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1972/03/15 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 商工委員会石炭対策に関する小委員会 第1号
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1972/03/15 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 商工委員会石炭対策に関する小委員会 第1号

#1
第071回国会 商工委員会石炭対策に関する小委員会 第1号
昭和四十八年三月十五日(木曜日)
   午後一時十分開会
    ―――――――――――――
昭和四十七年十二月二十二日商工委員長におい
て本小委員を左のとおり指名した。
                川上 為治君
                剱木 亨弘君
                矢野  登君
                山本敬三郎君
                阿具根 登君
                大矢  正君
                竹田 現照君
                原田  立君
                藤井 恒男君
                須藤 五郎君
同日商工委員長は左の者を小委員長に指名し
た。              阿具根 登君
    ―――――――――――――
  小委員の異動
 十二月二十六日
    辞任          矢野  登君
    辞任          山本敬三郎君
 十二月二十七日
    辞任          竹田 現照君
 一月三十一日
    辞任          原田  立君
 三月八日
    補欠選任        細川 護煕君
    補欠選任        若林 正武君
    補欠選任        小野  明君
    補欠選任        峯山 昭範君
 三月十五日
    辞任         補欠選任
     峯山 昭範君     藤原 房雄君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    小委員長        阿具根 登君
    小委員         川上 為治君
                剱木 亨弘君
                細川 護煕君
                若林 正武君
                大矢  正君
                藤原 房雄君
                須藤 五郎君
   政府委員
       通商産業省公害
       保安局長     青木 慎三君
       通商産業省鉱山
       石炭局長     外山  弘君
       通商産業省鉱山
       石炭局石炭部長  佐伯 博蔵君
       労働省職業安定
       局失業対策部長  桑原 敬一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
   説明員
       通商産業省公害
       保安局石炭課長  原木 雄介君
       労働省労働基準
       局補償課長    山口  全君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○産業貿易及び経済計画等に関する調査
 (三井鉱山株式会社上砂川鉱業所における災害
 に関する件)
 (昭和四十八年度石炭関係予算に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○小委員長(阿具根登君) ただいまから石炭対策に関する小委員会を開会いたします。
 小委員の異動について報告いたします。去る八日、欠員中の小委員の補欠として細川護煕君、若林正武君、小野明君及び峯山昭範君が選任されました。また、本日、峯山昭範君の委員異動により、その補欠として藤原房雄君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○小委員長(阿具根登君) 三井鉱山株式会社上砂川鉱業所における災害に関する件を議題といたします。
 本件に関し政府側から報告を聴取いたします。青木公害保安局長。
#4
○政府委員(青木慎三君) 三井砂川炭鉱で災害を起こしまして、まことに申しわけないと存じております。
 災害の状況について概略御説明いたします。
 まず会社、炭鉱名でございますが、三井鉱山株式会社三井砂川炭鉱第一坑でございます。
 災害発生個所でございますが、登川区域マイナス五百六十メートルレベルの南第一A、四番層でございます。その北No.2、北No.3サブレベル坑道でございまして、坑口から約千八百六十メートルのところでございます。
 災害発生日時は、四十八年三月九日十一時五十分ごろでございます。
 災害の種類は、落盤でございます。
 罹災者は、死亡が直轄鉱員五名、軽傷が係員一名でございます。
 この炭鉱の操業の状況について概略御説明いたします。
 この炭鉱は、登川及び美唄の二区域を有しておりますが、今回災害が発生いたしました登川区域は、登川來炭層中の四番層を稼行しておりまして、全鉱出炭の約四分の一を占めております。なお、登川区域内の採炭法はすべて水力採炭でございます。
 鉱山労働者でございますが、昭和四十八年二月末現在で常用実働労務者数が千四百九十一名、臨時夫が百二十一名、請負夫が四百四十八名、職員二百八十八名、計二千三百四十八名でございます。このうち登川区域は常用実働労務者が三百三十三名、臨時夫が二十二名、請負夫が百六十七名、職員五十七名、計五百七十九名でございます。
 出炭量は、二月の実績で八万四千六百トンでございます。そのうち登川区域の出炭量は二万六百トンでございます。
 災害の概況でございますが、三月九日十一時五十分ころ、登川区域の水力採炭個所付近で大きな山鳴りが生じ、その直後、北No.2及び北No.3サブレベルの坑道が大崩落いたしました。当日、登川区域には二百二十八名が入坑しておりまして、このうち五百六十メートルレベルの南第一A四番層部内には係員が四名、鉱員十八名の計二十二名が作業しておったわけでございます。このうち十六名は自力で脱出し、あるいは救急バルブに避難していたところを救助されまして無事でございましたが、北No.2サブレベル坑道にいました係員一名、鉱員三名と、北No.3サブレベルの坑道にいました鉱員二名の計六名が崩落坑道の中に閉じ込められたわけでございます。
 災害発生当時たまたま入坑しておりました坑長は、誘導無線で災害が発生したことを知りまして、直ちに現場に急行して救助隊を招集し、九日十二時過ぎから救出作業に当たったわけでございます。
 崩落の規模は予想外に大きくて、さらに山鳴りが続きまして、救出作業は難航いたしましたが、毎方救助隊約八十名を動員いたしまして、救出作業に全力を尽くしたわけでございます。その結果、北No.3サブレベル坑道におきましては、災害発生後およそ四十九時間経過しました十一日の十二時二十三分に一名を、また引き続き同日十九時三十三分に一名を、遺体として坑口に収容いたしました。北No.2サブレベル坑道におきましては、災害発生後およそ七十七時間経過した十二日の十六時四十分、崩落した岩石のすき間で軽い打撲を受けました程度の係員を無事救出いたしました。他の三名は、十二日二十二時五十分までに遺体として坑口に収容した次第でございます。
 この災害にあたりまして通産省としてとりました措置としましては、即日石炭課長を、また、翌日私が現地に参りまして、行くえ不明者の救出及び原因の調査の指導に当たりました。なお、札幌鉱山保安監督局及び滝川鉱山保安監督署からは鉱務監督官九名を派遣して、現場の指導に当たらしております。
 災害の原因でございますが、札幌鉱山保安監督局では、罹災者の救出作業が終了しました十三日から本格的な原因調査に当たっておりますが、本災害は、大規模な落盤災害と判断されます。落盤の原因につきましては、鋭意調査を進めておりますが、技術的に十分解明する必要がありますので、学識経験者による技術調査団を派遣する等によりまして、早急に結論を出すことといたしたいと考えております。
 なお、詳細は、図面につきまして担当課長より御説明いたします。
#5
○小委員長(阿具根登君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#6
○小委員長(阿具根登君) 速記を起こしてください。
 ただいまの報告に対し、これより質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○大矢正君 ただいまの事故の経過と状況の報告に対し、若干の質問をいたしたいと存じます。
 この山は、私も何度か行ったことがありますが、残念ながらこの山の坑内には入ったことがありませんので、坑内の詳細を詳しく自信を持って私自身話をするわけにはまいりませんが、炭鉱の全体的な趨勢としてお尋ねをしてみたいと思いますが、私の記憶に間違いなければ、この山は、保安問題ではかなり従来から努力をされておったようであります。かつて、二、三年前に一度ガス爆発事故がありまして、二十人近い犠牲者を出すという惨事がありましたが、特にそれ以降は、かなり労使ともに保安に努力をし、全国的な災害率等と比較してみましても、かなり災害発生の率としては低い炭鉱であるというような、実は感触を持っておるのでありますが、ここ二年ほどの間におけるこの山自体の災害率、また災害による、あるいは特別の災害以外も含めてけっこうでありますが、死傷者の数というようなものが手元に資料としてもしありましたら、お答えをいただきたいと思います。
#8
○政府委員(青木慎三君) ただいま先生から御指摘ございましたように、この山自体は災害率が比較的低い山でございます。過去の成績を申しますと、稼動百万人当たりの災害率で申し上げますと、昭和四十六年が百八十六名、昭和四十七年が百七十二名ということで、金属鉱山並みの低さでございます。本年一月には、これが七十一名というように逓減いたしております。
