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1972/06/26 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 商工委員会 第14号
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1972/06/26 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 商工委員会 第14号

#1
第071回国会 商工委員会 第14号
昭和四十八年六月二十六日(火曜日)
   午前十時十七分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月二十一日
    辞任         補欠選任
     片山 正英君     林田悠紀夫君
 六月二十六日
    辞任         補欠選任
     林田悠紀夫君     上田  稔君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐田 一郎君
    理 事
                剱木 亨弘君
                若林 正武君
                藤井 恒男君
    委 員
                大谷藤之助君
                川上 為治君
                林田悠紀夫君
                細川 護熙君
                安田 隆明君
                大矢  正君
                林  虎雄君
                中尾 辰義君
                須藤 五郎君
   国務大臣
       通商産業大臣   中曽根康弘君
   政府委員
       通商産業省貿易
       振興局長     増田  実君
       中小企業庁長官  莊   清君
       中小企業庁次長  森口 八郎君
       中小企業庁計画
       部長       原山 義史君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
   説明員
       通商産業省企業
       局企業調査課長  黒田 明雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○中小企業信用保険法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○国際経済上の調整措置の実施に伴う中小企業に
 対する臨時措置に関する法律の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(佐田一郎君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 去る二十一日、片山正英君が委員を辞任され、その補欠として林田悠紀夫君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(佐田一郎君) 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案及び国際経済上の調整措置の実施に伴う中小企業に対する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○林虎雄君 大臣にまず第一にお聞きしたいと思います。
 最近は物価がだいぶ上昇して、インフレ傾向が濃厚になってきておるわけでございますが、国際通貨にこれを見ると、例のIMF、ブレトン・ウッズ体制からスミソニアン体制、協定といいますか、になりまして、さらに変動相場制へとことし二月から入ったわけでありまして、目まぐるしく国際通貨の変化というものがあらわれてまいりまして、自由世界はおしなべて物価高とインフレに悩まされている、これが現状であろうと思いますが、このことは現在の社会経済体制の行き詰まりを象徴しているようにも思われるのであります。自由世界と共産圏の経済、それに先進諸国と発展途上国との大きなギャップというものが入り組んでおるわけでありまして、この混乱はいままでの経済的な好況、不況というような循環的なものでなくして、むしろ一つの世界の大きな転機というふうに思われるのでありますが、言いかえるならば、現在の社会経済体制がこのままではどうにもならないのではないか、一つの転機に立っておるのではないか、こういうふうに思われるのでありますが、大臣の御所見をお聞きいたしたいと思います。
#5
○国務大臣(中曽根康弘君) 最近、世界経済が一つの転機に来つつあるという点は、私も同感でございます。
 戦後、国際経済の中で非常に大きな力を占めていたアメリカのドルの力が弱まってまいりまして、ドルとアメリカの保有の金を背景にしていたブレトン・ウッズ体制が次第に変化いたしまして、先般来、通貨のいろいろな改革に発展いたしまして、ドルと金の切断あるいはドルの何回かにわたる切り下げ、そういう現象が行なわれたところです。それでもまだドルの弱化がやまないで、今度は変動相場制というふうに変わってまいりまして、アメリカの持っておった金と、それからドルの力を背景にしていた体制はほとんどくずれ去って、新しい体系を模索している時代に入ったと思います。
 それで、現在変動相場制をとっておるということは、ある程度長く続くであろうという気がいたします。それは一面においては、何と申しますか、並行現象といいますか、世界的にヨーロッパや、特に西ドイツあるいは日本経済というものが隆起してまいりまして、そして貿易のバランスが著しくこれで変わってきた。それから東西貿易がまた非常に伸展をしてきた。今回のニクソン・ブレジネフ会談等を見ましても、画期的な雪解けにまた前進しつつあると思います。このいう東西貿易の画期的な前進という面も含めて、世界経済は非常に大きな変化を遂げつつあると思います。それがどういう方向に動くであろうかということは、まだにわかに予断しがたいものがあります。
 一面においては、自由世界の内部におきましてそういう幾つかのブロック化と申しますか、ある意味においては極が出現しつつあります。ECとか日本とか、あるいはLDC諸国の結束した力とか、そういうものが出てきておると同時に、また一面において、共産圏の内部におきましても、自由世界と交流を促進するという方向に内面的変化が起きつつあって、共産圏の内部における何といいますか、クローズドシステムというものがオープンシステムの方向に微妙な変化を遂げつつあって、東西間における資本の交流、移動という面が著しく進みつつある現状であると思います。
 そういう面から、新しい政治的な考慮をもとにした世界の体系が水平線上にあらわれつつあるような気がいたします。いままでの冷戦構造に基づく東西ということで割り切ったような考え方から、各地域地域における主体性を発揮した、その上に立った世界連合的な方向に世界の情勢が動きつつあるように思いますが、そういう傾向に沿って国際経済も影響を受けつつ、再編成あるいは新しい水準の模索という方向に動きつつあるのであろうと思います。その間にあって顕著なことは、大体、自由世界において高物価に悩んできているということが最近顕著に出てきたと思います。
 これは、一つは世界的な食糧問題、それから第二は石油の不足、それから第三は自由世界における賃上げ、こういうような現象が自由世界の先進工業国の中に起こりつつありまして、それでかなり普遍的なインフレぎみの経済に推移して、これが対策に各国とも苦慮しておる。公定歩合を見ましても、イギリスが八%、ドイツが七%、アメリカが六・五%、日本が五・五%と、高金利時代に入りつつありますけれども、これらもこの世界的なインフレを克服する努力の一つであると思いますが、これにスタグフレーションというような新しい様相も出てきまして、いままでの経済学では処理し切れないような複雑な政治社会的経済というものが出現しつつあるように思います。
 そういうような新しい要素をいかに踏まえて経済秩序をつくっていったらいいかということは、各国が模索しているところであって、日本も、国際協調を中心にして安定的な世界経済体制をつくり出すことに協力していかなければならぬと思っております。
#6
○林虎雄君 いまの問題ですが、わが国としても従来の自由競争、自由放任経済といいますか、このままにしておけばもう収拾つかない状態になるのではなかろうかと思うわけであります。一方、御承知のように、大企業あるいは総合大商社の膨大な利潤というものは、物価高にあえぐ一般の消費者との対比というものがこれは非常に著しくなってまいりましたが、これを大臣はどのようにおとりになっておるか。
 ある証券会社の最近の調査によりますと、東京証券取引所の第一部、第二部に上場されております。年一回の決算の会社を除く五百四十一社で、この三月期に昨年の九月期に比べてその利益が経常で三四%四〇、税引きのあとで二六%三八と、大幅に増益となっておるのでありまして、大企業というものがいかに膨大な利潤をあげておるかということがうかがわれるわけであります。円切り上げショックなんというものは、全然痛痒を感じていないかのような決算のあり方でありまして、中でも大手総合商社あるいは鉄鋼、木材、セメント、繊維業界等が特に著しく利潤をあげておると発表されておるわけであります。とりわけ、毎日のように新聞に報道されております大手総合商社のどんらんなかせぎぶりというものと、物価高にあえぐこの大衆の間の感情的なものも、非常に大きくなってきております。このまま放置すればたいへんな社会問題になる――いや、実際はもうなっておるわけでありますが、政府は、この物価問題に対しまして積極的に取り組む姿勢をとっておることはよくわかりますけれども、しかしまた、政府みずからが国鉄の運賃であるとか、電力料金はじめ引き上げをしようとしておるようなこととこの物価対策とは、非常に矛盾しておるような感じがいたすわけであります。
 物価問題というものは、国内だけで解決できない、いろいろ国際経済とからんでおりますから、なかなかこの対策というものの簡単な処方せんは出すことは困難であろうということは想像されますけれども、また、通産省だけではどうすることもできないこれは大きな国をあげての取り組まなければならない問題だと思うわけであります。
 私の伺いたい要点は、このような物価高、インフレ状況を安定させるためには、いまもお話しのありましたように、従来の自由経済それ自体にかなり大きなメスを入れなければならないのではないか。現在でも食管法とかその他若干自由経済とは少し違った、何といいますか、統制的なものもありますけれども、全体、特に大企業、総合大商社などに対する対策といいますか、物価高の原因となっておりますそういうものに対する現在の資本主義経済の自由競争的なものに対して、ある程度の計画的といいますか、統制的といいますか、規制をしなければならない面があるのではないか、これが現在迫っておる日本の経済の物価安定、インフレ抑制の一つの方途ではないかというふうに考えるわけでありますが、現在の自由経済に対してある程度の規制を持つということに対する大臣の御所見を承りたい。
#7
○国務大臣(中曽根康弘君) 結論的に申し上げますと、自由を基調としつつ必要な部面においてはある程度の規制を加えなければいけない、そのように思います。われわれのほうの考え方といたしましては、やはり自由という基調をあくまで守る必要がある、それは目に見えないところにおいて非常な調整作用が自動的に行なわれておって、もしその点まで手を加えるとすると、一波万波を呼んで統制をクモの巣のように張りめぐらさざるを得ない情勢になって、それはまた逆の面で非常な非能率を惹起するという危険性があると思うからでございます。しかし、自由が乱用されたり、あるいは自由が放任され過ぎているために、非常な社会的摩擦や経済的不合理を生ずる面も最近は出てまいっておりまして、そういう意味において、売り惜しみ買いだめ規制に関する法律の提案も申し上げておるようなわけでございます。そのほか一面に公害問題も出てまいりまして、そういう面からも自由を規制するという要請が時代的にも非常に強くなってまいりました。国民生活の安定それから国民の公平な福祉という面からの規制と、もう一つは公害方面からの規制と両方相まって、生産活動やあるいは商業活動に対するある程度の規制をやはり考えなければならぬという要素は、確かに御指摘のとおりあると思っております。しかし、それはあくまで基本的な自由の基調を侵すものであってはならない、そのように私たちは考えております。
 もう一つは、いままでは大体マネーフロー、貨幣の流通面だけを考えて国民経済の運営をやったきらいがございますけれども、こういう時代になりますと、昔の物動あるいは物資調整、そういう面を国政運用の基本に強く考えていかなければならぬ時代に入ってきたように思います。セメントとか鋼材とか木材とかあらゆる物資の需給関係というものは、国民生活を非常に支配してきておりまして、単に金の流通だけでは解決できない、そういう物の流通や物の生産、需給関係を見ながら経済を運用していかなければならない。その可能性を見きわめつつ通貨の量や金の問題についても考慮していかなければならない。予算額についても考えていく必要がある。
