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1972/08/30 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 農林水産委員会 第26号
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1972/08/30 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 農林水産委員会 第26号

#1
第071回国会 農林水産委員会 第26号
昭和四十八年八月三十日(木曜日)
   午前十時十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 八月三十日
    辞任         補欠選任
     高橋雄之助君     鹿島 俊雄君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         亀井 善彰君
    理 事
                初村滝一郎君
                中村 波男君
                塩出 啓典君
    委 員
                梶木 又三君
                田口長治郎君
                鍋島 直紹君
                平泉  渉君
                堀本 宜実君
                足鹿  覺君
                杉原 一雄君
                村田 秀三君
                塚田 大願君
   国務大臣
       農 林 大 臣  櫻内 義雄君
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)       坪川 信三君
   政府委員
       内閣総理大臣官
       房審議室長    亘理  彰君
       総理府恩給局長  平川 幸藏君
       大蔵省主計局次
       長        辻  敬一君
       厚生政務次官   山口 敏夫君
       厚生省年金局長  横田 陽吉君
       農林省農林経済
       局長       内村 良英君
       農林省構造改善
       局長       小沼  勇君
       自治政務次官   武藤 嘉文君
       自治省行政局公
       務員部長     植弘 親民君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮出 秀雄君
   参考人
       千葉商科大学教
       授        松本浩太郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(亀井善彰君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 本日、高橋雄之助君が委員を辞任され、その補欠として鹿島俊雄君が選任されました。
#3
○委員長(亀井善彰君) 農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案を議題とし、参考人の意見を聴取いたします。
 参考人として千葉商科大学教授松本浩太郎君の御出席をいただいております。
 この際、松本参考人に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は御多忙の中を本委員会に御出席をいただきまして、厚くお礼を申し上げます。参考人におかれましては、忌憚のない御意見をお述べくださいますようお願いを申し上げます。
 議事の進め方といたしまして、初めに松本参考人から御意見をお述べいただき、引き続いて委員の質疑にお答えいただくことにいたしたいと存じます。それでは松本参考人にお願いいたします。
#4
○足鹿覺君 その前にちょっと委員長、ごあいさつかたがた、すわったままで失礼いたしますが、初めに総括的に、年金制度と農林年金との関係について、焦点について伺ってみたいと思います。
 わが国の公的年金は、御承知のように、それぞれの経緯を持って八つの制度に分かれておりますが、これらの制度は、国民年金については定額制であり、厚生年金、船員保険については定額プラス報酬比例制の年金であります。五つの共済組合は、報酬比例の年金となっておりまして、給付の水準もそれぞれ、先生御承知のとおり、異なっております。このように制度の内容が異なることによって、当然老後の保障にも年金によって差異が生ずる結果になり、同じ国民でありながら平等の権利が受けられない。この点は七つの不均衡な問題として、その統合化をはかるべきであるとの議論も強いのでありますが、私もその妥当性を主張する一人でありますが、この点について先生の御見解を特に伺っておきたいと思います。
 さらに公的年金中、職域ごとにできている共済組合は、従来から社会保障としての機能と労務管理的福利厚生的性格とをあわせ持ち、厚生年金とは異なった位置づけがなされてきておるのであります。で、今回の厚年法の改正によりまして、厚生年金と共済年金との関係が逆転現象さえ見られる状況が生じてきております。そこで、今後、共済組合はどのような点に力点を置いて改善がはからるべきなのか、特に農林年金のように給与べースのきわめて低い共済では、どのような点を配慮すべきなのか。この点について、焦点をしぼって最初に伺っておきたいと思います。あとは先生の一般論のお話を聞きました上で――ただいま述べた点に対する御見解と一般的な先生の御所見を聞いた上で五、六点具体的にお尋ねを申し上げたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
#5
○委員長(亀井善彰君) それでは松本参考人お願いいたします。
#6
○参考人(松本浩太郎君) ただいま委員長から御紹介ありました松本でございます。
 足鹿先生からの御質問を私は大体三点と分けて考えておりますので、まず第一は、公的年金と一般の公的年金――言うならば厚生年金であろうと思いますが、これと農林年金の関係と、それからそれに伴うところの年金制度の一元化という問題についてお話をしたいと思いますですが、端的に申しまして、農林年金は厚生年金プラス企業年金というものから状り立っておると、かように考えてよろしいと思うわけでございます。それから一般の国が行なうところの社会保障制度は、単にわが国のみならず、世界は広くスウェーデンにおいてすら、一番年金制度の進んでおるスウェーデンにおいてすらも、これは遺憾ながら生活保護法を少し上回ったような年金しかできないという実情にございますので、一本に統合するということは私は、レベルダウンであり、そして福祉の向上を逆に阻害するものとして、現段階においてはこれは許されないものではないかと考えておる次第でございます。御存じのように、戦後の二十八年間の年金制度の動きは、むしろ多元化・多様化の形においてお互いに競い合ってこれを行なっておるのでございます。
 それからもう一つ、わが国の社会の構造を見ますと、これはいわゆる縦社会と称される社会。縦社会と申しますのは、権力構造というのが上層部に移管しておる形でございます。このことは労働組合が企業別労働組合として発達しておることではっきりこれを物語っております。そのような意味におきまして、わが国民性というものは社会保険の福利厚生化ということに非常にすぐれておる能力を持っておるのでございまして、共済組合にしろ、健康保険組合にしろ、いずれも社会保険の福利厚生化として、昭和二年に健康保険ができましたことは、これは健康保険の福利厚生化であり、昭和四十一年に厚生年金基金ができましたことば、これは厚生年金の福利厚生化でございます。それから共済組合は、健康保険と厚生年金を両者一体としたところの一つの福利厚生化の施設でございます。それを受給する労働者の立場からは、より厚いのが当然の望ましいことでございます。
 それからもう一つ申し上げたいことは、わが国の共済組合の給付が非常にすぐれておるように言われておりますが、これはわが国の段階において必ずしもこれがそう言えるかどうかということも問題なのでございまして、少なくとも先駆的に六十七年の歴史を持っているこの共済組合の歴史こそは、日本の年金制度の私は先達ではないかと思うのであります。
 もう一つ、これは後ほども一般論として申し上げたかったことでございますが、年金制度は何か給付だけをやることが目的のように考えられておるのでございますけれども、実は年金制度というのは、長期の成長金融を確立するための最もすぐれた手段であるというように私は考えたいのでございます。昨年の十二月末に、日本のいわゆる金融機関の資金総額は約百五十兆でございますが、そのうちで長期金融という年金を中心とした金融というのはほんとうにわずかでございます。これがやはり私は、金融面から日本のこのインフレを促進している一つの原因ではないかと思うのでございまして、民間の産業資金として、長期金融の蓄積のだめにこそ共済組合の果たしてきた金融的なこの長期金融としての威力は私はたいへんなものだと思います。
 また外国の例を引いてたいへん恐縮でございますけれども、アメリカでは年金基金のことをファスト・グロービング・フィナンシャル・ジアイアンツと称しておる。すみやかに成長する金融界の基金と申します。スウェーデンの国民付加年金という給料比例の年金は、実に超完全積み立て式と申してもいいばく大な積み立て方式をとって、スウェーデン経済学者は、年金基金というものはこれは二十世紀スウェーデン人の最大の発明品だと申しております。なるほど諸外国の公的年金の中には賦課式のものが幾分ございます。これは六十五歳支給の分であって、さっき申しましたように、給付の水準が、公的年金、つまりエリザベス女王のつくったプア・ロウ、救貧法を少し上回った程度以上には出ないのでございます。企業年金というものはいずれも積み立て式をとっております。したがいまして、賦課式とか積み立て式とかいう議論は当たらないのでございます。賦課式と積み立て式と、こういう考えでいくべきではないか。
 少し話が脱線いたしましたが、こういうような意味で、私は、公的年金と農林年金の性格をはっきり日本の国民生活に合わせてこれを峻別したいと。なるほど、諸外国におきましては一本にしようというような思想もないではございませんけれども、一本に年金制度をしている公的年金はイギリスだけでございます。ちょうど、これは、私、昨年ロンドン大学でアベル・スミス教授というイギリスの社会保障の最高権威と話しましたときに、イギリスのベバリッジの年金制度は大失敗であった。これは画一的な一本の制度にして、賦課式にしたことだ。スエーデンを見習うべきであると、こういうことを言っておりましたのでありますが、私は、単に理論的や理念的でなくて、日本の社会構造からも、現段階のこの八つに分かれていることは当然の成り行きであり、これこそ日本経済にふさわしいあり方であると考えておる次第でございます。そうして、年金制度は、先ほど申しましたように、給付をやることは当然であるが、長期金融をみずからこれをになっていくという責任があってこそその制度を経理・運営するための熱意も出てくるんでございまして、その意味において、遺憾ながら、厚生年金以下についての、共済組合の資金の運用において本質的な違いがあることをここに申し上げねばならないと思う次第でございます。
 なぜ、共済組合だけが積み立て金の自主運用をやっておるかというようなことについていささか沿革めいたことを申し上げるのでございますが、大正九年に初めて日本に共済組合に年金制度ができましたときに、もちろん、一九〇七年――明治四十年にできたんですけれども、一九二〇年までの十三年間は一時金制度でありました。その年金制度をやるときに、過去の十三年間を年金のために掛け金を払ったこととして年金制度をやること、いわゆる過去勤務年金というのが実施されました。なぜ、その年金を実施したかと言うと、当時の床次鉄道院総裁が何とかして第一次大戦後の景気で鉄道を去っていこうとする従業員を足どめする方策はないかというときに、そこにできたわけなんでございます。そのときに、大蔵省のほうでは、積み立て式でやるならこれはけっこうでございます、そうして、資金は国債を全部買うことにしてくださいと、こういうことにしてできて、国債をずうっと買っておったんでございます。ところが、昭和十一年の五月一日、馬場大蔵大臣のときに、五分利公債が三分半に切りかえられましたために、日本にありますところの共済組合が全面的に非常な打撃を受け、まさに滅亡寸前にありましたときに、前田米蔵鉄道大臣が、第六十四回貴族院決算委員会におきまして、今度の戦争のために戦時公債を発行するところの犠牲を国鉄の従業員にしいることはできないから、これは全額国庫で負担することにしようということを言明し、昭和十五年の二月十六日、勅令第六十号でそれが発布されました。それで、そのとき、あわせて、前田米蔵鉄道大臣は、積み立て金の運用ということについては、単に国債ということでなくて、自主的にこれを運用していこうというようなことで、昭和十二年の日本通運の株式に投資するというのが株式への最初の投資でございました。ところが、昭和十六年の七月十一日、東条内閣だったと思いますが、戦時金融基本態勢確立要綱というのが閣議で決定されまして、日本の公的資金は全部大蔵省資金運用部に預けられることになりました。そのとき、運輸次官の――もちろん、共済組合、国鉄も全部ですが、そのときに、運輸次官の長崎惣之助さんと大蔵次官の谷口恒二さんとの間の協定の中に、戦争が終わりましたらこれは自主運用として国鉄共済に返していただくということが書いてありました。はたせるかな、戦後、佐藤榮作さんが鉄道総局長官におなりになりましたときにその条文がものを言いまして、共済組合にまた資金の運用が戻ったのでございます。それを機会に、共済組合というものは、すべて積み立て金は自主的に運用するものだということで今日の繁栄を来たしてきた。こういうことでございました。
