くにさくロゴ
1972/08/28 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 商工委員会 第21号
姉妹サイト
 
1972/08/28 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 商工委員会 第21号

#1
第071回国会 商工委員会 第21号
昭和四十八年八月二十八日(火曜日)
   午前十時十五分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐田 一郎君
    理 事
                剱木 亨弘君
                若林 正武君
                大矢  正君
                藤井 恒男君
    委 員
                植木 光教君
                小笠 公韶君
                林田悠紀夫君
                細川 護熙君
                安田 隆明君
                林  虎雄君
                藤田  進君
                中尾 辰義君
                峯山 昭範君
   国務大臣
       通商産業大臣   中曽根康弘君
   政府委員
       通商産業審議官  森口 八郎君
       通商産業省基礎
       産業局長     飯塚 史郎君
       中小企業庁長官  外山  弘君
       中小企業庁次長  原山 義史君
       中小企業庁指導
       部長       栗林 隆一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○中小小売商業振興法案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(佐田一郎君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 中小小売商業振興法案を議題といたします。本案についての趣旨説明はすでに聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○林虎雄君 最初に、中小企業省の設置について大臣にお尋ねいたしたいと思います。
 大臣は、去る七月二十五日ですか、六日ですか、幹部会で、今後の通産政策の基本的方向について、国際協調のあり方と成長至上主義から福祉政策への転換について、発想の一新の必要性を強調されたと新聞等で見ておるわけでございます。先般、私は委員会で大臣に、いまの資本主義経済が、いわゆる自由競争経済が幾多の矛盾を内包してきて、このままではどうしようもないではないかという意味の質問をいたしましたが、大臣は若干の示唆をされたように承っております。すなわち、経済の計画化といいますか、若干の統制が必要であるというような意味のお答えがあったと記憶しております。幹部会で発表されたものも、大体それと類似なものであると想像するわけでありますが、いわゆる大臣の新自由主義といいますか、これについては幾多の論点はあると思いますが、きょうはそれには触れません。ただ、この機構改革を機会に、わが国の経済の著しい成長発展は、産業界のあり方にあらためて検討すべきものが出てきておるわけであります。
 お聞きしたいのは、機構改革の大きな転換の際でありますから、この際、通産省の傘下にある中小企業庁を独立させて、中小企業者の企業省を設置すべきときであるというふうに考えるのでありますが、大臣の御所見を承りたいのであります。なお、このことは過般、田中総理が関係閣僚に対しまして、中小企業省の設置を含んだ中小企業対策の抜本的拡充について指示されたということを聞いておりますが、これが事実であるかどうか、あわせて承りたいと思います。もとより、中小企業が大企業との間に密接不離な関係にあることは十分に承知をいたしておるのでございますが、また一面、親企業と下請企業の関係というものは、時によっては利害が対立することが往々にあるわけであります。それが同居しているところに私は問題があるのではなかろうかと思います。全事業所数の九九%が中小企業であり、従業者数が七〇%を占めておるという中小企業に対して、私どもがかねてから主張してまいりましたように、この際、中小企業省を設けてきめのこまかい施策が行なわれて、もってわが国の産業の正常な発展に寄与することが適切であろうと思います。質問が長くなりましたが、問題点は、中小企業省設置について田中総理の指示されたという経過、そして大臣のお考えを承りたいと思います。
#4
○国務大臣(中曽根康弘君) まず、中小企業省設置を含めて、中小企業政策の刷新強化につきまして、田中総理から検討の御指示があったことは事実でございます。
 通産省といたしましては、中小企業対策、特に零細企業対策を抜本的に刷新強化する必要があるという点につきましては、かねて痛感しておるところでございまして、その線に沿っていまいろいろ諸般の検討を加えております。その検討の中に、中小企業省を設置するとすればどういう機構、どういう内容が適切であるか、また、中小企業省を設置しない場合についてはどういう強化方策を具体的にとるべきであるか、そういう二つの考えに立ちまして、おのおのの場合に関するいろいろな施策をいまつくらしておりまして、それらの両方の案の情勢を見きわめて総理にも答申をし、また自民党とも相談をいたしまして、最終的に党の御意見等によって決定してもらいたい、こういう考えでございます。要は、実質的に中小企業、特に零細企業に対する施策を強化するということが目的でございますから、これにつきましては、経営指導面あるいは税制面、あるいは金融面あるいは情報提供面等におきまして、必ずしも末端組織等において十全でないところが非常に目につくわけでございます。そういうような第一線において経営改善を行なったり、あるいは税務の指導をしたり相談に乗ったり、そういう第一線の一番直接触れる面を根本的に強化しなければ実際は中小企業政策とはいえない。それから税制面等におきまして、零細企業に対する減税あるいは一部の免税というような面につきましても、いままでの構想からもっと飛躍する必要がある、そういう諸般の問題も含めまして、いま検討しておるところでございます。
#5
○林虎雄君 中小小売商業振興法案について承りたいと思います。
 わが国の小売り商は、店舗数で百九十万、売り上げ高が二十四兆、従業員数が六百六十二万人で、店舗数において九九%七、売り上げ高において約八割、従業員数において約九割を占めて、わが国の経済社会においては、きわめて大きなウエートを占めておることは御承知のとおりであります。しかるに、農林業従事者八百三十万と肩を並べる中小小売り業に対する従来の施策が、農業のそれと比べてはなはだ貧弱であるといわなければならないのであります。たとえば国の予算を見ても、農林関係の一兆五千三百四十五億円に対し商業関係はわずか十二億余円で、農林予算のわずか一%にしかすぎないのであります。大臣はこの点についておかしいとお思いになりませんか。
#6
○国務大臣(中曽根康弘君) 確かに御指摘のように、予算面等におきまするそれらの政策を見ますと、まだまだ足りない点があるように思います。農林省関係と比べてみると、中小零細企業における対策というものは、診断やあるいは情報提供、あるいは税務、経営指導面等においてさらに強化する必要があると思うのでございます。いろいろ公団、公庫等によりまして、特別の融資制度あるいは財投関係の措置等もやっておりますけれども、私はやっぱり現実の指導、誘導面あるいは情報提供面等においてもっと親切な、懇切丁寧な、その業態に即した相談に乗ってやるという体系が著しく不足しておるのではないかと思うのでございます。単にいろいろ税務面の改革をやり、あるいはいろいろな近代化、合理化の資金を用意いたしましても、それを実際に受けて実行するというはしご段がないような気がするのです。そのはしご段をかけてやる非常な親切さを持った親身な誘導と申しますか、相談するという手足をさらに充実して、それらの資金なり政策なりが完全に均てんするような措置を講ずることが非常に重要ではないか、そういうように思うわけでございます。
#7
○林虎雄君 従来、いろいろ中小企業対策が出ておりますが、特にこの対策の中でも小売り商業に対するものが総体的におくれておるわけであります。その意味か、おくればせながら今回の中小小売商業振興法の提出となったものと思われるのでありますが、従来政府が小売り商にとってきた施策、すなわち、小売り商業の調整に関する施策、中小小売り店の共同近代化に関する施策、個別中小小売り店の近代化に対する施策のこれまでの実施状況なりその実績はどうなっておりますか。また、この振興法が成立した場合、中小小売り商には具体的にどのようなメリットが付加されるか、これは企業庁長官でけっこうですが、お聞きしたい。
#8
○政府委員(外山弘君) まず、御質問の従来とってきた施策の実績でございますが、いま御指摘のように三つに分類して整理して申し上げますと、まず第一の調整施策でございます。これは百貨店法による百貨店業の許可制、あるいは休日、営業時間の規制等がまず第一にございます。あるいは第二には、スーパーの店舗の新増設に対する行政指導といった点がございます。これらの点は、今回提出しておりまする法律によりまして、さらに明確になるものと考えます。それからさらに第三番目に、小売商業調整特別措置法による小売り市場の許可制、あるいは購買会事業の員外利用に対する措置命令、その他中小小売り商とそれ以外の者との間に生じた紛争についてのあっせん、調停、勧告の制度、こういったものがございます。
 以上の三つが調整施策だろうと思います。
 それから第二には、共同の近代化事業に対する施策でございますが、まず第一に、中小企業振興事業団による小売り業の共同事業に対する低利融資がございます。これは幾つかの項目に分かれているわけでございますが、商店街の近代化、店舗の共同化、あるいはボランタリーチェーンあるいは商店街の共同施設、その他小売り商業共同施設といった種類に分かれますが、これらを全部合わせまして四十七年度の実績といたしましては百二十六件、四十四億円の融資が行なわれているわけでございます。
 それから二番目に、中小公庫、国民公庫の流通近代化貸し付けにおける共同施設に対する特利融資がございます。で、この点につきましては、共同施設事業あるいはボランタリーチェーンの共同購入本部運転資金といったような特利融資がございますが、これは両方合わせまして四十三件、三億円の融資が行なわれているのが実績でございます。
 それから第三番目に、個別商店に対する施策といたしましては、中小公庫、国民公庫の流通近代化貸し付けや生鮮食料品小売り業等近代化貸し付けによるセルフサービス店建設、あるいはショッピングセンターへの入居等のための特利融資がございます。これらの点を合わせまして、全体の件数といたしましては三万二千三百九十五件、四百八億円という実績がございます。
 それから第二に、各地の設備貸与公社を通ずる中小小売り業者に対する近代化設備の貸与制度というのがございます。これは商業に対しては本年から実施しておるわけでございますが、小売り業設備貸与事業につきましては百四十八件、二億円の実績がございます。
 それから第三番目に、都道府県や各地の商工会、商工会議所を通ずる診断指導事業のほか、税制上青色申告控除あるいは白色事業者の専従者控除等の措置がございます。
 以上が従来とってまいりました施策の内容でございます。
 次に、本法ができることによりまして具体的なメリットは何であるかという御質問でございます。本法の制定によりまする具体的なメリットとしては、次のようなものがあげられるかと思います。
 まず第一に、認定を受けました高度化事業計画に基づいて設置される共同利用施設並びに一定の店舗用建物及びその付属施設について、初年度十分の一の特別償却が認められます。これがまず税法上のメリットの第一。それから税法上のメリットの第二は、認定を受けた高度化事業計画に従い取得する一定の土地は、地方税法による土地保有税の課税対象から除外されるという点がございます。