 そういうふうな発想を最近私持っておりまして、そういう面で通産省にもいろいろ検討を加えさしておるところでございます。これも最近の世界経済情勢に対応するための国民経済の運営として、新しいファクターとして取り上げなければならぬというところでございまして、ここにやはりある意味における計画性が出てきつつあると思っております。そういうような物の面における調整、あるいは国際経済面からする調整、それから国民経済や国民生活やあるいは公害問題からくる調整、そういうような諸般の複雑なものがいまかみ合わさって国民経済を運用しなければならない新しい時代に入りつつあると思いまして、そういう点をよく配慮しながらわれわれは通産行政を進めていきたいと思っております。
#8
○林虎雄君 この問題は、それ以上大臣にお伺いいたしましてもどうかと思いまして省略いたしますが、通産省は何といいましてもわが国の産業、それから中小企業等に対する窓口の所管でありますから、今後も消費者生活の安定という問題あるいは物価、インフレ、そういった問題に対して積極的に取り組んで、特に大臣に御努力を期待をいたしたいと思うわけであります。
 二つの法案が提案されておりますが、最初に、国際経済上の調整に伴う中小企業措置法関係を中小企業庁その他に承りたいと思います。
 いま大臣にもちょっと申し上げましたように、二度にわたる円の切り上げを受けまして輸出関係中小企業が大きな転機に立たされている、こういうふうに思われるわけでありますが、今回のドル対策も、結局のところ一時しのぎのための救済対策であって、長期的ビジョンを持った中小企業政策のあり方が今後問われるのではないだろうか。今後の中小企業政策のあり方について、中小企業政策審議会は昨年八月に、「七〇年代の中小企業のあり方と中小企業政策の方向について」という意見具申をしており、この中で、中小企業についてもこれからは知識集約化を進める必要性が説かれておりますが、輸出関係中小企業について考えた場合、それとあわせて国際分業のあり方が大きな問題となると思われるのであります。
 国際分業という大きな流れに立って言えば、円の切り上げを受け、あるいは発展途上国からの追い上げによって輸出が非常に困難になっているような軽工業を中心とする業種については、あるものについてはむしろこれを機会に積極的に撤退作戦をとって、そういう業種を発展途上国に譲っていくという態度が必要ではなかろうかというふうにも思われるわけであります。いま非常に言いにくいことでありまするが、そういうようにしていかなければならない必要に迫られておるのではないかというふうに思います。しかし一方では、繊維などに見られますように、いかに状況が困難であっても、国策としてその産業を守り抜いていかなければならないという考え方もあります。
 こうした国際分業のあり方をめぐっての問題について通産省の考え方はどうなのか、それを含めて今後の輸出関係中小企業対策の長期的ビジョンというようなものを伺いたいと思います。
#9
○政府委員(莊清君) 輸出中小企業に対します長期のビジョンと申しますのは、ただいま先生からお話しがございましたような方向であろうと私どもも実は存じて、施策を検討しておるわけでございます。特に重要な点は、中政審の答申にもございますように、いわゆる急速かつ全般的な国際化に対して、中小企業をどう積極的に対応させたらよいかという点であろうと存じます。このために、いまお話しもございましたけれども、極端に労働集約性の強い、生産性向上の非常に困難な分野というものにつきましては、国の適切な助成策のもとに、輸出産地についても徐々に転換を進めていくということが必要でございます。このために中小企業事業団からの無利子融資等の措置を現在とりつつありまするし、今回の円フロートで、特に労働集約性が高くて影響の激しい約四十の産地につきましては、今後の向かうべきビジョンを業界にも示してみるという意味で、現在、中小企業庁と県と協力いたしまして、個別に緊急の産地診断を行なっておるという状況にございます。
 この診断に基づきまして、個別にそれぞれの産地の今後のあり方というものを指導してまいる所存でございますが、私どもその場合に考えますことは、ある産地がございますが、それ全体を全く無関係なほうに転換すると、あるいは後進諸国に譲ってしまわなければいけないというふうな考え方は実はいたしておりません。労働集約性の高いような商品でございましても、さらに技術の研究をするとか、デザインの開発、研究をする、それに対する助成を強化していくというふうなことによりまして、輸出の面におきましても後進諸国とわが国との間で一種の分業関係、わが国はより程度の高い品物をつくっていく、新商品をつくる、あるいは高級化する、あるいは市場を新規に開拓するというふうな方向で対応していくことが可能でございます。そういう点も含めまして、産地に対しても今後指導をいたしたいと思っております。
 また、積極的な面といたしまして、中政審の答申にもございますけれども、わが国のすぐれた従来の技術の蓄積というものは、後進諸国、発展途上諸国からも実は要請されておりますので、海外にこれら中小企業が場を移しまして、いわゆる海外進出の形によりまして、LDC諸国に恵まれておる豊富な労働力というものを活用した形で、世界の産業としてまた新しく伸びていってもらうというふうなことも、わが国産業対策のみならず、LDC諸国に対する経済協力という意味でも非常な重要性を帯びてきておると、かように考えております。この面につきましても若干の施策は講じつつございますが、まだ至って不十分でございます。来年以降、こういう面につきましても一段と施策を強化いたしたい、かように考えております。
#10
○林虎雄君 円のフロート及びドルの切り下げによりまして、円は実質的に一六ないし一七%の切り上げとなって、関係中小企業には少なからぬ影響を与えておるわけであります。しかし、いまフロートしている円は、いずれは一定の切り上げ幅をもって固定相場という方向になるのではないかと思いますが、政府は、この来たるべき円の切り上げをできるだけ小幅に押えるために輸出の規制、あるいは輸入の拡大政策をとっておりますけれども、中小企業対策の立場から見て、一体どの程度の切り上げ幅が許容できるかというふうに考えておられるかどうか、また、さきの円のドル対策は何%の幅を想定して実施してきたか、いわゆるフロートですね、実施してきたかという点を承りたい。特に最近、変動相場制でありますから、毎日のように目まぐるしく相場が変わっております。
 私、ちょっとこの間ソ連へ行ってまいりましたけれども、ドルに取りかえて少し持って行きましたが、十四日ですか、十四日にドルは二百六十八円であって、二十三日に帰ってきて銀行で円にかえたら、二百六十二円というようにもうわずか一週間の間に六円ぐらいの幅が動いております。そういう現実を見て、中小企業の輸出関連の中小企業というものが、変動相場制で非常に悩んでいるということがわかるわけでありますが、いまお聞きいたすように、将来のあるべき、中小企業がやっていける、許容されるというふうに考える値上げ幅というものはどの程度を予想しておるか、御意見をお聞きしたいと思います。
#11
○政府委員(莊清君) たいへんむずかしい御質問でございまして、私どもの立場からどの程度御答弁できまするか恐縮でございまするけれども、振り返ってみますと、この今回のフロート制に移行する直前でございまするけれども、三百一円というスミソニアンレートの一番円高のところにずっと張りついておったわけでございます。それが現在では大体二百六十四、五円というふうなところで、直物がやや安定した状態を示しておるかと存じます。ただ、国際的に全部フロートになっておりますので、世界の経済動向あるいはヨーロッパの通貨情勢というふうなものも大きく円相場に――円とドルとの相対的な力関係に変動を及ぼすわけでございまするし、何とも先のことはフロートの長期化予想ということも伴いまして、ちょっとこの場で私の立場から、どれくらいの辺で落ちつくであろうかということは、実はお答えをまことにしかねるわけでございますが、昨今、フロートの影響もあり、また、輸入拡大等への努力もございまして、わが国の対米貿易収支なども、一時の非常な失調からややバランスのとれた形に急速に向かいつつございます。わが国の国際収支全体も、次第に落ちつきを見せつつあるというふうな大きな変化もございまするので、為替の先物相場の動き等見ておりましても、まあ私ども中小企業に責任を持っております立場で、たいへん気にしておるわけでございまするが、いっとき言われましたように、二百五十円ぐらいまですっと落ちるのではないかというふうな不安を、中小企業者も私どもも正直言って非常に持ったのでございますが、そういう状態にはならずに済むのではないか、また、ならずに済ませなければならない、かように実は考えております。
 今回のドル対策では、それじゃ幾らぐらいの直物相場を前提に対策を講じたのかというお尋ねでございますが、二百六十円前後というところを念頭に置きまして、それに必要なと認められる緊急融資等を実は講じたのでございます。
 若干補足して説明申し上げますと、二月にフロートに移った直後、私どもは全国約百のおもな中小企業輸出産地について、輸出がどれぐらい前年度より減るかという緊急調査をいたしましたが、大体その場合に、二百六十五円ぐらいですと二五%程度減るだろうと、二百六十円ぐらいになると三割程度減るのではないかという見通しがあったわけでございます。幸いにその後、輸出成約の状況はそれほど大幅な落ち込みがないような形で、徐々に盛り返しつつあるわけでございますけれども、二百六十円ないし二百六十五円というふうな為替のレートが次第に固まりつつありますので、現在のドル対策、緊急融資等はおおむね現在水準程度の為替の直物相場というものに見合った対策である、かように御了解いただいてけっこうだと思います。これが不幸にして、二百五十円台にどんどん下がっていってしまうというふうなことがかりに将来起こりました場合には、私どもはまた観点を変え、さらに一段と強力な緊急対策というものをぜひ講じなくちゃならない。しかし、そういうふうにならないようにひとつ経済全体の運営というものをぜひとっていっていただきたい、かように念願しておる次第でございます。
#12
○林虎雄君 今度のいわゆるドル・ショックによりまして、中小企業への影響について通産省はいままで調査をしてきておると思いますが、現在のところどのような影響が出ているか、御説明を願いたいと思います。また同時に、前回のドル・ショックの場合と比べて今回はどんな特徴があるか、その二点をひとつ。
#13
○政府委員(莊清君) 第二次ドル・ショック以降、約百の主要輸出産地につきまして、毎月末で輸出成約の状況を調査いたしております。三月末現在におきましては、直後のことでありますので、対前年比で二五%程度の円ベースでの輸出成約の落ち込みがございましたが、四月に至りまして約マイナス一〇%程度の線まで回復してございます。五月分はまだ集計途中でございますが、速報値で五、六%減というふうなところまで回復しておるわけでございます。ただ、ここで注意いたす必要がございますのは、ごく一部の輸出産地におきましては、そういう平均値よりもかなり大きな落ち込みを示しておる。中には昨年同期をかなり上回って伸びておる産地もございますが、幾つかの産地のうちでは大きな落ち込みを来たしております。これらに対しては産地診断をやっておりますが、今後よほど十分な対策を講じていく必要があると存じております。
 前回のショックとの著しい差でございますが、前回は一回目でございます。今回は何と申しましても二回目のショックで、それだけに中小企業全体が体質的に抵抗力をそれだけ弱めており、二回目のショックであるから響き方が大きいということはございます。また、国内の経済環境が非常に変わってきておるということに私どもは十分注意をしなければならないと思っております。これは過去一年間の極端な金融緩和に対しまして、現在は金融は逆に非常なスピードで引き締めの方向に向かいつつございます。これの中小企業への影響というものは、前回とは全く様相を異にしておるわけでございます。また、原材料とか人件費等のコストアップの要因もその上に重なっております。今後における中小企業向け金融の円滑化というふうな点につきましては、私どもは財政当局なり日銀にもかねがね強く要請をいたしておるところでございますが、今後の経済全般の動きを注意深く見守りまして、そういう点で輸出中小企業はもちろん、中小企業全般に対しまして悪い影響が出ないように、十分通産省として措置を講じていく所存でございます。
#14
