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1972/05/10 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 商工委員会 第9号
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1972/05/10 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 商工委員会 第9号

#1
第071回国会 商工委員会 第9号
昭和四十八年五月十日(木曜日)
   午前十時七分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐田 一郎君
    理 事
                大谷藤之助君
                若林 正武君
                阿具根 登君
                藤井 恒男君
    委 員
                植木 光教君
                小笠 公韶君
                川上 為治君
                剱木 亨弘君
                林田悠紀夫君
                安田 隆明君
                小野  明君
                大矢  正君
                藤田  進君
                中尾 辰義君
                峯山 昭範君
                須藤 五郎君
   衆議院議員
       修正案提出者   中村 重光君
   国務大臣
       通商産業大臣   中曽根康弘君
   政府委員
       通商産業政務次
       官        矢野  登君
       通商産業大臣官
       房参事官     濃野  滋君
       通商産業省企業
       局長       山下 英明君
       通商産業省企業
       局次長      橋本 利一君
       通商産業省化学
       工業局長     齋藤 太一君
       中小企業庁長官  莊   清君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
   説明員
       経済企画庁長官
       官房参事官    熨斗 隆文君
       通商産業省企業
       局消費経済課長  村岡 茂生君
       通商産業省公益
       事業局技術長   和田 文夫君
       工業技術院標準
       部長       佐藤淳一郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○中小企業信用保険法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○国際経済上の調整措置の実施に伴う中小企業に
 対する臨時措置に関する法律の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○消費生活用製品安全法案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(佐田一郎君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案及び国際経済上の調整措置の実施に伴う中小企業に対する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
 まず、両案について政府から趣旨説明を聴取いたします。中曾根通商産業大臣。
#3
○国務大臣(中曽根康弘君) 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明いたします。
 中小企業信用補完制度は、創設以来一貫して発展を遂げ、現在二兆三千億円を上回る保険規模に達し、中小企業者に対する事業資金の融通を円滑にする上で、大きな役割りを果たしてきております。
 しかしながら、中小企業を取り巻く環境は、現在、急速に変化しつつあり、それに伴い信用補完制度においても中小企業者の現実の資金需要に十分対応できない面が出てまいっております。
 本法律案は、このような観点から中小企業信用保険法の一部を改正しようとするものでありますが、その概要は次のとおりであります。
 第一は、保険限度額の引き上げであります。
 最近の中小企業者の資金需要の大口化傾向に対応して、普通保険の中小企業者一人当たり限度額を現行の二千五百万円(組合の場合は、五千万円)から三千五百万円(組合の場合は、七千万円)に引き上げようとするものであります。
 また、特別小口保険につきましても、小規模層の資金確保の円滑化をはかるため、小企業者一人当たり限度額を現行の八十万円から百万円に引き上げることとしております。
 第二は、公害防止保険のてん補率の引き上げであります。
 すなわち、公害問題の重要性にかんがみ、公害防止保険のてん補率を現行の七〇%から八〇%に引き上げようとするものであります。
 このことにより、公害防止保証の一そうの推進がはかられ、中小企業者に対する公害防止資金の融資の円滑化に寄与するものと考えます。
 以上がこの法律案の提案の理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
 次に、国際経済上の調整措置の実施に伴う中小企業に対する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 去る二月十四日に実施されましたいわゆる第二次ドル・ショックと称される円の変動相場制への再移行は、輸出関連の中小企業の事業活動に著しい影響を及ぼすことが憂慮されております。
 政府としては、直ちに、中小企業製品にかかる輸出の円滑化をはかるために外貨預託を裏づけとする先物為替予約制度を実施しましたが、中小企業対策の重要性と緊急性にかんがみ、政府部内で所要の措置の検討を進めた結果、三月十四日国際通貨情勢の変化に伴う緊急中小企業対策について閣議決定を行ないました。閣議決定は、次の事項を骨子としております。
 すなわち、第一は、政府関係中小企業金融三機関等による長期低利の緊急融資の実施であります。融資規模二千二百億円、金利六・二%の特別融資により、輸出関連の中小企業者の経営安定をはかるものであります。
 第二は、前回のドル・ショック時に実施した緊急融資の返済猶予を行なうほか、設備近代化資金、高度化資金等について返済猶予措置を講じ、経営安定をはかるものであります。
 第三は、担保力の乏しい輸出関連の中小企業者に対し、中小企業保用保険の特例措置を講じ、その信用補完をはかるものであります。
 第四は、法人税及び所得税につき、今後二年間欠損金の繰り戻し制度による還付を既往三年間にさかのぼって行なうなどの税制上の特別措置であります。
 第五は、中小企業の事業の転換を円滑化する措置であります。
 政府としては、これらの特別措置により、輸出関連の中小企業者が第二次ドル・ショックに耐え、事業活動に支障を生じないよう遺憾なきを期したいと考えております。
 本法律案は、この閣議決定の内容中、法律的な措置を要する事項につき立案されたものでありますが、その要旨は次のとおりであります。
 第一は、今般の円の変動相場制への再移行を国際経済上の調整措置として規定し、これにより影響を受ける輸出関連の中小企業者を新たに認定することであります。この結果、前回のドル・ショック時に認定を受けた中小企業者も、新たに認定を受けることにより、再び救済措置を受けることができます。
 第二は、新たに認定を受けた中小企業者について、中小企業信用保険上の特例措置を講ずることであります。具体的には、通常の保険限度額のほかに、特別小口保険については八十万円、普通保険については二千五百万円のそれぞれ通常分と同額の別ワクを設け、無担保保険については通常分の一・五倍の四百五十万円の別ワクを設けることであります。この信用補完の強化により、担保が不足している中小企業者に対して、金融の円滑化をはかることであります。
 また、四十八年二月十四日以降、認定を受けるまでの間に、信用保証協会が輸出関連中小企業者にした保証についても、この特例措置を遡及して適用することといたしております。
 第三は、認定を受けた中小企業者に対し、設備近代化資金の支払い猶予の特例及び事業の転換の円滑化のための措置を講ずることであります。
 第四は、租税特別措置法の一部を改正し、新たに認定を受けた中小企業者等に対しては、今後二年間に生ずる欠損金につき繰り戻し制度による還付を、通常は一年となっておりますのを特に既往三年間にさかのぼって認めることとしたことであります。
 第五は、新たに認定を受けた中小企業者に対し講ずる特別措置に遺憾なきを期するため、法律の有効期間三年を五年に延長することであります。
 これがこの法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#4
○委員長(佐田一郎君) 次に、国際経済上の調整措置の実施に伴う中小企業に対する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案については、衆議院において修正が加えられておりますので、この際、衆議院にける修正部分について、修正案提出者衆議院議員中村重光君から説明を聴取いたします。中村衆議院議員。
#5
○衆議院議員(中村重光君) 国際経済上の調整措置の実施に伴う中小企業に対する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案の衆議院における修正につきまして御説明申し上げます。
 修正は、中小企業信用保険法による輸出中小企業関連保証の特例のうち、無担保保険の付保限度額を、別ワク四百五十万円から五百五十万円に改めたことであります。
 御承知のとおり、輸出関連の中小企業者は、前回のドル・ショックから十分立ち直っていないうちに行なわれた今回の円の変動相場制移行により、再度の打撃を受け、深刻な影響をこうむっております。
 これらの輸出関連中小企業者にとりましては、今後の金融引き締め基調の中で、金融の円滑化をはかることが最も重要な問題であります。
 改正案におきましても、輸出中小企業関連保証の特例において、無担保保険は、付保限度額を別ワク四百五十万円に引き上げておりますが、輸出関連中小企業者の担保力の実情にかんがみまして、さらに引き上げをはかることが必要であると考えられますので、付保限度額を五百五十万円に修正した次第であります。
 よろしく御審議を賜わり、御賛成賜わりますようにお願い申し上げます。
#6
○委員長(佐田一郎君) 次に、両案について補足説明を聴取いたします。荘中小企業庁長官。
#7
○政府委員(莊清君) 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を補足して御説明申し上げます。
 現在、全国で五十二の信用保証協会が、中小企業者の金融機関からの借り入れ債務を保証することにより、担保力に恵まれない中小企業者の信用力の補完に大きな役割りを果たしております。
 中小企業信用保険制度は、この信用保証協会の行なう保証について中小企業信用保険公庫が保険を引き受けることによりその推進をはかろうとする制度であり、創設以来、一貫して発展を遂げ、中小企業者に対する事業資金の融通を円滑にする上で目ざましい実績をあげてまいっております。ちなみに、昭和四十七年度の保険引き受け残高は二兆三千億円を上回る見込みであり、保険利用件数も年間百万件近くに達し、中小企業金融をささえる大きな柱となってきております。
 しかしながら、中小企業の最近の資金需要の動向を見ますと、信用保険制度について一段とその充実、強化をはかることが必要となってまいっております。
 その第一は、最近における中小企業者の資金需要の大口化傾向に対処するため、保険限度額を引き上げることであります。近年の環境変化に対処し、中小企業者は従来にも増して積極的な努力が要請されており、その必要資金はますます増大しております。このため、普通保険につきまして、昭和四十六年の引き上げに続き、中小企業者一人当たりの限度額を現行の二千五百万円から三千五百万円に、組合の場合は、一組合当たりの限度額を現行の五千万円から七千万円に、それぞれ引き上げようとするものであります。
 また、特別小口保険につきましても、現行の八十万円から百万円に引き上げ、零細中小企業者の資金確保の円滑化に資することとしております。
 第二は、公害防止保険につきまして、そのてん補率、すなわち、事故が生じた場合、信用保証協会に支払われる保険金の割合を現行の七〇%から八〇%に引き上げようとするものであります。公害防歩対策は中小企業者にとっても不可避の課題であり、このため、政策融資によって長期、低利の資金供給をはかる一方、民間資金の活用をはかるため、信用補完制度においても昭和四十六年に公害防止保険を創設し、十分な配慮を払ってきたところでありますが、さらに一段と公害防止保証の推進をはかる必要があり、これが対策として同保険のてん補率を引き上げ、中小企業者に対する公害防上資金の融資の円滑化に寄与することとしております。
 以上、この法律案につきまして、簡単でございますが補足説明をいたしました。何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
 国際経済上の調整措置の実施に伴う中小企業に対する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を補足して御説明申し上げます。
 国際経済上の調整措置の実施に伴う中小企業に対する臨時措置に関する法律、いわゆるドル対策法は、一昨年の第一次ドル・ショックにより事業活動に支障を生ずる輸出関連の中小企業者を救済するために制定されたものであります。ドル対策法に基づき、一万三千四百二件の輸出関連の中小企業者が認定され、これら認定中小企業者に対して、保険引き受け額六百六十四億円にのぼる信用補完措置が講じられました。また、これまでに設備近代化資金約九億円、高度化資金約五十七億円の返済猶予を講じたほか、法人税及び所得税につき、欠損金の還付を既往三年にわたって行ないました。さらに、事業の転換を行なう中小企業者に対し、中小企業金融公庫等よりの資金上の支援措置が講じられつつあるほか、ドル対策法制定後創設されました高度化資金を通ずる無利子、長期融資による設備共同廃棄事業も貸し付けを行ないつつあります。
 このような措置に加えて、総額約一千八百億円の緊急融資が講じられたほか、八億二千万ドルをこえる外貨預託を裏づけとする為替取引安定措置を講じたことは御承知のとおりであります。これら広範にわたる緊急対策と、中小企業者みずからの果敢なる努力とが相まって、当初憂慮されていた深刻な事態を回避し、輸出関連の中小企業の事業活動は、一応、小康状態に回復するに至りました。
 しかるに、本年に入り国際通貨不安が再燃し、ドルの切り下げを契機として、わが国は、二月十四日再び円のフロートへ移行することを余儀なくされました。この結果、今般の第二次ドルショックは、輸出に依存する中小企業の事業活動に再び影響を与えることが憂慮されております。
 政府としては、このため、為替取引安定措置等の即時に実行し得る応急の対策については、これを逐次実施するとともに、政府部内で総合的な対策の検討を進めた結果、去る三月十四日の閣議におきまして、「国際通貨情勢の変化に伴う緊急中小企業対策について」に関して決定を行ない、そのうち緊急融資等行政的に実施可能な措置については、すでに実施してまいったところであります。本法律案は、この閣議決定の内容中法律的措置を要する事項について、その迅速かつ適切な実施をはかるため立案されたものでありますが、改正の主要点は次のとおりであります。
 第一に、今般二月十四日に実施された円のフロートへの移行を国際経済上の調整措置として規定することであります。これにより、今般の円のフロートによって影響を受ける中小企業者は新たに認定を受け、第二次ドルショックの認定中小企業者となることができます。この結果、第一次ドルショックのときに認定を受けた一万三千四百二件の中小企業者も、新たに認定を受けることにより、再び中小企業信用保険法上の特例措置、設備近代化資金等の返済猶予措置、欠損金の還付措置、事業の転換の円滑化措置等の救済措置を受けることができます。
 第二は、今般新たに認定された輸出関連の中小企業者に対しては、信用補完の措置としての無担保保険の別ワクにつき、前回は通常分と同額の別ワクであったものを、通常分に上積みして別ワクとし、手厚い措置を講ずることとしたことであります。これにより、資金の借り入れを望んでも担保を提供できない中小企業者に対し、資金の融通を円滑にし、経営の安定をはかろうとするものであります。
 第三は、現行ドル対策法の有効期間は施行の日から、三年、すなわち、昭和四十九年十二月十五日までとなっておりますが、今般の円のフロートという第二次ドルショックに対処し、その対策の遺憾なきを期するため、有効期間を五年、すなわち、昭和五十一年十二月十五日まで延長したことであります。
 以上、この法律案につきまして補足説明をいたしました。何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#8
○委員長(佐田一郎君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 両案に対する質疑は後日に譲ります。
    ―――――――――――――
#9
○委員長(佐田一郎君) 次に、消費生活用製品安全法案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○小野明君 前回に引き続きまして、若干質問を続けたいと思います。
 この法案の第二条で、この前の御答弁でありますと、特定製品を今回は予算上二十ぐらいであるけれども、さらにこれを漸次拡大をしていく、こういう御答弁があったと思います。私どもとしては、安全マークの張られた商品を多く指定をしてもらいたいという要求があるわけでありますが、そうすると、法文上、「特に危害を及ぼすおそれ」という表現がございます。この法律案の随所にこの表現は見られるわけでありまして、この特定製品の指定を広げていくという場合に、「特に危害を及ぼす」といいますと、非常に特定少数範囲に限られてまいるという解釈に勢いなってまいると思うのです。しかし、まあ実態上は、この表現がありましても、多く指定をしていくという事実があれば差しつかえはないと思いますけれども、「特に」という表現がありますために限られていく危惧があるわけですが、この点はいかかがですか。
#11
○政府委員(山下英明君) 第二条第二項のこの表現につきましては、私どももいろいろな角度から検討した点でございまして、最終的にこの表現にいたしましたのは、従来ともやはり電気用品取締法の例文においてこうしておること。それから、実質的に今回の法律によりまして、特定製品については製造、販売等をきつく制限いたしますので、安全性確保のために指定するとしても、その当業者に与える制限と安全性確保との均衡をどこに見出すかということが一つの重大な判断になるわけでございます。そこで、従来の先例にならい、「特に危害を及ぼすおそれが多いと認められる」場合と表現をいたしました。
