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1972/07/10 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 建設委員会 第19号
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1972/07/10 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 建設委員会 第19号

#1
第071回国会 建設委員会 第19号
昭和四十八年七月十日(火曜日)
   午前十時十一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 七月十日
    辞任         補欠選任
     古賀雷四郎君     柳田桃太郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         野々山一三君
    理 事
                大森 久司君
                竹内 藤男君
                山内 一郎君
                沢田 政治君
    委 員
                小山邦太郎君
                古賀雷四郎君
                中津井 真君
                中村 禎二君
                米田 正文君
                田中  一君
                中村 英男君
                松本 英一君
                二宮 文造君
                高山 恒雄君
                春日 正一君
   国務大臣
       建 設 大 臣  金丸  信君
   政府委員
       首都圏整備委員
       会事務局長    小林 忠雄君
       建設政務次官   松野 幸泰君
       建設大臣官房長  大津留 温君
       建設省計画局長  高橋 弘篤君
       建設省都市局長  吉田 泰夫君
       建設省河川局長  松村 賢吉君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中島  博君
   説明員
       環境庁自然保護
       局企画調整課長  新谷 鐵郎君
       農林省構造改善
       局農政部農政課
       長        関谷 俊作君
       自治省税務局固
       定資産税課長   川俣 芳郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公有水面埋立法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○都市緑地保全法案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(野々山一三君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 公有水面埋立法の一部を改正する法律案を議題とし、本案について政府から趣旨説明を拝聴いたします。金丸建設大臣。
#3
○国務大臣(金丸信君) ただいま議題となりました公有水面埋立法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 政府におきましては、近年における社会経済環境の変化にかんがみ、公有水面の適正かつ合理的な利用に資するため、その埋め立ての適正化につとめてまいったところでありますが、特に自然環境の保全、公害の防止、埋め立て地の権利移転または利用の適正化等の見地から、公有水面埋立法の規定が不十分である旨、関係各方面からの指摘もなされているところであります。
 現行の公有水面埋立法は、大正十年に制定されて以来、今日まで実質的な改正は一度も行なわれていないため、最近のように、埋め立て規模の大型化、埋め立て地利用の多様化等の社会情勢に適合しなくなった面があり、現行法のワク内で行政指導を強化することにもおのずから限界がありますので、所要の法改正を行なう必要があります。
 以上が、この法律案を提案する理由でありますが、次に、この法律案のおもな内容について申し上げます。
 第一に、都道府県知事は、埋め立て免許の出願事項を公衆の縦覧に供するとともに、関係都道府県知事に通知する等、埋め立てに利害関係を有する者の意見を反映させる措置を拡充することとしております。
 第二に、埋め立ての免許の基準を法定し、国土の利用上適正かつ合理的であること、環境の保全及び災害の防止に十分配慮されたものであること等の要件を明確にすることとしております。
 第三に、竣工認可の告示後十年間は、埋め立て人等が埋め立て地について所有権を移転し、または使用収益権を設定し、もしくはその用途と異なる利用をしようとするときは、都道府県知事の許可を受けなければならないものとし、その許可の基準を明確に規定することとしております。
 第四に、特に大規模な埋め立て等政令で定めるものについて、環境保全上の観点からの調整をはかるため、主務大臣がこれを認可しようとするときには、環境庁長官の意見を求めなければならないこととしております。
 その他、追認制度の廃止、罰則の強化等、所要の改正を行ない、指導監督体制を整備することとしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださるようお願いいたします。
#4
○委員長(野々山一三君) 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(野々山一三君) 次に、都市緑地保全法案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○沢田政治君 都市緑地保全法でありますが、率直に考えてみて、これに関連した根拠法といいますか、関連法といいますか、非常に多いことに驚いておるわけです。たとえば、まだこのほかにありますが、都市計画法から始まって、首都圏近郊緑地保全法、近畿圏の保全区域の整備に関する法律、都市公園法、都市公園等整備緊急措置法、都市の美観風致を維持するための樹木の保存に関する法律、これは議員提案の法律であったと思いますが、古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法、文化財保護法、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律、森林法、自然公園法、自然環境保全というように非常に法律が多いわけですね。何も根拠法が多い、関連法が多いということを私はそしっておるわけじゃありませんが、全く、これでもだめならあれだ、あれがだめならこれだというように、法律をつくったなら、何というか、こと足りるじゃないかと、あまり効果があがらないようだからまた別の法律をつくると、こういうような法律を乱造する、何といいますか、私はそういう傾向が強いんじゃないかと思うんです。だから私は法律に権威を持たせ、一元的に管理し、実施するためには、やはり緑地保全なら緑地保全――これは都市のですね、これをもう一本にしたらどうかと思うんですよ。どれを見て一体どうか、ちょっとしろうとが見ただけじゃわかりませんよ。これは実態はだれでも混乱すると思うんですね、どの法律に準拠して何をやるかということは。あまりにもぼうばくたる法律が多いんで、この点について都市局長どう考えますか。
#7
○政府委員(吉田泰夫君) 御指摘のとおり、自然の保護に関する法律は非常にたくさんあるわけでございますが、一応、それぞれの法律の目的とするところが少しずつ違いますので、やはりいまのところ別の法体系で規制している、そして法律がたくさんあることについての実態上の不都合というものはなるべくないように、調整をはかっているということであろうと思います。要するに、すべてを通ずる基本理念というのは、これは自然環境保全法というところにもうたわれておりますが、自然環境というのが人間の健康で文化的な生活に欠くことのできないものである、現在の国民がこれを享受するばかりでなく将来の国民にこれを継承していかなければならない、こういう基本理念のもとに、各種の法律に分かれておりますが、貫かれているということであろうと思います。特に、今回提案いたしました都市緑地保全法は、自然環境保全法の附則にもうたわれておりますように、基本法である自然環境保全法を受けまして、全国のうちで都市的地域については、都市計画の一環として総合的に制度化し実行することがより適当であるということから、あえて自然環境保全法から別立てにしまして、ただし基本理念は自然環境保全法によると、その他、自然環境保全法による全体計画、調整の規定を受けまして実施しようということであります。都市地域の緑地関係だけでも、都市計画法にも緑地関係の開発許可基準等の規定があり、また風致地区のような制度があり、それから本法のような緑地保全地区の創設を含む新法が出てくるということでありますけれども、これもすべて都市計画法に一本に書いて書けないわけではありませんが、都市計画法は都市計画全体の骨格となることを書きまして、詳細にわたるものは別の法律、姉妹法である別の法律にゆだねるというていさいもかなりとっております。本法もかなり条文が長くなりますので、都市計画法の中に全部の規定を織り込むことは、かえって繁雑ではないかと、したがって、都市計画として緑地保全地区というものを置くということだけを都市計画法の中に入れまして、その具体的な手続とか、規制内容、それから緑化協定というような新しい制度、こういったものは別法体系ではありますが、都市計画法の精神を受けたものとして制定しているという次第でございます。
#8
○沢田政治君 私、法律が多きがゆえに悪いと、こう言っているわけじゃないんです。ただし、現実の問題として実効のあがらぬような法律を幾らつくってもこれは無意味じゃないかと、こういうことを言いたいわけです。実効が遅々としてでも、それは非常におそき速度であっても実効があがっていればこれはいいわけですが、実効がこれあがっておらぬわけであります。緑被地の減少ということをあとでお聞きしますが、これふえておらぬわけですよ。ますます減っていっておるわけですね。そういうことから、法律だけよけいつくっても必ずしも実効があがるという証左にはならぬと、こういうことを言っているわけですが、そこで、たとえばこれは議員立法であるところの都市の美観風致を維持するための樹木の保存に関する法律、この法律は四十三年だったと思いますが、発足以来、施行以来今日まで大きな作用を果たしてきましたか、そういう実績があったらお知らせ願いたいと思います。
#9
○政府委員(吉田泰夫君) おっしゃいますとおり、いわゆる樹木保存法は制定以来遺憾ながらその指定件数等が非常に少ないわけでございます。数字を申し上げますと、保存樹の指定件数が十一市二町一村、保存樹が百五十七件、保存樹林は三十七件で十六ヘクタール余りということでありまして、できればこれに指定して保存をはかりたいと考えておりました全国にあると思われる適切な保存樹なり保存樹林の対象から比べれば、そのごく一部にしか指定がなされておらないということがございます。
#10
○沢田政治君 わずか面積にして十六ヘクタールですか、この法律――私は、だから言っているわけですよね。法律をつくっても行政官庁がその法律を執行する熱意があるかどうか、啓蒙して、それも実施に移していく、行政に乗っけていくと、こういう気概がなければ、幾ら第十三の法、十四の法をつくっても、十五の法をつくっても実効があがらぬ、こういう点を指摘しておるわけです。これは意見をお伺いしょうと思いません。心がまえの問題だと思います。
 それで、緑被地の減少、私なりにちょっと見てみましたが、たとえば区分としてこういうのをどういように把握しているかということですね。市民が自由に利用できる緑のエリア、これが一つのタイプです。二つは、市民が自由には利用できないが、都市内の緑として価値を持つエリア、三は生産緑地、四は自然の緑地、五は水面に接した河岸緑地、こういうものの、あまりこまかい年代じゃちょっとわからぬと思うが、たとえば昭和十年ごろでも、七年でもけっこうですが、それと同時にまた、高度成長が始まって二年目の昭和三十七年ごろ、これは一年や二年ずれてもけっこうです。それと同時にまた、高度成長経済の悪い面のうみがどっとふき出した四十四、五年ごろ、どういう傾向をたどっておるか。緑地を保全するというのだから、その実態というものは拡大されているのか、減少されているのか、どういう傾向にあるのかということを行政で把握しなければ、緑地を保全しようという抽象的な掲示をしただけにすぎなくなるわけで、どういう把握のしかたをしておるのか、これをお聞きしたいわけです。
#11
○政府委員(吉田泰夫君) 東京都区部で、先生おっしゃいましたような緑被地――緑でおおわれた土地というものの変化を調査したものがございます。おっしゃるような区分がありまして、その概要について申し上げますと、公園、遊園地など、市民が自由に利用できる緑被地の地域というものは、昭和の初めごろ――この調査では昭和七年となっておりますが、二百三ヘクタールありまして、これはその後、数字としてはふえております。つまり昭和三十七年――三十年後には八百九十一ヘクタールということになりまして、約四倍になり、さらに昭和四十四年、それから七年後に九百六十七ヘクタールということになっております。しかしながら、その他の種類に属する緑地というものはおおむね減っておりまして、生産緑地といわれる田畑等の農地、これは非常に市街化が進んだことが主たる原因でありますが、昭和初年約三万ヘクタールあったものが、昭和三十七年には一万四千ヘクタール、約半分になり、さらに昭和四十四年には一万二千ヘクタール、約四割になっているということであります。その他、森林、草原等の自然の緑被地という分類のものも、千五百十ヘクタール昭和初年にありましたものが、その後百四十ヘクタール、百ヘクタールというふうに激減しているわけであります。水面等の水辺緑被地、これは大体横ばい、あるいは若干ふえているというようなことでございます。
#12
○沢田政治君 いまちょっと話しておったので聞いておりませんでしたが、結論的にいって、生産緑地と自然緑地、減っているのでしょう、これは。これは減っているのです。これは私のほうにあるもので調べてみた結果、昭和七年を千五百十ヘクタールとしますと、ずっと減っておるわけですね。ものすごく減っておりますよ。年代別に読みませんけれども、これはやはり自然緑地と生産緑地、減っているでしょう。それだけやはり生活環境というのか自然環境というものが徐々に圧縮されておるということは言えるわけですね、いまの現時点の傾向として。そうでしょう。
#13
○政府委員(吉田泰夫君) おっしゃるとおりであります。ただ、生産緑地というのはいわゆる農地でありますから、市街化が進むにつれてこれは絶対数としてはどうしても減らざるを得ない。問題は、農地が宅地化していくにあたって、適正な配置で適正な規模の、それにかわるような公園なり緑地なりが保存され、あるいは回復されつつ市街化を進めなければならない、こういうことであろうかと思います。
#14
○沢田政治君 首都圏市街地開発区域整備法ですね、これが改正されて首都圏の近郊整備地帯及び都市開発区域の整備に関する法律となって、一時グリーンベルトという、これ、いまよりも大きい構想があったわけですが、これがその後いろいろな事情で立ち消えになっておるわけです、事実上ですね。そうして、そういう経緯を経て、首都圏近郊の緑地保全区域の指定、こういうことになっているわけですが、これは首都圏の方にお伺いしたいわけですが、ここで議論をしようと思いませんが、その指定状況ですね、経過と現況はどういう結果になっておるのか、ちょっとお知らせ願いたい。
#15
○政府委員(小林忠雄君) 首都圏の基本計画によりますと、近郊整備地帯、これは大体東京を中心にして二十キロから五十キロの圏内でございますが、この中の三十キロから五十キロまでの間に五万ヘクタールの近郊緑地を指定するということが基本計画で一応きめているわけでございます。現在までのところ、指定になっております近郊緑地保全区域は一万三千五百八十五ヘクタール、地区にいたしまして十七地区でございます。
