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1972/07/12 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 建設委員会 第20号
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1972/07/12 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 建設委員会 第20号

#1
第071回国会 建設委員会 第20号
昭和四十八年七月十二日(木曜日)
   午前十時七分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 七月十一日
    辞任         補欠選任
     柳田桃太郎君     古賀雷四郎君
     松本 英一君     鈴木  強君
 七月十二日
    辞任         補欠選任
     鈴木  強君     松本 英一君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         野々山一三君
    理 事
                大森 久司君
                竹内 藤男君
                山内 一郎君
                沢田 政治君
    委 員
                熊谷太三郎君
                小山邦太郎君
                古賀雷四郎君
                中津井 真君
                中村 禎二君
                米田 正文君
                鈴木  強君
                田中  一君
                中村 英男君
                松本 英一君
                田代富士男君
                二宮 文造君
                春日 正一君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       建 設 大 臣  金丸  信君
   政府委員
       防衛庁参事官   長坂  強君
       首都圏整備委員
       会事務局長    小林 忠雄君
       環境庁自然保護
       局長       首尾木 一君
       沖繩開発庁総務
       局長       岡田 純夫君
       建設大臣官房長  大津留 温君
       建設省計画局長  高橋 弘篤君
       建設省都市局長  吉田 泰夫君
       建設省河川局次
       長        川田 陽吉君
       建設省道路局長  菊池 三男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中島  博君
   説明員
       科学技術庁資源
       調査所長     酒井忠二三君
       大蔵省主計局主
       計官       藤仲 貞一君
       農林省構造改善
       局建設部開発課
       長        木村  勇君
       林野庁指導部長  松形 祐堯君
       通商産業省企業
       局立地指導課長  平河喜美男君
       運輸省港湾局技
       術参事官     大久保喜市君
   参考人
       日本道路公団総
       裁        前田 光嘉君
       日本道路公団理
       事        伊藤 直行君
       日本道路公団理
       事        三野  定君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○都市緑地保全法案(内閣提出、衆議院送付)
○建設事業並びに建設諸計画に関する調査
 (中央自動車道等の建設進捗状況に関する件)
 (首都圏における住宅用地の取得問題に関する
 件)
○連合審査会に関する件
○参考人の出席要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(野々山一三君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 都市緑地保全法案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○二宮文造君 私、都市緑地保全法案について若干質疑をいたしたいと思います。
 連日の審議で関係の皆さんもたいへん精力的に問題に取っ組んでおられることにまず敬意を表します。特に大臣も毎日御苦労さまでございます。ただ御承知のように、国土の乱開発あるいは環境破壊、そういうことがいま大きく問題としてクローズアップされております中で、政府のほうでも何とかこれに取っ組みたいという姿勢は示しておりますが、しかし現状はあまりにもきびしいと、こう判断をしなければならないと思います。特にいま課題となりました緑地の問題にしましても、ほんとうに緑が消えていく、こういう状態が目に映ります。
 そこで非常に概括的な質問になりますけれども、御承知のようにアメリカのアーツ衛星から送られてまいりました写真を分析しておりました科学技術庁の資源調査会の報告によりますと、首都圏の五十キロ圏内では緑が少なくなって、そしてその四割の地域が自然の浄化力に欠ける状態になっている、この地域の約一〇%に当たる四十八平方キロメートルの緑を回復する必要がある、こういうふうな報告を出しておりますが、このデータから考えられますように、大都市地域における緑の保存と回復、これは現在緊急の課題となっております。そこでこのような緑地保全法案という構想が出てまいったんだと思いますが、それにしてもいま申し上げましたようなあまりにもひどい緑の衰退、衰えというものに対して総括的に大臣はどうこれを把握され、そしてまた、現状をどう打開していこうとされておるのか。まず所感をお伺いしたいと思います。
#4
○国務大臣(金丸信君) 都市の緑とオープンスペースは人間形成のために、あるいは健康で文化的な都市生活を確保するためには不可欠な要素であると私は考えております。したがいまして、自然的要素を失っている大都市等の過密な既成市街地あるいは都市の周辺部等における急激な自然の損失は国家民族の大問題であると考えておるわけでございますが、東京を見ましても、ことに下町へ行ってみますと緑というものはほとんどない、こういうようなことで人間形成というものができるんだろうか、人間生活、環境保全というものはできるんだろうかと、こういうことを考えてみますと、一日も早くこの回復をはからなければならない。そういう意味で建設省は五カ年計画の都市公園というようなものを計画をいたしておるわけでございますが、この予算等も大幅に今後拡大していかなければならぬと思いますし、あるいは都市公園ばかりでなくて、空地には緑を奨励し、あるいは道路にも緑を植え、あらゆるところを緑で埋めるというような施策を今後講じていかなければ、人間の住む都会というものはだんだん人命に及ぼす、生命力に及ぼす影響というものがあるんじゃないかということを私は心配をいたしておるわけでありまして、そういう意味で今後その面で全精力を傾けて緑確保に邁進いたしたいと考えておる次第でございます。
#5
○二宮文造君 科学技術庁で報告をされましたこの写真を見ますと、ほんとにたいへんな現状が明らかにここに呈示をされております。そこで、都市局長にお伺いしますが、この法案で保存されようとしておりますある程度まとまった緑地が現在どの程度に存在しているのか、御説明を願いたいと思います。
#6
○政府委員(吉田泰夫君) この法案では緑地保全地区の対象となる要件をいろいろ書いてございます。その要件にきっちり当てはめての全国的な調査は遺憾ながらまだできておりませんが、本法案を立案する過程におきまして、各都道府県の担当者に一応事務的に試算をしてもらったことがございます。そのときに、大体この法案の要件に適用されるのではなかろうかと、こういう各県段階での判断をしてきた面積というのが、各都道府県によって違いますが、大体各都市計画区域の面積の一%ないし五%、平均して二%強というようなものが出てまいりました。これは詳しく調査したものでありませんから、必ずしもそのまま信頼を置けませんが、大体の傾向としては把握できるんではないかと考えます。そういうことで私どもとしては一応対象面積が二%はあると、こう見まして、そうしますと、都市計画区域の全面積は七百六十四万ヘクタールですから、それの二%といいますと、全国で約十五万ヘクタールはあると、こう見ている次第でございます。
#7
○二宮文造君 環境庁のほうで何か緑の国勢調査を行なっていらっしゃるとも聞いておりますけれども、緑の現状をどの程度調査されているのか、調査の概要について御説明いただきたい。
#8
○政府委員(首尾木一君) これまでの自然保護行政は、私どものやっておりましたのは、いわば国立公園等の自然公園中心でございましたために、全国土の緑の状況というものにつきましては数量的に必ずしも十分把握をいたしておると言えない現状でございます。御指摘のように、自然保護行政を進めるためには、これは何よりも現状を的確に把握するということが必要でございますので、今年二億五千万の予算を計上いたしまして、これによりまして一年度で、全国の自然環境の現状というものを把握するために一斉の基礎調査をやろうと、こういうふうにしておるのでございまして、その中心が、何と申しても緑といいますか、植生の現状というものを把握していくということに非常に大きな重点があるわけでございます。
 今回の一斉調査の内容でございますが、さきに申しましたように、植生あるいは野性動物、地形、地質、海中自然環境等の自然環境の現況を把握するということでございまして、緑について申しますと、まず全国の詳しい植生図をつくり、これから人間による物理的破壊状況を判断いたしまして、大体全国を十段階程度の植生の自然図に分けてこれを把握していこうというような考え方でございます。
 それからさらに特に稀少な自然でありますとか、あるいは環境の指標となるような自然でありますとか、こういったようなところから貴重な植物の生息地等も調査をするということにいたしておりまして、自然というものが人間の生活環境にどの程度寄与しているかを考究するために、特にその基礎調査の中で関東地域を対象に選びまして、植生の現存量、植生生産量等を調査する、こういうことが大体の内容になっておるわけでございます。本年の夏にこれを一斉に調査をいたしまして、本年度一ぱいにはこれを集計をするという目標で現在進んでおるわけでございます。
#9
○二宮文造君 そこで、都市におきます緑地等の保全に関する制度として、都市計画法による風致地区の制度がありますけれども、指定の状況は現在どうなっておりますか。
#10
○政府委員(吉田泰夫君) 昭和四十六年三月の現在で、全国で百八十五市町村、六百三十六地区、指定の総面積は約十三万八千ヘクタールになっております。
#11
○二宮文造君 風致地区に指定されますと、地区内の建築や樹木の伐採などが制限されます。そうして緑地の保全がはかられるということになっておりますけれども、今回の緑地保全地区の制度、それとその風致地区の制度とはどういう関連になるのか。また、地区の指定は重複して行なわれるのかどうか。また、両地区内での行為の制限にはどういう違いがあるのか。この辺のところをひとつ御説明いただきたい。
#12
○政府委員(吉田泰夫君) おっしゃいます風致地区の制度は現行の制度として以前からあるものでございますが、これは今度御提案申し上げております緑地保全地区と一番違います点は、新しい緑地保全地区が、同じ許可制をとってはおりますが、その許可基準が、良好な自然環境の保全に支障がないということでありまして、言うならば、ほぼ現状に近いままで凍結しようと、多少なりとも悪化するような状況は極力許可もしないという、非常にきびしいことができる制度であります。これに対しまして風致地区のほうは、同じく風致の維持を目的とし、許可制にかけているわけでございますが、その許可要件が、政令で定める基準に従い条例で定めるところによって規制されているわけでありまして、その政令の基準、したがってまた具体的な各県条例の規定におきまして、現状凍結にはかなりほど遠い、かなりの行為が許可されざるを得ない、こういうことになっております。例を言えば、たとえば建築物の新築という場合に、風致地区の中では高さ八メートルから十五メートルの範囲内で条例で定める高さ、ですから、まあ条例によって八メートルをとったり、十五メートルをとったり、あるいはその中間をとったりしておりますが、これ以下の建築物であれば許可されるということですから、まあ普通の二階建てぐらいの建築物は当然許可されるわけでございます。また建蔽率の制限がありますが、これも十分の二から十分の四の範囲内ということで、したがってまあかなり一般の用途地域に比べれば建蔽率は低く定め得ますけれども、その建蔽率に押える限り建築物が建築できるというわけでありまして、要するに市街化の進展と申しますか、住宅宅地の建築、開発というようなことはある程度許容しながら、まあしかしながら一般の地区よりはかなりきびしく押えて、そこに徐々にしか市街化されていかない、相当風致をとりつつ、あるいは高さを制限されつつ建築が建っていくという、こういう仕組みであったわけでございます。まあこれはこれでそれなりの効果はあると思いますが、何と申しましても、許可基準がゆるいために完全に押え切れない。時日の経過とともにそういう建築物、開発行為等によってだんだんむしばまれていくということが押え切れないという点が一番違うわけでございます。
 今度の緑地保全地区との関係でございますが、私ども風致地区の中でもその中枢、核となるような部分が大体ございますので、そういうものはいまの風致地区のようなゆるい規制ではなくして、もっと現状保存的な完全に近い保全をしていきたいと思います。またそういう場所だと思います。そういうようなところをねらいまして、風致地区の中でもその重要な一部につきまして、緑地保全地区が指定されるということが考えられますし、むしろ望ましい、こう考えております。その場合に、風致地区をかけたまま緑地保全地区を重ねて指定することも法律上は禁止はしておりません。これはいろいろ指定技術上の問題、非常にスポット的な緑地保全地区である場合に、そこをわざわざ風致地区をはずすということのわずらわしさ等もございますが、しかし原則としては、私、風致地区から緑地保全地区に切りかえて指定すべきではないかと思います。と申しますのは、いま言ったように、程度の差はありますが、同じような許可制等がありまして、処理する人も同じように都道府県知事でありますから、これをあえて二つダブらせるということは、住民の方にとっても不必要に手続が重複するということになります。結果は緑地保全地区のほうが必ずきびしいわけですから、まあそちらのほうが実際は生きてくる、風致地区の規定はほとんど意味をなさないということになりますので、そういう意味でも風致地区とダブるような場合には、風致地区をやめまして、緑地保全地区に同時に指定がえをする、こういうことが望ましいと考えております。
#13
○二宮文造君 そうすると、いまの御説明を聞いておりますと、いわゆる風致地区、これは現状凍結を意味するものであったと、したがって建築制限なりあるいはまた建蔽率の問題ですね、高さの問題、建蔽率の問題でもある程度その許容限度がゆるやかであった。したがって、もう一つこの緑地保全地区というのはその現状凍結よりもさらに緑を回復するといいますか、そういう趣旨できびしい規定を適用していきたい。したがってダブる場合があるけれども、ダブった場合は緑地の保全地区のほうへ移行させる。そうしますと、理解の程度としては緑地保全地区というのは風致地区よりもその指定の地区の数は減ると、そうしてきびしいものが適用される、こういうように理解してよろしいですか、概括的に。
#14
○政府委員(吉田泰夫君) いまおっしゃった中でちょっと、風致地区は現状凍結的でなく、緑地保全地区のほうが現状凍結的にきびしい制限をしたいと、まあそういう制度だということでございます。
 それから、おっしゃるとおり規制の態様がはるかに風致地区のほうがゆるいわけでございますので、その全地域が緑地保全地区にできる、またその必要があるとも思いません。そういう意味では風致景観という要件の部分につきましては、確かにおっしゃるとおり風致地区のほうが広くて、その核となるような部分という意味の緑地保全地区は相当小さくなると思いますが、緑地保全地区の三条の要件では、風致地区の要件とはまた別の、つまり良好な自然環境という共通の要件はありますが、三条の一号、二号というような該当のものは、まあこれも風致とダブるものもかなりあるかもしれませんが、一応概念としては別の概念でありまして、したがって風致地区の指定できないような場所でも緑地保全地区は指定できるという関係にあります。したがって、その全体を合わせればはたしてどうなるかということでありますが、まあそういう一号、二号という別個の要素のものも含めましても、常識的に見れば風致地区よりは同じ人が同じ時期に考えれば、緑地保全地区のほうが小さくなるだろうというふうに考えております。
#15
○二宮文造君 私はなぜ、アーツ衛星から送られてきたデータというものを冒頭に掲げて、そうして大臣の所感をお伺いしたかといいますと、都市局長おっしゃるように、現状凍結という意味では、ほんとうにいまの緑の回復という問題には取っ組めないわけです。ですから、この緑地保全地区の指定というものが現状凍結からもう一歩進んで回復へ目ざすような方向でなければ、風致地区の指定と効果は何ら変わらないような、そういうことになりやしないかという心配を私は持つわけです。まあこれから運用の問題で変わってまいると思いますけれども、いまおっしゃたように、よりきびしい規定を示していきたいという姿勢ですから、現在よりは進むような説明にはなっておりますけれども、あとから振り返ってみて何ら変らないことになるんじゃないかなという心配を私は持つわけです。まあこれ非常に抽象的な理解の程度なんですが。
 そこで、都市におきましてはいま私が申しましたように、緑を回復すると、こういうことのために各自治体がいろいろな対策に真剣に取っ組んでいる実情です。また独自の緑化運動というものも各都市で進めております。で、この法律を待たずに緑化協定の制度を採用し、その普及のために助成金を交付したり、あるいは苗木を無償で配付したりして、積極的な助成措置を講じている市町村も相当あると、このように聞いておりますが、これらの実態について概略御説明いただきたい。
#16
○政府委員(吉田泰夫君) 各地方自治体でおっしゃるとおり、近年緑化推進のためのいろいろな施策、助成措置を講じているところがふえてまいりました。いまおっしゃったようなことが主たる内容でありますが、例示させていただきますと、まず市民の要請に応じまして緑化運動等の一環として緑化用の樹木を無料とかあるいは低額で配付しているといったものがございます。これは東京都とか神戸市、仙台市等でございます。また、必要に応じまして病虫害の駆除を実施しているというような、これは東京の世田谷区でございます。そういうところとか、その病虫害駆除のあっせんを行なっているという、神戸、西宮のようなところもあります。それから、工場、事業所等の緑化を推進するために指導要綱を定めたり、緑化協定を結んだりするというところが川崎市とか藤沢市とか、その他にもぼつぼつ出てきているわけでございます。東京都の二十三区を調べてみましたが、各区それぞれにくふうをこらし、学校等の公的施設の緑化を手始めとして、いまおっしゃいましたような苗木の供給とか苗圃の建設、それから、できた緑化樹木の配布とかいうようなことをやっておられるわけでございます。
#17
○二宮文造君 さて、この市町村あるいはいろいろな自治体でそういう緑化運動を展開し、それに助成措置を講じていく、こういうところに対しては、国のほうはいまどういう態度で臨んでおるのですか。
#18
○政府委員(吉田泰夫君) いま申し上げましたような緑化推進の行政というのは、非常に地域に密着したきめこまかなものでありまして、バラエティーにも富んでおります。各自治体それぞれの創意とくふう、あるいは住民の直接の声、こういうものを受けまして、こまごましたものでありながら、非常に喜ばれる、効果もあがるということをやっておられるわけであります。
 まあ国の助成策としては、別段のものはございません。その点、問題にされるかもしれませんが、私どもとしては、全体を集計すればかなりの額になるかと思いますが、一つ一つかなり零細なことに必然的になりますし、そういう補助金というものが、今後の補助体系として望ましいかどうかというような問題もあろうかと思いますから、こをいった経費が、今後かなりのウエートを占めてくるということになれば、まず第一に交付税の算定とか、そういった地方独自の財源の強化ということにまず頭を向けるべきではないか、次いでそれでは追っつかないというときに、直接の個別目標をとらえた補助制度というようなものもあるいは考えていかなきゃならないかもしれない、こう考えております。そういうことで、直接の補助ということはやっておりませんが、私どもとしては、こういったことが各自治体によって率先して創意くふうをこらして進められるということについては、かねて敬意を表し、非常に、私どもが考えている以上のことをやっていただいているという意味で感謝もしつつ、いろいろな技術的なことその他で相談があれば積極的にこれに応じて、相ともに携えて緑化を推進したい、こう思っております。
#19
○二宮文造君 大臣、ちょっとお伺いしたいのですが、いま都市局長の説明によりますと、この各自治体でやっているそういう緑化協定だとかそういう苗木の無償配布、これは非常に地域に密着したこまごました問題で、しかもそれが住民に非常に喜ばれている、こういう大前提で、政府は好ましい状態としてこれを見ておるわけですね。ところが、自治体は、それは確かに一つの自治体にすれば金額は小さいかもしれませんけれども、より国のほうから助成がある――こまごまとしているとはいいながら、これを体系的に整理をしますと、虫の駆除だとか、あるいは苗木の無償配布だとか、こういうふうに大体体系的に整理すれば、こまごました問題ですけれども、幾つかに網がかけられるわけですね。だから、補助対象として取り上げるということは非常に楽なわけです、やろうとすれば。ただ金額が小さい、そして、いろいろな種類のものがあるからということで、国のほうは手をこまねいて、好ましい状態としながらも、手をこまねいて見ている。一方では、こういうふうに緑地保全法というようないわば国道みたいなもの、幹線道路みたいなものをぽんときめる。しかし、この幹線道路を幾らきめても、支線がなければ実際にその行政の効果というものは期待できないわけです。したがって、こういうふうな幹線道路をきめていこうとするときには、それと同時に発車する形で、各自治体のこういう緑に対するいろいろな行政というものに国の助成措置を考えると、これは密着していきませんと、保全地区だけでは効果はそんなに期待できないと思うのです。むしろ、そういうふうな緑を回復するというものに、みんなが、より多くの人が関心を持ち、より多くの人が運動を展開し、それとタイアップして、国がきめこまかな助成措置を講じていくという段階がなければ、効果の期待というものは非常にむずかしいと思うのですが、いまの説明を承りますと、交付税のほうで考えてみよう、それはそれで足りなければまあ何か助成措置でも考えようというと、ワンクッションもツークッションも置いて国の助成措置というのがおくれていく。これでは、ちょっと現状にほど遠いのではないかと思うのですが、国の助成措置いわゆる自治体のこういう緑化運動に対する国の助成措置、これはもう緊急に考えるべきではないか、こう思うのですが、御所見を伺いたい。
#20
○国務大臣(金丸信君) 先ほど来お話がありましたように、緑地というものは、保全ということでなくて積極的にやらなくちゃならぬという立場からいうならば、私はいつか、東京のデパートで苗木を一万本どっかの県から持ってきて一本ずつ進呈をしたところが、みんな喜んでまたたく間に一万本がなくなったという新聞を読ましていただいたわけでありますが、そのように緑というものに都民が非常に渇望をしておるというか、そういう面でこれにこたえるには、積極的な施策をもって臨むということが政治の姿勢だろうと私も思います。そういう意味で、できることなら、国は、毎年全戸に一本ずつ、二本ずつ配るようなことを考えてやるというようなことを考えることも一つの政治だと、積極的な緑地のあり方だと、こうも考えますので、先生の御提言に対して十分検討して対策を練ってみたいと思います。
#21
○二宮文造君 それから首都圏、近畿圏、この近郊緑地保全制度による保全区域あるいは特別保全地区の指定状況、これは一体どういうふうな現状になっているのか。そこでまた問題が出てきますけれども、これらの区域、地区と、この法律でいいます都市緑地保全地区との関係、昨日も――一昨日ですか、沢田委員もこの関係法律との調整の問題でだいぶ議論されておったようでございますが、私もこの点お伺いしたいと思います。
#22
○政府委員(吉田泰夫君) 近郊緑地保全地区は、首都圏と近畿圏に現在ある制度でございますが、この法律に基づく指定区域について申し上げます。
 まず外回りに届け出制による近郊緑地保全地区というのがありまして、その中に枢要部分が特別保全地区ということで許可制のもとに指定されているというわけですが、まずその外回りの保全地区のほうは、首都圏では十六区域、面積で一万二千五百八十ヘクタールということになっております。それから近畿圏では緑地保全地区は六区域でありまして、面積八万一千ヘクタールということであります。合計すると二十二区域、九万三千六百ヘクタールということになります。その中で許可制のもとに指定されております近郊緑地特別保全地区というものは、首都圏では七地区、面積五百八十ヘクタール、近畿圏では五地区面積五百九十四ヘクタール、合わせますと十二地区、千百七十四ヘクタールということになります。
 次に、この保全地区と本法による緑地保全地区との関係でありますが、まず外回りのゆるい規制の近郊緑地保全区域につきましては、本法の緑地保全地区と指定の重複を妨げないということにいたしております。ただし妨げないということになりっぱなしでは、近郊緑地保全地区による届け出制度が起こりましてむだでありますから、この届け出義務は除外すると、つまり重複して緑地保全地区が指定された場合は、そのほうの許可申請だけでよいと、こういうふうに整理いたしております。
 次に首都圏と近畿圏の近郊緑地特別保全地区、これは本法によるものと全く同一の許可基準による許可制度でありまして、むしろ本法の緑地保全地区の制度は、この首都圏、近畿圏の近郊緑地特別保全地区の制度を全国版に広げるという趣旨のものであります。そういうことですからその規制の内容は全く一致いたしておりますので、これにつきましては本法制定に際しまして完全に統合することにいたしました。つまり近郊緑地保全地区というものは、本法制定と同時に都市計画の地域地区としては本法による緑地保全地区に吸収されます。したがって、規制内容も全く同じということになります。ただし近郊緑地特別保全地区につきましては指定の要件等が若干違っております。つまり上位計画――国の計画としての首都圏なり近畿圏の上位計画がありますが、それを受けて初めて指定するということになっております。そういった手続、要件が違いますので、その点だけは首都圏法、近畿圏法にも近郊緑地特別保全地区なる名称を残し、しかしながら、指定以後の効果、許可の手続等はすべて本法に吸収していくと、こういうわけであります。
#23
○二宮文造君 前段の説明と後段の説明が私ちょっと混乱して承ったのですが、端的にいいますと、この首都圏あるいは近畿圏の整備法によります近郊緑地保全地区、これは今度の緑地保全地区に吸収されるということですか。
#24
○政府委員(吉田泰夫君) 外回りの届け出制のかかったゆるい地域である近郊緑地保全地域というのは吸収されません。それはそのまま残ります。残りますが、届け出等の手続は要らないようにしようと、それからその中の許可制による近郊緑地特別保全地区というのがあります。これは同じ許可制ですから吸収すると、こういうわけでございます。
#25
○二宮文造君 わかりました。じゃもう一ぺん整理しますと、特別保全地区、これはもう吸収される、今度の緑地保全地区に。それからそのまわりの保全地区は許可制によらないものですから、これはそのまま継続し、そしてダブる場合もあるわけですね。こういう説明ですね。そうしますと、首都圏とか近畿圏の整備法によります緑地保全地区、この地区内の土地の買い上げ、これに対する国の補助率は幾らになっておりますか。
#26
○政府委員(吉田泰夫君) 三分の二でございます。
#27
○二宮文造君 それから今度の緑地保全地区、これによる買い上げに関する国の補助率は幾らを予定されておりますか。
#28
○政府委員(吉田泰夫君) 三分の一でございます。
#29
○二宮文造君 そうしますと、土地の買い上げに関する限りは後退ですね。
#30
○政府委員(吉田泰夫君) 先ほどちょっと長々と申し上げたのでわかりにくかったかと思いますが、もう一度申し上げますと、近郊緑地特別保全地区というのは残るわけです。残るのですけれども、特別保全地区も制度としては残るわけですが、これは指定の要件とか指定の手続が違う。それからいま言われたような補助率等も違うということで残しております。残しておりますが、許可の基準とか許可の手続になれば統合して本法のほうに引っぱってきて、首都圏の許可の規定関係は削除してこちらに持ってきた。ですから指定までの要件それから特に補助の規定、そういうものだけは首都圏法に依然として残って、本法とは独立に与えておりますので、三分の二というのは変わりません。
#31
○二宮文造君 私あまり勉強していませんから、ますますこんがらがって受け取るわけですが、要するに、首都圏あるいは近畿圏の整備法による近郊緑地保全地区、この地区内の土地の買い上げに持っている、現に持っている国の補助率というのは変わらないのですと、こういう説明ですね。
#32
○政府委員(吉田泰夫君) はい。
#33
