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1972/02/27 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 社会労働委員会 第3号
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1972/02/27 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 社会労働委員会 第3号

#1
第071回国会 社会労働委員会 第3号
昭和四十八年二月二十七日(火曜日)
   午前十時八分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左の通り。
    委員長         矢山 有作君
    理 事
                丸茂 重貞君
                大橋 和孝君
                小平 芳平君
    委 員
                川野辺 静君
                君  健男君
                斎藤 十朗君
                橋本 繁蔵君
                山下 春江君
                須原 昭二君
                田中寿美子君
                藤原 道子君
                柏原 ヤス君
                中沢伊登子君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  齋藤 邦吉君
   政府委員
       厚生政務次官   山口 敏夫君
       厚生省公衆衛生
       局長       加倉井駿一君
       厚生省環境衛生
       局長       浦田 純一君
       厚生省薬務局長  松下 廉蔵君
       厚生省児童家庭
       局長       穴山 徳夫君
       厚生省援護局長  高木  玄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
   説明員
       環境庁水質保全
       局土壌農薬課長  松山 良三君
       農林省畜産局審
       議官       下浦 静平君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○社会保障制度等に関する調査
 (森永ミルクひ素中毒問題等に関する件)
 (戦災による身体障害者の救済対策に関する件)
 (農薬による人体被害に関する件)
    ―――――――――――――
 (食品衛生行政に関する件)
#2
○委員長(矢山有作君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 社会保障制度等に関する調査を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○藤原道子君 私は、大臣にお伺いしたいのでございますが、森永砒素ミルクの問題でございますけれども、最近非常に騒ぎが大きくなっているようです。この問題については、私はたびたび、三十年ごろから委員会で質問いたしており、そのつどいろいろ御答弁はいただいておるけれども、一向に解決に向かっていかない。そこできょうは、ここ一年ばかりの間に起こっておりますいろいろな問題の経過を一応お伺いしたいと思います。
#4
○国務大臣(齋藤邦吉君) 経過につきましては、環境衛生局長から答弁いたさせます。
#5
○政府委員(浦田純一君) 森永砒素ミルク中毒事件の主としてこの一年間の経過でございますが、藤原先生御案内のように、昨年、斎藤元厚生大臣が藤原先生との質疑の間でお約束しましたように、その後進展いたしました問題といたしましては、まず、未確認の患者さんをどのように把握するかということで、その後、まず、そのもととなります患者さんの台帳を森永のほうから厚生省のほうに昨年の夏お引き受けいたしまして、いろいろと帳面の整理をいたしました。それから、その後関係各都道府県のほうに、当該都道府県の関係の患者さんの名簿の写しを送りまして、それをもととして患者台帳の整備をいま進めておる段階でございます。これの整備が行なわれますれば、証明書と申しますか、いわゆる健康手帳と申しますか、それについて交付する、証明書を出すということのたてまえでいま準備を進めているというところでございます。
 それから、これに関連いたしまして、未確認患者の把握ということでございますが、特に大阪府のほうで、この問題についてひとつテスト的にやってみる気持ちがあるということでございますので、これまた大阪府のほうに、昨年の終局的には秋になりますけれどもお願いいたしまして、現在どのような方法で未確認の方々の把握をするかということについて御検討願っております。この結果が出ましたならば、これにならいまして、関係の各都道府県のほうにもお願いして、できるだけ的確に、また早く未確認の方々を把握するようにいたしたいと思っております。
 それから、その後お願いいたしておりました岡山県の検診の結果、これが最終的にまとまりまして、これまた、昨年の十二月に委員長をやっておりました岡山の済生会病院の院長大和人士先生のほうから厚生大臣のほうにその報告が出されております。
 報告の中身、概要を申し上げますと、まず患者さんは、元患者さんの岡山関係では千二百十三人ございましたが、検査をお受けになられたのは、結果として七百二十三名の方でございます。調査の方法といたしましては、調査委員会をつくりまして、臨床的ないろんな検査をやりまして、臨床面からの問題の解明をもくろんでおります。結果を申し上げますと、当時の残像として皮膚に色素の沈着異常が認められたほかは、一般の健康集団と申しますか、一般の健康の方々との間に大差がないというのが結果でございます。
 それから、これに基づきましてどのような対策をとるかということでございますが、私どもは、ほかにたとえば京都の検査の報告がございますし、あるいは福井県でなされた調査の結果もございますし、その他滋賀県及び山口県で調査をやっておるという事実もございますので、これらの諸調査の結果を総合的に勘案しながら、先ほどの未確認児の把握とあわせまして、患者さん方のその後の健康状態についての調査把握ということに今後つとめてまいりたい、このように考えております。
 それから、患者さん方のいわゆる補償という問題でございますが、これにつきましては、私どものほうから、大臣の御指示もございまして、森永乳業の社長さんをお呼びしまして、守る会を中心とする患者さん方との話し合いを進めるようにと、できるだけ早く解決をするようにということを特に強く要請いたしまして、その後、森永側は再三患者代表の方々と交渉を持ちまして、具体的には森永側といたしましては、ある程度の金額を示し、また、救済の具体的な方法についての条件を提示したいということでございますが、今日までお聞きするところでは、患者代表の方々との間で、まだ具体的な方法あるいは金額その他につきまして意見の一致が見られてないというふうに承知いたしております。
 以上が大体この一年間の森永砒素ミルク中毒事件のその後の経過でございます。
#6
○藤原道子君 やっぱり与えられた時間が短いものですから、少し要領よい答弁をしていただきたい。
 そこで、皮膚の障害が残っていると、こういうのは後遺症になるんですか、これが一つ。
 それからいま一つは、岡山県の検診は政府が責任を持ってやらしたわけですね。その後、他府県に対して検診の指示はどのようになされておるのか。それから岡山の検診のときに、守る会からいろいろ異議が出まして、守る会の関係の医師、これも加えてほしいと委員会で主張いたしまして、私は六人と言ったけれども、政府は四人加えたのですね。それで、今度の岡山県の発表は、これらの医師がみな意見が一致して発表したわけですか、その発表を私はまだ伺っていないのですけれども。それから岡山のほうは、たいしたことはない、皮膚の障害だけだと言っているけれども、京都のほうは自主的にやったんですけれども、後遺症が九十何%ある、こういうことを言っている。それから福井県では後遺症はないという結論が出ている。各地まちまちで、同じミルクを飲みながら、後遺症が九十何%あるというところ、全然ないというところ、それから岡山のこの発表と、これはどういうふうに解釈したらよろしいのか、これをひとつ聞かしてほしい。
 それからいま一つは、森永の砒素ミルクの発生当時に、いまあなたもお答えになりましたけれども、未確認児童ですね、これがいま、だいぶふえてきていると聞いておりますけれども、当時の患者認定は、その名簿の作成は、厚生省と府県が行政として実施したもので、名簿外に患者がいるとすれば、厚生省と府県は当時患者発見のためにどのような措置をとったのか、これが大きな問題だと思うのです。いずれにしても、これはすべて行政の責任であると思いますので、厚生省はどういうこの責任をとっておいでになるか、これを伺わしてほしい。
#7
○政府委員(浦田純一君) 岡山の、皮膚に色素沈着を認めるという結果でございますが、これの意味でございますが、岡山検診の結果では、これはいわゆる残像ということばを使っておりまして、的確に後遺症であるというふうには表現いたしておりません。それから、四人の守る会側からの推薦のお医者さんが入ったわけでございますが、この結果をまとめるにあたりまして、大和委員長のほうからお聞きしたところでは、総体としては、こういうふうにまとまったんであるけれども、意見のある方がございましたと、最後まで意見を申し上げた方がございましたというふうに報告を受けております。それからその後、京都の検診をやられた方々あるいは岡山の大学の先生の方々、守る会のほうの方々などが岡山検診の結果につきまして、意見を申してきております。私は、それを一々、直接伺って承知いたしております。ここでは時間の関係で、その一々の意見については申し述べることは省略さしていただきます。京都の検診の結果でございますが、おっしゃったように、患者さん及び保護者の訴えも入れますと――というのは、岡山検診の方式と京都の検診の方式は必ずしも一致しておりません。主として、京都のほうは疫学調査あるいは心理学的と申しますか、いろいろな患者さん方、保護者の方々の訴えというものに重点を置いてお調べになっておられます。それで、そのような訴えということに重点を置いて結果をまとめますと、九六%に異常が見られるという結果でございます。福井は、これはほぼ岡山と同じように、主として臨床学的な一検査でございますが、学校での教師の方々の意見も参考にして聞いておられまして、結論から申しますと、後遺症は認められないということでございます。
 また、ほかに実は滋賀県及び山口県で調査をいたしておるのでございますが、この結果は、いままでのところまだ私どもは承知しておりません。したがいまして、それらも実は計算に入れる必要がございますが、岡山、京都、福井、この三府県の結果の違い、これらをどのように受けとめるかということでございますが、私は、岡山の方式あるいは京都の方式というものが必ずしも検査の方法から、それを診査する、検討するやり方というものが同じでございませんので、一がいに岡山のほうにないから京都のほうのやつが間違いであるというふうに考えるんでなくって、むしろお互いに相補って、この砒素ミルク中毒の後遺症、いわゆる後遺症問題については考えていくべきではなかろうかというふうに評価しております。京都のほうは、いわば心理的な訴えというものが中心になっておりまして、岡山のほうは、その面の配慮が欠けておると。また、岡山のほうの検査は臨床的な手段でかなり詳しくやっておられますが、もっとも全領域をカバーしたというまではいっておりませんけれども、しかし、京都に比べればかなり臨床的な方法としては詳しくやっておられるというようなことでございまして、まあ、両々相補って考えるべきではなかろうか。福井の検査も、これはこれをちゃんと補うものとして評価すべきじゃなかろうかと考えております。
 それから、各都道府県に対しまする今後の健康調査、健康把握の方法でございますが、これは、実はこれらの調査結果をいま私どもとして全体としてどのように考えるべきか、受けとめるべきかということを現在検討中でございまして、それらが出次第、ひとつできるだけまあ各府県ばらばらでない方法で健康調査、健康把握ができるように、私どものほうから指示してまいりたいと考えております。
 また、当時の未確認患者と申しますか、いわゆる登録から漏れた方々の把握のしかた、これが不十分じゃなかったかという御指摘でございますが、当時、いまから十七、八年前になりますか、昭和三十年の当時、この中毒患者はいわゆる食中毒の患者として各関係の都道府県のほうに届け入れられたのでございます。したがいまして、当時MFじるしのミルクを飲んでおられた方であって症状が出なかったという方については、実は、これまでのこの種の事件の取り扱いとしては登録ということがなされてなかったわけでございまして、まあ、あとから考えてみれば、もう少し手を広げて飲用された方、全般についての把握ということにも考慮すべきだったと思いますけれども、当時はそういった状況で、症状を出した方だけが食中毒の患者として登録されたということでございます。その後、ことに昨年以降、未確認の問題が出てまいりましたので、あらためて先ほどお答えいたしましたように、大阪府のほうにお願いして、いまから、おそくなりましたけれども、できるだけ当時の記憶、あるいは記録をもとといたしまして、広く飲用された方までもひとつ確認するように、その方法について御検討願うようにしているところでございます。
#8
