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1972/07/05 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 商工委員会 第17号
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1972/07/05 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 商工委員会 第17号

#1
第071回国会 商工委員会 第17号
昭和四十八年七月五日(木曜日)
   午前十時十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 七月四日
    辞任         補欠選任
     中村 禎二君     稲嶺 一郎君
 七月五日
    辞任         補欠選任
     林田悠紀夫君     玉置 猛夫君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐田 一郎君
    理 事
                剱木 亨弘君
                若林 正武君
                阿具根 登君
                大矢  正君
                藤井 恒男君
    委 員
                稲嶺 一郎君
                小笠 公韶君
                大谷藤之助君
                川上 為治君
                玉置 猛夫君
                林田悠紀夫君
                細川 護熙君
                安田 隆明君
                林  虎雄君
                藤田  進君
                峯山 昭範君
                須藤 五郎君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       小坂善太郎君
   政府委員
       経済企画庁総合
       計画局長     宮崎  仁君
       科学技術庁計画
       局長       長澤 榮一君
       外務省情報文化
       局文化事業部長  堀  新助君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
   説明員
       文化庁文化部長  鹿海 信也君
       文化庁文化部著
       作権調査官    小山 忠男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○総合研究開発機構法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○連合審査会に関する件
○理事の辞任及び補欠選任の件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(佐田一郎君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 この際、委員の異動について御報告いたします。
 昨四日、中村禎二君が委員を辞任され、その補欠として稲嶺一郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(佐田一郎君) 総合研究開発機構法案を議題として質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○峯山昭範君 いわゆるシンクタンク法案の問題について二、三お伺いしたいと思います。
 この法案につきましては、先日の委員会で参考人の出席を求めまして二、三お伺いしましたけれども、衆議院のほうの委員会の議事録等も読みましたので、概略はわかっているつもりなんでございますけれども、初めに、この総合研究開発機構法案の提出に至る政府の考え方及びこのシンクタンクが今後どういうふうな効用を奏してくるのか、基本的な問題について大臣のほうから初めにお答え願いたいと思います。
#5
○国務大臣(小坂善太郎君) 最近、いままで考えられなかったようないろいろなむずかしい問題がたくさん出てまいりました。特に都市問題であるとか環境問題、資源問題、いずれもいままで重要だという指摘はもちろんあったわけでございますが、これほど深刻になってきたのは最近のことだと思うのでございますが、こういう問題を、また今後さらに社会的に経済的にむずかしく発展することも考えられるわけでございまして、これらの問題の解明にシステム的な手法を活用して、広範な専門分野の頭脳を結集した新しいタイプの研究開発機構が必要になるというふうに思っているわけでございまして、こういうシンクタンクというものをつくろうという考え方は、もうすでにかなり前から民間のいろんな研究機構として定着いたしておることは御承知のとおりであると存ずる次第でございます。
 政府といたしましても、そういう問題についてあるいは通産省、あるいは科学技術庁等におきまして、たとえば昭和四十四年に経済審議会が、情報化時代の技術戦略、経済社会発展へのシステムズアプローチと題する報告書を発表いたしました。あるいは昭和四十五年に通産省の産業構造審議会シンクタンク委員会が、産業政策科学センター及び科学技術庁のソフトサイエンス総合研究所の構想等を出しましたわけでございます。そこで昭和四十六年、七年度両年度におきまして、政府といたしましても、一億五千万円ずつ予算を組みましてこの問題に取り組んでまいりましたわけでございますが、昭和四十八年度にこれをひとつ具体化しようということで、総合研究開発機構という構想をまとめまして、三十億円の一般予算が計上されました次第でございます。私どもといたしまして、この法律案を御提案申し上げまして御審議をいただきたく存じておる次第でございます。
 従来の経過を申し上げますと大体そんなことでございます。
#6
○峯山昭範君 大臣のおっしゃることはよくわかるわけであります。
 そこで先日、参考人においでいただきまして、いわゆるシンクタンクのあるべき姿ということについてお考えが、それぞれ何項目かにわたってお話がございました。大臣は、いわゆる今回の法案をシンクタンク法案とすれば、シンクタンクというのは一体どういうぐあいにあるべきなのか。そのあるべき姿ということについては大臣はどうお考えですか。
#7
○国務大臣(小坂善太郎君) これはやはり研究開発の方向といたしまして、今後の問題でございますいわゆる未来性指向型とでも申しますか、今後の問題を取り上げるという形が一つあると思います。
 それからどういう問題についてかということでございますが、やはり広範な分野にわたる専門家を結集して、プロジェクトごとにインターディシプリナリーな研究開発体制を持つということが必要であると存じます。さらに研究成果の中立性、独立性の確保について、それができますような組織、運営形態をとるということが必要だと存ずる次第でございます。
 なお、私どもはこういう機関が自主的な立場から、国民経済的に見て国民生活に密着し、福祉の増進に役立つことができるようにするのがよかろうと、こう思っておりましたのでございますが、衆議院の御審議の段階におきまして、さらにこれを具体的に明瞭にしたほうがいいということで、平和の理念に基づいて、しかも民主的な運営のもとに、さらに、研究成果を公開するという三つの点を御修正いただきましたので、これはもちろん私どものほうの考えとも一致することでございますので、つつしんでこの御修正をいただきました次第でございます。
#8
○峯山昭範君 大臣、もう少し私詳しくお伺いしたいんですけれども、要するに、シンクタンクというのはこういうようなものだという概念がわれわれの頭の中にはっきりしないわけです。いま大臣が御答弁になっていらっしゃることは、衆議院の質問段階でも、議事録の中に載ってるわけです。要するに、私は参考人に対する質問のときにも申し上げたんですけれども、このシンクタンクというものが実際現実のわれわれの生活にどれだけ役に立つのか。あるいは、大臣が初めにおっしゃったように、現在の都市問題あるいは公害問題、環境問題等にどういうぐあいに役に立っていくのかということについて、われわれは具体的にやっぱり知りたいわけですね。そういう点からいきますと、いま大臣の話の中にはそういうような問題は出てこないわけです。要するに、大臣がいま四つおっしゃいましたけれども、今後の問題、いわゆる未来性の問題、この中に含まないということはないと私は思うんです。やはり現実にいま起きている問題にどう対処していくかということがあると思うのです。
 それから広範な範囲の、要するに学際性とか、だいぶお話しございましたけれども、そういうようなもの、それだけじゃ、確かにそれも現実の問題も含んでいると言えば含みますけれども、われわれ直接考えた場合にわからないわけですね。ですから、確かにあと三項目、四項目おっしゃった、いわゆる修正した問題、あるいは研究の中立、独自性の問題また自主性の問題、そういうような問題は私はよくわかりますけれども、やはりもっとわれわれの生活にどう関係してくるのか、どういうようなところはどういうぐあいになっていくのか、もう少しこれはわかりやすく、大臣の学問的な答弁じゃなくてけっこうです。いわゆるわれわれが、庶民がこういうふうな問題をこういうぐあいにして解決をしていくんだ、こういうぐあいになっていくんじゃないか、特にこういうような問題についてはこういうぐあいにおくれているからこういうぐあいに取り組んでいくべきじゃないか、これは今後きめられていく問題であろうけれども、もう少しわかりやすく一ぺん御答弁いただきたいと思うんです。
#9
○政府委員(宮崎仁君) 大筋はいま長官のおっしゃったとおりでございますが、さらに御質問でもございますので、私どもが、いまお話しがありましたように、四十六年、四十七年度通じまして検討してまいり、また、今回の法案をまとめるにあたってどういう問題を取り上げていくべきかということについて、やや試論的なやり方ではございますが、幾つかの課題を考えておりますので、ちょっと申し上げてみたいと思います。
 まず、一つの議論として出ておりますのは、石油と人間文明との関係というようなことが一つの問題として、当面の問題としても非常に重要ではないかということでございまして、これは環境問題、御承知の資源問題、さらに国内の産業構造の問題等に非常に広範に関係するわけでございますが、こういう問題についてどういうふうに取り組むかということを一つの課題として考えてはどうかというようなことが議論になっております。
 それから環境制御システムの開発と維持というようなことを一つの議題として掲げておりますが、公害問題ということで行政上非常にたくさんの施策がとられておるわけでありますが、いわゆる環境に関する制御システム、システム的に取り組んでいくという点ではまだまだおくれておるわけであります。こういった点についてひとつ科学技術という部面も含めまして、何か取り組んでいくべきではないかというようなことがございます。
 それからさらに、少し長期の問題になるかと思いますが、資源と成長との関係、これは資源の枯渇に関する判断の問題とか、あるいは技術進歩の可能性の問題でありますとか、土地とか水とかというような制約の問題、こういうことも含めまして、資源と成長というような問題を議論していってはどうかというようなこともございます。
 さらに経済問題としては、特に現在問題になっておりますインフレーションの問題。これは緊急対策は当然行政府が早急にとらなければならないわけでありますが、現代のインフレーションというものは先進国全体にこれは及んでおるわけでございまして、これに対する有効な対策ということは相当いろいろの分野の方々が知恵を出し合ってやらなければ解決できないだろう、こういうことも言われております。そういう面から少し腰を落ちつけて考えてみるということがあるのではないか。
 まあこのほか都市問題、特に都市の廃棄物の問題でありますとか、あるいは防災対策の問題でありますとか、そういう具体的なプロジェクトについての問題もございますし、さらに地域社会というものを形成していくための新しいシステム、こういうものをどういうふうに考えていくか。最近公害問題等もありまして、各種の電源立地その他いろいろの面で地域の住民と企業あるいは行政府との間でいろいろトラブルが起こっておりますが、これを解決する方法というものがなかなかうまく発見できておらないということもございます。そういった問題を取り上げてみてはどうかというような議論もございます。
 その他まだいろいろ余暇と教育とか、あるいは特に開発援助計画のためのエードのフレームワークというものをどういうふうに考えていくか。従来、若干われわれのやり方が営利本位であるということで非難を受けておるわけでございますが、この辺についての検討をもう少しやってみる必要があるだろう。こういったことで、具体的には十幾つの項目をいろいろ議論をいたしておるわけでありますが、機構の能力もございますから、これは全部取り上げるというわけにはまいらぬと思います。だんだんにやっていきたいと思っております。
#10
○峯山昭範君 いま局長がおっしゃる意味は私よくわかるのです。それは確かにいま局長がいろいろおっしゃった、たとえば石油と人間の問題、環境整備の問題等非常にこれは重要な問題であろうと思うのです。これからやっぱりそういうような意味で取り組んでいかなければいけない問題だと私は思うのです。
 それで、大臣が先ほどおっしゃった未来指向型という今後の問題ですね、やっぱり今後こういうような問題をどうしてもやって、解決していかなくてはいけない問題だと私は思うのです。私が言うのは、何でこんなことを言うかというと、大臣に――私は初めから局長にお伺いするつもりは全然ありませんでして、局長の答弁は大体衆議院で、全部書いてありますからね。大体同じことを言っておるわけです。ですからこの間、参考人の東大の渡辺先生がおっしゃった中にも、やっぱり緊急でありかつ実際的であるもの、あるいはまあもっと具体的なもの、これに対してどうしてもわれわれは取り組まないといけないという、シンクタンクの定義の中の一つの中にそういうお話がありました。これは私は確かに重要な問題であろうと思うのです。
 大臣、これはシンクタンクの法案は別にしてもけっこうです。現在われわれの生活の面で、確かにいろいろな面で重要な問題が幾つかあると思うのです。大臣はいまわれわれの国民生活にとって――まあそれはいろいろな考え方があろうと思うのです。これは当然あってしかるべきだと私は思うのです。したがって、そういうような意味から考えて、ほんとうにいま緊急な課題というのはどういうようなものなのか。大学の先生がおっしゃった緊急でありかつ実際的であり、かつ具体的でなくちゃいけない、われわれ政治家としては特に取り組まなくちゃいけないものというものは幾つかあると思うのですが、大臣は、そういう問題についていま現在実際にどういうものが大事だとお考えですか。
#11
○国務大臣(小坂善太郎君) 私が未来指向型と申し上げた点は、ただいま峯山委員御指摘の点も実は含めておるつもりで申し上げておるのでございまして、今日非常に緊急な問題がある。しかもこれの解決は将来にわたって非常に重要である、そういうような意味を含めて申し上げているつもりでございますが、私のことばが足りませんことはおわびしたいと思います。
 そこで、ただいまの御指摘で、私はやはり一番問題は、具体的に言うと公害の問題ではないかというふうに思うわけでございます。人間が科学技術の進歩によって自然を征服したというような一つの思い上がりもございましたわけでございますが、これが非常に環境の問題としてはね返ってきている。人間の技術とかあるいは自然に対する態度というものは一体どこまでが限界であるのかというようなことも、あらためて考えさせられるようなことが最近幾つか起きておると思うのでございます。私どもそういうことをとらえまして、どうしたら人間がほんとうにしあわせにできるか。これは世界全体の問題でございましょうけれども、やはり日本人としては日本の環境、自然、そして日本の人口、そういうものを全部総合して、どこをどういうふうにしたら日本の国民がしあわせになれるかということを考えていかなければならぬというふうに思うのでございます。
 もうずばり申し上げまして、私は環境汚染の問題、それから資源の問題、これがいま私どもの直面している最も考えねばならない重大問題であるというふうに存じております次第でございます。
 それからなお、ちょっとついでに申し上げますと、実はローマクラブが紀元二千年の問題というのを提起しておりまして、人口の問題と資源の問題の関係を述べまして、相当に警告的な議論を展開していることは、峯山委員もよく御承知のところであると存じます。そういう今後を見通して、やはり今日の時点に立ってわれわれは深刻に問題を掘り下げて考えていかなければならぬ、かように存じております次第でございます。
#12
○峯山昭範君 まあ、確かにシンクタンクというのは二つの面があると思うのです。やっぱり現実の、いま大臣おっしゃいましたように、公害、資源、これは人口問題も将来にわたって重要な問題でありますけれども、確かに現在の問題と将来の問題両方合わせて、特にこういうような重要な問題についてほんとうに真剣に考えてほしいと、私たちの要望として申し上げておきたいと思います。
 そこで、多少具体的な問題に入りますが、初めに、現在民間で幾つかのいわゆるシンクタンクと言われるような機関があるわけでありますが、これらのシンクタンクのかかえているところの問題でございますね、どういうふうな問題がいまこういうふうなシンクタンクで――私はそのシンクタンクの経営とか基金とかあるいは研究テーマとか、そういうようなものは別にしまして、いわゆるこういうふうなシンクタンクがかかえている問題ですね、運用面等いろいろな問題があると思うのですが、今度国として総合研究開発機構をつくるようになったいきさつというのも、やっぱりそういうところに幾つかの問題点をかかえておると私は思うのですけれども、現在日本にあるところのこういうふうなシンクタンクのかかえている問題点というのはどういうような点が問題になっているのか、この点をお伺いしたいと思います。
#13
○政府委員(宮崎仁君) わが国に大体二十くらいの民間シンクタンクがあることは御承知のとおりでございますが、これは成立の経緯もそれぞれ違いますので、かかえておる問題も若干違うかと思いますが、総じて言えますことは、やはり成立後日も浅いということもございまして、まず経営的になかなか独立がしがたいといいますか、採算がとれる段階までいかないというような点が多いようでございます。したがいまして、本来のシンクタンクとしての研究開発というような問題以外に計算事務のような、いわばルーチンワークを一緒にやりまして、そして全体としての採算をとっておると、こういうような状況がございます。
 それからもう一つ大きな問題としては、やはりこういうことにかかわってやってまいります研究者、特にプロジェクトリーダーというような方々についてわが国の場合はまだ非常に不足をいたしております。そういうことから、こういう部面に当たれる人の養成といいますか、そういうことが非常に望まれておる、こういうことが特色として言えるかと思います。
 現実に取り組んでおられる問題は、これはこの研究開発機構で取り上げておるようなかなり広範な問題もございますし、それから、一つの企業の経営にかかわるような比較的特定されたような問題もございますが、大体委託研究ということを主体にいたしておりますので、それぞれ委託先の意向によって課題が選ばれておるというような形で運営されておるように承知をいたしております。
 たとえば、一番大きいと言われます三菱総合研究所の場合でありますと、内外の経済情勢、経営問題等に関する調査分析の問題でありますとか、あるいはコンサルティング、それから社会開発に関する研究というようなことが言われておりますが、現実には十幾つの課題がとられておるようであります。このほかに先ほど申しました研修とか計算サービス、ゼミナールの開催というようなことが行なわれているというような、これは一例でございますが、まあほかの問題、シンクタンクについてもそれぞれ特色はございますけれども、どちらかといいますと、比較的特定された課題について成果を出していくと、こういうことが当面中心になっておるように承知をいたしております。
#14
○峯山昭範君 それでは次に、実際問題このシンクタンクができた場合に、この趣旨説明あるいは第一条の目的の中に、総合研究開発機構は一体何をするのかというのは具体的にうたってありますけれども、これはこの間の参考人に対する質問の中でもちょっと出てきた問題でございますけれども、実際問題としてとりあえずどういうことから始めるのか。ここのところをちょっとお伺いしておきたいと思います。特にこれは「総合的な研究開発の実施及び助成」というのがありますね。実施ということは自分のところでやっぱり実施をするわけですから、そこら辺の問題もあると思うんですが、「実施及び助成、総合的な研究開発に関する情報の収集、整理及び提供」、こういうことになっておりますけれども、実際問題として具体的にどういうことから始めて、それで何年ぐらいで完ぺきないわゆる体制になるのか、そこら辺のシステムといいますか、そういうふうなものを一ぺんちょっとお伺いしておきたいと思います。
#15
○政府委員(宮崎仁君) 機構の果たすべき業務は第二十三条に規定してあるとおりでございます。第一条にもその趣意は書いてございますけれども、当面のやはり問題としては、研究開発に関する実施及び助成、つまり民間の研究機関あるいはシンクタンク等との協力あるいは助成によりまして実施していくということがまず最初に行なわれると思います。さらに情報の収集、整理、提供あるいは研究者、企画調整に当たる者の養成というようなこともできるだけ早く始めたい、こう思っております。第四号に規定する研究開発にかかわる施設の建設、提供でありますが、これは若干将来のことになると、こう考えております。それから研究開発に関する研究機関との提携、交流、これも発足早々からやっていきたい、こう考えております。
 大体そんなことでございまして、機構の構想は三ないし五年の間に三百億の基金を持つということを考えておりますので、その辺を一つの段落として、ただいま申し上げましたような業務が全部やれるようにしたい。第四号の施設の提供ということをやります場合には、さらにもう少し資金的な面等も考えてやっていかなければならない、こう思っております。
#16
