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1972/07/03 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 建設委員会 第17号
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1972/07/03 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 建設委員会 第17号

#1
第071回国会 建設委員会 第17号
昭和四十八年七月三日(火曜日)
   午前十時六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月二十八日
    辞任         補欠選任
     竹内 藤男君     世耕 政隆君
 六月二十九日
    辞任         補欠選任
     世耕 政隆君     竹内 藤男君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         野々山一三君
    理 事
                大森 久司君
                竹内 藤男君
                山内 一郎君
                沢田 政治君
    委 員
                上田  稔君
                熊谷太三郎君
                小山邦太郎君
                古賀雷四郎君
                中津井 真君
                中村 禎二君
                米田 正文君
                松本 英一君
                田代富士男君
                二宮 文造君
                高山 恒雄君
                春日 正一君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       建 設 大 臣  金丸  信君
   政府委員
       建設大臣官房長  大津留 温君
       建設省計画局長  高橋 弘篤君
       建設省道路局長  菊池 三男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中島  博君
   説明員
       農林省構造改善
       局農政部農政課
       長        関谷 俊作君
   参考人
       日本道路公団理
       事        吉兼 三郎君
       日本道路公団理
       事        三野  定君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○建設事業並びに建設諸計画に関する調査
 (東北縦貫道路の路線変更問題に関する件)
○地価公示法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(野々山一三君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 委員の移動について御報告いたします。
 去る六月二十八日、竹内藤男君が委員を辞任され、その補欠として世耕政隆君が、また、翌二十九日、世耕政隆君が委員を辞任され、その補欠として竹内藤男君がそれぞれ委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(野々山一三君) 次に、理事の補欠選任についておはかりいたします。
 ただいま御報告いたしましたとおり、委員の異動によりまして理事が一人欠員になっておりますので、その補欠選任を行ないます。
 理事の選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(野々山一三君) 御異議ないものと認めます。
 それでは、理事に竹内藤男君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(野々山一三君) 建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○沢田政治君 実は私、この質問は道路整備七次計画のその中でお聞きをしたかったわけですが、当時委員長をやっておりましたので、かわっての質問というのもあまりかっこうがつかぬで今日になったわけですが、東北縦貫自動車道の鹿角市地内、正確に言いますと、鹿角郡小坂地内の路線変更について、地方自治体や住民から強い要請が出ていると思います。そのことについてお聞きをしたいわけですが、一体いま十和田インターチェンジのあの以北の整備計画、あるいはまた施工計画はどうなっているのか、最初にその点からお聞きしたいと思います。
#7
○政府委員(菊池三男君) ただいまの御質問、鹿角から以北はどうなっているかということでございます。鹿角と青森間が八十一キロメートルございますが、これにつきましては、昭和四十年の十一月に国土開発幹線自動車道建設審議会の議を経まして基本計画がきめられております。それに基づきまして昭和四十二年の十一月に整備計画が出され、そして引き続き施工命令が出されてございます。そしてその後、日本道路公団におきましていろいろな調査を行ないまして、青森市の三キロメートルほどが非常に都市計画との調整で時間がかかりまして、また、青森県と秋田県の県境にまたがりますところが地形が急峻でございまして、そういうところが少し残っておりますけれども、それ以外のところは全線にわたって路線発表が終わっております。そして設計協議の段階というところにいまなっておるわけでございます。そしてまた、その設計協議をやっておりますうちでも、大鰐と黒石の間につきましては、もう中心ぐいの設置を行なっておるということでございます。それから、これもまた青森県でございますが、青森市の部分につきましても、もうすでに中心ぐいの打たれたところが若干ございます。
 以上でございます。
#8
○沢田政治君 道路公害も、たいへん地域住民の大きな注目と不安をかもしておることもこれは事実です。これは法案審議の際に詳細に同僚議員から指摘されたとおりであります。その際に大臣が繰り返し繰り返し、無理強行はしないと、自然環境を守ると、生活環境を守ると、そうしてまた地域住民の納得の上でなければ、今後の道路というものはもう完成を期しがたいと、こういうことをいろいろ表現を変えて各委員に答弁をしておるわけですね。そういう基本的な立場が、大臣としてもいまなお変わりないかどうか。これは変わったらふしぎなわけで、もうすでに十日ほど前に審議しただけでありますから。これをまず第一に私は確認しておきたいと思うんです。
#9
○国務大臣(金丸信君) 道路をつくる問題につきましては、いままでのような考え方でただつくればいいということではないと、あくまでも対話のある道路でなくちゃならないということを、私はたびたび申し上げてきておるわけでございまして、ただいまの問題の点につきましても、対話のない高速自動車道路であってはならないと私は考えております。
#10
○沢田政治君 全くそのとおりだと思います。地域住民の理解と協力がなくちゃ、全国でこの道路工事なんということはもう不可能な時代に入っておると思います。そういう前提はけっこうだと思いますが、そうなりますと、いま鹿角市の、特に小坂町ですね、ここから相当の路線変更の強い意向が求められておるわけです。それはよしあしは別として、その事前の問題として、いつごろ自治体の町長とか何かに協力を求めたのか、路線をある日突然発表して、そうして協力してくれと言ったのか、路線を発表する前に、これはたとえ一週間前でも十日前でもけっこうですが、大体こうなるだろうからその際は協力願えまいか、こういうように事前の了解を――根回しといいますか、そういうような意を含めた事前の話し合いをしたのかどうか、この点を明らかにしていただきたいと思います。
#11
○参考人(三野定君) 路線決定にあたりましては、地元の意見等をできるだけ徴するようにいたしておるわけでございますけれども、地元の協議の段階におきましては、主として関係公共機関、特に建設省はもちろんでございますけれども、県当局との意見調整を十分にやっているというふうに承知いたしております。で、地元市町村とは直接の接触はどうも少なかったようでございますが、県当局を通じまして、意向を参酌しながら路線決定を行なっております。
 なお、路線発表をいたしまする前に、町長に御説明をしておりますが、その時期は、路線発表いたしましたのが昨年の十一月二十七日でございましたけれども、二十四日に町長、議長ほか代表議員の方々に御説明をいたしまして、御了解を求めたというふうに承知いたしております。
#12
○沢田政治君 十一月二十七日に路線を発表したと、そうして二十四日に小坂町の町長さんか鹿角市の市長さんか別としても、まあお二人だと思いますが、これに一応あらかじめこういうことになると、こういうような話し合いをしたと、こうなると、全く発表と同時に協力してくれということなんですよね。まあ三日か幾らの何というか、時間的な余裕がありますが、これはもう全く発表と同時にこうなるんだと、これに協力してくれということと同じだろうと思うんですね。これはあらかじめ事前の相談だということにはならぬと思いますけど、それはそれでいいでしょう。しかし、県とは連絡を密にして路線計画を決定したということを言っておりますが、その後、県議会において与党、野党含めて路線変更すべきだという決議をしておるわけですね。ほんとうにいままで協力――何というか、連携をとっておったならば、協力した県当局あるいはまた県議会が、路線変更すべきだという急角度な変更はあり得ないと思うんですよ。だから、私はそういうことから推測してみて、連携というものは、必ずしもあらゆる角度からの連携というものは完全に一〇〇%緊密であったとは言いがたいと思うんだけれども、どうですか。
#13
○政府委員(菊池三男君) ただいま御質問ありましたように、三月の末になりましてから、県議会からこのルートにつきまして、生活の問題と、それから公害の問題等で検討してほしいという要望が出ております。これは議会の議決でございますが、これは先ほども三野参考人が言っておりますように、ルートをきめます前には十分に県と連絡をとっております。これは単にそのルートだけではなく、その地域のいろんな、ほかの関連事業がございます。そういう関連事業との調整は、当然はからなければなりません。特に、その関連事業が必ずしも土木部なら土木部だけの所管ではない、圃場整備の問題やら、いろいろほかの事業がございますので、そういうものとの調整をはかるために、十分に県との調整はやっておるわけでございますが、たまたまこの場合は、小坂町で相当反対という声が強くなり、それに基づいて県議会でそういう議決をしたということでございますので、まあ議会から出ているということは、たいへん強い意味を持っておりますけれども、事前の話が、議会の議決までという事前の話になっておりまするので、こういう形になったのではないかと思いますが、これまた、これに対する措置といたしましても、私どものほうも十分にその県議会の――要望という形で出ておりますが、その御要望に対しては十分に検討したいというふうに考えております。
#14
○沢田政治君 俗に言う十和田インターチェンジ、これの買収状況がどうなって価格がどうなっておるのか、その付近をちょっとお知らせ願いたいと思うんです。
#15
○参考人(吉兼三郎君) 十和田インター周辺の用地買収関係でございますが、先ほど道路局長等から御説明ございましたように、当地域につきましては、まだ幅ぐいの設置が終わっておりません。したがいまして、具体的に用地買収の段階にまだ入れないという状況に今日ございます。で、用地の関係は、もう御案内のとおり幅ぐいの設置が終わりましてから、具体的に私どものほうで準備いたしましたいろんな資料に基づきまして、単価その他の関係をきめまして、地元の交渉に入るわけでございますが、今日の時点は、まあそういうふうな状況に至っておるということでございます。
#16
○沢田政治君 私はまあ用地の買収価格はいかにあるべきかと、どれだけの値段が適当かという意見、私なりに持っておりますが、最後までその点は、何も個人的な見解を発表する必要もないし、まあこれは言いません。将来とも言いませんが、いま、やっぱり地元住民がどれだけの値段を要望しておって、皆さんのほうがどれだけの値段を提起しておるか、その付近を知りたいだけです。これは誤解あっては困りますが、私は現在、こうあればいいのだと、この値段がまたどうだということは言わぬつもりだし、これは言う必要もないと思っています。まあそういう前提でお答え願いたいと思います。
#17
○参考人(吉兼三郎君) いろいろ地元からの、インター周辺の用地買収につきましての条件等が出ているように私どもは出先から伺っております。たとえばインター関係の用地、ごく概略申し上げまして十六ヘクタールぐらいということのようでございますが、これにつきまして代替地の問題で、当初その一部についての代替地の要求があって、私どものほうでその手当てをいたしたようでございますが、その後一〇〇%代替地をひとつ提供してくれというふうな要求も出てまいっておるようでございます。
 それから具体的に用地の単価でございますけれども、これは私ども出先からの話でございますので必ずしも正確なものでございませんけれども、ちょうどあの近辺に国道のバイパスの用地買収が先行いたしております。御案内のとおりでございます。それが四十七年度末に反当たり百二十万円程度の単価というふうなことも私ども伺っております。で、当方の関係につきましては、地元からかなり単価的に大きい要望が出ているやに伺っております。具体的に幾らというふうなことは私どもよく承知しておりません。非常に値開きがあるということは伺っております。
#18
○沢田政治君 特に問題になっておる小坂町ですね、あそこが水田に、平地に、山じゃなく平地に縦貫道をつくったという場合、どういう町に、地形とか環境とか、町の維持にどういう影響を来たすか、どういうことを考えているか、どういう変化を来たすんだろうか、そういう点をいつも考えていますか。考えているならば率直にお聞かせ願いたいと思います。
#19
○参考人(三野定君) 地元から特に強く出ておりますように、農地をかなり取ることになりますので、やはり農業生産には影響があろうかと思います。それから山と山の間の狭い谷の農地を通っておりますので、その山すそに両側に部落があるということで、これを分断するということを地元で言っておられます。これは構造的にいろいろやり方もあろうかと思いますので、お話し合いができるんじゃなかろうかと、こういうふうに考えた次第でございます。
 それからなお、いわゆる環境問題といたしまして、やはり排気ガス、それから騒音等の御指摘もございます。排気ガスは計画交通量等を勘案いたしましても、いわゆる東京周辺のようなひどいものではございませんので、それほど大きくはないと思っておりますが、音の問題につきましては、一部、要するに近い民家もあるやに聞いております。それらにつきましては対策を十分に立てなければならない、こういうふうに思っておる次第でございます。
#20
