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1972/05/08 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 商工委員会 第8号
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1972/05/08 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 商工委員会 第8号

#1
第071回国会 商工委員会 第8号
昭和四十八年五月八日(火曜日)
   午後一時六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     細川 護煕君     増田  盛君
     高橋雄之助君     剱木 亨弘君
 四月二十六日
    辞任         補欠選任
     増田  盛君     細川 護煕君
 五月二日
委員赤間文三君は逝去された。
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐田 一郎君
    理 事
                大谷藤之助君
                若林 正武君
                阿具根 登君
    委 員
                小笠 公韶君
                林田悠紀夫君
                細川 護煕君
                安田 隆明君
                小野  明君
                林  虎雄君
                中尾 辰義君
                須藤 五郎君
   政府委員
       通商産業省企業
       局長       山下 英明君
       通商産業省企業
       局次長      橋本 利一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
   参考人
       早稲田大学商学
       部教授      宇野 政雄君
       主婦連合会副会
       長        高田 ユリ君
       消費科学連合会
       会長       三巻 秋子君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○消費生活用製品安全法案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(佐田一郎君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る四月二十五日、高橋雄之助君が委員を辞任され、その補欠として剱木亨弘君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(佐田一郎君) この際、議事に先立ちまして一言申し上げます。
 すでに御承知のことと存じますが、本委員会の委員であり、また、元商工委員長であられました赤間文三君が去る五月二日逝去されました。まことに痛惜哀悼の至りにたえません。ここにつつしんで同君の長年にわたる御功績をしのび、皆さまとともに黙祷して御冥福をお祈りいたしたいと存じます。
 どうぞ御起立をお願いいたします。黙祷を始めます。
  〔総員起立、黙祷〕
#4
○委員長(佐田一郎君) 黙祷を終わります。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(佐田一郎君) それでは、ただいまから消費生活用製品安全法案を議題といたします。
 本日は、本法案について参考人から御意見を承ることになっております。
 参考人として、早稲田大学商学部教授宇野政雄君、主婦連合会副会長高田ユリ君、消費科学連合会会長三巻秋子君、以上三名の方々の御出席を願っております。
 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、皆さまには御多用中のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。本日は、ただいま議題となりました本法案について、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を承りまして、本委員会における審査の参考にいたしたいと存じておりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 なお、参考人にはそれぞれ十五分程度の陳述をお願いし、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 それでは、まず宇野参考人からお願いをいたします。
#6
○参考人(宇野政雄君) 宇野でございます。私、産業構造審議会の消費経済部会というのに委員として加わっておるのでございますが、一昨年の八月から、いま申し上げました消費経済部会のほうで、製品の安全性の問題につきまして、小委員会がつくられました。たまたまその世話役をいたしまする関係からこの問題に関係をするというようなことになったわけでありますが、その専門の委員会を十一回ほど開催をいたしまして、昨年の十二月に、製品の安全性確保向上対策というようなことについて通産大臣のほうに答申をしたわけでありますが、それを取り上げていただきまして、今日ここに出ておりますような消費生活用製品安全法案というようなものが考えられたと、こういうようにお考えいただいてよろしいかと思うのであります。そのこまかい内容は、提案の出ておりまするところで御検討いただければよろしいかと思ひますが、私はまず、こういうものが出てまいりました背景のようなものを二つほど申し上げてみたいと、こう思っておるわけでございます。
 実は、講義めいたことを申し上げて恐縮でございますが、数年前から世界的にコンシューマリズムという考え方が出ておるわけでございまして、コンシューマリズムといいますと、日本のジャーナリストの方々などはこれを消費者運動とか、それからまた消費者主義の運動であると、こういうように言っておられるわけであります。
 同じ消費者運動というようなことばを横文字で申し上げますと、四十年も五十年も昔からアメリカその他で言われておりますることばには、コンシューマー・ムーブメントということばがございます。コンシューマー・ムーブメントということばがあるのに対しまして、また新しくコンシューマリズム・ムーブメントともいうべきものが数年前から出てきたというのは、そこに何らかの違いがあるから別のことばが出てきたと、こういうようにお考えいただいていいのじゃないかと私は思うんでございます。後に理由を申し上げますが、コンシューマリズムというのは、次のような理由で生活者運動だというように申し上げてみたいと思っておるわけでございます。
 じゃ、消費者運動といっております内容と、いま私の使いました生活者運動というのはどういう違いがあるのだろうかということでございますが、およそだれでもそうでありますが、この世に生まれた以上、生きて活きたいとする者、これが生活者だと思うんです。字のとおり、生まれて、生きて活きたいとする者と書きましたならば、生活者と読めると思うんでありますが、そのために必要な物資なりサービスを購買し、使用する、つまり、物を購買したり使用したりする立場の者を通常消費者と、こう言っておると思うんであります。
 ですから、きょう日のように物価が上がってまいりましたときに、物の値段をもっと下げてもらえないかというようなことで企業や政府に注文をつけます、これはいま申し上げた意味で言えば消費者運動だと思います。購買者の利益を守る運動ということです。それに対しまして、欠陥商品のようなものにつきましては、これを排除してもらいたいというようなことは、安いか高いかというような購買者の利益を守るというような問題ではなくて、いま申し上げましたような生きる立場を脅かすものを排除してもらいたい、こういう意味においてはこれはコンシューマリズムの問題だと、こういうように私は一応分けてお考えいただいたらどうかと思っておるわけでございます。
 そういう意味で申しますと、いまのような生活者運動と消費者運動というものを分けてみました場合に、どういう関係にあるかといいますと、私は、生活者運動のほうがより根源的なものだと、消費者運動というのは手段の問題だというふうに理解いたします。つまり、生まれた以上、生きて活きたいとするために必要な物資を購買し、使用する、つまり、消費をするわけでございまして、その逆ではないわけであります。つまり、物を購買し、使用するために生きているわけではないわけでありまして、あくまでも生活をしていくということが根源の問題だと思います。
