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1972/04/17 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 商工委員会 第5号
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1972/04/17 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 商工委員会 第5号

#1
第071回国会 商工委員会 第5号
昭和四十八年四月十七日(火曜日)
   午前十時十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十六日
    辞任         補欠選任
     林田悠紀夫君     梶木 又三君
 四月十七日
    辞任         補欠選任
     赤間 文三君     高橋 邦雄君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐田 一郎君
    理 事
                大谷藤之助君
                若林 正武君
                阿具根 登君
                藤井 恒男君
    委 員
                植木 光教君
                小笠 公韶君
                梶木 又三君
                川上 為治君
                高橋 邦雄君
                細川 護煕君
                安田 隆明君
                小野  明君
                大矢  正君
                林  虎雄君
                藤田  進君
                中尾 辰義君
                峯山 昭範君
                須藤 五郎君
   国務大臣
       通商産業大臣   中曽根康弘君
   政府委員
       通商産業政務次
       官        矢野  登君
       通商産業大臣官
       房参事官     濃野  滋君
       通商産業省公害
       保安局長     青木 慎三君
       通商産業省重工
       業局長      山形 栄治君
       通商産業省化学
       工業局長     齋藤 太一君
       通商産業省鉱山
       石炭局長     外山  弘君
       通商産業省鉱山
       石炭局石炭部長  佐伯 博蔵君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
   説明員
       自治省税務局固
       定資産税課長   小川  亮君
   参考人
       東京大学工学部
       教授       後藤 佐吉君
       日本鉱業協会会
       長        河合 堯晴君
       全日本金属鉱山
       労働組合連合会
       中央執行委員長  原口 幸隆君
       全日本資源産業
       労働組合連合会
       副中央執行委員
       長        橘  金六君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○機械類信用保険法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○金属鉱業等鉱害対策特別措置法案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(佐田一郎君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨十六日、林田悠紀夫君が委員を辞任され、その補欠として梶木又三君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(佐田一郎君) 機械類信用保険法の一部を改正する法律案を議題として質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○峯山昭範君 私は、きょうは機械類信用保険法の一部を改正する法律案の審議にあたりまして二、三質問したいと思いますが、すでに衆議院あるいは参議院の当委員会における審議におきましても相当審議が進んでおりますので、できるだけダブらないように質問したいと思います。
 まず初めに、私は、最近の国際通貨問題あるいは二年前の円の切り上げ等、特にこういうふうな国際通貨問題等が出てきますと、どうしてもそのしわ寄せは中小企業にいっているんじゃないかということをしみじみ感じるわけです。今回の法律も、あるいは中小企業対策の一環としてなされるのじゃないかということも思うわけでありますが、そういう観点から考えまして、特に私は、非常に国際通貨あるいは円が変動相場制に移行して現在続いているわけでありますが、そういうふうな中にありまして、中小企業をどうして保護し守っていくかというのが非常に重要な問題だと思うのであります。
 そこで、初めに大臣から、中小企業に対する大臣の見解といいますか、今後の中小企業保護という立場から、基本的な考え方を一ぺんお伺いしておきたいと思います。
#5
○国務大臣(中曽根康弘君) 前回の円の切り上げ及び今回の円の変動相場制移行等に伴いまして、わが国中小企業、特に輸出関係中小企業の受けた打撃はかなりのものがあり、前回以上に深刻なものがあるとわれわれはおそれておるわけでございます。日本の中小企業は、一方においては発展途上国から追い上げを受けておりまして、また一方におきましては、大企業の中小企業分野に対する進出等の挾撃を受けているという状態でございまして、この点についてはわれわれは格段の努力をして、中小企業の基盤を強化し、税制、金融あるいは技術開発、あらゆる面において、てこ入れをしてやるべき段階になっていると思います。輸出関係の中小企業につきましては、今回、変動相場制に伴いまして、閣議決定をもって、さっそく諸般の対策をいたしましたが、先般も、全国の都道府県の商工部長会議を先週やりまして、その後の各地域における状況を報告させ、また、中央としてもやるべき措置について一々具体的に連絡、懇談をいたしまして、遺漏のない手を打つようにしてまいりました。今後も情勢の推移に応じまして、弾力的に機敏な措置を輸出関係の中小企業にとっていきたいと思いますが、やはり深刻のなもは奈良県のグラブ、ミット、あるいは神奈川県、あるいは大阪等におけるスカーフとか、あるいは人造真珠だとか、そういう面に出てきておるようでございます。
 それから最近は、スーパーやあるいは百貨店の進出が目ざましいものがございまして、小売り商店街が同じようにかなり圧力を受けている現勢にかんがみまして、今回、スーパーも規制の対象に入れるという意図もありまして、百貨店法を改正して適正な法律案として国会に提出しておるわけでございます。そのねらいは、百貨店あるいはスーパーの進出に対して小売り店等を守る、同時に、一面において消費者のために公正競争を行なう、そういう考えに立って、時代に即した改正を行なっているわけでありますが、それと同時に、今度、小売商業振興法を提出いたしまして、小売り商店街について特段の措置を講じておるところでございます。そのほか一般の中小企業のために、今回は無担保、無保証の金融制度を特別に創出いたしまして、これも実行いたしたいと思っておるわけでございます。ともかく、こういう経済の変動期にあたりまして、今回の商社の行動に見られますように、力の強いものが自由を乱用して出てこられると、一番痛手を受けるのは中小企業でありますし、そういう環境にいま日本の経済がなりつつある情勢でございますので、われわれとしては、特段の力を入れて中小企業を保護していくという方向にまいりたいと思っております。
 なお、中小企業の海外進出につきましても、今回は特別の措置をいたしまして、中小企業が東南アジアその他の海外に進出できるように、いろいろ諸般のめんどうを見さしていただくことになったわけでございます。
#6
○峯山昭範君 大臣、私は、今回のこのリース契約のリースを入れるということで、この保険法の調査にあたりまして、実はリース協会の皆さんにもお会いしましたし、あるいは私は、そのリース協会を紹介してくださった現実にリース契約をしてやっている方々を通して、いわゆるそのリースを断わられた人たちに会いたいと思ってずいぶんやった。なかなかいろいろなことを言って、いろいろな口実をつくって、結局、断わられた人たちをわれわれに紹介してくれないんです。零細ないわゆるリースを申し込んだけれども断わられた。なぜ断わられたのか、どういう理由なのか、もうちょっと何とかならないものかと思って、ずいぶん私は会おうと思っていろいろやりました。実際問題としては、なかなかそういう人たちを紹介することをいやがるわけですね。結局、大臣がいまおっしゃいましたように、確かに中小企業対策というのは、私はそういうような面で非常に重要であろうと思います。
 しかし、今回この法律が施行されて、実際その恩恵をこうむる人たちも幾らかはいると私は思います。しかしながら、現実に恩恵をこうむることができない人たちがずいぶんいるんじゃないか。要するに、この法律でもカバーできない零細な人たちがたくさん出てくるんじゃないかということを私は心配するわけです。しかも、いままでもそういう弱い人たちについてずいぶん会おうと思って私もやりましたけれども、結局、きょうまでいろんな都合もありましたけれども、会えませんでした。そういう点から考えてみましても、私は、いま大臣がおっしゃいましたように、それぞれ確かに無担保、無保証の融資をやる、これも非常に重要な問題だと思うんですけれども、そういうふうないろんな国の全体の施策というところから考えて、中小企業庁という問題ですね、中小企業庁を何らかの意味でもう少し強化するなり何なりできないものかということを私は思うんですが、ここら辺のところはどうですか。
#7
○国務大臣(中曽根康弘君) 中小企業省をつくれという御意見もありまして、私もかつてその御意見に同調しておったときもございますが、まあ産業政策全般の総合性ということを見まして、通産省の内部に置いておいたほうが調整上便利である。特に、中小企業擁護ということを考えてみますと、通産省でにらみをきかして大企業に対していろいろ対策を練ったほうが実際上有効であると、そういう感じがいたしておるわけでございます。中小企業庁は、私は通産省に着任いたしましてみて、わりあいに活発にやっておる部局であると思っております。やはり今度の円の変動等につきましても、かなり機敏にいろいろやっておりますし、また、通産局やあるいは都道府県とも連絡をとってかなり活発にやっておるように思うのです。政策の足らざるところがあるとすれば、むしろそれは中小企業庁の責任じゃなくして、通産省本来の責任の問題である、そういうように私は考えます。そういう意味におきまして、足らざるところはまた中小企業庁を強化していかなきゃならぬ点も多々あると思いますけれども、大半は通産省本来あるいは通産大臣本来にかかってくるものではないか、そういうように心得ております。
#8
○峯山昭範君 いずれにしましても、中小企業対策という問題について、ぜひとも現在の実情から考えまして真剣に取り組んでもらいたいと思いますし、あるいはまた中小企業庁も叱咤激励して、ぜひとも中小企業のあらゆる面の強化という点について考慮してもらいたいと思います。
 そこで、リースそのものについても二、三質問したいと思うのでありますが、初めに、この通産省からいただいた資料の中にもございますが、アメリカの中小企業庁が一九六五年からですか、やはりリース契約の保証制度を発足さしたと、そういうように出ております。この制度によりますと、一定の資格の中小企業についてアメリカの中小企業庁がリース料の支払い保証をする制度で、不払いの場合に備えて中小企業庁は五百万ドルですか、邦貨で約十五億円の基金を有している、そういうぐあいに出ておりますが、この制度と、今回の日本における信用保険法の一部に入れて行なう制度と、これは中小企業者の立場から考えてどちらがプラスということは言えないかもわかりませんが、プラス、マイナスがあると思うのですが、その辺のところはいかがですか。
#9
○政府委員(山形栄治君) アメリカにおきましては、一八五〇年代非常にリースが発達してまいりました。現時点で二千社ぐらいリース会社があると聞いておりますが、この辺の現状を受けまして、いま先生のお話のとおり、アメリカの中小企業庁が中心になりまして、今回のわれわれの提案しておりますものと若干違いますけれども、同種の保険制度が創設されております。これは発達段階が、ショッピングセンターとか工場のリースに関係して出てきた経緯がございまして、現在、いまお話しの邦貨にしまして十五億円くらいの支払い準備金で運営されておるわけでございますが、今回われわれが提案しておりますものと最も違います点は、アメリカのこの制度は個別契約の形式をとっておる点でございます。われわれのほうは包括保険というかっこうをとっておりまして、アメリカのリース保険では、むしろリース業者が最も危険の高いというものを選別しまして、それだけを中小企業庁に持ち込むというかっこうに相なっておるわけでございます。したがいまして、非常に事故率が高いわけでございまして、これの相関関係で保険料も非常に高いわけでございます。
 私どもで厳密な比較はなかなかむずかしいのですけれども、保険料の比較計算をいたしますと、現在われわれのほうで想定しておりますものの約十倍ぐらいアメリカの保険料は高いわけでございます。いま申し上げましたように、アメリカのほうは、非常に危険度の高いものだけをかけるという点でリース業者にとっては有利になっておりますけれども、反面、中小企業者側から見ますと、どうしてもかけてもらいたいと思うものが逆選別といいますか、これはもうやめだというようなことになるデメリットもございまして、てまえみそでございますけれども、中小企業の点から見ますと、今回のわれわれの提案のように、全体を包括的に付保できるような仕組みになっておるほうが、中小企業擁護という点では進んでおるのではないかと考えておる次第でございます。
#10
○峯山昭範君 次に、これはすでに当委員会でも質問がありましたアフターサービスのことなんですけれども、特にコンサルタント的なサービスですね、これの確保という問題が非常に重要な問題なんですけれども、先般の答弁の中で、結局ユーザーは、リース化についてリース会社から部品補給あるいは保守等のサービスや最新の機械についてのコンサルタントを受けることができると、そういうふうな答弁があるわけですが、これは実情は実際どうなっているのですか。
#11
○政府委員(山形栄治君) お答え申し上げます。
 リース会社のアフターサービス業務といいますのは、残念ながら非常に現在劣っておりまして、特に、お話しの部品の供給及び定期保守修理等につきましては非常に劣っております。これは今後これを改善いたしまして、リース会社がそういう部品点検、補修等は当然のことながら、むしろユーザーに対して、ユーザーの好みに合った機械の設計までできるようなサービスにまで踏み込むべきではないかと私は思うのでございますけれども、現時点では非常に劣っておりまして、現時点のやり方といたしましては、ユーザーとリース会社が機械の購入について契約をいたしますときに、その機械のメーカーも含めまして三者で相談をいたしまして、修理点検、部品供給等につきましては、大部分がメーカーの責任においてメーカーとユーザーとの契約を別途結びまして運営しているのが現状でございます。これは私は、非常に劣っている段階だと判断いたしております。
#12
○峯山昭範君 確かに実際問題としては、私は実情も、一ぺんずいぶんお伺いしたんですけれども、このリース会社がこういうコンサルタント的な技術者をそろえるということになると、リース料はもっと上がると、だからメーカーから直結してやったほうかいいんだと。それで実際ここに書いているような、通産省でつくっていただいたこの資料のようにはなかなかまだうまいこといかぬのじゃないか。実際問題としては、リース会社がユーザーに対して思うようにいわゆる手当てをするということは、なかなかむずかしいというようなこともちょっと聞いたんですけれども、やっぱりここら辺のところはここに書いてある資料とは多少実情が違うのじゃないか、そういうぐあいに考えます。この点はあとでまた何らかの補足答弁をお願いしたい。
 それから次に、もう一点聞いておきたいのは、リース料の問題についてなんですけれども、たとえば同一の機種ですね、同一の同じ機械ですね、機械について各業者とも大体リース料といいますか、それは同じなのかどうか、ここら辺のところはどうですか。
#13
○政府委員(山形栄治君) リース料の構成につきましては、各社ともこれは全く同じでございまして、物件の価格、それから金利、固定資産税、それから各種保険料、それから手数料といいますか、これは一般管理費と適正利潤の合計でございますが、それで構成されておるわけでございます。われわれのほうのヒヤリング等及び各社の現時点でやっております約款等の調査等を通じまして見るところにおきましては、同一機種につきましてはほとんど同一でございます。これは現在、その機械を取り扱っておりますリース会社が数十社あるわけでございまして、非常に成長部門で、リース業というのは非常に成長いたしておるわけでございますが、反面、競争が非常に激しいわけでございます。したがいまして、ユーザーとしましては、私の聞いておるところでは、ある機械をリースにかけますときに、大体五、六社のリース会社の見積もりといいますか、注文を出すわけでございまして、その五、六社の相互の条件を選択いたしまして契約を結ぶことになっております。したがいまして、非常に競争が激しいかっこうになっておりますので、同一機種につきましては、条件はほとんど同一でございます。
#14
○峯山昭範君 そうしますと、同一機種で各業者とも大体全く同じような条件と、そういうことなんですが、実際問題、このリースが将来相当拡大されていくと、それによりまして現在の実情から考えましても、リース協会というのが非常に私は強固な組織になっていくことは、これは間違いないと思うんです。そうしますと、現在非常に弱い立場にある中小企業、そういう人たちから考えてみますと、売り手市場、買い手市場と両方あるわけですから、実際問題、これは協会のほうがリース料を、いま局長がおっしゃったことを逆手にとれば、協定をして、そうしてリース料についてもある程度相談して、それで上げるなり下げるなりいろいろ自由にできるようになっちゃうと思うんです、私は。そうなった場合に、弱い立場にある中小企業という立場からしますと、独禁法の問題もありますし、いろいろな問題が出てくるんじゃないか。全く同じというのもまたおかしな話で、ほんとうはそれぞれ各社いろんな条件があるんだろうと私は思うんです。五、六社比較見積もりをとるということではありますけれども、現在はそうういふうなあれが行なわれておりましても、確かにリース業界の将来の発展ということから考えてみますと、非常に私はこれは重要な問題だと思うんです。ここら辺のことに対して通産省は、今後、いろいろ指導していらっしゃると思うんですが、そこら辺のところはいかがですか。
#15
○政府委員(山形栄治君) 御指摘のとおり、このリース事業協会、だんだんと強いものになろうかと思います。これはむしろこの協会をしっかりしたものにして、先ほど出ましたアフターサービスの業務なり、それからリース業界の海外進出の問題等、いろいろとこの協会の強化を通じてやらなきゃいかぬ問題も多いものでございますので、当然の方向としてこれは強化されるべきものだと思いますが、反面、いまお話しのとおりの弊害が出ますと、これは大問題でございます。同一機種について、競争上これが大体ほぼ同一のものになっておるということと、これを各社談合してつり上げるというようなことは、これは別の問題でございまして、談合します場合は、これは当然独禁法違反に相なるわけでございます。われわれといたしましては、この各社と契約を個別に結ぶわけでございまして、契約を結びますときに、いろいろとチェックの機会もあるわけでございます。それから、その後におきましても、常時事情聴取、それから必要に応じて立ち入り検査もできますので、この辺を通じまして指導をしてまいりたいと思います。
 なお、ユーザー側がリース業者との関係でいろいろとそういう不審な点とか、苦情がございましたときは、通産局なりわれわれのほうの本省なりにいつでも苦情を申し入れしていただくような仕組みを、今回、従前にも増しまして強化いたしたいと、こう思っております。で、われわれはその苦情が出ましたときには、直ちに当該リース業者との面接、立ち入り検査等を行なうことによりまして、いま御指摘のような弊害か出ないように、指導上はつとめてまいりたいと考えておるわけでございます。
#16
○峯山昭範君 いまの問題は、これはそういうふうな苦情の申し出があったときというのは、もうよほどのときだと私は思うんですよね。実際問題、そういう点については今後やっぱり大きな問題になっていく問題だろうと思いますので、ぜひともがっちり指導等お願いしたいと思います。
 次に――あと二点ほどお伺いして終わりたいと思うんですが、きょう自治省お見えになっていますね……。特にリースの場合の、公害防止機器の固定資産税の非課税について、ちょっとお伺いしておきたいと思います。
 これは地方税法三百四十八条第二項第六号ですね。その第六号の二、第六号の四、第六号の六、第六号の七の規定に該当する公害防止機器に対し固定資産税を非課税にする、こういうふうにあるわけですが、この制度は、企業が公害防止機器の設置を促進するためにはたいへんいい制度だと私は思うんです。
