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1972/04/19 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 運輸委員会 第8号
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1972/04/19 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 運輸委員会 第8号

#1
第071回国会 運輸委員会 第8号
昭和四十八年四月十九日(木曜日)
   午後一時四十二分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         長田 裕二君
    理 事
                江藤  智君
                木村 睦男君
                山崎 竜男君
                小柳  勇君
    委 員
                岡本  悟君
                黒住 忠行君
                菅野 儀作君
                橘  直治君
                松平 勇雄君
                伊部  真君
                杉山善太郎君
                瀬谷 英行君
                森中 守義君
                阿部 憲一君
                三木 忠雄君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  新谷寅三郎君
   政府委員
       総理府総務副長
       官       小宮山重四郎君
       内閣総理大臣官
       房交通安全対策
       室長       須藤 博忠君
       防衛政務次官   箕輪  登君
       防衛庁参事官   大西誠一郎君
       防衛庁経理局長  小田村四郎君
       運輸大臣官房長  薗村 泰彦君
       運輸省港湾局長  岡部  保君
       運輸省航空局長  内村 信行君
       運輸省航空局技
       術部長      金井  洋君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        池部 幸雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○港湾法等の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○運輸事情等に関する調査
 (日本航空株式会社の運営に関する件)
 (昭和四十六年七月の自衛隊機の全日空機に対
 する空中衝突事故に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(長田裕二君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 港湾法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。新谷運輸大臣。
#3
○国務大臣(新谷寅三郎君) ただいま議題となりました港湾法等の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 港湾は、海陸交通の結節点として交通の発達及び国民経済の振興に不可欠の役割りを演じてきたところであり、港湾法もまた、その基本法として重要な機能を果たしてきたところであります。
 しかしながら、港湾法は、昭和二十五年という経済基盤の強化に主力を置いた時代に制定された法律でありますので、公害防止等、港湾の環境の保全あるいは国土の適正な利用及び均衡ある発展等、現在、社会的に重大となっている諸問題に対する配慮に欠けるところなしとしません。
 このような実情にかんがみまして、港湾環境整備施設、廃棄物処理施設、港湾公害防止施設等の整備を推進することなどにより、港湾の環境の保全をはかるほか、港湾及び航路の計画的な開発、利用及び保全の体制を確立するとともに、マリーナ等、港湾区域外の港湾の諸施設の安全の確保をはかり、あわせて海洋汚染の防除体制を強化することが、本法律案提案の趣旨であります。
 次に、この法律案のおもな内容について御説明申し上げます。
 まず、港湾法改正の内容について申し上げます。
 第一に、港湾の環境の保全をはかるため、水域の清掃、廃船の除去、廃棄物埋め立て護岸等の管理運営などを港湾管理者の業務として明示する一方、緑地等の港湾環境整備施設を港湾施設として追加し、これらの港湾施設の建設等に要する費用について、国が補助をすることといたしております。また、港湾管理者は、一定の事業者から環境整備負担金を徴収し得ることとし、さらに、港湾管理者の長は、港湾の運営上著しく支障を与える行為に対し、是正のための適正な勧告等をなし得ることといたしております。
 第二に、港湾計画の内容の充実をはかるため、運輸大臣が港湾及び航路の開発等に関する基本方針を定めることとし、港湾管理者の作成する港湾計画は、この基本方針に適合するほか、一定の基準に適合したものでなければならないことといたしております。また、そのような港湾計画を調査審議させるため、地方港湾審議会の制度を新設することといたしております。
 第三に、航路についてでありますが、従来、港湾区域外の航路の整備は、予算措置のみで行なわれておりましたが、航路予算も年々増加しておりますし、航路のしゅんせつ終了後の適正な維持管理に対する要請も強まっておりますので、そのような航路は、開発保全航路として、運輸大臣が開発し、及び保全することといたしております。第四に、最近、シーバース、マリーナ等の港湾の施設が港湾区域外に建設される例が多くなり、その安全の確保をはかる必要があるため、都道府県知事にこれらの施設の安全上の規制を行なわせることといたしました。
 第五に、港湾の施設についての技術上の基準に関する規定、広域的な港湾の管理運営をはかるための港湾管理者の協議会に関する規定等、所要の規定を定めることといたしております。
 次に、北海道開発のためにする港湾工事に関する法律及び沖繩振興開発特別措置法の改正の内容について申し上げます。
 これらは、北海道及び沖繩県において港湾工事として行なう港湾環境整備施設、廃棄物処理施設または港湾公害防止施設の建設または改良に要する費用について、国と港湾管理者との負担割合等を定めることを内容としたものであります。
 次に、海洋汚染防止法の改正の内容について申し上げます。
 まず第一に海洋環境の保全の観点から、海洋において排出した油に臨機応変の措置をとり得る態勢を整えるため、一定の範囲の船舶所有者、油の保管施設の設置者及び係留施設の管理者に、オイルフェンス等の油防除資材の備えつけを義務づけることといたしております。
 第二に、漁港管理者が行なう廃油処理事業を港湾管理者が行なう場合と同様に届け出制とすることといたしております。
 最後に、港湾整備緊急措置法の改正の内容について申し上げます。
 これは、運輸大臣が施行する開発保全航路の開発及び保全に関する事業並びに港湾以外の海域における海洋の汚染の防除に関する事業を港湾整備事業とすることにより、これらの事業の実施を促進することをその内容といたしております。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
#4
○委員長(長田裕二君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 それでは、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○木村睦男君 私は、ただいま趣旨説明のございました港湾法等の一部を改正する法律案について、若干の質問をいたしたいと思います。
 ただいま大臣の提案理由の説明の中にもございましたように、この港湾法は、昭和二十五年に制定を見ておるわけでございます。その後、ほとんど毎年のように一部修正が行なわれて今回に参っております。
 当時は、ここにもありますように、荒廃の中からわが国が立ち上がろうとして、もっぱら経済的に、国民生活においても、国全体としても、力をつけようということで、あらゆる施設の強化充実に努力したわけでございますが、港湾の整備につきましても、もっぱらそういうふうなことが重点で行なわれて、二十五年からこの法の適用が今日まで続いておるわけでございます。
 で、当初のころは、港湾整備につきましては、単年度ごとに計画は実施されまして、長期計画というものがなかったのでございますが、この法律ができましてから十年もたって、昭和三十六年から長期五カ年計画の第一次が始まりまして、それから今日まで、途中で改定を重ねまして、現在第四次五カ年計画に入って、その三年目に該当すると思うのでございますが、第四次までの長期計画を通じまして、一体わが国の港湾の整備がどういうふうに充実をされてきたか。特に港湾といえば、鉄道、自動車、いわゆる輸送施設公共投資として三本、非常に大きな問題があるのでございますが、たとえば他の道路あるいは鉄道、これの過去十数年間の整備の状況、公共投資の額等と比較いたしまして、現実におけるわが国の港湾の整備は、どの辺に位置づけて考えたらよろしいか、その点について、まずお伺いをいたします。
#6
○国務大臣(新谷寅三郎君) 日本の港湾が、明治の初めから外国の船舶も出入りするようになりまして、港湾といえば、そういう意味で、外国の船の入る貿易港というふうなものからスタートいたしまして、だんだん日本の海運の発達に応じまして、それにふさわしいような姿を整えてきた歴史があることは、御承知のとおりでございます。
 初めのうちは、ほとんど、地方の公共団体がそれぞれの港に対しまして、画一的な方針もなく、その場その場でほとんどばらばらの考え方で、それぞれの港湾をとにかく整備して、そういう外国貿易船を入れ、日本の必要な物資を入れるのに必要な最小限度の設備をしてきたことは、言うまでもございませんが、最近考えましても、昭和の二十年代、三十年代、また四十年代と、時代を経るに従いまして、港湾の機能というものが非常に多様化し、また、ときには、日本の外国貿易等との関係上、特別の物資の輸出入のために、非常に必要な、緊要な施設を必要とするような時代がありまして、それに応じて、政府も力を入れるようになりまして、政府の補助のもとに、地方の公共団体が中心になって港湾の管理をし整備をしてきたということになっております。
 最近の港湾を見ますと、非常に港湾の機能が多様化してまいりましたことは事実でありまして、それに伴いまして、港湾自身が、その本来持っておる機能を発揮するような整備をしなきゃならぬということは、もちろんでありますけれども、特に最近においては、港湾の環境を守ろう――いろいろな公害が出てまいりますから、そういう公害を防除しようというような努力が必要になってきておりまして、今度の港湾法の一部改正案におきましては、そういう意味におきまして、従来、非常な歴史的な意味を持ちながら発展してきました日本の港湾でありますが、それに加えるに、最近港湾について、特に国民の方々から要望されておりますような環境の整備というようなものを重点といたしまして、今度の港湾法では特にその点に力を入れて、今後の整備をはかろうとしておる次第でございます。
 道路あるいはその他の公共事業との関係において、どう位置づけをしているかというお尋ねでございました。
 港湾というのは、言うまでもございませんが、総合交通体系の中におきまして、海陸交通の接合点でございますから、そういう意味におきましては、海運にも非常に関係があり、陸運にも非常に関係がある。この港湾が機能を発揮いたしませんと、その両方ともが完全に役割りを果たし得ないというような性質を持っておりますので、総合交通体系の中におきましても、港湾というものは、非常に重要な位置を占めておるということは、言うまでもございません。
 ただ、お尋ねの点がよくわかりませんが、あるいは港湾に対する設備をもっと拡充したらどうかとか、あるいはそれに対する投資額が少ないじゃないかとか、あるいは国の補助が少ないんじゃないかとかいうような観点から、数字的に道路はどうだ河川はどうだというふうにして並べてみますと、港湾は、ただいまも地方公共団体が港湾管理者になりまして管理運営し整備しているというたてまえ上、国の負担からいいますと、これだけ重要なものであって、これだけたくさんな港湾があります割合には、国の一般会計から出しております経費というものは少ないということは言えるだろうと思います。しかし、港湾計画全体を見まして、これは非常に整備が必要であるにかかわらず、投資規模が小さいから整備ができないかといいますと、その点は、私はそうでもないと考えます。
 もちろん、たとえば、最近の石油輸送のための特別のシーバースでありますとか、そういったものについては、これからも努力をして新しくこしらえなきゃならぬものが相当あると思いますけれども、九百幾つかの日本の港湾全体を見ますと、いまの日本の海運それから世界の海運を受け入れるために、港湾のためにそういう船舶の出入が非常に害されている、阻害されているかというと、そうではないと思います。
 しかし、現状はそうでありますが、世界じゅうが貿易が自由になり、もっと海上の荷動きがふえてまいりますと、いまの港湾の施設では、まだ足りないという点は出てくると思います。これらにつきましては、重要港湾から地方港湾に至りますまで、その実情に沿いまして、今後ともその充実につとめていかなきゃならぬことは言うまでもございませんが、現状におきましては、そういう意味で、一応の港湾としての機能を発揮できるだけの設備を整えつつあるということだけは、言えるんじゃないかと考えておる次第でございます。もし、細部にわたりまして、数字的にも御説明をする必要がありますれば、政府委員からお答えをさせたいと思います。
#7
○木村睦男君 次の問題に関連がありますから、質問のあとでいまの問題、御答弁いただきたいと思います。
 いまお話がありましたように、確かに港湾の機能が最近非常に多様化しておる。ことに、外航船では船が大型化してきておりますし、また、コンテナ輸送も盛んになってまいりまして、特殊なバースも要るというふうに、非常に変わってきておるわけでございます。それに相応した港湾設備の改善も大いにやっていかなきゃいかぬというふうな状況にあるわけでございます。
 そこで、港湾の設備という問題はちょっとやそっとの金額ではできないわけでございまして、管理者は地方公共団体港湾管理者でございますけれども、従来とも相当な国費で、国でもって負担してやってきておるのが実情でございます。もちろん、港湾には特定重要港湾から避難港に至るまで、大小非常に分かれておるわけでございますが、今日まで、国費でもって港湾整備に投入したその全体の割合といいますか、これは三十六年ごろからの第一次五カ年計画以来今日まで、一体、国費の負担の割合というものは同じような状況で来ておるのか。
 もちろん、法律には一応比率というものはありますけれども、実際問題として、予算の関係等がございますから、必ずしも法律のとおりにはいっていない。あるいはそれ以内の場合もあると思いますけれども、三十六年以来同じような状況で、国費の負担の比率というものが今日に至っておるのか。あるいは減っておるのか。自治体の財政力はよくなってきたから減そうとか、あるいはあるときには自治体が非常に困っておるからふやすとかいう変化があったろうと思いますが、そういった傾向――国費負担の割合はどういうような状況でありますか。先ほどの質問も加味して御答弁いただきたいと思います。
#8
○政府委員(岡部保君) ただいまの御質問でございますが、まず結論を一言で申しますと、先生のお話にもございましたように、若干の出入りはございますけれども、この五カ年計画を第一次から第四次に至るまで続けてきておりますが、この時代での港湾投資額のうちに占める国費のウエートと申しますのは、大体五〇%程度である、約半ばが国費であるというふうに御理解いただきたいと存じます。これは、一つの傾向といたしましては、たとえば受益者負担、いわゆる企業サイドで、受益の限度において受益者負担を企業が負担するという制度が加わってまいりました。あるいは公団事業であるとか、あるいは公社事業であるとか、そういうようなところで、いわゆる国費率の若干昔と変わった事業が加わってきたことは事実でございます。ただ、全体からして申しますと、それほどの国費のウエートというものは変わっておりません。まず大体五〇%であるというふうに御理解をいただきたいと存じます。