○藤原道子君 私は、岡山の検診をするときにずいぶんここで御質問したはずなんです。それでまあ子供を守る会の代表を、お医者さんを入れたわけなんです。それが両方の意見が合わないでまた今度そういうふうな発表ということになると、森永の側に立つ医者がやっているんだと、厚生省も問題をあれされたくないから、こういう検診をするんだというような疑いをますます守る会のほうへ与える結果になる。学問的なものでございますから、意見が一致しないというのはおかしいじゃないですか。
 それからもう一つは、京都の後遺症九六%という、これに対しましてはやはり皮膚の何というんですか、皮膚の残像というんですか、これがやはり京都のほうはあるんですか。この点、聞かしてください。
 それと合わせまして、京都も、福井も自主的にやっているんですよ。徳島、方々で自主的にやっている。岡山だけ政府が責任を持ってやらしたというのはおかしい。その当時の私の質問に対しまして、岡山をまずやって、そして各地もやる予定でございますと、こういう話だった。ところが、それをやらないで、それで自主的に方々でやらして、そして、その結論はどうあなた方は解釈しておいでになるのか、どう責任をとっておいでになるのか、これは真剣な気持ちで私はお伺いしているんですから、真剣な厚生省の態度を聞かしてください。
#9
○政府委員(浦田純一君) 岡山の検診の結果は、大和委員長に直接私説明をお聞きいたしました。最終的に取りまとめの段階でどのようないきさつでこの最終結果を取りまとめたかということについてもお聞きいたしました。何ぶんにも十七年前の問題でございまして、なかなか医学的に因果関係を立証するということについて、非常にまあ根本的に難問題であるという認識はあるわけでございますが、個々の臨床的な症状に対する、所見に対する意見が分かれているということではございません。四人の守る会側から御推薦いただいたお医者さん方が、主として意見を申し上げたようでございますが、臨床所見について、いろいろと意見が分かれたということではございませんで、最終的な取りまとめの文言と申しますか、表現と申しますか、そういったようなことについて、いろいろと意見があったというふうに伺っております。もちろん、私どもは全会一致で最終の意見書までがまとめられるということが一番望ましいと思っておりますけれども、私ども岡山県にお願いいたしました以上、やはり実際にこの調査に当たられました委員会の取りまとめの方法、そういった委員の方々の御意見というものは、できるだけ自主的な動きとして、私どもとしては受け取めるべきじゃなかろうかと考えております。しかしながら、あとで反対のほうの御意見の方についても一々詳細に伺っております。私どもは両方受けとめまして、さらに、できれば私どものほうの立場でもってこれを取りまとめまして、一つの森永の砒素中毒の後遺症云々の問題につきまして、さらに、統一的な考え方というものが明らかにできるものならばしていきたいと考えております。
 何ぶん、昭和三十年のできごとでございますし、医学的、学問的には真理は一つでございましょうけれども、やはりなかなか立証ということになりますと、困難な問題があるというふうに、これは藤原先生も十分御理解いただけることと思いますが、私どもとしては、できるだけいままでの調査の中から一つの統一的な見解というものを出すことについて努力したいということでございます。
 それから、各府県に対しまして、さらに、健康調査あるいは健康状態の把握ということについて、私どもは、その推進方について指示をいたしております。しかしながら、これはその前の段階としての未確認、未登録患者のまず把握ということを済ましていかなくては、まあ完全でないということでもって、その前段階の名簿の整備ということをいま具体的に指示し、お願いしているところでございまして、それが終わり次第、私どものまた岡山の調査結果に対する見解、これをまとめ次第、具体的な調査方法についてはまた重ねて指示していきたいと考えております。
#10
○藤原道子君 残念ながら時間がなくなりました。
 私が最後にお伺いしたいのは、いまのような厚生省のぐずぐずしたやり方でございましたら、もうことし十八年たっている。そうすると、ことし一ぱいで十九年ということになれば、来年二十年で時効というんですか、あれにかかっちゃうんです。そうしたら患者さんは一体どうなる。それで、いま守る会では訴訟を起こそうと準備しておりますけれども、これはもし全員が訴訟というわけにはまいりませんので、訴訟に参加しなかった者は一体どうなる。ここに大きな問題がある。それなのに、厚生省のやり方はもう十八年以上たちながら、まだいまのような答弁しかできない。しかも、大臣に申し上げますけれども、森永の砒素ミルクは、工場から廃品を払い下げするときに、その工場からは、この中には砒素が六%入っております。これを払い下げてもよろしゅうございますか、という伺いを県庁へ出し、県庁から本省へ来たんですよ。ところが、それに対して十カ月もぐずぐずうっちゃっておいて、結果は差しつかえないという答申をした。そうすると、この森永の砒素ミルクの根本的な責任は私は厚生省にある。森永にもむろんございますよ。一つ一つ検査しないでやったということはけしからぬ。けれども、これをもし廃品の払い下げを許可しなかったらこの事件は起きなかった。それを十八年放置しておいて、それでまあ岡山で検診した。しかし全国はまだやってない。自由に方々でやっている。それで京都は九六%、福井は何もない。こういうばかげたことを見ていられるというところに、厚生省の責任を私は許せないと思う。
 サリドマイドの問題でもそうです。私は、外国で問題が起きているから、直ちに回収しなさいと言ったところが、厚生省はいま検討中でございますから、結論が出るまでと言うのです。だから、結論が出るまで、じゃ一時ストップしなさい。白と出たら売ってもよろしい、黒と出たら被害がそれだけ助かるじゃないかということを主張したけれども、厚生省はこれをしなかった。私は、厚生省は人間の命を守ることが役目だと思う。私は、こういうことで、いまの厚生省のやり方はほんとうに許せないと思う。
 森永砒素ミルクはもう十八年たっている。二十年たてば要求の権利がなくなってくるじゃないですか、法的権利が。それに対して厚生省はどう思っているか。私はこういう点からまいりまして、絶対にこの命を守る立場、それから今度は厚生省の責任をお考えになって、森永に対してどういう指導をしているのか。今後どうするのか。不安から家庭争議が起きて、このごろになって砒素ミルクの子供だったことがわかって、何を言っているんだ、おかあさんは私に毒を飲ましたじゃないかというふうな家庭争議が各地で起きているんですよ。こういう点を思うときに、私は、一日も早くこの問題を解決してもらわなければ困ります。
 いろいろ、きょうは伺いたいことがございますけれども、被害者の救済制度については、四十七年の八月二十九日だったか、この委員会で質問が出た。そのときの答弁も一向に進んでいないということは私は許せない。いつごろ解決しますか。森永は十五億円出すということを言っていますけれども、これに対しても厚生省はどういう判断をしているか。こういう点についても、時間がないけれども、簡単に答弁を聞いて、あと、質問は残念ながらこの次に譲ります。
#11
○国務大臣(齋藤邦吉君) この事件は、ほんとに長いいきさつで非常に延びておりますことを、私もほんとうに申しわけない問題だと考えております。
 調査にいたしましても、岡山調査のほうは、まあ臨床的な立場に立って残像だと。京都のほうでは、残像ととらえることは間違いだと、こういうふうに心理的な立場でもちろん調べられたんでしょうが、意見が違うのですね。それからまた、そのほかのほうもまだ十分な調査ができてない。こういうことで、いつまでもこんなことをしていいのかどうか、私もほんとうに承りまして申しわけないと思います。
 私としても、できることならば、守る会のほうと森永さんのほうと十分話し合いをして、何とか解決ができぬもんだろうかというふうに、私は率直にそういう感じを持っております。こういう長い間、ほんとうに悩み苦しんでおられる患者さんが多いわけなんですから、何とか解決ができないだろうか。まあ、私もまだ中に入って両方に話をしたことはございません。けれども、やっぱり守る会のほうと森永さんのほうで、過去のいろいろなこういう調査、まあ、ばらばらな調査でございまして、統一的な結論は出てないわけでございますから、いろいろなそういう事態を踏まえて一日も早く解決するように骨折るべきではなかろうかと、こういうふうに、私はいま率直に考えております。そして一日も早く――まあ患者さんが一番気の毒なんですから、ほんとうを言いますと。これは先生も御同感なんでございますから、何とか一日も早く解決させるようにしてあげたいと、こういうふうに私は率直に考えております。
 なお、最後にお尋ねのありましたこういうふうな方々のこういう問題に対する制度的な救済方法をどうすればいいか、前からの国会でもいろいろ議御論のあったことを承っております。この点も非常におくれておりまして申しわけございませんが、来年度の予算において、なんて言いますとまたおしかりを受けるかもしれませんが、四十八年度の予算において、正式にこういう制度的な救済策をどうするかということの研究をするための予算も来年度入っておりますから、この予算執行にあたりましてできるだけ早くやるようにいたしたいと思います。いずれにせよ、だいぶきついおしかりをいただきまして、私も聞いていてまことに申しわけないとの、もうその一語に尽きます。
#12
○須原昭二君 たった二十五分の間でありますから、率直な意見を交えて二、三の点について御質問いたしたいと思います。とりわけ、前総理の佐藤さんが、沖縄が返らなければ戦後は終らない。こういうふうな名言を吐かれましたが、昨年の夏、沖縄復帰が実現をいたしました。しかし、グアム島の横井庄一さんをはしりにいたしまして、いまなお捜索が続いている小野田少尉の救出問題、あるいはまた、日本人の現地妻の帰国、国籍の問題、そういう多くの戦後処理の問題がたくさん残ってるわけですが、時間の関係上きわめて残念でございますが、きょうは戦争による内地の戦災障害者の問題点にだけしぼりまして御質問を実はいたしたい。とりわけ、大臣、新任でございますが、新任のときは非常に熱意があるわけでありますから、熱意を買って、その熱意と決断をひとつまずもって要請をしておきたいと、かように存じます。
 まず、太平洋戦争全期間におけるところの空襲による国民の被害者、被害総数については事務当局にこまかく質疑をいたしたいわけでありますが、時間の関係上要約をいたしますと、戦時災害保護法、当時の戦時中の法律でありますが、その受給者の数だけ残っておる――その後死亡した人たちもたくさんございますから変動があります。したがって、現状を正確につかんでおられるかどうかという問題については、後ほど資料等々で出していただきたいと思います。
 当時の戦時災害保護法の受給者の資料もひとつ後ほど出していただきたい。特に私が調べたところによりますと、米国の戦略爆撃調査団の調査報告によりましても、空襲による日本人の死者は三十三万人、そして負傷者は四十七万三千人、全日本におけるところの軍人の死者が七十七万八千五百五十人ということになりますから、内地における戦災の障害者というのは非常にたくさんあるということが、この数字からもわかるわけです。したがってきょうは、この四十七万三千人、この民間負傷者の対策について御質問をいたしたいわけであります。
 太平洋戦争は、御案内のとおり、日本がかつて経験のない、内地までこの戦禍が及んだことは言うまでもございませんが、この戦争中におけるところの防空法、その灯火管制を含めて消火義務を国民に強制し、それに違反をした者については五百円以下の罰金を科する。当時の貨幣価値から見るときびしい罰則だと私は思うわけです。そういう国民に対する義務づけに対応して戦時災害保護法をつくり、たとえば住宅が焼けた場合には三百五十円、たき出しの場合には四十五銭、負傷した場合には治療費は全額補償、あるいは埋葬料は十二円以内、こういうふうに具体的にきめられて一般国民を対象にした保護あるいは救助、給与等を法制化いたしておるわけです。しかしながら残念なことには、敗戦と同時に占領下の日本においては戦争や軍人に関する法律はすべてGHQの命令で停止をされたことはすでに御案内のとおりでありまして、戦時災害保護法もその例外ではなかったわけです。したがって、戦後それらに対する対応策ができておるかといいますと、昭和二十七年、日本が独立をいたしますとともに、昭和二十七年には戦傷病者戦没者遺族等援護法、あるいは昭和三十一年には旧軍人等の遺族に対する恩給等の特例に関する法律、三十八年には戦没者等の妻に対する特別給付金支給法、三十八年には戦傷病者特別援護法、四十年には戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法、四十一年には戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法、四十二年には戦没者の父母等に対する特別給付金支給法、その他救済や援護の法制化が多くなされておるわけでありますが、肝心の戦傷病者戦没者遺族等の援護法にいたしましても、あるいはまた、戦傷病者特別援護法におきましても、国家補償の精神に基づいて軍人軍属等の公務上に限って援護することになっておるわけであります。ここで一般国民の被災、障害者に対しては一片の援護の手も差し伸べていないのです。ただ、御案内のとおり、原水爆の被害者に対してはおそまきながら若干の施策は講ぜられてはおるものの、その他はすべて戦後二十七年間、戦時災害保護法等が米軍によって停止をされて以来、置き去りになっておるわけであります。これはすでに皆さんも御承知のとおりです。一般国民の戦争犠牲、戦争による障害者に対して国家補償の精神は該当しないのかどうか。この点は明確にひとつ厚生大臣から御答弁をいただきたいと思うわけであります。
