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1972/09/13 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 運輸委員会 第30号
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1972/09/13 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 運輸委員会 第30号

#1
第071回国会 運輸委員会 第30号
昭和四十八年九月十三日(木曜日)
   午前十時三十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 九月十二日
    辞任         補欠選任
     初村瀧一郎君     橘  直治君
     中村 禎二君     菅野 儀作君
     青島 幸男君     山田  勇君
 九月十三日
    辞任         補欠選任
     菅野 儀作君     竹内 藤男君
     伊部  真君     川村 清一君
     山田  勇君     青島 幸男君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         長田 裕二君
    理 事
                江藤  智君
                木村 睦男君
                山崎 竜男君
                小柳  勇君
    委 員
                岡本  悟君
                黒住 忠行君
                菅野 儀作君
                高橋 邦雄君
                竹内 藤男君
                橘  直治君
                松平 勇雄君
                渡辺一太郎君
                川村 清一君
                杉山善太郎君
                瀬谷 英行君
                森中 守義君
                阿部 憲一君
                三木 忠雄君
                田渕 哲也君
                青島 幸男君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  新谷寅三郎君
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)       坪川 信三君
   政府委員
       総理府人事局長  皆川 迪夫君
       公正取引委員会
       事務局取引部長  熊田淳一郎君
       経済企画庁総合
       計画局長     宮崎  仁君
       運輸大臣官房長  薗村 泰彦君
       運輸大臣官房審
       議官       原田昇左右君
       運輸省鉄道監督
       局長       秋富 公正君
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部長  住田 正二君
       運輸省自動車局
       長        小林 正興君
       労働省労政局長  道正 邦彦君
       建設省道路局長  菊池 三男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        池部 幸雄君
   説明員
       警察庁交通局参
       事官       寺尾  繁君
       経済企画庁長官
       官房参事官    有松  晃君
       大蔵省主計局主
       計官       宮本 保孝君
       大蔵省主税局税
       制第二課長    福田 幸弘君
       文部省初等中等
       教育局審議官   諸澤 正道君
       通商産業省機械
       情報産業局次長  野口 一郎君
       運輸大臣官房情
       報管理部管理課
       長        荒尾  正君
       日本国有鉄道総
       裁        磯崎  叡君
       日本国有鉄道理
       事        小林 正知君
       日本国有鉄道理
       事        原岡 幸吉君
       日本国有鉄道理
       事        阪田 貞之君
       日本国有鉄道理
       事        加賀谷徳治君
       日本国有鉄道施
       設局長      篠原 良男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進
 特別措置法の一部を改正する法律案について
    ―――――――――――――
#2
○委員長(長田裕二君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 前回に引き続き、国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案について質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○小柳勇君 私は、先般参議院の本会議で代表質問をいたしました。あの代表質問を骨子にして、それに不足するもの、あるいはもう少し深く聞きたいもの、そういうものを中心に質問いたします。大体八つばかり項目がありますが、まず総合交通体系の問題、特に貨物自動車の貨物運送の問題から質問をしていきたいと思います。
 先般、私は武蔵野線の調査に参りましたときに、草加市の付近をバスが通ったときにバスの上から十一時五十分から十二時二十分までトラックの実態調査をいたしました。約三十分間の間に東京方面にトラックが三百五十台運行しています。その中で白ナンバーをつけました自家用トラックが二百五台、青ナンバーをつけました営業トラックが百三十五台、三十分間の間に三百五十台のトラックが草加市付近の国道を東京方面に走っている。わずか三十分の調査でありまして、これで全般を私は類推して論議しようとは思いません。ただ日本の統計からも現在自家用トラックがはんらんしている、営業トラックの約十五倍のトラックが走っているという報告が出ています。したがって、この自家用トラックを世間並みに、世間並みといいましょうか、先進諸国あるいは諸外国並みぐらいに少し制限して、しかし荷物は運搬しなきゃなりませんから、その分は営業トラックに直して、もう少し貨物運送の分野におけるトラックを行政指導すべきではないか、そういう見解を持っておるのでありまして、この国会で何とかひとつ結論的なものを見出したいと思っておりますので、抽象論はいたしません。具体的に質問していきたいと思います。
 まず、具体的な問題でありますが、運輸経済統計要覧の昭和四十七年版に、自家用自動車輸送のうち、貨物輸送が昭和四十五年に一兆二千七百十二億円という統計が出ています。これを先般、担当官に聞きましたところが、これは走行経費と保険の費用でありますという話でありました。これから類推いたしますと、大体走行経費と保険の費用というのは統計上全体の費用の約八%でありますから、これから逆算していきますと、昭和四十五年で自家用トラックの輸送コスト、これは日本の統計にもあがっておりません、輸送経費が約七兆五千億ぐらいになります。この七兆五千億の自家用トラックの輸送コスト、輸送経費というものを正確に把握して、あるいは物価問題にこれをどうするかという対策を立て、あるいは営業トラックの現在の情勢に対してどうするかということを考える。同時に国鉄の貨物輸送について、これをどういうふうに調整するかということを考えなきゃならぬであろうと、現在の輸送分野で、これ一番盲点ではないかと思いますから、この前の予算委員会の質問でも、一応の数値の話をいたしましたが、まず大臣官房情報管理部にこの統計要覧をこれからどういうふうに修正してまいるか、これが基礎になって経済企画庁は経済企画をやっておるようでありますから、この統計をどういうふうに正確に把握して、この日本全体の経済計画で使う数字を正確に修正するかという具体的な問題から質問いたします。
#4
○政府委員(小林正興君) 主管の部長が参っておりませんので、私からお答えいたします。
 自家用トラックの輸送コストの統計的な数字でございますが、これは自家用トラックが各企業の生産コストの一部を構成しておるというようなこと、あるいはそれぞれの業態によりまして非常にトラックの使用方法が異なっておるというようなことから、全体の輸送コストの推計ということが非常にむずかしいわけでございます。現在、運輸省といたしましては、五年ごとに産業連関表の作業をいたしておりまして、その過程で自家用トラックのコストを一応推計いたしました数字がございます。これによりますと、ただいま先生御指摘の数字と若干違っておりますが、一応四兆九千億という数字を昭和四十五年度の数字として得ております。営業用トラックにつきましては、これは運賃収入から直接確定した数字が得られますので、一兆四千億程度という数字でございます。
 この数字の推計の過程におきましては、多くの不確定要素がございますので、推計の方法ということについても、いろいろ学問的にも問題かあろうかと思いますが、こういった点については、なお今後、いろいろ検討をしてまいりたいと思っております。
#5
○小柳勇君 すぐ管理部長を呼んでいただけますか。いまの数字が、前のほうの営業トラックの数字は、これは一兆二千九百四十七万円となっています。いまおっしゃったのと違いますし、貨物自動車の、この自家用トラックの数字も、いまの数字はちょっと納得できません。全然理論的でないわけですから、責任者を呼んでもらいましょう。いいですか。
 それでは大臣に質問いたします。いまの実態調査が十分把握されてないわけです。これは会社で経費で落としておりまして、あらゆる面で、これはもう自由にのさばって動いておりますから、徹底的に調査するということは、この前約束してあります。経済企画庁長官も、そのことを、運輸省が予算をつけて実態調査しておられますからという、運輸省におんぶされております。この実態調査をどういうふうにするか。それから予算要求もさっそくことししなきゃなりませんが、その問題についてどうされるか、大臣の見解を聞いておきます。
#6
○国務大臣(新谷寅三郎君) 自動車が非常に数がふえてきた。それからまた利用のしかたも、あなたが御指摘のように非常に多様化してきている。またこのトラックについては、自家用トラックがあまりにもふえて、いまおっしゃったように、現在でも十何万台になっている。また増加率も、営業用に比べて非常に高いというようなことは抽象的にわかっております。
 そこで、いまお話しのように、統計をもっと整備しようということについて、前にも御注意がありましたので、われわれもそのつもりで本格的な調査に取り組もうということで、予算の要求もいたしております。この点は四十七年度、四十八年度でも七千七百万円、九千五百万円というふうに予算を取って調査を進めておりますけれども、足りないのです。だから、来年度についてはもう少しこれを広げて、それからおっしゃるように、いままでは、何といいますか、標本調査と言っていますけれども、全体の数がつかめなくって、そのうちのある部分を標本的に調べていくというようなことですから、これはもう一歩進めて、何かこの方法を考えて、非常にたくさんの数ですけれども、その実態がわかるような調査方法をとろうということで、主管局にこの内容をいま検討さしております。この調査については、おっしゃるように実態把握の意味で積極的に取り組もうということでございます。
#7
○政府委員(小林正興君) ただいま大臣から御答弁がありましたとおり、この自動車輸送統計の予算、毎年七千七百万、今年度が九千五百万とふえておるわけでございまして、これでいわゆるサンプル調査をやっているわけでございます。この問題につきましては、なお今後、大臣の御答弁のとおり充実してまいりたい。
 それから、なお自動車局自体といたしましても、本年度の予算といたしまして、自家用トラックの経済性の調査というようなものについて予算を取っておりますので、これについて、この秋に実態調査をいたしたいというつもりでございます。
#8
○小柳勇君 経済企画庁に質問いたしますが、この運輸省の統計ですね、これは違うわけです。この統計をもとにしていろいろ経済計画をやっておられるようだけれども、この前も問題にいたしました。経済企画庁長官は、運輸省の実態調査をもとにしてという話でありますが、いままでこのトラック輸送あるいは国鉄貨物輸送など、こういうものが公共料金に影響があるというようなことはもうだれにもわかっていますが、どういう数字を使ってきておられますか。
#9
○政府委員(宮崎仁君) まず経済計画等の経済全般にわたる資料といたしまして、交通需要ということが非常に重要でございます。その中において、各機関別の交通需要の想定をいたしますが、その中でトラックについての推計をいたしておることは御承知のとおりでございます。
    〔委員長退席、理事江藤智君着席〕
この場合のわれわれの推計のしかたは、もちろんこの運輸省等の統計資料を基礎としてやるわけでございますが、マクロにそれを出していくという形で、たとえば鉱工業生産指数でありますとか、あるいは国民総生産の大きさであるとか、そういうことの相関を求めながら出していく、こういう形でございまして、ただいまおっしゃいましたように、自家用トラックがどのぐらいであって、営業用がどうであるかというような実は区分を、この計画の面ではいたしておりません。しかし、こういった形の問題が、総合交通体系という面で考えてみますと、いろいろ問題があるということは御指摘のとおりでございまして、経済企画庁といたしましても、輸送効率あるいは公共料金政策、そういった面からさらに検討しなければならないということで、先般も大臣が御答弁を申し上げたわけでございますが、われわれも勉強をしてまいりたいと思っております。
#10
○小柳勇君 検討と言いますが、どんな数字を使っていますか、経済企画庁は。
#11
○政府委員(宮崎仁君) 先般二月に経済社会基本計画を策定いたしておりますが、この中で貨物輸送についての輸送トンキロ及び輸送トン数について、昭和五十二年度の数字の想定をいたしております。大体これは御承知のとおりだと思いますが、たとえばトンキロで見ますと、輸送貨物量については一・七倍、これは四十六年度に対してでございますが、そのうち自動車輸送としては一・八倍、数字といたしましては二千五百五十億トンキロ、こういうことに一応想定をいたしております。
#12
○小柳勇君 そんなことはこの次に聞くのです。いまはそんなことを聞いているのじゃないです。現在、白ナンバーの貨物トラックが自由にうんと動いていますが、それの輸送コストはどのくらいに把握していますかということです。
#13
○説明員(有松晃君) 現在、物価政策上の見地から申しますと、自家用トラックの輸送経費につきましては、これは実は料金という性格ではございません。自分の使用するトラックの経費こういうことでございますので、そういう意味で、数字的に把握をするということがなかなかむずかしい、実際には数字は出てないわけでございますが、先ほど運輸省のほうから御説明のございました、現時点では、運輸省の数字を使うというほかには数字はございません。
#14
○小柳勇君 そうしますと、運輸省の四兆五千億の数字は私ども納得できないわけですよ。これはあとで管理部から担当の課長が見えるようですから、数字の上では容認いたしますけれども、そんなような間違った数字を使って経済企画庁がやったってほんとうに日本経済の企画ができないでしょう。もちろん運賃ではありません。運賃収入は営業トラックだけしかありませんからね。それを運輸省のほうの数字を使っておるとおっしゃいますけれども、それじゃ幾らの数字を使っていますか。
#15
○説明員(有松晃君) 現在のところ、持に物価という見地から、この自家用トラックの経費を使用しておるということは実はございません。それで、先ほど運輸省のほうから御説明がございましたように、今年度さらに実態の調査をされるというふうにも伺っておりますし、まあいまのところ、もし議論の過程で数字をするといたしますと、やはり運輸省から先ほど申されました四兆九千億円、四十六年度でございますが、その数字をもとにしていろいろ検討するしかないわけでございます。
#16
○小柳勇君 いままで経済計画の中にその数字を使ったことがありますか。もう一回言いますならば、自家用トラックがあれだけ走り回っておるが、これがどのくらいの貨物経費の中に、総経費の中に、日本の物を動かす経費の中にどれくらいコストがかかっておるだろうかということを経済企画庁としてタッチしたことがありますか。
#17
○政府委員(宮崎仁君) 経済計画のほうといたしましては、いま御指摘の問題に関連することといたしましては、産業連関モデルというものを使いまして、各産業別の算出額を、これは経済計画の重要な資料としてつくるわけでございまして、またその推計もいたしておるわけでございますが、その場合に、この各部門別の算出額、これが過去の数字が出てまいりますが、この中には当然そういった自家用トラックの経費等も入っておるわけでございます。そういったものが算出額の統計、これは各省――通産省や農林省の出しておられる統計からとってくるわけでございますが、そういう中に入っておるという形で関係があると思います。ただ、その中で自家用分が幾らであるか、こういうような形での分析は従来もしたことがございませんし、ただいま物価局のほうから申し上げましたように物価関係の問題として、そういった数字が問題になることがございますけれども、経費計画としては、特に自家用としてどうというような計数を出したことはございません。
#18
○小柳勇君 総合計画局長、けれどもね、私はこの質問をするのは初めてじゃないんですよ。もうこの問題だけでも三回目です。本会議でも問題にしましたし、予算委員会でも問題にしています。しかも私は、ちゃんと自分の書いたものを責任をもって数字も出しています。経済企画庁にもいっています。そのようなものがもう三月の段階ですから、五カ月もたちながら、全然無視されるんですか、経済企画庁としては。そんなんなら、もうこんな委員会で論議する必要はないですよ。国会議員が国民にかわっていま論議しているんですがね。しかも責任ある数字を出して、私の説を出していま論議しているのに、私の出した数字なんか無視したような議論だったらもう無意味ですね、それは。一回ぐらい論議したことがありますか。この運輸委員会でこういう数字を出しておるが、これは一体ほんものだろうか、うそだろうか、あなたは連関表とおっしゃいましたが、ここにあります、ちゃんと。四十五年の連関表はありますよ。これは間違った数字が出ているんです、連関表に。この指摘をしておきました、この間。私は管理部長を呼んで聞いたところが、先生、これは走行経費と保険費用でございますとおっしゃる。そんなものが自家用トラックの貨物輸送費として堂々とまかり通っておる。これがいま日本の経済企画庁の中に唯一の資料として使われているわけです。私がこの数字を基礎にして計算しましても七兆七千億です。約八兆円です。自家用トラックの輸送経費が八兆円、これには一兆二千億と書いてあります。一兆二千億円と経済企画庁が――日本はどこに行くかわかりますか。しかもあなたは計画局長ですよ、日本の。私の数字を論議したことがございますか。それを聞きましょう。
#19
○政府委員(宮崎仁君) 予算委員会での先生の御意見がございましたときにも、私聞いておりまして、確かにそういった面で、この統計資料のほうの起草も問題があるということもわかりましたし、また私どもが使っておる産業関連モデル、これは前回の四十五年計画の際に見直したものでございますが、その基礎となっておる資料が問題があるという御指摘を受けております。それは承知しております。
 それで私どもとして、今度二月の計画はつくりましたけれども、さらに今後の問題としてこれをフォローアップしていくという過程におきまして、この経済モデルについても全面的に検討のし直しをしなければならないということで、現在計量委員会等において、その具体的な作業をいまやり出しておるわけでございます。こういったモデルの変更ということは非常にいろいろの問題がございますので、すぐにというわけにはまいりませんけれども、私どもといたしましては、おそらく次の計画がまた二、三年先に問題になると思いますが、それまでには体制をすっかり整えておきたい、こういうことで勉強いたしておるわけでございます。
 それから、もう一点申し上げておきますと、自家用トラックの問題で特に御指摘がございましたのは、やはり物価あるいは輸送コストという面で非常に議論があるという御指摘でございました。そういう面で、物価局のほうで、これは運輸省のほうの資料との関係も見ながら検討を続けていく、このほうはできるだけ早く実態の姿をつかまえていきたい、こういうつもりでやっておるわけでございます。そういうことでございますので、私どもとして決してこの問題を無視しておるとか、あるいは軽視しておるということはございません。何分にもこの調査が相当むずかしい調査のようでございまして、簡単に計数がつかみ得ないというようなことでございまして、
  〔理事江藤智君退席、委員長着席〕
経済企画庁として直接調査をするというわけにはまいりませんので、先ほど運輸省のほうでお話がございましたように、そちらのほうでの調査が充実されることをわれわれとしてはお願いをしておる、こういう次第でございます。
#20
○小柳勇君 それでは答弁になりませんですよ。私が言っているのは、この参議院の運輸委員会や予算委員会で問題になっておったのを経済企画庁は知りながら全然無視している。それでは自合たちがつくった数字だけで経済計画をやっても、つとまらぬでしょう。大事な問題ですから、大事な問題であるならば、なぜ私に議論を吹っかけませんか。そんなのが出ていますけれども違いますよと、そうするとまた議論になるでしょう。全然五カ月間も無視して、そしていまここに来たならば、また新しい議論をしなきやならん。時間の浪費ですよ、そういうことは。そういうことを申し上げているわけです。いま担当の運輸省の課長が見えたようですから――この産業連関表のこれを直してくださいと申しておきました。これはどういうふうになっているか説明を求めます。
#21
○説明員(荒尾正君) 運輸経済統計要覧の九八ページには、自家用の貨物輸送の生産額といたしまして一兆二千七百十二億というのがあがっております。これは記載が適切でございませんで、先生からもお話がございましたように燃料費、修繕費保険費等の輸送経費だけでございます。で、この一兆二千七百十二億円に人件費、それから減価償却費、諸税等の諸付加価値三兆六千十一億円を加えまして、合計四兆九千三百十三億円という推計をいたしております。これは、いま推計と申し上げましたが、ライトバン型による輸送のうち二割、軽トラックのうち八割が貨物輸送に使用されたという仮定をしての推計でございますので、推計と、こういうことで申し上げたわけであります。
#22
○小柳勇君 いまの自家用トラックの台数は幾らに掌握してますか。私の計算は軽自動車は入れてないんですよ、軽自動車は入れなくても約八兆円になるんです。あなたのは軽自動車入れながら五兆円とおっしゃるが、どうしてそんなに違いましょうか。
#23
○説明員(荒尾正君) ただいまも御説明申し上げましたように、ライトバン型の自動車、バン型の自動車につきまして、約二割、それが貨物輸送に使用されておる。そういうように推定いたしておりますので、そういう推定の過程で大きく相違してくる、こういうように考えられます。
#24
○小柳勇君 一方的に私の数字を押しつけても議論になりませんからね。これは修正いたしましたか、この連関表は。
#25
○説明員(荒尾正君) ここに仮設部門ということで書いてございますが、修正という印刷物でまだ配布はいたしておりません。
#26
○小柳勇君 それも怠慢ですよ。修正してくださいと言ってお願いしたでしょう、委員会で。こんなうその数字を出しておくと経済企画庁は間違うわけです。経済企画庁はこの一兆二千億で経済企画するでしょう。いまあなたは五兆円をお認めになった、約五兆円ね。それじゃさっそくその五兆円をここに修正しておきませんと、これは経済企画庁だけじゃありません。各省庁とも使っていますよ、数字は。一兆二千億と五兆円はたいへんな違いでしょう。三カ月か四カ月前にすぐ電話してくださいよと言ったんだから、直しておかなければ経済企画庁はずっとこの数字を使うでしょう。日本はどっちの方向に走っていくかわからぬでしょう。運輸大臣、この点についてどうですか、見解。私のほうが無理ですか。
#27
○国務大臣(新谷寅三郎君) いまの問題になっている自家用トラックの運送費の問題、これについてはいろいろ御議論があることも承知しておりましたが、事務的な手続がおくれておるというような御指摘がありましたが、これは遺憾に存じます。これはもう少し事務的にそういう点については配慮させます。ただ私、こういう統計については知識はありませんけれども、いまこういった問題について、あなたの実はお示しになった論文を読みました。この御意見も拝聴しました。しかし、これもいろいろ統計そのものについても、まだ正確を期するためには、かりにあなたのいろんな条件、それによって推定されたに違いないんですけれども、そういう条件についても、これはもう少し検討してもらわなきゃならぬ点も出てくるかと思います。運輸省でつくっておる統計につきましても、いま必ずしも一緒じゃないと、かりに運輸省の統計関係の人たちの推定条件、それをもとにすると五兆円になると、まあ一応それにしましょうと、こういうお話でございます。
 これについては、さっきお話を申し上げましたように、まあ標本的な調査を進めてきましたけれども、足りないだろうということで、私のほうでも本格的な調査をしようということに決意をしておりまして、いまそれを進めているわけです。そういった問題について、もう少し皆さんのお知恵も拝借しながら、正確な、つまりあなたのおっしゃるような、いろんな経済政策の基礎になるようなものを早く出すように努力をしなければならぬ、こう思っておりまして、関係当局に早くその実態を把握し得るような統計を出すようにということを指示しておるわけでございます。
#28
○小柳勇君 大臣、それは誤解がありましてね。そんな抽象論じゃなくて、もう具体的数字が出ているんです。この調査はここまでは正しいわけです。ここに出ているものは、さっきおっしゃったように、走行経費と保険費である、保険費用はこのうちの八%というから一八%分を差し引けば走行経費は一兆一千六百九十五億円になる。走行経費というのは燃料費と車両修繕費との合計であります。営業費の構成の中で走行費は何%に当たるかを検討すると、運輸省の自動車局総務課発行の自動車運送事業経営指標によれば燃料費が七一五二%、車両修繕費が七・四二%である、ちゃんとこう出ているんです、統計が。そしてその合計は一四・九四%となる。これから営業費を通算すると、走行経費は一兆一千六百九十五億円、比率を一五%とすれば、これで割りさえすれば七兆七千九百六十六億円となるんですから、この数字から七兆七千九百六十六億円が出るんです。
 したがって、これはさっき五兆円とおっしゃいましたけれども、それはもうただ算術計算で出るわけですからね。したがって私は、この八兆円の数字を使ってこれから論争していきたいと思うわけですよ。そういうことでちゃんと責任のあるのを出しているんですから、そういうもの、かもし間違いなら、私にけんかを吹っかけにゃいかぬのですよ、運輸省は。それをだまっておって、またきょうこの大切な時間で、こんな初歩的な論争をしなきゃならぬでしょう。それを戒めなければ、長時間をかけて委員会をやりましてもほんとうに時間のロスではないかと、そう思うわけです。したがって、これは管理課長が見えましたから、課長もう一ぺんひとつ、いま私が言ったのが正しいですかどうですか。
#29
○説明員(荒尾正君) 先生のほうで約八兆円というお話がございましたけれども、私も先ほどライトバン等での推計を一部申し上げましたけれども、そのほか全体を見ます場合には、自家用と営業用との輸送の原単位といいますか、燃料の消費率とか、そういったような点がいろいろ相違しておりますので、直ちに八兆円ということになるかどうかは、なお検討の余地があると思います。
#30
○小柳勇君 わかりました。それでは検討してください。また別の機会で論争しましょう。
 大臣のさっきの、予算は少なくとも八兆円ぐらいの経費を調査するのに、一億足らず八千万ぐらいの予算で予算要求いたしましたのでは、あまりにもお寒いですから、もう少し大蔵省に言って予算をうんとつけて、早急に自家用トラックの実態を把握してもらいたい。そして数字をちゃんと出して、そしてこれを経済企画庁にもやるし、各省にもやって、これからはこういうふうなもので、ひとつ問題を解明するようにという、そういう基礎的なものをつくってもらいたいが、いかがですか。
#31
○国務大臣(新谷寅三郎君) この実態を把握するための基礎調査、これは非常に必要だと思うんです。ことに自家用トラックのみならず、営業用トラックにつきましてもいろいろ問題があると思います。それであとで、あなたがこういうふうな意見書を出しておられますから、これに基づいて、私に御質問があると思うんですが、少し先走りますけれども、調査費は、もちろんそういうふうに、関係当局と十分に相談して、確信の持てるような実態把握ができる程度まで、これは調査しなきゃいかぬと思っております。交通機関の中で一番いま私ども心配しているのはこのトラックの問題でございまして、これについて、あとでまた申し上げますけれども、自動車行政の全般につきまして、いま関係当局に再検討さしておるんです、あらゆる問題を抽出しまして、それについての基本的な方針をきめまして、もう少し自動車による輸送というもの、これについて秩序のある輸送というものを実現さしたいということで、しきりにいま検討しておる最中でございます。いずれこの問題は、あとでお尋ねがあったときにまた申し上げますが、その一つの問題でございます。
#32
○小柳勇君 経済企画庁の計画局長にもう一言、これはお願いしておきますが、いまここで、私もずうっとこれから論争しなきゃならぬのですから、その基礎数字を、運輸省が認めた五兆円、そこまではお認めになりますか。
#33
○政府委員(宮崎仁君) これは、私どものほうの産業連関モデルは、運輸省の統計を基礎としていたしておるわけでございますから、その数字が五兆円になっておるということであれば、当然それに基づいてやります。
#34
○小柳勇君 それでは、次に通産省に質問いたします。通産省見えてますね。――さっきから論争いたしておりますように、自家用トラックがばく大に走っています、諸外国の例などきざに言う必要はありませんけれども、全体のトラックの中で営業トラックはわずかに六%しかない。九四%は自家用トラックです。しかも、これの輸送効率は営業トラックの六分の一。たとえば営業トラックがキロ当たり二十円しかかからぬときに自家用トラックは百二十円くらいかかっています。こういう非能率な自家用のトラックが自由にのさばっている。そして公害をまき散らして、交通事故を発生させている。この自家用トラックを、最近はトラックの製造は少し窮屈で、なかなか買うのも困難でありますが、生産面で規制するようなことを考えたことがございますか。
#35
○説明員(野口一郎君) ただいま先生から御指摘のあった問題でございますけれども、確かにこれは上ラックを含めまして、自動車の増加というものは著しいものがございまして、それに伴いまして公害の問題とか、あるいは交通問題とか、いろんな問題がだんだん深刻な問題になっているという点は、先生御指摘になったとおりでございます。その点の問題につきまして、私ども非常にいろいろ勉強もし、検討もしておる次第でございますが、何せ自動車の生産という立場から申しますと、自動車の持っております国民生活あるいは経済活動に占めております大きなウエートというものを考えますと、特に生産というものは、やはり何と申しましても、社会経済の需要と申しますか、あるいはニードと申しますか、そういうものに応じて行なわれているものでございますので、先生御指摘のような問題等も、いろいろ考慮いたしておりますけれども、ただいまのところでは、生産等を直接に規制をするということは、いろいろ問題を含んでいるかと考えています。
#36
○小柳勇君 現在のトラックの製造台数、それから国外に販売する台数、国内のそういう台数、数字を教えてください。
#37
○説明員(野口一郎君) 数字につきましては、四十七年度の数字について申し上げますると、昨年度におきまして、生産は、トラックにつきまして二百三十四万六千台生産しております。そのうち輸出は五十六万五千台向けられております。内需は、たぶん輸入がないと思いますので、その差でございまして、百八十万五千台であります。これが内需の数字となっております。
#38
○小柳勇君 現在はトラックを買うのがたいへんなようです、営業トラックもですね。自家用トラックのほうはうまく大手メーカーなどが使っておるようですが、通産省としては、もうただ生産を奨励すると、あるいは海外に輸出を奨励するというような方針ですか。あるいは、いまこれだけ公害もあるし、トラックも大型化してきたから、たとえば大きさの制限とか、あるいは重量制限とか、あるいは、生産制限とか、何かいわゆる制限する方向に考えたことがありますか。検討したことがありますか。
#39
○説明員(野口一郎君) 先ほど申したように、生産はやはり社会、経済のニードに応じて、それに対応しながら行なわれるという、元来そういうものでございます。ただ先ほども申しましたように、それに伴いまして社会的に、経済的にいろんな問題が副次的に起きてきております。その問題につきましては、やはり放置しておくわけにはまいらないわけでございまして、通産省といたしましても、関係の諸官庁等と連絡をとりながら今後検討を進めてまいりたいと考えております。
#40
○小柳勇君 大蔵省見えておりますか。――大蔵省として今度また自動車の重量税をふやしたいとおっしゃっておりますが、重量税に対する考え方と、それからいまの自家用トラックは一般の営業トラックのように税は取ってないわけですね。この税金のかけ方が、営業トラックと自家用トラックとどのくらい違うか。重量税はあとでいいですから、営業トラックと自家用トラックで、税金の面ではどれくらい違うか。この説明を求めます。
#41
○説明員(福田幸弘君) 最初、重量税を上げることによる抑制の御質問かと思います。これは申し上げることもないんですが、自動車重量税の性格と申しますのは、自動車が走ることによるいろんな社会的なコスト、すなわち道路を損壊するとか非常な混雑度を及ぼすというような点に着目して、自動車を使っておる人に対しまして自動車の重量に応じて課税をするという性格のものでございます。したがいまして、自動車を持っておる所有者の主体とか、それから使用の目的ということによって税率の差を設けるということにはなじまない性格になっておるわけでございます。したがいまして、自家用とか営業用ということによる税率の差ということは考えない制度になっております。