 次に、金融上のメリットといたしましては、中小企業振興事業団の高度化資金貸し付けについて従来認められておりました融資比率六五%、金利二・七%の融資制度のほかに、本法によりまして認定を受けた高度化事業計画に基づく事業のうち、商店街の公共性のある共同施設あるいは零細性のある共同店舗の設置につきまして、融資比率を有利にいたしまして八O%、無利子の融資をいたします。それから連鎖化事業の本部施設に対しまして、これもやはり融資比率七〇%、金利二・七%の特利融資が行なわれるわけでございます。
 それから金融上のメリットとしての第二は、中小企業金融公庫及び国民金融公庫に小売り商業高度化融資の制度が設けられ、本法によりまする認定を受けた高度化事業計画に基づく事業に関連するものに対し、七%の特利で融資が行なわれるということで、また、融資ワクも拡大するということを行なっていきたいと思っております。
 それから第三番目に、中小企業信用保険法上のメリットもございます。で、本法によりまして認定を受けました高度化事業計画に従って高度化事業を実施し、またこれに参加する者は、中小企業信用保険法の近代化保険の対象となりまして、一般ワクのほかに別ワクで保険をかけることができます。そして保険料も低くなるという点が実益かと存じます。これによりまして中小小売り商業者は、従来より有利に民間金融を受けることも可能になる、こういった五つ、六つの点が具体的なメリットと指摘できるかと存じます。
#9
○林虎雄君 提案理由に述べられておりますように、最近、百貨店、大型スーパーとの競争が激しくなっておりまして、また、流通部門に対する外国企業の進出等も相次いで伝えられているなど、中小小売り商を取り巻く環境は一段ときびしいようであります。このような情勢の変化に対して、本年度の白書が指摘しておりますように、中小小売り店は、個別商店として対処する方策として、セルフサービスなどによる効率化のほかに、専門店化、品ぞろえの充実などによって経営の改善を指向しておりますとともに、中小小売り店が相寄り相集まって対処する方途としての商店街の整備――店舗の共同化であるとか、ボランタリーチェーン、まあ自由連鎖店といいますか、フランチャイズチェーンの連鎖化等の共同化を進める必要があると思います。まあ、すでにそういうところも若干見受けられるのでありますが、このために、中小小売り商の企業努力はもちろんでありますが、国がこれを誘導しながら助成する必要があると思いますが、国の助成策、たとえば第一線の指導に当たっている指導員の数を見ても、農業関係のそれと比較してあまりにも少ないのではないか。
 全国の経営指導員数、これは製造業、商業込みでありますが、この指導員数は全国で五千百九十一人ということになっております。私の住んでおる長野県においてはわずか百六十一人で、経営指導員一人当たり平均四百八十企業、全国平均は七百企業のようであります。一人で四百八十企業をも指導しなければならないということになるわけであります。これではますます経営の近代化、共同化を迫られております中小小売り商の十分な指導はできないのではないかと思われるわけであります。農業関係と比較してもあまりにも数に相違がありますが、この経営指導員を大幅に増加する必要があると思うのでありますが、御見解を承りたい。
#10
○政府委員(外山弘君) 確かに御指摘のように、小規模事業者に対しまする経営改善普及事業の重要性にもかかわらず、指導員の数が少ないという点は私どもも痛感しておるわけでございまして、毎年商工会、商工会議所の経営指導員の増員に努力をしているところでございます。特に本年度におきましては、全国で三百五人ということで、かなり例年に比べて大幅な増員を行なったわけでございます。来年度の要求にあたりましても、いま御指摘の御趣旨に沿いますよう、さらに飛躍的な拡充について一そうの努力をはかってまいりたい、この三百人の増員をはるかに上回る増員要求をしたいと、こう考えておる次第でございます。
#11
○林虎雄君 経営指導員の待遇改善について承りたい。この経営指導等のために、全国の商工会議所及び商工会等に国や県の補助によりまして経営指導員、補助員、記帳指導員等が置かれておりますが、これらの職員の待遇の問題について伺いたいのであります。
 経営指導員等は、商工会議所あるいは商工会の職員でありますが、その給与は、大部分が国と県の補助によっております。実際に町村段階の商工会の場合などには、地区内の商工業者が少ないために会費などの自己収入が微々たるものでありますから、商工会の予算の多くの部分は国と県の補助にたよっていかざるを得ないのが現状だと思います。そのために、財政力の豊かなところはともかく、多くの場合、経営指導員等の給与については、国の補助のほかにはほとんど上積みができないというのが実態のようであります。そこで、国の補助いかんがこれらの職員の待遇を決定するということになるわけでありますが、経営指導員等の給与はその仕事の重要性から見ますると、きわめて低水準であると言わざるを得ません。
 すなわち、経営指導員と国家公務員の待遇を比較してみると、経営指導員の給与水準は、まあ県によっても事情が異なると思いますけれども、たとえば長野県の場合を例にとりますと、経営指導員の給与は、若年の場合には公務員の給与とほぼ同額でございます。年齢を増すにつれまして両者の差は大幅に違ってくるのであります。これを民間の賃金体系と比べても同様なことが言えるのであります。これはつまるところ、国からくる原資が少ないために、これを年功序列型に傾斜配分――下のほうを削って上のほうへ上乗せする方法でありますが、傾斜配分する場合に、下のほうをあまり削ると人が採れなくなるわけでありますので、世間並みの初任給にするためにそう削れないわけであります。そのしわ寄せで上のほうには上乗せができないということになり、経験の古い者は世間相場から大きく離れてしまうのであります。また、賃金の平均額を見ても、長野県の資料によって見ても、経営指導員のそれは他の業種に比べてきわめて低いのであります。これでは経営指導員としてもとても誇りを持って仕事に当たることなどはできない話でありまして、それだけでなく、これでは家族をかかえて生活をすることさえもできないというような状態であります。さらに経営指導員の学歴構成を見ますと、高学歴者がわりあいに少なく、また公認会計士、税理士、中小企業診断士などの資格取得者もきわめて少数であることから見まして、待遇のよしあしは人材面にも相当の影響を与えているのではないか。指導員は、小規模事業の経営について適切な指導、助言を与えるものでありますから、議、経験ともに豊かな指導員の確保が必要である。
 ところが、そういう人材を得られないので、たとえば商工会議所、まあ大都市は別として、中小都市のあるいは町の商工会議所、商工会等はきわめて不十分な状態である、経営指導員もその指導力が劣悪であるというようなことになるわけであります。そのためにむしろ、当該地域の会員が造反を起こしているような場合も見受けられる。あるいは、他の団体の指導のほうが商工会議所の指導よりもより適切であるというふうに批判をされるような場合も往々にあります。たとえば国の施策の下部徹底にしても経営の指導にしても、あるいは金融などの世話役活動にしても税金対策等にしても、指導員の質の他に比べて悪いということが問題になっておることは、大臣も御承知であろうと思うわけであります。ですから、国のほうで助成というものをもっと十分にして、適切な指導のできるような措置が必要であるというふうに思います。通産省では、経営指導員の待遇改善について努力されているとは思いますけれども、それでもなお現在、きわめて恵まれていないという事情にかんがみまして、社会保険の給付、退職手当など福祉厚生面の充実も含めて抜本的改善に今後ともつとめるべきであるとも思うが、所信をお伺いいたしたいのであります。
 公的資格については、中小企業診断士について、中小企業振興事業団の養成コースに積極的に参加させるように配慮するとか、資格認定の試験の一部の科目の免除、特例を認めるなどして資格取得の便宜をはかることはできないかどうか、さらに、中小企業診断士は現在五千人くらいいるといわれておりますが、これらの人々も小規模事業の経営指導にもっと活用をはかるべきであると思うわけであります。これらの点について、特に社会情勢が非常に大きく激変をしつつあるときでありますだけに、この中小商業、むしろ弱小商業対策が国の施策としてきわめて重要であるというふうに思いますが、これら一連の質問につきましてお答えを願いたいと思います。
#12
○政府委員(外山弘君) まず第一に、経営指導員の給与の点でございますが、その職務の持つ重要性にかんがみまして、また優秀な人材を確保したいという見地からも、できるだけ優遇することが必要であるというように考えております。このような考え方に立ちまして、これまでも毎年給与の引き上げには努力をしてまいっておりますが、特に本年度におきましては対前年比二〇・一%、例年になく大幅の引き上げをいたしました。しかし、いまだに先生が御指摘になっているような問題点が解消しているというふうには思わないわけでございまして、今後ともこの給与の改善には努力をしていかなければならない。来年度も一五%以上の引き上げをとにかく要求しようということで、今後とも経営指導員の待遇改善にはさらに努力をしたい、こう考える次第でございます。
 なお、この指導員の給与につきましては、実情に応じまして若干の給与幅の実施を具体的にやることを認めているわけでございますが、ただいま御指摘のような、比較しての問題点が多々あるかと存じます。この辺は今後も勉強してまいりたい、こう考える次第でございます。
 それから第二に、経営指導員の診断士試験についての科目の免除ができないかというような御指摘でございます。で、診断士試験の科目の免除につきましては、資質の確保をはかる必要性からきわめて限定されているわけでございまして、たとえば公認会計士の場合には経営基本管理及び財務管理の二科目について、あるいは税理士の場合には財務管理の一科目について科目の免除を行なっておりますが、経営指導員は、何と申しましても特定の専門領域を持っていないということから、他とのバランスを考えますとなかなか科目の免除ということに踏み切るのが困難であるというふうに考えるわけでございます。しかし、診断士を経営指導面で活用するということにつきましては、今後とも大いにつとめてまいりたいと考えているわけでございまして、中小企業診断士は、中小企業指導法という法律がございますが、これに基づきまして、国または地方公共団体等が行なう診断指導事業には協力する義務を持っております。これまでにも随時必要に応じて経営指導面での活用をはかっておるわけでございまして、今後もそうした根拠に基づきまして診断士を経営指導面に活用するということは大いに進めてまいりたい、こう考える次第でございます。
#13
○林虎雄君 商業の近代化の地域計画について、昭和四十五年度に発足いたしまして、四十五年度には四地域、四十六年度には十地域、四十七年度には十二地域が実施されまして、長野県の場合、長野市、松本市、それに駒ケ根市に実施されておるわけでありますが、この地域計画策定の目的、具体的な内容、その効果について聞かせていただきたいと思います。
#14
○政府委員(外山弘君) 商業は、立地産業という特性が非常にあるわけでございますが、それにもかかわりませず、従来、地域の商業あるいは環境条件の将来予測、あるいは地域商業に関するビジョンといったようなものの定義が必ずしも十分であったとは言えなかったかと思います。また、都市の再開発におきましても、商業施設が都市機能の重要な一翼をになうということを考えますと、その一体的な整備が緊要であるというふうに考えるわけでございます。
 このような考え方から、昭和四十五年度に商業近代化地域計画の策定を予算上明確化したわけでございますが、この計画は地域開発計画等との調整をはかりながら、おおむね十年先の地域の経済的、社会的構造の変化を予測いたしまして商業者に近代化の方向を示す、また、商業施設の望ましい姿を明らかにするということをねらっているわけでございます。
 この計画で示されておりまする地域商業の近代化につきましては、計画策定地域の県、市あるいは商工会議所等におきまして、近代化の必要性の啓蒙あるいは普及、あるいは地元商業者の近代化意欲の向上等につとめているわけでございまして、すでに具体的に一部事業が実施に移されているものもあるわけでございます。最も初期にやった地域につきましては、その成果が若干はその後の結果に出ているということが指摘できるかと存じます。
#15