 ちなみに、これに見合います全国の数字を申し上げますと、昭和四十六年が七百二十八名、昭和四十七年が七百十八名でございまして、この全国の災害率に比べて非常に低い成績でございます。ただ、重大災害につきましては、過去十年間に三回発生しておりまして、すなわち、昭和三十九年六月に落盤によりまして死亡が八名、重軽傷五名という事故を起こしております。
 それから、四十一年六月にガス窒息によりまして死亡者二名、重軽傷四名、計六名。
 それから、四十五年十二月にガス爆発によりまして死亡十九名、重軽傷十七名、計三十六名という三件の重大災害を起こしております。
 こういうことでございますけれども、一般の成績としては、先ほど申しましたような、災害率としては非常に低い山でございます。
#9
○大矢正君 この炭鉱は、私が聞いております限りにおきましては、水力採炭に対しての技術の問題あるいは水の処理、もちろん、その水力採炭に関係があるわけでありますが、水の処理等の技術的な点になりますると、ほかの山からみなこの山に技術の習得に行かれたというような、あるいは現に行っておるというような、非常に技術的にも進んでおる炭鉱であり、いま局長が言われたように、四十六年度で見ると全国の平均で七百二十八という数字がこの山では百八十六しかないという、ほんとうに言われるとおりの、四十七年も七百十八に対する百七十二でありますから、全国平均に比較をいたしますると、非常に災害率の低い炭鉱であったという意味においては、まことにいままでは努力をされたなあということは言い得ると思うのであります。ただ、こういう経過だけを見ますると、まことにけっこうであった、保安表彰に値する炭鉱であったということは言えるのでありますが、殊念ながら今回のような事故が発生をしてしまいますると、これはどうしてもやはり過去における努力に対しての評価というものは結局のところ考え直さなければならぬような事態になってしまうわけでありますが、特に私は、新聞等で報じられている中で、どうも事実かどうかという点での不明確な面がありますので、この際、お尋ねをしてみたいと思うのであります。
 一つは、この山は、事故発生の前にはかなりの大きな山鳴りが数日続いていて、それだけ見てももうこの種の事故が起きるのは当然でなかったのかというような新聞記事を私、実は――これはもちろん北海道の新聞記事でありますが、読んだのであります。炭鉱に働く者、また保安を守る立場におる者、また経営者を含めてそうだと思うのでありますが、それほど大きな山鳴りというものが数日も前から続いていて、それで何ら危険や不安を感じないということは、私には常識としてこれは想定することができないわけなんですが、いままでの調査等を見まして、事実こういうように新聞に報じられていることがあったのかどうか。私は過去において、全国平均に対してこれほど低い災害しか発生さしていなかったこの山によもやそんな山鳴りが――山鳴りといっても小さな山鳴りはどこでもしょっちゅうあることでありまして、かなり大きな、だれが見てもこれはどうもくさいぞというようなそういう規模の大きな山鳴りがあるのに、それを放置して坑内に入っていって、しかも、その現場で作業しているということはどうも理屈に合わぬので、この際、その辺の事情についてどう把握されておられるか。
 それから登川來炭層というのは、ここに限らずどこでもそうでありますけれども、全体的に断層が非常に多いということはあり得ると思うのであります。したがって、この断層が多いということは落盤、崩落というような事故の発生あるいはガス突出につながる危険性というものは、これは一般論としても考えられるわけでありますが、この山の当時の状況はそういう面でどういう状態にあったのか、お尋ねをいたしたいと思います。
#10
○政府委員(青木慎三君) ただいま先生御質問の山鳴りでございますが、御指摘のとおり炭鉱におきましては、山鳴りはある程度小さな山鳴りは特異な現象ではなくて、ときどき感知されるものであることはそのとおりでございます。当鉱におきましても、災害前に山鳴りが感知されたということは事実であるように思われます。しかしながら、本格的捜査にまだ取り組んでおりませんが、少なくとも現在までの調査では、そのとき感知されました山鳴りは、作業を中止し、退避しなければならないような程度の大きな山鳴りではなかった、また、ガスの急増等の現象もなかったというふうに聞いております。
 それから断層の件でございますが、断層の件につきましては若干技術的問題でございますので、石炭課長から……。
#11
○説明員(原木雄介君) 断層につきましては、現実問題として、この災害の起きましたところにも小さな断層があったのは事実でございますが、これが災害と直接結びつくといったようなことになっておるかどうかについては、まだ問題が残っておろうかと思います。これから解明を待ちたいと思っております。ただ、ほかの区域につきまして、断層が発達したために災害が多かったというようなことはなかったように考えます。
#12
○大矢正君 いまの山鳴りのことに関連をしてお尋ねをすると、私、どうもふに落ちない点は、北No.3ですか、ここに昼食をしていた人たちが二人と、ほかにもう一人入っておられて、山鳴りが鳴ったので一人は逃げたと、あとの二人は、おそらく、私の想像なんですが、しょっちゅうやっておるのだからたいしたことなかろうということでそのままいたところが、ばらばら落ちてきたんで、あわてて逃げようと思ったが、そのときにはもうおそかったという判断が成り立つと思うのでありますが、この辺のことはどういう解釈をすればいいのですかね。これはなかなか推理も含めての判断ですからね。これはいろいろありまして、いま局長が答弁したように、山鳴りといいましても山鳴りの程度が問題でして、山がちょっと鳴ったからすぐそれは当分の間出ていって入ってこないという式でいたのでは、これはまあいろいろな問題がこれまた起きてくるし、さらばといって、幾ら鳴っても平気な顔しておるのも、これもまた事故につながるという問題があるし、なかなか微妙な点があると思うのですね。私は、逃げたのがおると思えば、逃げないでそこでがんばっていたのがおるというような、ばらばらの状態というのはなぜ起きたのかということがちょっと不可解なものですからね。たいがい逃げろというときには、おい、逃げるぞというようなもんで、みんなして一緒に逃げるのが普通なんですよね。ところが、一人だけ走っていったけれども、あとの二人はゆっくりそこで腰を据えていたというところがどうも不自然なんで、その辺はどういう解釈でしような。
#13
○説明員(原木雄介君) いまの件について御説明申し上げます。
 幸いにしてNo.3レベルから逃げた者がございまして、まだ聞き取り程度でございますが、その人の話等を総合していま考えておりますのは、大体こういったようなことかと思います。昼食を、十一時過ぎからNo.3の北向きのところで食事をしておったと思われますが、大体三人が分岐点から約十五メーターくらいのところに、約一メーターおきぐらいで並んでおったのではないかというように思われます。そうして、食事をいたしまして、食事後三人で雑談をしておったという話でございます。そういたしますと、二、三回山鳴りがしたということでございまして、まあそのときには気にもとめておらなかった。四度目程度と申しておりますが、ここら辺、まだはっきりいたしておりませんが、の山鳴りが鳴りましたときに、これはどうも大きい、逃げようではないかということで、逃げるぞと言って手前のが夢中で逃げ出した。あとの二人が、そのときうしろをちらっと振り返ると、やはりちょうど休んでおりましたので、中腰になって腰を浮かしたと、こういう話でございます。
 一番手前のは分岐点の先まで無我夢中でいろいろな目にあいながら逃げてまいり、だいぶ擦過傷なんかも負っておったわけでございますけれども、奥の二人についてもある距離は逃げれたと思われておりますのは、大体十五メーターの位置で食事しておったということに関しまして、資料にもございますように、それから数メーター手前で遺体となって発見されておりますので、何メーターか逃げたけれども、逃げおくれたということではなかったかと思っております。したがいまして、山鳴り自体、この仕繰りでなくなられた方を見ていただきますと、赤坂さんという方はもう五十五歳、それから坂井さんという方は四十二歳ということで、仕繰りとしては相当の経験を積んでおられたはずでございます。こういった方が、何べんか鳴りました事前の山鳴りというものに対してまだ疑義を持たなかった、四回目の大きな山鳴りでこれはいかぬといったときに、非常にどんときたというような感じのように考えております。大体そんなような事情ではなかったかと思っております。
#14
○大矢正君 この崩落事故というのは、概して事前に予測をするということは非常に困難性の伴うものでありまして、ガス爆発のような事故の際は、これは、適量のガスとそれに必要な火があれば爆発をするということです。逆に言うと、それがなきゃ事故が起きないということですが、落盤といいますか、崩落といいますか、この種の事故というのはなかなか予測することができないというような事故でありますから、これは非常に困難性は確かに伴うとは思いますけれども、しかし、人間の命にはやっぱりかえられないわけでありますから、政府も、技術的な解明に努力する必要性があるという立場から、学識経験者による技術調査団を編成されたのだと思うのでありますが、この技術調査団に与えられる使命といいましょうか、それは大体どういう点にしぼられるのでしょうか。事故原因というものの究明  事故原因の究明は、裏を返して言えば、それは防止策にも通ずるわけなんでありますが、単なる事故原因の究明だけではなしに、もっと全体的な視野における落盤、崩落事故等に対しての技術的な判断というものをまとめようという立場なのか、その技術調査団の意味というものはどういうものか、お答えをいただきたい。
#15
○政府委員(青木慎三君) 技術調査団の使命でございますが、まず第一には、やはり落盤の原因について、現在ではいろんな要因が複雑にからんでおりまして、その解明には現場における事象の解析はもとより、理論的考察を含めた調査が必要であると思われますので、その点を第一にやっていただくわけでございます。ただ、その原因の究明がなされますと同時に、今後の対策の樹立ということもあわせて検討していただくということにいたしたいと思っております。特に、砂川のこういう採炭方法につきまして十分、こういう事故は将来起こさないようにするためにはどうしたらいいかというようなことも含めて検討していただくことにいたしております。
#16