 そこで、ただし、三百四十八条二項ただし書きで、リースによる場合には、その所有者に課税することができると、そういうように規定されておりますけれども、現実には課税されておりますし、また、現在この法律の恩恵を受けてないわけですね。しかし、これは私は何もリース協会とか、そういうリース業者の人たちをカバーしようという意味じゃなくて、これを非課税にすることによって幾らかでも中小企業の皆さんの、いわゆるリース料が安くなるんじゃないかということを私は思うわけです。そういう点から考えまして、これは要するに、公害防止機器というこの法の趣旨からいいましても、これを非課税にするということが非常に中小企業者の保護という点から考えましても、当然、私はこの法律を適用してもいいんじゃないかと、こういうような考えがあるわけですが、ここら辺のところはいかがでしょうか。
#17
○説明員(小川亮君) 先生がおっしゃいましたように、地方税法の三百四十八条で、公害関係の機械、設備の非課税、その他公共的あるいは公益的に使用されておるもの等につきまして、非課税の規定があるわけでございますが、いまおっしゃいましたように、ただし書きで、そういった有料で貸し付けておる場合には固定資産税を「課することができる。」ということで、これはずうっと前からこういうたてまえをとっております。これは仕組みとして非常に基本的な骨組みをなす一つの問題でありまして、非常に影響することも大きゅうございますし、公害機械設備について、有料で貸し付けておるというものについてこれを非課税扱いにするということは、税制のたてまえからいきまして非常にむずかしいのではなかろうかというふうに思います。
#18
○峯山昭範君 自治省のほうでも、当委員会並びに衆議院におけるいろんな議論をずいぶん聞いていただいたと思うんですがね。これは要するに、特に中小企業あるいは零細な業者の皆さんのために今回リースが機械保険法の中に組みれることになったわけですね。そういう点から考えても、一般に有料の機械を貸し付けるということとは違いまして、相当期間も長いですし、また、割賦やローンと同じような考え方に立って、それよりも中小企業がその零細な機械を公害防止なりそういうふうな機械を設置するという立場からいいましても、要するに、非常に私は、これは一般にいう有料で貸し付けるというような考え方とは多少やっぱり違っているんじゃないか。それで、これからこの制度が相当拡大されていくというわけでしょう。しかも、自分たちで購入したり割賦で買うよりも中小企業や零細な業者にとっては有利である、また、しかも期間も長い、そういう点から考えますと、これはやっぱり基本的な考え方というのを検討する時期に来ているんじゃないか。
 私は、ただ単にこれはそういうわけにはいかないなんていうあっさり片づけられる問題ではなくして、そのことによってやっぱりリース料もある程度安くなり、ある程度カバーできる。一般の機械とは違って、特に私は、ここでいう公害防止機器ということで指定をしているわけでありますし、そういう点から考えて、この法の精神から考えても、そういうふうな公害防止機器を設置する場合には、それはしかも、いままでみたいにほんのわずかな問題であればいいんですけれども、これからはこういうような問題もいろんな面で大きく取り上げられる。この制度そのものが大きく広がっていく。しかも、リースの期間も相当長くなっていく、またこれから、いままで出てまいりましたように支払いの回数も相当ふえる。そうなってきますと、一般の簡単な有料で貸し付ける機械なんかとはちょっとやっぱり事情が違うんじゃないか、こう思うんですけれども、そういう点も含めて御検討いただきたいと思うんですがね、いかがですか。
#19
○説明員(小川亮君) 中小企業対策の重要性ということは、ただいまもよくお伺いしたわけでございます。それからまた、この問題につきましては前から御要望も聞いておるわけでございますが、いま申し上げましたように、この三百四十八条のただし書きというのが、非常に非課税規定、たくさん規定しておりますが、全般にわたる一つの規定になっておりまして、いま先生がおっしゃいました事情も確かにあるわけでございますが、いまの現段階では、なかなかこれを別に扱うというのがむずかしいというような現状でございます。
#20
○峯山昭範君 まあこれ以上押し問答してもしかたありませんから、いずれにしても、私は将来この問題が――この問題が重要というよりも、こういうことを非課税にして、やっぱり中小企業という立場から幾らかでもリース料が安くならないかと、そういうことを言っておるわけです。ですから、そういう点で御検討いただきたいと思います。
 最後に要望として、大臣、この問題を審議してまいりまして、特に衆参両院でだいぶ内容的には同じような問題がずいぶんございました。そこで、このリースの制度というのはますます高まっていくと思いますし、また、リース業者と中小企業者という立場から考えましても、何といいましてもどうしてもやっぱり中小企業の立場というものは非常に弱い。そこで、すでに出てまいりましたが、特にリース業者はリースの申し込みを受けた場合には、ぜひとも最大限の承諾をしてもらいたいというのが私の要望の一つです。
 それからもう一つは、リース料金の問題ですね。リース料金の総額を不当に高くしないようにしてもらいたい。ぜひともこの点は検討してもらいたい。指導をきちっとお願いしたいと思います。
 それから三番目に、リース料金の支払いの回数ですけれども、これもやっぱりユーザーの要望をできるだけ聞いていただいて、回数もできるだけ多くしてもらいたい。
 それから四番目に、リースの期間ですね。これは法律でも定められておりますけれども、これはできるだけ長いほうがいいのじゃないか、まあしかし、機械の陳腐化ということもございますので、そこらの辺のところは御検討いただいてユーザーの要望を聞いてもらいたいということ。
 それから五番目に、頭金の不当な要求ですね。これはいろんないままでも質問がありまして答弁出てまいりましたので、これ以上申し上げませんが、不当な要求等がないように指導してもらいたい。
 それから六番目に、頭金とよく似ておりますが、担保ですね。担保の問題がありますが、この担保の問題についても不当な要求がないように、この点も指導をよろしくお願いしたい。
 次に、先ほどもちょっと申し上げましたが、保守のサービスですね。これはやはり十分できるようにお願いをしたい。
 それから最後に、これも質問の中で出てまいりましたが、リースの対象の機種ですね。これを早急に、早い機会に大幅に増加をしてほしい。
 以上がいままで質問の中にずいぶん出てまいりました。以上の問題を踏まえて、リース会社並びにそれぞれの関係業界に対しても強力な指導をお願いしたいと思うんです。
 以上、要望等をかねて私の質問はこれで終わりたいと思いますが、よろしくお願いしたいと思います。
#21
○国務大臣(中曽根康弘君) ただいま峯山先生から御要望を拝聴いたしましたが、一々ごもっともな御要望であるように思います。通産省といたしましても、その御要望の線に沿ってできるだけ早期に手当てをしていきたいと思います。
    ―――――――――――――
#22
○委員長(佐田一郎君) 委員の異動がございますので御報告いたします。
 赤間文三君が委員を辞任されたので、その補欠として高橋邦雄君を選任いたしました。
 以上御報告をいたします。
    ―――――――――――――
#23
○須藤五郎君 この本法は、現行第一条におきまして、機械工業の振興と中小企業の設備の近代化をうたっておりますが、今回の改正は、むしろ中小企業対策にウェートがあると思うんですが、そのように理解してよろしゅうございましょうか。
#24
○政府委員(山形栄治君) 御質問のとおりでございまして、若干補足いたしますと、従来は、機械工業の振興と中小企業の近代化とがどちらかといいますと並列して書いてあったわけでございますけれども、今回の改正法では、中小企業の近代化を主目的に、主たるねらいということにいたしまして、これに応じまして、機械類の指定要件もこれを変えたわけでございます。
 その一つのあらわれといたしましては、現在、各都道府県で行なっております貸与機関の対象機種、これは百ぐらいあるわけでございますが、これを今回この機械信用保険法の対象機種にいたしたい。たとえばマッチ箱の詰め機とか、精米機とか、機械としましてはどちらかというと非常に程度の低いといいますか、機械も、これは中小企業にとりましては非常に重要な機械でございますので、そういうものを対象にするようなはからいにいたしております。御説のとおり、中小企業の近代化に重点を置いて運営する心づもりになっております。
#25
○須藤五郎君 リース業界の実態についてお聞きしますが、第一に、リース業者の数ですね、総数どのくらいあるか。
#26
○政府委員(山形栄治君) リース業者全体は、これはまことに恐縮でございますけれども、若干不明なところがあるわけでございますが、この本法の対象になります機械を対象にするリース業者は現在数十社ございまして、特に協会を結成いたしておりますのが現在二十四社、それ以外に、技術力とか資本力から見まして、大体ほぼそれに見合うと思われますのが十社程度あるわけでございます。全体で三十社ぐらい、機械類を取り扱うリース業者があるんではないかと考えております。
#27
○須藤五郎君 この法律が中小企業対策にウェートを置いているということが言われたんですが、そのためには、いま不明であるというお答えのリース業界の実態を私はできる限り早く調査して、そして対策を――わからないと打つ手がないということですから、それを調べて対策を立てていっていただきたい、こういうことです。
 それから第二に質問しますが、リース業者の資本系列は一体どうなっておるかという点ですね。
#28
○政府委員(山形栄治君) 現在、リース事業協会を形成しております二十四社を中心にこれを見ますと、銀行系列、それから商社系列のものが非常に多いわけでございます。それ以外に外資特にアメリカのリース会社が一部、これは非常にリース業のノーハウ等も含めましてなかなかいい点も持っておりますが、その外資系のものが一部入っております。それから非常に特殊なものといたしましては、建設会社が自己の建設機械をリースいたしますための専門の建設機械リース会社をつくっておる例、それから、通運関係の会社が輸送機械をリースする必要がございまして、リース会社をつくっておる例等がございますが、われわれちょっと若干ふしぎと思いますのは、メーカーが自己の製品をリースするためにリース会社を当然つくるんではないかと思うわけでありますが、そういう例は非常に少なく、ほとんどございません状態でございます。
#29
○須藤五郎君 いまお答えになりましたように、この金融、資本といいますか、生命保険会社とか商社、銀行、そういうのが全部リースの資本系統になっておると思うんですね。それで、銀行などは自分の事業にリース会社を特定に設けてそこへ金を出して、そしてそのリース会社にメーカーから機械を買わしてそれをユーザーに貸す、その一連のあらゆる金利を金融会社に全部集中する、そういう形がとられておるように思うんですが、どういうふうに政府はお考えになりますか。
#30
○政府委員(山形栄治君) いま申し上げましたように、それぞれ系列があるわけでございますけれども、リース会社そのものは、これは金融機関でございませんで、当然に金融機関なり、または保険会社等から金融を受けるわけでございます。そこで計上されます金利といいますのは、大体年八分ぐらい、標準金利で計算されておりまして、これはユーザーから当然にリース料の中に組み込まれて納入されるわけでございますけれども、それは、まあ俗なことばで言いますと、素通りでそれぞれの金融機関に回収されるわけでございます。われわれのほうのヒヤリング等を通じましても、このリース会社そのものがそこで金利をかせいでいるというような例はございません。リース会社は、あくまでもユーザーとメーカーの間に立ちましてリースを行ないまして、これに伴う回収業務等を行なう専門業者として運営されておるわけでございます。
#31
○須藤五郎君 ちょっと質問が前後しましたが、リース業の大手であるいわゆる二十四社とおっしゃいましたが、二十四社が商社、銀行に系列化されておることがはっきりしたと思うのですが、つまり、リースによってリース業者、商社、銀行、メーカーと、それぞれの利益を得ておりますが、では、リースを利用する側の中小業者のメリットは何かという点ですね。それから金融会社によっては、商社によっては、メーカーまで自分のところが持っておるところがありますね。そうして、自分の資本でつくらしたものをリース会社に買わして、中小企業に、ユーザーにそれを提供しておるという、こういう形がとられておると思うのですね。そうすると、そのメーカーからリースが買うときの値段とか、そういうことがいろいろ問題になってくると思うのですが、まあその点はあとで問題にいたしますが、そこに一つの問題があると思うのですね。
 日本のリース事業協会への加盟が二十四社ございますが、二十四社の占めるシェアというものはどのくらいになっておりますか。
#32
○政府委員(山形栄治君) 先ほどの御質問、最初に出ました御質問の、ユーザーである中小企業にとってどういうメリットがあるかということからお答え申し上げますと、リースというのは大体三年以上でございますが、現在の平均は五年でございます。割賦は大体一年くらいでございますので、ユーザーといたしましては、ある機械代金を五年間に均等して支払えばいいわけでございます。非常に毎回のリース料が、したがいまして、安いわけでございますので、一番大きなメリットというのは、その資金の有効利用ができるという点だと思います。
 それから二番目の大きなメリットは、これらのリースの対象になる機械というのは、どちらかといいますと技術進歩がわりあいに早い機械でございまして、たとえば電子式の医療機器とか、公害用の計測器とか、刻々に新しい商品が出る分野のものが多いと思いますが、こういうものにつきましては、これを所有権を持つのは非常に中小企業にとりましてもむだなことでございまして、リース契約を結んでおきまして、絶えず世の中の陳腐化にこれが対応できるというメリットが伴います。その他二、三メリットがあるわけでございますが、大別しますと、資金の有効利用と機械の陳腐化に対するリスクをヘッジできるという、この二点が中小企業にとりまして非常に有利に相なろうかと思います。
 それから二番目の御質問の、二十四社のシェアでございますけれども、これは機械を取り扱っております有力企業は全部ほとんどこの中に、この協会に加盟しておりますので、われわれのほうの推定でございますが、この協会加盟の二十四社で全体の九割程度がカバーされるのではないかと思います。ちなみにその二十四社の中の大きなところのシェアを申し上げますと、日本リースというのが一番大きくて一七%ぐらいシェアを占めております。次に大きなオリエント・リースというのが一四・五%ぐらいのシェアを占めております。その他いろいろございますけれども、その二社が二十四社の中の大手でございます。
#33
○須藤五郎君 中小企業の業者の利益を考えますときに、まず第一に、契約面で対等平等であるということが必要だと思うんですね。これはどういうふうになっておりますか、契約面で。
#34
○政府委員(山形栄治君) 私のほうで、本法案の立案の準備段階で、主要各社の契約書の写し等をとりまして、また個別にヒヤリングをいたしたわけでございますけれども、契約上はすべての企業に対して平等と相なっております。ただし、現実の運用といたしましては、このリース会社が中小企業の申し込みの四割程度を断わっておるのが現状でございまして、その主たる原因といいますのは、中小企業に信用力がないという、危険があるという点が原因の最大のものでございます。本法を今回立案しました最大のねらいはそこでございまして、この保険制度を開くことによりまして中小企業の信用を補完して、いままで断わられておりました中小企業の方々の約半数は、この保険制度によってリース契約が結ばれるようになるんじゃないかとわれわれのほうでは考えておるわけでございます。
#35
○須藤五郎君 この法案ができたら、半数は全部リース契約の対象になるということですが、その対象にならないという理由は、この法案が通っても対象にならぬということはどういうことなんですか。
#36
○政府委員(山形栄治君) この法案の内容でございますけれども、この法案では、中小企業とリース会社が契約を結びまして、もし万が一中小企業に支払い不能の状態が起こりましたときは、その損失額の二分の一をこの保険でてん補してやるというのがこの法案の内容でございます。したがいまして、リース業者といたしましては、やはり半分は危険負担が残っておるわけでございます。これは全量を全部カバーするわけじゃございませんで、半分分のリスクは依然としてリース業者に残っております。したがいまして、申し込みがまいりました中小企業の中で著しく信用上あぶないということが考えられますようなものは、リース業者としてはやはり避けるという形に相なるんではないか。これは自由な商売でございますので、その点どうしても付保にできない中小企業が出てくる点はやむを得ないんじゃないかと思います。
 ただ、私のほうのねらいでは、もう一回くどいようでございますが、いま中小企業の申し込みの六割は付保されておるわけでございますけれども、四割が断わられている。その四割のうちの半分、したがって、全体の二割がこれでカバーされるわけでございますので、全体で申し込みの八割程度は本法の施行によりまして付保の対象に相なるではないか、こう考えております。
#37
○須藤五郎君 そうすればもうリース会社というものですね、リースはもうこの法案ができれば万全の措置がされたということになって、この法案は中小企業にウエートを置いた法案でないと、やはりリース会社にウエートを置いた法案だというそしりを免れなくなると思うんですね。仕事には常に多少の危険というものはくっつくものだと私は思いますよ。その八割が安泰で、二割が危険な人があるという、そのために二割の人がこれから除外されていくということですね、それはあまりけっこうなことじゃないと私は思います。せっかくこういう法案をつくるならば、その二割の人も全部含めて、できるだけリース会社の努力によってそういう損失が免れるようにしていくということさえあれば、そんな中小業者でもリース会社に迷惑をかけるというようなことは私は防ぐことができると思うので、できるだけ全般的に希望者はこれの中に入れていくということですね。そういう方向にいくのが望ましいことだと私は思いますがね。政府の考えはそういうふうにはいかないですか、どうですか。
#38
○政府委員(山形栄治君) 私は、考え方としては先生の考えと方向としては一致しておるわけでございますけれども、何ぶんにもこの特別会計、一応独立採算の原則をとっておりますことと、それから全部を対象にいたすということは、やはり事故率が非常に高くなる結果、その一部の非常にあぶない者のために保険料率が非常に上がるという反面のデメリットも出るわけでございます。従来、割賦販売を中心にして本法を十二年間運営してまいりまして、大体収支はとんとんの状態でございまして、現在の保険料率も、水準としては大体ほぼ正当の水準じゃないかと思うわけでございますが、今後もこのリースの追加をいたしましたあとにおきましても、保険料率の考え方につきましては、やはり利用していただく中小企業にはできる限り安くこれを提供するのが一つの考え方であろうかと思います。全部をカバーしますと、おのずからそこに保険料率の非常に高騰ということも行なわれますので、今後、制度の運用を通じまして、ますますその中小企業全体をカバーできるような方向に本制度の運用を考え、また機種の選定も考えていきたいと思いますが、発足にあたりまして、まあ百歩を進むべきところをまず五十歩を進み出すというようなかっこうでわれわれとしては一回滑り出しまして、今後の運用の万全も考えていきたいと考えておるわけでございます。
#39
○須藤五郎君 ユーザーがリース会社を利用するときに、保証人が必要になるということを私は伺っておるんですが、この法律でそういう万全の措置がなされておるとするならば、保証人などは私は必要のないものじゃないかと思うんですが、やはり保証人を立てなきゃユーザーはリースを利用することができないということなんですかどうですか。簡単に答えてください。
#40
○政府委員(山形栄治君) 現時点におきましては、確かに保証人が全部立っておりまして、ほぼ九割が個人保証、ユーザーである中小企業の社長個人の保証になっておるのが現状でございます。この辺が非常に中小企業に負担がかかっている点だと思いますので、今回の本法の改正によりましてこの保険制度が創設されますと、その辺も相当緩和されてくるんではないかと思います。われわれは、このリース会社と個別に全部契約を政府で結ぶわけでございますので、その保証人の立て方等につきましては、契約締結及びその実施に関連いたしまして個々のリース業者を指導してまいりたいと思います。
#41
○須藤五郎君 私は、こういう法律ができて損失がほとんどリース会社に負わされないことになるということになれば、しいて保証人なんか立てる必要がないと思うんですね。だから、中曽根さん、えらい目をつむっていらっしゃいますが、眠りをさまして申しわけないように思いますが……。
#42
○国務大臣(中曽根康弘君) 拝聴していました。
#43
○須藤五郎君 大臣は、こういう法律ができたら、保証人とかいろいろなこまごまとした拘束ですね、そういうものは必要がなくなると、私はそう思うんですがね。そうして、できるだけユーザーの利益をはかっていくというのがこの法律の精神であるべきだと思うんですが、私がずっと伺っているところを見ると、まだユーザーの利益というよりも、リース会社の利益を守るという趣旨というものがこの法律に強く打ち出されておるように私には受け取れるんですよ。こういう点、中曽根通産大臣は、今後のあり方としてひとつ意見があったら述べておいていただきたいと思います。
#44
