くにさくロゴ
1972/09/20 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 逓信委員会 第19号
姉妹サイト
 
1972/09/20 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 逓信委員会 第19号

#1
第071回国会 逓信委員会 第19号
昭和四十八年九月二十日(木曜日)
   午後一時十八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 九月十九日
    辞任         補欠選任
     斎藤 十朗君     田中 茂穂君
     横川 正市君     村田 秀三君
     塩出 啓典君     山田 徹一君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長        茜ケ久保重光君
    理 事
                今泉 正二君
                古池 信三君
                塚田十一郎君
                森  勝治君
    委 員
                松本 賢一君
                村田 秀三君
                木島 則夫君
                小笠原貞子君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  久野 忠治君
   政府委員
       郵政大臣官房長  神山 文男君
       郵政大臣官房電
       気通信監理官   浅見 喜作君
       労働省労働基準
       局長       渡邊 健二君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹森 秋夫君
   説明員
       日本電信電話公
       社副総裁     秋草 篤二君
       日本電信電話公
       社厚生局長    小沢 春雄君
       日本電信電話公
       社業務管理局長  小畑 新造君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に
 関する調査
 (日本電信電話公社における職業病に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(茜ケ久保重光君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨十九日、斎藤十朗君、塩出啓典君及び横川正市君が委員を辞任され、その補欠として田中茂穂君、山田徹一君及び村田秀三君がそれぞれ選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(茜ケ久保重光君) 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。
 これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○村田秀三君 私は、現在、職業病の問題といたしまして、キーパンチャー等手指作業による疾病について、主として電電公社の問題、つまりは後ほど公社側から御報告をいただきたいと思いますが、頸肩腕症候群、これが非常に多発をいたしております。そういう問題について質問をいたしたいと思うのであります。
 大臣には、最初から最後まで終始まことに恐縮には存じますが、監督官庁としての立場、それからまた郵政内部の事情を見ましても、この種疾病というものは顕在化しつつあるわけでありまして、その量等についても相当数にのぼっておる、こういうことも聞いております。いずれは郵政事業の問題としても考えてみなければならない時期であろう、こういうふうに思いますので、その立場で最初からお聞き取りをいただき、論議のその時点においてお答えをいただくなり、最後にひとつ御意見なり措置というものについて御答弁をいただきたい、こういうことでありますので、御了承いただきたいと思います。
 まず初めに、公社に質問いたしますが、頸肩腕症候群、この罹患数、現在の状況について経年ごとにひとつお知らせをいただきたいと思いますし、と同時に、またこれを業務災害として認めるか認めないか、この問題が非常に大きな課題になっておる。労使の問題でもそのようでありますが、私はいずれにいたしましてもこれは労働行政の面でもきわめて大きな問題になってきておる、このように考えますので、その業災認定申請の状況とその処理状況について、現状御報告をいただきたい、こう思います。
#5
○説明員(小沢春雄君) お答えいたします。
 まず初めに、電電公社で現在頸肩腕症候群にかかっております者の数でございますが、昭和四十三年度に三十九名、四十四年度に六十八名、四十五年度に百十五名、四十六年度に二百二十名、四十七年度に七百六十四名、これはいずれも累計でございますが、一番最近の数字で四十八年八月末に千三百九十二名が罹患しております。なお、これは約八万五千人の手指作業に従事する職員の中の千三百九十二名ということでございます。
 次に、これらの罹病者の中から業務上疾病ということで認定申請が出ております者の数は、これも累計でございますが、四十四年度五名、四十七年度九十六名、四十八年度百三十六名でございまして、このうち二十七名が処理済みでございまして、現在保留、調査検討中のものが百九名でございます。
#6
○村田秀三君 以上の経過を私も承知をするわけでありますが、これはきわめて重大な問題である。社会の進歩とともに機械化、合理化をされ、新しい疾病というものが至るところにいま見受けられるような状況でありますが、その経過を見ます限り、まさしくこれはその合理化問題、機械化問題と全く切り離して考えることはできない、こう実は思います。
 しかし、その合理化問題はきょうは主として取り上げるつもりはないわけでありますが、いま経年ごとの数字を報告していただきましたとおりに、これは最近極端に多発をいたしておる。しかして、ではそれが限界かというならば、これは後ほど触れてみたいと思いますけれども、労働組合の調査等によりまして推定をいたしました限りにおきましても、多発の傾向にある、こういうことが見受けられるわけであります。と同時に、この業災認定申請、そしてその措置状況を見ます限り、まことに遺憾ではありますけれども、どうもやはり罹患者が希望するような方向での措置というものがなされておらないように思えます。もっともそれは、医学的な関係、業務上にかかわる関係、いろいろむずかしい問題もあろうかとは存じますけれども、少なくとも当面私が考えるのに、この多発いたしております状態、これにいかに歯どめをかけるかという問題、そして現に罹患しておる者をどうやって救済をしていくか、この二点であろうと思います。
 そういう意味に立ちまして、現に罹患をいたしております者の対策、そしてまたその認定申請が罹患者数に比して非常に少ないようにも思えますし、また申請をいたしましても、いままで報告ありましたように、業務上と認定されました数字というものはまさに微々たるものである、こういう点についていろいろ考えて疑問を持つものでございまして、そういう点について労働行政の面とのかかわりの中で質問をしてみたいということであります。
 と同時に、歯どめをかける、予防する、このこともまたきわめて積極的にいま対処いたしませんならば、これはまさに電通事業が病気におかされていつの日か麻痺をするというような状態にもなりかねないわけでありますから、これは電通事業、電話事業の面から見ても全く無視できない。積極的な対策、しかもこれを効果的に展開をしなくてはならぬとこう考えるわけでありますから、大別いたしまして、そのような角度でこれから質問をいたしてみたいと思います。
 したがいまして、これは単に公社を追及するなどというものではなくて、いま罹患をしておるその苦しみにどうこたえるかという立場、あるいは歯どめをかけるために積極的にどういう対策を立てるか、これをひとつ私はしろうとでございますけれども、しろうとはしろうとなりの判断もありますから、それを郵政省側あるいは公社側にいろいろと申し上げまして、効果ある迅速果敢な施策を講じてもらいたい、そういう立場に立って質問をいたしたいと思います。
 そこで、労働基準局長にお伺いをいたしたいのでありますが、衆議院の社会労働委員会でありますか、島木虎三衆議院議員がこの問題について取り上げております。その会議録も私見せていただきました。そしていろいろとこの解釈、理解が現状とはたして対応するものかどうかという点について非常に疑問を持つわけでございますので、そういう意味で労働省に質問をしたいわけです。
 まず第一点は、本問題とは重要なかかわりのある部分ではございませんが、労働基準法施行規則三十五条第十三号、この中に「電信手、タイピスト、筆耕手等の手指の痙攣及び書痙」こう業務上の疾病の範囲として認めておるようであります。この「電子手」というのは、どういう角度でこの十三号の中に含まれたのか、その経緯について、おわかりであればお知らせをいただきたい。
#7
○政府委員(渡邊健二君) 労働基準法の七十五条というのに「労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかった場合においては、使用者は、その費用で必要な療養を行い、又は必要な療養の費用を負担しなければならない。」とございまして、業務上負傷・疾病についての使用者の災害補償責任を規定いたしておるわけでございますが、業務上の負傷は、これは比較的業務上の負傷であるかどうか判断がしやすいわけでございます。しかし疾病の場合には、それが業務に起因するものかどうか、必ずしも負傷の場合のようには明確でないわけでございます。
 そこで、基準法の七十五条二項で、「前項に規定する業務上の疾病及び療養の範囲は、命令で定める。」というふうにいたしまして、業務上の疾病となるものを命令で規定するように委任をいたしておるわけでございます。これに基づきまして、基準法施行後に定められました基準法施行規則の三十五条におきまして、基準法の七十五条二項の規定による業務上の疾病は次に掲げるものだということで、一号から三十七号までいろいろの病気を規定し、さらに三十八号で「その他業務に起因することの明かな疾病」ということで、列記以外のものにつきましても、業務上であることが科学的に明瞭なものは業務上の疾病とするということにいたしておるわけでございます。
 三十五条の一号から三十七号まで列記されました職業性の疾病、俗にこれは職業病といわれておるわけでございますが、これは過去のいろいろな長い間の疫学的な調査あるいは統計、臨床病理学・解剖学的な研究の結果などに基づきまして、その職業に従事する労働者に発生することが非常に確度が高いと認められましたものを列記いたしておるわけでございまして、そういう意味で「電信手」ということばはもう非常に古いことばでございますが、基準法制定当時、電信手とかタイピストとか筆耕手等につきまして手指のけいれんあるいは書痙、そういうような疾病が起きました場合には、これは業務上の疾病として取り扱うということが規定されたわけでございます。
#8
○村田秀三君 私はもう少し突っ込んだ答えをいただきたかったわけです。というのは「電信手」をなぜ指定したかということですね、私の推測を申し上げます。
 実は、私も昭和十三年から十六年まで電信手でございまして、その当時は電鍵であります。つまり手指を使いまして関節でたたくわけですね。手指の操作ではありますけれども、実際はこれは関節なんです、電鍵をたたくわけです。その電鍵を想定して「電信手」というふうに規矩したんだろうと私は思うんですね。いまでも電鍵を使ってモールス信号等をやっておるところがあるかどうかわかりませんが、まあ小さな漁船なんかあるいはそうかもしれませんが、そう私は推測するわけですが、いかがでしょうか。
#9
○政府委員(渡邊健二君) 先生おっしゃるとおり、電鍵を打鍵する、そのために書痙あるいはけいれん等にかかるということが当時電信手に多かったためであると思います。
#10
○村田秀三君 そこで考えるわけですが、この十三号の「電信手」というのは古い作業態様をもととして指定をされた職種ですね、これは古いです。まだ実際に電鍵を使っている人があるとするならば、これは困りますから、いまここでこれを廃止せよなどと言うようなつもりはございません。
 以上のごとく、機械というものは進歩するわけですね。いまは電信手というのはほとんどタイプだそうです。そうしますと、なるほどけいれんとか書痙とかという、直接的にはそういうものではないにせよ、つまりタイプライターを打つようになって心身に影響を与えるという事実が当然出てきておる、こういう問題になろうかと思います。先ほど頸肩腕症候群の経年の発生数については聞きましたが、職種別にはまだお伺いをいたしておりませんが、資料をいろいろと見る限りは、これは交換職が圧倒的に多い。
 そういうことを考えてみると、これは通達は何回か出され、廃止され、追加をされ、つまり頸肩腕症候群と規定はいたしませんけれども、手指の操作で、それに起因するところの疾病ということでは通達が出されておるわけです。そうしますと、頸肩腕症候群というものは職業病だという直線的な規定のしかたというものは無理かもしれません。私のしろうと判断をいたしましても、あるいはそうかもしれない。いや、しかしながらこの頸肩腕症候群というものは大多数職業病だというような論理の展開をする人もあるいはあるかもしれません。しかしその問題はさておいて、少なくとも交換手なら交換手に多発する傾向がある、あるいはタイプライターを打つあるいは統計機械を操作する、つまり手指を積極的に使うことによって、その職に従事することによって発生しやすいという条件であるならば、つまり「電橘手」を十三号の中に入れたわけですから――