 それでは先生が御指摘のように、実際上どのくらいやっていくつもりかということにつきましては、現在、私どもも特定製品候補の品物を幾つか検討をしております。したがいまして、法律制定と同時に直ちに数品目は指定できると思いますし、年度末にかけまして予算で私どもも予定しておりますので、本年度はその範囲内で指定するとして、ただし、前回も申し上げましたように、来年度予算、さらに二年目に向かいましては、検討の結果ではありますけれども、できるだけ特定品目を広げていきたい、こういう方針でございます。
#12
○小野明君 それでは次の問題でありますが、三十五条の「危害防止命令」という項がございます。この条項によりますと、「危害防止命令」というのは特定製品だけに適用をしておりますね。「緊急命令」を規定をしております八十二条によりますと、自主製品についても規制をしておるということから考えてみまして、この「危害防止命令」というのは安全協会が行なう自主製品についても同様の権限を持つように規定をすべきではないか、こう思います。この点はいかがですか。
#13
○政府委員(山下英明君) 御指摘のように、三十五条と八十二条はニュアンスの差をつけたわけでございますが、特定製品の場合には、それだけ国及び協会が責任を持って基準をつくり、その基準に合うようにやっておるわけでございますので、その場合には製品の回収を含む危害防止命令を出せるようにしたわけでございます。それに対しまして一般の自主製品の場合には、八十二条でございますが、「重大な危害」――死亡とか後遺障害、そういう重大な危害が発生するか、あるいはそういう発生する急迫した危険がある場合に、製造と輸入に対して回収をはかることができるようにする。自主製品の場合には特定製品よりもよりその命令の条件を厳格にいたしまして、区別して書き分けた次第でございます。
#14
○小野明君 そうしますと、より厳格にということになりますと、これは危害防止命令即回収命令と、このように解釈してよろしいですか。
#15
○政府委員(山下英明君) 危害防止命令でも八十三条でも両方とも回収できます。
#16
○小野明君 これは「危害の拡大を防止するために必要な応急の措置をとるべきことを命ずることができる。」と、これが防止命令を意味するわけですね。そうすると、そのこと即完全製品、安全マークを張ってあるものですから、防止命令を出したら即回収命令になると、イコールであると、このように解釈をすべきかどうかということですね。
#17
○政府委員(山下英明君) 三十五条の適用としましては、回収をはかるほかに販売の停止、あるいは行政上の勧告からいろいろな措置がまず可能でございまして、そして、市場に出回った危害を防止する最後の方法として回収を考えるわけです。
#18
○小野明君 それからこの三十五条によりますと、一、二号とありまして、販売した事実がなければ規制できないようになっております。しかしながら、危険な製品であるということが事前の段階で察知をされる際に、いわば販売しようとしているときに未然に販売を差しとめるという権限も与えるべきではないか、こう思いますが、この点はいかがですか。
#19
○政府委員(山下英明君) 特定製品の場合には第四条で、主務大臣が検定をし、合格したものにつき表示を云々、こういうことでございますので、もしそれが販売に適しない商品であります場合には、四条の合格を受けられないということで補えると思っております。
#20
○小野明君 それで私の言うのは、四条の違反に対する制裁ということを意味して申し上げているわけですね。その発動、ですからもうすでに四条違反の行為に対するこれは制裁と、このように規定しておるのですから、私はこの三十五条の表現のうちにここにもよけいな表現があると思います。「特に必要があると認めるときは、」とこの三十五条にもあるわけですね。すでに四条違反という事実があるとすれば、この条文でその上にまた「特に必要がある」というような表現は不適当である。条件を不当にきびしくするものではないか。そこで、危害発生のおそれあり、あるいは「危害の拡大を防止するため」この表現だけでいいのではないか、このように思いますが、いかがですか。
#21
○政府委員(橋本利一君) ただいまの御指摘の点でございますが、本法におきましてはほかに第二十九条で「表示の禁止」、第三十条で「改善命令」の規定等を置いておりまして、事の軽重の判断として危害防止命令を最もシビアな措置として予定しておるわけでございます。ただし、そういった均衡をはかるためにかような表現をとっておりますが、実際の運用にあたりましては、具体的なケースに応じまして弾力的に実施してまいりたいと考えております。特に要件をシビアにしておるという意味ではございません。
#22
○小野明君 しかし、この「特に必要がある」ということばは、発動の要件をシビアにしておるという表現以外にとりょうがないですね。あなたのおっしゃるのは、運用でこれをカバーしていくと言われる意味だと思いますが、その意味であれば、なおこの条項は必要ないのじゃないかと思いますが、いかがですか。
#23
○政府委員(橋本利一君) 危害の防止命令を発動いたしますと、先ほど御質問ございましたように、製品の回収、修理あるいは一部出荷の停止といったような措置を講ずることになるわけでございまして、さような意味合いにおいては、関係事業者に対する経済的、社会的影響も非常に多大なるわけでございます。ただ、消費者保護の安全対策の手順といたしましては、先ほど申し上げました表示の禁止あるいは改善命令で足りる場合もあるかと考えますので、そういったものとのバランスを維持するために、かような要件を規定いたしておるわけでございます。
#24
○小野明君 それでは次に進みますが、回収命令について、この三十五条によれば国が出す場合ということになると思いますが、それと業者が自主的に回収をするという場合があると思います。その差異というものはどこにございますか。
#25
○政府委員(橋本利一君) 本法の九十七条に「罰則」の規定がございまして、危害防止命令あるいは緊急命令を発動いたしまして回収を命じた場合、事業者側がこれを受け入れない、命令に違反した場合には、この九十七条の罰則の規定によりまして、「一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。」ことになっております。自主的にやる場合にはここの罰則の適用がないという点で、法的扱いは異なってまいります。
#26
○小野明君 それはわかっておるわけです。これは罰則がついておることはわかっておりますが、消費者を対象にした場合のことを私は申し上げておるわけです。消費者が買った、それが欠陥商品であったと、この場合に国が回収命令を出す。そうすると、その業者に対しまして金銭補償をさせるとか、あるいは代替商品を出させるとか、そういう措置を伴うべきではないかと思うんですが、その点はいかがですか。
#27
○政府委員(橋本利一君) 回収命令を出しました場合には、対象品目の金額の多少にかかわらず、企業が最善の努力をもって回収し得るように指示いたすわけでございますが、その場合、御指摘のように新品と交換する、あるいは状況によりましては代金を返済する、程度によりましては修理で十分であるというような場合もございます。業者がみずからやる場合には、やはりそういった方向で指導してまいりたい。それを聞かないような場合には、本法の危害防止命令あるいは緊急命令によって処置してまいりたいと思います。
#28
○小野明君 次に、八十二条の「緊急命令」の項なんですね、ここにも私が先ほどから指摘をしておる問題があるわけです。これは緊急命令を行なう条件として、この項には非常に制限がついておるように見受けられます。というのは、「重大な危害が発生し、又は発生する急迫した危険がある場合において、」と、このように書かれております。今日のように多数の薬品が出回っておること、あるいはあぶないおそれのある製品を、すべて特定あるいはJIS製品とすることは非常に困難であると思います。そういうことから見まして、この条項の発動の条件というのはあまりきびしくすべきではない。他の条項よりもよけいにこの条項の発動というのはできやすいような状況に置くのが至当ではないか。したがって、「重大な」とか、あるいは「急迫した」と、こういう表現は削除すべきではないか。あるいは先ほどの危害防止命令と同じように、「特に必要があると認めるときは、」と、このことばもここにありますが、これらを削除すべきではないか。現在のこういう情勢から見ましてそれが適当ではないかと思うんですが、この点についてお考えを伺いたいと思います。
#29
○政府委員(橋本利一君) 八十二条の「緊急命令」の規定を置きましたのは、ただいま先生御指摘のように、政府といたしましても、各種の施策を通じて事前に危険な製品を把握し、これを排除する努力を続けるわけでございますが、技術進歩の過程におきまして、高級な、また反面、それだけ複雑な新製品が多数出てまいります。そういった場合に、問題があるからといって一々特定製品として指定いたしておりますと、タイミングが合わなくなる。そういった趣旨から、この規定を置いたわけでございますが、ただいまも申し上げましたように、この「緊急命令」の対象になる製品につきましては、現に、何らの規制措置も講じられていない商品、製品でございますので、そういった意味合いにおきまして、事の緊急は要するわけでございますが、特定製品に対する危害防止命令とはやはり若干趣が違うんではなかろうか。さような趣旨で、危害防止命令よりやや条件をシビアにはいたしておりますが、要は、国民の消費生活の安全を守るという立場からケース・バイ・ケースに、弾力的にこの規定を運用してまいりたいと考えております。
#30
○小野明君 ここもまあ運用でカバーをするとおっしゃるわけですが、ほんとうに国民の消費生活を守るという立場からこの条項を見ましたときに、やはり条件がシビアであるということはいなめないと思うんですね。いま、運用でカバーをすると、こういうふうに続けて言われておるわけですが、これは具体的に適用の問題、事実がなければ判断できないかと思いますが、この点を削除する御意思はないわけですか。
#31
○政府委員(橋本利一君) ただいま申し上げましたようなところから、この原案の規定で実施さしていただきたいと思いますが、なお一言つけ加えますと、この緊急命令を発動いたしました後、三週間以内に審議会に事情を報告することになっております。そういった手続を経まして、特定製品に指定することもかような場合には前向きに検討すべきかと思いますので、その段階におきましては、再度問題を発生するような場合には、直ちに三十五条の危害防止命令で対処し得るかと考えております。
#32
○小野明君 三十五条で対処すると言われますが、いまの答弁で三十五条というのは、これは特定製品に対する規制だけを書いてあるんですね。そうすると私は、いま八十二条の問題は自主製品等の規制になっておるわけですね。ですから、多く商品が出回っておるから――特定製品のことはさておいて、これは一応の検定を受けておるから。一般商品についての発動がきびし過ぎるじゃないかと、こう言っておるんで、いまの最後の答弁はちょっと理解ができませんがね。
#33
○政府委員(橋本利一君) ことば足らずであったわけでありますが、とりあえず八十二条の緊急命令で対処しておきまして、審議会に報告すると同時に、必要な場合には特定製品に指定する。その場合には三十五条命令がかかり得ると申し上げたわけでございますが、いま一つ補足させていただきますと、この八十二条の緊急命令を挿入するにあたりまして、非常に法制的に問題があったわけでございます。と申しますのは、その時点においては政令指定されていない、いわゆる特定製品ではございませんので、直に緊急命令といった、当事者にとって多大の制約がかかる規定を発動するのはいかがかという問題もございましたんですが、事の重要性にかんがみ、八十二条の規定を本法の中に取り入れることにいたしたわけでございます。
#34
○小野明君 御趣旨はそれでわかりますが、特にこの運用につきましては、消費生活を、安全を守るという趣旨から、この条項に隠れて発動できない、発動しない、一向にみこしを上げないと、こういうことがないように十分戒めていただきたいと思いますが、いかがですか。
#35
○政府委員(山下英明君) おっしゃるとおりの趣旨で運用したいと思っております。法制的には、いま御説明しましたような表現で、権利の公平という考えから一応こういう表現がよかろうというので原案を提出したわけでございますが、運用におきましては、実定法になりましたときは、その許される範囲内で安全確保にはつとめる所存でございます。
#36
○小野明君 次に、九十一条のところですが、これは特に先般の参考人の述べられた意見の中にもあったわけです。「協会がした特定製品の検定等の事務に係る処分に不服がある者は、主務大臣に対して行政不服審査法」云々と、こういう項がありますが、これの項には消費者が対象にならないのではないか、こういう危惧が述べられております。その辺の関係をちょっと述べていただきたいと思うんですがね。
#37
○政府委員(山下英明君) せんだっての当委員会における参考人の意見聴取の際、特に高田参考人からの御発言及び御意見も私どもよく拝聴いたしましたし、その御意見をその後検討もいたしましたが、いま先生の御指摘の点につきましては、先刻、公正取引委員会において出ました結論に関連して高田参考人から御質疑のあった点だと思います。で、これは現在の行政不服審査法あるいは行政訴訟の一般法のたてまえから申しまして、やはり直接その行政処分に利害関係のある人から不服の申し立てもしくは訴訟が提起された場合でなければならない、間接の方、あるいは一般消費者とか消費者団体の代表ということでは、この九十一条にいう審査請求の訴え人にはなれないのでないかと判断いたしております。
#38
○小野明君 この協会の業務が六十三条にずっと規定してありますね。だから、その一号にかかわる事項だけだと、こういうふうにおっしゃるわけですか。
#39
○政府委員(山下英明君) そのとおりでございまして、六十三条が八号にわたって協会の仕事を規定をしておりますが、この九十一条で申します審査請求は、国の行政処分にかかわる再審査の要求でございます。それで、協会がやる仕事として八つございますが、厳格に申しまして、その八つのうちで国の行政をかわってやりますのは、検定、登録、型式承認でございまして、それは六十三条一号の「特定製品の検定等の事務」で表現されております。逆に申し上げれば、二号の定期検査、三号の賠償等々にかかわる事務は、国の行政処分そのものでございませんので九十一条の対象からはずされております。特に九十一条を設けましたのは、国の行政処分の代行をいたします協会に対して直接利害関係人が審査請求できるかどうかという点について疑いがあるといけませんので、ここで明定をいたしまして、協会に対しても不服審査法を適用するということをはっきりさせたわけでございます。
#40
○小野明君 行政不服審査法によりますと、「行政庁の違法又は不当な処分」、これらの行為に関して「国民の権利利益の救済を図る」というのが行政不服審査法の趣旨ですね。そういたしますと、この九十一条の処分に関してこれにかかるのは業者と国である、協会である、こういう関係だけに特定するのはいかがなものか。特に行政不服審査法の第四条によりますと、四条に規定がございますが、「次条及び第六条の定めるところにより、審査請求又は異議申立てをすることができない旨の定めがある処分については、この限りでない。」、四条によりましてどの項に該当するか、一号から十一号まであがっておりますね。どれに該当するのか、ひとつ説明をいただきたいと思います。
#41
○政府委員(山下英明君) ただいま御指摘の不服審査法第四条のただし書きは、異議申し立てをすることができない場合を列記しておりますが、それはいま先生お尋ねの、消費者がなぜ不服申し立てできないかということとの関連について御質問だと思いますが、私どもは、ここに書いてある十一号よりも、そもそもの行政不服審査法の根本といたしまして、行政処分によって直接利害関係のある者しか提起できないということから、九十一条の規定にもかかわらず、一般消費者は不服審査できない、こういうぐあいに解釈いたしておりまして、四条の十一号のどの項とも直接には関係はございません。
#42
○小野明君 そうしますと、行政不服審査法というのは全く九十一条と関係ないとおっしゃるわけですか。
#43
○政府委員(山下英明君) 九十一条によって、行政不服審査法は今度の協会の六十三条一号の行為にも適用しますよということを、明文をもって書いたわけでございます。ということは逆に言えば、検定、登録等の仕事に不服のある者、ただし、その方は検定とか登録で直接権利を害されたとか、利益を害されたという直接関係人が協会を相手に審査請求ができます。そして、それから以降は行政不服審査法の各条文を適用してやっていくわけでございます。その場合に、それでは直接利害関係のない一般の消費者、第三者が行政不服審査法で再審査請求できるかというと、できないたてまえになっておりますので、九十一条でこう書きましても、やはりもとからできないものはできないんじゃないかと、こういう解釈でございます。
#44
○小野明君 そういたしますと、協会が合格の認定を与えた、その商品によって国民が被害を受けた、そうすると、その被害を受けた国民が、協会が行なった処分に対して不服ありということで、行政不服審査法によって異議の申し立てなり、あるいは審査の請求という、こういう手順になるのですが、それは該当しないということですか。
#45
○政府委員(橋本利一君) ただいまの九十一条の問題は、行政不服審査法第四条にいうところの「行政庁の処分に不服がある者」、その「不服がある者」の解釈の問題につながっての御答弁をいたしておるわけでございますが、御指摘のように、九十一条の対象といたしましては、消費者は入ってこないということでございます。したがいまして、さような観点もございまして、九十三条に「主務大臣に対する申出」ということで、何人も、一般消費者の生命または身体について危害が発生するおそれがあると認める場合には、意見を提出することができる、かような規定を置いたわけでございまして、この規定に基づきまして、たとえば安全基準だとか、あるいは協会における認定の問題につきまして、直接主務大臣に意見を開陳できるようにいたしたわけでございます。
#46
○小野明君 九十三条はいいのですよね。「何人も、」とあるから、これは道を開いてはありますが、九十一条については、不服審査法第四条に、先ほどから申し上げますように、「行政庁の処分に不服がある者は、」云々と、こういうふうに書いてあるわけです。この協会がした処分は、国の監督を受けておりますから行政庁の処分に間違いない。この除外規定が適用されておらなければ、私は九十一条はおっしゃるようにはならないと思うのですがね。
#47
○政府委員(橋本利一君) その限りにおいては御指摘のとおりでございますが、行政不服審査法第四条にいうところの「不服がある者」というものをどこまで解釈するかという問題だと思いますが、これにつきましては、不服申し立てをする利益を有する者であって、違法または不当な協会の処分によりまして、直接自己の権利または利益を侵害された者というのが原則と申しますか、解釈のたてまえになっております。さような意味におきまして、一般消費者は実質的には利害関係を有するわけではございますが、法的には、その処分について第三者的な影響を受けるという段階にとどまるのではなかろうか、さような解釈から、この「不服がある者」という規定によりまして、一般消費者とは読みがたいという解釈をとっているわけでございます。
