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1949/04/27 第7回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第007回国会 本会議 第43号
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1949/04/27 第7回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第007回国会 本会議 第43号

#1
第007回国会 本会議 第43号
昭和二十五年四月二十七日(木曜日)
 議事日程 第四十一号
    午後一時会議
 第一 衆議院法制局職員定員規程中改正案(議院運営委員長提出)
 第二 引揚同胞対策審議会設置法の一部を改正する法律案(受田新吉君提出)
 第三 更正緊急保護法案(内閣提出、参議院送付)
 第四 保護司法案(内閣提出、参議院送付)
 第五 教育職員免許法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第六 教育職員免許法施行法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第七 臘虎膃肭獣猟獲取締法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第八 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、輸出農林水産物検査所の出張所設置に関し承認を求めるの件(内閣提出、参議院送付)
    ―――――――――――――
●本日の会議に付した事件
 農業に対する財政措置並びに金融に関する決議案(野原正勝君外五十七名提出)
 結核対策に関する決議案(丸山直友君外十九名提出)
 疾病に関する社会保險制度の整備に関する決議案(青柳一郎君外十七名提出)
 日程第一 衆議院法制局職員定員規程中改正案(議院運営委員長提出)
 日程第二 引揚同胞対策審議会設置法の一部を改正する法律案(受田新吉君提出)
 日程第三 更正緊急保護法案(内閣提出、参議院送付)
 日程第四 保護司法案(内閣提出、参議院送付)
 日程第五 教育職員免許法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第六 教育職員免許法施行法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第七 臘虎膃肭獣猟獲取締法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第八 地方自治法百五十六條第四項の規定に基き、輸出農林水産物検査所の出張所設置に関し承認を求めるの件(内閣提出、参議院送付)
    午後二時二十七分開議
#2
○議長(幣原喜重郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、野原正勝君外五十七名提出、農業に対する財政措置並びに金融に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
#4
○議長(幣原喜重郎君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
    〔野原正勝君登壇〕
#6
○野原正勝君 ただいま議題と相なりました農業に対する財政措置並びに金融に関する決議案に関しまして、各党各派を代表いたし、いささか所信を披瀝し政府の善処を要望しまするために、ここに趣旨の弁明を試みんとするものであります。
 今日の農村は、インフレーシヨンの急激なる收束のためにとられましたドラステイツクな財政政策の波動を受けまして、まことに困難な、しかも重大な段階に立ち至つておりますことは、衆目の一致するところでございます。由来農業部内におきましては、その特殊な性格のゆえをもちまして、国家資金の投下、補助金の交付等を行い、生産基盤の維持拡張をはかることが、政策の伝統的な基調とせられたのでありますが、今日ドツジ方式の遂行上、かような財政支出は次第に抑制せざるを得ない方向へと進んで参つておるのであります。ここにおきまして、新しき農業政策の展開ないしは農政の転換が広く唱道せられるに至つたのでありまするが、遺憾ながらわが国は、国土狹く、農業の規模はきわめて零細であり、資本蓄積力の薄弱なるわが国の農業は、農地改革後における土地担保力の喪失、農業人口の増大、経営規模の零細化、食糧価格の割安、徴税の励行等々の逆条件が発生いたしまして、その影響下におきまして、一般経済不況の進展につれまして、歩一歩と窮迫の度を加えておるのであります。しかして、再生産資金の自己調達力は非常に制約されて参つているのであます。しかも、食糧の自給態勢の強化推進は、微妙なる現下の内外情勢によりまして、一刻もゆるがせにすべからざることであるのであります。そのゆえをもちまして、財政上格段の考慮を拂いまするとともに、他面におきましては金融上の援助を講じ、もつて農業経営の合理化を強力に促進し、対外競争力を付與し、農業を確固たる基盤の上に建設することこそ国家百年の大計であると信ずるのでありまするが、なかんずく、一方において農業の基礎的生産手段たる土地の改良、災害復旧、他方において農業の経営主体たる農業協同組合の健全なる発展のために、財政上、金融上思い切つた施策を講ずることが絶対に必要であろうと考えるものであります。
 私は、ここに率直に当面する農林関係公共事業並びに農村金融上の問題点をついて、とかく軽く見られがちであるところの農業に対する財政措置並びに金融に関する最近の事態について諸君の注意を喚起し、政府がこれに一大英断をもつて対処せられんことを要望する次第であります。すなわち、土地改良、災害復旧予算の内容を検討いたしまするに、二十五年度におきましては百五十七億円でありまして、二十四年度百二十億円に比べますと三十七億円の増加と相なつておるのであります。この点にかんがみますとき、政府は土地事業並びに災害復旧事業に対しまして財政上相当意を用いているということは明らかでありまするが、しかしながら、予算全体から見まするならば、むしろ相対的には減少を来しておると言わざるを得ないのでありまして、まことに遺憾に考えておるのであります。
 農業生産力の増強政策といたしましては、生産の技術、経営組織等、広汎な部門にわたり、なすべきことは多々ございまするけれども、まず水利施設、客土、灌漑排水事業、農道の整備等々を行いまして、わが国の耕地面積の三割以上を占める濕旧を化して二毛作田となし、あるいは十数万町歩に及ぶと言われる災害による潰廃田を復旧する等土地の生産力の発展をはかりますることが最も効果的であり、また、ひいてはそれが生産費の低減、労働生産性の向上と相なり、難局に向う農家経済に強靱なる抵抗力を付與し、農業保護の実をあげ得るゆえんでもあり、対日援助見返資金を有効な費途に充てて対外貿易の伸張に寄與し得る捷径であると考えるものであります。
 現に政府の提出いたしました資料によつて見ましても、来年度の土地改良、開墾、干拓等によりまして八十三万石の増産効果を発揮すると計算されているのでありますけれども、私は、政府の覚悟いかんによりましては、今後数年間にして一千万石の増産も決して難事業ではない、わが国農業の生産力は決して限界点には来ていないということを確信するのでありまして、二十五年度公共事業費におきましても、国営の大規模開墾、国営開墾、代行開墾等においてほとんど前年度の継続事業程度に限られておりまして、水路建設、干拓等では、これが休止されることになつておるのであります。また灌漑排水事業におきましては、国営、都道県営いずれも昨年程度のものにすぎず、ことに団体営のものにありましては、二十五年度は大幅に削減されまして、継続事業のみが認められ、なかんずく小規模な土地改良事業補助費におきましては、内地の暗渠排水、客土のごとき事業には一銭の補助費をも支出しないことになつておりますることは、はなはだ不満に思うところであります。
 また災害復旧費を見ますと、本年度は全額国庫負担と相なり、また二十五年度分については災害復旧予備費のために百億を計上せられておるのでありますが、これらのことは、たいへんけつこうでありますけれども、はたして災害発生の場合に幾ばくかこうした耕地関係に充当されるか、はなはだこれを憂えるものでありまして、二十三年度におきましての災害復旧は二分の一、二十四年度分は三分の二に及ぶ厖大ないわゆる過年度災害が依然として本年度も放置せられますことは、何としても遺憾千万といわざるを得ないのであります。一般に公共事業の事業量は、現有の技術力、機械力に制約せられるものでありますが、専門家の言によりましても、少くも現在の二倍程度の事業量がないと最高度の能率を発揮し得ないということでありまして、政府は、みすみす貴重な人員、器材を遊ばしているということになるのであります。