○林虎雄君 円の変動相場制に移行したときに、大蔵省と中小企業庁は、各金融機関に対して中小企業向けの融資について特段の配慮をするよう通達を出しておりますが、これを受けて各金融機関は一体どのような態勢をとっておるか、それを承りたいのであります。どうも中小企業庁があるいは大蔵省が通達を出したと、それだけでよしとしているような傾向があると思うがどうかということを承りたいのであります。と申しますのは、二月十四日付で通産大臣と公取委員長との連名で親事業者、団体等に対しまして通達を出しております。特にこれは前回も、前の田中通産大臣のときだと思いましたが、私承ったことありますが、下請代金支払遅延等防止法、これが全くの空文だと、役に立たない法律ではないかというような点を指摘したわけでありますけれども、そのときも通達を出しておるもの見たわけでありますが、ほとんど同じように今回も申しわけ的に出したって、はたして当該金融機関がこれを受けて政府の意図するような態勢をとっておるかどうか、そういう点についておわかりの点をひとつ聞かせていただきたい。
#15
○政府委員(莊清君) 第二次ドル・ショック直後でございますが、お話ございましたように、全国銀行協会等に対しまして大蔵省からも通産省からも、中小企業金融を円滑化をはかるようにという強い要請をいたしました。金融機関のほうにおきましても全国団体等で決議を行なっておりまして、輸出手形の買い取りの円滑化とか、あるいは下請企業に対する金融の円滑化、それから、融資にあたっての担保力の不足しておる企業については信用保証協会の保証というものを積極的に活用することにつとめるということ、あるいは中小企業向けの融資額というものが過去一年ぐんぐんふえてきたわけでございますが、これを減らさないようにという決議、こういうことがなされておりまして、各金融機関ともそれなりの努力を現在やってもらっておるところでございます。
 今回の第三次の引き締めにあたりまして、現在都市銀行、地方銀行等の融資総額に占める中小企業向け融資の比率というのは大体上がってまいりまして、三二%程度まで上がっておりますが、この比率を絶対くずさないようにということを大蔵当局、日銀当局にも申し入れを行ないまして、それぞれぜひその点は確保すべきであるという確約を実は得て、それぞれの機関から金融機関のほうにも個別の強い指導をいまお願いしておるわけでございます。なお、地方銀行、相互銀行等を入れまして約七十の金融機関で、中小輸出企業向けの特別の長期低利の融資制度を、各金融機関がそれぞれの融資制度の中に今回は特に開設をして現在融資を行なっております。これは、政府系三機関からもドル対策と別に、金融機関独自の中小企業対策融資ということで現在行なっております。
 それから下請代金の関係でございますが、ざる法というお話もございましたけれども、今回は特にこの点に念を入れてわれわれ指導する必要があると思い、ドル・ショック後、約四千の下請企業をピックアップしまして毎月調査を続けております。現在までの調査の結果では、幸いに受注量もむしろふえております。発注量もむしろふえております。それから単価等も上がる傾向にある。手形サイトもまだ伸びる傾向にはないというふうな状況でございますが、約四千の調査の中でも、毎月二百件ぐらいのものは手形の期間が長い、六十日たっても支払っておらぬというふうな疑いのあるものが発見されておりまして、こういうものについてはいまさらに追跡調査を行なって、必要な法令上の措置を要すればどしどしとっていくというようなことでやっております。全国の親企業をかかえておる大企業の工業会約百三十等に対しましても、下請代金の支払いについて、代金法の精神を十分体して、適正な下請への発注及び支払いをするようにという強い要請をやっておるわけでございます。
#16
○林虎雄君 前回のドル・ショックから立ち直れないうちに、また再びドル・ショックの追い打ちをかけられたような状況でありますが、最近の中小企業の倒産状況等の数字がありましたらお示し願いたいと思います。
#17
○政府委員(原山義史君) 前回のドル・ショック時以降の倒産状況でございますが、四十七年年間では、件数、金額とも前年に比べて二割ないし三割の減少を来たして、今回のドル・ショックを迎えたわけでございますが、四十八年に入りましてからは、四月までは実は内需の好調等にささえられて減少傾向にございました。五月に入って、中日スタヂアム関連という特殊な事情がございまして、やや増勢を示しております。しかし、この関連をはずせば五月もまだ減少傾向ということに相なろうかと思っております。
 このうちドル・ショックによる倒産につきましては、前回及び今回を通じまして、全体の一ないし二%程度がドル、ショック関連の倒産ではないかというように見られるわけでございますが、今回のドル・ショックによる倒産はこれまでのところ前回のショック時に比較しまして、現在、実はかなり低水準に推移しておるわけでございます。二月から五月までドル・ショック関連の倒産は大体十七件ではないかというふうに私どもは見ております。前回のショック時においては、大体三十七件ぐらいのドル・ショック倒産ではないかというふうに言われております。
 ただ、先生御指摘のように、今後の見通しにつきましては、金融が引き締められていくというようなさ中で輸出成約が低滞、あるいは輸出向けの納入価格が引き上げられない、あるいは人件費、原材料価格の上昇等で経営内容の悪化が進み、漸次影響は深刻になるのではないかということをわれわれは非常に懸念しているわけでございますので、今後ドル・ショック関係の緊急対策を強力に進めるとともに、先ほど長官のほうからも答弁いたしましたように、金融全般についてもきめこまかい配慮を進めてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
#18
○林虎雄君 今回の対策として緊急融資ができております。商工組合中央金庫九百億円、中小企業金融公庫七百五十億円、国民金融公庫五百五十億円、合計二千二百億円が融資規模でありますが、その二千二百億という規模を出した根拠は何によって出したのか、これだけあれば中小企業者の需要にこたえられるかどうか、その点をお聞きしたいと思います。
#19
○政府委員(原山義史君) 二千二百億円の緊急融資をした算定根拠は何かという御質問でございますが、実は私どもは各通産局を通じまして、輸出関係産地についてその影響の調査を行ない、かつ、必要な資金量というものを各産地から提出してもらったわけでありますが、それをもとにして、これらの産地について政府関係機関にどの程度期待するかという積み上げを行ないまして、これをこの産地での調査をもとに全国に広げてまいりまして、二千二百億円を実は積み上げ計算をしたわけでございます。現在までにこの緊急融資につきましては、発足以来順調に推移しておりまして、六月十日現在で一千五十三億円の貸し出し実績を見ておるわけでございますが、なお今後の申し込みの推移を見守りながら、必要に応じては貸し出し規模の追加問題ということについても、あるいは検討する必要が出てくるのではないかというように思っておるところでございます。
#20
○林虎雄君 緊急融資の一件当たりの限度額は、中小企業金融公庫の場合は二千万円、国民金融公庫の場合は五百万円となっておりますが、融資限度額を二千万円あるいは五百万円に押えた理由をお聞きしたい。
 また、中小企業金融公庫の場合、限度額が二千万円といっても、実際に特利を受けられるのは一千万円の限度になっておるようでありますが、なぜ特利の適用を一千万円以下にしたのか、その二つを承りたいと思います。
#21
○政府委員(莊清君) 前回のドル・ショックの緊急融資の実績を私どもも一つの参考にしたわけでございます。前回の緊急融資は全部で三万五千件、千八百億円でございます。うち約二万件が国民公庫から零細層向けの融資として行なわれておりまするが、この場合一件平均では約二百二十万でございます。中小公庫はやや規模のより大きい層でございますが、一万件で、一件平均で約六百万というような融資の実績でございます。
  〔委員長退席、理事剱木亨弘君着席〕
それあたりの点も勘案いたしまして、中小公庫については二千万円、国民公庫については実績の約倍ぐらいの五百万円までという融資限度を設定したわけでございます。
 特利を千万で頭打ちにしたという理由でございますが、前回は特利は、一応三百万以下までは全額について特利を適用するということでございました。そうして頭打ちは一千万円でありました。今回はその零細層に対する融資を極力確保し、一部の大口のほうに融資なり特利のメリットなりがあまり片寄るということを避けるという配慮もいたしまして、三百万円の限度というものは五百万まで実は上げまして、五百万以下、つまり国民公庫の貸し付け限度以下は全部特利でめんどうを見ました。ただ、非常に大口のものは千万で打ち切りをするということにいたしたわけでございます。これは零細層に対する融資の確保と金利のメリットをその層に集中いたしたいと、こういう実は配慮でございます。
#22
○林虎雄君 前回の融資条件といいますか、そのワクや限度あるいは返済条件と比べて今回幾らか改善されているように思われますが、改善されている点をちょっと知らせていただきたい。
#23
○政府委員(原山義史君) 前回の緊急融資と比べまして今回改善された点はいかんという御質問でございますが、まず貸し付け期間につきましては、前回は三年以内、必要に応じて五年というふうな条件になっておりましたのを四年以内、必要に応じて五年以内というふうに一年貸し付け期間を延長いたしました。
 それから次に、貸し付けの中の据え置き期間でございますが、前回は一年の据え置きということでございましたが、今度は二年というふうに延ばしたわけでございます。
 第三点は金利でございますが、金利は前回は六・五%、これを今回は六・二%というふうに〇・三下げております。
 それから四番目の特利の限度でございますが、これは先ほど長官から答えましたように、前回は三百万円までは全額で、それをこえるものについては、そのこえる分の二分の一というふうなやり方をとっておりましたのを、五百万円までは無条件で特利を適用するというふうにかえております。
 それから第五番目に融資の対象でございますが、業種指定あるいは産地指定というふうなかっこうで融資対象者をきめる際、
  〔理事剱木亨弘君退席、委員長着席〕
前回は三割の輸出比率というものを基準にいたしましたが、今回は二〇%の輸出比率というふうに輸出比率そのものを下げまして、より広く対象者が出るように考慮したわけでございます。その結果、指定業種は前回は九十三の業種を指定しましたが、今回は百十四というふうに業種の指定も多くなっております。
 なお、貸し出し規模はもう御承知のとおり、前回は千八百億円、これを二千二百億円に大幅に引き上げたわけでございますが、このほか前回のドル・ショック時における緊急融資分の返済猶予、必要に応じては返済猶予を行なわしめることにいたしまして、より遺憾のない、きめこまかい施策をとっていきたいというふうに思った次第でございます。
#24
○林虎雄君 緊急融資は運転資金だけが対象になっておるようでありますが、設備資金になぜ対象としないかという点を承りたいのであります。むしろこの機会に中小企業の近代化を進めるという必要があると思いますから、その意味からも、設備資金に緊急融資を対象として加えてもらいたいという声が相当強いようでありますが、政府はこれに対して検討されておりますかどうか。
#25
○政府委員(莊清君) ドル対策の緊急融資は、この制度の趣旨にかんがみまして実は運転資金に限定をいたしております。ドル・ショックによりまして滞貨を生じたりあるいは減産をしなければならない中小輸出企業が出てまいります。あるいは為替の差損を一時的にこうむるというふうな輸出企業もあるわけでございます。これらの滞貨減産資金等がすべて緊急に必要ないわば赤字融資でございます。この運転資金を長期低利の融資で確保をして、この第二次ドル・ショックの緩和措置をとりあえず講じまして、前向きの、いま先生お話ございました中小企業の高度化、いわゆる知識集約化をはかるための前向きの資金とか、あるいは長期的な観点に立って産地全体の構造転換をはかっていくというふうな前向きの資金、これは当然に運転資金も必要でございまするが、同時に、中心になるのは長期の設備資金でございます。これにつきましては、中小企業振興事業団からの無利子融資もございまするし、中小企業金融公庫あるいは国民公庫等からも前向きの構造改善資金というものを別途措置いたすことにして、この両建てで進もうということにいたしておるわけでございます。
#26
○林虎雄君 緊急融資が二千二百億円予定されておりますが、現在まで利用されておる程度はどんな状況でありますか。
#27
○政府委員(原山義史君) 三月十六日にこの制度が発足いたしまして、六月十日までの実績を申し上げます。
 まず、中小企業金融公庫につきましては二千二百七件、三百億円。国民金融公庫は七千四百十二件で、金額は二百三十三億円。商工中金は二千三十六件で、金額は五百二十億円。合計いたしまして一万一千六百五十五件、金額は千五十三億円の実績でございます。大体半数近く消化されたということに相なろうかと思います。
#28
○林虎雄君 まだ残っておるようですが、一般では、ほしくても趣旨が徹底しないために利用できない人々もあるのではなかろうかと思いますが、もっとPRの必要があろうと思います。
 次に、ドル・ショックを受けた中小企業はドル対策法によってこの認定を受けますけれども、認定の具体的な方法あるいは基準というものをひとつ教えていただきたい。たとえば業種指定を行ない、その業を行なう企業は無条件で認定されるのか、その点ひとつ承りたい。
#29