○沢田政治君 御承知のことかと思いますが、日本の公害の原点は足尾銅山だと、こういわれているわけですが、足尾銅山と並び称される日本の三大銅山の一つがあったわけですね。非常に、ここもう六、七十年住民は公害に悩まされてきたところなんです。それだけ公害というのは――いま公害というのは非常に全国的に大きな社会問題を呈しておるわけですが、もう大正時代から公害というものに対しては非常に地域住民が身をもって体験しているわけですから、たいへんな敏感な地帯なわけなんです。これは御承知のことかと思います。しかも鉱山地帯でございますので、住民が、鉱山に働いておる方もおりますが、農業を専業にしておる者も非常に多いわけです。しかも非常に耕地面積は少ない。全町合わせてわずかに四百ヘクタール、今度はたんぼに、水田に、しかも高速自動車道が通るということになると、約一割の、町全体の一割の耕地が取られるということになるわけです。単に二百万円で買収したとか百三十万円で買収したということだけでは済まないわけであります。生活をどうするかということであります。五百万ぐらい今日金が入ったとしても、これはどうにもならぬわけですね。そういうように町自体に対しても、住民自体に対して、特に生活に対して大きな脅威を与えることになるし、しかも広いところだったらいいけれども、狭いところはもう千メートルもないのですね、谷合いの間が。そこに住宅が密集しているでしょう。それを、何と言うのかな、東西だね、東西に分断するということになると、これはたいへんなやはり反対もむべなるかなと思いますね。どうしてもそこを通さなくてはならぬという観点ですね。なぜ通さなくてはならぬのか。技術的にそこでなくては不可能なのか。また、かりに路線変更するということになると、これはもうとても想像もつかない用地買収の費用がかかるのか。どっちなんですか。さらにはまた、路線変更することによって用地取得というものはますます困難する、だから、どうしても発表した路線を強行しなければならぬというふうに考えているのか。そのいずれか。また、そのいずれか以外の理由があったならば、その理由を明らかにしてほしいと思います。
#21
○政府委員(菊池三男君) ただいまの発表しましたルートが狭い谷間を通りまして耕地の約一割をつぶすという話でございますが、そのとおりでございます。実はこのルートをきめますときにも、そういう点はもう初めからわかっておることでございますので、非常に検討したわけでございます。ルートも、それ以外に山のほうへとるルート、いろいろございまして、数本、計画の検討をいたしましたけれども、この山の上に上がりますのは、御承知のように、ここには地すべりの指定地がございます。二ヵ所ございます。そういたしますと、その地すべり地帯のふもとに人家がたくさんございますので、道路が通ることによって、あるいは地すべりというものが起きた場合に、非常に危険であり、不安であるというようなこと、これが第一点でございます。
 それから第二点が、山のほうへ上がりますと、どうしても縦断勾配がきつくならざるを得ないのでございます。そうした場合に、ここは特に雪のところでございますので、冬の交通を確保するというようなことからまいりますと、すべり等で非常に事故が起こる可能性がふえてくるというようなこと、そういうようなことを合わせ考えまして、本来ならば山へ行きたいわけでありますけれども、将来、この道路は五十年、百年と残る道路でございますので、そういう交通上、あるいはそういう地すべり地帯というものを避けたいというようなことから、やむを得ずこういうたんぼの中へ入ったわけでございます。
#22
○沢田政治君 公団のほうで当初三つの地点について検討したわけですね。大体東側も考えたわけです、最初はね。調査した事実も私知っています、それは。そうして最終的には中間をとったわけですね。まあ地すべり地帯が一部にある、これはそのとおりです。ところが、技術的にこれは克服し得ないものじゃないのですよ。しかも天文学的な金額がかかるということでもないのですよ。もっと難工事なわけでしょう、経費面からいったら。たとえば安代から八幡平インターチェンジまで来るには、まさに峨々たる峻険、谷合いを通ってくるわけですから、あの工事のほうが難工事ですよ。しかも冬季間、六ヵ月なだれの危険性がありますから、工事自体はむしろ安代インターより八幡平インターのほうが難工事なんですよ。私は専門家じゃないけれども、常識的に考えてみたら、これはたいへんですよ。なだれというのは、これは想像に絶するものがあると思います。八幡平山麓を通るわけですから、だから技術的には克服できないものじゃないと思います。さらにはまた、掘り割り式にして地すべりを防止するということになっても、技術的には克服可能だし、そう天文学的な、ばく大な何というか、資金投下というものも考えられないわけです。もう一つは、用地買収ですね。用地買収も、西側にした場合は、ともかくこじれてこじれて、こっちに変更せい――こっちに切りかえたから感情的になってこじれるということじゃないですよ。地元住民も、西側のほうで公害を緩和していただいたならば、反対同盟とか、何かありますけれども、その人方も協力しましょう、町当局の共有林とか、部落の共有財産があるので、町当局も先頭に立ってそれに協力しましょう、ともかく公害はいやだ、たんぼをつぶされるのはいやだ、全く妥当な理由をあげているわけですよ。でありますから、これは技術的に可能ですよ。金額的にはそう天文学的な数字になりません。そういうことでありますから、そういう材料がそろっておるんですから、それでもなおかつ、いま発表した地点に固執するというように考えていますか。
#23
○参考人(三野定君) いろいろ地元の強い御意見もございますので、なかなかはっきりした、この辺はどうだというところまでなかなか伺えませんけれども、皆さんの御意見のあるところをそんたくいたしまして、私どもそれらについて現在調査をしております。で、十分に調査をいたしまして、それから結論を出したいと思っておるわけでございます。そういう意味でよりよいものがあれば、それをとるにやぶさかではないというふうに考えております。慎重に調査を現在いたしております。
#24
○沢田政治君 一部住民パワーの中でも、これは賛成とか反対に二つに分かれるという、何というか住民運動もありますね。また、自治体と住民との何といいますか、見解の違いというのもケースとしてはあるわけですね。ところが、今回の場合においては、住民も一致して――ちょっと寄ればいいんですから、三十キロ寄れとか、二十キロ寄れというんじゃないんです。たかだか二キロか三キロちょっと西側にやってくれないかということ、こういうことだろうと思います。そういうことで、住民の意向も小坂町という自治体の意向も――小坂町もやはり路線変更の手続をしております。住民もそのとおりです。県議会もやはり変更してくれないかという要望もしております。同時に、また参議院に対しても請願書が出されております。これは自民党を含め、共産党を含め、もちろん私ども社会党を含めて請願書をすでに出されておるわけです。これはこの国会の最終日には、当然、本委員会あるいは本会議で採択になると思います、与野党一致して署名して紹介議員になっているのだから。ここまではっきりした――調査云々と言いますが、これははっきりしているんですよ。そういうことですから、なおかつ大臣、こういう状況のもとにおいて、こまかい状況を言えば、私も地元でありますから、皆さんより私のほうがたくさん知っていると思いますね。大臣がしばしばあの道路法案の際に、無理強行しないと、やはり妥当性があり、あるいはまた技術的、あるいは金銭で克服できるものは、生活環境や、あるいは自然環境を主とする、従としないと、こういうことを言っているわけでありますから、いまの質疑のやりとりを聞いたと思いますので、これをどうするかということですね。しかも、国会でこれは採択になるわけです。だから、この際どうとか、こうとか、すべったころんだという表現じゃなく、やはり大臣のいままでの国会答弁を具現するためにほどうするかということを、この際、明確にしていただきたいと思います。
#25
○国務大臣(金丸信君) 小坂町の問題につきましては、県議会から要望書が出まして、その要望書を県の土木部長が建設省へ持ってきたということですから、県もこれをやってもらいたいということであろうと理解してしかるべきだと考えます。そういう意味で、また図面の上を見ましても、狭隘あいな平野地に道路を通すということは、まことにその住民の立場から考えれば、非常にいろいろの意味で問題点が出てくるだろう、できることであれば、それをはずすべきであると私も考えます。ただいま公団あるいは道路局長から御説明がありましたが、技術的に可能であるならば、私はそうやるべきである。金の問題は二の次である。そういう意味で十分に検討を命じて、できるようにひとつ、先生の御期待に沿えるような方向に持っていくように努力いたしたいと思っております。
#26
○沢田政治君 いま発表されている路線もそれぞれ検討の上の路線だと思います。これはむちゃだとか、そういうことは私は言いません。それで大臣にも路線を変更いたしますという確答を求めたいんですが、そこまで私は強調しません、いままでの経緯もあるでしょうから。いずれにしても、そういう住民の声、これは与党とか、野党とか、イデオロギー抜きの全体の声であるということを踏まえて、これは再検討を必ずさせると、私のいまの質問を踏まえて再検討をさせるということをここでやはり確約願いたいのです。
#27
○国務大臣(金丸信君) 必ず再検討いたしまして、御期待に沿えるように努力いたします。
#28
○沢田政治君 わかりました。
 これに関連してちょっとだけお聞きしておきたいのは、当初は買収――十和田インターチェンジ以北、こっちのほうが早くできると思うんですよ、青森と十和田の間は。その際に当初は買収は四車線と、これは全国的にですが、そうしてとりあえず二車線の道路をつくって、そうして徐々に車の交通量に応じてそれを拡大していくと、四車線にすると、こういうふうに当初の計画ではなっているわけですが、前の建設大臣の木村さんですか、木村さんの場合に、それが問題になったわけですよ。二車線で高速道路を供用した場合には、全く事故を再生産するようなものだ、そんなばかなことがあるか。ばかなこととは言いませんが、これはむちゃだと。でありますから、高速道路は四車線に完成した後に初めて供用をすると、こういう原則をこの委員会ではっきりしたわけですね。でありますから、青森――十和田の場合もその原則を適用しますか。
#29
○政府委員(菊池三男君) 前の大臣のときにそういうお話が出たことは承知しております。ただ、この場合、国土開発幹線自動車道建設審議会の議を経て、これは暫定二車線であるということになっておりますので、これはもし四車に変えるときには、当然そこで変更して四車施工ということになるわけでありますけれども、確かに事故の問題を考えますと、四車をやることがベターでありベストだと思います。ただ、残念ながら、やはりお金の面で、なるべく全国的に少しでも供用開始の延長を延ばしたい、同じお金で、できることなら少しでも延長を延ばしたいという、こういう気持ちも一方ございまして、これはまだ四車に直すという、事務的に直すという段階にまではいっておりませんけれども、やはり中央道の場合は、これは非常に交通が多いものですから、特に事故等の多発ということで問題になったわけであります。交通が比較的少なければ、さほどの問題ではないかと思いますけれども、それにいたしましても、やはり高速道路というものは四車線が原則でございますので、これは逐次変える方向で、四車に切りかえるという方向で進めていきたいと考えております。
#30
○沢田政治君 まあ大臣がひどいときは一年に一回もかわるので、あまり大臣の当委員会における発言というものも皆さんが重要視しておらぬようですが、私はやっぱりそれじゃいかぬと思います。少なくともどの大臣であろうが、交通事故が激増するんだから、人命というものは何といっても一番重要視しなきゃならぬのだから自今は四車線完成した後でなければ供用開始しない、こういうことについては、しかしとか原則とかそういうことじゃなく、早急にやはりその原則というものを事務的に全部整備すべきだと思います。この点は私は主張しておきます。そうでなければ大臣を中心にしてわれわれ論議できないですよ。事務当局の、しかしとか原則としてはのほうが強調されたんでは何のためにここで質問しているかわからなくなっちゃうものですから、その点、守っていただきたいと思います。まあ東北縦貫道については、まだ、積雪地帯でありますからどうして道路を確保するとか、園芸果樹地帯であるからどう買収をするのか、それに及ぼす直接道路の敷地外の何といいますか、ガスによる被害をどうするのか、たくさんあります。また非常に鹿角市自体が、去年、市になったところで、しかも盆地です。そこを何というか、東西に分断されるわけでありますから、相当の関連道路を事前に整備しなければ相当地元住民の抵抗があると思うから、それを早急に県と打ち合わせて、まず道路が完成する前に関連道路がこうなんだということを事前にやっぱり計画をして、そうして施工に踏み切ってほしいという、これは要望です。そういう要望を付して、この点については終わります。
#31
○委員長(野々山一三君) 地価公示法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#32
○沢田政治君 地価公示法でありますが、四回の公示価格の発表があったわけでありますが、私は法律の中身がどうとかこうとかという問題もあります。ありますが、私は前提としてこの法律の功罪というものに大きな疑問を持っているわけです。この前、二宮委員も、地価公示法というのは一体地価抑制に対してどういう役割りを果たしているかという基本的な問題点を皆さんのほうに提起しておるわけでありますが、私もそう思うわけであります。今日まで地価抑制ですね、地価というのは最大の政治課題になっていると思います。その地価の抑制に対して全然効果というものを及ぼしておらない、こういう疑問を抱かざるを得ないわけであります。同時に、もう一つの私は大きな疑問がある。さらに大きな疑問は、むしろ何といいますか、地価をつり上げておる一つの作用さえ果たしているんじゃないか、こういうようにまあ考えざるを得ないわけであります。といいますのは、地価公示の方法といいますか、基本的な地価公示のしかたに三つの原則があるようでありますが、大体市中価格を追認していくというかっこうでしょう。今日の地価というのは投機によって、仮需要によってつり上げられているわけです。そのつり上げられたものを無条件で追認するんだから、今度は業者のほうは、公示価格でさえもこれだけの値段なんだから、実際価格はもっと高くてもいいということで投機と、しかも今度は、地価公示の価格はこれを最低のてこにして、むしろ地価を高騰させておる一つの役割りを、反面においては私はそういう作用をしているのじゃないかという疑問を感ぜざるを得ないわけです、率直に言って。どうですか、効果がありますか。害があるということは認めないと思いますが、しかし実際問題として業者等は、公示価格がこれだけなんだからというので公認するわけですよ。この法律の存在にかかわる私は問題だと思いますが、この点に関する基本的な認識はいかがですか。
#33
○政府委員(高橋弘篤君) 地価公示制度はすでに御承知のように、一般の土地取引では一つの指標、目安ということになっております。同時に、公共用地の取得にあたりましてはこれを規準とする二つの役割りが従来からあったわけでございます。公共用地につきましてはこの前の委員会でもいろいろ申し上げましたけれども、この法律が制定されました背景に、公共用地の取得が非常に活発になってきますと、むしろ公共用地の取得価格が地価をつり上げているのじゃないか、というのは、それほど取得する官庁がいろいろまちまちの価格であるというようなことが一つの背景になっていたわけでございますが、地価公示価格を規準としてこれを取得するということになったわけでございますから、私どもの統計資料によりましても、公共用地の取得については大体これを規準にいたしておるわけでございます。したがいまして、この点については、公共用地の取得がまちまちであってそのために価格をつり上げておるということは、これはほとんどなくなったというふうに考えておる次第でございます。ただ一般の土地取引につきましてはこれは目安ということになっておるわけでございますので、事実、地価公示価格を上回る取引が行なわれておるという事例もあったのでありまして、こういうことがあるのはまことに残念だというふうに考えておるわけでございます。
 地価公示の価格、公示する価格は何であるかということは、先生もすでに御承知のとおりでございますが、自由な取引が行なわれるとした場合におきまして、その取引におきまして通常成立すると認められるものであります。売り手にも買い手にも片寄らない価格、仲値だというふうにいわれておるわけでございます。したがって特殊な事情だとか動機、そういうものを排除しました正常な価格であるということでありまして、何人にも共通する客観的な交換価値を表示するものだというふうに考えられておるわけでございます。つまり交換価値でございますから、これは市場性を持っているわけでございます。したがって市場と無関係に、特定の政策意図のもとにこれを評価しているというものじゃないわけでございますから、つまり市場で成立する価格が変動しますと、それに応じて毎年変わってくるということはいえるわけでございます。したがいまして毎年の一月一日に公示いたしております価格は、その市場の動向によりまして上がってくるわけでございます。それは結局、これは交換価値だ、それがつまり正常な価格だというところにそういうことになるもとがあるわけでございます。