○峯山昭範君 それでは、少しこまかいことに入って質問していきたいと思いますが、衆議院の附帯決議の中でも出てまいりましたけれども、資金の問題ですが、基金の出資の問題ですね。この問題について、附帯決議の第一項ですかに、「機構に対する民間出資者が特定の企業、団体にかたよることのないよう指導するとともに、機構の役員及び研究評議員の」あとのほうはいいんですが、前段の問題についてお伺いしたいんですが、これは要するに、一つは政府及び民間が半々にしたという意味ですね。これはどういう意味なのか、これがまず第一点。
 それから第二点は、基金の出資についてはどういうようなところから集めるという予定をしているのか。それから、初め三十億ということは聞いておりますが、あと最終的には三百億ということを議事録の中にもございましたけれども、いわゆる三百億に至る年次計画といいますか、そういうふうな計画については具体的にどうお考えなのか。
 それから三番目に軍需産業の問題が出てまいりますが、これは非常に重要な問題でありますが、そういうところからの出資ということについては何かチェックするのか、そこら辺のところはどうなっているのか、こういう点、三点あわせてお伺いしたいと思います。
#17
○政府委員(宮崎仁君) まず資金の構成でございますが、これについてはいろいろ関係各省、特に財務当局とも議論したわけでございますが、この機構の性格が、民間が主導するいわゆる認可法人であるということから見まして、政府が過半を占めるということではやはり非常に自由の束縛というようなことになるんではなかろうかと、こういうことから、原則でございますが大体民間と政府が一対一の出資、民間の場合は一部寄付金になるかもしれませんけれども、資金構成はそういうことでいこうということにしたわけでございます。
 それから第二の点でございますが、先ほど申しましたように、当面三百億という構想を持っておりますが、そういたしますと、政府は百五十億程度ということになります。これが大体予算的には三ないし五年、ことしが三十億でございますから、同額にして五年でございますけれども、もう少し早くやりたいと思っております。この場合に民間をどういうところから集めるかということでございますが、これは、こういった非常に広範に国民生活あるいは経済社会全般にかかわる問題を取り扱うわけでございますから、できるだけ広くこの資金等も集めたい、こう思っております。しかし、現実問題といたしますと、こういった出資に応じて資金を出していただくような余裕というものがどうしてもある程度企業というようなものに限られて――限られることはないと思いますが、そういうものが中心になってくるということは考えなければなりません。したがって、その場合においてもこの機構の性格というものを十分御理解願いまして、特定の企業グループとか特定の産業とか、そういうことにかかわらないように、また、直接金を出したからすぐ成果を期待するというようなやり方、そういう考え方ではなく、こういう一国全体にかかわる重要問題に対して、少し長い目で、また企業の社会的な責任と申しますか、重要性というようなことも十分お考え願って御協力をいただく、こういうことでやってまいりたいと思います。
 第三点の軍事産業ということでございますが、この機構の目的にも申し上げておりますように、防衛というようなことはこの機構では取り上げないということにいたしておりますから、したがって、軍事産業というような部面から金を出すメリットは全くないわけでございますが、しかし、先ほど申しましたように、私どもはこういう機構の目的を御理解願って、そうして広い視野に立って出資をしていただけるということであれば、特にこういうものはいかぬというような制約をつけるつもりはいまのところございません。これは発起人になる方々が実際にお考えになり、定款でおきめになることでございますけれども、私どもとしてはいまそう考えておる次第でございます。
#18
○峯山昭範君 そうしますと、いまの三番目の問題については、やはり多少危惧の念も残るわけでありますけれども、この点はあとでちょっともう少しほかの点からも議論をしたいと思いますが、実際問題として、それじゃ集めた基金ですね、これを運用してその運用利益を事業費に充てるということでございますね。そうしますと、この法案の中には、資金の運用方法については特別規定がないようでありますけれども、この運用についてはどういうぐあいに考えておられるのか、この点どうですか。
#19
○政府委員(宮崎仁君) こういった機構をつくりますときに、資金の運用については、この使途を制限する規定を入れるのが通常でございます。そういった場合には、前例もございますけれども、国債あるいは社債、特定の社債でございますが、そういったものであるとか、具体的には前例もございますが、五つか六つにたしかこれは制限されておったと思います。ただ、今度の場合には、そういった制限を特に設けることも必要ではないんではないかということで、規定としてはしかなかったわけでございますが、やはり現実の運用としては、信託でありますとかあるいは社債、公債というようなもの、できるだけ有利に、しかし、これは確実でなければなりませんから、そういうことを考えながら運用するように当然きめてまいるということになると思います。
#20
○峯山昭範君 局長、どうも局長のおっしゃる意味はよくわかるわけです。現実にそういうような資金を運用する場合に、安全確実で……、みんなそう思っておるわけです。問題が起きてからあわてて、これは安全確実でなかったというのでもめるわけですけれどもね。それで実際問題、これは私はもうちょっとお伺いしておきたいんですけれども、この運用については、これはどこでやるわけですか。要するに、この職員がやるわけでしょう。あるいはまたはその資金の運用利益を生むための相談ですね、これはこの中の研究評議員の人たちがやるのか、あるいはこの中に二十何人とあります職員の人たちがやるのか、ここら辺のところ非常に重要な問題だと私は思うのですが、実際問題としてはどうなっているのか、そこら辺のところをまず第一点としてお伺いしておきたいと思います。
 それから、時間の関係がありますので続けて申し上げますけれども、たとえば三百億ということにして、年々の運用利益をどの程度と予想していらっしゃるのか、この点もちょっとお伺いしておきたいと思います。
 それから事業費というのは、あとほかの規定もありますけれども、これはあくまで運用利益額の範囲内でやるのかどうか、これはちょっと問題だと思いますので、この点もお伺いしておきたいと思います。
 それからもう一つは、この法案の中で借り入れ金の規定というのがございますが、これはどういう場合を予想してこういうふうな規定があるのか。
 それからもう一点、要するに、この機構の会計については、国の予算を使うわけでありますから、国の予算と言われるかどうかわかりませんが、とにかく国から半額は出費しているわけでありますから、当然会計検査院の検査の対象となると私は思うのでありますが、こういう点についてはどうお考えなのか、この点ちょっとお伺いしておきたいと思います。
#21
○政府委員(宮崎仁君) 第一点の運用方法でございますが、これは機構の事業の上で重要な問題でございますから、まず、定款においてこれを定めるということが法律上定めてございます。そこでただいま申しましたような大体の方向を定めまして、そして、現実には事業計画の中で運用の具体的な内容もきめていく、したがって、これは研究評議会において御審議を願い、御意見もいただくということになると思います。
 それから三百億円という構想を申し上げましたが、この場合の運用利益は一応六分五厘ぐらいで計算いたしまして、十九億五千万円ぐらい、約二十億程度と思っております。したがって、これを若干管理的な経費に使いますが、大部分は研究の実施及び助成に使っていくと、こういうことにしたいと思っております。
 それから第三の事業費でございますが、これはいま申しましたような基金の運用による益ということが中心でございますけれども、そのほかに政府各省あるいはその他の機関からの委託ということも一部考えたいと思いますので、そういうものを含めて事業費となると、こういうふうな形になると思います。
 それから第四の借り入れ金の規定でございますが、これは短期と長期とございますが、短期の借り入れ金は、これは運転資金のようなものについて必要が生じた場合にはできるということに考えておりますが、基金を持っているわけでありますから、現実問題としてはそういう必要はあまりないと思いますが、そういうことでございます。長期については、先ほど業務の第四号で申し上げました施設をつくるような場合に、これは必ずしも政府の予算によってやるということがいいかどうか問題でございますので、そういう場合には借り入れ金ということを考えてやっていくこともできるようにしておいたほうがいいのではないか、こういうことでこの規定を設けてある次第でございます。
 それから第五の会計検査院の問題でございますが、これは政府出資が大体半分ぐらいでございますから、会計検査院法によりまして会計検査の対象になります。かりにこれが半分以下になったという場合におきましても、検査院のほうで必要があると認めれば検査を受けなければならない、こういうことでございます。
#22
○峯山昭範君 次に、これは前々から何回も問題になっていることでありますけれども、これもちょっと私も一言発言してお伺いしておきたいんですが、中立性という問題なんですけれども、この問題については、やはり第一点は、政府から百五十億円という出資を受けている、とすれば、実際問題として中立性や独立性ということは確保できるかどうかということは重要な問題だと思うのです。政府出資の認可法人として完全に政府から独立あるいは中立の機関である、そういうぐあいに言いますけれども、現実にそうなるかどうかということは非常に重要な問題だと思うのですが、ここら辺の問題については、ほんとうにその中立性というのがあり得るのかどうか。たとえば、先日の参考人の意見の中では、にじの例を引いて説明がありました。確かに片寄った人がたくさん集まってくればやっぱり中立になってくるというふうな話がありましたけれども、それだけで実際納得できるというところまでいかないわけですね。そういう点についてやはりどうお考えか、まず第一点。
 それからもう一つは自主性という問題ですが、これは第二十五条の中に、自主性の尊重ということについてうたってありますけれども、この自主性というのはやはりいろんな面に及ぶと私は思うんですが、この機構の自主性あるいは研究者の自主性、評議員の自主性ですね、あるいは研究そのものの自主性あるいは機構の運営そのものの自主性と、こういろいろあると思うんですが、こういうような問題についてはいずれにもかかっての自主性なのかどうか、この点第二点としてお伺いしておきたいと思います。
 それから第三点として、自主性、中立性の問題として特に二十七条、二十八条で、内閣総理大臣の認可の規定があるわけですが、その次に三十九条、これは第一項の協議の規定ですか、のところの、総理大臣は大蔵大臣と協議しなきゃならぬというところ、あるいは同第二項の「関係行政機関の長に協議しなければならない。」こういうようにありますが、こういうようなことでほんとうに自主性あるいは中立性ということを保つことができるのかどうか、この点第三点としてお伺いしておきたいと思います。
 さらに中立性、独立性の問題とからんで第四番目にテーマの問題があると思うんですが、テーマを決定する場合に、これは要するに研究評議会できめるにしましても、ここにきめられているように各省庁の長が出ていったり、あるいはこれは衆議院における答弁の中にあるわけでありますが、研究評議会でテーマについては決定されるたてまえになっているわけですね。しかしながら、局長の答弁の中に、そのテーマ決定のために各省の関係者が出てきて協議会をつくると、そういうふうな答弁が現実にあるわけです。そうしますと、実際問題、自主性、中立性の保障というのは、たとえばテーマ一つ決定するについても非常にむずかしい問題が出てくるんじゃないか、この点は非常に問題もありますので、明確にしておきたいと思います。
 それから続けて質問をしますが、これは自主性や中立性の問題とは別の問題でありますが、研究員の問題です。これは先ほど御答弁の中で、総合的な研究開発の実施及び助成というところで、要するに、実際に実施をする場合にはこの研究開発機構としては研究員を直接持たないで、いわゆるプロジェクトチームを組んで研究をすると、そういうふうな意味の答弁がございます。そうしますと、プロジェクトチームを組むのでありますから、いわゆる研究員を集めるわけです。集めるということはいろんなところから集めるわけでありますが、二十幾つある現在の民間のシンクタンクといわれるようなところからも集めるということが出てくると私は思うんですね。
 私は先日の参考人に対する質問の中で、三菱総合研究所の方に質問したのでありますが、たとえばその研究所からその総合研究開発機構に来ている、その場合に、要するに研究の成果というのがあります。その研究の成果は結論が出るまでに、すでにその人はたとえば研究が終わりますとそれぞれの研究所へ引き上げますね。そうしますと、総合研究開発機構が発表する前に、その内容等についてはすでにもう一つの民間の総合研究開発機構、いわゆる民間のシンクタンクではそれを全部知り得ると、この点についてはほんとうに中立性なり独立性あるいは片寄ったあれにならないかと、こういうぐあいに質問しましたら、この法案の中に公開の原則をうたっておるからだいじょうぶだとさんざん言っていたけれども、その公開の原則というのはあとで附帯決議でつけたんでありまして、あとで附帯決議をつけたことを初めから法案の中に入っていたみたいな感じであの人は答弁をしていました。ほんとうはそうじゃないわけですね。そういう点から考えても、こういうふうな問題は非常に私は重要な問題だと思いますが、こういう点についてはどうお考えか、以上お伺いしたいと思います。
#23
○政府委員(宮崎仁君) まず最初の中立性の問題でございますが、この第一条の目的から見てもわかりますように、問題が国民生活にかかわる問題あるいは現代の経済社会にかかわる問題というようなことでございますので、こういうことに関していわゆる政治的な、あるいはイデオロギー的な問題として対立があるというような面は私は少ないのではないか、こう考えております。しかし、これは皆無であるかどうかということになると、それはそうではないかもしれません。したがって、この機構の運営にあたりまして、役員となる会長、理事長というような方々が、あるいは非常にそういう意味では広範に支持が得られるようなりっぱな公正な方になっていただく、そして機構の運営を指導していただくということが大事だと思います。
 それから、この研究評議会というものも機構の現実の事業計画、予算あるいは研究の調整の方針等について御審議をいただくわけでございまして、この部面にもそういった意味で各方面から広く権威のある方々に御参加を願いまして、御指導を願うということがやはり必要であり、またそういうことを考える、こういうことでございます。そういうことによりまして中立性ということを確保していきたいと思いますが、さらに研究そのものにつきましても、これは渡辺参考人からお話しもございましたように、各方面のいろいろな考え方を持っておる方をプロジェクトチームに入れていくということによって、言ってみれば中立的な形に持っていくと、こういうお考えでございましたが、確かに傾聴すべき御意見であったというふうに私ども拝聴いたしておりました。
 それから自主性につきましては、この法律上も特に配慮してございまして、第一条、第二十五条に規定してあるとおりでございまして、政府各省関係あたりで問題があるということもございますけれども、やはりこの法律に規定されているような面で明示してあるわけでございますから、これはそういった面での運用をはかっていきたい、またできるであろう、こう考えております。
 それから、そういうものと関連いたしまして法二十七条、二十八条、この予算、事業計画等の認可の問題でございますが、これは政府が出資して認可した法人である以上、やはり内閣総理大臣がそういった事業計画等について認可をするという規定は必要であると思っておる次第でございます。ということは、この機構の性格から見まして、逸脱をするようなことは万あるまいと思いますけれども、やはりそういうことに関する政府の監督という面が担保されておることは必要でございます。そういう意味で規定が設けられておるわけでございまして、この運用によりましては行き過ぎがないようにしていくということにするわけでございます。
 三十九条の関係各省との協議の点もそういうことでございまして、これにつきましては各省の特にそれぞれのエゴが出てくるというようなことになっては非常にまずいわけでございますので、前にも答弁をいたしましたが、次官会議の法案決定の際の申し合わせによりまして、関係各省の協議会のようなものをつくりまして、そしてこの機構にかかわる問題については十分協議をして各省それぞれでばらばらなことをやらないように円滑にやっていきたい、こういうことを申し合わせてございます。この協議会が研究評議会あたりにとってかわって、機構についてのいろいろな重要方針をみんな決定してしまうというようなことはないわけでございまして、これはやはりこの認可法人として独立のものでございますし、また研究評議会を通してきめたものについては、法律の命ずるところによってその自主性を尊重するという立場でございますから、そういう運用をしたいと思っております。ちょっと第二について答弁を少し漏らしまして恐縮でございましたが、この自主性、中立性という問題は、研究者の研究テーマの設定から研究業務のやり方、いろいろの面について全般にかかるものであるということでございます。
 それから第五の研究員についての問題でございますが、確かにプロジェクトチームには民間のシンクタンクの方も参加をしていただくことも十分考えられると思います。そういった場合に、その成果をどういうふうに考えていくかということでございますが、いわゆる民間シンクタンクの場合は、こういった研究による成果というものが、いわばノーハウという形で一つの財産になるわけでございます。そういう意味で、それを保持しておくということが重要でございますが、この機構の場合には、第一条の目的から見ましても、国民全体にかかわる公共的な分野の問題でございますから、最初からこれは当然広く各方面に御利用願うということを考えておったわけでございます。が、さらにその点を明確にすべきではないかという御指摘もございまして、衆議院において成果の公開ということが修正をいたされておりますけれども、考え方は、初めからそういった方向で運営してまいりたいと思っておった次第でございます。
 民間の研究者の方が参加された場合に、解散をいたしますと、その成果を自分の頭に入れて持って帰ってしまうということは、これはまあどうしても免れがたいことでございます。したがいまして、その場合にこの研究報告の文書等を渡すかどうかということが一つの問題になるかと思いますが、そういった点については、これからこの機構ができまして運営をやってまいります際に、さらに自主的におきめを願ったらどうだろう、私どもとしては、この大筋としては成果の公開をするわけでございますから、そういった点についてあまりやかましいことは言わないほうがいいのではないかと考えておりますけれども、その辺は実際に機構ができてからおきめを願ったらどうかと考えておる次第でございます。
#24
○峯山昭範君 もう私、これで終わりますけれども、大臣、実際問題として、ただいまのあまりやかましく言わないという局長答弁がございましたけれども、この間来た二人の参考人の中の一人の方は、やっぱりそういう点に多少問題があるというようなことはおっしゃっておられました。そういう点から考えても実際問題として、公開ということになりますと、その研究の成果というのは公開でなければ頭の中に持って帰るということがありますし、公開ということになると書類で持って帰るということも考えられると、こういう答弁が実はありました。そういう点から考えますと、私非常に重要な問題だと思いますので、こういう点も、それがたとえば普通の何でもない民間企業の場合にはそう問題にならないと私思うんですね。しかしながら、われわれが見て一般に、まあある一部の人かもわかりませんけれども、われわれが見てその企業なりまたその人の出身のところが防衛の産業であったり、あるいはそういうような点であった場合には非常にそういう誤解を招くようなこともあるわけですね。そういう点について私は十分注意していかなくちゃいけないんじゃないかと思うんですが、この点を大臣にお答え願いたい。
 それから局長にもう一点お聞きしておきたいのは、発起人の選び方ですね。これは要するに、今後これを運営していく場合において非常に重要な問題だと思うんですが、これは一体どういうぐあいになっているのか。この点もちょっとお伺いして私の質問は終わりたいと思います。
#25
○国務大臣(小坂善太郎君) ただいまの御指摘の点は、非常に重要な問題であると私も考えます。中立性、自主性、あるいは官庁との関係、テーマの選び方、あるいは公開等の関連で研究成果をどう扱うかというようなことはまさに御指摘のような点がございます。私どもとしては、御答弁申し上げておるようにこれは守れると申し上げているわけでございますけれども、まあこれはやってみなければわからぬじゃないかという点もございますわけだと思います。正直に申しましてそういうことじゃないかと思います。そこでわれわれとしては、これは組織法でございますので、こういう附則の改正はまあできるだけかんべんしていただきたいということを申し上げたんでございますが、さような趣旨に基づきまして衆議院において附則の第四条が挿入されまして、内外の事情の推移に応じ、その運営の実態を調べて、そして政府は必要な措置をとるんだと、こういうことになりましたわけで、ただいまの問題は、私どもは御趣旨の点を十分理解いたします。そのようにいたすつもりでございますけれども、もしこれにたがうようなことがあれば、こういう規定もございますので、中立性、自主性その他の点は大いにくふうしてまいりたいと考えておる次第でございます。
 それから発起人の選び方でございますが、これはこのシンクタンクの性格から見まして、やはり広範な層において、こういう人たちがやるのかということが一般に納得されるようなそれにふさわしい人材にお願いしたいというふうに思います。
 それからもう一つは、資金の出資をしていただかなければなりませんので、これは特定の層、いわばギブ・アンド・テイクを期待するというようなそういうようなものは避けなければならぬと思いますが、やはり資金が集まるような発起人にもお願いしなければならぬというふうにも考えておる次第でございます。
#26
○委員長(佐田一郎君) 本案に対する午前の質疑はこの程度といたします。
    ―――――――――――――
#27
○委員長(佐田一郎君) この際、連合審査会に関する件についておはかりいたします。
 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案について、運輸委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○委員長(佐田一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#29
○委員長(佐田一郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時六分開会
#30
○委員長(佐田一郎君) ただいまから商工委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、林田悠紀夫君が委員を辞任され、その補欠として玉置猛夫君が選任されました。
    ―――――――――――――
#31
○委員長(佐田一郎君) 午前に引き続き総合研究開発機構法案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#32
○藤井恒男君 多くの方から各方面にわたる質問がありましたので、なるべく重複を避けて簡潔に質問いたしたいと思うわけです。
 最初に大臣にお伺いするんですが、ざっくばらんに申し上げて、シンクタンクというものが、現在の技術の進歩、それから現在における社会のメカニズムから見て必要であるということはよく承知しておるわけでありますが、今度のように機構をおよそ組織法という形において立法化するということ自体、私は非常に無理があるというふうに思うわけなんです。したがって、衆議院段階を通じて、また本院においてもあらゆる角度からの質問があるわけだけれども、なかなか質問も的を射ることにならぬし、答弁もそれにつれてもう一つ歯切れがよくない。私の考えだけれども、シンクタンクというものが必要であるということはよくわかるし、このシンクタンクという、この各質問にぴしっとお答えができるようであれば、またシンクタンク法というこのような法律を立法化する必要もないわけなんで、要はこれからだというのが本音じゃなかろうかと私は思うんです。したがって、答弁なさる側も非常に持って回ったようなことになりかねない。
 参考人からもいろいろお話し聞きまして、およそシンクタンクというものは、全く独立的で自主的なものでなければならない。したがって、自由な立場で研究がなされ、しかも全くどこにも拘束されずに、イエス、ノー、ゴーストップが言えるものでなきゃいかぬのだと、でなきゃシンクタンクというものじゃないのだというふうに言われておって、まさにそのとおりだと思うんです。だから、企業などで持っておりますべーシックな研究機関なども、ともすれば企業利益ということをあまり目的意識にさせずに、自由な立場で一つ研究してみろと、幾つか鉄砲撃っておる間に金の卵を生むこともあるだろうということで研究投資をしておるというのが、現在の大きな企業のベーシックな研究所のあり方だと、そういうことを考えてみますと、最初に戻るわけだけれども、まあ立法ということはちょっと私は無理じゃなかったんだろうか、あせり過ぎじゃないだろうかというような気がするんで、まさか大臣から、いや全くそのとおりですということはなかなか言えないだろうけれども、その辺のところをひとつざっくばらんにお話しいただきたいと存じます。
#33
○国務大臣(小坂善太郎君) ざっくばらんに申し上げまして、藤井委員の御指摘の点は、もう非常に当たっておるというところが多いと存じますわけでございまして、まあほんとうに自由に、しかもとらわれざる気持ちで研究をするのでございましたら、一体、法律のワクでたがをはめることもおかしいじゃないかという御指摘はあると思うんでございます。ただ、こういう研究機関が非常に必要であるということで、それにはまた非常に大きな資金が要るということで、その資金はやはり格がございませんとなかなか集まってこないし、それからもうすでに民間のいろいろな機関でこういうシンクタンクを持っておりますわけでございますので、本邦唯一の機関ということでつくります場合には、どうしても政府が予算的な支出をしまして、そのもとに集まれというような形がまず最初には必要なんじゃなかろうかというふうに思うわけでございます。そうすると、政府が大口の出資をいたします。ここでは当初三十億、三年ないし五年に百五十億政府が出すという予定でおりますので、それだけの金を出すと、やっぱり法律をつくりまして組織法のワク組みの中で監督も必要になろうし、また運営の方法もいろいろ政府として力をかす必要があるんじゃなかろうかということから、この法律案になっておりますわけなんでございます。御指摘の点は私も非常によく理解できまして、おまえの答弁まことに歯切れが悪いとおっしゃられれば、全く私もそう思っているんでございますが、どうぞさような点でひとつ御了承願いたいと思います。
#34
○藤井恒男君 そういった意味だから、なかなかこれ質疑がやりにくくなるわけで、なおかつ、そうは言うものの多額の投資をしてつくり出すシンクタンクであれば、その自由な立場というものをますます必要にする心がまえが大切だろうし、そういったシステムが必要だろうと思いますので、後ほどまたその点に触れてお伺いしたいと思うわけです。
 本法の第一条に、「総合的な研究開発」、それに定義がなされておるわけですが、「基礎的、応用的及び開発的な調査研究」ということばが使われておるわけですが、なかなかこれは私明確じゃないというふうに思うわけなんです。この「総合的な研究開発」というものをどれぐらいのレベルまで行なっていくのか。この第一条が、これが本法のすべてだと私は思うわけなんだけれども、その辺のところがもう一つ明確じゃないので、最初に御説明いただきたいと思います。
#35
○政府委員(宮崎仁君) 確かに、いまさきにも長官の御答弁にございましたが、シンクタンクというわが国ではいままで全然なかった形式のものをつくろうというわけでございますので、法律の条文等の表現につきましても非常に苦労をいたしました。まあ考え方は毎度申し上げておるようなことで、非常に広い分野のことを取り組んでいこうということでございましたが、それを一体法律上どう書くのかということで、法制局ともいろいろ御議論をいたしました結果、ここにありますような「総合的な研究開発」ということで表現していただくということになったわけであります。特に御説明もいたしておりますようにインターディシプリナリーな研究をやるということが非常な特色でありますし、またその内容は基礎的な部面から応用的な面、あるいは開発的な部面まで非常に広く含めるのであるということから見まして、こういうような定義にいたしたわけでございます。
 当面の問題としてこの機構がどの程度までやれるかということになると、特に実施に近いような問題になりますと、ちょっとこういう形では無理であろうかと思っておりますが、応用部面まではひとつやっていきたいと思っておる次第でございます。
#36
○藤井恒男君 まあレベルで応用部面までという御答弁でございますが、この領域ですね、いまレベルの問題ですが、このつくられる機構は、「現代の経済社会及び国民生活の諸問題」を取り扱うということになっておるのだけれども、領域ということになると、たとえば政治行政の領域がおる、社会開発の領域がある、また国民生活の領域がある。いろいろ領域があるんだけれども、まず最初に、この機構としては何を取り組まそうとしておるのか。その辺のところをお聞かせいただきたいと思います。このことは参考人の東大の渡辺先生のおっしゃったことで、緊急的かつ実際的な問題を取り上げなければならないというお話があったわけです。そういったお話がありましたので、この辺のところを聞いておきたいと思います。
#37
○政府委員(宮崎仁君) この第一条にも書いてございますように、現代の経済社会の諸問題ということで言われておる問題というのは、最近のOECDのクリステンセン報告、あるいは昨年のスウェーデンの人間環境会議でございますか、ああいうところにおける問題でありますとか、そういうことでいろいろの課題が出されております。わが国でも最近、外務省のほうの調査団で平田敬一郎さんの報告など出ておりますが、そういったものを見てまいりますと、たとえば環境問題あるいは科学技術、特にテクノロジーアセスメントと言われるようなことにかかわる問題であるとか、それから社会的ないろいろの問題、特に国民意識の変化との対応とかそういった問題がございますし、さらに経済問題としてはインフレの問題、あるいは資源の問題、いろいろの問題がございます。こういった各種の問題と取り組んでいくためには、従来のような一つの専門分野だけではできないということがわかっておるわけでございまして、したがって、こういうシンクタンクのような機構でやらなければならないということになっておるわけでございます。具体的には午前中にも石油の問題その他申し上げましたが、大体先進社会の諸問題として言われておるような問題が、いずれもこういった形でのアプローチを求めておるということが言われると思います。そういう意味では非常に範囲は広くなるわけでございまして、第一条でもしたがって、「現代の経済社会及び国民生活の諸問題の解明」と、何でもできるようになっておるわけでございますが、私どもとしてはやはり当面非常に重要視され、緊急かつ具体的というお話がございましたが、そういった問題について重点を置いてやっていくという心がまえは当然持たなければならないと思います。
 なお、御説明申し上げておりますように、たとえば防衛とかあるいは治安というような問題はちょっとやはり範囲が違うであろうということから、この機構の目的には含めないということで、関係省から除いたというかっこうになっております。
#38
○藤井恒男君 二十四条で、機構は、業務の開始前に、業務方法書を作成し、内閣総理大臣の認可を受けるものとなっておりますね。この業務の開始前に業務方法書を作成する、この業務方法書というものはどういう仕組みになるんですか。
#39
○政府委員(宮崎仁君) 大体こういった形の機構では、業務方法書という形で内閣総理大臣の認可というようなことになるわけでございますが、今回の場合は、この前に発起人会がつくられ、そうして定款が設けられまして、そこで機構の行なうべき重要な問題は大体この定款できめられてまいるわけでございます。で、業務方法書に書かれる内容といいますのは、やはり定款できめられたような問題につきまして、具体的にこれを書いておくということになるであろうと思います。そうしてこの業務方法書に基づきまして、毎年度の事業計画というのがつくられる。その中心をなすものはいわゆる業務でございますから、第二十三条に書いてあるような業務、この業務について業務方法書で規定をする、こういう形になると、こう思っております。
#40
○藤井恒男君 ということは、この機構がそれぞれのプロジェクトを組むにあたって方法書を書くということなんでしょう。いまの御答弁だと、むしろ定款に類似するというようなニュアンスが強いわけだけれども、定款というのは機構それ自体のいわゆる定款であって、年次ごとあるいは四半期ごとでもいいけれども、プロジェクトを組むにあたってその方法書を出すということじゃないんですか。
#41
○政府委員(宮崎仁君) 定款は、これは設立の際に機構の全体のワク組みと内容をつくるわけでございますから、これはそうしょっちゅう変わるようなものではございませんので、大体機構が続く限りこれに基づいてやっていくと、若干変更はあり得るかもしれませんが、そういうものだと思います。業務方法書も、これに基づきまして業務についてのやり方、範囲、それからその手続等について一般的方針を定めるわけでございまして、これはやはり毎年度変えるということではなく、大体一ぺんつくりますと、それに基づいてやっていくと、こういうものだと思います。ただ、機構の発達によりまして、発展によりまして、業務方法書の変更という形で内容はさらに充実をしていくということは、当然これは考えられます。
#42
○藤井恒男君 そうすると、業務方法書というのは研究のレベル、そして研究の領域を概括的に記載しておくというふうに解釈していいわけですね。そうしますと、先ほどもちょっとお触れになりましたが、この機構が取り上げるにあたっては不適当な部門もある。たとえば防衛であるとか治安であるとかいうものがそうだというお話でしたが、この不適当と思われる領域というものは、定款なり、いまおっしゃった業務方法書なりに歯どめとして記載されていくものかどうか、そういうお考えがあるのかどうかお聞きしたいと思います。
#43
○政府委員(宮崎仁君) まず第一の点でございますが、業務方法書は、先ほど申しましたように、相当長期にわたってこれが働くわけでございますので、研究の内容となるべきような課題についての詳細な規定をここへ書くということはないと思います。そういうものは事業計画、予算というかっこうでやっていきたいということで御理解を願っておいたほうがいいと思います。
 それから第二の御質問の点でございますが、これは第一条の目的から当然そういうことははっきりしておるとわれわれは考えておるわけでございますが、なお定款の書き方等において、そういった点も御意見の点は十分尊重いたしまして、そういうことが明確にできるものであればこれはやっていくというように努力をしていきたいと思います。
#44
○藤井恒男君 衆議院の論議の段階で、研究成果を公表する、いわゆる公開するということになったわけだけれども、まあ公表と同義語だと思うのです。具体的に研究成果を公開するということはどのような形で行なうものか。まあ年間にまとめてそいつを公文書みたいなもので回すのか、あるいはどういう範囲までをさして公開と言うのか、その辺のところをお聞きしておきたい。
#45
○政府委員(宮崎仁君) 具体的な方法は考えてまいらなければならないと思いますが、当面考えておりますのは、この成果につきまして出版物としてつくりまして、そうしてこれを関係方面に広く配る、また、一般にこれを実費で市販するということもしていいと思います。そういう形でやってまいる。それから、特に関係の深い分野についてはあるいは中間報告の段階でお知らせをしてもいいのではないかと思っておりますが、そういうことを考えていきたいと思います。それ以外に、場合によっては成果についてわかりやすい形で発表をいたしまして、マスコミ等の機関を通じて御理解をいただくというようなこともいいのではないかと思っております。
#46
○藤井恒男君 市販するということになると、これは利益をあげるわけですね。そうなると著作権というものが出てくるのだけれども、その辺はどうなんですか。
#47
○政府委員(宮崎仁君) これは実際に報告書をつくりました場合に、関係のところにはこれは無料で配付することになると思いますが、一般の方々に対しても、ちょうど官庁の出版物、白書等でもそうでございますが、これをコストでもって売ることができるようにいたしておりますが、ああいうことをちょっと考えておるわけでございます。そういうことによって得られた収入は、これは大体経費と見合っておるわけでございますが、この機構の雑収入というような形で入ってくるということになると思います。
#48
○藤井恒男君 そうすると、これは積極的に利益をここで得るということじゃなくて、原価主義でいわゆる公開の義務づけの裏返しとして出していくというふうに解釈したほうがいいわけですね。そうですね。
#49
○政府委員(宮崎仁君) そのとおりでございます。
#50
○藤井恒男君 いまの公開、いわゆる研究成果を公開するというところまでは、これはいままでの論議の経過で明らかになったのだけれども、その成果が具体的にこれは実際的なものでなければならないという一つの取りきめというか約束みたいなものがあるわけなんですが、そうなりますと、その公開されたものが利用活用されなければ実際的じゃないわけですね、緊急的でもない。この利用活用されたことを機構はどのようにフォローしていくのか。
#51
○政府委員(宮崎仁君) これはおとといの参考人の御意見でも出ておりましたが、機構の取り組む課題に対しては、非常に当面重要でかつ緊急、実際的というような問題が多いわけでございますから、その成果は政策指向的な回答を出していただく、こういう政策、こういう政策、こういう政策をとったらどうか、その場合の常にオールターナティブを考えてやっていくということを言っておられましたが、そういうことになると思います。したがいまして、こういった成果が出ました場合に、それが行政の分野、あるいは企業の面もあるかもしれませんが、そういうところで政策決定に当たる責任をとられる方が採択をするわけでございます。で、そういう結果については、こういう機構でございますから、毎年度のやはり成果というものについて、これは決算あるいはそういう形をとらないでも、毎年次の一つの成果を見る報告書のようなものをまとめまして、そうしておそらく研究評議会にそういったものを御報告をするということになるのではないかと思います。その際に、この報告に対してはこういう政策なりこういう措置がとられましたということを書いていく、こういう形になるのではないかと思っています。
#52
○藤井恒男君 研究の成果――成果ということばは本来私は不適当だと思うんで、研究結果ですね。レポートとして出るわけで、成果というのはそれが利用、活用されて効果を生んだときに果実になるんだから何ですが、幸いにして採択してうまくいった場合にはいいんだけれども、せっかくの結果を採択してうまくいかなかったというような場合だって私はあると思うんです。その場合に、機構――法人ですが、この法人は義務を私は負うと思うんですね。その辺のところは一般論として、この種の問題はどういうふうになるんですか。一つの委託をかりに受けた場合もありますね。受注した場合もあるだろうけれども、そうした場合に、そこで研究結果を報告書として出すと、それを採用しましょう、やってみましょう、やってみたと、とんでもないことになったということになると、これは当然私は大きな義務を負うことになると思うのだけれども、どんなものでしょう、その辺のところ。
#53
○政府委員(宮崎仁君) その辺がこういったシンクタンクというものの特徴になるんだと思いますが、先ほども申しておりますように、結論を出していく場合に常にオールターナティブを考えていく。そうして、こういう政策をとればこういう効果があるでしょうと、こういうかっこうで二つなり三つの方法を出していくということになるんだと思います。したがって、それのどれを御採択になるかということは、これは政策決定者の責任でやるべきことであって、したがって、直接その成果が問われる場合に、機構の責任という問題は生じないと思います。
 しかし、こういった機構がいい回答を出し、そしてそれが採択されて効果が出なければ、これはもう意味がないわけでございますから、失敗をしたというような場合には、当然機構の評価が非常にそれによって傷つけられるということになってくると思いますので、そういう点では十分努力をしていくことになる、こういうふうに考えております。しかし、そうは言いましても、ものによってはなかなか思ったとおりにいかなかったというような場合もあり得ると思います。こういう場合の問題についていま想定をして、どうするかということをちょっと私もお答えをする用意がございませんけれども、一般的にやはり評価としてそれが響いてくると、こう申し上げておきたいと思います。
#54
○藤井恒男君 まさにやってみぬとわからぬということなんだろうと思うんですがね、これからもいろんな方面で、ことに技術的な問題については私はたくさん問題が出てくるんじゃないだろうかという気がするんで、いずれ定款もきまっていくし、評議会も生まれるわけだから、この辺のところはよく詰めておかなければいかぬのじゃないだろうかというふうに思います。
 別な質問ですが、私、ことしの一月に東南アジアをずっとプライベートに回ってきたんですが、出先の大使館あるいはジェトロなどでは、ことに発展途上国との経済協力、それもただ金を貸すということじゃなくって、その国の福祉を増大せしめるにあたっての共同開発でなく共同研究ということが必要だということをいろいろ聞かされてきて、もっともだと思っておるわけなんです。そういった意味で、今度せっかくこの種の機構ができるわけですから、私は大いに先進国、たとえばアメリカあたりと提携交流することももちろん必要でしょうが、私は、発展途上国などと一つのプロジェクトを組んで共同研究をやるということがさらに重要だろうと思うんだけれども、この機構についてはいまのところそういったことに全然触れられておらぬ。大臣、この辺どのようにお考えですか。
#55
○国務大臣(小坂善太郎君) 開発途上国、ことにわが国に近い東南アジア諸国との間の提携をもっと深めていかなければならぬことは全く仰せのとおりでございまして、政府といたしましては、もっと深く交わりをいたしますためには、ただいま御指摘のような共同研究というようなことを通じて、その国の発展に力をいたすという方法を今後非常に精力的にやっていかなければならぬと思っております。一般的には技術協力という名前で言われておることが多いわけでございますが、ただいまの共同研究ということは非常に私は重要だと思います。ことに農業問題についての共同研究、これはわが国のほうが一日の長があるわけでございますので、大いにこれは必要だと思っております。この機構ができました場合、そういう問題との関連でございますけれども、これはやはり共同研究するということは定款の中に書き得るようになっておりますし、これが国際的な広がりを持つこと、これは当然重要なことでございます。ただいま御指摘のような方向で大いに共同研究をこの機関がやってくれることを期待したいと考えております。
#56
○藤井恒男君 現在、アメリカが一番シンクタンクの歴史も古いし、発達しておるわけだけれども、アメリカのシンクタンクの日本への進出ということについて、現状どうなっておるのか。あるいは、日本に二十ほどの民間のシンクタンクが現在あるわけですが、これら民間のシンクタンクとアメリカのシンクタンクとの交流の実態などがあるのかどうか、お聞きしたいと思います。
#57
○政府委員(宮崎仁君) 民間で二十ほどシンクタンクがあるということを申し上げておりますが、いろいろの形でアメリカのシンクタンクと協力、提携をしておるのが多いというふうに聞いております。現実にわが国に進出しておるアメリカのシンクタンクといたしましては、スタンフォード研究所日本支店、これが昭和三十八年に設立をされております。それからフランクリン研究所東京事務所、四十七年二月に設立をされております。それからこれは共同の会社だと思いますが、日本システム・デベロップメント・コーポレーションというものが四十七年十月に設立を見ております。
 以上でございます。
#58