○林虎雄君 四十五年度に実施されました旭川、高崎、岡山、大分の四地区などはすでにかなりの期間が過ぎておりますので、当該地域を取り巻く環境、それから地域商業の現状と問題点などが明らかにされ、地域商業近代化の基本的な方向は示されていると思いますが、この地域計画はどのように具体化され効果をあげておりますか、具体例を承りたいと思います。
#16
○政府委員(外山弘君) 商業近代化地域計画を策定いたしました地域においては、計画で示されました近代化の方向に近づけるために、商業近代化推進協議会といったようなものを設置し、まあパンフレットを作成するなどいたしまして、地域ぐるみの近代化の必要性の啓蒙、普及をはかる、あるいは地元商業者の近代化意欲の向上につとめるというなどの計画の実施に力を注いでいるわけでございます。
 具体的事業については、たとえば旭川市あるいは函館市では、本計画に沿って中心商店街に買いもの公園を建設するといったような例がございます。また岡山市では、駅前地区の市街地再開発を進めるといったようなことを行なっておりまして、各地域におきまして、それぞれ実情に即しあるいは近代化事業の準備検討が行なわれているといったのが現状でございます。
#17
○林虎雄君 この地域計画と、今回の法案に規定されております商店街整備計画との関係はどうなりますのか。もし、地域計画が作成されても具体的な高度化事業計画の認定が出てこなければ、時間の、エネルギーの浪費になってしまうので、中小企業庁では、地域計画の策定が終わった地区の商店街整備計画、店舗共同化計画等を積極的に認定するとともに、中小小売り商業者が広くこれらの計画に参加し得るように指導する必要があると思われますが、どうでしょうか。
#18
○政府委員(外山弘君) 御指摘のとおりだと思います。商業近代化地域計画は、広域的な都市機能の観点から地域商業のあり方を展望するものでございます。商店街整備計画あるいは店舗の共同化計画がこの地域計画の内容に適合するように策定されるということによりまして、地域商業の全体が調和ある発展ができるということになるかと存じます。したがいまして、本法が重点を置いておりまするそういった商店街整備計画あるいは店舗共同化計画も、こうした地域計画の内容に適合するようにやっていかなければならない。で、本法案の運用につきましても、御提案のとおり、地域計画等に適合する商店街整備計画あるいは店舗共同化計画については、積極的に認定して助成をはかってまいりたい、こう考えている次第でございます。
 また、地域計画を策定した地域においては、商業近代化推進協議会等を設置いたしましていろいろ啓蒙、普及をはかるわけでございますが、地元商業者の近代化意欲の向上といったことが大事でございます。こういったことを刺激するようにつとめたい、こういうふうに考えるわけでございまして、こういった意味から計画の実施に力を注いでまいりたい。今後ともこういった方法でできるだけ多くのものが経営の近代化が行なわれるように指導し、振興法のねらいを達成するようにつとめたい、こう考えている次第でございます。
#19
○林虎雄君 商店街地域における中小小売り商などが一体となって、店舗の増改築とか共同駐車場等の整備をはかることによってその商店街を近代化し、顧客吸引力の強化によって売り上げ増大をはかる商店街近代化事業は、中小商業者の近代化、合理化対策として最も効果的だと考えられるのでありますが、中小企業振興事業団の融資が始まった三十九年からわずか十二件しか助成されておらないようであります。あまりにも少な過ぎるが、一体、理由はどこにあるのか。長野県では――まあ長野県の例ばかりとって恐縮でございますが、長野市の北石堂、駒ケ根市の広小路等の二、三の商店街が融資を受けておりますが、それでも長野県の三万七千八百もある小売り商のほんの一部にすぎないわけでありますが、この制度の恩恵に浴していないのはどういう理由であるか。あまりにも事業団の融資が僅少というか、ほんとうにスズメの涙という感がするのでありますが、その理由について承りたい。
#20
○政府委員(外山弘君) 御指摘のとおり、商店街近代化事業に対する融資は、昭和三十九年度から現在までに十二件しか行なわれておりません。わが国の商店街の数から見ますとたいへん少ないということは御指摘のとおりだと思います。ただしかし、このほかに、たとえば商店街がアーケードとか駐車場などの共同施設を設置するというふうな事業、そういった高度化事業につきましては、商店街関係の共同施設に対する助成件数はかなり多くございまして、昭和四十七年度までに二百五十二件ございます。ただ、御指摘のように、商店街近代化といった事業の件数が少なかった理由として、私どもの考えるところでは幾つかあると思いますが、一つは、商店街における組織づくりがうまく進まなかったという点があるかと思います。あるいは第二に、都市計画その他市街地再開発計画との調整をはかることが技術的にむずかしかったのではなかったか。あるいは第三に、組合員間の権利関係が錯綜して、その調整のむずかしいというケースが多かったのではないか。あるいは第四番目に、組合員の利益に直結しない公共的な施設の設置について組合員の協力が得られなかった、つまり、そういったものについての組合員の協力が得にくかったというふうなことなどが指摘できるかと存じます。
 こういった理由にかんがみまして、私どもといたしましては、商店街の整備を円滑に行なうために、今後次のような施策の強化をしてまいりたい。まず第一に、商店街振興組合連合会に補助金を交付いたしまして商店街近代化研究会というのを設けまして、都市計画等との斉合性の問題、あるいは権利調整の問題等を含めまして商店街近代化の研究を進めるとともに、組織づくりのための指導などを行なうことといたしまして、本年度からその予算の実行を始めているわけでございます。第二には、商店街診断等の診断事業を強化していきたい。それから第三には、商店街改造計画の作成につきまして補助金の交付をいたしたい、これが四十八年度新設でございます。それから第四番目に、本法におきまして認定のあった商店街整備事業計画に基づいて設置される施設で公共性のあるものについては、融資比率八〇%、無利子ということで、先ほども申しましたようなメリットを与えるということにしたい、こんなことで、少しでも商店街の改造計画が進捗するように努力してまいりたい、こう考える次第でございます。
#21
○林虎雄君 本年度から多少融資条件がよくなりまして、商店街共同施設及び共同店舗については融資比率を六五%から八〇%に引き上げ、金利も二・七%から無利子融資にし、また、商店街改造計画の作成に要する資金の三分の一を補助することになっておるようでありますが、これで十分に助成できるとは考えられませんが、もっと助成する必要性について通産省はどう考えておるか承りたい。
#22
○政府委員(外山弘君) 本法案の目的を達成するために、御指摘のあった措置のほか中小公庫、国民公庫の小売り商業に関する融資制度を改善いたしまして、また、診断指導事業も大幅に拡充するといったような措置を講じているわけでございますが、さらに国民公庫に新たに創設いたしました小規模企業経営改善資金制度、これも本法の趣旨に沿って小売り商業者にも均てんしていくだろうと、こう考える次第でございます。ただこれらの施策については、今後も実情に応じて見直しを行なっていかなければならない、そして御指摘のようにその拡充強化をはかってまいりまして、本法制定の機会に、これを契機にますます小売り商業のための施策を強化してまいりたい、そういった努力を今後もしてまいりたい、こう考える次第でございます。
#23
○林虎雄君 以上の問題につきまして大臣に承りたいのですが、ただいままでに長官からいろいろお答えがありましたが、中小商業者に対する国の関心もあまり高いとは言えないと思います。先ほど予算の点でも申し上げましたように、農業関係と比べてあまりにも劣悪であるわけであります。国の企業診断員におきましても、あるいは商工会議所、商工会等の助成についてもきわめて貧弱である。そのために、中小小売り商業者などはむしろ商工会議所あるいは商工会等がたよりにならないというような、そういう感じを持ってきつつあるようであります。むしろ類似の民間団体のほうがたよりになる、これでは国の施策というものが、正当のルートを通じていくのはわずかであるために、国の施策よりも他のほうがたよりになるということになると、一体、国の施策というものは何のためにやっておるのであるかと言わざるを得ないわけであります。まあ、結論的に申し上げますならば、国の中小商業者に対する関心が他のそれに比べて低過ぎるということ、それに伴って予算があまりにもわずかであるというところに起因をしておるのではなかろうかと思うわけであります。
 中小小売り商業者の問題は、数も多いし、千差万別でありますから、なかなか適切といいますか、きめのこまかい施策というものはむずかしいと思います。むずかしいと思えば思うほど、私は通産省というような大きな国の国際的な貿易から、大企業から、それからおびただしい中小企業、商業というようなものを包含しているところに無理があり、まあ中小企業庁というものはありますけれども、それにもっと一国の責任を持った立場を与えるということ、これが必要になってくると思います。予算と伴って、最初に申し上げた独立した省で十分に、他の民間の類似団体よりももっと積極的に仕事のできるように、そしてまた、当該業者からほんとうにたよりにされるような施策を進めてまいりますためにも、私は中小企業省というそういうものの必要性を痛感いたすのでありますが、予算全体の関係と、それから国の助成によって働いております企業診断員等の待遇の改善について、そして、あわせて省の設置を重ねて大臣から承りたいと思います。
#24
○国務大臣(中曽根康弘君) 中小企業、特に零細企業に関する政策についていろいろ御意見を承りまして、われわれも御関心のほどに非常に共鳴とありがたさを感じておるわけでございますが、御説のように非常に千差万別で、業態がみんなおのおの違うということ。それから、いままで中小企業関係の精神的風土がわりあいに利己主義的でありまして、共同してやるという精神が非常に欠けております。何と申しますか、小成に安んじておって、共同してさらに大きな発展をみんなでやろうというような積極的な精神が、わりあい従来欠けておったと思うのです。特に商業関係がそういう性格があったと思います。そういうものを打開していくためには、よほどの啓蒙あるいは納得ということが必要なのでございますけれども、そういう面から見ますと、いままでは商工会議所あるいは商工会の活動が必ずしも十全であったとは思いません。やっぱり一番大事な点は、そのような零細企業あるいは中小企業と通産省、あるいは商工会議所等との間をいろいろ取り持つ働きバチの機能は非常に不足しておったと思うのです。そういう面が、いわゆる民間団体が非常に力を伸ばしてきたということにも反面通じておるので、われわれ自体が反省しなけりゃならぬ要素でもあると思います。やはり近代化精神というものを企業者に相当植えつけるということが必要であり、また、自分だけでもうけるという思想じゃなくして、みんなでもうけるという共同の精神も非常に必要であるように思います。それらの点につきまして、中小企業改革の抜本的な策という観点からも、ひとつ思い切って手を入れて改革を試みてみたいと思います。
 中小企業省の設置ということも、私も現在の情勢から見ますというと、なるほどそういう必要性もあるようにも感ぜられますが、ポイントはそういう具体的な末端施策を実際強化してやるかどうか、充実してやれるかどうかということで、看板を掲げることだけに意味があるんではない。看板を掲げるということは、そういう末端施策を強化させるために看板を掲げる、そういう意味で意味があるんだろうと、そういうように思います。そういう観点に立ちまして利害得失をいろいろ検討してみまして、充実した中小企業振興対策の機構を策定してみたいと、こう考えております。
#25
○林虎雄君 百貨店等の大規模店との関連について承りたいと思います。
 百貨店などの大規模店の進出によりまして、その周辺の中小小売り商が非常に大きな影響を受けて、せっかくの合理化投資がむだになる場合が多いように思われるのであります。ちょうど四、五年前に、諏訪市でありますが、ここに進出したあるデパートの際にも、地元商店がこれに強く反対しまして、結局デパート側が折れて、最初の計画を縮小したというような事例がございます。現行の百貨店法では、デパートは許可制になっていて、中小小売り商との調整が曲がりなりにも行なわれておるわけでありますが、そしてまた保護されておるのでございますが、これは今後の問題として、これから審議されるでありましょう大規模小売り店法との関係について通産省はどう考えておるか、お聞きしたいと思います。