 私は、こうした実証的な尊い歴史を否定して一元化を急ぐことは日本の社会保障制度を低下せしめていくことではないかと、非常に憂心うたた禁じがたいものがございます。
 その次でございますが、労務管理的性格ということでございますが、労務管理的ということは、いまの中の社会保険の福利厚生化というようなことばの中に十分入っておるのでありまして、共済組合の中にあるものを、社会保障の部分と労務管理的な部分とに分けろということは、実は、化合物を二つの元素に分けようというようなことで、どだいこれは本質をころしてしまうことなんでございます。そのような意味におきまして、共済組合という中から完全に、労務管理的と言いますよりも、むしろ、年金制度の経理運営が企業体と完全にシステマ化された形で運用されていっておるものだと、かように考えるのであります。企業経営の目的の一つであるとさえ考えるので、その中には当然労務管理的なことも入っていいのではないかと思うわけでございます。
 三番目に農林年金の焦点の問題でございます。つまり給付の差、これは当然農林漁業団体の職員の給付を落とすということになりますので、これはなかなか許されないことであり、その存在の意義すら忘れるのみならず、日本の公的年金全般のレベルダウンにすらなるのではないか。これは年金の年にかようなことは許されない。どういうようにしたらいいか。それにはまず、何と申しましても、国庫負担が千分の十八いただいているのを千分の二十にしていただ装い限りは――スライドが行なわれたり、ベースアップが行なわれて、財政が苦しくなっているときなんですから、少なくともその給付水準の公平化はもちろん必要でございますけれども、それよりも負担の均衡――これは均衡というのは弱少の弱いところにはより多くやってもいいという意味でございます。そもそも昭和三十四年に農林年金ができ、それから昭和二十九年に私立学校ができますときに私たちのこれに関係したものの意図は、既存の共済組合、国家公務員組合や地方公務員や公共企業体共済組合と厚生年金の長所を取り合わせた理想的な年金制度をつくることであったのであります。つまり、国庫負担も当然に厚生年金並みにいただくということが最初の出発点だったのであります。いまだに、それができまして十数年を経た今日、それが実現されないということは非常に片手落ちであり、不公平ではないかとさえ感ずる次第でございます。
 まずこれをやりましてから、それからその厚生年金との給付の不均衡でございます。大体平均標準報酬月額と申しますものが、厚生年金とそれから農林年金との間にはかなり格差がございますんですね。昭和四十七年度末の平均標準報酬月額は、農林年金は五万九千二百余円で、厚生年金が七万二千八十一円で、実に八割二分に達しておるにすぎません。これでは低いのはあたりまえで、この低さを低いと見るかどうかということはこれはまた別の問題でございましょう。しかしながら、それは別といたしましても、平均の年金額がどうなっておるかと申しますと、これは四十六年度末の一人当たりの年金しかございませんけれども、厚生年金は十九万二千八百十六円でございます。農林年金は二十三万百七円でございますから、なるほどここでは二割方高くなっておりますが、今度五万円年金ができればおそらく十九万二千八百十六円というのは四十五万ないし五十万にでもなると思います。その場合に、農林年金が二十三万百七円が、これが五十万円にはどうしてもなりっこございません。そこの具体的な方法なんでございますけれども、実は厚生年金には最低限度の給付というのがございます。で、少なくとも厚生年金の最低限度の給付以上は回るようになってもらいたいのでございます。最低限度の給付は三十二万一千六百円になっております。この三十二万一千六百円と申しますのは、これは加入二十年の者でございます。したがいまして、最低限度の保障というのを、農林年金においては二十一年、二十二年、二十三年というようなぐあいにして、加入年数によって給付は上がるのでございます。そういうような意味の加入年数別の最低限度をつくるということは、大体一年につきまして一万六千八十円ずつ年金額を引き上げていけばいいということでございます。これも一つの方法でございます。
 それからもう一つは、いま二十年したら四割の給付でございます。これを共済組合の沿革を見ますと、大正九年に共済組合ができましたときには年収の二割五分だったのです。それが、鉄道大臣仙石貢さんのときに三割三分三厘になりました。それから安孫子豊さんが副総裁のときに、年収の四割に上がっております。四割に上がるときも、実は五割で原案がほとんどできて、労働組合とも話がついておったのです。それが議員提案から政府提案に切りかわった瞬間に四割に落ちた次第なんでございまして、これをもうそろそろ五割に上げてもいい時期ではないかと私は思います。と申しますのは、諸外国の年金を見ますと、公的年金と私的企業年金とを合わせたら、企業の大体六割から六割五分というのが通り相場になってきております。でありますから、そういうようなことをいま日本で直ちにやれとは申しませんが、そういう方向も考えなければならぬ。
 ただ、ここで考えなければならないことは、やたらに、いいことばかり取り扱ってきているように考えられますが、年金支給開始年齢が五十五歳になっております。これはもう定年六十歳、六十五歳を言われているときに、この際これらを考えなければならない。つまり、国庫負担千分の二十に上げることと、それから続いて、厚生年金とのレベル、給付水準の調整をはかること、年金支給開始年齢を行なうこと。
 さらにもっと進んでまいりますと、これは直ちにここで申し上げていいかどうかわかりませんけれども、現在の高度成長のもとにおきましては、将来の保険料収入というものはばく大なものになるのでございます。それを、保険数理の形で取り入れる方法が今日とられておらないのでございます。それを取り入れられるような新しい財政方式の開拓、俗に言う――後ほどちょっと御説明いたしたいと思いますが、修正積み立て式というような形でこれを取り入れてはいかがかということもございますので、こういう問題を一挙に解決することはたいへん困難ではございますが、そうした研究の体制というものはつくってもしかるべきではないかと思うのです。
 以上の三点が、足鹿先生の御意に沿わなかったのではないかと思いますが、私の立場としての見解を一応申し上げた次第でございまして、なおお許しがあれば一般論にも移りたいと思いますが、これで一応お休みさしていただきます。
#7
○足鹿覺君 ありがとうございました。
 いま先生のお話の中にもありましたように、四十七年度末の給付率を見ましても、農林年金が五万九千二百余円、厚年が七万二千八十一円とおっしゃいましたね。こういうように私が述べておりますのは、不均衡是正ということにウエートをかけて、必ずしもその悪いほうに統合するのではなくして、不均衡を是正して国民が平等の生活ができる。そしていますぐ生活できる年金制度を考えるべきではないかという意味のことを申し上げたのであって、その手段としては、やはり何らかの形で、この不均衡是正の手段として一つの統合方式も考えなければならぬのではないか。これは一部の学者の中にも意見がありますね。そういう意味合いで申し上げておるのであって、ちょっとその辺もう少し時間があれば、いろいろとお伺いしたいと思うのですけれども、あまり時間もありませんしするので、また後日先生の御高見は、この点についてお伺いしたいと思います。その点私の意味は、そういう意味であって、統合そのものに私はこだわっておりません。要は不均衡是正はどうしたらいいかということであります。
 そこで、共済組合の年金額は、いまおっしゃったように、厚年を下回る、そうすると共済組合というものを組織しておく意義がないんじゃないか。こういう点でいかようにこれを措置すべきかということで、まず二〇%にぜひ補助率を是正すべきだと、こういう御意見が中心にあったわけですが、今度の農林年金法の改正案を見ますと、主として年金の額改定のようですね。
#8
○参考人(松本浩太郎君) スライドのほうでございます。
#9
○足鹿覺君 これまでの年金改定の経緯を見ますと、いろいろな理由はありましたが、財政上の事由が大きく作用しておる。公務員給与のアップ率だけ引き上げてきておりません。公務員の給与率までアップしてきておらないのです。今回の改正だけ、四十六年と七年の二年分を一括して取り入れたにすぎない。それまではずっとおくれておるんです。そこで、本来共済年金のスライド基準はどこに置くべきでしょうか。ここでは四十六、四十七年、二年分をやって、それまではいつも公務員よりもおくれをとっておる。これがいわゆる不均衡を生じていく、やっぱり拡大をしていく大きな原因だと思うんです。ですから、スライドの基準というものはどこへ置くか、この点について先生のひとつ御見解を承りたい。
#10
○参考人(松本浩太郎君) ただいま、足鹿先生のお話に対しまして申し上げたいと思いますが、実は、日本におきましては、戦後、恩給というものは、ことに軍人恩給が起きましたときに、恩給亡国論なんていうあられもない意見が通りましたために、私も当時総理府恩給局につとめておりましたが、実際に恩給受給者の年金を上げるということは、何か罪悪のような思想があったんじゃないかと思います。そういう一つのイデオロギー的なものがあったんじゃないか。それがいまだに作用しておったために、年金受給者というものが非常に不遇の地位に置かれておったのを、ようやく昨今、これは許されない問題だとしてこの問題が起こってきた。
 それから、もう一つは、日本の公的年金全般が、いわゆる完全積み立て式とかいう方式。これは物価の上がらない、スライドのないときが、これが一番合理的な方法だったんでございます。それを踏襲している限りにおいては、スライドだとか、それからベースアップということは、年金財政を乱すというようなことになってしまったわけでございます。そのために、むしろいわゆる年金アクチュアリーと称するほうの意見からすると、それはまた罪悪ではないかというようなこと、そういうようなことの基準からスライドが非常におくれてきて、いまでも、いま先生のおっしゃったように、二年分を一ぺんにやりまして、今年度二一二・四%でございます。これだって足らないので、もっともっと大幅にやっていかなければならない。それはそうかといって、完全積み立てを修正積み立て、ひどい人になると賦課式なんていう、こういうむちゃをおっしゃる人もございますが、そういうようなことになったら、それこそ公的年金亡国論にでもなるんではないか。その意味において財政の手当てとして国庫負担を千分の二十は、これは現段階でもらってもよろしいと思います。当然もらわなければなりません。それ以上増加する場合には、労使ともども掛け金率をさらに負担するということに踏み切っていただかなければならぬ。ちょうどわれわれが、たとえば五百万円の収入の人の税金が三割、一千万円になると税率が五割になる。じゃ、五割になるのがいやかというと、やっぱり一千万円のほうがいい。そういうように毎年の春闘でベースアップが行なわれている以上は、掛け金率の増徴ということもある程度は耐え忍ばれるはずでございます。そういうようなことも観念いたしましてこれをやります。やって、そうして財政手当てとともにスライドもやってもよろしい。それから、先ほど申しましたとおり、スライドとか、スライド年金とか、過去勤務年金、保険料を払わなかった年金制度実施以前の期間を年金に通算したため、それの積み立て金がない場合、それは当然賦課式でございます。将来、今後年金をもらっていくという部分については、これは積み立て式でございます。
 したがって、賦課式か積み立て式かという議論は、これは年金制度の内容を御存じない御意見でございまして、年金制度の性格だとか、年金制度の内容を分析していきますと、賦課式でやらなければならないものと積み立て式でやらなければならないものと二つある。つまり、年金財政というものは賦課式と積み立て式をいかに組み合わせるか、それのシステマ化されて、こん然一体となったのが、いわゆる修正積み立て式という表現によるものだと私は考えてよろしいと思うんです。