○藤井恒男君 これは、アメリカから東京事務所として進出してきているシンクタンクに当然日本の技術者が雇用されておると思うんだけれども、そういった点ですね、日本の現在の民間のシンクタンクの労働条件といいますか、待遇とどのようなことになっておるか。また、今度機構を設立するわけだけれども、それらの関連でどうなっておるかということを聞きたいんです。と申しますのは、アメリカの場合のシンクタンクというのは経済的な処遇がきわめて高い。それだけじゃないと思うけれども、そのことが大きな原因になって、各分野の一流の専門家が、大学とかあるいは一般の研究所よりもいい処遇を求めて集まっておることも事実だと私思うわけです。したがって、経済的な処遇あるいは物理的な環境などもいろいろありましょうが、現在の日本のシンクタンクと進出しておるところの関係がどうなっておるか、またこれからつくっていこうとする機構はどのような位置づけをしようとしておられるのか、わかっておる範囲でけっこうですから聞かしてもらいたいと思います。
#59
○政府委員(宮崎仁君) まず、わが国のいまあります民間のシンクタンクでございますが、これは機構によって若干違うようでございますけれども、やはり有能の方に集まっていただくということで、待遇の面ではかなり優遇しておるようでございます。アメリカの水準と比べて同じということにはあるいはならぬかもしれませんけれども、非常に優遇しておるというふうに伺っております。また、現にアメリカでは、最近御承知のように、宇宙開発その他いろいろのプロジェクトが終わったということもございまして、こういう研究者の失業者が相当ございます。そういう方が日本のこういう機構に、言ってみれば職を求めるというようなことも、だいぶそういう動きがあるというふうに伺っております。米国からわが国に進出しておるシンクタンクにおいて日本人が雇用されておるかどうか、特に研究者として雇用されておるかどうかということについては、ただいま詳細な資料を持ち合わしておりませんので、もし必要がありましたならば、調査をいたしまして御報告したいと思います。
#60
○藤井恒男君 科学技術庁来ておられると思うんでお伺いするわけですが、頭脳流出の現状はどうなっておるか。民間のシンクタンクもそうだし、今後機構を持つ場合でも一番大切なのが、プロジェクトリーダーが不足しておるということなんです。そういった意味で、私はいまアメリカから進出しておるところのシンクタンクに日本人の技術者が雇用されておるのかどうかということを聞いたわけです。同じような意味で、ひとつアメリカと言わず、いわゆる先進国に頭脳流出の形で出ている現状がわかっておれば聞かしていただきたいと思います。
#61
○政府委員(長澤榮一君) わが国の科学技術者の海外流出でございますが、ほとんどがやはりアメリカでございまして、アメリカの米国科学財団の資料によりますと、わが国の移住科学者などの数は、昭和四十四年度百二十九人、昭和四十五年度百八十七人となっております。これをイギリスとか西独、カナダ等からアメリカに流出している数と比べますと、たいへんわが国は少ない形になっております。ちなみに昭和四十五年度のイギリスからは千百二十七人、カナダからは千四百七十一人、西独からは四百二十三人が米国へ流出していると、こういう形でございます。また、先ほどのお話にもございましたとおり、アメリカではいま科学技術者の失業状態もございまして、いまわが国では頭脳流出は大きい問題にはなっておりません。しかし、わが国の科学技術者がその業務に専念できるように処遇の改善とか環境の整備をつとめることはたいへん重要なことであると考えておりまして、まあわれわれ常に努力をしているところでございます。
 それから、シンクタンクのプロジェクトリーダーの件でございますけれども、アメリカ等のシンクタンクは、御承知のとおり数十年の歴史があるものでございます。わが国のシンクタンクはいずれもここ二、三年の間に設立されたものでございまして、いわばまだ育っているものでございます。したがいまして、われわれも四十六年度からこのシンクタンクのプロジェクトリーダーの養成というような点も考えまして、私ども予算を計上いたしましてプロジェクトを、たとえば科学技術庁ですと日本型科学技術開発システムの基本設計というような名前で調査をお願いしたわけでございますが、その半分の仕事と目的はやはりプロジェクトリーダーの養成であるとか、あるいはシンクタンクで使う科学技術的手法、ソフトサイエンスといっておりますが、そういうものの振興というものも考えての上の委託をした、こういうことでございまして、今後プロジェクトリーダーの育成ということにつきましては、鋭意努力をしなきゃならない点かと思っております。
#62
○藤井恒男君 韓国のシンクタンク、KISTの人材確保というところに、韓国人でアメリカで働いている学位のある人が千五百人以上いると見られるのでこれを呼び戻すと、こういうことになっておるわけなんです。まあどのようにして呼び戻すのか、処遇を上げて呼び戻すのか、あるいは法律で呼び戻すのか、その辺のところは私わかりませんけれども、まあ韓国なども現実にそういったことをやっておるし、人材が不足しておる模様なんです。わが国でも先日の参考人御両所はこもごも人材不足、そのことがむしろこの機構ができることによって民間シンクタンクは曲がりなりにも三年ほど先行しておるんだから、そこからスカウトされたら困る、むしろその点が脅威だということすら言っておるわけですね。したがって私、いま科学技術庁からもお話があったわけですが、百数十名の人間はイギリス、カナダに比して少ない。しかし、イギリス、カナダは頭脳流出が起きて困っておるわけですから、そのような対比の上からだけでは私はやっぱり問題だろうというふうに思うわけです。その辺のところ、さらにどのような分野にどのようなタイプでいわゆる頭脳流出が行なわれておるかということをよく調べる必要があるんじゃないだろうか、その人をたちまちどうせいということじゃないにしても、その辺の原因というものをよく探求していかなければ、私は口で人材確保と言ってもなかなか実効性のあるものではなかろうというふうに思うわけだから、この辺のところもまた設立のときには十分連携をとってやっていただきたいと思います。
 それから先ほどもちょっと申し上げたわけだけれども、研究の結果が出ますね。その研究の結果というものは、実際にそれが利用され、活用されていかなければ、その研究の結果というものが成果あるものかいなか評価できないわけなんです。しかし、現実に機構が発足すると、いろいろ研究が行なわれていくことと思うんだけれども、この研究の結果の評価というものがやっぱりなされなきゃいかぬと思うんです。何ぼ自由だといっても、お前らかってにやっておれよということではないわけなんだから、その評価というものをどういうふうにやっていくのか、それはどこがつかさどるのか、たとえば評議会がやるのか、あるいは科学技術庁がそれをやるのか、あるいは経企庁がそれをずっとフォローしていくのか、どうですかこの辺。
#63
○政府委員(宮崎仁君) 確かにこういった問題についてわが国の場合には、確たるまだ方式が確立しておらないというのが現実でございます。民間シンクタンクのやり方等を見ておりますと、内部にこういう評価をする委員会のような制度を持っておるようでございまして、そういうところでかなり厳格に評価をしているということが行なわれておるようでございます。この研究開発機構においても、当然内部においてそういう評価ということをやっていくということが必要であろうと思いますし、また、その結果を研究評議会においてある程度申し上げるということも必要になってくるのではないかと思います。いずれにいたしましても、最初に申し上げましたように、この辺についてのわが国の場合の用意ははなはだまだ不十分でございまして、方式についても確立しておりませんので、たいへんおしかりをこうむるかもしれませんけれども、この機構の成立後において十分またこういう点についての研究を深めていくということでやってまいりたいと思います。
#64
○藤井恒男君 研究開発の成果に対して対価を支払う場合ですね、その対価を算出するのは、いわゆる研究結果を得るために投下した資本、経費それを対価とみなすのか、あるいはそこのいわゆる研究結果を具体的に利用、活用した場合の果実ですね、それを見詰めて対価を払うのか、その辺どうなんですか。
#65
○政府委員(宮崎仁君) 理想的には、やはりそういった頭脳の評価が中心でございますから、成果ということを考慮に入れてやっていただくというふうにしたいわけでございますけれども、なかなかどうもそこまですぐにはいかないだろうということで、やはりコスト計算的なやり方で出したものを対価として一応いただくと、こういう形で委託等はやっていかざるを得ないのではないか、こう思っております。将来そういった問題についての、先ほど申し上げましたが、評価の問題等が確立してまいりましたならば、それに応じましてまたこういう点は考慮してまいりたいと思います。
#66
○藤井恒男君 日本の現在の状況は、品物をつくることはきわめて巧みになって、その価値基準というものが明確になるわけだけれども、残念ながら情報のいわゆる価値、情報価値というのがまだ日本ではほとんどといっていいほど認められていない未知の段階。したがって、せっかくこの種のものができても、価値評価、価値基準というものがなければ、私は同じ研究をしておる研究者、科学者にしても、いわゆる生きがいがないということになりかねない。企業であればこれはまた話は別、企業に付随するところのシンクタンクの場合はまた別だと思うのだけれども、この種の機構の中にあっては、このことは非常に私大切なことだろうというふうに思うのです。
 いまの局長のお話では、すべてできてから一ぺんということで、まことにもって、これではのれんに腕を押しておるようなことで、私はそれでもシンクタンクはやらぬよりやったほうがいいと思っているから、賛成するわけだからあまり深追いはしないのだけれども、反対の立場なら、そんなことなら全部できてからおやりなさいよと、何を急いでおるのですかということになるわけです。あとの質問者もそういうことを言うのじゃないかと思うのだけれども、そういった意味で、私はこの価値基準というものを早くつくり上げていくということをもっと真剣に考えておくべきだというふうに思います。
 それから、現在民間の二十ほどあるシンクタンクの利益がほとんどあがってないというお話でございますが、マーケット、売り上げは大体どれくらいあるのか、つかんでおったら聞かしていただきたいのです。
#67
○政府委員(宮崎仁君) これは売り上げと申しますか、事業費というかっこうになっておりますが、機構によっていろいろ違っております。たとえば三菱総合研究所、最も大きいもので約十七億程度、それから野村総合研究所が、これが十四億五千万程度、日本リサーチセンター七億五千万、日本情報サービス十三億、フジミックというのが三億七千万、それから日興リサーチセンター二億八千万、日本工業立地センター二億五千九百万、国際開発センター五億九百万というようなものがおもなものでございまして、全体をちょっと眺めてみますと、せいぜい三、四十億程度のものではないかと思っております。
#68
○藤井恒男君 いままで民間のシンクタンクしかないわけだけれども、政府の委託発注はウエートとしてどれぐらいですか。
#69
○政府委員(宮崎仁君) この機関についての詳細なデータはいま持っておりませんけれども、私が聞いております範囲では、大体政府、公共団体等からの委託による分は二割ぐらいと聞いております。あと四割ぐらいが民間の機関からの委託とそれから部内からの委託、そういった形で運営されておるというふうに聞いております。
  〔委員長退席、理事剱木亨弘君着席〕
#70
○藤井恒男君 今度この政府の機構ができた場合には、当然いままで民間へ委託しておったその二割のシェアが変化していくと思うのだけれども、そのこととのあつれきなどはどういうふうになりますか、民間の既存のシンクタンクとの関係ですね。
#71
○政府委員(宮崎仁君) この辺は、こういった問題に関する必要性が非常に高くなってまいっておりまして、予算的にも毎年非常な勢いでこういう研究費、委託費、調査費等がふえております。したがいまして、私どもはこういった機構ができまして、それがまた動き出して成果も十分出してくるということになりますと、政府の各省あるいは公共団体等においても予算を取って、そしてこういうところに委託をしていただくということが相当出てくると、こう思っております。現在のわが国の財政事情等から見ますると、こういった研究調査に使っておる金というものは、ハードの研究等に比較いたしますと非常にわずかでございますので、それが民間にいままでやっておった委託調査に直接競合して圧迫をするというようなことは、まずそのおそれはないのではないか、むしろ、このようなことについての調査研究費は今後大幅にふえてくるのではないか。経済企画庁等においても、相当こういう調査費等は大蔵省のほうの予算査定でも十分配慮してもらっておりますし、今後ともそういうふうになっていくのではないかと思っております。
#72
○藤井恒男君 防衛、治安関係の問題は、今度の機構で扱うのは不適当だという御答弁があったわけだけれども、防衛、治安関係もそれなりに調査研究というものが予算にも計上されておる。それはやっぱり今後機構ができた場合には、民間のシンクタンクのほうへこれは調査依頼ということが従来どおり行なわれていくわけですね、どうですか、その点。
#73
○政府委員(宮崎仁君) この実態、を私詳しくは存じませんが、防衛研究所というものがございまして、相当の予算を持っております。ここから民間の研究機関、一部はシンクタンクもあると思いますが、そういうところに委託も出ておるのではないかと思います。で、それは項目に、必要によりまして、またその委託先の特徴によって今後とも行なわれていくことはあり得ると思っております。
#74
○藤井恒男君 フジミックの場合などは官公庁特に防衛庁からの発注が大きい。大体官公庁がこのフジミックの場合には五割ほど占めておるということですね。したがって、この辺のところもこの機構では防衛、治安関係はいけない、せっかくできたがいけないというから今度は民間のほうへいくと。なかなかロジックのあまり合わないことだと私は思うんだけれども、また後ほどできたときに、一体どうなっておるか一ぺん聞きたいと思います。
 それから、いまのお話ですと、機構が生まれても研究という分野がどんどん広まるので、民間への委託発注は今後さらに拡大するだろう、したがって民間との間の摩擦というものはないということでございますが、民間からのスカウトですね、プロジェクトマネージャーなどのスカウトということはやはり参考人も一番困る問題だとこういうふうに言っておられた、この辺のところをはっきりどのような調整をとっていくのか。機構それ自体にも人員はおらんわけですから、たちまちこれはどっかから専門家を招いてこなきゃいかん、具体的にどうするおつもりか、その辺民間との調整というようなことを話し合っておられるかどうか。
#75
○政府委員(宮崎仁君) 確かに現在民間でも、特にこのプロジェクトマネージャーというような方は非常に不足しておるという状況でございますから、それを引っこ抜いてくるということになってまいりますとたいへん困るだろうと思います。そういうこともありまして、当面基金構想ということで、民間のシンクタンクとのネットワークを組んで協力してやっていこうと、あるいは民間に委託していくという形でやっていこうと思っているわけでございますが、しかし、こういった研究に対して相当プロジェクトマネージャー的な仕事をやっていただけるような方は、大学あるいは官庁の研究機関、あるいは官庁そのもの等にもかなりおると私ども思っております。そういう方々は、現在、公務員制度上の制約とかあるいは大学等におけるいろいろの制約がございますが、そういうことからなかなかうまく御協力いただけないという面もあるわけでございます。今回の機構では、たとえば官庁から出向していただく場合に、身分的に継続ができるような配慮もこの規定として考えておりますし、これは大学にも通ずるわけでございますが、そういったいろいろのことを講じてまいりまして、そして広く人材を求めていくということにいたしますれば、いま民間のシンクタンクで御活躍をいただいている方々をそのまま引き抜くというようなことでなくてやっていけるのではないか、こう思う次第でございます。
 それからなお、この機構ではそういった方々の養成も一方ではやっていきたい、そういうことで、むしろそういう資格を持ち、能力を持った方々を、民間にも今度御活躍願えるような方を養成していくということもやっていきたいと、こう思っておる次第でございます。
#76
○藤井恒男君 政府のいわゆるプロジェクトの委託発注という問題についてお伺いするわけですが、直接民間のシンクタンクにストレートに委託するもの、あるいは今度できてくる機構そのものに発注するもの、あるいは機構を通じて民間のシンクタンクに発注する、まあこういった手法がとられていくと思うのだけれども、これは先のことだからわからぬといえばそれまでだけれども、大体この機構ができた場合に、その関係がどういうふうになるように見ておられますか。
#77
○政府委員(宮崎仁君) 一応抽象的に申し上げますと、民間のシンクタンクに直接委託をされるというのは従来どおりでございまして、比較的シンクタンクの得意とする分野、単一の機構で処理できるというものがこれは行なわれていくということになると思います。それから、この機構のほうに委託がされて、そして民間のシンクタンクにさらにこれは委託あるいは助成の形で行なわれていくというものがあるわけでございますが、そういうものはこの機構の目的にも書いてありますような相当広い分野の人たちを動員し、そして大きな課題というようなものがそういう形になってくるのではないかと思います。つまり、幾つかのシンクタンクの共同の研究という形でやっていただかないとできないと、こういうものがこの機構を通じて委託されていく、こういうかっこうになると考えております。その辺の調整をどうするかは、これは機構で業務方法書等の場合に考えるわけでございますが、まあ研究評議会というところで具体的にはやはりいろいろ御審議の過程で方向づけをしていただかなければなるまい、こう思っております。
#78
○藤井恒男君 その委託する場合に、いま民間のシンクタンクが二十あると、そのそれぞれのシンクタンクに特色があると言ったって、まあまあ大体似たようなもんで、大きいか小さいかぐらいのものだろうと思うんだけれども、そいつをピックアップして幾つかにグループを組まして、そして委託形式をとるというならそれはわかるわけだけれども、一つに、たとえば三菱なら三菱にこれは委託する、富士なら富士に委託するということもあるわけですわね、その研究の課題によって。そういった場合に、現在二十のシンクタンクがあるわけで、今度のこの法案の中にも、趣旨にも民間のシンクタンクというものを育成しなきゃいけない、助成する、強化しなきゃいかぬということが盛られておると思うのです。
 いまあるシンクタンクというものに発注していく場合に、現在もそうであったんだけれども、今後も機構ができた上でもそういうことがあるわけだけれども、どのように選考していくのか。そのことが結果的にはやはり受注量がふえていく、売り上げがふえる、だから人が集まり、経験も積むということになり、育成の方法をたどっていくと思うのです。これはまんべんにというわけにいかんだろうけれども、何か選考基準があるのか、そうじゃなくて、ただ、いままでおつき合いをしておったからということになれば、それはコネということになっていくんだけれども、そういったものがどういうふうな基準でやられるのか、お聞きしたいと思います。
#79
○政府委員(宮崎仁君) 民間シンクタンクに対しての関係につきましては、委託の場合とそれから助成の場合とございます。そこで助成をしていくという場合には、これは民間シンクタンクのほうで取り上げておられる課題で、この機構の目的から見ても適当と思われるものがありました場合に、これは単一のものであっても助成をしていくということになると思います。それから委託を受けて実施するという場合に、これは単一のものであればむしろ機構を通さずに、その機構が委託を受ける先、どこかの省であれば省が直接やっていただければいいわけでございますから、したがって、この場合には幾つかの機関を動員して、ネットワークを組んでやっていくということになる場合に委託を受けると、こういうふうに一応考えておるわけでござ、います。
 それから、委託をする場合の基準は何かということでございますが、これは当然のことながら、まず有能なスタッフを持ち、能力を持っておるということが第一でございます。それから、資金面、経営面で基礎が確立しておるということ、それから、この調査研究活動が中立的である、それから、委託テーマの調査研究に関する費用が調査研究の内容に対して適正である、一応そういったことをただいまのところ考えております。
#80
○藤井恒男君 特定のいまおっしゃった基礎がかたい、あるいは有能な人材を育てておる、経験がある、中立的である、まあいわゆる優等生なら優等生、そういった的をしぼって、まんべんなく二十なら二十あるものを、今後ふえていけばふえていくものをみんな育成するんだといういき方もあるし、的をしぼって、ひいでたところを精力的に育成していくという二つの方法があると思うんだけれども、的をしぼっていくということは考えないんですか。全部まんべんなく育成していくというような方法になるのか。
#81
○政府委員(宮崎仁君) この辺ちょっと私も自信を持ってこうだということを申し上げるほど、実は私が申し上げることが適当かどうかという感じもいたしますが、やはりこの機構の性格から見まして、ただいま申し上げましたような委託基準というようなことに合致する機関があれば、これはやはり広くそういったものを利用していくということがいいのではないかと思います。やはり何といいましても、特定の機構と非常に結びつきが強くなるということは、機構の中立性というような問題に対してどうしても問題を生ずる可能性がございますから、広くやっていくという方針がいいのではないかと思っております。
#82
○藤井恒男君 この機構ができた場合に、先ほど私は各省庁がストレートに民間に委託する場合と、機構そのものに委託する場合と、機構を通じて民間に委託する場合と分類できるというふうに申し上げたんだけれども、これはまあ思いつきみたいなことになるわけだけれども、各省庁が調査研究を行なうにあたっては、機構を通じて全部委託していく。一ぺん機構におろして、その機構がいわゆる民間シンクタンクにおろす場合には民間シンクタンクを選択して、そしてここにやらしたらどうだと、そこには評議会もあるわけですからね。そういう方法がせっかく機構ができれば、各省がやっていることは私はわかりませんということよりもベターじゃないだろうかという気がするんだけれども、その点どうですか。
#83