 土地改良、災害復旧に関する決議案の上程は、すでに第一国会以来恒例になつた観があります。さきの国会におきましても、同僚議員の坂田英一君より、きわめて剴切なる所論が展開せられたのでありまするが、外国農業との競争、農家経済の窮迫の度を加えつつありま今日、その要はますます痛感せられまするにもかかわらず、政府の行政措置を見まするとき、いまだまことに微温のそしりを免れないのであります。よろしくこの際政府当局は、以上の線に沿うて土地改良、災害復旧の最優先措置を採用せられまして、まず第二に農林中金を通じて見返り資金の迅速なる支出をはかり、土地改良区、農業協同組合の土地改良事業への融資を絶対に必要と考えるのであります。しかも、これらの事業におきましては、いわゆる低金利でなければならぬ。農業の特殊性にかんがみまして、七分五厘あるいは九分というような利子においては、とうてい、その円満なる遂行は望みがたいのでありまするから、でき得べくんば年に三分五厘、二十箇年年賦というような、いわゆる長期資金の設定をはかる必要があろうと思うのであります。しかも国は、そのために一箇年一億円程度の利子補給を行うというような措置を講ずる必要があろうと考えるのであります。第二には、補正予算に土地改良、す。第二には、補正予算に土地改良、災害復旧費を増額いたしまして、補助率を引上げ、団体経営事業への補助を復活する等の財政資金の一層の充実をはかつていただきたい。第三に、公共事業費の迅速なる支出を行つて、資金の効率を発揮させること等の方法によりまして、財政、金融措置の画期的な促進に断々固として邁進せられますよう要望してやまない次第であります。
 次に農業協同組合の現況について申し上げますが、すでに新聞等にも報ぜられておりまするように、貯金の拂いもどしの停止ないとは制限を行つている單位組合の数は、実に一千以上に達しておると考えられるのであります。このままにて放置せんか、春期耕作資金の需要期を控えまして、五、六月ごろまでには、全体の組合の二割ないし三割がかような制限を行うようなことに相なり、やがては信連または一般金融界への波及をも懸念せられるのでありまして、これは非常なる農業の大きな問題になると思うのであります。この單位農協のこうした経営におきましては、もちろん内部の経営の刷新をかることは当然必要でもありますが、他面におきまして農村金融の梗塞を打開し、農業再生産の確保に遺憾なからしめるために、資金上万全の措置を期するの要切なるものがあるのであります。本年度の春耕資金の農家不足額は約九億円と推定せられます。これを系統機関によりまして消化せしめるといたしましても、結局中金において、新規貸出用として約百億円程度の外部資金を必要とするのであります。
 農業協同組合は、自主自営を建前とし、自力更生を策するは当然でありまするが、農業経営の現状、誕生後わずか二箇年にすぎない農協の実体に即しまして、この金額は、中金に対する貯金部資金の融通または国庫余裕金の預金、そのいずれかの方法によりまして国家がめんどうを見るべきであり、農業関係者はあげてこれを渇望している次第であります。二十四年度貯金部資金の原資超過は約四百億と相なつている事実にかんがみまして、二十五年度におきましては、運用制限の緩和をはかり、農業貸金への充当を特に要望する次第であります。これが返済は出来秋の供米代金等をもつて十分可能であると考えますので、組合経営の確立のためにも、ぜひこれが融資の実現をはかつていただきたい。
 次に、二十四年度産米に対する報奨物資の滞貨処理問題について一言いたします。ご承知のごとく、県購連または單位農協等が荷受機関として報奨物費を撮つつておるわけでありますが、これが滞貨処理のためにこうむる損害は約十三億円と考えられ、この補償措置につきましては関係閣僚会議の了解ができているというお話でありまするが、今日依然として実施行き悩みと聞いているのであります。この問題は、今後における農協経営刷新上の大きながんとなるおそれもありまするので、すみやかにこの解決をはかつてもらわなければ相ならぬと思うのであります。
 また農協会資産の受資産について見まするに、所要の長期低利資金約七十五億円のうち約五十億円の貯金部資金よりの融資要求がございまするが、国の方針は一向に決定を見ないのでありまして、中金よりのつなぎの融資もにわかに実現の可能性はないという次筋なのであります。これらのことを考えまするとき、今日の農協の置かれている地位というものは、まことにいばらの道を歩んでおるのでありまして、農村再建のにない手である農協の使命にかんがみまして、その方途を誤らしめないよう、政府は資金面において適切なる措置を講ずる必要があろうと思うのであります。
 最後に、米国対日援助見返資金よりの融資問題について一言いたします。御承知のごとく、二十四年度におきましては、見返り安全よりの私企業投資三百五十五億のわくの中で、農林関係は二十六億のわくが與えられたのでありまするが、中途における資金の削減、融資手続の変更等によりまして、農林関係の融資は、遺憾ながらキユアリングに対してわずか七千余万円にとどまり、土地改良、小水力電源開発等はあげて本二十五年度に持越されてしまつたのであります。しかるに、本年度運用計画によりますると、私企業投資四百億のうち、農林関係直接投資のわくは、造林一億、土地改良五億、計六億円のわくの設定があつたにすぎず、他は中金への融資二十億円を基礎とする貯金部引受の農林債券によつて資金を與えられることに相なつているのでありますが、総額千五百八十億円にも上る見返り資金のうち、ほかの私企業あるいは公企業、国政償還に充当される資金に比較いたしまして、農業関係の長期資金というものがいかに不利な立場に置かれておるかということを、われわれば追究しなければならぬのであります。
 先刻、土地改良、災害復旧等の急務なることを申し上げたのでありますが、わが国農業構造の特殊性に着眼せられ、財政寳企の潤沢化をはかるは言うまでもなく、当面する農村金融の危局を打開ずるため、一切の障害の排除に全力を盡されんことを要望する次第であります。
 以上を要約いたしまして、決議案を朗読いたします。諸君の御賛同を得たいと存じます。
   農業に対する財政措置並びに金融に関する決議案
  農業の復興とその生産力の拡充は、わが国経済の自立再建上不可欠の要件である。
  しかるに土地の改良、経営の改善等農業生産力拡充の施設は遅々として進まざるのみならず、最近における経済情勢の変化は、資本の蓄積力乏しき農業において極端なる金融こう塞を来し、営農資金、災害復旧資金等の供給にも重大なる支障を生じ、農業協同組合系統機関は、随所に相当憂慮すべき事態に立ち至つた。
  この際政府は、農業生産力拡充に対し、画期的なる財政措置をなすとともにひつ迫せる金融事態に対し、速やかに長期資金融通の方途を講ぜられんことを要請する。
 右決議する。(拍手)
#7
○議長(幣原喜重郎君) これより討論に入ります。井上良二君。
    〔井上良二君登壇〕
#8
○井上良二君  私は、日本社会党を代表いたしまして、本決議案に賛成の意を表明するものであります。
 今や日本の農業は、戰後急激に回復しました世界の農業生産を前にして、一大転換期に直面しているのであります。いまさら申し上げるまでもなく、わが国の農業は、その経営があまりにも零細であり、その生産はきわめて原始的であつて、過重労働を中心とする生産手段で直接国際市場に立ち向わざるを得ない実情にあるにもかかわらず、吉田内閣は、その成立以来、いかなる対策を農村にとり来つたか。
 御存じのごとく、低資金、低米価、重税を中心とする財政政策の実施は、外国食糧の大量輸入と食糧事情の緩和を景気とする農産物の低下と相まつて、農家経済の不安定を日々増大せしめたばかりでなく、また政府な国内農場の健全な維持発展を主張しながら、また生産者と消費者の利益を守ることを常に唱えながら、国内主要食糧はこれをできるだけ低米価で農民から強制供出を実施しながら、国民の血税四百五十億を投じて、実に三百七十五万トンという大量の外国食糧を、一石当り一万円前後というべらぼうに高い価格で買い入れ、これが事態と滞貨による莫大名損害を国民に背負わしてその責任を負わず、他方、農家の負担の軽減を主張する政府が、国税たる農業所得税を大幅に軽減するや、その肩がわりに、地方税と肥料の価格を大幅に値上げして農家の負担を重くし、また農業に対する国家の財政資金は年々削減し、特に公共事業費中農業関係経費は、二十二年度の三五%を最高として、二十四年度二〇%、二十五年度には一六%と減額し、ために年々増加します災害の復旧は遅々として進まず、老朽化しました土地の改良事業は戦前の半分以下に押えられ、農林中央金庫の長期金融も、その貸出しは、二十四年末でわずかに三十一億にすぎない現状であります。他方、農業協同組合の滞貨を中心とする金融難、預金支拂資金の梗塞には政府も手を焼いている実情にあり、特に昨年産米の供出リンク物資の滞貨処分に至つては農民を愚弄するもはなはだしい措置であり、今日に至るも依然としてこの問題は解決されていない実情にある。
 かくのごとく、農業経営の行き詰まりと今日の不況を誘致した重大な原因は、農家自身の経営の不手ぎわにあるのではなく、それは働く労働者、農民、中小商工業者を犠牲にして巨大資本に奉仕せんとする吉田内閣の反農民的政策の結果であつて、一切の責任は政府においてこれを負うべきものであることを言するものであります。ゆえに政府は、いま日本政府の現実の姿を直視し、今後の日本農業の方向について根本的な検討を加え、当面の危機突破に適切妥当なる方策を緊急に打出す必要があります。