 ただ、そういうような一般に共通する客観的な価格というものを目安にし、指標にして一般の人が取引するということもいろいろの方面ですでに行なわれておると私ども思っております。この前も申し上げましたけれども、市役所でこれは閲覧することができるようになっておりまして、その閲覧件数も四十七年度におきましては約四千二百四十九件というふうになっておる次第でございます。その他一般の不動産業者などが地価公示価格を規準にして販売価格をきめるという傾向も出てきておるわけでございます。ただ、この地価公示は一月一日にこれを公示いたしている価格でございます。したがいまして、これを時点修正し、またいろんな事情補正をし、品等比較をして、そして修正をいたしますと、一月一日の価格と違った価格が出てくるわけでございます。したがいまして先生の御指摘のように、公示した価格の何割増しかというような価格が実際に取引の価格になっておることは、結果的にはそういう価格になっておるわけでございます。それはそんないろいろな事情があろうかと思います。正常ないろんな鑑定評価をきちんとしないで、一月一日現在の価格がこれだけである、あの付近の価格がこれであるから、ここは二割増しにしようというようなことが取引のときに行なわれるというようなこともあろうかと存じます。しかしながら、それはそういうような事情があって二割増しだ、何割増しだというようなことをいっておることもあろうかと思います。しかしながら結果的には、御指摘のように、一般の土地取引におきまして地価公示価格の何割増しかというようなことで取引されるというようなならわしがあることはまことにこれは残念でございます。したがって将来の方向としましては、またいろいろ御質問ございましたらお答え申し上げますが、この価格を守らせるというようないろんな方法を考えなければいけないわけでございまして、その一つの方法といたしまして、今度の国総法の改正案におきましても、中止勧告制度というようなものもあるわけでございます。今後も御指摘のようなことのないように、いろいろ地価公示制度というのを十分活用できるように、そして土地対策に役立てることができるように努力をいたしてまいりたいと思う次第でございます。
#34
○沢田政治君 答弁を聞くと、ほんとうにこの法律の無力さといいますか、そういうものを実感として感ぜざるを得ないわけです。これは何も私は意図的に、この法律は地価をむしろ値上げ追認だとか、そういうことを言っているわけじゃないのですよ。各新聞とも、土地に関する大きなキャンペーンを張りましたね。どの各新聞見ましても、これを値上げ追認の悪役なんて、一つの法律が悪役に仕上げられているわけだね。仕上げられているということよりも、事実そのものが私は評価することだと思いますね。でありますから、この地価公示法が少しも地価抑制の作用を果たしておらない。しかも、何というか、地価の評価の一元化にも役立っておらない。たとえば固定資産税とか相続税、こういうものの一元化にも役立っておらぬというのは、この前、二宮委員が指摘したとおりであります。そうなると、この法律は一体何のために存在するかというような疑問を率直に感ぜざるを得ないわけであります。
 そこで、特に私は、この標準地の鑑定基準について、これは鑑定基準については標準地の鑑定評価の基準に関する省令、これでやっておるわけですね。私は、やっぱりこれを再検討すべきじゃないかと思います。といいますのは、その三原則は、私は詳しくはわかりませんが、取引事例の比較法、収益還元法、原価法、この三方法によって評価されておるわけでありますが、特に取引事例の比較法ですよ。これ正常な場合の取引事例の比較法であるならば、ある程度、高橋局長が言うように、客観的まで言えないけれども、やや客観的に近いような評価が出てくると思いますが、いまのように、日本列島改造によってものすごく地価が暴騰するだろうということを見越して高く買うわけですよ、そういう事例に比較したならば、これはもう明らかに地価値上がりを追認する、むしろあおっておる、最低のてこに使われておる、そういう作用を果たしておると、こう言わざるを得ないのじゃないですか。こういう矛盾を感じませんか。この三つの原則を再検討する必要があるんじゃないかと思います。特に土地というものは利用しなければ価値はないのですよ、持っておっただけでは物を生産しませんから。でありますから、収益還元あるいは原価、それからもう一つの要素があるならば、こういう別な要素を加えて、国民経済の観点、物価抑制の観点、こういう観点から一つの基準というものを抜本的に変える必要があるのじゃないかと思いますが、どうですか。
#35
○政府委員(高橋弘篤君) 先生のおっしゃる御趣旨はよくわかります。しかしながら、先ほども申し上げましたように、この地価公示価格というものが自由な取引市場におきまして通常成立するものである、つまり特殊な動機のものは除いているわけでございます。買い進み、それから売り急ぎというようなものについての、特殊な高くなるような価格、安くなるような価格というものは除いた仲値と称するものでございます。つまり市場で成立します交換価値を表示するものでございますから、先生のおっしゃるような、取引事例というようなものを全く無視した特定の政策意図でつくるというようなものになりますと、これは市場と全く無関係のものでございます。こうなりますと、いわゆる正常な価格ということに、現在の地価公示法でいう正常な価格にならぬわけでございますが、先生のおっしゃるのは、不動産鑑定の鑑定方法の三原則がございますけれども、これを改定しろという御趣旨のように受け取るわけでございますけれども、この鑑定評価理論につきましては、なかなかむずかしい理論がありますけれども、これについて常時検討して、より適正な価格評価ができるようにすることは当然でございます。これは常にやるべきだと思います。しかしながら、土地の、不動産の鑑定評価という理論、外国におきましても日本とほぼ同じような評価の方法をとっているわけでございます。アメリカにおきましては大体日本と同じような内容のものでございます。それから西独なども三方法の採用をやっておりますが、原理的にはわが国の基準と大体同じようなものでございます。むしろ土地につきましては取引事例比較法を中心にしているというものでございます。イギリスは大体アメリカのものの亜流というようなものでございます。フランスもそういう三方式をとっているわけでございまして、いろいろ、先生も御承知のように、検討は今後もする必要はございますけれども、鑑定評価方法としましては非常に検討する必要は認めますけれども、こういう方法でやるべきじゃないかと思います。
 ただ、先生の御指摘の点は、おそらくこういうような市場性を帯びないような価格、そういうものを、全く無関係のようなそういう基準価格というふうなものを策定したらという御趣旨だろうと思います。それも一つの御提案だろうと思いますけれども、全国的にこういうものをつくって適用することにつきましては、いろいろな複雑な問題が起こってくるだろうと思います。そういうものも慎重に検討しながら、真にそういうことによって土地対策になるかどうかというようなこと、ほかのいろいろな経済構造、社会構造その他との関連を十分に考えながら、慎重に検討する必要があろうかと考えるわけでございます。
#36
○沢田政治君 現在までの標準地の設定は、市街化区域、これに限定しておったわけですが、今度はこれを拡大して都市計画区域、こういうところに標準地の設定を拡大しておるわけでありますが、これはけっこうだと思うのです。別に私はこれに異論を差しはさむものではありませんが、そうなると、当然、市街地抑制区域、調整区域といわれているところ、純粋な農用地まで拡大されるわけです。そこで、そこを標準地にして地価を公示する、こういうことになりますと、農用地が宅地並みに評価される、公示されるということもあり得ると思うのです、現実の問題としてですね。そうなった場合は、農用地に対するこの影響がどうくるかということですね。これはたいへんな問題になると思います。この点については、この三つの基準のうち――たとえば農用地に対しては、将来ここが宅地化になるだろうという想定のもとに評価するのか。この件は、非常に私は疑問を感ぜざるを得ないのです。農民に重大な影響を与えると思いますから、この件についてはどういう評価の方法で具体的にどうなるのか、わかりやすくひとつ説明していただきたいと思うのです。
#37
○政府委員(高橋弘篤君) 先生の御指摘は、今度、市街化区域からそれ以外の地域に拡大される、そういう場合にどういうふうなところの地点で地価公示を行なうかというようなこと、それが、かりに農用地であると非常に影響するところが大きいという御趣旨だろうと思います。この点につきましては、今後、都市計画区域に私ども入れたいということで御審議願っているわけでございます。つまり、そうなりますと、従来の市街化区域以外に、調整区域及びそういう線引き地域以外のところについて地価公示を行なうということになるわけでございますが、具体的に私ども、調整区域の中ではこれは宅地についてだけ、既成の集落の中心でございます住宅地の中から標準地を選定いたしまして、そこで地価公示を行なうというふうに考えておるわけでございまして、それからその他の線引き以外の地域におきましても、おおむねそういうような住宅地につきまして、その中の線引き地域以外のところの都市計画区域内の市が二百八十四市あるわけでございますけれども、一市当たり大体三地点というようなものを選定したいということでございます。市だけでございます。そういうようなことでございますから、私どもといたしましては、そういう農用地だとか山林だとか、そういうようなところについて標準地を選定しないという方針でございます。
#38
○沢田政治君 結局、大都市周辺の市街化区域の線引き以外に標準地点を求めるということになると、勢い農用地にならざるを得ないんじゃないですか。都市の周辺が全くの原野、山林であって都市部だけがこれは市街化区域だということはないんですよ。ほとんど都市部の周辺はりっぱな農用地が多いんですよ、これは。都市というのは大体川に沿って都市が形成されるんですからね。こうなると、市街化区域以外に広げて宅地に限るとか、そういうことにならぬじゃないかと思いますけれども、実際問題としてどうですか。
#39
○政府委員(高橋弘篤君) ただいま申し上げましたように、私どもは地価公示は宅地について――だから、市街化区域以外のところにつきましては、さっきも申し上げましたように、既成の集落がございます、この既成集落の中心である住宅地を中心に地価公示をいたしたいということでございます。この市街化区域以外の都市計画区域内におきましても、いわゆる宅地は相当あるわけでございます。したがって、そういう宅地で地価公示をいたしたいということを申し上げておる次第でございます。
#40
○沢田政治君 市街化区域以外、調整区域の集落の宅地を標準地点に選びたいと、それはそれでいいでしょう。それで農地に対する土地の高騰の一つの大きな作用をいたしますよ、それは。それはいなめないでしょう。そういう場合これは――農林省が来られておると思いますが、これは日本の食糧問題は重要問題だと思います。抜本的にこれは考え直さなくちゃならぬ時代になっていると思います。けさも、アメリカが大豆を輸出制限するとか、そういうことになっていると思います。私は農村県でありますが、農村の農協の倉庫はみんなからっぽです。政府の数字は非常に強気なことを言っているわけですが、これが心理的に波及していって、消費地帯の家庭がかりに三十キロぐらいの米を買い占めるということになったならば米騒動が起きてくるんじゃないか。こういうことは、これは数字の上じゃなく、各県の農業倉庫がからっぽになっている状況を見ても、これは深刻な事態になると思いますね。特に米の輸出国が輸入国になっているでしょう。タイでは輸入制限はする、あるいは自給をしたり、あるいは輸出したことのあるフィリピンでも四十五万トン輸入するとか、インドネシアは百六十万トン輸入しなくちゃならぬとか、バングラデシュは二百六十万トンぐらいとか、インドは三百万トンというように、たいへんな食糧をめぐる情勢がきびしい情勢になっていると思います。そういうことでありますから、これは食糧ということについては相当深刻に考えざるを得ない時代に今日なっていると思うんです。そうなると、勢い農業を振興させるということになると、いまの零細農業からもう少し規模を拡大した農業という方向でなければ、農業だけにこれは限定されないわけですよ、いまの農業規模では。そうなると勢い地価の高騰が農地の高騰に私は波及することになると思います。そうなると地価の高騰が農地の高騰に連鎖的反応するわけでありますから、農業の拡大とか大規模農業なんというものは、もう地価の高騰から不可能な状態になるわけです。でありますから、たとえば園芸果樹とか、そういう方向までいきませんが、たとえば水田なら水田一つとってみて、一反歩なら一反歩、三百坪なら三百坪というふうな農地、水田がどれだけの価格であるならいまの米価で採算がとれるかということです。どういう水田の値段であるなら採算がとれるし、拡大農業の方向をたどれるかということです。御承知のように、山間僻地と、それからいろいろな場所によっても地形によっても違いますが、大体やや良のほうで水田一反歩の三百坪で六十キロ、これは十俵が大体の平均で、これはいいほうですね。良好のほうですよ。そういう観点から考えて、どれだけの農地の値段であるならば、日本の水田なら水田が集約した拡大農業の方向をたどれるのか、農林省のほうでどういうように計算していますか。
#41
○説明員(関谷俊作君) 現行米価を前提としまして、どの程度の農地価格が農業の収益面から見て相当であるか、こういうお尋ねであると存じますが、四十六年産米の生産費調査というのが、これは時点で申しましては一年前になるわけですけれども、現在手元にございます米生産の収益関係を推定する資料になるわけでございます。その四十六年産米の生産費調査、約四千三百戸を調査しておりますが、その調査で、水稲の場合に大体どのくらいの収益が土地にいわば帰属するというふうに見込まれるか、こういうことを試算してみたわけでございます。そういたしますと、全国で大体十アール、いまお尋ねのございました従来の三百坪、一反歩にほぼ相当するわけでございますが、十アールで収益が主産物、副産物含めまして約六万六千二百円ございまして、それに対して、資本利子、生産費用を足しますと、大体五万四百円くらいの生産費用である。そういたしますと、純収益というのが、生産費用と資本利子を引きました残りが一万五千七百円くらいになります。これがいわばこの中に、正確に申しますと、いろいろ利潤をどう見込むとかそういう問題もございますが、一応これを全部土地という面に還元いたしますと、よく行なわれますように資本還元額を計算するわけでございます。かりに五%を用いて計算いたしますと、約三十一万五千円という全国水準になるわけでございます。これに当たります数字は当然作付規模あるいは地域によって違いますので、こういうような大体考え方を基準としますと、大体十アール三十万円台から四十万円にかけてというところが四十六年時点での米の収益から見込まれる相当な価格、一応こういうことになろうかと考えております。
#42
○沢田政治君 食糧事情がたいへん深刻な問題になるわけですから、地価公示法が即農地を抑制したりそういう作用を果たさないわけでありますから、農地自体としての、農地の価格はいかにあるべきかという一つの規制をする必要があるんじゃないかと思います。そうでなければ日本の零細農業の拡大農業への方向というものは永久に私は閉ざされると思うのです。きょうあなたにそれを聞くのはこれはちょっと酷ですが、農地の凍結とか、たとえば農地の売買については一つの基準を設けて、それ以外の売買は許可しない、農地から農地へ転売する場合でも許可制度でしょう、農地委員会の認可、そういう措置を講じなければ、都市における宅地の高騰が勢い農地に大きな波及をしているわけですよ。このまま放置したならば何もつくらないで値上がり待ちしたほうがいいですよ。日本の農業というのはほとんど縮小再生産の方向にいきますよ。深刻な事態がそこまで忍び寄っていることも、やはり農林省は深刻に考えてほしいと思う。惰農をつくるもとですよ。どうですか、こういう問題を議論したことがありますか。