○政府委員(宮崎仁君) この点はやはりこの機構の性格から見まして、そこまでの責任をとらせることがいいかどうかということはちょっと問題があろうかと思います。ということは、何しろ非常に広い分野の研究開発を行なえるようにしてあるわけでございまして、こういうことに関しては関係省も非常に多い、公共団体も非常に多いわけでございます。したがいまして、いろいろの形で委託研究等が行なわれると思いますので、そういうことについての情報を全部集めておくということは、これはやらしたほうがいいと思いますが、言ってみれば、研究調査の委託先の選定とか配分ということまでやっていくということになりますと、それだけでもってたいへん困難な問題をかかえてしまうというおそれもございます。そういうことから見ましても、その点はむしろ従来のやり方というものをやはり続けながら新しく出てくる分野についての責任をここでとってもらうということがいいのではないか。特に科学技術系統につきましては、科学技術庁のような総括的にそういう問題を行政としてやっていただいておる役所があるわけでございますから、こういうところでむしろそういう方針はおきめ願うということで、あるいはそれ以外の面につきましても関係省それぞれあると思いますが、先ほど申しましたように、シンクタンクにかかわる関係各省の協議会のようなところでそういった面の御相談をいたしまして方針をきめていくと、こういうことがいいのではないかとただいまのところでは考えております。
#84
○藤井恒男君 先ほどもちょっと触れてもうひとつ私はっきりしなかったから、もう一ぺんお伺いしますが、この機構のいわゆる生産物、これは製造業であれば生産物というのが明確に品物としてわかるわけですが、機構が生産するもの、それはいわゆる言いかえてみれば頭脳ですね。この場合にやっぱりコスト計算そのことがその人の処遇ということにもつながっていくんだけれども、まあそのコスト計算という点が私非常にまだ釈然としないし、わからぬわけなんです。このコスト計算を研究者のいわゆる経験あるいはいままでのその人の経過、立場などを判断してやっていくものか、もう一ぺんその辺のところをちょっと最後にお聞きしておきたいと思うんです。
#85
○政府委員(宮崎仁君) いわゆるコスト計算の方式としては、たとえば確定契約方式、あらかじめコスト、金額について契約をする方式とか、原価補償契約方式とか、それからマンパワー方式みたいなものでございますが、そういったものとかいろいろあるようでございますが、一番問題は、そのいまお話がございました研究者の方の報酬についての評価だと思います。この点はやはりその方の過去の業績とか、そういうことも含めながらきめていくということになると思いますけれども、この点について、たとえば官庁の給与体系のようなことが入ってまいりますと非常に制約を受けます。したがいまして、この法律ではいわゆる給与については、普通これは給与規定について所管大臣の認可を必要とするんですけれども、はずしてあります。したがって、そういった評価というものは直接にはプロジェクトマネージャーとなるべき人の判断というものが非常に大きくなるんではないか、弾力的に運営していくということが必要であると、こう考えております。
#86
○藤井恒男君 いま大臣の認可もはずしてあるということですが、私はこれは人材確保の面からもきわめて大切だと思うけれども、同時にバランスの問題ですね。それは役人としてのバランスということじゃなくて、既存の民間のシンクタンクがあるわけですから、そこの研究者とのバランス、他にひいでた処遇をこの機構が持つなら必然的に流れてくることになり、民間シンクタンクが言うように脅威を感ずる。また低ければ人を集めようと思ったってなかなか集まるものじゃないということになる。したがって、その辺のバランスが結果的に民間シンクタンクに非常にデリケートな影響を与えるんじゃないだろうかというふうに思うわけなんで、その辺のところ、ただこちらはこちらでやるというのか、民間のその辺のバランスというものも見詰めてやるのか、どうなんですか。
#87
○政府委員(宮崎仁君) これは民間でもシンクタンク協議会というような形で任意にこういった問題についてのいろいろ御協議が行なわれておるようでございますし、おのずからその辺から待遇等についての、まあバランスということばがございましたが、大体の基準、標準というものができてきつつあると思います。この機構はそういったものを十分参考にいたしまして、そしてそういう民間の機構に劣らない形でやってまいらなければならない、こういうふうに考えておる次第でございます。
#88
○藤井恒男君 最後に大臣にお願いしておきたいんですが、私はこの総合研究開発機構法案に賛成をするものでございますが、いままでのわずかな時間ですが、質疑の中で大臣よく御承知のように、まだこの機構については不明確な要素がきわめて多い。要は、とにかくこの際先につくらなきゃいかぬと、そのためには金を出さなきゃいかぬ、金を出すためには法律が要る、言ってしまえばそれだけだと、だからあとはまじめにやります、中立性を保ちますと、即物的なことだということになっておるわけなんです、実際。すべてこれからということになるわけなんです。
 そういった面で、私は冒頭に申したように、イエス、ノー、ゴー、ストップが自由な立場で言える機構というものをつくり上げてもらいたいし、同時に、漫然ということじゃないけれども、おやじ日の丸というような形のものであっては困る。やはりそのことが国民の生活をよくすることに現実的につながる研究課題でなければならない、そしてその成果を生まなきゃならないというふうな点、十分ひとつ気をつけて、周到に事を処していただきたいというふうに思うわけです。その点についての大臣の締めくくりの決意をひとつ聞かしていただいて質問を終わります。
#89
○国務大臣(小坂善太郎君) この新しい総合研究開発機構に対しまする藤井委員の深い御理解は、先ほどからの種々の御質疑を通して十分に承ったところでございまして、御注意の点はよく心得て今後の運営の指針といたしたいと考えておる次第でございます。
 御指摘ございましたように、情報というものは近来非常に必要なものでございまするけれども、いかにも、これが必要と認められるようになってからの時日も浅いのでございますし、また、その情報そのものの種類が非常に多岐にわたります関係もありまして、その価値基準をどうするかということも、先ほど局長からもいろいろ御答弁申し上げておったように、非常にむずかしい問題がございます。したがって、またその対価をいかに考えたらいいか、これも今後の問題として重要な点であると思います。いずれにいたしましても、深い御理解によってこのシンクタンクという新しい機構が発足いたしましたるその暁には、十分国民生活にとりまして緊急な、しかも実際的な課題を的確にとらえまして、その成果が国民の福祉の向上に資することができますように、先ほどからいただきました種々の御注意を体しまして、誤りなく運営をいたしてまいるように心がけたいと考えております。
 以上でございます。
#90
○藤井恒男君 終わります。
#91
○須藤五郎君 この審議に入りますに先んじて、ちょっと私、意見を申し述べておきたいと思うんです。
 この法案につきまして幾つかの質問をしたいと思いますが、これまで日本学術会議は、七〇年代以降の科学技術政策のあり方につきまして政府に積極的な提案を行なってきたにもかかわらず、政府はこれを省みることがなかったということが一つです。
 それから、この法案の作成にあたりましても、日本学術会議には何ら意見を聞くという態度をとらなかったということ、この事実は私は軽視することができないと考えます。もし、政府がほんとうに国民のために役立つシンクタンクをつくろうとするのであれば、なぜ学問研究に従事する人たちの、しかも日本の各分野の学者、研究者の中から民主的に選出された学術会議の意見を求めようとしなかったのか。この点については、すでに衆議院段階におきましてわが党の野間議員が詳しく質問をいたしておりますので、この法案が各方面の意向を反映して民主的に作成されたというものではない、このことを私は確認した上で、この法案がほんとうに国民のために役立つものとして運営されるのだろうか、あるいは国民のためとは言うものの、実際には財界や大企業のために役立つものになってしまうのではないだろうかという根本的な問題をめぐりまして、幾つかの質問をこれからしたいと思いますが、皆さんがこの立法に先んじて学術会議の意見を求めたのかどうかという点をまず伺っておきたいと思います。
#92
○政府委員(宮崎仁君) 科学技術庁の局長のほうからお答えを願うべき筋合いだと思いますけれども、学術会議が、いわゆるわが国におけるこういった学術の最高水準の方々を組織いたしまして、そしていろいろの基本的な問題について御審議を願い、御答申あるいは御意見を出していただくというかっこうで運営されておることは承知をいたしておる次第でございますけれども、従来、こういった機構につきましてどういうものをつくるべきかということについて直接諮問をしたというのは、非常に例が少ないそうでございまして、私どもは科学技術庁、通産省というようなところといろいろ御相談しながらやってまいったということはもう御説明したとおりでございますが、特に科学技術関係についての問題ということで、これは学術会議に対する科学技術庁が窓口としていろいろ御接触をしていただいておりますので、そういった形でそちらのほうとの関係も十分考慮して法案の作成、構想の確定ということについて御意見を出していただいた、こう信じておる次第でございます。
 現実の問題として、確かに諮問というようなかっこうはとっておりませんけれども、ただいま申しましたような形で、現実問題としては、学術会議の会長さんが議員となっておられる科学技術会議というようなところとの関係も十分科学技術庁において調整をされまして、そうして構想が出され、それを受けてこういった機構がつくられたという経過から見まして、学術会議の御意向といいますか、そういったものを十分しんしゃくされておるものと、こう考えておる次第でございます。
#93
○須藤五郎君 変な質問になりますが、あなた方は日本学術会議の権威というものをお認めになっておるんですか。日本の学術界における学術会議の立場ですね、それはどういうふうに評価をしていらっしゃるのか。また、今後この法案の運営について学術会議の意見を求めるということを考えておるのか、一切そういうことは考えていないのかという点をもう一ぺん伺っておきましょう。どういうふうに評価しておるか。
#94
○政府委員(宮崎仁君) もちろん、日本の学界の最高の方々を集めてつくられた会議でございますから、そういった問題に関しての最高の権威である、こう私ども承知をいたしております。そうして、このシンクタンクについての問題につきましては、主として科学技術関係ということを中心に科学技術庁が学術会議との関係をアレンジしていただくということで、それが科学技術会議という形で学術会議の会長さんも入っていただいてやっておりますので、そういうことで方針の決定、大体の構想の決定というようなことについて御論議をいただき、御了承いただくというかっこうでやってまいったわけでございますので、今後ともこういった、これは科学技術関係は科学技術庁でございますが、さらに総理府の学術会議事務局というほうにも十分御連絡をとりまして、そして今後の運営にあたってもいろいろと御意見あるいは御示唆をいただくというようなことはつとめてまいりたいと思っておる次第でございます。
#95
○須藤五郎君 これは小坂大臣の意見も聞いておきたいのですが、いまの答弁によりますと、政府当局としては、日本学術会議は日本最高の方々の集まりだというふうに認めておる。そして今後もよく何事にかかわらず学術会議の意見を求めていきたい、こういう御意見だったように思うのですが、大臣もそういうお考えのもとにこの法案を運営していこうと、こういうふうにお考えになりますか。また、この法案のみならず、日本学術会議は日本の最高の方々の集まられた団体である、だから日本のこういう面に対しては一そう学術会議の協力を求めてまいらなければならぬというふうにお考えになっていらっしゃるか。
  〔理事剱木享弘君退席、委員長着席〕
 それともう一つ、学術会議の会長さんがこれに入っているとおっしゃいましたが、それは学術会議の代表として参加していらっしゃるのか、それとも個人で入っていらっしゃるのか、たまたまこの入られた方が学術会議の会長であったということなのかどうなのか、そこをちょっと伺っておきたい。どうぞ大臣、はっきり答えてください。
#96
○国務大臣(小坂善太郎君) 日本学術会議は、学者の方々が集まって設立せられておる最も権威のある機関であるいうふうに私どもは承知をいたしております。これとの接触は、窓口といたしまして科学技術庁が当たられるという点で、われわれは、この機構がそういう方々と接触する窓口としては科学技術庁にお願いしたいと思っておる次第でございます。
 それから、科学技術会議の点でございますが、これは私、個人かどうかという点、突然のお話で、あまり実は正確に存じないと申し上げるのが一番正直なんでございますが、やはり何か個人としてではないかというふうに聞いておりますが、間違うといけませんから、事務局から補足してもらいます。
#97
○政府委員(宮崎仁君) 科学技術会議は、これは総理大臣の諮問機関という形で運営されておるのでございます。したがって、その議員は内閣総理大臣の任命によるわけでございます。そしてその学術会議の会長さんは、これは慣例として常に議員になるということになっておるようでございます。その形が個人としての資格でやっておるのかどうかという法律的な問題になりますと、私もちょっとわかりませんけれども、慣例としてなっておる、こういうふうに聞いておりますが……。たいへん間違いまして、失礼いたしました。「議員は、次の各号に掲げる者をもって充てる。」ということで、「日本学術会議会長」ということがございますから、これは個人ということではなくて、公的な立場の会長ということでございます。たいへん失礼いたしました。
#98
○須藤五郎君 わかりました。それじゃこの問題はこの程度にしまして、次の質問に移りたいと思います。
 「資本金」、四条の関係について質問をいたしたいと思いますが、この総合研究開発機構の資本金は、国と国以外の者とがそれぞれ初年度三十億円、五年後百五十億円、最終的には三百億円の基金を集める計画であると、こういうふうに聞いておりますが、国以外の者とは一体だれなのか、ちょっと伺っておきたいと思います。
#99
○政府委員(宮崎仁君) 「政府以外の者」として考えられますものは、地方公共団体、民間企業、それから各種団体等がございます。このうち地方公共団体は、まあ政府とやや似た性格になるわけでございますが、特に公共団体から幾らというようなことをきめておるわけではございません。しかし、問題の性格によりましては、相当これは各地域にかかわるような課題も取り上げることになるかと思いますので、公共団体からの御出資をいただくことになるかもしれません。それから民間企業、これにつきましてはもう申し上げるまでもございませんが、広く各方面からいただきたいと思っております。各種の団体等についても、これは財団その他いろいろあると思いますが、そういったものからも出資を仰ぎたいと考えております。
#100
○須藤五郎君 そうすると、地方自治体もこの中に入るわけですね、そうですね。
#101
○国務大臣(小坂善太郎君) そうでございます。
#102
○須藤五郎君 国以外の者で出資に応ずるのは、この機構の設立に賛同してのことであると思いますが、政府はこの法案の準備過程におきまして民間の意見はお聞きになりましたか、また、地方自治体の意見はお聞きになりましたか。
#103
○政府委員(宮崎仁君) まず、民間のほうから申し上げますと、この四十六、四十七年度と二カ年間準備調査をやってまいりましたが、この過程におきまして、まず民間のシンクタンク関係の協議会がございますが、そういった方々と十分意見交換をいたしております。それから、いわゆる財界というような方面の方々に対しましても、これは財界そのものでシンクタンクをつくろうというような構想もいろいろございまして、そういった面での御意見のある方もたくさんございますので、そういう部面に対してもこういった形のものをつくりたいということについてこれは御説明をしてございます。
 それから公共団体でございますが、公共団体につきましては、実はこの成案の過程では、もう少し公共団体については確定した形で入っていただいたらどうかというような意見もあったわけでございますけれども、また一方からいきますと、どうも地方財政の面から見まして、それを制約するようなかっこうになってもいかぬということもございまして、特に明示することは避けたわけでございますが、自治省、それから自治省を通じまして知事会とかあるいは市長会というようなところに、こういう法案を出しますのでという御説明をしてございまして、趣旨には賛成をしていただいております。どの程度この出資をするとかなんとかという、そういう具体的な話にはまだなっておりませんけれども、この設立がきまりましたならば、そういった御相談にひとつ乗っていただこうと思っておる次第でございます。
#104
○須藤五郎君 地方自治体といえば、日本全国的にどの自治体と限らないですべての自治体にそういう話はしておると、そういうことですね。それで、でき上がったらもっと具体的な話を御相談申し上げたい、こういうことですか。
#105
○政府委員(宮崎仁君) 地方自治体と申しましても、個々の自治体にお話しするというのは困難でございますので、自治省を通じまして、普通地方六団体と言われておりますが、そのうちで全国知事会とかそういったところに対しては私のほうからも御説明いたしました。それで町村会等につきましては、財政規模等から見ましてもちょっとすぐには無理ではないかということで、大体知事会、市長会というふうなところに御説明をしてあるということでございます。
#106
○須藤五郎君 そうするとなんですか、東京都をはじめあらゆる大きい地方自治体に対しては相談がしてあると、こういうことですか、どうなんですか。どことどこというふうにもしも言えるならば、こういうところには御相談いたしましたというふうにお答えになったら一番いいと思いますよ。
#107
○政府委員(宮崎仁君) 個々の公共団体には実は直接御説明いたしておりません。全国知事会という形で知事会の事務総長さん並びに事務方の方に御説明をするというような形でやっております。
#108
○須藤五郎君 最後に相談かけて金を出してもらうとなれば、その知事会が金を出すわけじゃないので、やはり個々の自治体が金を出資するということになると思うんですね。だからそういう場合は、知事会とか市長会とかそういうところよりは、やはり各府県にはちゃんと具体的に御相談かけたほうが私はより現実的だと思うんですが、それはどうしてなさらなかったんですか。
#109
○政府委員(宮崎仁君) これは私も実は個人的なことになりますが、地方団体におったこともございますのでよくわかっておるわけでございますが、やはりこういった形で出資等を求める場合には、全国知事会議とか市長会というようなところで議決をしていただきまして、そして予算化していただくということになるわけでございます。で、今回の場合は、たとえば府県関係で何億円お願いするというような確定した話をするのであると、これはむしろ知事会において常任委員会のようなものがございますから、そういうところで御了承をとってからやるということになるわけなんですけれども、まあそこまで確定した話は成立の段階までやれないということになりましたので、この法案が成立いたしましたならば、そういった形を通じまして方針決定していただく、そしてそれぞれの公共団体において予算化をしていただくと、その場合に必要がございますれば、もちろん個々の公共団体の方々にもわれわれ御説明をしたいと、こう思っておる次第でございます。
#110
○須藤五郎君 それだけに私は、やはり各府県の方々に、私たちはこういうことを考えておりますと、いかがなものでございますかという意見を求めておかないと、ものがきまってから金を出せといって出資を押しつけるような形はまずい、こう思うんですがね。あなたたちの考えているのは、何だかこう逆のような感じがするんですが、小坂さん、こういうやり方でどうでしょうか、ほんとうの協力が得られるんでしょうか。みんなそっぽを向いてしまったら困ると思うんですよ、やはり私の言うほうがまともな考え方のように思うんですがね、どうでございましょうか。
#111
○国務大臣(小坂善太郎君) なかなか実際的な考えと思わぬかという御質疑は、私も須藤委員の仰せられることはなかなか実際的ではないかと思いますけれども、ただ四十六、四十七年に一億五千万円使いまして、この法案に至るまでのいろんな準備行為のようなものをやったわけでございますけれども、その際に、いろいろ地方長官の方々あるいは市町村の方々にはある程度、正式でございませんけれども、いわゆる打診のような形でお話はしてあるというふうに承っておるわけでございます。ただいま宮崎局長が申し上げましたように、宮崎局長も実は三重県の副知事をしておって、その知事会議の内容等も存じておるわけでございますけれども、まあやはり知事会でもってやろうじゃないかというふうにきめて皆さんのところへ持っていくというひとつの慣行のようなものがあるというんでございますね。そういう点で須藤委員の仰せられることも私よく理解できますけれども、こういう方法をとったということで御理解を賜わりたいと思います。
#112
○須藤五郎君 こういうことを私はなぜ問題にするかと申しますと、その次の質問と関係があるわけなんですが、国以外の者の出資ということがありますね。その出資金のうち、政府は、地方自治体と民間企業の出資比率はどれぐらいと考えていらっしゃるか、これと関係があるもんですから私はそういう質問を申し上げたのです。
#113
○政府委員(宮崎仁君) 公共団体側からどの程度御出資をいただくかということは、全くいまのところ未確定でございます。かなり公共的な分野を大きくやるんですから、国と公共団体が中心になってやってはどうかというような構想も一時あったんでございますけれども、やはり問題の性格から見て非常に何といいますか、広い分野のことが多いもんですから、あらかじめ確定してこれだけを負担していただくというやや押しつけといっては失礼でございますが、そういうかっこうになってはならないということから、この辺については目下のところ白紙という状況でございまして、法案が成立しましたならば、自治省を通じて御相談をいたしたいというのが現状でございます。したがいまして、民間企業につきましても幾らということをきめておりませんけれども、先ほどから申しておりますように、これは個々の企業の利害に直接関係するようなことのないように、業界の範囲も非常に広く、また、この各種の団体等も含めて広く資金を集めたいとこういうふうに考えております。