 そこで、先ほども大臣からお話し申し上げましたように、港湾事業への投資額というものは年々伸びてきておりますし、相当な整備をいたしておるわけでございますが、ここでたまたま資料を持っておりますので、これで御説明を申し上げますと、道路と、それから鉄建公団を含めました国鉄のいわゆる施設整備と、それから港湾、これを最近の五カ年間、いわゆる四十四年度から四十八年度、この予算のきまりました四十八年度に至るこの五カ年間の投資額というもので一応見てみますと、道路が約七兆四千六百億ほどでございます。この五カ年間に七兆四千六百億ほどの投資がございました。この五カ年間の平均は、もちろん年によって違いますが、平均して申しますと、この投資額の伸び率は、約二三%程度毎年伸びておるということが言えるかと存じます。これに対しまして、国鉄の関係の投資額、これを見ますと、三兆一千七百億程度でございます。同じ四十四年度から四十八年度の五カ年間で三兆一千七百億程度でございます。これはその間の平均の伸び率を見ますと、約一八%の年々伸びがあるということでございます。これに対しまして港湾の投資額を申し上げますと約一兆三百億ほどでございます。したがいまして、額といたしましては、いまの道路の七分の一、国鉄の約三分の一という投資額でございますが、伸び率にいたしますと、この五カ年間の平均にいたしますと約二五%の伸びでございます。
 したがいまして、最近その必要性も認識されて、年々の伸び率は確かに相当な伸び率であるということが、一般的には申せるんじゃないかという感じがいたします。
 以上でございます。
#9
○木村睦男君 鉄道と道路と港湾と、伸び率は、いま聞きますというと、確かに港湾が一番高い二五%。額はまあそれぞれ差がついておるわけでございますが、そこで、これは今日までの状況でございますが、これから先、この第四次五カ年計画は昭和五十年までを予定をしておりますが、いずれ、過去の例から考えましても、五年たたないうちに、社会情勢等も変わってまいりますので、おそらく、ことしは三年目ですが、来年あたりから第五次の新計画をつくるようになるんじゃないかということも想定されますが、これから先、将来のことを考えますときに、特に経済社会基本計画に書かれております今後の日本経済の伸び、あるいは社会情勢の推移というものから考えまして、今日までのこの状況が、これから先はどういうふうに変わっていかなければいけないか、あるいは今日までのカーブをずっと続ければそれでいいのか、そういう点についての運輸省としての御判断をひとつお聞きしたいと思います。
#10
○政府委員(岡部保君) 今後の港湾の整備の方向と申しますと、私ども、やはり先ほども大臣が申しましたように、まだまだこれからの、いわゆる流通活動というものが増加していくというものに対応いたしまして、これに対処するために港湾施設の整備をはかっていかなければならぬ。いわゆる港湾施設の能力を増強していくということが、やはり必要であるということは、従来の考え方と変わらずに、相当な設備投資をしていかなければならないと考えております。
 ただここで、内容的に、あるいは質的に非常に変わるであろうと思われることを二、三例をあげて御説明申させていただきますと、先ほども大臣のお話にもございましたように、いわゆる流通革新と申しますか、たとえば液体の輸送がパイプラインで行なわれる、あるいは気体の輸送がパイプラインで行なわれるというような問題、あるいはいわゆる雑貨というものがコンテナリゼーション――コンテナで運ばれるというような問題。あるいは内航海運に占めるいわゆるカーフェリーのウエートが非常に大きくなってくるというような問題、こういうような問題から、当然港湾施設の整備の質的な内容が明らかに変わってくるかと存じます。また、もう一つ問題がございますのは、やはり環境問題でございまして、これは港湾だけの環境ではなくて、もう少し広い意味でのまず環境の問題があるかと存じます。これはいわゆる日本の経済をこれだけ成長させてきたという際に、非常に大きなウエートでこの功績を示してまいりましたのが、いわゆる臨海性の装置型工業というものの戦後の発展かと存じます。そのためにこの工業港、いわゆる臨海工業地帯というものが一つの工業港であったわけでございます。そういうような意味で、非常にウエートが大きく出ておりましたが、今後の問題として、こういう臨海性の装置型の工業というものにどういうこれからの変化が出てくるのか。いわゆる日本の産業構造の変革という問題を考えますと、いままでどおりの姿でいくのではとうていないんではなかろうか。そういたしますと、それに伴って当然港湾の整備の方向というものがやはり変わってくると思われます。これが広い意味でのいろいろな環境問題と結びつく問題かと存じます。
 また、もう少し目を狭くいたしまし――港湾だけの環境問題ということを考えましても、これからどうしても港湾の環境整備という問題に相当なウエートを与えなければいけないということから、やはり港湾の整備の内容、いわゆる質的な内容がそちらの方行に相当に大きく動いていくというようなことから、やはり質的にも相当な変化があるということを当然考えなければいかぬわけでございます。
 また、もう一つの考え方といたしましては、先ほど先生の御指摘にもございましたように、いわゆる港湾管理者の財政あるいは国の財政、こういうような財政問題から見まして、港湾整備のこれからの行き方をどういうふうに考えたらいいかというような問題がございます。そこで、いわゆる公共事業として、港湾法に基づいてきめられております補助率という、いわゆる国庫補助体系というものによって、いままで港湾の施設の整備をいたしてまいりましたが、必ずしもこの補助体系をそのまま今後もずっと持っていっていいかどうか、あるいは管理者の特定財源を考える必要はないか、あるいは国としての特定財源を考える必要はないかというような問題がいろいろからんでまいります。
 したがいまして、問題点ばかりあげましたが、まだこれからのことでございますので、これから大いに検討をさせていただくわけでございますので、問題点を指摘することにとどめさせていただきまして恐縮でございますが、それからの進め方というものは、いままでとは相当に方向を変えたものの考えをしなければならぬというふうに考えております。
#11
○岡本悟君 関連。
 いま木村委員から、今後の港湾整備の動向といいますか、重点といいますか、そういうことについてお尋ねがあって、おそらく四十九年度から、来年度から現行の五カ年整備計画を改変するのではないかと思うが、この重点の変化と申しますか、そういう点についてお尋ねがあったのでありますが、実は私もそれを質問したかったので、関連してお尋ねいたしたいのでありますけれども、現行の五カ計画では、一つの大きな目標として、御承知のように、地域開発に関連する港湾の整備として、一般産業港湾の整備のほかに、大規模な産業港湾の整備という目標が掲げてありまして、そして昭和六十年においての基幹産業の伸び、そういうことから大規模工業基地を立地させなければいかぬと、こういうことがありまして、諸条件のすぐれた苫小牧、むつ小川原、秋田船川、中南勢、周防灘、志布志、六カ所をあげられております。そして、着々調査を進め、また整備計画の立案につとめられておると思うのですけれども、産業構造のいわゆる変革と申しますか、そういうことも御指摘になりましたが、それから公害問題に関連して、地域住民の反発が非常に強いというようなこと、そういうことから、いわゆる資源型産業というもの、いま御指摘になった装置産業から知識集約型産業に移行しなければならぬということが強く指摘されております。先般、民間の団体であります産業計画懇談会におきましても、非常に鋭くこの点が提言の中にあらわれておるのでありますが、これも御承知のとおりであります。
 そこで、一体いままでの実績にかんがみて、あるいは将来の産業構造の変革に備えて、第何次になりますか、昭和四十九年度からスタートするであろう港湾の、特に大型港湾の建設について、どういう変化を予想しておられるのか。まあそれは問題点を提起するにとどまって、まだ結論を得ていないとおっしゃるのですが、先般閣議決定になりました御案内の経済社会基本計画におきましては、昭和四十八年度から昭和五十二年度の五カ年間に至る計画でありますが、この社会資本の整備が、それによりますと九十兆円になります。これも御承知のとおりであります、その中で港湾の投資規模が三兆一千九百億になっております。
 一応そういうところから見ますと、少なくとも現行の整備五カ年計画より金額的な規模は大きいんですね。これは物価の値上がり、価格変動の計算をすればそう大きなものじゃないとおっしゃるかもしれませんが、いずれにいたしましても、いままでのペースを踏まえてずっとそのままいくのか、そういう産業構造の変革も考えて、これは積み上げ計算になっておるのか、あるいはマクロ的に九十兆円の中、大体そのくらいだろうというふうに腰だめできめられたものか、一応数字が出ているものですから、そういう、少なくとも昭和五十年ごろの展望を踏まえて、この投資規模が考えられたのかどうか。あなたは問題を提起するにとどまると、こうおっしゃったんだが、経済社会基本計画にはそれは出ているものですから、いやそれはマクロ的なものだとおっしゃるのか、その点ちょっとお聞かせ願いたいと思うのです。
#12
○国務大臣(新谷寅三郎君) 局長がさっき御説明しましたような方向でございますが、現在やっております五カ年計画、これは年次が食い違っておりますから、五十年までの分を見ますと基本計画と大体一致しているわけです。その後の分が、いまの五カ年計画には港湾のほうには入っておりませんのです。この点は、やはりああいう計画にのっとりまして、関係各省で御異存がなければ、四十九年度から、現在の計画を少し変えて、五十二年までは、少なくとも、あの基本計画に合わしたものにしなければいかぬということは考えられることでございますが、その場合に、実は基本的な方針をどう変えるかという問題があると思います。これはまだおそらくどこの省でも具体的に基本方針にのっとりまして、五カ年間の具体的なものをまだ確定はしていないところが多いと思います、非常にマクロ的なものでございます。
 しかし、港湾に関しましては、先ほどもちょっと私が触れましたが、やっぱり港湾というのは、自分の国の輸出入物資をどうするかということだけではなしに、その前提としては、世界の貿易というものがどうなるかということがもとだと思います。昔でございますと、私からこういうことを言うのはたいへん恐縮でございますが、大体自分の国で必要とするような物資は、なるべく自分の国で生産して、自分の国の中で何もかもまかなっていこうというような努力を、おそらく明治以来やってきたと思います。今日はそうではなく、国境は問わなく、世界中が有無相通じて、それぞれ特色を生かして、一次産品でも二次産品でも、お互いに交換をして、国民の福祉の向上をはかろうという努力をしておるわけでございます。日本のいまの貿易から見ましても、ほとんど原料品は外国から入れているというような状況で、この傾向が、今後もっと拡大していくのではないかというようなことが考えられるのであります。
 最近の世界の貿易の自由化という大きな流れから見ましても、そういうことをやっぱり考えざるを得ないだろうと思います。そうなりますと、この日本から出る輸出品は、これは雑貨が多い、そうしますと、いま非常にコンテナバースが足りない、それに必要な倉庫、上屋とか、そういうものが足りないということに自然なってくると思いますし、それから輸入物資で一番大きな石油とか鉱石とか、そういったものがいまのでいいかどうか、それでもし足らないとしたら、どこにどうしたら公害の少ないそういう港ができるかというようなことを、やっぱり見直して検討せざるを得ないのじゃないかと思うんですね。ですから、全体の規模からいいますと、そんなにひどく私はおくれておるとは思いませんし、大体これでどうにかまかなっているところだと思いますけれども、そういう将来の貿易の発展というようなことを考えますと、やはり内容的には、多少見直していかないといけない部分があちらもにこちらにも出てきておるということでございますから、港湾整備の重点の置き方が、今度は第四次とは少し変わった方向で考えざるを得ないというふうに、私はいまのところ、そういうふうな考えで進めたらどうかと思っておるわけです。
 この点は、しかし非常に港湾行政の基本的な方針にも関係することでございますから、こういう港湾法の御審議を願っておる機会に、私はむしろ与野党の先生方から、そういった問題について、今後の日本の貿易はこうなっていくだろう、したがって港湾はこういう考えで整備すべきではないかというなことを、いろいろ御意見を伺いまして、そういったものを十分考えながら、間違いのない、この次の五カ年計画を立てるようにしていかなければならぬと思っておるのでございまして、ひとついい御意見がございましたら、どうぞこういう機会にお聞かせいただけると、まことにありがたいと思う次第でございます。
#13
○木村睦男君 これから、今回の改正法の中身に入って少しお聞きしたいと思いますが、港湾法を毎年のように改正をされてきておりますが、今回の改正までには、目的であるところの第一条は二十五年以来変わっておりませんね。
#14
○政府委員(岡部保君) 目的に関しましては改正はいたしておりません。
#15
○木村睦男君 今回の改正を見ますというと、港湾法の一番の眼目であるところの第一条、これが非常に変わっておるわけです。従来の第一条は「港湾管理者の設立による港湾の開発、利用及び管理の方法を定めることを目的とする。」となっておりまして、今回の改正によりますというと、がらっと変わりまして、「交通の発達及び国土の適正な利用と均衡ある発展に資するため、港湾の秩序ある整備と適正な運営を図るとともに、航路を開発し、及び保全することを目的とする。」というふうに、具体的に書かれておると同時に、かなり変わっておりますが、これは、提案理由の説明のときにもお話がありましたけれども、相当な変わり方、これは、今回特にこういうふうにたいへんな大転換をせざるを得なかったといういきさつは、どういうことでございますか。
#16
○政府委員(岡部保君) まず、現行の港湾法の目的が、現在の港湾の基本的な法律の考え方から申しますと、いささかそぐわない点があるのではないかという点が、一つの改正の動機でございます。と申しますのは、先ほども提案理由説明でもございましたように、現行の港湾法が昭和二十五年に制定されたものでございまして、これ以前におきましては、港湾は国が管理しておる例、たとえば横浜港でございますとか、神戸港でありますとか、そういうような全くの国営港。あるいは地方公共団体、たとえば東京都が東京港を管理し、あるいは大阪市が大阪港を管理し、あるいは愛知県が名古屋港を管理しというような、それぞれの地方公共団体が管理するもの、あるいは全くの私人の管理するもの等が混在いたしまして、しかも、どういうものが港湾管理の主体であるべきかというような点が全く不分明であったわけでございます。これに対しまして、いわゆる戦前いろいろ港湾法の制定というのが議論されたわけでございますが、ついに一つの形をとるところまでまいりません。
 戦後、あるいは占領行政の一つの影響も受けた点もあるわけでございますが、港湾法という港湾の基本法がここに制定されて、そこで港湾管理者という、港湾の管理主体というものを設けるということが非常に大きなウエートがあったわけでございます。そして、この港湾管理者によって港湾の開発利用及び保全をはかることに最重点を置いたというような、この法律のつくられました経緯があるわけでございます。この意味が、目的に、先ほども先生の御指摘ありましたように、港湾管理者の設立による云々ということばに非常に強く出ておるわけでございます。
 ところが、その後二十三年間にわたりまして港湾管理体制の充実強化がはかられまして、現在全国で九百六十幾つの港湾管理者が設立されております。そこで、このような港湾管理者、いわゆる地方公共団体が主体でございますが、こういう港湾管理者というものの制度が非常になじんでまいりまして、もう港湾管理主体がそういう地方公共団体の港湾管理者であるということが、何ら疑いも入れられませんし、非常に制度上もなじんできたということが言えるかと存じます。
 そこで、今回の法改正の際に、いわゆる目的の条文にそういう港湾管理者の設立による云々という字句はむしろ不要ではなかろうかと考えた次第でございます。
