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1972/07/05 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 建設委員会 第18号
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1972/07/05 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 建設委員会 第18号

#1
第071回国会 建設委員会 第18号
昭和四十八年七月五日(木曜日)
   午前十時十分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         野々山一三君
    理 事
                大森 久司君
                竹内 藤男君
                山内 一郎君
                沢田 政治君
    委 員
                上田  稔君
                熊谷太三郎君
                小山邦太郎君
                古賀雷四郎君
                中津井 真君
                中村 禎二君
                米田 正文君
                田中  一君
                中村 英男君
                松本 英一君
                田代富士男君
                二宮 文造君
                高山 恒雄君
                春日 正一君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       建 設 大 臣  金丸  信君
   政府委員
       防衛施設庁次長  鶴崎  敏君
       建設大臣官房長  大津留 温君
       建設省計画局長  高橋 弘篤君
       建設省都市局長  吉田 泰夫君
       建設省道路局長  菊池 三男君
       自治省税務局長 佐々木喜久治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中島  博君
   参考人
       日本道路公団理
       事        吉兼 三郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○建設事業並びに建設諸計画に関する調査
 (沖繩国際海洋博覧会に伴う道路問題に関する
 件)
○地価公示法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○連合審査会に関する件
○都市緑地保全法案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(野々山一三君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○喜屋武眞榮君 私、ここには、いま工事を急がれております沖繩縦貫道路、一名、北部区間と言っておりますが、沖繩縦貫道路の建設に関連してお尋ねをいたしたいと思います。
 まず、この着工を急がれておりました沖繩縦貫道路が六月の二十八日に起工式が行なわれたのでありますが、聞くところによりますと、昭和五十年の二月に完成の予定であると、こうお聞きしておりますが、はたして、この縦貫道路がそのめどで順調にいくのであるかどうかということに懸念をいたすものであります。このことに対して、見通しはどうなんだろうかということについて、まずお聞きしたいと思います。
#4
○政府委員(菊池三男君) ただいまの沖繩縦貫道路につきましては、名護市から石川までの間、約二十六キロございます。この間につきまして、海洋博開催の昭和五十年三月までに完成するということをめどに、鋭意、設計あるいは用地買収あるいは工事ということを進めてまいったわけでございます。当初から、海洋博までにやりますには非常に期間が短いのでたいへんに心配でありまして、ただ用地買収がうまく進めば何とかなるであろうというような考え方でおりました。幸いに用地のほうも現在までに四〇%ぐらい契約が終わっております。そして今月の末くらいまでには大体九〇%ぐらい……。
#5
○喜屋武眞榮君 ちょっと、途中ですが、用地取得についてあとでお聞きしますから、それは一応……。
#6
○政府委員(菊池三男君) そういうことで用地のほうがだいぶ思ったような好調に進んでおります。したがいまして、このまままいりますれば昭和五十年の三月の海洋博までには特別なことがない限り間に合うであろうというふうに考えております。
#7
○喜屋武眞榮君 完成めどは五十年の二月ですか、三月ですか。
#8
○政府委員(菊池三男君) 五十年三月が海洋博開催と、それまでということでございますので、あるいは二月と申し上げてもよろしいかと思います。
#9
○喜屋武眞榮君 いまお聞きしますと、非常に順調にいくようなお話なんですが、私の見通しは非常に難渋するのではないかという懸念も、その要因が十分考えられるわけですね。
 そこでお聞きしますが、この工事過程の中でいわゆる問題点として考えられることは一体どういうことを予想しておるのであるか、工事を進めていく過程において、どういうことを配慮しなければいかぬのであるか、あるいはまた問題点が予想されるのであるか、そのことについてお聞きしたい。
#10
○政府委員(菊池三男君) 問題点になりますのは、やはり第一に用地であろうかと思います。用地につきましては、また後ほどということでございますので、これが一つの問題点。それから用地が順調に進むといたしまして、工事はもうすでに発注済みでございます。八月ごろから実際の現地に着工するということになろうかと思います。そうした場合に問題になりますのは、やはり資材あるいは労務というようなこと、これがやはり、ほかの海洋博関連の事業もたくさんございますので、そういう点で問題になろうかと思いますけれども、この高速道路につきましては、できる限り、道具もあるいは資材もよそから、内地のほうから運ぶというような形で考えております。そこら辺は今後の大きな問題点であろうかと思います。また用地につきましても、一部まだ用地の調印にいかないところが若干ございますので、そこら辺がまた延びれば、一カ所でも延びると供用開始ができませんので、その二点が大きな問題だろうと思います。
#11
○喜屋武眞榮君 懸念ざれることは、いま沖繩で問題になっておりますいわゆる第一次産業の農業破壊ですね。農業との関連、それから民間企業との関連、こういう関連において労務の問題、それからいまちょっとお触れになった資材の確保の問題この労務の対策、資材の対策についてどのように考えておられるか。
#12
○政府委員(菊池三男君) ただいまの労務、資材のことにつきましては、労務は先ほど申しましたように、できるだけこちらのほうから連れていくという形、それから資材にいたしましても、これもこちらから運ぶということで、若干、単価的にはそういう運賃等が高くなるわけでありますけれども、こちらから持っていく、それから主要なセメント、鋼材等につきましては、こちらで支給するという形で確保をはかっております。
#13
○喜屋武眞榮君 十分配慮してもらわなければいけないことは、この土地の取得と関連して離農、それから基幹産業であるところのサトウキビの問題ですね、これともいま関連して大きな問題が起こりつつある。それから資材の物価値上がりに関連して資材不足、それから民間企業へのしわ寄せですね、こういうことが十分予想されますので、その辺の配慮を十分していただかぬというと、これはたいへんなことになるということを強く申し入れておきたいと思います。
 それじゃ、先ほどおっしゃった用地の取得、その用地の取得については日本道路公団、それから地主、それから知事ですか、県側の。その関連はどのような形でこの用地の取得を進めておられるのであるか、そのことについて伺いたい。
#14
○参考人(吉兼三郎君) 沖繩縦貫道路の用地取得につきましては、内地におきます高速道路と大体同じような考え方でもって、沖繩の場合に、沖繩県に用地取得の関係の業務の委託を私どものほうからいたしております。県と委託協定というものを締結をいたしまして、そして県の全面的な御協力のもとに、私どものほうの理事者が現在、用地取得事務に携わっておる、こういう状況でございます。なお、県は、関係の二市二村でございますけれども、地元の市町村と緊密な連絡をとっておりまして、地元のほうにやはり対策のための委員会というものができておるようでございます。その委員会等と十分連絡をとりながら所定の用地工程を現在進めてまいっておるような状態でございます。
#15
○喜屋武眞榮君 そうしますと、この契約当事者は地主と県と公団の関係において、結局、最終の契約は、県はこれをあっせんする立場にあるわけですね。そうすると、最終的にはどうなるんですか、地主と公団との取りきめなんですか。
#16
○参考人(吉兼三郎君) 先ほど申し上げましたように、県は私どものほうの業務の委託ということで用地事務の御協力をいただいております。最終的な契約の当事者、支払い関係も当然でございますが、公団ということになるかと思います。
#17
○喜屋武眞榮君 先ほど現段階では四〇%取得を完了しておると、こうおっしゃるんですが、工事はもう着工する段階になっているのにまだ四〇%しか取得しておられぬと、こういうことなんですが、そうすると、あと六〇%の取得についてはどのような見通しなんですか。
#18
○参考人(吉兼三郎君) 御案内のとおり、工事の関係は、いろいろ準備の段取りの関係がございますので、すでに土工につきましては発注をいたしまして、業者もきまって、現在いろいろ準備をいたしております。むろんこれは用地が片づきませんと業者は現場に入れません。したがいまして、工程との関係で、先ほど道路局長もお答えがありましたように、七月いっぱいというのを私どもの用地取得のめどにしております。で、現在のところ面積にいたしまして大体四割程度が契約ができております。あと六割でございますが、通常、道路工事の場合におきましては、大体九割程度まで用地取得が完了いたしますと現場に立ち入れるというのが実情でございます、一般的にいいまして。したがいまして、残っておりますところの未契約分につきましては今月がめどでございますので、全力をあげまして地元との折衝を重ねてまいりたいと、こういう考えであります。
#19
○喜屋武眞榮君 そうすると、めどとしては今月いっぱいで九割まで達成していくと、こうおっしゃるんですね。そうすると、あと残り一〇%はどういう手段をとられることなんですか。
#20
○参考人(吉兼三郎君) これは個別の案件によっていろいろ事情があろうと思いますけれども、引き続きまして用地交渉を進めていく、並行して進めていくということになろうかと思います。九割と申し上げましたのは、現場に、いろいろ工事に取りかかるに支障のないという状況が大体九割程度というのが過去の例でございますので、そう申し上げたわけでございます。むろん、これは一〇〇%用地を完全に取得いたしましてから現場に入るというのが一番理想なんでございます。むろん私どもは、一〇〇%七月末までに、あるいは工事が現場に入る段階までに取得できるような、という方向で努力いたしてまいりたいと考えておる次第でございます。
#21
○喜屋武眞榮君 お聞きしますが、未契約の土地、いわゆる取得に難渋しておる、特に問題点として残っておる、ひっかかっておるというこの土地はどこどこですか。個人的には何でしょうが、大体どことどこにひっかかりがあるということをお聞きしたいんですけれども。
#22
○参考人(吉兼三郎君) 関係いたしておりますところの町村が二市二村でございまして、名護市、宜野座村、それから金武村、石川市とこれだけでございますが、現在のところそれぞれ各市村ともいろいろ特殊事情がありまして、問題をかかえておるような状況でございます。しいて、特に問題があるというところを申し上げますならば、名護市の関係、これは許田地区と、幸喜という二地区でございます。この地区が関係者のいわゆる用地の単価の問題にからみまして、まだ地区内の完全な同意が得られないという状況のようでございます。それから金武村関係におきましては、例の軍用地の関係の地区でございますが、これは基本的には大筋は大体御了解を得ておるのでございますが、今後の手続等の関係で若干事務処理的に問題が残っておる。それからあと同じように金武村の伊芸地区とか、屋嘉地区におきましては、特定の地権者との関係で、いわゆる境界の問題でありますとかといったことにつきまして、若干まだ調整を要する点が残っております。石川市の一番終点のところでございますが、これにつきましても、まだ、ごく一部の地区でございますが、関係の権利者との関係にかなり私どものほうと、単価等におきまして値開きがあるというような個所がございます。ごくおもだったところを拾いますと、そういう状況でございます。
#23
○喜屋武眞榮君 いまひっかかっている問題となっているその個所は、終戦以来開墾をして農地に当てた、そうして、その地主にとっては大事な農地である、そういうところに問題の深刻さがあると思うわけです。地主によっては、全耕地が奪われて、なくなって、転業しなければいけない、こういう立場の者もおります。そこで、こういった地主の方々としては、たとえば幸喜の字なんか、字全体として、その路線変更を要求したのが第一の要望であったわけです。ところが、それも路線変更は無理であるということで、一応納得をして、それならば代替地を考えてほしいという要望が第二の要望であったわけです。ところが、それも、代替地も話し合いの中で無理であるということがわかった。それならばやむを得ないから適正な価格で買い上げてほしいということで、これが一歩も二歩も三歩も譲った地主の意思である。ところが、その意思に対して、いまひっかかっているのは、適正価格というものに対して、まだ地主との話合いがまとまっていない、これがいま現状だと私は聞いております。そこで、その適正価格をめぐる、それ自体適当な価格であるということにどのような科学的な根拠を持っておられるかということについても十分お聞きをしたいのですけれども、たとえば幸喜の場合、お隣の許田の字が隣合わせである。ところが、許田地区における土地の評価、これは五段階になっておるようでありますね。許田の五段階の一等地の価格、これは一坪二万五千円と聞いております。ところが、すぐお隣の幸喜の字の地主の一等地は七千五百八十円だったと記憶しております。そのように、すぐお隣合わせの土地でありながら二万五千円と七千五百八十円、たいへんな格差がある。それにはそれなりの納得のいく根拠があればいいわけなんですけれども、そこに、それならば、もう絶対に譲れないという、こういう根拠が、第三者が聞いてもこれはどうも納得いかないと思うわけなんですが、そのことを承知しておられますかどうか。
#24
○参考人(吉兼三郎君) 御指摘の名護地区におきまして、特に幸喜地区が隣接の許田地区との単価上のバランスの点についていろいろ問題があるということは私どもよく状況を伺っております。
#25
○喜屋武眞榮君 これは農民にとっては、地主にとってはこれは一生を左右する死活問題である。しかも、過去何十年にわたって、三十年近く営々と山をあけて開墾をした前農地、それが不本意のままにいわゆる奪い取られたかっこうで、形で、こういった気持ちでこれが取得されるということになると、これは大問題である。まず適正の評価ということと、この農民の心情を、あるいは足跡を十分考慮に入れられて、いわゆる奪い取られたんだという、こういう印象を与えないで、協力したのだ、こういうことにならないというとこれはいけないと思います。そういうことで、これは私は、農民にとっても離農しなければいけない、子々孫々につながる重大な問題である、こういうことを思い、どうか誠意をもって十分地主の納得のいく、こういう形で取得してもらわないというとこれはたいへんなことになりますから、そういったこの土地取得に対する基本的な姿勢やあるいは納得のいく話し合いで進めていかないといけないと、こう思うわけですが、建設大臣いかがお考えでしょうか。
#26
○国務大臣(金丸信君) 先生の御指摘の、農民の土地を取り上げるようなかっこうであってはならない、私もそうだと思います。できるだけ対話のある道路をつくるというのが私の考えでございますので、無理のない――また農地を取られたために転業しなければならぬということなら、転業に対する対策を講じてやるようなことも考えてやらなくちゃならぬだろうということも十分指導してまいりたいと、こう思います。
#27
○喜屋武眞榮君 時間も迫りましたので次に移りますが、先ほど道路にかわる軍事基地が二ヵ所あるとおっしゃったですね。キャンプ・ハンセンとキャンプ・シュワブの二ヵ所、これは去る六月二十八日の日米合同委員会で合意に達したということは聞いておりますが、そのもっと詳しい内容ですね、合意の内容というのは一体どういうことなのか、それをお聞きしたい。
#28
○政府委員(鶴崎敏君) 六月の二十八日の日米合同委員会で、この縦貫道路についての日米間の合意が成立をしたわけでございますが、その内容は、この道路工事をやる、それから道路工事に伴う米側としての条件工事がございます。こういった工事をやっている期間は共同使用の形で使用を認めるということになっております。この両方の工事が終わりましたならば、この道路敷地は返還になるということでございます。その条件として米側から出ておりますのは、まず第一は高速道路用地内の建物、工作物の付設、これは当然必要になってくるわけでございます。それから高速道路両側にさくを付設する。これは返還になりますと基地との境界を明確にする必要がございますので、さくの設置が必要となってくるわけであります。それから高速道路を横断する高架あるいは地下式の連絡道路の設置、これはキャンプ・ハンセンとキャンプ・シュワブは接続をしておったわけでございます。これが分断をされるということですので、この両基地の連絡をはかる意味から高架式あるいは地下式の連絡道路が必要になる、こういうことでございます。それから高速道路によって遮断される道路についてはそれを接続するための適切な方法を、さらに排水施設というようなものを含むすべてのユーテリティの施設については、それを残置するか、あるいは残置が不可能な場合にはつけかえをするという条件がございます。こういったすべての工事は米軍の基地の使用になるべく支障を与えないようにやってもらいたいということも条件になっております。それから、こういった費用はすべて米側においては負担しない、もちろんこれは日本側の必要によって出てきた問題ですから、日本側の負担になるのは当然だと思います。それから将来高速道路の部分につきまして米側が何らかのユーテリティを設置する必要が生じてきた場合、これはもちろん日米間で協議をする問題でございますけれども、ぜひ好意的に、そういう必要性が出た場合には配慮してもらいたい、こういうことが合意の内容になっております。
#29
○喜屋武眞榮君 いまの返還条件ですが、これは一応開放するということになっておるんだから、開放後こちらに、日本側に必要な条件なら、それは付帯する条件はこちらが負担していいと思うのですが、開放後も米側のために日本側がいろんな施設条件をあるいは費用を出してやるということは、これはおかしいと思いますがな。どうもその辺にふに落ちぬところがあるわけなんですが、すると、そういった諸条件を完備した後でないと完全返還しないということなんですか。
#30
○政府委員(鶴崎敏君) ただいま申し上げましたように、必要な道路工事、それからそれに伴なう条件工事が完了するまでは共同使用の形で使用を認められておる、こういうことでございます。
#31
○喜屋武眞榮君 そうしますと、その諸条件を完了する時期、めどですね、これはいつごろと見ておられるのであるか。それから関連した開放基地の面積ですね、どれぐらい開放されたことになっておるか。それと今度は地主の開放地における――公有地も私有地もあると思いますか、その測定といいますか、測量はどうなっておるのですか。
#32
○政府委員(鶴崎敏君) この道路工事並びにそれに付帯する条件工事の完成の時期は、先ほど建設省のほうからも御答弁ありましたように、海洋博の時期までには当然これがすべて完了するということだと思います。それから測量その他は、これはもうすでに完了しておりまして、面積としましては、縦貫道路の建設に伴って米側から返還をされる予定は約七十万平方メートルでございます。そのうちキャンプ・シュワブが約九万平方メートル、キャンプ・ハンセンが約六十一万平方メートル、こういう形になっております。
#33
○喜屋武眞榮君 いま一つ、測量はどうなってますか。
#34
○政府委員(鶴崎敏君) 測量はもうこれまでに済んでおります。
#35
○喜屋武眞榮君 個々の地主別に済んでおるのですね。
#36
○政府委員(鶴崎敏君) 地主別のところまでは私のほうは承知しておりません。要するに、この道路の建設に伴って返還になる場所が総体としてどれだけであるかということは、これは日米間で調査をして確認をいたしておりますが、個々の地主の問題は、これは先ほど公団のほうからお話がありましたように、道路公団等で買収のための必要な手続をとっていく、こういうことでございます。
#37
○喜屋武眞榮君 特にこの地主別の個々の測量については、非常にこれは大事をとってもらわなければいけないと思うので、重ねて念を押しておきたいと思います。
 時間もありませんので、もう一問だけお尋ねしますが、関連がありますので、国道五十八号線のこの拡張事業に、幅員拡張に関連して、基地に抵触するところが十カ所だったかと思いますが、もし誤りがあったら訂正してください。十カ所この基地に抵触しておると聞いておりますが、その十カ所の返還要求交渉がなされておると思いますが、どの程度進んでおるかということが第一点。
 それから、これも関連ですが、例の復帰の時点で開放さるべき国道三百三十一号線の開放が二転、三転、四転ずれてきておるわけなんですが、一体、何月何日から確実に開放されるのであるか、そのことをお聞きいたしまして、私の質問を終わります。
#38
○政府委員(鶴崎敏君) 海洋博に関連します国道五十八号線の拡幅の問題につきましては、現在あります米軍基地十一カ所が関連をしてまいります。
#39
○喜屋武眞榮君 十一カ所。
#40
○政府委員(鶴崎敏君) そこで、これらの土地につきましては、日本側として、すでに米側に返還要求の提案をいたしております。こまかく申し上げますと長くなりますが、大きく分けまして、北の部分と南の部分とございますが、北の部分については、ことしの三月六日付をもちまして、米側に施設委員会を通じて返還要求をいたしております。それから南側の部分につきましては、ことしの五月十七日付で返還要求をいたしております。これにつきましては、現在、米側で検討中でございまして、まだ回答を得ておりませんが、問題の性質上、われわれとして一刻も早く回答を得るように今後努力をしてまいりたいと、このように思っておるのでございます。
#41
○喜屋武眞榮君 三月何日ですか、北は。
#42
○政府委員(鶴崎敏君) 三月六日です。それから南のほうが五月の十七日。
