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1972/07/10 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 運輸委員会 第20号
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1972/07/10 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 運輸委員会 第20号

#1
第071回国会 運輸委員会 第20号
昭和四十八年七月十日(火曜日)
   午後零時一分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         長田 裕二君
    理 事
                江藤  智君
                木村 睦男君
                山崎 竜男君
                小柳  勇君
    委 員
                岡本  悟君
                黒住 忠行君
                菅野 儀作君
                高橋 邦雄君
                橘  直治君
                松平 勇雄君
                渡辺一太郎君
                伊部  真君
                杉山善太郎君
                瀬谷 英行君
                森中 守義君
                阿部 憲一君
                三木 忠雄君
                田渕 哲也君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  新谷寅三郎君
   政府委員
       運輸大臣官房長  薗村 泰彦君
       運輸大臣官房審
       議官       原田昇左右君
       運輸省鉄道監督
       局長       秋富 公正君
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部長  住田 正二君
       運輸省自動車局
       長        小林 正興君
       建設政務次官   松野 幸泰君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        池部 幸雄君
   説明員
       環境庁大気保全
       局特殊公害課長  鈴木 善晴君
       日本国有鉄道総
       裁        磯崎  叡君
       日本国有鉄道副
       総裁       井上 邦之君
       日本国有鉄道理
       事        小林 正知君
       日本国有鉄道理
       事        原岡 幸吉君
       日本国有鉄道理
       事        内田 隆滋君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進
 特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(長田裕二君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 この際、御報告いたします。
 去る七月五日の本委員会におきまして、委員長一任となりました国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案の審査に資するための公聴会に関する件並びに委員派遣に関する件につきましては、理事と協議の結果、次のとおり決定いたしました。
 まず、公聴会につきましては、来たる七月十六日午後一時開会とし、公述人の人数は四人、一人の陳述時間は二十分程度でお願いすること。次に、委員派遣につきましては、武蔵野線の現地視察及び大阪地区の通勤輸送状況視察を来たる七月十七日及び十八日に行なうこと。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(長田裕二君) 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回の伊部君の質問に対する答弁の残りがございます。その一つは、土地の値上がりによる工事費の取り扱いについて。もう一つは、システムチェンジの指導官署についてであります。伊部君。
#4
○伊部真君 少し内容について説明をしてからお答えをいただきたいと思うんでありますが、一つは、前回の質問のときに具体的なお答えがなかったんでありますけれども、それは、総合交通に関しては総理の御出席をいただいて、そこで全体的な問題について討議をし、見通しなんかをつけたいと思うんでありますけれども、たとえばいまやはり規制、誘導をせなければならぬ旅客面において、貨物の面において、具体的な方法をひとつ教えていただきたいと思う。
 私は前のときにこういう質問をしたんです。旅客面でも営業車と自家用車の比率というのが非常に効率の面で開きがある。保有台数は旅客面では、いわゆる営業車が二・八の保有であってその他は自家用だと。しかし現実に運んでいる人キロは営業車が四五%で、トラックの面では六・七%から七%ぐらいが営業車の保有台数であります。自家用車は大体二三%、こういう状態になると、これをどうして誘導していくかということが問題だろうと思う。あるいはどうして規制をしていくかということが問題だろうと思う。それに対する具体的な規制だとか誘導の方法について、お考えがあるかということです。
 それからもう一つは、貨物の面でのこれからの輸送というのは、やはり従来の輸送体系よりはシステム的にもチェンジしていかなければならぬ。そこで考えられることは、やはりターミナルを拠点とした輸送方式、いわゆる共同一貫輸送方式をこれから考えるとすると、トラックとレール、あるいは船ということの結合体をスムーズにするということならば、それの結び目というもの、結接点というものを円滑にしていかなきゃならぬ。そういう意味でいろんなターミナルがあるんでしょうけれども、複合ターミナル、自動車ターミナル、自動車ターミナルというような状態もありましょう。これは当然に国鉄でつくる、運輸省は運輸省で自動車ターミナルをつくるというやり方ではいかぬと思いますね。当然これは結合されて、港湾鉄もそれから運輸省も国鉄も結合されてつくっていかなきゃいかぬということ、この問題について、どうお考えなのか。
 それからもう一つは、そこでつくられたいままでのターミナルというのは、今日までのターミナルとは違ったものになっていかなきゃならぬ。それは輸送の効率化をはかるという意味では、いままでのように積みかえだけのターミナルということではだめだと、もちろんこれにはいわゆる保管だとか加工だとかという問題を、そこへ任務を負荷さして、そしてやはり輸送というものが、何べんも市街地を行ったり来たりするんじゃなしに、やはり都心の外側でのターミナルの設備というものを考えていく、そういうふうに考えなければならぬだろうと思うんです。いまのところは、たとえば東京でいいますと、国鉄はある程度の複合ターミナルは考えておられるようです。たとえば武蔵野線の場合は越谷にしても新座にしても梶ケ谷でも、あるいは自動車の場合でも、西南地区あるいは板橋、足立あるいは千葉というふうな状態がありますね。しかし、こういう形というのは、どうして国鉄と運輸省との結合ができないんだろうか、そういうシステムチェンジのルールについてだれが指導をしてだれが主管をしていくのかということ、同時にそういうことについてのこれからの方針についてひとつ明らかにしていただきたい。
 もう一点は工事費の問題です。工事費の問題については、お答えをいただいたのでは大体全体の一五%程度が土地を対象にするというお話がありました。これは新幹線だけではなしに、全体を見ると十兆五千億の工事費の中で一五%になると一兆円をこすわけですね。一兆円をこしたら、これは土地だけで一兆円というものを対象にして考えてみますと、過去十年間の土地の値上がり等を考えると、これからの実績はそれ以上になるのじゃないかと推定はされますけども、かりに過去十年間の実績どおりといたしましても四倍になるだろう、言いかえれば一兆円の工事費は四兆円の工事費を用意せなければ土地というものは取得できないだろう、それに国鉄のほうでは、二%ないし三%の上昇というふうに考えられておられるとするなれば、これは当然そこで工事費の追加をするか、工事を延ばすかどっちかにせなきゃならぬだろうというふうに思うわけです。お答えでは、物価上昇はそういうようなことにならぬだろう、あるいは土地はそういうことにならぬだろうということをお答えでありますけれども、それは常識を私は越えていると思います。常識的に言って、やはり今日の状態から一兆円なら一兆円が今度四兆円の費用が要るということは常識だと思う。その場合に工事の延長を考えるのか、あるいは新たな財政処置を考えるのか、財政処置を考えるとするならば、私は十年間の十兆五千億という工事費をここに提示されること自体に、私は非常に疑問を持つわけなんですけれども、この二つについてお答えをいただきたいと、こう思います。
#5
○国務大臣(新谷寅三郎君) 初めの問題でございますが、非常に広範にわたりますので要点だけ簡単にお答えいたします。
 いろいろこの間も御議論がありまして、一応はこの問題についても私はお答えしたつもりでおるわけでございます。ターミナルの問題でございますとか、一貫輸送の問題でございますとか、そういった問題についても、この前申し上げたことを繰り返すようなことになるんですけれども、何か総合交通体系というような形でわれわれに答申があったり、あるいは閣僚協の間で当面守るべき方向について決定がなされたりしたのでありますが、われわれはそういう方向に沿いまして、あなたのおっしゃるような、何らかの誘導的な政策はとる必要があると考えております。いま現に提案しておる十カ年計画の中にもそういう実質的な誘導政策というようなものは相当に盛り込んでおるつもりでおるんです。ただ、誤解があるかもしれませんが、誘導政策というと、すぐに何か直接税制を改正をしろとか、あるいは強制的な法律をつくってそれを実行しろとかいうふうにしないと、これは誘導政策ではないんだというふうなことをお考えになる方がございますけれども、私どもはやはり統制経済、計画経済という方針でやっておるんじゃございませんので、総合交通体系にもありますように、やはり競争原理というものを生かしながら、各交通機関の特色を生かして、相互の間で調和のとれた、そうしてお互いに関連を持った交通政策をとって、そして輸送需要にこたえていこうと、こういうことが骨子でございますから、その点については、これはこの前も申し上げたんですが、国鉄の貨物の輸送体制を変えようと、それにはこれだけの設備をいたしまして、こういう方法で一貫輸送に努力をいたしますと、こう申し上げておることは、いままではそういうことが十分できてなかった、そのために国鉄の貨物輸送の分野が非常に毎年減ってきているというような実情でございますから、それに対しては、今度はあなたのお考えからすると、その点で誘導政策を少し強化しまして、実質的に国鉄のシェアがふえるような、そういう方面に誘導していこうというのがねらいでございます。ですから趣旨としましては、おっしゃることよくわかります。わかりますが、ただ西ドイツのレーバープランみたいに法律でも出してというようなことはいたしておりませんが、内容的には政策としてはそういう誘導する方向で努力をするということでございます。
 ただ、お話しになったターミナルの問題ですね、これなんかは、もちろん自動車は自動車、国鉄は国鉄でばらばらに計画して、その間に何らの連絡がないというものではないのでございまして、場所が離れているから連絡がないじゃないかということではない。その間両方ともターミナルが、場所は離れておりましても、これはお互いに連絡をとりながら、国鉄と自動車との関連を考えつつ、最も利用者にとって便利な方法でこれは結合さしているということだと考えております。
 そういったことに対する指導ばだれがするんだ、だれが主管をして、つまりだれが責任あるんだと、こういうことでございますが、いま申し上げましたような点に関しまして、この間お話しになったような道路の問題でございますとか、あるいは道路の中でも警察庁に関係する問題でございますとか、そういった問題になりますと、これはどうしても各省庁が連絡を緊密にして、各省庁の間でお互いに統一した方針をもって指導していく以外にないと思います。基本的な計画を立てていくのはおそらくこれは経済企画庁が中心になるだろうと思いますけれども、しかし、それでなくって、運輸省関係の海運、それから国鉄あるいは自動車等について、どこかでまとめなけりゃならぬ。それをどこでやるのかということは、いまの運輸省の設置法及びその組織令等において書いてございますように、これは大臣官房の企画部門でそういったことを現在も行なっております。今後も必要に応じまして、この部門を強化しながら、運輸省関係のそういう総合調整の仕事をやらしたいと思っております。
 それから工事費の問題については、あるいは国鉄から具体的にお答えになるかもしれませんが、この間も申し上げましたように、十年先の問題でございますから、一応われわれは、これはただ無責任な数字を出しているわけではないんですけれども、十年先の輸送需要、それに対応する施設というようなことを考えますと、これは的確にいまから予測をしまして、これは十年間絶対に変わらないんですというようなものは、これは常識で考えても出るものとは考えておりません。実行いたします場合に、いろいろ変更が出てくることはやむを得ないと思います。ただ現在考えておりますいろんなデータ、それをもとにして考えてまいりますと、十年間のことでございますから、いままだ初年度で、多少の異常な現象が出ましても、それが十年間同じような現象であるとは考えておりません。これは十年間の長期に考えますと、その間では消化できるものだろう、こういうことを考えながら十年間の計画に対処していこうということをいまは考えております。もしも、それなら途中で異常な事態があって、どうしても既定の計画が実行できない場合はどうするか、こういうことになってまいりますが、そのときには、その事態に応じまして、あるいは工事について変更を加えるかもしれませんし、あるいは財政的な援助を強化するかもしれませんし、その事態に応じまして、輸送需要とも対応させながら国鉄の本来の機能が発揮されて、そして国民の方々の期待にこたえられるような体制づくりをしなけりゃならぬということは、言うまでもないのでございまして、いまあなたがおっしゃるように、もう初めから計画がこわれているじゃないか、そうすると、いまの十兆五千億、そういった計画というものは初めから変更しなけりゃ困るじゃないか、こういうような御趣旨のように承わりましたが、ただいまのところはそういう考えは持っておりませんで、この計画で推進していこう、そして、もしも予期しないようなことが万一起こりました場合には、それの事態に対処するような臨機の方法をとっていこう、こういう考え方で進んでおる次第でございます。
#6
○伊部真君 私は、前段の問題については、これはきょうは時間がありませんから、いずれまた機会を得て質問をいたします。
 しかし私の申し上げているのは、交通問題については各省で意見がまちまちに出ているわけです。たとえば経済企画庁も出しておりますし、あるいは建設省も出しております。それから警察庁も出しております。法案自身も、いわゆる自動車ターミナル法案というものが別に出てきたり、ターミナルの設置については、やはり国鉄は国鉄の別に建設計画が出てきたりというふうなことになっているわけです。ほんとうは私はやっぱり、どっかが、主管が明確になって、そしてその指揮をとっていく。ここへ国鉄はこういう総合ターミナルをつくりなさい、港湾はこういうところへ全体輸送としてつくりなさいというふうな、どっかやっぱり指揮をする主管官庁がなければならぬと思うんですよ。そうでないと、これは非常に、道路計画でも結合が非常にむずかしいわけですから、そういうことを申し上げているのですが、これは総合交通の問題もありますから、総理の出席を得たときにも、またこの問題についてはやる機会を得たいと思います。そこでこれはもうやめます。
 ただ私は、工事費の問題については、大臣がおっしゃるとおりなら、そのとおり提案されるべきじゃないでしょうか、そのとおりに。これは一つの意見として統一をして、たとえば工事費が、そういう今日の物価高の問題があるから、それが十分に遂行できない場合は工事が延びるという場合も考えられるとか、あるいはそのときに財政的な措置をするというふうなこと、この二つのどっちかを選んで、そのとおりここに提案されて持ってこられるのがほんとうじゃないでしょうか。そうでないと、われわれが十兆五千億の工事の内容について、物価あるいは土地騰貴の問題から関連して質問があったときに、それは当然その事態で考えますということになれば、私は内容としては非常に不親切なように思います。やっぱりこれはこういう提案があったときに、具体的にそれの措置を、そういう場合にはこうするのだという提案が、私は付帯して出されるべきではなかろうかというふうに思うわけであります。これは私は意見として申し上げます。いずれほかの委員もこの問題に触れられるだろうと思いますが、そういう点については、いま少し具体的に説明をしてほしかったということを申し上げて、私の質問を終わります。
#7
○委員長(長田裕二君) これにて伊部君の質問は終了いたしました。
 午前中の審査はこの程度といたします。一時まで休憩いたします。
   午後零時二十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二十分開会
#8
○委員長(長田裕二君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 午前に引き続き、国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を政正する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#9
○瀬谷英行君 私は、ほんとうなら総論から入っていくんですけれども、各論から順繰り総論に入っていってみようと思っているんです。
 ことし三月に上尾事件というのがありました。それから国電の暴動事件といったようなものもあったわけです。上尾事件についてはいろいろ背景があったと思うんですが、国鉄として、上尾事件の教訓を生かすといったようなことはどのように考えられておるのか、その点からお伺いをしたいと思います。
#10
○説明員(磯崎叡君) 去る三月の上尾事件につきましては、直後の国会におきましてしばしば御質問がございまして、私も答弁をいたしております。
 まず、あの事件そのものの背景ということは私はよくわかりませんが、あるいはこれを仕組んだものだとか、そういうふうないろいろなことは、これは全くわかりません。別といたしまして、直接の原因としては、御承知のとおり、当時非常にダイヤが乱れて、そして朝七時前後の一番込むときに約四、五十分電車が来なかったというふうなことが直接の原因だったと思います。間接の原因といたしましては、やはり相当通勤輸送が込んでいるというふうなこともございまして、通勤者の中で通勤輸送に対する不満のあったことも事実だというふうに考えます。そういう直接、間接の原因がああいう結果になったというふうに考えるわけでございまして、われわれのほうといたしましては、あのときも申し上げましたが、やはり根本的に住居の問題と輸送力の問題というものをどうしてもあわせて考えていただきたい、家ばかりどんどんつくってしまって、足のない家ができてしまったんでは困る、家は一年たてばできますが、鉄道の輸送力は、御承知のとおり五年あるいは長いものだと十年かかるというふうな現状でございますので、住宅政策と交通政策というものは一体にして、むしろ交通政策が先行するというふうな形でなければ、どんどん家をつくって、あと始末をしろとおっしゃってもこれはなかなかできないということを申し上げました。
 一方、全体としての人口の増加の趨勢というものは、これは避けがたいものでございますので、いまの計画におきましても、今後の十カ年計画におきましても、通勤輸送の改善ということについては相当力を入れ、また実績もあがっているというふうに思うわけでございます。あの事件の教訓というものは、全体から見ればやはり住宅問題と輸送問題、それから国鉄だけから申しますれば通勤輸送の問題というものをもう一ぺん見直して考える必要があるということでございます。いろいろな教訓がございましたが、取りまとめて申しますればそのようなことだというふうに考えます。
#11
○瀬谷英行君 住居と輸送力の問題、これは予算委員会のときも私お聞きしましたし、総裁からもそういう答弁があったわけですよ。国鉄の輸送におかまいなしにどんどん団地ができてしまう、国鉄としては運び切れなくなってたいへんに迷惑をする、こういう趣旨の発言があったわけですね。しかしこれは、できてしまったものはしようがないわけですな、住宅が。幾ら運輸省にあいさつがなくたって、できてしまったものはもう押えようがないわけです。そういうところへ出てきた人はみんな都心へ通うわけですから、国鉄を利用するようになる、乗り切れなくなる、これはもう当然なんですね。しかし、それはもう、ぐちを言ってみても始まらないんですね。だから、それを運ぶような方法を考えるほかないでしょう。未婚の母と同じなんですよね。生まれてしまったものはしようがないです、これは。これは、ダンボールへ入れて捨てるなんというの、はやっているけれども、そういうことはできないんだから、だから育てなきゃならぬ。そうすると、国鉄はどうしてもそれを運ぶという義務がある。私鉄が近所にあればそれは私鉄が運ばなければならぬ。その場合に、これがおくれているというよりも、上尾事件の場合は全然手が打たれてないと思うんですよ。
 これは住宅公団あるいは建設省のほうと全然打ち合わせがなかったのかどうか、それはわかりませんが、しかし、これでいいのかということですね、これは。あそこで暴動が起きた、しかし、この事件をいろいろと調べてみますと、かなり意図的、計画的なものがあったと思います。しかし、それがあったとしても、この上尾というところに火をつければ、すぐ燃え上がるような要因があったということは、計画をした人間も計算をしていたと思うんです。したがって、それを計画した人間がだれであるかという問題はもちろんあります。警察がこれを偶発的事件として片づけてしまった、捜査もしないでほったらかしにしたということがいいか悪いか、これは大いに問題のあるところです。しかし、警察は偶発的事件として片づけてしまったほうが自分たちは仕事をしないでいいんだから都合かいいかもしれませんが、問題は残っているわけですよ。この問題が残っているのを一体国鉄としてはどうするかということですね。現在の通勤輸送はもう飽和状態に達しているというふうに思われるんでありますけれども、国鉄は、今後、この上尾のみならず、上尾の駅のある高崎線全体についてどのような方法でその輸送の強化をはかろうとしているのか、当面そういう計画がないならば一体どうするか、あるのかないのか、それらの点についてもお伺いしたいと思うんです。
#12
○政府委員(原田昇左右君) 先生御指摘のように、近年大都市圏の人口集中が激しくて、これに対しまして大量交通機関を有効に活用するということでいろいろやってまいっておるわけでございます。もちろん国鉄もそうでございますが、首都交通圏全体につきましては、運輸省といたしましても、私鉄あるいは地下鉄の建設、それと地下鉄と私鉄を結びまして、中心部は地下鉄、郊外部は私鉄の増強という形で全体の公共交通機関の輸送力の増強を推進してまいっておるわけでございます。この結果、輸送力の増強といたしましては、たとえば三十五年から四十五年の十年間をとってみますと、電車走行キロで申しまして、大体、国鉄で二倍、私鉄で約二倍、地下鉄で五倍、全体で二・一倍くらいに伸びております。
 一方、この間大都市圏の人口集中は依然として衰えませんで、この十年間において人口で約一・四倍、輸送需要で約一・七倍と増加しておりますので、都心に向かいますいわゆる最混雑区間の程度が一部の線区を除きましておおむね緩和の傾向にはございますけれども、なお一そう大量交通機関の輸送力増強に努力しようということで、現在、都心部に向かいます路線が東京都の区部を横切ります本数で申しまして約二十二複線あるわけで、これを六十四年までに三十四複線にしようということを考えておるわけでございます。これを最近の上尾事件等を勘案いたしますと、なお非常に混雑の激しい区間がございますので、そういったところをできるだけ早期に着工いたしまして整備をいたすとか、あるいはバスの路線の編成を再検討してみるとか、あるいは全体としましてもう一回この路線計画を見直しまして、団地とその輸送力との関係につきましては、建設省と十分協議をいたす場を設けまして、今後の通勤輸送需要に対処していくというような方針で進んでおるわけでございます。
#13
○瀬谷英行君 衆議院の運輸委員会でも同じように抽象的な御答弁があるのを拝見しました。それで、衆議院でもそうなんですけれども、質問者が具体的に質問してる以上は、答弁もそれに合わして答弁してもらわないとかみ合わないんですよ。で、私が聞いてるのは、上尾という具体例をあげて、ここは一体どうするんだと、暴動が起きたじゃないか、それほど込むようになっているじゃないか、ここのところを一体どうするのだということを聞いてるわけです。今後何年の間にこうしてああしてという話では、私のこの問題に対する答弁にはならないわけです。上尾の問題をどうするんだということを聞いてるんですよ。今後十年の間に運輸省はこうする考えでございますということを言ったって答弁にならない。その点をもう一度お答え願いたい。
#14
○説明員(原岡幸吉君) 一般的な方法といたしましては運輸省の原田審議官が申し上げたとおりのことでございますが、そういうこれからの展開を踏んまえまして当面、当座どうするかと、こういうことでございます。
 当面の対策といたしまして、四十八年の十月、すなわちことしの十月、時刻改正をやるわけでございますけれども、その際に東北線も含めましていわゆる中電、一一五糸という車両でございますけれども、これを四十二両この線区、東北線も含めまして投入いたしまして、現在一六九系と言っておる、いわゆる急行型の電車でございますけれども、この車両と置きかえる、そういうこと。それとともにラッシュ時間帯――国鉄で申し上げますラッシュ時間帯といいますのは非常にラッシュの最高ピーク時一時間と、きわめて厳格な数値をとる場合の標準をしておりますけれども、この一時間を多少前後するわけでございますけれども、いわゆるラッシュ時間帯に一往復増発する、さらに一部の列車について増結を行なう、こういう計画を当面の対策として考えているわけでございます。
 これを少し数字的に申し上げたい、こう思います。ただいま申し上げましたことしの十月の対策によりまして通勤ラッシュ時間帯にどれだけの輸送力増加ができるかと、この数字でございます。現在、輸送力といたしまして約二万二千人ございますが、ピークの一時間の輸送力でございますけれども、これに対しまして、先ほど申し上げました増結、置きかえ、増発、こういうことによりまして二千九十人輸送力が増強される、すなわち約一〇%輸送力の面において通勤ラッシュ――これは先ほど申し上げましたように時間帯といたしまして一時間じゃなくて、前後いたしまして約二時間になりますけれども、そういうことに計画いたしているわけであります。さしあたり対策といたしましてはそれをやっておくと、こういうことでございます。
 なお、この後のことは、これはまあ四十九年、あるいは五十年ということになろうと思いますが、地上施設、これができなければ根本的なことができませんので、できるだけ電車の置きかえによる輸送力の増強という観点で、置きかえを三本、増結を一本ということで、具体的には約二千五百人の輸送力の増強を四十九年あるいは五十年という時点では可能ではなかろうか。これは将来の地上施設の整備ということと一応関係なしに、現在の設備でもって、できるだけ電車による輸送力をふやしていこうと、こういう対策の内容でございます。
#15