 その次に、スライドの水準を何にやったらいいかとこう言えば、賃金と物価でございます。具体的には私は、賃金と物価の間を行きつ戻りつするような形以外にはないと思います。というのは、やはり財源の問題と財政の問題がありますから、賃金どおりにやれといったら、たいへんな財源の負担になる。そうかといって、物価スライドではこれは満足しない。そこで、たとえば、スウェーデンの国民年金の、これは定額でございますが、例を言いますと、これは物価スライドになっている。ところが、年金者に毎年七月に年金の定期昇給――定期昇給というのは私が、かってに訳したのですけれども、補助給付という、サップリメントという、毎年七月に定期昇給があるわけです。スウェーデンでは、年金額を年金点数で、年金証書が年金点数でいっております。シングルの人は〇・九、夫婦は一・四点なんです。毎年七月には〇・〇三ずつ点数が上がる。そうなってくると、物価スライドというか、賃金スライドというか、ちょっとわからなくなる。生活水準の向上は年金者にも与えろというのが、七月のサップリメント、私の言う定期昇給でございます。それからドイツとか、フランスのようなのは、まあいろいろ見ますが、私は、おもにやはり賃金スライドではございますが、やはり三年ぐらいおくれた形の賃金スライドのように思っております。それからイギリスはどうなっておるかと申しますと、イギリスは賃金スライドのようでもありますが、何ぶん定額でございますから、定額に対してのスライドというのは勢い物価水準程度しか出ないわけでございます。しかし総じてでございますが、かれらの国の年金は、スウェーデンは六十七歳、その他の国は六十五歳というようなことから年金が支給される。平均余命はむしろ日本のほうが長いというくらいですから、向こうのほうのスライドが財政的に与える影響というのは、日本よりもはるかに少ないのでございます。
 そういうことも考えますと、日本では、これはほんの私のいまの思いつきでございますが、六十五歳までは物価スライドで、六十五歳過ぎたら賃金スライド、こういうことにすると、一緒にやめた人は、六十歳でやめた人と、五十五歳でやめて、同じ部長なら部長でやめた人のスライドは変わってくる。これもまた不均衡になるのでございますが、要するに、現段階では私はやはり物価スライドを中心にはするけれども、将来は、というか、五年目ごとの再計算のときには、それを賃金スライドのようにしていくというのが大原則でございます。
 しかしながら、五つの共済組合は、これは実は先ほど言いましたように、恩給制度と厚生年金のいいところをとったのでございますから、恩給制度のベースアップにおくれるということはできないのでございます。いまの段階においては、これ以上何か絶対的な基準を求めようということは、要するところ、さいふ勘定に戻ってくるわけでございますから困難ではないだろう、かように考えておる次第でございます。
#11
○足鹿覺君 先生失礼ですが、総理府長官がお急ぎになっておりますので、ちょっとこの際、総理府長官の御質問をはさみますが、お許しをいただきたいと思います。
 総理府長官に伺いますが、八月二十六日付日本経済新聞だけが掲載しておりますが、今年度の恩給改正の内容が発表になっておる。発表の方法はどういう方法でありましたか、この記事によりますと、総理府は「四十九年度予算案に盛り込む恩給改善案をまとめ、自民党内閣部会と同恩給制度調査会の了承を得た。」と伝えておりますが、多分に来年を意識したにおいもないではないと思います。自民党も了承したということはどういう意味でありますか。この骨格はどのようなものであり、自民党も了承したというものを概算要求をなさるのでありますか。その内容の大綱と了承という意味――了承ということは政府もこれをのむということであるか、その辺の事情を明らかにしていただきたい。
#12
○国務大臣(坪川信三君) 足鹿委員が御指摘になりましたのは、ある新聞の資料によっていま御意見を述べられ、また、政府の態度についての御質疑をなされておるのでございますが、前提で誤解があっては恐縮でございますので申し上げておきたいと思いますけれども、政府が一応いま概算要求の作業を行ないつつあるさなかでございますが、政府の見解として正式に発表したものでないということだけははっきりと御理解おき願いたいと思うのでございます。いずれ政府といたしましては、来年度の概算要求を恒例に従って九月の初めまでには行なうというのはもう御承知のとおりでございます。
 したがいまして、政府といたしましては、そういう事態を踏まえまして、来年度の予算要求に対するところの恩給の基本問題についていろいろの角度から検討いたしておるのでございますが、御案内のごとく、去る八月九日、人事院においては本年度の公務員に対するところの要求、いわゆる公務員の給与に関するところの勧告がなされたわけでございます。その公務員の給与の基本方針は、御承知のとおりに、全額一五・三%の改善を行なうということ、四月一日からこれを遡及するということ、すみやかなる国会に提案をすべきであるという、こういうような点が重要な点でありますので、政府といたしましては当日の午後、公務員給与関係閣僚協議会を直ちに開きまして、財政当局ともいろいろと、また、関係閣僚ともよく打ち合わせをいたしまして、基本的に人事院勧告を受け入れるという基本方針をきめ、しかも四月一日から完全実施を行なう、そして本国会にこれを提案するということが二十一日の閣議において正式に政府の態度がきまったようなわけでございます。
 かく考えてきますと、いわゆる恩給の水準と公務員の給与水準との問題につきまして、いろいろと検討を加えつつございますが、一五・三%というこれにスライドするという方針は、昨年より御案内のごとく恩給制度を改定いたしました際、政府といたしましても、また、担当大臣の私といたしましても、その方針を堅持するということは国会の場等を通じて表明申し上げてきたわけでございます。一五・三%に加うるに恩給の水準と給与の水準との間に格差がいまだ一四・七%あるというようなわけでございますので、この一四・七%を四十九年度から二カ年にわたってこの問題を解消することが老齢者に対するところの正しい政治の姿だと私は考えまして、この格差の半分であるところの七・三五%を積み上げるということになりまして、御承知のとおりに合計二三・八%の改善を行ないたいという基本方針をいまきめつつあるという状況でございまして、それがまとまりまして、そしてまとめ得まして、概算要求として正式に出したい所存である旨を御報告申し上げて御了解願いたいと思います。
#13
○足鹿覺君 二三・八という引き上げ幅は、いま大臣が御説明になりました一五・幾らに一四・七の半分を加えますとそういう数字になる。私はそのこと自体に異議を持っておるわけではありません。こういう大幅なものをおやりになってもなお積み残しがある。いま言外にお漏らしになりましたが、四十九、五十の二年間で積み残し分は全部解消しますか。いま、積み残しがあるのに二年後に解消するようなそういう考え方で恩給受給者が納得すると思っていらっしゃいますか。来年度解消できないのは財源の問題ではありませんか。積み残し分は私の推算では二百五十億くらい――どのくらいになりますか、私もよくわかりませんが、どのくらいになりますか。
 まあいずれにいたしましても、これは大蔵省の関係もありますが、こういう年金の年というようなふれ込みをしておきながら、なおまだこのような四十九、五十の二年間で積み残しを解消しなければならないというような事態は私は矛盾しておると思う。積み残し分は幾らになりますか。積み残しの方法は四十九、五十年二カ年間で全部解消できますか、その点はいかがですか。
#14
○国務大臣(坪川信三君) 要は足鹿委員の御質疑は、これを二年度でなくして単年度でやるべきであるという御意向だと思うのでございます。御承知のとおりに、大体いま申しました方針でまいりますと、四十九年度の概算要求額は五千三百二十二億円の予定に相なるようなわけでございまして、本年度の予算額の四千二百五十八億に対しまして二五%の増加となっておるわけでございますが、これを原則として来年、再来年の二年度にわたって行なうということによって完全にいま御心配になりました格差はなくなる、解消するということに相なることだけは御信頼願いたいと思います。
#15
○足鹿覺君 大蔵省にこの際伺っておきますが、いま総理府から積み残し分の解消についての考え方はお聞き及びのとおりですが、財源問題で積み残しの完全解消ができないということは非常に遺憾に思います。先ほども言いましたように年金時代が到来したと、直ちに食える年金がもらえるような印象を国民に与えておきながら、実態は、受給資格のある者の実態というものはそうはまいらぬ。また、その給付水準も生活費の高騰した今日、とうていやっていける金額ではない。こういう矛盾を内包しておりながら、余剰財源が非常に多いと言われておる今日、なぜ財源措置をなさらないのか。これはちょっと言い過ぎかもしれませんが、一般に与える印象は大幅な引き上げをしたんだという印象を与えておいて、中身は欺瞞的に、この先二年かかって積み残し分も解消するんだ。解消しても、生活の実費すらまかなえないんだということではこれは納得するはずはないと思う。そういう点について大蔵省は従来の、いまも松本参考人の意見がありましたが、従来の考え方をこの際改められる必要があるんじゃありませんか。いかがですか。
#16
○政府委員(辻敬一君) 老齢保障の充実につきましては、私どもといたしましても、従来から格段の配慮をしてきたところでございます。四十八年度予算につきましては、すでに御承知のとおり、法律案で御審議をいただいておるわけでございまして、厚生年金につきましても、大幅な給与改善をいたしておりますし、恩給につきましても、先ほど来お示しがございましたように、従来の改定方式を改めまして、四十六年度及び四十七年度におきます公務員の給与改善率によりまして二三・四%というような大幅な引き上げを行なった次第でございます。
 来年度の問題につきましては、先ほど総務長官御答弁になりましたように、概算要求の形で提出されるわけでございますが、八月末でございますので、私どもといたしまして、まだ正式に受領いたしているわけではございません。概算要求が提出されましたならば、他の制度のバランスでございますとか、財源事情その他勘案いたしまして、政府部内で慎重に検討してまいりたい、かように考えておるところでございます。
#17
○足鹿覺君 私のお尋ねすることとだいぶ違った御答弁のようですが、これは後ほど政務次官もおいでになるそうですから、政治問題ですから、そのときに伺います。
 新聞発表なり、いまの長官のお話によりますと、大体最低保障額三十二万円に引き上げるということは大体確定しておるようですね。衆議院における修正点を見ますと、厚生改正が、大体政府案が三十万二千四百円が三十二万千六百円になって、大体これと水準を合わせておるにすぎないですね、そういうことになっておるんです。私は、これはあるはなきにまさるという意味において、この修正は当然のことで、これで満足しないから質問をしておるわけなんです。長官、その辺を、これは衆議院で農林年金、厚生年金の改正をやっているんですね、これと一緒ですよ。それまでは幾らかというと、政府案は三十万二千四百円で出した。それを年金時代到来というので、たった二万一千円ほどふやしたにすぎない。そこに、私はやはり総務長官に政治家としては、やっぱりこの際御再考願って決断をしてもらわなければならぬのじゃないかと思います。これはぜひひとつ積み残し二年間のような、こういうことでは、私は関係団体はそう簡単に引き下がらないと思う。大体政府与党は恩給関係には弱いようですが、ほかのものにも弱くなってもらいたいんです。どうも恩給関係にだけ弱いんじゃ困るので、ほかのものにも平等に弱くなってもらうことは大歓迎ですが、いかがですか。
#18
○国務大臣(坪川信三君) 決しておことばを返す意味じゃございませんけれども、共済その他年金のほうは私の守備範囲でないんでございますから、私は恩給者の立場から、老人対策の立場から、多年の懸案があったこの問題に対して、昨年の予算編成に際して抜本的な、画期的な解決をいたしたわけでございます。それに加うるに、国家財政全般から高度に考えながら、これらの受給者の気の毒な老後の生活を安定するという考え方から、最大の配慮を今後も、足鹿委員御指摘のような気持ちをもって取り組む方針は微動だにもいたさないわけでございますので、一応事務当局として考えました線、また担当責任大臣として私がとりました来年度の概算要求に対するところの考え方の根底だけはひとつ御理解願いたい、こう考えております。
#19
○足鹿覺君 長官のよき御意思は知っておるんです。私はわかっているんです。あなたの守備範囲ではないけれども、やはりこの恩給関係というものとの関連は他の共済関係で必ず出るんですからね。そのことを申し上げて、あなたが、ひとつもう少し弱くなられれば、今度はほかのほうもあわせて弱くなっていけば、水準がよくなるのじゃないか。こういう意味で、あなたの少し熱意を燃やしてもらいたいということを申し上げたわけなんです。
#20
○国務大臣(坪川信三君) よくわかります。
#21
○足鹿覺君 そこで、大蔵省いまお聞き及びですが、あなた辻さん、いまお聞きのようですが、そうなりますと、共済年金の旧法の最低保障額は当然この額を適用すべきだと思いますが、いかがですか。
#22
○政府委員(辻敬一君) 私ども先ほど申し上げましたように、まだ正式に概算要求の形で受領をいたしておりませんので、概算要求が出てまいりましたならば、他の制度、財源等にらみ合わせまして十分検討してまいりたいと考えております。
#23
○足鹿覺君 もしそうなった場合には、旧法関係は解消するかということを聞いているんですよ。別にいまあんたが、ここでこう言ったからといって、その言質をどうこうしようというのではないですよ。総理府長官が、ほとんど実現性に、可能性に近い、いまも熱意をこめて御答弁になっておるんですから、ですから、あなたがこう言ったからといって、今後、大蔵政務次官に追及するなんていうことはいたしません。が、いま言ったようなことになれば、当然旧法部分は解消しますね、そう聞いているんです。それならそうとはっきりおっしゃい。
#24
○政府委員(辻敬一君) 従来のたてまえで申しますと、御承知のように、官吏につきましては、恩給制度がございまして、雇用人につきましては、いわゆる旧法があったわけでございます。そこで、官吏と使用人との均衡という意味から旧法の部分の制度につきましては、恩給制度と従来歩調を合わせてきておりますので、その点をどうするかにつきましては、恩給と旧法とあわせて検討する、かようなことに相なろうかと思います。
#25
○足鹿覺君 あわせて検討するということは、今後は共済年金の最低保障を新法と旧法で区別する必要がなくなる、こう理解してよろしいですか。
#26
○政府委員(辻敬一君) 新法につきましては、これまた御承知のように、社会保険制度として新しく始まった制度でございますので、これは従来から社会保険の基本でございます厚生年金に合わせているわけでございます。先ほど来御指摘のございました旧法の最低保障の額は厚生年金の額を基礎として計算をいたしているわけでございます。これにつきまして旧法の部分につきましては、先ほど御説明申し上げましたように、官吏に対して適用されました恩給制度との均衡をはかる必要がございますので、従来から恩給制度と歩調を合わせているわけでございます。制度の考え方につきましては、さようなことになっております。
#27
○足鹿覺君 もう少し経緯を見てまたお尋ねをしましょう。
 恩給改定と共済年金のスライド制についてですが、社会保障制度審議会は、共済年金の改定について恩給に追随しているのを改めるべきだと指摘しているんですね、辻さん。政府はどうも恩給には非常に……。いまここへ、私がきのう要求いたしました資料が、昭和四十九年度恩給改善措置案というものが出ておるのです。これは膨大な中身のもので、私もいま読んで、これが日経に出たものの内容と一致しておるかどうかということの確認がつきません。つきませんが、とにかく画期的な最低保障額の引き上げをやる。こういうことは間違いないようですね。
 で、先ほどもちょっと申し上げましたが、恩給関係に対してはわりあい配慮が行き届いておるといいますか、共済年金については政府は非常にちびるくせがある。先ほどもちょっと私は申し上げたんですが、また参議院選挙対策ということでおやりになっても、私は一向それは差しつかえないと思いますよ。なら、ほかの共済年金にも均衡のとれた対策をとりなさい。当然でしょう。大蔵省はいずれこれを検討すると言いますが、共済年金がいつも恩給のあとにくっついて行っておるということは、社保審で正式な答申をしておる。それを、こういう年金の年のようなときに改めないという大蔵省の態度は、私はおかしいと思う。改められますか。いかがですか。
#28
○政府委員(辻敬一君) 今回共済年金につきましても、御承知のように恩給にならいまして二三・四%というような大幅な改正をいたしておるところでございますし、その他いろいろと制度の改善もお願いいたした次第でございます。
 恩給との関連でございますけれども、先ほども御説明申しましたように、共済の年金制度は恩給あるいは旧法の年金制度を統合して発足した制度でございます。したがいまして、旧制度における期待権の保護と申しますか、既得権の保障と申しますか、そういうことを考える必要があるわけでございます。しかも、現在の年金の計算におきましても、新法の施行前の期間、これは旧制度の恩給なり旧法なりの計算と同じような計算をしているということもございますので、従来から恩給にならって年金の改定の措置をとってきたところでございます。
 国家公務員共済組合制度について申し上げますと、たまたま来年度が財源の再計算期にあたっておることでございますので、最近における厚生年金等の水準の改善などの事情も勘案いたしまして、共済の年金の水準をどうするかということにつきまして関係の審議会にもおはかりをいたし、また、公的年金制度調整連絡会議等におきまして各省との調整もはかりながら、今後給付制度、水準、あるいは全般的な共済制度をどういうふうに持っていくかということにつきまして検討してまいる、さような段階でございます。
#29
○足鹿覺君 これは最初に長官に伺って、あとで辻さんに伺いますが、共済年金、恩給とも、この際、公務員給与に完全にスライドすることを制度として仕組むべきだと私は思う。いまも辻さんは、この制度改正の連絡協議会というものがあるやの御答弁でしたが、当然その連絡協議会の議題になっているでしょう。連絡協議会の内容は、関係省はどういう関係省で、いままでどういう経緯で、これからどういうふうな問題と取り組もうとしておられるのか、それを明らかにしてもらいたい。
 そこで、総理府長官、最後に、いわゆる共済年金にしろ、恩給にしろ、老後の保障であるという点については、名前が違うだけで同じことなんです。いままでも、松本千葉商大の先生から参考の御意見を聞いておったところなんです。国民がその名目によって不均衡な年金を受けるということはすみやかに解消されなければならない。私があなたに特にきょう来てもらったのは、この新聞記事だけではないのです。恩給にみなくっついていくので、あなたは国務大臣の立場からやはりこれの抜本改正としては、公務員給与にスライドするという一つの筋を立てるべきではないか。これを大蔵省とあなたが渡り合って、もうあなた田中内閣では一番実力者なんだから、ひとっこれをあなたがやられれば、これは一つの年金、恩給制度の大前進になりますよ、その御決意のほどを承りたい。
#30
○国務大臣(坪川信三君) わが国内の果たすべき政治の課題は幾多――幾つもございますけれども、その中にあって、不幸な戦争によってのわが国の発展の上に非常な苦労を重ねられましたいまの老人の方々に、生きがいと安らぎを与えるという老人対策は最も重要な課題の一つに、私は足鹿委員の考え同様考えておるようなわけでございます。その線に従いまして私は、恩給問題の格差の是正に取り組んでおるようなわけでございますので、御案内のごとく、皆さまからもまた受給者からも喜んでいただきましたように、昨年の改正にあたりましては、公務員の給与にスライドする方針をとったゆえんもここにあるのでございますとともに、今年度の概算要求に際しましても、スライド制をとるという不動の方針をとりまして、いずれ内定いたしましたならば、その案を財政当局に示す考えでございますので、私はこれで二度にわたるスライド制を着実に行なったということにおいて、制度化の必要の可否ということは参衆両院において附帯決議でなされておるものでございますから、院議を尊重する意味からもこれを制度化すべきという考え方は何ら異論ごございませんけれども一、ただいまの恩給法第二条の第二項によるところの準拠に従ってこれを行なうということに相なっておりますので、何ら支障は来たし得ないものでありますとともに、範みずから実行に示して、国民に安心感を与えると、こういうふうな方針で取り組んでおりますとともに、足鹿委員御指摘のようなこうした重要な問題についてはさらに前向きの姿勢で、誠意を持ってこれに施策の万全を期する方針でこたえてまいりたいという方針を申し上げて御了解願いたいと思います。
#31
○足鹿覺君 大蔵省、先ほど長官に一緒にお尋ねした点で、連絡調整協議会ですか、そのものはいつできましたか、構成、内容、研究課題、いま言ったようないろいろな問題についてどういう連絡、協議をなさっておりますか。いま長官も決意の一端を示されましたが、これは午後政務次官がおいでになるそうですから、あなたからよく伝えておいてください。大蔵省としての態度を、政治家としての態度を伺いますから、あなたは連絡調整協議会の構成、経緯、課題今後の見通し、いつ結論が出るか、そういったようなことについて御説明を願いたい。
#32
○政府委員(辻敬一君) この公的年金制度調整連絡会議が昭和四十二年八月の関係事務次官会議の申し合わせによりまして、総理府に設置されたものであります。その契機となりましたのは御承知のように四十二年六月二十一日に社会保障制度審議会から内閣総理大臣に申し入れがございました。それを契機といたしまして設置をいたしたわけでございます。どういうことをやっているかと申しますと、各公的年金制度の目的、性格、制度の仕組み等についての検討、それから各公的年金制度の給付につきまして公的年金としての共通部分と、それぞれ制度独自の特殊部分と区分する考え方をとり得るかどうかについての検討、そういう関連におきましていただいま御指摘のございましたいわゆるスライド制、年金額の調整の問題等々について論議を重ねているところでございます。
 ただ、共済制度、各種年金制度それぞれ基盤が違いますので、四十六年一月以降は共通性を持ったグループに分けまして、公務員グループあるいは民間グループというような幾つかのグループに分けまして、ただいま検討を進めておるところでございます。
#33
○足鹿覺君 それは、総理府の中に、その室はあるのですか、協議会の事務局は。
#34
○政府委員(辻敬一君) さようでございます。
 連絡会議の構成といたしましては、審議室長が主管をしておりまして、総理府人事局、恩給局、厚生省の年金局、農林省の農経局、自治省行政局、人事院の給与局等がメンバーになっておるわけでございます。
#35
○足鹿覺君 いま当面しております厚年の改正に伴う各年金共通の修正点が一応出されておる。しかし、これでは満足できない。スライドの問題もありますし、最低保障の問題もありますし、遺族年金の引き上げの問題もありますし、いろいろな問題がありますが、そういう問題についてはただ単に協議会を設けたということだけでは済まぬと思います。あなた方もその成果のあがることは望んでいらっしゃると思いますが、どなたが責任者ですか、総理府の恩給局長が事務局長ですか。どこが中心になっておられますか。
#36
○政府委員(辻敬一君) 取りまとめは総理府内閣総理大臣官房審議室長でございます。
#37
○足鹿覺君 官房審議室長というのはきょうは来ておりませんが、あとで呼んでください、総理府の官房審議室長を。
 辻さん、あなたは大蔵省のこの問題の実力者ですから、その審議室長は、いまおられぬけれども、あなたが実権を握っておると思うのだが、その結論はいつ、何についてどういう結論が出るという見当で作業をしていらっしゃいますか。
#38
○政府委員(辻敬一君) この問題につきましては、ただいまお答え申し上げましたように、官房の審議室で取り扱っておりますので、官房の審議室からお答え申し上げたほうが適当かと存じますが、公務員グループにつきましても、最近数回にわたりまして会議をいたしておるわけでございますが、厚生年金につきましていわゆる物価スライドが導入されることに関連いたしまして、公務員グループの共済法におきましても物価スライドを導入するかどうかという問題につきまして、最近は検討いたしました。しかし、その結論は、残念ながら得られなかったわけでございます。当面は、本年度、四十八年度は従来どおり恩給の改定にならって改定をする、かようなことにいたした次第でございます。
 今後の共済年金制度のあり方につきましては、基本的な問題といたしましてなお検討を続けていきたい、かように思っております。
#39
○足鹿覺君 総理府の官房審議室長が責任者だということになると、総理府長官に、もうちょっといてもらったほうがよかったのですが……。
 それでは、農林大臣もおいでになったようでありますが、総理府長官に関連をする大蔵省への質問はあとへ残しまして、松本先生たいへん失礼いたしました。いまの点について引き続きよろしくお願いいたします。
#40
○参考人(松本浩太郎君) 大体、私ただいま申し上げましたようなことで、一とおりは、私の一半の考え方も織りまぜて申し上げましたところでございますが、なお足らない点をもう一度、重要と思う点とともに繰り返して申し上げたいと思う次第でございます。
 先ほどから、年金制度というものは一本であればいいとか、一つであればいいとかというようなことを言っておりますが、実はスウェーデンでは年金制度を、六十七歳になったら五つ年金証書をもらうというのが目的のように言われており、実際そう私も聞いております。また、それから公的年金と企業年金との間で一番問題になるのは、年金のポータビリテイーつまり携帯年金、通算ができなしということでございます。そういうような意味におきまして、労働組合と経営者団体との間でプール制の年金、日本で言いますと、昭和三十六年に日本船主協会と全日海でやったようなああいう団体交渉による年金、協約年金というのがフランスとスウェーデンでは非常に発達しております。そういうような形に私は、将来は年金はならなければならないのだとは思いますが、これは、横社会のスウェーデンやフランスの言うことであって、縦社会の日本においては、やはり企業別労働組合というものが中心になっておるこの日本の社会構造としては、企業年金というものをますます重要にしていかなければ、社会保障を幾らやろうとしても、それは国庫負担の増額というようなことになってしまって、アブハチとらずになるのではないかと思いますので、やはり社会保障的な年金は薄く広くという形にならざるを得ない。もう少し言いますと、生活保護法に少し毛のはえたようなものである。これはイギリスのベバリッジの国民年金が如実にこれを物語っております。そういう意味で、企業年金と社会保障を一緒にしたこの社会保険の福利厚生化としての農林年金のような存在は、ますます伸ばしていかなければならないと思います。
 その意味で、今度の農林年金の改正ということについて、この議案も私見せていただきましたが、私なりに今日の段階ではこれ以上を直ちに望むことはなかなか困難ではないかと思います。足鹿先生の御意見のスライドの問題が、恩給以上にこれを上げたい気持ちは多々ございますが、それはなかなかいまの財政では私は、ひとり農林年金だけで解決できる問題ではないように思いますので、二三・四%の恩給にならったスライドは私は、この際これを認めて差しつかえないと思います。
 その次に、先ほど申しました最低――厚生年金に起きるところの最低保障の問題というのは、さっき言いましたように、加入年数別に行なうか、あるいは二十年したときの給付を、四割から始まるのを五割にやろうということも決して行き過ぎではないと考える次第でございます。
 それから将来の掛け金率の引き上げと、それから国庫負担を千分の二十以上に上げる問題と、事業主の負担とか、そういう問題は将来の、それから財政計画の新しい分野の開拓というようなものも必要だと思うわけでございます。それにしても千分の二十がまだ国庫負担がもらえてないということは、私はこの年金の年に当たってまことに残念、遺憾千万に存ずる次第でございます。
 さらに積み立て金の運用という問題に入るわけでございますけれども、長期金融、ことにこうした福祉的な金融というものをあまり有利に運用するということは必ずしもいいかどうかはきわめて問題でございます。むしろこういうものは長期に福利厚生的な面とか、あるいは労働生産性の低い老齢退職者の新しい雇用市場の開拓というような意味でこれを投融資することにつきましては、幸い今日農林大臣もおいででございますが、農林省において積極的にこういう投融資のことについて御指導あってしかるべきではないかと思います。
 それは先ほど申しましたように、昭和十一年の五月に馬場大蔵大臣のときに低利になりましたときに、前田米蔵運輸大臣のもとで共済組合の資金運用が改正になって自主的に踏み出そうということになりましたときに、株式投資として日本通運の株を買ったというような例がございますが、やたらに株を買うなんということはこれはたいへんに危険千万なことでございますが、御当局の御指導のもとに慎重にこれを行なうような態勢もそろそろ始まってもいい段階ではないかと思います。
 しばしば申しますように、年金制度というものは、制度よりも年金の機能を即時発揮することが大事なんで、この公的年金、農林年金というのは個人年金と違いましてエバーラスティング・ペンション・ポリシーという永遠に続く年金契約でございますから、スライドの財源とあるいはまたは過去勤務年金、保険料を払わなかった過去の勤務におった人も、年金がなくてその制度を農林漁業のために従事されたんですから、そういう人には、保険料を払わなくても十分に完全年金を支給するというような体制のために起こった財源の不足は十分に年金財政の中でこなしていけるわけでございますから、そういうようなものは賦課式でやっていただいて、将来の、勤務して六十歳、六十五歳でもらうような年金に対しては、りっぱに完全積み立て式、あわせて修正積み立て式という表現になるわけでございます。賦課式と完全積み立て式という形でこの財政を検討されていただきたいと思うわけでございます。
 最後に、老人問題が出ましたので、ちょっときょうの私の見解を逸脱するかもしれませんけれども、老人問題というのは四つございまして、一つは所得保障、医療保障、それから住宅保障、老人に向いた軽微な雇用の問題と、この四つの問題で、所得保障は年金でございまして、その年金基金で老人ホームのようなのを五十年とかいうような長期によってこれを建てる。その中にはプールもあれば、温泉もあれば、美容院もあるというようなスウェーデン式な老人ホームをそろそろ考えては――その中には医療保障もございますし、また、住宅保障は当然にできます。――雇用市場というものができるわけでございますが、そういうようないわゆる年金制度を中核とした、年金制度を老人金融の中核としたところの老人福祉のシステム化という方向にこれは進むべきであると考える。このようにいきまして、今日の農林年金というものはますます現状中心に発展せられんことを希望いたしまして私の御報告とさしていただきます。
#41
○足鹿覺君 もう一問だけ松本先生に御質問します。
 非常に広範にして該博な御見解を承ったわけですが、先刻来、熱心に二〇%の国庫の補助金がまず先決だということを繰り返しおっしゃいまして、私も同感であります。まだ農林年金は一八です。これも政府みずからがやったことではないんです。われわれ議員がいろいろと要請をして、これは今日まできた。その前は二八であったわけです。その前は一四であったわけです。それで農林年金はいま一八です。船員保険は二五ですね、先生。――どうもいろいろ国の補助というものの立て方がみな年金によって差があるということは、これは理屈にも合わないし、私はそこに政治がないと思うんです。全く事務なんですね、従来の惰性の。この際私は国の補助の基準というものをやはり明らかにして――いまのようなあいまいな従来の慣行だとか、かってな理屈を事務屋がつけて、そして政治家がそれをのまされておる。所管大臣がそれをのんでおるというようなことでは私はよくならぬと思うんです、いま先生のおっしゃったことも。で、どこへ補助の基準を設けたらいいかということが一点。
 それから、もう一つは、農林年金は総財源率から国の補助金を差し引いた残りを掛け金率にしているんです、御承知のように。労使が折半でこれを負担することになっているんです。共済制度にも財源の負担は折半であるべきなのかどうかということですね。公務員等の共済では過去の債務については、国または公共団体が負担することになっているようですが、財源負担の本来的なあり方はどうあるべきかという点について御見解を承りたい。いわゆる年金共闘会議とかその他、四十二万の組織されておるこの組合員たちはやはり六、四とか、あるいは八、二とか、強い要求が出ておりますが、そういう具体的なものは別として、本来的なあり方ですね。やはり私は労働者の負担を軽減していくという立場に立って、これはものを考えていかなければならぬと思いますが、そういう見地からひとつ。
#42
○参考人(松本浩太郎君) いまの御質問を二つに分けまして、国の補助基準をどこに置くかということでございます。これはやはり一つは、私は、国のそのときの内閣の政策というものをやっぱり無視することは現実的にはなかなかむずかしい問題だと思います。ただ、政策についての批判は、これは総選挙といろいろな世論の形で国民に問えばよろしい問題だろうと思うわけでございますが、さて、国庫負担をどういう形で出すかというと、私は現段階においては高度成長経済ということが行なわれております。そうなってきますと、インフレ利潤というものが一番多く入ってくるのは、私は国の税収入ではないかと思う。毎年、大蔵省の報告によりますと、税収入が予定以上になった。そのためにそれを一番インフレの犠牲になっている層に必ずしも全部やれというのは、これは酷でございます。かなり重点的に考えてもよい段階ではないかと、そういうような意味において、インフレのなかった時代にきめられた国庫負担よりも率が増加してもいいだろうということは肯定できると思います。しかし、それには私、たびたび申しましたように、本人の掛け金だとか、あるいは事業主の負担金というものを増加させていけばよろしいと思います。
 次に、保険料の労使折半の負担の考えでございます。これは実は一八八九年鉄血宰相オットー・フォン・ビスマルクの老齢、廃疾年金のときに始まって以来の伝統が依然として守られているままだと私は思います。英国の保守党が一昨年出しました年金白書の中においても、事業主のほうに負担をより多くする――たしか一二・五%であったと思いますが、事業主が七・五%で、労働者が五%であるとか、フランスの年金とかあるいはドイツの鉱夫の年金とかいうようなものに対しましても事業主の負担が多くなっております。そういうような意味で私は、これをいま直ちに事業主を多くしろというようなことはできませんけれども、社会保険の福利厚生化というような意味で、つまり健康保険を福利厚生化した健康保険組合において事業主の負担が現に六対四になっております。こういうようなことを考えまして、現在の広く、共済組合の労使折半というのを経営者のほうが持つということは多少――多少どころか、当然妥当性がある。ただ、そのうちに、少しこまかくなりますが、数理的保険料を折半するか、整理資源を全部事業主に持たすかという年金の性格によって私は判断したい。先ほど言いました賦課式というものは過去勤務年金とスライド年金に当たるのであって、将来、勤務年金というのは完全積み立て式であると私が申しましたように、完全積み立て式に対するものの負担割合、これも当然折半負担は多少是正してもよろしいが、そうかといって整理資源を全部事業主に持たしたから数理的保険料の負担までも変えよというようなことはなかなか言えないのでございます。
 さらに共済組合の負担率を六十七年の歴史の中で考えてまいりますと、明治四十年――一九〇七年後藤新平さんが共済組合をつくられてから床次鉄道院総裁までの十三年間は事業主が二%で労働者が三%でございました。それから一九二〇年に年金制度が共済組合に統一いたしましたときには、事業主が五%で、組合員が六%でございます。ところが、昭和初期の不況のために財政が非常に悪くなりましたときに、逆に六%の労働組合が七・七%持つようになりました。事業主は依然五%でございます。その差は二・七%と実に労働組合のほうが多かったのです。ところが、先ほど言いました五分利公債の三分半低利借款によったために財政が破綻に瀕したということで、その財源はあげて国庫が持つのが、先ほどの理由で、前田鉄道大臣が第六十四回貴族院決算委員会の報告でしましたような形で全部事業主が持って、そこで整理資源をも含めまして折半負担になりました。
 それから昭和二十三年に国家公務員共済組合ができ、それからそのときに、社会保障という大きなあらしが日本にやってまいりましたので、初めて整理資源を国庫で持つというような形になってきております。同じ共済組合の中におりましても、整理資源ば全部事業主とか国庫が持つというような形のところもあれば、あわせて折半負担というような私立学校共済組合と農林年金のようなこともございますが、そういうことば沿革的なこともございますし、またその制度の固有のもの、過去勤務年金を、スライド年金をどの程度取り入れたかというような詳細な分析を行なわないと、私は、軽軽にはできない問題だと、かように考えております。これをもってお答えにさせていただきます。
#43
○足鹿覺君 どうもありがとうございました。
#44
○塚田大願君 関連して一つだけ御質問申し上げたいと思います。ただいま先生のいろいろ御高見を拝聴したわけでありますし、また、先生がお書きになりました農林年金の十二月号の、昨年の、スウェーデンの年金制度という論文を読ましていただきましてたいへん参考になりました。そこで特にスウェーデンの場合に、先生もおっしゃっておられるのですけれども、現代年金学の行くてに多くの示唆と教訓を与えるものであると、こういうふうに評価されておるわけでありまして、その点からいろいろただいまも貴重な御意見を聞かしていただいたわけでありますが、ただいま足鹿委員から質問がございました最後の問題であります。つまり財源の負担区分の問題、これにつきましては先ほど先生から国の補助率を一八%を二〇%としても当然であるというふうな御意見がございました。これは労働組合は三〇%というふうに主張しておりますし、私どもは、本来これは四〇%ぐらいあってしかるべきだと思っておりますけれども、さしあたって厚生年金並みの二〇%は当然だという先生の御主張、御意見は私どもも非常によく賛成でございます。そこで、もう一つのいま最後に足鹿委員が質問されました事業主と労働者の負担区分の問題でありますが、これは私ども七対三ぐらいにすべきだという主張でございますが、いまの先生の御意見を聞いておりますと、いろいろ深い御意見もあるようでありますけれども、スウェーデンの場合、先生のお書きになったスウェーデンの場合がどういうふうになっているか、その点をひとつ最後に簡単でけっこうでございますから教えていただきたいと思うわけであります。
#45
○参考人(松本浩太郎君) ただいま塚田先生からの御質問でございますが、その前にスウェーデンの年金制度が、私さっき六十七歳になって五万円もらえるということを申し上げたことから説明します。
 公的年金が二つございます。国民年金と申しまして、これは定額の年金でシングルのものが大体いま五十万円ぐらいでございませんか。夫婦で、カップルで九十万円、これは年に二回くらいスライドがございますし、先ほど申しましたように、七月にも定期昇給みたいなものがございますので、毎年、毎月というぐらいに変わっておりますから、幾らということは……。この年金は五%が本人の負担でございます、掛け金率は。事業主は一文も出しておりません。そのかわり完全賦課式でございますから、全体の財源の三分の一にあたる数理的保険料は先ほど申しました五%ですから、三分の二は、つまり給付の三分の二と申しますのは、これは国庫と地方自治体、地方自治体はほんの一〇%ぐらいで六〇%ばかりを国が出し、三〇%ばかりが本人の、掛け金でいうと五%という形になっております。
 次に、もう一つ報酬比例の年金でATPというのがございます。これは先ほど申しましたように超完全積み立て式とも申しまして、スウェーデンの民間金融市場の五割を占めておるというばく大な積み立て方式でありますが、これは事業主が全部持っております。資金の積立運用委員会には、労使、学者、政府の役人という四者構成でこれを運用しております。
 さらに第二の社会保障と申しますところの、団体交渉でできたところの協約年金、これはホワイトカラーの部分がITPと申します。それからブルーカラーのものはSTPと申します。労働組合の連中も、いつかは自分はホワイトカラーになってみせるという意味で、二十から六十七の間に労働組合者として二十年ばかり、それからホワイトカラーとして二十何年おるから、この二つはみんなおれは取ってみせるというのが労働組合の幹部の希望のようでございますが、この二つとも全部経営者が持っております。本人は一文も出しておりません。
 それから各企業に企業年金がございます。これは団体交渉によっていろいろ変わっておるようでございますが、少なくとも折半負担以上に事業主が負担しておるように記憶しております。
 さらに、先ほど申しましたように、イギリスの国民年金というベバリッジのつくった年金がございますが、これは国が六分の一で、あとは労使の負担の割合は、わずかばかり、十分の一ぐらい使用者が多いぐらいで、大体折半負担でございます。しかし、先ほど言いました保守党の今度新しい国民年金改革というものでは、経営者が六ぐらいで労働者が四ぐらいの割合というように記憶しております。まあ大体そんなことではないかと思いますが、これで終わらしていただきます。
#46
○委員長(亀井善彰君) 他に御発言もなければ、参考人に対する質疑は終了いたしました。
 松本参考人には、御多忙のところを長時間にわたりまして本委員会に御出席をいただき、貴重な御意見を御開陳いただきましたことを厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。
 それでは、引き続き本案の質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
#47
○足鹿覺君 農林大臣、お待たせいたしました。とうてい大臣の午後の日程に間に合わせることができませんので、いけるところまでいきまして、切りのいいところできょうは打ち切りたいと思います。
 当面しております改正案の関係からまず入ってみたいと思いますが、第一に、この厚年を下回る部分の手直しに対する基本的な考え方についてでありますが、農林大臣は、今国会の改正案の策定の趣旨を、厚年を下回る部分の手直しに対する点についてどう対処されたんでしょうか。先ほど来参考人からの意見もありましたが、もう年金の年という、こういう段階を迎えて、これはあなた方本位に出されたわけです、あなたが、政府が。ですから、こういう不均衡は是正をされなければならぬと思います。これをまあお聞きしたいわけなんです。で、まあ言うまでもなく、厚年改正案も社労でいま検討されておりますが、農林年金法の改正案を策定するに当たって、厚生年金との関連をどの程度大臣は御勘案になりましたか。厚生年金改正によって農林年金が給付額が下回ることのないように、やはり政治家としては、私はもう一歩進めてもらいたかったのです。先ほども、大臣がおいでにならないときに、衆議院における社労委で厚生年金の改正法案を修正しております、この点について話が出たのですが、退職年金が三十万二千四百円のものが三十二万千六百円になる。障害年金が三十六万九千六百円が三十九万三千六百円になる、ただし、これは一級ですけれども。遺族年金が二十三万五千二百円が三十五万四千四百円になるという程度でして、その並びに一応いったんですけれども、私は、こういうことは、まず水準を合わせておいて、さらにどう手を打つかということであってほしかったと思うんですが、いかがですか。
#48
○国務大臣(櫻内義雄君) この社会保障制度を考える場合に、全般的に見て公平でなきゃならぬ、これはもう私どもとしても原則的に常に考えておかなきゃならないことだと思います。また、社会保障制度審議会においても、公平の原則をそこなうことのないようにということを答申でいわれておると思います。ですから、その辺については細心の注意を払っておるわけでございまするが、この農林年金と厚生年金と比較した場合に、老齢年金の支給開始の年齢の相違とか、あるいは給付水準の一般的な比較をしてみると、まあ一見農林年金は厚生年金に劣るものでないというふうに考えておるのでありまするが、しかし、これを国会での御審議を通じ、また私どもも、しさいに検討してまいりまするときに、足鹿委員がもう十分御承知のいわゆる定額部分にこれが農林年金ではないと、こういうことから、ごく一部給与の低いものにつきまして厚生年金との関係で不利になる面があることは事実でございます。この点につきましては私としても、非常に遺憾に存じておるのでありまするが、まあそういう点のあることはどこに原因しておるかというと、これもしばしば御指摘を受けましたように、農林漁業団体職員の基本的には、給与が低いと、そこに原因を求めて差しつかえないのではないか。そうなってくると、農協等の経営基盤の強化をしてそういう点を直していく必要がある。その点については合併の促進その他で鋭意つとめておるようなわけでございまして、いろいろ問題点はあろうかと思いまするが、基本的にはでき得る限り公平であるべきである。また全般的に見た場合には、厚生年金と比較してそう劣っておるものでない、まだ多少優位な点もあると、こういう認識でございます。
#49
○足鹿覺君 問題は、大臣ね、総合性の問題なんですよね。ただいま私が朗読しましたように、社労委において厚年が改正になったから関連修正をやってこういうことになった。たとえば遺族年金ですね。これはあとで触れようと思っておりますが、この遺族年金にしたって改定して二十五万四千四百円です、平均ですね。これでやっていけますか、遺族が。いかに農協の給料が低額であるにいたしましても、母体がある農村、農業、農・民が今日のようにいためられておる、これを母体にしておる農協、農林漁業団体で働いておる職員とはいえ、私は、大型化をあなた方が指導をすることによって、ほとんど兼業的な職員はなくなっておりますよ。やっていけません。ぽっくり死なれたら二十五万四千四百円しかもらえない。これで年金の年などと言っておさまるものではありません。ですから、私の言いたいのは、大臣の総合判断によって当然厚年が改正されるんだから、少なくともこれに見合うところまでまず水準を合わせておいて、そして――あなた方のほうでいい点も若干ないとは言いません。そこでさらに一歩前進して厚年を下回った点についてはこれを上げていくと、こういう態度で臨んでほしかったと思いますが、この手直しはいつどういう方法でなさいますか。
#50
○国務大臣(櫻内義雄君) 言うまでもないことでございまするが、この共済制度は農林漁業団体だけではございません。そのために調整会議も持たれておることでございまして、まあ先ほど公平でなきゃならぬということをちょっと口にしたわけでございまするが、まあそういう調整会議を通じまして不合理のないように改善をしていくということが原則論としては私はやはり考えなきゃならないところではないかと思うんであります。ただ、いま足鹿委員が言われますように、また私がお答えしたように、農林漁業団体の関係が給料が低いということ、それを基準にしていく結果が、遺族年金のような場合に一体この程度のもので生計がたっていくのかと、こう言われてみますると、まさに御指摘の点は私としても十分理解しなきゃならない点だと思います。
#51
○足鹿覺君 大臣は非常に誠実なお人柄で、どうも大臣をいためるようなことになると思うんですけれどもね。全く私は農林省のこの農林年金についての態度というものは、因循こそくだと思うんですよ。先ほども松本参考人が――大臣は後半お聞きになったと思いますが、冒頭から問題にされたのはまず二〇%を国の補助を出すべきだということを言っておられた。先ほどの質問に答えてもう繰り返しまずそれが前提だと言っておられた。それを、一・七の財源調整費を加えれば一八プラスの一・七七だから、大体二〇に近いじゃないかなんというようなことを、事務当局が大蔵省とその程度で話し合いをつけてしまうというような態度自体が私は、おかしいと思っておるのです。当然厚年が改正になれば関連修正がなされるぐらいなことはこれは見通しとしてあり得るんですよ。それをやってほしかったと思うんです。まあしかし一応関連修正ができたわけでありますから、あとの下回る点を、まだ関連修正してもなお下回る点を、この問題をひとつこれから追及してみたいと思いますが、最低保障額とはどのような性格を持っておるものでありますか。そしてその額は厚年を下回っていないのかどうか。私の考えでは厚生年金の最低の給与を基準として最低保障額が定められておりまして、厚生年金にはほとんど二十年間、最低給与二万円の者はいないと思います。改正後の最低保障額では厚年を下回ると感じていますが、間違っておりますかどうか。
 最低保障額、これは先ほども総理府の長官にお尋ねをしたんですが、はっきりおっしゃったんですよね、最低保障額の大幅引き上げを、最低保障額を現行の二倍以上に引き上げて約三十二万円とするということになっていますね。で、農林年金の場合、最低保障額が一体どういうふうになりますか。大臣、事務的でおわかりにならなければ局長でもいいですが。
#52
○政府委員(内村良英君) 農林年金の最低保障額は、厚生年金を基準にしたものに基づいて計算しておるわけでございます。そこで、四十八年度におきまして、最低保障額の計算につきましては、千円かける二百四十ヵ月、プラス二万円かける千分の十かける二百四十、それに配偶者等の加算の半分を加えまして三十二万一千六百円。こういう計算になっているわけでございます。
#53
○足鹿覺君 それは旧法年金にも適用されますか。
#54
○政府委員(内村良英君) 旧法年金には適用になりません。
#55
○足鹿覺君 それはおかしいではありませんか。先ほど来も総理府長官にも御質問申し上げたように、いまどき旧法、新法そういうようなことはあり得ざることだと私は思うのですが、なぜ旧法には適用できないのですか。
#56
○政府委員(内村良英君) 先生御案内のとおり、共済組合制度におきましては、各制度とも旧法と新法とがございまして、現在のところ、給付については原則として旧法下のものについては旧法、新法下のものについては新法で算定しているわけでございます。先ほど大蔵省の主計局次長からお話がございましたが、旧法はやはり、恩給から国家公務員共済制度に発展したものに基づいて類似の共済年金ができたという歴史的な背景から、恩給、国家公務員共済制度との結びつきが強い。それから新法のほうはむしろ厚生年金との結びつきが強いんだという御説明がございましたが、現在のところ、そのような形で運用しておりまして、原則として旧法は旧法、新法は新法となっているわけでございます。
 そこで、今回引き上げをはかることとしております最低保障額は、実は旧法には制度としては存在しなかったものでございまして、現在のところ、各共済組合制度ともその適用を旧法に及ぼさないことにしているわけでございます。この点につきましては、恩給とのバランスということを申し上げるのは非常に心苦しいことでございますが、恩給につきまして、もしも旧法について最低保障額を適用いたしますと、恩給とのバランスの問題が出るということがございまして、先ほど総理府長官からの御説明で、あるいは総理府のほうは明年からこの関係についての改善も考えておられるようなことを承ったわけでございますが、そういうことになれば、農林年金の旧法につきましても、同じような改正を考えなければならぬという問題になるのではないかと考えておるわけでございます。
#57
○足鹿覺君 大臣いまの答弁をお聞きのように、何でもよそがやれば、これにも行なうべきだというのは追随主義ですよ。農林省の独自性というようなもの、いわゆる農林漁業団体に職を奉じて、低額な給与に甘んじて働いておる諸君の立場をほんとうに取り上げて、真剣に考えようという意図がきわめて薄弱じゃないかと思う。そもそも低額年金者の一番多いのは、給与水準が低いからだと、さっき松本先生も言われた。給与水準が低い、したがって低額年金者が多い。その生活の安定をはかる最低保障額、その生活の安定をはかるということの意義が、私は、それが新法、旧法に分かれていいという理由にはならないと思う。低額年金者の生活の安定をはかるということが基準であり、意義であるとするならば、新法、旧法の差というようなものは、これはすみやかに撤廃すべきものだ。それで、年金の新法、旧法とかいう発生時期によっての低額年金者であっても、救済されないでよいという考え方は、大臣、私は改めてもらわなければいけぬと思うのです。これは政治課題ですよ。あまり従来のいきさつにこだわり過ぎておると思う、いまの内村さんの御答弁は。よそのふりを見てばかりでなしに、みずからが置かれておる立場というもの、みずからの判断に従ってほしい。なぜ旧法の年金者に適用しないのか、私は納得がいきません。
 では、各共済の適用時期を明らかにしてください。私の知るところでは、国家公務員は三十四年の一月から新最低保障が適用されておる。農林年金は三十九年十月から適用されておると理解しております。間違っていますか。
 こういうことをほじくり出さなければならないようなことでは困るのですよ。制度それ自体がダウンしておるのに、新法、旧法も、よそに比べて見劣りがするというようなことは、大臣、あってよろしいでしょうか。大臣の政治判断を、この際ひとつ御所見を承っておきたいと思いますが、いかがですか。
#58
○国務大臣(櫻内義雄君) 足鹿委員の御指摘で私どもが特に考えなければならないことは、各共済組合制度の共通の問題であると、こういうことで、農林省は農林省、文部省は文部省それぞれの立場でかりに同趣旨のことが言われておるとするならば、これは私としてもその点はよく反省してみなければならない。やはり共済制度が、これが前向きに検討されていく必要性は認めるものであります。しかし、ただいま経済局長がお答えをしておるのは、その事務担当者として、いわばそのたてまえ論を申し上げておると思うのであります。旧法においては最低保障という制度はなかったのである。したがって適用がされないのであると、こう申し上げたのではないかと思うのであります。私は、それはそれなりにやはりひとつ私どもの答えとしてお聞きを願うことといたしまして、前段申し上げたように、共通問題である、だからすべては御指摘のような右左の様子を見ながらやっていくということでは、なかなかそれは前進は期し得られない。政治的にいえばそういうことはもちろん言えます。しかし、いま現に御審議を願っておる上におきまして、なぜこうなったかということについては、そういうたてまえを申し上げてお答えとしておるということは、お答えとしては御了承いただきたいと思うのです。
#59
○足鹿覺君 先ほども言いましたように、農林年金の年金者は、給与が低いことが原因で低額年金者が多いということはお認めになったわけですね。その低額年金者を救済するのが、大臣、最低保障だ、こういう意義づけです、われわれの見方は。だから、それを新法、旧法に分けるとかなんとかということがすみやかに是正されなければならぬのじゃないかと、端的にいえばそうなんです、大臣ね。その点もう少し決断ある御答弁がいただけませんか。どうでしょう。
#60
○国務大臣(櫻内義雄君) たいへんお答えがしにくいのでありますが、そういう御趣もあって新法のほうについては今回の最低保障の引き上げなども考えられておる。こういうことで、旧法について旧法それ自体にさかのぼっていろいろ配慮をして組合員の皆さんに寄与をするということも考え方の一つでございまするが、それらの点については慎重に検討さしていただきたい。
 そもそもが給与が低い、低額給与者が多い、こういうことについては、先ほどもちょっと申し上げたように、その事実は私どもも認めており、その給与の改善については別途努力はいたしておるわけであります。そのほうから改善される道もあると、こういうことでございまするので、足鹿委員の御意見につきましては慎重に検討さしていただきたいと思います。
#61
○足鹿覺君 くどいようですけれども、他の制度より一番農林年金が低額年金者を多くかかえておりますから私はすっぱく申し上げておるわけです。農林年金に白も不利な適用をするというのは何としても私は納得がいかない。したがって、わが党は野党四党にも御協力をいただきましてこの際法案の修正を衆議院段階で出しましたが、政府・与党の御賛成が得られずに、たな上げされたまま一ぺんの質疑もなされることなしに今日に至っております。厚年並みの修正率だけの点が直って本委員会に、われわれに付託されておる。私はむやみに農林年金を上げろ上げろと言っておるんじゃありません。これはまた大臣もよく御承知だろうと思うんですが、国家公務員との不均衡を是正してもらいたいということを言っておるのですよ。たれが考えてみても適当な措置だと、至当な考え方だと私は思いますが、これ以上、農林大臣にいまの御答弁以上のことは求められないと思いますが……。
 内閣審議室長が見えたそうですが、あなた方は各省調整連絡協議会というのを設けてスライド制の問題を検討したが結論に達しなかったという、さっき主計局次長、辻さんからそういう話もありましたが、若干の経緯は聞きましたが、年金の年ともいわれるときに共済年金、恩給ともこの際公務員給与は完全にスライドするということぐらいを合意に達して、来年度の予算でぴしゃっとこれを片づける、というような熱の入った審議をしていらっしゃるのですか。この連絡協議会なるものを昭和四十一年からつくっておるというが、今日までもう七年もたっておる。にもかかわらず、こういうアンバランスが、同じ国民を差別しておる、不均衡もはなはだしい。物価がとめどもなく上がっていくときに物価にもスライドしない、賃金にもスライドしない。一体、あなた方は形式と体系を整えておればそれでいいんですか。現段階における考えを来年の予算に反映していく第一次予算要求もすでにもうきまらんとしておるが、何をなそうとしておるのですか、はっきり御説明を願いたい。
#62
○政府委員(亘理彰君) ただいま御指摘のございましたように、公的年金制度の調整連絡会議は四十二年の申し合わせによりまして、関係各省の局長クラス峯員といたしまして――公的年金の、特に生活水準その他、経済的な諸条件の変動によりまして年金額を改定する必要があることは当然でございますが、その改定の基準、方式をできるだけ統一的に求めたいということで検討を続けているわけでございます。ただ、ただいまも御指摘のとおり、検討が当初のもくろみに反しまして、遅々としておるということはまことに申しわけない次第でございますが、各制度それぞれ目的、沿革を異にしておりますために、なかなか全体としての統一的な基準を直ちに求めることはむずかしいということで、現在は四つの部会、グループに分けまして、これは厚生省を幹事官庁といたします民間のグループ、それから大蔵省を幹事官庁といたします公務員のグループ、それから文部省及び農林省の私学、農林グループ、それからちょっと特殊でございますが、労務災害の補償グループというふうに分けまして、その沿革とか、給付体系におきまして、類似性を持っておりますそういうグループごとに、それぞれの改定の基準、方式についてできるだけ統一的なものを求めたいということでやっておるわけでございます。で、会議はこのグループごとの会議も、あるいは総会とか幹事会とか、何回も開催して検討はいたしておるわけでございますが、当初考えておりましたとおりに、なかなか進んでおりませんのは、やはり各グループに属しますそれぞれの制度の目的、沿革それから給付の体系、あるいは財政負担の体系というものが異っておりますので、簡単にまいらない。技術的にもむずかしい点がいろいろございまして、検討はしておりますが思うようにはかどっておらないのでございます。
 ただ、毎年何がしかの前進ははかられておるわけでございまして、本年も民間グループにおきましては、御承知のとおり消費者物価を基準とする自動スライド制を織り込んだ提案を法律案として御審議をお願いしておるということでございます。ただ、公務員グループにつきましては、民間グループと同様に消費者物価による自動スライド制を規定するということの適否について検討いたしたわけでございますが、結論に達しなかったわけでございますので、恩給年額の改定にならいまして、四十六、四十七両年度の公務員給与の改善率によって共済年金額の改定を行なうということにいたしたわけでございます。私学、農林グループにつきましては、全体の給付の体系が公務員に準じておるということもございますので、公務員グループの検討の状況に対応して検討を進めておるところでございますが、もちろん私学、農林団体にはまたそれなりの特別の事情、実情もあるわけでございますが、大筋の方向としては公務員グループの検討の結果と歩調を合わせて進まざるを得ないということでやっておるわけでございますが、何ぶんにも、冒頭申し上げましたとおり、それぞれの制度の体系、沿革が異っておる、それからやはりいろいろと財政負担等もからむというふうな問題もございまして、なかなか一挙に理想的な形に進めることは困難でございますけれども、しかし検討を鋭意続けまして、年々一歩一歩着実に前進をはかってもらいたいというふうな心組みで勉強をいたしておる次第でございます。
#63
○足鹿覺君 具体的に聞きますがね。今度の厚年、国年の改正にあたって連絡調整会議はどのような問題を問題にいたしましたか。そして他の共済年金等との関係についていま私が取り上げておる最低保障に対する新法、旧法の区別の問題についてはどういう審議をいたしましたか。農林省からどういう意見が出て、大蔵省がどういう抵抗を示して、あなた方はどういう態度でこれに臨むべきだという結論に達しましたか。その他問題となっておる今度の年金の年というキャッチフレーズのもとに出された案をどのように連絡会議で問題を問題とし、具体的な意見の一致を見ましたか。一致をみなかった問題は何ですか。特に新法、旧法の問題については、なぜこのような一番給料も安い、したがって、一番年金の中でも安い最低保障額の年金受給資格のものをたくさん持っておる農林年金の問題が切りかえがおくれておるかということが問題になりませんでしたか。農林省はどういう態度でやったんですか。あなた方は、審議室長としてあなたはこれをどうさばきましたか。これは、抽象的なことじゃだめですよ。具体的に説明をしてほしい。
#64
○政府委員(亘理彰君) いま、いろいろ細部の点についての御指摘があったわけでございますが、私どもにおきましては、なかなかそれぞれの制度に技術的な問題が非常にからんでおりますので、グループごとに検討していただくということで、そのグループごとに幹事官庁を設けて検討していただいておるわけでございます。総会といたしましていま御指摘のような点についてまで掘り下げた検討はできなかったというのが実情でございます。
#65
○足鹿覺君 私が聞いていることを室長、よく耳にとどめて答えてください。農林省はこの大きな問題に対してどういう主張をし、なぜこれか――大臣もこれはお認めになっておるけれども、難関があってできなかったかといういまの質問なんですよ。だから、調整会議はそういう問題を前向きに調整するのが調整会議の責任であり、使命じゃないですか。逆にかくれみのでブレーキをかけるための審議会ならやめちまえ、そんなものは。要らぬ。各省で独自でやったらいい。むしろ私の見たところでは調整会議にかけて調整会議にかけてというのでブレーキの役割りを果たしているのと違うのですか。そういうことなら、これは国費の乱費の問題もあるし、関係委員会、決算、予算で徹底的にこれから追及しますよ。年金の年だという政府のキャッチフレーズ忘れたのですか。何をしようとしているのですか。この今度の共通改正のときにあたってなぜこの問題が取り上げられなかったか、農林省は何も言わなかったのですか、具体的に答えてください。
#66