#48
○小野明君 しかし、その解釈は、協会が行なう検定に不合格であった、だからその業者の利益を守るためにというふうに特定すべきではなくて、その検定に合格した商品によって消費者が実損を受ける、生命に危険が生ずる、この人たちに対しても、当然、処分に対する異議の申し立てをする権利を保有させるべきではないか、また、それを持たしているのがこの行政不服審査法ではないのか、こういうのが私の言い方ですが、この点は間違っておるのですか。
#49
○政府委員(橋本利一君) われわれは、先ほど申し上げたように、直接利害関係という観点に立って「不服がある者」の解釈をいたしておるわけでございます。これは学説的にも通説になっておりますし、判例にもさようなケースが出ておるわけでございます。ただ、法解釈の問題でございますので、最終的には担当省庁の解釈に依存すべきかと思いますが、われわれは先ほど来申し上げたように本条を解釈しておるということでございます。
#50
○小野明君 まあ、おれのところが一番法律をつくっておるところだからおれのところの権威に従えと、こういうふうにおっしゃっても、なかなか私はこの前の参考人の意見のように、肝心の消費者の利益、国民の利益を守るという立場が少しも考慮されてはいないではないか、こういう不満を持っている者であります。この点は、さきの果汁入りジュースの問題で裁判にも持っていかれておるようですから、その結論を待たないと私は結論が出ないものではないかと思うんです。それで、そういう点もありますから、あなたのほうが御自分の解釈を固執されることに私は間違いがあるんではないかと思うのです。いずれ結論の出る問題でありますから、これは保留をしておきたいと思います。
 それから次に、九十三条によりますと「主務大臣に対する申出」という項があります。これは具体的にどこへ届け出たら被害者は見舞い金なり保険金を受けられるのか、これは実務上の問題ですが、お尋ねします。
#51
○政府委員(橋本利一君) ただいまの先生の御指摘は九十三条と申しますよりは、被害が発生した場合に、被害者はどこに手続をとりにいけばいいかというふうに解釈いたしますが、その場合には、被害者救済制度を担当と申しますか、実施に移しますのは安全協会でございますので、安全協会のほうに話を持ち込んでいただければ、協会のほうで手続を進めることになっております。
#52
○小野明君 それから、いま申し上げた問題で九十一条の、被害者たる国民の利益を守るという立場からいまの通産省の解釈では協会と業者、こういう関係のみに特定されると、範囲が限られると、こういう見解ですが、やはりそれでは被害者は、いまの司法制度の中で持っていく以外に解決の道はない。そこでまあジュースの問題も結論が出る、こういうことになるんですが、先般のこれは五月八日の読売ですか、これの報道によりますと「消費者の泣き寝入り救う」こういうことで新制度の検討を始めたということが出ております。この点につきまして集団訴訟制度、あるいは簡易苦情裁判所、オムバッズマン制度、これらの制度があるようですが、これによって具体的に消費者の苦情、泣き寝入りが防がれるものかどうか。これについて経企庁見えておると思いますが、少し説明をしてもらいたいと思います。
#53
○説明員(熨斗隆文君) 実は新聞に、経済企画庁が十四日に諮問というかっこうで出ておりますが、まあ私どもは先生御指摘のとおり、一般消費者が商品なりサービスなりで被害を受けました場合に、その被害を効果的に救済することが非常に重要だというふうに考えておりまして、これは同時に、事業者に商品等の安全確保に十全を期させるためにもきわめて重要だというふうに考えております。したがいまして、私ども関係各省庁と従来からいろいろ苦情処理体制の整備等について検討してまいってきたわけでございますけれども、さらに一般消費者の被害を効果的に救済するために、昨年の消費者保護会議において総合的な消費者救済制度について調査研究することが決定されたわけでございます。現在、アメリカの集団訴訟制度、クラスアクションといっておりますが、さらに先ほど先生御指摘のオムバッズマン制度とか、そういった諸外国の救済制度に関する資料を現在いろいろ集めて勉強しておる段階でございます。今後こういった諸外国の制度を参考にいたしまして、わが国の被害とその処理の実態等もいろいろ調査した上で、国民生活審議会のほうに御意見を伺って、広く苦情処理体制の整備も含めた消費者救済制度のあり方全般について検討していきたいということでございます。
 確かに諸外国ではいろいろそういった制度もあるわけでございます。現在、それが日本の制度の中にどのような形で取り入れられれば一番効果的かというような点を検討を始めたところでございまして、まあおそらく、非常にこういった制度を日本の実情に合わせて取り入れていけば、かなり効果的に一般消費者を救済する道が開かれるのではないだろうかと思っております。
#54
○小野明君 確かにこれはかなり前向きのシステムになると私は思います。問題はこれが実現をするめどですが、十四日に初めて国民生活審議会に出すというのですが、これが何年もかかったんじゃしようがないので、大体このめどはいつごろになりそうですか。
#55
○説明員(熨斗隆文君) 御承知のように、問題が非常に広範多岐でございますし、かつ現行制度の根幹と申しますか、そういったところにも触れる問題でもございますので、その検討には相当時日を要すると思いますけれども、私どもとしては少なくとも一年ないし二年の間に何とか方向をはっきりさせていきたいというふうに考えております。
#56
○小野明君 次に、九十三条に戻りますが、これも先般の参考人の意見の中にもあった問題ですが、二項です。申し出があったときは、主務大臣は必要な調査を行ない云々とあります。この中で最後のほうに「この法律に基づく措置その他適当な措置をとらなければならない。」と、これには一つは期限がないという問題が指摘をされております。それからなお、とった措置についてその公表ということがこれにはないのですね。まあ、これはいわば迅速さ、あるいは大衆にこういう措置をとりましたという知らしめる措置がない、これは問題だと思ますが、その点はいかがですか。
#57
○政府委員(山下英明君) この条項は、私どもが原案作成にあたりまして、進んで挿入したいと努力して入れた条項でございまして、先生も御案内と存じますが、ほかの類似の法律にはそうたくさん例がございません。そして、先ほど来御指摘の、現在の訴訟法なり不服審査法における私どもの解釈とおっしゃればそれまででございますが、現在の体系における消費者あるいは一般消費者の不服申し立て等に関する不備を、これによって補おうと務力した結果の条文でございます。したがいまして、字句的には比較的ほかの条文に比べて抽象的でございますが、その運用にかかる面が多いのは御指摘のとおりでございます。そういったいきさつからも御推察いただけますように、私どもとしてはこの条文をできるだけ生かしてゆきたい。
 したがって、申し出がございましたならば、もちろん行政当局としては誠意を持ってできるだけ実態を把握する、これがまあ必要な調査でございますし、それからそのときに調査の結果判断して、これは申し出の線に沿って法律上の措置をせにゃならぬというときには、この法律の各条に照らして措置をしてまいりたい。改善命令なり、危害の防止命令も、先ほどの三十五条、八十二条ももちろん発動していきたい。で、その必要のない場合でも、行政指導でどれだけ是正できるか、その「その他適当な措置」という表現の中にはもちろん公表も入っておりまして、必要な場合には公表もすると、こういうことで、表現が多少広範囲、抽象的でございますが、私どもの方針は、誠意を持ってこの条文をできるだけ生かしていきたいと、こう考えております。
#58
○小野明君 まあ、公表もあるということでございますから、ぜひひとつ公表ということをやっていただきたい、大衆に知らしていただきたいと思います。
 それから、これもこの前の参考人の御意見の中にありましたが、この主務大臣のとられた「適当な措置」に対して不満がある場合は一体どうすればいいのか、こういう素朴な質問がございました。これにはどう答えられますか。
#59
○政府委員(橋本利一君) 極力不満のないように、そういう措置をとった背景等についても、必要に応じましてその申し出に対しまして文書等で通知することにいたしたいと思います。さらに不満足な場合には、再度また主務大臣に申し出をしていただくということも一つの方法かと考えております。
#60
○小野明君 次に、協会の業務についてでありますが、これは六十三条ですね。製品の「試験、調査、指導及び情報の提供」と、そのようになっておりますが、一般人の要請に対しましても十分安価に、できれば無料で行なえるように、また、十分な処理能力があるような体制をつくる必要があると思います。この点についてはどうお考えですか。
#61
○政府委員(山下英明君) 消費者からのテスト依頼のことだと存じますが、それにつきましては、私ども協会自身が第六十三条の六号にございますように、「必要な試験、調査、指導及び情報の提供を行なう」となっておりますが、これは当然テスト依頼も含んでおりまして、むしろ進んでそういう業務を拡大していきたいと、消費者のほうが実際に確かめるためにどこへ持っていったらいいかということも、できるだけわかりやすく周知徹底させていきたい、こう考えております。
#62
○小野明君 この「業務」の第三号ですね、これは金額は一千万と、こう聞いておりますが、その「一定の金額」はどれぐらいになるのか。
 また、この損害額の査定は、自動車なんかになりますと保険会社がやりまして、期間を引っぱる、中身を値切るということで、たいへん不満があります。それらの業務はどこがおやりになるのか、それを御説明をいただきたいと思います。
#63
○政府委員(山下英明君) 「一定の金額」につきましては、現在の社会通念、その場合に参考になりますのは交通事故の判例でございますけれども、経済情勢の変化等から判断せなければならないと思っておりますが、私どもがこの法案を、原案をつくりますときに頭に置きました数字は、いま先生おっしゃったような一千万円という数字を一応頭に入れております。しかし、これはいま申し上げましたように、情勢の変化に応じて金額はきめればいいものだと思いますし、場合によっては、時代、時間の経過とともに一千万円では低過ぎるということになろうかとも思います。それの判断は当該者と協会の間でいたしますが、協会は一般保険会社に再保険いたしますので、保険会社の集積された知識が参考になることかと思います。
#64
○小野明君 そうすると、この査定の実務というのは保険会社がやるわけですか。三号です。
#65
○政府委員(山下英明君) 実際の査定は保険会社がやることになると思います。ただし、協会はその場合に、むしろ被害者たる消費者の側に立ちまして、その査定される過程及び査定の結果、最終審査をいたす場合も公平を期するように配慮しいてかせたい、こう考えております。
#66
○小野明君 先ほど申し上げましたように、保険会社のやります従来の業務ではたいへん不安があるし、不満があるわけです。ですから、十分、そういった従来の不満がないように協会が強力に指導するといいますか、タッチをしていくように、御答弁のようにやっていただきたいと思います。
 なお、金額につきましては、現在の時点では一千万程度であるが、物価の上昇その他を考えてこれをスライドしていく用意があると、このように受け取ってよろしいですか。
#67
○政府委員(山下英明君) 厳格な意味におきますスライド制と申しますか、消費者物価の比率に応じて云々というわけではございませんけれども、先ほども申し上げました意味は、経済情勢の変化もこの金額を判断する大きな要素でございますし、実際には交通事故の判例というのは大きな要素になりますが、プラスそういった情勢の変化に応じて判断すべきである。といいますことは、いま私どもは一千万円ということを頭に置いておりますけれども、その数字にとらわれるものではございません。
#68
○小野明君 よく損害額の査定に非常に時間がかかりますね。一年も一年半も保険会社の実績であるとかかるわけですよ。この点は何とかならぬものかどうか、お尋ねしておきます。
#69
○政府委員(山下英明君) 先ほど、協会が消費者側の立場に立って保険会社の査定にも臨むと申し上げましたが、期間につきましても同じ方針でございます。通常数カ月から一年かかります実情のようでございますけれども、それは被害者にとって不利益でございますので、そういう期間もできるだけ短縮するように協会が機能すべきである、そこに法律に書いてまで協会をつくる意味があると存じております。
#70
○小野明君 これで協会が指導をするという御意見で、それもけっこうだと思いますが、保険会社、協会、その協会の能力というようなものも問題に当然なってまいりますが、公平な第三者機関をつくるというようなことは考えられませんか。
#71
○政府委員(山下英明君) 私どもの考えでは、むしろここで、法律できちっと書きました協会が、御指摘のような第三者機関のような機能を発揮してもらう、つまり、保険会社と被害者との間に入ってそういう機能を発揮してもらうということを期待しておりまして、さらにそのほかに第三者機関ということは現在考えておりません。
#72
○小野明君 公平な査定ということになりますと、やはりそれについて協会がリードしていくということになります場合も、国が障害の等級別の標準補償額というような一つの目安をつくっておく必要があるのではないか、こういうふうに思うのです。この点は検討するお考えはございませんか。
#73
○政府委員(山下英明君) 補償額の算定基準につきましては、もちろん協会としては関心のあるところでございますが、まず実際には、今回の消費生活用製品のいろいろな多種多様な実情に応じて被害の状況が変わってくると思います。したがって、経験を蓄積しまして、そしてその結果、おっしゃるように等級別の基準ができていくことは望ましいことではあると存じますけれども、現在、私どもは一応民法上のルールに従って、抽象的でありますが、一般ルールに従って賠償補償額をきめていくという方針で、現在直ちに適用できるような等級別の基準というものを考えてはおりません。
#74
○小野明君 この法律案が施行されましていろいろなケースができてくると思いますね。そうしますと、そのケースに従って一つの基準が必要になってくるだろうと思うし、それを先取りする意味で一応の基準というようなものが考えられないかというのが私の意味でございますが、再度、ひとつその点のお考えをお尋ねしたいと思います。
#75
○政府委員(山下英明君) 協会が公正な立場で補償額を最終審査していく、この方針でございますし、かつ、先ほども御指摘のありましたように、時間もできるだけ短縮させると同時に、補償額についてもできるだけ簡易な運用によって公正な決定がされていくということを方針としております。その線から見ますと、公平な等級別の基準が望ましいとは思いますが、そのためにはやはり相当の実績を積み重ねていって、多種多様な実情に即応できる基準でないといけないと思いますので、いますぐではございませんが、そういう方向で努力をしたいと思います。
#76
○小野明君 それから、この法律案には事故の報告の条項がございません。事故報告、これは審議会の答申にも書かれておるようでありますが、事故報告の義務あるいは欠陥の報告義務というものを、特に特定製品、JIS製品について定める必要があるのではないかと思います。その点を落とされておる理由なり、今後書き加えるお考えはないのかどうか、お尋ねをしておきます。
#77
○政府委員(山下英明君) 事故報告が望ましいという方針で、私どもも原案作成にあたり検討したわけでございますが、ぎりぎり詰めましたところ、はたして法律的に義務づけることが可能であるかどうか。特に、もちろんその義務づけるという意味は、罰則にもかかる義務でございますので、その点を検討いたしましたが、技術的な面、また公平の面からいって今回はあきらめた次第でございます。あきらめたということは、現状では無理であると判断したわけでございます。それを補う意味で、第八十三条の報告の徴収権を明定いたしまして、これの運用によって随時必要な報告をとっていく、それからもう一つは、工業品検査所等における運用上の報告システムによって補っていくと、この二つで完全ではないけれども、ある程度の、事故報告義務づけ規定のない不足分は補えると判断いたしております。
#78
○小野明君 最近問題になっておるものに、松下電器のズボンプレッサーが事故を起こしております。これは回収を始めておるようですけれども、まだ未回収である。しかし、これは電気用品取締法の中にある。それからさらにこの松下電器というのは、カラーテレビの抵抗にも問題を起こしておるようでございます。これは電気用品取締法に欠陥があるわけで、販売停止とか回収命令の規定がない。これらがいつまでたっても改まらないという問題があると思います。同時に、食品添加物あるいは自動車、薬品、化粧品、一般に問題の多い製品は、この法律案の適用外にございます。それで、消費製品全般を一元的に取り締まっていくと、そういう構想を具体化をして、この業界等の癒着というものを切っていく必要があるのではないかと思うんです。これらの構想がおありになるのかどうか、ぜひひとつこういう方向で進めていただきたいと思います。いかがですか。
#79
○政府委員(山下英明君) 冒頭御質問の電気製品等につきまして、個々の問題は、和田技術長もお見えでございますので後ほどといたしまして、御質問の最後の結論的な部分についてお答えいたしますと、私どもはこの法案を、消費生活に関連して製品安全を確保する一般法として法律をつくりたいと、こう考えてまいりました。その際に、従来の取り締まり法と、あるいはその他の多々、個別法による規制等をどうするかという点について検討いたしました結果、本法二条にございますように、別表で個々の、たとえば電気用品取締法とか、あるいは食品衛生法等は除かざるを得ないということで、その既存法の関係は除いた次第でございます。したがいまして、これらの既存法以外の消費生活に関連のある製品の安全はこの法律でやっていこうと。その場合に、各事項の立て方としましては、先ほどの事故報告につきます考え方も、あるいは損害賠償、補償等につきます考え方も、私どもとしては、従来の法律に比べましてこの法律が一番現状に即して、進んだ形でまとめたつもりでございます。
#80
○小野明君 そこで個々に、たとえば電気用品取締法というのは販売停止、回収命令の規定がないということですから、それらを、個々の法律によって除外されているものを改善整備をしていくお考えであるのか、あるいはこれが最も、かなり進んだ形でこの法律ができておる、すべての製品を一元的にこの法律に吸収していくというか、新たな構想で立法するというか、そのようにあらためて消費生活を守る必要があるのではないかということを申し上げておるのですが、それでは、問題のある電気用品取締法等その他の法律は個々に改めていくというお考えなんですか。
#81
○政府委員(山下英明君) 別表をごらんいただきますと、たとえば消防法ですとか、毒物及び劇物取締法ですとか、ずっと並んでおりますが、それらの法律にはそれぞれその法律独自の目的がございまして、それとの関連で消費生活用品の規制もしておる、こういう実態でございます。したがって、私どものほうは、この一般法によって、その各個別、既存法の安全規制をとれるかどうかということを検討した結果、それはとらないほうがよかろうということで書き分けたわけでございますが、かつ、それぞれの法律は別個の目的に関連した規制でございますので、統一がむずかしいという現状でございます。