○瀬谷英行君 結局、電車を四十二両置きかえると言ったって、早い話がドアの二つある電車を三つある電車にかえるというわけでしょう。入れものは変わりがないわけでしょう。一升びんは一升びんなんで、よけい入るわけじゃない。出入り口が二つが三つになって多少出入りがスムーズにいくというだけの話ですよね。それと、一往復増発で二千人というけれども、ラッシュの上尾で事件が起きたときの状態は、十五両編成で定員の倍乗っていたとして三千人になるわけですね、倍乗っていたとして。あの近辺は二倍じゃきかないです、私もときどき乗ってるんだからよく知っているけれども、一ぺんでドアが締まらないくらいの込み方ですよ、一言で言うならば。一メートル四方の間に六、七人の割合で人間が詰まっておるのです。そうすると二倍半から三倍ぐらいと見なければならぬ。だからそういう電車が若干おくれてくる。当時の模様を駅長等の証言によりますと、ドアを押えて締めさせなかったというのです。で、ドアを押えているから電車が発車できない、とまってしまうと。それでめぐりから騒ぎ出す。その次に次の電車が入ってくるけれども、次の電車を入れる場所がないから中線に入れると。中線に入れてそっちの電車を先に入れようとすると、そんなことをすると承知しねえぞと言ってそっちもとめる。そして二両ともとまってしまう。それから下りもとめてしまう。大体電車が三本上尾にとまってしまえば、一電車三千人ないし四千人人が詰まっているわけですから、それがあふれ出れば一万人になるのはあたりまえです、数字的に見て。一万人の暴動というようなできごとになるわけです。
 しかし、これもあとで調査をして聞いてみたら、一升をさげてあやまりに来た男がいた。ドアを押えた人間か、扇動した人間かわからぬけれども。それで駅の連中が、持ってきた一升びんをもらっていいものか返したほうがいいものか判断に迷ったといったような話まで聞いているわけです。これだけ聞いてみれば、当事者である駅長をはじめ当時の駅の職員の話を総合してみても、これは偶発的じゃなくて、明らかにドアを押えて発車させなかった、しかもこのどさくさまぎれに、一万人の人間があふれた中で、自動券売機、その他現金をさらっていった、それから職員のロッカーをあけて私物――さいふから万年筆から私物全部をさらっていった、まさにどろぼうですよ。こういうことが計画的に行なわれたということははっきりしているわけです。
 それだけの事実があるとすれば国鉄としても、当事者から十分にその意見を聞いて、当時の報告を聞いて、そして犯人の捜査等についても、警察はなるべく知らぬ顔をしようとしていても、犯人の追跡調査等をやって、この事件の動機のよしあしは別として、これは調査に当たらなければならないと思うのですけれども、それらの措置は講じていないのかどうか。講じていないとすれば一体どういうわけなのか。やむを得ないこととしてあきらめるつもりなのか。どういうことなのか。その点も、この機会にお伺いしたいと思う。
#16
○説明員(原岡幸吉君) 上尾の騒動におけるいろいろなトラブル、これにつきましては、いろいろ国鉄自体として直接その捜査といいますか、そういう意味の活動はいたしておりません。もっぱら警察の捜査にゆだねておるわけでございます。
#17
○瀬谷英行君 警察は何にもしてないでしょう。何にもしてなくとも、国鉄のほうはいいというのか、これはもうあきらめるということになるのか、災難としてあきらめるというかっこうになっているのか、その点はどうなんですか。
#18
○説明員(原岡幸吉君) 警察といたしましては捜査をし、あるいは逮捕者も出たようではございますが、被害の状況は、国鉄としてはたしか全体で物的な被害も含めまして、約六千万円ぐらいというふうに承知いたしておりますが、とにかく事件そのものの捜査につきましては、国鉄としては直接タッチしておらないでやってきているわけでございまして、むしろあの事件を契機にいたしまして、さっき総裁申し上げましたように、基本的な背景になる問題について大局的に対策を立てて対処していく、こういう気持ちでいるわけでございます。
#19
○瀬谷英行君 まあいろいろおっしゃるけれども、具体的に言うと、事件はそのままうやむやになっておるということですよ。そういうことでしょう、何もしてないんだから。それでいいか悪いか言ってみたって始まらないから。
 私はこの上尾事件について、さらに申し上げたいと思うんですけれども、当時の新聞にもいろいろな記事が出ましたがね、要は上尾を中心とする輸送に対する不満があったということは間違いないです。それがああいう形で爆発したというふうな表現はとっているけれども、そのきっかけはいろいろあったと思いますけれども、そういう不満があったことは間違いないんです。だからそれらの不満に対して一体どういうふうに問題を解決をしようとするのか、上尾事件の教訓を生かすとするならば、ともかくいま盲点になっておった高崎線の上尾の問題を何とかしなきゃならぬということになると思うんです。問題の根本的解決をどうやってはかっているのかと思って聞いてみれば、当面を湖塗するようなことしかできないわけですね。問題の根本的解決にならぬでしょう。
 テレビでも、上尾事件のあと何か取材をしたことがあって、これはNHKのテレビで放送されているわけです。私もその録画を聞かしてもらいましたが、高崎管理局の営業部長か何かが出て、秋になったら二つドアの電車を三つドアにします、といった程度のことしか言ってない。そしてアナウンサーから、じゃ問題の根本的解決にはならぬじゃないですかと突っ込まれて、口をモゴモゴさしておると、こういう状態ですよ。これは国鉄としていかにも無責任という印象を免れないと思うんですね。やる気がないのか、あるいはあってもできないのか、できないとすればどこに原因があるのか、その点をはっきりさしてもらいたいと思うんです。
#20
○説明員(原岡幸吉君) 先ほど来申し上げましたように、できるだけ輸送力を早くつけなきゃいけない、こういうふうに基本的に考えているわけでございます。しかし与えられた地上設備の条件、そういうものを見た場合に、当面の対策としては、先ほど申し上げたようなことで、できるだけ多くの人を運べるような電車を投入すると、こういうことで対処するということでございます。
 それからなお物理的な問題のほかに、人の問題といたしましては、主として駅の職員でございますけれども、これはできるだけ混雑がなくスムーズに、少しでもスムーズにいけるような要員の配置をして対処をして忍んでいきたい、こういう考え方でございます。したがいまして、基本的には地上設備の整備増強、こういうことを進めていかなければ現時点ではこれを基本的に抜本的に解決するという方策にはならないと、かように考えておるわけでございます。
#21
○瀬谷英行君 問題を基本的に解決しようとすれば、高崎線と東北線が一緒になって大宮から上野に入っておると、この上野の終点、ここのやりくりといったようなことがなかなか思わしくいかないから増発は簡単にできないのだと、こういうことでしょう。あなたのほうで答弁しないから私のほうでそこまで言うのだけれども、ほんとうは質問したらそこまで答弁しなきゃいかぬ。そういうことは衆議院の議事録にもあったのですがね。参議院じゃなかなか出し措しみをして言わないからそこまでこっちで言うんですよ。そういうことになるわけでしょう。だからそこまで考えていないのかどうかということですよ。たとえばその方法がないかというと、ないわけではない。東北線と高崎線、これは二つが一緒になって上野どまりになると、折り返しになると、なかなかそれはむずかしい、隘路があると、これが限度だと、こういうことなんだ。この範囲でもってやりくりしようと思えば、いまお答えのように、二つのドアの電車を三つのドアの電車に振りかえる程度のことしかできぬということなんですよ。問題をもっと根本的に解決しようと思ったならば、東北線と高崎線の電車をたとえば分離運転をするといったような方法を考える、片一方を上野へ入れたら片一方は新宿のほうへ入れるといったようなことを考える、そういう方法を考えれば、またおのずから道は開けてくるということになると思うのです。そういう方法がないというならしようがないですよ。そういう方法をやろうと思えばできるじゃないかというのですよ。できるのかできないのか、できないとすれば技術的な問題なのか、資金的な問題なのか、どっちかということです。
#22
○説明員(内田隆滋君) 先生十分御承知のとおり、東京付近の改良計画といたしましては、武蔵野線の改良をやっておりまして、これは先般できましたけれども、それは部分的でございまして、全面開業は武蔵野操が四十九年の秋にできます。この武蔵野操は非常に近代化設備の操車場でございまして、これが完全にフル稼働いたしますのは五十年の春ぐらいになるかと思います。その時点までに、逐次、現在東北線を走っておる貨物列車の相当部分が武蔵野線に移行いたします。そういたしますと、現在の貨物線が通勤に使えるわけでございまして、先生の御指摘の、いわゆる東北線と高崎線の分離ができることに相なるわけです。
 ただこれは、御承知のように、いままで貨物線に使っておりましたので、これを旅客線に使うといたしますといろいろ問題がございます。たとえば赤羽駅にホームがないとか、あるいは上野駅の折り返しの問題あるいはこれは検討しておりますが、先生の御指摘のあったように、池袋方面に流すとすれば、池袋が現在単線で折り返しをしておりますので、それらのものを基本的に折り返しができる、あるいは通過できるような設備をしなければいけない。そのほか大宮操のところが貨物列車と旅客列車が同じところを通ることになりますので、これらについても旅客線をもう二線増設しなければならないとか、これらの工事をやりますと完全に電車線として使えるわけでございます。
 それで御承知のように、東北・上越新幹線の大宮−赤羽間の建設に伴いまして、埼玉県知事さん、あるいは東京の北区長あたりから、いわゆる第一番は新幹線を絶対地下化にしてくださいということでございますが、それと並行いたしまして、通勤新線というものをつくってくれないかという御要望がございました。で、運輸大臣その他から御示唆がございまして、いまの貨物線をそのまま電車線にするよりは、現在考えておる新幹線沿いに新しい通勤線をつくって、これにいわゆる通勤電車と中距離電車を通すことによって大宮以南の方々、大宮以北の方々の両方に比較的いい設備になるのではないかということで、現在そのように計画を変えて検討を進めておる段階でございます。
 したがって、この計画は新幹線とは無関係でも、やはり五十二年ごろまでかかりますので、新幹線と同時に五十二年までには完成さしていただきまして、大宮以遠の東北並びに上越の通勤線として活用いたしたいと思っておる次第でございます。
#23
○瀬谷英行君 結局、その工事をやれば、たとえばホームをつくったり、あるいは線路をつくったり、そういう工事をやればできるということなんですよ、やれば。しかし、それをやらぬというわけでしょう。本来ならば、こんなになる前に当然やっておかなきゃならないことだったんじゃないですか、これは。十年おくれていると思うんですよ。あるいは二十年ぐらいおくれていると思うんですよ、やり方が。大阪周辺を例にとってみると、たとえば新快速という電車は、京都から大阪まで十五分おきに出ておって、四十二・八キロを二十九分で走っています。それから京都から三ノ宮まで七三・四キロを五十五分で走っています。これは新快速で、急行料金取らないわけですよ、全然。これと比較をしてみると、京都−大阪間に匹敵するのは、上尾よりもっと遠い桶川あたりに該当する。桶川から東京までと、京都と大阪が同じ距離だから、桶川からどのぐらい時間がかかるかと思って調べてみると、上野の乗りかえ時間を入れれば一時間十分か二十分は見なきゃならぬです。片方は二十九分で走る。こういう違いがあるんですよ。急行へ乗ろうと思えば、大宮−上野間といえども急行料金が取られる。こういう不便で不合理なことになっています。関西の例をもっとあげてみると、天王寺と和歌山の間にも快速電車が走っております。それから奈良と天王寺の間にも快速電車が走っておる。それから名古屋周辺も、豊橋−名古屋−岐阜という間、快速電車が走っておる。私鉄と並行しているところはそうやって、同じ国鉄でも急行料金取らないで、急行より早い電車が走っているわけです。ところが、関東、特に上野から北のほうになりますと、のろくて、おまけに急行料金まで取るようになっておる。こんなばかげた差別待遇はなかろうと思うんですよ。これだけだって上尾の住民がおこるだけの材料は十分あると思うんですよ。
 こういう不均衡というものを考えながら、なおかつ、この問題を、工事をやればというその工事経費を惜しんでやらないというのは、一体どういうわけなのか、それは利用者にしてみれば納得いかないと思うんですよ。だから、いまのお話ですと、新幹線の工事をやるから、その工事と一緒にあわせてやろうと思っているというふうなお話ですが、新幹線でき上がるまでは、いまの状態はちっとも改善されないということになるんじゃないですか。それはどういうことなんですか。
#24
○説明員(内田隆滋君) この計画は、先ほども御説明いたしましたように、武蔵野線が開業いたしませんと、あるいはこれを全面的にフル利用ができるようにならないと、計画として実現しないわけです。それができる前に着工をある程度いたしますけれども、実際には貨物列車が相当なくならないとできない工事がございますので、やはりその程度の工期がどうしてもかかる。まあ武蔵野線をもっと早く着工すればよかったんじゃないかということになるわけですけれども、これは御承知のように、すでに五、六年前からやっておる工事でございまして、今般ようやく完成したというようなことで、確かに高崎方面の人口の伸びに比べて工事の進捗状況がスローであったと、非常におそくなったということはございますけれども、現在としては、われわれとして全力を尽くして工事をやっておる次第でございまして、この程度の工期で、金の問題ではなく、精一ぱいやりたいと思っております。
#25
○瀬谷英行君 関西の例をいま私、出しましたけれども、東京周辺にしても総武線は地下でもって東京駅へ入ってくる、横須賀線も東京地下駅に入って総武線と結ぶと、こういう計画があるわけでしょう。それは近々でき上がるわけですね。そうすると、横須賀線なり東海道線なり総武線なりというものは、着々とそうやって投資をして、そうして通勤輸送緩和のために具体化しているわけですよ、やり方が。それから根岸線といったようなものも大船まで通じておる。それなのに、いわゆる通勤五方面作戦というのはこれでもっておしまいであると、そういうふうに聞いておるんですけれども、すると、上野から北のほうは全然見殺しにするというように聞き取れるわけなんですが、そういうことなんでしょうか。
#26
○説明員(内田隆滋君) 基本的には、先ほども御説明いたしましたように、東北線も赤羽−大宮間を三複線にいたしたわけでございます。それでこれを武蔵野線と一緒にして、考え方としては総武線なり東海道なりと同じレベルまで上げるということで全体の計画を組んでおるわけでございまして、その意味では、決して差別待遇をしておるわけではございません。ただ武蔵野線の開業がおくれたために、若干、東北方面については御不便をおかけしているということに相なっておるわけで、決して差別待遇をしておるわけではございません。
#27
○瀬谷英行君 それは差別待遇するつもりがなくたって、事実において差別待遇をされているわけですよ、これは。格段の差別待遇をされているわけです。これは弁解にならぬわけですな、そういうことは。
 で、その新幹線の計画なんですけれども、新幹線計画については地元でいろいろ問題があります。特に、大宮以南については反対も多いわけです。したがって、この大宮以南の反対ということを考えなきゃならない。それからもっと気持ちの上で住民が納得しないのは、新幹線の工事をとにかく先行してやろう、在来線のほうの輸送力強化はあと回しだ、こういう印象が強いわけですね。それじゃやはり住民とすれば納得できないと思うんですよ。新幹線は自分たちが朝晩の通勤に利用できるものじゃない、これが利用できるチャンスなんてものは年に一回あるかないかだと、ところが、その新幹線のために、在来線のほうがあと回しになると、これじゃどうしたって承知できないという感情は尊重しなければいかぬと思う。だからその点、在来線の問題は武蔵野線がおくれましたというだけではこれは言いわけにならぬ。なぜおくれたのか、そのおくれを取り戻すためには、一体どういう暫定的な方法があるのか、そういうようなことも、この際、明らかにしてもらいたいと思いますがね。
#28
○説明員(内田隆滋君) いま御説明したとおりでございます。それで武蔵野線につきましては、いろいろ用地の問題とか何かございましたけれども、比較的順調に進んでおりまして、最後にトンネルの問題あるいは武蔵野南線の用地の問題等で相当おくれざるを得ないということが実情でございます。この四年間につきましては、先ほど原岡常務も申しましたように、現在設備をフルに使って、お答さんに迷惑のかからないような措置をしてまいるということだと思います。
#29
○瀬谷英行君 上尾の市長並びに市議会からも上尾事件のあとで陳情書が出ているということなんでありますが、それらの陳情はどういう内容のものであって、国鉄としてはどういうふうに答えているのか、その点もこの際お聞かせ願いたいと思います。
#30
○説明員(磯崎叡君) 高崎線につきましては、いまいろいろ御質問ございました上尾につきましても、また上尾以外の、上尾から北のほうの各市からもいろいろ御陳情が出ている。要するに、とにかく通勤の輸送力をふやしてくれということが重点でございます。こまかいことは省略いたします。
 そこで先ほどの先生のお話でございますが、御承知のとおり、実は第三次長期計画でもって通勤の五方面作戦を立てたわけでございますが、上野口につきましては四つのおもなことをやったわけでございます。これはもういずれも御承知でございます。
  〔委員長退席、理事江藤智君着席〕
 まず高崎線と東北線の立体交差、これを大宮でやりました。これは相当な大工事でございましたが、これはもう高崎、東北両線が開通以来の、これはかねがねの懸案でございます。これを実施いたしました。
 それから御承知の大宮−赤羽の間の三複線、これも完成いたしました。また上野の駅の相当思い切った改良工事、ホームをふやして、できるだけ折り返し時間を短くするという改良工事は、これも大体やったわけでございます。さらにそれに武蔵野線をつくるということで、武蔵野線自体は当初は貨物輸送が主でございましたが、御承知のとおり現在旅客列車を走らせ、これは大宮以南の埼玉県あるいは千葉県あるいは東京都、神奈川県、これを結ぶ相当大幅なやはりこれも通勤線といえば通勤線の中でございます。これができることによって、先ほどの三複線が生きてくる、こういうことで、私どもといたしましては、常磐線も御承知のとおりのことで、いま国会までまっすぐ電車が来ているということでございまして、上野口については、とにかくスタートがおくれていたのは事実でございますが、第三次長期計画の実際に使った金から申しますと、決して軽々のものではございませんで、少なくとも上野口についてのいままでの過去百年に近い間の懸案は一応解決した、こういうふうに思っております。
 ことに高崎線が人口がふえました。三十五年を基準といたしますと、高崎線沿線の八市、大宮を除きまして七市でございますが、これが三十五年に対して五割以上ふえてまいった。昭和四十五年前後から急激にふえております。逐年の数字は省略いたしますが、三十五年から四十年の前後までは大体二割前後の伸びでございましたが、四十五年ぐらいから急激にふえてきております。私どものいわゆる五方面作戦は、御承知のとおり昭和四十年代、三十年代の末期から四十年代にかけてやった仕事でございまして、そういう意味で、ほかのほうが、東海道なり中央線なり総武線が早くできたということは申し上げられますが、その意味で高崎線なり東北線を軽視したということは全くございません。これはいま申しましたとおり、相当大きな工事、しかも懸案の大工事を全部片づけているという実績はごらん願いたいというふうに考えます。
 しからば、今後の問題といたしましては、武蔵野線の全面開業、これはもう簡単でございますから省略しますが、結局新幹線ができることによって相当根本的な改良ができるということは目の前に控えております。しかも上尾事件のあと、埼玉県知事さん、その他皆さまからぜひ通勤新線をつくれ、こういうようなお話もございましたので、これはひとつぜひ前向きで考えようということで、いままで五方面作戦になかったことをこれからもぜひやっていきたいというふうに思っておるわけでございます。端的に申しますれば、高崎線も東北線もネックは大宮以南でございます。大宮から北はまだ相当列車は入ります。いまの倍ぐらい入ります。しかし結局、大宮でもって非常に大きな段がつく。問題は大宮までの輸送力をつけるかっけないか、これは非常に専門的になりますが、つけるべきだという意見と、いやつけても大宮でもってぶちまけてしまったのでは、かえって大宮以南の人が困るといういろいろ議論がございます。いまもう少し詳しい数字を調べておりますけれども、大宮以北の輸送力になれば、これは車さえふやせば相当、現在の倍くらいのものはできます。したがって私どもといたしましては、大宮以南の問題に重点を置いて考えなければなりません。そこで通勤新線の問題が出たわけでございまして、その点私どもといたしましては、決してほかの四方面と比較いたしまして、東北方面を軽視したということは全くございません。常磐をひとつごらんくださいましても、上野口としては相当画期的な輸送改善をいたしておるわけでございます。
 今後、先ほど内田、原岡両名から申しましたように、その根本的な設備改善ができる、線路増設ができるまでは、やはりいまの設備を使ってフルに輸送力を活用する、それには車をふやす以外にないということで、十二両編成を十五両にする、あるいは御指摘のように二つドアを三つドアにする、横須賀線あるいはその他の線区と同じような電車を入れるということによって数年間をしのぐ。その後にいまの、いょうど昭和五十二年ごろに通勤新線ができれば、これでもってそちらへ肩がわりしていく、こういうような考え方でやっておるわけでございまして、先ほど御質問の沿線の各市長さんからいろいろの御意見は、大体いま申しましたように、高崎線の輸送力増強ということの一点に尽きるというふうに考えます。
 以上でございます。
#31
○瀬谷英行君 高崎線だけじゃなくて東北線も非常に不便な状態なんですよ、いま。しかも悪いことには高崎線と東北線とがセットになっているものだから、東北線で踏切事故があると高崎線までダイヤが乱れてしまうようになっているわけです。この間も私は苦い経験をしたんですけれども、朝早くこっちへこようと思って乗ったところが、大宮まではまともにきた。ところが大宮から先一向にはかどらない。順法闘争じゃなくて、東北線の踏切事故か何かだったんですね。東北線の踏切事故で高崎線まで足どめを食う、こんなばかげたことはないわけです。逆に今度は上越線でもって、ふぶきか何かでおくれると東北線までおくれてしまう、こういう状態ですね。こんな状態はやはり改善をする必要があると思うんですよ。上尾の例をちょっとあげましたけれども、上尾の場合は昭和四十一年の定期乗降客だけでも一万九百七十二名だったのが、四十.六年に二万五百七十九名になっております。五年間に倍になっておるわけですね。これはたいへんなふえ方ですよ。それから桶川も約四割ふえておる、北本も二、三割ふえておる、こういう状態で軒並み沿線の定期乗降客がふえておるわけですね。それなのに、実際問題として昼間の時間帯で急行は通過をするけれども、これは乗れないわけですから、上尾の人は。昼間二十分も次の電車までないという状態です。こんなひどいダイヤというのはちょっとないと思いますが、関西のほうでは十分から十五分おきにどんどん電車が走っておる。ところが大阪を中心とした五十キロ圏以内は、そういう状態だというのに、東京からわずか四十キロ足らずのところでローカル線並みの、閑散線区並みの状態であるというのは、どう考えたってこれは不親切きわまる。これじゃやむを得ないからバスへ乗ろうということになっちまう。
  〔理事江藤智君退席、委員長着席〕
 ますます国鉄は信用がなくなるわけでしょう。
 こういうことを考えてみるならば、大宮までの区間運転だって、これは考えていかなければいかぬ。東北線、高崎線も考えるべきじゃないかと思うんです。それから大宮−東京間の問題にしても考えれば考えられることじゃないのかという気がいたします。で、昨年の運輸委員会でもって、私がやはりこの運賃問題の際に質問をしたときに、上野から東京に入るこの間、いわゆる通し運転ですね、この問題について質問しましたら、その際の総裁の答弁としては、結論は得ていないけれども、いま検討中であると、こういうお答えがあるわけですよ。これは一年前のことなんですから、一年間たった以上は、これはもう少し前向きに検討をして、相互乗り入れをするといったようなことに対する一つの見通しを立ててもいいんじゃないかという気がするわけですね。その点は一体どうなのか。国鉄としては、やはりめんどうくさいからやらないという考え方なのか、やる気があるのかどうか、その点をお伺いたしたいと思うのです。
#32
○説明員(磯崎叡君) いわゆる上野口に入ってまいります電車を南へ流す、それから東京でとまっている電車を北へ流す、これは昔からいわゆるスルー運転ということばで、東京駅、上野駅を終点にしないで中距離列車を相互にキャッチボールしよう、こういう考え方でございます。昨年申し上げましたようにまだ結論は出ておりませんし、問題は――現在は御承知のとおり全部上野で打ち切っております。これは東京で新幹線の工事があるためでございますが、新幹線ができた後は相当お客の流動も変わってくると思います。したがって、いまわれわれの考えといたしましては、新幹線ができて、問題は東京−上野間の輸送力にあるわけです、あれは単線しかございませんから。問題は東京−上野間の輸送力。現在単線のものは単線のままで済むのか、あるいは新幹線が入ってきて、それと関連して複線になり得るのか、その際に横須賀線の引き上げをどうするか、いろいろこまかい問題がございます。それらを新幹線の工事とからんで考えなければいけない。現在は直通は全部やめて、一応上野口、品川口で一部打ち切っておりますが、これの将来の大都市通勤の形として、いわゆるターミナル主義といういままで国鉄がとってきた方法がいいのか、それともほんとうに流すべきなのかということについては、設備の問題とからんで考えなければいけない。御承知のとおり、上野駅は相当スルー場所が少ないわけです。
 また、神田付近についても、とてもあそこの付近で線路をふやすことはできないということでいまの上野−東京間の単線輸送力をどこまでもっていけるか。秋葉原の貨物駅が今度うんと縮小されますので、それらとも関連して、やはり新幹線の東北、東海道直通問題とからんで、この問題をもう少し検討しなければいけないというふうに思っている次第でございます。
#33
○瀬谷英行君 上野の折り返しでもって一つの隘路にぶつかるということであれば、もう一つの打開策としては、上野を折り返しにないで、上野からそのまま東京駅から品川のほうまで入れてしまう。そして東海道と、東北、高崎を相互に乗り入れをさせるというのは、一つの方法としては考えられると思う。ただ、これも東京−上野間で相当の手当てをしなければならぬであろうということは想像できますけれども、東京−上野間なんというのはわずか三・六キロでしょう。幾ら東京のまん中とはいいながら、その辺の工事の金が今日の国鉄の工事計画からいって、できないことはなかろうという気がするわけです。
 また関西を引き合いに出しますけれども、関西の場合は、大阪を終点にしないで――大阪を終点とする列車もかなりあるけれども、大阪を終点としないで、草津なり京都なりから大阪を通って明石から姫路まで、これは直通運転ができるわけですね、やっているわけです現に。
 新快速なんというのは十五分おきに走っているわけでしょう、急行料金を取らないで。こういうことを一方においてはやっているわけです。それを東京だけは上野駅でどうしてもおりなきゃならないようになっている。わずか三キロ何がしかのところを十分もかかって乗りかえなければならないような不便な状態になっている。こんなことは当然もっと早く考えて解決すべきことじゃないかという気がするのです。新幹線ができれば、その遠距離客は新幹線に吸収されるのだからいいんだという考え方かもしれないけれども、新幹線は遠距離の客が利用するのであって、近郊の東京周辺の埼玉なり栃木なり群馬、茨城、こういったようなところの人はどうしても上野駅を使用せざるを得ない。人口からいうとこっちのほうが多いわけですからね。こういう点はもっと積極的に考えるべきじゃないかと思うのですが、その点はどうですか。
#34
○説明員(内田隆滋君) ただいまの東京付近の計画につきましては、上野−東京間の輸送力の問題がございまして、中電の一部を東京をスルー運転しまして、湘南のほうへ流すという計画をもって工事を進めるつもりでおります。
 ただし、これは複線分しかございませんので、高崎線と東北線、あるいは常磐線、これらのものをどういうふうに直通運転をするかということにつきましては、今後検討してまいりたいというふうに思っております。
#35
○瀬谷英行君 どういうふうに運転するか検討ということは、じゃ具体的に国鉄としてはそのスルー運転はやる気があるということなんですか。
#36