 それから国道三百三十一号線の開放の問題につきましては、いろいろ紆余曲折がございましたけれども、現在、工事もかなり進捗いたしまして、これは建設省関係、それから防衛施設庁関係、警察庁関係それぞれございますけれども、今月末までには、おそくとも今月末までには完了して、七月三十日をもって国道としての供用の告示をするという段取りになっております。
#43
○喜屋武眞榮君 すみません、もう一つ。
 これ要望です、施設庁に。といいますのは、いま緊急の事態が起こっておりますのは、米軍の演習によって県道百四号が封鎖されております。米軍が演習するために県道百四号が封鎖されておる。これは学道でもあるのです。そういう大事な県道が米軍の演習によって封鎖されておる。それで、現地では知事はじめこれの解除を要求しておりますが、防衛施設庁としても早急にこの解除を要求してもらいたい、要望してもらいたいということを申し入れて終わりたいと思います。
    ―――――――――――――
#44
○委員長(野々山一三君) それでは、地価公示法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#45
○田中一君 四十四年七月に実施されて以来四カ年、この実績はどうなっているか、大まかでいいから報告してもらいたい。実績がどうなっているのか。
#46
○政府委員(高橋弘篤君) 四年間の実績を簡単に申し上げます。
 御承知の地価公示制度の目的は、一般の土地取引に対しましては目安を与える、それから一つは、公共用地の取得につきましては、その算定の規準を与えるということに主としてあるわけでございます。その点につきまして、第一点の一般土地取引につきましては、実態を十分われわれは把握するようなすべがないわけでございますけれども、地価公示価格は閲覧されております。その閲覧件数というものが、四十七年だけで申し上げますと、四十七年度で、一年間で四千二百四十九件でありますから、閲覧した人はこれを非常に参考にしているということ。それから一般におきましては、デベロッパーが地価公示価格を基準にして販売価格をきめるという傾向が最近あらわれてきているという点。それから不動産鑑定士に鑑定評価を依頼することが、これも七万件ぐらいあるわけでございますが、そのうち公示対象地域につきまして不動産鑑定業者に鑑定評価を依頼して鑑定評価をいたしましたのが、公示価格を規準にして鑑定評価いたしましたのは四十六年で一万五千件。大体、不動産鑑定士は公示価格を基準にして鑑定を下しているということが言えるだろうと思います。
 それから第二点の、公共用地の取得にあたりましての規準でございます。これも毎年度はやめまして四十六年度だけ申し上げますと、事業の施行個所それから公示の対象地域となる個所が二千百三十八件でございますが、規準に達したものが千六百五十五件、約八割でございますが、その他のものは、これは継続事業その他で規準とすることを安しなかった、また隣接地にそういう公示価格はなかった、そういうようなものでございまして、大体これも規準とできるところはしているというふうに考えておる次第でございまして、結論的に申し上げますと、公共用地の取得にあたりましては相当これは効果が私どもあると思います。
 一般の取引につきましては、さっき申し上げたように、これは単なる目安ということになっておりますので、全般はわかりません。中には著しく公示価格をこえて取引された例が、NHKのあと地みたいなものがございまして、そういうものはまことに残念だと考えている次第でございます。
#47
○田中一君 民間の取引の場合には単なる目安である、これは公共事業の場合でも同じことなんです。目安というか、買うときは安い価格ならばこれを壁とする、高いものならやはり一般商業取引的な買収行為を行なっているのが事実です。
 そうすると、端的に伺いたいのは、年次に公共事業遂行のための予算化をいたします、事業費の予算化をいたします。その場合の政府あるいは地方公共団体等、公共団体が買う場合の予算化の単価というものは、目安でもいい、それはその年次の公示したところの価格というものが底になって、それを諸般の事情を勘案しながらプラスするかマイナスするかという形でやっているのか。せんだって、四十八年度の拠点測量というか、公示をしたという鑑定の表が手元へ来ておりますけれども、膨大な数です。これが年次ごとにどういう手直しをして、そのときの価格ということに押えようとするのか。まず第一に、予算上、四十八年度の予算が通りました。これによるところの公共団体の土地の取得というものは、この公示価格というものに一つ規準を置きながら、目安を置きながら予算化されておるものかどうかということが一つ。
 それから東京等は、四十四年にもう一部、規準の価格を決定しております。この場合には、それが四十八年の場合には、その価格そのものが累積されてこれになってきている。かりに、これが今年のいま計画されているのは二十四万拠点と市町村を見た場合には、これは膨大なものを計画されている、調査は。その場合には年次、年次でプラスかマイナスか何かの操作でもってその価格は変動しなければならないものだと思うのです。それは必ずそういう公示方法をとるのかどうか、これは公共事業の場合ですよ。第一に予算化の問題と、年次変動する地価の公示というものは毎年していくのかどうかという点、この二点を最初に伺っておきます。
#48
○政府委員(高橋弘篤君) 第一点の予算化の問題でございますけれども、もちろん地価公示価格な規準にして公共用地を取得するということで法律はなっておりますから、その毎年度の予算を執行する場合におきましては地価公示価格を参考にして実行予算が組まれているというふうに考えておるわけでございます。
 第二の点につきまして、ちょっと私は先生の御質問の御趣旨がよくわかりませんので、お答え申し上げて間違っておりましたらまた再質問していただきますが、公示地点は同じ地点を毎年度一月一日現在のものを公示するわけですが、したがいまして、公共工事をやる場合には用地取得は一回きりでございますから、その地点につきましては一回きりの、そのときの公示価格を規準にして取得するというふうに考えておるわけでございますけれども、先生の御趣旨が、毎年度そこの同じ地点を鑑定評価してまた公示するのか、それはそのときのいろいろな取引事例その他によって変動するのかという御質問でございましたならば、もちろんそういうことでございます。
#49
○田中一君 そうすると第一の問題は、必ず予算化の場合にはこの公示価格を参考として積算されるんだということですね。そうすると、この問題について呼んでおきたかったのですよ、水公団とか道路公団とかあるいは地方公共団体とか、みんな呼んでおきたかったのです、実は。時間がどうかと言って、きょう採決するんだと言うからはしょろうと思っているのですけれども、実際それはほんとうですね、間違いありませんね。
#50
○政府委員(高橋弘篤君) 私先ほど申し上げましたように、予算執行の段階におきまして、今年の予算はどういうふうに使うかという場合におきまして、私ども実際にはその場所の公示価格を規準にしか取得できないわけですから、もちろん、そのもくろみとして、それを参考にして予算の執行計画をきめるというふうになるということを申し上げた次第でございます。その意味ではおっしゃるとおりでございます。
#51
○田中一君 そうすると、この公示法というものをおやめなさい、もう。これは全く西ドイツの公示法をそのままうのみにして多少の日本的なものを加味しながらつくられたものであって、西ドイツですらこの鑑定公示法というものを、それはそれで実効があるんじゃないんだと、これは相互の了解によって、双方の合意によってのみこれが達成されるんだというのが原則なんです。かりに、こうした公示法の価格というものをあなた方は壁にして、これを規準にやると、しかしながら国民に対しては、公示法でこうなっているんだから、したがって予算が、これが設定されたと、この予算で売りなさいということを要求する形のものは、今日の用地取得の国家公務員、地方公務員ともども苦労している現状なんです。一定の予算を組み上げて、そしてこれは公示法でこのように大体目安の価格でございますと、だからこれで売りなさいという要求が国民にしいられるという、これは金丸さんよくおわかりだと思うのですよ。何といっても国家は予算経営をしている企業体とするなら企業体です。したがって、どんぶり勘定で幾らでも金を出せる仕組みではございません。したがって何かの目安を持たなければならない。その目安を持つためには、この公示法の公示価格を中心にものを考えている。これが予算でございますという持ち方をするならば、この国がきめた一つの壁、土地収用というか、買いたいという壁というものの予算を押えて、それで交渉するということになる。これはやはり強権の行使です。そのためにあなた方の部下は常に泣いているのです。なぜかというと、やはり壁がある、予算という壁がある。予算のうちでもって、あるいは安く、あるいはそのままの値段で買収できれば農地官というものは鼻高々でもって有能な公務員ということになる。そうでない。たとえば昨年の秋にもずいぶんこれは質問したものでありますけれども、道路公団の中国筋の用地というものはもはやないのです、売ってくれない、私は自分で行って見たのですから。農民は、これは土地が上がるであろうと売らない。だまされて売ってしまった者はたくさんあるのですよ、みんな。それは去年の秋ですよ、そういうことが行なわれているのです。そうすると結局、この地価公示というこの行為、この制度というものは一体何を目標にしてやっているのか。民間は目安でやろうと、しかし公共事業というものは、これは予算化されるのです。これは壁です。どの事業体でもきめられた予算を、どうしてもこういうおりだから、あと予備費が二千億もあるのだから出してくれ、出してくれということを言うでしょうけれども、これには特別な災害とかなんとか理由がなくちゃならない。つらいのは、事業官庁の持つところの宿命的な困難さがあるわけです、予算国家である限り、予算財政である限り。そうすると、これを押しつける一つの目安なんです。この値段で売りつける目安なんです。だから、この法律はもうおやめなさい。これはやめなさいという第一の理由はこれです。おやめなさいと、こう言うのです。
 むろん、われわれの同僚の議員も質問したと思いますけれども、もはや、これはもう値段を上げるという政策の一つの大きな協力法です。これはもう私が言うよりも同僚はみんな、与党の諸君もだれもみんな知っております。腹の中ではだれもみんな困ったものだと思っています。それはなぜかというと、この標準というものは、やはり近傍類地の価格というのが市街地においてはこれはもう原則になっているわけです。どんな価格的な操作をしても、それだけでもってきまるべきものじゃないのです。先ほど高橋君は、たとえばNHKのごときと言ったけれども、これは異例のものです。しかし、あれも経済的にあの価格で買ってちっとも損がないんだという計算が出ているのです。あれは例外でありますから、これはもう全然標準になりませんなんということばはあり得ないのです。ああいう例外的な問題も起こってくるのです。したがって、この公示法というものによって値段を下げるという傾向はございません。これよりも上げるという傾向です。なぜならば双方合意の上でこれが認められるんだということです。双方合意でなければ、こんな地価公示なんというものは単なる目安で、だれかが参考にするでございましょうというのが提案の趣旨なんです。お手本にしたところの西ドイツの地価公示法も同じことなんです。はっきりとそう書いているのです。何もこれは絶対のものではございません、売り手、買い手が合意になった場合に、これはこの効果が出たのでありますと言っている。したがって、これは値段を上げるという面から見ても、この法律は廃法になさい。これは第二の理由です。審議しながら廃法、廃法と言うと、どうもおもしろくないだろうけれど、この際、すっきりとした気持ちでもって、これはもうなるほどやめるんだというようなところにまで追い込みたいんです、私としては。
 そこで次の問題を伺います。いま幾らでしたか、鑑定士と補と四千人程度でしたね、いまいるのは。これで、これから考えられておるところの市町村が二十四万、それから国が一万四千、都道府県が四万というこの地点の、拠点の完全な調査は、はたして可能かどうかという問題です。私は疑問に思います。おそらく市町村なんという――ごめんなさい、市町村なんて言っちゃ悪いけれども、市町村等ではとても――四十四年、この法律をつくるときに一拠点六千円程度の予算でやりますと言っておりました。この一拠点六千円ぐらいの予算でやると言いながらも、いまはどうなっておるか、おそらく二万円でも困難でございましょう。その場合に、二十四万拠点というものが二万円かかってごらんなさい、どういう金になるか。そうして人間が士補も入れて四千人。四千人でこれだけのものを、いつ、何のためにこれを実施しなきゃならないか。常に動いております、日本の政権は常に土地を動かすことのみに専念をしております。われわれは、土地の価格、価値というものは眠っておったんじゃ何にもならないんです。じいさんのときからもらった自分のところの宅地、これはもう固定資産税を払います。払いますが、ちっとも利用の価値は変わっておらないんです。これが動いてだれかに売った場合、この場合にわれながらこの価値の変動にびっくりするわけです。その際に――これはあとで自治省か来たら質問する一つですが、その際に初めて税金をかけて、この分の価値はこうでありますから、これだけの税金もらいますという、固定資産税の趣旨なんですよ。ところが三年に一ぺんずつ、何にも具体的に金がふえいなのにかかわらず、税金だけはどんどん、どんどん取っていこうというような、全く平和に暮らしている国民の生活を、あらゆる面で収奪しようという悪法なんです。これはおやめなさい、あるいはその制度をおやめなさい、こういう法律は必要ないんです。
 せんだって――これはもう法律通ってしまいましたけれども、たとえば保有税の問題等で、私は四月の八日の日に、日曜日でしたがね、大蔵省へ行って大いに議論をしたものであります。そんなものをしてどうなるかって。財務当局も、税制当局も、全くそうです、そうですと言っている。したくない、したくないけれども、政府がやれやれと言ってしようがない、保有税をつけろ、取引税をつけろと――こんなこと悪法ですと主税局長も言っておりました、けれどもしなきゃならない。おそらく建設大臣はあれ反対だと思うんです。ああいう形でもって税金取ったからといって地価が安定するものでもなければ、そのために国民がおどかしに乗ってすぐに土地を出しましょうというものでもなければ、それだけ地価は上げるんだと、いわゆる税金を受けりゃ、税金分だけ地価は上がるんです。そういうことをやっているものでありますから、こんな法律は要らないということを言いたいんですけれども……。
 それで、いわゆる不動産鑑定士に対する教育というか、年々どのくらいの志望者があって、どのくらい資格をとっておりますか、それも説明してください。
#52
○政府委員(高橋弘篤君) いろんな内容の御質問がございましたので、要点だけ簡単にお答え申し上げますが、第一点の公共用地の取得の規準ということで、むしろ非常にこれは各官庁も苦労しているのじゃないかというお話しでございます。確かに、この規準をきめましたことによりまして、どこの役所もなかなか思った土地を買いにくいという点は非常にわれわれも聞いております。しかしながら、この地価公示法を制定しまして、その地価公示価格を公共用地取得の規準にしたという理由の一つは、この制定当時、東でオリンピック、西で万博ということで、公共事業が非常に集中的に多かったわけです。そういうことで、土地を、むしろ取得を役所が多くすることによって、地価を役所がつり上げてきてるんじゃないかという声さえもあったわけでございまして、非常に各役所でもまちまちに用地を取得したという時代があったわけでございます。それを規準を設けまして、そうしてそういうことのないようにというのが趣旨でございましたので、先生のおっしゃるように、確かに非常に取得しにくくなっておりますけれども、これは何とかして努力して、地価をそれ以上つり上げることのないように努力をしていく必要があろうかと存じまするので、私どもも、そういう公共用地の取得の規準ということは、ぜひひとつそのままで今後も努力をしながら、この規準価格で取得するようにして指導してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
 それからもう一つの点は、現在の不動産鑑定士の現状からいたしまして、将来の、私どもの考えております二十四万地点というものの地価の調査が、はたして完全にできるだろうかという点であろうかと存じますが、現在試験の合格者で資格を持ったのが約四千人、それから登録しているのが三千六十一名ということになっておるわけでございますが、私ども将来の計画といたしまして、国の基準点を約一万五千地点、それから都道府県で約四万地点、それから市町村で約二十四万地点ということで、五十年までに何とか完成さしたいというふうに考えておるわけでございますが、国の場合は、これはもう詳しく申し上げませんが、二人以上の不動産鑑定士が鑑定しまして、土地鑑定委員会でこれを審査して決定しているわけです。それから都道府県や市町村におきましても、土地鑑定委員会をぜひ置きたい。これは今後の関係各省との間で交渉しなきゃいけませんから、その場合、国の基準地点がございまして、都道府県が今度はこれを評価いたしますから、これは都道府県の土地鑑定委員会の場合は、不動産鑑定士一名でいいんじゃないかというふうに考えております。そうしますと、一人大体二十地点をやるとしまして、大体二千人おればこれは間に合うというように考えております。それから市町村の二十四万地点につきましては、土地鑑定委員会、これはつくりまするが、国と都道府県のそういう基準地点を今度は基準にして、さらに地価の調査を行なうわけですから、これは不動産鑑定士の鑑定評価をしなくてもいいんではないかと、土地鑑定委員会及びその市町村の事務局の職員で調査をすればいいんじゃないかと考えております。この市町村の場合におきましては、御承知のように固定資産税の評価をやっておりまして、そういうような職員も多数いるわけでございます。したがいまして、そういう職員に働いてもらえば、大体それで地価の調査はできるんじゃないかというふうに考えている次第でございます。
 それからもう一点は、税体系との一本化、税の評価、合理的な評価、所得税とかそれから固定資産税の評価の場合も地価公示価格とこれを一本にしていく、公的な土地評価体系の一本化の問題であろうかと思います。これについては税負担を増加させるだけだから反対のような御意見と承ったわけでございますが、地価公示という、政府のやっているものと、それから固定資産税なり、それから相続税というようなもの、それぞれ政府部内でばらばらな土地の評価ということについては、やはり望ましくないと私ども考えておるわけでございます。御承知のように税法におきましても、それぞれ評価の方法はこれは時価によるということになっておるわけでございます。そういう時価によるということになっておるのに、それぞれみなばらばらであるということは望ましくないというふうに考えておるわけでございまして、おっしゃった趣旨、御承知の税が非常に多くなる、税負担が多くなるという点につきましては、私どもも十分注意しなければいかぬ、配慮しなければいかぬ点でございまして、たとえば個人の持つ住宅用地につきましては負担増にならぬように、いろいろ税の減免措置だとか、免除基準だとか、そういうものを十分に考えなければいかぬと思います。ただし法人の持っているような大規模な土地などにおきまして、土地の価値より非常に少ない税を納めているものもあるわけでございますが、そういうものは有効利用の面からいっても適正にしていく必要があるんではないかというふうに考えております。
 それから最後の御質問の試験の点、詳しく申しますと時間がありませんので四十七年度だけ申し上げますと、御承知の士補となる試験――二次試験、これについて四十七年で受験の申し込み者数が二千六百八十四名、受験者数が千百五十七名、合格者数が二百三名ということになっております。それから鑑定士となる試験――第三次試験、これは四十七年度受験申し込み者数が二百六十三名、受験者数が二百五十八名、合格者数が百九十名ということになっている次第でございます。
#53
○田中一君 この法律の当初にあるように、やはり不動産鑑定士というものが鑑定をするとなっているんです。それは特権なんです。鑑定士の職務は、これこれのものは不動産鑑定士がしなければならないんだということになっているわけなんです。そして、まあ公認会計士は一人の業務であります。したがって、たとえば日立製作所の公認会計士があそこの経理だけを見るなんというのは、とてもじゃないが二百億、三百億という会社の膨大なものを見ることができないから、特殊法人として公認会計士が五十人なら五十人集まって団体をつくって全体を見るということをしているわけです。この鑑定士もこれも当然職能です。人の持っている職能なんです。で、拠点二十点ぐらいやったらできるだろうと、一万四千程度のものならと言うけれども、地方における者でも同じ行為を行なっているんです。同じ行為を行なっているにかかわらず、いいですか、公認の士でなくたってできるでしょうと、それでやったら間に合うじゃないかという考え方がおかしい。法律にあるとおり、これ、ほんとうの鑑定士だからこの鑑定ができるんだとなっている、ほかの者はできないことになっている。それをどう使い分けていくのか。高橋君、君たちの出す法律というものは、これ、いまさらながら一部改正だから何も言うんじゃないけれども、全く官僚統制というか、君たちの権力に全部集中して命令出せばみんな動くんだという形をとっている、人間というものを全く無視している。これはおそろしいことですよ。それが二十四万もあるという、五十一年までにそれを全部完成しようという、これはささいなことだから――固定資産税、財産税等の評価も入っているんです、それを五十一年までに行ないますと言いながら、重要な国民の利益に関係のあるその地点の鑑定すら、蒸し返さなくてもいいじゃありませんかというようなイージーゴーイングな考え方は法の執行者の姿ではないですよ。私の質問には答えておりませんけれども、とにかく五十一年ぐらいまでに何とかして財産税、それから固定資産税、それから公示法の価格というものを同じ線で安定させようということを言っておったそうですが、これ、いずれ自治省が来たら聞きますけれども、それだけの重要な国民の利益に、利害に関する問題がありながら、それはもう鑑定士でなくてもできるものじゃなかろうかなんということが出るなんということはないのですよ。しいて言えば、鑑定する資格はこの人だけにあるのだとなっているのです。全部で二十数万――もっとになるかな、五十一年までにやろうという約三十万近いこの拠点に対する手当てをどうするのか。はっきり、これだけやるならば、人間をどうして養成するか。その人間の養成を伺ってみれば、士で百九十名、士補で二百三名が合格したと言うのです。いま、なんですか、鑑定法というか、そういうどこか大学でもってやっておりますか。特殊学校がやっているのでしょう、大体この養成は。学校教育、大学等ではやっておりますか、教育を。答弁してください。だれかわかっていますか。
#54
○政府委員(高橋弘篤君) 私もいま具体的なこと承知いたしておりませんけれども、これは調べますけれども、普通の大学の科目で正式にはあがっていないと思います。しかしながら、大学の先生でもそういうことを専門に勉強している方もあると思います。したがって、先生も御承知のように、大学で正式には科目ではあがっておりませんが、特別講座でそういう先生が行なっているものは近畿大学その他にあるそうでございます。
#55