○大矢正君 これは非常にむずかしい内容を含んでいるような気がしてならぬわけですね。なぜかといいますと、まあ率直に申し上げて、私の記憶に間違いなければ、この炭鉱はかなりの赤字を事実出しながら、三井鉱山という総体的な中で何とか経営をしているというか、操業を続けている炭鉱でありますね。それなるがゆえに、まあ今度の災害というものは、ある意味で従業員に対して非常な不安感を与えることになる危険性がございますね。隣の石狩炭鉱が爆発事故で結局は閉山をしなきゃならなかったということをまのあたりに見ているわけですからね。ですから、やっぱりここに働く人たちというものは、心理的に、山はだいじょうぶだろうか、つぶれやしないだろうかというようなものが出てくることはやむを得ない現象かとも思われますがね。
 そこで、水力採炭を現実に考えてみた場合に、水力採炭それ自身に致命的な欠陥があり、そのためにこの事故が発生をしたというようなかりに判断が出るというふうなことになりますと、これはまたこの山の死活問題にかかわる問題でもあると思われますね。
 それから、結局、いま現に登川区域はおそらく操業はとまってはおると思いますが、何せ先ほど説明がありましたとおりに、まあこの山一つとっては原料炭であり、ドル箱地域でありますから、このドル箱地域が失われてこの山が残れるということは、だれが見ても考えられないわけですしね。しかし、だからといって、そういう問題があるから保安はどうでもいいということには、これはまた絶対にならぬ、非常に微妙な段階にある炭鉱だということを、実は私自身意識をしているわけであります。したがって、技術調査団が純粋な技術的な意味において判断を出されることはもちろんこれは当然だろうとは思いますが、同時にあわせて、やはりこの山が生きていけるような方策を含めた一つのものをやはり検討してみる必要性があるんじゃなかろうかという感じがしてならぬわけですね。そうでないと、技術屋さんが純粋に技術的な判断だけで、山の将来なり存続なり、そういうものを全然抜きにして考えてしまうと、そこに働く人たちやその他の方々と必ずしも考え方、あるいは意思の上で一致しないものが出てくると、あとあと非常にたいへんな結果になると思われますので、その辺のことについては、単に保安局の立場だけではなしに、鉱山石炭局の立場においても、やはり事故に対する技術的な究明と同時に、日本でも、この水力採炭という特殊な技術を持ち、ほんとうにこの山に技術を習いに全国から集まってくるほどやっぱり貴重な山でもありまするし、その辺のところを十分踏まえていろいろとこの判断をしてもらわぬと、登川來炭層は断層も比較的多いし、あぶないし、しかも、水力採炭に多少、決定的なものではないがどうも心配な点があるからというような簡単なことだけで結論を出されて、それでこの山はどうも終わりでありますよというようなことになってしまうようじゃ、これはとてももうたいへんなことになると思いまするし、それからわが国の石炭に関しての技術を高めていく意味においても、こういう炭鉱というものはやっぱり残していかなければならぬ大きな一つの炭鉱でもあると思われますので、その辺についての御判断はどのようにお持ちになっておられるか、お答えをいただきたいと思うのです。
#17
○政府委員(青木慎三君) 非常にむずかしい問題でございますが、まず第一には、技術調査団が技術的見地から十分検討された結果を待っていろいろ判断すべきものと思います。ただ、水力採炭自身につきましては、どういう条件の山にでもできるというものではございませんが、一つの有力な採炭の方法でございまして、世界各国でも採用している方法でございます。さらに、日本におきますいままでの実績から申しますと、重大災害の事故率も一般の採炭法に比べてむしろ少ないような状態でございますので、そういう点を踏まえまして、技術的検討と相まって私どものほうでは極力客観的な判断をいたしまして、将来の操業に支障を来たさないような配慮も同時にしなければならないというふうに考えております。
 あと、経営面とのからみにつきましては、鉱山石炭局のほうから御答弁願います。
#18
○政府委員(佐伯博蔵君) 技術調査団で十分に御検討願えるということでございますので、技術調査団の原因追及の結果をいただきまして、今後二度とこのような災害を起こさない、かつまたこの炭鉱が生きられるような方向で検討してまいりたいというふうに思っております。
 なお、技術調査団は当然、保安だけという観点ではどうしても炭鉱の場合見られませんので、当然、生産、保安一緒になった形で御検討なさるものと私たちは期待いたしております。したがいまして、それを含めまして、どうやればこの炭鉱が生きられるかということで、十分検討してまいりたいと思っております。
#19
○大矢正君 いま御答弁をいただきまして、私もある程度安心をいたしましたが、ともあれ、人命の大事なことは当然でありますから、人命尊重の前提に立ちつつも、なおこの山が生き残っていけるような方策について、保安面、生産面両面にわたるひとつ特段の努力をお願いをいたしたい、こう思います。
 最後に、労働省にお尋ねをいたしますが、残念ながら五人の方が殉職をされたわけでありますが、この五人の方の労災関係はまずどんな状態に結果としてなるか、御説明をいただきたい。
#20
○説明員(山口全君) 今回の砂川鉱における事故で、不幸にしてなくなられた五名の方がおります。この方につきましては、労災保険の保険関係は成立しておりますので、請求があり次第所要の保険給付が行なえるように万全の準備を整えております。
#21
○大矢正君 私がお尋ねしてるのは、当然請求が行くでしょうから、その際に、すでにあなたのほうもおそらく算定をしておると思いますので、その数字をお知らせいただきたい、こういうことです。
#22
○説明員(山口全君) 御存じのとおり、遺族補償につきましては、遺族の数あるいは資格要件によりまして算定の方法が若干異なります。平均的に申しますと、加給の対象になる遺族は一名から四名に分かれておりますが、平均いたしまして遺族補償年金は五十二万九千円というふうに算定しております。また、前払いの一時金という制度がございまして、年金の前払いの請求があった場合、四百日分相当の額を前払いすることになりますが、この額の平均値は百十七万円となっております。
 なお、葬祭料が支給されますが、この平均は十五万七千九百円というふうに算定されております。
#23
○大矢正君 個別の、個々の方々の労災関係をお聞きしたがったんでありますが、まあいま平均値で御答弁ありましたからそれでけっこうだと思いますが、年金で五十二万円といいますと四万円強ですか、これは今日の物価高の中では非常にわずかなものでありますね。もちろんこれは、企業のほうから労使間の協定に基づく遺族見舞い金が支払われることは当然でありますけれども、しかし、それを食いつぶしてしまったんではやはり子供の将来とか、その他不時の場合における支出に備えていくということができないことになるわけで、そういたしますというと、どうしてもこの年金という問題が非常に大事になってくるわけでありますが、以前のように、山で遺族の方々を就職をさせて働いてもらって、それで生計を立ててもらうというようなことが、だんだんと現場が少なくなってまいりまして非常に困難になってきておるという状況を考えますると、なかなかたいへんだと思うのです。いま私の手元に、遺族の数とおおむね年齢等の表をお借りしましたので、ちょっと見たのでありますが、見ますと、かなりまだ小さい三人、四人お子さんかかえた人、あるいはおかあさんをかかえられた人とか、たいへんなようでありますね。
 まあ課長にこういう話を申し上げてもこれはしようがないのでありますが、いつもこの種の災害の際に言われるわけですが、どう考えてみてもこの年金額というものはやはり低過ぎるのじゃないか。特に、最近は大幅な厚生年金あるいは国民年金等の計画がありますが、労災に基づく年金、遺族年金についての額が現状のような状態では片手落ちになりやしないかというふうに私としては考えざるを得ませんが、いかがなものでしょう。労働省としては今日のこの経済情勢、また福祉国家と呼ばれるような国づくりの第一歩を今年度予算から踏み出したといわれている今日の状態の中で、いまのような労災の遺族年金あるいは一時金等でいいと思っておられるのかどうか。また、前向きでこれを改善をするというような意思がないかどうか。あわせてひとつお答えをいただきたいと思います。
#24
○説明員(山口全君) 労災保険の給付につきましては、数次の法律改正を行なってまいっておりまして、その水準は、現在ではほぼILO百二十一号条約の水準に達しておると考えております。しかし、先生御指摘のとおり、遺族補償給付をはじめ各種の給付につきましてその水準を改善することについて強い要望、意見等が出ておることも事実でございます。そこで、労働省としましては、先般、労災保険審議会に労災補償制度全般の御検討をお願いしておるところでございます。したがいまして、労災保険の給付水準につきましても、その中で検討いただくものと考えております。
#25
○藤原房雄君 先ほど災害の状況についての報告がございました。また、ただいま大矢議員からの質疑がございまして、このたびのこの災害につきましての大要というのは大体理解できたわけでありますが、私から二、三の問題についてお伺いしたいと思います。
 一つは、保安につきましては、ほかの山よりも非常に事故の発生も少ないという、先ほどデータをあげていろいろございました。しかし、事故が一たび起きますと非常に大きい事故が起きるということで、件数は少ない、しかし、一たび起きますと大きな事故につながるということで、その点は非常に考えなければならないいろいろな問題があろうかと思います。
 それで、お伺いしたいのは、この事故発生以前の最後の保安監督署の検査ですね。いつ検査なさって、そのときにどういうことを検査の主目的にしたのか、そのあたりの状況をちょっとお聞かせ願いたいと思うのですが。
#26
○政府委員(青木慎三君) 三井砂川炭鉱に対する保安監督検査状況でございますが、当鉱の最近の巡回検査は二月十四日から十七日までの四日間、現地監督署が監督官を派遣いたしまして実施しております。登川区域につきましては、風管の維持不良の違反事件一件を指摘しております。なお、今回の災害を予想されるような不安全状態等は、そのときの検査では認められなかったようでございます。また、当炭鉱に対します巡回検査はほぼ毎月実施されておりますが、登川区域は総じて保安上問題となる事項が少なかったというのが従来の監督の結果でございます。
#27