#16
○沢田政治君 自然を守れとか、開発より自然のほうが急務だと、これはもうだれでもそう思っていると思うんですね。そう言わない人はなくなりましたね。以前のように生産第一主義ということは、やっぱり自然というものと、生活環境が破壊されちゃあ、これはどんなメリットがあったとしても、人間生活にとってはデメリットだと、こういう理解と認識というものは、ひとしく一様になっていると思うんです。そういうことで、今度環境庁のほうだったと思いますが、さらに全国の自然というものを把握するために、緑の国勢調査と名前がつくかどうかは別として、日本全土全体を、自然環境と人間の生活環境という観点から、これをとらえていくと、把握していくと、こういう構想があるやに聞いておるわけですが、大ざっぱな、何というか、理解しかできないわけですが、そういうような構想のもとに――私が言っている構想が違うならば、どういう具体的な構想で、いつごろまでかかってこれは把握するか、その間の事情というものをちょっと説明願いたいと思う。
#17
○説明員(新谷鐵郎君) 昨年、自然環境保全法が制定されまして、この法律の第一章、第二章の総則的な部分は自然環境の保全に関するいわば基本法的な部分であるというふうに私ども理解いたしておるわけでございますが、その中に「国は、おおむね五年ごとに地形、地質、植生及び野生動物に関する調査その他自然環境の保全のために講ずべき施策の策定に必要な基礎調査を行なうよう努めるものとする。」という規定があるわけでございます。この規定を受けまして、四十八年度二億五千万円の予算をもちまして、全国的に、いまお話ございました、俗に緑の国勢調査と呼んでおります調査を実施すべく現在準備をいたしておるところでございます。この調査の内容は、わが国の植生、野生動物、地形、地質、大気等の自然環境の現状を把握いたしまして、今後、政府全体の自然環境保全のための施策の基礎資料にしたいということでございまして、その中で緑について申し上げますと、まず、全国の詳しい植生図、これは二十万分の一でつくるわけでありますが、つくりまして、これから人間による物理的な破壊の状況を判断いたしまして、自然度と申しますか、どの程度それの植生が人工によって破壊されていないかという度合いを、零度から十度までの数字であらわすということを企図いたしておるわけでございます。この調査は、ことしの夏に各県にお願いいたしまして、実際の地図の作製その他の作業に取りかかっていただきまして、おそくとも本年度一ぱいに結論を出すようにいたしたいと考えております。
#18
○沢田政治君 今度の法案で、「緑地保全地区に関する都市計画の策定に関し必要な基準を定めたものであります。」という逐条の説明があるわけでありますが、第一項、第一号、第二号、これは大体わかるのですが、第三号の「風致又は景観がすぐれており、かつ、当該地域の住民の健全な生活環境を確保するため必要な土地」、これはどういう基準でやるのか、風致または景観がすぐれているということになっても、これはそれぞれ人の主観によって、ある人はまことに絶景だというし、ある人は目ざわりだというし、これはばく然たる法律だからこうならざるを得ないわけでありますが、小説とか作文じゃありませんから、そうなると思いますが、どういうことを想定に入れて風致または景観と――はだしてこれは実際の基準として行政上に生きてくるのかどうか、その点が非常に抽象的なので心配でならぬわけです。お考えがあったならばこれはお聞かせ願いたいのです。
#19
○政府委員(吉田泰夫君) これは端的に申しまして、現在全国に風致地区というのがございますが、これは風致景観がすぐれたところを現行法の風致地区という都市計画によってある程度保存しようという地区でございます。しかしながら、その規制内容が非常にゆるやかでありまして、いわば市街化と調和させながら、最小限度保存していこうということですから、なかなか十分に保存し切れない。年月の経過とともに、どうしてもその景観はくずれていくという経過をたどっているわけでありますが、その風致地区の中でも特に枢要な中核となる部分というものが大体あるわけでありまして、そういうところなどが一番この表現にぴったりする場所だと思います。つまり風致地区の中でも特に重要なところ、なおふえんいたしますならば、住民の日常生活、あるいは日帰り行動圏等を考えました場合の、そういった生活の上で接触する度合いが高い、あるいは平素住んでおりましても、近くに景色のいい山などが眺望されるというような、そういう緑地を考えているわけでありまして、要するに、その植生とか、水の状況とか、地形とか、そういったものから、住民の方々が受け取られる風致とか景観というものが非常にすぐれている、そうして、わりあい都市の近くに所在する等の理由によりまして、住民の健全な心身の保持とか、増進ということのために非常に不可欠の要素をなしているというような、いろいろな風景のよい場所、水辺地、それから都市景観上重要な眺望斜面、天然林を主とする樹林地、特別に変わったような地形をしておって、非常に目に映る形が美しいというような土地でございます。
#20
○沢田政治君 局長、あなたの答弁を聞くと、いいんですよ。答弁が悪いということを言っているのじゃない。そういう観点からいくならば、山紫水明、これは日本は全部やっぱり美観ですね、風致または景観がすぐれているよ、ヨーロッパから見たら。これは一木一草とも切らすべきじゃないんですね。そこで、いまさらこういうことを言っているんですが、こういう観点からいくならば、日光の太郎杉なんていうのはまさにこれ以上に該当するわけですよ。それを、この法律を出す建設省が道路のために切らなければならぬと言ったのは何年前ですか。どうもそらぞらしく映るわけだ。法律はこういう美文調でつくっておけと、あとは適当に行政でやろうというような、そういう考えというか、別に勘ぐるわけじゃないけれども、むなしさを感ずるわけです。日光の太郎杉というのは、まさに樹齢何百年ですからね、地元とか全国的に名を知られている杉の老樹でしょう。ああいうのはどうですか、これからいったならば。
#21
○政府委員(吉田泰夫君) 当然こういう要件には該当すると思います。
#22
○沢田政治君 あの訴訟はどうなっておりますか。この委員会でもあれなどは取り下げるべきだと、全く建設省の自然環境保護ということに対する理解と認識の欠除があの裁判になっているんだということで、各委員から大いに指摘したところですよ。そして、まあ何とか別な案を立てましょうと、あそこを通らぬようにしようと、こういうことを前向きで検討しますと言ったのは、これはどの大臣であったか忘れましたが、取り下げましたか、裁判を。
#23
○国務大臣(金丸信君) その問題については、ただいま御指摘のように裁判になっておるわけでございますが、裁判のほうから和解という話も出ておりまして、和解が出るならば私は取り下げるべきであると、そして太郎杉というものは切るべきでないという私は考え方で今後進めてまいりたいと、こう思っておる次第でございます。
#24
○沢田政治君 取り下げなさいよ。「風致又は景観」って、その「景観」とは何ぞやといったところで、これは日本全島がみんな景観がいいということになるわけだ、局長の言うことによるとね。こういう法律を出しながら、一方においては土木、道路のためにあれを切るなんということは論理的にもう全く矛盾しているんですよね。この法律を出す資格ないんですよ、そういう感覚を持っているならばね。これはやっぱり大臣取り下げるべきですよ。そうでなくちゃ私どももまじめにこの法案を審議せよといったって、その気になれませんよね。これはまあ一つ警告をしておきます。
 そこで、これに指定した場合ですね、これは用途規制がされるわけですね。従来、自分の土地であるならば、建築基準法とかその他の関連法規に反しない限りは自分の土地でありますから自由に利用ができたわけです。ところが今度は、指定された以上は樹木は切られない、現状まで変形されないということになると、用途の制限、使用制限というものが必ずや起きてくるわけですね。この前、熊谷委員の質問だったと思いますが、その際に、解決の方法としては、ほとんど全部でありませんが、大体買収と、こういう方向で解決の方途を見出してると、決着点をつけていると、大体その方向になるんじゃないかと、こういうような意味の御答弁があったわけですが、私は、話し合いがついて買収するという解決方法を決していけないとか好ましいとか言うわけじゃありません。それはまあ一つの解決方法としてけっこうでしょう。しかし、どうしても祖先伝来の地であるから売らないと、何といってもそこを宅地に、何というか、したいんだと、しかし宅地にはできないと、しかし売りたくない。こういう場合ね、自分の持っている土地の評価が、これはもう減価するわけです。この減価に対してこの法案を見ますと何らの措置もないんです。これ利用制限される、用途規制されるわけでありますが、その減価に対しては全然補償がない。勢い余って、こういう法律があると知りつつも、何かつくるとか切るとかね、こういうこともないとは言えないと思うんです。でありますから、ほんとうにこの法律を名実ともに実効をあげると、こういうことになりますると、減価に対するある程度の財政的な措置というものも当然あわせ考えなければ、この法律の実効があがらぬと、こういうように考えるわけですが、どうですか。
#25
○政府委員(吉田泰夫君) 確かにこの緑地保全地区に指定されますと、ほとんど現状凍結的な、きびしい開発あるいは建築の規制が行なわれるわけでありまして、自分の土地でありながら思うように利用できないということになります。そのために本法でも補償の規定や、御指摘のあった買い取りの規定を置いておりますが、御質問の減価ということは、やはりその土地を金にかえる、つまり売ろうというときに初めて生ずることであろうかと思います。その場合に、民間同士の売買では、そういう規制の強いところを適切に評価し、思ったような近傍類地の価格から引き出したような値段では買い取り手がないということを考えまして、この買い上げの規定を置いたわけでございます。したがいまして買い上げ価格を適正に行ない、その価格で公共団体が買い上げるということになればその減価という問題は解決するんではないかと、こう考えておる次第でございます。
#26
○沢田政治君 まあ売るか売らないかはそれは本人の意思であって、しかし、持ったまま価値を高からしめたいと、こういう人もあるわけですね。でありますから、ある程度の税制上の優遇措置はするでしょう、これはね。宅地と評価されたりなんかはしないでしょう、そういう指定区域はね、そうでしょう。それは税制面の減免ということの恩典があることはわかるわけですが、絶対的な減価があった場合補償しなければ、これはもう第三者に転売したり、転売、転売で収拾つかぬ場面も、いい悪いは別として、そういう場面も想定はされると思うんです。
 それと、これと若干違うと思うんですが、七月五日の新聞で「公道で隣接地の価値減った」と、「市は損害賠償せよ」ということで、大阪地裁で減価を補償せよと、法律で何というか、一審では勝っているわけですね。こういう問題が出てくると思うんですよ。そういうことはないだろうと思うったってこれはだめですからね、こういう場合はどうするんですか。たとえば、これは大阪だと思いますが、ちょっと読んでみます、わからない方もあるようですから。「「都市計画街路の建設で、道路に隣接する土地の利用価値が低下した」として、大阪市内の会社社長が大阪市を相手取り土地収用法に基づき八百四十六万円の損失補償を求めていた事件で大阪地裁民事二部石川恭裁判長は五日朝、「道路建設に伴い問題の土地利用価値は一二%低下した」として市に対し、四百四十五万五千円を支払うよう命ずる判決を下した。この判決は公道建設に伴う周辺土地の損害を認めたものとしてその影響は大きいとみられる。」ということで、以下こう書いておりますが、なるほどあんたは、そういうような景観がすぐれ、みんなの目を楽しませ、都市環境を引き立てるため、いい土地を持っておったんだから、持ったものを果報として、まあこれは損であってもがまんせよと、こういうことも一面じゃ言えると思うんだけれども、やはり現状もう全然凍結されるということになると、減価、持っておる価値がないんですよね。だから売ったらいいじゃないかと言いますけれども、これはもう売る売らぬというのは本人の意思ですから、こういう減価に対しても何らかの私は措置を講じなければ実効があがらぬと思います。これは緑化協定ですか、その際にも、この前、熊谷さんが、緑化協定を自発的に結ばさして、どうぞ結んでちょうだいということだけでは実効があがらぬじゃないかと、耐え忍ぶ、全体のために、何というか景観を維持したいというものに対して、行政的にもそこに何らかの報いる手段、措置を考えなければならぬじゃないかという意味の質問をしていると同じように、減価に対しても私は考えるべきだと思うんです、これは。どうしても減価というものは考えられなかったと、これは財政的な面ですか、また論理の面から減価に対しては全然かまわなくてもいいという考え方に到達したわけですか、どうですか。
#27
○政府委員(吉田泰夫君) 本法では、従来のいろいろな法律、森林法とか自然公園法とか各種の法律の例を受けまして、現実に損失を受けた場合の補償の規定と、それから買い取りの規定と、二つをもって対応しようということにしておるわけでございまして、まあ先ほど御指摘のような訴訟の事例があるようでございますが、一般の場合には土地を義務的に買い取るというような規定はないわけであります。したがいまして、買い取ってくれといっても買い取ってくれないかもしれない、その保証は全くないわけでありまして、それでいて明らかに因果関係があって価値が下落したとあれば、これは訴訟を行ないました場合には損失補償の問題は出てくることと思います。本法の場合には、申し上げましたように、買い上げの規定を置いておりますので、買い取りの申し出があれば、これを買い取っていくということで解決していく。その場合の買い取り価格も、その緑地保全地区に指定されたために安くなっているであろう価格、そういう価格を評価するのではなくて、その緑地保全地区に指定されない近傍類地というものの取引価格を基準としまして、それによって買い取るということにいたしておるわけでございますから、価値の下落ということを金銭にかえるときに回復するということであれば、本法の制度によって十分対処できるのではないか。売らないで持っているということも、もちろん財産権の行使のことでありますからあり得るわけですけれども、その場合には、御自分が利用しておられる限り、いわゆる金銭に換算したその土地の価格の評価自体はさほど支障はないんではないか。やはりそれを売る、金銭にかえるというときに一番問題になるのではないか。その一番問題になりそうなところをとらえまして、適正価格で買い上げるということで対処しようとするわけでございますので、論理的にも本法のような対応措置をもって足りると考えておる次第でございます。
#28
○沢田政治君 そうすると、買収の価格形成といいますか、価格決定の基礎は、たとえば一キロ地点以内に、これは都市近郊でありますから、地価公示地点があったと、その場合、地価公示法でやれというわけじゃありませんけれども、それを参考にするのか。また、その人は、もともとその地を宅地にしたがったんだと、宅地にして売却したいのだと、そういう意思を持っておったわけだ。この指定前は宅地にすることも自由であったわけだね。ところが、この法律が施行されて指定をされた、宅地にできなくなったという場合は、先ほどあなたが言われましたように、近隣近傍と、こう言っていますが、宅地並みで買いますか、あるいはまた原始林で買うのか、草地で買うのか、どういうことですか。その場合問題になると言っておりますが、宅地になる可能性もあるし、立地している条件もいいし、本人はそういう意思を持っておったという場合は、宅地並みに現実に買うわけですか。
#29
○政府委員(吉田泰夫君) これは個々の場合によって一がいに申せませんけれども、場所柄、立地条件その他から見て、この規制なかりせば自由に宅地化できる場所であるということであれば、これは近傍類地、つまり、この規制のかかっていない近傍類地は現に宅地になっているか、なっていなくても宅地可能性があるわけですから、そういった価格になっているわけでございまして、この土地を評価する場合にも、宅地見込み地として評価することにいたしております。
#30