○田中一君 それは法学部か工学部か、どこですか。
#56
○政府委員(高橋弘篤君) いま聞きましたら商学部のようでございます。
#57
○田中一君 これはここでの私語ですがね、山内君も学校の校長さんをやっているのです、鑑定士の。自民党の野田卯一君もたしか学校の校長をやっているはずだよ、いるのです。それは特殊学校でやっているのです、みんな。しかし、これだけの大事なことですよ。いいですか。そうして流動するのですよ、価値が。日本の場合には、日本の地価というものに対しては、原則はかっきり残っているのです。近傍類地の価格というものが一点入るわけなんです。西ドイツなんかも、それらしいことはあるけれども、それは都市計画できめていますから、近傍類地のものはなかなかないのです。日本の場合には、これはもう金さえあればどこでも買って、どこでも地域を変えてしまいますからね。それは杉並のどこかに古い形のじんかい焼却炉でもつくろうものなら、地価はぐっと下がってしまう。人為的にできるのですよ。日本のような大きな権力と金力があれば、地価の操作はどうでもできるのです。そのような危険をはらんでいる。西ドイツと日本との国民性の違いはそこですね。日本の土地はもう、私がかつて調べただけでも、東京――首都圏で三〇%は、住宅適地はあの十六社の大資本家に買われているということなんです。それは古いおととしの統計です。昨年の十二月に私発表したやつですが、その以後のものがどれくらいあるか。ないですよ。そんな中に、近傍類地の価格というものはそのファクターに入るのです。一つ入ってくる。いまNHKの、あれは別ですよと言えないですよ、別じゃないです。こういう点を考えると、もう少し厳密な――この規定には倫理規定もあります。なるほど鑑定人の人間形成というものに対して非常に大きなものを持とうとしています。しかし、今日これらの四千人の方々の生活が安定しているか。こんな地価公示したところが、だれも参考でございますという、何も強権もない、こういうもので一生天職としてこの仕事をするという人がいません。みんな兼職です、やっている人は。しなきゃならぬから、不動産会社の部長とか課長は、こんな資格をとったから少し月給が上がるぞ、地位が上がるぞということで資格をとる。銀行、不動産会社等々が行なっているんです。兼職です、したがって、どっかの学校でくらい、これらの基礎的な教育からずっとやって専門家をつくるという姿勢がない限り、大きな災いを残す。この地価公示という、これは大きな災いを残しますよ。どうとも変えられる価格ですよ。そうして、この価格というものはだれも守らぬでもいいんですよ。守ることは、売り手買い手の合意、これができた場合に、これがすなわち証拠でございます、その価格が価格でございますよと、これが法律の精神です。こけおどかしに、何点ありますかね、これ全部見ますと。これだけの拠点を全部出して、これはいいでしょう、出すのも一つの目安でいいでしょう。一面まだ新都市計画法の市街化区域における指定もしておりません。ことしの暮れまでに何とかしよう。ことしの暮れにそれが決定されれば、大幅にこれ変わります、動いちゃう、用途地区というものが八地区、市街化区域で新しくきまると。これは都市局の所管か、四十八年十二月までに何とかしようとして全国的にやっておりますが、これは大幅に違ってくるんです、この内容が。またするのか、しないのか。そういう追っかけ行政というものは必要がないですよ。だから、これをおやめなさい。休眠させなさい。
 たとえば、なるほど住宅専用地域――住専地域に指定されると、これは東京都の条例では大体十メートル、そうすると三階ぐらいまでですね。条例できめております。しかし、これも自分のところに、冬至で三時間も太陽が当たらないから、やめてくれと言えばやめざるを得ないのです。その場合には、これは価値なしだ、この土地は。幾ら住専ときめても、取引の実態というものは価値がない。売りも買いもできなくなる。自分が持っているとか、持っているところに住んでいればいい。そういう現在の流動する土地、ことに今度の法律で調整区域まで手を伸ばそうということはとんでもない悪です、悪業です、そこにまで手を伸ばすということは。これは田中角榮君が何とかならないかということを建設大臣に話したかどうか、新聞に出ていましたね。もう少し開放できないかということが出ておりました。出せば出すほどそうなる。そこには手を入れる必要はない。用途地区がはっきりきまったらおやりなさいと言うんだ、ぼくの言うのは。市街化区域においても八つの用途地区がきまっておりません。これがきまった段階でおやりなさい。いまほしいとかなんとか言ったって、これは凍結しなさい。一ぺん凍結するんですよ。今年の十二月なら十二月までやめちゃう、売買を認めません、必要なものは目的によって国は――国というのは、地方公共団体も国から委任をされる知事もいますからね、国はチェックしましょうというくらいの姿勢を出さなければだめだ。ことに、今度のこの法律が公示対象区域の拡大ということになると、一体何をしようとするのか。そういう土地は売らないのだ、売買できませんよと言っているにかかわらず、これで新しい地価公示をすれば、この値段で買えるのだなとなる、売買自由だなということになる。また、買いあさりを促進することになるんです。一体、いまの政府は何を考えているのか、国民のことを何と考えているのか、特定なるだれかが利益を受ければいいのか、こういう手法はとるべきではないのです。金丸さん、いま税担当の人が来たら一ぺんこれを聞こうと思っているんだ。もう一つ、裁判所で民事訴訟における鑑定人というのがずらっと長い間、これはむろん資格も何もない、この人なら妥当であろうと裁判所が認定をして、鑑定人というものを呼んでいるわけです。民事の面で裁判所はどれくらい現在鑑定士あるいは鑑定士補というものを使っているかどうかということと、過去における民事上の裁判における鑑定士というものに対して、どういうぐあいにそれを利用と言うとおかしいけれども、任命をして、それを実効ある範囲でさしておったかということを聞きたかったのですが、もし今野君でも高橋君でもわかっていれば、その問題を話していただきたい。
#58
○政府委員(高橋弘篤君) 民事関係で不動産鑑定士を使っている例でございますけれども、第一点は、非訟手続法によりますと、毎年、前年度末に不動産鑑定士を任命して鑑定をしているようでございます。約三百人でございます。それから、それ以外にも民訴とか競売の場合に、裁判所が不動産鑑定士を使って、鑑定人としての判断を求めておる場合が多いわけでございますが、この数はここでは不明瞭でございます。
#59
○田中一君 実際に四年間こうして地価公示をやってきて、社会的な評価というものはどこにあるか、せめて何らかの社会、国民に対する寄与があったのかどうかという点は当然検討されるべき時期なんです、四年ということになりますと。ところが、それも正確な報告もなしに、今度のような、こういう法律の改正を日本列島改造論の一環として持ち出すなんていう神経はとうてい容認できない。四年間にどういう実績があがって、国民に対してどのような形の寄与をしたか、国民がこの制度に対して、絶対の信頼を持っているかどうか、信頼がないならば、どこにあったか。あるいは、これが定着する一つの職能として、さっき申し上げたように、どっかの大学でひとつ講座をつくろうじゃないかと、講座ぐらいつくったっていい。養成しなければ、だれがやるのか。三十万近いという拠点に対してだれがこの調査をやるのか。できないじゃありませんか。法律をつくればだれかやってくれるだろうじゃないんです。真に国民生活を豊かにするには、それだけの教育制度があるはずです。それすら調べてない。せめて、どっかの大学でもってひとつ専門家をつくろうじゃないかといって一つの講座でもつくってやる、これならいいんです。これはいま特殊学校としてやっておる。これは実際ね、学校企業であって、学校へ入れればいいんですよ、何人か国家試験受かればあとわんさと来ますから。こういうのじゃなくて、もっと魂を入れた何をしなきゃだめですよ。それには並行して、そういう若者に対する魅力ある職業として教育することです。いつになったらこれが実を結ぶんですか。経済の変動によって、用途地域の変化によって、地域の自由な開発によってその要素が変わってくるんです。価格が変わってくるんです。動くんです。なぜならば、日本の評価の場合には近傍類地の価格というものが最後のきめ手となって、これと照らし合わせて価格をきめているわけです。買収価格もそのとおり。土地収用法を適用するものでもそれをやっているんです。もう少し的確に答弁してください。わかんないじゃ困るんです、わかんないじゃ。わからなければ私、次の委員会にもう一ぺん質問しますから、それまでに調べてください。いいですか。
 自治省に聞きます。私この間当委員会に出なかったのですが、そのときにこういう話があったそうですね。同僚の委員からこもごも、五十一年の一月、ちょうど固定資産税の改定は五十一年でしたね、それまでに固定資産税、それから相続税、それから公示価格というものは大体一本化しようと、同じところに並べたいという希望が述べられたそうです。これはこの法律を出した四十四年のときに私が質問したときに、自治省はこういう答弁をしておるんです。これは三十九年と四十四年、二つあるんですね。この評価は、基準地を国税庁とよく打ち合わせをしてそれを参考にするということを答弁している、私の質問のメモ、古いやつがありますから。これを自治省は答弁している。で、あらためてこういう五十一年度にはということになると、いままで考えてなかったということですか。考えてなかったということは正しいと私は思うんですよ。考えてないことのほうが望ましいんです。大体こんな、いまの建設省が行なっているところの公示法なんというものは無価値です。国民に害のある行政です、これは。それを前提にして佐々木君聞きますがね。固定資産税、また本年度変わって今度だいぶ――私か借りている土地の地代が二万何千円というやつが四万何千円、倍ちょっとになりました。私、土地借りているんですが、それがきたんです。固定資産税がこうですから、ああですからときたんです。なるほど上がっている。これは一面、おまえ土地を持っていながら、遊ばしておるのじゃなくて土地を貸しておるからあたりまえじゃないかと言うのかもしれぬけれども、勤労者の生活というものは地代を払っているのだからという気持ちでいるけれども、これはやっぱしばあっと倍ぐらいに上がっている、地代が。私何とかかんとかしようがないと思っておりますけれども、そうでない人もたくさんいると思うんです。これに対抗するために借地人が全部供託制度に供託して、それに対してけんかするなんてできませんから、行政官庁に一任するという方法はとれないものですか。固定資産税の値上げによるところの地代の値上げに対する対抗策としては、そういうことはできないものですか。
 それともう一つ面を変えて聞きます。大体固定資産税が、貸しているから、おまえは収人があるんだからこうしなさいということが一つ。二百坪土地を持っているが遊ばしているじゃないか、遊ばしているなら税金二〇%掛けますよというのが保有税の行き方ですね。あんたのほうの行き方だね。保有税のほうは自治省だったね。保有税は悪税だよ。ああいうものをやっていくと、二割上がっちゃかなわぬから出すだろうということなんでしょうけれども、国民に対してなぐったり、首絞めたりなりかしてばかり行政というものをやらないで、理解の上に立つ行政を行なうことが一番の民主国家の姿なんです。二〇%税金上げたならば必ずあいつ提供するだろう、二十年間一貫してこの行き方をとってきたあなた方の責任は非常に重大なものなんですよ、これは。そこで固定資産税というものなどは、いままでのあなた方やっていることに対しては非常にいいと思う。というのは、積み重ねた何十年の実積からきて物価等見ながらやっております。ですから漸進しております。漸進というのは急激に飛び越えてないということです。今度、地価問題となったらがかっとそうやって二〇%上げる。けれども、あなたのほうじゃ課税率でくるでしょう。課税率で税金を取るでしょう。ところが、本元のこれは価値をきめてくるのです、地価公示というやつは。いままで一万円、率でいえば何%かよく知らぬけれども、千分の幾つか知らぬけれども、それがかりに一万円だったとすると、それが今度はこれでもって、おまえのところは五万円だぞときた場合には五万円で率がかかってくるから大きなものがかかってくるということになる。そうなんでしょう、佐々木君。固定資産税はそういう形でふえてきたんでしょう、今日まで。ぼくは税のほうはあまり詳しくないのでちょっと伺っておくんです。どうですか、その点詳しく説明してください。固定資産税がなぜこう上がってくるか、三年ごとに改定してどう上がっているか、どういう推移できたかということを説明してください。
#60
○政府委員(佐々木喜久治君) 公的評価ということになりますと、現在は固定資産税の評価とそれから相続税の評価、それからさらに地価公示法に基づく公示価格というのがございます。現在、固定資産税の評価の上におきましてこの評価水準というものをどの辺にとっておるかということになりますと、地価公示制度の公示価格というものはまだ基準地の地点が非常に数が少ないものでございますから、固定資産税の評価にあたりまして地価公示価格を参考にするということは、現実問題としては税務の仕事の上には乗りにくい状態にございます。したがいまして現在、公的評価の上で評価額をできるだけ合わせていくという措置をとっておりますのは、相続税の評価と固定資産税の評価をできるだけ合わせるようにしていきたいということで、各県ごとに基準地を設けまして、この基準地につきましては国税の評価と市町村の評価とできるだけ合わせるようにしていきたいということにいたしていままでやってきております。ただ現実問題として固定資産税は三年ごとに評価がえをいたすわけでありますから、相続税に合わせるということにいたしましても、この三年の基準年度の段階で合わせるよりほかいたし方ないということになっております。その翌年度、翌々年度は、相続税のほうは毎年基準を上げてまいりますので、どうしても固定資産税の評価額との間には差が出てまいる。それから基準年度の評価にあたりましても、固定資産税の評価は全部の土地が対象になるわけでございますので、実務的には評価の調査というものは、たとえば、ことし昭和四十八年の場合を申し上げますというと、大体四十七年の四月ごろの水準のものがどうしてもとられざるを得ない。したがいまして昭和四十八年度の相続税の評価額と比べてどうなるかということになりますと、どうしても固定資産税のほうが相続税よりも低いというのが現実でございます。どちらかといいますというと、四十七年度の相続税の評価よりもやや高いぐらいのところで基準値を合わせて調整をしていくというような方法をとっております。そういうことで固定資産税の評価額というものが一体それではどの程度の水準になるのかといいますと、どうもこの地価公示の価格に比べますと、実はことし目標を何とか六割ぐらいの水準にまで持っていきたいというふうに考えたのでありますけれども、四十七年中の地価の騰貴が非常に激しかったものでございますので、どうも固定資産税の評価がいわばそれに乗り切れなかったというようなことでございまして、大体いま見てみますというと、地価公示価格の四割水準ぐらいのところになったのではないだろうかというふうに推定をいたしております。そういうことで固定資産税の場合には評価額がどうも一般の時価に比べまして相当低い水準にあるということは、いまの段階ではどうも実務的にやむを得ない面があると。といいますのは、結局、評価額そのものが直ちにいままで課税標準にならなかった、その評価額を基礎にしまして一定の率で課税標準額を算定するという方式をとったものでありますから、地方の実態も評価にそれほど無理をしていないというのが現状でございます。
 ただ、いずれにいたしましても公的評価というものがあまりにも差があるということは問題でございます。
  〔委員長退席、理事沢田政治君着席〕
そういう意味におきまして、私どもも地価公示制度というものが相当充実されてきた場合におきましては、その評価額に合わせていくということはできるだけやっていきたいというふうに考えております。ただ、固定資産税の基準地、標準地というものは宅地だけでも三十万地点でございます。それから、その他の山林とか農地を入れますというと七十七万地点というのが現在標準地、基準地になっておりますので、地価公示制度も相当これは充実をしていただかなければなかなか税の上では乗り切れない面があるというのが実態でございます。
#61
○田中一君 佐々木君非常にいいこと言ってくれました。それはそのとおりなんですよ。こんな地価公示法なんというものは、あなたのほうには災いになるんですよ。だから、私じゃないだれかがそういう質問をしたということをきのう聞いたんですが、これも合わしたらどうかと――合わすべきものじゃないんですよ。何も地価公示法の標準価格なんというものは、規準価格なんというものはどうでもつくれるんです。これはあなたのくる前に再三言っているんだけれども、この価値の大きなファクターとしては近傍類地の価格というのがきめ手なんです。これ言われて困るものだから高橋局長は、NHKは違いますなんて言ってたけれども、近傍類地の価格がほんとの根幹をなしているんだ。
 そこでお願いしたいことは、固定資産税なんていうものは、売買という価値の変動があって現実に自分の手元に、おれは金が入った、それじゃ税金払わなきゃならぬといって固定資産税のものを払うんであって、たとえば貸して地代を取っているからその問題云々ということもあるでしょうし、ようやく営々として六十坪の土地を買って、それで自分のささやかなうちをつくったという勤労者もやっぱりかかるわけです。免除規定がないわけですよ。今度の新しい、四十四年以降に所得したものに対する二〇%の何というのですか、従価税ですか、自治省がやるっていうやつね、――譲渡所得。あの場合に百坪程度のものは除外すると、法律で通ったかな、どうですか、あれどうなったかな。
#62
○政府委員(佐々木喜久治君) 昭和四十八年度に土地税制として創設されましたのは、一つは、ただいまお話がございました法人の土地の譲渡益に対する法人税の特別税率二〇%の譲渡益課税というものが創設されたという点が一つでございます。もう一つは、地方税におきまして特別土地保有税ということで、四十四年一月一日以降に取引をされた土地について、それを保有をしているという状態において課税をするというのが特別土地保有税でございます。これは現実の取引価格というものを課税標準にいたしまして、固定資産税と同じ税率の一・四%で課税をするという税でございます。そのほか、ことしの七月一日以降、土地の売買がありました場合には、その取得行為について取得価格を課税標準にして課税をする、これも特別土地保有税の内容の一部になっております。これは不動産取得税と同じ取引価格の三%で課税をするということになっております。
#63
○田中一君 そうすると、四十八年度のしりで税収だけどれくらいになります。四十七年度のしりと、期末ですね、四十八年度どれくらい増収になります、いまのようなことでやっていって。もう異同は四十七年度程度のものを見たらいいでしょう、もう少しふえるからね。
#64
○政府委員(佐々木喜久治君) 特別土地保有税は、昭和四十八年度において収入されます税収入は、七月一日以後に売買がありましたものについて三%で課税をする不動産取得税型の部分が昭和四十八年度に適用になります。その分の収入は免税点が非常に高い面積できめられておりますので、税収入としてはごくわずか、大体私ども十二億程度というふうに見込んでおります。来年度から保有税の部分が課税になりますので、その保有分についてどれだけの増収があるかという点は、現在、固定資産税の課税事務が終わりました段階で調査を始めておりますが、まだいまのところ詳細判明いたしておりません。
#65
○田中一君 四十四年度以前の所有地でも、あれは保有税はかからなかったんですね。
#66
○政府委員(佐々木喜久治君) 特別土地保有税は、昭和四十四年一月一日以後に取得されたものについて、一定の免税点以上の面積のものについて課税をされるということになっております。
#67
○田中一君 そこで、地価公示法の価格なんていうものは永久に無視している、私はこれ廃法にしようと言っているんです。害あって益一つもない。国民の利益は一つもないということ。ましてや同じ内閣の内でありながら、自治省では、これは危険であります、こういうのやったんじゃどうなるかわからぬという根が腹にあるんですよ。まだこれが成長してほんとうに国民のものになれば別ですけれども、このままじゃとても使えませんと、いま立証しているわけです。だから、これを一つのものに置きかえるなんていうことは考えずに、いま言っているように、不動産鑑定士なんていうのはいないんですよ、四千人しか。学校教育も何もないのですよ。専門家はいないんですよ。だから、今度やる約二十四万の市町村の拠点調査は全部だれかにまかそうと、だれかって何だ、測量士かだれか知りませんけれども、無資格者にやらせようということなんですから、まあ自治省はひとつ大いに慎重に考えて、これらのものを無視して独自の課税方針をきめる、それで、なるべく安い税金をかけるという方針にしてほしいと思います。
 いま裁判所の民事裁判等で行なっている鑑定人、地価の鑑定もございます。こういうものに対する裁判官は何というのですか、最高裁判所、行政官庁としては――最高裁から参考人、政府委員が来ないのですが、これは一ぺんこの次にその人を呼んでいただきたいのです。最高裁判所のどういう人かわからぬ……。
#68
○理事(沢田政治君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
  〔理事沢田政治君退席、委員長着席〕
#69
○委員長(野々山一三君) 速記を始めてください。
#70
○田中一君 土地収用法上、不動産鑑定士がどういう役割りを果たしておったか、三つほど事例をあげてください。三カ所ぐらいの事例をあげてください、政府がじかにやるもの。
 それからもう一つは、地方公共団体で、東京都かどっかでもいいな、これはどっか選別していただきたいと思うのです。地方庁でやっているもので、公共事業。で、それに対する不動産鑑定士がどういう役割りを果たして、どういうことをやっているかということを、これもひとつ呼んで聞かしていただきたいと思います。
 それから、さっきの民事裁判のやつをひとつ。
 それから公示価格に対する、これは何にもないのですよと、値打ちも何もないのですよと、参考ですよというふうになっている、目安ですよとなっている、これもずいぶん――だれだっけな、そのときの大臣は、これはもう何でもないのです、使っていただけば使っていただいてけっこうですという調子で答弁をしていますし、そうすると、これに対して、これはたとえば自分の持っている屋敷へ立ち入ってきて、これをやらしてくれ、困る、何、あなたのところは十二万円ですよ、平米十二万円ですよときめていく、ぽんと。冗談言っちゃいかぬ、自分の家に値段なんかつけちゃ困ると、これは当然クレームがつくはずですよ。何も、自分のところで変な価値つけられても困るというような紛争があったかどうか。高橋君、紛争があったかどうか、この事例をあげていただきたいのです。そういう紛争があったかどうか。かってにおれの家を、おまえのところは平米二万三千円だという値段をつけやがった、迷惑しごくですよ、そういう人は。そういう私権というか、これを侵すことはできないですよ。そういうものの紛争があったかどうか、そういう点を調べて、次の委員会までに出していただきたいと思うのです。
#71