 そこで、この方策を打出すためには、何よりもまず、日本の食糧は国内で最大限自給するちおう日本農業の根本的原則を確立しなくてはなりません。政府は、この国内食糧の自給度の確立に一切の農薬政策を集約して、農業生産力の増強に全力を注ぐべきであります。そのために、まず農地の徹底的改革による農村民主化の基盤の上に土地改良事業、開拓開墾、農業水利事業等を大々的に実施して、土地の生産性と利用度を高め、次いで農業の有畜機械化、農村の近代化等を通じて農業労働の生産性を高め、さらに経営を合理化して農家経済の安定をはかることが何より重要でありまして、このためには、政府が相当多額の国家資金を農業に投下するとともに、生産費を買う農産物価格を支持し、肥料、電力、農器具等の値下げを行い、農家の公租公課を軽減することが必要であります。
 私どもは、過去において幾度かこの問題を取上げ……。
#9
○議長(幣原喜重郎君) 井上君、約束の時間が参りました。
#10
○井上良二君 はい。
#11
○議長(幣原喜重郎君) 簡単に要点を述べてください。
#12
○井上良二君(続) 国会を通じて政府に強く要望し、特に昨年の第六国会において、今日あるを予見し、政府はわが国の農業を国際的水準に急速に発展せしめるため日本農業の近代化への大方針を樹立し、昭和二十五年度より相当多額の国家資金を農業に投下し、農業生産の増強と農家経済の安定をはかるべきであることを満場一致で決議したにもかかわらず、政府はこの院議を無視して、今日まで何ら積極的な方針と具体的な措置をとらなかつた結果、今や農村はまつたく行き詰まりの状態にあるのであります。政府はこの現実をよく直視して、農村の建直りに必要な国家資金をこの際大幅に投下して、新しく日本が国際的な競争場裡に立ち向うところの近代的農村の再建に全力を盡すべきであることを強調して、本決議案に賛成の意を表する次第であります。
#13
○議長(幣原喜重郎君) 高田富之君。
    〔高田富之君登場〕
#14
○高田富之君 私は、日本共産党を代表して、本決議案に対して賛成の意を表明せんとするものであります。
 農業の復興とその生産力の拡充は、わが国経済の自立再建上不可欠の要件である、こういうふうなことで、この決議案を今あらためてここに提出しなければならないほど、事態はこの常識的な農政の大前提が根底から否定せられつつある重大事態に立ち至つておるのであります。ただいまも井上議員から申されました通り、政府の今まで行い来たりました反農民政策の結果、今日の農村の窮乏、農家経済の破綻の実態に、まことにゆゆしい危機にあるのであります。
 今その二、三の点をあげて概観いたしてみまするならば、国土の荒廃につきましては、年々累増する災害に対する復旧の遅々として進まないこと、ことに農耕地といたしましては、復旧を要する災害耕地面積も、二十四年度の繰越しは実に六万町歩に及んでおるのでありまして、二十一年度に比較いたしますれば二・七倍に累増しておる状況であります。なお農地改良につきましても、政府が補助金を削減し、ことに小規模のものについてはほとんど出しておりません結果、今日では、用排水の不良のもの、あうりは老朽して旱魃や冷害等のおそれのあるものなど、これら農地改良の緊急を要するものが、延面積にいたしまして実に三百数十万町歩に及んでおるような実情であります。なお農家の経済の破綻については、今日すでに農業恐慌はいよいよ深刻化しておるのでありますけれども、政府といたしましては、農業恐慌という言葉を故意に避けて、恐慌はないというような前提のもとに、従来と同様の政策を強行いたしつつあります。
 現在、わが国の農村の基礎は、終戦直後と比較いたしましても、きわめて弱体化いたしておるのでありまして、一町歩以下の零細農が実に四百五十万二千戸、全農家の四分の三以上を占める状態になつておるのであります。ことに三反歩、五反歩未満というような極端な零細農が激増いたしておりますことが今日の農業の非常な特色をなしておるのでありまして、農民解放をと称することの実態は、まさしくかくのごとく弱体化した農業の実情であるのであります。
 なお、この零細農、貧農層の生活状態というものは、きわめて極端な貧窮過程にあるもでありまして、昭和二十五年度の、大蔵省で出しました所得税の基礎数字を見ましても、今日の農民の生活状態は、六千三百円ベースの就業労働者の生活状態よりも一層低いことが明らかとなつておるのであります。すなわち、本年度の大蔵省の計算によりますと、労働所得は婦負金八千百円、農民の方は八千八十三円、しかも家族人員は、勤労者については一・九八人農民については三・三六人ということでありますので、農業所得がいかに低いものであるかということが、これによつても立証せられれております。もつとも、これは課税対象になるものの平均でありまして、農家といたしましては、本年度、昭和二十五年度所得税の課税対象にならない者、言い換えれば年収七万三千円以下という低収入者が、実に五人家族平均で行くものといたしまして、二百七十万人を越えるのであります。まさに今日の農民の窮情は、この一事をもつてしましても推して知ることができるのであります。また一面、通過の最近における農村からの減少傾向は、通過安定対策本部の数字によりましても、昭和二十二年の二九・四%から、二十四年の十七・二%へと激減いたしておるのでありまして、農家のいわゆる金詰りの状態は、まことにゆゆしい事態となつておるのであります。
 かくして、農業協同組合の危機は当然に招来されるのでありあす。預金は極端に減少し、各單位農協におきましても、預金を持つておる者は上層の二、三割の農家、それ以外農家はほとんど言うに足る預金を持たない、まつたく預金を持たない者が相当数に上りつつあるのであります。また中金といたしましても、供米代金の歩どまり率が急速に悪くなり、ことに昨年度のごときにおきましては、十二月末におきましてわずかに一七・八%、前年度の二六・一%に比較いたしましても非常な激減であります。このような農業協同組合の資金の欠乏いたしておりますところへ莫大な対価の問題があり、未収金もふえ、今日といたしましては、おそらく昭和二十五年度において全国の農業協同組合の三分の一が破産するであろうとまでいわれるほどの重大な危機にあるのであります。また従つて、地方自治体の状態もきわめて重大な、危險な段階に入つておるのでありまして、町村の財政のごときま、町村税の未收入が非常に多くなり、また町村の吏員の給料さえも遅欠配が起り、中には町村自治体行政を放棄する、市町村長が辞職するというような事態も全国各地にふえて来ておるのであります。
 要するに、今日までの低米価、強権供出、その他重税等、政府の農村を犠牲とする政策の強行の結果、あるいは農地を放棄し、せつかく與えられた自作地を放棄しなければならない者、高利貸のもとに再び借金奴隷とし、隷属しなければならない者、肥料の配給さえもとれない者、あるいはまた転落農家で配給米の代金さえも持たない者、こういうような、まつたく言語に絶する窮乏状態が、まことに急速な勢いをもつて現在増大いたしつつあるのであります。
 このような、いわゆる農家の金詰まり、農業恐慌の進行を前にして、今申しました通り、政府は農業恐慌はないというようなことを言明いたしつつ、本年通過いたしました予算にも見られますように、農業に対する投資並びに融資は極端に節減せられ、あるいは削減せられつつあるのであります。公共事業費の割合も、さつきも井上さんが申されましたように、二十二年度と比較いたしますならば累年減少いたしておりまして、本年度は、全公共事業費に対して、農業関係はわずかに一六%にすぎない。また農民から政府がとり上げる農業所得税の総額に対して、政府の方から農業に対し生産的な意味で出される補助金の割合をみますと、昭和十六年には九九%でありましたのが、二十一年度には二六%、二十三年には二三%、二十四、五年につきましても同様減少しつつあることは明らかであります。このように、農村から吸い上げるものと農村に出すものとの開きは、けたはずれて大きくなつて参つておるようなわけであります。
 こういうふうな状態でありますから、農業そのものが経営的に成立たないときに、いかに融資にたよるといいましても、産業的な融資の対象に農村がなろうはずはありません。昨年来しばしば見返し資金の問題、また一般融資については相当の声がありましたけれども、事実においては、ほとんど融資が見られない。このような基盤に立つ日本農村に対して、商業的な融資ということはあり得ない。利息なんかも拂えるはずがないということが根本にあるのであります。ことに、今日最も……。
#15
○議長(幣原喜重郎君) 高田君、お約束の時間が参りましたから結論を急いでください。
#16
○高田富之君(続) 特に見返り資金につきましては、これが強く要望されておりますけれども、見返り資金もほとんど農業部面には出ておらない。特に山林だけこれは特殊の軍事的な意味があるとわれわれは考えますが、山林だけでありまして、他には出ないし、もしかりに中金の増資その他に多少出るといたしましても、この利息が七分五厘、ことにそれが組合を通じて来れば一割以上にもなるというようなことでありましては、通常の農業投資としては、これを利用することはほとんどでいないことは明らかであります。