 それから、その業者による収入に対する課税、これは所得税の問題でございますので、私の担当じゃございませんが、収入が入ればそれに対して所得税ないし法人税がかかるということで、その辺は私あまりこまかくは御説明できません。
#42
○小柳勇君 私の関係でなくても、説明してもらわぬと論議にならぬのですよ。わかる人を呼んでもらいましょうか。
#43
○説明員(福田幸弘君) いま連絡をとっております。
#44
○小柳勇君 その関係の人をひとつ呼んでもらいましょう。
#45
○説明員(福田幸弘君) 収入に対する所得課税の御質問を、私の知ってる限りで御説明申し上げます。
 営業であれば営業収入になりますので、課税が、法人であれば法人課税、個人営業であれば個人所得課税、それから自家用で持っておれば、それに対する経費が起きれば落ちる。それによっていろんな活動があれば、売り上げがあれば、売り上げ収入に対して課税されるという一般的な収入及び経費の関係、その差額に対して所得を把握して課税するという一般論でございます。
#46
○小柳勇君 営業トラックであれば運賃収入、営業収入に対する税金を取りますからね。それはトラックが主体となって税金を取る。自家用トラックの場合はいわゆるトラック営業でないから会社の経費となって落ちておる、こういうことですね。
#47
○説明員(福田幸弘君) トラック営業であればトラック営業としての収入、それからトラックを持つこと及びいろんな負担に対し経費を引くと。それからトラックを自家用で持っておれば持つこと自体による償却がございますし、またそれが一般的な営業活動の一環でございますから、いろんな形での収入が生じておるわけです。したがって、そのトラックに課税されるということで、所得課税、法人課税の原則としては同じでございます。
#48
○小柳勇君 ここで問題にしたいのは、自家用トラックがいま日本で五百四十万台ばかり走っております。これに対して営業トラックが三十七万台ですね。この自家用トラックのほうは非能率的だけれども、会社の経費で落とせるし、車の運送によって車に特別の税がかからないというようなものもありましょう、これを利用しておるから。たとえばドイツなどでやっておりますように、この際少し営業トラックを使っても、自家用トラックを使ってもあまり変わりはないというようになりませんと、自家用トラックは営業トラックに振り向けるわけにまいらぬのですね。いま動いているのは必要だということは私もわかります。ただ少しこれはぜいたくに動かしているでしょう、非能率的ですから。したがって税制などで、たとえば今回の重量税ですね、重量税を一ぺんに二倍にする、三倍にするといわれるから国民は非常にいまおこっております。そういうときに、こういう運輸省とも連絡をとりながら、交通政策上あるいは運輸行政上、税金で少しかげんしましょう、そして自家用トラックから営業トラックに、少し白ナンバーから青ナンバーに変わるような手続をとりましょうとか、あるいはお加勢をしましようとかというような考えが大蔵省にあるかないか、あるいはそういうことを討論したことがあるのかないのか、お聞きいたします。
#49
○説明員(福田幸弘君) 税の面で重量税ないし所得課税の点で、営業用、自家用を差別するということは課税上の問題としては非常にむずかしいかと思います。あとは行政指導上でいろいろな交通上の問題があると思います。重量税全般の問題としましては、先ほど御指摘のように、国鉄輸送と、それに対するほかの輸送手段、特にトラック輸送あたりがどういうふうなバランスをとるかというような総合交通体系というような線に沿った大局的な検討をやるという意味で、重量税の引き上げということが総体的な処理の方向かと思っております。まあ外国と比べても相当に低い負担であるということから見ましても、またこれを設けました経緯から見ましても、現在再検討の機会であると思います。
#50
○小柳勇君 重量税についてはっきりと聞き取れなかったのですが、どうされるつもりですか。
#51
○説明員(福田幸弘君) 現在関係の省で検討中でございまして、大蔵省自体で、いまこちらから新しい案を持っているということは申し上げられませんが、全体的な交通体系の中で、どういうふうなバランスが必要かという際の、また自動車公害とかいろいろな問題も出ております、まあ抑制効果、それから七次の道路計画の財源問題その他を合わせまして、重量税の引き上げというのは、引き上げの方向での検討を近いうちに進める段階に入っております。
#52
○小柳勇君 どのくらいになる予想ですか。
#53
○説明員(福田幸弘君) 現在お答えするわけにはまいりませんが、相当大幅であるということだけ申し上げておきます。
#54
○小柳勇君 総理大臣の答弁みたいで、それ以上追及しても、まだ予算の決定前だから、これ陳述できませんか。
#55
○説明員(福田幸弘君) 現在申し上げられません。
#56
○小柳勇君 課長さんですから無理も言えないでしょうが、重量税を相当に大幅に引き上げる、そういうときに運輸省とも連絡をとりながら、これはまあ最後のほうにずっといきますけれども、何とかしてこの際、白トラから営業トラになって、もっと規制のある交通体制及び事故撲滅、願わくはこの白トラをもっと減らす、そして道路をあける、そういう対策をとらなければならぬと思うのです。大蔵省としてどうでしょう、そういう見解は。
#57
○説明員(福田幸弘君) 運輸省ともよく話しまして検討を続けたいと思います。
#58
○小柳勇君 運輸大臣どうですか。いまの議論を聞いておられて、税制の面、たとえば自動車税が安いとか高いとかということは、外国に比べては安い、いまおっしゃったとおりですね。それはいまは少しまだ問題はありますから、自動車持っている方は自動車税が高いとおっしゃるから、なかなかむずかしいが、その税制の面でも、この際少し規制をしなければ、もうほんとうに非能率的な自家用トラックが走っておる、こういう現実をどうお考えか。大蔵省は運輸省と相談するとおっしゃっているが、運輸大臣の見解をお聞きします。
#59
○国務大臣(新谷寅三郎君) まだ運輸大臣として、この場で御答弁申し上げるまでに、各省の意見がまとまっておりません。したがって、まだこの問題は検討中という以外にはお答えする道がありません。
 ただ、ちょっと誤解があるかと思いますけれども、財務当局としましては、これは相当大幅な重量税の引き上げということをお考えになるのは、立場上当然だと思いますけれども、これについては関係各省でいろいろな意見があります。そうすべきじゃないという意見もあるようです。それからわれわれのほうとしましては、いまあなたがおっしゃったような自家用トラックの問題、しかし、その自家用トラックの問題だけじゃなしに、一般の車両について、一般の自動車についての問題でございまして、この点はもっと広く、たとえば日本のエネルギー政策の上からいって将来どうであろうかということも考えなければなりません。また都市における公害の問題こういった点からも考えなきゃなりません。もう少し幅の広い視野からこの問題に取り組んでおるということでございまして、まだ結論を申し上げる段階ではございません。
#60
○小柳勇君 十分にひとつ検討してもらいたいと思います。税制の面もですね。
 それから、いまおっしゃいました全般的なトラックの管理機構の問題を次に質問いたしますが、まあこれ先般から、もう三月ごろから話しています。営業トラックの管理機構もそうであります。それから自家用トラックを野放しにしておいてあるという点もそうでありますが、こういう面で管理機構をどうしようとされるか。もう相当期間も長いから、運輸省でも相当論議されておると思いまするが、具体的にこうするということを御提案願いたいと思います。
#61
○政府委員(小林正興君) トラック行政におきます管理機構の問題でございますが、現在まず運賃について考えてみますと、トラックの運賃につきましては、道路運送法上幅運賃というものを設けまして、従来の確定額運賃から比べますと相当弾力的な制度に改善をいたしたわけでございます。しかしながら幅運賃にはなっておりますが、上下の幅の範囲内において、これはやはり認可運賃でございますので、これを順守することは当然でございます。したがって監督官庁といたしましては、これについて適正な運賃が収受されておるかどうかということについては、先生の御指摘のとおり、十分監視、監督する必要があるわけでございます。全国に二万以上にのぼるトラック業者があるわけでございますが、これにつきまして定期的な監査あるいは重点的な特別な監査等を通じまして、運賃につきましても、特に上限の幅を越えているというような荷主、利用者に対して不当に運賃を取っておるというような場合については、相当厳重に処分をいたしておるわけでございます。この幅の範囲内において、業界といたしましても、いわゆる自主的に、適正運賃収受運動というような運動を行なっておりますが、当局といたしましても、そういった点については法令の順守でございますので、一そう指導、推進してまいりたいと思っております。
 なお運賃を含めましたトラック事業全体についての監督体制の整備ということにつきましては、現在各都道府県に陸運事務所を設けて行政を推進しておるわけでございますが、行政一般につきましては行政事務簡素化という問題もございます。あるいは運輸省の行政から地方へ委譲すべきであるというような議論もあるわけでございまして、管理機構を大幅に強化するというようなことにつきましては、相当困難な問題でありますが、先生の御趣旨等も十分参酌いたしまして、今後検討いたしてまいりたいと思います。
#62
○小柳勇君 陸運局の予算も少ないし、運輸省の中に占める陸運局の予算も私も十分知っていますし、人も足りませんね。したがって役所だけで各個別事業所の運賃をどうしてるかという監督はとてもできぬと思う。無理でしょう。ただオーナーは、全国トラック協会などというのがありますね。運賃収入だけでも二兆円です、いま一年間に、トラックの運賃収入が。それにさっき申し上げましたように、自家用で動いている輸送コストは約五兆円。みなさんの数字でも五兆円。合わせますと約七兆円。そういう人たちの協会などで、たとえばその運賃収入の一%出しますと、二兆円の一%、二百億ですね。二百億を使いますならば、もう少しこのトラック協会自体がお互い同士の規制なり、あるいは自家用トラックに対する規制なり、あるいは過積に対する牽制なり、交通事故に対する教育なり、いろんな問題ができるのではないかと思うが、残念ながらいまのトラック協会はそういう仕事をやっていないようです。
 これはもう各県の協会などもそういうふうな状態でありますが、いますぐ陸運局の予算をたとえば倍にする、三倍にすることは、あるいはできぬかもしれぬが、そういうような民間の協力を得るとか、あるいは他の省庁の協力を得るとか、もう少しトラック貨物輸送の秩序回復、運賃規制、こういうものについて、あらゆる知恵を動員すべきだと思うが、どうですか。
#63
○政府委員(小林正興君) 先ほどもお答えいたしましたが、たとえば運賃というような事業者の経済活動そのものでございまして、これを法令におきましても規制されておるわけでございますから、当然役所も、事業者の自主的に行なう適正運賃収受運動というようなものをできるだけ強力に推進できるよう、役所といたしましても、これに指導を強めてまいりたいということでございまして、ただいま先生の御指摘のとおり、そういった点あるいはそのほかの業界自体として、自主的に行なうべき問題というようなものについて、なお今後、相当やるべき余地があるんじゃないかということは、全く私もそのとおりと考えておりまして、そういう方向でトラック協会を指導してまいりたいと思います。
#64
○小柳勇君 これは運輸省と警察庁に聞きますが、いま営業トラックをやるには相当きびしい審査がありまして、聴聞がありまして認可制になっていますね。自家用トラックの場合は届け出まして、聴聞もないし、認可制度でない、相当の差があるわけですね。で、きびしい聴聞、審査をやって走っているトラック、これも同じ道路に走っているわけです。それからそういうきびしい聴聞もしないで走っている自家用トラックも同じ道路を走っているわけですね。こういう差がありますが、こういうものが交通事故につながり、公害につながると思うが、この現在の自家用トラックに対して、せめて許可制とか、何か審査するとか、そういうような体制をとるべきだと思うが、いかがですか。それは運輸省と警察庁に聞きたいと思う。
#65
○政府委員(小林正興君) 自家用トラックの数が非常に激増しておりますが、特にこれが中小企業で使われておること、また非常に小型のものが多いというようなことについては、御承知のとおりでございます。このように自家用トラックをいろいろな中小企業方面等で使用いたすこと自体は、われわれ国民が乗用車を自由に保有し、あるいは使用するということと、そのこと自体は全く同じでございまして、したがって法制上特別な規制を加えるというようなことにつきましては、それぞれの目的からいたしておるわけでございまして、運送事業というようなものにつきまして、これを免許制といたしておる理由は、一般に広くこの事業を利用者に公開いたしまして、また適切な事業運営をいたすということで監督、規制をいたしておるわけでございます。
 ただいま御指摘のような、安全の観点等、道路運送車両法においてもいろいろな監督、規制の点はあるわけでございますが、輸送上の観点から自家用自動車を現在の使用届け以上の規制をするというようなことについては、法のたてまえ上、その合理的な理由というものは乏しいのではないかと思うわけでございます。もっとも自家用トラックという中で、いわゆる無免許の白トラと称しておるものが多数あるわけでございますが、これについては当然現在の道路運送法上違法でありますので、取り締まりを強化して輸送秩序を確立すべきということは、これは当然のことでございまして、そういった点の行政につきましても、先ほどの営業用トラックに対する行政とあわせまして、今後強化してまいりたいと思っております。
#66
○説明員(寺尾繁君) お答えいたします。
 基本的には、いま自動車局長が申しましたとおりでございますけれども、問題として私ども考えておりますのは、たとえばダンプカーのようなもの、そういう大型でたいへん積み荷も多く、問題を起こしておるようなものを何らかの規制ができないものかどうかという、問題点としてはいろいろ考えて悩んでおるところでございますけれども、基本的には先ほど申されたとおりでございます。
 なお、私どもとしましては、安全運転管理者という制度を、自家用車を五台以上持ったところにいたしておりますが、それの行政指導面その他において、私どもとしても監督をしてまいりたい、かように考えております。
#67
○小柳勇君 自家用でいわゆる自トラですね、営業行為をやっているようなもので摘発されるような件数は年間どのくらいあるのですか。
#68
○説明員(寺尾繁君) ちょっといま資料――詳しく調べればわかると思いますが、非常に数は少のうございます。おそらく五百台以下であったように記憶しております。
#69
○小柳勇君 この問題の結論的なものですけれども、運輸省、その営業トラックの約十四、五倍の自家用トラックが動いているが、諸外国にこういう例がないわけです。トラックのシェアで統計上もないわけです。したがって、いろいろ方法がありましょうが、たとえばいま自家用トラックを一つの会社で五台なり十台なり持っているところは青ナンバーに指導して切りかえるとか、そういたしますと運賃収入もはっきりしますし、労働条件もはっきりしますし、そういうような方向で、少なくとも全体のトラックの中で営業トラックが一五%ぐらいまでにシェアを拡大するような行政指導ができないものであろうかと考えるわけでありますが、いかがですか。
#70
○政府委員(小林正興君) 確かに不経済な自家用トラックを極力営業用トラック、公共的な交通機関に転移していくということの政策は非常に必要なことであろうかと思います。その際に、やはり問題になりますのは、トラックにつきましては、これを持っておる中小メーカー、あるいは卸売り、小売り商というのが多いわけでございますが、単に物の輸送という観点からだけでなくて、商取引活動の一環としてこの自動車を利用しておるという実情にあるわけでございます。したがって単に輸送上の観点からだけで考えますと、営業用トラックをできるだけ整備いたしまして、そうして自家用の輸送需要というものをこちらに転移さしていくということが、その限りにおいては可能かと思うわけでございますが、この商取引等と関連して自動車を持っておるわけでございますので、そういったそれぞれの産業界におきまして、合理化と申しますか、輸送コストの低減というようなことにつきまして、そういった点を指導いたしませんと、なかなか営業用トラックに転移しろと言っておりましても、これはそれだけの効果が出てこないわけでございます。
 ただ最近、いろいろ物流の革新と申しますか、輸送のコストというものがそれぞれの産業において非常に大きな問題になっておる、また国といたしましても、物価の問題で非常に重大な問題であるというようなことから、この輸送の革新、物流の革新というようなことを、産業界自体がこれに取り組んでくる状況になってきております。
 したがって私ども輸送の専門の側といたしましても、そういった点を産業界と一体となりまして、新しい輸送の制度というようなものについて、現在検討を進めておるわけでございます。これがまた法制上許される場合には、先ほど来お話のありました免許制度におきましても、特定の貨物輸送の制度というようなものとか、あるいはいろいろなそういったものにつきましても、何と申しますか、受け入れやすくしていくというようなことについて、あわせて検討しておるわけでございます。
#71
○小柳勇君 議論がなかなか合致しないわけですね。何回も言いますけれども、もう少し積極的に運輸省全体としてやってみると、経済企画庁にもあとですぐ質問いたしますが、物価もこれだけ上がりまして何も手がないんです。どんどんどんどん物価は上がりっぱなしですね。一つの具体案として提案しているならば、ひとつやってみましょうという、そういう気に政府全体としてならないだろうかと思って、もういらいらするわけですよ。何回もこれは言っているわけですね、三月ごろから私言っているわけです。それを今日なお、ただ論争で終わるということは、まことに残念しごくです。国鉄貨物運賃の赤字も、一つ大きな原因がこういうところにあろうということは、もうみなわかっているわけでしょう。しかも国鉄貨物運賃はちゃんと賃率がきまります。今度は営業トラックは約三五%の幅で一応運賃はきまってまいるが、しかし、これもいまはあまり管理機構もないと。自家用トラックに至りましては、もう自由に、コストはかかるけれども運賃として計上されないまま動いている。しかも同じ道路の上を走っているわけですから、何とかこれをひとつ秩序あるものにしなければならぬと思うわけですがね。
 そこで、今後また問題にしますが、たとえば自家用トラックから営業トラックに――営業をやりますにもなかなかたいへんです。やはり運賃もダンピングされましたり、トラックの購入がひどかったり、たいへんです。したがって中小企業の運送事業者というのは四苦八苦しているのですが、一つの提案としてここに、下請代金支払遅延防止法の適用というものを私は提案しています。これは商工委員会でつくりましたのですが、そのときはまず製造業に適用しました、そのあと建設業に適用しました、あと運送業も附帯決議につけておるわけです。したがって、この際、ひとつ運送業にもこれを適用して、中小企業の運送事業者を助けることによって、自家用トラックを青ナンバーに変えることができはせぬかと思うわけですね。この際、昭和四十年にできた法律でありますから、下請代金支払遅延防止法を中小企業の運送事業者にも適用するという方向に政府として検討されたいと思うが、公正取引委員会と運輸大臣の所見をお聞きいたします。
#72
○政府委員(熊田淳一郎君) ただいまの、運輸業につきまして下請代金支払遅延防止法を適用するという問題でございますが、これは第四十八回国会におきまして、衆議院の商工委員会で附帯決議がございました。運輸業についても、実態に即して下請法を適用するように検討をすべきことを決議されております。公正取引委員会といたしまして、そういう御趣旨もございますので、運輸業全般につきましてただいま実態を調査いたしております。で、調査の結果を待ちまして何らかの措置が必要であるということになりますれば、この規制方法について、十分検討いたしたいというふうに考えておりますが、現在のところ、直ちにこの下請法を適用するのがいいのか、あるいは独禁法の不公正な取引方法の解釈でいくのがいいのかというようなところは、これはまだ調査の結果を待って結論を出したいというふうに考えております。
#73
○小柳勇君 どんな調査をいつごろからやっておられるんですか。
#74
○政府委員(熊田淳一郎君) これは四十五年から調査をいたしております。運送委託、受託の関係、それから運賃料金の回収の実情、そういうようなものについて調べております。
#75
○小柳勇君 結論はいつごろ出るんですか。
#76
○政府委員(熊田淳一郎君) 運輸業全体について考えたいと思っておりまして、ただいま貨物自動車と、それから港湾運送については、一次的な調査をいたしましたが、まだ内航海運業につきまして調査ができておりません。そういうような運輸業全般についての調査をいたしました上で、考えたいというふうに考えております。
#77
○小柳勇君 そんなのは答弁にならぬですよ。私は運輸業の海運とかなんとかまで論議していません。中小企業の運送事業者が、やろうとしても、なかなかトラックの購入もむずかしいし、それから開業いたしますと、三カ月から四カ月は借金です。そういたしますと、運輸省が、たとえば自家用トラックが多過ぎるから少し青ナンバーにかえましょうと考えましても、やっていけないんですよ、十五台ぐらいの、あるいは十台ぐらいのトラック業者では。そういうときには、下請代金支払遅延防止法などが一つのたてになりましょう、あるいはほこになりましょう、運送事業全体の話なんかしていませんですよ。その問題をどう考えますか。
#78
○政府委員(熊田淳一郎君) これは製造業等と取引形態が異なる点もございまして、関係省とも十分連絡をとりながら、その規制の方法についても検討してまいりたいと思います。
#79
○小柳勇君 その結論、いつごろ出ますか。
#80
○政府委員(熊田淳一郎君) 実態の把握を十分にいたした上でということを考えておりますが、できるだけ早く結論を出したいと思います。
#81
○小柳勇君 私は、ことしの正月ごろ、県内の約千の事業者にアンケートをとりました。下請代金支払遅延防止法を知っておるか知らないか、適用してもらいたいかどうか。知っておる人が約六割です。そうしたら、ほとんどの人が適用してもらいたいと望んでおります。そういう具体的な調査をしてください。運輸業全体のそんな姿なんて抽象論では、この委員会の論議になりません。私は具体的な論争をしているのですからね、そしてお願いしているわけだ。何とかしなければ、もう実際、国鉄貨物の赤字の問題がいま焦点ですけれども、総合交通全体を整備しなければ、この部分部分じゃ何ともならぬでしょう。よそごとのように答弁だけすれば済む、それじゃ委員会の論議になりませんですよ。運輸大臣いかがですか、いまのこの下請代金支払遅延防止法の適用は。
#82
○国務大臣(新谷寅三郎君) これはその実態がまだつかめてないということでございまして、私のほうでも若干そういった問題について、実態を調べるように努力をしております。いまのおっしゃったような趣旨は中小の運送業者には非常に適当な措置であると考えております。公正取引委員会、こういったところで全般的に調査をしているというのですから、それと連絡をとりながら、中小運送業者が迷惑をこうむらないような、やはり制度を早く確立したほうが、私はよいと考えております。そういう意味で関係省とさらに折衝を続けます。
#83
○小柳勇君 この前論議いたしましたのは四月です、予算委員会で。分科会でも話しています。そのときにも話題に出しています。それからもう四カ月たっています。各省庁とこの問題だけでもいいが、相談されたことがありますか。
#84
○政府委員(小林正興君) 先ほど公正取引委員会から御答弁がありましたとおり、現在その実態を調査中でございまして、私どものほうといたしましても、わかる限りのデータにつきましてはいま整理いたしておるわけでございます。現在までに見ておりますところでは、トラック事業の下請関係というものは、現在の下請代金支払遅延防止法の適用のあります製造業と比べまして、下請関係というものが多種多様であるというような性格論の問題もございます。またトラック事業につきましては、法律でいう親事業者、元請の取り扱い業者よりかも、かえって下請の運送事業者のほうが規模がはるかに大きいというような場合もございます。直ちにこの現在の法律の適用ができるかどうかということについても、非常にむずかしい問題があるんではないかと思っておるわけでございますが、先ほどの大臣の答弁のとおり、下請運送事業者が下請代金を的確に収受できるように、この法律が生かされるならば、非常にけっこうなことでございますので、そういった点について、前向きに検討をいたしております。
#85
○小柳勇君 前向きに検討いたしておりますで、いつも逃げられてしまいまして、ちっともそれが実にならぬのです。だからほんとうに、何とかこの国会で一つの方向を出して、それで総合的な貨物輸送体系の中で、国鉄運賃をどうするかということを論議しようと思いますが、まずその外堀のほうがもたもたで、確信のあるあれがいかないんです。したがって、いま自動車局長が前向きにこの適用の問題も検討するとおっしゃいましたから、それをひとつ信じておきまして、早急に適用できるような方向で検討していただきたいと思います。中小企業の運送事業者など非常に待っていますから、ひとつ努力していただきたいと思います。
 次は経済企画庁でありますが、この前の予算委員会では、経済企画庁長官は間違って、自家用トラックの輸送経費は公共料金に入っておりますとおっしゃいました。しかしこれは入っておりません。おたくのほうの表を見ても、国鉄運賃だけが入っています。国鉄運賃といいますのは貨物だけでは約三千億です。約三千億のものは考えてありますが、その他は入っていないんです。で、物価というのは、もう私が申すまでもなく、物の値段――物の原価に輸送費、人件費など、あるいは利潤が加わりましょう。公共料金を論ずる場合、いま論争いたしておりますようなものは、当然入らなきゃいかぬと思うんですが、これは公共料金、さっき運輸省は五兆円とおっしゃいました。とりあえず五兆円のものを公共料金として入れて、これから物価の指数などを計算するかどうか、具体的に御回答を求めます。
#86
○説明員(有松晃君) 御承知のように、公共料金と申しますと、政府が直接規制をする価格ないし料金、こういうことでございますが、自家用トラックの経費につきましては、料金という性格とやや異なりまして、輸送のコストという面もございますし、またその使用しておる業者の方々と大体中小業者でありまして、確かに非効率な面はございますけれども、半面、種々な便利な点もある、こういうようなことで使われておる実態でございます。
 そういう意味で、これを公共料金に組み入れて規制するということは、なかなかむずかしいかと思いますが、その他の規制の方法も含めまして、これは今後実態の究明を待って、運輸省とも協議しながら、さらに検討を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
#87
○小柳勇君 公共料金の規制、考え方について若干窮屈に考えておられる。ただ物価の中に貨物輸送のコストが入ると考えておられるか、関係ないと考えておられるのか、どちらですか。
#88
○説明員(有松晃君) 物価の最近の上昇でございますけれども、わが国の経済の中で非常に生産性の高い部門と、またなかなか生産性をあげにくい部門とがございまして、そういった両部門を通じて、それにもかかわらず賃金は平準化してきておる、そういうことからコスト面からの物価引き上げということが起こっておるわけでございますが、そういった生産性のあげにくい部門からのコストアップ、こういう中で、確かに輸送を含めた流通面のコストの問題は物価面でも大事な問題というふうには考えておりますが、なおこれをどのように規制と申しますか、行政面で対処していくかということにつきましては、なお実態の面で究明すべき多くの点がございますので、その辺も実態を究明しながら今後対処してまいりたいというふうに考えております。
#89
○小柳勇君 公共料金のリストの中に、国鉄運賃というのが入っています。これはいわゆる国鉄の貨物運賃ですね、さっきから申し上げますように、国鉄貨物運賃というのはことしで約三千億円ですね。トラックの運賃は約二兆円です。これは営業トラックですね。運輸収入は二兆円です。それに比べて自家用トラックの輸送経費は五兆円です。公共料金のレート及び上昇率と、おたくのほうで考えておられるものの中に、全体の貨物を動かすコストの中の、言うならば十兆円の中の三千億だけを取り上げてある。これでは物価論争などはできないであろうと、そこでこの間の予算委員会などでもたびたび論争しているわけです。物価はほんとうにウナギ登りでございまして、十数%、ほとんど手がないというときに、物の動きの運賃を規制するということで、物価が引き下げることができはしませんかという具体的な提案をしています。
 ここに私は、簡単な初歩の算術で計算して、物価の引き下げについては役立ちますよと提案をしているのに、全然それを、いままでも一笑に付して考慮されないということについて、私はほんとうに遺憾ですね。経済企画庁で、この物の輸送コストについて考えたことがあるのか。たとえば景気調整には金利を操作いたします。物価の調整に、物価を上下するのに輸送コストを計算しないで、何で一体この物価引き下げができるかと、具体的に提案しているわけですよ。
 一つの方法として、いろいろありましょうが、いま行き詰まって物価引き下げの方法はほとんどないから、みんな言っているでしょう、物価問題何とかせいと。具体的に提案しているのに、全然一顧だにもしないということは、一体どういうことであろうか、もう国会なんて意味ないんじゃないか。ただここに来て、もう質問をうまく答弁して帰っていって、さあそれでもう法案が上がりました、あるいは一般審議が終わりました、そんなのは時間の浪費ですよ。私は何カ月も前から具体的に数字をあげて提案しています。しかも、この公共料金のウエート及び上昇率の中に入ってない、二兆円の貨物収入も入ってない、国鉄運賃だけが入っています。五兆円の貨物輸送するコストというものをネグレクトして物価問題が論じられるかと、そう言いたいわけですよ。そういう問題について、もう一回あなたの見解を聞きましょう。
#90
○説明員(有松晃君) 自家用トラックによります輸送のコスト、これのコストが非常に大きなウエートを占めておるということは、確かに先生御指摘のとおりと思います。したがいまして、そのコストの節減ということが、物価対策上も重要であるということは、確かに私もそのように思います。ただこれを料金として規制するかどうかという点になりますと、これはいわゆる料金という性格と若干異なりますので、そういう面で問題があろうかと思いますが、そのほか――流通対策といたしまして、流通機構の合理化あるいは物的流通施設の整備、こういったような施策につきましては、従来からも講ぜられておるわけでございますが、さらに先ほど先生おっしゃいました自家用トラックの規制の問題こういったことも含めまして、さらにこういった流通コストの節減につきましては、十分検討してまいりたいと思っております。
#91
○小柳勇君 くどいようですけれども、もう一回申し上げますが、私も全部が全部実は自家用トラックの経費を入れて計算しておりません。さっき申し上げましたように、全体のトラックの中の一五%ぐらい、営業トラックのシェアを広げるというならば、自家用トラックを減らして営業トラックのほうにそれだけの荷物が行くとするならば、物価は二、三%下がりますよということを、具体的に計算して示しているわけです。その中には国鉄貨物運賃の赤字も約二千億円、これを計算しています。そんなものを見ながら、輸送効率のよい営業トラックのほうに変えますと、これこれだけ物価が下がりますということを、具体的に示しているわけですよ。
 したがって経済企画庁として、もう少し物価問題を真剣に考えられるならば、何かこうおほれる者がわらをつかむような気持ちで、それじゃひとつ検討するかという気にならないのが私はもう遺憾なんですよ。そんなことを論争されたことがございますか。
#92
○説明員(有松晃君) 実は経済企画庁でも前に自家用トラックの輸送の実態等、昨年度も調査したことがございますが、トラックの使用者がなぜ使っておるかというような理由をいろいろ調べてみますと、直接自分の営業活動に使っておる、あるいは近距離のその当座の輸送に使っておる、そういったような実情やむを得ないような面も多々あるように承知しておるわけでございます。そういう意味で、単に効率性という点だけから論じにくい点もあるわけでございますけれども、しかし先生おっしゃいますように、コスト節減という見地から、これをどのようにもう少し押えていくかという点につきましては、ことし運輸省でやっておられます実態調査の結果も踏まえまして、運輸省とも相談しながら、今後検討してまいりたいというふうに考えております。
#93
○小柳勇君 計画局長に意見を聞いておきたいのです。私はこの春からずっとこの問題で訴えてきました。きょうおそらくこの国会の最後の質問になりましょうから、くどいようですけれども言っているわけですが、物価を二%でも三%でも下げよというのが国民の声でしょう。そういうときに、一つの提案、卸売り物価についてはこうです、消費者物価についてはこうですと提案しています。
 何かそういうものがあるならば、真剣に庁としてもやってもらわなきゃならぬと思いますが、いま参事官から答弁がありましたが、具体的に、この国会を終わりましたら直ちにそういう作業に入っていただけるかどうか、そして早い機会に私にとうやったぞという御回答がいただけるかどうか、見解を聞きます。
#94
○政府委員(宮崎仁君) ただいまの御指摘でございますが、私どもといたしましても、この物価問題というのは、計画の面からいいましても、現在非常に重要な問題でございまして、その検討をいたしておるわけでございますが、その中において、特に貨物の輸送コストということで、わが国独得のこういった流通の形というものが非常に能率が悪い、そのために全体としての流通コストが上がるということは非常に重要なことでございます。