○委員長(野々山一三君) 速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#72
○委員長(野々山一三君) それでは速記を起こしてください。
 それでは午後一時半まで委員会を休憩いたします。
   午前十一時五十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四十九分開会
#73
○委員長(野々山一三君) これより委員会を再開いたします。
 この際、連合審査会に関する件についておはかりいたします。
 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案について運輸委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#74
○委員長(野々山一三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#75
○委員長(野々山一三君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
#76
○委員長(野々山一三君) 休憩前に引き続き、地価公示法の一部を改正する法律案の質疑を行ないます。
 質疑のある方は御発言を願います。
#77
○田中一君 午前中に要求しておきました、最高裁に、民事等について裁判所における鑑定人の選定等について質疑をいたしたいと思っておったんでありますが、慣例で、最高裁は当委員会に出ることはなかなか困難だという意思表示がありましたので、これを了承いたしまして、私の部屋のほうに最高裁事務総局総務局の第一課長三好達君、それから最高裁の事務総局民事局第一課長兼第三課長山口繁君、二人においでを願って、質問の要点について質疑をかわしまして、その結果大体了承いたしました。
 その内容について申し上げますと、不動産鑑定士を裁判所で委嘱する慣例についてただしましたところ、一般民事訴訟について、裁判官が鑑定人として選定する場合がある。従来は何といいますか、宅地建物取引業者等学識経験者を充てておりましたけれども、不動産鑑定士制度が生まれて以来、なるべく不動産鑑定士を使っておる、鑑定人として採用しておる、委嘱しておるそうです。そのほか僻地等については、その不動産鑑定士がおらぬ場合は、やはり地元のこれらの学識経験者を委嘱しておる、こういう答弁でありました。で、私からは競売手続あるいは借地等の訴訟の手続等についてこれらの鑑定人を採用することについても、できるだけ、この制度がある限り、不動産鑑定士に委嘱するようにつとめてくれという申し出をいたしました。
 これについて委員長にお願いいたしたいのは、建設大臣を通じて、私の質問の趣旨を最高裁に伝えて、できるだけ資格者をもって充てるように推進してほしいということを、委員長から大臣にお願いをしていただきたいと思います。これ第一番に……。
#78
○委員長(野々山一三君) ただいまの田中委員から御指摘の案件について、建設大臣から最高裁に対して、今後鑑定士を使うということによって公正を期するという趣旨の御意見がございました。大臣から、その取り扱いについての御見解を承りたいと思います。
#79
○国務大臣(金丸信君) ただいま委員長の御趣旨に従い、また田中先生の御趣旨に従いまして、最高裁に十分お話をして、そういうようにいたしたいと考えております。
#80
○田中一君 次に、土地収用法を適用した場合の不動産鑑定士の担当する役目についての事例を伺いたいと思うのです。これは計画局じゃ事例がないはずだから、だれか実際にやっている人から聞きたいと思うのですが、だれかおらぬですか。高橋君、他人の話を聞いても困るから、だれかおらぬかな、実際行なった人。その場合に、この問題は重大なことなんですよ。先ほど言っているように、土地収用法をかけた場合に、かりにこの評価、公示価格というものが予算となってあらわれた場合には、それに、その壁に背中をくっつけて収用しなければならぬ立場に追いやられるわけですよ。したがって、提示する価格が、かりにこの公示価格というものがそのまま予算化されるのだということになりますと、これは大きな強権であって、間々えてして起こる――これは用地官だったかな、用地官等が予算という壁をしょっているものだから、常にいろいろな意味のトラブルを起こす、あるいはちょっと行き過ぎて汚職を起こす、それも自分で考えない汚職に巻き込まれるという点が多々あるわけなんです。こういうことを避けるために、やはりこの公示価格というものが妥当とするならばこれはいざ知らず、少なくとも先ほどもるる申し上げているように、その公示価格の正しさというものはあり得ないのだという前提です。
 これは単なる目安であり、単なるだれかの一方的な考え方であって、それだけ予算に計上されることになりますと、これは問題が起きる。したがって、どこまでもその正しい価格というものは、相互が合意したものが正しい価格であるということがこれは鉄則です。したがって、それについて、土地収用法の適用で買収をした場合には、当然、これは第三者がこれに対して判定を下すわけです。土地収用委員会がこれに対する判定を下しますから、これは予算の制約も何もない。これと、いま言っているとおり、公示価格というものと、どちらをとるかとなると、これは建設大臣、あなた事業を執行する役目として、どちらかに立場をきめなければならないわけです。私は、前回、何かの委員会でもってしばしば申し上げているように、わが国の公共事業は、すべて土地収用法でこれを、土地の買収を行なうと、これがケース・バイ・ケース、一つ一つのものが判例となると、もっと楽なものなんです。国民は納得するわけです。それに地価の上昇あるいは環境等によるプラスマイナスを通常つけていけば、国民は納得するわけです。そういう意味で、この土地収用法並びに土地収用委員会が下す判定、それから公示価格というものが最初に予算として計上されているものかどうかという点について、明らかにしていただきたい。
 ちょっと一言言いますと、高橋君じゃこれはわからぬと思うので、これはだれか実際の契約担当官、あるいは予算編成の各部局――道路なら道路でけっこうです、河川なら河川でけっこうです、そういう人を呼んでいただいてこれは答弁してほしいのです。なかなか頭のいい高橋君でありますけれども、実態を御存じないから、ひとつそのようにしていただきたい。
#81
○政府委員(高橋弘篤君) 詳しい実態は確かに私自身契約その他はやっていませんので、詳細はわかりませんが、いま仕組みという点につきましてちょっと簡単に申し上げますと、御承知のように都道府県の土地収用委員会はこれは独立であるわけです。したがって、独立の判定を下すわけでございまして、土地収用法によりましてその補償は、先生御指摘のとおりに、近傍類地の取引価格を考慮して算定した相当な価格ということで時価ということになるわけです。そしてそれを判定するときに土地収用法によりますと、土地所有者等の関係人から申し立てがあったり、またみずから必要と認めるときにおきましては鑑定人に出頭を命じて鑑定させるということになっております。その鑑定をさせるときの鑑定人の少なくとも一人は不動産鑑定士でなければならないということになっておるわけでございまして、収用委員会がそういう鑑定をさせる場合に、不動産鑑定士を使って鑑定評価さして、そしてそれのもとに……。
#82
○田中一君 それはよくわかっております。わかっているからそれを言ったんだから、それはよくわかっております。
#83
○政府委員(高橋弘篤君) その仕組みを……。
 それからその次の先生の、そういう仕組みのもとでございますので、予算との関係でございますけれども、予算のときにはやっぱり用地の価格というのは先生御承知のように、大体場所によってみんな違うわけでございますから――これも申し上げるまでもない。したがって、予算のきめ方というのは、どちらかといいますと非常に平均的なものできめている場合が多いわけでございます。ところが土地収用その他で具体的に土地を取得するという場合、そこの値段が幾らときめるときにはそういう意味におきまして平均的な予算ということでは予算に組まれておりますけれども、実際価格はやはりいま申し上げたような仕組みできめられるというふうに考えておるわけでございます。
#84
○委員長(野々山一三君) 私からお願いをいたしますけれども、直接土地収用に当たられる担当官の、予算と実際の買収価格とがどういう関係に作用するかという点が田中委員から指摘されている問題点でございます。したがいまして、審査中ですけれども、建設省として直接その担当事務を担当している係官の出席を御手配いただいて、質問に適正に答えられるよう対処していただきたいというふうに私お願いをいたしたいと思います。質問はその分だけは保留ということで田中委員の質問を進めますけれども、早急に対処してください。
#85
○田中一君 これは金丸さん、非常にいまのように物価が流動的だと、下がることはなくって上がりっぱなしの傾向にある。また何かの人為的な手を加えるとまた二割、三割下がるという場合もあるんですよ。木材がしかり、ああいう買い占めをやっていると上がりっぱなしになるけれども、手を打つとまた下がってくるということもあるんです。そこでかりに道路とします、道路というものはかりに百億の予算を持つとすると、百億で買収できるだけの買収をすればいいんだということに現在なっておるんです。大体において単年度予算でありますから、本年度はここからここまで三十キロなら三十キロをやるんだ、買収するんだときめております。そうして買収にかかる。しかしそれはいまではもう十キロも買えないということで十キロだけ買ってあとは計画の変更を建設大臣に出すと、それは承認されるわけです、という行き方でもって出たとこ勝負でもって仕事を進めているんですよ、いま。しかし職員の給料というものは、これは予算上の問題から予算の何%というものは給料になりますからまかなえるけれども、工事そのものはちっとも進捗しない、進展しないというのが現在の公共事業のあり方なんです。いまの公共事業は足踏みをしているわけです。したがって金があればそれだけ買えますよ、おかしいじゃないか、三十キロ買えるはずじゃないかといった場合に、こういう理由でできませんから計画の変更をしていただきたいという申請をすれば、建設大臣はそれを承認するから違法でも何でもない、ということであってはならないということです。そういう流動的というとことばはいいですが、無計画な仕事を進めていようとそれに乗っかっていこうというのが、現在のような物価が値上がりしている中における、それも非常な変動が激しい中におけるところの公共事業のあり方なんです。その中に入っているのです。その中に入っている現在の仕事というものを考えてみますと、地価というもの、したがって地価公示というこの行為は、信憑性というよりも、何らの国の事業の遂行のために、あるいは国民生活の平和と安定のために役目を果たしておらぬということになる。地価公示はいたずらに混乱がある、いたずらに末端においてはトラブルを起こす、こう私は見ておるのです。
 ではもう一つ聞きます。一般の商行為としての取引の中で不動産鑑定士が担当する役割り、この事例はどのぐらいあるのですか。たとえば不動産鑑定士が立ち会い人になるとか交渉の相手になるとか、置かれているところの業務の範囲、業務のあり方について報告してください。
#86
○政府委員(高橋弘篤君) 一般の民間での取引の中で不動産鑑定士に依頼をした件数でございますが、これは昭和四十六年で三万五千三百三十三件ということにこれは会社、法人、個人合わせてなっておるわけでございます。全体が約六万四千件でございますが、その中で民間はそういうことでございます。これが民間のいまの不動産鑑定士を依頼しました件数がこれでございます。先生の御質問はこれでございましたら一応これでお答えといたしておきます。
#87
○田中一君 しょせん不動産鑑定七といったところが買い方に依頼されたところのものは、自分の買える値段を出すものなんです。売り方のほうはこれだけ売りたいという値段を出すものなんです。これは何といっても絶対じゃないわけですから、相互の立場を考えながら値段をつける。
 ちょうどこの法律を出すときにこういうことを大臣は説明しているのですよ。当時の大臣はだれでしたか忘れたけれども、不当なる値段をつける、これを是正するんだということを言っているのです。不当なる価格をつける、これは当時の大臣はだれだかたくさんかわるからわからないけれども、不当なつけ値による取引価格が容易に一般化し、実勢を越えた土地の高騰をもたらしている場合か多いものと認められます、その当時四十四年のときにこういうことを言っているのですよ。不当なつけ値――不当なつけ値というのはないですよ。それぞれの立場で主張する価格はそれぞれの立場で主張する価格であって、それが合意された場合に初めて正当な価格になるんです。だから、この不動産鑑定士そのものを活用しないところに問題があるんです。そしてまた、それだけの、この制度をつくって、それから地価公示法という法律をつくって、これでもって公示するということ、それは何らの社会的価値がないということです。すべて取引は相互の合意によって価格がきまるんだということなんです。
 そこで不動産鑑定士、今日四千を数えている、士と士補と両方見ると。この四千人の専門家の業態を見て、これは専業で業務を営んでおられるかどうか。兼業か専業かと。専業はどのくらいある、兼業はどのくらいあると。そうしてこの法律は四十四年には一拠点について六千円という予算を計上しているという話だった。いま幾らの予算を計上しているか、市町村はどうか、県はどうか、国はどうか、これを明らかにしてほしいと思います。
#88
○政府委員(高橋弘篤君) 不動産鑑定士の数は、試験の合格者は約四千人でございます。そのうちに――登録をしなければ先生御承知のように不動産鑑定できないわけでございますから、登録した者が四月で三千六十一人でございます。しかし、これは登録いたしておりますけれども、実際には仕事していない、先生の御指摘のような者がございます。たとえば役所なんかにつとめておって、実際には仕事をやっていないという者、そういう者を除きまして、実際の実働は約二千名というふうに把握をいたしているわけでございます。
 それからいまの予算の点でございますけれども、御承知の、建設省では地価公示を行なう地価調査を不動産鑑定士にこれは鑑定を委託をしているわけでございますが、この予算が約六億、四十八年度予算で約六億でございます。
#89
○田中一君 二千名でもってこれが可能か不可能か考えなきゃいかぬです。一万四千だっておそらく不可能です。おそらくこれは兼業ですよ、何か商売しています、別に。でなければ食えぬ状態です。こういう専門家を養成、つくり上げながら、その人たちが生活できないということじゃ困るんです。
 そこで、さっき残しているやつ、教育制度はどうなっているか、養成制度、どっか大学でこの講座を持っておるところがあるかどうか、あるいは高等学校――専門高等学校でもってこうしたものをやっているのがあるかどうか。それから民間のいわゆる特殊学校として、どのくらいのそういう学校があって、年間の受験者――卒業生って受験者ですね、結局、国家試験の受験者がどのくらいあるかということを示してください。
#90
○政府委員(高橋弘篤君) 第一は大学の例でございますけれども、近畿大学のこれは商経学部で湯浅富一という先生が講座を持っております。それからもう一つ函館大学の商学部神田弘という先生が講座をやはり持っております。それから特殊学校については、東京、大阪で大体六つございます。日本不動産専門学校、東京法経学院、東京経営大学院、東京法科大学校、これが東京でございます。もう一つ近代企業経営診断協会という名前の学校でございまして、これも東京でございます。それから大阪に大阪専門学校というのがございます。
#91
○田中一君 建設大臣、いろいろ質問をしておりましたが、このように、実際に仕事をしている人が二千名だそうです、有資格者が。そうしてここに約三十万拠点の調査を行なおうとしているんです、そうして鑑定しようと、そうして公示をするという、この段階を経て、五十一年ごろまでにやろうとしているんですが、まず第一に、これらの仕事を行なうのに有資格者二千名ではこれは不可能であります。そうして一拠点六千円ということを四十四年に言っておりましたが、いま国が六億というと幾らになるか、これはあとで高橋君から説明してください、一拠点どれくらいになるかということですね――そうして養成をしなきゃならぬということです。それとこの人たちが資格を持っても生活が営めないとなれば、これはだれも魅力は感ずるものじゃないです、魅力を。社会的な意義があんまりないから、こういう仕事はしないという人もいるでしょう、青年たちがいるでしょう。
 したがって、この法律はもうやめることなんです。最後に申し上げます、やめることなんです。何にも実益のない、国民の実益のないものは、もう一ぺん考え直すことです。装いを新たにして、国民がほんとうに求めるものをつくり上げるということがなくちゃならぬ。ただ、この法律は、新しく調整区域まで手を伸ばそうとしているんです。これはもう田中角榮君の、調整区域にももう少し手を広げたらどうかということの、そのまま具体的にこれを行なおうとしていることなんですが、先ほど申し上げた、これは罪悪です。そこまで手を伸ばしていくことは罪悪なんです。まあしかし建設大臣とすればやむを得ません、受けて立っているんですから、日本列島改造論にも少しでも協力しなきゃならぬでしょうけれども、私どもはこういうものは認めないんです。そうしてこれが国民に与える何のプラスもないということ、きょう二、三時間こうしてお話ししておりますけれども、大臣のように、あなたのように非常に民主的な、政党人としてはぐくまれてきたという政治家、私が申し上げていることを、一つ一つぴんぴんと胸にはね返ってくると思うんです。私と同じだと思うんです。しかし残念ながら、今日の強大な官僚政治というものが、どうかあなたの心をむしばまないようにしていただきたいと思うんです。これ以上大臣の答弁を求めたところでどうにもなりませんから、答弁要りません。要りませんが、今日のような事態に、この法律案をまた改正して、拡大して、ほんとうのまだかすかに残っている自然というものをこわすような形の乱開発が行われることは、あなたの選挙区の山梨県だっていまに――富士周辺はそのとおりです、いまにもっとひどい目にあいます、ということを付言して、質問を終わります。
#92
○春日正一君 最初に、地価公示制度を四年間やってきて、どれだけ効果があったのかという点、これはいままでもほかの委員からも何回も質問あったことですけれども、やはり問題の出発点はここからだと思うのでお聞きしますが、どのぐらいな効果があったのか、その点をお聞きしたいと思います。
#93
○政府委員(高橋弘篤君) 地価公示制度は、何と申しますか、目的に書いてございますように、一般土地取引におきましては目安、それから公共用地の取得につきましては取得価格の算定の規準を与えるということになっているわけでございます。一般の取引につきましては目安ということでございまして、実態把握を私ども全部いたしておるわけじゃございません。ただ地価公示価格につきましては、市町村役場でこれは閲覧いたしておりますので、その閲覧件数を一つの指標として考えますと、四十七年度で四千二百四十九件あったわけでございます。毎年度あるわけでございます。こういう閲覧した人は積極的にこれを活用しようと、目安にしようということであっただろうと存じます。また民間の一般の土地取引の場合、先ほどの話にもございました不動産鑑定士に鑑定依頼する場合が多いわけです。約六万件あるわけです。この中で地価公示対象地域におきましての鑑定評価を行なった件数が、大臣免許だけですと約一万五千件、この不動産鑑定評価をする場合には、御承知の地価公示価格を規準とするということになっているわけでございます。それからもう一つ、一般の目安という意味で、新しい土地の取引の傾向としまして、一般のデベロッパー、不動産業者が販売価格を地価公示価格を基準にしてきめるという傾向があらわれてきているものがあります。
 それから次に、公共用地の取得の規準でございますけれども、これは数字を申し上げることは時間がございませんので申し上げませんが、これは公共用地の取得の規準としなければならないということになっておる次第でございまして、私どもの調べによりますと、公示しなければならないが、公示地点がないところ、または継続事業でしなくてもいいようなものがございます。しなければならないものにつきましては、すべてそれを規準にして公共用地を取得しているというふうに報告の結果なっているわけであります。したがって、それにおきまして、公共用地の取得につきましては、重ねて簡単に申し上げますけれども、法制定当時に公共用地取得が非常にまちまちに価格をきめたんで、それが地価をつり上げる、役所が地価を上げる元凶であるといわれたそういう批判はここでなくなったんではないかというふうに考えております。
#94
○春日正一君 そういう説明では、効果があったかなかったかという質問には答えたことにならぬと思うんですよ。というのは、この法律をつくった目的が、私、正確のために速記録を持ってきましたけれども、時の大臣は坪川さんでしたね。こういうふうに言っていますよ。「要旨を御説明申し上げます。近年における地価の高騰は、基本的には、産業、人口の急激な都市集中等による土地需給の著しい不均衡に基づくものでありますが、さらに、土地は他の諸財と異なり、合理的な市場価格の形成がきわめて困難であることから、不当な付け値による取引価格が容易に一般化し、実勢をこえた地価の高騰をもたらしている場合も多いものと認められます。このため、公共用地の取引価格も公共事業相互間において必ずしも統一されているとはいいがたく、しかもこの公共用地の取得価格が周辺に影響を与えて、一般の地価水準を引き上げているとの批判も少なくないのであります。このような事態に対処するためには、土地取り引きがひんぱんに行なわれる都市地域の標準地について、その正常な価格を公示する制度を確立して、適正な地価」を形成すると。つまり、適正な地価を形成する、土地の値上がりに対してですね、ということが言われておるし、それから、この法律自体の中身でも、第一条の「(目的)」というところで、「この法律は、都市及びその周辺の地域において、標準地を選定し、その正常な価格を公示することにより、一般の土地の取引価格に対して指標を与え、及び公共の利益となる事業の用に供する土地に対する適正な補償金の額の算定等に資し、もつて適正な地価の形成に寄与することを目的とする。」、つまり適正な地価を形成する、それに役立たせるということがこの公示法の目的だったわけですね。四年間やってきて適正な地価が形成されてきたかと、それを聞いておるわけです。
#95
