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1972/06/07 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 建設委員会 第11号
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1972/06/07 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 建設委員会 第11号

#1
第071回国会 建設委員会 第11号
昭和四十八年六月七日(木曜日)
   午前十時六分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         沢田 政治君
    理 事
                大森 久司君
                竹内 藤男君
                山内 一郎君
                松本 英一君
    委 員
                古賀雷四郎君
                中津井 真君
                中村 禎二君
                田中  一君
                田代富士男君
                二宮 文造君
                高山 恒雄君
                春日 正一君
   国務大臣
       建 設 大 臣  金丸  信君
   政府委員
       建設大臣官房長  大津留 温君
       建設省道路局長  菊池 三男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中島  博君
   説明員
       運輸省海運局参
       事官       見角 修二君
   参考人
       本州四国連絡橋
       公団総裁     富樫 凱一君
       本州四国連絡橋
       公団理事     蓑輪健二郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(沢田政治君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案の審査のため、必要に応じて本州四国連絡橋公団の役職員を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(沢田政治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(沢田政治君) 道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○二宮文造君 私は道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案につきまして、前回に引き続いて質問をさしていただきたいと思います。なるべく重複を避けながら進めたいと思いますが、若干部分に重複があるかもわかりません。お許しをいただきたいと思います。
 まず最初に、この道路整備五ヵ年計画、この今日までの推移を見ますと、第一次計画が昭和二十九年に策定されて、これが四年間で改定をされた。第二次は三十三年から三年で改定された。第三次は三十六年から同じく三年で改定をされた。第四次は三十九年からこれまた三年で改定をされた。第五次は四十二年からやはり三年で改定。第六次は四十五年から三年でこの問題の第七次計画に引き継がれようとしているわけであります。そこでまずお伺いしたいことは、五カ年計画と銘打っておきながら、なぜ従来の計画がいずれも当初計画を達成しないまま、三年、四年というかっこうで改定せざるを得なくなったのか、その理由を明らかにしていただきたい。
#6
○政府委員(菊池三男君) ただいまお話しのように、五カ年計画は、第一次から第六次までございまして、それが長いので四年、短いので三年ということで改定されておるのは事実でございます。その一番の理由になりますものは、各、第一次から第六次までの五カ年計画をつくります際に、それの裏になっております、背景になっておりますいろいろな経済計画がございます。第一次のときは、これはありませんでしたが、第二次のときには新長期経済計画、これが私どもの五ヵ年と同じ計画年度の計画がございます。以降、第三次のときには所得倍増計画、第四次のときには中期経済計画、第五次のときには経済社会発展計画、そして、いままでやっておりました第六次の五カ年計画のときには新経済社会発展計画というのがございまして、それに合わせた、その中の、全体の経済計画の一環として五ヵ年計画があったわけでございます。そういうふうに、国全体の経済計画、社会発展計画が変わりますので、それに合わせて道路のほうも変わらざるを得なかった。また同時に、道路投資が非常に進みまして、そういう社会の発展と同時に、従来の規模では足りなくなったということでございます。で、今度の場合も、裏になります新経済社会発展計画が今度改定されまして、四十八年から五十二年までの――ちょうど私どもが今度御審議いただいております第七次五ヵ年計画の計画年度と同じでございますが、経済社会基本計画というのがことしの二月の十三日に閣議決定されまして、それに基づきまして、私どものほうもそれに計画を合わせて変更になるということになったわけでございます。まあ、そのほかに昨年、国土建設に関する長期構想というものを建設省で出しまして、これは昭和六十年時点を目標とする非常に大きな計画でございます。その中の四十八年度から五十年度までという、六十年までの計画の中の一環としてもやはり従来の規模では達成しがたいということでございます。そういうようなことで今回改定をお願いすることになったわけでございます。
#7
○二宮文造君 いま道路局長の説明には、国のいわゆる経済投資、そういうものを背景にしてこういうせっかくの五ヵ年計画が平均三年で改定せざるを得なかったと、こういうふうな説明ですけれども、私ども考えますのは、道路というものは景気の変動や経済の変動によって締めたりふくらませたりする、そういうものじゃなくて、国民生活のために必要な道路は確保しなきゃならぬ、こういう長期的な展望のもとに整備とかあるいは計画とかいうものが行なわれなければならぬと思うんです。今回の場合は六十年度を見通して、それに合わせていくという一つの背景がありますけれども、しかし、やっぱりいままでの計画がそのとき場当たりな計画を押してきているんじゃないか。しかも計画というのは実現可能なものでなければいけない、こういうふうに考えるんですが、いわゆる国の経済投資の都合によって計画が変動される。一番大事な、国民生活に必要な道路の確保ということが道路行政としては、計画としては一番大事なんじゃないかと思うんですが、この点、大臣のお考えはどうでしょう。
#8
○国務大臣(金丸信君) 御指摘のとおり、五カ年計画は、ただいま局長が申し上げましたとおりのゆえもあるわけでございますが、その上に先生の御指摘のようなことも考えなければならぬことは当然だと私は考えております。
#9
○二宮文造君 そこで、いま道路局長からお話がありました、昨年十二月ですか、新国土建設長期構想、まあ試案ですが、それを発表したことは私も承知しております。これはしかし実現可能なのかどうか、こういう疑問がわいてまいります。特にこの中では昭和四十六年度から六十年度までの十五カ年間に九十三兆円余を道路部門に投資する、こうなっております。ところで昭和四十六年、四十七年度の道路投資額はおおむね四兆円、それから今度の第七次計画を加えますと約二十一兆円。そうなりますと、残りの八年間で七十二兆円からの投資・単純計算してこういう数字が出てまいります。こういう投資がはたして可能なのかどうか。冒頭に申し上げましたように、実現可能な――かりに試案としても、実現可能なものでなきゃならぬ。しかし、投資額を単純に数字で計算をしますと、残りの八年間にこのような膨大な投資を必要とするような考え方になっておりますが、この辺の見通しについて説明いただきたい。
#10
○政府委員(菊池三男君) 昨年出しました国土建設に関する長期構想におきまして、四十六年度から九十五兆円ということでございます。四十八年度からに直しますと、引き伸ばして考えますと大体九十九兆円、四十八年度から九十九兆円ということでございます。そういたしますと、ただいま先生おっしゃいましたように、いまの五ヵ年が二十兆円では達成できないではないかということも実はございます。ただ、これは昭和六十年の時点でございますので、いろいろ国民所得の問題あるいは国民総生産の問題等、一つの指定をさして九十九兆円という数字を出してございます。それによりますと、国民総生産もいまより倍以上上がりますし、また国民所得にしても上がるというようなことから、いまのお金のベースで考えることはできないのじゃないかと思います。そういうことを考えますと、たとえば第六次に比べて第七次の計画は約倍でございます、そうしますと、またこれが第七次が終わりまして、第八次のときにはGNPも上がり、あるいは国民所得もふえるというようなことから、それだけの経済基盤ができましてまた倍と、かりになりますと、これはある程度達成できる数字かと思います。ただ、そうなるかどうか、これは一つ将来の見通しでございます。そういう国民総生産等から考えて、道路に対する需要はこうなるであろう、物資の貨物の輸送、あるいは人の旅客の輸送の問題はこうなるであろうということを想定いたしまして、それに対処するためには九十九兆円必要であり、そういう意味ではまたある程度実施が可能であるというふうに私どもは考えております。
#11
○二宮文造君 どうも説明を伺っていても何か貧乏人のやりくりみたいな感じがしますね。やらなければならないのはこれだけやらなければならない、しかし手元に金がないから、いまのところはうんと詰めておいて、先はふところが楽になるだろうから、そのときはこれくらい貯金すればいいのだというふうな、とても実現不可能なものを計画に組んでいる。個人の経済ならそれでも将来、先が楽しみですからいいかもわかりませんが、少なくとも国の計画ということについては、GNPが伸びるから倍になるだろう――なるかならぬかわからぬけれども、そういうふうに計算をしてと、こういうような答弁ですけれども、倍になってみたって、次の五カ年計画は四十兆円ですね。ところが、ここに出ているのは、もう次の八年間で七十何兆円投資をしなければならぬ。どうも絵にかいたもちのような計算、それに基づいていわゆる五カ年計画というものが従来組まれてきたから三年程度で改定をされなければならぬのじゃないか。結局これで国民生活は非常に迷惑をするわけですね。そこで、この計画もどうせまた改定せざるを得ない、これは火を見るよりも明らかだと思います。そのゆえんは、ここ数年間の特定財源の収納状況、まずこれから御説明をいただいて、その特定財源の収納の傾向から私はこの財源というものを考えてみたいと思うのですが、この傾向はどうなっておりますか。
#12