○説明員(内田隆滋君) そのとおりでございます。先ほども先生の御質問にもございましたように、東北、高崎の電車を、いわゆる上野、東京方面へ流すものと、それから新宿の方面へ流すものとが出てこようかと思います。これらの点もあわせて直通運転をどういうふうにしたらいいかということは、今後のお客さんの流れその他を考えて計画を進めてまいりたいというふうに考えております。
#37
○瀬谷英行君 今後のお客さんの流れを考えてということですけれども、いままでだってお客さんの流れというものはわかっているわけでしょう。それは膨大な流れですよ。わかっているわけだから、今後これはふえればといっても、減る可能性はないわけでしょう。どんどんふえる一方でしょう。というよりも、ふえるスピードは早いので、あふれてしまうというような状態にあるわけですね。これらの問題はもっと積極的に進める必要があるのじゃないでしょうか。これは新幹線の計画と並行してやるのか、あるいは新幹線の計画とは別個に急ぐのか、どっちなのか、その基本的な考え方をお示しいただきたいと思うのです。
#38
○説明員(内田隆滋君) 東京−上野間につきましては、新幹線と全く一緒に構造物をつくりますので、同時に進めるということでございます。
#39
○瀬谷英行君 東京−上野間については、じゃ新幹線の工事と一緒に現在線の通し運転を可能にするような、輸送力の増強を可能にするような方法を工事の面で考えるということですか、具体的には。
#40
○説明員(内田隆滋君) そのとおりであります。
#41
○瀬谷英行君 その場合には、もっと今度突っ込んで聞きますけれども、横須賀線が地下へもぐるということになってくると、湘南電車を、じゃ東北、高崎線のほうに乗り入れをするといったような形態を考えるのかどうか、そこまで考えていないのか、いるのか、その点もあわせてお伺いしたいと思うのです。
#42
○説明員(内田隆滋君) その点につきましては、たぶんその流れが一番メーンの流れになると思うので、そういうことになろうかというふうに考えます。しかし、これは今後の列車計画その他を勘案いたしましてきめてまいる問題でございまして、設備としては湘南と東北、高崎が直通運転ができるようになるわけでございます。
#43
○瀬谷英行君 現在線の輸送力を増強するために考えられる方法というのはいろいろあると思うんですけれども、どっちにしたって金をかけずにやろうったってそれはできないことなんです。相当の元をかけなきゃなるまいと思うんですよ。
 特に具体的に指摘をすると、赤羽といったような駅は、まあ東海道でいうならば品川あたりに該当するかと思いますけれども、非常に狭隘であるし、列車のホームも狭い。おまけにここへ将来通勤新線をもう一本分、たとえば貨物線を使って入れようとすれば相当の工事をしなきゃならぬということになるし、現在のように片方が低いところを走っておって踏切があって、片方は高架を走っておる。乗りかえの客は上がったり下がったりしなきゃならぬ。非常にやっかいで不便な構造ですよ。こんな構造は全部ばらしてこれは全部高架にする、いまどき踏切なんというのは廃止してしまう、こういうようなことは、これも十年も十五年も前にやっておいてよかったんじゃないかという気がいたします。しかし、いまだにそういう明治以来の形態がそのまま残っておるわけですから、これはすみやかに改良工事でもって改めるべきだと思うんですが、国鉄としてはどういうような考え方を持っておるのか。
#44
○説明員(内田隆滋君) 赤羽駅の改良につきましては、先生の御指摘のとおり、今回新幹線が通過するのを機といたしまして大改良をさしていただきたい。構想といたしましては、現在の東北線のホーム、それから通勤線のホーム、それから赤羽線のホーム、これを二階に持ってきまして、その上に新幹線を三階で通すという構想で現在進んでおるわけです。この計画は、御承知のように貨物列車が現在非常に通っておりますので、これが武蔵野線の関係で少なくなってから工事に着工したいというふうに考えております。
#45
○瀬谷英行君 これは新幹線計画とセットになるということになるんですか。その点はどうですか。
#46
○説明員(内田隆滋君) そのとおりでございます。
#47
○瀬谷英行君 高架にして二階を在来線を走らせて、その上に新幹線をまたがせるということになれば、新幹線とは別個にでも在来線の高架ということはできることじゃないかという気がするわけです。これはこちらのほうが利用者の状態から考えてみたら急ぐべきではないかという気がいたしますけれども、新幹線工事とは別にこちらの在来線の高架という工事はできないのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
#48
○説明員(内田隆滋君) これは工事の手順から申しまして、在来線ホームをつくって柱だけ建てて新幹線をつくっていくということでございますので、別個というわけにはいきませんけれども、順番からいえば在来線のホームをつくって新幹線のホームをつくるという形になります。
#49
○瀬谷英行君 それは二階と三階ということになれば、三階から先につくるわけにいかないから、二階から順ぐり三階ということにならざるを得ないと思うのですね。ただ問題は、一々これが新幹線とセットになっておって、新幹線の計画ができなければ、在来線のほうの改良もできないということではちょっとまずいんじゃないかという気がするわけです。
 特にこの機会に、私が明らかにしたいのは、新幹線の計画というものが入ってきて、そして新幹線の計画と、通勤新線の計画が抱き合わせになったりするものだから、この通勤新線の計画も新幹線計画と一緒でなければできないのではないか、これはあめとむちというふうな言い方をされておりますけれども、新幹線の通過予定地の住民にとってはそういう印象を与えているわけですよ。その点ははたしてどうなのか、国鉄の考え方としては。その点をお伺いしたいと思います。
#50
○説明員(内田隆滋君) 事柄としては全く別個のものだと思います。新幹線ができなければ通勤線はできないというものではないというふうに考えます。ただ工事の実施を考えますと、別々に用地買収をするとか、あるいは構造物を別々につくるというようなことは非常に問題がございますし、両方を一緒につくって、町のいわゆる都市計画その他を一緒に計画をしていただきまして、通勤駅をつくると同時に、その付近のりっぱな都市計画をつくっていただきたい。国鉄もこれについて騒音、振動の問題について、国鉄の技術の最善を尽くして、こういうものをなくするように努力するということでまいったほうが、全体としてよろしいのではないかということで、一緒につくらしていただきたいという御提案をしておるわけでございまして、基本的には先生の御指摘のとおり別の話でございます。
#51
○瀬谷英行君 大臣がお見えになったので、あらためて大臣の見解をお伺いしたいと思うのですけれども、上尾事件等に見られるように、非常に在来線の輸送力強化というものを沿線の利用者は望んでいるわけです。ところがちょっと事が起きると、暴動に発展をするような、もうぎりぎり一ぱいのところまで現在きているわけですね。そういう状態である以上は、ともかく現在の通勤輸送を緩和をするために、在来線の輸送力を強化をする必要は、これは焦眉の急だと思っているのですがね。ところが、ここに新幹線という問題が登場をしてきて、何か新幹線とセットでないと在来線の輸送力増強もできないじゃないかという不安が出てきた。特に上越新幹線等の計画については、先般来、大宮以南の計画が変更になっておるわけです。従来は地下を通って東京都へ入るようになっておったのが、今度は高架でもって東京へ入る。こういう計画になって、しかも新幹線と通勤線とが抱き合わせになっておる。そこで地元ではいろいろ問題が起きてきているわけです。したがって、これらの問題は一体どういうふうに解決をするのか、これは政府として考えなければならぬことじゃないかと思うわけです。一体いまの切迫した状況をどのように解決するかということとあわせて、この新幹線計画というものも考えていくべきじゃないかと思うのですが、どうですか。
#52
○国務大臣(新谷寅三郎君) 具体的な問題としてお尋ねがございましたが、この具体的な事情は国鉄からお答えしたとおりでございます、事実はですね。それに対する対策はどうかという私に対する御質問でございますが、率直に言いまして、上尾事件が起こったときに、よく私も認識したわけですけれども、あなたのおっしゃるように、通勤輸送というものに対応するような輸送力を確保することについての施策が十分でなかったということは、これは認めざるを得ないだろうと思うんです。しかし、これはもう済んでしまったことですから、いまこの問題については、早くこの輸送需要に対応したような施設を整備していくということが、今日の急務だろうと思います。
 そこで、いろいろの案があると思います。いま国鉄側からいろいろの考え方を御説明をしたのですが、そのとおりでございます。具体的なお尋ねで、この新幹線と通勤線とをセットにしてやらなきゃならぬかどうか、もう少し通勤のほうは切り離してでもやれないのか、こういう御趣旨からの御質問じゃないかと思うんですけれども、これは私、両院の予算委員会でもお答えしたんですけれども、通勤線を確保するということは別に新幹線建設についての条件的なもんじゃありません。これは目的が別個でございますということを申し上げておるわけです。そのとおりでございます。
 ただ、いま国鉄からお答えいたしましたように、実際問題としてそういうことなんですけれども、実際に工事を進めていくということになりますと、用地の買収とか、あるいは両方の工事をどう進めるかということになってきますと、やはり計画は大体きまっておるんですから、それを一体として取り扱っていくというほうが住民にとってもそのほうがいいんだし、国鉄にとってもそれは望ましい、こういうことだろうと思うんです。ですから、条件的なもんじゃないけれども、これは工事を進めたり、用地買収したりするのには、そのほうがお互いにいいんじゃないか、こういったことを国鉄がお答えしているんだと私は思っております。
 で、通勤線を早く増強しろ、これはおっしゃるとおりです。単に新幹線あるいはそれに並行する通勤線だけじゃございませんで、あなたの御承知のように、東京都から延びていく地下鉄もこれに寄与できるんなら、何とかしてこれに片棒かついでそれに寄与するようにというようなことも、一面では考えておるわけでございまして、そういったものを総合いたしまして、非常に膨張した輸送需要というものに対応するようにこの輸送計画を立てようというのが、われわれの方針でございます。ただ、この問題にお入りになる初めにおっしゃったように、これは今日になると、何とかして通勤輸送というものは完備しなきゃならぬと思います、思いますが、先般も申し上げたと思いますけれども、いままで残念なことには、そういう、たとえば団地の建設でありますとか、新しい都市の建設というようなことになった場合に、お互いの各関係官庁の連絡が必ずしも十分にいかなかった、国鉄で新しい線をつくるのには、やっぱり用地買収から始めまして、少なくとも十年ぐらいかかると思うんですね。その間にもう団地なんかはどんどん建ってしまうわけです。よほど前もってお互いに緊密な連絡をとらないと、新聞報道なんかで伝えておりますように、いわゆる足のない団地というようなものができないとも限りません。こういった点について、今後の問題としましては、できるだけ事前に、前広にお互いに連絡をし合って、そういう結果にならないような措置をとろうじゃないかということで、関係省との間では、特に最近は連絡を緊密にするようにという申し入れもし、そういう方向で事務当局も連絡をしながら処理をしていくということになっておるわけでございます。
 上尾事件については、結果的に見て、私も率直に言ってこれは非常に輸送力の足りなかったということも考えさせられました。そういったことから、今後はそういうことにならないように、お互いに関係各省協力してやろうじゃないかというように、いまお互いに努力をしておるような状況でございます。
#53
○瀬谷英行君 上尾の場合は、利用する駅が上尾だけじゃないのですよ。高崎線の上尾と、それから団地は東北線の東大宮の近くにも上尾市に属する団地があるわけです。したがって上尾の人はどっちへころんでも、西のほうの人は上尾駅を利用する、東のほうの人は東大宮を利用する。東北線か高崎線かどちらかを利用するような状態にある。ところがどっちともたいへん不便にできているわけですね。
  〔委員長退席、理事江藤智君着席〕
 先ほど私もちょっと申し上げましたけれども、昼間の時間帯で一時間二十分というもの電車がない。これは昼間ですよ。こういう時間帯があるのです。それからたとえば、東北線なんかの場合は、私はこの間、久喜へ行ってびっくりしたのですけれどもね。久喜から大宮に帰ってこようとすると、二時間ないのですよ、八時過ぎると二時間。歩いたほうが早いくらいです、歩いて二時間はどうかわからぬけれども、ともかく二時間電車がない。その間に急行、特急というのは十本くらい走るのです。幾ら急行や特急が走ったところで、通過されるところの人にしてみればいまいましいだけです。おまけに今度はラッシュの夕方の通勤電車はどうかというと、大宮を出てすぐに待避をして、急行電車をやり過ごす、これは東北線でも高崎線でも同じことです。こういうことをやらなければならない。通勤者はますますこれはいらいらしてくるわけですね。こういう犠牲をしいられているというのが東北線であり高崎線なんですよ。だからこれらのいなか並みの待遇というものはすみやかに改善をする必要があるのじゃないかと思うのです。
 先ほどの御答弁によれば、じゃせめて大宮どまりでも運転したらということにしても、大宮まで行って、そこへあふれてしまったら困るのじゃないかというような心配をしているようだけれども、ともかく現状は非常にぎりぎり一ぱいの運用をやっているから、だから東北線でもって踏切事故があっただけで高崎線まで乱れてしまうというような状態にあるわけですね。これはやはり改める必要があると思うのですよ。またやろうと思えばできないことじゃないと思う。これは変な話だけれども、軍艦なんかは一発や二発魚雷食らってもすぐに沈まないような構造になっているわけです。ところが雑な船は一発魚雷を食らえば簡単に沈んじまう。国鉄の東北、高崎線のやり方は雑な船と同じなんです。粗製乱造の船と同じなんです。一発魚雷を食らっちまえばすぐ沈んじまうようになっているんです。こういう状態を改めるぐらいのことは、いまの国鉄の資力なり技術力でもってできないことはないと思うのです。それを新幹線より先にやるべきじゃないかという気がいたしますがね。それをやらせるのが上尾事件の教訓を生かす道じゃないかという気がするのですがね。その点は大臣、どのようにお考えでしょうか。
#54
○国務大臣(新谷寅三郎君) 具体的なダイヤの編成問題とか、どのくらいの車両をつぎ込めるかという問題につきましては、国鉄からあるいはお答えしたかもしれませんが、国鉄から答弁をしてもらいますが、できる範囲で、おそらく国鉄もできるのにやってないということはないと思いますけれども、これは認識が不足かもしれません、私、具体的な事情わかりませんから。そういった輸送の需要がふえてくるのに対応した輸送計画を立て、そしてそのダイヤを編成しているというのが国鉄のこれは当然の責務であり、これはなすべきことであろうと思います。で、これはいまのお話のように、通勤路線を新しくつくるという問題とは別にしまして、別にしてでも、いま現在やり得ることをこれはやらなければならぬと、私もそう思います。その点は全く同感でございます。国鉄から具体的に答弁すると思いますけれども、もしそれについて欠けるところがあれば、国鉄に対して私からも十分そういう方向で指示をしたいと思います。
#55
○説明員(原岡幸吉君) 東北線、高崎線の特急、急行が多くて昼間普通の列車が非常に少ない、こういう御指摘でございますが、ただいま大臣から御答弁いただきましたように、現在の線路、あるいはターミナルの施設、こういうものをフルに活用いたしまして、できるだけ輸送需要に対応していこうと、こういうことでございまして、もっと具体的に申し上げますと、特急、急行という、いわゆる長距離お客さん、長距離旅客、これが朝のラッシュ時帯あるいは夕方の通勤時帯、こういう時間帯にはどうしても線路もターミナルも使って輸送することができません。したがいまして、昼間の時間帯にどうしてもそれが大きく移っていくわけでございまして、そういう輸送需要に対応するために、先ほど御指摘になられましたようなダイヤの編成ということになっておるわけでございまして、まあ現在の線路の容量、それからターミナルの施設、こういうものを活用して、できるだけ輸送需要に合わせて、最大限の能力を発揮して対応していこうと、こういうことでございます。これがのべつに通勤時間帯も何もなしに、そういう線路あるいはターミナル施設というものを使いますれば、もっと昼間の時間帯もならして、間隔のあるローカル輸送にならないダイヤもつくることができるわけでございますけれども、いまの長距離旅客の需要に対応していくということになりますと、どうしても現在のような、御指摘のような姿にならざるを得ない、こういうのが現状でございます。
#56
○瀬谷英行君 三月十三日の上尾事件と、それと類似の事件が四月の二十四日の国電の暴動事件です。これも事件の発端は上野駅なんですね。上野駅と赤羽駅です。上野駅と赤羽駅の通勤の帰りの時間です。これは朝の上りの時間とうらはらになっているわけですね。だからこれはやはり一番不満の多い時間帯を、もし意図的にやったとすればねらっているというふうにしか考えられない。高崎線の、これも私ども現地調査をいたしました。残念なことには、警察は、この事件も明らかに意図的であったというふうに認められる駅長以下の証言があるにもかかわらず、捜査をしないで偶発的事故として片づけてしまっております。しかし内容的には、これは上尾事件以上に大きな損害をもたらしているわけですね。かなり荒されているわけです。何百万と現金も取られているし、車両等の損害はもっと大きいでしょう。これも上野なり赤羽でもって乗り切れない、あるいは超満員の状態になるというところがねらわれているわけだし、その上野駅のホームからはみ出した人たちが、はみ出したというか意図的におりた人間が、国電の線路にものを置いて国電をとめてしまったと、あそこで国電をとめれば山手線が全線動かなくなってしまうわけですから、こうなれば各駅でもっていろいろな問題が起きるということは火を見るよりも明らかなんです。だからここに問題があるわけなんです。東海道線にはそういう問題を起こす条件がないわけです。東海道線なり横須賀線なりというのは、ともかく若干おくれたとしても、電車が若干おくれたとしても、間隔が少ないから、それは何とかお客が流れていくわけですよ。片方はラッシュの時間帯、特に夕方のラッシュの時間帯では急行よりも各駅停車の通勤電車のほうが数が少ないのですよ。こういう状態ですよね。これは明らかに通勤者を無視したダイヤになっているというふうに言わざるを得ない。
 大臣は、「時の動き」という、政府の窓の中で、テレビ司会者の五代利矢子さんと対談をして「国鉄再建への道」ということでいろいろと述べておられます。その終わりのほうで、十年後には混雑時でも新聞が読めると、こういうことになっているわけですね。そういうふうに言っておられますよ、五代利矢子さんとの対談で。十年後に――十年後でなくたって、混雑時でも新聞が読めるように早くしてほしいというのは、これは通勤者の偽りのない心境だろうと思うのですけれども、この十年後には混雑時でも新聞が読めるということは、この運賃値上げ、国鉄財政再建計画ができればという前提を置いての話になっておるのだろうと思うのですけれども、一体はたして運賃だけいじって、そうしてこの十年後に混雑時でも新聞が読めるという確信がおありになるのかどうか、それは希望的な意見なのかどうか、その点をお伺いしたいと思うのです。
#57
○国務大臣(新谷寅三郎君) ただ夢のような希望を述べておるつもりはございません。今度の十年計画を出しましたについては、先般来いろいろ数字についての御質疑もございましたが、いまの時点で考えられるいろいろな要素を考え合わせまして、十年後には国鉄の旅客輸送はどうなるだろうか、貨物輸送はどうなるだろうかということを、一応具体的に想定をいたしまして、それをもとにして十カ年間の計画を立てておる次第でございます。で、そのとおりになりますと、新聞が読めるか読めないかということは、結局大都市を中心にして、首都圏でありますとか、近畿圏でありますとか、そういったところの混雑の状態、それを対象にして言ったつもりでございますけれども、首都圏でも、大阪の近郊におきましても、いろいろの施設を並行して行ないますことによって、そういう状態を期待をしていただいてもけっこうでございますと、そういうつもりでわれわれはそういう計画を立てておるのでございますということを申し上げたのでございます。
 それで国鉄の運賃を上げたからすぐにどうなるかというようなことは、これはまああなたも十分御承知のとおりで、国鉄の運賃をなぜ上げるかということ、なぜ上げなければならぬかということ、これは再々申し上げておりますが、運賃を上げていただいて、利用者にも負担をしていただくことによりまして、国鉄の一方では自分でどこまで合理化し、どこまで節約して自分の力で立ち直れるかというようなこと。それから政府も、財政需要の許す限り国鉄に対して助成をいたしまして、そういったものを並べて、そうしてとにかく十年後には国鉄の財政が再建されまして、そうして国鉄が本来持っておる機能を、国鉄として与えられた機能を発揮できるような体質に回復するのだと、こういうことでございますから、いまお話しになりましたような、新聞の読めるような状態、これは混雑率がいまの二三O−二四〇といっておりますが、それをまあ一九〇ぐらいにすれば新聞も読めるような状態になるということでございますから、そういう程度のことをねらって、きわめて通俗的なことばでお話をしたということでございまして、これはともかく、何べんも申し上げておるように、今度の案が御承認願うことによって、それによって国鉄の財政も回復いたしますが、もっと大事なことは、それに伴ってといいますよりか、その前提として、国鉄の体質がその本来与えられた機能が発揮できるようにというところまで回復させて、そしていま申し上げたような、旅客輸送面においても貨物輸送面においても、国鉄が総合交通体系の中で期待されているような仕事を十分やれるようにという機能を回復さしたいという希望をもってそういうことを言っておるわけでございます。
#58
○瀬谷英行君 国鉄が十分に利用者の期待にこたえられるような役割りを果たしているかどうかということが問題だと思うんですよ。これは運賃を上げなければそれはできないという言い方はひとつあると思うんですよ。しかし、この運賃そのものはたかが知れているわけですな、この増収分というのは。それよりも、むしろ長期債務の利子といったようなことのほうが問題としては大きいと思うんですよ。だから、そういう点、考えてみると、これはこれから運賃の内容にも入ってみたいと思っていますけれども、国鉄が基本的にどういう態度をとるかということは大事なことじゃないかと思うんですね。
 いま私が幾つか例をあげました東北線にしても、高崎線にしても、東京からわずか三十キロの大宮で国電区間が終わりになってしまう。そこから先はがたっと片いなか並みになる。一時間も二時間も電車が走らない。線路があっても電車が走らない。走るのは急行、特急ばっかりだと、こういう状態ですよ。その状態をいつになったら解決できるのかというあては当面ないんじゃないですか、いまのところ。新幹線ができ上がってからというようなことにしかならぬわけでしょう。新幹線ができ上がると同時に通勤新線もつくりますという話になっておる。それでは新幹線ができるまでどうするかということですよね。じっとがまんの東北線ということになるんですか、どうにもならない高崎線じゃないですか。そんなことより、新幹線ということになると、それでいいのか運輸省というふうに聞きたくなるわけです。
 この問題は、新幹線を優先させるのか、この逼迫した在来線の輸送に対してこれ以上手を打たなくてもよろしいのかどうかということは、基本的な問題であると思いますし、われわれとしてもこういう問題についてはいいかげんに聞き流すわけにいかないと思うんですがね。大臣としてはどのようにお考えですか。
#59
○国務大臣(新谷寅三郎君) それはさっき申し上げたように、通勤線という問題と新幹線というものは条件的な関係にはありませんということを再々申し上げております。そういったものじゃない。ですから、それは切り離してでも考えなきゃならないんです。ただ現実の問題として、同じ場所を走るということになりますと、用地買収の問題そういった問題は、当然これは相関関係をもって処理をしなきゃならぬということはいうまでもないです。でございますから、さっきも申し上げたように、これは一本の新幹線、しかも一本の新幹線はいつになってもいいんだというようなものではなくって、現にもうそういったものについては、どこをどうして通したらいいかというようなことについて、具体的な折衝までしておるわけでございます。非常にこれは緊急を要する問題でございます。
 それと、この通勤路線と一緒に考えていくということは、特に故意におくらしているわけでもございませんし、それからわざわざ新幹線が非常におくれるんだと、この通勤路線のほうをそれに合わして待っているんだというようなことじゃないので、むしろそういうことによって促進ができるんじゃないかと、だから一日も早くいろいろの、あなたの御承知のように、現地等の問題が残っておりますから、そういった問題を早く解決をして、両方とも一日でも早く開通するようにしたいというのが運輸省の方針でございますから、その点は誤解のないようにひとつお願いをしたいと同時に、瀬谷先生にしても、地元の方ですから、そういう問題については、われわれの申し上げているところも十分くんでいただいて、具体的な現地の解決に対しましてもぜひ御協力もいただきたいし、必要なアドバイスもしていただきたいと思っておるわけでございまして、決してそれをいいかげんにおくらしているわけじゃございませんということを、重ねて申し上げておきます。
#60
○瀬谷英行君 私は、新幹線を建設をすると、上越新幹線なり、東北新幹線を建設をするということに対して、反対だという気持ちは持っておりません。これは長い目で見た場合に、新幹線は西のほうだけで、北のほうは要らぬということはないと思う。これはやはり東北新幹線も青森から北海道までそれは必要だろうと、ただし、稚内から網走まで必要かどうかということになると、いろいろ問題はあろうと思いますけれども、しかし上越新幹線にしても東北新幹線にしても、長距離の輸送を新幹線形式にするということは、日本列島改造論のよしあしとは別に、これは必要なことだと、こう思っているんですよ。
 しかし、この新幹線を建設をするに際して、いま運輸省なり国鉄がとっている態度というふうに見られているのは、通勤新線を抱き合わせにして、これをえさにして、そして何とか用地買収やなんかをうまくやろうとしているんじゃないかと、こういうふうに見られているわけですよ。そういう印象があるわけですね。
 それで埼玉県議会からも、この間、私は陳情書をもらいました。おそらく知事から運輸大臣のところにも陳情に行くんじゃないかと思うんですけれども、内容は「去る三月十日提示された新幹線建設に関する新提案のうち、通勤線併設については、地域社会の発展に資し評価すべきものがあるが、与野以南の新幹線が高架方式に変更されたことは、都市化された県南地域の多くの人々の生活環境をそこなうものと思料されまことに遺憾である。よって、政府並びに国鉄、鉄道建設公団当局におかれては、新幹線等の建設について次の点を措置するよう強く要望する。」と、一つとして、「与野以南の高架による建設は、周辺の生活環境がそこなわれるので、構造を再検討するとともに、公害対策についても万全の措置をとること。」二つとして、「通勤新線等の建設は、地元の要望に対応し、早期にその実現を図ること。」三つとしては、「大宮以北の東北線、高崎線の通勤緩和対策も、すみやかに実現をはかること。」以上が「地方自治法第九十九条第二項の規定により意見書を提出する。」という内容になっているわけですね。
 これは県の議会でもってまとめられた意見だと思うんですけれども、私どもが見ても、もっともであるというふうに思われる点が多いと思うんです。この提案に対して、政府としては、一体、どのような方針を持っておるのか、その点をお聞きしたいと思います。
#61