○政府委員(原山義史君) この認定につきましては、影響を受ける企業をできるだけ広く拾っていきたいというふうな点で、いろいろくふうを行なっておるわけでございますが、認定のしかたとしまして、まず業種指定というのがございます。全国ベースで見ておおむね二〇%をこえる場合を目安にして業種を指定いたしますが、その業種の中に入りますと、その企業の輸出比率には関係なく、非常に極端なことを言えば、輸出が場合によってはゼロという場合におきましても、このドル・ショックによって間接的に影響を受けるというふうな企業についてはこの対象にいたしてまいりたいということが第一点でございます。
 第二点で、全国ベースの業種では落ちこぼれがやはりございます。その際には産地で、全国ベースで二〇%の輸出比率を持ってなくても、産地で見ますと二〇%の輸出比率というふうなものがございますれば、これを産地指定しまして、その産地にある企業は業種の場合と同様全部拾っていくというふうなやり方をとっております。
 それで、なお産地にも業種にも属さないものにつきましては、実は個別の認定ということで、二〇%を目安に認定していきたいというふうなやり方をとっております。
 なお、今回の措置によって影響を受けるものは、直接的な輸出関連業者だけではなくて、間接的に輸出を受けるという業種も当然問題でございますので、これを拾っていきたいというふうなかっこうで、いろいろくふうをこらして、できるだけ広く関連企業を拾っていきたいというふうな方針で進んでおるところでございます。
#30
○林虎雄君 認定企業に対する欠損分の国税の繰り戻しでありますが、既往三年間のものについて適用されることになっておりますが、三年間とした理由はどこにあるか。
 もう一つ、過去三年間について利益を計上できなかった企業については、その恩典は受けられないわけであります。そのような場合に、さらに適用をさかのぼるというようなことを今後検討されるお考えはないかどうか、伺いたいと思います。
#31
○政府委員(莊清君) 欠損金の繰り戻しは、前回のドル・ショックで約二百七十企業が約十億円程度の繰り戻しをやっておるのでございますが、繰り戻しは三年ということになっております。この点は、三年とかあるいは五年程度とか、いろいろ前回のときにも検討された経緯が実はございまするが、御案内のように、税の更正決定等の税務調査の関係でも、過去にさかのぼるというのは実は三年までという運用になっておりまするし、資料の保存等もそのころまでというふうなのが実情でございます。そういう国税当局の専門的な見地からの御意見等もありまして、前回三年ということで行なったわけでございます。
 三年では繰り戻しがきかないというのはどうなのかという点でございます。確かに問題でございまするが、別途繰り越しという制度がございまして、個人では三年、法人では五年繰り越しができるということもございますので、個人では合わせて六年、法人では八年という期間があるわけでございますので、その中でひとつ処理をすれば、ドル・ショックによる直接的な被害というものはある程度額も限られておるわけでございまするので、大体処理できるのではないかと考えております。今回の第二次ドル・ショックの際にも、関係業界、産地等とも十分打ち合わせて検討いたしまして、今回も前回同様、第二次ショックにつきましても実は三年ということで措置をいたしておる次第でございます。
#32
○林虎雄君 ドル対策の一つとして、為替先物予約のために外貨の預託がされておりますね。この先物の為替相場が保証されることは、円のフロートのもとにおいては業者は安心して為替取引ができるので、時宜に適した対策だろうと思いますが、問題は、その適用が本年の二月二十六日以降のもので、円のフロート以後のものに限られているという点であります。業種によっては季節的な理由等によって、契約が生産出荷の数カ月前にまとめて行なわれる場合も少なくないようであります。ことし生産されるものは、すでに昨年のうちに具体的に契約されているものがあります。これらについては為替予約制度の適用がないので、業者のほうではそのリスクを負担するようになりますけれども、これらについての保証を検討すべきではないかというふうに思いますが、長官のお考えはいかがですか。
#33
○政府委員(莊清君) フロートに移りまして、お話しのような御要望が各産地からも実はいろいろございました。当時、中小企業全体で輸出成約の約三分の一というのが、その当時から銀行で行なわれておりました輸出予約を利用して輸出契約をしておられました。大体フロート直前で三カ月先物の相場が二百八十円程度でございました。それが二百八十円よりもその後直物も下ったわけでございますが、その三分の一予約をしてあるものはよろしいわけでございますが、三分の二のものはカバーをとってなかったということで、二月二十六日から実施しました今回の為替予約に、ひとつこの対象にしてもらいたい、こういうことであったのでございますが、この点につきましては、実は通産大臣からも大蔵大臣に、その点何か適切な対応策というものが考えられないかというふうなお話もされたような経緯も実はございまするが、何ぶんにもやはり為替予約制度というものがなければ新規の輸出契約ができないという、そういう輸出中小企業に対する救済措置として、そのために行なうものという一つの趣旨からまいります制約がございまして、財政当局との間で最終的に結局煮詰まらないということで終わったわけでございます。
 まあ中小企業の業界のほうでは、確かにその点は私どもも、完全に業界のほうで御満足いただけたわけではないと残念にも思っておる面がございますけれども、その後の経緯を申し上げますと、大体海外のバイヤーとの契約というのは、昨年の秋ごろから二百八十円ぐらいで仕切っておるということが大部分でございまして、それを下回るようなことになった場合には、また輸出契約の内容、FOBドル建て価格について日本側と輸入業者の間で別途協議をするというふうな特約などがついておるのが大部分でございまして、幸いと申しますか、海外での相当な物価の上昇傾向もあったと思いますが、その後における輸出契約残についてのFOBドル建て価格の改定交渉というのが、四月ごろからわりあい順調に進捗いたしまして、その面でバイヤーのほうにひとつ協力をしてもらうという形で、このカバーをとってなかった三分の二の問題というのは、相当部分が実は手が打たれたというふうな面もあるようでございまして、現在のところこの問題は一応落着がついておると、かように考えておる次第でございます。
#34
○林虎雄君 その為替の先物予約の全体のワクはどの程度になっていますか。一部では、すでにワクが足りないで予約を受けられないとかいう声も聞かれるのでありますが、現在のワクで需要に応じられるかどうか、また、もし足りなくなった場合にはワクを追加するお考えがあるのかどうか、この点を承りたい。
#35
○政府委員(莊清君) 一時、外貨の預託手続がおくれまして、中小企業が銀行に申し込んでも、大蔵省から外貨がこないからちょっと待ってくださいということで、たいへん御心配をかけた時期が三月ごろには実はございましたが、その後円滑に外貨預託が行なわれておりまして、そういう問題は一切解消しております。六月の二十六日現在で、十一億七千七百万ドルの外貨がこのために預託されております。前回の一次ショックの際に預託されました総額が約八億一千万ドルでございまするので、すでにそれを上回って預託されております。この制度は特にワクというものは実はないのでございまして、中小企業が銀行に申し込む、銀行がこれを大蔵省につなげば、自動的にその預託を行なって為替予約を可能にするというふうなことでございますので、今後も予約の申し込みが中小企業からあれば、必ずそれが予約できるように外貨預託を円滑に行なうという制度が確立しておりますので、御了承をいただきたいと思います。
#36
○林虎雄君 通産省は、前から為替変動保険の創設を考えられて準備を進めておられたようでありますが、現在為替の変動によってはリスクを保証するように、特に中小企業の輸出成約の促進をはかるためにもひとつ早急に実現させる必要があると考えられますが、これは通産大臣、通産省は大蔵省と調整を急いでおるということを聞いておりますが、今国会中にも提出をしたいというような意向もさきの商工委員会で大臣述べておられますが、この点どのような進捗状況か承りたいと思います。
#37
○政府委員(増田実君) 為替変動保険を設けることにつきまして、この前大臣も商工委員会で御答弁申し上げましたように、私ども大蔵省と事務的に折衝いたしておりますが、はなはだ残念ではございますが、いろいろの点につきましてまだ最終的な詰めが終わっておらないということで、現在のところ引き続いて大蔵省と折衝中ということでございます。
#38
○林虎雄君 ドル・ショックの影響は、結局大企業から下請、さらにその下請というように、一番力の弱い下請企業へしわ寄せされておるということが懸念されるわけであります。下請企業サイドとしては、前にもお尋ねしたように下請代金支払遅延等防止法とか、あるいは下請企業振興法などが用意されておりますけれども、今回の円の実質的な切り上げ以後、下請企業に対してはかなり製品単価の切り下げが目立っておりまして、下請業者、特に零細な業者などは悲鳴をあげておるわけであります。製品単価の切り下げが行なわれれば、結局下請企業の経営は困難になると思うのでありますが、これに対して現行の法制上は何ら大企業、親企業に対しまして対処できないのでありますが、単価の切り下げによって受ける下請企業の打撃に対してどんな対策が考えられますかどうか、お考えがあったら承りたい。
#39
○政府委員(莊清君) 最近の下請単価の実情をまず御報告申し上げます。
 結論から申しますと、最近の調査でございますが、五月の初め、これが現在わかっておる最新の調査でございまするが、まだ良好でございまして、今回の円フロート直前、これは中小企業を含めまして景気も非常に上昇傾向にございました。金融も超緩慢で、支払条件等も非常によかったという時期でございまするが、ことしの一月に比べました五月の状況というのは、一月に比べて単価が引き下げられたという企業が、三千八百の下請企業の私どもの行なっておる調査で約六%の企業が一月より下がったということを言っております。主として自動車の関係でございます。
 これは増産メリットが相当出ておるとか、あるいは近年非常に合理化、省力化投資が自動車部品工業では急速に進んだというような点もかなり反映しておるかと存じますが、六%程度の企業は下がった、変わらない、一月水準でおおむね横ばっておるというのが五八%、残りの三三%程度は一月よりも単価が上がったということになっております。今後、金融引き締めのしわ寄せというのが中小企業にかりに及んでまいりますると、こういう点が非常に急速に悪化しかねないという点は私ども十分に注意して、今後も毎月全国的な調査を行ない、この点については親企業、金融機関等に対しても強く要請いたしまして、下請に対する不当なしわ寄せ、単価の切り下げ、こういうことは下請代金法に触れるわけでございますので、こういうことがないように、必要ならば公正取引委員会に対しての措置も要求することにいたしまして、十分に指導につとめる所存でございます。
#40
○林虎雄君 次に、中小企業信用保険法について若干お尋ねいたします。
 信用力のない中小企業の信用を補完するというのがこの制度でございますが、ほんとうに信用力のない零細企業の場合は、保証協会は債権保全の観点からなかなか保証をしないように考えられるわけであります。現に、さきのドル・ショックで潰滅的な打撃を受けた一部の企業は、ドル対策として用意された信用保証の特例も企業自体の信用力がないので、信用保証協会は保証をしてくれないというような声をよく聞くわけであります。このようにほんとうに金融が困難な企業に対してこそ保証制度の精神が生きるのであり、その機能は果たされるわけであります。それがどうも不十分であると思いますが、政府のほうではその実情をどうとらえておいでになりますか、お伺いいたします。
#41
○政府委員(莊清君) お話の点は、信用保険法の基本に触れる重大なポイントであると存じます。信用保証協会は特殊法人でございまして、政府なり各県なりの財政援助のもとで業務を行なっておる非常に公共性の強い機関でございます。したがいまして、制度の趣旨にかんがみまして、担保力に不足しておる中小企業の信用補完をするわけでございますから、零細企業が十分な担保もないというふうなことで断わるというふうなことはあってはならないことでございます。現に実績で見ましても、保証協会ベースでございますが、保証債務残高が件数で百十万件、約二兆円近いものがございまするけれども、中小企業の中で製造業で三百人というのが限度になっておりますが、上のほうの五十人から三百人という人に利用させておる金額というのは約一割でございまして、残りはそれ以下でございます。五十人以下でございます。特に二十人以下のいわゆる小規模企業という層で七〇%の金額の保証を現に引き受けておるということでございまして、零細層に重点を置いてこれが利用されておるということでございます。