 そこで、ただいまの御指摘のような点につきまして、運輸省あるいは経済企画庁としても調査をいたしてきておるわけでございますが、これを政策的にどういうふうに扱っていくかということが、結局まあ問題になるわけだろうと思います。私どもといたしましても、二月に計画をつくりましたあと、フォローアップの一環として、こういった総合交通問題あるいは物価の問題ということを勉強いたしておりますし、またいま物価局参事官が御答弁申し上げましたように、物価局としても流通問題として、さらには交通関係の料金体系のあり方というようなことについても検討を進めておるわけでございますので、ただいまの御趣旨を、われわれとしても十分体しまして、どういうふうにこれを解決していくかということについて、いま私、ここで直ちに申し上げるというわけにもまいりませんけれども、これは自動車局のほうや、あるいは通産省のほうなどとも御相談いたしまして、とにかくこういった事態に対して、合理的な効率的な方向に進んでいくように、ひとつ考えていきたい、こういった問題もできるだけ早く打てる手は打っていく、こういうことにしてまいりたいと思います。
#95
○小柳勇君 前向きにひとつ検討してもらって、また次の機会にやりますから、そのときにきょうのこの答弁を私も覚えながらまた質問いたします。
 次は警察庁でありますが、自家用トラックによる交通事故、公害の問題など、対策なり、あるいは件数なり今後の措置なり、御報告を願います。
#96
○説明員(寺尾繁君) 自家用トラックの事故の状況、今後の措置という御質問でございます。
 四十七年度約七百二十二万件の総体的な取り締まりの中で、自家用トラックに対しては、その約二三%に当たります百七十万件を取り締まっております。なお、その中でいろいろあるわけでございますけれども、前後いたしましたが、事故のほうを申し上げますと、昨年度の死者で申し上げますと、事業用の三輪以上のトラックでは千十七人がなくなっておりまして、同様に自家用の三輪以上のトラックでは三千四百六十九人、およそ三対一という姿で死者が出ております。これはおそらく――おそらくというよりも走行台キロの差などもございまして、走行台キロなどを考えました場合には、自家用車は数も多く、しかも短い距離を数多く走り回っておるという結果になっておるんだろうと思います。したがって私どもといたしましては、先ほどからいろいろ問題になっております点、税金の問題なり、あるいはその他を通じまして自家用トラックが営業用トラックに転移する、あるいはそうした荷物が鉄道荷物に転移する方法といったようなものを、担当の官庁その他におきまして、将来やられることが非常に好ましい。第一、自家用トラックが非常に多いことによりまして、交通の流れといいますか、道路においていろいろな車が混在しておるということが事故においても非常に問題になりますので、そうした場合に自家用トラックの絶対数というのが非常な問題になります。
 したがって、そうした意味におきましても、自家用トラックの何らかの規制というものも必要じゃないかと、かように考えておる次第でございます。
#97
○小柳勇君 次は建設省でございますが、これは一番根本的な問題ですが、道路予算が五カ年計画で組まれております。その道路予算、たとえば四十八年から五十二年までで約十九兆円という予算、第七次五カ年計画ですが、その道路をつくるということで、つくりさえすればもうどんどん貨物も人も人も動くようなことで、これは建設省ですからやむを得ないかもしれませんが、たとえばこの道路はこうやると物はどれだけ動く、人はどれだけ移動できる、これがたとえば国鉄に、あるいは私鉄に、あるいは港湾にどういうふうにつながると、物の動きがですね。
 この道路計画は、ただ道路をつくることだけがその任務であるような気がするわけです、私どもが見た場合。道路建設も基本的に、総合交通体系の中で一体道路建設というものはどういう考えでおつくりになっておるのか、まず総論的なものをお聞きしたいと思います。
#98
○政府委員(菊池三男君) 総合交通体系の中で道路がどういうような地位を占めていくかという御質問であると思います。
 実は四十六年の十二月に総合交通閣僚協議会というのがございまして、そこで総合交通体系がいかにあるべきかというものを提案しております。その中で道路の受け持ちます部門は、特に百キロ未満の短距離交通これは旅客あるいは貨物も含めまして百キロ未満の短距離交通が圧倒的に多くなるであろう、しかも、それは域内の交通であり、あるいは地方中核都市あるいは地方都市というものの相互の連絡の交通であり、そういうような短距離交通、しかも鉄道あるいは海運あるいは航空というような、そういうものの端末的な輸送というものをあわせ考えて、道路の建設はこうあるべきであるという一つの指針が示されております。それによりまして、私どものほうも、自分の分野で道路の建設を進めていくというような考え方で進んでおります。
#99
○小柳勇君 貨物輸送など、もちろん計算にも入っておりましょう、経済計画がありますから、国全体の計画がありますから。どうもわれわれ考えますところ、建設省は道路をつくるんだ、極端に言うならば。それだけに終わっておると言っては失礼ですが、そういう気がするものですから、総合交通体系の中でがちっと道路建設というものを見定めてもらいたいと思うんですが。
 そこで外国、また外国と言って失礼ですが、交通政策上の公共投資政策の一元化といいましょうか、たとえばアメリカでは運輸省が鉄道、道路、水路、航空、パイプラインの総合交通政策というものを持っておる。イギリスでも、やっぱり運輸省が鉄道、道路、内陸水路、航空、西ドイツでも連邦交通省が鉄道、水路、道路、フランスでも公共事業運輸観光省が道路、鉄道、内陸水路、港湾、オランダでも運輸水路省が海陸を含むすべての問題と、日本はばらばらなんですね。たとえば自動車行政一つとりましても、道路はおたくがつくります。自動車製造は通産省、それから道路運送の許可は道路運送法でやります、運輸省です。あとの取り締まりは道路交通法で警察庁ですね。自動車一つとりましてもばらばらの運輸行政。こういうもので総合交通体系などということ自体が矛盾じゃないかと思うのです。各省おのおのなわ張りがありますから。総合交通体系というものについてのいろいろ答申もあります。大臣の意見も聞きました。しかもそれを早く樹立しなければならぬということをみんな言っております。
 ところが、いまのようなばらばらな各省のなわ張りがありまして、口には言っても、実際はなかなかできぬのじゃないかと私は思うわけです。そこで、たとえばドイツでは憲法の中に交通というものがちゃんとありまして、交通は一本化して、ちゃんと大きな方向を示しております。日本では憲法にありませんね。ありますのは、いま申し上げましたように、各個ばらばらなものです。したがって、この際交通基本法というようなものを制定いたしまして、道路の建設あるいは自動車の台数の制限なり許可なり、あるいは取り締まりなり、こういう諸外国――先進諸国に見習うような、各省の統一はなかなかできませんから、これは一応おきましても、交通基本法というものを制定しながら、あなたのおっしゃる、建設省の道路建設についても、そういうところの一部局にするとか、そういうものも考えなければならぬと思いますが、交通省の設置ではありません。交通基本法の制定については、建設省としては、どういう見解ですか。
#100
○政府委員(菊池三男君) いまの総合交通の問題は、道路ばかりではない、鉄道、海運、たくさんございますので、たいへんむずかしい問題で、私から答弁するのが少し荷が大き過ぎるかもわかりませんけれども、ただいま申し上げましたように、閣僚協議会におきまして、総合交通がいかにあるべきかというような指針があり、また私どもの、先ほど先生のおっしゃいました道路整備五カ年計画につきましても、経済社会基本計画の中の一環という形で、将来の交通の予測を見通しての各鉄道であり、各道路でありということでございます。また交通取り締まり等につきましては、これを交通の安全と円滑ということにつきましては、これは主として警察、公安委員会になりますけれども、道路管理者としても常に協議しながら、横の連絡は十分とりながらやっておりますので、いま交通基本法というようなものを、早急にやる必要があるというところまでは、現在考えておりません。
#101
○小柳勇君 運輸大臣はいかがですか。
#102
○国務大臣(新谷寅三郎君) この交通基本法の御提案については、これは私は小柳委員の一つの御見解であると存じます。ただ、いま建設省のほうからお答えになりましたように、各省に非常にまたがっております。これは交通とか通信とかというものが持っている本質からくるものだろうと思うんですね。各省にまたがっておるので、せめて基本法でもつくって、ここに各省がそれに基づいて行動するような基本的な施策だけはまとめたほうがいいじゃないか、こういう御指摘だと思うのですが、その点は十分拝聴いたしますが、ただ現在、それならば非常に困っているかというと、必ずしもそうではございませんので、必要に応じまして、関係省庁とは連絡をとりながら関係各省の足並みをそろえてやれるような政策もとっております。さっき建設省が言いました経済社会基本計画でございましても、あるいは交通に関する閣僚協議会でもそうでございますが、それを各省が歩調をそろえて、どうして実行するかということについての足並みがそろわないと困るのではないか、こういう点に帰するだろうと思うのです。これにつきましては、何といいましても、私どもは交通関係の大半の責任を負っておる役所でございますから、その点については、今後とも注意いたしますけれども、基本法それ自体の問題につきましては、私だけでお答えするにはあまりにも大きな問題でございますから、御意見を拝聴して、今後これは積極的に私は検討してまいりたいと思います。
#103
○小柳勇君 総理にいつかの機会に来てもらいまして、この問題は基本的な問題ですから、総理の見解も聞いて、政府の全般的な取り組みについても私は聞きたいと思います。
 警察庁からも見えておるから、警察庁も道路交通法をちゃんと持っておられるわけで、いま申し上げましたように、取り締まりだけを警察庁でやっておりますものですから、交通というものが一体化しません。したがって、この交通基本法に対しては、どういう御見解か、お聞きいたします。
#104
○説明員(寺尾繁君) いま運輸大臣、道路局長から申し上げましたので、私からはおこがましいと思いますが……。基本的にはもう大臣がおっしゃったとおりであろうと思います。ただ私どもといたしまして、先ほども申し上げましたように、具体的な政策としてまだまだやるべきことがたくさんあるだろうと思いますので各省庁寄りまして、将来に向かって考えなくちゃならぬだろうというふうに思っております。
#105
○小柳勇君 総合交通の問題最後の問題でございますが、道路局長に聞きますが、こんなに自動車などの通行量がふえまして、高速道路、有料の道路で予想以上に、建設当時以上に通行量がふえている。したがって償還の終わったやつも相当あるだろうと思う。特に九州と本州を結ぶ関門トンネルはもう二、三年前に償還が終わったと話を聞いておるけれども、なお現在高い料金を取っておるわけです。若戸大橋も大体償還が済んだと聞いているが、現在取っているわけです。償還の済んだやつは早急にやめてもらわないと――それからその他の地区でも自動車の激増に伴いまして、償還期限も相当早まっているだろうが、地域から言わなければ黙って道路料金を取るようじゃ、これは困るのですが、いかがですか。この三つの問題について具体的に御答弁を願います。
#106
○政府委員(菊池三男君) 有料道路につきましては償還が終わるまで料金を取るというのが原則でございます。ただ予想より交通が非常に伸びまして、償還が早くなって、もうすでに無料開放になりましたものが全国で十六ほどございます。それからそれ以外に、まだ償還は終わっていないけれども、県あるいは地元が、かわりに料金に見合うものを出すから、そして残りの償還すべき金をゼロにするという形で無料になったものが十二ほどございます。関門につきましては、まだ料金の徴収は完了しておりません。たぶん現在のまままいりますと、来年一月ごろに終わると思います。その場合に無料にするのが原則でありますけれども、関門トンネルのように換気の問題あるいはあそこではエレベーター等の特別な施設もございますので、維持費が非常に大きくかかるもんですから、そういう場合には、償還が終わっても維持費だけば取ってもよろしいというような条項もございますので、関門に限りましては、そういう形でいきたいというふうに考えております。これはもう建設費の償還は終わっておりますので、ほんとうの維持費だけを取るという考え方で進めてまいりたいというふうに考えております。それから若戸橋につきましては、もうそろそろ償還か終わるのじゃないかというお話でございましたけれども、あれは昭和三十七年にできまして、三十年間ということで、昭和六十七年に終わる予定でございます。こちらのほうはあんまり成績がよくありませんので、いまのままいくと昭和六十七年の予定どおりのときにやっと償還が終わるのではないかというふうに考えております。
#107
○委員長(長田裕二君) 午前中の質疑はこの程度とし、午後一時二十五分まで休憩いたします。
   午後零時二十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十八分開会
#108
○委員長(長田裕二君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 午前に引き続き、国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案について質疑を行ないます。
#109
○小柳勇君 午後は国鉄線の建設の問題を少しやりますが、いっかのこの委員会で質問いたしましたが、現在の鉄道敷設法、これは大正十一年に出発している法律でございますが、鉄道敷設法に建設すべき線区が書かれている。その線区を逐次今日までやってまいりましたが、なお、あの鉄道敷設法にあります建設線を今後建設するとすれば、ばく大な年数と費用がかかります。したがって、鉄道敷設法による今日までの建設状態と、現状、それから残りました建設線をこれから建設するとすれば、一体何年ぐらいの期限があったら建設できるのか、概数でよいので、こういう説明を求めます。
#110
○政府委員(秋富公正君) 現在、鉄道敷設法の別表といたしましてございます線は、合わせまして三百三線でございます。このうちすでに百十六線は開業いたしておりまして、五十一線が現在鉄道建設公団におきまして工事中でございます。残りました百三十六線、これがいわばまだ予定線という形で手をつけていない線でございます。
#111
○小柳勇君 残りました建設線を、いままでの建設されたスピードで建設するとすれば、一体何年ぐらいかかるのか、それから費用としてどのくらいかかるのか、概数でいいですが、説明を求めます。
#112
○政府委員(秋富公正君) いわゆる別表で三百三線が合わせまして一万六千九百キロでございます。開業いたしておりますものが六千六百キロ、現在工事中のものが二千二百キロでございます。部分的に開業いたしましたものもございますので、現在、まだ着工いたしておりません予定線、先ほど申しました百三十六線は五千八百キロでございます。これは御承知のとおり、大正十一年にできまして以来、幾多の経過を経ているわけでございますが、この間に社会情勢あるいは経済情勢の変遷ということもございますし、あるいはその後の交通施設の整備ということもございまして、これにつきましては、必ずしもすべてが緊急であるというものでもなくて、現在個々の路線につきまして、その緊急度に応じまして、運輸大臣から鉄道建設審議会にそれぞれの線ごとに諮問いたしまして、基本計画を決定しているという段階でございます。
#113
○小柳勇君 私のほうで概算いたしますと、これから五十年ぐらいかかるわけです、これを全部建設するには。しかも鉄道敷設法ができましたときには、これは大正十一年の一月二十四日から出発された第四十五回帝国議会で論議された、この速記録を全部読んでみますと、政友会の党勢拡大のためにという発言などもありまして、政治路線的なものが相当あるし、それから元田鉄道大臣の大ぶろしきと言って攻撃されたような面もございます。その鉄道敷設法が今日なお生きておりまして、それによって、あるときは政治路線と非難されながら、あるときは過疎地帯の公益線だといわれながら、いろいろ建設されたり、あるいは中止されたりしております。この際、鉄道敷設法というようなものを廃止する立場から、現在建設しつつある建設線の整理、そして新たに国土の開発なり、あるいは国民の足としての地方ローカル線の建設というものを新たな観点から考えて、新たな鉄道建設法というものをつくる必要があると思うが、この鉄道敷設法の廃止の問題と、現在建設中の、いわゆる地方ローカル線の整理統合といいましょうか、整理については、どのような見解であるか、大臣の見解を求めます。
#114
○国務大臣(新谷寅三郎君) 鉄道敷設法は別表で予定線をきめておりますが、そのほかに、その工事を進めます上で必要な手続がやはりきめてございます。鉄道建設審議会を中心にいたしまして、こういうような国会の各党の代表の意見も聞きながら最終決定をするというような方法をきめておるわけでございまして、私はこれは非常にいい制度だと思っております。いまお話の中に政治路線というようなお話もございました。あるいは過去において、そういったこともあったかどうか私はよく存じませんけれども、このような組織の中で、党議にかけて運輸大臣に答えていただくわけでございますから、一党一派に偏したような措置はとられるはずはございませんし、国民の代表としての各党の御意見が、ここに集約されてあらわれると思いますから、こういった方法は非常に私は望ましい姿ではないかと思っておるわけです。
 そこで別表の問題だけから考えますと、おっしゃったように、もうずいぶん古く予定線にしましてその後着工してないという線があることは事実でございます。先ほど事務当局から申しましたように、これについては長い間たちまして、情勢も変わっておる点もございまして、これを全部いま着工しようという考えはございません。重要度に応じまして、運輸大臣としまして鉄道審にかけて、その上で一つ一つ具体的にきめていただくという立場をとっております。したがいまして、いまお話のありました見直せということ、これは一ペん別表を全部やめてしまって新しく出せというように聞こえますが、そういうことをいたしますよりも、運輸大臣のそういう御意思を受けての運用で、これは国民の全体から見て間違いのない方向で決定するようにさしていただいたほうがいいじゃないかと思います。
 なお運輸省といたしましては、ここに書いてあります路線のほかに、新全総その他でさらに必要になってくる路線が出てくると思いますから、そういったものは、必要に応じまして新たな追加も検討することは言うまでもございません。そういうふうにして、これは運用によって間違いのないような措置を講じていきたい、こう思っております。
#115
○小柳勇君 国鉄総裁に、同じ問題ですけれども、鉄道建設線は私どもの地方にもあります。全国で、いま地図に入れてもらったら、こんなにあります。建設途中のもの、あるいは開業したもの、こういうものを見てみまして、こんな線路も要るのかなあというものもあります。ぜひこれは、この線とこの線を結ぶということを私ども考えてはおりますが、たとえば工事が八割ぐらい、あるいは九割ぐらい進んでおるのに、これを建設を完了して営業したら赤字になるということで、建設をストップしているものもあります。ところが地方から県知事なり、あるいは市町村長、市町村議会議員など再々陳情に来られるわけです。それが毎年毎年来られるわけですね。早く国や国鉄の方針をきめて、もうこれはこういたしますよと、これはこうしますと、早く整理をして国民大衆に納得させませんと、まことにもう地方自治体としても困りきっておるわけです。
 たとえばいま土地の値上がりがありますが、昔は安く土地が買収されておる、そしてもう途中まで行きました線路は腐りかかっておる、そういう事態でありますが、いま運輸大臣としては鉄道敷設法は廃止しませんと、あれを置きながら、これからさらに建設するか、あるいは中止するかをきめますというお話でございます。国鉄総裁としては、どういう見解でございますか。
#116
○説明員(磯崎叡君) いわゆるAB線の建設につきましては、私ども一時全線を全部ストップしてほしいという要求をいたしたこともございましたが、その後いろいろ考えまして、将来鉄道としてのネットワークを形成するものはやるべきであろうというふうに意見を修正いたしました。そのかわり毎年の建設費の分け方を、とにかくそういうものに重点的にしてほしい、総花式に、やれここが一キロだ、ここが十キロだということじゃ困るので、ぜひ重点的に将来の交通系路をなすものについては早くやる、そのかわりそのほかはもう当分やらないというふうな、はっきりした措置をとっていただかないと、毎年毎年ここで十キロ、あすこで五キロというふうな開業は非常に困るということを強く申し上げております。
 いま先生御指摘の、いわば立ち腐れのようになっている線がございます。二、三カ所ございますが、それにつきましても、実はずいぶん国会におきましても、国費の乱費だというふうな御指摘も受けております。これをわれわれのほうといたしましてはどうするか、やはり先ほど冒頭に申し上げました、つくるべきものとつくるべきでないものとを区別をしていただいて、それの一環としてそれをきめていただくというふうにいたしませんと、いや、あそこやったんだから今度はこっちもやれということでは、結局先ほど運輸省のおっしゃった何千キロというものに毎年毎年着手するということはまずいと。その点、敷設法を――法律そのものの活殺は私どもも存じませんが、少なくとも今後AB線をどうするかということの方針をきちっときめて、いわばC線につきましても、先日私申し上げましたが、C線の中でもD線に準ずるものと、それからAB線に準ずるものと、はっきり二つに分かれております。これは十年前には国鉄総裁も承諾してC線という制度を認めたといわれますけれども、もうすでに事情が変わっておりますので、A、B、C含めて、きちっとした方針を立ててやっていただけば、私は何も立ち腐れでいいとは思っておりませんので、そういう総合的な政策をぜひやっていただきたいというふうに考えます。
#117
○小柳勇君 いま国鉄総裁がおっしゃったようなものは私どもも感じます。この辺でひとつ整理しませんと、地方の人はもうここまでいったからできるだろうと期待していますね。で、毎年毎年できないもんですから陳情にたくさんの費用をかけて来られます。まことにこれは気の毒なんです。それからどうしても開通できませんという線もありましょうから、一日も早く、いま国鉄総裁が言われたような線で整理しなきゃならぬと、そして国民に納得させなけりゃならぬと思うんですが、たとえば諮問委員会なり、特別に鉄道建設審議会などに、その問題に限って諮問するような意思がございますか。
#118
○国務大臣(新谷寅三郎君) 考えてみましょう。ただ国鉄総裁は国鉄総裁の立場から言っておられるわけですが、国鉄総裁も鉄建審の委員です。でございますから、鉄建審の総会がありましたときには、そういう意見を十分お吐きになればいいと思います。
 またネットワークということですが、いまの予定線を見ましても、国鉄ネットワークにつながらないものはないと思います。ただ、その重要度が違うと思います、現在の経済状態、社会状態から言いまして。その経済状態、社会状態が変わってくるわけです。変わってきたから、その当時は相当にこれは理由のあった予定線だったと思います。しかし今日になると、その理由が乏しくなったと、これをどうするかという問題だろうと思います。これにつきましては、私は先ほど申し上げたように、運輸省のたてまえから申しますと、こういったのは国鉄の意見も聞きますし、他の地元の方々の意見も聞きますし、それから最終的には鉄道建設審議会におきまして、各党の代表の意見も聞きまして、そういったものを十分取り入れた上で実行するのでございますから、私は将来永久に、客観的な必要性のあるものとないものと分けられるはずはないんですから、それは皆さんの御協力によって運輸大臣が運用によってよろしきを得るというたてまえが一番よいんじゃないかと考えておるのでございます。
 いま整理をしろということでございますが、現時点における考え方だけで整理をしていいのか、あるいは新全総なんか出てまいりますから、またこれをやり直さなければなりません。そういった事情の変化というものを考えますと、あえて法律改正をしてまで整理をすることがいいかどうかについては、私はもう少し慎重に考えたいと思います。
#119
○小柳勇君 もう一回これは、くどいようですけど言っておかなければなりませんが、ちょうど大正十一年の高橋是清内閣のときでありますが、当時の不況、失業の増大、それから軍備縮小もあったようでございますが、失業の増大で労働運動の激化や小作争議の多発など、これをその方向に吸収するという目的もあったようです。そうして現在まで少しずつやってまいりましたが、百五十線のうち現在六・八%しか工事が進んでいない。で予定線の百五十線を完了するには、私これは概算いたしますと、これから約八十年間という。そういうようなものをもう基本にしないで、要るもの、要らないものを整理して、そうして、別表をつくってもよろしいが、鉄道敷設法を改正するとか、あるいは廃止して新たに法律をつくるとか、そこから出直さないと国鉄再建と言えないのではないか。ほんとうに昔の残滓が国鉄にくっついておるわけです。これだけの線を完成しましても、あとは国鉄はまた赤字がふえるということをおっしゃると思う。私は聞かぬでもわかっていますよ。そういうことでありますから、早急に整理というのか、建設するもの、しないものを分けてやる、この方針で進めてもらいたいと思います。
 ただ、あとの問題にもからんでまいりますけれども、建設工事の能力などもありますから、いまの鉄建公団と国鉄との関係なり、あるいは現在の土建業の作業能力なり、いろいろありましょう、そういうものを勘案しながら、小刻みの建設ではなくて、たとえば複線電化のこの工事に全力を傾注しようとか、あるいはこの線にひとつ全精力を傾注しようとか、何かの新たな方策というものが、この際必要ではないかと思うわけです。そういう観点から、もう一度、くどいようでありますけれども、私は鉄道敷設法というものはもう廃止すべきだという見解です、そういう見解からいま述べておりますが、そうでないならば、いまやっておる、福岡県にも建設線があります、油須原線などたいへん問題になっておりますから、そういうものをやはりどう処理するか、私はそれだけ聞きたいけれども、全般的な問題がありますから、ひとつ大方針を示しておいてもらいたい。
#120
○国務大臣(新谷寅三郎君) 法律を一ぺん廃止してやり直したらどうかということにつきましては、先ほど申し上げたとおりの考え方を持っております。
 それから非常に事情が変わりまして、あの予定線の中で、もうこれはちょっとしばらく見込みがないというようなもの、われわれもそう感ずるもの、これにつきましては、私は法律を改正しなくても、もちろんわれわれの内部関係ではいろいろ色分けをしておるのでございます。ただ陳情がありましたから申しわけに若干のものをつけるというようなことはしておりません。さっき国鉄総裁も申しましたが、私どもも、これはいろいろ御議論のあったところでございますけれども、AB線なんかについても、多少今度は予算の増額をしていただきました。ということは、もう何年も何年もかかりまして経済効果が発揮できないというようなものは、それが必要なものならば早く完成させて、地方の輸送路としての経済効果を発揮させるようにしなければいかぬというようなところから、具体的な計画をもちまして予算の増額をお願いしたような次第でございます。
 それから、これは小柳先生のほうにも関係のある問題もあるのですね、御承知のとおり。もうこれは数年前までは、これはもうだめだろうと言っておった。しかし今度は非常に必要な線になってきたわけです。そういったものもございますので、社会情勢が非常に変動してまいりますから、いまの時点で一ぺん整理してやめるものはやめてしまえと、こう言われることよりも、それは運用にまかしておいていただいて、皆さんの御意見を聞きながら、あやまちのない建設工事を進めさせるというようにするのが賢明ではないかと考えておる次第でございます。
#121
○小柳勇君 次には輸送力増強の問題でありますが、私はここに複線化と電化の図を持っています。新幹線の建設も、もちろんいまの時世から急がなければならぬが、公害問題などでなかなか進捗しない。私はそれよりむしろ現在の基幹線を、既設線の複線電化を進めて、そうして輸送力の増強をはかるべきであると、それが午前中に論議しました自動車のふくそうなどを解消する大きな近道であろうと思います。いなかのほうで、もちろん汽車が不便でありますから、自動車を使います。通学通勤にいたしましても、一時間おき、二時間おきにしか汽車が通わない。複線電化いたしまして、たとえばバスにかわるような軽量な電車をぐるぐる回しをしたならば、もう大多数がバスや自家用車を使わないで鉄道を利用するようになるのではないかと。したがって、まず数字的に複線化の現在の率、それから電化の率、そういうものを国鉄総裁から概略ひとつ。それから意気込みを、地方線の線増なり輸送力増強に対する決意のほどをお示し願いたいと思います。
#122
○説明員(磯崎叡君) このたびの十カ年計画の中には十兆五千億の投資のうち四兆八千億が新幹線でございますが、残りの半分以上は全部在来線でございます。いま先生の御指摘の在来線の複線電化につきましては、最重点を置いておりますが、数字を申し上げますと、まず複線化でございますが、現在複線化になっておりますのは全体の二四%で約五千キロでございます。これを昭和五十七年度までに二千キロふやして七千キロにいたしたい。それでも三三%でございます。大体そういたしますと、ほとんどおもな線、おもな幹線並びに幹線と幹線をつなぐ線は複線化になるということになります。
 それから電化のほうは現在六千六百キロ、全体の三二%でございますが、これに対しましてさらに三千四百キロふやしまして、大体全体で一万キロになりますので、おおむね半分、四八%でございますが、これだけを電化いたしたいというふうに思っております。
 しかし地元からの複線電化の御要望は非常に強いんでございます。まだこれだけではとても入らぬと、私どもから見ましても一万キロぐらいの複線化はぜひしたいというふうに思います。もう複線と単線では全然本質的に鉄道の形態が違いますので、私のほうでは一応いま七千キロ、一万キロで考えておりますが、できるだけひとつコストを下げて複線化キロあるいは電化キロをぜひ伸ばしていきたい。そして先生の御指摘のような輸送サービスをぜひ提供したいという強い願望を持っております。今度の十兆五千億の中では在来線の中で一番これに重点を置いてやっていきたいというふうに思っております。
#123
○小柳勇君 十カ年のやつはわかりますが、たとえば四十七年度決算されるもので、新幹線の費用と、それからいま申しました複線電化の費用とは、大体どういう比率ですか。
#124
○説明員(小林正知君) 四十七年度の決算で申し上げますと、新幹線のほうは約二千五百億ちょっと切れるくらいでございます。幹線輸送力増強といたしまして、先生いまお尋ねの件の複線電化を中心にしまして、これは複線電化と申しましてもほかに基地等の増強もあわせて含んでおりますが、約千二百億でございます。
#125
○小柳勇君 いずれにいたしましても、これからの輸送状況を見まして、朝からの論議、道路の問題なり自動車の問題を考えまして、地方線の線増、輸送力増強に対して、いまより一そうの決意をしてもらいたいと思います。
  〔委員長退席、理事江藤智君着席〕
 そこで、そういうふうな場合の建設工事の能力です。大体一年間に国鉄と鉄建公団でどのくらいの仕事をやる可能性があるのか、お聞きしておきたいと思うんです。
#126
○政府委員(秋富公正君) 現在工事能力という問題を論ずる場合に、その要員数から見るのが一応普通ではございますが、これはいわゆる国鉄の場合でございましても、在来線あるいは在来線におきましても大都市線あるいは地方と分けまして、いろいろと工事の内容によりまして違うわけでございます。一がいにこれを満たすことはなかなか容易なことではございませんが、一応現在の国鉄、鉄建公団の工事要員と申しますものについてみますと、四十七年度におきまして国鉄の工事要員は約一万六千名でございます。これは電気関係も含めてでございます。それから鉄道建設公団におきましては約二千七百名でございます。こういった要員をもちまして、現在まで事業費との関係はどういうことかという点を申し上げますと、昭和三十九年におきまして国鉄の要員は約一万一千七百名でございまして、国鉄の工事費は二千六百二十二億でございまして、大体一人当たり二千二百万円という工事量でございました。
 これが四十七年度におきましては、工事費が約五千六百八十五億円、工事要員が一万五千八百五十二名でございまして、一人当たりの工事費は約三千六百万円ということでございます。
 これに対しまして、鉄建公団、三十九年に発足いたしましたときには、その要員は八百八十五名、工事費は八十四億円でございまして、一人当たりの工事費は一千万円でございました。これが四十七年におきましては、人員が先ほど申し上げました約二千七百名でございまして、工事費が約千四百六十億でございまして、一人当たりの工事費が五千四百万円、こういうふうになっております。国鉄におきましては大体同じでございますが、鉄建公団におきましては、これだけ変わってきているわけでございますが、これは国鉄のやる工事と鉄建公団の行なっている工事というものの性格が大きく違います。
#127
○小柳勇君 ことばじりをとるのじゃありませんけれども、これで合計七千億ですね。これからの再建計画の建設費用は十兆五千億なんです。物価上昇も加味しておられましょうけれども、だから、こういうところに、たとえば十倍いたしますと七兆円、この前の、去年の再建計画は七兆円余りだから、そのものが大体いまの工事能力にマッチしているように思う。十兆五千億の工事量というのはどうやって消化するのか。
#128
○政府委員(秋富公正君) いまの十兆五千億と申します中には、いわゆる車両費の問題だとか、あるいは合理化資金だとかいうことで、必ずしも全部が土木関係というわけでもございません。しかし御承知のとおり、国鉄、公団ともに大きな工事でございますが、これにつきましては今後設計の積算業務とかいうようなものにつきましてのコンピューターの導入あるいは設計発注業務、こういったものの近代化あるいは監督方式の合理化というようないろんな面におきましての合理化努力あるいは能率化ということをはかりまして進めてまいりたいと思っておりまして、現に国鉄、公団ともに一人当たりの工事はふえております。もちろん物件費の高騰ということもございますけれども、量といたしましてもふえておりますが、そういったいろんな面におきまして、数の少ない技術要員というものをフルに有効に効率的に使うように検討をし、また努力をしている次第でございます。
#129
○小柳勇君 そこで、もう私は結論的に言いたいのは、工事能力というのは国鉄、鉄建公団あわせまして大体わかります。この工事能力というものをどこに重点配置するかということを言いたかったわけです。建設線などにばらばらにその力を分散しないで、たとえば地方幹線の複線電化とか、だあっと二、三年のうちにやってしまいますとか、あるいは東京都内の通勤緩和のためにこれこれの建設能力を配置しますとか、だから金だけの問題でもありません。