 それからもう一つ申し上げたいと思いますことは、消費者運動というものは、私の隣、その隣に消費者運動をやっておられますベテランの先生方がおられるわけでありますが、消費者運動というのは、過去の実績をとってみますと、世界どこでもそうでございますが、一部の中産階層の方々の運動であったように私は思います。つまり、お金持ちから申しますと、幾らか物の値段が高いというのは、まあたいしたことはないじゃないかという気もあるかもしれません。それから、非常な貧困な人から申しますと、そういう少し値段が高くなってきたということになりますと、何とか下げてもらいたいと考えます前に、それをまかなうために少しかせがなければいけないと、こういうような考え方で、アルバイトでもしようという考え方のほうがどうしても優先いたします。
 こういう点からいいますと、得たお金を少しでもじょうずな使い方ができないかと考えまする、そういう意味での購買者の利益を守るような消費者運動というのは、大体、中産階層の問題であります。その点から見れば、地球上で見ましても、南半球の国ではそう消費者運動というのは従来発達していないわけでありまして、北半球のほうで発達しているものでございます。そういう点から申しますと、この消費者運動というものは、いまのようにある程度発達して、先進国的なところになってきた場合に出てくる問題でございまするし、しかも一国で申しますと、中産階層が御関心を持つものであるという印象を持っているわけであります。
 ところが、先ほど申し上げたように、命にかかわるような欠陥商品がいろいろ出てくるというようなことになってまいりますると、これは一部の中産階層の問題だけではないわけでありまして、豊かな人でも、それから貧困な方でも当然問題にせざるを得ない。そういう意味において、私のいま申し上げようとしておりますことはどういうことかというと、コンシューマリズムというものは非常に幅広い人々の関心事であるということでございます。一部の中産階層の方だけではなくて非常に幅広い人たちの問題であると、それから、さっき申し上げましたように、枝葉の問題ではなくて幹の問題である。生きていくという手段の問題ではなくて、生きていくそのことにつきましていろいろと企業や政府に注文をつけようとする、これがコンシューマリズムの基本の思想だと私は思うのであります。
 いまのような、非常に講義めいたことを申し上げて恐縮でありますが、こういうコンシューマリズムという考え方が出まして、生活者としての意識、それから当然、それがまた従来それほど燃え上がっておりませんでした消費者運動というものを燃え上がらせるというふうな形で、今日、企業や政府にいろいろ注文が出ているかと思うのでありますが、私はこの製品の安全性という問題につきましては、いま申し上げましたような理由から、いわば消費者――まあ使いました意味からいえば、消費者の立場というよりもむしろ生活者という、しかもそのより根源的な問題、つまり、生きていくというそのことに関連いたしましての重大事であるというふうな点から問題がまず取り上げられなければならないということが指摘できるかと思うのであります。これが第一点でございます。
 それから第二点の問題は、こういう考え方がここにあるかと思うのでありますが、従来の経済上の知識におきましては購買者、買い手というものが賢明である。その賢明な買い手がよい売り手であるかよくない売り手であるかを見分ける力を持っておる。だから、その見分けられる力を持っておるから、もしそこで購買が決定いたしましてから後におきましては、その買い手は、自分が賢明であった以上、選んだものがもし何かまずいことがあった場合には、それは当然、自分が責任を持たなければならない。こういう形で、現在のこういう契約に関しましては、その買い手が注意せよという考え方が基本に流れておったわけであります。それから買い手は危険を持てという考え方がそこに基本に流れておったと思うんであります。
 しかし、今日、この考え方が非常に大きく変わらなければいけないところにきているんではないか。特に、先ほど申し上げましたような事人の命に関連するとか、安全に関連するというような問題に関しましてはそうでありますが、特に、最近のような非常に高度の技術ででき上がってきておりまする商品などを見ますると、なかなか賢明な買い手になって見分けろといいましてもわかりにくいものがあるわけであります。で、こういう点から考えますと、むしろ法の立て方といたしましては、買い手は必ずしも賢明ではないんだと、まあいわばフールであると、そういうことを前提にして、むしろ売り手が注意せよ、売り手が危険に注意せよ、こういう考え方が世界的な流れとして出てきていると思うんであります。
 いま申し上げましたような考え方、つまりコンシューマリズムというものが教えておりまする思想、それから後半のほうで申し上げましたように、その取引面から見ました場合に、その買い手が注意しなけりゃならぬということはもちろんでありますけれども、特に安全というような問題に関しましては、いまのように買い手というものが見分ける力を持ってない。それをだからいいことにしてではなくて、その売り手のほうがそれに対しまして注意をしていく、こういう考え方があってしかるべきではないかという考え方を持つわけであります。
 で、いまのような前提に立ちまして、この今度の法律案の仕組みができ上がっているとお考えいただいていいんじゃないかと私は理解するわけでありまして、その辺のことを基本の問題として産構審の消費経済部会でいろいろ検討しました。その上に立ってこの諸先生方が御検討いただくべき法律の内容になっていると、こういうようにお考えいただければと思うわけでございます。
 私は皮切りといたしまして、いまのようなこういう法律が出てまいりまする基本の考え方といいましょうか、バックグラウンドといったようなことを申し上げまして、御参考にしていただければたいへんしあわせだと、かように思うわけでございます。
#7
○委員長(佐田一郎君) どうもありがとうございました。
 次に、高田参考人にひとつお願いいたします。
#8
○参考人(高田ユリ君) 主婦連合会の高田でございます。
 カラスの鳴かない日はありましても、公害とか、危険のある商品とか食品、こういうもののニュースのないときはないというこういう時代に、安全ということばは、私たちの救いの女神のような響きを持って私どもの胸を打ってくるわけなんです。で、このような中で、通産省の各局をはじめとして、厚生省などかから今国会に消費生活用品の安全性に関する幾つかの法案が出されているということは、たいへん私はうれしいことだと思っております。
 しかし、それにつけてもあまりにもおそ過ぎたという感じがしないわけでもないわけです。ただ、こういう背景の中で、こういう状態ですと、たとえば安全法案ということが国会に提案されれば、それがすぐ安易に成立されればいいんじゃないかというように考えられがちでございますけれども、そういう点に私は一まつの不安を持っているわけでございます。
 と申しますのは、一度法律ができますと、その法律がどういう内容を持っていて、どういうような影響を及ぼすかというような問題があとでわかって、それについて改正ということになりますとたいへん手数がかかるし、それからなかなかその改正に踏み切れないというようなことを、私ども消費者運動をしておりまして身をもって痛感しているわけなんです。そういう意味で、この法案が国会でもって十分審議されて、そしていま宇野先生がおっしゃられたように消費者の権利を守る。たとえば安全であることとか、意見の反映というような、消費者の権利を守るための法律として成立するようにというふうに国会で十分審議されていることに、私、大きな期待を持っているわけでございます。
 で、この法案の内容でございますけれども、すでに衆議院で、全地婦連、それから日本消費者協会、それから日本消費者連盟創立委員会の各代表者がいろいろな問題点をあげられておられますけれども、私も全く同意見なんでございます。
 たとえば新製品のチェックの問題とか、製品安全協会の中立性の問題とか、消費者の意見の反映の問題、それからほかの法律とのなわ張りの調整を消費者の迷惑にならないように、それから特定製品はできるだけ広く指定する、工場の定期検査はひんぱんにやれ、それから安全基準は、いま宇野先生もおっしゃられておりましたけれども、賢明な消費者が使うものでなくて、不完全な消費者が使うものだという前提に立って基準をつくってほしい、それから製品安全協会の中立性を守るために、業界人とか、天下り人事を自粛してほしい、それから形式承認の期間が七年というのは長過ぎる、それから賠償保険金額を引き上げるようにとか、一般からの意見は聞きっぱなしにするな、役所が業者に対して命令を出したときには、必ず一般に公表してほしいということなどがるる述べられておりまして、特に製品安全協会の中立性の問題と消費者の意見の反映については、各参考人が同意見を持って発言されているということに、私も全く繰り返すようでございますけれども、同じ意見を持っているものでございます。
 そういう意味で、できるだけ時間の都合で重複する部分は省きたいと思っておりますけれども、まずこの法案は、宇野先生もおっしゃられるように、産構審の消費経済部会の消費財安全対策小委員会の答申を受けたものでございます。