○政府委員(高橋弘篤君) 御指摘のように、目的にいろいろな手段を講じましてそして適正な地価の形成に寄与するということになっておるわけでございますけれども、さっきも申し上げましたように、一つの手段として公共用地の取得の場合の規準とする、先生もいま読み上げられましたように、いろいろな市場価格というのはこれはむずかしい点が非常に多いわけでございます。そこの土地の値段が幾らであるか、非常に安定しにくいわけでございます。したがってその土地についてよくいわれる呼び値、つけ値というようなものが横行いたしましてそのために地価をつり上げてきた、そういう点があるわけでございます。公共用地取得におきましても、やはり各行政機関がいろいろ競合いたしますと、そういうことで少しでも高くというようなことで呼び値、つけ値によりまして地価をきめてきたというような感じがあるわけでございます。そういう点、正常な価格というものを公示いたしまして、その価格を規準にして土地を取得するということにいたしてきたのでございまして、さっきも申し上げましたように、公共用地の取得がそういう地価の上昇を招くというふうなことはこれはないというふうに考えておるわけでございまして、そういう意味におきましては、いわゆる適正な地価というものの形成に役立っておるというふうに考えるわけでございます。一般の土地取引につきましては、さっきも申し上げましたように、単なる目安ということになっておりますので、これはある程度の人たちはこれを目安にして地価をきめておられると思いますけれども、NHKあと地のように守られずに取引される例も相当多かろうと思います。そういう点についてはまことに残念でございますけれども、公共用地の取得、また一般取引の中でも一部そういう――一部か、ともかく相当の部分は私どもこれを目安としておるということで、そういうようなことからいいまして、適正な地価の形成、いわゆる呼び値、つけ値というものを排しまして、そうして正常な価格で取引をするというようになってきているというふうに考えておるわけでございますけれども、なお一般土地取引につきましては単なるこれは目安でございまして、まことに残念ながら必ずしも適正な地価で取引されないということもあろうかと存ずるわけでございます。
#96
○春日正一君 公共事業のほうではまちまちだったから一本にまとめたというような話ですけれども、大体私も今度この問題をやるので、この前のときの速記録いろいろ調べてみました。それでやはりこの法律ができるときから問題になったのは、つまり地価公示をやって、公共用地の取得にはこれを規準とするといって法律できちんときめておいてそうして民間の取引ではこれはまあ参考にする程度になっておるというところに一番問題があるということを問題にしてきたのですよ。そうしてその前に、土地収用法が改正もされ、都市計画法とかあるいは再開発法、基準法、一連のこういう土地関連の法規がずっとああした構想に基づいて変えられていくということの中の一部として、この公示法というものは出てきたわけでしょう。
 そうして、あの収用法のときの議論でも一番問題になったのは例のごね得論、つまりごね得をするということで、そのために地価が上がるんだ、公共用地の取得が地価をつり上げるんだというような議論がありまして、私はそのときにも、それは違うんだ、まさにごねる人は一番困っている人がごねているんだということで、三河島の国道か何かの立ちのきで、そこで家も土地も借りてとうふ屋をやっている人が、補償金は全部地主に入ってしまって、その中から七十万円分けてもらって出されてしまったという例をあげて、たとえ借家でもそこでとうふ小屋をやっていれば生きていけるのに、七十万円でいまの時代に出ていけと言われて、どうして生きていけるんだ、まさに生活権の保障ということが問題じゃないのか。そうして、そういうものとからんで、公共用地の取得の場合、零細な土地所有者がそんな安い値段ではということが出てくるんだという例をたくさんあげて、私は抗議的な意味で議論もしたんですけれども、ところが、それがそういうふうに、いまあなたの言われたように、とにかく公示価格でやられてきたからうまくいっていますというふうに考えて、そして一方では、この民間の野放しの問題についても、私は京王のめじろ台の例をあげて、三月に三万五千円だったものが、九月に売り出したときには七万円から八万円になってきておる、どっちが正当な価格なんだと言ったら、当時の川島局長は「どっちも正当な価格であります。」――価格決定の機構を徹底的に詰めていったら、「神様だけが御存じでしょう」と、結局そういうことになった。だから、すでにそのときから矛盾がはっきりしておったんですね。だから、私はあのときの討論でも、その点をあげて「この法案が、適正な地価の形成、すなわち、地価の抑制を目的としながら、何ら地価の抑制に役立たないのみか、逆に、大資本の農民からの土地取得に有利な口実を与え、より大きな利益を彼らに保障する」という点をあげて、一点反対もし、さらに、「今日、農民から土地を安く買い取り、それを宅地造成して不当に高く分譲することにより、地価つり上げの原動力となっている大手私鉄、不動産会社、金融機関など大資本の土地投機に対し、何らの規制も加えるものではない」、こういう問題点を指摘して、それで私はこれに反対をしたんですよ。もう一つの問題は、やはり土地収用、そういう場合に、この公示価格がやはり強制的に押しつけられるというこの二点で私は反対した。ところが、実際四年間の経過を見ると、大体そういうことになっているのですね。
 そこで、実際の問題について、お聞きしていきたいと思います。私ずっと調べてみたのですけれどもね、大企業のやっている分譲地の価格と、この公示価格がどういう関連を持っているのか、四年前に私は京王のめじろ台団地の問題で、そういう三月と四月と同じ元値で買ったものが、倍になったのを、これを追認するというような公示価格というものは、結局値上げの底値をきめてやっていくようなものではないのかということを私は質問したのですけれども、今日でもそうなっておるようです。
 大体私は「東洋経済」に出ておる「首都圏分譲宅地の値上がり状況の一例」といって、幾つかのあれが出ているのですけれども、私のほうで公示地点と一致するものを調べてみますと、これは一ヵ所しかないので、ほかの点はあれですけれども、これは京急興業のやっている富岡の住宅地ですね。これは横浜市金沢区富岡町字板橋二千六百七十一番の五十七というところで、これは京浜急行の富岡駅の西側のほうの高台で、広大なあれをやっている。ところが、これを見ますと昭和四十二年の価格は平米あたり一万四千円から一万九千五百円、それから、四十六年の価格が三万三千三百円から三万七千三百円、四十七年の価格が四万円から四万三千円、そこの公示価格をとってみますと、これは四十五年の価格で二万三千五百円、それから四十六年の価格で三万円、四十七年価格が三万六千五百円、それから四十八年が四万七千五百円というようになっているんですね。だから、この新聞のほうに出ている実際売買の価格というものは、公示価格よりも若干上になっておるけれども、大体その底値をつけてささえてやっているという、めじろ台団地のときに指摘したあれと同じ形が、はっきりこういう形で四年間やってみた中で出てきている。毎年値上げをしていっているものが、きちっと公示価格でもって底ささえをされて、上がっていっているというふうになっているんですね。そこらの辺は一体あなた方はどういうふうに考えておいでになるのか、ああいう土地の値上がりをどういうふうにしたら押えていくことができるのか、そこらをお聞きしたいのですが。
#97
○政府委員(高橋弘篤君) いまの御指摘のは一般のデベロッパーの分譲宅地と地価公示との関係でございますが、先生御承知のように、宅地造成中のところは、私どもは地価公示というものはいたしておりません。これは非常に変動が激しいわけでございます。大体分譲宅地ができ上がってから二年ぐらいあとにその地点といいますか、その周辺に地価公示が行なわれているというのが通例でございます。その場合に、その公示価格の判定方法、評価方法は、その分譲宅地の価格だけではございません。これは一つには近傍類地の取引事例というものも参考にして、参酌して、そうして一つの要素として価格をきめる。同時に、そういう取引事例だけではございません、分譲価格だけではございませんで、御承知のように、詳しく申し上げませんが、いわゆる収益法とか、原価法であるとか、そういう鑑定方式でもってそういうものをチェックしながらやっているというのが普通でございます。したがいまして、その分譲地宅だけではなしに、一般のその周辺の地域における土地の価値が上がるというようなことで、地価公示価格が上がるということはあろうかと思いますが、それは分譲宅地をささえているというものとは私ども考えておるわけでございません。
 それからこういうものを、分譲価格をどういうふうにして押えられるだろうかという御質問でございます。この点について私ども国民に分譲宅地の価格があまり高くなく、所得と見合ったようなものになることは、これはもちろん必要なことでございますが、今回の国総法の改正の中には、土地のそういう売買の場合、取引の場合の届け出制度がございます。そういう場合にも宅造地にもこれは一定規模以上であれば該当するということになっておりまして、その価格が地価公示の価格のあるところは地価公示、ないところにつきましては近傍類地の価格等を参酌してきめました当初の価格を著しく上回る場合には中止勧告をする。勧告に従わない場合には公表するという制度があるわけでございまして、もしも通していただくならば、そういう仕組みもあるわけでございますので、大いにそういう仕組みを活用しながら販売価格のチェックをする必要があるんじゃないかというふうに考えておる次第でございます。
#98
○春日正一君 私言っているのは、国総法の問題、あとで触れますけれども、まだ国総法できてないわけですね。だから先ほど法律の目的でも読み上げたし、大臣の説明でも読み上げたように、地価がどんどん上がっていくからこれを安定させるということでしょう、適正な価格を形成していくということは。ところが安定せぬで地価がどんどんどんどん上がって、いまマイホームの夢も吹っ飛んでしまっている。あるいは公共事業のための土地の取得も困難になっておるというような事態になっておるんだから、だからこれでは目的のとおりにならなかったんじゃないのかと、そこに深刻な反省がなければ問題の解決は出てこないんじゃないだろうか。そういう立場で聞いておるわけですね。だからそういう意味から言えば、最近の土地のひどい値上りというものを見ても、さっき私が言ったようにこれは近傍類地でどうとか、それから三つの基準があってそれに基づいて総合的に鑑定して客観的な値をつけるんだというようなことを言われたけれども、しかし私はこの速記録読み返してみてその三つの一つ一つについて議論もし、結局詰めていって当時の川島局長は神さまだけが御存じでございますという結論になったんですよ、そういうことに。つまり自信がないということですね。そういうことになっているんです。
 だから私一々相当長い時間やったものを繰り返して読み上げませんけれども、やはり民間の取引というものを規制する役には立たなかったし、現にいま私が読み上げたように京急の富岡の住宅団地の場合にはぐんぐんぐんぐん毎年値が上がっていくのをやっぱり公示価格も同じような比率でぐっと上がっていっているということになれば、結局民間取引の値上りを肯定していく、追認していくということにしかならなかったんじゃないのかと。だから、そういうことでこの法律の目的に書いてあるような目的が果たされなかったのじゃないかと、そこを聞いているわけですね。
#99
○政府委員(高橋弘篤君) 御指摘の点よくわかりましたんですが、この地価公示価格が正常な価格でございまして、いわゆる結論から申し上げると、鑑定評価の議論の中で、市場性を帯びた交換価格であるという点からいいまして、土地の値段が上がり取引価格の実態が上がってきますと、それに伴って上昇していくということはあるわけでございまして、現に最近においてはそういう状況になっておる次第でございます。先生の御指摘は、それがそういうふうなことで適正な地価の形成になってないのじゃないかということだろうと存じます。私どもは地価の上昇がこんなに激しいことはまことに残念でございます。何かいろんな施策を講じなければいけないということ、先生と同感でございますけれども、地価公示制度が、それじゃそのために地価が上昇したかというと、私はそうじゃなしに、むしろ地価公示制度だけではこれは地価の上昇を食いとめることはできない。地価の政策にならない。したがって地価公示制度は地価公示制度で二番せんじということで、私ども将来構想でぜひ早く整備をいたしまして、これを大いに活用する方法をほかの手段で考えるべきじゃないかということをさっきから御説明申し上げておる次第でございます。そういう方法で今後とも私ども努力してまいりたいというつもりでおるわけでございます。
#100
○春日正一君 どうもかみ合わないんですね。しきりに弁解しておいでになるけれども、やはりいま地価が高騰して困っておると、なぜこうなったのだろうと、地価公示もやってみたし、いろいろやってみたけれども、税制もいじってみたけれども、そうならんでなぜこうなっておるのだろうと、そこをまともに、まじめに考えなければこれを押えていくというような一つの方法というものは出てこないわけでしょう。ところがどうも率直でない。地価公示だけでは押え切れぬとか、地価公示をやったから上がったわけじゃないと言うけれども、上がった例もあるんです、それが。
 私の近所でちょうど四十四年ですか、地価公示の最初の年ですね。その前まで近所の水田を埋めて、前の年の暮れまで坪五万円ということで売られておった。正月越したら急に十万以下じゃ売らぬよと言い出した。近所の人はどういうわけだろうと言っておった。私もまだ気づかずにおかしいなと思っておった。四月に公示がされたら、近所の公示された地点の地価が十万だった。それが地主にはもう一月には漏れておるんですね。十万以下じゃ売らぬよとこう言った。だから地価公示だから上がったんじゃないと言うけれども、上がった例があるんですよ。私は上がった例ということよりも、むしろどんどんつり上げていくものを追認して底支えしていく作用をしたということのほうが大きいというふうに見ているんですけれども、だからそれ言わなかったのだけれども、あなたは上がったわけじゃないと言うから、上がった例を一つ紹介したんですけれども、そういうことがあるわけですね。
 だから結局民間の取引においては地価の抑制に失敗したと、そしてこの公示制度というものは、あのときみな方々から指摘されたように、結局底値をつくってやるようなものになるんだろうと言われたことがそうなった。これを認めなければ新しい手の打ちようがないだろうと私思いますよ。そこのところどうですか。
#101
○政府委員(高橋弘篤君) 正常な価格を地価公示は表示するわけですね。その場合に買い進みだとか、売り急ぎ、そういうような特殊事情によるものが相当あるわけであります。どうしてもここを買いたい、そういう場合には普通の通常のそこの取引価格よりも高いものがあるわけです。そういうものを排除した正常な価格で公示されているわけでございます。つまり客観的に見て何人にも共通する交換価値であるわけです。したがって、先生の御指摘の事例におきましても、確かにその付近一帯の交換価値がそういうものであれば、それを地価公示するわけでございますから、一般に共通の客観的な価値であれば、それは地価公示としてあらわれてくるわけでございます。ただ非常に不当なつけ値というようなもの、特殊な動機に基づく高い価格というものはこれは排除する、そういう意味におきまして適正な地価の形成に役立っておるということを申し上げておる次第でございます。底値という点につきましても、確かに結果的に見ますとそういうような売買をされておるというようなことをよく聞くわけでございますけれども、一月一日現在のこれは価格でございますから、どうしても一つは時点修正、それからそこの地点そのものの売買というのはなかなかないわけでございまして、それの類似なところを基準とするという意味におきまして品等比較をする。そういうようなことによりまして価格が一月一日現在の価格よりも高くなる。そういう意味におきまして、いまみたいに地価が上がっておるときにおきましては一月一日現在の価格よりも高くなるというようなことはあろうかと考えるわけでございます。そういうふうに適正に評価をしないで、時点修正なり、品等比較をしないで単に上がりましたというようなことで地価公示にぶっかけて取引をするという事例があろうかと思いますが、そういう場合のその中身としては、そういうようないろんな事情が入っているのだろうと思います。
#102
○春日正一君 あなたもう何とかかんとか言い抜けようとしているけれども、適正な価格といって、そうするといま私が言った富岡地区の公示価格、それは四十五年の公示価格が二万三千五百円ですわ――平米。ところが、四十八年は四万七千五百円と、つまり四年間で倍に上がっているのですね。こういう値段の上がり方というものが適正なものだというふうに政府は考えておいでになる、そして、そういう立場でこれからも地価対策なり、土地政策なりを進めておいでになるというのか、そこのところですよ。
#103
○政府委員(高橋弘篤君) 私の申し上げることはそういうことではございませんで、先ほども申し上げましたけれども、地価の上昇するということはまことに私どもも遺憾と思いまして、一般の土地取引ももちろんそうでございますけれども、また公共用地の取得にあたりましても、地価上昇がほんとうにいろんな事業の遂行の支障になっているわけでございます。したがって、地価の上昇を何とかして食いとめる必要があると私どもも考えているわけでございまして、そのためのいろいろな施策を大いにやる必要があるということを認める点におきましては同感でございます。ただ、私ども先ほどから申し上げておりますのは、いまの地価公示の出しております正常な価格というものは、現在の鑑定評価理論からいいましても、どうしても交換価値をあらわすものである。したがって、現在の体制のもとにおきましては、これはどうしても、経済価値の上昇なり、需給のアンバランス等、そういう事情によりまして取引価格が上がったり、また収益が上がったりしますと上昇してくるということでございまして、私たちそれが正しいということじゃございませんで、こういろ地価公示という正しい、正常な価格というものを早く全国的に整備をいたしまして、それを大いに活用する方策をこれから考えなきゃならぬというふうに申し上げておる次第でございます。
#104
○春日正一君 その議論は、もう幾ら繰り返しても同じだから言わないけれども、しかし、とにかく四年間に倍にもなるというような公示価格がですよ、そういう地価公示というものが正常なものだし、それを全国的に及ぼしていって、全国四年間に倍になるような形でやられたらやり切れるもじゃない。実際、だから、一般に取引されている取引価格の追認に過ぎないのだから、地価抑制には効果がなかったと、私はこれを認めるべきだと思うけれども、もうそれ以上ここで問答してもむだですから、私はまあそう思うというふうに言って先に進みますけれどもね。
 ここで、この最近の傾向として、こういう地価の騰貴というものが、結局、宅造業者とか不動産業者の土地の買い占め、そして売り惜しみというようなことでの地価の異常なつり上げ、そこから来るということで、地方自治体で新しい動きが出ておるわけですね。たとえば千葉県では地価対策要綱というのを出しておるし、それによると、いろいろここに書いてありますけれども、結局、これは新聞の要約のほうを、私はわかりいいから読みますけれども、こういうふうになっていますよ。「このほどまとまった「地価対策要綱案」では1、十へクタール以上の大規模開発をする業者に販売価格の協議を義務付ける」、つまり県とのですね、「2、協議の際は土地取得費、造成工事費、諸経費を含めた造成原価を報告させ、県がこれを公表する3、販売価格の適否は、県の宅地問題協議会の中に宅地販売価格審査部会を新設、地元市町村長の意見を加えて審査する4、販売価格はすべて原価主議を原則とする」というようなことで、つまり、単に成り行きで、そこの宅造会社が売り出す値段に公示価格をあわせてつけていくようなことじゃなくて、やはり製造原価主議でもって、そうしてこの原価にどれだけの工事費がかかって、どれだけの金利がかかって、それでやっていけば適正な利潤というものを加えてもこの値段で売れるのだというようなものが、ほんとうの意味での適正価格なんだという立場から、千葉県といえば友納さんはあれは自民党の知事さんでしょう。そこですら、こういう条例をつくるというようなことをやり始めておるわけですね。
 それからもう一つ、同じく千葉県の鎌ヶ谷市では、四十八年一月三十日に東武鉄道と大成建設、同じく三十一日に三井不動産に対して、文書でもって、分譲価格を適正にしてほしいという申し入れをしておる。それで東武の場合は、鎌ヶ谷駅の車一・五キロの栗林など二十六万平米、昭和四十二年までにこれを買収して、鎌ヶ谷市の都市計画課の調べでは三・三平米当たり二万八千ないし二万九千円で買収している。そうして、この周辺の地価は、いま約十万ということが相場になっている。ところが、四十七年度に造成が完了して、まあうわさにされた話としては、県道沿いの一等地は二十五万円、そのほかの所も十五万円程度で売り出すということが出てきたので、そういうことになると周辺の地価が上がってしまって、鎌ヶ谷市としては学校の敷地とか保育所など公共施設用地の取得がますます困難になるということで、適正な価格、つまり、現在、周辺が相場になっている十万円で売ってくれと、それ以上高い値段で売ってくれるなということを、いま言った三つの大きな不動産業者ですか、宅造業者ですか、それに申し入れをしておる。こういうことになっているのですね、地方自治体の動きは。おそらく、これは全国に広がっていくと思うのです、急速に。
 だから、こういうことを考えると、いまあなたの言われたように、これは適正価格でありますからということでいままでやってきた、この大企業が値段を、取引価格をつくっていくものを追認していくような方式というものは、いまでは有害になっている。いま言ったように、周囲は十万円だと、栗林を買った値段は二万八千円か二万九千円。ところが、それを造成して二十五万から十五万で売るというようなことになれば、周囲もそれにつれてやはり十五万以上になるわけでしょう。全体をつり上げると、そういうためにマイホームも困るだけじゃなくて、公共事業の用地が取得できなくなるというようなところへきているわけですね。だから、そういう立場から見ても、あなた方がいままで考えてきたこの地価公示というような考えは、考え直してみなければならぬのじゃないか。そういう動きに対して、あなた方はどういうふうに受け取っておいでになるか、そこらを聞かしてほしい。
#105
○政府委員(高橋弘篤君) 千葉県及び鎌ヶ谷市の例は、私も承知いたしております。
 先生御指摘のとおり、千葉県、これはまだ施行していないわけでございまして、これからでございますけれども、この価格の問題でございますけれども、価格は、原価に造成宅地の位置だとか、品位及び用途というものを勘案しまして適正価格にするということでございまして、この価格はやはりほかに通用する価格であるというように私ども考えておるわけでございます。したがいまして、こういうふうに千葉県がこんなものを出しましてチェックするということ、これは一つの地価対策としての方針であろうと私どもも望んでいるわけでございます。こういう点からしまして現在の販売価格に地価対策として何ら触れてない点をひとつ反省しまして何らかの対策を考えなければいけないということで、先ほど申し上げましたような国総法の中では土地取引に初めて公的な介入をするという方法をいま盛り込んでいるわけでございますけれども、簡単に申し上げますと、一つは、届け出、中止勧告制度、もう一つは、そういう都市の市街化がどんどん進んで地価が上がるというようなことにつきましての特別の規制を加えるというものでございます。また先ほど先生もちょっと触れておられたような、法人企業がこういうところにつけ込んで投機的にいろいろ土地の買い占めをすると、それに対しましては土地税制による投機抑制の方法というようなものを政府部内でいろいろと考えているわけでございます。先生のおっしゃるとおり、私どもも地価の安定策、何らかの都市生活の安定のために、また公共事業をもっと円滑にやるためにも必要かと思います。私どもも関係各省とも十分打ち合わせて対策を講じてまいっております。また今後とも十分検討したいというように考えております。