 このような農業を犠牲にする国の再建方式は、要するに現在の日本の置かれている国際的な立場、国際的要請から来る必然的なものであつて、食糧を輸入して重化学工業製品、軍事的な製品を輸出する、肥料を輸出して食糧を輸入するという、現在の東南アジア全体を通ずる経済の一環をになうわが国の経済的状態が、もし動かし得ないとするならば、これは必然の結果であるといわなければならない、農村を犠牲にすることなしに今のわが国の国策に遂行されない、こういう状態に置かれておるのであります。
 私どもは、この窮状に対しましては、ぜひとも全農民が一丸となり、全国民が一丸となつてこの窮状を打開するための応急措置として、すみやかに農村に対する圧迫政策、すなわち小作村や地租の値上げ、地方税の値上げ、あるいは電気料や肥料の値上げというような政策をやめること、また適正な価格で農産物価格を保証すること、無制限に政府が買い上げるというような保護政策を講ずべきこと、大幅な大衆課税の軽減ないし撤廃をやるか、今までの農業手形ありはそのほかの高利債、拂えない税金、こういうものをすみやかに整理すること、国家の責任においてこれを整理すること、低利、長期、無担保の債務の借かえ、あるいはこれを棒引きするというような思い切つた対策を講ずる必要があると考えるのであります。なお土地改良あるいは開墾等につきましては、国家が直接国費をもつてこれを大々的にやらなければならない。わずかな補助金を出しましても、これは地方のボスなんかに食いものにされて消えてしまうだけであるから、大規模のものを政府みずからが断行する必要があると考えるのであります。
 最後に申し上げたいことは、このように今のドツジ・ラインに基く財政経済対策、ローガン構想による貿易、こういう方式とはまつたく逆行しなれけばやれないこの決議案、すなわち全国民があげてこれに進まなければならない……。
#17
○議長(幣原喜重郎君) 高田君――高田君、再度御注意いたします。
#18
○高田富之君(続) このような状態に対しまして、この政策に賛成し、これを支持して来た自由党の諸君が、これを提案するということは、まつたくこれは欺瞞のためか選挙対策であることは明らかでありますけれども事態がいかに深刻であるか、いかに全国民のこれが要望であるかということをここに現したものであると考える。私どもは、全力をあげてこの趣旨の貫徹のために全農民とともに闘い、前面講和、民族独立に向つて邁進するものであることを強調して、賛成の討論にかえる次第であります。(拍手)
    〔議長退席、副議長着席〕
#19
○副議長(岩本信行君) 吉川久衛君。
    〔吉川久衛君登壇〕
#20
○吉川久衛君 私は、国民協同党を代表いたしまして、ただいま議題となつておりますところの決議案に対しまして賛成の意を表するものであります。
 提案趣旨の弁明にもありましたことく、また各党の代表演説にもありましたことく、わが国の農業は、今やまさに破局的窮迫の姿をわれわれの目の前にさらしておるのであります。このような農村の赤裸々な実態を二、三申し上げてみたいと思います。
 その第一は肥糧価格の問題であります。すでに実施の予算では補給金が削減されて、今年の八月までには七割の値上げになつているのでありまして、これこそ手痛く農家経済を圧迫しておるのであります。肥料は農家の死命を制するかぎでありますが、今や、のどから手の出るほど必要な資材でありながら、みすみす自体する農家も現われ
 来ました。魚肥などのごとき有機質肥料は、遠く思いもよらない現状にあるのであります。
 第二は公租公課等の負担の増加であります。昨年は、均衡予算によつて公共事務費が大削減されました。これがために、土地改良や農業水利等の施策費は賦課金となりまして、これも農家を苦しめたのであります。村によつては、反当たり五千円から一万円にも及ぶ事業費であるにもかかわらず、背に腹はかえられむと、まつたく命がけでとつ組んでいるところもあるのであります。そのほか六・三制あるいは警察等の寄付金は、まつたく農家を泣かせているのであります。
 第三は災害の問題であります。農業生産は常に自然の條件と闘わなければならないのであります。一たび災害にあいますと、根こそぎ生産の基礎を破壞する危險にされされているのであります。もとより予算には災害復旧費が計上されてありますけれども、農家が必要とするところの営農や生計の資金に及ぶべくもないのであります。
 第四は米のやみ価格の下落であります。これはあまりほめたことではありませんが、さきにも述べましたように、戦後二箇年間は完全なやみ経済の世の中でありまして、今日においては、経済界の不況と外国食糧の輸入とによりまして、すでに農産物価格に公定を割る実情にございます。
 以上申し述べました農家の実体は、そのまま農村金融と組合経営とに異常な現象となうて現われてきております。すなわち、組合貯金の激減、購買品滞貨の増加、購買販売品の未収金の増大、長期資金の貸し出しの膨張と固定化等であります。かようなことは、いわゆる恐慌的現象として、およそ今日の企業体に多かれ少なかれ発生していることは、だれしも否定いたしませんが、ここにのうぎようの特殊性によりまして、さらに憂慮すべき事態の起つていることを見出すのであります。
 これを簡單に申しますれば、一、農家の春先に必要な営農資金をどう手当てしえやるか、二、組合貯金の拂いもどしをどうすれば円滑にできるか、三、村の財政のしわ寄せ、あるいは設備の長期資金をどうすれば手当できるかということが、現下の当面する農村金融の難問題でもあるのであります。従つて、農村金融の代表者としての農林中央金庫が、貯拂い資金、滞貨資金、長期資金及び災害復旧金をどう調達してこれを系統組織に流すか、問題はここに集約されると思います。すなわち、これは單に農業金融上の問題のみではないのでありまして、現下の農業政策のうちに占める最重要なことと申しても決して過言ではないのであります。
 しかるに、右に述べました各種の資金は、今日の農村におきては、その内部に蓄積されているところの資金をもつてしては、とうていそれらの必要を満たすことはできません。従いまして、勢い外部資金、特に国家資金を導入しなければならないのであります。さらにその国家資金を導入するためには、利子軽減の措置と国家補償の措置等が講ぜられなければ完全とは申されません。私どもは、昨年度において、見返り資金から農業へ二十五億円のわくが定められていたのでありましたが、実際にはわずか七千円しあ融通されなかつたことを思いますときに、農業金融にいかに関心が薄いかを、まことにさびしく思うのであります。本年度は、何といたしましても根本的な再検討をされて、この農林金融に対して格段の配慮が拂われなければならないと思います。
 本日ここに本件が上程いたされましたのも、これは農民の切実なる声にこたえて野党から提案をしようということに相なつたのでありまするが、健全財政を堅持せんがためにデフレ政策を堅持するところの與党の諸君までもが、どうしてもこれを採択しなければならないという熱意を示されたのでありまして、共産党の諸君がこれは選挙対策だとか言われましたけれども、そういつた疑いも持たれるような、ただいままでの與党並びに與党の支持されるところの政党の施策であつたのでありまするが、しかも與党の諸君が欣然これの提案説明を担当いたされたということは、私は農民のために、日本再建の基盤をなすとろの農村のために喜ぶのでありまして、本案に賛成の意思を表明する次第でございます。(拍手)
#21
○副議長(岩本信行君) 羽田野次郎君。
    〔羽田野次郎君登壇〕
#22
○羽田野次郎君 私は、農民協同党を代表いたしまして、本決議案に賛成の意を表明するものであります。
 今日の農民の窮乏、そうして農民の経済組織としての農協の深刻な資金難の根本的な理由を考えますと、それは單に一般的な国民経済不振あるいは恐慌現象の一環としてだけではなくて、特に農薬は、昭和二十二年秋のころから激化いたしましたシエ―レの拡大と、二十三年の劈頭、実に無謀な所得税の更正決定による強度の収奪に基くものであるといわざるを得ません。それによつて、ほとんどまつたく農民のふところがからつぽになり、農協預金の帳じりがゼロになつたのであります。さらに、この第三次吉田内閣成立以来、露骨に巨大資本奉仕の財政金融政策――またいうところの均衡財政とは、その美名にもかかわらず、農業労働の成果をほとんどしぼり上げ、よつてもつて歳入歳出のつじつまを合せる政策であり、またさらにインフレ政策に成功したと御自慢になるけれども、その裏には、そのインフ収束政策を基礎としての低米価に泣く農民大衆のあることを政府は御存じないのではいかと存じます。このような政策を現政府が強行するに及んで、農業は最も深刻な不況に立ち至つたのであります。農業経済の基本とも申すべき米価は、米価審議会の答申――これは農業経済維持の最低線とも申すべきものでありますのに、これすら無視いたしまして、さらにはなはだしく低く決定したのであります。それは実に生産費を償わざるものであることは、天下周知の事実であります。すでにそうであるといたしますれば、農業の再生産の道は、の合内部資金においてはまつたく不可能に陥つたと断ぜざるを得ません。