○藤原房雄君 これは私は、いつも巡回検査のときの様子を知っておるわけじゃございませんが、往々にして事故件数が少ないということになりますと、どうしても容易な気持ちが生じやすいということから、ああいう手抜かりがどうしても出てくるようなことになりやしないかということを心配するわけでありますが、巡回検査にあたりましては、それ相応の点検する主目的があり、厳重に検査されると思いますが、いずれにしましても、一つ一つ緊張して検査をしなきゃならない、そういう点に対しての督励といいますか、こういう面を一そう強化していただかなきやならないんじゃないかと思います。
 次にお伺いしたいのは、小さい災害は非常に少ないということでありますが、一たび起きますと大きい。そしてまたこの炭鉱は、先ほどお話がありましたように、水力採炭を採用しておるということであります。実は、この水力採炭につきましては、過去、夕張におきましても水力採炭で事故がありました。この当時、やはり落盤対策委員会というのが設置されまして、夕張の事故につきましては学術経験者も参加していろいろ検討したはずであります。そしてまたそのときにいろいろな項目について、大きくは三つ、四つの項目についていろいろ検討なされてあったわけであります。水力採炭しているところは、四十五年当時は全国でも四つぐらいしがなかったわけでありますから、特にこの上砂川の三井鉱山は模範的な鉱山ということで、また非常に先輩といいますか、いろいろな面で技術的に進んでおるということで、この上砂川の方々も夕張の事故のときに調査団に加わって、いろいろ調査したようにも聞いております。こういうことでいろいろな面で総合的に調査したことが、このたびのこの事故に実際には生かされてなかったのかどうかということですね。いままでの夕張の炭鉱の事故のときにいろいろ調査なさったこととは別なケースのものであって、これから詳細な原因につきましては調査があるわけなんでありますけれども、そういう点では不明な点が多々あろうかと思いますけれども、かつて水力採炭でこういう事故があった。そのときに技術的にたいへん進んでおる上砂川の方々もそこに加わっていろいろな問題について検討なさったという、こういうことが実際二年、三年前にあったわけでありますから、それ相応に学術研究者もいらっしゃったわけでありますので、相当な面について検討があったろうと思います。それが今日のこの災害では防ぎ得なかった、生かすことができなかったのかどうかという、こういう点を感ぜずにはおれないわけでありますが、この辺の問題につきまして、以前の夕張炭鉱の事故と今回の問題、そしてまた、前回の調査したときのことが現実にどういう面で生かし切れなかったのかどうか、この辺の検討につきましてお伺いしたいと思うのです。
#28
○説明員(原木雄介君) ただいまの御質問についてちょっと御説明申し上げたいと思います。
 夕張炭鉱の落盤災害と申しますのは、四十五年の一月二十七日に発生いたしました。死亡者四名、軽傷者一名を出した災害でございますが、この場合と今度の場合と特に比べてみました場合、一番の問題と申しますのは、いわゆる夕張炭鉱の災害の場合には、中段の坑道でワクが折れ、坑道の矢木が折れ、あるいは上の炭が逐次落ちてまいりまして、その上のサブレベル坑道までつながって、アリ地獄のようなかっこうになって四人の方が引き込まれたというように聞いているわけでございます。したがいまして、その際の問題点として、このときの委員会、いろいろ指摘がございますが、特に今回一番変わっておりますのは、そういった状況から判断しました場合の盤下坑道、そのときにはたしか坑道が炭層の中を走っておったと――炭を流す坑道――と思いますが、今度の砂川の場合につきましては、そういった経験から、坑道が、ここの模型でもおわかりいただけますように、炭層から離れて、坑道を切って、そこを炭を流すといったような形態になっておりまして、これが前の夕張から生かされた経験でありまして、だいぶ違った様相を呈しておるわけでございます。
 それからもう一点、夕張の場合には、下の坑道のワクの入れ方が手ぎわが悪く、保守も悪かったために、次第にだんだん下の炭が抜けてきて上まで届いて落ちたということでございますので、今回の場合は一度に何らかのかっこうで荷重がかかりまして、坑道サブレベル二番、三番あるいは四番に荷がかかって炭が落ちてきたということでございますので、現象的には、またまるっきり変わった災害というように考えております。もちろん、夕張の場合の災害につきましていろいろな委員会の御指摘もございますが、こまかいので省いてございますが、そういった点について、私も今度参ってその夕張の報告書と比べてございますが、坑道のワク自体も非常にしっかり入っておりますし、そういったことから夕張の経験を生かしてしっかりやっておったというように考えております。
#29
○藤原房雄君 これはこれから原因の究明がなされるわけでありますから、詳細なことについてはいろいろな角度からまた対策を講じられるだろうと思いますが、水力採炭であるというこの共通点ですね、そういうことから、過去にもいろいろなことがあったということから、何らかの形でこれは生かされてしかるべきだろうと思いますし、今度もまた、先ほどの御説明によりますと、学術調査団によって徹底的、総合的に調査をするのだということでありますが、こういう前車の轍を踏まないように、これは十分な総合的な対策が講じられなければならないと思いますので、まあいろいろな諸条件はあろうかと思いますが、夕張のことをちょっと申し上げたわけであります。その事故事故によっていろいろなケースがあろうかと思いますので、画一的には考えられないと思います。
 そういうことを踏まえますと、今度の対策の、学術的な、経験者も入れた総合的な対策委員会というものは、原因の究明とともに、今後考えられるであろう諸問題について積極的な研究をすべきだろうと思いますし、それをまた今後の事故を最小限に食いとめていく大きな歯どめにしなければならない、こういうことも考えるわけでありますが、それだけに、先ほど説明のありました学術経験者による技術調査団というのは、どのくらいの規模といいますか、どういうメンバーでどういうことを考えていこうとしているのか、まだ具体的な問題についてはできてないかと思いますが、あらかたそういう問題についてのお考えがございましたらお聞きしたいと思います。
#30
○政府委員(青木慎三君) 砂川炭鉱に対する落盤災害にかかわります技術調査団の概要でございますが、まず第一に、目的は、落盤の原因についてでございますが、鋭意調査を進めています諸要因が複雑にからんでおりますので、その解明につきましては、現場におけるいろいろの事象の解析はもとより、理論的考察を含めた調査が必要であるということで、その調査をやっていただくわけでございます。
 なお、この調査団は、原因の究明だけでなく、今後の対策の樹立にこの結果を十分利用できるように調査していただくということになっております。
 構成でございますが、ただいまきまっております構成を申し上げますと、団長が東大工学部教授の伊木正二先生でございます。団員としまして早稲田の理工学部教授の房村信雄先生、北大工学部教授の磯部俊郎先生、東大工学部助教授の山口梅太郎先生というふうに、こういう石炭鉱業界における理論的の最高の方々をお願いしまして、とりあえず二十日、二十一日に現地に行っていただきまして、調査をしていただくという予定になっております。
#31
○藤原房雄君 くどいようではありますが、今度は相当専門的な方々に徹底的にやっていただこうということのようでありますが、それは非常にけっこうなことだと思います。ただ、そういう問題については、事故の起きた当時は、やはりお互いに緊張して原因の究明なり何なりということについては相当真剣に取り組むわけでありますが、複雑ないろんな要素もございます。同じ事故で同じことが再び起きるとは限りませんで、いろんな要素があってまた事故が起きるだろう。そこで、いろんな調査団によって研究されたこと、それはそのときにかくかくしかじかであるという一つのことに取りまとめて発表なさる、それ以後このような問題については再び同じ轍を踏まないようにということで発表なさることはけっこうでありますが、そのあとやはりそれらのものを踏まえて継続的に研究していくということも必要ではないかと思います。夕張における事故、そのあと調査団が取りまとめたもの、それがそのあとどのように今後に生かしていくかということについてのやはり当局にもいろんな研究機関もあるわけでありますし、大学にもあるわけでありますし、そういう一つ一つのことがそのときだけで終わるのでなくて、やはり後に生かされていくような方向にそれを持っていくことが大事だろうと思います。その辺のことについては、ただいまメンバーのこと、また調査団の調査の目的ということがお話がありましたが、調査団が一応取りまとめた問題について、その後さらにそれを継続して研究を続けていくようなことについては何かお考えになっていらっしゃるかどうか、その点ちょっとお伺いしたいと思います。
#32
○政府委員(青木慎三君) この調査団によりまして、いろいろの原因の究明がされ、それに対する対策が出てまいりますと、私どものほう、行政といたしましては、保安規則の改正なりを行ないまして、その規則が改正されましたならば、その規則の順守につきまして、現地の監督官が十分その規則を守るように指導してまいるということで、今後、再びこういう事故を起こさないように、将来の歯どめにいたしたいというふうに考えております。
#33
○藤原房雄君 まあこのような技術調査団による徹底した検討をなされるということでございます。そういうこととともに、先ほど大矢委員からお話がありましたように、一つの地元の不安というのは、原因はわかった、しかし、その対策を講ずるにたいへんなお金がかかる。また、経営上それが会社を苦しめる立場になって、かりに、今日まで中小炭鉱がずいぶん整理縮小されて、現在残っているわずかの山、そこで現在働いていらっしゃる方々に対して不安を増すようなことになっては、これはたいへんなことだと思います。こういうことから特に上砂川、ただいまいろんな原因の問題についてお話がございましたけれども、山そのものは画一的にいきませんで、間々諸条件があります。それらの点を勘案して、そして、山のこのたびの事故が閉山につながることのないような配慮というものがなければならないと思います。あくまでも学術的な調査・研究、今後に対する対策、これは徹底的にやらなければならないと思いますが、それとともにそういう学術的なことだけではなくして、さらに現在、山を守ろうという働く人たちの立場も忘れてはならないことだと思います。その点については、先ほど大矢委員からお話がございました。十分に考慮するという当局のお話がございましたが、これは局長さん方は十分にその点はお考えだろうと思いますが、ひとつ大臣をはじめこの問題を担当する方々は、そういうひとつあたたかい施策の上に立って推進をしていただきたいということを心から切望する次第であります。