#114
○須藤五郎君 どうも地方自治体、公共団体からは幾ら出してもらうということはまだ何もきめてないと、そういうことを聞くと、むしろ地方自治体などからは出資を受けないほうがいいんだ、そのほうがけっこうなんだというそういう考え方が腹の中にあるために、地方公共団体に積極的に働きかけないと、それから比率もまだ考えてないと、その場でやっていくんだというようなそういう答弁のように私には聞こえるわけです。地方公共団体に参加をしてほしいという気持ちがあるならば、もう少し積極的に準備活動の中で御相談をしていくという姿勢が私は正しいように思うんですがね。どうも皆さんの答弁を聞いていると、まあそれはそっとしておけと、こういうふうな感じを受けるんですが、どうなんですか、そこ。正直に言ってくださいよ。
#115
○政府委員(宮崎仁君) たいへん私の答弁がへたで、誤解を受けたようで申しわけございませんが、決してそんなことはございません。公共団体からもできるだけひとつ多く出資をして参加をしていただきたいとわれわれほんとうに考えておるわけでございます。ただ、何ぶんにも予算がきまり、法案は出すという非常に忙しい時期にそういうお話をしたもんでございますから、しかも、この機構が毎度御指摘をいただいておりますように、どうもこうこうこういう内容のことであって、こういうメリットがございますというような、ぴちっと御説明するようなものになかなかなりませんもんですから、したがいまして、この公共団体についての具体的なお話というところまではいかなかったということでございまして、これはもう決して消極的なつもりはございませんので、これから努力をしてまいりたいと思います。
#116
○須藤五郎君 まことにこれは、倉卒の間にこの案を組み立てられて、非常に準備が不足しているように私には受け取れます。だからいろいろな面で私はこの法案の中には、不備な点が実際に移すと出てくるんではないかという懸念がこの法案を読んでおってもするわけなんですね。それがそういう点であらわれているように思います。
 その次に、外務省の方に聞きますが、国際交流基金の現状ですね、特に民間の出資は一体どうなっておるかということを伺いたいと思います。
#117
○政府委員(堀新助君) 国際交流基金の現状が御質問の最初でございますが、御高承のとおり、昨年十月二日に発足いたしまして順調に各種の事業を進めております。その各種の事業は多岐広範にわたりますので、さらに御質問に応じてお答えさしていただきますが、御質問の要点であったかと存じます民間からの出資の点でございますが、現在までに約八千七百万円の民間からの資金協力を受け取っております。
#118
○須藤五郎君 国の出資はどれだけですか。
#119
○政府委員(堀新助君) 国の出資金は現在までに百五十億円、そのほかに昨年度約三億、本年度約七億円の補助金というものがございます。
#120
○須藤五郎君 そうすると、国の出資は昨年十月で五十億円、ことしまた五十億円、さらに追加したものが五十億円でしょう。このほうが正確でしょう、あなたのおっしゃったよりは。それで合計百五十億円ということになるんですよ。私ちゃんと数を持っているのですから、正確な数字をおっしゃってくださいよ、ごまかさないで。それで民間は八千万。一億じゃないですか、八千万ですか。
#121
○政府委員(堀新助君) 八千七百万円でございます。
#122
○須藤五郎君 八千七百万円。ところが外務省の国際交流基金は、最初もう少し民間の出資を予定していらしたんじゃないですか。国の出資と民間の出資の比率が、一億としても百五十対一ですよ、これは。こんな出資比率は考えていなかったんじゃないですか、どうですか。どういうふうな比率を考えてこれは出発なすったんですか。
#123
○政府委員(堀新助君) 昨年、国際交流基金法を国会で御審議いただきましたときに、当時の外務大臣も答弁いたしておりますけれども、民間と政府との出資金の比率というものははっきりしたものは考えておりませんでした。ただし、先生御指摘のように、昨年発足後、民間からのさしあたりの資金協力は約一億円を見込んでおった事実はございます。
#124
○須藤五郎君 私、出資比率を考えないで出発したということも、これまた少しおかしいと思うのですね。こういう問題、出発するときは、国と民間というものを出資団体として考えた場合は、国からこれだけ出して民間からこの程度出してもらわなければならぬという、そういうそろばんを置かないと実際は仕事がしていけないんじゃないですか。それで、最初は民間からは一億円という目標を立てたと。ところが、その一億円にも達せず八千七百万円だと、こういうお答えですね。まだ一億円にも達してない。こういう状態では、私は今後この法案にも関係してくるのじゃないかという気持ちがあるんですね。
 国際交流基金の民間出資の状況はいま聞いたような状態です。また、民間のおもなシンクタンク十七社の資本金を合計してみますると約六十億円なんですね。これから見ますると、政府以外の者の出資ですね。今度はシンクタンクのほうですよ、私がいま話をしているのは。百五十億円は相当私は大きな金額だと、こういうふうに考えるわけです。政府は、国以外の者の出資金が初年度三十億円、五年後百五十億円確実に集まるというめどを持っていらっしゃるからこそこの法案を出されたと思いますが、そのめどは一体どのようなものか、確実に集まると断言ができるものかどうかと、こういうことをお尋ねしたい。それは先ほど質問しましたような外務省の国際交流基金でも、民間の出資が、百五十分の一に見積もっても、それの百五十分の一も満たないというような現状の中で、政府と民間とが一対一というような比率でこれができ上がるかどうかというところに私は大きな疑念を持つわけです。どうですか、確実に集まるというふうに断言できますか、政府当局。
#125
○政府委員(宮崎仁君) このシンクタンクといいますか、総合研究開発機構をつくりますまでにすでに二年有余の準備期間をおいてやってまいったわけでございますが、いま御指摘のございましたように、民間のシンクタンクもいろいろできております。またさらに大型の民間シンクタンクをつくるべきではないかというようなことで、たとえば一千億財団構想とか、そういったようなものが打ち出されたこともございます。そういうことでございまして、私どもが今度の機構をつくるにあたりましては、大体こういった構想でやりたいということで、先ほど申しましたように関係の部面には御説明をいたしてございますので、その際に、そういうことであればぜひそれは協力的に考えていきましょうということを、それぞれの御意見としてはいただいておりますが、具体的に何年度幾らというような金額をまだ申し上げるような段階ではございませんから、確実に百五十億だいじょうぶかと言われると、それはいまのところまだ計画であるということを申し上げるしかないと思います。
 しかし、先ほども申しましたように、こういった必要性が非常に高まり、そして現実に相当大きな規模のシンクタンクをつくろうではないかというような構想がいろいろあるということから見ましても、この機構の目的に照らしまして御賛成が得られるならば、これはいまわが国の持っておる経済力から見て、この程度の資金を集めることはそんなに困難だというふうには考えておらないわけでございます。ついきょうの新聞あたりで、三井関係のグループが相当の金額の何かこういったものをつくりたいなんということも出ておりましたし、その他いろいろのことをわれわれは聞いております。特定の分野に片寄ってはなりませんけれども、しかし、そういった動きが非常に強く各方面で出ておるというこの状況から見まして、ぜひこういった構想でやってまいりたいと思っております。
 なお、民間からの資金の集め方は、出資ということをたてまえにいたしておりますけれども、これは場合によっては一部寄付金ということも考えてもいいのではないかと思っております。
#126
○須藤五郎君 大臣はこの政府当局の答弁をどういうふうに聞いていらっしゃるか。私は何だかあまりたよりにならない当てをたよりにして、そして政府当局がひとり相撲をとっているような感じがしてしかたがないですね。それはよほどいいえさでもつければ、代償でもつければ、それは民間があるいは投資するかもわかりませんよ。しかし、このたてまえは何ら代償がないということがこれは原則なんでしょう。外務省がやったあれも代償はないですね。そうすると、百五十分の一を外部で募集しようとしても、一億円しか集まらない。それすらも集まらないような現状で、代償のない金を、百五十億というような金を民間がはたして出資するかどうか。あなたたちは出資するだろうと、こう言う。で、きょうでも何かそういう反応があったというような、それは民間会社は何か代償を求めておるということです。私はそういう判断しますよ。大臣、代償のない金百五十億を民間が出すでしょうか。私は非常に心もとないという考えなんです。どうでしょうか大臣、必ず集まりますか、これ。
#127
○国務大臣(小坂善太郎君) なかなかむずかしい問題だと思いますが、まず百五十億もさることながら、最初の三十億、これすらもこれは相当困難だと私は思っております。しかし、それを可能にするにはやはり設立の発起人の人選とかあるいは会長になる人の風格、人望、そういうものも相当あるんじゃないかというふうに思うんでございます。で、この外務省の交流基金の問題が取り上げられましたわけでございますが、これはまさに若干のそろばん違いがあるというふうに私は言っていいと思います。しかし、これは今日出海氏が理事長になっておるわけで、やはり何といいますか、仲間意識のようなものから集めていかないとなかなか集まらないという点はあろうかと思うんでございます。
 しかし、このシンクタンクの問題は国際交流が必要であって、民間がその面で大いにやらなきゃならないし、政府もこの必要に応じて新しい政策としてこれを進めなきゃならぬということの必要性と、民間がこれに非常に食欲を感じて資金を出そうという、その度合いがやはり私は公平に言ってシンクタンクのほうが大きいんじゃないかというふうに思うわけでございます。これはもう直ちにギブ・アンド・テイクのような関係で、金を出したからすぐリターンがあるというふうなことはこれはないと思います。また、しちゃいかぬと思うんでございますが、しかし、大きな目から見て、公害の問題等についてはどうすればいいというようなことが出ることは、これは民間の企業にとっても非常に望むところでございますので、問題はやって行き方で、これは非常にむずかしい問題でございますが、私もこれを提案している責任者でございますから、何とかひとつものは仕上げたいと、こう思っております次第でございます。
#128
○須藤五郎君 それでは質問を次に移しますが、政府は、国以外の者の出資が初年度何億円集まればこの機構を認可するつもりでいらっしゃるのか、この機構が官民共同であるという以上、民間の出資にも一定の水準があると考えます。その水準は一体何億円というふうに考えていらっしゃるのか、お答えを願いたい。
#129
○政府委員(宮崎仁君) 大体原則、一対一と考えておりますので、本年度三十億円ということで民間の出資を集めていくという計画でまいりたいと思います。ただ、年度の途中で発足でございますから、現実に出資としてそれだけの金が払い込みにならなければ発足しないというようなことでは非常にかたくなりますので、そういう見込みが大体つけばやっていくと、こういうつもりでございます。
#130
○須藤五郎君 だから私は最初に、初年度に何億円集まったらこの機構を承認するんだと、認可するんだということを聞いておるんですが、これはあなた三十億、三十億で六十億でしょう。民間三十億とあなたはいまおっしゃったように思いますが、すると、政府もそれと同じ同額出資として六十億ということになるのですが、初年度一体六十億の金が集まるのかどうかということは大きな問題ですね。で、どれだけ集まったらこれを認可するのかと、一億でも認可するというのですかどうなんですか、そこは。
#131
○政府委員(宮崎仁君) 先ほど申しましたように、政府出資三十億、民間三十億という計画でございますから、その六十億の出資について、つまり政府はいいわけでございますが、三十億の民間出資についての見通しがつき、そして相当金額の払い込みも実際に行なわれたという段階で発足をしたらいいのではないかと、こう思っております。
#132
○須藤五郎君 現金を握らなくても見通しということでもう見込み発車をしてしまわれるのか、六十億円必ず入るという見通しが立って、そして確実性ができたらこれを認可するのか、それがなかったら認可をしないのかと、こういうことになるわけですが、そこはどうなんですか。
#133
○政府委員(宮崎仁君) この辺はいろいろ実は関係者の間でも議論しておるわけでございます。それで本年は三十億なんですけれども、なかなかこういう出資を仰ぐ際のやり方といたしまして、全体構想を持ちまして、そして全体構想に基づいてそれぞれの分野で出資を考えていただくと、そして当年度の払い込みはこれだけと、こういうふうにいたしませんとうまくいかぬということのようであります。したがいまして、私どもとしては大体百五十億、百五十億と、三百億構想ということを一応言っておりますが、そういった構想によってそれぞれの分野にお考えを願い、そして本年度は三十億に相当する金額を出していただくと、こういうつもりでございます。それがまあ……。
#134
○須藤五郎君 私はそんなことを聞いているんじゃないんですよ。どれだけ集まったら認可するのかということを言っているんですよ。そこをはっきり答えなきゃだめですよ。
#135
○政府委員(宮崎仁君) 何億円集まったらという、それは六十億という見通しが立つということでございますから、一億や二億ではこれは問題にならぬと思います。やはり大体これに近い数字が確保できるという見通しが立たなければいけない、こう思っております。
#136
○須藤五郎君 株式会社をつくるとすれば、これは小坂さん御経験があることだと思いますが、ここに百億の株式会社をつくろうとする、それで百億の株を募集しますね。これがちゃんと満株にならなければ株式会社というものは出発ができないわけですね、これは。そうでございましょう。百億の資本金の株式会社をつくった、ところが、その株に対する出資者が十億や二十億しか株が集まらないというような状態では、株式会社というものは成立しないと私は思うんですよ。ところが、あなたたちのは三十億が見通しだと、三年後には百五十億が見通しだと、見込みだというけれども、現実に幾ら金が集まったら認可をするんですかということに対しては答えないで、見通しと、こう言うんです。見通しじゃないんですよ。やはり見通しじゃあぶないんです。ほんとうの金が集まって、現金を握らないとこれは仕事ができないじゃないですか。見通し、見通しでいっていくんじゃ、私は危険だと思う。それはほんとうにずさんな私は考え方のように思うんですよ。これは失敗しますよ、そんなずさんなものの考え方でいったら。私はそういう心配があるからこういうことをくどく質問しているんですが、どうですか。小坂さん。
#137
○国務大臣(小坂善太郎君) いま局長のほうから申し上げましたように、三十億はこれは政府が出す予算がございます。これは間違いない。それであとの三十億がどうかということでございまして、私どもはそれだけの募金の能力のあるような方にひとつお願いしたいと、こう考えておるわけでございますが、それがそれじゃどのくらい集まったら発足するかという非常に急所をついたお話なんでございます。局長が申しましたように、私どもは三十億の見通しがついたら認可してもいいじゃないか、こう局長は言っているようなふうに思っているわけでございますが、これがいま須藤委員の仰せられますように、それじゃ三十億集まると考えたら十五億しか集まらぬじゃないか、その場合どうするんだということでございますが、私はやはりこれはあとの十五億は予定ができているわけですから、一応発足してその範囲で仕事をしていくと、集まり得る範囲で仕事をするということよりしようがないんじゃないかというふうに思っております。
 これは非常に一番悪い場合を想定して申し上げるんで、私ども政府答弁式に申し上げれば、これは三十億ちゃんと集めますと、だから御心配要りませんと、こう申し上げるところですけれども、せっかくのお話しですから、ほんとうにうちうちの気持ちを申し上げますと、やはり見込みは見込みとして立って、そこにだんだんおくれるところもございましたら、おくれていればおくれた範囲を除いた範囲で始めるということよりしようがないんじゃないかと思います。
#138
○須藤五郎君 小坂さんの正直な話を私も信用して、それで質問を次に移りますが、そうすると見通しどおりいかなくて、かりに政府だけの出資で終わっても、要するに、認可をして出発をすると、こういうふうに理解していいですね。政府が三十億出すと、民間から募集したのがかりに一億であろうと十億であろうと認可をすると、こういうふうに理解していいんでしょう。
#139
○国務大臣(小坂善太郎君) それは極限の場合でございまして、片方が三十億、片方がゼロという場合は、これは機構の設立はできないというふうに思います。ただ、それがいま申し上げたように半分以上もうすでにあると、あと半分はもうじきというような場合には出発して、それじゃ満ぱいになるまでは集まった範囲でやっていくよりしようがなかろうというのが私の考えでございます。
#140
○須藤五郎君 何だか私、質問しておっておかしい感じがせざるを得ないんですが、非常にその場、当座しのぎの考え方のような感じがして、何だかかちっとした正確性を、確実性を非常に欠くような感じがするわけですね。
#141
○国務大臣(小坂善太郎君) 私の答弁があまりこうはっきりしないという御指摘でございましたが、私はまあこう申し上げてこの法案通していただく以上は、三十億円とにかく必ず集めるようにいたしたいと、こう思っておるわけでございます。しかし、おまえはそう思っていても集まらない場合はということなんで特に申し上げたわけでございますから、正式の答弁としては、三十億円集めて六十億円で発足いたしますと、こういうふうにお聞き取りを願いたいと思います。
#142
○須藤五郎君 この機構への出資金は持ち分の払い戻しもありませんね。それから配当がつくわけでもございません。しかし、財界や大企業はこれに出資する以上は何らかの直接的、間接的利益を期待しておると私は思うんでございますが、それは何を求めておるというふうにお考えになりますか、どうでございましょうか。
#143
○政府委員(宮崎仁君) 確かに御指摘のように、この出資に対しては配当ということもございません。したがいまして、そういった直接的な結びつきということはないわけでございますが、先ほどから長官の御答弁にもございましたように、この機構が取り上げる課題といいますのは、確かに公共的、国家的にも非常に重要な問題でございますが、出資をされる公共団体、民間、企業、そういったものにとっても非常に重要な関係を持ってくる分野であろうと、特に緊急かつ具体的な問題というようなことでたとえば環境問題であるとか、あるいは交通問題でありますとか、いろいろのことが問題になるわけでございますので、そういった広い形での恩恵がある。そういうことで御理解を願いたいと思っておる次第でございます。
#144
○須藤五郎君 委員長、ちょっとお願いしておきますが、この法案、いろいろな問題を含んでいるんですよ、実際は。それで私は百分という時間を割り当てられておりますけれども、まだいままでのところ質問は三分の一しか済んでおりません。しかし、きょうじゅうに質問をしてこの法案をやはり上げてしまいたいと私も考えておりますので、多少の時間は延びることはお認め願いたいと思うんです。私もまじめに考えて質問しているんですから。
#145
○委員長(佐田一郎君) なるべく早くお願いします。
#146
○須藤五郎君 そう御了承願いたいと思います。
 政府は、出資金を出した民間大企業や財界の関係者をこの機構の役員や評議員に選ぶことによって、この機構の運営をまかせることを考えておるのではないだろうか、出資する大企業の側も、そのことを期待するとともに、この機構からの大きな助成を目当てに出資するのではないだろうか、こういうふうに私は考えておりますが、その点はどうでございますか。
#147
○政府委員(宮崎仁君) この機構の役員となるべき方々につきましては、先ほど大臣の御答弁もございましたように、こういった問題に関して非常に見識が高く、外部から見ましてもなるほどと思われるような方になっていただきたいと、こういうことでございますから、したがって、それが直接出資なりそういったものと結びついて出てくるというようなことは私ども考えられないと思います。ただ、この発起人という形で十五人からの方々がまず発起人となっていただくわけでございまして、そういった段階で当然この会長となるべきような方も予定されてくるわけでございますので、したがって、広くそういう出資をされる方々の支持が得られるような方がむしろ役員になっていただく、こういうことでやってまいりたい、こう思っておる次第でございます。
#148
○須藤五郎君 もっと質問したいんですが、あまり時間が長くなってもお困りだろうと思いますが、五年後この基金が三百億円になるのですね。そうすると、予算が年間二十億円くらいになると思うんですね。その使途につきましてはまた別に質問をいたすことにいたしまして、それで次の質問に移ることにいたします。
 役員、評議員の人選その他について質問をしてまいりたいと思いますが、この総合研究開発機構が民主的に運営され、真に国民のために役立つためにはそれにふさわしい人を得ることが必要だと私は考えます。しかし、法案を見ますと、この機構の人事は総理大臣が認可することになっております。これでは、真に国民のためにこの機構を民主的に運営するにふさわしい人が選ばれるかどうか、はなはだ疑問と言わざるを得ないと思うんです。総理の認可する役員は、結局総理のお気に入りの人物、財界本位の人物になるんではないだろうかという危惧の念を持たざるを得ないんでございますが、総理のお気に入りの人事といいますならば、最近では小選挙区制区割り委員会の人選の例を私は思い出さざるを得ないのです。また、国の各種審議会のメンバーが財界に牛耳られておる現実があります。それはここに新聞の切り抜きがあります。名前を言えとおっしゃるならば私は名前を言いますが、国の政策決定に重要な役割りを果たす各種審議会に財界人が多過ぎる、九人の構成中八人が財界人という審議会もあるということが指摘されております。そういうように財界人が非常に多いということなんですね。一例をあげますならば、東北開発審議会など地方開発審議会は、会長や学識経験者ということで大企業の社長クラスの財界人がずらっと名を連ねておるわけですね。そういうふうに見てまいりますると、総理お気に入りの財界本位の人物がたくさん入ってくるということになると思います。政府は、役員や評議員の人選にあたりまして、財界本位のお気に入り人事をやらないとはっきり言うことができるのかどうか。役員、特に権限の強い会長や理事長の資格基準をどのように考えていらっしゃるか、この際伺っておきたいと思います。