 この答申の内容の中で、一つ法案の中に盛り込まれていないものがございます。それは何かと申しますと、事故報告システムの条項が抜けているわけです。これについては通産省の担当の方からの説明を伺いますと、これはいろいろ問題があって、たとえば事故の対象と欠陥との因果関連がたいへんむずかしいとか、それから報告義務者をだれにするかとか、いろいろな問題があるので、法案の中には盛り込みにくい問題があるけれども、行政ベースでするという御説明を伺っているのですけれども、やはり事故報告システムということは、事故が起きてからの処置や対策が不十分である理由がわかりますし、次の事故への予防措置として非常に必要なことじゃないかと考えておりますので、ぜひこのことを入れていただきたいと思います。
 それから、全体的にこの法案の内容が抽象的で、どちらにでもとれるというところが随所に見えるわけですけれども、こういう表現があいまいですと、ぎりぎりに追い詰められたときに私ども消費者がほうり出されてしまうというような心配があるわけなんです。たとえばこの法案の内容で、第三条のところに、品質の基準をきめるということがうたってあります。で、こういう品質の基準をきめるということがうたってありますけれども、基準がきめられますと、それが、基準の公表はあると思いますけれども、その基準ができた根拠データですね、これが一般にわかるような公表の措置というのがとられないと、最近は安全性に対して、専門の先生方をはじめとして私ども非常に関心を持っております。で、その基準値がどういう経緯を経て出たかということがやはり公表されることによって、不必要な論争がある程度整理されると思いますし、それが納得いかない場合には、あくまでも消費者の立場で私どもとしては納得いくような基準をつくってほしいということをはっきり申し述べることができるわけなので、そういう意味で、基準のできた根拠をぜひ公表していただきたいと思うわけです。
 これは通産省の問題ではございませんですけれども、石油たん白の安全性について厚生省で安全であると、えさについては差しさわりがないという発表がされましたけれども、それがどういう理由によって、どんなデータによって出されたかということが全く公表されていないわけです。ですからそういう意味で、非常に私どももそれから専門家の間でも非常に不安があって、それがやはりたとえば厚生なら厚生行政に対しての不信感を増していくという方向に進んでいかざるを得ないわけですし、消費者としてはやはりそういうデータを知りたいというふうに思っておりますので、この点をぜひ入れていただきたいということ。
 それからもう一つ、この基準というのは政令できめられていくような仕組みになっておりますけれども、マークをつけることを含めて、一度きめられた基準なりマークをつけるということが、社会の進歩によって必ず更新される可能性があると思うんですけれども、その問題がはっきりうたわれていないというような点が私どもとしてはたいへん不安なので、そういう点の配慮をぜひしていただきたいと思います。
 それから、たとえば三十五条でございますけれども、ここに危害防止命令がうたわれております。ここで「主務大臣は、次の各号に掲げる事由により一般消費者の生命又は身体について危害が発生するおそれがあると認める場合において、当該危害の拡大を防止するため特に必要があると認めるときは、当該各号に規定する者に対し、」というふうに述べられておりますけれども、「危害が発生するおそれがあると認める」というのはどの段階なのか、そういう点が非常にあいまいもことしておりますし、それから「危害の拡大を防止するため特に必要があると認める」というのは一体どういう段階なのかというのが非常にあいまいもことしているわけです。
 それからもう一つ、たとえば八十二条でございますけれども、緊急命令について「主務大臣は、消費生活用製品の欠陥により一般消費者の生命又は身体について重大な危害が発生し、又は発生する急迫した危険がある場合において、当該危害の拡大を防止するため特に必要があると認めるときは、」というような表現がされておりますけれども、「重大な危害」とは一体何なのか。それから先ほども申しましたように、「特に必要がある」という場合はどういう場合なのか。それから「政令で定める場合を除き、必要な限度において、」ということが書かれておりますけれども、「必要な限度」というのはどういうことなのかということが、この法文を読んだ人々の解釈によってそれぞれかなり差があるんではないかと思うわけです。そういう意味で、ここいら辺をかなり明確にしていただきませんと、たとえば、具体的にPCBの問題について、PCBについては許容量をこすと重大な危害になるのか、そこら辺がはっきりしないわけですね。そういうなことで、こういうあいまいとした表現ということは、もう少し具体的に基準をはっきり、表現の基準をもう少し具体的に、私たち消費者にもわかるような表現をぜひ使うようにしていただきたいということが一つお願いでございます。
 それから、第三章の「製品安全協会」についてでございますけれども、さきに衆議院でも、この製品安全協会の中立性について参考人が意見を述べておられましたけれども、やはり中立性の確保ということ、これは運用面とか組織面とか、いろいろそういう面でかなり厳重にしていただきたいと思うわけです。それはやはり協会べったりでは私ども困るわけですし、天下り人事でまあまあ、なあなあ主義ではたいへん困るわけです。
 そういう意味で、食品衛生法が昨年改正されましたけれども、食品衛生法が、検査機関の要するに拡充をしていくということで指定検査機関の条項を設けているわけなんです。その指定検査機関の条項の中で、指定の基準というのを食品衛生法の第十九条の四に幾つか述べておりますけれども、そこにたとえば「業務の内容が製品検査の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。」ということをはっきりうたっている条項があるわけです。ですから、こういう点で、この製品安全協会のあり方についても公正な運用がされると、客観的に見て公正な実施がされるというような意味のことをやはりお書きいただきたいということ。
 それから、この食品衛生法に指定の取り消しなどができるということで、その指定検査機関の取り消し条項を第十九条の十三にうたっているわけです。そして、非常に不正をしたときとか幾つかの条項を設けて、その指定の取り消しができるということをうたっているんですが、この法文の中でそういう指定の取り消しができるというようなことが読み取れるのでしたらば私は納得がいくんですが、そういう項目がないとすれば、いざいろいろな問題が起きたときの指定機関の取り消しという条項をぜひお入れいただきたいし、それから製品安全協会が適当な処置をとらないときの理由の公表というようなことをやはりうたっていただきたいと思うわけです。そして、特にこの問題は安全の問題でございますだけに、それから製品安全協会の業務内容というのはたいへん範囲が広いように私は理解いたしております。そういう意味で、この問題について主務大臣とそれから製品安全協会の責任範囲というのがよほど明確にされておりませんと、私どもはなかなか信用が置けないというふうに考えるわけです。そういう意味では、消費者の意見を常時反映させていくような歯どめの項をぜひ設けていただきたいということを申し上げたいと思うわけです。
 これはどういうことかと申しますと、私どもたいへん苦い経験を持っているわけです。実は、不当景品類及び不当表示防止法という公正取引委員会で所管しておりますごまかし表示や行き過ぎた懸賞、景品を取り締まる法律がございますのですけれども、その法律の中に、公正競争規約を第十条でつくることを認めているわけなんです。これは業界の自主規制を――公正競争規約は、業界の自主規制について公正取引委員会がそれを一応検討してみて、そしてその認定の一応資格に合っていると――たとえば認定条項の中に「一般消費者及び関連事業者の利益を不当に害するおそれがないこと。」というような条項が入っているんですけれども、こういう認定条項が四つばかりあるんです。この四つを充実している場合には公正競争規約を認めることができるというような意味合いの内容で、もし、こういう公正取引委員会が行なった行政処分に対して不服があるものは、この「告示があった日から三十日以内に、公正取引委員会に対し、不服の申立てをすることができる。」ということがうたわれているわけです。そしてこの場合、「公正取引委員会は、審判手続を経て、審決をもって、当該申立てを却下し、又は当該処分を取り消し、若しくは変更しなければならない。」ということをこの景表法の十条でうたっているわけなんです。
 実は、果実飲料類などの公正競争規約の認定にあたって、固有名詞を申し上げましてたいへん恐縮ですが、具体例でございますが、たとえば「ファンタ」のように、外観から見た色が全く果汁が入っているように見える、それからにおいや味が果汁入りであるかのように見える、それから「キリンレモン」というように、色はついてないけれども、くだものの名称を使っているというようなもので、そういうものに、全く果汁が入っていないものについて、合成着色飲料とか合成香料使用という表示を書けば、それは果汁は入っていないというふうに理解できるんだというような解釈のもとに、私どもとしては、そういうものは無果汁表示をしてほしいんだということを要望したのでございます。そのことは公聴会でも表示連絡会でも主張したんですけれども、そういうことがいれられないので、実は不服申し立てをしたわけです。