#43
○説明員(関谷俊作君) ただいま申し上げましたように、大体収益面から申しますと、三十万円とか四十万円という数字が出てまいるわけでございます。従来の農地価格の調査を見ますと、不動産研究所の調査は大体その水準とはそう離れておらないわけですが、片やもう一つ、全国農業会議所という調査がありまして、それを見ますと、最近時点では大体百万円をこえるような農地の売買価格が統計上出てまいっております。これはやはり農業内部での収益の問題もございますけれども、非常に他部門の農地以外に使う転用目的の価格が直接間接に影響している、これは非常に大きな問題であると、こういうふうに考えております。つまり農業収益の面から支払い得る農地価格よりも非常にもう現実の価格が上回っておる、こういうことでございまして、いま御指摘のございましたように、直接的に農地法その他で地価を、取引を規制すると、こういうことは、実は昭和二十一、二年ごろの農地価格直後まではそういう状態もあったわけでございますが、なかなか地価の直接規制もむずかしゅうございまして、現在、農林省として、経営規模の拡大という面でこの問題にどう対処するのか、こういうお尋ねといたしますと、やはりこの関係については、たとえば長期低利の資金を貸すと。現在三分五厘、二十五年という農地取得資金、非常に、ほかの金融面からしますと、相当長期低利の取得資金を貸しておりますし、このほか各県に農業開発公社というものをつくっておりまして、こういう公的な機関が土地を買って、規模拡大する農家に売り渡す、その場合の農地取得資金のめんどうを農林漁業金融公庫から見ると。こういう金融的な面あるいは公的機関の規模拡大、促進、こういう関係で極力努力をしておりますし、また、これらの規模拡大促進措置を今後とも大いに拡充してまいりたい、こう考えております。
#44
○沢田政治君 長期低利によって地価の高騰、農地の高騰をカバーすると、こういう手法のようですが、そんな消極的なことじゃどうにもなりませんよ。いま国道、県道、主要地方道、そのそばの水田ですね、それは県によっても違いますが、秋田県の場合は十アール当たり三百万円以下の土地はありませんよ。これじゃ絶対農業はできないんですよ。長期低利とか、そういうもので農地を拡大するなんということは、全くこれは不可能、金融面では。でありますから、法制的に何らかの抜本策を講じなければ、農業の破壊につながっていく現実に直面しておるということだけ私指摘しておきたいと思います。
 まあ、時間がきましたので最後の質問になりますが、この地価公示法が制定の際に、いろいろ参考人として、衆議院、参議院に来られた学者とか、識者とか、こういう方々が一様に懸念したのは、税制度に結びつかない地価公示法というのは、全くこれはナンセンス、という表現は使っておりませんが、大きな役割りを果たし得ない、これは当時の一致した見解であったわけです。はたせるかな、今日のこの法律の効果というものは、まさにその当時懸念されたことが現実として私は出ておると思います。でありますから、これをどうして税制と結びつけるかということですね。三年前の参議院において、これは佐藤総理であったと思いますが、公示価格をこえる実際の売買による収益は、全部税金でこれを吸収しちゃうと、こういうような措置をとらなければこの法律が、これはもう実効があがらぬじゃないかと――やらないのを放言をしたようなかっこうですが、もう指摘しているわけですよ。政府でも知っていると思うんですよ、法律の功罪というものを、役割りというものを。まさに語るに落ちるだろうと思います、そのとおりだと思うんですが、それをやらぬのです、これはやるべきだと思います。
 そこで、そこまで間口を広げずに、たとえば税制とどう結びつけるかと。それは全部、公示価格以上のものを全部税金で没収してしまえということも一つの課題です。政府は課題を負っているのだから、これを解決しなさいよ、私どもはそれを監視したいと思うんです。それと同時に、他の固定資産税あるいは相続税、これに対して一元化をどうしてはかるかということですね、評価をどう統一するか、一元化するか。これぐらいはやっぱり急いでやらなければ、ますますこの法律というものはあってなきがごときものである。ある場合には、地価高騰のこれはてこになると、こういう危険性すらあるわけですから、この結びつきをどうするかということですね。たとえば建設省は、五十一年まで二十四万地点、これを考えていたわけですね。今度の公示地点は約五千四百九十地点ですか、それといままでの、固定資産税は三十万地点ですね、それから相続税の標準地点は十万、非常に低いわけですよね。しかも、これが士補を含めて二千七百人の鑑定士、これで実際できるのかどうか。意図はいいよ、実際問題として、二千七百人の不動産鑑定士並びに士補を含めて、実際問題としてこれはできるのかどうか。しかも、不動産鑑定士は都市に偏在していますよね。これを全国的に広げるということでありますから、これは不可能だと思うんですよ。東京の不動産鑑定士が北海道へ行ったり沖繩へ行ったりして、はたして客観的な評価ができるかどうかということです。いままでの、この不動産鑑定士二名のうち、完全に評価が合った例もあるけれども、差もあるわけですね。二人の中でさえも差があるわけですよ。私の聞くところによると、約一〇%ぐらいの差があると。また差があった場合には、これは不動産鑑定委員会ですか――土地鑑定委員会でこれを決定することになっていますが、差のあった場合に、どういう修正率を掛けてこれは一緒にしますか。
 私がいま質問しているのは、五、六点の質問を含んでいるんですよ。時間がないのでまとめて私は聞くわけですが、実際こうやりたいと言っているのだけれども、この事実を見ても、不動産鑑定士のやはり能力なり陣容を見ても、私は一つの計画にすぎないと思うんですよ。実現性がないと思うんです。どうですか。これに対して、ひとつ、いや、こうやるんだということがあったならば御答弁願って、時間でありますので――二分ぐらい超過ですが、これで質問を終わります。
#45
○政府委員(高橋弘篤君) いろんな点につきまして御質問でございましたが、時間の関係もあるようでございますから、簡単にお答え申し上げます。
 第一点の、これは税制に結びつける点、その一つは、土地高価譲渡所得税と称するものでございます。これにつきまして、私どもぜひこれはやりたいということで、関係各省と交渉を続けておるわけでございます。ことしの一月に行なわれました税制調査会の中でも、これについては十分検討した結果、その前提条件がまだいまちょっとないから、前提条件が整ってまたさらに検討したいというようなことになっておるわけです。その前提条件というのは、いわゆる地価公示制度というものは、全国的にやっぱり整備されなければ、何ともこれは結びつけることはできないということでございまして、私ども、さっき先生の御指摘もございましたように、早くこれを整備いたしまして、五十一年度からは税制その他といろいろ結びつけられるように努力をしてまいりたいわけでございます。
 税制の中の、第二点の固定資産税、相続税等、そういう公的の評価との一元化、これもおっしゃるとおりでございます。この点につきましても、やはり地価公示制度を全国的にある程度整備しないと、これはなかなかできない問題でございます。この点については、ことしの一月二十六日の地価協――地価対策閣僚協議会できめました土地対策要綱の中にも、そういう一本化、適正化に向かって検討するということがはっきりうたわれているわけでございまして、この点について、早く整備できるように私どもも努力したいわけでございますので、どうぞよろしく御指導お願いいたしたいわけでございます。
 それから、ことしの地価調査を、四十八年の地価調査を、一万四千五百七十地点、地価調査をいたしまして、来年の一月一日にこれについて公示をいたしますと、そうすると私どもは、国の基準地点はこれですべて、大体これでいいんじゃないかと思っております。そのあとは、都道府県及び市町村に土地鑑定委員会を設けまして、都道府県で約四万地点、それから市町村で一応私どもは二十四万地点と考えております。これは四十五年の自治省の固定資産税の宅地の標準地が大体二十六万地点であったわけです。ことし、四十八年は三十万地点になっております。したがって二十四万地点も、私どもも自治省といろいろなお打ち合わせする必要がありますけれども、税制とリンクできる程度の地価公示をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
 さて、先生の御指摘の点は、かりに二十四万地点というふうにしたときに、鑑定士がいるかという点でございます。この点につきまして、私どもこういうふうに考えております。国の基準地点につきましては一万四千五百七十地点、これは不動産鑑定士大体二人――二人でこれはやる。またあとで申し上げますけれども、両方の間で一〇%以上開差がありましたら、第三者の鑑定士、三人目の不動産鑑定士に鑑定評価をさして土地鑑定委員会できめるということを考えております。それから都道府県の土地鑑定委員会では、今度は、新しくわれわれの考えておりますのは、約四万地点これは国の基準地点がありますので、不動産鑑定士は大体一人でいいだろうというふうに考えておるわけでございまして、国の基準地点の価格を基準にいたしまして、そうして不動産鑑定士が鑑定評価をし、それを都道府県の土地鑑定委員会がさらにいろいろ見ましてきめていくというふうに考えておるわけでございます。そうなりますると、大体一人で二十地点ぐらいやれますので、実働、いま二千人鑑定士がおるのでございますので、登録数はこれは三千人以上いるわけですけれども、二千人実働できるとしますと大体延べ四万ということになるわけでございまして、これで大体間に合うというふうに私ども考えております。それから市町村の段階になりますと、市町村土地鑑定委員会は、この国と都道府県の基準地点における土地の評価価格というものを基準にしてこれはきめるわけでございますので、これは大体、不動産鑑定士を使わなくても土地鑑定委員会におきまして――現在も市町村におきまして御承知の固定資産税の評価等いろいろ行なっているわけでございます。したがって、そういう職員もおりますし、土地鑑定委員会で国と県のそういう基準地点を基準にすれば、これは市町村の鑑定評価ができるというふうに考えている次第でございます。
 それから最後の点でございますけれども、不動産鑑定士が二人で鑑定評価をして、それをもとに土地鑑定委員会できめるわけでございますが、この差が一〇%とおっしゃいましたけれども、一〇%以上になりますと、第三者鑑定というので、私ども三人目の不動産鑑定士に鑑定評価を依頼するわけでございますが、これは非常に少のうなっております。ここに資料がございますけれども、時間の関係で詳しく申し上げませんが、私の持っているこの資料で申し上げましても大体一%強でございます、差は。具体的な例でむしろ申し上げますと、三鷹市と大宮市の例が実はあるわけですが、これでも大体一%の差となっておるわけでございまして、大体そういうことで数%以内になっておるわけでございます。したがいまして、そういうものをもとにしまして、土地鑑定委員会はこれをさらに、二人の鑑定士の鑑定評価しましたそういう経過というものを十分に資料で調べまして、最終的にこれを判断してきめるということにいたしておる次第でございます。
#46
○高山恒雄君 私もこの問題については、先ほどの御質問がございましたように、全く功を奏してない法案だなという観点に立って批判も申し上げ、御質問をしたいと、こういうふうに考えるわけですが、まずそれまでに大臣にお聞きしたいんですが、最近の土地の暴騰に対してどういう処置をとっていこうとお考えになっておるのか、いま法案の改正が出ておりますように、この程度のもので地価の安定価格というものが保持できていくのかどうか、こういう点に対して政府の姿勢を聞きたいんです。
  〔委員長退席、理事沢田政治君着席〕
したがって、今後のとっていこうとされる問題について大臣の答弁を願いたいと思います。
#47
○国務大臣(金丸信君) ただいま先生から、いわゆる今回この国会に提案されております国総法とかその他税制の改善とか、いろいろによって土地対策を講じていこうと、いわゆる土地対策ということは宅地供給ということでございます。その国総法がただいま衆議院で審議に入ったわけでございますが、これとてもなかなか審議がはかどらないという状況で、参議院へ回ってくることができるかどうか、それも心配をいたしておるわけでございますが、どちらにしても、この法案を通していただかなければまず仕事が始まらないということでございまして、ただ、この法案だけでやれるのかと、こういうことになりますと、絶対やれますと言い切ることができるかと、こういうようになるわけでございますが、私はこの問題につきましては、こうもやり、ああもやって、なお足らないところはなお強硬な方法もとらなくてはならぬということでございまして、ぜひ今回提案されている土地利用計画、あるいは規制問題、税制の改革、こういう問題に先生方の御協力を得まして、この国会で法案の通過をさせていただくことがまず第一であろうと、こう考えておるわけでございます。
#48
○高山恒雄君 先ほども質問が出ましたから私はあまりしつこくは聞きませんが、参議院でも衆議院でも、この公示法に対しては大けちがついているわけです。
  〔理事沢田政治君退席、委員長着席〕
それが一向に、今日のこれだけの土地の暴騰にかかわらず何ら手が打ってなかったということは、私は政府の怠慢もはなはだしいと、こういう考えを抱かざるを得ないのであります。特に参議院では、衆議院で附帯決議をつけましたそれ以外にまた参議院で特別の、地価暴騰に対する国民生活の安定のためにゆゆしき問題であるということでつけてきておるわけです。それが一向に手が打たれていない。そうして先ほどもいろいろ御説明をされておりますが、しかも、市況価格に左右されざるを得ない、こういう答弁をしておられるわけです。これだけ変動の激しい、むしろ土地価格というものは毎月変動があると言っても過言でないのです。これだけ変動のあるものの市況価格というものを一定の期限においてきめてみても、これは架空のやはり標準にしかならないのじゃないか、いわゆる表示しかできないのじゃないか、こういうところにわれわれは何ら功を奏していないという見方をせざるを得ないのですが、この点はどうお考えですか。
#49
○政府委員(高橋弘篤君) 先生の御指摘は――この地価公示価格が正常な価格である、その価格については市場性を帯びていると私御説明申し上げました。これは世界各国の大体、不動産鑑定の鑑定評価理論では一つの方式であるわけでございますけれども、したがって、どんどん変動しているじゃないかということだろうと思います。したがって、先ほども沢田先生にもお答え申し上げましたけれども、全くそういう市場と無関係に、特定の政策意図で基準価格をつくるということも一つの提言であろうと存じます。しかしながら、さっきも簡単に申し上げましたけれども、いろいろな問題があって、この点につきましては慎重に検討する必要があるのではないかということを申し上げておったのでございます。たとえば現在の宅地需給の実態をそのままにしまして、そうして地価だけを、また、ほかの物価はそのままなのに地価だけを凍結するということを、かりに全国的にやったといたしますと、いわゆる需給のアンバランスはそのままでございますので、いわゆる戦争中に行なわれましたやみだとか二重価格というものがこれは起きてくると思います。それから戦争中でも同じであったわけでございますけれども、民間からの供給の意欲というものは全くこれは減退するわけでございますので、勢い公的なものが相当の力を持って土地を取得し、そうして供給するという機能を果たす必要があろうかと思います。これも一つの方法でございますから、大いにやればいいんじゃないかとおっしゃるかもしれません。しかしながら、民間の土地の供出意欲というものが全く減退して市場がないわけでございますから、そのときにはどうしても国はいわゆる国家権力というものをもってこれを相当強く取得していく必要があります。それから、従来の価格メカニズムというようなものから、いわゆる土地の売買というものが行なわれて、適正に取引が行なわれ、そして、ある人が自分の必要な土地を自分の出せる価格で取得したというようなものがなくなるわけでありますから、一応どうしてもこれは配給と――ことばはちょっと悪うございますが、そういうような配分にあたってまでも何か公的なものでこれを計画的に調整をとってやる必要があろうと思います。そういうようないろんな方法を考えなければいけないわけでございまして、そういうことを十分に考えて全国的にこれをやれば、供給のほうも促進され、また、しかも、地価も安定するということになるかどうかということを、いろんなほかの関連とも慎重に考え合わせて検討する必要があるということを、私申し上げた次第でございます。この点につきまして、なおいろいろ慎重に考える必要があろうかと思うわけでございます。