○沢田政治君 この基準を定める場合、二号ですね、これは明らかでありますが、「神社、寺院等の建造物、遺跡等と一体となって、又は伝承若しくは風俗慣習と結びついて当該地域」、これは特に最近ケースが多いわけです。かつて宗教に国家が関与したり援助しておったわけですが、新憲法によってそれはできない、そういうことで、一部の寺院とか神社では、自分の持っておる森を売ったり宅地造成して売ったりしておるわけですね。そういう場合、これはもう今度はできなくなるわけだ。しかし、それでは檀家が少ないと寺社の維持ができない。そういう場合、これは具体的にどういうふうに解決するわけですか。非常にこういう例は最近多いんですよ。売っちゃいかぬ神域や寺院の林を売ったりなんかするのが、最近傾向として非常に多いんです。これも非常に抽象的で、伝承もしくは伝統または文化的――これは神社仏閣だから、どこまでこれは文化的な意義かわかりませんが、どういうところまでこれの適用範囲を考えておるわけですか。切って売らなければ寺社が維持できない、そういう場合、国が財政援助をするつたって、憲法上財政援助もできぬ。その場合、どういう具体的な解決方法をするんですか。
#31
○政府委員(吉田泰夫君) 寺社といえども一般国民の場合と本質的には変わらないわけでありまして、先ほど申し上げましたような補償とか買い取りの規定で対処するということになりますが、実際にその寺社の土地を買い取るということになるかどうか、これは一般の個人の土地と違いまして、そうも簡単にいかないかもしれません。第三条第一項第二号というのは、こういった伝承もしくは風俗慣習と結びついた、そういう観点からする自然環境の良好な土地というものに着目した規定でありまして、これのすべてをもちろん対象にする、実際に指定していくということではなくて、いろいろな観点から都市計画上の配慮も加え、実際上の支障の程度も、やはり法律には書いてありませんが、考慮して、指定していく、こういうことになると思います。
#32
○沢田政治君 わかったようなわからぬような答弁で、まあいいです。わかったようなわからぬような答弁に、わかったようなわからぬような質問をしておっても、これはしようがありませんが、そこで具体的にお聞きします。これはぼくの感じかもわかりませんが、特に緑を守らなくちゃならぬ、都市緑地を保全しなくちゃならぬという官庁街が――ぼくは官庁街を見ていつも考えるんですね。これは官庁営繕費との関係も、金の問題も影響があると思いますが、官庁街ほど樹木がないわけだ、ビルの砂漠地帯ですね。こういう法律を出すような、緑に対する高道な理解ある官庁が、なぜああいうようなビルディングの灰色の谷間ばかりつくるのかふしぎでならぬと思います。やっぱりビルと都市と緑というものはこういう関係なんだということぐらい、一回モデル地区をつくったとしても、役所はぜいたくだとはよもや国民は言うまいと思います。建設省の前を見たって、あそこは何もないでしょう、立地条件がそうかもわかりませんが。将来の官庁営繕もやはり国民に模範になるように、木陰にビルがあるということぐらい考えてもいい、環境に気をつかってもいい。官庁だって皆さんのオフィスだけの官庁じゃない、国民もそこをながめ、そこを通るわけですから。そういうことを考えられませんか。いつ歩いても、私が官庁を見ました場合は、まさに殺風景そのもの、全然緑がないとは言いませんが、ほとんどありませんね。ぎりぎり一ぱいにそういうオフィスをつくっていますね、感想どうですか、局長。
#33
○政府委員(吉田泰夫君) 幸い建設省が建っている場所は、国会側に面して、非常にいい場所にあります。あそこには、所管は国会の所管になっておりますが、事業としては建設省で施行し、都市計画の一団地の官公庁施設の中に取り込みましてつくりました約六ヘクタールの緑地があります。ああいう環境にすべての官庁街がなるべきで、少なくとも目立つような場所の官公庁街をモデルとしてでも緑化すべきであるということは、まことに御指摘のとおりでありまして、そのような配慮の足りなかった時代にすでに建ってしまっているものが多いわけでありますが、しかし今後も、これをさらに建てかえる、再開発するという機会も次にあるわけでございますので、そういった機会には必ず、同じ収容力を高層化することによって生み出せるわけですから、そこに前庭あるいはうしろ庭を広くとりまして、官公庁の職員ばかりでなくて、そこに訪れる人、付近の人の目やからだに緑というものが十分感ぜられる、さすがに官庁街だというふうにどうしてもしていかなければならない。ただ少し長期的にかかりますけれども、今後はそういう機会をとらえて必ず所要の予算を組み、緑地もオープンスペースとして残して再開発していくということがどうしても必要だと考えております。
#34
○沢田政治君 都市における緑を保全しなくちゃならぬというのは、これは民間人の協力だけじゃないんですよ。個々の人もそう心がけなくちゃならぬし、みずからが住むゾーンですから、生活ゾーンですからね。それと同時に、やはり行政官庁も都市の緑を保全すると、こういう提案をしているんだから、官庁なんだから、指導しなくちゃならぬのだから、お互いに全体が協力し合わなくちゃこれはできないと思いますね。でありますから、先ほど申し上げましたように、これは官庁営繕の予算の関係もあると思いますが、都市における緑は守らなくちゃならぬというのは、これは全体の声なんですから、これはまさにコンセンサスもいいところですね。そういうことですから、大臣、将来の官庁営繕については、やはりそういう方向にするのかどうか、これ必要だと思いますよ。どうですか、その付近の御見解をお伺いしたいと思います。
#35
○国務大臣(金丸信君) 先生の御指摘のとおり、私も必要だと思います。
#36
○沢田政治君 そこで、いままでの既存の法律、この法律ができた場合、これを想定して行政的に見て、たとえば最も新しいニュータウンは多摩ニュータウンですね、規模が大きくて。あの多摩ニュータウンがこの法律の理想とするところ、目的とするところからいって非常に評価が高いか、理想的なものかどうか、これをお聞きしたいと思うんです。まあ去年であったかおととしであったか、私ども委員会としてあそこを視察したわけです。ところが、あそこの工法はほとんど緑被地を
 一回はいでならして、そして建てているでしょう。ああいう方法がいいのかどうか私は疑問に感じますね。もしこの法律が施行されてからああいう工法をとったならば、私はいかぬと思うんですよ。なぜ、一部といえども緑の地はだを残さなかったかと、原生のまま。全部一回はいで、また木を植えているでしょう。あんなばかなニュータウンのつくり方ないと思いますね。なるべく多くうちをつくって、経費、割り勘を少なくするという一つの経済合理主義であるならば、この法律はまさに泣かざるを得ないと思いますよ、これは。だから今後地方の中核都市をつくるか、新たなニュータウンをつくるかする場合、ああいうばかな工法はとるべきじゃないと思いますね。これは民間デベロッパーでやったならば営利採算ですから、まあ今度は何といいますか一人協定というものがありまして、私これ聞いてみたいと思いますが、これ問題です、この点も。それは民間の場合はある程度営利採算、これがやはり先に走るでしょう、商行為ですからね。ところが、公団がやっている仕事ですよ、あのニュータウン。あれと同じような手法で、同じようなニュータウンをどんどんつくるつもりがあるかどうか。そうだとするならば、私はこの法律を審議している価値がないと思うのです、これは。意味もないと思うのです。どうですか。
#37
○政府委員(高橋弘篤君) 多摩ニュータウンでございますけれども、これはできる限り緑を確保しようという当初の計画であったわけでございますけれども、したがいまして、公園緑地という面積が全体の面積の中の一一・三%ということになっているわけでございまして、比較的確保したほうでございます。ただ、先生のおっしゃるような自然の樹木をそのまま保存するという面につきましてこれを見ますと、大体、全体の約三%程度ということでございます。したがいまして、切り土、盛り土というものを行なったところが実は多いわけですが、そういうことによりまして樹木を伐採したところが多いわけでございますけれども、多摩ニュータウンにつきましては、今後、造成後植裁を十分に行うというふうに考えている次第でございますけれども、先生御指摘のとおり、今後のこういうような町づくりにおきましては、そういう環境のいい、健康な住宅地を供給するということが目的でございますから、そういう自然を残すということを十分に考えながらやらなけりゃいけないわけでございますから、自然の診断図ともいうべきいわゆる植生計画、植生図というものをつくりまして、植生保存計画を十分に立てまして、そしてなるべく、できる限り自然をそのまま有効に使うというふうに考えたいわけでございます。そういうことで今後計画します、たとえば関西の北摂ニュータウンにおきましては、そういう計画をいま現在いたしているわけでございますし、本年度もそういう調査費についても予算がついておるわけでございますから、先生の御指摘のように、今後は十分そういう自然の樹木を残し、それをどうして有効に使うかというくふうをいたしたい、こういう手法のもとに宅地化を進めたいというふうに考えている次第であります。
#38
○沢田政治君 そのとおりにやっていただきたいと思うのですよ。緑被地を全部はいで、うちを建てたあとに街路樹か何か整然と植えてもとても自然にはかないませんよ。やはりほんとうのもとの山のはだのままのものを部分的に残して、それが非常に住民に対しては情緒と安らぎを与えると思うんだよ、おれんとこの団地の上には自然の山があるということで。それだけのやはり配慮をすべきだと思います。ただ全部緑をはいじゃって、うちを建ててからちょっと植えたらいいだろう、こういう感覚じゃもういかぬと思いますね。だから、あれは全部だめだというわけじゃありませんが、これは特段の注意をしてもらいたいと思いますね。それと同時に、ずっとこの法律を読んでみましたが、総体的に見て私の感想としては、緑を守る、いまある緑をこれ以上減らさぬという方向に力点が置かれているような気がしてなりません。ところが、いまの東京都でも大阪でも名古屋でも、これは政令都市といわれている都市は、いまの緑のままでいいかというと、これ、そうじゃないんです。これは圧倒的に少ないんです、諸外国の例を見ましても。少な過ぎるんですよ、これは。少なくされつつあるんですよ、またね、工場がどんどん建設された関係で。だから、これを回復するという積極的なものがなくちゃいかぬと思いますね。ところが、積極的に緑を増大していくという意図がどこかに書いておるかもわかりませんが、総体を通じて私の感想としては、緑地を保全はするけれども、これを拡大再生産といいますか、もっとふやすということ、こういうような意図、手段、こういうものがあまり積極的にないと思いますですね。でありますから、それじゃ意味をなさぬと思います。でありますから、将来植樹をするとか、そういう予算措置をどう考えていますか、計画をどう考えていますか。この法律が通ったならば、だれかが木を植えてくれるだろう、予算措置もとってくれるだろう、また住民が協力してくれるだろうと、こういうように住民サイドの協力に期待するだけのこれは法律ですか。どこを見ても、もっと緑を一ぱいつくっていくと、こういう積極的な意図は、この法律の中には私は感じ取れないわけですが、どうでしょう。
#39
○政府委員(吉田泰夫君) おっしゃるとおり、この法律は緑地を保全するというところに主眼を置きまして、若干、緑化協定という民間の発意による積極的な緑化という意味合いの規定も入っておりますが、何といっても主として考えましたのは緑地保全地区のことでありますので、そういう意味で現状の緑地を極力保全したいということに主力が置かれている法律でございます。おっしゃいましたように、すでに都市部で失われてしまっている緑を回復する、積極的に植樹をしたり、緑そのものをふやすことが、これはもう何としても重要なわけでありまして、この最大の手法は都市公園の整備であろうかと思います。都市計画法全体としてはそのような行政を懸命にやっておる段階でありまして、都市公園の五カ年計画も四十七年度から初めてでき、まだ実額としては不足がちでありますが、伸び率としては、各種予算の中で最高の伸びを示しております。これを今後とも着実に実行し、機会をとらえて拡大改定していくということが何よりも大事であろう、そういう都市公園を大幅に増大していくということが第一であります。しかし、都市公園だけで都市の緑化がはかれるわけでありません。そのために、ありとあらゆる機会あるいは予算を投じまして、緑化につとめなければならない。公的な面だけで申しても、まず街路樹の整備、あるいは既存の街路樹の手入れ、枯れないようにするための維持管理の徹底、それから歩行者専用道などをこれから大幅にやっていこうと考えておりますが、そういった場合に、これを緑でおおいました緑道という形にするということが最もいいわけでありまして、そういう方面に力を入れる、あるいは河川の高水敷を利用して河川環境整備事業あるいは河川敷公園事業を行なっていくということが必要だと思います。また、先ほど申されましたように、官公庁街の緑化とかあるいは再開発をとらえましてのオープンスペースの拡大とそのオープンスペースを緑化する、あるいは公団、地方公共団体等の住宅団地の開発について緑を極力残すのみならず、新しい形での緑地を生み出していくというような配慮、こういったものが総合されまして、それに現況緑地を極力保存するこの法律の制度と相まちまして、今後緑を保存するばかりでなくて逐次ふやしていくという施策をどうしてもとらなきゃならないと考えております。
#40
○沢田政治君 まあ局長の答弁を聞いていますと、非常にうれしいことで、まさに十年後の東京が緑がかおってくるような答弁ですが、どうしてやるかということですよ。たとえば、これはまあ学校とかというと文部省の関係だろうし、そういうところまで言いませんが、たとえば直轄河川とか、国道とか、こういうところだって、みんな放置されているだけでしょう、草ぼうぼうとはえて。こういうところをもう少しきれいにしたらどうですか。こういう建設省が持っている土地だけでも、ここに木を植えたほうが非常に美観上いいと、これは酸素の供給源にもなると、また自動車のガスの、何というか、遮断帯にもなると、こういうところは積極的にやっぱりやっていくべきですね。そういう予算ないでしょう。だから思い切って、そういうのが必要であるならば、この法律に照らして予算を要求していくべきですよ。ただ、あるべき姿、望ましい姿を、あなたはこうすりゃいいな、ああすりゃいいなと、何というか、幻想をまじえて答弁したって、これはもう実効はあがらぬと思うんですね。答弁が何も悪いと言っているんじゃないですよ。それ、やっぱり生かしていくべきだと思いますね、勇敢にね。これは各省庁もそうですよ、これはね。ただPTAの、何というか、カンパによって植樹するとか、花を植えるとかじゃなく、やっぱり行政官庁もそういうのを見ていくべきですよね。そういう気がありますか。答弁のとおりやれますか。これはやってもらわなくちゃ困ると思いますね。
#41
○政府委員(吉田泰夫君) 先ほど申し上げました、前半についてはこれから心入れかえて逐次改善してまいりますが、そのうちで進路につきましては、何年か前から国道につきまして補助対象あるいは直轄区間については直轄の事業費の対象として街路樹を十分に見込んでおります。本年度からは、地方道につきましてもこれを見ようということで道路局のほうでやっていただいているはずでありまして、そういうことで今後は道路につきましては、まあある程度の幅員があって歩車道が区分できるようなところはもう極力緑化をしていく、街路樹等による緑化をしていく、そのための予算は必ず補助対象に含めるということでやることにしておりますことを御報告申し上げます。
#42
○沢田政治君 同じ緑でも自然の緑でなくちゃ価値ないんですよ、これはね。ところが、これは国道だと思いますが、バイパスをつくったと、建設省でですね。まあ大体大都市ではバイパスを盛んにつくっていますね。これはいい傾向だと思います、交通緩和のためにね。ところが、いまはあるかどうかわかりませんが、ある都市で、これはバイパスですから一般の道路より広いんですね、同じ国道よりもね。まあ四車線、最低四車線になっていますね。そこで分離帯をつくる場合、これはプラスチックというのか何かぼくは原料わかりませんが、とにかく自然の木じゃないわけだ。これは化学製品だ。それをずっと、植えたんじゃないね、あれは化学製品だから、それは生命がありませんから。それを置いてあるわけだな、ずっと。あれも建設省の金なわけですね。これは無神経だと思いますね。ないよりいいといったら、これはいいかもわからないけれども、緑といったらイミテーションでも緑だという感覚はどうかね。ぼくはおそれ入っているわけですが、現実に建設省はそういうことをやっているんですよね。だから緑に対して理解が深いようなことを言っているけれども、まさに緑を無視して侮べつしておると思うんですよね。ああいうことはやっぱりあんた方が知っての上ですか、大臣。プラスチックの、石油製品の何というか、あれ置くんですよ、植えるんじゃなくですね。あんなばかなことはやめたほうがいいと思うんですね。
