田政治君) 住宅金融公庫法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#85
○二宮文造君 私は住宅金融公庫法の一部改正につきまして若干質問をしたいと思います。
 大臣も御承知のように、いまちょうど第二期住宅五カ年計画の、いわば計画年度としては第三年目、ちょうど中間に当たります。御承知のように九百五十万戸という住宅建設を目ざしての計画実施中ですが、表によりますと、大体まあ第三年度で、それぞれ違いはありますけれども、六〇%消化するかしないかというようなデータがあがっております。また、この間二月に閣議決定されました経済社会基本計画、これによりますと、「昭和五十二年度までに、四人世帯で最低限二DKの居住水準が確保できるように努める。」、これを努力目標として掲げられております。そのまた説明によりますと、「昭和五十二年度までには、一人一室以上のかなりゆとりのある規模に達することも可能となろう。」、こういうふうな目安をつけていらっしゃる。さらにまた長期展望になりますけれども、昨年の十二月に建設省がまとめられました新国土建設長期構想、試案ですが、これによりますと、昭和六十年度までに、「住宅の規模については食寝分離、分離就寝を可能ならしめるため、一人一室、一共同室を原則とし、標準世帯(四人家族)で三」DK(百平米)程度の規模を確保することを目標とする。」、まあ住宅政策としては非常に明るい見通しの――見通しといいますか、そういう面の構想が次々に述べられておりますが、そういうものと住宅問題がぶつかっている現状との間にはかなりの差が実感として感じられるわけですね。ですから、こういう構想が次々政府から出されたとしても、現にその住宅に困窮している国民の立場から見ますと、だれかのことばじゃありませんけれども、何かまんじゅうみたいなんで、あんばっかりであんまり味がないんじゃないかというような結論にもなるわけです。そういうことで現況――現在の住宅問題、それとこの掲げられたビジョン、このギャップというものはどうしても出てくる、それをどう調整してこの住宅政策を進めていこうとされるのか、大臣の基本的な考え方を私まずお伺いしたい。
#86
○国務大臣(金丸信君) 先生のいま御指摘の経済社会基本計画と新国土建設長期構想、この二つがあるわけでございますが、新国土建設長期構想というのは、四十八年から六十年まで、一方のほうは四十八年から五十二年までということでございます。四十八年から六十年というものについては、理想は高くということで高く掲げられたということでございますが、現実の四十八年−五十二年の五カ年計画、これについても、まことに矛盾が生じておることも認めざるを得ないと思うわけでございます。しかし、一人一室という希望をかなえるということで住宅政策は考えておるわけでございますが、この問題については私が申し上げるまでもなく、いまの土地問題が住宅問題を非常に混迷におちいらしておるということが最大な原因でありまして、この土地問題を解決するということがきょうの政治的な大きな課題であると、こういうようにも考えておるわけであります。まあ新国総法等がこの国会に提案されておるわけでございますが、その公共事業推進の中でもこの土地政策、それは青年に夢を抱かせるには住宅も将来持つことができないというようなことでは相ならぬ、いわゆるデカダンな気持ちにさしてはならない、住宅は働けば持てるんだということにするところにきょうの政治のウエートというものが大きくかかっておるわけでございます。そのウエートのかかっているのと、ふえんいたしまして、まことにいろいろの困難な事情が積み重なって、ことに都会地においては住宅建設というものは非常な困難を来たしておる、これが現実の姿でありますが、そこで建設省が住宅審議会に、住宅政策はいかにあるべきかということを諮問をいたしておるわけでございます。その諮問の結果、住宅五カ年計画を私はあらためて洗い直して考えなくちゃならぬと、こう言っておるわけでございますが、そういう中でこのギャップをどうするか、こういうことで日夜悩んでおるわけですが、懸命な努力をして一日も早くこの土地問題を解決するようにすることが住宅問題解決の一策である、こんなように考えておるわけでございます。
#87
○二宮文造君 いま大臣の答弁の中で、はしなくも、働けば家は持てるんだ、こういうふうな一説が漏れてまいりました。これは政府が進めようとする持ち家政策といいますか、それの考え方の一端が出てまいったのじゃないかと思うわけです。ですけれども、もう一つやっぱり住宅政策の大事な柱として特にまた庶民の側で待望しているのは負担のやや低い公営部門ですね。公的な住宅の建設というものに国民はやっぱり相当の期待を寄せているわけです。ところが、もう常々この委員会で問題になりますように、用地の取得難だとかあるいは超過負担等の財政負担を理由にしまして、各地で計画戸数の返上、こういうものが出てきているわけです。したがって、これから先、用地の取得難あるいは財政負担等を理由にしまして、公共部門の賃貸し住宅、これがだんだんと率を低下していくのじゃないか、こういうふうな感じもするわけです、現況として。そうしますと、一方では持ち家政策を進める、そしてまた一方では、それと比例してといいますか、逆比例の形で公営部門が減っていくんじゃないかというような気も私してならないわけですが、この点については大臣のお考えはどうでしょうか。
#88
○国務大臣(金丸信君) その点につきましては、公営住宅、こういうものは当然庶民のためになければならない住宅政策でありまして、これを減退するというような考え方は持っておりません。むしろこれもふやし、持ち家政策というものも、これはアンケートをとってみると自分で家を持ちたいというのは人間の本能だと、こういうことでございますから、いわゆる家賃を払いながらそれが自分のものになるというような政策、こういう持ち家政策というものは推進すべきだと、このように私は考えて、いわゆる公営住宅等につきましてはこれから進めるのだといいましても後退するような考え方は持っておりません。
#89
○二宮文造君 考え方としてはそうあってほしいわけですけれども、現状として、住宅局長、資料もいただいておりますけれども、四十七年度、昨年度ですね、四十七年度の公営住宅の建設需要割り当て戸数、いわば東京都と大阪のその消化のしかたは一体割り当てとどうなっているかというのを御説明願いたい。
#90
○政府委員(沢田光英君) 四十七年度におきまして東京都におきます予定の建設戸数は一万九千八十二戸でございます。これに対しまして年度内に発注のできましたものが二千百七十六戸、非常に難渋をしておるというのが現状でございます。大阪におきましては、これが総数が一万五千六百二十九戸でございますが、このうち年度内発注が一万五千四百三戸ということで相当成績があがってございます。そのほかの都市につきましてもおおむね大阪以上にいってございますが、問題は東京都に集中しておる。さらに東京都の周辺では神奈川あたりがこれに準じておりますが、これほどひどいものではなしに、六〇%とか、その程度にいっております。さような実情でございます。
#91
○二宮文造君 そこで、大臣の先ほどの答弁で、いわゆる公的な供給というものは断じて減らさないということですが、もうしばしば問題になりますように、いまもまた住宅局長から説明がありましたように、特に東京都におきましては一万九千余戸の計画戸数に対して二千百何がししか発注されてない。これはもう都民並びに国民の期待に反することこれほど大なものはないと思うんですね。それで美濃部知事が、結局その理由を示しているわけです。ばく大な超過負担、これが解消されない限り公営住宅の建設省の割り当て戸数というものは消化できない。もうこれは、まあ、いまの住宅局長の説明では、その他の府県においてはやや計画に近い、そういう消化がされておりますけれども、それらの府県においてもやっぱり超過負担という問題が大きな問題になっていますね。これはもうしばしば言われていることで、あらためてここで申し上げることでもない。したがって、その大臣の先ほどおっしゃるような公営部門、公的な供給というものを減らさないという立場をとる限り、やはりこの超過負担の解消とか、さらには用地の確保、こういうものについては抜本的な対策がない限り大臣の所信には沿えないような現状になるんではないかと思います。さらにまた超過負担の大きな例として関連公共施設、これのやっぱり負担の問題ですね。これなんかも、これもうほんとうに数字の上で直すんではなくて、抜本的に考え方を改めなければならないと思うんですが、その打開策というものはどこにおいて検討されているのか、これをお伺いしたい。
#92
○政府委員(沢田光英君) 打開策の対象となります問題に何点か御指摘いただいたわけでございますが、まず超過負担の問題でございます。これに関しましては、先ほど私が申し上げましたように、全国的にはまあまあの成績だけれども、しかしまあ超過負担というものはあるわけで、これを押して建設をしておるという状態でございまして、実は四十七年度に自治省、大蔵省、わが省の三省で超過負担の工事費につきまして実態調査を行なっております。で、この結果、まあいろいろございますが、ネットの単価当たりの超過負担というのは八%だというふうに分析をされております。あとは基準より大きな面積のものをつくるとか、そういうものがございまして、見かけは大きくなってございますが、単価の超過負担というのは八%でございます。私どもがこれを一気に解消したいということの希望はいたしたわけでございますが、結果におきましては、これを二年で解消するということで、今回の予算にはその半分の解消ということで上がっております。ただし、いま私が申し上げましたように、規模の面で、いままでの中で、歴年の中で一番ことしは上がってございます。三平米ないし四平米公営住宅で上がっております。いままでは毎年一平米とか二平米、まあ二平米やったことはあまりないんでございますが、その程度でございましたが、三ないし四平米上がった。規模の問題は公営住宅は決して大きくございません。そこで地方的に、地方行政としてはもう少し大きい住宅を供給したいということでお金がかかるということで超過負担になっておる、これも次に重要な超過負担の原因だと、そういうことで質の向上ということをはかりますと自然に超過負担が解消できる、その結果、全国的に見ますと規模その他の水準向上で九%程度の超過負担が単価のほかに解消されると、かようなことで努力を重ねておりますが、まだまだいろんな意味での超過負担が残ってございます。そういうものにつきましては今後ともいま以上のスピードで解消していくというふうなことを考えてございます。
 第二の点でございますが、用地確保の問題、これは東京都におきまして一番困難を来たしております。東京都においてどういうことをするか、これは周辺も含みまして抜本的にはただいま政府関係で諸種の準備をされております税法その他の基本的な宅地対策、こういうものに基本を置いて、やや長期的にはそういう問題の中で解決されていくという点かございますが、しかし短期的にはこの用地を確保する努力をしなきゃいけない。そのために、たとえば国、公有地、こういうものもいままでもやっております。いまの時点ではだいぶ利用できるものが少なくなってきておりますが、ますますそういうものを見つける。あるいは工場あと地も買いにくくなっておりますが、できるだけそういうものを手に入れるような努力をする。さらには、実は東京都の中に木造の公営住宅で平家のものがたしか四万戸近くあると思います。これの占める面積が二百万坪近くございます。こういうものの立体化によりまして都市の町のかっこうをよくするとともに戸数をふやす。これが毎年いままでは東京都では数千戸の増を来たしております。これは用地が要らずに戸数が消化できる。こういうものも大いに進めるように努力をする。そういうふうなことで、私どもは、とりあえずはいま申し上げました幾つかの努力をするとともに、基本的には、基本的な宅地対策、税制その他これからいろいろ展開されますものに合わせていく。さらには、私ども考えておりますのは、都市計画にございます一団地の住宅施設という制度がございます。これは対象の地域に住宅の施設を都市計画で決定をいたしまして、最後は収用につながる非常に強力なものでございますけれども、現在この制度が生かされておりません。こういうものを私どもは直ちに生かして、公営住宅、公共住宅の用地取得にこの制度を活用していきたいということで鋭意いまこれが事務的に乗るように検討を進めておる次第でございます。
 関連公共施設の問題につきましては、まあ地方公共団体の位置から申しますと、元来、地方公共団体が関連公共施設を整備すべきものでございますけれども、実際は都営住宅を建てるときに区からいろいろな問題を言われるとか、そういう問題がございまして、負担が非常に多くなってございます。そこで、私どものほうの関連公共で建設省の所管のものはできるだけ団地のところに集中していく、あるいは関係五省にお願いをいたしまして学校その他のものもそこに集中していく、こういうふうな努力を重ねておる次第でございますが、これにつきましても今後、建設省の中でさらにこれを進める体制というものを強化をしていく。以上三点につきまして短期的な努力と、さらにやや長期にわたります基本的な問題、両方に全精力を傾けて、とにかくこの二千戸という程度しか着工できないという緊急事態、これは四十六年度にはかような事態に立ち至っていなかったわけで、急速にこういう事態に落ち込んだわけでございますので、これに対しまして全力を傾けて四十八年度の執行に当たりたいというふうに思っております。
#93
○二宮文造君 東京を中心に再開発の問題等々で、あるいは超過負担の解消とか等々の問題で事態に取っ組んでいく姿勢をいま明らかにされたわけですが、私ども簡単に考えて、たとえば、きょうも大蔵省の方においでいただいているんですが、用地の問題でまあ大蔵省の普通財産、国有地ですね、国有地を何とかそういう公営部門に転用できないものかということを絶えず考えるわけです。そこで試みにお伺いしますけれども、大蔵省所管の普通財産の中で、首都圏あるいは近畿、中部、まあ三大圏ですね、この中にあります未利用地、その中で宅地あるいは宅地化の見込みのある面積、これは一体どれぐらいありましょうか。調査されたはずだと思うんですが……。
#94