 さらに一つお伺いしたいことは、この山ではたいへんに山鳴りがしょっちゅうあるということ、事故の当時もまた何度か聞かれた方々がおるわけでありまして、保安につきましては、いろいろな規則があってきびしく施策をされておりますが、どうしてもいつも山鳴りになれてしまう。このなれということが事故を起こす一つの原因になろうかと思います。こういう点について、これはお互いにそれぞれの立場立場でそういう原因になる問題を除去していかなければならないと思いますが、特に保安面につきまして、保安員の運用といいますか、どうしても経営ということを頭に置きながらの採炭、仕事ということになりますと、働く人たちが実際危険を感ずるようなことがあって、それが実際もうすぐにそれに対応するような条件にあるかどうかという、ここは先ほどもちょっとお話がございましたが、非常に微妙なところではございます。山鳴りの程度、また過去の経験上いろんなことをなさっていると思いますが、事故というのは、一ぺんに来るのではなくてやはり前ぶれがある、その前ぶれに対してやはり十分な注意を払っておるということが大事なことだろうと思います。
 そのために形の上は、保安員や何かのいろんな形は、機構はあるわけでありますけれども、その運営ということになりますと、実際働く人たちの立場で、過去の経験上から自分の感じたものが即いろんな対策に生かされるかどうかということになりますと、それはその山々、また労使間のいろんな問題等でいろんなケースがあろうかと思います。これはただ条文や法律できめてしまうというわけにはいかないいろんな要素があろうかと思いますが、今後のあり方としまして、やはり働く人たち、また過去の経験のある人たちのこういういろんな感じ取ったものを十分に生かしていくといいますか、法の運用といいますか、そういうことについて十分な配慮がなければならない、こう思うんです。この問題は非常に微妙なことなんですけれども、今後二度と事故を起こしてはならないという立場から、こういう問題については何かお考えがあるかどうか。その山その山のいろんなケースがあろうかと思いますけれども、今後こういう問題について労使間についてのお互いの話し合いを十分にし、民主的に運用されるような形についてのお考えがありましたらお伺いしたいと思います。
#34
○政府委員(青木慎三君) 保安問題に関しましていろいろ制度上のこともございますが、そこで働く方々の意見が十分に反映するようにということだと思います。これに関しましては、労働者から選びます保安委員会の制度もございますし、保安監督の補佐員の制度もございますし、現行の保安法では、十分そういう点に関しては現場で働く人の意見が反映されるようにできていると思います。問題は運用でございますが、その点、私どもといたしましても、十分そういうものがスムーズに取り入れられるような運用を指導してまいりたいというふうに考えております。
#35
○藤原房雄君 最後に一つだけお伺いしたいと思いますが、これはさっきもちょっと出ておりましたが、遺族の補償の問題です。先ほどの労働省の方のお話ですと労災保険審議会ですか、ここでいま検討してもらっておるということでありますが、この著しい物価上昇の中にありまして、私も、過去何回かあった事故のときには現場へ行かしていただきまして、遺族の方々の補償の問題についていろいろお聞きしておりますが、三年前、四年前と現在と物価が著しく上昇しておるにもかかわらず、そう変わっていないということですね、いろんなデータを見ておりますけれども。まあこういう現状からしまして、現段階ではこれは罹災者の方々に対する、遺族の方々に対する十分な配慮を含めて改正しなければならないのは、もう当然だろうと思います。
 最近、列車事故や飛行機事故、いろいろな事故がございます。それと画一的に比較するというわけにはいかないかもしれませんけれども、この危険の中で働く方々、そういう方々が実際事故にあったときに、五百万か六百万前後というようなことで終わってしまう。現在、もう飛行機事故では一千万全部こしておりますから、こういうことで現在の法律というのは、実際、もうこういう災害にあったときには現実に適応しないという、こういうことを非常に痛感するわけです。四、五年前と何ら変わらない金額。今回の試算も、先ほどお聞きしましたけれども、四、五年前にあった事故のときの前払い一時金や、また遺族補償年金の金額と大した差がないということですね。これはどうしても変えていただいて、十分な補償のできるように、現実に即したものに改めるべきだ、これを強く感ずるわけであります。まあ、審議会の答申を受けるんだというようなことでございますけれども、この間の問題につきまして労働省としましてどう考えていらっしゃるか。強力にひとつこれを推進していただきたいことを切望するわけでありますが、御答弁いただきたいと思います。
#36
○説明員(山口全君) 遺族補償額についてはスライド制がございますので、他の年金制度に比べれば、労災保険年金の場合には、スライド額の問題はございますけれども、給与額が随時変動していくというシステムになっておるわけでございます。
 なお、先ほどお答え申し上げましたように、労災保険審議会に諮問いたしまして、労災保険審議会では労公使各側さらに小委員を選定いたしまして、先般、第一回の会合が持たれ、続いて四月の九日に第二回の会合が予定されております。問題点の整理に入っておりますので、御指摘の問題についても十分検討されていくと思いますし、われわれ十分その審議に御協力申し上げたい、かように存じております。
#37
○須藤五郎君 通産省並びに労働省の方々に質問するわけですが、私たちは、非常な重要なエネルギー資源の中で日本がただ一つ持っておるエネルギーの地下資源だと思っているこの石炭、これを何とかして確保し、そしてもっともっと十分に採炭をして、そうして炭鉱で働く労働者の生活並びに将来に対して不安のないようにしていかなきゃならぬと、こういうふうに常々考えておる立場に立ちまして質問するわけですが、いつも災害が起こると、私は実は、ああこれはまた閉山に通ずるのじゃないかということを常に考えるわけですね。というのは、過去に何回か、たびたび災害が起こりました。災害が起こると必ず閉山になってしまう、また閉山予定の炭鉱には災害が常に起こりがちだという過去の例からそういうふうに考えられる。ですから、今度もこれまた閉山になるのじゃないか、こう実は最初思いまして、しかし、この炭鉱はよその炭鉱と比べて非常に豊富な原料炭を持った山であり、有望な炭鉱です。だから、先ほどからの同僚議員の質問でも、これは閉山に通ずるものじゃないという意味の答弁があったように思うのですが、まあ閉山はしないということはわかりました。
 そうすると、その次問題になるのは、こういう優良な炭鉱をこの機会に切り離して、別途の会社にして、分離してそしてこれをやっていくのか、そういうことがもう一つ考えられる一わけですが、これを機会に切り離して、分離して経営していくという、そういうことはあり得ないのですかどうですか。
#38
○政府委員(佐伯博蔵君) そういうことはないと思います。
#39
○須藤五郎君 それじゃ、いままでどおり三井砂川炭鉱として経営を続けていくと、こういうことでありますね。
#40
○政府委員(佐伯博蔵君) その件は、本質的には会社自身が御判断なさることだと存じます。その件については、私たち何も聞いておりませんのでわかりませんが、会社自身が御判断なさることじゃなかろうかと思います。
#41
○須藤五郎君 会社の考えになりますと、やはり営利会社ですから、切り離したほうがいいと考えればこれをチャンスに切り離していくというようなことも起こりがちなんですね。まあ、そういうことにやはり労働者諸君は一つの不安を持つであろうし、私たちも石炭政策として好ましいことではないと思っておるわけですが、そういう事態がもしも起こったら、それはもう会社独自でやるのだから、政府当局としては何ら口をはさむ立場にないということなんですか。そこ、はっきりしておいてください。
#42
○政府委員(佐伯博蔵君) 会社の分離等については、一般的には会社自身のお考えだと思いますが、私たちのほうでは再建整備法で再建整備計画を認定をいたすというようなことをいたしておりますものですから、その再建整備計画の内容が変更になるような場合でございますと、通産大臣の認定が必要だということになるわけです。
#43
○須藤五郎君 きょうは災害に限って質問するということになってますからそれ以上追及しませんが、しかし、今度第五次石炭対策の答申も出て、それに対する予算もついて、またそれを別に審議する機会があろうかと思いますが、まあその機会に質問することにします。この問題はこれで打ち切っておきます。
 しかし、先ほどから聞いておりますと、災害の原因が何かわからない、まだはっきりしないということを言っていますが、しばらく前から山鳴りが続いておった、こういうことが言われておるんですね。その山鳴りに対する、何といいますか、考え方が少しのんき過ぎたんじゃないかと、私はしろうとなりに思うんです。だから、そういう山鳴りが常にずっと起こってくることは、公明党の方も申されましたが、やはりそれをよく検討して、こう長く山鳴りが続いては何か起こる前兆ではないかということを一応念頭に置いて警戒をしていくということが、これが私は経営者の責任ではないかと思うんですが、ここの経営者はそういうことにどれだけの関心を持って警戒をしてきましたか、どうなんですか。
#44
○政府委員(青木慎三君) 山鳴りについていろいろ問題がございますけれども、ただいまおっしゃられましたように、この炭鉱と申しますのは、山鳴りがあったということは確かでございます。ただ、その山鳴りと申しましても、ここの登川の來鉱層の上盤部分というのは砂岩でございます。それが、採掘によりまして炭層のあとに空洞ができますときは、当然その砂岩の部分がくずれて折れて、端的にいいますと、くずれなければ逆にあぶない場合もございます。したがいまして、採掘に伴って天盤がその空洞を埋めていく段階においては、天盤が切れるわけでございます。そのときには当然山鳴りがいたしますので、この山におきましては、山鳴りということがきわめて異常な現象のように一般に受けられることもあるかと思いますけれども、逆に、山鳴りが全然なければ危険な場合もあり得るということでございまして、山鳴り自体について、その音の大きさその他いろいろ問題がございますので、これから詰めなければなりませんが、一般的な山鳴りとしては即危険なものというようには考えられておりませんということです。