#43
○国務大臣(金丸信君) 御指摘のお話はいま初耳でございますが、それらのことをやるということはまことに無意味なことだと私は思います。ことに緑を強く要望しておるこの時点において、そのようなことは許さるべきものじゃない、一日も早くそれは改善いたしたいと思います。
#44
○沢田政治君 この緑化協定ですが、これは局長、自主的に協定するわけですね。別に行政的にどうこうするということは、この条文を見る限りはないんですね。これははたして実効があがるものでしょうか。ぼくはあんまりあがらぬと思うんですね。たとえばA、B、C、Dという地主が緑化協定をしたと、となると、みずからが拘束されるわけだ、今度はね。そうでしょう、拘束される。みずからが拘束されることを、所有者みずからが協定を結んで拘束される方向を選ぶということは全然考えられないというわけじゃありませんが、ちょっとあまり実効があがらぬじゃないか、こういうように考えられるわけです。でありますから、たとえば、まあこれは立法の段階で、これじゃ効果があがらぬじゃないかという議論があったかどうかわかりませんが、あったやに聞いておるわけですが、しかしお役所で、ここは緑化協定をすべきだというように押しつけると、何か官庁が人民に向かってものを押しつけると、こういうようなそしり、強権のにおい、こういうものがあるから、やっぱり自主的に協定をさしたほうがいいということに落ちついたかどうかわかりませんが、そういう話も聞いているわけですが、やっぱり緑が人間、特に都市生活ですね、こういうところにおいては必要だということは万人認めているわけだ。決して悪じゃないんですよ、だれが指図しようが、だれが自主的に協力しようが。でありますから、こういう点、遠慮要らぬで、やっぱりあの地区ならあの地区は緑化協定という方法でもけっこうだから、緑化協定をすべきならすべきだという勧告が、それぐらいのやっぱり、強制までいかぬけれども、示唆を与えて、行政が誘導していくと、こういうことぐらいやっても、私は決して遠慮に及ぶまいと思うんですよ。変なところにはまた強権を発動するけれども、こういうところには非常に謙譲の美徳を発揮して、あなた方、協定をして実効をあげてくれというような変な弱腰なところがあるんで、どうも理解できないわけです。私としては実効があがらぬと思いますね。どうですか、将来を展望してみた場合、欣喜雀躍としてみんな協定を結んでくれると思いますか、この法律に沿うて。
#45
○政府委員(吉田泰夫君) 確かにこの制度を実際に次々と指定していくにつきましては、相当の地方公共団体等によるPR、それからきめこまかな緑化技法、それは剪定とか、施肥とか、病虫害の駆除とか、樹種の選定のしかたとか、そういった緑を育て、保存するということに関するいろいろな技術、考え方、こういったものを十分こまめに説明もし、相談にも応ずるという努力の積み重ねがなければなかなか思うように指定個所がふえないということであろうと思います。御指摘のとおりだと思いますが、もしかしたなら、現にこの法律がなくても、そのような類似の制度を地方公共団体によってはとってる場所もあるぐらいでありますし、また考えてみますと、良好な住宅地であればそういう緑化協定を結んで、その街区全体を整然とした緑で守る、包むということが、もちろんそこに訪れる人、あるいはその周辺の人にも非常に緑の恩恵を与えるわけですけれども、まずもって住んでおられる方々御自身の生活環境にも非常に寄与する、ひいてはその住宅街全体の価値を高からしめるということにもつながるわけでありますので、あながちそういう自発的な制度としてしつらえましても、あまり動かないとも考えることはないんではないか。やはりそういった先ほど申しましたような指導のしかた、懇切丁寧な応接によりましては相当成果をあげていく可能性があるんではないかというふうに考えております。もちろん、この法律の制度として勧告というようなことは――拘束力がなくても、勧告といえばやはり相当きびしい感じがいたしますので、あえて置いておりませんが、実際上はそういった指導ということの中に、こういうことをすればあなた方自身にもいいんじゃないかというようなことで、相当強く指導するということは当然であると考えます。
#46
○沢田政治君 法律というのは、国民が週刊誌を読んでるように、新聞を読むように、ふだん読んでないんですよ。たとえば行政の衝にある者とか、何か訴訟するから利害関係が出てどうしても法律というものを素通りするわけにはいかぬと、こういう場合にのみ国民は法律を読むのは事実なんですよ。私は質問するから関連法案読んできているので、ふだん必要がなければあまり、毎日週刊誌を読むように法律を見ていませんよ。そういう現状から言うならば、この法律が制定公布されたと、この法律を読んで、よしやと、われわれの環境を守るためにひとつ協定しようじゃないかということには私はならぬと思うんですよね。でありますから、何かここに行政の誘い水ね、勧告とか言ったらちょっと悪いように聞こえますが、行政がやはり協定を結ぶべき旨を助言するとか、何かの行政的な呼び水がなければ、この法律を読んで、翻然として、そうしてもうつくろうということにならぬと思うんだ、実際問題としてね。法律と国民のいまの生活実態といいますか、環境といいますか、民度からいってもですね。でありますから、せっかくこういうようにしてみんなで何とか緑を守りましょうと、環境を守りましょうという法律であるんだから、少しでもこれが実効があがるようにしてもらいたいと思うんですね。そうすることが、われわれはこれを審議した場合でも非常に審議のしがいもあるわけです。ところが、全くこれは民間に、これを読んであんた方考えてよかったと思ったらこれをやりなさいということでは、これはどうもこの法律が生きてこないような気がしてなりません、先ほど申し上げました議員立法の都市の美観風致を維持するための樹木の保存に関する法律でもほとんど実効があがっておらぬのだから。でありますから、この法律もこのままでは将来どういう実績があがるかといいますと、私はやっぱりこれと同じような傾向になる可能性があると思うんですね。でありますから、せっかくこういうような法律を環境保全、生活保全、自然保全のためにつくるなら、もう一歩やっぱり行政で誘い水をするということぐらいは必要であったんじゃないかと思うんだけれども、どうかね。この点はどうも割り切れないんだ、ぼくとしては。
#47
○政府委員(吉田泰夫君) 先ほど、勧告とか、そういったたぐいの規定がなくても、行政指導あるいは受け答えその他きめこまかな説得等によりましてはある程度動くんではないかと申しましたが、これ、まあ実施してみなければ大きな口もきけないわけでありまして、御指摘の点も確かに懸念されるところではあります。したがいまして、一応こういう形ででも動けばこれにこしたことはないわけでありますから、推移を見守らしていただきまして、やはりもう一本何か、拘束力はないにしても、何らかのきっかけが法律上もあったほうがいいと、それならば進むのに、それがないばかりにどうも進みにくいというような点が見られる、地方公共団体側からも意見が出るようであれば、その段階において十分検討さしていただきたいと存じます。
#48
○沢田政治君 手続上は自発的な協定を結ぶ以外ないわけです。市町村長はこれを認可するだけです。認可のない前に結んだらいかがですかと言う権限はないし、そういうことをやっちゃいかぬというわけじゃないけど、職務でもないわけですね。でありますから、この法律を、何というか、民間の方々が読んで、これはいい法律だということにならなければこれは効果があがらぬわけです。動かぬわけだ。協定もできぬわけだ。でありますから、私はやっぱり呼び水に行政としても、こういう法律をつくるんだから、なんじら法律を読んで実効をあげよと、こういう式じゃなくて、こういう場合には全体のためにいいことでやるんだから、いい法律なんだから、これを生かすという一つの手段といいますか、そういう方法も必要であったんじゃないかと思います。これは私の意見です。でありますから、将来、これは一、二年やってみてこの実績がなかった場合はまた別の手法なんて、手法の上の手法を積み重ねないで、逐次ちゅうちょなく改善して、少しでも実効があがるようにすべきだと、こういう意見を付加しておきたいと思います。
 それと、この協定を結ぶ際には、これは全員の合意でありましたね。変更する場合、廃止する場合、どうでありましたか、ちょっとそれ言ってください。
#49
○政府委員(吉田泰夫君) 当初結ぶ場合と変更する場合は全員合意でありまして、廃止する場合は過半数の合意というととであります。
#50
○沢田政治君 協定を結ぶ場合は全員の合意、変更する場合も全員の合意、廃止する場合は過半数、どうもそのつながりがびんとこないんですね。廃止する場合も、これは全員の合意でなくちゃおかしいんじゃないですか。一部変更する場合は全員であって、変更することでさえも全員の合意であって、全部やめちゃうという場合、過半数というのはどういうことですか。ちょっとわからぬですね。
#51
○政府委員(吉田泰夫君) 住民の自発的な、自主的な制度として考えましたので、当初つくるときに全員同意ということでございますが、変更ということは、まあ一部削ったり、一部追加したりということでありまして、結局部分的に切りかえるだけであるとしても、言うならば従来の協定をやめてかわりの新しい変更した協定制度に切りかえるということでありますから、やはり当初の場合と同じように考えざるを得ない、こういうわけであります。それに比べまして廃止ということは、これはやめる一方でありまして、新しく何かをやるということはありませんから、そういう意味で当初つくる場合とは違ってくる。そこで当初つくる場合とは違うとしても、なおかつ、半数というのはいかがなものであろうかということになりますが、もともと自主的な制度でありますので、一人、二人、少数の者が気にくわない、あるいはその土地なり建物を承継した人が、そんなことはおれの知らぬうちにきまったことだと、こう言いましても、そういういわばかってなことは許さないという制度でありますが、日月もたって周囲の状況等も変わるかもしれません。そういった場合に半数をこえる人が、もうこういう制度はわれわれ困る、こういうことに一致した場合に、逆に少数の人の意思でそれを存続していくというのも、これもまた自主的制度としてはなじみにくいのではないか、こういう意味で、廃止の場合には過半数、要するに半分以上の人がもうそれを存続する意思を失った、そういう意味で自主的な制度がそこに終わらざるを得ない、こういうふうに考えたわけでございます。
#52
○沢田政治君 そうなると、ますますこの法律の効用というものと効果というものに疑問を持たざるを得ないわけですよ。全く投げやりですね。結ぶときは合意の上にやりなさいと、変更する場合もこれは全員合意だと、もう緑要らねえじゃないかという住民の意識の変化があった場合は、もうしょうがねえじゃないかと、もともと自主的なものであるからと、やっぱり行政というものは何といっても全体の環境を守るということですよ。ぼくは都市というのは一部じゃないと思うのだよ。そこを含めての都市なんですよ。自分が住んでおるところだけ、自分がよければいいというわけじゃないんですよ。全体の機能を称して都市機能というんですよ。だから、その住民が半数ぐらいは、もうやめたい、ここをもっと別に利用したいと、緑なんてどうでもいいやと、もう少し家を建てようじゃないかという場合は、半数の造反が――造反かどうかわかりませんが、こういうものがあった場合やめてもいいということじゃ、どうも私はその付近は、うまい答弁はしているけれども、その付近を聞くと、また何かこの法律というものは実効があがらぬと、投げやりだと、抜け穴があると、こういうように感ぜざるを得ないんですけれども、ますます緑が必要になるでしょう、いまの状態を想定したならば。人口がふえていっているのだから、大都市はね。年月がたって必要でなくなるという時代というのは何世紀後か、まだ四分の一世紀ですか、どれぐらいですか、これは、必要がなくなるというのは。わからぬですよ。説明が納得できないんですよ。
#53
○政府委員(吉田泰夫君) おっしゃいますように、この緑化協定の制圧は、まあ見方によっては、当初は全員同意であったり、廃止するときは過半数の同意であったりいたしまして、非常に弱いといいますか、ゆるい制度であるように見えます。しかしながら、私どもの本来意図しておりますのは、やはりその自主性を待って受け入れられるようなそういう制度にしておいて、そしていろいろな市町村側によるPRや指導と相まって、これができるだけまず多く協定ができていく、このためには、あまり強いものにいたしますと、やはりいまはいいけれども、先々心配だというようなこともあって同意が得にくいという面もありますから、そこは将来過半数の意図がまとまれば廃止もできるという、いわば先行きの安心感を基礎に、まあ、いまのところは協定を結ぼうじゃないかということで、踏み切りやすいことにしておいたほうがいいんではないか。それから、この協定が実施されますと、道路をはさんだ前庭などに植樹帯ができまして、事実、木を植えて育ててまいります。そうしますと、まあ三年とか少なくも五年ぐらいたてばある程度の緑の帯が物理的にでき上がってまいりますので、そこでほぼそういう緑の環境というものが安定するといいますか、定着すると申しますか、そういう状態になっていくんではないか。かりに、そのあとで廃止になりましても、あるいは期限がまいりましても、そういう事実上の育て上げられた緑をまたわざわざこわす、これはまあ自由になりますけれども、一応町並みとしてはそろってできておりますし、全体として緑の豊かな住宅街区の環境というものは、相当長期にわたって保存されるのではなかろうか。そういう事実上の緑の定着というようなことも考え合わせまして、廃止のときは過半数の同意ということをいろいろな面から考えまして、全員同意というようなきびしいものにしないほうがいいんではないか、それでも相当の効用を果たすのではないかというふうに考えておる次第でございます。
#54
○沢田政治君 緑がある年月をたつともう定着しちゃうんだから、過半数で廃止しても、もう定着しちゃって、そこに乱開発とか、また緑を伐採して宅地化するとかということは行なわれぬのじゃないかと、こういう非常に善意な解釈をしておられるようですが、私はそうじゃないと思うのですよ。まさに十年、二十年じゃない、百年、二百年、武蔵野原時代からの風致地区でもどんどん切り倒されるでしょう。一部はもう文化的に必要な史跡なんかでも掘り起こすでしょう。これは宅地の需要供給の関係によりますが、そういうような人間性善説をとるというのは私は禁物だと思うのですよね。でありますから、せっかく全員でここを緑化協定しようという場合でありますから、一部を拡大しようとか、一部は都合が悪いから、ちょっともう一%くらい、ここだけはよそうということくらいだったら過半数でもいいかもわからぬけれども、全員合意の上で協定を結んだ以上は、全員合意の上でこれを廃止するぐらいの歯どめがなければ、定着しちゃうのだから、だれもここには傷つけまいという一つの善意な人間の、何というか、善意説をとっているのかどうかわからぬけれども、そういうお人よしの解釈で、はたして将来そこが定着して確保されるとは私は考えられないと思うのですけれども、あなたはどう考えますかな。私はここは非常に抜け穴だと思いますね。大臣どうですか、考えてみて。
#55
○国務大臣(金丸信君) いま局長からいろいろお話をいたして御質問に答えたわけでございますが、私も聞いておって非常に弱いなという感じもいたすわけでございますが、一応こういう法律になっております。先ほど来からお話しのように、いろいろこの法案の中に、いま少しこうやったほうがいいというような面もあるわけでございますから、それとあわせて再検討さしていただきたいと、こう思います。
#56
