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1949/04/25 第7回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第007回国会 本会議 第41号
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1949/04/25 第7回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第007回国会 本会議 第41号

#1
第007回国会 本会議 第41号
昭和二十五年四月二十五日(火曜日)
 議事日程 第三十九号
    午後一時開議
 第一 国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二 米国対日援助見返資金特別会計からする電気通信事業特別会計及び国有林野事業特別会計に対する繰入金並びに日本国有鉄道に対する交付金に関する法律案(内閣提出)
 第三 租税特別措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第四 医療法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第五 健康保險法等の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第六 船員職業安定法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第七 植物防疫法案(内閣提出、参議院送付)
 第八 農林物資規格法案(内閣提出、参議院送付)
 第九 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、動植物検疫所の出張所設置に関し承認を求めるの件(内閣提出、参議院送付)
 第十 更生緊急保護法案(内閣提出、参議院送付)
 第十一 保護司法案(内閣提出、参議院送付)
 第十二 教育職員免許法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第十三 教育職員免許法施行法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
    ―――――――――――――
●本日の会議に付した事件
 資産再評価法案(内閣提出、参議院回付)
 ソ連抑留邦人に対するソ連政府の発表についての池見君の緊急質問に対する川村政府委員の答弁救援物資の寄贈に関し国際連合国際兒童緊急基金(ユニセフ)に対する感謝決議案(松永佛骨君外十七名提出)
 専任外務大臣任命に関する決議案(芦田均君外四十六名提出)
 戰災都市復興促進に関する決議案(上林山榮吉君外十九名提出)
 電気通信事業の公共企業体経営移行に関する決議案(橋本登美三郎君外三十名提出)
 日程第一 国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 租税特別措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 地方財政平衡交付金一部概算交付暫定措置法案(内閣提出)
 日程第四 医療法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第五 健康保險法等の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第六 船員職業安定法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第七 植物防疫法案(内閣提出、参議院送付)
 日程第八 農林物資規格法案(内閣提出、参議院送付)
 日程第九 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、動植物検疫所の出張所設置に関し承認を求めるの件(内閣提出、参議院送付)
    午後三時十二分開議
#2
○議長(幣原喜重郎君) これより会議を開きます。
     ―――――・―――――
 資産再評価法案(内閣提出、参議院回付)
#3
○議長(幣原喜重郎君) お諮りいたします。この際議事日程に追加して資産再評価法案の参議院回付案を議題となすに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 資産再評価法案の参議院回付案を議題といたします。
#5
○議長(幣原喜重郎君) 採決いたします。本案の参議院の修正に同意するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて参議院の修正に同意するに決しました。
     ――――◇―――――
#7
○議長(幣原喜重郎君) 外務政務次官から、去る四月二十二日の池見茂隆君の緊急質問に対して答弁のため発言を求められております。これを許します。外務政務次官川村松助君。
    〔政府委員川村松助君登壇〕
#8
○政府委員(川村松助君) 去る二十二日の本院における池見議院の緊急質問に対しましてお答えいたします。
 今回のタス通信によりまして、約二千四百名の戰犯者と若干の病人を除きましたソ連からの日本人送還が完了した旨の報道がありましたが、これは一通信社の報道発表にすぎないのでありまして、日本政府といたしましては、従来総司令部を通じて懇請いたしておりますように、抑留者、戰犯者、さらに死亡者の氏名等に関するソ連政府の正式な回答を期待いたしておるのであります。日本政府は、今日まで数回にわたりまして、総司令部を通じて抑留同胞一切の情報提供方を懇請いたして参りました。にもかかわらず、ソ連当局からは今日まで終始沈黙の連続でありまして、日本政府といたしましては、四月二十三日現在では、シベリア、千島、樺太地区の未船還者の総数は約三十万九千名となつておるのであります。日本政府といたしましては、ソ連政府から正式の回答に接しないので、留守宅家族、帰還者等の協力を得まして、日本政府のでき得る範囲内において鋭意未帰還者の消息につき調査を進めておるのであります。一方今後におきましても、引続き総司令部に対し、ソ連当局が抑留同胞の消息に関しまして正式な回答を行うよう要望するものであります。
 さらに残留者の引揚げ促進につきましては、あらゆる努力を拂いまして国民の期待に沿う決意でおります。以上。(拍手)
     ―――――・―――――
 救援物資の寄贈に関し国際連合国際兒童緊急基金(ユニセフ)に対する感謝決議案(松永佛骨君外十七名提出)(委員会審査省略要求事件)
#9
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、松永佛骨君外十七名提出、救援物資の寄贈に関し国際連合国際兒童緊急基金(ユニセフ)に対する感謝決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
#10
○議長(幣原喜重郎君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 救援物資の寄贈に関し国際連合国際兒童緊急基金(ユニセフ)に対する感謝決議案を議題といたします。提出者の御旨弁明を許します。松永佛骨君。
    〔松永佛骨君登壇〕
#12
○松永佛骨君 各派共同提案にかかる、救援物資の寄贈に関し国際連合国際兒童緊急基金、すなわちユニセフに対する感謝決議案の上程にあたりまして、ここに提案の趣旨を説明いたしたいと存じます。
 まずその案文を朗読いたします。
  救援物資の寄贈に関し国際連合国際兒童緊急基金(ユニセフ)に対する感謝決議案
  国際連合国際兒童緊急基金(ユニセフ)が、国際連合の厚意と同情との贈物である多量の原綿、紛乳等の救援物資を寄贈されていることは、全国民の感謝に堪えないところである。
  この物資は、昨年秋以来、多数の兒童に対し、衣料品及び給食用ミルクとして配分されており、衣料品及び食糧品に不足勝ちである日本の多くの兒童は、この厚意に浴し、日々感謝と喜びの生活を送るに至つたのである。それは、国境を越えた崇高なる人類愛と、なかんすく日本の兒童に対する限りなく深い愛情との具象化であつて、これを受けた兒童は勿論のこと、日本国民全体は、この温い贈物に、心から感謝している次第である。
  ここに衆議院は、特に院議をもつて、国際連合国際兒童緊急基金(ユニセフ)及び幹施の労に当られる連合国最高司令部に対し、深甚なる感謝を意を表するものである。
 右決議する。
 周知の通り、ユニセフは国際連合国際兒童緊急基金の略称でありますが、一九四六年国際連合総会において設立されて以来、経済社会理事会の指示する原理に従つて、二十六箇国理事会の定める政策のもとに運営され、これまでにヨーロッパ及びアジアにおける諸国に援助を與えて参つたようでありますが、先般この援助を日本にも適用されることに相なつたのでありまして、今日の日本の国際的地位を考えまするとき、かかる国際組織から直接援助を受けますることは、私ども国民一同の深く感激いたすところでありまするとともに、またここにこれが感謝の意を表明いたしますることは、ひとしお意議の深いものを感ぜられる次第であります。
 ユニセフからの救援物資は無償で配分されますが、最終需要者たる兒童の手元へ届くまではユニセフの所有権に属するものとされ、ユニセフ本部から駐日代表員が常置されておりまして、もつぱらその指示に従い、また連合軍最高司令部の指示を受けまして、日本政府が嚴密なる管理計画のもとに全責任を持つてその配分に当つているのであります。
 救援物資は、主として兒童の被服に加工して配給するための原綿、兒童給食用の脱脂粉乳、乳兒給食用の全紛乳等であります。昨年秋その第一船が到着いたしまして以来、現在までに寄贈されましたものについて申しますと、原綿千三百八十二こうり到着のうち八百八こうりがすでに製品化され、全国の生活保護法による生活扶助を受けている世帶の三歳以上八歳未満の兒童約二十五万人を対象といたしまして、男子服、女子ワンピース、メリヤス肌着等として配分されました。脱脂紛乳百二十三万四千百三十三ポンドは、全国五十五万箇所のモデル小学校の学童約五万五千人、全国十二箇都市の三十八保育所の幼兒約五千人等約六万人を対象といたしまして、昨年十一月より約一箇年間を目標に給食用ミルクとして配分され、現に給食が実施されておるのでございます。全紛乳八万六千六百四十九ポンドは、十七都道府県モデル保健所区域内の乳兒約三千人に対し、昨年十一月より約十箇月間を目標に給食が実施されております。
 このように、約二十一万人に及ぶ兒童がユニセフからのあたたかい贈りものを十分に受けることができたのでありまして、兒童の天真らんまんな心からなる歓喜の声がその手紙や図画や写真等によつて表題せられ、ただに私達の胸を打つばかりではなく、必ずやこれら兒童の脳裡に深く刻まれた幼き日の喜びが将来の日本の平和的再建の礎となり、ひいて国際社会に寄與する日のあるであろうことを確信して、新たなる感激を覚えるのであります。
 伝え聞くところによりますと、ユニセフの救援物資の寄贈は今後もなお続けられる模様でありまして、すなわち脱脂紛乳百九十万ポンドが新たに寄贈され、結核療養所、癩療養所、国立少年院、各種兒童福祉施設等の収容兒童及びモデル保健所、六大都市保健所の指導を受ける在宅結核兒童中の要保護兒童等約六万三千人を対象に、一日五十グラム、五〇〇カロリーを基準量として、本月末ごろより向う一箇年間の給食を続けられ、あるいは原綿の末製品化分約五百七十四こうりが新たに製品化されまして、生活保護法の生活扶助を受けている世帶の八歳以上十六歳未満の兒童約十五万人に、本月末より五月の上旬にかけて行われます兒童福祉週間終了までに配給を行う等の計画が進められておるやに承知いたしているのであります。さらにまた原綿二百三十八こうりが数日前横浜港に到着いたしましたが、やはり日本の兒童に寄贈されることに相なりますやに仄聞いたしているのであります。
 このように、これらユニセフの限りなき好意に寄せる日本国民の感謝の念はあまりにも大きく深く、筆舌に表現いたしがたきものであります。この国境を越えた崇高なる人類愛、ことに可憐なる兒童に対する盡きせぬ愛情には、私ども日本国民の深く敬畏の念を禁じ得ないところであります。国会は、この国民の総意を表明し、ここにユニセフに対して感謝の決議をいたしないと存ずるのであります。
 簡單でありますが、以上をもちまして本決議案提出の趣旨を御説明いたしました。願わくは全議員諸君一致の御賛同をお願いいたす次第であります。(拍手)
#13
○議長(幣原喜重郎君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。
 この際厚生大臣より発言を求められております。これを許します。林厚生大臣。
    〔国務大臣林讓治君登壇〕
#15