 そこで御指摘の、それでは消費生活用の安全規制という観点だけを見たらどうか、既存法のほうがおくれて不備な点をどうするかということでございますが、私どもは、今回この法律が通りましたあとは、できるだけこの法体系に近いものにそれぞれの法律で近づけてもらおう、こういう方針でございます。ただ、それにはそのそれぞれの法律に別個の目的がありますので、限度があるということも承知いたしております。
#82
○小野明君 最後に、これは大臣がおられませんから政務次官にお尋ねをいたしますが、いままでいろいろ問題点を指摘をしてまいりました。特にこの安全法というのは私ども賛成をいたしております立場でありますが、指摘をいたしておりますように、なかなか発動の条件がきびし過ぎる部分が非常に多うございます。したがって、これらを改めるなり、あるいは改めるまでの間は運用によって発動できやすいような実例をつくっていく、こういう面が非常に大事ではないか。特に、国民に対する周知徹底という面が非常に重大だと思います。これらの点について十分配慮の上、実現をしていただかなければならぬと思いますが、これらについて御所信を承りたいと思います。
#83
○政府委員(矢野登君) 新しい時代の要請によって生まれ出る法律案ということ、しかもこれが国民生活、あらゆる方面にわたって非常に複雑多岐な問題を含んでおると思うのでございます。御指摘になりました問題につきましては、十分に国民に周知徹底をし、この法の運用につきましては遺憾のない方策を講じて進んでいきたいと存じております。
#84
○小野明君 終わります。
#85
○中尾辰義君 先ほど小野君から質問ございましたが、一般消費者が特定製品の使用によりまして生命にかかわる被害を受けた、その場合に製品安全協会から相応の賠償金をもらえる、そういうことでありますけれども、先ほどのお話を伺っておりますと、この賠償額に対しましては保険会社が査定をする、そういうふうにお伺いしたんです。その間に安全協会が立って納得できるような金額にしたいと、こういうような意向であったように思いますが、この点を私は再確認しておきたいんですけれども、一般消費者とそれから特定製品の業者、それから安全協会、それに保険会社、こういうふうになるわけですね。それで被害を受けた消費者としては、特定製品の業者に対して、あなたのところの品物はこういう欠陥があった、こういうことでこういうような危害を受けた、賠償を請求すると、こういうことになるわけですね。それで、安全協会はそれに対して保険会社に通報をし、中をとって査定等をしてもらう、どのぐらいにしようかと、その辺ですね。最終的には一体、適正な賠償額はどこがきめるんですか。その点もう一ぺん確認しておきたいんですがね。
#86
○政府委員(山下英明君) 協会は、まとめて保険をかけた立場にございます。たとえば六十三条三号の「一定の金額の範囲内でその損害の賠償を確実に受けることができるようにするための措置をとること。」というちょっとややっこしい表現になっておりますが、その意味は、被害者たる消費者が本来ならば欠陥商品を出しましたメーカーに損害賠償を要求する権利を持つわけでございますが、これは民事訴訟でやってもらうとして、その生産物賠償保険をメーカーが保険会社にかけておくべきものを、かわって、まとめて集合的に保険をかけであげる立場に協会はございます。そこで事故が発生した場合は、その被害者が保険会社から保険契約に基づいて保険金を取るわけでございますが、その際に、協会としましては消費者の立場に立ちまして、先ほど申し上げましたように公正な保険金額にする、それから迅速に簡単に保険金が支払われるようにする、これが一つでございます。
 そして今度さらに、それじゃ民事上の損害賠償はどうなるか。もし、被害者がその保険では不十分であるから、自分は民事上の損害賠償請求をするという場合には、それもできるだけ確実に受けられるように協会は助ける。「受けることができるようにするための措置をとること。」というのは、そういう立場をさしているわけであります。
#87
○中尾辰義君 まあ、民事訴訟もあることで大体了解したように思いますけれども、再度お伺いしますけれども、この最終判断ですね。これは結局、保険会社の査定ということがおもになってくるわけですか。ですから、こういう法案の制度ができまして、安全協会が被害者に対してその賠償を補償すると、こういうことですから、やはりこの安全協会がこういうような御迷惑をかけたということで、その製品の権威を守る意味からもその保険会社にまかせないで、こっちが主導権をとって、安全協会が主導権をとって、この程度の賠償をしなければ申しわけないというような点でやはり結論をつけるべきじゃないかと思うのです。どうしても保険会社は営利会社ですから、これは火災保険にしても御存じのとおりです。特に部分的に焼けたとか、半分焼けたとか、そういう問題については非常に保険会社はけちって、ずいぶん金額が違う。そういうようなことが、これまた保険会社にのみたよっておりますと――まあこれはたよっておるというわけではありませんけれども、どうしても被害者に不利な面が出てくるのではないか。だから安全協会の主張が大かた通るような何かつくらなきゃいかぬのじゃないかと思いますが、その辺いかがですか。
#88
○政府委員(山下英明君) 安全協会も、おっしゃいますとおりに、その安全マークをつけて安全性を保証しておるわけでございますので、当然、事故が起きればその範囲では自分自身の責任もあるわけでございます。したがって、ここで申します保険金なり補償額というものは消費者から見ますと、そもそもそういう欠陥商品をつくって売ったメーカーの責任はどうしたのかということのほかに、安全協会はそれを検査して、マークを張って自分に保証したじゃないかと、保証したというのは安全性を約束したじゃないかという当然不服がございます。で、その意味で、保険金にはその両方を含んだ形になっておりますのと、さらに六十三条の五号で、三十万円程度の金額を即座に交付するという条項がございますが、そこには安全協会の責任の分担を特に強調しておるわけでございます。で、事故が起きて、この条項に従って三十万円を渡しまして、そして後刻、保険会社と消費者との間で保険約款に従う保険金額が出れば、その三十万円はその一部にみなされますが、もし、保険約款にかからなくて保険金も出なかったという場合でも、その三十万円は被害者のほうに差し上げることになります。したがいまして、協会としても当然責任賠償の立場にございます。したがって、自分の責任と、それからメーカーと保険会社との間に入って、消費者のために補償を確実迅速にする役割りと、この二つを協会にやってもらう。で、実際上は、私どもの方針では、協会に補償金査定のための専門の課を置く予定でございます。そして保険会社の一方的な査定に対しては、協会として介入していくつもりでございます。
#89
○中尾辰義君 まあ、当然そうでなければならないと思います。それは被害を受けた消費者の立場を考えてみますと、再保険がどうであろうと、そういうことは全然関知してないわけですからね、これは。私はこういう製品でこういう被害を受けた、どうしてくれるんだと、こういうことになりますわ。安全協会のほうは三十万円限度としまして、とりあえずお渡ししておきますけれども、それ以上は保険会社の査定を待ちましてからと、そういうことになるでしょうが、消費者という立場から考えると、再保険がどうのこうの、そんなことは関知しないことですからね。ですから、安全協会がこれはやっぱり主導権をとって、保険会社の査定にまかせる、あるいは牛耳られてしまうということがあってはたいへん申しわけないと思うんですね。この制度の意味を殺してしまう。ですから、いま局長がおっしゃったような専門の査定官を置くとか、それもけっこうでしょうけれども、その際も公平にひとつやってほしい、これは希望しておきます。
 それでは最初から少し、大体質問も出ましたので簡単にお伺いしますけれども、消費者保護基本法第三章に、「行政組織の整備及び行政運営の改善」、それから第十六条には、「国及び地方公共団体は、消費者の保護に関する施策を講ずるにつき、総合的見地に立った行政組織の整備及び行政運営の改善に努めなければならない。」それから十七条の「消費者の組織化」、「国は、消費者がその消費生活の安定及び向上を図るための健全かつ自主的な組織活動が促進されるよう必要な施策を講ずるものとする。」、それから第四章には、「消費者保護会議」、十八条に、「総理府に、附属機関として、消費者保護会議を置く。」、それから「会議は、消費者の保護に関する基本的な施策の企画に関して審議し、及びその施策の実施を推進する事務をつかさどる。」と、いろいろここに書いてありますが、それに第十九条は、「会議は、会長及び委員をもって組織する。」、「会長は、内閣総理大臣をもって充てる。」と、こういうように出ておりますが、この法律ができましてからやっと今日の安全製品に対する保護法も出たわけですけれども、今日までどういうような運営をされて、どういうような仕事をしておいでになったのか、その辺ちょっと参考にお伺いしたいのですが。
#90
○説明員(熨斗隆文君) 消費者保護基本法ができましてからちょうど五年になるわけでございます。で、この間、毎年一回ずつ消費者保護会議を開いていただいているわけでございますが、そこでその年度によります各省庁の消費者保護政策、これを決定をして、それを保護会議のあとで各省庁で実施していただいておるわけでございます。たとえば昨年の第五回の消費者保護会議では、百八十項目という消費者保護に関する問題が議題になったわけでございます。これを昨年の保護会議以降各省庁においてその実施につとめてきたわけでございまして、その実施状況につきましては、私どもで毎年五月ごろ、現在でございますが、実施状況を全部フォローアップして各省庁から報告を受けているというようなことで、消費者保護行政の進展をはかってているというようなことでございます。
#91
○中尾辰義君 それで、この消費者保護会議の会長は内閣総理大臣と、こうなっておるのですが、総理が出席されたことはあるのですか。
#92
○説明員(熨斗隆文君) 総理は、もちろん出席されております。
#93
○中尾辰義君 何回ぐらい……。
#94
○説明員(熨斗隆文君) 全部出ていただいただうと思うのでございますけれども、三回、四回、五回の保護会議には御出席いただいております。
#95
○中尾辰義君 それでは各論を少しお伺いしますが、第二条の「定義」のところですね、ここで特定製品につきましてその商品の範囲が出ておりますが、この特定製品というのは大体二十品目ぐらいというようなことも考えておられるようでありますけれども、二十品目というのは大体どういうような品物をお考えになっていらっしゃるのか、その辺。
#96
○政府委員(山下英明君) 二十品目と申し上げましたのは、三月末までの今年度予算において指定をしていこうという私どもの概算の数字でございます。
 現在、それではどういうものを候補に考えておるかということでございますが、たとえば圧力なべ、これはふたの作動不良のために安全性が確保されない、そのための事故も起きましたのでこういうもの。それから、一時大きく問題になりました炭酸飲料水のびんでございます。それから登山用のザイル。それから水中で使いますガン――鉄砲みたいなもりの道具でございます。あるいはスポーツ用ヘルメット、またブレーキに使いますブレーキ液、ただいま六つ申し上げましたが、こういったような品物から拾っていくべきだと考えます。
#97
○中尾辰義君 それじゃ、二十品目はまだ決定しているわけじゃないんですね。
#98
○政府委員(山下英明君) しておりません。
#99
○中尾辰義君 それから次に、いろいろ用品に対する取り締まり法がありますけれども、電気用品取締法だとか食品衛生法、あるいは毒物及び劇物取締法、こういうふうないろんな法規がありますけれども、こういったような法律との権限調整は一体だれがおやりになるのですかね。その辺いかがですか。
#100
○政府委員(山下英明君) この政府原案を国会に提出する前、閣議決定をいたします前に関係各省と私どもはその点をすべて詰めております。したがいまして、この原案で国会を通していただいた場合には、各個別既存法との権限は調整されておると信じております。
#101
○中尾辰義君 それからマークのことですがね、基準に合格したマークはもう考えていらっしゃいますか。どういうようなものをお考えになっているのか、わかっておればお伺いしたい。
#102
○政府委員(山下英明君) マークのデザインはまだきめておりません。これは法律が通りましたあとで審議会におはかりした上できめていきたいと。ただ、方針としまして、この法律だけでもマークが二つできますが、既存法によるマークとの関係もございますので、一般消費者がわかりやすいような、まぎらわしくないものにしたいと、こう思っております。
#103
○中尾辰義君 それからこの安全マークの普及ですね、普及指導費は五百三十一万円出ておるようですが、これは具体的にどうやって普及なさるのか、その辺お伺いします。
#104
○政府委員(山下英明君) 御指摘のとおりに、私どもも五百三十万円というのは普及費としては不十分と思っております。しかし、初年度としてはやむを得ずこういう金額でございまして、ポスターですとか、あるいはリーフレットの作成、配布とかでございまして、本格的なラジオ、テレビによる広範な普及活動には足りない予算でございます。
#105
○中尾辰義君 それから、これは参考人のほうからも問題にされました例の発起人あるいは評議員、役員、そういう人の中に学識経験者と、こう出ておりますけれども、これはどうなんですか、業界の人は含まれないのですか、その辺のところをちょっとお伺いしておきます。
#106
○政府委員(山下英明君) 協会の発起人、役員、評議員には業界の代表を加えません。
#107
○中尾辰義君 そうしますと、学識経験者、この経験者の中には業界の方は含まれないと、こういうことになりますね。
 それから、これからでしょうけれども、あなたのところで現在考えている製品安全協会に加盟が予想される大中小のメーカー、どのくらいお考えになっていらっしゃいますか。その辺はいかがですか。
#108
○説明員(村岡茂生君) 御説明申し上げます。
 特定製品の候補、あるいは協会が行ないます自主製品の候補、われわれ内部ではいろいろ検討は進めておりますけれども、最終的には、本法が成立し、審議会において議論を経た上で定まるということになっております。したがいまして、その品目に応じてメーカー数あるいは大企業、中小企業の比率等も変わってまいります。現在においてはつかまえておりません。
#109
○中尾辰義君 そういうような紋切り型の答弁じゃ、委員会も――いつもそうなんですな。ここで別にあなた方の答弁を聞いてとっちめてやろうというようなことは考えていないのだから、大体われわれはこのくらいというようなこと言うてもらわぬと、何を聞いても、審議会に聞いて何だかんだじゃ、こっちだって質問する気も起こりませんよ。だから、大体のことはしゃべってもいいじゃないですか。
#110
○説明員(村岡茂生君) それでは、非常に未確定の数字で御理解いただきたいと思います。
 品目別にメーカー数は違いますので、たとえば圧力なべでございますと、現在六社メーカーがございまして、その大部分は中小企業ということになっております。それからコカコーラのびん、これを指定いたしました場合には、びんメーカーの数にいたしまして四、五社でございます。なおボトラーのほうもこの安全規制の対象になろうと存じますが、二、三十社あるものと承っております。それからそれぞれ浄水器というもの、これはいま申し上げませんでしたが、これが対象になりますと、メーカー数にいたしまして約五十一社が対象になります。そのうち二十一社が大企業で、三十社が中小企業ということになります。それからブレーキオイルでございますが、これを対象にいたします場合、二十一社が加盟をしてまいります。そのほか必ずしも数字をつかまえておりませんが、若干アウトサイダー的な事業者が十社あるというふうに聞いておりますが、その場合はすべて中小企業者でございます。そのほか登山ザイルの場合は約五社とか、あるいは玩具を指定いたします場合、非常に企業者が多うございまして、玩具全部合わせますと、企業者の数は約六千社に及ぶものと推定されております。そのほかいろいろ品目別に応じまして参加すべき企業者の数は変わってまいろうかと存ずる次第でございます。
#111
○中尾辰義君 それじゃ、特定品目はこれからきまるわけですけれども、大手メーカー等が自分の社内にこういうような自主検定設備、そういうものを持っておるというようなことで、特定製品の登録業者に入らない、そういうケースはないかもしれませんが、それを断わるというようなケースも考えられるかもしれない。いまのところ、大体二十品目くらいですからね。いまのところは、その特定製品以外のものもたくさんあるわけです。そういうものが事故を起こした場合、これは先ほども質問がありましたけれども、いわゆる登録業者以外のアウトサイダーがそういう事故を起こすような品物をつくって被害を消費者に与えた場合、これはやはり登録業者に対する場合と同じような違反の罰則ということになっておりますがね。この辺はいかがですか、入らないのは。入っても入らぬでもこれは同じような取り締まり法ということになっておるんですね。入れば安全マークという検印がもらえるというだけの利点で、その辺どうお考えになっていらっしゃるのか、お伺いしたいんですが。
#112
○政府委員(山下英明君) 私どもは、こういうぐあいに法律できめるまでして協会の組織をきちっとしまして、できるだけたくさんのメーカーに入ってもらうつもりでおります。ただ、特定製品以外も考えますと、協会に入らない、したがって、協会の手続による保険もかかってない、基準もないというような製品が出回る。その場合は、先ほど御議論いただきました八十二条の「緊急命令」で処理していくわけでございますが、被害を受けた消費者はどうなるかといえば、これは現状のような民事訴訟でやっていただくしかないと思います。したがって、私どもの方針はそういうケースを、まあそれを野放しと表現しますと、野放しの事故をできるだけ少なくするように新製品までチェックして、危険である、事故が起きそうだというものはこの法律の網をかけていく。特定製品に指定するなり、自主基準をつくってもらう、そういう方針でやっていきたいと思いますが、漏れてそういうものができれば、現在の民事訴訟の範囲でやっていただくということになります。
#113
○中尾辰義君 それから第四条の「検定及び販売の制限」、ここのところで、輸入品のチェックはこれはどこでやるわけですか。
#114
○政府委員(山下英明君) この検定の仕事自身はできるだけ従来の、既存の、たとえば輸出検査機関等を活用してやるつもりでございます。したがって、特定製品と指定されましたあとは、輸入業者は、そういうところで検定を受けてからでないと販売ができないということになります。
#115
○中尾辰義君 これはこの法案の適用外であると思いますけれども、輸入のトマトジュースのかん詰めですね。これが基準をこえる鉛が検出をされていると新聞にも出ております。この中にこういうことが書いてあるんですよ。「輸入食品のチェックは、輸入の段階で厚生省が行なうことになっているが、係員が少なく、検査もれのまま販売されるケースも多いという。食品中の鉛は、成人が一日に一ミリグラム以上長期間にわたって摂取し続けると、顔面そう白、貧血などの中毒症になるおそれがある」云々と出ておりますがね。この場合はもちろん厚生省になりますが、そういった輸入ものに対する検査、これは輸出検査機関でやるとおっしゃったのですが、その辺検査員も非常に少ないと、そういったようなところからいろいろの問題が出てきやしないか、そういう体系はどうなっているか、輸入品の検査体系は。
