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1972/04/12 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 商工委員会 第4号
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1972/04/12 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 商工委員会 第4号

#1
第071回国会 商工委員会 第4号
昭和四十八年四月十二日(木曜日)
   午後一時十五分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐田 一郎君
    理 事
                大谷藤之助君
                若林 正武君
                阿具根 登君
                藤井 恒男君
    委 員
                植木 光教君
                小笠 公韶君
                剱木 亨弘君
                林田悠紀夫君
                細川 護煕君
                安田 隆明君
                小野  明君
                大矢  正君
                林  虎雄君
                藤田  進君
                中尾 辰義君
                峯山 昭範君
   国務大臣
       通商産業大臣   中曽根康弘君
   政府委員
       通商産業政務次
       官        矢野  登君
       通商産業大臣官
       房参事官     濃野  滋君
       通商産業省公害
       保安局長     青木 慎三君
       通商産業省重工
       業局長      山形 栄治君
       通商産業省化学
       工業局長     齋藤 太一君
       通商産業省鉱山
       石炭局長     外山  弘君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○機械類信用保険法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○金属鉱業等鉱害対策特別措置法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律
 案(内閣提出)
○参考人の出席要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(佐田一郎君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、機械類信用保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本法案についての趣旨説明はすでに聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○大矢正君 最初に、局長にお尋ねをいたしますが、本法が実施をされました昭和三十六年以降、前年度ですか、年度がかわりましたので四十七年度までの――もちろん四十七年度の場合は見込み数量でありますが、私の手元に、この保険制度の引き受け限度額あるいは引き受け実績、対象機械類の数であるとか、あるいはまた契約企業数その他いろいろの事項を印刷した資料をいただいておりますが、もし間違いがあっては困りますので、当局側からお答えをいただいた上で質問をしたいと思いますが、三十六年から四十七年までの十年間余にわたる内容を全部説明をいただくのは、あまりにも長時間を要すると思われますので、私のほうから便宜、この数字に間違いがないかということを確かめた上で質問いたしたいと思いますが、発足三年目であります昭和三十八年、この時点におきましては、会計の資金は五億円、人員は定員が二十一名、保険引き受け限度額が三百八十億円、保険引き受け実績が二百三十億円、対象機械類の数が十八種類ですね。それから契約企業の数が二百二十八、契約件数二百三十四、付保件数一万一千百七十六件、保険料一億五千三百万、回収金が六千九百万、保険金が三億六百万、これが私の手元にあります資料であります。これに対するに、昭和四十七年度の見込みは、資本金十一・七億円、定数が二十九人、保険引き受け限度額が五百億円、保険引き受け実績が二百十二億円、対象機械類の数が三十三、契約企業数が五百四十九、契約件数が二千十六件、付保件数が一万五千件、保険料が一億二千七百万円、回収金が九千七百万円に対し、保険金の支払いはおおむね三億六百万円という数字が私の手元に資料としてあるのでありますが、おおむねこの内容に間違いがないかどうか、まずお伺いをいたします。
#4
○政府委員(山形栄治君) お答え申し上げます。
 ただいまの御指摘はほぼ正確でございますが、私の聞き漏らしかもしれませんが、昭和三十八年度の契約企業数は二百五十七社、それから、契約件数が二百八十一件でございます。
 以上でございますが、あとは全部そのとおりでございます。
#5
○大矢正君 それではお尋ねをいたしますが、昭和三十八年におけるこの保険の保険引き受け額二百三十億円に対して四十七年度の見込みが二百十二億円、むしろ、金額面では下がっているということです。なるほど、企業数あるいは契約件数においてはかなりの上昇を見ていることは事実でありますが、一方、保険料収入の場合も、一億五千三百万円に対して四十七年度は逆に減って一億二千七百万円という感じであり、保険金の支払いもこれまた三億六百万円、同じく、四十七年も三十八年と同じように三億六百万円。といたしますると、この保険制度をつくりました三十六年を若干過ぎた時点も今日も、件数はなるほどふえているかもしれぬ、しかし保険の引き受け実績、引き受け保険金額と申しますか、というものと、それから保険料収入、それから付保件数自身は、三十八年の一万一千百七十六件に対して一万五千件ですから、ふえていることは間違いございませんが、しかし、過去において昭和四十一年には一万六千件の付保件数がございますから、むしろこれは減っていると言わなけりゃなりません。
 で、どうしてこういうような経過になるのか。少なくともこういう保険制度というものができ上がれば、年々これは金額的にも――金額という意味で私が申し上げるのは付保金額のことですが、そういうものもふえていかなきゃならぬはずだが、それが一向にふえないで、横ばい、むしろ低下をしておるというようなこと、それから付保件数もさほどふえてないということ。なるほど、契約件数それ自身は、二百八十一件から二千十六件というふうにかなりの増加を示しておりますが、どういうわけでこういうような――結局この機械類信用保険法、以前はこういう名前ではもちろんなかったんでありますが、「賦払」がたしか私の記憶に間違いがなければ入っておったと思いますが、結局、この保険制度それ自信に何か欠陥があるからそれほど有効に利用されないという面があるのではないか。私がいま質問いたしておりますことは、これから新たにつけ加えるリースの内容を申し上げているんじゃなくて、いままでの割賦、それからローンのこの付保状況を考えてみて、そういう何か欠陥があるからこういう数字にしかならないんじゃないかという気がいたしますので、お尋ねをいたします。
#6
○政府委員(山形栄治君) お答え申し上げます。
 この機械類信用保険、いま御指摘のとおり、三十六年に発足いたしまして、長いこと経過してまいったわけでございますけれども、この制度のポイントといいますのは、やはり景気の好不況に非常に関係されるということでございます。これは当然のことでございますけれども、景気が悪くなりますと、中小企業が多いものでございますので、倒産、整理等が行なわれまして、その結果、保険金の支払いも非常にふえるというようなことで、過去の推移を見ますと、非常に景気の好不況に関係をしておるのが一つの特色でございます。
 それからもう一つは、この制度の非常に大きな部分を占めておりましたブルドーザーを対象機種から四十年にはずしまして、これが自己リースの、何と言うのでしょうか、メーカーの自己保険のほうに振りかえられたわけでございまして、四十年をちょっと申し上げますと、保険の引き受け実績で申し上げますと、いま先生の御指摘の三十八年が二百三十億でございますのが、三十九年二百十七億、ほぼ横ばいでございましたのが、四十年には百八十三億と落ちております。この辺は小松製作所等を中心にしますブルドーザーの会社がこの本制度から、先ほどちょっと私、品目を落したと申し上げましたが、ちょっと間違えましたが、付保を解約いたしましてこの制度から脱落してまいったわけでございます。
 若干横道でございますが、これはブルドーザーの業界が非常に中小の販売店が多くございまして、この制度を利用いたしまして非常にいろいろなことが行なわれましたわけでございまして、結局、事故率が非常に多く発生いたしましたので、自衛上小松製作所等がこの制度からはずれていったという経緯があるわけでございます。
 それからもう一つの理由は、先ほど言いました一番目の理由のコメントでございますけれども、ドル・ショック等の事例が起こりますと、非常に経済界の実情を反映しまして、保険の引き受け実績等が変動いたすわけでございます。
 大体そういうような事情で、この十数年間の推移を見ますと、御指摘のとおり、三十八年に二百三十億でございました保険引き受け実績が、四十七年の見込みでは二百十二億ということでむしろ減っておりますが、これは、最大の原因は四十六年のドル・ショックの影響でございまして、ドル・ショックの影響で中小企業の設備投資の沈滞というものを反映いたしておるわけでございまして、保険引き受けがここで減っておるわけでございます。
 ただ、先生もいま御指摘ございましたけれども、契約件数は非常に年を追いまして増加いたしておりまして、たとえば、三十八年の契約件数は二百八十一件であったわけでございますけれども、これが四十七年には二千件をこえておるわけでございます。その二、三年前を見ましても、四十四年が八百五十九件、四十五年が千五十四件、四十六年が千四百五十件、四十七年が二千十六件というふうに、非常に逐年伸びておりまして、これはどういうことを意味するかといいますと、非常に契約をする企業の数がふえておりまして、そのわりには付保件数がふえてなかったり金額がふえてないということは、零細中小企業を対象にする契約がふえておるというふうに御理解願いたいと存じます。
 したがいまして、くどいようでございますけれども、ブルドーザーを中心にする機種の取り扱いが若干中途で変わったということと、景気変動の影響を受けたということで、その年々によりまして一見矛盾したような動きが出ておりますけれども、契約件数の伸びを見ますと、この制度がだんだんと中小企業、それもわりあいに小さなところに利用される比率が高まっておるのではないかとわれわれは理解しておる次第でございます。
#7