○国務大臣(林讓治君) 国際連合国際兒童緊急基金、すなわちユニセフの好意と同情に基きまして日本の兒童に寄贈せられました多量の原綿、紛乳等の救援物資が、兒童の生活をゆたかにし、その健康を増進しておりますことは常々深く感謝をいたしておるところでありますが、ただいま院議をもちまして、国民の総意として特にユニセフ及び連合軍最高司令部に対し感謝の意を表せられましたことは、まことに時宜を得たるものであり、御同慶の至りであります。また国際組織たるユニセフが兒童について深い理解と絶えざる関心を有ぜられますることに対しましても常に尊敬をいたしておるところであります。政府におきましても、ユニセフのこの好意に応じ、なお一層の努力を重ねまして、單に要保護兒童に限らず、広く一般兒童の福祉を増進いたしたいと考えておるわけであります。それと同時に、特に兒童の福祉という問題は国民諸君の協力と理解が必要なことは言うまでもないのでありまするから、国民諸君が絶えず兒童福祉に十分な関心を持たれることを望んでやみません。かくして、国全体として兒童の福祉に努めるということが人類愛に基く国際連合のこのあたたかい贈りものに対しての真の感謝であり、また義務であることと考える次第であります。
 以上所懐を述べまして、こたえたわけであります。(拍手)
     ――――◇―――――
 專任外務大臣任命に関する決議案
 (芦田均君外四十六名提出)
      (委員会審査省略要求事件)
#16
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、芦田均君外四十六名提出、專任外務大臣任命に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
#17
○議長(幣原喜重郎君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 專任外務大臣任命に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。並木芳雄君。
    〔並木芳雄君登壇〕
#19
○並木芳雄君 私は、ただいま上程されました專任外務大臣任命に関する決議案に対し、提出者を代表して提案理由の説明をいたしたいと思います。
 決議案文を読み上げます。
 現下内外の情勢にかんがみ、吉田内閣総理大臣は速やかに專任の外務大臣を任命すべし。
 右決議する。
これが決議案の全文であります。きわめて簡潔でございますが、この簡潔な決議案文の中には、まことに重要な意味を含んでおるのでございます。
 私たちがただいま当面しております問題には、いろいろ重要な課題が多いのでありますけれども、その中で特に大きな問題は来るべき講和会議であると思います。講和会議こそ、まさしく日本の運命を左右するものでありまして、これに対して海外からの報道は、講和会議をすみやかに聞くべしとの説には大体一致しておるようではございますけれども、その内容とか方法につきましては、いまだ決定的になつておらないようであります。これがだんだんと決定的になる段階におきまして、必ずや連合国方面におきましても日本国民の意のあるところを觀察して、民主主義を重んずる関係諸国といたしましては、日本の国民の意思はどういうところにあるかを必ず講和條約の中にしんしやくし、取上げてくださるであろうということを私たちは信じて疑わないものでございます。そのため、すでに国民の間には、講和に対する関心が次第に高まつて参りまして、国会においても、これに相呼応して、熱心に討議が重ねられておるのでございます。
 しかるに、行政を担当する政府においては、事講和に関することとなると、まことに消極的の態度を持続しておるのであります。あまりに受身の形をとつておるために、民意にまつたく反映せず、国民は今日ようやく焦慮の様相を示して来ておるのであります。なるほど政府筋の言う通り、日本には目下自主外交権がない、また講和会議に対しては発言権がないということは、私たちもよく承知しておるのでございます。しかし、発言権とか自主権とか固苦しい権利といつたようなものはないにいたしましても、私たちが希望を述べ、要請をすることは、これは許されておると信ずるのであります。ましてや日本国民は、ポツダム宣言に従い、憲法を守つて、民主的な平和国家として出発することを世界に誓つておるのであります。あくまでも軍備を捨てて、まる裸となり、戰争を放棄して、世界の平和に寄與、貢献せんとして日夜努力しておる私たちといたしましては、この線が強く押し進められることを切望することは理の当然であります。これをしも政府は見ざる、聞かざる、言わざるの態度をとつて臨むならば、国民の意向は著しくゆがめられるのみならず、遂にはその進むべき方向を誤るがごとき事態を惹起しないとも限らないのであります。このことは、專任外務大臣がないということによつてさらに拍車をかけられております。海外からこれを見るとき、日本政府はまことに無関心であり、放心状態であると思うかもしれません。自主的外交権がないからといつて、遠慮して外務大臣を置かないのだという、つまり謹愼の意を表しておるなばとは考えられないと思うのであります。むしろ平和愛好の熱意を欠除してえおるのであると断ぜられることを私たちはおそれるものであります。今こそ吉田内閣総理大臣は專任の外務大臣を任命すべきであると強調したいと思うのであります。
 專任外務大臣設置の要望は、今日急に出て来た問題ではありません。昨年の初めまでは、講和会議の見通しというものも、まだはつきりついておらなかつたのでありますけれども、第五国会の終りごろ、吉田総理大臣が講和会議は案外早いであろうとの重要発言をいたしましてから、ようやく表面に出て来たのであります。それからの海外の報道は、対日講和会議の近いことを示すものとして、私たちの耳目をそばだて始めたのであります。これに呼応して国会においても講和についての関心が高まるとともに吉田総理に対し、各党から專任外相設置の要望が出されて来たのであります。それは單に野党側のみならず、與党の議員の中にも同じ考えの人が多かつたのであります。これに対し吉田総理は、あるいはその時期が来れば置くとか、あるいは私をおいて他に適任者はないとかの答弁をもつて逃げていたのであります。しかしながら、その時期が到来したということは、ただいま申し上げた通りであります。
 首相をおいて他に適任者がないということは、これは私たちにはわかりません。ただ時期が来れば置くということと、他に適任者がないということとは矛盾しておることを指摘せざるを得ないのであります。もしほかに犠牲者がないなら、たといその時期が来ても專任外相を置くことはできないということが言えるからであります。その場合は、結局組閣を完了する資格がないものでありますから、内閣は総退陣するよりほかにしかたがないと思います。しかし、いくら何でも、三百名になんなんとする與党の中に外相の適任者がないというのもおかしな話であります。
 第一、首相は自分が最適任者だと思つているかもしれませんが、国会における行動を見るときに、われわれは贊成しかねる点があるのであります。たとえば、講和に対しては発言権がないと言つているかと思うと、急に気に食わぬ講和條約なら席をけつて立つというがごとき失言をして、あわててこれを取消したり、またたとえば、仮定の事柄であるとか将来の問題であるとか言つて講和問題から遠ざかつているかと思うと、やぶから棒に、日本に自衛権はあると言い出してみたり、発作症状をむき出しにして前後の一貫性を欠いているために、国民を惑わすことはなはだしいものであるということを指摘するものであります。
 また外務委員会などにおける出席ぶりを見ましても、委員の熱望にもかかわらず、成績がすこぶる悪い。衆議院外務委員会では、第四、第五、第六国会を通じて、いずれもわずかに一回しか出席しておりません。本第七国会におきましては、すでに委員会は十五回の多きにわたつて開かれたのでありますけれども、驚くなかれ、あとにも先にも、たつた一回しか出ておらないのであります。しかも、これが代理を勤める政務次官は最も重要なるポストであるにもかかわあらず、何にもわからぬ、何にも言えない。こういうものを、しいて任命しておいてあるのでありまして、兼任外務大臣のいないときに重要な事項を審議しようと思つても、まつたく役に立たないのであります。従つて、事務当局はいずれも右にならえでありまして、首相兼外相の鼻息をいたずらにうかがつているばかりであります。これでは、秘密外交、独善外交と言われてえも返す言葉がないと思うのであります。本日出発したと伝えられます白州特使――いわゆる白州特使の人事に関しましても、まさにその通りでありまして、国民が知らない、国会が知らないような人事が白晝公然と行われておるということも、これを立証する一例といわざるを得ないのであります。
 今や日本は講和会議を控え、よしその以前においても海外に事務所を設置することが許され、調査団を派遣することが許され、留学生も送ることができるようになつて来ました。もろもろの條約なり協定なり、こういうことも及ばずながら締結することもでき、いわゆる通商外交の線に沿つて、力強く調印なき講和條約というものが進められんとしておるのであります。わが国が国際社会への加入が許され、国際会議への参加ができるところまで成長して参つたのであります。
 政府は、外交に自主権なきがゆえをもつて、あたかも自主性をも失つているものと錯覚し、いかなる條項を含む講和條約に対しても無條件にこれに応ずるがごとき媚態を示しておるのであります。たとえば、最も論議されておるところの中立堅持、完全講和の問題にいたしましても、あたかも、どうせなるようにしかならないといつた態度を示しておるのであります。これに対しては、私たちは、あくまでポツダム宣言を堅持し、憲法に従うべきの精神から、中立をそこなうがごときことのないように強く主張して来たのでありますが、このほど発表されましたマッカーサー元帥のリーダース・ダイジエスト誌への寄稿によりますと、まさに私たちの気持を裏書きしたものと言えるのであります。(拍手)もし中立を破れば日本は滅亡するとまでマッカーサー元帥は私どもに警告を與えておるのであります。
 この一事をとつてえみても、多数の上に眠り、自主性を失つた吉田総理兼外務大臣の責任は重かつ大といわざるを得ません。(拍手)講和條約は單独内閣でけつこうだ、国民は何も言わずについて来い、国会もついて来いと言わぬばかりの今までの気持と態度に対しては、まさしくこのマッカーサー元帥の寄稿は冷水三斗を浴びせかけられたものと言えるのであります。今こそ吉田総理は、專任外務大臣を任命し、国民の叫びを聞き、国会の意思を体してえ複雑な内外の情勢に対処すべき体制を確立すべきときであると思うのであります。
 最近の吉田内閣の人事を見るとき、まさに代用品内閣の様相を示しておるのであります。專任外務大臣のほかに、大蔵大臣にしてしかり、通産大臣にしてしかり、建設大臣も自由党総務会長をかけ持ちしておるのであります。この代用品内閣によつて、どうして困難なる政局を処理して行くことができるであろうか。與党の皆さんも、この点は真劒に考えていただきたいと思います。
 私は、かつての軍閥政治の時代に、東條内閣が次ぎ次ぎに兼任大臣制をとつて来たことを、今戰慄をもつて思い出すのであります。今の吉田内閣がこれと似通つたような傾向を持つて来たことは、日本に独裁政治の再現するにあらずやとの懸念を一掃して、明朗なる民主政治が行われ、私どもの待望する講和会議が一日も早く結ばれ、私たち国民の要望が講和会議に反映するよう、重要なる役目を果す專任外相がすみやかに任命せられることを、私たちは心から念願する次第であります。
 どうぞ満堂の皆様、本決議案に御賛成の上、すみやかに成立せられるよう切にお願い申し上げまして、私の趣旨弁明を終る次第であります。(拍手)
#20
○議長(幣原喜重郎君) 討論の通告があります。これを許します。福田昌子君。
    〔福田昌子君登壇〕
#21
○福田昌子君 私は、ただいまの決議案に対しまして、社会党を代表いたしまして賛成の意を表するものでございます。(拍手)
 わが国は、終戰以来すでに第五年目を迎え、国民生活も大いに民主化せられまして、講和会議の機もすでに熟して参つたのでございます。欧米諸国におきましても、対日講和の必要を言論に載せ、可及的すみやかに対日講和の締結を論じますところの声が日を追うて大きくなりつつあるのであります。(拍手)まさに日本の将来を考えます場合、今日ほど外交政策におきまして微妙かつ困難な時期はないと言えるのであります。(拍手)
 こういうような重大な時期に、多数を擁せられ、人材を豊富にかかえておられます自由党内閣におきまして、なお一人の專任外相さえ置かれないということは、実に了解に苦しむのであります。(拍手)そのことは、見方をかえますと、日本のこの重大な立場を大いに軽視しておるということも言えるのでありまして、八千万国民に対しまして、まことに相済まない態度であろうということを指摘いたしたいのであります。(拍手)
 今日国民におきましても、一人々々が真に日本の立場というものを了解し、世界の情勢をよく認識いたしまして、日本の将来というものを考えまして、現実のやすきについて自主性を失うようなことがあつてはならないのであります。しかるに、国民の中にも、残念なことには国会の中におきましても、親米一辺倒あるいは親ソ一辺倒の人たちを見るということは、私どもにとりましては、まことに残念にたえないのであります。また諸外国の日本に対しまする報道を見ましても、日本の国民が真に平和を愛好し、また戰争を骨の随から徹底的にさらつているということに対しまして、なお認識を新たにしていない諸外国が残されているのであります。
 こういうように、国内におきましても、また諸外国の御認識を願う上におきましても非常に重大なるときに日本は立つているのであります。従いまして、一日も早く適当な專任外相を置かれまして、日本の将来に対して間違いのない措置をとられんことを要望するものであります。すなわち世界各国に向いましては、日本の国民の一人々々が明かに平和を愛好し、戰争を忌避しているということを表明いたしまして、十分の理解を得まして、世界各国の信義と道義に訴えまして、日本の将来のために絶対必要であるところの、またそうでなければならないところの全面講和を主張し、また安全保障の問題におきましても、永世中立、東洋のスイスであることが日本国民の義務である、また世界にとつても世界の平和に貢献するところの唯一の方法であるということを主張したしますところの專任外相を一日も早く設置しなければならないのでございます。私どもは、現実の困難に耐えかねて目前の安きにつき、外交においても、今日池田蔵相あるいは白州特使を派遣せられたるごとき、国民にとつてはまことに了解に苦しみますような秘密外交または私的外交をなすことなく、正々堂々と日本の自主性を表明して世界の平和に貢献するがごとき日本の立場を主張し得るところの專任外相の一日も早く設置されることを私たちは要望しておるのでございます。
 この意味におきまして、右決議案に対し賛成の意を表するのであります。(拍手)
#22
○議長(幣原喜重郎君) 伊藤憲一君。
    〔伊藤憲一君登壇〕
#23
○伊藤憲一君 私は、日本共産党を代表しまして、ただいま議題となつております專任外務大臣任命に関する決議案に賛成の意を表するものでありいます。きわめて簡單明瞭に賛成の意を表します。
 ただいま提案者を代表する並木君の演説及び福田昌子君の言われたことに対して、わが党も全面的に賛成するものであります。ただ一点つけ加えておかなければならないことは、昨年十一月六日、ソビエト同盟の革命三十二周年記念前夜祭に、マレンコフ副首相が対日講和に対するソビエト同盟の外交方針を明らかにした翌日から、わが国の講和問題というものは国際的に論議せられるようになつたのであります。従いまして、わが党は十一月初旬、講和問題調査特別委員会の設置を本院に提案したのでありますが、これは少数をふやされたのであります。しかし、今日に至るまで、ただいま並木君の言われましたように、本第七国会には、吉田外務大臣はたつた一回しか出ていない。こういうべらぼうな話はないのであります。また、せつかく数をふやしながら、この重大な講和問題を一ぺんも論議しておらない。今日、日本国民の重大な関心及び要望は、すみやかなる全面講和と、講和後における占領軍の徹底であります。
 私は、本提案にありますように、すみやかに專任外務大臣を任命してこの講和問題と取組むように心から要望しかつ要求して、本案に対して賛成の意を表するものであります。(拍手)
#24
○議長(幣原喜重郎君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#25
○議長(幣原喜重郎君) 起立少数。よつて本案は否決せられました。
     ――――◇―――――
 戰災都市復興促進に関する決議案
 (上林山榮吉君外十九名提出)
      (委員会審査省略要求事件)
#26
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、上林山榮吉君外十九名提出、戰災都市復興促進に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
#27
○議長(幣原喜重郎君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 戰災都市復興促進に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。石原圓吉君。
    〔石原圓吉君登壇〕
#29
○石原圓吉君 私は、提出者を代表いたしまして、ただいま上程になりました戰災都市復興促進に関する決議案の趣旨弁明をいたします。
 最初に決議案文の朗読をいたします。
  戰災都市復興促進に関する決議案
  戰災都市の復興事業は、終戰後すでに四年有余の歳月を経た今日、今なお遅として著しき進展を見ないことは、経済の再建、民主の安定上まことに憂慮にたえない。
  土地区画整理を中心とする戰災都市復興事業は、都市建設の基盤をなすものであつて、これが早期完成は正常なる復興建築の促進のため、不可欠のものたることは言をまたない。政府は昨年本事業の再検討を行い、昭和二十五年度以降五箇年を以て早期結了をはかるべく計画を立てたのであるが、この計画実現のため、その第一年度たる昭和二十五年度に計上せられた都市復興予算を見るに、既往年度に比し若干改善のあとを看取しうるも、計画において要請せる数字とのひらきを考えるときは、戰災復興事業の前途に今なお多大の危惧をいだかざるを得ない。
  よつて政府が真に本事業を五箇年計画を以て早期完了せんとする決意を有するならば、須く一層の熱意と努力とを予算の確保に傾注せられ、出来うべくんは本年度においても追加予算等の方法を講じ、以て本事業完遂に万遺憾なきを期せられたい。
 右決議する。
 この問題は、御承知の通りきわめて緊急を要する重要な事柄でありますので、率直に申し上げたいと思うのであります。
 今次戰争により、わが国の重要な大都市はほとんど壊滅に瀕したのでありますが、戰災を受けました面積も全国にわたり、都市、集落を合せて実に一億六千万坪に及ぶ厖大な区域となるのでありまして、この被害もまた、有史以来いまだかつてなかつた国家的大災禍であつたのであります。この戰災都市の復興につきましては、終戰直後、政府において民主安定をはかり、新生日本再建の基盤とするために、国家行政の重要なる方策として戰災復興対策を大きく取上げ、戰災都市復興事業は、土地区画整理を中心とする閣議決定に基きまして全国百十五の戰災都市に計画実施されておりますことは、各立の御承知の通りであります。
 しかしながら、終戰以来五箇年を数える今日、はたして戰災都市復興の現状はいかがでありましようか。まことに憂慮にたえないものがあるのであります。すなわち戰災都市復興の実情は、その進捗においてわずかに三四%程度にすぎないという現状でありまして、かかる進捗の度合では相当の長年月を要するものであることは、容易に推測し得られるのであります。このような有様では、都市復興の基盤となるべき区画整理及び土木事業の遅滯は、建築を阻害するばかりでなく、かえつて区画整理の完了をまたずして建物の濫立となり、互いに因果関係となつて、りつぱな復興事業計画も遂には画餅に帰するおそれがあるものと存ずるのであります。このようなことがあつては、都市再建上かつ民主安定上ゆゆしき問題であつて、まことに寒心にたえない次第であります。
 現下、わが国財政及び地方財政の面からの制的に各分野にわたるものでありまして、特に都市復興のみが例外たり得るはずがないのでありますが、窮乏せる戰災都市の財政状態からして、特に国庫への依存度が高いのはきわめて当然なことで、この事業に対する国庫補助額のいかんは、ただちに重大な影響を與えるのであります。しかるに、この事業に対する国庫補助が、他の公共事業に比較して、はるかに低位に置かれているという状態でありまして、このような認識の足らないようなことでは、この最も緊急を要すべき本事業の進捗を停滯せしめ、ひいては新らしい民主日本の安定を期する上に一大支障を来す原因となるものと思のであります。
 政府におかれては、客年、経済九原則の実施を契機として、財政上の見地から復興計画事業の再検討を行い、大体の結論を得られたようで、今後五箇年内に一応の收束を期すべく、これが打開の方途を進められるという努力を拂われたことに対しましては、従来の内閣に見なかつた画期的な大英断であり、都市復興政策の大なる前進であると喜びにたえない次第であります。これについては、戰災都市復興事業につき、昭和二十五年度より五箇年計画をもつて早期完了をはかるため、総額三百三十二億円の事業費を計上して、平均毎年度三十三億の国費の支出を要すると決定し、特に五箇年計画の初年度である昭和二十五年度予算に重点を置いて本事業を完遂するよう附帯決議をもつて明示し、強く要望しているのであります。
 しかるに、昭和二五年度予算に計上された都市復興予算を見ると、わずかに十八億円の少額にすぎないという事実に対して、われわれは、戰災都市の復興事業が他の公共事業に比較して格段の重要性があるにもかかわらず、かかる予算の措置をとられていることに対し、これを遺憾とするものであります。よつて、政府においてはなお一層十分なる予算的措置を講じられ、全国にわたる百十五の戰災都市市民の窮状にかんがみ、一日も早く本事業の完遂をはかられんことを切に希望するものであります。何とぞ各員におきましても御賛同をいただきまして、本問題をすみやかに解決されるよう特段の御支援を賜わりたくお願いして、私の趣旨弁明を終る次第であります。
#30
○議長(幣原喜重郎君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決せられました。
 この際建設大臣から発言を求められております。これを許します。盆谷建設大臣。
    〔国務大臣益谷秀次君登壇〕
#32
○国務大臣(益谷秀次君) 戰災都市復興の事業は、早期に結了いたして参らなければならぬという見地から、御承知の通り昨年戰災都市復興対策協議会を開きまして、復興計画の再検討をしてもらつたのであります。その結果、ただいま提案者の御説明にありましたことく、対象都市を百十五都市から八十五都市にいたしました。また面積は一億万坪を八千五百万坪にいたしました。しかして事業費におきましては、五百五十億を三百三十二億ということに圧縮いたしたのであります。協議会におきましては、この再検討いたしました対策を五箇年間に完了すべく答申になつたのでありました。政府におきましては、この答申案を尊重いたし、鋭意この線に沿うて参りたいという努力をいたしておる次第であります。ただしかし、国家の財政の都合で、本年は期待するほどの予算をこれに振り向けることができなかつたのであります。今後とも、ただいまの御決議の趣旨に沿うて鋭意予算の増額に努力いたしたいという所在でございます。なおつけ加えて申し上げておきまするが、予算はただいま申しましたことく不十分でありまするが、本年は四十億の失榮対策費があるのであります。これを都市計画の都市復興の方面に有効に活用いたして参りたいと思います。
 以上、決議案の趣旨についての政府の見解を申し述べた次第であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 電気通信事業の公共企業体経営移行に関する決議案(橋本登美三郎君外三十名提出)
    (委員会審査省略要求事件)
#33
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、橋本登美三郎君外三十名提出、電気通信事業の公共企業体経営移行に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審査を進められんことを望みます。
#34
○議長(幣原喜重郎君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 電気通信事業の公共企業体経営移行に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。中村純一君。
    〔中村純一君登壇〕
#36
○中村純一君 ただいま議題となりました電気通信事業の公共企業体経営移行に関する決議案の提案の趣旨を御説明いたします。
 まず決議案を朗読いたします。
  電気通信事業の公共企業体経営移行に関する決議案
  わが国電気通信事業は、戰後における当局者の努力にもかかわらずその復興は容易に進まず、なかんずく電話事業にあつては、復旧拡張計画はなおすこぶる不充分であり、加うるに設備の大半は依然老朽に委せられ、サーヴイスもまたはなはだ低下している状況であつて、国民の要望に隔たること遠く、延いては産業の振興、文化の進展に悪影響を及ぼしていることは、極めて憂慮に堪えない。
  由来電気通信事業は、高度の公共性を有する一面、その本質はあくまで企業的性格を帶びるものである。この点に鑑み、政府はさきに電気通信省を設置して事業管理機構の合理化を図つたのであるが、本事業の経営形態が依然国営に属しておる結果として、企業経営の根本たる会計、経理及び人事管理等の面は、今なお原則として一般行政機関を規律する準則によつて拘束されておるため、運営上活発な企業活動が阻害せられ、本事業の健全な発達に多くの障害を與えているものと認められる。
  よつて政府は、これらの障害を除去し、本事業の根本的刷新向上を図る目的をもつて、これが経営形態を公共企業体に移行するとともに、運営諸般の方途についても検討を遂げ、経営上充分な自主性と機動性とを附與すべきである。
  本院は、政府が速やかに右に関する施策を決定することを要望するものである。
 右決議する。
以上であります。
 申すまでもなく、電気通信、すなわち電信電話の事業が一国の政治、経済、文化活動の根本であり、また国民生活の福祉の増進に至大の関係を持つものであることは、これまでしばしば言い盡されたことでありますが、これはもはや單なる謹論ではなく、電信電話の機能の発揮が不十分であるために日々いかに能率を阻害せられ、支障を生じつつあるかということは、われわれが身をもつて体験しておることであります。
 試しに一例をあげて申しますならば、昨年八月の電気通信省による調査の結果によつて見ましても、もし電話が、戰前、すなわち昭和五年――九年程度の疏通状況に復旧しますならば、日本全国の全事業所を通じて月額約十二億二千六百万円、年額にして約百四十七億円の出張費用以外の有形無形の損失を加算して考えまするならば、電話機能の不良、設備の不十分のために国民経済上いかほどの損失と悪影響を與えているか、けだし思い半ばに過ぎるものがあるのであります。しかしてこのことは、もとよりひとり経済の分野においてだけでなく、国家、社会活動のあらゆる部面においてまつたく同様の状態にあることは、あえて多言を要しないところでありまして、かようの状態でありまするがゆえに、電気通信事業の設備を整備し、サービスを改善することは、今日国民の最も熱望するところであり、まさに與緊の急務であると存ずる次第であります。
 諸君御承知の通り、通くる第五国会において、電気通信事業復興促進に関する決議が本院に上程され、満場一致をもつて可決され、同時に参議院においても同様趣旨の決議が成立いたしましたことは、まつたくこの国民の不満が国会を通じて政府を鞭撻、督励する声となつて現われたものと信ずるものであります。
 戰時中の酷使に次ぐ酷使と、戰災による非常なる破壊のため一時極度の麻痺状態に陥つた電信電話が、近時相当程度の回復を示して参りましたことについては、当局の努力を認めるにやぶさかなるものではありませんが、なお復興状況ははなはだ不十分であるばかりでなく、その設備の大半は老朽のままにまかせられ、サービスの内容ははなはだ低下しておつて、まことに遺憾な、憂うべき状態にあるといわねばなりません。加うるに戰後電気通信に対する需要及び利用度が著しく増高して参りましたことは、他の理由もありましようが、大局的には、国際競争場裡において敗戰日本を復興するためには、だれが何と言おうとも、どんな謹論があろうとも、国民生活のあらゆる分野において最高度の能率を発揮して活動、奮闘すること以外には道がないという歴史的必然から来る現象でありまして、この国家復興上の必然の趨勢に思いをいたしますときには、あらゆる活動の基本である本事業に関しましても、この際これが経営上に一大刷新を加え、その飛躍的拡充と一層の能率的運営を断行するの必要きわめて緊切なることを痛感いたす次第であります。
 しかして本事業は、もとより高度の公共性を有するものでありまするが、これとともに、一面あくまで経済的企業であります。十分に企業的に運営されねばならぬ本質を持つておるものであります。しかるに、今日これが官営で経営されておりまするために、本来一般行政官庁を対象として制定された諸制度によつて拘束せられておりまして、企業的見地から見まするならば、その間多くの矛盾や不合理が存在し、ために本事業の活発な活動発展をはなはだ阻害しておる実情であります。特に事業経営上の根本である会計、経理及び人事管理の面において最も大きい不合理の存在を痛感いたすものであります。
 すなわち、現行電気通信事業特別会計制度は、名は特別会計でありますけれども、單に一般会計との会計区分の役割を果すにすぎないものでありまして、内容的にはあくまで消費会計的予算制度によつて制約せられており、そこには何ら弾力性と永続性を持つた企業会計的特異性は認められないのであります。ことに、ここに大いに留意すべきことは、もつぱら支出規制のための会計制度であるために、もつて企業経営上の指針となし、また反省の材料となすべき決算がはなはだ軽視せられているということでありまして、これがため、ひいては予算の編成も真に企業的とならず、とにかく形成的に偏しやすいということであります。
 次に人事管理の面におきましては、その任用、昇任、給與等の諸制度がことごとく国家公務員法に基く画一的原則によつて律せられておりまするために、真に事業経営の実情に即する人事管理を行うことができず、ために積極的に経営を合理化し、能率を増進し、あるいは増收をはかり、支出を節減する等の職員の努力に対して、精神的にも物資的にもこれに報いるの方途がきわめて乏しく、職員の事業に対する関心を深め、勤労意欲を向上せしむることが困難でありまして、サービス低下の原因の一班をなしておるということは、はなはだ遺憾に存ずるところであります。
 このような根本的欠陥は、官庁機構というわく内に存在しておる限り、これを改善是正することは、従来もしばしば試みられたことではありますけれども、遺憾ながらほとんど不可能であると斯せざるを得ないのでありまして、ここにおいて、どうしても経営形態の根本を改革し、もつて十分に自主的、機動的な企業活動を行い得るところの態勢を確立するの必要があると確信いたすものであります。
 この経営形態の改革については種々の方策が考えられるのでありますけれども、事業の公共的性格、国民経済の実勢その他の事情をあわせ考えまするときには、今日の段階においては公共企業体といたすことが最も実情に即するものであると考えるものであります。さきに内閣に設置せられました電信電話復興審議会においても、久しきにわたる愼重審議の結果、本事業の経営を公共企業体に移行せしむべしとの答申を政府に提出したと承知したしております。
 公共企業体については、すでに国鉄、專売公社等の先例の存するところであります。しかして、これらのものに対して必ずしも所期の期待に沿つていないとの批判のあることも承知いたしておるのでありまするが、私は、今日かような結論を出すことは尚早であると存じまするばかりでなく、それはむしろ、そのつくり方に遺憾の点があり、運用の方法がいけないからであると思うものでありまして、企業体の設立並び運営にあたり、欠陥の所在を徹底的に認識して、この組織、制度、人事、資金調達方法等の方途につき果敢にかつ強力に企業的要素を盛り込みまするならば、十分に目的を達成し得るものと考えるのであります。政府はよろしく万難を排して、十分に企業性を持つた公共企業体を設立するとともに、運営諸般の方途についても徹底的な検討を遂げ、是正を施し、もつて本事業経営の根本的刷新を行うべしと認めるものでありまして、かくのごとくして初めて本事業が国家の復興、発展の基石た得るものと信ずる次第であります。
 以上申し上げました理由によつて、同志三十一名の議員相はかり、所属各派の共同提案として本議案を提出いたした次第であります。何とぞこの趣旨を了とせられまして、満場一致御賛成あらんことを希望いたす次第であります。
#37
○議長(幣原喜重郎君) 討論の通告が おる結果として発達を阻害しておるということに対しては、私は断固反対の意思表示をするものであります。何となれば、国営国有の方式を真に民主化することによつてその欠陥が救われるのではありませんか。ただいま提案者の説の中にありましたことく、旅費その他に莫大な金を使つておると申しましたけれども、この莫大な金を使う点は、会計、経理を十分民主化することによつて救われるのであります。
 また先ほど以来述べられましたる中に、公共企業体に移行することによつて公共企業体労務者の待遇が向上するということを言うておられたのでありますが、この点においては、公共企業体労働関係法には、明らかにお説の通り、国家公務員と比較して大きな権限が與えられております。現に仲裁委員会なるものがあつて、当事者双方は、最終的決定に対してはこの仲裁委の裁定に服従しなければならないという現定があります。しかるに、現実にこの国鉄の問題にいたしましても、それが実現しておりますか。
 こういうことを考えるときに、このせつかくの法文すらも生かされていない現実の問題において、この公共企業体を生かすことによつてこれが必ず救われているという断定はできないのであります。もちろんわれわれは、もつと根本的な欠陥に触れて行きたいのでありますが、わが党は、多年国家公務員法を真に民主化するために、国家公務員に対する団体交渉権を付與するという点を常に主張し続けて来ておるのであります。しかるに、公共企業体労働関係法において認められている団体交渉権が国家公務員に認められていないかという点において公共企業体に移行する方が有利であるという観点は、根本を誤るものであります。
 ここにおきまして、わが党の立場より、真に重要基礎産業に対する国有国営、しかもそれは真に民主化され社会化されたものでなければならない、よつて国家公務員に対するところの大きなる権限を付與し、団体交渉権その他を復活して、真に民主化されたるところの運営がなされることを期待しておりまするがゆえに、この電気通信事業におきましても、あくまでも国有国営の形式をとりまして、その民主化、社会化に徹底的に努力することをお誓い申し上げまして、この決議案には遺憾ながら反対の意思表示をするとともに、あくまでも国有国営の形式をとる電気通信事業が、祖国再建の文化事業として、重要なる産業振興に寄與する事業として、またあらゆる産業、文化、科学その他すべての国家事業の血脈として、大動脈として大きな成果をあげるために、真に今後国有国営形式を経営の上においても実績の上においても民主化し社会化することを固く皆機の前にお誓い申し上げまして討論を終る次第であります。
#38
○議長(幣原喜重郎君) 江崎一治君。
    〔江崎一治君登壇〕
#39
○江崎一治君 私は、日本共産党を代表いたしまして、ただいま上程されました電気通信事業の公共企業体経営移行に関する決議案に対して反対の意見を申し述べんとするものであります。
 決議案によりますと、敗戰後電気通信事業の復興が遅々として進まなかつたというのは、これは官営であつたからだと言つておるのであります。次に、これを民営の長所をとつて公共企業体経営に移行いたしますと、この問題はただちに解決するがごとく言つておりますが、実情はそんな甘いものではないのであります。試みに、昨年の六月に公共企業体経営に移されましたところの国鉄公社の例を見ましても、昨年の五月に旅客運賃の六割値上げ、本年の一月に貨物運賃の八割の値上げを断行して、なおかつ三十億円の赤字を出しておるのであります。例の行政整理によりまして労働者の大量首切りをやり、公企業の採算を考えたのでありますが、その結果、軌道や貨車、客車の保全はまつたく顧みられることなく、設備は荒廃の一途をたどつたのであります。そのために、最近列車の脱線事故は連日新聞紙上をにぎわしておるというような事態が起つておるのであります。これが国鉄公社の十箇月の実績であります。
 電気通信事業においてはどうかといいますと、昭和二十三年度の黒字は二十四億円、同二十四年度は五十億円の黒字に達すると発表しておりますけれども、これは実は減価償却費、補完取替費並びに公債償還費を規定通りやらないために出たところの黒字でありまして、まつたく自分の足を食うところの、たことかわりはないのであります。昭和二十五年度以降、シヤウプ勧告によりまして資産の再評価をいたしますと、電気通信省の資産は一千五百億円余りになるのであります。その減価償却費だけでも九十四億円となるのでありまして、そのほか補充取替費、公債利子等も合算いたしますと百七十億円余に達するのであります。これは電気通信事業総予算七百億円の四%に達しまして、残りの五八%、すなわち二百三十億円で人件費、物件費をまかなわなければならないということになりますと、はたして黒字が出るかどうか、これはきわめて明確であります。
 こんな事業内容を持つ電気通信事業を、むりやりに公共企業体経営に移しまして独立採算制をとつたら、これによつて次に来るべきものは何か、こう考えますと、まず第一番には奴隷的人事管理のもとにおけるところの低賃金制と労働強化、第二番目には通信、通話料金の大幅値下げであります。第三番目には、国民の血税と物品購入代からなるところのこの見返り資金をてこといたしまして、外国資本によるところの日本電気通信事業の決定的な支配が完成されるのであります。
 この電気通信事業の民営化または公共企業体移行の計画は、突然今日発生したものではありません。通信省の二省分割の当時から、計画的に、しかも注意深く仕組まれたところの大芝居であつたのであります。国鉄公社の企業体移行とともに、今や自由党を手先とするところの日本の支配階級は、二十世紀の世界の新興成金から手厚い仕送りを受けまして、━━━━━━━━日本の経済を、次には日本の政治を、最後には日本の民族をも彼らのためにいけにえに供しようというのであります。この嚴然とした事実に対しまして、自由党の議員諸君も、よもや否定することはできないでしよう。
 日本共産党は、こういう意図のもとに計画された本決議案に対しましては、とことんまで反対し、こういう意図に対して鬪うということを、はつきりこの際申し上げておきます。
#40
○議長(幣原喜重郎君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#41
○議長(幣原喜重郎君) 起立多数。よつて本案は可決いたしました。
 この際電気通信大臣から発言を求められております。これを許します。小澤電気通信大臣。
    〔国務大臣小澤佐重喜君登壇〕
#42
○国務大臣(小澤佐重喜君) ただいま議題に相なりました決議の趣旨は十分了承いたしております。すなわち、お話にもありました通り、通信事業の復興あるいは拡張もしくはサービスの改善がわが国の文化、経済、政治面に重大なる問題のあることは、いまさら申し上げるまでもないりであります。従いまして政府は、昨年のうちにこの問題を具体化すべく、電信電話復興審議会を設置いたしまして、極力この問題を検討中でありましたが、お話にもありました通り、最近これに関する答申が、まつたく決議案と同様の趣旨でなされたのであります。従いまして、目下政府はこの案をさらに再検討をいたしておりまするから、将来におきまして、法案として皆さんの御審議を願う時期が近いことと確信いたしております。
 以上、政府の見解を表明いたします。(拍手)
     ――――◇―――――
 第一 国家公務員共済組合法の一部
  を改正する法律案(内閣提出)
#43
○議長(幣原喜重郎君) 日程第一、国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事小山長規君。
    〔小山長規君登壇〕
#44
○小山長規君 ただいま議題となりました国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果につき御報告申し上げます。
 この法案は、国家公務員共済組合法から現在年金を受けておる人たちの生活の実情にかんがみまして、その年金額を改正するとともに、組合の設置区分を変更し、その他の取扱いについて所要の改正を行うために提案されたものであります。
 この法案の要点は次の三点でありまして、第一は、現在の年金受給者に対する年金額を、三千七百円ベースから、本年一月分降以六千三百円ベースまで引上げることであります。第二は、法務府設置法の改正等に伴い組合の設置区分を行政機構に即応するように改める等、組合の設置区分について若干の改善を加えておるのであります。第三は、組合の行う事業に対する非課税の範囲を若干拡張するとともに、これに伴う所要の條文整理を行つておるのであります。
 この法案は、四月十八日、本委員会に付託されまして、翌十九日、政府委員より提案理由の説明を聽取し、同日より数日にわたり各委員より熱心なる質疑が行われ、政府委員よりそれぞれ答弁がありましたが、特に旧陸海軍共済組合年金の不合理を是正してもらえないかとの質疑に対しては、池田大蔵大臣より、なるべく近いうちに実現するようできるだけ努力するとの答弁がありました。また旧八幡製鉄所共済組合員に対する年金については、従来政府負担は不可能と思つておつたが、あらためて研究の上善処するとの答弁がありました。なお質疑応答の詳細については速記録に讓りたいと思います。
 次いで二十二日、討論を省略して採決をいたしました結果、起立総員をもつて本案に原案の通り可決いたしました。
 以上御報告を申し上げます。
#45
○議長(幣原喜重郎君) 採決いたします。本案は委員長報報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
#47
○山本猛夫君 日程第二は延期されんことを望みます。
#48
○議長(幣原喜重郎君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」呼ぶ者あり〕
#49
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程第二は延期するに決しました。
 第三 租税特別措置法案等の一部を
 改正する法律案(内閣提出)
#50
○議長(幣原喜重郎君) 日程第三、租税特別措置法等の一部を改正する法律
    〔小山長規君登壇〕
#51
○小山長規君 ただいま議題となりました租税特別措置法等の一部を改正する法律案につきまして、大蔵委員会における審議の経過並びに結果につき、御報告申し上げます。
 この法律案は、租税特別措置法及び揮発油税法の一部を改正せんとするものであります。
 まず租税特別措置法の一部改正について、その趣旨と内容を申し上げます。
 この改正は、わが国経済を急速に復興し、その健全な発展をはかるためには外国資本と外国技術の適正な導入が緊急不可欠であるとの見地に立ちまして、その導入を促進するため所得税課税上の臨時の特別措置を講ずることを主要内容とし、あわせて所得税、法人税、富裕税の、今次税制改正に伴い必要なる條項の改廃を行わんとするものであります。外交資本及び外国技術導入を促進するための所得税課税上の特例に関しましては、主としてこれに関係ある個人に対する所得税につき、一定の期間課税上の特例を設けんとするものであつて、その内容は大略次の七点であります。
 まず第一に、本邦内に住所も、一年以上の居所も有しない個人または木邦に本店または主たる事務所を有しない邦人が外貨の提供により適法に取得した本邦の公社債については、その利子に対する所得税の源泉徴收の税率を通常の場合の百分の二十から、その半分の百分の十に軽減せんとするのであります。
 第二は、外国資本または外国技術の導入を必要とする重要産業を営む外交法人にしてその投資額一億円以上の法人に勤務する者で、本邦内に一年以上の居所を有するが住所を有しない者の昭和二十七年分から昭和三十年分までの給與所得または退職所得については、課税標準計算に際し、三百五十万円を最高限度として、その收入金額の五割を控除して計算することといたすのであります。また、わが国技術水準の状況にかんがみ、重要産業を営む法人で、外資法人以外の法人に対する科学技術の指導改善のために招聘された者のうち大蔵大臣の指定する者についてもまた同様の課税上の優遇措置を與えんとするのであります。
 第三は、その事業活動により重要産業を営む外資法人の事業活動を容易にし、かつ外資の適正な導入を促進する事業を営む法人に勤務する者で、本邦内に一年以上居所を有してはいるが住所を有しない者の給與研得または退職所得についても、同じ期間、同じく控除計算を行うこととしようというのであります。
 第四は、その事業活動により重要産業を営む外資法人の事業活動を容易にし、外資の適正導入を促進する自由職業を営む者で、本邦内に一年以上の居所を有して住所を有していない者についても同じく控除の措置を講じようというのであります。しかして、右の重要産業及びこれを促進する自由職業の種類は、大蔵大臣が外資委員会に協議してこれを定めることとしているのであります。
 第五は、わが国文化を振興することの急務にかんがみ外国船知識等の普及をはかるために、以上の特例とあわせて新制高等学校以上の教員及び牧師その他宗教の布教に従事する者で給與所得または退職所得を受け、本邦に一年以上居所を有するが住所を有しない者についても、同じ期間、同じく收入金額の五割を控除して課税することとしようというのであります。
 第六は、わが国に一年以上居所を有してはいるが住所を有していない者で、本年末までの間において政令で定めらるべき本條の規定実施期日前において適法に本邦内で非円通貨所得を有していた者及びこの規定施行後合法的に入国した省に限り、昭和二十五年分及び二十六年分所得につき三百五十万円を限度とし、その総所得金額の五割を控除して課税計算を行わんとするのであります。これは現在所得税を課税されていない外国人の非円通貨による所得についてこの非課税の取扱いを近く廃止せんとするにあたり、急激な負担の増加を避けンとする経過的措置であります。
 第七に、一年以上居所を有するが住所を着しない者の給與所得及び退職所得については、昭和二十五年から五箇年間だけ外国において支拂いを受ける金額は原則として合算しないことを規定し、あわせて弊害を避けんがための若干り例外規定を規定しておるのであります。
 右のほか、今回の所得税法及び法人税制の改正、富裕税法の尊重に関連して若干の改正を行い、従来の規定中不用となつた規定を廃止し、在外財産等に関して、相続税におけると同じく、富裕税の課税にあたつても課税価格に算入しない等の規定を加え、また納税準備預金通帳に印刷代を非課税とする等諸般のの改正を加えんとするのであります。
 以上が租税特別措置法改正の要点でありますが、次に揮発油税法の一部改正におきましは、揮発油税の延納り場合り担保の物件の範囲を拡張し、保証人の保証を認める等、所要の改正を行うものであります。
 以上が本案の趣旨及び内容の概略でありまして本委員会におきましては、四月十八日、政府委員により提案理由の説明を聽取し、両来昨日に至るまで三回にわたり熱心な狐疑を行やまた。今そのおもなる者のについて御紹介いたします。
 質疑は、もつぱら外資導入促進のための課税の特例に終始いたしましたが、まず減税の適用範囲いかんの質疑に対しましては、本法における減税は重要産業等日本経済の発展に不可欠なものに限るのである、第五條関係の重要産業とは発電業、鉄鋼業、石油、石炭業を予定し、第五條の二の事業については新聞業、銀行業、弁護士業、公認会計士業を予定し、第五條の三の自由職業では弁護士業、公認会計士業等を予定する貿易業、海運業を適用を予定していない、飲食、娯楽に関する事業は適用を指定すべきものとは考えていない、但し第五條の四の経過措置は業種いかんにかかわらないとの答弁がありました。
 次に住所及び国籍に関する質疑に対しましては、住所は民法におけると同様に解釈する、外国人については本国に住所があると解釈し、單身のホテル住居や短期契約の場合等は日本に住所がないものと考える、また本法律では国籍によつて区別しない、日系米人等についても優遇するとの答弁がありました。
 また減税の基準を三百五十万円に置いた理由いかんとの間に対しては、アメリカの所得税の累進率をもあわせ考慮し、この程度で減税の目的が達せられると考えたからである、この措置によつても所得税負担率はアメリカより高いが、イギリスよりは低くなるとの答弁がありました。
 次に、この減税措置と予算との関係いかんとの間に対しては、本法案は減税を内容とするが、一面今まで非課税であつた非円通貨による所得について課税する面がある、また外資が入つて来ることによつて増收も見込まれ得る、従つて、さしあたりむしろ増收となる、しかし総体として見て予算が見積りをかえるほどのことはないとの答弁がありました。
 また日本の税率が下げられた場合にはこの減税案も改正するのかとの間に対しましては、内外の税負担には相当の開きがあるから当分変更は不可能である、かつ一度きめたものを早々に変更することは安定を害するから、なるべく続けるとの答弁でありました。
 次に講和との関係についての質疑に対しましては、講和会議の内容により、そのまま引続き有効になることもあり、廃止することもあり得るとの答弁でありました。
 かくて、昨二十四日質疑を終り、同日討論採決に入りました。まず社会党を代表し川島金次君は原案に反対の旨を、次いで自由党を代表し前尾繁三郎君は原案に賛成の旨を、民主党を代表し宮腰喜助君は原案に反対の旨を、最後に共産党を代表し河田賢治君は原案に反対の旨をそれぞれ討論せられました。
 かくて討論を終局し、採決いたしましたところ、起立多数をもつて原案通り可決いたしました。
 以上御報告を申し上げます。
#52
○議長(幣原喜重郎君) 討論の通告があります。これを許します。田島ひで君。
    〔田島ひで君登壇〕
#53
○田島ひで君 日本共産党を代表をいたしまして、ただいま上程になつておりまする法案に対して反対の意見を申し述べるのであります。本法案の内容は、ごく簡單でございまするが、問題は重大でございまするから、私は簡單でございますが反対。意見を申し述べたいと存じます。
 日本の中小企業家が食べられないで死ななければならないという今日、外国人に対しましては税金をただのようにしようというこの法案、これこそまさに吉田現政府の売国的な政策をはつきりと現わいているものであると思うのであります。(拍手)政府は口を開けば外資導入、外資導入と申しまして、外資の導入によらなければ日本の経済の再建ができないかのように申しておりまするが、はたして外資の導入によつて日本の経済の再建ができたかどうか、現実の姿がはつきりどそれを物語つているのでございます。
 この法案によりますと、外国人に対しましては利子所得の課税は半分にいたし、勤労所得は半額を基礎控除にするという、外国人にたいしては、まことにただのような税金を課するというのでございます。今日労働者の首切り、低質金、労働強化から、重税による中小企業の崩壊、さらに民旅資本の圧迫等、すべてこれは外資導入の地ならしとして今日までなされたのでございまして、このようにして外資が入れば入るほど日本の経済は混乱し、また自主性を失い、日本の国民大衆の生活は破滅に陥つているのであります。遂には日本をまるごとと外国資本に売るというような結果になつているのでございます。
 これを一例をあげまして石油産業について見ますならば、戰後日本の石油産業が非常に行を詰まつておりましたときに、石油産業の再建の道といだしましても外資導入政策が強行されたのでございます。現在では、日本の石油資本の九〇%は外交の支配に置かれておりまするが、その結果は、日本の石油生産は著しく減退いたしました。外国原油の輸入て精油は厖大な量となつておるのでございますが、国内消費はどうかといいますと、二分の一に縮小、制限されているのでありまして、そのほかのものは一体どうなたか、さつぱりわからないという状態に置かれているのであります、その上、国内市場の七割までが外資によつて押えられまして、日本が東南アジア諸国に対する輸出貿易基地となつているのでございますが、このような外国資本と結びついたところの国際的な大企業は、現在中小企業や民族資本の金詰り、電税、破産をよそに、大きな利潤を上げているのでございます。
 しかし、これらの大資本のもうけ外貨が、それならば日本の経済の再建に役に立つているかと申しますると、先ほども申しましたように、国民生活の安定に用いられるどころか、これこそ日本のためにはまつたく自由にならないようになつておりまして、外貨はどんどん外国に持つて行かれるような体制になりりつつあるのでございます。政府は、自由党を除く全国民の猛烈な反対を買いましたところの、世界に類例のない附加価値税等の地方税に対しましてはこれを強行に押し切つておきながら、外国人に対しては、まるで税金をただにしようといたしますところのこの法案に思い至りますると、一体政府は日本人のための政府であるか、どこの国の政府であるかを疑わざるを得ないのであります。(拍手)
 以上簡單でございまするが、日米の勤労大衆の生活を破滅させ、中小企業家を崩壊させ、民族資本家までも行き詰まらせ、まつたく日本の経済を混乱させ、破滅させ、日本をまるごと外国に売り渡そうといたしますところの、恥知らずの吉田内閣の政策の集中的な表現である本法案に対しましては、私どもは断固として反対せざるを得ないのであります。(拍手)
#54
○議長(幣原喜重郎君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます、
    〔賛成者起立〕
○(幣原喜重郎君)起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 地方財政平衡交付金一部概算交付
 暫定措置法案(内閣提出)
#55
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、地方財政平衡交付金一部概算交付暫定措置法案を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#56
○議長(幣原喜重郎君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#57
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 地方財政平衡交付金一部概算交付暫定措置法案を議題といたします。委員長の報告を求めます。地方行政委員会理事生田和平君。
    〔生田和平君登壇〕
#58
○生田和平君 ただいま議題となりました地方財政平衡交付金一部概算交付暫定措置法につき、地方行政委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 御承知のごとく、今回の地方税財政制度の改革は、地方税制度の根本的改正と、地方財政平衡交付金制度の創設とをその根幹とするものでありますが、前者につきましてはすでに法案の提出を見、本院の審議を終り、目下参議院において審議中であります。後者については、諸種の事情により、いまだ法案の提出を見るに至つていないのであります。しかも他方、従来の国庫負担金または国庫補助金につきましては、今回地方財政平衡交付金制度の創設を予定して大幅の削減を行いましたため、地方団体に対する国庫支出金の額もまた著しく減少いたしておるのであります。かような事由によりまして、地方団体におきましては、年度当初において予定の収入を得られないため、歳入現金にはなはだしい不足を告げ、財政運営を著しく阻害するに至つているのであります。政府は、この支障を緩和するため、地方財政平衡交付金法案が成立し施行に至るまでの間の暫定措置として、国の予算に計上されておりまする地方財政平衡交付金の一部を、この四月中において、地方団体に対し、その必要な財政資金に充てるため概算交付する必要を認め、この法案を提出いたしたのであります。
    〔議長退席、副議長着席〕
 法案の内容につき概要を申し上げますと、第一に、四月中において地方団体に対し概算交付することのできる額は、道府県分として百十九億円、市町村分として八十一億円、合計二百億円といたしてあります。第二に、各地方団体に対する交付金の額の算定方法については、道府県にあつては、昨年度の道府県配付税の第一種から第四種までの配付額と、地方財政平衡交付金制度の創設に伴つて廃止されるべき国庫負担金または国庫補助金との合算額を基準とし、市町村にあつては、昨年度の市町村配付税の第一種から第四種までの配付額を基準として算定することと規定してあるのであります。しかして、その額の決定にあたりましては、今回の地方税制の改革による地方団体の税収入額の変動を予想し適宜調整を加えることといたしであります。
 第三に、近く提案を予想される地方財政平衡交付金法案どの関係につきましては、今回の措置による交付金は、右の法案が制定、施行された後は、それに基く交付金の一部となるのであります。従つて、本法案の規定による交付金額が地方財政平衡交付金法案に基く決定額を超過した場合には、その超過額を国に還付することにしてあるのであります。
 最後に、地方配付税法及び義務教育費国庫負担法の規定は、地方財政平衡交付金法案が成立、施行されるまでの間はこれを適用しないことになつているのであります。
 本法案は、去る四月二十二日国会に提出せられ、同日、本委員会に付託となりましたので、二十四日委員会を開いて政府より提案理由の説明を聽取し、ただちに質疑応答を行つたのであります。
 質疑のおもな点は、本法案と今後提出せられるべき地方財政平衡交付金法案並びに目下内閣委員金において審議中の地方財政委員設置法案との関連及び今回の措置による交付金額二百億円が地方団体の財政需要をまかなうに足りるか等の点であつたのでありますが、結局地方財政の目下の窮境を緩和するため暫定措置の必要であることには多くの異論がなかつたのであります。
 かくて、同二十五日討論採決に入り、社会党の門司委員及び民主党の床次委員から賛成の討論があり、日本共産党の立花委員から反対の討論がありまして、次いで採決の結果、多数をもつて可決せられたのであります。
 以上御報告申し上ます。(拍手)
#59
○副議長(岩本信行君) 討論の通告があります。これを許します。立花敏男君。
    〔立花敏男君登壇〕
#60
○立花敏男君 私は、日本共産党を代表いたしまして、ただいま上程されておりまする地方財政平衡交付金一部概算交付暫定措置法に対して反対の意思表示をするものでございます。
 ごの法案の名称自体がすでに矛盾をしておますりで、地方財政平衡交付金とは一体何であるかということが、われわれには全然提示されていないのであります。予算の審議におきましても、われわれ共産党は、予算の中に含まれております千五十億の平衡交付金にきまして、それを内容的に規定する財政平衡交付金法案との並行審議を主張いたしました。しかし、それがいれられず、一方的に予算は通過せしめられたのでございますが、今に至るまで実は予算の上で通過いたしました千五十億の財政平衡交付金の実施ができないという状態に立ち至つております。これが政府並びに與党の責任であろうことはもちろん明らかでございます。同時に、これと同じことが、先般多数の横暴をもつて通過いたしました地方税法につとても言えるのでございます。
 御承知のように、地方税で足りないところを平衡交付金で補う、地方税法案は平衡交付金法案と表裏一体でございまして、その二つをわけて審議するということは絶対にできない問題でございます。従つてわれわれは、地方税法案の審議に際しまして平衡交付金法案の並行審議を主張いたしましたが、これもいれられず、あのような形で地方税法一方的に通過せしめられておるのでございます。
 さらにこの地方財政平衡交付金法案は、地方財政委員会法案と密接な関係がございます。昨日の委員会の審議におきましても、われわれはこの一部概算交付の暫定措置法案の審議に際しまして、これと密接な関係のある地方財政委員会法案の説明を求めました。あるいは内閣委員会にこの法案が提出されておりますので、内閲委員会との合同審議を要求いたしましたが、これも結局いれられず、遂にこれら関係法案との何らの並行的な審議もなしに、一方的にごの暫定措置法案が委員会を通過せしめられでおるのでございます。
 御承知のようにシヤウプ勧告によりましても、これら一連のものは全体としてそれが実施さるべきであるということが規定されておるのでございまして、われわれは、これらの一部を他の法案と何らの関連もなしに審議することはまつたくできない。しかも、ただいま提案されておりますところりこの暫定措置法案は、親法案そのものがまだ国会に出ていないのでございます。それにもかかわらず、ぞれの一部概算交付についての暫定措置法案だけを切り離して審議することは、これは矛盾もはなはだしい。
 われわれ日本共産党といたしましては、地方財政平衡交付金そのものに対しましても、あるいは地方財政平衡交付金、あるいは地方税法の速営を監理いたしますとこるの地方財政委員会そのものにつきんましても重大なる疑義を持つておるのでございますが、これらの法案を全然並行審議することなしに、この一部概算交付の暫定措置法案を審議することは、まつたく国会の審議権を蹟晒したもりといわざるを得ないと考えます。これだけを切り離して別個に審議することは、国会の、あるいは委員会の審議がまつたくめくら審議であり、これはわれわれ国民を代表するものといたしましては、絶対に責任を持つて審議することができない法案であります。
 さらに、この内容についで申し述べますと、政府はわずかに二百億にしか過ぎない金を交付しようとしておるのでございますが、御承知のように、政府が見積もつておりますところの地方予算は、当初予算におきまして約五千億に近い金であります。これは当初予算だけでございまして、おそらく前年の例を見ましても、これが六千億、七千億になることは明らかでございますが、そういたしますならば、少くとも一箇月には四百億ないし五百億の金がいるのでございます。しかもこれは四月分一箇月だけでございませんので、地方が行政の資金に困りますのは、年度初めにあたりましての四月、五月、六月、この金は当然政府がめんどうを見なければいけない。ましてや、地方税法がまだ海のものとも山のものともわからない状態において地方のこの行政資金の責任を持つどいうことは、政府の明らかなる政治的な責任であろうと考えます。この一箇月四百億ないし五百億に達する地方の財政需要に対しまして、わずか二百億の金を配付しようとしておることこれ自体が、全然地方の実情に即してないと言えると思うのであります。
 しかも、この二百億円の計画の根拠につきまして、われわれは重大なる不満の意を表せざるを得ない。何となれば、この二百億円の金は、平衡交付金の前の地方配付税の六百六十七億という金を基礎として考えられておりますが、六百六十七億という配付税は、これは皆さんも御承知のように二十四年度だけの暫定措置でございまして、これに対しましでは、地方行政委員会といたしましては全員一致の形で、この配付税を半減するという措置は二十四年度に限る暫定措置でなければならない、二十五年度からは全額支給するようにという明らかな意思表示をしておるのでございます。しかるに、二十五年度の今日に至りまして、なお二十四年度だけの暫定措置であのるところの六百六十七億という配付税の金額を配付の基礎にしておる。これはまつたく政府並びに與党の方が、国会自身が意思表示をしたことを完全に長晒しおると言つても過言ではないと考えます。
 さらにこの法案の重大なる内容の一つは、六大都市、あるいはそれと関連いたします東京都、大阪府、神奈川県、兵庫県のような都府県に対しましては、普通の府県に交付する金額とは違いまして、それを二分の一に削つておるのでございます。しかも、それを法案の上には何ら規定せずに削ることができる。單に官僚の一方的な措置にゆだねておる。このこと自体が、私ども共産党から言わせますれば、明らかに官僚独善であり、法案を骨抜きにいたしまして、あるいは議会を軽視いたしまして、かつての内閣官僚の復活をはかる、ここまで言つても決して言い過ぎではないと考えております。
 さらにこり法案につきましては、ただいま申し上げましたように、一方的に交付金の減額を受けました都府県にいたしましても、何らこれに対して異議の申立てをする規定が含まれていないことは、さいぜん私が申し上げました官僚の独善的な行政を完全に裏書きしておる。地方は交付金を幾らに減らされても、これに対して異議を申し立てる道が開かれていないということは、明らかにこの法案の不備であろうと考えます。
 このように、この法案自身が幾多の疑点を持つております上に、最初に申し上げましたように、この法案の取扱い方あるいは審議の過程において国会の審議権を蹂躙したような形が行われておりますので、日本共産党としては、この法案に全面的に反対でございます。われわれは、仮定の上に立つて法案の審議をすることはできない。委員長の報告にもありましたよう、地方財政平衡交付金法案が通つたならばというような仮定の上に立つてこの法案の審議を進められておるのでございますが、こういうことは、われわれみずからが国会の審議権を放棄するものであり、われわれ国民の代表といたしましては、これには絶対に反対でございます。
 しかも重要なことは、かかる法案が提出され、あるいはかかる審議の仕方が行われるということは、根本的原因は、国会みずからが自立性を喪失しようとしていることにあると考えます。このことは、私どもは、かつての地方税法の審議の際にみずから体験したところでございますが、共産党といやしましては、この暫定措置法案は問題が小さいようではありますが、しかもこの暫定法案に現われましたところが、この国会みずから自分の審議の自主権を喪失しようという、その一つの最も典型的な現われであるということを確信いたしますので、全面的にこの法案に反対する次第であります。(拍手)
#61
○副議長(岩本信行君) 門司亮君。
    〔門司亮君登壇〕
#62
○門司亮君 私は、ただいま上程されました地方財政平衡交付金一部概算交付暫定措置法案に対しまして、日本社会党を代表いたしまして、はなはだ不本意でありますが一応賛成の意見を申し述べたいと思うのであります。(拍手)
 本法案を出とて参りましたその趣旨に対しましては、われわれは地方の財政が非常に行き詰まつております現在の情勢にかんがみまして、何らかの方法において地方財政を一応まかなつて行ける措置をとらなければならないことは当然の考え方であるのでありますが、本法案の内容と、同時に法案の取扱いについて、私はここに強く政府当局に警告をしておかなければならないと思うのであります。問題は、かくのごとき法案を審議しなければならないその責任の所在であります。
 すでに政府におきましましは、御承知のように、シヤウプ勧告以来約十箇月以上にわたる長い間の懸案であつたのであります。従いまして、第七国会当初において、すでに本問題のごときは当然政府の責任において十分なる法案の整備がなされなければならなかつたはずであります。しかるにもかかわらず、政府は自己の怠慢と、さらに政治的折衡のきわて拙悪なることのために、地方税法案の提案すらきわめて遅れ、しかもわれわれは熱心に審議したにもかかわらず、その会期の余すところがないという一方的の解釈と一方的の処置において、はなはだしく非民主的に、しかも與党のみによつてこれを採決するというような、国会における、かつて見ざる醜態を暴露してまでもなおこれを通過しなければならなかつたような醜態をあえて演じておるのであります。この法案におきましても、政府がもし真に地方財政を十分に考えて熱心に行おうといたしますならば、当然地方財政平衡交付金法案をまず提出すべきであります。しかるにもかかわらず、この法案がいまだ提案されないということぼ明らかに政府の怠慢であり、政府の政治力の欠如を遺憾なく暴露したものであるということをわれわれは指摘せざるを得ないのであります。
 しかしながら、一方考えますときに、地方財政のきわめて行き詰まつておりまする現状にかんがみまして、われわれはやむを得ざる処置として一応これを認めざるを得ないのでありまするが、その法り内容におきましては、先ほど立花君も申し上げましたように、官僚が一方的に処置されるところの危険性が包蔵しておるということは、この法案の性質がみずから物語つておるのであります。かくこのごとき性質を持つておりまするが、先ほど申し上げておりますように、今日地方自治体におきましては、おそらく公務員の俸給すら支拂うことは困難なような状態に相なつておりますることを十分勘案いたしまするがゆえに、われわれは、地方自治体の円満なる運用のために、ここに涙をのんで――申し上げまするならば、真にわれわれは遺憾の意を表しておりまするが、涙をのんでこの法案に一応賛成せざるを得ないという立場にあるということを私は意思表示をいたしておきたいと思うのでございます。(拍手)
#63
○副議長(岩本信行君) 床次徳二君。
    〔床次徳二君登壇〕
#64
○床次徳二君 私は、民主党を代表いたしまして、ただいま上程せられましたところの暫定措置法案に賛成するものであです。(拍手)しかしながら、わが党の賛成いたしまするところの趣旨は、政府の失態により、また政府の怠慢により地方団体が財政の円滑なる運営を害することを最小限度にとどめますとともに、市町村の住民の被害をでき得る限り軽減せんがために本決案に賛成するものであります。(拍手)以下、簡單に三点警告を申し上げて、わが党の立場を明らかにいたしたいと思います。
 第一に、この法案は、実に政府が地方財政委員会法案あるいは平衡交付金法案等の必要なる立法措置に著しく遅延を生じまして、ここに地方自治団体に対しまして財政的な大きな空白を生じたというところに大きな原因があるりでありまして、慎重なる準備と、これに処するるところの誠意がありましたならば、必ずしもかかる事態を生せずに済んだことと私どもは考えるのであります。ここに政府の責任が考えられなければならないと存じます。これ第一点であります。
 第二に私が警告いたしたいことは、本措置において政府が提供しましたところの財源といたしまして二百億を計上いたしておるのでありまするが、この二百億円は、地方自治団体の財政より見まするに、わずかに四月分を経理するのにどどまるのでありまして、五月、六月分に対しましてほ著しく不足を生ずることが予想せられるのであります。今月地方自治団体におきましては、五月以後の経理をなすために、あるいは多額の一時借入金を行い、あるいは過年度滞納を徴収する等の措置に出でされば、とうていその経理が困難であり、あるいは必要たる教職員、団体職員の俸給を延期し、あるいは支拂いを停止する等の処置に出することを予想せられるのでございまして、かくのごときことがありましたならば、産業上にも、あるいは国民生活上に対しましても著しく支障を来すことと考えるのであります。この点に対しましては十分なる警告を発しておきたいと思うのであります。(拍手)“
 第三に、現在はすこぶる金融が逼迫いたしておるのであります。先ほども申し上げましたように、地方団体は、この補填をいたしまするために、相当借入金に対しましては苦心をいたすことど同時に、またその財源を確保するためにいろいろ滞納整理を強行することと存じます。しかしながら、かかることを今日行いますることが、はたしていかなる影響を與えるか。私どもは、今日の日本の経済状況より見まして適当なる金融政策を考慮する立場上、もつと増額交付いたしまして円滑なる運営を期すべきものであるというふうに考えるのであります。しかしながら、今日われわれは、この二百億円の暫定案に対しまして、より多額の財源を捻出するというのは、あまりにも時間が切迫いたしておるのでありまして、今後の対策に対しましては、政府の十分なる措置、適切なる対策の樹立を要望すらものであります。
 以上簡單ではありまするが、三点の警告を発しまして本法案に賛成するものであります。(拍手)
#65
○副議長(岩本信行君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#66
○副委員長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 第四 医療法の一部を改正する法
  律案(内閣提出、参議院送付)
 第五 健康保險法等の一部を改正
 する法律案(内閣提出、参議院
 送付)
#67
○副議長(岩本信行君) 日程第四、医療法の一部を改正する法律案、日程第五、健康保險法等の一部を改正する法律案、右両案は同一の委員会に付託された議案でありますから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。厚生委員会理事今泉貞雄君。
    〔今泉貞雄君登壇〕
#68
○今泉貞雄君 ただいま議題となりました医療法の一部を改正する法律案及び健庭保險法等の一部を改正する法律案につきまして、厚生委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず医療法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本改正案の政府提案理由並びに内容を簡單に申し上げますれば、御承知のごとく第二国会においで制定された医療法によつて、診療所には同一患者を四十八時間を越えて收容できないこととなつた結果、すべての国民に必要な最低限度の医療を確保するためには、医療機関、特に病院の急速なる普及整備をはかる必要があるでありまするが、現行医療法は、医療内容の向上をはかるため病院の規格として最低二十床以上の病床を要求し、しかもその構造設備については、近代医療を行うにふさわしい諸種の條件を具備することを要請しておるりであります。しかしながら、現下の経済情勢下においては、一開業医の手による病院の建設ないしはその補修維持等ほきわめて困難なる実情にありまするので、数人ないしそれ以上の開業医が共同出資して病院を建設し、あるいはこれを維持しようとする要望が少くないのであります。他方医療法は、医療事業の特殊性なし非営利性にかんがみまして、商法上の会社等が病院、診療所の経営主体となることを期待しておらないので、都道府県知事においても、かような経営主体に対しては病院、診療所の開設許可を與えない方針をとつている現状であり、すべての病院が民法による公益法人たる資格を取得するということもできないので、資金を集結して病院等を維持建設するに著しい困難を感じている状況であります。かかる点と、医療事業の非営利性とを考慮して医療事業の経営主体に対しても容易に法人格取得の道を與えるためこの際医療法人の章を追加しようとするものであります。
 本改正法案は、三月三十一日、予備審査のため本委員会に付託せられ、四月三日、厚生大臣から提案理由の説明を聽取したのでありまするが、十九日、本付託となり、委員と政府との間に、医療法人と他の法律により認可された医療を行う法人との関賃医療の社会化、診療收入に対する課税、医療事業に対する融資等の諸点についてきわめて熱心なる質疑応答が行われたのでありまするが、これらの詳細は速記録について御承知願いたいと存じます。
 かくて質疑を打切り、討論に入りましたるところ、自由党を代表して大石委員よりは、第一、医療法人の設立、解放の場合における課税、寄付またば出資に対する附與税、法人所得税及び附加価値税中社会保険診療報酬分に対しては免税または低率が税率を設けること、第二、医療法人に対する金融の道を講ずること、第三、本法案の運営にあたつては理事の半数を医師となし、理事長は原則として医師となすことを希望する旨を述べて賛成の意を表せられ、日本共産党を代表して苅田委員よりは、完全なる社会保障制度確立までは、病院解説は自然発生まかすべきであり、統制、監督、罰則等を強化するかごとき欺瞞的改正の必要はないとの理由をもつて反対の意を表されたのであります。
 次いで採決に入りましたるところ、本法案は多数をもつて政府原案の通り可決すべきものと決した次第であります。
 次に健康保險法等一部を改正する法律案について申し上げます。
 本改正法案の政府提案の理由並びにその内容を簡單に申し上げますれば、第一は、健康保險、船員保険及び厚生年金保險におきましては、保險料等を滞納した場合の延滞金の割合は、従来から大体国税徴収法により徴収して参つたのでありますが、このたび国税徴収法の一部が改正されましたので、その趣旨に同調して、延滞金の割合を現行の日歩二十銭から八銭に引下げるごしといたしておるであります。第二は、徴収金額の一部を納付した場合、その後の期間にかかる延滞金は、従来から納付済額を差引いた額について計算するよう取扱つて参りましたが、この際これを明確に法律に規定いたしたのであります。