○国務大臣(中曽根康弘君) できるだけ手続等は簡素化にするほうがユーザーは便利であるだろうと思いますが、ただいまの状態におきましては、まだ契約で、中には会社がつぶれたり、あるいは失敗したりするものもあるでしょうから、危険負担の危険性というものもあると思いますので、保証人もやむを得ないと思いますけれども、将来としては、中小企業を愛護、育成するという意味において、保証人のようなものはできるだけなくするという方向に持っていきたいと思います。
#45
○須藤五郎君 もうユーザーの側からすれば、リース料金が少しでも安いことが望ましいことだと思うんですね。それとアフターサービスが行き届いていること、料金の安いこととあわせてアフターサービスの行き届いているという点が一番望ましいことだと思いますが、現在はリース料金は一体どのようになっているのか、アフターサービスはどのようになっておるのか、その点を。
#46
○政府委員(山形栄治君) リース料は、同一の機種でございましても、リース期間に応じまして異なっておるわけでございますけれども、かりに非常に標準的なリース期間でございます五年ものの場合をとりますと、平均的にリース料は機械代金の四割アップ、したがいまして、機械代金を一〇〇としますと一四〇程度に相なっております。この構成要素は機械の価額、それから金利、それから固定資産税、動産総合保険料、それから一般管理費及び適正利益ということに相なっておりまして、一見高いように見えますけれども、五カ年間の全体のリース料でございます。これはほかの同種の割賦等との比較におきましても、これを同一条件で比較いたしますと、一四〇という数字は高いとわれわれは考えておりません。今後このリース料につきましては、お話しのとおり取り扱い高が非常に高くなって一般管理費等も下がりますれば、当然にこれが軽減されることに相なろうかと思います。
 それから、アフターサービスの問題につきましては、先ほども申し上げましたように、現在のリース会社は、発足後わりあいに日が浅いものでございますので、アフターサービスの能力に非常に欠けておりまして、現時点では、機械をリースに回しますときに、リース会社とその機械のメーカーと、それからユーザーと三者で会合を開きまして、それのアフターサービス契約をリース契約の締結時に同時に締結するということを行なっておりますのが、この当業界の慣例でございます。したがいまして、現時点では、ほとんどのものが機械のメーカーとの間でアフターサービス契約を別途結んでおる現状でございます。
#47
○須藤五郎君 これはそうだ、違うというふうにお答えくださったら簡潔に済むと思いますから、私は問題を出しますが、リース後の機械の返還、機械を借りるときはメーカーが運んでくると、それからもう五年間済んで、その機械を返還するときには、リース業者の指定する場所にユーザーが運んでいく義務があるというふうに私は聞いておりますが、これはほんとうかうそか。
 それから、アフターサービス料はユーザーが負担するのだということはいま述べられたように思うのですが、こうなると、相当ユーザーの負担が重くなってくるように思うのですが、その点はどういうふうにお考えですか。
#48
○政府委員(山形栄治君) 返還につきましては、いま先生の御指摘のとおり、契約上は、返還の場合にはユーザーがメーカーのところに運ぶということになっておりますのが現在の契約上の表現でございます。しかしながら、実際はどういうことになっているかと申しますと、非常に競争が激しいものですから、メーカーが自分で引き取りに行っているのが実情でございます。これはこれからのわれわれが約款をきめまして、個々のリース業者と契約を結びますときに、実態に即して改正をさせるなり、運用いたしたいと思います。
 それから、アフターサービス料金につきましては、確かにユーザーが負担いたすわけでございまして、これは現在でも工作機械とか、建設機械とかという機械類につきましては、これを現金で買いました場合でも、アフターサービスにつきましては、別途アフターサービス契約を結んで、ユーザーが負担してアフターサービスを受けているのが現状でございます。
#49
○須藤五郎君 次に、物件価格についてお尋ねしますが、リース業者の場合、同一機械を大量に買い付ける、ユーザーが個々に買う場合よりも割り安になると思うんですね。かりに自動車にしましても、われわれが自動車一台買うよりも百台リース会社が買えば、メーカーから安く手に入れることができると思うのですが、実際にはそういうふうに安くなっておるのか、また、それを確認していらっしゃるか、通産省はどうチェックしておるか、この点について簡単にお答えを願いたいと思います。
#50
○政府委員(山形栄治君) これは自動車の場合なんかと若干違いまして、リースの対象になります機械というものは、わりあいにユーザーにとって一般の機械だけでございませんで、これに特殊な仕様をメーカーにつけてもらうような、わりあいに専用機的な要素を若干付加するようなケースが多いものでございますので、大量にあるものを買っておいて、それをどんどんリースするという例は非常に少ないと聞いております。したがいまして、現実にはユーザーがある機械をメーカーとの間できめまして、そこにリース業者を入れて、三者でこれを相談して、その期間なり料金なりをきめていく、かつ、その場合に、先ほど来出ておりましたアフターサービスの契約もあわせてこれを行なうということでございまして、御指摘のとおり、大量のものを大量購入によって安く購入するというような例はわりあいに少ないと聞いております。
#51
○須藤五郎君 そうすると、かりに大量購入によって百万円の機械が九十五万円くらいで買えるとした場合に、その価格はユーザーに明らかにしていくのですか。ユーザーにはあくまで隠して、黙って百万円の価格でリースはユーザーにそれを提供していくのか、どうなります。そこを明らかにしてください。
#52
○政府委員(山形栄治君) これはただいま申し上げましたように、メーカーとユーザーとリース業者、三者でオープンで会合いたすわけでございますが、メーカーも非常にその点は明らかにいたしまして、先生御指摘のとおり、安くなっているものは安いように、原価を明らかにして契約を結ぶわけでございます。
#53
○須藤五郎君 もう二つ質問がありますが、次に見積もり残存価格について聞きますが、第一に、残存価格をリース料より当然差し引くべきだと思いますが、どうですかというのが一つの質問。それから第二番目は、リース終了後の機械の処分は実際にどうなっているかということです。
#54
○政府委員(山形栄治君) 第一問につきましては、残存価格は差し引くのが当然であろうと思います。これはいろいろと御説明すべきでありますけれども、結論だけで言いますれば、当然差し引くべきであります。
 それから二番目の処分の問題につきましては、リース期間満了してからの大部分は、これはリース業者が引き取りまして、これを処分いたすわけでございますが、現時点におきましては、中古市場の未発達等もございまして、ほとんどスクラップ価格に相なります。しかし、一部につきましては、ユーザーとの間で再契約を結びまして、もう一回リースを継続するということの例もございますが、これはその場合、大体約一年間ぐらいで再リース契約が取り結ばれるわけでございます。
#55
○須藤五郎君 そうすると、残存価格はリース料より当然差し引くと、こういうお答えですが、かりに例をあげれば、百万円の機械をユーザーがリース会社から借りる。その場合に、残存価格が五十万円なり四十万円といえば、リース料金からそれを引くということなんですか。それともどういうふうに、具体的にいえばどういうようになるのですか。
#56
○政府委員(山形栄治君) これは考え方を、今後の長期にわたる考え方も含めて申し上げたわけでございますが、一例を申し上げますと、たとえば百七十万円の自動包装機械を五年でいまリースいたしますと、これが五年たちましたあとでその残存価格というのは現在千円でございます。これはほとんどスクラップでございます。千円。わずかのもう全くのスクラップ価格でございます。これは本法の対象でございませんが、商店で使っていますショーケースなどがリースされます場合、これは三年で、四十万円のショーケースが三年たちますと八百円というのがいま言われておる価格でございます。ただし、一部工作機械、建設機械等につきましては、中古市場も若干ございまして、この辺につきましては、いまのショーケースなんかと比べますと、残存の実用価格もまだ残っておりまして、かつ、中古市場も若干ございますので、そういう場合にそれが明確につかめます場合には、当然にそれは差し引くべきである、こういうことを申し上げたわけでございますが、全業種、全機種につきましては、非常に市場の未発達等もございまして、現時点では、考え方は引くわけでございますけれども、実際問題としてはほとんどスクラップでございます。現時点では非常に引き方が低いということに相なるかと思うわけでございます。
#57
○須藤五郎君 その残存価格の見積もりというのが非常に安く見積もられておりますが、それならば、その残存価格でユーザーが希望するならば売り渡すということが可能なものかどうかですね。それから、五年たってなおこの機械は使いなれた機械だからもっと使ってまいりたい、こういうユーザーが望むならば、それはどういうふうに措置するのかですね。
#58
○政府委員(山形栄治君) 最終的にこれを売り渡すということになりますと、これは契約の形式上は割賦販売に相なるわけでございまして、この辺、現在の税法の取り扱い等が、割賦販売の場合とリースの場合とでは取り扱いが違っております。したがいまして、世の中にはリースという名で、リースというのじゃないのですが、貸与機関等におきましては、一見リースのように見えまして、割賦でやっておるものもございますけれども、本法の対象の機種の運営につきましては、最終的にこれを売り払う、所有権を移すということは禁じていきたいとわれわれ考えております。そうしませんと、それぞれの販売形態の混淆が起こりまして、いろいろと両者間の不都合といいますか、混淆が起こりますので、われわれといたしましては、そういうふうにきっちりとしたかっこうで本法を運用したい、こう思っておるわけでございます。
#59
○須藤五郎君 その金利の点をちょっとお尋ねしますがね。リースの期限内、五カ年間ですね、その五カ年間の金利はどういうことになっておるのか。通産省ではチェックをされていらっしゃるだろうと思うのですが、それと、その残存――もう五年たったあとですね、この機械はもうただになっているんですから、価格というものはないと思うんですね。しかし、それは希望者があっても売らないと。そうすると、そのあとは貸すなら――借りるという条件ならば貸すと、こうおっしゃるんでしょう。その場合の金利は一体どの程度に認めていらっしゃるのか。ただのものを貸すんだから、もう金利はなくてもいいもんだと私は思うのですが、それを貸す場合の金利はどうなるのかですね、そこらの点を……。
#60
○政府委員(山形栄治君) 金利につきましては、標準金利で計算いたしておりまして、三年もので大体年七%ぐらい、それから五年もので大体九%ぐらいでございまして、この平均で八%ぐらいというようなことでわれわれ考えております。これは個々のリース会社と契約を結びますときに、この辺は厳格にチェックいたしたいと思います。
 それから、五年たったのちの再リースの場合の金利でございますが、これは先生御指摘のとおり、当然に金利を取るのはおかしいわけでございますから、再リース料金の中に金利計算は入れないように指導いたすつもりでございます。したがいまして、再リース料金というのは、最初のリース料金に比べますと非常に安くて、十分の一ないし十二分の一に相なろうかと思います。
#61
○須藤五郎君 その利息を取るのはおかしいということはあなたもおっしゃいましたが、ほんとうにそのとおりだと思うんですね。おかしいと思うのですよ。しかし、おかしいならばただで貸したらいいと私は思うんです。ところが、それはおかしいからやはりお金を取って貸すというんですから、利息を取るのはおかしいということは相反するように私は思うんですがね。そのときに、利率はどのくらいに見積もっておるのかということを具体的に答えてください。
#62
○政府委員(山形栄治君) 再リース料金が最初のリース料金の十分の一ぐらいといいますのは、これは金利の問題でございませんで、保険料、それから固定資産税というのが、この法定の償却年数等の関係で依然として簿価が残っておりますので、固定資産税はかかってまいります。その辺を中心にした再リース料金の積算でございます。金利は入っておりません。
#63
○須藤五郎君 念のために申しておきますが、それじゃ固定資産税をユーザーが払うんだと、こういうふうにはっきりと理解していいんですか。リースは少しも、五年後は貸し料金というものは取っていないんだ、これは固定資産税をもらっているんだ、固定資産税は幾らになるかということになりますが、そういうふうに理解していいんですか。絶対リースはそこから利益は得ていないと、こういうふうに理解していいですか。そこをはっきり答えていただきたい。
#64
○政府委員(山形栄治君) いま金利の御質問だったもんですから、金利は入っていないと申し上げたわけですが、再リース料金は、おそらくこの固定資産税が主たるものでございますが、その他保険料――火災保険とかその保険料と、それから一般管理費と若干の利潤が入ろうかと私は思います。この全体を足し算しましたものが、最初のリース料金に比較いたしまして十分の一ないし十二分の一ぐらいになっておるのが現状でございます。
#65
○須藤五郎君 あのね、あなた、最後に若干のということをおっしゃいましたが、そこを私は明らかにしておいてほしいと思うんですね。やっぱり若干の利益は取るでしょう。ただになったものですよ。これはもうほんとうは利用者が、ユーザーがほしいと言ったら、ただでどうぞお使いくださいと言って、置いてきても差しつかえないものなんですよ。しかし、やることはできない、売ることはできないと。だから貸すんだ、貸すなら無料で貸すのがほんとうだと思うのですね。そうすると固定資産税がある、いろいろと管理料が要る。どんな管理料が要るのか私はわかりませんが、管理料が要る。それでごくわずかの利益はいただきますという、そういうことでしょう。だからね、そこは利益をもらう理由が成り立たぬと私は思うのですよ、その場合。だって、ただになっちゃってんだもの。ただから利益を得る必要がないじゃないですか。固定資産税は取る必要があるというのはそれはわかりますよ心保険料とか固定資産税ならわかるけれども、その上になお若干の利益をかけるというその説が私は納得できないと思うのですがね。それはどういうふうに説明なさいますか、そこは。どうですか、大臣。この理屈は通りませんか。大臣、答えてください。あなた、責任持ってやってくださいよ。
#66
○国務大臣(中曽根康弘君) やはり事業をやっているからにはある程度の危険負担というものが伴うものですから、まあ一般管理費のほかにその危険負担というものも見合って、ある程度の危険的利潤というのは多少加わるのはやむを得ないではないか。
#67
○須藤五郎君 危険はないんですよ、大臣。もうただになっているからリース会社のほうから危険というのはゼロですよ、どうなろうと。
#68
○国務大臣(中曽根康弘君) 初めリースするときというのはずっと同じで、事業、営業一般というものから考えてみますと……。
#69
○須藤五郎君 大臣、それは五年たてばゼロになるものですよ。五年たてばゼロになっているものを私は問題にしているんですよ。
#70
○国務大臣(中曽根康弘君) 営業一般からくる総経費的な危険負担というものがあるんじゃないでしょうか。
#71
○須藤五郎君 もうこれで終わります。大臣、それは成り立たぬと思うんですよ。五年たったらゼロになっているんですね。価格がゼロ、価値のないものになっているわけです。それをどうぞお使いくださいというのなら、ただで貸すならいいけれど、もう全然リースの立場に立つなら、危険負担というのはないはずですよ、それは。だから私は、そういう固定資産税を取るというならわかりますよ。しかし、それ以外に多少の利潤をもらいますというのはおかしい。それが危険負担だなんと大臣おっしゃってはそれは少しおかしいですよ。もうゼロになっているものに危険負担がありますか、リース会社に。これはただにすべきですよ。
#72
○政府委員(山形栄治君) これはその部分だけで考えますと、先生のようなお話になるかとも思いますけれども、企業はいろんな品物を全体的に運営し、それに関連する要員の給料を払っておるわけでございまして、全企業全体のある時期の営業活動という中には、当然に一般管理費、変動費、全体の問題としてこれは考えるべきで、そこに若干の、リース期間中に比較しますと非常に小さな比率だと思いますが、若干の利潤概念が入りましても、これは企業全体のある一時期の活動の一つの姿として全体的にとらえますれば、私はある程度言えるのじゃないか。ただ、その率が非常に当初のリース料に算定されたものと比較いたしまして、相当高いなんということでございますれば、これは非常におかしいことに相なろうかと思いますが、そういう方向で、非常に少額でこれが運営されている限りにおきましては、個別にチェックいたしまして、われわれといたしましては運営の万全をはかりたい、こう考えております。
#73
○須藤五郎君 そういう答弁をなすっても一般の人はわかりません。一般の人は、私の言うことをもっともだと私は理解するだろうと思うんですよ。価値がなくなったもの、ゼロになったもの、五年間で元を取って、ちゃんと利息から何から全部取っているものを、そのあと使う人からまだ利潤をあげようというそういう考え方は、私はこれは不当だと思います。この意見を述べておきまして、これで私は質問をやめますが、私はこの法案に賛成の立場で質問しているんですよ。よりよい、中小企業により有利な法案にしたいと思いますから、私はこういう質問をしているんですが、なお今後よく検討をしていっていただきたいと思います。大臣、どうぞ検討してください。
#74
○国務大臣(中曽根康弘君) 検討いたします。
#75
○委員長(佐田一郎君) ほかに御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#76
○委員長(佐田一郎君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 機械類信用保険法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#77
○委員長(佐田一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、阿具根登君から発言を求められておりますので、これを許します。阿具根君。
#78
○阿具根登君 ただいま可決されました機械類信用保険法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党、日本共産党の五党共同提案による附帯決議案を提出いたしたいと存じます。御賛同をお願いいたします。
 案文を朗読いたします。
   機械類信用保険法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行にあたり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
 一、リース業者の実態把握に努めるとともに、今後のリース事業のあり方について早急に検討すること。
 二、リース業の健全な発展を図るため、とくに機械メーカーとの連けいの強化及び保守、修繕業務の要員確保等、リース業者のアフター・サービス体制の整備、充実について十分な指導を行なうこと。
 三、割賦販売、ローン保証販売及びリースのそれぞれの特長等について、中小企業者が周知できるよう、積極的な広報活動を行なうこと。
 四、機械の中古市場の育成に努めるとともに、見積残存価格をリース物件価格から控除するよう指導すること。
  右決議する。
 以上でございます。
#79
○委員長(佐田一郎君) ただいま阿具根君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行ないます。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#80
○委員長(佐田一郎君) 全会一致と認めます。よって、阿具根君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対して中曽根通産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。中曽根通産大臣。
#81
○国務大臣(中曽根康弘君) 今後、本保険制度を運用するにあたりましては、御決議の内容を十分尊重いたしまして、御趣旨に沿うよう努力いたす所存でございます。ありがとうございました。
#82
○委員長(佐田一郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#83
○委員長(佐田一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#84
○委員長(佐田一郎君) 次に、石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。中曽根通産大臣。
#85
○国務大臣(中曽根康弘君) 石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 石炭鉱業につきましては、昭和四十四年度からいわゆる第四次石炭対策の推進につとめてまいりましたが、御高承のとおり、石炭鉱業をめぐる内外情勢の変化には、その後もなお著しいものがあります。このため、新しい情勢の進展に対処いたしまして、政府におきましては、昨年六月の石炭鉱業審議会の答申の趣旨を尊重し、昭和四十八年度から昭和五十一年度までを対策期間とする新しい石炭対策を実施することといたし、昨年七月、その旨の閣議決定を行なったところであります。
 この新しい石炭対策の実施のため必要な制度の追加及び改善を主たる内容といたしまして、このたび、この法律案を提案いたした次第であります。