#116
○政府委員(山下英明君) いま指摘されました例は食品衛生法、厚生省でございますが、この法律で輸入品も法の対象にいたしますが、扱いは国産品と全く同じでございます。そうして、この法律の対象は全国津々浦々に及びますので、私どもとしては、先ほど申し上げたような現在ある輸出検査機関及びそれの組織を使いますれば、比較的不便のないように全国にいくと思いますので、そこで検査をさせますが、その場合、陸揚げされた輸入品も販売する前に、そういう輸出検査機関に持っていって検定をしてもらう。ただ国内品と違いますのは、製造設備等の型式承認ということはございませんので、結局一品一品の検定になります。一品一品といいますのは抜き取り検査になりますけれども、結局製品の検定になります。その点は国内と違いますが、あとは全く同じ扱いでございます。
#117
○中尾辰義君 それから、第四条の輸出用の特定製品につきましては、これはどうも例外扱いになっているようですが、これはどういうわけなんですか。
#118
○政府委員(山下英明君) これはやはり製品安全ということも、だんだんと各国共通の問題になってきておりますので、輸出者たる日本側で検査してあげるということはいいことではあるのですけれども、ただ現状をつぶさに見ますと、輸出国がかりにヨーロッパ、アメリカというような場合、アフリカ、アジアというような場合、それぞれ相手先によって製品安全の概念から、制度から、運用から違いまして、日本の国内法でこれで安全だとマークをつけることがよしあしの場合がございますので、一応、相手国の製品安全規制にまかせようという考えでございます。しかし、それによって輸出品の安全問題が劣悪になるとか、そういうことであれば、これは従来どおり輸出検査法によって規制していけますし、それは従来と変わりなくやっていく方針でございます。
#119
○中尾辰義君 輸出検査法でやるということですけれども、同じ品物が国内においては安全マークが表示をされておるわけですから、それによって輸入をされるほうも安心をしておるわけでしょう。そういうことで輸出品は別扱いになっておりますけれども、その辺多少、まあ業者を疑いますとあれなんですけれども、若干心配な面もあるように思います。
 そこで、いま輸出の問題が出ましたので、これは夜光時計の放射性物質のことについて通産省と科学技術庁の意見がまだ合っていないようなことも出ておりますが、これは「輸出か、環境保護か」、こういう見出しになっておるのですね。これは夜光時計の文字盤や針に塗ってある微量の放射性物質の規制をめぐって、通産省工業技術院のほうはゆるい基準である国際基準を押し通しておるわけですが、片方、科学技術庁のほうは、放射能汚染が心配される、そういうことで、基準緩和についてははなはだ危険である、こういうような見解が出ておりますが、これはどうなりましたか。
#120
○説明員(佐藤淳一郎君) 自然発光性の塗料につきましては、夜光の携帯時計及び夜光の置き時計あるいは掛け時計の工業標準を制定するために、放射線障害防止の技術的基準につきまして、科学技術庁にございます放射線審議会に現在諮問している段階でございますが、この背景となっておりますのは、新聞にも報道されておりますように、実はこの関係の日本標準規格がまだ制定されておりませんが、国際標準規格というものが規格の国際機構といたしまして、ジェネーブに本部がございますが、そこで一つのいわゆる原案としてこういう規格が、国際規格の原案が日本に回ってきておるわけでございます。日本はこの国際標準化機構、いわゆるISOと言っておりますが、ISOに加盟しておる国でございまして、ジュネーブでつくられた原案に対しては、その加盟国はその国際標準規格にできるだけ調和していくということが義務づけられておるわけでございますが、そういう観点に立ちまして、向こうから送ってまいりました国際規格の原案に対しまして、日本の標準調査会がこれの検討を始めたわけでございます。
 ところが、向こうのいわゆる国際標準、ジュネーブから持ってまいりますところの原案は一応、数量が大体百五十マイクロキュリー以下ということになっておるわけでございますが、実際、現在この放射性物資に関します法律といたしましては、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律、施行令というものがございまして、これは大体百マイクロキュリー以下ということに規定されておりますので、それをオーバーするかっこうになるわけでございます。で、国際的にはそういうことで日本の五割り増しを安全と見ておりますし、日本では一応百ぐらいだということを見ておるわけでございますが、これにつきましては、審議会におきましても、単体、一個のものとしての安全の基準としては大体百五十でも問題ないわけでございまして、われわれのほうもJISとして考えておりますのは、個別単一物件の容量の最大限度をJISとして規定するわけでございますが、ただ、問題としては、それを集合として集める、いわゆる小売り屋さんあるいは問屋の場合は、それを何個集めて扱うことになるか、その辺が非常に問題でございます。
 したがって、JISとして国際規格並みに扱って、個別そのものについての安全性の問題としてはさほどどちらをとっても、国際規格をとっても問題ないわけでございますが、そういっても、集合として扱った場合の扱い方がこの審議会で問題になっておるわけでございまして、そういう意味では、国際規格そのものと単一物件に対する容量の問題とはやや異質の問題でございますけれども、しかし、結果的にそういう問題は波及して大きな問題になりますので、ものがものだけに慎重にひとつ御審議願って、その結論を得た上でわれわれのほうとしてはどう取り上げていくかということに対処したい、こう考えておる最中でございます。
#121
○中尾辰義君 それじゃこれで終わりますけれども、安全協会の「業務の委託」のところですが、協会は、主務大臣が指定する検査機関に対し特定製品の検定等の事務の一部を委託することができると、こうなっておりますがね。この辺は、これは地方のどういう機関に委託されるのか、少し詳しく説明してほしいのです。
#122
○説明員(村岡茂生君) 安全協会が検定等の事務を特定の検査機関に委託する先でございますが、主として現在輸出検査法に基づきまして指定検査機関となっている機関、これが主体になるわけでございます。この指定の基準といたしましては各種のものがございますが たとえば、公正に検査をする能力があるというような一つの要件になっております。
 具体的に申し上げますと、これらの機関数でございますが、三十九機関ございます。やや例示的に申し上げますと、たとえば陶磁器に関しましては日本陶磁器検査協会、百十人の職員を擁している団体でございます。検査事業所十五カ所を保有しております。それからたとえば洋食器の場合は日本金属洋食器検査協会とか、あるいはおもちゃの場合には日本金属玩具検査協会とか、日本プラスチック検査協会とか、それぞれの品目に応じたそれを得意分野とする検査機関がわが国には三十九機関あるわけでございます。これらの総体の職員数を申し上げますと、約五千人強、検査機関の事業所の数を申し上げますと、全国に約四百五十強の事業所を保有しておる現状にございます。品目に応じてこれらの検査機関の中から適切な機関を本法に基づきまして主務大臣が指定していく。その中から協会が委託をする、こういう体制になろうかと存じます。
#123
○中尾辰義君 もう一つ、これで……。この九十六条の「権限の委任」のところですね。立ち入り検査に従事する職員につきましても、これは地方の府県に権限を委任することができると、こういうことですがね。その辺がまあどういうような組織――組織といいますか、府県のどういうところに委任するのか。それからそういう立ち入り検査等のいろいろな指導、その辺ですね、どうなっているのか。連絡はどうなっているのか。立ち入りをした場合の権限はどうなっておるのかですね。その辺ひとつ説明してください。
#124
○政府委員(山下英明君) 主として頭に置いておりますのは、都道府県の職員とそれから各地にございます消費生活センターの技術者、こういう方々でございまして、すでに私どもは商品テストの技術研修を毎年やっております。また、いわゆるコンサルタントという資格で消費生活センターの技術者を養成するために、日本消費者協会に委託金を交付いたしまして年に二回、約七十人の養成事業をいたしております。これはもっと強化していく方針でございますが、立ち入り検査の際にこういった人々に委託してお願いしていきたい、こう考えております。
#125
○中尾辰義君 これはもう税務署にしても警察にしても、特にこの辺でいざこざが起こるわけですがね。立ち入り検査員の権限というのはどこまであるんですか。まあ、もうちょっと具体的に言いますと、立ち入り検査をして品物をいろいろ点検をする。そのとき相手が拒否した場合、強制的にそれを検査し、あるいは証拠物件等を持って帰る権限があるのか、まあそういったどこまでが権限があるのですか、その辺ちょっとお伺いしておきたい。
#126
○政府委員(山下英明君) きわめて実際的、具体的に御質問しておられると思いますので、微妙な点もございますが、たとえば、今回の法律各事項に基づきまして製造業者の現場に立ち入る、そして検定、型式承認、登録に関連する資料や帳簿を見せてもらう、これはもちろんできるわけでございますが、さらに、それを持って帰るぞといった場合に、向こうが了承すればよろしいですが、了承しなかった場合に書類を押収して帰れるかということになりますと、個々のケースで私は微妙な問題になってくると思います。しかし、それではその場合で全部複写して持って帰るからと言えばこれは可能だと思います。これは先生がいま御指摘になりました国税徴収法における立ち入り検査の場合の微妙な限界がございますが、それがまた、同時に、この法律施行の場合でも一つのルールになろうかと思っております。
#127
○中尾辰義君 私がこれをお伺いしたのは、警察官の場合、税務署の職員の場合、公取の職員の場合、また今度のこの職員の場合、いつも現場で問題が起こるんですよ。だから、消費者のほうももちろんこういう詳しい法律はわかりませんで、それで結局は書類を持っていかれた、品物を持っていかれた、証拠物件を持っていかれた、そして返してもらったけれども、品物が一つ二つ足らぬとか、書類が足らぬとか、あるいは持っていくのだったら預かり証ぐらいやればいいのに、それもやらないで強制的に持っていって、何が何やらわからなくなったとか、そういうことでごたごたが起こっているものですから、私はお伺いしたのですが、これはここにも若干出ておりますけれども、そういうような書類あるいは証拠物件等を持っていく場合は、当然、これは預かり証等は出すのが至当じゃないかと思うのですがね。それと強制的に持っていけるのかどうか、もう一度再確認しておきたいと思います。預かり証なんか出さなくてもいいのか。
#128
○政府委員(山下英明君) 私は預かり証は出すべきだと思います、預かっていく場合には。それから、当事者がこれはこういう理由で持っていっては困ると言ったものを、いや、法律上の立ち入り検査権があるからといって押収、持ち帰るべきではないと思います。
#129
○委員長(佐田一郎君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時四十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十三分開会
#130
○委員長(佐田一郎君) ただいまから商工委員会を再開いたします。
 午前に引き続き消費生活用製品安全法案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#131
○須藤五郎君 じゃ、質問いたします。
 よく電子ジャーやテレビ、充電中に燃え出す電気カミソリ、異常燃焼するガス瞬間湯わかし器、突然爆発するコーラなど、近年、欠陥商品があとを断たないと思いますが、しかも大量生産、大量販売を行なうために、本来、設備も近代化され、品質管理もすぐれていると一般の人は思っておるわけでございますが、大企業製品の事故例が最近目立っておると思います。この欠陥商品の原因は、安全性の無視または軽視による大企業のもうけ本位の考え方、姿勢、体質そのものに加えて、大企業に甘い通産省など、国の行政姿勢がこれを助長してきた結果であると思いますが、通産大臣は、欠陥商品の発生する原因及び大企業と通産省の責任をどういうふうに認識していらっしゃるか、まずお伺いしたいと思います。
#132
○国務大臣(中曽根康弘君) 従来、欠陥製品の事例が非常に多かったのはまことに遺憾なことでございます。そうしてその原因として考えられますのは、一つは、近年、所得水準の向上と技術革新の進展に伴い、複雑かつ高性能な消費生活用製品が次々と開発されてきたということ、次に、反面、安全性の確保について企業のモラルが遺憾ながら必ずしも万全でなかったということ、また、数多い消費生活用製品すべての安全性確保をはかるための法的措置が十分でなかったということ等であると思います。
 通産省としましては、従来とも電気用品取締法等による規制、あるいは各種の行政指導により、消費生活用製品の安全性の確保のための努力をしてきたところでございますが、欠陥製品が事例として多いのはまことに遺憾でありますので、今回の法制定の機会を機に、欠陥製品の取り締まりに万全を期するとともに、安全性に関する企業の自主的努力の促進とモラルの向上に最善の努力を尽くしたいと考えております。
#133
○須藤五郎君 いま大臣が御答弁になったように、せっかくこういう国民が危害を受けるようなことのないように、つとめてそういう欠陥商品の一掃のために努力していっていただきたいと思うと同時に、何と申しますか、問題が起こってからそれを取り締まるという、それでは私はやはり不十分だと思いますので、問題の起こる前に、そういう危険状態が起こらないように、通産省としては万全の措置をとっていく必要があると思うんです。
 そういう立場に立って私は質問をいたしたいと思うんですが、製品の安全性の確保は、メーカーにその第一義的責任があるということはもちろんのことだと思うんですが、安全性の確認抜きの商品はつくらない、消費者の安全を第一に考えて商品をつくるというこの思想をメーカーに守らせることが必要であると私は思います。いまもモラルの点を通産大臣は言及されましたが、ここが非常に重要な点だと思うんですね。この法案はそうする上で大いに役立ち、かつ、欠陥商品による事故は今後なくすことができると通産大臣は言い切れますか、どうですか。
#134
○国務大臣(中曽根康弘君) こういう法律を制定いたしますのも、消費者の安全をもって通産省は責任を果たしたいと思ってやることでございまして、こういう法律制定を機に、一面においては製造業者、販売業者等に対しまして、モラルの確立をさらにきびしく求めるとともに、通産省といたしましてもこの法律を適切に運用いたしまして、そういう事故が起きないように万全を尽くすつもりでございます。絶無ということは期しがたいと思いますけれども、少なくともいままでより大幅にそういう事故率を減らして、絶無に持っていくように努力していきたいと思います。
#135
○須藤五郎君 絶無ということは人生でなかなかあり得ないことですから、絶無というようなことはあなたもおっしゃらないだろうと思いますが、しかし、できるだけゼロに近い方向にこれを持っていかなければならぬと思うんです。そういう方法についてこれからちょっと質問してまいりたいと思いますが、第二条の「定義」の中で、「「特定製品」とは、消費生活用製品のうち、構造、材質、使用状況等からみて一般消費者の生命又は身体に対して特に危害を及ぼすおそれが多いと認められる製品」と、一般的にこういうふうに述べておりますが、どのような方法で「特に危害を及ぼすおそれが多いと」判断されるのか。コーラびんや火をふくテレビなどのように事故が起こってから認識する場合もありますが、事故が起こってからではおそいとも言えると思います。どのようにして事故の起こる前に特定製品としてつかまえるのか。消費生活用製品のすべてが安全性の点から十分考慮され事故を起こさないようにすること、これが根本であると思いますが、この意味では、消費生活用製品のすべてに安全性の観点からのチェックが必要だと思いますが、この点はどのようになっておりますか。
#136
○政府委員(山下英明君) この法律実施にあたりましては、私どもは過去の事故事例、情報収集の結果として数品目さしあたり考えており、かつ、それを拡大していくという方針でおりますが、いま先生の御指摘のような、事故が起きてからではおそいではないかと、これももっともでございまして、今度のこの体系で私どもが考えておりますのは、法律の実施にあわせて主として工業品検査所と政府の直接機関で試買検査をいたしまして――市場から新製品が出た場合でもみずから進んでこれを買って、消費者の立場でそれを使ってみて安全性を一つ一つ確保していきたい。
 それからもう一つは、たとえば最近、通産省は法に先立って実施しておりますが、投書箱を中央郵便局に設けて全国から楽に投書をいただくようにしておりますが、それは一つの例で、結局、消費者の使用経験から見た消費者の意見、不服、苦情を集めて、そして製品の安全性を判断していきたい。つまり、起きた事故に基づいて、その結果特定製品をふやしていく、これはもとよりのことでございますが、さらに進んで、先がけて情報収集をしていきたい、こう考えております。
#137
○須藤五郎君 いまのこの法案によりましても、また、通産省が従来やってきた経過を見ましても、大体事故が起こった段階でその調査に取りかかれるという事例が非常に多いと思うんですね。そでは私はぐあい悪いと思うんですよ。いまあなたは、できるだけ早く、自分で買ってきてでも検査するというふうにおっしゃいましたけれども、通産省がそれを買い求めるときは、もうすでに市販されて外にずっと出てしまっているあとですね。だから、通産省が買ったときにはもう事故が起こっているかもわからぬし、通産省が買ってきてすぐ直後に事故が起こるかもわかりませんし、そういうやり方ではたしてこれの実態がつかめていけるかどうかですね。私は物を、こうこうこういう製品をメーカーがつくる、その段階で、売り出す前に通産省がそれを提出さして、そして、こちらの工業技術院でもどこでもそういう通産省が握っておる機関でそれを十分検討をさせる。ある圧力をかけてみてそれで割れないかどうかという科学的な調査を通産省自身で、市販する前にそれを私はやるということが必要なように思うんですが、それはどういうふうに考えていらっしゃるんですか。やる意思があるんですか、やらないんですか。
#138
○政府委員(山下英明君) この法律のたてまえを最初に議論をしたときに、ここはございますように、大きく言って国みずからが乗り出してやる部分と、それから、先刻、先生がちょっと触れられました、大企業に限らないですが、今後消費生活の用に供する品物をつくろうとする製造業者は、そもそも人体に対する危害等々安全を確保をしない限りメーカーの資格がないといういわゆる企業家責任、企業家のモラルというものが私どもの判断では、近年、徐々にではありますけれども高まりつつあると判断いたしております。その自主的な企業責任でありますと同時に、事実、最近はうっかり自分の製品に欠陥製品でも出ますと、直ちに売り上げに響くという経営的な面もございますが、そういう盛り上がる空気を活用していこうというのがこの法律の後半にございます協会をつくり、その協会で自主的な基準、安全規制をやっていこう、こういうわけでございます。
 したがって、協会の仕事にも、六十三条にございますように、もし消費者のほうからこれはテストしてくださいと言えば、進んで安全性をテストいたしますし、また昨今は、通産省の検査機関におきましてもその種の申し入れがあれば製品を検査をいたしております。したがって、製造業者の自主的な責任とそれから消費者側からの要請を迅速に取り入れる。そういう仕組みによりまして、この法律の国みずからの行政以外の分野を補っていくべきである、こう考えております。
#139
○須藤五郎君 局長はいろいろおっしゃいますけれども、私は、それでも消費者の立場に立てば安心ができないというように思うのですね。それはある段階でそういうこともあり得るでしょう。しかし、それまでに事故の起こる危険というのもあるわけですね。コーラびんが一本割れたらコーラが中から漏れてしまったぐらいのことならともかく、その市販された直後に買った人がもっと大きい事故を起こしたというようなこともあり得ないとは私は言えないと思うのです。だから市販の前に何かの調査機関でよく調べて、これならばだいじょうぶだというそういう結論が出てから市販を許すという、私はこの姿勢のほうが正しいように思うのですが、大臣、あなたはどういうふうにお考えになりますか。これで絶無だと言えないということは、それは私は絶無だとは言えないと思うのですが、絶無ではなくてもゼロに近いように持っていくのが私は法の精神だと思うのです。そういう立場に立つならば、やはり市販の前にある程度の確信は持たなければあぶないんじゃないかと私は思うのですが、大臣、どういうふうにあなたはお考えになりますか。
#140
○政府委員(山下英明君) 大臣の前にちょっと事務的な説明、よろしゅうございますか、あとから大臣が……。
 先生の御指摘の点は、あるいはアメリカの法律等でやっておる新製品の事前審査等のことを言っていらっしゃるのかと思いますので、その点はちょっと説明いたしますが、私どもがこの原案を考えましたときは、それは非常に広範な商品に及びますし、それから年々歳々新技術革新の商品が出てきますのを、全部政府なり、あるいは公約機関が販売の前の事前審査制度でやるということは不可能じゃないかと、こういう結論で、法案そのものの立て方をこの原案のようにしたわけでございます。ただ、アメリカなどでやっておりますのも、非常に範囲を狭めまして、エネルギーの転換、デザインの転換、こういう場合の新製品に関しては事前に審査をしない限り市場に出しちゃいかんと、こうやっております。で、そのたてまえをどっちがいいかという議論だろうと思いますが、私どもは一応こういうことで特定製品を中心に行政をやる、それからそれ以外のものは協会の自主規制でやる、それ以外のものは先ほど言ったような消費者とメーカーのモラルで補っていくというほうが実際的だと思った次第でございます。ちょっと事情の説明だけなもんですから事務当局から……。
#141
○国務大臣(中曽根康弘君) 理想的に考えますと、須藤委員がおっしゃるほうが万全の措置であるだろうと思います。で、そういうことができれば私はそれがよりいい方法であるだろうと思いますけれども、実際は行政能力とか、あるいは定員とか、あるいは全部くまなく新製品について目を通して試験をするということはかなり手数も正直に申し上げて要ることであると思います。そういう意味で、次善の策としましていまのような何段階かのやり方で国に直接届け出て、特定製品としてやるもの、あるいは自主的にやるもの、あるいはモラルにまかすもの、そういう何段階かに分かれて規制しておるというのが正直な話だろうと思うんです。しかし、これでも事故が一回起きるというようなことになりますと、回収命令を出されたりいろいろやったほう自体がまたそれ相応の報酬を受けるわけであります。そういう面と、それからやはりそういうようなことを繰り返すような会社や商店等については、われわれ自体が今度はさらにいろいろな監視とかそれなりの監督を強化いたしまして、そういうことを再び起こさないような行政指導も強化していきたいと思うんでございます。まあ正直に申せば、先生が言うのがもっと万全な措置だと思いますが、これ自体まずこの程度で出発をしてみたいと、こう思うわけであります。
#142
○須藤五郎君 中曾根さん、私たちもこの法案は賛成の立場に立っているわけなんですよ。しかし、法案というものは賛成する、反対するどちらにしても、立法府のわれわれとしましては、一たん法律になった以上その法律に対して責任を非常に感じるわけなんですね。地方へ行っていろいろな問題、この問題とは違いますけれども、いろいろな問題が起こって、私たちがそれはこうしたらいいじゃないかと言っても、そこの地方の行政官は、先生たちがこんな法律をつくったのがいけないじゃないですかと、それだったら法律をつくってから言ってくださいというようなことを私たちは言われるんですよね。そう言われると私たち非常に苦しい立場に立つわけです。おれはこの法律をつくるとき反対したんでは済まなくなっちゃうわけですね。だから私は、特にこの法案を賛成する立場に立って少しでもよくして、そういうことのないようにしていきたいというこの執念を持っているわけです。
 それで、こまごましたところまで私は質問しますけれども、もしも、かりに中央行政府だけでそういうことができないというならば、地方自治体の府県のそういう機関に委嘱してでも、私は、販売前にいろいろな検査はできるだけするという姿勢のほうが正しいと思うんですね。それで、中曾根さんも私の言ったことのほうがそれはいいというふうにおっしゃいましたけれども、手続や人数の点やいろいろなことでなかなか中央としてできがたい点があると、こういうふうに言っておられますが、それならば地方の府県にも委嘱して、そういうことをさして、できるだけやはり販売前にある程度の確信はつかんでから売り出すようにしたほうが私はいいと思います。そういう方向でひとつ通産省は大いに検討をしていただきたいと思うんですが、一言簡単にお答えください、それから次に移りますから。
#143
○国務大臣(中曽根康弘君) われわれのほうでは、大体、こういう製品は危険だと思われるものはマークしてありまして、それであるいは電気器具の取り締まり法とか、諸般のいままでの特別法がございまして、それらによって一応規制もしておりますし、今度はこういう法律によりまして大体この辺が、たとえばヘルメットであるとか、あるいは登山用のザイルであるとか、あるいは圧力がまであるとか、あるいは子供用の、こういう子供を運搬していく何というんですか、ベビーカーのようなものとか、そういうものに応じて、これは被害者の立場のほうから考えてみて、こういうのはあぶなそうだからこれは規制しよう、これはだいぶょうぶだろう、そういうふうな見当をつけて、一応消費者の立場でそういう手配はして安全を確保するようにしておるわけでございます。ですから、これでやってみまして、それでもしそれでもわれわれの手の届かないようなものや不測な問題が起こった場合には、先生のおっしゃることも将来考えていかなければならぬと思います。
#144
○須藤五郎君 えらいくどいですけれども、将来そういうことが起こってからではおそいので、通産省がそこまで確信を持ってやるならば、まあやってみていただきたい。それで須藤五郎の前に頭を下げないで済むようにやってもらいたいと思うのですね。そこまではっきりおっしゃって私の言ったようなことが起こった場合、通産省、ぼくに頭を下げなきゃなりませんよ、いいですか。そればはっきり言っておきますよ。だから、十分に注意をしてやっていってもらいたい、こういうことですね。
 それでは次の質問に移ります。
 電気用品の取り締まりについては、従来から電気用品取締法があり、技術基準、安全基準をも定めて技術基準の順守義務を課しておりますが、衆議院の商工委員会で公益事業局の説明員は、技術基準に違反するものは年によって違うが、約十何%程度ある、それについては改善命令あるいは回収指示等もしていると、こういうふうに説明をしていらっしゃいます。通産省の調査した範囲内でも、毎年十何%の違反があるという事実は驚くべきことだと思います。この事実は、特定製品の安全基準を定めてもやはり相当の違反が起こり得ることを示すものではないかと思います。電気用品取締法の安全基準をメーカーに守らせる上からも、また特定製品の安全基準を守らせる上からも、安全基準に違反するものがあればこれを公表すること、これがこの法案の趣旨である消費者保護の精神に沿うものであると思いますが、公表するのかどうかという点をはっきりお答えを願います。
#145
○説明員(和田文夫君) 電気用品につきましては、先生のおっしゃったような結果が四十六年度の試買検査の結果出ております。試買検査は相当前からやっておりますが、違反率は逐年非常にゆるやかな速度ではありますが、少なくなっております。
 それから、電気用品の安全基準と申しましても、非常に余裕をとった安全基準がきめてありますので、安全基準にちょっと違反してすぐ危険につながると、そういう場合は非常に少のうございまして、そういう意味では、もちろん基準を守ることは大事でございますが、基準にちょっと違反したからすぐ危険につながると、そういう性質のものではございません。それから、おっしゃるように、改善命令等もふえております。その結果、さっき申し上げた一三%、あれについては全部即座にわれわれのほうから公表をいたしております。
#146
○政府委員(山下英明君) この法律の運用にあたりましては、違反がありました場合には、それの訂正措置として各種の命令、行政措置をやる上に必要に応じて公表をしていく方針でございます。
#147
○須藤五郎君 違反したものは公表するというんじゃなしに、必要に応じてということなんですか。やはり違反行為があれば、それは公表して消費者に注意を喚起していったほうがいいと思うんですがね。その必要あるものにということの私は内容がわからないんですね、消費者の立場に立って。それはどういうことなんですか、もう違反があれば、それはすぐ公表していったほうが私は適切だとこういうふうに思いますが、どうですか。大臣、ものを読んだり、目をつぶらないで私の言うことも聞いていらしたほうがいいと思いますよ、大臣としては。どうですか、どう思いますか、大臣、こういうことは。
#148
○国務大臣(中曽根康弘君) 公表するのは原則的に正しいと思います。ですから、やはり年度別ぐらいに一括して公表して、それを消費者の団体に知らせるとか、あるいはそういう関係の新聞に載せるとか、あるいは通産省のいろいろなPRの新聞、そういうものも出ていますから、そういうものに載せるとか、そういうようなやり方である程度の応報措置をとることを考えております。
#149
○須藤五郎君 通産大臣は私の意見に同意を示しておられるようですが、年次報告といって一年に一ぺんでは私は足りないと思うんですね。やはりもうこういう違反があれば即刻――といっても、まあ毎日毎日発表するわけにもいかないでしょうけれども、それはできるだけ縮めて、年度別でというようなことじゃなしに、月別なら月別に、やはりできるだけその期間を縮めてそれを一般に公表していくという、この姿勢が私は正しいと思います。大臣もそういう方向で検討してもらいたいということを申し添えます。いいですね。
 それじゃ次の質問に移りますが、通産省はどのような商品を特定製品に指定する必要があるというふうに考えていらっしゃいますか。その点を具体的にひとつ答えてください。
#150
○政府委員(山下英明君) 現在考えております商品名を申し上げますが、先ほど中曾根大臣からも数種類例示されましたが、圧力なべ、炭酸飲料びん、登山用ザイル、水中ガン、 スポーツ用ヘルメット、ブレーキ液、この六種類などは早々に特定製品にしたいと思っております。そのほか、今年度三月末までに予算的には二十品目ばかりにしようと思っておりますが、七番目以降は順次検討して追加していくつもりでございます。
#151
○須藤五郎君 二十品目はまだ具体的にはきまってないわけですね。まだ検討中ということですね。
#152
○政府委員(山下英明君) はい。
#153
○須藤五郎君 それじゃコーラびんとか、充電式かみそり、カラーテレビなどは、その危険物というので指定する中へ入っているんですか、どうですか。
#154
○政府委員(山下英明君) コーラびんは炭酸飲料びんで入っております。それから電気製品は電気用品取締法でやっております。
#155
○須藤五郎君 カラーテレビも……。
#156
○説明員(和田文夫君) カラーテレビも現在の電気用品取締法の取り締まり対象でございます。
#157
○須藤五郎君 特定製品の安全基準について、第三条では「主務省令で、」定めると、こうあるだけで、具体的にどのような内容か、私たちにはわからないわけですね。どうも政府のつくってくる法律の中には、政令、政令ということばがよく使われておるわけですが、これは私は昔からの官僚の悪い点がまだ残っておるのじゃないかと、民をして知らしむべからずというような、古い時代の官僚臭がまだ残っている証拠じゃないかと思うんですが、こういう点は政令にしないで、この法律の中に明らかに書き込んでいく、このほうが私はいいと思うんですがね。何で政令にしなきゃならないのか、それはどういうことなのかですね。
#158
○政府委員(山下英明君) 安全基準は品物別にやるわけでございますが、これこそは一番私どもがこの法律の核心として重要視している点でございますので、実際にそれをきめていく手続なり、周知徹底させる点では万全を期しておりますが、なぜ法律で書かないか――それは平たく言ってしまって、各種各様で、かつ、きわめてこまかいものになると思います。たとえば圧力がまの場合には、その材料の強度から合わせ目のところの円滑さですとか、あるいはふたの取りつけぐあい、所要圧力、あるいは耐圧、衝撃、強度、しかもこういうものを数値であらわさなければ意味がございませんので、実際には私どもは工業技術院が何百というJISを決定してきました積年の経験がございまして、科学者を含む専門家でわりあい長期間御討議願って、一品ごとにきめてきたわけでございますが、大体その例にならって今後基準をつくるつもりでございまして、しかもつくった基準は、本法による審議会にかけまして最終決定をしていくつもりでございます。
#159
○須藤五郎君 まああまり時間をかけるわけにはまいりませんので、その次へ進みますが、この政令の内容が明らかになるのはいつごろか、また、政令の内容が明らかになったら、即刻発表して消費者に明らかにしていく方針か、そこを伺っておきましょう、いつごろですか。
#160
○政府委員(山下英明君) 関係政令は九カ月以内に、できるだけ急いで整備しまして公示していくつもりでございますが、個々の基準はその政令に基づいて、先ほど申し上げたような手続できめていくということになります。しかし、きまったらこれは公表もし、周知徹底させます。
#161
○須藤五郎君 政令をつくるのに、この法律ができてから九カ月もかかるというのは、ずいぶん私はのろいと思いますね。この法律をつくると同時に、もうそういう作業にはかかって、すぐできるという手回しが必要だと思うんですよ。そんな、九ヵ月といったらもうことし過ぎちゃうじゃないですか。それからまたいろいろなことを、基準をつくっていくとなりゃ、もう二年もかかってしまいますよ。その間にどんどんと製品は出て市販されていき、そうしてまたいろいろな危険状態が生じるというようなわけですね。後手後手になってしまいますよ、それは。それは少し怠慢じゃないですかな。もう少し早く、きちんとやるべきだと思いますよ。
#162
○政府委員(山下英明君) 失礼いたしました。私はその九カ月というのは一般論として、この法律全部の政令の期限が九ヵ月以内に施行するものですから申し上げたわけですが、御指摘のこの基準の政令は、これはもうできるだけ早くやります。たとえば先ほど先生に申し上げた六品目、これなどは皆さんにおはかりしても動かないところだと思いますので、そういうものはさっさときめていくつもりでございます。
#163
○須藤五郎君 これも最後に私は大臣に意見を申し上げておかなきゃならぬと思うんですが、こういう法律ができたら、その法律が万全に守られて、そうして一〇〇%効果が出るようにはどうしたらいいかということをお考えになったら、いまのようなのろいようなことでは私はいけないと思うんですね。やはり部下を督励されて一日も早くその成果があがるように、大臣、ひとつ努力していただかぬとぐあい悪いと思いますがね、やってくださるか……。
#164
○国務大臣(中曽根康弘君) ごもっともな御意見でございますから、御趣旨に沿ってできるだけ早く政令を施行いたします。
#165
○須藤五郎君 というのは、アメリカの消費財安全法の要約によりますと、とにかく、安全基準の設定もこの法案よりわかりやすく述べられておるんですね、このほうが。私もこれを読みましたが、このほうがよっぽど具体的なんです。消費者に対しては非常に親切に私はできていると思うんです。わが国の場合もこの例にならってやってもらいたいと、こういうような希望を私は持っているんですが、どうでしょうか、これよりももっとりっぱなものができますか、通産省として。
#166
○政府委員(山下英明君) 基準そのものにつきましては、私どもはJISの経験もございますし、アメリカに劣らない基準をつくり、かつ、それを施行していく自信を持っております。
 ただ、御指摘のように、たとえばアメリカがこの基準を委員会から公募しまして、公募した基準を審査して決定するというような方式をとっておりますが、私どもは体系上それと違う。あるいは先生は、英米法と日本の大陸の影響を受けた法律との差を申しておられるのかもしれませんが、そういう問題と、それから別にアメリカが行政委員会で、しかも行政機構を比較的使わずにこの安全確保規制をやっていこうというたてまえをとっておりますが、私どもはそれでなくて、むしろ工業技術院なり検査所なり、かつまた、法律に基づく審議会ではっきり関係者の意見を固めてきめる、そのきめたものはこの法律で政府が責任を持って実施していくと、こういう立て方になっております。
#167
○須藤五郎君 政府の考えておる安全基準の中には、それの使用方法とかいろいろそういう細部にわたってまで親切にこれを公表なさるお考えですか、どういうふうに考えていらっしゃいますか、使用方法などは触れないんですか。簡単に答えてくださいね。
#168
○政府委員(山下英明君) 使用方法は、別にまた品質表示法その他の体系でできるだけ周知徹底させるつもりでございますが、この法律に基づく基準は、通常の使用における各強度その他の基準をきめる方針でございます。
#169
○須藤五郎君 質問、次に移りましょう。
 被害者救済制度についてちょっと質問いたしたいんですが、製造業者等の申し出を受けて製品安全協会がその消費者生活用製品について安全性を認めて、この制度のレールに乗せた商品についてはこの救済制度の対象になるわけだと思いますが、特定製品はすべてこのレールに乗ることになるのかどうかという点ですね。また、製造業者がこの制度に乗ることを申し出ていない商品の欠陥によって事故が起きた場合、被害者の救済はどのように行なわれるのか、通産省としてはできるだけ多くの商品がこの制度に乗るように努力すべきであると考えますか、その点はどうかということですね。
#170
○政府委員(山下英明君) 特定製品も被害者救経制度に、この法律の制度に乗ります、かかります。この国の特定製品、それらら協会の自主製品でもないもの、つまり、野放しの現状のようなままの製品で事故が起きた場合には、現状と同じに民事訴訟として損害賠償を請求していただくしかないと思います。したがって、被害者とメーカーとの間の問題でございます。
 最後の点でございますが、通産省はこの法律が実施されましたら、一人でも多く協会に入ってもらうように努力するつもりでございます。
#171
○須藤五郎君 それじゃ、この制度に乗ることを申し出てない商品の欠陥によって事故が起きた場合は、やはり民事訴訟で損害賠償をやると、こういうことですね。
 それじゃ、この法案によりますと、被害者の救済を消費者の生命または身体に対する事故に限定しておりますが、事故の性質によっては財産被害、物損が生ずる。たとえば石油ストーブや瞬間湯わかし器、火をふくテレビなどの事故の場合、人身事故ばかりではなく、火災が起こり、家財が焼けてしまうということも十分あり得ることだと思うんですね。救済は、人身事故に限定せずに財産の被害も対象にすべきではないかと思うんですが、その点はどういうふうに考えていらっしゃいますか。
#172
○政府委員(山下英明君) 法律の規定上は、六十三条一項三号にございますように、対人賠償――人体の安全を主といたしておりますが、実際問題としていま御指摘のような、ものによっては非常な損害を消費者に与えるものが出てまいります。そういう製品につきましては、私どもは、協会が進んでこの財産――物的損害の賠償保険もあらかじめ付保しておいて、それも消費者の請求に応じて賠償できるように検討していきたい、またそのほうがいいと判断いたしております。
#173
○須藤五郎君 そうするとなんですか、財産に対する被害もやはり救済の対象になると、こういうふうに考えていっていいんですか、どうですか。
#174
○政府委員(山下英明君) 法律の運用の際に、そういう方向で検討してまいりたいと思っております。したがって、通産省から協会に、この商品については家財道具等の火事が起こりやすいから物的保険もかけておいてほしいと、協会がわかったといって話がきまれば、その場合には物的損害を賠償いたします。
#175
○須藤五郎君 それじゃ、協会がその場合、あなたの意見をいれなくてほったらかしておったらどうなるんですか。
#176
○政府委員(山下英明君) 厳密に法律論をいたしまして、六十三条の三号にこう書いてあるから、そのAという商品の製造業者グループは物的保険はいたしませんと、物的賠償については個々の製造業者が被害者の賠償訴訟を受けて立ちますということを強引に言い張られたら、行政指導以外にはないと思います。
#177
○須藤五郎君 そこにやはり私はちょっと不安な感じがするんですね。人身障害だけがこの賠償の対象になるが、火事を起こして家財道具を焼かれてしまったときに、それが賠償の対象にならぬというようなことではぐあいが悪いんでね。通産省としてもはっきりこの法律の中に、そういう場合も対象になるんだということをやはり加えられたほうが、私は消費者として安心ができると思いますがね。相手がやればできますけれどもというようなことでは、相手がやらなかったらそれは対象にならぬというのでは、これは消費者は不安ですよ。そこはどういうふうに考えていらっしゃるんですか。
#178
○政府委員(山下英明君) 少し私の説明が字義に即して厳格過ぎたかもしれませんが、私どもはそのほうがいいと思っておりますし、ただいまの御意見もありますし、六十三条で申せば、七号の附帯業務としてそういう指導をやっていくつもりでございます。
#179
○須藤五郎君 やはりあなたのことばだけでは、私は消費者の立場に立って、もしもそういうことが自分の家庭で起こった場合、カラーテレビから火事が出て、そして自分がけがをしたというのはこの対象になるけれども、その結果火事が起こって家財道具が焼けてしまったというときに、この補償の対象にならないというようなことでは私自身が不安ですね、消費者として。そこをやはりはっきりと対象だということをこの場で答弁をされるなり、法律の中にはっきり書き込むなり何とかしないと、それは消費者としては不安ですよ。大臣、答弁してくださいよ。
#180
○国務大臣(中曽根康弘君) いまの点は六十三条第七号を援用することによりまして、そういうとが行なわれるようにいたします。
#181
○須藤五郎君 何号ですか。
#182
○国務大臣(中曽根康弘君) 六十三条第七号、帯業務。
#183
○須藤五郎君 「前各号に掲げる業務に附帯する業務を行なうこと。」これですか。それの解釈によってそういうことが対象になるというふうにお考えですね。それは、はっきり記録しておいてくださいね。
#184
○国務大臣(中曽根康弘君) はい。
#185
○須藤五郎君 それではもう一つ質問しますが、製品安全協会につきまして、協会がメーカーの利益の代弁ではなく、ほんとうに消費者の利益のために機能するかどうかという点について、多くの人が疑いを抱いておるわけですね。朝からもそういう質問が公明党の代表の方からも出ました。この疑いを晴らす一つは人事だと思うんですね。通産大臣は、協会の役員や評議員に業者の代表は加えないということを、朝、公明党の代表の方の質問に対してお答えになったと思います。ですから、私はこれは質問にはいたしませんが、役員や評議員には業者の代表は絶対に加えないと、こういうふうに理解していいですか。
#186
○国務大臣(中曽根康弘君) 政府委員が答弁したとおり実行いたします。
#187
○須藤五郎君 そこで、もう二問ありますが、私は、役員や評議員に業者代表を加えないのみならず、評議員、役員に消費者の団体からの推薦者を加えるべきだと、こういうふうに思っております。加えないとおっしゃるなら、なぜ加えないのか、そこを伺っておきたいと思います。
#188
○政府委員(山下英明君) 私どもも消費者代表を加える方針でおります。
#189
○須藤五郎君 それじゃ、この評議員、役員にも消費者の団体の推薦する方を加えると、政府が都合のいい人といって政府指名でやるんじゃなしに、やはり消費者団体からの推薦者を加えるというふうに理解していいですか。
#190
○国務大臣(中曽根康弘君) これはやはり、消費者を代表すると政府が認定する人を入れるということが正しいと私は思います。その消費者を代表すると認められる者をどういうふうに具体的に選ぶかということは、これは協会の仕事、政府の仕事でございますが、公正にそういう消費者を代表すると思われる者の中には団体の代表も入ってくるのではないかと思います。
#191
○須藤五郎君 これが最後の質問になりますが、家庭用品品質表示審議会の委員は現在二十三名中十四名、六一%が業界代表で占められているように聞いておりますが、これでは審議会が業界の意向に左右されるばかりであると、こういうふうにわれわれは考えるわけですね。今回、審議会が改名して製品安全及び家庭用品品質表示審議会となるに伴いまして、審議会のメンバーも消費者代表が多数を占めると、こういうふうになっていますが、消者者の意見が十分反映されるような構成にすべきであると私は考えますが、この点通産大臣はどういうふうにお考えになりますか。
#192
○政府委員(山下英明君) 今度この法律でつくります審議会は、消費者、学識経験者、業界の公平な構成にする方針でございます。家庭用品品質表示審議会の現状は、私どもとしても消費者代表、学識経験者、業界――製造業代表と販売業代表という構成でやってきておりますが、それがいま御指摘のような比率というのは、二十三人中の構成は、私どもは今度は業界代表はより少なくなると存じます。
#193
○須藤五郎君 二十三人のうち六一%を占める業界代表がこれよりも少なくなるということは、いわゆる消費者団体の、消費者の代表がふえるというふうに理解していいわけですね。そうでございますね。――それではそういうふうに理解しておきます。
 私、きょうは時間があったら、実は逐条的に質問をしようと思っておったのですよ。しかし、時間もなくなってまいりましたから、もう二点だけ伺っておきますが、製品安全協会というのは、これは株式会社なんですか。どういうふうな形態になるのですか。
#194
○政府委員(山下英明君) 法律に基づきます認可法人でございまして、これに類する認可法人は従来とも例がございます。それでその性質は何かと、株式会社ではございません。政府機関としての特殊法人でもございません。性質そのものがこれによって、この法律できめられておると、こういう認可法人でございます。
#195
○須藤五郎君 これの出資者ですね、出資者は、政府が半分出資するのですね。それからあとの半分をだれかが出資するわけですが、それはどういう人があとの半分は出資するのか。
 それから、これの第四十一条には、「政府以外の出資者は、その持分を譲渡することができる。」となっておりますね。政府の出資した半分は譲渡ができないが、あとの半分は、最初どういう人が出資するかわからぬが、出資者はほかに譲渡することができる。その譲渡はどういう形で譲渡するのか。株券なら株を売るということもできますね。それはどういうふうな形で譲渡していくのか。その譲渡についてどういう権限が譲渡を受けた人に移譲していくのか。そこらの点を少し明らかにしておかぬと、これでは私はわからないですね。どうですか、そこは。
#196
○政府委員(橋本利一君) まず、出資の問題でございますが、これにつきましては、協会の財政的基盤を整えるという意味におきまして、出資者は多いにこしたことはございません。ただ、協会の性格からいたしまして、関係業界等から出資させることは適当でない、これは排除いたしたいと考えております。したがいまして、残るのは金融機関あるいは保険会社等から出資を仰ぐことになるかと思います。
 それから、いまの四十一条の点でございますが、先ほどお話が出ましたように、本協会は営利法人ではございませんので、本来転々流通すべき性格のものではございませんが、こういった規定を置きまして、譲渡することも可能と規定いたしたわけでございます。
#197
○須藤五郎君 そうすると、業界からは出資は受けない方針だと、したがって金融機関から受けること。金融機関から受けると、金融機関というのは一般国民の金を預かって、そして経営しているところですね。したがって、出資に対する金利というものが、やはり利益というものが対象になってくると思うんですね。金融機関が出資して、その出資に対してどういうふうな利益を与えていくかということが問題になると思いますね。利益がなきゃだれも譲渡を受けませんからね、こんなものは。
 そうすると、そのときに、かつて、百万円出資した金融機関があるとする、それが譲渡する場合に、その譲渡価格はどういうふうになるのかですね。原価は絶対割らないのか、割るのか。それとももっと上積みになるのか、そういう点もあるでしょう。そういうことがあるならば、やっぱり一つの株式会社みたいな感じがしてくるしですね。それで、あなたのように金融機関からというふうに限定してしまうと、一般の消費者がこれに出資して自分たちもこの事業に参加しようという熱意を持っても、一般消費者はこれに参加ができないのか。そこらがどうも私はこれを読んでおって疑問が起こるんですね。
#198
○政府委員(橋本利一君) ただいまの御質問でございますが、本来、製品の安全性につきましては、民間が積極的に本来の業務として実施すべき問題であるという意識を前提といたしまして、そういった意味合いから金融機関、保険会社等はそういった事業に協力してもらいたい、こういう感触で申し上げたわけでございまして、一般の消費者につきましても応分の出資をしようというものを拒む意味ではございません。
 それから、いわゆる株式会社におけるような利益金はございませんが、本法七十二条の規定によりまして協会の運営についての資料、書類等の送付を受ける、あるいはこれはきわめて観念的になるかと思いますが、協会がかりに精算等の事務を行なう段階におきましては財産の分与について権限を有する、権利を有するということになるかと思います。一に浄財を集めたいという趣旨でございます。
#199
○須藤五郎君 もうこれで終わります。
 これをずうっと読んでいくと、非常に観念的な面がたくさん出てくるんですよ。どうしても私はこの製品安全協会なるものの性格がはっきりつかめないんですよ、株式会社なのか何なのかという。譲渡はどういう形でされるのか、また金融会社がそれに出資するならば、それに対する保証ですね、利益はどういうような形で与えるのか、配当はどれだけになるのか、そういうことが一つもないわけですよね、これは。わからないわけですよ、性格が、私はね。それで質問したわけですがね。それで、時間があれは――ほんとうはこういう法案、われわれも賛成するからこまごま聞いてるんですが、あまり言わぬと聞いておいてほしいですがね。――お騒ぎにならぬほうがいいと思うんですよ。時間があれば、私はもっと緻密に質問して、問題を明らかにしておく必要があると思うんです。しかし、局長が何か非常に急がれるようですから、私の質問はこれで打ち切ります。また次の機会にすることがあったらすることにしまして、それで次の質問者に……。きちんと六十分いたしました、これで私は終わります。
#200
○藤井恒男君 大方の同僚議員がもうこまかい質問をずいぶんなさっておりますので、議事進行に協力して、二、三の質問にとどめてお伺いをいたします。
 一つは、提案理由説明にも明らかにされておりますように、本法が一般消費者の生命または身体に対する危害の発生の防止ということを目的にした法律であるわけですが、どうも既存法との関係において非常に難解な法体系になっておると思うんです。したがって、一般消費者に対する危害を防止するための規制の法案という意味はよくわかるんだけれど、ひるがえって、一般消費者がみずからを守るために法をながめるときにはきわめて難解な法案になっておる。既存法がたしか十四本あったと思うんです。今回の本法が一般法になるわけですが、そういった意味で、きわめて素朴な問い方だけれど、今回この問題をとやかく言うことはもう不可能ですけれども、これから審査会などを通じて、消費者の側からながめた危害防止というような形で法体系というものを一たん洗い直す、できれば一本化するというような意味で、そういったことができるのかできないのか。
 さらに、今回、同じような意味でお伺いするわけだけど、厚生省から全く本法と同じような一般法みたいな形で家庭用品の安全性に関する法律案というのが出ておるわけですね。消費者から見ればこれは同じことなんです。その所管が違うということになろうかとは思うものの、同じ一般消費者の危害を防止するという意味から、同種なやつが同じ国会に二本別な所管から出ている。これまた一般消費者から見れば、クレームをかりにつける場合に、一体どこに持っていったらいいんだというのが一般的だろうと私思うんですが、こういったものをなぜ一本にした形でもっと親切に消費者向けに提示できないものか、この辺のところをまずひとつお伺いしたい。
#201
○国務大臣(中曽根康弘君) 具体的なことは政府委員より御答弁申し上げますが、確かに消費者の側から見れば、法が何本もあるということは非常に迷惑な話であると思いますし、本法を読みましても、消費者のほうからはなかなか何が何だかわからないと、そう言われるのは実感であるだろうと思います。ただ、法律というものを普遍性を持たしてつくりますと、どうもこういうふうな形になってしまいまして、この点は申しわけないことでありますが、いまのところではやむを得ないと思います。それで、できるだけ法を統一するということを、案をつくるときにもわれわれは考えて検討してみましたところが、やはり特殊法にはそれぞれそれができる一つの原因がございまして、たとえば電気関係でありますと、電気関係は一般のおもちゃや何かに比べてみて危険度がもっと非常に強いと、こたつにしても、こてにしても、電流がちょっと間違うとびりびりっときてしまうと。そういうもので、おもちゃや何かとちょっと性格の違うところがあるわけです。
 それから厚生省関係の物質になりますと、傷口に当てるとか、ともかく人間の身体、生命に直接すぐ響いてくる要素がございます。あるいは場合によっては口を経過して飲んでみるというものもありますし、そういう面から、おもちゃや何かともっと違う人体に対する影響度というものがございます。そういう面を一律に全部一つの法律で規定するということはかなり困難になっておったわけでございます。とりあえず、通産省関係でいま急を要する、この間うちいろいろ事故の起きておりまするコカコーラのびんであるとか、そういうものについて規制をまずやって、その分野を確実に広げてその守備範囲を確実に守っていくと、そうして、その後、農林省や厚生省や各省との間の問題についてはできるだけ連絡を密にしてやるけれども、調整をとっていくと、そうしてその間に不都合なことがあれば法の改正や何かも次の段階で検討しようと、こういう考えに立っているわけであります。
#202
○藤井恒男君 これで私もやめますけれども、大臣に要望すると同時に、大臣にお答えいただきたいんです。
 実は、これはインフォーマルな席であったかと思うんだけど、大臣の言われたことばの中に、これからやっぱり行政の衝に当たる者は、なわ張り根性など捨てて、ほんとうに国民に奉仕する、サービスするものでなきゃならないと、だから極力そういったものを一体化していくべきだと、これはどちらかと言えば貿易に関する問題であったわけであります。その精神はやっぱり同じだと思うし、私もすなおにそれを聞いておるわけです。したがって、あくまでも法体系をつくり上げていく場合、たとえばいまおっしゃったような危険の問題一つ取り上げても、縦割り、横割りのいろいろなクロスによって完全性が期されるという面もありましょうけれど、ひるがえって、一般消費者の側から一体私たちをどうしてくれるんだと、どういう形でものごとを処理したらしいのかという意味のものがやっぱりなければ、実際私は功を奏しないと思うのですよ。法律の専門家が見れば、そいつを、法をめくってかみ合わして幾らでも処理できるけれども、大多数の国民は法体系なんか知らないわけですからね。その人たちがしかも一般消費者なんだから、その人たちから見えるもの、こいつを考えなきゃいかぬと思うんですよ。
 そういう意味で先ほども申したわけだけれど、今後の問題として、やはり私は省を越えてでも、何かひとつ体系的にぱっと全部を見おろせるというものをつくってもらいたい。それが法として不可能であれば、その種のPRの形の手引きなり何かを私は国民の前に示す必要があるんじゃないかと思うんです。そうしなければ、法案ができた、国会を通ったからといって官報でぽっと出てきても、とってもじゃないが、国民に理解されるとは思わぬので、どうかその辺のところを今後精力的にやっていただきたい。いい法律だと私も思うし、賛成するわけだから、生かしてもらいたいという意味で、大臣の御所見を承りたいと思います。
#203
○国務大臣(中曽根康弘君) 御趣旨に沿いまして手引き書をつくらせます。それから、いろいろテレビやマスコミ媒体を通じて、こういう法律ができたことも周知徹底させまして、消費者の皆さま方に知っていただくようにしていきたいと思います。
#204
○藤田進君 若干確かめておきたいことがあるのですが、特に問題点をしぼってお尋ねをしてみたいと思います。
 この法人は、先ほどのお答えでは、法人自体の骨格をこれできめているということなんですが、いま調査室で調べさしておりますけれども。一体、世にある法人定義の中ではどういうものに入るのだろうか、これが一つ。
 それから、出資金が当面発足にあたっていわゆる資本金で、これは構成は半々ずっということでありますが、その第一点は、幾ら予定されているのか。それからあとは保険会社等あるいは金融機関の出資をお願いするということですが、その見通し。若干そういう団体等あるいは個別企業について当たった結果、出資可能であるという確信を持っているのか。通常、資本金の規模がどの程度か私もよくわかりませんが、単なるおつき合いというようなことではたしてうまくいくのかどうか。そういったいわゆる一連の資本構成、それからあとの借り入れ金、借りかえ、これらを見ますと、一年以内でさらにこれを償還するんですか、何かその辺のことをもっと詳しく。
 それから第三点は、一見してこれは国、あるいは今日かなり集約化されている経済社会においてこの協会を対比してみると、それほど大きな規模ではない。ただ、わが日本においては一協会という規定ですから、その意味では単一協会でしょうが、しかも通産大臣直轄と。けれども、その事業の内容、あるいは資本金はあとで聞いてわかるでしょうが、それほど大きなものではないように思うのです。にもかかわらず、会長があり、これが代表をする、それから理事長があってこれが代表をし、かつ、会長を補佐する。今日、会社法人では、確かに、もう退職すればいいのに、幾ら平均余命が長くても、八十近くなってまだなかなかしがみついて離れないで、社長から会長になる、そんなところが企業の大きなごたごたとして週刊誌にも出てくるというようなものもある。いま企業をここで取り上げなくても大小……。いかに今日、会長というものが企業の中で必要かどうかということが問題になっていることは、通産大臣も御承知だろうと思うのです。そのためにフレッシュな会社の運営、これがうまくいっていないんですよ。ほんとのマネージメントというものがうまくいっていない。そういったようなことがあるにかかわらず、官製協会が会長を定め、かつ、理事長を定めて、そうして理事三名、以下職員と、これは納得いく説明があればこの法律自体にも賛成いたしますが、もっとその辺のことを……。
 これに付随して、何といいますか、プラスというか、おそらく私は、会長、理事長は通産大臣が指名されるのでしょうから、意見はいろいろの方面に聞くとしても、おそらく通産省のいわゆるエキスパートといったようなことで通産大臣が任命されるでしょう。そうすれば、事務次官クラスになるのか、あるいは局長古参クラスなのか、どういうクラスをこれに充てようとするのか。一般社会では、会社社長経験がある者というようなことになるのか。何か一見、通産省は、数ある中でもう一つ天下り機関をつくったような感じも受けますね。それだけ製品の価格が上がり、物価高を手伝っているようなことにもなりはしないだろうか、これはわずかなものかもしれませんがね、法構成としては。というようなことでは、安全性が必ずしも確保されないで、他の経済政策全体の中でもどうもこれが問題になるのじゃないだろうか。だから、かりにコカコーラにしたって何にしたって、他に法令があったとしても、そういう危険性のあるもの、しかも、不幸にして事故が発生したならば、それに対してどうするかというような、事後とそれから予防というものにもっと手だてがあるじゃないだろうかという気がするのですけれども、以上、とりあえず申し上げた点、どなたでもいい、詳しい人にお答えいただきたい。
#205
○政府委員(橋本利一君) まず初めに、協会の法的性格でございますが、これは先生御指摘のような行政管理庁設置法第二条にいうところの特殊法人でもございませんし、民法三十四条にいう公益法人、社団ないしは財団法人でもございません。ましてや株式会社でもない。この法律に基づきまして、民間発意によりまして、通産大臣の認可を受けまして設立される法人、俗に認可法人と称しておりますが、この協会の性格をわれわれは認可法人と考えております。同種のものといたしましては、貿易研修センター、繊維工業構造改善事業協会、あるいは情報処理振興事業協会といったようなものがこの認可法人の例にあがるかと思います。
 それから第二点でございますが、出資の額はいかほどになるか、国と民間との負担はどれくらいになるかというお尋ねでございますが、現在、予算上、国は二億の出資を考えております。それから、民間からの出資につきましては、特に確たる積算根拠もあるわけではございませんが、一応、一億をめどといたしまして民間の浄財を集めたいと考えております。
 それから、この協会自体がきめて公的色彩の強い反面、営利性をどちらかというと考えない協会になるかと思いますので、一定期間後に民間の出資分を返済するということは当面は考えておりません。
 それから、第三点の会長と理事長でございますが、協会は、やはり一般消費者の信頼を得るような形でその業務を運用していく必要があるかと思います。そのためには、会長たるべき人は、もちろん、製品安全の問題につきまして熱意と学識経験のある人でなくては困るわけでございますが、いわばそういった消費者対策、安全対策のシンボル、どちらかといえば人格に重点を置いた方を会長に推戴する必要があるのではなかろうか。反面、この協会は営利性は重視はいたしませんが、赤字を出すようなことになりますと、それがはね返りまして、協会の認定料が高くなっていく、それだけコストアップ要因にもなるといったような問題がございますので、やはり理事長になる人は経営手腕を持った人でなくては困るのではなかろうか、さように考えまして、人材の適材を適所に配置するという思想から、会長制と理事長制をしいたわけでございます。
 それから、先ほど若干天下りの点について触れられましたわけでございますが、大臣任命にあたりましては、どの分野に所属する人かを問わず、本法の趣旨に照らしまして、本協会の会長ないしは理事長たるべくふさわしい人を選任するということで臨みたいと思います。
#206
○藤田進君 聞けば聞くほどこれはかえって尽きないことになりそうですが、その民間の一億、これはやがて償還とか、あるいはおそらく、営利目的でないということは、配当とかそういうものは考えてないことになるのでしょう。で、これは出資の方法にもなるわけで、株式ならば、何株お願いしますということになるでしょうが、その辺の形態と、無利息そして無償還のものがそんなにうまく出るものだろうか、どうだろうか、税法上は一体どういう扱いを受けるだろうか、その辺をもう少し掘り下げて聞きたいと思います。
 それから、会長あるいは理事長は月俸にしてどれぐらい、無給なのか。それからシンボルであるといっても、天皇もシンボルと言いますけれども、やっぱりかなり経費はかかっておるわけでね。ですから、それにふさわしいというのを、いまどなたをというのは、おそらくもう通産大臣は考えなければ、九カ月政令とかいっているようですけれども、(「八月内閣解散」と呼ぶ者あり」ええ、その前にはおそらくやって、次の副総理になるとか、何かそれはわかりませんけれども、いずれにしても、およそ法をつくる場合に、どういう人をということは……。だから私は例示としては、たとえば通産省でいえば次官クラスなのか、局長クラスなのかというふうに聞いてみたわけですけれども、これはまあ大臣に聞かなきゃ、ほかの人に聞くのは、私がなりますとは言えないと思いますから、その辺を聞けば、大体この協会というものが前向きに歩むのか歩まないのか、必要なのか必要でないのかということもこれはわかると思うのです。通産大臣がこちらの席にいれば、必ずあなたは聞くと思います、そういうことは。ですから、いまのは一体どれぐらいの待遇を考えているのか。私は会長、理事長というのは実際必要ないと思うのです。必要ない。これはまあ何といいますか、平行線かもしれませんがね。大臣から直接そういった面についてのお答えをいただきたいと思います。
#207
○国務大臣(中曽根康弘君) 待遇については政府委員から答弁申し上げますが、私は、まだだれをどうするということは全く考えておりません。しかし、私の方針としましては、会長になる人は中立的な人で、むしろ、消費者から信頼されるというタイプの人のほうがよろしい。それで専門的な知識を持っておるということが大事であろうと思います。単に政治性とか何かという問題よりも、やはり専門的な技術的な知識を持っている人で、中立的な人で、どっちかといえば消費者から信頼されるということを重点に置いて考うべきである。それから理事長の場合には、やはり経営手腕ということは必要であって、やっぱりある程度そういう技術的なこともわかる経営力のある人、こういう観点で選びたいと思います。
 格はどうかといえば、やはり大臣、次官クラスの人のほうがいいんではないか。そういう人が見つかるかどうかわかりませんが、局長クラスというとちょっと格が下がる、まあ局長さんに悪いですけれども、そういうふうに思います。
#208
○藤田進君 待遇。
#209
○政府委員(橋本利一君) 待遇の問題につきましては、同種の認可法人等の例を調べまして、それとのバランスで決定いたしたいと考えておりますが、なお、会長につきましては、非常勤ということで考慮いたしたいと思っております。いまさだかに具体的に幾らの給与を出すかということまではきめてはおりません。
#210
○藤田進君 いまたとえば貿易関係、繊維その他情報ですね。これが比較の一つの基準になるだろうと。それは私は調べておりませんが、当然お調べになっておると思うのですが、これが一つの基準だとすれば、非常勤の場合でもどの程度か、これはたって聞いておきたい。
 それからいま大臣の御答弁ですが、なかなかこれの人選はむずかしいのじゃないでしょうかね。これは二億プラス一億で三億の、まあ使命は重かつ大であろうけれども、この内容を見ますと、おっしゃるような大臣、次官クラスで、そうしてしかも、特に理事長はこの協会に専任であるようですがね。それから、いま言われたような人が一体この地球上、世の中に、特に日本にそういう人があるだろうかと思いますがね。まあ落選代議士というようなものがはまるのか。やはりシンボルといいましてもね、これは口では言いやすいですが、たとえばどんな人、個有名詞は言いにくいにしても、ありますか、こういう内容で、しかも資本金なりいろいろなことを考えてみて。
#211
○国務大臣(中曽根康弘君) いま私が申し上げましたような要件がどういう人に当てはまるかということを考えてみますと、まあ申し上げるときから考えておったことでありますが、中立的な人というとやはり学者系統の人のほうが安全ではないかと。で、専門的な技術的な知識も持っておると、まあそういうところで、落選代議士を持ってくるという意思は毛頭ございません。政治家を持ってくることはよくないと思います。やはり消費者から信頼されるという意味においては中立的な人のほうが安全である。少なくとも次官クラスの人ぐらい、そういう格の人をもってくる必要があると思います。
#212
○藤田進君 それは理事長ですか。
#213
○国務大臣(中曽根康弘君) 会長。
#214
○藤田進君 理事長はどうなんですか。
#215
○国務大臣(中曽根康弘君) 理事長は、その人を補佐するにふさわしいような、ある程度技術的知識を持って、経営能力もある、そういう人がいいと思います。
#216
○藤田進君 そうすると、やっぱり局長クラスになりますか、理事長は。
#217
○国務大臣(中曽根康弘君) まあ、やっぱりそういう大臣とか次官とか局長という類推がこれには当てはままらないと思うんです、役所と違いますから。ですからその人本位でやはり民間からでも、あるいは組合からでも、そういう有能な人材があれば選んでもいいと。消費者というような場合も考えれば、組合からだってそういうりっぱな人がおれば選んでいいと、こう思います。要するに、焦点を非常に広げて、天下の人材を求むるという考えでいきたいと思います。
#218
○政府委員(橋本利一君) まださだかに実は承知いたさないわけでございますが、理事長クラスで大体月俸四十万前後ではなかろうかと考えております。
#219
○藤田進君 ちょっと。じゃ、これは四十万以下の職員もいるんですが、収支の大ざっぱなところでどうか。収入どの程度――まあ手数料収入かなんかあるんでしょうがね。どう推算しておりますか。
#220
○政府委員(橋本利一君) まだ最終的に収支の計算をいたしておりませんが、協会における認定料は大体販売価格の〇・五%以下、できれば〇・三%程度にとどめたいと、かように考えております。それでもって、先ほど申し上げた出資の運用利息と合わせまして経営が維持されるように持っていきたいと、かように考えております。
#221
○藤田進君 販売価格、卸売り、これは品物によって非常な格差がついておりますから、一様には問題でしょうが、これは販売価格の〇・五ないし〇・三%というと相当な金になりませんか、対象がわずかとはいいながらね。これは明らかにさっき指摘したように、少なくともこれだけは物価にもはね返るわけで、私はやはりこの点はもう少し吟味されて……。そうして理事長はいま四十万だと、もっと規模の大きい公社、公団等から比べてみても――いま聞けば非常勤の会長、これが幾らか知りませんが、もののたとえが、それがまあ次官クラスだとか、いや、学者だとかいうことのようですが、いわばその下になるでしょう、系列は。理事長が四十万。これらはむろんボーナスだ、退職金だとくっつくことになるんでしょうが。これはやはり十分慎重に、しかも収支、特に支出関係、これをひとつ押えるように、それが収入を押えることになるんでしょうから。大臣、どうでしょう、少しでか過ぎませんか、このやり方は。
#222
○国務大臣(中曽根康弘君) やはり仕事の重大性を考えますと、厳密にやってもらう必要があると思いますし、また一方に偏しないというためには待遇もよくしてやって、えこひいきなことをやらせないということも大事であろうと思います。ある意味においては裁判官みたいな性格もなきにしもあらずでありまして、そういう点では、待遇をよくして与えておくということは大事ではないかと私は思います。
#223
○政府委員(橋本利一君) 若干補足いたしますが、先ほど〇・五ないし〇・三%程度と申し上げましたのは、結果としてさような数字になるということでございまして、ガス瞬間湯わかし器の例について申し上げますと、種類によって違うわけでございますが、大体一台当たり四十二円ないし九十九円と定められておるわけでございます。これを逆算いたしますと約〇・三%になるというわけでございます。もともとこういった手数料なるものは実費主義をベースにいたしまして計算いたしますが、特に協会の場合には、被害者救済措置として生産物責任賠償保険等の契約をいたします。それにかかわる保険料も認定料の一部として徴収することにいたしますので、大体〇・五ないし〇・三%程度のところになるのではなかろうか、こういうことでございます。
#224
○藤田進君 いまの会長の答弁漏れを。会長の待遇、非常勤ということですけれども、どう考えておいでになるのか。
#225
○政府委員(橋本利一君) いまだ会長について幾ばくの給与を出すかということはきめておりませんが、その非常勤は週一回出てくるのか、月に一回出てくるかによりまして、やはりこれも類似の法人における処遇とバランスをとって定めたいと考えます。
#226
○藤田進君 まだ十分納得がいったとは言えませんが、各委員の質疑、あるいはいま補足してお尋ねをいたしましたが、しかし、問題の大きなのは、この協会の運営、あるいは人的構成、そしていわば収支予算、その執行、こういったところには少なからず問題があるように思われます。特に会長、理事長という屋上屋の構成というものが他の類似なものからこれをとってみても問題があるように思いますが、発足後、諸般の準備と同時にこれが実質的な活動に入ることだと思いますから、十分いま指摘いたしましたような点も含めて、今後これが一般消費者国民に期待されるように、ひとつ法成立の暁においても御配慮を願いたいと、こういうことを付しまして終わります。
#227
○委員長(佐田一郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#228
○委員長(佐田一郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようでございますから、これより直ちに採決に入ります。
 消費生活用製品安全法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#229
○委員長(佐田一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 阿具根君から発言を求められておりますので、これを許します。阿具根君。
#230
○阿具根登君 ただいま可決せられました消費生活用製品安全法案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党、日本共産党の五党共同提案による附帯決議案を提出いたしたいと存じますので、御賛同をお願いいたします。
 案文を朗読いたします。
    消費生活用製品安全法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行にあたり、消費者保護、とくに危害防止対策の万全を期するため、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
 一、定期検査等の効率的な実施により、製品の欠陥に起因する危害の発生を未然に防止するとともに、事業者等による事故報告システム化等により速やかなる事後措置をとること。
 一、危害防止命令、緊急命令の発動にあたつては、一般消費者の安全を確保するため、これを弾力的に運用し、その結果を公表する等により、事業者の製品回収等に努めること。
 一、消費者の意見を十分に反映させるため主務大臣に対する申出の規定の活用をはかるとともに、製品安全及び家庭用品品質表示審議会、製品安全協会に積極的に消費者を参加させること。
 一、被害者救済の万全を期するため、諸外国の事例にならい集団訴訟制度等の検討を行なうこと。
 一、電気用品取締法、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律等既存の関係諸法令の対象製品についても本法と均衡ある措置をとり得るよう速やかに検討すること。
  右決議する。
 以上でございます。
#231
○委員長(佐田一郎君) ただいま阿具根君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行ないます。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#232
○委員長(佐田一郎君) 全会一致と認めます。よって、阿具根君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し中曾根通商産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。
#233
○国務大臣(中曽根康弘君) ただいま御決議をいただきました附帯決議に対しましては、政府といたしましてはその御趣旨を尊重し、万遺憾なきを期する所存でございます。どうもありがとうございました。
#234
○委員長(佐田一郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と叫ぶ者あり〕
#235
○委員長(佐田一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
  午後三時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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