 それから、今回のドル・ショックの場合にも私ども配慮いたしまして、今回の法律改正でもお願いしておるわけでございまするが、担保はもちろんのこと、保証人も立てなくてよろしい、保証人がなくても信用保証協会として保証をしてあげますという特別小口保険、この限度も八十万から百万に上げておりまするし、それから、担保は要りません、保証人だけでけっこうでございます。保証人さえ立てられれば保証協会として保証を引き受けてあげますという無担保保険とございますが、これもドル対策の場合には担保を出せない人が多いだろうということで、今回の法律で特例を開きまして、政府原案四百五十万円、衆議院の御修正によりましてさらに百万円上乗せして、五百五十万までという別ワクで無担保保険の制度というのを実はつくって、担保は出せません、保証人だけですという人の無担保保険も強化しておるわけでございます。この保証人につきましても、無担保保険の場合には必要になるわけでございますけれども、保証人のその資産がどうだとか、経済力がどうだとかというふうなことをあまりやかましく言わずに弾力的に運用する、必要な場合には一緒に仕事をしておられる配偶者でも、あるいは一緒に仕事をしておるむすこさん等の保証でも保証協会としては保証を引き受けなければならぬ、ここまで指導して現にいまやらしておるということでございます。
 御質問の点は、申し上げましたとおり非常に制度の基本に触れる大切な点でございまするので、私どもも保証協会、保険公庫を厳重に指導をするつもりでございます。今後も御趣旨を十分体しまして、万全の努力をいたしたいと思います。
#42
○林虎雄君 今回のドル・ショックのドル対策として、中小企業信用保険制度についてもワクの拡大とかてん補率、保険料率の特例措置などがとられておりますけれども、保証についての審査基準が緩和されていないために、金融ベースに乗らないような打撃の大きい企業はこの恩典に浴されないようであります。受けにくいようであります。そこで、ドル対策として保証する場合には、担保の評価について特別の措置として百の価値の担保でも百あるいはそれ以上の融資を認めるというような措置はできないものかどうか、この点承りたい。
#43
○政府委員(莊清君) 御趣旨はよくわかるのでございまするけれども、百の価値のものをそれ以上にというのは、信用保証制度の公共的性格から考えまして、その経営の基礎というのがやはり安定確立いたしませんと、長い目で中小企業対策としてもまた十分なものたり得ないという悩みがございまして、踏み切り得ない限界かと存じまするが、担保の問題は評価でございます。金融機関の場合には掛け値というもので非常に押えるわけでございまするが、保証協会の場合にはひとつ限度一ぱい評価するようにという指導を行なっております。特にこのドル対策の場合には、担保の少ない企業が多いわけでございまするので、すでにとってある担保についても、その後の実態価値の値上がり等もある場合がありまするので、そういうものについても積極的に評価がえということを保証協会は行なって担保力を追加する、それによって保証をまた追加するというふうな措置をとるようにいま指導をいたしまして、着々やっておるところでございます。また、金融機関のように一番抵当でなければだめだというふうなことはやめまして、銀行に入っている高順位の担保でもとっていくと、こういう指導を実はいたしております。
 先ほども申し上げましたが、ドル対策の場合には、担保がもう尽きておるというふうな人がほんとうに困った零細輸出企業でございまするので、担保は全然要らない、保証人だけでけっこうですという無担保保険の強化を本法案でもお願いをいたしておりまするし、その保証人についても、弾力的な運用で保証人の幅を広く認める、こういうことをいま行なっておるわけでございます。
#44
○林虎雄君 信用力がなく金融ベースに乗らない企業は、信用保証協会でも保証を拒否するようなケースも少なくないと思いますが、保証の申し込みのあったもののうち、実際に保証を受けられるものの割合はおそらく一〇〇%はないと思います。いまどのくらいになっておりますかわかりますか。
#45
○政府委員(原山義史君) 保証協会の申し込みに対して保証承諾の割合いかん、こういう御質問でございますが、四十七年度の実績で見ますと、件数で大体申し込みの九五・二%、金額ではちょっと下がりまして八八・四%というふうに相なっておりますが、そういう九五・二%は保証承諾をしている、あとの四・八%程度はお断わりしているというふうな割合になっております。
 これが一〇〇%までないのはどういうわけかということでございますが、一つは、それぞれ保証の制度は一定のフォームがございますが、その制度に乗らないものが申し込んでいるというふうなものもございますし、また、提出書類が不備なものというふうなものもございますので、中にはあるいは先生御存じかと思いますが、保証を取りつけて計画的に幽霊会社みたいなかっこうで計画倒産をしてだまし取るというふうな例が、中には非常に遺憾ながらあるわけです。そういうふうなものを除いて勘案しますと、大体保証承諾は相当高いというふうに私どもは考えております。しかしながら、やはり金融が逼迫していきますと、とかくやはり金融機関との関係等もございまして、なかなか保証しにくいというふうな点があるいは場合によって出てこようかと思いますので、そういう事態についてはできるだけ私ども弾力的に運用するように指導してまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。
#46
○林虎雄君 結局信用保証協会とすれば、いろいろ調査をしまして拒否するケースも私も出てくるのが実状であろうと思いますけれども、この信用保証の制度というものはすでに弱小の業者に対する施策でありますから、信用保証協会に十分に保証のできるような体制をとらせる措置を政府は指導するというか、強化をする必要があると思うわけであります。
 地方のいわゆる信用保証協会でありますが、結局再保証をするわけですね。信用保険公庫等に対して再保証する。その関連にも問題があるのではないかどうか、そのために地方の協会が十分に機能を発揮できないのではないかというふうに懸念されるわけでありますが、政府は、この信用保証協会の指導を強化するためにはもっと補助金等の増額も考える必要があるのではなかろうかと思うわけであります。これは前回もちょっと中小企業庁長官に承ったことありますが、協会への補助金というものは前年度に比べて増額されておりますかどうか。この点と、いま申し上げた信用保険公庫との何か関連で十分に機能の発揮できない面がありはしないかどうか。これをひとつお聞かせいただきたいと思う。
#47
○政府委員(莊清君) 信用保証協会は、歴史的に申しまして各県で県からの出損金、あるいは地元金融機関からの出捐、あるいは県からの貸し付け金等をファンドに発足をされたという経緯がございまして、これを国が保険公庫をつくりまして再保険するということで現在に至っております。現在ではこの保証協会の運営の基礎を固めるという意味で、国が保険公庫に出資をいたしまして、その保険公庫から各県保証協会に融資をするという形で、これは非常に低利の融資でございまするが、約九百億円の融資になっておるわけでございまする。これは年々ふやしておりまして、四十七年、八年、それぞれ百億ずつふやしておりまするが、こういう助成を行なっております。直接の補助金ではございません。
 保証協会のほうでは、この国からの融資、基金のほかに、県からの出指金とか貸し付け金等を合わせまして、これを地元の金融機関に定期預金をいたしまして、そこの利ざやを得るということによりまして、一つには信用保証協会自体の経費に充てていく、あるいは保証料の引き下げの一つの足しにするということを行なっております。
 もう一つは、非常に基本的なことでございまするが、現在それが約四千数百億円の額に達しておりまして、それが地元の金融機関に預託されておるわけでございまするが、大体それの六倍程度まで信用保証協会の保証によって中小企業に融資をするという契約をしておるわけでございます。二兆数千億円の現在保険残高になっておるわけでございますが、そういう意味で、国も約千億近い金を保証協会に入れまして、それの運用によって保証体制というものをささえておるというわけでございます。今後ともこれの充実につとめたいと思います。
 もう一点でございまするが、国の措置といたしまして、この四月からも実施したわけでございまするけれども、政府が信用保険公庫に出資増資をいたしまして、それによって国の保険料を引き下げ、それに見合いまして各県の信用保証協会の保証料率の引き下げということを可能ならしめるということを行なっておるわけでございます。本年度は久しぶりにこの引き下げを行なって、四月一日から実施したわけでございます。これも国の助成のもとで信用保証協会の負担を軽くしながら、中小企業に対する末端での保証料率の引き下げをはかっていくという趣旨に出るものでございます。今後ともこの二つのパイプの政府資金というものを十分活用強化いたしまして、各県の信用保証協会の業務が円滑に進むように十分努力をいたしたいと考えております。
#48
○林虎雄君 中小企業に融資する場合、金融機関は、いわゆる歩積み・両建てなど拘束預金を要求する場合が多いようでありますが、信用保証協会の保証を得たものについては法律上は全くないと思うし、またあってはならないと思いますけれども、この実態についてどうなっておりますか。また、そのようなケースのないように政府はきびしく金融機関を指導すべきではないかと思いますが、この点について。
#49
○政府委員(莊清君) 歩積み・両建てというのは一般的に全然ゼロということは、金融常識として無理な点があるように聞いておりまするが、極力これを避けるべき筋合いのものでございます。特に信用保証協会が保証をしておるという融資についてはなおさらのことでございまして、そういう融資について融資を断わるとか、あるいは歩積み・両建てをさせるなんということはあってはならないことでございまして、これは大蔵省からもかねがね強い指導をしてもらっておりまして、私どもそういうことは実際ないと思っております。保証協会の保証がございますれば、不幸にして貸し倒れの場合には、金融機関として一〇〇%保証協会から金が入ってくるわけで、貸し倒れの心配が全然ないわけでございまするし、保証協会が保証するわけでございまするから、中小企業の信用調査の手間も全然要らない、あるいは担保を取ったり、それを管理する手間も金も要らないというふうなことであるんでございまして、融資を拒否するとか、歩積み・両建てをしなけりゃ貸してやらぬというふうなことがあってはならないと思うわけでございまして、もし遺憾ながらそういうことがありましたら、これはもう私ども直ちに大蔵省と一緒になりまして、こういうことは即刻是正させるという信念でございます。
#50
○林虎雄君 この改正案では、付保限度額というものを二千五百万円から三千五百万円に引き上げておりますが、付保限度額を三千五百万円にした理由、それから、この程度であれば大体中小企業の業者の当面の要請にこたえられるとお考えかどうか。
#51
○政府委員(原山義史君) 経済規模の拡大に伴いまして、中小企業の資金需要が年々大口化していく傾向を示している点は先生御指摘のとおりでございます。現在一企業当たりの借り入れ残高というのは、最近の統計ございませんけれども、一応四十五年度の統計を見てみますと、大体資本金が五千万円未満の一企業当たりの借り入れ金の残高を見てみますと、四十五年で大体二千五百万円程度になっておるわけでございます。増加率が年々五%から一割、平均しまして八、九%の年率で伸びていっているわけでございますが、これを四十八年度に引き伸ばして考えますと、大体三千二百万円程度に相なるわけでございます。これらのこと、あるいは現在保証協会における保証需要を見ておりますと、その辺いろんな点から考えまして、大体三千五百万円程度に引き上げますと、おおむねこの大口化する資金需要に対処できるんではないかというふうに考えてお願いしている次第でございます。
#52
○林虎雄君 公害防止保険の引き受け額は、四十六年度六十六億円、これは発足当時でありますが、四十七年度は予定額が百四十億でありますけれども、四月−一月、十カ月で−今日まで四月−一月まででありますが、予定に比べてかなり伸び悩んでおるのではないかと、四十七年度ですね。百四十億円に対して実際の予定はかなり低いように聞いておりますが、公害防止の必要性が叫ばれておるおりからでもあり、この保険の利用がかなりなされていなければならないのにかかわらず、予定どおり伸び悩んでいるという原因はどこにあるのか。聞くところによりますと、まだ予定額の半額にも達しないように聞いておりますが、こうした原因はどこにあるか、この点を承りたいと思います。
#53
○政府委員(莊清君) これはなかなかむずかしい問題を含んでおるように私個人的に実は思っておりまするが、中小企業も出おくれは若干あるかもしれませんが、近年、公害防止投資を大幅にふやしてきておるということは事実でございます。ただ、中小企業の場合にはなかなか大きな負担になりまするので、御案内のように、公害防止事業団からの四・五%の融資とか、中小企業振興事業団からの二・七%の融資とか、あるいは中小企業三金融機関からの六・二%の特利融資とか、こういうものを政府のほうでも年々強化しておりまして、融資実績も年々ウナギ登りに上がってきておるという実情にございます。それから各県におかれましても、こういう制度の裏を見ると申しますか、足りないところを補う意味で、各県独自で長期低利の融資制度を設けていただいておって、これも相当充実してきておるというふうなことがございます。こういうことで、中小企業の方は当面大きな負担でございまするので、少しでも金利条件の有利な政府関係の制度を使うというふうな傾向にありまするので、それが一つ反映しておるのじゃないか。制度が四十六年に発足したばかりでありまするので、なおさらそういう傾向になっておるんじゃないかと思います。