 それから平等に予算をばらまいて、どこの工事局に幾らとか、どこの工事局に幾らとか、そういうばらまきもある面では必要ですけれども、いま国民的に国鉄が評判が悪いのは、運賃値上げについても協力がないのは、朝のあのラッシュ、あるいは地方などでもう二時間待っても通学ができないというような、そういう日常の国鉄の動きに対する不満が国鉄運賃値上げについても相当の反対の力になっているんじゃないかと思うわけです。だから、建設線の問題についても、いま油須原線の問題もありますけれども、そういう能力を重点的に配分することも考えてもらわないと、ただ予算十兆五千億でございましてということで、未来にバラ色の夢をばらまくというようなことではいかぬと思う。そういう問題については、基本的に運輸省として方針を持たなければならぬと思いますが、その点いかがですか。
#130
○政府委員(秋富公正君) ただいま小柳先生の御指摘の点は、私たちといたしましても痛感している問題でございます。国鉄におきましても、そういった意味におきまして重点的に工事を行なっているわけでございますが、鉄道建設公団におきましても、先ほど大臣からもお答え申しましたように、これを重点化いたしまして集中的に工事を行なっていくということにいたしております。御指摘のように、ばらばらにございますと、きわめてその能率が悪くて人の能力が落ちるということも事実でございまして、重点的に事を運んでいきたいと思っていままでもまいりましたが、今後もそういった点に重点的に事を運んでまいりたいと考えております。
#131
○理事(江藤智君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 伊部真君が委員を辞任され、その補欠として川村清一君が選任されました。
#132
○小柳勇君 いま答弁がありましたけれども、いままでの建設計画なり線増計画に比べて、これからは相当変わりますか、変わりませんか。
#133
○政府委員(秋富公正君) 今後はさらに重点的に行なってまいりたいと考えております。
#134
○小柳勇君 そういう計画はいつごろできますかね。この年度のいつごろにはできるのですか。たとえば運輸省と国鉄なり鉄建公団と、ことしはこれだけこういうことをやりましょうということは、いつごろわかりますか、来年度のやつは。
#135
○政府委員(秋富公正君) 来年度のことにつきましては、まず国鉄、公団ともに予算の問題があるわけでございまして、予算がきまり次第、これは非常に精力的に国鉄、公団ともに協議しながら詰めてまいりたいと思っておりますが、まだ現在は予算要求の段階でございまして、それがきまり次第事を処置してまいりたいと考えております。
#136
○小柳勇君 大臣、この問題の最後ですけれども、いま鉄監局長が申しましたように、これから建設の重点も少し変わってまいります、いままでの建設経過がありますから、これをただ延ばすのではなくて、ひとつ重点的に、方向も変わって新たな観点から建設の計画をいたしますという答弁がありましたが、大臣の見解を聞いておきましょう。
#137
○国務大臣(新谷寅三郎君) 鉄監局長が申したような方針で私も指示しておるわけでございます。
#138
○小柳勇君 いま一つは、これはこの前も問題にいたしましたが、いま団地がどんどんできつつあります。昨年まで田んぼでありましたところに六千戸、一万戸の住宅団地ができます。二、三年で団地ができるわけです。そういうときに、その近所を国鉄線が通っています。一般の人が言いますのは、合理化で、たとえば無人化とか、要員廃止についてはすぐやるけれども、新しく団地ができて、そこに駅をつくるとか、あるいは乗降場をつくるとか、そういう問題はなかなかやってくれぬ。もう市が陳情しても市民が陳情してもなかなかできないといわれる。そういうものを一万戸の人口の団地ができましたならば、ひとつかりにでもいいから乗降場をつくってやりましょうとか、あるいは改札口をつくりましょうとか、陳情がありましたら、すぐ調べて、さっそく予算をつけてやるとか、地方の局長にまかしてね。そのくらいの配慮があって、そして国民の足として、もっと身近にいわゆる市民の足としての国鉄をつくっていかなければならぬと思うんです。
 先般も、千葉県、埼玉県で団地ができたけれども入居する人がいない。なぜかと聞いたら足がないというわけです。鉄道ももちろんないし、バスもないから入らぬというんです。うんとあいている。住宅公団の総裁からもそういう話を聞きました。それは新たな団地に限りません。国鉄の路線が通っているのだから、一日一本でも二本でもいいけれども、電車をとめてやりますというような配慮があってしかるべきだと思う。そうすると、国鉄運賃値上げのときでも、まあそれは痛いけれども少し協力しましょうという気になるのじゃないかと思うわけだ。いまそういうところがほとんど反対である。小さい例で、あまりなんですけれども、この間新橋で三百人ぐらい集まられた対話集会、私代表で行ってきました。国鉄運賃値上げの問題をいろいろ訴えておったら、その中からそういう陳情がありました。うちのほうに一万人ぐらい人口ができたのになかなか裏駅できませんという話もございましたから、それはさっそく国鉄に申しておきました。国鉄も配慮されたようでありますけれども、そうやって、直接市長や市民の陳情をすっと受けて、さあそれじゃ考えましょうというような身近な運輸政策、これは国鉄だけじゃありませんよ。バスの問題もあります。私鉄の問題もあります。そういう身近な国民に密着した交通政策というものを運輸省としても国鉄としてもやってもらいたいと思う。その点について、御意見を伺います。
#139
○国務大臣(新谷寅三郎君) おっしゃるとおりでございます。そういう方向で努力をしております。ただ、そういう団地ができますような場合あるいは非常に家屋が密集してくる場合、そういうときには地方公共団体の問題になりますけれども、従来ともすると輸送施設のほうがおくれがちでございます。たとえば十万あるいは二十万の住宅団地ができるという場合に、ともすると輸送用の公共用地というようなものがなおざりにされまして、団地ができてから交通路を何とかしろというケースが非常に多いんです。私は関係各省に対しまして特に注意をいたしまして、今後そういうことをなさった場合には輸送路の確保はできませんと、だから計画のときから輸送をどうするかということを、やはり計画の中に入れて、必要な輸送量の公共的な土地というものは、あらかじめ確保するようにしていただきたいということを強硬に主張しておりまして、いまも現にそういうことを十分取り入れた団地を形成しようということで、建設省も非常に努力をしてくれておるということでございまして、今後はよほど改善されると思います。
 これは単に国鉄に限りませんで、民鉄もそうでございますし、バスもそうでございます。そういった全体の輸送路について、そういう配慮を私たちは今後具体的な事情に応じましてしていかなければならぬと思っております。
#140
○小柳勇君 次は、これは私どもの党の方針でもありますし、先般都市交通対策委員会からの答申にもありましたが、国鉄を建設する場合は、基礎施設の建設費改良費は国及び地方自治体で負担して、運営管理の費用を運賃までまかなうという基本原則を立てたらよいのではないか、こういうようなわが党の方針であります。
 そこで国鉄にお伺いいたしますが、国鉄の基礎施設の建設を国でまかなって、あと管理運営の費用を運賃でまかなうとすれば、四十八年度で政府の補助なり運営費は大体幾らぐらい概算要りますか。御説明を願います。
#141
○説明員(磯崎叡君) 御指摘の基礎施設の範囲でございますが、試算といたしまして、固定設備を一応全部基礎施設で計算いたします。大体そうすると、全体の工事費の七割ぐらいが基礎施設で、三割ぐらいが車両その他になります。そういう前提でもって計算いたしておりますので、数字を申し上げます。
#142
○説明員(小林正知君) ただいま総裁が申し上げましたような前提に立ちまして、お尋ねの四十八年度の予算の数字を基礎にいたしましてこれを推計したものでございます。倉皇の間にやっておりますので、ごくラフにわたっておる面もありますことをお許しいただきたいと思います。すなわち基礎施設をただいまのようなことで土地それから基礎的な業務的な施設、線路設備、工作物、そういったものを基礎施設といたしまして、上を走っております車両関係あるいは船、自動車といったようなもの、いわゆる運営施設という前提に立ちますと、それが全体の設備の約三割になるということでございます。いわゆる収支面で影響がございますのは、経費といたしまして、いわゆる資料関係の経費でございます。最も顕著にあらわれてまいりますのが、利子と減価償却費でございます。ところで、市町村の納付金等につきましても、そういった問題やはり試算を基礎にいたしますので、若干の影響はございますが、ネグリシブルでございます。それからさらに、そういった考え方に立ちました場合に、影響がございますのは、CD線につきましての建設公団の借料、これも当然国のほうで御負担願うというような計算になろうかと思いますので、そういうものを引きます。で、ただいまのような前提で計算をいたしますと、運営費といたしましては、現在、減価償却費まで入れまして、一兆七千八百九十四億というのが現在の予算でございます。これは仲裁分はちょっと除外しておりますが、予算べースで申し上げまして、約一兆七千九百億、それがただいまのような計算で、基礎施設の分を国で負担していただくために償却利子等がかからないという前提に計算をいたしますと、約一兆四千五百億円ということになりまして、その差額は三千二百億程度になる計算でございます。
 したがいまして、これを国の負担でお願いするということに、もしかりになったといたしました場合には、これは損益上の問題でございますので、利子補給によるのか、交付金によるのか、あるいは出資によるのか、その方法によりまして、国で御負担いだだく額は非常に大きく違ってまいります。しかしながら、一応計数上の問題といたしましては、ただいま申し上げましたような数字に私どもとしては試算をいたした次第でございます。
#143
○小柳勇君 そういたしますと、管理運営費と私ども言いますね、その費用と運賃収入、現在のこの運賃が上がりません、旅客も貨物も現状のままとして、管理運営費がまかなえるかどうかという点いかがですか。
#144
○説明員(小林正知君) ただいま申し上げました数字を引き算をいたしますと、結局、運賃収入で本年度見込んでおります、いわゆる平年度ベースで申し上げますと、予算ベースでございますから、千八百五十五億円を、御承知のように見込んで予算を組んでおります。それで、運賃改定前の収入では一兆二千三百五十六億、これは運賃改定の増収分を除いた収入、原収でございます。それに対しまして、ただいま申し上げましたような試算で言いますと、償却後で経費が一兆四千五百億でございますので、約千六百億不足するというかつこうになります。
#145
○小柳勇君 これはほかの議員からも意見が出たのでありますが、今度の運賃値上げの大きな理由は、人件費とそれからモータリゼーションによる客貨の移動、汽車に乗らなくなった、これが二つの大きな理由になっていますね。それで、これからまた三回なり四回なり運賃値上げがなされなければならぬという法案です。そのたんびにこの国会論争がきびしくなります。原則として、基礎施設についてはこれは国の負担でやる、管理運営については運賃収入でまかなう、これは運賃論のところでまた少し議論は出ますけれども、運賃とは一体何かという議論に発展していきますけれども、原則をがちっとしておきませんと、たとえば先般の自民党の新聞みたいに、宣伝新聞みたいに、今度の運賃値上げは国鉄労働者の人件費が上がったからですと、こういう宣伝をしがちだ、そういうことになります。それじゃ労働者を減らせという、すぐそういうふうに発展する。
 だからこの際、いわゆる国民の足である国鉄であるから、基礎施設については国が責任を持ちましょう、管理運営については運賃収入ですよという、これも一つの原則ではないかと思うわけです。諸外国はいまそういう方向にみな動いていますね。ほとんどそれでなければ鉄道はやっていけないというのが現状であります。
 だから国鉄再建方針というものが、昨年も出てことしも出た。しかも、それは同じものが出ている。その発想というのはちっとも変わっていない。それが、いままでいろいろな論議された一番大きな原因である。したがって都市交の答申なども出たことでありますから、また諸外国の例もあることでありますから、この際に、そういう問題も早急にひとつ諮問委員会などに諮問をして、基本的に論議する必要があるのじゃないかと思うが、運輸大臣の見解を聞いておきたいと思います。
#146
○国務大臣(新谷寅三郎君) いまおっしゃったような御意見は、先般加瀬委員からも出ましたし、森中委員からも同じような方向の意見が出ておりますが、一つの方法であろうと思います。私は、これはあえて全面的にその考え方が間違っているとかいうことで、それを否定するわけではございませんが、いまかりにそういったことをやりましても、なおかつ、いわゆる一言で言うと、オペレーションコストですね、それは一体何だということが第一、問題だと思いますが、かりにいま言ったような前提でオペレーションコストというものをはじき出しましても、なおかつ赤字なんでございますね。なおかつ赤字。だから、まあ企業で言うと、ランニングエクスペンスさえも経常収入ではまかなえないという状態でございます。ですから、私どもは今度のような助成策をとったわけでございます。いろいろの外国の例をお引きになって、外国では個別的に一つ一つこう押えて、赤字がどうかと見ながら個別的な助成方法をとっている、これはもう先般来お話のとおりです。
 しかし外国の国鉄と日本の国鉄では、だいぶ監査の内容が違うと思うのです。これは国鉄総裁も申しましたように、日本の国鉄は、やはり何といっても設備投資が足りない、これからうんと設備投資しなければならぬという段階にございまして、この点が外国と非常に違うと思います。しかし、それは別といたしまして、私たちはそういった事情も十分考えました。研究もいたしましたが、結局今度出しましたような案によりますと、そういったランニングコストさえも出ないような経常収入ですから、それまで含めまして赤字線に対しても考慮をするし、いまのこの設備投資によって生じるたとえば利子負担、そういったものにも考慮するし、あらゆる面から考慮いたしまして、短時間にはできませんけれども、十カ年の間には、こういう方法を続けていくことによりまして、設備投資も国民の期待に沿うような程度まで国鉄ができるようにできるし、また赤字のほうも、十年間の長期の計算でまいりますと、最終年度には黒字に転化することができる。こういうふうなことを考えまして、いま提案しているような案を出したわけでございまして、方法論としてはいろいろあると思いますけれども、私は、政府といたしましては、いろいろな点を考えましたが、いま出しておる提案が、一番国鉄の再建には効果的である、こういうふうに考えておる次第でございます。
#147
○小柳勇君 いろいろ前提がこまかく打ち合わしていませんから、小林理事のいまの数字だけで論議することは避けます。私の概算と少し違うものですから、それは避けます。避けますが、毎年同じような論争がなされるものですから、何か発想を変えなければ国民が納得しないのではないですかと言いたいわけですよ。それには、これは一つの原則になりはしませんかと言っているわけですから、十分にひとつ考慮して、同じ、これは十年間もこれでいいですよというような考え方は改めてもらいたいと思うのです。そういうことで、もう少し、この問題は、これはわが党の方針でありますけれども、もう少し数字の裏づけしながら、また近い将来に論争したいと思いますから、先に進みます。
 第三の大きな問題は公共負担の問題でありますが、いま小中学校の生徒が通学費に相当使っておるようです。たとえばこれは三県しか調べておりませんから、これで全部を私は論争しようと思いませんが、ある一人の生徒などは最高月に六千二百円も使っておる。平均で、福井県の場合では四百三十六円、それから福島県の場合、これは東北の代表でありますが、平均して八百十九円、最高が五千九百四十円、それから三重県の場合、これは東海代表として選んだんですが、平均が三百三十六円で最高八千二百円、それからこれに修学旅行の費用を加えますと、小中学校の交通費というものも相当ではないかと思うが、この問題について、まず文部省から御意見を聞きたいんです。私の考えは、この際ひとつ公共負担として全額国庫負担にしてもらいたいという立場から、文部省の意見を聞きたいと思います。概数どのくらい進学していると思っておられるのか、その点からひとつお聞かせいただきたいと思います。
#148
○説明員(諸澤正道君) 小中学校の生徒が毎日の通学にどのぐらい金をかけているか、修学旅行にどれだけの経費を使っておるかという、実は悉皆調査をしたものはございません。ございませんけれども、文部省で昭和四十五年度――ちょっと古くなりますけれども、の父兄負担の調査を、これはサンプル調査でございます、実施いたしまして、その結果から、全小中学校の児童生徒について類推いたしますと、日常通学費が年間百四十七億、修学旅行費が二百九十七億となっております。このうち修学旅行の経費は、御承知のように、旅館の宿泊費等も含みますので、純然たる交通費だけと見ますと百五十五億、したがいまして、両方合わせますと三百二億という推計の数字でございます。
#149
○小柳勇君 大体私どもの概算でも百四十億ぐらいになっておりましたもんですので、これをたとえば公費負担、PTA負担、全額自己負担と、こういうふうになっております。公費で負担しているところもたくさんあります。大体三〇%ぐらいは公費負担です。それから一〇%ぐらいがPTA負担、他が自己負担という大体類推できるようであります。これもサンプル調査であります。
 そこで三百億近くかかる小中学校の交通費というものを国で全額負担してもらいたいという要求ですが、いかがでしょうか、大蔵省。
#150
○説明員(宮本保孝君) ただいまの御提案でございますが、財政のほうといたしましては、ただいま全部の児童とか生徒につきまして、全額通学とか修学旅行費というようなことの負担を行なうということはやっておりませんけれども、経済的な理由によりまして、就学困難な児童生徒の通学費でありますとか、あるいは修学旅行費につきましては、厚生省関係の予算で生活扶助費の中の、教育扶助費という中の一環といたしまして補給している部分もございます。それからまた文部省予算の中では要保護及び準要保護児童生徒援助費といたしまして、通学費それから修学旅行費と、こういうようなものを補給いたしておる実績もあるわけでございまして、これを申し上げますと、厚生省関係でございますと、これは教育扶助全体でございますので、先生がいま御指摘になっておられます通学費ということではございませんので、ちょっと大きくなっておりますが、四十四億ほど計上されております。それから文部省関係の、私が申し上げました関係では、通学費が六千五百万、それから修学旅行費が六億七千六百万、それからさらに、文部省関係でございますが、学校統合によります遠距離通学児童生徒の通学費補助であるとか、あるいは新たに四十八年度から僻地の児童生徒の修学旅行費の補助というようなこともやっておりまして、徐々に社会情勢なり何なりを勘案いたしまして、それからまた全体の社会保障とか、あるいは文教政策とか、いろいろ勘案いたしまして、徐々にこういうものの国庫負担というのを広げておりますけれども、いま直ちに全生徒につきましての通学費とか修学旅行費全額国庫負担をするという考えはございませんが、まあ前向きに徐々に拡大をしていくという次第でございます。
#151
○小柳勇君 運輸大臣に質問いたしますが、概数はいま文部省からおっしゃったように、通学費が百五十億、旅行費が百五十億、約三百億です。それで小学校の生徒と中学の生徒ですから、少なくとも鉄道とバスぐらいパスを持たして、ちゃんとりっぱな保護をして、そしてそれは公共負担として大蔵省から国の負担として出す。そういうようなシステムをこの際考えてもらえないか、それは文部省も教科書は全額国庫負担になりました、小中学校。あと通学費がたいへんだと。いまおっしゃった生活扶助のものはそうなっていますね。しだがって小中学義務教育の児童生徒にパスをやる、言うなれば公共負担で政府からめんどうを見る、こういうような画期的な政策をやるお考えはございませんか。
#152
○国務大臣(新谷寅三郎君) これは厚生省関係の身体障害者に対する割引をどうするか、拡大したらどうかというような問題と性質を同じくするような問題じゃないかと思います。それは趣旨は違いますけれども、一般会計とそれから国鉄の会計との関係から申しますと、どうせ一般会計から出さなきゃならぬということになれば、予算補助にするのか決算補助にするのかというような技術的な問題は別といたしまして、とにかく最終的には一般会計が負担するということになるんならば、私は厚生省関係の身体障害者その他の社会福祉方面からの運賃割引につきまして、申し上げましたように、これは主管庁においてそういう予算を編成して一般会計からその分補助をしてもらえば、それだけは国鉄が当然安い運賃でサービスができることになりますから、そういうふうにしていただきたい。国鉄を通じてさらに決算補助というような形でもって助成をしていくというような方法をとるよりも、これは単刀直入に、文教は文教、厚生は厚生で必要な予算をお取りになってやっていただくのが、かえってこの趣旨からいってもいいんじゃないか、方法としてもいいんじゃないか、こういうふうに思っております。
#153
○小柳勇君 大臣の見解は、ここに公費負担というものもありますが、各学校で通学経路をきめて、あぶなくないような機関を利用して、その機関に市町村の自治体が金を払って無料で通学できるような施策がよろしいのではないか、こういう見解ですか。
#154
○国務大臣(新谷寅三郎君) 輸送機関でございますから、これは国鉄といわず民鉄といわず、そういうふうな公共的色彩の強い輸送につきましては、あらゆる便宜を供与しなきゃならぬということはもちろんでございますが、いま私、多少お話を聞き違えておったかもしれませんけれども、運賃の負担をどうするかというような問題に集中されておったようですから、先ほどお答え申し上げたような答弁をしたわけでございます。そういった点を、趣旨に合うように、各責任を持っておられる機関あるいは団体において処理されますならば、国鉄、民鉄、バスを問わず、あらゆる公共機関に対しまして、そういうふうな公共的な方面からのサービスをさらに増進するということについては、運輸省が責任をもってやりますと、こういうふうに御了承をいただきたいと思います。
#155
○小柳勇君 文部省ではどういう見解ですか、この問題については。
#156
○説明員(諸澤正道君) この問題について、特に先生のほうから小中学校の児童生徒という御指摘がございましたから、その趣旨は義務教育の児童生徒についてはどう考えるかと、こういうことだと思いますけれども、いまお尋ねのようなことで、通学費なり修学旅行費を全部ただにしてやるかどうかということは、義務教育について言えば、いわゆる憲法でいうところの義務教育無償というものとの関係でこれをどう考えるかということになろうかと思うわけでございますが、現在のところ憲法の義務教育無償というものの具体的中身は何だといいますれば、教育基本法や学校教育法では、それは授業料を取らないこと、つまり教育の対価を取らないというのが義務教育無償の具体的中身だというふうに文部省は考えておりますし、またその考えは最高裁の判決等にもあるわけでございます。したがって先ほど御指摘のありました小中学校の教科書を昭和三十八年度からですか、無償にいたしましたけれども、これの趣旨は、即義務教育無償ということではないんでありまして、義務教育無償という理想をより広く実現するためにやったんだと、こういうことでございます。まあそういう見地から、いまの通学費等の問題も考える場合には取り上げる問題だろうと思うんでありますけれども、しからば、そういう問題はどういうふうに考えるべきかといえば、これはやはり国政の立法政策の問題として考えていくわけでございますから、そのときどきの国の財政状況なり、あるいは父兄全般の要望なり、あるいは当該問題となる経費の性格なりというものを総合的に判断してきめるべきことであるわけでございまして、そういう意味からいいますと、現在は通学費等のほかにも、たとえば給食費を全部国で見るべきじゃないか、あるいは学用品費を考えるべきじゃないかというような議論があるわけでございますけれども、それらの点を総合的に判断いたしまして、現時点においては、文部省では、ただいま御指摘の通学費あるいは修学旅行費について、全額国が負担をするというようなことは考えておらない、こういうことでございます。
#157
○小柳勇君 いままで全然公費負担などなければ言わないのですけれども、公費負担も約三割ぐらいは各県でやっているようでありますから、市町村でもばらばらなんです。またPTA負担もばらばらなんです。したがって国として一貫してやったらどうかということ。もちろん給食費についてもそういうことがありますが、そういうふうなことで、ちょうど国鉄運賃の論議の場なものですから、全部、たとえばバス代までといかなければ、せめて国鉄で、転勤をしたなどで家がないために汽車で通学するような生徒もありましょうから、せめてそういうものには、国がめんどうを見たらどうかという発想から出たわけであります。したがって、いま結論が出てないようでありますから、この問題になりましたことを、文部省内でひとつ御討議を願いまして、りっぱな結論が出ますように期待いたします。
 次は公共負担の問題でありますが、ここに私は通勤費の国鉄と私鉄との差を書いた表を持っています。通勤定期、通学定期でありますが、
  〔理事江藤智君退席、理事木村睦男君着席〕
私鉄と国鉄との違いがございます。この表を見てみますというと、この東京近傍の、たとえば東武あるいは西武あるいは京帝、小田急に比べて、国鉄の場合はみんな通勤定期、通学定期が高いのでありますが、この点について、まず国鉄から見解を聞きたいんです。
#158
○説明員(磯崎叡君) 国鉄の定期運賃と私鉄の定期運賃の差でございます。まあこれはいろいろいままでのいきさつもございますが、結果的に見ますと、確かに先生のおっしゃったとおり国鉄が高い。これはいわば東京付近の私鉄で申しますれば、国鉄で言えば東海道線だけやっているというふうな面もございますので、まあ一番収益の高いところをやっているという意味で、もしその区間だけならばうちでも当然私鉄と同額でやれるわけでございますが、いわゆる都市付近の非常に輸送密度の高いところの運賃で内部補助的に北海道とか四国とか九州とかの運賃のカバーをしているということにもなるわけでございますので、結局、国全体としてのプール運賃というたてまえからいきますと、どうしても都市付近が高くなる、都市付近だけをやっている私鉄と比べますと国鉄が高くなるということでございます。まあずっと前になりますと、まだ地方の収益力が高かったために、都市付近でそう違いなかったわけでございますが、結局、地方のほうの運賃負担をするというふうな結論的な意味でもってどうしても都市付近が高くなるということでございます。
 それからもう一つは、私鉄と国鉄の運賃の立て方が若干違っております。私鉄のほうは大体いままで平均距離が十キロ前後でございます。したがって十キロ前後のところの割引率と、それから二十キロをこしたところの三十キロ、四十キロという非常に客の層の薄いところの割引率とは非常に違っております。国鉄は昔から非常になだらかな線でもって割引率を上げていく。私鉄のほうは初めのほうは、非常に層の厚いところの割引を少なくして、そして層の薄いところの割引を高くする。こういう非常にもう昔からの割引のしかたが違っております。もう一つは、運賃法の制約がございません。いわゆる五割にしなきゃいかぬという制約が私鉄にはございません、したがって近距離のほうは私鉄と国鉄はあまり違いませんが、遠距離になるとどうしても違ってくる。そういうふうな理由で違っておるわけでございまして、これは非常に利用者から見ますと、同じ区間で違っておかしいじゃないかと、ことに国鉄のほうが高いのは変だというふうにおっしゃいますけど、実際、現在の国鉄の全国一本運賃から申しますと、こういうふうにならざるを得ないということでございます。
#159
○小柳勇君 これは数字の問題ですから原岡理事から説明してもらいますが、ここに小田急と国鉄の比較がございます。いま総裁は距離の問題をおっしゃいましたか、たとえば新宿−藤沢間、小田急と国鉄が五十五・六キロと五十四・九キロでありますが、小田急の場合、昭和四十五年十月五日から実施しているもので、普通が百九十円、通勤定期が二千七百九十円、通学定期が一千百五十円。国鉄の場合は、この値上げ案によりますと、普通が二百九十円、通勤定期が七千二百三十円、通学定期が二千二百円、したがって小田急を一〇〇とすると、通勤定期が二五九、通学定期が一九一と、二倍半及び二倍近く定期割引がある。なぜこれ言いますかというと、あと公共割引は総裁権限でできるのにということを言いたいわけでして、なぜこう差があるか、説明を願います。
#160
○説明員(原岡幸吉君) ただいまお示しいただいた数字でございますけれども、まあそのとおりだと思いますが、先ほど、なぜということにつきましては総裁からお答え申し上げましたとおり、私鉄は比較的何といいますか、収益性の高いといいますか、お客さんの多い区間で営業している関係上、割り安な運賃で運営できる、国鉄はそういうところとそうでないところ全国一本にして運営しておりますので、したがって、何といいますか、非常にお客さんの多い区間だけ比べた場合には数の少ない部分の関係で高い運賃負担になる、こういうことでございます。したがって、いま御指摘になりましたように、小田急のような大手の場合は、いま言ったような数字の比較が端的にあらわれるわけでございますけれども、私鉄でも地方の非常にお客さんの少ないところだけやっておる、国鉄で言うならば、地方のお客さんの少ないようなところでやっておるようなところの私鉄、これの場合と比較した場合には、決して国鉄のほうが高くて私鉄のほうが安いということはなくて、端的に申しまして私鉄のほうがむしろ高いという場合が出てくるわけでございます。したがいまして、国鉄の場合は全国一本のプールでやる、私鉄の場合はその地区地区の運賃でやっている、そういうことが、いま示されましたような数字の結果に相なっている、こういうことでございます。
#161
○小柳勇君 あと運賃のところでまたそれは質問してもいいんですが、いま質問しておきますが、それでは、そういうようないま競争原理も取り入れておるんですから、国鉄でも、そういう並行しておるようなところは特別運賃というような構想をやったことはございますか。
#162
○説明員(原岡幸吉君) 国鉄の運賃の定め方は、先生御案内のとおり、国有鉄道運賃法に定められているわけでございます。したがって、そのとおりを実行しているわけでございまして、競争関係の状況を見て、非常にそれに対抗するように低くするというような措置は、まあ端的に言って、オーバーに言いますとできないというようなかっこうになっておるんでございまして、いままでそういうことをやったことはございません。
#163
○小柳勇君 あとでまた運賃のところで少し聞きましょう。
 そこで国鉄総裁に、いまの公共割引の問題ですが、たとえば五割でいいのを八割五分引きにするとか、総裁権限でできるその決定をされる基準ですね、たとえば私鉄などとの競争なり、あるいは他の機関との競争などでかげんされる面もあるが、その基準ですね。われわれは公共負担をいま言ってるんですから、割引して損したものは、これはたとえば労働者であれば国の責任でやる、あるいは通学定期割引は文部省が当然見るべきだという見解を持っているものですから、それと国鉄総裁がきめられる割引率、そういう決定との関連についてはどういう見解ですか。
#164
○説明員(磯崎叡君) 割引率の最高は、御承知のとおり、運賃法でもって五割というふうにきまっているわけなんでございます。その五割の中で何割にするかということは、一応これは運賃法ができましたときの割引率をそのまま直して率にしたわけでございます。ただ、その後だいぶ調整しておりますけれども、やはり何と申しますか、一つの基準に基づいた、何キロなら何分、何キロから何分という曲線を描いた割引率が一つきまっているわけでございます。したがいまして、それに基づきまして、その曲線を上げたり下げたりいたしますけれども、その距離が長くなれば割引率は高くなるという原則でございますが、それがある一定の一つのルールでもって階段式に割引率が高くなっているということでございまして、それを破ることは非常にむずかしいわけでございます。
 したがいまして、私どもといたしましては、個々の何キロで幾らという運賃、すなわち何キロが何割引きという運賃につきましては全部大臣の認可になっているわけでございます。総裁限りではできないわけでございます。すなわち運賃法の第九条の二によりまして、全部区間ごとに大臣の認可が要るわけでございます。したがって区間ごとの割引率が、おのずから行政事項としてきちっと政府がきめられる、こういうたてまえになりますので、その点は、国鉄総裁の権限のごとくして実は権限でなくて、大臣の認可でもって、やはり何と申しますか、一つのルールに従った割引の曲線がございます。その曲線にのっとった割引でございませんと、すぐ苦情が出るわけでございます。もう一キロ違えばどうだということがすぐわかるものですから、したがって割引率はだんだん上げてきておりますけれども、距離ごとの割引のカーブというものは大体変えないでやっているというたてまえでございまして、しかも距離ごとの具体的な割引率は全部大臣の認可事項である、こういうふうなしばり方になっているわけでございます。
#165
○小柳勇君 鉄監局長のほうに、いまの総裁の答弁ですね、通学割引なり通勤割引の割引率の決定など、いままでのカーブをもって基準としてやっておるとおっしゃる。運輸省として、それを認可する以上は、公共負担の、たとえば金額は大体概算できますね。運賃に対する割引率によって割り引いた金額、言うならば赤字の金額はわかりますね。したがって割引率というものは、これは変えられないものですか。さっきからも論争しておりますように、私鉄の通勤通学割引と相当差があるわけです。で、運賃についてはもうこれ国会できめますから簡単に変えられませんが、割引率については運輸大臣の認可になっているようですから、私鉄運賃とこんなに違っているところは特別にその区間などの割引率の変更などというのはできないのであろうかむ相当問題だといって雑誌や何かに書いてあるもんですから聞いているわけです。
 私どもも、いままでそれはあたりまえだと思ってやってきたけれども、いまいろいろ論文なんか読んでみますと、そこだけ変えたらいいじゃないかと、並行線がありました場合に。そういうような議論もあります。あるいは過密地帯の場合は特別運賃つくったらどうかという議論がございます。ただ運賃は国会できめますから、あと料金の場合、特に割引率などというのは運輸省で勘案してきめて、私鉄と国鉄と大体同じくらいにして、たとえば相互乗り入れ――昔なんか相互乗り入れをやっておりましたけれども、そういうようなものも考えたら国民の足としては便利じゃないかということも考えます。そういう点についてはいかがですか。いま総裁のほうはわかりました。国鉄は大体カーブがありますから、これによってぴしゃっときめていきます、そのカーブを変えるのは運輸大臣でございますと、こういうことですから。どうですか。
#166
○政府委員(秋富公正君) 先生御指摘のように、大都市におきまして、特に東京、大阪、名古屋というところにおきまして、国鉄と私鉄、特にそれがやや並行した区間、先ほどお話がございました小田急のような場合あるいはその他京成の場合あるいは地下鉄の場合とかいろいろとあるわけでございます。これがある場合には相当極端な差を生じておると、そのためにある場合には片方は非常に混雑するというような問題あるいは経営の成績にも影響するというような、御指摘の問題は、私たちもよく痛感しておる問題でございます。しかし、きわめてこれまた複雑な問題でございまして、たとえば国鉄の場合にその路線だけを一つの個別原価主義でいくかということになりますと、いわゆる現在、御承知のとおり、国鉄の運賃は、料金等もそうでございますが、総合原価主義でいたしておりまして、地方におきましても大都市におきましても、同じ距離については同じ運賃という制度でございますが、これを個別原価主義でまいりますと、地方におきましては非常に高い運賃を持たなければいけないというような問題が出てくるわけでございます。
 これはかつて三十六年に新線につきましていたしましたけれども、非常に不評を買いまして、一年足らずで廃止したという苦い経験もあるわけでございます。それでは、大都市におきますプール制の問題はどうかという問題でございます。現にハンブルグあたりではそういった問題もあるわけでございまして、実は昨年も鉄道監督局の課長をヨーロッパに派遣いたしまして、いろいろとこの制度の面につきまして調査させてきたわけでございます。これは結局問題は、一度集めましたものをいかに今度配分するかという問題があるわけでございまして、ハンブルグにおきましてもそういった点は非常にデリケートな問題があるようでございます。日本におきましても、たとえば同じ公営企業の場合、札幌におきまして地下鉄とバスとの運賃の調整というような一つの企業体の場合はいろいろとできるわけでございますが、いろいろな企業体につきましてプール制あるいは総合運賃をつくるということは、きわめてむずかしい問題があるわけでございます。
 しかし、このままで放置しておいていいかという問題もまた現実にあるわけでございまして、非常にその問題の重要性を痛感しておりまして、いろいろと検討はいたしておるわけでございますが、現在すぐにこれに対する対策を打ち立てるというまで具体的な方策を見出し得ないということでございまして、重大性を痛感しておりますだけに、さらに引き続いて検討させていただきたいと思います。
#167
○小柳勇君 それから運賃と料金の決定でありますけれども、去年からことしにかけて、国鉄運賃の値上げについては相当長く論議してまいりました。国会でこれはきめなければなりません。それから料金のほうは運輸大臣の認可もありますし、国鉄総裁がきめるものもあります。しかも概算してみますというと、料金のほうが約四割ですね。運賃が六割です。この決定上の矛盾もありますが、取り扱い上の不便もございます。たとえば出札するにいたしましても、一般普通券を売りまして、あと急行料金とか特別急行料金とか寝台券とか、いろいろとやりますから、したがって、そういう決定の矛盾についてどういうふうにお考えですか。
#168
○政府委員(秋富公正君) 現在の運賃法におきましては、御指摘のとおり、法律できめておりますものは旅客及び貨物の基本賃率並びに航路の旅客運賃でございます。それ以外につきましては、運輸大臣のいわゆる認可事項、九条二項ということになります。あるいは国鉄総裁限りのものも軽微なものはございます。御指摘のように、昭和四十七年におきましては、法定事項でございますものが大体五九%、それから大臣認可のものが約三九・三%、総裁権限のものが二%という状態でございまして、これを昭和四十年に比較しますと、昭和四十年におきましては、法律事項が約七二%、大臣認可が二七%、総裁権限が一・三%というのに比べますと、大臣権限がいわゆる国鉄の収入について大きな比率を占めているということは、御指摘のとおりでございます。
 しかし、どうしてこういうふうに法定事項にしたか、あるいは大臣権限にしたかという点でございますが、いわゆる運賃、料金の基本的な考え方でありますが、運賃と申しますものは、いわば輸送の一番基本的なものでございまして、A点からB点への移動という基礎的な根本的なものでございますので、これを法律で御審議いただいていくというふうにしたわけでございます。これに対しまして、料金、いわばこれは特急、急行のような時間的な節約あるいは寝台車、グリーン車のような快適性という、いわば付随的なものでございます。こういった関係で、根本的に運賃と分けておるわけでございます。
 もう一つは、運賃のほうは、御審議いただいておりますけれども、たとえて申し上げますと、山陽新幹線が岡山までできた場合あるいは昨年ホーバークラフトが宇高間にできました。こういった場合に、新幹線の特急料金あるいはホーバークラフトの使用料、急行料と申しますものをつくります際には、いわばその場合その場合の時の情勢に応じまして、的確な対応をしなければいけないということがございまして、これを定めて別個にきめておるわけでございます。しかし、それでは料金のほうをかってに、運輸大臣権限だから大きく上げてきたかという問題でございますが、これを具体的に一つの例で申し上げますと、三十六年におきます特急料金、急行料金、これと、いわゆる法定の運賃とを見てみますと、二百キロのところで見ますと、運賃が五百五十円に対しまして特急料金は六百円でございました。で、これが現在の運賃でございますと、二百キロメートルにつきまして運賃は八百円でございますが、これに対して特急料金は六百円、急行料金は二百円というわけでございまして、その比率は下がっておるわけでございます。また新幹線についても、四百キロについてみますると、運賃が七百八十円でありましたのに対して「ひかり」の料金は千円であったわけでございます。これが現在、運賃は千六百四十円に対しまして「ひかり」の料金は四百キロにおきまして千五百円というふうにそれぞれ料金は運賃よりも下げておるわけでございます。
  〔理事木村睦男君退席、委員長着席〕
ただ、いわゆる旅客の需要と申しますものが、非常に新幹線を利用したり、あるいは特急、急行を利用したり、あるいは寝台、グリーン車を使用すると、こういったいわば旅客の需要が高度化したということによりましてそれの収入がふえた。この結果、国鉄の収入におきまして、いわば大臣権限でございます料金というものの比率が高まったという結果になっているわけでございます。
#169
○小柳勇君 運賃のほうは、こんなに国会でけんけんがくがくの議論を戦わします。料金のほうは国鉄から運輸省にもってまいりますと、どういう基準で、どういう機関できめてそれを認可しますか。
#170
○政府委員(秋富公正君) 根本的に改正いたしますときは、今回におきましても、昨年御審議いただきました際に、いわば運賃法が不成立に終わりましたので、大臣権限でございます特急料金、急行料金、その他グリーン料金その他もすべて変更しないままに現在据え置いておるわけでございます。これは運賃法の際に根本的に変えますので、すべての問題につきまして一緒に御説明申し上げ、またいろいろと御質疑もいただいておるわけでございます。で、いわば大臣限りであるからということで、根本的なものを運賃法と切り離して単独で行なうというようなことは、現時点でしていないわけでございます。
 次に、どういう基準でこれを定めておるかという問題でございますが、これはやはり現在までの沿革的な過去の経緯と申しますものと、旅客の需要というものに対する動向、こういったようなものをいたしまして、私のほうといたしましては一つの案を国鉄の申請によりましてこれを審査いたしまして、さらに運輸審議会に諮問いたしまして、運輸審議会の答申をいただいて運輸大臣が認可するという手続をいたしております。
#171
○瀬谷英行君 料金の問題で、ちょっと関連して質問したいんです。
 いま御答弁によると、運賃というのは特定の地域から特定の地域までのまあ運び賃が運賃ですね、運賃というのは運び賃と書くから。ところが料金のほうは、特急料金とか急行料金とかいうのは時間的な問題だと、こうおっしゃったでしょう。つまり二時間かかるところを一時間で行くと、だから急行料金というのを徴収するのだと、こういうのですね。急行というのは急いで行くと書くんですからね。そうすると、急いで行く場合には、二時間のところを一時間で行くという場合に急行料金を取るというのは理屈はわかる。ところが時間が同じだった場合には急行料金を取る理由はなくなっちゃうわけですね。そういうことになるじゃないですか。所要時間が同じ場合には急行料金を取る理由はなくなるわけじゃないですか。どうですか。
#172
○政府委員(秋富公正君) ただいま先生の御指摘は、たまたまある線におきまして、特急か急行よりもおそいではないか、あるいは急行と普通の列車が同じではないかと、こういうような、たまたま一つのそういった事例があって、そういう場合にどうするかという御質問かと思うわけでございますが、一つは特急、急行と申しますのは、御指摘のとおり、根本的に早く行くという時間の節約と経済効果という点か大きな問題でございますと同時に、その快適性というものもあるわけでございまして、御承知のように、特急、急行は普通の車に比べまして設備においていいわけでございます。あるいは特急の場合には座席指定というような制度もあるわけでございます。それからたまたまある地点におきましては、じゃあ一体特急、急行というものはどういう基準でどういうスピードでこれを定めるかという御指摘もあるかと思うのでございますが、これは特急、急行それぞれ一つの基準のスピードがあるわけでございます。ただ、たまたま地方に参りますと、単線の場合とか、あるいは列車の編成の都合ということによりまして、ある地点におきましては、御指摘のような、急行よりも特急がおそいとか、あるいは一般と急行があまり大差がないというような区間がたまたまあることもあるかと思いますが、こういった点は、極力そういったものは改正すべきと思っておりますが、現時点において、多少そういった問題もあるかと思っておりますが、こういう点は、今後も改善しなければいけないものだと考えております。
#173
○瀬谷英行君 たまたま地域的にあるかもしれませんがというふうにおっしゃったけれども、まあ十月のダイヤ改正で、私はこれを持ってきたんですがね、これをいろいろ検討してみましたけれども、これは現場の人に言われたんですよ、ダイヤ改正で前より急行はおそくなったと、こういうことを言われました。
 それから具体的にいろんな例も示めされました。同じ区間を同じスピードで走っている場合に、一方において急行というレッテルが張ってあるために急行料金を取られるということは不都合なことじゃないかと思う。もっと具体的に言うと、上野−大宮間というのは、急行も各駅停車も所要時間はほとんど同じなんですよ。違っても一分か二分ですよ。あるいは急行のほうがおそい場合もある、電車に比べるとですよ。そうなると、速いから急行料金を取るという理屈から言うと、所要時間が同じ、同じ区間を同じ時間で走るというならば、急行料金を取るという理屈はなくなるわけじゃないですか。たまたまじゃないんです、ざらにあるんです。もうほとんどですよ。これは、この前の委員会でも私は指摘をしたんですが、定期券でもって急行乗っちゃいけない。たまたま定期券で急行に乗ると運賃の分と急行料金と両方取られるわけだ。ところが所要時間は同じなんです。これじゃ詐欺と同じじゃないですか。たとえば同じ品物に対してレッテルが違うだけでもって片方倍も料金を取るということになったら、これは問題になりますよ。列車の場合は急行料金というのは速さに対する料金である、こういうふうにいわれてる。速さがちっとも変わりがないという場合、これは車両が違うというなら別ですよ。車両が違うという場合は、これはグリーン料金といって別に取られるわけだ。車両の違うという問題はないわけだ。
 ところが実際問題として所要時間が同じだと、何で急行料金をよけい取らなきゃならないか、これは明らかに不当じゃないですか。これは一種の詐欺であるといわれたってしようがない。特に上野−大宮間なんていうのは、快速列車なんていうの走っていませんわね。関西では、この前も指摘したんだけれども、急行より速い快速電車というのもあるわけです。これは急行料金は取ってない。私鉄と並行して走っているところは、快速電車という運転をして特別にサービスをしている。私鉄のような競争路線がない場合には、同じ速さで走っているのに急行だけは急行料金を取る、これは不当だと言うのです。理屈としてはそうなるじゃないですか。何でよけいな金を取らなきゃならないという理由があるのか、それをはっきりさせることができますか。
#174
○説明員(原岡幸吉君) 急行と普通あるいはまた特急、それぞれやっぱり一つの輸送需要に対するサービスのあり方、しかたでございます。したがって基本的には急行は普通よりも速い、急行は普通よりも大体設定する区間が長い、そういう長い区間に対する一つの輸送サービスの対応のしかたでございます。
 したがいまして急行と普通のある区間だけをつかまえて、これを普通と急行は同じスピードじゃないか、したがって、それについて片一方は急行料金を取り、片一方は取らないというのはおかしいじゃないかと、さっき先生御指摘のように、たとえば上野と大宮の間、これはそこの区間を急行列車が通過いたしますけれども、急行列車は上野ともっと遠い区間の輸送需要にこたえるための一つのサービスでございます。したがって上野と大宮の間だけをつかまえて、これはスピードは同じじゃないか、それで急行料金は片一方は取り、片一方は取らないのはおかしいじゃないかということでございますけれども、上野−大宮間についての輸送サービスといたしましては、急行を利用されないという前提に立ったサービス内容になっておると、こういうことでございます。
 それから急行料金は、なるほど原則的には普通よりも速いということは一つのサービスの内容として考えているわけでございますけれども、基本的に急行に対するサービスと普通に対するサービスというのは、輸送需要そのものが違うという前提に立っておる。したがいましで、設定する区間も違いますし、また供給するいろいろな条件、すなわち設定しておる時間帯の問題あるいはまた使用する車両の問題等々、いろいろ総合的にその輸送需要に合ったようなサービスを供給すると、こういうたてまえでやっておるわけでございまして、ある短い区間をつかまえて、同じスピードであると、したがって、そこに急行料金の徴収はおかしいというのは、基本的に急行、普通のサービスの態様から見て必ずしも比較して当たらない問題じゃないかと、私考えるわけでございます。
#175
○瀬谷英行君 それはね、車両が違うとかなんとか言ったってそうはいきませんよ。第一、通勤電車なんかの場合は上野で折り返して、その車がそのまま急行の車両になるという場合が一ぱいあるわけです。車両は同じなんですよ。特急というのはちょっと車両の構造が違うけれども、普通急行の場合は同じ車両を使っていますよ。そうすると、入れものは同じなんですよ。入れものは同じ、区間が同じで、時間が同じ、それで片一方は急行というレッテルを張ってあるだけで急行料金を取る、これは明らかに不合理だ。いま私が具体例として上野−大宮間というこの三十キロの区間をあげました。じゃこの三十キロだけかというと、具体例をあげればもっと遠いところだって各駅停車と同じのがありますよ。
 これを一々あげていると――一々あげてもいいですけれども、あしたまでかかりますから、それじゃ気の毒だから一々具体例はあげませんけれどもね。もっと遠い区間でも各駅停車と同じところがあるんです。こうなると、この短区間の急行料金を取るという根拠がなくなっちゃうじゃないか。しかも、それは急行を選択することも各駅を選択することも自由になっていれば別だけれども、同じ線路の上を走るんですから選択はできない。しかも一時間当たり急行と特急と各駅停車では、急行のほうが多いという場合があるんですよ、具体的に。そうすると、急行か来る、特急が来るというのでみんなこれを見送っておったのでは、一般の通勤者なんかの場合は、自分の乗る電車が入ってくる前に急行なり特急かどんどん行く、特に大宮あたりまで行く人にとってみれば、これはまことに不合理なことになると思うんです。そういう輸送力が、つまり各駅停車、一般通勤者に対する電車がたくさんあってのことなら別だけれども、そういう状態でないにもかかわらず、なおかつ急行料金を取るということは、これはまことにえげつないやり方だと思うんですよ。
 この間も私は聞いているんですよ。赤羽で急行に乗った、大宮までだと、大宮で乗りかえようと思っていた、赤羽−大宮間じゃ全然所要時間は同じだ。ところが乗っただけで車掌がさっそく回ってきて、定期はきかないから急行料金と普通料金と両方取られた。これは全く合法的なふんだくりですよ。雲助商法みたいなものです。こういうことを現にやっておるわけです。これはやはり矛盾があると思うんです。その点は国鉄としても当然考え直さなきゃならないと思うんですね、理屈の点からいって。その点はどうですか。
#176
○説明員(原岡幸吉君) ただいま御指摘の第一点でございますけれども、普通の列車も急行列車も同じ車を使っておると、こういうことでございますけれども、これは具体的にいろいろのことがあろうと思いますが、原則的には違う車を使っておるわけでございますけれども、何といいますか、きまった一定のワクの中での輸送でございますので、急行用の車両を普通列車の車両として使うといいますか、使っておるといいますか、そういう状態もあるわけでございまして、御指摘の事例はそういうものに当たっているんじゃなかろうかと、こう思うわけでございます。
 第二点の、非常にフリークェンシーが限定されている場合に、急行ばかり通ってそれが利用できない、ために普通列車に非常に不便なサービスでもって利用を強制されていると、こういうことでございますけれども、先ほど来申し上げましたように、急行利用という一つの輸送需要があるわけでございまして、それからまた普通列東利用という一つの輸送需要があるわけでございます。それぞれに適した輸送需要に対するサービスをいろいろ考えてやっておるわけでございます。
 したがいまして、具体的な場所で、いま御指摘のような利用上の御不便があるわけでございますけれども、それでは急行列車を普通を利用したい人が全部利用されるということになりますと、急行を利用されている一つの輸送需要に対するサービス上問題があるといいますか、いろいろ完全なサービスができないと、こういうふうなことに相なるわけでございまして、これは具体的に申し上げますと、私いま申し上げたとおり、全部そのようにうまくいくかどうか、私の言うとおりのことがそのとおり通るかどうか、具体的な事情はいろいろあろうと思いますけれども、原則的、基本的にはただいま申し上げたような考え方でやっておるわけでございます。
#177
○小柳勇君 貨物運賃の問題ですが、たくさん問題はありますけれども、皆さん専門だから、専門で討議した結果、今回のような改正をされるんだろうと思う。貨物等級表の四等級を三等級に改正する、そして大体三五%の格差です。まあ私はそのほうの専門でないから、評論家などの意見を聞いてみまして質問するわけですが、いまとられつつある貨物運賃制度、いわゆる負担力主義というものが原価主義に転換しなければならないのではないか。いまのは輸送原価で割り出していますが、逆で、輸送原価から割り出したこの貨物運賃というものを、よい品物は高い運賃を取る、それから日用品などの、悪いといいましょうか、庶民大衆が使うような品物は安い運賃にするという、いわゆる負担力主義の運賃にかえるべきであるという意見があります。それで四等級を三等級にする、将来はコンテナの一等級といいましょうか、均一運賃になるのではないかという心配があるのでありますが、皆さんがいままでずっと勉強して、経験によって四等級を三等級にされるその一番基礎にあるのは何か、まずそのことをお聞きしたいと思います。
#178
○説明員(原岡幸吉君) 貨物運賃の、何といいますか、等級を圧縮するといいますか、こういう方向についての考え方についてのお尋ねでございますが、鉄道貨物運賃、これは昔からいわゆる負担力主義と申しまして、負担力のあるものといいますか、物の価格の高いものから高い運賃を取る、そして負担力のないもの、すなわち価格の安いものからは低い運賃を取る、こういうことでやっておったわけでございますけれども、端的に申しまして、鉄道が非常に独占的な一つの輸送機関であった場合に、収入をたくさんあげるという面では大いに効果があったわけでございます。すっかりそれから時代が変わりまして、ことに現在のようないろいろな輸送機関が非常に発達した、いわゆる競争市場条件、こういう中では、この負担力主義というものでは、ますます国鉄の貨物営業を増進する観点から好ましくない、あるいはまたそれを国民経済的観点から見た場合非常に好ましくない。こういうことで、順次負担力主義を改めて、いわゆる俗にいう原価主義といいますか、こういう形にすべきであるということは、いろいろな公の機関で、あるいは非常に権威のある方々の御意見で、そういう方向でやってきたわけでございます。
 そうして、この前の運賃改定の際、すなわち昭和四十一年、当時十四等級あったわけでございますけれども、それらの御意見を逐次取り入れるという意味で、十四等級を四等級に圧縮したわけでございます。で、その後の情勢を見まして、さらに今回は四等級を三等級にする、こういう考え方で考えておるわけでございます。で、先ほど先生の御指摘がございましたように、むしろ高いものといいますか、運賃負担力のあるものからはもっと運賃を取る、いわゆる負担力主義をある程度残しておいたほうがいいんじゃないか、こういう御意見でございますけれども、これはいろいろな観点からいろいろ議論すれば非常に専門的なものになろうと思いますが、なるほど原価主義よりも負担力主義をもっと強化すべきである、こういう御意見も実は私は伺って勉強さしていただいておるわけでございます。
 これは簡単に一知半解の知識でもって御批判することはどうかと思いますけれども、諸外国の事例なども多少勉強させていただきました。しかし一つの見識といいますか、識見といたしましては私は大いに勉強させていただきたいと、こう思っておりますが、国鉄といたしましては、従来からいろいろな形で勉強しておりますものを一歩進めると、こういう意味で、今回このように考えておると、こういう次第でございます。
#179
○小柳勇君 鉄監局長、朝からの論議の続きですから。朝も言いましたように、国鉄貨物運賃は賃率がきまっている、トラックのほうは三割五分の幅で動いている、あるいは自家用トラックは自由に動いている。いわゆるそういうものを野放しに自由競争させたら、いま原岡理事が言われたように、貨物運賃の方向はそうたらなければならぬじゃないかと思うわけです、いまおっしゃったとおり。したがって貨物運賃も、あるいは海運の輸送運賃もずうっと規制していきましたら、そしてその規制の方向は、トラックでも生鮮食料品とか野菜とかの日用品あるいは値段の安いもの、わら製品だとかいろいろありましょう、値段の安いもの、そういうものは、トラック運賃でもやっぱり運賃を安くする、そして貴重品あるいは電気製品など大事に扱わなければならぬもの、少ないもの、高級品、そういうものは、トン数が少なくとも値段は高く取るという、これはあたりまえじゃないかと思う。
 それがいまないから、国鉄はそれと競争するために、いまおっしゃったように、等級を縮めていかなければ競争にならないわけだ。そこでますます国鉄は赤字になって、今度はコンテナー本運賃になりましたら、もう一生――一生といいましょうか、何十年でも国鉄貨物運賃は赤字だろうという議論があるわけです。この点について、まあ朝の議論からもつながりながら、鉄監局長の意見を聞いておきたい。
#180
○政府委員(秋富公正君) トラックの運賃あるいは通運の運賃、料金、これはかつては定額でございまして、幅もなかったのでございます。ところが長い経過を見てまいりますと、やはり経済の実態あるいは輸送の実態から申しますと、トラックの運賃あるいは通運の運賃、料金と申しますものを定額に固定するということは、ある場合は大口荷主に対しましても、あるいは少量の輸送者に対しましても、原価的にまいりますと、必ずしも同一でないという矛盾もございまして、いま先生の御指摘のような、それぞれ上下の幅をつくったのでございます。これはやはり輸送の実態と申しますか、経済の実態に即応して法律を改正したというものでございます。
 これに対しまして、国鉄の貨物運賃と申しますものは、定額制でございまして、国会におきましても、あるいは国鉄諮問委員会におきましても、国鉄の貨物の運賃、料金の弾力化という点について、しばしば御議論をいただき、また御指摘もあったわけでございます。現在、そういうことにつきましては、国鉄総裁限りの、いわば軽微な変更ということで、極力弾力化ということをはかってきたわけでございます。で、いま御指摘のトラックあるいは海上運賃につきましても、国鉄と同じように、いわば等級制、こういうものをつくったらどうかということでございますが、これは私の所管でないので、私のやや個人的意見になるわけでございますが、非常に業種の多い国鉄と違いまして、競争者と申しますか、企業者の多いトラックあるいは海上フェリー等におきまして、こういった等級制がはたして守れるものかどうか、法の権威という問題もあるわけでございまして、私といたしましては、それを国鉄のような一本の企業体と同じようにやるということはなかなかむずかしいんじゃないかと考えております。
#181
○小柳勇君 鉄監局長に自動車運賃のことを言うの無理ですが、けさもその点、運賃の問題も論議したかったんですけれども、もう自動車局長を帰らしてしまったもんですから――できないことはないんですよ、貨物トラックの運賃表、いまはもう重さと距離だけになりました。それも完全に守られてないんですよ。大企業がたたきますと幾らでも安くして走らなきゃならぬ、下幅が一五%ぐらいありますけれども、それよりもっと下げなきゃならぬ場面もありますね。もう一つ逆に、今度は少ない距離でも高く取る場合がある。たとえば五千円しか表がないから、五千円じゃいけませんというと、それじゃ一万円出しましょう、二万円出しましょうと言うから、めんどうくさいから自家用を買うわけですからね。そういう矛盾があるんですから、それは運輸大臣がしゃんと、これから貨物自動車の運賃政策を変えて、管理体制――それは陸運局だけで、あるいは警察庁だけでは取り締まりはできません。だから業者自体が――たとえば医師会もそうです、自分でちゃんと、医師会というもので自主規制してますから、トラック協会ができないはずはないんですよ、やろうと思えば。予算二百億持てばできますから。そういう問題、将来われわれはがんばってやります。
 そこで一つの例ですけれども、ソ連の例をとりますが、ソ連も西ドイツもアメリカもいま負担力主義ですから、そういう意味で申し上げますが、ソ連でマルクス・レーニン主義の教条主義で従価主義にやったと、ちょうど日本のようなことでやったところが赤字になってしまったと、そこで二回改正いたしまして、現在は負担力主義で、そして約五兆円売り上げがありまして、二兆円はもうけで、これがいま軍事費になっているという実績がありますよ。
 そこで結論的に言いますと、今度三等級になります。これがコンテナの一等級になりまして、そうしたらもう国鉄は永久に赤字ではないかという心配もありますから、貨物トラックの運賃規制をやると同時に、国鉄のほうも、きのう工藤君が言っていましたように、生鮮食料品や、国民の必需品については、うんと等級を下げてくださいと、それからいまの大企業が特別に契約をして、もうけているような運賃は高くしてやってもいいではないかというものです。そういうようなものも、まあこれが絶対でありますと言わないで、考えてもらいたいと思いますが、原岡理事から見解を聞いておきたいです。
#182
○説明員(原岡幸吉君) ただいまのお話でございますけれども、最初の、何といいますか、将来はコンテナ運賃一本にするんだと、そういう考えは、現時点においては、一つも持っておりません。ただ全体としてサービスをよくしながら、収入をうんと増加するというのにはどのようにしたらいいかという観点から勉強しなきゃならない、こう思っておりますが、いま先生御指摘の外国の事例、これも先ほどちょっと申し上げましたように、私自身多少勉強さしてもらっております。それで大いに今後のこの等級制度といいますか、運賃制度といいますか、そういう中で、そういうことも勉強しながら検討さしていただきたい、勉強していきたい、かように思っております。
#183
○小柳勇君 これは国鉄総裁でなくて原岡理事でもいいですが、貨物運賃、国鉄が赤字になります、これは荷主が少なくなっただけではないんですね、いま言ったように貨物運賃の体系自体がもうばらばらだったから、国鉄としては追い込まれてしまっているのじゃないかと、そこで国鉄、運輸省に対して少し全般的に、貨物運賃なりトラック運賃なり海運の料金なり、ひとつ国鉄運賃と見合って注意してくれないかとかなんとか、そういう苦情なり申し出をしたことがあるのかどうか、あるいは運輸省全体が、運輸省が音頭をとって海運局や、あるいは陸運局や、あるいは国鉄、寄って、そうしてひとつ貨物運賃の体系はこうしようというような会議でも持って、勉強会でもやったことがあるのかどうか、その点をひとつ聞かしておいてください。
#184
○説明員(原岡幸吉君) 国鉄自体といたしまして、トラック運賃はこれでは困る、あるいは海上運賃のしかたはこれでは困ると、このような端的な、何といいますか、苦情の申し入れといいますか、こういうことを申し上げたことはございません。ただ国鉄といたしましては、総合交通体系の中で、国鉄の貨物運営といいますか、こういうものが行なわれなきゃいけない、こういう観点から、いろいろそういう国鉄の貨物輸送をする場合に、総合交通体系上要求されるいろいろな問題点、これらにつきましては、非常に整った形ではないですけれども、いろいろ要求を出し、運輸省の関係のところによく聞いていただきながら、ごく小さい問題かもしれませんですけれども、一つ一つずつ解決していくと、こういう方向でやっているわけでございます。具体的な事例といたしましては、フレートライナーというような、鉄道と道路の共同一貫輸送を前進強化すると、こういう意味において、そういう問題にも非常に逢着したわけでございますけれども、運輸省にもよくこちらの事情を話して、いろいろ研究をさせていただきまして、まあ一歩前進しておるというようなことでございます。今後も、そういう意味で、何といいますか、他の機関の運賃がどうあるべきだというところまではいかないにいたしましても、国鉄が実際にやっておって感じておる問題点、これは大いに積極的に運輸省のほうにお伝えして、そうして積極的に解決していただくように要求いたしたいと、かように思っております。
#185
○小柳勇君 運輸大臣に質問いたしますが、この間伊部君も言っておりましたが、通運料金についても相当不満があるわけですよ。国鉄の貨物を通運に出してやっているでしょう。通運料金も、もうこれだけのはやりたくないというぐらい、問題点がありますね。団地に行きまして配達します。それも全くたいへんなんです、私も一日ずうっと追跡しましたけれども。そこで一つの提案も含んで言うんですけれども、国鉄がフレートライナーで駅に着いて、それから通運で団地に持っていきます。それを一々配るのがたいへんですから、たとえば一万戸の住宅のところには集配所みたいなのを、流通センターといいましょうか、集配所みたいなのをつくりまして、これは一万戸の団地ができたら、必ずそこには集配所つくらなきゃならぬと、住宅公団でも、県でも市でも。そこにまず持っていって、全部おろしちゃう。今度は送る人は、そこにみんな団地の人は持ってきて置いておく、そうしてそこに一人か二人の職員を、たとえば国鉄の退職者でもいいし、市の退職者でもいいですよ、管理人といいましょうか、そういう人を置いとく。
 そうしますと、この通運料金についても苦情が少なくなりましょう。国鉄の集荷の問題はたいへん問題になります。だから、そういう大きな団地ができたならば必ず集配センターをつくると、こういうのは建設省なりに言えば無理じゃないんじゃないかと思うんですよ。そういう構想でもしませんと、もうたいへんなことです。この小さい小荷物を配ってやるのは。郵政の小包も一緒に集配所へ持ってきてもいいから、そういうものをこの際考えてもらいたいと思う。これは伊部君もこの間言っておりましたけれども、きょうは出ておりませんから、運輸大臣が経済閣僚懇談会にでも持ち出してもらいたいと思うんですが、いかがですか。
#186
○国務大臣(新谷寅三郎君) いまお話の点は、国鉄に関しましては主として小手荷物の問題に関することだと思います。私は、将来はある程度コンテナについても同様のことが言えるような時期に来るんじゃないかと思います。この点については、実は国鉄に対しまして、具体的にそういう貨物の取り扱いを集約駅をつくってそこに集中すると、それから先は非常にサービスの改善になるんですけれども、集約駅に至るもの、集約駅から各家庭に配達されるもの、そういったものについては、おっしゃるとおりに、非常に従来から比べるとサービスダウンになりますから、サービスダウンにならないような方法はないか具体的に考えてくださいということを、特に国鉄に対して、そういう研究を依頼しているわけなんでございます。
 これは国鉄のほうでも積極的に取り組もうということで、これは場所によりまして実行しているところも出てきているようです。
  〔委員長退席、理事江藤智着席〕
これをもう少し、いまおっしゃったような、新しい機構をどうするかというような問題も含めまして、将来に対して方針を確立して、その方針のもとに実行を促進していきたいと、私はそう思っておるわけでございます。
#187
○小柳勇君 あとで国鉄に付帯事業の拡大などを質問したいのでありますが、いま大臣の発言もありますから、国鉄総裁にお聞きしたいんですが、たとえば国鉄が積極的に、大きな、人口一万ぐらいの団地には、貨物集配所といいましょうか、そういうものを積極的につくって集配をやってやるというような構想も私いいんじゃないかと思うんですよ。そういうものについて、お考えになったことありますか。
#188
○説明員(磯崎叡君) 多少具体的に考えている点がございますので、原岡からお答えいたします。
#189
○説明員(原岡幸吉君) 先生の御指摘は、国鉄のいわゆる付帯的なサービス、付帯的な事業としてそういうこともやったらどうかと、こういうことだろうと思います。まあ直接国鉄が付帯的な仕事としてやるというのも一つの方法ですし、あるいはまた非常に、何といいますか、国鉄職員がやるのには適当でないというような条件もあろうかと思います。したがって、それは個々に考えなきゃなりませんですけれども、基本といたしましては、そういうようなことで積極的にサービスできるように検討いたしたいと、かように思っておるわけでございます。
#190
○小柳勇君 次の第五番目の問題は、適正要員と安全対策の問題でございますが、今回の閣議了解事項に十一万人合理化というのを、数をきちっと打ち出した。これは森中君も質問しておりましたが、私は労働基本権との問題から聞いておきたいんです。
 御存じのように、国鉄労働者には団体交渉権がある。いま四十五万人予算定員があります。その予算定員の中で、十一万人は十年間に少なくなるというのが合理化です。そう読まなきゃなりません。これは管理運営事項と皆さんは言われるでしょう。広言されるでしょうが、四十五万人でやっている仕事を十一万人減らしますよということを、管理運営事項として片づけることは、私は許せないのではないか。当然事業計画なるものを示して、団体交渉権を持つ団体と交渉して、そしてこういう結果十一万人は減りますよ。そしてこれを閣議了解して、これを再建計画にする。まずいままでずうっと答弁されたのは、将来十年間のうちにこれは団体交渉していきますという話でありまするが、私はもう団体交渉権のある団体の経営というものが、その別なところで、しかもこれは国鉄がきめたんじゃなくて、閣議了解事項です。それが十一万人合理化をがちっと書面で書いてきめて、そしてこれを国鉄再建法の基礎に持ってくるということは、労働基本権との関係、そう言ってなんなら、労働組合法の精神からいって逸脱ではないか。
 もう少し言うならば、これを見て国鉄労働者が、たとえば争議権なり団体行動権を発動するのは、これはやむを得ぬのではないか、こういうような気がするわけです。この点について、労働省はまだ見えてないんですが、労働省も呼んでおります。あとで労政局長の見解を聞きますが、運輸大臣はどうお考えですか。
#191
○国務大臣(新谷寅三郎君) ただいま御指摘の点は、先般の閣議了解事項の中に要員十一万人縮減ということが入っているからお尋ねになったんだろうと思いますけれども、これは私のほうで、国鉄の意見を十分具体的に聞きまして、先般国鉄の総裁も答弁されましたように、各部門別に機械化し、近代化していった結果、具体的にどうするかと、どこまで縮減できるかというようなことを、非常に具体的な計算をしておりまして、しかも国鉄総裁が説明をいたしましたように、具体的にこれを実行いたします前に労働組合の方とも十分話し合いをして、その上でこういう人員の縮減に取りかかるんだと、こういうことでございます。
 これならば、いまおっしゃるようなことにはならないと思います。そういう前提のもとに、国鉄の努力の一つの項目としてあげたわけでございまして、これは法律でもございませんし、規則でもございませんから、法律規則を越えて、ただ閣議決定をして、これを強行するんだなんという、そういう性格のものでもありませんし、そういう意思でもございません。いま申し上げたような意味合いによってこれを閣議でも取り上げたということでございます。
#192
○小柳勇君 公務員制度審議会の答申もありまして、たとえば管理運営事項かどうかという争いがあるものにつきましても、労働条件に関連するものは当然団体交渉をするべきであろうという方向で答申が出されております。したがって具体的に、もうこれこれこれは合理化すべし、したがってその定員は十一万人おおむね減ります、こういうものであればいいのですけれども、何を合理化するかこれからやりますと、ただ頭から十一万人は減りますぞと、その裏づけの予算はこれこれです、これは節約の費用になります。こういうようなやり方、しかもそれが閣議了解されるということですね。このことは、たとえばこのことによって争議行為が起こって、裁判でもかけたら、私はこれは労働基本権に対する侵害ではないかと思うわけです。磯崎総裁はどういう見解ですか。
#193
○説明員(磯崎叡君) この点は森中先生にも申し上げましたが、閣議了解の中には、はっきり日本国有鉄道はと書いてございまして、政府はと、ここだけ書きかえてあるわけでございます。すなわち節約のところと合理化のところだけは、これは政府の方針ということよりも、国鉄の目標というふうな、非常に気を使って(1)と(3)の点は書き分けてございます。したがって私どものほうの、それじゃ目標としてはどうなのか。いわゆる十年間の試算をいたします場合には、もちろん人間のことを当然考えなければできないということで、試算はあくまでも国鉄の試算であるということは申し上げておきます。
 したがって私どもといたしましては、十一万人というものは、いま先生のおっしゃった、頭から十一万人減らすということでなくて、各系統別に大体の考え得る合理化あるいは近代化の項目を拾いまして、大体この系統ではどのくらい減らせるか、大体この系統ではこのくらい減るだろうということを推定しだ上で、しからばこれに対して幾らぐらい金がかかるか、一人減らすのに、大体一千万ぐらいかけて近代化、合理化すれば人が一人減るというふうなことから逆算して、結果的に十一万人の数字が出た、したがって十兆五千億の投資をお認め願ったら、そのうちの一兆何千億というもののうちの一部をさいて近代化投資をする、また近代化投資によって安全の確保もはかれるということでもって、結果的に十一万人が出てくる。十一万人が出てくればこういうふうな計算になりますという意味でございまして、初めから労働基本権的に政府が十一万人減らせ、いわば定員法のような感じでもって書かれたものではないというふうに、私自身は了解いたします。
 これは、これを書きますときも非常にその点は気を使ってお書きになったというふうに私は了解いたしております。したがって、ここだけがちょっと書きかえてあるわけであります。すなわち全体としての国鉄としての人件費対策というものを頭に置きながら、合理化をどうやっていくか、それが設備投資にどう反映するかということを頭に置きながら、結果的に十一万人という数字が出、しかもそれは、いま先生のいみじくもおっしゃった、まさにそれはほとんど労働条件に該当いたします。したがいまして、これは毎年必ず具体的に団体交渉をしてきめていく。だからこれを、ずいぶんいままでの御審議の中でも、年度別にその十一万人がどういうふうに減っていくか、年度別の数字を出せとおっしゃいましたが、そうなりますと、それは明らかに先まで、この年度には組合とこれだけは話をきめざるを得ないということになりますので、それはできません、全体として十一万人ですというふうに申し上げたわけです。それはやはり毎年毎年きちっと組合と話をいたしまして、そしてそれを実施していくということでございまして、その点では、私はいま先生の御懸念の労働基本権とはそう矛盾するものではない。あくまでも一年一年やっていく。現にいままで四年間これでやってきたわけです。そして実績もあがっておりますので、私は全体としてこの十一万を、あの二十四年の定員法のときのように、頭から減らすのだというふうな定員法の数字とは非常に性格の違ったものであるというふうに了承して、私自身としてもこの閣議了解の字句につきましては、相当気を使って実は書いたつもりでございます。
 以上でございます。
#194
○小柳勇君 いま総裁がいみじくも定員法を言われましたですね。定員法のときに二十余万ばかり首切りを宣言いたしました。それでそれはすぐ団体交渉に移りまして、ストライキに入りました。結果的に、裁判の結果、たしか無罪じゃなかったかと思うのですけれども、今回の場合は、国鉄総裁が一応方針としてきめましたぞというならいいのですね。予算を握っている政府、その閣議の了解として頭からもう十一万人の合理化ですね、首切り、それを閣議了解としてきめて、そしてその合理化の内容などは何にもありません。たとえば精神的にもたいへんなことですね、これの不安感。
 したがって、そういうものを私は読みましたときに、何でこういうことが書かれるか、許せるかと、そういうふうに思いました。したがって労働省から労政局長見えましたので、労政局長に説明しますがね。あなたの見解を聞きたいのだが、たとえば千人のここに工場があるといたします。そこで二百人首切るということを、重役会でもないな、権限がないところですから、別のいわゆる企画委員会とでもいいましょうか、そこで二百人を一年間のうちに整理するときめます。その会社にも労働組合があったといたします。全然もう労働組合員に関係がなく、その二百人の首切りを決定する。その決定したものが今度は会社に命令されまして、会社はそれによって一年間で団体交渉して二百名合理化しましょうというようなことをやる。いまの労働組合法、労働法の精神からいいますと、団体交渉する権限を持った労働組合があるのに、労働条件に直接関係のある問題を、よそのほうでぱっときめてよろしいものであろうかどうか。団体交渉をしないままきめてよろしいものであろうか。
 私は、今回のこの国鉄再建法の末尾のほうにあります十一万人合理化ですね、いろいろ合理化の内容があって、結論はこれだけになりますと、したがって十年先におおむね十一万人減りましょうという表現ならまだいいですね。初めから内容はわかりませんで、内容はあとで団体交渉をいたします。とにかく十一万人減します。作業はそのままですからね、現在の国鉄の動きというのはそのまま変わらぬ。十年間ますます作業はふえていくんです。それに人だけ減りますという、そういうことを閣議了解事項として打ち出す。このことは労働法を扱うあなたとしてはどうお考えですか。
#195
○政府委員(道正邦彦君) 国鉄の合理化努力、これはこの再建にとって不可欠のものという観点から行なわれるものと承知いたしております。ただその実施にあたりましては、そのつど関係組合と十分話し合いの上行なわれているものというふうに承知いたしております。いずれにいたしましても、私といたしましては、国鉄の再建に関しまして、労使が相協力されまして、全力を傾注され、国民の期待にこたえられることを心から念願するものでございます。
#196
○小柳勇君 それは政治家の発言でしてね、労政局長の法解釈の答弁にはなりません。労政局長から法解釈を聞きましてもどうにもならぬことでありますが、こういうものを書きますから、なにこのやろうがという気持ちに労働者としてはなるわけです。これから十年間不安であるわけです、四人に一人ですから、今度は自分の職場の合理化が来やせぬか、首切りが来やせぬかと。それがいまの実態ですよ。
 したがって国鉄再建というものは、ただ金だけで再建はできませんね、やっぱり労働者がよしやろうという気にならなければなりませんでしょう。本気で、管理者も労働者も、これだけの予算がついたんだからやりましょうという気になりませんと、国鉄再建にならぬでしょう。そういうしょっぱなに、その基本対策をつくるときに、頭から十一万人合理化、四人に一人は減りますということを打ち出しておるこの閣議了解事項というものは、労働者を守る立場からするならば、私許せぬと思うのです。その点から、じゃあ政治的な発言いかがですか、労政局長。
#197
○政府委員(道正邦彦君) 先生御指摘のとおり、国鉄の合理化あるいは再建に際しまして、労使の協力がなければうまくいかないという点につきましては、御指摘のとおりだと思います。今回の合理化の実施にあたりましても、しかるがゆえに、そのつど関係労働組合と十分に話し合いをした上で実施するということに相なっておるわけでございますので、私といたしましては、繰り返しになりまして恐縮でございますけれども、労使がどうか相協力されまして、国鉄の再建に相ともに努力されることを、心から念願するわけでございます。
#198
○小柳勇君 運輸大臣、この間森中君も言っていましたけれども、いままでのずっと議論を総合いたしますと、十一万人というものは、最終的な目標であると、十年間のうちにはおおむね十一万人合理化されましょうという目標であるふうに理解いたします。それにはちゃんと予算が裏づけされ、算定されておるではないかという議論もありますけれども、したがって、いま労政局長の意見によりますと、労働基本権に抵触するような発言ばございませんから、ここではもう論争いたしません。私は、まことにお粗末な閣議了解事項であると、それはもうぬぐい去ることができません。何でこんなに、これから団体交渉することであるならば、わざわざ十一万人なんて書く必要はないではないかと、おおむねの目標であるならば、それは合理化案については積極的に労使努力する、それくらいでやるべきで、そしてあとは、その努力目標として十一万人を運輸大臣と総裁が腹の中で申し合わせていることは、それは自由ですよ。そのくらいの配慮があってしかるべきだけれども、国鉄総裁は、いや十分注意して書きましたとおっしゃる。このことで、どれだけ労働者が国鉄運賃値上げに反対しているかわからぬのです。
 国鉄再建の背後には、四人に一人の首切りがあるということは、もう全部の労働者の反撃を買っている大きな原因だと思う。減るんだと、四人に一人は減るんだと、首切りだよ。そういうものを、私はできるならば、閣議了解事項でも、それはおおむねの十一万人であるから、ひとつこれから十年間合理化におびえないで勉強してくれぐらいのそれじゃ配慮しますか、いまここで首切りじゃないなんて言っていますからね。閣議了解事項で十一万人合理化ときめたんだから、閣議了解事項で、これはおおむね十一万人の合理化という目標であるから、四人に一人の首切りじゃないんだと、したがって、もう心配しないで、ひとつ再建に努力してくれという閣議了解事項をまたつくりますか。大臣の見解を聞きましょう。
#199
○国務大臣(新谷寅三郎君) これは予算編成にあたって、どうしたら国鉄の財政が再建するかという基本的な方針を閣議で了解をしたものでございます。いま御審議中の関係法律案が通過いたしました場合には、これに基づいて方針として閣議決定をすることになります。いまの問題は、これは誤解があっちゃいけませんが、先ほども申し上げましたとおりでありまして、これは法律、規則じゃございませんし、しかもこれは日本国有鉄道の合理化の内容を、これは国鉄自身が非常に苦心をし検討をした結果、他の項目と並べまして、職員についてもこういうふうな縮減をすると、その裏には、詳しくは書いてありませんけれども、もちろん近代化、機械化し、各部門別に――これはもう現在ある程度実行しているわけですね。しかもこれは労働組合と十分話し合いをして、これについてはトラブルも起こらないで今日まで来ているわけでございます。
 そういったことについて、国鉄のほうが努力をいたしますと、大体十一万人を目標として節減し得ると、これはひとつの努力目標でございますけれども、そういうことでございますから、閣議決定の際には、これは表現について十分注意いたします。そういう誤解を与えないように注意をいたします。やっぱりこれは国鉄の合理化の一つの大きな項目でございますから、これはいまの法律案が通りました場合の措置については気をつけますけれども、これはやっぱり一つの柱として考えなきゃならぬと思います。
#200
○小柳勇君 その問題は、これから法律が通りましても、再建期間中常にもう論議される問題であろうと思います。特にこの合理化が職員の納得される線で実施されるように注意していただきませんと、もう現場に行きますとその話ばかりです。したがって十分にひとつこの十一万人合理化の問題は、いま大臣が言われましたようなものを勘案しておいていただきたいと思います。
    〔理事江藤智君退席、委員長着席〕
労働基本権等の問題につきましては、きょうは論争になりませんから、先に問題を進めます。
 次は、国鉄労働者の安全対策に対する申し入れとその解決ということを課題を出しておりますが、具体的には、この間の東海道線の鶴見−横浜間の脱線事故がありました。これで外注業者のミスという見出しで、線路の道床の取りかえを外注して、その外注した会社が失敗したんだということが発表されました。まずその問題から見解を聞いていきたいんですが、国鉄労働者についてたくさん問題が出てまいりました。そこの中でまとめまして五つばかりここに問題を提起いたしておりますが、保線作業で運転、保安に直結するものは民間委託をやめてもらいたいと、民間委託する場合には監督を強化し、責任体制を明らかにしてもらいたい、こういうような大きな課題であります。これに対する総裁の見解をお聞きしたい。
#201
○説明員(磯崎叡君) この点は、先般森中先生からの御質問もあったことでございまして、私どもといたしましては、外注したから責任をのがれるという意思は毛頭ございません。これはもちろん外注したものの責任でございます。したがいまして、何を外注するかということにつきまして、先般も森中先生から一つの基準がないじゃないかというお示しがございました。確かにその点は、そのつどそのつどの措置としてやっておりまして、基準がないということがはっきりいたしますので、私といたしましては、あの際も明らかな基準をつくりたいということを運輸省のほうから答弁なすったことに了承したわけでございますが、今度の作業につきまして、こまかい点、もし御質問があれば、担当のほうからお答えいたしますけれども、いわゆる工事といたしましては、深夜にやりました大きな工事のあとの、いわば手直し作業的なものの作業中における何かの間違いであったかと、まだ警察のほうが、昨日の連合審査でも正式に原因をおっしゃいませんので、私としては申し上げませんが、推定としてはそうではないかというふうにいわれております。
 その場合の監督あるいはその資格者の資格等につきまして、いろいろあとから調べてみますと、相当厳重な制限を加えておったということははっきりいたしておりますが、残念ながら、その作業過程の仕事であって、たまたま巡回監督者もいなかったという点、非常に残念でございます。今後、こういう点につきましては、もっと厳重にいたしまして、こういう生きた線路でございますので、間違いのないように、ほんとうに間違いのないような、万遺憾のない措置をとってまいりたいというふうに思います。
 重ねてこの点は、たとえ外注であろうと直営であろうと、これは統率いたしております私の責任であることには全く変わりございません。
#202
○小柳勇君 まあ民間委託は、以前からも道床交換などはありましたが、どうもやっぱり責任体制が明らかでない。この間施設局長からいろいろ説明がありまして、責任体制を明らかにいたしますという話がありました。したがって、これは当然のことでありますから、監督を強化して、責任を明らかにしてもらうと同時に、その作業内規や、あるいは作業取り扱いの規定など、部内でやるのと外注の会社でやるのと違うのではないか。部内ではきびしいちゃんとした基準がありましてやりますが、外注をされた会社は、大手でありますけれども、そのがちっとした基準がなく、規定でなくやっておるのではないか、こういうような心配があるのですが、その点いかがですか。
#203
○説明員(篠原良男君) 部内では工事管理規程という親規定がございまして、これを受けまして工事監督検査基準規程というのがございます。これを受けまして現地の、あの場合は東京鉄道南管理局、東京では工事監督指針というものを設けております。そして夜間やりました道床軌道向上工事、五十ミリ以上上げる軌道向上工事は、これは閉鎖工事でやれと、こういうふうになっておりますので、夜間閉鎖工事でやりまして、そして監督がつきまして、約千倍の取りつけでついているのを確認しております。オフセットブックに、当時閉鎖工事の終了時、一応タンピングいたしまして受け取っております。そのときの狂いが三ミリ、このようにオフセットブックに書いてございます。部外の、先生がおっしゃいます業者のいわゆるこういうような指針といいますか、指導要綱でございますが、これはまあ会社のことですから、別に私のほうで詳しくは調べておりませんが、工事指揮者につきましては非常にきびしい制限を加えております。これは私鉄あるいは地下鉄あるいは外地鉄道あるいは国有鉄道のような生きた線路で、十分な経験を持った者であって、しかも国鉄の運転操作と同じような試験をやりまして、クレペリンテストもやっております。しかも三年に一回ずつその確認書を取りかえる。そして個人に交付してございます。自動車の免許証と一緒でございます。三年ごとといいますのは、一回受けた人はいいじゃないかとおっしゃいますが、目が悪くなったり、あるいは難聴ということもございますので、三年ごとにクレペリンテストもやりまして確認書の更新をしております。当時この事故を起こしました工事指揮者は、盛岡鉄道管理局の盛岡保線区を五十五歳の定年でやめまして、その当時まで作業長兼検査長という非常なベテランでございます。その後、東京付近で約四年間こういう軌道工事に従事しておった男でございまして、私のほうとしましては、工事指揮者あるいは保安要員あるいは見張りというものを契約書で義務づけております。こういうようなものによって、いわゆるしばっておるといいますか、規制しておるというように御解釈願えれば幸いだと思います。
#204
○小柳勇君 具体的には、基準の問題などはありますが、保線の係員は欠員がいま千三百人おる。九州のほうが特に欠員が多くて、門鉄だけで百八十人、鹿児島で、これはパーセントでいきますと二二%、門鉄が一六%という数字がありましたが、軌道係員になり手がないというような話も聞きました、九州やいなかのほうでは。そういうものと民間委託というのは直接関係がありますか。
#205
○説明員(篠原良男君) 結論を申し上げますとございません。民間委託といいますか、これは請負、競争入札をやっておりますが、要するに線路をいまのまま維持する、この大半の仕事というのはむら直しでございますが、そういうものは全部直営でやっております、閑散線区を除きますと。ところが、御承知のように、技術が非常に進歩してまいりまして、最近はメンテナンスフリーといいますか、極力保守周期を延ばすために、枕木をコンクリート枕木にかえ、道床を砕石にかえまして、厚くしまして、いわゆる保守周期を延ばす工事をやっております。この工事は非常にたくさんの人間を要しますし、一保線区に何カ月も同じような工事ばかりやっていますと、ほかのほうの保守仕事はできませんので、こういうものを外注でやっておるということでございます。
 それで、いわゆる保線のなり手がないというのは実情でございます。したがって私たちとしましては、極力保守周期の長い軌道構造、たとえばスラブ軌道あるいはロングレールというようなものを使いますとともに、マルチプルタイタンパーとか、あるいは枕木交換機というような極力能率のいい機械に置きかえるように努力しておる実情でございます。しかし先生も御承知のように、機械化いたしますと、所定のある時間間合いがないと、小さな間合いじゃなかなか機械というのは能率があがりませんので、これは運転当局と相談いたしまして、一日のうちに、あるいは一週間のうちに何日か長い間合いをもらうように、いま協議しておるというのが実情でございます。
#206
○小柳勇君 いろいろ問題がたくさんここに出ておりますけれども、地方のほうで、地方協議が整ってから外注を実施すふようにしてくれというような話があったようですけれども、地方協議はまた整ってないんですか、中央だけの協議で。その点はどうなんですか。
#207
○説明員(篠原良男君) それは外注の問題じゃなしに機械化の問題だと思います。したがって、その機械を購入いたしまして、地方で実際に使いたします前に地方協議をいたします。それは養成期間とか、あるいは列車の間合いとか、そういうものについて、地方でそれぞれの立地条件によって協議をいたしまして、協議が整ったら実際に動かすということでございます。
#208
○小柳勇君 この前森中君もやりましたし、いろいろ施設局長の話を聞きましたので、私も納得したのですけれども、また今度は、労働者の話を聞きましたら、いや問題はたくさんありますよと言うものだから、いろいろたくさんこう資料が出ているわけですよ。
 それからもう一つ、いまの四軸ボギーじゃなくて、二軸車と速度との関係、こういうものも問題があるんじゃないかと思うが、運転局長がおられたら、いま二軸車というのは何%ぐらいあるのか、いまの速度に対して、貨車の二軸車は幹線を走る貨車ではないんではないかというような心配もあるんですが。
#209
○説明員(阪田貞之君) ただいま二軸車が大体六五%ぐらいございます。それからあとはボギー車でございますが、今後つくっていきます貨物列車は、ほとんど全部ボギー車でやるようにしております。現在使っております二軸の貨車に対しましては、御承知のとおり、二段リンクとか、いろいろ振動を軽減させるためのもろもろの処置をとっておりまして、またそれでもなおスピードに対する問題がある場合には、特定の型式に対しまして、最高速度を六十五キロとか、あるいは五十五キロで押えまして、安全に対しましては万全を期しているつもりでございます。
#210
○小柳勇君 たまたまここに二軸車が一台あったようですから、二軸車のほうでは速度が六十五ぐらいで脱線するはずがない、線路の問題でしょうが、ただ業者のミスだけで片づけることは、ちょっとこれは問題だと思います。これはこの間森中君が言いましたから言いません。
 もう一つ言いたいのは、私ここに、線路の動揺を測定した記録を持っていますけれども、各地方の幹線、東北本線とか鹿児島本線とか、各地方幹線を機械で測定した振動表がありますが、たいへん線路が悪くなっています。四十一年から四十八年の冒頭までの振動測定の記録などがありますが、これはいろいろ問題点もありますから、施設局長からまたいろいろ意見を聞かなければならぬが、予算の都合もありましょうし、人手不足もありましょうが、年々線路の保守が悪くなっているという定評があります。
 たとえば山陽本線を走っておる食堂車に入ると、ゆれ落ちそうなことがあったよと、こういわれる、あるいは寝台に寝ておりましても、上段に寝ておるというと、眠れぬぐらいだったよといわれる。このグラフを見ましても、五〇をこしています。百メーターのうち五十メーターは手直ししなければならぬような線路状態ですね。こういうものを、これはもう技術陣はわかっているはずだから、ちゃんと総裁に話して、こういう線はこういうことですよと、そして予算を取って定員をふやして、あるいは機械を買って、線路はちゃんとしておかなければ、車両を整備しましても脱線する危険性があります。そういう問題について、部内でちゃんと協議をして、こんな記録が出ないような対策を、これがうんと下がるような対策を早期にとらなければならぬと思うが、施設局長から意見を聞きましょうか。
#211
○説明員(篠原良男君) 先生のおっしゃるのは、Pの値だと思います。おっしゃるとおり、いま各全線私どもで掌握しております。先生も御承知かと思いますが、最近山陽新幹線あるいは東北新幹線で非常に工事がふくそうしておりまして、工事に伴う切りかえというものが非常に多いものですから、そういうところがだいぶ悪くなっておるということは承知しております。したがいまして、工事に伴って悪くなっておるところは、ほかの方法で応援を入れるとか、そういうふうな方法を講じて御安心のいけるような線路に向上したい、かように考えております。
#212
○小柳勇君 総裁、事故は絶対起こしちゃなりませんが、事故の要因というのが累積してまいりますね、年が重なるに従って。車両ももちろんそうですが、それと同時に、合理化が進みますと、回帰距離なんか延ばします。点検キロを延ばします。そういうものが累積してまいる危険性もあります。だからさっきの話に返りますけれども、頭から十年間には十一万人合理化ですよなんという考え方自体が、私はこれはほんとうの国鉄を再建しようとする考えじゃないと、そういうような気がするわけですよ。こんなものを見ますと、どんどんずっとカーブ上がりっぱなしなんです。上がったり下がったりならわかりますよ、四十一年から四十七年まで上がりはなしです。
 こういうものは、もうちゃんと総裁も見ていただいて、技術陣から説明を聞いて、そういう弱点のあるところには手を入れるということをしないと事故が起こると思う。そういうものを現場の労働者が一々調べて、たくさん、これが五冊ぐらい私の手元に来ました。私はこれを見ましてびっくりしているわけですよ。こんなものが部内でちゃんと出ている。これ一冊だけ持ってきましたが、こんなのばかり五冊ある。そしてこれは、みんな署名入りですからうそじゃありません、報告しているんですから。だからこんなものを少し世間に出して、国鉄はじっとがまんしないで、世間の皆さんもたくさんおるんだから、全部に出して、これこれですから予算も要りますと、また人も要りますと、だからどうしてくださいと、運輸大臣にも言い、総理にも言う。そうしないと、こんなものを部内の職員が調査をして出すような――出すのは当然ですけれども、それが解決されないでおるということは、これは許せぬことだと思うんですよ。これも私がちょっと見ただけで、もうすぐわかることです。こんなことをなぜやらぬだろうかと思うことがあるんですよ。私は短時間にさあっと見ただけで。
 そこで、もう一つは、危険個所として白書を発表しておるのに、なぜ放置しておるのですか。特に踏切改造について、十カ年計画を五カ年間ぐらいに短縮してもらえないかと、そういうことを要求しています、資料を添えて。この問題について、総裁から伺いましょう。
#213
○説明員(磯崎叡君) 先般、組合のほうからいわゆる危険白書と称するものが出されまして、私もそれをよく見ております。もちろんその中には、私はよく言うのでございますけれども、実際毎日第一線で列車を運転し、また第一線でお客さんに接している者が、実際われわれのやっていることの一番現実の面を知っているわけでございますから、そういう話がもっともっと上のほうになまで出てこなきゃいけないと、その意味で、たしかことしの三月、動労との問題を解決した最後のときにも、そういう問題はどんどん、いわゆる管理者が言ってくれなきゃ困ると、ためておいて言ってくれては困るから、もう毎日でもいいから言ってくれと、必ずそれを吸収して具体化するということも、実は私、約束いたしておりますが、そういう意味で、管理者側としても巡回その他でもって気のつかない点もあるわけでございます。したがって毎日実際乗っておる乗務員の言うことが一番現実に近いわけでございます。
 そういう意味で、その踏切につきましても、確かにそれらを施設局その他で全部検討いたしまして、そしてその中で、後ほど数字を申し上げますが、確かにわれわれから見てもあぶなかったというもの、あるいは当分まだだいじょうぶだと、あるいはもう全然心配ないと、いろいろございます。全部が全部あしたからひっくり返るところじゃございません。多少、五段階ぐらいの段階がございますが、全部分類いたしまして、そしてやっておりますが、そのやっていることと、まあ一番あぶないというところは、やはり私のほうの管理者サイドでも、あぶないので、かねがね金をかけようとか、あるいは工事をしようというような計画の場所でございました。全然気のついてないところはなかったようでございますが、それはいずれにしてもいいんでございまして、悪いところがわかることは非常に大切なことでございますので、幸いそういうふうなこまかい資料もありますので、それについて具体的に段階別に分けまして、そして実施をしているわけでございます。
 特に踏切につきましては、最近もまた実はこの間踏切事故がございました。無人踏切等がまだまだ一万数千ございまして、私どもも非常に心配なわけでございます。一応今度の計画では、十カ年間で全部無人踏切をなくすという計画にいたしておりますが、それが先般もどなたかの御質問にお答えをいたしましたが、もう十年と言わずに、なるべく早くひとつできないかというふうに言っておりますが、ただその計画の中にも、いわゆる車禁と申します車両通行をとめるというところがございます。人と耕うん機だけ認めて、あとはもう乗用車は通ってもらっちゃ困る、トラックはだめだというところがございます。これがなかなか実は地元の了解が得られないところでございます。地元の方々はよく知っているから絶対事故を起こしませんが、たまたまよそから来たマイカーだとか、あるいはダンプカーが事故を起こすということで一地元の人にしてみれば、おれたちは絶対間違いないんだと。また事故を見ましても、よそから来た車ばかりだと、そういうところの閉鎖がむずかしくて、第一線の担当者は困っているようでございますが、いずれにしましても、整理統合すれば、そこに設備のある踏切をつくるというスクラップ・アンド・ビルドの方式でもって、なるべく早くやりたい。十年というのは、私は十年でいいという意味でなくて、なるべく短期間でやりたいというふうに思っているわけでございます。施設局のほうから具体的に数字を御説明いたします。
#214
○説明員(篠原良男君) いま総裁が骨子を申し上げましたが、具体的な数字を申し上げますと、指摘されました踏切は千三百六十一件ございまして、そのうち四十八年度中に大体四五%は解決済み、さよう考えております。いま施行中のものを入れますと、四五%は解決する。私のほうは、いま総裁が申し上げましたように、この千三百六十一件だけあぶないのでなく、要するに車の通る三種あるいは四種の踏切は全部あぶない、かように考えております。したがって約二万ぐらいでございます。この二万を立体交差あるいは車禁で車が通れない、あるいは立体交差で安全に車が通れるようにいたしたい、かように考えておりますが、なかなか地元との費用負担の問題がございまして、ある程度の踏切は残ると思います。残る踏切は、車の通る踏切は全部、いま総裁が申し上げましたように、一種全遮断にしたい、残った踏切は車禁、いわゆる車を通さないようにしたいと思います。しかし車が通らない踏切でも、学校周辺とか市街地周辺はたくさんのお客さんが一ぺんに通りますので、そこはいわゆる三種踏切ぐらいに格上げしたい、かように思っておりますが、なかなか地元との費用負担で話がつきません。極力立体交差あるいは統廃合でなくすのが希望でございますが、なかなか協力を得られないというような実情でございます。
 昨日も姫新線で事故がございましたが、これは三種踏切でございますが、無免許運転のトラックです。こういうようなものは、ことしの五月の段階でも警察庁にお願いいたしまして、警察庁から県警本部のほうに通達を出していただきまして、私のほうの現地と協力して規制方に応援していただくようにやっております。現地の実情を申し上げますと、実際になまなましい事故が起こると車禁に応じていただけるというのが実情でございまして、今後われわれも一応努力いたしまして、公安委員会の協力を得て、できるだけ車禁ずるような方向に持っていきたい、かように考えております。
#215
○瀬谷英行君 関連。
 いまの踏切事故の問題ですけれども、無免許運転だとか無謀なマイカーだとか、いろいろ事故を起こす側に確かに責任はあると思うのです。しかし、だからといって、そのことをいろいろくどくど言ってみても始まらないわけです。つまりそこに踏切があるから事故が起きるわけです。どんなに注意しろと言ったってこれはあとを絶たないと思う。そうすると、やはり問題は、根本的には高架にしなきゃならぬ、立体交差にしなきゃならぬということになると思う。地元との金の問題がどうのこうのと言われた、しかし金で済むことならば、国がこういう問題はめんどう見て解決をするというのが私は妥当だと思うのですよ。いまのように、金の問題が障害になってうまくいかないということがあれば、じゃ金の問題で地元の了解が得られないことのないように、じゃ国として負担をする率を上げるといったような方法を、これは政府が考えるべきじゃないでしょうか。この点は大臣にお伺いしたいと思います。
 それから安全の問題なんですけれども、いま小柳さんからもお話がありましたけれども、確かに最近は動揺がひどくなったんじゃないかということ、この間も私は水上へ行った際に、たまたまこういうことを論議するつもりじゃなかったけれども、どうも特急等のゆれがひどくなったんじゃないかという話が出ました。横ゆれがひどくなった。食堂車なんかで食べるのに、ころげ落ちるような状態にしばしばなると、寝台車のお話も出ましたけれども、いまのお話によると、上段に乗っていると寝られなかったと、冗談じゃないという話になるんですけれども、こういうひどい動揺というのは、しろうとにわかんないわけですよ。たとえば、どこに手抜きがあったのかどうかというようなことはわからないわけでしょう。だから、わからないだけにこわいと思うんですよ。そういう点は、やはり保守の面で十分に要員を措しまないで点検をする必要があると思うんです。
 そこでもう一つ、この十一万人の合理化の問題にまた触れますけれども、この十一万人の合理化ということ、もう先ほどから何回も問題になっておりますけれども、これが一つの目標であると、動かしがたい目標であるということになると、この目標を達成するためには、安全の面でも、サービスの面でも、全部犠牲にしなきゃならぬということになるんじゃないんですか。そういう心配はないのかどうか。安全を犠牲にしてもこれはやむを得ないと、これは十一万人合理化が至上命令であるということになると、これはしろうとにわからないところを手抜きをして、危険をあえておかすということになるということになると思うんですよ。それから、たとえば輸送需要に応じて新線の建設をしなきゃならぬという問題だって出てくると思うんです、必ず。その場合に、やはりその十一万人合理化という一つの至上命令があるんだから、だから輸送需要にも応じられない、線増もできない、新線建設もできないという問題が出てくるんじゃないんですか。そういう心配がないのかどうかということを、私はここで確かめたいと思うんです。十一万人の合理化ということのために、あらゆる問題が障壁にぶつかるということがないのかどうか。これは目標であっちゃならぬと思うんですよ。これは目標じゃなくて、あくまでも――これはできるならばそれでいいかもしれない。しかし大事なことは、国鉄が使命を達成するということが一番大事なことだ。安全に、しかも確実に、迅速に人と物とを運ぶという本来の使命を達する必要のためには、十一万人合理化どころか、逆にふやさなきゃならぬという場合だってあるでしょう。その場合には一体どうするのかという問題があると思うんです。その点を明らかにしてもらいたいと思います。
#216
○国務大臣(新谷寅三郎君) 御承知のように、昭和四十六年の、総理府を中心にしての交通対策本部、ここで踏切の安全対策について、ずいぶん各省庁が相談をして案をきめておりますね。その案に従ってわれわれのほうとしては五カ年計画をきめまして、大体緊急を要する踏切については安全対策を講じようということにしたわけです一費用の負担につきましては、御承知のように、すでに建設省との間に覚え書きを交換しております。それから国鉄もそうでございました。これは連続立体交差とか、立体交差とかいうような区別で、費用負担の問題はきまっております。
 いまのお話はそれにかかわらず、さらにもっと国が負担して、地方が出さなくても国がやったらどうだと、こういうように聞こえます。しかし、これはそう簡単に私はいかぬと思うんです。建設省が指導されまして、これは地方道もあることですから……。いま国鉄のお話しになったのは、そういう地方道についてはやはり地方が若干負担してもらわないと困るということだろうと思います。さらに関係省庁とも、一応こういった方針がきまっておりますから、このきまった方針にのっとって、踏切のさらに安全対策を推進するように、各省庁がもっと強力に指導してもらうというのが当面の問題ではないかと考えております。
#217
○小柳勇君 線路のほうは施設局長が一生懸命にがんばって完全な線路を守ると。特にこの間高崎線で事故がありまして、ダンプが列車にぶち当たって、運転手の前のフロントガラスが割れましてけがしたんですけれども、したがって、フロントガラスをひとつこの際、高速度のやつは何かこう防弾ガラスでも、割れないようなやつをつくってつけてくれという、そういう要請もありますから、これはひとつ運転局長や、あるいは阪田さんのほうで考えてもらって、早急にひとつ運転手の運転の安全の対策を立ててもらいたいと思います。
 もう一つは、基本的にはこれだけスピードアップいたしまして、しかも過密ダイヤですから、たとえば信号機の建植位置なり機関車の前照灯あるいはトンネルの中の照明灯あるいは運転手の対車内、対車外の通話施設の改良など、スピードに見合った施設の改良というもの、そういうものは、もう早急にやらなきゃならぬと、これはスピードアップして、スピードアップ以上にやっておきませんと、運転の安全はないんだけれども、その仕組みといいましょうか、計画といいましょうか、そういうものをひとつ御説明願います。
#218
○説明員(阪田貞之君) 国鉄の事故の中で一番大切と考えておりますのは、先ほどの踏切事故と、ただいまの御指摘のスピードアップをはじめといたします列車を運転する間に起こる過失、これに対しまして、どうやってこれを防備しなければならぬかということにつきまして、だんだん新しい車両が出てまいりまして、基本的にスピードアップによってどういうまずさができるかと、あるいは列車回数がふえていくと、どういうところにまずさが出てくるかというところから乱れの問題あるいは併発事故の問題あるいはその他乗務員の注意力、これらをどういうふうにカバーするかということを、まあ組織的に分析しながら対策をする。そのうちのおもなものは、たとえばCTC――CTCと申しますのは、列車群を管理するのを中央に集めますと、それによりまして、一たび列車が乱れたりしたときもあとの集約が非常に早くなります。また現場の職員が信号機やなんかを一々取り扱う必要がなくなります。それによりまして人のミスがなくなるようにするためのCTC、あるいは、そういうその乱れたときに中央の指令から乗務員に対しまして適切な指示がすみやかに到達するための無線、いわゆる情報の伝達装置、これの強化を行なっております。
 それからいま一つ大きいのは、山手線のようなところには、ただいまATC――ATSからATCへの採用をただいま考えております。そのほか信号機改良につきましては、これは現場で一生懸命働いておる職員、特に乗務員やなんかの声は、私どもとしてはできるだけとっておるつもりでございまして、先ほどのお話しの白書に出ている件数よりもそれに倍した件数を年々改造を行なっております。
 その他こまかいところでは、先ほど御指摘の、前面ガラスをはじめとする車両の前面強化につきましても、いま一生懸命に、できるものはもうどんどんやっておりますが、できない車に対する研究も続けておりますし、あるいは運転台自身の構造と申しますか、乗務員の最近急行は全部高くなっておりますが、そういう高さを高くするとか、できる限りそういう手を打ちまして、このようなスピードアップをはじめといたします列車の近代的な新しい体制に対応する処置を研究し、できるものから具体化しているような実情でございます。
#219
○小柳勇君 ほんとうに、私が見ましてもたいへん、すぐなさなきゃならぬようなものがありまして、スピードが八十五から百になりますと、制動距離も相当伸びますし、それに相応する安全装置というものは当然やらなきゃなりません。したがって、こういうようなものがあります、その処理ですね、団体交渉を熱心にやっておられると思うけれども、特に予算を伴うものがありますから、総裁に逐次報告をして、運輸省に言って、そうして急ぐものからちゃんとやっていくという体制をとってもらいたいと思うわけです。
 要員計画で、一年に一万人余り退職するが、あとの新規採用がないから新陳代謝をしないと、若い者がどんどん国鉄職場にいなくなったということですけれども、これはどういうふうにして今後解消しますか。
#220
○説明員(加賀谷徳治君) 国鉄の仕事は特に夜間の勤務あるいは屋外の仕事あるいはたくさんの人命財産を預かって、責任ある運転業務といったようなものがあるわけでございまして、基本的にはかなり新陳代謝をしていくということが必要になるわけでございます。特に御承知のように、人員構成、戦中戦後の影響を受けまして非常に悪くなっておりますが、幸いにして合理化も協力してもらって進めておるということと、それから長い間の慣習でございます、五十五歳になりましたら退職を勧奨するというような問題も、いまのところは年々組合との話し合いで協力してもらって進めておりますので、一応予定の程度の新規採用、そういったようなものは採用できておるわけでございます。ただ合理化が進みますと、要員構成の問題に影響する問題としまして、ある程度、一番単純な労務作業と申しますか、そういったようなものがだんだん少なくなってまいりますから、それよりも一段上の判断作業とか監督作業とか、そういったものに変わってきまずから、以前のようにぐるぐる新規採用が行なわれなきゃならぬという性格とはだいぶ変わってきてますが、しかし、そういう一番下の労務作業といったものにつきましては、われわれとしても常に労働力を確保していかなきゃならぬということで、苦労しておるわけでございます。
 その点につきましては、今後とも組合とも話し合い、あるいは合理化の協力を得ていくということが、非常に大切になってまいるわけでございます。
 それから、もう一つは若い者のそういう労務作業についての定着性といいますか、特に都会地なんかにおきましては、ぼつぼつわれわれも警戒しなきゃならぬというようなことも出ておりますが、これは一般の産業に比べましては非常に定着性がいい企業だと、数字は省略いたしますが、言えると思いますが、しかし昨今の労働需給市場の状況からいきまして、いつ大きなショックがくるかもわからぬというふうなことは考えておるわけでございまして、そういった意味におきましては、とにかくやはり合理化、機械化、近代化といったようなものによって、そういった仕事をやはり減らしていく、なくしていくというようなことも大いに推進しなきゃならぬとこういうふうに考えておる次第でございます。まあ一応いまの計画で、ある程度の新規採用の計画も持っておりまして、そういったものを極力補充して、仕事には差しつかえない体制に持っていきたいというふうに考えております。
#221
○小柳勇君 東京周辺や、あるいは阪神周辺など、若い青年、たとえば高率の諸君が競って入社を希望していますか。
#222
○説明員(加賀谷徳治君) 現在、東京あるいは大阪なんかになりますと、その周辺においては採用数を充足するというのは非常にむずかしゅうございます。したがって地方へ参りまして、地方の採用と一緒にいたしまして、東京希望者をそのまま採用してくるという形をとっております。そういった傾向がございますので、私どもとしましては、宿舎その他いろんな面で、都会地においては定着性を持たすような措置を重点的に講じていかなきゃならぬ、また現にやりつつあるというふうに思っておる次第でございます。
#223
○小柳勇君 そういう問題が国鉄の労働組合から出ていますから、したがって、まあこれは待遇の問題が一番でしょう。さっきも軌道掛の話がありましたけれども、昔の話をすると笑われますけれども、入社しても給料は五割ぐらい高かったんです。最近は同じですから、なかなか軌道掛になり手がないのでしょう。そういう問題も、きめこまかに考えてもらって、しかも優秀な主星が入るような職場をつくりませんと、次の時代の国鉄は滅びてしまいます。せっかく再建法が通ったにいたしましても、再建できないうちに滅びてまいりますから、優秀な青年が次々に何倍もの競争率で入れるような、そういう国鉄をつくらなければならぬと私も希望いたします。そこで、こういう団体交渉がなされておりますから、機会あるごとに交渉して、問題を早く解決してもらう、そして職場に不満がないようにしてもらいたいと思いますが、これはいま決意を聞くまでもないことですから、ひとつ早く問題を解決して、職場に不満がないようにしてください。
 次は、小さい問題でありますが、これも長い懸案でありますから。公安官がいま警察官と同じような服装で職場や、あるいは列車に乗っています。で、まあ労働争議の前面に出るものですから、不満もありますし、同時に私ども列車に乗っておりまして、警乗警官と同じような服装でありますから、できれば一般職員と同じような服装にして、警察吏の資格はもちろん勉強してとってもいいから、まあ胸に記章をつけるか何かして、列車内の警乗するようなときは、車掌の勤務もするような、あるいは旅客掛の勤務をするようなことで配置できないものであろうか。それから駅のお客さんに接するときも、必要があれば警察官を導入していいから、一般職員と同じような服装で、その中で特に必要があれば警察吏の職能を行なうような辞令を出すとか、もうこの際、犯罪は警察にまかせて、そして職場の秩序は職員みずから守ると。たまたま公制審が出たいい時期でありまして、これからあと質問いたしますけれども、労働争議に対しましても考えが変わっていかなきゃならぬと思うんです。労働争議のための公安官とは言いません、戦後のあの荒廃した中で荷物を守り、あるいはお客を守ってきたんですから、労働対策だけとは言いませんけれども、もうこの際、警察官と同じような服装をした公安官は必要ないのではないか。もし定員が必要であるならば、一般職員と同じように身分を変更して、特に試験受けさして警察吏の任務を与えたらどうか、こういう見解ですが、いかがですか。
#224
○説明員(加賀谷徳治君) 公安官の問題でございますけれども、いま先生のおっしゃる御趣旨もよくわかるのでございますが、まあ専門のものでなくても、何というか、駅の営業掛とか、あるいは列車乗務員とかいうような、兼用と申しますか、そういったことでやったらいいんじゃないかということも一つだと思いますが、保安制度ができましてから、かなりこれは、非常にいろいろな意味で業務量がふえておる。まあ世の中の変化も非常に激しいし、利用客がふえておる、あるいはそれに対応いたしまして、列車なんかも非常にふえているにかかわらず、公安はずっと増員もせずにやってきておりまして、公安そのものとしての仕事といいますか、そういった業務量はけっこう多いかっこうになっております。したがって、とても片手間で、兼用でというような形にはなりませんで、そういうものをやめましても、また別な意味で人をふやさなくちゃならぬということになるかと思いますが、諸外国においても、御承知のように、専属の公安官というものを配置しているのは御承知のとおりでありまして、まあいま制服の問題も出たわけでございますが、私どもとしましては、そう旅客に不快なイメージを与えるような形の制服をやっているわけではございません。また制服を着せておるというつもりではございませんが、一つの旅客の輸送、まあたくさんの旅客を扱う、たくさんの荷物を扱うというような場合、やはり国鉄の運転上の安全の問題とは全く違いますが、一つの安心感と申しますか、非常に安心感を持って旅行ができるというような形の、ある意味のサービスと申しますか、そういったようなものも非常に必要でございます。そういったような場合には、制服によって、きちんとした服装をして、旅客にはっきりした識別感を持たすといいますか、安心感を持たすといいますか、そういった意味におきましては、どうせこれはかなりの業務量がございます。專念しなきゃならぬわけでございますから、そういった面も必要じゃなかろうかというふうに私ども考えている次第でございます。
#225
○小柳勇君 公安官制度については、労働組合からの長い要求ですから、ある時期には考えてもらいたいと思います。もちろん警察官を呼ぶには時間がかかるというならば、警察官あるいは警察吏の職務を行なう試験を受けて、あるいは身分を持っておってもいいから、画然と、警察官と同じような姿の公安官というものは、もう鉄道から姿を消したらいいのではないかと、こう思うものですから、一ぺん検討してもらいたいと思います。
 もう一つは運輸長制度の問題でありますが、定員表を見ますと、十年ぐらいの間に管理職と労働者との、いわゆる労働職といいましょうか、現場一線の職員との数の比率が少し変わってきたと、それから組合員と非組合員というようなもの、これは非組合員は組合を脱退すれば非組合員になりますから数はあまり厳密に言えませんが、それにしても運輸長制度などで、いわゆる管理職というものの数がふえておるのではないかと思うわけです。運輸長制度については、いろいろいい面もあるようです。たいへん機動的で、潤滑油的な、あるいは部内におけるサービス的なものもあるというふうな話も聞きましたけれども、いままで私どものイメージでは、国鉄の紛争がありますと、その職場に行って現認要員になるのが運輸長制度だというような印象がありますものですから――運輸長制度についての検討がなされておるかどうか。
#226
○説明員(加賀谷徳治君) 運輸長の仕事は、先生御承知と思いますが、一応運輸に関する現業の業務、そういったようなものの実情をよく把握して関係機関あるいは関係職員の実際的な業務指導をすると、それからまた、いまサービスという話も出ましたが、輸送サービス上いろいろ問題がないか、輸送サービスをますます向上さすという意味において、問題がないかといったような観点から、いろいろ実情を把握し、実際に指導するということ、それから一朝有事の際、災害とか事故、それはあっちゃいかぬですが、そういったような場合に応急の処置をする、あるいは現地の直接の指揮をすると。これはふだんの運輸業務に携わるもののみならず、事故の場合は各業務機関を全部把握してやるということでなければいけませんので、そういったような意味におきましては、実際の現地の指揮に非常に有用なわけでございます。その他いろいろございますが、そういったようなことが主体になっておるものだというふうに考えるわけでございます。
 したがって運輸長というのは、ただいま申し上げました業務の一つの各系統間にわたっての推進機能をになうと同時に、よく実態を把握して、そういった現場の状況を本局の施策に反映させるというような意味で、非常に重要な機関であるというふうに私ども考えている次第でございます。
 いま、したがって、やってまいりまして、もう運輸長制度は二十年たつんでございますが、私どもの現場にはむしろ定着した機関だというふうに、なくてはならない機関だというぐらいに考えている次第でございます。そういった点につきましては、決して屋上屋の仕事の形にはなっていないというふうに確信しているものでございまして、これの制度については、今後とも維持してまいりたいと思います。
#227
○小柳勇君 専門的な問題ですから、しかも歴史的なものですから、皆さんの経験は高く評価しなきゃなりません。
 ただ、いろいろ問題になっているものですから、ここに、総裁に対する申し入れ書などの中にもちゃんと書いてあるものですから、こういう機会に問題を提起いたしておきますから、どうして問題になるのかということを一ぺん検討してもらいたいと思うんです。それと、廃止する廃止しないよりも、なぜ公安官制度とか運輸長制度が労働組合の問題になっておるのかと、そういうところに問題がありますから、その点をひとつ検討してもらいたい。そういう趣旨でお聞きいたしました。
 次は、第六の大きな問題、セクションですが、公務員制度審議会の答申が出まして、これに対して政府なり国鉄当局はどういう措置をされるか、この問題を論じたいと思います。実は前田会長個人の意見も相当ありましたので、前田会長がおられたら御出席を願って、疑義ある点をただしたかったんですが、いま外遊中でありまして、ついにそれができませんでした。したがって、政府に対する質問だけきょうはいたしたいと思います。
 まず、総務長官おられますか。――じゃ総務長官の問題はあとにいたしまして、労働省として、この公務員制度審議会から出まして、特に三公社五現業などに対して、労働省として行政指導その他指導されたようなことがあるのかないのか。あるいは総務長官が中心になって、今後の措置について、いろいろ協議などしておられるでしょうが、労政局長として、この答申に対する見解なり、今後労働省としてはどういう動きをし、どういう努力をしようとしておられるのかお聞きいたします。
#228
○政府委員(道正邦彦君) 公務員等の労働関係の基本に関する非常に重要かつ困難な問題につきまして、第一次公務員制度審議会以来、実に八年間にわたりまして、終始御熱心に取り組まれ、全会一致をもって答申を作成されました前田会長はじめ委員各位の御努力に対しましては、心から敬意を表している次第でございます。
 政府といたしましては、本答申の趣旨を尊重することは当然でございますが、この答申を契機といたしまして、基本的には公共部門におきまする労使関係の正常化に一段と努力をしてまいりたいと思います。
 この答申にはいろいろ書いてございますけれども、労働省の担当部門は一番最後にございます三公社五現業等の争議権の問題でございますが、この点につきましては、先生も御承知のとおり、争議権を認めるべきではないという意見あるいは国民生活への影響の少ない部門についてのみ認めるべきだという意見、さらに一定の歯どめをつけて認めるべきだという意見、この三論を併記いたしまして、なぜ三論併記になったかという理由を書き、最後に政府としてこれらの点に留意し、可及的すみやかに争議権の問題を解決するために、当事者能力の強化の検討と相まって、三公社五現業等のあるべき性格について、立法上及び行政上の抜本的検討を加えるものとするという答申をいただいているわけでございますので、この趣旨に沿って努力をいたしたいと思います。ただ、この点につきましては、労働省限りでできない問題も含んでおりますので、関係省庁と十分連絡をとりまして、政府としての態度を決定してまいりたいというふうに考えております。
#229
○小柳勇君 そこで、総務長官が見えましてから、総務長官の分担についてあとで聞きます。
 運輸大臣に質問します。先般も森中委員や鈴木委員から見解だけは聞いたようでありますが、重ねて質問いたしますのは、八年間にわたりまして、慎重審議してこられた。その間に労使紛争が再々ありました、国鉄労使間にですね、あるいは三公社五現業あるいは公務員。そういう八年間の労使紛争の過程の中で、委員各位はさまざまな受け取り方をされたでしょう。そしてついに今日の結論というものが出たわけであります。
 私はいま国鉄運賃値上げ及び国鉄財政再建法を論議いたしておりますから、三公社五現業の中で、特に国鉄を中心に公労法の問題をお尋ねするのですが、まあ私も経験がありますが、一番国鉄労働者としてじれったいのは、せっかく団体交渉しましても、大事な賃金問題などが論議されないというようなことです。そしてストライキがあり、あるいは順法闘争がある。争議がありますと、あとまた処分がありました。それを繰り返してきました。そういうものを踏まえて、いまここにこういう答申が出たのでありますが、これが出た今日、運輸大臣は国鉄労使に対してどういう処置をとっていかれるか、お聞きいたします。
#230
○国務大臣(新谷寅三郎君) この答申に対応してどうするかということにつきましては、総務長官も見えましたし、ただいま労働省の関係官から労働省としての態度を説明したとおりでございまして、国鉄の問題につきましては、三公社五現業の一つでございますから、この全体の政府の方針を早く確立してもらって、この答申の趣旨に沿って善処をしなきゃならぬと思っております。
 それから国鉄の問題についていろいろ御心配をいただいておりますが、いまお話の点は、国鉄の労使が最近になって非常に紛議を起こして、ときどき公労法において禁止されているような争議行為をあえてしているというような事態が起こりまして、まことに残念に思っておる次第でございます。全体の当事者能力の問題これは答申にも指摘してありますが、もっと当事者能力の強化をはかって、当事者間による妥結の範囲をできるだけ広げるように努力しろということを書いてございます。これも考えなきゃならぬ問題でございますが、この点は三公社五現業を通じまして、政府の対策をきめて、それにのってやる以外はないと思います。
 国鉄労使について特に申し上げたいと思いますことは、やはり現在の法律があるわけでございますから、私は一方において、この法体系は守ってもらいたいと思うことが一つでございます。それからもう一つは、いま御指摘になりましたように、国鉄の労使間にはまだ解決のされてないたいへんな問題がたくさん残されておると思います。こういった問題につきましては、争議のときにだけ、何か問題がありましたときにだけ取り組むということでなしに、これはもうふだんからこういった問題に一つ一つ取り組んでもらって、問題を煮詰めてもらう、労使間の紛議の材料をできるだけ詰めていくという努力は、これはふだんからしなきゃならぬことだと考えております。それがひいては労使間の信頼感を回復する一つの大きな柱になるのじゃないかと思っております。この点については、ふだんから労使間が話し合いをして、問題になる点を煮詰める努力をしてもらいたいということを、絶えず国鉄当局に対しては指示をしているわけでございます。
#231
○小柳勇君 総務長官がお見えになりましたから、総務長官に質問いたしますが、いま公務員制度審議会の答申について政府の見解を聞こうといたしておりますが、御存じのように、国鉄の労使間では長い間いろいろ紛争の事態が発生いたしました。世間の批判を受けたこともあります。で、ただ朝晩顔を合わせながら、国民の足を守るために懸命に労使とも働いていることは事実です。ところが職場にいろいろ不満があります。あるいは賃金が安いからこれを総裁に要求する。ところが、総裁としては当事者能力がないために自分で解決できないで第三者機関にゆだねると、それでまあ不満で、それでまた実力行使をやる、ストライキをやって処分が出る。処分がでるからまた今度は順法闘争が起こるという悪循環をやってきた。それをどうして解決するかということで、公務員制度審議会が現在の公労法――法律の改正を含んで今度答申が出されています。
 特に政府にお伺いしたいのは、可及的すみやかにこの答申の趣旨に沿って労使に対する立法措置、行政措置をとりなさいという答申が出されております。これを受けて、政府としては可及的すみやかにどういう措置をおとりになったか、あるいはなろうとしておられるのか、お聞きいたします。
#232
○国務大臣(坪川信三君) 御案内のごとく、多年の国民的重要な課題でありました本問題につきまして、九月の三日内閣総理大臣に対して答申がなされた次第でございます。その間、会長あるいは三者のそれぞれの委員の方々が真摯に討議を続けられました努力に深く敬意を表し上げておる次第でありますとともに、従前から政府の態度を申し上げましたとおり、その答申を十分尊重しながらこれに対する方途を講じたいと、こう考えておる次第でございますが、御承知のとおり、当の答申の内容、まことに広範多岐にわたっておる内容でございます。行政的に、法制的に、可及的にこれに対するところの取り組み方を、やはり答申の線に沿っていたすべきは当然でございます。
 しかし、いま申しましたような広範多岐にわたっておるような状態でございますので、労働省を中心にしまして、その問題点等の検討をいま直ちに開始いたしておるような事態であることを、そのまま申し上げて、政府といたしましては誠意をもって、可及的にその対処すべき問題点の解明あるいは措置等について、各省庁間の連絡をもうすでに数回開始いたしておるということで取り組んでおるということで、ひとつ御理解賜わりたいと、こう思っております。
#233
○小柳勇君 人事局長が見えておりますから。いま長官が言われました、答申が出ましたあと、数回関係者が集まっていろいろ協議しておるとおっしゃっておりますが、具体的にはどういうようなことでございますか。
#234
○政府委員(皆川迪夫君) 答申――審議会の事務局を私のほうでいたしました関係上、この答申の取り扱いにつきまして各省間のお世話役という立場で何回か御相談をいたしております。現在の段階では、まず答申の趣旨をどういうふうに理解をし、これはまあものによっては当然そう吟味をしなくてもわかるものもあるわけでございますけれども、まあそういう内容の理解と、これに対して直ちに措置できるものと、法律の改正を要するものと、それから基本的に重要な問題をかかえておるものと、まあ何種類かに分かれる事項があるわけでございます。そういう点につきまして、全体的にどういう取り扱いをしていこうかということをいま相談をしておる最中でございます。
#235
○小柳勇君 まああと問題点が告干ありますが、第四次公制審をまた設置されて、そのあとのいろいろな問題を第四次公制審にゆだねるのではないかという懸念がありますが、坪川長官、政府はどうお考えでしょうか。
#236
○国務大臣(坪川信三君) 巷間そうした想像的な論議とか、あるいは予想的な点を論議あるいはそうした点の期待をお持ちになる方、あるいはそれではだめだと、いろいろ予想のなにがあることは私承っております。政府といたしましては、いま重要な答申がなされました現時点において、いま直ちにそうした第四次の審議会を持つというような煮詰まった考え方等、まだ何もいたしておりません。率直に私申し上げて御理解を願いたい、こう思います。
#237
○小柳勇君 労政局長に質問いたします。両論併記などたくさん問題があります、答申の中には。きちっと一つの結論が出ていない面もあります。いま坪川長官がおっしゃいましたように、労働法上あるいは労使慣行上まとまっていないような意見は、まあ担当は労働省でありましょう、労働法を扱っておりますから。労働省で整理統合されて、今後どうするかをまた総務長官のほうで検討されるものと思うが、問題点の摘出など、あるいはその両論を併記したものの扱いなど、労働省で論議されたことがありますか。
#238
○政府委員(道正邦彦君) 今回の答申の内容は、争議権の問題だけを取り出して検討することは適当でない、当事者能力の強化の検討と相まって三公社五現業等のあるべき性格について検討をしろ、もちろんその目的は争議権の問題を解決するためということでございますけれども、争議権の問題だけを切り離して検討するというふうにはなっておらないわけでございます。
 したがいまして、この答申の具体化にあたりまして、政府として関係省庁の協力がどうしても必要になるわけでございまして、労働省だけで処理できないわけでございます。そういう意味で、先ほどもお答えいたしましたように、関係省庁とも十分協議いたしまして、政府としての態度をきめてまいりたいというふうに考えるわけでございます。
    ―――――――――――――
#239
○委員長(長田裕二君) この際、委員の異動について御報告いたします。菅野儀作君が委員を辞任され、その補欠として竹内藤男君が選任されました。
#240
○小柳勇君 この答申に現業職員の争議権については、いわゆる三論併記になっておるが、これは現業職員の認識に相違があることを答申は指摘しておる。しかし、政府としては、これらの点を留意し、可及的すみやかに争議権の問題を解決するため、当事者能力の強化と相まって、三公社五現業などのあるべき性格について、立法上、行政上の抜本的検討を加えるものとすると、スト権をささえるような方向を示唆しておりますが、この問題について論議されたことはありますか。
#241
○政府委員(道正邦彦君) この答申を受けまして関係省庁が集まりまして打ち合わせ会等を数回いたしておりますことは、先ほど総務長官並びに人事局長からお答えがあったとおりでございます。で、関係省庁がそれぞれ検討をしなければならないわけでございますけれども、ただいま先生御指摘の点につきましては、関係省庁が文字どおり相協力して、協議の上決定しなければできない性格のものだと思います。そういう意味で、争議権の問題を解決するためではございますけれども、関係省庁の協力を得ながら解決をはかっていく問題でございます。もちろん労働省として検討すべきことは従来も検討いたしておりまするし、今後も鋭意検討することは当然でございます。
#242
○小柳勇君 坪川長官の答弁によりますと、第四次公制審は考えていないということであります。したがいまして、第三次公制審のこの答申というものが、これから労使関係を正していくわけでありますが、労使省として、この可及的すみやかというのは、一体いつごろまでというふうに理解しておられますか。
#243
○政府委員(道正邦彦君) 可及的すみやかにでございますから、なるべくすみやかにということだと存じますけれども、しかしながら、答申にもございまするように、三論併記になった経緯は、非常に複雑かつ困難な問題を内包している結果でもございます。それを受けまして「これらの点に留意し、」ということてございますので、いつごろまでにその結論が出るということを、いまの段階で申し上げるわけにはまいらないと思います。
#244
○小柳勇君 運輸大臣、前文の中で、「この答申による制度改正が行われるまでの間においても、答申の趣旨にのっとり労使関係改善のために、労使はもとより政府としても最大の努力を払うべきものと考える。」そういうふうにうたわれております。労使関係というのは常に動いております。もうきのうも相当団体交渉があったように承っておりまするが、労使関係というのは休んでおらぬわけですね。公制審は解散になりました。この答申が出て、これを契機に解散になっている。でも答申には最後にこういうふうに書いてあります。制度改正が行なわれるまでの間においても労使間の是正については、労使及び改府は最善の努力を払えと書いてありますが、運輸省としてはどういうふうな努力を払われるつもりですか。
#245
○国務大臣(新谷寅三郎君) 先ほどお答えしたとおりでございます。労使間には制度的な問題は別といたしまして、絶えず大きな問題小さい問題についての意見の相違があることは、あなたも御指摘になったとおりでございます。先ほどお答えいたしましたように、そういった問題については、国鉄当局に対しまして、ふだんからそういった問題を掘り下げて、お互いに話し合いをし、意思の疎通をはかりまして、それによって労使間の信頼感を回復すると同時に、そういう紛争の種になっている問題につきましては、国鉄ももっと率先して、労使の間の問題の解決に当たりなさいということを絶えず指示しております。これによって、もし政府として、つまり運輸省といたしまして、そういう問題の解決のために、できることならば、これは運輸省も考慮をしていこう、こういうことで努力をしておるわけでございます。
#246
○国務大臣(坪川信三君) 小柳委員の御質疑にお答えいたしました点で、誤解といっては失礼でございますが、間違って解釈をされますといけませんので、御了解賜わりたいと思いますことは、先ほどの御質問の中にあって、第四次公制審を発足する意思ありやいなやという御質疑に対しまして、私は現時点におきまして考えていないということを申し上げたので、その点はひとつ御理解賜わりたい。いま答申がなされた直後、重要な問題点を各省庁あげて取り組んでおるさ中であるということを申し上げての上でございますので、その点ひとつ率直に受けとめていただきたい。
 それから、もちろんこれらの処置、今後の問題点の取り組みについては、総理府が中、心になるということば当然でございますので、先ほど私、労働省を中心というような、ちょっと違ったようなことばのあやがあったことを私は思い出しまして、この点も総理府が責任をもって、労働省その他関係省庁と十分連絡を、しかも労働省の立場はことに大事だという意味で申し上げた点を、御理解賜わっておきたいと、こう思っております。
#247
○小柳勇君 長官がわざわざ修正されましたが、第四次公制審も、あるいはまた設置しなければならぬのじゃないかという心配もあるのですか。
#248
○国務大臣(坪川信三君) そんな心配は何も持たずに、純粋な気持ちでおるということでございます。
#249
○小柳勇君 わかりました。
 そこで労使関係というのは、もういまも生きて動いているわけです。そして三公社ともこの答申が出る前、労使間の紛争がありまして処分問題があったということが巷間に伝えられておる。公制審から出ましたんですから、労使間の正常化という大きな目標を持っていま答申が出ておるのでありますから、したがって、まあ過去に起こりましたような紛争は、この際ひとつじっと両方とも対峙をして、過去のものは一応凍結をして、ひとつ新たな関係をこれからつくっていこうと、こういうものがこの答申に出ている、立法措置や行政措置ができるまでの間でも、ひとつすみやかに労使間の関係が正常化するように努力しなさいよと書いてある意味だと思うが、各三公社に、あるいは五現業に対して、総理府総務長官として、この立法措置や行政措置ができるまで、もうあまり労使紛争のようなことはやるなと、そういうようなことを労使紛争の種になるようなことはやらせるなと、そういうような努力はありますか。
#250
○国務大臣(坪川信三君) ほんとうに労使の関係の改善をいたすということは、非常に私は国家的重要な使命感であると、こう考えております。ただ過去の問題等について、これをやはり凍結してしまえと、あるいは凍結する方向でこれを考えたらどうかという御意見でございますが、これはやはり現行の法的立場からいってみましたときに、過去のそうした紛争を凍結するというようなことをいま軽々に申し上げることは私はやはりお考え願いたいと、こう思っておりますので、御心配になる改善の方向に全努力を尽くすという姿勢で取り組むということだけ御信頼賜わりたいと、こう思っております。
#251
○小柳勇君 国鉄総裁に。大体いまの総務長官の答弁を受けまして、いま非常にいい時期に来ておると思います。長い間悪循環を繰り返してまいりました労使間の紛争というものを、解決すべく一つの指標が立てられた。こういう直後でありますから、過去の問題の処理などいろいろありましょうけれども、この際はひとつ政府の努力と相まって国鉄労使間とも政府の努力にこたえるというようなことで考慮をされたいと思うんですが、いかがでございますか。
#252
○説明員(磯崎叡君) 私どもといたしましても、この答申はよく読ましていただきました。この答申の前文にございますとおり、御指摘を受けましたとおり、かねてから労使相互の不信感を排除いたしまして、そして労使関係の正常化をはかり、いわば節度のある労使慣行を確立しようと努力してまいったわけでございます。この答申による制度改正が行なわれるまでの間におきましても、この基本的な考え方に沿ってまいりたいというふうに考えます。
#253
○杉山善太郎君 小柳委員の問題について関連。
 公制審の最終答申に関連いたしまして、ことばのあやではなくて、「可及的すみやかに」という、そういう一つのうたい文句もありますが、客観情勢は、せっかく御承知のとおりだと思いまするけれども、労働組合四団体はもちろん三公社五現業等を含め、民間も含めて、最終答申に対して、政府の姿勢と政治姿勢という問題について重大な関心を持っていることは、これは疑いのない既成の事実であります。
 したがいまして七三春闘の総括の上に立って、主体的にはインフレ下の一体労働者の生活という問題に関連をして、やはり十二月の時点では、当面の一時金の要求というものに不可分な関係を持って、いわゆる七三春闘、この春闘に関連をして、やはりこの「可及的すみやかに」ということについて、一体スト権の復元闘争というものが、賃上げや定年制の延長と関連をして最も大きな柱になっております。
 したがいまして、いまいみじくも第四次公制審云々という論議がだれ言うとなく一つの爼上にのぼってきておりますが、それは別の問題として、問題の焦点は可及的すみやかに公制審の最終答申に基づいて、問題の焦点が具体的な緒につけば、おのずから問題は軌道に乗ってくるとこう思うのでありまするけれども、その「可及的すみやか」というような、そして政府、省庁の相互間において、せっかく検討中であるというようなことに対しまするというと、当然この国鉄のやはり合理化の問題あるいはそういう問題について、大きな影響を持ってくるんだというふうに考えておりますので、この点について、まあきょう労政局長が来ておられまするが、やっぱり中心は、何といってもジェンクス事務総長の勧告であるとか、ドライヤー勧告というもの。そしてILOの関係について、直接のパイプの主軸は労働省が持っておられるということ等々含めて、もう少しきちっとした、たとえば労働団体四団体は、これは「可及的すみやかに」というものは、少なくともやはりこの七三春闘、つまり七〇年のいますでに総括されております、総括の過程にありまするけれども、当面、来春の春闘について大きな問題が起きるか起きないかという問題について、非常に大きな問題が今日派生する前夜的な情勢の中にあるというふうに、私は理解をしておりまするので、ひとつ実のある、現段階における、それはこういうふうに考えるというような、ひとつ見解を表明しておいていただきたいというふうに考えております。
#254
○政府委員(道正邦彦君) いわゆるスト権の問題が、従来にも増しまして、今後大きな労使間の問題になることは御指摘のとおりかと存じます。ただ答申を受けました現段階におきまして申し上げられますことは、答申の趣旨を尊重して臨むという基本的態度は、政府部内に異論はないわけでございます。ただ具体的な問題になりますと、審議経過等も十分に慎重に検討をしなければなりませんし、また労働省限りでは処理できない問題でもございますので、関係省庁と十分に協議して、政府としての態度を決定し、その結果可及的すみやかに争議権の問題を解決する方向で努力をいたしたいというふうに思うわけでございます。
#255
○杉山善太郎君 不満ですね、もう聞きません。全く納得いきませんが、やめます。
#256
○瀬谷英行君 「可及的すみやかに」というのは、なるべく早くという意味でしょう。ところがいままでの答弁ではさっぱりわからぬですよ、これは。事態は急を要するということはわかっている。ところが終着駅がはっきりしないです、これは。一体年内にきまりをつけるということなのか、今月中にきまりをつけるということなのか、その点ははっきりできないのか。もしできないとするなら、その点も答えられないということであれば、いま運輸大臣、総務長官、労働大臣の代理がいるけれども、これは質問しても意味がないですね。じゃあ一体きょう答弁できるのはだれなのか、総理大臣でなきゃ答弁できないのかということになるんです。これはいろいろ美辞麗句は別として、スト権の問題はどうするかということなんですよ、端的に言えば。そうでしょう。だから終着駅をはっきりしてもらいたい。いままでの答弁は、終着駅がはっきりしていないですよ。東北新幹線みたいなものです。盛岡どまりになっている。それから先ははっきりわからない。この点ははっきりできないのか、できるのか。いまたとえば、じゃ運輸大臣なら運輸大臣にもはっきりできない、総務長官にもはっきりできないというならば、これは、しょせんはきょうははっきり答弁できないと言われるのか、あるいは総理のほうから、この点ははっきりさせることができるということなのか。その点、はっきりさしてもらいたいと思うのです。
#257
○国務大臣(坪川信三君) お気持ち、また御発言の御趣旨もよく理解いたしておりますけれども、私から申し上げるまでもなく、非常にこの問題について勉強されている委員として当然だとも思いますけれども、御承知のとおりに、八年間かかってこの問題が、三者あらゆる立場から熱心に討議がされ、いろいろ問題点が出てまいっておる。この八年間、この問題の結論がそれぞれはっきりと出てこれないところに本問題の私は重要性と厳粛さがあるのではなかろうか、こう思うのでございます。そうしたことで「可及的すみやかに」という、このことの公制審の答申もよく理解できます。
 しかし、それほどまでの重要な、厳粛な問題であったから、政府といたしまして、これに対するところの画然とした明確なるところの方向の決定を直ちに行ない得ないという立場も御理解いただきたい。その理由はもう申し上げるまでもございません。いわゆるこの事業のあるべき性格、事業予算に対する国会の審議権の確保あるいは必要性、きわめて重要な、しかも困難な検討事項が幾つも幾つもあるということでございますので、政府といたしましては、それらの問題点を尊重いたしながら、具体的にどう取り組み、対処すべきであるかというところに鋭意検討しておるのだという、率直な政府の立場も、気持ちもひとつ御理解賜わりたいと、こう思っている次第であります。
#258
○小柳勇君 繰り返して言いますけれども、労使関係というのは、生きてきょうも動いているわけです。長官は大上段に振りかぶりまして、政府の基本的にはもう一応受けたのだと、いまいろいろこう調査しているのだとおっしゃいますけれども、もうすぐ暮れが参りますし、来年の春が参ります。同じような、この答申が出る前と同じような状態が、たとえば半年など、もしも続くといたしますならば、この答申が何のために出たか、これは田中内閣の怠慢と言わざるを得ないのです。もしこれが放置されるとするならば。そこで、争議権の問題についてもこう書いてあります。「したがって、政府としては、これらの点に留意し、可及的すみやかに争議権の問題を解決するため、前述の当事者能力の強化の検討とあいまって、三公社五現業等のあるべき性格(特に、国民の税負担との関係)について、立法上および行政上の抜本的検討を加えるものとする。」、こう書いてあります。「可及的すみやか」をさっき質問いたしますというと、のらりくらりですね。これ、もし一年放置するといたしますならば、公制審に逃げ込むのではないかと、われわれが言ったのと同じ結果になってしまいます。
 したがって、これからどうされますかは最後に聞くことにいたしまして、一番問題なのはこの当事者能力でございます。これにも書いてあります。「前述の当事者能力の強化の検討とあいまって、」と書いてあります。いままでこの三公社五現業でストライキや順法闘争と世間に騒がれました一番大きなものは、私は当事者能力が欠如しているからだと思います。この問題につきましては、過去にもたびたび審議会などで指摘されております。たとえば昭和二十九年十一月の臨時公共企業体合理化審議会、昭和三十一年二月の臨時公労法審議会の答申、三十二年の十二月の公共企業体審議会の答申、三十八年十月の臨時行政調査会第二専門部会報告、昭和三十九年九月臨時行政調査会答申。このように過去何回も当事者能力を強化せいと、そう政府に答申が出されているわけです。
 特に昭和三十九年九月の臨時行政調査会の答申にはこう書いてあります。これが一番的確に書いてありますが、「公社(国鉄・電電)の運営を下記のごとく改めること。(1)経営自主権の確立について 監理委員会または主務大臣が承認または決定する事項のほかは、すべて公社総裁の責任と権限において決定すること。なお、公社役員の責任体制を確立する方途を講ずること。(2)外部資金の調達について 資金予託については、国庫予託のほかに市中予託のみちをひらき、一般公募債の発行および市中金融機関からの資金調達の方途を講ずること。」そして結論として、「(3)労使関係について 審議会を設けて、労働基本権の拡大を争議権を与える方向で検討し、特に、公社側の当事者能力の確立をはかること。」と、こう書いてあります。当事者能力がないから、いままで国鉄その他三公社が紛争が起こっておりますが、当事者能力の検討については早急にやらなければならぬことでございますが、総務長官の見解をお聞きいたします。
#259
○国務大臣(坪川信三君) 御指摘の当事者能力の問題は、まあお話のとおりに最も重要な問題だと思う次第であります。
 これらにつきましても、十分ひとつ現業関係の争議権については当事者能力の強化及び事業のあるべき性格についての検討や、争議権を与えることによる労使関係及び国民生活に及ぼす影響等についても、やはり十分検討を加えなければならぬと、こう考えておりますので、総理庁といたしましては、やっぱり当事者能力の、現業の立場から言いますと、運輸省等の御意見も十分お聞きすべきであって、その上に立ってこれらの取り組み方を各省庁がそれぞれ検討を加えて総合的な結論を出してまいりたいと、こう考えております。
#260
○小柳勇君 運輸大臣、これは当事者能力を、私が言わぬでも大臣が一番よくわかっておられます。予算総則などで絞められておりまして、ほとんどの、国鉄総裁には労働条件の基本的なワクで賃金ベースが絞められておりますから、団体交渉をやりましても結局力がない、こういうところに問題があるのであります。まだいろいろありますよ。運輸大臣、大臣としては、この答申を受けまして、内閣の中でどういう働きをされるつもりですか。可及的すみやかにやってもらわなければならぬのですが。
#261
○国務大臣(新谷寅三郎君) 内閣官房長官から、この答申に対しまして、答申の趣旨を尊重して政府としては措置をする、こういうことを言っておられますから、その方針に私も全然賛成でございます。
 当事者能力の問題については、これは私から申し上げるまでもありませんが、予算との関係もございますし、国会のほうの、したがって審議権との関係もあると思います。それから各公共企業体、三公社五現業でそれぞれがやはりこの当事者能力を拡大してまいりますと、その間の調整がとれなくなるというようなこともあって、今日までその当事者能力の問題については、制度的にこれを拡張しようということになると、いろいろな問題が生じておることは御承知のとおりです。でございますから、今日あなたの御質問なすっていることは、当事者能力を制度的に拡大するのにはどうしようかと、こういうことだと思います。これは三公社五現業通じまして、いま申し上げたようなことのないような前提において考えていかなければならぬということでございますから、やはりいま総務長官が御答弁になりましたような趣旨で、早くこれは関係省庁の間で協議をいたしまして、国会との関係も考え、三公社五現業の間の調整ということも考えながら、制度を確立するように努力をしなければならぬ、こう思っております。
#262
○小柳勇君 労働省の労政局長どうですか。いまの当事者能力の問題が労使紛争の一番核になっています。団体交渉いたしましても、何にも結論が出ないまま調停委員会あるいは仲裁委員会に持ち込むという事態ですね。こういう問題に対して、この答申が出たのですから、労働省が率先して労使関係の正常化のためには、各関係省に働きかけて、この公制審の精神で立法化あるいは行政指導しなければならぬと思うのですが、いかがですか。
#263
○政府委員(道正邦彦君) 三公社五現業等の当局に、原則的に労働条件の決定についてのいわゆる当事者能力が与えられているわけでございますけれども、国会でおきめになる予算との関係で現在制約があることも、御承知のとおりでございます。
 ただ、そういう制約の中で、当事者能力の問題を極力広げるという方向で、従来から政府として努力を重ねてきたことも御承知のとおりでございまして、三十一年度以降の仲裁裁定の完全実施あるいは有額回答あるいは調停段階での事実上の決定等の措置につとめてきておるわけでございます。しかしながら、御指摘のように、当事者能力の問題は、やはり三公社五現業等の労使関係の一番基本的な問題でございますので、労働省といたしましても、この問題については、今後関係省庁との協力ももちろん必要でございますけれども、率先して問題の解決に努力をしてまいりたいと思います。
#264
○小柳勇君 どうも労働省の答弁が歯切れが悪いもんだから論争にならないのですけれども、これはまた社労委員会でも論議されるでしょうが、私は国鉄関係をいま論議していますから、国鉄労使間の正常化がいま課題ですから、もう一歩突っ込んで聞きますが、この当事者能力の強化についても、立法措置ができるまでの間も、できる限り措置すべき、実施すべきであろう、この答申の精神からいいますと。たとえば法律改正して、国鉄総裁の権限が強くなって、さあやりなさいと言うためには何年かかかります。したがって、この答申は、なるべく可及的すみやかに法律改正を待つまでもなく、できるものもあろうというようなものを、ここで答申してありますが、こういう問題については、いかがでしょうか、運輸大臣と国鉄総裁。国鉄総裁に対しましては、当事者能力の強化について、一番いまこうありたいなあと、そういうようなものはどうか、これを質問いたします。
#265
○国務大臣(新谷寅三郎君) 制度の改正がないと当事者能力を、いま御期待のような拡張といいますか、強化するということはなかなかむずかしいのじゃないかと思います。しかし今日まで労使間の紛争の問題で、運輸省としましては、国鉄が労働組合と折衝をして、その紛争の種になったような問題について、たとえば国鉄が考えておったような予算、これをある部分において多少変更しなければならぬというようなことについては、これは今日まで、おそらく現在の制度のもとにおいて可能なことはやっておったと思います。私はそういったことについて別に消極的な考えは持っておりません。
 この公制審の答申にもありますように、できるだけこれは前向きで処理をしなさいということになっていますから、この趣旨に沿ってこれは処置をすることは当然のことだと思っております。
#266
○説明員(磯崎叡君) 私の御答弁は、いささかいままでの政府のおっしゃることと違うかもしれませんが、私のほうは、実は、先ほど先生がお読み上げになった三十八年の時点におきましては、まだ収入状態がよかったわけでございます。現在の私のほうの状況、たとえばことしのべースアップの問題から申しますと、実質的には支払い能力がないわけです。いわゆる当事者能力と申しますのは、支払い能力のあるのに当事者が払えないというところに当事者能力の問題があると存じます。ところが残念ながら、昭和四十年度の中ごろ以降、すなわちほとんど償却前の赤にひとしいときになってまいりますと、実際にはべースアップが出ましても、回り回って国会の御審議を経なければ実際には支払いができないわけでございます。したがって現在の国鉄から申しますれば、いわば当事者能力は高根の花でございまして、まず支払い能力をいただきたい。支払い能力がないところに当事者能力の問題は起きないわけでございます。
 たとえば、ことしの例から申しましても、すでに先般森中先生から御質問ございましたけれども、約八百億近い収入欠陥でございます。これはどうしても国会において何らかの措置をおとり願わないと、政府の御措置だけで、はたしてやれるかどうか、その点はよく存じませんが、少なくとも私のほうとしては、支払い能力がございません。したがって残念ながら当事者能力の問題が出てまいらないわけでございます。私はせめてよそ並みに支払い能力を踏まえた上で当事者能力の議論のできるような立場になりたいということをしみじみ考えております。
#267
○小柳勇君 いや、そのとおりそのとおりという意見が出てきますけれども、運賃あるいは料金、これを国会できめます、それで収入はきまってきます。予算総則で、それで今度は支出のほうの総裁の分野のほうがきまります。いまあなたが、たとえばもうかりましたら支払いますと言うけれども、もうかったって支払う権限は与えてないわけですよ、あなたには。そこを言っているわけです。だから公労法の十六条というものは生きてくるわけですね。資金上、予算上支出可能あるいは不可能という法律があるのでありまして、総裁の、いま赤字でありますからというような議論も、それは会社の社長の議論でして、初めから公労法は能力を与えていないわけです。そこに問題をわれわれはいま提起しているわけです。
 したがって、たとえば運賃収入がよくなりましたと、それで黒字になりました、さあそれじゃ団体交渉に持っていらっしゃい……。その能力はないでしょう、いま支払い能力は。そのことを言っているのです。それはどうですか。
#268
○説明員(磯崎叡君) 先生の御意見なり、いままで政府のおっしゃった当事者能力の意味は、私もよく存じております。しかし現実の国鉄の、たとえばことしの予算の問題で申しますれば、残念ながら当事者能力は絵にかいたもちのようなものでございまして、まず支払い能力をいただいて、そしてその中でそれを支払うか払わないかという問題になってくるわけでございまして、それがいろいろことしのベースアップの際にも問題になった点でございますが、もちろん私は当事者能力はなければいかぬと思います。それは三十八年以来、私もあの時分からよく関係いたしておりますが、まずとにかく払えないということでございまして、もちろん当事者能力の御議論をなさることはたいへんけっこうなことでございますが、まず私どもはもう一段下にいるという現状でございます。これは実際の率直な事実でございまして、その点、だから当事者能力は要らないということを申し上げているわけじゃございませんが、その前にもっと惨たんたるありさまであるということを申し上げただけでございます。
#269
○小柳勇君 それは飛躍ですよ、総裁。法律上どうですかと言っているんですよ。実質上はいまこの法案がかかっているから、これは総裁が能力がいま私にはありませんとおっしゃるのはよくわかりますけれども、法律上、公労法上あるいは日本国有鉄道法上、総裁には支払い能力は与えてないわけですよ、支払いの当事者能力というものを。たとえばいま、じゃ今度は逆に、それで一生懸命に職員が働きます。そして増収があります。増収があるから団体交渉します。増収があったからとかってに出せる仕組みになってないんですね。だから働かないわけですよ。総務長官わかりますか。そこを当事者能力と言っているわけです。だからいま答申が出ましたのも、ちゃんとそれを私は言ってあると思うんです。たとえばもうかった場合には、そのもうけの何割は総裁が団体交渉によって支払うことができるとか、まあ具体的にはいろいろありますよ。これはいろいろ具体的にはありますけれども、たとえて言うならば、職員が一生懸命働く、あるいはお客がうんと多かった、政府の施策がよかった、そこで増収になった、ことしは黒字であります、それがわかった。そこで職員が団体交渉いたします。黒字一千億出たから、その五百億を職員に手当として支給せよという団体交渉をするといたします。そのときに総裁に支払い能力は与えてないわけです、いま法律上は。そのことを言っているわけです。
 そこで言うならば、いまの運賃と料金は国鉄及び運輸省できめる、ここに一つのワクがあります。幾ら国鉄総裁がどんなに意欲がありましても、自分で運賃をきめて、料金をきめて増収をはかることはできないわけです。ちゃんと運賃は国会、料金は運輸大臣がきめる、そこに一つのワクがあります。今度は給与を支払い得るワクはもう予算総則できまってしまうわけです。人件費については二重規制でしょう。そういうものを当事者能力がないと言っているわけでしょう。そういうものを撤回しなければ、労使紛争は根本的に直らぬのではないですかと、働いても働いても自分には手当は、団体交渉ではもらえないと、そういうものをこの際改正をせよというのが、この公制審の答申ではないかと、私は理解しているわけですよ。
 そういうもので、せめて増収があった場合には、この年度当初の目標以上の増収があった場合には団体交渉によって手当を支給するだけの権限は与えてもらえないだろうか、というぐらいのことは、私は総裁としては主張していいんじゃないかと思うのです。それを、いやもういま支払い能力なんか柄ではありませんと言われることはわからぬのです。だから法的なものと実際上のものとありますから、そうやりませんと何にも意味がないのです。でないと労使紛争は解決しないんじゃないですかそう思います。そういう意味の当事者能力については、坪川長官いかがですか。
#270
○国務大臣(坪川信三君) どうも私、運輸大臣あるいは国鉄総裁でもないので、あまりはっきりいたしませんが、金のないのにないそでを振って払えるものではない。いまの私は国鉄総裁の心境は何か理解できるような気持ちがいたします。
#271
○小柳勇君 坪川長官、いま国鉄が赤字なんですから、総裁は支払い能力がないのではなくて、支払いたいというのに金がないということです。その金は、いままでずっとわれわれが言ってきましたように、赤字の原因はいろいろありますから、政府からこの際はうんと出さなければならない。私どもの主張としては、いままでの借金を肩がわりして、そして増収をはかって、もし予想以上に増収があったならば、それは団体交渉によって職員に配分するようにしませんと勤労意欲が起こらぬのではないのですか。それだけの法律的な権限を与えていない。それを当事者能力がないと言っているわけですよ。いまはもう赤字ですから、出そうと思っても出せないにしましても、それがいつまでも続きますならば働く意欲がなくなってしまいますから、この際、当事者能力を法律上与えて、そして団体交渉が成立したならば、公労委にかけないでも、総裁が手当を支給できるような体制をつくらなければならぬと、そうするとちゃんと働いたものはわかりますから紛争になりませんですね。一千億あるから、では今度は六百億それで手当が出る。そうなりますと、もう団体交渉が楽しみになります、六百億来ますから。ほんとうです、いま団体交渉しても無意味だから。
 長官御存じですか、いまは団体交渉しても無意味です。だからゼロ回答が出ますからぱっと調停委員会にいくでしょう、そういう仕組みでは、これはほんとの意味の労働基本権になっていませんから、答申が出ているわけですから、その当事者能力の問題につきまして早急に立法措置をしてもらいたい。同時に私がいま言っているのは、立法措置をする前でも可及的すみやかにできるものはやれと書いてありますから、だから、たとえばいま赤字ではありますけれども、国鉄職員が、たとえば余暇を見て、それは私は労働強化を言うわけにはいきませんが、よく旅行団を勧誘するような人もいますよ。そういう人が働いて予想以上に増収した場合には、ほんとうは赤字でも予想以上に増収になれば手当を出しますというのが当然でしょう。そういう権限を与えていないのです。
 そういうものについては、法律改正をする前でも措置せよと書いてある。可及的すみやかに措置せよと書いてありますが、措置すべく努力されますかどうですか、これは運輸大臣のほうがいいですね。
#272
○国務大臣(新谷寅三郎君) 御質問を伺っていますと、やはり結局、当事者能力の拡充ということについては、制度的な問題だと思います。したがって制度的に改善をしませんとなかなか困難だと思います。ただ問題は、制度と言いましても財政法とか、あるいは会計法その他で今度予算編成の上でしばられている問題がこれは大部分だと思いますけれども、そういう法律改正をしないでもできる問題があれば、そういったことについては関係省庁と十分相談をして促進するような努力はしなければならぬと思います。それが答申の趣旨を尊重するゆえんではないかと考えます。
#273
○瀬谷英行君 関連して。
 問題は、総裁からの答弁は、なかなかこの法案を持っていくのにうまい、誘導したような答弁をしたのですが、しかし実際問題として金がないんだから、まずそれが先だというのは総裁の答弁なんです。しかし問題は、どうせからのさいふなんだから、そんなものはもらっても同じことだという言い方になってしまうわけです。しかし、ここで言っているのは、さいふの底に穴があいておって、たまらないようになっているさいふだから、そういうさいふはもらっても意味がないと、こういうことなんでしょうけれども、そうじゃなくて、たまるようなさいふをまず総裁に持たせることが必要じゃないか。当事者能力のことは、それを言っているわけです。現在のところはさいふのほうは穴があいていてたまらないようになっている。それをもらっても意味がないというふうに総裁は言っているわけです。
 しかし、ではたまるようなさいふを持った場合に、労使間の問題がそこで解決する能力を与えられているかどうかということでしょう。だから順繰りに問題を解決していくためには、まず総裁がさいふを持つことだと、当事者能力を持つことだと、次にそのさいふは底に穴があいてないことが肝心である、底に金がたまるようなさいふを持っているということが肝心である、こういうことになるわけでしょう。ところがいままでの話は結局、当事者能力の問題もうやむやだ。しかも可及的すみやかにというようなことではっきりしないわけですよ。
 だから、さっき私が言ったのは、はっきりさしてくれと言ったのです。可及的すみやかにということをいわれているけれども、それは一体どういうことなのか、今月中にちゃんとした結論が出るのか出ないのかはっきりわからぬでしょう。労政局長の答弁だってはっきりとしなかったわけですね。可及的すみやかにというだけで、自分のところだけじゃわからないから関係各省庁とも相談をしてきめるんだと、こういうようなことだったでしょう。それでは結論が出てこないわけですね。結論を出すためには一体何日かかるのか、すぐに結論が出せるのか、総理が出てきて答えが出てくるのか、その点を私言ったんですよ。それがはっきりしないことには幾ら押し問答やってたってきりがないと思うんだね。だからその答えが出せるのか出せないか、はっきりしてもらいたいと思うんですが、労働省のほうはどうなんですか。労働大臣のほうで、じゃ運輸大臣なり、あるいは長官なり、関係者と相談をして答えが出せるという見通しが近日中にあるのですか。可及的すみやかと言ったのですから、どうなんですか、はっきりさしてください。
#274
○政府委員(道正邦彦君) 私どもこの答申を文字どおり拝見しておるわけでございまして、可及的すみやかにやるという趣旨については、その答申の趣旨を十分尊重したいと思います。ただ先ほど来申し上げておりますように、三公社五現業等のあるべき性格、特に国民の税負担との関係等の問題あるいは前段にございますような、いろいろ三論併記になりましたいきさつについての論議等を考えますと、いまここで先生、数日中にきめるのかというお話でございましたけれども、時期についてお答えすることはできないというふうに申し上げているわけでございます。
#275
○瀬谷英行君 ちょっと道正労政局長の答弁じゃどうしようもないので、やはりこれは大事なことなんですよ。国鉄の財政再建のためには労使の紛争を避けなきゃならん。労使の紛争を避けるためには、公制審の結論もはっきりさせて、けじめをつけよう、こういう話でしょう。可及的すみやかだけじゃどうしようもないというのです。だからこの委員会で、ともかく結論だけでもはっきりさせてもらいたいというふうに私は要望したいと思うんです。だから、これはここですぐに結論が出せなかったら出してもらう、少なくとも可及的すみやかということよりも、もっと具体的に進んだ形でもって公制審の問題については、ここで明らかにしてもらいたいということを議事進行上ここで要望したいと思うんです。
#276
○小柳勇君 長官も何かお忙しいようだから、最後に注文なり今後の御見解なりですが、この答申は、もう何回も言いますけれども、この三公社五現業なり公務員の紛争をとにかく解決するという目的です。それから三公社五現業、特に現業には争議権を与える方向をわれわれは読み取っています、読み方はいろいろありますけれども。それと同時に、当事者能力を強化して、そして団体交渉によっていわゆる労働法にいう労使慣行の正常化ですね、労働側と使用者側の正常化、それをねらって出してあります。
 だから立法措置、行政措置をする期間が長くなりますと、たとえば第四次公制審は招集されぬとおっしゃいましたけれども、たとえば四年間もかかりますならば、いますぐ第四次公制審を設置したほうが国民のためにもプラス、労働者のためにも安心ですね。したがって可及的すみやかという意味は、もう第四次公制審など考えないで、これが出たんだから早急にひとつ結論を出してくれ、立法措置、行政措置してくれと。その立法措置ができるまでも、できるものから労使が正常化するような措置をしないかというのがこの精神じゃないかと思う。いかがですか、そのことだけ聞いておけばいい。
#277
○国務大臣(坪川信三君) いま小柳委員の御指摘になりました非常に重要な問題でございます。私どもといたしましては、この問題の答申をそんたくいたしながら、そしてなるべく政府あげて努力をいたしながら、いま答申された諸般の問題を十分あらゆる角度から検討をいたしまして、そしてそれに対する解明、またその方針を決定すべきである重要な課題でありますので、政府はいまの段階で、それの取り組み方等についてのあり方を、いわゆる二階堂官房長官が記者会見でもおっしゃったように、関係閣僚協議会を持つのも一つの方法とも考えると、こう言っておられる。また事務当局のそれぞれの責任的な立場におられる方々の会議においては、これに対して、やはり各省庁の連絡会議でいいんじゃないかというような、事務的な判断等加えられての方向の考え方も、一応の考えとして出ておるというのが現実でございますので、これらの動向を十分見きわめまして、総理府といたしましては、これらの取り組み方、それらの取り組むべき具体的な方途を、なるべく早い機会に、ひとつ各省庁と十分連絡をいたしまして出したいと、こう考えておることだけ申し上げて、ひとつわれわれといたしましては真摯に、しかも十分答申の線に沿って、ひとつ検討を加えてまいりたい、こう考えておる次第でございます。
#278
○小柳勇君 非常に回りくどいです、長官言われるのが。具体的に言いましたように、たとえば公務員制度審議会が四年の任期がありますと、そういう間はほったらかしておられたら、もう第四次公制審を設置されたほうがかえってものわかりがいい、だから可及的すみやかというのは、もう出したんだから、できるものから早急に解決していけ、そういうものだと思うのです。
 まだ何か機構も考えてないようなことでありますが、労使とも生きて毎日動いているわけですよ。そういうもう少しスピードアップの考えであってもらいたいと、もう答弁はいいですけれども、私どもは何とか国鉄労使間のいままでの、もし世間から非難されるようなことがあるならば、それを一日も早く解消しなきゃならぬ、そして正常化しなきゃなりません。そうしませんと、国鉄再建はできぬのです。金だけ政府が補助するからということでは、国鉄再建はできぬでしょう。国民からもちゃんと信頼され、労使間もお互いに信頼を持ちませんと国鉄は再建できないでしょう。そういうものをちゃんと確保して、この問題の解決に、早急にひとつ政府はあげて取り組んでもらいたいと思います。それだけ、イエスかノーかを返事していただきたいと思います。
#279
○国務大臣(坪川信三君) おっしゃるとおりでございます。したがって可及的すみやかにという問題のやはり前提のあることだけは、大きい重要な問題の前提のあることは小柳委員御承知のとおりでございます。この前提をどうすべきかということが最も重要なことでございますので、それを踏まえてひとつ努力したい、こう思っております。
#280
○委員長(長田裕二君) 六時四十分まで休憩いたします。
   午後六時九分休憩
   午後八時五十一分開会
#281
○委員長(長田裕二君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案について質疑を行ないます。
 速記をとめて。
   〔午後八時五十二分速記中止〕
  〔委員長退席、理事山崎竜男君着席〕
  〔理事山崎竜男君退席、委員長着席〕
  〔午後十時十九分速記開始〕
#282
○委員長(長田裕二君) 速記を起こして。
 明日十時二十分理事会、十時半委員会を開くことに、先ほど理事会において決定いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後十時二十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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