 この指定をずっと見まして、私ははてとこう思いましたのは、つまり高熱を使うとか刺激性のものであるとか、ラジウム放射線であるとか、あるいは粉じんであるとかけい肺であるとか、製糸または紡績等の業務による手指の蜂窩織炎であるとかということで、この原因となる物質なり条件なりというものが書かれています。特に職業ということはずばりいってないわけですね。ずばりいっているものは、ずっと見ますと「電信手」「タイピスト」「筆耕手」くらいなものですよ。そのほかにありますか、三十七号まで見て、私はないと思いますよ。
 だから十三号に「電借手」「タイピスト」というものを入れたとするならば、つまりその職種によって、操作する機械によって起こる可能性があるというふうに認めたとするなら、電信手を交換手に置きかえることは、ここに書かれておるところの病名からして問題はあるにせよ、号を一つ立てる必要がある。三十八号の「その他」の項で一般的に扱うなどというものではなくて、あの通達をそのまま号にするというふうに、この省令の立て方からするならば、その必要が私はあると、明瞭に言うならば、交換手病というような名前がもう認められてもしかるべき段階であると私は思うわけです。その点はどうでしょうか。
#11
○政府委員(渡邊健二君) 確かにおっしゃるように、三十五条の十三号は当時の電信手、タイピスト等に手指のけいれんや書痙というものが非常に多かった、多発した、こういうことによってそういう規定が設けられておるわけでございます。
 その後、いろいろな技術革新に基づきまして、いろいろな職種について作業の態様が変わってまいりまして、特に頸肩腕症候群につきましては、一番最初にこれが多発いたしましたのは、三十五年の後半からコンピューターが非常に多く使われるようになりまして、そのキーパンチャーに頸肩腕症候群が非常にふえてまいったわけでございます。
 もちろん頸肩腕症候群というのは、症候群ということばにございますように、いろいろな症状を含んでおりまして、中には手指のけいれんとか書痙に当たるものもございます。そうなれば、この十三号の「電信手、タイピスト、筆耕手等」という「等」で、そういうものもこの十三号に入るわけでございますが、この手指のけいれんや書痙以外の症状を呈します頸肩腕症候群も非常にあるわけでございます。それらにつきましては、確かに業務に起因する場合がございますので、それらは三十八号の「その他業務に起因することの明かな疾病」ということで、業務上として認める取り扱いを当時からいたしておるわけでございます。
 その後、だんだんふえてまいりましたキーパンチャー以外にも、たとえばスーパーなどが非常に多くなってくると、スーパーのレジスターを扱っているチェッカーなどにも、同じように手指を使いますために、頸肩腕症候群が非常にふえております。それから、ただいま問題になっております電話の交換手などにも近ごろそういうものがふえておるというふうに私ども承知をいたしておるわけでございます。それらはすべて、十三号の手指のけいれんまたは書痙に当たるもの以外は、三十八号の「その他業務に起因することの明かな疾病」というところで、業務上として認定をいたしておるわけでございます。
 先生のように、それほど多いならば、基準法の施行規則三十五条を改正して、頸肩腕症候群というものをひとつ新しく一号起こしたらどうだという御意見、そういう御意見が出ることも私どもある程度理解できるわけでございますが、ただ頸肩腕症候群というのは、それじゃ主として業務上によって起きるかというと、そうではございませんので、頸肩腕症候群というのはいろいろな原因によって起きるわけでございます。
 先生御承知のように、現在、われわれは頸肩腕症候群につきましての業務上の認定の基準といたしまして、四十四年の十月に認定基準を通牒として出しておるわけでございますが、この認定基準をつくります際にも、専門家の御意見をいただいて認定兼準をつくったわけでございますが、その中でも専門家が申しておりますように、頸肩腕症候群の中にはいろいろ手指を使う業務によるもののほかに、それ以外の事例――例をあげて申しますと頸部脊椎骨軟骨症、頸部椎間板ヘルニア、頸部脊椎腫瘍、頸部脊髄腫瘍、斜角筋症候群あるいは手根管症候群、尺骨管症候群、筋リウマチまたは結合織炎といったようなさまざまな――ここにまだほかの病気も列記されておりますが、さまざまな原因によっても頸肩腕症候群というのは起きるわけでございまして、そこで頸肩腕症候群になりました場合に、それが業務に起因するものであるか、他の原因によるものであるかという認定が非常にむずかしいわけでございます。そういうふうにさまざまな原因によって起きますものでございますから、三十五条に一号追加いたしまして、たとえばこれこれの職種の人の頸肩腕症候群というふうに書くわけにはいかないわけでございます。
 それらの手指を使う職業の人がかかられる頸肩腕症候群にいたしましても、手指を使ったという業務に基づく場合もございますし、いま私が幾つか列記いたしましたような他の原因に基づいて起きる場合もそれらの人についてあるわけでございまして、したがって手指を使う職業の人の頸肩腕症候群を列記いたしますと、それらの人の頸肩腕症候群は一応業務上の原因によるという推定がされてしまいまして、そう書くわけには、現在の頸肩腕症候群という疾病の発生原因からいたしまして、いかないわけでございます。
 そこで、現在は、三十八号の「その他業務に起因することの明かな疾病」ということで、頸肩腕症候群にかかられました場合におきましても、専門家の認定基準によりまして、それが業務に起因するものなのか他の原因に起因するものなのか、それを判断識別をいたしまして、業務上の認定をいたす、こういうことにいたしておるわけでございます。
 しかし、私ども、業務に起因することが明らかな頸肩腕症候群は、できるだけ積極的に業務上として救済していく、こういうたてまえに立ちまして、その識別の認定基準は、専門家の意見を随時聞きまして、そうして現在の医学で最も信頼される専門家の御意見に従いまして積極的に認定をいたしておるわけでございます。それについても不必要な混乱がないように、その認定基準というものは公表いたしまして、それによって認定するということでいたしておりますので、現在、三十八号の「その他業務に起因することの明かな疾病」というところで救っておりますけれども、この認定が的確に行なわれるならば、労働者の保護に欠けることはないものと、かように考えておる次第でございます。
#12
○村田秀三君 どうもそこのところ理解できないわけですがね。私は頸肩腕症候群それ自体がすでに職業病だとはいまのところ思っておらない、こういう前提に立ってやっておるわけですから、だから三十八号でやっているんだからいいじゃないか、こう言えばあるいはそれで終わるかもしれません。しかし手指等を使ってやる作業に従事する者についてこれが多発していることだけは間違いないわけです。
 手指も使う、しかし既往にかくかくしかじかの病気があって、その病気が頸肩腕症候群の原因にもなっている、こういう言い方でおっしゃいましたがね、その部分について申し上げるとするならば、とにかくこの頸肩腕症候群というのは、私が申し上げるまでもなく、幾つもの要素がからみ合って発生している、こう私は理解をしておるわけでありますが、つまり既往症があったからなどということになりますると、あなたのほうで出されました認定基準の解説を見ますと、一番わかりやすい問題で申し上げるとするならば、末梢の神経障害という部分がございます。末梢の神経障害というのは、これは手指の操作をするから最初に末梢神経がやられるわけでしょう。それが最初は手指だけのけいれんであるとか何かであったかもしれないけれども、手指の操作をしてけいれんを起こすようなそういう既往があったから、頸肩腕症候群という発展をいたしましたとしても、それは業務に関係がないなどというような理屈というものは私は出てこないと思う。
 もちろん既往症で、業務に関係ないような既往症というものがあるわけでしょう、それは私も認めます。しかしここに書かれておるものは頸部脊椎骨軟骨症、頸部椎間板ヘルニア、まあこういうようなもの、しろうとが考えましても、とにかく作業の態様であるとか何かの関係でこういう病気になるということはあり得るわけですからね、一つの理由で私は頸肩腕症候群という病気になったものとは直線的には考えていないわけです。いろいろな問題がふくそうしておる、既往であろうとなかろうと。しかし、その既往であっても業務上に既往症状を形成したということだってあり得るわけです。しかし、こういう既往症があったからみんなカットするということになれば、どうも手指がしびれるという段階で医者に行って診断書もらって既往症つくんないほうがむしろ頸肩腕症候群という業務上の認定をされる近道である、手指のけいれんとかどっか肩がこるなんという段階で一々病院に行って診断してもらって既往症つくらないで、病気ためて頸肩腕症候群になったほうが業務上の障害ということで救済をしてもらえる、こういうような話になるわけですよ、これを見ますと。そういう点はどうですか。私はこの扱い方は非常に不満です。医者じゃありません、厚生省も呼んでおりません、しかしいままでいろいろ話を聞いたり、少なくとも文献を見たりする限り。
 私も、実は、クインケ氏病という自律神経障害になったことがある。そのときもずいぶんと考えてやった。さらにまた私の姉は二人昔の交換手をやりましたよ、大正末期から昭和の初期にかけて。肩張ったとか、のどが痛いとか、へんとう腺になりやすい体質になったとか、当時からでもそれはありました。ただ、そのころは人知が発展をしない、人間の権利主張などという問題がない、もっと命を大切にしましょうなどというような、そういう社会的風潮というものがないから、これはそのためであろうと思っても泣き寝入りをして、からだがぐあい悪くなったから黙って医者に行くは、黙ってやめるはという、そういうような状態だったと思うのですね。
 この解説などというのは、しろうとで考えたって、これは医学的解釈なんというふうに思えないですよ。どうですか、もう一ぺん検討してみるつもりはありますか。
#13
○政府委員(渡邊健二君) 私どもこういう職業病の認定基準につきましては、これは決して役所限りでつくっておるわけではございませんで、その道の最高の専門家に委員会をつくっていただきまして御検討いただいて、つくっておるわけでございます。したがいまして、この四十四年の認定基準もその前にありました認定基準をさらにその後の医学の進歩に相応じまして、専門家に集まっていただいて修正決定して現在行なっておるわけでございます。私も医学のほうは専門家ではございませんけれども、現在の段階におきましては、頸肩腕症候群についての最も権威ある認定の基準だと、私どもさように考えておるわけでございます。
 ただ、この四十四年の通達を出してからもうすでに四年余りたっておりますし、その後も頸肩腕症候群というのは当時よりもさらにいろいろな部面に出ております。特に、最近、私どもが非常に関心を持っておりますのは、それまでは手指を使う作業に主として頸肩腕症候群が出ておったわけでございます。そこで、この通牒も「キーパンチャー等手指作業にもとづく疾病の業務上外の認定基準について」と、こういうことで出しているわけでございますが、手指作業以外につきましても頸肩腕症候群にかかられるという事例が出てまいりまして、その意味ではもう一度この認定基準をさらにその後の医学の進歩あるいはいろいろな新しい現象の発生等をにらみ合わせながら見直す必要があるのじゃないか、かように考えまして、実は、私ども、ことしの春からいわゆる頸肩腕症候群の業務上外の認定基準の検討についての専門家会議というものをまた新しく設けまして、労働衛生サービスセンターの所長の久保田重孝博士、それから各大学の先生あるいは労働省の労働衛生研究所の所員あるいは労災病院の専門の先生、そういう方々を御委嘱いたしまして、もう一度四十四年のときにきめました認定基準を再検討していただきたいということでお願いをいたして、現在、その専門家会議がもうすでに数回の会合を開いて検討を続けておるところでございまして、私ども、そういうように随時新しい現象の発生あるいはその後における医学の進歩等々に応じまして、決して認定基準も固定的に考えないで、さらによりよいものにするように努力はいたしておるわけでございますが、いずれにいたしましても、私どもは決して行政の恣意的なことで認定するのではなしに、その時点その時点における医学の最も専門家といわれる方の御判断によって認定基準を定める、かようにいたしておるわけでございます。
#14
○村田秀三君 まさに基準局長は医者じゃございませんから、そういう意味で病気の論議をしても正確を期すわけにはいかないとも思うのですが、厚生省の病理担当のだれかに来てもらうとよかったかとも思いますが、しかし病気のことを論議すれば、私も医者じゃありませんから論議は行き詰まるわけであります。
 しかし解説のこの問題の立て方――私が先ほど申し上げましたことはわかると思います、理解できると思います。頸肩腕症候群というものは幾つも病気が重なっておる。だから最後のほうにも書いてあるでしょう、いろいろ原因があると。その原因の段階で、休憩を多くするとか、あるいは体操するとか健康管理をすれば頸肩腕症候群を未然に防ぐことができると、あなた方はこの解説の中で書いている。いろいろ積み重なっているんだと、そのいろいろの職業団体の業務上の問題である、こういうことであれば、この解説の立て方は明らかに矛盾するものを持っておる、こう理解をいたします。まあ検討するということでありますから、これは私がいま論議をいたしました方向での検討をされるように希望しておきたいと思います。