 そうしましたら、その不服申し立てをしましたのは主婦連合会という団体と、それから奥むめおという個人と二つのケースで不服申し立てをしたんでございますけれども、この審判が十回ばかり開催されまして、審決では、主婦連合会及び奥むめおには不服申し立ての資格がないということで却下されてしまったという苦い経験を持っているわけでございます。
 そのときの公取の幾つか理由がありますけれども、たとえば奥むめお個人とか、それから主婦連合会――主婦連合会というのは一部の消費者団体である、奥むめおというのは個人である、一般消費者ではないというようなことを審判立会官はその説明で言っていたわけです。で、いまこれについては高裁に訴えて、六月二日に第一回の口頭弁論が行なわれる予定になっておりますけれども、こういう私どもは苦い経験を持っているわけです。
 そういう意味で、この審議にあたりまして、審議会の私も末席を汚しておりまして、消費者の意見を反映してほしいというようなことで、この法案の九十一条と九十二条に私どもの意向を反映されられたと思うんですけれども、九十一条には、「協会がした処分に係る審査請求」、それから九十三条には「主務大臣に対する申出」という条項が入っているわけでございます。
 ところが、昨年の十月に、アメリカに消費者製品安全法という法律ができておりまして、これは昨日、通産省のほうからいただいた資料なんですけれども、この法律というのは、「一般消費者が日常生活のうえで使用し、または消費する多種多様の製品の安全性を確保するため、独立の行政機関として、消費財安全委員会を設置し、安全基準の設定及び施行、基準違反製品の販売禁止、危険製品の回収等の措置を行なうとともに、安全製品に関する情報の収集及び普及を計り、さらに、一般消費者に、製品の安全性に関してメーカー等に対する訴訟の道を開こうとするものである。」ということの、大体の概要の説明がうたわれているわけです。そしてその内容は、説明するのは省きますけれども、関係者による委員会への訴願ということがはっきりうたわれておりますし、緊急時の措置の問題、それから新製品についての届け出の問題、それから輸入製品に対する規制の問題、こういうようなことをきびしくうたっているわけなんです。
 そして、この国際商事法務という原文――国際商事法務の一九七三年の一号の四という資料がやはりたまたま手に入りましたところが、たとえば先ほど説明いたしました、通産省でいただいた要約の関係者による委員会への訴願と関連があると思われますけれども、この法案というのは、消費者製品安全規則の司法審査という項目が十一条に載っておりまして、約千二百字でいろいろ書かれているわけです。ここに、「委員会が消費者製品安全規則を公布した日から六十日以内に、この規則によって不利益をうけるいかなる者も、またはいかなる消費者もしくは消費者団体も、コロンビア特別区、または、その者、消費者または団体が居住しまたは主たる業務の場所を有する巡回区の合衆国控訴裁判所に、この規則の司法審査の申立てをすることができる。」ということで、るる、具体的にどういうことができるのか、どうしなければならないということが十一条に詳しく載っているわけなんです。残念なことに、この国際商事法務の一号の四には十二条までしか詳しく載っていないで、今月の末には全文が紹介されるということなんでございますけれども、アメリカでできました消費者製品安全法というものは、かなり消費者の立場に立って、消費者が訴えることができるんだということまで詳しく書いてあるわけなんですね。
 ところが、この法案を拝見してみますと、たとえば九十一条には、「協会がした処分に係る審査請求」となっておりますけれども、これがほんとうに業者だけに限られるのかどうか。それから、業者だけだとすれば、これは消費者にとってたいへん不平等だと思うわけです。ですからこの九十一条に、「協会がした特定製品の検定等の事務に係る処分に不服がある者は、」というこの「不服がある者は、」というのは、やはり消費者もその資格があるというふうに、ぜひそういうような方向に持っていっていただきたいということと、それから第九十三条に、「何人も、消費生活用製品による一般消費者の生命又は身体に対する危害の発生を防止するために必要な措置がとられていないため一般消費者の生命又は身体について危害が発生するおそれがあると認めるときは、主務大臣に対し、その旨を申し出て、適当な措置をとるべきことを求めることができる。」、「主務大臣は、前項の規定による申出があったときは、必要な調査を行ない、その申出の内容が事実であると認めるときは、この法律に基づく措置その他適当な措置をとらなければならない。」というように、「何人も、」ということで、消費者も一応「何人も、」という中に含まれているというように理解できると思うんですけれども、これは、一応、主務大臣が申し出の内容が事実であるかどうかという必要な調査を行なって、そして、もし「その申出の内容が事実であると認めるときは、この法律に基づく措置その他適当な措置をとらなければならない。」ということになっているわけです。
 しかし、この九十三条について、主務大臣が怠慢であったりサボッたりして何にもしなかった場合、それから、調べたかどうか私どもにはわからなかった場合、それから、その調査結果が申し出者の納得できない形の結論が出たとき、それから、そのデータに客観性が持てないというような、幾つかの問題が消費者側に出てくるんではないかということが想定できるわけです。と申しますのは、先ほどのジュースの問題で説明しましたように、この問題について公聴会も開かれ、それから表示連絡会も開かれて、そのときにも、これは無果汁という表示をしてほしいということを消費者は主張したわけです。しかし、主張したにもかかわらず、それが実現しなかった。そういう事態が起こらないという保証は全くないわけです。このままの条項ですと、もし、主務大臣が適当な措置をとったことについて不満があった場合、苦情を言いたい場合、これはもう絶対に消費者が譲れない問題が出てきた場合に、この苦情というのは永遠に私どもは泣き寝入りしなければならないんじゃないかという不安があるわけです。
 それから、時期についても期限が書かれておりません。ですから、全くメーカーが危険なものを全部売り尽くしてしまったあとに、主務大臣の結論が出て措置が出てではおそ過ぎるわけです。
 それから、報告も一応するということが義務づけられていないわけです。
 そういう意味で、委員会での私ども消費者の発言がくみ入れられて、「主務大臣に対する申出」、それから「協会がした処分に係る審査請求」という条項が入れられましたけれども、こういうような消費者の訴えの道――アメリカには消費者の訴えの道をきちんと開いているわけですけれども、消費者が訴える道が開かれていないということは、私は、この法律が画竜点睛を欠くんではないかというふうに考えておりますので、ぜひそれをお入れいただきたいということです。それから、「目的」のところをはじめといたしまして「一般消費者」ということばが随所に出てまいりますけれども、これも私どもの苦い体験を話さなければいけませんですけれども、公正取引委員会の審判最中に、奥むめお、主婦連合会というのは個人であり、しかも消費者団体の一部であるということで、一般消費者ではないんだと。私どもは、個々の消費者が集まって一般消費者というふうに理解をしておりましたんですけれども、そういう説明を受けました。
 そうして、これは昭和四十七年二月二十四日の審判立会官が出されている第三回の準備書面の中に、一般消費者とは、消費者である国民大衆の意味に解すべきである、景品表示法は、かかる意味における一般消費者の利益の保護をはかるものであるが、一般消費者なるものは抽象的な存在であって、具体的実在は考えられない、というようなことをしるされているわけです。が、私どもは、一般消費者というのは生きている人のことで、抽象的な存在ではあり得ないというふうに理解しておりますけれども、こういう字句の解釈、で、この一般消費者というのはメーカーが事業をするために物を買うという立場ではなく、消費者が、先ほど宇野先生がおっしゃられたような生活をするために買う、その立場の者を消費者であるということを、ぜひきちんと定義をしていただきたいというふうにお願いする次第でございます。
 なお、そのほか重大事については公聴会を開くとかということも入れていただきたいし、国柄は違うかもしれませんけれども、アメリカは独立機関が管理して、消費者が裁判所に訴えることができるというような法律をつくっているのに、日本の役所はいつも消費者の申し出があったらばというような形の受け身の点については、ぜひこれをもっとよりよく消費者の意見を反映させ、くみ取り、役所のやることというのはいつも完全ではないんだと、不完全な場合が必ずあるんだから、そういう場合には一般の消費者が何でも言ってきて、それを判断していくというようなそういうあたたかい配慮がされなければ、ものごとというのは民主的な形で解決しないんじゃないかというふうに私は信じているわけなんです。