○政府委員(亘理彰君) 申し上げましたように、この連絡会議は関係各省の関係局長によります事務的な連絡機構でございます。この年金の改定基準の問題につきまして、できるだけ統一的な方式を求めたいということで議論をしておるわけでございまして、年金の問題の前進についてブレーキをかけるというふうな意図は毛頭ございません。できるだけ改善の歩を進めたいということで検討しておるわけでございますけれども、何ぶんにも問題が非常にむずかしい問題が多うございまして、御指摘のとおり、十分な成果を得ていないということについては、はなはだ申しわけないと思っております。これからのこの連絡会議のあり方、運営につきまして、私どもも反省いたさなければならないと思いますが、行政的な連絡の場でございますので、決して年金問題についてブレーキをかけるというふうなことではございませんので、何がしかでも年々前進をはかっていきたいということで、関係各省の連絡調整の場をつくっているということでございます。
#67
○足鹿覺君 たいへんお待ちをいただいておる厚生、自治両省の政務次官に、いままでのやり取りをお聞き願って、ひとつ御所見を承りたいのですが、あとで触れようと思っておりましたけれども、たとえば農林年金は財源調整で一・七七もらっておるですね。それだけなんです。補助金は私学並みの、私学は何もやらないけれども、やかましくわれわれが言うと少しずつ上がってきて一八になっておるのですよ。もとは一四だったのですよ、分離したときは。それでそのほかに私学は財団を持っておりまして、これがまた財政調整に役立つ。それから山口さん、都道府県が補助しているのですよね。というふうに、どの面から見ても農林年金というものは給付の面からいっても、最低保障の面からいっても、掛け金は、国鉄職員の最終給与額をとっているところが九九で、農林年金は九六ですよ、最高です。掛け金は高いし、最低保障額は最低で一番多くてもいま言ったように新法、旧法に分かれておってなかなかもらえないわね。財源調整だといって雇用主のほうに八〇%も六〇%も負担をかけるといういまの農協の財政状態、農村の窮境の影響を受けて必ずしもそうはいかない。こういう進退きわまっておる立場におるのですよ。そういう立場からいま午前中に総理府長官にお越しをいただきまして――総理府が恩給を二三・八%を上げる、最低保障額も思い切って三十二万円に上げるという、かってないおおばんな内容を自民党へ出されて了承され、おっつけ、おそらくこれは実現するであろうと私は思いますが、スライド制についても坪川長官は積極的な意図を持たれた。で、どこで仕事をしているのかといっていろいろ追及してみたら、審議室というものがあってそこでやっていると、こう言う。いまお聞きのような答弁なんですね。
 これは私は、やはり閣僚級の政治判断と大所高所に立った基本方針を立てて各省連絡会議で作業させていく。そういうやり方に変えなければ、これは百年河清を待つと思うのですよ。これは自治省、厚生省、特に主管省として厚生省ですね。それから一番悪い年金を主管しておる農林省。これは大臣もおいでになっておりますが、一つもブレーキにはなっておらぬと審議室長はおっしゃいますか――私は言い過ぎかもしれません。しかし四十二年か四十一年にできて、今日までこういう問題が、年金の年を迎えて大きな宣伝だけはするが、中身は旧態依然たる状態である。その原因はどこにあるか。私はネックはここにあると思う。で、まず関係閣僚で一つの大方針を立てて、そしてそれを各省連絡会議にかけ、そこで具体的作業をさせる。こういう構想の転換をはからなければこれは解決つかぬと思います。ひとつ、両政務次官と櫻内農林大臣に御所見を承りたい。大事な問題ですからひとつ思い切った御所見を承りたいと思います。
#68
○国務大臣(櫻内義雄君) 公的年金制度調整連絡会議は、連絡会議としての使命のあることは担当官よりお答えを申し上げておるわけであります。足鹿委員の御指摘のように、さらにもっと高度の判断のできるようなそういうものにしたらどうかということは、これは私は御意見として承っておきたいと思います。実はこの農林年金の問題につきましては、国会においてもしばしば真剣な御論議を繰り返していただいておりまして、したがって、これは予算編成のときには普通の扱いではいけないということで、最終まで問題が残った。本年の折衝の場合でも、皆さんの御激励を受けまして、私としても最後まで財政当局に対して納得をいたさなかったのであります。そして最終的には大臣折衝ということで、まあ全般のにらみ合わせでやむなく結論が出るというようなことでございましたので、そういうような高度の政治的な配慮をいたす場面も別途にございまするので、この連絡会議の性格というものをもっと高度のものにするか、それとも本来持っておる使命を遺憾なく発揮するようにつとめるかということにつきましては、十分検討さしていただきたいと思います。
#69
○政府委員(武藤嘉文君) 先ほど来論議がなされておりますように、年金の年と言われ、また総理府総務長官も、老後の生きがいと安らぎ、こういうものを考えなきゃいけない、こういう姿勢というのは当然のことだと思います。そういう点から申しまして先生の御意見もたいへん貴重な御意見だと思うわけでございますが、まあ私は正直、いろいろの年金制度が先生御指摘のとおりあるわけでございまして、こういうものを一日も早くほんとうに調整をして、同じような形で行なわれるというのが望ましいことと思います。しかしながら、それぞれ経過もあり、またそれぞれその基づく法律もあるわけでございまして、そういう点でなかなかむずかしい点もあるのではないかと存じております。でき得るならば事務的な段階でそういう新しい時代を踏まえて進められ、そしていま大臣もおっしゃいましたように、最終的に高度な政治判断を要する場合に、閣僚によって決定をするというのが一番私は望ましい姿ではないかと思うわけでございます。
#70
○政府委員(山口敏夫君) まあ多様的な社会の状況の中にありまして、きめのこまかい国民の皆さんの要望や声というものを行政の場に生かすという点につきましては、それぞれの年金制度の役割りが果たされておると思うわけでありますけれども、まあそれにしてもこうした一つの制度の中におけるアンバランスというものが出てまいりますと、私は年金というものの国民の皆さんに対する位置づけに非常に大きな混乱と不信が出てくるんではないか。そういう意味におきまして、もちろん職業の責任における軽重はないわけでありますし、少なくとも安心できる老後を確立する上の年金というものに対しては、政府としても、一体となったバランスの調整をはかっていかなきゃならないという意味から、いま審議官もおられますが、やはりわれわれといたしましても、大臣にも率直に足鹿先生の御意見もお伝えいたしまして、主管の年金に対する官庁としての責任を果たしたいと思っておるわけでございます。それにつけましても厚年に対する先生の御理解に対しまして、この委員会が社労であるならばさらに一そう年金法も進んでおるのではないかということをうかがいながら先生の御意見を伺っておったわけでございます。
#71
○足鹿覺君 非常に前向きな御答弁をいただいたわけですが、農林大臣、私の手元に昭和四十七年四月一日から昭和四十八年三月三十一日まで社会保障制度審議会報告書というものがあるのです。これを読みますと、実際もう指摘し尽くされておるのですね。それが審議室をつくって六年、七年たっておるのに、この答申の趣旨さえも全然もう手のついておらぬ問題がざらにあります。これはどこにその原因があるかと言えば、私が先ほど来述べましたように――いわゆる経済閣僚協議会があれば、当然、社会保障制度に関連のある老後の保障の年金問題閣僚協議会というようなものがあってしかるべきじゃないですか。私は、検討してみたいという櫻内農林大臣のおことばは、私の主張を御肯定になって、前自民党の政調会長であり、二期農林大臣をおつとめになっておる櫻内さんとしては、これはリーダーシップをとり得ると。私は、一番不利な条件に置かれておる農林年金の立場を代表して、やはり閣僚協議会等をつくって、そうしてそこできまった方針を審議室におろしていかなければ、とても大蔵省の壁は厚くて破れません。私は、この農林年金制度をつくったときの当時から取り組んでおります関係上、この二〇%の問題がいまだに片づかなくて、毎年予算編成期のときには汗水たらして野党でありながら全面的な協力をしておるわけですが、この問題に火をつけるのはいつも私が火をつけて今日まで十八%続いている。昭和四十二年か三年のときには、予算委員会で五時間以上予算をストップして、時の大蔵大臣、福田さんに、一%のアップを法制化させることを言明をとり、自来今日まで来ておる。われわれが何でもかんでも農林年金に金をよけい、年金をよけいよこせと言うならともかく、少なくとも国家公務員並みのものをよこせと、われわれはバランスの問題を謙虚に言っておるのですよ、いまのところ。あと抜本改正の問題に入ればまたいろいろ問題を提起しますが。それがただいまの審議室長の御答弁では私はどうしても納得いかない。もう一歩踏み込んで閣僚協議会を設置することについて十分検討し、関係各省とも連絡をとって対処していく、こういう趣旨に理解をしてよろしいか。先ほどの十分検討したいということはそういう趣旨に理解をしてよろしいかどうか。この点ひとつくどいようですが、あなたに期待するところ多大でありますので、御所見があれば承りたいと思います。
#72
○国務大臣(櫻内義雄君) この所管などと申し上げると、よく御批判の出るなわ張り争いのようなことにも関連をしてくるわけでございまするが、社会保障制度審議会は総理府の関係にある。今回の答申は、これは私どもの農林年金に重大な関係がございまするので、答申はまた閣僚としての私としては、これに留意することは当然であると、こういう心がまえでまいっておるわけであります。で、各種の制度がありますために、連絡調整会議が設けられておる。この連絡調整会議が十分活用されるように、もっと充実した権威あるものにすることについては私としては、そのことを強く主張をいたしたい、連絡調整会議の関係者として。で、高度の政治問題となりますると、先ほど申し上げましたように、閣僚折衝にこの問題も残ったということを申し上げておるので、場がないわけではございません。しかし、足鹿委員の言われますように、これがそれぞれ担当の関係大臣がおって、お互いに足を引っぱり合うような結果、相手の様子を見るというようなことであってはならないのでございまするから、したがって、いまの足鹿委員の御所見のような関係の閣僚において討議をする場を持つというようなことは、私の立場からはこれは要望してみたい、御所見に従って要望してみたい。ただ言うまでもなく、それぞれ担当の閣僚のおることでございまするから、現にある制度なり機構も十分活用しながら、私としては御意見を十分尊重しながら、政治的配慮のできる場において努力することはもとよりである、こういうふうにお答え申し上げたいと思います。
#73
○足鹿覺君 非常に前向きな御答弁を得ましたので、この点につきましてはもうこれ以上くどく申し上げません。審議室長もいままでのやりとりをお聞き取りをいただきまして、真剣に連絡会の運用を、実情に即するように、受給資格者が不均衡にならないように、特に農林年金制度が他の制度に非常にきわめておくれているということは、四十八年二月十九日社会保障制度審議会長から農林大臣あてに出された答申の末尾にある「今回、厚生年金が大幅に改善される結果、本制度の年金受給者が著しく不利になるおそれがある。このことは、皆年金下における公平の原則をそこなうので、この点に留意し、財政基盤の強化その他根本的な検討が必要である。」、かく結んでおるわけです。御承知だろうと思うんです。これをぜひひとつやっていただきたい。さっきからくどいようですが、新法の切りかえというものは共通の整理になっておりますが、旧法区分というものは厚年にありますか。ちょっと不覚な御質問ですが私もよくわかりませんのでほんとうに聞かしてもらいたい。厚年にありますか。
#74
○政府委員(横田陽吉君) 厚生年金は昭和十七年に始まりました年金制度でございまして、それ以降の被保険者につきましては、新法、旧法というふうなそういった被保険者の区別はございません。
#75
○足鹿覺君 いまお聞き及びのとおりです大臣。そうするとこの問題はきわめて明瞭なんですね。で、最低保障額が厚年を下回っておるゆえに旧法適用者は除外をされておると、こういうことなんです。ですからこれは当委員会におきましても、何とかこれ、この一点だけでも、私はあとでまた与党の先生方にも御相談を申し上げますが、よく協議をして、質問の趣旨が私の独善でないならば、御協力をいただいて対処していきたいと思います。委員長よろしくお願いをいたしますが、無理なお願いでしょうか、委員長の見解を聞くわけです。
#76
○委員長(亀井善彰君) 委員会としては私は無理でないと思います。
#77
○足鹿覺君 そうですか。どうもありがとうございました。それでは、そういうことで一つけりつけましょう。
#78
○委員長(亀井善彰君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#79
○委員長(亀井善彰君) 速記をつけて。
 本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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