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1972/06/29 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 農林水産委員会 第18号
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1972/06/29 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 農林水産委員会 第18号

#1
第071回国会 農林水産委員会 第18号
昭和四十八年六月二十九日(金曜日)
   午後二時十三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月二十九日
    辞任         補欠選任
     加瀬  完君     辻  一彦君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         亀井 善彰君
    理 事
                佐藤  隆君
                初村滝一郎君
                中村 波男君
                塩出 啓典君
    委 員
                梶木 又三君
                河口 陽一君
                田口長治郎君
                高橋雄之助君
                棚辺 四郎君
                鍋島 直紹君
                温水 三郎君
                平泉  渉君
                堀本 宜実君
                足鹿  覺君
                杉原 一雄君
                辻  一彦君
                村田 秀三君
                沢田  実君
                向井 長年君
                塚田 大願君
   国務大臣
       農 林 大 臣  櫻内 義雄君
   政府委員
       農林大臣官房長  三善 信二君
       農林省構造改善
       局長       小沼  勇君
       農林省農蚕園芸
       局長       伊藤 俊三君
       農林省畜産局長 大河原太一郎君
       農林省食品流通
       局長       池田 正範君
       食糧庁長官    中野 和仁君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮出 秀雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査
 (当面の農林水産行政に関する件)
 (大豆対策に関する件)
 (派遣委員の報告に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(亀井善彰君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、加瀬完君が委員を辞任され、その補欠として辻一彦君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(亀井善彰君) 当面の農林水産行政に関する件及び大豆対策に関する件を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○河口陽一君 まだ大臣がお見えになりませんが、質問の順序は社、自という順序であったそうでございますが、社会党さんの御都合で、私がトップを承って御質問を申し上げることになりました。
 そこで、最近の農政を見ますると、農村危機とか、あるいは農政の危機ということが久しくいわれてまいりましたが、昨今の状況はPCB、あるいは水銀汚染による魚の問題、あるいはまた、最近におけるアメリカの農産物の輸出の規制、あるいは禁止というような状態を考えますと、もはや日本の状態は、食糧危機という段階に突入したと私どもは受けとめなければならぬと存じます。昨年のいまごろは、農産物の自由化を強要されて、日本農業に与える影響は非常に甚大でございました。一年をまたずして、その自由化を強要したアメリカが、農産物の輸出を禁止するという変貌ぶりでございます。私は、この問題に対して事務的に一点お伺いいたしたいんですが、こういうことは、アメリカにおける農産物の法によって差しつかえない、こういう発表でございますが、一体ガット関係は、抵触するのか、しないのか、事務的にひとつ御見解を披瀝され、もしそういう問題に抵触するとするならば、これらをとらえて抗議を申し込むべきでないかと考えるんですが、お知りであれば、お知らせいただきたいと存じます。
#5
○政府委員(三善信二君) 担当の経済局長が参っておりませんので、私からお答えさせていただきます。
 ただいまの御質問の、今回のアメリカの大豆の輸出規制、これがガット法上おかしいんじゃないかという御質問だと思います。今回のこのアメリカの規制は一九六九年のアメリカの輸出管理法に基づきましたもので、輸出の一時停止ということを行なった措置でございまして、これが直接すぐガット規定に違反するということになるというわけではないんではないかというふうに考えておりますが、もし私の答えが間違っておれば、あとで訂正しますが、私としては、これはすぐガットの規定に違反ということにはならないというふうに考えています。
#6
○河口陽一君 大臣もお見えになりましたが、私どもは去年は果樹、オレンジあるいは牛肉その他の自由化で非常な苦労をいたし、また大臣も強い信念のもとに抵抗されてまいったのですが、そういう経過のさめやらぬ段階で、アメリカが、農産物の輸出規制あるいは禁止、こういうことが平然と行なわれておるというところに私どもは大きな不信をいだいておるわけでございまして、いま事務当局からガット問題に対して御意見を伺ったんですが、ひとつこういう規制に対して、こちら側が昨年来苦労した経過から見て、もっとこれに対して強い姿勢で臨む態度を要求いたします。こういうことを認めておれば、次は麦とかあるいはトウモロコシと、だんだん発展して、先ほど申し上げたような、日本の農政の危機あるいは農村の危機を通りこして、食糧危機に突入する。こういうことを私どもは一番心配をし、これらに対応する対策をこの際急速に立てなければならぬと考えるのは、私一人でなく、農林省もこうした問題に重点を置いて取り組んでおられる、こう判断をいたすのであります。
 日本の経済は御案内のように、アメリカがくしゃみをすれば、日本の経済はかぜをひく。こう言われた時代がございましたが、それを通り過ぎて、今回は、アメリカの農業危機で、日本の国民全体が食糧危機に見舞われるという、こういうことが、アメリカ追従の日本国国政であると批判を受ける要因であろうと私は思うので、やはりこの際、自給体制を確立せなければならぬということは、これは生産者のみならず消費者もあげて、そういう機運になってまいったと、こう考えるわけで、そういうことを踏まえてこの際、抜本的な対策を立てなければなりません。前段に、とにかく大豆が、昨日の御報告にありましたように、輸出禁止ということになりましたので、これに対応する農林省の体制、あるいは対策、そういうものがありましたら、この際お伺いいたしたいのでございます。
 大体、日本の大豆の消費全体量は幾らで、そのうちアメリカから従来輸入をどれだけいたしておって、今年度消費量のうち、現に入荷したもの、あるいは今回の輸出禁止によって国内で不足を生ずる大豆の量、こういうものを明確にして、それらに対する対策をこの際、明示して、国民の不安を一掃するということが一番大事なことである。これらについて、数字的なことでございますので、事務当局から、資料がありましたら御説明願いたいと存じます。
#7
○政府委員(池田正範君) わが国の大豆の需給は、昨年、四十七暦年におきましては、需要量が総体で三百四十三万四千トンでございます。これに対しまして、この中身は、製油用として二百六十三万トン、食品用といたしまして七十八万八千トンということになっておりまして、そのほかに約二十五万トンから二十七万トン程度のものは年度の中に持ち越され、かつ翌年に繰り越されるというふうな形で、大体需給のバランスがなされておるわけでございます。ところが、四十八年になりますというと、この需給規模が少しふくらみまして、全体としての規模は三百六十万トン、すなわちおおむね月三十万トンというのが、食品用、製油用を含めましての大豆の全体の月間所要量。したがいまして、年間で三百六十万トンということになるわけでございます。その中で製油用は二百七十五万トン、食品用が、やや伸びまして、八十五万トンということでございまして、国産は、いずれも、生産量十二万トンに対して、需給の中に乗ってまいりますのは、前年も、ことしも、見込みといたしまして五万トン余、五万五千トン程度というふうに考えられます。したがいまして、輸入量は四十七年には三百三十九万トンでございましたが、四十八年には三百五十六万トンという輸入量を必要とするというふうに考えられるわけでございます。
 したがいまして、その中で一体アメリカからの輸入量がどのくらいかということでございますが、昨年の、四十七年は、三百十二万トンの豆がアメリカから来ておりまして、中国その他が約二十五、六万トンでございます。それから、四十八年は、アメリカからの輸入が三百二十八万トンでございます。ただし、この中には五万トンほどブラジルを振りかえて使っておりますので、したがって、現実に純粋に見ますというと、アメリカの大豆は三百二十三万トンぐらいになろうかと思います。それから、中国からの輸入は、昨年より約五万トン程度少なくなるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
#8
○河口陽一君 ことし入荷したもの、まだ入荷未了のものはどれくらいあるんですか。
#9
○政府委員(池田正範君) そこで、現在の日本の大豆の需給状況でございますが、本年の一月から五月末までの輸入量は総計百六十二万トンでございまして、前年に比べますと、十六万トンほどの増加になっております。このうち、米国産大豆の輸入は百五十一万トンでございます。前年に比べて十九万トン、ほぼ二十万トンぐらいすでに増加という結果になっております。この結果、五月末現在の在庫は、ほぼ四十万トン持っておるわけでございまして、通常の在庫は一カ月分、すなわち先ほど申し上げましたように、一カ月分というと、大体三十万トンでございますが、それより約十万トンぐらい多いのが現在の状況でございます。一方、すでに契約をいたしましたもので、六月、七月に到着いたします見込み量は六十七万トンございまして、これを、先ほど申し上げました四十万トンの在庫に加えますというと、六月と七月の供給量は百万トンをこえる百七万トンということになるわけでございます。
 消費量は一方どうかと申しますというと、この期間、六月、七月の消費量というのは約六十万トン、先ほど申し上げましたようなことでございますから、したがって、差し引きいたしますというと、四十七万トンほど余分にあるということが計算上出てまいりますが、この間の需給は、これはおそらくあとから御指摘もあろうかと思いますけれども、問題は、ことしの一月のような仮需要が出てきて、そして普通のランニングストックでは間に合わないというふうな条件が出てまいりますというと、実は通常の在庫では間に合わないという問題が当然出てまいります。しかしながら、そういうふうな形のものが生じない限り、大体問題はないというふうに私ども考えておるわけでございますが、問題はむしろ八月から十月まで、主としてアメリカの新穀食いつなぎの直前のところが非常に大きな問題になるわけでございまして、七月から九月までのものがおおむね八月から十月までに日本に到着する、こういうことになるわけでございます。
 いま、成約量として見込まれておりますのは、その間約六十六万トンあるわけでございます。したがいまして、これに中国から、その間約五万トン程度は食品用大豆の輸入が見込まれますので、したがって、先ほど申し上げました七月末の在庫を加えますと、総供給量は百十八万トンということになるわけでございます。
 で、八月から十月までの需要量は、三十万トンの三倍、九十万トン、こういうことになりますから、したがって供給量との対差といたしますというと、三十万トン弱のものが残るというかっこうになるわけでございます。ちょうど、昨年からことしの初めにかけまして持ち越されました数字がほぼ二十八万トンでございますので、通常のペースでこれが入ってまいりますれば、そう大きな問題はないんだということがいえると思いますが、問題は、いま対象になっておりますのは、この六、七月の六十六万トンの一部がどのような形で輸出削減を受けるかということでございます。これは七月二日のアメリカ側の削減の方式の中で示されませんというと、どの程度の影響が出てくるかはわからないわけでございますけれども、私どもとして、これらがあまり大きくなることになりますというと、当然これは今後の供給確保に支障が出ることも予想されますので、極力アメリカ側に、外交ルート並びにその他のルートを通じまして、既契約について少なくともそれがキャンセルされるがごときことのないように、あらゆる手段を講じておりますと同時に、当面、苦い経験を得ました一月の、あの経験を二度と繰り返しませんように、仮需要を起こさせる要因をなくすということのために、業界指導等についてきめこまかく早急に手を打ちたいというふうに考えておる次第でございます。
#10
○河口陽一君 たいへん明快な御答弁をいただいて、明るいきざしがするように感じました。きのうからの暗い気持ちが明るくなったという意味でございます。なお一そう御努力を願って、国民に不安を与えたり、あるいは最近の物価騰貴に貢献するような動きのないように、十分ひとつ農林省あげてこの問題に取り組んでいただき、困難な問題をひとつ乗り切っていただきたいということを御要望申し上げておきます。
 次に、年中行事である米価問題が当面をいたしておるんですが、各地区で米価要求大会が開催され、年中行事が遺憾なく推進されておるようでございます。また、要求に対しても、日農あるいは全農等、農業団体等、各種の要求価格を掲げて運動を展開されております。赤城農林大臣のときは、これらの問題が起きる以前に、大体、大臣の考え方が披瀝をされて、われわれは大いに期待をし、農民もそれに対して大きな期待と希望を持って対応しておったのでございますが、農政通の櫻内農林大臣は、最近の農村の事情、農民の心理状態、こういうものを踏まえてこれらの米価問題に対応するお考えがおありと存じますので、この際、それを御披露をいただけばまことに幸いと存じます。
 なお、あわせて、事務的なことになりますが、いつごろ米価審議会を開催し、いつごろまでにこの四十八年度の米価決定を予定されておるか。まだそういう段階でなければないでいたしかたありませんが、もしそういう日程が一応試算されておるとするならば、この際御発表を願いたいと存じます。
#11
○国務大臣(櫻内義雄君) お答えの都合上、後段のほうから申し上げておきたいと思うのであります。現在のところ、まだいつ米価審議会をお願いするかはきめておりません。総理が青森県の遊説の際に、早目にということを記者会見で言われたのを記憶するのでありますが、ところが、その少し前に、宮脇全中会長は旅先で、八月になるかもしれぬというようなことを言われておりました。まあ、そういう一連の動きが――総理としてはおそらく、まあ宮脇会長の言うのじゃおそいんじゃないかというお気持ちの発言ではなかったかと私は新聞紙上で見ておったのでございます。現在、米価審議会をめぐっての多少参考になる報道はその程度でございます。
 責任を持っておる私どもといたしましては、いまの国会の情勢からいたしまして、いよいよ審議会をやるということになれば、各政党においても、また農林省はもとよりでございまするが、相当、米価問題のほうにエネルギーをそそがなければならない。そういうことを考えますときに、いろいろ支障のない時期がいいということで、かねがね、早いか、おそいか言われれば、おそい時期であると、こういうことを申し上げてまいったのであります。もっぱら国会の審議の推移を見ながら、米価審議会をいつ招集するかを、お願いするかをきめたいと思っております。そういうことでありまするので、米価を決定するに際しましては、河口委員が御承知のように、食管法に規定されておるとおりにいきたい。生産費・物価その他の経済事情を参酌し、米の再生産を確保することを旨として決定する。この趣旨によって米価審議会の議を経てきめたいと、こういう考えに立っておりまするので、できるだけ近いデータの上でやりたい。こういうことでありまするから、現在のところ、農林省内部におきましては、具体的などういう諮問をするかという作業もいたしておらない。従来どおりの答弁を申し上げてまことに恐縮でございますが、そういう実情でございます。
#12
○河口陽一君 さすがベテランの櫻内農林大臣。食管法の規定に基づいた試算によって米価をきめられると。まことに力強い限りと受け取れまして、お礼を申し上げる次第です。そのお気持ちでひとつ対応していただきたいと存じます。
 次に、冒頭に申し上げましたように、農村あるいは農政の危機から脱して、食糧危機という事態に、日本の国の農業は突入いたしておるわけでございまして、これらに対応する対策としては、御案内のように、価格の問題が一番重点になるわけでございますが、これは価格だけでなかなか対応できない。価格問題は天井打ちになったという感じがいたしておるので、これに対応するのには、やはり生産面における対策――生産対策というものも兼ね備えて、農家経済の格差を是正する、あるいは食糧増産の意欲を持たせる、こういうことが従来基本的に考えられて対応してまいっておる次第でございますが、その生産対策があまりに複雑多岐にわたるために農民にはちょっと理解がしにくいような農政が行なわれておる。こういうことがいわゆる生産意欲を非常に阻害をいたしておる。価格は、いわゆる再生産を償わぬ。生産面については、これは、よほど農政に明るい人はそのもろもろの法律を活用して補助金をもらい、あるいは低利資金を借り入れる、そういうようなことでしのぎ得るか知らぬが、一般の農家はそれだけ消化できない。できない者が、やはり、この再生産がつぐなわぬということで生産意欲を減殺いたしておる、こういうことは率直に言えると存じます。したがって、農政は、もっと単純化して、農民にわかるような政策でなければならぬ、価格でなければならぬ、こう結論を私はつけておるわけでございます。
 そういう見地から、この際、食糧危機を打破するためには、相当農民に生産意欲を持たせる――私ども北海道における開拓魂ということばがございますが、この開拓魂が現在なくなったのかというと、そうではないので、政策の貧困からそういう精神が失われたように見受けられるわけでございます。すなわち、明治初期における北海道農民の開拓魂というのは一くわ一くわ掘り起こすところに秋の実りがあるという、そういう希望があの北海道の広野を開拓し、今日の美田なりあるいは酪農なり畑作なりの基礎をつくったと存じます。今日の農民には、そういう将来に対する希望が持てないというところが一番問題になってまいっておると存じます。
 さらに、この機会に申し上げたいことは、北海道の農業は寒地農業でございます。しかし、これを開拓した人は御案内のように、内地の亜熱帯地帯のあたたかいところから移住した。そういう経過から、あたたかいところの住宅をつくり、あたたかいところの服装であり、食生活であり、あるいは作物にいたしましても、種子をあたたかいところから持ってきたというところに、過去の北海道農業のあやまちがあったと指摘をせねばならぬと存じます。これが寒地から北海道に移住をすれば、こういう過去に苦しみはなかったと私どもは今日反省させられるわけでございまして、われわれの先輩はそのことによって、冷害凶作に遭遇をして、塗炭の苦しみを克服して、今日の北海道農業をつくり上げ、戦後においては、そういうことに北海道の農民が気づいて、寒地農業にこれを変貌させ、あるいは品種改良を達成して、今日の生産を上げておるわけでございます。で、最近、農業基本法ができてから基盤整備ということが農林省でも強く取り上げられて、非常な成果をあげておることは認めます。しかし、日本の農産物がコストが高く諸外国が安いということを比較いたしますれば――これは、アメリカの一戸の農家の耕作面積が八百エーカーというように私は視察をいたしてまいりました。アメリカと日本の農業の違いは、すなわち経営面積が狭いというところだけが問題なわけであります。生活程度は向こうのほうが高い、そうして働くことは日本人より働かぬ、それでも安い農産物が供給できるということは、すなわち経営面積が狭いということが、今日の一番問題になるわけでございまして、日本農業も、そういう見地から近代化を進める以上、基盤整備を推進する以上、経営規模の拡大ということを最重点に今後考えなければ、諸外国の農業に対応できないということは明白であります。そういう見地から、今日の農業を近代化するために、経営規模の拡大ということを重点に考えるとするならば、おのずから農政のあり方も明快になってくると私は考えるのでございます。食糧危機を打破し、さらに農業所得を他の産業に均衡させ、そして、農家が自分の一生はもちろん、あるいは自分の子供までも農業をやり続けられるという政策を、この際、農林省は真剣に考え、われわれも、ともども真剣に考えて対応することが最も必要である、緊急の要務であるというふうに考えて、以下私は、これに対して私見を申し上げますので、これに対して大臣のお考えがあれば、あとで御答弁が願いたいと存ずるのでございます。
 前段は時間がございませんからいろいろ申し上げたいこともございますが、以上でとどめまして、まず、経営規模を拡大するためには、農地を取得をしなければならぬ。あるいは大型の農機具を購入しなければならぬ。そういうことで、資金を多額に要するわけですが、その資金コストがプロパーのように、一割もこの資金の金利を払うというようなことでは、これはいまの農産物の価格では採算がとれないから、わかっておっても、農民はやろうとしないというのが現状でございます。ここで抜本的な対策として、国が、この資金に対して利子補給をして対応するということになれば、いま、先ほど申し上げました開拓魂がそこに芽ばえてくると私は考えるのでございます。金利を引き上げて過剰流動性をなくするという矢先きに、利率を引き下げるお話を申し上げることは、まことに時代に即応しないというおしかりを受けるかもわかりませんが、しかし、いま農村では、農協連合会あるいは中金、あるいは共済資金等、多額の資金を、おそらく十兆円に近い資金が確保されておると存じます。したがって、従来のように政府から資金を出していただかなくても、これらに対して、農業近代化のための利子補給を政府が、農林省が積極的に行なわれれば、これらの資金によって、いま申し上げた困難な農業の近代化、規模拡大あるいは農業機械の買い入れ等が行なわれ、その利子補給が高ければ高いほど、価格に反映のしない、農家経済の安定が期待される。私は、一口に二歩五十年ということをこうした考えで主張をいたしておりますが、早急にそれらのことができないとするならば、こういう基本的な考えで、今後の、少なくとも北海道の農業に対して、そういう施策が端的に行なわれるとするならば、私は、非常な意欲を持って増産がなされ、また、このことによって協同組合の指導理念が打ち立てられる。私は、過去の産業組合に対して非常な反省をして、成果を上げた、国家に大きな貢献をなしてきたと考える。
 過去の産業組合は、御案内のように、拡充三カ年計画とか、あるいは五カ年計画を立てて、産青連運動というものが非常に活発に活動をして、意欲を持って戦前の農業を支えてまいったという歴史がございますが、今日の農協は、すなわち食管法という一つの壁に突き当たって――過去の産業組合はそういうことによって、農民の団結が達成されましたが、今日日本の農村における農業協同組合は、大半のものは、協同組合に加入をいたして団結をいたしております。しかし団結をしても先ほど申し上げた食管法という厚い壁で、この団結の目的が達成されぬというところに今日の農村の、農協の行き詰まりがあると私はこう見ております。いま申し上げたような利子補給が行なわれれば、農協はそれを錦の御旗として指導理念が確立し、エリート農民の育成をこれによって達成することができると考えるわけでございます。そういう意味合いで、農林省はこういう問題に積極的にひとつお取り組みを願いたい。これらの問題を達成するためには、どうしても離農者が出なければ規模拡大は日本でできません。したがって、離農年金を大幅に引き上げて、そうして長年農業に貢献した恩賞の意味を含めて、離農年金によって長年つくってきた土地を手離す、あるいは貸し付けするというようなことに対して、不安のないような改正をして、農業の近代化をはかるということがまず必要であると考えております。
 もう一点は、第三点は、御案内のように、新しい憲法のもとで人権の平等が制定をされまして、農家が、おやじが死んだ場合に、遺産を相続する場合に、今日のように地価が高くなってくればくるほど、兄弟で平等の権利がありますから、金がない場合にこれを、農地を分割するということが行なわれてきた。北海道の農業も、戦前は五町歩程度の経営をいたしておりましたが、新しい憲法によって、これが長男、次男に分割されて、二町五反に細分された。細分されればされるほど、農業経営が不振におちいるということは明白でございます。したがって、せっかく近代化して、水田ならば十町歩、あるいは酪農なら五十町歩、畑作なら三十町歩というような近代経営にこれを置きかえたとしても、そのおやじさんが死んだ場合に、これが分割されるようでは、これは目的を達しません。したがって、これらに対して何らか歯どめの施策はないものか。中小企業であれば、一つの会社組織にして、法人格にしておりますから、社長が死んでも、その企業は分割されるということは行なわれません。そういうことによって、中小企業の立場は救われております。そういう形で、農業の近代化したものを全部法人化して、法人登記をして、その経営の面積を確保するということもこれは中小企業の実態から考えて、考えられぬわけではございませんが、そういう煩瑣なことをしなければ、農地が、経営面積が継承されぬというようなことに非常に大きな矛盾を感じておるわけで、これらの問題に対しても、農林省として十分ひとつ御研究を願って対応していただきたいということをこの際意見として申し上げたわけでございます。
 私の持ち時間がなくなりましたから、この程度で終わりますが、以上、いわゆる長期利子補給の問題、離農年金の問題、農業の細分化の問題、この三点について大臣の御意見を承って私の質問を終わります。
#13
○国務大臣(櫻内義雄君) 農業経営の近代化をはかる上におきまして、農業金融の果たすべき役割りはきわめて大きいと思います。その必要とする資金が適時円滑に供給されなければならないとともに、農業の低生産性、資本の回転率のおそさ等から、農業の資本装備の高度化、経営の近代化のための融資は、可能な限り長期、低利が望ましいと思うのであります。そういう点から、農業近代化資金の貸し付け利率の引き下げをはじめ、各種農林公庫資金の融資内容の改善に逐次つとめてまいったのでありまするが、河口委員の御指摘のように、十分農業者の満足を得られておらないということは、私も認めるところでございまして、今後におきましても、御意見の御趣旨に沿って、長期、低利の資金を確保するようにつとめてまいりたいと思うのであります。
 それから離農年金の問題についてお触れでございました。昭和四十五年の五月に農業者年金基金法が制定され、現在これに基づいて事業を進めているところでございまするが、農業者年金制度は、国民年金の被保険者である農業者に厚生年金並みの年金を給し、農業者の老後の生活安定をはかろうとするものでありまして、ただいまお願いを申し上げておる厚生年金保険法等の改正に伴い、給付水準の引き上げ等、制度の拡充強化が必要となってきておるわけでございます。
  〔委員長退席、理事初村瀧一郎君着席〕
 このため、年金給付開始時、五十一年二月までの間に可及的すみやかに農業者の意同等を十分反映した改正を行なうべく、現在、農業者年金制度研究会を開催し、鋭意検討を進めているところでございます。
 なお、高齢等のため制度の対象とならない農業者を対象に設けられた離農給付金についても、その引き上げをあわせて検討をいたしまして、ただいまの御質問の御趣旨に沿ってまいりたいと思うのであります。
 それから農地が細分化されていくという問題についてお触れでございます。昭和三十九年に、農地等を農業後継者に生前一括贈与する場合における贈与税の特例措置を講じたり、また、昭和四十八年に農業者年金における経営移譲年金制度を設けてきた次第でございます。
 なお、金融面においても、自作農維持資金において、農業後継者たる共同相続人が、他の共同相続人から農地にかかる相続分を譲り受けるのに必要な資金等を、農村漁業金融公庫から低利、長期で融通するというようなことによりまして、一応は農地が分割され、細分化されていくというようなことを避ける措置を講じておるわけでございまするが、ただ、農林省における昭和三十七年以降の、数次にわたる調査の結果では、相続により農地が分割される傾向は、一般的には見られておらないのでございますが、この農地の分割化をでき得る限り避けるために、ただいま申し上げたような措置を講じてまいりたいと思う次第でございます。
#14
○佐藤隆君 関連。金融四法の審議のときに、実は農政それ自体について基本問題について、若干触れたのでありまするけれども、大臣がおられないところでありましたし、その中で、触れたその中で、心配しておる問題が、やはりきのう、おととい出てまいりましたので、そのことについてちょっと触れておきたいと思います。
 きのうもちょっと議論はいたしましたが、大豆の輸出を禁止するというアメリカの措置、この穀物規制の第一弾が実は出たわけであります。何かあるのであろうかと予測はしていましたが、意外と早くきびしい措置が出たということで非常な不安を生産者にも、また消費者にも、まあ国民多数に不安を与えているわけであります。
 そこで、関連でありますからやりとりはいたしませんから、全部並べて申し上げますので、お答えをいただきたいと思います。この大豆の問題について暴騰のおそれがある、大豆の価格の問題であります。これに対して、もう腹をきめておいてもらわなきゃならんような気がするわけでありますが、きのうのきょうのことでもありますので、どれほど詰めたことが結論づけられているかはわかりませんが、お考えをひとつお聞きしておきたい、こう思います。
 それから基本問題に関連いたしますが、備蓄の問題であります。私は、米麦の備蓄問題について従来ともいろいろな機会に議論いたしてまいりました。米は百万トンの持ち越し計画というものが即備蓄である。百万トンでは足りない、三百万トンはどうかという議論もあります。しかし、そのことについて私はここで結論づいたことを言おうとは思わぬのであります。その持ち越しが備蓄となっておる。しからば麦は一体どうなんであろう。麦も国際的に大事な飼料で問題になっておりますから、食管品目である麦に対しては一体どう考えているのか。最近の世界の実勢に応じた一つの措置、考え方というものがなければならぬと思いますが、そのことをひとつお尋ねをしておきたいと思います。
 さらにいま申し上げました大豆の問題に関連いたしまして、食管外の品目について商品投機の代表質問でも、私は本会議場で申し上げた。そのとき、農林大臣は関係各省とも相談をして備蓄の問題はひとつ真剣に取り組む、こういうことで、その必要性を是認されたと私は理解しております。必要性を是認された後に、備蓄の問題について、その具体的な方法論がどの程度進んでおるか、これをひとつ詰めておきたいわけであります。しかし、たとえばいますぐそんなものができようと私も、やぼな考えを持ちません。たとえば四十九年度予算要求にはこんな形で、こんなことを考えねばならんと思っているんだ、ぐらいなことはお聞かせいただければありがたい。特に大豆の問題がいま焦眉の急ということで爼上にのぼっていることでもありますし、引き続き、第二弾としてトウモロコシ、そういう問題が出てくるであろうと推測されているときでありまするから、大豆、えさ等についての備蓄事業公団とか、あるいは備蓄事業団とか、備蓄公団とか、たとえばそういうような形で取り組むといってこられたそのことは、通産当局との間にどの程度進められてきたのか、どういうことが、むずかしさがあって進められていないのか、その辺について、たまたま大豆がこうした問題になってまいりましたので、私どもがかねて心配をしておった事態が出てまいりましたので、特にこの備蓄の点についていま答えられる範囲の、最大限のお答えをひとつしておいていただきたい。そして食糧の安定的供給という、国民に対する農林省の使命をここにひとつ明言をしていただきたい、かように思うわけであります。
 それからもう一つ、別の問題でありまするが、生鮮食料品の政策割引、これが取りやめになった。しかしこれをやはり復活をしてくれという意見もあるけれども、復活はなかなかめんどうだ、その代替措置はどうなんであろう、何かそうしたことについて予算措置を講ずべきであるということを私どもわが党においても強く農林省に対して要請をしてきたところであります。これもいますぐ結論が出ていないはずであります。結論の出ていないのはわかっておりますから、ここ一日、二日で解決のつく問題でもないでしょうが、大事な問題でありまするから、大臣のお考えをお聞きしておくと同時に、事務当局のそれなりの詰めがあれば、ここでお答えおきいただきたい。これをお願いいたしておきます。
 時間もございませんが、まだ若干ございまするので、なお最後にもう一つだけつけ加えさせていただきまするけれども、けさも実は私ども朝、ディスカッション・タイムで、いろいろ議論をしたのでありまするけれども、国民の食糧の安定的供給、需給のバランスをとりながらということ、それは開発輸入も必要でありましょう。しかしやはり地域分担という地域別の農業振興、農業生産の指標に基づいた各地域ごとの明確な地域分担というものが早く詰められなければならないのではないか、従来とも急げ急げと申し上げてまいりましたが、このことについて具体的にはお聞きいたしませんが、なるべく結論が早く出るように、急がなければならないという大臣のお考えだけはただしておきたい、こういうことであります。
 以上、申し上げまして、私の関連質問といたします。
#15
○国務大臣(櫻内義雄君) 最初の、価格の暴騰についての御懸念でございます。先ほど投機や買い占めの取り締まり法が成立を見た次第でございまするから、大豆について、もしそのような懸念がある、あるいは大豆に限らず他の生活関連物資で、問題がありますれば、関係省庁と相談の上、指定をいたしたい。そのことによりまして、ある程度の投機とか、暴利の抑制は、法の趣旨に従って、当然できるものと思うのでございます。
 それから備蓄問題について、備蓄公団の構想につきましては、これはまだ煮詰まっておりません。商社を管轄する通産省のほうが中心でお考えを願う一応の方向でございまするが、しかしながら、農林省としては、大事な国民の食生活関連物資を扱っておるのでございまするから、これらの物資で国民に御心配をかけるということがあってはならないのでございまするから、佐藤委員の御質問の中にもございましたように、飼料穀物あるいは小麦、大豆、これらのものがある程度確保されていく必要がある、こういうことで、長期輸入契約の締結とか、開発輸入の推進とか、輸入先の多角化に鋭意つとめておるわけであります。そして具体的には、小麦の場合でありますると、四十七年度におきましては一・七カ月分程度のランニング・ストックでございましたが、四十八年度におきましては、これを二・三カ月分にするように現在つとめておるわけでございます。
 それから濃厚飼料の原料たるトウモロコシ、コウリャンにつきましては、過去の港湾ストや海員ストなどの不測の事態も考えまして、あるいは今回のような国際需給の逼迫による価格の高騰にも考えまして、輸入の安定的確保ということで、先ほど申し上げましたような、開発輸入、あるいは輸入先の多角化等を考慮に入れて努力をしておるわけでございますが、さらに飼料問題研究会におきまして、広く関係者の意見を徴しておるところでございます。
 問題の大豆でございまするが、とうふ用等の食品用大豆の業界における一括共同購入の促進や、操作用の適正在庫の保有を誘導する等を念頭に置いてやっておるわけでございまするが、今回の場合、すでに御説明を申し上げましたように、船積み済みのもの、それから現に備蓄をしておるもの、それらを合わせまして、さらには契約済みのものがどの程度七月二日の措置が講ぜられるかはこれは別として、それがかりに二割か三割というような場合でありましても、十月までは御心配をかけない玉の確保をいたしておるわけであります。しかし、それが御質問にあったような仮需要による価格騰貴等の問題がございますれば、それは別途に今度の新法によって措置をしてまいりたい。
 それから、米の点については、これはただいま二百万トン、三百万トンの意見を言うものがあるじゃないかというお話しでございましたが、一応は百万トンの、すなわち二カ月強の備蓄をすることを目標にしておるわけでありまするが、現在、古々米等も持っておりまするので、その程度の措置が講ぜられておると御判断願ってよろしいと思うのであります。ただ、全般的に申し上げまして、食糧のことでございまするので、この保存の方法というものがきわめてむずかしいのであります。飼料関係の濃厚飼料を港湾倉庫に入れるといたしましても、サイロ等が不十分である、あるいは米などの場合に、一体、低温倉庫をどれぐらい持ったらいいのかというような、具体的にぶつかりますと、いろいろ問題がございまするが、ただいま申し上げたような範囲のことは、先般来のことから手を打っておる次第でございます。
 なお、運賃割引の問題については担当局長よりお答えをいたします。
 地域分担の問題については、大まかなものはすでにお示しをいたしておるわけでございまするが、きょうの御質問の御趣旨に沿いまして、もっと掘り下げた具体的なものを発表いたし、御協力を得たいと思う次第でございます。
#16
○政府委員(池田正範君) 御質問の鉄道運賃の、主として公共割引の廃止についての御質問だと思いますが、御案内のように一昨年、昨年とそれぞれ九月に半分ずつ公共割引が廃止になりまして、現在はいわゆる公共政策割引はゼロということになっているわけでございます。したがいまして、これに伴いまして関連の農林関係物資、特に生鮮食料品等の長距離輸送については、かなりの負担増ということになるわけでございまして、たしかこの政策割引に伴いますところの分だけで四十六億前後の負担増が出てくる。さらに、かりにこれが運賃の値上げということになりますと、合計いたしまして二百億前後の負担増というふうな計算もあるわけでございますので、私どもといたしましては、特に御指摘の生鮮食料品の中で、野菜とか、魚とか、あるいはまた一般的な木材とかいったようなものにつきまして、この負担増について、何とか一般営業割引――営業政策割引というのがございますが、営業政策割引の中での運用で、これをひとつ吸収できるようにしてもらいたいということで、ずうっと引き続き運輸省との間で協議をいたしております。御案内のように、長距離になりますというと、かなり距離運賃の割引の制度もすでにございますし、また、時期によって積み出し貨物をまとめること等、あるいはその他の方法によりまして、かなり実質のコストを下げることもできますので、それらを含めて、営業政策割引の弾力的運用の中で、なるべく吸収してもらうということで、現在技術的に両者の間で詰めつつあるわけでございます。
#17
○足鹿覺君 先ほど河口委員の米審の問題についての御質問に、大臣の御答弁は、なるべく国会の審議に支障のない日程で考えたいという意味の御答弁をなさったと思うんです。といたしますと、二十四日が本国会の会期末になりますから、二十四日から米審を招集なさいますと、二十四、二十五、二十六、三日間を予定しなければならない。三日間を予定して大体米審が答申にこぎつければいいけれども、そうでない場合が出てくるかもしらぬ。かりに三日間で答申があったとしても、これが党が受けて検討するのが七月の二十七、二十八日、二日間でやれるかどうか。そこで徹夜に次ぐ徹夜をやられても、総理は七月二十九日にはアメリカへニクソン会談のために行かれる日程と聞いておる。そうすると、大臣ね、これはあなたの日程は国会をなるべく避けたいという気持ちであるが、しかし国会の中にもやらねば間に合わぬということになって、たいへん御苦労になっておるようでありますが、国会開会中におやりになれば田中訪米に間に合うし、早場米の出荷にも何ら支障はない。なぜ国会をよけられるか。私はそこが大臣のみそだと思う。国会開会中におやりになればよろしいのだ、いまからでも。おやりになるほうが田中訪米にも間に合うし、早場米地帯の支障にもならない。ところが国会は避けたい。それなら法案は通らなくてもよろしいんですか。最終版になって、メジロ押しに来たこの農林委員会の審議がそう簡単にスムーズにいくとお考えになっておるんですか。そういう点については、国会の審議に支障のない日程とはどういう意味ですか。国会中におやりになってよろしいんではありませんか。これが一問です。
 で、田中訪米に間に合わせて早場米の買い入れに支障なきを期するならば、いま言ったようなことをなさらなければできないはずなんです。私は、あなたがそう両方よいような考え方に立たれることは、あまりに虫のいいお考えではないかと私は思うんですが、八月にお延ばしになるのか、国会開会中といえども、あなたが勇気をふるっておやりになるのか。もう少し――与党だから河口さんも追及がやわらかいものだから、どうもよくわかりませんが、その辺でき得る限り、これは重大な田中総理の訪米という既成事実があるんですから、われわれはあなたのお立場を考えて、いろいろと日程を組んでみておるわけなんですよ。ひとつ御構想のほどをこの際はっきりしていただきたい。
#18
○国務大臣(櫻内義雄君) これはいろいろ申し上げておりまするけれども、実際上はなかなかその時日決定に困難を来たしておるというのが正直なところなんであります。それで国会審議に支障がないように、それは皆さんのほうから、ああ協力してやるよと言われれば、審議の支障はなくなると、こういうことにもなりまするが、これは関係農業団体のほうの動向も頭に置きながら、諸般の情勢を勘案しながらまいっておるわけでございまして、したがって、従来ともに予約には支障の来たさない、おそい時期と、こういう表現などを用いてまいったわけでございます。いずれにいたしましても、そう遠からない時期にお願いをしなきゃならないということは、もう皆さん方の御常識で判断のできるところでございまして、私としても、いつまでも衆参の委員会で同じような答弁をしていくということも失礼な次第でございまするので、間もなくはっきりした時期を申し上げる段階がくるものと思うのでございます。御了承いただきたいと思います。
#19
○足鹿覺君 食糧庁長官、事務屋の立場から補足説明やれや。
#20
○政府委員(中野和仁君) 大臣がこまかく申し上げましたとおりでございます。
#21
○足鹿覺君 そんな補足があるか。そんなんでは法案通りませんよ。そんなことでは知らぬよ、おれは。国会の審議でそんな……。
#22
○中村波男君 昨日の朝六時にアメリカが大豆等の輸出規制を行なったのでありますが、したがって、農林省としては、大ショックを受けられまして、きのうはてんやわんやで、いろいろと対策を立てられる余裕がなかったのではないかと思いまして、きのう足鹿先輩の質問に対して、一応の農林大臣から御報告があったのでありますが、一夜明けましたきょう、その後何か新しい情報が入っておれば、この機会に御報告を受けたいし、また、緊急な対策について、それぞれ事務局を督励をされて対策を立てておられると思うのでありますが、それらの具体的な内容があるならば、まずお聞きいたしたいと思います。
#23
○国務大臣(櫻内義雄君) 昨日、委員会の午後の段階でございましたか、公電の入ったことは申し上げたわけであります。その後の動きはどうかと、とりあえず外務省鶴見審議官がアメリカ大使を訪問して、今回の措置に抗議を申したのでありまするが、その後に、米大使と大平外務大臣がお会いになりまして、このたびの措置についての日本側の抗議をされております。情報といたしましては、その後別段のことはないのでございまするが、非常に重要なことでありまするので、本日、十一時に私もまた、米大使と会見をいたしまして、今回の措置は、日本に対する重大な影響があるということについて、抗議を申したのであります。米大使のほうからは詳しいお話はございませんが、今回の発表の中にございますように、七月二日までに、今後の輸出可能量及びその輸出割り当ての方法についてアナウンスすると、この点について、大事な取引先である日本の不ためになるようなことにはならないんではないかと、新たなる参加者――どこの国をさすかわかりませんが、新規の参入者と、それから従来の日本とのそれは当然考慮されるべきものではないかと、今回の措置によって、そういう旧来の取引先と国内の消費とに公正に割り当てたいというようなお話をされておりまして、まあ私が察しまするに、昨日来、鶴見審議官、大平外務大臣のお話を聞かれ、さらに私に会ったのでございまするから、大使としても、今度の発表がどのように日本に反響しておるかは十分承知をされておって、この二日の発表が日本に対する影響がなるべく避けられるようなお考えを持っておるように見受けられました。
 それとともに作付面積の拡大について触れられて、新穀が出てくる時期には相当量ふえるので、今度の規制措置は、そう長いものでないというようなことも言われておりましたが、いずれにしても、これは大使とのお話、あるいは大使の話をもとにしての私の推察でございまして、かかってこの二日の発表というものが現実に日本に対しての影響のある問題で、この間、日本側の意向というものが十分アメリカ側に反映するよう、あらゆる方法を講じてつとめてまいりたいと思う次第でございます。
#24
○中村波男君 まあ新聞報道によりますと、バッツ農務長官は、日本など長年の顧客には迷惑をかけないと言っているようであります。いま大臣のお話を聞きましても、アメリカは、日本には特別な扱いをしてくれるであろうという、こういう甘い期待感があるんじゃないか、そういう期待感がある限り、いま私が質問したことについて答弁漏れであればよいわけでありますが、こうした緊急な事態に直面をしてとにかく打たなければならぬ幾つかの手があると思いますが、それらの点についても二日になっておもむろにひとつ検討しようというような態度がありありうかがえるような気がしてならないわけです。そこで、私は、自主規制というのは一時的なものと見るのは誤りではないかという観点からお尋ねをいたしておるのでありますが、その証拠に、いわゆる大豆の代替としてトウモロコシ等の買い付けを必ず私は日本もやらなきゃならぬと思いますし、各国ともやると思うのでありますが、そういうような事態になったときには、トウモロコシなどにも規制を広げるということをすでに言っておるわけであります。したがって、アメリカの基本的な考え方というのは、世界の食糧需給が長期的に見て逼迫するということを見越しまして、農産物貿易面での戦略転換と見なければならぬのじゃないか。そういう点を私は、十分日本国政府としてははっきりと見定めて、それに対応する大豆のみならず、今後の日本の農産物の自由化という問題にも対処していただかなければいけないんじゃないか。ここで言えますことは、必ずオレンジをはじめとする農産物の自由化をわが国に迫ってくるというこの伏線があるんじゃないか、疑ってかかってよろしいんじゃないかというふうに考えるのでありますが、私のいま申し上げたことに対する大臣の御所見をお聞きいたします。
#25
○国務大臣(櫻内義雄君) 二日を待っていろいろ考えるということではないのであります。すでに、この委員会でも明らかにいたしましたように、手配済みのものでまいりまして、十月末の在庫は約二十八万トン、しかし二日の日にどれだけ、六十六万トンの成約量が切られるかということが問題になってくるわけでございまして、現在のところ、仮需要が起きない限りにおきましては、とりあえずの段階としては、大豆による問題は深刻な場面を迎えずに済むのではないかと、こう見ておるのでございまするが、しかし、国内における需要といたしましては、特に食品用の大豆というものが国民の強い関心事でありまするから、これに対処するための施策については、現に農林省内におきましても、また、大蔵省の関係につきましても、種々検討しておるということを申し上げておきたいと思うのであります。
 それから戦略転換の問題につきましては、これは一応の分析でございまするから、そのまま申し上げておきまするが、アメリカが現に直面している大きな課題は、何といっても、国際収支の不均衡である。その国際収支の不均衡から考えて、戦略転換をして農産物の輸出をせずにやり得るアメリカの経済であるかということにつきましては、現在のデータから見て、これは当然そのアメリカとしての主要輸出産品であるということについては、おそらく自他ともに認められるところではないかと思うのであります。そういうわけでありまするから、農産物の輸出をしばらく押えるということにつきまして、どれほど持ちこたえられるかということが、そう長期にはでき得ないと、こういうふうに判断をするのでございます。また、国際的な需要の増大を見込んでの作付面積の拡大と、そして新穀の見通しのつく時期というものについては、アメリカ側の情報から見ましても、その辺にはアメリカ政府自身が非常に関心を払っておるということも事実でございます。そういう点から戦略転換ということは、それは一つの予測として検討はしておかなければなりませんが、現在の段階におきましては、アメリカとしてはそこまでは踏み切れないと見ておる次第でございます。
#26
○中村波男君 次は、アメリカの新しい豆が入るまでの、新しい豆が収穫されるまでの間の在庫というのは、どれくらいあるのだろうかということをお聞きしたいと思うわけであります。朝日新聞によりますと、読んでみますが、「農林省や食用油業界によると、米国で九月までに出回る旧穀の輸出契約は二百五十一万トンあるという。ところが、現在新しい大豆が出回るまでの繰越し在庫は十万トンしかなく、輸出契約したものをすべて輸出したら、米国内での大豆供給に不安を与えることになる。このため米国はこの輸出契約分から約百万トン近くのものを削ることになり、契約の半分近くが取消されると農林省ではみている。」こういう記事があるわけでありますが、これは農林省から取材をされたように、この記事からは見えるのでありますが、この間の事情を御説明いただきます。
#27
○政府委員(池田正範君) アメリカの発表によりますと、四月一日現在の米国内の在庫量が五億五百万ブッシェルというふうにいわれております。ところで前年から今年にかけまして、月間の消費量がどのくらいアメリカの国内で伸びているかということは必ずしも明確ではございませんが、これらがかなり前年の数字に近いところでおおむね消費がされているのだという推定をおきますというと、約四月から六月までの間の三月に、三億ブッシェルくらいのものがなくなる。そういたしますと、差し引きいたしまして、二億数千万ブッシェルというふうなものが現段階ではアメリカのストックとして残っておるのだ、こういうふうに考えられるわけでございます。それをさらに、その中から九月以降持ち越すための適正な在庫量等を考えて、差し引きますというと、さらにそれを全世界の輸出先に平均的にばらまくというふうなことをいたしますというと、朝日新聞で出ておりました数字の中身については、私も必ずしもつまびらかにいたしませんけれども、多少窮屈な面が考えられる場合もある。
 しかしながら、先ほど大臣が申し上げましたように、現段階で私どもといたしましては、既契約の六十六万トン、これを六、七月積みで一応考えておるわけでございますけれども、その既契約の六、七月到着見込みの六十六万トンを、現在の在庫量の四十万トンに加えまして百七万トンを、供給余力として持っておる限りにおいては――大体この時期の、供給時期であるところの、まあ十月から向こうは新穀が出回りますけれども、実際日本に到着いたしますのは、十一月くらいになりますけれども、この新穀の生産状況から見てまず心配はなくなるのではないか。約二割くらいの生産増強ということでございますし、現在約七割見当のものが植えつけ終わっておるようでございますから、したがって、前年が約十三億ブッシェルということですから、おそらく新穀は通常の生産条件でいけば、十五億五千万ブッシェルぐらいになる。そういたしますというと、これらの供給力というものは、本年に比べて相当大きなものになるということが言えますので、したがって、ただいま申し上げました十月まで到着する分として六、七月の分と、七−九月の船積みの成約分と、この両方が通常ベースで入ってまいりますれば、何とかなるというふうに考えているわけでございますが、その分の削減がかりにいまの新聞のように相当大幅に出てくるということになれば、これは当然影響が出てくるという勘定になろうかと思います。
#28
○中村波男君 昨日来、農林省としては、三十万トン程度の在庫があるから、当面しては困らないんだという説明がなされておるわけでありますが、先刻の池田局長の御報告の中にも、六月、七月に到着するのが六十六万トン見込まれるんだということでありますが、現実には、アメリカは、六月の二十七日までに船積みしたものはこれは規制はいたしませんけれども、二十八日から船積み予定のものは規制の対象になるわけです。幸い二日の日に、日本に限って、従来どおりの契約されたものについては輸出を許可するということになれば、何もかも解決でありますが、そういう予測というのは、いまの段階では、私たちの感じではできないんじゃないか、相当規制されることは明らかではないか、こういうふうに思うわけであります。
 そこで、私が聞きたいのは、六、七月到着するのは六十六万トンあるから、さらに在庫はふえるんだという説明だけでは数字的にはっきりしないわけですね。なるほど六月二十七日までに積んだのがこれだけありますと、したがって、一カ月くらいかかるかもわかりませんが。日本の市場に出回らせることができますという数字が明らかにされれば、確実な在庫として計算ができますが、七月のものは全く未知数な数字でありますから、そういうものを報告してだいじょうぶだということにはならないのではないか。したがって、農林省として、どれだけ船積みされたかということぐらいは、調査をする考えがあるならば、調査方法というのは、あるような気がするんでありますが、なかなかそういうものは的確につかめないような仕組みになっておるのかどうか、その見通しをさらに具体的に明らかにしていただきたい。
#29
○政府委員(池田正範君) 先ほど申し上げましたように、五月末の在庫が四十万トンございます。そのほかに、この六月の輸入計画に乗っておりますのが四十一万トンあるわけでございます。この四十一万トンは、実はただいま先生が御指摘になりましたように、必ずしも全量が六月の何日まで入ったかということの確認がまだできておりません。御承知のように、現在かなり港も混雑しておりまして、滞船中のものもございます。したがって、まだ太平洋の上を走っておるものもあるわけでございまして、したがって、もう少し先になりませんというと、六月全体でどれだけ通関したかということを明確につかむわけにはまいりませんけれども、かなりの数量が――先ほど申し上げました六十七万トンの中の一部が、かなりの数量が入ってきているということは言えるかと考えております。
 しかし、それにしましても、極端な場合、あとのものがカットされて全然入ってこないというような極端な前提をおきますれば、これは当然影響が早急に出てくるということを言わざるを得ませんけれども、しかしながら、先ほどの大臣のお話の中にもございましたような、米国側の政府の考え方といたしましても、アメリカの国内の消費者並びにまあいわゆる伝統的な顧客というものについては、これは平等に、不足する大豆を配分するんだということを公式に言ってきておりますから、したがって、その範囲で考えますれば、一部の削減というものが行なわれましても、これはそういま申し上げましたような、ほとんど大部分が見込みがなくなってしまうような形で直撃弾が来るというふうにも考えなくてもいいんではないかというふうにいま考えられるわけでございまして、そういたしますと、当然そこで何割かのカットということが出てくるといたしますというと、その何割のカットが現実のものになるかによって影響力が出るか出ないかということになるので、これは迂遠なようでございますけれども、やはり七月二日のアメリカ政府の現実の削減の方法を見ませんことには、何ともこの見当がつかないというのが現状なわけでございます。
#30
○中村波男君 私どうも理解ができないのは、いわゆる非常事態を現在は迎えておるわけですね。だから、農林省として各輸入商社に照会をして、何月何日までに船積みした数量はどれだけあるのかということぐらいは、きのうからきょうにかけて調査をされる意思があれば、わからなきゃならぬと思うのでありますが、そういうことが幾日もかからなければ調査もできないというような実態というのが、私には理解ができないわけです。
 それからもう一つは、五月末に四十万トンの在庫があるとおっしゃいまするけれども、大体一カ月の需要量は三十万トンというお話でありますから、一日に一万トンずつ減っていくわけですね。したがって、四十万トンは、きょう四十万トン五月末の在庫が残っておるということではないんじゃないかと思うんですね。そういうことになりますと、もうその在庫というのはあとわずかになってしまっておって、六月に入ったものが七月に食べていくという、こういう結果になるんじゃないかと思うんです。そういうふうに、具体的に在庫を継承していきますと、そうのんきなことが言っておれるような、直撃弾を受けたような事態ではないと言い切れるかどうかということについて、そこに国民の不安もありますし、今度は実需者の関係からいうならば、これはまたたいへんなことになるというので、必ず大豆の価格というのは高騰するという事態を迎えざるを得ない。そういう点からも、もう少し明確な在庫量なり入荷量というものを示すことが、価格の高騰を押える、鎮静させるという大きな役割りを果たすという意味で、もっともっと的確な、しかも敏速にそういう実態調査というのがされるべきだと思うし、できないものかどうか、もう一度念のためにお聞きします。
#31
○政府委最(池田正範君) これはもう先生御指摘のまでもなく、その時期その時期においての在庫量なり、流通量が明確にわかることが理想的だと思います。しかし、おそらくアメリカが今回の措置をとりまして、引き続き七月二日に何らかの措置をとるということを申しておりますのを見ましてもわかりますように、なかなか国内流通というものがうまくつかめない。そこで、おそらく港で積み終わったもの以外を全部とめることによって、一種のたなおろしをやって、そしてこの中でどれだけのものが現在国内にあるかを詰めようとしたんだと私ども推定しておるわけです。ですから、ほんとうの輸出規制をするのかしないのか、削減をするのかどうか、どの程度にやるのかは七月二日の制限の中身によって初めてきまるものであるというふうに私ども考えておるのでありますけれども、同時に、そのことはほとんど大部分を輸入に頼っております日本側から見ますというと、やはり米国内で滞留しているもの、海の上を走っておるもの、すでに着いておるけれども入管の手続を終わっておらないもの、それからさらに輸入の手続を済んで入っておるけれども、それが食品用もあれば、搾油用もございますが、同時に、搾油の計画、搾油の運転の消化の状況その他千差万別でございます。
 したがいまして、現在の在庫の豆が幾らあるかということを調査しなければいけませんので、私どもとしては大急ぎで現在業務調査をいたしておりますけれども、早急に調べ上げると申しましても、なかなか現段階においては一、二日で調べ上げるということには、実は手が回りかねておる次第でございますが、しかし、御趣旨のことは私ども全く同感でございまして、一日も早く正確につかむということを第一に、国民の不安を取り除くということに全力をあげたいと考えております。
#32
○中村波男君 ばか念を押すようですけど、輸入商社というのは農林省では許可を与えておるんでありますからわかっておると思うわけですね。だから、どの商社でも、船に積んだら、船に何トン積んだという電報なり電話なりが入っておるのが取引の常識じゃないかと私は思うんですよ。そういうのを調べれば、とにかく船には何トン積んであるぞということぐらいは――三時間や四時間で調べようというのは無理かもしれませんけれども、一日か二日には調べられる、また調べるような体制というのを常に備えておく必要があるんじゃないか。そういう点で、早急にひとつお調べいただいて、それをやはり発表していただくことが必要じゃないか、念のために私の意見を申し上げておきたいと思います。
 そこで、すでにきのう東京穀物現物相場等は七、八百円なりあるいは九百円、中国物で九百円ぐらい上がったという新聞記事が出ておるわけでありますが、きょうの取引所の現物相場等々についてすでにもう報告が入っておると思いますが、わかっておるならば御報告をいただきたい。
#33
○政府委員(池田正範君) 大豆につきましては、実はこの一月の価格の高騰のときに、大豆の取引価格、取引所における価格が誘因になって物価の騰貴をあおるというおそれが非常に強く出てまいりましたので、あの当時における新甫、すなわち七月限以降についての取引を全面停止をいたしまして、以来再開を一切許しておりません。したがいまして、この六月の納会におきまして全部取引の取り組みの残が全部手じまわれてしまいましたので、現在は取り組み枚数が一枚も残らないというかっこうになりまして、その意味では全く今後取引所は価格に介入するところがないという形になっておるわけでございます。
 先生のおっしゃっておるのは、おそらくこの取引所の価格ではなくて、取引所の会員が、仲間の気配相場を見て知っておる分野であろうと思いますが、実はそれも本日ぐらいから――具体的にはいままでずっと公表しておりましたものを、これは何枚か残の取り組み枚数が現実にあったものですから、その取引所における取引の単位がたとえば一俵当たり五千五百円であると、しかし仲間の取引相場については六千七百円であるというふうに出しておったんですけれども、これも根っこがなくなってしまいますものですから、そっちのほうの正式の公表もしないというふうなかっこうになっておりまして、実はあとはたとえば日経の相場とか、そういった一般的な相場の動きを見て今後は対応していくということになるわけでございます。ですから、私どもといたしましては、まあ新聞の相場だけでなくて、具体的には仲間のそういった取引相場については業務上の必要からそれぞれのところに報告を求めて、随時その相場を入れていきたいと考えておりますけれども、二十七、二十八日は比較的――東京のほうは若干上がりまして、中国産につきましてはトン当たりで十万六千円のものが二十八日には十二万円。それから米国産の大豆につきましては二十七日に十一万七千円のものが十三万円。それから神戸では同じ米国のものが、これはオーデナリー・ナンバー2の普通ものでございますが十三万円が動かず。それから例のI・O・M大豆というやや食品用に向けられる高級なものは、二十七日に十三万八千円のものが大体二十八日も動かないというふうなことで、実は現在のただいまの段階では多少国内における中小の問屋等の先物に対する気配から価格を高目につり上げようとする動きが出つつある要素はあると思います。しかし大手の一般の流通経路からいたしますとかなり港に現在滞船もございますし、国内の手持ちも豊富である。したがってむしろ七月二日のアメリカの制限の中身がどう出るかということを見守っておるという段階にあるように思っております。
#34
○中村波男君 ここ二、三日たちますと、さらに私は現物相場というものが高騰するんじゃないか、それを一番心配をいたすのであります。そこで、先刻河口委員の質問に答えられたと思うのでありますが、農林大臣は、大豆が高騰した場合には買占め、売惜しみ規制法案も国会を通ったんだから、関係各省庁と連絡をして、万全の手配をするということをおっしゃったわけでありますが、高騰してから万全の手配はいたせないわけでありますから、したがって、農林省としては三十万トンあるんだ、四十万トンあるんだとおっしゃいますが、その四十万トンの在庫はどこで、だれが持っておるのかという実態調査というものはすでにできておるわけでありますか。常にそういう資料というものは農林省が掌握できるような仕組みがあるのでありますか。
#35
○政府委員(池田正範君) だれがいつどの倉庫にということは、これは現在の仕組みではそういう仕組みになっておりません。むしろ私どもとしては、業界のルートを通じて報告を求めてそれを積算するという形をとらざるを得ないわけでございます。したがって、それが非常にどうもほんとうではないんではないかという疑念を持って、実際にチェックして調べるということは、今回の買占め法の成立によって初めて、報告を求めるとか、あるいは具体的な権能を持って動き得るということになるわけでございます。そういう意味で、一一突き合わしたわけではございませんけれども、私どもといたしましては、業界の報告を集計するという形をとっております。
 それから現実に幾ら持っておって、それをどう売るかというのは、従来ですと、これは大体いわゆる商機と申しますか、いわゆる商売の機密ということでなかなかこれは実は私どもは知りたくても業界のほうで個別のものについては出してこない。あるいはかりに出しましても、これは外に、その数字を表に出すという条件をもうやめなければ、絶対にほんとうに近いことを言わない。これは、この種のものの業界のいままでの普通常識でございまして、私どもは、ほんとうのことを知りたいと思うときには、外に向かって個別のものとか、不利に使われないという保証をしないというと、つかまえられないという実態がございます。
 で、私どもとしては、しかしそうは言っても、個々の業者をいじめるとか、つるし上げるとかという目的で使うのではなくて、国全体の需給というものを明確につかまえて、国民に不安をなからしめるということのために使うわけでございますので、従来はそういうふうなことでできるだけ業界を通じてとってまいりましたけれども、先般の大豆の高騰の際におけるいろいろな問題もございましたので、先ほど大臣からも申し上げましたように、今回からはこの法律通過を待ってかなり厳格に私どもとしても対応して、あまり違いのない厳密な意味で使い得る数字、それから疑問があれば、これを常にチェックしていく体制、そういうものを調査員を至急設けることもあわせて考えましてやってまいりたいと考えておる次第でございます。
#36
○中村波男君 大臣、大豆の高騰という苦い経験を持っておるわけでありますから、警戒には、し過ぎはないと思うわけであります。高騰させないということに、農林省として警戒を怠っていただいてはならぬと思うわけであります。したがって、いつでも法律的に規制できる道も開けたわけでありますから、不十分な法律ではありますけれども、それが発動できるという、そのための準備といいますか、体制といいますか、そういうのを整えて、十分ひとつ二度と買い占め、売り惜しみ等による大豆の高騰を来たさないように、十分なひとつ大臣としての指導監督体制をおつくりいただくことを強く要望するのでありますが、いかがですか。
#37
○国務大臣(櫻内義雄君) これも内々の話でございますが、通産大臣との間にも緊密な連絡をとっておりまして、また企画庁とも連絡をとりまして、できれば、早く買い占め、売り惜しみの臨時措置法に伴う指定物資としての第一号を、また、あるいは必要によっては二号も三号も指定をいたしたいと、こういうことでいま準備中でございます。お話のとおりに、われわれは苦い経験をなめ、また、国民の皆さんから御批判を受けたのでありまするから、再びそのようなことを繰り返さないように、よく注意をして措置をしてまいりたいと思います。
#38
○中村波男君 次に、大豆の値上がりによる飼料への影響について若干お尋ねをいたしたいと思うんでありますが、飼料向けに回っておる大豆、さらにアメリカから輸入しております大豆かす、これは年間どれぐらいにのぼっておるか、御報告をお願いします。
#39
○政府委員(大河原太一郎君) 御案内のとおり、大豆につきましては、搾油されたあとの大豆かすが配合飼料の原料になるわけでございます。で、おおむね配合飼料原料のほぼ一割が大豆かす、たん白質源の。これは、先生御案内のとおりでございます。その数字は、四十七年度でみますと百七十八万トン程度でございます。これを生産するのに必要な原料大豆の所要量は、大豆かす歩どまりと申しますか、それから見まして二百三十万程度ということに相なっております。なお、このほかに大豆かすそのものの輸入というものも若干ございまして、四十七年度では六万トン程度ということに相なっております。なお、蛇足でございますが、まる大豆のまま飼料用として使われるものは、これはやや数字がやわらかい数字でございますが、三万トン程度ということに相なっております。
#40
○中村波男君 大豆かすが飼料にしむけられる以外に、みそですか、しょうゆですか、相当そちらへしむけられると思いますが、その数量わかりますか。
#41
○政府委員(中野和仁君) 私ちょっと的確には覚えておりませんが、大体年間二十万トンぐらいだと思います。
#42
○中村波男君 ついででありますから、一年ぐらい前の相場と比較していただいてけっこうでありますが、大豆かすの値上がり状況はわかっておりますか。
#43
○政府委員(大河原太一郎君) 的確な端数までの数字は申し上げませんが、最近の、先生御案内の配合飼料価格の上昇問題の際にも、大豆かす自体の値上がりが問題になったわけでございますが、トン当たり五万円から六万円程度であったものが、最終の、この三月の値上げ当時におきましては、トン当たり八万円ということに相なっております。
#44
○中村波男君 現在は。
#45
○政府委員(大河原太一郎君) 現在は、それで、その八万円の原料を使って、配合飼料価格は抑制しておりますので、その価格で原料は使われております。
#46
○中村波男君 私は、この大豆かすの価格になぜ農林省もう少しメスをお入れにならぬかということを思うわけです。みそ、しょうゆ等の醸造業者等から、前々から強い意見を聞いておるのでありますが、品が不足しておる。したがって、岐阜のことばでバイドクリアウというのでありますが、競争率が激しい。それにつけ込んでどんどん値上げをする。だから油脂業者は油でもうけるよりも、いわゆる大豆かすで相当大きな利益率を高めておる。こういうことが実態のようであります。もちろん飼料も例外ではないわけであります。したがって、大豆だけの値に重大な関心を持って、高くならないようにということと、その大豆から製造される大豆かすは野放しになっておるということは、それはやはりみそ、しょうゆの値上がりにつながりますし、酪農経営を破壊に導きますし、おのずから酪農製品を高くさせておるということからいいまして、これらの点についての対策、また今後どう措置をされるという考えがあるならば、ぜひこの機会にお聞きしておきたい、こう思うわけです。
#47
○政府委員(大河原太一郎君) ただいま先生お話しのとおり、大豆の搾油の結果の、何と申しますか、固いことばで申し上げますと、結合生産物の油と大豆かす、この二つの価格のアロケートという問題いかんが、配合飼料原料としての大豆価格に非常に影響をもたらすわけでございます。
 で、御指摘のとおり従来の経緯をざっくばらんに申し上げますと、四十年に入りまして、大豆油の消費の伸びが落ちてまいりました。一方飼料、配合飼料としての大豆かすの需要、原料としての大豆かすの需要が非常に伸びておりまして、その辺の関係から、油かす、油自体に対するアロケートよりも、配合飼料へのアロケート、これに非常に関心を持ってきておるというのが、従来の状況でございます。その場合、つい一昨年までは国際的に大豆の需給がゆるやかでございますので、どちらかというとしぼり過ぎて、かすが過剰で、非常に製油関係の業界自体が買い手市場のために値段の水準が低かったというような経緯があったわけでございます。ところが、実は、最近はその事情が一変してきたというような事情がございますが、先生御指摘のとおり、やはりわれわれ畜産関係にとりましても、配合飼料で一割を占めます、その大豆かすでございますので、適切に入手された大豆が、そのしぼった大豆かすが、その需給の関係から異常に値上げが行なわれて、それが配合飼料価格にはね返るというようなことについては飼料関係の立場から見ましても、最も注意を要する点でございますので、この点については、先生御案内のとおりに、三月ごとにこの製油関係と、えさ関係の価格協定交渉が行なわれますので、その際については適切な価格が形成されるように、従来以上に踏み込んだ指導をいたしたいというように考えております。
#48
○中村波男君 とうふが、まずくなったというのも、大豆かすで、ていさいのよい、うまそうなのをつくりますことにもあるわけでありますが、したがって、大豆かすはただ、えさに回るだけではなくて、人間の食料としてみそになり、とうふになっておるということからいいましても、副産物だという、こういう考え、位置づけで、これを放置、放任するというようなことは、農林省の行政指導の面の姿勢としてはあらためていただきたい。もちろん法律的な規制はできませんけれども、大豆かすの適正な価額で適正に配分されるための行政指導また、価額面にも指導価額というようなものを常に農林省が検討して、その適切な価額が流通面で通用するように格段のひとつ配慮と行政指導を行なってもらいたい。農林大臣にも特にこの点お願いをしておきたいと思うわけです。
 そこで、食糧庁長官にお尋ねをいたしたほうがいいかと思いますが、緊急対策として、政府の飼料、操作飼料ですね。政府の操作飼料や古々米の払い下げを行なわれたわけでありますが、この払い下げが完了するのは八月だと聞いておりますが、その後の払い下げの状況、見通し等について、まずお聞きしたいと思います。
#49
○政府委員(中野和仁君) ただいまのお尋ねでございますが、三月に緊急売却で三万トンやりましたあと、四月に入りましてもかなりやっておりましたところに、ちょうど先般の半額にする法律が通りましたわけでございます。四月に十三万トン、五月十三万トン、六月十四万トン、七月は八万トンということで、六、七月分の割り当てもすでに完了をしております。したがいまして、たしか法律が七月二十二日だったと思いますが、までにこれは全部放出を、古々米については終わるということになります。そうしますと、合計しまして五十一万ということになるわけでございます。
 今後の見通しはどうかということも、お尋ねもあわせてあったんでございますが、実はことしの予算の際に、過剰米の処理は百十九万トンというふうにきめておりまして、えさは、いま申し上げましたように大体五十一万トンということで、当初の予定の五十万トンでございます。それから輸出を三十五万、原材料用、これはせんべい屋だとか、みそ屋ですが、これは二十万、特用上米十四万という予算を組んでおります。えさは大体これで完了いたします。
 それから輸出につきましては、先生御承知のように昨年来からの東南アジアの不作によりまして三十五万トンというふうにやっておりますが、どうもこれでは各国の要請に応じきれない事態になっております。
 それから原材料につきましても、二十万トンとこう見ておったわけでございますが、これも若干ふえてきそうであります。そういうような状況で推移をしておるわけでございます。
#50
○中村波男君 全飼料の四〇%以上の飼料を持つ全農が、八月は八千円のトン当たりの配合飼料を一万二千円に引き上げなければならぬという、そういう状況の中でいま検討をいたしておる。したがって、値上がりは必至の情勢にあるわけですね。したがいまして、さらに大豆の輸入規制等が行なわれれば、配合飼料のいわゆる配合率をさらに下げなければならない、こういう結果になることも予測されるわけでありますが、そういう情勢の中で、農林大臣にこれこそひとつ決断をしていただかなければならぬと思いますのは、政府のいわゆる古米ですね。まだ余裕はあると思うのでありますが、払い下げようとすれば現物はあるわけでしょう。現物があるならば、作付制限等はもうひとつ撤廃して、そうしてこの際、飼料に払い下げることが、飼料の値上げを押える一つのてこになりますし、畜産を守るという立場からも必要な対策の一つではないかというふうに思うのでありますが、それに対する御所見はいかがですか。
#51
○国務大臣(櫻内義雄君) 過剰米の古々米のほうにつきましては、ただいま食糧庁長官がお答えをしたとおりで、放出するような数量がないのでございます。いまは、古米とおっしゃるのでありますが、古米がもしかりに放出されたという場合に、一体いま現にわれわれの主食として扱われておるものとの間に、どういう問題を起こすであろうかと、なかなかこれむずかしい問題であります。価格の面で、同じようなふうに出したならば、これは飼料の価格に響くわけでございます。これを従来の古々米に準じて、ある価格ということになりますると、そこに問題が起きてくると、こういうことでその辺のところを十分勘案しながら今後検討しなければならない問題でございまするが、なかなか現実にはむずかしいいろいろな問題が起きるのではないかと思います。
 ただ、お話のような古米をもっと活用して、そうして米の生産がもっとふえていいんではないかというお話につきましては、これはしばしばここでお答えを申し上げておりますとおりに、一応ことしの生産調整に伴う休耕転作というものを進めてまいり、明年以降は休耕奨励もない、転作であると。しかし、その転作がどの程度になるのか、諸般の新しい情勢のもとに具体的に考えたいと、こう申し上げておるのでございまするから、今回のような要素もまた、検討の中に入る要素であるということは申し上げてよろしいと思います。
#52
○中村波男君 いよいよ時間が迫ってまいりましたので、もう二、三問質問を続けたいと思いますが、これ以上飼料の値上げが進みますれば、畜産というのは壊滅的な打撃を受けるということは必至の情勢にあると思うわけです。したがいまして、何としても物心両面の対策を早急に立てなければならぬと思うのでありますが、その一つとして飼料安定基準を大幅に増額するような用意は大臣にあるのかどうかということが一つであります。
 それからもう一つは、きょうは大豆にしぼって質問をいたしますが、大豆の自給率を五十七年までには一二%に引き上げる、こういう方針が立てられておるわけであります。方針は一二%に引き上げることになっておりますが、残念ながら、具体的にしからば自給率を引き上げるような対策があるのかということになりますと、まだ確立した対策というのは示されておらないんじゃないかということを思うわけです。したがいまして、休耕などというような愚劣な政策は一日も早くひとつ清算をいたしまして、やはり飼料がこれほど逼迫をしてきておりますし、また国民の、昔からの食糧である大豆というのが自給率はわずかに三%だというような状況にいつまでもほうっておくということは許されないことでありますから、したがって、生産対策とあわせて価格支持対策を積極的に進めて、両々相まって生産を刺激し、大豆の自給率を高めていくという対策を早急に確立されるべきでないか、こういうふうに思うわけです。
 そういうことで、たしか大豆も基準価格等を十月におきめになると思うのでありますが、従来は六十キロ当たり五千八百円であったと思うのであります。したがって、この五千八百円は、従来は大豆の輸入価格が安かったのでありまするから、輸入価格に比べれば倍であった。しかしその後輸入価格がどんどん上がってきたことからいいましても、また、米との比較からいいましても、五千円や六千円ではなかなか大豆をつくれと言いましても農民は手を出さない、こういう実態のあることは御承知のとおりであります。したがって、十月改定をされます基準価格について、大臣としては値上げをする腹でいらっしゃるのか、また値上げをする幅というものはどのくらいにお考えになっているのか、この機会に明らかにしていただきたいと思います。
#53
○国務大臣(櫻内義雄君) 安定基金問題につきましては、後ほど担当の局長からお答えをさせますが、ただいまの大豆のいわゆる不足払いの件でございまするが、御承知の大豆なたね交付金暫定措置法に基づいて、パリティ指数及び生産、需要その他の経済事情を参しゃくして、その基準価格の決定が行なわれているのでございまして、ただいま御指摘のように、四十七年産については、その決定当時においては相当大幅に引き上げたのであります。しかしながら、その後輸入大豆の価格が非常に上がっておる実情にあるわけでございまするが、おっしゃいましたように、大豆の生産対策、価格対策と、これをあわせましてこれからの大豆の生産振興に積極的につとめてまいりたいと、こういう考えでおるわけでございます。まあこのような考えに立ちまして、生産農家の皆さんの御要望もあることでございまするので、なるべく早く見当をつけたいと、こういう気持ちを持っておりまするが、ただいまの御質問の御趣旨も勘案しながら結論を出したいと思います。
#54
○中村波男君 緊急な事態を迎えますと、早急に対策を立てて何とかいたしますという言明が繰り返されてきたのが従来の農林省のやり方、態度であったんじゃないかと思うんでありますが、少なくとも、大豆におきましても五十万トンの生産があったわけでありますから、現在十二万トンというような、全くひどい落ち込みをいたしておる中から、一二%に自給率を高めるということは、三百五十万トンの需要量といたしますれば、四十二万トンに生産をふやすということ、すなわち五十七年までに約十年間に三十万トン増産をするという対策は、そう私は、簡単ではないと思うわけです。だから、ゆっくり計画を立ててそれから始めるんだというような、そういう姿勢では達成できないと思うんです。したがって、これは豆だけ、大豆だけには言えない状況にあるわけでありまして、金では買えないという世界的な食糧の不足時代を考えますならば、無制限に金をかけようとは言えないかもしれませんけれども、金をある程度支出しても、生産可能なものについては、やはり生産体制をつくっていくというこの姿勢がない限りは、かけ声に終わってしまうのではないか。こういうことを私は考えまして、以上の問題点を指摘をし、この政策の実施を早急に具体的に計画を立てた上でおやりいただくよう強く迫りまして、私の質問はきょうは終わりたいと思います。最後に農林大臣から御所見をお伺いいたします。
#55
○国務大臣(櫻内義雄君) これはお話のように、ほんとうに真剣に努力をいたさなければならない。よく言われる、ぜに金にはかえられないという、ことばどおりの問題に当面しておると思うのであります。決意を持って対策に当たりたいと思います。
#56
○塩出啓典君 それでは、いま中村委員、あるいはきのう委員会等でもいろいろ質問がございまして、それに関連いたしまして二、三農林大臣にお聞きしておきたいと思うんでありますが、まあ農林省の発表では、今日まで非常にアメリカを信頼をして、そしてアメリカが輸出規制をしても、日本に対しては心配ないんじゃないか、そういうように発表してきておったのが、こういう事情になってきたわけです。しかも、きょうのお話でも、七月二日のアメリカの決定がかなり日本には有利に響くんじゃないか、そういうような、言うなればアメリカ頼みというんですかね、やはり一番大事な食糧についてアメリカまかせというのでは、非常にまあたよりない。こういうことではほんとうにもうこれから先のことがどうなるのか心配だと思うんです。そういうわけで私は、まずそういう世界の食糧の需要等における情報のキャッチですね、これは各大使館にはやはり農林省からも行っておると思うんですが、今回またあわててアメリカにも調査団を出すという、そういうようなことを新聞で見たわけですけれどもね。やはり事食糧に関しては、もっとふだんから、各国の動向等をちゃんとキャッチして、そしてもう事前に対策を打つ、そういったやっぱり体制が非常に不足しているのじゃないか、そういう気持ちがするんですけれどもね。そういう点はどうなんですか。
#57
○政府委員(三善信二君) 世界の食糧事情の早急なキャッチ、緊急なキャッチを常にできるように、そういう体制を整備すべきではないかという御質問、御指摘のように、現在農林省も、大使館に農務官を派遣しまして、農務官からは、常にこういう状態における情報をキャッチいたしております。それから特に食糧庁等はアメリカのポートランドに、食糧庁の職員を常置させておりますし、きのうの情報等もいち早く電話で連絡を受けております。そういうことで、現在においてもそういう情報のキャッチには、かねがねつとめているわけでございます。何を申しましても、やはり最近のこういった全般的な世界の食糧事情の逼迫、私どもは昨年来の異常気象による短期的な原因だと思っておりますが、こういう国内の食糧事情というより、世界の食糧事情に大きく左右される点が今後ともあるわけでございますから、いま先生の御指摘になったような調査団を五つのグループぐらいに分けて、ひとつ本格的に、もっと行ってみなければわからないような点が非常に多うございますので、そういうのを契機に今後こういった世界の食糧事情のキャッチを早急に、迅速にできるような体制を私どもも進めてまいりたいと思っております。
#58
○塩出啓典君 それで、アメリカという国が私もよくわからないんですけれどもね。きのうの委員会でもお話ありましたように、大豆にしても、九六%輸入をいたしまして、その九〇何%はアメリカから輸入している。そういうものが突然ストップになれば、かなり日本国内において非常に混乱があるし、そういうことはアメリカでもわかっていると思うんですね。今日まで、そういうアメリカもどんどん工業製品を輸入超過で、それに対して、今日まで日本も輸入してきたわけですけれども、こういうように、まことにニクソンという男は策士というか、全くわれわれ日本人の心を知らない。こういうアメリカ人をたよっておったんでは、これから先どういうことがあるかわからない。そういう気がするんですけれどもね。そういう点で農林大臣は田中内閣の農林大臣として、向こうのアメリカの担当者とも会っていらっしゃると思うんですけれども、今回のこういうアメリカの処置について農林大臣はどう考えているのか、大使に会って抗議をしたというけれども、はたして今後、いままでと同じようにアメリカを信頼し、アメリカをたよっていいものかどうか、そういう点どう考えていますか。
#59
○国務大臣(櫻内義雄君) これは国民生活に重要な影響のある食糧を一国にたよりすぎる、その結果、両国の友好関係におきましても、天候異変などがございますれば、直ちに影響を受けることは言うまでもないことでございます。でありまするから、今回のような問題は別として、常に広範囲に目を配って食糧の安定確保につとめなければならないと思います。そのために、この委員会においてもしばしばお答えを申し上げたように、国際食糧需給の昨年の逼迫というこの事実から、われわれのいき方も変えていかなければならないということで、多角的に輸入国を求める、開発輸入をする。また相手国によりましては、相互の安心の上に長期的な取りきめをする。さらには、国内におけるでき得る限りの自給をはかる、こういうことは言うまでもない原則論であると思うんであります。昨年十月の試案が示されておって、私としてはこれを見て、また就任早々に国際的な関連を考えまして、まず第一に、飼料についてはひとつもう少し考えたいということを申し上げ、あるいは米の問題につきましては、この際農家の皆さんに不安、動揺のないように、生産意欲をもっと持ってもらおうという方針のもとにずっと終始してまいってきておるわけでございまして、ただいまの御質問でお話のとおりに、アメリカと限らず、一国にあまりたよっていたのでは問題がある、このように認識いたします。
#60
○塩出啓典君 それで、今後の問題としてやはり緊急対策とそれと恒久対策、こういう二つの面から考えていかなければいけないと思うんですね。それで、いま六月、七月のいわゆる積み込み量六十七万トンですか、これが結局きのうの時点で船に積み込まれたか、積み込まれてないかということは、結局まだ農林省ではわからない。そういうことですね、これはいまのお話では。
#61
○政府委員(池田正範君) この六、七月の到着見込みの六十七万トン、これは七月末までの到達見込みの総量は、先ほど申し上げたとおりでございます。したがいまして、六月の二十七日現在において、すでに船積みを終え、とにかくこちらに向かって着実に、その規制をのがれて――のがれてと言うとことばが悪いですが、規制の対象からはずれて、こちらへ積み込まれたものはトータルで幾らになるかということは、先ほど申しましたように、一部明確になりませんけれども、六月分の輸入はおおむね私どもの推計で四十一万トン程度あるというふうに考えているわけでございます。
#62
○塩出啓典君 いまそういうのはまだ不正確なわけで、それを正確にこれから調査する、これはやはり調査はいまの農林省としてはできるんですか、こまかく。農林省の権限でそういう調査ができるのかどうか。できるとすれば、大体これは、いつごろまでにできるんですか。
#63
○政府委員(池田正範君) 買占め法をおかげさまで通していただいたわけですから、私どもとしては、それらを背景にしてでき得る限りすみやかにやりたいと思いますが、二日、三日というような範囲ではなかなかできないというように考えます。しかしながら、そうおそくかかっておったのでは、せっかくつくったものが意味をなしませんので、少なくとも来月の十日ごろまでには、かなり正確なものをつかんで、そして対応する姿勢を整えたいというふうに考えております。
#64
○塩出啓典君 きょう、生活関連物資の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律が通りまして、けさの新聞だったですか、経済企画庁もこれを第一号として発動すると。いま農林大臣は、経済企画庁や通産省とも連絡をとっているというお話ですが、これは生活関連物資の価格が異常に上昇し、または上昇するおそれがある場合、これは先般の大豆の高騰の例からいっても、当然価格が上昇するということは、はっきりしていることでありますし、そういう点で、どうなんですか、こういうのはやっぱりいますぐにでも政令で指定をして、そうして指定をした上で価格調査官ですかが、やはり立ち入りをしなければできないんじゃないか。そういう点で、これやっぱりすみやかにやるべきじゃないか、そういうように私は思うのですがその点どうですか。
#65
○国務大臣(櫻内義雄君) 先ほどもちょっとお答え申し上げましたが、すでに関係省庁の間で指定商品を何にしようかと、具体的に話し合いを始めておるのでございます。もう常識的に見ても大豆等その指定商品に該当すべきであるということは言うまでもないと思います。
#66
○塩出啓典君 それで、先ほどからのお話では七月二日のアメリカの発表というものを待つと、まあおそらく全面ストップになることはないであろうと、そういうことになればわれわれも非常にいいわけですけれども、しかし、農林省としては、ただそういう予想の上に安閑と時を待つのが本来農林省としてのあるべきことではない。やはり最悪の事態を考えて、その場合にはどうするか、そういう対策をやっぱりはっきり示すことが、私は一つは庶民の不安を取り除くことになると思うのですね。で、いわゆる大豆が入ってこなくなれば、やっぱりとうふにも影響していくでしょう。あるいは食用油にも影響してくるし、また先ほども問題がありましたように、実際に飼料をどうするか。今度は飼料がなければ、いままでは古米、古々米があってそれを払い下げるということで、ある程度そういうようなことも対策の一つではあったわけですけれども、そういう点はどうなんですか。実際に最悪の事態になった場合には、農林省としてはどうするんだと、やっぱりそういうかまえを示すことが一つはぼくは規制にもなると思うのですけれどもね。これはどう思いますか。
#67
○国務大臣(櫻内義雄君) これは正直に言っていろいろと模索しておると、こういうのが現在の段階でございます。こういう場合には概してしろうと意見も時に有効に働くことがございまするから、ですから、まず第一に食品用として大豆を優先的に確保する。そうすると製油用にはどうか、油のほうは何か他にかえていく方法もないか。そうしますと、その場合に大豆かすというものが、先ほどからお話しのように問題になります。その大豆かすを何かにかえるべきものはないか。たまたま先般来の委員会の質疑応答の中で、沖繩におけるサトウキビのかすが飼料にどうか、そういうものを代替できないか、こういうことで、いろいろと農林省内で検討をいたしておるわけでございまするが、やはりこの際に、現実的にこれからの方針を立てる上の基本になりまするのは、何といっても、七月二日のアメリカの出方であると思うのであります。そのことにつきましては、現在外務省または農林省自体も全力を傾注いたしまして、日本に対する影響、農産物の第一の得意先である日本というようなことで交渉をしておりまするし、皆さんのほうからは楽観し過ぎるというような御批判もございまするが、われわれとしては、相当な確信を持って七月二日のアナウンスを待つ、こういう姿勢でおるわけでございます。
 最悪の事態については、ただいま全くの模索中ということで、思いつきを申し上げておりまするが、あれこれと、そういう場合についてはどうするかと検討をするのは当然われわれのなさねばならぬことである、こういうことで鋭意努力をしておるわけであります。
#68
○塩出啓典君 そういう最悪の事態についてのまだ検討等もできてないようでありますが、こういう問題はひとつ農林省としても、すみやかにそれにかわるべき道をさがすことは、一つは不要な思惑を生まないということにもつながっていくんじゃないかと思うんですね。そういう点で早急に緊急対策を、最悪の事態に備えてもやはり道を何らかさがしていかなければならない。これは私もどうしたらいいかわからない、さっぱり。
 それと、アメリカのいわゆる七月二日の決定が発表になって、それが最悪の事態であったら非常に困るわけでございまして、そういう点で、アメリカ当局に対しても、これは強力な働きかけをやっていかなければいけないと思うんです、こちらとしては。アメリカの発表を待つ以外にないわけですから。そういう点はどうなんですか。やはり日本の、より責任ある人がアメリカ当局に当たるとか、場合によっては、農林大臣が行くとか、そういう点はどうなんですか。
#69
○国務大臣(櫻内義雄君) 来月すでに十六、十七日に日米経済閣僚会議を予定しておるこの段階でございまして、外務大臣、農林大臣ともに在日アメリカ大使を通じて強硬な申し入れをしておるのでございまするし、また他の方法をも講じておるのでございます。
 そういうことで、現在までの諸情報によりまして、私としては、最悪の場合はない、このように判断をしておるのでございまするが、いま七月二日を前にして皆さんにいろいろ御心配をわずらわすということは、当然御心配を得なければならない大問題だと思います。
 ただいま一応の、大豆が、もし大幅に入ってこないという場合を、模索するとか、思いつきとかいう表現で、いろいろ申し上げておるのでございまするが、配合飼料の場合に、一体大豆かすをどの程度まで使わずに済ませるかとか、他のものによってどう対処するとか、こういうことについてはもちろん専門的にも検討いたしておるのでございまして、現在のところ、われわれとしては、ベストを尽くしておって、最悪の場合は避けられる。また、最悪の場合があっても、非常な重大な段階にはならずに済むように鋭意努力をしておる。このように申し上げておきたいと思います。
#70
○塩出啓典君 それでは、七月二日の発表になる前にやっぱり手を打たなきゃいかぬと私は思うのですがね。これはどうなっていますか。それはアメリカが非常に少なく発表になってしまって、それからでは非常におそいわけで――それからでももちろんそういう手を打つ方法はあると思うのですけれどもね。
#71
○国務大臣(櫻内義雄君) これは、いわば、外務大臣や私が、米大使と接触しておるということは、われわれが直接的にアメリカに対して行動しておると御理解を願っていいと思うのであります。また、当然ワシントンにおける日本大使館も全力を傾注をいたしておるのでございまして、私どもの、あとう限りの努力をしておるのであります。そして、その総合情勢からいたしまして、御心配をいただくということは当然なことではあるが、私どもとしては、それについては、相当の確信ある見通しを持っておるということを申し上げておるわけであります。
#72
○塩出啓典君 農林大臣は、日本人の食糧を供給する最高責任者ですから、そういうことで見通しがあるならばいいですけれども、その点はひとつ真剣に農林省でも検討していただいて、それは場合によっては、やはり私は、それはもう農林大臣が直接向こうへ行くとか――これはまあたとえですよ。それくらいやっぱり真剣にやってもらわないと、あとになってどんどん物価が高騰をし、飼料がない、そうなったときに、あわてたんじゃ困るわけですから、その点を一つ要望しておきます。
 それで、あと問題は、いつも言われてますように、自給率を高めていかなきゃいけない。あるいはまた、ことしの農業白書にも、世界の農産物の需給動向や農産物貿易の不安定性等を考えると、開発輸入の促進とか、輸入先の多元化とか、長期安定的な輸入先の確保、そういうようなことが非常に必要であると、そういうことを言っておるわけですね。先ほども、農林大臣はそういう必要性を言われておる。これは前々からそう言っておるわけなんですけれども。われわれとしては、言うだけであって、たとえば輸入先の多元化という問題にしても、どういう手が打たれて、――いま大豆にしても、ほとんど大半がアメリカ、一部中国、あるいはまたブラジルからも少し入っているようですけれども、今後やはりそういう輸入先の多元化という問題については、農林省としては具体的にどういう手を打っていくつもりなのか。それをひとつ簡単にお知らせいただきたいと思います。
#73
○国務大臣(櫻内義雄君) 詳細は関係局長から補足させてよろしいかと思うのでありますが、いまお話のブラジルにいたしましても、アルゼンチンにいたしましても、オーストラリアにいたしましても、また、中国は、もう御承知のとおり、大豆が不足して緊急輸入をいたした取引先でございます。また、今後の東南アジア諸国との関係におきまして、この開発輸入、あるいは輸入先の多角化につきましては、すでに鋭意努力をいたしておるのでございまして、ただいま申し上げたそれぞれの国には、ある程度の具体的な関連がある、こういうことを申し上げておきたい。また、現にそれらの国から若干ずつ飼料、穀物、あるいは大豆、小麦というものを輸入しておるということでございまするので、それらの道を、従来は細いものではあるが、これを、先般来申し上げておる趣旨に沿って拡大するための努力をしていく。これらの努力につきましては、御承知の、一方におきまして、経済協力に対しての日本の義務もございまして、そういうようなものもあわせ勘案しながらつとめてまいりたいと思うのであります。
#74
○塩出啓典君 時間がございませんので、ひとつこういう輸入先の多角化等について、具体的にどういうぐあいにやっておるのか、これは別に資料として提出してもらいたいと思います。
 それから昨年のいわゆる農産物の長期見通しの試案でございますが、これは先ほども質問がありましたように、これは単なる試案であって、たとえば大豆の自給率を一二%に上げていく。そういう問題にしても、単なる目標であって、それに至る具体的な、こういうぐあいにしてやっていくのだ、そういうようなものもない。結局、この試案というものは、閣議決定でもなければ、農政審議会にもかけていない、単なる農林省の予想にすぎない。そういうところに一つの問題点があると思うのですね。そういう点で、私はやはり、生産目標、自給率等については、農林省としても再検討をして、国家百年の大計の上に立って、そうしてしかも、それを単なる農林省の試案ではなくして、田中内閣の、内閣のやはり責任あるものとして、そうしてその目標に向かってあらゆる面においてその実現に対して内閣は責任を持つと、そういうものにしなければならないと思うのですね。
 で、先般の予算委員会においては、田中総理も、この試案は試案だけれども、もっと内閣として責任を持つものをつくると、そういうような話であったわけですけれども、こういう事態になったことを考えると、なおさらその必要性があると思うのですね。そういう点で農林大臣としては、単なる試案ではなくして、田中内閣の責任を持つそういう農林省の目標、またそれに至る具体的な方途、そして輸入するにしても、ただ自給率を一二%というのではなくして、輸入は、じゃアメリカから何%、ここから何%、そういうふうにかなり具体的なものを持っていかなければいけないと思うのです。ただ何かあったときにあわてて、あと追い行政では非常にいけないと思うのですが、そういう点で農林大臣としてはどう考えておるのか、それを最後に承っておきたい。
#75
○国務大臣(櫻内義雄君) これは御意見は私はごもっともだと思うのであります。そしてそのように今後努力をいたしたいと思うのでありまするが、これは十月に発表された試案でありまするから、私が就任後にこれを拝見して、昨年の下半期の国際的な食糧の需給関係の逼迫というものは、これには当然反映してきておらない。そういうことで、まあ私のただ感じで、飼料はもう少しふやさなければいけないかなということを言いながら、しかし、国会でしばしば問題になりましたときに、私は、そういう情勢の変化もいろいろと考えさせられるのであるから、これは試案でいいんだ。しかし試案ではあるが、この試案というものが生産者団体の代表の方々や学識経験者のベテラン中のベテランの方々が参画してつくられたものであり、しかもそれは、内容を検討してまいりますると、相当積み上げたものである。したがって、自分としては、試案ではあるが、これは大事なものであって、これを農政の指針として使っていきたいということも申し上げたのであります。しかしその後、ただいまのような御指摘もございまして、そこでさらにそれではこれを仕上げたいという趣旨で、現に農政審議会にはこれを付議いたしまして、特に最近における国際食糧事情についてどのようにこの試案に影響があるか、検討してもらいたいということで、その結論を急いでもらっているような次第でございまして、御趣旨のようなことで、この試案を扱っておるということを御了承をお願いしておきたいと思います。
#76
○塩出啓典君 じゃ最後に。
 それで、いま言いましたように、試案は試案として、それにはやっぱり目標を達成する具体的な政策もあわせて考えていかないと、大豆の自給率を一二%にするということは、たしか四十二年のときにも、そういうことを報告をされた。結局、それから五年もたっても結局全然ふえないわけですね。だから、結局それは単なる試案をつくるだけで、つくったからといって農民が全部それに従うわけではない。農民の人たちが大豆なら大豆、小麦なら小麦、それぞれのやはり作物をつくるようにそういう政策をしていかなければ、農林省としては全く無責任だと思うのですね。だから、私はやっぱりそういう試案は試案としてそれはいいでしょう。それは農政審議会にかけてまた閣議決定をする。それはまた同時に、試案をつくった以上は、それに責任を持ってそこにいくように、具体的なものをつくっていかなければいけないと思うのですね。そういう点で農林大臣はもう少し責任を持ってもらいたいと思うのですよ。いつも言うように、予想屋じゃだめなんですからね。やっぱりほんとうにそこまで持っていかなければいけないし、そうしなければ、こういうような国際的な変動によって日本の国民が非常な動揺、あるいはそういう食糧がないという、そういう困難な時代にもなるわけですから。そのために試案があるわけですから、試案というものは少なくともそこまでは責任を持っていくと、そうしなければいけないと思うのですけどね。そういうように一歩前進するのかどうか。それをひとつはっきりしてもらいたいと思うのですけどね。
#77
○国務大臣(櫻内義雄君) 大体皆さんに御理解をちょうだいしておるのではないかと思うのですが、試案はもとより試案、これからの農政の指標でもあるわけでございます。そして、これを達成するために、具体的な施策が要ることはもう当然のことでございまして、特にこの本年一、二月ごろにああいう大豆の不足、特に食品用大豆についていろいろ苦労をしたのでありまするから、大豆のこれからの増産ということについての具体的な施策は、これはもう農林省内においても鋭意検討いたし、昭和四十九年の予算の上には反映をしてまいりたいと、現在努力をしておるわけでございまして、これはもう一例でございまするが、その他の問題につきましても財政上の関係もございまするが、この指標を達成する上において具体的な施策の上に精魂を傾けるということは当然のことだと思います。
#78
○塚田大願君 私は、昨日も問題を提起いたしましたし、きょうもまた各委員からいろいろ質問がございましたが、今回の問題というのは、やはりだれが見ても、アメリカの一方的な措置でございまして、これに対して政府が抗議をする、これは当然の措置だろうと思うのです。あるいは抗議というよりも糾弾といったほうがいいかもしれないのですけれども。やはりその辺は外交上明らかにしていく必要がある。これが第一点であります。
 第二点は、やはりそういう中で問題は、日本政府がどのような対策をとってきたかという問題だと思うのであります。私、きのうも言いましたが、とにかく五月の段階でアメリカ政府はすでにこういう輸出規制の動きを始めておったということは、これはもう明らかでございます。また、シカゴの大豆の騰貴が五月段階にすでに起きていたということを見ましても、やはり事態が非常に容易なものでなかったということは、すでに一カ月前から私は政府も知っていたろうと思うのであります。
 ところが、その間何も対策が立てられなかった。きのうあのアメリカ政府の発表でがく然としたということですね。そういう事態にもかかわらず、きょうの答弁を私聞いておりましても、やはり私はきのう質問したときに、政府は楽観論があったのではないかという質問をいたしましたが、大臣は、いや楽観していたんじゃないと、ある程度の腹はきめていたというふうなお話でございましたし、きょうの答弁を聞きましても、先ほどから数字がいろいろ出ました。現在高四十万トン、それからこれから六十六万トンすでに船積みが予定されておるというふうなことが局長から話されまして、何かまあたいして心配はないんだと、こういうふうなお話でございます。また、七月二日のアメリカ政府のアナウンスを聞かなければあまりはっきりしたことはわからぬのではないかといったような答弁でございまして、各委員質問されましても、これではやはり私は答弁にはならないと思うんですね。まるで何か神風を頼っているというふうな頼りないことでございまして、これでは政府としての責任は持てないのではないか。なるほど、大臣、先ほどいろいろ模索中である、思いつきを申し上げたというふうなことを言われました。確かに、そのことばの中には、大臣の苦悩がよくわかる。私は決してことばじりをいまあげて攻撃しようとは思っておりませんが、とにかくそういう事態で全く打つ手がない。こういう感じでございます。
 そこで、政府がそういうふうなことを言っていらっしゃる間にも、実はもうすでに大豆は暴騰しておるんですね。きょうの新聞を見ますと、昨日の東京穀物取引所の大豆相場というものは、アメリカ産で五千円、中国産で四千円上がったと。まさに暴騰です。朝アメリカの発表があった、その昼にすでにこれだけの暴騰が起きておる。こういう事態を見ますと、やはり今後この大豆の暴騰というものは当然考えられる。まあ神風が吹けば別かもしれませんけれども、そういう態度では私は行政はやれないのではないか、国民に対して責任持てないのではないかと思うんです。もしこれからもこういう異常な暴騰が続いた場合に、一体政府はどういう責任をおとりになるのか、大臣としてもその政治責任をどういうふうにあらわされようとするのか、その辺のことを率直にひとつその腹のうちを聞かしていただきたいと思うのであります。
#79
○国務大臣(櫻内義雄君) 前回の大豆の暴騰に際しましても、たいへんおしかりもいただき、また御批判もちょうだいをいたしたのでありまするが、私どもとしては、誠心誠意努力をいたしまして、それに対処し、多少の時間はかかりましたが、その鎮静化につとめたわけであります。今回は、その苦い経験に基づきますところの生活関連物資の買い占め及び売り惜しみに対する緊急措置法の成案を本日得ておる次第でございまして、大豆は、その緊急措置法の中の指定商品にするということも先ほどからお答えを申し上げておるわけでございまして、この緊急措置法によって対処をしてまいりたいと、かように存じまするし、また、その他の方法もあわせ考えていきたいと思うのであります。また、対米関係については別段楽観をしておるわけでもなし、悲観もしておるわけでもない、ここでわれわれの見解というものをはっきりと明らかにいたしておるのでございまして、アメリカの国際収支の改善の上に農産物の輸出規制というものを長期にわたってはやり得ないであろう。また、あれだけの作付面積を拡充して、平年作でいった場合の増産の量を考えましても、そのまま全面的な規制のままでいくということにもいかないではないか。そういうようなことから、私どもといたしましては、事態を冷静に正しく認識しながら対処をしておる、こういうことを一まずお答えをしておきたいと思います。
#80
○塚田大願君 そのことは私きのうも質問いたしました。国際収支の観点から見ても、また世界経済の動向から見ても、アメリカがいつまでもこういう態度は続けられないだろうという大臣の考え方は、すでに一カ月前スタイン委員長が事態を発表したときに農林省が発表した態度でございます、一カ月前。それがきょうまた同じ答弁がされておる、そこに私は、甘さがあるのではないか、こう申し上げておるわけです。でありますから、大臣がそう一カ月も同じことをおっしゃっている間に、すでにきのうは、こういう現物価格の高騰が生まれておるという事態に対して、これは国民が全部不安を持っておるのです。だから、きょうの委員会でも皆さんが一斉にこの問題について質問をされておるわけです。したがって、こういう騰貴が再び起きる。つまりことしの一月の春の騰貴、これはもう大臣おっしゃったように一応措置された。一回目のあやまちというものはこれは大目に見ることができると思うのです。しかし、同じようなあやまちが二度短期間の間に行なわれるとなれば、やはりこれは政治責任を問われてもやむを得ないことになるのではないかと思いますので、私が質問を申し上げているわけでございます。私がお聞きしたのは、そういう場合の大臣の腹といいますか、政治責任のとり方といいますか、そういうものについてはいま御答弁がなかったのでありますけれども、その点に限ってひとつ大臣もう一回御答弁願いたいと思うのです。
#81
○国務大臣(櫻内義雄君) こういう重要な問題が起こりますときに、しばしば責任はどうかというご質問をちょうだいするのでありますが、私はまたそのときには常にお答えを申し上げておるのでありますが、責任をとるとか、とらぬとかということよりは、そうでなく、最後まで努力をしてこの問題の解決に当たるということが、これが責任をとるゆえんであると、かように申し上げているような次第でございます。
#82
○塚田大願君 いいでしょう。まあこの問題は、大臣じゃ私が腹切りますとは言うわけにもまいらぬだろうから、これはこれで終わります。
 そこで、次にお伺いしたいのは、具体的な緊急措置であります。緊急対策であります。先ほど中村委員から、そのための大豆の在庫高はどうなっておるかというふうな質問に対して、局長のほうからよくわからない。こういう答弁でございましたが、やはりこういう具体的な実態がわからなければ、緊急対策というのは手の打ちようがないのではないかと思うのです。私は、あらためてこの大豆の在庫状況、また大豆の用途別の、たとえば製油用、納豆用、とうふ用あるいは飼料用、みんなこれは違います。この用途別の実態がわからないのかどうか、わからないとすればなぜわからないのか、この辺のことをお聞きしたいし、それからその用途別の中身といたしまして、たとえばそれが実需者に渡っているのか、商社の倉庫にあるのか、あるいは卸売り業者の手にあるのか、そういう実態をまず知らせていただきたいと思うのですけれども、これはやっぱり先ほどと同じような答弁になるのでしょうか、一言ひとつ確認しておきたいと思うのです。
#83
○政府委員(池田正範君) 先ほど中村先生に申し上げましたお答えは、個々のどの業者が、どの倉庫にどれだけ現在持っておるかということを的確に随時把握することは理想的に必要だと思うけれども、なかなかできないと申し上げたわけでございまして、四十万トンと申し上げておりますのは、総体としては、ほぼこの程度の在庫量があるというふうに確信を持って現在言っているわけでございます。それから、その後の輸入の計画にいたしましても、先ほど申し上げましたように、削減をする、相手方がまだ削減の方法を発表しておりませんので何とも申し上げられませんが、六−七月の到着見込みが六十七万トン、それからその間の消費の見込みが六十万トンいまの四十万トンの在庫量を加え、七月末の在庫見込みは四十七万トン程度になるだろうというふうに申し上げたわけでございます。したがって、問題は、新穀に食いつなぐために必要な七−九月の間の契約量が八−十月に到着してくるわけでございますので、その間に入ってまいります六十六万トンというものがスムーズに入ってくれば新穀への食いつなぎができる。新穀については、これも申し上げましたように、おおむね十五億五千万ブッシェルというような未曾有の記録的な増産ということを、アメリカでは一応見込んでおりますので、したがって当面新穀年度に入りまして直ちに大豆騒動が起こるということは物理的に考えられない。そこで、この六十六万トンがうまく入ってくるか、あるいは幾ら削減を受けるのかということが中心になってまいりますので、当面の緊急対策といたしましては、先ほどの大臣のアメリカ大使に対する働きかけを初めといたしまして、早急に削減率をとにかく少なくするということに全力をあげるということが、この一、二日の間の農林省のつとめであるというふうに考えておるわけでございます。
 しかしながら、若干の削減が見込まれまして、そのことがその後における現実の需給の中に影響度を持つということになりますれば、これまた先ほど大臣が申し上げましたように、これはそれぞれの需要の用途に応じまして、たとえば油についてはどういう油の対応策を講ずるか、あるいはえさについてはどういう対策を講ずるか、さらに国民の必要度、社会的に不安を起こす度合いに応じて、とりあえずちょうどこの一月の初めに対応いたしましたような食品用大豆の優先的確保というような緊急措置も含めて対応しなければならぬということも一応頭に置きながら、当面といたしましてはとにかく総量についてなるべく多く確保するということにこの一両日は全力をあげたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
 なお、この食品用大豆につきましては、先ほどもちょっと申し上げましたが、この一年間で約八十五万トン程度の食品用大豆が消費されるというふうに考えておりまして、おおむねその中で、とうふに使われますものが約半分、それからみそ、しょうゆ等に使われますものが約二十万トンといったような数字になるだろうということでわれわれとしては推計しておるわけでございます。
#84
○塚田大願君 確かに総量を確保するということはこれはもちろん必要でございましょう。ところが、実際に国民の生活の面からいうと、たとえばこの前の一月、二月、三月のあの問題というのは、やはりとうふが非常に上がったというところで問題が非常に社会問題になり、政治問題になってきた、こういうことでございますから、総量は確保する。しかし実際にそれをどのように配分するかということがやはり非常に重要な問題じゃないかと思うんです。現実に、こういうふうにこの価格が暴騰いたしますと、やはり大手筋がこれを買い占めていることは、これはもう必然だと思うのです。そして、結局小さいとうふ屋、納豆屋さんの中小零細業者などの手に渡らない。ここにもう一つ問題が起きるわけでありまして、私は、むしろそこに問題の焦点を合わせてこの総量を確保すると同時に、どうしてこれを実需者に配給するかという問題があの一月のときの教訓ではなかったかと思うのです。そういう意味で、私は、在庫高が幾らあるか、そして、どういうふうにこれが用途別に配分されておるか、ということをお聞きしようとしたわけであります。ところが、必ずしも、それがいま、よくわからないということでありますが、これではやはり私は、政府が責任の一半を果たす責任をのがれている、欠けているということになるのではないかと思います。
 そこで、次に、質問を続けたいと思いますが、こういう在庫を明らかにして、政府が責任を持って計画的に配分をするということが、やはり必要になってきておるのでありまして、そういう意味で、きょう成立いたしましたあの生活関連物資の買い占め、売り惜しみに対する緊急措置法というものができたと思うのであります。この問題につきましても、先ほどの質問では、これからは、この法律ができたから調査はできるのだというお話でございましたが、しかし、いまから調査をすると、まあもちろんしないよりはけっこうでありますけれども、いままですでにそういったものが、実態が、少なくとも、どこに、だれが持っているかということが明らかになっていなかったとするならば、やはり問題が起きるのではないかという感じがするわけであります。私どもが、国会でこういう論議をしている間にでも、おそらく業者は、もう買いあさりを始めているだろうと思うのです。こうやってきのうは、もう相場が上がっているのですから。これはもう生き馬の目を抜くようなあの業者のことです、もう私はどんどんやっておるだろうと思う。そういう意味で、そういうことを考えますと、いまから調査をいたしますということでは、あまりにもおそきに失するのではないか、そういう感じがしてしょうがないわけです。
 こういうことになりますと、やはり政治不信というものも生まれます。一体政府や国会議員は何をやっているのだ。これはもう前からずっとこういう政治不信が生まれて現におるわけでありますから、私ども、そういう観点からこの問題をうるさくお聞きしているわけでありますけれども、この点につきまして、これからの調査活動というもの、あるいは勧告、公表という今度の法律のこういう手をどういうテンポでおやりになるのか、もうちょっと具体的にお聞かせ願いたいと思うのです。
#85
○政府委員(池田正範君) 先ほど中村先生の質問にお答え申し上げましたように、実はこの買い占め法ができますと、私どもは、非常に法律をバックにして権限の上でやり得るという体制がしけますので、かりにこの法律をじかに適用いたしませんでも、業界としてはかなり正確なことをこちらに対応してこざるを得ないということで、非常に仕事がやりやすいというふうに考えておりますが、しかし、私どもはこの法律が本日幸いにして成立さしていただいたわけでございますけれども、これを待つことなく、すでに先ほど申し上げましたように、すでに四十万トンの中身等を出発点として、今後の需給に相当綿密な時期別の組み合わせを想定していかなければならぬと考えまして、すでに調査は開始をいたしておりますけれども、先ほど申し上げましたように、確実につかみあげるのに約十日ほどかかりますので、七月の十日前後くらいになりませんというと、この四十万トンについての細密な中身がつまり上らない面があるということを申し上げたわけでございます。
 しかしながら、それにそう大きな差異があると私ども考えておりませんので、現実には月別に先ほどちょっと申し落としましたけれども、約月に食品用といたしましては七万トン程度の消費量が予定されておりますから、したがって、三十万トンの総量の中で国民生活に直結する七万トンというものの原料用大豆を優先的に確保するためのあらゆる方策を今後も引き続き具体的に講じてまいりたいと考えておる次第でございます。
#86
○塚田大願君 ちょっと質問いたしますけれども、お聞きしたいのですけれども、よくわからないから質問するのですが、今度の措置法で、調査あるいは勧告ができるというこの対象は何ですか、商社と卸売り業者はもちろんだと思うのですけれども、いわゆる大手の製油メーカーなんかにもそれができるのですか、どうですか。
#87
○政府委員(池田正範君) わが国の製油メーカーの場合には、ほとんどが搾油用の原料用として買っておりますけれども、しかし相当の商社は大部分同時に選別をいたしました大豆を食品用として卸しを通じて流しております。したがいまして、販売業者でもございますので、大体私どもの調査の対象の中に入ってこれるというふうに考えております。
#88
○塚田大願君 では大体農林省の考え方もわかりましたので、最後に大臣にお聞きしたいのでありますけれども、こういうことが繰り返されている、この問題に対して、やはり私は、抜本的に考えてみる時点にきているのではないかと思うわけであります。いままで申し上げましたのは緊急対策でありますが、ここでひとつ抜本対策として私が申し上げたいのは、前回の大豆の問題が起きましたときにも、大臣に私提案したのでありますけれども、やはりこういう国民の主要な食糧であります大豆を、ほんとうに政府の責任で確保するためには、やはり食管法を適用するということが必要なんではないかと思うわけであります。で、食管法が適用されれば、政府が一切責任を持って買い上げ、そして配給をしていくということができるのでございまして、そういう意味では、私は、最も合理的な対策ではないかと思うわけであります。私が前回質問しましたとき、大臣はひとつ考えてみようという趣旨のお考えを言われたように、記憶しているのですけれども、こういう時点に立ちまして、もう一回この問題を再検討される余地はないのでしょうか。
#89
○国務大臣(櫻内義雄君) これは法律の解釈上からいろいろ申し上げなければならない点がございまするので、担当の局長からお答えさせますが、いまの食管法が主食管理と、こういうたてまえになっておりまするので、御意見についてはいかがかと、このように見ております。
 それから、これはたいへん塚田委員に恐縮でございますが、大事なことでありまするので申し上げておきたいのでありますが、昨日以降、穀物取引所の相場は立っておらないのであります。そして二十六日と二十七日の対比では、一俵当たり五千円のものが一俵当たり五千五百円に上がった、こういうことで、たしか新聞でも、暴騰暴騰と書かれておりまするが、実際はこういうことでございまするので、ひとつ御参考に供しておきたいと思います。
#90
○塚田大願君 私がいま引用いたしましたのは、これは読売新聞でございまして、「東京穀物取引所の大豆相場は、すでに五月末から輸入大豆の取り引きは停止されており」、これは大臣がおっしゃるとおり。「国内産大豆の取り引きも有名無実化されていたため、米国の大豆輸出停止措置も実質的に影響はなかったが、現物価格は二十八日、米国産大豆が前日比五千円高(トン当たり)の十二万五千円に暴騰、中国産同四千円高の十一万円と急騰した。市場筋によると、現物価格は、米国の規制措置を先取りし品薄傾向を見込んで今週初めから堅調を続けていたが既契約分も規制される懸念が出たことから急騰した。」、こういうふうに書いてございまして、もしいま大臣がおっしゃったようなことならば、この新聞の報道が間違っておるということにもなるかもしれません。
#91
○国務大臣(櫻内義雄君) たいへん恐縮でございました。いま詳しく承ってよくわかりまして、私が申し上げたのは、二十六日、二十七日では一俵当たり五千円が一俵当たり五千五百円と申し上げたので、トン当たりのお話でございまするから、これは計算すればそのようになるかと存じます。
#92
○塚田大願君 じゃ、とにかくそういう事態がはっきりいたしました。
 で、そういう意味で私はこの食管法の問題も出したわけですけれども、この点では期待するような答弁が得られません。しかし、もっとこの問題はいろいろ法文上の問題などもあるかもしれませんけれども、やはり、じゃ、そういうことを適用しなくてもだいじょうぶだという根拠、理由も明らかではございません。じゃどうするんだということについては、政府はいまのところ何もないから、私どものほうが積極的に提案をしているわけでありますが、こういう点は法文上の問題があって、法文上の問題なら、そんなにむずかしいことではないんで、野党の皆さんも私は賛成するんではないかと思うのです。そういう意味では、私はやはりこれから努力する必要があるんではないかと思います。
 時間もまいりましたので、最後にもう一問だけ質問さしていただきます。
 これは配合飼料の問題でございます。この点でもういろいろ各委員から質問がございましたが、きょうの新聞を見ますと、全農がすでにこの配合飼料の値上げを検討しているということが出ております。トン当たり八千円から一万二千円に引き上げるということを検討しているわけでございまして、この点につきましても、先月この参議院の委員会で、飼料用米穀等の売渡価格等の臨時特例に関する法律案が審議されましたときにも、いろいろ大臣から答弁をいただきましたが、このときに、大臣は、まあ四月、五月、六月の三カ月、古米、古々米の払い下げを行なう。しかし七月以降はどうなるのかということに対して、大臣は、これは衆議院の答弁でありますけれども、「今回の措置を三カ月間に限定をいたしました以降の模様というものは、飼料に値上げ要因をもたらすとは判断していない。」と、こういうふうに四月十七日の衆議院の農水委員会で答弁をされているわけであります。また畜産局長も一月、三月期の値上げ要因となった大豆かすについては、今後下降する見通しであるとまで、おっしゃった。ところが、現実には、大手全農がすでにこういう大きな値上げを考えておるということでございまして、やはりこの飼料の問題も非常に深刻な問題になってきたと思うので、この点につきましては、先ほどの中村委員からも質問がございましたが、やはり私どもは、古米、古々米の払い下げというものをもっと積極的に考えるべきではないかということ。あるいは飼料の安定基金についても当然政府は考えるべきではないかということについて、御質問申し上げたいのでございます。
 最後にもう時間ございませんから一括して申し上げますが、やはり結論とすれば、食糧の国内自給という問題がやはり一番根本的な対策だろうと思うのであります。その辺について最後の御答弁をお願いして私の質問を終わります。
#93
○政府委員(大河原太一郎君) 前段におきます配合飼料価格の値上げの動きについてお答え申し上げますが、先生のお話の中の数字等については、私どもまだ何ら全農から承知しておりません。事実、先般の緊急措置をとっていただきましたおかげで、七月まではストックしておりますが、輸入飼料原料の新穀の出回ります八、九、十の段階におきまして使用される配合飼料価格については、依然として国際水準が高いという問題がございますが、基本的にはある長期を見通しました水準、原料価格を想定いたしまして、配合飼料価格の水準を設定すべきであるということで、私ども現在指導中でございます。したがって、米国等のニュークロップの出ました場合のトウモロコシやマイロ等の価格を見て、単純に短期の原料価格の値上がりを反映せしめない方法はどうあるかというような点についても、現在鋭意検討中でございまして、全農をはじめ、個々の主要なメーカーから現在それら原料手当て状況なり、価格等についての事情の聴取を始めておるところでございまして、その点については、数字等は、伝えられるような値上げ等についてはわれわれまだ承知しておらないわけでございます。
#94
○国務大臣(櫻内義雄君) 国内における自給対策を高めるべきである、これはもう原則として当然のことでございまするが、ただ、いかにも、生産性の格差があるというときには、そのことも頭に置かなければならない。また、現に私どもが、いま国際的な食糧需給の逼迫によってこういう苦労をしておるという、こういう事実からいたしまして、それでは日本にこのような事態が起こらないということはだれもこれは予想することができないわけでございまするから、したがって、国内でつくれるものはできるだけつくるが、しかし、現在のように国際化しておるこういう情勢の中には、そこにある程度の国際的な関係も配慮していく必要がある。片寄り過ぎてはいけないが、そういう配慮も必要があるということから、開発輸入方式とか、あるいは輸入先の多角化であるとか、長期の安定契約とか、こういうようなものも織り込んで、しかし国内でやれるものはできるだけやっていこうと、こういう行き方をとっておることに御了解をいただきたいと思います。
#95
○理事(初村滝一郎君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#96
○理事(初村滝一郎君) 次に、派遣委員の報告に関する件についておはかりいたします。
 先般、当委員会が委員派遣を行ないました北海道伊達市における火力発電所の建設が農漁業に及ぼす影響についての調査のための派遣委員の報告書が委員長の手元に提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#97
○理事(初村滝一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後五時三十九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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