#106
○春日正一君 そこでいま言ったように、地方自治体のほうが住民に密着しておるし、
  〔委員長退席、理事沢田政治君着席〕
用地を直接に手に入れなきゃならぬ立場にあるものだから、やはり建設省よりも一歩先へいっている。その点はやはり反省しておく必要があると思うんですよ。
 そこでその次に、公示価格がどういう役割りを果たしてきたか。民間の場合にはそういう役割り、底値をつけるような役割りを果たしてきたんだけれども、そういう意味で政府は土地政策全体の中で地価公示制度の役割りというものをどういうふうに位置づけておいでになるのか、また公示の対象区域をいまなぜ拡大するのか、この点を聞かしてほしいんですが。
#107
○政府委員(高橋弘篤君) いままで申し上げたこととも重複しますので、簡単に要点だけ申し上げるわけでございますけれども、土地の値段のっけ方というのは先生御承知のように非常にむずかしゅうございます。一般の土地を買おうと思った人がそこの土地が幾らであるかというのは、ほかの商品と違ってまるでわからない、判断ができないわけでございます。そういう際にやはり非常なつけ値とか呼び値ということで影響されて高いものを買うということになるわけでございますから、そういうことのないようにするということ、もう一つは、公共用地の取得にあたって地価抑制のために公共用地取得が地価値上げの限界の中になければならぬというようなことであったことも御承知のとおりでございます。ただし先生のいろいろ御指摘のように、この地価公示法だけでそれじゃ地価安定策ができるかというと、これは私どももできないと思います。むしろ地価公示制度をどうして活用するかという方法だろうと思います。四十五年から公示されて以来四年間にわたってなおまだ整備が十分されていないわけでございますから、早くこれを拡大整備したいということでございます。大いに活用するためにはどうも地点数が少なく、また地域も部分的では活用しにくいという点がございますので、全国的にこれを行ないたい。その第一段階といたしまして、適当な今後の地域の拡大を私ども都市計画区域に拡大いたしたいというようなことを考え、市街化区域というのは一番土地利用の面で重要なことでございます。土地取引もひんぱんに行なわれておるところでございますので、そういう点にまず拡大をしていく、これは今後の基本政策の第一段階というふうに考えておる次第でございます。
#108
○春日正一君 私は土地政策全体の中での地価公示というものの位置づけということをお聞きしたのですが、拡大したいというけれども、いまの数が少ないから効果がなかったということじゃないわけでしょう。
  〔理事沢田政治君退席、委員長着席〕
さっき言ったように、もう最初の構想自体の中に矛盾があって、それがはっきり出てきたわけですね。一方では公共用地の取得、これは地価公示価格を規準にしてやれと、一方では、民間取引は野放しにしておいてその取引価格を追認していくというような形で地価公示をしていくというような点に矛盾があって、現実には公共用地の取得は、あとで述べますけれども、ますます困難になってきておる。そうして一方では地価はどんどんどんどん上がって公示価格が四年間で倍になる、そういう結果が出ておる。そういうものをさらに地点を全国に広げて何十万ヵ所かにしたら同じ方式を続けても効果があるというふうに考えられるのかと――私はそういう問題じゃないと思う。
 だから一体あなた方は土地政策の中でどういうふうにこの地価公示というものを位置づけておるのかということをお聞きしているわけです。この点いえば、四十八年一月二十六日の「土地対策について」という地価対策閣僚協議会の決定、閣議了承、これによりますと、国土の総合開発ということを前提として、第一に、土地利用計画の策定と土地利用の規制、それから土地税制の改善、宅地供給の促進というようなことがうたわれておって、この土地利用の計画の策定と土地利用の規制ということの中の第六番目に、「公的土地評価体系の整備」で、「全国にわたり公共用地の取得価格の適正化等を通じて地価形成の合理化に資するため、市街化区域全域のみならず、市街化区域以外の区域の宅地についても地価公示を行なう」、そういう方針を出しているわけですね。だから公共用地の取得価格の適正化、それを通じて価格全体の形成の合理化に役立たせる、こういうふうに位置づけをしておるわけですね、これは。
 それからこの改正案の提案理由の説明の中でも「最近、土地に対する投機的取引や適正価格を上回る取引が多く見られ、しかも、その傾向が市街化区域にとどまらず、全国の都市及びその周辺地域等において見られる状況となるに至っております。このため、地価公示の対象区域の拡大をはかる」、こういうふうにいっておるわけです。
 だからこの地価公示の位置づけというのは、やはり土地の値がどんどん値上がりしていってまずいのでそういう傾向を抑制していく。そういうことのためにやはりそのいろいろな施策の中の一部として位置づけられておるということは、こういうものによってもはっきりしておると思うのですよ。しかし、これは前に、地価公示制度が実勢を越える民間の土地取引に抑制効果をもたらすというふうに言っていたことから見れば、公共用地の取得価格の適正化を通じて、というふうに位置づけはだいぶ後退さしている。また、そうせざるを得なかったというようにも考えられます。だから結局、政府の土地対策の中で、公共用地の適正な価格での取得ということを今度の改正で出してくる場合には、従来以上にウエートが重くなったような印象を受けるわけですけれども、その点はどうなんですか。
#109
○政府委員(高橋弘篤君) ただいま御指摘の一月二十六日の土地対策要綱と称するものの中の第六をお読みになりましたが、「全国にわたり公共用地の取得価格の適正化等を通じて」ということで、さっきから何度も申し上げております、また、御指摘ございます、目的の中でも、二つまあ大体例にあげて「等」と目的は言っております。その中の一つだけをここにあげて、あとは「等」ということでございまして、地価公示制度のやはり現在の目的をそのまま、これを通じて地価公示制度の合理化を促進するということで、変わったという感じは持っておりません。しかし先生の御指摘のように、またさっきも申し上げましたように、公共用地の取得が、以前におきましては地価上昇の先導役みたいな形を果たしたということがございますから、そういうことのないようにということで、地価公示制度ができた背景は一つの背景としてあるのでございます。
#110
○春日正一君 そういうことで、公共用地の取得を通じてというふうに位置づけられておる。
 ところで公示価格で公共用地がどの程度取得されておるのか、その状況をお聞きしたいと思うんです。それで特にその場合、土地収用法の適用対象となる土地ではなくて、都市開発基金制度と、それから公有地拡大推進法による先買い制度、これに基づいて、任意の協議によって取得するそういう公共用地の取得の状況について概要を聞かしてほしいと思うんです。
#111
○政府委員(高橋弘篤君) 公共用地の取得は、大部分はこれはもう任意交渉でございます。土地収用というものは、もう例はごく少のうございます。その場合に、任意取得にあたりましても、御承知のように、地価公示法では、公共用地の取得にあたっての価格は、すべて「公示価格を規準としなければならない。」ということになっておるのでございまして、最初に申し上げましたので、もうあらためてまた詳しく申し上げませんが、地価公示の対象地域におきましての事業施行個所からの報告によりますと、規準にできるところはすべてしているという報告を私どもは受けておるのでございます。
#112
○春日正一君 まあすべてそうやっておるということですが、具体的に言えば、東京都で、企業側と協議がまとまってあと地を買収できたものというのは、年度にすると七〇年度で件数として十四件、十三ヘクタール、金額七十億円、単価五万四千円と、それから七一年度は三十件、二十四ヘクタール、百五十一億円、単価六万三千円、七二年度八件、面積として四・六ヘクタール、四十億円、単価八万七千円というような形で、東京都の場合を見ると、この七二年度の場合には、四十七件のうち八件しか取引が成立しないで、あとは流れてしまっております。
 それから自治省のこの資料によっても、これは、「公有地の拡大の推進に関する法律に基づく先買制度の実施状況等」というのを見ますと、届け出・申し出件数、これが四千五十八件、買い取り協議の件数が千二十三件、実際に買い取った件数が百六十四件、買い取り面積五十四万平米、買い取り価格平均二万六千三百円、現在協議中三百二十二というようなふうに、実際に出されてくるものに比べれば、協議が成り立って買えるものというのは非常に割合が少ないわけですね。しかもこの単価は、どんどん上がっていくというような状況になっておるわけです。
 それについて、毎日新聞の六月二十七日号を見ますと、こういうふうな解説をしておりますよ、「二ヵ月で二倍強」、「地方公共団体の土地の先買い」ということで、二倍強になっておるという点を評価しているけれども、「買取りの平均価格は地価上昇を反映、二月末現在の一平方メートル当たり約一万四千円に対して、今回は二万六千三百円とぐんとはね上がっている。」というようなことで、わずか二ヵ月の間に八割方、一万四千円から二万六千三百円、それだけはね上がっておるということを書いておる。だから、非常に高い値段で買わなけりゃならなくなってきておるわけですわ。
 だから結局、そういうことになってくると、公示価格に縛られてしまって、先ほども、この問題、田中委員のほうから出されましたけれども、地方自治体が容易に買えずにいる、そうして必要な公共用地が取得できないで、むしろ公示価格が低値になって、いろいろ縛られている間に、民間企業が横からきては買い取っていくというような事例がたくさん起こっているわけですね。たとえば、NHKのあと地の問題これはよくいわれますけれども、これは公示価格の約二倍というような値段で買い取っておりますし、それからもう一つの例として、ここにこういう新聞の材料がたくさんありますけれども、たとえば足立区の井関農機の東京工場のあと地ですね、これは四・四ヘクタールですけれども、ところがこれは東京都に売却のきまった日立の亀有工場のあと地と、日本住宅公団が買収した日立建機との隣接地域――これは写真かなんか出ておりますけれども。そこで都は、都立高校の敷地として買いたいということで話を始めて、ところが周辺の公示価格は一平米当たり十万から十八万ということになって、それで話がまとまらない間に、三菱商事のほうが約二十七万円で買ってしまったということで、それでこの周辺の地価も、それでもってぐんとつり上げられてしまって、足立区が予定しておったこの公共用地の取得にもたちまち影響してきた。結局これは足立区が中に入って、この四・四ヘクタールのうちの半分は都に譲るということになったということで、このあと、私、東京都のほうへ聞いてみたら、そういうことになっているようですけれども、とにかくそういう形で、公示価格でもって買おうと思って――これを規準にしなければならぬというのだから、交渉している間に、フリーな民間の大きな資本がきて、その倍もの値段でばあっと持っていってしまうというような事例が非常に多くなっています。
 それで、先ほども言ったように、公有地拡大推進法の先買い制度で東京都の先買い状況を聞いてみますと、四十八年の一月から三月までに届け出件数が六十七、協議に入ったもの二十二、このうち破談になったものが十六件、協議続行中が六件、成立ゼロということになっていますわ。だから新聞なんかでも、「公共用地先買い実績ゼロ」、「地価上昇、折合わず」、「東京拡大推進法も空振り」と、こういうふうな形で新聞も批判的な報道をしておる。そしてこういうものの一つの例として、府中市西原町の約三千平方メートルの土地を東京都は看護婦の宿舎用地にということで坪当たり十七万円で買おうと言った。ところが、売り手のほうは二十七万円で、それでなきゃ売らぬということでとうとう都は断念してしまわざるを得ないというようなことになっているんですね。
 その例は幾らでもありますけれども、だから結局先ほど来も話があるように、公共用地の取得という面では公示が役に立ってきました、きましたと言っておるけれども、現在はむしろこの公示価格がじゃまになって公共用地の取得ができなくなっておる。ということは、それほどに民間の方はフリーだから高い値段でさらっていってしまうという、土地騰貴のあらわれだと思うんですけれども、そういうような状況になっておるんですね。こういう点をあなた方も御存じなんでしょう、どうですか。
#113
○政府委員(高橋弘篤君) 公共用地の取得が公示価格を規準にしなければならないとなっておるために、なかなか取得がむずかしいということを私どももよく聞きます。しかしながら、何とかしてこれはやはり地価の安定を公共機関がはかるという一つの方策でございますから、公示価格で土地を取得するということは努力をしなければならぬと私ども考えております。そういう意味におきまして、相当のこれは苦労が地方公共団体は要ると思います。国及び公団等も同じでございます。しかしながら、どうしても政府といたしまして、これ、地価の安定策をはかる必要があるわけですから、公示価格を規準として土地を買うことによって付近の地価の引き締めみたいなものをはかるという意味があろうかと思います。そこで、どうしても規準価格で、いろいろ支障はありますけれども、努力したいと考えております。
 ただ先生御指摘の東京都の先買いの状況、これ三月までのことを御指摘でございましたが、その後いろいろ進みまして、十二月一日からこれは施行でございますから、最近の状況を申し上げますと、四月末までの件数によりますと、協議通知件数三十九件、そのうち協議成立件数が六件、なお協議件数が十二件ということになっているわけでございます。これは相当努力して東京都もこういうふうにまとめられたものと思います。たいへん苦労多かろうと思いますが、再度申し上げますが、これを基準にして私ども、取得するように指導してまいりたいと考えております。
#114
○春日正一君 指導してまいりたいというけれども、もう一つの例を言いますと、杉並の例ですね、これなんかを見てみると、高円寺北一丁目のマンションの予定地二千三百平米、これを昨年の七月に公園用地ということで住民が運動して区がその住民の要望にこたえようというので買収交渉に乗り出したときには、地主はTという不動産からOという不動産に変わってしまった。そうしてこの
○不動産会社は一平米六十万円でなければ売らぬということですね。区側は、大蔵省の相続税評価額とか、建設省の地価公示価格をもとにして、月間の地価上昇率二%というようなものを加算して見ても、最大限四十六万五千円しか出てこない。そういうことで区はもう何を言われても財源にワクがあって、できない相談だということになってしまった。だから、あなたは、公示価格を守るようにさせたい、守るようにさせたいと言うけれども、つまり守れということは土地を手に入れるのをあきらめろということに通じてしまう、現在では。これは公団でもそうでしょう。最近公団の宅地取得が非常に困難になってきている。もちろんそれは宅地取得だけじゃなくて、いろいろな付属の施設その他の関係で地方自治体が拒絶反応を示すというような面もあるけれども、しかし宅地の入手ということが非常に困難になっているわけでしょう。こういう状況を乗り切るのに対象区域を拡大しただけで解決できるのかどうか、そこのところを聞かしてほしいと思うのですよ。
#115
○政府委員(高橋弘篤君) 一般の取引でも公示価格を、私ども、指標として目安として守ってもらいたいという気持ちは大いにあるわけでございます。したがって、それも公的な立場にあるものとしましては、公共用地の取得はどうしても規準にして用地を取得するようにいろいろくふうをしていくべきだというふうに考えます。したがってこの用地の取得につきましては先行取得をもっとやるとか、その他用地取得についての対策はいろいろ考える必要があるわけでございます。公有地拡大法もそういう趣旨で少し計画の早い段階で必要な用地を取得しようということでございます。そういうふうな、少なくとも用地取得対策を考えながらそういう困難さを何とかなくしていきたいというふうに考えてそういうふうに指導してまいるつもりでおります。
 この地点をふやすということにつきましては、これは先生の御指摘がございますけれども、公共用地、市街化区域だけじゃございませんで、調整区域等、その他の未線引きのところにおきましてもいろいろ今後あるわけでございます。したがいまして、公有地拡大推進法の改正案、いま国会で審議されております改正案におきましても、これは都市計画区域にこれは拡大をいたしております。そうして先生の御指摘のように、公有地拡大推進法の中でも、用地取得の規準は公示価格ということになっておるわけでございますから、そういう関係もこれあり、私どものほうとしては何とか都市計画に公示対象区域を広げることを認めていただきたいということを考えておるわけでございます。
#116
○春日正一君 どうも、手に入らなんで困っておる、公示価格じゃどうにもならなくなってきているのだと私が言っているのに、あなたは、いや公示価格で手に入れるように指導いたします、こう言っておる。結局どういうことになるかというと、さっき言った府中の西原町の問題の出たときに、新聞の記事によりますと、建設省の吉田都市局長、御本人おらないから私あなたに答弁してくれというのは、同僚だからぐあい悪いから、これは大臣に聞きますけれども、こう言っているのですね。どうしてもほしければ、都市計画を決定をして、そうして民間売買を押える方法もあると、こういうふうな言い方をしておるんですよ。これは、都市計画決定をして収用法をかければ、それは公示価格で取れるでしょう。あなたが言っているどうしても取れということになると、結局そうせざるを得なくなるんじゃないのか。ここでそういうことを言っておるわけですね、都市局長は。大臣は、いまの問答をお聞きになっておって、どうしても公示価格で公共用地は入取させるように指導しますと、こういって都市局長は答えておるし、実際に自治体の、私はたくさん例をあげれば幾らでもありますよ。公共用地をほしくても、公示価格のワクに押えられておって、買えずにいるのを民間にどんどん持っていかれてしまうという状態にあるという、こういうときに、いまの都市局長の言うように、どうしてもほしければ都市計画を決定して収用でも何でもかければ取れるんじゃないかというような考え方で行政をお進めになるのかどうか、その辺のところを聞かしておいてほしいと思います。
#117
○国務大臣(金丸信君) 御指摘の土地公示価格制度でございますが、そのために公共用地を得ることができないという例があるか、それは実際問題として民間に取られてしまったという例があるということは、私も耳にしております。そういうことで、住宅公団等非常に苦労しておる面もあるわけでありますが、さりとて、手荒な方法によって政府はこれを手に入れてやるということも、行政のやるべきことじゃない。そういう面でこの問題については、創意くふうしてやらなきゃならぬという時点だろうと考えておる次第でございます。
#118
○春日正一君 大臣の言う創意くふうというのは、非常に幅の広いことばですけれども、私はいまもうそういう土地問題の様相が新しく変わり始めてきている、そういう時期に来ておると思うんですよ。ある学者の説では、土地取得の投機の基礎条件が変わってきておる。買い占めの対象が、大都市地域では市街化調整区域に向けられておったけれども、自治体の抵抗で宅地開発がむずかしくなってきたので、遊休させたり、ゴルフ場化など、実質的に未利用地のままに残しておる事例が多くなってきておる。これは、この前三井不動産の江戸社長ですか、あの人も調整区域に対しそういうものは適正な値段ではき出してもいいというようなことを言われたことがあったように思うんですけれども、そういう傾向がある。大都市周辺の県や人口急増都市などで、大企業の悪質な土地投機について、思い切った対応策を打ち出し始めた。さっき言った千葉の条例とか、鎌ヶ谷市の申し入れということで自衛の意味でそういう対策をとり始めた。
 それから農民の土地の不売運動というものが、農協とかいろいろの団体で始まってきているというようなことになって、土地の取得の条件というものも基礎的に変わってきている。変わる徴候がずっと出てきている。そうして、公共事業やそういう面から見ても、土地の取得が非常に困難になったり、一面では土地投機が特に最近盛んになって、急激な土地の値上がりができ、買占めがやられて、みすみす目の前に土地を見ながら、公共事業ができないというような事態が起こっているわけですが、そういう事態を踏まえて、やはりどうするか、そういう中でそれではこの地価公示法というようなものでいいのかどうかということが見直されなければならぬところにきている。そこで前のままで広げるという形で出てくるものだから、私どもどうもおかしいというふうに言わざるを得ないわけですが、そこで次に、それではなぜ広げるかということで、私は国総法と地価公示制度とやはり深い関係があるから、特に今度提案してきたのは、そこの関係で広げると言ってきたのではないかというふうに思えるので、そういう点をお聞きしたいと思います。
 それで、今度の改正案で訓示規定を設けておりますけれども、民間取引の規制ができない以上、公示区域を広げても、ふやせばふやすほど公共機関だけがそれにしばられて、用地の取得が一そう困難にならざるを得ないだろう、しかし、それでもなお公示区域を広げるというからには、やはりそれだけの理由なり目算があっておやりになるはずなんだから。あなた方だって私どもより頭はもっといいはずなんだから。これほど矛盾が出てきたものを、なお広げようというからには、一体どういうねらい、目的があってなさるのか、そこのところを聞かしてほしい。
#119
○政府委員(高橋弘篤君) 地価の安定をはかる施策をいろいろ講じなくてはいけないことは同感でございます。何べんも申し上げるように、そのためには一つの方策だけではいまの状態はなかなかうまくいかないわけでございまして、総合的ないろいろの対策を考えておるのでございますが、もう詳しく申し上げません。
 一月二十六日の地価対策要綱に基づきまして、一応総合的な政府の当面の施策をきめたわけでございます。その中の一つとしてさっきもお読み上げいただきました公的土地評価体系の一元化というような目標に地価公示制度を拡充しようということでございます。したがって、地価公示制度だけで私ども地価安定策をはかろうというようなことではございません。そういう総合的な土地政策の中での一つの方策、しかも、それを基盤として将来地価安定策をはかろうという趣旨のものであるわけでございます。
#120
○春日正一君 もちろん私もさっきから読み上げたように、いろいろ税制もあるし、あるいは土地利用計画もあるし、そういうものの中で地価公示制度というものを位置づけて、全体としての土地対策ということに役立てようというたてまえになっておるということは、私もさっき読み上げておいたので、私もそういうふうなものとしてみてきて、少なくともいままでの四年間の実績ではむしろ有害であって、たいして効果はなかったというふうに私はいままで言ってきたのですけれども、それでも広げるのはなぜかということで、その広げる理由を説明にならなかったけれども、しかし、公示価格の効力というものは地価公示法の第三章でもはっきりしておるように、土地収用法というような強制収用の対象となる公共事業の用地の場合には、これはもういやおうなしに適用されるわけですから、だから、これには効力が一番強くあらわれるわけですけれども、しかし、同じ公共事業でも、先ほど言ったような公有地拡大推進法みたいな、強制的にやるものでないものというものの間には、効果は当然違ってくるわけです。