#26
○国務大臣(中曽根康弘君) デパート等と中小企業あるいは中小小売り商業等との関係については、いろいろ歴史的な沿革もございまして、問題は二つあると思います。
 一つは、流通経路におけるデパート、スーパー及び商店街、商店等との調整の問題がございますし、もう一つは、デパートとこれに商品を出している商店等との問題がございます。いわゆる手伝い店員というようなものを調査いたしてみますと、統計によりますと一九・五%ぐらい手伝い店員が行っている。あるいは不当返品と称せられるものについても、九%程度の不当返品があるという調査が参っております。そういうような公正取引上監督すべき分野について、公正な取引をして、不当に支配力を及ぼすということをないようにさせるという問題が片一方でございます。これらはわれわれはさらに強化していかなければならぬ部面であると思います。それと同時に、片一方におきましては、いま申しました流通経路の問題がございまして、今度はスーパーもある意味において届け出制のもとに規制の対象に入れていく、そうして、この三者の関係を住民や関係者の納得のいく形でお互いに話し合いをやらせながら誘導していく、そういう形に今回、法体系を改めつつあるところであります。
 私は、現段階においてこの措置は適切な措置であると思っております。そういう意味におきまして、大型小売り店舗云々という法律の制定を強く希望いたしておるものでございます。
#27
○林虎雄君 これは、大規模小売り店舗における小売り業の事業活動の調整に関する法律案というのがいずれ提案されると思います。まだされないようでありますから、その際に譲りたいと思いまして、この程度にとどめます。
#28
○委員長(佐田一郎君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩をいたします。
   午前十一時十七分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四十分開会
#29
○委員長(佐田一郎君) ただいまから商工委員会を再開いたします。午前に引き続き中小小売商業振興法案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は御発言を願います。
#30
○峯山昭範君 それでは、初めに大臣に二、三お伺いしたいと思います。
 最近の景気の見通しについてどういうふうな見通しを持っておられるか、大臣にお伺いしたいんですが、最近における消費者物価の上昇、非常にたいへんな状態にあるわけでありますが、このまま推移してまいりますと、今年度の物価の見通しは一〇%をこえるというふうに予想されております。おそらく政府は、第四次公定歩合の引き上げ等強力な引き締め政策を行なうんじゃないか、そういうぐあいにいわれておりますが、そういうぐあいに強力な引き締めが行なわれますと、そのしわ寄せを受けるのは、ほとんど中小企業にしわ寄せが寄ってくると、それで、その結果として中小企業等の倒産が続出する、そういうようなことが考えられるわけでありますが、特にことし後半の景気の見通し等について大臣はどういうふうな見通しを持っておられるか、初めにお伺いしたいと思います。
#31
○国務大臣(中曽根康弘君) 最近の動向を見ましても、一つは、国際的な物価高という現象が依然として強く出てきております。したがって、各国ともみんな公定歩合を上げまして、八%という国も出てきておる情勢でございます。日本の場合には、総需要がかなりまだ強く残っておりまして、民間設備投資に対する意欲はまだ衰えておりません。特に、中小企業関係においてかなりそれが強いようであります。そういうような情勢から、景気に対する、つまり、需要に対する力というものはまだかなり強く作用しておりまして、政府としては、総需要の抑制という面で金融的措置等を一段とまたとる段階にきており、現にとりつつあるところでございます。しかし、中小企業に対してその悪影響がきてはいけませんから、財投等の措置についても中小企業関係は除外すると、そういう措置を大蔵省と話し合いをしてやってもらっております。景気全般としては、まだ強含みでございますけれども、漸次この総需要の抑制政策等がしみていきますと、若干中小の不動産等には出てきておりますけれども、少しずつ鎮静していくのではないか、そう思い、また、そういうふうにしなければならぬと思って努力しておるところでございます。これは来年度予算編成等ともからんでおりまして、来年度予算編成等につきましては、この景気の動向をよく見守りながら予算の規模等等も考えなければならない、こういうように思っております。
#32
○峯山昭範君 大臣、こういうように金融引き締めが強くなってまいりますと、中小企業者の資金の借り入れですが、これはどうしても政府系のいわゆる中小企業の金融機関に期待するようになるわけでありますが、実際問題として政府系の金融機関の資金需要が増加すると、そこで補正による年間貸し出しワクの追加というものがだんだん必要になってくるわけでありますが、こういう点については通産省は具体的にどういうぐあいに考えておられるのか。ワクの追加とかそういうことについては、そこら辺のところはどうですか。
#33
○政府委員(外山弘君) 政府系三機関に対しましては、その資金需要が、先ほどもたとえば大臣がおっしゃったようなことで、中小企業金融のために手配をしなければならないという場合には、ワクの増加等を随時行なっておりますが、例年で申し上げますと、年末にはいつも必ず追加財投を行なっておるわけでございます。私どもといたしましては、今後の状況をよく見ながら、年末まで待たずにやらなければならない事態がくれば、またその措置をとらなければいけないと思いますし、その年末財投も含めまして今後の状況の注視をしていきたい、こう考えておる次第でございます。
#34
○峯山昭範君 そうすると長官、過去の実績と、まあそんなにさかのぼらなくてもけっこうですが、昨年の実績と比較してみて、ことしの現在の状況から考えてどの程度考えておられるかですね、そこのところ、どうですか。
#35
○政府委員(外山弘君) 例年、政府系三機関の貸し出しワクの伸びは、大体一八%から二〇%程度の伸びで予算の上できまるわけでございますが、いつも年末財投でそれを若干ふやしているわけでございます。ことし、いまどの程度のふやし方をしたらいいか、まだ検討しておりません。おりませんが、今後の状況を見ながら早目に手当てをしてまいりたい、こう考えておるわけでございます。
#36
○峯山昭範君 私、ちょっと詳しいことはわからないんですが、早目にというのは、大体いつごろやるわけですか。
#37
○政府委員(外山弘君) 例年ですと、十一月の初めにはいつも大蔵省と折衝してワクをきめて、三機関に内示をしているわけでございます。で、そのようなテンポでことしはいいかどうか、これは今後の状況をよく見守ってまいりたい、こう考えておるわけでございます。
#38
○峯山昭範君 それじゃ、その点はそのくらいにしまして、確かに金融引き締めによる中小企業の資金繰りの悪化を防ぐためには、ただいまの政府系の中小企業金融機関の融資のワクの追加とともに、それからもう一点は、信用保証協会による民間機関からの金融の円滑化をはかることも必要だと私は思いますが、最近における信用保証協会の保証の実績ですね、これは私たちが見た範囲内では、あまり増加してないようでありますが、そこら辺のところの実情は大体どういうぐあいになっているのか、また、増加してないとすれば、私の資料が合っておれば増加してないように見えるんですが、増加してない理由は、そこら辺のところはどうか、あわせてお伺いいたします。
#39
○政府委員(外山弘君) いま手元に数字を持っておりませんが、信用保険公庫の収支状況等から見ますと、きわめて順調に推移しておるということは、保証がそれほど著しく伸びておるという事態ではないというふうに類推されます。いま数字を手元に持っておりませんので、正確なお答えはまた後ほど、資料をもちまして御説明させていただきたいと思います。
#40
○峯山昭範君 資料をもってその辺のところはあとでまた教えていただくとしまして、いわゆる中小企業者に対する保証協会の保証をしやすくする必要があるわけでありますが、そこで保証料率の引き下げですね、これはことし若干引き下げられたように聞いておりますんですが、この保証料率の大幅な引き下げという問題が一つと、それからもう一つは事務手続ですね、これのいわゆる簡素化、この二つの問題が中小企業の皆さんにとっては私は非常に大事な問題だと思うんですが、そこら辺のところは一体どういうぐあいになっているのか、ちょっとお伺いしておきたいと思います。
#41
○政府委員(外山弘君) 信用保証料率の引き下げにつきましては、かねてから中小企業庁といたしましては、予算のたびごとに融資基金等の増加によりまして努力をしてまいっております。ただ、これはそれだけではなかなか下がりませんで、信用保証協会全体の経理的基礎がいろいろな要因できまってまいりますので、それとの関連できまってくるということから、必ずしも十分な保証料率の引き下げがいままで行なわれているとは言えないと思います。ただ、若干ずつでも下がってはきているわけでございますが、私といたしましては、早く一厘以下にしたいというふうに思っておるわけでございます。現在、それを平均いたしますと、かなりまだそれを上回るところにございます。来年は融資基金を大幅にふやしまして、かつ融資基金の金利を下げまして、そしてこの辺大蔵省の御協力をいただきまして、保証料率の引き下げが早急に実現するように努力をしてまいりたいと、いまそういうことで検討をしておるところでございます。
 それから、事務手続の簡素化の問題は、私もしばらく離れておりまして、現在どのような問題点がさらに起こっているか承知しておりませんが、特に保証協会について事務手続が問題になっているというふうには最近聞いていないわけでございますが、状況をまた調べまして、勉強してまいりたいと思います。
#42
○峯山昭範君 実は、具体的にその事務手続の簡素化という問題については、私の手元にやっぱり手続を簡素化してもらいたいという要望みたいなものがあるわけでありますが、実際にどういうふうな手続をしてその信用保証協会の保証をもらうのかというのは、私も具体的には知らないわけです。それで、できましたらあとでそこら辺の手続と資料を一部いただきたいと思います。
 そこで次に、大臣は向こうで本会議があるそうでございますので、行かれると思いますが、一つ大臣にお伺いしておきたいのは、最近の民間の信用調査機関が発表したところによりますと、ことし七月の倒産ですね、相当倒産の状況が多いようでございますが、倒産の特徴としてあげられる問題として、特に原材料の値上がりとか、大臣がきょう陳情を受けておられたそうでございますが、そういうようないわゆるビニールの電線とか、あるいはパイプとか、そういうような原材料の値上がり、あるいは入取難に伴うインフレ倒産ですか、そういうようなものが非常に多いと私は聞いておりますが、その実情並びに対策について通産省としてどういうふうにお考えか、この点を大臣にちょっとお伺いしておきたいと思います。
#43
○国務大臣(中曽根康弘君) 最近の倒産の動向を見ますと、四十七年では景気上昇あるいは金融緩和の基調のもとに非常な低水準で推移をいたしました。四十八年に入りましても、一月から七月までについては大勢として落ちついておりましたが、たとえば中日スタヂアム関連倒産のような特殊な事情のものもありまして、そういう場合には多少変化はございました。しかし、件数では低水準に推移して、大体前年同期をなお下回った情勢であります。ただし負債金額では少し上回っております。四十八年一−七月について、中日スタヂアム関連倒産を除きますと、前年同期比で件数、金額とも四%程度の減となっております。これらのうち原材料価格上昇による採算割れ等によるいわゆるインフレ倒産は、建設業を中心としてやや増加の傾向が見られます。全体の倒産件数に占めるインフレ倒産の割合は、これまでのところはかなり小さい模様です。四十八年の一月から七月まででは約四%であります。しかし、最近の原材料価格の高騰などにもかんがみまして、今後の動向については十分注視してまいる必要があるように思っております。
#44