#45
○須藤五郎君 私は、従来もこういう災害の起こるたびに考えたことですが、経営者は、単にその金銭上の補償とかなんとかそういうことで問題を済ましてきておるんですね。しかし、労働者は命をかけておるわけです。もしも、ある職場で労働者がそういう不時の災害にあって、そしてたくさんの人が死ぬというようなことが起こったら、経営者は、ただ金で補償したら済むということで終わるかどうかですね。もう一つきびしく言うならば、やはり公害でも無過失というようなことですね。公害だって規制をしなきゃならぬ時代に来ているのに、こういう災害が起こる。これまで何回も起こってきて、炭鉱の経営者がただ金で事を済ませたらそれでいいんだというような安易な考え方をしているところに、私は、こういう災害が何回も繰り返される原因があると思うんです。こういうのはやはり過失致死罪に問うて、刑法上もっときびしく罰すべき問題ではないかと思うんです。それでなかったら、この山の災害というのは私はやまらないと思うんですが、もっと経営者はこの災害の起こる原因に厳重に関心を深め、そしてこういう災害の起こらないように万全の策を講じていくという、そういう体質にならなきゃいけないんじゃないか。どうなんですか、その点は。
#46
○政府委員(青木慎三君) 災害に関しまして経営者が金で済ますというような考えに立っているといたしますと、たいへんなことでございまして、こういうことは絶対許されないことと私どもは考えております。したがいまして、経営者はやはり災害を絶対起こさないということを目標に、十分な努力をしていただかなきやならぬというふうに考えております。一方、そこで働いておられる労働者の方々に対しましても、先ほど御説明しましたように、保安監督員補佐員の制度もございますし、保安委員会もございますし、また、非常に規則違反がありましたり、重大なる災害のおそれがあるときには、直接、監督局に申し出をすることのできるような道も開いておりますので、今後、災害をやっぱり絶滅するためには、まず、鉱業権者が一番災害に対してりっぱな自覚を持っていただくこと、それとと同時に、やはり労働者の方々も十分いまある制度を利用しまして災害防止に協力していただく、そういう事態を踏まえまして、私ども、監督に当たる者も災害の絶滅を期して、十分、監督に力を入れていくという、この三者の努力が十分に発揮しませんと、なかなか今後の災害の絶滅を期すことができませんので、私ども、将来、この方向に向かって、通産省は通産省なりの努力を十分やってまいるということにいたしたいと考えます。
#47
○須藤五郎君 そんなことはわかり切ったことでしてね、現場で働く労働者が災害にあわないように注意を喚起をしていくというのは、これは当然のことですよ。それはやっていると思うんですよ。しかし、なおこういうものが起こるんですよ。そして現場の労働者にそういう注意を喚起して災害の起こらないようにさせていくというのは、これはやはり経営者でしょう。経営者の頭がもっときびしく災害というものに取り組まないところに、私はやはり監督不十分な問題が起こってくるし、その気持ちがいわゆる職場の監督官にも移っていくであろうし、現場で働く労働者は出炭出炭というのでしりをたたかれて、やはり生活のために無理な出炭をしていくという状態も起こってくるわけですね。それが総合的になって、そしてこういう災害が起こるんですよ。だから、やはり人命に対する責任を経営者がもっときびしく受けとめなきゃいかぬと私は思うんですよ。工場で公害を起こしたら、公害を起こしたそこの工場の責任が問われるでしょう、公害法で。それが炭鉱でこれだけ災害を起こしながら、炭鉱の経営者は金で見舞い金を出せばそれで済むんだというような、そんな考え方できているところに私は問題があると思うんです。だから、経営者をもっときびしく律する法律を私はつくっていく必要があると思う。それでなければ日本の炭鉱はうまくいきませんよ。私は、日本の炭鉱をりっぱに育てていくという立場に立ってこういうことを言うんです。いまのままで、これでいいとあなたたちはお考えになっているのか、そこを伺いましょう。
#48
○政府委員(青木慎三君) 先ほど申し上げましたように、災害に対します第一番の責任者は、やはり鉱業権者でございますので、先生御指摘のとおり、経営者は十分その点を自覚して、災害を絶対起こさないように努力をする必要があるという点では全く同感でございます。現行の鉱山保安法におきましても、その鉱業権者の義務は十分規定してございますので、現在でいいということではございませんけれども、この法律を十分運用いたしまして、十分その責任ある場合には、鉱業権者に責任をとっていただくということにしてまいりたいというふうに考えております。
#49
○須藤五郎君 あなた、いま、はしなくも、現在でいいとは思っていないということを言いました。それじゃ、現在でいいと思うほどはっきりさしたらどうですか。現在でいいと思っていないならば、いいように変えていったらどうです。
#50
○政府委員(青木慎三君) 現在の鉱山保安法そのものは、いろいろの過去の事故を照らしまして、いろいろの原因究明の結果を得まして、年々その規則を改正し、きびしくしておりますので、現状の規則そのものがすべて満点であると、私ども、思っておりませんが、こういう事故を踏まえまして規則を改正し、できるだけ災害を絶滅できるように規定を改正しながら改善につとめてまいりたいという意味で申し上げたわけでございます。
#51
○須藤五郎君 それじゃ、現在のものが満足なものではないということは確認しますね、どうですか。
#52
○政府委員(青木慎三君) 今度のような新しい形の事故ができました場合には、やはり何らかの原因の究明をいたしまして、取り締まり法規そのものも改善を加える必要があるというように考えます。
#53
○須藤五郎君 もっと少し深めたいのですが、時間の都合もありますから、あなたが現在のものでは十分でないと思っておるという、それをはっきり私は確認して、そして次の質問に移りますよ。
 そうなりますと、補償の問題にも関係をしてくるんですが、先ほどから補償について社会党、公明党の同僚議員が質問いたしました。私もきょうの質問はそこを中心にしてやろうと思ってまいりましたが、同僚議員が質問しましたから、その点は省略はいたしますが、先ほどから聞いておりますと、災害保険が非常に低いということはわかりましたね。これは皆さんお認めになりますか。今日の物価、生活に比べて、こういう災害保険金というものが非常に低いということはお考えになりますか。年金で五十二万九千円でしょう。月四万円ですよ、死んだ家族の受け取るものは。それは低いというふうにお考えになりますか、これで十分だというふうにお考えになりますか。これも含めてあなた、先ほど法の立場が十分でないということも、私は考慮にして質問をしているのですから、これで十分だというふうにお考えになるかどうか聞かしてください。
#54
○政府委員(青木慎三君) 私どものほうは保安を担当しておりますので、保安の取り締まりそのものが今後改善の余地があるということは、十分先ほど申し上げたとおりでございますが、その給付の水準につきましてどうであるかという点につきましては……。
#55
○須藤五郎君 労働省が来ているじゃないですか。労働省が答えたらいいんですよ。
#56
○説明員(山口全君) 先ほどお答えしましたように、労災保険の給付につきましては、このところ三十五年、四十年、四十五年と数次の改正を経まして、先ほど申し上げたとおり、百二十一号条約の水準に達してまいっております。そういうことを申し上げたわけです。しかしながら、各方面から特に遺族給付を中心とする改正の要望が非常に強いということで、先ほどお答えしたように、審議会の検討をお願いしている段階でございます。したがいまして、各方面から強い要望があるということでございますので、検討を取り急ぐわけでございますが、年金と一時金という性格もございまして、にわかに、それが適当であるないという議論は若干問題があろうかと存じております。ただ、年金給付についての一時金の上積みという問題が各企業において取り上げられておりまして、比較される限度では、現在の水準は必ずしも妥当でないという意見が各方面にあるということは、十分認識しております。
#57
○須藤五郎君 それでは、もう端的に聞きますが、労働省は、労災保険法をこの際、時代に適応したようなほうに法改正はやるという気持ちがあるのですか、これはこのままでいいんだという考え方ですか、どうですか。
#58
○説明員(山口全君) ただいまお答えしたとおり、遺族補償の問題に限らず、労災補償制度全般についての検討をお願いしております。したがいまして、その審議会の結論によりましては、法改正することも、法改正を要する問題も出てまいろうかと存じております。
#59
○須藤五郎君 私は、労働省の心がまえを聞いているのですよ。答申がどう出ようと、やはり労働省が労働者の立場に立つならば、今日のこの時代にこんなわずかな、何というのですか、労災法によるこういう年金ではとてもだめだという考えに立つならば、これをどうしようという、そういう心がまえを労働省自体がまず持つことが必要だと思うんですよ。だから、労働省は、法改正をやろうという考えなのかどうかという点を私は聞いているんですよ。一言で答えてくださいよ、はっきり。
#60
○説明員(山口全君) 審議会の御答申によりましては、法改正を要するということをいま申し上げたわけでございます。
#61
○須藤五郎君 それじゃ、審議会が答申をしなければ法改正をやる必要がないという考え方ですか。
#62
○説明員(山口全君) 補償制度全般についての御検討をお願いしておりますので、まあ、ただいまの議論で遺族補償給付というものが非常に低いという議論であり、審議会がさよう認めれば、当然、法改正を要することは言うまでもありません。
#63
