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1972/03/08 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 商工委員会 第2号
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1972/03/08 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 商工委員会 第2号

#1
第071回国会 商工委員会 第2号
昭和四十八年三月八日(木曜日)
   午後一時十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月二十六日
    辞任         補欠選任
     矢野  登君     若林 正武君
     山本敬三郎君     安田 隆明君
 一月二十七日
    辞任         補欠選任
     竹田 現照君     藤田  進君
 一月三十一日
    辞任         補欠選任
     原田  立君     峯山 昭範君
    ―――――――――――――
出席者は左のとおり。
    委員長         佐田 一郎君
    理 事
                大谷藤之助君
                川上 為治君
                若林 正武君
                阿具根 登君
                藤井 恒男君
    委 員
                細川 護煕君
                小野  明君
                林  虎雄君
                藤田  進君
                峯山 昭範君
                須藤 五郎君
   国務大臣
       通商産業大臣   中曽根康弘君
   政府委員
       公正取引委員会
       委員長      高橋 俊英君
       経済企画政務次
       官        橋口  隆君
       経済企画庁長官
       官房会計課長   下山 修二君
       通商産業政務次
       官        塩川正十郎君
       通商産業政務次
       官        矢野  登君
       通商産業大臣官
       房長       和田 敏信君
       通商産業大臣官
       房参事官     濃野  滋君
       通商産業大臣官
       房会計課長    岸田 文武君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○産業貿易及び経済計画等に関する調査
 (昭和四十七年度公正取引委員会の業務概況に
 関する件)
 (昭和四十八年度通商産業省の施策及び石炭対
 策の基本施策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(佐田一郎君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨年十二月二十六日、矢野登君及び山本敬三郎君が委員を辞任され、その補欠として若林正武君及び安田隆明君が選任されました。
 また、去る一月二十七日、竹田現照君が委員を辞任され、その補欠として藤田進君が選任されました。
 また、同月三十一日、原田立君が委員を辞任され、その補欠として峯山昭範君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(佐田一郎君) 川上為治君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(佐田一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 ただいまの川上君の理事辞任及び委員異動に伴い、二名の欠員と合わせて現在理事に三名の欠員が生じております。
 この際、理事の補欠選任を行ないたいと存じますが、理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(佐田一郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に大谷藤之助君、若林正武君及び阿具根登君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(佐田一郎君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。
 ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#7
○委員長(佐田一郎君) 速記をつけて。
 それではまず、昭和四十七年度における公正取引委員会の業務の概略について、公正取引委員会委員長から説明を聴取いたします。高橋公正取引委員会委員長。
#8
○政府委員(高橋俊英君) 昭和四十七年中における公正取引委員会の業務につきまして、その概略を御説明申し上げます。
 御承知のとおり、わが国経済は、国際的要因と国内的要因とが複雑に関連し合い、幾多の困難な問題を提起しておりますが、公正取引委員会といたしましては、わが国経済の健全な発展をはかるため、経済環境の推移を考慮に入れながら、独占禁止政策を有効適切に運営するようつとめてまいりました。
 まず、昨年、特に前半における相当深刻な不況に対処して認可されました不況カルテルについて申し上げます。
 昭和四十七年中に実施された不況カルテルは、全部で十三品目にのぼりました。一昨年以来、かなりの期間にわたって低迷を続けた景気は、昨年秋口あたりから急速に回復に向かいました。これに伴い、不況カルテルを順次整理してまいりまして、年末には、残った八件のうち六件は打ち切りといたしました。現在残っておりますのは、依然として大きな需給ギャップをかかえているステンレス及びガラス長繊維の二件のみとなっております。
 一方、いわゆるやみカルテルその他の独占禁止法違反事件の中には、不況期であったことも反映してか違反の規模、質の面でやや悪質と思われるものが幾とか認められました。これらの違反事件については可能な限り手を尽くして取り締まりにつとめてまいりまして、昭和四十七年中における独占禁止法違反として審査いたしました事件は、総計百五十四件に及びました。昨年中に審査の終了したもの六十七件、このうち法的措置をとったものは二十四件であります。
 昭和四十七年中における会社の合併の届け出は、千五十一件ございまして、これらを慎重に審査いたしましたが、中小企業の合併が大半を占めており、特に法律上問題となったものはありませんでした。今後とも、合併につきましては、行き過ぎた経済力の集中を未然に防止するため、慎重に対処してまいる所存であります。
 次に、経済の国際化に伴う問題についてであります。
 従来、公正取引委員会は、国際的技術導入契約の適正化をはかるようつとめてまいりましたが、一昨年の円切り上げ等を契機として総代理店契約についても、これを厳正にチェックする方針のもとに、その届け出を督促いたしました。国際契約のうち、改良技術の制限、競争品の取り扱い制限等法律に違反するおそれのある条項を含む契約百六十五件について、これを是正するよう指導を行なっております。また、審査を有効かつ能率的に行なうために、必要に応じ認定基準を作成することといたしておりますが、昭和四十七年においては、輸入総代理店契約について認定基準を作成いたしました。これにより、総代理店制度に伴う弊害は防止されるものと期待しております。
 また、わが国をめぐる国際経済環境に対応して秩序ある輸出が要請されておりますが、輸出入取引法に基づく輸出カルテルについては、公正取引委員会といたしましても、受け身ではありますが、最近までこれを促進する姿勢をとってまいりました。
 次に、再販制度につきましては、昭和四十六年に決定いたしました弊害規制方針に基づき、比較的問題が多いと見られる化粧品、医薬品の二業種につきまして、個々の事業者ごとに弊害の是正を指導してまいりました。しかし、再販制限の問題は、この弊害規制だけでこと足りるものでないことはもちろんでありまして、再販制度が今日いかなる意義を持つかという観点から、そのあり方について、今後とも十分検討を加えてまいりたいと存じております。
 景品表示法の運用について申し上げますと、過大な景品つき販売や虚偽、誇大な表示は、消費者の正しい商品選択を妨げるばかりでなく、事業者の公正かつ自由な競争を阻害することにもなりますので、公正取引委員会としては、これらを厳重に規制するようつとめているところであります。
 昭和四十七年中に景品表示法違反として取り上げた事件の総数は千七百八十七件、このうち排除命令を行ないましたものは二十五件、警告等により是正させましたものは九百八十八件であります。また、公正競争規約は、変更を含め五件認定いたしまして、その結果、規約の総数は四十件に達しております。この公正競争規約につきましては、景品表示法違反の未然防止にもつながりますので、できるだけ多くの業界でこれを設定するよう、強力に指導してまいりたいと思います。
 なお、景品表示法の一部改正は、昨年十月一日から施行されまして、同法の権限の一部を都道府県知事に委任することとなりましたので、公正取引委員会といたしましては、各都道府県と密接な連絡をとりつつ、同法の運用を一そう効率的に行なってまいるようつとめているところであります。
 最後に、下請事業者の保護に関する施策について申し上げたいと思います。
 昭和四十七年中に下請代金の支払い状況を中心に八千四百九十の親事業所に対しまして調査を行ない、勧告四十二件を含め四百三件につき支払い改善等の措置を講じさせました。
 以上、簡単でございますが、業務の概略につきまして御説明申し上げました。何とぞよろしく御指導、御鞭撻のほどをお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
#9
○委員長(佐田一郎君) 次に、通商産業大臣から、通商産業省の基本政策及び石炭対策の基本施策について所信を聴取いたします。中曾根通商産業大臣。
#10
○国務大臣(中曽根康弘君) 第七十一国会における商工委員会の御審議に先立ち、通商産業行政に関する私の所信の一端を申し述べたいと思います。
 顧みますと、昨年七月私が通商産業大臣に就任いたしまして以来、日中国交回復、ベトナム和平へと相次いだ一連の国際情勢の新展開は、世界の緊張緩和と多極的な国際政治の幕明けを告げるものでありました。
 他方、国際経済情勢につきましては、一昨年十二月のスミソニアン体制のもとに、第二次国際ラウンドの準備、第三次円対策の策定、実施等新たな均衡を見出すための努力を続け、その結果、不安要因をはらんでいた国際通貨問題も一時小康を得たかの感がありましたが、最近再び国際通貨は激しい動揺を見せ、わが国においても去る二月十日には為替市場を閉鎖し、次いで国際協調のもとに為替変動相場制に移行いたしました。しかしながら、その後も欧州通貨市場の動揺はやまず、再び各国とも為替市場を閉鎖することとなり、関係国の間で事態の収拾につとめることになっております。
 次に、国内に目を転じますと、幸いにして財政、金融措置を中心とする景気振興策が効を奏し、景気は、昨年後半から上昇局面を迎え、所期の水準に達したものと考えておりますが、為替変動相場制への移行という情勢の変化もあり、今後その影響を注視していかなければなりません。
 他方、昨年は、工業再配置促進法の施行等により、国土総合開発の事業がその緒につき、いよいよ本格化の段階を迎えております。しかしながら、国民福祉の一そうの向上のために、社会資本の立ちおくれ、公害問題、過密過疎問題、物価問題等なお解決をはからなければならない重要な課題が残されております。
 以上申し述べましたように、今日、対外的には激しくゆれ動く国際政治、経済情勢に対する的確な対応が強く要請されており、国内においては、為替変動相場制への移行に対する国内対策を適時適切に講ずるとともに、国民福祉向上のための強力な施策の展開が求められている重大な時期にあります。政府としては、世界の大きな潮流を見守りつつ、国民のニーズを的確に把握して、政策遂行に当たることが何よりも肝要と確信いたしております。
 昭和四十八年度におきましては、かかる基本的認識に基づき、十分な予算及び財政投融資を確保して、社会資本の整備、社会保障の充実、物価、地価、公害、中小企業、経済協力等に関する各般の施策を講ずることとしております。これら諸施策の浸透によりまして、国民福祉と国際協調との同時達成を目ざしているわけであります。
 通商産業省といたしましては、政府の全体施策の中に占める通商産業行政の重要性を認識し、昭和四十八年度におきましては、国民福祉と国際協調のための通商産業政策の新展開をはかるため、以下の諸点に重点を置いて施策を推進してまいる所存であります。
 まず第一に、対外経済政策について申し上げます。
 わが国経済の規模の拡大に伴って、わが国経済をめぐる不均衡と海外市場における摩擦現象が生じておりますことは御承知のとおりであります。
 海外資源、海外市場に依存するところ大きく、良好な国際環境なくしては十全の存立を期しがたいわが国としては、向上した国際的地位と責任を十分に自覚して、国際協調のもとで国益を追求することが大切であります。
 わが国の国際収支は、一昨年の円平価の切り上げにもかかわらず、黒字基調を続けたため、これを解消することを目的として昨年十月、政府は、第三次円対策を策定し、関税の一律二〇%引き下げ等による輸入の拡大、輸出貿易管理令の機動的運用等による輸出の適正化、資本自由化等の積極的推進、経済協力の拡充、社会資本の整備等福祉対策の充実という五本の柱に基づいて、対外経済関係の円滑化を鋭意進めてまいりましたが、欧州における通貨の動揺を契機に国際的な通貨不安に見舞われることとなり、国際協調のもと、わが国も為替変動相場制に移行することといたしました。しかしながら、その後も欧州為替市場の動揺はやまず、再び各国とも市場閉鎖のやむなきに立ち至っていることは御承知のとおりであります。国際通貨の動揺、為替変動相場制への移行というきびしい情勢変化に対処して、中小企業をはじめとするわが国産業の撹乱防止、経済の安定的な発展の維持に万全を期する所存であります。
 貿易の分野におきましては、国際通貨の動揺に増幅されて、保護貿易主義の動きは、なお欧米に激しいものがあります。わが国としては、長期的に世界の自由貿易体制を維持、確立する観点から、昨年のガット総会において新国際ラウンドについて、わが国が主導的な役割りを果たし、準備委員会の設置が決定される等その成果をあげましたが、本年秋には、新国際ラウンドの本格的な交渉が開始される運びとなっており、わが国としては、引き続きこの交渉を成功させるため、積極的な態度で臨みたいと考えております。
 また、日米通商関係につきましては、昨年七月の日米箱根会談、八月のハワイにおける日米首脳会談等を通じて、相互の意思疎通を深めてまいりました。この間、今日の日米間で最大の経済問題である貿易収支問題につきましては、緊急輸入対策、第三次円対策等の強力な施策を講じてきた次第でありますが、米国景気の上昇期であったこともあり、なおアンバランスは解消するに至っておりません。これまでの施策の効果に加え、為替変動相場制への移行によりまして、日米貿易バランスも改善に向かうものと期待され、その推移を見守ってまいりたいと考えております。
 新しく国交回復を見ました中国との経済関係につきましては、大使館の相互開設が実現し、大使交換もきまり、通商産業省が日中覚書貿易事務所活動等を通じて、従来積み重ねてきた努力が、新しい展開を見せて、花開く時期を迎えております。先般私は、中国を訪問し、その実情をつぶさに見るとともに、政府関係者とひざを交えて会談してまいりました。今後はこうした成果を踏まえつつ、平和共存と互恵平等の原則のもとに、長期的観点から、貿易協定の早期締結等につとめ、日中貿易の拡大をはかることといたす所存であります。
 経済協力につきましても、先般、日タイ貿易合同委員会に出席いたしまして、私は、経済協力の重要性と同時に、経済協力の方法についていかに慎重な配慮を必要とするかについて認識を深めてまいりました。
 発展途上国の発展を促し、わが国国際関係の円滑化に寄与する重要な分野として、引き続き、援助目標の達成につとめることとし、昭和四十八年度におきましては、発展途上国からの要請に応じて、中小企業の海外投資の促進、開発輸入とこれに関連した道路、港湾等の整備等のために、所要の予算措置を講ずることとしておりますが、同時に長期的に経済協力、進出企業のあり方について、検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、国内における重点施策について申し上げます。
 第一は、健康な国民生活と美しい国土の回復を目ざし、産業活動等に伴って発生する公害を徹底的に防止し、無公害社会を建設することであります。かかる観点から、当省におきましては、ガス化脱硫その他公害防止技術の開発と実用化を促進するとともに、大型プロジェクト研究開発の強化、コンビナート対策、生活産業廃棄物対策の拡充等の措置を講ずるほか、近時問題となりつつある金属鉱山等の鉱害防止をはかるため、金属鉱物探鉱促進事業団を改組し、同事業団に、新たに鉱害防止工事に必要な資金の貸し付け等の業務を行なわせることとし、また、鉱害防止の計画的実施をはかるため、所要の立法措置を講ずることとしております。
 PCB問題等で、新たに提起されております化学物質の安全対策といたしましては、有害な化学物質の管理取り締まり体制を確立し、あわせて、新規化学物質に関する規制等を行なうため、新規立法を今国会に提出することといたしております。
 第二は、消費生活の充実のための施策の展開であります。
 まず、消費生活の安全を脅かしている危険な消費財につきまして、その安全確保をはかるため、危険な製品に関する規制、安全確保対策推進の中核となるべき認可法人の設立等を内容とする新規立法の措置を講ずる所存であります。
 また、物価対策の拡充、流通システム化の促進等を進めるほか、余暇開発にも積極的に取り組むこととしております。
 さらに、機械類信用保険法につきましては、新たにリース契約による取引を保険の対象とするため、所要の法改正を行なうこととしており、また、百貨店法につきましては、中小小売り商業者の事業活動機会を適正に確保するとともに、流通の合理化、消費者利益の保護といった社会的要請にも配慮して、その見直しをいたす所存であります。
 第三は、過密過疎問題を解決し、経済活動と地域社会との融和をはかり、均衡のとれた国土の建設を目ざす国土総合開発のための諸施策であります。工業再配置促進法が昨年施行され、本年はいよいよ国土総合開発本格化の年であります。政府におきましては、本年七月に国土総合開発庁を発足させることを予定しており、鋭意その準備を進めているところでありますが、通商産業省といたしましても、予算、財政投融資の両面におきまして、工業再配置促進対策を飛躍的に拡充することとしており、また、これと相まって、工場周辺の地域社会との融和等をはかるため、工場立地の調査等に関する法律の改正により、工場環境整備基準の策定、工場設置者に対する工場環境整備の義務づけ等を定めたいと考えております。
 第四は、国際的に対処するための中小企業対策の推進であります。
 自由化の進展、発展途上国の追い上げ、さらには、今回の国際的な通貨価値の変動等国際化の波は、わが国中小企業に打ち寄せており、また、国内的にも、環境保全等の社会的要請にこたえていくことが必要となっております。特に、今回の国際的な通貨価値の変動によってこうむることが懸念されます中小企業への影響につきましては、前回の通貨調整の際の経験に学びまして、中小企業の健全な発展が阻害されることのないよう、所要の対策をとる所存であります。
 以上のほか、中小企業をめぐるきびしい環境変化に対処し、その健全な発展をはかるため、実情に即して中小企業の定義を改正するとともに、小規模企業の経営改善を推進するため、小口、低利、無担保、無保証の融資制度を創設し、あわせて経営改善普及事業の拡充をはることといたしております。
 また、中小企業の知識集約化のための措置、中小企業金融の拡大等をはかるほか、中小小売り商業の近代化等を促進するため、所要の立法措置を講ずる所存であります。
 以上のほか、生命傷害共済事業の的確な実施をはかるための中小企業等協同組合法の一部改正及び保険の拡充をはかるための中小企業信用保険法の一部改正を今国会に提出して、中小企業施策の充実につとめたいと考えております。
 第五は、わが国経済の基礎条件の変化に対処して、輝かしい未来の創造のために長期的観点から、産業構造の質的転換を遂げ、産業の力を社会開発に活用し、技術を開発するための諸施策であります。
 まず、人間能力の開発、情報化の推進、電子計算機産業、民間シンクタンク、航空機産業等の振興をはかることとし、特に、昭和四十八年度におきましては、次期民間輸送機開発のための本格的な調査を開始することとしております。
 また、繊維産業の構造改善を進めるほか、既存産業の知識集約化についても、その具体策の確立につとめる所存であります。
 さらに、社会開発に産業の活力を利用するため、医療システム機器及び映像情報システム、住宅、都市産業の振興に積極的に取り組むほか、大型プロジェクト方式による技術開発、民間の自主的技術開発等の推進にもつとめることとしております。
 第六は、資源エネルギーの安定供給のための施策の展開であります。
 まず、石油につきましては、OPEC等の動向を中心として世界の需給の逼迫化が懸念されるに至っておりますが、これに対処するため、海外及び大陸だなにおける石油資源の開発、LNGの導入を積極的に進めるとともに、石油の備蓄及び流通の合理化の一そうの推進をはかることとしております。
 また、鉱物資源につきましては、海外における探査、開発を進めると同時に、国内探鉱の促進、金自由化対策等の諸措置を講ずる所存であります。
 石炭対策につきましては、さきの閣議決定に基づき、昭和四十八年度から第五次石炭対策を実施することとし、このため、石炭鉱業合理化臨時措置法、石炭鉱業再建整備臨時措置法等の改正につきまして、御審議をお願いすることとしております。
 以上のほか、電力につきましては、電源立地対策の推進、水資源につきましては、工業用水道事業の促進と造水対策に重点を置いて今後の施策を進める所存であります。
 以上に申し述べましたように、内外における経済社会情勢の変化はまことに目ざましいものがあり、通商産業政策もきびしく転換を迫られております。このような情勢に対応して新しい通商産業政策を総合的、計画的に推進するため、昭和四十八年度におきましては、通商産業省の機構の改正を行なうことといたしております。
 その内容を申し上げますと、まず、現在の鉱山石炭局と公益事業局を統合して資源エネルギー庁を設置するとともに、その他の本省内部部局につきましては、これを再編成し、通商政策局、貿易局、産業政策局、立地公害局、基礎産業局、機械情報産業局及び生活産業局といたしております。この通商産業省設置法の改正につきましては、内閣委員会において御審議いただくことになっております。
 なお、私は、沖繩国際海洋博覧会を担当いたしておりますが、沖繩の本土復帰を記念するとともに、沖繩県の振興とわが国海洋開発の促進をはかるための沖繩海洋博覧会は、その開催まであと二年を残すのみとなりました。昨年から、本格的準備段階に入っておりますが、この博覧会が成功裏に開催されますよう、関係者一同の御協力を得て、今後とも全力をあげて取り組む所存であります。
 以上申し述べました諸施策を中心に、昭和四十八年度におきましては、一般会計予算に二千百二億円、石炭及び石油特別会計等に一千九百八十五億円を計上するとともに、財政投融資におきましても、通商産業省関係として二兆一千百六億円を予定しております。
 私は、これらの諸施策の実施を通じて、国民福祉の向上と国際協調のために最善を尽くす所存であります。
 委員各位におかれましても、一そうの御理解、御支援を賜わりますようお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
 次に、石炭対策に関する通商産業大臣の所信を表明いたします。
 最初に、昨年十一月二日に北海道石狩炭鉱におきまして、罹災者三十一名を伴う災害の発生を見ましたことは、所管大臣としてまことに遺憾であり、保安行政面において今後一そうの努力を払う決意を、ここにあらためて表明する次第であります。
 石炭鉱業につきましては、昭和四十四年度から第四次石炭対策を実施し、国会をはじめ関係各方面の御協力のもとに、石炭鉱業の合理化と再建を可及的に支援する措置を講じてきたととろであります。しかしながら、石炭鉱業をめぐる内外情勢の変化には、その後もなお著しいものがあり、採炭条件の悪化、コストの上昇、公害規制の進行等による需要の減少等、石炭鉱業の諸条件には、第四次対策発足の当初において予定したところをすでに越えた重大な変化が生ずるに至りました。
 こうした新しい情勢の進展に対処いたしまして、政府におきましては、一昨年来石炭鉱業審議会の場において、今後の石炭対策のあり方につきまして、審議を重ねてきたところでありますが、昨年六月にその成果が同審議会の答申として政府に提出されております。政府といたしましては、この答申の趣旨を尊重し、昭和四十八年度から昭和五十一年度までを対策期間とする新しい長期的石炭対策を推進する所存であり、昨年七月にはその旨の閣議決定を行なったところであります。
 具体的には、答申にうたわれた対策の基本に従い、国内炭需要の確保につとめるとともに、対策期間中に総額約四千七百億円ないし五千億円程度の対策財源の確保につとめつつ、従来から講じてきた諸施策についてはこれを引き続き推進し、さらに、新たに次の諸施策を講ずることとして、より強力な石炭対策の展開をはかってまいる所存であります。
 第一に、石炭企業向け対策につきましては、石炭鉱業の資金経理の状況にかんがみ、総額六百八十億円の累積債務の財政による第三次肩がわり、第二次債務肩がわりの期間短縮、石炭鉱業合理化事業団による運転資金融資制度の創設、各種補助金、融資の補助率、融資率の引き上げ等を行ない、石炭企業に対する国の助成の大幅拡大をはかることといたしております。
 また、各種の助成を、原則として石炭鉱業合理化事業団に集中し、同事業団に管理委員会を設置することにより、助成運営の強化をはかることといたしております。
 第二に、保安対策につきましては、監督、指導の一そうの強化をはかるとともに、保安確保事業に対する補助金の補助率引き上げ等により、企業の自主的保安確保を促進し、石炭鉱山の保安の確保に万全を期してまいる所存であります。
 第三に、労働対策につきましては、石炭鉱業合理化事業団による近代化資金融資制度の拡充をはかることにより、炭鉱における住宅その他の福利厚生施設の一そうの整備充実をはかることといたしております。
 第四に、閉山、産炭地域振興対策につきましては、閉山の影響を極力緩和するため、閉山交付金制度の改善を行なうとともに、産炭地域振興臨時交付金の引き上げ、閉山地域の中小商工業者に対する融資制度に対する助成等、産炭地域振興対策の強化につとめてまいる所存であります。
 第五に、鉱害復旧対策につきましては、昨年十二月に策定した鉱害復旧長期計画に基づき、残存鉱害の早期完全復旧につとめてまいる所存であります。
 これら施策の実施につきましては、昭和四十八年度の石炭及び石油対策特別会計石炭勘定の予算案において所要の財政措置を講ずるほか、法制面の整備をはかるため、今国会に、石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案を提出し、御審議をいただくことといたした次第であります。
 本委員会におかれましては、従来から石炭対策について深い御理解と力強い御指導、御鞭撻をいただいておりますが、何とぞ今後とも一そうの御協力をお願いする次第であります。
    ―――――――――――――
#11
○委員長(佐田一郎君) この際、通商産業政務次官及び経済企画政務次官からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。塩川通産政務次官。
#12
○政府委員(塩川正十郎君) 昨年十二月の末に通商産業省政務次官に就任いたしました塩川正十郎でございます。何とぞよろしくお願いいたします。
#13
○委員長(佐田一郎君) 矢野通産政務次官。
#14
○政府委員(矢野登君) 矢野登でございます。不敏な者でございまして、今後ともよろしく御指導のほどをお願い申し上げます。
#15
○委員長(佐田一郎君) 橋口経済企画政務次官。
#16
○政府委員(橋口隆君) 経済企画庁の政務次官を拝命しました橋口でございます。これから皆さま方のごやっかいになることと思いますが、どうぞよろしく御指導お願い申し上げます。
    ―――――――――――――
#17
○委員長(佐田一郎君) 次に、通商産業省の予算について説明を聴取いたします。通商産業省和田官房長。
#18
○政府委員(和田敏信君) 昭和四十八年度の通商産業省関係予算案及び財政投融資計画について御説明申し上げます。
 詳細につきましては、お手元にお配りいたしております「昭和四十八年度通商産業省予算案等について」に記述してございますので、ごらんいただくようお願いいたしまして、概略御説明申し上げます。
 まず、昭和四十八年度の通商産業省の一般会計予定経費要求額は、二千百二億一千二百万円でありまして、前年度予算に対して、四百六十九億五千五百万円、二八・八%増となっております。
 次に、重点事項別に予算の内容を御説明申し上げます。
 第一に、無公害社会の建設のための予算につきましては、前年度比二倍強の二十二億六千九百万円を計上しております。なお、このほか、他の項に含まれる公害防止関連予算を含めますと八十二億八千六百万円でありまして、これも前年度比二倍に近い増額でございます。
 内容といたしましては、公害防止技術の開発、産業廃棄物対策、公害総合事前調査等の拡充をはかるほか、金属鉱物探鉱促進事業団を改組拡充して、金属鉱業事業団とし、これに鉱害防止のための融資等を行なわせることとしております。さらに、化学物質の安全性確保をはかるための予算も確保することとしております。
 第二に、消費生活の充実につきましては、百八十一億一千二百万円を計上いたしております。
 まず、新たに総合的な製品安全性確保向上対策を推進するための予算を計上しております。また、物価安定、流通合理化、消費生活の改善等の施策の充実に必要な予算措置を講ずるとともに、沖繩国際海洋博覧会につきましても、その準備に万全を期することとしております。
 第三に、日本列島の改造につきましては、その飛躍的な前進をはかるため、九十三億五千九百万円を計上しておりますが、中でも、工業再配置対策の本格化をはかるため、九十億三千七百万円を計上しておりますほか、工業の再配置に伴う工場環境の整備を促進するための予算措置を講じております。
 第四に、中小企業対策につきましては、対前年度比二六・四%増の六百三十五億七千四百万円を計上しまして、施策全般にわたり充実をはかっております。
 中でも、四十八年度は、小規模企業に対する小口、低利、無担保、無保証の新融資制度を初年度三百億円の融資規模で発足させる等小規模事業対策の大幅な拡充をはかることとしております。
 さらに、中小小売り商業施策を強化することとするほか、中小企業振興事業団の事業運営に必要な経費を三百九十六億九千二百万円に増額いたしております。
 第五に、国際経済における調和の確保につきましては、対前年度比二四・七%増の百五十四億四千二百万円を計上しております。
 まず、日本貿易振興会に対する補助を六十二億八千八百万円に増額しております。
 次に、経済協力については、対前年度比三七・四%増の六十五億一千八百万円を計上しまして、開発輸入、研修、経済開発調査、研究協力等各種の協力事業を充実することとしております。
 さらに、新たに中小企業の海外投資の推進のための予算を計上しております。
 第六に、未来社会への前進につきましては、六百六億円を計上しております。
 まず、情報処理、電子計算機産業、航空機産業等の振興をはかるとともに、医療機器システム、映像情報システム、住宅生産における新技術等の開発を推進することとしております。
 技術開発につきましては、大型プロジェクト制度の予算を八十三億五千万円と大幅増額いたしましたほか、重要技術開発費補助金、テクノロジーアセスメント推進費をはじめ所要の資金の確保をはかっております。
 第七に、資源とエネルギーの安定供給につきましては、二百二十九億四千三百万円を計上しておりますが、このほかに、石炭及び石油対策特別会計に一千三百五十六億三千万円を計上しております。
 内容といたしましては、内外資源の探査、開発、電源周辺地帯の整備、造水促進対策、工業用水道の整備等を促進することとしております。
 第八に、以上の一般会計のほか、特別会計といたしまして、アルコール専売事業特別会計は、歳入百二十五億八千万円、歳出百九億二千六百万円、輸出保険特別会計は歳入歳出とも五百億二千六百万円、機械類信用保険特別会計は歳入歳出とも十八億七千万円を計上しております。
 また、石炭及び石油対策特別会計につきましては、すでに御説明申し上げましたように、歳入歳出とも労働省所管分を含めまして、一千三百五十六億三千万円を計上しております。このうち、石油対策分は、二百六十四億二百万円を計上して、石油開発公団の機能の拡充等をはかることとしております。
 また、石炭対策につきましては、一千九十二億二千八百万円を計上いたしまして、新たに第五次対策に取り組むこととし、石炭鉱業の合理化安定等の施策を推進することといたしております。
 引き続きまして、昭和四十八年度の通商産業省関係の財政投融資計画につきまして御説明申し上げます。
 総額は、二兆一千百六億円でありまして、前年度当初計画一兆七千五百七十億円に比べて二〇・一%の伸びとなっております。
 第一は、無公害社会の建設であります。
 まず、日本開発銀行の公害防止ワクを拡大するほか、貸し付け金利についても、所要の引き下げを行なっております。
 また、中小企業金融公庫、国民金融公庫等についても、貸し付けワクの拡大を行なっております。
 また、さきに御説明いたしましたとおり、金属鉱物探鉱促進事業団を改組し、鉱害防止工事に対し低利融資を行なうこととしております。
 第二の消費生活の充実につきましては、流通部門の近代化のため、引き続き日本開発銀行の融資等を行なうこととしております。
 第三の日本列島の改造につきましては、工業再配置・産炭地域振興公団における工業再配置部門の事業規模を、前年度の百四十五億円から七百億円へと飛躍的に拡充しております。
 なお、工場の緑化等を推進するため、日本開発銀行の公害防止ワクから新たに必要な資金を融資することとしております。
 第四は、国際化に処する中小企業であります。
 中小三機関につきましては、前年度当初計画比一九・八%増の一兆六千七百十九億円の普通貸し付け規模を確保する一方、沖繩振興開発金融公庫についても所要の資金ワクを確保することとしております。
 また、中小企業金融公庫、国民金融公庫の特別貸し付け制度について、新たに製品安全性改善、小売り商業高度化等の個別貸し付けワクを設けることとしております。
 このほか、さきた申し上げましたとおり、小企業経営改善資金融資制度を創設することとしております。
 なお、商工組合中央金庫につきましては、四十八年度から長期貸し付け金利を〇・一%引き下げることとしております。
 第五は、国際経済における調和の確保でありますが、日本輸出入銀行の輸入及び海外投資のための融資ワクにつきまして、二千三百三十億円、前年度比二・四倍の資金量を確保することとしております。
 第六は、未来社会への前進であります。
 電子計算機産業につきましては、日本電子計算機株式会社に対する日本開発銀行融資ワクを確保しております。また、新しい技術の開発を促進するため、日本開発銀行の国産技術振興ワクを拡大することといたしているほか、住宅産業、海洋開発産業の振興、紡績業等の構造改善等のため、日本開発銀行等より融資を行なうこととしております。
 第七の資源とエネルギーの安定供給につきましては、まず、石油につきましては、石油開発公団から探鉱投融資、備蓄用原油購入資金融資等を行なうこととしております。また、日本開発銀行から民族系企業育成等の融資を行なうこととしているほか、新たに大陸だな石油開発についても、同行から特利融資を行なうこととしております。
 次に、石炭につきましては、工業再配置・産炭地域振興公団の事業の拡充を行なうほか、新たに石炭火力発電所の建設に対し、日本開発銀行の融資を行なうこととしております。
 さらに、金属鉱物探鉱促進事業団の国内探鉱融資について貸し付け金利の引き下げ等を行なうほか、原子力発電、地熱発電を促進するため、日本開発銀行から所要の融資を行なうこととしております。
 以上、通商産業省関係の予算案及び財政投融資計画につきまして簡単に御説明申し上げました。何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#19
○委員長(佐田一郎君) 以上で、通商産業大臣の所信及び通商産業省並びに公正取引委員会関係の説明聴取は終わりました。
 本日はこれで散会いたします。
   午後一時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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