○政府委員(小幡琢也君) 大蔵省といたしまして、昨年、全国の大蔵省所管の一般会計の普通財産の国有地のうち、未利用地の調査をいたしたわけでございますが、それによりますと、昨年の十月三十一日現在の数字でございますが、首都圏、これは東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、栃木、群馬、山梨の各県でございますが、ここにおきまして千六十三・七ヘクタール、それから次に近畿圏でございますが、これは対象が大阪府、京都府、兵庫県、それに奈良県、和歌山県、滋賀県でございますが、一応この対象の県内にございます未利用地二百九・〇ヘクタール、それから中部圏でございます、これは愛知県、静岡県、三重県、岐阜県の四県を一応対象といたしますと、合計で未利用地が三百七十五・二ヘクタール、以上三都市圏を合計いたしますと、千六百四十七・九ヘクタールでございますが、ただ、これは私どもの調査といたしまして、未利用地いろいろございますけれども、この中のがけ地とか、水路とか、要するに単独利用困難な土地を除きました宅地または宅地見込み地、こういうもののみの数字でございます。
 以上でございます。
#95
○二宮文造君 それで、この中で、利用計画がもうすでに決定ないしはほぼ決定の段階に入ったのは、首都圏だけでけっこうですが、差し引き住宅に転用可能な面積というのはどうなりましょうか、利用を決定したあるいは決定寸前にあるというものを差し引きますと。
#96
○政府委員(小幡琢也君) ただいま申し上げましたのは、昨年の十月三十一日現在でございますので、その後あるいはその当時すでに転用方針あるいは具体的な利用計画を決定しておりますものもございます。特に首都圏につきましてはかなりございまして、全体の集計は正確にはしてございませんけれども、たとえば埼玉県にございます所沢補給廠のような場合、これは百九十ヘクタールもございますけれども、これはすでに国有財産地方審議会に付議いたしまして方針をそれぞれ決定いたしておりますし、また東京都にございます旧キャンプ王子のあと地でございますが、これが十二・三ヘクタールばかりございますが、これもすでに地方審議会にかけまして決定しております。そういうものをざっとさらってみますと、東京、神奈川、千葉、埼玉、この四県におきましては約七百ヘクタールばかりの数字、これがすでに利用計画ないし方針がほぼきまっていると、こういうような数字でございます。
#97
○二宮文造君 その七百ヘクタール利用計画がきまった中に、いわゆる公営住宅とか公団とか、そういう住宅部門に利用計画がきまったのはありましょうか。
#98
○政府委員(小幡琢也君) たとえば先ほど申し上げました所沢補給廠のあと地でございますが、全体の百九十ヘクタールのうち約二十三ヘクタール、これは県営住宅あるいは県の住宅供給公社、市営住宅、住宅公団等に住宅用地として処分が決定しております。それからまた船橋の旧通信隊のあと地でございますが、これにつきましても、住宅公団に対しまして約十三ヘクタール、これを公団用地に決定しております。それからなお横浜市その他に、こまかいものをさらいますと、五ヘクタールばかり住宅用地に転用方針がきまっているのがあるというふうにいま承知しております。
#99
○二宮文造君 いま伺いますと、大体利用計画が七百ヘクタールぐらい首都圏できまっていると。しかし、その中で住宅の占める割合というのは非常に少ないわけですね。これは先ほど言いましたように、いろいろ財政的なものが、あるいはまた超過密といいますか、いわゆる団地ができますと、それに付随していろいろな反対運動も起こってくる、そういうもろもろの要素がからみ合って住宅への転用がわりに少ないと、こういうかっこうになっております。で、たとえば東京都内なんか考えてみましても、未利用地としては五十ヘクタール一応大小取りまぜて考えられる。その中で、王子を除きますと、王子が二十三ですから、それでも大体二十七ヘクタールぐらいは大小取りまぜてあちこちに散在はしておりますけれども、あるわけですね。こういうものを、団地造成が引き起こしてくるもろもろの問題というものを加味しながら住宅に転用していくということも必要ではないかと、この段階にきますと思うわけです。それは公営住宅の再開発もけっこう、これもやる必要もありましょう。しかし、その場合には、また住居費の負担の問題が出てきますから、おいそれと簡単に解決はできませんけれども、そういう国有地を住宅に転用するということをもう少し積極的に建設大臣としてもお進めになっちゃいかがかと、こう思うのですが、どうでしょう。
#100
○国務大臣(金丸信君) 私も実は、それをしなければとても土地がはかばかしくいくものではないということで、大蔵大臣にもお話しいたしたのですが、問題はいわゆる職住という問題がありまして、場所はよいけれどもちょっと遠過ぎるというような問題もありまして、しかし、どちらにしても、そういう土地を確保することが住宅問題を解決する一番の問題点だろうと私も考えております。今後なお一そう大蔵大臣、大蔵省と折衝し、なお関係機関の協力も得ながらやってまいりたいと、こう考えております。
#101
○二宮文造君 理財局の方けっこうです。どうかひとつ積極的におたくのほうも計画を持って、適切な用地があれば、これだけの問題になっておりますので、イニシアチブを建設省がおとりになるわけですけれども、それに情報を提供するというような姿勢で取っ組んでいただきたいとお願いしておきます。けっこうです。
 次に、本題に入りますけれども、昨年、公庫法が一部改正になりました。そのときに、たしか衆議院の段階で附帯決議をつけられて、民間デベロッパーに対して融資があまり多くならないようにというような趣旨の附帯決議がたしかつけられていたと思うんですが、四十六年度、四十七年度で、非常に大ざっぱな分け方ですけれども、公庫の貸し付け実績、総融資額を、個人とか公共とかあるいは民間デベロッパーですね、こういうように分けてみますと、大体どのくらいの比率になりましょうか。
#102
○参考人(浅村廉君) 四十六年度のまず実績を申し上げますと、住宅金融公庫の住宅関係の総融資額が三千四百七億九千四百万という数字でございます。ただいまお尋ねのパーセンテージでございますが、これを三つに分けまして、個人関係の融資が四八%、公共関係の融資が三七%、民間に対する融資が一五%という構成比率でございます。
 次に、四十七年度の状況を申し上げますと、住宅関係の全体の融資額は四千四百三十三億八千四百万円でございまして、これをただいまの三つの分類に従って分けますと、まず個人が五三%、公共に対するものが二七%、民間に対するものが二〇%となっております。
 それから住宅金融公庫は全体の約一割八分ぐらいの資金量を宅地の造成等に回しておりますので、宅地について申し上げますと、四十七年度は、その方面に回しました融資額が全体で八百六十二億円でございます。これを公的の分野と民間に対する分野に分けますと、公的の分野が九九%、民間分野が一%ということになっております。
 以上でございます。
#103
○二宮文造君 それで、結局いまの説明をいただきますと、公共部門が減って、民間がそれにかわっていったと、こういうふうな勘定になりますね。で、特に四十六年は、公共部門が貸し出しの約四〇%を占めておったと。それがいまの御説明では二七%ですか、十三%落ち込んでいるわけですね。それから今度は、民間デペロッパーに対するものが一五%から二〇%に上がっていっていると、こういうかっこうになっているわけです。そこで、四十八年はこの比率が、一体計画の段階ではどうなりましょう。
#104
○参考人(浅村廉君) 住宅につきまして四十八年の計画を申し上げますと、全体の融資ワクが六千四百十七億円でございまして、個人関係が五四%、公共関係が二七%、民間に対するものが一九%、ただいまこのようなパーセンテージで計画を進めたいと考えております。
#105
○二宮文造君 そうしますと、この昨年の衆議院の段階における附帯決議ですね、この趣旨というものは前半は生かされているだろうと思うんです。前半は、「良質かつ低廉な住宅を供給するよう十分監督指導」、これも生かされていると、私あえて申しましょう。ところが、そのあとの「民間デベロッパーに対する貸付枠を安易に拡大し」、これは、この附帯決議の趣旨はあんまり生きてませんね。どうでしょう。
#106
○参考人(浅村廉君) 私どもは、ただいまの附帯決議の趣旨を十分体してやっておりますし、また、今後もその御趣旨に十分従ってやってまいりたいと思っております。
 そこで、この比率の点でございますけれども、公共の融資のパーセンテージが、四十六年度が四十七年度に落ちておる、また、四十八年度も大体そのような率でいくという点は、これは実は私どももたいへん残念なことだと考えております。私どもはできる限り公共の事業を進めてもらいたいのでありまして、この事業の実施の主体は各都道府県、その他大きな市にございます住宅供給公社等でございますが、そちらの事業が伸びれば、私のほうはこのワクはどんどん拡大していきたいという考えを持っておるのでございます。ただ、最近御承知のように、都市圏におきまするこういった公共関係の仕事が非常に進めにくくなっております。あるいは用地の取得難であるとか、あるいはまた、地元の地方公共団体との協議が非常に手間どるとか、いろんな悪条件が出ておりますので、なかなかこれを大幅に伸ばすということができない。そういうような状況のもとで悪戦苦闘しておるわけでございまして、その率が、ここに御説明申し上げました公共に対する率として出ておるわけでございます。
 それから民間の団地分譲等に対するいわゆるデベロッパー融資というのは、別に私どもはこれを今後どんどん伸ばそうという気持ちもございません。一つの妥当な姿でじっくり進めておったらいいんじゃないかと思いますので、まあ数字で申し上げますと、四十七年度の実績二〇%というのが四十八年度では一九%ぐらいのところにとまると、そのようなところでいいんじゃなかろうかと。それから、なお、できれば公共をもっと伸ばしていく。伸ばせば、こういった率が下がりますけれども、私どもの姿勢としては、そういう方向で今後ともやってまいりたいと考えておるわけでございます。
#107
○二宮文造君 いまの説明ですけれどもね、昨年度が二〇%、しかし、ことしは一九%ということになりますけれどもね、総ワクがもう膨大に伸びているわけですね。総ワクが膨大に伸びているということは、融資ワクが伸びているということになるわけです。私どもは、むしろ個人の融資ワクですね、これをもっとふやすべきではないかと、それが一番いま国民の期待し、また要望する線に一番沿うのじゃないかと、こういう考え方を持っているわけです。たとえば、ことし、いま提案されておりますが、木造で百五十万、この限度額、これはことしは二百五十万に増額をする、だから大改正だと、百万円もふえるのだというふうな考え方でいらっしゃるけれども、これは地価の高騰でしょう、それから昨年からのいわゆる建築費の値上がりですね、それから大工の手間賃のアップ、そういうものを考えますと、この二百五十万円という金額が、はたしてこれが国民が期待する国の融資になるのかということを私、非常に感じるわけです。たとえば、試みにお伺いしたいんですが、いま個人が土地を買って、そして家を建てる場合、総額一体どの程度かかりますか。たとえば東京なら東京でいいです。東京周辺でもけっこうです。そこで一ぺん試算していただきましょうか。幾らかかりますか。
#108
○政府委員(沢田光英君) 大体建てる建物を八十平米程度と考えます。公庫の貸し付けが大体そのくらいを限度といたしておりますので、八十平米程度といたします。これに対しまして東京でございますと、大体、平米当たり五万五千円近くかかるだろう。したがいまして、建物につきましては四百四十万、そういう数字になる。これが建物でございます。問題は土地でございまして、東京周辺四十キロの中でとってみますと、たとえば川越などに例をとってみますと、平米当たり四方でございますから、坪当たりにしますと十三万程度になろうかと思いますが、かようなもので、一戸当たり百六十平米。これを試算いたしてみますと、六百四十万でございます。したがいまして、合わせまして千八十万というふうなかっこうになります。したがいまして、東京でございますると、大体一千万前後はかかるというのが、木造の、戸建ての場合の計算でございます。
#109
○二宮文造君 そうでしょうか、土地がそんなに安く買えましょうか。その土地の五万五千円というのは、何から出された五万五千円ですか。
#110
○政府委員(沢田光英君) いま、私、平米四万円と申し上げましたので……。
#111
○二宮文造君 平米四万円ですか。ごめんなさい。
#112
○政府委員(沢田光英君) したがいまして、坪当たりで十二、三万になるだろうと、こう申し上げましたので、まあ川越付近でございますと、さがせばこのぐらいのものがあるだろうと、さがせばということでございます。土地につきましては、位置によって大いに違います。したがいまして、少なくとも、そのくらいはかかるだろうという試算をしたわけでございます。
#113
○二宮文造君 これ、調べてもらったんですがね、川越あたりで公示価格が四万八千円するらしいんですね、平米が。ただ、現在公示価格以下で土地を売るのは国ぐらいなんです。国は公示価格よりはるかに安く第一勧銀なんかに売っておりますけれども、民間ではまず二割、三割アップというのは常識なんです。したがいまして、いまのようなお話で八十平米の建物を建てる、土地を大体五十坪、百六十平米の土地を求めて、八十平米の家を建てますと、一千万じゃできません。これはもうたいへんな金額です。そこで今度は、大体家を建てようという世帯が建築資金としていまどれぐらい――準備をしている平均貯蓄額といいますか、家を建てるためにどれぐらい準備されているか、これを平均的にどうおつかみになっています。
#114
○政府委員(沢田光英君) 総理府の調査によります四十六年の貯蓄動向調査によりますと、その中でいろいろ項目がございますけれども、三年以内に住宅を建てようという予定のある方の世帯の平均貯蓄は三百二十一万八千円という数字が出ております。また三百二十一万八千円というのは相当な額でございますが、統計的にはかようなことで私どもはつかんでおります。
#115
○二宮文造君 そうしますと、公庫からかりに二百五十万借ります、それから手持ちが、目一ぱいに見て三百二十万ある。合わせて約六百万。千二、三百万円もかかるとしますと、その差額はやはり民間ローンを借りなければなりませんね。そうしなければ家が建たない。まあ話によりますと、何か厚生年金の還元融資も受けられると。この場合は大体二十年以上ですか、厚生年金をかけている人は、いま案の段階ですけれども、二百五十万ぐらい借りられるのじゃないかと。その場合の利率が六・五%ですか、案外低率な利率で還元融資を受けられる。としましても、二百五十万プラス二百五十万、それに貯金の三百二十万。今度はその足らず分を民間ローンで借りる、それで建てたとします。建てた場合に、初回の償還金額というのは月にどれくらいになります。
#116
○政府委員(沢田光英君) 多少幅がございますけれども、いまの金額でいきますと、東京でございますと、五万円から六万円の間、その程度だと思います。
#117