○二宮文造君 それから今度、それなら近郊緑地保全地区あるいは特別保全地区というものにはこの緑地保全地区という法律は及ばないんだというふうにしたほうがすっきりするんじゃないでしょうか。むしろそれでは今度の緑地保全地区で首都圏とかあるいは近畿圏のそういうものの中に足りない面がありますね、こうしたいというので。むしろその面についてはこの緑地保全地区に関する法律を準用するのだと、こういうふうに首都圏とか近畿圏の整備法の中に書いたほうが法律の理解としてははっきりするんじゃないかと思うのですが、綱はかけます、網はかけますけれども、現在持っている補助率のものは残しますということは、法律の理解の上には全く出てこないですね。一方は三分の一と書いてある、一方は三分の二と書いてある、それをそのまま残し、そのまま両建てにして、ただ運用の場合はこちらは残りますから、三分の二のほうを適用するのですというのでは、法律の理解として非常に錯綜するように思うのですが、この辺は整理の必要はないですか。
#34
○政府委員(吉田泰夫君) 完全に二本立てにして、つまり首都圏近郊緑地保全法はそっくりそのままにしながら、別にこの法律をつくって、その相互の間の調整規定を置くということも一案としては考えられるわけですが、法案策定の際、議論いたしたところによりますと、許可手続とか許可基準、許可権者、こういったところは全く同じでありますので、都市計画法としては緑地保全地区というものを一つに統一して、非常に似通った近郊緑地特別保全地区というものと、それからその他の一般の緑地保全地区と二つを、都市計画の二つの種類として並べることはむしろ統一性を欠くんじゃないか。違うのは、いま言ったように指定の要件、指定の手続、それから補助率、こういったものがあります。違ったものだけは特に書く、いわば特例的に書いておく。同じものは、近郊緑地保全法の規定を抜き出しまして、全国版である緑地保全法のほうに入れる、そこで一本化するということのほうがより適切ではないかという考えから、このように整理さしていただいた次第でございます。
#35
○二宮文造君 私は、いまいみじくもおっしゃった、一方は全国版である、一方は首都圏、近畿圏である、そういうところで補助率の違いというものをそのまま残したいという考え方はわかりますけれども、しかし保全地区に指定をされる、そうすると、そこに何らかの行為の制限がある、そのために買い上げてもらいたいということが出てくるわけですね。そうしますと、それは全国版であろうと、あるいは首都圏、近畿圏であろうと、自治体にしてみれば、その感ずる必要性というのは同じなんですね。首都圏なら国が三分の二、全国版なら三分の一と、こういうふうに分けて考えるということが、もはや、もうすでに、何といいますか、国の行政が大都市中心主義だと、過疎過密をなくするとは言いながらも、どうしても大都市周辺地域以外の地域には行政そのものが不公平になっていると、こういうことを露呈するものではないか。相なるべくは、やはり行為も制限され、買い上げの要望というものも出てくる、自治体はそれに対して対処をしなきゃならぬと、こういうことになりますと、買い上げが推進できるような、そういうやっぱり三分の二――首都圏、近畿圏が三分の二なら全国版においても三分の二の補助率を適用していくというふうに運営を考慮していかなければならないんではないか、これは私意見としてつけ加えさしていただきたいと思います。この行政の不公平というものは、従来も非常に目に立ちました。話がはずれますけれども、住宅金融公庫の住宅資金の貸し付けでも、あれだけの、ABCD地域という差があると、これもよろしくないと、大臣もそう思われておりました、言われておりました。こういうことで、ここにもいみじくも大都市とそれから地方との格差というものが判然としてくる、こういう行政のやり方はまずいんではないか、こういうことを私、意見として申し上げたいと思います。
 なお、首都圏近効緑地保全法が制定されたのが四十一年の六月、近畿圏の保全区域の整備に関する法律が制定されたのが四十二年の七月で、こうなっております。ともに、「損失の補償及び」「土地の買入れに要する費用については、政令で定めるところにより、その一部を補助する。」と、こう明記をされておりますが、今日まで政令は定められてないと、こう聞いております。法律に明記されているにもかかわりませず、五年間も、六年間も、七年間も政令が定められてないというのは、理由はどこにあるのか、この点をお伺いしたいと思います。
#36
○政府委員(吉田泰夫君) まことに御指摘のとおりでありまして、特に御答弁申し上げるほどの理由もないわけであります。そういうわけでございますので、今後早急に政令を定めることにいたしたいと思います。
#37
○二宮文造君 理由なしにこういままで定められてこなかった、そうして私がいまこう申し上げると、早急に定めると、何かこう、それは答弁にならないと思うんですが、何か延びた理由というものをつけてくださいよ。
#38
○政府委員(吉田泰夫君) その理由がないと申したのは、先生に御納得いただけるようなれっきとした理由がないという意味で申し上げたわけでございまして、はなはだ失礼いたしましたが、重ねてのお尋ねでございますので、お答え申し上げます。
 補助のあり方で一番法律に関係のないのは、いわゆる予算補助と申しますか、法律も何も、政令もなくて、予算だけを毎年の要求に応じ大蔵省が査定をして、そこで合意をして予算を通すというものがわりあい多いわけでありますが、法律に根拠を持ち、あるいは法律に基づいて政令で定めるところにより、それを受けまして予算を補助しているという例も幾つもあります。その中で「補助することができる。」というような表現の規定もあれば、「補助するものとする。」と「補助しなければならない。」、いろいろ強さの差のある規定もあれば、各種各様でありますが、本法の場合は「政令で定めるところにより、」「補助する。」という規定でありまして、わりあい強いほうの規定になっているわけです。首都圏の法律、近畿圏の法律。そういうことですから、確かに政令で定めないというのは、「補助することができる。」という、そういう条文に比べれば、そのおかしさがさらに目立つというわけでありますが、この理由は、かなり数年前から始まった制度ではありますけれども、制度発足の当初におきまして、どの程度の補助率にするのが恒久的に妥当かというような点に、必ずしも決定的な見通しがなかったんではなかろうかと思われます。そういうようなことで、政令で固定しないで、その後の推移をしばらく見守って、めどのつくところで固めた率を政令で書いたらどうかと。もちろん政令ですから、一たんきめてまた変えることも、法律と違いまして容易でありますが、それにしても一応閣議決定をして一たんきめたものは、なかなか変更しにくいという事情も事実上はありますので、そういった点を考えて――変動相場制というわけじゃありませんが、ややそういう感じの制度で発足したと承っております。しかし、御指摘のように、その後、三分の二ということで、ほぼ地方公共団体側も異論がなく、国としてもそれだけの予算を毎年つけてきているわけですから、いわばこれで固定していると見られますので、まあ、きょう初めてそういう判断ができたというわけではありません。この点、おくれたことは申しわけありませんが、御指摘をきっかけとさしていただきましてこういう政令を制定をしたいという趣旨で申し上げたわけでございます。
#39
○二宮文造君 やはり早急に整備していただきたいと思います。
 それから緑地保全地区内の行為の制限のうちで、許可を必要としない、いわゆる五条ただし書きで述べられております「公益性が特に高いと認められる事業の実施に係る行為のうち当該緑地の保全上著しい支障を及ぼすおそれがないと認められるもので政令で定めるもの、」、これは一体具体的にはどういう行為なのか、いわゆる近郊緑地保全地区の許可不要行為、これと同じように解釈してよろしいものかどうか。
#40
○政府委員(吉田泰夫君) おっしゃるとおり、近郊緑地保全法施行令に定められているものを予定しているわけでございまして、たくさんの項目は一々出ておりますが、要約して申し上げますと、大別して、一つは、都市公園法による都市公園の設置とか、自然公園法による公園事業等、緑地保全なり緑化の推進の事業と関連される、いわば同一の目的をねらうような事業、それから次に交通安全標識とか、気象観測設備とか、通信設備等、土地を占有する部分が少なくて済むというようなたぐいのもの、三番目に、河川の改良とか、道路の建設、鉄道の建設といった非常に公益性の高い事業で、そのうちで鉄道の駅とか、操車場あるいは高速道路のインターチェンジといった面的なものは除きまして、その他の本線部分、つまり線的な部分というものに限って、適用除外の対象に入れる。四番目には、砂防工事とか、地すべり防止工事等、災害防止のためのもの、こういったものが考えられております。いずれも土地収用権の対象となるようなきわめて重要な公共事業でありますから、その公共性を本法による緑地保全の必要性と相調和した形で実現しなければならないというところからきた適用除外例ということになります。
#41
○二宮文造君 その許可不要行為の三番目に、河川の改良、それから道路の建設、鉄道の敷設と、いまお話があったように、鉄道の場合、駅とか操車場を除くと、こういわれておりますが、道路の建設という場合、これは高速自動車道あるいは自動車専用道、こういうものに限る道路という理解なんですか、道路一般の理解で考えてよろしいですか。
#42
○政府委員(吉田泰夫君) 高速自動車国道などと一般の道路と分けて考えておりまして、高速自動車国道などは全国非常に長距離を極力短時間で結ぶと、それがその最大の使命であり、国土全体の均衡ある発展をはかる、大都市から離れた場所でも大都市と変わりない便益を享受できるという非常に重要な事業であるとともに、そういう高速性がどうしても必要ですから、おのずから路線の選定も限界があるという気がいたします。つまり、そう自由自在に場所は選べないんだと、そういうような観点から、これにつきましては、その新設、改築、維持、修繕、災害復旧、すべて適用除外ということに考えております。一方、一般の道路につきましては、これも幹線道路からきわめてローカルなものまでいろいろあるわけですけれども、総じまして高速自動車国道などとは違うということから、これにつきましては道路の新設を適用除外にしてない。それから改築につきましても、「小規模の拡幅、舗装、勾配の緩和、線形の改良その他道路の現状に著しい変化を及ぼさないものに限る。」ということで、そういった小規模な改築、それから維持、修繕、改築、こういったものだけを適用除外にしようと、こういうふうに分けて考えております。
#43
○二宮文造君 ですから、いま私見ておりますのは施行令の案の要旨を見ているわけです。そこにはただ道路としか書いてないわけです。そうしますと、いまおっしゃったような区分けは規則のほうにでも明言されるんでしょうか。私はやっぱり政令のほうでそういうことをはっきりしておいたほうがいいんではないかと、表現のしかたですけれども、そう思うんですが……。
#44
○政府委員(吉田泰夫君) いまの詳しいことは政令に書くつもりでございます。省令に落とすつもりではございません。渡しました資料は要旨ということで、その骨格のみを書かしていただきまして、実はその首都圏近郊緑地保全法の施行令というふうなことで、現にすでに詳細な条文が成立してございますので、大体そのとおり書くということなんですけれども、それを要約すればということで非常に簡略化し過ぎました点、申しわけありませんが、政令で明記するつもりでございます。
#45
○二宮文造君 この前の委員会でこの政令をめぐっていろいろ問題があったものですから要旨で出されたのでしょうが、せっかくの案ができているのならやはり資料としてそういうものをお出し願えば私のほうからあえてこういう質問をする必要はなかったわけですが、今後、資料の提出ですね、こういうあまり問題のない法律については、すでにもう本省のほうで政令をお考えなら案文のようなもので資料を提出願うとけっこうかと思いますが、この点ひとつお願いをしておきます。
 ただ私この点についてちょっと疑問が出てくるのですが、確かにいま答弁がありましたように、高速道路、そういうものは、高速自動車道というものはそうあちこちにできるものではない、したがって許可不要行為にしたのだと、こういうふうな御説明ですけれども、今日自動車の排気ガス、これが樹木を枯らす、これはこの前の道路緊急整備措置法のときにも、かえって緑のほうが、緑をつくらなければ、また緑をつくれば枝葉が排気ガスを吸収するのだというふうな学者の話なんかも持ち出しまして、道路を建設するときにはもうやはりグリーンベルトを義務的につくっていくべきではないか、それが美観にもなり、環境保全にもなり、また公害の対策にもなる、こういう学者の意見を取り入れるべきではないか、そのための予算上の措置もすべきではないかというふうなことを私申し上げたと思うのですが、そういう実態から考えますと、高速自動車道や自動車専用道路などの建設について知事の許可を必要としない、こういうふうにすることは、かえっていま問題になっている緑地保全地区、これの環境破壊につながるのではないか。むしろやはり知事の許可行為にして、そして許可行為にしますと、道路建設の場合の青写真なりそれなんかもやはり知事の手元に行きますし、その地域の長である、自治体の長である知事としては、この道路の設置なら、工法なら緑は破壊されない、こういう自信を持って推進できる、こういうふうなことになるのではないか、むしろこういうものは知事の許可行為の中に入れたほうがいいのではないか、こう思うのですが、大臣どうでしょうか、この緑を――おっしゃることわかります、線がそうあちこち動くものじゃないと、だから不要行為にしたのだと、こういう話はわかりますけれども、むしろ自動車道路というものがほんとうは環境破壊、緑を破壊することに非常に影響しているわけです。だから、そういうものこそ知事の許可行為に入れたほうがいいのではないか、こう思うのですけれども、大臣の御所見を伺いたいと思います。
#46
○政府委員(吉田泰夫君) 最初に私から事務的にお答えさせていただきます。
 確かに高速自動車国道につきましては政令で許可の適用除外ということを考えておるわけでございますが、この法律の第五条第四項には、政令でもって許可の適用除外になった行為をしようとする者は「あらかじめ、都道府県知事にその旨を通知しなければならない。」という規定があり、それを受けまして同条第七項に、その通知を受けた場合に、知事は、「緑地保全のため必要があると認めるときは、」「必要な助言又は勧告をすることができる。」という規定があります。そういうことで許可といった立場での規定の適用は除外しましたが、あらかじめの届け出、それを受けて必要に応じての助言、勧告ということで、高速自動車道路を建設している日本道路公団、知事ということになりますから、そこにおのずから両方の公共目的を調和させるような適切な措置が万一の場合でもとられるのではないかということを考えております。もちろん道路の建設の構造上の配慮ということは、万一という場合には当然必要の上にも十分に施策しなければならない、申すまでもないと思います。
#47
○二宮文造君 私、そこで、いまもまた局長の説明を聞きますと、また疑問が出てくるんです。いわゆる設置者が、事業者が知事に通知をするんでしょう。通知を受けた知事は、それに基づいて助言ないし勧告みたいなものができる、こうしているわけでしょう。これはたとえば高速自動車道を設置する場合、これをつくる場合に、県というものが横にのいてしまうわけです。そういうやり方では、それでルートに反対したりする住民運動、住民を説得するのは事業者が説得をして、いわゆる住民に密着した自治体というのはわきのかっこうになるわけです。むしろそういうふうな間接的な助言ということではなくて、知事の許可行為にしますと、いわゆる自治体の権限を拡大することにはなりますけれども、それだけに今度はそれに知事が許可したことについては、今度住民に対する説得は、自治体は密着した度合いで説得をしますから、いわゆる道路公団等が住民を説得するよりも、自治体が説得をするほうがより効果があるわけです。よりきめのこまかい話し合いというものができるわけです。
 だから、いまの局長の説明を聞きますと、不要行為にするもしないも、結果は同じような説明をしておりますけれども、私は、大いに違う。それほどの作業を前もって通知をし、知事はそれに助言、勧告をすることができるんであれば、むしろそれを一歩進めて、許可行為にしておいたほうがあとあとのものはいいんじゃないか。私はやっぱりこういう道路の設置という問題については、自治体の権限というものを強化して、そのかわり、また責任も、あるいは協力の体制もとってもらうというふうなことが今日の時点には合うと思うんです。
 先日も問題にしましたけれども、あの本四架橋の場合でも、もう今秋着工されるという現在の段階においても、住民の説得に当たっているのは公団です。そして、住民のほうはつながりのある自治体、県のほうに要請、要望書、陳情を出します。しかし、それは受けますということで非常に消極的な姿勢、自治体のほうから積極的に住民を納得させようというような積極的な行動はいま見られていません。ですから、問題が紛糾をする、住民のサイドで。だから、結果が同じなんですから、むしろ許可行為にしたほうがいいんではないか。こう私は思うんですが、道路局長、あれば補足説明していただいて、あと大臣で締めくくっていただきたいと思います。
#48
○政府委員(菊池三男君) いま高速道路が適用除外になっている問題でありますけれども、実は、これを知事の許可にしたほうが地元の知事の積極的な協力が得られるのではないかというお話、ごもっともでございます。ただ、高速道路全般の問題になりますと、理論的にはそうであっても、やはりきめる責任が国でありませんと、県としてもなかなかそれの意思決定が非常にむずかしいという状態もございます。それから、これはルート全体になりますと、単に県内だけでもない、隣県の問題もございます。また、県の中でもいろいろ賛成、反対がありますと、知事の立場でそれを決定するということは非常にむずかしいのではないかというふうなこともございます。それから、もう一点、ここで適用除外はいたしますけれども、これも都市局長の答弁とあるいは同じになるかもわかりませんけれども、それが除外になったからといって、どんどんつくるというのではございませんし、なるべくそういう地区ははずれたルート選定ということは、極力これは道路管理者のほうでやるわけでございます。それでもなおかつ線形その他でやむを得ず通る場合であっても、その地区の保全地区に合わせた形の構造なり、あるいは緑化というものをあわせ考えながら、高速道路の場合は、相当単価の高い、程度の高い、規格の高い道路でございますので、一般の道路と違いまして、それだけのことをやるまた余裕もあるし、私はやらなければいけないと思いますが、そういうようなことをやることによって、その環境に合わせた道路をつくることもできるから、特に許可条項にしなくてもいいだろう。
 それからもう一つ、ルートをきめますときには、実はこの地区だけに限らず、全般的な問題として、やはり県のほうのある程度の了解を得ませんと、これは全般的な問題として、道路公団だけが一方的にきめて、それを住民に押しつけるという形ではなかなかルートがきまりませんので、そういう意味では事前に県とも十分連絡し、調整をとってルートというものの決定をやっております。また公団ではわからない県のその地区の総合的な開発計画等もございますので、そういう県の開発事業との関連というような問題も相談いたしますので、この内容につきましては許可条項ではないけれども、十分にそれだけの下打ち合わせができるものであるから、はずしてもいいのではないかというふうに私どもは考えております。
#49
○国務大臣(金丸信君) 私といたしましては、現下の緑地の必要性にかんがみまして、具体的に高速道路の路線を決定する場合においては、ただいま両局長からお話があったわけでございますが、知事の理解なしにやるわけにはいきませんし、また、知事の意見を十分に尊重して今後もやってまいりたいと、こう考えておりますので、その辺の御理解をいただきたいと思います。
#50
○二宮文造君 いや、いまいろいろ答弁ございました。ございましたけれども、私はそれは確かに知事の許可行為としますと、意思決定に非常にむずかしい状況が出てくるということは理解できます。ただ、私は緑地保全地区に関する限り、そういうことにしてもいいのではないか。そのほかの問題については、また問題が出た時点で、これは自治体の行為にするのか、あるいは不要行為にするのかということは問題別に整理をする必要があると思いますけれども、いまの御答弁は道路を設置するという全体的な感覚の中からの担当の局長の答弁だろうと思う。しかし、私は緑地保全地区というものに関する限りは、かえって道路というものを不要行為からはずしたほうがいいのではないかという考えは、いまの説明を伺ってもまだ私動きません。こういうふうにやっぱり自治体に権限を与えるということを、いまの場合国として考えるべきだと、行政の何といいますか、主導権は確かに国にありますけれどもね。しかし、いま財政面においても三割自治以下といわれておりますし、財政面ばかりじゃなく、こういう問題についても地方自治体の権限というものはやっぱり制約を受けている、そういうことが行政の運営に非常にマイナスしているということを私はやっぱり感ずるわけです。ですから、これはいますぐ政令を変えろ、法律を変えろと言ってみたって、一たん意思決定したことはなかなか動くものではありませんけれども、これは強硬な私の意見として胸にとめておいていただきたいと思うのです。
 私この場所をかりまして、確かに緑を守る、保全する、こういうことは必要であり、その保全からむしろ今度は回復というところにまで行政が進まなければならぬのじゃないかという点で、具体的に二つの地域について質問をしたいと思うのですが、屋島の問題です。
 私は高松に生まれて、高松に育って、現に高松に住んでおります。毎日尾島を見ております。ところが、最近の屋島の緑の損壊というのはたいへんなものです。大体年齢に数えますと、屋島の緑を髪の毛にたとえますと、大体いま五十七歳ぐらいでしょうか、すだれになっております。屋島というのは瀬戸内海の唯一の、唯一とは言いませんけれども、最大の景観です。そして四国の表玄関として屋島の風致というものはこれは子孫に残したい。朝晩赤っ茶けてすすけていく地はだを見ておりますと何だか自分の身が責められるような気がします。特に最近はげしいわけです。これは幸い林野庁の方もお見えになっておりますのでその実態を委員の皆さんにも御理解をいただきたいと思うのでちょっと実態を御説明願いたいと思うんですが、屋島は松を主体にしたあれですね、ここには国有林もあれば公有林もあれば民有林もございます。そこで、屋島の松が風致保全に非常に重大な役割りを果たしてきたんですが、いまも言いましたように三十八年から――三十八年ごろだと思います。非常に衰退が目につき始めまして、したがってここで被害の実態を年次別にずっと、概略の年次別でけっこうですが、被害の実態をもし把握されているならば御説明いただきたいと思います。
#51
○説明員(松形祐堯君) お答え申し上げます。
 屋島の森林の実態でございますが、御質問にございましたように、国有林、民有林両方ございまして、国有林の面積が三百八十四ヘクタールでございます。その中で環境庁に国有林から集団施設地区といたしまして移管いたしましたものが十四ヘクタール含まっておるわけでございます。また百三十二ヘクタールという民有林もございます。その中には県有林あるいは社寺有林の四十六ヘクタール、一般の個人有林というようなものが八十一ヘクタール等が含まって、合計いたしまして五百十六ヘクタールの森林があることになっております。この五十七歳ということでございますが、実は昭和四十二年以降マツクイムシの被害がたいへん多く発生いたしておりまして、たとえば昭和四十二年をとってみますと四十五年ごろまで平均いたしまして国有林では毎年千五百立方程度の被害がございます。また民有林におきましては毎年二百立方メートル程度の被害が出ておりました。ところが昭和四十六年でございますが、二回ほど大きな台風がまいりまして被害が非常にふえてまいっております。四十六年度では国有林で三千百、四十七年には急激にふえてまいりまして九千三百立方、また民有林にいたしましても四十六年は七百立方であったものが四十七年度は九百立方、こういうふうな被害の推移でございます。
#52
○二宮文造君 もっとぴんとくるように御説明いただきたいんです。何本について一本。三十八年ごろは何本について一本マツクイムシの被害があった。現在では何本について一本、そういうような把握のしかた、説明のしかたはできませんか。
#53
○説明員(松形祐堯君) ただいま面積とある程度被害木の材積等につきまして御説明申し上げましたわけでございますが、本数ということになりますとちょっと私ども調査ができておりませんが、国有林の材積が大体六万立方あるということになっておりますので、四十七年度の被害九千立方といたしますと約一六%ということの被害率になりますから百本のうち十六本ということでございますので、大体十本のうち約二本弱というふうな被害率というふうなことで御理解いただきたいと思います。
#54
○二宮文造君 いま説明があったとおり、ですから五十七歳になっております、十本について一本いかれておりますから。昭和三十八年ごろは二百五十本に一本なんだ、大体計算しますと。この十年間、特にこの二、三年それがひどくなりまして、十本に一本マツクイムシの被害になっている。しかもいまお話を伺いますと、すでに四十二年ごろからその傾向は林野庁として把握をされておった。いま大体台風の被害、特に大きな台風があったからというふうな説明ですけれども、あの景観というものはもう国立公園、それも非常に歴史の古い国立公園です。国有林がそのほとんどです。先ほど説明ありましたように五百十六ヘクタールの中で三百八十四ヘクタールがもう国有林ですから、七割程度が国有林です。しかもその国有林の被害状況というものが四十二年度ぐらいから非常にはげしく進んできた。そういう実態をとらえた上で、じゃ国のほうはどういう対策を今日まで講じてこられたのか、景観を保全するという意味で。さらにまたその対策費は幾らぐらいお使いになったか、これを御説明いただきたい。
#55
○説明員(松形祐堯君) 先ほど御説明申し上げましたように、四十二年ごろから次第に被害がふえてまいっておりますが、台風による木の勢いと申しますか、樹勢が衰えてきたということで台風によるというような御説明を申し上げたわけでございますが、そういうことと同時に、屋島の、ほとんど松でございますが、松というのは平均いたしますと大体百五十年生以上でございます。こういたしますと、あの土壌タイプから見ましてやや瘠悪化された土壌でございますが、それに百五十年生以上ということになりますと、やや松の年齢からいたしますと相当老齢化しているというふうに私ども理解いたしておりまして、そういう老齢化した森林であるということから、こういうマツクイムシ等に非常に抵抗性が少ないと、こういうふうな理解をいたしております。したがってその被害の出ましたつど私ども伐採いたしまして、伐倒いたしましたものに薬品処理をいたしまして伝染することを防いでまいったわけでございます。あるいはマツクイムシの誘引器というものがございまして、それらを設置いたしまして、これは国有林、民有林を通じて同じような作業をやっておりますが、その駆除ということをやってまいりました。しかし昭和四十七年度からはこういうことだけではいつまでたっても果てがないというようなことと、新しい技術が開発されまして、生立木に対する予防のほうに重点を置きまして、昭和四十七年からスミチオンという薬剤でございますが、これを国有林、民有林に散布するというようなことを中心としてやってまいっておるわけでございます。被害の状況はそのようなことでございますが、対策といたしまして私どもがとった助成なりあるいは経費でございますけれども、四十二年を例にとりますと、国有林で約百四十万、民有林で三十万円というようなことでございまして、昭和四十七年になりますと国有林で約七百三十万、民有林二百七十万、合計約一千万というような経費を投じまして、駆除なりあるいは予防措置をとった、こういうことでございます。
#56
○二宮文造君 いろいろ御説明がありましたけれども、一千万という金額は大きいようです。ですが五百ヘクタールですよ。一ヘクタール二万円ですよ。一ヘクタール二万円で緑の予防ができますか。あるいは今日の時点では、深緑の季節ですから、草がはえていてすだれは消えてます、草の緑で。しかしもう十一月ごろから三月ごろあの屋島をごらんになりますと、屋島の景観というのはほとんどないわけです。
 ならば、私がお願いしたいのは、松が百五十年以上のそういうもので、もういわば老齢樹だということであれば、植林もお考えになればいいじゃないですか。そういう実態を把握されておりながら、要するに林野庁というのは国有林を保全し、育成をするところでしょう。それが、こういう現状を、もう緑の衰退というのは急速に進んでいるにもかかわらず、いまだに四十七年度で一ヘクタール二万円というようなことで措置をされたんでは、これはほんとうに屋島は裸になってしまいます。そればかりじゃないんです。宇野線をずっと見ますと、ちょうどあれは児島湾一帯にずうっと宇野線が岡山まで湾岸沿いに走っておりますが、宇野線一帯の山というのもほとんどマツクイムシにやられてしまっています。ですから、これは、しかも老齢樹でない松が、幹は非常に細いわけです、緑は薄いわけです、その松でさえもやられているわけです。私はこれはやはり水島、あの工業地帯の公害というものが瀬戸内海特有の西風にやられて、そうして児島以東、あの工業地帯以東の島とか、それから木とか、そういうものに非常に影響している、こう考えるわけです。これは目で見た私の結論ですから、学術的に言ってもっと掘り下げなければならないと思いますけれどもね。
 で、そういう対策費が非常に少ない中で措置が非常に手ぬるかったということを私非常に残念だと思うわけです。地元では町内会の方が、これは御存じだろうと思います、こんなことではたいへんだということで、屋島西町、屋島中町、屋島東町、この三町の二十の自治会が屋島愛林会、こういうものをつくりまして、これには高松の営林署も一枚かんでいるようです、市もかんでおります。そういうことで植林奉仕をやっておりますが、何しろ財源の問題で行き詰まってしまっております。さらに地元では、これはなるほどマツクイムシの被害だけれども、これは開発の責任だと。ある人は、街路灯をつけるでしょう、アーク灯、アーク灯をつけたところのその付近の木は全部やられてしまう、やはりあそこへ電気が虫を呼ぶんじゃないか、こういうことで、屋島の木がこれほどまでに痛めつけられたのは開発の責任だと、こういうふうな結論を出してやっておりますが、この屋島の国有林内における農業関係者、農林関係者以外の貸し付けの状況、あるいは民有林内の開発の状況、そういうものを林野庁としてはどう把握されていますか。