#50
○高山恒雄君 私は、基本的な政府の考え方が間違っておると思うんですよ、あなたの説明をお聞きしても。先ほど先生の御質問で、この農地を一体どうするのかという問題を非常に心配されています。私もそう思うんです。しかし、過去この法律の四年の経過を見てみましても、それは日本の絶対的土地の狭い郷土においてこうなるのは自然かと思いますが、市街化区域という指定のもとに、いわゆる調整区域が取引の対象になってきたことは事実です。市街化区域というのは取引上むずかしい。また、土地を買ってみても自分の自由にならない。したがって、ねらったのは市街化区域ですよ。調整区域なら何とかなる、こういうことになったわけですね。調整区域というのは農地も含んでいるわけです。宅地の標準だけをきめたって、この調整区域というのは農地を含んで、近隣のたんぽというものは宅地になるかならぬかという問題なのですよ。こういう点を考えないで、この地価表示を今後拡大していくということになれば、これはますますそうした矛盾点が、あるいは線引き以外のところにどんどん拡大していく。御承知のように、道路は、皆さん何といっても拡大されていっておるわけですから、安いところ、安いところへとこれは移動するのはあたりまえでしょう。したがって、宅地だけの公示だけでこと足り得るという考え方に、この法案の有名無実な、何ら功も奏してないじゃないかということを指摘せざるを得ないんですよ。こういう点、どうお考えになっているのか。
#51
○政府委員(高橋弘篤君) 現在の地価公示法におきましても、宅地についても地価公示を行なうということになっておる次第でございますが、市街化区域におきましては、これは農地が市街化区域内にも御承知のとおりありますけれども、これはやがて市街化されるということがきまっておる、そういう利用区分がきまっておるところでございます。したがいまして、現況農地でございましても、場所によりましては、次第に宅地化されていくところにつきましては、いわゆる現況農地についても宅地見込み地として、しかも、これは農地価格ではございません、宅地の価格でこれを改定評価し、そして地価公示をするということにいたしておるわけでございます。しかしながら、それ以外のところにおきましては、特に先ほど沢田先生からも御質問がございましたが、調整区域におきましては、原則として、これは市街化を抑制する地域でございます。したがいまして、私ども先ほども沢田先生にもお答え申し上げましたけれども、私どもの標準地を選ぶ場合におきましても、宅地、つまりこれは既成の集落の中心となる住宅地を中心に標準地を選びまして、そうしてそこで地価公示を行なうというように考えておるわけでございます。先ほどの沢田先生に対しての補足説明、答弁にもなるわけでございますけれども、まあ、それがただ農地山林というような、周辺の農地山林に影響を及ぼさないという点もあるわけでございますので、それも標準地の選定には十分配慮しながら行ないたいというふうにお答え申し上げた次第でございます。また、土地の取引は、もちろん市街化区域以外の地域におきましても非常に多くなっていることは事実でございますけれども、市街化区域とは、何度も申し上げますように、市街化を促進する、宅地になるぞと、それ以外のところは、調整区域は、かりに土地を買いましても、これは開発許可が原則としてできないところでございます。したがいまして、やはり市街化区域のように土地の取引が非常に多いということはないだろうと私ども考えるわけでございます。ただ先ほどの御指摘が、宅地だけの地価公示でなしに、それ以外の山林とか農地についても地価公示を行なうべきではないかという御指摘でかりにございますならば、一つの非常に大きな問題でございます。この点についても私ども十分に前々から検討している点でございます。単に宅地だけではございませんで、それ以外のところについても地価公示を行なったらという提言が実はあるわけでございます。その点については農林省その他関係のところと慎重にいろいろ打ち合わせてまいりたいというふうに考えております。
#52
○高山恒雄君 私はね、あなた水さすような答弁をしていただいたから申し上げますがね、地価表示なんていうようなものは限定した市街化区域とか、調整区域とかということは、最低のこれは表示にしかならないという見方をするわけですよ。全体の地域において、たとえば市町村においては、どの地域にはどれくらい、どの地域にはどのくらいということを、買う人にも、売る人にもわかりやすい表示というものがあって、初めて土地の安定化というものが言えると思うんですね。それを市街化区域あるいは調整区域というような区域をつくって、そうして一人の鑑定士が――岐阜県には二人おります。私は岐阜ですからね。事実、ある人から相談を受けましたから、鑑定士がいるはずだから、これは公用地買収の何ですが、一人だけその人はがんばっているわけですが、なかなかうんと言わない、中央道の道路の買収の問題でね。しかし、公示評価があるから、少なくともそれくらいのことは町村にもわかっているはずだから、私はその人に頼んでやりなさい。三十万円です、三十万円。一人鑑定士を頼んで、一日かかって鑑定してもらうと三十万金が要るんです。こういう機関を日本の政府がつくって、公示だ、公示だと言ったって、むしろ土地をつり上げる効果をねらっているのかもしれませんけれども、安定なんていうようなことはおよそ私はできないというような気がしているわけです。だから、先ほども申しますように、日本全体の地域におけるところの地価公示というものができるならば、これはもう理想ですよ。そうして、買う人も売る人も、その町村に行けば公示がわかっているということならば、これは安定せざるを得ないと思うんですね。それでも危険な点は、公示で取引してやみの取引がないかというと、これまた危険です。そのために、この附帯決議で、公示価格以上の限度を越えたものについては、譲渡利益に対して課税をせよと言っているんですよ。そういう心配があるから、こういうことを載せたんですよ。ところが、そういうことはいま公然と行なわれているのではないかという懸念すらわれわれは考えるのですが、その点は事実ないのかどうかということです。いわゆる公示したためにそれが最低になって、そこで取引はできると。一方、表面には出てこないやみの取引がなされているのは文句言うところがないでしょう、表面に出てこないのだから。そういう危険すらあるんじゃないかという疑いを持たざるを得ないのですが、そういう点はどう考えるか。
#53
○政府委員(高橋弘篤君) 現状におきまして、地価公示価格が指標、目安とされているかどうかという点の御質問かと思います。一般の民間の土地取引につきましてはこれを把握するすべがないものでございますから、公共用地の場合と違いまして実態を全部把握することができませんが、先ほども申し上げましたが、これは市町村役場、東京では区役所でございますが、に閲覧簿がございまして、閲覧できるようになっております。これが先ほど申し上げました四十七年度は四千二百以上の閲覧件数がございます。電話照会その他もあるようでございます。それから不動産の大手のデベロッパーの中でも地価公示価格を販売価格にするという方式で最近分譲いたしておるところもあるわけでございます。そういうことで私どももこの地価公示がある部面では相当活用されていると思うわけでございますけれども、一般、私どももいろいろ聞きますところによりますと、この地価公示価格に何割増しかというようなことで実際に取引が行なわれているということも聞くわけでございます。この理由につきましては、先ほど沢田先生にもお答え申し上げましたわけでございますけれども、一月一日現在の地価公示の価格でございますので、これの時点修正、それからいまの標準地が少のうございますから、これをいろいろ比準する際におきまして品等比較をして、そうして高くなる場合もある。そういうようないろいろな修正というものが行なわれて高くなる、そういう理由は実はあるわけでございます。しかし、そういうようなめんどうないわゆる不動産鑑定評価をしないで、一月一日のものだから、この場所でこの時点であれば二割増しだ、一割増しだというふうなことで取引が行なわれている例もあろうかと思います。また最近はNHKの問題をはじめとして著しく地価公示価格を上回っている例もあることはまことに残念に思う次第でございます。
 したがいまして、これをどういうふうにして守らせるかという点でありますが、この活用方法、私どもも十分に今後何か強力な策をとっていかなければいけないと考えておるわけでございまして、その一つは、先生御指摘の土地高価譲渡所得税の問題、附帯決議にあるわけでございます。これも先ほど沢田先生にお答え申し上げましたが、これもことしの税制調査会でも議論をされまして、前提条件が現在のところまだ十分整備されていないということでそのままになっているわけです。その前提条件というのは、何といいましても地価公示制度というのは全国的に整備しなければ――ことしの一月一日現在五千四百九十地点でございます。これでは非常に少のうございます。したがって、これを土地高価譲渡所得税というふうな、そういう課税に使うのは非常にむずかしいという点もあるわけでございます。早く私どももこれを整備したいということで、五十年までには全国の二十四万地点を大体整備すれば、あとはこういうことに活用できる一つの基盤ができるんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。それから国総法の中でも、この地価公示をひとつ活用する方法としまして土地売買の届け出制度があります。その場合に、土地公示価格を著しく上回るものにつきましては中止勧告をすることができる、その取引を。というような制度もあるわけでございますので、いろいろな制度を今後とも十分に活用することを私どもは考えていかなければならないというふうに考えておりますので、どうぞ今後ともよろしく御指導お願いします。
#54
○高山恒雄君 一番心配しますのは、一年に一回しか公示しないから何割増しかの土地の売買の取引がされておるということはすでにあなたも認めておられる。一年に一回しかやらないですから、したがって、その何割増しかの増額の取引はあってもいいと、こういうふうにお考えになるわけですね。そうしますと取引上は公示価格で取引をして、契約上――いわゆる表面に出てこない取引は事実あるんじゃないか。何割増しで取引ができればいいけれども、公示価格で取引の売買ができて、いわゆるやみ取引といいますか、そういうものも現実にこの表示価格のためにむしろ促進しておるのではないかという心配をわれわれはするのです。いや、それは二割増しとか、三割増しとか、市況によってこれは変動されることは当然なことだと、こういうふうに見のがしておるわけですが、しかし実際には市況の価格というのに、さらに表示価格が表面に出てきて、表示価格で取引が行なわれて、やみのものは実際にそれは出てこない。そうなってくると、やみ取引を促進しておるような形の土地表示になるんではないかという心配をするんですが、そういう地点、あるいは事実はなかったのかどうか、この点はどうですか。
#55
○政府委員(高橋弘篤君) 先ほども申し上げましたように、一月一日現在のこれは土地の価格でございますから、これをいわゆる時点修正というようなもの、その他いたしまして、これを七月一日に取引するといたしますと、半年間の時点修正があるわけでございます。そういうものをいろいろきちんともちろん修正をいたしまして、そして適正な修正率を掛けて取引が行なわれればこれは一番いいわけでございます。しかしながら実際問題としてNHKの売買に見られるように著しくこれを上回るという取引があったことは、私はあるだろうと思います。これはまことに残念だというように考えておるわけでございまして、何とかこれを守らせるいろんな方策、先生のおっしゃったような方策を講じなければいけないと思いますが、その前提としましては、やはり何といってもこの地価公示制度を全国的に早く整備することが一番だろうと存ずるわけでございますので、その点私どもも十分努力したいというふうに考えておる次第でございます。
#56
○高山恒雄君 それから重要な問題は、いままで鑑定士がその地域に一人しかいないというような形で、それは幾ら鑑定士にしてもなかなか用件もありましょうし、間に合わない事態がありますね。鑑定士の名義で代理人を立てて、数人の人でやっておるという事実も私はあると思うんですが、そういう面の――先ほどこれもお尋ねになりましたけれども、Aの鑑定士とBの鑑定士あるいはCの鑑定士とのいろんな格差が出てきておる。したがって、いざ責任問題ということになると公認鑑定士というものが一人しかいない、こういうことで実際には地方で鑑定士というけれども、事実その効をなしてないのじゃないか、こういう点が非常に問題の焦点になるのじゃないか、こういうふうに考えますが、そういう点はどうお考えになっておりますか。
#57
○政府委員(高橋弘篤君) 不動産鑑定士は、これは不動産の鑑定評価を行なう職務でございまして、非常にむずかしい、相当専門的な知識を要するものでございます。したがいまして不動産鑑定士試験というものが国家試験にあるわけでございます。これは相当むずかしい試験で、なかなかこれは通りません。現在、合格して資格を持った者が約四千人いるわけでございます。実際、登録した者は三千六十人ぐらいでございます。が、この不動産鑑定士及び士補が正当な職務を私ども行なっておると思います。この資格がなければ不動産鑑定評価をできないわけであります。それがもしも資格のない人がやっておれば、これはそれに対する処分もできるわけでございます。ただ不動産鑑定士ないし士補が自分の手足として、たとえば資料収集したり、連絡役をさせたり、図面をまかせるというような程度のことは、これはあろうかと思います。これはすべて不動産鑑定士及び士補の責任で行なっておるものと私ども考えておるわけでございます。不動産鑑定士の育成強化、これは今後も土地の値段を正当にいろいろ鑑定評価するためにも非常に必要な制度でございますので、十分私どもも整備をしていかなくちゃいけないというふうに考えております。
#58
○高山恒雄君 先ほどあなた報告されたように、東京都でも四千二百四十九件ですか、これは全く〇・何%かわかりませんけれども、こんな件数じゃないと思うのですよね。それだけしか利用はしてないわけですね。したがって、今度その地域を拡大することによって、むしろその土地の価格表示のために最低になって、最高は野放しになる、こういう事実がどうしても起こる、こう見ざるを得ないのです、ぼくらはね。先ほど、あなたおっしゃるように、そういう危険性のある答弁をあなた自身もしておられるんです。市況の価格にやっぱり左右せざるを得ない、したがって、表示価格の何割かは一年間にはふえていくでしょうと、こう言っておられるわけです。ところが、公示価格で取引しましたと、こう言えば、それをあえてまた探求することもできないのではないか。したがって、これが最低になって、むしろそういう取引を促進させる危険性がある、こういう点に対して、もう一歩進んだこの表示価格の全国的なものになってこそ、初めてこれは功を奏するのであって、むしろいまこのままで拡大するということは危険ではないかと、私はこう思うのです。先ほどの御質問の中にもありましたように、農地の問題も、なおその対象の一つとして拡大されることを憂うる一人です。この点は、ひとつ慎重にやる必要があるのじゃないかと思いますが、その点どうですか。
#59