 一体、農地改革の重大な目的の一つは、地主制度を廃止いたしまして、それによつて耕作農民を自作化し、地主へかつて納入した小作料の分を耕作農民みずからのふところに確保させまして、再生産を自主的に可能ならしめまして、農民の経済的自主独立をさせますことこそ日本民主化の最も根本的な基礎であつたはずであります。しかるに、今やこの低米価と重税は、かつての小作料以上の負担となり、農民の自己資金蓄積能力はここにまつたく否定されたのでありまして、この歴史的農地改革の大理想は、もはや根底から滅却されるに至つたといわざるを得ません。
 農民の今日の窮迫、そのよつて生きますところの農協の苦難は、まことに当然であるといわざるを得ません。これまつたく政治の責任であることは議論の余地はもはやないと存じます。しかも、農業内部資金によつて農業再生産拡大が不可能であるといたしますれば、政府は財政資金を、これまでの収奪政策の当然の代償として農業に還元すべきことは、もはや自明の理であるといわざるを得ません。これが私の本決議案に賛成する理由でございます。(拍手)
#23
○副議長(岩本信行君) 玉井祐吉君。
    〔玉井祐吉君登壇〕
#24
○玉井祐吉君 私は労働者農民党を代表して、ただいま上程になつている決議案に賛成の意を表明するものであります。すでに今までの議員諸公から、あらゆる面にわたつてのお話がありましたので、重複する分は一切除いて、具体的にこの点だけは注意してほしいという点を申し上げて、それをもつて終えたいと思う次第であります。
 もちろん、現在提案されております本案に対しまして、最も重要な点は、金利の点からうたわれていないということであります。いうまでもなく、現在の金利が非常に高いために中小企業が没落をする、そうして中小企業から救出されたところの人口が農村に還流する、もしくは農村で増加しあつところの人口が中小企業に吸収され得ないという状況をつくつております。のみならず、現在の農林中金においては、すでに一個独立の、あたかも日本銀行のような立場において農林金融自体を非常に強く引締めている面が決して少くない。これらの面を徹底的に改めるのでなかるたならば、いわゆる政府の方から出すところの金融としても、きわめて不十分なものにならざるを得ないといわなければなりません。さらに、農業協同組合の信任もあつて独立の一つの金融機関であるかのごとき観を呈し、むしろ農業関係に対する資金の放出に対する努力おというものはきわめて少いといわなければならない現状であります。
 さらに現在農村において、なるほど資金は非常に減つておる。しかしながら、その乏しい資金をさらに吸い上げているものとして、ご承知の生命保險は、全国的に網を張つて、全国的に農村から金を吸収しておりますが、この金自体が一般の金融関係に流れ込むだけであつて、農損に還流して来ない。しかも、これらの点は、これらの金融機関の行うところの浮貸しその他の方法による、厖大なるやみ利得が、関係を持つところの金利と密接なる連絡を保つておる、この点であります。
 これらの金利の問題について、金利を徹底的に引き下げるための処置を講ずべきであるということを申しますと、ややもすると金利が高くなければ金がまわつて来ないのだということを言う人たちがあります。これは元金がもどるという補償ができる場合にのみいえることであつて、農業のように逼迫した場合に、あるいは没落過程にある中小企業が金を借りようとしても、金利が高いというだけでは金は流れて来ないのであります。失礼な話でありますが、議員諸公が金を借りようとする場合と、三井三菱が金を借りようとする場合と、その必要がいくらあつて、も、金を持たない議員諸公には金を貸してくれないのが現在の情勢であります。金利が高ければ流れて来るといういうことは、元金自体が回収できるという資本主義自体の本質から見て、金利の引下げというとは絶対に必要な措置である。これを考えられないところの農林中金の方針というものも、また非常に大きな誤りだといわなければならないのであります。さらに、これらの金融措置、予算措置をとつたにいたしましても、先ほどすでにるる述べられているような課税の公平並びに農村負担の軽減という面が行われないで、單に金融だけが行われ、もしくはそれが低利で行われないで高利の貸付というものが行われるのであつたならば、実に羊頭を揚げて拘肉を売るに等しいものといわざるを得ないのであります。
 以上の点を十分に注意をして運用し得るならば、この決議案は生かし得るものと考えるのであります。これらの点について、いささかもそのことが果されなかつたならば、この決議案は單にごまかしの決議案だということをいわなければならないのであります。以上の点について要望しながら、わが党においては、この決議案に賛成の意を表するものであります。(拍手)
#25
○副議長(岩本信行君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
#27
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、丸山直友君外十九名提出、結核対策に関する決議案は、提案者の要求どおり委員会の審議を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
#28
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#29
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 結核対策に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。山本直友君。
    〔丸山直友君登壇〕
#30
○丸山直友君 私は、ただいま上程されました結核対策に関する決議案について、提案者を代表いたしましてその趣旨答弁を行います。
 まず決議案を朗読いたします。
  結核対策に関する決議案
  わが国における結核まん延の現況は、近年やや改善されたとはいえ、なお、昨年度の死亡者は、十四万に垂、とし、その推定り患人口は百億十万と言われている。
  従つて、その影響するところは、ただに保健衛生の分野のみならず、生活窮乏の因となり、経済の復興を阻害し、その国家的損失は、実に千億を超える国との喪失にも匹敵するのである。
  よつて政府は、結核死亡率を今後五箇年に半減し、十箇年に欧米文化諸国と同程度まで低下せしめることを目標として、強力なる対策を樹立し、これが急速なる実現を期するため、予算的その他必要なる措置を講ずべきである。
 右決議する。
 さて、わが国の結核の死亡率につきましては、死因統計の第一位を占めておりまして、死亡実数は昭和二十四年度十三万八千七百六十五名でありまして、死亡率は人口一万対一六・八八に達しており、従つて罹患人口はその十倍、約百四十万くらいと推定せらえておるのであります。戦争と申しますような生活環境の不良化を来す場合は、著しく結核死亡数を増加するものでありますが、わが国の場合は、戦前二〇以下でありました死亡率が、終戦の二十年には二八・二まで増加したのであります。終戦後の施策、方針が誤らなかたためとも見られますが、二十四年には、この死亡率は一六・八八と漸減して参つたのであります。これはまことに喜ぶべきことでありまするが、しかし、他方これをアメリカの三・六、英国の五・三に比較いたしまする場合には三倍もしくは五倍となつておりまして、これはまことに遺憾であります。さらに一層の対策の強化が必要であり、またこの水準に達せしむることは決して困難ではないのでございます。
 また結核は、保健衛生以外、多分に経済的意義を包含しておつのであります。すなわち本病による経済的損失は、概算いたしますと年間一千億あるいは一千五百億にも達するのではないかといわれておるのであります。もし年間十億もしくは二十五億の予算を得て、本決議案の内容に盛られておりますことを実行に移して参りまするならば、年間五百億の損失を防止できると考えるのでございます。その他健康保險、生活保護法等の支出にも多大なる節約を見ることは明らかでありまして、直接国家財政の節約に寄與するところ少からざるものがあるのであります。しかるに、現在の結核予防に関しまする予算は約一億円余りでございまして、まことに遺憾でございます。このゆえに早急なる対策を樹立いたしますことが必要であり、本決議案を提案した理由であります。
 以下、簡單に具体策について申し述べますならば、まず予防の面におきましては、第一線機関である保健所を、人口十万に対し一箇所の割合に増設することが必要であります。また病気にかかつておつて、みずから気のついておらない患者を発見しまするためには、都道府県知事及び政令の定める市の市長に対して、指定業以外までもの市長に対して、指定業以外までも必要なる健康診断を行い得るようにすること、また病気を発見いたしましたり、あるいは健康なことが証明せられましたことがはつきりした場合においては、その事後措置として、未感染者に対してはBCGの強制予防注射を行うこと及びその費用は国庫の負担とすること、一方黴菌をまき散らす危險のあるところの解放性結核患者の法律によるところの収容をなすこと、あるいは家庭内における隔離をなすこと等の結核予防法の全面改正を行うことが必要であると考えられます。これがためには、五箇年間に十二万床の増床を行う目的をもつて、施設の増設及び強制的の被収容者に対する経済的な裏づけがなされなけばなりません。すなわち、社会保險の拡充強化、傷病手当金の増額、給付期間の延長及び内容の充実、生活保護法の基準額の引上げ等による医療及び生活費の保障が必要であると考えられるのであります。