○政府委員(菊池三男君) 特定財源につきましては、これは国費と地方費とございますが、かりに国費を例にとって御説明申し上げますと、特定財源としては、ガソリン税それから石油ガス税がございます。これは従来は毎年一六%から一八%ぐらい伸びておりましたが、現在のところ大体、対前年一〇%というくらいに落ちついておるようでございます。それで、そのまま伸ばしてまいりますと、今度の十九兆五千億円のうち、一般財源で要りますのは――一般財源といいますか、有料道路を除きました分が六兆九百億ほど国費で要るわけでございます。そのうちに、いまのガソリン税等の伸びを一〇%として押えますと、四兆八百億円くらいが特定財源、残りが一般財源ということになるわけでございます。そうしますとその比率は、特定財源の占めます比率は五九%になります。一般財源が残りの四一%。これは第六次のときと比べますと、第六次の五カ年計画につきましては、国費のうち特定財源が八二・五%ございました。残りの一七・五%が一般財源ということから、特定財源だけを見ますと、伸びが頭打ちになっておりますために、この大きくなった事業に対しては一般財源を相当入れなければできないということになろうかと思います。ただ、これはいま試算すればというお話でしたので、いまのままをいけばこうだということで、ただそれにつきましては、いろいろ財源的にどうするかという問題がございます。先般この五ヵ年計画が閣議了解されましたときに、その財源については、次の予算編成時、四十九年度の予算編成時までに十分検討してきめるということになっておりまして、ただいまいろいろと方策の検討の段階でございますので、その結果、特定財源の比率あるいは一般財源の比率というようなことにつきましては、いまこの段階ではまだ申し上げられる数字になっておりませんけれども、財源的にはそういうようなことでございます。
#13
○二宮文造君 いま重要な御発言があったわけですが、要するに第六次計画に比べて約二倍という大型の第七次計画が策定された。しかし、その財源になるガソリン税等の特定財源というものは、だんだん対前年の伸びが縮まってきまして、お話によりますと、約六割程度、五九%程度におさまるんじゃないか。しかし、財源については、財政の措置については次の予算編成時に検討を行なうう、こういうような閣議了解がある、一般財源については。そうしますと、この第七次計画を遂行していくために、ガソリン税なり、あるいは自動車重量税なり、そういうものをどうするんだ。結局、伸びが縮まってきておりますから、これは、あるいは料率を上げるんじゃないか。さらにまた、一般財源をどうするんだ。やっぱりある程度の――いま話し合いの段階ですから申し上げられませんがというお話ですけれども、この計画がこの委員会の爼上にのぼっている以上は、じゃあ財源はこうなりますという点が明確になりませんと、私どもは実現ができるのかどうかわからない計画、それこそ絵にかいたもちを、そらごとでここで審議をしていることになるんではないかと、こう考えます。したがって、煮詰まったものではないかもしれませんけれども、特定財源は一体どういうふうにやっていくんだ、一般財源はどうするんだ、したがって、この計画は実現してまいりますと、こういう明確な裏打ちを持った御答弁がなければ、私どももちょっと理解に苦しむわけですが、この点もう少し明確にしていただけませんか。
#14
○政府委員(菊池三男君) 五カ年計画をきめますときには、その裏の財源がどうなるかということがわからないと審議できないというお話ごもっともでございます。ただ、五ヵ年計画をつくります際に、一応法的にきめられておりますのは目標と事業量でございます。特に財源をそこに明記するような法的な根拠はございませんが、ただ、道路整備につきましては、ガソリン税等が特定財源ということになっておりますが、これを切り離して考えることがおかしいということ、先生のお話はごもっともだと思います。私もできるだけそういう意味では財源がこうなりますということを御説明申し上げたいと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、まだその点がきまってございません。ただ、一昨日ですか、ここにその問題で大蔵大臣が参りまして、やはり五カ年計画はぜひともこのままやる必要があるんだということでございます。財源につきましては、いま言ったように、これは建設省だけの問題でもございませんので、全般的な問題を合わせ財源問題を考えていくんだ、いずれにしても、しかし、この五カ年計画は達成しなければならないんだというお話もございました。私どもは確かに財源の裏打ちがないと審議できないということ、あるいは、その五カ年が完全に達成できるかどうかわからないじゃないかというお話ごもっともでございますけれども、そういうようなことで、それではあと残りを全部一般財源で出すのか、あるいは特定財源等についてさらに何らかの上乗せをするのか、あるいは新税をやるのか、いろいろの考え方がございますけれども、ただいまの段階では、この内訳につきましてはまだきまっておりませんので、ここでは申し上げかねるわけであります。
#15
○二宮文造君 大臣ちょっとお伺いしたいのですがね、いま局長の答弁によりますと、大蔵大臣の言明によれば、この第七次計画はぜひとも実現しなければならない、こういうお話が一点、それから先ほどお話があったように、この財源措置については、次のいわゆる昭和四十九年度の予算編成時までに所要の検討を行なうという閣議了解、二つありますね。問題は、ガソリン税等の特定財源のことについての明確な答弁がないわけです。実現はしなければならぬ、また、財源措置については編成時に所要の検討をする、特定財源をどうするということはないわけです。しかし、問題は、この特定財源、ガソリン税等を上げるということになりますと、結果的には大衆負担、さらにはまた、いま問題の物価のつり上げの原因になってくるわけです。したがって、特定財源、いわゆるガソリン税等の率を上げて増収をはかるということについては、私どももすぐに賛成はできぬわけです。この点、物価へのはね返り、大衆負担という面から考えて、このいわゆる特定財源の財源措置これは上げてほしくないという気持ちを込めて大臣のお考えを伺いたい。
#16
○政府委員(菊池三男君) 先ほどことばが足りませんでしたが、まだ特定財源をどうするかということはさまっていないということは先ほど申し上げたとおりでございますけれども、ただ、こういうふうに一般財源の率が大きくなってまいりますと、特定財源がこのままでいいのかという検討はございます。たとえば、ただいまお話に出ましたガソリン税等につきましては、昭和三十九年にガソリン税がいまの料金にきめられましてから約十年間そのまま据え置きでございます。当時と比べますと、小売り価格も前より一般的に上がっておりますし、ガソリン税の占めます比率というものは、当時よりも物価が上がればその分だけ下がっているというようなことから、やはりガソリン税というものも検討する余地があるのではないか、また外国と比べましても、ガソリン税そのものはほかより安いというようなこともありまして、そういうようなことも検討する必要はあろうかと思います。ただいま私申しましても、それじゃガソリン税上げるのかというふうに念を押されますと、まだそこまではさまっておりませんから申し上げられませんけれども、そういうふうにガソリン税というものが三十九年までは大体二年おきぐらいに上がっておりまして、平均一年で一〇%ぐらいずつ上がってきておりましたけれども、三十九年でそのままストップしているというようなこと、それからまた最近公害の問題なんかが相当いわれまして、私ども道路をつくります場合にも、相当、公害対策の費用を使っておるわけでございます。そうした場合に、そういう公害対策的なものはある程度利用者が負担してもいいのではないかというようなこともございまして、そういうようなことも検討する余地はあろうかと思っております。
#17
○国務大臣(金丸信君) 先般、愛知大蔵大臣が参りまして、この問題につきましてはただいま道路局長から御説明したとおりでございますが、私は、いま先生が御指摘のように、特定財源を上げるということになると、多く持つということになれば物価にはね返って国民に及ぼす影響があるということであります。また、いろいろ検討いたしておるわけでございますが、できるだけ物価にはね返らないようなことを考えなくちゃいかない、そういう意味で一般財源をできるだけ確保するようにつとめてまいりたいと、こう考えております。
#18
○二宮文造君 いま大臣からガソリン税の増収についてはお話がありましたから、もう私さらにこの問題しませんけれども、ただ、道路局長のその答弁は私あまりすっきり受け入れられぬわけです。といいますのは、ガソリンの小売り価格が上がって三十九年から税率が据え置きだから、その単価の中に占める税率は非常に少ない、したがって、もうそろそろ前のパーセンテージに戻すとすれば上げてもいいんじゃないかというような答弁ですけれども、その考え方ですね、税率は上がらなくても小売り単価は上がっているわけです。それだけやっぱり物価なりあるいはまた大衆なりにはね返っているわけですね。こういう物価高の時代ですから、税の増徴によってさらに物価値上げに拍車をかけるというようなやり方は、これは公共料金の値上げと一緒です。政府としては極力下げるべきではないか。そうなりますと、やはり大臣からいまお話があったように、一般財源を確保してその道をなるべくとらないようにする、こういうふうな行政の姿勢が望ましいわけです。その点について大臣からいま明快な答弁がありましたから、ぜひ今後も――考え方の中で、小売り単価が上がって税の占める率が下がったんだからもとへ戻してもいいじゃないかというふうな考え方は、私は説明としては納得できない、この点だけあえて加えさしていただく、こう思うんです。
 そこで話題を変えまして、第七次計画の投資額のうちで用地費、これはどの程度に認められているんでしょうか、見込まれているんでしょうか。
#19
○政府委員(菊池三男君) 第七次計画におきまして用地費は、これは一般道路、有料道路合わせまして十九兆五千億のうちの四兆九千億、約八百五十平方キロというものを用地費の対象と見ております。
#20
○二宮文造君 この地価は毎年たいへんな上昇率を示しております。したがって、その地価の上昇率というものを用地費の中ではどのようにお考えになっていらっしゃるでしょうか。
#21
○政府委員(菊池三男君) 五カ年計画をはじきますときの積算の基礎は昭和四十七年度の単価でございます。用地費につきましても、いまの四十七年度の単価ということを頭に置いて積算しており・ます。したがいまして、用地の値上がりということをどう考えるかという御質問でございますけれども、これは物の値上がりは、五カ年の先のことまでになりますと、なかなか正確につかむことはむずかしゅうございます。したがいまして、五カ年の最初の実績ということで四十七年度単価を基礎にしております。そうしますと、値上がりになった分だけあるいはパンクするのではないかというようなことも出てまいるわけでございますけれども、私ども用地に限らず、そのほかの諸資材にいたしましても若干値上げということが出てくるかもわかりませんけれども、そういうものは、今後の仕事の工法の研究あるいは合理化というようなことでまた別に四十七年度よりも節約できるという面もございますので、そういうのとあわせ相殺してこの計画を達成したいというふうに考えております。
#22