○政府委員(高橋弘篤君) 地価公示制度は、いわゆる地価を公示して正常な価格を国民の皆さんに表示する、そうして取引の指標とする、公共用地の取得の規準とする、こういうことでございます。これを、先生のおっしゃるように、また諸先生方もいろいろ御指摘なさいますように、地価対策上いかに有効に活用するかという方策は必要だろうと思います。これは地価公示法の法律の問題よりも、ほかのいろいろな土地対策を考えて、その中で地価公示をどういうふうに活用するかという方法を考える必要があろうかと思います。先ほどの御指摘の土地高価譲渡所得税の問題、その他地価公示を十分に活用して、地価の安定に役立つようないろいろな方策を私どもも十分検討いたしたいと思うわけでございます。そのためには、まずこの地価公示の地点がもっと全国的になる必要があるわけでございますので、私どもその方向で、十分に、できるだけ早い機会に、もう極力早い機会に全国的な整備をはかるわけでございます。その場合におきまして、宅地だけじゃございません、その他の地点につきましての地価公示についても、十分にひとつ関係の方面と慎重に検討をいたしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#60
○高山恒雄君 終わります。
#61
○委最長(野々山一三君) 質問が終わったようですから、暫時休憩をいたします。午後一時に再開をいたします。
   午前十一時五十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二十二分開会
#62
○委員長(野々山一三君) これより委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、地価公示法の一部を改正する法律案について質疑を行ないます。
 質疑のある方は御発言を願います。
#63
○沢田政治君 局長、どうもおそく来まして、この法律を放棄したかと思いましたが、まあ政府委員の一番親玉の大臣がおるので流れずに済んだわけですが、私も事情変更がありまして、また再び補充質問のような形で立つわけでありますが、整理しておりませんので質問が相前後するかと思いますが、そこは聞きじょうずでそしゃくして御答弁願いたいと思います。
 午前中も言われておりますように、公用地の取得については地価公示法がある程度の、規準までいかぬけれども指標を与えておるわけでありますが、一般の民間の取引についてはその実効があがっておらぬと、むしろ見方によっては最低のてこにさえなっておる可能性があると、こういう点がそれぞれいままでの質問の中で私どもの委員の中から指摘されたことが私は事実だと思っております。これに対して局長も、全くこの地価公示の公示価格が守られておらぬと、参考さえになっておらぬということであるならばきわめて残念だと、したがって、できるならば権威を持たせるために、まず公示地点をふやすと、二十四万ヵ所というように全国津々浦々に延ばして、そして権威を高めていきたいと、こういうような結論的には解決の方法、権威を高からしめる方法を答弁しておるわけでありますが、私は公示地点をふやしただけではたして民間の取引業者がこれを守るあるいはこれを参考――まあ参考か指標にするというところまで効果が高め得られるかどうかということは、いささか疑問を感ぜざるを得ないんであります。もっと別の方法を背後にあわせ持っておらなければ、これは幾ら建設省で行政指導しようが、これを守ってちょうだいと言おうが、それだけでは私はもう実効が期しがたいんじゃないかと、こういうように考えます。皆さんの答弁を要約してみますと、守られないのは残念だと、個所をふやすと、行政指導をすると、こう言っておりますが、もうああいう投機をやる業者に対して行政指導なんていうのはちゃんちゃらおかしいと思うんです、これは表現は悪いけれどもね。まさにエコノミックアニマルの権化、典型的な権化だと思っているんですよ。それに行政指導を加えて軌道修正させ得るとは私は考えません。したがって、どういう具体的な行政指導するか、もう行政指導に限界があると思います。効果的な行政指導があったならば具体的にここでお述べ願いたいと思います。
#64
○政府委員(高橋弘篤君) 午前中にもお答え申し上げましたけれども、一般の民間取引につきましてはこれを指標とするということだけでございますので、ある程度はこれを参考にしながら取引が行なわれていると思いますけれども、いろいろな事例で著しく公示価格を上回る事例があることは残念だと申し上げた次第でございます。しかしながら最近地価公示価格によって取引を行なおうという実は空気もあらわれてきているわけでございます。まあ私どもも不動産協会等を通じまして、デベロッパーが宅地を分譲する際の価格は地価公示価格を基準とするというような指導をいたしてきたこともあるわけでございますが、具体的に申し上げますと、あるデベロッパー、これは大手のデベロッパーにおきましては、最近の五月に東京圏の三ヵ所において宅地を分譲いたしておるわけでございますが、この三ヵ月の宅地の分譲価格は公示価格を基準にいたしまして、そしてこれを販売価格といたしておるわけでございます。具体的に申し上げますと、川崎市のある団地、これは宮前平駅から約一キロのところでございますけれども、大体五百メーターその分譲地の南方にあるわけですが、これで公示価格が平米六万四千五百円だったわけです。これを、この地点の平均の分譲価格は六万四千二百円というふうにいたしておるわけでございます。それからまあ具体的に申し上げても時間がございませんが、あと二ヵ所も東京圏におきまして同じように地価公示価格を基準にしまして、大体それと同じか――もちろんそことの比準をする、隣接地との比準の問題がありますので、少し低い価格で分譲価格をきめている例があるわけでございます。
 それからさらにまた日本不動産取引情報センターというのがございまして、これは大手の会社だとか、それからデベロッパーなどが数百社一緒になってつくっている取引の情報センターでございますが、ここにおきましては、公示価格をコンピューターに入れまして、その加盟の業者が会員の会社の店頭でお客さんにその価格水準を紹介するというかっこうのものをとっておるわけでございます。さらに、あるデベロッパーにおきましては、やはり公示価格をその会社独自でコンピューターに入れまして、そしてその全地点におきましてお客さんに、この付近の価格は幾らであるというふうなことを教えている、そういうふうな例もあるわけでございまして、私どもこれだけで完全にすべてがいっているとはもちろん思いません、しかしながら、こういうようないろんなきざしがあらわれておるわけでございますので、今後とも私どもは地価公示価格をもっと十分に活用するという指導をしてまいりたい。その際におきましては、いろんな業者の団体等を通じ、これを活用させる方法だとか、その他地価公示制度というものがまだ一般に認識されてないという点もあるわけでございますので、これを十分にPRするという点も必要であろうかと思います。
 あるテレビの番組で、地価公示制度についての番組がありました。私もそれに実は出たわけでございます。そのときにいろいろな紹介をし、こういうぐあいになっているのだということを説明いたしましたら、そのテレビ会社に非常に反響があって、そんなものがあるとは知らなかった、もっとこういうものは活用しなければいかぬから、こういう番組をふやしてくれ、そういう注文が、いろいろ投書みたいなものがあったというふうに聞いている次第でございます。いろいろな方法を通じまして、そういう地価公示価格を十分に活用する方途を考える必要があろうかと思います。
 しかしながら、結局は、やはり午前中からいろいろ議論がございますように、制度的な仕組みの問題で地価公示価格が守られるという方法を考えなければいけないわけでございまして、今回の地価公示法の改正と同時に、今国会に提案いたしております国総法の改正案の中でも、土地の取引の届け出制におきまして、地価公示価格を著しく上回るものにつきましては中止勧告の制度が規定として設けられておるわけでございまして、たとえばNHK・三菱地所のああいう問題につきましては、中止勧告の対象になろうかと存ずるわけでございます。また、これを守らせる方法といたしまして、土地高価譲渡所得税という制度、これも先ほどから諸先生方からいろいろ御指摘ございましたように、私どもこれはどうしても必要だと思います。ただ、その前提としまして全国的に地価公示制度を整備しなければ、そういう土地高価譲渡所得税というふうなものもできないわけでございますので、ぜひ全国的に地価公示制度を整備したい。その第一歩といたしまして都市計画区域に私ども対象地域を広げたいということで今回御審議をいただいている次第でございますので、そういうふうないろいろな仕組みを今後とも考えてまいりたいと思う次第でございます。
#65
○沢田政治君 私も、一つの手法だけでぴしゃりとペニシリンのように、かつての抗生物質のようにぴしゃりととまるというふうに考えておりません。いろいろな手法を総合的に用いて地価というものはやはり抑制できると、こういうように考えております。だから、この法律だけでぴしゃっと即効ということは、これはだれも期しておらぬわけです。しかしながら、問題にするのは、効果がなくとも害がなければいいと思うのですよ、いまのところはね。一度、公共用地取得についてはある程度参考になっているのだから、それなりの役割りがあるわけだけれども、特にこれがてこ入れになっているということになると、毒と薬の分を計算してみて毒のほうが多かったということになると、この法律というのは要らぬじゃないかと、かえって害になっているじゃないかと、こういうことをおそれるわけです。いまの答弁では非常にりっぱな模範的な一つの基準にしておる例もありますが、もちろんそういうところも絶無とは私は言っているわけじゃないのです。しかしながら、無数の土地取引はほとんどこれを無視しているというところに問題があると思います。
 そこで、土地が一体なぜ高くなるかということです。もちろんこれ資本主義経済でありまして、土地を商品として見ているのだから、これはやはり資本主義の原則である物価形成のメカニズムは需要と供給にあるということは、これは明らかでありますが、需要と供給だけの関係で物価が形成されておるならば、私も賛成はしないけれども、まだ考えてもいい余地があるわけです。ところが、資本主義の物価形成のメカニズムの需要供給だけじゃない、実際に必要のないものも需要として見込まれておる。つまり仮需要ですね。これが著しく土地を騰貴させておる原因であるということは何人といえども否定できないと思うのです。したがって、この関係はどうなっていますか。実需――実際に土地が必要で入手する場合と仮需要、こういうものの率が一体どうなっているのか、この点をまず明らかにしてほしいと思います。
#66
○政府委員(高橋弘篤君) 地価上昇の原因について、先生御指摘のとおり、一番基本的にはやはり宅地の需給のアンバランスというところにあろうと思います。特に最近の経済の高度成長に伴って、都市地域への人口、産業の集中によります都市地域での宅地の需要が非常に多くなっている、それに対して供給がなかなか伴わない、そういう点に基本的には問題があろうかと思います。それについては、地方分散だとか人口、産業の抑制と同時に、必要なものについての宅地の供給をふやしていくということが必要だろうかと思いますが、同時に、最近の地価上昇に一つの拍車をかけている原因といたしましては、土地の性格が非常に特殊な性格である、日本国土は限度がありますし、また、これを生産できるものじゃございません、また土地を管理する場合の費用の面から見ても、いろいろな手だてから見ても、非常に容易であるというようなことも言えると思います。そういう特殊な性格から、どうしても投機の対象になりやすいということがあります。特に一昨年の金融緩和の事態に伴いまして、そういう投機的な土地買いというものが非常に多くなってきている。そのために地価上昇に拍車をかけているというようなことが言えるだろうと存ずるわけでございます。そういうような投機を押えなければ、いかに私ども宅地開発供給というものを大いにやって需給のバランスをとろうと思っても、なかなかこれは需給のバランスはとれるものではないということは御指摘のとおりでございます。
 その仮需要がどのくらいであるか、投機的なものはどのくらいであるかというようなものは、非常にこれは実態把握はむずかしゅうございますけれども、四十六年度におきまして、私ども東京圏におきましての土地の移動状況を調査したのがございます。これによりまして、土地の売買の目的をいろいろ書いているわけでございますが、その中で、仮需要といいますか、実際の実需に結びつかないような、そういうような目的を書いているものが大体二割弱ぐらい、二〇%弱であるというふうに統計の面では出ておる次第でございます。これは東京圏の部分的なそういう調査についてでございます。全国的な調査は残念ながらそういう調査の結果はございませんが、私どもの調査いたしました結果に基づきますと、大体そういう数字が出てくるわけでございます。
#67
○沢田政治君 実際の仮需要というのは、どこまでが仮需要かという一つの線の引き方というのは、実際問題としてはむずかしいと思うのです。今年は使わぬけれども来年は使うと考えておるかもわからぬし、ちょっと資金繰りがつかぬから、三年後になるかもわかりませんし、それは基準の引き方というのは、いま二割とか三割とかおっしゃっていますけれども、なかなか微妙だと思います。しかし各新聞等でキャンペーンを張っている内容を見ますと、どこまでが正確だか私も調査はしていませんが、大体実需の十五倍ぐらい、これは東京だけじゃなくて全国的だと思いますが、十五倍ぐらいが仮需要じゃないか、こうさえもいわれておるわけです。あるところによれば、二十倍ぐらいが仮需要じゃないかということもいわれています。私はやっぱりこれを押えなければいかぬと思っています。仮需要が一つ。
 それからもう一つは、開発すればするほど開発の価値が増加するわけです。何にも働かなくても、そこに道路が通った、そこに鉄道が通った、そこに何かの施設ができたということで、何にも働かぬで価値が上がるわけですね。この増価分を吸収するというような手段を講じなければ、そこの増価分だけならいいけれども、これは波及していくものだから、地価は伝染するから、それを押えなくちゃならぬと思います。だから、地価を抑制する手段方法というものは大体出尽くされたと思うのです。みんなわかっているんです。こうしなければならぬ、ああしなければならぬということはわかっているんです。それを、ある特定の利害を乗り越えて、全国民的な立場、日本の経済全体の立場、生活の立場、物価の立場、これからやっぱり断行できるかどうかという、私は実行の段階にかかっていると思うのですよね。これは実行しなくちゃ、効能書き幾らここで言ったってどうにもならぬですよ。だから、もう道具はそろっているのです。その道具を実際に生かすか生かせないかというのが今日的な私は課題だと思うのです。これを解決せずに、日本列島改造論といったって、できっこないです。ますます地価をつり上げることでしょう。だから、これを実行するかどうかという段階に私は来ていると思うんです。
 そこで、午前中も、地価公示法は地価の抑制に役立たぬと、こう私どもは指摘しておるし、これに対して政府委員のほうでも、あえて否定はしておりません、残念だということを言っています。が、しかし、これだけではいかぬということは私も認めているんです。これだけではぴしゃりと地価を抑制させる手段、方法にならぬということも私は認めています。
 そこで、今度の国総法において、不当な取引があった場合には中止を勧告すると、こういっておるわけです。中止を勧告ですよ。これはもう生活物資の何といいますか買い占めの問題の法律も勧告ですよ。勧告だけでエコノミックアニマルの典型的権化が良心的な立場に立って、勧告されたから、いや、これは実に悪いことをしたといってこつ然と悟りを開いて取りやめるだろうなんていう考え方は、これはいかぬと思うんですよ。そうでしょう、現に、食管法という法律があって、米を検査しないで買った場合には、これは食管法違反だということは明らかにわかっているんですよ、商社ぐらいには。そういう法律知らなかったなんていう、そういう間の抜けた組織じゃないです、ああいう大商社は。にもかかわらずモチ米を買いあさっているこの事実を見てください。木材を買い占めることによってマイホームの夢を奪うということもこれは知っているんですよ。にもかかわらずやるでしょう。だから中止の勧告ぐらいじゃこれはどうにもならぬですよね。はっきりとそれをどこかの行政機関で、その取引を認めぬと、これをもう拒否すると、こういうぐらいの高い立場を貫かなければ、私は人間の善意に信頼し、常識に信頼しただけでは絶対地価抑制にならぬと思いますよ。でありますから仮需要をまずとめること。それから増価、黙っておっても価値が上がったものを、これをもうけさせないことですよ。それを取り戻すことですよ。どういう手段、手法によってそれをとめようとしていますか、どう考えていますか。