○国務大臣(新谷寅三郎君) お読み上げになりました要望は、私のところへも県議会から、これは参考か何か知りませんけれども、とにかく私の手元に届いておりまして、私も拝見いたしました。これについて、私からいまここで全体について具体的に意見を申し上げることは控えたほうがいいかと思います。というのは、国鉄と現地当局との間でいろいろ交渉中のものもございますから、私から具体的なことは申し上げることを避けたほうがいいんじゃないかと思いますけれども、これ、高架にするとか、地下にするとかいうことについては、両方でいま盛んに検討もし、交渉をしておる段階じゃないかと思う。せっかく、これはしかし、あなた御心配のように、これはここに書いてありますが、特に国鉄としても、運輸省としましても、これはおくれてもいいんだというような考えは少しも持っていない、一日も早く解決して、一日でも早く幹線の工事にかかれるようにしなければいかぬということはもう言うまでもないんです。同時に、先ほどお尋ねがございましたが、通勤線の問題も同様でございます。これは理論的に言いますと、通勤線と――これは、さっきから何べんも申し上げているように、非常に誤解があったと思います。何か通勤線が、新幹線の問題と条件的な問題だというような、どこでそんな意見が出たか知りませんが、運輸省としては、そんなことは考えたこともありませんし言ったこともないと思います。さっき申し上げたように、これは別個の問題でございますけれども、たまたま時期を同じゅうしてそういった必要に迫られておるんですから、しかもこれは全然別なところを走るんじゃなくて大体同じ場所を走るということになりますと、さっきからるる申し上げておりますように、用地買収にしても工事するにしても、とにかくお互いに、住民の方にも、あるいは国鉄側にとっても、これは非常に急ぐと同時に、これを並行的に解決していくのが望ましいと、こういうことなんですね。
 ですから、何かこれを条件のようにして、新幹線の用地買収を円滑にするように考えているんだということは、これは全くわれわれの意図しないところで、むしろ両方を早く現地の方々の御協力によって解決してくださるようにすることが、両方の線を早期に着工し早期に完成させるというのには、それが一番早道だというふうに思っておるんです。われわれ、別に努力も惜しんでおりませんし、経費も惜しんでおりません。これについては、できるだけ地元の御協力を得て早くやっていただきたいということが、われわれの希望でございます。
 その意味においては、ここに書いてありますことは、いまお答えしたようなことで、抽象的ではございますけれども、大体お答えになっているんじゃないかと思うんですが、そういうように御了解をいただきたいと思います。
#62
○瀬谷英行君 では具体的に、与野以南の高架による計画は、どれだけの幅でもって町中に入ってくるのか。それから、この高さはどのくらいなのか、地上からの高さですね。地上から線路までの高さは一体どのくらいあるのか。それから、その幅は一体どのくらいあるのか。それから高架の線路用地から民家までの距離はどのくらいあるのか。側道をつくるとすれば、どのくらいの側道をその間に設けるのか。公害対策等について、懸念されるような心配はないのかどうか。その点についてお伺いしたいと思うんです。
#63
○説明員(内田隆滋君) 新幹線を高架でつくります場合に、幅は大体十一メーター五十でございます。それに側道を工事用に四メーターつくりますので、十五メーター五十ぐらい、片側に側道をつくった場合、そのぐらいになります。それから通勤線を抱き合わせますと、やはり側道を入れまして十五メーターぐらいでございますので、大体側道幅を入れて三十メーターということになります。ただし、これは国鉄が工事に必要なためにつくる側道でございますので、いわゆる高架橋に沿う側道といたしましては、今後地元とお話し合いをして、幅を何メーターにするかというようなことは、今後考えてまいりたい。
 それから高さについてでございますが、これは普通の場合にはレールレベルが地上から七メーターぐらいということでございますが、いろいろの障害物を越すというような場合には、高さが十五メーターぐらいになることもございます。
 それで公害、いわゆる騒音、振動の問題でございますが、これにつきましては、先生も御承知のように、東海道新幹線におきましては非常に御迷惑を現在おかけしておる次第でございまして、主たる原因は、いわゆる騒音、振動というようなことがそれほどやかましくない時代につくったものですから、橋梁に鉄の橋梁を使ったということが非常な大きな原因でございます。そのほか高欄、いわゆる防音設備等についてもあまり意を用いなかったということで、非常な御迷惑をおかけしておるわけでございますが、それに経験を得まして、山陽新幹線ではすべてそういうようなものを新しくしまして、非常に効果をあげております。今後つくる新幹線につきましては、山陽新幹線でまだ不十分の点もございましたので、それらの点も完全に解決いたしまして防音対策をやってまいりたいと思っています。
 これらの具体的なものを申し上げますと、いわゆる高架橋のそばの防音壁あるいはこれに付帯する吸音板、それからバラストの場合にはバラストの下にいわゆるバラストマットを敷くというようなことを考えております。あるいはまた、実際にはあの付近は軟弱地盤でございますので、音あるいは振動に対しましては、いわゆるPSのコンクリートけたで、飛んでまいりますと非常に音並びに振動に対して好結果が得られておりますので、大きな基礎にいたしまして、スパンを長くとるというようなことをいたしますと、格段に防音、振動の問題は改善されていくというふうに考えております。
#64
○瀬谷英行君 いまお聞きすると、幅が十一メートル五十、側道四メートル、その側道は片っ方しかつけないということだから、そうすると、民家とすぐ側道が四メートルだとしても四メートルで民家になっちゃうわけでしょう。そうすると、それで振動なり騒音なりの問題がないというふうにいえるんですか。ゆっくり走るのなら別だけれども、二百キロからのスピードで走ればこれはかなりの騒音というものが考えられる。そうすると線路と民家の間というものは相当空間を置く必要があるんじゃないかという気がする。これでは側道のないところは空間も何にもない。いきなり民家のまあ軒先ということはない、高いだろうから。しかし鼻っ先を新幹線が走るというかっこうになっちゃうんじゃないですか。だから高さのほうは、さっき私、聞きましたね。高さがどのくらい、幅がどのくらい、民家との間隔はどのくらいということなんです。その点がはっきりしないと、該当地域の人は、これは非常に関心を持っているだろうと思うんですがね。
#65
○説明員(内田隆滋君) ただいま申し上げましたのは、私、国鉄で工事をやるために必要な幅を申し上げたわけでございまして、これは現在の計画では、新幹線と通勤線を並行して引くということで、片側四メーターずっということで申し上げたんです。これは市街地とか人家があるところ、これらの問題につきましては、大宮以北でもお話し合いを進めておりますように、、いわゆる側道幅を十メーター、あるいは十二メーターというふうなことになるわけでございまして、これらの問題につきましては、いわゆる建設省あるいは地元の自治団体等と御指導あるいは御相談をいたしまして、基本的ないわゆる町づくりの幅をきめてまいりたいというふうに考えております。
#66
○瀬谷英行君 建設省と話し合いということがありましたが、建設省とすれば一体こういう鉄道用地などの建設をされる場合に、民家との間の間隔はどのくらいといったような基準はあるのかないのか。それは環境庁の公害対策の面とも関連をしてちょっとお聞きしたいと思うのですけれども、それはどうでしょう。
#67
○政府委員(松野幸泰君) 別にきめていないように言っております。
#68
○瀬谷英行君 建設省としちゃ新幹線が建設をされる予定地、それは民家との間がどのくらいか、道路との関係はどうかといったような問題。先ほど御答弁の中に、建設省とも話し合ってというふうに答えが国鉄側からありましたから、私、聞いたわけなんですよ。別に聞いていないということなんですが、どういうことですか。
#69
○政府委員(松野幸泰君) そのとおりです。
#70
○瀬谷英行君 そのとおりじゃわからないですがね。
#71
○政府委員(松野幸泰君) 別に相談はまだ受けておりません。
#72
○瀬谷英行君 こっちは、国鉄側は相談しているような話なんですが。
#73
○説明員(内田隆滋君) これは実際に交渉の相手は地元になるわけです。ただ都市計画事業としてやりますので、実際には相当程度建設省ともお話し合いをする場面が出てくるという意味で申し上げましたので、先生御承知のように、
  〔理事江藤智君退席、委員長着席〕
大阪以西におきましては、いわゆる阪神三市、これは行ってごらんになればわかりますけれども、両側十メーターということで、りっぱな道路が新幹線の両側にできておるわけでございますし、それから以西につきましても、町の道路づくりと一緒に新幹線をつくるという例が岡山、その他博多付近でも五ヵ所ほどございます。
 そういうようなことをやりまして、実際にいわゆる騒音問題を処理してまいりたいというふうに考えております。ちなみに、御承知だと思いますけれども、環境庁のほうから出ている基準といたしましては、いわゆる八十ホン以下にしなさいというのが目標値として出ておるわけでございまして、もし八十五ホン以上になると、それらのいろいろの国鉄で防音装置をいたしましても、なおかつ八十五ホンをこえるようなものについては移転補償等その他の措置をするというのが現在の勧告でございまして、われわれとしては、もちろんこの基準に甘んじているわけじゃなくて、それ以下ということで、今後努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#74
○瀬谷英行君 両側十メートルということですけれども、両側十メートルという幅をとるということは、上越並びに東北新幹線等についても、大体市街地はその方針でいくということなんですか。
#75
○説明員(内田隆滋君) これは沿線の状況によって違います。市街地付近と、いわゆる畑のようなところもございますし、それらの状況を見て、今後協議を進めてまいりたいということでございます。いわゆる環境の保全ということにつきましては、国鉄だけではなくて地元の御協力も相当程度仰ぐという方針でいままでまいっておりますので、これらのものは都市計画事業とあわせて全体の町づくりを進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#76
○瀬谷英行君 地元の協力を仰ぐということでありますけれども、それは地元としては協力をしたいと思っても、あんまり鼻先を新幹線に通られるということでは、これは困ると思うんですよ。いままでたとえば八十ホン云々という話がありましたけれども、十メートル程度離れた程度で八十ホン以下にその騒音を押えられるという自信はあるんでしょうか。いままでの既設の新幹線の経験から照らしてどうですか。
#77
○説明員(内田隆滋君) 大阪−岡山間の経験からいたしまして、それに新しい技術を加えれば十分やっていけるという自信がございます。
#78
○瀬谷英行君 環境庁にお伺いしたいんですが、環境庁としてはこの新幹線の騒音、振動等もろもろの公害に対してどういう基準を持っておるのか。また現在完成をされている東海道並びに山陽新幹線の場合どのような問題が起きているのか、あるいは起きていないのか。その問題は環境庁自身が調べたことがあるのかないのか。その点いろいろとこの機会に述べていただきたいと思うんですが。
#79
○説明員(鈴木善晴君) 新幹線が開設されまして以来、沿線の各地で騒音問題、振動問題がいろいろ頻発しております。いままでに環境庁に対しまして、環境基準を早くつくってもらいたいとか、防音壁をつくってもらいたい、あるいは緩衝地帯をつくってもらいたいとか、あるいは被害補償措置とか速度制限等の実施についていろいろ陳情をいただいております。地方公共団体などから環境庁に寄せられております陳情は、現在まで二十数件になっております。
 こういう新幹線による騒音とか振動の公害を防止するためには、環境庁としましては、先ほど国鉄からもお話がありましたように、防音壁を設置するとか、あるいは線路構造を騒音、振動の少ないものにするとか、あるいは車両自体を改良して車両自体が出す音を減らすとか、あるいはそれで足りない分については住居に対する防音工事をするとか、あれいは先ほどお話に出ておりましたような、市街地を新幹線が通る場合には以上申しましたようなことだけでは不十分でございますので、さらに両側に緩衝地帯をつくるとか、そういったいろいろな施策を総合的に進めていく必要があるというふうに考えております。
 そこで環境庁としましては、昨年の十二月に新幹線の沿線に騒音による被害がたいへん激しく起こっている地域があるということから、緊急対策を講ずるように、運輸省に勧告したところでございます。したがって今後建設される新幹線につきましては、現在すでに効果の認められております、先ほど申しました防音壁をつくるとか、線路構造を変えるとか、あるいは車両の構造を変えるとか、そういったこと、従来の教訓といいますか、東海道新幹線による教訓、さらにそれを生かして新しくつくった山陽新幹線についてさらに教訓が得られておりますので、そういったものを新しくつくる新幹線には導入して、新幹線から生ずる騒音、振動、そういった公害を防止していくようにしていきたいというふうに考えておりますし、特に、繰り返しになりますけれども、都市の中、ただいま先生から家の鼻づらを通るというような話がありましたが、そういった都市内を通る場合には特に緩衝地帯をつくるとか、そういうことでさらに一そう配慮していく必要があると考えておりますので、そういった点につきましても、今後国鉄その他関係機関等と十分相談して公害のない新幹線をつくるように努力していきたいと考えております。
#80
○瀬谷英行君 問題は新幹線をつくるといっても、あまり新幹線と接近していないところはいいかもしらぬけれども、接近しているところにしてみれば大問題だろうと思うんです。いまのお話によると、せいぜい両側十メートルということですが、十メートルというと、委員長のところから大臣のところまでぐらいしかないですな、距離的には。これだけ離れて騒音、振動、電波障害、もろもろの公害は心配ないんだというふうにしろうとには感じられないわけですよ。いま国鉄側はもう技術が発達しているから心配ないんだという話なんですけれども、環境庁自身が実際に東海道なり山陽新幹線の沿線からいろいろな陳情なり苦情なりを受けているとすれば、それはどういう地域なのか、具体的には新幹線とどのくらい離れているのか、それらの点について調査をされている資料があったならば報告をしていただきたいと思います。
#81
○説明員(鈴木善晴君) 現在すでに設置をされております新幹線の沿線全体について、先生おっしゃいましたような意味での調査というものをしたことはございません。
 ただ現在までに、先ほど申しましたように、二十数件、関係のところから陳情、要望などをいただいておりますが、そういうところは大体地域別に見ますと、愛知県とか静岡とか岐阜とか、あるいは兵庫とか岡山とか、そういった地域から出ているものでございます。
#82
○瀬谷英行君 愛知県、静岡県、岐阜県、岡山県、兵庫県ということになるとあらかたになつちまうんですが、ほとんどの地域ということになるわけですね。そのいろいろ問題が出ている地域は、新幹線とどのくらい離れている地域から、どういう種類の苦情が出て、いろんな意見が出ておるのか、その点わかりませんか。
#83
○説明員(鈴木善晴君) 特に騒音でたいへん迷惑しているというようなことで陳情を受けておりますところは、具体的に申しますと、先ほど国鉄からもお話ありましたように、鉄けたと申しますか、昔、鉄橋といっておりましたが、そういう無道床鉄けたというような線路構造のところが住居から数メートルのところを通っているというところが一番ひどい被害を受けておりまして、そういうところからの苦情、陳情がたいへん激しく行なわれているということで、先ほど県名で申しましたけれども、たとえば静岡県でいえば浜松のあたりの森田架道橋とか、あるいは愛知県でいえば名古屋の駅に東京のほうから入っていくところが、町の中を新幹線が通っておりますが、そういったところでたいへん強い苦情が出ている。ほかの地域でも大体苦情が多いのは、そういう無道床鉄けたを使っておるところの地域のそばに住居がある、あるいは無道床鉄けたを使っておりませんでも新幹線そのものが住居から数メートルのところを通るというようなところに特に被害が多く出ているというふうに承知しております。
#84
○瀬谷英行君 いま報告がありましたが、やはりそれは住居と線路が近接をしているところということなんですがね。すでにできてしまったところはなかなか住居のほうがどこかへ引っ越しをする以外に解決の方法がないわけなのですけれども、これからつくろうという場合には、いままでの体験を生かして住居と鉄路の部分を相当離すということをやろうと思えばできるわけですね。またそれはやるべきじゃないかと思うのです。でき上がったあとで苦情が出てみたところで、二百キロのスピードを二十キロに下げるというわけにいかないですからね、これは新幹線である以上。そうすると、もう泣き寝入りになってしまう。どうもいままで環境の話を聞いてみると、苦情が出ているところは泣き寝入りのような感があるわけです。そういう点を地元としてはおそれるわけです。そういうことがあっちゃいかぬと思う。
 特に上越・東北新幹線でも、それは東京から離れれば離れるほどそれは野原もあるし山もあるでしょうが、近づけば近づくほど住居密集地帯になるわけですね。この住居密集地帯は一体がまんできるかどうかという問題が出てきますよ。特に大宮から赤羽までの埼玉県の県南、それから赤羽周辺、東京都、この辺は相当問題だろうと思う。
 それからこの機会にお伺いしたいと思うのですけれども、成田新幹線という問題があるのですね。成田新幹線の場合は、これまた東京から成田までですから、東京都内、それから千葉県の東京寄り、住宅密集地帯を通らざるを得ない。こういうところを、住宅密集地帯を地下でなくて、高架で通るというような場合には、相当な公害というものが想定されるのは当然だと思うのですね。それらに対して一体どういう対策をもってこれから折衝しようとしているのか、地元の反応としては一体どういう反応があるのか、その折衝は円滑に行なわれているのかどうか、その点をお伺いしたいと思うのです。
#85
○説明員(内田隆滋君) いまお話がございましたが、まずどういうところを対象にしてというお話がございましたが、私のほうとしては、基本的には環境庁の指示のとおりでございまして、窓ぎわ一メーターのところでもって八十ホン以下にするというのが目標になるわけでございます。それで実際に山陽新幹線の場合には、八十ホン以下のところは、線路の中心から十二メーター五百でございますので、これば四メーターの側道の端というぐらいのところでございますが、ここで八十ホン以下が大体七二%でございます。あと二八%は八十ホン以上でございますが、これを今後一年間に吸音設備その他をいたしまして、八十ホン以下にしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。で、赤羽以南につきましても、これは地元との御折衝でございますが、まずできるだけ町づくりをして環境をよくする、このためにはこの高架橋の両側に十分の側道をとるということがまず第一だろうと思います。そうして、その沿線にできました住宅に対しましては少なくも目標として八十ホン以下にするということを前提にして今後折衝を進めてまいりたいというふうに考えております。
 それから地元の折衝につきましては、もう先生御承知のとおりでございまして、その後、私のほうといたしまして、県並びに各市町村に  新幹線と通勤線を両方を高架でまいりたいということで、概略のルートを市の理事者に御説明をいたしました。これに対しましては特に与野市、浦和市を中心といたしまして非常な民衆の反対同盟ができまして、ただいま難航中というのが現状でございます。しかし、われわれとしては、担当者並びに本社からも県なり市へ参りまして、いろいろとわれわれの計画の意図するところを現在説明をいたしております。なお県知事さんのほうから、ただいま先生が御説明になりましたようなお話がそのうちにあるというように聞いております。現在のところそういうふうな状況でございます。
#86
○瀬谷英行君 難航しているということでありますけれども、新幹線の陳情、いろいろ集めてみるとかなり多くの陳情があるようです。これは埼玉県、東京都にしても同じでありますが。そうなると、地元とすれば、でき上がってしまったあとでいろいろ文句言ってもこれは追っつかないわけですから、だから、でき上がる前に騒音公害等については、十分に遺憾のないようにしてほしいということを希望するのは当然だと思うんですよ。ただ、どのくらいの側道をとれば十分なのかということもありますね、これは。いままで、とにかく山陽新幹線、東海道新幹線というモデルがあるわけですから、ここでもって騒音がどのくらいかということは現にわかっているわけです。だから、いままでの既設新幹線の経験に照らして、新しく想定をされる地域ではこれは当然注文をつけるのはもう無理のないことだと思うんですよ。地元として、たとえばどのような注文をつけておるのか、その地元の注文が無理のないものであれば当然これは聞かなきゃならぬと思うんですが、その点わかりましたら、国鉄側のいままで知り得た範囲内の地元の意向というのをお聞かせ願いたいと思うんです。
#87
○説明員(内田隆滋君) 地元の意向は先生からお話のあったのが大体の意向かと思います。ただ与野市、大宮市等はただいまのところでは新幹線の通過に対して絶対反対というようなことを言っておるわけでございます。県知事さんのほうからは高架構造につきまして検討を願いたいというようなお話があるというふうに聞いております。それにつきましては、現在、あの付近が非常な激しい地盤沈下を伴ういわゆる軟弱地盤でございまして、これにつきましては、その後相当の調査をいたしましたけれども、このような軟弱地盤に地下構造物をつくることにつきましては、将来変状または破壊のおそれがないとは言えないということでございまして、一たんそういうような状態が起こりますと、地下構造物というのは維持管理に非常な困難を伴いますので、われわれとしては地上でいって補修が簡単なほうが、補修が非常に容易であるというような構造にするのがいいと判断をいたしたわけでございます。したがって、あのような軟弱地盤につきましては高架構造が最適であるというふうに考えておるわけでございます。
#88
○瀬谷英行君 地元とすれば、特に大宮から南のほうは高架では困ると、こういう意向が強いわけですね。ところが、いまのお話を聞くと、やはり高架でなければ困るというのが国鉄側の意向のようです。そうすると意見が対立するわけなんですけれども、地元の県知事の意向というものを、この際、やはり参考人として出席を求めて聞いてみる必要があると思う、それはこの機会だから、あわせて私のほうから希望申し上げたいけれども。成田新幹線についても同じだと思うんですよ。それから東京都内についても同じだと思う。これは一度でき上がってしまえば簡単にやり直しのきかない仕事なんですから、それだけに慎重を期する必要があると思います。地元で強硬に反対をしているものを、それまた強引に新幹線を建設するということも、これは不穏当な話であるというふうに思わざるを得ません。したがって、それらの点についての新幹線の根っこになる東京都知事なり、あるいは埼玉県知事なり千葉県知事なりの意見というものを聴取する必要がある、こういう気がいたします。このことは理事会において御検討をいただき、私の希望に沿うような措置を講じてほしいと思います。
 それから、あわせてこの機会にお伺いしますけれども、成田新幹線は一体どうなっているのか、これはさたやみになってしまったのか、やはりあきらめないで考えておるのか、これらの問題があります。これだって相当な費用を要する大きな仕事だと思うのでありますけれども、これは空港の問題とも関連があるわけでありますが、一体政府としてはどのように考えておるのか、この点をお伺いしたいと思います。
#89
○国務大臣(新谷寅三郎君) 成田新幹線についてお答えいたします。
 これは鉄建公団がいま調査に当たっております。この調査の内容はまだ具体的に報告を受けておりません。おりませんが、政府としては、これは当初から空港建設に伴いましてアクセスの一つとしてどうしてもほしいということで計画をしたのでございまして、まだ計画は捨てておるわけではございません。ただお話があったように、一番大切な東京の取りつきの部分がどうしてもまだ地元との関係で合意を得る段階になっていないというものでありますから、それが解決しないと、これはルート変更するとか、あるいは他の方法を考えるとかというようなことについて再検討をしなければならぬかどうか、これはまだ最終的な段階に来ておりませんので、いま鉄建公団をして鋭意調査させると同時に、地元との折衝に当たっておるというので、具体的にはまだ工事にも着手していないし、用地の買収にも着手をしていないというのが実情でございます。
#90
○瀬谷英行君 じゃ、先行ききわめて見込みが薄いということになってしまうわけですが、成田新幹線は、成田空港そのものがどうなるかということからはっきりしないんですからね。もし成田空港ができた場合、いま京成電鉄が成田まで行っているわけですよ。それから総武線も成田線も国鉄の在来線があるわけです。あれで間に合わないのかどうか。どうしても成田新幹線というものをつくらないとまずいのかどうか。その点、交通問題としての成田空港のあり方は一体どうなのか、お伺いします。
#91
○国務大臣(新谷寅三郎君) 成田新幹線ができることが最善の策だと思っております。しかし成田新幹線がない場合には空港と都心との間の往来が行き詰まってしまってできないかというと、そうじゃないと思います。しかし成田新幹線ができるのと比較いたしますと、非常に不自由であり、時間も多くかかるというような結果になるだろうと思います。でございますから、さっき申し上げたように、計画は捨てておりません。何か地元との合意を得るように、鉄建公団に交渉さしておるというのが現在の段階だと申し上げたわけですが、その他の問題としては、お話しのように私鉄もございます。それから高速の道路もございます。国鉄もいまおっしゃったような線がありますから、そういったものを併用することによって成田新幹線ができました暁には、それに対応するような輸送対策というものは立てられると思っております。いま具体的に新空港ができました場合にどのぐらいの人が、あるいはどのぐらいの貨物がどういうルートでどのぐらい需要が出るだろうかというようなことについても測定をすると同時に、それに対応するような輸送対策を研究をしておるということでございます。
#92
○瀬谷英行君 新幹線の問題は、私は上尾事件から新幹線の問題というふうにいろいろ質問をしてきましたけれども、この法案の中で重要な部分を占めているのは新幹線計画ですよ。十兆五千億という予算の中で約半分は新幹線計画ですね。その新幹線計画が一番根っこのところで一体どうなるかわからぬということであれば、この国鉄の財政再建計画そのものを根本的に考え直しをしてもらわなければならぬということになるわけですからね。そこで新幹線の問題について私は重要視しているんです。
 特にいままでお聞きをした範囲では、新幹線の公害等についてはわりあいと当事者である国鉄側は楽観をしているように聞き取れるわけです。しかし私ら考えてみたって、五メートルや十メートル離れただけで八十ホン以下に騒音を押えられるかどうかということはちょっと疑問のような気がする。また八十ホンという基準が適当であるかどうかということも問題があろうと思うんです。これはまた環境庁に戻って聞きたいのですけれども、八十ホンという基準というのは、一体どこから出てきているのか。八十ホンというのはちょっとそう言われただけじゃわれわれにはわからないんですけれども、耐えられるか耐えられないか。音の問題だから実際に聞いてみないというと、ちょっと見当がつかないんですけれども、環境庁としては、場所によっては、宮城県かどこかは七十ホン以下にすべきであるという地元の見解が出ておるようでありますが、その点について環境庁の一つの基準の取り方なり、それから地域によってはどういう要望が出ているのかということもあわせてお伺いしたいと思います。
#93
○説明員(鈴木善晴君) お答えいたします。
 先ほどから国鉄の方から八十ホンというお話が再三出ておりますが、八十ホンという数字は実は既設の東海道新幹線とか、それから山陽新幹線のうち、岡山まですでにできてしまった新幹線について被害が甚大であるということで、とりあえず緊急対策としてお示しした数字でございまして、この数字がそのまま新しくできる新幹線に適用になるというわけではございません。八十ホンという数字は、それじゃなぜ出てきたか、緊急対策としてではあっても、なぜ八十ホンというのでいいということになったかということにつきましては、被害を受けている人たちの中で、三〇%とか四〇%の人が苦情を言うのが大体重大な被害であろうというふうに考えまして、過去のいろいろな調査を見たところ、新幹線の音が八十ホンをこえると急に苦情が多くなるという事実がございましたので、そういった資料を勘案しまして、中央公害対策審議会の中の騒音振動部会で緊急対策として八十ホンという数字をお示ししたわけでございます。最初に申しましたように、繰り返しになりますけれども、これはあくまでもすでにできてしまった新幹線についての応急措置としての数字でございますので、新しくできる新幹線を含めて、新幹線全体の騒音が一体どの程度であれば満足すべき状態であるということにつきましては、まだ環境基準というものができておりませんので、現在中央公害対策審議会の騒音振動部会のほうで専門の先生方に御検討をいただいているという状態でございます。