 次に、法律案の要旨を御説明申し上げます。
 本法律案は、第一に石炭鉱業合理化臨時措置法の一部改正、第二に石炭鉱業再建整備臨時措置法の一部改正、第三に石炭及び石油対策特別会計法の一部改正を、その内容とするものであります。
 まず、第一条は、石炭鉱業合理化臨時措置法の改正であります。
 その改正の内容の第一点は、このたびの新しい石炭対策の対策期間に合わせて、石炭鉱業合理化基本計画の目標年度を、現行の昭和四十八年度から昭和五十一年度に改めることであります。これとともに、石炭鉱業合理化事業団の主要業務の廃止期間も、同じく、現行の昭和四十八年度末から昭和五十一年度末まで延長することといたしております。
 第二点は、石炭鉱業合理化事業団の業務運営の一そうの円滑化及び強化をはかる観点から、同事業団に管理委員会を設置し、同事業団の収支予算、事業計画等をその議決にかかわらしめることといたしたことであります。
 第三点は、従来、国が行なってまいりました坑内骨格構造整備拡充補助金の交付及び石炭鉱業安定補給金の交付を石炭鉱業合理化事業団の業務とし、石炭鉱業に対する各種助成の同事業団による一元的運営を可能ならしめるとともに、新たに、石炭鉱業の経営の改善に必要な資金の貸し付け、鉱山労働者の用に供する住宅その他の福利厚生施設にかかる設備資金の貸し付け等の業務を追加し、石炭鉱業における資金調達の円滑化、労働環境の改善等に資することといたしたことであります。なお、経営改善資金の貸し付けにつきましては、採掘権者または租鉱権者に対し、その貸し付けを行なうことが事業の経営を改善するため特に必要と認められる場合に行なうこととし、また、福利厚生施設にかかる設備資金の貸し付けにつきましては、現行の近代化資金の貸し付け対象の拡大により行なうことといたしております。
 その他、今回石炭鉱業合理化事業団の業務を追加することに伴う関係規定の追加、石炭鉱山整理促進交付金の制度の改善等、所要の規定の整備をあわせ講ずることといたしております。
 第二条は、石炭鉱業再建整備臨時措置法の一部改正であります。
 その改正の内容の第一点は、石炭企業の資金調達力の強化に資するため、現行再建交付金交付契約の期間を短縮することであります。すなわち、現に再建交付金を受けている会社が、再建交付金交付契約の対象となっている市中金融機関からの借り入れ金につきまして、借り入れ契約の変更を行ない、残余の償還期間を五年半に短縮したときは、政府は、これに合わせて、再建交付金の交付期間を短縮することができることといたしております。
 第二点は、長期借り入れ金の返済が石炭鉱業の経理の圧迫要因となっている実情にかんがみまして、再建交付金の交付対象に、新たに、昭和四十七年六月三十日以前に借り入れた長期借り入れ金債務を追加することであります。すなわち、現に再建交付金の交付を受けている会社が、当該借り入れ金につきまして、償還期間十五年、金利三%等の要件に適合するように借り入れ契約の変更をしたときは、政府は、当該借り入れ金につきまして、再建交付金を交付することができることといたしております。なお、現に再建交付金の交付を受けていない会社につきましても、追加的に再建整備計画の認定を行ないまして、このたびの再建交付金の交付対象に含めるよう、措置いたしております。
 第三条は、石炭及び石油対策特別会計法の改正であります。
 その改正の内容の第一点は、不測の閉山に備えまして、昭和四十八年度におきましても、炭鉱整理促進費補助金等の額に不足を生じました場合には、その不足する額を限度といたしまして、石炭及び石油対策特別会計の石炭勘定におきまして、借り入れ金をすることができることといたしたことであります。
 第二点は、今次の石炭対策の実施に伴う経費の増大に対処いたしまして、昭和四十五年度に石炭対策特別会計が借り入れた借り入れ金の償還期限を、現行の三年から四年に延長することといたしたことであります。
 以上が、この法律案の提案の理由及び要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#86
○委員長(佐田一郎君) 次に、補足説明を聴取いたします。外山鉱山石炭局長。
#87
○政府委員(外山弘君) 石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案の内容につきまして補足して御説明申し上げますとともに、あわせて、この法律の規定の運用の方針といたしておりますところをも若干御説明申し上げます。
 最初に、第一条の石炭鉱業合理化臨時措置法の改正につきまして御説明申し上げます。
 まず、今回の改正の内容の第一点の石炭鉱業合理化基本計画の目標年度の変更でありますが、これは、昨年六月の石炭鉱業審議会の答申に基づき、今回の新しい石炭対策の対策期間を昭和四十八年度から昭和五十一年度までとすることに対応して、基本計画の目標年度を現行の昭和四十八年度から昭和五十一年度に改めるものであります。なお、これに合わせて、今回石炭鉱業合理化事業団に追加することといたしている業務を含め、同事業団の主要業務の廃止期限も昭和五十一年度末まで延長することといたしている次第であります。
 次に、石炭鉱業合理化事業団に管理委員会を設置することについてでありますが、現在、石炭鉱業合理化事業団は、石炭鉱業の合理化のため、石炭鉱業に対する各種の助成業務を行なっており、政府といたしましても、これら業務の遂行につきましては、石炭政策の重要な柱といたしまして、出資、補助金の交付等によりその円滑な遂行を支援いたしているところであります。
 この場合、同事業団の業務が企業にとって有する意味は、助成金額の大きさ、助成条件のいずれをとっても、他の分野における同種の措置に比べ格段に大きなものとなっておりますが、さらに、今回、同事業団の業務を大幅に拡充することといたしているところでもあり、同事業団が今次石炭対策の推進の中に占める役割り及び重要性はますます大きなものとなるものと考えられます。したがいまして、同事業団の業務の運営の基本的重要事項は、慎重かつ公正に、かつ、各種の助成を統一的視点から相互有機的に運営するとの観点から決定されなければならないことは申すまでもないことであります。
 今回の改正は、こうした要請を含め、第五次石炭対策の推進にあたって同事業団が行なう石炭鉱業に対する助成運営の一そうの円滑化及び強化をはかる見地から、同事業団に管理委員会を設置することとするものであります。同委員会は、石炭鉱業に関しすぐれた識見を有する者のうちから通商産業大臣が任命いたす委員四名と、事業団の業務執行の責任者としての立場をも有する理事長とで組織することといたし、また、事業団の業務運営の基本的重要事項である予算、決算、事業計画及び融資業務等に関し事業団が四半期ごとに作成する諸計画は、委員会の議決を要することといたしております。
 第三点は、石炭鉱業合理化事業団の業務の拡充でありますが、これは、従来、国が直接行なってまいりました助成の石炭鉱業合理化事業団への一部移管及び新規業務の追加をその内容といたしております。さきに申し上げましたように、今次石炭対策におきましては、石炭企業向け助成運営の面で、同事業団に大きな役割りが期待されているところであります。この一環といたしまして、今回、坑内骨格構造整備拡充補助金の交付及び石炭鉱業安定補給金の交付を全面的に同事業団の業務に移管し、従来から同事業団が行なっている融資業務等との一元的運営を可能ならしめ、一そうの助成効果を期待いたす次第であります。なお、これら業務に要する資金につきましては、国が補助金または交付金として事業団に対し交付することといたし、四十八年度予算において所要の措置を講じているところであります。
 石炭鉱業合理化事業団の業務拡充のもう一点は、同事業団に、新たに、石炭鉱業の経営の改善に必要な資金の貸し付け、鉱山労働者の用に供する住宅その他の福利厚生施設にかかる設備資金の貸し付け及び近代化機械の譲渡の各業務を追加することといたしたことであります。
 まず、経営改善資金の貸し付けでありますが、現在、石炭鉱業につきましては、市中金融機関からの運転資金の新規調達がきわめて困難な状況にあり、これが対策の必要性がかねてより強調されていたところであります。こうした状況に対処いたしまして、今回、石炭鉱業合理化事業団から経営改善資金の貸し付けを行ない得ることといたした次第であります。
 本資金の貸し付けは、採掘権者または租鉱権者に対し、賃金、資材費等の費用の支払いに必要な短期的資金について行なうことといたし、具体的な貸し付け事由、貸し付け条件等につきましては、事業団の業務方法書で定めさせることといたしております。
 なお、この資金の貸し付けにつきましては、有利子とする所存でありますが、具体的利率につきましては、他の政府関係金融機関の利率等を参考にしつつ、石炭鉱業の資金経理の状況等に配慮いたしまして、適切な水準で定めることとしたい考えであります。
 次に、鉱山労働者の用に供する住宅その他の福利厚生施設にかかる設備資金の貸し付けであります。
 石炭鉱業における労働者の確保、定着をはかるためには、適正な労働条件の確立及び労働環境の改善をはかることが重要であることは申すまでもありません。政府におきましては、このような観点から、従来、特定の石炭住宅、病院等を石炭鉱業合理化事業団の近代化資金の融資対象として取り上げ、その整備を促進してきたところでありますが、今回、第五次石炭対策の一環といたしまして労働環境の一そうの改善をはかるため、これら福利厚生施設に対する融資業務をこの際独立の業務として特掲し、かつ、その対象範囲も住宅等の関連施設を含める等、拡大いたすものであります。
 次に、近代化機械の譲渡であります。
 石炭鉱業合理化事業団は、石炭の生産能率の向上に必要な新鋭機械の炭鉱への導入を促進するため、いわゆる近代化機械の貸し付けを行なってまいりましたが、機械が採掘権者の所有でないがために管理、改良等の面で不都合を生ずる面もあり、この点を改善するとともに、現在返還されております機械の有効活用をはかるため、必要に応じこれを採掘権者に譲渡し得ることができるよう措置いたすものであります。
 第四点は、石炭鉱山整理促進交付金制度の改善であります。
 現行の交付金制度におきましては、交付金額は、石炭鉱業合理化事業団の業務方法書におきまして、原則として、採掘権または租鉱権及びこれにかかる主要坑道の評価額を基準として算定されることとなっており、また、その交付金額の政令で定める一定割合部分をもって、同事業団が鉱山労働者及び鉱害被害者に対し直接債務の代位弁済を行なうこととされております。しかしながら、このような方法では、代位弁済に充てられるべき金額と、個々の炭鉱の債務の実情とが必ずしも対応しないという不都合が見られるわけであります。
 このため、今回、交付金額及び代位弁済に充てるべき金額の範囲の算定方法を鉱山労働者の退職金の実額を相当程度勘案して定めることに改めることが適当と考えておりますが、このため必要な法律上の手当てとして、交付金額を政令で定めるところにより算定することに改めるとともに、事業団が代位弁済すべき金額の範囲につきましても、現行政令のように割合をもって一律に定めるのではなく、政令で絶対額を定めることができるように改めることといたすものであります。
 その他、以上の改正に伴う関係規定の追加、改正等所要の規定の整備を行なうことといたしております。
 次に、第二条の石炭鉱業再建整備臨時措置法の一部改正につきまして御説明申し上げます。
 まず、現行再建交付金交付契約の期間短縮であります。
 最近の石炭鉱業の資金経理の悪化等を反映いたしまして、石炭企業の資金調達力はきわめて低下している実情にあります。こうした状況に対処いたしまして、政府におきましては、さきに御説明申し上げましたように、石炭鉱業合理化事業団からの運転資金融資の道を開くことといたしている次第でありますが、さらに、現行の再建交付金制度による肩がわりの進行に伴う余剰担保の担保抜きを一そう促進し、石炭企業の担保力の増加による資金調達力の強化に資するため、今回、市中借り入れ金にかかる再建交付金交付契約の期間を一部短縮することといたした次第であります。
 具体的には、現に再建交付金の交付を受けている会社が、再建交付金交付契約の対象となっている市中金融機関からの借り入れ金につきまして、借り入れ契約の変更を行ない、現時点で約十一年となっております残存償還期間を半分の五年六月に短縮したときには、政府はこれに合わせて、その会社と結んでおります再建交付金交付契約を変更いたしまして、再建交付金の交付期間を短縮することができることといたすものであります。
 次に、再建交付金制度の拡充であります。
 石炭鉱業に対しましては、これまで、元利補給金制度、いわゆる第一次肩がわり及び再建交付金制度、いわゆる第二次肩がわりによりまして、元本総額千八百五十億円にのぼる累積債務の財政によるいわゆる肩がわりを行なっておりますが、石炭企業の資金経理はその後も大幅に悪化しており、特に長期借り入れ金の返済負担が依然として企業の経理の著しい圧迫要因となっております。こうした実情にかんがみまして、今回、石炭企業が昭和四十七年六月三十日以前に借り入れた長期借り入れ金債務を新たに再建交付金の交付対象に加えることにより、当該債務につきまして、財政によるいわゆる第三次肩がわりを行なうことといたしたものであります。
 具体的には、現に再建交付金の交付を受けております会社が、昭和四十七年六月三十日以前に借り入れ、昭和四十八年五月一日現在において残高のある長期借り入れ金につきまして、現行の再建交付金交付契約の際と同様、償還期間を十五年に延長すること、金利を三%に引き下げること等を内容とする借り入れ契約の変更を行なったときは、政府は、当該借り入れ金につきまして、再建交付金を交付することができることといたすものであります。
 なお、今次肩がわり措置におきましては、石炭企業の債務の中で、特に石炭鉱業合理化事業団からの各種無利子借り入れ金のウエートが増大している状況に対処して、これらを肩がわり対象に含めることといたしております。また、現に再建交付金の交付を受けていない会社につきましても、過去における再建整備計画の認定と同様の要件及び手続のもとで追加的に再建整備計画の認定を行ないまして、このたびの肩がわり対象会社に含めることができることといたしている次第であります。
 その他、以上の改正に伴う関係規定の追加、改正等所要の規定の整備を行なうことといたしております。
 次に、第三条の石炭及び石油対策特別会計法の一部改正につきまして御説明申し上げます。
 まず、炭鉱整理促進費補助金等にかかる借り入れ金の規定についてであります。四十八年度予算におきましては、総額千九十二億円の石炭対策費のうち、石炭鉱山整理促進交付金及び離職金の経費として、四十八年度の閉山規模を一応三百万トンと想定いたしまして百二十四億円が、また、就職促進手当の経費として十三億円が、それぞれ計上されておりますが、四十八年度は第五次石炭対策の初年度であり、各種対策の拡充強化により石炭対策に必要な経費の大幅増大を来たしたため、予備費を十分計上することができなかったこと等によりまして、万が一これ以上に不測の閉山が発生した場合には、財源に不足を生じ、石炭鉱山整理促進交付金等の交付に支障を生ずるおそれがあります。このため、四十八年度におきましても、四十七年度と同様、炭鉱整理促進費補助金等の予算額に不足が生じた場合には、その不足する額を限度として、石炭及び石油対策特別会計の石炭勘定において借り入れ金をすることができるよう措置いたすものであります。
 次に、借り入れ金の償還期間の延長であります。
 現行法上、特別会計の借り入れ金の償還期間は三年とされておりますため、昭和四十五年度に石炭対策特別会計が借り入れました百七十億円の借り入れ金は、四十八年度にその金額を償還しなければならないことになっております。しかしながら、すでに申し上げましたように、同年度は今次対策の初年度であり、各種助成の大幅拡充、強化を行なうことといたしておりますますので、当初返済を予定しておりました百七十億円のうち九十億円につきましては、その返済を四十九年度に繰り延べざるを得ない事情にあります。このため、特別会計が昭和四十五年度に借り入れた借り入れ金につきましては、その償還期間を特に三年から四年に延長することといたしている次第であります。
 その他、今回の法改正に伴う所要の規定の整備を行なうことといたしております。
 最後に、附則につきまして御説明申し上げます。
 まず、この法律の施行期日でありますが、この法律は、今回の改正に伴います各般の要請及び事務上の必要性等を勘案して、三回に分けて施行することといたしております。すなわち、石炭鉱業合理化臨時措置法の改正規定のうち坑内骨格構造整備拡充補助金及び石炭鉱業安定補給金にかかる部分につきましては、石炭鉱業の資金経理の実情に照らしてその実際の支払いができるだけ早急に行なわれることが要請され、また、石炭鉱業再建整備臨時措置法の改正規定につきましては、今回の改正によるいわゆる第三次肩がわりの対象となる借り入れ金について、石炭企業が借り入れ契約の変更を行なう必要がありますので、これらの規定につきましては、できるだけ早い時期に施行することとし、その施行期日は、公布の日から一月以内で政令で定めることといたしております。
 一方、石炭鉱業合理化臨時措置法のその他の改正部分につきましては、新しい制度の円滑な移行をはかる必要性及び政省令、石炭鉱業合理化事業団の業務方法書等の整備に要する時日等を考慮して、公布の日から四月をこえない範囲内で政令で定める日から施行することといたしております。
 また、石炭及び石油対策特別会計法の改正規定につきましては、この法律が石炭対策にかかる予算上の措置の根拠法であることにかんがみ、この改正法を国会に提出いたしました際は、その時点において期待されました昭和四十八年度予算の実施時期に合わせて、その施行期日を昭和四十八年四月一日としておりましたが、衆議院におきまして、その後の審議状況に合わせて、公布の日から施行することと修正されたものであります。
 このほか、附則におきましては、今回の法律改正に伴い必要となります経過規定その他所要の規定の整備を行なうことといたしております。
 以上、石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要を補足して御説明いたしました。
#88
○委員長(佐田一郎君) 本案は、衆議院において修正議決されております。修正の要旨は、ただいま説明にもありましたとおり、お手元にお配りしておりますように、施行期日は附則第一項第一号におきまして本年「四月一日」とありましたのを「公布の日」と改めたものであります。
 この際、おはかりいたします。石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案につきましては、便宜、石炭対策に関する小委員会において審査をいたすことにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#89
○委員長(佐田一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 これにて午後一時まで休憩をいたします。
   午後零時二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時六分開会
#90
○委員長(佐田一郎君) ただいまから商工委員会を再開いたします。
 金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法律案及び金属鉱業等鉱害対策特別措置法案を一括して議題といたします。
 本日は、両案について参考人の方々から御意見を承ることになっております。
 参考人として、東京大学工学部教授後藤佐吉君、日本鉱業協会会長河合堯晴君、全日本金属鉱山労働組合連合会中央執行委員長原口幸隆君、全日本資源産業労働組合連合会副中央執行委員長橘金六君、以上四名の方の御出席を願っております。
 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。すわったままで恐縮でありますが……。
 本日は、皆さまには御多用中のところ、本委員会に御出席をいただきましてまことにありがとうございます。本日は、ただいま議題となりました両法案について、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を承り、もって本委員会における審査の参考にいたしたいと存じておりますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。
 なお、各参考人にはそれぞれ十五分程度の陳述をお願いして、その後、委員からの質疑にお答えをいただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、まず後藤参考人にお願いをいたします。
#91
○参考人(後藤佐吉君) ただいま御紹介いただきました後藤でございます。
 本日、参考人として発言する機会を得まして、わが国の鉱業界、おもに学会などを中心といたしましてその様子を御説明申し上げることができますことを、非常に感謝いたしている次第でございます。
 私は、昭和二十二年大学を卒業いたしまして以来、現在の非鉄金属製錬の基礎的研究並びに教育に従事しておりまして、また現在、専門分野の学術研究団体でございます社団法人日本鉱業会の理事をこの四月からしておりますが、この機会に、少し関連がありますので、日本鉱業会の活動に触れさせていただきたいと存じます。
 同学会は、明治十八年の三月に創立されましたわが国最古の工学系統の学会でございまして、わが国の鉱業技術の向上に非常に寄与してまいりました。そして現在は、環境問題の技術的な解決をはかるため、いろいろな研究委員会の活動を行なっているわけでございます。その中の一つでございます鉱廃水処理問題につきましては、昭和四十五年から全国の関係大学、研究機関の研究者を動員いたしまして研究を進めております。その成果は期待以上のものがあり、すでに春秋の学会において発表され、その一部は鉱業界において有効に利用されているわけでございます。そのほか製錬排煙処理、あるいはバクテリアによる廃水処理など非常に多岐にわたってわが国の鉱業関係の環境改善技術の向上につとめているわけでございます。