○二宮文造君 そうでしょうか。相殺できますか。だって四十七年度価格といいますと、おそらく積算の過程なんかがありまして、単純に考えますと――四十七年の四月一日に地価公示価格が発表されましたね。ついこの間、ことしの一月一日現在の地価公示法による価格が発表されました。四月一日ですか。それによりますと全国平均で三〇・九だと思いましたよ、上昇率が。いわゆる積算をした四十七年度の価格が昨年の一月一日に調査されたいわゆる昨年四月一日の積算額であれば、たった一年間で三〇・九%――まあ都市も含みます、全国平均ですから、値上がりをした。しかも、その値上がりの傾向というのは一向に衰えておりません。さらにまたもっとおそろしいのは、いなかのほうの値上がり率が非常に高くなってきました。そうなりますと、これは五カ年計画ですから、計画の中にある程度やっぱり上昇率というものを見込んでないと、用地費だけでも直ちにこの計画を改定しなければならぬ要素が十分にあるわけですね。この点、私はやっぱりある程度地価の上昇を見込んでないと、この計画は、何度も言いますけれども、絵にかいたもちのようになるのじゃないかと思うのですが、この点はどうですか。くどいようですが、もう一度。
#23
○政府委員(菊池三男君) 確かに、道路に関係します材料、資材あるいは用地という中で、用地の値上がりの問題が一番全体の事業に響くことは事実でございます。そういたしますと、異常な値上がりをすればそこに穴があくじゃないかということもそのとおりでございますが、たまたま用地費の全体の事業に占めます割合は幹線道路――国道とかあるいは高速道路等につきましては全体の事業費の約三〇%ぐらいでございます。それから、この五カ年の中に含まれております地方単独事業、こういうものにつきましては、その比率は一〇%とかあるいは一三%とか、非常に低い数字でございます。そうしますと、その値上がりがたとえば三〇%といたしましても、その全体の事業に占める割合というのは若干落ちると思います。しかし、こういうような情勢が今後ますます続けば、これはそのまま、いまのままでもできますと言えば私はうそになるかと思います。しかし、これもいつまで続くかわかりませんものですから、いまのところでは、やはり先ほども言いましたように、四十七年度というものを頭に置いた用地の金額というものを推定して、これは積算をしているということになるわけであります。
#24
○二宮文造君 いまのような急激な地価上昇というものを頭の中に描いた第七次計画、こういうことに私どうも納得ができません。この点も、ひとつこの計画の実行の推移を私、見守ってまいりたいと思って、いまここでこの問題深く触れるつもりはありませんけれども、そういう点を指摘しておきたいと思います。
 次に、第七次道路整備五カ年計画ですね、この大綱という資料をいただいておりますけれども、その中で実際の閣議決定は、有料道路を除くものについてはキロ数で決定されるように思うのですけれども、十九兆五千億円の事業量、これをひとつ御説明いただきたいと思います。
#25
○政府委員(菊池三男君) これは、前回のときに五カ年計画の事業量の資料提出をしろということでございましたので、一応、資料としてこちらに提出してございます。その中で、全体が十九兆五千億でありますが、高速道、有料道路につきましては、五ヵ年計画は、事業量では閣議決定をしておりません。そのほかの一般道路事業につきましては、逆に、お金じゃなくて、事業量を何キロメートルやりますという形で、これは決定しております。それから、そのほかの調査あるいは機械というようなものも全部お金でございます。これは実は、高速道路等の有料道路になりますと、相当な金額を投資しておりましても、でき上がるのに、いまのところは大体、高速道の場合は、用地の買収なんかも全部ひっくるめますと七年ぐらいの。パターンになっておりまして、そうしますと、お金はつぎ込んで用地等に入れましても、事業量としてはゼロになりますので、これではおかしいということから、従来から五ヵ年計画では、有料道路関係はお金で、それから、そのほかの一般道路につきましては、もう単年度でありますので、単年度で形が見えてまいりますので、何キロメートルというふうにしておるわけでございます。
 ただいまの御質問は、そのうちの、有料道路はお金だけれども、その事業量が幾らかという御質問でございますか。
#26
○二宮文造君 いえいえ、以外。
#27
○政府委員(菊池三男君) そうすると、そのほかの数字を申し上げますか。
#28
○二宮文造君 資料、出しているのでしょう。
#29
○政府委員(菊池三男君) はい、出ております。
#30
○二宮文造君 けっこうです。
 そこで、この五カ年計画で整備される市町村道、この採択基準というのはあるのですか、ないのですか。
#31
○政府委員(菊池三男君) ございます。これは道路法にも、市町村道につきましても、国の施策上重要なものについては国の補助対象とするというようなことがございます。また、私どものほうも、それに対しまして内規をつくりまして、一つの補助をする基準というものをつくってございます。
#32
○二宮文造君 そこで、この市町村道、現在その総延長は八十六万キロある、こういわれております。この八十六万キロの中で、舗装とか、あるいは改良とか、そういうふうな整備が必要なのはどれぐらいあるとお考えですか。
#33
○政府委員(菊池三男君) ただいまの八十六万キロのうち、私どもが早急に整備をすべきであると考えておりまするのが、いろんな奥地産業開発道路とか、そういう特殊立法でやるものも含めまして二十三万キロ、これを早急に整備したい、これを昭和六十年までにやりたいというふうに考えております。それから、それ以外に、さらに足元道路――いまの二十三万キロにつきましても、これは私どもは生活のための生活道路であるというふうに考えておりますが、そういう集落から集落へつなぐ道路、あるいは集落から役場あるいは学校、あるいはそういう中心地につながる道路というものを二十三万キロ、これは内規でありますけれども、一級市町村道、二級市町村道というようなことで基準をきめて、路線をきめております。その二十三万キロのほかに、もっと足元の道路として、これは地方単独事業でありますが、主として舗装事業でありますけれども三十万キロ、やはり同じ昭和六十年までに達成したいというふうに考えております。
#34
○二宮文造君 これから整備をされるのは計画としては二十三万キロ、さらにまたその上、整備をしなければならない、単独でも何でも整備をしなければならないと思われるのが三十万キロ、こういう、これから先の展望の数字をいまお伺いしました。それでは、いままでに整備された、整備が完了している市町村道、これは何キロありますか。
#35
○政府委員(菊池三男君) 八十六万キロのうち、改良の済んでおります延長が十四万五千キロで約一七%、それから舗装の済んでおりますのが十三万六千キロで約一六%ということでございます。
#36
○二宮文造君 したがいまして、いままでに済んでいるのがいまお話のあったとおり、しかも、この五ヵ年で二十三万キロというものを、この改良なり、あるいは舗装なり、そういうものをやるとすれば、これはたいへんな財源措置が必要になってくるわけですね。
 で、じゃ、この市町村道の整備についての財源措置は一体どうなるのかという心配が、ここでもまた出てくるわけです。ただ、それを特定財源でささえていくのかあるいは道路法を改定して、その補助率を高めてそれをささえていくのか、これをどう整備していくのか。市町村道の整備という問題について、その財源措置をどうされるのかということを承りたいと思います。
#37
○政府委員(菊池三男君) 市町村道を整備しますと、その負担が大きくなることは事実でございます。
 二つに分けまして、補助事業につきましては、今度の五カ年は従来と比べて三倍ぐらいの率になっております。したがいまして、その分の裏負担はどうなるかということ、これも当然出てまいりますが、これも先ほどの国費の分の財源と同じ問題でございまして、これは財源構成がきまりませんと、ちょっとここでもやはり同じような意味でまだ申し上げかねるわけでありますけれども、また同じ市町村道でも、ものによりましては、特に過疎地域というものに対しましては、これは県が市町村にかわって代行するという制度がございます。この代行制度をやりますと、同じ市町村道の補助工事であっても、裏負担は全部県がしょうということになるわけで、直接市町村には負担がいかないという、そういう制度もございます。そういうものをまたもっと伸ばすかというような問題、あるいは補助率あるいは負担率の問題も同じように出てくるかと思いますけれども、そういう地方財源の問題とあわせて、これも次の予算編成時までにはきめなければならない問題と思います。
 それからもう一つ、地方単独事業でありますけれども、これも市町村道整備につきましては、非常に大きなウエートを持っております。今度の五カ年計画におきましても、四兆七千億というのが地方単独でございますので、十九兆五千億のうちの四兆七千億でございますので、相当なウエートでございます。これは現在も相当行なわれているわけで、たとえばこの五カ年は、地方財政計画によります四十七年度の地方単独の実績、これをもとにいたしまして――地方単独の伸びがここ数年間毎年二一%の伸びということになっております。そういう実績をつかまえまして、四十七年度の地方財政計画を二一%でずっと伸ばしていった場合が四兆七千億でございます。したがいまして、これも一応達成できる金額ではないかと思っております。
#38
○二宮文造君 やはりここでも財源の問題が大きなウエートを占めます。これは御答弁のとおり、根本的な考え方が明確になりませんので、予算編成時、それまでお預けということになりますけれども、私は、そういう意味で経過を見守ってもらいたい、こう思います。
 次に、国道の昇格問題についてお伺いしたいんですが、従来、主要地方道の国道への昇格、この問題は、大体振り返ってみますと、四年とかないしは五年に一度です。一括して昇格の措置がとられてきておりますけれども、第六次計画を二年繰り上げて第七次を発足させる今日の状態を考えてみますと、この時期に主要地方道の国道昇格、これをあわせて考えるべきではないか、こう思うんですが、この点はどうでしょう。
#39
○政府委員(菊池三男君) ただいまお話のありましたように、国道の昇格は、いままでの過去の経歴からまいりますと、数年あるいは七年ぐらいのときにまとめてやっておるのは事実でございます。実は最近では昭和四十四年に約五千六百キロほど国道昇格をいたしております。これは国道というものが道路法で一つの、国道とはこういうものであるということがきめられておりますが、そういう条件に合うもので、主として主要地方道の中から選んで国道昇格をしておるわけであります。四十四年にやりまして、それ以来やってございませんが、たまたま昨年ですか、沖縄の復帰のときに沖縄の国道を一本だけ認定いたしました。沖縄だけについて国道昇格をやりましたが、それ以後はやっておりません。
 五カ年計画の中でもそれを考えるべきではないかということでございますが、あるいは今年度の五カ年の中でも国道昇格ということが出てくるかもわからないと思います。ただ、この事業の対象としましては、国道昇格となりましても、現在、主要地方道であれば主要地方道として整備する中の事業量あるいは事業費の中に入っておりますもので、それを国道昇格にいたしますと、そのまま国道のほうへそれを持ってまいりますので、実質的には大きく変わらないかと思います。ただ、変わるとすれば、国道に昇格したために早くなって、主要地方道のときには計画は五カ年に入っていなかったけれども国道になったために入るというようなものが若干出てくるかと思いますけれども、また、そういう場合にはいろいろ予備費の問題もございますし、また、その中でいろいろなやりくりでやれることもございますので、特に、いま五カ年計画をきめるときに国道昇格を何キロやるとかいうようなことまではきめることは必要ないかと思います。