 また、最近港湾におきまして、環境の保全あるいは港湾区域外の航路の開発、あるいは港湾区域外に建設される、事実上は港湾の施設とみなされるべきそういうような港湾施設と同等の施設、そういうものの安全確保、こういうような、従来ではどうも考えておりませんでした問題が新たにつけ加わってまいりました。しがたいまして、港湾法の内容の変更をお願いいたしている次第でございまして、その内容に対応して目的を改正したということがこの目的の改正の考え方でございます。
#17
○木村睦男君 いまの説明で大体わかりましたが、港湾管理者の立場からいうと、第一条がこういうふうに変わることによって、港湾管理者の責任といいますか、あるいは管理の任務、そういったものが薄められてくるのではないかというふうな心配があるんじゃないかと思うのですが、そういう点は従前と変わりがないわけですか。
#18
○政府委員(岡部保君) 確かにただいま先生の御指摘のありましたような考え方が、あるいは杞憂が港湾管理者の一部にあったことは事実でございます。そこで、港湾管理者のサイドからそういうような意見が私どものほうに参りまして、いろいろよく話し合いをいたしました。で、結局は誤解を解いて了承してくれたわけでございます。と申しますのは、要するにいままでの考え方、これはたとえばこういう公物管理的な法律の中では、道路法でありますとか、河川法でありますとか、そういう同じような性格の法律の中では、港湾法ほどいわゆる地方の自治権を尊重していると申しますか、地方での公共団体が主体である港湾管理者の自主性というものを尊重しておる法体系は、私はないと思っております。その考え方を、何ら内容的に、私どもは今回の改正でいじったつもりもございませんし、したがって、そういうような考え方は、従来どおりの考え方であるというふうに御理解いただきたいと存じます。
#19
○木村睦男君 それから次に、御説明の第二というところを見ますというと、今回の改正法で、「港湾計画の内容の充実を図るため、運輸大臣が港湾及び航路の開発等に関する基本方針を定めることとし、港湾管理者の作成する港湾計画は、この基本方針に適合するほか、一定の基準に適合したものでなければならない」ということで、改正法の第三条の二の2ですね、「基本方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。」ということで数項目書いてあるわけでございます。そして、そのような港湾計画を調査、審議するために、地方港湾審議会の制度を新たに今度設けるということになっております。港湾審議会というものは、事実上は現在でも存在しているようには聞いておりますけれども、今度は本格的に法律制度の中にこの審議会を組み入れるわけでございますが、裏を返しますというと、いままで港湾や航路の開発というものに対しては、一体基本方針的なものも何もなくて、場当たり式にやっておったのではないかというふうな感じもするわけでございます。
 それから、これはまあ運輸大臣が策定するわけでございますから、先ほどの質問にも関連をするわけでございますが、運輸大臣が一部港湾管理者に何か制約を加えるようなことになるのではないかというふうな危惧も、そこで出てくるというふうな感じがするんですね。大きく言えば、地方自治体に対してかなりの干渉をここで行なわれるのではないかという不安もあるように、私、聞いております。そして港湾管理者以外に地方港湾審議会というものが設けられるわけでございますが、この審議会はどういうふうな機能を持っておりますか。条文にはいろいろ書いてございますが、ついでに御答弁をいただきたいと思います。
#20
○政府委員(岡部保君) ただいまの御質問、いわゆる条文で申しますれば第一章の二の「港湾計画等」という章の内容であるかと存じますが、第三条の二で、「運輸大臣は、港湾の開発、利用及び保全並びに開発保全航路の開発に関する基本方針を定めなければならない。」という考え方、これが、現行の港湾法にはなかったものがはっきりここで明定されたということは、この改正案で明らかになっておるところでございます。
 そこで、これは現行法とどういうふうな関係であるかと申しますと、現行法では第四十八条という条文がございます。これが「港湾計画の審査」という条文でございます。この第四十八条の「港湾計画の審査」というところで、「運輸大臣は、一般交通の利便の増進に資するため必要があると認めるときは、重要港湾の港湾管理者に対し、港湾施設の配置、建設、改良その他当該港湾の開発に関する計画の提出を求めることができる。」、第二項といたしまして、「運輸大臣は、前項の計画を審査し、当該計画が全国の港湾の開発のための国の計画に適合しないか、又は当該港湾の利用上著しく不適当であると認めるときは、これを変更すべきことを求めることができる。」、そこで、第三項といたしまして、「運輸大臣は、第一項の計画を審査し、当該計画が全国の港湾の開発のための国の計画に適合し、かつ、当該港湾の利用上著しく不適当でないと認めたときは、運輸省令で定めるところにより、当該計画の概要を公示するものとする。」と、こういう三項にまたがります「港湾計画の審査」という条文があるわけでございます。この考え方、これをもう少し、何と申しますか、明文の規定としてはっきり、いわゆる計画法的な手続規定をもう少しはっきりするべきではなかろうかということで考えまして、改正いたしましたのがこの第三条の二であり、第三条の三でございます。
 したがって、第三条の二というところで、運輸大臣が基本方針を定めるということがきまっておりますが、これはあくまでも基本的な、全国的な方針でありまして、これが個々の港湾計画の作成、いわゆる港湾管理者が、第三条の三の「港湾計画」という条文できめられております個々の港湾管理者が、自分の港の計画を立案するという権限を侵すものではないわけでございます。いわゆるその方針、一つの全国的な基本的な方針というものを、ここでひとつ大臣として明定しよう、しかも、その基本方針を定めます際には、関係行政機関の長に協議する、たとえば環境問題であれば環境庁の長官に協議をしなければならないというような考え方もございますし、また、港湾審議会の意見も聞いて、いわゆる第三者――学識経験者等の意見もここで十分織り込もうという考え方でございます。
 また、この基本方針を――港湾管理者との間での関連でございますが、これは、「港湾管理者は基本方針に関し、運輸大臣に対し、意見を申し出ることができる。」という条文を入れまして、十分この港湾管理者の意向をこれに吸収できるような手だてにしたわけでございます。
 また、先ほどお話のございました審議会の問題でございますが、いまのような基本方針を審議いたしましたり、あるいは個々の港の重要港湾以上の計画が出てまいりました際に、運輸大臣がこれを審議する、いわゆる諮問するということの審議会、港湾審議会というのは従来もすでにございますが、これは相変わらず中央に、いままでと同じような機能を持って存置させることにいたしております。ただ第三条の三の港湾の計画というところで、地方港湾審議会というものが出てくるわけでございますが、このいわゆる地方港湾審議会と申しますのは、それぞれの重要港湾の管理者が自分の計画を立てるときに諮問をしてこの審議をしてもらうという意味で、新たな地方のそれぞれの港にある審議会というものも、あわせてここで法定しようというようなことで、地方港湾審議会というのが従来ございませんでした新しい制度としてここにあげた次第でございます。
#21
○木村睦男君 そうすると、従来は港湾管理者が一つの計画をつくった。つくった計画に対して、運輸大臣がその計画はよろしくないからこういうところを直せというふうに、いわばアフターケア的に、事後追跡的に関与しておった。今度は、この基本方針というものをまず前提として運輸大臣がつくって、その基本方針のワク内でもろもろの港湾の開発、利用、保全あるいは航路の開発等をおやりなさいというふうに、一歩確かに出てきたということは言えるわけでございますが、その港湾の機能が複雑になり、また、一つの港湾をごく小範囲に、地域的に考えていくというようなもう情勢でなくなってきておる、あるいはまた、あらかじめ基本的な方針をつくって全国的な調整をとらなければ、途中で直すということは手戻りになるという不経済性もあろうと思いますが、そういうふうな趣旨で基本方針を今度きめることになったと思いますが、それに対して、基本方針のきめ方に、いまお話しのように関係行政機関の長に協議すると、こういうことになっておりますから、これは関係行政機関とは協議がととのわなければ基本方針はでき上がらないと解釈をしてよろしいと思いますが、そうでしょうか。
 それからもう一点は、同時に、かつ「港湾審議会の意見をきかなければならない。」、港湾審議会の場合は意見が出た場合に聞かなければならないということですから、当然その意見を取り入れなければいかぬというふうに解釈してよろしいかどうか。
 それから、港湾審議会と港湾管理者との関係はどういうふうな関係に法制上なるのか。これは多分にその港湾審議会の、これは委員というのですか、審議会の委員の構成にも関係があろうと思いますが、どういう構成ということは、委員にこの港湾管理者側の人を入れるとか、いろいろあると思いますが、そういうふうな点について、三点いまお聞きしましたから、お答えいただきたいと思います。
#22
○黒住忠行君 ちょっと関連。
 いまの木村先生の質問にプラスしまして、この法律ができれば基本方針をきめられるわけでございますが、一ぺんきめられたものはすぐ変更するというわけにもいかない重要なものでもございますけれども、将来どのような段階においてそれが変更があり得ると考えておられるのか。
 それから第一二条の二の5で、いま港湾局長からお話がありましたが、運輸大臣に対して港湾管理者は意見を申し出ることができると、こうありますけれども、どういう方法でもって申し出ればいいのか。当初のときに積極的に運輸省から聞かれるものであるかどうか。その意見を申し出る方法等を具体的に明示することによって、スムーズにいくのではないかと思うわけですが、その点をあわせてお伺いしたいと思います。
#23
○政府委員(岡部保君) ただいまの、まず三条の二の第四項「運輸大臣は、基本方針を定め、又は変更しようとするときは、関係行政機関の長に協議し、且つ、港湾審議会の意見をきかなければならない。」という条項についての、まず第一の御質問でございますが、当然関係行政機関の長に協議いたします。あるいは港湾審議会の意見を聞かなければならないということでございまして、これはその協議によって合意を見ることがこの基本方針の成立の要件でございましょうし、また、港湾審議会の意見は当然取り入れるべきであるということで、私どもはそういう意味に解しておりますし、またそういう意味と御了解いただきたいと存じます。
 それから第五項の、「港湾管理者は、基本方針に関し、運輸大臣に対し、意見を申し出ることができる。」というくだりでございますが、この第五項の関係、いわゆる港湾管理者というのが基本方針に関して非常に密接な関係を持っておりますから、当然協議をするべきではなかろうかというような御意見もあるかと存じます。ただ、この点につきましては、非常に実態的な配慮がここになされているわけでございまして、先ほども申しましたように、現在港湾管理者というのは、全国で九百六十幾つかあるわけでございます。そのような港湾管理者に、個々に国が事前に協議をするということ、これは実態的にとうてい、協議が成り立つまでにたいへんな時間がかかりますし、実態的に無理があるというような、非常に現実的な問題点から、ここで意見を管理者が申し出ることができるという条文にいたしたわけでございます。ただこれは、先ほど先生のお話もございましたように、どういう考え方でこの意見を聞くのかと申しますか、あるいは港湾管理者に意見を申し出る機会を与えるのかというような意味の御質問かと存じましたけれども、これは私ども現実にいろいろな行政面の打ち合わせ等で、毎年港湾管理者、主として重要港湾以上の港湾管理者でございますが、重要港湾以上の管理者を全国的に集めまして、港湾管理者会議というものをいたしております。あるいはまた地方的にブロック会議を開いて、いろいろ行政指導等々の周知徹底をはかっておる次第でございます。したがいまして、このようなチャンスをつくりまして、実際に意見を聞いてみる、また十分意見を申し出るチャンスを与える、さらにここで十分説明をいたしまして、意見があれば事前に申し出てもらいたいというようなことをはかりまして、これによって港湾管理者の現実のいろいろな意見というものを取り入れる考え方でございます。
 さらに、この港湾審議会のメンバーの点についての御質問があったと存じますが、中央の港湾審議会のメンバーと申しますと、関係各省の事務次官がメンバーに入っております。それ以外は、いわゆる学識経験者として、港湾関係の関係各種団体の代表でありましたり、ほんとうの学識経験者であったり、そういうような多数の方の御参加を得て、ただいまこの審議会が成立しておる次第でございます。したがいまして、相当に広範囲な御意見、御発言がありまして、審議会自体としてのいろいろな御意見というものが出得る姿になっておると考えております。
 それから基本方針の考え方、何と申しますか、基本方針と申しますのは、先ほどもちょっと触れかけたわけでございますけれども、いわゆる国といたしましての基本的な全国的な問題でございます。したがって、たとえば第三条の二の二項に「基本方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。」ということで三点あがっております。
 第一点は、「港湾の開発、利用及び保全の方向に関する事項」、第二点は、「港湾の配置、機能及び能力に関する基本的な事項」、第三点は、「開発保全航路の配置その他開発に関する基本的な事項」、ここで、これの具体的な内容というのは、まだ現在検討中でございますが、大体荒っぽい考え方を申しますと、第一号の「港湾の開発、利用及び保全の方向に関する事項」というものは、いわゆる全国的な港湾の今後の開発等々の方向を示すものである。たとえば、環境を非常に重視しなければならない、安全を十分に確保しなければいかぬ、あるいは住民意識を十分尊重しなければならない。こういう、いささか抽象的ではあると存じますが、そういうような一つの基本的な方向を第一号では示すという考え方で、ただいま検討している最中でございます。したがいまして、こういう問題につきましては、非常に社会情勢が変わってまいりますれば、当然改正をしなければならぬ点が出てまいります。ただ、現段階で考えますと、非常に抽象的でありますがゆえに、比較的これは改正をそうすぐにしないでもいいんではなかろうかという感じはいたしております。
 それから第二号の「港湾の配置、機能及び能力に関する基本的な事項」という問題につきましては、いわゆる全国の開発規模に関する長期的な見通しでありますとか、あるいは港湾を機能的に分類いたしまして、それぞれの機能別の分類によってどういうふうに今後考えるべきだというような基本的な考え方、さらには、でき得れば日本の国土を数ブロックに分類いたしまして、そこの特性によって港湾の開発面で考えなければならない事項、たとえば、非常に抽象的な言い方をしておわかりにくいかもしれませんが、大都市の周辺の港湾に対してどういうふうに考えるか、たとえば東京湾であるとか、大阪湾であるとか、そういうような過密地域における港湾というものをどういうふうに考えるかというような一つの考え方というものぐらいまでを、ここでひとつ考えていきたいという考え方でございます。したがいまして、こういうものはある程度社会情勢が変わりますと訂正をしなければならぬ点が出てくるかと存じます。
 それから第三号の「開発保全航路の配置その他開発に関する基本的な事項」、これはあとのほうの開発保全航路の条文で出てまいりますが、この航路の管理者であり、これの実際の計画者は国でございます。運輸大臣みずからが管理し、これを計画していくという考え方でございます。したがって、これの基本的な事項というのは、相当に具体的な個々の航路の名前があらわれ、あるいはその航路の周辺の地域の名前があらわれるというような、相当具体的な問題になるかと存じますので、これは必要あれば改正しなければならないという段階でございます。したがいまして、一号、二号、三号に分類しておりますが、その内容によりまして、やはり比較的改めなければならぬ機会が多いものと、少ないものと、いろいろ差がございます。したがって、もちろんこれを改めなければならぬという場合には、ここに規定されておりますような手続を経て改正していくということを考えております。
#24