 これに関してさらにもう一点は、認定基準のポイントはどこにありますか。ずらっと見まして、非常にこれは難解な解説です。まあこれはよろしい、がしかしこれを否定して、次の段階で、そうはいうけれどもと、こういうようなかっこうで三段論法、四段論法で非常にむずかしくしておる、こう実は思います。判定の基準の中での一番のポイントは局長はどの部分だと思いますか。
#15
○政府委員(渡邊健二君) この認定基準は非常に長いものでございまして、それぞれ医学の専門的な立場から詳細に書かれておるんでありますが、どの辺が一番ポイントかというお尋ねでございますので、それについて申し上げます。
 この認定基準は1、2に分かれておりまして、1が(1)号から(3)号まで分かれておるわけでございますが、一番中心は、(3)号で「指先でキーをたたく業務その他手指を過度に使用する業務に相当な期間継続して従事した労働者」であるということ、それからさらに、それらの人であって「頸部、肩及び当該上肢に手指作業に起因する自覚的症状に加え明らかに医学的に他覚的所見が認められ、」るということ、それから「かつそれらが業務以外の原因(頸部の脊椎、脊髄疾患等)により発症したものでないと判断されるものである」ということ、それらの点が一番の認定基準上の中核的な問題点であろうと考えております。
#16
○村田秀三君 「手指を過度に使用する業務に相当な期間継続して従事した労働者」というこの「相当な期間」というのはどの程度の期間ですか。「過度」それから「相当な期間」これは具体的にはどう理解するわけですか。これは抽象的に表現してそれで判断の基準にするなどということにはならないわけですからね、この問題は。
 それから先ほど来論議をいたしました「(頸部の脊椎、脊髄疾患等)により発症したもの」と特に断わっておるようでありますが、その他さまざまあるようでありますけれども、これは先ほど私申し上げましたように、作業の態様等によって頸部に異常を起こすというような、そういうことでもあるわけでありますから、これは先ほど論議したからよろしゅうございます。
 その「相当な期間継続して」云々あるいは「過度」という表現、それは実際どういうことなのか、お答えいただきたいと思います。
#17
○政府委員(渡邊健二君) 「相当な期間」といいますのは、職種によりましてもいろいろ違いがあると思いますが、いずれにいたしましても二、三カ月といったような短期間ではなしに、一年以上、何年もといったような場合を考えておるわけでございます。
 それから「手指を過度に使用する」という「過度」とはどういうことかということも問題になると思いますが、それはいわゆる同種の他の労働者の一般の業務量と比較して「過度」である、こういうことを意味しておると考えております。
#18
○村田秀三君 この辺が非常にむずかしいと思うんですね。つまり基準局ではこれを基準として出すわけです、そしてこれをもとにして関係事業場は認定をするわけですからね、少なくとも公社においてもそうだろうと思うんです。そうすると、こういう抽象的な表現をどうやって数式化するかということになれば、これは今度は公社の判断になる。とりわけ交換作業などというものは、他に類似する産業に従事する労働者と比較せよなんといったって、交換手というのは確かに民間の企業の交換も多少あるかもしれませんが、公社は独占事業として電話の交換をやっているんですから、他に比較するなんということはできないんですよ。こういう問題もある。こういう抽象的なことでは基準にならぬと私は思うんですよね。
 しかし二カ月、三カ月ではどうだというような、これだって厳密に理論づければ、それこそ最大の「過度」で勤務時間八時間休憩もなしにばたばたやった、二カ月たちましたら病気になりましたという例だって、実はあるわけです、理屈からいえば。
 ただ、しかし、これを見て私は非常に問題に思ったのは、いま局長が答えられた部分を受けて詳細に解説しているものがあります。それは「ただし、以上のような原因的疾患を完全に除外することは医学上困難な場合も少なくないので、作業内容(業務内容、作業持続時間、作業姿勢、業務量その他)当該労働者の肉体的条件(性、年齢、体格、素因等)及び作業従事期間等からみて、当該疾患の発症が医学常識上業務に起因するものとして納得しうるものであり、かつ、医学上療養を必要とする場合のみ業務上として取り扱うこと。」こうなっているわけですね。
 そうすると、いま私が申し上げました部分には期間の問題もあります、業務の内容もある、作業姿勢、業務量、作業持続時間、本人の肉体的条件――これは先天的なものも当然含まれますね、そういう問題も相当に考慮しなければならぬということになるわけですから、そうしますと、ただいま私が申し上げましたところの諸条件というのは基準局で作成されておるわけですか、各企業におまかせになっておるわけですか。
#19
○政府委員(渡邊健二君) いま先生がお読み上げになりました通達の解説にございますのは、ただいま先生もおっしゃいましたように「作業内容、当該労働者の肉体的条件及び作業従事期間等からみて、当該疾患の発症が医学常識上業務に起因するものとして納得しうるものであり、かつ、医学上療養を必要とする」――したがいまして、それらの作業内容とか肉体的条件とか作業従事期間等が当該頸肩腕症候群の発症について医学常識上起因性が認められるかどうかということでございますので、その判断は、最終的には、やはり個々の場合についてお医者さんが医学常識上納得し得るかどうかということでございますので、医学常識の判断をされる方はやっぱり当該労働者について個々に診察をし診断をされるお医者さんになるであろうと考えるわけでございます。
#20
○村田秀三君 その答えを聞いて私も実は意外に思ったのです。医者の判断といいますが、これは町医者もあれば国立病院の医者もある、専門医もあればそうでない医者もある、こういうことでありますが、一つの公社なり公社というものの中で考えてみましても、公社が指定する病院の外科、整形外科、その所見をそれじゃ各個ばらばらに出すわけですか。
 医大の外科は、はあこの人はまだ一年のようだ、一年だけれども症状はだいぶ重いからこれは業務上に起因するのだ、なるほど一年というのは長い、こういう判断をするわけですか。あるいは今度はいわきの労災病院の外科のお医者さんは、相当期間というのはやっぱり三年もやらなければ病気出るわけはないわい、という所見を出すのですか。いまお答えを聞いて私は非常に疑問に思った。
 むしろ私の考えからすれば、これに基づいて、もちろん医者の所見も聞くかもしれないが、主としては業務上外を認定する立場の人が一定の基準を何か設けてあるのかなあと、こう私は思ったのですが、その点はどうでしょうか。
#21
○政府委員(渡邊健二君) もちろん業務上外を最終的に決定いたしますのは、たとえば労災の被保険者であれば、これは行政官庁としての労働基準監督署長がするわけでございますが、こういう問題につきましては医者からの診断の所見というものが行政官庁の認定の非常に大きな基礎になるわけでございます。
 ところで、それにつきましては、先ほど申し上げましたこの解説にもございますとおり「当該労働者の肉体的条件」したがってその人は年がどうである、それから体格的にもどうである、素因もどうである、そういうことから見て、この労働者であればこういう業務内容で作業持続時間がどうであった、作業の姿勢、業務量がどうであった、しかも従事期間がこれこれの期間であったならば、医学的に見て頸肩腕症候群が起こり得ると考えられる、こういうことになりますと、やはりお医者の判断ということが基礎になるわけでございまして、それらの医者の判断の結果を尊重いたしまして、行政官庁が認定する。
 もし当人の症状につきまして、何人かのお医者の間に意見の違いがあるというような場合でございますと、これは普通、監督署長から上の都道府県の労働基準局なりあるいはそれ以上の本省なりに異議がまいりまして、そういう機関で今度はもし非常に問題があります場合ですと、最南の専門家といわれる方何人かに集まっていただきまして検討していただいて御判断を仰ぐ、こういう手順をとっておるわけでございますが、通常の場合は、それを診断されました医者の御意見というものを尊重して認定をいたしておるわけでございます。
  〔委員長退席、理事森勝治君着席〕
#22
○村田秀三君 後ほどこの問題に触れて公社に質問したいと思いましたが、いまの基準局長の答弁を聞いておりまして、公社としては、認定を行政的立場で最終的にはするわけでありますが、その基準については具体的に措置をされる場合にどうなさっておりますでしょうか、それをひとつお聞かせいただきたい。
#23
○説明員(小沢春雄君) お答えいたします。
 まず、私どもは民間企業もしくは国家公務員と違いまして、公社は事業者認定でございます。労働基準法に基づいて事業者が認定せよという重い責任が課せられておるわけでございます。
 認定にあたりましては、先ほど来お話のございました労働省の通達が当面一番よるべきよりどころでございますが、特に昭和四十四年の基発第七二三号、これが一番具体的な基準だと思っております。その中に、ちょっと繰り返すことになりますけれども「手指を過度に使用する業務に相当な期間継続して従事した」それから「その業務量が同種の他の労働者の業務量と比較して過重である」それから「業務量に大きな波がある」このような条件に該当して頸肩腕症候群に罹病した者は業務上疾病として認定せよ、こういうことになっております。
 ところが、この中のたとえば「業務量が同種の他の労働者の業務量と比較して過重である」かどうか、あるいは「業務量に大きな波がある」かどうかという点でございますが、電電公社の業務は、先ほど村田先生がおっしゃいましたように、ほとんど電話交換というものの仕事は日本の大独占のことでございまして、「他」ということになれば、事業外に求めるとすれば一般民間企業のPBX程度しかないわけでございまして、私どもはこれを電電公社の中の交換業務を行なう機関相互の比較――「他の労働者」といういい方を、私どもといたしましては、電話局相互間の比較というふうに読み取りまして、したがってAの電話局で行なわれている業務の量とBの電話局で行なわれている業務の量とを比較してAの局が過重であるかどうかというような判断を一つしたわけでございます。それから「業務量に大きな波がある」かどうか、これはわりあいに電話局の中でつかみ得るわけでございます。これらの数値をいろいろと検討したのでございますが、率直に申し上げまして、電電公社の交換作業がこのような過重である状態――数局比較してA局だけあるいはある局だけが過重である状態というものは現在のところ出ておりません。また業務量の波という点も、これもそれぞれの作業上の手配等を考えますと、大きな波というものは要員面その他でかなり考慮されておりまして、これも民間事業等に比べて非常に著しく公社が労働過重の状態になっておるというような数値も認められませんでした。したがって、実は、数年来、この基発第七二三号がこのような表現をいただいておりますので、非常に迷っておった次第でございます。
 ところが、本年に入りまして、労働省のほうでも、この業務量の問題については相当程度弾力的に解釈してもよろしいじゃないかというふうな行政指導を内々いただきましたので、そこで、現在の電電公社のこの問題の認定に対する考え方といたしましては、相当期間交換業務に従事しておって、しかも自覚的症状に加えて、明らかに医学的に他覚的な所見が認められる罹病者であって、しかもそれらが業務以外の原因によって発症したものでないと判断されたものについては、業務上疾病として認定しようということを本社の私ども厚生局として意思決定いたしまして、これを各認定を行なうところの全国十一の電気通信局の担当者を本社へ呼び集めまして、数回この問題に対する会議を開いて、この線に該当するものについては認定しようじゃないかという指導を行なって現在に至っております。
#24
○村田秀三君 また詰めてみたいと思いますけれども、しばらくおきます。基準局長のほうにも、いまの問題は後ほどまた触れるつもりでおりますので、御了承いただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、いま公社の厚生局長のほうからお話がありましたように、業務量を認定の基準にする場合に、弾力的に運用してもよいじゃないかというようなサゼスチョンをいただいた、こういうことになりましょうか、それで積極的に認定をしていこうという方針である、こういう答弁でありました。ここで感じましたことは、この通達というのは一度出しますと、各関係省庁というのはきわめてかたく理解するということですね、これが一つ明らかになりましたね。
 しかして、かたく考えようとすれば、これはどういう基準で具体的にやったらいいかわからない内容を持っていると実は私は思うのですね。そういうことで先ほど検討を加えるということでありますから、その問題については特段にこの際申し上げませんが、この通達がむしろひっかかって、千四百名近い罹患者が顕在化しておるにもかかわらず、公社の場合、業務認定申請は過去わずかに百三十六件、そして処置されたものはわずかであって、いまだ百九名が保留をされている、こういう状態ですね。遅々として進まない、ここに私はこの通達の罪があると実は考えているのです。そういう点でひとつよろしくお願いしたいと思います。
 そこで今度は公社にお伺いをいたしますが、ことしに入りましてから相当激発をしております、ほぼ倍の罹患者数になっておりますね。そして実際に業務上外認定の申請をされておるものは百三十六名、そして未処理件数は百九名、こういうことですが、とにかく認定の処理が非常におそいという問題と、それからなぜこれほどの罹患者があるにもかかわらず申請がなされていないのだろう、こう素朴に疑問を持つわけですね、そういう点についてはどうなんでしょうか、この際、お伺いいたします。つまり罹患者対策というものは具体的にいまどういう措置がなされているのであろうかということについて、ひとつ御説明をいただきたいと思います。