 この法案について、行政担当者の方たちがたいへん御苦労してつくられたということに、非常に私も感謝いたしておりますけれども、今後の問題として、やはりマークのついた製品だけについて賠償されるということはあまりにも不平等ではないか。要するに、マークのついていないものでも、私どもが買う商品というのは必ず安心して、赤ん坊が買っても、年寄りが買っても、子供が買っても安心であるというようなものが市販されるような、そういう法律にならなければおかしいし、そういう中で補償がされるという形にならなければおかしいと思うわけで、通産省所管のたとえば電気用品取締法とか、その他いろいろ安全を含めた法律がございますけれども、それを含めて、損害賠償についてこの安全マークのついているものだけが賠償されるというような不平等は、できるだけ早く解除するような御配慮をぜひしていただきたいと思います。この点については、私、小委員会の末席を汚していて、絶えずそれに矛盾を感じ、疑問を感じて発言していたことでございますので、ぜひ御理解いただきたいと思います。
 それで、今後、行政の姿勢が単に法律だけつくればいいということでなく、具体的にほかの省との関連ということ、ほかの省との連絡を十分にとって、そしてむだのないように安全の問題を、消費者が持っております安全であることの権利、意見の反映とか、自由に選ぶとか、それから知らされるというような消費者の権利を守る、そういう立場から、要するに、製品安全協会をただこしらえればいいんだとか、そういうことではなくって、消費者の権利を守るという立場からぜひほかの省とも有機的な連絡をとって、アフターケアが十分かどうかというような点も十分慎重に御審議していただいて、私どもの役に立つような法案にしていただきたいということを切にお願いして、私の意見を終わらせていただきます。
#9
○委員長(佐田一郎君) どうもありがとうございました。
 次に、三巻参考人にお願いいたします。
#10
○参考人(三巻秋子君) 消費科学連合会の会長の三巻秋子でございます。
 もはやお二人からるる御説明がございましたし、私も産業構造審議会の委員の末席を汚しておりましただけに、その内容につきましてもはや触れる余祐はございません。しかし、こちらに呼ばれました以上、その責任を果たすためには、私見でもと思いまして、きょうは、もはやお二人の内容が頭に浮かぶような気がいたしましたので、ほんのもっぱら今回の法案とその運用との関連につきましての希望を述べることによって、その責任をのがれさせていただきたいと思います。
 高田さん並びに宇野先生がおっしゃいましたことについては、私も同感でございますということを前もって申し上げますが、顧みますのに、消費者保護基本法ができましてから――これが四十三年の五月に制定されておりますが――ちょうどことしで五年目でございます。わが国の異常なまでの経済の成長と技術の開発は、世界各国の注目となるまでに至りました。そして、おのおのいろいろの経済上の圧迫を受けるに至りましたことは、いまさら言うまでもございません。しかし、その陰に種々の社会問題を引き起こしたのも事実でございましょう。
 そのひずみは、インフレのコスト高による物価の高騰となりまして、私たちの暮らしの上に大きくのしかかってまいりました。その上に、生活環境の破壊という公害問題を発生し、いろいろと購買力のあることをいいことに、無計画な企業の投資は多くの商品を町にはんらんさせました。流通機構の競争条件のきびしい状態は、悪質な利潤追求や品質管理の悪さとして、各地で欠陥商品をつくり出すまでに至りました。それがゆえに、安全性の問題が大きくクローズアップされ始めてもはや何年になりましょうか。さすが企業優先主義の各省内にも行政各省間の意識の転換といって、頭の切りかえを推進しなければならない、余儀ない時期になったということが思われます。
 今後の消費者行政の進むべき方向は、先ほど宇野先生がおっしゃいましたように、まず、一に安全、二にサービス、三に体制の整備と言われておりますとおり、つまり、売り手に立つ事業者の責務を追及すること、これを原則といたしておりますが、先生のおっしゃいましたとおり、買い手注意から売り手注意への転換となり、そして今度の消費者の被害の救済へという段階にまでなったのは当然だと私は思います。このときにあたりまして、通産省提案の消費生活用製品安全法の成立を見るべく当国会への審議に入りましたことは、時宜を得たというよりはむしろおそきに失したと思うものでございます。
 私は、消費者運動二十五年の生活を通しまして思いますことは、いつも消費者が一面保護されているような顔をした法律でも、その運用のいかんによりまして、決して消費者のためでなかったという経験をいやというほど体験してきました。私は、三十九年以来、消費の科学化をモットーに、消費者教育と消費者運動と共同購入という生協の場をもちまして、これら三本の柱を並行的に運営し、消費者が行動を起こしてこそ消費者の利益を守ることができるという信念のもとに組織活動を行なってきた者でありますだけに、この法律とて表面はよいことばずくめでも、その運用いかんによりましては相反する形にもなりかねないであろうということを、今後、注意力を持って――そういう考えのもとに産業構造審議会に加わってまいりました。
 法案の別表に掲載されております従来の多くの法律の中に見られない、いままでは、法に触れる違反者でさえとかく名称の公表を避けてきた通産省の役所の仕事が、今度は目的として、まず、「一般消費者の生命又は身体に対する危害の発生の防止を図るため、」特定の商品を政令で定め、製造、販売を規制し、危害の発生を防止するため、一に規格の基準をきめ、二に輸入品に至るまで検査を受ける仕組みと聞いています。そして、その安全基準に合格いたしましたもののみSGマークの表示をつけ、その製造事業者は主務大臣の登録を受けるとあります。また、定期検査を行ない、基準に合格しないときは改善命令を出す権限を持っているものであります。
 一方、民間の自主的な製品安全協会をもって危害防止命令として特定商品の回収をはかることができるような仕組みになっておりますことは、一段の進歩だと思います。
 なお、八十二条におきまして、特定商品を除く消費生活用品の欠陥により消費者の身体に重大な危害が発生し、また急迫した場合は緊急命令を発することができるということ、それから、安全基準をJISの基準よりも高度なものとしなければ安全の意味がないということを、その審議会の席上におきまして消費者が声を大にして要求したことが今回の特色であると私は思っております。
 九十七条においても、四条の「検定及び販売の制限」、七条の「表示の制限」に違反した者に罰則が明示されたこともその一つでございます。従来の家庭用品品質表示法にしろ、電気用品の型式承認マークの安全取り締まりでさえ脱法する例が相も変わらずございます。これは勧告が何回目になってはじめて公表するという考え方に比べますならば、今回のものは数段の進歩といえましょう。
 そこで、法律成立の暁には、まず、特定商品を一般の苦情から吸い上げまして、実態をよく知り、特定商品を他の法律にダブらない上で――このダブらないというのが私は少々もの足りないのでございますが、一般の法律からも吸収できるということにしてほしいのでございますが、ここでは特定商品というものは従来の法律は除くことになっておりますので、特定商品を一つでも多く官民一体となって早く指定させ、SGマークが正しく高い基準で評価でき、安心して商品の選択に役立てることが必要となりましょう。企業のモラルの必要の重要なことは申すまでもございません。
 先般、アメリカへ視察に参りましたとき、恩師に、一団で毛布をお礼として求めようと話し合いましたときに、アメリカのULの品質表示の権威のあることを私は知っておりましたので、その選択に戸惑いなくこの表示のついたものを求めたことをいま思い出しております。知らぬ土地の買いもの等も、安心して求められる気持ちを与えたことは、その信憑性と普及のよさが物語っているものではありますまいか。
 次に、安全センターでの安全基準作成に当会の者も携わって出ておりますが、その一、二の例を申し上げまして、今後の慎重な基準設定、いわゆる運用のしかたいかんでどんなにでもなるということを述べてみましょう。
 たとえば、うば車と歩行器の検討が着々と進んでいるやに聞きますが、うば車は、親の便利さと団地での運びよさ、いわば便利さから車輪は小さく、簡単化することができることで、幼児の頭への動揺とか、柄が抜けてしまうとかいうことが考えられていないという使用者の声が強かったと聞いております。また、歩行器は、歩行の「訓練になる」と書いてありますんですが、これは少しも訓練にはならないんだと、むしろ、寄りかかるがために危険があることすらあるというようなことをお互いの委員が話し合って、この「訓練になる」ということばを取ったそうでございます。
 このように、消費者の意向というものは、安全センターの基準作成にあたりましても十分発言する場があるということがありますので、この委員たちが慎重に審議をすることがあったならば、われわれの心配もあるいはある程度避げられるかもわかりません。これら実際に使用してみてのとうとい体験がその基準となり、表示のしかたによい影響を与えてこそ、このSGマークの信頼性が出るということで、表示のしかたによっては間違った解釈をするものもあり得ることを、今後、各審議の対象者は責任を持って論議すべきであると痛感するものでございます。