○岡本悟君 関連。
 ただいま木村委員の御質問になった点は、非常に大事な点だと思うんですがね。まあ衆議院の審議がどういうふうであったか、私速記録を拝見しておりませんが、私の解釈するところによれば、第一条の目的を改正される、あるいは新しく第一章の二を起こされる、それと見合いで現行法の四十八条を削除される。これは何も目新しいことをおやりになるんではないと私は思っているんです。つまり実際のやり方、実態に合わせるように現行法のていさいを改めると、ちっとも実態は変わらないんだと、こういうふうに私は考えているんですがね。これは大事な点でありまして、新しく地方港湾管理者の権限を取り上げるとか、中央集権的な色彩を出すとか、そういうものでは毛頭ないと思うんです、私は。その点は明確にお答えにならぬと誤解を引き起こしますよ。たとえば四十八条ですね。これは四十八条というのはおかしなものでして、大臣、雑則の中に入ってますね、見出しを読むと。で、これは明らかに、先ほども港湾局長から、占領時代にできたものでありますから、施政権を持っておった占領軍によって一部影響された向きもありますと、こうおっしゃったが、一部どころじゃない、これは。おもしろいんです、この現行法の立て方は。第一章が総則ときておる。それから第二章が港務局ときておる。港務局なんて一体ありますか、私は聞いたことがない。これは当時のポートオーソリティーの思想を入れてやったんですが、港務局なんかありやしないんです、現に。「港湾管理者」とくるべきなんですが、その前に、やはり港湾整備計画の基本的なものが出てこなきゃいかぬのです。四十八条というのは、一体これは占領軍が――平和条約が発効してからこれ入れたんじゃないですか、昭和四十五年の一部改正なんかで入れたんじゃないかと思う。妙なところがあるんです、ともかく。
 で、実態はまさに法改正のとおりにやっておるんですね、いまは。だから、これはそういう意味なんであって、何も新しいことをやろうとしてるんじゃないと、これをはっきりしませんと非常に誤解を生ずると思うんですね。それをひとつ御確認する意味で答弁願いたいと思います。
#25
○国務大臣(新谷寅三郎君) 関係局長から非常に詳しく御説明をいたしました、条文に沿って。それであるいは岡本先生言われたような印象を与えたかもしれませんが、それはそうじゃない。おっしゃるように、現行法の四十八条というのはいかにも、港湾管理者というものがあって、自分の財源も出して、これはもちろん一般会計で援助してますけれども、港湾計画を立て維持管理をしてるというにかかわらず、計画を出せと、で、場合によっては変更を命ずるというような、まあ非常に、これこそ港湾管理者に対しまして、あまりに直接に運輸大臣が関与し過ぎるというような非難があるかもしれませんが、しかし今度のは、実際はやはり港湾の整備というものは、地方公共団体が管理者になってますから、そこの経費面でもそうでございますし、管理運営でもそうなんですが、それの意向、意思を無視しまして実際運営はできないわけです。
 ですから、いろいろ行政指導をやったり、あるいは技術指導をしたりということは、これはもちろん港湾局が大いにやってると思います。何かやるときにはこうやったらどうかというので、地方公共団体からは、絶えずそういうふうなことについての指導を受けに参りましょうし、あるいは相談に乗ってくれという要求もありましょうと思います。そういう実情で、この港湾の行政というのは動いてるわけですが、それを法文にあらわしますとどうなるかと。むしろ逆に、民主的に運営していくのには今度の改正案のように、運輸大臣としては、やっぱり、いかに各港湾管理者がおりましても、日本全体の港湾というのを見て、それに対する何らの計画もない、何らの理想もないというんじゃこれ困りますから、一般的、抽象的な基本方針というものをきめる、きめるについてもいろんな手続を経まして、各港湾管理者の意見を聞いたり港湾審議会の意見を聞いたりして、そしてきめるわけですから、そうしてきめて、そのレールの上に乗っけて、それぞれ具体的な、各港湾管理者が自分のところの港湾の整備なり、あるいは管理運営の方針をきめていくようにしたいということでございまして、これは衆議院でも非常に議論がございましたが、どうもこれを何か、この法律の案文をそのとおり読めばそうなるのですけれども、裏に何かないかというようなふうにお考えになると、いま御指摘になったような疑いが生じてくるのでございます。この点はるる御説明を申し上げまして、大体において御理解をいただいたんじゃないかと私は思っておるのでございます。
 しかも、この港湾の計画をし、そして施設の整備をし、これから運営していくということになりますと、その段階で、やはり何と言いましても国の行政指導というのが実際はどうしても必要になってくるわけでございまして、その点については、この法律案にもございますが、ある程度主務大臣の裁量にまかされている点が相当多いのでございまして、その点は私もるる委員会でも申しまして、もし主管大臣の裁量が程度を越えるようなことがあっていけないというのであれば、ここで御質問いただきたい。そしてその速記録にちゃんと残しましょうと、そういう地方公共団体の権限を縮小して、中央集権で取ってこようなんという意思は毛頭ございませんということをるる申しまして、大体そういう方向で御理解をいただいたと思います。いま御指摘の点は非常に大事な点でございまして、衆議院でも非常に論議されましたが、いま申し上げたようなことが運輸省の本旨でございますから、その点は、ひとつこの委員会でも誤解のないようにお願いをしたいと存じます。
#26
○木村睦男君 この基本方針についてもう一つだけお尋ねしたいのですが、この基本方針というものを、三条の二に内容も書いてございまするけれども、これを見ると、どうも港湾の開発といい、あるいは航路の「開発に関する基本方針」と書いてあるわけですが、これから新しく港湾をつくる、開発するという場合に、ほとんどが適用になるというふうな感じがするのですけれども、従来の港湾について適用になる面があるかどうか。ちょっとその辺がわかりにくいので、具体的にあれば、たとえば従来の港湾でこういう場合にはこの基本方針に従ってやらなければいかぬのだということがあればお教えいただきたいし、それからもう一つ、三条の二の条文を読んでみますと、第二項の基本方針については次の事項を定めると、こう書いてありまして、従来、条文にない文句が出ておるので、これちょっとわかりにくいので、これはどういう意味合いでなのか、というのは、第二項の第一号に、「港湾の開発、利用及び保全の方向に関する事項」とある。「方向に関する事項」、これはどうもちょっとぴんとこない。これをもうちょっとわかりよく説明をしていただきたい。
#27
○政府委員(岡部保君) まず第一点の御質問でございますが、新しくつくる港については、こういうのは非常にアプライしやすいであろうけれども、現在ある現存の港湾の今後の動き、あるいは整備の問題というようなことについては、どういうふうにこれを考えるかという御質問かと存じましたが、たとえば先ほどもちょっと例にあげましたのですが、こういう基本方針ということで環境を重視していかなければならない。特に、たとえば過密地域の、いわゆる大都市周辺の港湾というものに対しての環境問題というのは相当に考えなければいかぬというような問題、あるいはそれとうらはらではあるかもしれませんけれども、たとえば今後の港湾の整備の一つの問題として再開発という問題がございます。これはすでに非常に古く、老朽化した、陳腐化した施設がございます。そういうものを新しく再開発をしていかなければならないというような例もあるわけでございます。そういうような問題点が、この基本方針で一つの基本的な事項としてあげられてまいりまして、それが具体的な計画としてあらわれてくるというふうに、私どもは考えておる次第でございます。
 それから、第二点の御質問の、この「方向」という点につきまして、これは確かにどういうふうに申し上げたらいいのか、ちょっと私も戸惑うわけでございますけれども、これは開発利用及び保全の考え方と申しますか、いわゆる方針、その方針がどっちの方向を向いて、どういうふうな考え方で進むべきであるというような考え方からの字句の表現でございまして、先ほども申しましたように、どうしても港湾の今後の基本的な一つの全国的な方針というものでは、環境を重視しなきゃいかぬという一つの方向を示し、あるいは安全問題という、安全対策ということを非常に考えなければいかぬ、あるいは住民意識の尊重というものを考えなければいかぬというような、具体的な例をあげたわけでございますけれども、こういうような方向を考えなければいかぬというようなことで方針をあらわしていこうという考え方で、こういう表現にいたしたわけでございます。
#28
○木村睦男君 あまりどうもこの「方向」という意味は、それじゃはっきりわかりませんが、これ以上聞いても無理でしょう。
 そこで、説明の第四に、「シーバース、マリーナ等の港湾の施設が」云々と、こうなっておりまして、「その安全の確保を図る必要があるため、都道府県知事にこれらの施設の安全上の規制を行なわせる」というのが一つ出ておるわけですが、この第一条とも関連があって、従来第一条の港湾管理者の管理による港湾という表現があったのが消えておる。という意味は、今度の港湾法の対象にしようとしておる施設は、必ずしも従来の港湾の範囲内だけのものではない、港湾区域外のいろいろな、それも港湾施設というのでしょうけれども、これも規制の対象にするために、第一条も港湾という上の、港湾管理者の港湾ということが消えておると思うんですけれども、そうすると港湾管理者の管理しておる従来の港湾以外にある施設は、やはり港湾の一つと、こう見ていいんですか、あるいは港湾ではないんだと、単なる施設として考えておるのかどうか。やはり第一条との関係を考慮してああいうふうになったのか、その点はどうですか。
#29
○政府委員(岡部保君) ただいま先生御指摘ございましたように、確かに今回の法改正で港湾区域外の問題を、この法律の一つの問題点として取り上げていることは事実でございます。それの一つは開発保全航路でございます。それからもう一つは、いまお話のございました、あるいはシーバース、あるいはマリーナ等で呼ばれております、全く港湾施設と同様な機能を持ち、姿を持っておりますが、法律的には港湾施設とはいえない施設のことでございます。
 そこで、五十六条の二という条文をこれはつくっております。「港湾の施設に関する技術上の基準」という問題をここで取り上げております。これは「港湾の施設に関する技術上の基準」ということで、「水域施設、外郭施設、係留施設その他の政令で定める港湾の施設」に対して「運輸省令で定める技術上の基準に適合するように、」の義務規定でございます。これは港湾施設といえば、全く港湾区域内にある港湾の施設でございますが、この「港湾の施設」と書いたところが意味がございまして、いわゆる港湾施設と同様なものであるけれども、法律上は港湾施設とはいえないものまで含んでおるという意味に御了解いただきたいと存じます。
 そこで、五十六条の三で、「水域施設等の建設又は改良」ということで、いわゆる港湾区域以外で、こういう港湾の施設を実際に建設し改良するという例が実態的にございます。ところが、これに対して、これは港湾管理者が設立され、港湾区域が指定されて初めて港湾というものになるわけでございます。その中の施設が港湾施設ということになるんでございますけれども、現実にはそういう港湾、法律上の港湾施設ではないものについても、どうしても安全を確保するために、こういう規制をしなければならないということから、こういういわゆる港湾の施設に対して、これは港湾管理者がおりませんから、都道府県知事に対して、こういうものの施設の安全確保のための規制をする権能を与えたというのが、この五十六条の三の規定でございます。したがいまして、先生のおっしゃいましたとおりでございまして、港湾区域外のものについても、今回の法律で、実態的にどうしても問題を取り上げなければならないというものについて、取り上げておるということでございます。
#30
○木村睦男君 今回の、この法律の改正の一歩前進だと思われる点は、こういった従来の港湾区域以外にある、いわゆる港湾あるいは港湾関係の施設、そういったものに対する、だれがいかなる権限でできるかという問題が、まあ事実上はいろいろ知事がやってみたり、あるいは運輸省が直接やってみたりというんでやってはおったんでしょうけれども、非常にあいまいであったものを非常に明確にした。たとえば航路のしゅんせつにいたしましても、港湾区域外のしゅんせつの終了後の維持管理についても、はっきりと今度は責任者をきめた。あるいはシーバースとかマリーナ等の、いわゆる港湾区域外の港湾施設、それに対しても都道府県知事に安全上の規制を行なわせる権限も与えたというふうに、まあ環境の整備あるいは公害防止あるいは国土の適正な利用というふうないろんな観点から、港湾区域外まで規制あるいは監督の手を広げたという点は、確かに一歩、私は前進であろうと思うわけでございます。
 そこで、最後にお聞きしたいのは、北海道関係、それから沖繩関係、これいろいろと書いてございますが、これは要するに、今度の改正のこういった点は、すべて本土のみならず沖繩、北海道も同様に適用していこう、こういう趣旨でございますか。
#31
○政府委員(岡部保君) 特に、ただいま先生の御指摘になりました沖繩問題あるいは北海道の問題こういう点につきましては、今回新たに補助対象、法的に補助の対象にされました環境整備のための施設というものについての、いわゆる国の補助の割合等々をはっきり明定いたしませんと、そういう地域でやる場合のあれがはっきりいたしません。そういう点について、特に北海道、沖繩についてこれを言及したということでございます。
#32
○木村睦男君 時間が参りましたので、最後に運輸大臣にお聞きをいたしまして、私の質問を終わろうと思います。関連の方があるかもしれませんが、私は一応これで終わります。
 それは、いままで関連の質問の中にもありましたし、また私も質問しましたが、衆議院でもこの論議が行なわれておった。つまり今度の改正によって港湾管理者の地位がゆらぐんではないかということに対する危惧、これはかなりあっちこっちでも出ております。したがって、先ほども大臣からはっきりと、そういうことではないんだという御答弁がございましたけれども、やはりかなり各地でそういう不安を持っておりますので、この問題について、大臣のはっきりした考え方を最後に示していただきたい。
 それからもう一つは、若干港湾管理者というものとの関連がございますが、だんだん港湾施設も横に広がり、隣の港湾とはどこが境かわからぬというふうな状況になってきておるし、そしてまた、それらが機能的にも関連性をもって機能されなければ、ほんとうの港湾の機能発揮ということにも差しつかえがあろうと思うわけです。そういう意味からしまして、一港湾一港湾管理者という考え方では、どうも今後の港湾整備あるいは港湾利用の複雑化に対処するには、港湾管理責任者として不十分な点ができてくるんではないか。港湾管理協議会というふうなものも、場合によってはつくられることにはなっておりますけれども、要するに一港湾一港湾管理者というこの考え方は、やはり少し発展的に考え方を変えていく必要があるんではないか。港湾のほうの考え方を広げるか、あるいは港湾管理者というものをその協議会だけでなくて一本にまとめるか、何かそういった考え方があってしかるべきではないかと思いますので、そういう点についての大臣のお考えをお聞きいたしたい。
 第三点は、国土の均衡のある発展をこれからはかっていこう。日本列島改造のねらうところもまさしくそうでございますが、その観点からいいますというと、一番数の多い地方港湾、これの整備、これに対する国の力の入れ方、こういうものも、従来にも増して強く国がバックアップしなければ、なかなか均衡のある開発発展ということはむずかしかろうと思うんでございます。で、現行法で見ますというと、国の補助率といいますか、これを見ましても、地方港湾については、たしか四〇%でしたね。それから重要港湾以上は五〇%という開きがあるわけです。で、いろいろ調べてみますというと、四〇%は目一ぱい補助が出ておるようでございますけれども、これ以上地方港湾の整備に国が力を入れようとすれば、法律を変えていかなければ四〇%以上は出ないことになるわけでございますが、均衡ある国土の発展というような点から考えましても、こういう問題について、あらためて再検討をする必要があるのではないかと、私はさように思うわけでございますが、これに対する大臣の御所見、この三点を伺いまして、私の質問を終わります。
#33