 今後の考え方でございまするが、私どもは中小企業といえども、公害防止にはさらに努力をしてもらわなければいけないと思っております。その見地から、申し上げました政府関係機関の融資あるいは県からの融資というものはさらに一段と強化、充実をしなければならないと考えます。公害防止保険金融機関からの借り入れのための制度には、そういう意味では一つ伸びをゆるくする要因になろうかと存じますが、それはそれで私どもやむを得ないと思います。しかしながら、公害防止事業団の融資等でも必らずしも一〇〇%でもございません。民間から借りなければいけないというふうな面もございまするし、政府系の三金融機関についても、協調融資というふうなことにどうしてもなるという場合もございます。したがいまして、やはり市中銀行からの借り入れを公害防止のために中小企業は行なっていくということも、現在はあまりないでございましょうが、今後はやはり量的にふえていくということは十分考えなければなりません。したがいまして、やはり公害防止保険の料率、てん補率等につきましても今後一そう中小企業庁としてそれの改善に努力をして、この保険制度がもっと使いいいように、そして、市中銀行からの融資を引き出す際の手段としても現在以上に有効なものになるように、今後とも十分検討して努力をしなければならない、基本的に私はかように考えておる次第でございます。
#54
○林虎雄君 最後に、特別小口保険について伺いたいと思いますが、前回改正のときに衆議院の附帯決議などもありまして、八十万円から百万円に引き上げられておりますが、どうもいまの貨幣価値といいますか、物価高等からいきますと、わずか二十万円ほど引き上げられたというだけで当面を濁しておるようなもんでありますが、これは不十分じゃないか、将来もさらに引き上げることを考えるべきではないかと思いますが、長官のお考えを承って終わります。
#55
○政府委員(莊清君) 基本的な考え方といたしましては、特別小口保険というのは保証人も要らない、担保はもちろん要らないという意味で、従業員数が非常に少ない超零細企業に対する信用保険制度でございますので、これらに対する金融の円滑化をはかる見地から、今後とも限度額あるいは保険料、保証料等につきましても、十分に制度の趣旨を体しまして検討しなければならない、かように考えております。
 今回、それでは八十万から二十万だけふやしたというのはどういう理由かということでございまするが、これは昨年の一−十二月の特別小口保険の利用状況の実績を見ますると、一件平均で五十五万程度になっております。八十万円に対しまして六割強の平均水準ということでございます。それから特別小口保険は、製造業で従業員五人以下、商業、サービス業で二人以下という層を対象にしておるわけでございまするが、国民金融公庫がそういう層に対しまする零細金融を主として行なっておりますので、国民金融公庫の融資実績でそういう層に対します貸し出しの状況を見まするに、平均水準で、最近ふえてまいりましたが、現在のところまだ百万程度でございます。それから、県によりましては八十万をこえまして、県独自の負担で特別小口保険の引き受けをやっておられる県が若干ございまするが、そういう県の状況を見まするに、大体九十万円ちょっとこえたぐらいの平均水準で引き受けをされておる。
 以上申し上げました三つばかりの実績というものを考えまして、当面の措置といたしまして百万ということにこれをいたしたわけでございます。御案内のように保険制度は四、五種類ございまするけれども、そのときどきの資金情勢なり、中小企業に対する金融の実態というものに即しまして、制度発足以来、それぞれ四、五種類の保険が何回かにわたって制度の見直しを行なってきております。御趣旨を体しまして、特別小口保険のみならず、公害保険も普通保険もその他の保険も、私ども制度を十分に生かすという見地から全般的に常時これを点検いたしまして、実際に役に立つ保険にするという精神で今後も努力をさしていただきたいと、かように考えております。
#56
○委員長(佐田一郎君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十一分開会
#57
○委員長(佐田一郎君) ただいまから商工委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、林田悠紀夫君が委員を辞任され、その補欠として上田稔君が選任されました。
#58
○委員長(佐田一郎君) 午前に引き続き中小企業信用保険法の一部を改正する法律案及び国際経済上の調整措置の実施に伴う中小企業に対する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案を一括して議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#59
○中尾辰義君 中小企業に関する法案を審議するわけでありますけれども、最初に、今後の景気の見通しということを、どうなるんだろうかということで相当業者は関心も持っておりますし、前回も多少答弁がありましたけれども、あらためてお伺いしたいと思います。
 最近の経済情勢、これは貿易収支の面におきましては黒字も小幅になってまいりましたし、外貨のほうも百五十億ドル台ということになっておりますけれども、国内の景気は、設備投資や消費の盛り上がりを背景に依然として需要の逼迫が続いておると、こういう状態で、さらに物価も相変わらず異常な高騰を示しておる。こうした過熱の状況の中で、五月三十日から公定歩合がさらに〇・五%引き上げられる、とともに預金準備率の第三次引き上げが決定した。こういうことで、今後金融引き締めが急ピッチに展開されることになったわけですけれども、大臣、なかなかむずかしいところでしょうけれども、政府は下期の景気予測をどういうふうに判断をしていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
#60
○国務大臣(中曽根康弘君) 景気の現状については、公共投資や住宅建設、消費支出が引き続き高調を持続していることに加え、民間設備投資も昨年来製造業を中心として回復を示してきており、鉱工業生産指数、卸売り物価の最近の動きも依然として根強い動きを示しております。各業種の操業状況を見ましても、一部の例外を除きフル操業の状況にあります。このような情勢に対処して物価の騰勢を押え、安定的成長を達成するよう総需要の抑制をはかるために、年初来公定歩合の二回にわたる引き上げ、預金準備率の三回にわたる引き上げ、窓口規制の強化、公共投資の繰り延べ、一部設備投資の繰り延べなどの政策を講じてまいりました。
 経済情勢の今後の推移を正確に見きわめることはきわめてむずかしいけれども、前に述べましたような総需要抑制政策の影響、変動相場制移行に伴う円高相場の影響等から、年度後半以降、伸びに頭打ちが予想されるところもありますので、情勢の推移を慎重に見守りつつ、機動的な政策運営を行なっていくことが必要であると考えます。
#61
○中尾辰義君 インフレを抑制するため、あるいは物価を安定させるため、財政金融の引き締めということもこれは当然であろうかと思いますけれども、一面におきましては、また企業倒産というようなことも非常に心配されているし、ぼちぼちその徴候も出ておるようなことです。そういうことで、今後の何といいますか、引き締めの目標をどの辺に置いておるのか、これは大蔵大臣に聞かなければいかぬのでしょうけれども、通産大臣の立場としてどうお考えになりますか。
#62
○国務大臣(中曽根康弘君) やはり残存している過剰流動性を吸収する、それから、ややもすれば心理的に膨張しようとするその心理的な気持ちに水をある程度かけて冷やす、冷静さを回復させる、そういうことが一つ大事なことではないかと思っております。
 それで、倒産状況等を見てみますと、四十六年八月の前回のドル・ショック後の倒産の動向を見ますと、景気上昇と金融緩和基調のもとで、総じて倒産は低水準に推移して、四十七年間では、件数、金額とも前年に比べ二、三割の減少を示しております。四十八年に入ってからは、四月までは減少傾向にありましたが、五月は中日スタヂアムの関連倒産がありまして、やや増勢を示しました。このうちドル・ショックによる倒産は、前回及び今回のショックを通じて全件数の一、二%前後となって、ドル・ショックによる倒産というのはそう多くはない。やはり放漫経営による倒産等が多いようであります。今回のドル・ショックによる倒産はこれまでのところ、前回ショック時に比較してまたさらにかなり低水準に推移しておりまして、二月から五月まで十七件発生しておるという状態であります。前回ショック時の四十六年八月から十一月までは三十七件であります。
 今後の見通しについては、金融が引き締められている中で、輸出成約の停滞、輸出向け納入価格の引き上げや人件費、原材料価格の上昇等によって経営内容の悪化が進み、漸次影響は深刻となり、輸出関連中小企業の倒産が増加することも懸念されております。したがいまして、これからある程度まだ経済を引き締めていく必要があると思いますけれども、中小企業関係、輸出関係についてはその引き締めを波及させないように、政府関係機関等を通じて金融措置を依然としてわれわれはめんどう見てやっていかなければならぬと思います。しかし、景気全般を見ますと、民間設備投資が意外に伸びてきておりまして、工作機械の受注とか、そういう機械類、特にモーターなんか非常に手当てがむずかしいようであります。そういう情勢を見ますと、やはりもう一段、全般的に見て引き締めていかなければならぬのじゃないか、需要を落としていくというそういう政策が必要ではないかと感じております。
#63
○中尾辰義君 そうしますと、今後は倒産もかなりあるのじゃないかというようなふうに受け取れるわけですがね。先ほどお話がありましたように、四十六年度以降は倒産のほうも下り坂であった。ところが、ことしの五月になってから急に倒産もふえたというようなことですけれども、それはいまの中日スタヂアムはじめそのほかが放漫経営と思うというようなことですが、その辺のところを、これはまあ数字的に帝国興信所の調べをちょっと見たのですが、四月は件数は五百九十一件、これは一千万円以上の会社ですけれどもね。四月は五百九十一件で、負債額は三百八十六億八千八百万、それが五月になりますと急にふえまして、六百九十六件、負債額は九百六十九億三千八百万、三倍近くになっていますね。この数字はどういうふうに判断したらよろしいんですか。
#64
○政府委員(莊清君) 五月に急にふえましたのは、大臣が申し上げましたように、中日関係が非常に響いておることは事実でございます。五月は九百五十九億円の負債金額でございます。そのうち中日関係が四百三十億、半分弱でございますが、非常に大きな金額でございます。これをかりに落として前年同月比の負債額を見ますると――失礼いたしました。中日関係が五百二十九億でございます。この五百二十九億を落としますると、一般の倒産の負債額が四百三十億ということでございまして、前年同月比で三二%ぐらい低い水準にあるということが数字の上で確認されております。ただ、放漫経営のものが主体であるということが調査の結果も出ておりまするが、原材料が相当上がってきたと、いろんな最近の経済事情等もからんで倒産に追い込まれたケースなぞも散見されるようになってきたということも、また同時に報告に出てきておるという点も、私ども注目しておる点でございます。
#65
○中尾辰義君 従来のいろんな経過からいいますと、公定歩合が引き上げになって、大体半年ぐらい経過してからその影響が出てくるというようなこともよく言われているんですがね。なお、いままでの金融の緩慢から企業側のほうも多少の手持ち等もあるでしょうけれども、そういうものもぼちぼちと使い込んでしまう。いろいろそういうようなことから判断しますと、やはり何といっても秋口あたりからかなり出るんじゃないかと、こういうようなことも予想されておりますけれども、そうした場合にやはり中小企業庁としても、放漫経営がどうのこうのと、それはそういう面もあるでしょうけれども、やはりそこまで導いたということは、政府自体のこれも財政金融政策の失敗もあったということも言われるわけですから、その辺非常にきめのこまかい対策を講じてもらわなければ、かえってその引き締めの弊害の面がかなり出てくると、こういうことを心配しているわけですがね、いかがですか。そういうことに対処しまして、どういうふうにおやりになるのかですな。
#66
○政府委員(莊清君) 中小企業では、やはり金融引き締めの影響というのは、過去の経験にかんがみましても影響を非常にこうむりやすいということは事実でございます。さらに今回は、ことし二月、第二回目のドル・ショックということがすでにあったわけでございまするから、過去一年の、一回目のドル・ショック後の金融緩和基調と今回とでは、国内の金融情勢はまるっきり逆のほうになっておりますので、御指摘の点は、今後の夏あるいは秋以降の問題として非常に重大な点であると思います。