 発病予防のためには、必要ある所に栄養食の集団給食を行い、一方保養所、養護学校、養護学級等を整備し、虚弱児童等に対する対策を確立しなければなりません。またBCGの予防注射に関しましては、もし該当者の八〇%もてもこれを施行することができるならば、二十六年度には五千六百名の罹病者を減少するといわれておるのであります。しかるに、このBCGは、生産よりも、その検定機構の不備のために、その検定に百日以上を要する現状であります。生命の短い生物でありますこういうものを取扱う上において、その利用の点にまことに遺憾の点が多いのであります。こえは至急政府において改善せられねばならぬことを強調するものであります。
 また治療の方面及び後保護については予防と直結するものでございまして、外科的療法等の新治療法の発達者及をはかるとともに、基本的研究に対する研究費の補助の増額、新治療薬の研究及び生産に対する助成もまた考慮せられねばなりません。また営利を目的とせざる結核予防事業を行う法人に対する寄付金等は非課税となすべきであります。社会保障制度確立にあたりましては、結核撲滅に重点を置くの措置が必要であります。
 最後に申上げたいことは、これらの法律の改正あるいは施設の充実等が行われましても、これを運用し、この実施に当る技術者が優秀でなければその効果は期待いたしがたいのであります。現在、国立療養所の職員、技術者の待遇ははなはだ貧弱でありまして、そのために優秀なる者を得るに困難あることは明瞭であります。二十五年一月末も調査によりますと、現在国立療養所における充員率は六二%で、三八%の欠員があるという状況であります。これが待遇の改善をはかるとともに、他方医師、保健婦その他に補習教育を行つて技術の向上と充実をはかり、放射線技術者の身分法をつくる等の措置もまた考慮せられなければならぬと考えるのであります。
 さらに行政機構を一元化し、部局の新設と結核予防審議会をつくること等によりまして、厚生省内及び関係各省間の結核行政に連絡と統一を與え、その目的完遂のために努力を盡されんことを望むのであります。
 以上提案の趣旨は、結核小委員会におきまして審議を重ね調査を重ねました結果でき上つたものでございまして、それを基礎といたしたものであります。政府は最も近き将来において法制的並びに予算的措置を講ずることを要望するあであります。本決議案に対しし総員の御賛同を賜らんことをお願いする次第であります。(拍手)
#31
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議」なし」と呼ぶ者あり〕
#32
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めまする。よつて本案は可決いたしました。
 この際厚生大臣より発言を求められております。これを許します。厚生大臣林讓治君。
    〔国務大臣林譲治君登壇〕
#33
○国務大臣(林譲治君) 衆議院におかれましてては、今国会開会当初に、厚生委員会内に結核対策に関する小委員会を設置せられ、長期にわたつて結核対策に関する御研究の結果、本日院議をもつて結核対策に関する決議をされましたことは、政府といたしまして、その御努力に深甚の敬意を拂うとともに、感謝にたえないところであります。
 わが国における結核蔓延の状態は、御決議及び御説明の中にありあす通り、近時ようやく患者の減少を見つつあるとは申しながら、昭和二十四年においては、その死亡者は十四万、その患者数は百四、五十万と推定されているのでありまして、欧米文化諸国のそれと比較いたしますときは、死亡率はその五ないし6倍に達しておりまして、国民に精神的、物質的苦痛を與えるにとどまらず、庫か経済に甚大な悪影響を及ぼし、国家再建の一大障害となつていつことは明らかでありあして、政府といたしましても、その予防と撲滅には、かねてより力を注いでおるのでありますが、いまだ必ずしも十分でない点もあろうかと存じます。今回の御決議に盛られた御趣旨は、時宜に即した適切な方策でありまして、政府といたしましては、御趣旨を体しまして、今後とも各般の結核対策を強力に実施し、結核の撲滅に全力を傾注いたしたい考えであります。
 所懐を述べまして政府の所信を披瀝いたします。(拍手)
     ――――◇―――――
#34
○山本猛夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、青柳一郎君外十七名提出、疾病に関する社会保險制度の整備に関する決議案は、提出者の要求の通り委員長の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
#35
○副議長(岩本信行君) 山本君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せらえました。
 疾病に関する社会保險制度の整備に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。青柳一郎君。
#37
○青柳一郎君 まず決議案を朗読いたします。
   疾病に関する社会保險制度の整備に関する決議案
  社会保障制度の確立については、政府はさきに社会保障制度審議会を設置し、鋭意これが調査、研究及び立案に当つておるが、現下の国民生活は、国家資源の窮乏と経済再建のための過渡的な諸制約の下に、今なお、極めて困難なものがあり、社会保障制度の確立は益々緊急を要する情勢にある。
  しかるに社会保障制度の基盤として重要なる分野を占める健康保險及び国民健康保險等疾病に関する社会保險制度は、財政的にまことに苦難な状況にある。今にして抜本的対策の樹立なくしては、崩壊のおそれがあり、かくては社会保障制度の確立はあやぶまれるのである。よつて政府は、全般的社会保障制度の実現について、この上とも遺憾なき施策を行うことはもとより、特に、疾病に関する社会保險制度の目下の危機に対処するとともにこれが整備を図るため、出来うる限り速やかに適切果断なる措置を講ずるべきである。
 右決議する。
 次に本決議案の趣旨について御説明いたします。国民のすべてに基本的な生活安定の方途が與えられるようにすることは、われわれの当然果さねばならない願望であり、それはまた憲法第二十五條に掲げられた社会保障の根本精神と考えるものであります。今日世界各国は、社会保障制度の確立に向つて飛躍的な発展を示しており、その庫屋上に即した、より立派な社会保障制度を持つことは、その国民の責務であり、また誇りであります。現内閣においては、さきに社会保障制度審議会を設け、昨年来、鋭意社会保障制度の確立について調査審議を進めつつあるのでありますが、最近の世相を見まするに、わが国民生活は、根本的にはわが国力の窮乏に原因するのでありますが、戦後の経済再建のための過渡的現象として、きわめて深刻なものがあるのであります。すなわち、わが国民経済は、戦争直後の窮乏に比し全体的には著しき改善を示しつつありますが、いまなお経済的変動に苦しむもの、戦争の重き犠牲にあえぐもの等があつて、わが国民生活はきわめて困難な実情にあるのでありあす。このために、右方面より社会保障制度の急速なる確立が叫ばれているのであります。
 政府におきましては、さきに生活保護法の名のもとに画期的な公的扶助制度の提案をいたし、本院においては、すでにこれが可決を見たのでありますが、さらになお社会保障制度審議会とよく連絡を保ち、でき得る限りすみやかに社会保障制度について現段階において実現可能なる成案を得て国民生活の安定をはかるため、万全の措置をとらるるようあえて要望するものであります。
 しかるに、社会保障制度の重要なる基盤たる健康保険、国民健康保險等疾病に関する社会保険制度は、昨今の国民の生活事情をよく反映して利用者が著しく増加し、まことに喜ぶべき現象ではありますが、そのために、反面において、医療費の高騰と伴つて、保險経済は極度の危機に直面しておるのであります。今にしてこの危機より脱却せしむるため応急の措置を講ぜず、これを放任せんか、これらの社会保險制度はたちまちにして崩壊するおそれがあり、すでに最近、いまだ少数ではありますが、国民健康保險の事業を休止するに至つた町村もあるのであります。しかも、これらの制度にして一たび崩壊せんか、明日の社会保障制度への希望は失われ、医療の面より国民生活が脅威にさらされるのは必然であります。もとより社会保障制度の実現は、国力の増長に応じ逐次その完全なるものへと進歩すべきものでありますが、この過淡期において、目前のこの疾病に関する社会保険の危機は、まさに憂慮すべき問題であります。