○須藤五郎君 そんなことをそう遠慮する必要ないですよ、官僚といえども。ほんとうに改正しようという意欲を持っているならば、私たちは改正する方向でいま作業しています、そのぐらいのこと言われたらどうですかね。審議会、審議会と言って、人の責任のようにあなた言っているから、ぼくはちょっと食い足らないのですよ。どうです。はっきり言いなさいよ、そこら。
#64
○説明員(山口全君) 何度も繰り返すようでございますが、審議会の答申検討をお願いしておる段階でございますので、その結論に従いまして早急な事務処理をすることになろうと思います。
#65
○須藤五郎君 炭鉱労働者というものは、最も悪い条件で働いている労働者だといって私、差しつかえないと思うのですよ。私は、炭鉱の炭住の問題、それから保安の問題、いろんな問題、現地へ行ってたくさん見てきましたよ。それは、あのような悪条件で働いている労働者というものは、今日、都会にはないですよ。だから、もしもこの炭鉱労働者の社会保障から住居の問題、賃金の問題、あらゆる問題を解決していかなかったら、炭鉱というものは、労働者がいなくなることによってつぶれてしまう時代が来るよと、私、前にも申し上げたことがあるのです。現にいま若い労働者がほとんどいなくなっていくじゃないですか。炭鉱労働者はどんどん減っていくじゃないですか。政府は、掘り出す炭を押えることも、少なくすることもその一つではありますけれども、やはりもうそれは今日では昔ほど、炭が必要だといって、それで、さあ労働者集まってくれといっても、炭鉱労働者は今日の状態では集まりませんよ。炭鉱労働者がいなくなるということで炭鉱がつぶれてしまうほうが私は、早いような感じがするんですよ。
 現に、今度死んだ人もみんな四十歳から五十歳、もう若い労働者はいないじゃないですか。そうでしょう。それを見ましても、今日の炭鉱労働者はだんだん老年化してきているということは言えると思うんですね。そうしたら将来どうなる。だから、あらゆる問題について炭鉱労働者はこういうふうにりっぱな将来が約束され、そうしてりっぱな生活もできるようにされております、こういうことをまず第一につくらなかったら、幾ら石炭、地下資源を守っていこうといったって、私はできないことだと思うのですよ。そのためには、いま申しました労災法も改正していく必要がある、そういうことになってくるわけですね。
 それから、会社は責任を感じていますと、先ほど局長おっしゃったが、会社当局も責任を感ずるというならば、それならば、見舞い金にしましてももっと労働者を満足させるだけのことをやってみたらどうですか。責任は感じている、責任は感じていると口先だけですよ。口先のことばは何の役にも立たないのです。それは行動で示さなければだめなんですよ。ところが、炭鉱資本家は、政府のほうから四次五次にわたる金を取ることばかり考えて、労働者のことをあまり考えていかない。そのためにいろいろの問題が起こってきているのが今日のいわゆる状況だ、私はそういうふうに考えますよ。だから、今度の見舞い金でもわずかでしょう。今度会社は見舞い金どれだけ出すのですか。ちょっと言ってくださいよ。
#66
○政府委員(佐伯博蔵君) 私たちが聞いております範囲では、十五日ですからきょうでございますが、きょう労使間で交渉が持たれるというふうに聞いております。ただ、全般的に、いわゆる石炭協会のほうと、それから炭労さんのほうとで交渉がなされておりますものは、一人当たり扶養家族がおられる方については五百万円、その他の扶養家族のおられないような方は三百七十五万円ということを、炭労と石炭協会のほうでおきめになっておられるわけでございます。
#67
○須藤五郎君 死んで、遺族があって五百万、今日の死者は、飛行機で墜落して死んだ場合でもあらゆる場合でも、五百万というようなそんな低い見舞い金というものは、私はないと思いますよ。皆さんもこれで十分な見舞い金だとは考えていらっしゃらないと思うんですが、どういうふうに考えていらっしゃいますか。これで十分だとお考えでしょうか。
#68
○政府委員(佐伯博蔵君) これは私の意見と申しますよりも、やはり労使間でいろいろお話し願うことじゃなかろうかというふうに思っておるわけでありまして、いま弔慰金のお話もしましたが、そのほかに、別途、その方の勤務年数等によりまして退職金制度があることはもちろんでございます。それと先ほど労働省からお話のございました労災補償というものとの合計になるんだろうというふうに存じます。
#69
○須藤五郎君 はなはだ熱意のないお答えですが、あなたが十分だと思っているならばそれでいいですよ。ほっておいたらいいですよ。しかし、これでは少ない、不十分だと考えるならば、見舞い金に対して、会社に皆さんが努力をして、これに上積みをするように努力をなすったらどうかと思うんですが、そういう努力をなさいますか、どうですか。しないならしない、するならすると言ってください。中途はんぱな答えは要らない。
#70
○政府委員(佐伯博蔵君) 一時的には、先ほども申しましたことでございますが、本日、労使間で交渉をなさるというふうに聞いておりまして、おそらく会社といたしましても、できるだけの処置はされるものというふうに思っておりますが、私たちといたしましても、要しますれば、そのような方向で指導してまいりたいというふうに存じます。
#71
○須藤五郎君 それじゃ、その結果が出たところで不十分だと思うならば、上積みをするように会社に話をする、努力をするということですか。どうですか。――それじゃ、もしも努力をなさらなければ、これで十分だということにもなるわけですが、どうなんですか。
#72
○政府委員(佐伯博蔵君) これは本来、労使間で御交渉なさることでございますが、私たちといたしましても、先ほど申しましたように、要しますれば、指導してまいりたいというふうに思います。
#73
○須藤五郎君 指導するということばは、上積みをするように指導していくということですね。そうですね。
#74
○政府委員(佐伯博蔵君) 労使双方で交渉なさることでございますけれども、当然、低くするようなことで指導することは毛頭ございません。
#75
○須藤五郎君 少な過ぎるということで指導することは毛頭ないというのですか。いまちょっと私、聞き落としましたから言ってください。行政府の責任ですよ、私の問うているのは。あいまいな答えはやめてくださいよ。
#76
○政府委員(佐伯博蔵君) 私たちといたしましても、要しますれば、もちろん、指導する方向は上積みの方向でございますが、そのような方向で指導してまいりたいと思います。
#77
○須藤五郎君 それじゃもう一ぺん確認しますよ。上積みの方向で指導していく、こう理解していいですね。
#78
○政府委員(佐伯博蔵君) 要すれば、そのような方向で指導してまいりたいということです。
#79
○須藤五郎君 私は、行政というものはことばではないと思うんですよ。どの場合でも言えると思うんですがね、やはり行動だと思っているんですよ、行政というものは。やはり国民に対する愛情のある行動があって、初めて私は行政ということが言えると思うんですね。今日の皆さんの発言を聞いていると、何かことばだけのものであって、その裏に国民に対する愛情というか、誠意というか、そういうものが欠けているように思うんですね。ここで言質をとられたらたいへんだというので、できるだけ責任をとらないような答弁をやろうやろうというふうに皆さん考えておるようですね。あなたたちの出世コースにはそれが一つの武器であるかわからぬ、そういうずるい責任持たない答弁というのは。しかし、国民は、それが承知ができないんですよ。そういう行政官は国民はあまりありがたがりませんよ。やはりほんとうに国民に対する誠意を持って、上役がどうであろうと、自分の誠意と熱意を持って、国民を守る立場に立ってりっぱにやっていこうという、そういう熱意があってりっぱな行政官と言えるんじゃないか、私はそう思っていますよ。もしも、ぼくが行政官だったらやりますよ、そういうことを。
 皆さんの聞いていると、何かぼくらが聞いておって、それがびんと胸を打たないんですよ、皆さんのことばが。もっと私たちの胸を打つような、国民の胸を打つような答弁をしていただきたいと思うんですね。そうでないと、この困難な石炭産業というものを、幾らあなたたちが熱意を持っています、熱意を持っていますと口では言っても、ほんとうに守ることにならないんですよ。それでは私たちが困るんです。私たちは、石炭産業は唯一の地下資源として十分に守り、そうしてそこで働く人たちを十分に守っていきたい。石炭を守り、石炭産業に従事している労働者諸君を私は守っていきたいという、こういう熱意を持って私は石炭問題と取り組んできておるわけなんです。そういう立場に立って私はきょう質問をしたわけなんです。少しきびしい質問もあったかもわかりませんけれども、やはりそのぐらいの心がまえをしていかないと、この石炭産業というものは守っていくことがなかなか困難だということを最後につけ加えまして、私の質問を終わります。
#80
○小委員長(阿具根登君) 他に御発言もなければ、本日の質疑はこの程度といたします。
    ―――――――――――――
#81
○小委員長(阿具根登君) 次に、昭和四十八年度の石炭関係予算に関する件を議題といたします。
 本件に関し政府側から説明を聴取いたします。外山通商産業省鉱山石炭局長。
#82
○政府委員(外山弘君) お手元に「昭和四十八年度石炭及び石油対策特別会計予定額総表(石炭勘定分)」という資料と、「昭和四十八年度一般会計(石炭関係)歳出予定額総括表」というのをお配りいたしております。また、説明資料といたしまして、「昭和四十八年度石炭対策予算案について」と題しました資料を差し上げてございますので、以下、この資料に沿いまして、四十八年度の石炭関係の特別会計、一般会計予算案の御説明を申し上げます。
 なお、御説明の内容には公害保安局の部分も含まれておりますが、あわせて御説明申し上げます。
 昭和四十八年度石炭対策予算予定額は、特別会計が一千九十二億二千八百万円、また一般会計が三千九百二十四万九千円となっております。
 まず、特別会計のほうでございますが、昭和四十八年度は、昨年六月の石炭鉱業審議会答申に基づく第五次石炭対策の初年度であり、予算案の作成にあたりましては、この答申の趣旨を最大限予算に盛り込むことにつとめた次第であります。また、予算の実行にあたっては関係法の改正を必要とするものもあり、このため、今国会に、石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案を提出いたしております。