#68
○政府委員(高橋弘篤君) 御指摘の仮需要、投機的な土地の売買を抑止するということと、それから不当な開発利益というものは何らかの形で吸収するという点、これは前々からのいろんな提案でございます。また御指摘のとおりであろうと思います。これにつきましては前々からのいろんな一連の施策があるわけでございますが、今回におきましても土地税制の改善ということでこの仮需要の抑制という点、また、ある意味におきましての開発利益の吸収という点を施策を打ち出しておるわけでございます。つまり土地の売買ではもうけにならないというような施策をとらなければ仮需要の抑制にならないと思います。いままで土地を投機の対象として買ったということは、土地を買っておけばこれはもうけになるんだというところにあろうかと思います。したがいまして、その意味におきまして、土地によってもうけたものは税でこれは吸収するということで仮需要の抑制をはかるという点についてでございます。これは御承知の、個人につきましては四十四年から、個人の土地の譲渡所得税につきましては四割という比較的高率課税がすでにできておるわけでございますが、法人につきましては残念ながら、そのときに私どもいろいろ提唱いたしたわけでございますけれども、いろんな問題で実施できなかったわけですが、四十八年度からこれは法人の土地の譲渡益の高率課税、約七割の高率課税という点も、これはすでに国会で議決をいただいて実施されることになっておるわけでございます。また特別土地保有税というものも新設いたしまして、土地を有効に使わないで持っておるだけでは税がかかって損になるというような形の税制も考えられておるわけでございます。
 そういうような施策、土地税制の改善によりまして投機の抑制がなり、そしてそれによってもうけたものを吸収するという制度がとられておるわけでございますが、先生御指摘のように、その他もっと具体的な地価公示を守らせる方法としまして中止勧告の制度が国総法で設けられておりますが、これを午前中御説明申し上げましたが、中止勧告だけではこれは役に立たぬじゃないかということでございます。この中止勧告をいたしましたときに、その勧告を受けた者が勧告に従わないときにおきましては、その旨及びその勧告の内容を公表することができるということになっておるわけでございまして、これは公表でございまして、都道府県知事が公表するだけで何らこれは罰則がないじゃないかとおっしゃるだろうと思いますけれども、これは相当やはり公表することによって社会的な制裁というものは加えられることになろうと思います。たとえば会社企業などは相当信用というものを重んずるわけでございますから、そういうふうな公表されることによりまして、社会的な制裁というものは加えられるということになろうかと思います。同時に、さらに決定しました一つの施策といたしまして、これは相当思い切ったものであろうと思いますが、国総法の改正案の中に、御承知の特別規制地域の指定という制度がございます。これは相当の範囲にわたりまして土地利用の現況に著しい変動を及ぼすと認められる事業が実施される、また市街化が急速に進行すると予想される地域におきまして、そういう事態が除去されなければその地域内におきまして土地の投機的な取引が行なわれるであろうというような地域、また土地の価格が急激に上昇し、また上昇するおそれがあるであろう地域、そういう地域を期間を定めて特別規制地域として指定することができるようにいたしております。その地域におきましては、詳しくは申し上げませんが、いわゆる土地の取引については、これは許可制度になっているわけでございまして、一定の基準に合わなければ許可できない、しかもその価格につきましても、地域の指定をいたしましたその時点での価格で、これは許可価格でなければ許可できないという、いわゆる地価凍結といってもいいような、そういう制度が国総法の改正案に盛られているわけでございます。したがいまして、そういう必要な地域におきましてはこの特別規制地域を指定するということによりまして、いわゆる取引の許可制度、いわゆる取引の凍結なり、また地価の凍結ということができるわけでございます。十分こういうものを活用しながら地価の安定をはかることができるだろうというふうに考えている次第でございます。
#69
○沢田政治君 まあ中止勧告で、そして公表されるとある程度社会的な制裁になる、非常にまあ善意のお考え、お見通しのようですが、これは会社の名前を明らかにすることができませんが、最近悪名をとどろかせた、生活物資の買い占めで悪名をとどろかせたある商社に私の友人がおるんですよ。そしてなわのれんで一ぱい飲んだ際に、あんたもたいへんだなあ、何々会社につとめて、さぞやあんたも見苦しいだろうと、また心苦しいだろうと、あんたもあまり自分の出身会社とか、つとめている会社が言えぬじゃろうと言ったら、あんたのほうの社員はどういう考えでいるんだと言ったら、全体の空気じゃないかもわかりませんが、いや、あれで新聞に書かれて、テレビのコマーシャルに出すよりも、これは黙って宣伝してもらったから、あそこに商社があるって存在を知っただけでも、まあ悪い意味もあるけれども、ようやっている商社だわいと、こう見てくれるんじゃないかという空気が大かたの空気だと、こう言っているんですよ。それは全部じゃないと思いますよ、私は。少なくとも一部の社員の中にもうそういう空気があるということだから、これはもう何というか、中止勧告、それでもがえんじなければ公表するということぐらいで、あのたくましい商魂というものをとめられないと思うのですよ、私は。だから、それに対して明確なやはり制裁措置を――制裁ということはいやだけれども、がなければ、これはもうどうにもならぬと思うのですよ。人間性善説だけで今日の地価とか物価高騰が抑制されるならば、こんな政治問題として大きく問題が提起されてこないと私は思うのですよ。その点、どう考えますか。相当の制裁になるというんですけれども、紳士じゃありませんよ。個人は紳士だけれども、利潤という一つの集団の前には、もう何ていいますかな、紳士というものは存在しないと思うんですよ。これは外国の関係においてもそうですよ、日本がね。この点はあなたの非常に紳士的なものの見方というやつを、ぼくは相当の違いがあるような気がしてなりませんね。
#70
○政府委員(高橋弘篤君) 御指摘の点ももっともだと私も考えます。まあ全部の会社がすべて公表というようなことによって打撃をこうむるということは、もちろんこれはないかもしれません。これは公表の措置でございまして、処分というのはないわけでございますから。しかしながら、そういうこともございますので、特にそういうような強く規制をする必要がある場所におきましては特別規制地域という制度を設けまして、そういう規制地域におきまして取引なり地価の凍結というものをはかることができる、これを十分に活用するようにつとむべきだということを申し上げた次第でございまして、この国総法の審議のときにいろいろまた御議論いただくことと存じますけれども、そういうような相当思い切った制度もあるわけでございます。これは成立さしていただきますならば、地価安定のためには十分役立つものではないかというふうに考えている次第でございます。公表の点につきましては、先生のおっしゃる点ももちろんあろうかと存じますけれども、相当の企業がこういうことによって投機的な土地の売買というものに対して何らかの抑制策になるんじゃないかということを申し上げた次第でございます。
#71
○沢田政治君 まあ、いろいろ外国の土地対策、地価対策、これに対する法律なり手法というものは、もちろん皆さんのほうは専門でありますから、よく十分勉強しておられると私は思います。これはどういうことでしょうか。私、ちょうど二年前でありますが、スイスのジュネーブといいますと、世界的な国際会議のある場所でもありますし、観光地としてもこれは非常に世界的に有名なところなわけですね。だから、私は地価のことが一番頭にくるものだから、大体この付近の土地は幾らですかと、大使館のある人にこう聞いたわけですよ、邦価換算ね。そうしたら、まあ大体この付近は二万円ぐらいだろうと言うんですね。日本じゃ二万円どころじゃない、もう何というか、何千万円もするでしょうね、ああいうところじゃね。これはやっぱり法律、手法、そういうような行政的ないろんな措置によるものか、国民性によるものか、土地というものはやっぱり投機の対象にするならば、これは人間として卑しむべきものだという国民性によるのか、手法によるのか、この付近はどうしてもわからぬですね。あれは日本人だったら見のがしませんね。最近はハワイとか何か南方のほうも相当買いあさっているらしいけれどもね。国民性でしょうか、こういう法律的な規制でしょうか、どういうものでしょうか。私はもうこれ判断つきません。いかがですか。
#72
○政府委員(高橋弘篤君) 外国の地価の上昇は日本のような急激なこういう上昇を続けていくかどうかという問題につきまして、手元にいまちょっと資料ございませんが、私ども調べたものがございます。これは外国によって相当差がございます。都市によりましては相当上昇しているところもあるわけでございます。しかし率直に言いまして、日本の土地の絶対値ほど高いところはないようなそういう資料になっていたと記憶いたしておりますが、地価上昇につきましては、諸外国の大都市におきましても、やはり同じような上昇を続けて諸外国とも非常にこれは悩んでいる、その対策に苦慮しておるというのが実情でございます。もちろん国によって非常にその国の仕組み、経済の仕組み、社会のあり方というのが違いますから、なかなか比較は簡単にできないわけでございますけれども、日本におきまして地価上昇が非常に多いということは、やはり経済の高度成長に伴う大都市への人口とか産業の急激な集中というところに原因があろうかと思います。したがって、土地の問題はやはりわが国におきましても大都市の問題ということも言えると思います。そういう意味におきまして、そういうような地価の上昇を結果として招来するようなそういう経済の高度成長というのじゃなくて、もっと、そういう大都市へ人口、産業の集中しないようなそういうような経済の成長というものもいろいろ検討されておるわけでございますので、そういうようないろんな経済面から、また社会体制というようなことが諸外国と違いますから簡単には比較できないわけでございます。しかしながら、先ほど申し上げましたように、この手元にいろんな対策、諸外国の対策もございますけれども、いろいろ諸外国におきましても苦慮しながらやっておりますけれども、やはり試行錯誤の状態で、ある税制を実施いたしましたら一年足らずでまた廃止したり、ある土地利用の規制をいろいろ考えたらやはりこれも実際に実行できないでそのままになったり、そういうようなものも相当多いわけでございます。そこのところは、土地の価格というものが非常に生きものでございましていろんな複雑な要素から形成されているものであるわけでございますので、なかなかこの地価を安定させる道はむずかしいということが言えるだろうと思います。
 この地価の凍結といいますか、そういうものに限ってちょっと簡単に申し上げますと、諸外国におきまして物価の統制という制度は土地を含めましていろいろございます。御承知のように、アメリカにおきまして大統領の指令で物価の統制をはかることができるようになっておるわけでございますが、これはそういうような大統領に権限を付与するという法律がすでに一九七〇年にアメリカではできておるわけでございますが、そういうようなことで物価についての凍結についていろんな措置が大統領はできるようになっておりますけれども、これも大体その凍結期間は短期でございます、二ヵ月とか三ヵ月。しかも、私どもの所管の土地について申し上げますと、土地はなかなか一般の物価と同じような措置がとられてないわけでございます。非常にむずかしいものと考えられます。これは一九七一年の八月にアメリカでとられた凍結措置の中でちょっと申し上げますと、土地の場合におきましては、これは建築物が建築される敷地に限っておる、しかもそれが一九七一年以前の建築物の土地だと、それから販売価格は建築後に決定された土地を除くと、非常に限定されたものであるわけでございます。そうして一定の二、三ヵ月の凍結期間がございまして、この期間経過後にガイドラインというようなものを、国民が自発的に順守する前提のガイドラインというようなものをきめている、そういうようなものでございます。アメリカ以外のイギリス等におきましても、そういうような同じようなものがあるわけでございますが、この中でも土地については非常に限定された措置しかできないかっこうになっておるわけでございまして、非常にむずかしいものであろうかと思います。
 それから土地についての価格を、いろんな場合におきまして特に政策的な意図できめたようなそういう価格をとっておるところもいろいろあるわけでございます。たとえば西ドイツの都市建設促進法というようなものにおきましては、都市の再開発区域とそれから新開発区域というようなものにおきましての土地取引を認可制度にいたしておるわけです。その認可基準で、その価格は適正価格というようなものにいたして、その適正価格でなければ認可しないというようなものがあるわけでございますが、やはりこれも一定の地域に限っておるわけでございまして、いろんな事業が行なわれる、それによって地価が上昇する、そういうようなところに限っておるわけでございます。わが国におきましても、さっき申し上げたように、国総法では一定の特別規制地域におきましてそういう認可制度をとり、その認可基準というものを、価格を、地域の指定のときの価格というふうにいたしておるわけでございまして、そういうように諸外国におきましてもいろんな措置がございますけれども、土地については非常にむずかしいものでございますので、試行錯誤的ないろんなことをやりながら地価の安定をはかっているというのが実情だと私ども考えている次第でございますが、最初に申し上げましたように、国によって非常に実情が違うわけでございますので、そういう日本なら日本並みに、日本の国情に合うようないろんな方式で地価の安定策を考える必要があろうかと思いますので、今後もいろいろ私どもも検討してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#73
○委員長(野々山一三君) ちょっと速記とめてください。
  〔速記中止〕
#74
○委員長(野々山一三君) 速記を起こしてください。
#75
○沢田政治君 地価問題についてはむずかしいむずかしいと言うだけで、わかったようなわからぬような答弁で、どこを聞いたらよいのか私も戸惑っておるわけですが、むずかしいむずかしいと言っておるうちに一年間に三〇・九%も上がるんですよ。ますますむずかしさが拡大再生産されてくるのが土地の現況だと思うんですよ。むずかしいだけじゃ済まぬですよ、これは。やはり物価の元凶はいろいろあります、これは。金融財政の政策もあるでしょう。公共料金もあるでしょう。流通機構の問題もあるでしょう。しかしながら、大きな要因は何といっても地価なんですよ。これはもろに物価に響くんですね。でありますから、むずかしいじゃなく、これは長期的に見通しつかなければ、短期間でやっても、まず押える癖つけなきゃだめですよ、一回ね。むずかしいむずかしいと言っているうちに三〇・九%上がるんだから、業者は買い占めますわね、これはもうかるんですから。でありますから、一回でも損させてみたらどうですか。でありますから、思い切って法律をつくって、地価抑制緊急措置法でもつくって、一年間は現状の地価を凍結すると、それ以上上げたならば税金も取るし、制裁も加えるということくらいの荒療治を一回やってみなさいよ。一回ショックを受けたら、また何といいますか、投機、投機仮需要を上げたならば手痛い目にあうというようなことで、投機をするほうも、やはりあつものにこりてなますを吹くかどうか、これはある程度の地価の抑制になると思います。でありますから、むずかしいとかむずかしくないの議論じゃなく、一回そういう措置を講ずべきだと言うわけですよ。それが日本列島改造論より私は先の問題だと思うんですよ。前提の問題だと思うんですよ。大臣、どうですか。