 私も積極的にそれらの研究委員会活動に従事いたしまして、研究報告を学会にいたし、また現在も、製錬廃棄物の有効利用に関する研究を行なっております。そして、それらの知識を生かしまして、通産省の公害保安局内にございます技術検討委員会の委員といたしまして、昭和四十五年には銅、亜鉛、カドミウムの鉱害防止技術指導書というものを編集いたしまして、さらに現在は砒素、水銀に関する同様な指導書を編集中でございまして、鉱山の鉱害防止に役立つよう努力している次第でございます。また、中央鉱山保安協議会委員にも任命されております。このように常日ごろ鉱害防止に関心を持ってまいりましたので、自分の考えていますことを簡単に述べさせていただきます。
 金属鉱業の特殊性というものでございますけれども、重金属は広く地殻に分布してございます。それが自然に濃縮している部分というものが鉱山となっており、その周辺部は非常に希薄になっております。そして、その濃縮した部分をおもに掘るわけでございます。したがって、それを掘り尽くせばその個所はもはや鉱石はなく、自然的に休廃止ということにならざるを得ないわけでございまして、閉鎖するということになってくるわけでございます。
 そして、わが国における鉱業の歴史というものは非常に古く、奈良時代からすでに金、銀、銅あるいは水銀というものが採掘されているという報告がございますけれども、そして、その古い時代には何ら規制もなく、旧坑の坑口または廃滓などというものは放置されてきたわけでございます。一般産業と異なりまして、その歴史は古く、また操業をやめても坑口からの坑水あるいは堆積場からの浸透水のように鉱害の源となるおそれのあるものがあとに残され、いわゆる蓄積鉱害源となってきておるわけでございます。また、操業中の鉱害防止につきましては一般産業と同等に行なわなければならず、操業後の鉱害防止についても、十分あらかじめ留意することが必要であると思われます。このように鉱山の鉱害というものは他産業と異なる性格がありますので、今回、現在審議の対象となっております二法案が立案されましたことに対しましては十分評価いたしたいと思います。
 鉱山の鉱害と申しましても、その種類は種々ございます。有害な物質を含有する水による鉱害、あるいは廃滓の堆積物の崩壊による鉱害、また坑口などへの人の墜落の危険性、また、製錬所におきましては排煙による鉱害などがございます。あるいはその他また突発性な鉱害というものもそのつど考えられるかもわかりません。坑口からの坑内水及び廃滓の堆積場の浸透水といったようなものは、坑内及び廃滓中に残存する重金属鉱物に接触して水が流れてきますので、PH――これは酸性度でございますけれども、PHが低くなったり、酸性度が高くなるわけでございますけれども、高くなったり低くなったり、有害な重金属イオンを含有する場合がございます。このような場合には、坑口を閉塞したり、また浸透水がないように廃滓堆積物の覆土、植栽、場合によってはコンクリートでおおったりするような工事が必要となるわけでございまして、また廃水の処理をする必要がございます。
 次に廃水処理の方法でございますけれども、それは、含有する重金属イオンの種類や濃度あるいは酸性度、また陰イオンの種類、濃度、これは硫酸根であるとか塩素イオンであるとか、そういったものでございますけれども、そういった陰イオンの種類、濃度などによって適切な処理方法を選ぶ必要がございまして、国または今回法案が通りました暁にできることが予定されております金属鉱業事業団におかれましては、先ほど申し述べました学会でございます日本鉱業会の委員会などと十分協力の上適切な指導を行なうよう希望する次第でございます。
 最後に、現在わが国の鉱業技術一般について述べたいと思います。
 再び日本鉱業会のことに触れまことに恐縮でございますけれども、昨年の五月にわが国で鉱業全般に関する国際会議が開かれました。わが国を含めまして二十五カ国から約八百人の学者、技術者の参加を見ました。その国際会議におきまして発表されましたわが国の技術は、世界的な水準にあることがあらためて認識されました。特に、この国際会議の一つの部門といたしまして環境問題が取り上げられましたが、この分野でもわが国の技術水準は世界の注目を浴びたわけでございます。しかし、鉱業の特異性、特に鉱山の経営につきましては、技術のみによって解決し得ない要素を非常に多く含み、高度の技術を持ちながら、現在、数多くの鉱山が閉山あるいは縮小をしいられておりますのは、まことに残念のきわみでございます。しかし、わが国の技術はすでに海外において、一例を申しますと、ザイールのムソシ鉱山、あるいはペルーのワンサラ鉱山はわが国の鉱山技術者によって開発され、現在、稼働中でございます。またマレーシアのカリマンタンのマムートも近い将来鉱石をわが国に送ってくることと存じます。このような海外の開発も、日本国内における高度の技術が温存されてはじめて達成されたものでございます。現在、鉱石の自給率が低いとはいえ、わが国内の鉱山の果たしている役割りは非常に大きなものであり、今後とも国の適切な施策のもとに、業界も努力され、国内鉱山を維持していくよう衷心より希望するものでございます。
 一方、製錬について見ますと、わが国の特徴は消費地の製錬型であり、大部分が臨海製錬所という特徴を持っております。技術的に見ますと、銅の製錬におきましては、自溶炉技術の確立により、ほとんど完全に近い硫黄の回収が行なわれ、アメリカなどにおきましての平均約五〇%程度の硫黄の回収に比べますと飛躍的に進歩しているわけでございます。また、銅の連続製錬技術もわが国で開発され、工業化されようとしておりますが、鉱害のより少ない経済的な方法ではなかろうかと存じます。その成功を願うものでございます。
 しかし、そうかと言っても問題がないわけではございません。将来生ずることが予想されます回収イオンの過剰生産の問題につきましては、現在、鋭意いろいろな方策がほどこされていると言いながら、まだ十分解決されているとは言えません。たとえば石こうなどその用途の一例でございますけれど、石こうなどの用途の開発、それは不燃性の建築材料としてその価値を認めて、そして現在あります可燃性の新建材――現在、少し火事があるとすぐ死人が出てくるといったような、そういった新建材に置きかわるような施策というものも今後大いに考慮していただきたいと存ずる次第でございます。
 以上でございます。
#92
○委員長(佐田一郎君) どうもありがとうございました。
 次に、河合参考人にお願いいたします。
#93
○参考人(河合堯晴君) 私は、日本鉱業協会の会長の河合堯晴でございます。
 初めに、本委員会が金属鉱業につきまして、日ごろより深い御理解と御指導、御助力を賜わっておりますことを心から感謝申し上げます。実は旧臘十二月の二十一日に金属鉱業危機突破大会、詳しく言いますと、政策要求全国大会でございましたが、それに引き続きまして、今年の二月の二十六日に組合が主体になりまして、われわれも協賛いたしたのでございますが、金属鉱業の危機打開緊急大集会を取り持ちました節は、各党の先生方御参加をいただきまして、それぞれ御声援、御激励をいただきましたことを、心からあらためて感謝申し上げる次第でございます。
 特に本日は、金属鉱業の鉱害問題に関連いたします二つの法律案につきまして、業界を代表いたしまして意見を申し述べる機会を与えていただきましたことを、厚く御礼申し上げます。
 両法案につきまして意見を申し述べます前に、この問題の御理解の一助といたしまして、弊業界の現況について一言申し述べさせていただきたいと存じます。
 私ども業界は、わが国産業の基礎原料でございます非鉄金属の安定供給を使命といたしまして、その確保に積極的に取り組み、国内鉱山はもとより、海外におきます資源の確保に努力いたしてまいっております。しかるところ、ここ数年来のわが国経済の沈滞に会いまして、市況は低迷し、さらには御承知のドル・ショックの影響や、かたわら鉱害問題に関連いたします支出増も加わりまして、非常に苦しい状況にあったわけでございますが、そこにさらに、今回の通貨の変動相場制移行に伴います打撃をこうおりまして、経営状況が非常に悪化いたしてまいっておりまして、御承知のとおり、著名鉱山が相次いで閉山せざるを得なくなっておるという現状でございます。
 さて、本題に戻ることといたしますけれども、鉱山の鉱害に関します規制の措置は、他の業界に先がけて種々整備されておりまして、すでに明治の二十年代から独自の鉱害警察体系がつくられておりまして、国の強い監督体制が整備され、特に昭和二十四年、鉱山保安法の成立によりまして、それが一段と強化されてまいっております。
 一方、企業もこのような強い国の監督、規制に応じまして、鉱害の防止に努力いたしてまいりました。特に、最近の公害規制の強化に対応いたしまして、業界といたしましては、ここ数年は年々百億円をこえる資金を投じまして鉱害防止に努力してまいっております。この投資額は、業界の総投資額のうち昭和四十七年度を見込みますと約二七%にあたっておりまして、この比率は他業種に比して著しく高く、また、弊業界の採用いたしております鉱害防止技術及び設備は、欧米先進国に比しても遜色がございませんし、その最先端をいっておるとわれわれは考えておるのでございまして、私どもは、今後とも鉱害防止には万全を期してまいりたいと思っております。しかしながら、鉱山鉱害には他産業にない特殊性がございまして、これにつきまして、少しく補足して申し上げてみたいと思います。
 まず、休廃止鉱山にかかる問題でございますが、一般の産業の公害の防止がほとんどの場合、その操業を中止をいたしますれば公害の防止もやらなくて済むのに比べまして、鉱山業の場合は、操業を中止いたしましても、そのままでは先ほど後藤先生からお話がありましたように、坑口からの酸の強い水や、有害物質を含んだ水が流れ出しましたり、あるいは堆積場が崩壊する――くずれたり、地盤沈下を引き起こすというようなことがございますと、鉱害の原因となることが生じてまいるのでございまして、これに対しまして必要な措置を行なわなくてはなりません。このために鉱山保安法では、鉱山が操業休止いたしましても、操業中と同様鉱害防止を義務づけておりまして、鉱業権を放棄いたしましても、五年間は鉱山保安監督局部長が企業に鉱害防止設備をすることを命ずることができることとされております。
 しかし、ここでお考えいただきたいのは、休廃止鉱山の中には現在の企業の操業によらないものもございますが、現在の法制では、原因行為を行なっていなくても、その責任が、現在鉱業権を持っている企業に負わされることでございます。しかも鉱山業は、操業を長期にわたり継続していくためには多数の鉱区が必要でございまして、その中には多くの古い鉱山が含まれておりまして、かかる休廃止鉱山の管理が企業にとりまして非常に大きな負担となっておるのが現状でございます。
 次に、蓄積鉱害の問題がございます。
 これは、カドミウムなどの特定有害物質が土壌中に蓄積いたしまして、これにより土壌汚染や、いわゆるカドミウム汚染米と申しますか、の発生するなどの問題でございます。これにつきましては、現在の特定有害物質が鉱山操業に関連の深い物質であることから、その責任が鉱山に追及される場合が多いのでございますが、これらの物質は、火山国でございますわが国のほとんどあらゆる土壌中に存在しておるのでございます。かかる物質が経済的に採掘し得るところで稼行いたしておるのが鉱山でございますので、鉱山周辺の土壌中には、一般土壌中に比べまして特定有害物質の含有が高く、言うなれば、相当の自然汚染があると言えるのでございまして、このような自然汚染に遠い昔の鉱山操業による汚染も加わりまして、企業の操業につきましても、戦時中の無理な強行生産が原因となっておる部分もございますし、また、当時では全然予想もされなかった物質が現在問題とされているものもございまして、このような原因による汚染が複合して土壌中に蓄積されたものが現在の土壌汚染であると考えておるのでございます。しかも、このような土壌汚染の解決が、現時点で一挙に現企業に要請されているところに、この問題の困難さがあると存じております。
 次に、法律案に対する意見でございますが、これら鉱害問題に対処するために、私どもはかねてから、国及び地方公共団体の御支援、御助力を賜わりたいと要請いたしてまいっておるところでございまして、つきましては、今回の一連の御措置に関しまして私どもの意見を申し述べさしていただきますと、まず、金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法律案についてでございますが、この改正は、私ども企業が過去の操業にかかる鉱害源に対しまして鉱害防止工事を行なう場合に、本事業団からの融資及び債務の保証を行なっていただくための改正であると承っておりますが、休廃止鉱山の鉱害防止は国民の健康にかかわることであるとされておりまして、早急にその解決が要請されておる問題でございます。
 今回の改正は、かかる鉱害源対策を進めるとともに、これに要します企業の負担を軽減していただけるものとして、時宜に適したことと賛意を表する次第でございます。
 また、国内資源の開発を行なっていく場合でございますが、われわれはスクラップ・アンド・ビルドと申しますか、こういうような考え方で、新しい優秀な鉱床をさがしまして、古い疲れた鉱山をリプレースしていこうといたしておるわけでございまして、これによりまして地域社会の発展と雇用の維持に寄与していきたいと考えておるわけでございます。地方自治体の中には、休廃止鉱山の鉱害問題等々のために積極的な考え方も出ておる現状でございますので、休廃止鉱山の鉱害を始末いたしまして、地域社会に御迷惑をかけないということになりますれば、新しい資源の開発への御協力がいただけるものと存じておりまして、そういう意味でも、まことにけっこうなことと存じておる次第でございます。
 しかしながら、その内容は、要するに、企業の負担で鉱害防止工事を実施させようとするものでございますが、さきにも申し述べましたとおり、過去の鉱山操業の態様並びに自然汚染及び蓄積鉱害の問題もありますので、今後におきましては、より強力な国からの御助成を織り込んだ内容としていただくこと、また、特に中小鉱山に対しましては、その負担能力などから見まして、なお一そうの御配慮を賜わりますようお願い申し上げたいと存じます。
 次に、金属鉱業等鉱害対策特別措置法案に関してでございますが、この法律案におきましては、過去の操業にかかわる鉱害源の対策を国の基本方針に基づいて計画的に推進すること。次に、将来の鉱害防止工事の資金に備えまして、あらかじめ積み立て金を積み立てることがその趣旨と承っておりますが、これにつきまして私どもの希望は、国の基本方針の立案並びに積み立て金額の算定及び積み立て方法に関しましては、実態と必要性に応じて企業の意見をも十分取り入れたものとしていただくことをお願いする次第でございます。
 以上、種々意見を申し述べましたが、鉱害の防止は目下焦眉の問題でございまして、業界といたしましても、力を尽くしましてその打開に当たる所存でございますので、各位におかれましても一そうの御支援、御鞭撻をお願いいたす次第でございますが、この際、最後にあたりまして繰り返してお願い申し上げたいのは、今後におきまして、助成の内容といたしまして、前に述べましたとおり、現在の鉱害防止の責任が一がいに現企業のみに帰し得ない種々の理由がありますことと、今回の変動相場制移行によりまして、弊業界の置かれております困難な立場をごしんしゃく賜わりまして、国からのさらに強力な御支援をお願い申し上げたいと存じます。また、現在及び将来の操業にかかわります公害防止設備等に要します費用につきましても、国家資金の融資ワクの拡大、融資条件の緩和及び税制上の優遇措置などにつきましても、特段の御配慮をお願い申し上げたいと存じております。
 長々と申し上げましたが、私の意見の供述をこれで終わらさせていただきます。ありがとうございました。
#94
○委員長(佐田一郎君) どうもありがとうございました。
 次に、原口参考人にお願いいたします。
#95
○参考人(原口幸隆君) 原口でございます。
 金属鉱業の鉱害の問題については、単に鉱害だけの問題として考えるのではなしに、これから国内の金属鉱山を維持発展させる必要があるのかないのかという観点から、この鉱害の問題に対して考えていただきたいというふうに言いたいと思います。
 昭和三十七年に、衆議院において金属鉱業に関する決議がございまして、国内の金属鉱業については維持発展をはかるということを基本にして、需要業界に対して安定供給をはかれというような意味合いの決議がございました。その決議の精神というものはいまだに変わっていないというふうに私は理解いたすものですが、そうであるならば、現在問題になっております鉱害の問題について、特に蓄積鉱害の問題について、一企業の問題だけにこれをしぼりますと、事実上、企業、産業の存立は非常にむずかしくなるのではないかという懸念を労働組合も持っております。したがいまして、鉱害について特別な国の施策が鉱害直接にあるか、あるいは金属鉱業全体として産業的に国内の産業を保護するという観点から、産業の保護育成政策を根本的に強化をするということがこの問題の解決につながるというふうに私は考えております。
 以下、前の参考人の方となるべくダブらない形で問題点を提起したいと思いますが、鉱山は、明治以来、単一立法によって行政機関の指導監督を受けたという点については、河合参考人が指摘をされましたけれども、これはほかの産業にはないきびしい操業を指導監督のもとに行なってきていると、さらに戦争中は、重要鉱物増産法に基づく国家管理の中で強制的に乱掘増産をしいられた、これが今日の蓄積鉱害の大きな原因となっております。これについて国家の責任が果たされているのかどうかという点について疑問を持たざるを得ません。同じような事情にある石炭産業には手厚い鉱害助成策がとられておりますが、金属鉱業には何らの助成策もございません。こういう国家政策の不均衡、不公平というものは早急に是正されなければならないというふうに存じます。石炭の場合は、戦時中の採掘に基因する鉱害復旧には国の大幅な援助で、またそれ以外の鉱害復旧についても国家の補助策がとられておりましたが、金属鉱業にはこういう補助策がございません。
 さらに、蓄積鉱害の特徴点については、お二人の参考人が述べられましたから省略をいたしますが、特に、金属鉱業のメーンメタルである銅を例にとりますと、これはロンドン相場において価格が一方的に決定をされます。したがって、ほかの産業の公害除去に関する費用は、その産業、企業の中でそれをコストに入れ、価格に転嫁するというような操作が可能でありますけれども、金属地金につきましてはロンドン相場で自動的にきまって、そのワクで価格が自動的にきまりますために、鉱害に関する多くの費用というものを企業、産業の中でコストに転嫁をするということが事実上むずかしいという状況がございます。この点は、ロンドン相場の不当性という問題を国際的に解決するか、もしロンドン相場を国際的に解決できないのであれば、国内的な仕組みによって価格の安定をはかり、鉱山の安定に結びつけ、また、需要業界に安定供給ができるというような根本的な施策をわれわれとしては前から主張をしてきたところでございますが、この鉱害について、端的にこの問題がやはり解決されなければならない重大な問題であるというふうに指摘しなければなりません。
 で、労働組合としては鉱害についてきびしい態度をもっていままで対処してきたつもりでございますし、また今後もきびしい態度で相対していきたいと考えております。それは、国内鉱山を、あるいは金属鉱業を何とかして正しく維持発展させていきたいという念願が、鉱山に働いている労働者の率直な気持ちであるからであります。しかしながら、現状は、各山において鉱害の問題の処置について、いろいろ社会的な問題が起こり、また、企業の大きな負担もあり、そこのもとに働いておる労働者としては、たいへんな不安の気持ちが広がっておるわけで、このままに放置するならば、鉱山にほんとうに働く労働者が今後維持できるかどうかという点についても、きわめて不安な状態にあることを申し上げなければなりません。
 鉱山に働いている労働者も、かつては十万以上ございましたけれども、現在は三万を割っております。これ以上の労働者がさらに減っていく場合には、労務倒産、働く者がいない状態で産業が放置されるという懸念もございますし、われわれの立場から言っても、ぜひともこの鉱害について国の責任というものを具体的に明らかにすべきであるというように考えるわけでございます。過去における蓄積鉱害を現在の企業が全面的に背負うということは、先ほど申し上げたように、事実上不可能でありましょうし、また、長年にわたる国の政策が、この際、一企業だけの責任においてその解決を求めるという態度は、はたしてどういうものであろうかと疑問を感ぜざるを得ないわけであります。
 冒頭申し上げましたように、金属鉱業の蓄積鉱害を中心とする鉱害の問題については、国内鉱山を維持発展させるという国の基本的な姿勢がはっきりすることによって、具体的にそれを可能にする施策というものが鉱害に向かって進められるべきであるという基本的な考え方を私は持っております。そういう意味で、この二法案の仕組みについては評価をいたします。しかしながら、少なくとも、国が鉱害についてどういう具体的な措置をするのかという点についての姿勢、態度については、まだまだ不十分である、このままの状態では今後の国内鉱山の維持発展が非常に不安定なのではないかということを、去年からことしにかけての国内の各鉱山の休廃止、縮小というような問題を通じまして感ぜざるを得ないわけでございます。
 なお、河合参考人も申されましたけれども、この二法案の具体的運用にあたっては、通産省において持っておられる鉱業審議会というものが、関係団体が集まっておりますので、そういうところを十分に活用されて、関係者の意見を十分に聞いて運用されることを希望いたします。
 以上です。
#96
○委員長(佐田一郎君) どうもありがとうございました。