 昭和四十八年度の石炭勘定予算予定額の総額は、歳入歳出とも一千九十二億二千八百万円であり、前年度の当初予算額に比べ、九十億七千七百万円の増額となっております。この場合、歳入は、石炭及び石油対策特別会計法の規定により石炭勘定の歳入に組み入れるものとされている原重油関税収入のいわゆる十二分の十相当額一千八十億円に、前年度剰余金受け入れ等十二億二千八百万円を加えたものであります。
 以下、歳出の主要内容について御説明いたします。
 まず、炭鉱整理促進費でございますが、四十八年度の炭鉱整理促進費補助金、これはいわゆる閉山交付金及び離職金の原資でございますが、百二十四億四千七百万円を予定しており、同年度中に処理すべき閉山規模を三百万トンと見込んで算定しております。
 なお、四十八年度におきましても、万一不測の閉山の増加により所要資金に不足を生じた場合は、特別会計の石炭勘定において別途借り入れを行なってこれに充てる措置を講ずることとしたいと考えております。これに対しては、石炭及び石油対策特別会計法の一部改正が必要でございます。
 次に、石炭鉱業生産体制改善対策費でございます。
 この項目の中心は、坑内骨格構造整備拡充事業費補助金であります。
 石炭鉱山における坑内骨格構造の整備拡充は、能率の向上、出炭の安定及び保安の確保の見地からきわめて重要であります。四十八年度におきましては、答申の趣旨に沿って、甲類坑道の補助率を四〇%から七〇%に引き上げるとともに、炭鉱向け助成の一元的運営の観点から、本件補助金交付業務を石炭鉱業合理化事業団に移管する考えであります。この点につきましても、石炭鉱業合理化臨時措置法の改正が必要でございます。
 それから三番目に、石炭鉱業合理化事業団の出資金でございます。
 石炭鉱業合理化事業団に対する出資金は、同事業団が炭鉱に対し行なう設備近代化融資等の原資に充てるためのものであります。四十八年度におきましては、答申に従い、同事業団に新たに運転資金の融資を行なわせることとし――この点も同じく法律の改正が必要でございます――このための原資三十億円を含む八十億円を出資することとしております。
 四番目は、石炭鉱業経理改善対策費でございます。
 本件項目は、石炭企業の累積債務のいわゆる財政による肩がわり――これは石炭鉱業再建交付金及び石炭鉱業元利補給金と申しているわけでございますが、この肩がわり、並びに炭鉱に対し生産トン当たり一定の単価により交付する石炭鉱業安定補給金に充てるためのものであります。
 このうち再建交付金につきましては、九十二億六百万円が計上されておりますが、この中には、答申に従った既存の再建交付金の期間短縮分これも石炭鉱業再建整備臨時措置法の改正が必要でございます、この期間短縮分の十億一千万円と、いわゆる第三次債務肩がわり――これも法律の改正が必要でございますが、第三次債務肩がわりの初年度分二十一億六千五百万円が含まれております。
 なお、安定補給金につきましても、その交付業務を四十八年度から石炭鉱業合理化事業団に移管したい考えであります。この点も、合理化臨時措置法の改正が必要でございます。
 それから五番目に、石炭需要確保対策費でございまして、これはいわゆる石炭増加引取交付金でございます。
 石炭増加引取交付金は、前年度とほぼ横ばいの五十一億三千百万円を予定しております。
 それから六番目が、石炭鉱業保安確保対策費でございます。
 保安確保対策の重要性にかんがみ、四十八年度におきましては、鉱山保安確保事業費補助金の補助率を三分の二から七五%に引き上げる等の改善をはかりつつ、二十三億五千六百万円を予定しております。
 それから七番目が、石炭鉱業合理化事業団補給金でございます。
 本件は、石炭鉱業合理化事業団の経理体質の強化をはかるため、業務経費の一部を補給することとするものであります。
 八番目が、鉱害対策費でございます。
 石炭鉱業の残存鉱害は、現在約一千七百億円にのぼっており、その計画的復旧が重要となっております。
 四十八年度の鉱害対策費は、百七十億九千二百万円を予定しておりますが、このうち、鉱害復旧事業資金補助金は百三十八億三百万円で、これにより、復旧事業規模を四十七年度の百六十四億六千四百万円から、四十八年度は百八十六億一千五百万円に引き上げることとしております。
 九番目が、産炭地域振興対策費でございます。
 産炭地域振興対策は、産炭地域について、産業基盤の整備、企業の誘致、地方財政の援助等を通じて、石炭鉱山の閉山がもたらす地域経済の疲弊を可及的に回復することをねらいとして実施されております。四十八年度においては、合計八十二億三千二百万円の予算を予定しております。
 このうち、産炭地域振興臨時交付金は、炭鉱の閉山があった市町村に対し四年間にわたって交付金を交付するものでありますが、四十八年度においては、石炭鉱業審議会答申及び昨年六月の産炭地域振興審議会の建議に沿いまして、まず、基準額の単価をトン当たり六十五円から八十五円に引き上げる。なお、これに伴いまして、四十七年度をもって交付金の基準額の交付が終了する市町村に対しては、一市町村当たり二百万円の調整額を交付するといった改善をいたしております。また、第二に、市町村が行なう特定公共事業に対する補助率引き上げ措置の改善をはかるため、新たに特定公共事業に対する調整額を設ける。それから第三に、閉山地域の中小商工業者対策として、道県が行なう長期低利融資の原資の二分の一を交付すること。こういった点の内容の拡充をはかることとしております。
 また、工業再配置・産炭地域振興公団の産炭地域振興事業につきましては、五十四億円の出資を行なうこととし、資金運用部からの融資百二十七億円と合わせて、四十八年度におきましては、二百十五億七千四百万円の事業規模を確保することとしております。
 それから、その次の炭鉱離職者援護対策費及び産炭地域開発雇用対策費、これら二項目は、労働省の所管予算でありますので、後ほど労働省から御説明があると思います。
 それからその次に、国債整理基金特別会計への繰り入れでございます。
 この項目は、特別会計の過去の借り入れ金の元利償還に充てるためのものであります。四十八年度は、本来は、昭和四十五年度に借り入れた百七十億円の元本を全額償還すべきこととなっております。しかし、四十八年度は第五次石炭対策の実施の年として、各種の施策の拡充のための財源を確保する必要がありますので、特例措置といたしまして、右の百七十億円のうち八十億円のみを償還することとし、残余の償還は、四十九年度に延期するということとしております。このための石炭及び石油対策特別会計法の改正が必要でございます。
 次に、予備費でございますが、予備費は、四十七年度と同じく二億円を計上しております。
 以上が特別会計でございますが、次に、一般会計予算について御説明いたします。
 昭和四十八年度の石炭関係一般会計予算予定額は、三千九百二十四万九千円であります。
 次に、そのおもなるものについて御説明いたします。
 まず第一は、亜炭鉱業の生産体制改善に必要な経費でございます。
 亜炭鉱業における炭層探査を促進し、合理的な坑道掘進を行ない、生産体制を改善するための費用の一部を補助するためのものであり、四十八年度予算予定額は、千三百八十四万二千円としております。
 なお、全国亜炭鉱業協会が行なう亜炭鉱業整備共済事業に対する補助金については、補助事業の終了に伴い、四十八年度は計上しておりません。
 次に、海外原料炭開発調査に必要な経費でございます。これは海外原料炭開発株式会社に対する補助金であるわけでございます。
 この会社は、石炭業界と鉄鋼業界の共同出資によって設立したものであり、海外の原料炭資源に関する資料、情報の収集及び基礎的予備調査を行なっております。
 本件補助金は、同社の事業の補助を行なうもので、四十八年度は千五百九十八万七千円を予定しております。
 以上でございます。
#83
○政府委員(桑原敬一君) お手元に労働省所管分の「昭和四十八年度石炭及び石油対策特別会計(石炭勘定)予定額表」という資料を配付いたしておりますので、それによりまして御説明申し上げます。
 一番下の欄にございますが、労働省所管分の合計は百九億四千七百六万七千円になっておりまして、昭和四十七年度に対しまして十億六百二十九万五千円の増でございます。
 一番上にまた戻りまして、05の炭鉱離職者援護対策費は、六十五億九千九百七十四万八千円でございます。
 そのおもなものは、まず第一に炭鉱離職者援護対策事務費でございますが、三億六千四百四十五万三千円でございます。四十七年度に対しまして四千二百六十三万八千円の増になっております。これは離職者の職業相談職業紹介あるいは就職指導等を担当いたします就職促進指導官の人件費でございます。
 第二は、炭鉱離職者緊急就労対策事業費補助金でございます。これが三十一億五千九百万円で、四十七年度に対しまして一億五千六百万円の増になっております。その内訳は、吸収人員が四十七年度より二百人の減の三千二百人、事業費単価が四百円増の三千八百円でございます。
 第三は、炭鉱離職者援護事業費補助金でございますが、その内容は、援護協力員手当、炭鉱離職者の移住資金等に必要な経費でございまして、雇用促進事業団に対する補助金でございます。その額が十六億五千九百四十六万二千円を計上いたしております。この中には、炭鉱離職者が広範囲の地域にわたる求職活動を行なうに際しまして、四十八年度から新たに支給されることになります広域求職活動費の費用も計上いたしております。
 第四は、炭鉱離職者職業訓練費補助金でございます。炭鉱離職者が他産業へ再就職いたします際、これを容易にするため都道府県が行ないます職業訓練の補助の経費でございまして、九千六百八十三万三千円を計上いたしております。
 第五は、炭鉱離職者就職促進手当の経費十三億二千万円でございます。四十七年度に対しまして二億六千九百万円の増でございます。その内容は、手当の単価が一八%増で、最高日額につきまして千百十円から千三百十円に引き上げております。
 次に、06の産炭地域開発雇用対策費四十二億四千七百三十一万九千円でございますが、四十七年度に対しまして四億二千百十二万九千円の増になっております。吸収人員は四十七年度と同様に三千二百人、事業費の単価は六百円増の六千二百円でございます。
 以上、労働省所管の予算説明を申し上げました。
#84
○小委員長(阿具根登君) 以上で説明の聴取を終わります。
 質疑は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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