 時間の関係がございますから、総括して御質問を続けてまいりたいと思うわけでありますが、国家の名において戦争を開始しておきながら、国家の名において戦争参加、戦争協力を一億国民に強制しておきながら、かつ戦地も銃後もなく一億国民を戦争にかり立てたことはわれわれは苦い経験を持っておるわけです。同じように殺され、同じように障害者にされても、なお、おまえは軍人だから、おまえは軍属だからとか、あるいはまた、おまえは公務上の災害であった、こういう理由だけで一般国民の障害者は置き去りになっておるわけで、少しも顧みられておらないわけであります。一体どういうことなのか、この点についての御所信を承りたいと思うとともに、今日世界第二位のGNPを築き上げたこの富裕国家であります、今日それにふさわしい福祉国家をつくろうというお題目から言ってもまさに嘆かわしいという時代でありますが、大臣は、はたして国の責任はないとお考えになっておるのか、はっきりとひとつ御答弁を賜わりたいと思うわけです。
#13
○国務大臣(齋藤邦吉君) お答えを申し上げます。
 過ぐる大東亜戦争、過ぐる大戦というのは、まあ何と申しますか、国民総動員といったふうな考えで、戦闘に直接従事する人ばかりではなく、一般国民が戦ったといいますか、そういうふうな状況に置かれてきたわけでございまして、そしてまた、戦争の被害というものも軍人ばかりじゃない一般国民――家を焼かれ、あるいはけがをし、なくなった国民すべての人々の犠牲の上において行なわれたものであるというふうに、私もその点はそういうふうに考えております。ただ、今日までの考え方は、そういうふうなことでございますけれども、国と身分的と申しますか、直接関係の深い軍人軍属とか、そういうふうな方々を中心として、援護が国家賠償的な考え方で行なわれてきたわけで、これはもう御承知のとおりです。そして、一般の方々につきましては、何と申しますか、一般的な社会保障の面で――まあその中では、原子爆弾の被爆者の方は、これは別な角度でめんどうを見ておりますが、そうでない一般の方々については、けがをして、身体障害ということが残れば身体障害者の面でめんどうを見る、こういうふうな形で今日まできたことはお話しのとおりでございます。はたしてそういうことでよかったのかどうか、いま考えてみると、私は気持ち的には先生のおっしゃったように感じます。やっぱり、国民の総犠牲のもとにおいて何年もの間戦争を戦われたわけでございますから、感情的には、私もそういうことを、あの当時考えるべきではなかったかなという感じも利いたします。率直に言いまして。けれども、考えてみると、もう三十年近くたった今日ですね、いま、にわかにそれを国家の責任として補償をするということが可能であるかどうか、そういうふうな悩みもまた一面にあるわけでございまして、ですから、そういうふうなことであって入れば、家を焼かれ、あるいはまた、いろいろな犠牲を受けられた方々につきましては、一般的な社会保障の中で手厚くめんどうを見てあげるということは、私は必要ではないかと思う。しかし、それをいま三十年も前のことを一々調べて、はたしてこれが全部網羅して補償をすることができるのかどうかということになると、実施可能ということから考えてみても、これはむずかしい問題があります。しかし、私は感情的と申しますか、気持ち的に――気持ち的というか、もっと理論的にも私はやっぱり全国民が被害を受けたんだ、これは軍人だけではないということであってみれば、全国民も被害者であったということで、何かしらあの当時考えるべきではなかったかなという感じもいたします。しかしながら、実際問題として、いまになってみてそれを全部とらまえて、具体的に資料を集めてやるということは、なかなかこれまた困難ではないかということであってみれば、そういう方々に対する社会保障の中身を充実してお報いする以外にはないのではないかな、こういう感じを私率直にいたしおる次第でございます。
#14
○須原昭二君 私は、きょうは家を焼かれたとか、個々の損害を言っているわけではないのです。もちろん、全国民が何らかの災いなり、被害を受けておると思うのです。しかし、二十何年もたっておりますから、私はそういう全般的な問題点ではなく、いま生きている身体障害者、この問題を取り上げておるわけであって、この問題を実は国家補償の精神だとか、あるいは国の責任はなかったかどうか、この点をあえて御質問をいたしておるわけで、全般的でないことだけは前もってひとつ御了承おき願います。どうも誤解をされているようでありますから、その点だけ念を押しておきたいと思うのです。たとえば、戦災による障害者の実態調査、もう二十何年前だから資料がないと、こうおっしゃるかもわかりませんが、生きた証人がおるわけです。生きた証人に対する対応策をどう考えておられるかということを私はお尋ねをいたしておるわけであります。特にたとえば、あの当時準軍属であった、しかしながら、その徴用されておった会社がつぶれて、何ら恩恵を受けておらない、あるいはまた、爆撃による負傷者でも通勤途上であったから適用されなかった人、こういう問題もございますが、特に、私たちはひとつ端的な例を申し上げますが、たとえば、被爆によって顔面に傷を受けた、あるいは焼夷弾で顔を全部やけどをして、ほんとうに醜い顔になってしまってお嫁にも行けない、そして一生さびしい生活を余儀なくされておる女性も多いわけです。あるいはまた、十年も十五年もいまなお長期に手術を重ねながら、しかも、全治しないで後遺症に悩んでおられる、苦しんでおられる多くの障害者があるわけです。失眼をした者、両手、両腕をもぎ取られた者、片手、片足はもちろんのこと、片目はもちろんのことです。これらの人たちは何らの国の施策にも甘えることができず、福祉のワクからはずされておる、こう言っても私は過言ではない。したがって、自力更生し、きわめて苦しい毎日を送っておらざるを得ないわけでありまして、はたしてこれらの今日生きた証人として生活をされておるこの障害者の皆さんの実態を調査されたことがあるのかどうか。していないとするならば、実態調査をされる用意があるのかどうか、この点をひとつまずもってお尋ねをいたしておきたいと思います。
 時間の関係がございますから、あと十分あるなしでありますから、きわめて残念でございますけれども、ついでに、いま、そういう問題は、身体障害者ですから、一般のたとえば身体障害者福祉法なるものの中で処理をしていくんだというような口吻がいま大臣のおことばの中にあらわれておりますが、もちろん、身体障害者という障害対策が手厚くされているならば、私は言外だと思います。しかしながら、御案内のとおり、今日の福祉法の実態といえば、たとえば一級、二級の重度身体障害者、現行――今度値上げされるそうでありますが、現行は月額三千四百円の支給をされております。しかし、一級というのは、視力は〇・〇一以下、あるいはまた二級でいうならば、視力が〇・〇二以上で〇・〇四以下ということになっておるわけですね。しかも一級、二級というのは片手、片足では該当しない。両腕、両足だと、こういうきびしい条件がついているわけで、まあ一級、二級以外のものはどういうじゃ福祉施策が講ぜられているか。若干の税金が安い、減免の措置が講ぜられておる、あるいはまた、まあ地方自治体でいうならば、市電、市バスの料金が免除される。この程度のまさに二階から目薬程度の福祉法ですよ、私に言わしめるならば。したがって、生まれつきのいわゆる先天的な障害者、その後、けがや病気による後天的な障害者、いわゆる一般的な障害者と、戦争によるところの戦災障病者とを同じ扱いにしか考えていないというところに私は問題点の一つがあると思うわけです。国が戦争責任を感じているならば、当然こうした方途はとらなければならないと思うのですが、この際、国はこの責任を感じ、一般的な身体障害者とは別に、戦争による戦災障害者の援護救済のための法制化といいますか、そういうものを抜本的に考えることがこの福祉時代に対応する、また再び戦争しないという、軍人や軍属だけを優先をさせるのではないという、平和国家として当然とるべき私は処置だと思うのですが、その点の法制化について大臣はどうお考えになっておるのか、この点を明確に御答弁をいただきたいと思います。
#15
○国務大臣(齋藤邦吉君) 戦争に起因しましたいろいろこういう障害の問題につきましては、私は、戦争終了直後、何かしらやっぱりあたたかい措置があってしかるべきではなかったかと、いまになってそう思います。しかしながら、あの当時、御承知のように、GHQがおりまして、戦争に起因する一切の障害、傷痍軍人、こういうもののめんどうは見てはならぬ、一般の傷演者のワクの中で処理すべきであるという非常にまあ強い指導、そういうふうなものの中で今日まで至っておることは御承知のとおりであります。そういうふうなことも原因いたしまして、国と直接の関係あるものだけというふうなことで今日まで来ておったことは御承知のとおりでございまして、いまお尋ねのようなこの大東亜戦争による一般の民間の方々の負傷あるいは死亡、そういうものについて直接調査をいたしたものは、残念ながら全然いまのところないわけでございます。しかし、と申しましても、やはり戦争によってけがをされ、あるいは両手、両足をなくされた方もこれはおることは私、事実だと思います。そういうことを頭に描きながら、そういう方々の援護にできるだけ力をいたす、これは私は当然のことであり、なすべきものであると思います。しかしながら、さればといって、その方々だけをいま取り出しまして、戦争の犠牲者であるから特別の援護法をということになりますと、なかなかこれはむずかしい問題ではなかろうかと、私、ほんとうに、率直に思います。それよりは、やはり身体障害者保護に関する法律についてもっと手厚くめんどうを見られるように、そちらの社会保障の体制を強化していくということでいくべきではなかろうかというふうに、きょう現在で考えておる次第でございます。お気持ち私もよくわかります。しかしながら、実際のところ、まだ調査したこともございませんし、調査いたしましても、なかなかこれははっきりした数字をつかむことができるかどうかという疑問もないでもないと思いますので、もちろん、一般的な身体障害者に関する援護のほうをもっともっと厚くめんどうを見るように政府としては努力していくべきではないか、こんなふうに考えておる次第でございます。
#16
○須原昭二君 きわめてこれは残念な御答弁です。私は、いまになって、もう時間がたってしまったから、いまの段階ではもうおそまきながらできぬというふうに受けとらざるを得ないわけです。いま太平洋戦争におけるところの空襲による被害都市は、全国で三十一都市あるんです。で、この三十一都市を数えている中で、地方自治体の中でも、これを地方自治体だけでもひとつ何とかやろうじゃないか、こういう議論が各都道府県の自治体の中でなされております。したがって、私は三十一都市というならば、この都市はやった、この都市はやらなかったということになると、全国的な統一ができなくなるのではないかと思うわけです。老人医療がいい例です。国は老人医療の問題を渋ってきた。地方自治体はどんどん進めていった。おくればせながら後塵を拝して国が施策を講じたというのが老人医療の実態ではなかったでしょうか。ですから、また再び、このような二の舞いを演じようとするんですよ。だから福祉国家を建設する、福祉日本をつくるというならば、なぜ政府自体が率先してそういう対策を講じていかないのか、この点をわれわれは警鐘を鳴らさざるを得ないわけです。全国知事会においても、この問題は幾たびか論議がなされた。近く意見書、請願書等が国会に来ることになっているように私たちは聞いておりますけれども、そういう時点になって、またもう一ぺん検討しますというようなことでは私はならぬと思うわけです。一般身体障害者の福祉法の中で解決をしていくのだと、こうおっしゃいますが、じゃ少なくとも福祉法が画期的な前進をしていますか、そういう保証が得られますか。この関連についてひとつ御答弁をいただきたいと思うわけです。
 時期が来てしまって残念でありますが、その他多くの問題点はございますけれども、事今日戦争の犠牲者として、生きた証人としてこの世にあるところの戦争によるところの身体障害者に対して、どのような方策を講ずるのか、もう一度英断ある答弁があってしかるべきですよ。所信表明の中で福祉、福祉とあなた方は何回も言ったはずです。言うだけではだめですよ。実行することですよ。その決意のほどを伺って終わりたいと思います。
#17
○国務大臣(齋藤邦吉君) 非常に御熱意あふれる御質問でございまして、私も気持ちとしては同感でございます。しかし、戦争によって被害を受けられた方々がどういうふうにその後移動しておるか、実際なかなかつかみにくいと思います。しかしながら、せっかくの御熱心なお尋ね、御意見でございますので、私も本年度じゅうに、どっかの都市についてサンプル的に調査する――調査して実態をつかめるかどうか、これはわかりません、結果的には。わかりませんが、そういうことを調査して実態をつかめるかどうか、その辺をひとつ検討いたしたいと思いますから、しばらく御猶予をお願い申し上げたいと思います。
#18
○小平芳平君 先ほど藤原委員の質問されました砒素ミルクについての引き続きですが、岡山県のこの研究班は国の責任でおやりになったんですか、砒素中毒調査委員会というのは……。藤原委員が国の責任、国がおやりになったかとおっしゃっていましたが、その点、はっきりひとつしてください。
#19
○政府委員(浦田純一君) 岡山調査は、国が研究費を支出いたしまして岡山県に委託して行なった調査でございます。
#20
○小平芳平君 それは幾らで委託いたしましたか、金額は。
#21
○政府委員(浦田純一君) 百三十万円でございます。
#22
○小平芳平君 百三十万円では二年間にわたってこれだけの調査はできませんね。足りないお金はどこから出たのですか。
#23
○政府委員(浦田純一君) 足りない分は、森永乳業のほうから支出しております。
#24
○小平芳平君 国が百三十万の、県がゼロで森永乳業は幾ら出したのですか。
#25
○政府委員(浦田純一君) 私どものほうへの報告では千七百万円でございます。
#26