#25
○説明員(小沢春雄君) 先生御指摘のように、特に昨年の暮れあたりからこの病気の罹患者が従来よりも急速にふえております。私どもといたしましては、この病気に対しまして、まず何よりも予防をするということが大切であるということで、これは全電通労組のほうでも非常に関心を持ちまして、昨年、この問題に関する話し合いで、昨年段階における相互のこういう方策でいこうじゃないかという取りきめをいたしたわけでございますが、その中に予防に関するやり方についての話し合いも取りきめてございます。
 まず、従来、公社の全職員に対しましては、年一回ないし二回程度健康診断をそれぞれの診断項目に応じて的確に行なっておりますが、その中に頸肩腕症候群に対する診断項目というものがございませんでした、これを本年度から含める。それから、その定期健康診断の際に、頸肩腕症候群に罹患の疑いがあるというものにつきましては、別途、専門的な精密検診をするということをやることにいたしました、今年度からやっております。
 それから作業環境というものが非常にこの病気に関係が深いということでございますので、安全及び衛生に関する協約というものを本年度新しい考え方で労働組合と取りきめをいたしまして、交換室、休憩室、宿直室の照明とか温湿度調整、騒音等の環境測定というものを実施いたしまして、たとえば照明が暗いとかあるいは冷暖房が不適当であるというようなものを発見した場合には、直ちに不備な点は改善するというようなこと。それから、これは別に労使の取りきめではございませんが、職場体操というものが非常にこの病気に有効であるという専門医の御意見もございましたので、特に頸肩腕症候群用の体操というものを専門医の先生に考えていただきまして、これを朝もしくは休憩、昼休み等にできるだけ積極的に実施していこう。それから所要の局にはマッサージ機を配備いたしまして、交換台から出てきた職員がマッサージ機で肩や手をマッサージするというようなことができるようにいたしました。
 それから健康管理医の中でも、いま公社の中に約四百名の医者がいるわけでございますが、この中で外科の医者が約一割でございます。その外科の中で頸肩腕に主として直接に当たります整形外科医が全国で十数名しかおりません。これは日本の中でもわりあいに少ないお医者さんの専門分野だと伺っておりますが、そうしたことから、たとえば医務室とかあるいは診療所におります科の違うお医者さんにも頸肩腕症候群に対しては特別に研修をしていただくということで、専門医の方が中心になって医務室のお医者さんとか診療所のお医者さんを一堂に集めまして、頸肩腕症候群の予防とか治療に関する研修などを実施して、この病気に特に力を注ぐというような体制をとっております。以上のような点が予防に関する公社のおもな施策でございます。
 それから次に、現に病気にかかっております者の治療対策といたしましては、一番大切な点は、これはすでに昭和四十五作以来労働組合とも話し合ったことでございますが、固体的に交換業務にあまり向かない方でこの病気にかかったというようなお医者さんが判断をしている方があるので、これらの方たちは交換職以外の仕事に職転をするということが大事でございまして、すでにこれは四十五年以降取りきめたことでございますが、昨年末特にそれを再確認いたしまして、この職転の際のお医者さんの意見書というものをもらう指定病院といたしまして、従来百四十だったものを六百四十までふやして、全国的なおもなる都市にはそうした機関があるというふうにいたしました。いずれにいたしましても、異なる作業への配置転換ということが非常に重要な治療対策の一つだと考えております。
 それから、病院に通うため勤務時間中に、どうしても差し繰りがつかないから、病院へ行くとかいうものは、勤務時間扱いにする。それから、はりときゅうというものは病院の診療項目の中で六カ月限りということになっておりますが、これを一年間まで延長して治療費を公社が負担する。それからこの病気で休職になった者に対しましては、普通の私傷病ですと休職三年目、三年目は無給ということになりますが、これを三年間八〇%の給与を支給する。つまり精神疾患と同程度の扱いをするというようなことも労使で取りきめました。それから擢病者のうち必要な者は、本人の了解を得て、一番権威のある関東逓幡病院に入院させて治療に専念する。それからリハビリテーションといたしましては、伊豆の函南の病院がリハビリテーション専門病院でございますので、ここに入れましてリハビリテーション中心の治療をするというようなことも実施するようにいたしております。
 以上がおもな予防並びに治療の施策でございます。
#26
○村田秀三君 いろいろお伺いいたしました。予防についてはまた別に私も所見を申し上げながら質疑してみたいと思いますが、ただいまの質問の最初の部分ですね、つまり千四百名近い罹患者がありながら認定申請がされているのは少ないような感じがするわけですね、それはなぜなんだろうという素朴な疑問を持つわけです。
 それから、その申請されたものについても、この認定申請されて以降、結論を得るまでに相当期間かかっているようにも思うわけですね、したがいましてそれはどういう理由なんだろうか、どう公社側は判断しているのか、それをひとつ聞きたいと思います。
#27
○説明員(小沢春雄君) 第一点の、現存千三百九十二名も罹患者がいるけれども、それに対して業務上疾病の認定をしているものが少な過ぎるのじゃないか、これはどういうふうに考えるかという点でございますが、この罹患者の数は、たとえば四十七年度末が七百六十四名でございまして、四十八年の八月が千三百九十二名でございますが、これは雪だるまのように既存の罹病者の上にさらに新規の罹病者が積み重なっていくという状態ではございません。たとえば数カ月で治療の効果があがって罹病者から落ちて健全者の仲間入りをしていく、そうして新しい罹病者も出てくるという、そういう内容の流動もあるわけでございます。したがって、ふえる一方ということではなくて、かなり中には治療が効を奏して治癒していくというものもあるわけでございます。
 しかし、いずれにいたしましても千三百九十二名いるわけでございまして、これらの中で業務上疾病として認定してほしいと言ってまいりますものは、相当期間なおらない、治療をいろいろとやってみるけれども、なおらないというような方が、これはどう考えても自分の体質とかそういうものだけではなくて、業務のいろんな条件に原因があるのだというふうに考えまして、医師の診断書を添えて、所属長に業務上疾病として認定してほしいという意思表示をしてくるわけであります。したがって認定申請の意思表示というものはあくまでも本人の意思にまかせられているわけでございます。私どもといたしましては、おそらくかなり治療が効を奏してなおっていく人もいるというようなこともあるために、本人がこれはもう業務上疾病であるということを強く主張して業務認定を申請してくるものは、千三百九十二名の中では、割合としてはそう多くないんではなかろうか、そういう状態がそれほど不自然じゃないんじゃなかろうかというふうに理解いたしております。
 それから次のお尋ねの、百九名が現存認定申請中であるけれども、認定作業がおそいではないかという御指摘でございますが、これは私どもといたしましても、特に本年に入りまして、ニ月の二十七日に衆議院の社会労働委員会で島木虎三先生から同じような御指摘をいただきまして、それ以来、先ほど来お話しましたようなああいう認定の方針というものをきめまして、各通信局に認定をできるだけ促進するようにという指導をいたしております。
 昨年までは本社の認定一本でございました。これを先ほどお語いたしました昨年末の労使の話し合いで通信局認定におろすということをきめて本年から実施しておりますので、この点は少なくとも通信局と本社の間の文書の重複というものが一段階省略されましたので、私は作業のスピードとしては少なくとも一、二カ月は短縮されたんではなかろうかというふうに考えておりますが、あとは通信局ができるだけこの保留分に対して明確な決定を一日も早くするということでございますので、これについては、私ども各通信局に十分連絡をいたしまして、促進を今後とも期したいと思っております。
  〔理事森勝治君退席、委員長着席〕
#28
○村田秀三君 促進をはかるということでありますから、その限りでは私何も申し上げようがないわけでありますが、ここでちょっとお伺いいたします。
 公社の報告は百九件だというのでありますが、これは私のほうの調べ、主としては関係労働組合から伺ったわけでありますけれども、この認定申請手続は現場の局長には四月段階で百七十名してある、申請済みのものも含めてですね、こう聞いておるわけですね。だから六十一名――これは四月段階ですから、おそらく八月段階ではもっとふえているんじゃないかという感じもするわけですが、それが数字上の食い違いか、現場の局長がまだ出さないのか、押えておるのか、そういう問題もあろうかと思いますが、この点はおわかりになればお答えをいただきますし、まだ承知しておらないということであれば、すみやかなる調査もしていただいて、少なくとも現場の局で押えておくというようなことのないようにお願いをしたいと思います。
 それから方針決定をして促進方を指導しているというのでありますが、どうもしかし最近の動きを見てみますと、私ども、実は、福島県の郡山と平へ八月の四日、五日ごろでございましょうか、調査に参りました。その際に、交換手の頸肩腕症候群が業務上と初めて二名の方が認定されたというお話も聞きました。それ以降あまり聞きもしない、こういうことでございまして、どうもあまりはっきりいたしません。その地方局に対する指示といいますか促進方の指導といいますか、あるいは文書で出したのかどうか知りませんが、そういう何か措置はしてあるわけですか。
#29
○説明員(小沢春雄君) お答えいたします。
 まず最初に、先ほどの受理の件数でございますが、この件につきましては、私どもとしてもう一度十分調査してみたいと思います。
 それから認定の作業の進め方といいますか、その本社の指導でございますが、先ほどお答え申し上げましたように、現在のところ、私どもとしては口頭で各通信局の職員部長あるいは保健課長を集めまして、基発第七二三号から出てきたわれわれの考え方というものを示して、これに該当するものについては業務上疾病として認定を促進してもらいたいということを口頭で伝えて、その後、公社の保健課長等から電話でその模様を聞いたりあるいは指導したりということをいたしております。
 しかしながら率直に申し上げまして、各通信局としては、いわば公文書でかくかくのものに該当した場合はやれというふうなものをもらえば、安心して認定をするというような気持ちがあるということは十分察知されます。そこで私どもといたしましては、現在、関東逓信病院の沢崎院長を代表者として、二十八名のこの病気に関するプロジェクトチームを編成いたしまして、東京市外、東京番案、郡山、平、船橋等をそれぞれ平均一週間以上の日数をかけまして、河井整形外科部長が委員長で調査をしておりまして、きょう現在岐阜県の大垣の電報電話局を調査中でございます。
 このプロジェクトチームは労働省、厚生省のほうでも期待を寄せてくだすっておりまして、この結果が出れば、おそらくわが国で初めてこの病気に対する本格的ないろいろな考え方が打ち出されてくるというように期待しておりますが、この答申が、初めは来年ぐらいはどうしてもかかるというようなことを先生方おっしゃっておったのでありますが、私強くお願いをいたしまして、ぜひ本年中くらいにこの答申をお急ぎいただきたいというようにお願いしてございます。したがってこの答申が出ました暁には、私ども自信を持って、各通信局に対して、このような基準に該当するものについては業務上疾病として認定せよということを意思表示できるというふうに考えております。
#30
○村田秀三君 そうしますと口頭では伝達してあるけれども、まだ文書では出されておらない、こういうことのようであります。まさしく役所というのは、文書がなければ、だれそれがこう言ったということだけではならないわけでありますが、今年中に結論を出すということであります。しかし今年中――その辺のところ私どう判断していいかちょっと迷いますけれども、しかし少なくとも一定の公社の方針は現場に文書をおろしてもよさそうな気がいたしますが、正確にはもとよりプロジェクトチームの結論を待つということでありましても、少なくとも現時点で公社が積極的にやるという方針を立てたということは、現状を放置しておけない、こういう立場に立っておるのじゃないかと思うのですね。そういう意味からするならば、これはやはり文書等を明確に出して、現場の作業を促進するという措置というものは重要じゃないかと思うのです。
 来年というものをことし中にというのも、これまた早いにこしたことはないにしても、ことしそれについての結論が出た、ところがそれは厚生省や労働省との関係があるから、今度は中央の審査会あたりで検討してなどということになってもまた困るわけですから、そういう意味できわめて早い機会に伝達をするという方途が講じられませんか。
#31
○説明員(小沢春雄君) 私ども口頭でそういう指導やなんかをしておるわけでございまして、この指導はむろん各通信村に十分徹底しつつありますので、プロジェクトチームの答申が出るまでこの百九件の認定がそのまま凍結されるということは私はないと思います。先生の目からごらんになりますと、少しスピードがおそいというようにごらんになるかもしれませんが、おそらく今後も引き続き東北あるいは東京あるいは東海と、この病気の罹患者の多い通信局で、相当医学的所見の明確なものにつきましては、逐次業務上疾病としての認定者が出てくるというふうに私ども考えております。