○大矢正君 いまお話を承りますと、景気変動その他いろいろ、一つにはあったということでありますが、しかし、まあ私は、この資料を各年度ごとに追ってまいりますと、なるほどいまおっしゃられた四十年度はブルドーザーがはずれていったというようなことで、百八十三億円と金額的には落ち込んで、三十八年の二百三十億円に比較をして五十億円ばかり付保金額が減っておりますが、しかし、これはその後も、たとえば四十二年は百六十億円、四十三年は百八十三億円、四十四年が二百五億円、四十五年が二百十六億円と、あまりこれもふえておらぬわけですね、実際に。そういたしますと、必ずしもこれは景気変動によってこうなっておるというふうには、私としては理解できかねるものがある。なるほど、あなたのおっしゃられるとおりに、付保金額では横ばいであるが、契約件数において七倍、それから付保件数は三十八年の一万一千件に対して四十七年の一万五千件ですから、わずか四千件ばかりふえた。しかし、まあものは見ようでありますから、七倍にもふえた件数を見れば、金額が変わらない中で件数だけふえるということは、一件当たりの金額というものは小さくなってきたということは、言われるとおりだと思います。
 そういう意味で、割賦、ローンその他のいわゆる機械類の内容が金額的に安いものというふうに変化をしてきたという面もあるでしょうし、それからまた、借り入れをするローンその他割賦等でやられる中小企業がより小さい企業になってきたという、そういうことはこの数字からは推しはかることができますけれども、しかし、どうも保険制度それ自身に何かしら根本的な欠陥があって、付保金額の上においては、いま私が申し上げたような残念ながら結果となって終わっておるというように思わざるを得ないのでありますが、今度新たにリースを加えるという以前の問題として、現行の割賦とローンの付保それ自身に何らかの欠陥というものを考えることができないのかどうか。私は、言われるとおりに、契約件数が二百八十一件が十年間で二千件になったから、ふえてはおることは認めますよ。認めますが、しかし、引き受け保険金額というものが全然ふえない、十年たってもふえないということは、どうもこの保険の制度の目的が果たされていない。
 たとえばこの法律の目的の中には、あなたの衆議院で盛んに答弁されておることは、速記録で私は読ましていただきましたし、それから、当時の、三十六年の保険制度が初めてつくられたときの速記録も私全部読みましたが、やはり目的としては中小企業の近代化、合理化を進めるための一つの力を政府が貸すんだということと、もう一つは機械工業振興という一つの目的がある。この二つがこの保険制度の目的であるということを言われておる。私自身もそれは別に反対じゃない、そのとおりでいいと思いますよ。いいと思いますが、件数が幾らふえても金額が変わらないということになってまいりますと、結局のところこれは、全体としての機械の売れ行きは、それは景気の動向によって変化はしているとは思いますものの、第二番目の機械工業振興のためにこの法律、この制度が役割りを果たしているということにはならないのじゃないでしょうかというのが、私の言いたいところなんです。なるほど、件数はふえている。したがって、中小企業者はより零細な中小企業者も利用されるような機会にいま恵まれてはきておるのではないかということは推しはかることができますけれども、しかし、付保金額それ自身がこのとおり横ばいで、十年たっても変わりがないということは、機械工業の振興という面からは、この保険制度それ自身があまり役割りを果たしてはいないというふうに言って差しつかえないのではないかというように考えるのですが、これは私も衆議院の速記録を全部読んで、どなたも聞いておらないところだけをいま選び出してひとつお尋ねしているわけですから、お答えをいただきたいと思う。
#8
○政府委員(山形栄治君) 先生の御指摘の点、確かに数字の面では非常に横ばい的な面もございまして、特に機械工業の振興の点から見ても、これは大した役割りをしていないんじゃないかという御指摘でございます。この法律は、もともと中小企業の近代化と機械工業の振興と、両方の目的で制定されたものでございますけれども、現行法の間におきましても、どちらかというと、運用上は中小企業の近代化に重点を置いて機種の選定等を行なってまいったわけでございます。今回、この改正法案では、その精神といいますか、その姿をより明確にするべきであるという考え方から、機種の選定にあたりましては、中小企業の近代化を第一目的といたしまして、機械工業の振興は、これに資すればいいというかっこうにしたわけでございます。そんな関係で、今後、中小企業の振興を主に重点を置いて運営するわけでございますけれども、これに関連して一言申し上げておきたいと思いますのは、現在の三十三対象機種というのを、中小企業の近代化に資するという目的から、各府県で行なっております貸与機関で取り扱っている非常に小さな中小企業の使います機種、これを全部対象の中に入れる方向でいま機種選定を考えております。これは全部で百ぐらいの機械に相なるわけでございまして、精米機とか、非常に小さな企業がこれを使うものでございます。この辺の機種の拡充等も今後はかることによりまして、いま御指摘の付保金額の増加にも資したいと、こう思っておるわけでございます。
 それからもう一つ、先ほど来出ておりますことに関連いたしまして若干コメント申し上げますと、引き受け金額の中で、ブルドーザーを除きましてこれを見ますと、三十六年発足当時はわずか五億円という数字に相なっております。これが三十八年では百十八億円であったわけでございますが、四十、四十一、四十二年というのは不況期でございますので、この辺でブルドーザーを除きました機械全体の引き受け保険金額は、百四億、百二十五億、百十一億と非常に低迷いたしましたが、景気の回復につれまして、四十三年には百三十六億、四十四年には百七十四億、四十五年には二百五億と増加をいたしてきたわけでございますが、先ほども申し上げましたように、四十六、七年はドル・ショックの影響で不況低迷の状態に入りまして、これが百九十億ぐらいのペースに推移したわけでございます。あまり御答弁にならないと思いますけれども、ブルドーザーを除いた分でいいますと、わりあいに増加の傾向がより顕著に出ておるのではないかとも思いますので、ちょっと念のために申し上げておきます。
#9
○大矢正君 衆議院の質疑の中で、いま私が申し上げたことと本質において関連のある問題が出ておりますので、お尋ねをしておきたいと思いますが、リースの機種の中に外国製の機械を、言うならば輸入機械、それをまあ入れるべきか、入れるべきでないのか、リース事業の場合ですね。これはリース事業だけに限らず他の賦払い、ローンその他ももちろん問題になると思うのでありますが、これに対して局長から御答弁があったのは、まあこれからはひとつ輸入機械でもそれが合理化、近代化に有効なものであれば、どしどし入れてやりたいというようなふうに受け取れる御答弁がこの中にもあるわけです。そういたしますと、わが国の機械工業の振興というものと輸入機械の導入とは、どうも結びつかない感じがするんですよね。まあ理屈を言わせれば、そういう有効な機械を導入してきて、それを日本の機械業者がよく検討して、それで日本独自のものをそこでつくればいいじゃないかと、そういう抽象論としてのやりとりはできますがね、しかし、実体としてわが国の機械工業の振興ということがこの法律の目的の大きな一つであるとすれば、輸入機械の導入――どっちがいいかということは私自身も実はよくわかりません。輸入機械を入れたほうがいいのか、あるいはあくまでも国産機械だけを対象にしたほうがいいのか、この点はわかりませんが、ともあれ、この法律の目的の中に、はっきりとわが国の機械工業の振興ということがうたわれている限りは、輸入機械を、これからまあドルも過剰な時代でもあるからどしどし入れてきて、それはもちろんリース業者ないしはそのユーザーが考えることですから何でありますが、政府がやることじゃございませんけれども、となると、目的と反するような結果になりますが、この点はどうなんでしょう。
 本音は、やっぱりできるならば輸入機械は入れたくないということなんではないんでしょうか。しかし、衆議院じゃあんまり皆さんが輸入機械にいい機械があるのに、何でそれを入れちゃいかぬのかという話があるから、まあ前向きにというような御答弁であって、その通産省のいままでのこの性格からいって、外国の機械をどしどし入れましょうなんて、そういうようなことを考えられるとは私も思われませんがね、別に皮肉で申し上げているわけじゃなくてね。私もそれはどっちが正しいか実は迷っているんです、はっきり申し上げて。どんどんそれが有能な機械であれば入れるべきか。しかし、わが国の機械工業振興という見地からいけば、この際、機械工業にもう一ふんばりしてもらう間、やっぱりそういうものは押えるべきか。いろいろこれはまああると思いますがね。しかし、それほど大きな金額、多額の金額でもないし、業界を混乱におとしいれるほどの内容ではないと思いますから、そう神経質になることはないと思いますが、ただ、目的と結論とが若干食い違うような感じをしろうとの私どもには受けるもんですから、その点いかがなもんですか。
#10
○政府委員(山形栄治君) これは、本音として私は、適切なるいい機械があり、中小企業に非常に要望が強ければ、私は入れるべきであると考えております。それは先ほどちょっと触れましたように、今回の法改正で考え方の、われわれといたしましては転換といいますか、明確にいたしたわけでございまして、本法の運用の最大主眼は中小企業の近代化にある。機械工業の振興はある意味でこれに従属すべきものであるという考え方になったわけでございまして、もちろん、いま先生の御指摘によると、ドルもうんとあるということ、それから、日本の機械工業もだんだんと力がついてきたという二つの要件が前提にはなっておるわけでございますけれども、適切なる輸入機械がございますれば、しかも、国産でそれが急に間に合わない、やはり同種のものが国産にあっても輸入のものがすぐれており、安くて、国内の機械産業の刺激になるというようなもので、かつ、中小企業が非常に強く要望しているものということでございますれば、私は入れるべきであると考えております。
#11
○大矢正君 次は、このリース事業に関連をしてのお尋ねでありますが、衆議院で答弁漏れになっている部分がありますので、お尋ねをまず先にしておきたいと思います。
 それは私、先ほども開会前に課長にお話をいたしたんでありますが、税法との関係、貸し倒れ準備金あるいは減価償却、これらの問題が、衆議院で論議されている段階では不明確であり、できるだけ早い機会に大蔵省、国税庁等と話し合いの上お答えをいたしますと、こうなったまま、お答えないで終わっているわけですね。その後、話し合いはされておるものと思われますので、この税法に関連をするこの処理のしかたは、結局、最終的にどうされるおつもりなのか。まだ話が煮詰まっていないとすれば、局長自身としてはどういう態度を貫いていくという考えを持っておられるのか。この二点、お尋ねをいたしておきたいと思います。
#12
○政府委員(山形栄治君) 実は御指摘のとおり、国税庁とその後詰めることに相なっておりまして、現在、検討を続行しておる段階でございます。私の基本的な感じでは、脱税にならない限りは――これは当然いかぬと思いますので、それにならない限りにおきましては、できる限り税法上の恩典といいますか、それを与えることによりまして、ひいては中小企業のほうにもそれが裨益できるように取り計らうのが筋ではないかと考えております。
#13
○大矢正君 いずれあらためて質問の機会もあると思いますから、深くは触れませんが、次の問題は、リース事業を新たに加えるということでありますが、このリース事業者というのはどのくらい現在あるのかということに対しては、衆議院の御答弁で私が調べておりますのは、おおむね協会に加盟するもの二十三社が中心となり、他に協会未加盟のものを含めて大体五十社程度というようなふうに認識をいたしておりますが、これはどういうことになるんでしょう。協会に加盟している二十三社というものと、未加盟の、その加盟会社以上の数の企業、企業といいますか、リース業者といいましょうか、というもの等をどう取り扱いの上で判断をしていくのか。このリース事業協会の中を見ますと、大部分が商社の子会社とか、あるいは商社みずからがやっておるところもあるんでしょうが、あるいは銀行、金融機関等々、日本の大体大企業、大商社と目されるものは全部がおおむねこのリース事業をやっておるわけですね。そういたしますと、私自身この保険制度は、なるほど、対象となる中小企業の育成のためであるということはそれは認めますが、それ以上にこの金融機関や大商社等が行なうリース業社それ自身のリスクに対して配慮してやるという認識のほうがどうしても強いという感じを受けざるを得ないんですね。どうもそうなってまいりますと、保険制度それ自身を新たに設け、中小企業の近代化、合理化に役立てたいという意味における根本的なねらいはわかるんでありますが、しかし、結果論的にはそれは中小企業の育成とか強化にならずして、むしろ、やった結果はリース業者の応援というような結果になる可能性があるわけです。その辺の御判断はいかがなものでしょうか。
#14
○政府委員(山形栄治君) 現在、これらリース会社はいま御指摘のとおり、大手商社が関係しておりますものは六社ぐらいございます。それから金融機関が関係しておりますものも非常に多いわけでございます。その他運輸業者等が運搬機械等をリースするという形態のものとか、建設機械関係のものがその建設機械をリースするというためにつくっているものもあるわけでございます。御指摘のこういう大手が何らかのかっこうでかんでおるリース会社が、結局、本制度で得をするんじゃないかという御質問だと思うわけでございますけれども、われわれの感じでは、あくまで本制度は中小企業の信用力の補完でございまして、リース業者の振興、育成をここではかるつもりは毛頭ございません。ただ、この制度によりまして中小企業の付保が非常に多くなって取り扱い高がふえるという反射的な効果で、リース業者が取り扱い高の増大という利便を反射的に受けることは、それはあるんじゃないか、こう思います。
 ちょっと補足的にあれいたしますと、現在、中小企業向けのリースにつきましては、これらのリース会社は約四割をお断わりしている現状でございます。これは御存じのとおり、中小企業の担保力等の問題もございまして、リース会社も商売なものでございますので、約四割を断わっておる。それからこれを断わらない場合におきましても、個人名儀の担保、社長の担保を非常にはっきり取っている。ほとんど九割が個人名儀の担保を取っております。われわれといたしましては、本制度をもしお認めくださるならば、そういう意味での中小企業の担保力の補完が目的でございますので、われわれのほうの見通しでは、四割をカットしているうちの半分ぐらいが、この制度による補完によりまして断わられずに済むことに相なるんではないか、こう考えます。あくまで中小企業の保護といいますか、近代化が目的であります。
 それから、リース業者と政府とが契約を結びますときに、われわれは非常に厳重なチェックをするいま予定にしておりまして、中小企業との間の契約書の内容、詳細にわたりましてもチェックをして、いささかでも中小企業を圧迫したり、不平等な取り扱いをするようなことはしないようにいたしたい、こう思っております。
 それからもう一つは、結局、リース業者と政府とが保険契約を結びまして、保険料を納めるわけでございますが、この保険料の基本的な考え方は折半というかっこうでございまして、長期的にはとんとんになるようなかっこうに相なっておりますので、リース業者は長期的に見ますれば、保険料を払った分だけ、何というんですか、理論的には保険金の支払いを受ける。利害はそこでとんとんになるという考え方、これ、非常に理論的で恐縮でございますけれども、そういう考え方に立って保険料率等もきめておりますので、総じてリース業者の振興とか育成とかいうようなことをやるたてまえにはなっておりませんので、御了承願いたいと思います。
#15
○大矢正君 局長ね、いまおっしゃられたことは私もわからぬわけじゃありません。ですが、私自身考えてどうもふに落ちないのは、これは、保証される保険金額というものは二分の一ですね。いわゆるてん補率二分の一でしょう。たとえば、残存した設備があってそれを売買した場合に、その価格の二分の一をまた保険事業に返さなければならぬ。金を回収しても、その二分の一はやはりそうしなければならない。あらゆるものが二分の一しかてん補されないということですよ。そういたしますと、私は、それを一〇〇にすることがいいとは必ずしも言っているのではない。なぜかと言えば、このリース業務をやっておる大部分のものは、大手の商社なり金融機関なりだから、ここに考えなければならない問題があるという前提で私はいま申し上げているのですからね。
 そういたしますと、この種のリース企業というものは、五割のリスクを負うということを前提にして、五割だけはこの際保険でもって見てもらえるからといって、積極的に不安のある中小企業、担保力の比較的弱い中小企業等に対して、どんどん、どんどんということばは表現があまりよくないかもしれませんが、リースを認める、いままでのように四割もお断わりするんじゃなくて、それがもうほんとうに一割かその程度しかお断わりをしないで、あとは受け付けるということになっていくとはどう考えても思われないわけです。これはあなた、国会の中でいま商社なんかあれほどたたかれてやられているわけでしょう。そういう商社に、政府の中小企業育成策に協力しなさいなんてお題目並べてみたって、五〇%のリスクのあるものに積極的に乗り出して協力をするなんということを考えるほうが、どうも私は甘いんじゃないかという気がしてならぬわけです。
 だから、それじゃそれを六割にしたらいいのか、七割にしたらいいのかということになると、結果論的にはある意味では大資本擁護にもなりかねない問題もあるし、何かもっと別途な方法でユーザー、特にユーザーである中小企業を救済するというか、借りやすくするというような方法というものはないものかどうか。保険制度を私は否定するんじゃない。これはこれでけっこうだと思います。思いますが、さらにつけ加えて言わしていただくならば、これができたから大幅に中小企業の設備の近代化、合理化のためのリースが拡大するとは思われない。なぜかと言えば、先ほど私が資料を冒頭に申し上げたとおりに、過去における割賦やローンにおいては付保額というのはふえておらぬわけですから、同じ結果になりはしないだろうか。結局中途はんぱなものであり、しかもそれは、特にリース事業を行なう商社のダミーであるとか、あるいは系列であるとか、商社それ自身、あるいは銀行それ自身の身がわりの会社、こういうものだけにリスクをカバーするだけであって、一向に中小企業に対するリースの契約件数の増加にはならないというおそれはないのかどうか、その点お考えを承っておきたい。
#16
○政府委員(山形栄治君) 御指摘の点は、非常に私も同感といいますか、そのとおり感じているわけでございます。したがいまして、われわれのほうといたしましては、今回、この制度を発足させますといたしますれば、その場合の機種選定をどう行なうかというのが一つのポイントであろうかと思っておるわけでございます。現在、われわれのほうといたしましての予定といたしましては、リース関係で十五業種、十五機種といいますか、指定することを予定いたしておるわけでございますが、その場合の機種選定の考え方というのは、現在リースを行なっておりますもののうち、中小企業向けに出ておる比率が六割以上を占めておる機種、したがって、大企業向けの比率の少ないものの機種をまず選ぶことによりまして、この制度の効果ができる限り効果を発揮できるように計らっておるわけでございます。
 それからもう一点は、われわれは、この本改正法の立案の準備段階におきまして、主要なるリース業者といろいろとヒヤリングを行なったわけでございますけれども、特に機械担当比率の多いリース業者とのヒヤリングの結果は、この制度ができますれば、われわれといたしまして現在お断わりしているものの少なくとも半数程度は、当然にこの制度の活用によってリースの対象にいたしたいということをはっきり申しておったわけでございます。もちろん、この制度がございましても、どうしても断わらなきゃいかぬというのは出るであろうということは、そのとき言っておったわけでございますけれども、われわれといたしましては、機種選定及びその業界のいまの動き等から、やはり相当程度中小企業にこれが利益をもたらすものであると考えておるわけでございます。なお、リース業者の過去の取り扱い実績というのがわかっておりますので、中に非常に中小企業に向けてリースをしている比率の著しく低いようなものにつきましては、われわれは契約を結ぶつもりはございません。これは調べればすぐわかることでございますので、契約を結びますときにその辺のものは不適格ということで、現在、落とす考え方でこれから臨みたいと思っています。
#17
○大矢正君 これは衆議院でも議論のされた内容でありますが、割賦とかローンについては、これはまず人から金を預かるとか、先取りをするとかというような内容も含みますから、そういう意味で保護しなきゃならぬということもあって、法律に基づいて企業をある程度拘束をしておるということだと思うので、それなりの意味があると思うのです。ただ、リース事業というものは、結局、割賦、ローンと違って、法律的な根拠というものはなくて、保険制度だけがここに生まれてくるという形になる。で、これについてはやはり、どうも将来、行政権限が及ばないのでは困るではないかというような意味もあって、やはりこのリース事業というものはどうあるべきかというようなことを一つの基準とした法律制定をすべきではないかということを、冒頭申し上げたとおり、衆議院でも言われておるわけですがね。私も全く同感でして、このリース事業、それからリースに基づき中小企業の近代化、合理化を積極的に政府みずからが進めたいというお気持ちがおありならば、私は、いまこれを直ちにやろうとしても、これはいろいろリース事業の実態調査すらまだ必ずしも完全じゃないわけですからね。十分検討しなきゃならぬ日数的なものもあるでしょうからなんですが、やはり法律である程度行政権限が及ぶような形にして、この保険制度の適用を受けさせるというのが本筋ではなかったんだろうかというような気がしてなりませんが、その点についてはいかがでしょう。
#18
○政府委員(山形栄治君) リースにつきまして、何らか法律的な明確な根拠を置くべきだというお話でございますが、これはおそらく二つの点があろうかと思います。一つは、これからの物の流通の中に占めますリースの重要性という点から、リース業を振興育成すべきではないかという振興法的なものの考え方と、それからもう一つは、リースが非常にだんだんそういうふうに伸びますと、力も持ってくると思いますので、これを規制すべきではないかという二つの考え方があろうかと思うわけでございます。