#94
○瀬谷英行君 そうすると、これもちょっと委員長並びに理事打合会で検討していただきたいと思うんですけれども、八十ホンというのはどのくらいかとここで幾ら論議したってわからないわけですよ。そこで現地調査等をやって新幹線の特殊な場所に行って、そこは一体どのくらいの音が出るものか、その周辺の民家の苦情はどういうものか、これもこの機会にあわせて調べてもらったほうがいいと思うんです。具体的にはどうしたらいいかということは理事会におまかせをしたいと思います。
 もう一つ、成田新幹線の問題ですね。これもどうもはなはだもってわかりにくい。成田に新幹線をつくるということは、空港が開設をすれば必要であるという、一応の見方をとっておるけれども、地元としては、成田新幹線というものを望んでおるのかおらないのか、必要がないと思っておるのか。それから採算の点からいって合うようになっているのかどうか、もっとも採算の点は国鉄のほうに聞かなければわかりませんが、地元の意向というものをやはり確かめる必要があると思うのです。これらは千葉県知事等の意見というものを聞いてみたいという気がいたします。したがって、これもいまここで、すぐにというわけにいきませんから、理事会にお預けをしたいというふうに考えますが、今度成田新幹線の問題について、採算点からいって、一体ペイするようになっておるのかどうかこのことをお聞きしたいと思うのです。
#95
○説明員(内田隆滋君) 新幹線の収支につきましては、輸送量等につきまして推定が入りますけれども、現在のところ成田新幹線につきましては、償却前収支で六十一年、それから償却後収支が六十五年、そのくらいの感じになろうかと思います。これは建設費は三%という現在の再建ベースで計算をしております。
#96
○瀬谷英行君 それじゃ、この再建十カ年計画の中では、かりに成田新幹線ができたところで、これは引き合わないということになるわけですか。
 それじゃ、今度は東北新幹線についてお聞きしますが、現在これは盛岡まで計画になっておりますけれども、東北新幹線、盛岡まで行ったところでしようがないと思うんです。青函トンネルを掘っているというのは、盛岡から青森まで延ばして、さらに青森から青函トンネルをくぐって北海道へ渡るというのがその目的であろうと思いますが、東北新幹線は青森までで一応終わりになって、それから先はどういうことになるのか。それから北海道までの新幹線ができるとすると、青函トンネルの工事費と合わせて建設費は一体、東北新幹線はどのくらいになるのか、これの収支等の見通し等について、これまたお伺いしたいと思います。
#97
○説明員(内田隆滋君) 東京−札幌間の工事費でございますが、これはまだ盛岡以北につきましてはルートが決定しておりませんので、ごく概略の数字でございますが、二兆四百億というふうに推定をしております。そのうちに青函隧道の工事の二千二百五十億円を含んでおります。それで、これも非常に推定が入った収支計算になりますけれども、東北は御承知のように五十二年の春に盛岡まで開業、それから再建計画によりますと、五十四年度中に札幌までは開業ということで収支計算をいたしますと、五十二年度、東北新幹線は開業当初から償却前の黒でございます。で、償却後が黒になりますのは、五十四年度に今度は札幌までが開業いたしますので、少し経費が落ちまして、五十七年度に償却後の黒になる見込みでございます。
#98
○瀬谷英行君 この東京−札幌間二兆四百億ということですけれど、この間委員会で、新幹線の計画、十兆五千億のうち四兆八千億が新幹線の計画であるというふうな報告がありましたけれども、その四兆八千億の中にこの二兆四百億が含まれるんですか。
#99
○説明員(内田隆滋君) これは四兆八千億というのは国鉄の予算でございまして、この新幹線は、盛岡以北につきましては建設公団と国鉄とが、どちらがやるかということはまだきまっておりません。したがって、そういう意味では、この中にまあ国鉄の予算としては半分入っていると、盛岡以北については、というような感じになるわけでございます。
#100
○瀬谷英行君 四兆八千億、半分入っているというのはこれはどういう意味ですか。
#101
○説明員(内田隆滋君) 四兆八千億の内訳は、山陽新幹線が四千億ですね、それから東北線の東京−盛岡八千三百億、それからいわゆる五新幹線、調査線でございますね、これが一兆四千五百億。これは総額が二兆九千億でございます。その半分を国鉄がやるとして一兆四千五百億でございます。そのほか今後、調査五新幹線以外のいわゆる七千キロの新幹線の分が一兆五千億入っておるわけです。それに車両が五千八百億入りまして四兆七千六百億ということになっております。
 したがって、そういう意味では、東北の盛岡札幌間につきましては、一応かっこうとしては半分の金が入っているということでございます。
#102
○瀬谷英行君 東北新幹線は盛岡ということになっているけれども、東北新幹線というのは盛岡でおしまいというわけじゃないでしょう。青森までが東北新幹線ということになるわけですね。それから先はどういう名称になるのですか。
#103
○説明員(内田隆滋君) 青森から以北は北海道新幹線ということにきまっております。
#104
○瀬谷英行君 北海道新幹線、東北新幹線を合わせて二兆以上かかるということになるわけですね。それが五十七年度で償却後黒字になると、こういうわけですか。
#105
○説明員(内田隆滋君) そのとおりでございます。ただし、これは再建ベースでございまして、三年ごとの運賃値上げ、その他諸物価の値上げその他は、再建の長期計画を組んだときの条件を条件として収支計算をしております。
#106
○瀬谷英行君 ちょっと常識的に考えて、北海道新幹線は青函トンネルの費用を含めて二兆円の金をかけて、そう簡単に黒字になるかどうか、ちょっと危惧の念があるわけですがね、東海道のようなわけにはいかぬだろうという気がしますよ、北海道の場合は、人口五百万の北海道ですから。時間的には飛行機にはかなわぬと思うのです、新幹線ができたとしても。その場合に、これは一つの見通しとして、五十七年度以降黒字であろうという一つの見通しだろうと思うのですがね。そうすると、やはりこれもこの十ヵ年計画の中では黒字になるということにはならぬということになるわけですね、この北海道新幹線も、五十七年まではね。
 それから、この機会にちょっとお伺いしますが、盛岡までということになっているのはどういうわけなんですか。なぜ青森までということにしないのか、東北新幹線をですね。
#107
○政府委員(秋富公正君) これはいわゆる新幹線鉄道整備法に基づきまして、第一次の整備計画を決定いたしましたものが東京−盛岡、いわゆる東北新幹線、上越新幹線といたしまして東京−新潟、それから成田新幹線といたしまして東京−成田空港、これが現在工事中の新幹線でございまして、盛岡から先につきましては、現在調査線といたしまして、国鉄と鉄建公団において調査しておるわけでございます。ただし青函隧道につきましては、鉄建公団においてすでに工事中でございます。
 それから、いわゆる北陸新幹線あるいは九州の新幹線、長崎あるいは鹿児島、これもいずれも調査五線と申しておりますが、これも調査中でございまして、盛岡までいたしましたのは、東北新幹線といたしましては途中でございますが、第一次のいわゆる整備計画に基づきましてただいま国鉄が建設中の運びでございます。
#108
○瀬谷英行君 これはこの機会に、この前山崎委員からもちょっと質問があったようですが、東北新幹線、盛岡−青森間というのは、これはまだ調査線なんですか。この間をつながないことには北海道に行かれないわけだから、つながざるを得ないと思うのですがね。これは盛岡までを第一期として、盛岡まで完成してみたところであんまり意味がないでしょう、これは。盛岡から青森までつなぐということでなければ東北新幹線としての体をなさないわけですね。それで青森までつなぐというのはでき上がりの東北新幹線の姿なんでしょう。当然常識的にはそうなりますね。その場合に、それでは新幹線は、青函トンネルを通るのは新幹線だけなのか、この青函航路というのは、たとえば他に転用するといったようなことになるのか、貨車は相変わらず船で運ぶということになるのか、青函トンネルを貨物輸送と並行してやるということが可能なのかどうなのか、その点についてもお伺いしたいと思います。
#109
○政府委員(秋富公正君) 第一次の整備計画といたしまして、盛岡、新潟、成田、これをきめましたのは、いわゆる在来線の輸送力におきまして、盛岡までが、御承知のとおり非常に現在の輸送量も張ってきております。これは新潟−東京についても同様でございまして、一番緊急性の高いものからいわば工事に着工したわけでございます。で、これはいずれも五十二年度に開業ということを目ざしておるわけでございますが、青函隧道が御承知のように五十三年度に完成を目ざしておりまして、盛岡から青森まで、さらに函館から札幌まで、これはいずれも青函隧道の開業とあわせて開業できるように、今回の再建計画におきましては計画しておるわけでございます。
 それから次に青函隧道、いわゆる新幹線ができた場合の従来の青函の連絡船の使用の問題。もう一つ、いわゆる新幹線の青函隧道におきまして、在来の貨物輸送を行なうかどうかという問題でございますが、いわゆる新幹線と申しますのがきわめて高速でございまして、これに併用して在来線の貨車を使用するということは、地くずれの問題あるいはスピードの相違、ずいぶんいろいろと新幹線と在来線の性能の違いがございまして、これを併用するということは、きわめて危険ではないかと、したがいまして、新幹線におきましては、一つの軽量、少量物品としての輸送ということは検討しておりますが、在来の貨車を使うということは、なお検討中ではございますが、非常にいろいろと問題があると考えております。
 それから、いわゆる在来の青函連絡船をどうするかという問題でございますが、新幹線ができましたあとにおきましても、青森県と北海道、この間の近回りの旅客、貨物の輸送というものはあるわけでございまして、これにつきましては、今後も存続すべきではないかと思っておりますが、なお検討中でございます。
#110
○瀬谷英行君 北陸新幹線の問題についてお伺いしたいと思うのですが、この北陸新幹線はどういうコースで通って、その建設費はどのくらいで、その収支計算は一体どういうことになっておるのか、それから完成年度は大体いつごろというふうに見ておるのか、その点もお伺いしたいと思います。
#111
○政府委員(秋富公正君) 北陸新幹線につきましては、長野、石川を経由するという点は明確でございますが、それ以外につきましては、現在国鉄と鉄建公団におきまして調査中のいわゆる調査線でございます。で、国鉄、鉄建公団におきまして、地盤、地質あるいは地元における開発計画、全体的な総合計画、こういった面でいろいろと検討中でございまして、現在まだどのルートを通るかということにつきましては、両者において調査中でございまして、いずれ運輸大臣の手元にこの調査報告が出まして、これに基づきましていろいろと検討し、鉄道建設審議会に諮問いたしまして整備計画を決定するという段取りになるわけでございまして、まだそのルートは未定でございます。
 私、いま石川県と申しましたけれども、長野、富山経由でございます。これを取り消しまして修正いたします。
 それから工事費の問題でございますが、これもいわゆるどのルートを通るかということによりまして、工事費というものも明確には出せませんが、一応キロ当たり大体十七億程度と考えております。
#112
○瀬谷英行君 長野、富山経由だそうですから、長野と富山を回れば石川県も回るのではないですか。長野と富山を通って石川県を回らずに行く方法はあるのですかね。
#113
○政府委員(秋富公正君) 私がいま石川を富山と訂正いたしましたのは、いわゆる基本計画を決定いたしましたときに、主たる経過地というものをしたわけでございますが、その際に長野と富山を主たる経過地と、こういうふうに基本計画においてきめておりますために、石川と申しましたのを改めさせていただいたわけでございます。
#114
○瀬谷英行君 よくわからないけれども、北陸新幹線という以上は北陸を通るから北陸新幹線というのだろうと思うのです。そうすると、大体石川県と富山県なんというのは、北陸地方というのは世間のまあ相場ですが、そうすれば、向こうのほうを回る新幹線だろうと思うのですが、これも一体どのくらいかかるのかということもわからないと、ちょっと困るのですけれどもね。というのは、たとえばいま問題になっております大宮−東京間の新幹線ルートに、当初は東北、上越線だったけれども、これに北陸新幹線等も一枚かんでくるので、それで一線では間に合わなくなると、こういう説明があったわけでしょう。ところが実際に聞いてみると、北陸新幹線なんというのは、まだ海のものとも山のものとも全然これは先行きわからないようなものですね。そんな先の当てのない――当てがないわけではないでしょうけれども、当ての薄い新幹線のために、いまから大宮−東京間の新幹線ルートを二本予定する一体必要があるのかどうかということもちょっと聞いてみたいと思うのですがね。
#115
○政府委員(秋富公正君) 私がルートが明確でないと申し上げましたのは、金沢から先のほうがどういうふうなルートになるかということが明確でないという一つの問題点がございます。それからもう一つ、高崎線に大体沿って行く、いわば現在の上越新幹線で行ってある地点において分岐するということは確定的なものでございまして、しかもこの北陸新幹線は、現在の北陸地方におきます関東、関西からの輸送量から申しまして、非常にその緊急性がございまして、国鉄、鉄道建設公団にただいま調査五線につきましては、それぞれ本年度の予算で、五十億ずつすでに予算も計上されておるわけでございまして、本年度から着工いたしたいと、かように思っておるわけでございます。そういたしますと、埼玉県の地元におきましても、東北新幹線と上越新幹線というものを同時に着工されたい、こういう要望もあったわけでございまして、こういった点は、いわゆる上越新幹線、それが一本ございますと、大宮から東京までは東北新幹線とある区間は一本で併用できると考えておったわけでございますが、北陛新幹線がさらに本年度から着工ということになりますと、三本がいわば入ってくるわけでございまして、上越新幹線、北陸新幹線が一本のルートを使うと、東北新新幹線は別のルートを使うということで二本のルートが必要になり、しかもその着工は本年度を目ざして予算計上しているという、きわめて目の前の事案でございます。
#116
○瀬谷英行君 さっきの説明だと、私は一体これは、どの程度の建設費用を要するかということと、いつごろまでに完成するのかということと、どこを経由するのかということを聞いたわけだけれども、まことにあいまいだったわけでしょう。経由地としては長野と富山を経由すると、金沢から先はまだきまっていないといったような話だった。先のほうはあいまいで根っこのほうだけは、はっきり今年度から着工したいといったようなのは、ちょっと理解に苦しむわけですね。そんなに緊急性があって、直ちに着工しなければならぬというものならば、どこを経由して何年までにどのくらいの予算で、どういう規模で建設をするということぐらいは明らかでなければならないはずじゃないですか。
#117
○政府委員(秋富公正君) 私の説明が不十分でございましたと思いますが、これは昨年運輸大臣から国鉄、鉄建公団に調査を指示しておるわけでございます。で、現在国鉄、鉄建公団からの調査報告がまだ出ておりませんために、正確なルートと申しますものは整備計画をもちましてきまるわけでございますが、現段階におきましてはまだ未定である、こう申したわけでございます。
 それから建設費につきましても、これは整備計画におきまして、建設費というものも、その概算をきめるわけでございまして、現在まだルートがきまっておりませんために、正確な建設費というものがまだ計上できないというものでございます。
 それから工事の着工は本年度からでございまして、完成が五十三年度末、五十四年に開業、こういうことでございます。
#118
○説明員(磯崎叡君) 実は、運輸省にまだ私どもから調査の御報告しておりませんので、非常に運輸省としては御答弁がむずかしいと思います。私のほうから申し上げます。
 工事費は、大体いま私のほうでは高崎から大阪まで約一兆一千億くらいに見込んでおります。それから完成は、昭和五十四年度でございます。これは非常にはっきりしております。五十四年度中に開業いたしたいと思っております。そして一番問題は、多少詳しくなりますが、先生いまどこを通るかとおっしゃいましたが、大体常識的に通るところはわかるわけでございますが、いま技術的に問題になっておりますのは、やはり群馬県から長野県にどう抜けるかというルートが一つ、それから長野から富山、先生の御指摘の長野から富山、いわゆるアルプスを抜くわけでございますが、どの辺で抜けるか、日本一の破砕帯でございますので、どの辺でアルプスを抜けるかというような問題これは非常にいまうちの技術の連中が一生懸命勉強しております。もう一つは福井県から西をどう大阪に結ぶかという問題、これは非常にむずかしい問題で、大阪と名古屋の問題あるいは滋賀県の問題非常に複雑な問題を含んでおりまして、しかも大阪に私のほうあまり土地を持っておりませんので、大阪の入り方、これもいまいろいろ勉強しておりますが、その三つが非常に大きな問題で、いずれも大きな問題でございますが、いま勉強の最中でございまして、いずれそう遠くない時期に、運輸省に、私どもといたしましてはルートをお出ししたいというふうに思っております。その後は運輸省の、先ほど言われたとおり、それを鉄道建設審議会に諮問されまして、そうして年度内に、できれば私どもといたしましては着工いたしたい、鉄建公団と分担はきまっておりませんが、一応いずれにいたしましても、年度内には着工いたして、そうして昭和五十四年度に開業いたしたいというのが私どもの考え方でございまして、決して遠い未来でなしに、もう年度内着工ということを目標に、現在鋭意ルートの調査をやっている最中でございます。運輸省はそういう関係で御答弁しにくいと思いますから、私のほうから申し上げました。
#119
○瀬谷英行君 しかし今年度に着工するというのに、どこを通ってどこまで行くのかわからないなんていうことは、ちょっとこれまたわからない話なんですね。そんなに着工を急ぎ、完成を急いでいるものならば、当然どこを通って、どのくらいの予算でということははっきりしていなければならないのじゃないですか、常識的に言うと。ことしから着工するというのは、どこを通っていくかルートもわからないなんてばかなことはないですよ。それじゃ最初の運輸省の説明だと、まことにあいまいもことした、いつのころできるのやらあてにならないような線だったわけですがね。しかし、いまの国鉄総裁の話によるとこの予算が一兆一千億と、こういうことなんですね。この一兆一千億という数字は、東北新幹線の約半分ですかね。場所的にはアルプスをぶち抜くと、アルプスにトンネルを掘って富山のほうに抜けるというふうに開き取れるわけなんですがね。これもかなりの大仕事になるわけですね。で、着工するというけれども、どこから着工するのですか、これは。まだルートもきまらないうちに着工するたって、これはどういうことなのか、その点をお伺いしたいと思うのですが。
#120
○説明員(磯崎叡君) まだ私のほうが調査を完了して大臣のお手元に差し上げる段階になっておりません。しかしそう遠くない時期に大体調査を終了いたすつもりでございます。いまこの席ではまだ申し上げられませんが、大体私のほうは私のほうなりの実は腹案を実は持っております。もうしばらく検討いたしまして、いずれそう遠くない時期に大臣のお手元に私どものほうの調査をお出しすることになるだろうと思います。さっき申しました三カ所は政治的にもいろいろ問題がありますが、私どもはもっぱら技術的な、また輸送ルートとしての調査をやっていくということでございまして、きまりさえすれば用地買収ぐらいはそうむずかしくない、すぐ始められるところがたくさんございます。ルートがきまりますれば、東北の例によりましても、場所によりましてはさっそく用地買収にかかれるところが相当あるというふうに考えておりますので、きょうまだこの席で、どこを通るということを申し上げられないのは非常に申しわけでございませんが、もうしばらくお待ち願いたいというふうに思うわけでございます。
 また一兆一千億と申しましたのは、さっきの東北は札幌まで、青函トンネルを含めて二兆何がしと申したわけでございまして、大体距離的に申しますと五百キロちょっとございます。大体こんなところじゃないか、もちろんこれは概算でございまして、いま先生御指摘の、アルプスのどの部分を越えるかによって相当工事費に影響があると思います。それらを全部、ごくマクロ的に見ました概算の予算が約一兆一千億ぐらいということでございまして、もちろん正確なルートがきまった上でないと正確な予算が出ませんが、一応私のほうといたしましてのマクロ的な計算のしかたによりますと一兆一千億ぐらいということでございます。
#121
○瀬谷英行君 北陸新幹線がどこを通るにいたしましても、やはり東京から出て大阪へ向からということははっきりしているわけですね。その中間に長野を通ったり富山を通ったりするということであって、そうすると、やはりこれも先ほどの上越新幹線の問題とからんでくるわけなんですけれども、上越新幹線とじゃ高崎までは一緒のコースでよろしいのか東北新幹線と分かれるとすると、北陸新幹線と上越新幹線を一本にして、それから東北新幹線を一本にして東京に入れるということになるのか、その辺は一体どういうことになっていますか。
#122
○説明員(内田隆滋君) これは新幹線の整備法にりまして手続がきまっております。したがって、いまいわゆる基本計画が決定されまして、それに基づいて国鉄が調査をしておるわけでございます。調査を報告いたしますと、大臣は建設審議会に諮問をいたしまして、整備計画を御決定になるわけでございます。その御決定になるときに初めておそらくそういうようなところが明確になってくるのではないかというふうに考えております。
 現在のところは大体上越新幹線を共用するであろうということはそうでございますが、どこで分離するかということは明確にきまっておりません。
#123
○瀬谷英行君 この新幹線の計画について、どうもふしぎなのは、どれもこれもルートやなんかはっきりしてないんですよね。だけれども、工事だけはばかに急ぐと、こういうことなんで、はなはだどうもやりにくいわけですがね、私が特に問題にしたいのは、新幹線計画というのは大事業です。日本の歴史にとっても非常に大きな大事業だろうと思うんです。それだけに仕事を急いで、そしてそのあとあとに問題を残すようなことをされちゃ困るというのが一番大きな心配です。
 総裁の話だと、土地の買収等もそう、心配することはないようなお話なんですが、場所がきまらないうちに心配することないと言ったって、これまたどういうことなんですか。人けのないところをさがして通るというわけにいかぬでしょう、これは。そうすると、これも新幹線公害というものを考えて、相当の幅員を確保するという必要があるんじゃないかという気がいたしますね。
 そこで大臣にもう一度お伺いしたいんですけれども、一体新幹線のいろいろな公害ということがいままで報告をされているわけですが、それらの公害問題を解決する形でもって建設をするためには一体どの程度の用地を確保しなければならないかということです。もっと具体的に言うと、人家の軒先をかすめて走るというようなことでは、もはや地域住民の同意を得ることはできまいと、こう思うんですよ。相当の余裕を持ってグリーンベルトなり道路なり、何らかのあき地を線路とそれから民家との間に設ける、こういう形をとる、あるいはその間に樹木を植えるとか、いろんな形でもって騒音とか振動とか、いろんな新幹線公害というものを最小限度にこれは食いとめるということができないと、もはや地域住民が納得すまいと思うんですね。それには相当の予算も覚悟しなければなるまいという気がいたしますけれども、この予算というものはそれだけの幅を持っているのかどうか。それからまた、その構想そのものが、これからの新しい新幹線の構想そのものが過去の経緯にかんがみて十分な余裕を持った構想であるのかどうか、その点をお伺いしたいと思うんです。
#124
○国務大臣(新谷寅三郎君) 御心配いただいている点は私も同感でございます。そういうように考えていかなきゃならぬと思っているんです。ただ、おっしゃったような側道でありますとか、あるいはグリーンベルトとおっしゃったんですけれども、鉄道の両側に相当の距離を人家から離してこさえるというようなことは好ましい姿であるに違いありません。ただ、これを国鉄がその沿道の土地を全部買ってやれるかやれないかということになりますと、これはなかなかむずかしい話でございます。この点については、われわれも地方自治体に非常に強く要望しておるんです。第一、地方自治体としましては、やはり大きな都市がありますと、なるべく都市の便利なところに新幹線の駅をつくってもらいたい、これはまあ当然だと思います。で、そういうことがあります反面に、そういう密集地帯を通ると非常に住民に対する公害被害が大きいと、まあ一つの矛盾したような点が出てくるわけです。ですから私のほうでは、地方自治体に呼びかけまして、やっぱり都市計画でありますとか、そういう面で土地の利用計画というものを十分に新幹線と調和をとれるようにしてもらいたいということで、非常に強く要望しておるわけです。
 初めに東海道新幹線をつくられましたころには、おそらく、これは率直に申し上げると、とにかく早く開通しようというので、先ほど来お尋ねがあったような公害問題あるいはいまの側道とか、そういったものについての配慮が実際十分でなかった点はあると思います。ですから、いま非常に経費をかけまして、そういう問題に取り組んで、足りないところは何とかして公害を少しでも少なくしようというので経費をかけて努力しているわけでございますが、このごろの新幹線の建設にあたりましては、そういう地方団体との協力によりまして、地方団体もなるべく町のいいところを通ってもらいたい、同時に公害を防がなきゃならぬということで、土地の利用計画を協力して立ててくれておりますので、現にそういったことを実現しているところが山陽新幹線なんかでは相当あると聞いておりますし、今後はやはりどうしても町のまん中を通っちゃ困るんだというところは、これは私のほうとしては、公害を防ぐために、いろいろの施設も考えなきゃいけませんが、それでもどうしても困るというところは、どうしても都会のまん中からはずれていかなきゃしようがないんです。そうすると、非常に場所としても不便なことになると思います。ですから、お互いにそういった点を考え合わして、やはり土地の利用計画を考えて、住民に与える振動、騒音等の公害というものについては最小限度にするための土地をやっていかなきゃならぬというような方針で進めておりますから、その点は、今後建設する新幹線については特別の考慮が払われておるというように御理解を願いたいと思います。
#125
○瀬谷英行君 建設省のほうにもちょっとお伺いしたいんですが、土地の利用計画ということでいま運輸大臣言われましたね。その土地の利用計画、こういう問題はやはり建設省、運輸省というのがばらばらな姿勢であってはいかぬと思うんですよ。土地の買収というのは新幹線計画にとっては相当大きな問題だろうと思うんですが、十ヵ年計画になっておりますけれども、一年の間に一体土地の価格がどのくらい上がっておるのか。それから今後十年の間に土地価格というものは押えることができるというふうにお考えになっているのかどうか。この野方図もない土地価格の暴騰が続くならば、買収価格というものもこれは狂ってくるんじゃないかという心配があるわけです。おそらくこの一年の間だって運輸省が考えた以上に土地の価格は上がっているんじゃないかという気がしますね。
 したがって土地の価格を一体どのように見ておるのか、土地価格の安定についての自信は建設省としてあるのかどうか。
 それから現在問題になっております大宮から東京までの新幹線建設予定地の地価といったようなものは、この一年間値上がりを示しているのかいないのか。もっとわかりやすく言うならば、これは地域によって違うでしょうけれども、中心部等の地価は坪当たりどのくらいになっておるのか、そういうような点も建設省のほうから御答弁願いたいと思います。
#126
○政府委員(松野幸泰君) いま三点について御質問がございましたが、第一点としましては、過去一年間、それからここの五年、十年くらいのうちに、どれくらいの土地の値上がりをしておるか、財団法人日本不動産研究所の発表の全国市街地価格の指数によりますと、全国市街地価格は、過去一年で一.二五倍、過去五年間で二・三〇倍、年平均上昇率一八・二%、過去十年間では三・八五倍、年平均上昇率一四・五%となっております。なお公示価格の過去一年間の上昇率、昭和四十八年公示と昭和四十七年公示の比率は三〇・九%で、非常にこの一年間は高くなっております。