○二宮文造君 もう一けた違うのじゃないでしょうか。七万円から八万円の間にならぬでしょうか。といいますのは、試算をしていただいた場合、試算をしたもとは九百万円の場合、九百万円の場合に五万八百円、それから千八十万円の場合は六万七千円。おそらく千八十万円以内にはおさまりません。むしろ千二百万ないし三百万という、そういう総ワクになりはしませんか。
#118
○政府委員(沢田光英君) 私は、私のお答えで一千万円前後と申し上げましたもので、それをはさんで申し上げたわけでございますが、正確に申しますと、先生がおっしゃるように五万八百円から六万七千円というふうな数字でございまして、先生のおっしゃるように、その額がさらに多くなりますればそれ以上になるということでございます。
#119
○二宮文造君 私なぜこういう議論をするかといいますと、公庫の貸し出しの限度額というのがあまりにも少ないのじゃないか、これでは全く魅力がないじゃないかということを問題にしたいので遠回りに議論を進めたわけですけれどもね。
 そこで、いろいろ問題があります。たとえば、ここに資料もいただきましたけれども、その資料を見てわからないのですが、ちょっと私もしろうとで説明いただきたいのですが、実行融資率というのをはじいていらっしゃいますね、実行融資率、これはどう考えればいいのでしょうか。もうちょっと補足しますと、いただきました資料で四番に「法定融資率と実行融資率」と、こういうことで資料をいただいております。その「貸付種別」「個人住宅」、そこですが、法定融資率は八〇%――上の「木造」を見ます。それで実行融資率が四十五年度は七五、四十六年は七五、四十七年は八〇%と、こういう実行融資率というのが出ておりますが、この法定融資率、実行融資率という語句の解釈のしかたですね、これを教えていただきたいのです。
#120
○参考人(浅村廉君) たいへんややこしいことをいたしておりまして申しわけございませんが、私どもの仕事は住宅金融公庫法によって非常にこまかく規定をされております。融資率も、ここにありますように法定されておりまして、これは最高限度をここにするという法律の規定になっております。したがいまして、私どもは予算の実勢等を勘案いたしまして、実際に融資をいたします場合には、私どもでできるだけ高いところに押えますけれども、法定よりは少し下がった率で融資をするというようなことを普通やっております。
 以上でございます。
#121
○二宮文造君 そこで、四十八年度の標準建設費、これはどのようにはじいていらっしゃるか。建築資材の値上がり、これをどのように加味されて四十八年度の標準建設費というものを出されていくのか、この辺を御説明願いたいと思います。
#122
○参考人(浅村廉君) 私どもは住宅の構造別に、また、その住宅が配置されます地域別に標準建設費というものを毎年きめておるわけでございまして、これはまず住宅の構造で申しますと、木造の場合、あるいはプレハブの場合、あるいは簡易耐火の場合、あるいは耐火の場合といったように構造別に分けております。また、地域は北海道と内地というふうに分け、また、内地も地域を数種類に分けまして、それぞれ標準建設費というものをきめておるわけでございます。
 たいへんこまかい表でございますので、全部を読み上げますとたいへんでございますので、一、二拾いまして……。
#123
○二宮文造君 木造だけ。
#124
○参考人(浅村廉君) 木造についてお答え申し上げますと、まず内地の場合、四種類の単価がきめてございます。一番高いところ、これは特に三大都市圏の非常に市街化された住宅建設に一番金のかかるところを特別地域ということであらわしておりまして、これが平米当たりで三万九千百円、以下だんだん格差を設けまして、甲、乙、丙地域とございますが、甲地域では三万五千百円、乙地域では三万九百円、丙地域では二万九千四百円、かようになっております。これは毎年予算折衝のときにいろいろお打ち合わせいたしまして、物価の値上がり等を一応勘案をいたしまして次の年度にものをきめております。たとえば特別地域の三万九千百円ですと、昨年に比べまして三三・四%アップされておる。それから甲地域の三万五千百円は約二〇%アップされておる。以下、乙地域三万九百円も約二〇%、丙地域内で二〇%と、かようなことで標準建設費というものをきめさしております。
#125
○二宮文造君 標準建設費というのは何ですか。たとえば先ほど住宅局長に、東京周辺で家を建てるとしたら幾らかかりますかとお伺いしたら、簡単に十八万円というのが出てきました、坪当たり。いま総裁は、いや二〇%アップしました、あるいは三三%アップしたしたと、こうおっしゃっても、たとえば四十八年度の乙地域の標準建設費、平米当たり三万九百円を坪当たりに換算しますと、十万一千九百七十円にしかならないわけです。ところが、現実にこの乙地域に該当する地方で聞いてみますと、十八万円でもむずかしいと、こう言われておるわけですね。そうしますと、二百五十万円という額一これは昨年に比べると百万円アップしたと、こうはおっしゃいましても、その間の建築費の値上がり等を含めれば何にもならない、値上がりに吸収されてしまう。むしろ、個人の負担は、昨年度の建築費よりも個人の負担割合が多くなってくるんじゃないか、値上がりしたとはいいながら。これは看板に偽りありと言わなきゃならぬじゃないかと、こう思うんですが、この辺は、いわゆる国民に親切に法の趣旨というものを理解させるためには、こんなややこしい標準建設費の八〇%なんというような、おためごかしな誇大広告をしないで、実際の単価というものから、それに対して何%お貸しいたしましょうと、下がってもいいじゃありませんか。パーセントが下がっても、実際の金額は変わりがないわけです。ところが、国のこういう場所で説明されるときは、標準建設費の八〇%お貸しいたします。それを聞いた国民は、国会というのは何を審議しているんだ、もう休み休みそんな閑な論議はやってもらいたい、われわれは幾ら貸してもらえるか、これが問題なんだと。しかも、それが建設費の半額にも足りないようなものではどうしようもない。こういういわば法のもてあそびといいますか、これは失礼な言い方かもしれませんけれども、国民から見ればことばのもて遊びになる、数字の魔術になる、こういうのはほんとうに親切な行政という立場からいえば、こういう表現のしかたは改めるべきではないか。中身を改めるのももちろん大事です。ですが、表現を改めるということは、いま国民と直結するためには一番大事な行政の姿勢ではないかと思うのですがね。これは大臣どうでしょう。
#126
○国務大臣(金丸信君) 貸し付け限度の問題につきましては、実は私どもも十二月二十二日に大臣に就任いたしまして、そのときにはほとんど予算がコンクリートされておったという状況であります。しかし、大臣折衝のとき、二百五十万なんていう程度の金は焼け石に水だと、こういうことを申し上げた。私はきょうここで居直ろうという考え方を持たないけれども、このような状況で、金融措置をされたのでは、借りてみても実際は何にもならない。ぜひ四百万とか五百万とか、そういう金を出してもらわなければこの住宅政策にマッチしないと、こういうことを申し上げました。なお、いまの行政の指導方針につきましては、まことに、確かに実質が伴わないようなことを、針小棒大な、それもことばが過ぎるかもしれませんが、誇大広告のようなことをやったのでは、これは国民に申しわけないと思います。そういう面は十分是正してまいりたい、こう考えます。
#127
○二宮文造君 ほんとうに親切な行政の姿勢ということにおいては一お役所関係はよくわかりましょう、お役所関係はなれておりますから。ですけれども、国民はすぐそろばんはじいて、八〇%というと、何も知らない国民はそれに取っついてしまうわけですね。こういうようなことは改める姿勢に変えていただきたい、こうお願いをしたい。
 それから標準建設費ですがね、私こういう戦前からの表をもらっておりますけれども、昭和四十五年では指数が、昭和十三年に比べて一万四千二百十六、こういう指数になっております。木造の建築費の価格の推移の指数ですね。十三年に比べて一万四千二百十六。そうして、四十七年の三月は十三万五千四百三十七という指数が出ております。割ってみますと、九・六倍です。今度は公庫のほうの標準建設費の推移表を見ますと、これは一番最初、昭和二十五年六月二十日に公示された分には、乙地域で坪当たり一万七千円、それがいまお伺いしたところによりますと、平米当たり三万九百円、乙地域ですよ。そうしますと十万一千九百七十円、これが倍率はそんなに上がっていませんね。ですから、公庫の発足の当時は標準建設費というものは実勢にやや近かった。それが値上がりするごとに、また個人が住宅を建てようという要請か強くなるごとに、だんだん実勢と標準建設費との間の差が開いてきた、こうなってくると思うのです。これもやっぱり姿勢としては、何のために総理府が指数をとっているのか、その指数に合わしていくのが行政のやり方ではないか。だから、単に予算に縛られるとか、何とかではなしに、いわゆる国民の要望というものが、いま一番何を望んでいるか、その国民の要望にマッチしていくのが政治の基本的な姿勢にならなければならぬ、こう思います。この標準建設費、これの考え方というものは、もっと地についたものにしていただかなければならぬと思います。これはひとつ来年度からどのように姿勢を改めていただけますか、私ども興味を持って見守りたい、こう思っております。
 それから、さらに国民はこう単純に理解しているのです。去年は百五十万だった、ことしは二百五十万だ、八十平米ぐらい建てると二百五十万借りられると、こう考えているのですが、おっとどっこい、実際に借りに行きますと、先ほど言いましたように、地域別の分類表をつくりまして、特別地域だとか、あるいは甲地域、乙地域、丙地域と、そうして、それをこまかく行政区画に合わしてこういう別表をおつくりになっています。なぜこういうふうな差をつけなければならないのか。二百五十万、これも先ほどから何度も言いますように、建設費にとうてい足りないような半額以下の融資しかできないわけでしょう。それに対して、なおかつ、地域によって差をつけていく、こういう考え方は今日の事情にマッチするでしょうか、こういう地域別の差をつけるということは。総裁どうでしょう。
#128
○参考人(浅村廉君) 私どもは創立以来ずっと個人住宅の融資につきましては、こういった地域区分をやりまして、額を若干変えて融資をいたしております。まあ、その区分のしかたも、ただいま申し上げましたように、特別甲地域とか、甲乙丙地域とかいろいろ分かれておりますが、これも一番高くかかると私どもが見ておるのを特別甲地域ということに今度いたしまして、これはまあ大都市圏で住宅の建築需要がたいへん多いと、資材、労務が非常に高くなって建築が苦しいというようなところを特に選んでおるわけでございます。一応こまかい表がございまして、それぞれ格差をつけておりますが、これも常にやはり実情を調べて是正すべきものは是正しながらいきませんと、せっかくの融資が生きてまいりませんので、私どもは若干ずつこれを毎年修正してやっております。まあ、ただいま御指摘がございました点、もう少し簡単にしたらどうかということにも通じると思いますが、私どもも常にそういうことは前向きで研究をすべきであると考えております。なお今後とも十分こういうものの扱いにつきましては、調査、研究をいたしまして、できるだけよい形のものに持っていきたいと考えております。
#129
○二宮文造君 特別地域を設定された、これはけっこうなことです。これはもう特別地域、東京ですね、ここはもうたいへんに建設費が高くなる、だから特別地域を設定することはけっこう。しかし私はこの別表を見ましてね、非常に矛盾を感ずるんです。たとえば神奈川県全体は甲地域ですね。神奈川県全部が甲地域。だから、それに接続している熱海市は甲地域。ところが、ことしはどうなっておりますか、静岡は今度甲地域になりましたね、静岡、清水。昨年は、これは乙地域だったわけです。神奈川県全体が甲地域。で、今度、私の住んでおります四国のことを考えますと、高松市、徳島市あるいは松山市、高知市は、これは乙地域です。いわゆる神奈川県の山の中よりも高松のほうが建設費が安いと、こういう公庫の判断ですね、乙地域ですから。しかも、高松にしても松山にしても徳島にしても高知にしても、それぞれの県は過疎地域ですけれども、この都市は全部集中しております。県は過疎地域。ところが、この県庁所在地の四市は、これはもう毎年人口が流入してふえております。そして市街地だけではまかなえませんで、周辺地区に住宅がどんどんどんどん建っております。高松市から一歩出ますと丙地域です。それで、建てるのは、高松に通勤し、あるいは高松にいま住んでいる人間が、その一歩出た市街地に建てるわけですよ。こういうことを考えてみますと、私、特別地域をつくったことには賛成なんです。ですが、あとは、その特別地域に該当しない地区は全部同一にすべきだと思うんです。北海道は除きましょう。なぜそういう疑問が出てくるかといいますと、個人の住宅についてはそういう地域差をおつけになっておりますが、今度は小学校――よろしいですか、小学校及び中学校の建設単価表、これをお出しになっています、おたくのほうで、こういう資料をね。この場合は、ここもA地区、B地区、C地区、D地区と、こう格差をつけておりますが、A地区には北海道、富山、新潟、石川、福井と、これをA地区にあげて、単価は一番高い単価を適用しております。おそらくこれは積雪寒冷地だということでこうされたんだと思います。すると公共建物は積雪寒冷地だからこういうふうに格上げをした。ところが個人のほうを見ますと、石川県も、それから金沢市もおそらく――これは昨年は石川県では金沢、小松が乙地域です。それ以外は全部丙です。富山県にしましても富山、高岡だけが乙地域であとは丙です。公共建物はA地域として一番上げておいて、個人の場合は下げる。これは、この個人に適用する地域表というのは非常に私は矛盾がある。だからこれはおそらく、いまからでもお変えになってもいいんじゃないでしょうか。実施細則ですよ。特別地域は残す、これはけっこうです。しかし、その他の地域については一律にするというぐらいのことにしなければ、こういう地域格差はもう現在の状況には当てはまらないと思うんですが、これはどっち側に聞いたらいいのでしょう、やっぱり建設省に聞かなきゃ結論が出ないんでしょうか。
#130
○参考人(浅村廉君) 私がお答えします。
 ただいまの地域格差の問題は、実は私どももこれは十分検討をすべき問題であるということを常々意識いたしております。ただこれをやはりこういうふうにきめこまかく運営をいたしておりまして長年やってまいっておりますので、これを一挙に撤廃するというわけにはなかなかまいりません。ただ、この格差が不公平でないように持っていきたいということで、おっしゃいましたように、いままでそうでなかったところがどんどん市街化するというようなことが至るところに行なわれておりますので、そういう場合にはできるだけ一つ上のランクにそれを持ち上げるということを毎年私どもは、やはりこれは予算の全体のワクと財源との関係もございますけれども、できるだけ前向きにやっておるわけでございます。