 次に、橘参考人にお願いいたします。
#97
○参考人(橘金六君) 資源労連の副中央執行委員長の橘でございます。
 私は、金属鉱山の中で働く者の立場から参考意見を申し上げてみたいと思いますが、まず、現在の私どもの働く環境につきまして若干申し述べていきたいと思います。
 一昨年の円の大幅切り上げで、特に非鉄金属鉱山は重大な打撃を受けております。従来から問題になっております鉱害防止費用の急増あるいは銅価格の長期的低迷という悪条件が重なりまして、四十七年度中の休閉山は四十数鉱山という数字になっております。特に、従来と異なってまいったのは、かつて、名山といわれました別子、生野、足尾、尾去沢あるいは日立という著名な鉱山が閉山もしくは縮小のやむなきに至っておるということであります。われわれこの産業に働く者は、非常な危機感を持っておる次第でございます。しかも、このような状態の中で迎えました円のフロート、こういうものはわれわれ働く者に、一体、将来非鉄鉱山ってどうなんだというようなことにもなるような事態になっております。
 通貨調整による影響というものは、国内鉱山の将来計画に対しまして、あるいは見通し等からきわめて困難であり、ドル建てで契約をしております製錬所の買鉱条件も実質的に低下を余儀なくして、鉱山、製錬ともに壊滅的な打撃を受けているという実態だろうと思います。年間、銅にいたしますと九十七万トン、亜鉛が七十七万トン、鉛が二十三万トンの国内需要に対しまして、一体、安定供給が期せられるのかどうなのか懸念もあるわけであります。産業政策上も重大な問題であるというふうに判断をいたしておりまして、私どもは積極的な陳情行動を実施いたしておるわけでございます。
 円の切り上げの影響でございますけれども、銅、鉛、亜鉛が、初年度におきましては相当な影響が出ておると思いますけれども、金属鉱山の産業政策上の位置づけをひとつはっきりしていただかないと、私ども働く者の立場からは非常な不安であるということは、先ほど申し上げましたけれども、この辺については十分な御留意を賜わりたいと思います。特に資源開発につきましては、積極的な助成をお願いをいたしたいと思います。国内鉱山の育成は、鉱物資源の安定供給にとどまらず、地域的にはきわめて過疎地帯にございます。そういう意味でも、長い間この地域の中における経済の貢献度というものは、歴史的に見ましても非常に大きなものがあったろうと思います。
 また、国内鉱山を存続させる第二の大きな理由といたしましては、海外鉱物資源の確保のための技術、これは海外に出て鉱山を開発をし、あるいは探鉱をするという場合に、現在の技術というものは長い間蓄積された技術でありますから、こういうためにも、現在の国内鉱山というものを残しておく必要があろうと思います。また、非常にこのごろ問題になっております資源確保という問題にいたしましても、これもきわめて私どもは重要なことであろうと思います。こういう意味合いから、先ほど申し上げましたように、国内鉱山の積極的な助成を望むものであります。
 現在の諸制度の中で特に探鉱助成額の大幅なひとつ増額を求めておりますが、資源開発というものは、他産業に見られない特殊な作業の性格上、御理解をいただいておるものと思いますが、いままだ、この狭いといいます日本の中でも、私どもは、まだまだ探鉱すれば国内資源というものは確保できる、こういうふうに見ております。また、鉱山というものは、きのうやりましたからすぐ鉱石が出るというものではございません。探鉱に入りましてその鉱石が出てまいりますのは十年、十五年という長期的な期間がかかります。そういう意味からいきましても、将来的な問題として、現在の私どもの働いております産業に対する政策について要望をいたしておきます。鉱害対策に関連いたしましたこの二法案でございますけれども、この中で私どもが申し上げたい点につきましては、金属鉱物探鉱促進事業団法の一部改正に対する問題につきましては、政府の積極的な姿勢に対して高く評価をいたしておりますが、原則的には理解をいたしておりますが、幾つかの点について申し上げたいと思います。
 一つは、融資ワクは全額にしていただきたいということでございます。それから、積み立て制度ではなくて融資制度をしてもらいたいという、これは特定施設に関する鉱害防止積立金をさしておるわけでございますけれども、将来はひとつ国の助成についても考慮を願いたい。その理由につきましては、先ほど原口参考人のほうからもございましたけれども、蓄積鉱害というのは、歴史をさかのぼりますと千年以上昔から日本の非鉄金属はあったと思いますし、特に銀鉱山などにおきましては、銀を取るために鉛、亜鉛等は酸化をさして、そして銀だけを取ったという歴史もございます。そういう中における酸化物、あるいはそのときには利用できなかった鉱石等も広範囲に捨てられ、堆積をされております。そういう意味からも、ひとつそういうような点について十分な御配慮を賜わりたいと思います。
 私どもの働いております環境については、必ずしも他産業に比しまして労働条件はよくございません。賃金あるいは一時金にいたしましても、きわめて苦しい実態でございます。これはやはり鉱業政策というものは、私どもがこの産業に入りましてから二十五年になりますが、振り返ってまいりますと、非鉄金属の価格というものは過去二十数年ほとんど上がっていないと思います。安定した形で現在までまいっておると思います。こういう意味では、私どもは国民生活の中における位置づけとしては非常によかったとは思いますが、その反面、私どもの労働条件というものは他産業に比してきわめて格差がある、こういう状態の中で、しかも、現在のような形で蓄積鉱害まで全部いま生きているわれわれがそれを償うのだということになれば、自分たちの産業にもとどめられなくなるという重大な事態でありますので、この点も十分にひとつ御配慮をお願いをしたいと思います。
 以上でございます。
#98
○委員長(佐田一郎君) どうもありがとうございました。
 以上で参考人の方々の御意見の陳述は終わりました。
 これから参考人の方々に対する質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#99
○阿具根登君 忙しいところ、まことにありがとうございました。参考人の方々の御意見を拝聴いたしましたが、ほとんどの方が、公害もさることながら、金属鉱業を一体どうするんだという御意見が主になっておったと思います。で、後藤参考人からは、優秀な技術を持っておりながら今日の閉山の多いということはまことに残念だと、こういう意見がございましたし、また原口参考人からは、まず鉱山を維持育成するという面にもっと大きな目を向けなければ鉱山自体がつぶれてしまうんじゃないか、こういう意見でございました。また橘参考人からは、産業政策の位置づけがはっきりしておらない、これをはっきりせい、こういうことを言われました。また原口さんから石炭との引き合いも出されましたが、石炭は御承知のように、二千万トンを下らないものを昭和五十一年までに確保するという、量がぴたっときまっておるわけなんです。そうして、今度はそれ以上掘っても売れないぞと、何ぼ掘っても使うところがないぞという、まあ大きな規制がされておる、こういうこともございますが、鉱山のほうでは、私は、掘れた鉱石が使われないということはないと思う。そうしますと、もっと石炭よりもやりいいんじゃないか、こういうように思うわけなんです。
 そこで、後藤参考人にお尋ねいたしますが、これだけのよその国に比べてきわめて優秀な技術を持っておる鉱山が閉山を今日非常に進められておると、これをとめるためには一体どうしたらいいのかというのをひとつお聞きしたいと思います。
 それから、河合さんは業界の代表でございますから、少し突っ込んだ御質問を申し上げたいと思うのです。そういたしますと、河合さんの所属されております日本鉱業もずいぶん鉱山を分離されるということが発表されておりますが、分離ということの利害をひとつ教えていただきたい。分離すればどこがどういうふうに利益になるのか、どこがどういうふうに損害があるか、だからなぜ分離しなければならないのかという問題をお聞きいたします。
 それからもう一つは、これはちょっとそれぞれメリットがございますから、おわかりにくいかもしれませんが、私もわかりませんが、輸入鉱石の単価と日本で堀り出す鉱石のコストにどれだけの差があるか。これはパーセントがいろいろ違うでしょうから、はっきりとわからないかもしれませんが、一応平均的に見て、日本で鉱石をいまの鉱山で掘った場合のコストと、それから海外から輸入する場合の輸入価格とどれだけの開きがあるのか、その点をひとつお尋ねいたしたい、かように思います。
 それから原口参考人、橘参考人にお聞きいたしますが、仰せのとおりに、長い間蓄積したこの鉱害を、何もかも企業に、おまえたちの全部これは責任だということはこの法律ではなっておらないわけなんです。こういういわゆる長い間で、しかも不在のものは国が八〇%ですか、地方公共団体があと二〇%を持って、これはもう企業家はおらないんだから、ひとつ国と地方自治体でやろうじゃないか、こういうもんだと思うのです。それからそのあと今度は、大手と中小に対する七〇%、六〇%という問題もございます。それからさらに今後の問題、これから起こる問題に対しては積み立ててくださいよと、こういうことに三段階にきちっと分かれておるわけなんです。それで、これを三つとも鉱害に関するものは全部国が持ちなさい、こういう意見なのか、それとも、不在鉱山はこれはもちろんそうだけれども、もう何百年も掘った炭鉱のやつを、企業に金は貸してやるけれども、その金は払わにゃいかん金だから、これじゃやっていけんのじゃということなのか、三つに分かれておりますので、その点の御意見をお聞かせ願いたい、かように思うわけです。
#100
○参考人(後藤佐吉君) 非常に優秀な技術を持っていながら、現在閉山に追い込まれているというその理由はいろいろあると申し上げましたけれども、じゃ、それをやめるにはどうしたらいいかということでございます。それはどうも私、技術的な面しかあまり存じ上げておりませんで、むしろ、経営的な面のほうから考察するほうがよろしいんではなかろうかと思う次第でございますけれど、私が知っている範囲において御返答したいと思います。
 一つは、国際的なLMEの価格の下落というか、値段がわが国の鉱山の採掘コストに比較いたしまして、安いということでございます。じゃ、わが国の採掘コストがなぜそれほど技術がありながら高いかということでございますけれども、これは鉱山の粗鉱品位が非常に低い。さらに、採掘条件が非常に深部にわたっているとか、あるいはその他いろいろな技術的な悪条件が重なっているとか、事実、わが国の技術ですでに海外で開発している鉱山におきましては、採掘コストはわが国で採掘するよりも安くついているのではなかろうかと思います。もちろん、人件費が安いということはございますけれど、しかし、技術者といたしまして、人件費を安くして価格を下げるということはとうてい忍びないことでございまして、それは返答にはならないと思います。
 それが大きな理由でございますけれど、しかし、じゃ、閉山をやめるにはどうしたらいいかということでございますけれど、わが国の銅鉱山が閉山をしいられているその一つの理由といたしまして、もう一つは、わが国の銅鉱山は、これは私、地質のほうは専門ではございませんけれど、層状含銅硫化鉄鉱床、いわゆるキースラーガーという山がほとんどでございまして、それからは硫化鉄鉱でございますか、パイライトが相当銅と一緒に産出されるわけでございます。現在までは、パイライトは有効な硫黄源として売れていたわけでございますけれど、最近の情勢では、先ほど私が述べましたように、回収硫黄が過剰になりまして、現在また少しいいようでございますけれども、しかし、長い目で見ますと、松尾鉱山がつぶれた、あるいは硫黄鉱山が日本では閉鎖されたといいますような理由によって、パイライトが売れなくなっているという理由も大きな理由でございます。
 しかし、それを解決するにはどうしたらいいかということでございます。これはもう技術者の責任もあるわけでございますけれど、硫黄の用途の積極的な開発と、さらに、焼いたパイライトを製鉄原料として有効に利用する。現在、焼いたパイライトを製鉄原料として日本では利用しております。そういう工場も日本ではつくりまして、世界に技術輸出しているような条件でございまして、非常にその点においてはわれわれは日本の技術を高く評価するわけでございますけれど、さらに製鉄業界におきまして、その中に入っている不純物が銅があるとか、あるいは亜鉛が少しあるとかという理由で非常に使用するのをいやがっているような現象があるわけでございます。そういった銅、亜鉛、鉛、金、銀といったようなものがわずかでございますけれど入っております。そういったものを有効に分離して、そのかすを製鉄原料として利用していただくというような方法にさらに積極的に進んでいただくということにいたしますれば、少しでも技術的にいいまして、閉山を少なくするというようなことも可能ではなかろうかと思う次第でございます。
#101
○参考人(河合堯晴君) ただいまの御質問の第一点は、企業の分離、鉱山の分離と申しますか、われわれは分離と申しませんで、とにかく、独立体制ということで実は呼びかけておるのでございますが、目下、労働組合と鋭意ずうっと、もう五十数日かかりましたけれども、まだ交渉中でございますので、結論を申し上げられません。
 利害得失はどうかという御質問でございますけれども、私も実は鉱山屋でございまして、昭和四年から日立へ二十年間勤務いたしております。全勤務の半分は鉱山で過しております。その後も鉱山の仕事を担当してまいっておりますので、鉱山に対する愛着と申しますか、それを含めて感慨はまた別なものを持っておる立場でものを申し上げるわけでございますが、分離からくる利害得失はそれ以前のものを実は考えておるのでございまして、会社が当面していま交渉いたしております一つの眼目、三つございます。
 一つは、何と申しましても雇用の維持を一つねらっておる。それと次は、これは順序は不同になりますが、先ほども橘参考人からお話がありましたように、地方に鉱山がございますので、地方の経済的と申しますか、文化的と申しますか、全面にわたりまして地方のいわゆる経済的安定ということ、それを非常に重大に考えております。それが第二点でございます。第三点は、この狭い国でかなり重荷を負ってきた鉱山の歴史から見まして、かなり疲れておることも事実でございます、旧来の鉱山は。それをできるだけ資源を温存と申しましょうか、有効活用と申しましょうか、それを念願いたしまして、とにかく続けるだけ続けていきたいというこの三点なのでございます。
 そのいま最後の資源の温存と申しますか、有効活用、これは現在、私のところも取っ組んでおりますが、各社ともに取っ組んでおります。海外へ出て開発するいわゆる基盤と申しますか、下地、これは技術であり、人材でもございましょう。これはこの鉱山によってつちかわれていっておるのでございますので、非常に大事な存在だということのこの三点と取っ組んで実は進めておるのであります。
 結論を申し上げますと、鉱山をとにかく生かすために、われわれとしてはやむを得ない措置だというふうに考えております。それぞれ鉱山は先ほどお話がありましたような地方に存在いたしておりますので、地方地方でとにかく生活と申しますか、しあわせと申しますか、それを享受し得る一つの道もあるんじゃないかと、私は身をもって体験しているつもりでおりますけれども、そういう意味合いで、ひとつ今後とも長生きしてほしいというたてまえで実は呼びかけておるというのが現状でございます。
 詳しくは、社内にいろんな経理的な問題もございましょう。いろんな問題を申し上げますとまたおわかりいただきやすいかもしれませんが、ここ両三年、私のところは新潟で天然ガスを生産いたしておりまして、ガスのなにとしては、比較的コンビナートとの関係で低いのでございますけれども、これは当たりますとかなりの収益も出る、その収益金で鉱山部門をまかなってきておるということは現実の姿でございますが、これでできれば機会を得て早く立ち直ってやってもらいたい。鉱山のことでございますので、かなりの探鉱費も投じておりますので、その期待をずっと続けてまいっておりましたが、先ほど御説明申し上げましたような環境になりまして、非常に苦しいということでございますので、できるだけひとつ長生きしてほしいという配慮から、やむにやまれぬと申し上げますと言い過ぎかもしれませんが、最善の策ではないかということで、鋭意、いま私のところの組合とも精力的に交渉を続けておるというのが現状でございますので、御理解いただきたいと存じます。
 それからコストの問題、これはなかなかむずかしい問題でございますけれども、一がいに申し上げますと、先ほど後藤参考人も申し上げたように、私も触れましたように、かなり重荷を背負ってきた小鉱山でございますし、何といいましても鉱量の問題、品位の問題、技術的には優秀でございますけれども、限界がございますので、なかなかコストが下がらない。と同時に、原口さんもいらっしゃいますけれども、他業種並みに近いベースアップに耐えていくということ、これは当然の配慮でございますので、できるだけの配慮はいたしておるつもりでございますが、残念ながら低いかもしれませんが、そういうようなことからくるコストアップの原因で、国内のいわゆる仕上がり価格は高くなります。
 その反面、外国はかなり規模も大きゅうございますし、露天掘りも多いせいもございます。品位は低いのでありますけれども、コストは非常に低いということがもう通念だと考えております。長い一万海里以上の船賃を向こうが持って日本の港へ着けましても、太刀打ちするのが容易じゃないというのが現状ではないかと考えておりますが、これも、先ほどお話しありましたLMEの価格によってのなにがございますので、現状の価格からいきますと、ちょっと息をついておるというのが偽らないわれわれの立場ではないかと考えております。
 年々ベースアップに応じてまいります態勢からいきますと、諸物価も上がりましょうし、決して楽ではない。一般的な傾向でいきますと、コストは日本のほうが高いということは率直に申し上げられるんじゃないかと思います。これは、コスト関係も外国の山なんかは極秘でございますので、なかなかうかがえませんけれども、昔の数字だと、時間がたった現在だと発表もございますので、できましたらそういう方面も渉猟してみたいとも考えておりますが、私ども、先ほどちょっとお触れになりましたザイールでも仕事をやっております。
 その数字から見ましても、いま申し上げました大西洋岸から日本へ着けて、運賃がかなりの負担になっておるでございましょうが、それと向こうの支払い、それを加えてなおかつ日本へ売り込むだけのゆとりを持っている。若干の、計画どおりいきますと、借金は十分返して、あとはザイールと日本との公正な分け前をいただこうというようなことでやっておりますので、規模の大きいこともありまして、率直に申し上げまして、外国のほうが安いということは申し上げられるんじゃないかと思います。
 以上で足りませんだったら、またあとでいたします。
#102
○参考人(原口幸隆君) 先生のほうから三つに分けて整理をされたわけですが、これから新しく出る鉱山の鉱害については、これはもう企業の責任は明らかなんでありますから、これを国家でどうしようということはきわめて無責任過ぎますから、厳重にして、これは企業の全責任において処理をしてもらうというふうに考えております。
 それから、大手と中小の違いについては、違うやり方を考えられた善意といいますか、ねらいはわかるんですけれども、これが悪く利用されて、ほんとうは大手の中にも中小鉱山がたくさんあるんですが、いわゆる企業体の大手と中小というふうに分けて利子その他の区別をつけるということは、第二会社をつくったほうがよろしいというような気持ちにもし通じていくとすれば、きわめて危険なことなんで、この点の歯どめというものがはたしてあるのかどうかという点になると、疑問だという見解を私は持っております。
 それから、無資力休廃止鉱山に対して、現行制度でも、鉱業廃止後の五年未満であっても鉱害防止義務者が無資力の場合には補助金の対象になっております。したがって、意識的に第二会社、中小鉱山、無資力倒産というようなつなげ方をされるんではあるまいかという不安感は、率直に言って山にいる労働者は感ぜざるを得ないわけです。この点は、無資力の鉱山を国が、あるいは地方自治体が補助をするということの制度については非常に望ましいわけですけれども、それが悪用されていくという危険性を若干感ぜないではないと。
 それから一番重要な点は、やはり過去の蓄積鉱害については、私はこの二法案は、形式的には企業の責任にして、そうして企業だけではむずかしかろうから、長期、低利の融資をしてあげるんだと、積み立て金を積みなさいというようなふうに、あくまでも単位としては企業の責任ということが前面に出ております。ここにおいては、国の責任というものが一応隠れているという形になっていますので、この点は私は、国の責任というものが単に長期、低利の融資制度をつくるだけではなしに、国自身の責任分担がなされてないではないかということを指摘したいわけです。
 で、悪いことを予想しますと、企業は私は長く残っていくと思います、鉱山会社は。しかし、鉱山はなくなるかもしれない。脱鉱山で、あるいは製錬所、あるいは多角経営という形で、企業は残って鉱山はつぶれるという懸念というものをやはり若干感ぜざるを得ませんので、この点については、この二法案の問題と同時に、金属鉱業の国内鉱山に対する国の姿勢そのものの態度というものをはっきりしていただきたい。それをすれば、おのずから具体的な施策があってしかるべきなのではなかろうかということを感じておるわけでございます。
#103
○参考人(橘金六君) いま先生のほうから御質問のございました、三つの問題の中における現在鉱害防止義務者が存在するものにつきましては、まず、この中で四十六年度末現在の鉱害防止事業総量というものを予測をしておるようでありますが、この鉱害防止義務者が存在をいたしておりますその事業総量というものは二百六十億以上になっておるようでございます。こういう数字を見てまいりますと、今後この法律によって随時なされていくというふうに私は理解をいたしておりますが、先ほども原口参考人のほうから出ました大企業と中小企業の位置づけの問題でありますけれども、鉱山というのは一つの企業体の中における私どもは個別の一つの何といいますか事業所、非常に強い、何といいますか、経済的な意味では独立をしているような形でございます。