 第二問は、将来のことでございますが、地価は、基本的には土地の需給関係によってきまってくるものであり、今後十年間の地価の推移を予測することはきわめて困難である。政府としては最近地価の異常な高騰等に対応するため、総合的な土地対策を実施すべく土地利用計画の策定と、土地利用の規制、土地税制の改善、宅地供給の促進を三本の柱とする土地対策要綱を決定し、国土総合開発法案をはじめとして、必要な法律案を今国会に提案いたしておるところであります。
 これら一連の措置により、異常な地価の上昇は鎮静化の方向に進むものと考えております。
 第三問の新幹線網の主要な地点、大宮地域のことでございますが、これは一平方メートルの価格でございまして、昭和四十八年一月一日現在における地価の公示価格は次のとおりでございます。
 おもな点を申し上げますと、大宮市で住宅地の最高が七万円、住宅地の最低が二万五千五百円、住宅地の平均が四万五千百円。商業地域の最高のところで九十五万円。与野市で七万六千円、住宅地の最高が。住宅地の最低が四万三千円、住宅地の平均が六万百円..商業地の最高が七万八千円。浦和市におきましては、住宅地の最高が九万一千円、住宅地の最低が三万一千円。住宅地の平均が五万九千八百円、商業地は五十七万円になっております。戸田市か、住宅地の最高が七万円、住宅地の最低が四万一千五百円、住宅地の平均が五万三千円。商業地の最高の土地が九万一千円。いずれもこれは一平方メートル当たりでございまして、御承知のように坪単価は三・三倍ということになってくるわけでございます。
 以上お答え申し上げます。
#127
○瀬谷英行君 いまの土地価格の問題ですけれど、一平米だから坪当たりにすると三倍ちょっと、三・三倍になるわけですね。国鉄とすれば世間相場以下で買収することはおそらくできないだろうという気がする。しかし一方において、あまり高い価格でもって買収をやれば、そこに異常な土地相場が、新幹線の通ったあとは異常な土地相場ができてしまうんじゃないか、こういう心配が一つあるわけです。その点は一体どのようにして買収をやろうと考えているんですか。これはむずかしいのは大宮以南だけれども、大宮以遠についても、これは土地価格については、まあそのむずかしさにおいてそう変わりはないと思うんですがね。この間伊部委員の質問のときにちょっと関連して聞いてみたんですが、具体的にはお答えにならなかった、あのときは。答えにくいのか、あるいは答えてはいろいろ支障があるためにお答えにならない。問題は建設予算との関係がありますから、その点をお聞きしたいと思います。
#128
○説明員(内田隆滋君) 用地の買収につきましては、要するにまず価格の決定が必要なわけであります。この価格の決定につきましては、ただいまの土地不動産のいわゆる専門家の意見を聞くわけです。これは日本不動産研究所とか、あるいは銀行におけるそういう専門家等がございますので、これらの価格を参考にいたしまして、国鉄の用地の専門家がその土地の価格、予定価格をきめて地元の沿線の皆さま方と折衝さしていただくというのが原則になっております。したがって、ある一つの、御承知のように、国鉄は一連の帯のような土地を買うわけでございますので、そう一ヵ所高く高買うわけにいかない。一ヵ所非常に高く買えば、その横も高く買わなければいけないというようなことでございまして、適正妥当な価格を考えておるわけでございます。
 で、国鉄があらかじめ予算として計上いたすものは、大体いま建設次官のほうから御説明がありました公示価格等を参考にいたしまして、将来の土地の値上がり等もある程度入れて価格をきめておるということでございます。
#129
○瀬谷英行君 将来の土地の値上がりも計算に入れてということなんですがね、計算以上に値が上がってしまうということだってあるわけです。特にこの一年間、去年とことしの土地の値上がりというものは、国鉄の計算どおりであったのかどうか。その計算をはずれたものであったのかどうか。これは一つの具体例でありますけれども、その点はどうですか。
#130
○説明員(内田隆滋君) 土地の値上がりというのは、いわゆる都市付近等は非常に値上がりをするところがございますけれども、国鉄が対象として買う土地というのはいなかも相当ございますし、いなかでも全く都市には関係のないというところが相当あるわけでございます。いたがって、一部が値上がりをすることはございますけれども、われわれとしては過去の情勢からいって、過去の値上がり程度のものを見るということでございます。
#131
○瀬谷英行君 過去の値上がりを見るということですが、問題は十カ年計画ですからね、国鉄のいま提案されている内容は。十カ年計画の中で、はたして十年先の土地の値上がりまで推定できるのかどうかという疑問が一つあるわけです。土地の値上がりだけじゃありませんけれども、しかし土地の値上がりだけは、ほかの値上がりとちょっと違った、狂ったような値上がりを示しておりますから、これは上がったからといってあきらめたと言ったんでは買収できないわけです。そうすると、それらの見通しというものは十カ年計画の中でちゃんと立てられるのかどうかという疑問が出てくるわけですね。十兆五千億の中でともかく半分を占めるのが新幹線だし、先般の委員会での話では、その中でのパーセンテージは一五%程度というんだったんですが、その程度で間に合うのかどうかということですね。これは国鉄としては――国鉄ということじゃなくて、運輸省ということなんでしょうが、間に合うという判断なんですか。この一年間の異常な土地の急上昇を計算に入れても間に合うということなんでしょうか。
#132
○説明員(内田隆滋君) これは東北新幹線等につきましては、個々のルートにつきまして、こまかく積み上げをしておりますし、過去のたとえば岡山−大阪間の工事費等における値上がり、あるいは山陽における値上がりというものを参考にして組んでおるわけでございまして、御承知のように、岡山−大阪間をやりましたときには、ちょうど万博にぶつかりまして大阪付近は非常な、実際には倍に近いような値上がりを阪神三市でやったわけでございますが、総工事費に対しましては、結局五年間で三%ぐらいのところに当初の予算に対して値上がり程度で済んでおるわけでございまして、そういう意味では対象となって値上がりする部分というのは範囲が非常に狭いので、そういう意味では、全体として、この前小林常務のお話がございましたような程度の総工事費で値上がりを見てあれば、その中で吸収し得るというふうに考えております。
 ただし先生御指摘のように、去年からことしにかけての用地の値上がり、あるいは物価の上昇というのはちょっと異常でございます。これらのものが今後も続くということであれば、また話は別だと思いますが、物価その他も鎮静の方向に向かっておるようでございますし、今後政府の施策なり、そういうようなものがあれば、そういうことはなく、十分やれるのではないかというふうに考えております。
#133
○瀬谷英行君 その物価等が鎮静の方向に向かっているというふうに言われましたけれどもね、それは田中総理を信頼してそういうことをおっしゃっているのかどうかわかりませんけれども、鎮静の方向に向かっているかどうか断定はむずかしいんじゃないですか、これは。この一年間の値上がりというのはすべての工事計画に相当大きな支障を来たしていると思うんですよ。いろんな値上がりは、これは土地だけじゃない。セメントから鉄材、木材に至るまですべての諸物価に大きな影響があったことばいなめない事実ですよ。そこで、これからの工事経費なんですけれども、それらの経費の値上がりというものを計算に入れてなお十年間だいじょうぶだと思うということになれば、かなりそれはサバを読んだ予算を組んだというふうにもとられてしまうわけですな、これは。相当水増しをしてサバを読んだ予算を組んだというふうにお認めになるのかどうか。
#134
○説明員(内田隆滋君) そういう意味ではございませんので、この前伊部先生のときもお話いたしましたけれども、東北新幹線あるいは山陽新幹線というような大きなプロジェクトについては、その個々の問題について、その工事か終わるまでのことを考えて予算を組んでおりますということでございます。十ヵ年計画は、再々御説明かありましたように、再建計画の法律が通ってから具体的に工事の中身を決定してきめるものでありまして、いわゆる諸改良その他につきましては、今後それらのもの、いわゆるサービスに見合った設備というものを今後きめていくわけでございますので、それらの中で調整をしてまいりたいというふうに考えております。
 しかし大規模の工事については、いまのところはこの予算でできるというふうに考えております。
#135
○瀬谷英行君 この新幹線計画等は、いま御説明を聞くというと、相当に幅がありますよ。それから計画そのものも、順繰りに成田新幹線から東北新幹線、北陸新幹線と、お聞きしていくとまことに大ざっぱなんですね。ルートもまだはっきりしてないところがあったり、それで着工は急いでみたり、成田新幹線に至っては全然これは着工のめどもついていないということなんです。まあ上越新幹線等については、それは終点は新潟ということですから、これは東北新幹線の場合と違って、まあ新潟より先は海になってしまうので、あすこまでだろうということは、これは見当がつくんですが、じゃあ上越新幹線の場合は一体どの程度の予算、建設費等を見込んでおられるのか。
 それから、ルートは大体はっきりしているようですけれども、埼玉県の大宮以南がどうも問題があるようですけれども、新潟までの間については問題がないのかあるのか、これは順調に進んでいるというふうに報告できるのかどうか、その点も御報告いただきたいと思います。
#136
○政府委員(秋富公正君) 上越新幹線につきましては、これは大宮−新潟間でございますが、この場合の工事費総額が四千八百億でございまして、用地費これは六百八十億円予定いたしておりまして、大体総工事費の中の一四・一%を占めております。
#137
○瀬谷英行君 もう一回ちょっと。
#138
○政府委員(秋富公正君) 上越新幹線、大宮−新潟間でございまして、約二百七十キロでございますが、この工事費総額が四千八百億円でございます。そのうち用地費といたしまして六百八十億円計上いたしておりまして、工事費総額の一四・一%、こういった予定でございます。
#139
○瀬谷英行君 これの建設計画それから土地買収等の問題については、順調に進んでいるのかどうか、障害にぶつかっているとすればどういうところがぶつかっているか、その点もお伺いしたい。
#140
○政府委員(秋富公正君) おおむね順調に進んでおりまして、現在用地関係につきますと、進捗率は新潟県は一七%でございます。それから埼玉県は二%、群馬県は現在まだ取得面積はございません。こういった状況でございまして、合わせますと大体九%、こういった状況でございます。
#141
○瀬谷英行君 合わせて九%じゃちっとも順調じゃないじゃないですか。順調というのは、九〇%ぐらいいっていたらこれは順調ということになるけれども、二%だの九%だのというのは順調とは言えないと思うんですがね。
#142
○政府委員(秋富公正君) 御承知のとおり、上越新幹線におきましては非常に長大隧道がございまして、これは工期の関係でどうしても時間がかかる問題でございますので、現在までそういった長大隧道の工事に主力を注いでおる関係で、こういった状況でございます。
#143
○瀬谷英行君 北陸と上越、まあ東北にしてもそうですけれども、東海道と違うところは、寒冷地、積雪地を通るわけです。雪の問題があるわけですね。だから防雪対策というもの相当考えなければならないだろう。
 それからもう一つ、きょうもいろいろ質問しましたけれども、高崎線等と並行して走っているわけですが、新幹線はどっちみち高架で走るわけですから、在来線と競合するような個所については、在来線も一緒に高架にして持ち上げてしまう、つまり平面交差をする場所をこの機会になくしてしまうといったようなこともあわせて考えてみてもいいのじゃないかという気がするわけです。場所によっては現在の高崎線もそうですが、大部分が平面交差ですよ、町中を踏切をつくって通っておるという状態が多い。だからこの機会に、在来線と一緒に持ち上げてしまって高架で通すといったようなくふうをしてしかるべきじゃないかという気がいたします。これは地域住民のためにやって喜ばれることじゃないかと思う。
 それからもう一つ、貨物の問題ですが、旅客輸送について、高崎線の問題でずいぶんきょうばいろいろと質問しましたけれども、問題は貨物と併用であるというために、輸送力がやはり行き詰まっておるという点があると思うのです。だから貨物の輸送力を増強するためには、先ほどの説明によれば大宮以南等については、これは通勤新線を併設するという話がありましたけれども、以遠についてはそういう計画はないようです。しかし、どうせ新幹線をつくる場合には、その線路が複線だけではもう間に合わなくなっているところは、複々線にするというのもこれはたいへんなことなんだから、新幹線を使って、あわせて貨物線を併設するといったようなこともやれないのかどうか。
 これはやはり、こういう機会に貨物線を併設するといったようなこと、あるいは大宮以南で考えられているような通勤新線を併設をするというようなことをやれば、事実上の複々線になるわけなんです。そういうようなことはできないものかどうか。これは東北等の新幹線に比べれば予算の金額はだいぶ少ないようでありますから、その点もあわせてお聞きしたいと思うのです。
#144
○政府委員(秋富公正君) 最初のいわゆる新幹線の建設に伴いまして在来線の連続立体交差を考えたらどうかという御指摘でございますが、私たちとしましては、いわゆる連続立体交差ということは今後も促進すべきものでございまして、現在の踏切整備におきましても、今後五カ年間に約百キロの立体整備――これは国鉄、私鉄合わせてでございますが、考えておるわけでございます。ただ立体交差につきましては、御承知のとおり、都市計画決定も必要でございまして、建設省あるいは地元関係公共団体との協議ということも必要でございまして、御指摘のように、もし新幹線が建設の場合に、在来線との関係におきまして、あわせて連続立体交差をするほうが地元のためにも、あるいは工事のためにも有益な場合につきましては、その点につきまして積極的に検討を重ねていきたいと、かように考えております。
 それから第二の貨物線の問題につきましては、これは国鉄のほうから御答弁お願いしたいと思います。
#145
○説明員(内田隆滋君) 高崎線の複々線化のお話だと思います。御承知のように、十カ年計画では、基本的には総裁から御説明がありましたように、高崎、東北の輸送力が詰まっているのではなくて、根元が詰まっているのでありますので、根元を解消すれば十分いける。なお、御承知のように新幹線が完成いたしますと、いわゆる優等列車が全部新幹線に転移する、相当部分が転移することになりますので、残りは夜は貨物、昼間はローカル輸送ということで、十分なサービスができるようになるというふうに私のほうは考えておる次第でございます。
#146
○瀬谷英行君 いまのお話を聞くと、ちょっと消極的な感じがするんですよ。首都圏の中でやるべきことはまだたくさんあると思うのです、これは。第二山手線のような問題にしても、さっぱり構想は具体化していないわけですよ。八高線であるとか川越線のような線も、これは単線でもって気動車が走っているような状態ですから、これは不便だし採算にも合わないけれども、こういう地域の線路というものは複線にして電化をする、しかも外環状線として利用するような方法をとれば大いに機能が発揮できると思うのですよ。そういう在来線の強化というものは、具体的に、特に首都圏において考えられていないのかどうか。いままで、たとえば八高線なり川越線の輸送力増強について聞いたことがないのですけれども、それらの構想は国鉄として考えるべきではないかというふうに、私は思うのですけれどもどうですか。
#147
○説明員(内田隆滋君) これは通勤輸送の中で、総裁もたびたび御説明しておりますけれども、いわゆる五方面作戦か完成いたしましたので、この十カ年間ではいわゆる東京の郊外の通勤線の拡充を東京付近ではやってまいりたい、当然川越線、八高線というようなものも複線電化を考えてまいりたいというふうに考えております。
#148
○伊部真君 関連して。
 新幹線の場合、東海道新幹線の場合と東北あるいは上越といった場合とは私はちょっと違うんじゃないかと思うのです。それはいまのこととちょっとはずれますけれども、貨物で二千百億の赤字という状態でありますが、この状態の赤字の主たるものは、やはり東海道以外の線だと思うのですよ。たとえば幹線でも北陸だとか山陰線だとかいうのが営業係数としてはかなりかたいわけですね。したがって幹線とはいいながら、かなり赤字を出しているという在来そういう線でしょう。そういうところに、いわゆる旅客のかなり採算面ではいいところが新幹線に移りますと、残ったものは非常に採算上悪くなるのじゃないですか。東海道の場合は都市間輸送ですから、旅客の場合でも貨物の場合でも、船であろうがトラックであろうが貨車であろうが、これは採算面に乗るのはあたりまえですよ、これは。往復ずっとかかるわけですからね。しかし東北の場合にそういうことが言えるのかどうか、採算圏に入れるかどうかということは、新幹線だけを見たら先ほどおっしゃるとおりですよ。しかし在来線、移ったあとの在来線の赤字もいうものは、かなりふえていくのではないですか。
 そういう意味で、東北だとか上越の今日までの貨物の赤字というのはどの程度にあるのか。こまかいことば私は申し上げませんけれども、やはり大きな線で全国二千百億の赤字があるとすれば、大体東北の線でどれくらいの赤字があって、北陸はどれくらい赤字だというのは係数的にあるんじゃないですか。それをできたらお示しをいただきたいと思います。
#149
○説明員(小林正知君) いま伊部先生お尋ねの件でございますが、例としまして高崎線と東北本線について申し上げますと、これは四十六年度の決算に基づく一つの原価分析でございますが、高崎線の場合は、旅客で六十九億の黒でございまして、貨物では約十億の赤になっております。それから東北本線でございますが、東北本線のほうは、同じく旅客では、手小荷物、郵便一緒になっておりますが、合わせまして二百十億程度の黒字、それから貨物では百三十四億の赤、かようなことに相なっております。
#150
○伊部真君 高崎線は、これは有名な黒字線ですから、これは私はそれほど問題ではないと思うのですが、東北だとか北陸というのが問題だと思うんですよ。そういう場合に、在来線が新幹線ができたために赤字になるというのは、トータルしてそれはどの程度に計上されておるのかどうか。それがはっきりしないと、新幹線ができたからこの点では、何年になったら黒字になりますという説明は私は意味がないと思いますね。新幹線それ自体はある程度の黒が出たとしても、在来線のほうでこれだけやせ細る部分があるから、その点とあわせて御説明がないと、それは新幹線ができて経営状態がよくなるという説明にはならぬと思いますから、その点の御説明をいただきたいと思います。
#151
○説明員(内田隆滋君) これは、いわゆる前提としては再建計画の前提をそのまま使っておりますけれども、それで工事三線、いわゆる東北と成田と――東北も盛岡までです。それから上越新幹線、これだけの新幹線と在来線の合計でございますが、これは償却前ではこの三線では黒でございます。それで償却後黒になるのが五十四年ということで、この程度の幹線でございますと、新幹線、在来線入れてもそう経営的には問題にならないということでございます。
#152
○伊部真君 いまの問題につきまして、後刻その線、いわゆる工事予定線ごとにひとつ、新幹線のここでいう予定年数、それから在来線の分を含めた黒字に転化する予定年度というものについては、資料をひとつ後刻出していただきたいと思います。
#153
○瀬谷英行君 そこで、この新幹線問題、いろいろお聞きしてみましたけれども、どれもこれからの新幹線計画というのは大ざっぱですよね。それで、はたしてこれでペイするかどうかということになると、東海道、山陽とはだいぶ事情が違ってくるということになる。しかし、このためにかける予算というものはかなりばく大なものです。土地の値上がり等を見込んでもだいじょうぶだということであればかなりサバを読んでいるということになるわけです。しかし、これだけの金をかけて、なおかつ採算が合うかどうかということは、少なくとも十カ年計画の中では戻ってこないということになるわけです。そうすると、独立採算制がこのような今回の十カ年計画でいっても可能かどうかということはかなり問題があろうと思います。
 それから、この機会に、先般も伊部委員の質問の中にもあったんですけれども、交通需要の一つの見通しの問題があります。その中で道路の果たす役割り、鉄道の果たす役割り、それから住宅建設といったようなことと一元的な行政が行なわれていないという問題がありました。で、その際に、道路の果たす役割りと鉄道の果たす役割りとの問題についての調節は一体どうするか。建設省と運輸省が話し合いをするといったって、今日まで適当な話し合いが行なわれているとは思われない。重複投資といったようなおそれが道路計画についてはあるような気がするんですね。たとえば第七次道路整備五カ年計画が十九兆五千億である、これは国鉄の十ヵ年計画の約倍ということになっているわけです。これらの総合交通問題の調整というものが行なわれてこういう道路計画ができているものなのか、ともかく建設省は建設省としての独自の計画でもって道路整備五カ年計画というものができておるのか、その点はどうなのか、これは建設大臣からお伺いしたいと思うんです。
#154
○国務大臣(新谷寅三郎君) 建設大臣のかわりを言うわけじゃありませんが、そういった問題については、この間も御説明をしたように、経済社会基本計画の中では、もちろん各省が数字を持ち寄りまして将来の予測も考えながら計画を立てたのでございまして、道路と鉄道の輸送については調整のとれたものになっておるわけでございます。ただ伊部先生、この間お尋ねになりましたが、それから先の問題ですね、六十年までの問題をどうするんだと、こういうことがあったものですから、これは道路計画のほうでも五カ年計画はいま確定しておりますけれども、それから先のほうはおそらくやはり同じようなある程度の伸び率で伸びていかなきゃならぬと思いますけれども、その点はあんまりさだかではない。しかしこの間も御説明しましたように、経済社会基本計画におきましても、将来の問題について、大体六十年ぐらいはこういうことになるだろうというようなことを予想しておりますので、そういったものを踏まえてわれわれのほうは計画を出しましたと、こういう御説明をしたわけでございます。
 道路のほうで、どのくらいのシェアを持って、整備された十九兆幾らの道路でどうするかということは、これは建設省の関係でございますけれども、その当時もお話しになったように、この十九兆幾らというものは、これは地方道もたくさん入っておりまして、必ずしもいまの国鉄と競合するようなものだけではないというような御説明があったので、これは建設省のほうから具体的には答えてもらいますけれども、お互いに、運輸省のほうと双方ばらばらでそれぞれ独自の数字を使ってやったというものではないということだけは、これは御了解をいただきたいと思います。
#155
○瀬谷英行君 具体的な問題を私聞きますが、来年建設省の計画でやっております武蔵丘陵森林公園というのができ上がるわけですね。この公園の計画によると十万人の人出を見込んでおる、一番多いときは。ということなんでありますが、この公園が来年の春でき上がっても、道路計画なり、あるいはその公園に至る鉄道の計画というものは何にもないわけです。こういうのは建設省と運輸省との連絡がうまくいっているということにならぬわけでしょう。その点はどうなんですか。
#156
○政府委員(松野幸泰君) いまお尋ねの、昭和四十九年五、六月ころに開園を予定しております国営の武蔵丘陵森林公園は、関連交通機関整備後は一日の最大利用者数の目安を十万人程度としまして、機関別の入り込み者数の比率を鉄道三三%、観光バス一五%、自家用車三七%、その他一五%と推計しており、これに基づいて道路、鉄道及びバス路線の整備をはかっております。
 現在、県道福田吹上線、東武東上線森林公園駅の整備が完了して、県道玉川熊谷線、村道東通り及び東武東上線森林公園駅から森林公園南口に至る歩行者専用道、自転車道を主要施設とした武蔵縁地の整備を進めておりますが、今後、森林公園に至るバス路線の新設や、既存路線の増発等について関係機関との調整をはかってまいる所存でございます。
#157
○岡本悟君 議事進行。
 きょう午後一時二十分から瀬谷委員の御質問がもう熱心に、また真摯に進められておるわけでございます。この点、心から敬意を表する次第でございますが、しかし委員長、お願いがございますが、まあ大体一人三時間ということは、わが党の理事からかねて理事会に御提案申し上げております。質問時間の目安として、私はそれがいいか悪いかいろいろ議論のあるところだと思いますけれども、ひとまず三時間ぐらいのめどを置いて済まされて――これは終了という意味じゃありません、一応済まされて、そうしてまた次の質問者にバトンタッチされるというのがきわめて民主的な審査の方法ではないかと思うんです。そしてまた時間が余れば足らないところをまた同じく、一人で何時間も何時間も延々とおやりになってはどうかと思うんでありまして、この間、先週五日でございましたか、当運輸委員会の委員会がございまして、その翌日の新聞を私見たのでありますけれども、一人で七時間、野党審議引き延ばしというふうな記事が出ておりました。私まあ引き延ばしとは信じたくございませんけれども。またもう一つの新聞では、国鉄審議超鈍行、国鉄の用語を使われまして――普通列車のことを鈍行列車というのは御承知のとおりでありますが、超鈍行の審議と、こういうふうに書いてあるわけでございます。まあ特別の意図があってのこととは思いませんが、御熱心のあまりにそういうふうなことになっておると思いますけれども、しかし、おのずから限度がありまして、やはりまず一人当たり三時間ぐらいの目安でおやりになって、そして次の質問者の方にバトンタッチされるのが非常に合理的な審査ではないかというふうに私は思います。そして、まあ社会党さんにいたしましても、まだまだ質疑なさる方がおいでになるわけでありまして、いろんな角度から――きょうは瀬谷先生は主として新幹線の問題あるいは通勤の問題をお取り上げになりましたが、いろんな角度から質疑ができるわけでございますので、まあ一人占めしないで、そういうふうに民主的におやりになったらどうかと思うのでありまして、委員長、その点は即刻検討してもらって、納得のいく審査方法を示してもらいたいと思うので、要望しておきます。(「委員長、委員長」と呼ぶ者あり)
#158
○委員長(長田裕二君) 議事進行ですか。
#159
○瀬谷英行君 議事進行について。
 議事進行の意見にしては少し長過ぎると思うのです。そういうのが超鈍行というのですよ。言わんとすることは三時間ぐらいにしたらどうかという、一言で言えばそれだけじゃないですか。それを長々と持って回ったようなそういう言い方をしたんじゃ議事が長引いてしまうんです。もっと簡明に言わなければいかぬ。
 それで言わんとすることはわかりましたが、人の話の腰を折られてははなはだ迷惑です。区切りのついたところで議事進行についてというふうに言われるのならいいけれども、話の途中でもって議事進行なんて言われてははなはだ迷惑。まだ明るいのですからね。日が暮れるまでまだかなり時間があるのですから。この間なんかわざわざ弁当持ち込んできたぐらいなんですから、五時間そこそこでばたばたあばれられちゃ困るのですよ。だから少なくとも話の区切りのつくまでは、その議事進行等について話の腰を折るようなまねはやめてもらいたいと思う。一応そのことは、議事進行について私は申し上げます。
 続いて質問したいと思うのですけれども……。
#160
○江藤智君 議事進行。
 瀬谷委員なかなか御熱心になさいましたけれどもね、たとえば新幹線の問題で根掘り葉掘りやっておられますけれども、しかし、こういう問題は、やはり十年間の計画ですからね。そこでとにかくやはり用地問題の値上がりをとか、あっちのルートだ、こっちのルートだという事柄につきましては、やっぱり適当なところで、質問というものは限度があるとぼくは思うのですよ。(「お手本を示してくれ」「質問とはこういうものだという手本を示したらどうだ」と呼ぶ者あり)そういうふうな点につきましては、やはり岡本委員からの私は議事進行というものは当然のことだと思うのです。私はやっぱりここで一ぺん理事会でも開いてやっていただきたいと思うのです。理事会をやっていただきたい。
#161
○瀬谷英行君 発言を許されたのだからね、委員長の指示に従ってもらいたいと思う、与党もね。話の区切りをつけるまでは話の腰を折らないでもらいたいと私は言ったのですよ。(「ちょうどいい区切りだ」と呼ぶ者あり)区切りをつけていないですよ。だから話の区切りをつけないで議事進行するということであれば、まあまだ継続をするということと理解をせざるを得ないのですね。いいですな、それは。そのように理解をしますよ。いいですか。