 ただ、先ほど来、医者の領分と行政的な領分というお話が出ましたが、この病気を業務上疾病であるかどうかということを認定する相当部分はやはり医学的領分の問題ではないかというふうに考えられますので、私どもといたしましては、プロジェクトチームの答申が出るまで足踏みをしているということはございませんけれども、本式にこの基準でやろうじゃないかということを文書等で意思表示する場合は、プロジェクトチームの答申を得てからにいたしたいというふうに考えております。
 なお、各通信局に認定権を委譲したわけでございますが、これは電電公社の中の、他の公社に対しましては進んだ措置といたしまして、通信局段階、本社段階に審査委員会というものをつくってございます。これは労使四名・四名ということでつくってございますので、この委員会を活用するということも、私は、認定を公平にかつ円滑に行なう方法として重要視できるのではないか、こんなふうに考えております。
#32
○村田秀三君 それでは、その問題は幾らこれからお話をいたしましても、直ちに通達するということにはなりそうもありませんから、ここでやめますが、いずれにいたしましても現場は待っているということですね、こういう点では、口頭であろうと何であろうと公社としては明らかになったわけでありますから、積極的に推進されるように、具体的に措置されるように要望しておきます。
 そこで、一つお聞きしたいことは、先ほども触れました福島県の郡山局において三名申請をいたしました。そして二名が業務上という認定をされ、一名が業務外とこれまた認定をされ、言ってみれば却下をされたということになるわけでありますが、その一名が業務外と認定をされた理由というのは何でしょうか、それをひとつお伺いいたします。
#33
○説明員(小沢春雄君) 七月の三十日に、東北通信局で郡山の電報電話局の電話交換手二名を頸肩腕症候群の業務上疾病に認定し、一名を業務外というふうに認定をしたという報告を受領しております。
 この東北通信局からの報告によりますと、業務外とした一名は、先ほど来労働省のほうからもお話がございましたが、業務上にストレートに起因するということを医学的に発見することが困難であった。つまり頸肩腕症候群の一つ手前に基礎疾病があったということから基発第七三二号の基準に照らして、これを業務上と認定することは困難であったという報告を受けております。
#34
○村田秀三君 もう少し具体的に伺ってよろしいかどうか知りませんが、先ほど基準局長とのやりとりの中で、おそらく厚生局長もお聞きになっておると思いますが、既往症云々という問題について特に私触れました。実は、主としてこの郡山の却下されました一件のことが頭にありましたために、とりわけいろいろ考えてみたわけであります。
 では、その既往症というのは何年から何年までそういう状態であったのか、それからこの人はいつ採用されて、また年齢は何歳か、勤続何年か、採用年次がわかればいいわけでありますが、そういう点で把握しておりますか。
#35
○説明員(小沢春雄君) 通信局の認定は、本年度以降、通信局の通信局長に全権を委任いたしましたので、認定の内容については、一切通信局長が専行するということになっております。
 本件につきまして私ども報告を受けましたのは、業務外とした理由といたしまして、精密検査の結果、当該疾病つまり籔肩腕症候群の発症に関し医学的に見て因果関係があると判断される疾患――頸椎、胸椎の変形、低血圧症等があったので業務外とした、こういう報告を受けております。
#36
○村田秀三君 勤続年数あるいは交換業務――これは交換業務だろうと思うのですが、交換業務に従事した年数というのはおわかりになりませんか。
#37
○説明員(小沢春雄君) この「外」とした者の交換業務従事年数は二年数カ月だったと思います。
#38
○村田秀三君 実は、私も、資料は持っておるわけです。
 メニエール氏病の既往がある、こういうことであります。しかし、これは先ほどの基発第七二三号の頸肩腕症候群に至るまでの過程の中でこういう既往症がある者はなりやすい、これは既往症があれば除外だ、こういうようなことの疾病の名称の中にはこのメニエール氏病というのはないんですね、これははっきり書かれておらない。書かれておらないけれども、メニエール氏病というのは、そうすると、基準局長に聞きますが、別に頚肩腕症候群になりやすい既往の疾病だということではないわけですか。これは討議していて私も気がついたもんですからお伺いするわけですが、その辺はどうですか。
#39
○政府委員(渡邊健二君) ちょっといま問題になっております具体的な例は私聞いておりませんし、またメニエール氏病というのがどういう病気であるか私もちょっとわかりませんが、この四十四年の通達では「業務以外の原因(頸部の脊椎、脊髄疾患等)により発症したものでないと判断」されなければ、業務上にならないということでございますから、その病気によって頸肩腕症候群の症状が出ておるということが医学的にはっきりすれば、それは業務上でないということになると思います。
#40
○村田秀三君 この佐々木得さんの事例については、私は例には出しますよということは前もってお話ししておきましたが、詳しく聞きますよというふうには言っておらなかったですね、だからあるいは詳しくおたくのほうではお調べになっておらないのかと思います。
 私のほうで調べておりますのは、採用が二十七年四月で勤続二十年ですね。いまのお話では、交換業務には二年数カ月、こういうお話ですが、既往症がいつの時点に発生しておったのかということもかかわりはあると思いますけれども、しかし、問題は、既往症があったから除外するんだというのが私は一番やはり問題だと思うんです。
 このメニエール氏病というのはまさか公社に入る前に起きたものではない。そのメニエール氏病というのは、私もしろうとでありますけれども、若干知っております。やはりこれは神経障害、言ってみれば自律神経の失調症状だろうと思うんですが、頭が痛いとか目まいがするとか、そういうものであります。そういうものでありますが、先ほど論議いたしましたように、その段階で医者にかかった、これはメニエール氏病である、こう診断をされた。そういう既往があったから、これは頸肩腕症候群という病気にかかりやすかったんだから、業務上ではない、こういう論法の認定というのはまさに私は酷だろうと思うんです。
 自律神経の失調障害というのは、これは後ほどいろいろ作業環境やあるいは作業態様であるとか作業構造であるとかという問題の中でひとつ触れてみたいと思いますが、とにかくやはり業務に起因するものであるかもしれない、つまりそういう条件があるから頸肩腕症候群になりやすい、こういうことであるならば、これは既往症といえども軽視できないと私は思うんです。だからこの扱い方というのは私は非常に不当だと思うんです。あれを再検討するというかまえがあるかどうか。
 それからまた、その審査委員会というのは中央、地方に二段がまえになっておるそうでありますが、これは地方で一応の結論が出た、不服であるから、上級審にまた申請をするという手続が現実にできるのかどうか、この点についてひとつ伺っておきたいと思います。
#41
○説明員(小沢春雄君) 業務外として東北通信局が認定いたしました一名の者につきまして、私ども、通信局長に全権を委任しているということで、先ほどお答えいたしました以上の報告を持っておりませんで、調査不十分でございましたことをおわびいたします。
 なお、先ほどこの業務に従事している年数は二年数カ月と申し上げましたが、これは先生の資料のほうが正確であると存じますので、これは訂正さしていただきます。
 なお、この措置でございますが、まだこの者に関する認定は通信局長が認定したということでございますので、これに対して本人が不満のある場合は通信局段階の審査委員会に提出することが可能でございます。したがって、そこで問題が労使双方の委員によって検討されるという余地は今後に残されております。それからなおその委員会で結論を得ない場合あるいはそれの決定に不満のある場合は、本社段階の審査委員会に移して審査をする道も残されております。
#42
○委員長(茜ケ久保重光君) ちょっと小沢局長、あなた先ほど村田委員の言及されたことに対して二年数カ月と答弁したな。それで村田委員が二十年ということであったんだが、いまあなたは訂正した。先ほどの二年数カ月という答弁はどういう答弁になっているのか、これは委員会に対して詐称することになるよ。どういうことで二年数カ月という答弁をしたのかはっきりしなさい。
#43
○説明員(小沢春雄君) おわびいたします。
 実は、私、事務当局の者にその資料を持たしておると考えまして、事務当局の者がちょっと誤認いたしましてそのメモが出たものでございますから、調査不十分のままお答えいたしましたので、たいへん申しわけなく、おわびいたします。
#44
○委員長(茜ケ久保重光君) それなら、先ほど答弁のときにそのことをはっきり言って、これはやっぱりあやまらなければ、あなた偽って答弁したことになる。何か故意に偽るということになると、これは問題だから、以後注意しなさいよね。
#45
○説明員(小沢春雄君) おわびいたします。
#46
○村田秀三君 それはわかりました。今後に問題が移されるようでありますから、私も部分的なものきり持っておりません。詳細に資料を取りまして、別途、この問題で、何も委員会ばかりじゃございませんで話を進めてみたい、こう思っております。
 それからあと、先ほど来お話がございました労使双方の審査委員会ですね、これは意見だけを申し上げておきたいと思うのでありますが、労使それぞれ四名、こういうお話を聞きました。そこで労災の財源といいますか、いま労災制度は国家公務員の関係それから労災保険の民間の関係、それに関係しない部分の公社関係、あるいは船員保険法の関係は除外されているようでありますが、まあつまらぬことを申し上げるようでありますが、民間の場合ですと、保険料を一定の額を払って、そうして労災事故が起きた場合には、それが幾らであろうと保険という救済措置があるわけです。だから事業主は保険料を払えばよろしい、こういうことになる。
 ところが公社の場合は全額公社負担、こういうふうになって一定の予算措置がとられておる。それも単年度経理だというように私は聞いております。そうしますと、なるたけひとつ予算の範囲に押えよう――労災問題というのは、発生したその事実に基づいて対処するわけでありますから、実は予算が幾らであろうと関係ないわけであります。ところが間々予算の範囲に押えようとするようなそういう意図が、これはとかくいたしますると役所の方々というのはそういう傾向があります。電気料が高過ぎたから一つ一つ消せなんということでありまして、電気料と労災の問題を一緒にしては申しわけありませんけれども、そういう意図が働いて、そうして事実は非常に微妙である、なるほどこうしてやりたいと思っておっても、あまり負担がかかるのはどうもけしからぬということで四人が腹を合わせる。いやそれはそうじゃないと組合側のほうでは四人口をそろえて、とにかくこれは業務上災害だ、こういうような主張――つまり四対四で激突して、だれが結論を出すのかという問題を若干考えてみたわけですね。
 だから、まさか公社側に予算をひとつじょうずに使おうなどというようなけちな考えはなかろうかと思いますけれども、もしもそれがあったらたいへんだということであります。その辺のところを少し検討を加えてみる必要があるんではないか。専門家の意見も聞きながらということはしばしば言われるわけでありますから、そんなことをひとつ私自身が考えておるというお話だけをこの際は申し上げてみたいと思います。
 それからもう一つは、やはり認定の問題であります。この認定申請を押えているわけではない、これは自発性が尊重されていると、これは組合の方からも実は聞きました。実際に申請数が少ないものですから、何かあるのかなと、こう思いまして聞いてみましたが、そういうことはなさそうであります。
 しかし、いずれにいたしましても、先ほど来、罹病者対策の中では特別措置がとられておる。その特別措置というのは、業務上、外別にかかわりなく、頸肩腕症候群という疾病が確認されるならばそれぞれ措置をする、こういうことのようでありますけれども、いろいろ考えてみますと、昔は肺結核がきわめて重要視され、優遇されるというとちょっと語弊がありますけれども、あたたかく一般の病気よりも対処されたと思うんですね。そういう気持ち――結核だってやはり結核になりやすい職場、そうでない職場というのがこれはあるわけでありますから、そういうことで、また頸肩腕症候群がこれ以上ふえられては困る、そういう立場から特別措置をしておるんだということは、言ってみれば業務上に起因するものであるという、そういう事情も方向としては認められての特別措置ではなかろうか、こう思うわけです。そうでないというならばそうでないということでけっこうでございますが。という立場に立って考えてみますと、この申請をされたものを認定するという際には、やはりそういう方向、一つの線上の判断がなければならない、こう実は私自身は考えるわけです。
 いま私が発言をいたしましたこと、内容、よく理解できましたかどうですかお答えをいただきたいと思いますし、またこれはきわめて、何といいますか、政治的な――政治的に病気にしたんではこれは困るわけでありますけれども、つまり一定の方向というものに基づいてそれぞれの措置がなされるということになるとすれば、これはきわめて政治的な判断といいますか、それが必要でありますから、これは副総裁からもお答えいただきたいと思います。
#47