○峯山昭範君 まあ確かに過去の状況から見ますと、大臣のいまお述べになったとおりであろうと思うのですが、最近の実情は、やっぱりいろいろな面でこれからふえるのじゃないかという危惧があるわけでありますが、ここら辺のところはどうですか。
#45
○国務大臣(中曽根康弘君) その点は危惧がございます。たとえば中小土建、特に小土建等を見ますと、政府や公共団体の仕事を受け持っているという方々が予算単価に縛られて、入札価格はいままでの水準に押えられていると、ところが、丸棒やあるいは電線そのほかは上がってきておる。それでとてもこれでは入札し切れない。ところがそれを断わるというと、どうも次の指名が回ってこないとか入れてもらえないというようなおそれがあるわけです。そういうわけで涙をのんで、赤字はわかりながら入札に応じなきやならぬというようなケースが最近はかなり見えてきました。そういう面からして、予算単価の問題あるいは資材の供給の問題等についていろいろ建設関係について考えてあげなければならぬ事態が出てまいりまして、われわれも目下検討しておるところでございます。こういう現象はほかの分野にも、特に資材関係を中心にして起こりかねない情勢でございまして、われわれは慎重にその内容を分析しながら、対策を事前に立てるようにしていきたいと思っております。
#46
○峯山昭範君 いずれにしましても、最近の、特に私たちが知っております範囲では、出光石油化学の爆発事故、あるいはチッソの海上封鎖等、そういうふうなものから原料が逼迫して、合成樹脂、塩化ビニール加工業者の倒産が目立っておる、こういうように聞いておるわけですが、それと同時に、そういうふうなものを使っての原材料が非常に逼迫しておる、そういうふうに聞いておりますのですが、いずれにしても、私の大阪でもそうですが、最近におけるそういうふうな原材料の高騰というのは相当なものだと、こういうように聞いております。特にいま大臣から話もございましたが、建設資材に使用される小形棒鋼とかビニール電線、それから水道管ですね、こういうようなものが相当急騰しているようでございますが、昨年に比べて小形棒鋼は私の手元の資料によりますと値段が二倍ですか、それから水道管が二ないし三倍、こういうようになっております。それでもまあ必要量入手できればいいわけですけれども、実際はなかなか必要量の半分も入手できない。その中でも特に中小企業が非常に困っておる、こういうぐあいに私たちも聞いておりますし、その実情が新聞等でも相当報道されております。またそういうような中で、行き詰まって社長が自殺をしたとか、そういうような事件も現実に報道されておる実情でありますが、こういうふうないわゆる建築資材あるいはそういうふうな原材料の需給状況ですね、これは一体どういうぐあいになっておるのか、ちょっと一ぺんここらのところをお伺いしておきたいと思います。
#47
○政府委員(外山弘君) 担当の基礎産業局長が参っておりませんので、私かわりまして、私の承知している限りでのお答えをいたしたいと思います。
 御指摘の物資につきましては、旺盛な需要がある一方におきまして、塩化ビニール樹脂、塩化ビニール電線については、公害問題あるいは出光石油化学の徳山工場の事故など不測の事態の発生によりまして、また鉄鋼については水不足、電力不足等により供給力が低下し、需給関係が逼迫傾向にあるわけでございます。このような事態に対処いたしまして、通産省としては特に建設業、電気工事業等の中小事業者に対して大きな影響を与えている小形棒鋼をはじめとする各種鋼材、あるいは塩化ビニール電線及び塩化ビニール管についてあっせん販売対策を講じているわけでございます。
 なお、このあっせん販売の業務につきましては、小棒は八月の八日から受付を開始する。また、九月上旬には引き渡し態勢に入る予定と聞いておりますし、その他の鋼材についても、今週中に申し込み受付ができるよう、その準備を進めていると聞いております。また、塩ビ電線及び塩ビパイプについては、現在実施態勢の準備を進めておる、今週中には業務が開始できるというふうに私どもは承知しているわけでございます。
#48
○峯山昭範君 それじゃ、やっぱりこの問題は基礎産業局長さんに――あ、お見えになった。
 それじゃ、お見えになりましたので続けますが、いまビニールの電線とか塩ビのパイプの話をしておるわけでありますが、通産省で緊急措置としてあっせん相談所を設けて、特に小口需要に対するあっせん販売を行なっている現状であるが、要するに、その実情についてのパンフレットも実はきょう、いまさっきもらったところなんですけれども、実際こういうふうな実情がいつまで続くのか。
 それから、私の手元にある資料によりますと、これはビニール電線だけですね、資料としてありますのは。そのほかいろんなものがいま問題になりつつあります。たとえば塩ビのパイプとか、それから鉄の丸棒ですね、建築資材としての。そういうようなものがあるわけですが、そこら辺の一つ一つについては、具体的にどういうぐあいに対処していかれるのか。できるだけ具体的にちょっとお伺いしたいと思います。
#49
○政府委員(飯塚史郎君) 不足物資につきましては、いま先生御指摘のように、塩ビ製品並びに鋼材が現在特に窮迫をいたしておる状態でございます。
 塩ビにつきましては、各種の用途があるわけでございますが、約三〇%が塩ビ管でございまして、そのほかいろいろ用途がございますが、いま最も問題になっております電線につきましては、約七%ぐらいかと考えます。塩ビは、ことしの四月−六月の間までは比較的順調に生産も行なわれましたし、需給の関係もどうにか持ちこたえておったわけでございますけれども、七月になりましてから突如として生産の減少を来たしまして、同時に需要のほうは、建築関係の需要増に伴いまして引き続きかなり高水準に伸びておりまして、そこで需給の非常に大きなアンバランスを生じたわけでございます。
 七月に至りまして生産が特に落ちましたのは、御承知のように、出光の徳山におきます事故でございますが、出光の徳山におきましては、全国の塩ビ生産の約一五%を占めておるわけでございますが、これが七月の七日に事故を起こしまして、五十日間ばかし全く操業を停止しておったような状態でございます。同時に、徳山の事故のほかに夏場でございますので、光化学スモッグ等の問題もございまして電力制限等も受けましたし、同時に、水不足によります操業の一部縮小並びに公害問題にからみまして、塩素並びにソーダ工場と漁民との間の若干のトラブルもございました。こういったようなことが重なりまして七月の生産は、当初私どもが予定しておりました十二万トンに対しまして、九万六千トンというような落ち込みを来たしたわけでございます。
 こういう塩ビの需給のギャップをもとにいたしまして、特に塩ビ管と塩ビ電線に不足の傾向が著しくあらわれてきたわけでございますので、これに対処いたしまして通産省といたしましては、七月からその緊急出荷の方策につきまして関係業界といろいろ折衝を重ねてきたわけでございますが、ようやく関係業界のほうも通産省の強い要請を受けるに至りまして、塩ビの電線につきましては、これは塩ビ電線の中でも平型ケーブルといいまして屋内の配線用でございまして、これをつくっておりますのは中小の電線メーカーでございますが、これらとの話し合いによりまして、とりあえず五百五十万メートルの緊急出荷をするということになったわけでございます。
 先ほど先生御指摘のあっせん要項等は、この五百五十万メーターにつきましての出荷並びにあっせんの手順を明記したものを各都道府県並びに通産局並びに関係の電気工事業者等に配付いたしたものでございます。で、若干事務的な手続のために時間をとりましたけれども、今週の半ばぐらいには、この関係のあっせん業務が開始されるんではないかと考えております。
 ただ、全国で五万五千軒の電気工事業者がおるわけでございますので、五百五十万メーターの放出といってもこれはきわめてわずかでございますので、これだけで当面の平型ケーブルの需給緩和に役立つとも私どもは考えておりませんが、引き続き第二段の措置といたしまして、九月の半ばぐらいにさらに今回の量を上回るような平型ケーブルの緊急出荷につきまして、関係メーカーといま打ち合わせをしているところでございます。
 それから、塩ビ管につきましては、不足状況は電線ほどではありませんけれども、これは本年の三月ぐらいからそういう傾向は出てまいりまして、私どものほうでもいろいろ検討いたしておりましたが、とりあえず千五百トンの緊急出荷をやることにいたしまして、塩ビ管の工事業者に直接メーカーから行くようなことを措置いたしたわけでございます。これも電線の場合と同様に、都道府県の商工課等を窓口にいたしましてこのあっせんの業務をやるということにいたしております。
 なお、鋼材関係につきましては、丸棒につきましては、ことしの八月の八日にとりあえず三万トンの緊急出荷を措置いたしたわけでございますが、このほうはやはり都道府県商工課を窓口にいたしまして、小棒の共販会社というものが全国に七カ所ございますので、ここを通じまして直接中小の建設業者に入るように措置をいたし、すでに今月の二十一日にこの分の締め切りをしたわけでございますが、三万トンを上回るような要望が出ておりますけれども、これは、中小企業者ということで資本金五千万円未満の建設業者の要望を受け付けるということでございますが、若干要望の中に五千万円を上回るような業者も入ったようでございますので、これを切りますと、大体今回の分は三万トンの中におさまるというように考えております。で、引き続きまして九月の半ばぐらいから、さらに六万トンの緊急出荷を同じような方法によりまして実施することにいたして、現在関係業界と具体的な話し合いをやっておるところでございます。なお、小棒以外の一般の鋼材につきましては、これもやはり品不足のために中小の建設業者は入手難におちいっているわけでございますが、かたがた、価格のほうも非常な高騰をいたしておりますので、通産省としては、中小建設業者救済並びに物価対策の観点から、今般、大手のユーザーの需要分を一割カットすることにいたしまして、この八月から十一月までの間に四十六万トンの普通鋼鋼材の緊急出荷をきめたわけでございます。これは、鋼材あっせん所が全国に七カ所ございますけれども、ここを通じまして中小の建設業者の手元に直接入るように、しかも値段につきましても現在の市中の異常な価格ではなくて、もっとメーカーの出し値に運賃その他の諸掛かりを加えた適正な価格で中小の建設業者に直接行き渡るような措置をやっておるところでございます。
 以上が現在まで通産省が実施いたしました作業の概要でございます。
#50
○峯山昭範君 局長、こういうような問題は非常に私は重要な問題だと思うのですけどね。要するに、先ほどから聞いておりまして、塩ビ管とか電線、こういうような品物は、端的に言いますと、何でほんとうにないのか。ほんとうに品物が少ないのか。先ほどから出光石油化学の事故、あるいは海上封鎖の問題、あるいは光化学スモッグ、あるいはソーダ工業の問題ですね、その辺いろいろ理由をあげられましたが、実際問題これは品物がないんですかね。なくてこういうことになったのか。または、たとえばことしは一月からいろんな問題が起きているわけですね。ことしの国会では、買い占めとかああいう問題もずいぶん問題になりました。そこで、とにかく品物がないといううわさが出ると、一ぺんになくなってしまう。それが急になくなるわけはないわけですよね、実際問題として。それで、どこかで買い占めたとかどうしたとか、どこへ品物がいったのか、そういううわさが出始めると、とたんになくなってしまう。そして零細な業者たちは、ほんとうに家を建設中であっても野ざらしになってしまう。そういう事態が現実に起きているわけですね。これはただ単に私は、局長が先ほどおっしゃったこういうふうな出光の事故も、確かにそれは一つのきっかけではありましょうけれども、それだけではないんじゃないか、そういうような気がするわけですけどね。ここらの点については、担当していらっしゃる局長のところではどういうようにお考えなんですかね。
#51
○政府委員(飯塚史郎君) 塩ビにつきましては、七月−八月は生産と需要の関係がアンバランスを来たしたことは先ほど御説明申し上げたとおりでございますが、ただ、現在の末端におきます品不足の現状は、そういう数字の上のアンバランス以上のものがあると私どもは考えておるわけでございますが、電気工事事業者等の代表の方と何回か私はお会いいたしましたけれども、その方たちの御説明によりますと、出光の徳山の事故が発生したのは七月七日でございますが、あれから一週間後に突如として品物がなくなって、自分らは買えなくなっているというようなことを訴えているわけでございます。そこで私どものほうといたしましては、中間の流通業者がこれを買い占めたりなんかしているんではないかというふうな心配を持ちまして、大手商社、それから大手の問屋等につきまして若干の調査をやったわけでございますが、どうも調査の結果によりますと、こういった中間の流通業者が買い占めているというふうな実情はつかめなかったわけでございます。