 それから公共の建物についての格差がないのに……。
#131
○二宮文造君 格差があるんですよ、公共住宅。
#132
○参考人(浅村廉君) 個人住宅についてどうかというお話がございましたが、実は個人住宅は、防寒的な構造を特にしなければならないというようなことを法律で規定されております北海道につきましては従来から少し高目にきめておりますが、北海道以外は別にそういう制約もございません。私どもは普通の住宅をお建てになるということで計算をしまして、そして労務、資材等いろいろ需給の関係等を考慮いたしました結果、このような地域配分、地域の分け方で格差を設けておるわけでございます。今年度はこういうことで一応私どもはすべり出しておりますのですが、これは私も実は内部でも申していることでございまして、もう少しこれはきめをこまかくと申しますか、大規模にこれを調査して、来年度の予算要求のときには少し変わった形で要求をさしていただきたいというふうに私は考えております。
#133
○二宮文造君 公庫の総裁はあくまでもこれにこだわって、いままでやってきたから一ぺんにはずすわけにはいかないというふうなあれですが、やっぱり指導される建設省とすれば、もう現況が矛盾にあふれたような地域配分になっているわけですね。ですから、私は自説にこだわりませんけれども、なるほど北海道、それからまた東京都、まあ、その周辺も含みますか、そういうところは人件費から何から一切高い、また特別のものも北海道あたりはしなければいかぬ。これは特別地域として残していいじゃありませんか。それからいま総裁は、積雪寒冷地の公共の建物には防寒施設等を法律で要求しているけれども、個人住宅については要求してないから地域の格差はつけてあるんだというような発言ですけれども、住環境からいえば、積雪寒冷地に住んでいる人が家を建てるときには、当然そういう防寒というのは考えてやるべきなんです。法律が要求してないから地域を落としてますというような考え方は、これもきめのこまかな行政とは言えません。要望あるいは現状というものにマッチするような指導を行政というのはしていくべきじゃないでしょうか。そういうことを考えますと、この表そのものが非常に矛盾がある。今年はこれですべり出した、ですから事務的にも無理かもわかりませんけれども、来年度からは、この別表を廃止する、むしろ北海道とそれからそういう特殊な地域ですね、そこと二本立てにする、これぐらいの改正にしませんと、これは平等なあるいは公平な行政という趣旨に欠けてくるようになる、私こう思うのですが、大臣、どうでしょう。
#134
○国務大臣(金丸信君) ひとつ研究さしていただきたいと思います。
#135
○二宮文造君 大臣は研究さしていただくという御発言。住宅局長、何か案がありますか、行政的に。
#136
○政府委員(沢田光英君) 事務的に申しまして、いままでいろいろ簡素化をはかってまいりましたが、いまだにやはり公庫の事務はいろいろ複雑であるという御批判があります。さらには、いま御主張のように、額が少ないのにいろいろとこまかく分けて、しかも、その中に御指摘のような点がある、こういうことでございます。もちろん私どもは、この額に決して満足しておるわけでございませんで、額を大幅に拡大するということをまず念頭に置きますが、そうかといいまして、いまのそれを配る仕組み、これも簡素化をする必要があるだろうと考えております。聞きますと、実態調査によりまして地域のそれぞれの分け方をきめておるということでございますけれども、さらに御指摘のような点がございますので、本年度すでにこれで出ようとしておりますが、できるだけのことは検討いたしますし、今後におきましても、簡素化については十分検討してまいりたいと思っております。
#137
○二宮文造君 そうしますと、現在の公庫の考え方でいきますと、甲地域が二百五十万円ですか、限度額が。北海道、特別地域、甲地域、乙地域、丙地域と、それぞれの地域における貸し付けの限度額を、予定しているものをちょっとお知らせ願いたいと思います。
#138
○参考人(浅村廉君) まず木造住宅で申し上げます。北海道はあとにいたしまして内地を申し上げますと、ただいま申しました特別甲地域というのを設定いたしまして、特別甲地域は八十平米以上のものが二百五十万円でございます。それからだんだん平米が下がりまして七十平米から八十平米までが……。
#139
○二宮文造君 最高限度額でいいです。
#140
○参考人(浅村廉君) じゃ、ただいまの八十平米以上二百五十万、これが最高でございます。これが特別地域でございます。それから次の甲地域は八十平米以上が二百二十万、それから乙、丙地域は百八十万、このようなことになっております。
#141
○二宮文造君 大臣御承知だろうと思いますが、国民がいま新聞等で説明されているのは、二百五十万だけが説明されているわけです。それが、いま聞きますと、乙、丙地域は百八十万が限度額、そうして先ほど住宅局長は、東京都周辺で木造が十八万と、こうおっしゃっていますけれども、地方でも木造坪当たり十八万はもうできかねている金額になります。そういう建築費の値上がりの中で、こんなに二百五十万二百五十万と宣伝しておきながら、実際には百十八万円しか貸さないというような、こんな何か隠しているような説明のしかたというのはまずいんじゃないでしょうか。特に住宅局の予算の説明資料の中でもはっきりとこう書いてありますよ。住宅金融公庫の部門で、「勤労者の持家建設の促進を図るため、」「大都市地域」と断っています。「大都市地域」と断って「木造二百五十万円。」、私これを見落とした。「一戸当りの貸付金額を次のとおり引き上げる。(前年度百五十万円)木造二百五十万円。」、百万円も上がった、二百五十万円入ると、こうなるんですね。ところが実際には百八十万円しか入らない。これは先ほどの別表に関係する問題ですけれども、これはやっぱり戸数消化というのは、数字の上で戸数消化があらわれることが住宅問題の解決じゃないんです。行政の立場からいけば数字でいいでしょう。国民の立場からいうと、実際に自分が家を持ったかどうか、これが住宅問題の解決ですね。やっぱりその観点の違いがあると思うのです。ですから、行政というのは、もういつも同じ意見に返りますけれども、こういうような国民に錯覚を起こさすような表現はやめるべきだ。かりにこれを二百五十万にして、戸数が減ってもいいじゃありませんか。予算はまあ限度がある。それで二百五十万借りられた、それだけ国民は喜びますよ。こういうあり方に変えていただきたい。大臣も研究すると言われた、また局長も、実態調査に基づいているけれども、繁雑だと、だから改める方向に進めたいということですから、事務的にあわせて明年度からでもこの辺の矛盾を改正するように格段の努力をお願いしたいと思うわけです。もう一ぺん局長答弁願います。
#142
○政府委員(沢田光英君) いまの各種のそういうものの表現につきましても、私どもは、ただいま先生おっしゃった私どもの予算につきましても、「大都市」と書いてございますが、片や限度という字が抜けております。したがいまして正確に言うと、二百五十万というのは限度でございますから、そういう点は正確に皆さんに知ってもらうように、私ども予算でいろいろやりました直後にそういうものをつくりますもので、えてしてそういうことの配慮が抜けがちでございますが、今後ともそういうことには注意していきたいと思います。
 それから標準建設費につきましては、これは簡素化をはかりたいと思います。検討を進めたいと思います。
 もう一つ大きな問題は、実はこの額の問題で、先生さっきからもずっと御指摘になってございますが、これはほんとうのしんでございまして、公庫はそもそも初めは大体それで家が建ったわけでございます。したがいまして標準建設費の制度もその当時はそれでよかったわけでございます。その時代にまた戻るという努力をこの一、二年続けてきたわけでございますが、これをほんとうにまた今後一、二年で達成したいというのが私どもの望みでございます。片や宅地が上がり建設費が上がりますので、非常に追いつきませんで、現状では、公庫が当然目標にすべき持ち家政策の中心でございますいわゆる三分位が中心で、二分位から四分位に多少わたると、こういう目的が、先ほどの計算でございますと、むしろ四分位のほうになっていっている、これでは政策目標が違ってきておるという点もございます。したがいまして私どもはそういう点真摯に考えまして、額を充実する――まあ戸数をどういうふうにするかという五カ年計画の問題もございますが、額を充実するということを第一義的に置きまして、あわせて標準建設費の問題も考えたいと思います。
#143
○二宮文造君 それから、これも私はこういうふうな表示のしかたははたして適切かどうか、まあ、その住宅政策というものが今後抜本的に変わることを期待しながら申し上げるわけですけれども、たとえば公庫の施策住宅といいますか融資住宅を、たとえば二十八万戸なら二十八万戸と、こう表示していますね。しかし、これ、実際には二十八万じゃないんですよ。その中には五万戸程度改良住宅が入っているんですよ、住宅の改良。いいですか、融資額が十万円から五十万円、去年までは。融資額が十万円から五十万円のお金を借りて住宅の一部を改良した、それまで一戸として計算して、いや公庫の実績は年間二十八万戸でございますと。しかし、ふたをあけてみますと、五万戸は建ったんじゃないんですよ。やりかえただけなんです。しかも、それが五カ年計画の九百五十万戸の中に一戸として入っているわけです、公庫の住宅として。こういうふうな数字のつくり方がはたして行政として適切かどうか、これも私は大いに問題だと思うのです。だから、役所側がこのように数字にこだわっていく限りは、住宅問題というのは絶対解決しない。数字よりもむしろ実態に目を移しかえて、それから政策を積み上げていくというような観点の変え方ですね、それをやらなければ住宅問題というのは解決しないんじゃないかと思うのですが、これはこまかいことですから、局長どうでしょう。
#144
○政府委員(沢田光英君) 御説のお話は十分私も理解するわけでございますが、いまの状態から申しますと質も量もと、こういう時代だろうと思っております。したがいまして、そのときに限られた範囲内でとれば、どちらから先にとるかという議論でございますれば、いま御議論のようなことが出てくると思います。私どもも、もちろん限られた金でそれを五万戸程度の改良等に回すというふうなこと、これはまあこまかい理屈を言いますればいろいろございますけれども、国民の側から言えば、おそらく共感を呼ばない理屈のように思います。したがいまして、私どもは主張といたしましては、質も上げる、したがって金額もふえる、量も上げたい、したがって金額もふえる、この住宅の対策に対しまして大量の資金、これの導入をはかって、この問題に対処をするという基本的な態度に立ちたいというふうに思っております。
#145
○二宮文造君 ひとつ大事な問題ですから、国の住宅政策あるいは住宅の行政というものがどういう方向に進んでいるか、むしろ実態を国民に知らすほうが国民の共感を呼びましょうし、世論も盛り上げていきましょうし、しいては予算獲得にも非常に強いてこになるんじゃないか、むしろ、つくられた数字で現状を糊塗していますから、したがって国民のほうからも、うらみこそあれ、あまりあと押しがないというようなことになるんじゃないか、こう思います。したがって、この数字のつくり方等についても、私はやはり国民に理解できるようなつくり方をするし、あわせて実態をそれに伴わすように、改善の方向に進めていただきたい。
 それから、これもまたこまかい条文のことですけれどもね、現行の規定では「住宅の建設費又は土地若しくは借地権の価格の八割に相当する金額」と、こういうふうに表現されていますね。今度の改正では「住宅の建設費及び土地又は借地権の価額の八割に相当する金額」と、こういうふうに、「又」を「及び」に変えるというような提案になっておりますが、これは深い意味があるんでしょうか。単なるごろの問題でしょうか。
#146
○政府委員(沢田光英君) 深い意味はございませんで、私も法律的にはよくわかりませんけれども、同意義だそうでございます。さらに御質問がございますれば、説明員に説明さしたいと思います。
#147
○二宮文造君 私は深い意味を持ってもらいたかったわけです。といいますのは、民間のデベロッパーには宅造の融資までやっていくわけでしょう。そうして、そのワクを拡大しないようにとは言いながらも、ことしもまた金額においては相当数上がるわけですね。ところが、個人の場合は、土地に対する融資はもう区画整理事業以外にはないわけです。ですから、こういうふうに「又」を「及び」に変えたということは、住宅と土地とを関連させて、「住宅の建設費又は」となりますと切れちゃうけれども、「住宅の建設費及び土地」と、もう土地と住宅とは一体なんだということで、将来融資のワクを開くためにそういう配慮をもって字句の訂正をされたんではないか。そうあってほしいなあと思って質問したのですが、これは実はそこまでこまかくお考えいただいてないようなん
 で残念なんですが、土地の融資の問題はどうします。
#148
○政府委員(沢田光英君) 公庫は、以前は土地に関しましても建物と同時に融資をしておりました。したがいまして、その当時の条文からそうなっていた、前の条文になっていたわけでございますが、いまの土地融資に関しましてどういうふうに考えるかという点でございますが、私はやはり国民が家を持つために必要なお金は、これは十分融資すべきであると思います。したがいまして、いまの情勢から言いますと、当然建物だけでいいという理屈はどこからも出てまいりません。ただ、現在は財政的な理由によりまして建物のところにまでしかいっていない、とまっております。もちろん、土地につきましても区画整理その他のものにつきましては、全体の中の十数%は一応お貸しをしております。しかし全般的にそういう制度はとられていない、これは途中からそうなったわけでございます。しかし、実際は一千万からかかるものでございますから、その中は一体幾ら貸せばいいのか、こういうことでございますが、私どもは今度の予算で、最小限、当時はまあ八百万程度と見ておりましたけれども、半分はとにかく公庫融資でいきたい、さようにいたしますと、先ほどの貯蓄の問題とからめまして、一応二百万程度の勤労者がその二五%か何かの負担率の中で割賦を支払えるという条件がやっと出てくると、かようなことでございます。したがいまして、そのときには当然土地の問題も入れておりました。しかし、結果はかようなことになりましたので、私どもは土地の問題を含めまして、それをこえて額をとにかく大きくふくらます、もちろん大きくふくらましますれば土地の問題も入ってくる、こういうことで今後の、この予算あるいは計画に対処をしていきたいと考えております。