 それからもう一つ、現在、国道は昭和五十二年度までに一次改築を終わりたいという――概成でございますけれども、ほぼ終わりたいというふうに考えております。主要地方道の場合は昭和五十五年度までに概成するということでございますので、三年の開きはございますけれども、主要地方道と大きな差がございませんので、まあ五ヵ年計画に関する限りはそう大きな金額の変動は出てこないのではないかと思います。
#40
○二宮文造君 私が意を込めて質問をしたその点に、いま道路局長が触れられました。したがって、いずれにせよ地方主要道の問題、これはいま御答弁のあったように、必要な部分から早急に手をつけていただく、こういうような考え方で進めていただきたいと思うんです。
 そこで大臣にお伺いしますけれども、田中総理は例の日本列島改造論の中で、「四国は日本の表玄関」になると、こういうふうに明言されているわけですね。その意味するところが何であるか、いろいろに考えられます。われわれは非常に悪い状況を考えて、表玄関になるということはすぐそのままいただけないわけです。石油基地の問題等等考えてみますと、いただけぬわけですけれども、しかし現実の問題として、御承知のように、四国のあの島の中というのは鉄道も軌道も完備しておりません。これはもう御承知のとおりです。それからまた、したがって道路にかかるウエートというのは非常に大きいのですが、道路の整備がこれまた、それぞれの県の財政が貧弱なために、これは舗装率にしても改良率にしても立ちおくれていることはデータをごらんになればすぐわかってくるわけです。そこで私ども帰ってみますと、各地で国道昇格の要望を受けるわけです。できるだけ四十八年度でやってもらいたい、四十八年でできなければ四十九年でやってもらいたい、こういう要望が非常に強いわけです。特に四国の道路事情というものを大臣がちょっと見ていただきますと、私が申し上げることはよくわかると思うのです。したがって、こういう各県に要望があることを踏まえて、ひとつそれらの要望に対して大臣の前向きな答弁を私はここでいただきたい、こう思うのですが……。
#41
○国務大臣(金丸信君) 私も建設委員長のころ四国架橋の問題で視察に参りまして四国全体を回ってみまして、まことに道路が貧弱な道路であるということ、立ちおくれておるということも十分私もわかります。そういう意味で国道昇格ということも願うところは多分にあろうと思いますし、そういう面につきましては十分ひとつ検討しまして、優先的に採択していきたいと、このように考えております。
#42
○二宮文造君 そこで先ほど道路局長が、いわば道路の公害を振りまく、この環境整備についても多額の投資をしている実情を若干お触れになりましたけれども、その問題をちょっとお伺いしておきたいと思うのですが、これまで道路整備というのは延長ですね、これを延ばすことに主力が置かれまして、どちらかというと、道路を取り巻く環境整備というものについてはおざなりに終わっていた、こう指摘されてもやむを得ないと思います。そこで第七次計画では、いま問題になっております排気ガスの問題等々含めて環境整備という問題をどういう姿勢で推し進めようとするのか、これは大臣でもあるいは道路局長でもけっこうですが、できれば大臣にお伺いしたいと思うのですが、その姿勢、考え方、そういうものについてお伺いしたいと思います。
#43
○政府委員(菊池三男君) 公害の問題は非常にいま重要な問題でございます。私ども道路をつくる側といたしましては、実はこの公害の問題は根本的に、私はやはり自動車の改善ということが第一であろうと思います。道路そのものが音を発するわけでもなし、道路そのものが排気をまくわけではございませんけれども、それに道路をつくれば必ず自動車が参りますので、そういう排気ガスあるいは騒音というような公害をまき散らす、あるいは生活環境を破壊するというようなことになるわけでございます。したがいまして、やはり自動車の改善ということが第一義と思います。また自動車のほうもマスキー法、その他また音についても音のマスキー法版をつくろうというようなことで、また、これは環境庁のほうでもいろいろやっていただいておるわけで、私どももそれに非常に期待をしておるわけでございますけれども、そうかといって道路のほうで何にもせずに手をこまぬいているということでは許されないと思います。したがいまして従来からも、道路をつくりますときには、まず路線の選定から考えるべきである、なるべくそういう住居地域を通らなくて済むものははずす、あるいはどうしてもやむを得ず通らなければならないという場合にはいろいろな構造的な問題等を考えまして、若干費用が高くなってもそういう公害の少ない道路をつくるべきである、あるいは緑樹帯をつくって生活環境と道路環境とを分離しようというようなこと、そういうようなことをあわせ考えながら進めていきたいというふうに考えております。
 たとえば今度の五カ年計画の中ではそういう公害対策費がどのぐらいになるだろうかということを試算してみたことがございますが、十九兆五千億のうちの一兆二千億程度がその公害の対策の費用であるというふうに私どもは考えております。この取り方は、高速道路あるいは四車線の非常に交通量の多い、通過交通の多いところでは道路の両側に十メートルずつぐらいの緩衝緑地帯というようなものを積極的につくっていきたい。これは実現したものはまだございませんけれども、そういうようなものをつくっていきたいというようなこともいま考えて、いろいろと折衝中でございます。そういうものをやりますと、それだけで約五千億ぐらいの費用が出るかと思います。そのほか構造的に、トンネル構造にしたり、あるいは防音壁を建てたりというようなこと、あるいはルートを市街地から避けたために、山へ入ったために非常にトンネル、橋が多くなって費用が上がるというようなこと、全部一応積算いたしますと、一兆二千億という巨額な数字になりますけれども、そういうようなものを道路側としてはぜひやっていきたいというふうに考えております。
#44
○二宮文造君 おっしゃるとおり、これはたいへんな公害をまき散らすこれからの状況になると思います。例の新国土建設長期構想ですね、これに指摘されたところによりますと、昭和四十六年度に一千八百九十八万四千台、この自動車保有台数が昭和六十年度には四千二百五十万台、こうなる。したがって、もうたいへんな一酸化炭素の排出量になると思うんです。そこで街路樹の整備というのが、非常に大事になってきますが、これは私聞いたところによりますと、東京の国道、それから都道、そういうおもな道路に一メートル幅のグリーンベルトをつけると、一酸化炭素を平均百十万トンから吸ってくれる、こういうふうな学説があります。そのためには、それに相当する、たとえば十九兆五千億の一割ないし一割五分というものが、そういう環境整備のために使用される、そして、その排気ガスの問題の解決、もちろん自動車の改造というのはありますけれども、出てくるものはしようがない、それを今度は吸収する、そういう方策もあるように聞いております。したがって、そういう面を踏まえて、この一酸化炭素の問題、排気ガスの問題等については費用の問題もありましょうけれども、しかし、やっぱり人命を尊重する、そして、しかも新しい国土を建設するわけですから、こういうことを先ほどの答弁に付随して建設省としてもお考えを願いたい。これはまあ要望にとどめておきます。これは大事な問題ですので、ひとつグリーンベルト、その科学的なデータ等も研究されまして、ぜひそういう面での解決というのもはかっていただきたいと思います。
 次に、この緊急措置法の改正に関連しまして、ちょっとわき道に入りますけれども、本四架橋の問題について地元でいろいろな話を問題にしております。そういう点も含めてお伺いをしたいと思うんですが、公団のほうから正式に発表がないようですけれども、現地では、それぞれ現地の公団の責任者ないしは県の責任者、そういうところから問題が断片的に発表されております。そのつど住民は疑心暗鬼のようなかっこうになっている。これは私はやはり今後の姿勢として基本的な問題題、あるいはまたその地域に触れるような問題については、公団の権威ある側から中央機関において発表をされて、それを受けて現地の担当者が発表し、やっていくと、こういう基本的な姿勢が私は望ましいわけです。といいますのは、これは問題の中に入っていません。基本的な問題ですから前ぶれになるわけですが、現地の担当者がいろいろなことを言う。住民はこうしてほしいということを、その説明を聞いて現地の担当者に要望をする。そうすると、現地の担当者は住民の要望に対しては何ら答える権限がない。これは検討いたしますとか、伺っておきますとかいうことでまとまってしまう。それじゃしょうがないというので中央へ住民はかけ合いに来る。ところが中央では、基本計画はまだだとか何だとかということで、この現地の発表より中央の姿勢は後退をしているから、住民は、じゃ一体われわれはどこを窓口にして話し合えばいいのかということでかえって混乱を巻き起こす。こういう原因になっているように、現地で発表する段階においては、その以前に、中央で報道機関等を通じてできる限りこまかい問題について発表をされて、それを受けて現地担当者が住民の説得に当たる、こういう姿勢になすったほうが混乱を除去するんではないか。今後の取り組み方として私これはお願いしておきたいと思うんです。坂出方面ではたいへんな混乱が起きております。現地の担当者は無理ないと思うんです。自分たちが預かった範囲内を越えて住民からいろいろ要望が出てきますから、どうしょうもないというのが現状のようです。まあひとつ今後の姿勢として公団側でお考えを願いたい。
 それで、まず、まあ私も不勉強で申しわけないんですが、本四架橋、特に瀬戸大橋の関係についていよいよ今秋から着工される、そして着工をされ完成に至るまでの見通しです、年次別に、もうすでにおつくりのようですから。その点についてまずお伺いをしたいと思うんです。たとえば北備讃瀬戸、それから南備讃瀬戸、この大橋はいつできる、それから今度は児島側のほうの橋は大体いつに考えてます、それから櫃石――岩黒のほうの関係についてはこう考えてます、こういうような年次的なものを、そして完成に至るまでの、そして使用に至るまでの年次別な御構想を承りたい。
#45
○参考人(富樫凱一君) ただいま二宮先生からお話のありました現地と本社との関係でございますが、ただいま各ルートにつきまして実施計画書をつくる段階でございます。各ルートにそれぞれ責任者を置きまして各ルートの実施に関する調査をやっておるわけでございますが、その間におきまして現地のほうで地元の方の御要求に対して明答できないものがこれは幾つかあるだろうと思います。それらの点につきましては現地から本社がよく事情を聞きまして、それに対する指示を与えておるわけでございますが、これが固まってまいりますと、これは本社が出かけまして地元の方に御納得をいただかなければならぬと思っておるわけでございます。そういうやり方でやっておりますが、先生の言われるように、初めに現地に本社から出かけていってルートのいろいろの説明をするということがあろうかと思いますが、ちょっとそれでは本社では最終的な段階になってまいりますので、いろいろ調査して地元の方の御意見も伺わなければなりませんので、私のほうはそういうやり方をとっておりますが、よく御意見のことはわかりますので、できるだけ本社のほうで積極的に地元に出まして御納得をいただくようにいたしたいと、こう思います。