 大きな企業の中でありましても、それがそれぞれ二百人の山、三百人の山、千人の山というような形でありますとともに、そこから産出されます鉱石の品位なり、あるいはコストというものは全然違っております。そういう意味で、ひとつこういう貸し付け金利の差というものはわからぬではないわけですけれども、先ほどもありましたように、ややもすれば、そういう意味合いから分離をするというような危険がないでもない。また、先ほど言いましたように、たとえ大企業であっても、それぞれの山という立場に立つならば、そう、何といいましょうか、大企業であるから中小企業よりもよけいに負担をするという点については、若干私どもは問題があるんではなかろうかと思います。先ほども申し上げましたように、現在の蓄積鉱害というものはきわめて長期間でありますし、また、これはわれわれ労使にとってはやらなきゃならない責任もありますけれども、そういう意味合いからも、できる限りの国に対しての御援助をお願いをしたいということであります。
 それから、将来にわたる問題でありますけれども、確かに、始めるときから積み立て金をしておきながら、その山が閉山するまでの一つの形として責任を持たせるという点につきましての大筋につきましては、私ども十分に評価をいたしておるわけでありますけれども、しかし、それで全部事足りたという意味合いでは、私は、将来の非鉄金属の位置づけという中では若干問題があるんではないだろうか、こういう危惧を持っておるということを申し上げておきます。
#104
○阿具根登君 これでやめますが、私が一番お尋ねしたかったことを原口さん、橘さんからすぱっとお答えしていただきまして、まことにありがたいと思います。一番それは私が心配しておったところでありまして、分離の条件になりやしないか、これは皆さんどういうふうにお考えでしたろうかというのを舌足らずで御質問申し上げましたけれども、ずばりお答えいただきまして、私もそれを非常に懸念しておるわけなんです。
 それからもう一つ、河合参考人にお尋ねいたしますけれども、先ほど申し上げましたように、たとえば石炭は二千万トンなら二千万トンは国内の石炭を使うんだと、あとは輸入するんだというような一つの線が一応でき上がっておるわけなんです。すると、鉱山のほうはいまのままだったら、まあお気持ちはよくわかりますけれども、おっしゃいましたように、輸入したほうがうんと安いんだと、税金もかからない。鉱石については税金もかかりません。いまはどんどん相場が、非常に四十何万とかなっておりますから、そういうときは買わぬでもゆうゆうとやっていける。やっていけなくなったらば、税金が関係ないから外から楽にいける。
 こういうことになってみますと、たとえば、現実の例を出してこれはまことに恐縮なんですけれども、これは私の考え方ですから。たとえば足尾が閉山になった。ところが、その足尾に製錬所は依然として残っておる。製錬のだけは残しておりますよ。そして鉱山は閉山になる。これはよそから輸入してきて、そこで製錬をされる。そうしてきますと、今度はその製錬所自体も、こんな栃木の山の中にわざわざ運搬してくれば運搬賃がかかるから、なるたけ運搬賃のかからぬように臨海地区に持っていこうじゃないかというのは、これは企業家としては当然私は起こってくると思うのです。そうすると、もうそこは完全なる過疎になってしまう、何にもないようになってしまう。そういう意味も一つありますのと、これはやはり技術も非常に進んでおりますが、安い鉱石を外国から持ってきて、そして日本で製錬したほうが一番いいじゃないか、こういうようになってくると、独立とはいうものの、これは鉱山を見捨てるようになってくる。
 いま炭鉱だってそうです。石炭が営々と働いて、石炭からいろいろな部門が生まれて出てきた。今度は石炭が重荷になったところが、石炭を分離する。いまこれが石炭全部やっているところなんです。全部分離して、石炭なら石炭で一本立ちやりなさい。いけないようになったのにやっていけといってほうり出しているのが石炭の現状なんです。それをそのままあなたにお伺いするのはまことに失礼ですけれども、製錬はゆうゆうとやっていけるのです、これは、外国から安い鉱石がどんどん入ってきますから。それに太刀打ちもできない鉱山に、おまえたちは自分でやっていきなさいといって分離してやっていけるかどうか。おまえたちはそこでもう終わりですよという宣告を与えるような気が私はしてしようがない。
 だから先ほどのコストの問題もお尋ねしたわけですけれども、やっていけるとお思いですか。私はここに何かの、やっていけないならばやっていけない、石炭に対しておるような補助策をとるならとる。しかし、経営者なら経営者は、日本に必要な鉱石の何十%、いま三十何%だと思いますが、何十%はわれわれが責任を持つのだというような一つのものがなからねば、私は、四人の参考人から言われたやつが、そうおっしゃるけれども、実際、会社の政策はないじゃないか。国にないと言うてしかられるならば、国に、こういうことをやっちゃどうだ、われわれはここまで責任を持てるのだというような一つのものがあったら非常に私たちもありがたい、こう思うのですが、そういうことはいかがでしょうか。
#105
○委員長(佐田一郎君) ちょっと河合参考人に申し上げますが、あとまだ阿具根先生のほかに三人もございますので、ひとつ要点を集約してお答えいただきたいと思います。
#106
○参考人(河合堯晴君) いまの御質問でございますけれども、安い鉱石が入ってきて、国内が太刀打ちできないという御質問でございますが、先ほど来御説明がありましたようなLME、昔は二、三年前はEMJというアメリカの建て値がございました。われわれはそれをとっておったわけでございます、比較的安定しておりましたから。生産者が建てております値段でございますので、それをやっておりましたが、これが消えてしまいまして、LME一本になったわけでございます。その価格で輸入する鉱石、それを製錬所は見て入れるのでございますから、片や日本の国内のやつも、LMEの価格を円に直したその価格でやりますから、安い鉱石が入るということじゃないわけでございます。ですから、その点がちょっと違っておるのじゃないかと思いまして、日本の国内のほうの鉱石のコストが上がりますのは、先ほど簡単に申し上げましたようなことでございます。
 それと太刀打ちするためには、先生が御指摘になりましたような安定帯価格と申しましょうか、ある程度の配慮のある価格を、それもそう大量じゃございません。銅は、おそらくスクラップを除きますと一〇%程度でございましょうから、その御配慮が国ないし同時にユーザーのほうでございますね、お使いになる方、これは関税問題もからんでまいりますが、これの御納得をいただきながら、国内鉱山をとにかく維持発展さしてやろうという親心がございましたら不可能ではないと、私としてもお願いを申し上げたいということをはっきり申し上げられると考えております。これは通産当局へいろいろお願いを申し上げていかなくちゃならぬ問題、それとユーザーとの話し合いでございますね、関税問題もひっからんでの問題。現在、関税が施行されておりますのは、大義名分は国内鉱山育成のためということで、製錬会社もある程度プラスの庇護を受けておりますもので、その余裕で国内鉱山の鉱石を高く買っておるということは現実でございます。そういう点で御了解いただきたいと考えております。
 古河さんの足尾の製錬所の問題は、先生御指摘のような傾向じゃないかということを、私も心配しております一員でございます。
#107
○中尾辰義君 河合参考人にお伺いしますけれども、いまも少し触れられたんですが、ロンドンの金属取引所による価格形成のことでありますが、この改善が可能なのかどうかですね。御承知のとおりに、銅をはじめ主要金属の価格はロンドンの取引所によって非常にきまってくると、暴騰、暴落をいたしまして、わが国の業界は非常に大きな打撃を受けておる、こういうことでありますけれども、このロンドンの取引所は、会員数をリングメンバーと呼ばれる四十社、これに制限するなどの方法で価格の決定を行なっております。この価格の決定の構造にメスを入れ、合理的な価格形成が行なわれるように改善することはできないのか、その辺のところですな。それから、わが国が主導権を持ってやれるかどうか。それからまた、最近の新聞にも出ておりますけれども、わが国からも三井物産、三菱商事あるいは日商岩井、こういう会社が合弁会社の形でロンドンの金属取引所に名前を連ねている、こういうふうに出ております。これはわが国の利益になるような価格形成、つまり、価格形成を合理的にするような作用を持たれているのかどうか、この辺のところをまずお伺いしたいと思います。
 それから、後藤参考人にお伺いしますが、現地製錬と鉱害の問題ですがね。この問題は、石油なんかの場合もよく言われておりますけれども、まあ鉱害防止の観点から、わが国においては製錬所の立地がすでにもう限界に来ておるというようなことで、資源国の製錬所有地の基本から現地製錬を推進しよう、そういう声もあるわけですね。それで、先生のお考えはどうなのか。もちろん公鉱害は、現地製錬するということは、これはもう鉱害を輸出することじゃないか、こういう意見もありますし、そういうような先生のお考えをお伺いしたい。
 それからもう一つ、これは、最初に少し先生からの説明もありましたけれども、今回のこの金属鉱業等鉱害対策特別措置法、これを見ますと、抗水、廃水による鉱害を生ずることがないように鉱害防止の特定施設、こういうものをつくらなければいけない、こういうことですが、これは技術面においてどの程度までいっているのか。政府が廃止基準等をつくっておりますけれども、あの許容基準まで実際いけるのかどうかですね。現状と、それから将来の技術の進展によってどうなるか。その辺のところをお伺いしたいと思います。
#108
○参考人(河合堯晴君) いまの御質問でございますが、結論的に申しますと、非常に困難な問題だと申し上げざるを得ないと思いますのは、非常にLMEと申しますのは伝統も持っております。特にEC関係と申しますか、ヨーロッパ中心、アフリカ地帯、あの付近を中心に、それと同時にアメリカへのインフルエンスを持ちながら古い伝統を持っているなにでございまして、特に、いま申し上げましたような国が資源を開発しておる。その国の会社が資源を開発しておりますので、非常にそれとのリンクにおきまして強い伝統力を持っております。
 と同時に、向こうのヨーロッパはその取引でヘッジもきくものでございますから、ちょうど日本の株式の市場のような取り扱いで、考え方で運用いたしておりますので、ある程度の危機の負担があれば、ヘッジしてそれをキャンセルしていくというようなことがあるんでございますけれども、日本は何しろ事情も違いますし、離れております関係でそういう器用なこともできないというようなことで、あれを日本が全面的に利用するということが不可能でございます。あれに何らかの影響力を与えなくちゃならぬということは、われわれも好ましいんでございますけれども、あの連中はそれで満足いたしておるわけでございます。特に西ドイツあたり、日本に次ぐような消費国でありながら、LMEの建て値のなにで別に不平はないというような解釈でございまして、ヨーロッパ並びにアメリカを中心にして一応LMEが成り立っております。非常に強力な組織でございますので、これを正面切って、いかに大きなバーゲニングパワーを持っております日本といいましても打ちこわすということはむずかしい。
 ですから、一方、構想としましては、ある程度の備蓄でもしてバッファーストックでも持って、それをある程度国内で緩衝性をとりましてやられていくというような考え方も出てくるんじゃないかと考えております。何しろ非常に強力ななにでございます。先ほど先生お話ありましたように、三井、三菱、それから日商岩井も入っております。あれはドイツ、イギリス関係のものととタイアップしてやっておりまして、情報の提供にはなりますけれども、向こうで、いまのような市場で売り買いというところまでなかなかいかないのが現状じゃないかと思っております。同時に、先ほど触れましたEMJの建て値がアメリカに現存しておりますと、ある程度はツーツーでございましょうけれども、先ほども申しましたように、EMJはプロデューサーのプライスを基準に設定しておりますので、むしろ安定しておったというようなことはございますが、われわれとしては、EMJが復活してほしいというようなことを考えておるのですが、非常にむずかしい問題です。
 けれども、先ほど申し上げましたように、ある程度バーゲニングパワーはどんどんふえてまいりますので、これでもう黙って泣き寝入りというわけにはまいりませんので、その点はいまのバッファーストック的なものを考えながら向こうへ影響を与えていくと、まあ故意にやるわけでも何でもございません。自然の商取引の中で影響を与えると、現にしかし、現在では日本の買いが出ますと、かなり上がっているということも伝えられておりますので、その影響力を利用しながら安定した価格に持っていくのがわれわれのつとめであり、ねらいじゃないかというふうにも考えております。
#109
○委員長(佐田一郎君) 次に、後藤参考人。
#110
○参考人(後藤佐吉君) ただいまお話ございました現地製錬の問題でございますけれども、わが国の製錬は、先ほども申し上げましたような消費地製錬でございまして、大部分の鉱石を外国から輸入して鉱石製錬せざるを得ない状態でございます。しかし、最近は産出国の資源政策、ナショナリズムの台頭、そういういろいろな理由によりまして、好むと好まざるとにかかわらず、現地で製錬をせざるを得ないような情勢に今後なっていくのではないかと存ずる次第でございます。そういたしますときに、現地においてはやはり技術の優秀な国に技術を請け負わせるとか、あるいはジョイントベンチャーをするとか、あるいは国営企業でございましても、技術援助を仰ぐとかいうようなことになるかとも思うわけでございますけれども、その場合にやはりわが国といたしましては、わが国の高度の技術をもちまして現地の産出国の要請に沿うような努力をすることによって、初めてわが国に優位な条件で地金あるいは鉱石といったものを輸入できるのではないかと存ずる次第でございます。
 私、昨年度、これはいま問題になっております銅、鉛、亜鉛、砒素、水銀、そういったものとは少し離れますけれども、ニッケルの問題に関しまして、海外技術協力事業団の要請によりまして、約一カ月インドネシナのポマラ地区にありますニッケル鉱山を視察してまいりました。やはりインドネシナにおきましても現在ニッケルの鉱石を日本に、全量でございますけれども、年間約百万トン以上の鉱石を日本に輸出して、日本はその鉱石でもってニッケルを製錬しているわけでございますけれども、そのタマナ地区の山におきましては、最近は日本に輸出できるような品位の高い鉱石がなくなってきまして、輸出では経済的に日本もペイしないから入れない、向こうもやはり日本が高く買ってくれなければもうからないというような、鉱石があと二、三年でそういう鉱石になってしまうということで、どうしてもインドネシナといたしましてもその鉱石――しかし、さらに低い品位の鉱石は非常に多量に存在しているわけでございます。
 ニッケルの鉱石の品位といたしましては、銅と違いまして、銅は精鉱として約二五%から三〇%ぐらいの品位の鉱石が日本に入ってくるわけでございますけれども、ニッケルは技術的に選鉱がききませんで、粗鉱としてニッケルの品位が約二%あるいは二・二%とかいうような非常に低品位の鉱石で、あとは水が三〇%、ガングミネラルが残りといったような、どろを運んでいるようなニッケルの鉱石を日本で運んできているわけでございます。しかし、輸送費が非常に高くついているわけでございまして、そういった鉱石の製錬は好むと好まざるとにかかわらず、ともかく、現地で行なわざるを得ないような情勢になってくるのではなかろうかと思います。その場合に、日本といたしましては、やはり最高の技術水準を輸出いたしまして、あるいは向こうに工場をつくりまして、少なくとも鉱害の全然ない製錬所をつくらなければならないと、あるいはつくるように国といたしましても指導しなければならないと思う次第でございます。
 また、鉱害防止の施設でございますけれども、現在採掘している山ではもちろん鉱害防止施設を行ないまして、排出基準以下の廃水を出しているわけでございます。したがいまして、現在の技術水準におきましては、十分排出基準以下の廃水を出すような鉱害防止技術を持っていると申し上げることができると思います。しかし、経済的な問題でございまして、現在の技術が最高であるとは申しません。さらにわれわれといたしましては、よい、しかも経済的な技術の開発に努力をいたしたいと、まあ、学会といたしましてもそちらの方向で努力している次第でございます。
 以上でございます。
#111
○中尾辰義君 一つだけ追加でお伺いしますが、いま環境庁、厚生省あたりからいろいろ排出基準、環境基準等出ておりますけれども、あれはいまはああいうふうに出ておりますけれども、また今後いろいろ研究が進めば変わる場合もあり得ると、こういうことですね。
#112
○参考人(後藤佐吉君) はい。
#113
○中尾辰義君 その辺少し説明していただきたいんですがね。絶対的なものではないということですね。
#114
○参考人(後藤佐吉君) 絶対的なものではもちろんないと思います。人体にいまは影響ないようなものでありましても、将来、医学的に影響があるというような場合もあるかとも存じますけれども、少なくともわれわれ研究者におきましては、どこまで除去できるかという学問的な目安というものは常に持っていなければならないわけでございます。たとえばカドミウムなどにつきましては、もうすでにいまの環境基準は〇・〇一PPMでございます。技術的に言いましては、たとえばいまの酸性度でございますけれども、酸性度一一・幾つかPHでございますけれども、一一・三くらいに上げますと、〇・〇〇幾つかぐらいのPPMには理論的には下げ得るというようなことが出てきます。しかし、それをいま直ちに技術的にアプライするというにはやはり経済的にいろいろな難点があろうかとは思いますけれども、常にそういったまあ最低の、あるいは非常にきびしい基準ができてもすぐに対応できるような学問的なデータというものは持っておかなければならない、あるいは日本鉱業会の学会におきましても、そういうのは一つの大きな長い将来のビジョンとして研究を進めていかなければならない問題ではなかろうかと思っております。
#115
○藤井恒男君 時間がかなり経過しておりますので、同僚議員と重複するのを避けて、河合参考人に二、三点だけお伺いしたいと思います。まとめてお伺いしますので、ひとつお答えいただきたいと思います。
 本日、河合参考人は、非鉄金属の業界の代表として御出席いただいておるわけですが、同時に、参考人は日本鉱業というトップ企業の責任ある立場でもいらっしゃるわけで、そういった意味で、業界と企業の立場、なかなか使い分けにくい面もよく私、承知しておりますが、参考のために、企業の立場でも御意見があればあわせてお聞きしたいと思うのです。
 実は、参考人が昨年、海外鉱山開発の問題について新聞などに発表された中に出ておる問題についてお伺いするわけですが、現地製錬ということをやることは、発展途上国の期待している鉱業化促進にも一役買うことになるということで、河合参考人は、現地製錬のメリットというものを高く評価されておるように私、承知しておるのですが、これに間違いないかどうか。あるいは、時間が経過しておりますから、現在どのようにお考えであるか、承りたいと存じます。
 また、海外の鉱山開発の問題につきまして、資源開発というものを国にまかせ切りにするのは危険である、どちらかといえば、開発はあくまでも民間主導型を貫く必要がある、なお、その鉱山の開発に最も積極的なある一社が主導権を持って、責任ある鉱石引き取り体制をつくっていくことが必要だというふうにも述べておられるわけです。海外の資源開発にありましては、最近、特に石油開発などに商社の積極的な参加が見られるわけですが、この問題などに関しましても、商社を参加させることは、鉱山開発にもプラスになることが多いとしながらも、同時に、また参考人の立場としては、メーカーの主導というものがやはりこの際絶対的に必要であり、それを貫く必要があるというふうにも述べておられるわけで、メーカーが主導権を確保していくということを強調される根拠というものが那辺にあるか、その辺お伺いしたいと思います。
 それから、最近とみに発展途上国の資源ナショナリズムが非常に大きく出ておるわけでございますが、その対応策について、参考人は、資源国有化の動きについてはそれほど不安は持っていない、たとえばチリの銅山国有化などについては、現にもう行き詰まりを来たしておる、そのことがむしろ開発途上国などに、無謀な国有化というものはかえって国家的に損失を招くという機運すら生み出しておるので、この点についてあまり顧慮する必要はない、どちらかといえば、資源開発にからむナショナリズムに対応するには、決して当初において相手方の出方に屈するようなことなく強い姿勢を堅持すべきだという、どちらかといえば、最近起きている開発途上国の資源ナショナリズムに対して、かなり積極的な強い姿勢を示しておられるわけだけれども、この辺について何か根拠をお持ちであるかいなか、教えていただきたいと思うわけです。
 それから鉱害防止の問題について。
 日本鉱業協会では、業界として独自に企業の積み立てによる鉱害基金を設立して運営しておられるということを、先ほどもちょっとお聞きしたように思うわけですが、現在、それがどのような概要を示しておるか、承りたいと思うのです。
 以上です。
#116
○参考人(河合堯晴君) お答え申し上げます。
 現地製錬に対するメリットを高く評価しておるということは私の何にはないと思うのでございますが、ケース・バイ・ケースだと思っておりまして、結論を申し上げますと、むしろ受け身に立って受けるという態勢が真意なのでございまして、いま先生の御指摘のように、向こうとしては、雇用力もふえてまいりますし、付加価値もふえるということで、単にそれだけのことで、ぜひやってほしいという意向は非常にございますけれども、これは究極、やはり環境自体、いわゆる協力体制の工業も何もございません地域が多うございますので、これは段階を追ってでございますね、向こうに少なくとも結果的にプラスになるのだということを見きわめて向こうへおすすめし、こちらは受けて立つということでなくちゃいかぬのじゃないかと思います。
 実は、在来のケースでございますけれども、いま申し上げましたような強い要望がございましたので、向こうとの協定の中に、向こうの要請もだしがたくということでございますが、銅量で年間六万トン以上に出たときは――いまムソシが大体五万トン程度でございましょうから、あとのキンセンダというものも控えておりますので、その場合は、ひとつ所要電力も入手できる前提で、必要な電力も供給していただけるという前提で製錬は考えましょうということはうたってございます。しかし、なかなか製錬所はもうかるものじゃございませんので、そうこちらからすすめてなにするとか、こちらから積極的にやるという姿勢ではございません。受けて立とう、向こうにプラスになる見通しが立てば、進んでひとつ協力してやろうということが真意でございます。
 それから二番目の、海外資源は民間主導型というのは、熱意の問題だと考えております。商社は御承知のとおりでございますので、商品の取引が主体でございますので、巷間伝えられるような、ああいうような何やらアニマルとかなんとかいうようなこともあるようでございますけれども、これは向こうのいわゆる天然資源的なものでございます。向こうの土地についた国家のいわゆる権利に属するものでございますので、この開発を前提にしての仕事でございますので、商社の手引きは十分活用もいたしていかなくちゃなりません。それと同時に、将来どうかわかりませんが、資金的の余裕も持っておるということから、資金の援助も仰ぎやすいということはございましょうけれども、その開発の主体に商社を入れていくということはいかがかという感じを、いわゆるメタルマイニングでは持っております。現在もそうでございますし、将来もその感じ。向こうもそういうような感じを持っておりますので、ほどほどにつき合っていくということじゃないかと思います。
 ただ、石油の問題をいま御提示になりましたが、これはちょっと趣が違っておるようでございますけれども、一貫してやはり熱意を持った企業体が先頭切っていくべきじゃないか。お国がやるといたしましても、やはり先頭切るのはその熱意を持った企業、力を持った、技術を持った企業ということで、それをやりやすくしていくというのは、お国の配慮であっていいんじゃないかというふうに考えておりますので、そういうふうに御了解いただきたいと思います。
 それからあとナショナリズムの問題でございますけれども、これは一応ナショナリズム問題も、ああいうような趨勢を経て、現在ではかなり落ちついて安定しておるんじゃないかというふうに感じておるわけでございますが、決して強気で対処しておるわけじゃございません。ただ、チリのいまアジェンデの問題もお話があったわけでございますが、かつて、アメリカが中南米におきまして、搾取ということばは使いたくないわけでございますが、非常に先見の明もございまして、大きな資本と技術を投入してあれだけの鉱山を開発していったという功績は、高く私は評価してやらなくちゃならぬと思いますが、それに勢いを得て、かなりの利潤をあげておったことも事実でございましょう、それに対する反発がああいうような形で出てまいりました。
 と同時に、国連の場におきまして、天然資源はその国とその国民に帰属すべきものだという大綱方針が示されたのは、もう五、六年前、六、七年前、二回にわたってそれを確認いたしておりますので、そういう趨勢からくる一応の反発と申しましょうか、そういうものがあったわけでございますが、われわれの最近進出しておりますシチューエーションはそれが大前提でございまして、そのあとは、とにかく向こうの経済力の向上のために、民生の安定のためにわれわれもひとつ一臂を貸すというたてまえでいっておりますので、シェアの問題なんかも大体最高と申しますか、最低と申しましょうか、大体フィフティー・フィフティー、五〇、五〇を一応の目安に置きまして、向こうがもし希望するならば、むしろシェアはそちらに差し上げてもいいというような態勢でいま出ております。
 ただし資金、資本とか技術、それから技術者、これはもう全部こちらから一応は供給いたしてまいらなくちゃ、スタートいたさなくちゃなりませんけれども、できるだけ向こうの連中を訓練いたしましてリプレースしていくと、現地人とかわっていくと、ただし、マネージングのほうはなかなか容易じゃございませんので、根気強く向こうの連中をリードして持っていくということが進んでおりますので、先ほどナショナリズムのなにに対してはあまり重きを置いていないという意味では決してございません。ケース・バイ・ケースに進んでおるわけでございますが、何といたしましても、現地に行って直接現地の願望、希望でございますか、それを聞くのが一番大事じゃないかと考えておりますので、われわれはチャンスがあるごとに向こうの先達のような立場の方とはよく接触して、その連中の意見を十分聞いて進めております。そういうふうに御承知おきいただきたいと思います。
 それからあとは公害防止の問題でございますが、この問題はもう御推察のとおり、いわゆる加害者じゃ決してないのでございますけれども、とにかく、工場からの廃棄物によってこういうものが起こっておるということでございますので、いわゆる企業側とその被害者と申しましょうか、受ける住民との直接のお話し合いというのは非常に御承知のようにむずかしいわけでございまして、できればこういうような緩衝的な、国に入っていただきまして、先生方の御助力も得ながら適正な話し合いで進めていただきたいというのがこういうような法律案並びに措置の趣旨ではないか。われわれの希望いたしておるものもそうでございまして、これも受けて立たざるを得ない大事な問題でございますので、そういうような気持ちでいろいろこういう法案をおつくりいただくようにお願いも申し上げ、御協力いただいておるわけでございますが、この法案が通りますと、こういう体制になりますので、一時のなにで補償とかそういうものでぐっと出ますとたいへんなショックになりますので、比較的長期低利のものをお与えいただきまして、それによって適正な補償もし、防止施策も講じていきたいというのがわれわれの考え方でございます。
 何か落ちておりましたらまた御指摘いただきまして……。
#117
○藤井恒男君 最後のやつですけれども、日本鉱業協会で協会として独自の基金を設立して現在運営をしておられるわけですね。その概要を、どういうふうな効率を現在まで持っておるか、そいつをちょっと聞きたかったわけでございます、いまの法の問題とは違う……。
#118
○参考人(河合堯晴君) よろしゅうございます。概略いま、きょうは副会長来ておりませんが、それの担当の……。
#119
○藤井恒男君 あとでも何か資料いただければけっこうでございますが。
#120
○参考人(河合堯晴君) 詰めてないんだそうでございます。いずれこちら一本で進めていく形になるのじゃないかと思います。確かにございました。積み立て金を、少額のものでございますけれども。
#121
○藤井恒男君 それはあとで資料いただけますか。
#122
○参考人(河合堯晴君) はい、承知いたしました。
#123
○須藤五郎君 四人のお方の意見を伺っておきたいと思うのですが、私たちは石炭にしましても、あらゆる重金属にしましても、日本の地下資源としてこれはできる限り守っていきたいという気持ちを持っておるんです。しかし、石炭にしましても、皆さん方の金属鉱業にしましても、なかなか非常にむずかしい条件がたくさんあると思うのですね。これをあくまでも日本の地下資源として守っていくためには、私たちは、どうも国有化として国営事業としてこれを守っていく以外に道がないという感じがするんですよ。それに対して四人の方の御意見を伺っておきたいと思うのですが、まず原口さん、ひとつ意見を述べてくださいませんか、労働者の立場で。
#124
○参考人(原口幸隆君) 私の組合の考え方としては、国の資源は本来社会的なものだから、私企業ではなしに、基礎産業は社会化さるべきだという基本的な考え方を持っております。ただ、そこに到達するまでににわかにいかないと思いますので、製錬所の統合、交錯輸送とかいろんな問題を整理するために、まず製錬所の統合が、社会化が必要ではなかろうかというような段階的な考え方を持っております。で、現在のところは私企業でございますので、公害の問題が私企業に集中いたしますけれども、先ほど私の陳述の中にも、国が掘らしておいて私企業がそれを請け合って、そこの責任の分担が形式的には私企業だけれども、実態的には国にあるのではなかろうかという考え方を何べんも何べんも述べておるわけでございますけれども、段階的に社会化の方向にいかざるを得ないのではなかろうかというふうに私は考えております。
#125
○須藤五郎君 どうぞお三人の方、御意見を簡単でいいですから伺っておきたい。
#126
○参考人(後藤佐吉君) 地下資源あるいは鉄鋼にしてもそうですけれども、金属にしてもそうですけれども、そういったものを第一次産業として、国の一番重要な原材料でございまして、それを安く経済的に供給するということがわが国の発展につながるのではないかと思います。したがって、それを安く供給するためにはどういった形態がいいかということは、やはり皆さんいろいろな御意見があるかと思いますし、私もそれは私の専門以外でございまして、何ともお答えできないわけでございますけれども、私個人といたしましては、いろいろな世界情勢を見ておりますと、共産的な国におきましても非常に成功しておりますし、あるいは自由主義国家においても非常に成功しております。したがって、わが国においてどちらの形態を選ぶかということは私自身でも実はわからないわけでございまして、むしろ今後勉強いたしたいと思う次第でございます。
#127
○参考人(河合堯晴君) 非常にむずかしい問題を投げかけたわけでございますが、長い伝統下にありました仕事でございますし、まあ自由経済と申しますか、資本主義ということばはあまり私は使うのが好きじゃありませんけれども、そういうような体制ではぐくまれた鉱業でございますし、労使の関係いろいろございまして、しかもいまはっきり申し上げますと、どっちかと言いますと疲れておると、現状。そういう現状で、いま国がこれを肩がわりしていくのが妥当とか妥当でないとかいうんじゃなしに、できるかできないかという問題もあるんじゃないかと考えております。その能率の問題にいたしましても、融通性の問題にいたしましても、非常にむずかしいんじゃないか、われわれも苦労しておるのはそこにあるわけでございまして、とても安易と言うとことばが過ぎますが、ただ一つの制度を変えて、それで受け持っていくというような対象物じゃないというふうに私も考えておるわけでございます。ですから非常に困難じゃないだろうか。
 ただ、後進国関係は、先ほどもちょっと申し上げましたように、みんな政府が所管いたしてやっておるのでございます。みんなこれはスタートについた形のところが多うございますから、しかもああいう国柄でもございましょうし、それぞれのお国ぶりでそういうような大方針をきめておやりになるのはいいんでございますが、自由世界の中の日本といたしましては、しかも、いま置かれている業界の現状からいたしますと、非常にむずかしい問題じゃないか、われわれもそれで苦労して、いろいろお願いを申し上げておるわけでございます。できればわれわれのいまの体制を何とかひとつこれを盛り立てていきたいというのがわれわれの熱意でございます。熱意の問題もあわせてお考え方をいただきたいと思います。
#128
○参考人(橘金六君) 将来的な問題、現在の非鉄金属における実態の中で、たとえば探鉱にいたしましても相当な国の援助がなければならない。そういう意味合いからまいりますと、将来的に国有化という問題については私も勉強不足でございますけれども、あえてこれは反対すべき問題ではなかろう。ただ、問題になりますのは、当面どういう形でそういう形までつなげていくかという技術的な問題にあろうと思います。したがいまして、現在でも一部的にはそういうような国の施策によって、たとえば探鉱をするとか、あるいは鉱害等の問題につきましても、社会的な意味合いの御援助をいただかなければという意味合いでもございますので、大きな方向づけとしてはそういう形も私ども望みますけれども、当面、じゃ一体、どういう形でそれをつなげていくかという点についての私は大きな問題があろうと思います。
#129
○須藤五郎君 私がこういう御意見を伺うのは、国がやはりこの企業を維持するためには、国が金をつぎ込んでいかなくちゃならぬという問題があるわけですね。その国がつぎ込む金というのはどんな金かといえば、これは国民一般から集めた税金なんですね。だから、国民の税金を単なる一企業の利益にそれをつぎ込むということは、これは国民に説明のしかたがないんですよ。だから、私たちはこの法案を通す場合に、国民の前にこうこうこういう理由があるからこの金を、国の費用を、あなたたちが出してくださった税金を使ってもやむを得ないんだという、それを説明しないとどうもならないわけですね。そこで私はこれを聞くわけなんですね。だから、それをどういうふうに国民の前に説明したらいいか、私は非常に迷うわけです。石炭もそのとおりです。これまで何千億という金を石炭につぎ込んできました。今度第五次石炭対策ができます。これまた五千億ほど金をつぎ込むわけです。この金はたいへんな金ですよ、国民の税金から見ればね。だから、そういうたくさんの金を使う理由はここにあるんだということを国民に説明しなきゃならぬと思うんです。そこで皆さんの御意見を伺っておるわけですが、どうでしょうかね。どういうふうに説明したら一番国民の納得できるような説明になるとお考えになりますか。原口さん、ちょっと知恵をかしていただきたいんですね。どうでしょうか。
#130
○参考人(原口幸隆君) たいへんむずかしいお話なんで答えに窮するわけですが、私の感じを率直に申し上げますと、金属鉱山は、かつて、日本の財閥の発祥産業であったわけです。したがって、鉱山から出発して、私もと住友でございますが、住友の財閥が繁栄をした。そういう限りにおいては、資本主義ということばを使えば日本の資本主義の典型的な産業であったと、そのときには、国に奉仕するという考え方も形としてはあったかもしれませんけれども、やはりそこには典型的な利潤の追求という姿があった。それで、われわれの小さいときには日本は世界の有力な産銅国であった、その時代が過ぎまして、現在、国際化の時代を迎えて新しく国内資源の見方が変わってきていると、私はそういうふうに感じます。
 で、企業の責任を持たれる方も企業の社会性ということが非常に大きくなりまして、鉱害がその典型的なものだと思いますけれども、したがって、現在は、国際化の中にある日本の金属鉱業としてこのままでは、企業努力ではどうにもならないところに産業が来ていると、したがって、いままでの継続ではなしに新しい次元からこの産業を維持し、発展させるためには、国の資源を預かって鉱業権を設定をして採掘をしている以上、やはりそこに社会的な政策というものが、今度は企業の経営の内部からも求められざるを得なくなってきたのではなかろうかというふうに感じますし、現在の企業の経営に対してわれわれたくさんの不満を持っておりますが、それでも共同化の方向に前進をしつつある。つまり、一企業で海外進出はなかなかむずかしい、一緒にやる、あるいは製錬所をつくっても、一緒に集まって協力をしてつくるというような共同化の時代に入ってきている。
 その共同化はやはり今度は新しい企業経営の価値感として、国の資源を預かってこれは掘っているのだから、社会的にも国民の皆さんの協力、理解を得て国の資源を有効に活用していかなければいけないという、その辺のところまで来ているのじゃなかろうか、またそれ以上は出てないと。ですから、この方向をわかっていただくならば、もう少し国が前面に出て、国の資源産業のあるべき姿等について国のほうが先行指導して、先ほどの参考人の意見じゃありませんけれども、産業上の位置を明確にしてお示しを願いたい、そういうような感じを私持っておりますので、お答えになりませんでしたけれども、申し上げました。
#131
○須藤五郎君 企業の代表の河合さんからも一言伺っておきたいと思うんですが、どうでしょうか。
#132
○参考人(河合堯晴君) 御指摘のとおり、非常に心苦しい感じを持っておる一人でございます。で、私は、石油で言いました低廉で安定した供給ということ、低廉はもう言えないと思いますので、とにかく、安定した供給をするのがわれわれの使命でございます。これは国内だけでございません、海外を含めて。ですから、いま苦しいときはひとつ、決してただのお金をということは申し上げていないわけでございます。中小企業関係もございますから、そういう口幅ったいことは申し上げませんけれども、苦しいときひとつお助けをいただければあとは御恩返しいたしますということは、供給安定を通じての問題、できるだけそれは低廉な価格で全般にそれが潤うような形で、企業の姿勢としてはそういう形でいきたいというように考えておるわけでございます。まあ、苦しまぎれにお願い申し上げているというふうでもございませんけれども、非常に心苦しいことは、私個人としてはそういう感じで接しておりますので、よろしくお願い申し上げます。
#133
○須藤五郎君 私は皆さんと議論をする気持ちはないので、皆さん方の意見を伺って今後の審議の参考にしてまいりたいと思っておるんです。ですから、この問題はそれだけにしますが、私たち法案審議する者の立場に立っても非常に苦しい点があるんですよ。産業は守っていかなきゃならぬ、ところが、そのためには国民の金をつぎ込んでいかなくちゃならぬというような、そういうジレンマが起こりますね。そこをどういうふうにしたらいいか。それで私は先ほど国有化というような問題ですね。もう企業だけではやっていけない、産業だけでも。国として、国民として守っていかなきゃならぬ産業ならばむしろ国有化して、それで国民に納得してもらって、その立場で国民を説得して、それに国の金をつぎ込んでそれでやっていく、続けていく、こういう方向にいけないと私たちとして説明が成り立たないものですから、私はそういうことを感じているわけなんでございます。まあこの問題はこれで終わります。
 それから橘さんだったと思いますが、これからの鉱害は企業の負担で解決すべきだ、こういうふうにおっしゃったように思うんですが、これからということは、この法案が成立してからということですか。これからという線はどこに引くべきものなんでしょうか。どういうことなんでしょうか。
#134
○参考人(橘金六君) 私は、まず先ほど申し上げましたのは、この法案ができたあと活動するものについては、原則的には企業が持つべきだろうと思いますけれども、しかしながら、相当大きな費用が、どの辺までやるかということにもよりますけれども、相当な費用がかかるから、それだけでいくのには問題があろうということをつけ加えて申し上げました。
#135
○須藤五郎君 それじゃもう一度お尋ねしますが、鉱害の責任というのは一体どこにあるのかということを明らかにしておいていただきたいと思います。
#136
○参考人(橘金六君) それは、当然、私どもは企業の責任であろうと思います。ただ、そこに働いているわれわれも、当然その一面責任もあろうと思います。
#137
○須藤五郎君 そうすると、そこで働いている労働者も鉱害の責任を分担しなきゃならぬということなんでしょうか。
#138
○参考人(橘金六君) いや、私が申し上げたのは、責任という意味合いではございませんけれども、鉱害を出さないという意味合いの中における、何といいますか、その地域なりあるいは社会に対しての精神的な面を申し上げておるわけでございます。
#139
○須藤五郎君 この問題もこの程度にしておきます。
 それからもう一つ、参考までに伺っておきたいんですが、足尾が今度は採掘はやめましたですね、そうして製錬だけやっていこうと、こういう形に足尾がなるらしいんですが、この製錬をやる場合の鉱石ですね、足尾は一体どこからどのぐらい買うという計画なんでしょうか。どうでしょうか、それは河合さんがよく御存じだと思いますので……。
#140
○参考人(河合堯晴君) お答えしますが、私も協会長になりまして日がありませんし、それと他社の内容はなかなかわかりませんでございましてね。しかし、立地的にああいう場所でございまして、本体の足尾の採掘、選鉱はストップされておりますので、おそらく外国鉱石だと考えております。近くに国内鉱山もあまりございません。御推察のとおり、内陸運賃がかかりますものでございますから、率直な意見を申し上げますと、なかなか経営は容易じゃないぞということは皆さんと同じような考え方を持っておるわけでございます。臨海製錬所でございませんと、それはたいへんでございます、国内の輸送コストは。ですから、将来これはもう古河さん自体のお考えになることでございまして、われわれとしての常識の範囲においては、いろいろお立場はよく推察をいたしておりますけれども、会社自体のお考え方がございますので、ここで私はお答えはできませんですが……。
#141
○委員長(佐田一郎君) これにて参考人に対する質疑は終了いたします。
 参考人各位には、御多用中、長時間にわたり御出席いただき、また、貴重な御意見を拝聴さしていただき、まことにありがとうございました。委員一同を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十三分散会
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ソース: 国立国会図書館
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