 この危機突破のために、しかしてさらに社会保障制度実現の熱意に燃えて、これら疾病保險の整備のために、第一に、健康保險制度と国民健康保險制度の総合調整をはかり、第二に、事務費は金額国庫負担とするとともに、医療給付金、なかんずく結核に要する給付費については国庫においてこれを負担し、第三に、診療機関の設置その他保健施設の拡充に対する国庫負担を増額し、その普及徹底をはかつて医療費支出の軽減を講じ、さらに第四には、国民健康保險の保險料は市町村の目的税として徴収し得るようにいたしたいのであります。この第四の事項は、保險料をそのまま租税として徴収するものであつて、断じて増税を考えておるものではなく、シヤウプ勧告にいう社会保障税の精神に沿つて、社会保險に必要なる財源を確保するとともに、市町村財政を堅実ならしめんとする意図に出るものであります。次に第五には、国民健康保險ができ得る限りすみやかに市町村に行わるるようこれが普及は努め、第六に、国民健康保險について、財政力の薄弱なる町村に対する措置として平衡交付金の交付等を考慮し、第七に、卒業資金について低利融資り道を講ずべきであると在ずるのであります。政府は、よろしく疾病に関する社会保険制度の目前の危機を乗り切り、さらに将来の社会保障制度の根基をつちかうために、これらの事項の実施につき、すみやかに適切にして果断なる措置を講ぜられんことを要望するものであります。
 何とぞ満場一致本決議案に御賛同あらんことをこいねがい、説明を終るものであります。
#38
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#39
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は可決いたしました。
 この際厚生大臣から発言を求められております。これを許します。林厚生大臣。
    〔国務大臣林讓治君登壇〕
#40
○国務大臣(林讓治君) 社会保障制度の確立が要望せられておりますときにあたりまして、ただいまの御決議がなされましたことは、まことに時宜に適したものと考えるわけであります。
 現在行われておりあす社会保險はいろいろとございますが、当面緊急を要する施策としては、何と申しても疾病保險の整備充実の問題でございまして、これら疾病保險の健全な運営の上においてこそ社会保障制度の確立も期待することができるものと信じております。政府といたしましては、適切と認められるあらゆる施策を適時強力に実行しまして、御決議に盛られだ御趣旨に十分沿うて参りたいと考えておる次第であります。
     ――――◇―――――
#41
○副議長(岩本信行君) 日程第一は委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。
 日程第一、衆議院法制局職員定員規程中改正案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。議院運営委員長大村清一君。
    〔大村清一君登壇〕
#43
○大村清一君 衆議院法制局職員定員規程改正案につきまして御説明申し上げます。
 さきに人事院において法務局の級別定数が決定いたされましたので、それに基き予算定員の範囲内において衆議院法制局職員定員規程を改正して、現在の参事定員を二十四人に、主事定員を二十人に振りかえようとするものであります。
 本案は、議院運営委員会において検討の上起案いたしましたものであります。何とぞ御賛成あらんことを希望いたします。
#44
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#45
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
    〔小田原政信君登壇〕
#46
○小川原政信君 ただいま議題となりました引揚同胞対策審議会設置法の一部を改正する法律案について、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、引揚同胞対策がなお未解決の状況にあるにかんがみまして、その有効期間をさらに一年延長せんとするものであります。
 本案は、4月二十一日、本委員会に付託され、ただちに提出者の説明を聞き、質疑を行つた後、四月二十六日、討論省略、採決の結果、全会一致をもつて原案の通り可決いたしました。
 以上御報告を申し上げます。
#47
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#48
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
#49
○副議長(岩本信行君) 日程第三、更生緊急保護法案、日程第四、保護司法案、右両案は同一の委員会に付託された議案でありますから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。法務委員会理事押谷富三君。
    〔押谷富三郎君登壇〕
#50
○押谷富三郎君 ただいま議題となりました更生緊急保護法案及び保護司法案について、委員会における審議の経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。
 まず更生緊急保護法案について御説明を申し上げます。
 本法律案は、いわゆる犯罪前歴の犯罪活動が、おおむね最近の犯罪の激増とその兇悪化の一大原因となつている現状にかんがみまして、刑事政策、社会政策の見地から、これらの者の再犯を防止するための措置として、犯罪者の予防更生の適用から漏れた者で、刑事上の手続きによる身体の拘束を解かれた一定期間内の者に対して応急の吏生保護を行うため、本人の申出でによりまして六箇月を越えない期間の範囲内において、国または地方公共団体もしくは認可を受けた更生保護会が、国の監督のもとに、帰住のあつせん、金品の給與あるいは貸與等の一時保護または宿泊所の供與、就職のあつせん等の継続保護を行い、もつて犯罪前歴者の更生をはかり、あわせて犯罪者予防更生法により保護観察中の者に対する応急の救護を円滑に実施するとともに、更生保護に関する事業の健全なる育成発達をはかろうとするものであります。
 委員会は、四月二十一日、参議院から送付を受け、同月二十二日審議いたしましたが、一、委託保護の場合における費用の負担関係、二、保護開給前における民間人の意見採用の必要、三、人権侵害の危険性の有無、四、労働基準との関係等の諸点について質疑及び政府の答弁があり、ついで自由党及び社会党から賛成、また共産党から反対の討論がありまして、採決の結果、参議院送付案の通り多数をもつて可決されたのであります。
 次に保護司法案について御説明を申し上げます。
 この法案は、一口に申しますと、司法保護委員にかわるものとして保護司を設けようとするものでありまして、本法案の内容は、保護司にできるだけ適任者を得るようくふうすると同時に、保護司の進退について特に慎重な考慮を拂い、また保護司の服務、監督、費用の支給、表彰等についてそれぞれの規定を設け、その身分と責任の範囲を明らかにしております。また保護司の設置区域、定数、種別等その適正な配置に関する規定を設けまして、犯罪者予防更生法に規定する者の保護観察をなし、その他犯罪前歴者の改善更生及び犯罪予防活動等に遺憾なからしめようとするものであります。
 委員会におきましては、第四條第三項の、政府を暴力で破壊することを主張する政党または団体が現存するかという審議に対しまして、政府から、現在はない、また将来もないと思が、国家公務法にもこの規定えがあるで万一の場合に備えてこの規定を設けたのであるという答弁がありました。
 四月二十二日、討論省略、採決の結果、多数をもつて政府原案の通り可決された次第であります。
 右御報告を申し上げます。(拍手)
    〔「そんな法案は反対だ」と呼ぶ者あり〕
#51
○副議長(岩本信行君) お靜かに願います。
 まず日程第三につき採決いたします。本案を委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立をもとめます。
    〔賛成者起立〕
#52
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
 次に日程第四につき採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案の委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立もとめます。
    〔賛成者起立〕
#53
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
#54
○副議長(岩本信行君) 日程第五、教育職員免許法の一部を改正する法律案、日程第六、教育職員免許法施行法の一部を改正する法律案、右両案は同一の委員会に付託された議案でありますから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。文部委員会理事若林義孝君。
    〔若林義孝君登壇〕
#55