 さらに民間の取引ということになれば、これは一そう違ったものになってくるということですね。つまり公権力による強制収用をバックにしておる場合だけ公示価格を規準とした取得ということが可能になるというのが現状だと思うのです。そうしてそういう意味で先ほど吉田都市局長の談が出ておった点を私は注目したわけです。そういう考えが腹の底にもあるのかなということをつまり府中の地所の場合ですね。どうしてもほしけりゃ都市計画決定をしてやり、認めるという話ですね。それを私は注目したわけですけれども、そういうことになるわけですね。そうしたら行政上非常に大きな差別が出てくるわけですね。つまりそういう強制収用の対象になるような公共事業の場合には安い値段で無理やりとられる。ところが公有地推進拡大法みたいな強制力を持たないものになってくれば値段が折り合わなきゃもっと高く売れということになってくるわけだし、民間の場合にはそれがほとんど拘束力なしに自由に値段きめてやっていくというようなことになるわけですから、そうすると非常な不公平が出てくるわけですわ、行政の上で。ある特定の事業の対象になるものだけが公示価格を規準にして取り上げられなきゃならぬというようなことになってくるんですね。これは非常に不公平じゃないか。憲法二十九条でいう正当な補償という精神にもこれは反してくる。
 そうしてこの点では水源地整備のあの法律の問題のときですね、計画局長は単なる財産補償だけでは矛盾があるから研究会つくって研究もしていくと言い、私も四十七年度の建設白書を読んで、財産補償だけでは矛盾がある、当然生活権の補償という問題を考えるべきではないかということを、ここでついこの間議論したばかりですけれども、やっぱりそれと同じような意味でいえばこの公示価格をそういう形で公共事業に適用していくということになって、しかももし売らなきゃ収用権を発動するぞといううしろに伝家の宝刀があるとないとでは受けるほうでえらい違うわけですから、そういう意味ではやはり地価公示法の威力というものはそういう公共事業に特に影響があるし、そこに効果が発揮されるということになるんじゃないかと思うけれども、その点どうですか。
#121
○政府委員(高橋弘篤君) いろいろ御指摘でございますけれども、公共用地の取得の規準に私どもぜひしたいと努力したいというのは前も申し上げましたが、簡単に申し上げますと、私ども役所が地価上昇に拍車をかけるということはしたくない。むしろ地価の安定に役立てたいという意味のことで、これはどうしても努力しなければいけないと思います。収用の問題の話が出ましたけれども、これは全く例外のことでございまして、私も先ほど収用のことは触れておりません。大臣もお答えいただいたようにそういう気持ちで今後もやるわけでございます。
 したがって、公共用地の取得はいろいろくふうしなければいけませんが、やはり何といっても先行取得というようなことを今後大いにやる、そういうことによって公共用地の取得を円滑にする。公有地の拡大推進法によります先買いもこの一つでございます。そういうようなことを私ども繰り返しくふういたしまして、何とか公共用地の取得を円滑にしたいわけでございます。かりに収用いたしました場合におきましても、そういう収用法の対象になりますと、御承知の土地所有者の譲渡所得税の相当の減免制度がございます。そういうようなことも十分あわせて考えて土地所有者が非常に不利になるということがないようにいろいろくふうしてまいりたいという考えでございます。
#122
○春日正一君 それはさっきからあくまで公示制度は守りたい、守りたいと言っているんだけれども、ここでも何回か問題になったように、NHKの会館のあと地ですね。あと地といっても建物も乗っておるんだけれども、あれが坪当たり千百十万ですか、こういう値段で買われて、建物分差し引いても約八百万円だといわれている。そうして隣接地の公示価格は四十七年度で、港の五の一、港区新橋一丁目二十八番の一というところですね。これ平米当たり百八万円、坪にして三百五十六万円、四十八年度は百五十一万円、坪にして四百九十八万円、こういうことですから、だから公示価格でやれやれといっても、それは公共事業に限られておって、民間のこういう取引が自由に許されておれば、たとえばあの辺がそういう相場で買われたということになれば、あの隣りの地所だって上がるでしょう、相場が。当然近傍類地であの近所は上がることになりますよ。
 だから、こういうものを一方では野放しにしておいて、それで他方では公共用地は公示価格でというようにしぼるということは、これは非常に大きな矛盾だと思うんですね。だから公示価格制度というもののほんとうに効力のある面というのは、結局、土地収用制度の補完をするもの、それ以外には何にもないと思うんです。収用法の改正とセットで出てきたもんですから、あのときに、収用法は前の年ですか、通ったのは。あのときにもごね得論でごね得をするからさせないために地価公示が必要なんだし、収用法も変えて、計画決定時点の値段で取るというようにしなければ、ごねて時間延ばせば上げられるからというようなことが一つの議論の中心だったと思うんですよ。そうしてそういうものと対になって出てきた公示法ですね。だからあのときには、むしろそういう公共用地の取得が地価のつり上げを促進するようなことになるから、そうさせぬための効果ということが強調されてきたわけです。だから、そういう意味でいえば、この制度というものは大体公共用地を取得する、そういうことが主として土地収用制度を補うものとして出てきておった、そういうふうなことだったと思うんですよ。だからあなたがいまそれを言っているけれども、現在は事情が違って、そのことがむしろ足かせになって公共用地が手に入らなくなっておる。押えなければならぬのはまさに民間の投機なんだ。そういうところにきているわけでしょう。
 しかも、ここで強制収用の対象になるというものは、たとえば高速自動車国道とか、あるいはインターチェンジ、流通センター、新幹線の用地、港湾用地というようなものが収用の対象になっているというふうに考えてみて、そしてこの間もここで審議された道路五ヵ年計画が繰り上げられ約倍、十九兆五千億に広げられた、そして高速自動車道路をつくるキロ数が六十年に一万キロというような方向に延ばされていっている。あるいは今度の国鉄運賃法の改正で新幹線の敷設ということが大きなやはり国鉄再建計画の筋になっておるというようなことを考えれば、この地価公示制度をいまのままで全国に広げるということになれば、結局そういうことのための土地を強制的に取り上げる根拠として地価を調べておくということにならざるを得ないんじゃないですか。そこに今度の改正の目的があるのじゃないか。それ以外に考えようないんですよ。こんなに矛盾がひどくなってきたものを、何でこのままさらに全国に広げる必要があるのか、根拠があるのかというと、いま言ったように、これからやろうとしておるそういう膨大ないわゆる全国総合開発計画というようなものの壮大な公共事業、そのための非常にたくさんな広範囲にわたる土地の取得、そういうことを考えなければ、ほかにこんなものを広げる、改正する理由というものはわからないわけですわ。そのほかに何か効果ありますか。
#123
○政府委員(高橋弘篤君) いろいろ御指摘がございましたが、民間の取引につきまして、単にこれは目安、指標だけじゃなしに、何らかのやはりチェックをすることがで、きれば非常にこれはいいということは、前々から思っておるわけでございます。したがって、今回の国総法改正でも、先ほども申し上げましたように、届け出、中止勧告制度、また必要に応じては特別指定区域というものもあるわけでございます。したがって、そういうような地価公示制度を活用するという方法をいろいろ考えなきゃいけないわけですが、さしあたりそういう国総法改正でございますが、もう一つ、この参議院の建設委員会の法制定のときの附帯決議にもございましたような、公的な評価体制の一本化の問題、それから土地高価譲渡所得税というようなものを創設するというような問題、これはやっぱりどうしてもこういう地価公示制度が全国的に整備されなければ、つまり全国に土地の値段がきまってなければなかなかできないことが非常に多いわけでございます。したがいまして、私ども土地対策の一環としまして、どうしても早くこういう地価公示制度を整備拡充したいという一心であるわけでございます。
#124
○春日正一君 ここでも問題になっている問題で、たとえば固定資産税の評価、それから相続税の評価、それと、これの地価公示の価格と全然別々になっているという指摘ですね。これは私、道理あると思っています。しかし、固定資産税なり相続税なりの評価というようなことの便宜のために地価の評価を一致させようというなら、これは建設省のやる仕事じゃないですよ。自治省なり、大蔵省にやらしたらいいんで、建設省がやろうというからには、あくまで建設事業との関係でこの問題が取り上げられておる、だからそこに逃げちゃいかぬと思うのですよ。そこへ逃げちまったんじゃ話が違ってくる。大蔵省か自治省がやればいい仕事を、あなた方がそういう役にも立ちますからと、そのためにというのじゃなくて、建設省のやる仕事、たとえば高速自動車道路をつくっていく上に土地をどうしても取らなきゃならぬ、それには規準になる公示価格が必要なんだ、日本国じゅうにそういうものをつくるのだから、だから、どこへでもこの地点をうんと広げていかなければならぬと、そう言えば、一応あなた方が言っている――いい、悪いは別として、建設省の立場はわかるのだけれども、それのあれを、何というか、税金の関係でそういうポイントがふえたがいいというようなところに逃げたら、これは建設省の役人のすることじゃないですよ。
 だから、そういう意味でいえば、先ほどあなた全国総合開発計画が通れば、土地利用計画もつくって、土地取引の届け出制というようなこともできる、そうして、この公示価格に照らして著しく適正を欠く場合には、勧告をし公表もするという制度もあるし、許可制の場合には、公示価格を基準として算定した価格に物価の変動率を加えたものに比して適正を欠く場合と、こういう場合には許可しないこともできるというようなことになるというような面もあわせて、公示価格というものが生きてくるというふうに言われたのですけれども、やはり公示価格あるいは公示価格のないところでは近傍類地の価格を基準として土地取引のそういう届け出や許可制ということをとるにしても、公示価格は実勢価格を追認するものであるということは、もういままでの議論ではっきりしていることですね。これは前の川島局長もその点は追認しておりますし、確認しておるし、提案したときの――ここでの議論でも、さっき私の出した資料でも、実際の取引を追認していくというシステムのものでしょう。
 事実、さっき出した東急の富岡の宅地の場合でも、実際そうなっている。だから、そういうものである以上、許可制をとる特別規制区域での地価凍結といっても、すでにつり上がった高い水準で凍結せざるを得ないようなことになってしまう。だから、いま必要なことは、やはり民間の土地騰貴を厳重に規制するということですね。そうしてこの地価を凍結するというなら、ここまで上がってしまって手の出なくなったところで凍結するのじゃなくて、買い占めが非常に激しくなる前の、少なくとも三年なり五年前の地価を基準にして、まあそれに若干の操作を加える必要あるでしょうけれども、そこで凍結するということにしなければ効果がないし、一般の世論もそういう方向に向かっているわけですね。
 だから、こういう意味で地価の凍結もやり、それから大企業の新規な土地の買い入れというようなものも原則的に禁止をするというようなことにしてこそ、土地問題というのはほんとうに解決つくのじゃないか。その点では、私は、まあこれは新聞の報道ですからあれですけれども、自由民主党の若手の議員が集まって、そうしてやはり時世に即応した政策をとらなければならぬといって総理に建言をしたということで、その中で、やはり買い占められている遊んでいる土地を、これを買い入れ原価に管理費を加えた程度で国なり自治体に収用してそれを利用せい、というようなことを建議したというようなことが伝えられております。これは、私は新聞で読んだだけですからあれですけれども、大臣は御存じだと思いますよ。そういう情勢なんですね、御時世が。
 だから、本気で地価の問題に取り組もうとなさるなら、やはりそういう土地の、地価の凍結をやり、そうして大企業がかかえ込んでおる非常にたくさんの土地、これは建設省の調べたものよりはるかに多いようですね。私ども「赤旗」が調べただけでも全国で四十七万ヘクタールですか、そのくらいになって、まだ少ないだろうと思いますけれども、そのくらいになっている。宅地用地が八万ヘクタール以上あるといわれている。だから、そういうものを、買い入れ原価に管理費利息ぐらい加えた程度で収用して、そうして公共の用に使う、あるいはマイホームを求めている人たちの宅地に割り安で提供するというようなことにしなければ、公共事業にしても何にしても解決つかないのじゃないか。そこを、この公示を全国に広げて、それで何か地価の安定をはかろうというようなことは、いままで四年間の実績からいってもこれはむだなことだし、残されて悪く使われる面といえば、国総法による公共用地の取得の場合に、うしろに強制収用のだんびらをちらつかせながら国民の土地を安く取り上げていくということに使われるしかないのじゃないか。
 だから、そこらの辺で、大臣としては、いま言ったような積極的な手をやはり自由民主党としてもとらなければならぬところへきているのじゃないか。とらなければ、もう自由民主党の建設大臣としても、住宅政策なり何政策なりやろうとしたってやりようがないのじゃないかというところまできているのじゃないかと思うけれども、その点について私の主張したような点に対して、大臣の考えも含めてどうするかを聞かしていただきたいと思うんです。
#125
○国務大臣(金丸信君) 地価公示が土地高騰の抑制になるということにつきましてはなかなかむずかしい問題だと私は思います。しかし土地問題は何とかここで解決しなければならぬという時点であることも当然でありますし、また土地は公共のために優先すべきであるということ、この問題を解決しないということになると日本の将来の安危という問題に私は関係が出てくるのじゃないかとまで思い詰めておる一人であります。そういう意味で土地という問題につきましては、今回国会に国総法という法律案の中に土地に対する規制というような問題もあるけれども、あるいはこれじゃなまぬるいかもしらぬ、こういう意味でもっと徹底したいわゆる公共優先というものについて、われわれ一段と研究して対処しなければならないと私は考えておるわけでありますが、どちらにいたしましても土地問題という問題は非常にむずかしい問題でありまして、私は地価公示法というものだけが土地を抑制するとは考えられない、こう私は考えております。
#126
○春日正一君 じゃ終わります。
#127
○委員長(野々山一三君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#128
○沢田政治君 私は、日本社会党を代表いたしまして、地価公示法の一部を改正する法律案に対し反対の討論を行ないます。
 昭和四十四年に適正な地価形成に寄与することを目的とするとして、地価公示法が制定されたのであります。しかし四回の地価公示が行なわれてきておりますが、この間、地価は高騰に高騰を続け、特に日本列島改造論にあおられて、昨年から今年にかけて、平均三〇・九%という異常な高騰を招いているのが今日の実態であります。
 この法律は、一般の土地取引価格に指標を与えることにしておりますが、地価の抑制に対し、何の機能を持つものでなく、高騰する地価を追認することとなり、一般には、最低保障価格として容認されるにすぎないのであります。
 また、土地取引を行なう者に対する公示価格の順守義務規定が公共機関に対してのみ適用され、一般には公示価格を指標として取引を行なうようつとめなければならないという精神規定が適用されるだけで、その実効にはほど遠いものであります。したがって、本法律制定以来その功罪を評価してみるとき、功薄く罪の部分が多いと断ずることができると思います。
 このように、今日のごとく異常な地価の高騰に何らの抑制効果がないにもかかわらず、けさのNHKテレビにおいて各党の都議選挙を前にした政策発表において、政府の与党である自民党は、地価公示法によって地価を抑制すると公約しているのであります。羊頭狗肉を売るとはまさにこのことであります。地価に無策な政府の不手ぎわをこの実効のない法律によって隠蔽する、隠れみのにすらなる危険性を感じるのであります。
 さらにまた、地価公示を市街化区域から都市計画区域に拡大することは、全国的な地価の高騰につながり、地価の高騰を拡散することになり、結果的には、乱開発を全国的に拡げ、自然環境の破壊に通ずることになります。
 特に私ども重要としなければならないことは、都市計画地域までこの公示地点を拡大することによって、いままで平静であった地価を、抑制区域の地価さえも高騰の導火線となり、特に連鎖反応的に農地にも実害が及ぶ可能性が大いにあることを私どもは指摘したいのであります。
 このような内容を持つ土地公示法そのものは、この際、廃止して、地価を現状において凍結することこそ必要であります。
 以上の理由により、わが党は、本案に反対であります。
#129
○竹内藤男君 私は、自由民主党を代表して、地価公示法の一部を改正する法律案につきまして賛成の討論をいたします。
 御承知のごとく、地価問題の解決は現下の緊急課題であります。政府は本年一月、土地対策の総合作戦計画ともいうべき土地対策要綱を決定し、思い切った土地税制の改正、土地の開発規制の拡充をはかる都市計画法、森林法等の一部改正、さらに土地の売買等の取引の規制の新設、特に一定区域について売買の許可制の新設といった強力な措置を盛り込んだ国土総合開発法案の提案等、地価抑制のための施策を講じているところであり、その成果が期待されるところであります。
 地価公示の制度はこれら土地対策の一環でありまして、地価についての権威ある調査に基づく地価の指標がなかったために地価形成が混乱することを防止し、適正な地価の形成に寄与すべく創設された制度でありまして、昭和四十五年の第一回公示から本年で四回の公示が行なわれ、ようやく国民の間にもその意義が認識され、かつ公共用地の取得にあたって公示価格を規準とする実績が積み重ねられ、相当の効果をあげるに至っております。
 今回の改正は、最近単に市街化区域にとどまらず、市街化区域と市街化調整区域の区域区分を行なわない都市計画区域内においても、土地取引が活発化している状況に対処するとともに、今回政府提案の国土総合開発法案において土地取引に届け出制をとり、届け出られた土地取引価格が公示価格に照らして著しく適正を欠く取引について中止勧告をし、さらに公表をするといった制度が設けられることに対応して、地価公示の対象区域を市街化区域から都市計画区域全域に拡大しようとするものでありまして、このことは土地の取引を行なう者の責務を明確にする規定を新たに入れたことと相まって、まことに時宜に適したものであります。
 以上をもって賛成の討論といたします。
#130
○二宮文造君 私は、公明党を代表して、地価公示法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行ないます。
 反対の第一は、地価公示法が、高騰を続けている地価の安定に効果をもたらしていないという点であります。
 申すまでもなく、地価公示法は、正常な土地の価格を公示することによって、土地の取引価格に対して指標を与えるとともに、適正な地価の形成に寄与することを目的として制定されたものであります。
 ところが、現実は、単なる目安としての役目しか果たさず、また、異常な高騰を追認する形で地価公示が行なわれていることも手伝って、かえって地価の高騰をあおっているというのが実情であり、地価政策として効果をもたらしているとは言えないのであります。
 さらに四十四年本法審議の際、本委員会で「公示価格を固定資産税、相続税等の評価の基準として活用するため、本制度の実施地域との調整について技術的な検討を行なうこと。」という決議を行なったのでありますが、いまだにその調整も行なわれず、公示価格ないしは地価対策に対する政府の熱意のなさを指摘せざるを得ないのであります。
 反対の第二は、今回の一部改正で、公示対象区域を市街化調整区域にまで拡大しようとしている点であります。
 申すまでもなく、市街化調整区域は、開発を抑制し、自然環境を保護すべきところとして線引きされたところであります。
 また、大手不動産業者あるいは商社の市街化調整区域の買い占めに種々の批判があることも御承知のとおりであります。
 このような地域に公示対象区域を拡大するならば、市街化調整区域内での土地取引を促進させ、さらに買い占めを許し、ひいては全国的な地価の高騰に拍車をかけることは明らかであります。
 すなわち、今回の一部改正は、本来、開発を抑制すべき市街化調整区域を、政府みずからなしくずし的に開発を推進しようとするものであり、改悪と言わなければなりません。
 このような観点から、わが党は、反対の意を表明し、討論を終わります。
#131
○高山恒雄君 私は、民社党を代表して、地価公示法の一部を改正する法律案に対しましては、次の理由により反対いたします。
 御承知のように、本年一月一日現在の公示価格は、住居地域において、対前年度比三三・三%という異常な上昇をもたらしました。このことは、とりもなおさず、公示価格自体に地価を安定させる効果がないことを示していることの証左であります。したがって何ら地価抑制政策を講じることなく、ただ単に対象地域を拡大することは意味のないことであります。また、現行の公示価格は税制と何らリンクする見通しも見出せないために、全く権威のないものであります。したがって、民間の土地の売買の価格は全く野放しの状態に置かれておるのであります。さらに、これが最低公示価格の規準となり、制限ないつり上げという悪循環を繰り返しております。このような状態の中にあって、今回の改正案では公示地域を拡大し、むしろ国民に混乱を招くばかりであるのであります。また、訓示規定を設けているが、不当な取引価格を規制する具体策にはならないと考えます。
 以上が反対の理由でございます。
#132
○春日正一君 私は、日本共産党を代表して、地価公示法の一部を改正する法律案に対する反対の討論を行ないます。
 反対理由の第一は、地価公示制度が果たす役割りについてであります。
 地価公示法は、第一条にも明記されているように、正常な価格の公示によって、「適正な地価の形成に寄与することを目的」としています。しかし現実には、この制度を創設する当時の審議において、わが党が指摘したとおり、公示価格は高騰しつつある地価の追認にすぎず、かえって底値を示すことになり、地価の上昇を促すような結果となっています。
 そのことは公有地拡大推進法によって、公示価格を規準として買収される一般の公共用地の先買いが容易に成立しないだけでなく、これがつけ値となって、民間大企業に横取りされる例の決して少なくないことを見ても明らかであります。また、地価つり上げの大きな要因となっている大企業の分譲価格を、いささかも規制するものとはなっていません。
 政府は、こうした公示価格を基準として、土地取引の届け出制、許可制を敷き、地域によっては地価を凍結し得る制度を国土総合開発法によって設けようとしています。この地価公示法改正案は、こうした政策に対応して、都市地域の全体に公示区域を拡大するものであります。しかし、それは国民にとってはすでに耐えがたいまでに高騰した地価をその状況のままで凍結し、あるいは正常な取引価格として公認するということにほかなりません。