#149
○国務大臣(小坂善太郎君) この機構は、全く本邦においては初めてできる機構でございますので、それだけにいろいろ前途の運営に対しての御懸念もあろうかと思いますけれども、私はこれだけ政府が出資するのでございますから、やはりその人選について、総理大臣が政府の責任者として意見を言うことができるという立場があることは当然であるというふうに考えておる次第でございます。それではどういう人が委員になるのか、会長あるいはその研究評議員になるのかということでございますけれども、まあこれは最初に設立の発起人ができるわけでございまして、その発起人の人選は、できるだけひとつ公平に各種の研究分野から見て、この人たちならばということを考えたいと思いますが、それと同時に、やはり資金能力のある人でないと、先ほど御懸念もございましたように、なかなか一般からの出資、地方団体を含めての出資というものがむずかしかろうかと思いますので、そういう点も考慮してまいりたいと思います。
 他の研究評議会の評議員というようなものは、これはむしろ発起人が選んでくれるわけでございまするので、正直に申しまして、私の立場はいまそういう人選については全く白紙でございます。しかし、いずれ相談には乗らしてもらうことだと思いますんで、その際はできるだけ公平に扱いたいと、こう思っております。
#150
○須藤五郎君 議運の理事会にしょっちゅう審議会の委員の承認を求める人事案件が出てくるんですが、いつも私ふしぎに思ってしかたがないんですね。この間も電波監理審議会ですか、そこの審議会に三井銀行の会長さんですか、何かそういう方が電波の問題で出てみえて、第一またその会長になってるんですね、この審議会の。それで私、この三井銀行の会長さんは、それは財界人ではあるだろうけれども、電波についてどれだけの知識を持っていらっしゃるのか、どういう識見を持っていらっしゃるのか、私はふしぎだったわけです。もっと適当な人があるだろうと。年七十歳で三井銀行の会長さんがこれの会長になることがはたして好ましいことかどうかと私は思いましたですよ。こういう人事がしょっちゅう議運の理事会には出てくるわけなんですね。
 だから、今度のこの人事ですね、小坂大臣、この人事は慎重にしてもらわぬと、私はもう徹底的に追及しますよ。変な人事案件の承認を求めてさましたら、私はその点はきびしく追及しようと思ってるんですね。こういう問題、重要な審議会ですからね。だから、人選にあたりましては十分注意をしてやっていただきたいということを、この際、私は申し添えておきたいと思うんですね。私は役員の人選は大切な問題だと思うんです。この役員には日本学術会議、大学、研究機関、大学協会等からも選ばれるべきだと私は考えるんですが、政府の考えはどうでございますか。また、研究評議会の評議員の人選も同様のことが言えると思うんですが、政府の考えを述べていただきたい。
#151
○政府委員(宮崎仁君) 発起人につきましてはいま長官の御答弁のとおりでございまして、特につけ加えることはないと思いますが、研究評議会の人選につきましては、二十五名以内でございますから、これはやはりこういった分野についてそれぞれ見識を持った方々に広く参加をしていただきたいと思います。私どもは、企業関係の方も、そういった面で現に民間シンクタンク等できておるわけでございますから、決してそれは別に排除すべきものではないと思っておりますが、学界等についても考えてまいりたい。いま具体的におあげになりました機関等につきましても、もちろん適切な方がおられれば考えていくということであろうかと考えます。
#152
○須藤五郎君 適切な人というようなことばを使ってもらいたくないために私は最初質問をしてあるのですよ。あなたは、日本学術会議は日本の最高権威が集まっているんだということをさっき答弁したでしょう。大臣もそういうふうにお答えになっていますよ。それならば、こういう重要な機関にはそういう方々をお招きするということが私は正しいと思うんですよ。適当な人があると、適当な人が一ぱいおるんじゃないですか、日本の最高機関なんだから、そこは。そうでしょう。大学、研究機関、あらゆる、私がいま申し上げたような中にはりっぱな方々が、適当な方々が一ぱいおるわけですね。だから、そこから適当な人があったら選びますと言うんでは、適当な人がなかったから選びませんでしたという答えがあなたたちの口から次には出てくる、私はそういう予測をするんです。だからそうじゃなしに、そういう民主的に選ばれて出てきている方々から、そこからお選びしますと、こうなぜ言えないのですか。そんな逃げ口上はだめですよ。どうですか。
#153
○政府委員(宮崎仁君) この機構の扱う範囲が非常に広範でございますから、関係する分野というのは非常に広いと思います。したがって、いま特定の組織と申しますか、そういうところからの方は必ず入れますということを私ども申し上げるのはたいへん越権だと思います。これは、もちろんおあげになりました学術会議等にも非常に優秀な方がおられると思いますので、そういった方々も含めまして、ほんとうに評議員として御指導いただくのにふさわしい方々というのをひとつ選んでいけるようにわれわれとしては努力をしてまいりたいと、こう思っておる次第でございます。
#154
○須藤五郎君 一般社会から非難のされないような人選をしてもらいたいんですよ。あなたたちの、自分たちの都合のいいような人選をし、時の権力者総理大臣に都合のいいような人ばっかり選んだらまた問題になりますよ。私たちは問題にしますよ、そのときは。だから、非難のないような人選をされるということがこの機構を健全に発達さしていく私は第一の要件だと、こういうように考えているんです。そうじゃないですかね、小坂さん。人選というのは非常にむずかしいんですよ、こういう場合。小坂さんはどういうふうに、もう総理にまかせておいたらそれでいいとお考えになりますか。
#155
○国務大臣(小坂善太郎君) 人選がむずかしいことは全く同感でございますが、これは先ほどからも須藤委員御自身が問題にされましたように、やはり基金を集める問題も一つございます。やっぱりそういう方面の募金能力が全くない人ばかりが集まっても、これはどうにもならぬという点もございまして、できるだけひとつせいぜい勉強いたします。
#156
○須藤五郎君 そうなると、やっぱり金づるが大切だということになって、学識経験の豊かなりっぱな人物というものは第二義的に置き忘れられていくということも起こりかねないということだと私は思うんですよ。やっぱりこういうほんとうの学問的な問題を追求していく機関というものは、そんな金づるよりも、まずそういう人材を選ぶということが私は第一義だと思っております。金はどこからでも出てくるときは出てきますよ。だから、まず人材を選ぶということが第一義だと、私はこう思いますよ。違いますか、私の考えは。どうでしょうか。
#157
○国務大臣(小坂善太郎君) いろいろお考え、人によってもあるわけだと思いますけれども、たとえば財界の人でありましても、私は、小林一三先生のような方もおられるんで、財界だから金持ちで、ほかのことは知らないというふうにきめつけることもまたいかがと思いますので、何と言いますか、平均して均衡のとれた考え方を持てる人であれば、それこそその人がやるならということで、資金の点も解決するというふうにも思います次第でございまして、非常にこういうものを出していろいろしょい込むのはたいへんなことでございますが、国家のために必要な機構が十分機能できるような人材を網羅するように考えたいと思っておる次第でございます。
#158
○須藤五郎君 いま小林一三の名前を出されましたが、小林一三氏は私も三十年近く一緒に仕事をしてまいった仲でして、かの人物は私はよく知り、私なりに評価はしているつもりなんです。また松永安左衛門さんのような方、あの方も私はりっぱな能力を持った方だと思っています、財界人ではあってもですね。りっぱな能力を持った方だと私は評価をしております。しかし、まず金か、まず人材かといえば、やはり、まず第一条件は私は学問的なちゃんとりっぱな能力を持った人が第一義だと、こういうふうに思うのです。だからそういう面を忘れないで人選は進めていってほしいということをまあ申し添えておきましょう。これで議論していると時間がどれだけあってもなくなってしまいますから、この程度にしますが、その点をどうぞ心得ていってもらいたい。ということは、人の問題はこの機構の運営を左右する一番大きな大事な問題だと思いますから、私はこれをやかましく言うわけですね。
 総理大臣は役員を認可するにあたりまして、あらかじめ国会の場で意見を聞くようにすべきである、こういうように私は思っておるのです。そうすることをここでお約束できますか、どうですか。また、評議員の認可にあたってもそうする考えはございませんかどうか、この点を伺っておきます。
#159
○国務大臣(小坂善太郎君) これは行政府としての人事権の範囲で、総理大臣におまかせを願ってしかるべきものであるというふうに私は考えております。
#160
○須藤五郎君 そうすると、国会には相談をしないということですか。どうですか。
#161
○国務大臣(小坂善太郎君) これは総理大臣が認可する権限の範囲内の問題であるというふうに思います。
#162
○須藤五郎君 そうするとその問題は、人事に関してはやはり国会の承認を求めるという形で、人事案件として議運に出てくるということでしょうか、どうなんですか。そこはどういう関係になってくるのでしょうか。
#163
○政府委員(宮崎仁君) こういった人事に関していろいろのルールができておりますが、この認可法人の人選あるいは評議会の人選等につきましては、これは国会の承認を得る、議運の承認を得るというような手続を必要としない、行政権限でやっていけるという形で従来とも扱ってきておる範囲でございますので、今回もそういうことでまとめさしていただいた次第でございます。
#164
○須藤五郎君 まだあとにおもしろい重要な問題がたくさん残ってますから、先に急ぐことにしましょう。
 この機構の日常的な運営活動は、事実上権限の強い会長または理事長が握ることになっておると思いますが、この機構の管理運営が民主的に行なわれる組織的な保証は一体どこにあるのか。それから、役員や評議員の任期は何年にすることを考えていらっしゃるのか。これはもう事務的なことですから簡単に答えてください。
#165
○政府委員(宮崎仁君) この役員等の任命にあたりましては、これは内閣総理大臣の認可を必要とするということでございます。したがいまして、いま御意見もございましたけれども、当然、総理大臣がそういった法律の目的等に照らしまして公正にやっていただく。で、また、先ほどから申し上げておりますように、自主性を尊重し、あるいは中立性を守っていくということも申し上げておる次第でございますから、そういうことにふさわしい役員を選んでいただく、こういうことによってこの機構の運営が誤りなきを期していきたいと思っておる次第でございます。
 なお、役員の任期等につきましては、定款をもって定めることにいたしておりまして、おそらく何年という任期をつけることになるんだと思いますが、まだ成案を持っておりません。
#166
○須藤五郎君 「研究評議会」、第二十条についてお伺いしますが、ここに「その他機構の運営に関する重要事項」ということばが使ってありますが、それは一体何を意味するのか。予算、資金計画もこの中に含まれるのか。また研究評議会はだれが招集するのか。また定期的に開くのかどうかという点。
 それからもう一つついでに伺っておきます。研究評議会と役員会または理事会はどのような関係にあると理解すればよいのか、この点を伺っておきます。
#167
○政府委員(宮崎仁君) 研究評議会は、二十条にございますように、事業計画、予算その他機構の毎年度の運営に関する問題の審議をやっていただく。これ以外に、たとえば午前中にも議論がございましたが、民間シンクタンクとの関係の総合調整の問題であるとか、あるいは第一条にありますような研究開発の大きな方向をきめていく問題。それはまた業務方法書等にも反映するかと思いますが、そういった重要問題を御評議いただく、こういうことにいたしておるわけでございます。
 それから、評議会のやり方でございますが、招集は、これは会長が招集するということになると思います。
 それから、定期的にやっていくかどうかということでございますが、この辺については、評議会ができました段階でむしろおきめを願ったほうがいいのではないかと思いますけれども、この事業計画、予算、それからその他具体的な重要事項というようなことになりますと、やっぱり相当回数やっていただかにゃならぬと、こう思っております。
 それから招集は、先ほど申しましたように会長が招集するということでございまして、もう一点落ちたかもしれませんが、一応……。
#168
○須藤五郎君 評議会と役員会、理事会との関係ですね。
#169
○政府委員(宮崎仁君) 失礼いたしました。この評議会と理事会等の関係でございますが、いわゆる役員会と申しますのは、この機構の執行機関でございまして、執行の責任者でございます。したがいまして、事業計画、予算あるいは業務方法書その他重要事項についての原案を作成してこの評議会で御審議をいただく、こういうことでございます。そこでこの修正の必要があれば修正もいたすということでございまして、まあ言ってみれば執行機関のほうが役員会であり、そして評議会のほうは審議機関である、こういうふうにこれはなっておるわけでございます。
#170
○須藤五郎君 総合的研究開発のテーマについてお伺いしておきたいと思います。
 総合的な研究開発につきまして具体的にどのようなテーマが決定されるかということは、国民にとりまして重要な問題だと思います。テーマ決定に当たっては、広く国民が解決を要求する課題が反映されることが必要であると思いますが、国民の要望はどのような形で反映されるのか。どうですか、そこを……。
#171
○政府委員(宮崎仁君) これはこの機構そのものが自主的に運営していくということで、テーマの選定等も機構に相当主導権があるわけでございますけれども、しかし、関係各省がこういったこの機構に対して委託をしていく、あるいはその機構の運営についていろいろ意見も言うというようなことも出てくると思います。そういうことから関係各省の協議会をつくりたいということを申しておりますが、国民のニーズをどういうふうにして選んでいくか、またくみ上げていくかという問題につきましては、もちろん、この機構としてもそういった問題についていろいろの分野から情報をとり、要望をとるという形で努力すべきだと思いますが、同時に、いま申し上げましたように、関係各省の協議会等もございますので、各省がそれぞれ持っておる手足あるいはこの情報収集のルートというところを通じまして、こういった問題を取り上げてはどうかということを出していただきまして、そういうことをまたこの機構のほうに伝えていくと、こういうやり方もとっていきたい。相互のフィードバックを考えながらそういうことにこたえていきたいと思う次第でございます。
#172
○須藤五郎君 テーマの問題につきまして、ほんとうに国民が必要とする課題がきめられるか、あるいは国民のためと言いながら、実際には大企業のための課題がきめられるかは、この機構の役員や評議員にどんな人物が選ばれるかということと私は深い関係があると思っております。まあ、これはまた別に質問をいたしたいと思ってますが、この国民の必要とする課題をテーマとして決定するための一つの方法としまして、テーマを地方自治体を含めて広く公募することを考えるべきだと私は考えるんですが、どうでしょうか。私は非常に建設的な意見を述べておると思うんですが、この考えに対してどうですか、賛成ですか。
#173
○政府委員(宮崎仁君) 問題の性格が非常に専門的な分野にわたることでございますので、ちょっと公募ということは、実は私ども全くそういうことに頭が働かなかったわけでございますが、そういうことが可能であるかどうか、まあひとつ検討さしていただきたいと思います。
#174
○須藤五郎君 公募すれば、私はいろんな意見が国民の中から出てくると思いますよ。ぜひそういうふうな方向で検討を進めていただきたいと思います。
 それから「シンク・タンク」という本の中に、ランドコーポレーションで行なったアジア・モンスーン地帯の気象研究が、アメリカ空軍の非人道的なベトナムでの無差別爆撃などのために行なわれていたという事実があるのを私は知ってびっくりしたんです。これは「シンク・タンク」九九ページに書かれておることなんですね。このように、一見、平和的なテーマが深く軍事とかかわり合っている場合があると思いますが、この機構では軍事的な問題にかかわるテーマは一切扱わないという保証はどこにあるのか。どこにもないように思いますが、その点はどういうふうに扱っていかれる考えですか。
#175
○政府委員(宮崎仁君) これは衆議院での修正でございますけれども、第一条に「平和の理念に基づき」ということが修正として入れられましたし、また、もともと「現代の経済社会及び国民生活の諸問題の解明」ということでございますので、軍事というような問題が入ってくることはないということにはっきりしておると思います。また、現実に三十九条の関係各省としても防衛庁は入れておりません。
#176
○須藤五郎君 ただ、衆議院で平和のためにというような字句が使われておりますが、あれだけでそういうことがないという保証が成り立ちましょうか、どうでしょうか。平和な顔をして気象を調査するとかいろいろなことを言いながら、さあそれができるとアメリカ軍がベトナム爆撃に使ったというふうな、そういう事態が生まれておるという事実がありますからね。私はその点はよっぽどしっかりとしたワクをはめていかないと、将来そういうことが日本でも起こりかねないような感じがするんですがね、どうでしょうか。どういうふうにしていったらいいでしょう。大臣、ひとつ政治的なことですから……。
#177
○国務大臣(小坂善太郎君) 私はまず、日本の国全体の考え方といたしまして、平和国家に徹するという憲法の規定もございますわけでございますから、それに背馳する研究というものは、これはあり得ないことであると思っておるわけでございますが、はたまたこのシンクタンクの法律の第一条の目的に「平和の理念に基づき」ということがございますし、それから「総合的な研究開発に関する情報の収集、整理及び提供を行ない、もって国民の福祉の増進に資することを目的とする。」すなわち、戦争などということはもう全然毛頭ないということでございますので、こういう考え方に基づきまして定款ももちろんできると思いますし、定款違反の行為等はもう絶対に行なわれてはならないし、行なわれないものであるというふうに考えております。まあアメリカのランドコーポレーションというのは、もともと軍事費を当てにしてできたものでございますので、それにそういうことがあったからといってわがほうにおいてその危惧があるというのは、これはちょっと考え過ごしのように思いますし、私はその責任者といたしまして、さようなことは絶対ないということをお誓い申し上げたいと思います。
#178
○須藤五郎君 これが私の杞憂に終わればけっこうなことだと思うんですけれども、大臣は平和憲法があるからということをおっしゃいますけれども、私たちは考えて、平和憲法を持ちながらやはり自衛隊というものがあり、そして着々とそれが拡大されて再軍備の方向にいくという、これを見ておると、決してあれだけの文句でわれわれの懸念がなくなってしまうというふうには私たちは考えられないんですね。だからこれは運営をしていく場合に、ほんとうの民主的な運営をしていくという中で、これがやはり私はりっぱに守られていくとこう思うんですね。そのためには人選からやはり厳重に人選をして、そういう人たちを運営に当たらせるということですね。こういう形でいかぬと、やはりいろいろ問題が起こってくると、こう思うんですね。あの平和憲法、私たちが運営したら、りっぱにあの字句どおりの運営をやりますよ。そうでない人が運営すれば非常に危険な、平和憲法といいながら、平和平和といいながら非常に危険な状態が生まれてくると、こういうことなんですから、だからその点は運営をする人がよっぽど重要ですから、その点もよく注意をしていってもらいたいということです。まあそれ以上言うと、ごたごたその辺から文句が、自民党席からたくさん出てくるようでございますから、これ以上私は言わないでもおわかりのことだと思いますから、次の質問に移ることにしましょう。
 研究成果の著作権という問題なんですね。文部省の方も見えておるようでございますから、文部省の方に伺いますが、総合的な研究開発の成果の著作権はどこにあるのかという点ですね。
#179
○説明員(鹿海信也君) このシンクタンクにおきまする総合的な研究成果の著作権につきましては、著作権法の第十五条に該当すると考えます。すなわちこの場合、その研究がシンクタンクの業務に従事する者によって行なわれる場合と、それから研究が外部の者に委託して行なわれる場合と、この二つに分けて一応考えてみる必要がございますが、まず最初の、研究がシンクタンクの業務に従事する者によって行なわれる場合でございます。この場合、まあ著作権というものは、研究を行なう者が著作権を取得するのは著作権法上の原則ではございますが、次に申し上げます四つの要件が満たされる場合に限りシンクタンク自体が著作者となり、著作権を取得すると考えます。
 すなわち第一番は、シンクタンクが研究について企画を立てるということ、第二番は、シンクタンクの業務に従事する者が職務上行なう研究であること、第三番は、研究をシンクタンクの著作の名義のもとに公表し、または公表する予定であること、それから四番は、業務に従事する者を著作者とすることについて契約や勤務規則に別段の定めがないこと、このような四つの要件がございますが、そういう要件を備えておる場合にはシンクタンクの著作権というように考えられます。したがいまして、シンクタンクの今後の運営によりその業務に従事する者は、研究の著作権を取得することができると考えます。
 なお、第二番目のほうの、研究がシンクタンクから外部の者に委託して行なわれる場合でございますが、研究の委託にあたり、委託者が資金や資料の提供、研究の助言を行なった場合といえども、著作物の著作者は受託者で、委託を受けた者でございますが、受託者が著作権を取得すると考えます。なお、シンクタンクが受託者との契約により著作権の譲渡を受けるということももちろん可能でございます。それは契約によるわけでございます。
#180
○須藤五郎君 ちょっとあなたの答弁を聞いておって、同僚議員がはたして御理解願えたかどうかというと、私ちょっと疑問を持つのですよ、そういう答弁のしかたではね。