○若林義孝君 ただいま議題に相なりました教育職員免許法の一部を改正する法立案及び育職員免許法施行法の一部を改正する法立案につきまして、その概要並びに文部委員会における審議の経過及び結果につきまして御報告申し上げます。
 この両立案の趣旨を一活して簡單に申し上げますると、昨年九月の施行後におきまして、免許状の授與及び適用等について不均衡な部分のあること及び有効期間の不明朗な点のあることがはつきりいたしましたので、これを是正する必要が生じたのであります。
 次にその内容のおもなる点について申し上げますると、その第一点は、教育職員免許法第一條及び第二條の規定は、旧令による教員免許状所有者または旧制学校卒業者に対しておのおの相当の新免許状を有する者とみなし、また受與することができるもの定めた切りかえ措置でありますが、その相互間の不均衡な部分を是政当一したものであります。
 次に第三の点は、教育職員免許法施行法第七条の規定の有効期間を明確に規定いたしました。すなわち、同法の第一條と第二條の規定によりまして新免許状を有する者とみなされ、またはその授與を受けた者が、上級の免許状を得ようとする際に、現職者については、免許法による原則を緩和いたしまして、従来の経験年数を計算に入れまして、より容易に上級の免許状を得られるように措置いたしたいのであります。しかしながら、この第七條の規定は一時的な特例でありまして、昭和二十八年には新制大学を卒業した新しい資格者が出て参りますので、それまでに上級免許状を得させてしまいますように、その有効期間を明確にしたいのであります。
 さらに第三点といたしまして、このように有効期間が定められますと、第七條の適用を受ける者と、受けられなくなりまして免許法の規定によつてのみ上級の免許状を得られるものとの間に不均衝を生じますので、免許法の一部を改正し、同法第六條別表第四の特例を設けたのであります。
 本法案は、去る二月十五日、予備審査のため本委員会に付託せられまして、数回にわたり慎重なる審議を加えて参つたのでありますが、四月二十一日に本付託となりまして、さらに審議を重ねました。熱心なる質疑がありましたが、共産党におきましては、この法案に対しまして反対の意向でありました。
 次いで討論に入りまして、自由党を代表して水谷昇君、社会党を代表して松本七郎君より、次の附帶條件を付しましてそれぞれ賛成意見を述べられました。すなわち、「教育職員免許法施行法第二條第一項の表中、第六号の上欄を改正し、旧大学令による大学入学資格に関しその卒業者と同等以上と認められた学校の卒業者に、教員の免許状を與えられる方途を講ずること。」というのであります。さらに新政治協議会代表の小林信一君よりも、教員の質の向上を急ぐ余り教育の全体に支障を来すようなことがないようにとの希望を付しまして賛成の意を表せられました。
 かくて討論を終結いたしまして、両方案を一括して採決の結果、全会一致をもつて可決せられました。
 以上両方案につきまして、その審議の経過並びに結果につきまする御報告を終わります。なお詳細なる点に関しましては速記録によつて御了承願いたいと存じます。
#56
○副議長(岩本信行君) 両案を一括して採決いたします。両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長の報告通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#57
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて両案とも委員長報告の通りかけついたしました。
     ――――◇―――――
#58
○副議長(岩本信行君) 日程第七、臘虎膃肭獣猟穫取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。水産委員長石原圓吉君。
    〔石原圓吉君登壇〕
#59
○石原圓吉君 ただいま議題となりました臘虎膃肭獣猟穫取締法に一部を改正する法立案につきまして、水産委員会における審議の経過並びに結果につき御報告申し上げます。
 まず政府の提案理由及び内容について申し上げますと、らつこ、おつとせいの猟獲取締りにつきましては、現行取締法によりましては嚴正に努力して参つたのでありますが、事柄性質上、遺憾ながら十分なる実効上がたい実情にあるのでありまして、現在日本の置かれている地位並びに将来の問題に対する関連にかんがみまして、取締りにさらに一歩を進めてその効果の徹底を期すべく取締り法の一部を改正しようとするのが政府の提案理由であかりまして、内容といたしましては、第一点は、らつこ、おつとせいの猟獲の禁止または制限加え、さらに獣皮またはその製品の製造もしくは加工、販売をも禁止または制限することができるようにしたのであります。第二点は、禁止または制限をする場合には利害関係人や学識経験者の意見を聞く公聴会を開かねばならぬようにしたいのであります。
 なお本案は参議院送付にかかるものでありまして、参議院におきましては、政府提出案の各條に、誤つて解釈されるおそれのある一部字句を修正議決いたしておりますことを、念のためにつけ加えておきます。
 水産委員会におきましては、四月二十一日に付託を受け、慎重審議し、四月二十五日の本委員におきまして質疑を行つたのであります。その詳細は会議録に譲りまして、委員会としての希望の点を申し上げますと、この取締法を嚴正にすることによつて国際信用を高め、可及的すみやかに、らつこ、おつとせい保護條約に復帰加盟いたしたいという強い希望を持つて入るのであります。
 次に討論を行いましたところ日本共産党井之口政雄君の反対意見があり、自由党鈴木善幸君より賛成の意見があり、次いで採決を行いましたところ、日本共産党の反対を除いては全員賛成をもつて原案の通り可決いたした次第であります。
 右御報告を終わります。
#60
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委院長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#61
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
#62
○副議長(岩本信行君) 日程第八、地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、輸出農林水産物検査所の設置に関し承認を求めるの件を議題といたします。委員長の報告を求めます。農林委員会理事安部俊吾君。
    〔安部俊吾君登壇〕
#63
○安部俊吾君 ただいま議題と相なりました、内閣提出、農林委員会付託にかかわる、地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、輸出農林水産物検査所の出張所設置に関し承認を求めるの件につき、審議の経過並びに結果の大要を御報告いたします。
 輸出品の品質の向上改善をはかり、輸出貿易の健全なる発達を促進することは、世界経済との交流を拡大しつつありますわが国にとり、きわめて重要なことでありますので、輸出品取締法に基き、昨年三月、輸出農林水産物検査所六箇所に設置いたし、検査業務に従事いたしてまいりましたが、最近貿易はますます増大し、特に門司湾の航行が自由になりましたので、今後九州産の種子、ゆり根、花むしろ、木材、木ろう、毛皮等の農林物資が大量に輸出されることが予想されるのであります。しかるに、現在九州地区には検査所の設置がなく、必要のときは岡山党から出張して検査に当り、はなはだしく不便を感じておりますので、新たに門司湾に出張所を設置いたしまして、貿易検査業務の円滑な遂行を期したいというのであります。
 本件は、去る二十日、予備審査のため付託となつたのでありますが、二十四日、参議院より送付いたされ、正式付託となりましたので、二十五日質疑を行いましたところ、社会党井上委員、共産党山口、横田両委員の三委員から、農林水産物資の輸出状況及び輸入食糧の検査実施状況について質疑がございましたが、詳細は速記録に譲りたいと思います。
 本件の趣旨は明瞭でありまして、各委員とも異論がありませんので、討論を省略して採決に付しましるところ、全会一致をもつて原案の通り承認を與えるべきものと議決いたしました。
 以上御報告いたします。(拍手)
#64
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本件は委員長報告の通り承認を與えるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#65
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本件は委員長報告の通り承認を與えるに決しました。
 これにて議事日程は終了いたしました。
  本日はこれにて散会いたします。
    午後四時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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