 現在、すでに大都市圏の地方自治体では、直接大企業の分譲価格を規制する動きさえ出ています。今日のように、総合商社をはじめとする大企業の土地買い占めと、地価のつり上げによって、土地問題が深刻化している状況のもとでは、一定期間、こうした大企業の土地買い入れを原則的に禁止し、地価の凍結も、三年ないし五年以前の価格にさかのぼって凍結するような政策こそが必要となっています。また、今日、わが国の土地は、わずかの少数者によってあまりにも多くの土地が所有され、投機をねらって遊休化されるなど、国民生活に有害な使われ方をしています。その反面、多くの国民は、生活用地にもこと欠き、住宅、学校、保育所、公園、福祉施設等の生活に不可欠な施設の用地さえ確保できない状態に置かれています。
 わが党は、こうした土地の再配分、第二次土地改革を行ない、大企業その他の所有する投機的土地、遊休地を適正価格で収用し、国民の生活用地、農用地、環境保全のための用地を確保することを主張するものであります。
 反対理由の第二は、地価公示制度の持つもう一つの即面である強制収用の補完的役割りについてであります。
 地価公示法は、その第九条において、土地収用法など、土地を収用することのできる公共事業用地の取得価格を、公示価格を規準としなければならないことを定めています。しかし、一般の土地取引が公示価格を底値として行なわれるような状況が一方に存在するにもかかわらず、公権力を背景にする公共事業用地の取得だけに公示価格を強制するというやり方は、憲法第二十九条の「正当な補償」に欠けるものとならざるを得ません。したがって、今回の改正案による公示地域の拡大は、同時に、「正当な補償」に欠ける公共事業用地の取得を、従来の市街化区域だけでなく、全都市計画地域に拡大することとなります。
 かつて、土地収用法改正が強行され、地価公示法が制定された当時に横行した公共用地の取得にあたって土地所有者が地価をつり上げ、それが地価高騰の元凶であるかのように言われたいわゆるごね得論は、大企業の土地投機の現実の前に、すでに破綻しています。にもかかわらず、政府は、なぜ公示対象地域を拡大するのか、政府のいう課税評価の一体化は、その論拠としてはまことに薄弱であります。あえて政府が拡大する真の理由は、この一月、地価対策閣僚協議会が決定した地価対策において、全国的な総合開発を前提として立てられていることでも明らかなように、大企業中心の国土利用、国土開発に必要な産業基盤用地、大規模工業基地や、高速自動車道、新幹線、新二十五万都市等の用地を、農民などから、早く、安く買収することにあると言わざるを得ません。
 こうして、この地価公示法改正案は、国土総合開発法案とともに、田中首相のいわゆる日本列島改造論を具体化する根拠法の一つをなすものであり、わが党はこれに反対するものであります。
 以上によって、反対討論を終わります。
#133
○委員長(野々山一三君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 地価公示法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#134
○委員長(野々山一三君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#135
○委員長(野々山一三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、金丸建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。金丸建設大臣。
#136
○国務大臣(金丸信君) 本法案の御審議をお願いして以来、熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。審議中における委員各位の御高見については今後の運用の万全を期し、各位の御期待に沿うようにする所存でございます。ここに本法案の審議を終わるに際し、委員長はじめ委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、お礼のごあいさつといたします。ありがとうございました。
    ―――――――――――――
#137
○委員長(野々山一三君) 次に、都市緑地保全法案を議題とし、本案の質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#138
○熊谷太三郎君 私は都市緑地保全法案につきまして、簡単に二、三の点をお尋ねいたしたいと存じます。大体この法案は在来の緑地を保全しようという法案でございまして、あまり積極的なものではありませんが、しかし少なくともこれを保全するということを規定する意味におきまして、必ずしもというよりは、もちろんその本旨には異議はありませんが、これに関連しまして、二、三お尋ねをしたいと存じます。
 第一に、この緑地とは多少性格は違いますが、都市における公園緑地等の問題でございます。都市におきます公園緑地の非常に必要なことはいまさら言うまでもありませんが、これに関しまして昨年スタートしました都市公園緑地等整備五カ年計画でございますが、大体の進行状況といいますか、その経緯と、それから五ヵ年間の最終におきましてどの程度までこの計画が大体目安が達成できますか、それからその後におきましてなお公園緑地はどの程度までを理想として進められるお考えがあるか、一応この三点についてお尋ねを申し上げます。
#139
○政府委員(吉田泰夫君) 本法案は、緑地、現況良好な自然環境を持っているところを極力現況のまま保存しようという施策でございますが、もとより今後の緑の確保という点ではさらに積極的な施策であるところの都市公園というものに力を入れて中心的な課題として取り組まなければならない次第でございます。おかげさまで四十七年度から初めて都市公園につきましても五ヵ年計画ができまして、本年はその第二年度目に当たるわけでありますが、五ヵ年計画以前の四十六年度に比べまして、四十七年度には、その初年度でありまして非常に伸びまして、さらに今年度は昨年度の一・七六倍という伸びを示しております。したがいまして、二ヵ年でもって相当の進捗を見ているわけであります。この五ヵ年計画におきましては、都市公園面積を人口一人当たり二・八平方メートル程度の現況から四・二平方メートルぐらいのところまで広げたいというわけでありますが、この面積ではまだまだ足りないわけでありまして、さらに将来にわたっては五ヵ年計画を更改しつつ、それを着実に実施することによって一応の水準まで持っていきたい。その水準としては、昭和六十年に一人当たり九平方メートルというくらいになるように、これは大中小いろいろな公園がありますが、そういうものを総合いたしましてその程度の規模になることを建設省としての長期構想で考えている次第でございます。
#140
○熊谷太三郎君 もちろんその推進にたいへん力を入れられることと思いますが、実はかつて私どもが戦災都市計画を福井市でいたしました当時、大体総面積の一割程度を公園緑地として保有するという標準であったわけでございまして、まあどういう基準でどういう程度の拘束力があったかはっきりいたしませんが、とにかく百六十万坪という都市計画の区域内で、一割でございますれば十六万坪くらいをぜひ公園緑地の敷地にということでやったのでございますが、しかし実際上なかなかああいう狭い都市でございまして、道路その他公共敷地の拡大等にもたくさんの土地が要りますので、結局十万坪ということでやった記憶がございますが、その十万坪もいろいろ無理をしまして、実際は緑地として使用できない城跡のお堀などもその面積の中に加えまして十万坪にいたしましたので、実際は七、八万坪、割合でいいますと面積の五%くらいの程度しかとれなかったわけでございます。それでも在来の公園緑地の面積に比べましてかなり広い公園緑地を確保したことになるわけでございますが、今日その公園の中には、いろいろの種類がありますが、特に児童公園につきまして非常に、何といいますか狭隘といいますか、非常に不便を感じているわけでありまして、私ども月に何回か地域におきまして、地域の三丁目なり五丁目なりの住民に集まっていただいて対話集会というのをやりますが、そのとき必ず出てまいりますのは、公園緑地の狭いということ、特に児童公園が非常に少なくて、子供がかけ回ったりボール投げしたりすることができぬというような、そういう声を切実に耳にするわけであります。で、大体百六十万坪の八万坪といたしましても五%、先ほど申し上げました五%でございますが、どういうことになりますか、区域内の人口をかりに十万そこそこといたしますと、十万人の人口に対して八万坪ということになれば、〇・八坪、平米に直しますと大体二・四平米でございますが、大体それくらいになるかと思いますが、その状態は非常に現実的に狭く、不便を感じているということをわれわれも考え、実際住民の関係者も非常にそれを要望しているといった状態でございます。おそらく全国の中小都市におきまして、子供を持った若い奥さん方の非常に強い要望であると考えます。そういうような点もございますので、ぜひこの都市の公園緑地、特に児童公園の拡充というよりは、実際に見合った適切な規模の公園緑地の確保という問題にお力を入れていただきたいと考えるわけでございます。いまでき上がった町からそれだけの面積を確保するということはなかなか困難でありまして、一朝一夕のことではないかと存じますが、非常に切実な要望であり、必要な問題であると思いますので、御決意を大臣にちょっと承りたいと思います。
#141
○国務大臣(金丸信君) 都市の緑地並びに子供の遊び場というようなものは当然必要でありまして、先ほど来お話がありましたように、昨年から五ヵ年計画が実施されておるわけでございますが、児童公園あるいは近隣公園、こういうものに積極的な推進をいたしまして、できるだけの施策をし、そして御期待に沿ってまいるように今後ともいたしてまいる所存でございます。
#142
○熊谷太三郎君 現在行なわれております都市計画法でございますが、この都市計画法によりますと、大体公園緑地の規模、広さといったものに対して、標準的なお考えがおありになると思います。公園緑地にもいろいろ種類がありますが、特に児童公園、先ほどから申し上げております児童公園等については、大体一人当たりでも、面積当たりでもけっこうでございますが、お考えになっておられます理想的な基準というものがいずれおありになることと思いますので、それをひとつお聞きしたいのと、もう一つは、大体都市計画法に基づく事業主体は都道府県かと思いますが、それに対してどの程度まで政府とされましては指導力が及びますか。たいへんばく然としたようなお尋ねでございますが、そういった点につきましてお考えのほどをお漏らしいただきたいと思います。
#143
○政府委員(吉田泰夫君) おっしゃるとおり、公園にはいろいろ大小それぞれの目的機能に応じまして区分けがございますが、中でも児童の遊び場というようなものを考えますと、一番小さいものは児童公園という、一カ所二千五百平方メートルぐらいのものから、近隣公園これは一カ所二へタタールぐらいな規模、さらにもう少し大きい地区公園五ヘクタール程度のもの、こういった程度のもの、これを総括して住区基幹公園などと申しておりますが、こういったものが住区単位の公園でありまして、一番子供さんの遊び場にも適している場所だと思います。先ほど申しましたように、建設省の長期構想、昭和六十年目標におきましては、いまいいました住区基幹公園につきまして、児童公園は一万人あたり四カ所設置したい。近隣公園は一万人あたり一カ所ぐらいをつくる。地区公園になりますと、四万人あたり一カ所というくらいの規模で、水準で考えているわけでございまして、もちろんこの五カ年計画では、その全部を達成できませんが、特に児童公園には力を入れたいと思いまして、一万人あたり三カ所ぐらいを児童公園としては現五カ年計画では予定しているわけでございます。
#144
○熊谷太三郎君 一カ所あたり何人ぐらいですか。面積は一万人あたり三カ所ということでございますか。
#145
○政府委員(吉田泰夫君) 一カ所の面積は〇・二五ヘクタール、二千五百平米です。それから都道府県、市町村はいずれも都市公園に力を入れてもらっております。特に最近は地元住民の方々も非常に都市公園を渇望される声が強くなってまいりましたので、そういった住民の声というものをバックにされまして、私どものところには補助対象の個所を大幅にふやしてもらいたいという要望が絶えないわけであります。また、そういう補助対象以外でも地方の単独費でもってでも相当の事業をやっていただいております。特に用地取得などには相当力を入れてやっておりますので、先ほど申しましたような予算の伸びに対しましても、都道府県あるいは市町村の段階で、ここで十分受け入れ、さらに先行的に整備を進めていただいている、こういう状況でございます。
#146
○熊谷太三郎君 都市再開発法というのがございまして、何か一区域、一ブロックごとにいろいろ従来の街区を再開発される御計画がぼつぼつ進んでいるようでございますが、どうも、その再開発法には緑地といったような若干の空地はとられる計画になるかと思いますが、ほとんど緑地という考え方が取り入れられていないと考えるわけでございます。もちろん、いま行なわれております再開発地区は、非常に地価も高く、そういう緑地を確保するということは、現実的には困難かと思いますが、しかし、そういう再開発が今後次第に行なわれていくとしますと、結局都市の中心部には公園緑地というものがほとんど確保できないという結果に、近い将来は再開発の進捗とともに、そういう結果になるかと思うわけでございます。こういうものはもうできてしまってからあらためて公園緑地のために貴重な土地をさくということは困難でございますから、やはりただ一地区の再開発だけでは十分な敷地がとれないとしましても、将来その地域がある程度再開発がいつか進んでいった場合に、再開発はできたがこれらの地域に対する空地なり緑地なりが全然なかった、ほとんどなかったといったようなことになりますと、本来の、まあ公園緑地をせっかく進められるという趣旨と全く相反する結果になるのではないかと考えるわけでございます。そこで、まあそういうことについてひとつ十分な御配意をあらかじめお願いしたいと思うわけでございますが、ひとつ何かお考えがございましたら承りたいと存じます。
#147
○政府委員(吉田泰夫君) 都市の再開発と申しますものは本来いたずらに建築物を建てかえて高層化するというものではないはずのものでありまして、その高層化によって広く空地を生み出す、その空地は公園や緑地や広場や道路やいろいろなものになりますが、まあそういった空地を生み出すためにこそ高層化をするということでなければならない、そう考えております。従来の再開発が法律に基づくもの、基づかないものいろいろありますけれども、なべてみますとかなり法規一ぱい、ぎりぎりに敷地をとって、まあその結果せっかく高くしたきもかかわらず生み出されている空地が少ないというきらいがあったことは事実であろうかと思います。御指摘のとおりでありますので、この点につきましては今後の再開発のあり方につきまして十分に反省して、本来の再開発、環境整備のため、空地を生み出すための再開発に持っていかなければならない、このように考えております。
 そういうことで本年度から市街地再開発事業というものに対する国庫補助の中に新たに一般会計からの補助制度を設けまして、まだ初年度はさほど対象がありませんが、今後大いに伸ばしていきたいと思いますものの中に再開発事業によって生み出された広場とか空地、こういったものに対して国庫補助対象とできるようにいたしまして、従来は街路でありませんと補助対象にならないということでありましたので、こういったことを活用していけば再開発事業というものが採算的にも相当緑地がとりやすくなるということでございます。まあ、私ども現在今後の再開発のあり方についていろいろ部内でも検討し、都市計画中央審議会にも諮問をしているところでありますので、そういった各方面の意見も採用しつつ、本格的な再開発というものがどうあらねばならないかということを十分考えて後世に悔いを残さないようにいたしたいと思います。
#148
○熊谷太三郎君 いまお話にあったとおりにいけばまことにけっこうでございますが、ぜひともそういうふうな考え方をはっきりひとつ確立していただきまして、再開発が進んだ暁において、公園緑地がなかったというような悔いが残らないようにひとつつとめていただきたいと思うわけでございます。ことに東京都、こういったような状態を考えますと、今後やはりそういう再開発によりまして、公園緑地だけでありませんが、狭い道路の幅を広げるとかあるいは公園緑地を確保するとか、いろいろな問題がありまして、これは現在の都政と政府と結局やはり協調して、そういう面に進んでいかねばならぬかと思いますが、その点については別にお答えは要りませんが、ひとつ十分御配意を願って、東京都あたりの大都市の再開発にあたりましては、いまお話しになりましたような趣旨がほんとうに実際に実現できるようにお考えをひとつぜひお願いしたいと考えるわけでございます。
 それからなお一、二点、本法につきまして第七条でございますか、第七条の本文でございますが、「その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償する。」ということでございますが、これに対して補償した府県に対して国は、これは第十条かと思いますが、「予算の範囲内において、政令で定めるところにより、その一部を補助することができる。」ということになっておりますが、その補助としてお考えになっております内容をちょっとお尋ねいたしたいと思います。
#149
○政府委員(吉田泰夫君) この緑地保全地区はかなりきびしい規制を伴うものでありますために、自分の土地でありながら十分な土地利用ができないということが考えられます。そういう場合に第七条の損失の補償及び第八条の土地の買い入れという二つの制度を置きまして対処したいと考えておりますが、これにつきましては首都圏、近畿圏等の近郊緑地保全地区の制度とかあるいは古都保存法による歴史的風土の地区につきまして同様の規定がありますが、実際には補償の事例はなくて、すべて買い入れということでやっております。結局自分の土地であってどうにも使いかってが悪いというときには買い入れてもらって、そのお金で、土地であれば必要な土地を別に求めるとか、その他の財産として活用するということのほうが話が早いということかと思いますが、予算の措置としましては国の補助の制度を置いておりまして、それが第十条でありますが、この法律による緑地保全地区につきましては三大都市圏及び人口十万以上の線引きをした都市、これを対象にいたしまして地方公共団体が土地を買い入れた場合の買い入れ費用に対し三分の一の補助率で補助をするということにいたしております。新年度でございますので、ことしは額は国費で五千万というはなはだささやかなものでありますが、明年度以降平年度化いたしますとおそらくこの十倍ぐらいは必要ではないかと私ども考えております。補助率が従来の首都圏、近畿圏の近郊緑地特別保存地区というものが三分の二であるのに比べまして低いという点がございますが、これにつきましてはやはり首都圏、近畿圏の制度が国の方針のもとに、つまり首都圏整備計画とか近畿圏整備計画あるいはその他の保全の計画というものを受けまして、そういった保全地区が指定されているというものに比べますと、やはり本法案によりますものは、それぞれの都市ごとに必要なものを保全する制度であり、そういうローカル性が非常に強いということでありますので、補助率も差がついているわけでございまして、もう一つには、都市公園の補助率が、用地費につきまして三分の一ということになっております。そういったことも、あわせ考慮されたという次第であります。
 この制度につきましては、従来首都圏、近畿圏あるいは古都保存等の実例では、当初はさほど買い取りの申し入れはございませんでした。最近は、わりあい件数も多くなっておりますので、そちらのほうも相当予算を増強していかなければならないと思いますが、この全国的な制度として取り上げたこの本法による緑地保全地区が、どの程度買い取りの申し入れがあるものか、施行してみなければわからない面もありますので、今後の推移によりまして、補助ワクの拡充その他補助制度全般の強化というものをはかってまいりたいと、こう考えております。
#150
○熊谷太三郎君 大体時間も十分ございませんから、最後に一問だけお伺いいたしますが、これは初めてこの案は御提案になりますので、いろいろな均衡も考えて、三分の一というようなお考え方のように承りましたが、緑地保全ということがいろんな点から必要であるというお考え、あるいは公園緑地もあってもなくてもいいのではなくして、ぜひなければならぬものだという考え方から見ますと、やはりそういう補助金も、予算は別といたしまして、少なくとも相当程度の補助金というものを、ひとつ近い将来にはお考えになっていただきたいと思いますとともに、この何条かにあります緑化協定でございますか、この緑化協定によりまして、そういう協定を結んでこの法の目的に合致するようなことをしました場合には、ああそうかというだけの規定でありまして、何にもそういうことに対しては、まあ補助といっても形はどういう形になるかわかりませんが、全然、ただそうかと言われるだけのつまり規定しかないように思うわけでございます。しかし、こういう法律を設けられてこの必要を認められます限りは、個人なり何なりが共同してそういう緑化地域をいわば提供するわけでございますから、これについても、やはり近い将来において何らかの形で国も関心を示されると、ただそうかそうかというだけでなしに、何かお考えをいただくということを、まあ今回の場合は申し上げませんが、近い将来にそういうことも織り込んで、そうしてこの緑化保全の目的がより完全に達成されるように、ひとつ御決意のほどを大臣に承っておきたいと思います。
#151
○国務大臣(金丸信君) 緑地の確保につきまして、補助の問題につきましては、私も緑地というものが絶対的必要なものであると、こういう観点から言うならば、この補助の問題もかさ上げすべきであるというように考えておりますので、今後この問題につきましても努力いたしたいと思いますし、また緑化協定をいたすにつきましては、人がそこに集まらなくちゃならない、集まるにはお茶も飲まなくちゃならぬ、お茶菓子も少しは要るだろうということになると、手弁当でやるというわけにもまずいかぬだろうということを考えてみますと、これも一考を要する問題点だろうと私も考えます。十分、御指摘のとおり、ひとつ今後の問題として検討してまいりたいと、こう思っております。
#152
○熊谷太三郎君 いま大臣のおっしゃるのは、協定の費用ということですが、協定によって緑地が提供されるわけでございますね、それに対して何らか……。
#153
○国務大臣(金丸信君) 団体でしょう。
#154
○熊谷太三郎君 つまり、協定用の費用というよりは、協定によって緑地が提供される、それに対するつまり補助と言っていいか、何と言っていいか、そういう点についてひとつお願いをしたいと思う。
#155
○国務大臣(金丸信君) その点につきましても十分検討して、次の予算の獲得には努力したいと、こう考えております。
#156
○委員長(野々山一三君) 本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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