○沢田政治君 まあ、ここで修正案を出すとか、そういう意味じゃなく、やっぱり将来、これはみんなのために都市の緑を守るということだから、一年たったあとでも実効があがらなかった場合には、ちゅうちょなくいい方向へ改善していくべきだと思うのですね。これは行政府のメンツにこだわっておる必要はないと思うのですね。
#57
○国務大臣(金丸信君) わかりました。
#58
○沢田政治君 そういうことで、二十条で非常に私矛盾を感じておるわけですが、まずこの法案の中身より、協定という日本語は、解説するとどういうことになりますか。協定という日本語は、どう解釈するのが至当でしょうか。この法案の中身じゃなく、すなおに日本語を読んで、協定というのは何であるか、ちょっとお教え願いたいと思います。これはここで勉強したいもので……。
#59
○政府委員(吉田泰夫君) 通常は、二人以上の主体の間に結ばれる約束ごとであろうかと思います。
#60
○沢田政治君 私も東北人でありますので、日本語がうまくないもので、ちょっと模範国語辞典と漢和辞典を読んできましたが、協定とは、これは模範国語辞典では、相談してきめると書いていますね。漢和辞典は、話し合った上できめる、相談してきめる、契約は約束、約定は約束して取りきめる、約束してきめる、大体こういうことなんですよね。複数じゃなく、単数で協定ということはあり得ないのですよ、これは実際問題として。そうでしょう。自分で自分がきめ得るものは何でしょうか。これは何というか、座右銘かなんかなら、おれは金ほしくないという座右銘をきめたら、これはまあ自分できめれますね。そのかわり、だれにも第三者には拘束力はない。だから、単数の協定というのはないと思います。ところが、この二十条では――ちょっと二十条読んでみてください。
#61
○政府委員(吉田泰夫君) 第二十条「(緑化協定の設定の特則)」、「都市計画区域内における相当規模の一団の土地(第十四条第一項の政令で定める土地を除く。)で、一の所有者以外に土地所有者等が存しないものの所有者は、市街地の良好な環境の確保のため必要があると認めるときは、市町村長の認可を受けて、当該土地の区域を緑化協定区域とする緑化協定を定めることができる。」、二項「市町村長は、前項の規定による緑化協定の認可の申請が第十六条第一項各号に該当し、かつ、当該緑化協定が市街地の良好な環境の確保のため必要であると認める場合に限り、当該緑化協定を認可するものとする。」、三項「第十六条第二項の規定は、市町村長が前項の規定により認可した場合について準用する。」、四項「第二項の規定による認可を受けた緑化協定は、認可の日から起算して一年以内において当該緑化協定区域内の土地に二以上の土地所有者等が存することとなった時から、第十六条第二項の規定による認可の公告のあった緑化協定と同一の効力を有する緑化協定となる。」、以上でございます。
#62
○沢田政治君 都市計画区域内における相当規模の一団の土地を一人で所有する者は、市街地の良好な環境確保のため協定を結ぶことができる、だれと相談してきめますか、この際。一団の土地を一人で所有する者が協定を結ぶというのだから、先ほどの日本語によりますと、相談をしてきめるという、相談の主体はわかりますわな、土地を持っている人だと。客体のほうはだれですか。だれと相談して協定を結ぶのですか。協定は一人じゃ成立しないということは、あなたも言っているでしょう。相談してきめるということを言っているのだから、この際、だれと相談してきめますか。きめようがないじゃありませんか。自分の座右銘で後世の者に従えという法律的な拘束をするというのは、これは法理論的にいってちょっと矛盾がありますよね。だれと相談してきめるか、そのだれかをさがしてください。
#63
○政府委員(吉田泰夫君) おっしゃるとおり、この場合は一人でありますから、相談の相手というものはありません。それで緑化協定というのはおかしいじゃないかということでありますが、これは確かに奇異な感じもいたしますけれども、この法律の条文に書いてありますとおり、効力を生ずるのは、第四項におきまして、その区域内に二以上の土地所有者等が存することとなったときから初めて効力を生ずるということになっておりまして、いわば二人以上、つまり本来の意味の協定ということが成り立ち得るような、そういう時期になってから緑化協定としての効力を生ずる。その前の段階はといいますと、そういう効力発生の条件のついた協定以前の段階でありまして、これは厳密に書き分けることも一法かと思いましたけれども、いずれ緑化協定ということになって、そこで初めて効力を生ずる、いわばその手続段階の呼び名であります。したがいまして、これをそういう条件づきの――効力発生には条件がついているという意味で初めから緑化協定と、かりに感じとしては、語感としてはおかしいかもしれませんが、そういうふうに呼ばしていただいて、それが、土地所有者が二以上になったときに、緑化協定ということで効力を生ずるというふうに規定した次第でございます。
#64
○沢田政治君 効力はいいのですよ。ところが、その効力前に緑化協定を定めるわけですね、一人で。たった一人で定めるわけですよ。まさにこれは、かつてのキングが、おれが法律だったことと同じですよ、一人できめたものに拘束力を持たせるのだから。協定は存在しないじゃないですか、一人では。効力はいいですよ、あとの問題だ、これは。協定というのは一人じゃ成り立たぬということを、協定をここに成り立たせているのだから、そうして次に拘束力を持たせているのだから、論理としてはやはり矛盾がありますよ、これは。そうじゃありませんか。協定はすでに定められるのだから――協定じゃないのでしょう、これは。効力をあとに残すのだったら、これは別の手法があると思うのだよ。法律的にも協定じゃなく、どう見ても、私は論理的につながっていきません、協定ですから。その付近を、実はこうなんだと、他にこういうような法律の手法があるならあるというふうに、立法例を教えてくださいよ。協定ですよ、この際。
#65
○政府委員(吉田泰夫君) 確かに、おっしゃるとおり、この十四条で全員合意で結ばれる緑化協定と、それからこの第二十条から出発します緑化協定は、その出発の時点においては法律的な性格を異にしているわけであります。つまり、第十四条に基づく緑化協定は、全員合意に基づく一種の私的契約のようなもの、これをあとで市町村長がオーソライズして対世的効力を持たせようというわけでありますが、その二十条というものは、仰せのとおり、協定と申しましてもいわば名ばかりのもので、相談する相手方はこの段階ではない、一人できめるわけでありまして、まあ規約とか要綱とか、そういうのにむしろふさわしいような性格のものであります。したがいまして、制定の手続等も若干十四条以下とは異ならしておりまして、市町村長が認可することは同じでありますが、第十六条第一項各号に該当するほか、その「緑化協定が市街地の良好な環境の確保のため必要であると認める場合に限り、」というような条件を加えて、その一人のあまりにも恣意的な判断による後継者への承継、義務の承継ということを防止するように計らっている次第であります。しかしながら、二人以上になりましたときには、これは複数のものがあって、その後の変更とか廃止ということは緑化協定と同様に動かせます。文字どおりの協定になりますので、そこで効力を発生するという意味で、いわば効力発生前の段階ではありますけれども、効力発生後の姿を考えた場合の「協定」という字句を当初の段階から――性格は異にするんですけれども、用いさしていただいた、こういうわけでございます。
#66
○沢田政治君 そうなると、これは特に民間デベロッパーですね、宅建業、こういうところに多いと思います。一人で土地を開発して、そして売るわけですから、無数の人に――まあ無数か十人か二十人になるか、わかりませんが、売るわけでしょう。その場合、買った人がその拘束を受けるわけですね、今度は。それから効力が出てくるといいますから、複数のものに移動した場合、そういう場合、民間デベロッパーの宅建業の方が教える義務がありますね。土地を買っても、緑化協定の何というか、おれが一人できめて一人で届けておいた、そして一人で認可を受けておいた緑化協定が生きてくるんだから、あなた方はかってにできませんよと、こういうのを告知する義務がありますね。そうでなきゃ詐欺でしごう。どだい自分で買った土地というものは、これは建築基準法の建蔽率とか何かの制限はもちろんつく、日照権もつく。まあ日照権は法律にありませんけれども、高さの制限とか北側斜線とかいろいろ出てくる。それ以外は自由に使えると思って買うわけだ、買う人はみんな。そうでしょう。そんなものはわからないんだから、自分が協定の当事者じゃないんだから、そうなると、そういう拘束があるものを売る場合には、当然この法律においても告知させる義務があるんです。それを了承して買うならば、協定には参画しないけれども、自分が拘束されることを了承するんだから、ある程度の救済措置はありますね、それを覚えて買うんだから。ところが一般の土地取引の場合は、土地を買う、あとは自分で家を建てる、建蔽率違反の以外はこれはつくれる。どこかの庭に利用する、木を切りたい、これも自由なわけだ、自分の所有権として登記された以上は。そうでしょう。ところが、これには全然告知し納得させる手続、何というか結節が全然ないわけだよ。そうなると、これは詐欺罪が成立しますよ。おかしいじゃないか。まあ抵当に入ったものを抵当に入らぬと言ったと同じような結果になると思うんだ。そういうトラブルがあった場合どうなるんですか、これは。協定の当事者じゃないんだから、買った人は。
#67
○政府委員(吉田泰夫君) この法律では第十六条の第二項ということを準用いたしておりまして、認可をしたときにその旨を公告し、市町村の事務所に備えて縦覧に供する、それから、そこが緑化協定区域である旨を掲示板等によって当該区域内に明示するという措置が一つあります。
 なお、宅地建物取引業法に第三十五条という規定がございまして、いわゆる告知義務といいますか、「(重要事項の説明等)」という規定があります。宅建業者が相手方に対して、「取引主任者をして、少なくとも次の各号に掲げる事項について説明をさせなければならない。」というような規定でありますが、その中に「都市計画法、建築基準法その他の法令に基づく制限で政令で定めるものに関する事項の概要」というのがありまして、その政令に追加して規定することにいたしております。
#68
○沢田政治君 そうなると、デペロッパーの場合、これはもうあってもなくてもいいのですね。一人じゃ緑化協定しなくてもいいし、した場合でも一年以内にこれを取り消せばいいでしょう、効力発生する前に。そうなると、合意というのは一人で合意が成立するわけですね、十九条の過半数が廃止の場合は。一人でもこれは緑化協定をして届けよう、いや売ってみたところが、どうも緑化協定づきでは、こんなところを買ってもだめだというときには、では緑化協定やめだということをいっでもできるわけだね。そうでしょう。だから、この二十条というのはあってもなくてもいいんだよ、これは。全く見せかけですよ、これは。
 一人で届け出て、そうして皆に分譲したところが、これは協定区域だからちょっと制限がつく、買わない、AもBも買わない、CとDはいいというと、だけれども全体は売りにくい、そこで何というか十九条において、売れ行きがかんばしくないからこれをやめよう、こういうことになるわけですよ。こんなばかな法律というのはあるものか。これはあってもなくてもいい。一人できめて一人で取り消してもいいというようなもの、実につまらないようなものをつくったと思いますね、どうですか。
#69
○政府委員(吉田泰夫君) おっしゃるような事態の場合は確かにそうなるのですけれども、やってみてうまくいかないならやめるというくらいの人は、初めから大体において緑化協定を一人ででも考えないであろうということも考えられます。私どもはむしろ二十条というものこそ一人の段階で意思がきめられ、分譲してしまえば何十人、何百人という人になりますが、それにつきましても一応その効果を継承させる。もちろん、その何十人、何百人の人が過半数で廃止ということになればそれは消えてしまいますけれども、せっかくの緑化協定はそのまま生かしていこうという意思の人が過半数を持っている限り、廃止されないで存続されるわけであります。しかし、一たん分譲してしまったときに、その何十人、何百人の人が全員合意するということはきわめてむずかしい、ひいては全員合意のできるような比較的小範囲の区画だけが緑化協定をする、あるいはその地区内は全然緑化協定の動きすらないということになることと比べれば、一人でも緑化協定をかりにつくっておいて分譲をしたときにその効果を発揮させるという制度は非常に効果があるのではないか。特に民間デベロッパーにしても、その造成宅地の団地のイメージアップということも、みずからのメリットもあると思いますし、また入居するほうにもそれなりのメリット――緑化協定つきの団地に家を建てるというみずからも義務を負いますが、隣人も義務を負って相携えて緑豊かな町ができるという、そういうすぐれた住宅環境になるところを入手するんだ、家を建てるんだということにもなろうかと思います。また、住宅公団とか、そういった公的機関による宅地開発を考えれば、これはいろいろ行政上の連絡、指導等によりまして必要なる緑化協定をまず結んで、それから譲渡するということもデベロッパーの場合非常に考えられるわけでありまして、この二十条というのは相当効果を持つのではないか、このように見込んでおる次第でございます。
#70
○沢田政治君 話は戻りますが、首都圏の近郊緑地保全区域の指定状況ですけれども、これは詳しくどうなっておりますか。たとえば風致地区の指定状況とか行為の制限状況、近郊緑地の保全の指定状況、近郊緑地特別保全地区内における行為規制状況、近郊緑地特別保全地区内における土地買い取り実績、さらに歴史的風土の保存、この指定状況、それと歴史的風土特別保存地区内における行為規制状況、歴史的風土特別保存地区内における土地買い取り実績、これ、わかったら詳しくちょっとお知らせ願いたい。
#71
○政府委員(吉田泰夫君) まず風致地区でございますが、指定状況は、昭和四十六年三月の現在で、市町村数にして百八十五、地区数六百三十六、面積は十三万八千余ヘクタールであります。行為制限状況としては、これは建築物の建築とか、土地の形質の変更とか、木竹の伐採とかいろいろありますが、その総計を見ますと、許可申請件数三万五百四十三件に対し、大部分の三万四百二十五件というものが許可されております。
 次に、首都圏の近郊緑地と近畿圏の近郊緑地でありますが、届け出制の区域である近郊緑地保全区域というものが、首都圏で十六地域、一万二千ヘクタール、近畿圏で六地域、八万一千ヘクタールでございます。そのうちで許可制を伴っております、きびしく規制する特別保全地区というのが、首都圏では七地区、五百八十ヘクタール、近畿圏では五地区、五百九十四ヘクタールということになっております。これに対する行為の規制状況は、両方合わせまして、申請八十八件に対し許可件数が十一件ということであります。
 次に、歴史的風土の保存区域でありますが、これも届け出制のみによるゆるい地域は市町村数で八、区域数で五、面積で一万三千ヘクタール、それからその中で許可制になっております、きびしい地区が、地区数で三十七、面積は三千八百ヘクタールでございます。行為の規制状況は、申請件数一千二十二件に対し、許可件数は七百七十四件ということになっております。
 それから土地の買い取りの実績でありますが、首都圏と近畿圏の特別保全地区内の買い取り実績は、合わせまして五十一万六千平方メートル、金額で八億二千二百万余円であります。
 次に、歴史的風土特別保存地区の土地の買い取りにつきましては、四十九万平方メートル、金額にして二十二億四千万円ということになっております。
#72
○沢田政治君 これは管理状況どうなっていますか。歴史的風土、このほうは行政財産として財政援助をしてこれは保護をしているわけですが、近郊緑地特別保全地域内に買い入れた土地を草ぼうぼうにしているのか、野放しにしているのか、その維持管理はどういうようにしていますか。
#73
○政府委員(吉田泰夫君) 都道府県におきまして所要の予算を組み、樹木の保存とか、清掃とか、病虫害の駆除等を行なっているわけでございます。
#74