○説明員(秋草篤二君) 頸肩腕症候群のいろいろ取り扱いにつきましては、非常に困難な複雑な事情が介在しておりまして、先ほど来労働基準局長の御説明のとおり、外傷的な従来の電電公社事業に伴う、感電だとかあるいは電柱から落ちる、ガス爆発する、明らかにだれが見ても業務傷害と認定するような単純なものではない。したがってこの認定業務についてはこれから困難な検討を加えなきゃならぬと思いますが、ただいまの村田先生の御質問の、一つの近代化された社会の全体の歩みとともに、何かしら従来ではなかった病気というようなものが多発するということを考えれば、やはり一つの大きな方向としては新しい職業病ということを考えてみなきゃならぬではなかろうか。そういう意味で、いろいろまた専門家のお知恵によって検討しなくちゃならぬものがございますが、結論的には先生のおっしゃるような方向で、一つの社会保障の範囲というものを少し豊かな気持ちで対処していくということは、公社のような事業におきましては、今後とっていってやむを得ないんではなかろうか、こういうふうに存ずる次第でございます。
 この点は、昨日も衆議院の逓信委員会でも同じような御質問があったわけでございますが、非常にまとまりのない答弁になりますけれども、私はやはり大きな流れとして前向きに対処しなければならぬのじゃないかということだけは申し上げたいと思っております。
#48
○村田秀三君 次に、予防の問題にひとつ入ってみたいと思いますが、先ほどプロジェクトチームを編成して調査研究をしておる、こういう話がありました。
 その調査研究の課題といいますかございましたならば、かなり詳しくお答えをいただきたいと思います。
#49
○説明員(小沢春雄君) プロジェクトチームは、先ほどお答えいたしましたように、関東逓信病院、伊豆逓信病院及び東京健康管理所等の専門医を中心といたしまして、これに現場に近いところの東京市外電話局の医務室、横浜逓信診療所等の健康管理医も参加して総勢二十八名でございます。代表者は関東逓信病院長の沢崎博次博士、実行委員長は関東逓信病院の整形外科部長の河井弘次氏でございます。
 このプロジェクトチームの目的と課題は、交換、検せん孔等の手指を中心とした業務に従事している職員の頸肩腕症候群について医学的な解明を行ない、職員の健康管理の強化に資することを目的とし、次の事項について検討することといたしております。
 まず、この病気の予防策及び発症原因の調査究明。次が診断基準――たとえば公社の場合、病気につきまして健康管理の基準がございまして、俗称ABCDと申しておりますが、療養を要するもの、勤務軽減を要するもの、要注意、準健康というふうな区分をして、それぞれに応じた治療とか病気の指導をしておりますが、このランクづけを含む診断基準というものをこの病気について明らかにする。それから三番目は、罹患者を早期に発見する方法を見出す、具体的には健康診断項目を確定して、これに判定基準を相応じて設定していくというふうなことでございます。それから治療方法を見出す、究明するということでございまして、この中には、治療方法のほかに、罹患者に対する職場の健康管理医の対症方針も含めて検討するということにいたしております。
#50
○委員長(茜ケ久保重光君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#51
○委員長(茜ケ久保重光君) 速記を起こして。
#52
○村田秀三君 ただいま特別調査の課題、目的等について聞きました。
 そこで、私も郡山、平を見まして、全くのしろうとではございますけれども、こういう面がひとつ考慮されないかということで幾つか問題を提起してみたいと思います。
 その一つは、冷房との関係ですね、職場環境。職場環境の中で幾つも問題はあります。実は、郵政の職場を言いますと大臣耳が痛いんじゃないかと思いますが、電通と郵政の職場を比較いたしてみますと、職場環境としては郵政のほうが劣るんじゃないかと実は思っておりました、冷房しておる部屋なんかはございませんしね。そこへいきますと電通のほうは休憩室も最近わりあいにりっぱにできておる、建物もどんどん外見はよくなっておる、冷房装置もされておる、こういうふうに実は見ておったんでありますが、しかしよく見ますと、それはそれなりに問題点を持っておるようにも思うんですね。
 冷房の問題について考えてみるわけでありますが、私どもが聞いておる限りでは、機械を保護する意味において常時一定の温度を保つ必要がある、こう聞いておりましたが、現在はどうでしょうか、これはどなたが御答弁いただくんですか、公社としまして。
#53
○説明員(小畑新造君) お答えいたします。
 電電公社の交換機その他は御承知のように非常に精密な機械でございまして、温度あるいは湿度というものに非常に敏感でございます。そういう意味で機械室関係には空調装置というようなものがかなり前からついておりました。
#54
○村田秀三君 それは機械室だけですか。交換室その他の事務室、主としてここでは私は交換の問題を取り上げてみたいと思うのでありますが、交換機もほこりになるとか、そういう事情も考慮して、窓をあけ放すわけにはいかぬ、風を入れるわけにはいかぬ、そういうことで窓を締める、締めれば響くなる、響くなるから冷房装置が必要だ、こういうような条件というものであるということを聞いております。
 それから、なるほどいまお話しいただきましたのは、機械室だけのようなことを言われましたが、交換機についてやはり一定の温度を保持しなくてはならぬというようなことはないわけですか。やはり交換室も機械室と同じように理解していいわけですか。
#55
○説明員(小畑新造君) お答えいたします。
 一般の交換室それから電話交換手さんが交換作業をやっております交換室というものの機械の精度というものはおのずから違いますけれども、全般的に通信機械というのは、先ほど先生御指摘のように、温度も湿度も、それからほこり、じんあい等を非常にきらう性質のものでございますので、空調は必要かと思いますけれども、初期の段階では主として機械室に空調が入っておったように記憶しております。
 なお、人間が作業しております交換室でございますとかあるいは事務室等につきましては、これは何年前かちょっと記憶がさだかでございませんけれども、機械室等で働いております者とのいわゆる労働条件の問題等で組合の間に冷房の問題というようなことがしばしば団体交渉の対象等になりまして、数年前から交換室あるいは事務室等々にも空調を入れるようにしております。なお新しい庁舎でございますとか機械室等々につきましては、そういう設備を最近は全部入れておるというふうになっております。
#56
○村田秀三君 先ほどどなたかとのやりとりの中で冷房がこの病気とかかわりがあるかないかというような問題で若干話がなされたと思いますが、これは医学的に解明されるでありましょうけれども、私は何らかの関係があるような感じが実はしてきました。
 というのは、いまの空調、冷房装置は必ずしも完全とは言いがたいわけでありまして、たとえば大きな交換室――一方にのみその機械設備がある場合には、近いところが非常に冷たくて、遠くはさほどでないというような問題もあるだろうし、あるいは暖房ですと上のほうがあたたかくて下のほうが冷たいということがありますが、冷房の場合はどうやらその逆のようでございまして、むしろ床面のほうがうんと冷たくなるというようなそういうような物理的なものがあるようにも思います。したがって交換手の方は、夏で外がかんかん暑いというのに、長いズボンをはいて、そしてよく聞いてみますと、中に冬ものの支度をしておる、こういうような話なんかも実は聞きかつ現実に見てまいりました。つまり空調が必要だという職場の前提条件、これは前提があるからかかわりがある、こう私は言いたいわけでありますが、それについては直接かかわりありますという答弁がいま返ってきそうもありませんから、私はそこまではものを言いませんが、いずれにいたしましても、そういう環境というものをもう少し考慮する必要があるのではないかということをひとつ感じてまいりました。
 それからもう一つは、どこへ行きましても異口同音に言われましたのは、作業態様といいますか、つまり交換台の構造上の問題、交換台と人間との対応といいますか、作業する状態、きわめてスムーズに作業できるという状態になっておるかというと、必ずしもそうではない、こういうことですね。そうしますと、それじゃ人間に機械を合わせようか、こういうことになりまするが、そういう面はどうでしょうか。なかなかそれは問題ありますと、機械をできるだけ人間のからだに合わせるように、作業しやすいようにくふうはいたしますけれども、これは全員に一律的にぴたっと構造を改善することはむずかしい、こういうことになりましょうか、どちらでございますか。
#57
○説明員(小畑新造君) お答えいたします。
 交換台とそれからいわゆる交換手さんが作業する場合の作業態様といいますか、交換台というのは非常に重要な意義を持つと思います。そういう意味で、医学的な観点からも、交換台あるいは交換手さんの使用するいすというようなものについては十分検討された上で現在のような交換台等ができておるとわれわれ理解しております。
 現在の作業しております交換台の高さは七十六センチでございまして、われわれ一般に事務室で事務をとっております机が七十四センチでございまして、やや二センチほど高いわけでございますけれども、一般の事務机とほとんど大差がない、高さの面で。それから、いすは、現在それぞれの交換手さんの身長によりまして自分のからだに合うように調整できるようないすを使っております。そういう観点でできるだけそういう作業のしやすいような構造ということに配意しているつもりでございます。
#58
○村田秀三君 配慮していることはよくわかりますが、なかなかむずかしいんじゃないかと実は思いますね。
 私が見てまいりましたのは、これまたしろうと医学判断で申しわけないんですが、どうしても人間というのは水平に腕を上げて上の作業をする場合と下の作業をする場合どちらが疲労度が商いかという問題ですね。タイプライターを打つ場合、つまり上肢を空間において常時一定の作業を続ける者に起こりやすい病気という、そういういい方が解説の中に書かれておるようでありますが、これは下ですね、キーパンチャーは下です。しかし空間に上膊、手指を置くことそのことがそもそも問題だというふうに書かれておる。だとすれば水平にして上と下、つまり上に腕を動かす率というのは相当多いわけですよ、いまの交換手さんは。それから夜間一人で着席するような場合は、これは横にも伸びていく、場合によったらその人は自分のからだを斜め四十五度ぐらいにして手指を伸ばして作業しなくてはならぬ、こういう問題等があるわけです。だから、そういうことから考えれば可能な限りやはり人間工学的に見て、そしてよいように交換台、作業態様を是正すべきであろう、こう思いますことと同時に、なかなかそれがむずかしい。むずかしいとすれば、それは交換業務としての特質と理解するほかない、こう私は思うんですが、その点はどう脅えたらいいでしょうか。
#59
○説明員(小畑新造君) 非常にむずかしい問題でございまして、確かに電話交換という仕事は、いすに腰かけて交換台の前にすわりまして、接続作業は大体水平あるいはそれ以上の高さのところ、それから接続する場合のボタンを押すというのは下でやるというように、上下あるいは左右にかなり手を使うというような特殊性があろうと思います。そういうようなことで構造的にやはり交換台や何かというものは考えられたと思うのですけれども、これはまた別の観点からしますというと、交換作業を継続してやる時間の問題でございますとか、あるいは休憩、休息というようなそういう面で総合的に考えていく必要があるかと、こういうふうに考えております。
#60
○村田秀三君 努力はするけれども、なかなかむずかしいということ、これは常識的に私もそう思いますね。だからどうしてもそういうことであれば、これはいまの交換業務の作業態様の一つの特性、特質である、こう言わざるを得ないと思うのですね。だからそのことが肩こりになってみたりということにつながってくる、これはしろうと判断でも断定できると思うのです、こういう問題は。
 次の問題に移りますが、いまもおっしゃいました作業量の問題、勤務時間の問題、そういう点でカバーしなくちゃならぬ、こういうお話でございます。
 その点で申し上げますが、これは特に局名は出しません。出しませんが、公社におきまして、自動化されてまいりました、需要も多くなってまいりました、能率を上げなくちゃならぬということで応答サービス管理、こういうのをやられていると聞きます。
 時間もありませんから、私のほうで申し上げることが多くなろうかと思いますが、ある局でその統計を毎日とってあるわけですね、そうして毎月集計をし、これが現業局から通信局に報告をされる。その報告の数字を作為的に修正をして――現地局は、これは単純な誤解に基づくものであるというようなことで虚偽の報告をしようとしたのではないなどというようなことを言っておりますが、つまり数字を変えていかにもスムーズに業務が運営されているように報告されたという事実は一体どうなんだろう、こう実は私考えるわけです。
 これまた私のほうから調査をしてまいりましたそのことを単に申し上げますから、あやまちがあれば是正をしていただきますが、応答サービスの平均時分といいますか、十秒が平均だということでございますね。呼び出しがある、応答する、この間約十秒、それが平均であって、二十秒をこえると管理者がしりたたきをする、こういうことであります。待たせないで早く出ようとするのには、要員が足りない、あるいは作業する者が緩慢か、どちらかの状態だろうと思うのですが、実際は要員が不足しておって二十秒なら二十秒というそういう実態にあるにもかかわらず、これを十秒であるとか十一秒であるというふうに実は報告をしておる。これは誤解なんだ、誤記なんだということを言っておりますが、しかし罪際は間違って報告しているわけでありますから、私どもはこれは作為的になされたものと認めてきたわけでありますが、その管理者の心理といたしましては、あまり長い時間かかって応答している、サービスが悪いと、これは管理が悪いということで上局から叱責を受ける。ないしはまた実際は二十秒かかっています、これを十秒に縮めるためには要員な何名増員しなくてはなりませんということになりますると、これまたなかなかややこしい問題に発展をするということで、自分の管理能力をよく見てもらいたいために、むしろ虚偽の報告をしたというふうに私は感じてきたわけでありますが、こういう問題についての所見をひとつ伺いたいと思います。