#57
○説明員(松形祐堯君) まず最初に、先ほど御答弁申し上げましたときに、四十七年度までの対策につきまして御答弁申し上げたわけでございますが、四十八年に、私ども四十七年に引き続きまして生立木に対する予防というようなことを中心といたしまして、国有林につきましては三千百万円、民有林につきましては五百六十万、合計三千六百万円を投じまして、すでに予防のための薬剤散布を終わっておる段階でございます。また、ちょっと御意見ございましたように、またそのとおりと私ども思っておりますが、このように瘠悪化された土壌形態でもございますし、また老齢化した森林でもございますので、私どもは肥料木と称しておりますが、ヤマモモ、ヤシャブシとか、そのような広葉樹を植えますと同時に、あの山に施肥を現在やっておるわけでございます。そのようにいたしまして、残された木を、なるべく勢いのいい樹木に維持していくというような努力はいたしているわけでございます。また同時に、私ども、新しい技術が発見されまして、この木が弱っているかあるいは健全木であるかということは、赤外線写真を空中からとることによりましてわかる技術が進歩してまいりまして、四十八年から二カ年間にわたりまして広域な防除法の確立とか、早期駆除というようなこと等をねらいまして、屋島を二カ年間の試験地としてそれを撮影し、研究をいたすつもりでおります。さらに愛林組合でございますが、この組合二百名程度の方々に、この緑の維持のために御心配いただき、非常な御協力をいただいておるということは御承知のとおりでございます。
 また、ただいま開発についての農用地以外のことでございますが、この屋島の、主として国有林でございますが、国有林は全部保安林でございますし、自然公園法の網もかかっておりますし、また文化財保護法等の関係法令の規制が全部かかっております。したがって、私ども約二十八件十五ヘクタールにつきまして、他省庁あるいは地方公共団体あるいは国立公園事業の執行者等に対しまして貸し付けをいたしております。たとえば通信送電施設とか水道施設、道路、公園事業施設あるいは風致修景というようなことで、二十八件約十五ヘクタールの貸し付けをいたしております。さらにまた民有林でございますが、民有林の、百三十二ヘクタールございますけれども、全部史跡天然記念物に指定されております。また風致のための保安林といたしまして、その中でダブりまして、四十七ヘクタール、また国立公園の特別地域といたしまして四十九ヘクタールが指定されております。このように網がかかっておりますので、私ども特にきわ立った民有林の開発というようなものはないように理解いたしております。
#58
○二宮文造君 御存じであろうと思いますけれども、屋島の山上はもうホテル等が密集しております。それからドライブウエー、それから登山鉄道。通信施設、いわゆる国とかそういうものに貸与したことをあなたは中心にいまおっしゃっておりますけれども、それではなくて、みやげもの屋あるいは旅館――旅館は民有地ですけれども、それからドライブウエーだとか登山鉄道だとか、この一覧表を見ますと、相当に民間にも貸し付けがされております。地元の人は、これらの開発がやはり緑に与えた影響というのが非常に強いんじゃないか。そこで一生懸命、四十七年ないし八年にかけて現状を打開しようということで、林野庁が取っ組む姿勢というものは私わかりますけれども、しかしこれは単なる研究だとか、あるいは従来の二倍とか三倍とかいうお金をつけたからそれで処置ができるという問題ではないわけです。もっと抜本的に植林とかそういうふうなものをお考えにならないことには、現況を保持することさえもできないんじゃないか。ましてや五十七歳も若返らすということはとうていできない。それじゃ屋島はそれで死んでしまう、こういうせっぱ詰まった問題になっておりますので、こういう場合、緊急に抜本的な対策をしなければならぬというときには、やっぱり開発業者、開発行為をやった者あるいは国の助成あるいはまた地方自治体の助成、そういうものをもっと大幅に、いわゆる即効的な効果があるようなそういう対策に切りかえなければならないんじゃないかと思うのですが、大臣、この点はどうでしょうか。
#59
○国務大臣(金丸信君) 屋島の話を聞いておりまして、自然の環境が著しく破壊されていくということを承りまして、まあ屋島は歴史の上でも非常に大切な場所でありますし、また現在、都市計画法で市街化区域あるいは調整地域の指定も受け、あるいは自然公園の法によりまして自然公園になっておるというようなことでありますから、この開発許可制度の運用にあたりましては各省庁とも十分連絡をとりまして遺憾のない指導をしてまいらなければならぬと、まあこの開発という問題についてはほんとうに強い規制をやっていくべきだと、先生のおっしゃるとおりだと私も考えております。
#60
○二宮文造君 こういう現状で、いま大臣から御答弁があったんですが、費用負担という問題はこれは相当早急に多額の予算を持って対処しなきゃならぬ。ですから、いま林野庁が組んだ予算ということだけではとうてい現状を打開することはできないと思うんです。それで私は環境庁にもあるいは林野庁にもお伺いしたいんですが、この開発をした人も屋島の緑がなくなってしまえば自分たちの使用目的にも影響を与える。したがって、原状回復するためにその費用負担を何らかやはり応分の負担をする、国も抜本的にそれの対策を立てる、地方自治体も対策を立てる、あわせて開発行為をやったものもその応分の負担をすると、こういうふうな財源の生み出し方というものも考えなければ、早急な手は打てないんじゃないかと思うんですが、この点について、まあ屋島の現状というものについての、あるいはその打開策についての環境庁のお考え方、あわせて費用負担、費用を生み出す問題についての私のいまの申し上げたことに対する見解、また林野庁のお考え方、それらを含めて、屋島の問題はそれで一応終わりにしたいと思います。
#61
○政府委員(首尾木一君) 御指摘の屋島は瀬戸内海国立公園に属しておりますが、屋島のうちの特に御指摘のございました開発が非常に進んでおりますのは南嶺の地域でございます。北嶺の地域につきましてはこれは自然状態がよく保存をされておるというふうに考えております。
 それで、まず第一に開発との関係の問題でございますが、北嶺地域につきましては、そういったような新しい開発ということにつきましてはこれは厳重に保護をしていきたいと、これを抑制をしていきたいというふうに考えております。また南嶺地域、これは主としまして民有地が非常に多い地域でございますが、すでに施設はもう飽和状態ということでございますから、新しい新築許可といったようなことにつきましては、これはもう極力抑制していくという一般的な保護の方針で臨みたい。特に最近の例といたしましては北嶺と南嶺を通ずる自動車道路の計画もございましたが、これにつきましては、これを認めないということで処置をした例もございます。
 それからマツクイムシの問題でございますが、これは国有林、林野庁とこれまでも協力をいたしまして林野庁と一緒に、特に私どものほうとしましては先ほどお話のございました集団施設区域十四ヘクタールの環境庁の地域もございますので、その地域につきましては若干の予算をやりまして、これも林野庁でお話のありました程度の一ヘクタール当たり二万円程度といいますか、そういうふうな金しか出しておらないわけでございますが、これは林野庁のほうと一緒にやっているというような状況でございます。
 で、屋島には――実は私ともたいへん遺憾なことでありますけれども、全国的に自然公園の管理員というものが十分でございませんで、屋島には一人が駐在をしているという現状でございますので、そういう点から十分に管理体制というものができておらないというふうに考えておりますが、今後こういったようなことについては充足をしていかなければいけないというふうに考えております。
 それから全般の今後の復元といいますか、先生のおっしゃいましたような、新しい、こわれたものをさらにもとに戻すというようなこと、そういうことに対する費用負担の問題でございます。
  〔委員長退席、理事沢田政治君着席〕
これは先生の御指摘になりました点、まことにごもっともと考えておりますが、具体的にどのようにしてこの財源をやっていくかということにつきましては、今後の問題として検討さしていただきたいと思っております。
#62
○説明員(松形祐堯君) 私ども国有林の所有者といたしましても貴重な財産でもございます。しかも、かつ、いろんな法の網をかぶった森林でございますので、その重要な森林としての公益的な機能というものが十分そこなわれないように、私ども自然破壊を伴うような開発についての貸し付けにつきましては今後厳重な措置をしてまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。
 なお、先ほど来御指摘ございましたように、健全な森林を育てるというようなことがこれは私どもの最も大事な仕事でございます。したがって、国有林につきましては責任をもって施肥なりあるいは肥料木を入れるとか、新しい松を植え込むとか、こういうことを処置をするつもりでございます。また民有林等につきましても特別に保安林と一かいろんな網がかぶっておるわけでございます。したがって高率な助成というものもさらにこれをふやすというような措置を現在もとっておりますが、今後もとるつもりで検討をいたしたいと思っております。
#63
○二宮文造君 ちょっと林野庁の取っ組む姿勢が私は非常にばく然とした姿勢しかいま説明されてないと思うのです。私は現状というものをるる説明をして、あなたも御答弁になったように、十本に一本いまやられているわけです。これは伐採するよりほかにないわけです。そうしますと、十本に一本伐採していきますとすだれになってしまうわけです。現在はもうすでに赤っ茶けております。だからそういうような保護育成をしていきますとか、施肥をやりますとかいうことじゃなくて、地元にはすでに愛林会が発足をして、何とかしなきゃならぬと、自分たちのなけなしのふところをはたいて植林奉仕までやろうとしているわけです。
  〔理事沢田政治君退席、委員長着席〕
そういうものにどうタイアップをしていくのか、あるいはまたその植林に対して林野庁としてはどう助成をしていくのか、そういうふうな、もっときめのこまかな対策というものを御説明いただかないと、私この委員会で屋島の問題を取り上げた意味が何にもならない。それをいま御答弁になったようなことは、いままでも方向として言われているわけです。しかし、それでもなおかつ急速にこの原状回復しなきゃなりませんぞというせっぱ詰まった問題点を指摘した私の質問に対しては、ちょっと答弁としてあまりにもばく然とし過ぎている。愛林会等どうするのか、植林に対する助成はどうしていくのかあるいはまた十本に一本にどういうような対策を立てていくのか、もっとこまかい説明がありませんか、自治体にはどう要請するとか。
#64
○説明員(松形祐堯君) 国有林につきましては先ほどお答え申し上げましたように、私どものほうの国有林野事業といたしまして、穴があいたところは補植をする、あるいは肥料木を植え込むというようなことをやってまいりたいと思っております。その際、愛林組合の方々にいろいろ御協力をいただくというようなことで、ことしの二月にこれがスタートいたしております。したがって、その中には県も市もあるいは屋島に関係のある諸団体も皆さんお入りいただいておりますので、その方々と十分相談しながら私ども管理とかあるいは植林に労務提供というようなことでお願いをいたしておりますが、その経費につきましては私ども国有林野事業でございますので、十分支払いながらこの事業を遂行するつもりでございます。
 なお民有林についてでございますが、従来から植林の補助というようなことはございました。しかし四十八年度から――従来は植林する場合だけに補助というものがございました。四十八年度からは先ほど来御議論いただいておりますように、森林そのものが持っておる非常に公益的な機能というのが評価されて、また要請される時代になってまいりました。植林するだけの経費ではなくて下刈りをするとか、つるを切るとか、森林を造成するという助成補助体系に変えたわけでございます。したがって、四十八年度からはそういうきめのこまかい助成制度というものが確立いたしております。したがって従来は四割助成ということになっておりますけれども、これを点数制等を運用いたしますと、高率なものは八割助成までできることになっておりますので、したがって、そういう新しい制度をこの屋島にも適用いたしまして、運営してまいりたい、具体的にはそういうことでございます。
#65
○二宮文造君 じゃ屋島の問題はそれで終わりまして、まあ各地で観光開発とかあるいは過疎対策、そういうような名前のもとにどちらかといいますと、自然保護をなおざりにした有料道路の建設、これが計画されております。大臣のおひざ元の山梨県の連峰スカイライン、それから長野県のビーナスライン、美ケ原というんでしょうか、ビーナスラインというものもいま計画をされているようですが、その点についてお伺いしたいと思うんですが、まず連峰スカイライン、これについてでありますけれども、大臣も御承知のように、もう山梨県では富士スバルライン、それから南アルプススーパー林道、そういうものに見られますように、国民的な財産である自然が大規模に破壊をされ、多くの心ある人の抗議の声があがっております。これは大臣もう御承知のとおりです。ところが県当局はそういうふうな抗議の声があがっておるにもかかわりませず、奥秩父連峰に延長百五十キロに及ぶ長大な有料道路、連峰スカイライン建設構想というものを県当局は発表しておりますが、この計画については率直に大臣はどういうお考えを持っておられるのか、これはまず所感をお伺いしたいと思います。
#66
○国務大臣(金丸信君) 連峰スカイラインの山梨県のこの問題につきましては、まだ建設省には申請が出ておりませんから、構想中であろうということで御理解いただきたいと思うわけでございますが、山梨県、私はいま建設大臣をしておりまして、自民党の県連会長をしておるというような立場もありまして……。
#67
○二宮文造君 だからなお聞きたいわけです。
#68
○国務大臣(金丸信君) 自民党県連ではこれを推進するということで取りきめておるようであります。ただ山梨県はいわゆる自然が観光資源唯一のものでありまして、ほかに何ら求むべきものはないということでありますが、いまこの時点におきましては自然環境の保全ということは大切であります。ですから、私はよくその話を聞かされるわけでございますし、また聞かされたとき自分から申し上げますことは、あくまでも世論の上に立って対話のある道路でなければならない、全部の反対を押し切ってつくるというようなことであってはならない。こういうことで県もそういう面で世論の調整等もいろいろやっておるようでございますが、かりにこの申請が建設省へ参りましたならば、自然環境というものを十分にこれは考えなければならない。そういうことで自然環境保全という問題を考えなければならぬということでございますから、それに慎重に対処して、また十分この場合、許可するというような場合にあたりましても各関係省庁との理解も必要であり、また了解もとらなければならぬことでありますが、あくまでも円満な話の上でやられなければならない。そして建設省としては環境保全という問題はまっ先に考えることでありますから、この点につきましては、十分にそういう選定という問題につきましてもあらかじめ道路局等によって指導もしてまいりたいと、このように考えておるわけでございます。
#69
○二宮文造君 私まあ大臣のお立場わからないわけではないんですが、しかし、なるがゆえにお聞きしたいということを私ちょっとちょっかい出しましたけれども、といいますのは、やっぱり山梨の自然というものはそれは山梨の誇りです。しかしまた日本の誇りでもあるわけです。それが山梨県のいわゆる過疎対策あるいは観光資源の開発ということでいま進められている計画、それで県が発表したところによりますと、幹線道路の部分に約五百億円、それから関連道路に約二百五十億円、要するに合計七百五十億円の投資が必要だ、そして県から調査を委託されました山梨大学の伊東助教授は、一日平均五千台の車から四千円の通行料をとったとしても年間二十二億円前後の赤字が出て、そして年間五十六億円近い利子による財政圧迫を県民は受けることになる、これに対して県のほうは関連地域の観光産業による収益等合わせると十分採算がとれると、こういうふうに反駁はしておるようでありますけれども、ちょっとこの数字を並べてみたところ、この県の反駁は非常に私は根拠が簿弱だと、いわゆる山梨県の財政というものを考えてみますと、非常に財政面での反駁の材料は弱い。それよりも何よりもあのスバルラインでもう相当に環境破壊したということで非難がある。また非常に惜しいことだと、こういうような国民全体の声もあがっているわけです。そういう中で山梨県の立場もわかりましょうけれども、大きく国、国民という立場に立ちますと、この自然環境の大きな破壊というものには私は財政面からもまた自然環境の面からも納得のできない面が非常に多いわけです。大臣も地元の住民の意思を無視してやっちゃいけないというふうなことでいま説明をされておりますけれども、これはむしろ山梨における大臣の地位、あるいはまたそれからくる責任、そういうものから考えてやっぱりもっと再検討を指示するとか、あるいはもっとより具体的な方策に計画を変更させるとか、そういうふうないわゆる、まあ私は全面的に中止をさせますということの大臣の答弁を予定しておったわけです。ですけども、立場を聞いておりますとそこまでは言えませんけれども、また答弁を私は求めませんけれども、ちょっと問題が全国民的な立場あるいはまた山梨県民の財政的な立場、そういうものを考えますと無理な計画ではないかと、こうも考えますが、いわゆる財政面の問題での大臣の認識の程度、それからまた自然環境の問題については先ほどお話がありましたけれども、要するにもう一度たいへん恐縮ですが、大臣の答弁を求めます。
#70
○国務大臣(金丸信君) 私もまだ詳細の内容については承っておらないわけでありますが、財政的な面につきましても詳細な内容はわからないし、また私の聞く状況におきましては現在の計画を全部遂行するというような考え方を一部変えるのじゃないかというような考え方もあるやに聞いておるわけでございますが、これは環境庁その他いろいろと準備の折衝をしたような関係も私はあるんじゃないかと思うんですが、そういう意味で全面的にこれを取り上げて最初の計画どおりにやろうという計画でもないように私は思っております。しかし、どちらにいたしましても、自然というものを破壊するということで、これに対処するには慎重に対処しなければならぬということだけは、今度、私が山梨県の県連会長という立場でなくて、建設大臣という立場で、大局に立って判断しなければならぬと、こう私も考えておりますので、その点につきましては十分に慎重に対処し、また申請の出る前から道路局をして指導いたしたい、こう考えております。
#71
○二宮文造君 それで、同じように長野県が計画しておりますビーナスライン美ケ原線ですか、これにつきましても私の理解は、たしか大石元環境庁長官が、高原の自然破壊はこれ以上避けるべきだということで、三年ごしで計画が凍結されたままになっているように私は理解しております。また、当時環境庁長官がそういう発言をされたことについて反対はなかったようです。そのとおりだというふうな理解であったと思うんです。ところが、最近長野県当局は早期着工の方針を再確認して、環境庁などに働きかけを開始したようにも伝えられておりますが、この構想について環境庁のお考えはどうでしょうか。
#72
○政府委員(首尾木一君) 御指摘の長野県の美ケ原の道路でございますが、これは御指摘のように、四十六年、当時和田峠まで道がきておりましたが、それからあとの美ケ原台上を通ります路線につきまして、やはり自然環境の破壊といいますか、そういう点から特に自然保護関係の方々からの反対が非常に強いことがございまして、当時大石前々環境庁長官が現地にまいられまして実際に視察もされ、その後の取り扱いとしましては、四十七年度は一応扉峠までこの路線はどうしても決行する、扉峠以降の問題については再検討する、再検討すべきである、台上を通すことには問題があるということで、一応工事は扉峠までは竣工をいたしましたが、それ以降の道がつながっておらないという現状になっておるわけでございます。
 で、この問題につきましては、長野県当局におきましても、これは長野県の企業局において所管をいたして施工いたしております道路でございますが、長野県当局におきましても再検討いたしまして、もともとございました路線の、台上を通過するものについてはこれを変更をいたしまして、変更した路線を県でこれをつくりたいということで県としての意見をまとめまして、変更案を環境庁のほうに提出をしているというのが現状でございます。その変更案につきましても、しかし、地元の学者それから自然保護の方々の意見というものは一致をいたしておりませんで、反対がかなり強い路線計画になっておるわけでございます。私どもといたしましては、このような状況の中でこの変更路線案というものを承認すべきかどうかということにつきましては、さらに地元の関係学者等の意見も徴しまして、また今後私どもの自然環境保全審議会のほうの委員にも、場合によりましては直接に御調査を願うというようなこともいたしまして、慎重にこの問題については検討をした上で審議会としての御意見も聞き、最終的にどうするかということをきめたいというふうに考えておるわけでございます。
#73
○二宮文造君 美ケ原高原、これは御承知のように、信州でも代表的な高山植物の宝庫だと、こういわれております。すでに前に霧ケ峰高原につくったビーナスラインで、八島というのですか、それでもういわゆる高山植物の生態系というものが破壊されているというような非難も出てきているわけですね。いま環境庁では、路線の変更について新たに審議会等々の意見を参照すると、こういうような答弁だったんですが、建設省のほうはこの問題についてどういうふうに認識されておりますか。
#74
○政府委員(菊池三男君) 先ほど環境庁から話があったとおり私どものほうも認識しております。ただ、ルートの問題につきましては、和田峠から扉峠までは環境庁も了解して工事をいま始めております。それから先のところが、美ケ原の台地に道路が上がりまして、その台地の上を走るという計画になっておりましたが、それを変更いたしまして、台地に上がらずに、もっと別のルートでとりたいということで県のほうもルートを設定いたしまして、いま環境庁のほうと打ち合わせをしている最中でございます。地元は、実は扉峠までやったんではまだちょっと中途になりますので、何とかルートは変えてもあまり環境破壊をしないようなルーティングの選定をしてやりたいという希望を強く持っております。それから建設省といたしましても、これは昭和四十五年に県から申請が出て認可したものでございます。したがいまして、環境の破壊ということに結びつかずにルートが選べられれば、何とかやはりこの道路が、地元の要望もございまして、できるものならそういうふうにお願いしたいというふうに考えております。
#75
○二宮文造君 これは大臣、並みたいていの反対じゃないわけですね。御承知のように、二十万人に及ぶ反対署名というものがすでに集約されておる。これは意思を表明したのが二十万で、私どももこの話を聞きますと、やはり県当局の計画はなるほどわかります。長野県の考え方は、ひとつそういう有料道路をつくって、そうしてより多くの観光資源にしていきたいということはわかりますけれども、もういまはそういう時代ではないように思いますね。国鉄等がディスカバージャパンと、こう言っている趣旨は、いままで開発されてなかったところを見ようじゃないか、いわゆる車とかそういうものではなくて、人間のからだでさぐり当てていくというふうな新たなレジャーというものも、いま大衆のいわば興味の的になっているわけですね。ですから、便利なことが観光開発につながることではなくて、むしろ自然の環境を維持し、そうしてその中に人間の喜びに感じさせるというふうなレジャーの方向というものがまたいま新たな焦点になっている時代です。したがって、有料道路をつける、便利になる、マイカー族が出かけてくる、こういう単純の計算は、いまの日本の状態の中からはやっぱり発想を変えなきゃならぬ時代にきたんじゃないか。その代表的な例が先ほどの連峰スカイラインであり、それからまた今回の美ケ原の台上の路線の問題です。したがって、これは県当局が一応計画をし、また建設省が道路認可を与えたという過去の経過と現況とは大きく変更しているという新たな時点でこの問題に取っ組んでいただきたいと思うのですが、この件について美ケ原のルート変更の問題について大臣の御所見を伺って、一応私の質問を終わりにしたいと思います。
#76
○国務大臣(金丸信君) 先生の御指摘のように、環境保全という問題は一番大きないまの政治問題でありますし、何でもつくればいいという時代ではないことは御指摘のとおりであります。このたび霧ケ峯、美ケ原のこの問題につきまして、路線変更の問題につきましても、これは慎重に対処しなければならない。私はまあいつも道路というものは対話のない道路ではだめだ、こういうことを申し上げておるわけでありまして、環境破壊という問題は環境庁も十分参画していただける問題でありますから、環境庁とも十分相談してこの問題に対処してまいりたい、こう思っております。
#77
○委員長(野々山一三君) それでは、午後一時十分まで委員会を休憩いたします。
   午後零時十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十六分開会
#78
○委員長(野々山一三君) これより委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨十一日、松本英一君が委員を辞任され、その補欠として鈴木強君が委員に選任されました。
    ―――――――――――――
 昨十一日、松本英一君が委員を辞任され、その補欠として鈴木強君が委員に選任されました。についておはかりいたします。
 公有水面埋立法の一部を改正する法律案について公害対策及び環境保全特別委員会からの連合審査会開会の申し入れを受諾することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#79
○委員長(野々山一三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#80
○委員長(野々山一三君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
#81
○委員長(野々山一三君) 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 公有水面埋立法の一部を改正する法律案の審査のため参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#82
○委員長(野々山一三君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#83
○委員長(野々山一三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#84
○委員長(野々山一三君) 建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#85
○鈴木強君 機会をいただきましたので当面の建設行政の若干につきまして金丸大臣以下皆さんにお尋ねをしたいと思います。連日御健闘いただいております金丸建設大臣以下建設省関係の皆さんに心からお礼を申し上げます。
 最初の質問の第一は、去る三月の予算委員会におきましても、あるいは先般の内閣委員会におきましても私が取り上げた東富士有料道路の建設の問題でございます。この前、内閣委員会でお尋ねをいたしました際に、道路公団の担当の理事の方が他に出張をする予定を持っておられましたので、その便宜のことも考えまして私は質問を保留しておったのでありますが、きょうは総裁にもおいでいただいておりますので、まず公団のほうからこの東富士有料道路の建設について今日まで御調査も進めてこられておると思いますが、どういう調査をされて、そしてその通過地点は一体どういうふうに計画をしておるのか、最終的には建設大臣の承認を得るということになるのでありますが、ここは御承知のような地域でございますから、当然防衛庁あるいは防衛施設庁関係、さらに環境庁関係、それぞれ御相談もなすって事業計画をおつくりになっていると思うんでございますが、時間も一時間という制約でございますから、この時間を守りたいと思います、私は。したがって、簡潔に公団のほうからこの事業計画について今日までどういうふうに取り組んできておるのか、その後はどうなっておるのか、それをひとつ御説明願いたいと思います。
#86
○参考人(前田光嘉君) ただいま御質問の東富士の自動車道路は、言うまでもなく、中央高速道路の川口湖のインターチェンジと東名高速の御殿場インターチェンジを結ぼうという案でございまして、これにつきましてはかねてからわれわれのほうでも両道路の連絡する道路が必要であり、同時にまた地元の方々からもその両道路を結ぶことによって地域の開発なり、あるいは交通の便のために非常に有意義であるという促進の御要望がございました。そこで、昭和四十五年度から基礎的な、予備的な調査を始めまして、四十六年度七月調査いたしまして、四十八年度、本年度から正式に工事の着手に踏み切りたいということで、いわゆる新規路線としての採択を予算上お願いしたところであります。しかしながら、この沿線は非常に急峻な山岳を通過しますとともに、あるいは文化財あるいは自然環境、また演習場等が途中にありまして、路線の選定にはたいへんむずかしい問題がございます。われわれのほうでも具体的な案を決定する前に関係の省庁あるいは関係のところと十分相談をする必要がございますので、事務的にいろいろ案を考えまして問題点等について協議を進めてきておるわけでございまして、現在のところそういう協議を、下相談と申しますか、そういうものをしておる段階でございます。
#87
○鈴木強君 この計画に対して総事業費というのは幾らかかる勘定になりますか。
#88
○参考人(前田光嘉君) 具体的な路線がきまりませんので、その構造等がまだ確定いたしませんので、明確には申し上げられませんけれども、ざっと三百三十億ぐらいじゃないかという概算で一応考えております。
#89