#76
○国務大臣(金丸信君) 土地の問題はなかなかむずかしい問題でありますが、いわゆる土地の凍結というような問題を考えることが、現在の時点においてはやらねばならぬ仕事だろうと、私も同感でございます。それをやることが土地需給、バランスを合わしていく方法だろうと考えております。
#77
○沢田政治君 皆さん方からいただいた西独の――これは西独だと思います。西ドイツですね。これは一九七一年に制定された都市建設促進法ですね。一九六〇年に制定されたのは連邦建築法ですね。特に一九七一年に制定された都市建設促進法ですね、これは標準価格をこえる価格による土地の所有権の譲渡については、市町村はその認可を拒否することができると、こういうことになってますね。これ皆さんからいただいたもので、大体私も従来からこういうように理解しておったわけですが、これを全土地に対して少なくとも日本でやろうという気持ちはありますか。ここまでいかなくちゃいかぬと思うんですね。もう拒否するんですよ、不当なものはね。が、しかしながら、表面は標準価格で買ったようによそおって、実際は高く買うこともあると思うんですね。その際は税制と罰則の両方から摘発をするような制裁措置を講じたほうがいいと思うんですよ。それでなくちゃ、西独でもこういう法律をつくって実際やみ価格を発生さしたということを私も承知しております。でありますから、やみ価格を放置しちゃだめなんですよ。それを追跡してまた調査する。いまの脱税と同じで、捕捉してやはり取り締まっていく、がんじがらめにしなくちゃこれはもう土地の投機の対象というのは直らぬと思うんですよ。抜け穴つくっておったんじゃね。どうですか。そこまで完ぺきにやらなくちゃだめです、中止勧告じゃね。
#78
○政府委員(高橋弘篤君) いまの西独の都市建設促進法、これは先ほども申し上げましたように、再開発または新開発地域内の土地の取引の認可制度ということになっておるわけでございまして、そういう意味におきまして、私も先ほど申し上げたように、国総法におきましても特別規制地域というような、ある事業によりましてそこの宅地化が、市街化がどんどん進むと、それによって土地の値段が上がっていくというようなところを指定するというふうにわが国におきましても考えておるわけでございます。そういう意味におきまして、全国でこういう制度を採用したらということでございますけれども、これも先ほど午前中にもお答え申し上げましたけれども、結局そういうことになりますと、全国の地価の凍結ということにつながるわけでございまして、もう詳しくは申し上げません、午前中にも申し上げましたいろいろな事情によりまして慎重に検討しないと、そこまでなかなかいけないのじゃないかというふうに私ども考えておるわけでございますが、こういう制度以外に、さっきも、これも申し上げましたように、土地税制というような制度によりまして、いろいろ投機の抑制をはかることによって地価の安定を私ども考えていくべきだというふうに申し上げておる次第でございますけれども、先生の御趣旨も、全国的に地価を凍結して、もっとショックを与えて、そういうことによって鎮静化をはかったらという御趣旨だと思います。その点につきましては十分ひとつ私どものほうだけじゃございませんので、政府部内におきましても十分慎重に検討してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#79
○高山恒雄君 関連質問。
 聞くと、ますます私ほんとうに不安になるんだがね。市街化区域というものに調整区域があって、今度、都市計画区域ということに改めるわけでしょう。それでいまあんたの試案の中では、税制その他の何かの方法でこれを規制していきたいと、こう言われる。しないうちにこれを広げたらどうなるかということですよ。そこが問題だ。やらないうちにやれば、ますます土地の暴騰促進剤になってしまうんではないかという心配があるわけです。先ほども質問しましたように、市街化区域というものはたんぼ売らないんですよね。それに指定されても売らないのだ、値上がりを待ってるわけなんだ。売らないから、結果的には調整区域にいったわけだ。それ以外のところに求めていくわけだ。そうすると、今度は都市計画区域全体にやろうと網を引くと売らない、なおさら。絶対量は足らない。売らない先にさらに拡大していくということは、むしろ逆に値上がりを促進するようなことになるんじゃないかと、ここが問題なんだね。税制で何とかするとか言われるけれども、それなら先に税制やるべきだ。それから次をやるべきだね。税制もやらぬ先に拡大して土地収用を全部やっちゃうということになっちゃうと一体どうなるのかということをわれわれ聞きたいんですよ。その点どうですか。
#80
○政府委員(高橋弘篤君) 先生のおっしゃることもよくわかるわけでございますけれども、土地税制とおっしゃるのは、おそらく土地高価譲渡所得税的なものであろうかと存じます。こういうものをかけて、そうして地価公示価格をオーバーしたものについてはこれに高率の課税をするということによって価格を守らせるということであろうかと思います。ただ、そういう場合に、全国の土地の値段というのは何であるかと、どこにあるかということでございます。まず、だから私どもは午前中から御説明申し上げておるように、地価公示制度というのを全国的に整備いたしまして、そうして、そのもとに全国的な土地の値段というのをきめまして、そうして、これを税制とリンクさせまして、これを守らせるという方法を考えたいということを申し上げているわけでございます。これもゆっくりそういう時間をかけてやりますと、先生のおっしゃったようないろいろな地価の上昇になりますから、なるべく早くということで、私ども五十年までにはそういうふうな基盤を整備いたしたいというふうに申し上げておるわけでございますので、そういう基盤整備をまずはかってからでないと、土地税制をリンクさせることはむずかしいということを申し上げておるわけでございます。かりに現在それじゃ土地高価譲渡所得税というものを実施すると仮定いたしますと、そうすると何かのやっぱり基準価格というものがなければいけないわけです。その基準価格をこえたもので高率の課税、一〇〇%なり九〇%なり、いろいろと議論があろうと思いますが、そういうものを課税する。その基準価格はいま何であるか、非常にこれはむずかしい問題でございますので、この基準価格という、土地の価格というものは、これはもう先生の午前中の御指摘もございましたように、そのときどきでどんどん正当な価格というものは変わっておるわけでございまして、その価格を何らかの時点で評価して、もちろんそれを押えることができれば、それは一つの考えでございますけれども、その価格をどうしてきめるか、いまどこにあるかというようなことが問題になろうかと思いますので、私ども全国的にそういう土地の値段というものを早く整備をしたい、その基盤を早く整備したいということでお願いをいたしておる次第でございます。
#81
○高山恒雄君 あのね、あんた五十年までにまず表示価格というものを全国に網羅して網を張るというのですね、その上に立って税制なりその他の問題を考えなければ考えられないと、こうおっしゃる。私は、表示をすることによってこの土地は上がるという、いわゆる都市計画というものに対して上がるというその見越しを持つわけだ、地主は。したがって売らない。値上がりを待つということだね。値上がりを待つということは、さらにその値上がりを待つ地域を拡大していこうということにつながるのでありませんかと、私はこう言う。それなら、あなたの理論をまじめにわれわれもまあ受け入れるとしますなら、そんなら同時にそういう法律をやっぱり制定すべきじゃないか。市街化区域というものをつくったために税金も上げるとか上げないとかといって、結果的には今日まできまっておりません。したがって、市街化区域でも農業をやっております。農業をやっておるというのは、市街化区域の指定を受けたけれども、値上がりを待っておるのだ、こういうことになっておるのでしょう。それをさらに拡大しようと、こうおっしゃっている。そうすると売らない人がますますできるが、土地の取得をするのにますます困るのじゃないか。何かの措置を講じなければいかぬということはあなたも私も意見が一致しているようだね。それなら並行的に同時に、土地表示地域を拡大すると同時に、そういうものを含めたものを同時に法律できめていかなければ、ますます拡大した地域が売らないようになって、土地を求める人が困っていくのじゃないか、収拾がつかぬことになるのじゃないか、こういう点をわれわれは心配するわけですよ。同時にどうしてできないかですね。
#82
○政府委員(高橋弘篤君) ただいま御指摘の点は、同時にいまの土地税制等を行なったらという御質問だろうと存じますけれども、この点につきましては、先ほど申し上げたように、ことしの一月の税制調査会でもいろいろ議論になったわけでございますけれども、いまのところは土地高価譲渡所得税というようなものについての前提基盤というものが整備をされていない。したがって、まだできないということであるわけでございます。したがって、その基盤を早く整備したいということを何度も申し上げておる次第でございます。先生の御心配の、そうすると、そのままじっと土地を持っていて供給に回らぬじゃないかという点については、確かにそういう面もあろうかと思います。そういう面につきましては、まあその土地を売らない、あまり何も有効に使わないで、そうして土地を持っているだけの者につきましては、特別土地保有税というものを四十八年度から、先般国会でこれは議決していただいたものでございますけれども、そういうもので、有効に使わないでそのまま遊ばしておる者につきましての課税の強化というものも実は実施されるわけでございますので、まあ、そういうようないろいろな方策を通じまして供給促進をはかりたい、同時にまた、一般国民の住宅宅地というものを要望する者が非常に著しいわけでございますから、こういうものにつきましても公的な機関によりまして積極的に土地を取得いたしまして、そうしてこれを供給していくということも考えていく必要があろうかと存じておるわけでございます。
#83
○高山恒雄君 あのね、あなたそのいまの答弁をお聞きしますと、耕地として、農地としてあるものをそのままにして荒れ地にしておると、こういう考えですがね、そうじゃないんですよ。どういうところが問題になっているかというと、たとえば十アールなら十アールのすみっこにちょっとネギをつくっておくと、こと、それで足りるんですよ。私は農業やるんだと、こう言う。そういう地域がますますふえるんじゃないかとぼくは言うのですよ。そうすると、土地の絶対量が足らぬのですから、先ほども言われるように需給の問題が、これはバランスがとれてないのですから、日本の場合は。ますますそういう指定をすることによって値上がりを待つという層が増大していく。そこですよ、問題は。だから、むしろ拡大することによって危険が増すんじゃないかという不安があるのだ。だからね、荒れ地のままで置くなんというようなことは、あるということを考えちゃいかぬですね。絶対それはありませんよ。そのくらいのことは農民もよく知っていますよ。市街化区域あるいは都市計画区域に今度変わってきて、そういうふうに法律になってくれば必ずやっぱりそういう方法をとりますよ。それくらいのことは、これは農村の人だって十分考えておると思いますね。だから、これを都市に拡大するということがいいか悪いかという、むしろ現状のままで置いておいたほうがその土地の安定にかえっていいんではないかというような感すらぼくらするわけですよ。この点どうですか。
#84
○政府委員(高橋弘篤君) 先生のお説は、いまの市街化区域にやっているものを今後拡大する、これを拡大すると、そこの地価公示をすることによってまた土地の値段が上がるんじゃないか、また、その値段をみんな期待して売らないようになるんじゃないかというような御趣旨だろうと思います。もちろん、そのお説も一理あろうかと思いますけれども、先ほどから申し上げているように、私ども早く全国的な基盤整備をしないと、なかなか全国的な地価の安定策を講じられないという点があるものでございますから、その点をまず早く整備したいということを第一に考えております。ただし、先生の御指摘のように、調整区域だとか、その他の線引き以外の地域におきまして地価公示をして、それが全く宅地化の見込みのないそういう農地、山林というところの価格を引き上げるということになりますと、これはやはり問題でございます。土地の取引はいまのところそういう主観的な、個別的な要因で値段をつけるということもあろうかと思いますので、その点は大いに警戒しなきゃいけない点でございますから、午前中にも申し上げましたように、調整区域等におきましても、私どもは既成集落の中心となる住宅地というものを中心に、そういう地価公示の標準地を選びまして、そうして、そういうことのないように、御心配されているような点のないように配慮したいということを考えておるわけでございます。
#85
○沢田政治君 まあ、これ以上私は何も言いませんが、これは新聞でもほとんど各社がキャンペーンを張って、土地問題はもう最大の政治課題ですからね、こうすべきだ、ああすべきだという提言は全部していますよ。売買規制をやればできるんだということも言っているわけだね。それもやるかやらないかという政府の態度だと思うのですよね、私はね。たとえば売買規制だって、農地については売買規制あるでしょう。おれはたんぽを二十アールほしいと言ったって買えませんよ、これはもう農地委員会の認可を得なければ。でありますから、国総法のように指定した地域やなんかじゃなくて、土地というものは商品じゃないのだから、投機の対象じゃないのだから、全国土の何というか、所有権の移動については規制すべきですよ、これは全部ね、国土。たとえば特定地域のみを認可制にしたら山のてっぺんでも買いますよ、もうかると思えば、そうですよ。たとえば戦後ね、海外から引き揚げてきた方々は気の毒だということで開墾やりましたよ、山腹に。これは営農もうまくいかぬと、こういうことになっているわけだ。木のあるうちは国有林でありますから木を売って何とか生命をつないでおったと、木がなくなったと、そして借金もあると、こういうところを買いあさっているのはパルプとか観光会社ですよ。普通の条件でやっても十アール四十万円ぐらいするにもかかわらず別荘地帯目がけてそれを買いあさっていた結果、十アール当たり百五十万円とか二百万円、国立公園のそばならね。何も都市周辺ばかりじわじわと地価を高騰させていろいろと刺激が起きているんじゃないですよ。もう全国土から土地を投機の対象にする機運と要素というものは出ているんですよ。でありますから、私が言いましたように仮需要を押えると、それも必要でしょう。その手段、方法を考えることと同時に、土地はもう買っておってももうけにならぬという証拠を与えるために、一回だけはショックを起こせというわけですよ。全地価の一年間凍結と、それぐらいやらなけりゃどうにもなりませんよ。これ以上この手法がどうのこうのといって、私はもう何というか、あなたとわかったようなわからぬような質疑応答をかわしても、ほんとうに質問のむなしさと政治のむなしさを感じるだけですけれどもね。特にこの点は、もう要は決断の時期にきていると思いますよ。もういいです。あらゆる政治課題に優先した問題ですよ。まあ大臣にひとつ所信を伺って、きょうは私この質問終わります。
#86
○国務大臣(金丸信君) 土地問題はいま時代の一番の大きな政治問題だと思いますし、先生のおっしゃられるような、土地はもう商品ではないという考え方、いわゆる公共優先であるべきであるというような考え方に立ってやらなければならぬということはだれしもが考えておることであろうと私は思いますし、私たちもまた当然そうあってしかるべきことであると。その間いろいろの問題点等があるわけでございますが、先生の御趣旨は十分踏まえまして今後対処してまいる所存でございます。
#87
○委員長(野々山一三君) 本案に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会をいたします。
   午後二時二十三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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