 前者の振興育成につきましては、これはリース業というのは、私の感じでは、非常にこういうように技術革新の激しい流通形態におきましては、今後年率二五%ぐらいで伸びてくるのじゃないかと思いますので、特別の振興策はまあ必要ないのじゃないか。問題は、規制のほうでございますけれども、これはいま先生御指摘のとおり、リースの実態がまず非常に不明確な点がございます。これと中小企業との関係、それから流通体系全体の中におけるリースのあり方、これに関連する金融問題等々、いろいろと調べなければいかぬ面もあろうかと思いますし、特に立法的にこれの規制に踏み切るかどうかの是否につきましては、いろいろと問題があろうかと思います。
 通産省といたしましては、今回のこれは保険の立場からのリースの取り上げでございますが、リース業全般につきましても、必要に応じまして通産省の中の産業構造審議会の場等を利用いたしまして、有識者を交えて実態調査及びそれに基づく十分な検討というものを行なうよう、これからその方向で検討を進めてまいりたいと考えておるわけでございます。
#19
○大矢正君 四十六年度のリース契約高が約二千六百億円、四十七年度が三千二百億円ぐらい、四十八年度は四千億ぐらいが予想される。年々伸び率は二五%程度で、したがって、かなりのスピードでリースというものは増加をしていくという意味においては、それだけにまたリスクも大きいわけで、保険制度が必要であるということを私も認めます。ただ、さっきから申し上げておりまするとおりに、従来の保険がやってまいりました割賦あるいはローンのように、まあ金額的には、総金額の上においてはあまりにも増加をしないというようなことでは、当初の目的とはそぐわないことになりますので、ほんとうにこの種の保険が生きて利用されるように最善の努力をやはりするべきだと、そう思います。
 そこで、こまかい質問をして恐縮ですが、リースの期間というのは大体三年から五年ぐらいと、機械の陳腐化等のことを考慮をすればおおむね三年から五年ぐらいということが言われておりますが、もちろん、これは例外もありますが、大部分はこの程度の期間で一応リース本来の目的が大部分終わると。しかし、機械設備本体それ自身はまだ使えるわけで残るわけですから、それをどうするかという問題はありますが、大体、原則としてはその程度のものですね。
 そこで、三ないし五年の間にどの程度の支払い額にユーザーはなるのかというと、衆議院の御答弁を見ますると、おおむね、物件費、その本体の一三〇%ないし一四〇%という数字になってあらわれると、言ってみれば、百万円のものであると百四十万円ほど払わなければならぬ。千万円であれば千三百万円から千四百万円ぐらい三ないし五年間で払わなければならぬということになると、これはどういう根拠でこういうふうになるのか。これはまあこういうようなものであるとすれば、あえてリースをしなくても割賦、ローンその他、レンタルは別でありましょうけれども、別途な方法で本体それ自身を取得する前提でのほうがいいんじゃないかという判断が出てきはしないかという気がするので、この際、お伺いをしておきたいと思うのです。
#20
○政府委員(山形栄治君) リースのリース料につきまして、いま先生の御指摘のとおり、物件の価格を一〇〇といたしますと、これを五年間リースいたすとしますと、その価格の一〇〇に上のせで金利が約二二%、これは五年分でございますが、それから固定資産税が五%ぐらい、それから各種の火災保険とかいろいろな保険を、これはリース業者のほうは所有権を持っているわけでございますので、掛けざるを得ませんが、これが三%ぐらい、それから手数料、まあこれは利潤といいますか、これが一〇%、これは年二%ということでございます、五年でございますので。これを全部足しますと一四〇に相なるわけでございます。で、割賦のほうは、五年の割賦というのはほとんどございませんで、二年ぐらい、または一年ぐらいというのが多いわけでございますけれども、これをかりに五年ものということで想定いたしますと、やはり大体こういうかっこうに相なるわけでございます。
 で、いま先生の御質問のとおり、しからばなぜリースにするのかということでございますが、これはリースとか、割賦とか、現金買いとか、中小企業が機械を買いますときにいろいろな買い方があるわけでございますけれども、大まかにいいまして、どちらかというと技術進歩の少ない定型化された機械、たとえば工作機械でいいますと、普通旋盤等のようなものは、どちらかといいますと、これは割賦で買うか、現金で買うか、これは技術進歩がございませんので、自分の所有にしたほうがやはり企業としては非常に安心感といいますか、満足感がございますので、そういう傾向が非常に強いわけでございますけれども、一方、公害防止計測器とか、医療用の電子装置その他いろいろございますけれども、非常に技術進歩が早くて、使いましてもすぐ使いものにならなくなるようなものにつきましては、これをリース形式で手に入れるという形をとるわけでございます。結局、金額のどちらが高いか安いかというよりは、むしろ、機械の陳腐度の性質に応じまして中小企業はそれを選択するのではないかと思います。で、したがいまして、最近のように技術革新がわりあいに早くて、しかも、その部分が中小企業にも省力化とかということで非常に及んできました現段階では、だんだんとリース形式の機械の入手というのがふえておるのが現状でございまして、お答えになったかどうかわかりませんけれども、主として機械の物的な性格、性能の性格ということで選ぶんではないかと私は思うわけでございます。
#21
○大矢正君 私の手元に、大学のある教授が、リースの損益計算をやった一つの仮定に基づく結論を出しているのですね。それによりますと、一応価格一千万円、法定耐用年数十年の工作機械を、リース期間五年ということで計算をしていった場合に、結果としてはどうなるかという数字が出ておりますが、これによりますと、リース料の合計が本体一千万に対して千四百十万円、すなわち、四百十万円結局本体の価格よりも五カ年間でよけい払うということになるわけですね。
 それで一方、それじゃこれを取得するために、割賦その他の手段によってやれば、最終的には自分の資産になるわけでありますが、片方は、これは使用をするだけでありますね。その場合には四百十七万八千円、結局負担になって、したがって、七万八千円よけい払えば自分の機械になってしまう。リースの場合には七万八千円はなるほど安くなるけれども、自分のものではなくて、あくまでもこれは借りるものである。五年間たてば結局返してやる。そのあと借りて借りられないことはないでしょうけれどもね。そういう問題点があって、実際にユーザーがリースはもう絶対有利であるという判断を持つかどうか。もちろん、金の支払いに関連をして余裕資金その他の問題は、これはメリットとしてありますよ。ありますが、五年後の結果論を言えばそういう結果になると、こう書いてあるわけですよ。私、これはいまの局長の答弁からいいましても間違いない、そのとおりだと思うのですね、さっきも言ったとおり、四割以上になるとおっしゃっているわけですから。その辺にもやはりこのリースそれ自身は確かに伸びてはいるけれども、また一般の中小企業その他になじめない問題があるんではないかという感じがいたしますね。したがって、通産省といたしましても、中小企業の育成強化並びに機械工業の振興というような大きな目的が政策的にもあり、しかも、本法の目的でもあるわけでありますから、一そうひとつそういう問題の検討もされて、十分この制度が利用されて当初の目的が達成されるように御努力願いたい。
 一時間過ぎましたので、私はこれでやめさせていただきます。ですから、政務次官のひとつお答えをいただいて、きょうの私の質問を一応終わりたいと思います。
#22
○政府委員(矢野登君) 本法のねらいが、中小企業の設備の近代化に合わせて、機械工業の振興であるという、この方向に向かって、先生の御趣旨を体し進んでいきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
#23
○藤井恒男君 衆議院の会議録を見ますと、かなりこってりと細部にわたる質問が行なわれておりましたし、ただいまも大矢さんからなかなかこまかい質問も出ておりましたので、極力重複する部分をはずして、不明な点御質問いたしたいと思います。
 最初に、私の手元にあります資料のことばですが、これは、リースというものについての実態を究明した資料の文章の書き出しのことばに、「「乳母車からゼット機まで……何でも貸します」というキャッチフレーズで、日本リースインターナショナルが、昭和三八年八月に創立されて一〇年、年々倍増を超える日本のリース産業の発展にはめざましいものがある。」、こう書かれておるわけです。これは局長も御答弁のとおり、たいへんな進歩をしておると思うのですが、一面、この歴史が非常に浅い。そうして、進歩のテンポが早いというところからリースということばがはんらんしておるというふうに思えます。で、私、あまりこの面の知識ないんですが、それでも資料を読んでみますと、今度本法で取り上げられておりますようなファイナンシャル・リースあるいはオペレーティング・リース、さらにはメインテナンス・リースあるいはパーセンテージ・リース、いろいろな方法が日本のリース業界の中でも取り上げられておるわけです。何とかこのあたりでリースの用語というものを統一する必要があるんじゃないか。本法で初めてリースということばが定義づけられるわけでございますので、これから本法で取り上げられる形態によるものをリース業というふうに定義づけていっていいものかどうか、当局としてのお考えをお聞きしたいと思います。
#24
○政府委員(山形栄治君) ただいま先生御指摘のとおり、リースということばが非常にいろいろと使われておるわけであります。また、わが国の法令上、リースということばが出てまいりまして、それが定義されましたのはこれが初めてでございます。しかしながら、これはあくまで機械信用保険法、その運用の中における定義づけでございまして、これを全般的に、リース業というものはこういうものであるというふうに、この際全部を統一するというのは、若干行き過ぎな点もあろうかと思います。ただ、本法でいっております、長期にわたって機械といいますか、物を使用させること、その間に中途解約をしないことというリースの性格につきましては、この基本的なものとして今後何か考えますときの、これがいわば標準となるべきであろうかと私は思いますので、この辺を前提にしまして、今後われわれも検討したいと思いますが、当面のところ、いま先生がお話しのいろいろなリースの名前が出ておりますが、それをもって非常に弊害が出ているというふうには、われわれは現時点では考えておらないのでございます。
#25
○藤井恒男君 局長もお認めのように、リースというものが爆発的な勢いで近年伸びておるし、それがゆえに弊害も見られるということばでございますが、こういったように、リースそれ自体の概念が混乱した状況の中で、毎年二五%程度現在までも伸びておったし、これからも伸びるであろうと予測されるわけなんです。で、また今度のような、信用補完というような形がとられれば、それがさらに増していくことも容易に予想されるわけですが、そういった混乱を防ぐ意味から、当局としてはリース事業法というようなものを制定して、リース事業の秩序というものを保つというような御意図があるかいなか、先ほどの御答弁では、まあ役所として問題を取り扱おうとすれば、振興か規制いずれかだ、振興というものは、ほっておいてもリース業は発展していくんだから考えられない、だとすれば規制だというお話でしたが、角度を変えて、これから発展していき、しかも、リースそれ自体の概念が混乱しておるという状況の中から考えるなら、規制ということもさることながら、秩序というものを、秩序づけるということを考えてもおかしくないんじゃないか、おそきに失するぐらいだというふうに思うのだけれども、このあたりいかがか、お聞きしたいと思います。
#26
○政府委員(山形栄治君) 私、先ほど振興か規制かという、非常に乱暴に二つに割り切りました。いまの先生のお話のとおり、むしろ、全体を含めて秩序づけというほうが私は正しいんではないかと思いまして、訂正させていただきます。
 そういう意味で、確かにそういう秩序づけるという必要性はあろうかと思いますけれども、われわれの立場は、ようやっといま機械信用保険でリース業を取り上げる段階でございます。先ほども申し上げましたように、非常にリース業の実態及びこれを取り巻きますほかの流通体制との関係、金融情勢、またリースと中小企業の間柄等々、いろんな実態を調べなきゃいかぬ点もあろうかと思いますので、今後、必要に応じまして産業構造審議会の場におきましてこれを検討をしていきたいと考えておるわけでございます。
#27
○藤井恒男君 ぜひその辺のところ産業構造審議会にかけて、早急に検討いただきたいというふうに思います。
 次の質問ですが、先ほども一部触れておられましたけれども、四十五年の一部改正で、ローンつきの販売保険が追加されたわけですが、そのおり提案理由に、ローンによる販売は急速に普及する傾向にあり、したがってローン販売保険の新設は、中小企業者、機械工業界の双方にとってきわめて有意義な施策であるというふうに提案理由で述べておられるわけです。しかし、その後現実には予想したほど伸びていない。これは先ほども指摘のあったとおりですが、最近の運用の実績、概略でけっこうですが、これをお示しいただきたいと思います。
 あわせてお聞きしますが、かりに利用率が低いといっても、このような信用補完をするという制度は、私、意味のあることだと思うし、どうせつくるからには十分な効果をあげなければならないわけです。そういった意味で、当局としては、これを指導して十分効果あらしめる責任があるというふうに思うわけですが、今度のリース保険についても、当然、積極的にPRなさることと思うけれども、資料によりますと、現在中小商工業者の方たちのリースの知名度、知名度それ自体は七十数%とかなり高いわけだけれども、どこから聞いたかということになると、まあ口コミというようなことでございまして、いままでのこの制度それ自体が商工会議所その他の機関を得てよろしきを得るんだというようなことが、衆議院で局長のほうからも答弁なさっておったけれども、そういったこと、はたして効を奏しておるのかどうか、もっと抜本的に中小企業者向けの独特のPR方法というものを考えてみる必要はないんだろうかというようなことを私思うのです。そういった意味で、この制度が十分活用されるような対策をお持ちのことだと思いますので、また多くの委員の方から、ほとんど全部の方がこのことに触れておられるので、同じような答弁ならけっこうですが、そうじゃなくて、新たなこういうことをいま考えておるというものがあれば示してもらいたいと思います。二つのこと。
#28
○政府委員(山形栄治君) ローン保証販売に関係します保険につきましては、いま御指摘のとおり、これは四十五年から開始いたしたわけでございますけれども、まことに遺憾でございますが、実績は非常に少ないわけでございます。具体的に申し上げますと、昭和四十五年度約三百万円付保でございます。これは最初の年でございますので非常に少なかったんだと思いますが、四十六年度は五千万円、四十七年度六千万円でございます。これは全体の付保でいいますと、そのわずか一%を占めるにすぎないわけでございまして、われわれ、いま先生の御指摘のとおり、PR等の不足を非常に責任を感じておるわけでございますけれども、一つにはローン販売といいますのが、機械販売の分野では、従来から非常になじみの薄い面があったことはいなめないわけでございます。
 特に、最近におきましては非常に金融が緩慢になっておりますので、販売業者に割賦金融力がついてきたというのも一つの理由ではないかと思うわけでございますけれども、いずれにしましても、非常にPRが足りなかった点も認めざるを得ないと思います。今後、このリースを新しく対象にいたしますにあたりまして、われわれといたしましては中小企業団体、それから中小企業庁等を通じての積極的なPR、それから通産局の職員の巡回的な、相当方々の地域に回りましてこれを指導する方法等も講じたいと思いますが、特に従来、われわれはどっちかというとちょっと手薄でございました各地方の都道府県との関係を、これを機会に密接にいたしまして、今度リースが追加になりますと三つの保険になりますので、その三つの保険のそれぞれの何というんでしょうか、有利、メリット、デメリットといいますか、そういう三者の関係もよく詳細に説明し、中小企業者がそれを自由に一番いいのを選べるようなPR方法もとりたい、特に都道府県との関係を強化してまいりたいと、こう考えておるわけでございます。
#29
○藤井恒男君 それじゃその次の質問ですが、先ほど、リース事業協会に加盟している企業が二十三社と質問をされたんですが、これは二十四社ですか――二十四社ですね。それじゃ、二十四社が加盟しておるようでございますが、リース保険というものがここに新設されると、この制度を利用する企業がどんどん多くなるというふうに思います。で、いまリース事業協会に加盟している二十四社の大企業と中小企業別のリース実績というものをお持ちでしたら、お示しいただきたいと思います。
#30
○政府委員(山形栄治君) リース事業協会は、いまお話しのように二十四社で結成されておりますけれども、この各社の全取り扱い高に占めます中小企業の比率につきましては、残念ながら詳細をちょっと私、把握しておらないわけでございますけれども、今回のこの機械保険法対象の十五業種につきましてはある程度つかんでおります。
 で、この十五業種に限定して申し上げますと、大体において金額ベースで六一%程度が中小企業向けでございます。これはいま先生もお話しのとおり、この制度ができますればより一そうその比率は高まると思いますが、おそらくこれは金額で七割ぐらい、件数で八割ぐらいにこれが増加するのではないかと、われわれいま見込んでおる次第でございます。
#31
○藤井恒男君 申すまでもないことですが、今度のリース保険が、メリットが十分理解されるなら、中小企業がどんどんこれを利用していくことになると思うんです。しかし、保険あるなしにかかわらず、いまおっしゃったように、リース二十四企業が加盟しておるわけですが、いままでの段階で中小企業がリースというものを利用しなかった理由がどこにあるのだろうかということを調べてみますと、不採用理由の一番大きな問題点は、高いということですね。
 で、もちろん局長御存じだと思いますが、不採用の理由で、割り高であるというのが一六・七%、やや高いが六三・六%、非常に高いが二三・六%、したがって、高いがゆえにリースというものを不採用にしておるという中小企業側、ユーザー側の考えですね、これが八七・二%、こういうことになるわけです。先ほどの質問にも、五年もので計算すると大体一四〇%強になる。これは割賦が二年ぐらいが標準であるが、かりに五年と置きかえて計算するとニア・イコールでそんなに高くないということをおっしゃったわけですが、使う側から見れば、高いがゆえに採用できないという声が現にあるわけなんです。そういった意味で、通産省ではもう少しこの面掘り下げて適正な水準を設けて、それを積極的に指導する、そういったようなことにおいて私は、資金調達力が、担保力がない中小企業の近代化を促すというメリットを果たし得るんじゃないかと思うので、その辺のところを、多少ダブるかもわかりませんが、もう一度お答えいただきたいと思います。
#32
○政府委員(山形栄治君) リースのメリットの一つは、これはわりあいに長期に、五年ぐらいで回る制度でございます。割賦といいますのは大体一年または二年でございます。したがいまして、ユーザーのほうからいいますと、結局、リースのときはリース料金、割賦のときは割賦代金を払うわけでございますけれども、同じ金額のものが二十カ月ぐらいで割られるか、五十カ月ぐらいで割られるかということでございまして、私のほうのいろいろ聞いておるところによりますと、リースの場合には月々の支払いの金額が非常に少なくて済むと、これが資金運用上非常に楽になれるんだということも聞いておるわけでございます。
 ただ、いま先生の御指摘等に、全体の水準として五年で四割というのは高いじゃないかという御質問でございますが、これは先ほどもちょっと触れましたように、正当なる金利、固定資産税、諸保険料、それから適正なるマージンということでございまして、その五年分でございますので、われわれはこれが著しく高いとは思っておりません。これはしかし、低いにこしたことはございませんので、今後、指導面でいろいろとやってまいりたい。特にわれわれといたしましては、個々のリース業者と契約を国として結ぶわけでございますけれども、その場合に、基本的なリース料金をどのくらいにするかということが、非常に中小企業の保護の上で一番大事な点でございますので、個別にこれをチェックいたしまして、いささかでも中小企業に高額の負担がかからないように、契約を取り結びますときに指導してまいりたいと考えております。
#33
○藤井恒男君 まあ、局長のほうでは高くない、適正であるというお答えでございますが、そのことが今後、現実に受ける側のユーザーがメリットとしてそれを受け取り、利用していくかいなか、これは数字によって出てくるものだと思うので、まあいまのところ四〇%アウトになっているが、二〇%はいけるだろうということだけれど、来年まで一ぺん推移を見て、その推移を見る中で適正なものがあればまた見詰めていっていただきたい。私は中小企業のじかの声として高いということを言っておるのだから、何とかそれをもっと適正な水準を見出す方向へ努力してほしいという気持ちを持っておりますので、その点はひとつお含みいただきたいと思います。
 それからその次に、今回の目的が二つあるが、二つのうち、ことに中小企業の設備の近代化というものに重点を置くんだと、それがもうおよそ全部だというような意味の御答弁がいままでありました。衆議院のほうの質疑の中でも、そうであれば、中小企業の設備の近代化ということをどういう基準で判定するのかというような質問があったように私思うんです。これに対して局長も御答弁なさっておるんですが、この御答弁の内容は、どちらかといえば機種の選定ということに問題点を置いて、中小企業が求めている機種、そして、現に中小企業に最も出ている機種、したがって、それが中小企の近代化の判定基準になるんだという答弁をなさっているんだけれども、おそらく、現在までの推移を見た上で最も求めておるであろう、求めておるがゆえに、それが近代化につながっておるんだという、まあまあどちらかといえば、私、ありきたりのことだと思うので、もっとこの中小企業の近代化というものをこの補完制度によって積極的に進めようとするならば、指導的なものがなきゃいかぬと思う。だから私は角度を変えて、中小企業の近代化というものに最重点を置くとするなら、その選定にあたってもっときめのこまかい、しかも、前向きなものがあってしかるべきだと思うのだけれども、そういったものはお持ちじゃないのかどうか、お聞きしたいと思います。
#34
○政府委員(山形栄治君) この問題は非常に大きな問題で、われわれも検討したわけでございますけれども、この法律の目的が、いまお話のように中小企業の近代化でございまして、機種の選定を行ないますときに、大企業に非常に使われているようなものが選ばれますと、これは本法の基本精神上問題があるんではないかということでございますので、われわれとしては、何はともあれ、さしあたり非常に中小企業がうんと使っております機種を選んだわけでございますけれども、今後、時代の進展は激しいわけでございますので、中小企業からの要望に迅速に応じまして、機種の増大といいますか、増加について積極的に取り組んでまいりたいと、こう思います。
 それから先ほどもちょっと触れましたように、リース業者でいろんなことをやっておりますけれども、われわれといたしましては、やはり機械に造詣が深くて、かつ、中小企業取り扱い高の高いものを本法の制度運用上、できる限り重視いたしまして、そういう人間を育てるように、育ちいいように法運用上からも気をつけてまいりたいと考えております。
#35
○藤井恒男君 いまの局長の御答弁に、私、まだ得心いきません。それで、やっぱり近代化というものをもう少し積極的に促す方法というのが私あると思うのです。それは、そのことを機種の選定という業務だけに限って私は申しておるんじゃないんだけれども、しかし、時間がもうあとわずかしかございませんので、また別の機会にその点はお伺いしたいと私思います。
 その次、これも先ほど御質問があったんですけれども、今度の機械類信用保険制度と同じように、その他国営の保険というものが現にあるわけです。それらと比較する場合に、今度の機械保険のてん補率が二分の一というのは、これはやっぱり常識的に見て低過ぎやしないかと、まあ、これは何もリース側に利益がある、ないということじゃなくて、要は、中小企業の方たちがこの制度によって信用補完をされて、そしてどんどん利用できるということに本法の目的があることはもう当然なんで、そのためにも、やっぱりてん補率というものは大きいのじゃないだろうかという気がするんです。きわめてまあ根拠は、私、持ち合わせませんが、常識的に見て半分という危険負担がいいのかどうか、その辺のところを重ねてお伺いしたいと思います。
#36
○政府委員(山形栄治君) 御指摘のとおり、ほかの国営保険との比較におきましては、この機械類信用保険のてん補率は低いわけでございます。たとえば、輸出信用保険の中で当保険と非常に類似性のございます輸出代金保険の例を見ますと、このてん補率は最高で九割でございます。これはどうしてこう高いかといいますと、輸出代金が事故が起こります場合には、その損失金額がまず非常に大きいということと、それから、大体において外地で問題が起こりますので、機械の引き揚げ、転売ということはほとんど不可能でございます。それから、輸出においてのそういう損失が起こりますときには、何か相手国の特殊事情等で集中的に起こってくるというような場合が多いわけでございまして、非常に特殊な場合に、全損的なかっこうで起こってくる。その意味でてん補率は高いわけでございますが、当然のことながら、このてん補率が高いということは、保険料が非常に高いわけでございます。
 例を申し上げますと、輸出代金保険の場合は、期間二十カ月のもので保険料率は一・八五五でございます。これに対応いたしまして、いまわれわれのほうの機械類信用保険は、期間約二十カ月といたしますと、〇・四三でございます。で、機械類信用保険のほうは、てん補率は低いわけでございますけれども、その見合いで保険料率は非常に低くなっておりまして、ほかの国営保険に比べますと、一番低い保険料率であるわけでございます。いろいろな考え方があろうかと思いますけれども、特にわれわれ非常に心配しておりますのは、機械類信用保険のてん補率を上げますと、いわゆる押し込み販売が行なわれる危険性が非常に強いわけでございまして、メーカー及びリース業者等の押し込み販売が行なわれて、不良なる事故発生が非常に多発いたしまして、それがはね返って、結局は保険料率を猛烈に押し上げるという危険性もございますので、われわれとしては、現在の危険折半主義の五〇というのがまあ妥当ではないかと考えておるわけでございます。
#37
○藤井恒男君 保険料率を安くしてもらいたいという反面、てん補率を上げろというのは、これは矛盾することになるわけで、その辺の相関というものがあろうかと思いますが、要は、目的が前々から申されておるように、中小企業の近代化育成という意味にあるわけですから、そういった点を見詰めて、今後もひとつ御検討いただきたいと思います。
 それからその次に、まあリース期間というのは、通例として法定耐用年数よりも短いのが常識になろうかと思うのです。三年、五年としても、陳腐化が特に早いものはともかくとして、大体において耐用年数よりも短い。そうなりますと、リース期間が満了して、リース会社がその機械を引き取る、そういった場合に、その機械がことごとくスクラップ化されてしまうとは限らない。まあ再リースということもありましょうし、いろいろな用途に使われていくと思うのですが、こういった場合、使用にもうたえない機械はともかくとして、中にはまだ使える機械というものも私はあろうかと思う。そういった場合に、中小企業の設備の近代化というようなことから見ましても、中古市場――中古機械を導入した中古市場というものを育成していくということが、活用するという意味において、零細企業にとっても私は必要ではないかというふうに思うのですが、機械のわが国における中古市場の現状というものはどうなっておるのか、教えていただきたいと思います。
#38
○政府委員(山形栄治君) 中古市場につきましては、一番端的なのが、自動車の中古品というのは、これは非常に市場が確立いたしておりまして、その価格形成につきましては、中古車査定協会という社団法人で査定の価格も発表しておるものでございますが、それに次いで若干最近、その中古市場の動きがございますのは建設機械でございます。これはブルドーザーとかショベルとか、そういういわゆる建設機械につきまして、中古品の査定基準を業界の工業会を中心に現在作業中でございまして、これをできましたら自動車の査定協会のようなところまで育てたいという動きがございます。それから、工作機械の一部に非常に小規模でございますけれども、中古品の取引を定期的に行なう問屋筋の集まりがございます。しかしながら、公害関係の機器とか医療用の機器とか、電子機器だとか非常に陳腐化のテンポの早いようなものにつきましては、これはその機械の性格からいいまして、それが使われなくなったときには、もう中古品というよりもむしろ価値のなくなったものというかっこうで、スクラップ価格に転化するものが非常に多いわけでございます。それから非常に専用的な色彩の強い大型機械、これはその会社において特殊仕様で設計いたしますので、これもそれが使われなくなりますと、ほかへの転用というのはほとんど考えられない。こういう何と言うんでしょうか、技術の進歩の早いようなもの、それから特殊な設計に基づく専用的なもの、それからもう一つは、工業用炉みたいに相当施設として備えつけられちゃって、コンクリで土台を打っちゃうようなものにつきまして、これは使われなくなりますればほとんどスクラップになります。その三つのグループのものは、これはスクラップにならざるを得ないと思いますが、先ほど申し上げましたように、建設機械とか汎用性のある工作機械等につきましては、今後中古市場がだんだんと育っていくんではないか。で、われわれといたしましては、中古品の中にも非常にいいもので、もう一回安く中小企業が使えば非常にいいものもあろうと思いますので、先ほど来申し上げましたように、査定基準の作成とか、業界内部における話し合いの促進とかいうことを通じまして、中古市場の育成にはわれわれはつとめてまいりたいと考えております。
#39
○藤井恒男君 時間がきましたので、最後の質問を申し上げますが、いま中古市場の全部とは言わぬけれども、汎用性のある工作機械、建設機械などについては、中古市場を育成して活用していくというお話でございましたので、私、お願いと同時に質問するわけですが、中古市場がそういったぐあいに整備されていくと、中小企業よりもっと低い段階の小規模企業などにおいても十分活用の余地がある。そういう便法を十分開いていただきたいということと、同時に、いまのような形でかりに今後整備されていくとしたならば、リース期間満了後の残存価格ですね、要するに、残存価格というものがその場合に適正に評価されていくということが前提になるんで、適正に評価された場合には、それはリース料から差し引くというようなことも考えられるわけです。その辺のところもどういうように考えておるか、お聞きしたいと思います。
 最後に、大臣お見えでございますので、大臣にお願いしますが、先ほど私触れましたが、せっかく中小企業のためにいい制度が生まれようとしているわけで、要は、これからこのリースというものについてのPRが必要だというように思うわけです。リースが爆発的に伸びておるのだけれども、まだまだ混乱しているわけですから、そういった面における、一つには、三つの保険のPRというものを従来のようなやり方だけではなく、新しい中小企業向けのPRの態様というものを一ぺん研究していただいて、十分浸透をはかり、せっかくいい法律ができようとしているわけですから、それを生かすように御努力いただきたいということ。
 それからいま一つは、リースというもののことば自体混乱しておるように、非常に秩序を乱す向きもあらわれてこようかと思うので、これは産構審あたりにもおかけになるという御答弁がありましたが、早急にリース事業法みたいなものを制定して、秩序を保つような方法を私は考えるべきだ。育成あるいは振興、さらには規制ということではなく秩序を保つ、そういう意味の事業法というものの制定が必要だというふうに思うわけです。
 三番目には、私たち、家庭でもよく出っくわすわけですが、物品を購入すると、なかなかアフターサービスというものがないわけです。今度のリースにおきましても、メンテナンスは全部リース事業者と異なって、メーカーとの間に保守契約を結ぶということになるわけです。そうだとすれば、中小企業の特性から、アフターサービスというものが完全に補完されなければ有効に機能しないというように思うので、この三つについて、大臣のほうでしかるべく善処していただきたいと思うし、これについてのお考えをお聞きしたいと思います。
 以上で終わります。
#40
○国務大臣(中曽根康弘君) いま御指示がありましたPRの件、それからリースという概念、秩序の問題、それからアフターサービスの三点につきましては、御趣旨に従いまして、最善を尽くして目的を達するように努力いたしたいと思います。
#41
○政府委員(山形栄治君) 先ほど御質問になりました、中古市場への工作機械とか建設機械の転売価格見積もり見合い分をリース料から引くべきじゃないかという御質問でございました。これは私、当然だと思いますので、適正なる価格が判定できますれば、当然にこれはリース料から差し引くように業者を指導してまいりたいと思います。
#42
○委員長(佐田一郎君) ほかに御発言もなければ、本法案に対する本日の質疑はこの程度にいたします。
    ―――――――――――――
#43
○委員長(佐田一郎君) 次に、金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法律案及び金属鉱業等鉱害対策特別措置法案を一括して議題といたします。
 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。中曽根通産大臣。
#44
○国務大臣(中曽根康弘君) 金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 御承知のように、イタイイタイ病を契機といたしまして、カドミウム等の重金属による鉱害問題がクローズアップされてまいりました。また、昨年、宮崎県士呂久鉱山の砒素中毒問題の例に見られますように、休廃止鉱山による鉱害問題も大きな社会問題となってきております。
 これは鉱山の鉱害問題が、一般産業における公害と異なり、事業活動が終結した後においてもカドミウム、砒素等の重金属を含んだ坑廃水が流出し、また堆積物の崩壊、流出、浸透水等により鉱害を発生し続けるという特殊性があるためであります。現在、全国には七千をこえる金属等の鉱山がありますが、その大半が膨大な蓄積鉱害源をかかえるに至っております。また、現在操業中の鉱山については、鉱山保安法に基づき強力に規制、監督を実施しているところでありますが、なお相当な鉱害源が残存するという事態を招いております。このような鉱害の状況に対処し、国民の健康と生活環境の保全をはかることは、緊急の課題であり、このためには鉱害源を処理するための鉱害防止工事に早急に着手するとともに、これを計画的に実施し、現在までに蓄積されている鉱害を一掃する必要があります。
 一方鉱山による鉱害の特殊性と、現在の鉱業を取り巻く経済情勢にかんがみるとき、以上の対策を円滑に推進するためには、規制の的確な実施に加え、鉱業権者に対し長期低利の融資等を行ない、鉱害防止工事の実施を進めやすくする体制を整備することも、また不可欠であると考えます。さらに、鉱害防止義務者が存在しない鉱山にかかる鉱害防止工事については、その基礎調査と技術指導等の一そうの充実をはかり、工事の的確を期するとともに、その促進をはかる必要があります。
 政府といたしましては、昨年来、これらの施策を実現するための予算上、立法上の措置について鋭意検討を進めてきたところでありますが、このたび、従来の金属鉱物探鉱促進事業団を活用して、さきに申し述べました資金の貸し付けその他の蓄積鉱害の一掃をはかるための事業等を行なわせることとする等の成案を得るに至りましたので、ここに金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法律案を国会に提出いたしました。
 以下同改正法案の内容の要旨を御説明申し上げます。
 改正の第一は、題名並びに事業団の名称の変更であります。あとで申し上げますように事業団の業務の拡充に伴い、法律の題名を金属鉱業事業団法に改めるとともに、金属鉱物探鉱促進事業団の名称を金属鉱業事業団に改めることとしております。
 改正の第二は、目的の追加であります。法律の目的に金属鉱業等による鉱害の防止に必要な資金の貸し付け、その他の業務を行ない、もって国民の健康の保護及び生活環境の保全と金属鉱業等の健全な発展に寄与することを加えることとしております。
 改正の第三は、業務の追加であります。事業団は、従来、金属鉱物の探鉱、開発を中心として業務を行なってまいりましたが、鉱害の防止に関して、次の三つの業務を加えることとしております。金属鉱業等による鉱害の防止のための措置に必要な資金の貸し付け。金属鉱業等による鉱害の防止のための措置に必要な資金にかかる債務の保証。金属鉱業等による鉱害の防止のための調査及び指導。
 以上の主要な改正点に加え、金属鉱物の探鉱及びこれに必要な地質構造の調査に必要な船舶の貸し付けを事業団の業務に追加するとともに、所要の規定の整備等を行なうこととしております。
 法の施行期日は、公布の日から起算して三月をこえない範囲内において政令で定める日としております。
 なお、金属鉱山等の鉱害対策につきましては、本法案とあわせて今国会に提出しておりまする金属鉱業等鉱害対策特別措置法案によりその万全を期することとしております。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。
#45
○委員長(佐田一郎君) 次に、補足説明を聴取いたします。青木公害保安局長。
#46
○政府委員(青木慎三君) 金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を補足して御説明申し上げます。
 金属鉱山における鉱害は、過去の操業の結果蓄積された鉱害源によるもの、並びに現在及び将来の操業によるものとに大別されます。
 このうち、現在の操業中の鉱山の鉱害については、鉱山保安法による規制、監督のもとに、鉱業権者みずからが、その鉱害の発生を防止するという自主保安の体制により対処することとし、鉱業権者に課された鉱害防止義務の不履行があれば、鉱山保安法に規定する所要の措置を講じ、厳重な罰則等の制裁をもって臨み、鉱害の防止に万全を期することとしております。このため、特に昭和四十八年度は、地方鉱山保安監督局部における鉱害防止監督体制の強化をはかるため鉱害防止課の増設及び鉱務監督官の増員を行なうこととしております。一方、鉱害防止義務者が存在しないもの及び鉱害防止義務者が存在するが過去の操業により蓄積されたものについては、その防止について、それら鉱害の特殊性や鉱業を取り巻く経済情勢等にかんがみるとき、国による特別の措置が必要であると考えられます。
 このような考えのもとに、政府といたしましては、鉱害防止義務者が存在しない金属鉱山等における鉱害については、地方公共団体がその防止工事を実施する場合に補助金を交付する制度を昭和四十六年度から発足させておりますが、昭和四十八年度はその補助金額を昭和四十七年度の二億三千万円に対し、約三倍の七億円を計上し、対策の強化をはかることとしております。また本法案によりまして、金属鉱業事業団に、地方公共団体の行なう鉱害防止工事の事前調査及び指導を行なわせることとし、この制度の一そうの充実をはかることとしております。
 次に、過去の操業による鉱害源のうち鉱害防止義務者が存在するものについては、鉱山保安法上の自主保安の体制のもとに鉱業権者がみずからこれを処理する義務がありますが、その量が膨大なものになるため、これを計画的に処理しその鉱害源を一掃するためには、特別の助成措置が必要であると考えられます。しかしながら、既存の融資等の助成措置では、過去の蓄積鉱害源の処理にはなじまない面があるため、特別の長期、低利の資金融資制度を創設し、その業務を金属鉱業事業団に行なわせることとしております。
 その内容は、融資については貸し付け金利は大企業五%、中小企業三・五%、融資比率は大企業七〇%、中小企業八〇%、返済期間は、据え置き二年を含む十五年とし、昭和四十八年度においては、融資総額十一億円を予定しております。さらに、この融資と協調して、他の金融機関から鉱業権者が融資を受ける場合の債務保証も金属鉱業事業団に行なわせることとしております。
 なお、これらの業務は、現在の金属鉱物探鉱促進事業団を改組拡充して金属鉱業事業団とし、これに行わせることとしておりますが、このため役員及び職員の増員をはかる等事業団の内部体制を整備し業務の円滑な推進をはかることとしております。
 以上申し述べましたように、金属鉱業等による鉱害の防止につきましては、金属鉱業事業団に必要な助成等の業務を行なわせることとし、その的確かつ円滑な実施をはかっていくこととしております。何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#47
○委員長(佐田一郎君) 中曽根通産大臣。
#48
○国務大臣(中曽根康弘君) 金属鉱業等鉱害対策特別措置法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法律案につきまして御説明いたしました際に申し述べましたように、金属鉱業等による鉱害は、その発生源が、おもに、鉱物の掘採の用に供される坑道及び不要となった鉱滓等の堆積場という鉱山に特有の施設であり、しかもこれらの施設は、鉱業の終了後も半永久的に存在し、カドミウム、砒素等の人の健康に直接被害を及ぼすおそれのある有害重金属を含んだ地下水または浸透水を排水する等他の一般産業における公害と異なる特殊性を有しております。
 このような状況にかんがみ、金属鉱業等における鉱害問題を抜本的に解決するためには、従来に引き続き規制、監督を拡充強化することに加えて、現在までに蓄積されている鉱害源につきましては、採掘権者等においてこれを計画的かつ確実に処理し、その一掃をはかるとともに、今後使用する施設につきましては、採掘権者等に対し、その使用終了後における鉱害防止事業の実施に必要な資金の確保を義務づける必要があると考えます。政府といたしましては、このような施策を実現するためには、特別の立法上の措置が必要であると考え、昨年来鋭意検討を進めてまいりました結果、このたび成案を得るに至りましたので、ここに金属鉱業等鉱害対策特別措置法案を国会に提出いたしました次第であります。
 以下同法案の内容の要旨を御説明申し上げます。
 第一は、すでに使用が終了している坑道及び捨て石または鉱滓の集積場について、鉱害の防止事業を計画的に実施させるため、通商産業大臣が鉱害の防止事業に関する基本方針を定めることとするとともに、採掘権者等の鉱害防止義務者に具体的な鉱害防止の事業計画を届け出させ、これに従って鉱害の防止事業を実施させることとすることであります。
 第二は、鉱害防止積立金制度の創設であります。採掘権者等は、今後これらの施設の使用終了後に実施する鉱害防止事業に必要な金銭を、あらかじめ金属鉱業事業団に積み立て、鉱害の防止事業を実施する場合にのみ、これを取り戻すことができることとし、今後の鉱害防止事業の確実な実施をはかることとしております。
 第三は、採掘権者等に課された以上の措置の履行を担保するための強制措置を講ずることであります。すなわち、採掘権者等が事業計画を届け出ないとき、鉱害防止積立金の積み立てをしていないとき等の場合には、その鉱業の停止を命ずることとし、さらに、その停止命令に違反したときは、採掘権等を取り消すことができることとしております。
 本法案の主要点は以上でございますが、ほかに法の施行に必要な報告徴収、立ち入り検査、罪則等に関する規定を定めるとともに、附則におきまして金属鉱業事業団法を改正し、金属鉱業事業団の業務に鉱害防止積立金の管理業務を追加することとしております。
 なお、法の施行期日は、公布の日から起算して、三カ月をこえない範囲内で政令で定める日としております。
 以上が本法案の提案理由及び要旨であります。金属鉱業等の鉱害対策につきましては、金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法律案とあわせて、その万全を期することとしております。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。
#49
○委員長(佐田一郎君) 同じく補足説明を青木公害保安局長。
#50
○政府委員(青木慎三君) 金属鉱業等鉱害対策特別措置法案につきまして、その提案理由を補足して御説明申し上げます。
 現在、全国には約七千の鉱山が存在しますが、そのうち操業中の鉱山は約二千であり、残り五千の鉱山は、操業を休廃止している鉱山であります。操業中の鉱山に対しては、地方鉱山保安監督局部において定期的な巡回検査を実施し、鉱害の未然防止に万全を期しております。一方、休廃止鉱山のうち、重金属等による鉱害のおそれのあると認められる鉱山に対しては、昭和四十五年度から四カ年計画で調査を実施するとともに、その他の鉱山については、昭和四十八年度から地方公共団体に概査を委託し、休廃止鉱山の実態把握を早急に進めることとしております。
 これらの鉱害は、坑内水や堆積場浸透水の流出により河川水の汚染や土壌の汚染を招き、イタイイタイ病や宮崎県土呂久鉱山の砒素中毒のような人の健康被害、または群馬県渡良瀬川流域における農作物の減収被害等を惹起するという性格を有するものであります。
 このような鉱害の状況にかんがみ、現在操業中の鉱山に対しては、鉱山保安法により、水質汚濁防止法等の他の公害関連法による規制と同等以上のきびしい規制、監督を行なっており、一方、鉱害防止義務者が存在しない鉱山に対しては、昭和四十六年度から地方公共団体が行なう鉱害防止工事の費用の三分の二を国が補助する制度を発足させております。
 しかし、鉱山における鉱害は、坑道や堆積場によるものがおもであり、これらの施設はその使用の終了後も鉱害を発生し続けるという特殊性を有するため、鉱害防止義務者が存在する鉱山においてもかなりの蓄積鉱害源をかかえるに至っております。
 これら蓄積鉱害を一掃するとともに、今後の操業により、再び蓄積鉱害を残すことのないようにするためには、抜本的な対策の樹立が必要であると考えます。鉱山保安法では、現在の操業に伴う鉱害を防止するため各種の規制を実施しておりますが、鉱害防止積立金制度や蓄積鉱害を計画的に処理するための制度等抜本的な対策の創設のためには、同法の特別措置法の制定が必要であると考え、本法案の提出に至った次第であります。
 以下、これらの制度の概要を御説明申し上げます。
 この法案の対象となる採掘権者等は、銅鉱、鉛鉱、水銀鉱、亜鉛鉱、砒鉱、硫黄等の鉱害を生ずるおそれの多い鉱物の採掘選鉱、製錬等を行なう採掘権者等であります。これらの者は、坑口の閉塞の事業あるいは堆積場の覆土、植栽の事業等の鉱害防止事業を実施しなければならない義務を負っておりますが、その計画的な履行をはかるため、通商産業大臣が基本方針を公表し、これを受けて採掘権者等が事業の具体的内容を記載した事業計画を鉱山保安監督局部長に届け出ることとし、採掘権者等がその計画に従って鉱害防止事業を実施しないときは、鉱山保安法による命令を発動することとしております。
 一方、今後の操業に伴う鉱害を防止するためには、採掘権者等は、鉱害防止積立金を金属鉱業事業団に積み立てなければならないこととしておりますが、その取り戻しについては、鉱害防止事業を実施する等の場合以外は認めないこととして、当該積立金によって確実に鉱害が防止されるよう配慮しております。
 以上が本法案の提出に至った背景及びその要旨でありますが、本法案の具体化にあたりましては、鉱害防止の重大性と緊急性にかんがみ、その適切な運用をはかることが肝要であると考えておりますので、鉱害防止の実効が期し得るよう、鉱山に対する国の監督指導を一そう強化するとともに、必要な鉱害処理のための助成等の対策をあわせて推進してまいりたいと考えております。また鉱害問題につきましては、鉱害防止のみならず、総合的な対策を一そう推進するようにつとめてまいりたいと存じます。
 以上、簡単ではありますが、この法律案に関する補足説明を終わります。何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#51
○委員長(佐田一郎君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 両法案に対する質疑は後日に譲ります。
    ―――――――――――――
#52
○委員長(佐田一郎君) 次に、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。中曽根通商産業大臣。
#53
○国務大臣(中曽根康弘君) 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 御承知のように、PCBによる環境汚染及び被害の発生は、非常に大きな社会問題となりましたが、これは、従来の化学物質の安全性に関する考え方に再検討を加える必要のあることを痛感させるものでありました。すなわち、新しい化学物質の開発と利用は、国民生活の充実に多大な寄与をなすものである反面、このような化学物質の中には、その使用に際し、あるいは使用後の廃棄を通じて環境を汚染し、人の健康に被害を及ぼすおそれのあるものがあり、その防止体制の確立をはかる必要があることが明らかになったわけであります。
 このような新しい人体汚染の形態は、化学工業の発展に伴い新たな化学物質が年々生産されていることを考えるとき、単にPCBの問題としてのみではなく、化学物質全般について安全性を確認する必要があること、そしてその結果問題とされた化学物質について環境に放出されないよう、その製造、輸入、使用及び消費にわたりクローズドシステムを確立する必要のあることを強く認識させるものであります。
 このような状況にかんがみ、昨年の国会におかれましても、早急にその対策を講ずるべきである旨の決議がなされたところであり、政府といたしましては、昨年七月から、通商産業省に設置されております軽工業生産技術審議会に「化学物質の安全確保対策のあり方」について審議をお願いし、慎重な検討をいただいたところであります。その結果、昨年十二月に、施策の内容につき同審議会の答申を得ましたので、ここにその趣旨に沿って化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律案を提出することといたした次第であります。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一は、新規化学物質に関する審査及び規制であります。
 これは、新規の化学物質を制造し、または輸入しようとする場合において、それについての事前審査制を採用し、その化学物質がPCBに見られるように自然環境において分解しにくく、生物の体内に蓄積されやすいものであり、かつ、継続的に摂取される場合には人の健康をそこなうおそれがあるものであるかどうかを判定することとし、安全であるという判定結果が出るまでの間は、製造または輸入を認めないこととしております。
 第二は特定化学物質の規制であります。
 ただいま申し上げました難分解性等の性状を有し、かつ、人の健康をそこなうおそれがある化学物質は、これを政令で特定化学物質として指定し、その製造、使用等において環境汚染をもたらさないよう所要の規制を行なうこととしております。すなわち、特定化学物質の製造及び輸入については許可制とし、その使用についても、環境汚染を生ずるおそれがない一定の用途以外の使用は認めないこととするとともに、製造業者及び使用業者に対しては、その製造及び使用に関し、一定の技術上の基準を順守させることとしておりますほか、既存化学物質が特定化学物質に指定された際すでに出回っている当該化学物質及びそれを使用した製品についてその回収をはかること等、環境の汚染の進行を防止するために必要な措置をとるべきことを命ずることができることとしております。
 なお、既存化学物質のうち、特定化学物質の疑いの濃いものについては、特定化学物質の指定に至らない間においても、その製造、輸入または使用の制限に関し必要な勧告をすることができることとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨でありますが、以上申し上げました本法案に基づく施策は、PCB類似の性状を有する化学物質による環境の汚染を未然に防止するために必要なものであり、既存の公害関係法規等と相まって、化学物質の安全性を確保する上できわめて重要な役割りを果たすものであると考えております。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#54
○委員長(佐田一郎君) 次に、補足説明を聴取いたします。齋藤化学工業局長。
#55
○政府委員(齋藤太一君) 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律案につきましては、ただいま大臣が申し述べましたとおりでございますが、以下、その内容につきまして若干補足をさせていただきます。
 第一に、新規化学物質に関する事前審査についてであります。
 このような事前審査制度を世界に先がけまして採用することとしました背景には、PCBの例に見られますように、問題の発生後、諸般の措置を講ずるといたしましても、後手後手となることはいなめないのでありまして、化学物質による環境汚染を未然に防止することができないという深い反省があったからでございます。なお、この審査におきましては、私ども通商産業省ばかりでなく、国民の健康問題について責任のあります厚生省も、ともにその審査に当たることとしており、また、環境庁とも緊密な連絡をとることとしております。
 また、新規化学物質の届け出がありましたときは、安全であるか、ないか、あるいは試験を必要とするかを三カ月以内に判定するものとしており、また、試験を必要とするものについては、試験の結果に基づき、安全であるか、ないかを判定することとしております。なお、これらの判定の際には、化学品審議会の場を活用して権威ある学識経験者の方々の御意見を聞いてまいることとしております。
 次に、特定化学物質の規制についてであります。
 特定化学物質の製造及び輸入は許可制といたしましたが、これは、特定化学物質のような物質は、供給面からいわゆる元せんを締めることとし、同時に、製造については、製造設備についての技術上の基準を順守させることにより、製造設備からこうした化学物質が環境に漏洩しないよういわゆるクローズド化をはかるためであります。
 特定化学物質の使用につきましては、PCBの例にもかんがみ、いわゆる閉鎖系のきわめて限られた用途にのみその使用を限ることといたしました。
 なお、既存化学物質が特定化学物質に指定された場合の回収等の措置命令及び既存化学物質のうち特定化学物質の疑いの濃いものに関する勧告につきましては、環境庁長官の措置要請権も明文化し、環境汚染の進行の防止に万全を期することができるよう配慮いたしました。
 最後に、既存化学物質については、法文上の規定はございませんが、これについても可及的すみやかに安全性の点検を行なうこととしております。
 以上、簡単ではございますが、この法律案の補足説明を申し上げました。よろしく御審議賜わりたくお願い申し上げます。
#56
○委員長(佐田一郎君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 本法案に対する質疑は後日に譲ります。
    ―――――――――――――
#57
○委員長(佐田一郎君) 次に、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法律案及び金属鉱業等鉱害対策特別措置法案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#58
○委員長(佐田一郎君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#59
○委員長(佐田一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十一分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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