○黒住忠行君 関連。
 いまの木村委員の質問にプラスしまして、廃棄物の埋め立て護岸の仕事、それから廃船の処理の仕事あるいは水域の清掃等の仕事と、重要な仕事が加わってくるわけでございますが、これがスムーズに行なわれますためにも、予算措置その他につきまして国の十分な配慮が必要だと思いますので、この点につきまして、あわせてお答えをいただきたいと思います。
#34
○国務大臣(新谷寅三郎君) お尋ねの点について順次お答えいたします。
 港湾管理者と中央との関係でありますが、先ほど岡本先生からお尋ねがありましたので、そのときに申し上げたとおりでございまして、この法律案の一条に、従来は目的の中に「管理」という字が入っておったものですから、いかにもその「管理」を削ると中央集権に引きずっていくんじゃないかというような誤解もあったかと思います、衆議院段階でですね。しかしそれは、その目的のところでは、今度は、さっき局長も申しましたように、いままでの港湾の使命といいますか、機能といいますか、これは別に特に変わってきておりませんけれども、しかし特に今度は、重点を置いて考えましたのは、港湾の環境、これを保全しなきゃならぬと。これはもう各種港湾についてほとんど共通の問題で、地域住民からもやかましく言われておりますものですから、この点について、特にこの目的のところに入れたということでございまして、港湾というものの本質的な性格がこれによって変わるという意味ではないと考えております。したがって、いずれの点から見ましてもこの実体規定、つまり中央と地方とのこの関係の実体規定というものが現行法と何も変わってない。のみならず、むしろ今度は、この従来行政の運用としてやっておりましたようなことをできるだけ法文化いたしまして、きわめて民主的に中央と地方との関係を明らかにしたというような意味で、この法文の整備をいたしておるのでございます。したがいまして、地方の港湾管理者の権限を奪ってきて中央に持ってくるという考えは、これは全然予期しないところであり、どの法文をごらんになりましても、それが具体的にはあらわれていないと思います。
 なお、各法律の規定の運用につきましては、先ほども申し上げましたように、十分その点を配慮いたしました。何しろとにかく港湾は地方公共団体が中心になって管理運営し設備をしておるところでございますから、そういうことをやろうと思っても、これはできるはずはないのです。むしろわれわれは、全般的に日本の港湾というものを見て、その見地から、各港湾管理者のやりますことに対して助成をし、そのいい相談相手になって、全体のレベルを上げようという努力をしておるのでございます。この点ははっきりと申し上げられるわけでございます。
 それから、二番目におっしゃったことは、ポートオーソリティーの問題に関連する問題かと思いますが、これは御承知のように、港湾管理者が、大体において都道府県が単位でございまして、非常に隣接して、ほとんど機能からいうと、一体となって動かしていったほうがいいんじゃないかという港湾もたくさんございます。東京湾のごときしかり、瀬戸内しかりでございますが、しかしそれを今度は、ポートオーソリティーのようなもので、広域で港湾管理者のやっております仕事をポートオーソリティーのところに集めて、そこで一本で管理運営していくということになりますと、地方の施設についても相当の経費を負担し、管理運営についても相当の経費を負担しておる地方自治体としては、なかなかこれはむずかしい問題が出てくるのでございまして、考え方としてはポートオーソリティーのようなものができたほうが、より港湾が効率的に利用されるであろうということは、一般的にこれはいえると思うのですが、実行ということになりますと、なかなかできないというので、今日まで、そういったものは、ほとんど日本ではできていないのであります。外国では相当できておりますけれども、日本ではできてない。そこでそういった点を考えまして、今度の法律案では、各港湾管理者の間で協議会をつくってもらって、そうしてお互いに足りないところを補い、そうして、いわば広域的な一つの港湾であるかのごとく運営できる部分は運営してもらうということで、協議会の制度をつくっておるのでございまして、それはおっしゃるような趣旨に合致するように、実際の運営上そういう趣旨に合致するように配慮したつもりでございます。
 それから地方の港湾の補助率の問題でございますが、これは、この港湾の補助というのが非常に古い時代から、沿革的に積み重ねてきた問題が多いようでございます。私も調べてみましたが、非常に複雑でございます。これをもう少し、一方では港湾の機能というものが、国土全体の開発の上からいいましても、地域住民の幸福という点からいいましても、重大なものになってきつつありますので、公共的な見地から、もっと国の補助率を上げなさいと、これも、私たちもその趣旨においては同感でございます。
 それから補助のしかたが、何といいますか、非常に複雑であって、わかりにくい、こういったのをもう少し整理をして、どこの港湾でも、こういうことをやればどれだけの補助が受けられるのだというようなことが、明瞭になるような補助体制をつくり上げろということ、これは両方ともごもっともだと思います。これは機会あるごとに財務当局とは交渉しておる。事務当局とも交渉しておるのでありますが、四十八年度におきましては、この点は財務当局との間で合意に達しませんで、従来どおりのような補助体制になったわけでございます。これは今後とも努力をしなきゃならぬと思っております。
 それから廃棄物の埋め立ての問題でございますとか、海洋の清掃の問題でございますとか、そういった問題についての、今度新しく予算を計上したのもございますし、従来から継続してやっておるのもございますが、これにつきましては、港湾局長から具体的に御説明をさせます。
#35
○政府委員(岡部保君) 先ほど例としておあげになりました廃棄物の埋め立て護岸、これは昭和四十八年度の予算から新たに助成の対象に認められたわけでございます。で、現実には東京港と大阪港において廃棄物を処理するための埋め立ての護岸の助成、これは補助を四分の一いたすということで新たに認められた制度でございます。
 それからあと沈船引き揚げ、あるいは港内清掃、こういうものに対しての国としての助成の問題は、予算要求はいたしましたんですが、残念ながら財政当局との合意に達し得ませんで、昭和四十八年度においては実現するところまでまいりませんでした。今後とも、これは非常に重要な問題だと存じますので、この予算の実現方は、私どもできるだけの努力をするつもりでおりますので、御了解いただきたいと存じます。
#36
○委員長(長田裕二君) ほかに御発言もなければ、本案に対する本日の審査はこの程度といたします。
    ―――――――――――――
#37
○委員長(長田裕二君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#38
○森中守義君 質問に入ります前に、特に委員長に少し意見を申し上げます。
 法案の審査は、もちろん本院の使命ですから、これも重要なものであることは当然です。しかし他面、運輸関係で非常に問題が山積している。ことに現地の状況なども視察をする必要もありますので、社会党の理事からそういう案件が十数項目にわたって提起されておるはずです。そのほか、ぜひこれこれについては質疑を行なわねばならぬという案件等も提示しておるはずです。したがって、法案がこの委員会に付託されたからといって、あまり偏向を来たさないように、社会党の理事から提起されたものについては、逐次これが完全に消化されるように委員長及び理事打ち合わせ会において十分な御配慮をお願いします。これが第一点。
 それと、まさかそういうような観念で与党の理事の諸君が委員会の運営に当たっているとは思いませんけれども、この委員会の定数二十名に対して、委員長含めて与党の委員構成は十一名、野党は九名であります。委員長除けばその差は一名、入れてもその差は二名、したがって、委員会は自民党の意思のままに動くものではないと、この認識は基本的なものとして考えてもらいたい。もちろん、この委員会の理事の配分というものは、委員会が自由に行なったものではありません。しかしながら、こういったような現状になりますと、委員長及び自民党の理事三名、野党理事一名ということは、十対九という比率においては適当でない。したがって、しかるべきルートを通じて理事のバランスがとれるように、理事の増員を社会党としては要求していきたい。まあ別段、この委員会における理事の補強の問題を議論にすべきであるかどうかは、私どもは検討しなくちゃいけませんが、そういったように、委員会は自民党のものではない、こういう事実をいま少し認識をするために、理事の配分の再検討を行ないたいということを考えておりますので、まあこれは、別段ここで返答は必要じゃございませんけれども、特に意見として申し上げておきたい。
 運輸大臣にお尋ねいたしますが、一昨日、日本航空の問題でかなり長時間にわたっていろいろとお尋ねいたしました。その中で、社長の人事に関しまして、大臣のお答えは、すべからく白紙である、こういう答えがあった。ところが、どういう背景であるのか、どういう経緯をたどったのか、まあそこまでは、むろん、私ども何ら知る由もございませんけれども、けさの新聞報道では、すでに日航人事で政府の方針が固まった。「朝田社長は留任」、こういう記事が出ております。で、しかもこの記事の中に、政府は運輸省、財界、航空業界等に意向を打診したと、こういっておるんですね。この事実はあったのかどうなのか。また、せんだっても私が申し上げたように、法律的なものを根拠にいくならば、これは内閣人事ではない、国会人事でもない。簡単にいえば運輸大臣の専決事項ですよ。それなのに、専決権を保有している運輸大臣が白紙だと言っておきながら、逆にどこでだれがきめたのか知りませんけれども、専決権を持っておる大臣に、運輸省に意向打診ということは一体どういうことなのか、こういうことをまず最初にお尋ねしておきたい。
#39
○国務大臣(新谷寅三郎君) けさ、ある新聞を見て、そういう記事があったので、私も驚きました。結論的に言うと、一昨日でしたか、ここで御質問があった。そのときに答えたとおりでありまして、何ら事情の変更はありません。したがって、これの記事について、どこでどういう取材をして、だれが責任をもって書いておるのか、私は知りません。したがって、この記事については、私は責任は全然ありません。おっしゃるように、日航の人事は、非常に微力でありますけれども、法律上は私が責任を持っておる人事であります。政府の中でも、おそらく、そういったものを全然無視して、私の知らぬところで日航の人事が行なわれるとは考えられません。でありますから、この記事をもとにしてあなたが御質問でございましたら、この記事がどういうところで取材されて、どういう信憑性があるのかということをお確かめ願いたいと思います。
 私に関する限りは、一昨日でしたか、ここではっきりとお答えしたように、これはあらゆる点から見て非常に重要な人事でありますから、検討はしております。ほったらかしているわけじゃありません。ありませんが、いまのところは、一昨日申し上げたように、全く白紙であります。この点ははっきり申し上げておきます。
#40
○森中守義君 これは大臣、私によく確かめろと言われるけれども、きわめて重大な関心を持っておりますけれども、私が確かめる筋のものじゃない。むしろ、大臣が自分の所掌をたな上げされて、どこでだれかがそういうことをきめておるというならば、むしろ大臣みずからが、新聞社に照会されるなり、あるいは官房長官なり総理なりに、こういう記事が出ているんだが、もしそうだとするならば越権のさたであるという、まあこういうことをお問いになるのが筋じゃありませんか。私は、さっき申し上げましたように、どういういきさつなのか、背景はよく知りませんし、一応天下の公器といわれる、しかも最も有力な新聞の記事ですから、これを基礎にしてものを言っているわけで、大臣からお問い合わせになるのが筋だと思う。
 それから、この記事を基礎にしてものを申し上げるわけですが、少し合点がいきませんのは、責任が全然この中で問われていない。ですから私は、前回ここまで触れておらなかったんですけれども、この記事を見て考えられることは、日本航空に対して大臣が改善命令を出されたわけですね、立ち入り検査をやった。そこで日本航空から改善対策が出てきた、そのことを一歩掘り下げてみるならば、改善すべき余地があった、完ぺきでなかった、ここが問題だと思うんです。すなわち完ぺきでなかった、改善を必要とする点があったからその間に事件が発生しているわけです。つまり不完全な状態であったので事件が起きた。二つの事故とじかに結びつく問題であるかどうかは別ですけれども、少なくともいろんな形において事故が発生する要因をなしたということは言えると思う。
 それならば、朝田、という社長が、みずから社長でありながらすき間をつくっていたというこの責任をどうするか。だから、朝田社長の責任を問うているのは、社会に対する大きな問題であると同時に、具体的には改善を必要とする、つまり不完全な要素があまりにも多過ぎた、その責任を一体どうするんだと、こう見るんですけれども、その点どういうようにお考えになりますか。
#41
○国務大臣(新谷寅三郎君) この間も申し上げましたように、日航の全体、ことに幹部に責任がないということはありません、責任はあります。同時に運輸省自体も監督責任があるということを申し上げたのでございます。私はその責任をどうして果たすかということが問題であろうと思います。でございますから、まず第一に、あれだけの事故を起こしたんでありますから、安全運航体制を早く確立してもらいたい。人が一人二人やめて安全運航体制ができるんなら、こんなやさしいことはないと思います。しかし安全運航体制というものを確立するのには、全社が一本になってそういう責任感に徹してやってもらわないと安全運航体制はできない、そういう見地から、このまず責任を果たす第一歩として、安全運航体制を早く確立してもらいたいということで、立ち入り検査もやったし、それから、私から特に指示いたしまして、それについての具体的な対策を求めたというような経過を経ております。それに対して日航当局もそれに対応するような安全運航体制をとりつつあります。
 で、幸いにしてその後事故が起こっておりませんし、早くそういう安全運航体制というものが日航自体の体質のようになって、ただ言われたからこういうことをやりましたというだけじゃ足りないと思うんです、それが日航自体の体質のようになって、安全運航体制が確立せられることは、これは国民としての一番の希望であり、また私たちも、それが一番責任を果たすゆえんであると思っておるのでございます。いまはそれに邁進しております。
 しかし、この間も申し上げましたように、日航の役員の改選期が参ります。来月の末に参ります。そのときに考えるべきことは、今後、そういうふうな、一方において責任の問題を考えながら、今後日航が、そういうふうな安全体制を確立して、この国民の要望にこたえるのにはどういう人事がいいかということについて、あらゆる角度から検討をしておるのでございまして、その意味において、私は何度も申し上げましたように、ただいまは検討段階でございまして、いまは白紙でございますということを申し上げた次第でございます。
#42
○森中守義君 この中で、特殊な知識と経験を必要とする職務である。目下のところそういう適当な人が見当たらないからだと、留任の理由の一つに、だれかがあげているわけですね。つまり、余人をもってかえがたい、こういう言い方なんです。ところが、いま大臣は、改善策を必要とする実情にあったという事実はお述べになっている。したがって、そのことを逆な見方からしますと、怠慢であった。サボタージュをやっていた。しなければならないことをしなかったと、こういうことに私はなろうかと思う。それを、先回も申し上げたように、あまりにも、人命を失うという貴重過ぎる犠牲によって初めてこういうことが出てきた。で、それならば、官庁であろうと、企業であろうと、一般社会であろうと、やるべきことをしなかった。すべきことをしなかった。そこで大事件が発生をした。しかし、これから先はそういうことがないように心を改めてやり直すという程度のもので世の中通りますか。