 要するに、安全基準の高度さ、運用面の適正化、その迅速さが規制内容としてよくくみ取られることが現段階での最大の問題点と思います。これを同時に、各地の消費者センター並びに国民生活センター等はもちろんのこと、国の検査機関を大いに民間に協力させ、効果をあげることが必要でありましょう。
 なお、消費者を守るためには、罰則、命令等はどしどしと実施に移してほしいと思います。
 最後にもう一つ、被害者救済の運用にはその原因の究明を明らかにする等、以上を希望といたします。
 最後に少々時間をいただきまして、当連合会では、去る二十五日、四十八年度の総会の席上で三つの運動方針を定めました。「物価をつり上げる買い占め、寡占対策を強化させよう」、二番目に、「むだを省いて資源の活用に協力しよう」、三番目が、「すべての商品は安全性の確認から」、という運動方針を取りまとめましたが、この法案の成立を見込んで、特定商品の政令指定に一般の声を大きく取り上げたいための運動方針でございました。
 最後に、移り変わります激しい世の中で、安全性の不必要な世の中にすることが先決ではありますが、ともすれば、疑似マークをつける悪徳業者が出て、法律を空文化させる危険性があるかもしれません。慎重なる御審議を望みまして、私の意見といたしたいと思います。
#11
○委員長(佐田一郎君) どうもありがとうございました。
 以上で参考人の方々の御意見の陳述は終わりました。
 これから参考人の方々に対する質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#12
○小野明君 宇野先生にちょっとお尋ねをいたしたいと思います。
 先生のお話でよく背景というものがわかったわけでございます。売り手をチェックしなければならぬということが趣旨でこの法律案ができておるということであります。ところが、いま高田参考人がいろいろ問題点を述べられておりますように、あるいはいままでのいろんな消費者運動の経験からまいりました問題点等をお述べになっておりますが、先生が、この法律案について一番大きい問題点といいますか、それはもちろんお考えになられておると思うんでございますが、それらにつきまして、まあこういうところ、こういうところというふうにひとつ御説明いただければ幸いと思いますが。
#13
○参考人(宇野政雄君) 私が申し上げるというよりは、すでに諸先生方のほうにこの安全法案の提案理由とか、ないし補足説明とかございますが、そのほかに安全法案要綱というようなことで大体抜粋したものが出ているかと思うのでありますが、そこに出ているようなものが、さっき私が申し上げましたような考え方の上に立ってつくり上げられてきたと、こういうように御理解いただければいいんじゃないかと、つまり、産構審の消費経済部会でいろいろ検討いたしましたところから見ましたものを、たいへん行政当局がじょうずにまとめて反映してくれたと、こういうように私は理解したものですから、特にどうというのじゃなくて、この何枚かにわたって書いてありまする、ここに出ています、つまり、安全法案要綱で、第一、総則、第二、特定製品、第三が製品安全協会でございますか、こういうようなものが、ポイントとしてもしお考えいただくならばポイントだというように御理解いただいたらたいへんありがたいという気がするわけでございます。
#14
○小野明君 重ねてお尋ねいたしますが、たとえば八十二条の「緊急命令」という項がございますね。この項を見ますと、この法律案の各所にこういった問題は見られるわけですが、この二行目に、「一般消費者の生命又は身体について重大な危害が発生し、又は発生する急迫した危険がある」、この「重大な」、あるいは「急迫した危険」と、こういう形容詞がございます。なお、「危害の拡大を防止するため特に必要がある」と、こういうふうな表現がございますね。これらのことばは、えてして通産省側としては、このことばに隠れまして、重大な危害がないと、必要はないと認めるとか、そういうふうな逃げ口上にされやすい点だと思いますね。こういうことばがあるものですから、どうも肝心なところがざるになっているという感じを持つわけですね。この点は高田参考人も若干述べられておるわけなんですね。どうも、網はよかったがしりは結ぼれないというところがございますが、これらについてはいかがでしょうか。
#15
○参考人(宇野政雄君) 私、たまたまいま、総理大臣の諮問機関でございます国民生活審議会というもののほうにも関係しているわけでございますが、あちらの審議会で見ますと、ほかのいままでの審議会と違いまして、必要によってはその審議会のほうから諮問に応ずるというよりは建議することができるというような一項目があるわけで、随時それによりまして、これは、高田委員もその審議会の中で消費者保護部会というので御一緒さしていただいているわけですが、ときどき諮問というよりは、そこで検討したもので総理大臣に善処方を求めるようなことをやったりするわけでございますが、何かいまのような形のものが、具体的にこの法律を運用していきます場合に、当然、何か審議会ができるだろうと思うのですが、そこらにいまの建議をし得るようなことを入れておいていただくと、これはかなり実質的には、いま御懸念のようなことは解決できるんじゃないかというような気が私はいたしますんでございますがね。
#16
○小野明君 もう一つ、やっぱり安全マークが張られておる商品が事故を起こすということが一番これは問題点なんですね。もちろん、一般のJIS製品についてもこれは同様だと思いますが、特に安全マークが張られた分が事故を起こすなんということが非常に問題なんで、この安全基準の作成ということが非常に私は重要な仕事になると思いますね。この安全確保のためにいかなる措置をとればいいか。従来のような機構ではなくて、専門的にチェックする、あるいは消費者の声を聞くというような、作成の過程とか、あるいは構成とか、それらについて御意見がございましたらお聞かせいただきたいと思うんですが。
#17
○参考人(宇野政雄君) そこまでこまかいことは、私、頭にまだございませんけれども、いまお話しのように、やはり事安全という問題は、非常に身体に関連するわけで重要な問題でありますから、しかも、特に高度の技術ででき上がってきている品物になりますと、専門家をよほど大事にして御検討いただかなければならない。この辺が若干、経済問題などと違う大きい問題だという気がするわけで、できれば、やはり中立的なその道の専門家の方々を動員して、この基準をつくっていただくというようなことはぜひ進めていただきたいという気がするわけでございます。
#18
○小野明君 次に、高田参考人にお尋ねをいたしますが、事故報告の義務ということを第一番におあげになりました。それから九十一条、九十三条の関係をお述べになりましたね。この法律案によりますと、八十三条に「報告の徴収」ということが、一項がございます。「政令で定めるところにより、特定製品の製造、輸入又は販売の事業を行なう者に対し、その業務の状況に関し報告をさせることができる。」と、こういう一項がございますね。これについて私ども十分であるとはもちろん思ってはおりません。おりませんが、九十三条との関係で、この報告の徴収についてさらに加えるとすればどういう点になりますのか、お伺いしたいと思います。
#19
○参考人(高田ユリ君) 八十三条の報告の徴収というところは、一応必要が――先ほど小野先生もおっしゃっておられたように、「必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、業務の状況に関し報告をさせることができる。」ということで、「必要があると認めるときは、」ということになっている点ですね。こういう点について、たとえば事故があったとき、その事故の報告の問題がないと非常に解決つきにくいというような問題が必ず出てくると思うんです。そういうような具体的なことをぜひ内容に織り込んでいただきませんと、ただ、この法文で読めるというふうに先生はおっしゃられましたけれども、いざというときにはなかなかその必要があるというふうには理解できないとか、業者にはなかなかそういうことはやらせにくいんだとか、往々そういう形になってしまうわけです。
 それで、先ほどのアメリカの製品安全法の法文の内容を見てみますと、ちょっと報告のところとは違いますけれども、消費者製品安全規則の司法審査のところの十一条の条文を見てみますと、大体約千二百字で埋められているわけなんです。そして、それについてはどういう場合に――先ほど話しましたように、「六十日以内に」、それから「不利益をうけるいかなる者も、」、それから「消費者もしくは消費者団体も、」というように非常に詳しく具体的に、しかも、その訴えられる場所というのは、「消費者または団体が居住しまたは主たる業務の場所を有する巡回区の合衆国控訴裁判所に、」というように、それから、これを受け取った「裁判所の書記官は、申立書の写を、委員会または委員会が指定する行政官および司法長官に送付しなければならない。」というようにかなり具体的に書かれておりますので、私としては、やはり報告の問題についても、ただ事故報告システムの問題をここで読み取れるということでなくて、もう少し具体的に内容を加味していただきたいというふうに思います。