#162
○委員長(長田裕二君) 瀬谷君にお尋ねしますが、まだ質問は相当長くなりますか。
#163
○瀬谷英行君 残っております。長くなるか短くなるかわからぬけれども。
#164
○委員長(長田裕二君) 速記を暫時停止しまして理事会にします。
  〔午後五時二十分速記中止〕
  〔委員長退席、理事山崎竜男君着席〕
  〔理事山崎竜男君退席、委員長着席〕
  〔委員長退席、理事山崎竜男君着席〕
  〔理事山崎竜男君退席、委員長着席〕
  〔午後六時一分速記開始〕
#165
○委員長(長田裕二君) 速記起こして。
 瀬谷委員の質問を続行いたします。
#166
○瀬谷英行君 議事進行について発言がありましたから、私のほうからも議事進行について要望したいと思っておるんです。
 先ほどは、建設省と運輸省との関係で、うまくいっているかどうか、こういう問題についていろいろと質問いたしました。ところが、うまくいっているという話だったから、具体例として、武蔵丘陵森林公園というのを引き合いに出した。私はこの間この森林公園を視察してきたのですよ。視察をして写真もとってきた。そしたら来年開園をする、こういう話です。来年開園をするけれども、建設省がこの公園はつくっておるけれども、じゃそこへ行く道路はどうなっているかというと、関越自動車道路も間に合わない、来年までに。それから十万人人を集めるということを言っておるけれども、駐車場は三千台分しかない。それから広さは万博の会場並みの広さであるが、交通機関としては国鉄の高崎線と東武東上線以外に交通機関はない。それじゃ十万人をどこからどうやって集めるのか、こういう疑問が当然生じてくるわけです。建設省のこの当事者自身がどういうわけで道路計画と合わないのかふしぎですねと、こう言っているのです。そういう問題を一つ取り上げてみても、建設の計画と運輸の計画というものはマッチしてないということははっきりしているわけですよ。せっかくそういう公園を国費でつくる、国費でつくって人を集めようというのに輸送計画も何も立たないなんてばかなことはないわけです。国鉄のほうに聞いてみても知らないというわけですね、その公園ができることを。じゃどうやって運ぶんだと、先ほどのお話では十万人、そのうち三〇何%は鉄道でと、こういうことだけれども、ほんとうに十万人の人が東京方面から出て行くという場合に、三〇何%になると三万人です。三万人の人がその東武東上線と国鉄と両方使ったとしてもたいいへんな数になる。これをどうやって運ぶか、そんなことは考えていないと、これじゃ話にならぬと思うのです。だから輸送計画というものは、何か公園でも、あるいは住宅でもつくるという場合には、つくる住宅なり公園なりに通ずる道路なり、あるいは鉄道なり、輸送機関というものがそれに合ってなきゃそれは困るというわけです。それがちっとも合ってないというのがいままでの実情でしょう。そういうことを具体例として、私は森林公園の問題を取り上げたわけです。ところが、話の途中でその辺でやめてくれないかという話が出たわけなんですが、はなはだこれは話の腰を折られて迷惑です。したがって建設政務次官に対する質問の分は保留いたしますけれども、江藤委員のほうから、私の質問に関連をして、この新幹線の問題ばっかり長々と聞かれても困ると、こういう話がありました。そういう見解はこれまたはなはだ遺憾だと思うのです。
 新幹線の計画が、国鉄の財政再建計画の中で大きな部分を占めていることは、数字的にはっきりしているわけです。ところが予算のほうだけはちゃんと準備して取りますというんだけれども、計画のほうは、さっき北陸新幹線のこと聞いてみたってそうでしょう。まるきりあいまいじゃないですか。長野県と富山県を通るだけだと、あとどこを通るんだかわからない。北陸新幹線というのだけれども、一体どこを通って大阪へ抜けるんだか、そのルートのはっきりしない新幹線を、金だけ先にきめてぶん取っておく、こういうことはどう考えてみてもまともじゃないです。成田新幹線だってそうですよ。成田新幹線だってさっぱり具体的には計画がないじゃないですか。空港そのものもいつできるのだかわかりませんけれども、かりに空港できるとしても、成田新幹線そのものの目安は立ってないじゃないですか。東北新幹線にしたところで、北海道と本州の間にトンネルを掘るという大工事をやって、北海道まで新幹線を通してペイするのかどうかということは、だれが考えてもこれは首をひねるのが当然だろうと思う。
 そのように、一つ一つの新幹線の構想を取り上げてみると、まことにあいまいなものばかりだ。ところが数字の上では、ちゃんと四億八千万円これは新幹線ですと、鉄建公団に何億と、こういうふうに、予算だけは数字的に出ている、こういう問題を一つ一つあいまいのままで済ますということはこれはできぬと思う。したがって、この新幹線問題について、長々と論議されるのは迷惑であるかのごとき発言は、きわめて遺憾です。そういうことをやるなら、もう一度振り出しに戻って新幹線をやり直しをしてもいいと思うんです。まあそれでよろしいということになればやり直ししますから。あまり長いことしゃべっていると忘れてしまう。――新幹線の問題については、いま私か言ったとおりで、これはあいまいのままだから、これはあいまいな状態で、特に地元の東京都、埼玉県、千葉県、こういう根っこのほうでどういう態度をとるかわからないのに予算がきめられるかっていうんですよ。したがって、ここがだめだ、地元でもって困る、通しませんと、こういうことであれば、これらの新幹線はできませんよ、一つも。新幹線がもしできないということになれば、財政再建計画だって練り直しをしてもらわなければならぬということになるでしょう。そういう点、もう少し慎重に考えてほしいと思うし、それから、それだけに一番根っこの問題のかぎを握っておる埼玉県知事なり、千葉県知事なり、東京都知事の見解というものをここで、委員会としても明らかにする必要があるということを申し上げ、それらの知事の皆さん方に、参考人としてできれば出席をしてもらいたいということを、理事会でも取り上げてほしいということであります。
 それから独立採算制の問題についてちょっと触れたんですが、新幹線の問題だけを取り上げてみましても、はたしてこの十カ年計画の中でやっていけるかどうか、いろいろ問題がある。特に希望的観測として出された国鉄側の意見でも、五十何年まではこれは黒字にならぬ、これは当然そうだろうと思う。そうすると十カ年計画の中ではもとに戻ってくるものはないわけです、新幹線においては。投資をするだけで戻ってくる、ペイするものはないというふうになるでしょう。こういう大きな投資をして、しかも国の補助は一兆五千億、十兆五千億の一割そこそこだ、それで独立採算制が維持できるかどうか、こういう疑問はきわめて自然じゃないかと思う。だから独立採算制の問題について、まず今度は大臣に聞いてみたいと思うのですが、楽観的な観測だけで独立採算制ができるということであったのでは、あとになってまたまたどうしましょう、破産状態で困りましたと、こういうことになるんじゃないかと思うんですがね。その点はたして独立採算制は維持できるのかどうか、その点について大臣の見解をお伺いしたい。
#167
○国務大臣(新谷寅三郎君) 国鉄の独立採算制というものは、申すまでもありませんが、昭和二十四年に公共企業体として発足いたしましたときからそういうたてまえを他の公共企業体と一緒にとっておることは御承知のとおりでございます。その点は現在でも、国鉄の性格が変わりませんから、そのとおりであると考えております。
 ただ申し上げられることは、これは瀬谷先生が、よくその点詳しく御承知ですから、法律的な問題などは申しませんけれども、たてまえ上は非常に公共性の強い企業体でありますから、そういう独立採算制というものを要求されておることは、いまの国鉄法について見れば明らかなところでありますけれども、この独立採算制というものは、だんだんそれだけでは国鉄が成り立っていかなくなってきたことは事実でございまして、今日の、この提案の中でもございますように、独立採算制であれば、政府からそんなに多額の財政援助をするのはおかしいじゃないかと、こういうことにすぐなると思います。その点は、純粋の意味で独立採算制を現在も維持しておる、今後も維持するということは申し上げてないわけでございます。
 つまり公共性の非常に強い部分が多うございますから、その点については国が助成をする、そうして国鉄の持っておる公共的な方面について、十分に国鉄の機能を発揮してもらうようにしなきゃならぬと、こういうたてまえで、財政の再建の中で、国もできるだけの財政的援助をしようと、こういうたてまえをとっておるのであります。それで、いままでもそういうふうな考え方で進んでおりますし、今度の十カ年間の再建計画におきましても、この方向は捨てておりません。そのとおりに来ております。
 ただ最終年度になりますと、やはり国のそういう財政援助というものは、公共性の強い部分についてはやっぱり必要かと思いますけれども、これは伊部先生の御質問に対して資料を出したと思いますけれども、国鉄が十ヵ年間に収支がどうなるかということを、いろいろの前提条件を置いて試算をしてみますと、大体十カ年間にはこういうふうな計画でまいりますと収支が償うようになりますと、こういうことを申し上げておるわけでございまして、したがいまして、私は、基本的に独立採算制は、何と言いますか、これはもう放棄せざるを得なくなったんじゃないかという御議論は、これはわれわれの考えとは違うのでありまして、やはり公共性の非常に強い企業体であるというたてまえから、独立採算制は維持していくべき性質を持っておるんだということだけは、これはもう申し上げなきゃならぬと思います。ただ初めにスタートしたときのような形で、純粋に独立採算制だけで収入支出をバランスさせようと思っても、これはなかなかできないということだけは、これはまた言うまでもないのであります。その点については、設立されました当時の国鉄とは、今日非常に政府との関係、したがって独立採算制の内容について現実に変わってきておる点があるということだけは申し上げなきゃならぬと、こう考えておるのであります。
#168
○瀬谷英行君 長期収支試算の今回案というのを見ると、四十八年度で運輸収入が一兆四千八百四十六億円になっております。五十七年度では四兆九千二百三億という数字が出ておるわけでありますけれども、この運輸収入の中で、貨物収入と旅客収入との割合は一体どういうふうになっているのか。四十八年の場合はどうなっておるのか。それから、たとえばこれから先々どのような割合で運輸収入の内訳は進行していくのか、その点をお伺いしたいと思います。
  〔委員長退席、理事江藤智君着席〕
#169
○説明員(原岡幸吉君) 四十八年度について申し上げます。鉄道の運輸収入でございますけれども、旅客と貨物合わせまして一兆三千八百億、そのうち貨物収入が二千八百九十億、五十七年でございますが、運輸収入のうちのやはり鉄道の運輸収入でございますが、合わせまして四兆七千四百六十六億、それに対しまして、その中で貨物収入が一兆六千九百五十六億円でございます。
#170
○瀬谷英行君 旅客収入と、両方ちょっと並べて言ってください。
#171
○説明員(原岡幸吉君) 四十八年の旅客収入が一兆九百四十三億円でございます。それから五十七年の旅客収入が三兆五百十億円でございます。
#172
○瀬谷英行君 そうすると、旅客収入と貨物収入の割合は、四十八年度でざっと四分の一ぐらい、五十七年度で半分ぐらい、こういうことになっているわけですね。で、当面の貨物収入と旅客収入の割合は非常に大きな開きがあるわけですけれども、そうなると、問題は貨物収入の増収をどのようにして考えているのかということになってくるわけですね。いま一番の国鉄の財政の中でのピンチは貨物収入のように、数字の上で見受けられるわけです。なぜ貨物収入がこのように減ってきたのかということは、いままでもいろいろ聞いておりますけれども、これからじゃあどうしたらいいのかという問題が新しい課題じゃないかと思うんです。その、これからどうしたらいいかという課題に対して国鉄の考え方あるいはまた、それこそ総合交通体系の中で自動車の果たす役割りといったようなこととあわせてこれは考えていかなければならぬと思うんですが、その点はどうですか。
#173
○説明員(原岡幸吉君) いままでの貨物収入の伸び悩み、これは先生御指摘のように、いろいろ申し上げておりますので省略いたしまして、今後の貨物収入の伸びをどうやっていくのか、この点につきましては、御指摘のように、総合交通体系政策、それをバックグラウンドといたしまして、まずハードの面においていろいろ輸送力の整備をしていく。それからソフトの面において貨物収入が十分上がるような施策を展開していく、まあこういうことになろうと思います。
 そこで、ハードの面でございますけれども、輸送方式といたしまして、今後は鉄道輸送、道路輸送、こういうものの特性を生かすようなコンテナによる共同一貫輸送、これを柱にしていく、それも拠点間を直行するフレートライナーというものを中心に、中核に進めていく。それから第二番目の柱といたしましては、非常に大量な流動、これに対しまして、いわゆる物資別な適応輸送体系、こういうものを整備していく。これが鉄道輸送の特性を生かす方法論ではなかろうか、こういうふうに思っているわけでございます。
 そういうことで、全体といたしまして、全体の流動の中で、鉄道のコンテナによって流通をになうというものをマクロで想定をいたし、それからまた、いままでやっておる鉄道による物資別の輸送、これを生産量と鉄道輸送の分担、こういうものの過去の事例から推定いたしまして、今後の生産量、そしてその中で、物資別の鉄道輸送をどのくらいになろかというようなことを想定いたしまして、これを積み上げて、両方でもって、それが大体主体になりまして、今後の鉄道の貨物輸送のサービスの主体の内容として、そして運輸収入を、先ほど申し上げたように高める、こういうことでございます。
 そこで、そういうような需要を、いま申し上げましたけれども、そのような供給力ができるのかどうか、これが一番問題だろうと私思うわけでございます。その点につきましては、ただいま申し上げましたように、フレートライナーを中心にいたして、具体的にどのような区間にどのような輸送列車をつくるということをのの二、三年間について、具体的に積み上げて予定しているわけでございまして、そしてそのフレートライナーが五十七年度にどういう状態になり、それはどのような距離の輸送を行ない、どういうものを輸送するか、分担するか、それらをもとにして運輸収入を予定しているわけでございます。物資別につきましては、最近の三年間を組み合わせた後に、五十七年には全体の生産量の中でそれを分担する量を想定して、収入を想定したわけでございますが、その輸送力につきましては、新幹線の建設によって区間の鉄道輸送力、これが三千五百キロの新幹線の整備ができますと、それによってカバーされる在来線の輸送量、これはトンキロで申しますと約七五%から八十%、これがカバーされるような在来線の活用が可能になるわけでございます。そういうことによって鉄道の輸送力の面が整備される。
 それからもう一つはターミナルの整備でございます。これも東京、名古屋、大阪あるいは北九州等、主要な集産地のターミナルの整備、これも鉄道輸送力の整備にあわせてそれぞれ整備をしていく、そういうことを考えまして、先ほど申し上げましたような収入が得られる、こういうことを考えているわけでございます。
 なお、これを具体的にやります場合には、申し上げましたように、いろいろ運賃制度、政策の面で、いまよりももっと現実に即したいろんな、何といいますか、対策、施策を講じてやっていかなければいけない、かように考えておるわけでございます。概要を申し上げたわけでございます。
#174
○瀬谷英行君 十カ年計画だからずいぶん気の長い話だけれども、その間に四回も運賃の値上げをやる、こういう計画を計画として出すということにいろいろ問題があると思うんです。大体において、十年先のことなんか、これは来年のことを言ったって鬼が笑うというのに、十年先のことなんてそうわかるわけがない。だから道路のほうだって五カ年計画でしょう。せいぜい長くて五カ年計画。国鉄なんかの場合は、一回運賃の値上げを提案をしたならば、二回、三回、四回目の運賃値上げまであらかじめ予定をして提案をするというのは、ちょっとやり方としてはどうかと思うんです。少なくとも次回の運賃値上げの必要が生じた場合に、あらためて提案をするといったようなことでいいんじゃないかという気がするんでありますが、それでいくならば、せいぜい三ヵ年計画ぐらいでやっていくべきではないかという気がいたします。しかし、まあそれは、ここに提案をされていることですから、これを言ってみても始まらないけれども、しかし、この内容を見ると、運輸収入のほかに、財政助成金というのがあって、それが四十八年度で八百九十九億、それが順繰りにふえていって、五十七年度では三千百二十四億になるようになっております。しかし一面、利子のほうはどうかというと、二千三百五十六億が五十七年度で六千四百十七億、こういうふうにふえているわけですね。そうすると、長期債務の残高というものも五十七年度に至っても、なお十兆というけたはずれの金額として残ってくる勘定になるんですが、これで、こういう借金をしょい込んで、利子をそのまましょい込んで財政が健全化するんだということが言い切れるのかどうか。
 ほんとうに財政を健全化するんなら、普通の世間の常識から言うならば、借金を全部清算してしまうということが、ほんとうに財政が健全になったということになるのであって、しこたま借金をしょい込んでいるという状態で、財政が健全化されたということにはならぬような気がするんですが、その点はどうなんですか。
#175
○説明員(磯崎叡君) その点、先般も申し上げましたが、私のほうの財政再建と申しますものは、一般の民間の企業における財政再建と少し性質が違うと存じます。と申しますことは、いわゆる普通の財政再建ならば一種の縮小再生産でもって不要なものをどんどん切り捨てていく、そしてとにかく財政がペイするようにするというのが一般の企業の財政再建だと思いますが、私のほうの場合には、そういう財政再建のほかに、相当大規模な投資を伴う。すなわち投資をしながら財政再建をするという非常にむずかしい財政再建であると存じます。したがって投資をして、新しい鉄道に模様かえする――先ほど来御質問の通勤輸送にいたしましても実に七千億の投資をする、新幹線でもあれだけの投資をする、こういう大投資をしながら財政再建をする。これは非常にむずかしいことで、ほとんど他に例を見ない財政再建のやり方だと存じます。したがいまして、十年間、先ほど先生は三年や五年でとおっしゃいましたが、とても三年や五年では投資をしたもののリターンがないわけでございます。御承知のとおり、非常に鉄道の仕事は懐妊期間の長い投資でございまして、住宅をつくる、船をつくるならば一年か二年でリターンがありますが、鉄道の仕事は長くて二十年ないし一五年、短くても十年間というものはほとんどリターンがない。そういう大きな投資をしながら、しかも財政再建をするということになりますので、五十七年度でごらんになりますと、確かに長期債務も多い、また累積赤字も多い。しかしながら傾向値からごらんくださいますと、大体五十五年度ぐらいから少しずつよくなってくる、こういう傾向値をごらん願いたいと思います。決して一挙に手のひらを返したようによくなりませんが、傾向として五十五、六年ごろからずっとよくなっていくという傾向が出てくれば、そのうちには累積赤字は徐々に減ってくる、また長期債務については、返済は無理でも、大体企業ベースが五兆の企業ベースでございますと十兆程度の借金のあることはそう無理なものではないというふうに考えられます。
 そういう意味で、決してこの五十七年度の最終の長期債務の残高あるいは累積赤字がりっぱな数字だと私申しませんが、傾向旭として徐々によくなっていくという傾向値をとらえていただいて、そうして、しかも非常に大きな投資をするんだ、しかもその投資は五年十年ではなかなかリターンがないんだということを前提といたしますれば、この程度の投資あるいはこの程度の財政状態というものは一つの再建の姿であるというふうに申すのも、まあ一つの見方ではないかというふうに私ども考えておるわけでございます。
#176
○瀬谷英行君 財政の再建ということをほんとうに考えるならば、たとえば孫利子の負担なんというのはほんとうにナンセンスだと思うのです。こんなことをやっていてどうなるかというふうに考えるわけですが、しかし工事の利子負担がおおむね三%になるように工事費補助を行なうということでありますけれども、三%にしたところで、本来ならばこれは国の仕事でやっていくというならば、政府の出資という形でもって全額をまかなうのが本筋じゃないかと思う。国鉄というのは一つの国家の経営とは別な企業体であるかのような印象を与えるわけですね。国が経営するということと国鉄が経営するということは
  〔理事江藤智君退席、委員長着席〕
今日までのところイコールになっていないと思うのです。それをやはり国鉄が経営するということは国が経営することと同じであるというように持っていくのが本筋じゃないかという気がいたしますが、そうすれば、けちけちした利子負担とかなんとかということじゃなくて、一挙にこれらの利子は全部補給してしまって清算をする、借金のほうは清算するというところまでいかなければ、ほんとうに財政を健全化したことにはならないんじゃないですか。このままの状態でいけば、大臣自身が独立採算制ということは厳密な意味では、これは考えられないという意味のことをおっしゃった。しかし独立採算制という原則だけは残っているわけでしょう。そのワクの中で仕事をする人間にしてみれば、年がら年じゅう借金をしょっていることになるわけです。これでは幾ら働けど働けどということになっちまうんで、仕事に張り合いがなくなってくるわけだし、その中で、借金をなくすために、合理化だ節約だ、あるいは生産性の向上だといってしりをたたかれたんじゃたまったものじゃないと思いますよ。そういう点を、やはり国有鉄道というものは国が経営するんだという形をとるべきじゃないでしょうか。ほかの公団等に対する出資よりも国鉄のほうが割りが悪いといったようなことは間違いじゃないかという気がするんですが、その点はどうですか。
#177
○国務大臣(新谷寅三郎君) おっしゃることも一つの御意見だと拝聴をいたします。ただ、さっきも申し上げましたように、非常に公共性の強いものであるけれども、企業体であることは言うまでもないんですね。企業体でございます。でございますから、いまおっしゃるように、極端にいきますと、赤字が出ようがどうしようが、これは国がやっているんだから、一切がっさい国が背負ったらいいじゃないか、こういうことになりますと、やっぱり企業体としては、私は欠陥が出てくると思うんです。やはりあらゆる努力をして、企業責任というものを持ってもらわなければならないし、経営責任というものを国民に対して感じてもらわなければならないという点から言いますと、いま申し上げたような方法で企業性を維持しながら、一生懸命になって、これは国鉄総裁を前においてなんですが、国鉄の幹部の諸君も従業員も一緒になって企業責任を感じて、何とかして、赤字はもうおれたちは出てもかまわないんだということではなしに、十分に責任を感じて企業の経営に当たってもらう必要がある。ということは、国民的な立場から見ると、こういうことを申し上げるのは当然じゃないかと思うんです。
 しかし、それだけではいきませんので、これはあなたからごらんになると足りないじゃないかとおっしゃるかもしれませんが、われわれのほうでいろいろの前提条件をもちろん置いてあります。置いてありますけれども、その条件のもとに推計をし、試算をしてみますと、こういうような再建計画でいきまして、十カ年間には財政の再建ができて国鉄の機能が回復できるような素質ができ上がるということを考えたものでございますから、今回も方式は同じでございますけれども、昨年出した提案とは非常に内容が違っておりますが、非常に政府の助成その他についてずいぶん配慮をいたしまして、今度の提案をしているようなわけでございます。
 おっしゃることは一つの御議論だと思って拝聴いたしましたけれども、私のほうの考え方とはその点一致しません。これはまあ意見の違ったところでやむを得ないかと思いますが、しかし結論は、これでお互いに努力をして、国鉄の財政も再建できるし、国鉄の機能も回復できる、国民の期待にこたえられるようになるということについては、同じ点をねらっておるのでございます。
#178
○瀬谷英行君 ただ独立採算制の公共企業体としておいたほうが能率があがるかのような大臣の御説ですけれども、しかし戦前は公共企業体でなくたって黒字をあげていたわけでしょう、戦前の鉄道省というのは。だから赤字か黒字かというのはその仕組みによって違ってくると思うんです。特に鉄道のような仕事は、これは特にもうけようたってそうはいかないわけです、用のない人は旅行しないわけですから。用のある者は何があろうと旅行はする。それから物だって便利のいいほうで運ぶということになる。したがって、トラックに逃げるものを貨車でもって確保しようと思ったって、便利が悪けりゃ貨車のほうへ来やしませんよ。それは幾ら職員がさか立ちして騒いでみたところでどうにもならぬことですよ、これは。貨物を担当する職員が、トラックに積まないで貨車に積んでくれというふうに頼んでみたところで、これは利用者にしてみれば、自分の都合のいいような運び方をするわけですからね。
 したがって、これは職員個人の努力によって何とかなるという性質のものじゃないですよ、どっちみち。したがって企業努力によって収益をあげることには限界があると見なきゃならぬのじゃないかと思うんですね。そうすると、やはり独立採算制というたてまえでもって、そのワクの中で運営をしていくということには、いろいろ無理が出てくるんじゃないかという気がいたします。あくまでも独立採算制という一つの方針を堅持するということであれば、公共的な負担であるとか、あるいは地方赤字線区の経営であるとか、そういうものは一切もうやめていかなきゃならぬということになっちまうわけです。しかし国鉄自身の仕事からいくと、幾ら客が少なくたって、北海道から鉄道を取り払うわけにいかないということになるでしょう。そうすれば、その分は赤字を覚悟で、旅客にしても貨物にしても鉄道を動かさなきゃならぬということになる。それが経営の合理化だとか、あるいは企業努力だとか、しりをはたかれたってどうにもならぬことじゃないですか。
 そういう点はやはり考えるべきじゃないかと思うんですが、その点から言うと、経営の方針としては、旅客と貨物と、こう分けて、そして、あくまでも独立採算制でいくならば、まあ旅客別、貨物別の輸送原価というものを割り出して、そして運賃をきめるということのほうが、むしろ合理的じゃないんでしょうか。その点はどうでしょう。
#179
○国務大臣(新谷寅三郎君) 前段の御意見と後段の御意見、これは関連した問題ですから、ある程度一緒にしてお答え申し上げますけれども、これは案をごらんになればわかりますように、たとえば地方の閑散線は非常な公共性の高いものだから廃止はできない。しかし赤字が出るから、その分については国が責任をもって赤字を埋めてやったらいいじゃないかと、こういう御意見、あるいは通勤通学だって、非常に設備投資が多いのにかかわらず、安い料金でしか運べない。したがって、これも赤字が出るんだから何とかしたらどうだ、こういうこと。それはいずれもそのとおりなんですがね。ただ、それを国が助成する方法でございますけれども、その方法が、いまおっしゃったように、個別的に考えてない、総合的に全体の赤字を財政負担で埋めようというのが今回の案でございまして、だから個別的に考えてないということがおっしゃる御意見とは違うところでございます。しかし、さっき申し上げたように、そういう総合的な助成方法をとりまして、それで国鉄の赤字を解消し、国鉄が公共的な方面でも大いに働いてもらえるような、そういう力をつけようというのが今度の案でございます。
 で、その貨物と旅客の問題も同じことでございまして、これはもうあなたのほうがよく御承知でしょう。国鉄は昔から総合原価主義をとっておりまして、路線別にどうするとか、旅客、貨物別にどうするとかいうことは考えていないはずでございます。これは考え方としてはいろいろな方法があると思いますけれども、これは前々からそういう方針をとって、総合原価主義ということでやっておりますので、いま申し上げたような旅客、貨物の区別をしないで、あるいは路線別に収支を見るとかいうようなこともしておりません。それは総合原価主義から出てくるのでございます。
 これは何も私は国鉄だけじゃないと思っているんです。まあいろんな御意見あるでしょうが、たとえば同じような公共企業体である電信電話だって同じことでございます。全国一律の料金制を採用しているところ、これはやっぱり同じような趣旨が入っているんじゃないでしょうか。私はそういうふうに考えておるわけでございまして、私たちの考えていることも、これも昔からの国鉄の収支の計算の方法で、これは間違っておるとは考えてはいないわけでございます。
