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1972/04/17 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 逓信委員会 第7号
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1972/04/17 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 逓信委員会 第7号

#1
第071回国会 逓信委員会 第7号
昭和四十八年四月十七日(火曜日)
   午後一時十九分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月三十一日
    辞任          鈴木  強君
 四月三日
    辞任         補欠選任
     塚田十一郎君     玉置 猛夫君
 四月十七日
    辞任         補欠選任
     松本 賢一君     鈴木  強君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長        茜ケ久保重光君
    理 事
                今泉 正二君
                古池 信三君
                森  勝治君
    委 員
                植竹 春彦君
                迫水 久常君
                白井  勇君
                西村 尚治君
                鈴木  強君
                横川 正市君
                木島 則夫君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  久野 忠治君
   政府委員
       郵政大臣官房長  廣頼  弘君
       郵政大臣官房電
       気通信監理官   舘野  繁君
       郵政省電波監理
       局長       齋藤 義郎君
       郵政省人事局長  北 雄一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹森 秋夫君
   説明員
       日本電信電話公
       社総務理事    三宅 正男君
   参考人
       日本放送協会理
       事        坂本 朝一君
       国際電信電話株
       式会社取締役社
       長        菅野 義丸君
       国際電信電話株
       式会社取締役副
       社長       坂野  學君
       国際電信電話株
       式会社常務取締
       役        新川  浩君
       国際電信電話株
       式会社常務取締
       役        増田 元一君
       国際電信電話株
       式会社常務取締
       役        木村 光臣君
       国際電信電話株
       式会社常務取締
       役        有竹 秀一君
       国際電信電話株
       式会社常務取締
       役        米田 輝雄君
       国際電信電話株
       式会社取締役   大島信太郎君
       国際電信電話株
       式会社取締役   古橋 好夫君
       国際電信電話株
       式会社取締役   小池 五雄君
       国際電信電話株
       式会社取締役   鶴岡  寛君
       国際電信電話株
       式会社取締役   宮  憲一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に
 関する調査
 (国際電気通信事業に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(茜ケ久保重光君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る四月三日、塚田十一郎君が委員を辞任され、その補欠として玉置猛夫君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(茜ケ久保重光君) 参考人の出席要求についておはかりいたします。
 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査のうち、国際電気通信事業に関する件について、国際電信電話株式会社の役職員を参考人として本日の委員会に出席を求め、その意見を徴することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(茜ケ久保重光君) 異議ないと認め、さように決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(茜ケ久保重光君) 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。
 まず、国際電信電話株式会社の事業概要について、国際電信電話株式会社取締役社長から説明を聴取いたします。菅野参考人。
#6
○参考人(菅野義丸君) 国際電信電話株式会社取締役社長菅野義丸でございます。
 本日はまことに貴重な時間をいただきまして、会社事業の概要につき御説明申し上げる機会を得ましたことを深く感謝いたしますとともに、平素当委員会の委員長はじめ各委員の先生方から格別の御指導を賜わっておりますことにつきまして厚く御礼を申し上げます。
 当国際電信電話株式会社は、本年四月一日をもちまして創業二十周年を迎えることができましたが、おかげをもちまして社業は順調に伸展し、わが国の国際通信サービスはいまや世界最高の水準にまで引き上げられ、国民の皆さまに安心して御利用いただけるように相なりました。
 御承知のとおり、世界の国際電気通信は、衛星通信、海底同軸ケーブル、あるいはまた散乱波通信等、通信技術の急速な進歩発展に伴い、在来の短波無線通信時代から広帯域通信時代へと移行し、創業当初には想像もできなかった豊富で良質な回線の設定が可能となり、現在では電報、電話、テレックスはもちろんのことテレビジョンの伝送、データ通信等、多種多様なサービスを提供できるように相なりました。
 当社は、今後とも世界各国との国際通信網の拡充整備につとめますとともに、日進月歩の技術革新と情報化社会の進展に対応するために、なお一そう、たゆまざる研究と真剣な企業努力を重ね、創業二十周年は創業ゼロ年であるという決意のもとに、国民の皆さま方に信頼できる、便利で、身近な国際通信サービスを提供いたしたいとかように念じておるのでございます。
 つきましては、ここにまず、最近一年間の事業概況について御報告申し上げたいと存じます。
 昭和四十七年度における設備の拡張改良計画のうち、おもなものといたしましては、衛星通信の関係、国際通信センター及び那覇国際電報電話局の建設、中央局設備の拡充等がございます。
 第一は、衛星通信の関係であります。
 昨年九月、田中総理大臣が中国を訪問されましたが、この歴史的実況をテレビでなま中継をするためと、日中間通信の拡充強化をはかるために、北京に可搬型の小型地球局を設置いたしまして、太平洋上の衛星を経由する通信回線を設定しました。これによってテレビジョン伝送業務のほか、衛星による電報・電話の取り扱いを開始いたしました。同地球局は、首相訪中後も引き続き運用されており、日中間の国際通信サービスは格段の向上を見るに至りました。
 また、長年の懸案でありましたインテルサットつまり国際電気通信衛星機構の恒久化協定が本年二月十二日を期して発効の運びとなり、名実ともに世界組織として、その実体にふさわしい活動ができるようになりました。
 第二は、国際通信センターの建設等であります。当社は、かねてより新宿新都心地区に地上三十二階、地下三階、延べ十二万六千五百平方メートルの建物を建設中でありますが、建設工事はきわめて順調に進捗し、本年七月中に上棟式を行なう予定であり、明年六月末には完成の運びとなっております。また、昨年五月の沖繩復帰に伴い、当社は、沖繩の国際通信関係の業務と要員を引き継ぎましたが、これに対応して、那覇国際電報電話局の局舎を建設するため、本年一月工事に着工いたしました。その規模は、地上六階、地下一階、延べ四千九百平方メートルで、明年一月末に完工の予定であります。
 第三は、中央局設備の拡充であります。国際通信需要の伸びに対処するため、かねてより運用の自動化につとめてまいりましたが、昨年度は国際加入電信の全自動化設備を大幅に増設いたしますとともに、新たに、国際電話発信自動化のための諸設備を設置いたしました。
 国際電話の全自動化につきましては、日本電信電話公社の協力を得て、長年にわたり諸準備を進めてまいりましたが、いよいよ、本年三月から運用を開始いたしました。現在のところ東京、大阪、名古屋の一部の加入者の方々を対象として、米本土、ハワイ、西ドイツ及びスイスあての通話を取り扱っておりますが、逐次、国内の利用地域と外国側対地を拡張していく予定であります。
 なお、全自動化に伴いまして一分一分制料金を採用し、御利用者の便をはかっております。
 以上のほか、通信非常障害対策関係の設備等、昭和四十七年度の当社事業計画に計上いたしました諸設備の拡張改良計画は、おおむね順調に実施をみておる次第でございます。
 続いて、昭和四十七年度の営業概況について申し上げます。
 取り扱い業務量の実績でございますが、昨年度は円の変動相場制への移行、米ドルの切り下げ等通貨制度に大きな変化がありましたが、日本経済の発展を背景に、各業務ともおおむね順調な伸びを示しております。年度明け早々で確定的な数字は申し上げられませんが、年度末の見込みを主要業務別に概数で申し上げますと、国際電報五百三十七万通、国際加入電信七百六十九万度、国際電話四百二万度でありまして、特に、国際加入電信及び国際電話につきましては、前年度比それぞれ三一%、四一%と著しい増加を示しております。
 次に、経理の概況について申し上げます。まず、昭和四十七年度上期の収支状況は、営業収益二百二十七億円、営業費用百七十一億円となりまして、これらに営業外収益、営業外費用及び特別損益を加減いたしましたこの期の利益は、三十四億円と相なっております。四十七年度下期につきましては、まだ確定的なことを申し上げる段階にないのでありますが、おおむね順調な決算ができるものと見込んでおります。資産の状況につきましては、四十七年九月末現在におきまして、資産の総額は七百三億円でございまして、そのうち、流動資産は二百九十二億円、固定資産は四百十一億円となります。一方、負債総額は二百三十三億円で、そのうち、流動負債は百二十九億円、固定負債は三十億円、引き当て金は七十四億円となり、したがいまして差し引き純資産額は四百七十億円となっております。
 なお、昨年九月三十日払い込み完了で、倍額増資を行ないましたので、新資本金は百三十二億円と相なりました。
 続いて、昭和四十八年度事業計画のおもな事項につきまして御説明申し上げます。
 四十八年度の国際通信需要は、通貨調整等による対外貿易への影響もあろうかと存じますが、わが国経済の発展、国際交流の活発化等を反映し、総体的には依然として増加の傾向を示すものと思量いたしております。したがいまして、このような需要に対処するため、本年度も前年度に引き続き各種国際通信設備の拡充整備につとめ、通信サービスの一そうの改善をはかる所存であります。
 すなわち、当社の四十八年度の設備計画といたしましては、国際通信センターの建設工事を引き続き推進するほか、電話交換設備やデータ伝送設備、加入電信交換装置、その他国際航空データ業務等の新規サービスのための諸施設及び中央局通信設備の拡充につとめ、また、通信回線の新増設、衛生通信、海底ケーブル施設の拡充、営業関係通信設備の整備、通信非常障害対策、新技術の研究開発、訓練設備の拡充等を推進することとし、これらに要する経費といたしまして約二百三十三億円を予定しております。
 このうち、対外通信回線につきましては、さらに大幅な拡張をはかることとし、加入電信回線百二十四回線、電話回線百六十二回線をはじめとして、電報回線、専用回線等総計三百六十八回線を新増設する計画であります。これが実現いたしますと、当社の対外回線数は全体で約二千回線となり、国際通信サービスは、一そう改善向上を見ることに相なると存じます。
 次は、営業所設備の拡充でありますが、お客さま方の御利用の便をはかるため、京都サービス・ステーション、新東京国際空港内及び東京シティ・エア・ターミナル内の両分局の新設を予定いたしております。
 衛星通信、海底ケーブル施設の拡充整備につきましては、インド洋上のインテルサットIV号型衛星の本格的運用開始に備え、山口衛星通信所設備を改修するほか、新太平洋ケーブル計画に所要の投資を行なうことにしております。
 なお、日中海底ケーブルの建設につきましては、さきに来日された中国海底ケーブル技術視察団と話し合いを行ない、さらに郵政大臣と鍾夫翔電信総局長との間で協議が行なわれましたが、今後は、政府御当局の御指導のもとに、これが実現に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、懸案の東南アジア海底ケーブルの建設につきましても、早期に実現するよう努力いたしたいと考えております。
 通信非常障害対策につきましては、東京関門局の被災時における通信の途絶を防ぐとともに、機能の一部を分散し回線網の通信度を高めるため、昭和五十年度使用開始を目途に新大阪国際電話局の建設工事に着手することといたしております。
 また、新技術の研究開発につきましては、広帯域海底ケーブル中継方式、画像通信方式、ミリ波通信方式等に重点を置いて行なってまいります一方、新技術の円滑な導入をはかるため、各種訓練設備を拡充し、職員の能力開発及び資質向上訓練を行ないたいと存じております。
 最後に、昭和四十八年度の収支の見込みについて申し上げます。主要業務の需要量を国際電報五百十一万通、国際加入電信九百二十八万度、国際電話五百三十二万度と見込みまして、この予測のもとに収入につきましては約五百四十四億円、支出につきましては一そう経費の効率的使用につとめることとし、約四百七十三億円を予定いたしました。
 以上非常に簡単でありますが、事業概況につきまして御報告申し上げましたが、何とぞ、今後とも一そうの御指導、御鞭撻を賜わりますよう、よろしくお願いいたしまして私の報告を終わります。ありがとうございました。
#7
○委員長(茜ケ久保重光君) それでは、これより質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
#8
○鈴木強君 本日は、たいへん御多用の中を、菅野社長、板野副社長以下関係のKDD役員の皆さんにおいでをいただきまして、ありがとう存じました。
 最初に久野郵政大臣にお尋ねをいたしますが、いま菅野社長の事業説明の中に出てまいりました日中海底ケーブルの建設につきまして、さきに鍾夫翔電信総局長が来日されましたが、そのとき基本的な事項に対する了解ができ上がったと聞いておりますが、いまの社長の説明の中には「行なわれましたが、」と、こういうのでありまして、どういうことがやられたのかよくわかりませんが、その点、最初に御説明をいただきたいと思います。
#9
○国務大臣(久野忠治君) 御承知のとおり、先般、私が招請状を中国に発送いたしまして、中国の鍾夫翔電信総局長をお招きをいたしたわけでございます。そうして技術的な面あるいは各方面の御視察をいただきながら、当事者間においていろいろ問題点について話し合いを行ないました。その結果、最終的に四月二日の午後、郵政省において私と鍾夫翔電信総局長とで会議を持ちまして、日中海底ケーブルの布設についての合意をいたしたわけでございます。
 その合意の内容の主たるものを申し上げますと、まず第一点は、日中電気通信関係の改善の強化。それから第二点が、日中ケーブルの基本的な事項。それから第三点につきましては、総局長から訪日が大きな成果をあげたことの評価と感謝のことばがございました。第四点は、私に対して早急に北京へお越しをいただきたいという招請があったわけでございます。
 この四点につきまして合意に達したわけでございますが、第一の日中電気通信関係の改善強化、この項目につきましては、やはり両国の友好親善関係を進める上においては何としても電気通信網の整備を一刻も早くやらなければならないという基本的な態度について、数項目にわたって合意をいたした次第でございます。
 そこで、お尋ねの日中海底ケーブルの布設に関する基本的な事項についての合意点は六項目に分かれておるのでございます。
 第一は、目的でございます。それは日中通信に使用するとともに、第三国通信にも使用することを目的としてケーブルの早期完成を期するとともに、容量についてもこの目的に沿い得るようかなり大容量のものとするというのが目的でございます。
 第二点は、建設・保守・運用協定の当事者でございます。これは日本側は国際電信電話株式会社いわゆるKDDが当たる、中国側は上海市電信局を指定する。
 第三点は、陸揚げ地点でございますが、中国側は上海地域を予定するとおっしゃいました。日本側はまだ未定であると、かように申し上げました。そうしてこの陸揚げ地点につきましては、両者の間でいろいろ協議をいたしまして、最終的に話を詰めようということにいたしたわけであります。
 第四点は、費用と所有関係でございますが、原則として投資は折半にする、所有も折半にする。それから回線の割り当て等具体的事項については、引き続き協議をするということにいたしました。
 第五は、調査、設計、工事等でございますが、これは共同の責任で実施することにいたしました。
 第六点は、建設の時期でございますが、当事者協定締結後三年前後で完成を予定しよう。なお短縮でき得るよう協議を続ける。
 この六点について、合意点に達したような次第でございます。以上が日中海底ケーブルについての話し合われました具体的な内容でございます。
#10
○鈴木強君 基本的な問題でございまして、特に陸揚げ地点ですね、これは上海を中国側は主張されたわけですが、日本側としては、中国の上海から日本のどこかということに大体なるでしょうね。それはどうなんですか、その上海地域というのはどういう意味でございますか。これは日本がまだほかの地域にしてほしいということで協議は続けるわけでございますか。日本側としてはどういうふうになるんですか。
#11
○国務大臣(久野忠治君) 中国側はもう上海を予定しておりますとはっきり言明をしておられますので、この地域になるものと私は考えております。
 日本側の陸揚げ地につきましては、当初沖繩、鹿児島、長崎、このような地域が候補地としてお互いに話し合われておるわけでございますが、しかしこの選定につきましては、技術的な見地からこの選定を行なうべきであるという考え方に立っておるような次第でございまして、これはやはり両当事者間の技術者の間で海底等の調査も行なわなければなりませんから、その結果、日本側の陸揚げ地を決定しようということに相なったような次第でございます。
#12
○鈴木強君 この協定をされた基本事項につきましては私も大体賛成でございまして、御苦労さんだと思いますが、まず日中間の国交回復は通信からと大臣おっしゃるとおり、文化、経済すべての先駆的な使命を果たすのがこの通信でございますから、そういう意味で今後ともさらに御精進をいただいて、一日も早く日中間に海底ケーブルが布設され、同時にまた全体の通信関係がより改善されて、友好がその面からも深まりますようにお願いをしたいのでございます。
 つきましては、久野郵政大臣が先ほど四つの点について合意されたという中の四つ目ですね、中国側があなたを招待したということですが、伺いますと、鍾夫翔電信総局長の招きで久野郵政大臣が四月二十八日から五月七日まで十日間、中国を御訪問なさる予定と伺っておりますが、これはまことにけっこうなことでございまして、われわれも心から御成功を祈るわけでございますけれども、これは本ぎまりになったのでございますか。
 それからもう一つは、いまお述べになりました基本事項のほかに、今回参りまして具体的にどういうふうな御相談をなさるのか。建設、保守、運用、これらの問題に対する基本的な協定締結ということが残されていると思うのでございますが、そういった面を含めて、今回あなたが参りました際に結論的な話がまとまるのでございましょうか、出張の目的と申しますか、そういう点を含めてお聞かせいただきたいのです。
#13
○国務大臣(久野忠治君) ただいま私の北京訪問につきまして具体的に日時をお示しをいただきまして、たいへんありがたく、御理解をいただきましたことについて感謝を申し上げる次第でございます。
 しかし、ただいま国会開会中でございますので、国会の承認を得ませんと私は出張することができないわけでございます。でありますために、いろいろ手順を進めておるわけでございますが、今日まだ国会の承認を得るという段階にまでは至っていないわけでございまして、四月二十八日に出発は予定いたしてはおりますが、しかし最終的に決定したという日時ではないということでございます。
 北京に行って何を話しするんだということであろうかと御質問の内容を推察申し上げるのでございますが、両国政府間で何らかの形で記録をとどめたいということが中国側の強い要請でございます。これにつきまして、やはりわれわれといたしましては、これはアジアの地域におきまして初めて、しかも五百回線に近いような大容量の海底ケーブルを布設することになるわけでございますから、何らかの形で政府間において記録にとどめるような文書に署名捺印することはでき得ないものかということについて、関係当局との間で具体的にいろいろ御協議をいただいた次第でございます。これは主として外務省でございますが、その協議の結果、中国側とも相談をいたさなければならないわけでございます。でありますから、私は幸いにして国会で御承認をいただきまして訪中をするということであるならば、政府を代表いたしまして、ただいま申し上げましたような書類の上で何らかの記録をとどめるという形をとりたいと私は思っておるような次第でございます。中国側は非常に強い要望を持っておられますので、この点について、私の訪中の目的はここにあるということを御理解をいただきたいと思うのであります。
 それから保守、運用その他につきましては、ただいまお話を申し上げましたように、両国が共同してこれを行なうわけでございますが、しかしこの事業は非常な大事業でございまして、これはただ単にKDDと中国との当事者間だけでこの問題を解決するということはなかなか困難であろうと思いますので、皆さんの今後ともの御鞭撻と皆さんの御協力を心からお願いを申し上げたいと存ずる次第でございます。
#14
○鈴木強君 大臣、こういう点ですね、一、二具体的に承っておきたいんですが、鍾夫翔さんとのお話の中で、目的が日中間の通信のみならず、第三国の通信についてもこれを使用する、こういうふうなお話し合いができたそうで、これもまたまことにけっこうな話でございますが、いまお話しのように、五百回線を収容できるような大容量の回線であるということも伺いました。そうなりますと、これが建設費がどの程度になりますか、私もまだよくわかりませんけれど、と同時に太平洋の第二海底ケーブルですね、これもまた国際電電としてはどうしても解決しなきゃならないことだと思いますが、と同時に、われわれが長年意見を述べてまいりました東南アジアへの海底ケーブルの布設、こういうこともあるわけでありまして、そうなりますと、建設資金の面でもかなり私は問題が出てくるように思うんでございます。
 特に、日中間の場合には、事情が御承知のような事情でございますから、政府としてもかなり積極的に建設資金調達の面における御配慮をいただかないとむずかしいような気もするわけですね。ですから、そういう点を十分踏まえた上でいらっしゃるんだと思いますけれども、もっと端的に言ったら、たとえば太平洋への海底ケーブルと今度でき上がる海底ケーブルとが有機的に接続をされていくようなことも考えられると思うんでございます。これはもう将来またいろんな形の中に出てくると思うんですけれど、そういうものまで含めて、とことんまでお話を私はしていただきたいと思うんでございますけれども、そういう中で、ひとつ建設資金の面では国のほうもかなり前向きで積極的に御配慮をいただかないといけないんじゃないかと思うんですけれど、この辺に対する考え方はありますか。
#15
○国務大臣(久野忠治君) 御指摘のとおりでございまして、この日中海底ケーブルというのは、これだけにはとどまらないのであります。そこで両者で話し合いをいたしました際に、容量については、従来いわれておるような小容量のものではだめだ、これは大容量のものにすべきだというので、五百回線近い容量に合意をいたしたような次第でございまして、御指摘のように、この日中海底ケーブルを軸にいたしまして、南へ伸びまして東南アジアケーブルにこれを接続する、それから第二太平洋ケーブルを一刻も早く布設をいたしましてこれに接続をする、こういうことのためにはやはり日中海底ケーブルの容量は大きいものでなければならぬという考え方に立って協議を重ねましたところ、幸いに中国側も当初の考えと変わりまして、この大容量について合意を見たような次第でございます。
 建設費用につきましては、専門家のお話を伺ってみますると、日中海底ケーブルについては約六十億円程度の経費がかかるというお話でございます。これを両国で折半して事業を行なうことになるわけでございますが、しかし、こうした具体的な問題等につきましては、やはり今後両国の関係者の間で具体的に詰めていきませんと、早期着工ということにはならないわけでございまして、幸いにして私が北京を訪問し、向こうの関係者とお話し合いをする際に、何らかの記録をとどめるような合意がなされるならば、それを契機にいたしまして、KDDと上海市電信局との間に実務的な協定を結んでいただきまして、そうしてその実務協定ができますと、事業着工ということになるわけでございます。こういう手順が踏まれるわけでございますので、ぜひ今回は国会の御了承を得て北京を訪問したいと、かように考えておるような次第でございます。
#16
○鈴木強君 それからもう一つ、インテルサットの恒久化協定が発効をいたしまして、かなりすっきりした姿になったわけですけれど、中国は、先般田中総理の訪中の際に、地上局もつくってインテルサットの星を使って通信をやられたわけでして、この点はソ連とは違うと思うんですけれど、しかし、もし今度行かれたときに、中国側が衛星に対してどういうふうな考え方を持っておられるか、その点を少し突っ込んで話をしてみていただけないでしょうか。