 それと同時に、九十三条でございますけれども、先ほど公取の審判の審決が出て、私ども消費者団体及び奥むめお個人に訴えの資格がないという審決が出ましたときに、これは全国の消費者の方たちからお手紙なり電話なりいただいたり、それから国会議員の先生方からも、行政の措置としてこういう解釈のしかたはおかしいので、何かできることがあればというような御助言などもいただいたりするほどこの訴える資格の問題というのは――私どもとしては持っているというふうに思っておりましたのですけれども、そういうものがないとすれば、九十三条の中にそういう訴える資格があるんだと、訴えられるんだということをやはり明文化していただきたいことと、それから、報告の義務があるということと、それから、期間の問題をやはり先ほど申しましたような形でぜひ取り上げて、そういう形で取り上げていただかなければ、せっかくのこの安全法というのが、ほんとうに消費者の権利を守るためにできたというふうには私は理解できないわけでございます。
#20
○小野明君 アメリカのいまおっしゃられました消費者製品安全法というのは、その点がなかなか抜け道がないようにきちんとこしらえられてあるようですね。
 そこで九十一条というのは、やっぱり御指摘のように、これは協会の業務が六十三条に書かれておりますが、この第一号にしかかからぬわけですね、九十一条は。この一号にしかかかってこない。したがいまして、やっぱり消費者というのがもし――これは通産省に質問していかなければならぬ問題ですけれども、上へかかりますとしても、ウェートが非常に低いわけですね。この辺は主張を十分していきたいと思います。
 それから九十三条のおっしゃる御趣旨は、「適当な措置」というところが一番問題だとおっしゃるわけですね。これをこのままにしておると、適当にごまかされてしまうのではないか、こういうことでございますね。ここに不満がある場合には一体どうするのだと。あるいはここに報告の義務、あるいは公表、公表ということはちょっと御意見になかったようでございますが、報告し、その異議を申し出たものについて報告をさせ、それを公表させなきゃならぬと、そして、それは何日までという期限をつけなさいと、こういうことでございますね。これは団体とかいうことではなくて、はっきり消費者をさしている項目だと思いますね。そういうことでございますね。
#21
○参考人(高田ユリ君) はい。そういうことでございます。それで九十三条の「適当な措置」のところ、いま先生がおっしゃられたように公表もぜひ入れていただきたいし、その場合、その理由ですね、調査をした結論だけでなくて、どういうことでということをはっきりしていただきたいし、それでそれと同時に、なお、くどいようでございますけれども、それに満足ができない場合に裁判に訴えることができるということをぜひ入れていただきたいわけです。
 それで、先ほど先生が、協会の業務内容について六十三条の一号だけしか入らないとすれば、そうだとすれば、あとここの六十三条に八号まであるわけです。こういうものが入らないとすれば、幾つかの、二から八号について、協会がしたものについて消費者が被害をこうむる場合があるというような想像はできるわけなんですね。そういうことに対しては、要するに、審査請求ができないということは全く不平等だと思いますし、そういう点をやはりいつでも消費者の意見が反映されるような窓口、そういうものが法的に開かれているという保証を私はぜひ与えていただきたいと思うわけです。特に九十一条については、この協会というのが行政機関でないという考え方から入ったというふうに理解できますけれども、業者だけでなくて、消費者自身もかなりこの問題については不服があり得る場合があるわけなので、ぜひその点も片手落ちがないようにしていただきたいというふうに思います。
#22
○小野明君 三巻参考人に一点お伺いしたいと思います。というのは、先ほど被害者救済について万全を期せという御意見があったと思いますね。これは同じく六十三条に、業務の要項が八号にわたっておりまして、六十三条の三号と五号に被害者救済の事項が書かれておりますが、これについて御意見があればひとつ、まあそれ以外でもいいです。被害者救済の面につきまして伺わせていただきたいと思います。
#23
○参考人(三巻秋子君) いろいろと法律というものは、なかなか高田さんのように内容をこまかくこう書くということは容易でないということは、その審議会の途中でも、いろいろと法制上との関係でありますが、含みとしては、役所においては、今度はそういう救済方法等は完全に緊急命令をも出すことができるのだというような、そういうところまで約束事を得ておりますので、私はそれはやってもらえるものだと信じております。
#24
○小野明君 一応安全マークが張られた、それによって事故が起こったという場合、従来の政府のやり方ですと、たとえば自動車事故ですと、保険会社がみな査定をしますね。それで期間を延ばされて、保険会社がその査定額を値切っていくと、こういうようなことになりがち、まあなっておるわけですね。そうすると、今回のこの件も、この三号についてはほぼ一千万円ぐらいと、こういうことのようなんです。それも保険会社が扱うということになりますと、これはぼろくそに値切られまして、しかも期間が引っぱられる、保険会社は専門ですからね。非常に低いものになるのではないかというおそれがあると思うのです。その点について。
#25
○参考人(三巻秋子君) その審議の途中におきましては、一時見舞い金として三十万円だけは先にお出ししますと、その後においていろいろ調査した結果、一千万円を限度としてその被害に応じた分を払いますということでございますので、そういう問題は、その過程において早く当然消費者に有利にすべきものだと私は信じます。
#26
○小野明君 たとえばその三十万とか……。
#27
○参考人(三巻秋子君) それは見舞い金として一時早く渡すということでございまして、そして、その差額に応じてはその後に査定されてから支払いをするということでございますから、やはり自動車事故じゃございませんが、双方間のいろいろな、また使い方によって事故を起こす場合もありますし、そういうことを慎重に――機械そのものの悪さか、使い方の悪さなのか、そういう点などをも慎重に審議されたあとの結果がいわば安全協会から言い渡されるのじゃないのでございましょうか。それとともに、保険会社がそこに介在して支払うのじゃないでしょうか。
#28
○小野明君 そうしますと、大体この政府の、通産省構想でよろしいという御意見でございますか。
#29
○参考人(三巻秋子君) まあ現段階においてはこれだけぐらいしかやむを得ないと一いままでが、あんまり役所というものが、消費者保護、消費者保護と言いながら、裏を返せば環境衛生法にしろ、それから畜産物の価格安定法にしろ、すべて農業者のほうばっかりを向いておりましたり、それから美容、理容、クリーニングのほうばっかりを向いておりまして、いざとなった場合には消費者の保護には何らなっておらないというような現時点のある中で、消費者をここまで法律として持ってきたということは――何も理想的にそこまでいくという段階は容易ではございませんだろうと私は想像するんですね。あんまり、何といいますか、なまぬるいような、消費者団体のリーダーとして恐縮でございますが、やはり徐々に悪いところは直していくということを、運用の面においてそれが――私は、関連づけて先ほどからお話しましたのはそこなんでございまして、運用面での適正化とか迅速化とかということ等で、ことばであらわしているつもりでございますが……。
#30
○小野明君 いまの問題で、この三号の運用なんですが、まあいまの場合は協会がやると、こういうふうなことらしいですね。しかし、これはあるいは保険会社がやるようになるかもしれません。保険会社がやるようになってもこれはしかたがないというようなことですか。
#31
○参考人(三巻秋子君) それは、そういう詳しいことまで私存じませんので、お役所のほうでそれはお尋ねくださいませ。
#32
○小野明君 終わります。
#33
○中尾辰義君 私、一点だけお伺いしますけれども、宇野先生と高田さんにお伺いしますが、通産省が電気用品を試買して、その検査の結果これを発表しているわけですが、これは昭和四十六年度の電気用品試買検査の結果について昨年の八月に公益事業局から出ておるわけですね。これを見ますると、買い上げ数の機種が百八十二、それから台数が三百六十四と、この中には電気アイロンだとか、電気洗濯機、あるいは電気髪ごて、電気ひげそり、あるいは電気温水器、いろいろなものが入っておりますが、で、機種は百八十二ですよ。この結果を見ますると、技術基準不適合数、これが機種で二十七、台数で四十八、こう出ておるわけです。詳しくこちらの表にも出ておりますが、この中から二、三拾ってみまするというと、一流メーカーの三菱電機あるいは鳥取三洋電機、これは電気温水器の絶縁抵抗がほとんどゼロだという、こういうような結果が出ておりまして、非常にまあ危険だと思うわけです。ところが、これは電気用品取締法で一応の技術基準というものはあるわけでして、それでもなおかつこういったような一流のメーカーがこういうような欠陥の商品を出している。