#61
○説明員(小畑新造君) お答え申し上げます。
 電電公社のサービスは、御承知のように、通話というものを迅速、正確にお客さんにサービスするということが主体でございまして、かねがね私たちはお客さんに対するサービスということを最重点に置いているわけでございまして、そういうような観点から、サービスの基準というものを全国的に定めています。
 先生ただいまおっしゃいました応答サービスと私たちの中で呼んでおりますけれども、一応お客さんが電話でもって呼び出してきた場合に、これはちょっと内部の技術的な問題になりますが、十一秒以内にすぐ電話へ出てお客さんに応答する、そういうものを目やすにいたしまして、十一秒こえるものが全体の呼びの一五%以上にならないようにするというのを公社内部の一応サービス管理の目やすにしているわけでございます。ただ、そう申しましても、これは一年あるいは一カ月、一日のうちでも非常に繁閑がございますし、地域的にも非常に差があるわけでございます。そういう意味で、いま十一秒以上の分布率を一五%というような全国基準だけじゃなしに、それぞれの通信局なり電話局なりの地域的な特殊性によりまして、それぞれの地域で一五%を一八にするとか二〇にするとか、そういうふうな仕組みにしております。
 そういうことで、一応どういう状態になっているだろうかというようなことを知る手だてとして、こういうものをやっておるわけでございまして、いまの事例にございましたように、自局の成績とかあるいは要員等とからめて、誤ったあるいは作為的な統計をとるというようなことは全く本末転倒でございまして、許されないことだと思います。そういうような事実がございましたら、調査の目的をよく指導いたしまして、そういうような作為的なことのないように指導したい、このように思います。
#62
○村田秀三君 私は、一局の例ですが、実際にあるわけですね、そうすると、これは一局ばかりじゃなかろうと実は類推をしているわけです。そういう点では、ひとつ厳重にそのようなことのないように下達をしてもらいたいと思います。
 やはり問題は、つまり疾病とのかかわりで私が推測する事柄でありますが、いまでもやっておるのかどうかわかりませんが、課長さんなら課長さんが交換業務に従事している人々のうしろを常に歩く、つまり監視をしてパトロールをしている。これを背面パトロールという表現で私は聞かされてまいりましたが、非常に神経を使うというんですね。
 それからもう一つは、これなんかは何とかして検討できるではないかと思いましたが、ヘッドホーンといいますか、頭に受話器をかけて、前に送話器を下げておる、ブレストといいますか――で、われわれ目二つあるわけですね、片目に眼帯をかけて、片目でひとつ一日じゅう生活してみなさいということになれば、これは神経おかしくなりますよね。これは実証できると思うんです、医者の所見を聞かなくとも。イヤホーンはどうかというと、片耳に受話器を当て、片耳はうしろから話をする課長の忠告をいつくるかいつくるかと思って聞き耳をたてるわけです。お客さまの話を片耳で聞いて、こちらの耳は監督者の話をいつ言われるかと思って聞いておる。いまこうやっている時点でも、自分で片耳を押えて、片耳で聞こうとしてみてください、これはてんで感覚がどうにかなりますよ。そういう作業の態様ですね、になっているわけです。
 しかも、そこへうしろから年じゅう年じゅう監視をされる。十秒でできるじゃないか、十一秒でやれ、二十秒も手すきをおくのはおかしいじゃないかというような、つまり作業能率を上げるための労務管理というものが――いま、なければないとお答えをいただきたいのですが、当時はあったというふうに私は聞きましたが、もしもそういうことで、さなきだにかよわい女性の神経をいらいらさせるようなことがあったとすれば、これはやはり頸肩腕症候群の一つの原因を醸成する、これは当然だろうと実は私は考えたわけですね、そういう意味ではどうでしょうか。
#63
○説明員(小畑新造君) お答えいたします。
 まず第一点の先生おっしゃいました背面パトロールということでございますけれども、電話局の組織上、係長あるいは主任というような方がございまして、もちろん繁忙時には直接台について接続作業などやることもございますけれども、そうでない場合に確かに背後におります。これはお客さんから、たとえば電話の仕事をやっておりますと、DSAの仕事にいたしましても番号案内の仕事にいたしましても、お客さんからかなり苦情が出ましたり、あるいは問い合わせに非常に長い時間かかるとか、いろいろ複雑な問題などの発生することがございます。そういうような場合に、そのうしろにおる係長、主任という者に、その苦情なりあるいは複雑な問題なりあるいは例外的な問題というものをすぐ渡すというようなこと、あるいは取り扱い上わからないことがございましたら、それを聞いて、指導あるいは応援を求めるというような意味でやっておるわけでございまして、少なくも新しい交換手さんがそういう複雑な取り扱いを援助してもらうという面で非常に必要なことだと、あるいは喜ばれておる面も大いにあろうかと思います。それが精神的負担になるかどうかというのは、これは人にもよるし、場合にもよるかもしれませんけれども、私たちは、そういういろいろな多発する苦情でありますとか、あるいはむずかしい例外的な取り扱いに対処するために、こういう仕事はやはり必要だというふうに感じております。
 それから第二点のブレストでございますが、ヘッドホーンでございますね、このヘッドホーンも確かに片方の耳につけて片方はつけないでおりますけれども、これは重量といいますか、ヘッドホーン自体の重さの関係でございますとか、あるいはいろいろの作業しておりますときの連絡の関係で、両方の耳をふさいでしまうというとやはりぐあいが悪いというようなことから、いろいろ改良されてああいうふうになったのだろうと思います。このヘッドホーンは、最初たしか昭和七年だと思いますけれども、それから昭和十八年というふうにだんだん改良、軽量化されてきまして、四十四年に現在使用されております六〇〇型というようなものに改良しました。十八年のときにつくりましたのが二百二十グラムだったのですが、わずかですが百九十五グラムということで二十五グラムほど軽量化していま使っておるわけですが、私たちとしましては、このヘッドホーン自体につきましてもっと軽くならぬものだろうか、思い切って軽くならぬものだろうかということで、技術担当部門のほうでヘッドホーンの軽量化ということについて現在研究を進めてもらっております。
#64
○村田秀三君 研究を続けておるということでありますから、その研究をすみやかにやっていただきたいと思いますが、いずれにしろ締めつけられる、これが非常に耐えられないという、そういう訴えがありました。
 それから背面パトロール云々ということ、これは同じ交換作業に従事する女子職員のおねえさんクラス、主任さんですか、そういう方々が、いまあなたがおっしゃいましたように、つまり苦情がきたときには自分で受け取ってお答えをするとか、あるいは作業を指導するという、そういうことであるならば、当然、私はあってしかるべき、むしろ置くべきだ、こう思いますよ。
 そうじゃなくて、パトロールというのは、課長ですね――まあ同じ交換室に課長の席まで置かなくてもいいんじゃないかというような話もありますけれども、とにかく課長はしょっちゅう歩いている。ときには局長も来て――局長が来るということは、局長ですから、朝おはようというくらいに来るのはやむを得ないとしても、ちょっと時間があったからといってのそのそそこら辺を歩かれたのでは、これはだれでも神経を使うのはあたりまえですからね。そういうことがないんだというならばそれでよろしいんですが、もしもあるとすれば、これは廃止すべきであると思いますね。つまり労務管理、作業管理という管理のしかたというものを、もう少し人間の心理状況というものもよく勘案をしながら検討をすべきであろうと私は思います。
 それから作業問題ですね、まあそんなことこれからやりません、あるならばやめさせますという答えになるのかどうか。そんなことはあるはずはありませんということではうまくないですな、あるならば困るからやめさせるとか、ということでないとこれは困るわけです。
 それからもう一つ、時間です。これも私のずっと昔の記憶でありますが、交換台に一時間着いたら十五分間ぐらい休憩をしたような気がするわけですがね。ところがいま聞いてみますと、最長は二時間連続して着席をしておる、こういう話も聞きました。二時間というのはずいぶん長いなと思って実は私も聞いてきたわけでありますけれども、その局所の作業量によって、あるいは受け持ち数によってさまざまに違いましょうけれども、実際に二時間なんというのはあるんですか、実際これ私聞いて驚いたわけですね。これじゃあんまり長過ぎる。せめて一時間――その頻度、繁忙度にもよりましょうけれども、少なくとも繁忙時間帯というのは朝晩あるわけでありますから、そこには要員配置を多くするとか、そういうことと同時に、やはり着席時間というものは一時間が限度、そして十分なら十分、十五分なら十五分休憩をして、輪番に――作業台もまた輪番に動かしていくというような作業方式、勤務の形態というものを脅えてみたらずいぶん違うんじゃないかという感じがいたします。
 先ほど基準局長との論議の中でもお話がございました。少なくとも頸肩腕症候群に至る過程にはこういう問題がある、そういう問題は休憩脅したり体操をしたりすれば、これはなおりますよと、それはやっぱり繰り返す必要がある、こう私は思うんですね。そういう意味では勤務形態なり勤務時間帯というものは考究されるべきであろうし、少なくとも三時間も交換台に一人でもっているなどというようなことは、これはよくないと思うのです。
 まあたいへん失礼な話でありますが、委員会の委員長も人の話を二時間も三時間も聞いておったら、これはほんとうにいやになるんじゃないかと思ったりもするわけでありますが、そのくらいにちょっと二時間は長いですよ。これをつづめる、そういう要員配置も考えてみる、こういうことはどう考えていますか。
#65
○説明員(小畑新造君) お答えいたします。
 この勤務時間、作業時間というものと要員という問題は密接不可分の関係にございます。また非常にむずかしい問題でございまして、公社でも非常に古くから労使関係の問題に取り上げられておる非常に重要な問題でございます。
 いまの一連続の作業時間は、現在、組合との取りきめで――もちろん中央における取りきめですから全国の最大公約数となっておるわけですが、大体、九十分から百二十分、夜間、深夜帯は九十分以内ということになっております。
 これは交換作業の全国の地域的ないろいろな事情、あるいはその地域によりましてもその局によりましても、一日の午前中でありますとか、昼二時三時でありますとか、あるいは御承知のように夜の八時九時というふうな時間帯によって非常に繁閑の差がひどいわけでございます。そういうようなことで一律的に一時間というようにきめてしまうというのは非常に困難な実情にあろうかと思います。
#66
○村田秀三君 これはプロジェクトチームの研究でそういう問題も実は一つの課題として調査をしてもらいたいと思います。いずれその調査結果については私どももその資料をいただいて、また検討してみたいと思いますが、少なくとも私はそれとかかわりがある、こう思っておるわけです。そういうことでありますから、なかなかむずかしいということでありましょうけれども、これは真剣に考える必要があると思います。
 確かに、いま八万五千七百名の中の千四百名ということかもしれませんが、これまた当該労働組合がアンケート調査をいたしましたものを参考までに私は聞いたのでありますけれども、これはわずか二十局三千名を対象にしたということでありますから、はたして実態を一〇〇%明らかにしておるかどうかはわかりませんが、いずれにいたしましてもこれは類推、推測はできる範囲だと思いますね。
 それで頸肩腕症候群にかかるかもしれないという不安感を持っておる方々が非常に多いということですね、約八割はおるということですね。つまり先ほども申し上げましたように、自動車で衝突したから頸椎が少しずれたなどというものじゃなくて、頸肩腕症候群なんというものはいろいろな要素が蓄積をされ複合されておる。神経を使うことがかなり影響すると私は思っておるわけであります。そういう不安感を持つこと自体が疾病を誘導する一つの原因になりかねないと私は思うのですね。八割もおればいつ頸肩腕症候群にかかるかもしれないなどという不安を持っておる。
 それから公社の労務管理や仕事の負担感や圧迫感が精神的にもこたえるというふうに答えている者が七三・五%、四分の三あるのですね、これは重大な問題ですよ。おそらくこの頸肩腕症候群というものが電通内部においても今日言ってみればにわかにいろいろ職場の問題になった――いままでおれもどうかなあ、ぐあいが悪いんだがと思ったが、それとは自分で決断をすることができなかった。がしかし、いろいろと話を聞いてみたら、なるほどおれもそういう症状だわい、それじゃ頸肩腕症候群かなというかっこうで、九月、十月、十二月と私はずっとふえてくるのじゃないかと思いますね、実際は。そうすると八万五千の中の千四百だなんということを言っておれなくなるのですね。
 こういうことを考えてみると、もう少しやっぱりいま論議をされておりますところの課題については真剣に――これは私はいまここでもって時間までどうせいこうせいということは申し上げませんけれども、そういう問題について真剣に検討をし、対策を講じなくてはなるまい、こう思っておりますが、副総裁、いかがですか。