 それからBルートの年次計画のことでございますが、概括的に申しますと、Bルートは昭和五十六年度に完成いたしたいと考えております。四十八年度から着工いたしますのは備讃瀬戸、ここには二橋ありまして、北備讃瀬戸と南備讃瀬戸を渡る二つの橋があるわけでございますが、これに着工いたします。これにかかります意味は、Bルートにおいて一番困難な仕事が備讃瀬戸の仕事でございますので、まずこれにかかるということでございますが、引き続きその次の橋、それから櫃石、与島の橋というふうに考えておるわけでございます。ただ、全体の計画をにらみまして、これは航路に影響を与えてもいけませんし、また海を汚染するという問題がございますので、一ぺんに、同時に何カ所もかかるということは得策でもないと思いますので、その点を頭に入れまして年次計画を立てておるわけでございます。その概略につきましては蓑輪理事から御説明申し上げます。
#46
○参考人(蓑輪健二郎君) ただいま総裁がお話になりましたように、ことしの秋から北備讃瀬戸大橋、南備讃瀬戸大橋にかかりまして、いまの予定では昭和五十六年に完成さしたいと。もちろん、その間にいろいろ潮の問題なり資金の問題があろうかと思いますが、そういうものが全部順調にいったときの考え方でございます。やはり北、南の備讃瀬戸大橋は非常に難工事を予想されまして、これがことしから着工いたしまして、やはり五十六年か五十五年ぐらいまでかかるんではないか、余裕を見て五十六年というふうにしております。その次にかかる橋といたしましては、児島から櫃石島に渡ります下津井瀬戸大橋を予定しておりまして、これにいつかかるかについては、今後資金の問題をあわせて検討しておりますが、四十九年、来年度の終わりから五十年の初めくらいにかかれば五十六年、全体の完成に間に合うだろうということでございます。その間の櫃石の高架橋、岩黒、羽佐、与島の高架橋がございますが、これは大体陸上でございますので、海上のあれに比べまして大体四年か五年ぐらいでできるという予想をしております。これも五十六年に完成させるように着工を考えております。ただ、こういう橋を一度にたくさん工事に着工いたしますと現地も非常に混乱いたしますので、そういう意味で、資金があれば、この中の岩黒橋、この辺には五十年の終わりぐらいからかかりたいという希望を持っております。陸上につきましては、これは番の洲の高架橋が非常に長いのでございますが、これはもうすでに番の洲の用地もございますので、これは資金さえあれば十分できると。また陸上については用地を含めまして大体五年ないし六年あれば完成できるということがございます。陸上については、ことに岡山側については必ずしも橋がかからなくても、一部の供用開始をすれば交通の用に供せられるところもございますので、この辺もことしの秋から、岡山側の用地の買収の話し合いを先行いたしまして、できるだけ早い時期に着工――といいましても、やはり四十八年から用地をやりますと、これも五十年終わりぐらいにならないとほんとうの道路工事にかかれないかと思います。陸上についてはできるだけ早く用地の買収を終わって工事にかかりたいというふうに考えております。
#47
○二宮文造君 建設省にお伺いしますが、ついせんだって、五日の香川県議会で企画部長のほうからこういうような説明がなされているわけです。近く与島南地点で調査試験工事を開始するのをはじめ、知事の同意を求めるため建設大臣から工事にかかる道路部分の基本計画が示される予定なので、六月定例県議会に提案し議決を得たい、これに基づき来月に本四公団に対し基本計画を指示、知事と協議の上、八月中に工事実施計画を完成し、認可を得て、十月に、ルートの工事が着工される、こういうふうなスケジュールが企画部長から県議会に説明されておりますが、この点は確認の意味です、よろしゅうございますか。
#48
○政府委員(菊池三男君) そういうことがあったことは事実でございます。この事業をやりますについては、建設大臣は基本計画の指示をすることになっております。その指示をする前提として、県知事に協議をし、県知事はそれを県議会にかけるという事務上の手続がございますので、そういう手続のための打ち合わせということかと思います。
#49
○二宮文造君 それで、少し中身に入ってまいりたいと思うんですが、同じく公団の所長がその席に出席をしておりまして、いま総裁並びに蓑輪理事からお話があったようなスケジュールが実に明快に、お金の問題とかなんとかいうことは触れられないで、説明されております。それによりますと、十月に南北備讃瀬戸大橋に着工、続いて一年後に下津井瀬戸大橋、さらに一年おくれて櫃石−岩黒島に着工、完成は五十六年中の予定、その後、半年間の列車試験運転を行なう、こういうふうな計画を所長は明快に説明しておりますが、これは公団のほうでは御承知ですか。
#50
○参考人(蓑輪健二郎君) いまの計画は、いろいろ先ほど言いました資金の問題がございますが、現地で施工するための一つの工程を本社とも打ち合わせいたしまして、その辺に着工すれば五十六年度の終わりに開通できるというように現地、本社両方で協議したものでございます。
#51
○二宮文造君 そこで公団総裁にお伺いしたいのですが、田中総理の日本列島改造論、これによりますと、明石−鳴門ルートに石油。パイプライン、水道パイプを抱き合わせる、また児島−坂出ルート、尾道−今治ルートにも石油パイプラインを抱かせる、こういうふうな構想が述べられているわけです。それについて総理も、たしか石油パイプラインについて、四月ごろに記者会見だか――会見だか何か知りませんけれども、そういう。パイプラインについて発言をされておりますが、その趣旨をもう一ぺんお伺いしたいわけです。
#52
○参考人(富樫凱一君) 四十八年度の当公団の事業につきまして記者の皆さんに御説明したことがございます。その際、記者の一人の方から、水道、石油のラインについてはどういうふうにしておるかということのお尋ねがあったわけでございます。そのお尋ねに対しまして、私は、水道、石油。パイプラインとも設計荷重の余裕として考えておるという御答弁をしたわけでございます。この水道パイプそれから石油パイプ、これはいろいろ構想がございますけれども、まだ具体的なものは何にもないわけでございます。しかし、将来そういうことが具体化するであろうということが考えられますので、私のほうとしては、とにかく荷重に余裕を持たせておこうということで、設計荷重の余裕として考えておるわけでございます。いま具体的にそういう計画がはっきりしておれば、何ら迷うところがないわけでございますが、何もなくて将来を予想せねばならぬ、なかなか私のほうも苦心があるわけでございますが、荷重の余裕として考えたわけでございます。
#53
○二宮文造君 私、しろうとなりに考えてみますと、まず電電のケーブルですね、これはまあどうしても必要だと、そのまず荷重がありますね。それから今度は橋そのものを管理するためにいろいろなやっぱり架設が必要だと思いますね。その荷重も考えなきゃなりません。それから水道です。特に吉野川の水、そういうものを考えたときに、将来生活用水等が、水飢饅ということがいまもう盛んにいわれております。特に京阪神地方、それからまた、四国はまあ中ですから、この橋とは全く関係ありませんけれども、その水の問題。ですから水道管の添架というのは、私は将来を見通したらどうしても必要ではないかと思います。ただ問題は石油パイプの添架というもの、それに乗せるということは、これはいわゆる列島改造論に述べられたあの志布志湾とか、それから千葉の富津、それから徳島の橘湾、それから高知の宿毛、こういうもの、外洋に向いたところに石油基地を設けるということが堂々と述べられておりますけれども、地元民はこれに対して猛烈な反対をやっているわけです。特に橘湾は、もうせっかくの知事の計画もついえてしまいました。それから宿毛のほうは、いままだ両者がにらみ合いのようなかっこうです。しかし住民は、それはその関係地域の住民だけじゃなくて、その周辺地域から奥までの住民を含めて石油基地の設置というものにはまずまず反対のほうが強いでしょう。そういう現在の情勢にある中で、公団の総裁が将来の問題として、余裕があるならばそういうことを考えなきゃならぬという発言をされるのは、これはその一言だけ考えてみても、住民意識というものをもうないがしろにした、先走った考え方のようにわれわれは受け取られてしようがないわけです。水道管設置、これはもう必要です。特に与島なんか、それを望んでいます。岩黒にしても、櫃石にしても、用水に困っておりますから、これは問題がない。はたしてあれだけの橋に電電のケーブルだ、管理のためのケーブルだ、水道管だ、さらにはそれに加わって石油。パイプラインだと、こういうことになりますと、現在まで調査研究をされてきた荷重負担の容量を越えることについてまで、余裕があればという一言をつけてはいるというものの、ちょっと先走った説明を総裁がされたんじゃないか、こう思うのですが、この点はどうですか。
#54
○参考人(富樫凱一君) 橋に添架されるものとしてあげられたもののほかに、通信線等もございましょう。まあ、これらの添架物があるわけですが、どれも現在具体的ではございません。ただ、こういうものが将来予想されるので、それを設計荷重の余裕として持たせたということで、いままで研究しておった設計荷重に余裕があればということではなくて、むしろそれに余裕を持たせたというふうに私は申し上げたわけであります。おっしゃるように、その石油基地を予想されるところの地元にはいろいろな反対がございます。そういう際に、その石油。パイプラインを橋に乗せるということを、設計荷重の余裕としてでも乗せることを考えておるというのは不適当じゃないかということでございますが、ただ、私は技術的な観点から、これは、この橋ができますのも、まあ六年、十三年とかかるわけでございます。できましてからでも相当長い将来これは使わなければならない。そういう長い将来を考えますと、そういうことが実現せぬとは限らぬというふうな判断から、その設計荷重の余裕として持たしたわけなんであります。
#55
○二宮文造君 じゃあ、確認をしますが、その橋の設計について、それらのものを頭に置きながら、すでにそれだけの余裕を残して橋の設計にかかっているという説明を総裁はされたんですか。
#56
○参考人(富樫凱一君) そのとおりでございます。特にいま、つり橋の大きなものになりますと、ケーブルそれから塔、補剛げた、こういったものは将来どのぐらいの荷重がこれにくるかということを十分に考えなければなりません。その他の床組み等につきましては、それは将来補強するというようなこともできますけれども、ケーブル等の補強はもうできないわけです。それから、そうとう余裕荷重を持たしておきますと、これはもしそういう添架物がなかった場合にどうなるかということでありますけれども、これはもう荷重の余裕として幾らでも利用、転用の方法はあるわけでございます。だから、そうとう技術的な観点から、私はそのほうが得策であろうと考えたわけでございます。
#57