 こういうようなことから考えてみまして、今度の安全法案に、特定製品については、当然、これは省令で定める技術検定を受けると、まあこれはいいとしまして、登録製造業者の場合、これは製造しようとする特定製品の型式について、一定の要件のもとに、主務大臣の承認を受けることができるものとして、当該承認を受けた型式に従って特定製品を製造したときは、2の規定にかかわらずみずから表示することができると、これは一応型式において承認を受ければ、自分の会社で自主的に検査し、そのマークを張れるわけですね。まあこういうような規定になっている。そして、定期的に何回か検査を主務大臣に受けなければならぬと、こういうことですが、この辺、いま私が最初に申し上げました電気用品の欠陥の例から見てどうお考えになるか、その辺の御意見をお二人にお伺いしたいと思います。
#34
○委員長(佐田一郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#35
○委員長(佐田一郎君) 速記をつけて。
#36
○参考人(宇野政雄君) この問題は、産構審の消費経済部会でも問題になったことでございまして、非常に進んだ考え方の人から言わせれば、当然、今度はいまこの御審議いただくような製品安全法で全体を網羅すべきじゃないかと、そうすればかなり問題は解決するのじゃないか。つまり、いまの型式承認マークのようなものも含めたほうがですね。
 ただ、現実の問題としては、法律があるから、その法律のほうも含めてという、重複するのではまずいだろうというようなことで、いまのような型式承認マークのほうのものはその運用をもっと強化してもらうと、こういうようなことで問題は一応解決するということは考えられるのじゃないかというような話だったと思うのでございますけれども、ですが、やはり世の中の進展の状況から見ると、むしろ私は、こちらのいまの法案で御審議いただくような方向で、これをも、いままでのようなものもほんとうは網羅すべきじゃないかとという気がしております。一応ここのあれでは、別表としては、別表にあがっておりますような法律のものは除くということになっているわけでございますけれども、将来の問題としてはこの辺までも含めなければ、消費者というサイドから見れば困るのじゃないかというような気はいたしておりますけれどもですね。
#37
○中尾辰義君 まあ、これは通産省にお伺いするのが至当かしれませんが、いまの電気用品でも、一応、電気用品取締法という法律があって、その中には技術基準もあるわけですね。それでああいう欠陥が出た、しかも一流メーカーでああいう欠陥を出したということは、どこにその欠点があるのかですな。
 それから、そういうところから勘案して、今度の型式承認によって登録事業者は自分でぽんぽん張れると、このことで大体完全にいけるかどうか、その辺のところをお伺いしたいのです。
#38
○参考人(宇野政雄君) 今度の法案のほうでは、ものによっては、これは特に特定製品として指定したようなものについては、まずいものは発売を禁止させることができるというようなことがあるように思いますけれども、何かその辺のところで、こちらのこの法案で取り上げているものではそこまであるのだとなれば、企業としても非常に注意をしていくという問題も出てくるだろうと思いますし、前のいままでの型式承認のようなものとの違いというのはそこに出てくるのじゃないかという気がいたしておりますけれどもね。
#39
○委員長(佐田一郎君) 高田参考人、関連してひとつ……。
#40
○参考人(高田ユリ君) いまの先生の御意見で、私も、いまの法案ができても、やはりたとえば電気用品関係で基準にはずれるようなものがでてくるというような、そういうケースは全くなくならないんではないかというふうに考えているわけです。たとえばそういうふうな製品が出てくるというのは、いろんな総合的な、要するに、役所の行政の姿勢とか、法律の内容とか、総合的な結論がそういう形で出てくるんではないかと思われますけれども、要するに、監視をより充実させて、そういうものをもっと公表すると、メーカーの名前を含めて、遠慮しないでどんどんどこの部分がどうなのかという公表をやはり消費者の立場に立って公表をしていくとか、それから回収命令を出す場合に、よく私どものほうでも苦情の窓口を開いているわけです。そこへ電気用品で、たとえば電気ごたつが焦げたというな危険商品が持ち込まれるわけです。ところが、それらを見てみますと、こういう危険な商品を、欠陥商品に対して回収しますからというようなメーカーの広告が出ているわけです。で、それが非常に小さい、このぐらいのスペースで回収の広告がでている。普通、宣伝をするときには一ページ広告を出しておいて、回収のときには非常に小さい、目につかないような方法で出ている。それで、そういう欠陥が出たときに、回収の方法ということについてもう少しきびしく、回収の方法はどうあるか、回収がどこまで進んでいるかというようなことを、やはり指示するというようなことが必要じゃないかと思われます。
 それからもう一つは新製品ですね、新製品が出てくる場合に、たとえばアメリカの法律の場合には、新消費財の製造業者に対し、販売する以前にその製品及び内容についての届け出を義務づけをすることができるという内容がうたわれているわけです。そして、その新消費財という定義が消費財のデザインとか、材料とか、エネルギー交換の形態がこれまでの消費財の中で実質的に使われたことがなくて、消費者が使う際に、その製品の安全性を決定するのに十分な情報に欠けているものというような新製品のチェックの条項が入っているんですけれども、これは一つの予防事項、欠陥商品が発生する一つの予防措置になるんではないかというふうに考えられるわけです。
 それから罰則規定でも、日本の場合は三十万円でございますけれども、アメリカですと、たとえば一日一件について二千ドル以下、大体六十万円ですね。それから、要するに、委員会から罰則の通知を受けたあとに禁止行為を続けるものに対しては五万ドル以下と、千五百万円ですね。このぐらいの大きな過料をつけているわけなんです。過料が多いからいいということではございませんけれども、やはりこういう基準、せっかく電気用品取締法という法律がありながら、それがうまく運用されていないというのは、総合的に判断して、いまアフターケアの監視の問題とか、回収はどうあったらいいかとか、それから新製品のチェックとか、罰則のあり方とか、幾つか申しましたけれども、こういうような総合的な、要するに、処置のしかたが手ぬをいと必ず基準にはずれるようなものが出てくるのではないか、そういうふうに私は考えております。
#41
○須藤五郎君 もう時間がありませんから、私、一言だけお伺いしたいのですが、高田さんのおっしゃった意味もそうだろうと思うのですが、こういう法律の中で私たちがほんとうに具体的に知りたいと思う点は、政令によりというようになっているわけですね。だから私は、この政令に書き込む点を法の中にひとつ書いて、一般の人に示してもらいたいという気持ちを持っているのですね。その点で言いますと、アメリカの消費者製品安全法はより親切に私はできているように思っております。
 それからもう一つは、安全協会の組織の問題ですが、評議員会、せめて評議員ぐらいは、私は民間の消費者団体の推薦する人をこの中に加えるべきだと思うのですが、その二点について、できれば――時間がもうありませんから、私、それじゃ高田さんに代表でひとつ御意見を伺っておきたいと思いますが……。
#42
○参考人(高田ユリ君) 先生のおっしゃるのと全く同意見でございます。ですから、政令できめるという場合に、政令はだれがきめるかということに私どもは非常に大きな問題があるというふうに考えております。そういう意味で、先ほども申しましたように、たとえば訴えの問題で、アメリカの場合は――アメリカがいいということではございませんですけれども、千二百字ぐらいに具体的に書かれている。ところが主務大臣の申し出の項で、日本の法案の場合には大体二百四十六字ぐらいで、ふあっと、こうあいまいもことした表現で終わっているという点は、やはり一応こういう点を一つ見ても、その法律が消費者となじみにくいというようなことが出てくるのではないかというふうに、全く私見でございますが、そう思いますし、先ほどおっしゃられました評議員会の問題を含めて、少なくとも消費者団体の意向を反映する方がオールメンバーでなければいけないというふうに考えております。
#43
○委員長(佐田一郎君) これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の各位には、御多用中、長時間にわたり御出席をいただきまして、また、貴重なる御意見を拝聴させていただきまして、まことにありがとうございました。委員一同を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十七分散会
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ソース: 国立国会図書館
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