○沢田政治君 草刈りぐらいはしていると思いますが、積極的に植栽していますか。そうでなければ、せっかく買い入れた土地を荒らしちゃったってしようがない。それをさらに何といいますか、やはりよい自然環境に仕上げていく一つの義務があるんですね、買い上げた以上は。民間のときより悪い環境になったということになると、何のために国費をもって買ったかわからなくなるでしょう。だから、どれだけの金額を全国的に行なっているのか。何というか、当然この法案をここに提出するにあたって、それくらいの把握をしておらなければ、これはいかぬと思いますよ。将来に、これを買っていくんだから、指定した区域を現状維持じゃだめですよ、これは。いまより環境をよくするために国が金を出して買うでしょう、だから、その後の把握をどう把握していますか。
#75
○政府委員(吉田泰夫君) この近郊緑地の買い入れました土地の維持管理、保全費というものにつきましては、そういった費目での予算というものは国の補助金としてはございませんが、先ほど申し上げました土地の買い上げ費用に対する事務費というかっこうで数年前までは一%程度しかついておらなかったんですが、そういった維持管理的な経費にも充て得るようにという配慮から、近年では四%の買い上げ費に対する事務費を、計上を見ておりまして、同じ補助率で補助しているわけであります。こういったものをもとに、地方公共団体においても必要な予算を組みまして、広く維持管理の費用、もちろん買い取りの事務費そのものにも一部充てられますが、余裕のあります分について、広く維持管理の費用に充てているというわけでありまして、そのうち積極的にどの程度の植栽までしているか、それに投じた金の額等については、どのぐらいになるかという点は、申しわけありませんが、ちょっと手元で調べておりません。
#76
○沢田政治君 その具体的な数字まで、ここで即、即答せよということを言ってるんじゃないです。往々にして、国が買収した土地で、個人が持っておったときより荒れ野が原になって、そうしてもう雑草のために樹木がおおわれて、小さい樹木は死んじゃいますよね、雑草に負けて、そういうところがあります。ぼくは現に知っています、それは。でありますから、少なくともこの全体の風致のためにここを買うのだから、現状より悪化させるという手はないと思うんですよ。少なくとも義務があると思うんですよ、現状よりよくする。でありますから、事務費の何%とか言わぬで、国費でせっかく買って全体のために用立てようとするんだから、それをやっぱり向上さしていく、よりよい環境にするという一つの義務があると思いますね。そうでなければ買った目的はないわけですよね。でありますから、この予算措置についても、いますぐ即答求めませんが、なるべく買った目的を、やはりそれを発展させる一つの措置を考えておいてもらいたいと、こういうように考えます。法律ができたから、それでもう自動的に作用して緑化がどんどん拡大するのだということではいかぬと思います。
 それともう一つ、最後に私は要望しまして私の質問終わりますが、この法律にも、ここは緑化地域だということを、指定地域だということを、何か掲示かなんかするようですね。これはぜひともやってもらいたいと思うのだ、少しぐらい金がかかっても。よく地方へ行っても、何か鳥獣保護区域ですか、あれ、至るところでぶつかりますね。あれは非常に、ここはやっぱり環境を守る地区かなということで、われわれも非常に感激をするわけだ、ああ、これはいいことだなということで。そういう意味で、やっぱり心のない人はどこが保護地区だか保全地区だかわからない人がおりますから、これは少々の経費がかかってもやっていただきたいと思います。
 で、大臣、先ほどから取りとめもない質問があったわけでありますが、聞いておったと思いますが、この法律ができたためにすぐ都市の緑化が現状のまま守られ、しかも現状より飛躍的に良好な環境になるということは考えられないんですよ。抜け穴といいますか、人の善意と民間の協力に仰いでいることが非常に多いんです。そういうことでありますから、これの実効をあげるかどうかというのは、やはり行政サイドの行政責任に私はかかっていると思います。そういうことでありますから、民間の自主的な緑化協定の場合でも、なるほど緑化協定してメリットがあったと、われわれもいいし、全体もいいという、何というか、そうして局長が言ったように、それが廃止されたあとも定着するように何らかのやっぱり行政的な援助が必要だと思います。私は金額とか、援助の方法まではここで言いませんが、この一点をひとつ研究課題として考えていただくことを特に要望しまして、私の質問、これで終わります。
#77
○国務大臣(金丸信君) 先生の、緑化協定に対する予算措置の問題につきましては、先般もお答えいたしたわけでございますが、何らかの方法で具体化したいと考えておりますので、ぜひひとつ今後の予算措置に全力を傾けて御期待に沿いたいと考えております。
#78
○委員長(野々山一三君) それでは午後一時半まで委員会を休憩いたします。
   午後零時十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十九分開会
#79
○委員長(野々山一三君) これより委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、都市緑地保全法案の質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#80
○竹内藤男君 先ほど沢田先生からもお話がございましたように、都市における緑のオープンスペースの必要性はいまさら言うまでもございませんが、都市内の緑の保存あるいは緑の造成が、避難緑地でありますとか、あるいは工場等の公害地域との間の緩衝緑地でありますとか、あるいは市民のためのいこいの場所、特に児童のための公園とか、あるいは風致景観を残していく場所として必要なことは当然でございます。その意味で都市計画法において定めてございます公園緑地の制度、この公園緑地の制度も、かつては施設中心であったわけでございますが、最近は非常に植樹をするようになりまして、緑を積極的に造成するという意味で非常に大事な制度になっていることは沢田先生が先ほど御指摘になったとおりでございます。その都市計画公園緑地制度、さらに風致地区の制度、これは都市内の風致を維持するために緑の集団と建築物との調和をはかっていく制度といたしまして、風致地区の制度というものも先般の都市計画法で改正になりまして、積極的に都市内の風致を残していこうという制度になっているわけでございますが、さらに今度の都市緑地保全法におきまして、いま申し上げましたような積極的な緑の造成ということと並びまして、緑地保全地区という良好な自然的環境を保全しようとする制度を設けることは、きわめて適切な措置であろうというふうに私は考えるわけでございます。さらに、これから、すでに提案になっております都市計画法の改正の中で、宅地開発の許可をいたしますときに、環境を保全するため、植物の生育確保のために必要な樹木の保存、表土の保全といったような措置が新しい都市計画法の改正で講ぜられようとしていることも、先ほど沢田先生の御質問にもございましたように、自然を残すという意味におきまして非常に大事なことだろうと思うわけでございます。今回の緑地保全地区の制度は、従来ございました古都保存法の特別保存地区とか、あるいは首都圏、近畿圏の近郊緑地特別保全地区のいわば考え方、手法といったようなものを全国に及ぼそうというものでございまして、最近の緑地の待望というものが、単に大都市とかあるいは古都の周辺、古都にとどまらず全国的に緑地保全をしてもらいたいということが国民の要望になっている状況に即応した適切な措置であるというふうに考えるわけでございます。しかし、緑のオープンスペースを十分確保する上において、現行制度ではまだまだ不十分な点があるように思われますので、その点についてまず二、三御質問を申し上げたいと、こう思うわけでございます。
 今度の緑地保全法の内容を拝見しますと、その第三条におきまして「(緑地保全地区に関する都市計画)」というところで緑地保全地区の要件をきめているわけでございますが、この第三条によりますと「都市計画区域内において、樹林地、草地、水辺地、岩石地若しくはその状況がこれらに類する土地」というふうに限定をいたしております。これにはいわゆる農地が入らないのかどうか。たとえば農地の中にもいろいろあると思いますが、永年性の作物をつくっているものもございましょうし、あるいは芝などを栽培しているところもございましょうが、その農地が入らないのかどうか。私はこれではちょっと読めないと思うんでございますが、その点について最初に御質問を申し上げたいと思います。
#81
○政府委員(吉田泰夫君) 法律の明文には必ずしも明らかでありませんが。この要件を総合的に読んでまいりますと、樹林地、草地、水辺地、岩石地等の土地で良好な自然的環境を形成しているものというのを第一の要件にし、続いて一号、二号、三号という各号該当というものを第二の要件にして、両方の要件に適合するものという規定でございますので、原則としては農地は入らないものと考えております。もっとも茶畑とか果樹園のごとき永年作物で樹林地というようなところで読めるようなものもあるかと思いますから一がいにも申せませんが、普通の一年性作物を植えているような農地につきましては、この要件には該当しないものと考えております。
#82
○竹内藤男君 まあ大体第三条には特別な場合を除いては農地は入らないと。農地につきましては、これを生産緑地というような制度をつくってくれというような声がございますが、これについてなぜ入れなかったかということは後ほどお聞きすることにいたしまして、自治省の方――つい先ほど四月に国会を通過しました今回の地方税法の改正におきまして、首都圏等の三大都市圏の中で一定の区域の中の市及び東京都の特別区にございますいわゆるAB農地につきまして、いわゆる宅地並み課税というのがなされました。これは非常に土地対策上あるいは宅地対策上かなり高く評価されているわけでございますが、その後の実施状況を見てまいりますと、いろんな問題点があろうかと思います。一つは、宅地並み課税をされておりますAB農地を持っている市町村におきまして、宅地並みの課税でふえます財源を、端的に申し上げますと固定資産税なり都市計画税の全部または一部に該当するお金を緑地保全という名分で環元している市があるわけでございます。私は自分で直接調べたわけではございませんが、全国農業協同組合中央会とかあるいは全国農業会議所のつかんだ資料によりますと、埼玉県の川口市でございますとか所沢市、あるいは神奈川県の藤沢市、京都府の宇治市、愛知県の岩倉市、東京都の三鷹市、さらにきょうの日経によりますと、神奈川県の大和市におきましても「「市街化」農地を公共用地に」して課税分を全額補助するというようなことが出ておりますが、こういうようなやり方はまあいろいろございます。条例でやっているところもございますし、あるいは要綱といったような形でやっているところもございますが、こういうようなやり方をしております。その中身は大体市長が――登録農地といったりあるいは保全緑地といったり、生産緑地といったりしておりますけれども、そういうような地域を指定いたしまして、そしてその農地の所有者と市長との間に緑地協定というようなものを結んで、そしてその緑地協定を結んだものにつきまして謝礼金の形――謝礼ということばを三鷹市では使っておりますし、藤沢市では奨励金といっております。川口市では補助金といっておりますが、そういうようないろんな名目で税金の還元をしているわけでございます。こういう制度は、国としては宅地並み課税をするということで、土地対策上大事なことだといってやったわけでございますが、それを自治体が何と申しますか、実質上宅地並み課税がされないような形にしている。まあ新聞によりますと、田中種まきゃ自治体ほじくると、こういうようなことをいっているところもございます。こういうことで税制改正の趣旨を乱すことになるんじゃないかと、私はそう思うわけでございますが、こういうことについての、課税当局としての自治省の見解をお聞きしたいと思います。
#83
○説明員(川俣芳郎君) 市街化区域におきまする農地と近傍宅地との間の固定資産税の負担に著しい不均衡がございましたもので、これを是正し、あわせまして土地政策に資するという観点から、今年度におきまして税負担の不均衡が特に著しく、かつ、宅地の需要が多く、土地対策の必要性が特に強い三大都市圏、いわゆる特定市街化区域農地について課税の適正化をはかることとしたところでございます。ところで、ただいま御指摘がございましたように、一部の市におきまして緑地保全等を目的といたしまして、いわゆるAB農地のうち一定規模以上の農地に限り、かつ、一定期間以上の農業の継続を条件とするといたしまして、補助金あるいは奨励命等を交付していることは御指摘のとおりでございます。で、私どもといたしましては、これらにつきましては、それぞれの市が緑地保全確保等の見地から独自の判断で行なっているものでございますが、ただ、補助金等の交付が、かりに全対象農地に対してこれが及ぶというようなことになりますと、立法の趣旨に明らかに反するものでございまして、適当ではないのではなかろうか、かように考えております。
 なお、国会の附帯決議にもございますように、都市計画法上、生産緑地の制度が設けられるということをなりますと、関係の市におきましても、補助金交付について当然再検討をするというようなことになるのではなかろうか、かように考えております。
#84
○竹内藤男君 いまの御答弁は、要するに、AB農地全農地について税金を事実上還元するようなことは税制の趣旨に反するけれども、一定の期間、一定の規模以上の農地について、これが緑地保全のために必要であれば、これについて何らかの形でお金を交付するということはいいんだというふうに聞いたわけでございますが、その実態を見ますと、非常にまちまちでございます。ただ、あるところ、藤沢市あたりにおきましては市街化区域に限って行なっておりますけれども、川口市では市街化区域に限らずこれをやっておるという、地域の何というのですか、範囲、全体の地域の範囲についてもまちまちでございますし、その面積も、ところによっては一ヘクタール以上、ところによっては三千平方メートル以上といったような、面積のとり方もまちまち、また、いま申しましたその農業の継続期間も、三年でいいところ、五年でいいところ、十年でいいところというようにまちまちでございます。また、その営農の形態につきましても、川口市のように水田は除くといっているところもございますし、あるいは藤沢市のように農業生産すべてについて考えていくというところもございます。こういうふうに非常に内容がまちまちであります。
 しかも、もう一つの問題は、総じて申し上げまして、緑化の目的というものが限定されてない。ただ緑地であればいいと、生産緑地であればいいというような考え方で、たとえば今度の法律でございます「緑地保全地区」、第三条におきましては、一号、二号、三号といったような緑地設置の目的がある。たとえば遮断地帯であるとか緩衝地帯であるとか避難地帯として適切な位置、規模、形態を有するものであるとか、あるいは神社、寺院等の建造物と一体となって伝統的または文化的意義を有するものとか、あるいは風致、景観がすぐれているとかいったような目的の限定をしておりますけれども、その緑化の目的というものが、いわゆる都市計画サイドからの、都市サイドからの限定というものが十分行なわれていない。
 それからもう一つは、これにも関連いたしますが、緑地としての系統といったようなものをあまり考えてない。言ってみれば、どこでも、あるいはくっついていても、ばらばらでもというようなふうになっておりまして、都市計画サイドから十分練られた制度ではないような気がするわけでございます。したがいまして、いまお話にもちょっと出ましたけれども、今度の地方税法の改正におきまして、附帯決議で、生産緑地の制度を検討するようにというような附帯決議でも出ているようでございますが、こういうようなばらばらであるというのはあんまり望ましくないので、しかも、いままで条例その他でやっておりますから、これは長続きするかどうかわかりませんので、国の姿勢として、やはり生産緑地の制度、これは都市農業といった観点からも必要なものがあろうと思いますし、また都市計画サイドからいっても必要なものがあろうと思いますので、こういう生産緑地の制度を早急に法定化、法制化する必要があるのじゃないかというふうに私は思うのでございますけれども、自治省当局ちょっと御答弁ございましたけれども、自治省当局としてこれをどう考えるか。そうしてまた、その生産緑地という制度ができた暁において、いままで出されておりますこのばらばらの条例をどういうふうに是正していくつもりなのか、この点についてお伺いしたいと思います。
#85