 そこで、さらに関係者の方々にいろいろ聞いてみたわけでございますが、これは私の推測でございますけれども、結局、買い占めというふうな事態は行なわれていないかもしれないけれども、末端の需要者は、先々の品不足を見越して多少ずつ買い増しをしておるということはあるかもしれない。全国で末端の需要家というのはかなりの数になるものでございますから、それらの方々が少しずつでも買い増しをいたしますと、これが相当な量になって末端の品不足に拍車をかけることになるし、かたがた、出光の事故その他の生産阻害の要因もありまして、心理的ないろんな観測も加わって末端における需給逼迫感あるいは価格の異常な高騰、こういったものを招来しているんじゃないかと、かように見ているわけでございます。
#52
○大矢正君 ちょっと関連で一問だけお尋ねをしますが、私も実は最近、いまの電線メーカー、あるいは丸棒を特に使っている建設業者の中でも中小と呼ばれる建設業者の方にもお会いをして、いろいろ話を聞いたのでありますが、通産省がいま行政指導としてあっせん所を全国的に設けてやられる。東京にももちろんそういうものがつくられてやられておりますが、どうも明確さを欠くのは、たとえば丸棒でいいますと、官公需、官庁その他の需要に対してと、それから零細な規模の需要者に対して特に配慮をするという、新聞等による報道ですね。そうすると、その範囲というのは一体どこまでなのかというような疑問がわいてくるわけですね。特にこの建設業の場合には、御存じのとおりに、大きな企業が請け負い、それをさらに下請、さらにまたその下請というぐあいにして、何段階にも、また部分的にもいろいろ分かれて下請をやっておるという状態がありますから、通産省がいま行政指導でなされようとされております、あるいは現にされておりまするそういった措置というものは、どこまで効果があがっておるのか。あがる可能性があるのか。それから、中小企業その他と言われますが、どこまでを一体中小企業として、どういう形でそいつを認めようというのかというような点についても、不明確なものが非常に多いようですね。
 それから、いま局長は、たとえば中間の卸問屋あたりで押えて売り惜しみをしておるというようなことが現にあるのではないかという質問に対して、現在までの調査ではそういうものはないと、こうおっしゃるが、しかし、零細な方々の意見を聞くと、必ずしもそうではない、かなりの在庫を隠している面があるということをやはり指摘されておりますね。ですから、通産省として本格的にそういう中間の流通機構まで調査をした上で、実際に品不足だという一つの判断の上に立ってなされておる措置なのか、そうではない、世の中がいま騒々しいから、通産省もこれだけのことをやっておるというかっこうを見せればいいというかっこうでやっておるのか、その辺についてはどうも私ども納得のいきかねる面がありますから、再答弁をひとつお願いしたいと思います。
#53
○政府委員(飯塚史郎君) 第一問の中小企業の範囲はどの程度か、どの程度の範囲のものを今回のあっせんの対象にするのかという御質問でございますが、これは資本金で申しますと、五千万円未満の中小の建設業者を対象にいたしておるわけでございます。まあ現在の段階ではそういうことにいたしておりますが、先ほど先生御指摘の、官公需関係というように新聞に出ておりましたけれども、官公需と申しましても、これは地方の自治体が発注をいたして建設をやらしております病院、学校等、これらが最近の鉄鋼の品不足によりまして建設もおくれがちであるというような声が非常に強く出ておりますので、こういう緊急な公共的な建設につきましては、何としても優先的に資材の確保をはかる必要があるという観点から、こういうたぐいの官公需の関係を優先して配慮するということにいたしたわけでございます。
 それから、第二問の買いだめの問題でございますが、これは先ほども私が御説明申し上げましたけれども、いままでの通産省の調査で必ずしも完全に把握しておるということは申し切れないと思います。私どもとしては、引き続き中間の流通業者の買いだめ等の実態につきましてはさらに調査をし、深く調べていかなければいかぬと思うわけでございますけれども、現在までの段階では、こういう実態についてはつかみ得ない状態でございます。ただ、いずれにいたしましても、末端におきます需要家は資材の手当てができないということは事実でございますので、通産省といたしましては何としてもその末端の需要家の資材確保ということで、メーカーから需要家への直接引き渡しということを考えまして、あっせん所を使って資材の確保をはかるということにした次第でございます。
#54
○峯山昭範君 そうしますと、まず第一点は、七月七日に出光の事故があった。その直後から確かに電線やパイプがなくなってきた。大臣、いま局長がおっしゃったとおりですね。そうしますと、事実は商品がなくなったわけじゃないと私は思うのです。やっぱり商品はあると思うのです。局長は先ほど、通産省が大手の商社や倉庫をだいぶ調査をした、しかしながら、商品はなかった――現実の問題としてことしの初めから相当買い占め等いろいろな問題が出てまいりまして、通産省が調査に行って、品物が買い占めてあったなんという、そういう事実はあまり聞いたことがないのです、実際問題。やっぱり向こうの倉庫にはよけい品物があった、けしからぬじゃないかというようなことは、なかなか具体的に私はあまり聞いたことがないのですよ。そうじゃなくて、これは通産省が調査したら本格的にそういう品物が出てきた、こうならないと私はいけないと思うのです。
 そこで大臣、私は今度の問題と関連して申し上げたいのですが、ことしの初めからアズキや大豆の買い占めなんかが行なわれてずいぶん問題になりましたときに、大臣が十大商社の社長さんを呼んでいろいろやったことがありましたですね。あの問題について、私は、実際に商品の取引やそういうことをやっているあの十大商社の中の部長さんとお会いして話を聞いたとき、一番愚かなことは、大臣のやっておる十大商社の社長を集めて演説することが一番おろかなことだ、こういう話をしてくれました。何でかといいますと、通産省は買い占めの法案をつくる、また取り締まりをやる。それを前もってちゃんと予告をする、結局、予告をして調査に行くから品物がないのはあたりまえだと、要するに、犯人がつかまるわけはない、こういうようなことを言った人がいた。私、事実かどうか知りませんよ、知らぬけれども、確かにそういうような話を私たちにしてくれました。
 そういう点から考えますと、通産省自体はもう少しきびしい立場に立って、そしてやっぱりやる気になってやれば、先ほどから塩ビ管が三月ごろからとか、まあこれは鋼材の問題とかいろいろ出てまいりましたが、緊急出荷という問題でいろいろな問題が少しずつは出てきておりますね。そして、中小企業、零細な企業に対しては少しずつは潤ってはいきますけれども、まだまだたいへんな実情にあります。品物が全然ないのじゃなくて、やる気になってやれば通産省もできるということを、私は先ほどの局長の答弁からも言えると思うのです。そういう点、今後の対策としてやっぱりこういうような問題について、本気になって取り組んでもらいたいと私は思うのですが、いかがですか。
#55
○国務大臣(中曽根康弘君) 現在の物資不足の問題が中小、特に零細の企業の皆さんに非常な御迷惑をおかけしている状況を見ますと、通産省はほんとうに、真にそれらの人々のために物資を供給するように努力しなければならぬと思っております。いまの丸棒あるいは塩ビ水道管、あるいは塩ビ電線、そういうような問題につきましては、全力を傾倒して供給を円滑にするように今後も努力してまいります。
#56
○峯山昭範君 それでは大臣、これからのことをちょっと二、三議論しておきたいと思います。
 私は、これは非常に重要な問題ですから申し上げますが、要するに、塩ビ管とかこういうような電線、鋼材、いまこういうようなものが問題になっておりますが、こういうようなものが不足した原因として、先ほど局長が何点かあげられました。そのあげた点というのを申し上げますと、一つは出光の事故の問題があります。それからもう一つは、夏場になりまして水不足の問題が出てまいりました。それから同じく光化学スモッグの問題が出てまいりました。それからソーダ工業の水銀の問題が出てまいりました。こういうふうな問題は、考えますと、これから夏場になると毎年出てきそうですね、実際問題。出光の事故は別にしましても、水不足の問題とか光化学スモッグの問題というのは、これから毎年出てくる問題です。そういう点から考えますと、それじゃ毎年こういうようなことが起きてくるのかということになってくると非常に困るわけですね。そういう点から考えて、やはりいま通産省が一生懸命やっていらっしゃる緊急の対策と、それから将来を見越した対策というものが私は必要じゃないかと思うのですが、ここら辺の点をあわせてちょっとお伺いしておきたいと思います。
#57
○国務大臣(中曽根康弘君) 緊急の対策は、いまやっておるようなことをさらに努力していくということでございますが、将来にわたってという仕事の一番大きな問題は、総需要の抑制ということだろうと思います。需給バランスを考える。それでわれわれ反省してみますに、国内並びに海外情勢がこう変化しているのに対応できないような財政あるいはものの考え方があったのではないかと、そう反省いたします。つまり、物質が豊饒な時代に予算編成その他やってきたものですから、マネーフローを考えて、そして物のフローはそれに応じ得るものであるという考えがありました。しかし、いまや時代は変わりつつあるので、物のフローを考えて、それに応ずるマネーフローを考えないというと財政政策はうまくいかぬ。来年度は、そういう意味で総需要の問題というものをよく把握して、総需要というものは供給と相応ずるものの範囲内にしなければならぬ、そういう考えに立って財政政策を行なうということがまず基本じゃないか、こう思われます。
#58
○峯山昭範君 確かに大臣おっしゃるように、発想の転換も必要でございますね。
 しかし、そこでもう一点私はお伺いしておきたいのでありますが、これはたとえば、この間から問題になりました出光の事故がありました。いわゆる化学工場の爆発事故というのは、これからたびたびいろいろなところで起きるのじゃないかという不安があるわけです。といいますのは、出光で事故がありまして、この間は大阪で、堺のほうで事故が起きそうになりました。また、公害の問題とからみましていろいるな問題がこれから起きつつあります。そういうような点を考えてみますと、いわゆる既設の石油コンビナート、あるいはこれから新しく増設されるであろうコンビナートの安全性、あるいは公害問題、この二つの問題に特にいままで以上に私は通産省としても取り組んでいかなければいけないと思うのです。
 そこで、安全性の問題については、特にコンビナート周辺の住宅というものも非常に危険な実情にあるわけです。コンビナートがあとからできて、前から住宅がその近くにあった、そういうような住宅もありましょうし、または工場と住宅が、いろんなコンビナートが新しくできたところでも近接しているところがあります。距離的に非常に近くにコンビナートがあって危険な実情にある、そういうようなところがずいぶんありますので、たとえば工場と住宅との距離、こういうような問題というものも、これは危険物取締法ですか、ああいうような法律で、たとえば弾薬庫と住宅との間は何百メートル離せとか基準がきまっておりますね、ああいうような基準と同じようにして、通産省としても住民が安心して生活できるような体制づくり、いわゆる工場の環境づくりというようなものについても取り組んでいかなくちゃいけないのじゃないかということを感じるわけですけれども、ここら辺のことについてはどうお考えでしょうか。
#59
○国務大臣(中曽根康弘君) 工場と環境との関係というものは非常に重要なファクターでございまして、今度工場立地法を御審議願っているのも、われわれは一面にはそういう公害関係を考えてやっておることでもあります。災害関係ももちろん入ってくるわけでございます。いまの峯山先生の御発言は、われわれとしても大いに検討してみたいと思います。