 それじゃもう少し質問しますが、このシンクタンクの研究成果ですね、これに対しては人格権も財産権も、他の芸術作品の著作権と同様に、死後五十年間というものが守られるのかどうかですね、その点はどういうふうに……。まだあなたのほうで、このシンクタンクの研究成果に対する著作権というものは、これは成案中なんでしょう。いま。もうでき上がっているのですか。普通の著作権法をそのままこれに当てるわけなんですか。それならばやはり人格権、財産権、この二つの著作権の二本柱、これは死後五十年やはりその著作者に帰属すると、こういうふうに理解していいんですか。
#181
○説明員(鹿海信也君) 先ほどくどくど申し上げましたが、当初申し上げましたとおり、現著作権法の第十五条の法人の著作権に該当するものと考えておりまして、いま先生のおっしゃいましたとおりのように私どもは考えております。
#182
○須藤五郎君 そうすると、これは日本のシンクタンクの研究成果のみならず、外国のシンクタンクの研究成果ですね、それにも同様に当てはまると考えていいんですか、どうですか。
#183
○説明員(鹿海信也君) そのとおりでございます。
#184
○須藤五郎君 そうすると、いまIBMのいわゆるプログラムね、これにも著作権ありと、こういうふうになるわけですか、どうですか。
#185
○説明員(鹿海信也君) 専門的な事項にわたりますので、私どもの調査官からお答え申し上げます。
#186
○説明員(小山忠男君) お答え申し上げます。
 IBMのつくりましたプログラムにつきましても、日本の著作権法によって保護をいたします。
#187
○須藤五郎君 それはいつからですか。
#188
○説明員(小山忠男君) IBMは、その属する国がアメリカ合衆国でございます。それでアメリカ合衆国は現在実施されております万国著作権条約に加入しております。それから日本もその万国著作権条約に入っております。したがいまして、その条約によりまして、日本は、アメリカのIBMのつくりました著作物を保護する義務を負っております。
#189
○須藤五郎君 おととし、二年前にここで情報関係の法案が審議されたときに、私は宮澤通産大臣に、将来プログラムですね、ソフトウェア、ああいうものにも著作権を認めるべきではないかという質問をしましたとき、現在まだありませんと、こういう答えだったわけです、宮澤通産大臣の答えは。そうすると、それが前からちゃんと著作権があったという文部省当局の答弁と少し違うんですよ。それで私はさっき、いま文部省でそれは策定中ですかという質問をしたわけです。いや、以前からある著作権法でこれが適用されてくるのだというお答えなんですね。それはいつこういうふうに……。宮澤長官は、将来そういうことが起こり得ると思いますけれども、いまありませんという答弁をしていらしたのですが、いつからそういうことが起こって、現にもうIBMの著作権はちゃんと認められておると、こういうと、これまでIBMのプログラムを日本でも利用している人があるだろうと思う。そうすると、それはほんとうに著作権料をちゃんと払っておるのかどうか、こういうことにもなってくるわけなんですね。そこはいつからどういうふうにして、それでどういうふうに著作権料が払われておるかということです。どうですか、そこをはっきりしておいてくださいよ。
#190
○説明員(小山忠男君) 詳しい実態につきまして、私つまびらかにしておりませんけれども、IBMのプログラムがもし現在存在するとすれば、先ほど申し上げましたように、万国著作権条約によりまして、日本の国におきましては、日本の国の著作権法においてこれを保護をする義務を負っております。したがいまして、日本の会社におきまして、そのIBMのプログラムを利用する場合におきましては、事前にIBMの承諾を得る必要があると、こういう仕組みになっております。
#191
○須藤五郎君 あなたは実情をつかんでないと思うんだな。私の友人に、プログラムを専門に研究し、そしてつくっている友人があるんですよ。それでその当時、将来日本にも、プログラムにも著作権ができるようになる時代が来るよと私は言いました。そうしたらその友人はびっくりして、そんなことになったらたいへんですと、現在IBMがたくさんの権利を持っているというわけですね。それに全部著作権が適用されたら日本は立ち行きませんよと、こういうことを言った友人があるんですよ。それで、あなたはIBMには著作権があって、それはちゃんと守られておるとこうおっしゃいますから、それならばそのIBMの著作権料はどういうふうに皆さんは守って、どれだけの著作権料がIBMに払われておるか、こういうことになるわけなんです。今後もそれをずっと履行していくのかということなんですね。
 その当時、通産大臣が、まだ日本には著作権がありませんという答弁だったから、私はそうだと思ったら、いつの間にやらそれがちゃんとできているというような御答弁だから、それじゃいつできたのか、それがちゃんと履行されておるのか、どういう形で履行されているかということを聞いておかぬと、今後ちょっと困っちゃうわけです。大臣、これは日本の産業とも非常に微妙な関係があるんですよ。だから、これははっきりしておく必要がある問題だと私は思っておるんです。
#192
○大矢正君 関連。いまの須藤さんのお話の中で、著作権という問題との関連なんだが、普通一般に呼ばれる著作権法に基づく保護というもの、それから特許法その他による保護の問題、いろいろ考えるのに、今度のこの種の問題は、そのいずれにもはっきりと当てはまるというようなものではないような感じを率直に言ってわれわれ受けるんですね。一つの研究の成果であり、それが完全な物をつくる製法の工程の成果であれば、これは特許法に該当するし、それからそうじゃなくて、先ほど須藤さんがおっしゃったような完全な一つの著作というようなものであれば、これは著作権法になる。ところが、そのいずれにもひっかかるようなあるいはひっかからないようなという、非常にこれ独特の内容のものではないかという、私は私なりにそういう感じがするので、結局のところこの種の問題の保護というものは、これは今後の問題として新たな法律によって保護をするということを考えて、現行はたとえば著作権法の第十五条ですか、先ほどおっしゃったことによって保護するとしても、特殊な法律によって保護をするということが必要になるのじゃないかという感じがするのですが、いかがなもんでしょうか。
#193
○政府委員(宮崎仁君) いま大矢先生の御質問の点がまさに実態だと思います。で、文化庁のほうからお答え願いましたのは、要するに論文、講演、著作物というような形にまとまったものが、これが著作権法に基づいて保護せられるというようなことでお話しがあったものと、こう理解をいたしておりますが、この機構等で行ないますものは、実はそういうレポートとしての報告書そのもののみが問題ではございませんで、むしろそれをつくる経過、特にノーハウというべきかもしれませんが、そういったものが非常に問題になるわけでございます。これについては現在取り締まるべきといいますか、法規的にどうするということはできないわけでございます。
 それで、アメリカのシンクタンクの例などについて聞いておりますと、たとえばプロジェクトチームを組みまして、各方面から人が集まっていただいたときに、その成果としてのレポートはこれは渡さないということだそうでございますが、頭の中に入ってしまったノーハウはこれはもうどうしようもございませんから、それはそのまま持って帰っていただくということのようでございます。
 で、今回の機構につきましては、この第一条の目的等からいきましても、全部成果の公開をするという原則でございますから、委託を受けた場合には、これは原則として委託者に成果をお返しをするわけでございまして、かりに著作権ということがあればそこに著作権が帰属するということになります。あるいはこの機構そのものが実施した場合にも、いまちょうど文化庁でお答えになったように、四つの条件が満たされればこれは著作権として認めていただく、こういうことだと思いますが、その内容は原則として公開をするということでございますので、結局五十年とかなんとかというようなお話もございましたが、原則はそういうふうにはならないと、こういうふうに考えております。
#194
○須藤五郎君 それはとんでもない答弁だ。あなた、著作権認めると、それで、現在ある著作権法をそれに当てはめるんだと、こういう答弁が文部当局からされているんですよ、政府の。著作権の責任者がそういうふうに答えているんだ。それで、これにも著作権を適用するんだということを。あなたはそれは適用にならないと。それでは政府見解が違うじゃないですか。大臣、こういうことじゃ私たちこれは法案を審議できませんよ。ここが一番むずかしくて一番重要な点なんですよ、これは。なぜならば、将来これがどんどんいろんな方向に発展していくんですよ。そういう重要性を持ったものに、片一方は著作権法でこれを処理するという、片一方は著作権法を認めないと、それではどうするんですか、この法案。そういうことじゃ困るんですよ。
#195
○政府委員(宮崎仁君) ちょっと説明不十分でございましたので……。
#196
○須藤五郎君 不十分といって、説明になってないよ君のは。
#197
○政府委員(宮崎仁君) 結局、著作権としてこの法律によって認められるものというものは、著作物として実際につくられたもの、そういう形をとったものが著作権という形で保護され、そして法律の規定が行なわれると、こういうことだというふうに私は理解しておるということを申し上げたわけでございます。この点は食い違いないと思いますが、しかし、この機構が実施いたします場合には、いまソフトウェアについての御指摘もございましたが、そういったノーハウというようなものが相当大きなウェートを占めるであろうと、そういうものについてはこれは著作権というような形にはなりにくいと思いますが、しかし、この機構の場合には、そういうものにつきましても公開をしていくということでやっていきますということを申し上げたわけであります。
#198
○須藤五郎君 著作物は公開するのはあたりまえですよ。文学だって音楽だって、絵でも公開しますよ、著作物は。公開したものに著作権がないということじゃないですよ。公開したものでも著作権があるんですよ。この間、東京大学工学部教授の渡辺茂さんがここでノーハウには著作権があると、それが私は正しい見解だと思いますという、大学教授がここではっきりぼくの質問に答えているんですよ。それほど重要な問題なんです、これは。それで今後これが音楽の創造、文学の創造あるいは絵画の創造、そういうこともできるようにこれがなっていくんですよ。そうなればますます著作権というものが重要な形になってくる、それほど奥行きの深い問題なんです、これは。それをあなた何にも知ってない、経企庁当局は。文部当局もそういうものだというふうに理解してぼくは研究していってもらいたい、これは。東京大学の教授が確かに、私は須藤議員の意見と同じです、賛成ですと、こうはっきり専門家は答えているんです。経企庁は認めない。これはおかしいですよ、そんな考えでいったらとんでもないことです。そんな考えであなたたちの考えに同調するような研究者ばかり集めたって、学者集めたって何の役にも立たない。ほんとうにりっぱな識見を持った人たちをこの中に入れなきゃいかぬと、そこで人物が大切だということをぼくは口をすっぱくして言っているのはそこなんです。あなたみたいな単なる役人根性でこういう重大な問題を判断してもらっちゃ困るんだ。文部当局、あなたはどう思いますか、いまの経企庁の答弁に対して。あなたたちの考えを否定されているんですよ、ここで。
#199
○国務大臣(小坂善太郎君) 私は、法律の点は非常に弱いのでなんですが、責任者でございますから申し上げますが、もし足りなかったらまた事務当局から補足してもらいますが、私は、研究の成果ということであれば、これは著作物として著作権があると思うのでございます。ところが須藤委員のお話はプログラム、こういうものについてはどうかということでございましたように思いますが、これはまあどうも新しい問題としていろいろ意見があるところではないかと思いますので、これは十分私どものほうでも研究をさせていただきたいと思います。
#200
○須藤五郎君 音楽は頭から出たんです。その音楽をレコードに吹き込むとレコードになるんですよ。これをプログラムとしましょう。レコードにも著作権はあるんですよ、経企長官。商業用でそのレコード一回かければ幾らという金が取られるんですよ。放送局でレコード流しても著作権というものはちゃんとあって、著作権料払わなきゃならない。財産権にもあるんですよ。だからプログラムだって著作権の生まれるのは当然じゃないですか。頭から出たものがああいうものになって、それからいろいろなものが生まれてくるんですから、レコードから音楽が生まれるごとくやはり出てくるんじゃないですか。
#201
○国務大臣(小坂善太郎君) そのとおりでございますが、最近テープレコーダーというものが出まして、その著作権をめぐって国会でもいろいろ問題があったことは私ども経験をいたしておるんでございます。テープレコーダーの著作権を、喫茶店等で流す場合にこれは著作権料を払ったほうがいいのかどうかという点をいろいろ問題があったと記憶しております。それで、そういうような問題もございますし、今度の問題はシンクタンクの考え方、ソフトウェアというようなものの見方をどうするかということはこれはやはり新しい分野ではないかと思うので、須藤委員の御意見もございますが、なお今後これは検討させていただきたいと思います。
#202
○須藤五郎君 テープレコーダーにも著作権はあるんですよ。あれは、テレビやラジオの放送から家庭でとることは、それはわからないから見のがされているんです。しかし、あれを売り買いはできないんです。それは著作権法に触れるから売り買いはできない、だからテープレコーダーにでも著作権あるんですよ。大臣、よく知っておいてくださいよ。そうでないと芸術家というのは助からないですよ。そういうものなんです。だから私はこれから研究するのかと思ったら、現在もうすでにあると言う。それで著作権法の第十五条でこれは処理されるという答弁を得たから、私はこういう質問になっていくわけなんですね。ないと言えばまた問題ですよ。あると言えばまたそこから問題が起こってくるわけですね。将来このノーハウというものは、音楽も文学もいろいろなものができるようになる、やがて国民の思想指導まで、思想の中までこれがずうっと入ってくるような性格のものなんですよ。だから私たちはこういう問題に対して非常に重大な関心を持っておると、へたすれば非常にこれをつくる人は反動思想の人ばかりで、またそのシンクタンクの当事者がそういう右翼的な思想を持った人ばかりでそうしてその人たちが研究課題としてそういうものばかりさしたならば、そこから出てくる問題がすべてそういう右翼的なものがだあーっと出てくると、そうして日本国民に対して大きな害毒を流すということも起こり得るような性格のものなんです。だから私たちはこれを非常に重大視しておるということなんです。
 委員長、もう少し質問がありますが――それじゃ研究成果の著作権についてという中で、もう一つだけ質問が残ってますから、そこだけ質問して、あと二つの質問はきょうは割愛をしまして、文書質問するなら文書質問して回答を得ることにいたしましょう。約束のちょうど百分がいま来たところなんですがね。ですから別にそう超過しておるというわけじゃないと思うんですね。
 研究成果の公表につきまして、「総合的な研究開発の成果の公開」、二十三条三号について質問をいたしますが、これは、一、この機構自身で行なった研究であれ、二、機構が民間研究機関へ委託した研究であれ、三、外部から受託して行なった研究であれ、すべて一〇〇%公開するということを意味しておると考えてよろしいかどうかということですね。
 それから、企業秘密という名目で成果を公表しないということはないということをはっきり約束することがおできになりますか。
 また、機構が助成した場合の成果もすべて公開されると考えてよろしいか。――もう一緒に続けますよ。
 この成果の公開はどのような方法で行なうのか、アメリカのランドコーポレーションでは研究成果をいろんな形の出版物として発表し、図書館に寄贈し、また、一般にも入手できるようにしておると聞いておりますが、この機構では、研究成果の公表の一つの方法として出版活動を行なう考えはございませんか。これだけです。これで質問終わりますから、答えてください。
#203
○政府委員(宮崎仁君) 機構の行ないます業務のうちで三つのケースがございまして、みずから実施した場合、それから外部に機構が委託をして実施した場合、これは公表をいたすことに当然なると思います。ただ、外部から機構が受託をいたした場合には、これはその委託者に成果を返していくということになりますので、この機構がそれを公表するということが原則というふうにはならないと思います。したがいまして、それを公表するかどうかはこの機構に委託をした先のほうの判断ということになりますが、ただ、まあこの機構の第一条の目的からいいまして、受託をするといいましても、この第一条の目的に合うことでなければならないわけでございますから、一般的にはやはり公開されるのではないか、こういうふうに考えておる次第でございます。
 それから、第二の企業秘密という問題でございますが、これも民間の企業から受託をする場合に生ずるわけでございましょうが、先ほども申しましたように、第一条の目的ということに合致するものでなければならないわけでございまして、そういうものが企業秘密というようなことになじまない性格のものではないかと、こう私どもは考えておる次第でございます。
 それから、助成をいたして実施した場合でございますが、この場合にも当然これは助成の成果を機構のほうにいただくことになりますから、これについては公表していきたいと、こういうふうに考えております。
 その方法についてでございますが、これはいろいろの形が考えられると思いますけれども、ただいま御指摘のように、印刷物にして出していくというものは最もオーソドックスな方法と考えておりますし、それ以外にもわかりやすい形で広く知らしていくというようなことも考えてもいいんではないかと思っておる次第でございます。
#204
○委員長(佐田一郎君) ほかに御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#205
○委員長(佐田一郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 総合研究開発機構法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#206
○委員長(佐田一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 若林正武君から発言を求められておりますので、これを許します。若林君。
#207
○若林正武君 ただいま可決されました総合研究開発機構法案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党の四党共同提案による附帯決議案を提出いたしたいと存じますので、御賛同をお願いいたします。
 案文を朗読いたします。
  総合研究開発機構法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行にあたり、次の諸点について努力すべきである。
 一、機構に対する民間出資者が特定の企業、団体にかたよることのないよう指導するとともに、機構の役員及び研究評議員の人選並びに機構の運営については、機構の中立性、独立性が確保されるよう慎重を期すること。
 一、機構の運営にあたつては、研究評議会の審議結果が十分反映されるよう指導するとともに、機構が実施した研究開発の成果が国の政策に積極的に活用、利用されるよう努めること。
 一、機構が実施する業務の分野及び範囲並びに人材の確保等については、民間シンクタンクと競合せぬよう十分調整すること。
 一、機構に結集する研究者の身分、待遇等については、十分な優遇措置が講ぜられるよう指導援助するとともに、これを定款その他により明確化させるよう努めること。
 一、機構が巨額の資金を運用することにかんがみ、その事務職員については、有能な人材を定数的にも十分確保し、いやしくも経理面で疑惑を生ぜしめないよう指導すること。
 一、知的生産物に対する法的保護、シンクタンクに対する寄附金に関する税法上の優遇措置等シンクタンク成立のための基盤整備について早急に検討すること。
  右決議する。
 以上でございます。
#208
○委員長(佐田一郎君) ただいま若林君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行ないます。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#209
○委員長(佐田一郎君) 全会一致と認めます。よって、若林君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し小坂経済企画庁長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。小坂経済企画庁長官。
#210
○国務大臣(小坂善太郎君) ただいま御決議をいただきました附帯決議に関しましては、十分その点が実りまするように、本法の施行にあたりまして十分努力いたしたいと考えております。
#211
○委員長(佐田一郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#212
○委員長(佐田一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#213
○委員長(佐田一郎君) この際、おはかりいたします。
 阿具根登君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#214
○委員長(佐田一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 つきましては、この際、理事の補欠選任を行ないたいと存じますが、理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#215
○委員長(佐田一郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に大矢正君を指名いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十一分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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