○説明員(川俣芳郎君) 私どもといたしましても、ただいま御指摘がございましたように、補助金等の交付をしておりますその態様が種々異なっておるということにつきましてはいろいろ問題があろうかと、かように存じておるところでございます。自治省といたしましても、緑地保全等の見地から、都市計画法上生産緑地の制度が設けられるということになりました場合におきましては、これらの農地が法律に基づきます手続によりまして緑地として保全することが客観的に見ましても適当であるというふうに考えられ、かつ、その転用につきましても規制を受けるような制度が設けられるということになりました場合には、固定資産税の軽減の要否につきまして十分検討してみる必要があると、かように考えております。
#86
○竹内藤男君 もう一つは、宅地並み課税に伴う市町村の受けとめ方の中に、市の条例そのものが難航しておるところがある。新聞でございますので正確ではないかもしれませんが、東京都では二十六市のうち可決したものが半分ぐらい、中には一ぺん可決したものを撤回しておるところがあるというふうに聞いておりますが、こういうふうに税制の実施が行なわれてないということも、実際は自治体としては、いまの生産緑地みたいなものの取り扱いがなかなかむずかしいということから、なかなか手間どっているのじゃないかと思いますけれども、しかし、一方におきましては地方税法が通っておりますので、これについて自治省としてはどういう指導をされているのか、この辺のところをお伺いしたいと思います。
#87
○説明員(川俣芳郎君) 条例化の状況についてでございますが、市町村の多く、かなりの団体におきまして、実は六月議会で、この農地の課税適正化についての条例を議会にかけておるというところもかなりあるわけでございます。そういった関係もございまして、現在、関係いたします市で、どの程度どういう状況になっているかということは調査をいたしておりまして、まだ十分にその実態を把握いたしておりません。いたしておりませんけれども、いわゆる宅地並み課税の実施は、これは地方団体の選択を許さない事項である、すべての団体において実施をすべきものである、かように考えておりますので、その実施方について強力に指導いたしてまいりたい、かように考えております。
#88
○竹内藤男君 先ほどお話がございましたように、地方税法の改正の際の附帯決議におきましても、「都市計画法上生産緑地の制度を早急に創設し、生産緑地に該当する農地については、一般農地と同様の税負担とするよう検討すること。」というのが入っております。それからさらに、実は最近出ました都市計画中央審議会の市街化促進部会の報告、七月五日の報告におきましても、その前文みたいなところで、基本的考え方というところで、「計画的な市街地の整備を行なうに当たっては、公園、緑地等のオープンスペースを計画的に十分確保する必要がある。これに関する現行都市計画法の基本的考え方は、市街化区域内においては、当面、都市公園風致地区及び現在国会で審議中の緑地保全地区で確保することとしているが、更に、市街化区域内に現存する農地等について生産緑地の制度化を図り、都市計画上の位置づけを明確にするとともに、その保全を図るべきである。」、こういうようにいっているわけでございます。前に申し上げました市などの条例等による農業緑地あるいは生産緑地の制度も、なかなか長続きしないと思いますし、事柄の性質上、いま申し上げましたような理由から、国が生産緑地についての姿勢を示すべきではないか、早急に制度化すべきだと思いますが、建設省のほうとしましては、その点どういうふうにお考えでございますか。
#89
○政府委員(吉田泰夫君) 生産緑地の制度化につきましては、御指摘のとおり、これを都市計画の一つとして制度化を検討すべきであるという附帯決議もなされておりまして、また御質問の中に触れられました都市計画中央審議会の市街化促進部会というところでも、その必要性に触れております。この市街化促進部会のほうの報告案というものは、近く開催予定の都市計画中央審議会、この審議会に部会から報告されまして、その審議会として了承が得られれば、審議会の答申ということで建設大臣あて答申されることになるものでございますが、いずれにいたしましても、そういった趣旨を受けて建設省としても前向きに検討して、その法制化をはかりたいと考えて準備を始めている段階であります。
 ただ、どのように都市計画法上考えていくか、位置づけていくか。まず考えられますのは、オープンスペースとしての機能でありまして、その点だけであれば、都市計画の従来のいろいろな地域、地区とかいうものから対比いたしましても、さほど無理なく考えやすいのではないかと考えられますが、これを文字どおり年産緑地、農業生産を続けてこその緑地であると、こう観念することになりますと、これは農業生産と何らかの形で結びつけなければならないということになります。都市計画において農業年産まで結びつけた制度は、実はいままでにはございませんで、全く新しい制度を検討しなければならないということにもなりますので、いま一生懸命事務的にも勉強中でありますが、多少の時間をいただきたいと考えるわけでございます。いずれにしても、このオープンスペース、緑地というような意味を位置づけまして、しかも宅地並み課税を対象外とするということになりますからには、将来とも宅地化のおそれがないというような制約が当然必要ではないか、さもなければ宅地並み課税というものと相矛盾することになるのではないかということも考えられますので、建築行為等は厳重に規制されるというような内容になると思います。その他、都市農業のあり方ともからみまして、私ども関係方面とも連絡をとりながらこの作業を促進したいと、このように考えております。
#90
○竹内藤男君 生産緑地の制度をどういうふうに組み立てていくかというのは、なかなかむずかしい問題だと思います。いま都市局長がおっしゃいましたような問題が含まれていると思います。ところで、まだ答申にはなっていないようでございますが、この市街北促進部会の報告を見ますと、新しく宅地開発促進地域というようなものを設けよう、これについては大体二十ヘクタール以上の地域を知事が指定をいたしまして、二年以内に土地区画整理組合を設立して、区画整理事業その他の開発につとめなければならないというようにしておりまして、それが行なわれない場合には、市町村が強制的に土地区画整理事業を施行するというような立て方になっている。そのたてまえの中で、この中に「集合農地区」という制度が書かれてございます。この区域内でたとえば開発を行なう場合には、三〇%の範囲内で農業を継続しようとする者のための農地を集合して換地するような制度、そういう制度を考えているようです。これは開発許可の場合とあるいは区画整理の場合と二つに分けて書いてございますが、三〇%ぐらいの範囲内で農業継続者のために農地を集合して集合農地区を設定していこう。この集合農地区というのは、生産緑地という制度に都市計画の地域、地区の制度としては受けとめていくんじゃないかというふうに私は感じたわけでございます。またさらにこまかいやつでは――こまかいというか、さらに住宅街区整備事業というのが二番目にございまして、これは一ヘクタールぐらいの地域で行なわれるようでございますが、これについても三〇%以内で集合農地区というのを考える、こういうようなところがあるんですけれども、この集合農地区、これはまだ都市計画中央審議会の報告の段階でございますので、役所のほうに質問するのも変かもしれませんが、この集合農地区というのは、いま私が言いましたように、その集合農地区で、ばらばらになっている農地がある程度まとまった場合には、それを都市計画法で将来できます生産緑地の制度に引き継いでいくというような考えがあるのかどうか、ここら辺をどなたでもけっこうですから、お答え願いたい。
#91
○政府委員(吉田泰夫君) いまおっしゃいました都市計画中央審議会の部会のいわば答申原案に盛られております二つの新しい宅地化の促進のための制度についてでございますが、部会での御議論を拝聴しておりますと、ここにいわれている集合農地区というのは、これから都市計画上位置づけていこうという同じ部会の答申原案の総論のところでいっております生産緑地制度というものとは違いまして、どういう点が違うかと申しますと、集合農地区というのは――いずれも、せっかくの市街化区域の中で住宅、宅地に困窮している人も多いというこの緊迫した情勢を打開するためにいろいろな施策を総合的にとらなければならないが、なかんずく直接宅地供給、住宅供給に結びつく制度、仕組みがあって、それが十分に生かされるということがどうしても必要ではないか。そのために新しい制度を考えまして、いろいろ手厚い国の補助とか減税措置とか金融措置を考えまして、そういう優遇措置を一体となってこの地区指定が大幅に進む、その結果、良好な宅地供給あるいは住宅供給が格段に推進されるということを期待する制度なのでありますが、その中に集合農地区という先生おっしゃったような、開発地域の一定割合、たとえばおおむね三〇%程度を限度としたような集合農地区というものを設定いたしまして、将来も農業を継続したいという方のために、そこにいわば集めて換地をするという仕組みをつくろう、そしてその農地区につきましては、一定期間農業を継続していただくとともに、その間は宅地並み課税の対象外とするというわけであります。
 その宅地並み課税の対象外とするという意味では、いわゆる生産緑地と効果は似ておるわけですけれども、考え方といたしましては、これは農地を主として住宅や宅地を供給する、それに協力しやすいような形にするためには、やはり三割程度のものは農地として残す道を開いて、その地区内の農家の方の希望者が多ければ三割が限度になりますが、そういうものを農地として一挙には宅地開発しないという余地を残し、あわせて宅地並み課税をはずすという方途を講ずることによりまして、こういった一連のいわゆる促進地区というものの指定を円滑にしようという趣旨であります。促進地区に指定されますと、一定期間内に組合等つくりまして、みずからの手で宅地開発をしていただきたいということでありますから、いわばそのきびしさのうらはらとして一定割合のものは農地として残すということを認めようということでありまして、いわば、そのきびしさを緩和するという意味が多分にあります。そういうことですから、この一定期間農業を継続するという一定期間の考え方にしても、この答申原案には数字としては出ておりませんが、おそらくは五年程度とかいうような比較的短期間のものでもいいということに考えられているわけでございまして、一方、これから考えます生産緑地というのは、これから考えることですから結論めいたことは申せませんが、先ほど申したように、基本的には都市計画上のオープンスペースあるいは緑地としての意義づけを行ないまして、それを都市計画そのものとして位置づけようというわけでありますから、少なくとも期間が限られた制度というようなわけにもまいらないと思いますし、規制の内容そのものもかなりきびしいものになるということであろうかと思います。
#92
○竹内藤男君 私はちょっと都市局長とは逆に考えたほうがいいんじゃないかと思うんですけれどもね。といいますのは、現在農家の実態を見ますと、農業を相当長期にやっていこうという農家もございます。将来はともかく当面は農業でつないいでいこうというような農家もございまして、しかも、そういうそれぞれの農家の持っている土地がばらばらと申しますか、必ずしもまとまってないというところに、いまの農業を含む土地の土地利用計画のつくり方もあるいは土地対策もむずかしい根源があると思うわけです。そこで、これから生産緑地をおつくりになろうというのであれば、やはり区画整理などをいたしまして、そして集合農地区のような制度で交換分合して、そして一定の緑地というものを残すと、そういう農地については、これは農業をやりながら緑を残していくものとして都市計画に組み込んでいくと、こういうことが必要なんじゃないか。そういうふうにしないと、なかなかばらばらになっている各農家の土地を生産緑地として確定していくということができないんじゃないか。したがって、まあ手法としましては、いまのような区画整理なり、宅地開発許可でもいいんですが、そういう際にひとつ農地をまとめていくということが必要なんじゃないか。そして、その農地の将来の管理と申しますか、維持継続というものについては属人的に考えないで、つまり農家というものに着目しないで、その土地に着目をして属地的にそれを確定していく。そうすれば、農家の側で今度はおやじさんが死んだからなかなか農業がやれなくなるとか、あるいは何かの事情で農業が継続できなくなるといったようなときに、その農地につきまして別の経営者にかえていく。そのためには場合によりましては、この集合農地区についても書いてありますような先買いの制度とか、あるいは買い取り請求に応ずるとかというような形で公共団体なり何なりが一ぺん買い戻しまして、そして、それをまた耕作者に場合によっては私は賃貸しでもいいんじゃないかと思いますが、これはまあ農地法の改正が要るのかもしれませんが、そういうような形で残していくというようなことが必要なのであって、この集合農地区みたいな手法をやはり生産緑地にもとっていかないと生産緑地の制度というものが残っていかないのじゃないかと、こういうふうに考えるのですけれども、その点をあらためてもう一ぺん御質問申し上げたい。
#93
○政府委員(吉田泰夫君) おっしゃいますとおり、宅地供給並びに住宅供給いたします場合に区画整理等の面的整備を行ないまして、必要な集合農地区も残しつつ、大部分の土地はちゃんと街路や公園を配置して良好な市街地としながら宅地を供給するということが最も望ましい姿でありまして、部会の答申原案というのも実はそういうできるだけ整然とした区画整理等による宅地開発を期待するという制度であります。したがいまして、先生のおっしゃるとおりに、区画整理等を行なうということになりますれば、この部会の答申の制度に優に乗るのではないか。乗る場合には、先ほど申したような集合農地区の制度で一部農地は税法上優遇していく、こういうことにいたしたい。で、生産緑地を別途制度化すると申しますのは、そういう区画整理をやるとかやらないとかにかかわりなくといいますか、区画整理をやるならその集合農地区のほうに乗れますから、まあいわば区画整理などやらないような場所で集合農地区に乗れないような場所で、なおかつ、生産緑地として残すべきものはどうかということになると、これはおのずからきびしくならざるを得ないのじゃないか、こういう意味で申し上げたわけでございます。
#94
○竹内藤男君 わかりました。要するに、いまのような区画整理をやらない地区で生産緑地を残そう、これはなかなかいま申されましたようにむずかしい問題だと思いますけれども、そういう場合に、いま市の条例等でやっているような方法ではなくて、むしろ積極的に都市計画のサイドからその緑化の目的なりあるいは系統なりというものを考えた緑地制度というものを私はつくっていかなきゃならないと思うわけです。
 それと、私、先ほど申し上げましたように、一たん生産緑地に指定されたという場合に、その後の管理ということは非常に大事になってくると思うんですが、そういう場合には先買い制度とかあるいは買い取り請求というような制度をつくりまして、公共団体が一ぺん買い上げてこれを農業経営の意欲のある者に渡していく、生産緑地というのは都市の市街化が進んでいるところの中で行なわれるわけですから、相当値段も高いんじゃないか、場合によってはそれを賃貸するというような制度も考えていったらいいんじゃないかと思うわけです。古都保存法の特別保存地域で、たしかあれは嵯峨野だったと思いますが、嵯峨野の場合にはまわりの田園的なたんぼの風景がやはり古都を思い出す風景だということで、たしか京都市か何かがあれを買い上げまして、買い上げた土地を管理して耕作者につくらしているというような例もあったように記憶いたしておりますが、そういうようなやはり管理をきちっとやるような制度まで考えていく必要があるんじゃないかと思いますが、この点についてはどういうふうにお考えになっていますか。
#95
○政府委員(吉田泰夫君) 生産緑地の問題はなかなかむずかしい問題があり、私どもも、まあ経験の薄い農業のサイドの問題にも立ち入っていくことになりますので、ひとつ心を引き締めて大勉強しなきゃならぬと考えております。そういうことで現在ではなかなか、いまの御質問にも的確にお答えできるだけの用意がございませんが、いろいろな制度が場合によっては必要だと思います。先買いというようなものも従来の都市計画上の先買いの制度とはだいぶ意味合いが変わったことになるかもしれませんが、そういった新しい先買い制度というものも有効かもしれないとも考えられます。