○小平芳平君 大臣、純粋な医学上の調査について、ある企業がその調査研究費のまあ何といいますか、負担をするといいますか、お金を出すということは、それはそれなりに意味があると思うのですが、しかし、この岡山の調査委員会の結論は、そのまま厚生省が今後の行政に用いるということなんですね。そういう場合に、この加害者企業が千何百万、国の十倍の運営費を負担するということについて、どう思われますか。
#27
○政府委員(浦田純一君) この種の調査、確かに国が全部あるいはいわゆる地方自治体なり関係の公共団体が全部出すという考えもあるかと思います。当時のいきさつから申しますと、森永乳業は、この中毒問題につきまして非常に何と申しますか、責任を感じておりまして、いろいろなこれに要する患者さんの医療費、あるいは場合によりましては生活費、こういったもののめんどうも見るべきであるというふうな意向を強く表明しておりまして、私どもは、この森永砒素中毒問題全体としては、やはり加害者である森永乳業の責任において、第一義的には森永乳業の責任においてすべて補償すべきであるというたてまえに立っておりまして、百三十万円という金は、考えようによっては非常にわずかの金額でございますけれども、しかし、主要な部分といいますか、国が最終的ないろいろな取りまとめ方についてはやはり責任を持つということで、金額は森永乳業のほうが千七百万、国が百三十万ということで非常に差はございますけれども、私どもといたしましては、百三十万の支出という意味合いは、森永乳業がストレートにこういった問題にタッチしますことは、また加害者責任というものを表明する上からは意味があるといたしましても、結果の取りまとめということの与える影響から考えまして必ずしも妥当でないという意味合いから、国のほうがイニシアチブをとって岡山県のほうに委託したということでございますので、さように御了承願いたいと思います。
#28
○小平芳平君 さように御了承くださいといって、何言っているかわからないです。この岡山県粉乳砒素中海調査委員会の規約がありますね。この規約の九番目には、「(経費)」というところがありますね。その「(経費)」というところでは、「調査会の運営に要する経費は、厚生省の委託費をあてる。」となっておりますね。ですから、これだけ見ればなるほどやはり調査会が運営に要する経費は厚生省の委託費でやっておるんだということに表面はそうなっておるんですね。これはどういうわけですか。
#29
○政府委員(浦田純一君) 経費全般につきましては、やはり厚生省のほうでお世話するという意味合いからこのような規約になったわけでございます。
#30
○小平芳平君 これから出すわけですか、その森永の出した分を。
#31
○政府委員(浦田純一君) 費用全般につきましては、計算いたしまして幾ら幾らになるということでございますが、足りない分を森永のほうから私どものほうに出していただきまして、私どものほうから県のほうにお渡しする、こういう取り扱いになるので、国が支出するのは、百三十万円ということでございます。
#32
○小平芳平君 それじゃ千七百万円を厚生省が受け取ったんですか、一たん。
#33
○政府委員(浦田純一君) 厚生省が受け取ったというよりは、お世話して実際の調査委員会のほうにお渡しするようにしたということございます。
#34
○小平芳平君 大臣、局長は一体何を答弁しているのかわからない。大臣もわからないのじゃないですか。ですから、これは被害者の方にとってはきわめて大事な問題なんです。この調査結果は、結論として何を言っているかといいますと、先ほど藤原委員に御答弁があった、「当時の残像と思われる皮膚の異常色素を除けば特徴的な共通点は指摘できなかった。」それからまた、「当時の患者たちは特に憂慮すべき経過をたどっているとは考えられず、遺伝と環境の交錯した思春期にある一団の健康構造を示している。」どういうことですか。「遺伝と環境の交錯した思春期にある一団の健康構造」とはどういうことですか、それはひとつ局長にお答え願いたいのですが。いまの経費の問題は、大臣もっと公正を期するというはっきりした国の方針を大臣から打ち出していただきたいのです。いかがですか。
#35
○国務大臣(齋藤邦吉君) その当時のこと、私も実は承知していなかったわけでございまして、ただいまの御質問によって私も初めて承知いたしたような次第でございますが、私は、やはりこういうふうに被害者が非常に悩み、心配されておる問題について、冷静な客観的な医学的な診査をするということであってみれば、こういうことはやらぬほうがよかったかなということを私しみじみ率直にそう思います。こということをしないほうがかえってよかったんではないかというふうな感じもいたしますが、森永さんは森永さんのほうとして加害者といったふうな立場もあり、しかもまた、守る会のほうから推薦する医者を四人加えるということでもありましたので多少その辺、厚生省のほうでも軽率ではなかったかなというふうな感じ、私率直にいたします。
#36
○小平芳平君 大臣が、いまこういうことをしないほうがよかったという意味は、森永から千七百万円受け取らないほうがよかった、こういう意味ですね。
#37
○国務大臣(齋藤邦吉君) そのとおりでございまして、加害者の心理を考え、そしてまた、こういうふうな医学的な診査というものは、厳正であるべきものであって、やはり被害者にあらぬ誤解を与えるというふうなことになりかねないものでございますから、やはりこういうことをしないで、やるならば国の金、並びに県の金、公の金でやるべきではなかったか、こういうふうに私は率直に考えております。
#38
○小平芳平君 そこで局長、いま申しました、これはどういうふうに――国が責任を持って取りまとめたと、盛んに先ほどおっしゃったですが「遺伝と環境の交錯した思春期にある一団の健康構造」、これはどういうことですか。
#39
○政府委員(浦田純一君) それは、一般の年齢時期にある方々と変わりがないという意味に私は考えております。
#40
○小平芳平君 変わりがないということは、砒素ミルクの中毒の被害者は、いまは何の変わりもないという結論なんでしょう。そういうことをうのみにされるところに非常に問題があるということ、たとえば、心電図の専門委員会は、七百六名の検診を受けられた方の中で、二百二十一名に異常所見が認められる。異常所見の出現率が三一・四%、三人に一人ですね。脳波専門委員会、脳波のほうは七百二十三名のうち脳波検査をした人が百九十三名、二六・七%にすぎない。しかも、その百九十三名のうち異常所見の認められた者は百三十五名で、六九・九%、あるいは目のほう、歯のほう、全部そのわずかな人を検査しただけだ。あるいはその検査した人の中には多数の異常者がある。歯の所見の記載されている者はわずか六十三名、八・七%にしかすぎない。そういうようなことで、いま局長が言われるような結論をどうして出すのですか。
#41
○政府委員(浦田純一君) もちろん、この調査書の中身といたしましては、健康診査上異常所見が指摘され、あるいはさらに経過観察を必要とする者もあるというふうに書かれているわけでございます。しかしながら、当時の砒素中毒の残像と思われる皮膚の色素異常という点を除くと、砒素中毒の影響を受けたいわゆる砒素中毒の後遺症であるといったような特徴的な共通点は指摘ができないという点、それから特に憂慮すべき経過をたどっているとも考えられないという、そういった総体的な評価ということがなされているわけでございます。
 御指摘の心電図の所見でございますが、これはやはりいろいろと異常所見も確かに御指摘のようにここでも報告されております。しかしながら、この砒素との関連ということにおいては、いま申し上げましたようにどうも共通的な特徴的な所見と申しますか、砒素との因果関係と申しますか、そういったものについてはなかなか実証が困難である。それから今後の問題といたしまして、いままでの所見は一般大学病院の診断のルールに従ってやっております一般的な検査でもございますし、精密検査をまだ行なっていないという点もございますので、さらに経過を見るという意味で、これから病院ごとに精密検査をやっていくということが必要かというふうには考えております。
#42
○小平芳平君 二年かけてやったのをまたこれからやるわけですか。
#43
○政府委員(浦田純一君) 十七、八年前のことでございますし、また、微妙な健康状態の変化ということでございますので、これはやはり今後とも十分に必要に応じましてはいわゆる経過観察、さらに人によっては精密検査ということはやっていくことが大切だろうと考えております。
#44
○小平芳平君 それでは次に、浦田局長は四十七年十二月二十日に、調査委員会に対しましてお礼の手紙を出していますね。局長は「貴報告の結果を尊重し、かつ貴意見を今後の対策に資してまいる所存でございます。」と、浦田局長は、こういうふうに評価をしているんですが、これは日本小児科学会では、「導き出された結論には不信の念を感ぜざるを得ません。」日本小児科学会は、この岡山報告にきわめて不信の念を持っていると、そうすると、局長はどう思いますか、その点。
#45
○政府委員(浦田純一君) 岡山にお願いいたしました健康調査は、非常に委員の皆さま方、委員の諸先生方、ことに委員長である大和先生、また県の御当局が苦心されて実施したわけでございます。たいへんな労力、たいへんな、何と申しますか精神的並びに肉体的な御努力の結果できたものでございます。かなり日時もかかっております。それに対しまして私がお礼のことばを申し述べるということは、私の気持ちとしてどうしてもお礼の気持ちを申し述べたいと考えたわけでございまして、当然このような意見の取りまとめにつきまして、私がそれ相応に敬意を払い、その結果を尊重していくということは当然のことかと思います。しかしながら、それを実際の行政面に移していくという場合にはいろいろとほかに御意見もございますし、それらを取りまとめて総体的な見通しのもとに円滑に実施に移していくということもこれまた当然でございます。私、大和委員長の御報告を受けました後に、守る会のほうからのいろいろな反論、あるいは小児科学会からのこのような御意見につきましても承知しております。したがいまして、今後のこの砒素中毒の後遺症に対する考え方、並びに当時の患者であられた方々の今後の健康状態の把握ということにつきましては、いま申しましたように、全般的な立場から円滑に進むように処してまいりたいと考えております。
#46
○小平芳平君 厚生大臣、いまお聞きのように先ほどまた藤原委員が御指摘のように、すでに十八年もたっているわけです。十八年もたっておりながら、それは医学上の争いということかもしれませんが、あまりにも、それはもう森永が責任を持つべきだということは当然ですけれども、しかし、国や県の行政のやり方が被害者本位になってない。もっと実際に自分が、あるいは自分の家族が、ミルクの中に砒素が入っていたなら、これこれしかじかの症状が発生したと、そんな十八年ものんきにかまえておれるわけないじゃないですか。にもかかわらず、一方では結論として、先ほど局長が言うように異常は認められないという結論、中身を見てみると、わずか一〇%足らずの人しかこのカルテに記入がない部面があるとか、それからまた、小児科学会ではその結論は非常に疑わしいと、疑問があると言っている。それに対して、先ほど来局長の答弁は、これからもう一ぺんよく調べ直しますと、常時観察をしてやっていくみたいに言っているんですが、それじゃいつまでたったって結論は出ないし、被害者救済がないわけです。そういう点、大臣いかがです。
#47
○国務大臣(齋藤邦吉君) 十八年も前の事件がまだ解決せず、しかも、後遺症の問題が起こりましてからこれまた数年、その結果につきましては先ほど来の岡山調査というものが出、さらに、まあ岡山調査においては残像だといったふうな御意見、それに対して京都のほうの調査会では残像と認めるのは誤りである、こういうふうな意見を言う。それからそのほかの府県においても、まだ調査をやりながら済んでないものもある。これはほんとうに、実にまあゆうちょうな、私もほんとにそう思います。こんなことで、被害者の御心労、私はたいへんだと思います、ほんとに。先ほど藤原先生にもお答えいたしましたが、何とかこれは守る会と森永のほうと十分話し合いをしながら、かりにまあいろんな、岡山調査というものが出た、しかし、その調査についても意見を持っている者もあるという、京都のほうでは違うと言う、そのほかの調査はどうもさっぱりきまらぬ、そういうふうな、みんな事態を踏まえて、そういういろんな、統一的な見解が出ているとは思えないんですね、実際のところ。そういうふうないろんな事態を踏まえて、森永と守る会とで真剣になって私は話し合いをして、一日も早く解決さしてあげると、これが私は望ましい姿ではなかろうかと、こういうふうな、私は率直に言うて感じを持っております。
#48
○大橋和孝君 関連。大臣のお話を聞いておりますと、守る会と、それから森永との話をしてやってもらいたいと ちょっと厚生省のほうでは非常に客観的な見方、やはり、こうした問題は、いま先ほど議論の中にもありましたが、厚生省を通じて森永にそうした砒素が含まれているものを許可しているわけですね。そういう点から考えますと、これは厚生省にもかなり責任があるわけですよ、いままでの経過から。そうなっていることを、何か守る会があるし、それだからといって、そこで話し合えということじゃなくて、私はそういう態度がこのように遷延をさしているんじゃないかと思う。大臣みずからあまりにもこれは長過ぎるとおっしゃっているが、そういうことが起こるのは、いままで厚生省がそういうふうな歯どめのしかたをしているからこそじゃないか。これは、これからも続けますとか言っております。あるいはまたこの問題に対しても、いろいろ議論の中にも出ているものを、ずっと私どもも調査で知っているわけですが、いつもそこで思うことは、厚生省がもっと前へ出なきゃいかぬ、責任を持たにゃいかぬ、国が。これは被害者のほうにしてみたら非常にたいへんな問題だし、今後もそういうことが非常に起こりやすい状態が出てきているわけですね。食品の添加物あるいはまた、いろんなものから考えましてもそういうことが非常に起こりやすい条件があるのだ。こういうことにやっぱり厚生省は的確な処理方法をむしろ示して、そして森永なら森永にはこうすべきだということをもっと示唆すべきだ。まあ調査の結果なんかを見ていてよくわかるでしょう。一方は百三十万円しか出していないのに千七百万円出している。そしてそれを調査させてきた結果とまた京都あたりの結果とは大きな差がある。こういうふうな状態のところをはっきりさせたら、――私どもはやっぱり消費側、あるいはまた国民の側から見ればそういうことが許されていいのかというふうに私は思うわけです。ですから、もっともっと厚生省はきちっとしたことをひとつやってもらうような明確な大臣の答弁をいただかないと、さっきから聞いておりまして、この質問あるいはまたその詰めが全然なっていない、ほかへいっちゃうんじゃないかというふうに思いますから、大臣ここのところではっきりとしたひとつお考えを伺いたい。
#49
○政府委員(浦田純一君) ちょっと経過だけもう少し具体的に申し上げようと思います。
 厚生省は決してこの問題について消極的であったわけではございませんで、むしろ先生から御指摘のように積極的にこの問題についても乗り出すべきであると判断いたしまして、いままでもたびたび森永乳業のほう、責任者――社長を呼びまして厚生省の意向を強く伝えております。それは一つはこういうことでございます。学問的な論争ということはたいへんに結果が出にくい問題でございまして、因果関係を証明するということは事実上十七、八年前の問題について、事実上これは非常に困難な問題であるという認識に立ちまして、それでとにかく現実患者さんが困っておられるのだから、あるいはその後愚者さんの家族その他が困っておられるのだから、その救済がまず第一であるということで具体的に森永にいろいろと救済について守る会側と話し合いをしろということを再三強く指示いたしました。その結果、最近の話といたしましては森永側は十五億円という金額も提示いたしまして、それから因果関係の問題を離れまして、現実困っておられる患者さん方の医療費あるいは生活費、さらには将来にわたる就職、いわゆる全般的な生活保障の問題について見る用意があるということを申し伝えておるのでございます。その他いろいろとこまかい話があったようでございます。これに対しまして、守る会側といたしましては違うと、因果関係が医学的にこれだけはっきりしているんだから、まずそれを認めろというふうなことが先に立っての主張となってきております。その辺でこまかい細部的ないろいろな具体的な打ち合わせに話し合いが入っていけないというのが現実でございまして、さらに私どもは森永側にいかなる事態にしろ、とにかく現実に困っておられる方々の救済については積極的に乗り出すようにということをことしに入りましてからも指示しておるといったのが現在までの経過でございます。したがいまして、厚生省としては、これらの問題に対し、決して責任を感じていないわけでもないし、放置しているわけでもございません。
#50
○国務大臣(齋藤邦吉君) ほんとうに十何年もかかってまだ解決しない。被害者は非常に苦しんでいる。こういう事態を投げておくと、これはやっぱり厚生省、申しわけないと私は思います。先ほども藤原先生にもお答えいたしましたが、私は必要に応じて中に入ってこの問題の解決を何とかすべきではないかと、こういう考えでございますから、必要に応じ私も直接この中に割って入って何とか解決方法はないかということに努力をいたす考えでございます。
#51
○藤原道子君 どうもきょうの答弁を聞いていても、納得いかないところばかりでございますが、私も葬儀を控えておりまして落ちついて質問ができなくて非常に残念でございますが、厚生省は、いま大臣が積極的に解決をはかると言われましたが、二十年たたないうちに、ここ一年ぐらいで解決ができる見通しがあるかどうか、まずこの点を……。
#52
○政府委員(浦田純一君) 見通しがあるかどうかということでございますが、これはあくまでやはり誠意の問題でございまして、私どもとしては、できるだけ早く、たとえば先ほどの条件にいたしましても、これはもうかなり具体的な話になってくるわけでございますから、できるだけ早く具体的な話し合いに入ってくれということで、いませっかく両方にお願いしているところでございます。ことに森永側に、もっともっと具体的な誠意というものを示せということをやっておるわけでございますが、私どもは話し合いに入ればここ一、両年ぐらいにも解決するのじゃないかというふうに考えておりますが、まだ入口のところでいまお互いに足踏みしているというふうなところでございます。
#53
○藤原道子君 一体厚生省は、森永に対して、これまでどのような行政指導をしているかが問題だと、この間も十五億円出すとかという話で、守る会のほうと納得がいかない点で、もの別れになっていますね。だから森永はもう交渉に応じないようなことを言っているというふうに聞きましたが、この点どうなんですか。
#54
○政府委員(浦田純一君) 別に森永乳業側が今後交渉に応じないというふうには聞いておりません。
#55
○藤原道子君 新聞にはそういう発表になってます。
#56
○政府委員(浦田純一君) 私どもはさっそく真意を確かめまして森永側としてはいままでどおり――いままでどおりと言うと語弊がありますが、森永側といたしましては、できるだけ誠意を持って早く話し合いに入り、解決をはかりたいという熱意を持っているように私は聞いております。
#57
○藤原道子君 私は、昭和三十二年だったかと思うのですけれども、当時の守る会と、それから森永とで後遺症に対しての検討をしたいという話し合いで、厚生省へ文書を出したら、厚生省でその必要はないといって却下したと思うのです。そういう資料がある。ということになれば、あくまでも森永に責任があるけれども、この責任は、基本的には厚生省にある。その厚生省がああだ、こうだと答弁はしていらっしゃるけれども、十八年たっている。その子をかかえた親たちがどんな気持ちでいるか。それで、いまも守る会が信頼できないのは、御案内のように、厚生省が百三十万円か出すというときに、私はそれじゃだめだから、足りなかったらまた出しますというのがあのときの答弁だったと思う。ところがその金を森永から出さしたでしょう、千七百万円ですか。こういうところに守る会が疑いを持つことになるのですよ。ということになれば、その検診に当たった医者が、やはり森永べったり、厚生省のあれを考え艦ながらやったのだというふうに疑いを持つのがあたりまえだと思う。しかも岡山の結論に対していろいろ疑問がありますことは、いま小平さんの御質問にもあったとおりなんです。ですから、今後ほかの府県でも検診をするというならば、それに対しては厚生省はどういう考えを持っておやりになるかということが一つ、私も時間がございませんから……。
 それからいま両方で疑うようなことになって結論が出ないとするならば、第三者機関というようなものが必要ではないかといわれておりますけれども、厚生省は具体的にどのように考えておいでになるか、この点を聞きたい。
 それから、もう十八年たっているのですから、何が何でも十九年中には解決ができるようにあくまでも努力してほしいということを一つ私は強く申し上げておきたい。
 それから、この間、何といいますか砒素ミルクの問題でMLじるし以外の製品からも問題があったということが発表されておりますが、これに対する問題、これを私は伺いたいと思います。
 それから先ほどの答弁の中に、健康診断書ですか、それは出すと、それから未確認児は認めるというようなことがあったと思いますけれども、それを再確認をいたしたいと思います。
#58
○政府委員(浦田純一君) 岡山県の健康調査の費用の出所の問題について意見でございますが、今後各都道府県で実施する場合の費用につきましてどのようにするかまだ具体的な計画を各県立てておりませんので、各県の実情によって考えていくべきだと思いますが、いやしくも患者さん方のそういった疑惑を招くことのないようにこれは十分に気をつけてまいりたいと思っております。岡山県の調査はちょっと言いわけめきますけれども、その点についても十分配慮したつもりでございますが、またあの当時の、昨年でしたか委員会の先生方の御意見の中にも加害者である森永が一切の費用を持つべきではないかといったような御意見もございましたようですし、私ども、森永に金を出させますにあたりましては、その点疑惑を招かないように、晴らすようにもう少し配慮すべきだったということはいまとなっては考えております。それで今後は、いまの御意見もございましたので、その点については十分に配慮してまいりたいと思います。
 それから実は、厚生省にいたしましても、守る会の方々のほうからいろいろと不審の目で見られている点のあることも事実のようでございます。厚生省の手がよごれておるといったようなことでございまして、したがいまして、私どもいわゆる第三者としてこの問題にお世話に入る、調停に入るというようなことについて積極的にこちらのほうからいわゆる第三者としての立場からものを申し上げるというような立場にはないんじゃないかというふうに考えております。したがいまして、もしも第三者機関が、これが守る会のほうからも十分に信頼され、あるいは森永のほうもよろしいということであるならば、第三者機関、そういったような機関がありますれば私どもとしてはたいへんに幸いすると思います。この問題の早期解決には私はぜひ必要なやり方じゃないかというふうに考えております。
#59
○藤原道子君 逃げちゃだめですよ。
#60
○政府委員(浦田純一君) いやいや決してそうじゃございません。いままで守る会の方々ともいろいろお会いいたしまして、ある程度は気持ちはおわかりいただけたようでございますけれども、しかし一歩突っ込んで最終的にこの問題のケリをつけるということになりますと、やはり守る会の方々のほうから十分に信頼していただける、また会社のほうもそれでよろしいといったような型あるいは機関がございますれば、事件を早く解決するためにたいへんいい方法だと思って、ぜひその点は先生方のほうからも積極的にいろいろ御意見を賜わりたいと思っております。
 それからML、MC。MLは、これは実は平塚工場の製品でございます。それからMCが松本工場の製品です。当時――失礼いたしました。MLが松本でMCが平塚、逆でございますが、これは当時やはり粉ミルクに疑いが持たれましたときに、すべての製品について一応チェックしたわけでございます。その結果、これは大阪――和歌山でございましたか、和歌山県でMLじるしからあるいはMCじるしから微量の砒素が分析された。微量と申しましても〇・〇〇〇五%、これはMLじるしからでございますが、MCじるしからは〇・〇〇一%の砒素が分析されたということでございまして、問題を重視いたしまして、さっそく国立衛生試験所で九月一日、二日にこの砒素が分析されました試験所の技師立ち会いのもとで、国立衛生試験所の大阪支所で両方の分析を行なっております。このとき行ないました技師の名前もみなわかっております。その結果、砒素は試薬に由来するものであるということが判明いたしておりまして、MLじるし、MCじるしそのものに含まれている砒素ではないということでございまして、問題はすでに私どもとしては解決済みであるというように考えております。当時の新聞をお読みいただいてもこの点は明らかであろうかと思います。
#61
○藤原道子君 健康手帳は、もう確認しているのですか。
#62
○政府委員(浦田純一君) 健康手帳、いわゆる健康手帳でございますが、これはちょうど昨年の七月ころ、なくなられました斎藤厚生大臣がお約束しておりますがいわゆる証明書と申しますか、健康手帳と申しますか、その辺の名称はともかくといたしまして、患者さん方の今後の健康管理といいますか、調査に役立つような証明書は、それは私どもとしては発行するという方向でもって現在準備を進めているということでございます。
#63
○藤原道子君 まだ納得いかない点が多々あるのでございますが、私、時間がございませんので、質問はまた次に延ばしたいと思います。
#64
○小平芳平君 今度は別の問題ですが、農薬、特に有機燐について、有機燐による健康被害は、どういう被害が発生するか、また具体的に長野県その他で報告がされておりますが、厚生省はどのように掌握しておられますか。
#65
○政府委員(加倉井駿一君) ただいま御指摘の有機燐中毒でございますが、長野県の佐久地方、あるいは全国で数カ所におきまして有機燐中毒ではないかというような、視野が狭くなりました、いわゆる視野狭窄、あるいは視力が落ちます視力低下の症状を伴う病気が発生しているという報告がございます。ただし、その原因につきましては、その後眼科学会等におきまして、農薬説に対します異論も出されている現状でございまして、この問題につきまして、私どもといたしましては重視をいたしまして、厚生省といたしまして、とりあえず診断基準、あるいは治療方法等を中心といたしました研究の促進をはかることといたしまして、関係研究者にいろいろお願いをいたしておる次第でございます。
#66
○小平芳平君 有機燐による障害は神経にくるわけでしょう。したがって近ごろの難病は目が見えなくなる。最終的には失明する人が多いのですが、いまの視野狭窄あるいは視力低下、そういうような神経が破壊され、一たん破壊された神経は戻らないわけですね。そのために目をわずらうということが報告されております。そのことについては、すでに厚生省には診断基準が出ましたでしょう、昨年。今度は診断基準が出た段階で、さらにこの治療研究について、次の研究が必要という段階ではありませんか。いかがですか。
#67
○政府委員(加倉井駿一君) 治療につきましてはある種の解毒剤を長期間にわたりまして点滴静注することによって、たとえば視力が〇・〇二以上の場合には回復するという治験例も出ております。御指摘のように、今後引き続きこの治療方法等につきましても、さらに解明をしなければならないと思っておりますが、四十六年度にこの治療方法等に関連いたしまして医療研究助成補助金、私どもの所管いたしております医療研究助成補助金から研究費が支出されております。ただ四十七年度におきましては申請がございませんでした。それから、一方私どもの公衆衛生局で所管しております研究費といたしまして農村医学会に調査研究委託費という費目が出ておりまして、これは四十五年以来引き続き支出されておりますが、その中で農薬中毒に関する治療研究等も含めまして実施をお願いいたしておるのが現状でございます。
#68
○小平芳平君 この参議院の公害対策特別委員会が現地へ視察に行きまして、それが委員会に報告し、そのときの質問に対して当時の大石環境庁長官はそうした有機燐による、あるいは農薬による目の奇病、それが半年も治療すればなおるという報告があったわけですが、そういうことであるならば国としてもあらゆる手を打ちたいということ。それから小学生が多いわけですが、小学生の方々が治療に通うのに経費がかかる。自己負担がたまらないという事情もあってそういう場合は治療研究費のような形で公費負担をいたしますということで検討しますと言ったのがもうおととしのことですが、その後どうなりましたか。
#69
○説明員(松山良三君) 環境庁としましては農薬につきましては、農薬による人畜被害を未然に防止する、そういう見地から農薬の規制を行なっているわけでございまして、そういう意味で農薬取締法の一部を担当いたしておるわけであります。人畜被害でございますので、問題は毒性と残留性の問題になります。毒性のほうは厚生省がいろいろ検討等をやっておられますが、環境庁としましては私どもは残留性につきまして調査、検討をいたしておるわけでございます。したがって、その残留性の調査試験成績なりそれと厚生省がおやりいただいている毒性の検討とによりまして厚生省のほうで食品規格なりあるいは農林省のほうで安全使用基準を定めて規制をするということになっておるわけでございます。いま申し上げました残留性につきましては環境庁が四十六年に発足をいたしましたが、四十六年発足以来既存の農薬につきまして残留性の面から総点検をするということで危険性の多いと思われる農薬から着手をいたしております。四十六年につきましては約八千万円の予算で十一農薬、二十一作物につきまして残留性の検討を行なっておりまして、そのうち、十一農薬のうちの六農薬は有機燐剤の検討をやっておるのでございます。四十七年につきましても同様約八千万円弱の経費をもちまして十三農薬十九作物につきまして検討いたしました。そのうち、十三農薬のうちの六農薬につきましては、これは有機燐剤を取り上げまして残留性の検討をいたしておるのでございます。そういうことで残留性の面から調査をし、私ども五十一年までかけまして、あぶない農薬につきましては、環境庁発足以前から合わせまして、大体八十何農薬につきまして点検をしてまいりたい。その点検結果と、厚生省等がおやりになっております毒性結果から、厚生省のほうで食品規格を定めますし、そういうものにつきましては農林省で安全使用基準を定めますので、そういうことで規制をしてまいるということになっております。
#70
○小平芳平君 いや、そういうことを尋ねているのではなくて、大石元長官がそうした農薬による被害者については公費負担を検討しますと、公費負担も特に公害の場合は治療研究費ですか、そういう名目で、かつては厚生省から水俣病、イタイイタイ病に出されていたこともあったわけですから、そういう治療研究費のような形で公費負担を考えますといったその結論だけを聞いているのです。しかも加倉井局長、いまお渡ししましたカルテですね。そのカルテは明らかに有機燐によるというカルテになってますね、それはわずかに、これは一市民です。一市民がたまたま農薬をかけられたということが原因で北里大学の石川教授のところで治療を受けているというカルテですね。そういうように有機燐による被害者が発生している。先ほど局長は有機燐によるかもしれないような報告もあるようなばく然とした表現だったのですけれども、ですから私そのカルテを見ていただいたわけなんです。非常にはっきりしているでしょう。はっきりしておりますかどうかそれだけお答えいただけばいいです、局長からは。それから環境庁からは、さっきの公費負担のことだけをお答えください。
#71
○政府委員(加倉井駿一君) このカルテを拝見いたしました所見からいたしましては、明らかに有機燐が血中にございますので、有機燐中毒ということは考えられると思います。
#72
○説明員(松山良三君) 先生御指摘の佐久の眼病につきましては、厚生省のほうで研究費によりまして研究が行なわれているということでございますが、その原因なり、実態なりが必ずしも明らかになっていないというふうに私ども承知をいたしております。これが環境汚染による公害病であると、そういった検討結果が出ますれば、環境庁といたしましても厚生省の研究結果によって必要とあれば所要の対策を講じてまいりたいというふうに考えております。
#73
○小平芳平君 はっきりと、ですから、カルテを厚生省の専門の局長に見ていただいて、明らかにその血液の中から有機燐が検出されているので、その担当のお医者さんは有機燐による被害だと、こう言って、診断をして治療しているのですから、そういうものは産業公害と違って、農薬の場合は全国どこに起きているかわからないわけですね。それこそもう全国民いつ農薬がかかって神経がおかされるかわからないという、したがってこうしたはっきりした被害者に対する公費負担が必要だということは、だって、大石元長官がそういう答弁をしているから、その後一生懸命検討されたかと思ったら、まだ何もやっていないようだから、しっかりやってください。
 以上です。
#74
○説明員(松山良三君) わかりました。
#75
○委員長(矢山有作君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#76
○委員長(矢山有作君) 速記を起こして。
#77
○大橋和孝君 それじゃ、私は時間もだいぶ迫っておりますので、ごく簡単に石油たん白の問題について質疑をしてみたいと思います。
 いままでももう、さらに衆議院のほうにおきましても、あるいはまた消費者側からもいろいろ詰められておりまして、その点は非常にいろいろ議論されておるところでございますが、ことに私は、そういうことを承知の上で私が問題とするのは、その背景がどうなっているかということをもう少し詰めてお話を伺わないとこの問題も何か総花になりそうな感じがするので、きょうは実は質問させていただきいと思います。
 ことに飼料としての石油利用微生物、いわゆる石油たん白でございますが、この問題が大手三社がいままでのような話の中で生産あるいはまた企業化を断念したということで、そういう決定を見ましたので一応何か収拾されたかのように見えておりますけれども、この石油たん白の問題の背景をひとつ明らかにしておかないと、また今後ともいろいろな問題を起こし、あるいはまた企業化は一応ストップされたと言いながら、まだまだ別な方向にも発展しそうな感じがいたしますので、この点について特に触れてみたいと思うわけでありますが、いま、この食品衛生行政の面あるいはまた飼料の需給政策の面、あるいはまた食品添加物なんかの問題で非常にいろんな問題が起きておるという問題、また専門家の集団だけによって一般消費者の不安の声を看過をして、そして科学至上主義と申しますか、科学的な視点からのみこの安全性を打ち出しておりますところの食品衛生調査会のあり方というものなんかに対しまして非常に重要な問題が浮きぼりにされたということを国も認め、企業も、そしてまたわれわれ一般国民もこういうことに対して見のがしてはならないんだというふうなところにきているんじゃないかというふうに思います。そういう意味で私はこの石油たん白の問題を引き起こしてきた、より根本的な問題についていろいろと率直な御意見を伺いたいので、端的にこの二、三の点について明確に御答弁をいただきたい。
 第一番目には、食品衛生調査会のあり方であります。まず食品衛生の専門家機関でありますところの食品衛生調査会はこれまでどのような考え方を基本に置いて食品の安全についてどこまで確固たる安全性を究明されたのかについてお尋ねをしたいと思うのであります。
 食品衛生添加物の安全性につきましては、合成化学物質が時代とともにはんらんをしている現在におきましてより厳密に評価されるべきだと思うのでありますけれども、現在の段階では動物による実験が最善とされているようでありますし、また動物の管理、毒性の試験法、あるいは生体内変化の追跡などと、技術的にはなお未確立の問題がたくさん残されておるところであります。つまり一〇〇%安全だとするのに足りる技術的な確証がないと私は思うわけであります。あるいはまた安全と一般的に受け取られるような、そういう中にありながら、これが安全というふうな結果を出されますと、全部が完全に安全、一〇〇%安全だというふうに一般に受け取られるような判断をすること自体まことに危険な思想だといわなければならないので、その点当局のこの食品添加物に関する基本的な考え方は現在どのようなところに置かれておるのか。何だかすべて一〇〇%安全ではないのにかかわらず、それがまあまあ安全だと言われると一〇〇%安全にとられる、こういう危険は非常に大きくいま残っておるんじゃないか、こういうふうに思いますので、こういう点の基本的な考え方をひとつお尋ねしたい。
 特にまた、人間の生命と健康に直接かかわる食品添加物の安全性が短期間の実験あるいはまた実験動物の種類による毒性の差異あるいはまた人間との差異、あるいはまた試験設備と生産設備の格差といいますか、隔り、現実の問題が国のきめる安全性の中にどう評価されているかということについては非常に大きな問題があろうと思いますが、こういうものに対しての評価をどうされておるのか、ひとつ伺ってみたいと思います。
#78
○政府委員(浦田純一君) 食品の安全性の問題、ことに添加物をめぐります安全性の基本的な考え方についての問題でございますが、先生も御案内だと思いますが、食品衛生法におきます食品添加物の安全性という問題は、基本的にはこれは認めていかない、原則的には食品添加物というものは認めていかないという態度でございます。安全であると認めたものについて、厚生大臣がそれを一つ一つ認めていくという立場でございます。したがいまして、私どもは現在の化学、医学、生物学、そういったものが与えられる限りの資料を、データをもとといたしまして一〇〇%安全であるということでなければ食品としても、あるいは食品に加える添加物としても許可していかないということでございます。
 しからばその一〇〇%、そういうことを現代の科学でもって確実に証明できるかということでございます。これはいろいろと考え方もおありかと思います。私どもはやはり国際的なたとえばWHOあるいはFAO等の国際的な立場からきめられた基準、そのデータというものは、やはりこれは尊重していくと、しかしながら、さらにこれを国内に適用する場合には国内のいろんな情勢も考えましてこれを検討した上で採用していくといったようなことで、結論から申しますると、私ども現在与えられております科学的な知識、経験というものに基づいて確認していくということでございます。
 さて、今回の石油たん白を例で申されたわけでございますが、この場合、安全性というものの確認はどうか、ことにいわゆる試験室段階での安全性とそれから工業生産段階での安全性という問題についての考え方でございますが、私どもは、この石油たん白の場合には、少なくとも食品衛生調査会でもっていろいろと他の食品には見られない程度の厳重な検査項目というものを二十二にわたって示しまして、そしてその項目に基づいてデータを出していただいて検討してまいったということでございまして、食品衛生調査会の見解、先生御案内と思いますが、いわゆる実験段階においての石油たん白の安全性ということは確認されたのでございますが、ただこの場合に心理的な面の安全性と申しますか、そういった国民の皆さま方に依然として石油たん白に対する不安の情が残っておったということに対する考慮、これははたして食品衛生調査会の機能としてそこまで考えるべきかどうかという点もいささか疑問がございますが、その点についての配意は行政の立場からいささか足りなかったのではないかというふうに私はいまとなって率直に反省しております。
 それから同じく食品衛生調査会の見解でございますが、これは明らかに工業化の前の段階において再度国がみずから検査すべきである。何となれば、実験段階では予測されないようないろいろな新しい要素が入ってくるということで、それを考慮してもう一度再検査をすべきであるというふうに述べておりますので、先生の御指摘の実験段階あるいは工業化段階の安全性の考え方はそれによって明白であろうと考えております。
 なお、食品衛生調査会の構成あるいは運営のあり方でございますが、構成につきましては、昨通常国会、いろいろと食品衛生法の一部改正の案の御審議の過程でもって、結論として従来の業者代表などが入っているような構成を収めまして、学識経験者のみに限るというふうにいたしましたので、その点は私は現在のそういった構成そのものについてはよろしいのではないかと考えております。しかしながら、運営と申しますか、少なくとも消費者の皆さま方からいろいろと、どう申しますか、御疑念を差しはさまれることがないように、運営の面については、たとえばその発表のしかたとか、あるいは調査会で調査いたしまするデータそのものの性格とかいったものについては今後とも十分に消費者の皆さま方のそういった御不安を除くような方法でもって運営をはかってまいりたいと考えております。
#79
○大橋和孝君 いまの中でまだ明確でないのは、結局添加物では大体認めない方針で調査をしていくんだと、それが基本方針だと、それが十分にそうした検査の中でそうした精神が貫かれておるかどうか、これがどうも非常にあいまいな点があるわけですね。で、いまも私ちょっと指摘しましたように、一〇〇%安全ということはなかなかいま、科学的なそういうデータが出ると言われてますけれども、実際ないじゃないかと私は思います。それはこの実際の問題として、実験上やってみてもやはり幾らかの、何%かはそういうような危険性はあるわけであって、それが毒作用を持つ限り。ですから、そういうふうなことを考えますと、私は安全だという結論を出されるときは、よほどいまのようなたてまえで、こういうようなものはなるべくならは認めないという方針でいくならば、よほど慎重じゃなきやならぬのじゃないかというふうなことを私は思って、これが基本にならないと、何か出てきたもので、そこから安全だと、まあこれぐらいの危険性はあってもまあまあこれで安全だといわれているやつが非常にあとから蓄積やらいろんな問題、――これからもあとから質問しよう思いますけれども、そういうものが加わってまいります。あるいはまた実験段階と工場で生産段階とでも差が出てくる、こういうような問題なんかがありましたときには、これがやはり危険をはらむことになってくるんではないか。それからまた、その添加物が非常に多い場合は相乗作用でそれが集まっていろんなところでそれが問題になってくるんではないか。そういうふうなことを考えますと、私はただ科学的にどういう結果が出たということだけじゃなくて、やはりそういうようなものをどこでチェックするかということが考えられない限り、これを非常に私は不安定だろうというふうに考えられるわけであります。そこのところが一番問題になるわけでありますから、これに対する態度というものをひとつ厚生省のほうではぴっちりと出してもらいたい。同時にまた、私はこれは工業化され、製造化され、企業化されるわけでありますから、その面からもこれは一体どういうふうに把握していかれるのかということが問題になると思いますから、その二点については特に一ぺん根本的な考え方をひとつ承りたいし、もっとそれをひとつ深めて、そういう危険の一切ないような方向にやってもらいたいというのが私の発想の起点であります。
 それから、まあ戦後食品添加物は大量に認められてきたのでありますけれども、それは一体この食品衛生調査会で安全性が認められたものばかりであろうと思うのでありますが、そうでございましょうか。
 それからまた、現在この食品添加物として認められているものは一体何品目あるのか、その品目をひとつデータとしていただきたい。
 それからまた、その品目の急性毒性は全部その検査がやられておるのかどうか、これもひとつ聞きたいと思うのでございますが、その点どうでございましょうか。
#80
○政府委員(浦田純一君) 安全に対する先生の分類方、もっともであると思います。一〇〇%という場合に、分類学的な表現と、それから科学的な表現があろうと思います。したがいまして、ごく科学的に正確に言う場合には九九・九九九%といったようなことで一〇〇%にできるだけ近づけていくという意味合いが正しい表現だと思います。
 これに対しまして私どもは現実の行政の問題としてどう対処しておるかと申しますと、結局十分な安全率というものをとることによりまして危険からできるだけ遠ざける。たとえば最大の作用量、最大の無作用量というものがかりにありますと、これはまあ動物実験の結果から出てくるものでございますが、それに対して百倍とか二百倍といったような安全率を掛けまして、そうして実際の面からは一〇〇%の安全であると言い得る量に押えてあるということでございます。その最大無作用量につきましては、これは国際的な基準あるいはいままでの人類の知識経験の蓄積されたものの中から生まれてくるわけでございます。
 それから戦後食品添加物をどのようにして指定してきたかと申しますと、まず安全性を確保するという観点から各種毒性試験の方法などをきめました。指定基準に従って審査を行なって指定しているわけでございまして、これらは食品衛生調査会を通じて行なわれておるところでございます。それでこの指定基準は四十年の七月十六日に定められたものでございまして、その後の指定が二十七品目、あとで資料で差し上げますが、これ以前に指定されたものが三百十品目でございます。
 毒性の検査でございますが、それはいずれも急性毒性、慢性権性、それから催奇形性といったような項目について行なっているのでございます。それから慢性毒性資料に関しましては非常にこれは膨大なものでございまして、たとえば動物試験の剖検の報告等でございまして、たいへん膨大なものでございます。決して出すのにやぶさかではございませんが、できれば、まあひとつ品目などを御指示いただければ非常に幸いでございます。できるだけ提出をするように取り計らいたいと思っております。
#81
○大橋和孝君 その品目は、じゃかなりありますからね、ですから、その中の代表的なものをずっと選んでいただいて、ひとつデータをいただきたいと思います。特にそのデータをいただいたら、ほぼ全体が見通せるような視野に立って、そうしてその代表品目をひとつ詳しい慢性的なものは出していただきたい。急性的なものはもう相談なくて出るだろうと思いますから、ひとついただきたいと思います。特に私はそれが落ちているものがあるかないかということが非常に問題だと思います。全部やられたもの以外は出ていないというふうに解釈してよろしいか。そうでないものでたくさんあるでしょう。
#82
○政府委員(浦田純一君) たとえばビタミンなど一部これは明らかに必要でないといったものについてはやっておりませんけれども、その他についてはWHOなどの資料にも基づきましてこちらとしてはいろいろとデータを取りそろえてございますので、御指示があれば、いまおっしゃったような御趣旨で、これを見れば大体全部がおわかりいただけるといったようなふうにこちらで先生とも御相談して取りまとめまして提出いたしたいと思います。
#83
○大橋和孝君 いまお話にも出ておりましたように、慢性の毒性というものが現在の食品添加物に対しては最大の不安の原因になっておるというふうに思いますし、特にまた相乗毒性と申しますか、こういう問題も重大な問題だと思うんであります。たとえばこの相乗毒性の典型的なものでいえば、魚肉のハム、ソーセージの中に含まれておりますところの第二アミンと亜硝酸塩が一緒になりますとこれはニトロソアミンとなって、これが発ガン性物質になるということはもう有名な話でございます。あるいはまた、不純物によって世界史上で最大の慢性中毒事件といえば、先ほどから問題になっておりました砒素中毒あたりが問題であるわけでありまして、こういうようなものをとってみますと、もう数々あるわけでありまして、ことにこの問題はやはり相乗毒性とか慢性の中毒によって人体に脅威がある。これは慢性毒性の試験についてどのようなところまでやられておるかということが非常に問題になるわけでありまして、いま申したように、この検査をどういうふうにされておるかというのが、いろんなものがありますから、そうしたものを逐次ひとつデータでいただいて、私のほうからもちょっとあとから申し上げますから、そういうデータをひとつ出していただきたいと思います。先ほどお願いしたところであります。
 それから四十年の七月に、食品衛生調査会は、「食品添加物の指定および使用基準の設定、改正について食品衛生調査会において調査審議を行なう際の基準」、いわゆる指定基準というものを厚生大臣に答申をして、以後、行政当局はこれに従って添加物の指定を行なっておるという、先ほどもお話がありましたが、この指定基準以前に使用許可された食品添加物で、現在、なお使用されているものは何品目ぐらいあるのでしょうか。また、それから、それらの急性あるいは慢性毒性試験はどのようになっておるのか、これにつきましてもダータでひとつお示しを願いたい。それから指定基準以降に使用が認められた食品添加物は、前と後と分けると、どういうふうになっておるか。そして、それらの急性毒性の試験については、いま代表的なものによって、全体が把握できるようなものでいただきたいとい思ますが、そういうふうに分けていただきたいと思います。
#84
○政府委員(浦田純一君) 四十年七月以前に指定されておったものが三百十品目、先ほどお答えしたとおりでございます。その後二十七品目でございます。これは分けまして、いま先生の御要望のように、資料を整えて提出いたしたいと思います。
#85
○大橋和孝君 それから食品の添加物の健康に及ぼす影響を考えてみますときに、蓄積作用の強弱、あるいは毒性の効果がどのような分量で、どのような形で、どのような器官にあらわれるか、動物の種類によるその毒性の差異と判断が非常に困難である場合が非常に多いと思うんであります。特に、この慢性毒性につきましては困難で、現状では試験の範囲内で安全にすぎない。そして、基準的な考え方の中に少なくとも疑わしきは使用せずの思想転換をとっていくべきだと思われる点が非常にたくさんあるわけであります。こういう問題について、根本的にどうもちょっと疑わしかったら使用しないというふうにされるのかどうなのか、その点もひとつ聞いておかないと明白にならないと思います。
 外国では、英国でも、フランスでも、ソ連でも石油たん白が使用されているといわれております。また、イタリアでも今年春には結論を出して、鐘淵化学が技術輸入をするとの話も聞いております。国際的に石油たん白の使用されてきた段階を仮定いたしまして、わが国はなお使用しないとの決意があるのかどうなのか、この点をひとつ伺っておきたい。
#86
○政府委員(浦田純一君) あるいは前問の御質問に対するお答えも兼ねるかもしれませんが、そうしたいわゆる相乗毒性あるいは蓄積性の問題などでございますが、相乗毒性につきましては、これは先ほど申しました安全係数、いわゆる安全率を考える場合は、一応、相乗毒性ということも考慮しておるということでございます。しかしながら、やはり現在再点検の一環といたしましては、昭和四十五年度から念のために相乗毒性についても大学や公立の研究機関で試験を実施中でございます。まあ、現在までの結論では、何ら懸念すべき結果は得られていないという段階でございますが、今後とも必要に応じて相乗毒性の研究については続けていくつもりでございます。
 御指摘のニトロソアミンの件でございますが、これらにつきましても、実は諸外国に比べました場合には、基準がたとえばアメリカでは畜肉ハムなどの場合の基準量が二〇〇PPM、これはWHOでも二〇〇PPMになっておると記憶しておりますが、日本では三分の一の七〇PPMということでかなりきびしく押えております。
 それからできるだけ使用範囲も限定していくように、現在までもかなりきびしく使用制限を加えておりますが、さらに今後もその使用の幅を狭めていくように考えていっております。
 それから蓄積性につきましては、実は蓄積性のあるものについては、食品添加物としては認めないという原則で処しております。なお、いろいろな、現在、許可されておりますものについても、そういった観点で再チェックは怠っていないところでございます。
 それから石油たん白の問題でございますが、これは現在、やはり国民の皆さま方の何と申しますか、コンセンサスと申しますか、そういったようなものが得られていないということで、これが得られない限りは生産は中止するということで、そういう方針でもって各社とも、私どものほうに意向を表明しておりますし、われわれも中止という線でもって、今後、行政の指導と申しますか、方針としては対処してまいりたいと考えております。
#87
○大橋和孝君 そこのところで少しお尋ねしておきたいわけですが、結局は、石油たん白が飼料としてつくられる場合、これは農林省のほうで管轄しておられと思うわけですが、厚生省はそういうふうな問題に対して、いまの添加物や何かと同じような形で慢性あるいはまた相乗性、あるいはまた蓄積、こういうふうな面から見て、そして多少危険がある場合は、食品としてはいまのようなことはよくわかるわけですが、これが飼料としてやられる場合、これはまた、その飼料を通じて食品となってくる、こういう場合なんかは、この間うちからもそういう点は非常に議論が詰められておったようでありますけれども、非常にまだ、そういう点なんかも明確を欠く場合があり得ると思うわけですね。そうなると、結局、厚生省でやられておるところの添加物の検査、あるいはまた、そういうもので多少危険があればまあ明確でないもの、疑わしいものはこれを使用しないという形で進めていこうという立場と、それが即飼料に使われる石油たん白にも適用されるのかどうなのか。私は、飼料の中に現在抗生物質なんかもこのごろたくさん使われているというように聞いております。あの抗生物質の総生産の七割までぐらいがこういうような飼料の中に使われておるといわれているぐらいでありますから、量は非常に莫大なものだと思いますね。こういうような莫大なものが飼料の中に使われる。それは、それを使うことによって飼育が倍以上に効果があるとかいうようなことでございますから、まあいろいろそういうことはいわれておりますが、これには残留しているものが人体に取り入れられるおそれがきわめて強いと私は思うわけです。使用許可を農林省だけにまかせておいていいのか、私は厚生省の見解をいただきたいし、それからまた、農林省といたしましても、そういう飼料をやる場合には、やはり厚生省でやっているようなそういうふうな基準によってこれを考えられておるのかどうなのか、こういうことが非常に問題になるわけでありますから、そういう点をひとつ明らかにしていただきたい。
#88
○政府委員(山口敏夫君) いまの先生が御指摘いただいたような心配は、当然、飼料の中に植物の連鎖作用によって人体にどう影響してくるか、出てくるわけでございますので、御承知のとおり、現行法ではそうした規制措置が厚生省の食品衛生法ではできないという立場が、今度の石油たん白の問題でも、かなり国民の方々に不安を与えておるという事実を顧みまして、先般、厚生大臣も委員会で明言しておりますように、飼料に対しても、当然、植物連鎖で人体にこれが関連してくるんだと、だから、こうした命、健康を守る立場において十二分に厚生行政の立場からも、これらに対しても規制すべき措置が講じられるように、法改正等も含めまして、さらに各省ですね、たとえば農林省あるいは通産省、そうした関係各省とも十分連絡をとり合いながらそういった方向に善処していきたい、こういう見解でおるわけでございます。
#89
○説明員(下浦静平君) 飼料用の抗生物質等の添加物につきましても、これは薬事法の規制がございますので、厚生省のほうでお定めになりました基準に従いまして使用をいたしておるということでございます。なお、私どものほうでは昭和四十五年から三年計画をもちまして、ただいま申し上げましたような薬事法の規制を補完いたします措置といたしまして飼料添加物公定書というものをつくる作業を進めておりまして、飼料添加物の規格、使用基準を定めましてこの公定書の定める範囲内で配合飼料に添加するよう措置をいたしておるわけでございます。
#90
○大橋和孝君 特に最近では抗生物質なんかの使用されている場合でも、いまいろいろな抗生物質に全然抵抗を示したカビというものが体内で非常に問題になっていることは皆さん御存じのとおり用されている場合でも、いまいろいろな抗生物質に全然抵抗を示したカビというものが体内で非常に問題になっていることは皆さん御存じのとおりだと思うんですよ。そういうことがこの飼料あたりで飼育されたその食品から体内に、人体に入らないという私は明確な結論は出てないと思うんですが、そういう点であると、先ほど疑わしきは使用せずという考え方をどの程度までに私は農林省あたりでこういう飼料のものに処理されるのか、こういう点が私はいま非常にまだまだ国民大衆に不安のもとをつくっていると思うんですね。そういう点はいま答弁で、ある一応の基準をつくっていられることは存じておりますけれども、その基礎で、それじゃ一〇〇%それが保証できるかといえばないんじゃないかと思うんですが、どうですか、その点は。
#91
○説明員(下浦静平君) ただいま先生御指摘の点につきましては特に私どもも留意をいたしておりまして、したがいまして抗生物質等につきましてはただいま申し上げました使用基準を定めます場合に畜産物への残留等を考慮いたしました使用基準ということで定めておりましてこの適正な使用の確保をはかっている次第でございます。
#92
○大橋和孝君 まだまだその抗生物質のほうは残留なりは非常に少ないといわれているわけでありますから、そういうことも少しは言われますが、先ほどその中に入れなかったが石油たん白のような場合、これは私はそういうことを言うのにはたいへんなまだまだ問題が残っているんじゃないかと思います。そういうふうなことから考えますと、一応のそういう基準ではありましょうけれども、それなら一〇〇%ということが言えるかどうかということが問題なわけで、そういう点から言えばもっと私は慎重に、いわゆる科学的な根拠によって、それをするならば科学的にもっと進めていくし、あるいはまたぼくがここで申し上げたいことは、いろいろな不安を持っているわけですから、消費者側からもいろいろそういうことのアドバイスができるような門戸を開放することが私は必要じゃないかと、いまそういう研究機関はまあ閉鎖的でありまして、中でいまどういうことを研究されておる、どういうふうになったということが逐次発表されていない、そしてその結果としてはほぼその基準に合うということでありますからやはりそこに問題点が出てくるわけでありまして、私はもっともっと、たとえばそういうことの基準で農林省のほうがこの石油たん白なら石油たん白、あるいはまた抗生物質なら抗生物質を採用する場合にこういう基準でもって審議会にかけた、それでどういうふうな経過を経てこうやったというようなことを逐次やはり審議にかけるときからその内容を発表する、そうなればやはりそういうことで専門的に何かやっている大学なり、あるいはまた農家なりでやっている問題もありますから、そこからもまた意見が反映をしてくると、そういうものも入れながらそうした問題を審議していくというくらいのことがないと、国民全体からの安全性とか、そういうものを国民が正しく知り得ないという状態になっているわけでありますから、私はここらのところに一つ問題があると思うんですが、そういうことに対しては厚生省、あるいはまた農林省では将来どういうふうに詰めていくつもりなのか、私はそこのところあたりがいわゆるこうした石油たん白なりあるいはまたそうした添加物、いろいろな問題に対する非常に何といいますか、衆知を集めた検討がなされていない、あるいはまたそこでやられていることに対しての不安を持つということの原因をなしてくるだろうと思うのですが、その点どうですか。
#93
○政府委員(山口敏夫君) 前国会におきましても、食品衛生調査会の委員の構成につきまして、いわゆる食品関係業者及び学識経験者に切りかえた、そういう点につきましては、大橋先生からもたいへんけっこうなことだという御支持もいただいたわけでありますけれども、やはり国民的連帯感を必要とする今日において、やはりそうした調査会が国民の方々の感情を十二分に理解でき得るような機能を発揮しませんと、私どもといたしましては、今回の石油たん白の問題にいたしましても、現在の科学で究明でき得るひとつ最高のスタッフで安全度の問題について実験段階においては一つの結論を出したわけでありますけれども、しかし消費者の方々や国民の方々の不安というものが一そう深まったという現状を顧みましたときに、やはり十分国民的理解と共感が得られるような調査会のメンバー、運営等の問題につきましてももっと検討しなければいけないんじゃないかということで、私ども厚生省でも、いまそうした問題について検討をしておるわけでございまして、十二分先生の御指摘の御趣旨を生かし得るような結論に落ちつくと思います。
#94
○説明員(下浦静平君) 農林省といたしましては、飼料添加物の問題につきましては、動物医薬品検査所という組織がございまして、ここが畜産試験場等の試験研究機関の協力を得ましてやっておるということでございまして、かなり私どもはその技術水準は高いというぐあいに確信をいたしておるわけでございます。
 なお、ただいま御指摘の点につきましては、公定書の作成にあたりまして農林省の中に委員会を置きましてそこで御検討をいただいておるわけでございますけれども、委員さんの中には厚生省の予防研究所の方も御参加もいただいておりますので、なお今後ともただいまの先生の御質問の趣旨を生かすようよく厚生省とも御相談の上対処をしてまいりたいと、かように考えております。
#95
○大橋和孝君 農林省のほうにちょっとお願いしたいんですがね。飼料の添加物に対していま動物研究所ができておるとおっしゃいました。その研究データと、あるいはまた厚生省からいまデータをもらうように頼みましたが、それとよく似た、同じもので、厚生省ではこうやって安全調査会で出している、あなたのほうではいまの研究ではどういうデータが出ているか、そういうのをひとつ私のほうでは比較検討をしたいと思いますので、そういう綿密なデータをひとつ出していただきたい、こういうふうに私は思います。で、非常に綿密にやられていると、信頼度が高いとおっしゃるわけでありますから、そういう点の出ているところをひとつ聞かしていただいて、私どもがいろいろ調べたところではむしろ反対のデータもいただいておるわけでありますので、比較をしてみたいので、そういう点の詳しくその後の添加物についてデータをいただきたい。それで、いつごろ何品目、どういうふうなものを許可して、どういうふうなデータでやっているかということが一目瞭然であるようにひとつ詳しくいただきたいと思います。
#96
○説明員(下浦静平君) 先ほどもお答えいたしましたように、私どものほうの扱いは薬事法の許可の範囲内でやっておるわけでございまして、そういうわけでございますが、ただいまの御趣旨に沿うように資料の提出をさせていただきたいと思います。
#97
○大橋和孝君 薬事法だけでは非常に私まだたいへんな、信頼度が高いとおっしゃるのに対して何かもう一つ、いろいろ納得できない点がたくさんあります。これはまた一ぺん詰めていろいろあとから質問さしていただきたいと思いますけれども、きょうはそれは省かしていただきますが、そういうことの設問をさしていただけるようなひとつ資料をきっちり出していただきたい。先ほど私申したのはまだ的確な答弁をいただいておりませんけれども、そういうことを審議するときに、こういうもののこういう内容を示して、これを審議に移したという、そういう段階から私は発表してもらいたいと思うんですね。それからいま有名な方を集めておられる、私はそのとおりだと思うのでありますが、またしかし別な発想からそういうものを研究しておられる農業あるいは農科あたりの大学教授なり、あるいは研究室なりでいろいろなものをやっておられる例があると思いますから、そういう方がこういう項目で調査を出したということを発表していただければ、またそういう独自の立場でそういうものを研究してもらう場合があるわけです。そしてまたいろいろな意見が集められる場合があるわけでありますから、そういうことを閉鎖的にやらないで、もっと開放的にやるということが私は一番大事ではないか、その経過の中でまた国民の中からもそういう問題についていろいろな新しい所見があるとするならば、そういうものをそういう調査会に出すなり、あるいはまた研究機関に出して共同で英知を集めてそれができるということのほうが、より私はベターだと思いますが、そういうことがいままでは全部クローズされておりますので、それをオープンにしてもらうということが私はどうしてもやってもらいたい点だと思いますから、これはひとつ要求をいたしておきたいと思います。
 それから、厚生省は、今度は現在立法措置を考えておられるということであります。この性格、目的、内容をひとつ明らかにしておいていただきたいと思います。その立案、作成の経過とか、あるいはまた広く一般国母に公開をして相当の意見を取り入れられるべきだと思いますので、そういう観点から、性格、目的、内容、どういうふうな立法措置をしようと考えておられるのか、ちょっと聞いておきたいと思います。
#98
○政府委員(山口敏夫君) これは先生御承知のとおり、石油たん白の問題の経緯の中から、大臣が事務当局に指示して、今国会でこうした飼料にまで、この規制措置が必要だ、こういう見解からいま検討しておりますので、いま性格、あるいは内容等につきましても、まだここでこういう杉でなると思いますということが申し上げられないのはたいへん恐縮なんでございますけれども、先ほど来から御指摘いただいておりますような点を十分配慮した当然法律にならなければならない、そういうふうに存じておるわけでございます。
#99
○大橋和孝君 今国会でということでありますから、もうほぼ省内では大かたのあれはできていなければならぬだろうと私は思うのですが、そういうふうな場合で、何かそういうふうな主要な骨子はもしお示し願えるものならばお示し願いたいし、いままだそういう時期でないとおっしゃるならば、それはいつごろできるのか、いつごろやられるのか、いまのような趣旨から考えますと、私どもとしては早くそういうことが知りたいと思いますので、その点はいつごろになりますか。
#100
○政府委員(浦田純一君) 実は先ほど政務次官からもお答えいただきましたように、今回の石油たん白の安全性をめぐる議論の経過の中で起こった問題でございまして、私大臣から、先週でございましたか、事務的検討をするようにと御指示をいただきました。その趣旨はまさに、かりに食品でなくても、結果において人間の食品に事実上なるといったようなものについて人間の健康上への影響というものを考慮した場合に何らかの予防措置を講ずる必要があるという場合に、その法的な禁止力といいますか、それが及ぶようなそういったものを内容とした法律を考えろ、こういうことでございます。具体的にはこれはやはり厚生省だけの問題でございませんで、農林省あるいは通産省、各省庁とも十分に詰めなくちゃならぬ問題が技術的に残っておりまして、それで今国会への提出ということでございますが、これは御承知のようにすでに、まあ政府としては大体今国会に出す予定の法案というものは、もうほとんど審議も終わり、出そろっておるという段階でございまして、私どもできれば今国会に出したいと努力いたしますけれども、まあ物理的な事由から申しまして、なかなか間に合いかねるのではないかというふうに考えて、できるだけ早い機会にというふうに御理解いただきたい思います。
#101
○大橋和孝君 いまの答弁、もうあるいはやむを得ない点かもしれませんけれども、いまの砒素ミルクで議論がありましたように、十何年たったというそういうふうなこともありますので、こうしたことは非常に重要な問題ですね、また消費者側からは非常に関心を持たれているこの石油たん白の問題でもありますので、私はこういうふうな規制を含むいまの御説明のような立法措置であるとするならば、私は早急に全精力をあげてこれを立法化するように努力をする必要があるし、また、そういう趣旨、内容もそういうふうなことをできるだけオープンにして、そうしてまたいろんな英知を盛り合わせてそういうことの間違いの起こらないような立法化を早く急いでもらうということが必要なんです。いまの局長の答弁では非常に不満でありまして、できるだけひとつ早くそういうことを煮詰めていただくということを私は特に希望いたしまして、きょうは大臣がおられませんから、政務次官のほうからそれをひとつ御発表になりました大臣に相当の決意を持って早くやってもらいたいということを十分お伝え願いたいと思います。
#102
○政府委員(山口敏夫君) 十二分承って大臣にも報告しておきたいと思います。
#103
○委員長(矢山有作君) 本調査に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十六分散会
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ソース: 国立国会図書館
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