#180
○瀬谷英行君 利用者負担の原則ということにとらわれるならば、それは貨物運賃と旅客運賃の構成そのものを検討してみる必要があると思うんですね。旅客運賃を負担をする人が鉄材だとかセメントの運賃まで払う必要はないわけです。貨物の割引分まで旅客側で負担をする必要もないということになるわけです。だから、あくまでも利用者負担ということにこだわるならば、運賃の構成も旅客別に、貨物は貨物別に、個別に原価主義をとらなきゃならぬという理屈も生まれてくるわけです。
 しかし実際問題としてそうはいかないということであるならば、方法としては、この設備投資の面は国で持つという考え方に立つことは決しておかしくはないだろうと思うのですね。ところが、どういう意図かわかりませんけども、土曜日の七月七日の朝刊に自由民主党の広告が出ているわけです。それによると、「国鉄運賃はこう使われます」と書いてあって、「運賃値上げ分は約八兆円です」「国鉄職員ベースアップ分は約八兆円強です」「国鉄職員のベースアップは税金では支払えません」、こういう三行の大きな見出しが載っておるわけです。「野党は国鉄の線路や駅舎のような基礎施設の整備は国費でまかない、運賃でまかなうものは、人件費や動力費、車両や機械などの直接運行に必要な経費に限るべきだ――などといっています。これでは運賃の値上げが二四%にもなってしまいます。」と、こう書いてあるわけです。
 一体これはどういうことなのか、野党の主張をしているようなやり方でいって、そして運賃が逆によけいかかるという理屈にはならぬわけですよ、これは。しかし、ただ問題は、自由民主党というこの広告ですからね。自由民主党を代表する形でどなたが責任をもって答弁をするのか、運輸大臣が自由民主党を代表するという形にはならぬだろうと思うのですね、これは。そうすると、自由民主党総裁に出てもらわなきゃいかぬ、総理の出席を求めなければ、ここに書いてある問題に対する答えは求められないという気がするのでありますけれども、この扱いは一体どのようにしたらいいのか、これは運輸大臣に答弁を――もとはといえば、これは国鉄から自民党が教わったのかもしれませんけれども、しかし、ちょっとこれは解せない点がある。これは一体どのようにしたらよろしいのか、どのようにして答えを求めたらいいのか。(「理事会、理事会」「理事会で取り扱いきめてもらおう」「官房長官呼ぼう」と呼ぶ者あり)
#181
○国務大臣(新谷寅三郎君) いまお読みになったのは、これは自民党の広告のようでございますから、私から詳細にその内容について御答弁をする限りではないかもしれませんが、ただ、こういうことは事実問題として言えると思うんです。結局、非常に国鉄の財政負担の問題について方々からいろんな意見が出ております。いま前段でおっしゃったように、国鉄の設備投資の分はすべて国が出して、そしてそのあとのオペレートする、つまりランニングコストといいますか、こういったものだけは利用者で負担するようにしたらどうだ、こういうような意見がたしか東京都のほうからもそんな意見が出ておりましたし、ときどきそういった御質問も衆議院でもあったわけでございます。
 その点について、最近の国鉄の財政状況を調べてみますと、かりに、いわゆるオペレーションコストといいますか、ランニングコストといいますか、そういったもの、つまり設備投資の分を除きまして、そしてそういった費用だけ運賃で見ていこう、こういうたてまえにした場合にどうなるかということでございます。これは衆議院の段階でもお答えした点でございますけれども、かりに人件費であるとか、あるいは動力費とか修繕費とか架線とか信号設備、車両というような、そういうものを一体運賃収入だけで払ったらどういうことになるか、こういう計算をさしてみましたところが、この点は、実際は現行の運賃ではそれが払えない、払い切れないという状況でございます。ですから、そういったことが前提になっての議論ではないかと私は考えるのであります。
 かりに運賃改定やったら一体どうなるのか、今度提案しておりますような改定をやったら。それでも試算してみますと、数字は政府委員から必要に応じてお答えするでしょうが、それでもオペレーションコストといいますか、ランニングスペンスといいますか、そういったものでも、実際、運賃で今日ペイするだけまかなえないという実情であることは確かでございます。そういった点を踏まえまして、実は私どものほうではたびたび御説明をしておりますように、そんならもっと改定率を上げたらどうだというような意見もありますけれども、そうなるとあまりに上がり過ぎるので、これはやはり物価その他国民生活に及ぼす影響というものを考えなければならない、急激な運賃の引き上げというものは避けたほうがいいということで、実は私どものほうとしては最小限度の運賃の引き上げの率を算定をした、こういうことになっておるのでありまして、たぶんそういったことを考えて党のほうでは書いたのじゃないかと私は思います。
#182
○瀬谷英行君 まあこれは国鉄の運賃のほかに、サラリーマンと小中企業の減税だとか、健康保険法と年金法の改正とかいうのが載っておりますけれども、そっちのほうは社労委員会のほうへおまかせしますけれども、「国鉄運賃はこう使われます」という内容、これはきわめて問題だと思うのですよ。運輸委員会で提案をされたのは、こういう形で提案されちゃないはずですよ。ところがここには、運賃の値上げは「国鉄を利用しているみなさんが、せめて国鉄職員の人件費分だけは負担して下さい。」、こう書いてある。「もし運賃を値上げしないと、さらに八兆円の税金を国鉄に出さなければなりません。」といったような書き方で、これは全く、われわれが今回の法案の提案趣旨を聞いてきたこととは全然違うわけですね。これは国鉄総裁が自民党の何か諮問を受けたのかどうかですな、これは。はなはだ不穏当な表現だろうと思う。こういうことは私は納得しかねると思うのですが、まず国鉄総裁の見解をお伺いしたいと思います。
#183
○説明員(磯崎叡君) ただいまの御質問は、その広告に対する私の見解でございますか、それともいきさつでございますか、どちらですか。(「諮問を受けたかどうか。」と呼ぶ者あり)そういう事実はございません。そういう御諮問を受けたことはございません。
#184
○瀬谷英行君 そうすると、これは国鉄としては、つまり今回の法案の責任者である国鉄としては責任がないわけだ、これについては。われわれはやはり、国会では一応大臣から提案をされた法案の内容について審議するという形をとるのが常道だと思うんです。
 ところが、この場合は自由民主党という名前で、どのくらい広告料を払っているのかわかりませんけれども、これだけの大きさで、新聞広告として出されておる。自由民主党として責任をとってもらわなければならぬことになるわけですが、運輸大臣のほうから推定でもってこういうことじゃないかと思いますという答弁は、必ずしも私の質問に対する適切な答弁にはならぬわけです。これはあくまでも所管大臣としての一つの見解であるということになるわけだ。これに対する答弁は総理あるいは間に合わなければ官房長官あるいは自民党幹事長、ここら辺に出てきてもらわないと、私のこの問題に対する質問については答えとしては十分じゃないということになるんじゃないですか。これはあとどうも、ここにいる政府委員に対して質問をするのにはちょっとぐあいが悪いことになるんですが、一応この問題の扱い方については理事会で協議してもらう必要があるんじゃないかと思うんですが、総裁の見解を一応お伺いしたいと思います。
#185
○説明員(磯崎叡君) 事がたいへん党と党の、公党間の問題で、重大な問題でございます。私はかってなことを申し上げられませんが、ただ今回の十年間の運賃値上げの総額、値上げ分だけでございますね、それが八兆でございます。これは事実でございます。また十年間の一二・三%及び一〇・三%のべースアップ、しかも十一万人減らしたベースアップの上積みの額だけが七兆四千億、これも事実でございます。
#186
○瀬谷英行君 この書き方は、国鉄職員の人件費にその運賃の値上げ分は使われるのですと、つまり人件費のために国鉄運賃はこう使われますという書き方なんです。これははなはだ世間に対する印象というものを曲げるものだという気がするんですよ。これは自民党として、なぜこういう広告を出したのか、自民党として、やはりこれに対して答えてもらう必要があるんじゃないかと思うので、あえてこれ以上、政府委員の見解をただしてみたところで始まらないと思うんですが……。
#187
○小柳勇君 関連質問。
 大臣も自民党員ですから、関連して質問いたしますが、これは都議選挙の前の日です。土曜日の読売新聞の広告です。まん中に国鉄運賃はこう使われる、そして運賃値上げの全部が国鉄職員のベースアップ分だという印象を都民に知らせ、国民に知らせるために広告を出したものだと思う。
 私ども今日まで、この国鉄再建法及び運賃値上げ法を論議しておりますが、こういうような提案の説明は一回も聞いてない。今日まで労使紛争、いろいろありました。故意に国鉄の労使間にくさびを打ち込むような、こういう自民党の広告を見て、自民党員である運輸大臣はどういうふうにお考えになるか。私もけさ瀬谷君から相談を受けた、こういう広告がありますよと。残念ながら私、この読売の広告を見てなかった。一番初めに考えましたのは、今日まで国鉄労使間の紛争がいろいろ世間の問題になっておる。しかも、その国鉄運賃値上げというのが国民総すかんの中で国会に上程されておる。この運賃法を手っとり早く説明するために、そうして、どうして労働者は運賃値上げに反対するであろうか、運賃値上げするものは全部労働者のベースアップではないかという宣伝をするための、そういう広告ではないかと思うのです。そういうのを、これから国鉄再建しなければならぬ、国鉄再建は金だけじゃないのですよ。働く四十五万の職員が真剣に日本の国鉄をどうするかということを考えなければ、金だけでは再建できません。そういうときに、一番重要な参議院の終盤の論議の中で、このような広告を出して故意に歪曲して国民に宣伝するのを自民党である運輸大臣が、提案理由以外に出したものを見てどういうふうにお感じになるか、まず感想からお聞きします。
#188
○国務大臣(新谷寅三郎君) 私も、その広告は新聞に出たので初めて知りましたが、その広告は私が出したものではもちろんありませんし、私は相談にはあずかっておりません。党と党との間の関係だと私は了承いたします。党として、そういった事実をどういうふうにとらえるか、それに対してどういう考えを持つか、これは政府のわれわれが、私も党員ではございますけれども、一々相談にあずかっておりませんから、これについて、全部われわれが、国鉄の運賃に関係のある記事というものについて、党の人たちがどういう意見を持ち、こういうふうな――これは討論会もあることでございますから、党と党との間の。そういったことについて、運輸大臣が一々全部責任をとらなくてはならないということは、私は考えられません。
 私が政府の代表として、この案を提案いたしますについて、申し上げていることは、今日までの委員会及び本会議において申し上げたとおりでございまして、それ以外には、私は何も考えておりません。ただ私が申し上げたことについては、私は全責任を負うべきことは言うまでもございません。私のいままで申し上げたことと、非常に違ったことを私がまた申し上げることになりますと、これは問題にされてもやむを得ませんし、そういう場合には、私のほんとうの考えはこうでございますということを、あらためて申し上げる必要があると思いますが、私が今日まで、ここで皆さんの御質問に対してお答えをしたことは、いままで本会議や委員会においてるる申し上げたとおりでございますから、その点は御了承いただきたいと思います。
#189
○小柳勇君 それでは、ここに書いてある金額はうそです、八兆円と書いてあります。いまの答弁では七兆四千億。これはうそです。運輸大臣、あなたは自民党の党員ですから、これがどういうような意図でだれが出したのか、それを調べて、私が質問する時間もありましょうし、時間がなかったら他の委員から質問することがありましょうが、ここに御答弁願えますか。
#190
○国務大臣(新谷寅三郎君) それはできないことはないですけれども、そういう問題は、たとえばそれは、広告に出ましたからここに書いたものがある、こうおっしゃるわけです。ところが放送討論会なんかで、各党の間でもっていろいろ議論がございますね。それで、その討論会のお互いの、何といいますか、討論の問題について、なぜ自民党の人は、どういう根拠でそういったことを言ったのだというようなことについてまで、関係各大臣が一々内容を調べて、あなたはなぜそういったことを言ったんですかと、これはどういう意図なんですかということを一々申し上げるわけにはいかないと思うのです。ですから、そういった問題で、もしも御不審があり、あるいは問題があるとすれば、それは党と党との間のいろいろの会談がございましょうから、そういう機関を通じてひとつ十分にお確かめを願って、その真意を確かめていただくのが本筋ではないかと私は考えております。
 いま国鉄の総裁の申しましたのは事実でございまして、これはもう前からそういう点は委員会でも御答弁をしているとおりでございまして、八兆円と七兆四千億でございますか、数字はそのとおりで間違いはありません。
#191
○小柳勇君 それでは最後ですけれども、運輸大臣、いま再建法にあります、これからあと三回の運賃値上げがありますが、われわれはこの運賃値上げを全部働く職員のべースアップ分だとは聞いていません、提案理由は。したがって、ここに書いてあるのは、このベースアップ分はこれは職員のベースアップ分だと書いてあります。そうでしょうか。それだけ聞いておきましょう。
#192
○国務大臣(新谷寅三郎君) 数字については先ほど申し上げたとおりでございまして、国鉄総裁がさっき述べました数字、これが正確なものであると私も確信しております。
#193
○瀬谷英行君 たとえば四十八年度でいうならば、事業費が一兆三千百三十七億、人件費が九千八百四十一億という数字が出ております。しかし物件費が三千百六十六億、公団の借料百二十億、市町村納付金百二十九億、利子二千三百五十六億、こういう数字が出ておりまして、その大部分が人件費であると、こういうふうな書き方というものは非常に世間の人を混乱をさせることになる、こういう気がいたします。
 しかも、この記事の中を見ると、人件費のアップでもって「値上げによる十年間の増収分八兆円は、完全にふっ飛んでしまいます。」と、こういうふうな書き方をしているわけです。考えようによれば非常に悪意に満ちた書き方であるというふうにも受け取れるわけです。こういう考え方でもって、こういう宣伝でもって、国鉄の運賃は使われるのですということであれば、これは運賃の値上げを実際に受けとめるほうはどういう感じを持つかということです。いままでの運賃値上げの際は、運賃値上げによってこうなります、通勤輸送はこのように楽になりますとか、あるいはそれこそ十年後には新聞が読めますとかいうふうな書き方をしていたのです。そういう宣伝だったのです。
 ところが最近になってそういうことを言わなくなってしまった。それで今回に至っては、これは国鉄がそういう宣伝をしたわけではないけれども、「自由民主党」という大きな活字でもって、こんなにでかでかと宣伝をする。こういうことはどう考えてみても穏当じゃないという気がいたします。本来ならば、これは幹事長等の出席を求めて釈明を聞きたいというところなんでありますけれども、これは問題になるというふうに考えますので、この取り扱い方を理事会でひとつ御協議いただきたいと思うのであります。これは社会党だけの問題ではないのです。各党ともこの問題については、それぞれ御意見があるんじゃないかというふうに考えられますから、ぜひ理事会でもって御協議いただきたいと思います。
#194
○委員長(長田裕二君) 理事会で扱うべき問題かどうかということを含めまして、理事会で話し合いをいたします。
#195
○瀬谷英行君 そうすると、この問題は理事会で扱うべきものであるかどうかを含めてと、こういうわけですか。
#196
○委員長(長田裕二君) 私はそう申しました。国会の委員会で審議の対象にすべきかどうかも含めて、別に否定しているわけでございません。これを含めて検討します。
#197
○瀬谷英行君 これはわれわれは、国鉄の財政再建法――運賃の値上げを内容とする再建法の提案理由を聞いて、そして審議に入っているわけです。しかし、それが自民党でない党が宣伝をする、広告をするというなら話は別だけれども、政府と自民党は一体であるというのは常識ですよ。これは別ものであるというふうにはだれも思っちゃいないですよ。
#198
○委員長(長田裕二君) 一体である場合と、一体でない場合とありますから、そういうことも込めて理事会で……。
#199
○瀬谷英行君 そんなことはないと思うんですよ。一体であるというのが常識だと思うんです。一体である以上は、政府あるいは自民党として、一体これはどういうことなのか、はっきりさしてもらう必要があるような気がするんですよ。
#200
○委員長(長田裕二君) それを込めて検討さしていただきます。
#201
○木村睦男君 この問題は、ひとつ、とにかく理事会のときに御相談するということにして……。
#202
○森中守義君 ちょっと、これは党間という話があるけれども、社会党と自民党という話じゃない。正規な運輸委員会で、自民党の広告が適当でないと思われるから、そのことを、呼んで聞こうと、こう言うのだから、政党間の話じゃないですよ、それははっきりしてもらおう。
#203
○委員長(長田裕二君) それだから、理事会で相談いたします。
#204
○森中守義君 当然なことなんだよ。
#205
○委員長(長田裕二君) そういうことにいたします。
#206
○小柳勇君 理事会やるの。
#207
○委員長(長田裕二君) 後ほど。(「質疑続行」と呼ぶ者あり)
 御質問お続けください。
#208
○瀬谷英行君 一応ケリをつけてもらいましょうか。
#209
○森中守義君 どうだね、七時だよ、そろそろあとどうするか、一ぺん理事会やってもらおうじゃないか。(「理事会、理事会」と呼ぶ者あり)
#210
○委員長(長田裕二君) 質問をお続けください。
#211
○森中守義君 いまのことケリつけてきなさいよ。
#212
○木村睦男君 質疑が終わったんなら終わりにしましょうよ、委員長確認してください、質疑終わったのかどうか。
#213
○委員長(長田裕二君) 質問をお続けください。
#214
○瀬谷英行君 呼ぶ人をひとつきめてもらいたい、この問題について。
#215
○委員長(長田裕二君) それはあとで理事会で話し合います。
 質問をお続けください。(「質疑続行」と呼ぶ者あり)
#216
○森中守義君 議事進行。
 先日、私は開会の時間は十時、これはほとんどきちんと守られている。閉会がはっきりしないから、そのことを理事会できちんとしてきめてくれと、私は理事会で要望しておきましたよ。どうなりましたか、その答えは。
#217
○委員長(長田裕二君) 理事会では結論を得ませんでした。まあその間いろいろ議長のところでも話し合いなんかあったことは御承知のとおりでございます。
#218
○森中守義君 それならそれのように、これはやっぱりその要望した者に対しては、開会にあたってでも何でもいいから、速記つけなくてもいいから、要望事項については、かくかくの経過であったということは、きちんと委員長から報告してもらいたい。大体いままで理事会にいろんな問題が持ち込まれたのだけれども開会にあたって、そういうことの報告ありませんよ、全然。きわめて遺憾である、そういうことは。
#219
○木村睦男君 関連。
 いまの森中委員の質問ですがね、これはこの間、五党国対間での話もあったように、今日の時点では、定例日も、終了時間にもこだわらないで審議を尽くそうということに合意を見ておるわけですから、前に森中委員から終了時間をきめてほしいという御提案があったことは事実ですけれども、その問題を含めて、理事会でいろいろ検討をしたわけでございますけれども、定例日の日における、委員会審議の日における、いつ終わるかということは、これはそのときの質問者の質問の状態がどうであるかということも関連しておるし、質問が続いておって、いま切っちゃまずいというふうなときに、いま時間だから切りますとか、そういうことをやるべきじゃない。したがって、これは時間を延長した段階において、適当な時期に委員長の判断なり、あるいは理事間の相談で、その日の審議を終了すると、委員会を終了するということで話ができておったのだと思います。それは私は一番適切な方法であろうと思うわけでございます。
 なお議事進行に関連しますけれども、ただいま瀬谷委員が質問を続けておられるわけですから、引き続き質疑をしていただくことを要望しますし、質疑が終わったんであれば終わったということをはっきりさしていただきたい。
#220
○森中守義君 議事進行。
 経過としては、いまの御説明はそれなりに承りましたよ。しかし委員長の措置としては、扱ったことはこうこう、こういう経過であったということは必ず報告してください。それが一つ。
 それと、いま木村君の言われる――聞いていますか。
#221
○木村睦男君 聞いていますよ。
#222
○森中守義君 木村君の言われる、質疑者の質疑の状況によってということなんだが、これはさっきの岡本君の話と全然矛盾する。さっきは、質疑中に、もうこれくらいでいいだろう、次に移れ、なお時間があれば続けなさいと、こういう話だった。質疑者の意思は尊重されていなかった。いまになってみると、終わったのか、続くのかはっきりしてくれと、そのときそのときの状況によってきめると、こういうことなんだけれども、質疑者のほうでは、いまの自民党の広告の一件については、理事会でひとつ決着をつけて、だれを呼ぶかをきめてくれと、こう言っているんですよ。そこで大体、この問題がいま質疑の中心になっているから、だれに来てもらうかということをきめてもらわなければ困ると、こう言っている。きょうやめるともやめなさいとも言っちゃいないんですよ。一ぺん理事会開きなさいよ。そういった論理が、全然通らないのだよ、やっていることが。
#223
○木村睦男君 大切な委員会ですから、議事進行であまり多くは言いたくありませんが、実はそういうふうなことがいろいろ問題になるために、一番大切なことは日程をはっきりきめたいというのがわれわれ与党の理事の主張でございまして、それでないと非常に困る問題が起きてくる。たとえば質疑者でも、順序は一応きまっても、一体自分が何日ごろに質問ができるかということが全然わからない、そういうこともありますから、審議を円滑に能率的にやるために、おおむね一人当たりの質疑時間というものを一応あらかじめ予定して日程を組みたいというのを、もう十数回、いやもっと、理事会において主張し来たったのでございますけれども、残念ながら協議するに至らない、妥結するに至らない。で、十時間とか二十時間といった主張もございました。あるいはまた、質問の内容によって、これはいい質問だからたくさんやらしたらいいとかいうふうな意見もいろいろ出ておりましたけれども、運営の責任を持つわれわれ理事としては、そういうことでなしに、いかに円滑に議事を、審議を進めていくかということが任務であるために、方法論として一人当たりの公平な審議の時間というものをあらかじめ予定をして、それをもとにして委員会の運営をやってもらいたいというのがわれわれの主張でございましたが、それがどうしても今日まで、理事間の間で妥結に至らないままにこういうふうな状態になってきておるというところに、やはり終了をいっするかということにも大いに関連がある。
 したがって、そういうふうな状況で今日に至っておりますので、多くは申し上げませんが、ひとつこういう状態、こういう時点でございますから、終了時間とかいろいろな点を考えて、委員長で善処していただき、われわれとしては何時まででも審議を続けることはいといません、あと会期も二週間あるかないかというときでございますから、どうぞひとつ審議を続けていただきたいということを申し上げておるわけでございます。
#224
○委員長(長田裕二君) 瀬谷君、御質問か残っておりましたらお続け願います。
#225
○森中守義君 議事進行。
 一々やりとりやっていたのではあまり好ましいことではないけれども、言われることにどうも合点がいかない。すでに与党質問を終わっておりますよ。質問の済んでいない野党の委員から、私はいつ何時間やるのだというようなことはちっとも問題になっていない。(「理事としては与野党で話をしているのだよ」と呼ぶ者あり)ちょっと待ちなさい、発言中だ。そこで、すでに委員長の手元に理事を経由しまして、それぞれがおおむね何時間という申し出が出ているわけです。その可否をめぐって理事会で議論されることは大いにけっこうです。だから、いま木村君の言われるように、これから先の質疑者が、私は何日くらい、何時間、早くきめてもらわなきゃ困るということは何もないんですよ。理事会できめればいいんですよ、そんなことは。だから、理事会がどういう経過であるかは、それは理事方がやられることだから、私はとやかく言わない。それが一つですよ。
 それと、委員会が何かいかにも混迷しているようなお話なんだが、混迷はきょう初めて。さっき岡本君の議事進行によって混迷をしただけ。あとはきわめて淡々と進んでいる。
#226
○木村睦男君 混迷なんて言ってないよ。
#227
○森中守義君 いや言ったんだ、君は。混乱しているような言い方だから、ことばじりが。速記録見たら一番わかる。淡々と進んでいるんだ。岡本発言によって混乱をしただけですよ。ちっとも混迷していない。(「委員長」と呼ぶ者あり)
#228
○委員長(長田裕二君) 瀬谷君、質問ですか、議事進行ですか。
#229
○瀬谷英行君 どっちでもいいですが、さっき私が質問している相手は建設政務次官だったんですよね。建設政務次官に質問をしておったならば、その途中でもって岡本委員から議事進行についてという発言があったわけです。で、そのあとで事情を聞いてみると、もう六時から予定があって困るということで、結局建設政務次官は帰られたんですね。相手がいなくなっちゃったわけです。だから、そのときには中断をしておいて、話の腰を折られて中断をしておいて、そして相手がいなくなっちゃってから、続けてくれというのは、こういうのはかってな言い方だと思うんです。だからそれはやれとおっしゃるなら、それは幾らでもやってもけっこうですがね。じゃあ私のほうで注文出しますから、もう一度建設政務次官を連れてきて、あそこのところからもう一度やり直しをさしていただきたいと思うのですがね。
#230
○委員長(長田裕二君) あなたの御了解を得て、建設政務次官は立たれたはずですし、あなたの中断されたとおっしゃる質問のあとも、しばらく松野政務次官はおられたはずですので、私はそういうお話を聞くのはまことに残念であります。
#231
○小柳勇君 議事進行について。
 瀬谷君はさっき長い間かかって、新幹線の問題点を質問したわけですが、その中で一番ネックになっているのは埼玉、千葉、東京の知事が新幹線建設について、反対をしたり、協力をしていない。そういう県内、都政全体の問題をまず解明しなければ、幾ら運輸省や国鉄が新幹線を建設しようとしてもできませんよと、したがって一日も早く三知事を参考人に呼んでくれというような要請がある。参考人を実はきょう呼びたかったのですけれども、理事会では少数否決、反対された。しかし瀬谷君はどうしても知事を呼んで、一ぺん意見を聞いて、新幹線の建設についての意見を聞きたいということであります。
 いま一つ、ここに私は国鉄運賃はこう使われるという自民党の広告を解明しておかなければならない、これは時期を失しないように解明しなければならないと思いますから、あまりしゃべりますと時間をとりますが、早急にこれからあとの議事進行にも関連して、理事会を開くように要請をいたします。
#232
○瀬谷英行君 議事進行について。
 私が言ったのは、了解を得て松野政務次官に行ってもらったというわけではないんです。松野政務次官は待つのは困ると、そういうことだから、帰っちまったんだからやむを得ないと思うんです。だから、これはもとに戻すならもう一回そこからやり直してもよろしいというふうに私は言っているんですよ。だから、それがぐあいが悪いということであれば、理事会で、先ほど申し上げた知事の参考人の問題も含めて、御協議願いたいというんですよ。
#233
○木村睦男君 七時半を目途に理事会をやりましょう。
#234
○委員長(長田裕二君) 速記をとめて。
  〔午後七時二十分速記中止〕
  〔委員長退席、理事山崎竜男君着席〕
  〔理事山崎竜男君退席、委員長着席〕
   午後八時開会
#235
○委員長(長田裕二君) 速記を起こして。
 瀬谷君の質問につきましては、その取り扱いを理事会できめることにいたします。
 本案に対する本日の審査はこの程度とし、本日はこれにて散会いたします。
   午後八時一分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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