○二宮文造君 私、聞いたところによりますと、石油パイププラインとか送水パイプ、そういうものを添架しますと、その場合の安全性という問題で聞いたところによりますと、相当なたわみが出てくる。それから今度は温度の変化によって一・五メートルぐらい伸縮というのですか、それが出てくる。そういうふうな技術的な面についてはまだ解決されていない、こういうふうに私、伺っているんですが、この点はどうですか。調査済みで、もうすでに安全性については問題がないという結論をお持ちですか。
#58
○参考人(富樫凱一君) その点が一番心配なわけでございまして、それで設計荷重の余裕ということで考えておるわけでございますが、いよいよそれは添架ということが具体化すれば、その安全性は十分保証されなければならない。特に、つり橋の特性に応じた、そういう石油パイプラインの構造等がわれわれに納得できなければ添架させるわけにはいかぬわけです。それは具体的になったときに、その点は十分調査検討いたしまして――むろん、その添架するほうがそういうことの研究調査をし、実際に設計を立ててわれわれに示してもらわなければならぬわけです。それで納得ができたら添架させるということであります。
#59
○二宮文造君 これは重大な問題なんで、ちょっと大臣にお伺いしたいのですがね。冒頭に私申し上げましたように、冒頭に大臣にお伺いしたいのは、四国のいわゆる外洋部分、宿毛にしても橘湾にしても、これはもう石油基地を設置することに付近の住民はもちろんのこと、周辺の住民、さらにまた関係地域の住民は反対をしております。さらにまた今度は安全性の問題についてもいまだ解決をされていないということで、これもまた非常に疑問視されております。そういう段階で、いみじくも総理が列島改造論の中でパイプラインというものを発表し、さらにそれを受けて荷重余裕というものを考えていると、むしろ安全性だとか、それから現地の住民の反対だとかいうことは総裁の説明の中からはのいてしまって、荷重の余裕というものは考えてあるんだと、こういう説明をしますと、いかにもこの橋がかかる前から住民の期待に反するような、そういう橋の構想に変わりつつあるわけです。いままで石油。パイプラインというものは、この議論の段階には出てこなかった。いきなり列島改造論を受けてこういう問題が出てき、しかも、それを裏打ちするように、総裁の記者会見の席で余裕を考えていることが出た。これは非常に私は問題の発言ではないかと思うんです。パイプの布設に伴う負担金の問題も出てきましょうし、しかし、こういうふうになしくずし的に住民の期待を裏切るような橋の進め方になるということはよくないと、こう私、考えるわけですが、まあ言いにくいでしょうけれども、建設大臣とすれば。しかし、その辺の作業をどういうふうにお進めになり、またどういうお考えを持っておられるのか、これはまあひとつ建設大臣並びに国務大臣、こういうふうな大所高所に立った大臣の率直な見解を私ここで伺っておきたいと思う。
#60
○国務大臣(金丸信君) 公団がその橋にパイプを据えつけるという問題につきましては、将来の予想のもとにやると、こういうことでございます。しかし、それを今度は据えつけるということになりますれば、地域住民のこれは合意も得なければならぬことでありましょうし、納得を得なければならぬということであろうと思いますが、ただ、この橋が何十年、何百年という橋をつくるということですから、それに次の時代の人たちのためにも、あのときこうやっておけばよかったということのないような完全な橋をつくっておくということが必要であろうと、ただ、このパイプを乗せるということの問題については住民の合意を得なければならぬだろうと、こう私は考えております。
#61
○二宮文造君 ここでもう一つ総裁に理解しておいていただきたいことは、先ほど申し上げました五日の県議会の説明において平井県企画部長は、パイプラインのことは全く聞いておりません、こういう答弁をしております。全く聞いておりません。ただ、県の要望とすれば――瀬戸大橋に関してですよ、県の要望とすれば水道の。パイプはどうしてもお願いをしたいと、これは与島の関係、岩黒、櫃石の関係でしょう。乗せてやってほしいと、これは可能ならば島嶼部の地域振興対策として考えてもらいたい、こういう要望は持っておるけれども、聞いていないと。したがって、知事の同意を得るということは県議会の承認を得るということでしょうけれども、秋に着工されるという現時点において、公団総裁がおっしゃるような趣旨のことは県には伝えられてない。あるいは知って、あえて口を緘しているのかもわかりませんけれども、こういう背景があるということは総裁も十分御認識になって、今後、石油パイプラインについては相当慎重な御発言なり、あるいはまた問題に取っ組む姿勢というものをとっていただきたい。でなければ、さらに混乱を引き起こす大きな材料になるということを私ここで加えておきます。ぜひひとつ御考慮願いたい。
 それから、私この間、島へ参りました、与島へ。そうしますと、岩黒の方も櫃石の方も来ました。そして異口同音に言うことが、われわれは橋げたになるのかと、こういうことです。せっかく上に橋がかかっても、われわれは全く利用ができない、何とか利用ができるようにしてほしいということを公団側に要望をすると、何しろ橋の部分が高さが高いので、もしインターなど引き込むとすれば与島は島じゅうがインターの設備におおわれてしまいますぞと、むしろおどかしのような発言でもう話にならぬと、われわれは橋をつくってもらうということについては反対ではない、そのために用地を提供もする、しかし、この機会にせっかくいままで離島であったこの与島、櫃石、岩黒、これが本土と四国と結ばれるんだから、その橋をわれわれの島の中で利用できるようなことを考えてもらいたい、ぜひお願いしたい、同時に三つの島、ほかもそうでしょうけれども、この三つの島はやっぱりだんだんだんだん過疎になってきまして、せっかく橋をつくるんなら、ひとつこの瀬戸内海の一つの島として何らかそれで生きていきたい、将来の展望、レジャー施設といいますか、そういうことでみんなに楽しんでもらって、そしてみんなに使ってもらって、そして開発というものに結びつくような瀬戸大橋にしてもらいたい、当然な住民の要望だろうと思います。ですから私申し上げたように、一つは、島の人間も使えるようにしてもらいたい、同時に、今度はその島が本土や四国の人にも自由に出入りができて、橋を使って出入りができて、それだけ島が開発されるような、そういう瀬戸大橋の構想にしてもらいたい、抽象的に言いますと、こういうことになります。具体的には、それでこうしてもらいたい、ああしてもらいたいという個条が二十カ条ぐらいございますけれども、これはもう一々言いません。要するに、いま言った、島の人も自由に使いたい、それから外からも入ってもらって島の開発に結びつくようなものにしてもらいたい、これは異口同音な要望です。この点について公団としてはどういうことをお考えになっているのか。ただ橋の高さが高いからもうやむを得ないんだと、上を通るほかにしようがないんだという考え方では済まないと思うんです。この点についぞ具体的に、いまの段階でけっこうです、まだ研究をするなら研究をする、こういうことを研究しているんだと、考えているんだということでもけっこうです、なるべく具体的に、島の人が、協力の姿勢にある島の人がなお積極的に協力できるような、そういう展望といいますか、そういう御説明を願いたいと思うんです。
#62
○参考人(富樫凱一君) Bルートについては櫃石、与島、岩黒と島がありまして、それぞれ住民の方がおられるわけでございますが、これは、このルートにインターを設けるのは、陸上にインターを設けるのとは考えを変えなければならぬ、それはもう離島というものを頭に置いて、離島に住民がおられるなら住民の方が利用できるようにということを基本的な考え方にしておるわけです。ただ、いまちょっとお話が出ましたけれども、インターを設けるというようなことは、これが技術的になかなかむずかしい問題もございます。いままで考えておりますのは、バスストップをつくりまして、そこに地元の住民の方が昇降できるようなエレベーターを施設して、バスは利用していただけるようにしたい、こう考えておったわけでございますが、だんだんにそういうお話もあるようでございますが、まあ本土から島に行く人もありましょうし、島から本土にということもありましょうから、その辺のことを検討いたしまして、技術的にどう可能であろうか、それはもう少し検討さしていただきたいと思います。
#63
○二宮文造君 もう少し蓑輪さん足をつけていただけませんか。
#64
○参考人(蓑輪健二郎君) いま総裁の言われたとおりでございますが、具体的に言いますと、やはりこの瀬戸大橋については、櫃石島、岩黒島、与島と、この三つの島がありまして、与島で、私の記憶では大体八百人くらいの人口があろうかと思います。いまも総裁がおっしゃいましたように、この島の住民の協力がなくてはとても橋はできませんので、できるだけその住民の意思を尊重して、できるものはやっていきたいという姿勢でおります。与島について言いますと、これは将来この島をどうするかという問題が一つあろうかと思います。この島をレクリエーションその他の基地にするということになれば、比較的、非常に交通量もふえます。また、そういうためには、与島の島内をどうするかという問題、島内の道路をどうつくっていくかという問題もあろうかと思います。そういう点もあわせまして今後検討したいということでございます。いま一応普通の状態で考えますと、八百人の島民もおることでございますから、まずバスストップを優先的につくりたい。バスストップといいますと、東名高速あたりのバスストップは人の乗りおりだけでございます。ただ、これはいろいろ建設省とも相談しなければならぬわけでございますが、やはりこういう島になりますと、小さな日用品の運搬の問題もございますので、単に人の乗りおりでなくて、日用品のおろしたり乗せたりというものができないかというものをわれわれ検討しておるわけでございます。もう一つ岩黒につきましては、これは橋の構造が両方、岩黒の北、南、これがかなり長いゲルバートラスを計画しております。ゲルバートラスは、御承知のように、トラスの部材がございまして、これに広げてバスストップをつくるということは、非常にこれは橋梁技術上むずかしいということもございまして、これもバスストップができるかどうかの検討をしております。もう一つ櫃石につきましては、これは与島と似たあれがございまして、将来の島の土地利用のあり方及びその中の道路のあり方、こういうものを考えまして、いまのバスストップをいまのところは計画しておりますが、与島と同じように、住民の希望も十分聞きまして、将来の検討事項にしたいというふうに考えております。
#65