○鈴木強君 いまの前田参考人のお答えを伺っておりまして、非常に疑義に感ずるのは、それぞれの関係庁とも関係者とも相談をしながら進めてまいったと、そして四十八年度より正式に新路線として採択をして予算に計上したと、その総事業費は三百三十億ぐらいである、こういうお話ですね。ところが、総事業費が大体三百三十億と見積もり、新路線として採択したにかかわらず、まだ路線についてどこを通るのかわからないというのは、そんなずさんな計画をなさっておるんでございますか。これは御承知のように、富士岳麓のレジャーブームの中でだれでも行ってみて感ずるのは、いまの、現行、狭い百三十八号線というのがどうにもならぬ状態になっておりまして、県知事はじめ関係者は早くからあれを拡幅するか、新しく道路をつくるかということで熱烈な希望を持ってそれぞれ運動もしておったのであります。したがって、新路線に採択をされ予算にきまりながら、今日まだその路線がきまらないで右往左往しているなどということは許すことができませんよ、これは。しかも、過ぐる三月の予算委員会において、その通過地点については千百メートルないし千メートルの高度が一番よろしいと、そういうことを考えているということが建設省側からも答弁されているわけです。だから、少なくともそういう基礎調査の段階でどこを通ったらいいかということがまだきまらないなんというのは職務怠慢じゃないですか、これは。私は形式的な答弁を求めているのじゃないのですよ。もうすでにすべておぜん立てが整っているにかかわらず、少なくとも政府内部における、何か、あっちがどうしたとかこっちがどうしたとかいうようなことが原因になってこの事業の着工が遷延しているということは、これは問題ですよ。一体それはどうなっているのですか。これは、きょうは防衛庁からも来ていただいておりますから、防衛庁はいままでこの東富士有料道路について公団側からどういう相談を受けたか、これもひとつお答えをいただきたいと思うのです。
#90
○参考人(前田光嘉君) おしかりをいただきましたが、われわれも一番最適の路線を選びたいと、しかしいろいろ問題がございますので明確な線をまだ実は引けない現状でございます。ああいう山岳部でございますから、大体標高千メーター程度のところを通るのが適当であろうという考えはございますけれども、それでは具体的にどの路線を通ってどの程度のたとえばトンネルを掘るかという、そういう問題、相当ございますので、ここで具体的に本路線はこういうふうにきまっているということは実は申し上げる段階に至っておりませんことは非常に残念でございます。しかしながら御指摘のように、道路につきましては非常に必要な道路でございますので、一刻も早く関係のところと十分打ち合わせを済ませまして計画の決定をしたいと考えております。
#91
○鈴木強君 あなたは、四十五年から基礎調査を始めて四十八年度から正式に新路線に採択し、予算に計上すると、こういうことを言っているわけですからね、それぞれの関係省庁と相談したと言ったが、相談していないじゃないですか。千百メートルを通るということがだれが見たって最適だということがあるなら、そこを通るように事前に折衝をして、これは防衛施設庁ですね、管理しているのは。そこをそういう話をよくして、理解と納得を得るようなことをやはり政府部内でやるべきじゃなかったですか。そうしてその新路線というものをきめなければうそですよ。新路線をきめるのに、まだルートを、どこを通るかわからぬ、そんなでたらめなことをやっているのですか。こんな例は私はあまりないと思うのですよ。そうでしょう。いつもこうやっているのですか。新路線きめて、どこを通るかわからぬ。そんなばかな決定はないはずだと、ぼくは思うから。そうして建設大臣の承認を得るという手続になるわけでしょう。そうでしょう。事前の中においてあなた方はほんうとうに各省庁と十分連絡をとりましたか。新聞では、公団の勇み足と、こう書いてある。これでは迷惑するのは国民ですよ。一日千秋の思いで早く完成してもらいたいと願っている両県民、あるいはそこを訪れる国民から見ると、迷惑千万ですよ、政府内部のそういうことで。この責任は感じませんか。そんな適当な答弁したって、これはだめです。もう少し率直に、悪い点は悪かったと、足りなかった点は足りなかったと、そういうふうに反省して、その上に立って前進をするというなら私は許しますよ。あなた、われわれに適当な答弁をしてそれで済まそうったって、それはだめですよ。私は全部、どこでどういうふうになったかということを調べていますからね。
#92
○政府委員(菊池三男君) ただいま、こういうやり方でいいのかというお話がございましたので、ちょっと一般的な問題として申し上げたいと思います。
 実は、公団に確かに四十八年度に予算が計上してございます。これは、大体そこが有料道路でやれそうだということがわかりますと、予算要求をいたしまして、実際に予算がつくわけでございます。ところが、最初の年は大体測量試験費でやる程度でございますので、まだその予算を使って最終的に路線を確定するわけでございます。したがいまして、まだことしの予算がついたいまの段階では、あるいはいろんなほかの省庁との関連なんかは話がいまどんどん進めている段階でございまして、そして年度内にその予算を消化するのが大体早くて秋ぐらいになるのが通常でございます。たいへん申しわけないんですが、ものによりましては、その年ついにその測量試験費までいかずに、あるいは地元との問題がこじれまして、一年延びたという例もございますが、予算はそういうふうな見越しをした要求をしてございますので、いまそういう段階だからといって、特におくれているということではないかと思います。ただこの道路につきましては、非常に地元からも強く要望されておりますので、先ほどから総裁が申しましたように、できるだけ早く打ち合わせを済ませ、なるべく早く着工という形に持っていきたいというふうに考えております。
#93
○鈴木強君 私はもしあなたが言うような形で従来やっているとすれば、それは少し不合理というか、現実に合わないような気がしますよ。ですから、少なくとも新路線を予算上取り上げる場合には、少なくとも基礎調査というものがあるんですからね。四十五年から何しておったんですか、四十五年から。そして、大体通過地点は非公式であっても――これは公式だな、国会の予算委員の正式な場において千百メートルのところを通る、これは明らかにあなた方が基礎調査してその結果出た結論でしょう。それをいまになって四十八年度から予算を組んで、それでこれからやるんでございます、そんなことをやっているんですか。それはでたらめというんですよ。そういうやり方は改めてくださいよ。少なくとも新規路線に採用するときには、あらかじめどこを通るか、そうして総予算が幾らになるかということになれば、その地質とか地形とか、それによってコストだって何万円で済むということが出てくるわけでしょう。二十万かかるか三十万かかるか、そういう基礎工程における、やっぱり積算だって、それの地勢によって、どこを通るかによっては違うでしょう。掘り割りにするか、高架にするのか。そういうことを考えて、総事業費というものをつくっているはずだから、あなたが言っているのはちょっと現実ばなれをしていますよ。そんなことを公団がもしやっているとすれば、それは現実から少し遊離した、国民の期待に反するようなやり方ですよ。それは例外はあるでしょうね。いろいろ調査してみたけれども、まだ新規路線として採択するのには問題があると、もう一年調べなきゃならぬというなら、それは基礎調査の段階でやればいい。少なくとも予算に計上して正式に路線として決定するときに、どこを通るかわからぬなんというそんなばかなことはない。そんなことをやっているとしたならば許せない、直してください。だから、今回の場合は、四十五年から、四十六年、四十七年と三年間何していたんですか、と言いたいんです、私は。ですから、あたた方があまり詭弁を弄さないで、十分連絡をとらないで、いろいろやろうとしたところがクレームがついた。これから反省してやるというならそう言いなさいよ。それなら私はこれ以上言わない。ものはよくわかっているんだ。へ理屈言うから、私は言うんです。
#94
○参考人(前田光嘉君) 私どものほうもこの路線の重要性、必要性を痛感いたしましていろいろの調査をいたしておりましたが、具体的にこの場所を通るという路線の決定までには至っていなかったということでございますが、しかし、それをやはり早くやるためには、正式に取り上げてやっていくほうが必要だろう、こう考えて四十八年度に新規事業として御採択願ったわけであります。そこで、今後はわれわれのほうも、具体的な案を早く固めまして、正式に関係方面と協議をして、案を確定して建設大臣の認可を受けたい、こう思っておる段階でございます。
#95
○鈴木強君 わかりました。総裁がそういうふうにおっしゃるならば、それは人間のやることですから、足りないところもあるでしょうね。あるでしょう、これは。それを悪かったと、すまなかったというなら、これはそれ以上追及してはいけないんですよ。反省してくれればね。私はそういう気持ちでおるわけです。あなたが、今後悪いことを繰り返さないようにするというなら、これから過去のことを言ったってしょうがないですから、どうしたらうまくいくかということに論議が発展していくわけですよ。
 それで、防衛庁に来ていただいているんですが、私は予算委員会で建設省のほうから千百メートルというお話を聞いたときに、これは自衛隊の、当時は米軍の管理のもとですね――のところですから、なかなかこれはむずかしいのじゃないかという気もしますよ。掘り割り式にしても、おそらく上のほうから、たまを撃つんですからね、撃つ日は通らんというならこれはいいんですけれども、通行どめにするというなら。そうもいかないでしょうね。したがって、それは技術的にすぐれておりますから克服できるんだということを私は信じておりましたから。確かに通る場所としては千百メートル、私もいいと思いますよ。どうしてもこれは何とか実現してもらいたいと私はいまでも思っているんです。だから、そういう意味では建設省が言われ、公団が言われたことをぼくは支持するのだ。ただやり方が気に食わぬからおこっているんだ。自分たちがもう少しちゃんとやっておけば、もっと早くできたのに、連絡もろくにしないで話を進めるからこういうことになっちゃう。それはそれとして、反省してもらって、ぼくとしてはあそこを通ればすばらしいドライブする場合でもいい道路だと思うんですよ。そこで、今度は米軍の管理から自衛隊の管理に移ったわけですからね。これは日本政府がやる気になれば私はできることだと思うんですね。技術的にそういう点が可能であればできるわけですね。何とかひとつ防衛庁のほうでは千百メートルぐらいを通るのが一番いいという、いろいろ調査結果が出ているようですから、そうしてもらいたいと思うのだが、きょうは大臣が足を痛めてまだ入院されておるそうですから、長坂参事官に来ていただいたのだが、どうですか、これはひとつそういう方針に賛成できないですか。おれが政府を代表してやるようでまずいけどね、そう思うから私は聞くのですが。
#96
○政府委員(長坂強君) 本日鈴木先生から御質問のあることを昨日承りまして、いろいろ考えてまいりましたが、実は大臣まで了解をとりまして出てきたわけではございません。本日そういういとまはございませんでした。そこで、高度千メートルと申しますと、現在三月の末と申しますか、四月の初め、これは建設大臣にもお世話になりまして、米軍の使用から自衛隊への使用転換ということの実現を見たわけでございますが、その際に演習場をぐっと縮めてございます。その縮めた千メートルから千十、二十、三十。千三、四十メートルぐらいのところまでは縮めた演習場の外になっているわけです。そこで千百と申しますと、せっかく各方面の御協力を得まして縮めた上で、安定的に使ってまいりたいという新しい演習場のあり方、その新しくきめました演習場の範囲の中へ入ってきてしまいますので、千百といいますと。これはひとつごかんべんをいただきたい。縮めた演習場のさらに中へ入ってくることは、これは弾着地もございまして、それから射座から弾着地へ向けて撃つわけでございますが、その安全の度合いなどを見ますと、現在きめました廠舎がございますその外側の線までで精一ぱいでございますので、それよりも中へ道路が入ってくるということは、演習場の機能にも非常な影響を与えますので、これはひとつごかんべんをいただきたいというふうに考えておるわけでございます。それで従来の演習場、今度演習場でなくなった部分、鎌倉往還沿いとか、そこらは千メートル前後ということになるわけでございますが、そこら辺のところにつきましてはこれは現在は正しくは所管は大蔵省の普通財産にいまこの四月からなっておるわけでございますので、そこら辺の御所管のところともひとつ十分お打ち合わせいただくなり、あるいは関係の県とか山梨県とか恩賜林組合というようなところと十分道路公団のほうとされても十分お打ち合わせいただくことがよろしいのではないかというふうに私どもは考えておるわけでございます。直接のお答えになっているかどうかわかりませんが、一応私どもの立場明らかにしておきます。よろしくお願いします。
#97
○鈴木強君 まあ、防衛庁らしい答弁だね、それは。四百二十ヘクタールの土地はこれは今度払い下げてもらうことになった。そこを通ればそれは普通財産だから大蔵省の領分かもしれない、管理かもしれぬが、それだけ払い下げるところが少なくなる。これは払い下げてもらうほうからすればこれは困るわね。あなたのほうじゃもう絶対自衛隊のいまのところを狭めないという考え方だよね。だから民生安定と演習場が両立するということを政府は言ってきている。われわれはあれをみんな返してもらいたいんだ、山梨へ。全面返還してもらいたいんですよ。その要求を県民は長い間やってきてますよ。しかし、まあ二4(b)にかわるときも強引にあなた方がやったわけだ。だからもっと縮めてもらいたいんですよ。それができないときにせめて道路が通るところぐらいもっと縮められないなんて、そんな話もおかしいじゃないか。もう少し私は民生安定と観光の問題とそれから演習場が両立するというせめて政府の立場に立ってもそのくらいの考え方を持つということはこれは当然だと僕は思いますね。もう絶対おれの領分に入っては困ると、もしやるなら大蔵省のほうでやってください。これじゃ話にならぬ。
 大臣ね、どうでしょう。まあ防衛庁はお聞き取りのようなかたくなな態度でおるわけです。建設省の道路局長も千百メートルということは予算委員会で明確に述べておられますよ。内閣委員会でもそう言われているんです。ですからこれはひとつここでなかなか結論が出そうでないですから、大臣としてはひとつ関係大臣とも御相談なすって、関係のまあたとえば防衛庁、建設省それから大蔵省も入るでしょう、環境庁も入るかもしれません。そういう閣僚の皆さんとあなたが、建設大臣がひとつ音頭をとってもらって、そして何とかこれを県側の意向もあるでしょうから、それから当該の意思、何村かの方々もおられるでしょうから、そういう利害関係の方ともひとつどっかに集まって、そしてどうしたらいいかということをもう少し真剣に考えてみる必要があるんじゃないかという気がするんです。どうも公団だけにもまかしておけない気もしますから。そういうことをひとつ政府ベースのほうでやっていただけないものでございましょうか。大臣も私と同じ郷土の山梨県の出身でございまして、この点についてはいたく心を痛めておられると思うし、早く開通して県民の期待に沿いたい、国民の期待に沿いたい、こういうことは私と同じだと思いますから、どうかそういうふうなひとつ犬馬の労をとっていただいて、何とかこの問題が理想的に新路線として建設できるような最高の御高配をお願いをいたしたいと思うわけです。あなたは田中内閣の相当いいところにおるわけですから、ひとつぜひお願いしたいと思うわけですが、どうですか。
#98
○国務大臣(金丸信君) 東富士有料道路の問題につきましていろいろ御心配をかけておりますことにつきまして感謝を申し上げるわけでございますが、できるだけ早くつくり上げるということは、地元また国民のために必要だということを私は痛感いたしております。また、道路局長が予算委員会で千メートルから千百メートル、この辺が一番いいところだと、こう言っておられますから、まあ各省庁なわ張り根性もあるようでございますし、そういう点をひとつ油になってうまく話し合いを進めたいと、速急にできるように私どものほうも働きかけをいたしたいと、御指摘のようにいたしたいと思います。
#99
○鈴木強君 大臣が私の提案を了承していただきましたから、大臣の御手腕に大きな期待をもって、今後スムーズにこの問題が着工できるようにお願いしたいと思います。
 これはこれで終わりまして、その次に中央自動車道の問題でお尋ねしたいんですが、これは道路公団、建設省、関係の皆さんのたいへんな御苦労をいただきまして、既設線の拡幅の問題、相模湖まではもうできました。それからさらにいま首都高速と調布インターとの接続工事もやっていただいておりまして、非常に感謝をいたしておりますが、あまり言うことないんですけれども、ただ私が非常に心配するのは、この前も大臣に予算委員会でお尋ねしたように、鳥山の団地ですね。あの一画がまだ全然手がついておらない。もうだれもあそこを通ってみますと、甲州街道、あの首都高速から調布インターまでの高架の工事はほとんど終わりまして、いつでも使えるような状態になっておるわけですね。しかし供用開始ができないというのは、結局ある一部の区間ですけれども、鳥山団地の区間が残っちゃって、これが一体どうなるのか、国民の財産とは言いませんが、財投なり何なりをひとつ使ってせっかくつくったその工事が野ざらしになっておったのじゃ宝の持ちぐされです。一体これをいつどういうふうに接続してくれるのか。もし接続できないならばあそこで一回おりて、そしてまた調布から入れるような道をつくってもらいたい。そうなると、今度は地域の人たちは、いまでも反対の意見がまた出てきまして、反対するのにまた反対する意見が出てきておりまして、非常に困った問題でございますが、これが解決いたしませんと、せっかく甲府まで行こうとしましても、つくった道路を上に見ながらあの混雑する道路を通らなければならぬ、こういう不便をかこつわけでありまして、国民の願いは、何とかあの鳥山団地の着工ができないものだろうか、こういうことを考えておるんでございますが、大臣は反対するところはもうやらぬというようなことをいつか言われておりまして、このこともお尋ねいたしましたが、現在まで、その後どういうふうな地元と折衝されて、見通しはどうなのか、最悪の場合にはどうするのか、これをひとつみんなが聞きたいところですから教えてもらいたい。
#100
○政府委員(菊池三男君) 中央道の鳥山の地区で工事ができなくなりまして現在工事をストップしておって、たいへん地域のお方に御迷惑をかけておるのは事実でございます。実はこれはもうだいぶ前にさかのぼりまして、四十五年の十一月でございますけれども、北鳥山の住宅の方々が公害による反対ということで、一時工事を中止して現在に至っているわけでございます。そのために高速道路は調布でおりまして、そのまま鳥山の地内を一般の車が通るということで、たいへん鳥山の地内では通過交通がもう裏通りまで入り込んでくるということで非常に危険であり、またうるさいということで御迷惑をかけておるのも事実でございます。またその方々が、北鳥山のところを早く工事をやって、通過交通がまっすぐ突き抜けるようにしてくれと、そうしなければインターチェンジを閉鎖するというようなことまで実はエスカレートしているわけでございます。またお話しのように高速道路がことしの秋ごろにはたぶん新宿から延びまして、環状八号線までいくと思います。そうなりますと、なおあの間が局部的に開通しないということになりますので、たいへん御迷惑をかけることになります。したがいまして、これはできるだけ早く解決をして、早期に工事にかかりたいと考えております。この問題につきましても、道路公団と東京都と、それからあそこは東京都の住宅供給公社がやった住宅でございますので、供給公社と、それから地元の住宅の団地の方々と四者協議会というものを持ちまして、いろんな打ち合わせをやっております。つい最近も第五回の打ち合わせをやりまして、公団のほうからどうしてもやりたいと、そのかわり環境対策についてはこれだけのことをやりますという条件を出しまして、また、それに対して地元の方から、その内容が完全にのみ込めないということで、まだ交渉を続けておるわけでございますけれども、早く交渉を了解をいただきまして、早期に工事に着工したいというふうに考えております。
#101
○鈴木強君 そういう答弁は、もう三カ月前に聞いたのですよね。いま、また同じような答弁されてもこれは困るのですね。一体、いつ着工できるのでしょうか。大体目標をどこに置いてそしてやるかということぐらいははっきりしないと、いつになるのだか、さっぱりわからない、交渉しますじゃ、これは話にならぬですよ。一体、最終的にはどうするのか、その腹をきめてやっていただかなければ、なかなかこれはむずかしい問題だと思いますからね。その辺を聞きたいのですよ。
#102
○政府委員(菊池三男君) 実は、私もほんとうはそういうことが申し上げられれば一番答弁になるのですけれども、何せ、とにかくその四者協議会というものがございまして、なるべくその話し合いをつけてということでございますと、これはこっちばっかりでなかなかきまりませんので、いつということはなかなか申し上げにくいのですけれども、先方がもう了解していただければあすにもできるわけで、また、私どものほうもそれだけの条件は出しておるつもりでございます。したがいまして、そうかといって、これはまたずるずるずるずる延びてもいけませんので、私どもは、とにかくもう年内には解決して工事に着工という形あるいはもう少し早く、できればなお早くしたいということを考えております。
#103
○鈴木強君 それでは、この点はさらに努力をしてください。
 それから、大月から西のほうへ延びる路線は四車線ですね。片道二車線でございましたね。それで、用地の買収そのものは、いまの時点ではもう全部済みましたか。まだ若干残っているのでございますか。これは道路公団ですか。
#104
○参考人(前田光嘉君) 大月から西のほうに向かって現在工事を進めておりますが、勝沼の地区におきまして、若干まだ用地の難航しているところがございます。しかし、これも鋭意努力いたしまして、一部もうトンネルをはじめ工事を進めておりますので、そのほかにつきましても、引き続いて用地を解決し、工事を進めようと思っております。
#105
○鈴木強君 これは、土地が、御承知のように三十数%も一年間に上がるというような土地騰貴の中でたいへん苦心をされていると思うのですが、予定された総予算の中で、土地買収費というものはどのぐらいあるかわかりませんが、そのワクをいじらなくても大体いけるというのでございますか。
#106
○参考人(前田光嘉君) ワクは、この道路につきましては先般一部修正いたしましたので、現在のところ現在のワクで完成をさせるべく、われわれはそのつもりでおります。
#107
○鈴木強君 一部修正したところが幾らですか。何ぼ。
#108
○参考人(前田光嘉君) ちょっと手元に数字がございませんが、これは一次の区間をその後全体的な関連で全体として変更いたしましたので、その中に入れまして、完成をできる予定のワクにしております。
#109
○鈴木強君 予算的に幾らふやしたのですか。何億。
#110
○参考人(前田光嘉君) 中央道全体としての数字がございますので、あとでこれを申し上げます。――数字を少し確定しますまで、しばらくお待ち願います。
#111
○鈴木強君 それじゃ、次をやっていますから調べておいてください。
 それからインターチェンジの増設と名称変更のことですけれども、これは大臣、勝沼御坂インターチェンジという名前を変えていただくように予算分科会で大臣にお願いしまして、大臣も努力するということをおっしゃっていただいたのですけれども、その後、その名前の変更は可能性はあるのでございましょうか。
 それからもう一つは、これは公団側でけっこうですけれど、昭和に南甲府というのですか、インターチェンジ、それからその次が今度は須玉へ行っているわけですね、韮崎の。その前に、双葉町に双葉インターチェンジをつくってくれという強い陳情が出されていますでしょう。これは計画の変更になるから、やっぱり幹線自動車道審議会にかけなければできないものですか。
 もう一つ、新しく双葉のインターチェンジをつくるということについて、南甲府のインターチェンジは、これはできたのですね。そこのところを、大月から山梨県を通過するインターチェンジはどうなっていますか。最初にそれを教えてください。
#112
○国務大臣(金丸信君) いま勝沼御坂というお話でしたが、たぶん先生、それは勘違いしているのじゃないかと思うのですが、一宮御坂インターチェンジ、それはまだ名前がきまっているものじゃないですから、県とも町村ともよく相談しながら、円満にきめていきたいという考え方を持っております。
#113
○鈴木強君 可能性は。
#114
○国務大臣(金丸信君) これは、可能性はあるのじゃないかという私は感じがいたしておりますが、あとの問題につきましては公団から御説明いたします。
#115
○政府委員(菊池三男君) あとの問題は、インターチェンジの増設の問題かと思います。
 これは先生のお話のように、整備計画を出さなければなりませんので、幹線自動車道審議会の議を経ることになります。
#116
○鈴木強君 南甲府インターチェンジというものは、もうきまっておるわけですね。国道五十二号線に接続する南甲府インターというのはまだですか。
#117
○政府委員(菊池三男君) それは、南甲府インターと先生おっしゃいましたのは、一宮と昭和インターの間に増設をしてくれということですか。
#118
○鈴木強君 昭和インター……。
#119
○政府委員(菊池三男君) 昭和インターというものはございます。それはございます。
#120
○鈴木強君 昭和インターはありますね。それは入っているのですか。
#121
○政府委員(菊池三男君) 入っております。
#122
○鈴木強君 それでは、いまずっと私どもあそこを拝見さしていただきますと、暑い中、たいへん突貫工事をやっていただいておるので、たいへん御苦労だと思いますが、ひとついろいろな悪条件もあるかと思いますけれども、ひとつ公団のほうですね、公団側、総裁、悪条件もあるかもしれませんが、ぜひ、ひとつ、予定の工期で完成できますように、一体になってひとつがんばってやってください。それをひとつお願いしておきます。
 それからその次に伺いたいのは、農林省の方にも来ていただいておるのですが、いま農林省で広域営農団地農道整備事業計画というものを持っておられますですね。それで、私は具体的なことで恐縮ですけれども、山梨県の中巨摩郡甲西町に、二十六年から、この広域営農団地農道整備事業の中にひとつ新規事業として採択をしていただきたいという希望があるようです。これは県側のほうにあるようですね。町のほうでも、そういう希望を持っているわけです。それで、これは、これをやろうというその目的が、一面から見ると国道に対してバイパス的な性格を持つ。そうであれば、これは建設省がおやりになっていただいて、そうしてそのバイパスができることによって周辺の農地が非常に耕しやすくなるという効果が出てきますから、それでもいいように思うわけです。しかし農林省のほうではあえて広域農道として計画をお持ちになっておるわけでして、これは私は非常にいいことだと思うんですよ。ですから大歓迎ですが、やることについてやっぱり経済効果とか実効のあがるようにするためには建設省とも十分連絡をとって、そこだけ広域農道をつくってみても、両方がしりすぼみじゃだめですから、当然それが国道なり県道なりに連結をして、そして普通の道路の形態をなさなければ、いまは自動車で農民もいくような人もおるわけですし、農機具も自動化していますから、機械化していますから、そういうようなことをやらなきゃこれは意味がないわけでして、それぞれの地域でそういうことを考えながらやっていただいていると思うんです。若干これはそういう意味で建設省でおやりになるようなことを農林省がおやりになっているのじゃないかというような気もするものですから、この性格というものは一体どうなのかという、ちょっと疑義を持っておりましたから、まあ疑義というとあれですけれども、聞いてみたいなと思ったものですからきょう伺うわけですけれども、これはどういう目的、趣旨、性格で取り上げられたものでございましょうか。建設省との関係はどういうふうになっておられるか、この点をひとつ教えてもらいたいんですが。
#123
○説明員(木村勇君) 御質問にお答えしますが、広域農道は四十五年から農林省は手がけておるわけでございますが、その趣旨は最近の農産物の流通市場の拡大とかそれから取引の規格化とかそれから大量化とかそういう問題で、現在の流通事情が非常に変化いたしますので、それに対応しまして生産物とか農業生産及び農産物流通について、これら各団体を通ずる運営が作目に応じ相当広範な地域において大型の高能率の機械化施設を有機的に、効率的に運営し得るように適正な規模の組織化が必要である、こういう目的でございまして、農林省としましてはこの情勢に対応しまして、先ほどちょっと先生のほうでお話がございましたように農振法という法律がございますが、その中の広域整備計画として広域営農団地整備計画を県に樹立させまして、その中で広域的、総合的に施策を実施しているわけです。それは十二ぐらいの中には、たとえばセンターをつくるとか倉庫をつくるとか、そういう団地団地で計画がございますんですが、その中で一番基盤となるのが農道網が生産流通面で大きな役割りをなすものでございますから、その農道を緊急に整備しまして、高生産性農業の展開をはかるとともに農村の環境整備をはかる、そういうことで農道網のその中で基幹となるものが広域営農団地道路というわけでございますが、農道網はたくさんございますが、そのうちの基幹となるものが広域営農団地農道ということで現在やっておるわけでございます。
 それから建設省との関係で、バイパス的なお話もございましたが、それらにつきましては先ほど先生のお話しでございましたように、大消費地では流通として道路をつくるわけでございますので、当然国道、高速道路それから県道等結びつけるようなかっこうにはなるわけです。その点につきましては現在国道、県道については当然農林省でやれるべきでございませんし、幹線市町村道と路線または機能が重複する場合におきましては、建設省と協議しましてそれで調整をとってやっているようでございます。毎地区、全地区御協議いたしてやっております。
#124