#67
○説明員(秋草篤二君) 先ほどもお答えいたしましたとおり、この問題は非常に複雑な要件をはらんでいる病気でございまして、電話の交換手は電電公社に大体六万一千ほどおると思いますが、民間のPBX関係でも十一万ぐらい、電電公社よりも多いのであります。それから特定局でも二万一千。したがって特定局などではこの問題はほとんど出てこないというのもどういうわけかということも真剣に検討してみなきゃならぬと思います。
 要は、やはり電話事業は約八十年、まあ明治は別としても、大正、昭和までやってきまして、今日、交換業務はむしろ機械化されて要員としましても減る傾向になってきておるわけであります。にもかかわらず、突如というわけではないですが、ここ数年来こうした非常にむずかしい病気が出てきているというのも何かやはり原因があるんではなかろうか。
 それは電信とかパンチャーというものと違って、交換業務に携わる方々はむしろ耳のほうが非常に神経を使う、非常に神経を減らす重要な仕事をしているわけでありまして、手先のほうはそう昔と変わった態様をなしているものではないわけです。他人の通話を媒介し、また非常にクレームの多い、あるいはまた昨今などはいろいろな応対にも言うに忍びないような問題にも親切に対処しなければならぬという非常に過労な神経を使わなければならぬという職種でございます。そういうものが同時に手作業にも影響するし、また世の中の通勤事情も変わってきておりますし、都会におきましてはスモッグもありますし、またいろいろな人間の体質なども昔と違ったものになってきつつあるんではなかろうか、したがってこの認定が非常にむずかしい。
 こういうようなことで、いずれにしましても公社だけの特殊な病気ではなかろう、こういうふうには思いますが、しかし何といいましても電話の交換というものは公社が最大の横綱であり、また模範的な企業でもありますので、一番モデルとして推進しなければならぬと思います。幸いに私どもには病院のドクターがたくさんおりまして、先ほど来先生からいろいろ御指摘になったような点も業管局長がお答えしましたけれども、実は、私ども反省しておりますことは、病院の先生はやはり病気にかからないように、あるいは患者をなおすということに専念してまいりましたし、それから技術者のほうは電気通信の疎通をよくするというだけであって、これをあわせて、病院のお医者さん、専門医の目で見た交換業務のあり方というようなものは、この間、東京市外を第一回視察してもらいまして、中間的に、非公式でございますが、お話を伺いましたところが、いろいろ技術者の面から見ても反省すべきものがあるんじゃないか。これは非常に悪くなったわけじゃないんですけれども、年々歳々改良を加えてきておりますけれども、見どころが違ったわけでございます。やはり作業管理ということでドクターのものの見方というものをもう少し取り入れるべきであったんじゃなかろうか。
 先ほどの机の高さとか、交換台の角度とか、それから先ほどのうしろについている主任さんのパトロール――これはあくまでもヘルパーでありまして、親切な意味で、善意と好意に満ちた意味の、決して監視役ではないわけですけれども、そうかといって本人から見ればやはり多少そういう圧迫感みたいなものを感ずる。したがって、これを少し円形なデスクにして中央にでも、あるいは裏に置かないで中間に置きまして、いつでもそこに切りかえられるようにするとか、そんなようなアイデアもございました。これは急には全国一ぺんには直りませんけれども、これは考えなくちゃならぬ問題だ。本人から見ると、親切な意味のお仕事でも、何か監視されるというような感じがする。
 こういうような点、先ほどの認定の問題も非常にむずかしゅうございますけれども、要は、電電公社の職場では、いかなる電話業務をやってもそういう病気にはならないのだ、りっぱにやれるのだ、こういうようなことで職場にはまだまだ改善の余地はあろうと思います。これが年内に結論でも出れば、予算も取りまして、今後、この問題に――一般の拡充計画の予算に比べればたいしたものではございませんから、ひとつ前向きで取り組んでみたい、こういうふうに思うのであります。お答えになったかどうかわかりませんけれども、一応考えを申し上げました。
#68
○村田秀三君 時間ですから、結論を急ぎたいと思います。
 そういうことで積極的に取り組んでいただきたいと思いますし、また希望をいたしますことは、調査研究をやっておる、こういうことでありますが、老婆心までに申し上げますけれども、私は各種審議会等の運営を見ながら申し上げるわけでありますが、公社が意図的にこれは業務上の関係というのは薄いのだという結論を故意に出そうとしておるとはいまは理解はいたしておりません。しかしながら、少なくとも医者は医者の立場といたしまして純粋な医学的科学的な立場で結論を出そうとする、こういう態度というものがあろうと思うのですね。そういう態度は尊重しなくちゃなるまいということでありまして、公社といたしましても、それを保障していくようなそういう態度であってほしいということです。
 それと同時に、私は、先ほど来論議をいたしました、結論が出ておらない前にこういうことを申し上げるのはまだ早いかもしれませんが、交換業務なり、いま電電公社の中でなされている作業形態の中では、統計事務であるとかあるいはオペレーターであるとかいうそういう人々、これは頸肩腕症候群になりやすいのだという、そういう事実は否定できないわけでありますから、だとすれば、その方向に基づいて結論が誘導されるような、むしろそういう積極性があってもいいんじゃないか、こう実は思うのでありますが、その点はいかがでしょうか。これまたひとつ副総裁にお答えをいただきたいと思います。
#69
○説明員(秋草篤二君) そう積極性という一なかなかこれはものの考え方として、先ほど予算の範囲内というものにとらわれやしないかという御質問に対しまして、これは答えもしていませんでしたけれども、私のほうはそういう点は毛頭考えておりませんで、基本的には、この問題は労働者の一つの公平観というものが最終的な哲学だと私は思います。
 働く人がこの病気にかかり、あるいはまた申し出る方もやはりほんとうに真摯な気持ちで要求し、お医者さんも公平に見るということならば、私は一つの新しい形で――まあ従来の結核病が逓信省の職業病とされた時代は、必ずしも職業が結核を呼び起こすのじゃなくて、当時の社会背景と
 いうか生活環境というものが、食糧もいまとは違ってだいぶ落ちている、社会生活のレベルというものは低い、そういう中にあって、ちょうどそういう背景も考えれば理屈に合って、必ずしも逓信省だけの責任ではないということになりますけれども、しかしこれはたいへん大きな歴史的な現実であって、これを大きく取り上げて逓信病院までつくったということもございます。そういう観点に立てば、やはりいろいろな理由はあろうとも、業務上認定の姿勢というものは、社会的な大きな変化からくる総ぐるみの一つの新しい職業病であるということに対しては、社会保障というものが激しく今日は叫ばれておる時代でございますので、そういう意味で、労働量とか、そういうものにあまりこだわって重点を置いてこの問題は考える必要はなかろう、まあこんなふうに思うのであります。
 しかし、これはきわめて概念的なお答えでございまして、具体的には非常にむずかしい問題をまたはらむと思いますけれども、そのつもりで対処するつもりでございます。
#70
○村田秀三君 ここで基準局長に要望申し上げるわけですが、不十分ではありましても、電通交換業務を中心としながら、作業の態様であるとか環境であるとか、そういう問題で触れてみたわけですね。これは調査研究の段階であって結論が出な
 いからと、こういうことになりましょうけれども、私どもがまさに門外漢であっても、みずからもまた過去において電信手であったという経験、そういう問題も兼ね合わせて考えて、実際の気持ちとしては断定をしたいくらいの実は気持ちです。
 しかし、そうは言いましても、これは純粋に論議をすればまだまだ一つの結論というものは出ないかもしれない。しかし先ほど冒頭に議論をいたしました通達七二三号の解説の3の後段の部分「(業務内容、作業持続時間、作業姿勢、業務量その他)当該労働者の肉体的条件」「作業従事期間」――期間の問題は、これは三年たたなけりゃまだ病気になるはずがないなどという問題ではないわけですから、その期間の問題などというものは、私は、ここに置くべきではないし、あくまでもその疾病の実態の上に立って判断をする、こういうことでなければならぬと思いますし、また電通の作業状態、環境状態等を考えるならば、私は少なくともこの一千四百名の人は、これは軽微なものもありましょう、いろいろありましょうけれども、業務上と認定するにそう混乱を起こしている必要もないんじゃないかとさえ実は考えるわけです。
 そういう意味で、先ほどこの通達は再検討の時期である、最高の権威者に検討を依頼する、こういうことでありますから、早急に、これまた電通のいまの調査研究とあわせて同時に結論が出されるように、そして少なくともいま困っておる、苦悩しておる――福島県では、そのために交換手が一名自殺をいたしました。この自殺の経緯、原因というものはいろいろ論議をされておりますからいまここで私は出しませんけれども、少なくともこの頸肩腕症候群という疾病で、その症状等をいろいろ聞きますともう世の中がいやになって、そうして猪苗代湖に入水自殺をしたという事件まで起きているわけでございますから、そういう背景等も考慮いたしまして、早急に結論を出す、いまの一千四百名の人はまず特別なことがなければ業務上と認定できる、そういう方向での検討をお願いしたいと思いますが、これは局長の答弁をいただきたいと思います。
#71
○政府委員(渡邊健二君) 頸肩腕症候群につきましては、初めに申し上げましたように、いろいろむずかしい問題がございます。で、この四十四年の基発第七二三号という認定基準の通達にいたしましても、当時、この関係の問題の最高の専門家に慎重に御審議いただきまして、それに従ってこの認定基準を設けたわけでございますので、私どもといたしましては、当時としては考え得る最高のものであった、かように考えております。
 しかしながら、先ほどもお答え申し上げましたように、その後、頸肩腕症候群の発生状況もさらにいろいろ新しい問題が出てきておりますし、医学にいたしましてもさらにまた当時から数年たっていろいろ進歩した面もあろうと存じまして、より一そうよいものといたしますために、ことしの春以来これを再検討する専門家会議を設けて検討いたしておりますので、その結果を見まして、常に現在の医学で最高と思われる水準に従って適正な認定をするようにいたしたい、かように考えておるところでございます。
 なお、新しい認定基準ができます間につきましては、この四十四年の七二三号の通達によりまして認定をやっていくつもりでおりますが、これにつきましても、電電公社において起きております頸肩腕症候群の問題につきましては、私どもかねてから電電公社とも緊密な連絡をとりまして、この通達につきましてのいろいろな考え方等を御連絡申し上げると同時に、先ほど公社側からもお話ございましたように、公社の具体的な電話交換手の業務に即して、これをどう適用していくかという点につきましては、電電公社の専門のお医者さんを中心としたプロジェクトチームもできておるということも承知いたしておりまして、電話交換手という業務につきまして私ども客観的な研究結果が出されますことを期待いたしておりますので、それらの結果を見ながら、より一そう公正、適切な認定が電電公社においてなされますように、公社当局と緊密な連絡をとってまいりたい、かように考えているところでございます。
#72
○村田秀三君 約束の時間が若干おくれましたが、ひとつ御了承をいただきたい。
 大臣、初めからずっとがまんをしていただきまして、いろいろ詳細にお聞き取りをいただきましたが、いろいろ話のやりとりを聞きまして何か感ずるところがあるのじゃないかと思いますし、これは電通だけの問題じゃありません、これは郵政にもすぐ出てきますよ。先ほど特定局の交換手にはあまりないというような話もありましたが、若干いま出てきているということを私は承知をいたしております。また特定局の交換とこれまるきり違うわけですから、職場の環境から作業態様から違うわけですから、そういう意味では特定局と比較するのも無理だとも思います。が、しかし、そういう意味で、ひとつ大臣、最後になりましたが、じっとがまんをしていただきましてまことに恐縮でございましたが、ひとつ御所見を承って、私の質問を終わりにしたいと思います。
#73
○国務大臣(久野忠治君) 先ほど来、いろいろ質疑応答がなされました頸肩腕症候群につきましては、患者の発生が逐年増加をいたしているわけでございます。
 これに対しまして、村田委員より、具体的な事例に基づいて、その対策等につきまして貴重な御意見の開陳があったわけでございます。その中には多発の傾向にある、そうして措置並びに認定基準がまだ不十分であるというような御意見等もございました。そこで、目下、公社におきましては、頸肩腕症候群のプロジェクトチームをつくりまして、医学的な立場から因果関係の究明とかあるいはその予防対策、さらに認定等について前向きの検討をいたしておる旨の答弁があったわけでございます。
 日常の職員の健康管理は、十分に配慮すべきことは当然であると私は思います。また業務上疾病として認定された者については、すみやかに救済されることも当然であると思うのでございます。今後とも、公社におきまして適切な措置が講ぜられるよう、私は指導してまいりたい、かように存ずる次第でございます。
#74
○委員長(茜ケ久保重光君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時十分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト