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1972/06/28 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 農林水産委員会 第17号
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1972/06/28 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 農林水産委員会 第17号

#1
第071回国会 農林水産委員会 第17号
昭和四十八年六月二十八日(木曜日)
   午前十時二十九分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月二十七日
    辞任         補欠選任
     川村 清一君     吉田忠三郎君
 六月二十八日
    辞任         補欠選任
     辻  一彦君     加瀬  完君
     高山 恒雄君     向井 長年君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         亀井 善彰君
    理 事
                佐藤  隆君
                初村滝一郎君
                工藤 良平君
                中村 波男君
                塩出 啓典君
    委 員
                梶木 又三君
                河口 陽一君
                田口長治郎君
                高橋雄之助君
                棚辺 四郎君
                温水 三郎君
                平泉  渉君
                堀本 宜実君
                足鹿  覺君
                杉原 一雄君
                村田 秀三君
                沢田  実君
                塚田 大願君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  齋藤 邦吉君
       農 林 大 臣  櫻内 義雄君
   政府委員
       農林省構造改善
       局長       小沼  勇君
       水産庁長官    荒勝  巖君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮出 秀雄君
   説明員
       厚生大臣官房審
       議官       福田  勉君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○開拓融資保証法の廃止に関する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○農林水産政策に関する調査
 (PCB、水銀汚染等による被害対策に関する
 件)
○漁船損害補償法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○漁船積荷保険臨時措置法案(内閣提出、衆議院
 送付)
○水産業協同組合法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(亀井善彰君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二十七日、川村清一君が委員を辞任され、その補欠として吉田忠三郎君が、また本日、高山恒雄君が委員を辞任され、その補欠として向井長年君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(亀井善彰君) 開拓融資保証法の廃止に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は前回聴取いたしておりますので、これより質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○中村波男君 ただいま提案になっております開拓融資保証法の廃止に関する法律について、若干の質問をいたしたいと思うわけであります。
 政府は、開拓融資保証制度と農業信用保証保険制度との統合を行なうということについては、大筋において賛成するのでありますが、しかしながら、戦後二十五有余年にわたる開拓事業を一般農政下に移行させるということについて、その移行する過程に幾多の問題が残ると思いますし、さらにこれを進展させる対策等についても若干の問題点がありますので、質問をいたすものであります。
 質問の第一は、昭和三十六年十一月に開拓営農審議会の答申を受けまして、昭和三十八年から四十四年にかけて第二次開拓営農振興対策が実施され、これは当時の開拓者十一万八千戸を三分類いたしまして、第二類農家を対象に振興計画が立てられ、いろいろな助成を行なってきたのでありますが、この振興計画の実施の結果として、その実績の概要をまず承っておきたいと思うわけであります。
#5
○政府委員(小沼勇君) 実績の概要について申し上げます。
 営農の現状でございまするが、現在、入植の実施戸数は――戦後二十一万戸ございましたが、現在の戸数は九万六千戸ということに相なっております。専業農家がその中で四四%、一種兼業農家が三一%、二種兼業農家が二五%という状況でございまして、農地面積では戸当たり三・三ヘクタール――一般は一・一ヘクタールでございます。
 開拓営農振興対策といたしましては、緊急開拓事業等を進めてまいりまして、入植者に対する住宅、電気等の助成、政府資金等の貸し付け等を行ないましたが、第一次の振興対策では、開拓営農振興臨時措置法に基づきまして開拓者資金の貸し付け九十八億円、農林漁業公庫資金四十五億円、自作農維持資金四十六億円、営農改善資金四十億円を出して振興対策を進めてまいりました。御指摘の第二次の振興対策におきましては、昭和三十年度以前の入植者を対象といたしまして、一類、二類、三類の農家に分けまして施策を進めてまいったわけでございますが、その後、四十四年度以降は一般農政への移行措置といたしまして、開拓者の負債対策を――開拓者資金特別措置法で、四十四年十二月に法律ができまして、負債対策を進めております。それに基づきまして、政府資金の償還条件の緩和三百九十六億円、公庫資金と制度資金の償還条件の緩和九十億円、特例の自作農維持資金の融通で百十億円というふうな資金を出して進めてまいりましたが、離農助成対策といたしまして四十四年度から四十七年度までに実施しましたものがさらにこのほかに十九億円、五千戸ございます。
 また、開拓者の協同組織の再編整備ということで進めてまいりまして、単協が現在三千七百八十一組合ございますが、四十九年の末には、かなり減りまして、おそらく百五十五組合程度になるんではなかろうかというふうに見ております。
 また、四十四年度から開拓未利用地の開発事業、それから開拓道路等補修事業の実施を進めておりまして、開拓地における諸条件の整備をはかっているという状況でございます。
#6
○中村波男君 さらに第三類農家の離農助成対策を強力に行なって離農の促進をはかってきたのでありますが、その具体的な内容としては、政府資金等について延納の措置を行なってきておるようであります。この状況について、期待どおりの成果があがっておるのかどうか、その内容をさらに詳しく御説明をいただきたいと思います。
#7
○政府委員(小沼勇君) 戦後のきびしい条件のもとにおきまして開拓を続けてまいりました方々の中で、やはり農業から離れていくという方もかなりございました。そういうことにつきまして、離農についても援助をするということで施策を進めてまいりましたのでございますが、離農の実績について申し上げますと、三十五年から三十八年に三千六百九十八戸、これについては補助を七億二百万円出しております。それから三十九年から四十六年、これは一万四千八百七十四戸でございまして、これにつきましては、補助を四十八億五千八百万円出しています。四十七年度は千百三十六戸でございまして、四億四千三百万円を補助として出しております。会計いたしますと、一万九千七百八戸でございまして、六十億三百万円の補助を出して離農を援助してまいったわけでございます。
 以上でございます。
#8
○中村波男君 そうしますと、この三類農家についてまだ離農ができないと言いますか、やらないと申しますか、そういう農家戸数というのはどれぐらいあと残っておりますか。
#9
○政府委員(小沼勇君) 四十七年のところでも申し上げましたが、四十七年に千百三十六戸が離農しておりまして、もうほとんど全部離農しているというふうに思いますので、残っているといたしましても、ほんとうにわずかのものであろうというふうに推察しております。
#10
○中村波男君 この離農対策については、いろいろ私は、問題があると思うのでありますが、それはそれとして、離農した農家の耕地、いわゆる開拓地はどのように移転していったか――所有権、小作権ですが。これの調査した数字というものは農林省お持ちですか。
#11
○政府委員(小沼勇君) 離農者のあと地で、残留の開拓者に譲渡したものというのは全体の五六・九%、約五七%でございまして、それが残った開拓者に渡されているという状況でございます。
#12
○中村波男君 この問題は、あとからいろいろな角度からお尋ねをしたいと思うのでありますが、農林省の資料を見ますと、いわゆる開拓農家のうちの専業率が高いとか、あるいは収入の面においても一般農家を上回っておるとかという、こういう報告があるわけでありますが、しかしながら、開拓農家そのものの置かれておる環境から見ますと、兼業の機会がきわめて一般農家に比べて少ないわけでありますから、戦後の緊急開拓以来とられてきた開拓行政のいきさつから見ましても、開拓者等にとって融資条件の整備というものは最も重大な課題であることは私が指摘するまでもないところであります。したがいまして、本廃止法案による開拓融資保証制度の農業信用保証保険制度への統合については、円滑に移行するとともに、移行後において開拓者等にとって債務保証制度の円滑な運営が望まれることはいうまでもありません。
 そこで、ただしておきたいと思いますのは、開拓融資保証制度から農業信用保証保険制度へ移行するその方法について、法規形式上は任意契約、しかも二カ年という期限を切って移行させるというのでありますが、この方法で、はたして円滑に移行させることができるかどうか、私は大いに疑問を感ずるのであります。政府として確固たる成算のもとに本法案を提案されたのかどうか。その見通し等について御説明を承りたいと思います。
#13
○政府委員(小沼勇君) 御承知のとおり、最近におきます開拓農家が非常に営農が急速な進展をしてまいりまして、そのために保証の残高もかなりふえてまいっておりますが、その中で、個別の開拓農家について見ましても、かなり大口のものが出てきているわけでございます。そういう資金需要がある中で、この一般農政に移行することによりまして資金の融通に支障があってはならないというふうに考えている次第でございます。その点で、今度の保証制度につきましては、むしろこの大口の需要等につきまして、十分に借りられる条件をつくるということが眼目でございまして、だんだん先細ってまいります開拓の保証のワクをむしろ一般に移すことによって、大口のものが十分借りられると。開拓農家も円滑にこの資金融通を受け、事業が進められるというふうにいたしたいということでございます。
 この移行措置の中で、たとえば問題になりますのは、短期経営資金でございますが、これにつきましては今度、先般一般のほうで改正をしていただきましたものによりまして、営農資金について保険の対象にいたすことができるように相なったわけでございます。
 また、その開拓農家に対する資金融通ルートに不安はないかという問題がございますが、これにつきましても、従来どおり確保するという考え方で進めてまいりたいと思います。
 なお、県開連及び開拓農協を通じます農林中金を原資機関とする融資につきましても、これは従来どおりの融資の条件によって必要な融資が行なわれるようにというふうな措置をしてまいりたいと、かように考えております。
 もう一つ、総合農協または信連から融資を受けるという場合に円滑化をはかる必要がございますので、農業近代化資金の活用等によります末端負担金利の低下につきましても所用の指導をはかりたいということでございまして、農林中金または信連の直貸をこれと関連して積極的に進めてまいるというふうな措置を講じたいということでございます。そういうきめこまかい移行措置をとることによりまして、この開拓農家が、むしろいまよりももっと十分借りられるという条件をつくり出していきたいということでございます。
#14
○中村波男君 移行については円滑に行なえるのだという意味の御答弁をいただいたわけでありますが、二、三具体的に質問をいたしてみたいと思います。
 私は、統合にあたって一つの問題点は、開拓融資保証制度、農業信用保証保険制度のそれぞれの協会の財務状況の相違があげられると思うわけであります。すなわち、統合にあたっては、債権債務の整理が行なわれることは当然でありますが、実態として開拓側に不良債権あるいは基金高に対する求償権残高が高いことは明らかでありますし、また、代位弁済率が高いことも指摘できると思うのであります。したがって、代位弁済率が高いことが統合の障害となる等の問題が残っていると思いますので、これに対しどのように具体的に措置されるのか御説明を求めます。
#15
○政府委員(小沼勇君) 確かに統合に際しての非常に重要な問題でございます。昭和四十六年の十二月末日現在の、保証制度実態調査の結果によりますれば、中央、地方保証協会を通じて、不良債権としては求償権残高三億八千三百万円、代位弁済見込み額六億一千五百万円、合計九億九千八百万円というふうに見込まれております。統合にあたりましては、事前に所要の代位弁済を行なうことにいたしまして、それとともに回収できないと認められる求償権は償却することにしたいというふうに考えております。その実施は、各関係の団体の協議会におきまして審議し、決定する予定でおりますが、この不良債権をその実態調査の結果から将来の安全を見込んで推計いたしますと、求償権見込み九億九千八百万円のうち、二億七千百万円は大体回収できるのではないかというふうに見ております。そうしますと、償却の対象は七億一千五百万円と見込まれるのでございまして、基金協会及び保険協会の承継の場合には、大体合わせますと二億八千三百万円程度であろうというふうに推定されます。で、それでこれらの不良債権をどうするかということでございまして、その整理の方針といたしましては、ちょっと申し述べましたが、保証債務の代位弁済ということを行ないたいということで、すでに弁済期間が到来していると、または実質的に弁済期限の利益を失ったと認められる保証債務、また徴収停止基準に該当するものが負担する保証債務等につきましては、代位弁済をして整理をするということをいたしたい。さらに求償権の償却でございますが、地方の開拓融資保証協会業務方法書に定めるところによりまして、債務者が次のような条件の場合には求償権を償却し、整理するということにいたしておりまして、債務者が破産の宣告、強制執行を受け、または解散する等の事由によって弁済の見込みがないと認められる場合には、これは償却をいたすということでございます。また、天災地変その他の事情によりまして、組合員が著しい損害を受けた場合に、弁済の見込みがないという場合にも、これは償却をする。さらに、債務者の組合員の行くえ不明とか、いろいろございますが、そういう場合にも、これは求償権の償却をするという措置を講じてまいるということによりまして、不良債権についての処置をして身ぎれいにして、この統合をするようにいたしたい、かように考えております。
#16
○中村波男君 もう一つは、統合によって反対する会員が、数は多くはないと思いますが、出るのではないかというふうに思うわけです。これを、反対をいたします会員は、脱退するわけでありますが、二年以内に統合の契約を締結しない保証協会はおのずから解散をするということになると思います。この保証協会の財務処理をどのように行なうのかということが、いま申し上げましたような事態の中では、当然考えておかなければならぬと思いますが、この点はどうなっておりますか。
#17
○政府委員(小沼勇君) 地方開拓融資保証協会等の統合につきましては、国、県におきまして、この全体の処理をするようにいたしておりまして、先ほど来、代位弁済等について申し上げましたが、そのほか、不足する基金を造成する等によりまして、この措置をしてまいるということになっております。脱退会員に対しましては、当然出資の払い戻しをするということになるわけでございますから、そういうことによって、その分については、国がそれに対応してめんどうを見るということをいたすわけでございます。全体といたしまして、この統合にあたっての権利義務の承継等については、大体、個別の農家あるいは会員に迷惑のかからないような形で万全の措置を講ずるということで、それぞれにつきまして予算措置をしているわけでございます。
#18
○中村波男君 次に、開拓地の道路補修事業について尋ねておきたいと思うのであります。
 政府は、昭和四十六年度末、開拓地道路等の最終的整備対策として、五カ年計画を立てられまして、開拓地道路及び飲雑用水の補修事業を実施中でありますが、資料を見ますと、この事業の総事業費は千四百五億円余であります。したがって、このまま完了することになれば、全国で七百カ所程度の地区が未整備のままで取り残されるんじゃないか。そうして、開拓地の立地条件というのは、私が申し上げますまでもなく、山間であり、特に僻地である。また、営農上、生活上、道路というのは、一般農家と比べてみまして、言えることは、整備がたいへんおくれておる。したがって、道路というものが整備されなければ、経営の近代化も、あるいは生活の上からも、離農をせざるを得ないようなところへ追い込まれる一つの条件にもなると思うんであります。そういう点から考えまして、未整備のままに取り残されるであろう七百カ所以上の道路改良、道路開発について、引き続いて、しかも、できるだけ短年月に実施をしてもらいたい、こう私は思うのでありますが、これらの整備につきまして、追加事業として強力に、予算的にもあるいは事業量においても、格段と引き続き力を入れていかなければならぬと思いますが、それらの点についてどのように考えておられるのか、具体的にひとつ計画を示していただきたいと思います。
#19
○政府委員(小沼勇君) 開拓の道路補修事業は、たいへん各地からの要望が多い事業でございまして、現在も鋭意進めているわけでございますが、開拓者の要望に即しまして、できる限りその整備を進めてまいりたい、かように考えて、つとめてきたわけでございます。道路補修の事業を四十四年度から実施してきたわけでございますが、さらに飲雑用水施設の補修も含めて、一応五十年度を完了目途に補修計画を樹立して、事業を実施しております。四十六年度から五カ年計画で、事業費は一応総額二百三十六億円を予定をしております。ただ、団体のほうからは、七百地区あるというふうな話が出ております。これについては、実は照会をしておりまして、具体的にどういう地域であるか、その辺を詰めて出していただきたいというふうに照会をしておりますが、いずれにしましても、この事業を強力に進めなきゃならないことは御指摘のとおりでございますが、一応これで進めてまいりまして、さらに、この事業地区等で漏れるというふうなところがございましたら、これについては今後の予算措置等におきまして十分これを考慮して対処をしていきたい、かように考えている次第でございます。
#20
○中村波男君 局長からは、早急に実態調査を行なった上で期待に沿うような計画を立て、予算化をしていきたいという御答弁をいただいたわけでありますが、その進め方について、これは、やはり一般の農道というものと別のワクにして、そうして今日までおとりになってきたように、開拓地道路の整備事業費として、これは補助率その他についても格段の配慮を行なった上でおやりいただきませんと、せっかく成長をしつつある開拓地がまた成長がとまるとか、成長がおくれるとかということにもつながってきますので、この点についてはひとつ大臣からも方針を明らかにしていただいて――ただこの国会で格段と努力をいたしますという、いわゆる一片の答弁ではなくて、具体的に、ひとつ未整備の五カ年計画に漏れるものについて早急に計画を立てて、具体案を示せるような準備をぜひお願いしたい。こう思うわけでありますが、いかがですか。
#21
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま局長からお答えを申し上げましたように、団体側の要望である七百地区についての実際上の個所、具体的にどういうふうなことを要望しておるかということが十分把握されておりませんので、したがって概略の今後の方針を申し上げておるのでございまして、今後の予算措置につきましては、具体的な事例を見て積極的に対処すると、こう申し上げたのでございまするが、ただいまの御質問の御趣旨は十分了解できるところでございまして、ただ単に、ここで一応の御返事を申し上げておるのではなくして、実際上、要望地区が明白で必要なものについては積極的に取り組んでいくということを申し上げておきたいと思います。
#22
○中村波男君 さらに、道路に加えて飲雑用水についても総点検をひとつ行なっていただきまして、これは水は命でありますから、また営農上不可欠なものでもありますから、これらの事業も未整備のところについては、特別な対策と措置を行なっていただくように、あわせて強く要望をいたしたいと思うわけです。
 次の質問は、開拓地の登記促進についてでありますが、予算上にも登記促進の予算が盛られて着々と推進をはかってはおられますが、現在未登記のままで放置されておる――言い方は悪いのでございますが、その実態について調査したことがあれば、その数字をお示しいただきたいと思います。
#23
○政府委員(小沼勇君) 昭和四十七年度末におきます未墾地関係の未登記の面積は、売り渡し登記について見ますと一万九千八十四ヘクタールでございまして、その中で、北海道が一万三千三百二十四ヘクタールになっております。で、これらの未登記のものの登記を促進するために、四十八年度から登記促進関係の経費を計上して、三年間で登記を完了させるように進めているところでございます。
#24
○中村波男君 四十八年度からの実施でありますから、まだ実績というのは十分把握できておりませんし、今後の登記の見通しといいますか、実行可能かどうかということについても十分把握できておらないかもしれませんが、少なくとも三年間で完了する。ただ、この問題は、金だけ用意すればできるというものでもないと思うわけです。そういう点についてはきめのこまかい実態に合うような行政指導をぜひおやりいただきたい。こう私が申し上げますのも、何といっても開拓者の権利を確立しておきませんと、特に日本列島改造計画によって、土地の買いあさりがどんどんと進行しております中で、乱開発から開拓地を守る上からも、登記未済の、売り渡し済み農地の登記について強力に促進措置をはかることが必要だという観点からも質問をいたしておるわけでありますから、十分一年間の実績の上に踏まえまして、予算的に三年間に完了しないような向きがあるならば、予算を増額するなり、登記促進のための事務的な行政措置、指導等もぜひひとつ強力に推進をお願いしたいと思いますが、この点大臣よろしいでしょうか。
#25
○国務大臣(櫻内義雄君) お話しのように、未登記なるがために、乱開発の対象になるようなことがあってはならないのでございまして、その点は十分注意をいたしておるところでございます。現に、農地である場合は、農地法の適用ができますが、隣接地の、隣地などについては、買収のおそれが出るわけでございます。そういうわけでございまするので、ただいまのお尋ねにつきましては、十分留意をいたしまして、都道府県知事または農業委員会が現地調査の上、地目変更に必要な事項を登記所に通知することによって、登記官が職権で登記簿上の地目を、農地に変更してもらうよう具体的に便法を考えるわけでございまして、なお、法務省と細部の協議をいたしておるところでございます。ただいまの御指摘の点については、十分留意をしてまいりたいと思います。
#26
○村田秀三君 それでは質問を申し上げますが、まず法案の内容に入る前に、農林省として提出をされましたこの法案関係資料。この部分について若干質問を申し上げたいと思います。
 まず、この法案が成立をいたしますると、開拓関係の諸制度というものが――これは、いままでも一般農政への移行についての諸施策がとられてまいりましたけれども、まずは、この法律が廃止されますると、全く開拓行政というものは、これは一般農政に組み込まれてしまうというふうに私は考えるわけです。そこで、その理由を、いまとりわけお伺いするまでもなかろうと思いますけれども、開拓行政を終了してもよろしいとする判断、こういう前提に立って、現状を見てみた場合に、はたしてそういう条件が具備されておるのかどうかということについて見てみたいと思ったわけです。そこで、このことがとりもなおさず、今日までの開拓農家、開拓農業というものが日本農業の中にどういう位置づけがされるのか、ということについても見てみたいわけです。そうしますと、全くこれは私自身うかつであったというとなんでございますけれども、あらためて見直す部分というものが相当あるのではないか、こう実は考えたわけです。
 それはなぜかと言いますると、いろいろな点で理由がありますが、開拓農家はこれは日本の総農家数のわずか一・七%であります。しかし、その中における専業戸数は四四・四%、一般農家の専業戸数は一四・四%ということになっておりまして、開拓農家の専業戸数というものはきわめて高いわけですね。そしてその生産額につきましても、まああらためてごらんいただくまでもないと思うのでありますが、耕種農業では雑穀が一一・一%、豆類が六・二%、イモ類が九・二%、果実が四・二%、工芸作物が八・三%。それから畜産に至りましては、これは生乳が一五・四%、乳用牛が二五・七%、役肉用牛が九・三%。
 つまり二つのものがここには意味があると思っておるわけでありますが、その一つは、つまり戦後農政の中で特徴的に成長作目といいますか、積極的に指導した部分、これが開拓農業の中にあらわれていると、こう見るわけです。つまり酪農でありますね。しかしその反面、今日では国際的な食糧の問題の中で、日本の農業が見直されつつあると私は受け取りますけれども、まあ麦であるとかあるいは雑穀であるとか、豆類であるとか、そういうものは、最近でこそ見直されてきたけれども、しかし今日までは外国産品輸入圧力によって徐々に減少を余儀なくされてきた、こうしたところの畑作。この二つの面を開拓農家が持っておると、こういうふうに見るわけです。
 そうしますと、まあとにかくこれまで、農業基本法を制定をし、そして規模拡大をはかる、あるいは自立農家を育成する。こういう農政の目的の中において考えてみた場合には、この開拓農家こそ、日本農業の中核的存在であろう。こう私は考えてみたわけでありますが、農林大臣はいかがお考えになりますか。これをまずひとつお伺いをいたします。
#27
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま資料に基づきまして開拓農家の実態についての御指摘がございました。そして今後の日本農業においては、開拓農家の皆さん方がその中心的な地位を占めるのではないか、こういう御指摘でございますが、私もまさにそのとおりに見ておる次第でございまして、戦後、非常な労苦の上に酪農、畑作経営を中心としてまいりまして、現在この酪農関係で見ましても、飼養農家の一戸当たりが約九頭である。その生乳牛頭数は全体で二十万頭に及んでおる。全国乳牛頭数の一六%というところを見ましても、まさに開拓農家は酪農を中心に営農されておるということが明白でございまして、今後におきましても、この開拓農家の進んでまいりましたそういう傾向を、さらに農政の上におきましては助長いたしまして、おっしゃるとおりの、これからの農家の中核的存在に、一そう育成してまいりたいと思う次第でございます。
#28
○村田秀三君 そこでこの中核的農家が、では、どういう経営実態であるのかということであります。これは多角的に検討しなくてはならないとは思いますけれども、やはりこの出されました資料によって御質問を申し上げるわけであります。これを見ますと、その農家経済、まあ農業所得は、開拓は九十五万二千円、一般が四十六万九千円。農外所得は、開拓が三十八万三千円、一般が百六万八千円。計開拓が百三十三万五千円の、一般が百五十三万七千円ということになっておりまして、一般、開拓比は、これは開拓が八七と、こういうぐあいに出ております。
 そこで、この農業所得について私は、主として見るわけでございますが、これは開拓農家の農業所得が多いのは当然なわけです。といいますのは、これは耕作面積が一般の農家よりも三倍強であるからであります。しかしながら、耕作面積に比してその所得がはたしてどうであるかということを見てまいりますると、これは私が申し上げるまでもありません。かりに、一般農家が今日の営農規模で三倍の面積を耕作したとするならば、これは実に百四十万円になるわけでございます。そうしますと、この開拓が三・三ヘクタールで九十五万二千円、一般農家が三・三ヘクタール耕作したとするならば、これは百四十万円。だいぶ差があるわけですね。これはまことにこういう質問を申し上げましてなにでございますが、一般農家に比較しまして、開拓農家の農業というのは土地の収益性が非常に少ない。これはどこに原因があるとお考えになりますか。
#29
○政府委員(小沼勇君) 技術的な問題でございますので、私から答弁させていただきますが、やはり開拓の場合には、水田の割合は非常に少のうございまして、一般の場合のように、水田のウエートが大きい場合とはかなり様相が違っております。水田が入りますと、その条件は変わるかと思いますが、御承知のとおり、開拓地のほとんどが畑作でございます。また先ほどお話しがございましたように、酪農を中心にしている。そうしますと、飼料作物あるいは草地というふうなものになるわけでございまして、そういう点では確かに土地単位あたりということで比較をしますと、一般の場合よりは面積あたりでは、それほど高くないということは言えるかと思います。しかし、今後この規模の利益といいますか、土地自体の生産性を上げていくというふうな措置によりまして、この点では、発展の可能性を十分秘めているというふうに思います。その点で一つはやはり今後の基盤整備をしっかりやっていくということであろうかと思います。今後の開拓地域については、基盤整備について十分留意をして進めていく所存でございますが、土地条件についてはいまの御指摘のような点が確かにございます。
#30
○村田秀三君 面積当たり収益性が低いということはお認めになりました。そして、今後土地生産性を高めるために、基盤整備等を積極的に推進をすると、その限りでは、けっこうであろうと思いますけれども、私は、別にまた問題があるんじゃないかと思うんです。先ほど開拓農家は水田が少ないということを言いました。水田が少ないというのは、米をつくっておらないということでありますね。米をつくれば農家の所得は上がるというのは一体どうかということであります。つまり、成長作物であると宣伝されながら、それを、土地条件の中でやらざるを得なかった酪農。そのために、まあ牧草を、十トンとれるところを十二トンにするとか、という努力はもちろん必要でありましょうけれども、つまり乳価が問題であったのじゃないかと私は思うのです。乳価が安い。つまり米をつくる労働力と牛乳をつくる労働力について、牛乳をつくるところの労働力が安く押えられたというところに、私は、原因があると思う。これは、豆であろうと、麦であろうと、雑穀だろうと、同じことが言えると思う。だから、ものの価値というものは本来一つであるべきであるけれども、農政のあり方によっては、その価値が人為的に操作をされる。こういうことが一面的には言えるのじゃないかと思いますけれども、少なくとも労働力、乳をつくる労働力も、あるいは米をつくる労働力も、その労働力の価値には変わりはないわけであります。だから、その労働の価値というものを正しく評価されるような、つまり牛乳においても、雑穀等においても、日本の食糧事情の中で絶対必要である、育てなければならないとするならば、やはり生産費所得補償方式というものを米と同じようにつくらなければ、この単位面積あたりの収益性というものは増大をしないであろうと、こう思うのでありますが、どうでありましょうか。
#31
○政府委員(小沼勇君) 乳価そのものの問題ということもいろいろあろうかと思いますが、私が申し上げましたのは、むしろ地力差といいますか、蓄積された水田の地力と、それから畑作開拓地における地力の差のことをむしろ申し上げたわけでございまして、価格のいろいろの差異というものは、確かに労働力を投下した場合に、価値として還元されるものはあろうかと思います。それは、価格政策の面が反映して出てくるものもあろうかと思います。ただ、その前にもう一つ、やはり土地の地力そのものについても差があるのじゃないかということでございまして、これはおそらくなかなか比較がむずかしいかもしれませんが、反当生産されるものを、そのカロリーなり、エネルギーに換算した場合にどのぐらいということが、あるいは言えるかもしれません。いずれにしましても、開拓地の場合の畑地については、現在の利用形態がかなり飼料作物、あるいは中には果樹等もございますけれども、酪農が中心でございます。その点では、たとえば飼料作物の生産性を上げるというふうなことを、やはり進めていくのが必要ではないかということを申し上げたわけでございます。
#32
○村田秀三君 構造改善をする、基盤整備をする、地力を高める、そのことに私は反対はいたしません。もちろん積極的にやってもらいたい、こう思いますが、きょうは、その問題が主観じゃございませんから、次の機会に、幸いに本国会には畑作共済法案が出ておりますから、その際に、私は畑作について、つまり価格の問題で少しく詰めてみたいと思っております。
 いずれにいたしましても、私自身は、いまの基盤整備、地力を高めることもそうであろうけれども、と同時に、やはり価格政策が今日までなかったというところに、同じ面積を耕作しても、つまり一般農家よりも四分の三きり収益がないということ、そこに原因があると断定せざるを得ない。そういう立場に、実は私は立つものでありますが、これは次の機会に譲りたいと思います。
 そこで、確かに農家の所得は逐年高まっておることはこの表を見てもそうでありますし、また、開拓農家の方にお伺いいたしましてもそうであるようであります。この九十五万何がしかの所得、この所得は全く可処分所得なのかどうかという点について調べてみましたら、これは、純粋な意味の所得ではない。この所得から借入金の返済をするんだと、こういうことであります。そこで借入金を見てみますと、これまたこの表では、開拓は百十八万六千円、一般農家は四十五万五千六百円、実に開拓農家は二、八倍の資本を投下しているということであります。もっとも、これは戦争という特殊条件の中で、裸一貫これは帰ってまいりまして、そして裸一つで山奥に入ったという事情もあります。あるいは生活環境の整備というものもあったとは思われますけれども、とにかくその負担は大きい。しかも、酪農といえば、これは昔の一頭、二頭土地の回りでもって飼うという、そういうものではないわけでしょう。その資本はきわめて多額なものが必要である、こういう事情に私は、あると思うのであります。実は、では一体どの程度返済金というものが、この所得の中から減じられるのであろうかということで調べてみましたけれども、適切な、これは資料は農林省としてはないようであります。あれば、後日私はこの資料いただきたいと思いますけれども、まあ急の間には合わなかったのです。
 まあ福島県に油井原という、これは農業地域があります。酪農地帯であります。それを統轄しているのが報徳農業協同組合。その一つの例でありますから、それを全部引き直すわけにはいかないと思いますけれども、これを調べてみました。その経営概略をいま御説明申し上げるわけでありますが、農地、これはもとより酪農でありますから草地が主でありましょう、四・三ヘクタール、山林が二ヘクタール、そして乳牛が十三頭、年間平均いたしますと搾乳牛は七頭から九頭、そして、もとよりのことでありますけれども、その生乳は全部一括して組合が売却をする、収入は全部農協で経理をする。こういう状態でありますから、きわめて内容的にいえばこれは明瞭であるわけでありますが、入植以降その農家が投下いたしました資本は、全部借金でありますけれども、千五百万円、三十年の金の価値と四十年の金の価値と今日また違いますから、古い借財を今日のこれは元本に直すと、もっともっとこれは多額の金額になるものと思います。そして今日、年間粗収入は二百九十九万円、生産費に農協で差し引きをするのが二百四十八万円、そして純粋な所得というのはわずか五十一万円であります。これは青色申告をしておるわけでありますから、これは税務署も認めた数字であります。そうしますと、なるほどこの資料の中には三・三ヘクタール当たりでの計算でございまして、一戸平均が百十八万ということでありますから、まあ私がいま例示いたしましたものは、経営規模は、それよりも高いようであります。しかしながら、そういう農家、まあ油井原といえば福島県の開拓行政の中でも比較的根づきのよい。つまり根をおろした人の多い地帯であります。成功しておる事例の一つであります。そういうところにあってさえも、年間所得わずかに五十一万円、これは純粋な意味の所得であります。自分の生活ができる所得は五十一万円であります。でありますから、そこへ行ってみますと、牛舎は確かにりっぱになっておる、サイロもりっぱでありましょう。しかし、その住居、住宅は、入植当時と同じとは言いがたいかもしれませんけれども、まずその当時のものがあって自分で修理をする、継ぎ足しをするというようなかっこうで、まことにこれは忍びないような、そういう住居に入っておる。生活水準は私は、つまり表に出ておる所得に比較して非常に低いものであるということは、これをもって知ることができるんじゃないかと、こう思うんですね。まあそういう状態を認めなさいというわけには、これはいまそういうわけにはいかぬと思いますが、つまり開拓農家というものは、日本農業の中の中核的存在であって、重要な部分を担当してきて、まだまだ一般農政に移管する条件というものは完全に整備されたとは言いがたいと、私はそう思うんでありますが、これはどう思いますか。農林大臣にお伺いいたします。
#33
○国務大臣(櫻内義雄君) 私どもは、開拓農家の全般的な実情からいろいろ申し述べてまいりましたが、ただいまの具体的な事例を承りますると、まだまだ非常な御労苦をされておる開拓農家の多いことを認識するわけでございます。そういうわけでございまするから、今後一般農政へ移行するに際しましては、一番問題であり、ただいま御指摘のございました負債問題につきましては、これは総点検をいたしまして、開拓農家の今後の営農に支障のないような負債対策を考えてみたいと、このように思うのであります。また、これからの開拓農家を一般農家の中の中核として育成するという上におきまして、なお相当の資金の要があると思うのでございまして、これらの点につきましては、円滑に供給されるようにつとめたいと思いまするが、何と言いましても、開拓地全般の基盤整備をもっと積極的にやる必要があると思いまするので、これらの点についても留意をいたしまして、これからの開拓農家が一そう発展のできるようにつとめてまいりたいと思います。
#34
○足鹿覺君 関連。
 開拓政策の問題がいま村田委員から提起されておりますので一問だけ関連ですから。
 ただいまいただいたこの資料を見ますと、きょう審議するのに、きょうこういう資料をもらったんじゃちょっと困るんですけれども、「道路等補修事業実施状況」というものが一〇ページにありますね。この総量、事業費と国費に分かれて年度別に出ておりますが、いわゆる道路補修の総延長は開拓道路の何割を占めておりますか。第二問は、いわゆる補修とは一体何か。砂利を入れることなのか、舗装をすることなのか。近来の砂利高によってなかなか道路が直らない。われわれが農村回りをするときに、開拓地へ行くと必ず困る。それほど開拓農民は困っておると思うんです。われわれがすぐ気づくことです。で、市町村道に編入をしてくれという要望があっても砂利は高いし、人夫賃も高いし、市町村長がいい顔をしない。なるべく市町村道への移入、中には、基幹農道等は県道移入、移譲の問題ももっと積極的に進められないと、大臣、なかなかこの開拓地がうまくいかない。それで最近、乱開発で企業などが誘惑してきて道路をつけてやる、それがもとなんですね。それで二、三億ぐらいの金をやっぱり開拓農協やあるいは単協へ、地元へぽんと預けてそしてまず安心をさせる。そこで町村長やいろんな有力者に渡りをつけて、そしてその開拓地をいけどりにする、こういう事例はたくさんあります。したがっていわゆる現在の市町村への移譲状況はどうなのか、これをどう促進をして進めていかれる御所存なのか。私は開拓政策の中で、非常に重要な位置を占めておると思うのであります。この問題はきょう直ちに御答弁ができなければ、よろしいが、詳細は、資料としてでも、あとでもけっこうですから御提示を願いたい。これは、長谷川農林大臣のときに、私、長谷川さんに話をしまして、一般の農道の舗装の問題で初めて予算が少しついた、ところが大蔵省で削られた。それは大事な問題だから大臣折衝にまで持ち上げなさいと。局長段階であっさり削られておったのが、大臣折衝にまで上がって、そしてわれわれも超党派で応援をして、自来農道舗装が非常に進んだという体験を持っておりますが、私らは別に党派性なんというようなものは、そういうことには一つも問題に思いませんから、幾らでも応援をしております。そういう点から補修とは舗装なのか。とても砂利などを入れたんじゃ、もうきょうびに間に合いません。労力はない、もう砂利そのものが高い。だから、町村は開拓道路は延長は長いしとにかく移譲をいやがっております。それでは維持管理ができない、開拓農民が結局下山を余儀なくされる一つの誘因ともなる。そこへ観光資本等が手を伸ばしてくる。こういうことから、乱開発に拍車をかけておると思うんです。そういう観点から置き忘れられた開拓道路の点についてどういうふうに取り組んでいかれようとしておるか、開拓政策につながる大きな問題でありますので、この点をひとつ大臣なりから基本政策、基本的な考え方、当局からいま私が尋ねた点について具体的な御答弁を願いたいと思います。
#35
○政府委員(小沼勇君) 資料の点で、詳細につきましては後ほどお届けいたしたいと思いますが、とりあえずいまございますところで申し上げます。
 道路補修は、舗装ということも入っておりますけれども、砂利を入れて整備をするとか、あるいは勾配の急なところを直すとか、そういうふうなものがかなりございます。舗装についてもこの項目に入れてございますが、むしろいままではその砂利舗装、あるいは勾配を直していく、そういう手直しの部分がかなり多くなっているように聞いております。
 それから補修で、大体国営事業なりそういうところでは大体千五百メーター以上が対象になっております。その他の地区では五百メートル以上が対象になっておりまして、五カ年計画で、実施地区数は三百四十二地区というふうに一応計画を立てております。補修の延長は、補修でございますからすでにりっぱにできているところがございますので、どうしても補修しなければならないというところだけを拾ってやるわけでございますが、これは千五百八十三キロメーターということでございまして、全開拓道路の中で大体一〇%ぐらいに当たるであろう、補修を必要とするものは。そういうふうに見込んでおります。
 それから道路管理の状況でございますが、管理を市町村に移管したものが大体五七%であるというふうに、おおよそでございますが、約五七%というふうに見ております。
 以上でございます。
#36
○国務大臣(櫻内義雄君) 足鹿委員からいろいろ御所見がございまして、長谷川農相当時の農道の舗装もお取り上げいただいたのでございまするが、まさに時代の進運に沿って農道あるいは開拓道路、すべて考えていかなければならないと思います。そういう点からいたしまして、開拓農家の営農に十分役立つような道路であるべきである。したがいまして、相当機械化も進んでおるということになりますれば、舗装の必要性は当然起きてくると思うのであります。私といたしましても、せっかく先輩のいい例をお引きいただきましたので、開拓営農の上に役立つような道路ということを頭に置きまして、これからの行政の上に対処してまいりたいと思います。
#37
○村田秀三君 先ほど大臣から私の質問に対してお答えをいただきました、いまの足鹿委員の関連質問ともこれは重大な関係があるわけでありますけれども、少なくとも、今日存在する開拓農家は、日本農業の中核としてこれを育成する。そのために基盤整備あるいは負債対策等も含めて、少なくとも、一般農家と同じ生活水準がすみやかに維持できるように積極的に対策を講じていくというふうに、これは理解をするわけでありますが、もう一度確認をいたしまして次の質問に入りたいと思います。
 大臣の所見を伺いたいと思います。
#38
○国務大臣(櫻内義雄君) 先ほど開拓農家の負債の問題を中心にお話がございまして、したがって、私としては、これは開拓農家としては非常に重要な問題であるので、総点検をいたし、新たな負債対策を考えたいということを申し上げ、同時に、これからの営農の上に基盤整備が必要であるということを申し上げた次第でございますが、これからの予算措置の上などに反映をしてまいりたいと思います。
#39
○村田秀三君 そこで、この負債対策でありますけれども、地方保証協会がこれは基金協会に、中央保証協会が保険協会で統合されるという移行措置ですね。この移行措置の中におきまして特にお伺いをいたしたいのは、別途これも資料をちょうだいしましたこの資料を見ますると、求償権残高見込み二億一千六百万円、代位弁済見込み額二億八千三百万円、出資払い戻し見込み額三億五千六百万、こう書かれておるわけでございます。その中で、求償権残高見込み、この内容についてひとつ御説明をいただきたいとこう思いますし、そしてまた、つまりこれは厳密に査定をしたということでありまするけれども、それはどういう基準でなされたかということについてお伺いをいたしたいと思います。
#40
○政府委員(小沼勇君) 求償権の残高が三億八千三百万円、代位弁済の見込み額が六億一千五百万円、合計九億九千八百万円というふうに見込んでおります。その中で回収ができるというふうに見ておりますのが二億七千百万円、そうしますと、償却の対象は七億一千五百万円ということになります。それをこの基金協会及び保険協会の承継として見ますと、二億八千三百万円という推定ができるわけでございます。これにつきまして先ほど申し上げましたが、代位弁済措置、求償権の償却措置等を講じて身ぎれいにしてまいりたいと、かように考えているわけでございます。
#41
○村田秀三君 まあ、そういう措置をとりますにあたりましては、個別農家にあたって検討を加えた結果だろうと思うんですね。だから検討する際に、どういう基準でそれはなされたのかということも聞きたいわけなんです。もっともそれは私の質問の重要な部分ではありませんが、いまなかなかお答えにくければ後日でもけっこうでございます。
#42
○政府委員(小沼勇君) 代位弁済、求償権の償却にあたりましては、開拓保証協会だけではございませんで、信用基金協会あるいは関係の金融機関、都道府県によりまして実は合同調査を行ないまして、その協議によりまして処理するということで、四十六年の十二月末の実態調査をいたしました結果を先ほど申し上げましたが、そういうやり方で個別にあたって進めてまいるという方法でやっておるわけでございます。
#43
○足鹿覺君 関連。
 大臣のほうには情報が入っておるかどうか知りませんが、われわれのキャッチした情報によりますと、本日アメリカの農務省と商工省が長官名で日本向け大豆の輸出禁止規制を実行したということであります。現に契約したもので船積みしたものについてはこれを認めるが、船積みしないものは全部解除するんだ、こういう状態だと聞いております。これは、たった先般問題になり、先日政府その他のほう、あるいはアメリカの国内世論、日本側の要望等もあって、日本に対する輸出規制はやらない。こういうことを新聞で報道しながら、かかることを平然と、公約をくつがえすというようなことについては、国際信義の上からいっても、まことに遺憾千万に思うのでありますが、事このような問題は北海道を中心とする開拓地、あるいは国内を中心とする開拓地とは、きわめて生産関係で重大な関係があり、国民生活の上から、たったこの間とうふの値上げであれだけ苦しんだ国民感情としても、われわれは納得がまいりません。この点について農林大臣は情報をキャッチしておられるならば、その内容を明らかにされ、今後どうこれに対処されるか。通商関係方面とも連絡をとって善処を強く要望いたしたいと思います。これは、決して一党派の問題ではありません。国民全体の問題であり、大きな経済外交上の問題でもあると思いますが、その点について実情並びに対策のほどを明らかにしていただきたい。
 以上であります。
#44
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいまの御質問につきましては、わが国にとってきわめて重大な影響のあることでございまして、今朝来、その速報に基づいてただいま情報を収集中でございます。現在まだ公電が入っておりません。ただいまの足鹿委員の御指摘の範囲でございまするが、重複をいたすかと存じまするが、重要なことでありまするので、若干非公式のことでございまするが、申し上げておきたいと思うのであります。
 アメリカ商務省は、現地時間の二十七日午後五時、日本時間にいたしまして、本日の午前六時に、これはデント商務長官とバッツ農務長官との共同会見でございます。その共同会見で言われましたことは、肉類、家禽、牛乳などの不足に対処するための緊急措置として、家畜や家禽の主要飼料である大豆及びこれらのかす、油製品の輸出を二十七日五時現在で停止すると発表いたしたのでございます。デント商務長官によりますと、この輸出停止措置は、本年産大豆の収穫が終わるまで継続される予定で、それ以降どうするかは収穫高、輸出需要水準、米国内価格水準などとにらみ合わせた上できめることになろうと言われております。これらの措置がとられました背景といたしまして、六月十三日現在の農産物制約数量を発表をいたしておりまして、概略申し上げますると、輸出業者が十三日現在でかかえている本販売の、年度内の大豆船積み契約高は九千二百オブッシェルをこえておる。同省当局者によれば、この契約高は当初予想に比べ、大豆が六%、大豆かすが二七%も上回っておる。こういうようなことで、十三日現在の契約高が予想外に高い。同時に、共同記者会見で言われておるような肉類、家禽、牛乳などに対する影響をおもんぱかって、今回の措置がとられたようでございます。
 ただもう一点重要なことを申し上げておく必要があると思うのであります。一まず停止措置をとっておりますが、デント商務長官は、政府は、これら輸出停止品目についてどれだけ輸出を認めるか、また、海外の顧客に対して、どう配分をするかなどの割り当て計画を七月二日までに発表すると、こういうことが言われておるわけでございます。したがって、私がこれらの情報で受けとめましたのは、緊急措置がとられて、そして七月二日までの間に、日本をはじめとする輸出制約を見ておる各国に対して、どのような今後の措置をとるのか、具体的な配慮が行なわれるものではないかと、このように見ておる次第でございます。
 冒頭申し上げたとおりに、すべて情報は非公式の報道に基づくものでございまするので、本日はこの程度のことで御了承いただきたいと思います。
#45
○足鹿覺君 ちょっと一番大事なはっきりしておる点は、船積みをしたものについては、やむを得ずこれを認める。しかしそれ以外の契約は解除するのだ、新しい契約もしないのだということは間違いないようです。商務長官と農務長官が共同記者会見で言っておるのだから。いま大臣のお話を聞きますと、七月二日までに全貌を明らかにするというような話でありますが、問題は、そのような情報をキャッチされたのはどこから――アメリカの日本大使館からキャッチされたものでありますか、いずれにしろ、これは重大な問題であります。大豆の収穫期までということを一応うたってはおるものの、たったこの間、先ほど述べたように、対日規制はやらない。こう言って日本国民にあたかもこれを真実のごとく言っておきながら、これを数日を出ずして裏切るということについては私はおかしいと思う。全く日本に対する、国民に対する不信行為だと思う。したがって、これは外務省、通産省等とも至急に対策を練られて、少なくとも、まず当面契約したものについては、船積みのいかんを問わず、これはまず確保するということで、当面対策を講じ、そしてその内容をつまびらかにされると同時に、重大決意をもって対処されんことを期待いたします。
 いずれにせよこういう状態でありますと、日本のいわゆる魚も食えない、きょうの新聞によれば、牛肉を食べた者が、石油たん白によってかどうかしらぬが、腹痛を起こして、富山県で問題の起きていることが新聞に報じられておる。こういう状態でありまして、植物たん白の、畑の牛肉といわれる大豆が、こういう状態であれば、日本の農業政策の、特に畑地農業政策の根本的な立て直しを考えなければならぬ段階が来ておると思います。御善処を強く要望いたしておきますが、御所見があれば承りたい。
#46
○佐藤隆君 ちょっと関連。
 ただいま足鹿委員からお話がございましたが、私はこれに加えて、この大豆の問題について国内対策、これひとつ万般怠りないようにお願いをいたしたいと思います。さきに、大豆の投機いろんな問題がございました。一連の商品の投機がございましたが、この大豆の問題が、もう百円どうふで済まなくなる。たいへんな事態にならないように、国内対策をいかがすべきか、完全な、かんぺきな資料をもとにして、情報をもとにして、早急に取り組まれるよう、慎重に配慮されるよう、特につけ加えておきます。
#47
○国務大臣(櫻内義雄君) 先ほど申し上げたように、まだ公電が入っておりません。重要なことでございまするので、電話連絡などもいたしたのでありまするが、詳細わかりますれば、その緊急対策を講ずる考えでございまするが、つい最近、農林中央金庫の片柳理事長も帰られまして、日米の経済会議の模様なども承っておったのでございまするが、その間には、別段今回のような緊急措置がとられるような情報はございませんでしたが、アメリカとしても、これだけの措置をとる以上は、相当な事情があるものと思いまするが、しかし、わが国に対する影響がこのままでありまするならば、非常な大きな問題をかもしておるのでございまするので、慎重に、そしてまた、アメリカに対してなすべきことは厳重になすと、こういう腹がまえでこの問題には対処していく考えでございます。
#48
○委員長(亀井善彰君) 暫時休憩をいたします。
 午後は一時から再開いたします。
   午後零時三分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四分開会
#49
○委員長(亀井善彰君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、辻一彦君が委員を辞任され、その補欠として加瀬完君が選任されました。
    ―――――――――――――
#50
○委員長(亀井善彰君) PCB・水銀等の汚染による被害対策に関する件を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#51
○工藤良平君 私は、昨日の本会議における本問題に対する答弁につきまして、その本会議後、大臣談話を発表いたしまして、本会議の答弁の正当性を発表されたように伺ったのでありますけれども、その後さらにその問題を撤回をしたということでございまして、厚生省の今回示しました暫定基準というものは一体何ものかという、非常に大きな疑問と不安を持つものでありまして、きのうも私はその中でも質問をいたしましたけれども、二十四日に示されたものは、メチル水銀の許容限度を〇・三PPMで計算をした場合に、この魚は一週間に何匹食べられますという例示をした。ところが、二十六日に、漁業団体の皆さん方に対しましては、これが、普通出回っておる市場の魚で計算をすると何か四十六匹までということに変わった。きのうの本会議の質問では、汚染された魚は市場に出しません、だからだいじょうぶです、ということをお話しになって、その裏づけとして談話を発表された。というように一連の動きを私は整理をしてみるのでありますけれども、一体どれが正しいのか。ひとつここでいきさつと同時に、はっきり正しいものを示していただきたいと思います。
#52
○国務大臣(齋藤邦吉君) 今回の魚介類の水銀の基準につきましては、濃度基準につきましては総水銀で〇・四、メチル水銀では〇・三ということをきめたわけでございます。
 そこで、これを発表いたしました際に、参考資料としてメニューをクラブの諸君を通しまして発表いたしたわけでございますが、それによりますと、新聞では、サバは何匹、何は何匹といったふうなことが中心におもに伝えられてまいったわけでございます。この資料の内容というものは、最高度のメチル水銀なら〇・三、その濃度の満度まですべての魚が汚染しておると、かりに仮定した場合でも、これだけの魚は一週間に食べて、そうして、それを一生食べても心配はございませんと、そういう趣旨なんでございます。これはこの委員長である椿委員長もそうはっきり言っておるわけであります。すなわち、すべての魚が〇・三ぎりぎりまで汚染しておってもこれだけの魚は食べられます、心配はございません、こういう趣旨が基準の内容でございます。ところが一般国民には、それがどうも十分理解されないで、魚の摂取量の限度を書いたのではないか、もう魚というものは汚染しようが、していまいが、何匹以上は食べられないのだと こういったふうな誤解がありますので、これは何とかしなければならない。しかも現実問題としては〇・三などという魚は出回っておりません。その基準値以下のものが大半の現状でございます、実際は。そこで、こういうふうなことで誤解を解くことが最も必要であるということで、実は昨日も本会議の席上において、汚染魚、すなわち〇・三以上に汚染している魚は、流通市場には出さないようにいたしましょう。そうなれば、市場で買える魚は、汚染されてない魚、または〇・三以下の魚ばかりでございますから、市場から買う魚は心配要りませんと、こういうことを国会でも答弁をいたしてまいったわけでございます。
 そこで実は、こういうふうに国会でも答弁いたしましたが、この際やはり国民にもう少し市場から入る魚はそう心配ないんです、ということを徹底させる必要があるのではないか、こういうことを考えまして、本会議の席上で述べましたような趣旨の厚生大臣談話を発表しようといたしたのでございます。その発表案文も御参考のためにちょっと読ましていただきたいと思いますが、「今回の水銀の暫定的基準は、国民の健康を守るという立場から、規制値をこえるような汚染された魚介類の流通を一切排除することを目的として定めたものであり、このためその規制値も諸外国に比べ最もきびしいものとなっておる。一方、国内におけるこれまでの実績から見ると問題水域における魚介類の水銀濃度そのものが規制値をかなり下回っており、まして問題水域外の魚介類並びに一般遠海魚については何ら問題ないと考えられる。したがって、東京をはじめ国内一般の流通市場に出回っておる魚介類については、普通にこれを摂取している限り健康上何ら支障はないものと考える。」と、こういうものを、国会で御答弁申し上げましたような趣旨と変わりはないと思って、このとおりをクラブに出したところが、クラブのほうでは、この前段のほうじゃなくて、まん中のところの「実績から見ると問題水域における魚介類の水銀濃度そのものが規制値をかなり下回っており、」と申しておりますのが――実はいままでの実績によりますと、これは実績は平均で出しておるのでございますが、この水銀濃度、魚介類の水銀濃度というのは平均水準ではないか、平均ではないか。だから、平均ということを書かないのは不正確ではないか。こういう意見が出たわけでございます。
 それから、もう一点は、「問題水域外の魚介」ということについては、その後、まだ十分精密な調査はないではないか。これはお話のとおりでございます。これは、私どもの引用いたしましたのは、昭和四十五年、四十七年における環境庁と一緒に調査をいたしました一応の資料があるわけでございます。その資料によりますと、問題水域内の全体の魚の濃度の平均はりっぱに規制値を下回っておりまして、もちろん高いものもありますけれども。平均しまして、問題水域内の魚の平均水準汚染度は〇・〇八であるわけでございます。それを引用いたしておりますので、魚介類の水銀濃度そのものが規制値をかなり下回っておる。これは現実なんです。それがしかも平均で出しておるわけです。ところが、平均という文字がないではないか、文字は正確ではないではないかという話がございました。
 それからさらに、「一般遠海魚については何ら問題ないと考えられる。」というのですが、マグロを除いているはずではないか。これは、おっしゃるとおりでございます。マグロを除く一般遠海魚については何ら問題ないという、実は、こちらの趣旨なんでございますが、そのマグロを除くという文字がありませんでした。そんなようなことで、クラブの諸君としては、文字が正確ではないではないか、もっと正確に書くなら書いたらどうだと、こういうお話がございましたので、それも国民の不安を除くには必要なことと考えました。そこで、新聞紙上では、けさは撤回というふうにございますが、その趣旨は私が本会議で述べておることや、今日まで厚生省がとった態度と実は一つも変わっていないわけでございますが、文字が多少はっきりしない点等もありますので、やはり今後字句等を正確に修正することがむしろ必要ではないか、こういう考えのもとに、本日のところは見合わせましょう、ということにいたしたわけでございます。その間の折衝は、私は本会議で、社労で答弁をしておりましたので、事務次官が直接一時間ほど話をしたのでございますが、正確でない字句もあることでもあるから、ひとつきょうは字句の修正等もあることでもあるから、きょうは見合わせましょうということでございましたが、新聞では撤回という文字になっておるわけでございます。
 そこで私どもは、もちろん、この字句は正確にしなければなりませんが、やはり国民の不安を解くことが大事でございますから、適当な時期に字句をもっと科学的と申しますか、今度は問題が出ないような正確な文字にいたしまして、そのうち必要に応じ大臣談を出すようにいたしたい、かように考えておる次第でございます。
#53
○工藤良平君 大体その経緯についてはわかりましたが、私やっぱり表現の問題ではなくて、本質的な問題があるのではないか。本質的な問題が解明されなくて、表面だけで国民を安心させるということそのものの考え方が私は、根本的に二十四日以来今日まであらわれている現象ではないか、このように思うのです。ですから、きのうの本会議終了後、本会議の答弁が不十分であったそのものを、さらに国民に明確に明らかにさしていくために発表するとするならば、それなりにきちんとしたものを出してしかるべきではなかったのか。私は表現だけの問題ではないと、このように思っているのですが、その折衝の事務に当たった担当官から、その点についてもう少し私はお聞きをいたしたいと思います。
#54
○説明員(福田勉君) きのうの発表の件に関しましては、ただいま大臣がお答えになったとおりでございますが、経緯は、夕方、厚生大臣の談話を私がかわりに発表いたしたわけでございます。その際問題になりましたのは、字句等はいま大臣がおっしゃったとおりでございまして、問題水域の点と、それから平均水銀濃度及び一般遠海魚の点でございます。その問題につきましては、いま大臣のとおりでございますが、問題のこの厚生大臣の談話の趣旨は、これはやはり大臣が前から本会議あるいはその他を通じ、まあ今度の水銀の魚介類の安全に対する基本的な姿勢としてお持ちになっている、あるいはわれわれもそう感じているというところでございます。
 現在、水銀の攝取量の基準をきめるにあたりまして、私たち一番考え方の中心といたしましたのは、二つございます。一つは、週間攝取許容量というものを学問的に人体に十分の安全率を見込んでつくるということと、それを確保するために濃度の高い汚染された魚介類は一切これを排除してしまえ、そのために、そういうような汚染水域をその結果きれいにして、安心して魚を国民の皆さんが食べられるような措置をとりたいということでございまして、それを発表する際に、この手引で、いろいろと文章の表現のこともあり、誤解を招くようなことになったわけでございまして、この点はまことに申しわけないと存じております。これを至急に訂正して、そういうような趣旨が徹底しますように、さらに進めてまいりたいと思っております。
#55
○工藤良平君 私はきのうの本会議でも質問をいたしましたけれども、汚染魚があるということは事実であります。したがって、暫定基準を示して――この暫定基準そのものについても問題があります、私どもの立場から見ると問題があります。しかし、一応暫定基準というものが示された。それに基づいて一体何をやるのか。まず、汚染魚であるかないかという区分けが必要であります。それは水際作戦で徹底的にやらなければならぬということが一つあるのであります。そういう基本的な問題を踏まえて、市場に出てきたものは、全部食べても安全でございますよということが国民の前に明らかにならなければならぬ。そうすると、水際作戦で排除されたものについては、それに対する十分な補償というものが必要だということも私きのう申し上げました。さらに、それと同時に、これ以上よごしてはいけないという予防対策についても指摘をいたしました。ですから、そういうものをきちんと整理をしていって、その上に立って厚生省として今回示した暫定基準に基づいたものが一体何であるかということを明らかにしなければならぬと思うのです。その整理が正直申し上げまして雑然としておるということが私は言えるわけでありまして、その点については、これは国対でも問題になっておる事項でありますから、私は五分間ということでありますけれども、もうすでに十何分になっておりますからこれ以上申し上げませんけれども、その点が明らかにされなければ国民の不安というものはさらに大きく拡大をし、漁民が犠牲を受けるということになるわけでありますから、その点については、漫然としているわけにはいきません。一両日中にすでに現実にいろいろと整理をされてきたわけでありますから、表現の問題ではなくて、整理したものをきちんと出せばいいわけですから、それは一日も早く、時間的にもっと早く整理をして、私は、国対のほうに出して、きちんとしたものを発表していただきたい、このように思います。
#56
○国務大臣(齋藤邦吉君) 仰せになりましたごとく、汚染された魚を排除する、流通から排除する。これが一番大事な問題でございます。
 そこで、昨日もお答えいたしましたように、この問題水域における主産地におきまして厳重な監視体制をしくということにいたしておりまして、明日、本省で関係府県を全部招致をいたしておりますが、それに基づいて関係府県において監査体制を厳重にしく予定でございます。その当該府県においてもこういう監査になれていない方も相当あるわけでございますので、よその府県から専門の監視員の方の御協力もいただきながら、集中的に問題地域について監査体制をしいて、そして厳重に監査をする。これがまず第一の手段でございます。
 そういう計画をいま進めており、さらにまた同時に、東京都に対しましても、中央魚市場に対して一斉に緊急監査をやるようにということを命じてございまして、本朝から実施しておるはずでございます。そういうふうな資料が出回ったときを見計らいながら、国民に対し安心のできるようにPRをするように、こういうふうにいたしたいと、かように考えておる次第でございます。
#57
○初村滝一郎君 私は、答弁要りませんから、時間の関係で。
 厚生省が、過ぐる二十四日にこの水銀、メチル水銀等による〇・四、〇・三という記事が出ましたね。それで、厚生省の発表とうらはらに、国民は非常に不安がっておる。消費者も生産者もすべての者が不安がっておる。この不安を、やはり厚生省が種をまいたのですから、必ず解消するように最善の努力を払ってもらいたい、これが第一。
 第二点は、やはり厚生省が発表する以上は、権威ある、統一した権威あるものにしなければならない。したがって、マスコミがどういう取り方をするか知りませんけれども、その点を十分に考慮して、国民に不安のないようにひとつやってもらえば幸いだと思います。これだけ申し上げて、ぜひその点についてはもう国民が一日も早く安心して魚を食べられるようにお願いいたしたいと思います。
#58
○国務大臣(齋藤邦吉君) 最大の努力をいたします。
#59
○塩出啓典君 非常に今回のそういう発表にしても、ちょっと厚生省としては不謹慎きわまりないと申しますか、新聞記者の諸君からつっつかれて、それで引くような、そういうことでは非常に困ると思うのですね。そういう点で、厚生大臣としても、当然反省はしていると思うのでありますが、先ほどもありましたように、今後はそういう権威のある慎重なやはり配慮をしてもらいたい、このことを要望しておきます。
 それで、問題はやはり魚はいろいろ、瀬戸内海でとれる魚もあれば、日本海でとれる魚もある。いろいろな魚があるわけでありまして、また同じ汚染海域であっても、魚の種類によって汚染の度合いが違うと思うのですね。また、同じ一匹の魚であっても、肝臓とかあるいは肉の部分とか、そういう魚もあれば、頭とか、しっぽとか、そういう部分で水銀の濃度が違う。また、カキなんかの場合は、先般広島でも、カドミウムが問題になりまして、非常に高かった。それで、もう一回検査したら非常に値が低かった。それは、いろいろ研究してみますと、その年は非常にカキの成育が悪くて、カキがまだ非常に幼いときで、そのときに測定したからで、だんだん大きくなってくるとカドミウムの濃度が下がってくる。そういうようなこともありまして、かなりそういう水銀の濃度というのはばらつきがあると思うのですね。そこで結局、そういうものがはっきりわからないで、一般的な問題として、厚生大臣が、何とか国民を安心させようとする、そこに無理があるわけでございますね。だから先ほど話がありましたように、魚種別にもっとやはりたくさんのデータをとって――こういうばらつきだから、データも非常にばらつきがある。これは私、この前PCBのデータをもらいましたけれども、同じ海域の同じ魚の種類についても、PCBにしても、かなりの差があるわけです。そういうことで、もっとたくさんのやはりデータをとって、そうしてそのばらつきはこうなんだ、だからここの魚は、こうなったから心配ない。かなりそういうこまかい検査体制を充実して、それに基づいてやっていかなければ、ただ一般的な大臣の談話だけでは国民は絶対信用しない。むしろ安全だというと、心配じゃないかと、こう反対に思うわけですね、いまの国民は。そういう点で、やはりそういう検査体制を強化して、データをたくさんとって測定をしていかなければならない。そういう方向でやってもらわなければいかぬと思うのです。
 ところが、東京都も、けさの新聞では、中央卸売り市場で緊急監査をするといっておりますが、東京都であれば一番日本の各府県では、検査体制が充実していると思うのですが、東京都においてすら、これは二十種類について六十検体ですか、しかもその測定には、四日、五日かかる。そういうことなんですね。だからいま厚生大臣が、各都道府県に、そういう検査体制を指示をしたと言いますけれども、指示だけでは実際能力がないわけです。この問題を解決するには抜本的に緊急に予算なりを組んで、そうして十分な数の検査をやっていかなければ、これは国民は安心をしない。また安全な魚まで、同じ魚だということで、非常に被害をこうむっておる点もあるわけです。魚にも、安全な魚があるわけですから、そういう点で、私は、厚生省としては、田中総理大臣を中心に、内閣として抜本的に検査体制を強化して検体をふやす、そういう方向にいくべきだと思うのですが、そういう点について、厚生大臣はどう考えておるのかですね。
#60
○国務大臣(齋藤邦吉君) たびたび不手ぎわをいたしまして、私もまことに遺憾に存じますが、そうした反省の上に立って、今後努力をいたしたいと思います。そこで、明日さっそく関係府県の課長会議を招集いたしておりまして、検査体制をしく、具体的な計画を相談するわけでございまして、これに要する費用は、政府としては、予備費の支出を行なうということをきめておるわけでございますので、できるだけの予算を地方に流しまして、検査体制を厳重にやってまいりたいとかように考えております。そうした厳重な監査の上に立って、もろもろのデータをそろえ、それによって国民に安心していただくように努力をいたしたいと、かように考えておる次第でございます。
#61
○塩出啓典君 一問だけ。具体的にはあれですか、大体どれくらいの数をやると考えているのか。たとえば敦賀湾のスズキなんかでもこれはもう最高四、最低コンマ六とか、もっと開きがあるわけですからね。かなりやっぱり数を取らんと意味がないと思うんですがね。具体的には大体どの程度の種類で、どの程度の数ぐらいを測定するだけの予算ができるのか、その点はどうなんですか。
#62
○説明員(福田勉君) お答え申し上げます。
 明日から関係県の課長会議を招集いたしまして、開催するわけでございますけれども、まあこの測定で一番問題になりますのは、やっぱりメッシュの引き方、どれだけ網をかぶせて、魚種別にいたしまして、どういう検体の取り方をするか、いわゆるサンプリングの方法。それから先ほど先生おっしゃいましたように、ガスクロマトグラフィーにいたしましても、メチル水銀の検出のしかたによっては、相当ばらばらな測定値が出るおそれが非常に強いわけでございます。この点も分析測定法ということも統一的な方法を指示いたします。したがって、そのサンプリングと分析測定法とが統一的にいたしまして、それから、魚種別に、先生おっしゃいますように、こまかく調べるということを中心にして組み立ててまいりたい。具体的には、各県の課長と詳細な詰めを問題水域ごとにいたしますので、その際に検討いたしたいと思っておりますが、おおむね一検体五匹ないし十匹ぐらいといたしまして、五検体以上を調べるという考え方で、しかも魚種別にやってまいりたいということでございます。
#63
○塚田大願君 先ほども話が出ましたけれども、私もやはり一番不可解に思いますのは、二十四日に週間献立表が出た。すぐそのあとに、この献立表が訂正をされた。そして、きのうはまた大臣談話が発表され、そして一時間後にこれが撤回をされる。これはわれわれ国民にとりましては、全く不可解なことなんですね。言うならば、朝令暮改もここに尽きると言って私は差しつかえないと思うんです。あまりにひど過ぎる。これは先ほど大臣は、文章の問題のように言われましたけれども、私は、やっぱりそんな形式上の問題ではないと思うんです。この厚生省のこの公害に対する認識のしかた、国民の汚染というものに対する恐怖感をどれだけ認識しているか。こういう問題ではないかと思うんですね。ですから、前の日に汚染を仮定したものが発表されて、翌日は、今度汚染されてないという仮定の発表がされる。全く矛盾していると思うんです。これで国民の皆さん安心してください。これでは、国民を愚弄しているもんだと私は思うんです。こんなにまるで子供だましか、赤ん坊をだますようなこと、こういうことを繰り返すということは、やはりここに本質的な問題がある。私は、突き詰めて言えば、いまも問題が出ましたが、この混乱というのは、やはり汚染と、それから汚染されてないもの、非汚染の。この区別がはっきりしてないところに、混乱が起こってくるのです。したがって、やはり検査体制を徹底的にやる。これはまず前提条件だろうと思うんですね。まあその点では、いま厚生省の答弁もありました。これは予備費を使っても何をしてもですね、私はほんとうに国民の不安をなくするために徹底的にやってもらいたいということが一つ。
 それから、もう一つは、きのうは大臣が本会議でも答弁されましたし、談話の中でも盛んに出るんです。いまも答弁の中に出ました。非常に基準はきびしくやっておると、だから安心でございますと、こう言われるんですね。しかし、私どもは、決してこの基準がきびしいというふうには考えてないんです。思えないんですね。というのは、きびしいきびしいとおっしゃるこの基準はWHOの基準でしょう。大体これを基準にしたものです。大体アメリカの基準というのは、アメリカ人は日本人に比べればもうほんとうに十分の一か二十分の一ぐらいしか魚を食わない国民です。日本の場合にはまさに十倍、二十倍というものを魚を食う。で、日本の場合には私は、もっとこの基準がWHOの基準をはるかにこえていなければいけないのではないか。御承知のとおり、この汚染は、体内にどんどん蓄積されていくのです。ですから、そういう意味で、私は、やはり基準をきびしくやっているから安心だ、安心だとおっしゃるけれども、国民はちっともそんなことは安心しておらぬです。これではたしていいのかと、もっときびしくすべきではないかと、工場のたれ流しなどについてももっとはっきりした操業規制をやるべきだというのが、今日国民の一般の声だと思うのですが、そういう点でも私は厚生省の御答弁をお聞きしておきたいと思うのです。以上です。
#64
○国務大臣(齋藤邦吉君) 弁解するわけじゃありませんが、最初の日のときの資料はすべての魚が〇・三PPM満度まで汚染している場合の資料でございます。ところが、十分それが徹底しておりませんでした。
 二回目の資料は、今度は実績に基づきまして〇・〇八、これは実績でございます。そこで実績に基づくとこういう魚の数になりまして、こういうことでございまして、その基準の置き方によって違えておるわけでございます。
 最初のときは全部汚染しておる場合と、二番目は実績でこうなっておりますということをいたしたわけでございますが、私どもの説明がどうも不十分でありまして、十分国民に徹底させることができなかったことは遺憾だと思います。
 しかし、そういういろいろな前提条件を読んでいただきますれば、私は心配がないものだと理解をいたしております。
 それから、基準が厳格でないと仰せでございますが、週間許容量はなるほどWHO等と同じでございます。週間許容量ですから、それはもちろん当然の話でございますが、魚の濃度規制値につきましては、アメリカやスウェーデンよりもきびしくいたしておる。これは日本人が魚をそれだけよけい食べて、今日まですでに食べておるという実態を踏まえて、スウェーデンやカナダやアメリカより重くしておると、こういうわけでございまして、私どもとしては、やっぱり相当きびしい基準であると、かように考えておる次第でございまして、専門家の方々もそういう意味でこの案をまとめていただいたと理解をいたしておるわけでございます。
#65
○委員長(亀井善彰君) 御苦労様でした。
 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#66
○委員長(亀井善彰君) 次に再び開拓融資保証法の廃止に関する法律案を議題とし、質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
#67
○村田秀三君 休憩前に引き続きまして、開拓融資保証法関係の質問をいたしますが、午前の論議の中で、大臣は、開拓農家を育成する、まあ、あらゆる対策を含めて、というふうに私は受け取りましたが、その中で、とりわけ負債対策、これに言及をされました。そこで、先ほども例示をいたしましたけれども、その開拓農家の生活設計、この借入金が膨大な重圧になっておるということ。そのことについて、またひとつ同じ方の内容について触れてみるわけでありますが、その方は、今日まで返済をするために、幾らこの所得の中の比率として償還金があったかとすれば、六〇%から八〇%あったと、こう見る。もっとも、この場合はですね、非常に無理をしておるということがわかります。昨年全部――まあ生活資金は別にして全部償還をしたということでありますから、相当、計画的には無理をしなさっておるということもわかるわけでありますが、とにかく所得の六〇%から八〇%、そして年間返済計画で、どうしてもやり繰りがつかなくて、十二月ぎりぎりには、持っておる牛を売って償還をしたということであります。まあ大体この方は計画的に 密にできておるわけでございまして、年間償還計画の中には、子牛を取って、その子牛を売却して借金返済をする。いま十三頭であります。農林省が指導しておる多頭飼育の中では十三頭というのは低い水準の酪農家と、こう私思うのでありますが、ふやしたくても子牛をふやすことができないという事情もあるでありましょう。そして非常に生活を切り詰めて、そしてこの借金の返済に充てておったという、そういうことを私は承知をいたしたわけであります。そうしますと、これはこの関係いたしますところの開拓協同組合は非常に優秀でありますから、そういう意味ではなるほど、全体的に言うと無理な計画を立てておるかもしれませんけれども、とにかくこれから、拡大をしょう、酪農、牛をふやそう、そう思いながらも、借金返済のために、いまの話のように牛を売ったり、あるいは山林を売ったりということであるとするならば、これは先行き育成強化をしなくちゃならない日本の酪農農家、中堅的な酪農農家の将来にとってきわめて重大問題だ、こういうふうに考えますので、この際――四十四年に開拓農民の負債整理の緩和措置はとられましたが、引き続いて私はこれをひとつ実行する必要があるであろう、二十年のものを二十五年にする、あるいは二十五年のものを三十年にするとか、しかも利子を低利にして、そして元利償還がその生活設計の中でせめて二割程度で押えることができる、そういう形のやっぱり助成策というものをとらなくちゃあまりに気の毒じゃないか、開拓農協をやめて一般農政に移行するもう時期なんだという判断にはとても立てないんじゃないかという感じを持つわけでありますが、その点はいかがでしょうか。
#68
○国務大臣(櫻内義雄君) 御承知のように、開拓者資金措置法によって負債整理をずっとやってまいったわけでございます。いまお話のような実情は私も承っておるところでございまして、午前中にもお答えを申し上げましたが、この際、実情についての総点検を行なってみたらばどうかと、このように思います。なお、一般的に申し上げて、開拓者の約七〇%が農林漁業金融公庫、農林中央金庫からの制度資金によって占められておる実情にございまするので、農林公庫等金融機関とも、十分協議の上、具体的実情に即し今後適切な措置を講ずるよう十分指導をしてまいりたいと思います。
#69
○村田秀三君 ただいまの答弁、具体的にひとつ実施をしていただきますように要請をいたします。
 次の問題に入りますが、きわめて事務的なことでございますので、これは局長の御答弁でけっこうでございます。
 移行する問題は、内容的にずいぶん関係団体は詰められておるものと思いますが、何せこれは初めてのことでありますから、統合される側は非常に不安な心情であろうと思うのですね。まあこれは一説でございますけれども、とにかく開拓農家個々に検討してみる限り、この措置を賛成するものが半分、反対するものが半分などというような話も、実は聞くわけでありますけれども、全体的には了承をしておると見てよかろうと、こう思いますね。でありますから、その不安を解消するという意味で特にお伺いをするわけでありますが、いままでは開拓農協は農林中金から直接県開拓連、そして開拓農協、開拓農家というふうに資金ルートができておった。それが今度どうなるのであろうかという感じを持つわけであります。とりわけ、この農林省から出されました資料にも書かれてございますけれども、今日、いまもって開拓農協は存在をする、また県連も存在をする、そしてこれからの現存する開拓農協というのは、きわめて厳格な運営がされておるものと私は思うわけでありますが、特にその関係ですね、今後資金の流れというものは一体どうなるのであろうかということについて一つ御質問を申し上げます。
#70
○政府委員(小沼勇君) 御承知のとおり、開拓農家、特に酪農、畜産を中心とします大規模の専業農家の資金需要は大口のものが多うございますが、一般の農政移行によりまして、これらの開拓農家に対する資金融通に支障が生ずるようなことがあってはならないということは当然でございます。このことにつきましては、今国会で採択されました農業信用保証保険制度についての改正法案によりましても、措置をされたわけでございますけれども、特に開拓農家が必要といたします短期の経営資金等については、これを保険の対象にするということがなされたわけでございます。また、この従来の残っております開拓農協連、開拓農協を通ずる資金ルートの問題でございますが、従来、農林中央金庫から原資の供給を受けて転貸によって開拓者に融資されてきたわけでございまして、このような資金の供給につきましては、従来どおり、これを実施するということにつきまして、農林中金のほうの協力が得られることに相なっております。また、開拓農協所属ではなしに、一般の農協に所属することになります開拓農家に対しましては、総合農協または信連からの融資の円滑化並びに近代化資金の活用等によりまして、末端の負担金利の低下をさせる必要がございますので、所要の指導を行なって、大口の資金需要に対する信連または中金の直貸方式等を入れて積極的に推進していくという考え方をとってまいりたいと、かように考えておる次第でございまして、その点では、従来の開拓農協傘下に残る場合も、また一般農協に入る場合も、いずれにしましても、十分その心配なく融資が行なわれるということになるわけでございます。
#71
○村田秀三君 わかりました。そこでいまの答弁の中に、中長期資金が入っていなかったようにも思うのでありますが、中長期資金はどうなるのかという点と、それからあと保証限度額ですね、新しい負債に対する保証限度額。これがどう変わるのか。まあ、とにかくいまもお話がありました、とにかく開拓営農、とりわけ酪農等については、資金量は膨大でありますから、わずかな額では、一説には五百万とも聞くわけでありますが、その程度ではとても間に合わないという問題が出てこようかと思うのです。それをどの程度まで考えておるのかということについて。
#72
○政府委員(小沼勇君) 中長期資金は主として近代化資金によってまかなっていくことになろうかと考えております。
 それから保証の限度額の問題でございますが、これは各協会におきまして、現在、基金協会におきましては、すべて特認規定によって処理をいたしておりますので、大口の需要については、それによりまして対応できるというふうに考えております。
#73
○村田秀三君 それでは、次の問題に移ります。
 それからもう一つ、不安を持っている向きには、いままでいろいろ苦労して運営をしてまいりました、つまり保証協会の役員、職員、この引き継ぎがどうであろうかという点があろうかと思います。とりわけ引き継がれてそして受け入れた。受け入れたけれども、過去の経営というものが十二分に理解できないがために、これは開拓農家の特質というものが、その運営の中に十二分に反映できないといううらみもある。したがって、旧保証協会の役員の代表を中央、地方ともに新しい、つまり基金協会なり保険協会なりに入れてもらえないかという要求があるようであります。これは考えてみまして、私ももっともなこれは要望じゃないかというふうに思うわけでありまして、ぜひそうせねばなるまい。そのほうがむしろ今後の運用に、これはきわめていい結果をもたらすであろう、こう思っておるわけでございまして、その点どのようにお考えか、お伺いいたします。
#74
○政府委員(小沼勇君) 統合の後におきましても、開拓農協あるいは開拓者に対する保証保険につきまして、関係者の意向が十分反映されるようにすることが必要でございます。このために、いま御指摘のございましたように、基金協会の役員に開拓関係の役員が参加すること、これが大事でございます。また、開拓保証協会の業務を開拓連に業務委託するというふうな面もございます。それから、全国の保険協会の役員にも、全国段階の関係の開拓関係者が役員として参画するということが必要であろうかと思いますので、これらにつきましては、十分協議をいたしまして、今後、保証保険の円滑化に遺憾のないようにしてまいりたいと、かように考えております。
#75
○村田秀三君 そのほかございますけれども、時間がございませんから、大体質問を終わることにいたしますが、問題はたくさんあります。しかし、道路の問題等については、中村委員やあるいは足鹿委員もお触れになりました。大臣の答弁もまた、これは近来になく銭が幾らかという具体的なものはついておりませんで、まことに残念でございますけれども、気持ちとしてはきわめて積極的な姿勢であろうということを私は理解いたしますので、それには特に触れませんが、戦後、開拓行政というものが、一体どう日本の農政の中に評価されるべきことなのであろうかという点について、きわめてこれは大きな問題でありますから、開拓農政を締めくくるにあたりましては、やはりそれを政治史の中に明確にしなくてはならないのではないかと、こう思うんですね。
 いま存立されておりますところの開拓農家は、きわめて日本の中核農家であるという、そういう認識、これは私も間違いないと思いますし、また、この開拓農政なかりせば、日本の農家の経営規模というものが一・一ヘクタールで終わってしまったということにもなりかねないわけであります。でありますから、そういう意味では私はたいへんいい、たいへん苦労はしていただきましたけれども、よい結果もあるというふうには見られますが、しかしその反面、入植総計、そして離農助成対策、そして現開拓農家、この関係を見ますと行政が握をしないままに農地の流動であるとか、それから農家の生活に大きな変化がなされておる。少なくとも、入植をするときには、これは国家が大計画を持ちながら入れたわけでありますから、少なくとも、途中でどっかへ行ってしまったとか、農地が私権にかりに渡ったといたしましても、それがどう流動したかなどということが掌握されていないということであっては、私は、ならなかったんじゃないかというふうに考えるわけです。
 これは私は、戦後開拓という表現をいたしましたが、今度、新たな開拓というものが展開されなければならない時期に来ているんじゃないかというふうに私は感じます。というのは、先ほどアメリカの大豆の話がありました。それから先般は米価審議会において麦作について根本的な対策を秋までに立てなさいということになりました。食糧全体の、つまり自給度を高める展望を持つ農政が展開されるとするならば、私は農業生産物の価格政策、そうして農家が喜んでそれを生産し得るような体制をつくることはもとよりのことでありますけれども、何といっても工事だろうと思うのですね。いまはもうどんどんこれ都市周辺、これは農用地の転換がなされておる。都市周辺ばかりじゃないと思います。福島県だってそうです。ある県におきましては、みずからが農用振興地域に指定をしながら、みずからが発起人になってゴルフ場をつくっているなどというような話があります。これは、農用地域指定は農林大臣でありますけれども、とにかく県がこれを推進するわけでありますから、自分で農用地域に指定をしておいて、それを転用取り消しもしないうちに、自分がゴルフ場をつくっているというようなばかげた話も実はあるわけであります。いずれ機会を見てその問題についても私は触れてみたいと思いますけれども、そういう状態になっておる。
 そうするとつまり食糧自給度を高めなくてはならない、米ばかりじゃなくて、大豆も、雑穀も、麦もこれから国内の自給度を高めなくちゃならぬとするならば、新しい農地を開墾する必要があると思います。新しく開墾すればこれまた開拓でございます。その関係の中で、つまり旧といいますか、まだこれは完全に打ち切られたというかっこうにはなっておりませんから、旧という表現がよろしいかどうかわかりませんが、戦後開拓行政というものを日本の農政の中にどう評価をすべきかという問題、この点についてひとつ御所見を伺いたいと思います。
#76
○国務大臣(櫻内義雄君) 戦後、非常な労苦をされて、本日の開拓農家としての立場をつくられた。その間には、政府としても振興策も講じてまいり、また、とうてい開拓農家として維持ができないものにつきましては、三類農家としての離農対策をも講じてまいってきたわけでございますが、また、開拓農家がいまのゴルフ場の建設などによっていろいろわざわいされておるという事実もあるわけでございますが、そういう中にありましても、専業農家が四四%も占めておる、また、酪農、畑作を中心としての農業経営の中核農家としていこうと、こういう非常に喜ばしい傾向を持っておるのでございまするから、周囲の各種の悪条件もございまするが、これからの営農政策次第によって日本農業の中でりっぱな地位を築き、あるいは発展せしめ得るものと思うのでございます。四十四年から四十七年まで開拓未利用地の開発事業なども行ないまして、開拓農家の今後のために多少でも役立つようなことも考え、また、五十年度までの開拓道路等の補修事業の実施についても先ほど来の御質問に応じてお答えを申し上げたわけでございまして、私どもとしても、開拓農家の実情を十分把握をいたしまして、臨機に諸施策を講じながら、この農家がりっぱに日本農業の一翼をになうようにつとめるよう指導してまいりたいと考える次第でございます。
#77
○塩出啓典君 それでは、いろいろ質問がありましたので、重複を避けまして、まず今回、今日までの開拓行政がこれはまあ徐々に一般農政へと移行をして、今回この法案によりまして、これは総決算のように見られるわけでありますが、このいわゆる開拓融資保証法を廃止する法律案が通過することによりまして、その開拓農家にとってはどういうメリットがあるのですかね、またどういうデメリットがあるのか。これはもうそういう農家の立場から見た場合にどういうことになりますかね、具体的にひとつ。
#78
○政府委員(小沼勇君) 開拓農家は、最近におきます状況では非常に経営規模も大きくなってきておりますし、特に酪農経営等を中心にしまして、資金需要も大口のものでは二千万、三千万に及ぶものもあるわけでございます。そういう資金需要に対応するためには、いまの開拓のみの保証の協会では十分ではないということで、特に開拓の保証の協会をささえております開拓農協のほうが漸次縮小してまいります、減少してまいりまするので、そういう体制の中では、今後の個別の大規模な需要に対応するのには十分ではないと、むしろその保証の規模といいますか、保証能力を高めるという意味では、やはり一般の保証体制の中に入って、そうして大口の需要に対応するのが必要であるということで、むしろこの一般に統合することによって個別の開拓の農家はいまより十分、よりよく資金需要をまかなってもらえるということになるというふうに判断したわけでございます。
#79
○塩出啓典君 結局、開拓農家が金を借りようとしたときに、たくさん借りられると、そうなるわけですか、この法案が通ればね。そういうことですか。それはメリット。では、デメリットはどういうことなんです。いいことばかりじゃない、やっぱり悪いこともあると思うんですけどね。
#80
○政府委員(小沼勇君) 大体もうメリットばかりでございまして、(笑声)大体この保証の倍率自体が、従来よりも三倍ぐらいに保証の倍率がなるということでございます。それから今回法律改正になりましたので、短期資金は従来なかったものをそのまま短期資金についても借りられるということでございますから、この心配もないということでございます。また、その保証料についても、減免措置を行なうとか、そういう手厚い経過の助成措置をいたして行ないますので、先ほど申し上げました大口の資金需要に対応する、しかも従来の先ほど申しましたような、開拓連、開拓農協を通ずるそういう資金ルートについても残されているわけでございますから、その点では、もう非常に有利になるというふうに判断しておるわけでございまして、開拓保証のメリットを生かしながら、大口の需要に対応するということで評価をしているわけでございます。
#81
○塩出啓典君 全くデメリットがなくて、メリットだけならこれは申し分ない。いま保証料の減免処置をするということですが、開拓融資保証制度では、被保証人から元本の保証残高の年〇・二一%の保証料を徴するのに対して、また短期資金については徴収してない。ところが一般制度では、近代化資金では〇・二九%、一般資金はもっと高い、そういう保証料を徴しているわけで、これだけから見ると、非常に開拓者には不利になるように思うわけですが、これは減免処置というのは結局具体的にはどうなるのですか。予算とか使途、減免の期間、これはどういうことになりますか。
#82
○政府委員(小沼勇君) 開拓保証制度では、利子補給つきの中長期資金は〇・二一%の保証料を徴収しておりまして、その他の資金については保証料を徴収しておりません。統合後は、信用保険保証法に基づきます所定の保証料を徴収されることになりますが、それではうまくいきませんので、保証料の減免措置を講ずるということにいたしたわけでございます。それはこの承継いたします短期資金及び利子補給のない中長期資金については、当分の間保証料を徴収しないということにいたしたいと考えております。利子補給つきの中長期資金につきましては、従来の〇・二一%、一般の率は〇・二九%でございますが、それとの差額を当分の間減免するというやり方をとりたいと思っております。それから、新規の短期資金の保証料は当分の間これも減免するということで、その当分の間というのは、おおよそ五年間にわたり漸次徴収するということで緩和措置を講じていきたいと考えておりまして、五年後には、大体一般と同様に扱ってよろしいのではないかというふうに考えております。その保証料減免の財源に充てるために、融資資金で二億五千万円を農業信用保険協会に交付いたしまして、その運用益をもって助成を行なうという、そういう方法を講じてまいりたいと、かように考えております。
#83
○塩出啓典君 そうしますと、五年間は結局保証料もいままでと、いわゆる開拓融資の場合と同じであると、そういうことですね、五年間は。
#84
○政府委員(小沼勇君) 五年後に同一水準になるわけでございますが、だんだんに五年間で接近していくというふうに御理解いただいたほうがいいと思います。
#85
○塩出啓典君 そうしますと、厳密に言えば、やはり保証料は高くなるということはデメリットになるんじゃないですか、これは。いまのお話では全くメリットばかりだと言うけれども、それはことばのあやであって、現実にきびしく言えば、やはり五年間に――これが廃止になったときはいままでどおりで、それはだんだん一年ごとに近づいていくわけですから、そういう点では、やはりこれはデメリットになるわけでしょう。先ほどの答弁は訂正してもらわなければならぬ。
#86
○政府委員(小沼勇君) 保証ということでございますと、当然所定の保証料を徴収することがたてまえでございますけれども、従来の経緯にかんがみまして特別の措置を講ずることとしたわけでございまして、その期間を一応五年間というふうにしたわけでございます。その点は保証料が上がるという問題は、実は保証倍率自体が大体三倍ぐらいになりますので、そういう意味では、やはり普通の一般にとられています保証料が当然すぐにとられてもしかるべきだということでございますけれども、それではやはりいけませんということで、五年間の緩和措置を講じたということでございまして、必ずしもデメリットというふうに考える必要はないのではないかというふうに思っております。
#87
○塩出啓典君 今回統合するわけでございますが、きょう午前中の質疑でも、統合に当たっては、いわゆる開拓側は、やっぱり身辺を身ぎれいにしてそしていくと、そういうようなお話だったわけですが、いろいろ今日までのいきさつから言えば、そういう不良債権が多いとか、あるいはまあ代位弁済率が高いとか、あるいは求償権の残高と、そういうものがいろいろあると、そういうものはちゃんと整理をして、そして統合する。そういうお話ですけれども、これはどうなんですか。そのためには、国としては大体どれぐらい金を出すのか、全部で。それともう一つは、いわゆる一般の側の保険協会とか、基金協会そういうような側としては喜んでいるのかどうか。今回、開拓者の団体、保証協会が廃止になって、こっちへ入ってくるわけでしょう。きてもらうことを喜んでいるのか、喜んでいないのか、そのあたりはどうなんですか。
#88
○政府委員(小沼勇君) 保証基金で不足する部分につきましては、統合後の見込み額で、平均の保証残が百五十六億、現在九十四億でございますが、その中でピーク時になりますと、保証の残がおそらく百七十四億ぐらいになろうと思います。現在ピーク時の残高は九十八億というふうに見ておりますが、そういうことでございますと、需要見込み額は大体百七十四億四千三百万のピークを見込むということになりますが、これは大体現在のおおむね倍額の保証需要を必要とすることになります。これにつきましては、この不足分につきましては、予算措置を国と県でみるというふうにいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
 それから、第二点の御質問でございますけれども、受け入れ側はどうかというお話でございます。これについては、この統合措置について従来、この法律を廃し、開拓融資保証制度を統合するということにつきまして、従来から関係の団体と御相談を申し上げてきたわけでございまして、このことが今後の開拓農家を含めた一元的な保証機構になるわけでございまして、その意味では十分賛意をもって迎えられていくというふうに理解をしております。
#89
○塩出啓典君 そうすると、結局いわゆる求償権残高見込み等から、この中からとれるやつと、とれないやつがあると、それから出資払い戻し見込み額とか、そういうものを全部計算をしたその結果、結局足りない金額が三億二千五百万になると、これだけやれば、いわゆる保険協会も基金協会も、まあ持参金もゼロだけれども結局借金もゼロでこっちへくる、そういうことでいいんじゃないか。そういうわけで、この三億二千五百万円というものを助成する、それを結局国と県が半分づつ出すと、そういうことになるわけですか、これは。
#90
○政府委員(小沼勇君) 今後、造成すべき基金額は三億二千五百万でございまして、これで大体いままでの保証の二倍程度をまかない得る形になると思います。が、それにつきましては国と県で半分ずつ出すということでいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
#91
○塩出啓典君 それから開拓農家のいわゆる営農状態が非常に急激によくなってきたと、そういうようなお話ですね。それで今回こういうように一般農政と一緒にするようになったというお話でありますが、これはどうなんでしょうか。非常に、このもらっているデータはこれは全部平均だと思うのですね、平均。たとえば六ページに開拓農家と一般農家の負債、一戸当たりの値が載っておるわけでありますが、四十六年度であれば全国平均では開拓農家の負債は百十八万円である、そういうようなデータになっております。しかし、私たちが開拓農家なんか参りまして、いろいろ耳に入ってくる話なんか聞きますと、かなり三百万とか五百万とか、そういう負債の話が非常に入ってくるわけですね。もちろん、あまり負債のないようなところはそういう話も入ってこないのかもしれませんけれどもね。どうなんですか、ばらつきというのは。平均値だけじゃ、やっぱりものごと処理できない。かなりいいところと悪いところと、極端なやつがぼくはあるんじゃないかと思う。その点はどうですか。
#92
○政府委員(小沼勇君) 私ども、いま全国の開拓農家については毎年調査をいたしておりますが、その負債状況の階層別というか、地域別のデータの詳細はここに持ち合わせておりませんので、お答えすることが数字ではできませんですけれども、御指摘のように、地域によってかなりの差があるというふうに思われます。北海道から九州、鹿児島まで全国に広がっておる開拓農家でございまして、その自然的条件もずいぶん差があることであると思いますし、酪農あるいは普通畑作、いろいろのことをやっておると思いますので、かなりの地域差あるいは経営的に見ても、その資産内容、負債内容の差があることは大体予想されるわけでございます。しかし、全国と比べまして、大体やはり平均値で、ものを判断いたしますと、開拓農家につきましては、急激というほどではございませんが、漸次やはり農家総所得においても、一般に接近しておりますし、農業所得では一般の農家を上回っているという状況でございます。その意味では、今後規模の利益、スケールメリットを十分発揮できるような形で開拓農家の育成をはかってまいるべきであろうというふうに考えているわけでございます。
#93
○塩出啓典君 つまり開拓農家は、このデータ見ましても非常に専業が多いし、経営の規模も非常に一般農家よりも広いわけですね。そういう点で、当然日本の農業の将来とすれば、やっぱり一応国際競争力をつけるという立場からいえば、農林省の目ざす方向にやはりあると思うのですね。まあしかし、実際はこの平均で見ても、かなり一般農家との開きはまだあるわけでしてね、そういう点で、私はそういう開拓農家というのは、ますます一般農家よりも、むしろ収入もふえて、そうしてよくなっていくと、そうならなければ――日本の農業の将来の一つの目ざすビジョンがそこにあるわけですから、それが結局、いまようやく一般農家に追いついていきよるということで非常にさみしいと思うんですけれどもね。そういう点でやっぱり今後開拓農家に対しては、これはもちろん一般農政の中に入ってくるわけでありますので、当然そういう専業農家、そういうものに対する政策ともなってくると思うんですけれども、やっぱり専業で規模をたくさん持ってやっているほうが零細な兼業農家よりはもっともっと希望が持てるようにならなければいかぬと思うんですがね、そういう点はやっぱり農林大臣としてはどう考えておりますか。
#94
○国務大臣(櫻内義雄君) これはもうおっしゃるとおりだと思うのであります。特に開拓農家の北海道、内地の占める比率を見ますると、北海道が八・八%、内地が一・六%、北海道が非常に割合としては大きいのでございまして、北海道の農業の実情からいたしまして、相当経営規模も大きく、酪農、畑作が特に中心になっておるんではないかと、こう思います。開拓農家が営々として努力されてまいりましたこの酪農や畑作への大きな関心、これを拡充していく必要があると思います。そうなりますると、資金的にも相当所要量がふえてまいるのでございまするから、先ほどから局長がお答えを申し上げたように、一般農政へ移行いたしまして、その必要資金をまかなっていくと、大口の資金を調達でき得るということは好ましいことであると思うんであります。
 それから先ほども申し上げましたが、また御質問の中にもございましたが、平均で見ておりますのと、個々の農家の実態に触れた場合にだいぶそこに現実的な感触の違いがある。特にその負債についての大きな心配があるということは認めざるを得ないのでありまして、負債整理についての対策は講じてまいったのでございまするが、そういう実情について総点検もいたし、対策も講じてまいりたい。さらには、何といっても開拓地域における生産基盤を強化していくということも考えなければならないところだと思います。それらのことを総合いたしまして、一般農政の中に移行いたしましても開拓農家に御不便をかけないように努力をしてまいりたいと思う次第でございます。
#95
○塩出啓典君 それで開拓農家が非常に、まあ一時これは全国では二十一万戸ですか、それが現在は九万六千、約半分に減っているわけですね。そういうわけでいわゆる開拓農家を去っていく人が非常に多いわけでありますが、そういう人たちのいわゆるいままで耕作しておった畑ですね、土地というものは、先ほどの午前中の答弁では、私、五七%がほかの開拓者に売られておると、そういうお話であったと思うんですが、そうしますとあとの四三%というのは結局農地転用されたと、そういうことなんですか。それともあとの四三%はどうなっていますか。
#96
○政府委員(小沼勇君) 大体その開拓地で農地に転用されたというのは比較的少のうございまして、おそらく一・五%ぐらいであろうというふうに推定をしておるんでございますが、そうしますと、残りの部分はどうなったかといいますと、大部分は、先ほど言いましたように、五七%は残留開拓者に、それから残りの部分は周辺の農家に売られているというふうに見ているわけでございます。
#97
○塩出啓典君 これは転用されたのは一・五%ということですね。これははっきりしたデータでしょうが、大体何ヘクタールぐらいのところですか。
#98
○政府委員(小沼勇君) ちょっと失礼いたしました。訂正をさせていただきます。一・五%ではなくて一・〇五%でございます。全体の五十ヘクタール以上の、開拓地区の単位は五十ヘクタール以上のところだけをとりまして、ざっと調べたものでございますが、四十七年から四十八年の三月末までの農外資本による土地取得の状況を一応調査したわけでございますが、その場合には大体約七千ヘクタールということでございまして、集団開拓地の地区が六十六万九千ヘクタールございますので、それで割ってみますと、一・〇五%ということになるわけでございます。
#99
○塩出啓典君 まあ、これはあと調査の資料として出していただきたいと思うのです。われわれの感じとしては、もっとこれは多いのじゃないか、また今後ふえていく形勢にあるんじゃないか、そういうことを心配しているわけなんですがね。
 そこで、私は農林大臣にお伺いしたいわけですが、いわゆる開拓地というのは、先ほど申しましたように、規模の面におきましても非常に農業には適している。しかも農業以外、別荘なんかには適しているところもあると思うのですけれども、農業には非常に適しているわけであります。そういうやはり開拓地が今後、これは先般の予算委員会でも、農林大臣にお聞きしたように、島根県の三井野原の開拓地みたいに総身売りの話も昨年出ておりまして、これは一応おさまったわけですけれども、こういうことになっていくならば、これは非常に農業の将来にとってはゆゆしい問題である。午前中も話がありましたように、だんだんアメリカの輸入制限あるいはまた日本の国内における自給度を高める上において、そういう優良農地を確保するという立場からいって、やはり優良農地は確保していかなければならない。そういう点からやはり開拓地とかあるいは干拓地ですね、これは瀬戸内海あるいは日本海の中海の干拓地、そういう干拓地もあるわけですが、そういうようなやはり干拓地というものはできるだけやはり国有なり県が持つとか、そういう公有にして、そうして農民の人に売るというのでなしに、これは貸すと、基盤整備も全部国がやる。国の費用でですね。そうしてやれば、医者のむすこでも、わしは百姓をやりたいと言えば、まあ医者のむすこは、ちょっとよくないのですけれども、サラリーマンのむすこでも百姓をやろうと思えば、まあ優秀な青年なら百姓もできるでしょうが、現状ではなかなか百姓をやると言っても、土地を買うのに、ものすごく金がかかるから、なかなかできないわけですね、実際言えば。また開拓農家に入った人も、あるいは干拓地に入った人たちも、その土地の購入の代金も払っていかなければならない。そういうことでだんだん借金ができて、そうして売らなければならない。そうすると、そういう売られた土地がうまいぐあいに先ほどのように、ほかの干拓農家、あるいは開拓農家に買われて、そうしてそこの規模が拡大していくならばいいわけですけれども、やはり土地を買うにしても、これはお金がかかるわけですからね。そういうわけで、やっぱり場合によっては、そういう国有にする、あるいは県有にする、そして農民には貸す。あるいはまた、開拓農家が離農する場合に、農家に買い手がなければ、やっぱりこれは優良農地については、もう農地保有合理化法人等がどんどんこれは先買いできると、そういうようにやっていく必要があるんじゃないかと、そうように、私、思うんですけれども、そういう点はどうですか。
#100
○政府委員(小沼勇君) 私から先にお答え申し上げますが、農地保有合理化法人を活用いたしまして、農地が売られる場合には、未然に保有合理化法人――県の公社でございますけれども、県の農地公社がそれを買い取るということは現在でも可能でございます。また、農業者年金等によりましても、離農農家の分を買うことができるわけでございますが、今後、それを売り渡すということではなしに、貸し付けをするということにつきましては、これは一時的にやろうと思えばできます。しかし、そういう方式をしっかりと打ち立ててということになりますと、合理化法人の小作地所有ということになりまして、農地法上の問題も出てまいります。しかし、その点はたいへん大事な問題でございますので、そういう点を含めまして、今後、十分ひとつ検討してまいりたいと、実はかように考えておるわけでございます。同様に、合理化法人に先買い権を与えるべきじゃないかと、これもなかなかむずかしい問題でございますけれども、やはり、今後、農林地につきまして――農地については、農地法の規制がございますけれども、山林原野については、いまのところ、そういう所有権移転等についての規制がございません。そういう点では、普通にだれでも買えるという体制にありますので、それでは大事なところを開発しようと思ってもできないということも出てくるおそれがございますので、何とかそれはひとつ先手を打って先買い権というところまでいきませんが、先手を打って合理化法人が先に買っておくということができないだろうかということで、現在も北海道などは六千ヘクタールほど買って、そこを国営で事業を開始するというふうなことをやっておりますけれども、いずれにしましても、全国的に今後の農用地開発の軸としてこの合理化法人を活用してまいりたいというふうに考えております。先買い権を与えるかどうかという点については、やはり今後のひとつの大事な検討事項ではないかというふうに考えております。
#101
○国務大臣(櫻内義雄君) 開拓地の実態を考えまするときに、これがきわめて優良農地の要素を持っておるということは言うまでもございません。戦後、開拓農民の皆さんの御協力もさることながら、また、国費も相当注入しておる農地でございまするから、これが散逸されて他の用途に使われるということは、私どもとしては好ましいものとは考えないのであります。したがいまして、農地法の適用を厳正にするとか、また、農地保有合理化法人や農業者年金を活用して、その農地を確保しておくという諸政策を講じていくのはもとよりでございます。そして開拓農家の皆さんが営農の上に差しつかえのないようにつとめてまいりたい、このように開拓農地の実情については見ておるようなわけでございます。
#102
○塩出啓典君 それから午前中にもちょっと問題になっておりましたが、いわゆる道路等補修事業ですね。これはいま、今日まで開拓における道路で市町村道に移管したものが五七%と、そういうようなお話だったんですけれども、そこでこういう基盤整備、生活環境――水とか、道路、そういうことは非常にやはり開拓地としては要望しているわけですね。これは今後やはりどうするのか、五十年までですか、これは。開拓地として特別に補助率も高いわけで、これはやはり今後存続させるのかどうか、これは存続すべきじゃないかと思いますが。
 それともう一つは、先ほどお話ありましたように、非常にこの道路の補修は、全部、開拓部落の、舗装、修理は負担になっているわけですね。ところが、そこの道を通る車というのは開拓とは関係のない車が通ったりして、特にダンプカーなんか、木材なんか重いやつがくると道路がものすごくいたむわけで、そのために開拓農家の人たちは非常なやっぱり負担になっているわけですけれども、これは道理から考えてもちょっとおかしいと思いますけれども、やはりこういう道路というのは、開拓農民以外の人が通らぬ道路であればいいわけですけれども、どんどんほかの人も通る。そうなってくると、当然やはり市道なり、町道、県道に昇格をすべきであると思うのですけれども、こういう問題についてはどうするのか、この二点について。
#103
○政府委員(小沼勇君) 第一点でございますが、現在、四十六年から五カ年計画で事業費二百三十六億円で一応計画を立てて、それに基づきまして事業を実施しております。午前中にもお話がございましたが、今後、いろいろ団体からの御要望もございますので、それについては照会をいたしておりますが、この事業を進める過程でそういうところで漏れるということでございましたら、それについてはひとつまた積極的に対応してまいりたいと、かように考えております。
 それから道路の補修の補助でございますけれども、これは大体三分の二の国庫補助になっておりますが、その残につきましては、ほとんどのところが県と市町村で負担をするというやり方になっておりまして、これはまあ実態としてそうなっているわけでございますが、開拓農家が直接負担するというのはもうほとんどないというふうに聞いております。道路補修、非常に重要な仕事でございますので、今後この計画に従いまして進めてまいりたいと思いますが、さらに御要望もございますので、今後の予算措置との関連を考慮いたしながら、ひとつ積極的に対応していかなければならないというふうに考えております。
#104
○塩出啓典君 いまの道路の補修には国と県で全然負担がないと、そういう話ですけれども、これはもうきのうそういう意見があったわけですからね。農林省から、開拓道路の補修については開拓農民の負担は一切かけちゃいかぬと、三分の二を国で出すなら、あと三分の一は県や市町村が出せと、そういうひとつ通達でも流してもらわぬと、農林省では負担がないはずだといっても、実際は、県や市町村では農民が負担していなきゃならぬ。そういう例があるわけですから、この点は別に県と市町村が負担しなければならないというのは、やっぱりいろいろ県によって違いがあるわけでしょう。鳥取県はどうなっていますか。
#105
○政府委員(小沼勇君) 鳥取県は地元の負担、農家直接の負担はないように伺っております。
#106
○塩出啓典君 わかりました。そうするとあれですね。もし負担をしておるとすれば、それは県なり市町村がちょっとおかしい、そういうことになりますね、これは。よく調べてください。実際そういう開拓農民の人たちの苦情がそういうところにあるわけですから。それがいまのあなたのお話とはちょっと食い違いがあるわけで、私も実際にどの程度の負担であるのかということは、まだ詳しく調査しておりませんけれども、そういうことはまた調査いたしまして、農林省のほうにそういうのを報告しますから、農林省のほうからちゃんとやっぱり実態を調べて、問題は、そういう負担がないようになればいいんじゃないかと思うんですがね。
#107
○政府委員(小沼勇君) 調べてみますが、私どもいま承知しているところでは、ほとんどもう全部国、県、市町村で負担している状況であるというふうに聞いております。おそらく県によって若干の差異があるかもしれませんけれども、大体道路補修、飲雑用水の施設等については非常に希望が多いといいますか、現地の要望が強い状況になっておりますが、そのこともまた何といいますか、負担との関連もあるかとも思いますが、国、県、市町村でほとんど全額みているということも関連するのかと思われます。いずれにしましても、たいへん大事な仕事でございますので、今後の開拓地の開発のためにも、この道路補修の事業、飲雑用水の事業を計画に従いまして、ひとつ強力に進めてまいりたい、かように考えております。
#108
○塩出啓典君 補修といっても、ちょっとダンプが通って道がいたんだ、結局それは、市町村道であれば、市役所へ行けば、ぱっと直しにくるわけだけれどもね。そうでないと、農民がやらなければならぬのですか。結局それは農民の負担でしょう、午前中詳しく足鹿先生言ったように。だから、大きくいたんで予算組んで直すとか、舗装するとか、そういうのは負担がないかもしれぬけれども、ちょっとしたこまごましたやつに負担があるということなんです。
#109
○政府委員(小沼勇君) 採択の基準でございまして、国営地区より小さい地区は、五百メートル以上という地域での範囲をとっております。そういうことでございますので、個別にぱらぱらと、いま御指摘のような、路肩がいたんだというふうなものについて、みているわけではございません。やはりかなり大きく傾斜を直したり、あるいは全面的に砂利を敷いて固めるとか、いろいろこういう補修事業がございますので、そういうものを採択しているわけでございます。
#110
○塩出啓典君 じゃ最後に。だから結局そういう大きな工事はいいんですけれども、やっぱり小さい工事でも、国の予算からみれば小さいかもしれぬけれども、負担する農家からみれば、ばかにならぬわけで、そういうのは、やっぱりなくするということが開拓農民、開拓農家の発展に必要じゃないか。これは足鹿先生も午前中質問したが、それと同じ趣旨じゃないかと思うんですけれどもね。そういう点をひとつ今後検討してもらいたいと思うんです。
#111
○政府委員(小沼勇君) 一般に農道補修のそういう小さいものについてどう扱うかということでございますが、これについては、ひとつ事務当局として検討をさせていただきます。
#112
○塚田大願君 私は、開拓問題の質問をする前に、きょう午前中、この委員会で問題になりました、アメリカの大豆輸出禁止措置の問題について若干、大臣に質問したいと思います。
 まず、先ほど大臣からも答弁がございましたが、なおかつ公電が入っておらないというお話でございましたが、その後公電が入ったのか。また、より正確な情報が入ったのかどうか。また、私ども聞いたところによりますと、アメリカ側では、物価動向を見ながらトウモロコシについても考えるというふうなことを言っているようでありますけれども、このトウモロコシの問題については、どういうふうな情報を得ておられるのか、その辺についてまずお聞きしたいと思います。
#113
○国務大臣(櫻内義雄君) 公電が入りました。重要なことでございまするので、全文を御紹介申し上げます。
 米国政府は、六月二十七日午後五時(日本時間二十八日午前六時)現在で、大豆及びその製品、綿実及びその製品について、一九六九年の輸出管理法に基づき、輸出を一時停止(その時点までに船積み及びはしけ積みをしたものを除く)することとし、今後の輸出可能量及びその輸出割り当ての方法については七月二日までにアナウンスする旨、発表した。
 それからこれに対して説明が加わっております。
 米国政府は、前記発表に際し、次の説明を加えている。(一) 今回の大豆の輸出規制措置は、本年の大豆の収穫が行なわれるまで、大豆の需給が非常に逼迫していることにかんがみ行なうものであり、収穫期以降、この規制措置が必要かどうかについては、収穫量、輸出需要、国内価格の動向いかんによってきまるとしている。
 これが、いまのトウモロコシに関連がございます。(二) また、もし、今回の大豆の輸出規制の結果、トウモロコシに対する輸出受注が急増するようなことになれば、トウモロコシに対しても同様な措置が必要となるかもしれないとしている。
 対象品目の詳細を申し上げます。大豆かす、ミール、大豆、大豆油(クルード)、大豆サラダ油、精製油、大豆油、前に大豆油(クルード)とございますが、もう一つ大豆油カッコ付きのものがございますが、ちょっと読みにくいので、後刻申し上げます。大豆の関係は以上でございます。
 それから綿実かす、ミール、綿実、綿実サラダ油、精製油、綿実油、それでカッコがございます。これが大豆かすのカッコと同じで、ちょっと文章が読めませんので、後ほど申し上げます。
 混合油(大豆油、綿実油を含んだもの)、こういう次第でございます。
#114
○委員長(亀井善彰君) 速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#115
○委員長(亀井善彰君) 速記を始めて。
#116
○塚田大願君 大豆問題、佳境に入ったところでしたが、あとに回しましょう。
 開拓問題について質問いたしますが、大体開拓の融資保証法の廃止に関する法律案につきましては、大かたの質問も出ておりますから、私ごく大まかにお聞きしたいのでありますが、第一に農林省のいただきました資料を見ますと、とにかく戦後の入植者が二十一万戸。ところがこれが現在、といっても四十六年度の数字でありますけれども九万六千戸、こういうふうに減っておる。約、農家の数からいいますと、半分になっておるわけです。一体これだけ離農されたという、この理由は農林省としてはどんなふうにお考えでしょうか。
#117
○政府委員(小沼勇君) 御承知のとおり、戦後緊急の開拓ということで、外地からの引き揚げ者を含めまして、方々の自然条件の比較的悪いところにも入って、開拓をされたわけでございます。いわゆる緊急開拓事業ということを実施した時期でございまして、三十二年までに入植者が大体二十万ということで、トータルでは二十一万戸ということになっておりますが、その中で定着するものと、それからそうでないものとが漸次区分されてきたということになるわけでございます。離農していくというものの中には、おそらく営農自体についての不振の問題もあったろうかと思いますし、また他の産業に就業機会を求めていった、そのほうが有利であるというふうに判断されているものもあったと思いますが、引き揚げ者のいろいろの方々が入って農業をやられたということから考えますと、自然条件の悪いということと重なりまして、こういうふうに漸次開拓農家の中で離農をしていったというふうに見てよろしいのではないか、かように考えております。
 なお三十五年から離農の助成対策を講じましたが、それは大体二万戸程度でございました。
#118
○塚田大願君 開拓者の方々が離農された条件として、一つは自然条件のことをあげておられる。確かに開拓者のお入りになった地域というのは、自然条件もそんなによくなかったと思うんですが、しかし、政府としては昭和二十年に緊急開拓事業実施要綱というものをお出しになって、一戸当たりの経営面積は幾ら幾ら、それからさらに二十三年には農林省で決定されました開拓事業実施要綱というものを出され、そしてこの面積もさらに広げた。あるは開拓事業が終わると、土地の配分計画も立て、入植者に配分をする、こういうふうに農林省としては、計画的に私は、開拓事業を進めてこられたと思うんです。またいまお話になりました立地条件の問題についても、これは昭和二十三年でありますか、開拓地営農類型というものをお出しになっておる。開拓適地選定基準、これは昭和二十四年でありますが、こういう基準に照らして開拓の適地も選んでこられたと思うのであります。ですから、こうやって歴史的に見ますと、まさに政府の計画、基準というものに基づいて開拓、入植が進められてきたと思うんです。だとすると、いまになって自然条件が悪かったから、あるいは過剰入植であったから、そういうことは、私は責任を他に転嫁するものではないかと思うんですが、その辺の責任はもっと明らかにしてもらわなければいけないと思うんです。先ほどからいろいろ出ましたが、開拓農家の皆さんの御苦労というものはこれはたいへんなものです。しかし、それだけ汗水たらして開拓はしたけれども、結局離農しなければならなくなったというこの問題は、私はやはり非常に重要な政治問題としてとらえるべきだと思うので、したがって、責任は私はもっとはっきりさしていただかなければならないと思うんですが、その辺のお考えをお聞きしたいと思います。
#119
○政府委員(小沼勇君) 戦後のきびしい条件の中で開拓の入植された方々が、恵まれない自然的経済的な条件のもとで、食糧の増産に非常に尽力されたということについては敬意を表する次第でございますが、離農者の理由につきましては、いまもちょっとお話がございましたが、立地条件が不良というのが大体五〇%ございます。また面積が小さいというのが一七・九%、病気でやめたというのが一六・六%というふうになっておりまして、その後離農して就職したものが八八・七%ということでございますから、その意味ではかなりのものは離農したあと、それぞれの他産業に従事するという形になっております。
 御指摘のように、開拓の長い歴史の中で、やはりいまのような離農者も出てきておるわけでございますが、これも地域によってかなり差がありまして、非常に繁栄している開拓地もございますれば、いわゆる不振地区であったものもあるわけでございまして、その点で開拓の政策といたしましては、離農したいというものについては、離農援助をいたします。またほんとうにやってまいりたいというものについては、一類農家、二類農家として、特に二類農家がこの援助措置で営農を確立し得るというふうに判断したわけでございますが、そういう農家については、ひとつその援助をして、開拓農家として定着するようにという指導をしてまいったわけでございます。
 さらにその後一般農政への移行措置を四十四年から講じたわけでございますが、その場合にはいわゆる負債対策について、法律によってその措置をするということを進めてまいったわけでございまして、その後開拓者の共同組織の再編成、それから今回の保証制度の統合というところへまいったわけでございまして、離農につきましてもやはり希望がある、離農したいというものについては、その道を歩むことについて援助をいたしたわけでございます。緊急開拓で二十一万という農家が入っておりますけれども、その後そういう経過を経て現在九万六千戸、そのうちにはやはり一般の場合と違いまして、かなりの専業農家がおりますし、これが今後のやはり農業の中核になって活躍するものというふうに期待しているわけでございますが、その意味でこの長い期間の間に、開拓の情勢もかなり変わってまいりましたけれども、その中からこの現状に立って、今後開拓営農についても、一般農政の中に溶け込ませながら、ひとつ開拓道路とかいろいろの施策を含めて振興をはかってまいる必要がある、かように考えているわけでございます。
#120
○塚田大願君 二十万戸から九万戸に減った、これは戦後のああいう事情から一つは生まれたんだ。また、立地条件も非常によくなかった、しかし幸いにして離職、離農された方々は就職をされておると。何か話を聞いておりますと、私は、全く人ごとのように農林省はお考えになっているんじゃないかという感じがするんですね。やはり、日本の農業を守るという観点に立ちますと、こういうことに対して、私はもっと深刻な反省あるいは分析がなければいけないんじゃないかと思うんです。
 たとえば、離農された方が就職をされた、それはもちろんけっこうなことです。就職しなければ食っていけない、生きていけないんですから、これはあたりまえのことでしょう。しかし、そもそも離農をなぜしなければならなかったかという点についての反省は、その中からは私は生まれてきてないと思うんです。これが第一点です。
 それから、第二点といたしましては、いわゆる開拓行政、いままでの開拓行政を見ますと、とにかく、選別をしていく。農家の分類をして小さいものはどんどん離農させる、そしてその土地をだんだん残った農家に規模拡大ということでやらせていくと。それでいいではないかと、こういうことなんですけれども。この問題にいたしましても、私は、今後の問題として開拓農家の専業、これを中心として育成していくということですが、しかし、結局、こういう形、方針をとるということは、やはり小さいものは切り捨てていく、離農促進をするということになるんであって、自然に出たいから出ていくというんではなくて、政策上そういうふうな離農に追い込んでいくという、そういうことになるんじゃないかと私は思うんです。
 で、開拓農家の場合、確かに一戸当たりの経営面積は大きくなっております。昭和三十五年には二・四二ヘクタールでありますが、四十六年には三・三五ヘクタール、四割近く拡大していますが、しかし、これにいたしましても、農家所得に占める農業外所得の割合というものは、減るんじゃなくて、やっぱりふえております。農外所得、――これはいただいた資料にも出ております。四十四年から四十六年の三年間だけでも、約二倍に農外所得の比率というものは高くなっておる。こういうふうに見ますと、やはり、専業農家を育成していくんだという、そして規模拡大をしていけば開拓農家はうまくいくんだというお考えですけれども、この考え方は、いま言ったような、所得の、農業所得と農外所得の比率を検討してみますと、やはりそんなに単純に結論は出てこないんじゃないかと私は思いますが、この問題についてはどういうふうにお考えでしょうか。
#121
○政府委員(小沼勇君) 経営規模の拡大は望ましいわけでございまして、先ほど来、離農農家のかなりの部分が、その農地が残った開拓農家に配分をされているということですが、それも一つの規模拡大に役立ったものであろうと思います。今後も、本格的な専業的農業経営ということになりますと、相当規模の面積を要することが考えられますので、その点では、農用地造成等をはかりながら、規模拡大に資していく必要があろうかと、かように考えております。
 御指摘の、農外所得の面でございますが、これは、農家経済調査を見ましても、全般的に、日本の場合、農外所得の割合がふえてきております。そのことだけで、専業農家でないというふうになかなか断定し得ない面がございます。といいますのは、農家経済調査等でやっておりますような調査では、家族の一員がどこかにつとめていれば、あるいは他の就業機会があれば、それで農外所得が出てくるわけでございますし、その中身を洗ってみないと十分わからない面もございますが、農外所得のとり方が、家族の構成の中でどうなっているかという点をよく把握しなければいけないであろうというふうに思っております。ただ、方向といたしましては、やはり農業で十分採算がとれ、普通の他産業従事者に比べて劣らないという、そういう形で農業を進めていくことが望ましいわけでございまして、そういうものに一番近いところにあるというのが、先ほど、四四%の専業農家群であろうというふうに思われるわけでございます。今後も、その点ではやはり、規模拡大というのを軸にして開拓農家についても発展を助成していきたいと、かように考えておるわけでございます。
#122
○塚田大願君 確かに、一般農家に比べれば専業農家の比率も高い、あるいは農業所得も倍になっておるという数字はございますが、しかし、開拓農家の場合には、その地理的条件、あるいは酪農業が多いという面から一つはきていると思うんです。ですから、専業農家の比率が高いというだけで、決して私は、農家の暮らしがいいということには結論は出ないと思うんです。
 というのは、ここにことしの農業白書がございますけれども、この農業白書の二二ページに、こういうふうに書いてありますな。一番下ですが、「専業的農家の農家総所得の伸びが兼業農家にくらべ相対的に低く、所得格差が拡大していることである。」、こういうふうにはっきりいっておるところを見ましても、やっぱりいまは専業農家でもなかなか食っていけないという実態が私は出ていると思うんです。こういう実態を踏まえてもなおかつ、規模を拡大すればうまくいく式の指導でいくのかどうか。いままでの開拓行政と、今日の実態を踏まえた今後の基本方針について、私は少しお伺いしたいと思うんです。
#123
○政府委員(小沼勇君) 確かに、「年次報告」では、いまの御指摘のように、専業的農家の農家総所得の面では所得格差があるということが指摘をされております。専業農家で、本来であれば農業だけで十分やっていけるということが望ましいというふうに考えられるわけでございまして、開拓農家につきましても、その点で、専業的に大きくなるということが一つの道であろうと思うんです。しかし、経営規模等から見まして、必ずしも専業で十分にやり切れないという経営規模のものもあろうかと思います。そういう場合に、兼業所得を含めて農家として安定をはかるという道もあろうかと思います。先ほども出ましたが、地域によってまた条件がかなり違うだろうというふうに考えられますけれども、やはり基本は、専業的に大きくなるということが大事であるというふうに思います。地域によっては、兼業を含めて安定する、そういう階層もあることは事実でございますが、方向としては、やはり専業として大きくなる、それによって十分農業だけでやっていけるということを基本線に考えておく必要があるということでございます。
#124
○委員長(亀井善彰君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#125
○委員長(亀井善彰君) 速記を起こして。
#126
○塚田大願君 では、大臣が来られるまでの間にこの開拓を片づけてくれという、こういうお話ですので、続けます。
 では、次に問題を発展させまして、これは先ほどからだいぶ出ましたから、あまりくどくど申しません。負債の問題です。私は、負債の問題というのは、やはり開拓農家の場合には非常に大きな問題だと思うのです。離農というのもやはりそういう要因が作用していると思うのですが、ここで開拓行政として欠けているものは、やはり価格政策だと思うのですよ。たとえば乳価の問題にいたしましても非常に低い。ですから、借金がたまるばかり。この間私、北海道の標津のほうに行ってまいりましたけれども、この辺の開拓地では、大体一戸あたり一千万円から二千万円の借金を持っている。これが普通だというふうに、二、三十人集まった酪農家の方々が言っておられました。別海町へ行ってみましたら、ある開拓農家では借金で買った牛を借金返済のために売ってしまった。こういうまことに矛盾した状態が方々にあるのですね。
 そこで、やはりこういう北海道の問題で少しお聞きしますけれども、たとえば北海道の開拓酪農民が大体平均してどのぐらい負債を持っておられるのか。そして何頭くらいの牛を飼えば、これは乳牛ですね、借金が返される見通しが立つのか。そういう指標をお持ちであればひとついただきたいと思うのですが、どうでしょうか。
#127
○政府委員(小沼勇君) 北海道の負債対策については、自作農維持資金等で特別の措置を講ずる予定でございます。
 開拓農家の経営規模として、北海道では地域別に営農類型をつくりまして、そこでこの振興策をはかっているわけでございまして、漸次規模も大きくなってきておるというふうに聞いておりますが、たとえばでございますが、今度根室中部で国営事業でやる場合には、これは大体今後の目標といたしましては五十ヘクタール、五十頭というのが一つの目標になっております。が、そのそれぞれの地域によってかなり違うことと思いますが、自立農家の営農の標準的な指標の面から見ますと、経営規模では草地で大体三十ヘクタール、経産牛で四十頭ぐらいであろうかということも指標としては出されております。今後の経営としては、そういうふうに伸ばしていくことが必要であろうかと思いますが、四十五年の酪農家の農家経済で見ますと、耕地で北海道は四・七ヘクタール、それから採草地で五・七ヘクタールという状況でございまして、搾乳牛で十一頭というのが一応平均ということになっております。農家経済調査でそういうことが出ておりますが、今後こういう酪農家の実態を踏まえて、先ほど申しましたような方向に向かって進めていく必要があるだろう、かように考えております。
 なお、先ほど申しましたように、北海道の負債対策については別途特別の措置を講ずるよう考えているわけでございます。
#128
○塚田大願君 いまおっしゃったいろいろな指標がございます。自立経営の標準的な指標によれば四十頭、草地三十ヘクタールというふうなお話でございました。五十頭というお話も出ましたが、しかし、農林省としては大体それだけの規模拡大をやれば、いま持っている一千万ないしは二千万円という借金が返していけるというふうにお考えになっておるのでしょうか。その辺乳価その他との関係でどんなふうにお考えになっておるのかお聞きしたいと思うのです。
#129
○政府委員(小沼勇君) 従来借り入れ金をもってかなり大きく事業をやっているのが北海道の例でございますが、おそらくこれは固定化した負債は、比較的少ないのではないかと、かように考えられます。全国的に見ましても、固定化負債は非常に少なくなっております。したがいまして、回転しているといいますか、普通の返済すべき借り入れ金はかなりあると思いますけれども、それは当然年々の生産によって収益を上げ返済していくということになるわけでございまして、大体過剰な資本装備をしていない場合には、先ほど言いましたような指標によりますと十分返済が可能であるというふうに考えております。以前マル寒対策等をやりました時期から現在に至っている経過を見てみますと、やはり非常に北海道の農業も改善されておりまして、農家も規模も大きくなり現在に至っているというふうに思われますし、その点では、農業所得も上がり農業経営としても確立してきているというふうに見ているわけでございます。もちろん乳価の問題は別にあるわけでございますけれども、この長い経過の中で、北海道の酪農家も、かなりが開拓農家でございますが、非常に確立してきている、安定してきているというふうに見ているわけでございます。
#130
○塚田大願君 農林省は固定化負債が減っていると言われました。借金が多いのが問題ではなくて、固定化はどのぐらいあるかということが問題なんだというふうな観点のようでありますけれども、しかし、この固定化負債というものは減ったとしても、これはやはり整理の結果であって、たとえば牛を売ったり、土地を売ったりして、つまり生産基盤を犠牲にしているというふうな形での固定化負債の減少ということであれば、私は全くこれは意味がないことではないかと思うんですが、その辺はどういうふうにお考えですか。
#131
○政府委員(小沼勇君) 御指摘のとおり、資産を処理して経営を縮小するような形で固定化負債を処理しているのであれば、これは問題であるというふうに思いますし、その点では御指摘のとおりでございます。しかし、午前にも申し上げましたが、現在開拓農家約九万六千戸の負債の状況は一千億円ということになりますが、その中で延滞額は十八億円ということでございまして、この固定化負債については大幅に減少してきている。まあ、これは個別の農家といいますよりも、むしろ政府として特別措置を講じてきたことが大きく影響をしていると、かように思うわけでございます。が、今後この負債の整理についてはひとつさらに点検をしてまいりたいと、かように考えているわけでございます。
#132
○塚田大願君 負債の問題は、先ほどから大臣も総点検をして対処するというお話がございましたし、いまも特別の対策を考えておるというお話でございましたが、私は、負債の返済につきましては、とにかく苦労してここまで開拓されたことなんですから、開拓地を手放したり、牛を手放したりという形にならないように万全の措置をとっていただきたい。これは日本の農業を守る上からいって非常に重要な措置ではないかと思います。そこで、たとえば、償還条件を緩和してやるとか、こういった思っ切った措置をとってもらいたいんですが、これは大臣がおいでになれば大臣にお聞きしたいところですけれども、局長のほうからもお聞きしたいと思うんです――ちょうどいま大臣がお見えになりましたので、この問題お聞きしてよろしゅうございますね、――それで次に入りますから。
 大臣いらっしゃらない間にいろいろ質問いたしまして、いま最後の負債の問題で最後の質問を申し上げているわけです。つまり、負債の問題は、大臣もおっしゃったように、総点検をして特別な措置を講じたいとおっしゃった。私は前向きの答弁だというふうに受け取っておるわけですが、ぜひこの点では、償還条件の緩和など特別な思い切った措置を講じていただきたい、このことをお願いしてこの質問は一応打ち切りたいと思います。
#133
○国務大臣(櫻内義雄君) 午前中来お答えを申し上げておるとおりでございますが、開拓者資金融通特別措置法によって条件緩和等を行なってまいりましたが、今後、農林漁業金融公庫、農林中央金庫等金融機関と十分協議をいたしまして、具体的に実情に即した適切な措置を講じたいと思います。なお、念のために申し上げますが、これらの金融機関と都道府県とが協議することも当然必要かと存じます。
#134
○塚田大願君 では、あらためて、先ほどのアメリカの大豆輸出禁止措置につきまして質問を続けたいと思います。
 先ほど、大臣から公電の内容について詳しくお話しがございましたが、これは、聞いているわれわれにとっては、大豆に関する限りほとんど全面的ではないかと。しかも、トウモロコシまで入っているということになりますと、これは重大問題だという感じがしたわけでございますが、そこで大臣にお聞きしたいのは、事前にアメリカ政府から日本政府に対する協議があったのかどうかという問題であります。と申しますのは、去る五月二十三日、スタイン米大統領経済諮問委員長が、上・下両院合同経済委員会の公聴会で、すでにこの問題について発言をしておるわけであります。このことについては、当時の新聞に報道されております。穀物などの輸出禁止措置もあり得るという趣旨の発言をしているのでございますから、私は、この時点で当然政府との協議があってしかるべきではなかったのか。また、日本の政府としても、当然、アメリカに対して協議を申し込むべきではなかったかと思うのでございますが、その点、はたして申し込まれたのか、申し込まれなかったのか、その辺をお聞きしたいと思うのであります。
#135
○国務大臣(櫻内義雄君) 午前中以来足鹿委員、佐藤委員、また、ただいまこうやって御質問をちょうだいしておるわけでありますが、最初にちょっとお断りを申し上げますが、先ほど塚田委員にお答え申し上げるときに不明な点があるということを申し上げましたが、それは、大豆油におきましては、大豆油(水素添加したもの)――どういうものか存じませんが、それから綿実油のほうの、わかりかねると申し上げたのも(水素添加したもの)でございます。
 ただいまの御質問は、米政府があらかじめ、今回の措置について日本側への連絡があったかどうかということでございますが、これはございません。ニクソン声明が発せられましたときには、当時、インガソルアメリカ大使が、異例なこととして農林大臣の私に直接の連絡をとってきたのでありまするが、今回はそういう事実がございません。なお、スタイン委員長の公聴会の発言等から当時推察ができたのではないかという御質問でございまするが、この点につきましては、これは足鹿委員のときにもちょっと申し上げましたが、最近にアメリカへ参り日米経済会議に出席された農林中金の片柳理事長がお帰りになった直後、私のところへも見えられました。そういうおりに、こういうニクソン声明に伴う重要な問題でありまするから、細心の注意を払って諸情勢をお聞きいたしましたが、それらの報告の中には、今回のような措置のとられるというようなことは一切感ぜられなかったのであります。
 なお、本日、農林省としては、正式の外交ルートを通じて抗議を申し込む必要がある、また真相をつかみたい。こういうことで外務省に対しその由を申し入れましたが、外務省としては、とりあえず鶴見審議官がインガソル米大使に会い、日本側の抗議を申し入れたと承っております。
 以上お答え申し上げます。
#136
○塚田大願君 私がお聞きしたかったのは、五月二十五日に、すでに一カ月以前でありますけれども、この時点ですでにそういう動きがあった、そのときに農林省はどういう態度をとったかということをお聞きしたかったわけであります。新聞に出たところによりますと、当時は、農林省は、たいへんこの問題について楽観をしておったというふうに見えるのであります。たとえばここでは、この新聞の報道によりますといこれは農業新聞でありますが、いまのようなこういうスタイン米大統領経済諮問委員長が穀物や牛乳を輸出禁止する可能性がないとはいえないと発言したことについて、農林省では、金融措置をとることは米国にとって対外的に不利になることは明らかである、米国政府として輸出禁止に踏み切ることはできないだろう。こういうふうに見ておられたようでありますし、さらに輸出禁止は米国がとってきた貿易政策と各国に対する発言と矛盾するとも言っておられたようであります。ところが、今度はこういう措置がはっきりしたわけでございますが、こういう態度を農林省はどういうふうに反省されておるのか、またこういうふうに見ておられなかったのかどうかわかりませんが、もしそうだとすれば、いまでもアメリカの貿易政策とは矛盾すると、こういうふうにお考えなのか、その辺もう一つお聞きしたいと思います。
#137
○国務大臣(櫻内義雄君) これは申し上げるまでもございませんが、ニクソン声明の内容あるいは国務省筋の説明等を通じまして六月十三日までの契約については、これを履行する趣旨の明白な言辞があったわけでございます。また、日本大使館を通じての確認の上におきましても、直ちにそういう措置を講ずるような傾向が認められませんでした。特に、塚田委員は御承知のように、声明によりますれば、議会に対して権限を付与してもらう、そういう措置をとるんだ。しかも、その措置については、これは関係国に対してすでに契約をしておるものについては影響を与えないんだ、こういう御丁寧な、声明もそうであるが、また説明もいま申し上げたようなことでございまするし、なお、日本大使館を通じての諸情報からみても、今回のような措置は予想もせられなかったのであります。
 そこで少しく御説明を申し上げておく必要があると思うのでありまするが、午前中にも申し上げましたように、今回の措置の背景は当時の声明にもございまするように、二十日まで契約の状況の報告を受ける、こういうことになっておりました。そうしてその報告を受けた結果がおそらく米政府の予想をはるかに上回わる契約の実情にある。こういうことがひとつのアメリカ側の問題であったんではないかと想像をするのであります。
 もう一つ、この際申し上げておきたいと思いまするが、私どもが、何か非常に楽観をしたようにお受け取りでございまするので、さらにこの際、私が楽観的なことを申し上げることはいかがかと思いまするが、前段のほうは相当広範囲の情報の収集の上に立ってのわれわれの見解であったわけでございまするし、今回の場合におきましても、米政府の発表の中に、今後の輸出可能量及びその輸出割り当ての方法については、七月二日までにアナウンスする旨発表した。こういうことになっておりまするので、われわれとしては、あくまでも一時停止の措置であり、具体的な措置については七月二日に公表されるものと、このように受けとめておるわけであります。もとより七月二日に何らかの公表があることにつきましては、その内容が、これがわが国に対して非常に緊密な関係のあるものであるということは予想いたしておりまするが、そういうもう一段階あるという御認識をちょうだいしたいと思うのであります。
#138
○委員長(亀井善彰君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#139
○委員長(亀井善彰君) 速記を起こして。
 他に御発言もなければ本案に対する質疑は終局したものと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います――別に御発言もないようですからこれより採決を行ないます。
 開拓融資保証法の廃止に関する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#140
○委員長(亀井善彰君) 総員挙手と認めます。よって本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 ただいまの可決された開拓融資保証法の廃止に関する法律案に対する附帯決議案が先ほどの理事会においてまとまっておりますので、便宜私から提案いたします。案文を朗読いたします。
   開拓融資保証法の廃止に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、わが国農業の直面している厳しい諸情勢にかんがみ、食糧の国内自給度の向上とその安定的供給を確保するため、農用地の積極的拡大等各般の施策の充実強化に努めるとともに、本法の施行にあたつては、統合の円滑な推進を図るため、都道府県ならびに開拓融資保証協会、農業信用基金協会および農業信用保険協会等の関係団体を十分指導し、特に統合後も開拓融資保証制度の長所を生かす等、統合が開拓者にとつて不利益とならないよう十分配慮し、また、開拓行政の一般農政への移行にあたつては開拓事業の完全実施を図るよう左記事項に留意して、遺憾なきを期すべきである。
        記
 一、競合後における農業信用基金協会および農業信用保険協会の運営については、開拓関係者の役員としての参加等、開拓者の意向が十分に反映するよう措置すること。
 二、開拓融資保証協会の職員については、原則として農業信用基金協会または農業信用保険協会が引き継ぐことによりその身分の安定を図ること。
 三、統合に当つては、開拓融資保証協会において事前に所要の代位弁済、不良求償権の償却を適切に行なうよう措置すること。
 四、統合後における開拓者に対する資金融通をより一層円滑にするため、金利、保証限度額、保証決定の審査、融資保険の運用等、融資保証業務の実施方法について配慮すること。
 五、開拓営農のすぐれた特性を生かす上で、開拓地における営農基盤整備の重要性にかんがみ、開拓地の道路等補修事業等については、必要に応じて追加事業も含め、一層の推進を図ること。
 六、開拓者に対し売り渡された土地のうち売渡登記が未済のものにつき、その登記の促進に努めること。
 七、開拓者負債対策について遺憾なきを期するとともに、都道府県開拓農業協同組合連合会の再編整備事業については、十分指導および助成措置を講ずること。
  右決議する。
 以上であります。
 それでは本附帯決議案の採決を行ないます。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#141
○委員長(亀井善彰君) 総員挙手と認めます。よって本附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの附帯決議に対し、櫻内農林大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。櫻内農林大臣。
#142
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいまの附帯決議につきましては、十分その趣旨を尊重いたしまして努力をいたします。
#143
○委員長(亀井善彰君) なお審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ございませんか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
#144
○委員長(亀井善彰君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#145
○委員長(亀井善彰君) 次に、漁船損害補償法の一部を改正する法律案、漁船積荷保険臨時措置法案、水産業協同組合法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。
#146
○国務大臣(櫻内義雄君) 漁船損害補償法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 昭和二十七年に漁船損害補償法が漁船保険法にかわって制定されて以来、漁船保険の保険加入隻数は逐年伸長して現在十八万隻に、保険金額は四千百億円に達しております。これは、漁船損害補償法制定当初に比較いたしますと、加入隻数で約三・三倍、保険金額で約十四倍にも達しているのでありまして、この漁船損害補償制度が漁業経営の安定のため多大の寄与をしてまいったものと確信いたしている次第であります。
 しかしながら、最近における漁船の大型化等漁業動向の変化に伴いまして、漁業者の保険需要は多様化しつつあり、これに対応してこの制度が円滑に運営できるようその改善をはかることが各方面から強く要請されているのであります。
 政府におきましては、このような事情にかんがみまして、漁業及び漁船保険に関する学識経験者の意見をも徴して慎重に検討して参りましたが、その結果、保険対象の範囲の拡大をはかること、保険の仕組みの改善をはかること、再保険段階に生じた剰余金の活用をはかることを旨として漁船損害補償制度の改正を行なうこととし、この法律案を提出することとした次第であります。
 次にこの法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。
 第一に、保険目的の範囲の拡大であります。漁船保険の保険目的たるべき漁船は、現行は漁船法に規定する漁船となっておりますが、最近における漁業活動に使用する船舶の機能分化にかんがみまして、これに、新たに漁業活動に必要なその他の一定の船舶を追加することといたしております。
 第二に、組合員資格の範囲の拡大であります。漁船保険組合の組合員資格を有する者は、現行は漁船の所有者となっておりますが、用船者の漁業経営の安定をはかるため、これに、新たに漁船の用船者を追加することといたしております。
 第三に、漁船保険の仕組みの改善であります。まず、政府の再保険割合の改善でございまして、漁船保険組合の保険能力に応じて政府の再保険金額が適切に設定できるように措置することといたしております。
 また、満期保険の損害保険料率及びその再保険料率の算定方法の改善をはかることといたしております。
 第四に、交付金の交付でありまして、漁船保険事業の健全な発達をはかるため、昭和四十八年度において、国の再保険特別会計に生じた剰余金のうち三十五億円を漁船保険中央会に交付することといたしております。
 このほか、漁船保険組合等の組織関係規定の整備等所要の改正を行なうことといたしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及び主要内容であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
 漁船積荷保険臨時措置法案につきまして、その提案理由及び主要内容を御説明申し上げます。
 漁業の生産手段たる漁船につきましては、政府は、漁船保険制度を通じて、その損害の復旧と適期における更新をはかることにより、漁業経営の安定のため多大の寄与をしてまいったことは御承知のとおりでありますが、近年における漁場の遠隔化、漁船の大型化等に伴って漁船に積載する漁獲物等の積み荷価額は増高する傾向にあり、航海中の事故によるこれら積み荷の損失は、船体のそれと同様に、漁業経営に重大な影響を及ぼすようになってきておりまして、漁船の積み荷についての保険制度の創設が強く要請されるに至っております。
 このような事情にかんがみまして、政府は、昭和四十二年以来積み荷保険の制度化につき種々検討を続けてまいりました。しかしながら、漁船に積載する漁獲物等の積み荷につきましては、保険制度を樹立するのに必要な諸種の資料がなお十分整備されていない状況でありますので、漁船積み荷保険の全面的な制度化をはかるための準備として、まず、試験的に保険事業を実施し、保険料率算定のための基礎資料の収集、損害の評価等事業運営上の諸問題の検討を行ない、その成果に基づいて適切な損害保険制度の全面的な確立をはかることとしようとした次第であります。
 以上がこの法律案を提出する趣旨でありますが、以下その主要な内容につきまして、御説明申し上げます。
 第一に、漁船積み荷保険の対象とする積み荷につきましては、漁船に積載した漁獲物等といたしております。
 第二に、事業実施主体につきましては、農林大臣の認可を受けて、漁船保険組合が漁船積荷保険事業を行なうことができることとし、これに必要な手続を規定いたしております。
 第三に、漁船積み荷保険の内容につきましては、漁船に積載した積み荷につき、滅失、流失、損傷等の事故により損害が生じた場合に保険金を支払うものとし、保険期間、純保険料率、てん補責任等につき所要の規定を設けることといたしております。
 第四に、漁船保険中央会は、農林大臣の認可を受けて、漁船保険組合が漁船積み荷保険事業によって負う保険責任にかかる再保険事業を行なうことができることとし、これに必要な手続を規定いたしますとともに、その再保険契約は元受けの保険契約が成立すると同時に当然成立することといたしております。
 このほか、漁船積み荷保険事業及びその再保険事業の適正かつ円滑な運営を期するため必要な国の援助規定その他の規定を設けることといたしております。
 なお、この法律は、昭和四十八年十月一日から施行し、この法律が漁船積み荷保険の試験実施のための臨時措置法であることにかんがみ、その施行日から五年以内に別に法律で定める日に失効することといたしております。
 以上がこの法律の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ慎重に御審議のうえ、すみやかに御可決いただきますようにお願い申し上げます。
 水産業協同組合法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 水産業協同組合は、漁民及び水産加工業者の経済的地位の向上と水産業の生産力の増進をはかることを目的とする漁民及び水産加工業者の協同組織として、昭和二十四年に発足し、以来、わが国経済及び水産業の推移、発展とともにその活発な活動を展開してきたところであります。
 しかしながら、近年における水産業をめぐる諸条件は、漁場条件の悪化、労働力の逼迫等きわめてきびしいものがあります。これら諸条件の変化に対処するとともに、増大する需要にこたえて水産物の供給を確保していくため、水産資源の開発の促進、漁業経営の近代化等のための諸施策を強力に推進しているところでありますが、これとあわせて漁業協同組合等の機能を拡充強化し、その健全な発達をはかることが必要であると考えるのであります。特に、最近における漁民、水産加工業者等の事業活動は広域化、多様化してきており、これらの事情に対応して、その事業活動の円滑化をはかるためには、漁業協同組合等の金融機能を拡充し、一そう活発な経済活動を行なうことができるように措置する必要があると思うのであります。これがこの法律案を提出いたしました理由であります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、貯金等の受入れの事業を行なう漁業協同組合、漁業協同組合連合会、水産加工協同組合及び水産加工業協同組合連合会が、新たに内国為替取引をすることができるようにすることといたしております。
 第二に、信用事業を行なう漁業協同組合及び水産加工業協同組合が、新たに手形の割り引きをすることができるようにすることといたしております。
 第三に、信用事業を行なう漁業協同組合、水産加工業協同組合及び水産加工業協同組合連合会が、新たに農林中央金庫等の業務を代理をすることができるようにすることといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び主要な内容であります。
 何とぞ慎重に御審議のうえ、すみやかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#147
○委員長(亀井善彰君) 三案の補足説明は、本日の会議録に掲載することにいたしまして、これを省略いたしたいと思います。御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#148
○委員長(亀井善彰君) 御異議ないと認めます。
 これにより三案の質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発員を願います。
#149
○工藤良平君 ちょっとその前に、先ほど大豆をはじめとしたアメリカとの関係について、当面の内容を、この委員会終了までの間にリコピーしていただきまして、皆さんに配っていただくように資料の提出を求めたいと思うんですが、委員長おはかりをいただきたいと思います。
#150
○委員長(亀井善彰君) 大臣、ただいまの資料要求いかがですか。
#151
○国務大臣(櫻内義雄君) 準備できます。
#152
○杉原一雄君 私は、主として水産業協同組合法の一部を改正する法律案について質問を行ないたいと思います。
 いま大臣が提案理由の説明をなさったとおり、この法案改正の骨子は、いわゆる各組合が、外国為替取引をすることができるようになること。あるいは第二点として、手形の割り引き、あるいは業務の代行など、主として信用機能の強化ということに尽きると思います。前々からこの法案の提案を承知いたしておりましたので、私、地元の県の農業協同組合連合会をたずねました。最高幹部の人に会いながら、こうした法案が出るようだが、あなた方はどう考えるかという意見を聴取したわけですが、ときたまたま、そのときに四十六年度の事業報告並びに四十七年度の事業計画書をもらっております。その中で、ときたまたま資料の中に、富山県の各漁港を出発する船が、北は花咲あるいは気仙沼あるいは三崎、南は高知、各漁港に立ち寄って油を供給してもらうというようなデータ等が出ておりますので、いま大臣がおっしゃった広域化、多様化、そうしたことの裏づけにもなるように思います。この案の提案についても、私はまだおそきに過ぎたんじゃないかという感じすら実は持っておるわけです。そこで、第一点として質問をしたいのは、昭和四十四年の六月二十六日に公布された法五十二号。それは漁業近代化資金であります。この法案も私も委員の一人として審議に実は参加したわけでありますが、すでにまる四年を経過いたしております。その近代化資金が運用されて、当時の提案どおり漁業の振興あるいは近代化、そうした面で活用されているだろうと想像はするのでありますが、その実態はなかなか説明しにくいだろうと思いますけれども、活用の状況について御報告をいただきたい。とりわけ、その報告の中身としては、第一点として漁業の近代化なりあるいは機械化なり漁船の大型化等々の積極的な前進面と、いま一つは、またさほどでないあるいは消極的な面にこれが補完的な任務を果たしている場合も想像できるわけですから、できれば、その二つを分けて計数等もあればそろえて答弁をいただきたいと思います。
#153
○国務大臣(櫻内義雄君) 総括的にひとまずお答えを申し上げて、長官のほうからできれば補足するようにいたします。
 昭和四十四年に発足して以来、漁業者等の資本装備の高度化と経営の近代化に寄与するとともに、漁協系統信用事業の育成強化に大いに貢献してまいったと思うのであります。それを数字的に見まするに、四十七年度の貸し付け実績は四百十六億三千七百万円でありまして、四十六年度の貸し付け実績の三百五億百万円に対して三六・五%の伸び率となっておりまするので、相当活発に利用されておると思うのであります。また、四十八年度におきましては、融資ワク五百五十億円、また貸し付け金利にいたしましても〇・五%の引き下げをいたしまして、おもなるものは年五・五%の金利ということにいたしておるわけでございまするから、さらに一そうこの利用度は高まっていくものと、このように思うのであります。
 お尋ねの、いわばデメリットと申しましょうか、そういう面につきましては、私十分承知しておりませんので、長官のほうから御説明申し上げさせます。
#154
○政府委員(荒勝巖君) 漁業近代化資金融通制度は、非常に漁協系統の、いわゆる系統資金の活用ということで、長期かつ低利の施設資金を円滑に融通するという制度でありまして、これにつきましては、四十四年に発足して以来、非常に資本装備等の高度化と経営の近代化には大いに寄与しておりまして、私たちの考えるところでは、先ほど大臣が答弁されましたように、非常にまた融資率といいますか、実効も高い実効でございまして、単なるワクだけでなくて実効も高いというふうに考えておりまして、デメリットというふうなことにつきましてはどうも非常にお答えしにくいのでございます。さらに大臣からお答えいたしましたように、ことしから金利をさらに〇・五%下げるということで、たとえばいままで一号資金の二十トン未満の漁船につきましては六分でありましたものを五分五厘というふうに引き下げましたし、それからさらに漁場の改良造成用の機具等につきましても、六分を五分五厘に下げ、あるいは漁具につきましても六分を五分五厘に下げるというようなことで、全般として下げましたので、今後さらに活発にこういう資金需要は旺盛になってくるのではなかろうかと、こういうふうに考えておる次第でございます。
#155
○杉原一雄君 施行令によりますと、まだ償還期限に到達しているものはないようにも思われるわけですが、最低二年ないし三年というわけであります。まあ最高が十二年ですか、そういうわけでございますので、まあいまのところは焦げつきとか、そういう問題はおそらくないと思いますけれども、その間運用面で、あるいは不当なこと、不正なこと、そうした問題等がないことを期待するわけですが、実際は、ないですか、どうですか。
#156
○政府委員(荒勝巖君) 先ほど来申し上げましたように、非常に活発に融資は行なわれておりますが、ただいままでの段階で、私たちの耳に県段階から非常に不当な融資であるというふうな報告も何ら接しておりませんし、また、会計検査院の指摘事項にも何ら該当いたしておりませんので、これにつきましては非常に良好に推移しておるのではなかろうか、こういうふうに考えておる次第でございます。
#157
○杉原一雄君 それでは法の改正問題について触れたいと思いますが、第一点は、あえて改正しなければならない客観的ないわゆる魚、漁業の問題についての若干の情勢分析をお伺いしたいと思うわけです。
 先ほど大臣が提案の中できわめて簡単に骨組みをお述べになったと思うのでありますが、その点についてもう少し突っ込んで、いわゆる漁場の拡大なり機械化なり大型化等の問題があると思いますが、そうした大型化がこうなったというだけでなしに、たとえば大型化をしなければならないような必然性の問題と客観的な情勢の分析をお伺いしたいと思います。
#158
○政府委員(荒勝巖君) 先般、この委員会で漁港の整備計画の際にも御審議いただきましたように、非常に沿岸におきますこの漁業の発展は逐次安定的に進んでおりまして、特にその生産基盤であります漁港の整備が要望されているわけであります。で、漁港さえ整備すれば、あと漁船の大型化も、あるいはその数につきましても十分に活用できるということで、第五次漁港整備計画の要望が非常に強うございましたので、それに政府といたしましては対応したつもりでございますが、その基本的な背景といたしましては、やはりこの生産を上げるためには、そういった漁港の整備が行なわれなければならないということが基本的でありますが、さらにそれと同様に、漁業が振興いたしますれば進むほど漁協の経営も大型化してくる。大型の水揚げ基地ができますと漁協もそれ相応に大型化いたしまして、さらに加工も進んでいくというようなことから、経営の規模の拡大ということが当然に要望されますとともに、現在におきます一つの経済社会の風潮といたしまして、遠隔地で水揚げした漁獲物代金の送金とか、あるいは遠隔地からのひき荷の代金の決済とか、漁船乗組員または漁村の出かせぎ者の家元への送金等、また手形取引に伴う代金の取り立てというようなこと、あるいは漁業者及び水産加工者の内国為替に対する需要が非常に増大してきておりますので、それにこたえまして、こういった為替あるいは手形の取引ということが非常に重要視されてきているわけでございます。さらにこういったきびしい取引の過程におきまして、この系統機関の代表であります農林中央金庫の貸し付け等につきましても、また末端の漁協に対しまして貸し付けを行なう必要もあるということが非常に要望されてまいっておりますので、そういったことも含めまして、こういった全般的な法律の改正に踏み切った次第でございます。
#159
○杉原一雄君 もっと大きな視野で問題を明らかにしていってほしいと思うのですが、たとえば漁港を拡充強化したとか、だから組合も経営の大型化を進めていった、ここらあたりは大体わかりますがね。いま私の手元にある。これは北陸農政局の富山統計情報事務所から毎週私らのところに送ってくるわけですが、漁船は十トン以上の増加が目立つ。これは四十七年度の漁業形態調査結果の概要でありますが、こうしたものを見ますと、あるいは動力、無動力の船が非常にいわゆる激減をした。それから逆に、十トン、あるいは二十トン、三十トン、そうして百ないし一千トンの船がどんどんふえてきた。こういう報告を実は受けているわけです。これは一県、私の県だけの報告でありますので、全国的な視野に立って――大体沿岸の魚族、魚がだんだんと少なくなってくる。なかんずく公害の問題で魚が痛めつけられる。だから沖へ出る。そういうこととの関係において漁業の形態が大型化してくるといったようなことなど、水産庁ではやはり大づかみに掌握していると思います。もしかりにそれが今度のいただいた漁業白書――年次報告の中の何ページにそのこと、をより具体的に書いてあるというのならそれをお示しいただくことでもけっこうだと思うんです。
 ただここで、それはあとで見ておきなさいというのでなくして、大体のその動向、しかもそうあらしめているものは、国内的にはあるいは公害なり、沿岸漁業が、だんだんと魚が少なくなる。少なくなるには、それなりの理由がある。それで船足をずっと伸ばしていかなければならない。そうすると、伸ばせば今度は領海の問題でひっかかってくる。さまざまの問題がぼくは出てくると思いますので、そうした実態をやはり大づかみに、あからさまに出していただくことが、漁業行政をわれわれがこれから分析、判断をする場合の一つの大きな手がかりになるという意味で、私は大づかみに客観的情勢の分析と、こう言ったわけですので、長官のほうで要約して、わかるように御説明をいただきたい。
#160
○政府委員(荒勝巖君) 御存じのように、国民の食生活におきまして魚の占めます比率は非常に高くありまして、やはり依然として魚は国民の重要な常食の一つになっておるわけでございます。大体ことし、四十七年度でございますが、約一千七万トンの漁獲量を日本では総生産をいたしておりまして、国民に動物性たん白質として約五二%の比率で潤している次第でございます。ところがその約一千万トンをこえる部分のうちでございますが、いわゆる沿岸漁業という漁業でとります漁獲物が約二百五十万トン前後で、これは多少――むしろ最近は微減の方向をたどっておる次第でございます。また他方、沿岸から沖合いへと、沖合いからさらに遠洋へというふうに、戦後一貫してとってまいりました水産政策、並びに水産業の動向の中で、遠洋の占める比率が非常に高くなってきております。
 特に大型マグロ等につきましては、資源的にある程度限界に近づきつつあるんではなかろうかというのが国際的な評価でございますが、この日本のすぐ近辺でございますが、北洋におきます漁業資源につきまして相当豊富であったといういきさつもありまして、特にスケソウダラを中心といたしまして非常に年々増加いたしてまいりまして、この北洋タラが日本に持ち込まれ、それがすり身という形になりまして、かまぼこ等、あるいはフィッシュソーセージという形で相当大量に消化されまして、国民の食卓に供給されているような形になっておりまして、どちらかといいますと沿岸の漁業は資源的にもおおむね限界というふうに考えておりまして、国際的な遠洋漁業の漁場で最近急速に漁獲物が伸びてきておる、こういうふうに御理解願いたいというふうに思っている次第でございます。
#161
○杉原一雄君 ただ、いまの説明の中で若干気がかりになるのは、沖合いに伸びるということはより積極的な前進面ですから、それなりに理解しようと思いますが、沿岸の漁業が資源的に限界がきている。とり尽くして魚がおらなくなったんじゃなくって、先ほどずっと触れましたように、岸に魚がおれなくなって沖へ沖へと退却していくという問題等、また公害等のために死滅をするというような問題等もあるように私は想定します。その辺は率直にお認めいただけるかどうか。結果的に、そのことに対する対応策がまたあとで公害問題等にからんでくるわけですが、その辺のところはどういうふうに御理解しておられますか。
#162
○政府委員(荒勝巖君) 沿岸魚が多少停滞もしくは微減と申し上げたわけでございますが、私たちの水産庁の研究者等の見解等によりますと、資源的にはむしろここへきて今後回復の傾向があるというふうに考えておる次第でございます。これにつきましては、非常にまだいろいろ御異論もあることと思いますが、むしろ資源的には回復の徴候があるということでございまして、その大きな理由といたしましては、水産庁の研究者の見解でございますが、一つの海況変化というものが認められるということでございます。
 その特徴的な点としましては、最近十年ほどの間、イワシが、日本の近海から姿を消しておりましたものが非常に最近ふえてきておると。たとえば私たちの最近の感じでも、銚子を中心とするマイワシが非常にふえてきまして、どちらかというと、生産制限的な、水揚げを制限せざるを得ないようなことになりつつあるというふうなこと、あるいは、まあ多少サンマも、過去二、三年前までは非常に減ってまいりましたが、サンマ等につきましても今後とれる傾向が出てきておるというのが、この研究者の間の一つの見解でございます。それからまた瀬戸内につきましても、非常にああいうふうに公害等が発生しておる中でも、カタクチイワシ等は非常に、またあるいはコウナゴというふうなまあ下魚といいますか、むしろ煮干しにしておったような魚が非常にふえてきておるというふうに理解している次第でございます。
 しかしながら、御存じのように、国民の所得の増大あるいは嗜好の変化というようなことで、こういったいわゆる下魚というものに対しまする需要が非常に減ってきておりまして、ふだん非常にイワシが要望されながらも、実際市場にこの銚子のイワシを出しましても、どうも引き取ってもらえないと。これは公害とおよそ関係のないイワシでございますが、どうもあまり引き取ってもらえないというようなこともありまして、むしろ私たちの見方では、今後沿岸漁業というものは、公害防止というものを徹底的にやりながらも、これにつきましてはなおひとつの高級魚というものに切りかえていかなければならない。何が高級魚で何が下魚かということにつきましても多少の見解の相違はあると思いますが、極力いわゆるエビとかハマチとかあるいはタイとかというふうな非常に需要の旺盛な高級魚に切りかえていかなければならないのではなかろうかと、こういうふうに考えまして、そういった方向でわれわれとしましては沿岸漁業の振興に今後努力してまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。
#163
○杉原一雄君 はしなくも長官がいま申された下魚あるいは沿岸魚振興の問題ですけれども、私の県の富山湾におきましてもカワハギという魚がございます。これが一月、二月には昨年を上回るような水揚げがあった。昨年は二千三百六十トンでありましたが、それを上回るような水揚げ、というよりも逆になぎさに捨ててくるというような事態も実は生まれているわけです。こうした現象と、先般二十五日に指定いただいた富山湾の地先において、魚はあぶないというような危険地域指定の問題とのからみ合いは、後ほどまたあらためて質問をしようと思いますが、ただ、いまそうした動向もあることもこれはいなめない現実でございますので、いまの長官の報告とあわせて、そうした資料を――これは北陸農政局からきていると思いますので。この点十分点検していただき、私もしろうとなりに、どうしてそんなに記録的なカワハギがやってきたんだろうということを漁師に聞いてもまだわかりません。非常にこれはひとつのおもしろい現象ではないか。潮の流れの問題か、大気の気温の問題かその辺はわかりません。こういう事実も、実はここにありますことをも申し添えておきたいと思います。
 次に、客観的な問題の分析は一応それほどにいたしまして、いわゆる漁業水産協同組合、漁協自身がこうした法の改正を望んでいるという、また農林省当局が改正すべきであるという決断に立ったいわゆる主体的な条件というのは何だろう。先ほど広域化、多様化の問題等もあったりして、いま大臣も提案したとおりの方向で進むんだと、こういうことでありましたから、そのことをいまこれ以上お答えをいただこうとは思いません。
 それで次の問題ですね。そうした任務を背負っていくとするときには、漁協の規模なり機能力なり、そういう問題がひっかかってまいりますから、ここであらためてお尋ねしたいのは昭和四十二年ですか、漁業協同組合合併助成法が成立して施行されているわけですが、
  〔委員長退席、理事初村滝一郎君着席〕
その後漁協が大型化し合併して、きわめてこうしたひとつの大きな機能を果たし得るような体質の強いものになっているのかどうか。そうじゃなくてひよわな小さな組合等が私の目ではあると思うんです。そうした問題等を大づかみに見て、全国的に。皆さんが期待するような漁協に育っているかどうか、育っていない分があるとするならば、こうした分に対してはどういう助成、補強をやっていくかということなどが、こうした任務を与える場合に、かなり大きな問題ではないか。そのような意味における漁協の力と申しますか、大きさ、大、中、小こうしたものに対する検討、分析はどうなっているのか、それをお聞きしたいと思います。
#164
○政府委員(荒勝巖君) 農協等のほうは、最近の経済を反映いたしまして、非常に強力な経済力を背景といたしまして、預貯金も非常に増大しているやに聞き及んでおる次第でございますが、それに比べまして、漁業協同組合は、農協等に比べますとやはり体質的に非常に小さいんではなかろうか、こういうふうに考えておりまして、信用事業等につきましても、貯金残高の平均が一億六千万円前後、また販売事業の取り扱い高でも一漁港当たり三億一千万円程度と、農協に比べますと小さいというふうに御理解願いたいと思うわけでございます。また、一組合の平均職員在籍数が九・四人というようなことで、非常に農協等を訪問された目でごらんになりますと、小さいんでありますが、これは基本的にはやはり沿岸漁業の体質の弱さということも反映せざるを得ないと思いますし、また農協のように得るべき土地代金の収入というようなものがなくて、あくまでみずからとった魚の販売代金だけが一つの経済事業であり、また貯金事業というふうになってまいりますので、そういった経済的な背景が相当、実質的にはそういった経営規模が小さいことになると思います。私たちといたしまして、一応の平均規模、努力目標といいますか、さしあたり、いい漁協というものは貯金の平均残高が三億円くらいというのを一つのメルクマールといたしまして、この指導をいたしてまいりたい、こう思います。
 先ほど申しましたように、現在の漁協の平均貯金残高が一億六千万円、それに対しまして農協のほうは九億一千万円、約十億になんなんとしているというふうに御理解願いたいと、こういうふうに思いまして、われわれといたしましてはぜひこういった、いきなり十億というのも無理でございますが、三億円前後の一つの適正な規模に持ち込んでまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。
#165
○杉原一雄君 それで、沿岸漁業的な弱さと体質のもろさということなんですけれども、合併助成法ができてだいぶたちますから、それも、なかなか大きくなっていかないということなんですが、それは原因はどこにあるかということを、その分析をまずお聞きして、しかる後、長官のほうからそうしたことに対して、こうした助成をするとか、行政指導をして、もっと体質の強いものにしていく――先ほど大臣もおっしゃったように、漁業の形態がだんだん大型化し、遠いところへ足を伸ばしていくという状態になればなるだけに、これは相当の体質強化をはからざるを得ないだろう、こういうふうに思いますので、行政指導の方針と申しますか、考え方、そういうものをあわせて、いわゆる原因とその問題を明らかにしてほしいと思います。
#166
○政府委員(荒勝巖君) この沿岸漁業におきます一つのこれは実態だと思いますが、非常に特徴的な問題といたしましては、漁業権、いわゆる協同漁業権といいますか、漁業権を、この水産の漁業協同組合が一応持っているということでございます。その一つの漁業権を管理しておりますけれども、協同組合を合併するに際しまして、その漁業権の管理をめぐりまして、それを、漁業権まで合併するのか、従来どおりの協同漁業権という形で、一種の集落単位でやっていくのかというようなことが非常にやはり問題になりまして、これがまた祖先伝来の一つの財産でもございますので、この漁業権の所有といいますか、管理をめぐりまして、この漁協の合併が一つの支障を来たしているというふうに御理解願いたいと思います。したがいまして、われわれといたしましても、過去におきまして、相当この合併促進法に基づきまして、合併を促進方してきたのでありますけれども、この漁業権の問題がなかなか一つのしこりになりまして、合併が十分に行なわれなかった。われわれの予定したほどの進捗率を示さなかった、ということが、やはり基本的に問題になっているわけでございます。われわれといたしましては、なおこの漁協の合併につきましては、今後さらに推し進めまして、漁協の大型化ということとともに、その一方では、その漁業自身の経営規模を拡大するよう相並行しながら努力して、漁業協同組合の健全なる運営ができるように指導してまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。
#167
○杉原一雄君 私たち、かつて農協法の改正にあたって、大型化合併の問題について、かなり足鹿先生を先頭において抵抗したことを実は思うわけでありますから、あながちぐんぐん大型化してもらいたいという気持ちはないわけでありますけれども、あまりにも脆弱な体質では困るということだから、それに対する助成なり突っかい棒を加えていただいて、こうした情勢に対応できるような姿にしてもらいたいという希望を含めての質問でございますので、その辺は取り違えないようにひとつしていただきたいと思います。
 そこで、次にこの資料の中に入っております「参議院農林水産委員会調査室」というところから出されている水産協同組合法の一部改正、これについてこの資料の中に折り込みが一枚入っております。これは非常に貴重なものを調査室が準備してくれましたので、この資料を、ひとつやっかいでも議員の皆さんも見ていただきたいと思います。この資料は、漁協の都道府県別貯貸率で、農協法のときも私、貯貸率を非常に気にしたのでありますが、農協法の場合の貯貸率と、ここに示されている貯貸率とは非常に違う。まず違うのは、単位農協の場合は、全国平均で貯貸率が五二・〇%であって、いわゆるお金がダブつくと、余裕金があるからかくかくのごとく法を改正すべきだという私は、原点になっていたように思います。ところが今度の単位漁協のここにある資料の貯貸率によりますと、全国平均は八六・六であります。もうぎりぎりのところまでお金が貸し出されております。なかんずくこの表を見ますと、最高では、私もちょっと見当もつかないわけですが、長野県は昭和四十七年の三月時点で五九二・九%、これは金融業界における常識としては判断のできない数字なんです。それのみならず、これは宮城県等はまだ太平洋に面しておりますが、長野県は海なき県です。そうして宮城県は一八四・八、最低はどこだろうと、じっと点検しますと、カキ貝等の養殖をやっております広島であり、二一・一、この数字の上と下とのこの格差が非常に大きいことに実は驚くのであります。
 しかしそれなりに私は理由があると思います。まず単位農協の五二・〇%、それから漁協の八六・六%のこの貯貸率の平均の違いを水産庁ではどう理解し判断するか。あわせて今度は単位漁協の各県別の貯貸率について先ほど特に指摘いたしました最高と最低、その中間層もあるわけです。いずれにしろ非常に格差があるわけですから、長野県はなぜこんなになるのだろうか、瀬戸内海に面している広島はなぜこんなに少ないのだろうか、その辺のところをこれをどういうふうに分析しておられるか。これは金融面でかなりの能力と機構を備える今後の漁協運営の問題として、これは相当われわれが突っ込んでこの数字をにらめっこしないと、やはり今後の指導行政の面でも問題が起こるんじゃないか、こういうように思います。全くのしろうとの判断ですが、この数字を見せつけられて非常に考え込まされたわけです。だからいま申し上げたように、農協の場合と漁協の場合、漁協の場合の地域格差の問題、それに対する分析、こういうものをひとつお聞きしたいと思います。
#168
○政府委員(荒勝巖君) まず基本的には現在漁協を中心といたしまして、貯金運動を、目標五千億円ということで非常に全国的な運動を起こしておりまして、最近までの魚価の推移等を背景といたしまして、近日中に達成するのではなかろうかというふうに考えておりまして、逐次、やはりそういった信用事業のほうも強化されてきつつあった次第でございます。また一方、なぜそんなにまた農協と違うのかということにつきましては、先ほど申し上げましたように、この漁協の信用事業というものは農協に比べますと、まだ十分整備されてないということのほか、先ほども申し上げましたように、農協の貯金というものは主として土地代金等の農外収入の貯金が多いということで、漁協の場合にはほとんど自分自身の漁獲物収入しかなかったということで、貯金信用事業がなんとなくおくれてきておる点でございます。
 それからそういったことの反面、一方では県別にえらく違うではないかということでございますが、この長野県の非常に高い比率、ただいま御指摘になりました五九二・九%というふうな数字は、この長野県の漁協が内水面漁業でありまして、信用事業関係が非常に未整備で、全くこれは例外的なケースでございまして、ほとんどアユとか、カワマスとかいうふうなことだけに頼っておりまして、全体としていわゆる内水面漁業の脆弱な面を反映し、またそれの漁民という方でも兼業農家の漁業形態というような形で、専業的な漁業者も非常に少ないというようなこともありまして、こういった貯金が逆に非常に少ないというふうなことの関係で、こういったことになっておるんではなかろうかと思います。
 また、広島が非常に低いという御指摘でございますが、これは養殖というものは資金需要があまりございませんで、またこれも申し上げるのは、私としては、口を多少はばかるのでございますが、最近の産業発展の関係で、これは埋め立ての関係等によりまして、漁業権の補償収入が逆に非常に多くて、その補償代の収入が貯金になって多額に積まれておりながら、一方では沿岸の養殖事業というものはあまり遠くの大型な船も要らないというようなことで、カキ、シビあるいはそういったノリとかというふうな形で、資金はあまり要らない。自己資金でぐるぐる回っておるというふうなことの関係で、極端なこういった例が両面に出ておるんではなかろうかと。しかしながら大体八〇%前後の――平均といたしまして、融資率といいますか、貯貸率というものは健全な運営ではなかろうかと、こういうふうに考えておる次第でございます。
#169
○杉原一雄君 十分私は、点検調査をしたわけでもないわけですけれども、長野の場合は内水面の問題はすぐわかるわけですけれども、あるいは預け金、貯金の場合、これが非常に少ないということになる、その結果が、こういう倍率になって出てくると思いますから。主として市中銀行へお金を預けるという傾向が強いというふうにも伺っておりますし、いまたまたま、はからずとも広島の場合が、漁業権の補償ということで、今度はお金がどっさり入ってくる。だから、貸し出しのほうは養殖業だから少ない。こういうことでございますから、ほんとうに人間というものは、お金に弱く、お金に強いわけで、お金ほどその正体を明らかにあらわすものはありません。そういう意味で、私貯貸率を農協法の改正の場合も、いまもまたあえて問題にしているわけですが、この数字を見ることによって、広島の漁業の実態はどうなっておるか、あるいは長野の漁業協同組合の運営がどうなっておるか、そういうこと等が判断する大きな基準になるような気がいたします。そういうことで、あえてこの問題を提起し、長官の見解を伺ったわけであります。
 そこで、今後のそういうアンバラをより埋め、強化していくために農林省、水産庁等が水産金融の樹立をどうするかということについては、実は四十八年度の「沿岸漁業等について講じようとする施策」、これには簡単に列記されております。これをもう一度確認していただくと同時に、この中で特にことしはこの点でがんばるんだという決意が表明されれば幸いだと思います。そこにあればページ数をぼくから指摘します。二六ページです。
#170
○政府委員(荒勝巖君) ございます。これについてですか。
#171
○杉原一雄君 はい。それについて、羅列をしてありますから、重点的にアクセントをつけてください。
#172
○政府委員(荒勝巖君) ただいま御質問のございました点で水産庁の白書の一部でございますが、講じようとする施策の中で、この水産金融の充実ということで、われわれといたしましてこの公庫資金の拡大ということで三百七十五億円を用意しておるということが一つ。
 それから先ほどの御指摘のありました近代化資金につきましても五百五十億円、しかも金利も〇・五%引き下げるということで、それからさらに日本開発銀行からの融資の拡充ということで五十五億円ということで考えております。
 さらに、今後中小漁業融資保証保険制度の充実ということで、これも前年度九百五十億円に対しまして保証ワクを千百二十億円というふうに拡大いたしておりますが、これにつきましては、この二年間にわたりまして、四十六、四十七と二年間にわたって四十八年度に至りまして、この中小漁業融資保証保険制度問題検討会の答申を受けましたので、四十九年度におきましてこの制度の改善充実を大いに努力してまいりたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
 なお、沖繩の漁業についても、沖繩の振興開発金融公庫からの融資を考えまして、九十億円を本年度において考えておると、こういうふうに御理解願いたいと、こういうふうに思う次第でございます。
#173
○杉原一雄君 先般来、水銀とかPCBの問題で各委員会なり本会議等で議論をされると、総理大臣はじめ、天災融資に準ずる資金を流すと、こういうことですが、ぼくはしろうとでわかりませんが、どういうルートを通じてこういうものは流れていくんですか。その経路をちょっと簡単に言ってください。
#174
○政府委員(荒勝巖君) 先般の閣議におきまして、農林大臣から、水銀もしくはPCBの汚染による被害漁業者に対しまして、緊急のつなぎ資金を融資するということにつきまして閣議で話をされまして、一応決定したやつに聞いておる次第でございます。
 で、その考え方といたしまして、まず基本的には天災融資法に準じた措置ということで、末端の貸し出し金利を三分にすると。それで元本といいますか、貸し出しの金利を八分五厘と置きまして、八分五厘と三分とのその差の五分五厘につきまして、国が六五%の補助率で、残りの三五%分を県なり市町村の地方公共団体に持っていただく。大体一漁家当たり五十万円ということで五年間で――一年据え置きの五年間ということでございます。この金融の流れと、資金の元本の流れということにつきましては、系統金融機関、農林中央金庫あるいは県の漁信連あるいは単位漁協の融資元金ということでございますが、今回の全国的な被害というか、汚染の状況等から勘案いたしますと、やはり農林中央金庫がほとんど全額融資の貸し出し元になるんではなかろうかと、こういうふうに判断いたしておりますが、県から、ただいま早急に資金需要を取りまとめておりますけれども、まだ十分に上がってこない現状でございますが、たぶん中央金庫になるんではなかろうかと、こういうように考えておる次第でございます。
#175
○杉原一雄君 私はここで陳情する意味じゃありませんけれども、私の地方の新聞が一日おくれできょう入っておるわけですが、うちの知事がどうも富山県はこの融資法に該当しないようだと、だから県独自でやりますと、こういうようなことを記者団に発表しておるわけですが、該当する、しないの決定はどこでしますか。
#176
○国務大臣(櫻内義雄君) 富山県の実情が十分把握できませんが、私は、今回のつなぎ融資は当然富山県の場合も該当するものと思うのであります。したがいまして、水産庁長官より御説明のとおり、農林中央金庫から県信連、そして漁協というふうに金が流れて手続によって融資されるものと申し上げて間違いないと思います。
#177
○杉原一雄君 次に、漁民の最近、生活水準が上がったと、農民の場合も上がったと。上がった中身はかなりいろいろなことがありますけれども、漁民の今日的な生活水準は一体どれくらい、前年度比どうなんだろう。どうしてそれがそういう結果を生んだかと。あるいはもう一つついでで、時間の関係でどんどん飛びますが、労働問題と申しますか、漁場に働く労働者、いま毎朝「北の家族」というドラマが放送されておりますが、いよいよ船が港を離れていってしまったわけですが、ああいう状況で働く問題、あるいはこの間もここでしたか、初村さんでしたか、マグロを食べるなとは何事だとかんかんになっておこられたわけですから、そうした問題も一つの働く人の労働条件にもからんでくるわけですが、漁業に働く労働者のいわゆる労働問題というのはたくさんありますけれども、たとえば労働時間の問題とか、あるいは災害の問題とか、そういったような問題、いわゆる労働問題と俗にわれわれが大づかみに言っていること等については、どういう掌握のしかたをしておいでになるか、それをお聞きしたいわけです。
#178
○国務大臣(櫻内義雄君) 沿岸漁業における漁家の所得は近年、相当上昇してまいっておると思うのであります。昭和四十六年では一世帯平均百七十万八千円と前年に比べ一五・六%の上昇、都市勤労者世帯の所得百五十二万七千円を一一・九%上回っておるわけでありますが、ただここで問題は、世帯員一人当たりの所得で見ますると、漁家の世帯員数が多いために、都市勤労者世帯に比べて八六・四%となっておる次第でございます。
 この労働関係につきましては、沿岸漁船漁家の場合は、日帰り操業をする場合が多いと思います。そこで出漁日当たりどれぐらいの時間であるかということにつきましては、昭和四十六年には六・八時間でございまして、四十二年の七・七時間に比べると短縮傾向を示しておるわけでございます。漁業就業者の労働条件の改善あるいは漁船の整備改善による労働環境の改善あるいは漁家生活の改善につきましては、それぞれ指導をいたしている次第でございまするが、水産庁長官のほうから補足説明をいたさせます。
#179
○政府委員(荒勝巖君) 大臣のほうからただいま基本的な漁家の所得の増大の傾向あるいはその沿岸漁民の方々の労働条件というふうな点につきましてお話がございましたが、さらに遠洋につきまして、私から多少補足させていただきますと、マグロ船等最近経営的にもまた、資源的にも多少行き詰まってまいりました結果、約十カ月、平均十カ月近い長期の航海を要望されておる次第でございます。これにつきまして、そういう十カ月もの長期航海というようなことから、まあ乗り組み員の確保ということが非常に問題になりまして、漁船の居住区の改善というようなこと等のために経営的に多少苦しくなってきているというような点もございまして、この問題につきましては、今後さらに労働条件をよくすることによりまして、乗り組み員の確保に資したいと、こういうように考えている次第でございます。
 また、北洋等のサケ、マス船団につきましても、相当長期にわたりまして、北洋でガスの深いところで働きます関係で、相当傷病者が出ておりまして、これにつきましては、労働省とも打ち合わせをいたしまして、洋上診療というような形で乗り組み員の方々が、けがをしたり、病気になったりしたときに、すぐその場で、現地で治療をすることができるというふうな形を行なうことによりまして、福利厚生については、今後さらに努力してまいりたいと、こういうように考えておる次第でございます。
#180
○杉原一雄君 委員各位もかなり腰が浮いているようでございますが、私は午前連合会でかなり疲れているんですけれども、もうしばらくやらしていただきたいと思います。
 公害と漁業の問題について触れてみたいと思います。膨大な「漁業の動向に関する年次報告」をいただいたわけでありますが、私ちょっと見それたのかもしれませんけれども、これに公害の、いわゆる漁業公害と申しますか、公害の実態に対する分析が報告がないのじゃないかと実は思いますが、これは一体どうしたことなんだと思って、ぼくもかなり念入りに見たつもりであります。そのことは、私の目が届かなかったと言えば、それまでのことですから、後ほど御指摘ください。これは個人的でけっこうです。
 ただ、ここで明らかにしておきたいのは、今後の基本的態度の問題、ここでは昭和四十八年度において沿岸漁業等について云々というこの施策の中では、一二ページから一三ページにわたって、その第四項で「漁業公害対策等の展開」というのが出てまいっております。この中で、ぼくは非常にどうしたんだろうかなと思っていろいろ見ているんですけれども、水銀というものが出てきておらないわけですね。赤潮が出ています、PCBが出ています。これをおつくりになった時点で水銀が問題になっていないなんていうような認識はこれはたいへんなことなんです。だから先ほどの年次報告とこの対策との関連において水産庁がいわゆる公害の問題――公害がほとんどいま魚の問題に大きく発展ということばは当たらないかもしれませんが、問題がそこに拡大しようとしているわけですのに、その辺の分析と対策がこれには載っていないように思います。やはりことばの流れの中にあるかもしれませんが、私はそれはわからないんです、ちょっと。そういう点どうなんだろうか、実はお伺いしたいと思います。
#181
○政府委員(荒勝巖君) この「魚業の動向に関する年次報告」につきまして、私たちのほうの説明がどうも不十分でございまして、ただいま御指摘の問題についての御説明を申し上げなかった関係で、いろいろまあ御指摘を受けたわけでございますが、はなはだ申しわけございませんが、七四ページ、この年次報告のほうでございますが、七四ページに「漁業生産諸条件の変化」ということで「漁業環境等の変化」「きびしさをます内外の環境」ということで「沿岸および内水面漁場の環境」という章を設けまして、この白書といいますか、これでは相当ページ数をさきまして問題点を指摘しておる次第でございます。特に、七六ページの下のほうに、ウでございますが、ウで「PCBおよび重金属等による汚染」ということで、そのしょっぱなに「最近において水銀、カドミウム等の重金属類およびPCBによる汚染が」というふうにまあ表現をとっておるわけでございますが、この全体としまして、ただいまの水銀のこの問題自体というものは当時におきまして十分に水産庁といたしましても掌握していなくて、どちらかといいますとPCBのほうに重点を置きまして調査検討を加えておった最中のこれは白書でございます。われわれといたしましては、十分にこの水銀のおそろしさというものは存じておりますが、第三水俣病の発見ということを契機といたしまして、この水銀につきましても、なおたいへんな努力を今後払いまして、この問題の解決に努力してまいりたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
#182
○杉原一雄君 たびたび自分の県のことを申して済みませんが、これは一つの大きな、どこの県にも当てはまる一つの問題点だと思います。全国九水域で環境調査をすると、六月二十五日、議長三木環境庁長官、そういうことで水産庁も参加しながら決定されたこの九水域という中に、富山の氷見あるいは魚津地先、こういうのが指定されておるわけです。しかも内容等を見ると、いよいよこれからやると、こういうことなんです。ところが、県独自で調査をいたしまして二十六日世間に発表したデータが私のところへ、きのう届きました。これによりますと、まあこの調子だとおそらく県知事も富山湾はだいじょうぶだと安全宣言を出したかったんだろうと思うんです。そこへ二十五日にこれが出たものだから控え目にしたのではないかと実は思います。同時に、またこの中身では、検体が二十四検体で八十八地域というようなことなど、かなりこれは安全宣言をするにしても、私、基礎は非常に薄弱だと、こういうように実は思いますが、ただ問題は、県としては、漁民の皆さんからすみやかに安全宣言をしてほしいという要求が突き上げられてきていると思うんです。知事もその点で非常に苦慮をしているんじゃないかと、そこへもってきて、まあ二十五日のこの水銀汚染対策の会議がこうした発表をされたと、こういうことになるわけですね。そうしますと、漁民の願いとそれから環境会議のほうで今後とも万全を期そうとする行政努力と、その間に知事がはさまっておるわけですね、こうした問題をこれはどう理解していいのか。またそのことを踏まえながらこの推進会議がどう今後作業を進めようとするか、願わくはこれに書いてあるような日程じゃなくて、つとめて早い機会に、九月などという、のんきなことを言っていないで、これを早目に、だいじょうぶだと、あるいはだいじょうぶでない黒だと、どちらでもいいですよ。早くその答えを出すような手だてができないものかということを、実は希望を付していま実情を申し述べたわけでありますが、それは大臣どうでしょうか、できないことでしょうか。
#183
○国務大臣(櫻内義雄君) 会議の模様をちょっと申し述べさしていただきます。
#184
○政府委員(荒勝巖君) この環境庁主催の会議におきまして新しい新基準が設けられまして、これが厚生省の発表にありますように、総水銀量で平均〇・四PPMを汚染魚と見ると、さらにそれを有機水銀で平均〇・三PPMをこしていると汚染魚と見なすということで、従来の一PPMという基準から判断いたしますと、非常にきびしいものになった次第でございます。この従来の水俣病、第一水俣病が発生いたしましたときには、一PPMでいいのではなかろうかという判断のもとに、当時厚生省はおきめになったようでございますが、今回の第三水俣病というようなことの発見とともに、非常にきびしい基準値を今回打ち出された。これは国民の健康維持のためにやむを得なかったのではなかろうかというふうに思っておりますが、その結果、全国の各水域を従来は一PPMという目で見てきたいきさつもありまして、この見方が非常に甘かった。一PPM以下の水域だと、精密調査をしないままに、その程度のまま一つの学術的記録として残されておったわけでございますが、今回の新基準値をもとに、特に有機水銀量というものを特に摘出するという観点から、新しい基準が設けられましたので、これにつきまして早急に調査するということになった次第でございまして、これにつきましては事務当局の間でも、いつまでも長くかけるわけにはいかないということで、全力をあげてこれについてはいたしたいと、こういうふうに考えている次第でございますが、なお大臣のほうからあと基本的な姿勢についてお答えをお願いいたしたいと思います。
#185
○国務大臣(櫻内義雄君) 申し上げるまでもなく、この種の問題につきましては、政治的な配慮というものがないわけであります。科学的根拠がまず第一になりまするので、私は、漁業を守る上におきまして、また安全な食糧の安定供給をいたす立場からしまして、その原則には従っていかなければならない、こういうことでございます。
 ただ私は、今回の推進会議の決定に至るまでに、従来厚生省が一PPMの一応の基準を持っておったんじゃないか。これも根拠なくして、そういう基準を設けるわけはないじゃないかというようなことから、いま非常に全国的に問題になっておるのでございまするから、少なくとも、この一PPMでいきながら、そしてしかも、さらに高度の判断の上で、より安全性を考える上において、少なくとも大事な地域、すなわち汚染の多少でも疑惑のある地域の調査のほうが詰められて、そうして判断をするのがいいというように私としての一応の考えがあったのでございまするが、しかし、最初に申し上げたような大原則を考えまするときに、そのようなことは主張ができないということで、現在に至っておるわけであります。いま漁民の方や一般消費者の間に非常に不安感がございます。富山県自体が種々御調査の上で、今回の新たなる基準から見ても白である、こういう判断に立っておりまするならば、私はそれは科学的な根拠である以上は、そのとおりに知事は発表をせられ、また、それに伴って漁獲物は安全であると判断しても、私は科学的根拠がある以上はいいと思うのであります。しかし、現在、世間では非常に心配するほうの方々が多いと、こういうふうに見られる段階でございまするから、したがって、推進会議が九地域について精密に調査をする、これはこれで必要なことではないかと、かようにみておる次第でございます。
#186
○政府委員(荒勝巖君) ただいま大臣から御報告がありましたとおりでございますが、実は私たち事務当局といたしまして明日、この関係県の担当の水産課長あるいは公害対策の室長全員を呼び集めまして、環境庁、私のほう、厚生省三者合同で、この汚染対策並びに調査の緊急打ち合わせをいたすことにいたしております。特に、全国約一万体に近い検体数を調査いたします関係もありまして、非常に急いでいたしますが、いろいろと手間どるおそれがあるものですから、われわれといたしましても、当然に富山県のこの調査に対する御協力をお願いしなければならない。やはり富山県でも相当な検体の魚の数を調べまして、行政的にあらゆる批判にたえ得るような数値を求めまして白黒を決着つけたい、こういうふうに考えておりますので、まことにこの席でお願いするのもいかがかと思いますが、ぜひひとつ魚をとることにつきまして、また調べることにつきまして富山県、地元の方にもひとつ十分御協力お願いしまして、一日も早く明らかにするようにいたしたいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
#187
○杉原一雄君 それでは若干お願いをし、意見を述べて質問を終わりますが、六月二十日付の全国知事会から、いま直面している魚の問題等をめぐって要望書が大臣の手元へも出ていると思います。このことについての見解をも実は伺うつもりでおりましたが、省略いたしますけれども、こうしたこと等についても、かなり私は、漁民の立場、国民の立場、県民の立場に立って、知事の皆さんが苦慮をして案文を成案して出しておられるわけですから、お答えいただくように将来ひとつ御努力をいただきたい。ただ、二十二日の閣議で、水銀水銀とばか騒ぎしないで、魚でもわしら食べまいかといった。田中さんが言ったかだれが言ったかしりませんが、そういうことでは、これは問題は解決しない。きのうの公害の委員会で、きょうは齋藤厚生大臣がおいでになったと思いますが、厚生省からきのうの時点でこんな資料を出したわけです。この資料を目ざして私たちが質問をしましたら、厚生省からきた人は、こういうまとめた資料を出したということを皆さんにお示し申しましたと、こういうばかみたいな答弁を実はしておるわけです。きわめて無責任な態度だと思います。でありますから、望むらくは、大臣がいま自分の見解と決意を表明されたように、たいへん漁民の立場も、特にこれは大臣の立場であり、また国民の立場というのは、もちろん大臣の立場であり、われわれの立場でありますが、この問題に対するすみやかで、しかも科学的で間違いのない調査を早く進め、それに即応する対策を早く立てていただくことを特に希望申し上げまして、私のこの種の質問を終わります。
#188
○理事(初村滝一郎君) 三案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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