○鈴木強君 具体的なことはちょっとまたあとにしますけれども、この農道は要するに国道がふくそうをして農民がそこを通るのが非常にあぶなくなるということでつくるというのが趣旨じゃないですか。それで具体的にいま私が指摘した山梨県中巨摩郡甲西町外三カ町村、これは南巨摩郡の増穂町というのと中巨摩郡甲西町、櫛形町、白根町、韮崎市も入るわけですが、そういう地域にまたがるものでして、その趣旨が農民のために便益を与える、これができますと山の手なんかで非常に農耕の不便なところが道路が通るために非常にやりよくなるわけですから、そういうところへ金を出していただくということはこれは非常にいいですよ。とかく農政というのは平野部には行き渡っているけれども、それこそ山の中腹とか頂上にある農村というのは政治の目から離されているわけだ。私はいつもそういう山間僻地の農村をどうして国が見てやらないかということを唱えているわけですが、私の県のような山梨県なんかはほんとにそういうところが多うございますからね。そういう意味ではこれは山の上のほうを通ってきまして、そこでこれが通るとかなり開発に役立つわけですから、と同時にあなた方が言うように、一般国道がふくそうして農民が通るのが非常に危険であるし、困難になってきたから、こういう農道をつくってやるんだということにしても国道とつなぎをするには当然そこがふくそうしますね、そうすると結局バイパス的な性格を帯びてくるわけだから、それであればやはり建設省との関連はどうなるかという、一切一般の車は通さない、農民のための道路だから農民しか通さないということであれば、これまた一つの方法ですけれども、そうはいかないと思いますね。ですからその辺が非常に管理上も若干問題が出てくると思いますし、当初の農林省が考えるような目的からすると、現実は少しゆがめられるんじゃないかという心配を実は持っているわけですよ。ですから、その辺は確かに問題があると思いますが、バイパス的な性格もこれははっきり持つわけでしょう、この場合には。ですから一般の車もここは通すと、そして韮崎バイパスにこれは続くようになるのですけれども、そういうことはどうですか、農民の農耕のための車しか通さないという趣旨のようですけれども、趣旨は。そうじゃないでしょう。
#125
○説明員(木村勇君) それは道路でございますので、一般の方を通させないというわけにはいきませんわけでございますが、いま先生の御指摘のように農作業の目的がございますので、あまり農業上支障があればこれは困る問題であるということで考えてはいるわけです。管理面につきましてもまだ完了地区はございませんので、来年度はとにかく完了が出るものですからいろいろ考えなければいかぬなということになっているわけです。
#126
○鈴木強君 時間がありませんからまた別の機会にいたしますが、この計画はいま私が具体的に指摘をした甲西町ほか三カ町村の広域農道の申請は県知事から農林省のほうに上がってくるものだと思いますけれども、これはまだ来ていないでしょうか。来ていないとすれば、来た場合にそれを採択するのは全国的な視野に立っておやりなるでしょうから、順位とかいろいろなものがあると思いますけれども、ここでその順位がどうなっているかとかいうことを聞く時間がありませんけれども、県から上がってきたらひとつまたあなたのほうでも最大の配慮をしてもらいたいと思いますけれども、まだ来ていませんか。
#127
○説明員(木村勇君) 先日、先生にちょっとうちの班長がお伺いしまして地区名も聞いたわけでございますが、まだ広域営農団地整備計画が県に上がっておる段階で、県のほうが、何というか、内容の整備をやっておりますので、それができまして上がってきたら検討さしていただきたいと考えます。
#128
○鈴木強君 そのときにはひとつ最善の配慮をしてくださいよ。
 それでは時間がありませんから、これは終わりまして、あともう二つだけにいたしますが、その一つは、国道百四十号線というのがございますね。これは山梨県と埼玉県を結ぶ幹線道路でございまして、これの開通、それから整備等については、両県民にとってたいへんな強い希望があるわけですけれど、たまたまここは通過するところが山岳地帯になりまして、雁峠というのを越えて行くわけですけれども、それで自然保護の問題もありまして、いまのところ用地の買収、それからその自然保護の点で工事をはばむ条件が幾つか出てきているということを聞いておりますが、現状これはどうなっておりますか、ひとつ説明してもらいたいんです。
#129
○政府委員(菊池三男君) ただいまの、百四十号の雁峠を通る国道でございますか。
#130
○鈴木強君 そうです、これは五十一年完成……。
#131
○政府委員(菊池三男君) これはそれの整備の状態でございますか、御質問は、ちょっとよくわかりかねましたけれど、どの地区の……。
#132
○鈴木強君 これは五十一年完成を目標にしていま改修工事が行なわれていますね。それで用地の買収がいまちょっと困難であることと、自然保護問題が重なって、たいへんその工事がおくれそう――要するに五十一年開通という方針は変更しなきゃならぬような情勢にあるように聞いてるんですよ。それで未開通分は山梨県側が七・九キロ、埼玉県側は十四キロ、これは亀田林業という私有地がありまして、そこがひとつ問題なんです。埼玉県側の十四キロのルートについては橋の問題とか、トンネルの問題とかいろいろありまして、いずれにしてもそういう工事をはばむ要因があるようですよ。だから笠取山から雁峠を通って甲武信岳のほうを通っていく道路ですよ、これは、山梨県の笛吹川の上流のほうですね。そこのところの山伝いが、まだ改修しなければ国道の体をなしてないわけですよ。だからそこのところを確立するための、整備するための用地の買収とか何かやっていると思うんです、いま。これは事前に質問を通告しておかなかったから、いますぐいい答えができないかと思いますけれどね、できないならできないでいいです、また後ほどちゃんとお答えいただくことにしますけれどね、そういうところがあるわけですから、あなた方が、道路局長ですから、全国の道路全部知ってるということになるわけでしょうね、あなたは、職責上。だから聞いたわけだけれど、もしわからなけりゃまたあとでもいいですけれどね、どうですか。
#133
○政府委員(菊池三男君) この雁峠のところはもう昔からたいへん問題になったところで、もう十数年前から有料でやらなきゃなかなかできないとかいうようなことで、これが結局有料でなく工事を始めたわけでございますが、ちょっとその後の事情が、どの程度用地買収がいき、どこで問題になっているか、ちょっと私ここでわかりかねますので、後ほど調べて御報告を申し上げます。
#134
○鈴木強君 それじゃ最後に、簡単ですけれども、もう一つ伺っておきます。
 国道百三十九号線というのがございますがね、そこから、先般いろいろ御配慮いただいて、中央道が北回りになったものですから県道を三百号線に編入してもらいました。これは非常に心から感謝します。それでこれはいま拡幅工事を進めていただいておりますが、なお中央道が向こうへ行っちゃったんですから、何とかそこに有料道路をつくってほしいという県民また地域住民の強い希望があります。それで県のほうとしては、その国道百三十九号線、富士五湖の本栖ですね、そこから百三十号線のこの身延線の甲斐常葉という駅がありますが、下部町ですね、そこを通ずる有料道路の計画を持っているわけですね。これは最終的に建設者が許可をされるし、また事業費の十五分の一ですか、無利子で貸し付けていただくというようなことがありますから、建設省の深い理解がなければなかなかできないことですが、特にこの地域は山梨県の南のほうでございまして、どうかすると、政治のあたたかい手から若干遠のいているというようなことですから、中央道があそこを通るということは、ほんとうに地域の人たちは喜んでおったんですけれど、途中で北にいっちゃいまして、がっかりしているんです。それだけにこの道路の建設については、強い希望を持っておりますから、ぜひひとつ建設省としても、県側の希望に沿ってこれをやっていただきたいと思いますけれど、現状いかがなものでしょうか。
#135
○政府委員(菊池三男君) ただいまのお話は、本栖から下部へ通って身延へ行く道路のことでございます。これが全体十六キロあるうち、大体九キロちょっとを有料道路でやりたいという県の意向のようでございます。まだ正式な書類は上がってまいりませんけれども、もし上がってくれば、四十九年度から着工したいということでございますが、たいへんこれは有効な道路であると考えておりますので、書類が出てくれば、そういう形になろうかと思います。
#136
○鈴木強君 これは金丸建設大臣、大臣からもひとつ答えてください、いまのやつ。
#137
○国務大臣(金丸信君) いまの問題は、いま鈴木先生がおっしゃっておられるように、中央道が通るべきところが北に行ってしまったというようなことで、地域住民が非常にがっかりしておる、それが国道にかわったということでございますが、なお、県はこれを有料道路という考え方を持っていると、私は建設大臣に在任中であるならば許可いたしたいと考えております。十分応援いたしたいと考えております。
#138
○鈴木強君 それでさっきの雁峠の国道百四十号線の問題につきましては、あと答弁できないわけですからね、ひとつ恐縮ですが、あとでひとつ文書でもいいかな、また別途ひとつ私のほうに報告してくれませんか。
 それから最後にこれは大臣にお願いしておきたいんですが、実は東名高速と中央高速との連結を何とかしたいというのがあるわけですね。清水−直江津までという前からの有料道路の計画もあるわけですけれどもね。聞くところによると、あれは朝霧高原ですか、あれですと、あそこを御殿場のほうから中央道に結ぶとしても、それは盲腸のところへ結ぶのであって、中央高速自動車道の本線には行かないわけですよね。ですから、どうしても東名と中央高速を連結する縦貫ですね、こいつをひとつほしいということでして、特に富士川の流域を中心とする五十二号線の住民は非常に希望を持っているわけですよ。これは静岡県の清水の佐藤市長はじめ、猛烈にいま運動をしているわけですけど、どうかすると、どこか朝霧高原のいまのほうに行くようなことを、ちょっと私はこの前のとき道路局長から伺ったんですけど、それはそれとしてやっていただいてけっこうですから、何とか富士川に沿う五十二号線沿いの清水――直江津まで行ってもけっこうです、中央道へ、少なくとも甲府で結ぶかどこで結ぶかしれませんけれども、それに連結できるようなことをやっていただければ、わざわざ遠回りしなくても、東名から中央道に行けるわけですから、これはひとつ何とか実現してほしいということを私は思っているのでございますけど、これはいまここでどうということにもいきませんでしょうけれども、大臣ひとつ御就任中にそういう方向ぐらいは出していただいて、ひとつ地域開発に御協力いただきたいなという強い希望を持っているものですから、その点だけひとつ大臣からお答えいただいて、私は質問終わります。
#139
○国務大臣(金丸信君) いまのお話しにつきましては、私も同じ同県人でありますから、そういうことは痛感をいたしております。日本海と太平洋をつなぐという点から考えてみましても必要だということを考えておりますので、今度の道路計画に相まちまして、新道路計画に相まって、ひとつこの問題は十分に検討さしていただきたいと思っております。
#140
○沢田政治君 さっき鈴木委員が公団のほうに質問したのに対して数字を調べておったけれども、まだ発表ありませんが、あとでもいいけれども、わかったらいま答弁してください。
#141
○参考人(前田光嘉君) 先ほど私誤って御説明申しまして失礼いたしましたが、この区間は、一次区間でなくて三次区間でございました。この区間の用地費は当初計画では三十一億円でございましたが、現状におきましてはそれではまかない切れませんので、これを相当大幅に増額すべく目下建設省と協議中でございまして、その範囲の中において交渉を進めてみたいと、こう考えております。
#142
○鈴木強君 相当の額をやってと、その額は幾らですか、大蔵省と折衝している額。
#143
○参考人(前田光嘉君) まだ実は折衝中でございまして、私どものほうといたしましては必要性から考えますと、倍ぐらいの額になりはせぬかと思っております。
#144
○鈴木強君 委員長、まことにすみません、防衛庁の長坂参事官に、お帰りになったのをわざわざ返ってもらったんで、まことにすみません、いいですか、御了承いただいて。
 実はこれはちょっと関連があまりないぞといわれると困るんですけど、お許しいただいて、実はさっきの演習場の話が出ましたけれども、せんだって二4(b)に変えたときに使用条件というものがありまして、七月、八月、九月はあそこでは実弾射撃はやらぬと、小銃とか何とか、そういうものは別として。ところが、最近ばしゃばしゃと実弾射撃やっているんです。これはけしからぬです。使用協定違反ですよ。だから、ひとつ大臣とも相談して直ちにやめてください。それを一つお願いします。
#145
○政府委員(長坂強君) 先生御指摘のように、七月、八月、九月の三カ月間は小型火器を除いては実弾演習の訓練はなるべく制限すると、できるだけ制限するという使用条件になっております。この基本的な趣旨に沿いまして、先生御指摘のとおり、計画をずっと圧縮いたしております。きょう正確にいま幾日と幾日と、こういうふうに申し上げられないのは、資料いま手元にないのが残念でございますが、ごく圧縮いたしております。後ほどまた御連絡申し上げてもいいわけですが、その御趣旨に沿って、これは大臣からもそういうふうに言われておりますので、先生御指摘のような結果になるように、必ずなると思います。以上でございます。
#146
○鈴木強君 いま富士山は山開きをして全国から登山者が来ているんだよ。それをあそこでがちゃんがちゃん撃たれたんではかなわぬですよ。圧縮しているというけど、圧縮していないよ、これは。約束が違うですよ、あれは。だから、あなた方が圧縮したのがあの程度の圧縮だったら、圧縮しなきゃ一カ月じゅうやっちゃんうだよ、これ。そんなはずじゃないよ、これ。少なくとも圧縮するということはそういうシーズンはやらぬということだよ、これは。おかしいですよ。これは大臣にも私はまた近く陳情に行きますけれども、あなた担当ですから事実をもって示してくださいよ。いいですか。
#147
○政府委員(長坂強君) おっしゃるとおり、たとえば、ちょっと米軍のほうは圧縮しきれない面もございますけれども、あわせまして、七月はたしか七日か八日でございます。圧縮しまして。ですから極力その線でやっておりますから、ひとつ……。
#148
○鈴木強君 やっちゃいかぬよ、山登りのうちは。だめだよ、それは。
#149
○政府委員(長坂強君) ずいぶん自衛隊のほうでも、当初は、使用転換になりましたために、大いに練度を上げようというわけで大きな計画を持っていたわけですが、それをどんどん圧縮しまして、自衛隊のほうでは七月は、七月の三日と七月の四日、それと七月の三十日と七月の三十一日と、自衛隊のほうは四日間に圧縮しております。そこら辺でひとつごかんべんをいただきたいと思います。
#150
○鈴木強君 かんべんできないよ、それは。
#151
○政府委員(長坂強君) 御趣旨はよくわかっております。
#152
○鈴木強君 大臣にも抗議するからいいよ。
#153
○政府委員(長坂強君) 大臣にもよく伝えておきます。
#154
○春日正一君 最近の大企業による土地の買い占め、地価の高騰、それから公共用地や住宅地の取得難というようなことで、その解決策は今度の国会ではずいぶん議論され、今度の国会の一つの特徴にもなっていると思うのですが、そういう中で、大企業の買い占めた土地を開放させて公共用地に使ったらどうかという意見は、私なんかも出しましたし、ほかの党からも出ております。そういうことですが、きのうの新聞を見ますと、「大手の土地」「建設省が放出要請」「首都圏の住宅用地指定」というようなことで、建設省として大手の不動産業界に、首都圏の住宅地の適地を放出してほしいという要請をし、業界でも相談してというようなことが、これ新聞に出ているのですけれども、この要請の経過、それから状況について説明してほしいのです。
#155
○政府委員(高橋弘篤君) 大部市圏の、特に東京圏で特にそうでございますが、住宅宅地不足というものは非常に著しいものがございますので、これを緩和するために緊急に住宅宅地を供給するという必要があるわけでございます。従前から公的供給も相当いたし、また民間の宅地開発にも相当その役割りがありまして、それについての行政指導もいたしておるわけでございますけれども、この際、緊急に宅地を供給するという意味におきまして、公的機関で宅造したらというような趣旨で、大手の企業で大都市地域で土地を所有しているものにつきましてその協力要請をいたしたわけでございます。
 その一般の民間の企業に協力要請しましたねらいといいますか、これは緊急に宅地を公的に宅地開発をして供給するということでございますが、民間でももちろんこれを宅地を開発して供給する力があるわけでございますけれども、いま直ちに当面開発することが民間が持っていてもむずかしいというようなものにつきまして、そういうもので関連の施設の整備等を公的機関の手でやりますとより早く開発できる、一般の国民にも供給できるというようなものを考えまして、そういうものを公的機関にひとつ譲渡してくれということの協力要請を特別に会社の首脳を呼びましていたした次第でございまして、これに対しましては、そういう企業の属する不動産協会というのがありまして、不動産協会を中心にいまそれについてどうするか、建設省の要請に対してどうこたえるか、検討いたしておるような次第でございます。
#156
○春日正一君 この新聞によると、「建設省から話を持ちかけられたのは三井、三菱、住友など財閥関係の不動産会社をはじめ、東急、西武、京王帝都といった大手私鉄を含む十数社」ということで、「建設省は、各社ごとに数カ所の土地を具体的にあげ「このうち少なくとも一カ所は放出してほしい」」というような要請をしたということになっておりますけれども、大体そういうことですか。
#157
○政府委員(高橋弘篤君) ただいま申し上げましたように、大都市地域、特に東京圏などにおきまして土地を持っているそういう企業の実態調査を、私ども、企業からの提出資料、また昨年行ないました実態調査の結果に基づいて都道府県を通じましてさらに綿密に調査をいたしまして、その中から開発適地であるというものの中で先ほど申し上げたようなものについて公的機関に移したほうがより早く開発供給できるというものを選びまして協力要請をいたした次第でございます。
#158
○春日正一君 これは相当国会での議論を踏まえての建設省の宅地問題に対する一つの新しい一歩ということになると思うんですけれども、しかし、東京で、それを首都圏でやられたということですけれども、関西のほうですね、近畿圏でも、大阪の府の建築部、これは地価高騰が原因で四十七年度中府営住宅用地を一平方メートルも手に入れることができなかったというようなことが報道されてもおりますし、また、住宅供給公社の先行取得方式でも四十六年度九二・三ヘクタール、それが四十七年度では七・六ヘクタールしか入手できていないというようなことが報道がされている。そういう意味では近畿圏でも住宅難という、公共用地の取得難、住宅の宅地の取得難ということは首都圏と変わらない深刻な問題になっていると思うんです。だから、これ、話のついでなんですから、やはり近畿圏についてもその話を持ち出して、近畿圏にはまた別な会社がたくさん買っているのがあるわけですけれども、そういうところに対しても、土地を公共のために放出するというような交渉をおやりになったらどうかと思うんですが、この点どうですか。
#159
○政府委員(高橋弘篤君) 先ほど申し上げましたように、今回のわれわれのこういう措置は、三大都市圏という考えでもちろんやっているわけです。ただし住宅不足、宅地不足の著しい東京圏が相当そういう土地を多く公的機関が取得しまして、緊急に供給する必要があるわけでございますから、いきおい数量は東京圏が多いわけでございますけれども、近畿圏につきましても、具体的な場所についてはすでに話がのぼっておる次第でございます。
#160
○春日正一君 これは両方並行して進めるというようにしてほしいと思うんですよ。東京圏で話が先にまとまるか、近畿圏で先にまとまるか、これはどっちにしても道理は同じことですから、だから、これは両方進めるというようにしてほしいと思うんです。そこで、大体十幾つかの会社に対して幾つかの土地をあげて、せめて一つはということを言われておるというんですが、大体どこの会社にどの土地を要求したかということは発表というか、資料出してもらえますか。
#161
○政府委員(高橋弘篤君) 私どもこの措置を構じ、各企業に協力要請をするために、いろいろの計画を立てて調査を綿密にいたしているつもりであります。私どもとしましては、こういう行政指導する限りは、何とかしてこれを実現させたいという気持ちがあるわけでございます。このために実は各企業でも個別に呼んでいるわけでございまして、企業同士はどこが呼ばれたかさっぱりわからないというような実情でございます。そういうわけで、現在の状況におきまして、どこの企業がどこに持っている土地をどういうふうに交渉したかということについてはごかんべんいただきまして、私どもいろいろ行政指導を行ないまして、協力要請いたしまして、ある程度まとまりました段階におきましては、またいろいろ申し上げる機会もあろうかと思いますけれども、現在のところはひとつ私どもも強力に行政指導をし、協力要請をしているのでございまして、そういう状況の中でございますから、ごかんべんをいただきたいと思う次第でございます。
#162
○春日正一君 その苦衷はよくわかるのですがね、ただここで見ても、その新聞の報道なんか見ても、「業界側は十日、東京・霞が関の不動産協会に各社の代表が集まって、どう返答するか協議したが、土地政策失敗のシリぬぐいを、民間だけに押し付けられたのではたまったものではない」という反発も出ておるのですが、賛成しようという気持ちのところもあるし、いまのような反発している者もあるというようなことで、やはり相談し合ってやっているんですね。だから、建設省の、特にそういう個別に話をして、お互いに知らないでというその気持ちはよくわかるのだけれども、やはりもう土地問題がここまで大きく社会問題になってきて、その解決の方向についていろいろな政党だけではなくて、学者やら、民間の団体の間でも、いろいろの角度から論議をされているというような時期だったら、やはりこういうことをやっておるんだということをはっきりさせながら、天下の世論を背景にして、事を進めると、行政指導もやるというふうにされたほうが、効果もあるだろうし、また明朗にもいくのではないかというふうに思うのですが、しかし、私はそれ以上ここでどうしても出せということは、この際局長のそういう苦衷を一応くんで、無理に出せということは言いませんけれども、私の考えとしては、ここまできたらやはり天下に公表して、大きな世論を背景にしながら、話を進めていくというようなふうなやり方をとるべきではないかと、そういうふうに思います。
 そこでもう一つ問題は、対象になる土地というのはあれですか、調整区域のほうなのか、市街化区域の中なのか、その辺はどうなんですか。
#163
○政府委員(高橋弘篤君) 私どもが現在協力要請をいたしております土地は両方ございます。市街化区域にも、調整区域にもございます。それで先ほど申しましたように、開発適地、しかも公的機関の手に移りますと、より早く着手できる、緊急に宅地を供給しようという趣旨のものでございます。両方入っております。しかし、どちらかと申しますと、調整区域が多いわけでございます。これは企業の持っている土地が、調整区域のほうが多い関係で、そういうことになっているわけでございます。
#164
○春日正一君 そこで、値段なんですがね、買う。この値段はどういうことになっておりますか。この前の国会でのあれを言いますと、これは衆議院の建設委員会のあれですけれども、こういうふうに言っているんですね。高橋政府委員は、「そういう適地について企業の協力を得られますならば適正価格で、たとえば取得価格に金利だとか一般管理費だとかいうものを加えたもの、その他そういうようないろいろなものを考えまして、適正価格でこれは取得するように、個々にいろいろ企業を指導したい」というふうに言っておりますけれども、大体こういうふうな立場ですね、それで交渉しておるわけですか。
#165
○政府委員(高橋弘篤君) 協力要請の話の中で、価格の問題はもちろん入っているわけでございまして、これは取得価格にプラスいろいろの経費等を積み上げ計算をいたしまして、そういう積み上げ方式の適正価格ということで交渉いたしておるわけでございます。そして時価より安いというところで交渉いたしておる次第でございます。
#166
○春日正一君 そうしますと、そういう話の見通しですね。大体話始まったばっかりのようですけれども、見通しはどうですか。
#167
○政府委員(高橋弘篤君) 各企業からの正式な回答はまだございません。ございませんが、私どものこういう趣旨は十分よく説明いたして協力要請をいたしたわけでございますから、私どもといたしましてはこういう私どもの意図を十分理解してくれまして協力は得られるものと考えておる次第でございます。したがって、近く回答があるものと考えておるわけでございます。
#168
○春日正一君 話が始まったばっかりで、だから当然建設省としてはいい返事がくるだろうという期待をしておいでになる。ところが、この新聞読んでみても、必らずしも全部が全部そういう建設省の立場を理解してということにはなってないようなことになっているわけですね。だから、そういうふうに要請を断わられた場合ですね、これはどうするか、という点はどうですか、考えておいでですか。
#169
○政府委員(高橋弘篤君) 私ども協力要請するまでにいろいろな調査をいたしておりますから、個別にも今後ともまたいろいろ指導いたし、要請をいたしまして何とかして私どもの考えたようなものにつきましては協力をしてもらおうというふうに考えております。
#170
○春日正一君 大臣にお聞きしますが、ここで高橋局長が答弁しているんですがね。こういうふうに言っているんですね。瀬崎委員が、これは五月三十日の衆議院の建設委員会です。「この前も大臣が、最悪の事態には収用権を使うことも考えているという答弁が浦井議員の質問に対してありました。実際、具体的にこの作業を進めている例を話していただきたい。」ということに対して、高橋局長のほうから、「私どもことしの初めごろからそういう必要性を感じておりまして、すでに不動産協会の会長などには具体的に法人企業の持っておる土地について内々に資料を提出さしているわけでございまして、またさらに先般の国会の物特の質疑の関係で不動産協会も自主的にこの資料を提出いたしておるわけでございます。そういう資料だとか、また昨年五月私どもが調査をたしました一部、二部上場会社についての土地保有状況というようなもの、そういうものも全部基礎にいたしまして、そうしてそういうものを十分に実態を把握いたしまして、どういう地点におきましてそういうようなことができるかということを目下いろいろ検討しておる次第でございまして、なお、大臣の答弁もありましたように、必要なところにおきましてはこれは強制的にでも取得するということに私どもいたしたいわけでございます。」、こう答弁はっきりしておるわけですね。だから、この答弁でいろいろ調べていま話を持ちかけたということなんですけれども、これは話がまとまればけっこうなことですけれども、まとまらぬということになればこれは強制的にでも収用するということにしなければ結局問題解決がつかないということになるわけですね。だからそこらの辺もうすでにそういう態度を表明されておるわけですけれども、やはりこの問題についてもそういうかたい決意でお進みになるのかどうか、この点、大臣にお聞きしたいんですが。
#171
○国務大臣(金丸信君) この問題の経過につきましては高橋局長からるる御説明申し上げたわけでございますが、私もこの経過、内容等を詳細に報告を受けながらきょうまできておるわけでございますが、その内容をまだ発表する段階でないということであるわけでございますが、実際問題として私の判断、勘と、こう申しますか、これだけやって、これだけ向こうも相当熱意を持って盛り上がって、誠意ある、いろいろな交渉に臨んでくれておるという状況を判断すると、この話は不調になる話ではないなと、何とかかっこうがつくんじゃないかという私は大きな期待を持っていまおるような次第でございますから、その結果という問題につきましてはその上で考えたい、こう考えておりますが、しかし土地という問題が公共優先であるということ、また私有権を相当圧迫してもよろしいという考え方、私は常々から持っておるわけでありますから、そのときはそのときで強い考えを持ってみたい、こう思っております。
#172
○春日正一君 この問題そのものに即して、まあそれ以上議論を進めるということは、始まったばかりということで、大いにまだ期待を持っておるということなんで、議論をするということはまだちょっと早いかもしれない。だから私はこの問題はそこまで聞いたということで、あと建設省の努力なりあるいは業界の反応なりをじっとこう見ていきたいというように思いますけれども、しかしどうしても話がまとまらぬということになれば、やはり強制収用をかけるよりほか手がないでしょう、これは、まあ一般論として。それはここでも言っておいでになるけれども、その点どうですか、一般論として。
#173
○政府委員(高橋弘篤君) すべて公共用地全般につきまして一般論では先生のおっしゃるとおりかもしれませんが、先般から春日先生からいろいろ御指導いただいておりますように、土地収用法適用とか、水源適用とかいうのは例外中の例外であって、私どもやはり話し合いによって円満に取得するということはむしろ用地等を取得するためのものであろうかと思います。したがって私どもも、ともかくいろいろ協力援助しまして、話し合いをしながら、趣旨を理解してもらいながらこの問題を解決していきたいというふうに考えておるわけでございます。
#174
○春日正一君 その点ひとつ誤解があると思うんですよ。私どもも強制収用はけしからぬということはずいぶん国会議員になってから一貫して言ってきておりますけれども、その対象にしてきた場合は、零細な農民の土地とか、一般の住宅地とか、そういったようなものが取り上げられる場合に、この前もここで議論になったように、とにかく財産権補償だけではどうにも再起できないような、そういう形で強制収用するというようなものに対しては、これはいかぬということで反対もしてきた。いまでもそうですよ。しかし、いまここで問題になっておるのは、大きないわゆる大企業の買い占めておる土地ということでしょう。だから、これは強制的に出させるということが、これは共産党の主張ですわ。はっきり言っておきますが、これは。強制的に出させるということが……。そしてまたそうでなければ、膨大な土地を買い占めて造成しながらちびちび売っていくというような形のことを許しておったら、都市計画も何も立ちゃしないし、住宅問題も片づかぬということになる。だから、この場合積極的に収用すべきだ、そういうふうに私は考えるのですわ。そこは誤解のないように、共産党は、だれの土地でも、三井不動産の土地でも収用することに反対するというようなことを言っているわけじゃないという点をはっきりしておいてほしいと思うのです。
 ただ私、ここで問題になるのは、そういう大企業の土地ですね、彼らが買い占めをやって、土地をつり上げて、ここのところ、特に去年からことしにかけて急激な地価の値上がりを示しておるというような場合に、たとえば、調整区域に収用をかけたといっても、結局、あれでしょう、計画決定の時点における公示価格を規準にしてということになるわけでしょう。結局、買い占めたやつは大もうけしてしまうということになるわけですね。いま局長が言って、折衝しておるその値段というのは、そういう値段じゃないわけでしょう。買ったときの値段に金利を加え、あるいはいままでの管理費を加え、そういうようなプラスアルファを加えた上で、時価よりも安く出してもらおうという話であって、それを、話がまとまらなければ収用だ、収用法をかける、公示価格を規準にしてということになると、結局、つり上がった値段を追認したものを出さにゃならぬというようなことになると、収用してもらったほうが得になるという結果になってくるんじゃないか、そういう問題が含まれておるわけですね。だから、そこらの辺で、やはりどうするのか。どうしても出さぬと言っておったほうが、結局、収用をかけてもらったほうが得になるというようなことになってくると、道理としてはそうなってくる。そこらの辺はどう考えて、もし、そういう場合に、どうしようとしておるのか法的に、そこらがひとつ聞いておきたいところです。
#175
○政府委員(高橋弘篤君) 先ほどからいろいろ先生からもお話ございますように、現在、話し合いの最中でございまして、相手方もだめだと言っているわけじゃございませんから、そういう意味におきまして、いまは強制収用というような話を出すのは私ども差し控えたいということでございます。
 それから、いまの先生の価格の問題は、御承知のように、収用によりますと、正当な補償ということになりますから、いわゆる時価ということになるわけでございます。現在、私ども交渉しているのは、先ほど申し上げましたように、時価よりも安いという積み上げ方式で考えているわけでございます。
#176
○春日正一君 大体この問題は、それから先は議論ということになるわけです。私は、全国に非常に多くの土地を大企業が買い占めておって、そのために住宅用地もできなければ、公共施設もできないというような状況にあるという条件のもとでは、こういうものを、やはり先ほど言ったような意味での適正価格で収用して、そして、公共のために使うということをやるべきだ、私はそういう観点からもっと徹底して、いわゆる第二次土地改革ともいうべき徹底した土地改革をやらなければ、日本の土地問題というものは、ほんとうに片がつかぬだろう。第一次のときに残された山林原野の問題とか、そのほかの問題も含めて、大企業が買い占めておる土地、これを収用して、用途に従って再配分するということをやらなければ根本的に片がつかぬだろうというふうに思っていますけれども、しかし、やはりこういういま私出したのは、そういう意味で、いまの法体系でそれをやろうとしても、これはいま言ったような矛盾が出てくるわけですわ。安く放出してくれという話をしておって、話がまとまらぬから、収用しろと言や、高い金で買わなければならぬというような矛盾が出てくる。ということになれば、当然この土地問題を解決するための、そういう公共用地を取得する大企業の買い占めた土地を吐き出させるために立法化の措置というようなことが必要になってくるであろう。いままでのその法律の仕組みの中では、やはり根本的に片がつかぬ問題が出てくるだろう、そういう気がするわけですわ。そういう点で大臣から、いま言ったような問題の解決にしていくために、やはり新しい立法が必要だろうと私は考えるのですけれども、政府としてそういう点はどういうふうに考えておいでになるか。
#177
○国務大臣(金丸信君) 先生のおっしゃられることも、私にもわからぬわけではございません。しかし、いまの政府は自民党政府でありますから、先生の考えと幾ぶん違っておる点はあるわけでありまして、そういう意味で、土地収用というような問題、凍結というような問題につきましても、国総法その他の法律が成立すればそれも土地規制になるということにもなろうと思うのですが、しかし何か、土地規制の中に私も寸足らずというところがあるのじゃないかという感じはいたします。そういう意味で、いま大企業の土地の問題につきましては、計画局長が御説明になりましたように、いまここで水かけるようなことはしたくない。しばらくじっとして見て、理解ある態度でひとつ見ておっていただきたい、こういうわけでございますが、われわれもできるだけの努力をいたしまして、民間の協力を、企業の協力をしていただけるような今後たゆまざる努力をしたいと思うわけでありますが、法的問題については、今後とも十分検討さしていただきたいと思います。
    ―――――――――――――
#178
○委員長(野々山一三君) 次に、都市緑地保全法案を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#179
○田代富士男君 現在のわが国の都市の状況というものは、私がここで話しするまでもなく、産業と人口の過密化によりましてだんだんと緑というものを失いつつある、そうして現在では、灰色の殺伐とした様相を呈しているといっても間違いないのじゃないかと思う。それに対しまして政府といたしましても、この緑の確保につきましては、首都圏の整備法あるいは近畿圏の整備法によりまして近郊緑地指定あるいは都市計画法によりまして風土地区指定などによって規制されておりますけれども、ごく限られた地域にとどまっているのじゃないかと思います。そこで、今回、建設大臣の諮問機関であります都市計画中央審議会においてまとめられました都市緑地保全地域構想というものが出されてまいりましたが、まあ、それぞれの環境庁をはじめ建設省その他のそれぞれの調整というものがそれでうまくいくものであるかどうかということは、一応、現在問題視されている点があるわけなんです。そういうところから、私はこの緑ということに対しましては、総合的にこれは都市緑化対策というものを進めていかなくてはならないのじゃないかと思うのです。それで、当委員会でいま審議されておりますこの法案とあわせまして、まず最初に大臣はどのようにお考えになっていらっしゃるか、簡単に御説明を願いたいと思います。
#180
○国務大臣(金丸信君) 先生が御指摘のように、都市における緑の現状というものは、都市化現象によりまして急激な荒廃を続けてまいって今日になっているわけでございますが、緑というものが人間生活に必要であることは、私が申し上げるまでもないわけでありまして、その維持回復ということをやらなければ、人間生存の上にも大きな問題が起きるということも考えなければならない。そういう意味で、都市環境の環境づくりということを考えるならば、まずこの緑というものを維持回復するということに全政治力を使うべきである、という私は考え方を持っておる次第でございます。
#181
○田代富士男君 まあ、大臣も、緑を回復をすべきことに全力を注がなくてはならない、人間として私たちが住んでいく以上、これは当然なことじゃないかと思うのです。だから、一説に、専門家の人の話を聞きますと、人間が一日に必要とする酸素の量は五百グラムぐらい必要だということがいわれております。そうしますと、五百グラム必要とする酸素を供給する緑というものはどのくらい必要であるかといえば、大体三十平方メーターの樹林が必要である、緑の葉の面積にいたしますと、大体百五十平方メーターぐらいが必要であるというようなことも専門家の間でいわれておりますが、回復しなければならないということですが、首都圏の緑の状況というものを見てみますと、緑の趨勢というものを見てみますと、回復どころかだんだんとわれわれは危機感すらを感じざるを得ないわけなんですが、まずこれに対してどのような見方をしていらっしゃるのか。首都圏の委員長も兼ねていらっしゃるけれども、これは首都圏の事務局長でもけっこうでございます。また科学技術庁としてもこれは現在取り組んでいらっしゃるでしょうし、環境庁といたしましても取り組んでいらっしゃいましょうから、簡単にいま申し上げました最初のほうからお願いしたいと思います。
#182
○政府委員(小林忠雄君) 御指摘のように、東京を中心といたします市街地の拡大というものが、過去二十年間に非常に大きなものがございます。今後十年間程度はこれがさらに数割程度東京周辺の南関東の各県に拡大するであろうということが予想されております。市街化されますところは農地または山林でございますので、その山林が減少いたしました分だけ緑が当然減少するわけでございます。先ほど御指摘にございましたように、人口一人当たり三十ないし四十平米の樹林がやはり酸素供給には必要だというのが一説にいわれておるとおりでございますが、いずれにいたしましても、これだけの巨大な人口集積を養うためには相当量の緑が必要であろうと考えております。
 そこで首都圏の基本計画といたしましては、おおむね首都圏の三十キロから五十キロまでの市街地の周辺に総体で五万ヘクタール程度の山林は確保いたしたいと、こういうように考えております。五万ヘクタールと申しますと、先ほどの人口計算からまいりまして一人当たり三、四十平米程度に大体落ちつこうかと思うわけでございます。しかしながら、現実の首都圏近郊緑地の保全区域というものの指定の実績は、残念ながらただいままでのところ一万三千五百ヘクタール余でございますので、何とか関係公共団体、地元と御相談をいたしまして、最小限五万ヘクタールの近郊緑地の指定はぜひ近日中に達成をいたしたいと考えております。
#183
○説明員(酒井忠二三君) お答え申し上げます。
 私どもの科学技術庁で行ないました調査によりますと、ただいま先生の御指摘のとおり、人間が一人生活していきます場合に緑が一人当たり三十から四十平米の面積が必要だということでございますが、私のほうの調査でございますと、資源利用と環境保全の調和という趣旨に沿いまして、人間の生活環境をどうしたらいいか、どういうふうに保全したらいいかという趣旨に沿いまして調査をして、その保全をするための指標といたしまして植物をとったわけでございます。植物をとりましたのはまず移動をしないということでございます。
 三年前から調査をいたしまして、昨年の五月にその調査結果が出ておりますが、それの手法を簡単に申し上げますと、第一点は、東京を中心といたしまして関東南部の局地気象というものの現象をとらえたということでございます。東京を中心といたしまして七千平方キロメーターの閉鎖構造が一年間のうちに二、三カ月できるという事実でございます。それからもう一つは数式モデルを使いまして亜硫酸ガスの分布濃度を調べたということでございます。最後に、ただいま先生から御指摘の緑の状態がどうなっているかということを赤外線のカラー写真によりましてリモートセンシングの技術を使いましてその緑の状況を調べたという点でございます。
 その結果を申し上げますと、現在東京を中心といたしましてやはり都心を離れるに従って緑が非常に生き生きとしている。それからたとえば川崎の大師公園等においては数年にして緑がなくなる、樹木を植えかえてもなくなるというふうに大気がよごれているというようなことの結果がわかったわけでございます。それでやはり緑を保存するということは人間の同化作用、植物の持つ同化作用のほかに心理的な効用もございますし、なるべくエコロジック的な循環で非常に大きな役割りを果たしているわけで、緑を大いに保全しなければいけない、開発しなければいけないという趣旨に相なっております。
#184
○田代富士男君 いまお話しいただきましたそのお話のとおり、こちらのほうに資料をいただいておりますけれども、赤外線のカラー写真を見ましても、緑のカラー写真を見ましてもこれはほんとに人ごとではない。人間の生存権に関することじゃないかと思います。これは専門的に調査をしていらっしゃるところでこういう結果をつかんでいらっしゃいますが、やはり大衆の心というものは何かしらそういうものをとらえている面があるんじゃないかと思うのですね。だからいろいろ現在調査がされておりますが、過日総理府におきましても意識調査がされまして、それにおきましては緑を渇望しているというものが非常に多いのですね。
 いまここに総理府広報室で三大都市の環境意識調査をやられた調査の資料を私はいただいておりますけれども、この例を一つあげますと、「居住環境をよくするために、この中であなたはどのようなものに一番重点を置いてもらいたいと思いますか。」ということにつきまして十項目ぐらいあります。こまかいことは申し上げませんが、この中で何が一番重点を置いてもらいたいかということに対しまして、緑ということ、すなわち公園、緑地、街路樹などの緑がほしいということが全体の二八・五%のこういう数字が出ております。同じこの調査で「居住環境をよくするために、この中であなたはどのようなものに重点を置いてもらいたいと思いますか。二番目はどれでしょうか。」、この調査に対しまして、一番目が医療保健などの施設、これが二八・二と出ております。二番目に緑、いま申し上げました、これは一五と出ているわけです。
 このように総理府広報室の三大都市圏の環境意識調査の中にもこういうことが出ておりますし、この意識調査以外でも、これは端的な例でありますが、東京で一番鉛の公害で有名になっております牛込柳町の交差点の付近のこれは写真をとってきております、カラー写真で。このカラー写真をなぜとってきたかといいますと、柳町の交差点は東西の大久保通りです。東西の大久保通りは東京都とそれから新宿区でこれは緑が植え込まれておりまして、緑化が推進されております。ところが一方の外苑東通りは狭いということもありますけれども、そういう緑の整備がされておりません。しかし、緑の整備がされてないし、この鉛公害の一番ひどいところでありますが、その住民というものは緑がほしい。その証拠にここの商店街の、電柱が立っておりますが、その電柱以外の、いろんなものが立っておりますその上に、緑の造花が飾ってあります、緑の造花が、電柱の上に。こういうところから見ましても、都市生活者の緑を渇望しているという点が意識調査以前に、そういうような緑を、造花の緑を掲げてでも緑がほしいという意欲が出ているわけなんです。これをごらんになってください、大臣。これとってきておりますから、(写真を手渡す)こういうふうに電柱のところに、こういう緑がほしいという、そういうわけで、いま私は端的に総理府の広報室の意識調査とあわせまして、そういう都市生活者が緑を渇望していると、これに対しましては何らかこたえていかなくちゃならないと思いますが、大臣、率直な御意見いかがでございましょうか。
#185
○政府委員(吉田泰夫君) いろいろと総理府の意識調査が――柳町の具体的な事例を申されまして、写真までお示しいただいたわけでございますが、非常に、大都市の中心部では緑に対する渇望というものが極端にまできていると、そういうことが住民の方々の最大の希望として、あるいは願望として出てきているというわけであろうかと思います。こういう問題を私どももそのまま受けとめまして――建設省のみではありませんが、まず建設省だけでもその総力をあげて緑化と取り組むべきであると、こう考えております。
#186
○国務大臣(金丸信君) 実は私は二、三日前に向島へ行ったんですが、首都高速道路へ乗りまして下町を上から見ましたところが、青いものが一本もない、これで人間が住めるのだろうか、何だか上から見て死んだ町だという感じが私はいたしたわけでありまして、これは何とかしなくちゃいかないと、こういう、この気持ちが万人に通じておるんじゃないかという私は感じがいたしたわけでありまして、先生の御指摘のとおりだと、私は思います。
#187
○田代富士男君 そこでいま大臣も、向島へお行きになりました御意見を、率直にいま述べていただきましたが、私も同感だと思います。どうして緑がそのように渇望されるかと、いろいろ立場がありますが、私なりに考えますことは、まず第一番目には、緑は地上での唯一の酸素の供給源であるということが言えるんじゃないかと思うんです。また第二番目には、緑というものは大気を浄化する。三番目には、緑は働く人々の疲労というものをいやして、そうして安息を与え、事故とむだな疲労というものを防止する役目も果たしているんだ。また四番目には、別な立場から、樹木は、いろいろ車だとか、そういう列車だとか、そういう騒音を防ぐ役目にもなっているんです。五番目には、緑は町の気温を下げて涼しい風を送り、あるいは反対に寒気を防ぐ役目にもなっている。また六番目には、樹木というものは火災の場合に、そういう火を防ぐ働きもやっている。七番目に、緑は町の美観をつくって、周囲のいろいろな建物なり、そういうものを美化する働きを持っている。そういう役目も果たしている。八番目に、緑は豊かな情操をはぐくんで、そうして人生に潤いを与えている。そういういろいろな役目も果たしているわけなんです。
 こういうことで、いろいろ林野庁におきましては、この緑の問題というものを取り組んでいただいておりますが、いま申し上げました緑の効用あるいは仕組みについて、何か取り組んでいらっしゃるものがあるならばお聞かせ願いたいと思います。私はいま端的に八つの面からこの緑というものを提起いたしましたけれども、これをどのようにいまとらえていらっしゃるのか、その点お聞かせ願いたいと思うんです。
#188
○説明員(松形祐堯君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおりに、高密度社会の中にありまして、緑の効用は、先生のいま御指摘のとおりだと思っております。私どもこの都市生活環境の諸問題におきます森林の役割りということは、従来から非常に大きいという理解をいたしまして、林野行政におきましても、従来から保安林の整備とか、あるいは鳥獣の保護、自然休養林の整備とか、あるいは一般的な植林の推進、治山治水とか、そのような事業を進めてまいったわけでございます。しかし、現在におきましてのそういう期待というものが非常に大きいということで、従来から森林が持っております国土保全とか、いろんな公益的な機能というものを定性的には私どもは理解いたしておりました。しかし、これを森林の持っております公益的機能というものを、定量的に一回把握してみたいというようなことで、四十六年から今年度まででございますが、三カ年計画をもちまして、この定量的な手法を開発いたしまして、中間報告といたしまして、昨年、どの程度の効用を果たしているかということにつきまして、中間発表をいたしたわけでございます。
 その概要をちょっとかいつまんで申し上げますと、水資源の涵養でございますが、年間六千億トンぐらいの降雨量があるということで、この森林の持っております土壌の中に、どれだけの保水機能があるかというようなことを、地質構造ごとに積算いたしますと、約二千三百億トンの保水機能があると、そうしてそれをちびりちびり出しながら、そうしてスポンジの役目をなしておるというようなこと、あるいは有林地、無林地の土砂の流れ、あるいは崩壊を防止している機能、これらもそれぞれ積算をいたしまして、さらに、先生御指摘のございました酸素供給、大気浄化機能等につきましても、御承知のような酸素の供給が年間約五千二百万トン程度は供給できると、また炭酸ガスの吸収量は六千九百万トンになると、あるいはまた、騒音防止につきましても、大体、林帯幅が五メーターから二、三十メータの幅がございますと、十ホンから十五ホンぐらいの騒音の減退が見られるわけでございますが、この十ホンというものは、人間にとりましては半分ぐらい音が消えたというような感覚を持つようでございます。それらを合計いたしますと、一年間に、日本の持っております森林というものが十二兆八千億程度の公益性を――定量的にいたしますと、その程度の効用を発揮しているというようなことを中間発表いたしておりまして、今年度やっておりますのは、費用負担区分につきましての調査研究をやっていると、こういう段階でございます。
#189
○田代富士男君 いま、もし時間があれば、これももっと具体的にと思いましたが、きょうは時間が限られておりますから、今後ともひとつこういう科学的な裏づけを示して臨んでいただきたいと思いますが、問題は、この首都圏あるいは近畿圏の都市部の問題じゃないかと思うんです。この首都圏の問題を取り上げますと、近郊緑地につきまして、いま説明されました林野庁のいろいろな科学的な裏づけから、どうしてもここまでやっていかねばならないという目標でやっていらっしゃると思いますが、四十一年度からの首都圏の近郊緑地の指定の実績というものですね、これはこの前の委員会でもちょっと説明されたかと思いますけれども、実績をちょっと教えていただきたい。特に私がお尋ねしたいことは、四十六年の六月から四十八年の五月までの二年間の間にこの首都圏の近郊緑地についての指定というものがゼロになっております。緑地保全地域がゼロという、こういうような、私のいただきました資料によりますれば、そうなっておるわけなんです。なぜ、いま御説明いただいたような、そういう役目を果たさなければならないにもかかわらず、これがゼロである。首都圏基本計画の緑地についての目標というものは、ただいま説明していただいたとおりに五十年までに五万ヘクタールを確保しなければならないと、このようなお話も聞きましたけれども、現在は一万三千数百ヘクタールぐらいじゃないかというようなことでございますし、五十年までにはたしてその五万ヘクタール確保できるかどうかということですね。だから特に四十六年六月から四十八年の五月まではゼロであるという、ここらあたりですね、どういう役目を果たしているかという説明は林野庁の御説明でわかりましたが、説明は説明だけれども、このような実態というものでは果たせないじゃないかという、その点を御説明を願いたいと思います。
#190
○政府委員(小林忠雄君) 首都圏の近郊緑地保全区域の指定を時系列的に御説明をいたしますと、昭和四十二年二月に第一次といたしまして九千八百ヘクタール、四十四年三月に第二次指定といたしまして千八百八十ヘクタール、四十五年五月に第三次といたしまして八十三ヘクタール、四十六年四月三十日に第四次といたしまして六百十八ヘクタールを指定いたしまして、自後本年五月一ぱいまでには全然指定ができなかったわけでございますが、去る六月に二地区千ヘクタール余の追加指定をいたしたわけでございます。
 で、過去その二年間に指定ができなかった理由でございますが、首都圏が管内の各府県と協議をいたしまして、事務的に大体適地であるというようなところは具体的に全部一応調べましたところでは、五万ないし六万ヘクタールあるわけでございますが、総体といたしまして。それがなぜできなかったかということにつきましては、首都圏整備委員会自身の力が足りなかったということも確かにあろうかと思います。率直に申しまして、非常に困難な事態に立ち至っているというのが実際でございます。その困難な理由と申しますのは、緑地を保全するということにつきましてはいまや反対をされる方はないわけでございますが、自分の土地が緑地保全区域に指定されるということにつきましては地元の土地所有者等を中心といたしまして必ずしも賛成でない、あるいはむしろ地元としましては開発を抑制されるという意味の反対が非常に強いわけでございます。当世いろいろいわれておりますような総論賛成、各論反対の一番典型というようなのが大きな原因であろうかと思います。
 特に首都圏におきまして特にむずかしい問題は、首都圏の近郊緑地と申しますのは、数府県にまたがります広域的な見地から大都市の膨張を抑制する、あるいは大都市民の生存に必要な緑地を確保する、こういう広域的な見地でございますので、主として利益を受けるものは東京及びその周辺に住んでいる都市民であって、緑地に指定される近郊の農村地域の人は被害者であるというような、そういう住民感情が一つあろうかと思うわけでございます。それから、都市に住んでおります人間は、先ほど御指摘がございましたように、緑がほしいという願望が非常に強いわけでございますが、近郊緑地に指定をしようというような周辺の三十キロ圏、五十キロ圏にはまだ非常に多くの緑が残っておりますために、そこら辺の住民の方についてはどうも緑がそれほど価値があるという意識がまだ低いのじゃないか、率直に申しまして。そういう点の意識のズレと、それから受益者と被害者と、こういうような意識があるということが一つのネックになっているのではないかと思います。しかしこういうように世論も非常に変わっておりますので、首都圏整備委員会といたしましてはもう一ぺん各県市町村と精力的な折衝をいたしましてぜひ目標を達成するようにいたしたいと考えております。
#191
○田代富士男君 いまお話を承りまして、確かに目標に達成していないのは、端的に総論賛成、各論反対ということばの中に含まれて、まだすべての人々に納得できない面が、おくれているという、そういう面もあるかと思いますが、私も資料をいただきまして、ここに地図もいただいておりますけれども、少なくとも目標が立てられて、また林野庁としても科学的に裏づけを提起していらっしゃる、そのように理論的にはこのように進んでいる。しかしいま申しますとおりに、国民大衆の渇望というものは非常に高いという、この大きなギャップがあるわけです。このギャップを埋めるためにはどうするかと、ここが一番の問題じゃないかと思うのですが、大臣いかがでございましょうか。いま、ずっと科学的にはこうだと、実情はこうだと、しかし大衆の要望はこうなんだという、このギャップを埋めるためには、もちろんこの方針をやっていく以外にありませんけれども、じっとがまんの子であったというわけにはいかないわけなんです。三分間待つのだぞということにもいかないわけなんですが、これはどうなんですか、このギャップを。理論的にはこうこうわかりました。しかし国民はこれに渇望している、待てないという状態、三分間待てないという状態に来ているわけなんですが、このギャップをどう埋めるかということ、どうでしょうか。
#192
○国務大臣(金丸信君) まことにむずかしい問題でありますが、そのギャップを埋めるべく最善の努力をするということで、そのギャップを最短距離にいたしたいと、こう思います。
#193
○政府委員(小林忠雄君) ただいま大臣から御答弁がありましたとおり、首都圏整備委員会としては全力を尽くしまして地元の関係権利者及び地元公共団体というものの理解を得るということが第一であろうかと思いますが、将来の問題として考えますれば、制限を受けるだけで何も地元にメリットがないというようなのがやはり一つの大きな抵抗の要件であろうかと思います。そこで、そこに反対給付と申しましては問題がございますけれども、何か反対給付に当たるような何かメリットを考えるのが一つの方法ではないか。これは税制上の問題でございますとか、あるいは補助金の問題でございますとか、あるいは土地の買い入れの積極的な公有地拡大政策でございますとか、いろいろな方法が考えられると思いますが、そういうような何らかのメリットというようなものが将来あるいは必要なのではないかと、そういうような点につきましてもさらに検討をしてまいりたいと思います。
    ―――――――――――――
#194
○委員長(野々山一三君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、鈴木強君が委員を辞任され、その補欠として松本英一君が委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#195
○田代富士男君 いま大臣も、ではここでどうするといったら、ギャップを埋めるに最善を尽くす以外にないという、それに尽きるかと思いますが、いま局長もお話しになりましたとおりに、この緑を大事にするという意識というものが高まっていない、それにはメリットの面もいま述べられましたけれども、意識を向上さす以外にないということをいま一つの例として申されまして、そしてこれを進めていく以外にないと、それは私もそうだと思いますが、それならば、現在建設省といたしましても、道路をつくったり、いろいろな仕事をしていらっしゃいます。そういう面で緑を無視するような仕事がされているんです。たとえて言いますと、これを大臣、写真をもって申しわけありませんが、この写真を見てください。(写真を手渡す)この写真を見ていただきますと、これ、街路樹が立っておりますが、この街路樹のそばまでセメントで塗りつぶされております。
  〔委員長退席、理事沢田政治君着席〕
それじゃ、樹木も息するわけにいかないと思うんです。だから、緑を大切にするということは、ここでの理論ではわかりますけれども、じゃあその理論を態度で示せと言われたら、樹木の一番根本までコンクリート――樹木を大切にするというならば、すなわち周辺はあけてあげるか、それくらいの配慮を緑に対して取り組んでいる各省庁が配慮していくならば、国民大衆としても樹木を大事にしていかなければならないということはわかりますが、目いっぱいそこまで塗りつぶしてしまっている、これで意識の向上がないと、そういうことを言われたならば、言っていることとやっていることはどうなんだと、私は言いたいんですが、大臣、写真ばかり示してすいませんが、ありのままの事実でございます。どうでしょうか。
#196
○国務大臣(金丸信君) まことにこのような法案を提案しながら、このようなぶざまなものが出てくるということにつきましては、汗顔の至りでございまして、こういうことは、建設省として十分今後の指導の上におきましてもないように、また、いまこのような状況のものにつきましては、何とか創意くふうして水が植木に行かないような方途をして植木を植えておくということ事態が陳腐な話でありますから、御期待に沿うようにいたしたいと思います。
#197
○田代富士男君 そういう樹木を大事にする、そういう一つを取り上げましても、やはり注意はしていると思いますが、やはりそこまでこまかい配慮をしていく、その姿勢というものが国民大衆の意識の向上というものに通じていくんじゃないかと思うんです。そういう面から、いま大臣が今後道路あるいはそういう面に仕事をする場合に配慮していくということでございますから、緑という問題を中心としました観点から、そのように取り組んでいただきたい。それで、これは人間の生存権にも及ぶ問題でございますから、何よりもこれは優先して取り組んでいかなくてはならないと思うんですね。そこで、私が国民全体が、当局がそのように関心を持つのは当然でございますが、国民全体がその緑に関心を持って積極的に植樹したり、あるいは緑の保護、あるいは自然環境に対する理解を深めるということに対しまして、これは国家的にそういう姿勢というものをつくり上げていく必要があるんじゃないかと思うわけなんです。
 そういう意味で私は一つ提案をしたいことは、幸い明治六年でございますか、都市公園制度が発足いたしまして、来年でちょうど百年目に当たるのじゃないかと思います。そういうこともありまして、現在この都市の緑地の問題にしましても、緑化の年ときめられまして、いろいろの仕事に取り組んでいただいていると思いますが、ちょうど百年目を迎えるならば、それを記念してといえば何でございますけれども、そういうわけで国民の祝日にするというのは、これはまたたいへんな問題があるかと思いますが、端的な意見として、国民の祝日に緑の日というものを制定したならば、どうであろうかと、私はこれを提案したいわけなんです。先日の委員会でも大臣に私はこういうことを申し上げたのではないかと思いますが、マレーシアに行ったときの話を聞いてきたことを。マレーシアにおいては成人を迎えた人は必ず木を一本成人の祝いとして植えるんだというわけで、木を非常に大事にしております。まあクアランプールの町自身も非常に緑の多い町でございますから、なるほどなと私も感じた次第でございますが、そういう意味で、これは手続上はいろいろむずかしい面もあるかと思いますが、こういう緑の日というものを制定するならば、国民が緑にさらに関心を持ちまして、植樹祭だとか、そういうものにずっと波及されまして、自然環境をよくしていくことに何らかの形でプラスになるのじゃないかと、そのように思うわけなんです。
  〔理事沢田政治君退席、委員長着席〕
幸い緑の日というものをとるならば、私なりの意見でございますが、いつごろがいいだろうかと、いろいろ議論があるかと思いますが、冬から春に変わりまして、新緑の候というのは五月でございます。だから、五月ごろ、まあ幸い国連の環境デーというのが六月でございますから、それと一緒に合わしてもいいのではないかと思いますし、若葉というものは、いまから成長していく一番最初でございますから、春の四月ということでもいいのじゃないかと思いますが、これはまあそういうわけで緑を大事にするという、そういう立場から提案をしたと思いますが、手続上はむずかしい点があります。これは理解しておりますが、端的に言っていかがでございましょうか。
#198
○国務大臣(金丸信君) 現在も将来もこの緑は国民の願いでもありますし、また、緑を残していくということは国民の責任でもあるというようなこと、それを意識の中に、国民一人一人に持たせるということは、必要だと、いま先生の御意見はまことに貴重な御意見だと、私も拝聴いたしております。この祝日をつくるということにつきましては、なかなかむずかしいこともあろうと思いますが、総理府の長官や、その他ともいろいろ話し合いをいたしてみたいと私は思っております。
#199
○田代富士男君 手続上はむずかしいと思いますが、その声を大臣のほうから打ち出していただいたならば、いずれの日か必ずや実が結ぶ日を私は願っておきますから、ひとつよろしくお願いをしたいと思います。
 そういうわけでこの問題はいま私が祝日の中にも緑の日というものを入れてもらいたいと思うくらいに力を入れなくちゃならない。そういうわけで都市の緑を所管する建設省が一応きょうの主題になっておりますが、その建設省の体制についてちょっとお伺いしたいのですけれども、建設省の所管の中で、事緑ということに関係する予算はどれくらいになっているのでしょうか。
#200
○政府委員(吉田泰夫君) 建設省では緑に関し、何と申しましても中心的にやっておりますのが都市公園の関連予算であります。これは、昭和四十七年度に初めて五カ年計画を設定いたしまして、以来毎年二倍あるいは一・七倍というような伸び率を示しておりますが、もとの金額ははなはだ些少でありましたために、まだなかなか必要額に達しない、地方公共団体等の要望にこたえ切れないうらみがありますが、それにしても相当伸ばしてまいりました。本年度は四百八十二億円という事業費であります。そのほかに本法によります土地の買い上げ費等も含んだ緑地保全事業費というのが約十億円ございます。これが都市公園関連の柱になっている予算費目であります。
 そのほかのものを大ざっぱに拾ってまいりますと、まず道路関係の各種予算の中で、改築費等の中に街路樹を主とした緑化対策を織り込んでおりまして、近年相当力を入れてまいっております。ざっと概算いたしますと、道路関係予算の中に含まれる緑化関係の事業費が約百億円ぐらいに積み上がっております。そのほかに河川関係では河川環境整備事業ということで、約三十億円事業費で組んでありますし、また海津環境整備事業ということで新しく海岸環境につきましても予算を設定いたしましてそれが約七億円であります。このほか関連する住宅公団の団地関連の緑化の事業、これが約十七億円ぐらいでございますが、それから道路公団の緑化関係が二十億とかあるいは本年度から新たに住宅金融公庫に緑化関連の融資というワクを三億円計上いたしております。これは公庫融資をもって宅地造成を行なう地方公共団体等の事業者に対して二十ヘクタール以上の規模のもので公園緑地率が一〇%以上という緑地に寄与するような宅地造成を行なう場合を対象にしまして植栽、張り芝その他の経費を融資しようというものでございます。また街路関係でも歩行者専用道路という予算がございますが、これに事業費で約十億円というようなものがございます。
 平素からこのような集計をいたしておく心がまえが必要であったわけでございますが、申しわけないんですけれどもそういった体制をとっておりませんでしたために早々に取り集めましたような次第で、やや不確かな数字その他漏れ等があると思います。このようなことが的確にお答えできないようでは、そのこと自体問題にされてもいたしかたないというわけで、私ども今後は常時全体の緑化対策の姿というものを把握しまた一貫した方針のもとに省として推進するように持っていかなきゃならない、この際決意を新たにいたしておる次第でございます。
#201
○田代富士男君 いま私がお尋ねしました予算についてはいま局長申されますとおり私、東京都と国の関係というものを対比して調査をしました。いま建設省関係では概略六百億ちょっとぐらいです。ほかの住宅公団だとかそういうものを入れましても七百億いきません。いま説明された部分ですよ、いま説明された範囲内の数字でいきましても。東京におきましては自然環境保護の予算が四百十八億六千四百万円組んであります。この明細というものもきちっと出ております。東京都におきまして自然環境保護という立場でそれだけの問題を出しておるわけなんです。国の仕事といえば大きな範囲であるということは言えるかもわかりませんが、事緑という問題に対しましては、いま言うように盲点になっておるんではなかろうかと思うんです。そういうわけできょう時間があればこの都市公園等の整備五カ年計画の問題点につきまして東京都では大きく三つの問題点を出しております。また東京都と都市公園整備、都市公団等の整備の五カ年計画の推進のための問題点についても大きな問題点が三点出されております。これは私きょうは時間が一時間ということに言われておりますから、この大きな問題点六つありますが、時間がありませんからこれはやるわけにはまいりません。しかしいま申し上げますとおりに、予算一つにいたしましても東京都の予算と国の予算とは、まあこれは東京都において四百億からの予算をつぎ込んでやっておる。いまさっきも、東京都新宿区において緑地化したところとしてないところとの端的な例も写真で説明いたしましたけれども、そういう点からいたしますならば、政府といたしましても、建設省といたしましても、まだまだ口でいまここでおっしゃられているような、その決意というものが建設省のそういう体制の中に組み込まれてないというような感を深くするわけなんです。
 そういうわけで今後緑化対策室というようなものをつくってやっていこうというようなことが現在計画されておりますが、たとえばいま総理府には交通安全対策室というものがありまして、そこには警察庁の交通取り締まり、あるいは運輸省のこういう自動車の保全基準だとか、建設省の安全施設だとか、そういうすべてのものをコントロールする交通安全の行政組織というものが総理府の中につくられてあるわけなんですが、そういう面で緑化対策室というものの機構というものをどのように活用されるのか。私はいま申し上げました総理府の交通安全対策室と同じ、それ以上のような働きにしてもらいたいと思いますが、その点いかがでございましょうか。
#202
○政府委員(吉田泰夫君) 建設省としての明年度の予算要求の中の組織、機構の要求につきましては、これから省内でも煮詰めまして、大臣の決裁を得て提出することになります。そういうわけでいま確定的には申し上げられませんが、私どもかねてから都市緑化対策室というものを建設省に設置すべきであるという考えを持っておりまして、もし実現しました暁には、これが直接にこの緑地保全関係の法律や実務を持ち、あるいはその他の緑化対策事業、狭い意味の事業を行ないますばかりでなくて、省内の各般にまたがります住宅政策、道路政策、河川対策、官庁営繕対策、こういったものの中の緑ということをそれぞれの事業の中で大いに力点を置いていただきたいという意味で、専門の技術官もそろっておるわけでございますので、まず技術的な連絡あるいは相談を受ける、指導をするというようなことと、それからなかんずくそういった各費目の中での緑の占めるウエートというものを高めてもらうような働きかけ、そういったものを通じまして、統計的にもその室で常時全般を掌握するというふうな姿に持っていきたいものと念願をいたしております。
#203
○田代富士男君 そのようにひとつ機関を有効に生かしていただきたいと思います。それでこれは東京都の考え方を聞いてみましたら、現在問題になっております筑波学園都市の問題でございますが、ここへ移転する国の各機関がありますが、そのような場合には東京都におきましてはそれのあと地利用は公園緑地にしたいというような考え方で現在計画が進められまして、何としてでも緑地を確保しようということが進められております。それで特に建設省の関係している部門で、その気になるならば、いまさきも樹木の底までコンクリート占めておるという写真を提示しましたけれども、これまた写真の提示で大臣申しわけございませんけれども、もう横断できないような、そういうところにはさくが設けてある。それならばそのさくに並行しましてある程度の幅は緑地にとれないわけはない。これ見ていだだきましたらおわかりのとおりに、これまた写真で申しわけありませんが、(写真を示す)この写真の街路樹の、ここにはさくがありますけれども、ここは緑地で、とろうと思えばとれます。それからセンターラインのここにはさくありますけれども、センターラインのここは緑地にとれないわけはありません。これも同じ、同じです、これも。緑地とろうと思えばとれます、これも。それとこれは大阪でありますけれども、町のどまん中に、ほらほらこのようなあき地がある。こういうようなところを、これは写真の一つの例でございますけれども、そういうわけで、もっとやる気になるならば、東京都が筑波学園都市に移転する国の機関のあと地は公園にすると、緑地にすると言っているくらいですから、そのように一回、大臣にお願いしたいことは総点検をいたしまして、いまさき五万ヘクタールに対する目標というものが進んでおりませんが、それをひとつ考え合わせまして、そういうところの総点検を一回やっていただいてはどうかと思うのですが、どうでしょうか。
#204
○国務大臣(金丸信君) 適切な御発言をいただきまして、まことにありがたいと思うわけでございます。今後、これを推進する上に、計画のない推進はできないわけでありますから、総点検をいたしたいと思います。十分にひとつ御期待に沿うような方法をとってみたいと思います。
#205
○田代富士男君 それから、いま植樹祭等を推進していただいておりますが、その事業につきまして、簡単でけっこうでございますから、御説明をお願いしたいと思います。
#206
○説明員(松形祐堯君) お答え申し上げます。
 全国植樹祭は、毎年両陛下のお出ましをいただきまして、いま二十数回になっておりまして、それを受けまして各県は県なりに、あるいは町村は町村なりに植樹祭の行事を行なって、緑化の思想普及ということにつとめておるわけでございます。特に先ほどお話がございましたような苗木の無償配布とか、あるいはことしから始めておりますけれども、結婚とか成人をした場合には、町村で無償配布する。それに対する補助金というようなものを創設いたしておりまして、ことしも東京では日比谷公園でございますが、林野庁で三万本の緑化樹をそろえまして、大体一万人の方々に御配布申し上げたような次第でございます。
#207
○田代富士男君 いま申されるような、大がかりなこういう植樹祭等が行なわれるかと思いますが、これももうすでに御承知かと思いますが、記念植樹につきましては、大阪城におきましては、大阪城公園の杉山地区を森林公園といたしまして、ここに七千八百本あまりの植樹がされました。特に私は大阪に住んでおりますから大阪の状況はよくわかりますが、結婚を記念して植樹をするとか、赤ちゃんが生まれたから植樹をするとか、そういうわけで、都市の緑地化対策に力を入れてまいりましたが、これも場所がなくなりまして、四年前にこれが打ち切られております。そういう、いま御説明になりました、天皇陛下がおいでになりましてそういう植樹祭をやるという事業もよろしゅうございますが、それ以外に、公用地だとか、大きな会社の土地の中であいているとか、そういうような植樹地域の指定という点につきましても、これは積極的に取り組んでいくべきじゃないかと思いますけれども、どうでございましょうか。
#208
○政府委員(吉田泰夫君) 町の中は非常に空地に限られておりますし、したがって、また緑も不足しているというわけでありますので、先ほど申されました街路樹と街路樹の間で、フェンス沿いの、ガードレール沿いのところというようなものは、これは公的な緑化の場、またその街路樹そのものにも水を供給する場に活用できるし、またそうしたいものと考えております。
 また、いまおっしゃいました植樹祭というようなもの、あるいはそうでなくて、結婚記念とかいった個人の記念の際に植樹するような習慣というようなものを勧奨していくということは、はなはだ有意義でありまして、まあ一本一本木がふえていくというばかりじゃなくて、そういう記念の日に木を植えるということによって、その人自身が将来一生にわたって緑というものを意識し続けてくれるであろうということを考えますと、非常に効果があることだと思います。
 おっしゃるように、なかなかその場がないきらいがありますので、しかしながら、今後も都市公園は続々整備していくつもりでありまして、用地などはそういう公園予算で生み出して、一定の場所をそういった記念の植樹の場に開放して、一石二鳥といいますか、心理的な面も含めた効用というものを発揮できるように、今後は特につとめてまいりたいと考えます。
#209
○田代富士男君 いま局長からお話がありましたその一環といえば語弊があるかわかりませんが、ただいま今国会に提案されております運輸省の港湾法の改正法案あるいは通産省から出されております工場立地法の中に、緑に関する制度というその問題が取り上げてありますけれども、運輸省と通産省の方、見えていらっしゃいますか。――簡単にちょっと説明をしていただけませんでしょうか。
#210
○説明員(大久保喜市君) お答え申し上げます。
 今国会で御審議いただきまして成立を見ました港湾法の改正におきましては、これまで港湾の埠頭地区はわりあいに建物等が主体になっておりまして、灰色の感じでございました。やはり昼間人口の相当ある空間でございますので、そういう所の環境の整備ということが必要であるというふうに配慮いたしまして、幾つか港湾法の改正のねらいはあったわけでございますが、その中の一つとして、港湾環境施設の整備ということをうたっております。それで、港湾環境施設の整備は、これは「海浜、緑地、広場、植栽、休憩所その他の港湾の環境の整備のための施設」を港湾法の第二条第五項第九号に掲げる施設としまして規定したわけでございます。要するに、これらの施設を港湾施設ということにしたわけでございます。
 それで、まあこれはいまさら個々の施設の内容を御説明申し上げるに及ばないと思いますが、これを、港湾施設として必要な施設につきましては、国もその施設の整備に対して補助のできる仕組みをお認めいただいたわけでございます。それで、具体的には、補助率といたしましては、港湾管理者が行なう港湾環境整備施設の建設または改良につきましては、十分の五以内の国からの補助ができるように、港湾法四十三条第四号に規定していただいたわけでございます。なお、これらの用地取得につきましては、三分の一の補助を四十八年度の予算措置をしていただいておるわけでございます。
#211
○説明員(平河喜美男君) 御説明いたします。工場立地の調査等に関する法律の一部改正によりまして、工場立地法の制定につき御審議いただいておりますけれども、その中におきます緑地に関連した規定について簡単に御説明いたします。
 まず、今回の改正のねらいでございますけれども、緑豊かな公害のない工場立地を推進するということでございます。具体的な中身の規定といたしまして、緑地に関する事項は次のとおりでございます。
 まず、第四条で、工場立地に関する準則を定めて公表することになっておりますけれども、その中には、全体の工場敷地に対する生産施設の用地比率を一定率以下に押えるといったような事項と並びまして、一定率以上の緑地を確保し、適切に配置するというふうな事項が含まれております。
 なお、これらの措置を適切に確保いたしますために、第六条に届け出、第九条に勧告等の行政措置の規定がございます。一方、従来にない非常に大きな緑地をとらせるというような措置でございまするけれども、これを強力に推進いたしますためにも、第十四条、十五条に緑地の確保等環境施設の整備に対します税制その他の助成措置の規定が置いてございます。
#212
○田代富士男君 いま運輸省と通産省のお方から御説明をいただきましたが、これも時間があればお尋ねしたいことがたくさんありますが、四時までということでございまして時間がほとんどありません。だから私は私の意見を述べたいと思いますが、この港湾関係には大阪の南港に野鳥公園をつくっております。こういうことはよその港にも一応参考にもなることじゃないかと思うんですね。また通産省のいま御説明がありましたとおり、政府が工場立地法を提案してございます。新しく建てられる工場等にはそれが適用されるかわかりませんが、既存の工場の中におきましても緑というものを中心といたしまして、そういうことに適するところがあるならば、どんどんとそういう問題点も適用をしていただきたいことを、これを私は希望として申し上げておきたいと思います。
 それでこれはお尋ねをしたいと思いますが、緑の問題につきましては林野庁でもいろいろ御苦労なさっていらっしゃいますが、緑、緑といいましてもやはり苗木の問題が根本じゃないかと思いますが、苗木の問題に対しましてどのような現在の状況になっているのか、その点ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#213
○説明員(松形祐堯君) 緑化用樹木がたいへん需要が増大いたしまして、それに対応した生産も次第に増加いたしております。しかし御承知のとおり、少なくとも緑化用樹木となりますと六、七年以上かかるわけでございます。したがって、需要に生産が追いつかない。したがって、一部不足しているという樹種が出てまいっております。しかし私ども次第に生産も増大いたしておりますが、需要に対応しました計画的な生産というものが少なくとも六、七年かかるということでございますから、この計画を計画的に進めるということが大事でございます。したがって、四十八年度から新たに緑化用樹木の計画的な生産指導という補助金を各県に回しまして、そこで計画的な生産指導を行なうという予算措置をいたしました。
 また同時に、日本緑化センターという政府出資の財団法人を計画いたしておりまして、八月、来月発足いたすことにいたしておりますが、その中で私ども生産情報と需要情報とをセットいたしまして、計画的な生産あるいは需要供給というものを把握し、提供いたしたいということがございます。同時に、先ほど来いろいろ問題になっております緑化センターにいたしましては、モデルの緑化計画、つまりいろんな工場立地の関係とかあるいは都市内のものあるいは埋め立て地の緑化とかいろいろタイプがございまして、三十ぐらいのタイプに分けておりまして、これを年度的に分けましてモデルの展示、モデル林をつくってまいりたい、そのようなことを含めまして日本緑化センターを来月スタートさせるつもりでございます。また同時に、国有林がこういう提供することもまた必要なことでございますので、四十八年度は約五億円余りをつぎ込みまして、五十万本ぐらいの緑化樹を生産いたすつもりでございます。
#214
○田代富士男君 もう時間がございませんから最後にお尋ねいたしますが、いま林野庁の説明では、供給量が現在のところ絶対的に不足であるということは、もうこれは端的な事実じゃないかと思うんです。そうしますと私は、心配になることは、いま運輸省あるいは通産省から説明をいただきまして、この工場立地法あるいは港湾法の改正の中にも織り込まれてそういうことが計画されておりますけれども、提供する苗木が不足した場合にはこれは計画倒れになるんじゃないかというその点に対してどのように考えていらっしゃるのか、運輸省あるいは通産省からお願いじたいと思います。
 それと林野庁に対しての私の質問ですけれども、先日来大企業のいろいろなものに対する買い占め等が行なわれまして、その苗木もそういう投機買いのあおりを受けまして、買うにも買えないということが一部に伝えられております。そういうような買い占め等が苗木に至るまで行なわれている。これに対しましてどのように対処していかれるのか御答弁を願いまして私の質問を終わります。
#215
○説明員(大久保喜市君) お答え申し上げます。
 港湾におきましては、港湾の整備の主体が港湾管理者でございます。それで私どもといたしましては先生御指摘のように、最近のいわゆる苗木の需要の増の見通し、こういう点からいたしまして、何といいますか、苗木の奪い合いみたいな事態の出現もおそれられるものでございますので、現在港湾管理者が具体的な実施の計画をつくっている状態ではございますけれども、港湾管理者をよく指導いたしまして関係各方面との十分な連絡と調整をはかりまして、やはり最も急ぐところから必要な苗木の確保ということをしますように指導してまいりたいと考えております。
 なお、港湾関係の港湾環境施設整備という観点になりますというと、苗木も潮風に強い樹種ということになろうかと思いますので、そこらの、そういう樹種の苗木の確保につきましては、やはり林野庁はじめ関係各方面の御指導、御協力、御援助をいただいて管理者が必要なものを確保できるように指導してまいりたいと考えておる次第でございます。
#216
○説明員(平河喜美男君) お答えいたします。
 先生の御指摘のとおり今後工場の緑化を進めてまいります際に問題となりますのが樹木の供給でございます。特に従来の観賞を中心にいたしましての庭園木と違いまして、工場の緑化に必要なのは、その地に適しました工場の緑化という従来の目的と違ったような種類の木が必要になります。そういう質的な問題もございます。こういう問題につきましては、今後林野庁さんをはじめ関係省庁と連絡を十分とりながら体制を進めていきたいと思っております。
#217
○説明員(松形祐堯君) 先ほどお答え申し上げましたように、緑化用樹木が少なくとも六、七年から十年かかる。私ども高い木――高木と称しておりますが、これがやはり不足しているという現実はいなめないと思うわけでございます。したがいまして、現在私どもが生産指導いたしておりますものは、山に立っている山引き苗を主として養成するように指導いたしておるわけでございまして、山の緑を里に移動さすというような気持ちで指導いたしております。一部商社の買い占めがあるというようなうわさも私どもも実は聞いて心配いたしておるわけでございますが、苗木の生産業者を分けますと、従来から苗木を生産しておったグループと、それから従来から山を経営しておりましたパルプ業界、これが一つの生産者のグループになっております。もう一つは、米作のための転換でございますが、農地のそういう水田でなくなったことに対して農協等を中心といたしました生産者というものが新しいグループとして大きく伸展いたそうとしておるわけでございます。したがって私どもは従来からそういうふうに生産いたしておる者、あるいは農協等を中心といたしました協同組合的な生産というものを推進いたしてまいりまして、しかも先ほど申し上げました緑化センターを通じまして正確なる需要と供給の情報があるならば、この価格の暴騰とかあるいは買い占めというようなものも防げるのではないかというようなことで、せっかく八月を期しましてこの緑化センターをつくることによりまして、あるいはそういう生産指導をすることによりまして、この買い占め等の防止に努力してまいりたいと思うわけでございます。なお、通産省あるいは建設省とも、この緑化センターの設立に際しましては、いろいろ御相談して進めているところでございます。
#218
○田中一君 短く質問しますから短く答弁してください。
 この法律第三条の三つの項目が、ここで当該地域と形態というものになっております。そのうちの三の風致と景観の定義はわかりましても、これはどんなものをさしているのか、いわゆるこれは客観的にこれが風致あるいは景観だと、すぐれた景観ですぐれた風致だということを、どういう点からこれを評価しようとするのか、それをまず最初に――だれがいいかな、提案者、吉田君、君でいいかな、まあ伺います。
#219
○政府委員(吉田泰夫君) 新しい緑地保全地区の要件の一つに、「風致又は景観がすぐれており、」云々という項目がございまして、これについて具体的にどういう点を評価して指定基準とするのかというようなお尋ねかと思います。私どもこの「風致又は景観がすぐれて」いるという、この要件の意味は、植物の生育状況であるとか、あるいは特異な地形地質を持っているとか、あるいは良好な水質であるとか、そういった目に映る景色あるいは眺望といった要素、それに加えまして川のせせらぎとか、ススキの原とか、こういった、見る人がその景色を通じて感受する趣といったようなものまで含めまして、そういった、要するに自然的な条件が特に他の地区に比べて緑地保全地区として指定するにふさわしい、またその必然性のあるというような傑出した内容を持っている、こういうことを考えている次第でございます。
#220
○田中一君 そういう地区をきめるための審議会をつくって、その審議会がきめるというんですか。それとも事業主体であるものがその主観できめるんでありますか、これいろいろあるんです。また、それが非常に人間の生命に危険を招くような景観もあれば、風致もあるわけなんで、それでそういうものは全部主観的な要素が入っているんですね。このはっきりしたところの定義はないわけですね。いわゆる感じ方の問題ですね。それで大ぜい相談するでしょうから、大ぜい、多数がいいと言えばいいんだと、こういうことですね。一つの景観というもの、すぐれた景観というものに対して十人でどうしようかと言った場合に、九人が、あるいは八人がいいと言ったらいいことにしようじゃないかということになるわけですね。個人個人の主観が集まったもんだということですね。どうなの。
#221
○政府委員(吉田泰夫君) この緑地保全地区は、都市計画として定めますから、法律的にも当然各県に置かれております都市計画審議会にかかる。審議会は、もちろん複数の審議委員を集めておりますので、そこできめる、きめ方いろいろあると思いますが、いろいろ主観にわたる評価も含んだこのような要件につきましては、やはり少なくとも……。
#222
○田中一君 もうわかったからいい。そうすると、結局主観だと言うんですね、それを評価する人の、個人個人の主観が、すぐれた景観なり、すぐれた風致になるわけですね。何かはっきりしたものさしがあるんですか。
#223
○政府委員(吉田泰夫君) それは数量的にずばりと出るものさしというものはなかなかないと思います。しかし、単純に主観かというと、それは万人が認めるものもあるでしょうし、まあ万人とまでいかないけれど、大多数の人が非常に美しいと見るというような、やはり主観の集まりとはいえ一つの客観性があるようなものがこの要件に当たると、こう考えます。
#224
○田中一君 その結論はあとにしましょう、それじゃ。
 道路局長、道路法の中でこれらしきもの、いま提案されておる法案らしきものが――道路法上の中、それから構造令の中、この両方の中でもって、このらしきものを見出すことが現行法でできますか。たとえば分離帯には必ず植樹をしろとか――構造上ですよ、これは。構造上ここの地点にはどういうライトの遮断樹木をつくれとか、いろいろあるでしょうけれども、そういうものがどれくらいに評価されているか、ひとつ説明してください、現行法の道路法上あるいは道路構造令の中で。
#225
○政府委員(菊池三男君) いまの道路法あるいは道路構造令におきましても、たとえばいま先生のおっしゃいました分離帯なりあるいは歩道等に、こうこう、こういうものをつけろという付置義務と申しますか、そういうものは、道路法のほうにも、道路構造令にも直接はございません。ございませんけれども、ただ御承知のように、中央分離帯等につきましては、幅が二メートル五十以上あるようなところには、原則としてやっておりますし、また歩道のほうも、幅のある道路には植樹等をやっておりますけれども、そういう義務的に構造令できめるということにはなっておりません。
#226
○田中一君 河川局長は。
#227
○国務大臣(金丸信君) 河川局次長が来ています。
#228
○田中一君 現行河川法の中で、いま道路局長の答弁と同じような形の、この法律に該当する何らかの――景観でもいいし何でもいいや、こいつはね。たとえば相当大きな大河、大きな川の中州があると、中州に、いまから二百年といわれているほこらが一つあるのだというものが景観として残されていると、また、ここにある――伝承といったかな、「伝承若しくは風俗慣習」なんというものの記念のものがあるというような場合、これに対するところの河川法上の法律の規定というものが現在ありますか。また、河川法並びに河川法に関連するところのその他の法律の中にありますか。
#229
○政府委員(川田陽吉君) お答え申し上げます。
 河川法のたてまえという方面から御説明申し上げますと、河川は道路と違いまして、先生御承知のように、自然工作物という性格を持っております。したがいまして、個々の河川によって川幅の違いとか、また河川の中における高水敷の態様とか、まあ非常に種々さまざまな態様を示しておりますので、原則的にそのような、道路構造令のように完全に一定の規格というものを示しておりませんが、たとえて申し上げますと、例の河川の占用基準というようなものから逆に判断いたしますと、多少の高さ、大体一メートルぐらいの灌木等についてはむしろ積極的に高水敷の中に植えることも認められるという、そういう消極的な姿勢でございます。また現実的に河川敷の中に、先生一つのたとえという意味で仰せになられたかと思うのでございますが、大木なんか残っている例がありやなしやとの御下問に対しましては、現実的にやはり残っているような例も私はあると思っております。ございます。
#230
○田中一君 堤防の上にかつては隅田川にしても土手に桜が植えてあった。いまは堤防に樹木を植えるということは認められておりますか、おりませんか。
#231
○政府委員(川田陽吉君) これも昔の考え方と現在の考え方につきまして、これは一つの想定にすぎないのでございますが、人工による築堤の技術が進んでいなかった時代に、桜を植えるとそこを人が花見や何かで通って踏み固められて堤防が転圧されて強くなるというような考え方で植えたのではないかとか、また、あるいはもっと自然を愛する日本人のほんとうの天性の問題としまして、土を盛って露出しているようなところはやっぱり景観上もよくないから、芝も張り、木も植えると、そしてそこを付近の人もみんな楽しむというような考え方もあるいはあったのかもしれません。ただ現在の河川局の伝統的な考え方といたしましては、堤防の天端そのものに大きな木が植えられるということにつきましては、強い風が吹いたとき、また長雨で堤防がうんだときにちょっとした風が吹いても相当堤防自体の強度が阻害されるという考え方で、堤防の本体そのものに大きな木を植えるということは、これは完全に否定するという考え方でございます。
#232
○田中一君 近代の築提は全部そうなっていると思います。
 そこで、吉田局長に聞きますが、隅田川、かつてあそこに桜がうんと植わっとって、維新前から明治にかけては非常にいい景観であり、風致であったということなんです。これは局長も幼いときに見たことが――もっとも若くて知らないか、これは何かで見たことが、にしき絵ででも見たことがあるでしょう。そうすると、景観とか風致とかというものに対する考え方というものをもっと明確にしなきゃならぬです。私は、どうでもいいといえばどうでもいいんですよ。どうでもいいといえばどうでもいいけれども、法律にする以上明定しなければならぬと思うんです。
 もう一つ聞いてみます。河川局に聞きましょう。たしか川中島は千曲川だったな。千曲川の例をとりましょう。あそこに川中島という島があった。この島があるために、せんだってもNHKか何かがテレビでやったというのであそこはたいへんな、新しく生まれた伝承と申しますか、あるいは名所になった。これはつくられた名所でしょう、きっと。しかし歴史の上には、川中島の戦いといって、上杉謙信と武田信玄との一騎打ちもあったということになっておる。いまどうなっておりますか。私は一ぺんあそこを車で通ってみました。どうにもならない。ああいうことがはやったのでは、河川そのものがこわれてしまうのです。どうにもならない。したがって河川一つをつかまえても、その中に部分的には伝承、遺跡等のここに列記されている条件に合っているものがございます。たとえば石狩川、これ北海道の人いると思うけれども、石狩川の上流に神居古潭という名勝地があります。これは非常に狭窄地です。これは動かしたほうが石狩川の治水の面においては何とかしたほうがいいというくらいに狭窄地です。しかし、これはなかなか大きな石がごろごろしておって、なかなかいいところです。これは伝承されるアイヌの神様がおったというところだと思うのです。しかし、河川治水の面から見ると、とんでもない問題があるのではなかろうかと思うのです。吉田局長、この場合は、それ見るというときにはどちらを優先するか。どちらが優先するのかということです。もう一つ、北海道に旭川から入って、例の温泉、層雲峡、あそこには国道が入っております。何といったか、層雲峡の大函、小函、この地点などは最近は落石が少ないそうであります。落石が少ないそうでありますけれども、これは落石がある。その場合に、これは名勝地である、これはここに該当するところであるといってきめられるかどうかという問題。
 まだあります、道路の面でいうと。高知県だったかな、これは必ず落石がある地点があるのですが、落石があるから名勝になっているのです。わざわざ、道路を遮断しておらない、通るようにしてあるのです。あぶないときには、雨が降ったからあぶない、通らぬでくださいよと、警告だけしてある。落ちるのがまた一つの景観としてわざわざ見にいく人もある道路がある。したがって、ここに、ただこの三つの項目があるから、これに対してこれを指定できるのだという考え方であっては、非常に大きな主観が入るから間違いが起こるのではなかろうかと思うのです。ということは、道路管理者の面からいけば、こういうところは人を通さぬでくれ、車を通さぬでくれというところもあります。車を通さない道路が必要な時代になっている。たとえば、この法律にあるところの都市緑地保全という面から見れば、車を通さぬことが必要になってくる、こういう地点もあるのです。したがって、この定義だけでは不十分であるということを言いたいのです。これが一つ。
 それから、これは衆議院においては各党一致で通った法律でありますから、少しはいやみは言いますけれども、何もしいてこれは反対するものではございません。ただ、問題があるということです。
 最後に一つ指摘したいのは、なぜ、われわれの住んでいる社会環境のあらゆる生存生活というものの中の一つの現象をとらえて単行法をつくらなければならぬかということです。拾ってみますと、五カ年計画という事業計画を持っているものが十一あるのです。その極端な例は十カ年計画もございます。これはいわば単年度予算で遂行する事業ではありますけれども、これは五年なら五年という長期の計画のもとにこの仕事をするんですよというきめ方をしているわけなんです。そうすると、一体だれに向かってそういう意思表示を、建設大臣はしているのか。国民に対して、これは下水道工事にしても二兆六千億でもって五カ年間でこれをやりますよ、こういうことを国民に宣言しているのか、だれに宣言しているのか、二兆六千億円という五年間の金は確保しますよと。しかし、予算は単年度に出てまいります。そうして、場合によれば、何といいますか、国庫債務負担行為で一つの資金を確保するという形をとっている、一体何だろうかと思う。建設大臣、だれに向かって、こういう五カ年計画をたくさんつくるんですか、十一もありますが、だれのために、何のために五カ年計画をつくるんですかと、至上命令である限り、国民に対する政府の義務である限り、当然五カ年と言わずに、もっと長期でも短期でもはっきりした建設事業としてのたてまえをとるべきであると思うんです。建設大臣、一体五カ年計画というものを三年か三年半で更改して持っていくという、この五カ年計画の持っていき方というのはどういう発想から出たのか、大臣おわかりなら、大臣に説明してもらいたい。そして、わからなければ、ケース・バイ・ケースで違うでしょうけれども、主計官から聞かしていただきたい。なぜ五カ年計画という事業計画の形態が生まれたのかということです。私は私なりに戦後ずっとやっておるものですから理解しておるんですけれども、あなた方の口から一ぺん説明してほしいと思う。
#233
○国務大臣(金丸信君) 五カ年計画が三年で終わりになるという例はいままで間々あるわけでございますが、これは経済成長の関係とか、そういうようなことで、あるいは、国民の需要があまりにも多いということで、これはいままでの五カ年計画ではこの国民の希望を満たすことはできないということで改定する。しかし、経済基本計画の変更というような問題がいままでの変更の主体ではなかったかと、私は考えております。
#234
○田中一君 道路整備五カ年計画は、第七次五カ年計画がついこの間通りましたね。三年ごとで、二十一年やっている。二十一年やっていれば、二十年の整備計画を立てて一向にさしつかえないと思う。あるいは五十年の長期の治水計画を立てたって一向さしつかえない。それで、主計官のほうに一ぺん聞きますが、あなた相当若くもなさそうだから覚えているでしょう。
#235
○説明員(藤仲貞一君) お答えいたします。
 田中先生の御指摘は、五カ年計画といいながら、三年ぐらいで改定している例が多いのではないか、こういう御指摘であろうかと思うのでございますが、公共事業の長期計画をなぜつくるかと、こういう点につきましては、やはりこれは私から申し上げるまでもなく、社会資本の整備ということが非常に急務であろうと、こういう観点から長期的な展望に立ちまして、計画的に施設の整備を実施していくと、そのためには何年にしたらいいかという問題がございますけれども、五カ年という期間を一応とりますれば、五カ年の間に整備すべき施設整備の目標を設定し、また、この間に実施すべき事業の量を決定いたしまして、かような長期的な展望のもとに毎年毎年の予算編成におきまして、必要な額を計上しているわけでございます。しかしながら、わが国の従来を顧みますると、非常に経済成長がハイテンポでございまして、社会経済各般の変化というものが非常に激しい、こういうようなことから、やはり毎年毎年の予算編成に当たりましては、国民の意識の変化であるとか、あるいはまあその他一般の社会経済事情の変化ということを勘案いたしまして必要な額を計上する、こういう過程におきまして、やはり結果的には五カ年で実施すべきであるが、三年とか四年で終わるというような事例も出てまいっているのではなかろうかと思うわけでございます。
 それで、私から申し上げるまでもなく、五カ年計画はそういうぐあいに長期的な展望に立って計画的に事業を実施していくという、こういう意味があります反面、またその執行に当たりましては、やはりそのときどきの経済財政事情、そういうものも勘案いたしまして、弾力的にやはり実施していかなければならないと、こういう面もあろうかと思うわけでございます。一応私からはこの程度の答弁でごかんべんいただきたいと思います。
#236
○田中一君 五カ年計画というものが三年でできた。二年半でできたということに対して批判しているのではない、けっこうな話ですよ。けっこうな話というのは、五カ年計画でやったのでは、五カ年分の下水道が二兆六千億ですね。あれがもう三年目に使い果たしてしまいましたということになるから、新しいものをつくろう、新しい計画を立てようということなんでしょう。そうすると、主計官向きの法律なんだ、財政当局向けの法律なんです。みんな五カ年計画、五カ年計画、調べてみると十一あるんです。これはあなたのいま言っている社会資本として、国民の生活の面に、国民の幸せの面に対して、これが投資される金なんです。主計官という職務上の権限はどこからどこまであるのだかひとつ教えてください。
#237
○説明員(藤仲貞一君) 非常にむずかしい御質問でございまして、私も何とお答えしたらいいのかわかりませんけれども、私どもこの予算の編成の仕事に携わっておりまして、もちろんこれは国庫大臣としての大蔵大臣の権限に属することでございますけれども、私どもは主計局の一員といたしまして、私の場合は公共事業及び建設省関係の予算を担当しているにすぎませんが、その予算編成の中におきまして、みずからの担当のところの予算の編成、あるいはそれに関連するいろいろの事項に関与している、こういうのが私どもの任務であろうかと思います。
#238
○田中一君 予算要求がございます。これは五カ年計画をもって予算要求をすれば、これは大ワクはきまっているから、その中で、ことしはこの仕事をこうすると、これはわりに文句なしにつきますね。予算づけができますね。主計官、そうでしょう。ないとなかなかそうはいかないのじゃないかと思うのです。それでどうしても先取りをしておかないとうまくいかない。こっちでこれはとっても、またこっちのほうでもってやられちゃ困るからというようなことが、毎年毎年の予算編成の際に起きている現象ではないかと思うんです。これはあなた方の主計官が正しくて優秀ならそう言うだろうと思うんです。実施官庁のほうでは取りさえすればいいのだ、何でも取りゃいいのだ、こういう気持ちで、ほんとうに消化できるかできないかわからないようなものさえ要求するからチェックするのかもしれません。私は役人したことがないからそういうことわからない。ただ五カ年計画というのがたくさんある。
 名ざしで申し上げておる、いまの都市緑地保全法そのものが五カ年計画に全部織り込めれば問題がないんだ。これは社会資本なんだ。社会に対する投資なんだ。十カ年計画おおむねそうなんだ。この中で解決されるのは、行政指導で解決されるというのだ、これが残っておるのだ。なぜ単行法をつくらなければならぬか、これはどこを向いてものを言っているのかわからない。これが疑問になってきた、こんなにいろんな形の公共事業が流れております。これも公共事業の一つです、今度の保全法も。社会に入り込んでいろんなぐあいに流れてわれわれの生活というものを、われわれの生命というものを守ろうとしている。社会資本というものはそのうちの一つなんです。保全法というのもまた一つなんです。しかし十一あるところのこの法律の問題は行政指導で行なうならばできること、法律の要らないことなんだ。法律以前の問題なんです、十一の問題は。先ほど田代委員が言った、する気がないからできないのじゃないか、そのとおりなんです。だけれども、する気は、こういう仕事をしようと思うけれども、そんなものはあなたのほうにありませんよといって、主計官からこれがないと相当金がとれないから、やっぱり明記をしてくれないと困るのだということで法律案がつくられた。藤仲さん聞いておいてください。こういうことなんです。
 水資源公団では、せんだって法律が成立しました例の水源地の環境の確保、現在やっておりますと言うのだ。ああいう法律は必要ないですと、露骨に言えばですよ、水資源公団はその必要ございません、現にこのとおりやっておるんです、土地がないといえば土地を心配します、うちがないといえばうちも建ててます、何でもしているんです。じゃ、なぜ法律が必要なのか、どうしてもこれをしなければ水没地の国民が納得しないからと言うけれども、納得しないのじゃない、納得させないのだ。というのは満足する答弁を出さなければならぬ。あの法律はだれに向いているかというと、金を出すほうの側を向いて法律をつくられておるのじゃないか。同時にその金をもらうという任をしておる。現在水資源公団としてやっておる。補助率は多少違っております。しかし補助率の問題じゃない。実体論として必要な金は出しているんです。憲法に保障されている補償をしているんです。補助率もくそもありゃしません。憲法で保障されておる、私有財産権できめられておるところのものを補償しているわけなんです。
 したがって一つの現象をとらえて五つも六つもこういう法律をつくるということは一体どうなのかということなんです。これはけさ道路局長に聞いてみました。そうすると、分離帯に対する植樹なんというものは法律上ございません、構造令上においてもございません、しかしやっておりますと、こういうことなんです。しかしやっております――これはまあ社会の情勢はそれを認めざるを得ないという現実であり、金を出すほう、金を出すほうというのは大蔵省ですよ、金を出すほうも当然それは出すべきだという認識のもとにこれを認めているということですね、植樹なんというのは。道路法上に植樹なんてないじゃないか。これは前から持っておるところの交通の何とか何とかという法律のほうにありますからこれを出しているのだという道、流れの道をつくらなければ金が出ないなどというこの感覚は天皇制時代の政治のあり方なんです。
 今日の民主国家になっているわが国の現時点においては、もっと在民主権であって国民の声でもって金など流れてくるはずなんです。かつてここにわれわれの仲間でも建設省の官僚であった同僚議員もおりますが、この方たちじゃありませんよ。かつて聞いたことがあるのは、何といってもわれわれの立場というものは、大蔵省からわれわれが必要な資金が一日も早く完全に流れてくることがまず戦いの一つだということを言って嘆いてた人がありました。それはどうしてかというと、このように十幾つもの五カ年計画をつくらなければスムーズに流れてこない。自衛上だ。職務をほんとうに真剣にやるためにはこういう立法も必要だということになる。そうすれば一つの傾向は、スムーズに流れてくる傾向はなくなってくる、と同じように、この保全法も行政指導でできるはずのものでありますと私は言いたいんです。国民にこういうものをつくって緑が国民に返ってきますよと、こういう宣伝をしておるけれども、政治に対する自己不信から国民が信頼しないだろうというところから法律をつくるということになる。よい政治、よい行政をしていればそんなことは心配しません。そういう点で非常にこういう単行法を出して、次々と出して、五カ年でこれだけやります、第三次五カ年計画、第七次五カ年計画、五カ年でもって積み上げてこうもやってくれりゃと……。そうでない形があるということで、これを指摘して伺っているんですが、一体、公共事業というものは単年度の予算編成じゃなくて、長期の予算編成にするというかまえ方が私は必要ではないかと思うんです。継続工事というものを十年、五十年つくってもいいじゃありませんか、と私は思うんですが、これは建設大臣どうお考えになりますか、建設大臣として。あるいはあなたが総理大臣になった場合にはどう考えますか、いかがです。
#239
○国務大臣(金丸信君) 先生の申されていることも一つの考え方だと思うんですが、私は非常に激動しておる社会情勢、経済状況の中で二十年、五十年という一つの計画というものは計画倒れになるんじゃないか、むしろ五カ年というような一つの目安のほうが確実性がある、こういうふうに思います。
#240
○田中一君 金丸さん、あなた総理大臣になった場合どうですか。
#241
○国務大臣(金丸信君) 総理大臣になる間違いはありませんから、そのほうの心配は要らぬと思うんですが、先生の考え方も一つの考え方だろうと思うのですが、私はただ五カ年計画を三年で変えるとかいうようなことについては、いま少し探求して不動なものに予算計画というものを立てるべきだという考え方を持たされるわけでございますが、しかしその不動な計画のもとにつくり上げてみても、現在のような激動する経済情勢の中では変えざるを得ないという場面もあるのじゃないかと、こう私は思います。
#242
○田中一君 これはひとつ私の意見ですから……。
 環境庁のほうに伺いますが、この法律ができないと、あなたのほうでは、現在お考えになっている方向が実施できないというように考えておりますか。それとも、やりゃできるのだと、いま私が申し上げたように、何でもやる気になればできるのだという考え方に立っておるかどうか、その点を伺います。
#243
○政府委員(首尾木一君) 私どもの所管をいたしております自然環境保全法がございまして、これは昨年国会を通していただきまして、ことしの四月から施行になっておりますが、これの附則の第二条におきまして、「政府は、良好な都市環境を確保するために必要な自然環境の保全のための制度についてすみやかにその整備を図るものとする。」という規定がございまして、今回の土地緑地保全法は、この二条を受けまして立法されたものというふうに考えておるわけでございます。
 これの経緯でございますが、昨年、私ども自然環境保全法を立案いたしました際に、これは従前、自然公園法といったような、主としまして私どもの所管をいたしておりましたのが、わが国を代表するような傑出した自然の景観の地域その他国定公園でございます――それに準ずる国定公園でございますとか、あるいはまた都道府県立の自然公園でございますとか、そういったような自然公園というものを中心とした自然保護の体系でございましたが、これではとてもわが国の現在の自然環境の保全ということには不十分であって、やはり広く自然環境として保全すべき地域を広く残していく必要があるというところから、この自然環境保全法を制定いたしたのでございますけれども、当時一つの大きな問題といたしまして、やはりそういった、端的に申しますと山の地域でありますとか、海の地域でありますとか、人の少ない地域のそういったような自然の環境の保全ということだけでなくて、もっと都市の近くにあります、日常生活に最も関係の深い、そういうところにおける自然環境の保全ということが非常に重要だということでございまして、私ども当初におきましては、この自然環境保全法の中で、そういう地域を設けるということの提案をいたしたわけでございますが、検討いたしました結果、やはりこの地域の付近というものは都市計画と一体といたしまして、やはり都市計画と関連をして、このような地域を守っていくということが全体的に適当であるというような結論になりまして、当時、建設省においてもそのようなことで、この法律のもとになるような原案を検討されておったわけでございますが、そのようなことで、この附則におきまして、次の通常国会には必ずこの法案を提出するということで、当時、自然環境保全法の政府原案を固めた経緯があるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、やはりこの都市緑地保全法というようなものは成立をいたしまして、自然環境保全法、自然公園法その他自然の環境を保全する法律と相まちまして、わが国の自然環境の保全ということが行なわれることが最も望ましいことである、というふうに考えておるわけでございます。
#244
○田中一君 ただ、これ買い取り請求にこたえるために、予算は一億五千万ですね、これは該当する予算として。そうだったね、吉田君。君、さっき田代君に、ずいぶん関連する予算がこれだけあるというのは、あれうそなんだね、みんな。よその仕事のことなんですよ。よその仕事を言っているのですからね。この法律に対しては、一億五千万円しかない。五千万円だね、補助はね。そうでしょう。たった五千万しかないのですよ。だいぶうまいことを言われていたよ、田代君は。時間がなかったからだけれどもね。よその関係の金をみんな入れたら、そうするとあれ七、八十億になっていたな、もっと二百何十億というのになっている。たいへんな金だったですね、やってみると。そうじゃないのですよ。こんなもので満足するのですか、環境庁は。
 いいですか。買い取らなければならぬところがたくさん出てくるのですよ。たとえば、工場あと地の問題なんかも、これは結局買わなければならないわけです。それは、東京都なら東京都あるいは何々市が買う、関心があれば買うし、なければ買わない、こういう形でもって一つの法律をつくって、全く羊頭を掲げて狗肉を売るのです。国民をだます。なるほど、かりにこの需要が、東京都、自分の資金でやりましょうけれども、数十億になったといったら、それは工場あと地の買収の金でもってこれをお買いなさいといって別の予算がありますけれども、緑を市民に返すという形のものにはないのです、そういう金は。したがって、これはもうこの次に採決するのだそうでありますけれども、それまでに実際に何年――これもおそらく五カ年計画ぐらい出てくるのだろうと思うけれども、何年でどのくらいのものが実体論として金が必要なのかということを、都市局長、君、調べて、この採決までに出していただきたいと思う、推計でいいですから。五千万程度の、四十八年だったら、どこで何をしようというのですか。たった五千万ですよ、これ。これをひとつお願いしておきます。
 それから沖繩開発庁に伺いますが、先年沖繩復帰のときに、沖繩復帰の国会がございました。このときにもずいぶん、私は党のほうから六時間の質問をしてくれというから、六時間の質問の準備をしていたところが、五十分でもうよくなったというので五十分にしたことがあるのですよ。そのときに、究極何を言いたかったかというと、沖繩に自然公園法の適用をして、緑地保全地域の網をかけてくれという要求だったのです。佐藤総理にも言いました。私は網をかけてくれと言ったわけです。沖繩の、この沖繩を自然公園法の緑地保全地域として網をかけてくれ、その時期に、もはやずいぶん買われているのです。週刊誌等にもずいぶん出ているのです、大部分買われていると。ピースの箱、一坪一坪買っているなんということも出ていました。現在の法律でたいした時間をかけずにできるのが、法律があるのです。現行法があるのです、たくさん。それを野方図にうっちゃっておいて、もう日本の国土をばらばらにしてしまって、めちゃくちゃにしてしまって、破壊してしまって、そうしてあの法律この法律といって、そんなものじゃ間に合うものじゃないのです。
 ずいぶん長い間その問題やかましく言っているのですよ、道があるではないかと。なるほど、自然公園法は厚生省の所管です。そうして沖繩県というものは、国民一億をこえているところの内地というか本島、何というのですかね、この四十六都道府県の働く者、労働者の保養地として残せといって要求しているわけです、ぼくはあれを。海洋博くそ食らえだ。そんなものじゃないというのです。あの日本唯一の自然の環境というものは、そのまま残すべきである。博覧会なんか必要ありませんと言うのですよ。そんなことよりも大胆なことを言いました。現在、九十六万人いるそうでありますが、三十六万人内地に呼ぼうではないか、六十万人程度の人たちがあそこで平和な暮らしができるから、それを考えた行政をやったらどうかと、もうこん然一つに解け込もうじゃないかと。そうしたら、総理は、ぼくに、屋良主席に話してくれぬかという話もありました。
 こうして沖繩県が現在どうなっているか。まだ間に合う道があろうと思いますが、いまこそ何とかしなきゃならぬです、沖繩に対しては。沖繩の島々を守る手があるんですよ。なるほど建設大臣のほうの自然公園法は所管でございません。それで都市緑地保全法は、これはあなたの所管になるんだから、これはできるんだと言うけれども、何とかしてこの唯一の緑ときれいな海がある――これも汚染されつつあります、これを、日本民族の保養地として取り戻すことに努力していただきたいんです。これは建設大臣、お願いします。
 いま全日空、往復でもって五万か六万かかりますが、飛行機というやつは三分の一乗ればペイするのです。三分の一よりふえれば、あと利益になるのが航空料金であります。だから、満杯で行けばもうけ過ぎてしようがないから、沖繩への飛行機賃は特別に半分なら半分にする、往復二万円ぐらいにすればいいんです。そのかわり満ぱい満ぱいでいく。あそこを観光地なんという考え方を持つことは、沖繩県民に対する侮辱です。沖繩県民が、日本の昔からの仲間に、これだけきれいな自然の土地を残してあったと、みんな来いと、これに感謝しながら行くということにならなければ迎えられるものじゃないのです。ところが、いまはむちゃくちゃであります。岡田さん、どうなっているか、説明していただきたいと思うのです。
#245
○政府委員(岡田純夫君) 御承知のとおり、沖繩には現在二百八十平方キロ前後にのぼる本土並みの米軍の施設区域がございます。そういったようなことから、都市公園その他につきましても、非常に本土にも及ばない、本土も都市公園等では世界的な水準からいきますというと低いほうでありますけれども、それにもはるかに及ばないというふうな状態でございます。また、先生がおっしゃるように、逆にその沖繩本土周辺の海洋ないし七十前後になりますところの島嶼を見ますというと、非常な自然環境のすぐれたものがございます。したがいまして、これにつきましては、立法上は、最近制定されましたところの自然環境保全法、これの的確な活用と申しますか、施行と、それから都市公園法でございますとか、あらゆる現行法規を活用いたしてまいります。それから県におきましては現在県会でやっておりますが、そこで自然環境保全条例を提案いたしまして、この中で自然環境の保全地域でございますとか、それからあるいは緑地保全のための地域といったようなことを進めておりまして、これにつきましては開発庁と絶えず連絡をいたしておりまして、またそれの今後の円滑な推進につきましては、十分当年として応援してまいりたいと、かように考えております。
 海洋博につきましては、現在それらを含めまして振興開発計画をいたしておりますけれども、県のほうから、原案におきまして、海洋博を含めまして北部のリゾート地域を観光開発の拠点として、沖繩の国際的にも恵まれたところの地域の発展の基礎にいたしたいというふうな思想でございまして、それを受けまして現在振興開発計画をセットしております。振興開発を進めながら、周辺の自然環境の整備保全ということを積極的に進めてまいりたい、かように考えております。
#246
○田中一君 これはもう沖繩本島は、基地があれだけあるんですから、いまになればやむを得ません。本島はやむを得ません。本島はすぐ手がつかないでしょう。各島は全部凍結することです。手を触れちゃいかぬと凍結することです。自然公園法の緑地保全区域として全部凍結さすことです。これをしないところに問題があるんです。各島々の基地も何も全部凍結してしまう、現状を変えちゃいかぬと。これぐらいのことができない。それじゃ沖繩県民は復帰しても決してしあわせじゃないですよ。私は、喜屋武君ここにおって言うんですけれども、そういうものじゃない、まだ打つ手が幾らでもあるじゃないか、まだ間に合う。こうしましょう、ああしましょうじゃないんです。国がきめるんです、国が。そして凍結さして、県民が必要ならば、徐々に凍結を解いていけばいいんです。県議会で必要ならば解いていくんです。これは私、喜屋武君から一ぺん勉強して教えてもらわなければならぬことがたくさんあるんですが、これは国に当然要求しなければならぬものである限り、開発庁なども、そんなあいまいなことを言わないで、国の出先機関じゃありませんか、あなたのほうは。せめて全島嶼を凍結する、必要によれば解除していく、これを、この法律の審議にあたって一番重要な問題ですから伺ったんです。したがって、私これでやめますけれども、こうした単発的な法律をどんどん出して、当然該当する同じものに対して、あの手この手でもってがんじがらめにするのでなくて、もっと幅広く公共事業というものの中に織り込んでいるところの、道路行政にしても、道路建設にしても、河川にしても、あらゆる面があります。その場合に、かかる緑地保全ということが付置義務であるということが通念として行政の中に定着することが望ましいのであります。それで初めて国民がこれに対して深い理解を持つということになるはずであります。これだけ申し上げて、質問を終わります。
#247
○委員長(野々山一三君) 本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめ、これにて散会をいたします。
   午後五時九分散会
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ソース: 国立国会図書館
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