#60
○峯山昭範君 それでは次に、法案の問題について二、三ちょっとお伺いして私の質問を終わりたいと思うんですが、午前中の質問で、法案につきましては同僚議員の方から質問がございましたので、まあ多少ダプる点もあるかもわかりませんが、二、三質問しておきたいと思います。
 今回の中小企業のいわゆる中小小売商業振興法案ですか、これは何と言いますか、この要綱の中にもございますが、非常にたくさんの店舗数ですね。それで、その経営内容は非常に小さい、しかも労働生産性は非常に低い、こういうようないろんな特徴があるわけでありますが、こういう点から見てまず第一点は、融資の問題につきましては、ことしの八月十七日の日に私は質問主意書を出しまして答弁をいただいておりますので、一つは、小規模企業経営改善資金融資制度というのはいつごろからスタートするんだという質問をしましたら、答弁書で、十月ごろからスタートをする予定である、こういうぐあいに主意書の答弁で出ておりますが、これは十月からスタートされるのかどうか、ここら辺のところを一点お伺いしておきたいと思います。
 それから、もう一点重ねてお伺いしておきたいんですが、先ほど経営指導員の問題がずいぶん問題になりました。この点については、やっぱり経営指導員の増加という問題ですね、これはどういうようにお考えか、この二点をちょっと初めにお伺いしておきたいと思うのです。
#61
○政府委員(外山弘君) 小規模企業経営改善資金につきましては、できるだけ早くこれを実施の運びにいたしたいということで、現在努力をしているところでございますが、何と申しましても初めての制度でございますので、いろいろ準備がございます。経営指導員と実際にこれを受け持つ国民金融公庫、あるいは推薦する商工会議所あるいは商工会等との関係が円滑にいかなければいけないという点がまず第一にございます。それから、やはり制度の趣旨をよく徹底さしていかないと実施が不円滑になるという問題もございます。そんなことを考えていまいろいろ準備を進めているわけでございますが、先ほども主意書に書いてございますように、おそくとも十月には何とかスタートをさせたいということで、いま懸命に準備をしているところでございます。
 それから、もう一つの経営指導員の増員の問題でございますが、これはやはりこの制度の円滑な運用のためには、指導員の役割りが非常に重要でございます。もともと小規模企業にとっての経営改善指導ということは非常に大事な仕事でございますが、特に今回のような融資制度との関係では、ますますその重要度が加わるわけでございます。で、質量ともにそろったかっこうで経営指導員が配置されるということが何よりも大事であるというふうに認識いたしまして、私どもとしましては、今後も引き続き経営指導員の大幅な増加ということにつとめてまいりたい。で、本年度は御承知のように三百五人ということで、かなり例年の増加率を上回った増員が認められましたけれども、来年はさらにこれを大幅に上回る増員要求をいたしたいということで、経営指導員の充実をできるだけ早目にやってまいりたい、こう考えている次第でございます。
#62
○峯山昭範君 答弁書の中にも、大幅に増員するとか、それから待遇も大幅によくしたと。いわゆる大幅によくして、たとえば待遇の問題でもあんまりええことないわけですね。二〇%も上げて七万ちょっとしかならない。大幅に増員というのが三百人。こんな三百人とかそんなものはあんまり大幅とは言わないんですよ。これはちょっとふやしたというだけですわ。ほんとうはもう少し私たちはふやしてもらいたいんですが、何でこんなことを言うかといいますと、先ほどの、十月からスタートするであろういわゆる小規模企業経営改善資金融資制度というこの制度ですが、これは一つは貸し付け条件ですね、それから事業の規模、これはどういうぐあいになっているのかですね、これがまず第一点。
 それから、もしその貸し付け条件の中に、商工会の指導を受けた者、そういうぐあいになるであろうと予測されているわけでありますが、そうなるとすれば、現在の商工会あるいは商工会議所等の指導員の数で足りるのかどうかですね。実際問題として、現在の商工会あるいは商工会議所の指導員の数では足りないんじゃないか、現在、こういうように言う人がいるわけですが、こういう点についてはいかがでしょうか。
#63
○政府委員(外山弘君) 経営改善資金融資制度の内容でございますが、本年度のスタートといたしましては総額三百億円、そして融資条件等につきましても、それぞれ貸し出し限度は百万円以下、貸し出し期間は二年以内、無担保、無保証、金利は七%ということでスタートをする予定をいたしております。
 ただ、この内容につきましては、今後もさらに努力をいたしまして内容の改善につとめたい。たとえば、百万円はできるだけすみやかに二百万円に持っていきたいし、貸し出し期間も二年を三年に改めたいし、そういったことで少しでも内容についての充実を期していきたい、来年度の要求にはそういった考えを織り込みたい、こういうふうに考えております。
 それから、もう一つの経営指導員の数の問題でございますが、確かに現在の指導員の数では、今後小規模企業経営改善資金融資制度がますます広まっていく場合に、人数の上での不足が起こってくるということは当然予想できるところでございまして、先ほど来申し上げましたように大幅にふやしまして、そしてこの実施の円滑化が行なわれるように、私どもとしても一生懸命の努力をこの増員の面でもやってまいりたい、それがこの経営改善資金融資制度を有効に運用させるゆえんであると思いますし、今後もそういった点で不円滑にならないように努力をしてまいりたい、こう考える次第でございます。
#64
○峯山昭範君 長官、この経営指導員というのは、たとえばよその省で言うと経営指導員に似たようなものは、どんなものがありますか。
#65
○政府委員(外山弘君) たとえば、農林省におきます農業改良普及員、これは経営指導員とは違いまして、公務員そのものでございますけれども、実際の機能の面では同じような指導員ではないかと存じます。
#66
○峯山昭範君 そうしますと、確かに長官のおっしゃるように、通産省で所管している経営指導員というのは、これは農林省の農業改良普及員と同じような役目を持っておると私は思うのですね。そういう点からいきましても、現在、これは私の数がもし違っておりましたらあとで訂正してもらいたいんですが、経営指導員の数というのは四千九百四十五人ですね、予算定員が。しかし、これをいまの農業改良普及員と比較すると、極端に少ないわけですね。農業改良普及員というのは、農業従事者六百六十万に対して一万二、三千人いるわけですね。これに対して小規模企業というのは大体三百七十万といわれておりますね。これはこの法案に出ております商業が百九十万ですから、製造業と合わせまして三百七十万といわれておりますが、それに比べまして、ことしの増員を含めて五千百九十――ああ、沖繩を含めますからもうちょっとふえますが、いずれにしても五千二百人ぐらいですかね。こういうふうな数からしますと、これはもうとてもじゃないけど数の面でも非常に少ない。これは基本的にもうちょっとふやすべきじゃないか、こういう点がまず第一点です。
 それからさらに、たとえば農林省の予算では、いわゆる農業改良普及事業で、これに必要な費用として百四十六億円計上しておりますね。ところが実際、農業改良普及員に対する補助率というのも、大部分は三分の二補助になっていますね。それで中小企業庁の経営指導員のほうは補助率は二分の一ですね。ことしの予算で四十八億九千二百万円ですか、そうしますと、何も私は農林省のほうが多過ぎると言っているんじゃないんです。少なくとも、いわゆる中小企業庁のこの予算をもっともっとふやすべきだと、そしてこれらの助成もでき得れば三分の二ぐらいまで上げるべきじゃないか、こういうぐあいに言わんとしているわけですが、ここら辺のところはいかがですか。
#67
○政府委員(外山弘君) 経営指導員は、正確な数を申しますと五千二百二十四名でございます。御指摘のように、農業改良普及員は一万三百十七名と聞いております。まさに人数の上でも非常に少ないわけでございまして、私どもが目標といたしまする数字を考えますと、早く一万人台に持っていきたいというふうな感じがしているわけでございます。これと単純に比較するわけじゃございませんけれども、やはり経営指導員をそのぐらいまで早く持っていかなければならない。ただ、いろいろの制約もございまして、急速にふやすといいましても限度があるということから、ここ最近、ふやし方を従来の例に比べますとかなり大幅にしているわけでございますが、今後とも、先ほど御指摘のような基本点に立ちまして、できるだけ早く一万人ベースまで持っていきたいというふうに私どもとしては考えている次第でございます。
 それから、もう一点の補助率の問題でございます。これは確かに経営指導員の場合は二分の一でございますし、農業改良普及員の場合は三分の二でございます。中小企業対策というのは、都道府県がこれを行なう場合に、国がその半額を補助するというふうなことが原則的な考えとして従来からございましたし、そういったことに照らしますと、なかなか補助率の引き上げということについてはむずかしい問題が多いかと思います。ただ、私どもといたしましては、今後経営指導員をうんとふやしていく場合、その場合にはやはり補助率の問題も問題になってくるということを十分考えているわけでございまして、いずれかの時期に補助率の改定についても提案したいということを現在検討しているところでございます。
#68
○峯山昭範君 この問題については、もう一点ちょっとお伺いしておきたいと思うんですが、経営指導員の待遇の問題ですけれども、先ほどもちょっと申し上げましたが、午前中の答弁を聞いておりましたら、局長は、二〇・一%の大幅な値上げをしたと、確かに二〇二%上がるということは、これはたいへんな値上げでありますけれども、もともとこれは安かったわけですね。現在、これは値上げして七万四千百円ですか、ですから、これじゃとても優秀な経営指導員が集まるかどうか疑問なわけです。こういう点から考えましても、ここら辺の給与の格づけというのはやっぱり今後考えていかなくちゃいけないし、待遇をよくしていかなくちゃいけないんじゃないかというのが第一点です。
 それから第二点は、いわゆる身分保障の問題ですね。これはやっぱり農業改良普及員と同じように、農業改良普及員の場合は公務員としてきちっと身分が保障されていますね。ところが、中小企業のこの経営指導員の場合は身分が保障されてない。非常に不安定なんですね。ですから、やっぱり不安定であるということは、これから零細な小規模企業やそういう人たちがいろんな経営相談をする場合に、ほんとうにたよりにする人たちですね。そういう意味から考えましても、たよりにする相手の人が自分の身分が保障されてないんですから、指導するほうが保障されてないんですから、非常に指導するほうが、それでいいかげんだろうと私は思いませんが、それでもやっぱり経営指導員の身分保障というのは、少なくともこの農林省の農業改良普及員と同じぐらいまでは、すぐはできないにしても、将来は持っていったほうがいいんじゃないか。ここら辺のところもきちっとあわせてお伺いしておきたいと思います。
#69
○政府委員(外山弘君) 確かに、二〇%も上げましても七万四千百円というふうな額でございまして、決して十分とは申せないと思います。来年はさらにこれを一五、六%上げまして、八万五千円程度にまでは少なくとも持っていきたい、こう考えておりますが、やはり待遇の改善ということが、経営指導員の重要性にかんがみまして非常に重要であるという認識に立ちまして、機会をつかむごとにこの引き上げについて努力をしてまいりたい、できるだけこの優遇については努力を今後も払っていきたい、こう考える次第でございます。
 それからもう一点、身分の保障という点でございますが、公務員のような制度による保障ということはこの経営指導員についてはむずかしいかと思いますが、社会保障的な支出、社会保険料等の支出、そういったものについてはもう少し応援することが妥当ではないだろうかというふうなことを考えて、来年度はそうした経営支出につきましても予算化するということで、いま検討しているところでございます。
#70
○峯山昭範君 それはそれでけっこうですけれども、将来は――将来というのはだいぶ先も含んでいるわけですから、将来は少なくとも大臣、農業改良普及員とまではいかなくても、最低そこの近くまでは保障していくように、身分保障をやってもらいたいと私は思っているのですが、この点あとで御答弁いただきたいと思います。