 なお、買い取り請求につきましては、これも検討をしてからお答えするほうが適切でありますが、御質問でありますから一言だけ申し上げますと、この生産緑地というものを都市計画決定する場合に、土地所有者の意向に反してでも指定していく制度にするのか、あるいはその意向を受けたようなかっこうで指定していくように要件とか手続を規定するかどうか、そこからまず入ることになると思います。もし、その意向を受けたようなものであれば、これはその権利保護という意味では買い取り請求の規定は必ずしも要らないんではないか。と申しますのは、農地についてまで買い取り請求の規定を入れますと、それに応ずるばく大な資金が必要だということで、それも将来の予測でありますから非常にわかりにくい面もあって、そういう意味で指定が思い切ってなされないというような弊害もあり得るわけです。その点を考えますと、そもそもの要件とか手続から議論を始めまして、まあ制度をつくる以上、ある程度指定されるようなものでなければあまり意味もないと思いますので、活用できるような制度にするためにどういったことがいいか、いろいろお考えも、お教えもいただきつつ今後研さんを重ねたいと存じます。
#96
○竹内藤男君 いま自治省と建設省に生産緑地の問題お聞きしたわけでございますが、いま申し上げましたような理由で、私はぜひともこの生産緑地の制度を国の制度として確立する必要があるのじゃないかと思うわけでございますが、先ほど自治省の方のお話で、いわゆる固定資産税の宅地並み課税をやめるのには農転の許可を復活する必要がある、こういうような御意見もございましたので、生産緑地制度についての農林省のお考え、さらに生産緑地につきまして、これは市街化区域の中でございますが、農地転用の許可をまた復活するような気持ちがあるのかどらか、その辺についてお伺いしたいと思います。
#97
○説明員(関谷俊作君) 生産緑地についてのお尋ねでございますが、現在市街化区域内の農地のいわば法律上の扱いについては、先生御承知のように、都市計画制度上おおむね十年以内に優先的、計画的に市街化、宅地化する地域内の農地であるということで、農業政策と申しますか、土地政策の面の扱いでは、期間はともかく、経過的にいま農地であるけれども、終局的には宅地化、市街地になるべきものである、こういうふうに制度上位置づけられているものでありますから、したがいまして、農業政策の面なり農地統制の面におきましても、原則的には除外をすると、こういう扱いにしております。したがいまして、生産緑地について農業ないし農林省の立場からどういうふうにこれを考えるかということになりますと、やはりその一番初めの、市街化区域内に存在する農地というものを、まあ都市計画制度上どう考えるかということをまず――これはもちろん建設省と御相談の上ですが、割り切りませんと、いろんな意味での話の出発点ができないのではないか。その場合には、やはりいまの農業政策上の扱いとしては、たとえば土地改良投資でありますとか、それからかなり長期間にわたります施設建設、こうしうことは補助対象にはしないという扱いにしております。そういうことについても同様に、都市計画制度上、市街化区域内農地がいろんな意味で相当期間保全すべきである、こういうことになりまして、そういうことが制度上あるいは国の制度上そういう位置づけをするんだということになりましたときに、しからばその農政上の扱いなり、あるいはいまお尋ねのございました農地の転用ということの規制をどの法律でやるか、こういう問題がそれに付随して出てくる。やはりたてまえは市街化区域内の農地というものをどういうふうに都市計画上見るか、ここが一番出発点で、その問題については今後建設省とも御相談して検討することになろうかと考えて知ります。
#98
○竹内藤男君 かりに、ある程度区画整理等を行ないまして、かなり長い期間土産緑地としての制度というようなものを設定することができたというような場合には、当然そこに基盤整備等の事業もある程度行なわなきゃなんないというようなことも想定されるわけです。いま、そういうような観点からお伺いしたわけでございますが、大体相当長い期間農地として造成をし保全をしていかなきゃなんない、維持していかなきゃなんないという場合の相当な期間というのは、たとえば土地改良の事業をやった場合には、たしかに七年たたなければ転用させないとかいうようなルールがあるように思っておりますけれども、大体のめどとしてもどれだけの年限をお考えになっているか、お答えむずかしいかもしれませんが、それは生産緑地の制度の立て方にも関係してくると思うのです。つまり永久農地というものを、都市公園の施設緑地のように、永久にずっと公園にしてしまうんだという制度にするわけにもなかなかいかない面もあると思いますので、大体の期間というものがやはり生産緑地をつくります場合に必要になってくると思いますので、大体の期間がお答えできますならばひとつお答え願いたいと思います。
#99
○説明員(関谷俊作君) これは非常にむずかしい問題でございまして、いま、農地についての土地基盤整備投資を行なった場合の、その後のことも含めました期間的な関係でどのくらい保全すればいいのかと、こういうことについては、やはり現在の農地転用許可の運用上の方針としては、たてまえは、これは永久ということになっております。りまり、一たん公共投資をされますと、それは転用許可基準で申しますと、一番ランクの高い第一種農地という扱いになりまして、これは公共的な事業に供する場合とか、その他のほんとうにやむを得ない場合しか転用許可を認めないと、こういう扱いになっております。そのことからいえぱ永久である。ただ、たとえば市街化区域の線引きをいたしますときとか、そういうような土地利用上の調整をしますときには、ちょっと御質問の中にもございましたように、たとえば土地基盤整備完了後八年とか十年とか、その程度経過したあとのものは、市街化区域等に編入する場合には、順番としては先に編入してもやむを得ない場合もあると、こういうような一つの八年ないし十年というめどは確かにあるわけでございます。そういう意味で考えるわけですが、ただ非常にむずかしい問題は、初めから八年なり十年であると、こういうことがはっきりわかっていまして、十年後になったら必ず解除になる、転用になることがはっきりしているものに初めから投資ができるかどうか、こういうことになりますと、それはもちろん農政、ただ農林省の立場から申しますといろいろやりたいとかいうこともございますけれども、同時に、国費使用という面から申しますと、そういうようにはっきり何年後に期間が限られておって、その後は必ずというわけでもないけれども、制限が解除される、こういうことが明らかになっている土地について相当長期にわたります土地なり建物なりの投資を国費で助成していいかどうか、こういうことは相当慎重に検討しなければならない、こういうことになるのではないかと思っております。
#100
○竹内藤男君 私は都市計画法をつくりますときに関係した者の一人でございますが、市街化区域、調整区域という線引きはかなり大まかな線の引き方でございますし、都市地域といってもその中にはかなり農業をやっている部分が含まれている。そういう観点からいたしますと、市街化区域の中でやはりこまかい土地利用の現状に即しまして、農地を、どうしても都市農業のサイドからもあるいは都市計画のサイドからも必要だというような農地を残していくような制度をやはり市街化区域の中につくっていく必要があるんじゃないか。市街化調整区域にすればいいじゃないかというような議論もあるかと思いますけれども、やはりこまかい土地利用の現状に即するためには、そういう出産緑地というようなものも市街化区域の中に考えていく。これはある意味におきましては穴抜きみたいな形になりますけれども、市街地の中には沼があり、池があったりするようなところもあるわけですから、そういうようなふうに考えて生産緑地の制度をぜひつくってもらいたいということをいままでも主張してきたわけでございます。今回の都市緑地保全法というものが出ますに際しまして、私はこの中に生産緑地というものが取り上げられるんじゃないかというふうに考えていたわけでございますが、いろんな都合があったんでしょう、それが取り上げられていないということはちょっとさびしいような気がするわけでございますが、今後ひとつ農林省あるいは自治省、それから建設省協力いたしまして、ひとつ生産緑地の制度というものをしっかりつくっていっていただきたい、こう思うわけでございます。この点につきまして大臣から所信をお伺いしたいと思います。
#101
○国務大臣(金丸信君) 生産緑地の制度につきましてはいろいろの問題もあろうと思うわけでございますが、市街化区域の中にある程度の土地をまとめることができるというのであるならば、緑地保全という立場から考えてみましても私は必要である、こう考えます。そういう意味で各省連携をとりまして、また附帯決議も踏まえまして、来たるべき通常国会に提案いたしたいと考えております。
#102
○竹内藤男君 この法律に、緑地保全地区についても土地の買い入れの規定がございます。第八条でございます。この買い入れの規定の中で、この一項で「許可を受けることができないためその土地の利用に著しい支障をきたすこととなることにより当該土地を都道府県において買い入れるべき旨の申出があった場合においては、これを買い入れるものとする。」、こういうふうに書いておるわけでございますが、古都保存法とか、あるいは首都圏、近畿圏の緑地保全地区については沢田先生からの御質問で実情が明らかになりましたが、この「土地の利用に著しい支障をきたすこととなる」という要件を付加しているために、なかなかその土地を買い取ってもらえないというような実態があるのじゃないかと思いますが、この許可を受けることができない場合にはすっと買い入れ申し出ができるというふうな規定にはどうしてできないのか、この点についてお伺いしておきます。
#103
○政府委員(吉田泰夫君) これは緑地保全地区の中でも積極的に土地を買い取って、公的な所有権のもとに緑地保全の万全を期するという意味もあるわけですけれども、何といいましても非常にきびしい制約で、従来のその土地にふさわしいような利用すらも拒絶される、許可されないということが大いにあり得るわけでありまして、そういう場合にその権利が行使できないということに対するいわば補てん措置として、そういう場合には買い入れの申し出があったならば義務的に買い入れるんだという規定でございます。この条文を離れまして任意に売買することを別に禁止しているわけではありませんが、少なくても都道府県が義務的に買い取らなければならないという条件としては、やはりそういう実際上の支障が生じたということを要件に加えておく必要があるんではないか。さもないと、やはりその財政負担、将来どの程度買い入れ申し出が出るかわからないというような不安感から指定自体も思うにまかせないという逆の面も出てくると思います。いろいろ考えますと、やはり他の前例にならった、こういった規定が穏当ではないかと考えておる次第でございます。
#104
○竹内藤男君 私はちょっと消極的なような気がするわけです。むしろ緑地保全地区なんかは積極的に買い入れていくといったような姿勢があってもいいんじゃないかと。財源問題ということもございますけれども、まあ昔と違いまして相当国の財政も大きくなっておるわけでございますから、こういうものに積極的に金を使っていくということが必要じゃないかと思うのですが、それはただ意見として申し上げるだけにいたしておきます。
 その二項におきまして、「買入れをする場合における土地の価額は、時価によるものとする。」と、こう書いてあるわけです。先ほど沢田先生の御質問にもありましたが、緑地保全地区に指定されますと、いわば開発が凍結される、もう現状利用以外にはできなくなるということになると、まあ地価が上がらない、あるいは地価が下がるということが考えられるわけでございますが、その買い入れをする場合のその時価というのは、緑地保全地区の外も――まあ外はとんとんどんどん地価が上がるかもしれませんし、かなり相当高くなっているかもしれませんが、どうせ時価というのは、この前の地価公示法の法律の審議のときにもありましたように、一番大きなファクターは近傍類地の価格だと思いますが、この近傍類地というのを緑地保全地区の中でとりますと、これは非常に低くなってしまうわけであります。緑地保全地区外の地点の類地の価格を基準にして時価をきめるというふうに考えるほうが権利者のためになると思いますが、その点はどういうふうにお考えになりますか。
#105
○政府委員(吉田泰夫君) おっしゃるとおりでありまして、緑地保全地区の外という言い方でもよろしいかと思いますし、あるいは緑地保全地区の指定なかりせばという条件で評価すると申してもいいかと思いますが、要するに、緑地保全地区という非常に利用が極端に制約されたその状況で民間同士の値がつくであろう値段ということでは適当でないと思います。
#106
○竹内藤男君 そうするとあれですか、その緑地保全地区がかからなかった場合に取引されるような値段で買い上げされる、こういうことですか。
#107
○政府委員(吉田泰夫君) そのとおりでありまして、まあ実際にも近傍類地の鑑定評価にあたって参考とします価格というのは、この緑地保全地区の外の価格、取引事例などを参酌して評価しているのが実態でございます。
#108
○竹内藤男君 最後に、第九条の「(買い入れた土地の管理)」ということがございます。これにつきましては、沢田委員のほうからいろいろ御質問なり御要望がございましたので、私はやはりこの買い取った土地をきちんと管理するということが非常に大事であると同時に、緑地保全地区内の緑地保全のための管理と、いろいろ保全するために、火事が起こらぬような施設とか、あるいは施設がくずれないような施設とか、がけくずれ等が起こらないような施設とか、それからある程度管理をする人の人件費というようなものが要ると思うのですが、これは現状がどうなっていて、将来どうされようとしているのか、その点をお伺いしたい。
#109
○政府委員(吉田泰夫君) 買い入れた土地につきましては、まあ民間の方が保有していたときよりも管理の程度が落ちるということではもちろんいけないわけでありまして、そういうことがこの第九条に、抽象的でありますが規定されているわけであります。そのためには、いまおっしゃいましたようないろいろな有形無形の施策が必要でありまして、経費もかかるわけであります。現在のところは、各都道府県が予算を組んで所要の措置をとっているわけでありますが、国としては、先ほどちょっとお答えしたと思いますが、買い入れ価格に対する国庫補助、これの四%というものを事務費として認めまして、これをもってそういった諸経費、買い入れに伴う直接的な経費のみならず、そういった経費にも充てられるように仕組んでおります。買い入れ費の事務費でありますから、補助率は買い入れ費そのものと同率ということになっております。この四%という額は、買い入れ費、買い入れに要した費用と、すでに買い入れた土地も含んだ全体の保有土地の管理費とは必ずしも正比例するわけでもありませんが、一応その近似的に比例するものと見まして、簡便な方法による積算をしているわけでありますが、まあ実際には買い入れのための直接費用に買い入れ費の四%もかかりませんから、相当部分はいま言ったような経費に充て得るということでございまして、今後も国の施策としては、そういったことを骨子に、できればさらに許可してまいりたいと考えております。
#110
○竹内藤男君 いまの、いわば管理費的なものについての国庫補助、これの増額と、それからこの間、熊谷先生が言われました補助率三分の一でしたね、補助率三分の一、買い入れ費用の補助率三分の一、首都圏、近畿圏の近郊緑地は三分の二だと思いますが、これの補助率アップということについて、今後ともひとつ努力をしていただきたいということを御要望申し上げまして、私の質問を終わります。
#111
○委員長(野々山一三君) 本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめ、これにて散会をいたします。
   午後二時四十三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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