#149
○二宮文造君 額も問題ですけれども、額を取るには、やはり土地というものをひっつけたほうが額は取りやすいんじゃないですか。お話によれば、今年度も、まあ建設大臣も四十八年度の予算要求には、その土地に対して百五十万ですか、これを要求したと、ところが予算の都合で削られたということで、建設省自体の努力のあとというものは私どもも了解するんですが、四十九年度はどういう姿勢で取っ組みますか。
#150
○政府委員(沢田光英君) 用地も含めまして額の問題を、先ほど言った以上に要求したいと現在は私は考えております。
#151
○二宮文造君 その場合、土地というものを、用地というものを明確に出しますか。額だけに限りますか。用地も融資の対象にこの予算要求をする、そうしてそれを獲得する、こういう姿勢で進まれましょうか。
#152
○政府委員(沢田光英君) まだ先の話でございますけれども、私の心境は、土地というものをやはりあげて要求をしたいと思います。
#153
○二宮文造君 それから金利の問題です。〇・三%下がりまして五・二%になった、これはけっこうなことです。努力のあとを了としますけれども、ここでまた不公平が出てくるわけですね。すでに契約されたものは一体どうなるんでしょうか。五・五%、そこに〇・三%、ぎりぎり一ぱい、ついこの間ということは表現がいいかどうかわかりませんけれども、ついこの間としましょうか、ついこの間借りた人はもう建設費も上がっていますし、それで借りた金額は少ない、しかし利率は五・五%だ、今度借りる人は五・二%だと、こういう矛盾が出てきますけれども、この点についてはどうなりますか。
#154
○参考人(浅村廉君) 私どもといたしましては、いろいろな考え方がございますけれども、今年度の貸し付けを受けられる方からこの低い金利で運用させていただきたいと思います。いろいろとさかのぼってというようなことを考えますと、たいへん問題が複雑になりますし、自分のほうの都合ばかり申し上げて恐縮でございますけれども、私ども相当に全国の金融機関を窓口にして業務を委託しておりますし、で、いろいろこまかいことをやらしております。あまりむずかしいことになりますと、かえって混乱をいたしますし、まあ私どもとしては、いままでお借りになった方はその金利でひとつやっていただく、これからお貸しをするものについてはこの新しい金利でやらせていただく、このようにぜひやらせていただきたいと思います。
#155
○二宮文造君 どうも私は総裁の説明のしかたが気に入らないんですね。五・五%だったものが今度は五・二%になったと。だけれども、事務的にめんどうだから、全国の金融機関に委託しているから、事務的にめんどうだから、前の人は五・五%でお願いする、これが政治のあり方でしょうか。事務的にどんなにめんどうであっても、国民が喜ぶことならやるべきじゃないでしょうか。そういう姿勢で公庫の貸し付け業務なり何かをやられると、これはほんとうに国民の側とすれば言いたいことがたくさん出てくると思うんです。もっとほかの理由をつけて説明されるかと思ったら、事務がめんどうだから五・五%でお願いする、これは姿勢じゃありません。
#156
○参考人(浅村廉君) ただいま少しことばが悪かったと思います。私どもただそういうことだけで申し上げておるつもりはないんでございますが、どの時点からこれを適用をするか、これはいろいろな考え方があろうかと思います。まあ私どもはいろいろ考えました結果、やはりこの問題は新しい貸し付けから適用させていただくということが非常に、何と申しますか、まあ要らざる紛糾を起こすこともないし、こういうことで新しくやらしていただいたほうがすっきりするということで、こういうふうにやらせていただきたいということを考えておるわけでございます。
#157
○政府委員(沢田光英君) 私どもは先生のおっしゃるようなことも当時から十分考えました。しかし、結果は、いま総裁の申し上げたようなことでやらせていただくということにきめました。きめました理由は、いろいろな財政上の問題もございますが、しかし、やはりすでにお借りになりまして、すでに割賦ももうお払いになっておる方、そういう方は先発をしておられまして、その条件である程度つらくても覚悟されてやっておられると。そういうことで、手が回ればそこまで回したほうがいいんでございますけれども、さらに、新たにこれからやられる方は単価も上がりますし、いろいろつらい事情もございますから、そちらの方を優先するという意味でがまんをしていただく、かような意味で私どもはその問題を割り切ったわけでございます。
#158
○二宮文造君 まあ、それはそういう理屈も成り立つかもわかりませんけれどもね。同じように国から融資を受ける、一方は早くやったから五・五、一方はおそくなって五・二、これではどうもその辺に不公平が出てくるのではないか。こまかい理屈をつけますと、さっきのような話になりますけれども、それでは去年の十月ごろに着工した人はどうなるか、これはたいへんなものです。ですから、これはやはりある一定のあれで、その融資を受けた者についてもこういう救済措置を考えられることも必要ではないかと思うのです。〇・三ですから、たいした金額にはならないと思います。
 それから、もう一つ、償還期限の問題ですけれども、現行法では木造十八年ですね、償還期限。ところが、年金福祉事業団の厚生年金の還元融資、これは木造の場合にはたしか二十五年と、こういうように考えられているように私聞いております。なぜこの償還期限を問題にするかといいますと、先ほども言いましたように、融資の金額が少ないでしょう。手持ちの金も少ない。結局民間からローンをしなければならない。せっかく家を建てても、毎月償還しなければなりませんね。それがばく大な金額になるわけです。せめて償還期限を延ばせば、それだけ公庫分についても毎月の償還額の元利、これは利子は少しふえますけれども、元利の面で変わってくるのじゃないか。だから、厚生年金の還元融資が二十五年と、こう規定できるのなら、同じように、国の融資なんですから、公庫の場合もそれに近づけるような努力をされるべきではないか、こう思うのですが、この点はどうですか。
#159
○政府委員(沢田光英君) 私ども率直に申し上げまして、この個人の木造あたりの十八年は、変えるということはいままであまり考えておりませんでした。先生おっしゃいますように、厚生年金が二十五年ということでございますので、そういう問題が出てくるわけでございますが、考えなかった裏には、実は私ども償還金を減らす方法といたしまして一番大きく考えておりましたのは、いわゆる元利均等償還の問題でございます。償還期限を七年くらい延ばすよりも、いまの個人の戸建てのほうのものは元金均等でございますから、最初ものすごく高い、あとではもちろん安くなりますが、それを元利均等にすることによって相当程度の大きな減をやるということでございまして、そこに主眼を置きましていろいろ予算要求もしましたし、まあ、それは達成できませんでしたけれども、今後もこれだというふうに思っておりましたもので、そういう点につきましては、それのほうがいまでも優先するというふうに感じておるので、さような感じを持っておる次第でございます。
#160
○二宮文造君 要するに、家を建てた、それに対していろいろな融資を受ける、償還していかなければなりませんからね、その辺が非常に、生活を脅かさない程度にその償還の金額というものをセットしませんと、幾らかね太鼓ではやしても、持ち家というものは進みません。そういう点を考慮しましてこの償還期限の問題をいま質問したわけですから、これに対しては局長のほうから、いわゆる元利均等償還という問題に取り組んで、要するに償還のしかたというものに、もう少し生活を脅かさない、そういう方途を別途講ずるということで理解をしました。ぜひその方向でやっていただきたい。
 それから今度は、もう一つ抵当権の問題ですけれども、これもよく言われます。公庫は、大臣のことばを借りると焼け石に水、私が言えばスズメの涙と言いましょうか、そういうふうな貸し付けをして一番抵当を取るわけですね。これはどうでしょうか。
#161
○参考人(浅村廉君) 私どもは、おっしゃいますとおり、私どもが貸し付けましたものに対しましては、いつも一番抵当権を設定をしていただいております。これはもうずっと引き続き設立以来こういうことでやらせていただいておりまして、他の金融機関等もこれを一応了解して別に問題なく運用いたしておるわけでございます。ただ、いま先社のおっしゃいましたように、貸し付ける金額がその程度であるのに、一番抵当、一番抵当というのもどうかという御意見でございますが、私どもは、できる限りこの融資額のほうをもっとふやすという方向で今後とも努力をいたしてまいりたい。この抵当権の問題は、やはりこの公庫融資資金の性格等からいきまして、貸し付けた金でございますので、やはりきちっとそういうふうな扱いで二十数年やらしていただいておりまして、これを私ども、いま変更するのもいかがかと思います。いろいろと、これについてはそうは言うものの、もう少し弾力的な措置が講ぜられないかどうかということは、実は現時点におきましてもいろいろ研究を進めておりますが、基本的にはそのようなことでございまして、どうかもう融資額をもっとふやしたいというのが私どもの悲願でございます。
#162
○二宮文造君 これもまた信用補完制度とかなんとかということになってきますと、抵当権の問題等についても、また別途扱いが変わってくると思うんですがね。しかし、銀行等も非常に理解してくれているという表現がありましたがね、銀行は、肩じゃ笑っているわけですよ。公庫さんだから無理が通るんでしょうなあということで、これはあんまり歓迎された――二十何年の実績を強調されていますけれども、ちまたでは、あんまり歓迎されたやり方ではないということは、ひとつ記憶にとどめておいていただきたいと思う。
 それから今回の改正で、新たに、千戸以上の一団地の住宅を建設する者に対しまして、関連公共施設、それからまた、利便施設を建設する資金を貸し付けると、こういうことになっておるわけでありますけれども、その基準を一応千戸と、こう置きました場合には、面積についてはどうお考えでしょう。
#163
○政府委員(沢田光英君) 千戸の建物が戸建てであるか、あるいは立体化されたものであるかによってだいぶ違いますけれども、おおむねいままでやってきております三十ヘクタールというのがいろいろの基準になっております。それの前後のことを一応頭に置いて考えておるわけでございます。
#164
○二宮文造君 従来の融資実績では千戸以上で三十ヘクタール以上の団地と、それから、それ以下の団地、この比率はどうなんでしょう。
#165
○参考人(浅村廉君) ただいま私どもではそういう統計を用意しておりませんので、ちょっとお答えいたしかねます。
#166
○二宮文造君 さっきも局長からお話がありましたけれども、建て方によっては千戸で三十ヘクタールなくとも建つわけですね。そうしますと、千戸以下でも、いままで融資をしたことはあるでしょう。
#167
○政府委員(高橋弘篤君) 関連公共に対します公庫の融資は、前年度までは、御承知のように新住事業、またはこれに準ずる五十ヘクタール以上の宅地開発事業に融資をしたわけでございます。今度の四十八年に従来よりもこの規模を小さくするということで、三十三ヘクタール以上、千戸または千戸以上の住宅建設事業ということにいたしたわけでございまして、大体学校だとか、その他公共施設をつくるためのものでございますから、ある程度の規模がなければいけないわけでございまして、その規模をこういう程度におろしたということでございます。
#168
○二宮文造君 そうしますと、従来の経過から考えて、一応千戸三十ヘクタールとなっておりますけれども、運用の面では若干のアローアンスというものはお考えになって施行していくのでしょうか、それとも千戸以上、三十ヘクタール以上、これは厳として守っていかれるというやり方でしょうか。
#169
○政府委員(高橋弘篤君) 従来から、大体、いま申し上げたような基準はございましたので、今回これを引き下げても、大体この基準によって融資を行なうというふうに考えておるわけでございますが、三十三が三十二になったらどうかというような問題はまた別でございますが、大体この基準でやっていったらというふうに考えておるわけでございます。
#170
○二宮文造君 そこで、でき上がった公共施設あるいは利便施設、こういうものを地方公共団体に移管する場合の費用負担、このことについてですけれども、最近の傾向としまして、相当数の地方公共団体で、宅地開発指導要綱、これを作成して、業者に、造成後寄付あるいは無償貸し付けなどを要求しておるようなところもあるようです。そうしますと、この場合、公庫の場合、費用負担はどうなるのですか、これをちょっとお伺いしておきたいのですが。
#171
○政府委員(高橋弘篤君) いまのお尋ねの点でございますけれども、多少明確でございませんが、民間デベロッパーについてというふうに解して御説明申し上げますと、最近全国の市町村の中で、宅地開発の指導要綱というものをつくっております。これは百七十七市町村で私ども把握しておるものがございますけれども、本来、道路だとか学校だとか、こういう関連の公共施設、公益施設は管理者がつくるべきものでございますけれども、大都市地域等の市街化の著しい地域におきましては、こういう施設を短期間のうちにつくる必要がございます。したがいまして、一定期間の間に非常に財政需要が多くなる、地方財政の需要が非常に多くなるということからいたしまして、さっき申し上げたような指導要綱というものを内規として市町村がつくりまして、そうして、関連公共・公益施設の整備費の全部または一部を負担さしておるわけでございます。これにつきまして、民間宅造につきましての関連公共につきましては、公庫からは融資は現在いたしておりません。御質問の御趣旨がよくわからなかったわけでございますが、そういう御趣旨でございましたら、いま御答弁申し上げたとおりでございます。
#172
○二宮文造君 ただ、公庫の融資とちょっと離れますけれども、民間デベロッパーですね。そういう関連公共とか利便施設を、要綱に基づいて無償あるいは寄付と、こういうことになっておるわけでしょう。そうしますと、それは結局分譲のほうにはね返ってくるのじゃないでしょうか。これは大きな問題になってくるのじゃないですか。結局購入者や入居者の負担にはね返ってくる。そういうものがはね返らないような対策もあわせ考えなければならぬじゃないかと私は思うのですが、この点はどうですか。
#173