 それで五月の二十八日でございまするが、今回の第三次の準備率引き上げ、それから公定歩合の引き上げが行なわれました際に、中小企業庁といたしましては、財政当局及び日銀当局に対して強い要請を行なっております。これは当然の内容だと私ども思っておりますが、大蔵省及び日銀のほうでも、もっともであるからその線で市中金融機関を十分指導したい、あるいは財政当局としても、今後の財政運営で考えなければならぬと思うというふうなはっきりした返事をもらっておるということでございますが、その一つは、過去においてふえてきた市中銀行の総貸し出しの中で、中小企業向けの貸し出しの割合を現在の水準から下げないようにという点が第一点でございます。
 もう一点は、この引き締め下で特に重要な役割りが期待されます。国民公庫とか政府系の三金融機関の融資についてでございます。これは相当大幅な融資期待が今後予想されますので、十分にこれに対処し得るように、四半期別の貸し出しワクの繰り上げ、あるいは補正による貸し出し規模の追加等の弾力的な運用を配慮すべきであると、この二点でございまして、今後の金融情勢をよく見まして、中小企業に不当なしわ寄せがこないように、あるいは中小企業の前向きの健全な体質改善とか合理化のため必要な資金というものが阻害されないように、また、輸出関連の打撃を受けた中小企業等に対する当面の金融措置というものが不足することのないようにという点に十分配慮して運営に留意いたしたい、かように考えておる次第でございます。
#67
○中尾辰義君 今回の金融引き締めは、いろいろ物価がものすごく上がっているというようなことで、国民の批判も相当あるわけですね。ですから、これじゃとても政府としても何をやっているのかと、総理以下皆さんが国民の批判にこたえていろんな手を打たれた、その一環としてあるわけですけれども、肝心の物価を下げるのに、財政金融だけではこれはだめなことはわかっているんですが、あなたのほうで当面の物価安定政策、これはことしの四月十三日、物価対策閣僚協議会できまっております。ですから、財政金融の政策とあわせて物価対策をやらなきやならない、これは当然のことでありますけれども、引き締めのほうばっかり先に行っちゃって、肝心の物価対策のほうがどうも後手後手であると、こういうことになりますと、非常にこれはもう結果がうまくないわけです。それであなたのほうに、通産省に全部聞くのもどうかと思いますけれども、この当面の物価安定対策はその後どのように推進されておるのか、これはわからなければ通産省関係のものでもいいですが、どうですか、その辺は。一つも効果が出てないのだからね、それで聞いているわけだ。
#68
○説明員(黒田明雄君) 四月十三日の物価対策閣僚協議会で七項目がきまっておることは御承知のとおりでございますが、そのうち財政金融政策に関するものについてはすでに御討議がございましたので、それ以外のことについて御説明申し上げます。
 まず、通産省関係を中心にして申し上げたいと思いますが、輸入の積極的拡大のために、輸入割り当てワクの大幅拡大を行なっております。それから、特恵関税のシーリングワクを弾力的に運用することがきまってございますが、これも六月一日から百八十九品日中百十品目について実施に移されております。それから、変動相場制移行に伴う物価安定効果、これは変動相場制によって円高になった分だけ割り安に輸入ができるわけでございますが、その効果を消費者価格に反映するように各種の努力をしておるわけでございますが、通産省関係では、各業界に通達で行政指導をいたしておりまして、それを調査でフォローアップしております。それから、特に価格が高騰しております物資が幾つかございまして、そういう物資について、個別の対策を推進することがきめられてございますが、通産省物資では、繊維原材料、繊維製品、それからセメント、鉄鋼等につきまして個別の物価対策をやっております。この内容は、主として増産の要請、それから商品あっせん所の開設、あるいは毛糸、綿糸等につきましては、商品取引所の取引に対する規制の強化、そういったことをやっております。
#69
○中尾辰義君 やって、いまどういう結果が出つつあるということを話してもらわないとわからないな、やっているというだけじゃ。あらあらでもいいから。
#70
○説明員(黒田明雄君) ただいまの個別物資につきましては、取引所の取引規制の結果、毛糸、綿糸につきましては、四月から五月にかけて大幅に値下がりが見られたわけでありますが、その後また海外での原綿、羊毛の価格高騰がございまして、これを反映して六月に入ってまた強含みになってきています。
 それからセメントでございますが、これは増産と公共投資の一部繰り延べ、それから季節的に雨期に入りました関係上、需要が減退したこともございまして、需給関係は大幅にゆるんでおるわけでございますが、まだ価格は上がりぎみ。
 それから鉄鋼でございますが、これは三次にわたる増産要請を行ないまして、フル操業で供給増加をはかっておるわけでございますが、いまこれがもう満ぱいでございまして、なかなか需給はゆるまないのでございます。で、メーカー段階及び流通段階に対しまして、価格を上げることのないように、便乗価格の値上げを強く自粛要請いたしておりまして、全体としては安定的に推移しておるのでございますが、需給逼迫を来たしまして、一部に市場の価格の高騰がなお見られております。
 大体以上でございます。
#71
○中尾辰義君 それじゃこのことはまた後日に譲りますが、物価対策を強力にやってもらわないと、大体金融の面だけ締められたのではたまったものではないですよ。
 法案を少し……。円の変動相場以降後四カ月ばかりたつわけですが、現在までのところどういうような影響が出ているのですか、この辺いかがですか。
#72
○政府委員(莊清君) 今回のドル・ショック直後、中小企業庁で全国約百の産地について緊急調査を行なったのでございますが、この二月末での産地の予測では、相当大幅な四十八年度の輸出減退ということが予想されたわけでございます。大体二百六十五円レートで対前年比二六%ぐらい、円ベースで輸出は減るのではないか。それから二百六十円の場合で三二、三%の減少は避けられないのではないかということが緊急調査の結果でございました。これらの九十八の産地で中小企業の行なっております総輸出の約二五%を占めておりますので、それよりも輸出依存度の低い多くの中小企業では減り方、輸出の減少の度合いというものは若干軽いかと思いますが、中核になっている繊維、雑貨の産地では相当の影響が避けられないというふうに考えられたのでございます。
 その後の推移でございまするが、これらの産地について、毎月末で輸出成約の状況を追跡調査を行なっておりますが、三月では二五%ぐらい、約百の産地で円ベースで減っております。四月になりまして、海外との値上げ交渉等もだんだん実を結び始めました。海外での物価の上昇に幸いされたという面も相当ございまして、四月では約一〇%の対前年減少でございます。五月はまだ実は報告が全部そろっておりませんが、現在までの速報的な数値では、五、六%の減少というところまで全体としては回復している。ただ、輸出単価が上がっておりまするが、数量のほうが去年よりも減少するというふうな産地もございます。中には輸出成約が全然ないといわれる産地もございます。たとえば岡山の縫製品とか、和歌山の染色織物、徳島の敷物、北海道の水産かん詰め等は輸出成約がストップしたままというのもございます。それから東京のクリスマス電球とか、大阪の人造真珠とか、横浜のスカーフ、マフラーとか、足利の撚糸、静岡の別珍コール天、東京のアンチモニー等は輸出成約はあるのでございますが、過去三カ月間連続して対前年減少をしている。逆に三カ月連続して対前年増加しているものも、福井の絹人繊とか、同じくめがねワク、関の刃物、岐卓の毛織物、広島の縫い針等、こういういいものも繊維、雑貨の中でもないわけではございません。明暗の差が相当出かかっているということを調査の結果として私どもは感じておるところでございます。
 全般的なドル・ショックに対する緊急融資等も講じておるわけでございまするが、今後は、こういう影響を非常に受けている産地に対しては特に前向きで内需への転換、あるいは輸出品の高級化等を、いわゆる転換措置というものを講じていく必要があると考えております。県と協力いたしまして、約四十の特に問題のある産地についでは別途突っ込んだ調査、指導を行なう必要がございますので、現在緊急診断を個々に実施しているということでございまして、個々の産地に必要な対策を別途今後考えまして、これを講じていく必要があろうと、かように考えておるわけでございまして、月を追って円ベースで輸出成約の減り方というのは改善されておりますが、減っておることは事実でございますし、産地によってはひどいところがある、決して安心はできない。今後も海外の物価の動向がどうなるか、国内の賃金の上昇とかいろいろの要因もございます。そういうような点も輸出産地にとっては一つの負担になるわけでございます。そういう点を総合勘案して、よく産地の状況を把握いたしまして、必要ならば第二、第三の措置というものを私どもはやはり積極的に考えなければならないのではないか、かように考えておる次第でございます。
#73
○中尾辰義君 大体わかりました。
 それから午前中の質問にもありましたが、ドル・ショックに対する緊急融資が二千二百億、この中で六月十日現在一千百億の実績があると、こういうような話がありましたが、大体二千二百億の半分ということですが、変動相場移行後半年ぐらいになるんですけれども、半分しか融資の実績がないというのは、これはやっぱりどういうことですか。その辺ちょっと……。
#74
○政府委員(莊清君) 私どもは、そう遠くない将来に二千二百億全部融資が当然実行される、需要が多うございますから、かように考えております。いまのところ大体ワクの半分程度の実行ベースであるというのは、この融資が実際に動き出しましたのはほとんど四月に入ってからでございます。三月中はまだ市町村長でその確認、輸出の被害証明書を出すというふうなことが行なわれておりましたし、それを金融機関に出して申請をすると審査が行なわれるというふうな段階でございまして、三月はほとんどまだ融資されておりません。本年度に入ってのことでございますので、まだ二ヵ月ちょっとの段階でございます。特に五月に入りましてから急速に融資の実行が進んでおるという事態でございまして、二千二百億、当然これはそう遠くない将来に融資が行なわれると、かように考えております。
#75
○中尾辰義君 次にお伺いしたいのは、事業転換のための金融措置というものはありますけれども、設備の買い上げというようなことは今回全然ないわけですね。このことをちょっとお伺いしますけれども、転換するためには、いままで継続をしていた経営状態を整理して、既存の債務を返済しなけりゃならない、これが大きな負担になるわけです。ところが、転換が迫られるような業種はいままでも経営状態が苦しく、債務が非常に累積をされておる、そういうところが少なくないわけです。そこで金融対策とは別に、転換の準備のためのつなぎ資金として国による設備の買い上げ制度、こういうものが必要じゃないかとも思うんですが、これは繊維協定の場合、織機の買い上げ等もあったわけですけれども、その点はどういうふうにお考えになるのか、お伺いします。
#76
○政府委員(莊清君) 輸出産地等で使えなくなった設備の買い上げ要請というものは、今回のドル・ショック後いろいろわれわれも伺っておるところでございますが、われわれも研究をいろいろやっておりますが、まだ問題が非常にいろいろございまして、結論には達しておらないのでございます。まあ業種がどこまで広がっていってしまうかというふうな問題もございまするし、片一方で政府が設備を補助金のような形で買い上げるとすれば、新増設の許可から設備の登録等、歯どめの措置というものがまた当然なければならないし、それだけのことを行なうには将来の産地なり業種のビジョンというものが政府も民間もはっきりと確認されて、その線に沿っての措置であるというふうないろいろな当然に伴う問題もございます。これらを多くの産地について具体的にどう考えるかという問題がありまして、検討はいたしておりまするが、結論には達しておりません。いろいろ困難な問題が多いということを申し上げざるを得ない実情でございます。
 ただ私どもも、この設備の問題というのは非常に重要な問題であると存じております。現在は御案内のように、産地で設備の共同廃棄を行なう場合には、中小企業振興事業団から八割を無利子で融資するという制度がございます。三年据え置きを含めて十六年の融資でございます。無利子で長期の融資でございまするから、貨幣価値の下落を念頭に置きますと、相当補助金的効果というものがあろうかと存じまするが、融資ではあるということでございます。私どもは、現在すでにある制度を、まだほとんど使われておらないのでございまするが、もっと効果のある運用に改められるんじゃないかという点を相当勉強して、財政当局とも内々折衝を始めております。これはたとえば融資額も八割でなくて、ひとつ国と県とで全額無利子で貸す、まあメリットが出るわけでございます。それから、十六年のうち三年の据え置き期間あたりももう少し延ばす。延ばせばその間は利子も払わなくていい、元本も払わなくていいということで、また相当なメリットが出るわけでございます。
 そこで、運用でございまするが、産地の組合に長期の無利子の融資を行ないまして、たとえば、その設備を全部つぶして廃業するというふうな方も一部にあろうかと思います。そういう方には、まあ設備もいろいろありますが、残存簿価が非常に低い場合でも、その何倍かの金をひとつその人には組合としては中では差し上げる、組合は、県と国に対しては元本の返済はいたします。そういうふうなことでよろしいではないか。そういうふうにいたしますと、残る企業の人たちも、一部は設備を廃棄するわけでございまするから、そういう人たちも融資を受ける、そういう人たちがその借りた金を、長期の無利子のものをまあ五%とか六%程度で回転ができれば、このためには前向きの構造改善なり転換助成が当然必要でございますが、その成果があがってその産地が、残った人たちが前向きにやっていけるということになり、五、六%で無利子の長期資金を回転できれば、その人たちが組合に対して五、六%の金利と考えてそれを納めれば、その納付金で実は元本が返済できるということも計算上ははじけるわけでございます。そういう運用も含めまして、ひと?りんとこの事業団のせっかくの融資制度というものを活用するということも含めまして私どもはひとつやってみたい。これはまあ一種の見舞い金的な運用まで踏み切るという前提での検討でございますが、財政当局とも内々話を実はいたしております。ひとつ勉強をいろいろさしていただきたいと思います。
#77
○中尾辰義君 次に、中小企業の海外投資のことでちょっとお伺いしますけれども、これは現在商工中金におきましては、融資と保証の業務を行なっているわけですけれども、これはあくまでも金融採算ベースでありまして、中小企業を特別に優遇すると、そういうものではないわけであります。ですので、このドル対策法案の対象となっている業種の海外進出につきまして特例を設け、融資条件などを緩和する、そういうような必要はないか、それが一つです。
 それから、ことしの七月一日から発足する海外貿易開発協会により、無利子融資の経済協力というワクがあるため、相手方の資本が参加しなければならない。現地合弁に限るとか、相手方政府機関からの要請があるとか、条件及び手続が課せられることがいま予想されるわけです。そこで通産省としては、中小企業の海外進出をどのように位置づけ、また、いかなる施策を講ずる考えなのか。その場合、ドル対策法案の対象となるような業種について特例等を考慮する余地はないのか、これにつきましてお伺いします。
#78
○国務大臣(中曽根康弘君) 現在の中小企業を取り巻く環境はなかなか熾烈なものがあります。それで、環境適応力を強化することを基調としておりますが、その第一は、国際分業に適応する生産構造へのシフトを考えることであります。これによって対先進国あるいは発展途上国との産品の競合度合いの少ない製品を供給する生産構造に転化していくことでございます。政府としては、前回のドル・ショック後に得た中小企業政策審議会の答申をもとに新しい商品の開発、新しいデザインの開発を中核とする知識集約化構造改善事業を今年度より設けることとして、産地ぐるみ、業種ぐるみで中長期の産地、業種ビジョンに立った構造改善を積極的に進めております。
 第二は、中小企業は環境変化に適応して事業の転換や品種の転換を行なう場合に、それを円滑化することでございますが、第三として、海外への企業進出も考えております。
 先進国、発展途上国との関係では、知識集約化や事業の転換を進めることにより環境適応力を強化しなければならないが、他方、海外諸国からの経済協力の要請を考えると、中小企業が国際的な場で活動することは可能性も十分あり、かつ、評価しなければならないところであります。通産省としては、本年度より中小企業海外投資協力事業を創設しましたが、その活用をはかるほか、ジェトロ、日商等の投資相談業務の充実をはかり、これらによりまして、すぐれた技術、ノーハウ、マネージメントの移転を通じて発展途上国より喜ばれる海外投資を促進していきたいと思っております。
#79
○中尾辰義君 まあ、それはあとでまたよく検討しましよう、時間がありませんので。
 それで、先ほどもいまも大臣の答弁にもありましたけれども、本年度から中小企業政策審議会の意見に沿いまして、中小企業の知識集約化にかかわるいわゆる第三近代化促進の制度を近く発足すると、そういうふうに承っているわけですが、これはどういうことになるのか。対象としてどういうふうな業務を選ぶのか、またどういう支援措置を考えているのか、その辺少しお伺いしたいと思います。
#80
○政府委員(莊清君) この中小企業の構造改善につきましては、三十八年の近代化促進法がございまして、四十四年にいわゆる第二次近促といっておりますが、産地、主要な業種ごとに政令指定を行ないまして、構造改善計画というものを定めさせた。それに対して金融、税制上の優遇措置を講ずるということになったわけでございます。今回のいわゆる第三近促と申しますのは、この構造改善、四十四年の制度を一歩進めまして、より具体的に産地ごとにその実態に即した構造改善を進められるようにしようというのが趣旨でございます。従来の構造改善でございますと、大体運用として全国一本の商工組合をつくって、そこで構造改善計画をつくらないと助成できないということでございましたが、同一業種というものでも実は製品もいろいろ違っておりますし、輸出先等も違うということがございます。地理的にも離れておる。そこで、産地ごとに構造改善計画をまず組めるように改めるというのが第一でございます。
 それから、従来はやはり適正生産規模中心の考え方でございました。今後ともそういう点は必要でございまするし、助成も行なうわけでございますけれども、今後は特にいわゆる知識集約化の方向での品種の高度化とか、そのための研究とか、デザインの開発とかいう面も非常に大切でございます。そういうものも事業団からの融資の対象にしようではないか、四十八年度から実はそういうものを、所要資金の八割を無利子で融資するという制度を創設したのもそのねらいからでございます。
 具体的には、新製品、デザインの開発、システムの開発研究、それから情報サービス、共同試験検定等々でございまするが、これらのものを助成の対象に取り上げたいと考えております。現に相当数の繊維とか雑貨の組合で、ぜひこの制度に乗って第三近促の対象業種として指定を受けて、産地ごとの知識集約化の方向での構造改善計画を組みたいという名のりをあげて出てきておるものが相当数すでにございます。今後この内容をよく見まして、地元県及び業界と思想統一を早急に煮詰めまして、具体的にその施策の対象として取り上げていこうとかように考えておるところでございます。
#81
○中尾辰義君 ですからね、いまのところ大体あなた方の考えておるようなところですが、具体的にはどういうところを対象にしていらっしゃるのか、まだ結論はこれは出てないですけれども。
#82
○政府委員(原山義史君) 知識集約化のための融資制度は、先ほど長官から御説明いたしましたように、事業費ベースで十三億円さしあたり組んでございます。これは八〇%無利子の融資制度でございますが、現在、検討してこれに乗ってきたいと、まあはっきりした計画を確実につくって持ってきたわけではございませんが、私どもに一応相談があるというふうな具体的な例を申し上げますと、たとえば神戸のケミカルシューズはデザイン開発、人材養成等でやっていきたいというふうな、あるいは金沢、静岡等の木製家具はやはりデザイン開発あるいは新素材の開発をするための共同研究をやりたいと、それから新潟県の燕の洋食器等におきましては、やはり新製品の開発センターをつくりたい、あるいは加工機械を開発したいというふうな話がございます。また兵庫県のはさみにつきましてはデザインを開発したい、機能的なかっこうのはさみをつくっていきたいというふうな研究テーマがございます。あるいは兵庫県のかばん、福井県のめがねワク等々におきましても、いずれもデザインの開発あるいは品種転換というふうなことで、業界で共同して知識集約化事業に乗り出そうというふうな例がございます。いま申し上げました例は必ずしも業界の確定した計画ではございませんので、まだこれからも十分お話を聞きながら詰めていきたいというふうに思っておるところでございます。
#83
○中尾辰義君 これで終わりますが、最後にこれは保証協会のほうですが、信用保証協会の保証料ですね、これは各保証協会ごとにずいぶん差があるようですね。保証料は安いところが群馬の保証協会一・〇七%、高いところは一・三八%、その間だんだんこれはあるわけですが、こういうふうに保証協会の保証料が各県別にずっと違っています。金融を受ける側としては、保証協会の保証をもらって市中銀行から借りると、こういうことになる。すると、保証料と銀行の金利と両方負担がかかってくるわけですが、この保証料というのはなんですか――そうそう沖繩が一番高い、沖繩が一・五%になってますよね。これは保証協会がかってにきめられておるのか。こういうものはやはり銀行金利も一応は基準もあるわけですが、その辺は何とかこれを平らかにならないものか。こういうでこぼこを、これを平らかになるようなことをあなた方は考えないのですか、いかがですか。
#84
○政府委員(莊清君) 以前から、全国一本の保証料というものはできないだろうかという御意見が方々であるということはよく承知いたしておりますが、無理に一本にするというのも、やはり無理な面があるようでございます。御案内のように、保証協会というのは、各県が地元の金融機関の協力も得、県費も組みまして育ててきたということでございます。国が再保険のための制度をつくってバックアップしておるというところでございまするので、どうしても各県の援助の差もございますし、地域の実情も経緯もございますから、なかなか直ちには一本になりません。
 ただ、あまり大きな差があるということは決して好ましいことではございませんので、政府のほうでは、信用保険公庫に融資基金というものの出資を行なっております。四十八年度も百億行なっておりますが、これを県の保証協会のほうに低利で融資をして助成をしておるわけでございますが、それの運用を通じまして、各協会の経営基盤はどうであるかというふうなことも十分見まして、また、各県のほうで助成措置を講ぜられる場合には、それを国のほうもまたバックアップをして差し上げるというふうな見地を入れまして、この融資基金というものの運用をやっております。現在、約九百億円この出資金がございまして運用しておるわけでございますが、これを通じまして、各県とひざを交えて話し合いの上で保証料率の引き下げなり、あるいは著しく高いものの是正ということに年々つとめてまいったわけでございます。
 相当格差があるという御指摘でございました。確かにそういう面がございまするが、ことし予算措置を講じまして四月一日から保険料を下げ、保証料もまた下げることにしたわけでございまするが、一番広く利用されております普通保険について申し上げますと、各県の信用保証協会の料率でございますが、一・四%をこえるような高いところというのはまあ全然なくなった、著しく高いところはこれを削り落としまして、大体似たり寄ったりの水準まで持ってくることが今回できたかと思うのでございます。
 今後も、やはり県の助成強化もわれわれ要請したいと思いまするが、それを引き出すためにも、保険公庫に対する融資基金の充実とそれの運用ということに十分配慮をしてまいりたいと考えております。
#85
○中尾辰義君 それで長官、高いのはどういう理由で高いのか、安いのはどういう理由で安くしてあるのか、その辺、もうちょっと鮮明に説明してくださいよ。
#86
○政府委員(原山義史君) 一番高いところは実は沖繩でございますが、沖繩につきましては非常に経営基盤がまだ強化されてない、非常に特殊な事情があろうかと思います。そのほか、いろいろ先ほど長官からも申し上げましたが、その料率の違う理由はいろいろあると思うのです。経営基盤とか、地方公共団体の援助の差であるとか、地域の特性というふうなことで違っておるというふうに申し上げましたけれども、何と申しましても非常に大きい県、非常に中小企業者あるいは保証利用者の大きいところは、やはり大数法則によって危険が分散されるという点があろうかと思いますが、非常に小さくて利用されるのが非常に少額であるというふうなところは、やはり経費がかかりコストがかかる、あるいは大数法則による事故率のばらつきが、ときにはフレが大きいというふうな点があろうかと存じます。こういう点につきましても考慮いたしまして、今後、融資基金の配分等で、国のほうとしても援助の手を差し伸べていきたいというふうに思っているところでございます。
#87
○委員長(佐田一郎君) ほかに御発言がなければ、両案に対する本日の質疑はこの程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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