 本法案は、四月四日予備審査のため本委員会に付託、五日、林厚生大臣より提案理由の説明を廳收したのでありますが、十九日、本付託となり、同日の委員会において、質疑を打切り、討論を省略して採決に入りましたところ、本法案に多数をもつて政府原案の通り可決すべきものと決した次第でございます。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#69
○副議長(岩本信行君) 両案を一括して採決いたします。両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長の報告通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#70
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて両案とも委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 第六 船員職業安定法の一部を改
  正する法律案(内閣提出、参議
  院送付)
#71
○副議長(岩本信行君) 日程第六、船員職業安定法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。運輸委員会理事大澤嘉平治君。
    ―――――――――――――
    〔大澤嘉平治君登壇〕
#72
○大澤嘉平君 ただいま議題となかました船員職業安定法の一部を改正する法律案について、運輸委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本法案は、去る四月六日、予備審査のため本委員会に付託され、越えて八日、政府より提案理由の説明を聽取し、これを慎重に審査いたしたのであります。
 本法案の趣旨を簡單に申し上げますると、現行法におきましては、船員職業安定審議会は中央と地方及び特別地区の三今の審議会が規定されておりますが、このうち特別地区船員職業安定審議会ば、二つ以上の海運局の管内にまたがる地区または一海運局管内の特殊な地区に必要に応じて設置するをのでありますが、現在までのところ、これが設置の必要を認められませんので、この審議会を廃止しようとするものであります。
 本法案の内容は、特別地区船員職業安定審議会の廃止に伴いまして、單に関係條文を整理しただけであります。
 次に本法案に対する質疑のおもなる点を申し上げますと、大阪、神戸のごとく海運局の管内が特に接近している地域には特別地区審議会を設ける必要はないかとの質問に対しまして、政府委員より、右海運局の管内にはそれぞれ地方審議会があつて、互いに緊密な連絡をとることによりその必要はないと思われるとの答弁がありました。また現下の船員の需給状況から考え、審議会を廃止するのは時代に逆行するのではないかとの質問に対しまして、政府委員より、中央と地方の審議会の活用によつて十分その目的を達せられるとの答弁がありました。そり他詳細は会議録に讓ることといたします。
 次に討論に入り、日本共産党を代表いたしまして上村進君より、本法案に反対の意見を述べられました。
 かくて討論を打切りまして、ただちに採決の結果、起立多数をもつて、本法案は政府原案通り可決いたした次第であります。
 右御報告申し上げます。(拍手)
#73
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#74
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 第七 植物防疫法案(内閣提出、
  参議院送付)
 第八 農林物資法案(内閣提
  出、参議院送付)
 第九 地方自治法第百五十六條第
  四項の規定に基き、動植物検疫所
  の出張所設置に関し承認を求め
  るの件(内閣提出、参議院送付)
#75
○副議長(岩本信行君) 日程第七、植物防疫法案、日程第八、農林物資規格法案、日程第九、地方自治法第百五十六條第四埴の規定に基き、動植物検疫所の出張所設置に関し承認を求めるの権、右三件は同一の委員会に付託された案件でありますから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。農林委員長理事山本久雄君。
    〔山本久雄君登壇〕
#76
○山本久雄君 ただいま議題となりました、農林委員会付託にかかわる、内閣提出、参議院送付、植物防疫法案、農林物資規格法案並びに地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、動植物検疫所の出張所設置に関し承認を求めるの件、以上三件につきまして、審議の経過並びに結果の大要を御報告いたします。
 まず、植物防疫法案から御報告いたします。
 御承知のごとく明治二十九年に害虫駆除予防法が制定され、国内におきまする病害虫の駆除、防除策を講じ、また昭和二十三年には輸出入植物検疫法が施行され、植物の輸出入に伴う検疫事業を実施いたし、農業生産の安全と増進とをはかつて来たのでありますが、特に害虫駆除予防法につきましては制定も古く、最近の新事態に即応しないところが多く、新たに国内に発生した病害虫または特殊病毒虫の絶滅または蔓延防止に必要な措置を強力に講ずることができない状態に相なつているのであります。このため作物に重大な損省を與えた事例は乏しくありませんし、特に終戰以降におきましては、恐るべき病害虫が新たに相次いで発生いたし、強力なる防除措置を講ずる必要がますます痛感されるのであります。また輸出入植物検疫法につきましては、最近貿易の拡大に伴いまして植物の輸出入も多くなり、これが検疫業務も一段と増加いたして参りました。かつ国内検疫と輸出入検疫とは元来表裏一体の関係にあるまするので、この際両法律を整理統合し、これを一本にまとめて防疫業務を強力に遂行できるようにいたそうとして、本法案を提出されたのであります。
 次に本法案の主要な点を申し上げますと、一、海外から新たに侵入して来ましたばれいしよな輪腐病または国内に存在しているみかんばえ、ばれいしよ凋萎病のごとき恐るべき病害虫の絶滅のため、国において強力なる防除措置を講ずること、二、国内の移動によつて病患虫を伝播、蔓延させるおそれのある種苗に対し、検疫を実行してその防止をはかること、三、輸出入植物検疫法と害虫駆除予防法とを整理統合いたし、国際的国内的植物の防疫を一貫して行い得るようにしたしと、以うえの三点であるとおもいます。
 本法案は、三月三十日、予備審査のたあ送付され、四月十日、提案理由の説明を聞いたのでありまするが、去る二十一日、参議院におさましで施行期日並びに農林省設置法との関係等につき、僅少の修正を施しました上本院に送付され、正式付記となりましたので、翌二十二日質疑を行いましたるところ、農民協同党小平委員より、本法案は農業生産力の発展、農家経済の安定上重要な意義を有するものであるから、今後一段と予算の増加をはかり、植物防疫の徹底を期すべきである旨の発官がございました。本法案の趣旨には各党派とも異論がありませんので、討論を省略、採決に付しましたるところ、全会一致をもつて原案の通り可決すべきものと議決いたしました。
 次に農林物資規格法案について御報告いたします。
 農林水産物資の品質の改善をはかり、取引の單純公正化を促進するこどは、生産の向上、流通の円滑並びに消費の合理化に裨益するところが大きいのでありまするが、これがためには、それら物質について、規格統一と、それに基く検査とを行う必要があります。この目的をもちまして、昭和二十三年、指定農林物質検査法を制定、検査を実施いたして来たりでありまするが、同法は強制検査を建前といたしておりまして、統制の撤廃過程にあります今日の状態には適合いたさなくなつたのであします。従いまして、今般同法を廃止し、そのかわりに重要農林物資の規格の統一と、国及び都道府県におけるその格ずけを規定する本法案を提出されたのであります。
 今その内容の主要点を申し上げますと、第一は、農林大臣は農林物資規格調査会の審議に基き、重要農林物資につき日本農林規格を制定すること、第二は、農林物資規格調査会の審議は公正を期することとし、かつ利害関係人が公聽会の開催を請求することができること、第三は、日本農林規格に基く格づけを行うかどうかほ都道府県の自由意思によることとし、またそれを実行し場合は、その品質を保証する規格証書を添付するごと、第四は、都道府県その他利害関係人から、日本農林規格を制定するように申出があつたときは、農林物資規格調査会に明つて、必要なものについてはその規格を定めること、以上の四点であると思います。
 本法案もまた四月七日予備審査のため送付され、十日、提案理由の説明を聞いたのでありまするが、二十一日、参議院におきまして罰則規定並びに農林省設置法との関係等につき若干の修正を加えました上本院に送付、正式付託となつたのであります。
 本法案の意図するところほ、農林物資の品質の向上改善と、その大量取引の単純公正化の促進でありますが、さらにそれによりまして、それらの物資の生産、流通、消費の合理化をもはかろうとするものであります。しかも、その実施については都道府県の自主性にゆだねることとする等は、統制撤廃過程にあります現在、当然とらなければならぬ措置でありまして、強制検査を建前とする現行法に比して格段の進歩を示しおるものと存じます。なお参議院側の修正箇所も、本法案実施上妥当の措置でありまして、各委員とも異議がありませんので、二十日、質疑、討論を省略して採決に付しましたるところ、全会一致をもつて原案通り可決すべきものと議決いたしました。
 次に、地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、動植物検疫所の出張所設置に関し承認を求めるの件に関し御報告いたします。
 本件は、先に御報告いたしました植物防疫法案に関連するものであります。従来より輸出入植物検疫法に基きまして輸出入植物の検疫を実施いたし、これによりまして外国から危険な病害虫が侵入することを防止し、またわが国より搬出する植物の検疫を行つて来たのであります。この検疫機関は、戰前は二十三箇所ありましたが、終戰後は十二箇所に減少しております。しかるに、最近貿易の拡大に伴いまして清水、四日市外五港並びに羽田飛行場において植物の輸出入が急激に増加いたし、現在の施設をもつてしては十分にその機能を果し得ませんので、右の八箇所に検疫出張所を設置いたし、病害虫の侵入を阻止し、あわせて植物の輸出を円滑にいたしたいというのが、本件提出理由であります。
 本件は、四月四日予備審査のため送付となり、十日提出理由の説明を聞き、次いで二十一日参議院より送付され、正式付託とたなつたのであります。その内容につきましては各党派とも異論がありませんので、質疑、討論を省略して、ただちに採決に付しましたところ、全会一致をもつて原案の通り承認を與うべきものと議決いたしました。
 以上御報告いたします。(拍手)
#77
○副議長(岩本信行君) まず日程第七及び第八を一括して採決いたします。両案は委員長報告通り決するに御異議ありませんか。
  「「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#78
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて両案は委員長報告の通り可決いたしました。
 次に日程第九につき採決いたします。本件は委員長報告通り承認を與えるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#79
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よりて本件は委員長報告の通り承認を與えるに決しました。
    ―――――――――――――
#80
○山本猛夫君 残余の日程は延期し明二十六日定刻より本会議を開くこととし、本日は、これにて散会されんことを望みます。
#81
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんかも
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり」〕
#82
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて動議のごとく決しました。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後五時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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