 たとえば官庁の場合でも、明らかに国家公務員法に違反をしたと、あるいは非違行為があったというような場合、まさに容赦、仮借なく適当な措置がとられる。こういうことに限って許されますか。私は事柄の内容、人物の大小、地位の重い軽いという、そういうことで区別をさるべきものじゃないと思うのですね。しかもこれは改善命令を出さねばならぬように、あらためて改善策を出さねばならないように、口ぎたなく言うならばサボっていた。怠慢であったということになりますね。そういう人がこれから改めさせる、その後事故は起きていないのだということでその地位にとどまるというのは、本人自身もじくじたるものがあろうし、またこれを評価すべき、左右すべき認可権者の考えというものも、もう少しき然とした姿勢がほしいと思いますがね。
 まあ言われる白紙という意味の中には、いろいろな意味が入っておりましょうから、あえてそこまで深く突きとめることは、私も必ずしもいさぎよしとしない。けれども、言わんとする意味は大臣は十分おわかりいただけると思うのですがいかがでしょう。
#43
○国務大臣(新谷寅三郎君) 白紙でございますという意味は、現在の社長をどうするかという問題につきまして白紙でございますということを申し上げておるのでありまして、ここに書いてあるように、留任をさせるということだけが白紙じゃございません。解任するということもその中に入っておるのでございまして、いずれにするかは白紙でございます。したがいまして、いま森中委員のお話しになりましたような点につきましては、これは森中先生の御意見として十分に拝聴いたしておきたいと思います。私はそういった問題についてあらゆる角度から検討いたしまして、最善と思われるような結論を出したいという努力をこれからも続けます。
#44
○森中守義君 もう一つ、この中でお伺いしておきたいと思いますのは、会長人事も大体内定しているというようなことが出ておりますね。柳田さんという以前の会長ですか、社長ですか。で、この人が会長に復帰をする。したがって、柳田――朝田ラインというものはおおよそ完ぺきに近いペア体制がとられているような印象がある。そもそも会長とは何ですか。まあ先回も一つの法律を基礎にして私はお尋ねしましたけれどもね。日本航空法の定める会長というのは代表権を持っていない。むろん商法上の問題では代表権を持つ会長もないではありません。けれども日本航空の場合には、代表権を持つものは、社長、副社長二名ということになっている。会長は単に取締役会の主宰をする、いわば座長、こういう権能しかないんですね。ところが、いかにも、この記事からいけば、会長、社長というものはペアでなければならない。会長の権限はきわめて重いというような印象が非常に濃厚なんです。しかし、法律で定める代表権を持っていない会長は、単に取締役会の主宰者にすぎない。このかね合いをどう考えるか。むしろ私は、代表権を持つ正副社長が実は核でなければならぬと、こう思うんですけれども、いかがですか。
#45
○国務大臣(新谷寅三郎君) 法律上の考え方と、それから実際の運用のしかたがどこの会社でも多少違うことは、これはあり得ると思います。法律上は、これは法律に従い、あるいは定款に従って各会社とも運営していると思います。しかし、特に会長に非常に重きを置いている会社もございましょう。同じように取締役会の座長にすぎないところもありましょう。それに非常に重きを置いて会社の運営をやっているところもあるし、そうでないところもあると思います。これはしかし、法律に書いてないからそんなことしちゃいかぬということは、これはだれも言いません、株主も言わないでしょう。ですから、これは実際の運用の問題だと私は思うんです。法律上はあなたのおっしゃったとおりだと思います。
 しかし、これの人選云々について、どなたか名前があがって、その人がいかにも会長になるようにここでは書いておるようでありますが、先ほど社長について申し上げたと同じように、この点については、私は、この法律に書いてあるとおり、やっぱり私がある程度のこれについての責任を持っているわけですから、これについては今後の日航に最もふさわしいような人選をしなければならぬということは、さっき申し上げたと同様であります。これについては、私の意思は全く入っておりませんし、政府と書いてあったり自民党と書いてあったりしますけれども、自民党や政府のどこでこういう意見が出されたのか、私は全然存じません。これは何といっても、私が自分の責任において解決しなければならぬ問題でありますから、さっき申し上げたような考え方で私は解決するつもりでございます。
#46
○森中守義君 いまの会長の権限の問題ですね、大臣。前回も、何もかにも法律どおりにはいかぬのだと、こういう御説であるし、私も、実態としてはそのくらいのことはわかりますよ。しかし、日本航空法で、きちんと、代表権者は正副社長である、こういう規定がある限り、会長の社内における比重が重ければ重いように、もう少し実態に合わしたような法律改正――ただ慣行や慣習として、会長の職責は重いんだということだけではやっぱりまずいと思いますね。その必要があるならば、代表権者は会長、社長に移すことも一つの方法であろうし、あるいは会長、正副社長三名にすることも、これは他の関係法令等も否定をしていないわけですから、何かその辺のことはきちんと整理される必要があると思う。
 そういたしませんと、やはり国会の議論としては、立法段階において、その辺の事情を踏まえながら審議が行なわれ、議決が行なわれているわけですから、きちんとしませんと、立法の精神に沿いませんよ。何でもかんでも、法律は法律、実際は実際というような使い分けをされたんでは、そもそも国会における法案の審議とは何ぞや、こういう新たな疑問、また立法府からいたしますると、行政府の行政監督とは何なのかと、こういうところまで議論はエスカレートするわけですから、やはり私どもは、国会において審議された法律のよるべき精神というものは踏まえておかないと、法律は法律、実態は実態と言われたんでは、これは法案の審議は意味ない。そういう意味で、いま大臣の言われる実態論としては理解できる。けれども、こういう場所以外のところならばその話も通りますが、所定の法案の審議の経過、しかも提案者と議会側の合意に達して法律ができている以上、それは実態論を振り回されたんじゃかないませんね。そういう意味で、少しく検討の余地があると思うんですが、いかがですか。
#47
○国務大臣(新谷寅三郎君) この問題のみならず、先般、私は全部出席していなかったんですけれども、この日航の問題についていろいろ御意見があったようです。それは局長から聞きました。
 日航法ができてから相当これ期間もたちますから、その他の問題についても、現状に照らして改正を考えるべき点があるように思います。ですから、そういう機会に、いまおっしゃったようなことが、はたしてどちらがいいか検討をしてみるつもりでおります。いまのところはしかし、会長、社長、副社長と並べまして、この三人が、法律上の代表権とかなんとかいうことを離れまして、大臣の認可にかかっておるわけです。そういう点を考えて、やはり、その当時の私は議事録を全部読んだわけじゃありませんが、相当、役員の中ではこの三人を並べて重要視しているということがわかるもんですから、そういう意味で、私も、自分の責任にまかせられた仕事の一つとして、その三人の問題について、同じような考え方で、間違いのない認可を与えなければならぬということで、今後も努力をしていこうということをさっきは申し上げたつもりです。
 ひとつ、将来の問題としまして、そういうふうな要望も出ているようですから、この改正についても検討してみましょう。
#48
○小柳勇君 この前の予算の分科会でも、私は取り上げましたから必要がないと思っていましたが、ただ、おとつい森中君がここで取り上げまして、大臣はまだこの問題について白紙だとおっしゃったんです。にもかかわらずけさ大きく新聞に出まして、おそらくきのうも森中君だけはオーケーしたんじゃないかと思って私も黙っておったけれども、森中君にいま意向を聞いてみますと、まだ大臣は白紙だと言っておったのにけしからぬというような意向も含まっておるから、私も一応質問し、かつ意見を申し述べたいと思う。
 大体、あれだけの会社、しかもそれはやっぱり、なるべくならば自主的な会社の方向に発展すべきだと、運輸省ががちっとワクをはめないで、いわゆる会社法による会社として発達したいというのが私どもの希望でありますから、人事問題をこのような場所で論ずること自体、私はほんとうは好ましいことではないと思う。
 もう一つは、同時に、運輸大臣の意向でどちらにいくこと自体も、これは少しおかしいんではないかと思います。ただ、いままでのおきてがそうなっているんですね。運輸大臣、それは投資関係もあり、資本が四六%も政府の資本であるからということが、大きな一つのやっぱり理由でありましょう。したがって、これは論議することもやむを得ない問題と思います。
 新日鉄の人事が、もたもたしていましたけれども、きまりました。これは新日鉄が自主的に、会長なり社長あるいは重役陣がよく話し合って、将来の会社の方向をきめて、そして決定されたものと思う。言うならば、私はやっぱり、日本航空自体があれだけの事故をやって、これから再建の方途を見出そうとするならば、日航自体が、もう重役が一体となってがちっとして、そして社長はこの人だ、そしてあと会長が必要なら会長、副社長、そしてあとの首脳陣ががちっとして、さあこれで運輸大臣いかがでございましょうか、これは右にも左にもいきませんというのが、ほんとうは私は一番いい姿じゃないかと思います。そしたらあとは、もう会社自体に責任がありますから、社長にある。
 ただ、私がこの間予算分科会で問題にいたしましたのは、その態勢がないと判断したからです。会長がなくなられたあと、どうも一枚岩でないようにとった、首脳陣が。私どもがこうやって問題を取り上げていること自体一枚岩でない証拠です。でなければ、たとえば公社関係でもたくさんあります、総裁の動きもありますが、そういうことで、ぼくら国会の野党の議員でも、委員会などであまり首脳人事をがたがた論議しませんね。一枚岩でありますと、あるいは右するか左するかみずからきめますから、運輸大臣にしましても、これは、もうこれではいかぬとはなかなか言えないのじゃないかと思う、会社首脳陣が全部ストライキやるぐらいな態勢であれば。そのことが一つです、問題は。これは大事に考えてもらいたいと思うのですよ。
 もう一つは、職員と首脳間のパイプが完全に通っておるのであろうか、一体となっておるのであろうか、あれだけの危険な作業、職員が信頼しない首脳陣ではなかなか再建もむずかしいのではなかろうか、これは問題点の第二の大きなやっぱり要素ですね。あそこの職員間に組合が四つもございます。そして法律上は解雇したがよくないという者すらまだ帰ってないのですよ。そしてその後の実態を聞いてみますと、待遇問題も全日空のほうがよろしいと言っている。利益金はどうかといいますと日航のほうがいいんですよ、いま。にもかかわらず、待遇問題は全日空がよろしいと言っている。全日空もたいへん苦しいやりくりをやっていると思いますけれども、待遇はよろしいと言っているのですね。そして全日空のほうでは首脳陣を中心にして一生懸命にがんばっていますね。あの姿を見ますと、どうも運輸省にあまりにももたれかかっていることがあるのではなかろうかと思いますね。だから先般も問題にしました十二条の二などがありますから、事業計画を出しまして皆さんがチェックしますから、そうしますともうほんとうに事故を起こしたら運輸省の責任ですよ。私は、もうあれだけの事業計画を出して、あの十二条の二がある以上は、大事故を起こしたり、あるいは大きな赤字が出たら、私はこれは運輸大臣の責任じゃないかと思う。あるいは航空局長の責任じゃないかと思うくらいに法律上なっていますね。そういうのにあまりにも依存している問題もあるのじゃなかろうかという気もいたします。そういうのがいまの問題にいろいろふくそうしています。
 そこで、まあ結論的に言いますならば、いままでのずっといきさつを見てみまして、そういうものが短い期間に、半年や一年の間に、社長が今度こうきまったと、後任社長がこうきまった、あるいは副社長がきまる、あるいはあとの重役の担当がぴしっときまると――いまのままじゃ私はまずいと思います。それは不満がありますもの、内部に。そんなものをどういうふうに調整していくかという、それが短時日の半年や一年の間にどういうふうに空気が変わるであろうか、首脳陣の間の問題、首脳陣と職員との間の問題、職員間の問題、それがここから短時間にどう変わるであろうかと、そういうものを要素にして社長というものは、いま運輸大臣の決裁の中にありますから、きめてもらわなきゃならぬと思うのですよ。
 そうしてもう一つは、新日鉄人事がもたもたしておる間、私ども新日鉄の会社の職員にいろいろ聞きましても、やっぱりほんとうの意欲がなかった。あるいは新しくなりますと意欲がまた出てきましょう、勤労意欲も出てきますし、愛社精神も出てきましょう。だから早い機会にきめてもらわなければならぬと思うのです。五月七日が役員会のようでありますけれども。したがって、そこで大臣の意思でなかったということ、某新聞の記事は大臣の意思ではなかったということが明らかになりました。これは誤報であるということが明らかになりました。そこで大臣としては早くきめなければならぬと思うのです。五月七日というとあまり日にちありません。いま私が申し上げましたようなものを要素にしていつぐらいにおきめになりますか、気持ちをおきめになりますか、おとついまではまだ白紙のようでありましたが、それでは新聞にまた誤報が出ましょうね。推測記事も出ましょう。問題にしなければよかったけれど、問題になりますから、もう問題になっておりますから。
 したがって最後的に、あの新聞の記事が誤報であったというならば、早く大臣は決心しなければならぬと思うが、いつおきめになりますか、そうして私がいままで申し上げましたようなことはどういう方法で、これが日航に反映するようになさいますか、この二点をお伺いします。
#49
○国務大臣(新谷寅三郎君) いろいろな点から御親切に御注意をいただいてありがたいと思います。まあ大体において、いま小柳さんがお述べになりましたような点もあるやに考えますので、非常に慎重を期して考えておるのでございます。いつきめるのだとおっしゃいましても、何日までというわけにはまいりません。日航の株主総会が五月の月末にございますので、もちろんいろいろな手続も要ると思います。それに問い合うようにはきめなければならぬということは当然のことでございます。いまのところいつまでということは申し上げる段階ではございません。しかし状況がこういうふうですから、なるべく早くしたほうがいいということについてもよくわかります。そういう点を十分考えまして、善処をすることにしたいと思います。
 それから、あとでお述べになりました日航の状況につきましては、私も、社員の人も重役の人も、あるいは乗務員の人も知っている人が相当たくさんございまして、いろいろな情報を伝えてくれていることは事実でございます。それだけに実は慎重を期しているわけでございまして、この点については完全に、だれが見ても一〇〇%の人事というものはまあまあないと思います。どんな人事をやりましても、どこの人事でもそうだと思いますが、これについても同様だと思います。しかし私の責任におきまして、これで一番この際はいいと思うという人事をやるようにしたいと考えておるのでありまして、最大限の努力をいたしたいと思います。
#50
○森中守義君 これは大臣、大体お述べになったことでおおむねお気持ちわかりました。しかし、いま小柳君が言いましたように、この記事が事実ではないという認識はしていいと思うのです。しかしながら、これはやっぱりどこかに火もとがあるでしょうし、私どもが運輸委員会にやっかいになりながら釈然としませんよ。専決権を持っている運輸大臣が、陪食なんていうものじゃなく、どこか外者に置かれて意向を打診されたなんて話にならない、これでは。これはひとつ官房長官なりだれなりに、一々こういうものを取り上げてもの言うのもおとなげない話だよという、そういうお気持ちかもわかりませんけれども、しかし、こういうものが世の中に出されている以上は、大臣として無関心でおれるというものではないでしょう。その点はその点なりに、きちんと整理をされる必要があろうし、また専決に属する事項ですから、き然とした姿勢で処理願いたいと思う。
 それと世論がどう見ているか、きわめてきびしい見方をしている。ですから、この人事のやり方一つでは簡単にいきませんね。そういう世論の動向等にも十二分に関心を払いながら、責任は責任、これからはこれからという、そういう姿勢で望んでほしいと、こう思いますが、いま小柳君の質問の中にもありましたように、株主総会以前、この新聞では、五月の六、七日、何かその前にあるようなことをちょっといっておりますけれども、かなり日限的に迫っていると思う。ですから、だれにきめるなんという、そういうお話はもちろん要りません。けれども、責任は責任としてきちんとしてもらいたいと、こう思うんですが、いかがなものでしょう。