○二宮文造君 島の人にいろいろな要望がありますけれども、その冒頭に島の人が言うのは、この機会に島の総合開発計画を樹立してほしい、これをもう第一条件のようにして県に要望しております。その趣旨は、おっしゃるように、いま島に住んでいる八百人内外のためのものではなくて、先ほどから繰り返し申し上げておりますように、あの瀬戸内海の景色というもの、これを活用した、いわゆる島の蘇生ですね、これを頭の中に描いているわけです。自分たちのふるさとがこのままではもうほんとうに過疎の村になってしまう、もう魚もとれない、それから与島は石が出ておりますけれども、その石のあれも無尽蔵ではない、いつか枯渇してしまう、したがって、この機会に総合開発計画をつくってもらいたいというのが、もう大前提になっているわけです。したがって、そういうことを考えている島の人たちに公団が説明する、島の人が出入りできるようなバスストップを考えましょうとか、あるいは島の人の生活に必要な日用品についてはこう考えましょうということは、いま申し上げた大前提には全く触れぬわけです。これではとうてい納得ができないわけです。しかも、いわゆるマイカー時代といいますか、自動車の時代に、島の中を縦横にいま車が走っているのです。そうして石材なんかも採石場から船着き場までトラックで運んでいるわけです。自動車というのを知らない島の人なら別として、やっぱりマイカーを持っている人もいるわけですね、そういう人たちは、島にいる限り、せっかく車を持っていても自分の島しか使えない、こういうことでは、これはとうてい納得できないでしょう。したがって、バスストップということを百尺竿頭さらに進めて、いわゆる島の人が持っている自動車、外から来る自動車、本土とか四国とかから来る自動車、そういうものについても、研究ないしはそれを使用可能なような施設というものをお考えになることが、島の人を納得させる第一の条件になるんじゃないか。それは、青年の家をつくってみても国民宿舎をつくってみても、バスストップで、そこでもうおりてしまわなければならないということになりますと、いまの時代ですから、利用度は半減してしまいます。そういうことはお考えの中にあるのかどうか、この点お伺いしたい。
#66
○参考人(蓑輪健二郎君) ただいま先生のおっしゃいましたように、この瀬戸大橋の三つの島だけじゃなくて、やはり尾道−今治にはたくさん島がございます。同じことがあると思います。やはりその島をどうとにかく将来持っていくんだと、単に中央の一つの業界が自分かってにこの島を開発するんじゃなくて、島自身の島民がこの島をどうするのだということがまず第一かと思います。そういう意味で、実はうちの公団の本来の仕事と多少離れるかと思いますが、そういうような島の経済の問題、総合開発の問題合わせまして、ことしはかなりコンサルタントも使いまして、また島の住民の意見をよく聞いて、そういうものをつくっていきたいというふうに考えております。ただいま先生のおっしゃいましたように、国民宿舎とか、そういうものをつくるということになれば、現在住民が八百人しかいないということだけじゃなくて、いろいろそれに必要な施設というものが当然、国の施策として必要になってくると思います。そういうものを合わせて、今後のこの島の開発とそれに伴う車の出入りをどうするか、島の中の道路をどうするか、こういうものを総合的に考えて、最終の結論をつけたいというように考えております。
#67
○二宮文造君 公団側はああいう説明なんですが、大臣、どうでしょうか、島の人のそういうような橋に関連しての要望は無理でしょうか。これはやっぱりせっかく協力的な、しかも島の開発ということを頭に置いた住民の要望というものは、こういう膨大な計画を実施する前に、それこそパイプラインじゃありません、石油パイプラインを抱かせるとか抱かせないとかいう将来を展望する問題、同じ将来を展望する問題ですけれども、この将来を展望する問題のほうが、よほど住民意識を高揚もさせましょうし、また国の施策としても大事なことではないかと、こう思うのですが、公団に指示をされる建設省の立場、しかも、その最高責任者としての建設大臣の御意向として、こういう島の住民の方々の要望というもの、これについてどうお考えになられるのか、また、どう指示をされようとするか、大臣のお考えを承っておきたいと思います。
#68
○国務大臣(金丸信君) 日本列島改造というか、日本総合開発と申しますか、そういうことは、いわゆる過疎過密をなくするということであるということでありますから、過疎の点について救いの手を伸べなければ何にもならないと私も考えております。そういう意味で、先生の御意見は政治家の意見として、私も政治家としてそういうことはできることであるならばしてやるべきである、十分ひとつ公団とも話し合って、できるものであればやってやるべきだと、このように私は考えております。
#69
○二宮文造君 ぜひこの島の人たちの切実な要望、これにはひとつ公団側も、自動車の使用という問題それから外からの利用という問題、これをひとつ広げてこれからお考えを願いたい、こう思うんです。それで、大体そういうことで、あとは買収の問題だとか、線の引き方の問題だとか、防犯の問題だとか、漁業補償の問題だとか、これはもうお金で解決する問題です。ただ、いま言うのは将来にわたっての無形のものをつくってまいりますから、これにはひとつ前向きで十分に住民の方が納得できるようにお考え願いたい、こう思うんです。これで大体島の問題は解決するんじゃないかと思います。
 それから一番大きなのは川津地区で、御承知のように坂出市の番の洲からずっと入りまして、インターが入ります。この川津地区の住民の方々の反対が非常にきついんですが、それは、この言い分はこうなんです。われわれはいままでただでさえ狭い農地面積ですね――それを大東川という川があるんです、その川にも協力をした。それから十一号のバイ。ハス、これにも用地を提供してやったと。ところが今度はその横断道がかかる、その横断道がどこにかかるかわからぬけれども、それにもわれわれは用地を切り取られるとすれば、こんなネコの額のような川津地区で、道路のためにもう農地が取られてしまう。したがって、なるほど瀬戸大橋というものについてわれわれは反対ではないんだけれども、それにつながる、いわゆる十一号線バイ。ハスにつながるのはこうですと、それから横断自動車道につながるところはこうですと、こういうはっきりしたものを提示してもらって、まあ基本計画にそれを示してもらって、そしてわれわれはこの瀬戸大橋という問題に取り組んでいきたい。ところが、肝心なところが伏せられてしまってどうなるかわからない、そういう段階で測量をさせろ、あるいはまた調査をさせろと言われても、もう信用ならぬと。非常に感情的といいますか、まあちょっと歯が立たないような、たとえば、もう報告もあったと思いますけれども、公団では、現地の事務所では説明会も開かれないような状況です。秋にはもう橋の本体に着工するという段階で、それが陸上部分でどうつながるか、つなごうとする姿勢はもうきまっているにもかかわらず陸上部分の川津地区は猛烈な反対が出ているわけですね。で、これは説得をするにしても横断道との関係で納得をしてもらわなきゃならぬと思いますが、この点については川津地区の住民をどう説得する用意があるのか、これは道路局のほうも関連してきますよ、道路局長ね、道路局のほうも関連してきますよ。そういうような坂出市の川津地区の住民の反対というのは、もはや非常に高まっております。これはもう公団では手に負えぬと思います。こういう面について現地を説得する手段というものは早期にお考えにならなききゃならぬと思うんですが、この点どうでしょう。
#70
○参考人(蓑輪健二郎君) 現在、瀬戸大橋のルートは、御承知のように備讃瀬戸を渡りまして、番の洲の埋め立ての中に百メーターの道路をとっております、その中に乗せる予定でございます。それから同南に下がって十一号のバイパスにつけるか、また将来これが四国の横断道路へつけるかの問題が出てくるわけでございまして、私のほうといたしましては、実は四国横断道路のルートについて全然調査をしておりませんので、この辺のっけ方については十分建設省と相談しなきゃならぬと思います。いまの先生の御指摘の川津地区については、この間第一回の話をいたしまして、いろいろいま先生のおっしゃいました農地のつぶれるということが非常に大きな問題になっておると承知しております。ただ、私のほうからいいますと、やはりどうしても十一号のバイパスにインターをつけなければ交通処理ができない、その番の洲から十一号バイ。ハスまでの間で都市計画道路に一部ランプをつくる予定でございますが、これは要するに北から南へ来ておりる、南から北に行くだけのランプになって、フルのインターチェンジは、人家も相当ございまして、できないような状況でございます。そういたしますと、やはり十一号のバイパスとのインターというのはどうしても必要になってくるだろう、また地元のおっしゃっておる、非常に川津地区が用地が狭い、農地が狭い、ここにいろいろそういうものをつくられるということが農地をつぶすということを十分理解できますので、じゃ、もう一つの用地をつぶす要素になっております四国横断道路、それとうちとの連結をどうするか、この辺を建設省と相談いたしまして、できるだけ地元の要望にかなえるように、また道路の構造としてもできるだけ用地のつぶれ地が少なくなる方法を考えまして、今後話し合いを続けてまいりたいというふうに考えております。
#71
○二宮文造君 ここに要望書が出ております。もうそれは公団も建設省の方も十分御存じだろうと思いますけれどもね、あえて時間はかかりますけれども、その実情というものを――これはひとつ、こういう席で読み上げますとまた受け方が違うと思いますので、この川津地区の住民の方の要望書をちょっと披粋して読んでみますと、「試案によりますと瀬戸大橋架橋ルートは、飯の山東側を通り私達川津地区の半分にもあたる西部を縦走し四国縦貫道や将来乗入れが予想される新幹線の分岐点として何万坪ものインターチェンジの設置等が計画されることになっています。また最近はそれを裏づけるごとく架橋公団の依嘱によりサンコーコンサルタントがすでに二ケ所のボーリングを行ないました。一連のこうした動きは、関係住民には全然知らされず全く寝耳に水であるだけに関係地区民はもとより川津町民一同大きな不安におののいています。私達は、四国と本土を結ぶ瀬戸大橋架橋促進には反対するものではありませんが、この地帯は多くの集落をかかえ人家の密集地域である上に十八万六千ボルトの四国電力高圧送電線がすでに建設されている場所であり、中讃バイパスの通過地帯であるとともに又将来坂出のベッドタウンとして計画されている地域であります。これがため、先祖伝来の農地を買収され部落ぐるみの移転や家屋等の撤去はもとより自動車、列車等の騒音と排気ガス等の大きな公害が予想されます。こうして住みなれた平和な田園農村地帯が根本から破壊されることになります。このような住民の犠牲をそのまま放置することは断じて許されません。瀬戸大橋ルート決定は政府が公団に指示し、知事と協議のうえ地元市の意見もきいて明年一月頃決定のはこびとなると推察されますが、架橋ルート決定にあたっては慎重な配慮をのぞむとともに、現在計画発表されている「坂出市基本構想図」による大橋ルートは出来うる限り変更されるよう関係住民の総意により、署名を相そえ提出いたします」と、要するに坂出市で川津を含めて、いわゆる基本構想というのを持っていたわけです。また川津の住民はその基本構想に基づいて協力をしてきたと、それを根本的にひっくり返すような公団のルートになってきている、だからわれわれは寝耳に水だし、このままにしておくとどうしようもない、だから反対をするんだ、こういうことなんです。ですから、これも先ほど言いました、いわゆる本社の考え方、それから地方の出先の考え方、坂出市の考え方、県の考え方、こういうものが、三者も四者もが合意をしてこれでいこうというんで話を出すんならまだ納得もできましょうけれども、ばらばらな意見のまま、相互に連携のないまま、いわばほしいままと言っては語弊があるかもしれませんが、関係各機関がばらばらな対地元対策をとっているためにこういう疑心暗鬼の反対ののろしが上がっていると思います。したがって、ここで明確なものをつくって、そして、それを地元住民に提示をして納得、協力を得るという姿勢が大事だろうと思います。ですから、その点はこれはもう当然のことですから、もう答弁も必要ありませんし、ぜひそういうことにしていただきたい、この要望書の趣旨を十分に御考慮願いたい、こういうことです。
 それから――ちょっと時間をあと十五分ほどちょうだいしたいんですが、委員長――問題は全然変わりますが、補償の問題です。海運局の方もお見えいただいておりますが、瀬戸内海は、もう御存じのように、過密といわれるぐらいフェリーが横行いたしております。それで、中国地方と四国地方ないしは阪神と四国を結ぶいわゆる瀬戸内海東西の航路です。ここには相当のいわゆるフェリー業者、また、それに対する船舶あるいはそれに対する従業員と、こういうことがございます。もうこれは数を伺おうと思いましたけれども、時間の関係ではしょりますが、しかも、これが、その事業が開始されて以来非常に、いわゆる自動車時代ということを反映して、どんどんどんどん航海数もふえ、船舶も大きくなり、需要に伴ってそれぞれ業者は投資をしてきました。ところが、さて橋ができたとなりますと、おおむねこれは失業するわけです。道路の利用料金――橋の利用料金とそれからフェリーの利用料金、運賃、これとのかね合いもありましょうけれども、おそらくや橋のほうが安いでしょう。これはもう当然考えられます。そうしますと、現在需要に基づいてどんどんどんどん投資をしてきた、また、それに従業員も働いてきた、そういう人たちは職場を失う、仕事を失う、こうなってきます。さて、この点について、需要に基づいて投資をしてきた、橋の完成とともにそれが失業するとなりますと、ここに何らかの補償という問題、それは営業補償もありましょうし、離職のための奨励とか補償というのもありましょうし、いろいろの面を含めて補償という問題が出てきますが、この点については公団はどうお考えでしょうか。
#72
○政府委員(菊池三男君) これはたいへん重要な、たいへんむずかしい問題でございます。これは従来から国道等を新設あるいは改築しましたときに、新しい道路で受ける利益、あるいは旧道で今度は不利益を受けることがございます。そういうような反射的な利益とか不利益というようなものにつきましては、利益を受けたからといってそれを取り立てることもありませんし、また不利益を受けたからといってそれを道路のほうで補償するという実例がございません。たまたま、規模は小さくなりますけれども、川の橋、従来渡船があったというところへ橋ができたというようなところ、あるいは湾にいままでフェリーがあるところへ橋ができたというようなところに対しましても、同じような考え方から事業者として補償した実例がございません。ただ、地方公共団体としてそこの業界に、あるいは転業のいろんな資金をしたとか、転業の援助をしたとか、あるいは見舞い金を出したというようなことはそれぞれあるようでありますけれども、少なくとも事業者がしたことはない。
 それから、一つ、これは交通機関の転移の問題でございます。道路がよくなってバスが普及し、あるいはまた地下鉄ができたために軌道がだめになったということで軌道の廃止も最近やっておりますけれども、そういうものに対しましても補償という考え方がいまございませんので、直接補償するということは実例からいってもたいへんむずかしいと思います。ただ実情は、相当の車がそこにフェリーによって運ばれておることも事実でございますし、また橋ができるまでに、それでは転業ということで橋ができるまでに転業するというのは、これまた一つの交通需要に対して困りますし、やはり橋ができるまではやっていただかなければなりませんので、そういう問題を踏まえまして、従来のような小規模の問題はそれでいままで済んできておりますけれども、非常に規模が大きくなりますが、私どものほうも最近、フェリーの業界の方々からもそういう話を承りましたけれども、実情を調べまして、また運輸省等ともいろいろ相談しながら考えていきたいというふうに考えております。
#73
○二宮文造君 最後に大臣のお考えをお伺いしたいのですが、ちょっとその前にもう少し経緯を伺ってみたいのですが、そこでこういうことがあるのです。非常に補償とか救済措置は現行法ではむずかしいというふうないまの局長の答弁ですけれども、これは海運局にお伺いしたいのですが、例の多度津−日比、この間で瀬戸内海汽船それから瀬戸内東部フェリーの共同運航の免許が与えられた、昭和四十五年五月一日に瀬戸内海汽船に、昭和四十五年十月五日に瀬戸内東部フェリーに航路免許を与えられた。そのときにこの両社から、架橋時に航路補償は要求しない、こういう念書を運輸省はお取りになって、そうして航路免許を与えた、こういう事実がありますか。
#74
○説明員(見角修二君) ただいま御指摘の事実はそのとおりでございます。
#75
○二宮文造君 この念書は他の航路免許業者からはお取りになっておりますか。
#76
○説明員(見角修二君) ただいま先生の御指摘の日比−多度津航路−瀬戸内海汽船、瀬戸内東部フェリーの共同運航のほかに、防予汽船の久賀−通達という航路を免許いたします際にも、これは本・四間の航路だけに限定したわけでございますが、同じような念書を取った実例がございます。
#77
○二宮文造君 そうしますと、この瀬戸内海の東部・西部の海域、ここにはもう、無数と表現しましょう、無数の業者がおります。それから、これ以後免許を受けた業者もおります。そうすると、この時点だけ、この四十五年の時点だけいまお伺いしますと、三社から、補償要求はしないと、こういう念書をお取りになった趣意は一体どこにあるのですか。
#78
○説明員(見角修二君) 私、担当者といたしましてもその点を非常に疑問に感じまして、当時の経緯等を調べてみたのでございますが、どうも担当その他がかわっておりまして、当時の事情は必ずしもつまびらかではございませんが、いろいろ関係者の意見を断片的に総合いたしました結果、私の推測を加えたわけでございますが、当時非常に架橋決定、架橋の計画発表等がございまして、既存の旅客船業界がいろいろ陳情等、騒ぐことを始めたという段階でございまして、そのときの一時期の免許申請につきましては、特に将来架橋になった場合の補償目当てに事業を始めるのではないのだ、ほんとうに輸送需要があって、その輸送需要にこたえるために免許を受けて就航するのだということを念を押す意味でその一時期取った、こういうふうに推測を加えているわけでございまして、ただ、いまとなりますと、その念書を取った航路かあるいは念書を取ってない航路によって、決して法律的には差はでてこない、さように今日になっては考えておる次第でございます。
#79
○二宮文造君 これは非常に問題になるのですね。四十五年にそういう航路免許について念書を取ったということは、あなた方は補償要求はしちゃなりませんぞと、しかし、それ以前の人については、それだけの選択の自由は残しますよという反対の解釈ができます、その部分だけ取ったんですから。今度は、そのあとの部分は取ってないということは、この前の取った三社も含めて、やはり当然これは橋ができたときには営業がストップするんだから、こういう業者を殺してしまうようなやり方では困ると、しかも、現実に船を走らせて需要にこたえているんだから、業者に対するそれだけのものは見てやらなきゃならぬだろうというような暗黙の了解があって、解釈があって、自後の分については念書を取らなかった。要するに自後の航路業者から念書を取らないということは、この三社を含め、それ以前も含め、橋が完成して営業を廃止するときには何らかの措置が必要ではないだろうかという考え方に運輸省がお立ちになって、こういうものが出たんではないかと、これは私が考えるわけですが、こういう考え方はどうでしょう。
#80
○説明員(見角修二君) 当時こういった念書を取りましたときの運輸当局の考え方がいかがであったかということは、いまになってはわからないわけでございますが、現在におきましては、少なくとも、先生の御指摘のとおり、架橋によって旅客船業者が多数営業廃止あるいは規模縮小ということになりまして、それが単に業者の経済的な事業の廃止ということだけではなくて、従業員なり、その家族なりの失職という社会問題、大きな社会問題になるということで、これを何とかひとつ補償する何らかの金銭的な措置が必要ではないかということで、最近省内でも意見を統一をいたしまして、建設省その他関係御当局と御相談をしたい、こういうふうに現在では考えておるわけでございまして、たまたまこういった三航路につきまして念書を取ったことが、いまとなれば、念書を取る、取らぬにかかわらず、これは全部平等にやはり要求があれば救済をしなければならぬ、かように現在では考えておるわけでございます。
#81
○二宮文造君 こまかい数字等々がございまして、それはたいへんな打撃なようです。ほとんどがもう転廃業しなきゃならぬ、何万人という従業員が失業、離職をしなきゃならぬというような状況です。したがって、現行法では補償云々という問題が出てこないかもわかりませんけれども、しかし、それだけで、現行法ではだめだということでは、この問題は終わらないと思います。まして、行政の監督の立場にある海運局としても、運輸省としても何らかの金銭的な措置が必要ではないかという考え方にややまとまりつつあるというようなお話でもありますので、ひとつこれは――さりとて現に就航しているわけです。しかも、需要はますますふえているわけです。過密だ過密だといわれながら、まだ新規の免許業者も出てきているわけですね。それだけの投資をするわけです。ですから、何らかの措置が必要だろうと思いますので、この点については建設大臣に、この補償の問題、フェリーの補償の問題にどう取っ組むかという大臣のお考えを承って、時間が参りましたので、一応、私の質問をこれで終わりにしたいと、こう思います。
#82
○国務大臣(金丸信君) この問題に?きましては、先ほど道路局長、あるいは海運局からもお話があったわけでございますが、私は何らかの方法で補償してやらなければならぬじゃないかと、こういう考え方を私は持っています。ただ一面、こういう反論もあるということを、それをどういうふうに納得させていくかというところにも頭をひねらなきゃならぬ問題点があると思いますのは、フェリーが新しくできたとき、その下に中小の汽船会社があった、その補償は何にもしてないじゃないか、つぶれたままでいった。そういう状況下を考えてみれば、その補償をまともに――当時フェリーを大資本が来てやって、中小資本がつぶれていった、あの姿を見れば、する必要はないじゃないかと、こういうような極端な意見の人もあることを耳にしまして、これは慎重に考えなくちゃならぬが、何らかの方法で補償の方法はしてやることが――ことに橋ができ上がるまでやってもらっていなくちゃならぬというところに、私は重大な問題点があることを考えまして、運輸省と十分これは連携をとりながら全きを期してまいりたいと、こう考えております。
#83
○委員長(沢田政治君) 一時十五分まで休憩に入ります。
   午後零時十五分休憩
  〔休憩後開会に至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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