○政府委員(高橋弘篤君) 御質問の御趣旨よくわかりました。おっしゃるとおりそういう、さっき申し上げましたような関連公共・公益施設の負担が多くなりますと、勢い処分価格、分譲価格に影響するという傾向があることは事実でございます。したがいまして、こういう傾向をなるべく押えていくということが必要であろうかと思います。まずそのためには、なぜそういうふうに民間デベロッパーに負担をさせるかということでございますけれども、これはやはりさっき申し上げたようないろいろな事情から、市町村財政に非常に負担が過重である。したがいまして、まず最初にそういう市町村財政――宅地開発だとか人口急増というような市町村財政の軽減措置というものを十分に考える必要がございます。このためには建設省など特にそういう点に意を用いまして、その地域の市町村の関連公共施設の補助採択を積極的に行なうということ、また、文部省あたりでいろいろお願いして、四十八年から実施されておりますけれども、一番問題になります学校なんがについての補助率のアップの問題、そういう地方財政についての軽減措置をいろいろ考える。また、簡単に申し上げますけれども、住宅公団とか住宅金融公庫の建てかえ施工制度についての内容の改善、そういうことでまず地方財政を軽減するということで、デベロッパーに負担がかからないようにすることが第一でございます。しかしながら、そういたしましても、市町村としてはどうしてもある程度の負担が出てくるわけでございますから、さっきおっしゃったような、そういう分譲価格にはね返るということは、これをなるべく抑制するという措置が必要でございますので、私ども現在その百七十七の市町村の指導要綱というものを、内容を分析調査いたしまして、そういう内容を十分踏まえた上で、デベロッパーに負担させるその限度というふうなもの、その限度を基準として明確にいたしたい。何らかの形で、立法措置その他の方法でこれを明確にして、そうしてデベロッパーが過重な負担を負う、そのために処分価格が非常に高くなるというようなことがないように、私ども現在その内容について検討中でございます。
#174
○二宮文造君 まだお伺いしたいことがあるんですが、申し合わせの時間が参りましたので終わりにしたいと思いますが、そのつど私いろいろ要望もしましたし、また改善していただきたい点についても申し上げました。特にいま記憶に残って、しかも早急に手当てをしていただきたいことは、いわゆる標準建設費の問題、それから貸し付けの額の増額の問題それから地域的な格差を、これはもう現状に合わないのだからのけるべきだと、是正すべきだと、こういう点を含めて質疑をいたしたわけでありますが、最後に大臣から取りまとめの――土地に対する融資という問題も四十九年度の予算要求の中に格段の努力を払っていただかなければなりませんし、こういう面も含めて答弁をいただいて終わりにいたしたいと思います。
#175
○国務大臣(金丸信君) 先生からいろいろ御指摘の問題点があったわけですが、そういう問題につきましては、十分前向きひとつ検討して、できるものから実現してまいりたいと思っておりますし、また来年度要求の中で、土地の貸し付けの問題につきましては、実は私は、先ほど申し上げましたように、二百五十万ではまことに家というものは建たない、当然建築費と土地代金合わせて、別々にこれは貸し付けるべきである、この点につきましても、特段の努力をいたしたいと思います。
 なお、この機会ですから、私が大蔵大臣といま折衝いたしておりますのは、融資額の点につきまして、公庫の金額を増額してもらいたい、増額もする、するけれども、財政には限度がある、そういう意味で、利子補給というようなこともひとつどういう方法でするか考えて研究してみよう、あなたのほうも研究してくれぬかということで、目下研究をいたしておるところでございますが、きょうのお話を承りまして、まことに参考になることが多かったと厚くお礼を申し上げます。
#176
○高山恒雄君 いま二宮委員から御質問がございましたので、私はできるだけダブった質問をしないようにしたいと思いますが、最近のこの住宅建設の進行ですが、建築資材の値上がり、土地の高騰等によってかなり困難な情勢が起こっておるということは言うまでもないと思うのです。したがって、一体、今年の予算の中で目的を達する可能性というのが、先ほど東京都を中心にして約一〇%しかないという御発表がなされましたが、そのほかに、なお最近の建設のむずかしさにちなんで、日照権問題をめぐってかなりきびしい状態が起こってくるのではないかと、こういうふうに考えるのです。すでに東京都は、都として全国で初めて建物の制限をしていこうということを審議会にはかって結論が出たようでありますが、こういう状態の中で、特に諸物価、建設資材の値上がりから見て、全く東京都だけじゃなくて他にも波及することは当然のことだと思いますが、住宅の根本的な解決がつく見通しがあるのかないのか、この点、まずひとつお聞きしておきたいと思うのです。
#177
○政府委員(沢田光英君) 御指摘のように、四十七年度の住宅建設、特に公共住宅はおくれております。しかも、先ほど申しましたように、全国平均ではそれほどおくれておりませんけれども、大都市、ことに東京あるいは横浜、この辺がおくれております。東京におきましては一番ひどいという状況でございます。私どもは五カ年計画の中でやっておるわけでございますけれども、計画自身は四十八年度を含めまして実は五五、六%ということで、順調に第三年目を計画は迎えました。計画は迎えましたけれども、その第二年、第三年で、さような諸種の原因によります急速な建設の落ち込みというものがきたわけでございます。しかし私どもは、この五カ年計画を、とにかく全国で九百五十万あるいはその中の公共施策で三百八十万というふうなものは完遂しなければ、これは日本の住宅事情というのはむしろ後退するわけでございます。そこで、たとえば公団が減る、公営住宅が減るというふうなことは、この四十八年度におきましては極力防がなければいけない。しかし、現実に二千戸しか東京都は公営住宅やっておりませんから、あと一元七千戸――東京都は四十七年度は一万九千戸でございますから、一万七千戸は四十七年度から四十八年度に繰り越しておる。さらに四十八年度は一万九千戸やろうとしておる。非常に至難なわざだと思います。しかし、これはやはり都民の住宅の希望からいいますと、何とかして一〇〇%、その線までいかないでも相当なところまでこぎつけなければいけない。そのためには、先ほど申し上げましたように、最後には一団地住宅施設というふうな土地の入手のしかた、相当強硬な入手のしかたまで考えまして、残る四十九、五十、その間にこの問題を相当程度まで詰めたい。公団においても同様でございます。公団におきましては、四十七年度はやはり相当落ち込みまして、ついに八万八千戸の中、一万八千戸切り落としまして七万戸にせざるを得ない。ということは、四十八年度に主力を置いて四十七年度の分は切り落としていこう、かような非常事態でございます。非常事態を痛感しておりますので、先ほど申しましたように、公有地の問題をもう一回洗い直し、さらには、先ほど言ったように、強行規定を持った、土地の収用までいくような手法で土地を手に入れる、さらに木造の建てかえ等も公営住宅の場では盛んに行なっていくというふうなことで、できる限りの緊急な対策をやりながら、長期的な、あるいは基本的な土地税制だとか、そのほかの各種のこれから出てまいります基本的な土地対策、こういうふうなものに乗って、できるだけ九百五十万戸というものはダウンを防ごうということでございまして、私どもは地方公共団体、あるいはわれわれ一緒になりまして、これを完遂するための最大限の努力をすることによりまして、大きな支障は来たさないというふうに確信を持っておりますし、また覚悟をきめておる次第でございます。
#178
○高山恒雄君 まだそれは試算の点までいかないかもしれませんが、この審議会の結論を見ますと、第一種では十メートルまで、第三種で七階までですか、こういう状態になってきますとかなり制限を受けるわけですね。これもやっぱり検討のうちに今後やってもらうんだろうと私は思いますが、問題は、局長の強い信念でやっていただくことには私も賛成ですよ、反対はしませんが、問題は、三年以上、東京等を中心として法人が持っておる土地はどのくらいあるのか、これを調査されたことがありますか。一ぺん調査されたらされたでよろしいが、したことはないとおっしゃるならばそれでけっこうですから、この点だけひとつ明らかにしておいていただきたいと思います。
#179
○政府委員(沢田光英君) 高山先生の前段の高度地区のお話でございますが、これは確かに私ども都市計画及び建築基準法の改正によりまして、住居地域の状況をよくしようとか、あるいは商業地域は商業の機能を確保しようということで新しい地域、地区が敷かれようとしております。その中で第一種住専というのは十メートル制限でございまして、これは環七の外あたりは広く東京都では敷かれようとしております。したがいまして、その辺での建てかえ住宅建設というものは高さを押えられるじゃないかといいことでございますが、私どもは、先ほど言いました一団地住宅施設というふうな、かなり一ヘクタールくらい以上のところがあいておりますところは、都市計画的にこれを決定をいたします。そして、その中に町の姿として立体化されて、そして外にも迷惑を及ぼさずにいい町の形の都市計画で建物の配置を決定をいたします。そして、その都市計画で最後は収用にいく、こういうことでやりたいと思っておりますので、そういう都市計画でやる場合には基本の地域、地区というものは制限は抜ける、迷惑をかけずに抜ける、かような制度の多様化をはかっていきたい、かように思っておるわけでございます。
 それから後段のお話でございますが、ちょっと所管が私どもでございませんので、法人の所有しておる面積は私どものほうでちょっと手に持っておりません。
#180
○高山恒雄君 この問題は、私は次の問題との関連でお聞きだけしたわけですが、四十六年度に制定された農地所有者の賃貸住宅建設事業の法律ですね、この利用者はどうなっておるのか、この点ひとつ概要でいいですからお聞かせ願いたいと思います。
#181
○政府委員(沢田光英君) 略称農住制度のお話でございますけれども、四十六年度の予算戸数は二千戸でございまして、しかし四十六年度にできました制度でございますので、なかなか困難がいろいろございまして、これの利子補給をつけて賃貸住宅をお建てにかかられたというふうなものが三百五十一戸でございます。四十六年度は二千戸中三百五十一戸でございました。四十七年度は、これは四千戸の予算戸数でございました。これに利子補給の契約を結びまして、賃貸住宅の建設に入りましたのが千三百九十四戸でございます。ちなみに、四十八年度ではこれを二千戸という予算化をしております。
#182
○高山恒雄君 結論的には、ことしの予算化の中では千五百万円減したというわけですね。したがって、法律はつくったけれども利用者が非常に少ない、こういう見方をしておられるんですか。もしそういう見方であれば何が欠陥なのか、何が欠陥で利用者が少ないのか、今日まで公庫を通じていろいろやっておられたと思いますが、どういうところに欠陥があるのかということを調べる必要があるんじゃないかと、私はこういうふうに思うんです。なぜ私こういうことを申し上げるかといいますと、時の根本大臣は、もうこれをやれば必ずいけるということを言っておられるんですよ、この法案を通すために。やってみたわ、たいしたことはなかったわという結論ですね。その自信のない思いつき思いつきの法案が国会に出てくるわけだ。きょう午前中の審議も私はそうじゃないかと思うんです。こういう点は、予算を減すのも、これは不可能なら私は反対しませんよ。しかし、なぜその利用者が少ないのかということです。こういう点をもっと探求する必要があるんじゃないかと思いますが、探求された結果があるならひとつお知らせを願いたい。
#183
○政府委員(沢田光英君) 私が先ほど申し上げましたように、実績は数字で見る限り、表面にあらわれました数字ではかなり成績がよくない、かようなかっこうでございます。しかし、私のいまの感じは、これはこれからかなり伸びてくるという感じを持っております。その前に、それではなぜ伸びてくるかというふうな話の前に、それではなぜそういうふうに成績が悪かったかという点を申し上げたいと思うのでございますが、一つには、この制度というものが四十六年にできたわけでございますが、これのできました背景は、いわゆる減反政策の時代でございました。単に、農地の所有者がその上に農協等のお金を借りて賃貸住宅を建てるという者に利子補給をするという筋のほかに、その資格といたしまして、その農地の中に半分以上の水田がなければいかぬ、しかも、それは大体、都市近郊の話でございます。そういう条件がついてございまして、そこで大体、都市近郊でうまくかなり広いところで半分以上の水田があってというふうなところはなかなか該当が少ないという点が一つございます。したがいまして、なかなか最初は手をあげるところが少なかったというのが一つでございます。
 その次に今度もう一つございますのは、この制度は一人でやるというよりも数人の地主の方、農家の方々がお集まり願ってできるだけまとまった団地にして、しかも市街地として良好な市街地を形成した上で、そこにおのおのが賃貸住宅をお建てになるということによって環境もよくなるし、皆さま方もつくるほうでも良好なものがつくれる、かようなかっこうでございまして、私どもの指導もできるだけそういうふうな指導をしたわけでございますが、そのときに、そこに区画整理という話が出てまいりました。土地の権利を動かすという話もございますし、それから基盤の整備をしなければいけないという問題もございまして、なれない農家の方々が組合あるいは組合に準ずるようなことをやって、そこにいろいろと調整の問題が起きて、それに対して非常に時日を要したということでございまして、初年度でもございましたから、二千戸に対して三百五十一戸しか契約が成り立たなかったということでございますが、四十七年度はかなりこれがだんだん伸びてまいりまして千三百九十四戸というふうになりました。だんだんなれてきたなという感じを得ております。それで今度農協のほうも、私どものほうと同一行動をとっております。共同作戦をしておりますので、そういう面でのPRはだいぶ浸透してきたというふうな感じが一つと、さらに先ほどの水田要件等の緩和を実は政令で昨年はかっております。これは半分以上なければならないというものを、半分あるいは一ヘクタール、水田は。でございますから、大きな敷地でも半分なくても一ヘクタール水田があればいい、十ヘクタールの中の一ヘクタールでもいいと、こういう条件にいたしました。前の条件だと、十ヘクタールあれば五ヘクタール水田でなければいけない、こういうことでございます。その辺のところまでやってやったわけでございまして、だいぶ農家のほうでも関心がございまして、この問題は一応推移を見まして、予算的には四十八年度二千戸と落としてございますけれども、これはかなり私が接触している範囲では今後も活用される筋が出てくるというふうな感じを持っておる次第でございます。