#51
○国務大臣(新谷寅三郎君) 御意見は十分に拝聴いたしました。私の考え方は、先ほど申し上げたとおりでございますから、ただいまのところは白紙の状態で、将来の日航にとって一番よい体制をつくるための努力を続けてまいりたいと思います。
#52
○森中守義君 それでは、その件につきましては、きわめて重大な関心を払いながら大臣の措置を見守ることにいたします。
 次に防衛庁にお尋ねいたしますが、きのうですか、第二回の公判が行なわれたのは。で、この防衛庁の口頭弁論の中で、いままでこの委員会、あるいはその他の委員会等で答えてもらっている内容とは打って変わったような内容になっているようですね。一部も半部も防衛庁には責任がない、過失はないんだ、すべからく航空業者のほうに責任がある、こういう口頭弁論が行なわれた。おそらくこれは公判廷における記者の取材でしょうからこの弁論に間違いないと。で、そうなれば、国会における答弁というものは一体どういうようなことですか、まことに穏やかでない。もうすでにこの委員会で二回か三回同じことをお尋ねしてきましたけれども、全日空にも一部か半部の責任はございましょう。しかしながら、この口頭弁論で言われたようなことは一回も聞いたことはない。一体これはどういうことですか。裁判と国会はどう違います、国会では適当なことを答えた、裁判では防衛庁は無過失だと――もう全く話にならない。この口頭弁論はだれとだれとだれが協議してきめたものですか。
 きょうは総理府も来てもらっておりますけれども、防衛庁長官が、こういう趣旨の弁論を述べろということで了承を与えたものですか。あるいは報告書の関係がある総理府とも相談の上できめたものですか。あるいは運輸省もこの相談に乗っておりますか。新聞では「国が強い主張」と、こう書いてある。だれとだれとだれがきめたのか。この主張の相談に乗った人はだれとだれなのか、その辺から、ひとつお答え願いたい。
#53
○政府委員(小田村四郎君) 昨日、東京地裁で開かれました公判でございますが、これは雫石の事故でなくなられました乗客のお一人の御遺族から提起された損害賠償の訴訟でございます。その訴訟の第二回の準備手続ということで公判が開かれたわけでございますが、私が昨日担当から報告を受けましたところでは、原告側から提出されました訴状がございます。訴状に対する国側の認否を準備書面として提出し、これを説明したという経緯になっております。したがいまして、なお原告側が提出した訴状の一部に訂正の申し出がございまして、その訂正の説明も行なわれております。で、公判自体はそのことで終了いたしまして、今後におきまして国側が積極的な主張あるいは説明を加えていく、こういう経過であったようでございます。
 で、私が報告を受けましたのは以上の事実でございまして、その際に、新聞記事に出ておったような弁論が行なわれたということは、まだ確認いたしておりません。新聞記事が出まして、さっそく法務省及び訴訟代理人として出廷いたしました空幕の職員に真実を尋ねたわけでございますけれども、いずれも本日出張いたしておりまして、まだ内容について確認するに至っておりません。以上が、昨日の公判の、私が報告を受けました内容でございます。
 それから準備書面につきましては、これは原告が国を相手にして提起した訴訟でございまして、その訴訟は法務大臣が国を代理することになっております。で、防衛庁といたしましては、法務省からこれについての意見を徴されまして、この回答はいたしております。法務省とは、どういう態度で訴訟を進めるかということは、たびたび協議いたしておりますけれども、訴訟指揮は法務省が行なうことになっておりますので、自余の省庁とは相談は別にいたしておらないのでございます。
#54
○森中守義君 おかしいではないか。それは空幕のだれか知らぬけれども、きのうのきょうでしょう。しかも担当者は空幕の一人じゃないか、この事実の確認ができないような、そういう状態ですか、防衛庁の組織というのは。ちゃんと準備書面を出して、これは裁判の所定の手続ですからね、しかもその認否を行なったと、こう言うんだけれども、そういうものをちゃんと事前に協議をしているわけでしょう。突然にこういうことをやっているの。一体そんなに手間のかかるような確認のあれができませんか。だめですよ、そういうことでは。このくらい重大な問題が、まだ事実確認ができていないなんて、そんなことで国会通ると思ったら大間違いだ。はっきりしなさいよ。だめだ、そんなことでは。
#55
○政府委員(小田村四郎君) 認否の内容につきましては、これは国から裁判所に書面をもって提出いたしておりますので、その内容につきましては十分承知いたしております。ただ、当日法廷におきましてどういうようなやりとりがあったかということにつきましては、私が報告を受けたところでは、原告側の訴状の修正と、それから国から提出いたしました認否の説明と、このことが行なわれまして、今後の公判においてその認否の内容につきまして国側が具体的な主張あるいは裏づけ等をする、こういうことが決定されたというふうに聞いております。そこで、新聞に出ておりました事実内容につきましては、いま申し上げましたようなことで、ただいままでのところまだ担当者から直接聞いてないわけでございます。
#56
○森中守義君 準備書面をすみやかに提出できますか。
#57
○政府委員(小田村四郎君) 準備書面と申しますか、国側の訴訟を指揮しておりますのは法務省の管轄になりますので、防衛庁の一存でということは、ちょっといたしかねる次第でございます。法務省に問い合わせまして、法務省が差しつかえないということでございますれば、提出させていただきます。
#58
○森中守義君 それは次の機会にまた法務省も来てもらいますけれども、直ちに提出してもらいたい。
 それと、この新聞でいわれている「事故の責任は、全日空機にあり、自衛隊機に過失はない」、こういうような主張が実は問題なんですがね、これは、準備書面等は一切法務省がやっているから防衛庁はあずかり知らないということですか。
#59
○政府委員(小田村四郎君) 私が準備書面の段階におきまして、法務省と打ち合わせをいたしました段階におきましては、自衛隊機に過失があるともないとも、その点は準備書面に記載しておりません。ただ、原告側の主張はもちろん金額が中心でございますけれども、本件事故の内容は全面的に自衛隊機の過失である、全日空機のほうには過失はないと、こういう主張をしておられますので、そのそれぞれの記載事実の内容につきまして、これは認める、これはどう、こういうことを認否したわけでございます。
#60
○森中守義君 ちょっと委員長、非常に重要なことですから法制局に来てもらいたい。
 いままであれですか、防衛庁に限らないで、国が訴訟に関係ある場合には全部法務省に一任するのですか、防衛庁単独にやっていないのか。
#61
○政府委員(小田村四郎君) 原則として法務省が訴訟を指揮するということになっております。詳細につきましては調べまして御答弁いたしたいと思います。
#62
○森中守義君 調べなさい。
#63
○政府委員(小田村四郎君) 少なくとも防衛庁にかかります訴訟につきましては、すべて法務大臣がこれを指揮しております。
#64
○森中守義君 ちょっと根拠をはっきりさせてください。
#65
○委員長(長田裕二君) 速記をとめて。
  〔午後四時十四分速記中止〕
  〔午後四時二十七分速記開始〕
#66
○委員長(長田裕二君) 速記を起こして。
#67
○森中守義君 そこで、法務省がその一切の代行をやる。それは法的根拠がある程度明らかになったので、それはもうわかりました。
 そうなると、どうしても準備書面等が提出されないと、どういうものを主張しているのかその根拠がわからない。
 しかし、きのう、この新聞で見る限り、口頭弁論と、こういっているわけだから、おそらく原告、被告、委嘱を受けた弁護士等によってある程度弁論があったというように理解をしなければならぬのですが、その事実関係はどういうことになっておりますか。口頭弁論をやったのかどうか。
#68
○政府委員(小田村四郎君) 口頭弁論の意味でございますけれども、準備書面の提出も、口頭弁論の中に広い意味で含まれますので、先ほど申し上げましたように、全部で公判は十五分間で終わったそうでございます。
 で、まず被告側、つまり国側から、請求原因に対する認否の準備書面を提出したということでございます。
 それから原告側のほうは、先ほど申し上げましたように、字句の修正を行ないまして、さらに隈、市川両パイロットの航空技能証明書の提出を要求した。これに対し被告側、つまり国側は次回に答えるという答弁をいたしております。
 それから第三に、原告側に対して裁判長から数項目の釈明要求があったわけでございますが、これについては原告側は、被告の主張を待ってから答弁したい、こういう答えをしております。ですから、たとえば隈、市川の技能証明書の提出要求というようなことにつきましての若干の問答は当然あったわけでございますし、字句の訂正とか、あるいは認否の準備書面の読み上げとかいうようなことがあったわけでございますが、そのほかに原告側と被告側、あるいは裁判長と原告、被告側の間にどういうやりとりがあったということについては、まだ報告を受けていないわけでございます。
#69
○森中守義君 そうしますと、さっき私が示した新聞の中身である、「事故の責任は、全日空機にあり、自衛隊機に過失はない」、こういうことは準備書面の中にも入っていない、さっきのお話では。そういうふうに理解していいか。どうですか。
#70
○政府委員(小田村四郎君) 準備書面におきましては、原告側の主張に対してこの点は不知、つまり立証してほしいという言い方、あるいはこの点については争いますということを言っております。その不知あるいは争うという場合に、自衛隊機のほうに過失があったかなかったかというような文言は一切ございません。
#71
○委員長(長田裕二君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#72
○委員長(長田裕二君) 速記をつけて。
#73
○森中守義君 ちょっと、いま局長が言っている、防衛庁に責任がなかったということは、立証してほしい、あるいは争いたいという、いまの意味合いがちょっと私は理解できないんだけれども、どういう意味……。準備書面の中に盛り込む内容としてね。
#74
○政府委員(小田村四郎君) この準備書面は非常に簡単に書いてございますので、あれでございますが、原告側は、いろいろ訴状にこういう事実があり、しかもその責任についてはこれこれの理由で自衛隊機に責任があると、こういうことを言っております。たとえば事実判断の問題につきまして、この点はおかしいではないかというような点につきましては、不知あるいは争うというふうに、また責任につきましても、ここに原告側から出ました訴状には納得しがたいという点につきましては争うと、こういうことを述べておるわけでございます。ですから、国側として自衛隊機が無過失である、あるいは過失はないというようなことはどこにも書いてないわけでございます。
#75
○森中守義君 そうなると、なるほど法律のたてまえとしては、法務省が総括をする、準備書面をつくる、訴訟が展開をされて、それぞれ弁論がこれから展開をされる場合に、法務省が自主的な判断のもとにきめるのか、あるいは防衛庁との協議の上できまっていくのか、その辺はどういう事実関係になるんだろうか。
#76
○政府委員(小田村四郎君) これは、法務省が代表になりますけれども、事故の当事者は防衛庁でございますので、当然防衛庁と協議していただいて態度をおきめいただくことになると思います。なお、その際、法務省として、必ずしも防衛庁だけでなしに他の省庁も必要であると考えられる場合には、他の省庁にも協議なさるということになろうかと思います。
#77
○森中守義君 そうなると、結局防衛庁の主張というものが争いの中心になっている、この事実には違いないね。
#78
○政府委員(小田村四郎君) これは法務省の御判断になるわけでございますけれども、従来の事例に徴しますと、そういうことになろうかと考えております。
#79
○森中守義君 そうなると、いま否定をされたので、一応それなりに受け取っておきますが、少なくとも防衛庁では、防衛庁は全くの無過失であるという考え方は持っていないということですね。
#80
○政府委員(小田村四郎君) この点は実は非常にむずかしい問題でございまして、実は前回、事故調査委員会の報告書が、いろいろ御質問いただいたわけでございますけれども、報告書におきましても責任の帰属については明確な触れ方をしておられません。私どもといたしましては、本件につきましては、自衛隊機、全日空、つまり国側、全日空側、いずれに過失があるのか、また、あるとすればどの程度のものになるのかということを裁判所で公正な御判断をいただきたいと、かように考えております。で、ただいまの御質問の点につきましては、この民事訴訟と申しますのは、攻撃あるいは防御ということばを使っておりますけれども、相互に主張を述べ合いまして、そうしてこの立証を逐次重ねていくということになっております。そういうような関係がございまして、今後の訴訟の一つの重要なポイントとなるように思われますので、現段階におきまして明言することは控えさしていただきたいというふうに考えております。
#81
○森中守義君 これは勘違いされちゃ困るわけだ、ここは法廷でないのでね。法廷は法廷でいいですよ。ここでは、少なくともいままでは、報告書を他は全部是認をした、防衛庁だけが是認をしない、しかしながら、是認はしていないけれども、責任の分限については無過失だということは言っていなかったわけだ、ここでは。ある部分の責任は全日空側にもあるような言い方をしてきた。ここでは全然そのことじゃなくて、すべて全日空の責任であって防衛庁は無過失だと、こういうことであるものだから、あらためて問題にしたわけなんですよ。
 それと、いま一つは、むやみに国、国と言うけれども、一体、国とはどういう意味合いのことで使うんですか。運輸省も含むのか、総理府も含むのか。これは問題だよ。運輸省は是認している、総理府も是認している、是認しないのは防衛庁だけ。それなのに、いかにも政府全体のような言い方として国の主張と言われるということになると、これは非常に問題がある。そこの使いわけ、どうしますか。じゃ、表向きには訴訟の総括は法務省がやる、しかし防衛庁と同様に、運輸省も総理府も一緒に入って準備書面をつくったのか、あるいは訴訟対策をやっているんですか。これまた事実関係をはっきりさしてもらいましょう。
#82
○政府委員(小田村四郎君) 法律上の問題といたしまして、国ということばを使いますときは非常に広い概念でございます。地方公共団体あるいはその関係に属さない人々に対しまして、国家機構全体を国ということばで使いますので、もちろん行政府各省はすべてその範疇に入るわけでございます。
 なお、今回の訴訟につきまして、各省間で協議したかという点につきましては、先ほども申し上げましたとおり、防衛庁と法務省と協議いたしましたけれども、他の各省とは協議していないと、私は承知いたしております。
#83
○森中守義君 それならば、前段の一般論は私もわかる、まさにそのとおりだ。しかし、こういう固有の問題、しかも限定された問題について、広義な意味合いの国というものは間違いですよ。運輸省も総理府もいいですか。国ということで使われて、あたかも関係の運輸省、総理府も防衛庁の主張に異論がない、つまり政府一体のものとしてこの訴訟に当たっているという、そういう言い方をいま防衛庁はしているわけだ、国という意味で。きわめて広義な解釈で国と言っている。いいですか、それで。運輸大臣、総理府いいですか、それで。
#84
○政府委員(小田村四郎君) これは、私が答弁するのはやや越権かもしれませんので、むしろ訴訟を担当しておられます法務省から答えていただかなければ、正確なお答えにならないかと思いますけれども、国家賠償法におきましても、国家公務員が権力の行使に当たって不当に損害を与えた場合には、賠償の責めに任ずる、この国というのは広く国家機構全般をさしておるわけでございます。従来から訴訟は、国を相手といたします訴訟は非常に数多いわけでございますけれども、その場合、当事者でありますところの省庁、それから法務省との間で協議をいたしまして、特に必要がある場合に、他の各省と連絡をとるというのがたてまえになっておりますので、今回の場合もその例にならったものと考えられるわけでございます。
#85
○森中守義君 それならば、各省庁の調整を先にやりなさいよ。それをやらないでいて、単に防衛庁というように限定しているなら話はわかる。それから国ということになると関係がある。さしずめ運輸省、総理府がある。ここも同様に、防衛庁の主張のように、同じ主張に立っているかどうか問題ですよ、これは。その辺の調整をつけないで、すべからく広義に解釈して、政府だ、国だと、こういうことじゃ、これは防衛庁少し行き過ぎですよ。問題だよ、それは。次官、国などと言わないで、防衛庁と限定して言うべきだ。それは聞く側にしてみると、国だとこう言うならば、報告書を是認している運輸省、総理府が、いつの間に防衛庁と同じ主張をするようになったんだと、こういう疑問が出てきますよ。なるほど国家賠償法は、公務執行中にという表現があるからね、それはなるほど国家賠償法の適用には、そういう広義な意味もあるだろうけれども、この際、この訴訟に関して、国、政府というような言い方はどうかと思う。もうそうすればするように、これはひとつ関係の省庁で調整しなさいよ。防衛庁の主張するのでいいというならば、話は別です。調整すべきところが何にもないのに、調整もしていないで、国がなんて言ったら、それはたいへんな問題だよ。
#86
○木村睦男君 委員長、議事進行。速記とめてください。
#87
○委員長(長田裕二君) 速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#88
○委員長(長田裕二君) 速記を起こして。
#89
○森中守義君 もう一回、念を押しますが、ここで言われるように、防衛庁は全く無過失であったという考え方を持っていない、新聞の報道というのは、だいぶ事実にもとっているというふうに理解していいですね。
#90
○政府委員(小田村四郎君) 新聞の報道は事実にもとっておるかどうか、これは事実を確認いたしましてお答えいたしたいと思っております。現在まだ事実を確認できておりませんので、もとっておるかどうかということは、ちょっと申し上げかねるわけでございます。
 それから、この事件につきましての過失責任の問題でございますが、これは先ほど申し上げましたとおり、裁判の過程におきまして、裁判所において公正な判断をしていただきたいというのが私どもの念願でございまして、その裁判の進行中にどういうような主張をしていくかということにつきましては、今後さらに詰めてまいりますわけでございますし、訴訟の内容に非常に微妙な関係がございますので、お答えいたしかねる次第でございます。
#91
○森中守義君 これはまた前回のに戻るんだけれども、裁判で公正な審判を求めたいと、こう言われるんだが、そうなると、これは公平な審判にならない。これは一体どうなんです。それでこれは、無過失ということを、容易に私の答弁にすっきり答えないというんなら、やはり無過失ということを信じているんですか、無過失を主張するんですか。
#92
○政府委員(小田村四郎君) ただいま申し上げましたとおり、原告の訴状に対してどの点を認否するかという点をとりあえず協議した次第でございます。今後、具体的な主張をしてまいるわけでございますけれども、その具体的な主張をどのようにするかということについては、今後しさいに詰めてまいりたい、こういうように考えております。そういう関係もございまして、ただいまの御質問につきまして、御答弁をいたしますことは、きわめてむずかしい、現段階におきましてはこれを差し控えさしていただきたい、かように考えておるわけでございます。
#93
○森中守義君 そうすると、いままで無過失ということは、ここでは一回も防衛庁言ったことない。きょうこういう新聞が出て、この準備書面を見ていないからどういう内容かわからないけれども、準備書面にも無過失というのは言っちゃおりませんと、こう言っているわけだね。しかるにいま質疑応答の中では、無過失ということを否定せず肯定せず、どういう主張を続けるかはこれからだということになると、いままでここで答えてきたのでは無過失ということの主張は全然なかった。そうなると、いままでの答弁と、きょうあらためてこれを否定せず肯定せずという、この食い違いはどういうことになりますかつどうなんですか。全く新たな問題だね、そういうことじゃないですか。無過失といままで言ったことありませんよ。防衛庁は是認するのかしないのか、各省どうだと聞いたときにみんな是認するという答えがあった。防衛庁は報告書を謙虚に受けとめるといいながらも、無過失とは言っていない。当然見張り義務を怠った疑いがあるというようなことは何回か言われているが、無過失というのはないんだ、一回もいままでないんだ。全く新たな主張ですね。それならそれでなぜ最初無過失ですと言わない。
 また無過失ということになると、国家賠償法の適用上どういうことになりますか。最初から無過失だと思ったら。国家賠償法の適用は必要ないでしょう。過失を認めたればこそ国家賠償法を適用した。こういう関係はどうなりますか。それもあるし、私はこの前、運輸大臣に、この問題については総務長官、防衛庁長官、三名でよく話し合いをして、この報告書の扱いをどうするのか。しかもこの前、私が防衛庁から出してもらった山縣委員会への照会状、その中にも無過失ということは一つもない。見張り義務の問題等があの中に触れられている程度ですよ。全く無過失とは百八十度事実に対する主張というものを転回している。これは全く新たな問題である。新たな問題であり重要な問題ですよ。いいんですか、そういうことで。
 しかも、この前、速記のとまっている間に、三国務大臣の話し合いにはまかせられないというような話も、ちょっとささやかれたようだったが、その際も無過失ということは言われていない。これは局長に聞いてもしょうがない。政務次官、無過失というのは全く新たな問題ですよ。いいですね、そういうことで。最初から全然主張もしないで、いま新聞が出てきた。くどいようだけれども、準備書面の中にも無過失というのは言っちゃおりません。しかし新聞に出ているじゃないか、こう言ったら、これから先こういう主張をどうするかというのは検討する、ということになると、これはもう全く重大問題です。報告書を全面的に否認することになる。いいのですか、そういう姿勢で。
 それと、運輸大臣のほうから、総務長官あるいは防衛庁長官に近々相談があるはずですがね。無過失という踏まえ方をしているならば、これは国務大臣が何回話し合ってもまとまる話じゃありませんよ。どう思いますか。ほんとうに無過失ということを主張するのですか。撤回するのはいまですよ。三回も四回も委員会で責任が問われながら、無過失ということは一回も言ったことはなかった。いまの、経理局長がこの無過失についてはどういう取り扱いをするかは、これから検討したいということであれば、それは、無過失ということはかなり防衛庁としては強烈な主張の一部をなしている、こういうふうに私は思うのですが、もしそういうことだと言われるならば、問題は新たな角度から、おそらく単にこの委員会だけでなくて、もっと広い視野から、広い舞台で防衛庁の姿勢をただしていくことになるでしょう。どうですか。取り消すならいまですよ。取り消しなさい。
#94
○政府委員(箕輪登君) 防衛庁側といたしましては、過去におきましても、また現在も無過失であるということは、一度も申し上げたことはございません。
 ただ、今朝の新聞に出た記事が、先生はこういうふうに政府側がしゃべったのだ、答弁したのだ……
#95
○森中守義君 政府側じゃない、防衛庁だ。
#96
○政府委員(箕輪登君) 防衛庁とは書いてないので、国側が……。防衛庁とは書いておらないと思います、国側が、こういう答弁をした。
 無過失であるというふうなことを言ったという事実については、ただいま経理局長が説明しましたように、まだ、残念ながら確認をとっておりませんので、そのことについて、これはどうだどうだと聞かれてもお答えはできないと思います。
 しかし、冒頭に申し上げましたように、わがほうにも、私は一部の責任が絶対ないとはだれも考えていないと思うのです。ですから過去においても、いまにおいても、無過失であるということは申し上げておりません。したがって、その事実に、新聞の事実に基づいて先生が御質問なさるならば、ひとつ事実を突き詰めて、私のほうからも三名出ておりますから、よく突き詰めた上で先生に御答弁申し上げたい、かように思うわけです。
#97
○森中守義君 ちょっと政務次官、経理局長の言っているのとだいぶ違いますよ。経理局長は事実関係を確認するとは言っていない。無過失であるのかどうかということは、慎重にこれから訴訟の展開の中で検討したいと、こう言っている。だから私は、無過失というのはいままで出たことはないじゃないか、いままでの主張が根底から変わったと、こう言っているのですよ。あなたの言われるように、新聞関係の事実関係を確認をしてという意味なら、まだ話はわかるけれども、一応主張したいと言っている。どういう主張をするかはこれから考える、こういうのだから。だから防衛庁の事務官僚の中には、無過失という観念というのは相当強いのだ、こう私は言っているのですよ。それが問題なんでね。そういうことないならないと言いなさい。それは何も新聞を基礎にしてものを言うわけはない。無過失なんか考えておりませんというならば、もとの議論に戻るわけですから、それでいいのですよ。
#98
○政府委員(箕輪登君) 先ほど、経理局長が先生の御質問にお答えした趣旨は、あとで速記録をお読みになるとわかると思うのでありますが、私はこのように聞いておったのです。ということは、今後防衛庁は無過失という態度で法廷に臨むのかという先生の質問に対して、法廷でそういうことを言った事実もまだわからないわけですから、われわれはそういうことを言ったこともないけれども、法廷で言った確たる事実もわからないので、今後法廷の裁判問題に非常に微妙な影響がございます。言ったならば、またそれに対する対応を考えなければなりませんし、法廷に対して微妙な影響があるので、お答えができないというようなことを申し上げたのだろうと思うのです。私はそのように聞いておったんでございますが、ちょっと先生の考え方と違いますかもしれませんけれども、ただほんとうに、何といいますか、防衛庁が全然無過失であると、それで貫くんだというようなことは、一回も過去において申し上げたこともございませんし、今日も申し上げておりません。
 しかし、そういう事実が新聞に出てしまう、その事実が、ほんとうにそういうことを言ったかどうかについては、確認をしておりませんし、法務省のほうとも相談をしながら、ほんとうに言ったかどうかということを聞きながら、微妙な影響を及ぼすので、後日先生に御報告を申し上げたいと、こういうような趣旨の答弁をされたものと、私は聞いておったわけでございます。
#99
○森中守義君 まあ、いまの政務次官のお答えだと、ずいぶん違う。そのとおりに受け取っていいですね。経理局長の答弁はなかったものと、政務次官の言われたことが正しい防衛庁の見解である、そういう認識でいいですね。
#100
○政府委員(箕輪登君) そのとおりでけっこうでございます。
#101
○森中守義君 いいですね。それだと、きょうはひとつこの程度にしておきましょう。
 それで、準備書面は必ず出してくださいよ。それとさっき経理局長が言っていた、何か裁判所で提出を求められた書類、認否に関する二、三の書類の提出を求められたと、裁判所側からね。何かそういう話があった。そういう書類も出してください。
 それと運輸大臣、この前の約束である三大臣の協議ですね、まあこれはひとつ早急に進めていただきたいと思う。それと総理府のほうも、これはどちらかというと大体総理府の所管なんですよ。調査委員会をつくって報告書を受け取ったのは総理府だから。まあそれを運輸大臣にとにかく骨を折ってくれと私は言っているんだが、協力して早く三大臣の会合をやってくださいよ。よろしゅうございますか。
#102
○国務大臣(新谷寅三郎君) この前に申し上げたように、この前にお尋ねがあったときには、三省庁のこの報告書に対する見方が必ずしも一致しなかったように思うのです。それじゃ困るから、この結論が出るかどうかわかりませんがね。わかりませんが、当時からの関係の三大臣の間で、この報告書について、これをどういうふうに認識をして取り扱うかということについての意思交換をしましょうということ申し上げたつもりです。で、さっそく総務長官とは翌日会って、そういうふうな希望が運輸委員会でもあったから、一ぺん三大臣で、できるだけ早く話し合いましょうと言ったら、それはけっこうですと、それからその後、なかなか防衛庁長官がつかまらないで、一日、二日してつかまったので、そのことを言いました。防衛庁長官も聞いておられたとみえて、それでひとつ一ぺん話し合いましょうと、こういうことになっています。
 だからそういう機会ができると思いますので、とにかく結果は別として、この報告書についての考え方が違うようですから、受け取り方が違うようですから、それをどういうふうに認識をするか、これはまあ私は、この間は大臣としては私だけだったものですから、何か出しゃばったみたいですけれども、むしろ総務長官あたりにまとめてもらうようにしたいと思います。とにかくできるだけ早く、機会を見つけて話し合いをしてみようと思っています。
#103
○政府委員(小宮山重四郎君) 先生の御趣旨、いま運輸大臣の申されましたこと、総務長官にお伝え申し上げまして、運輸大臣の趣旨に沿うたようなことに、早急に運びたいと思っております。
#104
○森中守義君 これで終わりますが、防衛庁も大臣の健康なども聞いておりますけれども、出してくださいよ。きょう故意に避けたわけでもないでしょうけれども、どうしてもこの問題は、防衛庁長官に出席を求めないと、役人相手じゃ話にならぬのだ。
 それと何か、前回かきょうあたり、裁判でということをしきりに言っているけれども、これの権威というものは一体どう考えているのか、全く防衛庁の姿勢というものは、権威あるべき事故調査委員会の報告書というものを歯牙にもかけないという姿勢がありありと見える。これはもう大問題こういうこともひとつ政務次官、特にきょうの幕切れにあたって、私は防衛庁に、この報告書、委員会に対する認識というものを変えてもらう必要がある。そうでないと、三大臣の会談にも、なかなかこれは、防衛庁の姿勢というものが問題になってまとまりませんよ。これを踏まえなければ、裁判が何ですか、裁判が何ですかというわけにもいかぬけれども、裁判よりも報告書ですよ。全然こういう点、問題にしないというのじゃ話になりませんから、大臣を出してもらうことと、報告書をどういったように踏まえて、ものの処理に当たろうとするのか、その辺を、私はこの次の火曜日にもう一回お尋ねすることにしておきます。
#105
○政府委員(箕輪登君) 御趣旨はよくわかったわけでありますが、事故調査のうちの報告書につきましては、先般の運輸委員会でも、先生にお答えいたしましたとおり、私どもは権威のあるものと思っております。ただその一部に不分明なところがあるので照会を出したということで、先生のおしかりをこうむっているわけでありますが、ただし先生おっしゃるとおり、だれも疑義を抱かないということではございません。防衛庁だけが疑義を抱いているのじゃございませんで、たとえば航空安全推進連絡会議というようなものがございます。これはパイロットだとか、管制官だとか、こういった方々がつくっている会議でございますが、これも不分明なところが多々あるということで、公開質問状を出されていることは、先生も御承知だと思います。また先生の所属する社会党の衆議院の先生、参議院の先生が、こういう公開質問状が出ているのに、なぜこれを取り次がないのかというような御質問等も、衆参の運輸委員会でしていることも事実であります。したがって、やはり不分明な点については、わがほうだけではなしに、ほかのほうでもやっぱりこれは不分明だということを言っているのでありまして、この点は、先生ひとつ、防衛庁だけが不分明と言っていることでないことだけは御理解をいただきたい、かように思うのであります。
 また、大臣につきましては、病状について非常に御心配の御発言がございましたけれども、できるだけ出るようにしたいと思います。きょうもお出になっていただこうと思ったのでありますが、ちょうど病院で治療される時間にぶつかってしまいまして、まことに出席ができなくて残念に思いますが、できる限り大臣を出すように、私どものほうもおすすめを申し上げたい、かように思う次第でございます。どうもありがとうございました。
#106
○委員長(長田裕二君) ほかに御発言もなければ、本件に対する本日の調査はこの程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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