 私が三年前にソ連に行きましたときに、モルニヤとこのインテルサットの関係もいろいろ話しましたけれども、なかなか向こうはわれわれが望むような形にはすぐまいらないように私は伺いました。その後、オブザーバーで御出席をいただいていろいろと慎重に配慮はしているようでございますけれど、やはり基本的な考え方が若干違うように思いますからこれはむずかしいと思うんですけれど、共産圏の中でもちょっと変わった立場にあるソ連と中国ですから、そういうこともこのインテルサットの面なんかにはあるいは出てくるかもわかりませんが、それはそれといたしまして、一応せっかく地上局も設置をし、あのときの機械も日本から持っていっておるようですから、そういう意味では完全にインテルサット側に入っていると思うのでございますけれど、そういう点もひとつ打診をしておいていただきたいと思います。
#17
○国務大臣(久野忠治君) 御指摘の点は、当然これは話し合わるべき事項の中の重要な点だと私は思うのでございます。インテルサット協定のことはさることながら、私は鍾夫翔電信総局長とお話し合いをいたしました際に、日中間で協力をし合って――これは非公式の話し合いでございましたが、ひとつ赤道上に静止衛星を打ち上げてみようではありませんかという具体的な提案までいたしたのでございます。これに対しまして総局長は全く賛成だとおっしゃってみえました。でありますから、やはり通信衛星、放送衛星等いろいろございますが、こうした両国間がともに技術的に協力し合って、通信網の整備拡充に、海底ケーブルにとどまらず、協力し合おうという話し合いが当然私は進められるものと、かように思っておるような次第でございまして、御指摘の点につきましては十分留意をいたしまして、鍾夫翔電信総局長と話し合ってみたいと、かように考えておるような次第でございます。
#18
○鈴木強君 もう一つ、設備技術の面でございますけれど、日本の通信技術というのは世界に負けないだけのものを持っていると思います。中国側が今日どのようなタイプ、型式の通信機械を持っておられるのかよく私もわかりませんですが、これはひとつ非常に近い距離にありますし、日本の新しい通信技術に対して中国側が欲するものがあるならば、これを早く中国側からも出していただいて、そうしてこれに日本の技術陣営が協力をあらゆる角度からできるような、そういったこともひとつ考えてほしいと思うんです。そういう意味において忌憚のない意見の交換をしていただきたいし、なかなか具体的に通信設備そのものを、大臣行かれて、全部見せていただけるかどうか私わかりませんけれども、国内のあれだけの広大な地域における通信でございますから、非常に最新式の通信技術とまたかなりおくれた通信機種とあるかもしれません。そういう点もひとつ有無線にわたって通信技術の面で何を中国が望んでおるか、こういう点はひとつ率直に伺ってきてほしいと思います。
#19
○国務大臣(久野忠治君) その点につきましては、鍾夫翔総局長が私にもうすでに具体的なことを指摘しておられるのでございます。
 その内容の一、二を申し上げますと、いままで私はヨーロッパへ数回参りましたと、こうおっしゃってみえました。鈴木委員御承知のとおり、あれだけの大型のロケットを打ち上げる技術を開発されたんでございますから、やはり相当電子科学の面において、電波技術の面において進んだ技術が取り入れられておるものと私は推定をいたします。そうでなければ、あれだけの大型のロケットの打ち上げは私は不可能であろうと思うんでございます。ところが、このようなヨーロッパを数回見聞をしてきたが、やはり日本へ来て、今度皆さんの御案内で各所を見学し、また技術についてのお話を伺いましたが、全く驚嘆をいたしました、ヨーロッパの技術よりも数等進んでおるだけでなく、おそらくアメリカよりも日本のほうが進んでおるのではないでしょうかと、そういう感想を、最後に羽田をお立ちになりますときに、私に漏らしてお帰りになったのであります。だからぜひひとつ日本のこの進んだ電波技術とわれわれの技術とが結びついて、そうしてアジアの通信網の改善はもとよりのこと、そのことによってアジアの平和を確立するための一助にしたい、こういうようなことを私に、非公式ではございましたが、漏らしてお帰りになったような次第でございまして、ただいま御指摘の点につきましては十分配慮いたしまして、話し合ってみたい、かように存ずる次第でございます。
#20
○鈴木強君 では次に、会社のほうに若干伺いたいんですが、先ほど菅野社長から事業概況の御説明をいただきました。KDDは本年四月をもちまして創業二十周年を迎えたのでありまして、御説明によりますと、社業は順調に伸展をいたしておるようでありまして、またサービスも世界最高の水準に引き上げられたということで御同慶にたえません。これはこの二十年間歴代の社長はじめ全職員の皆さんが一生懸命に努力をされ、精進をされた結果だと私は思いまして、あらためて感謝と敬意をささげたいんであります。
 ところで、もう一つこの機会にわれわれが忘れてはいけないのは、わが国の国際通信サービスの歴史というものがございます、これをやはり回顧することではないでしょうか。明治四年に初めてデンマークのグレート・ノーザン電信会社がウラジオストクと長崎間、七百七十六海里の間に、また長崎と上海間、これは四百九十三海里でありますが、それぞれ海底電信ケーブルを布設したときに始まっておるんでありまして、以来ここに百一年の星霜をけみしてきているのでありますが、この間、会社移行後二十年を除きますと、八十一年の長きにわたってわが国の国際通信というのは終始国営の独占事業として運営されてまいりました。そうしてそこには数多くの先輩の人たちが、いまの人たちと同じように、より以上に不断の努力を続けられて、そのことが私は今日の隆々発展をした基礎をつくっていただいたことであると思うのです。ですから、これらの人たちに対する感謝の念を忘れないで今後もがんばっていただきたいと思います。
 それで、やはり私は会社設立の当時のことを回顧いたしますと、電気通信省から、国際部門が会社に、国内が公共企業体と、こういうふうに移行してまいったのであります。当時、会社移行に対して反対の強い意見もありました。しかしその反対意見をどうかすると押し切った形で会社に移行したのもこれは事実であります。ですから、それだけになかなかむずかしい事業であったと思いますが、そのときに提案理由の中に述べられておったのは、国有国営より以上によきサービスを提供するためには会社のほうがいいのだということでありました。そのことが今日、社長のおっしゃるように世界最高の水準にまでサービスが向上したということであれば、会社移行の意義も私はあったのではないかと思うのでございます。しかしまた一面克服しなければならない点もあろうかと存じます。ですからそういう点を克服して本来の基本的な、提案理由の説明に述べられたような、よりりっぱな国際電気通信事業というものが発展をしていくためにはくふうが必要ではないかと思うのであります。
 その際に、何といっても全職員が一体になってふるい立って仕事についていただく、こういう体制をつくることがもう絶対必要であります。いかに社長、幹部が優秀でありましても、どんなにりっぱな計画を立案されましても、これを実施する全職員が理解と納得をして協力してくれなければこれはだめだと思いますね。そういう意味で労働組合に対する基本的な社長以下幹部の姿勢の問題、これもたいへん大事なことだと私は思うのでございます。時ちょうど春闘の時期にも入っておりまして、昨年来の不況からさらにいまでは心配するような過熱状態に傾向も変わってきております。物価も最近はもうたいへんな暴騰をいたしておりまして、いま国民からひんしゅくを受けているようなああいう六社の買い占め、売り惜しみ、それによって騰貴を起こし物価が上がっていくというような、もうければどうなってもいいのだというような、そういう間違った自由主義の道を破ろうとする人たちが出てきておる。このことが政治に対する大きな私は不信にもなっていると思うのであります。したがって労働組合としては、この物価高を克服し、さらにより多くの努力を事業の発展のために、さらに今後の拡充のためにささげようとするならば、待遇改善を要求することもこれまた当然だと思うのです。ことしもおそらくベースアップの要求が組合からも出ていると思います。この要求については、労使間のことでありますから、私はここでは内容については一切差し控えますが、誠意をもって、会社の財政その他も十分にひとつ考えていただいて、許す限りひとつベースアップを実現してやっていただきたい。そして全職員が社長のもとに一丸となって、さらによりよい国際通信事業発展への道を歩むことができますように、その成果を獲得することができますように、がんばることができますように、この問題も積極的に最大の力を入れて解決をしてほしいと思いますが、基本的な考え方だけを社長から承っておきたい。
#21
○参考人(菅野義丸君) 私ども現在会社を預かっておるものに関しまして、ただいまの鈴木先生の御意見はほんとうに身にしみてありがたく感ずるのでございます。
 本年、当社は二十周年を迎えたのでございますが、その前にその何倍という歴史があることもよく承知しておりまして、私は先般、シベリア経由日欧通信百年祭にコペンハーゲンに参りましてそれにも参列いたしましたし、また先般長崎に参りまして、発生の地もつぶさに視察して当時を思ったのでございます。またその間非常に御苦労をなさったたくさんの方々の恩恵に対しまして、いささかなりとも感謝の意を表する意味におきまして、先般の二十周年記念には、従来三十年勤続の方々にしか感謝状を出しておらないんですが、ことしから四十年以上電気通信事業に御努力なさった方に感謝状を差し上げるということまでいたして、われわれの微意を表したような次第でございます。
 当社ができます二十年前に法律ができ、またその法律に基づいて当社の設立趣意書というものが出ておりますが、それを見ますると、とにかく今後の日本というものは経済的にも文化的にも国際活動をしなければ生きていけないんだ、その基本になるのは国際通信である、しかも諸外国に比べて日本の国際通信の技術程度が非常におくれておる、一日も早くそれに追いついて同じレベルに行かなきゃならぬ、それには機動的に弾力的に運営ができる運営がいいんだというようなことが書いてございます。その目的は確かに達せられたように思います。しかし技術というものは日進月歩で、一日も油断ができないのでございまして、私どもは常に先進国におくれないように、あるいはそれにもまさるようにと、研究その他を進めておるわけでございますが、実際は施設の整備ということも非常に大事でございますが、それにも増して大事なことは、先ほど来先生がおっしゃいました人であります。
 私はその点について非常にうれしく思いますことは、諸外国を旅行しまして、いつも話に出るのは、当社のサービスのしかたでございます。これはここではっきり申し上げますが、世界のいかなる先進企業体のサービスに比べても、わが社の従業員の親切、ていねい、間違いのないということについては定評を得ておりまして、これはまさにほんとうにわれわれ、わが社の五千二百人の職員のおかげであると常に感謝しておる次第でございます。
 当社の短い歴史ばかりでなく、百年にわたるこの国際通信の歴史から見ましても、機器も大事であるけれども、それを動かすのは人であるという人間尊重の精神が一貫して流れておるのでございまして、私どもはそういう先輩の立てましたいい方針をモットーといたしまして、今後もそのつもりでもって、従業員あってこそのほんとうのサービスであるという点については認識を高めていきたいと、かように思う次第でございます。
 待遇その他につきましても、私どもはできるだけのことを毎年やっております。決してほかの同じような会社に対して遜色のない待遇をということを考えまして、組合とも懇談をいたしまして、できるだけのわれわれ努力をいたしまして、待遇改善あるいは福祉の充実ということに努力しておる次第でございまして、今年もただいまいろいろと話し合いをしている最中でございます。ただいま仰せられました趣旨は十分に体して、今後会社の経営に進みたいと思います。一言申し上げておきます。
#22
○鈴木強君 社長の基本的な御方針はよくわかりました。それでなかなか労使関係というのはむずかしいものでございまして、それだけに近代的なセンスとそれから異常な努力をいたしませんと、やはりなかなかむずかしい点が出てくると思いますから、世界一いいサービスができたわけですから、ほんとうに世界一いい待遇をしてあげるというのが筋だと思います。したがってそういう思想に立って今後も労使間の問題について社長の一段の御決意で努力していただくように重ねてお願いをしておきます。
 それから、この中にもありますように、四十六年の十二月十六日でございましたか、取締役会で増資のための新株式の発行をきめたのは、そうでございますね。それで千三百二十万株、これを発行されておるのですが、これは順調に消化をされておると思います。特に割り当て方法でございますけれども、昭和四十七年七月三十一日午後三時現在の株主名簿に記載された株主に対し、その所有株式一株につき新株式一株の割合をもって割り当てるという方針をとられたようですが、申し込み期日である昭和四十七年九月二十日までに何株かの引き受けをしないというような、そういうのがありましたでしょうか、どうでしたでしょうか。
#23
○参考人(鶴岡寛君) お答え申し上げます。
 ただいまお話のように、私ども極力全株を引き受けていただくように努力をいたしましたが、こういう際の一つの何といいますか、避けることのできない、いわゆる引き受け未済というものも若干出ております。それは率にいたしまして、一般の会社の引き受け未済に比べますと大体約半分の程度でございまして、パーセンテージにいたしましてほんの一、二%の程度でございます。さような状況でございました。
#24
○鈴木強君 そのわずか一%ないし二%の引き受け未済で済んだようですが、それの株式の処分方法というのはどういうふうになさいましたか。
#25
○参考人(鶴岡寛君) それは商法にも定めております手続を踏み、また一般の会社の増資の際の慣習にもよりまして公募をいたしまして、その公募価格は引き受け最終日の一週間前の平均価格でございます。そのような価格を割り出しまして、それをもって証券会社を通じて一般に公募いたしました。
#26
○鈴木強君 私は増資株式の扱い方については非常に問題があるように思っているのですが、時間の関係でこれは本来そこにあるわけではありませんからはしょりますが、当時たしか国際の一株五百円の株式が五千円ぐらいの相場でしたね、これはたいへんなものだと思うんですね。ですから、もしこれが市場に出回っていく場合には、五百円の金を出した人が四千五百円もうけるという、そういう事態が時価売買になりますと出てくるわけですね。幸いというかどうかわかりませんが、KDDの場合には大体株式取得者がほとんどコンスタントになっておりますね。一般の持ち株というものは非常に少のうございました。それで私も少し勉強したいと思いますから、資料でけっこうですから、昭和四十七年九月三十日現在の株式所有者数というのが資料を見ますと七千七百六十三名になっておると思います。この方々が千三百二十万株ですか、持っておられるように思うのですが、この株式の所有者が銀行七十八、公社は一つでわかります。あとは一般と役員及び従業員となっておりますが、できましたら銀行名を資料でけっこうですから後ほど出してもらいたいと思います。それが一つですね。
 それから、最近上場されている国際の株価はどれくらいになっておりますか、二千数百円でしょうか。ごく最近のところを、いい値のところを、どのくらいになっておりますか。
#27
○参考人(鶴岡寛君) 昨日はいわゆるできずでございましたが、大体二千九百円前後のように承知しております。
#28
○鈴木強君 資料は。
#29
○参考人(鶴岡寛君) 資料は銀行名をさっそくに提出いたします。
#30
○鈴木強君 それから昨年九月末現在の資本金を見ますと、倍額増資をいたしまして、資産総額が七百三億円になっておりました。一方、いま社長御説明のように負債が二百三十三億円になっております。このうち流動負債が百二十九億、固定負債が三十億、それから引き当て金が七十四億となっておりまして、差し引き正味資産が四百七十億というふうになると思います。
 そこで、流動負債のうちですね、一年以内返済の長期借り入れ金、これは額が少ないんですが、四百三十九万七千五百十四円、一年以内償還の社債、これが六億六千四百九十万円ございます。この一年以内に返済の長期借り入れ金と一年以内の償還の社債のこの流動負債はどういうものですか、ちょっと教えてもらいたい。
#31
○参考人(鶴岡寛君) まず、一年以内返済の長期借り入れ金から申し上げますが、これは昭和二十九年から三十四年にかけまして住宅金融公庫から職員住宅建設資金の一部として総額一億九千五百万円を借り入れたわけでございます。そして四十八年三月末現在におきまして、四千五百余万円ほど返済して、残高が一億五千余万円に相なっております。これは毎月元利の均等償還をいたしまして三十五年間に返すことになっております。そのうちの一年以内に返済するものをここに掲げたものでございます。
 なお、次の一年以内償還の社債につきましては、御案内のようにアメリカから三十七年、三十八年の両年度にかけまして総額二千五百万ドルを社債の形で金を借り入れたわけでございます。そのうち現在までに千六百万ドルが償還済みで、残高は九百万ドルに相なっております。その償還の方法は毎年二回、六月と十二月に百万ドルずつ償還をしておりますが、その償還の本年の六月分と十二月分、結局百万ドルずつでございますから合わせて二百万ドル、それをここに計上しておるという、そういうことでございます。
#32
○鈴木強君 これは太平洋ケーブルの布設のときに借りた借金ですか。
#33
○参考人(鶴岡寛君) そのとおりでございます。
#34
○鈴木強君 これは一ぺんに返すということはできないのですか。
#35
○参考人(鶴岡寛君) それは当時の契約におきまして、若干の罰金と申すと語弊がございますが、そういうものを払いまして償還することはできるようには相なっております。しかし御案内のように、資金事情等のこともございまして、私どもといたしましては当初の契約どおりの昭和五十二年六月に全額償還をしたいと、そのように考えておるわけでございます。
#36
○鈴木強君 相手方との約束ですから、にわかにやぶから棒のようなことはいけないと思いますが、現在のような国際通貨の時期ですから、早く払えばそれだけ得じゃないですかね。ですから罰金少し払ってもそのほうが得だったらそれをおやりになったらいいですよ。そしてたとえ何ぼでもその面からメリットがあれば、そういう道を選ぶべきだと私は思いますね。ひとつこれは検討してみてくれませんか。
 それから九月三十日現在、これも資料によりますと、資産の部で流動資産二百九十二億五千八百七十一万九千円となっていますが、その中に未収入金が九十八億六千六百二十八万円もあるわけですね。これは三月三十一日の年度末の決算ができないで、おそらく三月分あるいは二月分が一部翌年度に持ち越されていくという関係でこういう未収金の額になっていると思いますが、そういうものを除いて純然たる未収金、そういうものはどのくらいになりますか、このうちで。
#37
○参考人(鶴岡寛君) 未収金の意味合い等につきましては、ただいまお話しのように、まだ九月三十日までに決算をし終えなかったもの、この場合で申しますと、主として営業上の売り掛け金でございます。得意先の売り掛け金であるとか、あるいは国際通信の受け入れ金、外国からもらうべきやつがまだ入っていない、そういうことでございます。そういうものを集めまして、ここにありますように九十八億六千六百余万円に相なっております。
 そのうち、御質問は、いわゆる得意先から取るべき収納料金の中で焦げつきになった部分かと存じますが、それについては所管の向きからお答えさせます。
#38
○参考人(米田輝雄君) 最近の国際通信料金の回収状況につきましては、月平均請求発行額四十億二千万円発行いたしますのに対しまして、納期後六カ月末には三十九億五千万円、率におきまして九八%収納しております。が、一年以上の滞納状況につきましては総額七億六千万円というものを数えております。
 毎年焦げつき分が少しずつふえてまいりまして、非常にこれは憂慮すべき状態と考えまして、昨年秋、わが社におきまして料金関係調査会というようなものを設けまして、鋭意これが早期収納を検討してまいった次第でございます。まず第一段階といたしまして、各現業局に新たに料金回収部門を設けまして組織の強化をはかるとともに、要員を重点的に配置して回収活動の強化をはかるようにいたしております。また納期後一定期間を経過してもなお未納の業者に対する通話停止機能を拡充するというふうな措置を講じております。さらに主として電話でございますが、利用者が小口化あるいは広域化することが予想されますので、一そう有効適切な対処策を講じていく所存でございます。
 以上でございます。
#39
○鈴木強君 七億六千万円近い、一年以上のこの末収金ですか、これはちょっと全体の収入から見るとパーセンテージは低いかもしれませんが、こういうことではこれは困りますね。九月三十日現在の三十九期の決算を見ますと、貸し倒れ引き当て金に七千六百七十二万というものが計上されておりますが、おそらくこれは欠損金だと思うんですね――に引き当てるわけでしょう。
 いずれにしても、いまの何か各局にそれぞれの組織をつくっておやりになるというその組織はいつつくられたのですか。
#40
○参考人(米田輝雄君) この三月につくりました。
#41
○鈴木強君 少しそれはスローモーションじゃないですか。ごく最近未収がふえたから、それに対してやったというふうに理解できればいいんですが、そうでなくて、かなりこういう状態が数年前から出ておったんじゃないでしょうかね。ですから、もっと適切な措置を早くして、それでめし食って金を払わぬようなものですから、そういう不心得者に対しては、通話停止というようなことをいまおっしゃったんで、そういうことができるかどうか私よくわかりませんが、あらゆる手段を講じて、未収を防ぐために、回収のために一段と努力しないと、どうもその点はあまりほめられないですな。
#42
○参考人(米田輝雄君) 過去数年来、未収金が徐々にふえてまいりまして、一昨四十六年度におきまして欠損処理いたしたものの営業収益に対する割合が〇・一四%でございます。四十七年上期――昨年の上期でございますが、これが営業収益に対しまして欠損処理いたしました金額は四千九百万円、〇・二二%でございます。このように若干ながら増加しておりますので、ここで思い切って抜本的対策を立てるということで、昨年から鋭意この検討を進めているわけでございます。
#43
○鈴木強君 おそまきながらそういう対抗組織をつくってやったんですから、ひとつ今後未収金がないように最善の努力をしていただいて、次のときにはパーセンテージにおいても減少するような報告ができるようにひとつしてもらいたいと思います。
 それで、郵政大臣、昭和四十八年度のKDDの事業計画は大臣の認可事項になっておりますんですが、この認可は三月何日にやっていただきましたか。
 それから、特にこの認可にあたって大臣が留意をされました点がありましたら、明らかにしていただきたいと思います。
#44
○国務大臣(久野忠治君) 昭和四十八年度の事業計画につきましては、去る三月三十日に認可をいたしました。
 この認可にあたりましては、経済、文化その他の国際的交流の活発化に伴い、国際通信需要が増大していることに対処して、各国間との通信回線の増設と改善をまず第一に行なうべきである、第二番目に加入電話、国際加入電信、国際電話の自動化やオートメックスなど新規サービスの推進、両面のサービスの拡充をはかるために、会社が長期的視野に立って必要かつ確実な施設の整備と拡充計画、それからそれを裏づける財務・資金計画を持ち、それに沿って本年度の事業計画を立てることに着目して、認可をした次第であります。
  〔委員長退席、理事森勝治君着席〕
#45
○鈴木強君 社長の御説明の中にもありますが、「昭和五十年度使用開始を目途に新大阪国際電話局の建設工事に着手すること」と、こういうふうになっておりますね。そこで、大臣、私たちが今日まで日本の長い国際通信の歴史の中で、東西に関門局ですね、玄関が二つありまして、この二つの玄関が有機的に機能することによって、いかなる場合におきましてもわが国の国際通信が途絶することのないようにという深い配慮から、われわれの先人がそういうシステムをとっていただいたと思うのですね。これが、会社の移行後になりますと、東京のほうに非常にウェートを置きまして、大阪のほうがややもすると軽んぜられるというような経過がありました。そこで、われわれは、特に災害の多いわが国において、通信というものは災害時において何十万分の一秒間であってもとまることは許されない。そういう意味からいうと、やはり大阪にも、われわれが経験してきたような、先人につくっていただいたようなそういう姿を確立することが必要であるということを、強くわれわれが意見を出しまして、会社のほうもそういう気持ちになってきていただいているのです。したがってこの東西の両関門局を有機的に結ぶということは非常に私は大事なことだと思うのですね。その基本的な考え方については、大臣も同意をしてくれますか。
#46
○国務大臣(久野忠治君) 基本的な考え方につきましては、私も理解できるところでございます。
 ただいま御指摘のように、障害時に最も影響の大きいと思われます国際電話について運用することは適当であると存じますが、御質問の、業務全般について、常時、分割運用することにつきましては、長期的展望に立って、技術面とか設備の経済性等について十分慎重に吟味する必要があると考えておる次第でございます。
#47
○鈴木強君 会社のほうにちょっと伺いたいのですが、新大阪国際電話局が開設されることになるのですが、大阪の場合は、国際加入電信あるいは一般国際電報業務それから国際電話、こういった三つの重要な業務というものを大阪において扱うという、そういう基本方針をはっきりさしておくことが私は必要だと思いますが、その点は、社長、どうですか。
#48
○参考人(菅野義丸君) ただいま建設計画中の新大阪電話局につきましては、先ほど御説明申し上げたとおり、なるべく早い機会に開業いたしたいと考えておるのでございますが、これは電話局でございます、しかも半自動あるいは手動の電話交換が主になります。それで電報及び加入電信につきましては、現在でも一部を備後町の電報電話局でもって取り扱っておりますので、電話の関係が全部東京に集中している、これはいけないというので、災害対策として、あるいは一部分常時の仕事を分けるという意味におきまして、今度新しく大阪につくろうとしたのでございます。
 すべての仕事を全部両方に均分したらどうかというお話でございますが、これはもう情勢が刻々に変わりますので、将来の問題として十分検討しなければならない問題であると考えて、ただいまここでどういうふうにするということをちょっと申し上げられないと存じます。
#49
○鈴木強君 さっき、基本的な考え方について大臣も同意をされたわけですし、そのことは社長も異議ないと思うのですね。ですから、いいですね、その点は。
#50
○参考人(菅野義丸君) 東京にあまりに多くのものを集めるということは非常に危険であるということにつきましては、もうそのとおりでございまして、今回大阪に電話局をつくるのもその基本方針に基づいた施策でございますので、基本方針としては異議ございません。
#51
○鈴木強君 そうであればあとは、いまも社長もおっしゃったんですが、今後の情勢もあるでしょうから、いまここで私はどれだけのものをどうというようなことを社長の口から言っていただこうとは思っていないんです。いまの基本の上に立って、少なくとも国際通信というものが東西の二つの関門局を通して有機的にやられていくというこの姿をあらゆる国際通信の面でやるべきだというのが私の考え方ですから、若干その辺になりますと大臣もニュアンスがちょっと違うと思うんですけれども、私はやはり基本のものが確認されるならば、その上に立って当然そういうふうにいかなければ論理的につじつまが合わないわけですから、それは一つ一つが一分も違わぬというようなことはできないでしょう、できないでしょうけれども、ものの基本はそういうところへ置いていっていただくということに理解をして、今後とも非常災害時における通信の安全を期する問題等を含めて、ひとつやってもらいたい、これは私強く希望しておきます。
 それから、三月三十日の午前零時から国際電話の全自動が運用開始されているんですが、これは国際伝送路との関係もございまして、将来、大阪国際通信センターの完成時に、国際電話の全自動化設備というものを東西に置くという考え方は、社長は異議ないですね。
#52
○参考人(菅野義丸君) その点は、先ほど申し上げましたとおり、まず半自動あるいは手動の交換機のものを置いて、一応自動発信の電話設備につきましては、非常に経費もかかるものでございますから、大手町あるいは国際通信センターに集めたい、かように考えております。
 しかし、自動発信ができる区域というものはどんどんふえてまいりましょうから、そういう情勢を見まして、適当に必要があるならば分けることは少しもやぶさかでないんでございますが、とりあえずは、そういうような方針で逐次いきたいと考えております。
#53
○鈴木強君 それは最初の基本の問題とイコールのことですから私は言うんです。全自動設備を一カ所に集中した場合、万一の事態が起きたときにはこれはもうどうにも救いがたい事態が起きるんじゃないですか。ですから、必要があればというようなことじゃなくて、もう一歩進めて、そういう設備もやはり東西に置くということが大前提である基本を御確認いただけるとするならば、私はそこまでいかないとつじつまが合わないように思うんですが、この点はそういう方向で検討してくださいよ。そうしてもらいたいんだ、私は。
#54
○参考人(菅野義丸君) 技術的なことはよくわかりませんが、まあいままで東京集中主義をとっておりましたのが、今度緒について二元的になる――これは主として災害対策の一つでありますし、あわせて平常から普通の仕事も一部を分散したい、こういう考えでございまして、急速にはおっしゃるとおりにはできないと思いますが、基本方針に沿って逐次情勢を見てその方向に進みたい、かように考えます。
#55
○鈴木強君 少しどうも消極的で、私の意に沿わないんですけれども、私は積極的にやはり二分化していくのが必要だと思うんですね。大事なことだと思いますから、まあ私の心配がいつの日かそうしておけばよかったというようなことのないようにしてほしいと思うんですね。そういう意味で慎重に検討しておいていただきたいと思います。
 それから、この際、電電公社の三宅総務理事においでいただいております。御多用のところをすみませんでした。
 ただ一点、公社に伺っておきたいのは、やはり国際電話が全自動システムにかわっていくというようなことになりますと、それとの関係で外国語通話というのもかなりふえてくると思うのでございますね。ですから電電公社と国際の間で国際通信プロパーとして設置を必要とする回線、それから電電公社の国内電話に乗って国際電話がやれるという回線ですね、二つあると思うのですが、おそらく国際通話というものがどんどんふえてまいりますと、かりに国内と国際を同じ回線で使っているような場合には、その利用率というものが六十対四十になるか、あるいは七十対三十になるのかよくわかりませんけれども、いずれにしても国際がふえればふえるほど国内の電話の回線の使用率というものは下がってくるわけでございますから、公社のほうでも総合回線網というものを考えておられるのですけれども、特に国際の全自動化の方向に逐次拡大をされていく問題と、それからますます国際通話というものがふえていく段階に、電電公社としては、そういう回線網の完ぺきな拡充をしていかなくちゃ手おくれになると思いますが、その点に対する御方針はいかがになっておりますか、説明してもらいたい。
#56
○説明員(三宅正男君) お答え申し上げます。
 公社が持っております設備で国際通信関係に使われますものは、公社の市外通話の関門局になります東京その他の主要市外局でございます。これと国際電電の交換局との間、この回線は国際通信専用に使われます回線が公社の手で設備されております。その公社側の市外関門局までの間、全国の一般電話からの通話、通信、これは公社の一般の公衆回線を通して接続されるわけでございます。
 ただいま申し上げました前者の分につきましては、KDDさんから常にいろいろ情報をいただきまして、必要なだけの設備を常につくっていっております。今後ともそういった形で続けてまいりたいと思います。
 また、第二に申し上げました公社の公衆回線に国際通信が重畳されておる部分でございますが、これは先生ただいまお話しのとおりに、現在のところパーセンテージ的には非常に国内通話のほうが多うございますので、ほとんどそれにカバーされておるというか、隠れておるという状態でございますが、これがふえてまいりますという場合も当然あろうかと思いますが、こういった事態に対しましても、一般の公衆回線の増設計画の中で将来を見通しながら十分に対応できるようにいたしていきたい、こういうふうに存じております。
  〔理事森勝治君退席、委員長着席〕
#57
○鈴木強君 それで、三宅さん、いまお聞き取りのように、東西関門局を併用していこうという方針には断じて変わりないわけでして、この際に、これからデータ通信等もかなり国際的なものもサービスをいろいろより多く提供されていくと思うのですけれども、そういう場合に、いまのお話にありますように、国際電電が御要望になればそれに対して公社は十分にこたえられるだけの心がまえはあると、回線計画もそういう方針で拡充していくんだ、こういうふうにとらせていただいてよろしゅうございますか。
#58
○説明員(三宅正男君) ただいま先生のおっしゃいましたとおり、私どものほうで十分これに対応できるだけの設備を今後とも心がけていきたい、こういうふうに考えております。
#59
○鈴木強君 それから、その際、公社として具体的な総合回線網といいますか、そういうものを建設する計画のように承っているのですが、いまの国際関係についてはどの程度の具体的な計画をしていくかというような、そういう案はまだできていませんでしょうか。
#60
○説明員(三宅正男君) お答え申し上げます。
 いわゆる一般のテレックスあるいは電信、さらに電話以外のもの等も、公社はいろいろ現在総合通信網として考えておるわけでございます。KDDさんとの間に、どのような種類の回線が必要であるかというような、具体的なお話を進める段階にまでまだきておりません。しかし、公社としても、現在の考えております通信網の中に、KDDさんの御必要ないろいろな種類、種別の回線というものを十分開放できるだけ設備していきたい、こういうふうに考えております。
#61
○鈴木強君 総合回線網は、私もまだつまびらかに承知しておりませんが、やっぱり列島改造の田中内閣の御方針にも沿って、かなり従来の回線網よりも一段と内容を拡充されたものが準備されなければならないように思うわけです。したがってそういう計画を立てる際に、十年後の国際通信は一体どのようになるのか、あるいは二十年後の国際通信の姿はどうなるのか――まあ二十年というのはちょっと長いとしても、少なくとも十年くらいの先を考えて、国内、国際の通信網というのはどうあるべきかという研究をし、そういうものをきめる、つくっておくことが、私はやっぱり時代の要請にこたえる道だと思うんです。
 ですからして、消極論でなくて、そういう中に当然入ってくると思うので、いままだそのお話がないとすれば、列島改造がどうなるのか私よくわかりませんけれども、いい面、悪い面たくさんあるわけですからわかりませんが、いずれにしても国際電電のほうももっと積極的に将来展望というものをつくっていただいて、需要供給のバランスがとれるように、そして社長がおっしゃるように、なおもっと安い、早い、正確な電報が提供できるように、サービスが提供できるようにするためには、何といったってこれはもう回線を潤沢に持つことですから、そういう意味においてひとつ会社のほうも長期構想というものをまとめていただいて、公社の総合回線網の中にそれを入れていただくようなことをやっていただかないと、後手をとりますよ、これは。
 これは会社のほうからも聞いておきたいし、それから公社のほうも、ひとつ私の言ったような方向で先取りをするように、先を見通してやっていただかないと、どうも日本のいろんな計画を見ておりますと、寸詰まりで、二、三年たつともう満ぱいになるような局舎を平気でつくっておいて増設をしているというような姿をよく見かけますから、まさか天下の電電公社や国際電電がそんなへまはやらないと思いますけれども、念のために私は申し上げておくので、ひとつ両方からお答えをいただきたいんです。
#62
○参考人(菅野義丸君) ただいまのお話まことにごもっともでございまして、よく電電公社のほうとも今日、将来長きにわたってのこともやっていきたい、かように考えております。ありがとうございました。
#63
○説明員(三宅正男君) ただいまの御趣旨よくわかりましてございます。十分その趣旨を体しまして、十分な将来に対する計画というものをKDDさんと打ち合わせをしながら立てていきたい、こういうふうに存じます。
#64
○鈴木強君 それから、これは会社のほうからお答えいただきたいんですが、いまお話しの五十年度からサービスを始めようとする大阪国際電話局のこの建設計画というものはもうお立てになっておられますか。
 それから、とりあえずここでやります業務の内容、それから運用の方法ですね、こういうものがきまっておりましたら、ひとつ年度別にこの設備計画というものを明らかにしてもらいたいと思うんですけれども、いかがですか。
#65
○参考人(古橋好夫君) お答え申し上げます。
 ただいま御質問ございました新大阪電話局の建設でございますけれども、非常に問題が錯雑しておりまして、そのために建設委員会を設けまして、どういう設備をどんなふうにやっていくかというような計画をいろいろ練っております。またそれに関連いたしまして用地の準備もいたしておりますが、数カ所の土地を選びましていろいろ検討いたしまして、ある一カ所にしぼって検討しておりますが、残念ながらまだ確保された状態になっておりません。
 それから、先ほど御質問でお答え申し上げましたように、電話を主体としてまずつくりまして、それ以後増築を考えておりますけれども、とりあえずのところは、大体一万二千平米から一万五千平米程度のものをつくりまして、それ以後、増築の必要の場合には二万三、四千程度までできるように考えて準備いたしております。
 以上、お答え申し上げました。
#66
○鈴木強君 これは社長が「昭和五十年度使用開始を目途に」と、こうおっしゃっているわけですね。ですから、いまごろまだ建設委員会をつくってもたもたしておったのじゃ――五十年の何月かということはここにはっきりしていませんからわかりませんけれど、われわれは五十年度の初めにこの開始ができるものと期待するわけですね。そうなると四十九年一年ですね、もうことしもだいぶ過ぎているわけですから。もう少し馬力をかけて局舎設計、建設計画というものはできないものですか、何がむずかしいんですか、そんなに。
#67
○参考人(古橋好夫君) 一番の問題点でございますけれども、昨年、約一年前ぐらいから、先ほど申し上げましたように、土地の問題につきまして非常に検討を加えて、一番信頼の置ける土地、経済的にもいい場所、そういうのを検討いたしましてまいったんですが、いろいろその間の事情がございましてなかなか成約に至っておりません。それが一つの問題点でございます。
 以上です。
#68
○鈴木強君 そうすると、一つの問題点はわかりましたが、あとにまだむずかしい面があるんですか。大体、何月に着工して、どのくらいの工期で局舎ができ、どのくらいの規模で、いまあなたのおっしゃった電話を主体としてやるならやるで――業務の内容といっても、ただ電話を主体とするだけではこれはちょっと不十分ですからね、どの程度の電話業務の内容になるのか、そういう点はもうきまっておるのじゃないですか。
#69
○参考人(古橋好夫君) お答え申し上げます。
 できましたらば、四月あるいは五月までには何とか土地のめどをつけまして、続いてボーリング等、それから建設に着手いたしまして、できましたら五十年三月ごろまでに片づきますと、五十年の秋ごろには運用できるというように考えております。
#70
○鈴木強君 いま一番問題なのは土地だと思いますね、土地の取得が非常にたいへんだと思います。最近のように異常な土地の値上がりがあるときには、特に大阪の理想的な土地を求めるとすれば、たいへんな御苦労があると思います。そのことはよくわかります、私も。ですけれども、計画をした以上は万難を排して努力をされて、いまおっしゃったように四月ないし五月をめどに土地を見つけて着工したいという意欲的な御答弁がありましたから、どうぞひとつみんなで力を合わせて、土地の取得をはじめ困難を一つでも排除して、五十年三月ごろまでに片づけたいというその御方針を曲げないで、なおそれを促進するようなかっこうになるよう一段の御検討と御努力をお願いしておきます。
 それで、最終的には一万二千平米から一万五千平米、将来増築をする場合に二万三千ないし四千平米のものを考えているということです。私はこれは社長にお願いしておきたいんですけれども、局舎建設などもそうですし、それから敷地の問題もそうですけれども、かなり前を見越した計画を立てていただいて、局舎なども少しゆとりのある、十年くらいあるいは十五年くらいは手をつけなくても、二十年くらい先まではやれるような少しゆとりのあるものをつくったらどうでしょうか。お役所の局舎というか庁舎というのはもうどこへ行っても寸詰まりでもって、建て方はぼくは非常に気に食わんですけれども、まあ会社ですから、その点はお役所と違った意味におけるいい面の取り入れはできると思いますから、そういう意味で思い切ったものをつくったらどうですか。そういうひとつ決意で社長やっていただきたいと思いますね。
#71
○参考人(菅野義丸君) ごもっともでございまして、当社は、新宿につくっております国際通信センターにしましても、また大阪の新しい電話局にしましても、あるいは沖繩にいまつくっております、着工しました電報電話局にしましても、かなり余裕を見て考えております。しかし大阪の電話局につきましては、先ほどから申しましたように、四囲の状況が急激に変化してどういうふうに持っていかなければならぬかということがまだはっきりわかりませんので、それで余裕といいましてもあるいはそれはもう余裕にならぬかもしらぬというのでもって、増築の余地も残しております。しかし方針としましては、鈴木先生のおっしゃるとおり、資金の許す限り、なるべく余裕のあるように建築を進めていきたいと思います。
#72
○鈴木強君 ぜひお願いしておきます。
 それからその次に、国際電報電話料金のことでちょっと伺っておきたいんですが、私は最近の新聞に二度ほど出ましてちょっと心配している点があるんですが、それは政府が変動相場制、まあフロート制をとっておりますが、特に一昨年以来の円の切り上げ、最近におけるドルの切り下げ、こういった一連の国際通貨政策といいますか、そういうものからまいる一つのメリットとして、たとえば輸入品に対する差益をどういうふうに国民に還元するか、こういう点でいろいろと論議をされているようです。せんだって新聞に出ましたのは、日本航空の国際線の運賃の引き下げですね、それから国際電信電話料金の引き下げといいますか、検討といいますか、そういうふうな点がいわれておりました。で電報料金の決定の原則というのは、まあ私はここでくどくど申しませんが、そういう立場から見ると、どうもわれわれには、この差益によって国際電電が相当な利益を受けておって、それを料金引き下げまでに回せるような仕組みになっていないと私は思うんですよ、率直に言って。ですから、おそらくこれは物価対策閣僚協議会等でもそういう話が出て検討を迫ってくると思うのですけれども、これは郵政大臣も勉強されていただいていると思いますが、そう簡単に料金値下げに通ずるような相当の差益というものは国際電報料金等の中から出てくるとは私はあまり考えられないのですよ、折半制をとっておりますからね。したがってそれに対して政府がなぜああいうふうなことを言い出したのか、これを政府側に私はちょっと聞きたいのです。
 それから国際電電としては、ああいうふうな、まああれを見ると、再検討とは言っているのだが、差益を還元すべきであるという理論に立っておりますからね、そうなると当然料金引き下げということになると見なければなりませんね。そういう実際に差益があるのかないのか、この点もう一つ明確にしておく必要があると思いますから、最初に会社のほうから聞きましょうか。
#73
○参考人(菅野義丸君) 通貨の変動による料金の問題ですが、そういうことが起こらないように、もう御承知のとおり、国際通信におきましてはある一定の国の通貨を基準にしないで、金フランという、これは架空なものでございますけれども、金フランという制度でもってこれを基準にして料金をきめておるわけでございます。したがいまして一国が通貨を切り上げようが切り下げようが、原則としては影響はないのでございます。しかしながらこれを世間の人は、ドルが切り下がって円が相対的に上がったのだから、国際電電か何を得をしているのじゃないかというふうに考えやすいのでございますが、これはおっしゃるとおり、国際電電というのは輸入もするし輸出もする、結局それはとんとんになるというものでございますから、国内の収納料金というものには影響がないのが普通でございます。したがいまして通貨の変動によって直ちに料金の引き下げというようなことにはならないと思います。
 ただ、そういう通信料金の収支ではなく、先ほどから問題になっております外貨――外貨を借りまして、その元利の支払いであるとか、あるいはインテルサットに対する料金の支払いであるとか、こういったようなものは確かにドルが下がりますと差益は出てまいりますけれども、しかし外債の返還なんというのはあと四年もすればなくなってしまうものでございますし、それからインテルサットへの出資金も従来は一・七五が今度は恒久協定になりまして四・五%くらいになるものですから非常に多くなります。こういったわけでもって、はたして恒久的に長い目で見て料金が引き下げられるという余裕があるかどうか、この点はいま検討をしておる最中でございます。
 当社は、御承知のとおり、創立以来たしかもう七回ぐらいにわたって大きな料金の引き下げをやっておりますが、これは通貨の変動によってではないのでございまして、関係国と打ち合わせをして料金の引き下げをやったのでございますが、一般公共料金が上がるときに国際通信料金というのはむしろ下げる傾向をやっております。これをカバーするのは何であるかというと、やはり通信の量の増加、これによってかろうじてカバーしておるところでございます。したがいまして私どもとしましては、いま通貨の変動によってどのくらいの余裕が恒久的に起こるものか、それが料金の引き下げをやったらどのくらいの額になるかというようなことにつきまして、いま鋭意検討を進めておるところでございます。
#74
○鈴木強君 メリットになる点は、いま社長がお述べになりました、たとえば外債の借金も早く払える、これは確かに一つの方法でしょう、しかし一年ごとに幾らというので額がきまっているそうですね。罰金を払っても得ならそのほうが私はいいと思ったのでさっき申し上げたのですが、それはだれでもそこに目をつけるでしょうね。それからもう一つは、衛星回線の使用料金ですね、こういうものも一つのメリットとして考えられると思うのです、こういうものがどの程度あるかですね。
 そうして総体的に、まあ八藤さんが副社長のころでしたですか、一度たしか専用回線だったか料金を一部下げたことがあるのですけれども、その後は二十年近く料金も据え置かれているわけですから、そういう面において、最近における物価高の問題その他と関連して、上げたいというような空気もあるかもしらぬが、しかしこれは公共料金ですから、やはり低料金政策の中に妙味を発揮して運営をしていくのが国際電電なりあるいは国内の電電の一番大事なところですから、物価が上がったからすぐ電報電話料金を上げるというわけにはいかないわけでして、二十年間据え置いてあるからいますぐ上げなきゃならぬということにもならぬでしょうし、要は経営の妙味を発揮しつつできるだけ低料金政策、安い料金でいいサービスをと、こういうことが国民の望みでしょうからね、それだけに経営する立場に立つとたいへんなことだと私は思うのです。だから、さっきもあったように督促をしてもなかなか納まらない未収料金などについても、もっともっと真剣に回収策を考えるべきですよ。あらゆる努力をして経営の健全化ということをやらなくちゃいけないと思うんですがね、少し話が飛びましたけれども。
 実際にメリットとして考えられる電報電話料金のほかに、たとえば衛星の使用料とか、こういうふうにわがほうだけでもらえるものがあるわけですから、そういうものがどの程度あるか、そういう点もいま検討中ですか。
#75
○参考人(菅野義丸君) さようでございます。
#76
○鈴木強君 それで国際電報電話料金の滞納というのは、これはたいへん困った問題で、ひとつ何か会社も全力を尽くしてやっていただくし、組織もつくられたようですから、今後運用の妙味を発揮してやっていただくんですけれど、国内の場合、通話停止ということが一つの対抗手段として公社がやっておるわけですけど、国際の場合もそういう方法がとれるわけでしょうかね。それでもっと進めれば、大臣、何かそういう滞納に対して法的な手段を考えておかなきゃならぬ気もするんですけれども、これはにわかにあなたにそう言ってもいい知恵なりお考えが聞けるとは思わぬけれども、何かそういうことも含めて――国内の問題もそうですよ、民法上の争いとしてはできると思うんですけれども、なかなかこれはむずかしいでしょう。ですから何か法的にもそういう回収に対する一つのプッシュになるものがあれば、これを考えていただくということもあわせて検討していただいて、また会社のほうもそんな法律で何か規定しなければ納まらないということがないように努力をしていただいて、いましばらくその辺をにらみ合わせながら検討していただきたいと思うんですが、どうでしょうか。
#77
○参考人(菅野義丸君) 滞納の問題につきましては、もう一年半ぐらい前から非常にこれは重大な問題であるというので、各方面の専門家が集まって、いま、先ほど来申し上げましたとおり、検討を重ねまして、いよいよ本年になりまして組織をつくったり、人を増加いたしまして、従来は料金センターというところでもって一元的にやっておったんですが、これだと非常に督促の時期がおくれる、それからこまかいところに手が届くような督促ができないというので、東京とか大阪とか名古屋とかいう現場の局にも料金課を置きまして徴収の促進をはかる、こういうふうな方法をとっておるのでございます。
 先ほど通話停止ということをちょっと説明申し上げましたが、これは通話を、停止じゃなくて、お断わりするんでございまして、一種のブラックリストができておりまして、その番号から来たときには、おたくは前に国際電話の料金を払ってないからおつなぎできませんというだけでございまして、別に停止するわけではないんでございます。それは国際電信電話にはできないことになっておりますので、極力お客さんにお願いして、そうして滞納をなくしてもらうというよりいたしかたないのでございます。
 これは御参考に申し上げますが、沖繩では一定の番号しか国際通話ができないようになっておったのでございますが、昨年本土復帰に伴いまして、私どものほうとしては内地並みにどこの電話からでも国際通話ができるようにいたしたのでございます。これは沖繩としましては画期的なことでございまして、一定の番号、これは信頼できる、あるいは非常に国際通話の多い番号でなければできないようになっておったのでございますけれども、それでは非常に一般の国民に対して、住民に対して不便であるということでもって全部の電話に開放したのでございますが、その結果もこれは滞納を必ず起こしやすいものですから、ああいう狭いところでございますから、現地の営業所を督励しまして、絶対に滞納を起こさないように、きめこまかに督促をするようにということを言っております。現在のところでは、あまり憂慮すべき状況ではございません。
 そういうふうに人手をかけてやればかなりの程度までこの滞納は解消できるのじゃないかと思いますが、一番困っておりますのは、やはりかけた人がどっかへ行くえ不明になったとか、あるいは国へ帰ったとかというのが多いのでございまして、これは加入者は何も知らないというのが多いのでございます。そこで私どもとしましては、できるだけそういうことがないように、申し込みがあったときには加入者の了承を得るとか、そういうことまでいたしたいと思っておりますが、おっしゃるとおり、料金の引き下げということも、この滞納を少なくする、解消するということとにらみ合わして考えたい、検討したい、かように考えます。
#78
○国務大臣(久野忠治君) ただいま社長からお話がございましたように、通話停止が簡単に技術的にはできないわけでございます。でありますから、この問題解決にはなお検討を要するのではないかと私は考えておるような次第でございまして、早急に何らかの措置を講じられるよう指導をいたしていきたいと、かように思います。
#79
○鈴木強君 わかりました。
 社長の最後に触れられた、人の電話を使って、だれが使ったかわからぬというようなことはちょっと問題外ですね。ですから、やはりそういうことがもしあるなら、必ず国際電話を申し込んだときには、その人を確認して、電話の持ち主から確証をとってやるとか――どこの電話を使ったか知らぬが、ちょっとどこへつないでくれと言ったらやっちゃうのですか。それはちょっと国際電電としてはあるまじきやり方だと思いますね。ですからもう少しそういう点はきちっと歯どめをつけるようにしていただけば――使ったけど、どこかへ行ってしまったというのは、どういうところにそういうことがあるのですか、ちょっとわからないのですがね。
#80
○参考人(米田輝雄君) たとえば最近アパートの電話を利用してかけるというふうなことで、アパートの管理人は知らないというふうな事例があるわけでございます。交換手は一応呼び返しまして電話を確認するわけでございますけれども、それがアパートの管理人なのか使用人なのかあるいは外部から入ってきた者なのか、そういうものが不分明でございます。電話番号だけは確認いたします。でブラックリストがございまして、従来までは一万件だけ登録できるようになっておりましたが、この三月からこれを拡大いたしまして十万件入れるような装置に拡大いたしまして、それに滞納者は全部打ち込んでございます。こちらから交換手が確認いたしますと、その装置を通りまして、滞納者には赤ランプがつきまして、これは滞納しているということでお断わり申し上げるというようなことになっております。大体、わからぬという例はそういうようなケースでございます。
#81
○鈴木強君 これはもう少し管理をちゃんとすれば私はそういうことはないと思いますね。アパートに住んでいる人がかってにどこかそこにある電話を使っちゃって、ただ「あなたは何番ですか」「そうです」と言って確認してつなぐということだけじゃね、これはあとでそういうことが起きるでしょうね、実際問題としては。ですから管理人を呼び出して確認をして、管理人のオーケーがない限りはやらぬということにしないと。本来であれば、電話を使ってそこに料金がある以上は会社は要求する権利がありますよね、それから電話の所有者は払う義務があるわけですよ。わしのところは知らぬからそんなものは払いませんよというのはおかしな話で、そういう口実を与えないようなやり方をくふうしたらどうですか。せっかくブラックリストまでつくっているというのですから、もう一歩交換手さんたいへんだと思いますが、そういうようなことまでやっておかないと、あとになってだんだんそれがふえたらどうするんですか。早いうちにそういう非行の点があればちゃんと是正するような方法を考えてやっていただきたいと思います。
 それから、NHKにちょっと来ていただいてお待たせしましたが、NHKとしては、今後、国際放送についてこれを拡充するという計画をお持ちでございますか、どうでしょうか。
#82
○参考人(坂本朝一君) 先生御承知のように、NHKといたしましては、放送法九条の二によりまして本来業務として国際放送を実施いたしておりますし、三十三条による命令放送とあわせて実施いたしておるわけでございますが、昨年度を第一年度にして五十一年度を最終年度とする第四次長期経営構想の中で国際放送の問題を論議いたしました際に、われわれが考えましたことは、放送の国際化という――短波による国際放送のみならず、放送を通じて国際的な親善、結びつきを強めるというもう少しマクロ的な立場でこの問題を考えるべきではないか。それは御承知のように、放送法の四十四条の五に国際放送の番組の編集の基本を示しておりますところに「協会は、国際放送の放送番組の編集及び放送又は外国の放送局に提供する放送番組の編集に当っては、わが国の文化、産業その他の事情」云々というふうにその指針が示してございますので、そういう立場から考えよう、こういうふうになっております。
 したがいまして放送の国際交流を活発化するということと短波による国際放送の充実という二つの柱の中でこれを考えまして、現在、先生の御指摘の短波による国際放送の充実という線につきましては、現行の一日三十七時間、十八方向、二十一言語というスケールは五十一年度までそのままの形で続けたい。ただいろいろな意味合いで送信出力の増力という点について検討する点があるかどうか、この点を現在検討しておる状況でございまして、したがいまして、その点につきましては具体的な答えがわれわれの中で出ておりませんので、この際具体的に御報告できません。したがいまして郵政等にもそういう点についての御報告をいたしておらないわけでございますが、大体そういう考え方で放送の国際化の推進というテーマでこの問題に取り組みたいというふうに協会としては考えておる次第でございます。
#83
○鈴木強君 NHKの国際放送は、御承知のように、地域別ともう一つはジェネラル・サービスと二つに分かれて、いまおっしゃったように一日十八方向、三十七時間、二十一カ国語、これでやっておられるわけですね。これは確かに日本の国情を正しく諸外国に紹介をし、国際間の相互理解と友好親善を深めるためには相当意義のあるものだと思うのです。
 ところが、実際にNHKが外国放送に使っておるお金は十五億以上になっていると思うのですね、約十六億ぐらいになっていると思うんですが、三十三条、三十五条の関係で郵政大臣が放送区域、放送事項を命令してやってもらうようですね。そういうものに対して費用負担するということで約二億程度の国からの交付金があるだけですね、結局十三億近いものは持ち出しですね。ですからそういう点もひとつ郵政省側でもう少し考えていただいて――何かこうNHKにまかせっ切りみたいなものであると思えば、ある部分についてはここへこういうのでこれだけやれと。予算が二億あるからやれというようなやり方では、これはほんとうの意味における国際放送じゃないと思うんですね。もう少し、大臣ね、郵政省がNHKともよく相談をしていただいて、十六億近い、十五億九千万ぐらいたしか使っていると思いますが、そういう負担を国内の視聴者に負担さして国際放送をやるということは、若干無理があると思うんですね。ですから、できるだけ大臣の命令による放送ということを、これはまあ私もあんまり歓迎したことじゃないんですけれども、番組その他についてはNHKに自主的にまかせるという立場にあるわけですから、そういう点を前提にして、もう少し費用の負担等も考えてほしい。
 そういうことによって国際電電のほうで非常に安い使用料でもって短波放送のための設備を持ってやっておるわけですよ。KDDのほうもNHKが今後どういう拡充計画を持っておるか、それをやっぱりちゃんと把握しないと、送信機をどうするかということも、パワーを含めまして計画が立たぬと思うんですよ。ですから、もう少しNHKも、五十一年でしたか、まではやらぬ、五十二年からはまた再検討される段階だと思いますから、そういう点も含めてひとつ大臣ともよく御相談なすって、その場合にKDDにやっぱりやっかいにならなくちゃならぬでしょう、これ。私はNHKが独自に放送設備を持ったらどうですかということをずいぶんいままで言ってきているんですけれども、なかなかNHKのほうも実際に自分で放送設備を持つということになるとたいへんだから、金がかかるようでして、結局はKDDの力を借りるというほうがいいというのでやっておられるようですから、そこら辺は三方一両損になるかどうか私知りませんけれども、いずれにしてもみんなが協力し合わなきゃならぬので、政府だけがちょっとうまい汁吸うような、いい子になっているような感もなきにしもあらずですから、この点はひとつ大臣におかれてももう少し国際放送に対して再検討してもらいたいと思います。
#84
○国務大臣(久野忠治君) 国際放送の内容につきましてはただいま御指摘のとおりでございまして、NHKの所要資金約十五億円近くでございます。国際放送には郵政大臣の命令によるものが含まれておるわけでございまして、私といたしましても今後命令による放送の経費の増額につとめる等、その充実をはかっていきたいと考えております。
 なお、本年度の予算編成にあたりましては、鈴木委員御承知のとおり、国際放送の経費は二億百万円でありまして、前年度に比べまして五千四百万円の増となったのでございますが、今後この点につきましては十分努力をしていきたい、かように考える次第でございます。
#85
○鈴木強君 八俣の送信所の設備拡充計画ということは、いまのアンテナ部分の敷地、これらの問題との関連でもう少しそれをふやす可能性はありますか、拡充できる可能性は。
#86
○参考人(増田元一君) NHKの海外放送拡充計画につきましては、まだ正式に何も聞いておりませんが、八俣の送信所の敷地にはまだ少し余裕がございますので、NHKから要望がございますれば応ずることができるのではないか、こういうふうにただいま考えております。
#87
○鈴木強君 名崎の送信所は、これは要らなくなったのですね。このあと地はどういうふうな利用を計画されておりますか。
#88
○参考人(増田元一君) 名崎のあと地利用につきましては、会社全体といたしまして社有地が二百万坪ぐらいございます。そのうちの一環としてただいまどうするか検討をしておる段階でございますが、確かに今後固定地間の短波無線設備の縮小ということは考えられますが、しかしまた新しい技術を運用いたします通信設備というものも必要になってくるのではないか。またたとえば移動通信業務あるいは無線電話設備専用業務、そういう業務も拡大してまいります。そうしますと設備の増設も必要になりますし、また将来一九八〇年代に使うことになると思われます衛星通信につきまして、衛星が非常に大きな衛星になってまいりますが、その段階ではミリ波が使われるのじゃないか、こういうふうに予想されておりまして、そういう技術の将来の進歩というようなものを考えますと、やはりいつの日か、短波のほうは減ってまいりますけれども、大きな土地を必要とするのでないか、こういうふうに考えております。まあ今後どういうふうにこれを有効利用するかということについて、ただいまいろいろ考えておる最中でございます。
#89
○鈴木強君 どこでもそうですが、NHKのあと地もだいぶ高く売れたのですが、要らなくなると、どっかからほしいという声がかかってくるでしょう。ですから売ることによって幾らかその年度の収入がふえるということも一つの方法かもしらぬが、しかし土地というのは一度手放しますとなかなか再び手に入らぬものですから、今後の国際通信の拡充その他を考えるときには、こういう土地は有効にKDDのほうで利用されるようなことをやっぱり考えられたほうがいいと思うのですよ。もし売るなら、市の将来の土地計画とかよく承って、まず第一番には公共的な施設のためにその土地を利用するというようなところに払い下げるとかなんとかという方法をとってもらいたいと思うのですけれども、できればこれはお持ちになって有効に利用されるほうがいいのじゃないかと私は思うのです。
 いまKDDで土地をかなり持っておられると思うのですが、現在持っておる土地の今後の利用計画というようなものがもしわかれば、これはあとでけっこうですから、資料で出していただきたいと思うのです。
 それから最後に、太平洋第二ケーブルのことで伺いたいのですが、先ほど来、日中間の海底ケーブルあるいは東南アジアへ向けての海底ケーブル、こういった建設が次々に想定されているわけですが、特に第二太平洋海底同軸ケーブルというものはどうしてもつくらなければならぬ時期に来ていると思うのでございますね。それで、この第二太平洋ケーブルの陸揚げ局について、何か沖繩のほうへ揚げるという計画がもうきまっておるのですか。もしそういうふうになっておるのなら、その理由はどうなのか、聞かせてほしいです。
#90
○参考人(木村光臣君) お答え申し上げます。
 第二太平洋ケーブルの日本側の陸揚げ地につきましては、一応沖繩を予定して計画は進められておりますけれども、まだ完全に確定したわけではございません。
#91
○鈴木強君 これはおそらく将来東南アジアへの海底ケーブルもつくられることですから、それとどこで連結したら、結合したらいいかという立場に立って検討されていると思うのですね。これは沖繩も私はけっこうだと思うのですよ、そこが一番いいなら。そういう場合に、やっぱりケーブルの中継センターみたいなものをつくる必要があるのじゃないでしょうか。そういう構想はお持ちですか。
#92
○参考人(木村光臣君) 将来の東南アジアケーブル、その他南方へ延びるケーブルにつきまして、やはり沖繩が有力な基地になるであろうという想定を持っております。
#93
○鈴木強君 だから、そのセンターみたいなものをつくるのだね、そこへ。
#94
○参考人(木村光臣君) 中継センターと申しますか、中継所ができると思います。
#95
○鈴木強君 それでこの第二太平洋ケーブルというのは、陸揚げ局まで大体もうきまっているようですから、そうなりますと、これはあれですか、建設のためにはやっぱり相手国と、これはアメリカとどうなのか知らぬが、何かハワイの州の知事さんがその構想に対して難色を示しておったということも聞きましたけれども、その後知事さんも了承されたようにもまた聞いておるので、そうなれば計画はとんとんとこう進んでいくように思うのですね。それはいまのATTなりアメリカの関係と同じ条件で建設をするというふうに大体考えておいていいですか。その建設協定といいますか、そういうものがいつごろ結ばれて、どういうふうになるのですか。
#96
○参考人(木村光臣君) 御指摘のように、現在FCCがまだ完全に認可をしておりませんので、建設協定ができておらない状態でございますが、認可されました場合には、従来のように建設保守協定を結んで決定をいたすつもりでおります。
#97
○鈴木強君 ですからKDDとしては、大体いつごろにそういう協定を結び、いつごろにこれを完成しようとする計画を持っているか。これは相手方のあることですから、こちらの思うようにいくとも限らないのですけれども、できるだけKDD側としてきまった方針があればそれを示していただいて、この方針を実現するために郵政省なり外務省にも協力をいただくところは協力をしていただいてそうしてやるという、そういう方針をはっきり示してもらいたいです。
#98
○参考人(坂野學君) お答え申し上げます。
 ただいま木村参考人からお答えいたしましたように、目下、アメリカのFCCでこの問題を討議いたしておる次第でございますが、もともとこのケーブルにつきましては、日本のKDDそれからアメリカの各会社それからオーストラリアの会社――オーストラリアのこれは公共法人ですけれども、その間で基本的ないま話し合いは済んでおるわけでございますが、この方針に基づきまして目下アメリカでは政府の認可を求めておる、こういう状況でございます。
 で、ただいま先生がおっしゃいましたように、すでに米本土とハワイ間におきましては、一応ハワイ州知事の反対がなくなった、こういうことで、FCCの認可もそう遠くはない時期におりるのじゃないか、こういうような時期になっております。それが認可されまするというと、ハワイ以遠のいわゆるグアムあるいは沖繩、こういうような地点につきましての認可も近いうちに論議され、おりるというふうに私ども想像しておりますが、この件につきましては、豪州側ともいろいろに連絡をとりまして、また日本側におきましては郵政省にもお願いをいたしまして、アメリカ側で早くこの認可をおろすようにと、認可をしてくれるようにということで、積極的に向こうと折衝をいたしておる次第でございますので、大体私どもの予想といたしましては、まあ六月ぐらいには何とかこの問題の目鼻がつくのじゃないか、こういうふうに考えておりまして、もしそういう時点において目鼻がつけば、大体昭和五十一年ぐらいには沖繩まで来る、布設される、こういうように考えておるわけでございます。
#99
○鈴木強君 あと東京局舎その他の建設の進捗状況等も伺いたいと思いましたが、森委員のほうからも質問が予定されておりますから、私はこれで終わります。どうもありがとうございました。
#100
○委員長(茜ケ久保重光君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#101
○委員長(茜ケ久保重光君) 速記を始めて。
#102
○森勝治君 きょうはKDDに質問を申し上げるわけでありますが、その前に、郵政大臣に、大臣おいでですから、一点だけ他の部門について緊急的な質問をしたいと思うのです。
 内容は、御承知のように、国民を震憾させたと言っても過言でない郵政職員の天然痘発生の問題であります。最近新聞報道も、当時は詳細に大々的な報道でありましたが、その後の経過というものが新聞にはあまり載っておりません。しかし、まだ十四、十五というこの日等は、きのうきょうあたりは潜伏の可能性の期間だというふうなこともいわれているわけであります。したがってそういう観点からいたしまして、国民の脳裏からまだこの問題についての危惧は去っておりません。推測いたしまするに、どうやら最小範囲で食いとめ得るような見通しの模様でありますから、やや私どもは安堵をしかけておるわけでありますが、その点が詳細でございません。この際、天然痘の発生に至って国会等も巻き込んだわけでございますから、所管の大臣として、その当時の模様と経過と、いま病人がどういう病態であるのか、さらに病気が蔓延のおそれが全くないものか、われわれが安心してよろしいのかどうか、この辺についての見解を明快にお示し願いたい。
 それを大臣にお答えいただきましてから、担当の局長もお見えの模様ですから、このことについてかいつまんでもう一点質問をいたし、KDDさん、お待たせして申しわけありませんが、それからKDDに質問をしたいと思います。
#103
○国務大臣(久野忠治君) ただいま森委員御指摘の、郵政省の職員の中から天然痘の罹病者が出まして、たいへん国民の皆さんに御心配をおかけをいたしましたことを深くおわびを申し上げる次第でございます。
 その後、厚生省の御努力あるいは皆さんの御協力によりまして、十三日の日の閣議であったと思いますが、厚生大臣が発言を求められまして、第二次の感染の疑いは完全に消えました、そこで明日もしくは明後日――十四日か十五日ということでございますが、いままでの隔離されております方たちがたくさんありましたが、正式にこの隔離を解くことにいたしました、こういうような発言が厚生大臣からございまして、閣議で私たちはこの厚生大臣の発言を了承いたした次第でございます。
 この罹病の経過であるとか、あるいはその後の対策等につきましては、政府委員が来ておりますので、政府委員のほうから詳細に説明をさせたいと思います。
#104
○政府委員(北雄一郎君) それでは天然痘患者発生の経過、それから対策、それから今日の状況につきまして御説明申し上げます。
 患者は、バングラデシュ国の政府の要請に基づきまして、同国のラジオ、テレビ放送拡充改善計画調査団の一員として当地へ参ったわけであります。二月八日に出発いたしまして、四十日間の旅程で同国の首都ダッカにおきまして調査等を行ないまして、三月の十八日に帰国したわけでございます。その後しばらく異常はなかったんでございますが、二十三日の午後に至りまして発熱、頭痛ということで自宅療養をしたわけでありますが、三月の二十六日に東京逓信病院へ入院をしたわけでございます。
 そのときの症状でございますが、三十八度余りの熱がある、それから躯幹部あるいは四肢に発しんがあるというような状況でございました。病院においてこの診療にあたっておったわけでございますが、その後二十八日ごろに水泡を生じまして水痘ではないかというような疑いを持つようになったわけでございますが、三十日に至りまして天然痘の疑いということが出てまいりました。で同日逓信病院から、国立予防衛生研究所に天然痘関係の権威者がおられるそうでありまして、その人に電話連絡をとりましたところが、その方が翌三十一日に逓信病院へ来て見てやろう、こういうことになりまして、翌日来診がありました。その結果天然痘の疑いが相当濃厚であるということになりまして、三十一日の正午過ぎに所轄の保健所へその旨連絡をとったわけであります。で自後は保健所すなわち東京都の衛生局あるいは厚生省の指示を仰ぐ、こういう形で防疫対策並びに患者の対策に当たってまいったわけでございます。患者はその日の夕方に都立荏原病院へ運ばれまして、翌四月一日の午後になりまして真性天然痘ということが確認されたわけであります。そういうことで三十一日夜には逓信病院、それから本省内にそれぞれ対策本部を設けまして、先ほど申しました厚生省及び東京都と密接な連絡をとる、そして一切その指示に従って措置に当たる、こういうことにいたしました。
 その間、当然のことでございますが、患者の付近におりました者、あるいは病院に患者がおりました間、逓信病院へ出入りをした者あるいは逓信病院の職員、それから本人が帰国後郵政省に勤務しておりましたから、郵政省の職員、それから本人の居住しておりました住宅の人々、あるいはたいへんお騒がせして恐縮でございましたが、国会内等につきましても種痘あるいは消毒ということを、すべて厚生省等の指示に従ってやったわけでございます。それから種痘は四月一日から始めまして四月三日には全部所定のものは完了したわけでございます。
 それから患者と特に濃厚接触のあった者については特段の措置をとる必要があるということになったわけでありますが、この天然痘は御承知のようにビールスを病原体とするものでございまして、唾液あるいは皮膚の接触あるいは場合によっては空気による感染、この三つの感染経路があるよしでございまして、そういう角度から濃厚に接触した者、すなわち患者のからだにさわった医師、看護婦あるいは患者の病室へ出入りした医師、看護婦あるいはレントゲンの関係、あるいは何といいますか病原体あるいは血液等を検査した関係、こういった人々、合計二十六名であったわけでありますが、この二十六名を濃厚接触者というふうにいたしまして、この人々につきましては、その人々の了解を得まして病院内で待機をしてもらう、勤務解除をするという措置を四月四日の夕方に厚生省から指示がございましたので、直ちにこれを実施に移しまして、あくる五日の午前中にはすべてそれに基づく措置を完了いたしたわけでございます。そういったことでありまして、こういった人々についてはそういう病院内待機ということをお願いしますと同時に、厳重な健康監視ということもいたしました。そういうことで第二次感染を防ぐ、あるいはさらにそれ以上の感染を防ぐという万全の措置をとったつもりでございます。
 その後、日にちが経過いたしまして、先ほど大臣のお話にありましたように、逐次病院内待機という態勢を厚生省の指示により解除いたしておりまして、十五日の午前八時で全員病院内待機という態勢は解除いたしました。なお病院待機をはずしましてからそれぞれ四日間は自宅で待機をさせる、そうしてむろん勤務は解除する、そうしてその間健康監視を続ける、こういう態勢に移っておるわけでございます。
 それから本人及びその家族二名でございますが、これはなお荏原病院に入院中でございます。現在まで本人は経過が良好でございまして、ほとんど治癒したということでございます。また家族二名も感染しておらないようでございまして、いずれも近く退院の運びになるやに聞いておるわけであります。
 以上、発端から今日までの経過あるいは対策等の概要を申し上げた次第であります。
#105
○森勝治君 関係の皆さんの御努力で小範囲にとどまる模様で非常にけっこうです。
 ただ、この際、大臣に私は要望があるのです。なるほど飯田橋や五反田の病院はりっぱでございます。さて、地方に参ったときにどうだろうか、まことにこれはりょうりょうたる医療機関、医療の設備であります。どろぼうをつかまえてなわをなえということで申し上げているわけではありませんが、この事件を契機といたしまして各級機関の医療設備、医療対策等の再点検を行なって、従来ややもすればなおざりにされがちな医療関係の問題の再検討をしてもらいたいと思うのですが、お約束をしていただけますか。
#106
○国務大臣(久野忠治君) 御趣旨の点はまことに同感でございます。今後やはり職員の皆さん、特に地方で勤務をしておられます郵政省の職員の皆さんの健康管理のためには十分な措置を講ずるべきであると私も日ごろから考えておるような次第でございまして、ただいま御指摘の点につきましては配慮をしていきたい、かように存じます。
#107
○森勝治君 昨年の九月、田中総理が訪中いたしました際に、北京に可搬型の小型地球局が設置されまして、同機器はそれ以来ずっと引き続いて運用をされている模様でありますが、この日中間の国際通信サービスというものはどのように改善なされたのか、この点についてひとつお話を承りたいと思います。これはむしろ舘野さんのほうから郵政省の立場でまずお伺いをして、それからこれを設置された国際電電から後ほどお聞きしたいのです。総理が政府の立場で行かれたというたてまえもありますから、とりあえず郵政省からお答えいただき、あわせてKDDからお答えをいただきたい。
#108
○政府委員(舘野繁君) それではかいつまんで、昨年の九月、首相訪中に際しましての日中間通信の連絡の整備ということについて御報告申し上げます。
 田中訪中ということが日本政府の方針としてきまりましたあと、通信回線の整備――当時は御案内のように短波回線におきまして北京及び上海等に非常に少ない電話及び電信の回線それぞれ二回線程度のものが運用されておるにすぎませんでしたので、これの拡充がぜひ必要であるということで政府もそれの拡充を考え、通信事業体であるKDDもその必要を感じまして、KDDから中国の電気通信主管庁に対しまして通信回線拡充の提案を行なってもらったのでございます。
 その際、大方の世論にかんがみまして、テレビの直接中継伝送ということが必要であろうということを考えました。御案内のように、当時中国本土からわが国に対しましてテレビを伝送する回線はございません。これは中国――日本間だけではございませんが、ただいまのところ世界の離れた地域におきましてテレビを伝送いたしますルートといたしましては、通信衛星を介しまするルートが設定される必要がございます。したがいましてKDDから中国の電気通信総局に対しまする回線増設の申し入れの際に、テレビ伝送も可能になるような措置をとろうではありませんかということも含めまして提案をいたしてもらいました。
 その途中、いろいろのやりとりがございましたけれども、結論といたしまして、日本からKDDが提供いたします地球局を運びまして、それを中国電気通信総局の設置する局といたしまして、その地球局を介して衛星通信の回線をつくるということに相なったわけでございます。その結果、電信、電話、テレックス、報道通信及びテレビ伝送等非常に良好な結果をおさめました。
 首相訪中のあと、KDDからその経費の清算その他の問題で中国に代表の方が行かれました際に、日本から持ってきた地球局は非常に優秀であるということで、中国としてはそれを継続して使って恒久的な日中間の通信回線として使用したいという希望が出されまして、それがたまたまその地球局は所有者は日本のメーカーでございます。したがいまして、これはありていに申しますると、KDDがそのメーカーの製品を賃借しまして、それをまた中国電気通信総局にお貸しをしたというものでございまするので、その所有権の移転に関しましては中国のしかるべき機関と所有権を持っておりまする日本のメーカーとの間の商談といたしまして、郵政省あるいはKDDの手を離れた貿易といたしまして処理されたわけでありますが、結果といたしましては、持ち帰ることなく、そのまま北京に据えつけられまして、恒久的な通信回線に現在まで使われている、以上のような経過でございます。
#109
○参考人(菅野義丸君) ただいまの御質問に対してお答えいたしたいと思いますが、KDDとしましては、日中間の通信の増強につきまして、かなり前から電報等によりまして相互で話し合いをしたいという提案をしておったんですが、その時期が至らず実現しなかったのでございます。たまたま田中総理大臣が訪中するということが日本政府できまりまして、これがきまりましたとたんにNHK及び民放各社から、この訪中を機会にぜひその様子を中国からテレビのなま放送にして日本国民全部に知らせたいと、こういう要望があったのでございます。KDDとしましては、国際通信を一手で引き受けているものとしまして、この要望は何としてでもかなえられるように努力しなきゃならぬという信念を持ちまして、郵政省当局の御指導によりまして、具体的に先方に交渉をしたのでございます。
 つまり、われわれが準備しております可搬型の地球局があるが、これを持ち込んで、そちらの施設として使ってもらう、そしてそれによってテレビのなま放送をするばかりでなく、田中総理の訪中に伴ういろんな通信の増強に対処したい、こういう提案をしましたところが、先方がその提案を受け入れまして、そして代表が出てこいということで、私どもが参りまして交渉をしまして、それが実現したようなわけでございます。
 当初は、もちろん田中総理が訪中したあとは間もなく引き揚げるつもりでおったのでございますが、その後、中国側はその結果が非常に良好であって、しかも操作が非常に容易であるという点に着目しまして、何とかしてこれを自分のほうに譲ってくれという話がございましたが、先ほど監理官からお話がありましたように、KDDは、これは自分が持っているものではなくメーカーから借りたものでございますので、その旨向こうに申しまして、買うということになると、メーカーとそれから向こうのしかるべき機関との間の話にしてもらいたいということで、売買契約をしてもらったのでございます。したがいましてその売買契約ができるまでは当社から中国の通信当局にお貸ししたという形で、私どものほうとしましては、メーカーから借りている賃借料をそのまま中国のほうに賃借料としてお願いしたような次第でございます。
#110
○国務大臣(久野忠治君) その後の経過について、私が補足をさしていただきます。
 ただいま両者からいろいろ経過についてお話がございましたが、これを売却するために契約交渉に行かれましたメーカーの社長が私のところへ先般あいさつに来られました。それは鍾夫翔電信総局長が日本へ来られます前でございます。来られました際に聞いた話でございますが、昨年の二月ニクソン訪中の際に、アメリカは上海と北京と二カ所にいわゆる可搬型地球局を設置したのでございます。ところが中国側はこれを買い入れたいという要望を出したようであります。これに対して一基三百万ドルだと言ったそうでございます。それだけ高いものであれば一基でよろしいということになって、上海のだけは残して、北京のを引き揚げたというので、今度田中訪中の際に、新しく日本側から可搬型地球局を持っていって取りつけたという経過でございます。そうしてこれを売り払ったわけでございますが、売り払った価格は百万ドルだと言っておられました。アメリカの価格の三分の一でございます。
 それと中国の電気通信関係者が驚嘆をしたのは、アメリカの地球局はインテルサットのいわゆる星に方向を向けるのに約二時間かかりました。ところが日本の地球局は星を突き当てるのにわずか二分間でこれを突き当てました。この性能と技術には全く驚嘆をいたしました。いかに日本の電波技術が進歩しておるかということを私は確認をいたしました、こう言って鍾夫翔電信総局長がメーカーの社長におっしゃったわけであります。
 そういうような経過から、鍾夫翔電信総局長が早く訪日したいという意向が固まったようでございまして、そのような経過で今日これが稼働いたしておるような次第でございます。
#111
○森勝治君 日中正常化によって日台間の外交関係が断たれました。そういたしますと、日台間の通信はどうなるのか、現在はどうなって、いるのか、この点ひとつお答えをいただきたい。
#112
○参考人(菅野義丸君) 結論から申しますと、日台間の通信は従来と変わっておりません。
 日台国際電話回線は、昨年九月の末に――九月の末というと日中国交正常化のときですが、三十七回線ございましたが、通信量が増加いたしまして、昨年の十二月に二回線、本年の二月に一回線を増設しまして、現在では四十回線を運用しております。国際電報は現在二回線、テレックスが十七回線ございますが、これは従来どおり運用して問題はないのでございまして、台湾との間におきましては従来と少しも変わりなく、むしろ通信の需要は多いのでございまして、その通信は完全に疎通しておるような状態でございます。
#113
○森勝治君 大臣にお伺いしたいんでありますが、先ほどのお話だと月末訪中される模様でありますが、当然この日台間の通信問題等についてもあちらとお話し合いがなされるものと思うのでありますが、そうですね。もしそうだとするならば、この問題についてどういう態度で臨まれようとされるか、この点もお伺いしたい。
#114
○国務大臣(久野忠治君) 前回合意に達しました日中海底ケーブル布設の会談の際には、日台間の問題は少しも話が出ませんでした。もちろん私のほうからもこれには触れませんでした。中国側からも何らの意向も示されませんでした。そうして日中間の海底ケーブルを一刻も早く布設をし、さらに電気通信関係の改善を促進していきたい、こういう希望が申し出られまして、非常に好意的な態度で私たちは基本的に了解し合ったと、こういうことでございます。でありますから、私は北京へ参りましても、その問題についてはおそらく話し合いが出ないものであると思っておる次第でございます。
#115
○森勝治君 しかし、この道はいつかは通らなきゃならぬでしょうね、避けることのできない問題ですね。やがては――きょうやるか、あすやるか、あさってやるか、その日にちが違うだけでありまして、避けて通れないですね。
#116
○国務大臣(久野忠治君) それはただいま森委員御指摘のとおりだと思います。私もそのように考えておりますが、しかし、その時期、方策等につきましては、これは両国の間でかなり意見の交換を遂げるべき重要な課題であろう、かように考える次第であります。
#117
○森勝治君 先ほど鈴木委員の質問の中にもありました日中間の海底ケーブルの問題ですね、これはもう大臣がるるお答えになったとおりであります。そこで、お話にもありましたように、大臣が行かれて、今後は建設・運用・保守協定の締結、建設という段取りになるんだろうと思うのでありますが、建設費は先ほど六十億というお話がありましたが、これは六十億でしょうか、五十億でしょうか、あとでお答えの中に入れていただきたいのでありますが、これは日中折半ということですから、折半で、回線も共用ということになります。国際電気通信の持つ重要な意味の一つは、世界平和と人類の進歩に貢献することにあるわけですから、両当事者間で同ケーブルが、鈴木さんも指摘されましたように、日中間だけの問題にとどまることなく、他国との通信にも役立てるという合意に照らしましても、その推進にはあらゆる困難を乗り切って、鈴木さんが指摘されたように、大臣が言明されたように、所期の目的をぜひとも達成してもらいたいわけであります。
 そこで、具体的な質問に入りますが、ケーブルの陸揚げの問題でありますが、先ほどの鈴木さんの質問の後半にもありましたが、中国側はすでに上海地区と指定をしておるわけでありますね。ところがわが国の側はまだ未定だというところに私は懸念せざるを得ないのであります。
 KDDは、先ほどの御説明の中で、長崎、鹿児島、沖繩というふうに三カ所をあげておられるわけでありますが、聞くところによりますと、これら三カ所の向こうを張って、たとえば広島等は地元の政財界をあげて、いわゆる政治的な次元に立っての猛運動を展開している、こういうふうに聞いておるわけです。いわゆる誘致運動をしておる、こう聞いているわけでありますが、このケーブルの陸揚げ地というものは、何といってもあくまでも合理的な経済原則に立って選定すべきだと私は思うのであります。したがってそうなるならばこの陸揚げ地の選定というものについて当然一定の方針を打ち立てなければ、どこそこのいわゆる何町何丁目何番地というぐあいにはまいらぬと思うんであります。したがってこの選定についての基本的な考え方をひとつ聞かせていただきたい。
#118
○国務大臣(久野忠治君) 最初の御質問の経費の点でございますが、実際のケーブルを含めた布設の経費は五十億円でございますが、その陸揚げ地その他の諸経費を含めますと六十億円になるわけでございます。それは現時点における資材価格その他による計算ではじき出したものでございます。でありますから、今後私はこの経済の動向によっては変わる場合もあり得るというふうに思いますが、しかし、いまの陸揚げ地の点につきましては御指摘のとおり全く同感です。
 これは政治的に云々すべきものではないと私は思います。やはりこの陸揚げ地域は技術的に見てどこが一番適切であるか、それから工事上、将来のこの運営にあたってどういう地域が一体適切であるか、そういうような観点に立ってこの選定をすべきであると私は思うような次第でございまして、先般も鍾夫翔電信総局長もおっしゃってみえましたが、これはあくまでも技術的な見地で両国間の技術者の間でも検討してみたい、こう言っておられました。おそらくそれは海底の事情などを両国で調査したいということではなかろうかと思うのでございます。以上のような諸点で陸揚げ地を早急に選定をいたしませんと、これはKDDと上海市電信局との間の正式契約を結ぶことができませんので、早急にこの陸揚げ地点については詰めてまいりたい、かように考えます。
#119
○森勝治君 東南アジアのケーブルについてお尋ねをしたいのでありますが、この点につきましてはすでに昭和三十四年ごろ日本がこの提案をいたしてから今日まで相当の年月が経過したわけでありますが、この間御承知のように衛星通信が実用化され、関係諸国、なかんづくフィリピン、タイ、香港等に地球局が設定をされて、衛星通信によるより良質な回線が獲得できることになったという観点からでありましょうが、関係各国間にこの点についてのいわゆる熱意がさめてきていると、こう聞いているわけです。
 東南アジアケーブルの建設の意義、そしてその効果についてはいまこういう現段階において、一体どのように評価されておられるのか、しかもこの計画は現在どのような状況になっておるのか、この点御説明をいただきたい。
#120
○国務大臣(久野忠治君) ここ数年の間に東南アジア地域のほとんどの国に地球局が完成をいたしました。これが重要な通信回線として利用されるようになったのであります。御指摘のとおりでございます。
 しかしながら、国際通信需要は増大しつつある情勢でございまして、むしろ東南アジア諸国の間には一刻も早く海底ケーブルを布設したいという意向が高まっておるのでございます。しかしながらこの資金調達上の問題につきましていろいろ各国間に合意は見たものの、やはり建設についての障害が出てまいりまして、そこでいま足踏みをしておるという情勢でございます。でございますから、この問題について何らかの措置を講ずれば、東南アジアカーブルの開設というのも早期に着手することが可能である、かように存ずる次第でございます。
#121
○森勝治君 この経費が約三百億円かかると、こういわれているわけですが、さてこの調達はどういうふうにされるのか。各国が熱意がさめてきたといわれるこの段階においては、資金調達もこのままでいきますとままならぬようになってしまうという懸念もありますが、この点はどうされようとしておられますか。
#122
○国務大臣(久野忠治君) これはあくまでも一部の意見でございますが、それはまだ確定をいたしたものではございませんけれども、三百億円と申しますと約一億ドルであります。一億ドルを日本で全部持ってみてはどうかというような意見もまま出ておるような次第でございます。まあしかし折半というのが従来からのこれは原則でございますから、これを踏みはずして日本がその経費を全額負担をするというようなことがはたして可能かどうか、そうした点にいろいろ問題があろうと思いますが、今後私たちは検討をいたしてまいりたいと存じます。
#123
○森勝治君 先ほどもちょっと出ましたが、新太平洋ケーブルの建設計画の概要についてお聞かせ願いたいです。
 さらにまた、ほかのものが分担ということになっておりますが、これもまた経費は分担なのか、その辺もひとつ明らかにしていただきたい。
#124
○国務大臣(久野忠治君) KDDのほうからひとつ答えていただきます。
#125
○参考人(木村光臣君) お答え申し上げます。
 新太平洋ケーブルにつきましては、昭和四十六年の八月に太平洋新ケーブル計画に関する関係通信事業者の首脳者会合がシドニーで開催されました。この会合で日本からグアム−ハワイ−米本土、この間に八百四十五の音声級回線の容量の海底ケーブルを建設することと、それから既存のグアム−オーストラリア間、SEACOM計画と呼んでおりますが、これを拡充することが原則的に合意されまして、関係通信事業者はそれぞれ必要な国内措置をとることとなったのでございます。
 そこで当社といたしましては、昭和四十六年十一月に、この計画の推進につきまして郵政省の内諾を得た次第でございます。一方、アメリカの国際通信事業者は、昭和四十六年秋以降、まず米本土−ハワイ間ケーブル建設につきまして、FCC、これはアメリカの連邦通信委員会でございますが、FCCに対しまして認可の申請を行ないました。しかし、その際、ハワイ州知事などの反対がございまして、まだ認可がおりておらない状態でございます。したがって計画の実施が当初の見込みよりも若干おくれてまいっておりますが、最近ハワイ州知事の反対が撤回されましたので、近いうちに米国側でのFCCの認可がおりて計画が実施の緒につくものと考えられます。
 なお、KDDの所要投資額について現在のところの所要額を申し上げますと、総額で約七十八億円でございまして、全体の投資総額四百九十一億円の一五・九%ぐらいに当たります。
 以上でございます。
#126
○森勝治君 後段のお答えですと、許可はもちろんそうでありますが、着手がおくれている、計画がおくれているという話ですね。そうなりますと、いま総体が四百九十一億で、一五・九%がKDDの負担だと言われておりますが、今日のような物価高でこのまままいりますと、これはもう建設費は異常な値上がりですから、土地値上がりが田中さんが総理になってから三四%上がっているんですから、建設費もおしなべて上がるんですから、いまの御説明のようなことで今後もこの計画を遂行しようといっても、それは海底の話で、いわば水泡に帰することになりかねないんですからね、しゃれを言うわけじゃありゃしませんけれども。ですから、その辺の見通しについてもうちょっと詳しくしていただきたいんです。
#127
○参考人(木村光臣君) ただいまの点でございますが、これは先日ATTのほうから相談にまいりました責任者の話を聞いたわけでございますが、その後の物価その他の変動によってこれが変わることはないかというようなことを質問いたしましたところ、アメリカ側としては、これは主としてアメリカ側でつくった製品を使うことになりますんですが、大体このままで差しつかえないという返答を得ております。
#128
○森勝治君 その点は明確にお答えをいただいたというふうに記憶してよろしいですね、たたみかけるわけではございませんが。いいですね。ですから今度、たとえば来年等に、いや物価が上がりましたから、アメリカが要求したからしようがないですと、メーファーズなんてね、大臣中国へ行っておそらくそういうことばもまねされてくるだろうが、そういうことであっては困りますから、私はしつこいように聞いているんですが、そういうふうに建設費は一銭も上がらないと、いいですね。
#129
○参考人(坂野學君) お答え申し上げます。
 先生も御承知のとおり、ただいま国際の通貨の変動とかあるいは国内の物価のいろんな変動等も、日本はもとよりのことアメリカ等もあるようでございます。しかし目下、私ども、先ほども木村参考人から申し上げましたように、この一カ月ぐらい前にアメリカから参ったその人がそのように申しておりましたけれども、これは何ぶんともでき上がる時期が昭和五十一年ということでございますので、その間におきまする物価の変動というものは多少とも――私は絶対にないということはどうも申し上げられぬわけでございまして、その点につきましては私ども常に注視をしておりまして、機会あるごとにまた関係方面にも御報告を申し上げまして、ひとつ御了解を得るようにいたしたいと、こういうぐあいに考えておる次第でございます。
#130
○森勝治君 それでは建設費並びにKDDがいわゆる負担する額というのは予測できないと、変動があるかもしらぬと、こういうことですね。したがって、先ほどこちらで言われたものを副社長が若干修正されたと、流動的なお答えに変わったと、こういうふうに理解していいですね。
#131
○参考人(坂野學君) 先ほどお答え申し上げましたその額は、今年の当初くらいのいろいろな物価あるいは為替の変動の状況から申し上げまして、それは大体この辺でございますということを申し上げた次第でございますが、私どももそう多くは変わらないと思いまするけれども、何ぶんとも日本国内はもとよりのこと、外国におきましても相当の物価の変動はある程度やはり考慮の中には置いておかなければならぬ、こういうように考えるわけでございまして、この大綱は私はそんなにこれから多く変動するとは思いませんけれども、一つも変わらないかと、こう御質問になりますと、若干多少ともその辺のアローアンスをひとつ見ていただければたいへんしあわせかと、こう存ずる次第でございます。
#132
○森勝治君 私がなぜ申し上げるかといいますと、たとえば第三太平洋ケーブルであるハワイ−日本間には、日本で開発したところの電話千六百回線のケーブルを使うということでしょう。日本で開発したものだというならば、これも五十二年完成ですから、この建設費が約二百十億九千万というのですね、推定が。ですから五十二年完成だけれども、これからのことですから、日本でこれらのものをつくるのですから、当然日本製品を、日本の開発ですから、使うのでしょう。ですからこれはもう常識で考えても建設費が上昇することは明らかじゃないですか。アメリカ製品ばかり使う――工事のかかりは全部アメリカだというなら別ですが、これは日本で開発したものを使うわけでしょう、そうじゃないですか。全然この辺違うので、私の理解のしかたが至らぬのでしょうか。
#133
○参考人(木村光臣君) 私の説明が至らなかったと思うのでございますが、この第二太平洋ケーブルに関しましては、これは八百四十五回線の容量を持ったアメリカ方式のものでございまして、主としてアメリカの製品が使われることになっております。
#134
○森勝治君 ですから、それは先ほど言われた第一期工事のお話です。私は四十八年から着手をして五十二年完了の第二期工事の点にまで触れているのですよ。将来分担金の変更がないかと、こう申し上げていたら、あなたは変更はないという話だ。ところが副社長は若干、先月来たアメリカの話ではそうだけれども、何かそういうふうにとってくださればありがたいと――ありがたいとか何とかで済むものじゃないですよ、現実にKDDから金が出ていくわけですからね。だからそれを申し上げているのです。この点もうちょっと明らかにしていただきたい。
#135
○参考人(坂野學君) 先ほど木村参考人から申し上げましたのは、どうも先生のお話をちょっと誤解いたしておりまして、いわゆる第二太平洋ケーブルの中の米本土−ハワイ、それからハワイ−グアム−沖繩。それから豪州に行きます一部の改造、いわゆる第二次の太平洋ケーブルのことを申し上げて、これは主としてアメリカの製品を使います、そうしてアメリカから最近来ましたATTの人の話を聞きますというと、大体その値段にそう変わりはないということを御説明申し上げたわけでございますが、ただいまの、その次にまいりますハワイと日本を結びます計画につきましては、これは日本製の千六百チャンネルのケーブルを使うということに一応合意を見ております。
 したがいまして、先生おっしゃいましたように、この日本製のケーブルにつきましては、これから相当、二年三年の期間があるわけでございまして、その間に物価値上がり等も私どもは十分考慮の中に入れなければならない、こういうことを考えておる次第でございます。ただいまのところはどの程度これがいくものかということにつきまして、私どもいろいろ資料もございませんし、これはこれから十分に詳細にひとつ検討をしていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#136
○森勝治君 日韓通話の問題についてお伺いしたいのでありますが、対韓国通話はわが国の国際通話の中では一番通話数が多い、こういわれておるわけでありますが、しかもそれは対米通話を上回っておる、こういわれて、昨今は特に通話回数が激増している模様であります。しかもそうなれば今後もこの傾向は続くでありましょうが、現在は日韓間の通話はマイクロ波の見通し外通信によっておりますから、その回線数は八十回線程度と、こう聞いているわけです。これではいまの激増また将来激増が予想されるわけでありますが、これら激増する通話需要に対応ができないのではないか。そうなれば待ち時間が当然長くなる、こういうことになってくるわけでありますが、これらについての改善策ということはどう考えておられるのか、お伺いをしたい。
#137
○参考人(菅野義丸君) お答え申し上げます。
 日韓間の通信は最近非常な勢いでもって多くなってまいりまして、仰せのごとく現在では、電話に関する限り、対米間の電話より度数は多いのでございます。したがいまして時間によりますと、待ち合わせの時間が多少長くなりまして御迷惑をかけているようなわけでございます。現在スキャッターのマイクロウエーブにつきましては、これを倍の回線にするために工事を進めておりまして、韓国側との話も進み、向こう側でも工事をいたしておりまして、今年中には倍の二百四十回線まで回線ができるというふうになっております。現在百二十回線でございますが、電話回線は八十二回線でございます。そういうわけでございまして、まあ倍になりますので、当分の間はこれでいけるんじゃないかと考えております。
#138
○森勝治君 回線増設――倍にするというお話ですが、現在の方式をもってしてはやはりそれは飽和点に達してしまうんじゃないですか。
 そこで、日韓間においても海底ケーブルの設置というものが何か取りざたされている、こういうふうに聞いているんでありますが、その点について少し詳しくお聞かせを願いたい。
#139
○参考人(菅野義丸君) 一応、まずスキャッターの方式を倍にいたしまして、現在のところ推定いたしますと、大体昭和五十二年ぐらいまではだいじょうぶ、その増勢をカバーすることができる計算になっております。
 そこで、五十二年先をどうするかということにつきましては、先方ともいろいろ相談はしておりますが、でき得れば、非常に近いところでございますから、海底ケーブルを敷きたいということを当方から申し出ております。しかしながらこの海底ケーブルの問題につきましては、まだ韓国当局との間に話がまとまったわけではございません。韓国のほうでも、とりあえずとにかく現在の方式を倍増して少し様子を見ようじゃないかというような意見のようでございます。また国内の通信の拡充ということも急がれておりますので、そういったような事情もございまして、現在のところではまだ海底ケーブルというところが具体的にきまったという状況ではございませんけれども、私どもとしましては、五十二年ぐらいまでに完成するように、やはり日韓間の海底ケーブルをほしいという希望を申し立てております。
#140
○森勝治君 韓国との通話等についてはわかりました。
 そこでお伺いしたいんですが、そのお隣の朝鮮との通話についてお伺いをしたいんです。御承知のように、従来、朝鮮との国際通話は、臨時ベースで北京経由ということであったわけですが、先ほどのお話にもありましたように、日本−北京間が衛星中継となったわけですから安定しました。そこでKDDでは従来の臨時ルートというものを正式に認可申請を出したという話であります。何か聞くところによると、認められたというふうにも聞くんでありますが、この点、この際、明確にしていただきたいんです。
#141
○参考人(菅野義丸君) 朝鮮民主主義人民共和国との間の通信でございますが、これは従来事あるごとに北京経由でもって電報及び通話をしておったのでございますが、最近になりまして、これを正式のルートとして北京を経由いたしまして電話、電報の取り扱いをすることに相なりました。現在のところ、一日平均で電報が約二百通、電話は大体十度ぐらいの程度でございます。
 しかしながら、これからは両国との間の関係がますます密接になると思われますので、私どもとしましては何とかして直通の回線を持ちたいと、これはいまのところは短波になりますが、近いところでございますから、直通の回線を持ちたいということを先方に申し出ております。いまのところ、確定的な返事はございませんけれども、できるだけ私たちも努力しまして直通回線を持つようにしたいと、かように考えておる次第でございます。
#142
○森勝治君 郵政大臣、韓国と朝鮮との国際通話はいまKDDの社長がおっしゃったとおりでありまして、韓国に比べて朝鮮民主主義人民共和国との通話はりょうりょうたるものです、まあ両者を比較検討いたしますと。しかし、これであってはならぬと思うのでありまして、一刻も早く、KDD社長がおっしゃったように、朝鮮との国際通話もひんぱんにできるように、ひとつ所管大臣としても最善の努力を傾注すべきではないかと思うんでありますが、この点についてひとつお答えをいただきたい。
#143
○国務大臣(久野忠治君) 森委員の御発言まことに適切でございます。私も全く同感です。
 御存じのとおり、昨年の一月、私は訪朝団の団長として平壌へ参りました。いろいろの経過はございましたけれども、今日ベトナム和平後、アジアの地域には緊張緩和の機運が生まれてきておるのでございます。でありますから、今日まだ国交は回復はされてはおりませんけれども、未回復国でありまする朝鮮民主主義人民共和国、いわゆる北朝鮮との間に直通の通信回線を持つことは当然のことであり、またそれを進めなければならない、かように考えておるような次第でございまして、ただいまKDDの菅野社長からお話がございましたように、朝鮮側との間の接触を試みておいでになるようでございます。これが成功いたしまして、両当事者との間に何らかの協定が成立をいたしますれば、もちろん私が郵政大臣に在任しておれば、これに対しては承認を与えたい、かように思っておるような次第でございます。
#144
○森勝治君 郵政大臣は朝鮮との国交回復、善隣友好を率先して実践して来られた方でありまして、その御努力は高く評価するんでありますが、国際通話すらもこういうふうに韓国と朝鮮は差があるわけです。いわんや出入国等の問題にいたしましては非常にきびしいワクをはめているわけですから、そういうものも、この際、政府としては、そういう差別的な、自由往来のできないような、国際親善にもとるような施策ということはやめるように、日朝親善の一方の旗頭である郵政大臣、とくとひとつ閣内で御発言をし、私の申し上げたような内容は大臣も趣旨賛同と私は承っておりますから、その点ぜひとも御努力をいただきたい。
#145
○国務大臣(久野忠治君) 全く同感でございます。通信回線だけにとどまらず、両国との関係を改善するためには、経済の交流、人事の交流を密にしなければならぬわけでございます。文化の交流、スポーツの交流も同様でございます。
 私が昨年一月参りまして、共同声明に署名、捺印して参りまして以来、その機運が高まってまいりまして、一昨年と比較をいたしまするとたいへんこの数は増加をしてきたようでございます。さらに貿易額についても倍額に四十七年度はなったようでありまして、四十六年度が往復で六千万ドル、四十七年度は一億二千万ドルとお聞きしておるような次第でございます。その上に、かてて加えて昨年の七月の四日、南北朝鮮対話の機運が生まれてまいりまして、自主的に平和的に両朝鮮との間に話し合いによって祖国を統一しようという機運まで生まれてきたのでございます。隣国でありまする日本の国にとりまして、まことに好ましい情勢に変わってきたというふうに私は理解をいたしておるような次第でございます。
 一部には、これに対して批判をしておられる向きがあるようでございますが、私自身といたしましては、やはりこのチャンスをとらえて、一刻も早くあらゆる国々との間に友好親善関係を樹立し、国交を回復をいたしまして、そうして日本の真に平和な体制を築き上げることが必要ではないかと私は考えておるような次第でございまして、ただいま森委員の適切な、力強いおことばを承りまして、私もたいへん感銘を深くしておるような次第でございます。
#146
○森勝治君 インテルサット本協定が二月十二日発効し、初理事会が三月、署名当事者総会が十一月ごろと聞いております。そして締約国総会も来年早々に開かれる模様でありますが、この三月に行なわれました理事会ではどのような問題点が提起されたのか、ひとつお聞かせを願いたい。
#147
○参考人(増田元一君) お答え申し上げます。
 第一回理事会は、三月十四日から二十八日まで開催されました。理事会におきましては、新しい制度ができましたのに関係しまして、この新しい制度を軌道に乗せることに関係する議題がおもに議論されたわけでございます。
 まず初めに、新しい協定によりまして理事会を構成する理事の資格審査が行なわれまして、暫定制度下では十八名でございましたが、新しい制度では二十名が合法的な理事として出席できるということが承認されております、二名ふえております。それから次に、理事会の議長及び副議長の選挙を行ないました。議長はカナダの代表であります。それから副議長はドイツの代表でございます。それから次に、理事会で審議いたしますために必要な議事規則の決定をいたしました。それから次に、理事会をアシストする技術及び財政、契約、そういうことに関します諮問小委員会の設置を決定いたしております。
 それから新しい制度のもとにおきまして暫定事務局ができまして、その事務局長が就任することになっておりますが、暫定事務局長の選出をどういうふうに行なうかということにつきまして議論をいたしました。この第一回理事会におきましては、暫定事務局長の推薦を各国に願おう、お願いしようということをきめました。次回第二回は五月九日から開かれますが、早ければ第二回の理事会、おそくとも第三回の理事会において、この暫定事務局長の選定が行なわれることになっております。
 それからIV号Aという衛星を調達するという問題がございますが、これはただいま上がっておりますのはIV号衛星でございますが、これよりも倍の容量を持ちました大容量のIV号Aという衛星を三個調達するということを決定いたしております。
 大体大まかに申し上げまして、以上でございます。
#148
○森勝治君 協定が発効いたしますから、全通信事業者の出資額が三億ドルから五億ドルに増加ということになります。そうなりますと、資本額と出資の比率というものはどう変わっていくのですか。
#149
○参考人(鶴岡寛君) ただいま御指摘のように、暫定制度当時に三億ドルほどでありましたものが、恒久協定に変わりますと、資本限度額として五億ドルが予定されております。そしてまたそれとあわせまして、いわゆる資本の割り当て率といいますか、出資率、これが当初二%、暫定制度終了時に一・七二%でございました、この比率が今回は四・四八%となるわけでございます。
#150
○森勝治君 四・四八ですか、四・九ですか。
#151
○参考人(鶴岡寛君) 四・四八%でございます。
#152
○森勝治君 KDDのインテルサットの衛星利用状況、いわゆる衛星の使用料、衛星収入の何ですか、分配金ですか、それはどうなっていますか、現状は。
#153
○参考人(鶴岡寛君) まずインテルサット衛星の利用状況でございますが、太平洋におきまするIV号のF4衛星につきましては電話級で二百五十一回線利用していますし、インド洋のIV号F5衛星につきましては電話級で九十四回線、また大西洋のIV号F2の衛星におきましては電話級で一回線の利用をいたしております。
 それからこのように衛星を利用いたしますための対価といいますか、衛星使用料は、四十七年度におきまして十二億三千二百万に相なっております。
 そしてまた関係の経費としては、運営費、これはインテルサットの運営維持管理に要する費用でございますが、これを各署名当事者が割り当て率、今回からは出資率と呼ばれますが、それに応じて分担いたしますが、それが四十七年度におきまして八千二百万でございます。
 これは各通信事業者がインテルサットに対しまして出します金でございますが、今度はそのようにしてインテルサットに集まりました金をインテルサットでは一たん収入として受け入れますが、これを各署名当事者の割り当て率、出資率に応じまして分配をいたします。それは当社におきましては、四十七年度の数字で申しますと四億六千七百万円の分配を受けております。
 以上でございます。
#154
○森勝治君 昨年末、電通とアメリカのゼネラル・エレクトリック・カンパニーから出された大型コンピューターを国際的に共同利用するという、そうして日本の企業も同社の国際情報ネットワークサービスを受けられるようにするということをするために、情報ネットワークサービスに関するソフトウエア及び事業運営に関する援助と訓練についての、技術援助契約締結の申請を許可した模様でありますが、これは外資法及び公衆法上の処理状況や検討のいきさつ等についてお聞きをしたいと思うのです。
#155
○政府委員(舘野繁君) ただいまお話の電通、GEの、国内的にいいますとデータ通信の利用に関しまして、外資法関係といたしましては、昨年の十二月二十五日付で外資審議会が通りまして、大蔵、通産、郵政三大臣から外資法上の認可がおりました。
 それから、これは電通、GEからではございませんけれども、電通、GEから電電公社及び国際電信電話会社に対して申し込みのありました回線の使用に関しまする申し込み、これは公衆法上回線を共同して使う、あるいはまた特定通信回線と公衆通信回線とを接続するというような関係から、電電公社及び国際電電からこの公衆法上の認可の申請がありましたが、これは郵政大臣から、きょう付になっておりますが、で認可がおりました。
#156
○森勝治君 さらにもう一つお伺いしたいのでありますが、このマークIIサービスというものは、いわゆる国際通信回線を通して、世界各国のユーザーが先ほど申し上げたGE社の大型コンピューターを共同利用する、そして国際データ通信、いわゆるサービスを受けるわけでありますが、こうなりますとわが国の情報処理産業に与える影響というものが非常に大きくなってくるように懸念されるのです。
 そこで、まず第一点としてお伺いいたしたいのは、日本の企業が情報サービスを利用する場合、産業界のいわゆる企業秘密というものがGE本社のコンピューターに記憶される。さらにまた、これは当たらない表現かもしれませんが、記憶されてこれを悪用されるおそれがないのかどうか、この点をお伺いしたい。
#157
○政府委員(舘野繁君) 一般的に申しまして、このデータ通信、特にその主電算機が外国企業あるいは外国にあります場合に、先生がただいま御指摘されましたような心配と申しまするか、留意すべき問題を含んでおることはお話のとおりでございます。したがいまして、これは外資法上の問題でございまするけれども、電通、GEから技術導入について外資法上の認可申請がありましてから約一年の間、一年の余になりますが、通産、郵政両省におきまして、そのシステム、その機構あるいは使われ方等を、外国の例、利用の実態等を見まして、いまお話がありましたような心配はないという確信が持てましたので、昨年末に外資法上の認可をいたしたということでございます。
 まあ簡単に申しますると、この秘密保護と申しまするか、の観点につきましては、機構的にパスワードといったような秘密が他の利用者にはそのファイルの中からは取れないというような機構が非常によくできております。それから、それじゃGE社自体がそれを悪用しないかという点でございますが、これは米国内におきまして、このシステムを利用しておる企業が二千社、英国で四百八十社、カナダ四百社等非常にたくさんの、そういう点に関しまして非常にシビアな欧米の企業がこれを使っておることも一つの証拠になるかと思いまするけれども、GEのこの秘密管理というものは非常に徹底したものであるということが実証されております。
 それからまた、法制的にはアメリカにおきまする通信法及びFCCのレギュレーションにおきまして、情報業者、通信業者におきまする秘密の厳守ということについて法制的な手続もといいますか、仕組みもできているというようなことを確かめた上で、昨年の末に認可に至ったというようなことでございます。
#158
○森勝治君 現在、この会社は米国、カナダをはじめ世界十カ国でサービスを提供していると、こういわれていますが、いわゆるタイムシェアリング産業というものが今後非常に発展が予想されているおりでありますから、このままでまいりますと、この会社にすべて市場が独占されてしまうのではないかというおそれを持つ面もあるわけですが、そういう懸念は全くありませんか。
#159
○政府委員(舘野繁君) 先ほどの秘密保護の問題と同じように、ただいま先生のお話しの国内産業と申しまするか、国内の情報処理及び通信産業に対する影響、あるいはまたこれからどこの国といわず、いわゆる情報化の傾向にありまする現代社会におきまして、非常に有力な企業が外国から入ってくることによりまして、国内の産業に対する圧迫あるいは発展に対する阻害要因にならないかということも非常に重大な問題であろうと思います。その点につきましても、通産、郵政両省におきまして、一年余にわたりましていろいろと検討を加えました。
 その結果を申し上げますと、大体、このGE・電通の今度のデータ通信で売りものと申しまするのは――ちょうどただいま電電公社がDEMOSとかDRESSとかという名前で販売しておりまする価格計算及び在庫資材管理といったようなソフトが売りものでございますが、価格計算につきましては、その商品の数と申しますか、ソフトの数が三百幾つございます。現に電電公社が販売しておりまするソフトの数は百数十でございますが、本年暮れに拡大いたしまするDEMOS−Eということを電電公社がいま準備中でございますが、それによりますとソフトウエアの数が、ライブラリーが二百数十になるということで、まずその商品の数につきましては三百対二百ということでございまするけれども、それぞれの項目についてみますると、電電公社が持っているあるいは提供しようとするソフトでGEにないもの、それからGEの商品の中にはあるけれども、現在の電電公社の価格計算のDEMOSの中にはないプログラムと、まあいろいろ出し入れがございます。それから同じようなものを販売しているというような点もございます。それで圧倒的にこの電通・GEの、端的に申しましてGEが持っておりまするソフトの商品の種類が優秀で多いということは言えません。構造計算であるとかあるいは数値計算のパッケージであるとかいうことで、電電公社のほうがすぐれてかつ安いというような商品も多々ございます。それからまたこの在庫管理等によりますると、これはもう個別注文生産みたいなものでございまするから、それぞれ特別のプログラムが必要な企業だけにお客は限られるわけでございまして、非常に多数のユーザーがGEに吸収されるということはあり得ません。
 概括的に申しまして、現在の電通の事業計画によりますると、このGE・電通のお客というものは国内で五十社程度を予定しておるわけでございますが、御案内のように、すでに電電公社のデータ通信を利用しておりまするのは、科学技術計算二百数十のユーザー、それから在庫管理もやはり同数、合わせましてすでに六百余のユーザーがついてございまして、数の上で日本の企業がとうとうとGEに流れるというようなことは考えられない状況でございます。
 なおまた、実際のユーザーが使う場合に一番大きな問題になりまする料金でございますが、これは国際回線料がありますだけに――その他ソフトの使用料なんかを比べましてもGEのほうがだいぶ割り高につきますので、その点から見ても国内市場を席巻するというようなおそれはまず考えられないだろうと私たち判断しているわけでございます。
#160
○森勝治君 まあそうたいしたことはないとおっしゃるわけですが、簡単な会話計算の処理をするという中型コンピューターの場合はさておきまして、マークIIサービスというものは大型コンピューターを駆使するわけですから、処理能力というものが大幅に向上しているわけです。しかもプログラム・ライブラリーの内容も科学的しかも技術的計算、生産管理、在庫管理等に関するものを中心にするのはもちろん、リモート・バッチ等の高度の内容までということになりますと、わが国の国益と産業保護という見地からこれをながめたときに、そうあなたが言われるように安心して可なりといって手放しで放任できないような気がするんです。さっきもちょっとことあげしましたように、アメリカ、カナダ、オランダ等をはじめ世界十カ国をこの社が市場を独占しているというこの姿を見れば、わが国も――それはあなたは心配ないと言うから、私の言うのはしろうと談義で杞憂だとおっしゃるかもしれませんが、しかし他国の例を見るならばどうも懸念だけでは済まされない。前の質問でお伺いしたように、市場を独占されるおそれがある。そうなれば、いま申し上げたように、国益と産業保護の立場というものは一体どうなるのかという懸念が生まれてくるわけでありますので、この点ひとつもう少し詳しくお話を承りたい。
#161
○政府委員(舘野繁君) 一般的に申しまして、この情報処理業務と申しますか、あるいは電気通信回線を利用しましてサービスを売るデータ通信ということに関しまして、外国企業のサービスを入れる際に、先生が御指摘になられました秘密の問題と、それから国内の産業界に与える影響あるいは独占的市場占拠になるおそれがないかというこの二つの問題は、非常に私どもも大切な重大な問題であろうと思います。
 先生御指摘のとおりのような問題意識から、私ども通産、郵政の両当局がこのGE・電通の計画を外資法上の審査をいたします際に、まさに先生が御指摘の二つの問題を中心にいたしまして審査をいたしたわけでございます。その結果、先ほど概括的に申し上げましたように、企業秘密の保護という面及びわが国の情報処理ないしデータ通信業務に与える影響、市場に対する実勢的な影響がどの程度にあるか、国内の産業を圧迫するまでに至るか、あるいはまたその程度に至らない性質のものであるかどうかということにつきまして、先ほど申し上げましたような結論に到達しましたので、外資法上の認可をしたということでございます。
#162
○森勝治君 国際の方にお伺いをしたいんでありますが、三月十九日にオートメックスのサービス提供を始めたそうでありますが、これは国際電電としては代行業務としては新しいものですね。しかも初めての国際データ通信業務でありますが、現在の姿はどうなっておられるのか。いわゆるサービスの能力、今後の拡充計画、それからユーザー、GEのシステムと比較検討した場合に、いわゆる利点というものがどの程度あるのか、そういう点についてひとつお聞かせを願いたい。
#163
○参考人(宮憲一君) お答え申し上げます。
 国際オートメックス業務は三月十九日で正式の業務を始めるようになりました。それで現在利用しておる加入はわずか一社でございます。それで一部の能力だけが利用されているのでございますけれども、なお数社の申し込みの打診がございまして、いずれはそういうものを収容していく予定に考えております。それからなお、この装置ができましたために国際航空データ業務というようなものもその処理が可能でございまして、これも今年度の末には条件がまとまれば導入していきたいという計画でございます。
 それからさらにオートメックスの将来の姿でございますけれども、現在専用線を自社の経営でもって処理しておるところもございますが、そういうところはだんだん容量がふえてまいりまして、機械の置きかえのような時期が来るかもしれぬのでありますが、そのような場合にはそういうものを専門のKDDのオートメックス装置に委託する、こういうような情勢も考えられますので、そういうようなことを考慮に入れまして、長期計画のもとに国際通信センターが完成した暁には逐次増設するような形態をとりまして、この業務を拡張さしていきたいと考えておるのでございます。
#164
○森勝治君 一昨年ごろから国際データ通信に備えて需要予測調査というものを行なった模様ですけれども、情報処理を伴う国際データ通信について、どのような計画をお持ちなのか、この点ひとつお聞かせを願いたい。
#165
○参考人(宮憲一君) これは国際電電といたしましても、データ通信業務はまだ歴史が浅いわけでございまして、新しい業務でございます。それでなかなか的確なる将来の需要をつかむことがむずかしいのでございますが、この点についていろいろ検討いたしました結果、とりあえず、先ほどお話のありました電電公社のコンピューターの実力を使わしていただきまして、GE・電通のものが情報輸入型というふうに考えますならば、情報輸出型の業務を外国のほうに提供してみたいと、こういうことを考えております。そして最初は東南アジア、大洋州方面のわりあいに利用をはかっていただけるようなところを対象にしまして、これを拡張してみたいということで、できれば来年度になりまして実現を期してみたいという計画で進めております。
 それからなおさらに、情報処理をやる潜在的の需要としましては、貿易とか運輸とか金融、旅行関係の業務が考えられますのでございますが、これはなかなかむずかしい問題がからんでおりますので、十分世界の情勢を検討し、最善の策をとりたいというふうに考えます。
#166
○森勝治君 国際電話の自動化の問題についてちょっとお伺いしたいんでありますが、過ぐる三十日からアメリカ本土、ハワイ、西ドイツ、スイス向けの国際電話をダイヤル直通に移行されたわけでありますが、自動通話の全体に占める割合というのはどのくらいになるのかお聞かせ願いたい。
#167
○参考人(増田元一君) お答え申し上げます。
 現在、全自動関係の加入者が限られた加入者ばかりでございまして、たいへん少のうございますので、平日平均二十ないし三十程度の発信コールがございます。しかし電話全体といたしましては一日八千コールございますので、八千のうちの二十ないし三十ということでございます。
#168
○森勝治君 このサービスを利用できるのは公社の電子交換機に収容されている加入者に限られているわけですね、そうでしたね。
 そこで、電子交換機ですから当然電子交換の性能を持つ局ということになりますが、これらの局に収容されていない方々で自動通話を希望される、いわゆる使用度数が――そのサービスを希望する者が非常に多くなっていると、こういう話をちょっと聞いているわけですが、そういうものについては可能な限り、それらの方々も収容がえするように電電公社と話し合いを続けるつもりですか。
#169
○参考人(米田輝雄君) 電電公社との話し合いにおきましては、現在東京で申しますと、銀座と淀橋しか電子交換機がございませんが、他局に収容されております利用者で、月に国際電話の利用が十度以上ある方につきましては、技術的に可能な限り、電子交換機に収容するということで電電公社と話し合いができております。で、わがほうといたしましても、いろいろそういうお客さまにお話しいたしまして、お入り願っております。
#170
○森勝治君 銀座と淀橋ばかりでなくて大阪の船場がありますね、それから名古屋の広小路、もう入っているわけでしょう。
#171
○参考人(米田輝雄君) 同様でございます。
#172
○森勝治君 このダイヤル即時化の今後の予定対地はどこを考えておられますか。
#173
○参考人(増田元一君) お答え申し上げます。
 ただいまは東京と大阪と名古屋の一部地区でございますが、昭和五十二年末には県庁の所在地、それから東京、大阪、名古屋周辺都市、これは国内でございますが、外国側の取り扱い対地につきましては、相手と交渉いたしましてできるだけ範囲を広げていきたい、こういうふうに考えておりまして、昭和五十二年度末までには東南アジア、南米、アフリカの一部を除きまして、世界の主要都市に対しまして国際電話の発信自動化の実現を考えております。この時期におきましては大体日本発信通話の三五%が全自動化される、こういうふうに予測をいたしております。
#174
○森勝治君 あまり大ざっぱなお答えだもんだから、どうも私はあなたのお答えには追っつけないんでありますが、それでは私のほうで聞きましょう。
 四十八年度は台北、香港、パリ、シドニー、こういう計画はないのですか。さらにもう一つ、翌年の四十九年度マニラ、ソウル、バンコク、クアラルンプール、シンガポール、こういう計画が皆さんの中におありならば、そんな五十二年なんてばくばくたる話をされないで、具体的に――これは私がこういう計画はないかと言って四十八年、四十九年とことあげいたしましたから、そういうふうに具体的にひとつ親切にお答えをいただきたいと思うんです。
#175
○参考人(増田元一君) どうもたいへん大ざっぱなお返事を申し上げまして、申しわけありませんでしたが、ただいま先生がおっしゃったとおりの内容でございます。
#176
○森勝治君 じゃ私が聞きました四十八年度、四十九年度、これは実施という計画を持っていま進行中と、こういうことですね。
#177
○参考人(増田元一君) その予定で交渉を始めるわけでございます。
#178
○森勝治君 料金滞納につきましては、鈴木さんも質問されたところでありますが、何か通話停止でなくして受付拒否ですか、そういう表現を社長はお用いになられましたが、これはもっと強い規制措置ができないのですか。これは企業の防衛的な立場からいっても契約違反ですからね。そんなごめんあそばせ程度のことでやらずに、もっと――当然これは皆さんは株式会社ですから、株式会社のよって来たるもろもろの、法の保護もあるわけですから、そういう見地からもっと強い措置がとれると思うんです。
 もちろん、これは国際的な問題がありますから、国際のそういう善隣友好とかそういう立場から多少そこは手心を加えられておるのかもしれませんが、鈴木さんも言われたように、あなたは世界に冠たるKDDの職員だと、こう部下をほめておられるけれども、働いても働いても未納がどんどん出てくるというんでは、これはもう生産の第一線に立つ意欲を職員は喪失してしまうんですから、この辺のところをもう少し的確な判断と、とるべき態度についてひとつお示しをいただきたい。
#179
○参考人(菅野義丸君) この点につきましては、先ほどもお答え申しましたとおり、最近、これは非常に重大な問題であるという認識のもとに、いろいろな手を打っておるわけでございます。必ずこの滞納は今後漸次少なくしようという決意を持って、大ぜいの者がこれにかかって、きめこまかに徴収に努力をいたしておるような次第でございます。
 電話をとめてしまうということは、現在の日本におきましては、国内電話と電際電話一緒に話をするような電話機になっておりますので、単に国際的な電話料が滞納だからといってその電話をとめることは、現在の法制上ではできないそうでございます。これができれば非常に強いのでございますけれども、現在では国際料金の滞納のみによってその電話をとめることはできないそうでございます。
 したがいまして私どものほうとしましては、極力滞納を少なくすると、そのためには相当な人数でもってきめこまかに努力するという以外にはないのでございまして、先ほど鈴木先生からもお話がありましたように、たとえばアパートのときには管理人に必ず承認を受けるとか、そういったようなことまでもこれからはしたいと存じております。
 以上でございます。
#180
○森勝治君 郵政大臣にお伺いしたいのですが、現行法令をもってしてはいかんともしがたい、こういうお答えだろうと思うのであります。そうならば国際電電のこの種の解決の問題については、限度があるような気がするのです。片や電電公社管理の国内電話につきましては、いわゆる伝家の宝刀で加入権剥奪というのが最終の規制でありますけれども、この国際電電が国際通信の使命を十分果たしておることは、大臣も所管の長として十分先刻御承知のとおりであります。しかし企業努力にかかわらず、国際法上その他の関係でどうにもその点が困るということであるならば、国内法はそうでありますから、その辺のところはひとつ何らかの適切な措置がとれるように、法改正等の問題も当然ここで考えてみなければならぬ問題だと思うのでありまして、この点について御研究をしていただけますか。
#181
○国務大臣(久野忠治君) 御指摘の点は、よく理解のできるところでございます。今後、検討事項として、十分皆さんと協議をいたしまして、何らかの措置が講じられるように考えてみたい、かように存じます。
#182
○森勝治君 それでは、通貨変動の問題についてちょっとお伺いしたいのでありますが、御承知のように変動相場制移行に伴いまして、日米間の国際電話の料金は、ドル払いとの格差が大幅に広がりました結果、日本発信をアメリカ発信に切りかえることが特に大口利用者の場合に考えられてくるわけでありますが、実態はどうなっておるか、この点ひとつお聞かせをいただきたい。
#183
○参考人(菅野義丸君) お答え申し上げます。
 ドルの切り下げ、それから日本の円の変動相場制の実施ということによりまして、仰せのごとく、同じアメリカとの間の通話も、料金がアンバランスになっていることは事実でございます。私どももそれを非常に心配しまして、つまりアメリカのほうのコレクト・コールといいますか、受けるほうの料金払いが多くなるんではないかということを心配しておったのでございますが、事実はほとんど変わりありません。むしろ日本のほうのコレクト・コールが少しずつ増しておるのでございまして、アンバランスはございますけれども、そのために米国のほうの支払いというような傾向はいまのところは見せておらないような実情でございます。
#184
○森勝治君 ドル払い料金と円払い料金との格差が大幅になっておるにもかかわらず、いまの御説明だと、アメリカ発信への切りかえ傾向が緩慢である、あまり違わないということでありますが、その原因をどう見ておられるでしょう。
#185
○参考人(菅野義丸君) これは想像でございますけれども、やはりアメリカ側で支払うということになりますと、こちらからの送金の問題もあるでしょうし、いろいろ手続上の煩瑣もございまして、これはひとり日米間ばかりでなく、たとえば西ドイツとアメリカとの間というふうに、ドルに対して割り高になっておるところでも同じような傾向でございまして、そのためにアメリカの料金負担がふえたというようなことはいまのところは聞いておらないのでございます。
#186
○森勝治君 御承知のように、KDDは国際電信電話の分野における独占会社であります。したがって為替の差益というようなものはKDDが私することなく利用者に還元すべし、ことばをかえますならば、国民に返せ、こういう意見も間々出てくるわけであります。変動相場制移行に伴って、通信料金の面においてKDDは為替差益というものをどのくらい見込んでおられるのか。また、いま私が若干触れました、差益金を利用者すなわち国民に還元すべしという批判をどのように受けとめておられるのか、これは郵政大臣とKDDと両方からお伺いをしたい。
#187
○参考人(菅野義丸君) 会社側からお答え申し上げます。
 この通貨の変動によりまして、もしKDDが長く今後ずっとその差益を受けるという見通しがある場合におきましては、これは当然料金の引き下げということにして、国民に、利用者に返さなければならぬと私は信じております。その点につきまして、いまはたしてどのくらいの差益があるか、あるいはそれはどういう種類のものかということについて検討しておりますが、私がいままで聞いております中間的な話では、その差は非常に少ないようでございまして、これをかりに料金の引き下げに充てましても、ごくわずかな金のように聞いております。しかし、これは的確な数字をつかまえて決定しなければならない問題でございまして、仰せのごとく、たとえば三年とか五年とかいう短期間ではなく、長く続く差益があるならば、これは当然料金の引き下げに回しまして、利用者に還元すべきものと信じております。
#188
○国務大臣(久野忠治君) ただいまKDDからお答えがありましたように、今回の為替変動による差益はきわめてわずかなものであるようでございます。でございますから、これを料金に反映させることは必ずしも実際的ではないと考えられます。しかし、先般、内閣に物価問題閣僚懇談会ができまして、この懇談会の中に検討事項としてこの一項目が加えられておることは事実でございます。これは航空料金とともに何らかの措置をしてみてはどうかという話があったのでございますが、郵政省といたしましては、差益が非常にわずかであるというような報告を受けておりましたので、将来これを検討するということにいたしておるような次第でございまして、物価問題閣僚懇談会の資料の中にも検討という文字で表現がいたしてあるような次第でございます。
#189
○森勝治君 アメリカや日本、西ドイツ、イギリス、フランスなどのいわゆる先進国と目される国の中において、為替レートの大幅な変動がありました、御承知のように。したがいまして現行の国際電信電話料金を国際的規模で調整する、こういう必要もあると思うのでありますが、郵政、KDD両方でこの点についての御意見を伺います。
#190
○参考人(菅野義丸君) 森先生のおっしゃるとおり、私どももその必要を感じております。これは長期的に慎重に考えまして、各国の料金をバランスのとれたものにすべきである、そして同じ通話ならばどこからかけても同じであるというふうにするのが理想的でございます。しかしながら御承知のとおり、現在は通貨事情も非常に不安定でございまして、おそらくもう少し安定しなければ話し合いをする機会は持てないんじゃないかと思っておりますけれども、通貨の状況が安定いたしましたならば、一日も早くこういうアンバランスはなくなしたいというのが私どもの偽らざる希望でございます。
#191
○国務大臣(久野忠治君) ただいまKDDから御説明がございましたように、現在、国際的な規模での調整は非常に困難ではなかろうかと考えておる次第でございます。
#192
○森勝治君 大胆、KDDではそれを希望しておるわけですね、そうすると行政当局では困難だとおっしゃるわけです。この点はあげ足をとるわけじゃありませんが、私が今回唐突に質問事項を設定いたしましたから、おそらくそういうように多少の立場上の懸隔のあるお答えがなされたんだと思うんでありますが、これは何と申しましても非常に重要なことだと私は思うのでありますから、十分郵政省と国際電電と話をして、いわゆる前向きで処理をしていただきたいと思うのです。これは要望いたしまして、次に移ります。御承知のように、技術革新の激しい分野に参画をされている皆さんでありますので、特にお伺いしたいんでありますが、あすの国際通信技術の開発というものをKDDはどのように考えておられるのか、具体的に取り組んでおられる問題について、特徴的な問題でけっこうでありますが、お聞かせを願いたい。
#193
○参考人(大島信太郎君) お答えいたします。
 KDDといたしましては、量、質ともに利用者の皆さんにも満足していただける良好な国際通信サービスを提供するために研究を進めております。
 それで具体的に申し上げますと、大きな問題として三つ考えております。まず先ほどからお話が出ておりました非常に増大する通信に対しまして、幅の大きい伝送路を建設しなければいけない、いわゆる広帯域伝送路の研究でございます。またそういう伝送路を有効に利用するようにする研究もあわせて行なっております。また多数のいろいろな場所におられるお客さま方から、どこからでも国際通信ができるようにするためには相当高能率の電子交換機を研究しなければいけません。特に国内通信と違います点がいろいろございますので、そういう電子交換機の研究、またその電子交換機を通じまして新しいサービスを提供しようという研究でございます。また新しいサービスといたしましていろいろ将来考えられております。それらに対しまするお客さまのところに置きます端末機器等の研究も重点的に進めております。
 この点でさらに具体的に申し上げますと、広帯域伝送路といたしましては、海底ケーブルといたしましては十二メガヘルツの海底同軸ケーブルの研究開発を行なっております。これは大体の試作ができ上がりまして、昨年十一月相模湾に全長百二十キロメーターにわたります実際の方式を置きまして実験を続けております。この中には中継器が十個入っております。現在実験は順調に進んでおります。
 また衛星通信に関しましては、さらにまた通信の束を大きくしていく必要がございますので、そのためにはもっと周波数の高いミリ波電波を用いることも考えていかなければいけませんので、ミリ波の電波による衛星通信の研究も進めております。
 また有効利用に関しましては、あたかも衛星の中に交換機が入っているごとくに見えるPCMITDMAという方式がありますが、それについて研究を進めておりまして、これはコムサットも同様な研究をやっておりまして、一昨年の夏、対向試験をやりましてお互いが有効に考えていくということを確めております。大体コムサットとKDDの方式を基礎にいたしまして、現在、世界じゅうの国が使えるような仕様書を製作中でございます。
 また、伝送路を有効に使いますためにはさきにレクチプレックスという装置を開発いたしましたが、さらにデジプレックスといいます装置を開発中でございます。これは電話一回線から五十ボーの電信回線が普通は二十四回線しかとれないのでございますが、レクチプレックスを使いますと百八回線とれる、さらにデジプレックスを使いますと二百八回線とれるというものでございまして、こういう装置を使いまして同じ伝送路を有効に使用していくということでございます。
 それから新サービスといたしましては、現在研究中で、ある程度でき上がりかけておりますグラフタイパーというものがございまして、これは将来東南アジアの通信が相当大幅に増大するであろうということを考慮いたしまして、ただアルファベットだけでなく自国の文字でもって通信できるようにしたい。たとえばアラビアでございますとアラビア文字で通信できる、韓国でありますと韓国の文字で通信できる。そのために特定の活字を用いますとそれができませんので、ボールペンを使いまして、その字と符号を対応させておきますと、任意の字をお互いに使って通信できるというものを開発しております。
 またお客さんの要望によりまして、データ伝送をやりながら同時に電話もかけたいということがいろいろございまして、人間の声を半分に圧縮いたしまして、あきました半分のところへデータ伝送とかあるいはファクシミリを通せるようなレターフォンというのを開発しております。これは電話をかけながら同時にファクシミリなりあるいは手書き文字を送るような装置で、見取り図を書きながら話ができるというものでございます。
 いろいろございますが、かいつまんで申し上げますと、以上のような研究を現在進めております。
 以上でございます。
#194
○森勝治君 わかりました。
 何といってもKDDの技術というものは新時代に対応し、激しい世界の技術競争の中で呼吸をしていかなければなりません。したがって技術も一般業務もサービスも世界的水準を要請されているのは当然であります。
 そこで、新時代に対応できる技術革新の道を選んでおられることを当然だと思うんでありますが、さて、いま言われた、たとえば絵もかけるプリンターなどの話もされましたが、これを駆使するのは何といっても職員であります。したがって機械が日進月歩に伴ってどんどん進んでおっても、やはり対応のできる職場体制というものを確立をしておかなきゃならぬと思うのです。特に電信業務の近代化計画等によりまして要員の流動が推し進められていくわけですから、当然、この新時代に対応する新しい機械を駆使するためには、職員の心がまえや訓練というものがいまの皆さん方の計画にうらはらとなって、あわせ表裏一体の形で出てこなければならぬわけです。したがって当然訓練等の問題はなおざりにできない大きな要素を含んでいると思うのであります。
 そこで、職員の一般訓練、専門訓練というものは、今後、どうされるおつもりなのか。しかもそれぞれの機械に合った操作をするわけですから、職員の恵まれた天分と申しましょうか、資質を導き出していかなければ新時代に対応のできる国際電電の運営という評価を持つわけにはまいらぬわけですから、当然、そこにはそういった期待感が込められ、職員の資質向上と技術の革新という両々相まった姿が描き出されてくるわけです。したがってその構想等についてお聞かせを願います。
#195
○参考人(小池五雄君) お答え申し上げます。
 先生のおっしゃるとおりでございまして、この電気通信における技術革新は他に例を見ないほど顕著なものがあります。当社といたしましても、その水準の維持に平素から努力をいたしておりますが、技術面はもちろんのこと、お客さまに対するサービスの向上、業務の効果的運営の面からも職員の能力開発、資質向上の重要性につきましては十分認識をしているところでございます。
 この観点から、職員の採用の段階から、レベルの高いりっぱな職員を確保いたすよう努力しているところでありますが、採用後におきましても、職員が職場において十分に能力を発揮し、安心して働けるよう訓練の充実をはかってまいりたいと存じます。
 御質問の訓練の体系などにつきまして概略を御説明申し上げますと、新入職員訓練、新技術導入に対応する訓練、配転者等を対象とする訓練、職員の資質向上を目的とする訓練、電算機要員訓練、各種外国語を修得するための訓練、通信教育、社外研修機関に委託して行なう訓練、国内外留学、現場局長が実施する現場訓練などがございます。このほかにも社外講師などを招いて行なう教養講座とか洋上研修などにも参加をさせております。
 四十八年度におきましても、ほぼこの体系に従って訓練を実施することになっておりまして、訓練人員は延べにいたしまして約五千人、経費は約一億五千万円でございます。
#196
○森勝治君 わかりました。
 先ほど社長のお話にもありましたように、これは鈴木先生の質問に答えられたわけでありますが、KDDの従業員のサービスぶりは世界に冠たるものであるという胸を張ってのお答えであります。これはまさにそのとおりだと思いまして、会社の皆さんの努力には敬意を表するものであります。
 さて、いまお話がありましたように、技術革新の問題、新時代に対応できるように、職員の資質を向上させる、こういうことになりますならば、そこにやはり企業努力というものが伴わなきゃなりません。従業員が生産の第一線に立つ意欲をかき立てる努力もまた経営者として課せられた任務だろうと思うのであります。
 先ほどのお話には、この従業員の待遇等の問題については他の関連する企業と比較をして何か遜色がないようなお話でありましたが、情報化産業時代におけるKDDの国際分野において果たす位置というものは国内では比肩できる産業がありません、比較できる産業が私はないと思うのです。したがってそうなれば、外国の例になぞらえての御発言だと思うわけでありますが、社長のことばじりをとらえるわけではございませんが、非常にこれは大切な要素を含んだ発言と私は考えましたから、あえて社長の前半の御発言を引例をいたしまして質問をするわけでありますが、当然、世界に冠たるKDDならば、しかも新時代に対応する国際的な視野を広げて、職場で国民の期待、文化の使命をになうKDDの従業員として、それに対応できる、ふさわしい報酬が支払われてしかるべきもの、また当然かくあるべきものだと私は考えます。
 したがって、この比較検討されました他産業というものはいずこをさされたのか。先ほどの話では、待遇是正等の問題については当該労働組合側と十分話し合いをしておる、人間尊重のこの社の精神でやっていくという非常に高邁な御意見が述べられておりますけれども、その辺ですね、鈴木さんのときにお答えいただいた点の重複を避けながら、ひとつお答えをいただければと思います。
#197
○参考人(菅野義丸君) 先ほど鈴木先生にお答えいたしました私の答弁があるいはことばが足らなかったかと思いますが、KDDはあくまで日本の会社でございます。したがいまして外国の会社と比べるという意味ではございません。日本の同じような仕事をしておる会社に比べて決して遜色のないような待遇をしたい、こういう意味でございますので、もし私のことばが足りなかったならば補足をさせていただきます。
#198
○森勝治君 そうしますと、社長、失敬でありますが、同じような職場といいますと、電電公社の職場をさすのでしょうか。
#199
○参考人(菅野義丸君) 電電公社もその一つでございます。
#200
○森勝治君 そうすると、他はどちらでしょう、同企業の比較できる会社というのはどういうのをさすんでしょうか。たとえでけっこうですから、お聞かせ願いたい。
#201
○参考人(菅野義丸君) そうでございますね、製造業あるいはサービス業等で、大体会社の格からいっても同格ぐらいのものを参考にいたします。
#202
○森勝治君 私の考え方を申し述べて、きょうは議論する場でございませんから、なるべく控えてお話をしたいと思うのでありますが、私は、KDDの職員を比較する会社、職場というのは国内にはないと思うのです。なるほど国内的には日本の会社でありますけれども、情報化産業の国際部門を分担しているわけですから、やはり比較検討できるのは他国の国際部門を分担する企業等を対象としなければならぬと思うんです。実は、先般のNHKの予算案の審議のときも私は申し上げたんですが、NHKの幹部の人もまたNHKの従業員を、そういうこと言っているんです、わが国の他産業に比較して数段すぐれている、比較してと。NHKの事業というものは一種特殊なものですから、比較検討する企業がないのです。このことばは訂正してもらったわけであります。で失敬でありますが、国際電電もそうだろうと思うのです。
 で、いわゆる資本金という背景の問題で、後段は誓われた。同じような規模ということで社長は後段の説明を――民間ではなぞらえる企業は何ぞと聞いたら、ごうごうとおっしゃったのは資本形態でお答えになったんだろうけれども、私は、なるほどKDDというのは株式会社でありますけれども、いわゆる国家がつくった株式会社でありますから、非常に社会的な位置が高いと思うし、その果たすべき役割りというものも重大だろうと思うのであります。したがって今日のような段階においては、もっともっと従業員の質と量に相まった待遇是正をしてやることが妥当だろうと思いまして、あまり民間の資本金何がしと、それだけで――たとえばおもちゃをつくる、あるいは何か器具をつくる会社と同じような比較をすることは、KDDの場合には無理なのではないかと思うのです、特殊的な職場でありますから、ですから、そういうふうにひとつ考えていただいて、皆さんが国民の期待、世界の文化をになうに足る、いわゆる人としてのKDDの任務を果たしていただくためには、そういう広い視野に立った従業員の待遇是正がはかられてしかるべきものと私は考えますので、この点、特にお答えは要りませんけれども、当局、会社側でひとつ御配慮をいただきたいのであります。
 次の問題に移るわけでありますが、まことに失礼な表現を用いてお許しいただきたいと思うのでありますけれども、かつて靱社長時代には重役間の暗闘と申しましょうか、あつれきというものがありまして、いま新日鉄がやはり会社の運営についてとかくうわさされ、役員がみんな退陣され、渦中の人、うわさの人が退陣される模様でありますが、いま靱さんはなくなられ、八藤副社長は退陣せられましたが、当時はまことに見苦しい姿でありました。これで一体KDDの使命を全うできるのかと私どもははらはらして外野で見ておったわけでありますが、どうかそういう重役間のあつれき、摩擦というものはぜひとも再来をはかることなく、ひとつ戒心をしていただきたいのであります。そうでなければ期待されるKDDとしての使命を全うすることはできません。きょうは重役の皆さん全部おいでになっていますが、心を一つにしておやりになっているものと思うわけであります。もちろん重役ばかりでなく、全従業員心を一にしておやりになってくださることを特に御期待を申し上げ、このことについて社長からのひとつ御意見をいただきたいと思います。
#203
○参考人(菅野義丸君) ただいまは森先生から、私ども会社を預かる者に対しまして、ほんとうに肝に銘ずるおことばをいただきまして、まことに感謝にたえない次第でございます。
 過去のことは私存じませんが、現在におきまして、KDDのどこを突いても不統一とか、そういう不仲とかということは絶対にございません。
 私も、不敏ながら、各重役及び幹部の人たちの援助を得まして、一生懸命に社業にいそしんでいるような次第でございまして、私の見るところでは、いまほどKDDの役職員が一致協力しておる状況はないと固く信じておる次第でございまして、ただいまのおことばをよく肝に銘じて、今後もこの風をさらに一そう強めて、使命の達成に努力いたしたいと、かように感じておる次第でございます。ありがとうございました。
#204
○森勝治君 あと数点で終わりますが、しばらくお許しをいただきたいと思います。
 電気通信分野における海外協力というものは、先ほどのお話をまつまでもなく、増加の一途をたどっているわけでありまして、その協力の内容も多様化してきました。国際電気通信の発展は単に自国の通信技術の進歩発展だけではないわけでありまして、国はもちろん、事業者としても積極的な努力が必要であります。
 そこでお伺いしたいのでありますが、国際電電といたしまして、いま私がことあげいたしました国際協力の活動のいままでされた中身について――これはもう時間がありませんから、かいつまんででけっこうでありますが、そういう国際協力の問題について二、三お聞かせを願いたい。
#205
○参考人(新川浩君) お答え申し上げます。
 ただいまお話のございましたとおり、特に国際通信をやります場合におきましては、通信を行ないます両国の間の技術あるいは業務の水準が同じであるということが一番望ましいわけでございまして、そういう意味でKDDといたしましても、特に開発途上国の技術、業務の水準を上げるための技術協力というようなものを非常に重要視いたしまして、種々の活動をやっておるわけでございます。
 その一つといたしましてまず申し上げますことは、海外研修生の受け入れがございます。研修生の受け入れにつきましては、コロンボ計画あるいは中近東アフリカ計画、中南米計画と申しますような政府の計画によります集団研修生がまずございます。それから同じく政府関係といたしまして、コロンボ計画あるいはITU計画というような協力計画によりまして受け入れます個別の研修生もございます。KDDといたしましては、それらの研修生を受け入れまして、技術、業務の両面におきましておのおの適当なコースを設けまして、その研修に当たっている次第でございます。
 さらに、いま申し上げましたような政府ベースの研修生のほかに、KDD独自の立場と申しますか、民間ベースといたしまして、現在、タイ国、インドネシアあるいは韓国との間に技術協力覚え書きというものを結んでおりまして、この覚え書きの線によりましてまた研修生の受け入れ等もやっております。また台湾電信局との間におきましても、通信を直接送受いたします相手としての技術交流も進めておる次第でございます。
 昨年度におきましては、そのような研修生の受け入れが延べ百人でございました。
 二番目の問題といたしまして、ちょうど研修生の受け入れと逆でございますが、当社から専門家を派遣いたしまして、開発途上国の技術指導を行なう件でございますが、この点につきましても、いま申し上げましたような政府間の計画、あるいはKDD独自の技術協力覚え書きのワクの中等におきまして、必要に応じ要請に応じまして、開発途上国に対して技術専門家を派遣して、その指導に当たらしておるわけでございますが、現在、イラン、クウェート、ジョルダン、パキスタン等六カ国に対しましては、一年以上、数年にわたる長期の派遣も行なっております。そのほか個々の問題につきまして要請のあるたび、短期の指導員の派遣等も行なっております。そのほかまた、いろいろ政府その他で計画されます技術調査団等にも積極的に参加いたしまして、専門家の海外派遣を行なっておりまして、昨年度の実績を申しますと四十六名の専門家を派遣しておる次第でございます。
 三番目の協力活動といたしましては、通信機器に関する協力でございます。特に開発途上国等におきまして、新しいより優秀な通信を行なおうといたしますときに、その機器の入手等についていろいろ困難がある場合がございますので、そういう場合に会社といたしましてできる限りの通信機器を供与あるいは貸与というような形で提供いたしまして、わが国との間の通信の向上につとめ、かつ相手国の感謝の意を得ているところでございます。
 それからさらに、一昨年の八月、KDDといたしましては、郵政省からの認可をいただきまして、海外通信の技術に関するコンサルタント業務を付帯業務として実施することが認められたわけでございます。種々の問題を検討してございますが、現在まだこのコンサルタントを契約といたしまして実施が確定した問題はございませんが、現在パラグアイ国及びスリランカ国等の衛星通信地球局の技術協力に関する技術コンサルタントについていろいろ折衝を進めている段階でございます。
 なお、このほか毎年政府が計画して開催されます東南アジアあるいは中南米の電気通信幹部に対するセミナーに対して講師を派遣し、あるいは施設の見学等をしていただく等の御協力もしておりまして、年々ふえますこの国際通信に関する技術協力の要請に対して、十分こたえていきたいと考えております。
 なお、最初に申し上げました研修生につきましては、会社でこの種の協力を始めましてからすでに研修を終了いたしましたものが千名をこえましたので、これらの方々に対して、いまなおKDDあるいは日本との連帯感と申しますか、そういう感じを続けていただきますために、会社といたしましては、刊行物を発行いたしまして、定期的にそのかつての参加者に対して配付して、なお良好なる連絡を保とうというような努力もしている次第でございます。
 以上、大体国際協力の概要について申し上げました。
#206
○森勝治君 舘野監理官にお伺いいたしますが、いまKDDから国際協力の分野における特徴的な二、三があげられました。これは当然もっと積極的に打ち出す必要があるだろうと思いますので、郵政省としての今後の構想をお聞かせ願いたい。
#207
○政府委員(舘野繁君) 先ほどお話がありましたように、この電気通信におきまする国際技術協力と申しまするのは、一般的な経済、文化各分野におきまする各国間の技術協力の意味のほかに、特に国際通信といいますものは、できるだけその技術のレベルあるいはまたさらに望むべくんば利用の形態と申しますか、制度等において共通のレベルないし仕組みになっておりませんと、通信というものは円滑に進みません。そういう意味で、特にこの電気通信におきまする技術協力というものは以前から郵政省といたしましても力を注いできたところでありまするけれども、政府全体といたしましても、最近、この点に関しまする認識が非常に深まりまして、政府計画の技術協力のプログラムの中におきましても、この電気通信に関する技術協力に割り当てる資金なり、あるいはその研修生の受け入れとか専門家の派遣とかいうもののワクが年々電気通信分野において増大してきております。
 いま先生の御指摘のように、事柄の性質から申しましても、また国際通信を円滑に進めるという要請からいたしましても、KDD自体が非常に海外との技術協力について力を注いでいるわけでございまするし、郵政省といたしましても、ただいま申し述べましたような方針からKDDの海外技術協力というものに力をおかしし、またそのほか政府計画といたしましてもKDDの力をおかりして拡大、充実していきたいと、かように思っております。
 ちなみに外務省予算によります研修生の受け入れというものも年々総体としてもふえてきておりまして、ただいまその施設がございまするけれども、施設が手狭になるということで、本年度予算で第二国際会館といったようなものの建設が外務省予算に計上されておりますが、これは主として電気通信関係の研修生に利用してもらうということで、郵政省から強く申し込みまして、その線で外務省もこの第二国際会館の建設の計画を進めているというような状況にございます。
#208
○森勝治君 新社屋の問題について二、三質問をしたいと思うのです。
 新東京国際通信センターは昭和四十九年の六月に完成という予定になっておる模様でありますが、同センター完成の暁ですね、総合的な移行計画が当然なされるわけでありますが、この点を明らかにしていただきたい。
 もちろん、現在仮事務所にしております霞が関ビル等は当然引き払うでありましょうが、あわせて大手町の局舎の問題の解決、いわば利用計画等も触れてお答えをいただきたい。
#209
○参考人(新川浩君) お答え申し上げます。
 ただいまお話のございましたとおり、新宿国際通信センターは昭和四十九年六月末完成を予定しております。
 その完成の暁は、現在、社外ビル等に借室しております本社の事務室その他訓練施設等をまず優先的にセンターに収容することを考えております。さらに、増大いたします国際通信の需要に対応いたしまして、同ビルの中にテレックス及び電話の電子交換機並びに新しい型のデータ通信システム等の設置を考慮しております。同時にまた、センターの一階の部分には営業所の設備をできるだけ早い時期に開設いたしまして、お客さまへのサービスを提供したい、こう考えております。
 なお、それらの設備を完成いたしますには若干の年月を要しますので、その間は大手町の設備を運用いたしておるわけでございますが、その新しいセンターの設備が運用を開始いたしました暁は、業務によって違いますが、おもな業務について申し上げますと、テレックス等は五十一年度から順次業務の移行をいたしますが、その間大手町と新宿の設備を並行運転しておりまして、電話におきましても、同じく設備の完成後、大手町と並行運転をいたしまして、全体といたしまして通信業務のサービスの継続性――サービスの低下あるいはサービスの中断というようなことを避けるような計画を立てておるわけでございます。
 その具体的な計画につきましては、現在なお各種の状況が不明の点もございますので、鋭意計画を進めているという段階でございます。したがいまして一応の目途といたしましては、昭和五十五年になりますと、新宿のセンターのほうに大部分の設備が移転するというふうに考えております。
 また、大手町の設備のあとの利用方法でございますが、大手町局舎は、同局舎の立地条件あるいは技術的な条件等から考えまして、これが非常に多くのお客さまが集中している地域の中にあるということを考慮いたしまして、営業所の機能であるとかあるいはテレックスの加入者線交換設備等はそのまま大手町の局舎に残しておくということを考えております。したがいましてその他のものが新宿へ移転いたしました場合に、余地ができるわけでございますが、その余地につきましても何ぶんまだ数年先のことでございまして、具体的なこまかい計画は検討中と申し上げるほかないのでございますが、一応の案といたしまして、社内の職員並びにお客さまの通信担当者の訓練設備、あるいは比較的実用が間近になりました研究関係の施設、また一部の通信施設は新宿の災害時に対する予備施設として保存するというようなことを考えている次第でございます。
#210
○森勝治君 一応御説明がありましたが、大手町の局舎をいまのお話だとあのまま御利用なさる模様ですね、しかし、それは無理な相談というものじゃないでしょうか。皆さんは重役ですからおわかりのように、よく職員が今日まであの狭隘なところで老朽した建物でがまんしてきたものと私は思うのですよ。大手町かいわいでありますか、ああいう建物が。ないでしょう、もういまは。郵政省の建物といい電電公社の建物といい、みんな新しく生まれ変わっているのに、今後もあれはあのまま使うなどというのは全くそれはどうかと私は思うのです、正直言って。たいへんでしょう、いまだってなかなか通信できないじゃないですか。近代文明の利器を縦横に駆使しておる職場とは思えぬ職場環境じゃないですか。職員の不平不満が爆発しないのがおかしいんですよ、これは。それは皆さんが国際的な仕事をしているというそのためにがまんにがまんを重ねてこられたのじゃないでしょうか。ですから、もちろんあと地は国際電電がお使いになるのはいいでしょうが、建物を建てかえてお使いなさい、私はそうおすすめしたいんです。あとお使いになるのもけっこうだけれども、あのままじゃ無理ですよ、どだい。皆さんはいいでしょう、霞が関ビルのところでもうお暮らしですから、天上の楽園を夢みたようなところで二十何階におられるんですからいいかしらぬが、現在第一線に立っている諸君の苦衷を察してやってください。しかし新宿にできるということだから、四十九年までは、皆さんはもうせっかくここまできたんだから、おそらくがまんできない心を押し静めてがまんしてくださるものと私は思うのです。それならば、そのように新しい局舎ができれば可及的すみやかに対処してもらわなければならぬわけです。この点は皆さんの善処を私は求めます。
 そこで次の問題に移りますが、この新東京国際通信センターができますと、相当膨大な容積であります。このビル管理等も非常にたいへん御心痛の趣でありますけれども、たとえばビル清掃ですね、当然ビル清掃という業務の問題が起こってまいりますが、この管理、運営というものはどうされるのですか。国際電電が従来どおりやるということなんでしょう、株式会社ですから。
#211
○参考人(鶴岡寛君) その点につきましては、ただいま私どもは新たに子会社をつくりまして、これにそのようなビル管理の業務を行なわせようかと、そのように考えているわけでございます。
 その理由といたしましては、一つは、最近の高層建築物、そういうものを管理するためにはいろいろな専門的な技能や、あるいはまた国家試験等の資格を要するわけでございます。それが一つと、また、このようないわゆる清掃であるとかその他の業務は、いわゆる国際電話の交換とか電報の発信とか、そういうような貴重な社員をもって行なう業務とはいささか異質の点がございます。そのような点からいたしまして、むしろいわば専業的に、もっぱらこれを専門的に行なう会社をこさえようと、そのような考え方でおるわけでございます。
#212
○森勝治君 議論の場でございませんから、私は議論するつもりはありません。だから一言だけで終わりますが、ビルの清掃をする業務は、皆さんがいま果たしつつあるものとは異質だという考え方は改めていただけませんか。それは業務に付随する必須な部門ですよ。
 皆さんは子会社をつくるとおっしゃる。なるほど子会社に天下りする幹部の方はいいでしょう。しかし賃金は同水準が維持できないでしょう、皆さんのいまの構想から見ますと。同じ会社――子会社だろうと何だろうと、国際電電が経営する。同一ビルの中で労働者が違った賃金水準に置かれる、いわゆる低賃金労働者の職場がまた生まれてくるということになります。したがって異質などという合理化的な――まあ合理化ということばはお用いでなかったでしょう、人間尊重と社長がおっしゃっておるんだから。しかし、いまのお話は、もうこれは企業人減らしですよね、私はもうそれに尽きると思うのです。なるほど、一般民間では利潤追求のあまり、そういう近視眼的なやり方もおありのところも一、二ありますけれども、なるべくそういうことは避けるようにして、やはり国際電電が世界に冠たるサービスを、一般業務でも技術でもしていると社長がおっしゃるほどですから、やはりそれらの部門も一緒になって、その中でおやりになったほうが私は事業を推進していくのに非常にいいような気がします。
 そこでもう一つ質問したいんですが、成田空港の無線受託会社の設立、これはどうも陳腐なんですけれども、これは一体どういうことですか。こういうように国際電電というのは、もうからぬのはタコがあたかもおのれの足を切って捨てたり食べたりするような、そういう企業の形態をしようというんですか。失敬でありますが、このまませんじ詰めれば、もう会社は社長だけおればいいということになりかねないと思うんです。あまりにもとっぴな私の思い詰めた、切り詰めた表現になりましたが、全くそんな気がしてならぬわけだから、私ははしなくも正直にまあ申し上げたんでありますが、これは成田空港の無線受託会社などというのはどういうことですか、これは。
#213
○参考人(米田輝雄君) 成田空港の予定しております会社につきましては、電電公社あるいは郵政省といろいろと相談した結果、電波の有効利用あるいは特殊的に限られたサービスということから、別会社を設立したほうが能率的であろうというような両方の見地から、そのように一応決定されたわけでございます。私のほうはその設立の事務を扱っておるということで、寄り寄り郵政省の御指導を仰ぎながら、電電公社と共同して設立の事務を進めておるわけでございます。
 ただ、空港の開設がまだめどがつきませんので、まだ足踏みをしておる状態でございますが、必要機器は全部代行して取りそろえまして、昨年中に手当てがすでに済んでおります。
 以上であります。
#214
○森勝治君 そうすると、これはすでにもう稼働の域に入っているということですね、機材その他は全部取りそろえた、会社はもう発足したんですか。
#215
○参考人(米田輝雄君) 空港の開設時期は一応昨年六月ということを予定されておりましたので、それに間に合わせるように、急遽、機器だけはKDD名をもって発注いたして、現在、昨年中にすでに取りそろえてございます。
 ただ、会社は、空港の開設時期に合わせて設立しようということで、まだ踏み切っておりません。
#216
○森勝治君 それは何を意味するのですか、性格的に別会社でしょう、子会社であっても何であろうとも。それならばものの順序として、株式会社――まああなた方のことを全部受け入れたとしてだ、〇〇株式会社なるものを設立して、しかる後に機材等を資本金の中から購入すればいいんじゃないですか。
 あなた方な国際電電という唯一の競争相手のない会社ということになっているでしょう、みずからの権利をこういうように切り売りしていいんですね。これから国際電電という会社の向こうを張って、たとえばアジア電電会社、ヨーロッパ電電会社というのができても異論を唱えませんね。みずからが業務を切り捨てるということになれば、いいですね、かまいませんね。そういう思想と同じと私は見るんですが、私のこの見方というのは少し思い過ごしでしょうか。
#217
○参考人(菅野義丸君) 国際空港における無線を委託する会社は、KDDだけでなく、国内的には公社の無線通信も引き受けるわけでございまして、これは決して切り売りではなく、委託をするのでございます。それであくまでKDDにかわってその機器の保守等をするわけでございます。で私どものほうで、いま、関係のところにかわって設立の用意はしておりますけれども、決して当社だけの子会社ではないわけでございます。
#218
○森勝治君 何であろうとも、委託であろうと何であろうと、皆さんがみずからの手を下して就業をしないということでしょう、みずからの手を下すことはないというのでしょう。でき上がれば、国際電信電話株式会社、成田空港何とか無線受託会社、同一人格でしょう、法律的には対等な立場を持つことになりますね。これは全く別人格のものが誕生でしょう。だから私は言うんですよ、じゃアジア部門を引き受けてアジア国際電信電話会社、あるいはアメリカ国際電信電話会社というふうにできてもよいのですねと、こう言っているのです。この点をお答えにならないんです、皆さんは。
#219
○参考人(菅野義丸君) もちろん、それはそんなアメリカとかアジアとかを分担するような会社に私どもの仕事を切り売りするというような気持ちは毛頭ございません。それはもう限られた地域の無線通信の設備機器の保守をやるという、非常に限定されたものの委託でございます。それをもって直ちに私どもの会社の対米を切り売りすると、そういうような考えは毛頭ございません。
#220
○森勝治君 毛頭ないと御説明されているから、あなた方はそうでしょう。しかし私どもの立場をもってするならば、KDDがみずからのからだを切り売りしている、こうとしか思えないんです、私は、特にこの放送業務の問題に至っては、これからほかにできてもよろしいということですね、競争相手ができても。それなら、そのようにわれわれもKDDというこの唯一な会社だという認識というのは、今日ただいま限り改めます、捨てます。
#221
○政府委員(舘野繁君) 関連いたしまして、若干……
#222
○委員長(茜ケ久保重光君) 簡単に。
#223
○政府委員(舘野繁君) お答え申し上げます。
 成田空港の会社の構想は、御案内のように空港内におきまする通信、特に無線通信といいますものは制度的に非常に錯雑しております。しかし原則は、いわゆる公衆通信は国内通信については電電公社、国際通信に関してはKDDというのが日本で唯一の資格のある事業体でございます。したがいまして空港内におきましては国際通信、国内通信というものが両面にわたって非常に特殊な形で錯雑して行なわれております。従来は、この国内通信についても電電公社がある部分についてはKDDに委託をし、また国際通信の一部についてもKDDが電電公社に委託をするというような方式をとりまして、この運営に当たってきたわけでございますけれども、何と申しましても空港内及び空港と空港の外との無線通信、特にこの公衆通信に関しましては、いま申しましたように、この原則を貫くために非常ないろいろのフィクションを使いましたり委託関係をし合ったりというようなことで非能率でございます。
 それをつづめて申しますると、早い話が電波の割り当てと申しまするか、電波の使用ということについてもどうしてもむだが出てくる。したがいまして、たとえば電電公社におきましても、国内の公衆通信業務の一部を法律に基づきまして電電公社以外のものに委託をしているのと同じような意味合いにおきまして、特別のそれ専門の会社をつくりまして、電電公社及びKDDからこの具体的な機器の保守その他の取り扱いを委託することによって、実際の日常の業務が円滑に進むであろうというようなことから、郵政省、まあ電波当局が考えまして、両者にこの構想を相談したという経緯でございます。
 なお、KDDがその必要機材を一応準備されたということの話がありましたけれども、これは必ずしもKDDがしなきゃならぬことではございませんけれども、いずれ会社が発足いたしますとその日から業務をしなきゃならぬ、したがいまして一応KDDに機材調達の立てかえ払いといったような形において調達をしてもらいまして、これを新会社発足と同時に引き取らせるということで具体的な準備を進めてきている、こういうことでございます。
 以上、要するに、郵政省の国際空港におきまする円滑な公衆通信の運営のためにという考えから、公社及び会社に対して相談をして、この準備を進めている組織であるということでございます。
#224
○森勝治君 舘野さんから要らざる御発言をいただいたんです。郵政省案で提唱したと初めて聞くんです。いままではわれわれが聞いたって知らぬ顔しておって、今度はたたみかければ郵政省が推進をしたとおっしゃる。しかし、きょうは議論の場じゃない、御意見をお伺いするだけですから、きょうは私も場所柄をわきまえて、これ以上発言いたしません。いずれ機会を見て、この問題の意見を述べたいと思うのです。
 そこで、KDDに聞きたいんでありますが、先ほど鈴木さんも発言されましたが、今度は大手町局舎もそういうことで新しい使命を帯びて生まれ変わるということならば、あき地ではございませんね、だからお使いになるでしょうけれども、所有の不動産のうちの土地台張に載っかっているもの、それから今後それら不要不急のものの利用をどうされるのか、この点についてお伺いしたい。
 時間がありませんから、あわせてお伺いしたいことは、埼玉県の上福岡の当時の局舎の敷地でございました約三万坪ぐらいありますね。なるほど昔あのところができ上がったときには畑の中でございましたが、いまはもうあそこは非常に市街のまっただ中になりまして、いまグランドになっておりますね、国際電電の。町発展の阻害を来たしておるんです、正直言って。これは私どももかつて靱社長時代にも町発展の阻害になるから公共用地として出してもらいたい、地元の要望もだしがたく社長にもお話を申し上げたことがあるんです。それがいつの間にかいま職員の福利厚生ということになっております。福利厚生施設をおつくりになるのはもとより私は賛成でございますけれども、あの駅の前の町の発展をいま――昔は別ですが、いまは阻害しているこの現状というものを、どうぞ国際電電の首脳部の皆さんももう一度考え直していただきたいのです。
 それであれを地元に開放するということになるならば、なくなってしまうじゃないかという御意見が出てまいるでしょう。ですから私は当時小室の受信所の回りのあき地とかえたらどうだという話も申し上げたんです。ところが、先ほどちょっとことあげしました社長と副社長の仲が悪いものですから、社長に申し上げたら、副社長がまっ先に反対表明したといって――昔のことですから、あまりばらすのもどうかと思いますから、これ以上言いませんけれども、そういうことで当時はつまらぬことでもう社長と副社長がいがみ合っていたのは皆さん御承知のとおりですよ。そういうことはさておきまして、むだにこれを売ったり、使ったりすることはよろしくありませんが、やっぱり町の発展――それがあるために都市計画が思うように行なえない、こういう問題については再考あってしかるべきものと私は思うのです。そういう問題についてもちょっとお話をお聞かせをいただきたい。
#225
○参考人(古橋好夫君) お答え申し上げます。
 先ほど増田参考人から御説明申し上げましたように、わが社は約二百万坪の土地を持っております。その大部分がただいまちょっとお話がございましたような送信所でございまして、これが約百九十五万坪くらいございます。
 それで土地の利用の問題でございますけれども、先生もおっしゃいますように、通信業務ということで使おうということで、先ほど増田参考人から御説明申し上げましたように、将来の国際通信を考えまして、たとえば船舶通信であるとかあるいは移動業務の衛星通信とかあるいはミリ波とかいうような点もございますので、そういうような筋で使うように考えております。短波通信はかなりトラフィックの量が減っておりますけれども、アンテナ設備等は、つまり回線対地等は意外に多うございまして、現在各送受信所とも空中線が相当面数張られておりまして、回線もいろんなものを合わせますと、かなりの回線数がございます。
 それで、先ほど先生のお話がございました近隣の都市との関係でございますけれども、現在のところでは、そう著しく都市の発展を妨害するような事態はございませんでして、むしろ逆に、たとえば小山送信所あたりでございますと、佐野林業事務所でございますけれども、そこから非常に緑地のために会社が貢献しているというようなお話も伺っております。それで私ども緑化の問題も非常にたいへんいま問題になっておりますので、緑化を維持するという意味で、非常に意義があるんじゃないかということで、アンテナの下のところをかなりそういう意味で利用できますので、植樹とか、主として公共用樹木とかいうんでございますけれども、道路とか公園なんかに使います樹木が非常に不足しているようでございまして、アンテナの下のところはそういう背の高くないような樹木を植えまして、それを公共団体等に提供する。それからまた、送信所用地の中には公道がございますけれども、公道の周辺は整備いたしまして、花とか桜とか、そういうものを植えまして、散歩していただいても気持ちのいいようなかっこうにいたしたい。そういうことで近隣の方にも……。
#226
○委員長(茜ケ久保重光君) 途中ですがね、質問の要点を答えてください。森委員は上福岡用地のことを指摘しておられる。よけいなことおっしゃらんでいいですからね、要点だけを言って、はっきり簡潔に答えてください。
#227
○参考人(古橋好夫君) 上福岡につきましては、あそこに、おっしゃるとおり社員のレク・センターをつくりましたのでございますけれども、いろいろとたとえば若干あいているときには開放するとかというようなことで、そういう点の地元との関係をできるだけよく保つような努力をいたしております。以上でございますけれども……。
#228
○委員長(茜ケ久保重光君) ちょっとあのね、民間に返すか、土地を。返すか何とかしなくちゃ、その問題が土地の発展を阻害していると、こう森委員はおっしゃっておる。その問題の答えがあなたはない。
#229
○参考人(古橋好夫君) 失礼いたしました。
 先ほどの上福岡の土地につきましては、御指摘のようなこともあったかと存じますけれども、その他の土地につきましては、そう著しい阻害はありませんので、むしろ緑地の確保ということである程度……。
#230
○森勝治君 私はね、あれですよ、国際電電の社有地がすべて町の発展を阻害していると言っておるのじゃないのですよ。私がことあげしたのは、いいですか、上福岡の町のどまん中に敷地がいま運動場としてあるから、これが町の都市計画、町の発展に阻害だと、こう申し上げているわけですから、小山の引例をされました、緑地帯をつくるのと。われわれも緑を守る立場から大賛成でありますよ、そのことは大賛成です。しかし、そういう設問はしてなかったのです。
 私は、たとえば小山の話をされるのもいいでしょう、緑地の話もときにはいいでしょうが、上福岡の問題で具体的に指摘いたしましたのは、昔は畑の中だったが、いまは町の都市計画があるのにできない、だから町の発展のために地元に開放したら――開放というのは野球場を貸すということじゃないんですよ、私の言っているのは。町が都市計画が十分に行なえるように、その地に住まいする住民が安心して暮らせるように、そういう協力ができないのですかと、上福岡の場合はできないんですかと、こういう質問です。しかし時間がございません。これはあとで直接あなたからお伺いしますから、この問題は。
 それで私の質問はこれで終わります。最後の問題を申し上げます。
 KDDは、御承知のように、四月一日に創業二十周年を迎えて盛大に式典を行なった模様であります。この二十年間にまさに革命的といってもよいほど通信技術の発達、しかも国際化に伴う通信量の増高等にささえられて、事業はますます発展の一途をたどってまいりましたのは皆さん御承知のとおりでありまして、まさに今昔の感があります。私は、今日の発展を築き上げられたKDDの皆さん方に、心から敬意を表するものであります。
 しかしながら、過去における社運の伸長があまりにも順調というためだったかもしれませんけれども、失敬でありますが、経営をするその意識の中にややきびしさが欠けたものがあったのではないか、こんな気がしてなりません。表現がもしまずかったらお許しいただきたいのでありますが、独占企業の上にあぐらをかいてきたそしりをはたして免れることができるであろうかどうか、私はこう考えるのであります。
 御承知のように、今日のように国際情報化が一そう急速に進展をしておりますときには、何と申しましても国際通信事業者たるKDDに課せられた責任と使命というものはほんとうに大きいものでありまして、ますますいわば重きを加えてきた、こう申し上げてもよかろうと思うのであります。二十年間でありますから、いわば人間にたとえれば成人式を迎えたということで表現ができるでありましょう。したがって成人式を迎えるならば、おとなとしてのやはり自覚に立ち、責任の度合いを感ずるというのが成人を迎える諸君に言うことばだそうであります。これをそっくり私はKDDの皆さん方に差し上げようとは思いませんけれども、置かれている使命感に、より一そう徹底してくだされば、なおさらよかろうと思うのであります。
 社長は、先ほどの事業概況報告の中で、創業二十年は創業ゼロ歳という表現を用いられましたが、このことは初心忘るべからずということばだろうと思うのであります。私はそのように受け取りまして、かたい決意を持たれて、この激しい国際競争場裏に、世界の最も高水準を行き、社長が胸を張って答えるように、まじめな従業員を持つこの国際電電に対する期待というものはさらに高まる次第でございますから、どうぞひとつ、鈴木委員も申されたように、従業員の待遇是正等については格段の意を用いていただきたいと思うのです。
 私は、先ほども若干ことあげいたしましたように、日本の国際通信を分担する唯一の会社でありまして、まさに国際的な会社でありますから、したがって、いまの給与等の算定等につきましても、ただ一がいに他の同資本の会社を手本とすることなく、使命感にあふれて独自な使命を持つKDDでありますから、そういう独自な使命を持つKDDの従業員にふさわしいやはり報酬を支給してしかるべきものと私はこう考えますので、そういう点につきましても改善方を社長にお願いを申し上げたいと思うんであります。
 以上、社長に、二十年いまたちまして新たなる使命感に燃えて陣頭指揮をなさらんとする社長の決意を、もう一度お伺いをいたしまして、私のきょうの質問を終わります。どうもありがとうございました。
#231
○参考人(菅野義丸君) ただいま森先生からじゅんじゅんといろいろおさとしいただきまして、ほんとうに心から感謝いたしております。
 私どもが一番気をつけなければならないことを具体的にお示しいただきましたが、全く仰せのとおりでございます。二十年間の歴史はかなり変転きわまりないものでございましたけれども、この間われわれの先輩及び外部の皆さんの御指導、御鞭撻によりまして、幸いに今日のKDDができ上がったのでございまして、ただいま現在私どもがこの会社を預かっております以上は、この歴史を踏まえて、今後の変転きわまりない国際通信の社会において、いままで以上の名声を世界じゅうに博することができるように、一そう心を改めて、新しい決意で、五千百余名の職員と一緒になって努力をいたしたいと思います。
 仰せのごとく、独占にあぐらをかくというようなことは絶対になく、常にわれわれの競争相手は世界じゅうにあるんだという気持ちで、それに負けないようにこん身の努力をいたしたいと考えます。
 いろいろとお話し、お示し、まことにありがとうございました。
#232
○委員長(茜ケ久保重光君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後六時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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