#184
○高山恒雄君 伸びると思うのに減したとおっしゃるのだから、これはこのくらい徹底したことはないと思うんですが、私は、この問題は多少意見になりますけれども、ひとつの団地の規制はしたらいいと思うんですよ、団地の規制。なお、その一ヘクタールの半分は水田でなきゃならぬという規制もございますね。ところが、いま一体、都市の近郊におられる、従来から農業をやっておった人の、つまり水田はどのくらい持っておるのか、これは六十アールぐらいですよ。知れていますよ。そのうちから十アールなり、十五アールなり取られるということになりますと、自分のところで食べるだけの米はつくりたいという、まだ、近郊の農村の方は考えておりますよ。そういうものをやっぱり考慮に入れなくちゃいかぬと思うんですね。したがって、そこに無理が一つあるんじゃないか。それからもう一つは、新産業都市ということになりましても、結果的には農地を処分するわけですから、ここに大きなやっぱりこれも欠陥がございます。これは一ヘクタールはなくても、大体一人で七十アールぐらい持っておるでしょう。そのうちを、自分がその三分の一取られるというようなことになると、なかなか賛成しにくいんですよね。といって、農業あるいはそれに対する副業では食えない時代ですよ。農業はもとよりのことでありますが、多少の副業をやってみても食えない時代である、何かはやりたいというのが農村の実態ではないかということを私は想像するわけです。これはいろんな意見も私も聞いて回ってみますが、やっぱりそう言ってますよ。したがって、この新産業都市また都市計画区域においては、もっとそういう実態調査をして、そうして耕地をして宅地に整備をすると。これはやっぱり集団でやったらいいと思うんですよ。ただし、貸借関係の所有者としては、個々に持っていってはどうか、個々に、個人に、集団にしないで。それは二十年なり二十五年という償還、返金しなくちゃいかぬのですから。そうすると、自分の代でなかなかそれをやろうといったってむずかしい場合があるかもしれません。相当の年齢者であれば、子供の代になってくる。農協がお世話するということになっておっても、これもまた問題でしょう。だから、貸借関係におけるその所有者というものは、個々に分配してはどうか。そうして、その個々の分配した者に、ある一定の団地的な構想の建築をしてやればそれでいいではないか。そうすれば、かなりこの問題はうまくいくんではないか。どうも先ほどのあんたのお話聞いていますと、伸びるという見通しは持っておられます。これは信念で言っておられるんだろうと思いますから、私も決して反対はしませんよ。けれども、具体的に何が欠陥であったかという点を、私は少なくとも建設省は探求をする必要がある、研究を――研究もしないで予算を千五百万円もへずっちゃって、そうして、この法律はあってもなくてもいいようなことにしてしまうというような感じを私たちは持たざるを得ないんです、せっかくおととしつくった法律を。こういう点が、どうも誠意のある建設省の五カ年計画の方針の中では、まずい行き方ではないかということを私は考えるんですが、大臣、この点どうお考えになりますかね、大臣。
#185
○国務大臣(金丸信君) この問題は、いろいろ制約があったためにうまくいかなかったということでありますが、要は、条件を緩和するということが一つの大きな前進になるのじゃないかと私は考えております。そこで、いま地方行政にかかっております市街化区域の内にある農地に対する宅地並み課税の問題ですが、それと一緒に、むちとあめがあるんですが、あめのほうで、AB農地をはずすということで、これが緩和される一つの要因になるのじゃないかと私は思っておる次第でございます。
#186
○高山恒雄君 この契約の概要表を見ますと、四十七年度三十七の契約ですね、千三百九十四戸ですが。しかも、実際にこれを適用した地域を見ますと、われわれが考えるような新産業都市だとか、あるいはまた、都市計画区域の重要な地域は適用してないわけですよ、これ。ほとんど、県でも二十五万以下の人口の地域ですね。こういう事態で、この法を適用していまやっておるという実態から見ると、もっとこれを周知徹底せしめて、せっかくの法律をつくったんですから、政府としては、私は促進する方法ですね、新しいものだけを、法律をつくるというのじゃなくて、できておる法律の中でどういう点がいかないのかという点をしなければ、その場しのぎの法案をここに出してきても、私は、これは五カ年計画の計画の中に入らぬと、こういうことを言わざるを得ないんですがね、こういう点でどうですか。
#187
○政府委員(沢田光英君) 御指摘の、この千三百九十四戸の、やっている場所を見ますと、確かに先生のおっしゃるように、東京周辺とか、あるいはそのほかの大都市周辺あるいは新産のところには比較的少ないようでございまして、そうでないところにわりに多い。これはいろいろ原因がございましょう。たとえば、四十六年にいろいろとしかけたものが、四十七年でこう頭を出してきたと、しあがって、条件のいろいろきびしいときに出てきたということもございましょう。しかし、いずれにしましても、いまだに、緩和をいたしたとは言いながら、大都市周辺では、これがほんとうにどんどん伸びるような条件があるかどうか、これは検討する必要があろうかと思います。私どもは農協あるいは農協中央会、こちらのほうを通じまして、いろいろと接触の上でやっておりますが、そういう点、あらためて、条件はどういうふうにすべきかという点につきまして考えまして、たとえば、いま大臣申し上げましたように、実例といたしましては、AB農地につきまして、この制度をやるときには水田要件が要らない、水田でなくてもいいというふうな法案をいま提出してございます。そういう先例もできることでございますので、そういう問題まで含めまして、もう一回、農業関係のそういう団体等とよく接触をした上で検討してみたいと思います。
#188
○高山恒雄君 なお、今度の住宅金融公庫法の一部改正で非常に――従来から見ればですよ、ある程度の優遇処置といいますか、そういう考え方の上に立っておられます。しかし、先ほど二宮委員が申されましたように、全く二百五十万では、特定地域であって、これはもう二百五十万円借りたところで問題にならない数字だと私は思います。私の表現で一つだけ申し上げておきますならば、かりに特別地区で二百五十万借りたとします、定年前の方が。いま、平均の定年退職金がどのくらいかというと、約五百万円です。そうすると七百五十万です。まず、土地もそれで買えるか買えないかが現状ですよ。おっしゃるように、社会保障制度は充実してないために、あすから食うことに心配をしなくちゃいかぬのに、家を建てるわけにもいきません。といって、しからば特別の公庫の住宅を借りるということにしましても、まあ、いまの金額であれば、それを払えば家族が食えないというのが現状ですよ。したがって、この二百五十万というのはあまりにも少ないと、これはもう先ほど指摘されたとおりです。個人の持ち家なんというようなことはとうてい不可能です。私は、したがって、この点を金融面ではある程度の緩和措置はとられたのですけれども、これはそう五カ年計画の中で率先して持ち家がどんどんどんどん建つというようなことは、おそらくできないのじゃないかということを一言申し添えておきます。これは私の意見として申し添えておきます。
 ところで、もう一つ私はお尋ねしたいんですが、これは公庫のほうにお願いしたいんですがね、郵政省が住宅積み立て郵便貯金のしおりというのを発表しておるんですよね。郵政省としては三年間積み立てた場合は金融公庫にあっせんをする、その場合に貸し付け額は公庫の一般貸し付けの額よりも五割増しのつまり貸し付けをするんだと、こういう宣伝をしているわけです。公庫はこのことを承知しておられるんですか、どうですか、お聞きしたいんです。
#189
○参考人(浅村廉君) 私どもはその点は承知いたしております。
#190
○高山恒雄君 それを承知いたしておられますならば、先ほどもこれは関連でだいぶ質問されましたからね。二百五十万から百八十万までという、支払い年限も違いますが、そういうランクを置いてるわけですね。郵政省だけには五割増しの融資をしようということは、何が根拠になっておるのか。郵政省のそういう問題を了承する場合に、公庫自体がそのランクの是正をする必要があるという考え方は起こってこなかったのかどうか、先ほどもだいぶん質問が出ましたが。郵便局からの申請があった場合には五割増しの金を貸すというわけですね。ところが、自分のところの公庫のいま貸す規定にはランクを設けておるわけですよ、甲乙丙で。こういうことは気づかなかったのかどうか。日本の政府がやっておることの中で、これだけむらのあるというような行き方がはたしていいか悪いかということは、これは常識上考えたって私はあってはならないと思うんですよ。なぜ郵政省だけにそれなら五割増しを貸すのか。五割でも十割でもいいですよ。もっとよけい出してもいいです。いいけれども、格差をここにつけておくというのは何が理由なのか、その点ひとつ公庫のなににお聞きしたいですね、それを承認されたというのは。
#191
○参考人(浅村廉君) これはいつであったかいま記憶しておりませんが、相当以前にそういう問題を伺いまして、郵政省で、郵便貯金、特に住宅貯金として貯金をされた方に対しての一つの優遇措置というものを法律によっておきめになったわけでございます。そのときに、住宅金融公庫との関連をどうつけるかということでいろいろお打ち合わせをいたしたことがございまして、結局、郵政省関係の法律で、住宅関係の積み立て貯金をなさった方に対しては特別な配慮をするという趣旨の立法がなされております。私どもは住宅金融機関でございますので、したがいまして、その間の連携を保つ必要があるということから、私どもの融資額を、一応いかなる場合におきましても五割増しということでこういう方々には融資をするということで、私どものみならず、政府間でお話がついたわけでございまして、ただいまこのようなつもりでおるわけでございます。
#192
○高山恒雄君 私は、それは郵政省がそういうきめ方をして、あなたのほうの了解を求めて、そうしてくださいと言えば、あなたのほうは政府の方針だからオーケーだと言われるのはあたりまえだと思うのですよ。先ほど二宮委員が指摘されたように、しからば、現在二百五十万から百八十万という差がありますね、これらの矛盾点をお考えにならなかったかということを私はお聞きしたいのですよ。この百八十万の上にさらに五割増しをするわけですよ、郵政省はね。あるいは二百五十万にさらに五割増しをするわけです。全体から見ても足らないと言っておるのにもかかわらず、郵政省だけはそういう五割増しをする。一般公庫の貸し付け金は百八十から二百五十までのランクがある。こういう矛盾点をお考えにならなかったかということをお聞きしたいのですよ。少なくとも、これはみずからの公庫のそういう方針をやっぱり改めるべきだと私も申し上げたいんです。二宮委員が言われたとおりですよ。私はこれは郵政省のと対照的に考えてみて、矛盾をみずからがつくってみえるんじゃないか。むろん、きめたことについては公庫としてはやらざるを得ないでしょう。それよりも、その矛盾点をお考えにならなかったか。今後そういう点は是正するという、先ほども考えてみたいという答弁がございましたから、これ以上の追及はいたしませんけれども、私はそのことが聞きたいんですよ。これはもう答弁いいです。
 そこで、これは大蔵省にお聞きしたいんですが、利息ですが、新旧の何が出ております。個人住宅の場合、法律では五・五%であるけれども、政令で定めて五・二%にしようと、こういうことを今度言っておられるわけです。けっこうなことです、これは。ところが、郵便貯金の建設資金については六%だと、こうなっておるわけですな。それを五・七にすると、こういうことなんです。これは大蔵省に聞きたいんですが、大体、こうした公庫の資金なるものは、結局、厚生年金あるいは郵便貯金、それらが全部、運用部に回ってこれをやるわけですよ。郵便だから六分の利子でなければならぬという考え方を、どうしてこれを押えておるのですか。あまりにもぼくは矛盾しておると思うのですよ。安い金利で預けておるその金を、今度は運用部に回して、そうして公庫のほうにこれを適用していく、したがって郵便貯金をした者に対しての金利は六%でなければならぬという、このくらい矛盾したものはないと私は思うんですが、どうですか、その点。
#193
○説明員(岩瀬義郎君) 先ほどの御質問と関連をいたしておりますと思いますので、答弁が長くなるかもしれませんが、お許しいただきたいと思います。
 住宅ローンの問題は、実は三つ問題があると思います。一つは、資金需要が容易に確保できるかどうか、要するに、資金需要に応ずることの容易性というか、需要に対していつでもこたえ得るかどうかという問題が一つございます。それからもう一つの問題は資金量でございますが、それが要求どおりに資金量が確保できるかどうかという点があると思います。それから第三番目がやはり金利ではなかろうかというふうに思います。いま三つの点を考えてみましたときに、郵便貯金のほうの住宅関係につきまして見ますれば、先ほど先生の御指摘のように、資金は優先的に確保できる。それから住宅公庫のほうにまいりますと五割増し、四十七年度のベースでいきますと五割増しの融資が行なえるということでございますが、金利につきましては、一般の住宅貸し付けが公庫では四十七年度ベースで五・五%に対しまして、逆に郵便貯金の貯蓄の住宅のほうは六%、〇・五%の差がついております。そこで、いろいろ比較いたしましたときにどちらが得なのかという点と、それから先ほど先生がおっしゃった、郵便貯金に財投から払っております金利は六・五%でございます。それでございますから、六・五%の金利で財投が預かりまして、そうしてそれを金融公庫に貸し付けまして、そして住宅金融公庫が実際に融資をする場合に、一般の住宅に対しては五・五%、それから郵便貯金住宅については六%ですから、いずれも逆ざやでございます。ということは、住宅に対する重要性にかんがみて、その逆ざやを覚悟で安い金利を提供しておる。それはやはり最終的には、住宅金融公庫に対する補給金という形で財政からその負担がいっておるという形になっておりますが、ただ、いまの郵便貯金の住宅貯蓄と一般の住宅貯蓄の公庫における金利を見ますと、片一方は五・五%、片一方は六%ということで〇・五%の差があるということになります。ところが、それを今度、金額的に見ますと、限度一ぱいの金額を両方とも借りたといたしますと、四十七年度のベースで一般住宅だと百五十万円まで借りられます。それから郵便貯金の住宅のほうでございますと、二百二十五万円まで、五割増しでございますが、借りられます。それをもし一般の市中で借りた金利、まあ大体九分ぐらいの住宅金利だと思いますが、金利で借りた場合との負担関係を比較してみますと、大体両者の間では、郵便貯金のほうで住宅を建てますほうが約一万五千円ほど金利が安くなるということでございます。したがいまして、いろいろなバラエティーがここに仕組まれておりますので、どちらが得かという点は、あるいは資金の量を確保してもらうほうがいいのか、あるいは金利が安いほうがいいのか、その辺は両方とも利点があるように思います。一般住宅でございますと五分五厘の金利は安い。しかし資金量のほうからいけば、郵便貯金のほうの借り入れのほうが五割増しの量である、そのかわり金利は六分である、こういうことになるわけでございます。この辺はまあ確かに、同じにしたらいいじゃないかという御意見はあるかとも思いますけれども、これは発生的に申しますと、やはり財投の資金の郵便貯金というのは大体三割二、三分ぐらいが原資になっております。したがって、三年ないし五年間一生懸命住宅のために郵便局に貯蓄したという方々のために、資金量は五割増し確保してあげるかわりに金利は少し、まあ一般の五分五厘よりは高いと、こういうような配慮で行なわれたんだと考えております。
#194
○高山恒雄君 よけい借りたから金利が高くてもいいという理論にはならぬと思うんですよ。それはおっしゃるように長期の支払いから考えてみりゃそういう場面がないでもないんです。ところが、これは住宅金融公庫にあっせんする場合としてあるのです、郵便局は。あるいはその五割増しを借りないかもしれないのです。二百五十万円でおくかもしれない。郵便局があっせんした場合のみ公庫は金を貸すということになっておるわけです。だから、五割増しを貸すか貸さぬかということは規定的なものじゃないんです。そうすると二百五十万、いわゆる特別地区の人が二百五十万いま公庫が貸すことになるんですが、今度。郵便でも、私は二百五十万しか要らぬと言ったら、これは二百五十万しか借りないんです、あっせんですから。こういう問題は少なくとも大蔵省としては一般国民のことをもっと考えて、できるだけ均衡をとるものにしてやるべきだと私は思うんですよ。あなたのおっしゃるように、五割増しということは、長い目で見ればあるいはそのほうが得になる場合もなきにしもあらずでしょう。けれども、郵便局の取り扱い方の規定からいえば決してそういうものじゃないんです。申請のみによって金を借りることができるわけですから、これは五割増しということに考えて、ひっかけて、いや六%でいいのだと、こういうことにはちょっと銘を打つことはいかぬのじゃないか。私はこれは大臣にもひとつお願いしておきたいんですが、先ほどから問題になっておりますように、大体公庫の財源というものはやっぱり大衆の金なんですよ。資金運用部に全部集約されて、そこから貸す金なんですよ。それがみずからの持ち家をつくろうという場合、その金を利用する場合に、郵便局の申請があったためにそれは六分だ、片や五・五だ、こういうことは私はやるべきじゃないと思うんですよ、政府として。少なくともこれは統一をとるべきだ。幸いにして四十六年度から始まっておるんですから、来年からじゃないと実施されないんです、これは。来年度からじゃないと借りる資格は生まれてこないわけです。したがって、これはひとつ大蔵省と話をしていただいて、郵政省も入ってもらわにゃいかぬでしょうが、私は政府の責任において金利を統一する。しかも、郵政省がいっておる三年間積み立てて初めてその資格が生まれるわけですから、この点じゃ条件がだいぶ普通の何と違うわけです。私はこういう問題はぜひ統一すべきだと思いますが、大臣、その点にひとつ力を入れてやっていただく意思があるかないか、ひとつ大臣の意見をまずお聞きしておきたいと思います。
#195
○国務大臣(金丸信君) 私の省だけできまるべき問題でありませんしいたしますので、大蔵省、郵政省とも十分話し合って、話を進めてみたいと思います。
#196
○高山恒雄君 大蔵省関係の方にもお願いしておきたいんですが、これ、はっきり郵政省は六%だということを書いておりますからいいですけれども、同じ国の金をお借りして、同じ住宅積み立て金をして、普通の銀行の場合と郵政省といった場合はどうして利子が高いのだと言ったらどんな答弁しますか、しようがないのですよ、これは。おまえは五割増しの金を借りておるから、そうだと、これは多少それが有利だという説明をしなくちゃなりませんよ。しかし、いやいやそうじゃないんだと、私は同じように二百五十万しか特定地域で借りないのだ、けれども六%じゃないかと、こういうことじゃこれは弁解の余地はないですよ。この点はぜひ大蔵省、きょう私は、大蔵大臣なり、少なくとも政務次官あたりに来ていただいて、建設大臣と確認してもらって、郵政省のこのパンフレットに載せたこの金利を是正することを強く要望したいと思って、実は責任ある人に来てもらいたいと強く要望をしておったのですが、やむを得ない事情であったようですが、しかし、部長のほうでひとつ責任を持って――この点は建設大臣も相談をするとおっしゃいますから、ぜひ私は訂正してもらいたい、こう思います。その点はもうけっこうでございます。
 それからもう一つ、もう時間もありませんが、これは衆議院の委員会で附帯決議がついているのでありますが、「公庫事務の能率化を図り早期貸付けについて今後とも更に格段の努力をすること。」ということが附帯決議にうたわれております。どうも公庫から金を借りる場合、非常に複雑だというのですね、一般の人は。わずか〇・一五%くらいなら、もう公庫から借りないでほかで借りてもいいんだという人もあるくらいです。公庫はどういう条件とどういう条件の、何々の条件が整えば、それに基づいて公庫としてはこういう金を貸します、というパンフレットでもつくったことはあるのですか。一般市民はそういうことは知らぬですよ。郵政省はすぐこんなものをつくっているのですよ。私は、公庫こそこういうものをつくって、どんな人でも読めばわかるようなひとつパンフレットをつくって、国民に渡すべきだと思う。窓口に行って、一応は聞いて、それでも納得しない。そうすると、太平住宅だとか、あるいはそのほかの人を頼んで、そうして、そのいろんな事情を聞くわけです。ここらに非常に複雑な状態があるということを総裁御存じなのか。もっとわかりやすく国民に知らせるべきじゃないか、政府の機関ですからね。総裁、どうですか、その点。
#197
○参考人(浅村廉君) ただいま御指摘ございました点、公庫の手続が非常にわかりにくい、複雑であるという点につきましては、私どももできるだけこれを簡素化するという方向で、数年前からずいぶん簡素化をいたしてまいっております。
 一々具体的に、どこをどうしたかということを申しますと非常にこまかくなりますが、とにかく私どもはずいぶんこれを簡素化してまいっておるつもりでございます。なお今後ともこの努力は、研究は大いにいたしたいと思いますが、まあ、やはり重要な資金を融資するわけでございますので、とるべき手続はどうしてもとらなきゃならぬ面もございます。いまやっておりますことの中で、なおどれだけを省けるかということにつきましては、今後とも大いに検討を進めるつもりでございます。
 それから、公庫の融資の制度の徹底をもっとはかるべきだという御指摘は、まことに私ごもっともだと拝聴いたしております。私どももそういう努力はできるだけしておるつもりでございますけれども、先生がごらんになりますと、たいへんおくれておるというお話でございまして、私ども、なおそういう点はもう少し前向きにやるようにいたしたい。それから、私どもの内部の問題でございますけれども、住宅相談所といったようなものを、今年度から、私どもの支所は全国に十二ございますけれども、全部にこれを設けまして、お客さまがおいでになりましたら、できる限り懇切丁寧に御相談に乗るように申しつけております。いままでは東京と大阪と名古屋にしか相談所を設けておりませんでしたが、今年度から全国にこれを支所のあるところには設けることにいたしております。なお、そればかりではなく、私どもの事業の内容のPR等、もっともっと大規模に今後やるつもりでおります。
 以上、私の考えを申し述べさしていただきました。
#198
○高山恒雄君 いろいろ研究してみえるようですから、総裁お聞きにならないことだろうと私思いますから念のために申し上げておきますが、こういうことを言うのですよ、一般の人は。公庫で金を借りると非常にむずかしい、何人かの手をわずらわさなくちゃいかぬ、自分たちじゃちょっとのみ込めないと言うのですね。ところが、実際にやってみて、請負に出して検査を受けるということになれば建蔽率だとか、日照権の問題だとか、あるいは何ですか、下水の設備の問題だとか、台所の問題だとかありますね。いろいろそういう規制があると思うのです、建築に対して。これは当然のことですわね。われわれが考えて、建築法に基づいて金を貸す限りにおいては、責任あるやり方をされるのはこれは当然のことですよ。その当然のことであることが、一般の市民はなかなかうるさいと言うのですね。中には、雨季に入っておると、もうあと二十日もすれば雨季だ、ところが私のほうは調べに来てもらって建設が一ぺん中止になった、こういうことが実は優先的に宣伝されて、そうして肝心のことは忘れられておる。したがって、私は、いまの検討されておる中に、郵政省が考えておるようなパンフレットを――建蔽率はこうして調べますよと、そうして、あるいはまた防災等においては考えにゃいかぬところはこういうふうにしますとか、建築法に基づいた規定のものと、さらに抵当物権に必要なら第一抵当物権に入れますと、こういう詳しいパンフレットをつくって、だれが見ても、ははあこれだけはやってくれるのだなということを、もっと市民に知らせてはどうかということを私は申し上げておる。これは総裁御存じないと思うのです。したがって、そんなに手数のかかるものなら、わずか〇・五%ぐらいならもうやっかいだと、こういうことを言っておる情勢であることを深く御認識願って、だれでも行って、そのパンフレットを見て、あ、この程度ならよろしいということで借りやすいような方法ですね、これはひとつ公庫として総裁お考え願いたいと思います。これはお願いですから、それでよろしい。
 そこで、大臣に私は最後にお願いと御意見をお聞きしておきたいのですが、先ほどからいろいろ御質問も二宮さんもされましたし、私が考えても、相当、住宅はこれはもう困難な情勢にある。特に、最近のセメントの不足ですね。これはきょうも時間があればやりたいと思ったのですが、なかなか時間がございませんが、毎日のようにこれはもう放送されています。したがって、いま千六百円ぐらいしていますね、うまくいって千二百円、こういうことでは、もう中小企業は、これは実際に下請としてやれないというのが今日の情勢なんですよ。こういう点から考えてみて、早急にこの手配をしていただくことと、なお五カ年計画の中の、局長が言われたように、自信のあるやり方をしていただいてもらうことを私は強く要望しておきます。大臣、今後の取り扱いについて、そういうことをお考えの上でやっていただくのかどうか、決意のほどをひとつお聞きしまして終わりたいと思います。
#199
○国務大臣(金丸信君) 資材の点につきましては、非常にセメントがいま不足しておることも十分承知いたしておるわけでございますが、そんなために公共事業の一部引き延ばしもいたしておるわけでありまして、一日も早くこのセメント需要の、できるだけ中小企業等が迷惑しないようにしたいということで、通産省とも連絡をとっていまやっておるわけですが、なお一段と努力してまいりたいと思うのでございます。なお、住宅五カ年計画につきましてはいろいろの隘路があるわけです。その隘路を打破しながら、英知をしぼって、ひとつ五カ年計画の完遂に最善の努力をいたしたいと思っておる次第でございます。
#200
○高山恒雄君 終わります。
#201
○委員長(沢田政治君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
 それではこれより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
 なお、修正意見のある方は、訂論中にお述べ願います。
#202
○山内一郎君 本案に対し、修正案を提出いたします。まず、修正案を朗読いたします。
  住宅金融公庫法の一部を改正する法律案の一
 部を次のように修正する。
  附則第一項中「昭和四十八年四月一日」を「公
 布の日」に改める。
 以上でありますが、修正案は、本案の昭和四十八年四月一日施行が不可能となりましたので、これを公布の日とするため必要なものであります。何とぞ御賛成をお願いいたします。
#203
○委員長(沢田政治君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより住宅金融公庫法の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、山内君提出の修正案を問題に供します。
 山内君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#204
○委員長(沢田政治君) 全会一致と認めます。よって山内君提出の修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。
 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#205
○委員長(沢田政治君) 全会一致と認めます。よって修正部分を除いた原案は可決されました。
 以上の結果、本案は全会一致をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 この際、金丸建設大臣より発言を求められておりますので、これを許します。金丸建設大臣。
#206
○国務大臣(金丸信君) 本法案の御審議をお願いいたして以来、本委員会においては熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって議決をされましたことを深く感謝申し上げます。
 審議中における委員各位の御高見につきまして、今後その趣旨を十分生かすようにつとめ、各位の御期待に沿うようにする所存でございます。ここに本法案の審議を終わるに当たり、本委員長はじめ委員各位の御指導、御協力をいただきましたことを深く感謝を申し上げ、お礼のごあいさつにいたします。
#207
○委員長(沢田政治君) なお、審査報告地の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#208
○委員長(沢田政治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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