 それから、あともう一、二点質問して終わりたいと思いますが、法案の中身の中で、第九条に「小規模企業者に対する配慮」というのがあります。これによりますと「特別の配慮をしなければならない。」というように書かれておりますが、私は、特に小規模企業に対する特別の配慮というのは非常に大事だと思うのです。これはもっと具体的にはどういうことですか、どういう特別な配慮をしようとしているのですか、そこら辺のところをちょっとお伺いしておきたいと思います。
 それからさらに、第四条の認可を受けない一般の小売り業者、小売り商店、個人の商店ですね、これに対する何らかの振興上の政策が盛られているのかどうか、この点もあわせてお伺いをいたしておきたいと思います。
#71
○政府委員(外山弘君) 振興法九条の小規模企業者に対する特別の配慮ということは、国に対する訓示規定ということで書かれているものでございまして、第五条の「資金の確保」、あるいは第七条の「調査」、第八条の「研修事業の実施等」といったような、中小小売り商業者の経営の近代化、そのための施策を講ずるにあたっては、小規模企業者に対する特別の配慮をしなければならないということにしたわけでございます。
 具体的な施策としてはどういうものがあるだろうかということでございますが、まず金融面では、国民金融公庫による生業資金の小口貸し付け、あるいはただいま申し上げましたような小規模企業の経営改善資金融資制度、あるいは中小企業近代化資金等助成法に基づく設備近代化資金の貸し付け及び設備貸与、こういったようなものがございますし、また、高度化資金貸し付けにおきましても、小規模企業が五分の四以上を占める店舗共同化を八割、無利子融資の対象としている、こんな点が指摘できるかと思います。また指導の面では、商工会議所や商工会などの行なう小規模企業の経営改善普及事業を強化するというような施策を講じているわけでございまして、こういった点が小規模企業への配慮ということの裏づけになるかと存じます。今後も施策ごとにそういった点を念頭に入れながらやっていかなければならないということを、私どもとしては考えておるわけでございます。
 それから小規模企業者への配慮は、もう一つ、第四条の認定を受けた高度化事業計画に基づいて経営の近代化を進める場合でも、あるいは単独に小規模企業者が経営の近代化を進める場合でも、つまり共同化しないで進める場合でも、国がこれに対して特別の配慮をしなければならないというのが第九条の趣旨ということになるかと存じます。
 それからもう一つの御質問でございますが、個別の商店に対する施策につきましては、指導部長からちょっと御説明さしていただきます。
#72
○政府委員(栗林隆一君) 個別の商店につきましては、今回の本法によりまして計画を認定されます、そういたしますと、個別の商店に対しましてまず事業団から、これは一定の施設でございますが、それに対しまして高度化資金ということで六五%、二分七厘の条件で融資が行なわれる。また、一般の個々の商店でございますが、この本法によります振興指針、これに沿いまして近代化の方向に向かうという個別の商店につきましては、中小公庫、国民公庫、ここで特利の融資を用意いたしておりまして、そういった助成が行なわれるという仕組みを考えておるわけでございます。
#73
○峯山昭範君 結局、四条で認定を受けない一般の小売り業者、いわゆる個人の商店というのはあんまり何もないね。いま特利のそれがあるとか融資があるとか言うてますけど、実際はあんまり効果のないようなあれですね。まあこういうふうな商店街とかそういうところで高度化事業をやるとか、そういうのは多少カバーされるかもしれませんがね。個人の商店、たとえば個々の商店が受けるあれというのはあんまりないみたいですね、実際問題。
 それで、さらにもう一点ちょっとお伺いしておきたいんですが、いわゆる現在設備貸与実施機関というのが各県に、貸与公社ですか、こういうようなものがあるようですが、東京、大阪、神奈川、北海道、この四府県はないんだそうですね。これは何でそのほかの四十三都道府県にあって、この四都道府県にないのかですね。少なくともこの四都道府県というのは、大企業もよけい集まってるかもしれませんけれども、いわゆる小規模企業のほうもこれは相当な数にのぼり、たいへんだ問題だと私は思うんですが、これらの都道府県もこういうふうな設備貸与の助成を受けられるように、すみやかに予算措置なりそういうような処置を講じていくべきだと私は思うんですが、ここら辺のところはどうですか。
#74
○政府委員(外山弘君) 設備貸与制度につきましては、確かに御指摘のように、現在四十三の府県には公社が設けられておりますが、いま御指摘の四県につきましては、いまだ設備貸与公社という形の公社はございません。しかし、これらの都道府県におきましては、独自で設備貸与制度と類似の制度を長年やっておりまして、これらがあるものですからあえて公社をつくってないというのが現状かと思います。で、もちろん私どもの考えておりまする設備貸与制度とこれらの四都道府県の持っておりまする独自の制度との間には、利用者の側から見ましてそれぞれ利害得失があるかと思います。で、国の制度に一本化するということでありますと、これらの独自の制度との調整をはかることが必要であるかと思います。それで私どもとしましては、中小企業者の利用の便という立場からこの制度の普及につとめてきたわけでございまして、今後もその基本方針は変わらずに続けてまいりたいと、この四都道府県との関係の調整は今後もよく十分考えてまいりたい、こう考えている次第でございます。
#75
○峯山昭範君 そうしますと、たとえばですが、大阪には、いわゆる独自の類似の制度というのはどんなのがあるんですか。
#76
○政府委員(外山弘君) 大阪府には中小企業設備合理化資金制度というのがございます。これは、金利の上においては若干高いわけでございますが、貸し付け限度がかなり高い。それから、金利も若干高いわけでございますが、償還期間が、これは他と比較してどうかわかりませんが、四十カ月償還と。つまり、貸し付け率は一〇〇%、金利六・八%、貸し付け限度六百万円、それから償還期間四十カ月というふうなことで、従業員二十人以下の商工業の方々を対象として設備貸与制度をやってるというふうに聞いております。
#77
○峯山昭範君 そうしますと、これは確かに四十三都道府県にあって、四つの都道府県は類似の制度があるからいいというのじゃなくて、ここら辺のところは中小企業庁としてもやはりそれぞれの都道府県と本格的に話し合いを進めて、それでやはり東京や大阪もそういうふうな制度があったにしても、これは小規模企業や零細な企業の皆さんの立場から考えて、要するに、そういう人たちが有利になるような設備投資が自由にできるような体制を組んでいくということが私は大事じゃないかと思うのですが、そこら辺のところもどういうような実情になっているか、一ぺん今度時間をあらためてよく教えてもらいたいと思うし、またそこら辺のところも、日本全国でやっているのにたった四つだけやってないなんてちょっとへんぱな感じがしますし、そういう点もやはり御検討いただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
#78
○政府委員(外山弘君) 御趣旨を体して十分国の制度との調整をはかり、設備貸与公社が全般に普及できるようにこれからも努力をしてまいりたいと思います。
#79
○峯山昭範君 大体これで質問を終わりたいと思うのですが、大臣、この間から私も中小企業の問題やこういう問題に取り組んでまいりまして、まだまだいろいろな問題があるようであります。いずれにしましても中小企業の、いわゆる中小企業といいますよりも小規模企業、零細な企業の指導育成といいますか、そういう問題について特に実効のあがるような政策を今後ともぜひともやってもらいたいということを要望しまして、私の質問を終わりたいと思います。
#80
○委員長(佐田一郎君) 理事の方の御承認をいただきまして、峯山先生の御質問に関連質問として大臣に一問だけお尋ねしますが、通産大臣並びに国務大臣としてお尋ねをいたしたいと思います。
 先ほどいろいろ峯山委員の御質問の御答弁の中に、総需要の抑制ということばが大臣からしじゅう出ておるわけです。そこで、これと中小企業との関連ですね、これをまあ私は心配しておるわけですが、大臣がよく言われておる民間投資を押えるというのは、具体的には一体どういう形で押えようとしておるのかというのが一つ。
 それから、公共事業の繰り延べ――総需要の中の繰り延べを閣議では決定をされておるようでありますが、私は、これは地方のこま切れ予算の公共投資なんかを押えたって何にもならぬと思うのです。むしろ大きな大型の公共投資、いわゆる財投を押えなければ何にもならぬと思うのです。たとえば新幹線であるとか、高速道路であるとか、あるいはまた本四公団であるとか、あるいは地下鉄であるとか、私はこういうものが半年や一年延びたって別にどうということはないのですから、いまのインフレを押えるために思い切って大型の公共投資を押えなければだめだと思うのです。地方の中小企業にやっておるような、小さなこま切れ予算の配当をしておった府県あるいは市町村の公共投資を押えるというと、むしろこれは中小企業にのみ大きな影響がくると思うのです。したがって、公共投資を押えるならば、これは大型のものを思い切ってやらなければ何ら効果がないと思うのですよ。この点を大臣に、特にこれはひとつ国務大臣として検討を願いたいと思うのです。
 ですから、二つ。民間投資をどうして押えるのか、不急の仕事をどういうふうにして押えるのか、これは非常に問題だと思うのです。それから公共投資の繰り延べ、あるいは打ち切りということがあると思うのですが、思い切って大きなものを押えない限りにおいて何ら効果はない。五千億か一兆円のものを押えてみたところで効果はないと思うのですよ。この二つの点をひとつ大臣のお考えをお聞きしたいし、同時に、中小企業にそのために影響があっては困るので、地方のこま切れ予算を少しぐらい配当しておってそれを押えられたら、これは地方の零細企業が全滅してしまうと思うんです。そういう意味で、二つの点を中小企業との関連において大臣にお伺いしたいと思います。
#81
○国務大臣(中曽根康弘君) その点は委員長の御発言と同感でございまして、たとえば鉄鋼の需要等を見ますと、市中中小関係と大口の造船だ自動車だというのを見ますと、八対二の割合ぐらいです。セメントにおきましても、同じように大体八対二ぐらいの割合になっております。したがいまして、その二がいま一番困っておるわけです。だから八を七にしたところでそれほど響くとは思われない。その七の一を今度はこっちへ持ってきて三にしてあげると、これはかなりの大きなキャパシティーが出てくるわけであります。まあ基本的にはそういう観念に立って、地方の中小関係の企業の需要を減らしたり、あるいはその仕事ができなくなったりするというようなことは極力避けるべきである。今回鉄鋼について、船及び自動車から一部削減いたしました。これはやはり地方の病院とか学校建設等がおくれておるものでございますから、主としてそちらのほうへ充当しようというような考えに立って、市中向けにそれを回したという考えに立つわけであります。総需要抑制という点から考えてみますと、確かに公共事業の抑制ということは一つのアイテムになると思います。
 最近の財政が、民間設備主導型というよりも財政主導型というふうに変わってきております。その財政主導型の非常に大きなファクターは公共事業と、それからもう一つは公共事業の中に入るでしょうが、住宅がかなり非常に大きく最近は伸びておるわけです。住宅の中で庶民住宅というようなものは、これはやはりますますわれわれが力を入れるべきものであって、削減すべきものではない。そういうことを考えますと、やはり公共事業という関係の中で新幹線とか高速道路とか、あるいは本四公団とかそういうような大口なものにやはりなる。特に物資の需給関係に非常に影響を持つようなそういうものにある程度手を入れざるを得ないのではないか、そういうように感じておりまして、その点は委員長と同感でございます。
#82
○委員長(佐田一郎君) 他に御発言がなければ、本案に対する本日の質疑はこの程度にいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト