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1972/06/14 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 社会労働委員会 第11号
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1972/06/14 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 社会労働委員会 第11号

#1
第071回国会 社会労働委員会 第11号
昭和四十八年六月十四日(木曜日)
   午前十時三十八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月八日
    辞任         補欠選任
     森中 守義君     藤原 道子君
 六月十四日
    辞任         補欠選任
     鹿島 俊雄君     徳永 正利君
     藤原 道子君     森中 守義君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         矢山 有作君
    理 事
                玉置 和郎君
                丸茂 重貞君
                大橋 和孝君
                小平 芳平君
    委 員
                石本  茂君
                上原 正吉君
                川野辺 静君
                君  健男君
                斎藤 十朗君
                高橋文五郎君
                橋本 繁蔵君
                山下 春江君
                須原 昭二君
                田中寿美子君
                森中 守義君
                柏原 ヤス君
                中沢伊登子君
                小笠原貞子君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  久野 忠治君
       労 働 大 臣  加藤常太郎君
   政府委員
       人事院事務総局
       職員局長     中村  博君
       林野庁長官    福田 省一君
       郵政政務次官   鬼丸 勝之君
       郵政省人事局長  北 雄一郎君
       郵政省経理局長  浅見 喜作君
       労働事務次官兼
       労働省労政局長  石黒 拓爾君
       労働大臣官房長  藤繩 正勝君
       労働省労働基準
       局長       渡邊 健二君
       労働省労働基準
       局安全衛生部長  北川 俊夫君
       労働省婦人少年
       局長       高橋 展子君
       労働省職業安定
       局長       道正 邦彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
   説明員
       大蔵省主計局主
       計官       岡島 和男君
       厚生省医務局国
       立病院課長    佐分利輝彦君
       通商産業省重工
       業局産業機械課
       長        杉山 和男君
       会計検査院事務
       総局第二局長   柴崎 敏郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○労働問題に関する調査
 (労働行政の基本施策に関する件)
 (郵政省における労働問題に関する件)
 (白ろう病に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(矢山有作君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 労働問題に関する調査を議題といたします。
 労働行政の基本施策について調査を進めます。
 質疑のあるお方は順次御発言を願います。
#3
○中沢伊登子君 労働大臣の所信表明を伺いましてからもうずいぶん日がたってしまいまして、何か影が薄れた感じでございますけれども、やっときょう質問をさせていただく機会をいただきまして、労働大臣が所信表明をなさった中で一番大きく取り上げられたのが週休二日制の普及、促進と余暇対策など労働者福祉対策の推進でございます。こういうふうに言っておられるわけですが、そこで週休二日制の問題について二、三お尋ねをしたいと思います。
 その週休二日制の実施状況は資料をちょうだいいたしておりますので、これによって承知をいたしているつもりでございますが、なお、内容について二、三質問をさしていただきとうございます。
 それは、週休二日制にすると、生産への影響はどのようなことになっておるのでしょうか。生産が減っているのか、減らないのか。もし減らないとすればそれはなぜだろうか。あんまり影響がないとすれば、その密度といいますか、労働強化にならないかどうか、その辺についてお伺いをしたいと思います。
#4
○政府委員(渡邊健二君) 週休二日を実施いたしました企業についての生産につきまして、全般的な調査は別にございませんけれども、四十六年に、当時週休二日制を実施した企業につきましていろいろなその実施の効果の調査をいたしました、週休二日制実態調査というのを私どもでいたしたわけでございます。それによりますと、生産能率が向上したという回答をよこしましたものは、規模別によって若干の違いはございますが、三六%、三分の一強という数字が出ております。これは、多くの企業で週休二日制を実施いたしました場合には、あわせましていろいろ設備の改善だとか、そういうことをいたしておることもございますし、また、労働者のほうで勤労意欲がそのために高まった、あるいは疲労が減少した、あるいは週休二日になったためにむしろ出勤率は前より高まったとか、そういうような諸要因がいろいろ重なり合いまして、そういう効果が出ているものと考えておるわけでございます。
#5
○中沢伊登子君 早くから週休二日制をやっているアメリカのこれは話ですから私もよくわかりませんけれども、よくブルーマンデーということばがございますね。月曜日にはあくびが出たり、眠かったりして、なかなか能率があがらないのだと、こういうような話もちょろちょろ聞くわけですけれども、私、この週休二日制を実施されたということはたいへんいいことで、さらにこれはまだ実施していない企業にもどんどん及ぼしていくべきだと、このように考えているわけですけれども、いまも申し上げましたような、ブルーマンデーというようなことばもありますように、労働災害の発生状況はどのようなことになっているか。いまのお話では出勤率もたいへんいいというお話でございますが、事故の発生なんかについてはどのようなことになっていますか。
#6
○政府委員(渡邊健二君) これにつきましても、規模別に申しますと、千人以上の企業では八・二、それから千人以下百人までの企業では一〇・五%、百人以下三十人までは七・三%という、これは規模によってかなりのばらつきがございますが、災害が減少したという効果を報告しておる企業がそれだけございます。
#7
○中沢伊登子君 まあ始まったところですから、これからさらにいろんな調査が、そして結果がわかるとは思いますけれども、それでは、収入の面について、基本的に給与体系を変えなければならないというふうな話はございませんか。
#8
○政府委員(渡邊健二君) 週休二日のために給与体系を基本的に変えたという企業の数はあまり多く聞いておりません。ただし、日給制等をとっております企業におきましては、当然出勤日が減りますと収入減少の問題が起きますので、それらの企業においては、私どもが知っている限りでは、ほとんどが実施前に収入減にならないような日給の手直し等を行なって、それから週休二日の実施に入っているというのが大部分でございます。
#9
○中沢伊登子君 おそらく中小企業といいますか、零細企業といいますか、そういうところではまだまだ基本的な給与体系の問題で週休二日制がなかなか実施がむずかしいと、こういうところもおそらくあろうかと思いますので、その辺についてこれから労働省としてもいろんな指導をしていかれるでしょうけれども、せっかくこれだけ大きく週休二日制というものを取り上げた限りは、すべての労働者にこれは均てんすべきだと、このように考えますので、今後もその方向で、ひとつ労働大臣もがんばって、ハッパをかけていただきたいと思います。
#10
○国務大臣(加藤常太郎君) まあ、週休二日制は、これはまあ企業家の中にはまだ早いとか、そうなったら企業そのものに影響もするし、また反対の理論では、一般のお客さんに御迷惑をかけるとか、いろいろな反対のことを言っておりますけれども、日本は、御承知のように、経済が成長し賃金関係もまあ毎年よくなっておると、ただ、残ったのがこの労働条件、福祉問題、この中では週休二日制の問題がどうしても労働省がひとつ推進しなくちゃ、国民の問題とか、私の目玉商品として推進するのがなかなか浸透しない、この難点もあるのでありますが、特に中小企業、零細企業並びに病院とかいろいろな関係がまだ私の趣旨のように、労働省の方針のとおりいかないのでありますけれども、これはしかし、これを法律という面も一時考えたのでありますけれども、やはり影響する点もいろいろありますので、とりあえず経済社会基本計画で閣議でも了承いたしまして、所定の期間、大体四、五年のうちには、完全週休二日制というのは、業種によっては困難でありますけれども、隔週とかなんとかして、週休二日制に近い線に、これは幾多の困難を乗り越えて実行さすような方針であります。個々のケースについてはやはりきめこまかい、いろいろな反対の理論もありますけれども、これはたゆまざる努力のもとにも推進いたしたいと、これが関係の各省もありますので、閣内でも、少しこう御不満の方もありますけれども、関係閣僚会議でぜひやってくれと、表面はみな賛成と、こう言うのでありますが、どうも顔つきその他を見ると、そんなにあなたの言うようにはうまくいかぬぞと、こういうような気持ちもいたしますけれども、これはもう何とかして所定の方針どおり邁進いたしますかたい決意であります。
#11
○中沢伊登子君 たいへんかたい決意と、たゆまない努力で推進をすると、こういうことで、すべての労働者に均てんをするべきだと、こう考えておりますので、ひとつその辺でさらに努力を重ねていただきたいと思います。
 それには落としてならない点が、たとえば仕入れに行く連中ですね。こういうのは早朝から出ているわけですね。こういう長時間働いている人、あるいは運転者、こういう人だの、それから家内で共働きないしは家族全部がかかって商店を経営している人、こういう人たちはあんまり早く店を締めたら会社から帰ってきた人が物が買えないとか、日曜日でも休むわけにいかないとか、こういうところの人たちに対してどういうふうに指導していかれるか、その辺も十分配慮をしていただいて、何とかこういう人たちにも均てんするようにひとつ努力をしていただきたいとお願いをしたいと思います。
#12
○国務大臣(加藤常太郎君) まあ、勤労者の週休二日制は、これはもうやらなくちゃならぬという反面、国民の利便とか、販売業の中で休んだらみなが御迷惑すると、こういうギャップがあります。まあ、団地などで一軒とかいうところは、これが休んだら価格が変わってくるのであります。しかしこれはやっぱり計画的に、もう納得してもらって、やはりその前にいろいろな物資とかを、これは休みになるのだからということは、やはり国民全体の理解が必要だと思います。これがその理解に到達するまでは、かってなことばかり言って、われわれの不便を考えずにばさっと休まれたらわれわれは、困るじゃないかと、われわれの生活にも及ぼすのじゃないかという議論もありますけれども、やはりこれはこの方針は広く働く方も家内労働の方も、どっちかといったら日本人いままで勤勉過ぎた。大いに美徳もありますが、反面やはり全体の人間らしい生活をするのには、働き、かつ休養をとる、こういうことが必要でありますので、一般の利用者の方々にも啓蒙運動をする。これにつきまして、いまとりあえず大企業へ行って、それから大問題が公務員の関係、銀行関係、それも一段落いたしますと、そういう方面に啓蒙をいたしつつ、ときにはPR的なことを根本から、こういう意味でこうなるんだというようなことまでも、一般利用者の御理解を得て、どうしてもそのほうはあとになると思いますが、最終的には御趣旨の線のほうに国民の理解も求める、こういう啓蒙運動も必要だと思います。そして最終的にはいきたいと思います。
#13
○中沢伊登子君 国民への啓蒙運動、これはもうぜひ必要だと思います。というのは、私どももつい最近日曜日は食堂が全部休みになってしまった。たいへん不便をかこっているわけですけれども、それなりにやっぱり土曜日のうちから準備ができるようになりました。そしてみんな休むときは休む、こういうことをやってもらわなければならないわけですので、啓蒙運動も非常に必要なんです。ところがどうしても休めないところがございます。それはいわゆる医療関係、病院あるいは福祉施法、そういうところは一日も締めちゃうわけにいかないですから、そこで看護婦さんとか、あるいは福祉施設に働く人たち、こういうところの要員確保が非常にむずかしくなるんではないか、ですから、こういうところは要員が非常にたくさん必要になるわけですね。いまでも看護婦さんや福祉施設で働く人たちの人数が減ってきておりまして、東京の国立病院なんかは、ベッドはあるんだけれども、看護婦さんがいないために、入りたい人はたくさんあるのは、病院をそのままにしておかなくちゃならない、こういうような話がありますので、私どもも女性議員というのは、参りますたびごとぐらいに、看護婦さんあるいは福祉施設の保母さん、こういう問題を取り上げて、早く看護婦さんをたくさん補給するように、こういうことを何べんか言っているわけですけれども、ただでさえなかなか看護婦さんが得られない、それに週休二日制などということを言い出しますと、さらにこういう人たちの確保がむずかしくなるのじゃないか。
 それから、もう一つは、医療関係の従業員ですね、救急病院なんていうのは夜中までやらなければいけない、週休二日制どころじゃない、夜中までもやらなくちゃいけないので、交代で休まなくちゃいけないわけですね。こういうような人たちをどのように確保されるのか、人数をどのようにしてふやすおつもりか、その点をひとつお伺いをしたいと思います。
#14
○国務大臣(加藤常太郎君) この問題は、やはり人命の関係とか、人命につながる医療関係。これはなかなか問題が複雑で、いろいろな条件がありまして、二日制やらなくてももう人手が足らない。これにはいろいろな料金問題、独立採算制の問題、特にいま御指摘のようにベットがあるのに、慶応病院でも同様でありますが、私たちの主管いたしております労災病院でもこれが一番のガンになっておるんであります。そういう意味でこの問題を抜本的にひとつ対策を講ずる、医療関係、その他こういう関係に従事する方の問題は、やはり気の毒な方でありますから、つとめておる方の立場から見ると、これは無理からぬと思うが、入院なさったり、そういうところへ行った方はなかなか納得せぬのであります。人道上からいっても、ちっと犠牲を払ってくれなければいかぬのじゃないか、基準法でも特にこういうのは例外的に九時間とか認めておりますのも、その意味でありますけれども、といってこれを放置するわけにいかぬ。やはり労働基準の確保なり雇用管理の改善、福祉施設の充実、そうして、やはりわりかたえらい目して報いられるどころか、これはちょっと私から申すのはいかがかと思うのでありますけれども、足らないところがありますから、これは厚生省なり関係各省も相当多いのでありますが、中には事業団でいろいろ労働省だけでなく、各省にさような病院以外の福祉施設、こういうところはわりかた気の毒なかっこうになっておるのであります、これは。といって日常の事業からいくと、そういうことは言っておられない、報いられる賃金もかえって格安だ、政府の関係だというので。なかなかこれは大問題がありますので、この問題、この間うち省内でも来年のいろいろな予算なり新政策が始まっておりますので、この問題をひとつ労働省が新政策として取り上げて、これに各省が連携をとってひとつこの抜本的な改善と、だいぶんごしんぼう願っておったんでありますが、そういう従業者もわれわれが一番分が悪いのじゃないか、こういうようなことも言い出しておりますので、やはり週休二日制と関連もあるし、関連以外でも大問題があるのでありますから、この問題に対しましては十分労働省といたしましては、ただ労働省からだけ指導したのでいかぬので、各関係各省の理解のもとにひとつ本腰でこれに対して対処いたしたい。労働省内の労災病院でも、きのう私、事業団行ったんでありますが、これが一番であります。これはいろいろの関係の理事なり監事、理事長が大臣、これがもう困っておるんです、そうして独立採算制の関係上確保ができない、福祉の対策が労働省の職員でありながらできないという難点があるので、ここがちょっとギャップができておるので、何とかひとつ本腰に考えてもらわなければ困るというようないろいろ各方面の要望がありますので、御趣旨の点を大いに生かして、私たちももうこれが一番頭痛の種でありますので、十分対処いたしたいと思います。
#15
○中沢伊登子君 たいへん情熱を持っていらっしゃることはよくわからせていただきましたが、労働省だけ婦人局長がいらっしゃるわけですから、この間、厚生大臣には私、この問題を提起いたしました。日本では縦割り行政ですから、なわ張りはいろいろあるのですけれども、こういう問題については労働省と厚生省とあるいは時によっては文部省といろいろ連携をとってお互いに協力し合いながら、この要員確保の問題やっていただきませんと、私ももう実は八年ぐらいこの問題をようくここで言っているのです。大臣から同じような答弁をいただくのです。ところが、なかなかそれが実行に移ってこないわけですね。ですから、加藤労働大臣にたいへん私どもも期待をかけておりますので、ひとつほんとうに厚生省やいろんなところと連携をとってやってください。これ、女性の問題でございますから、ひとつぜひともお願いします。
#16
○国務大臣(加藤常太郎君) これは答弁のための答弁でなく、きのうも事業団行って、このことばかり約二時間やったんでありますが、まあ、御期待されるようなことばをいただくと、なお一そう胸がうずくような感じで、この問題はいままででももうなかなか言うべくして、うまく、答弁をいたしますときに、ほんとうに御承知のとおり、御指摘のとおりの点があると思いますので、この問題に対しましては本格的に関係各省、やはりほかのほうは事業のほうに、こういろいろ仕事のほうに頭を置いて雇用確保、基準の問題、福祉の問題という方面は、これはやっぱり私どもから相手方が、関係省がつかなくても、やらなくちゃならぬと思いますので、これは本格的に何かひとつ、ただいままではちょっと言うだけではいけませんので、閣議でも取り上げて本格的な機構もつくって、やはりこの日常の仕事に追われていますと、悪い悪いと知りつつずるずるべったりに一そう改善されないということがありますので、この問題だけの何か連絡をして注意を喚起して、これが改善に向かうように、ほんとうにこれは対処いたします。
#17
○中沢伊登子君 そういう人たちの労働問題については、お隣にいらっしゃる小笠原先生があとでみっちりとやってくださるはずでございますので、私は次に進ましていただきます。
 そこで、労働基準法という法律がございますね、この労働基準法は昭和二十二年に制定をされてからもうすでに二十六年を経過するわけですけれども、「労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。」という理念、こういう理念のもとに制定以来、ほんとうに数多くの労働者が保護されたし、そしてまた労働組合運動にまで多くの好影響がもたらされたことは、これは否定できない事実だと思います。そしてすでに二十六年を経た今日、ILOを中心とする国際労働基準の改善は著しいものがありますし、なおかつ内外の情勢もずいぶん変化をし、さらには、最近における技術革新、合理化の進展等、職場環境もたいへん変化をしております。そして労働強化も著しくなっておりますし、また労働災害もずいぶん拡大をしてきておりますので、この労働基準法という法律の再検討をしたり、あるいは根本的な改正をする時期が来ているのではないかと思いますが、大臣はどのようにお考えになられますか。
#18
○国務大臣(加藤常太郎君) この問題はあとから、まあ、局長もこの問題ばかり、この間うちから言われまして、あとから補足の説明も基準局長からあると思いますが、もう二十六年になって、いろいろな点が現状にそぐわないというような意見が各方面から出ておるのであります。そういう意味で、根本的な問題としては基準法研究会でだいぶんこれは熱心にやっておるのであります。ただおざなりでなしに、週二日ぐらいで本腰でやっておりますので、もう御趣旨のようなことを着手いたさなくちゃならぬ、ILOのいろいろな問題にも、これが改正されなければ条約の批准の問題もできないというようなギャップもありますので、研究会で鋭意研究いたしておりますので、ぼちぼち――ぼちぼちでなしに、この問題は今年じゅうぐらいに何とか目鼻をつけたいという労働省の方針であります。
 詳細については渡邊基準局長から補足の説明をいたさせます。
#19
○政府委員(渡邊健二君) ただいま大臣からもお答えがございましたように、基準法施行以来すでに二十六年でございまして、いろいろとその間、産業情勢、社会情勢の変化もございますし、それに伴いまして、基準法がそのままでいいのかという点、いろいろ各方面からの意見もございます。そこで、労働省といたしましては、数年前から、学識経験者の方々に基準法研究会というものをつくっていただきまして、基準法施行の実情と問題点について御検討を願っておるところでございます。そして、これにつきまして、一番労働者の生命、身体に関係いたします安全衛生の問題につきましては、すでに四十六年の七月に報告が出まして、それに基づきまして昨年国会で安全衛生法を制定していただいたわけでございますし、また労働時間につきましては、四十七年の一月に中間報告がございまして、週休二日等については行政指導によってともかく推進をはかることがいい、その他の点についても検討をするようにというお話もございました。なお、それ以外にも、たくさん、女子年少者の問題、あるいは就業規則や労働契約上の問題、賃金に関するいろいろな基準法上の規定の問題、災害補償の問題等々もございます。それぞれ小委員会を設けまして、ただいま残った問題についても鋭意研究が進められておるところでございますので、私ども、その結果をいただきましたら、それを尊重いたしますとともに、各方面の意見も十分聞きながらこの問題については真剣に考えてまいりたいと、かように考えておるところでございます。
#20
○中沢伊登子君 私も、その研究会というものを持たれているということも伺いました。ところが、いまいろいろお話を伺いましたけれども、これは労働基準法に対する研究会ですね。それに、なぜ学者ばかりで労働界の代表がこれに入れてもらえないのか。それはなぜですか。
#21
○政府委員(渡邊健二君) これは、この研究会というのは純粋中立的、客観的に実施の実情と問題点をまず洗ってみよう、こういうのが研究会でございまして、そういう意味では労も入っておりませんが、使も入っておらない、専門家の方だけで進めておるわけでございます。ただ、もちろんその結果によりまして、もし基準法の改正問題そのものを研究する、検討するということになれば、これは法律に基づく三者構成の労働基準審議会というのがございますので、当然そこにかけて、具体的にいよいよ改正するかどうかという問題になればそういうところにかけることに相なっておるわけでございまして、その前段階としての実施の実情と問題点をひとつ検討し整理してもらうという趣旨で中立の立場の方だけで進めておるわけでございますが、各方面から出されております御意見等は十分その研究会に提供いたしまして検討の一つの資料にいましておるわけでございます。
#22
○中沢伊登子君 これから二、三女子の労働者の問題について御質問するわけですけれども、いまのお話で、大体その研究会の題目にもなっておる問題になろうかと思いますが、その点でお答えをいただければたいへんしあわせだと思います。
 その第一は、労働基準法の第四条の中で「使用者は、労働者が女子であることを理由として、賃金について、男子と差別的取扱をしてはならない。」、こういう条項があるわけですね。ところが初任給においてすらも賃金格差があるところが相当あると私も聞いておりますが、これは違反ではないのですか。また労働省としてこれを指示、監督すべきではないのですか。その点について、まずお伺いします。
#23
○政府委員(渡邊健二君) 基準法四条には、先生が御指摘のような条項があるわけでございまして、私どもこの条項によりまして給与の監督等をいたしております。まあ、初任給について格差がある場合も確かにあるわけでございますが、企業の賃金制度はいろいろまちまちでございまして一概には申せませんけれども、それがたとえば職種によって違うとか、差別しておるとか、あるいは年齢給、能力給、近ごろは職務給などのかみ合わせがございますので、そういう職務なり能力なりの査定によって違ってくるという場合でございますと、それが必ずしも性別による差別というふうには一概には言えないわけでございます。ただ、これは年にかなりの件のやはり違反というものを見つけまして、これは是正をさせておりますが、たとえて例を最近に申しますと、かなり大きい企業でもあった例でございますが、年齢給がその賃金制度の一部にある、そして、年齢とともに賃金が上がるわけでございますが、女子については二十何歳かで頭打ちになりましてあとは年齢が上がっても上がらない、男子のほうは年齢が上がれば上がる、こういうものは明らかにこの四条違反になりますので、そういうものにつきましては是正を命じ、いままで差別して不払いになっていた賃金をさかのぼって支払わせた、こういうような例もございますし、そのほかに、たとえば扶養手当等につきましても、男子で扶養家族がある場合には出すが、女子は、御主人がいない方で扶養家族があっても出さないというような制度をしております。こういう場合なども、やはり明らかにこれは性別による差別、こういうことになるわけでございます。そういうように、性別による差別であることが明瞭なものについては監督によりまして発見次第是正をさせておるところでございます。
#24
○中沢伊登子君 それでは、いま、たいへんいい例を御答弁になられたわけですが、もし、そういうふうな勧告をしても会社が言うことを聞かなかった場合、そういうときにはどうなさるか。いまのお話のとおり、まず初任給ですらバランスがとれていない、こういう点があるわけですね、こういう例が。それで、それが長いこと働いていると――まあそれはいろんな点もございます。女子には深夜業が認められていないということもあるし、いろんな労働条件の違う点もございますけれども、今度、ベースアップするときにだんだん、だんだん開いていくものですから、いまは、全体の平均では女子が男子の半分ぐらいでしょうか、平均にすればね、五〇%ぐらい。そういうふうな差が出てくるわけですから、女子によっては、もう働くのもいやだと、こんなことではもう働くのもあほらしいと、こういうような不平もこの間の婦人週間ですか、ああいうところでいろいろ講師を頼まれて行きますと、そういう問題がやっぱり一番大きいんです。その点はどうなんでしょうか。
#25
○政府委員(渡邊健二君) 確かに、全体の統計で見ますると五〇%、平均で言いますと女子の賃金が男子の五〇%そこそこでございます。ただ、先生ももちろん御承知のように、日本の場合は、多くの企業が学歴別、勤続年数別の賃金体系に相なっております。それに、近ごろは職務給や職能給がからんできておるわけでございますが、こうしますと、何と申しましても、女子でも近ごろは長く結婚後も勤務される方も多くなってきておりますが、平均いたしますと、やはり結婚でおやめにになる方等もございまして、男子よりも女子のほうが平均の勤続年数は短い、学歴も何といいましても女子よりも男子のほうが高い、そういうこともございます。それから、職務なども男子のほうが比較的、長年勤続しておりますと役付になっていくとかいうような職務の違いなどもあるわけでございまして、そういうことでの違いもかなりあるわけでございますので、平均してみますると五〇%そこそこだというだけで、全体が性による差別があるとも一がいには言い切れないわけでございますが、先ほども例で二、三申し上げましたように、それぞれの賃金規則から見て、明らかにこれが性だけを理由にした差別であるという場合には、これは当然に基準法四条違反ということになるわけでございますが、直させておるわけで、いままでのところ大部分これは基準法四条に違反するぞという指摘をいたしまして、是正の勧告をいたしますと、企業で聞いて直すのが大部分でございますが、もし万一どうしても聞かないようなことがあれば、これは基準法四条に罰則もございますので、司法処分等もとり得ることになっておるわけでございます。
  〔委員長退席、理事大橋和孝君着席〕
#26
○中沢伊登子君 それでは次に、妊産婦の時差出勤についてお伺いをしたいと思います。
 人事院は、昨年の七月の十五日に人事院規則を改正して、妊娠中の女子職員に所属長が認めた場合は一日一時間の範囲内で遅刻、早退を認めましたね。これはひどくなる一方の大都市やその周辺の通勤難で妊娠中の女子職員の早産や流産が多くなっているためだと思いますが、それ以来一年近くなりますね。昨年の七月十五日。その後の実施状況について伺いたいと思います。それが一つ。
 それからさらに、この制度が地方公務員にも及んでいるかどうか、その状況を伺いたいということと、さらに第三点目に、民間企業ではこの問題はどうしておられるか。当然民間労働者についても公務員同様の措置がとられるように企業側に指導すべきだと考えますが、いかがですか。
#27
○政府委員(高橋展子君) お尋ねの妊娠中の女子労働者の通勤に関するところの援助措置と申しますか、通勤緩和のための措置でございますが、御指摘のように、昨年勤労婦人福祉法ができまして、その直後に人事院におかれまして人事院規則を改正されまして、女子公務員につきまして御指摘のような通勤のための緩和措置をとられました。これに引き続きまして、自治省におきましても地方公務員である女子に対しまして同じような措置がとられるようにという趣旨の通達を地方庁に対して出しております。これらの通達に基づいて、どのようにと申しますか、何人ぐらいがこの措置を受けておるかということにつきましては私どもの所管外にもなることでございますし、目下のところ、その状況は把握いたしておりません。
 それから民間の企業に働く者についてはどのようになるかという点でございますが、これは勤労婦人福祉法の九条、十条に、やはり妊娠中及び出産後の勤労婦人の健康管理という観点から妊娠中の婦人につきましてその母体の健康を守ることができるように医師の指示等によって適切な措置をとること、また、その措置をとることを可能にするように事業主が配慮することが述べられておりまして、私どもは、この規定の趣旨を普及するにあたりましては、具体的には時差出勤等のことにつきまして示唆いたしておりまして、この措置をとらせるように指導をいたしております。ただ、これも何件というような数字の把握は目下のところはいたしておりません。
#28
○中沢伊登子君 あとで勤労婦人福祉法――総まとめでお尋ねを最後にしておきますけれども、それでは、最近、働く女性がたいへん多くなりましたが、そのうちの既婚者がもう五三%をこえたと伺っておりますが、どうしてもそういう人たちが働くためには保育所が必要でございます。そこで、保育所の問題は、これも再三再四この委員会でもいろんな委員から御質問があったわけですけれども、きょうは特に事業所内の保育所の問題についてお伺いをしたいと思います。この事業所内の保育所というものをどのようにとらえていらっしゃるのか、そしてまた、これはいまどれくらい普及しているのか。聞くところによりますと、この事業所内の保育所というのは中途はんぱでなかなか、厚生省が責任を持つのか労働省が責任を持つのかというようなことがあいまいでたいへん中途はんぱだ、こういう話を聞いておりますが、その点をお答えいただきたいと思います。
#29
○政府委員(高橋展子君) 企業内の保育施設につきましては、私どもといたしましては、地域のいわゆる公立の保育所等を補完するものといたしまして、その有効性というものを前から認識いたしているところでございます。特に母親の就労の時間帯等が特殊な場合には、地域の保育所では子供を預かる時間と母親の働く時間との間にズレがあるということがございまして、企業内の保育施設というものがたいへんに役に立つというように考えております。そのような観点から、私どもは、事業主が自主的な努力によりまして、その企業に働く婦人のためにこのような施設をおつくりになるということは歓迎し、また奨励いたしたいと考えておりまして、その意味で従来から雇用促進事業団の融資制度の中で企業内の保育施設を設置する事業主に対しては低利融資を行なうというような措置を行なっているところでございます。現在、どの程度の企業内にそのような施設があるかということにつきましては、これも全数調査というようなものはございませんが、推定されますところでは三十人以上の全企業のうち、一・七%程度の企業でこれをやっているというような推計ができているところでございます。で、また、これらの企業内の保育施設がそこに預けられる子供の安全、あるいは衛生といったような観点から十分なものであり、また児童福祉の理念にかなうように運営されるべきであることは言うまでもないところだと思います。で、そのため労働省といたしましては厚生省等の関係機関と連携をとりながら、この企業内の保育施設のレベルアップということのためには努力をいたしているところでございますが、御指摘のように、事業主がみずからの負担で、みずからの責任で建てるということでございまするので、なかなかその施設間にいろいろと開きがあるようでございます。たいへんにりっぱなところもあれば、問題のなしとしない事業場もあるようでございます。ただ、これらの施設の設備ないしは運営についての行政上の指導監督という点につきましては、これは児童福祉法に基づきまして厚生省が行なうと、このようなたてまえになっておりますので、私どもといたしましても、厚生省と御連絡をとりながら、レベルアップということについて協力いたしたいと、このように考えております。
#30
○中沢伊登子君 それではさらにILOの加盟の百二十一カ国の中で批准状況は第五十九位ということを伺っておりますが、現在そうですか。この、何というのですか、この私の見てまいりました資料は少し古いのでしょうか。それともやっぱりいまでもそうなんでしょうか。それで、また、日本が批准している条約は二十九条約ということですが、これはそのとおりですか。
#31
○政府委員(藤繩正勝君) ただいま五十六位でございまして、それから批准されておる条約は二十九でございます。ただ、今国会に新たに二条約を出しておりまして、御承認がいただければ三十一になるということでございます。
#32
○中沢伊登子君 まあ、五十九位が五十六位に上がったといっても、これはたいへん不名誉なことで、あといま二つはどの条約か、お聞かせいただきたいわけですけれども、ILOでは一九七一年の第五十六回総会までに百三十四の条約と百三十八の勧告がなされているのに、日本ではこの状態でございますね。今後前向きに対処していくお考えだとは思いますが、どのようにお考えでございますか。それで、いま二つ出していらっしゃる法律、ILOのナンバーも教えていただきたいのですが、さっそく百十一号を批准をしてほしいと、このようなことが女子の労働組合から相当な強い要望となっているのですが、これも批准されるかどうか、お答えいただきたい。
#33
○国務大臣(加藤常太郎君) 今回のは外務委員会のほうにかかっておりまして、電離放射線の百十五号、それから機械その他の防護の関係の、おもに安全衛生法によって、安全衛生法ができましてから国内法が整備されましたので、百十五号が電離放射線、百十九号が機械の防護の関係、まあ、これは御承認されましたらこれが二つ追加で三十一と、こういうことなんで、もう御指摘のように、何とか五十何番目というようなことは必ずしも自慢になりません。役所のほうでは、よく大体中ぐらいのところで平均の三十一にいったんだからと言いおりますが、今後は条約の関係は近代国家としていろいろこれに対しまして、批准には前向きでやる所存であります。しかし、先ほどちょっと触れましたが、日本のほうは国内法と批准の問題とが、これは並行していきたいというので、いまの労働基準法の改正も、この問題もからんできておりますので、今後大いにこれに対しましては積極的に対処いたす所存であります。
#34
○中沢伊登子君 まあ、いまのお答えのとおりだろうと思いますけれども、労働基準法を改正するにあたってぜひともいまの百十一号あるいは百三号、これはぜひとも早急に批准をしていただきたいと思います。この百三号とか百二号とか百十一号ですね、これもずいぶん前からこの労働委員会で議論されていると思いますので、早急にこれを批准ができるようにしていっていただきたいと思います。
 それからもう一つ、育児休業の問題です。この育児休業の賃金保障について、失業保険の中で考えてもいいというような御答弁が、この間、全国婦人のつどいのあと、労働大臣のほうに陳情に伺ったときだったと思いますが、そういうお答えがあったように私、聞いております。そこで、やがてその失業保険も改正をしなければならないのではないですか。おそらくそうだろうと思いますが、そういうことであれば、ぜひともこの育児休業の賃金保障については、失業保険の改正のときにこの中で必ず考えていただきたい。この育児休業の問題も、初めは女子の先生たちから提案された問題でございまして、私ども超党派で女性議員がずいぶんこの問題もいろいろ議論をしたり検討をしたり、それで何とかこれをやりたいと、こういうふうに言っておったのですが、初めの要求が、休業している間も八〇%とかいう話がありまして、それではどうとかこうとかいう話になって、だんだん下がって、いま何か二五%まで下がっちゃったような感じでございますけれども、それにしても何とかこの育児休業を早く実施して、そうして賃金保障もゼロではとてもじゃありません、これはできることではございませんので、何とか失業保険の改正の中でできればひとつこれを当然考えてみていただきたい、このように思いますが、いかがでしよう。
#35
○政府委員(高橋展子君) お尋ねの育児休業の問題につきましては、昨年制定されました勤労婦人福祉法の中でその十一条に初めて育児休業という制度が提示されているわけでございます。で、この法律によりますと、事業主はこの必要に応じて育児休業という制度を導入するように努力するようにと、このような趣旨のことが規定されております。で、この育児休業につきましては、したがいまして、その休業期間中有給にするとか無給にするとかということは法律上何にも触れられておりません。また育児休業制度を実施するかどうかは、これは労使の話し合いということになろうかと思いますが、行政といたしましては、この制度を導入することを強く指導していると、このような経緯でございます。
 で、ただいまお尋ねの休業期間中の生活問題と申しますか、所得がなくなるという点についての問題でございますが、これらの点を含めまして、この育児休業をどのような形で、たとえばどのような長さの間、あるいはまた職種別にはどのようなところを優先的に普及したらいいかというようなこと等を含めまして、目下育児休業研究会議というものを労働省に設置いたしておりまして、各方面の専門の方々、たとえばお医者さま、あるいは児童福祉の方、あるいは児童心理の方、あるいは財政の専門の方といったような方々による専門的な検討をお願いいたしているということでございまして、この点につきましては鋭意取り組んでおります。
 なお、失業保険云々につきましては安定局長のほうから……。
#36
○政府委員(道正邦彦君) 失業保険制度の改正につきましては、先生も御承知のように四十四年の失業保険法の改正法案の附則におきまして五十一年の一月末までに農林水産業を含めて全面適用について検討するという規定がなされております。つまり五十年度の予算に間に合うように検討をしなきゃいかぬということが法律上の義務になっておるわけでございます。そういう意味で現在労働省におきましては研究を進めております。ただ、先生御指摘の育児休業について失業保険給付をするかどうかということは失業保険ということと、在職のまま休業するということでございますから、現行の失業保険制度の考え方を踏襲する限りにおきましては原理的に問題があろうかと思います。ただほかの法律、制度と同じく失業保険につきましても法制定後二十数年たっております。その間に雇用あるいは失業情勢も基本的に変化を見ております。そういう新しい段階にあって失業保険制度のあり方がいままでのままでいいかどうかという基本的な問題がございます。そういう問題を検討するわけでございますから、その結論がまあ、いままでみたいな失業保険という狭義の保険ではなくて、まあ何と申しますか、雇用保険みたいなもう少しこう拡大したような制度でもいいんじゃないかというような議論もあるわけでございますが、その辺の制度のあり方との関連で検討をしてまいりたいと、現在の失業保険制度において休業手当にかわるようなものを出すということについては非常に原理的な問題があるということでございます。
#37
○中沢伊登子君 時間も私、四十分までということですが、まあいま四、五点お伺いをいたしたわけですけれども、勤労婦人福祉法が昨年できまして、その当時衆参両院で附帯決議をつけております。ずいぶん何項目かあるわけですけれども、その附帯決議の中にもいろいろ盛り込まれておることについて、いまお伺いした中ではいろいろ御配慮いただいているようではございますが、さらに今後も附帯決議に沿って配慮されていかれるかと思いますが、その点はいかがでございましょうか。
#38
○国務大臣(加藤常太郎君) あとから、まあ婦人局長から補足で詳しく御説明いたしますが、もう一年にもなりますし、勤労婦人福祉対策基本方針のもとに十分配慮いたしまして、附帯決議が、先ほどよく見たんでありますが、相当の項目にわたっておりますので、やはりこの附帯決議をつけてこれを尊重せぬというのはいけませんので、関係の各省とも連携をとりまして、婦人の福祉の増進に――この点の中で相当もう大事な問題もありますのでこれに対して前向きで対処いたす所存であります。まあ、専門家にもう少し補足して説明させます。
#39
○政府委員(高橋展子君) 附帯決議につきましては、総括的にはただいま大臣からお答えしたとおりでございまして、近く勤労婦人福祉対策基本方針というものを大臣が定めることになっております。これはやはり勤労婦人福祉法の中にそのように規定されているところでございますが、その基本方針の中に全体としてこの附帯決議の御趣旨というものを十分に反映させてまいりたいと思っております。しかし、この基本方針の策定を待つまでもなく法施行以来もう一年近くになりますので、その間すでに啓発活動に直ちに取り入れたものもございますれば、また、研究活動を開始したものもございます。で、若干例を申し上げますと、たとえばこの附帯決議の、衆院及び参院大体同様趣旨でございますので、かいつまんで申し上げますと、その中で差別的なことを排するようにということが強調されておりますが、たとえばその中で結婚退職とか若年定年等の性による不合理な差別を解消するという趣旨で啓発活動を強力に進めてまいっておりまして、多くの是正をすでに見ておるところでございます。あるいはまた、この中にも両院で触れられております育児休業の件につきましては、先ほどお答え申し上げましたとおり、研究会議を設置して検討を進めておりますし、さらにまた、この中にございます「妊娠中・出産後の健康管理」という点につきましては、これも同じく研究会議を設置いたしまして事業主に対する健康管理の指導の基準といったものの策定を急いでいるところでございます。これらの研究の検討結果を待ちましてすみやかに積極的な普及をはかってまいりたいと思います。さらにまたこの附帯決議で働く婦人の家の増設、拡充等がいわれておられますが、この点につきましても増設、機能の充実につとめており、本年度の予算では新たに十三カ所の働く婦人の家の増設を見ることになりましたし、また、その中で五カ所は特に大型の非常に機能の充実したものとして計上されているところでございます。あるいはこの附帯決議で触れられております「保育施設」の点につきましても、これは主として厚生省の所管でございますので、厚生省等と連携をとりながら整備の促進について進めておるところでございます。
#40
○中沢伊登子君 もう二分だけ時間が残っております。
 どうせ今後は働く婦人というのはさらにふえていくと思いますし、また婦人の労働力がなければとてもこれから労働力を満たしていくことができないと思いますので、いまの局長のお話たいへんうれしいことでございますが、さらにこの女子労働者の問題について突っ込んでいっていただきますように要望をいたしておきます。
 それから最後に一つお伺いしたいのは、大臣の所信表明の中に中高年齢者、つまり老人対策の問題も含まれているわけですけれども、この間も厚生大臣にも私、お話を申し上げ、質問も申し上げておったわけですけれども、最近のお年寄りというのはもう七十歳がまあ一応の平均年齢になっておりますね、相当高い年齢でございます。その中で、おそらく労働省もいわゆる働いている人たちの六十歳定年ということは心がけていらっしゃると思いますし、だんだん世論もそのようになってくるとは思いますけれども、その後の十年間ですね、その後の十年間について、日本人というのは非常に勤労意欲を持っているわけですから、まだ六十歳では相当若くて元気でございますから、その後の十年間、その問題をどのように考えていらっしゃるか。そして、労働省のこれは資料なんですけれども、「高齢者雇用対策の推進」ということで、「職業訓練の拡充により、高齢者の雇用対策を推進する。」と、こういうことですが、これも労働省だけが考えるんではなくて、肉体的な限度も考えたりして厚生省とやっぱり話し合いをしながら、どういったような職場にこれを雇ってもらえるのか、そこら辺はただこういうふうな条文で書かれただけでは、何かかっこいいことだけ言っているだけで、こういう高齢者の雇用対策というのは一体どういうところに働き場があるのか。その辺をどのように考えていらっしゃるか、お尋ねをして終わりたいと思います。
#41
○国務大臣(加藤常太郎君) 今後の雇用対策につきましては、最近の経済の成長によりまして、求人のほうが多くて求職のほうが払底しておると、若い方は大体バランスはどっちかといえば、求人が多くて与えるほうが少ない。ところが、高年者の問題がなかなかいろいろな条件、定年制の問題とか、しかし日本人の年齢が相当寿命も延びておりますし、私どもももう頭がこんなでありますけれども、まだやれると思うような、各方面を見ましても、この問題が今後の雇用対策の眼目と思います。これは恥ずかしい次第でありますが、この間、新聞にも大きく行管がわれわれと厚生省と両省に対してこの問題に対して警告、勧告というようなことがありまして、おい、これちょっとていさいが悪いけど、あの調査は法律ができます、施行します四カ月ぐらい前の行管の調査でありまして、必ずしも新聞のとおりではありませんけれども、しかし、この勧告を生かしてこれは本腰でやろうぞと、いろいろ役所の関係はいろいろ会議開いてもなかなか大臣の思うようにいきませんけれども、これはもう厳命だというので、二十五日に出先の機関呼んで親切にやっておろうけれども、やはり役所の仕事はこの問題が手抜かりになるから、行管のこともあるから、ひとつ大臣が直接みなに話をして、この問題に対処しようと、こういうように根本的に今度、本年度の新しい予算、新政策と、こういう面でもこれは一番に取り上げろと、労働省でもこれがもう今後はここ四、五年で変わってきたんでありますから、定年延長、これに関します法律も雇用の法律をこれから御審議願うようになっておりますが、御指摘のとおりこれがもう一番大事なことと思います。
 局長からちょっと一分ぐらい補足させますけど……。
#42
○政府委員(道正邦彦君) 御承知のように四十六年に制定されました中高年齢者の雇用促進特別措置法というのがございますが、この法律によりまして中高年というのは一応四十五歳から六十五歳、特に高年は五十五歳以上ということで、そういうふうになっているわけでございます。当面六十歳までの定年延長、要するに五十五歳が非常に多いわけでございますが、これを可及的すみやかに六十歳まで持っていくという内容の雇用対策法の改正案を御審議願うようになっているわけでございますが、御指摘のように今後は寿命も延びてまいります。そういうことで、六十歳では諸外国の例等を見ましても低いわけでございまして、われわれといたしましては六十五歳までは可能な限り働いていただくということでなければならないと思います。ただ、現状が五十五歳が非常に多いということ。それから厚生年金の支給が六十歳からであるということもございますので、当面の目標といたしましては六十歳までの定年延長ということに力点を置いて進めてまいりたいということでございます。
 なお、訓練について御質問がございましたけれども、定年延長を促進するわけでございまするけれども、その間にあってどうしても定年延長ができないという事業所も中には出てくると思うのでございます。そういう場合には転職していただくわけでございますので、そういう方々を企業と職業安定所が連携をとりまして、個別の事業場の個々の定年到達者一人一人を把握して、できるかできないかと、できないとすればどういう方ができない、とすればどういう転職の希望があるか、それを定年前から訓練する。その訓練も、相当高年齢でございますから、いわゆる訓練校に入って受ける訓練だけでなくて、講習形式のもの等を加味して、両者合わせて転職の便宜をはかっていきたいということで、予算的にも措置をしてあるわけでございます。
#43
○小笠原貞子君 社会福祉施設職員の労働時間の問題について、まずお伺いいたします。
 労働大臣、所信表明演説ここでなさいました中で、「福祉優先を基本とし、すべての労働者とその家族の「明るく豊かで安心できる暮らし」の実現を目標として、実効のある対策を勇断をもって推進いたしたい」と、こうお述べになっていらっしゃいます。まことにけっこうだと思います。
 まず最初に確認しておきたいことは、めんどうくさいことではございません、大臣自身としての決意をもって、されることが、できることがあるならば、ここに書かれているとおり「勇断をもって」実行していただくというふうに認識してよろしゅうございますか。
#44
○国務大臣(加藤常太郎君) 御趣旨のとおり、本腰を入れてやります。
#45
○小笠原貞子君 そういうことで、それを土台にして質問にお答えをいただきたいと思います。
 基準局が四十七年の五月に福祉施設に対する監督をされていらっしゃるわけですけれども、その調査をされました中でおもな違反事項、違反条項、どういうことが違反になっているか、また女子の労働者の労働時間というのはどういうふうになっているか、調査の結果が出されていると思いますので、お答えいただきたいと思います。
#46
○政府委員(渡邊健二君) 四十七年の五月に社会福祉施設関係につきまして全国で一斉の監督を実施したわけでございますが、その結果、違反関係が多い項目といたしましては、労働時間の関係、これが一番多いわけでございます。そのほか多いものといたしましては、就業規則の問題、休憩の問題、それから割り増し賃金等が違反が多い項目に相なっております。
#47
○小笠原貞子君 いまのお答えになりましたように、私もこれを読ませていただきまして、非常に違反の多いということと、そしてその違反の内容については、労働時間が非常に長く、これについても「健康診断のほかこれら職員の作業全般にわたって検討を加え健康管理を進める必要がある。」と指摘されているとおりだと思うわけなんです。
 そういう状態がなぜ起こってくるかということを考えますと、まあいろいろ社会的な要請があり、施設をかかえていればしなければならないというようなことがあろうかと思いますけれども、具体的にこう見てみますと、社会福祉施設職員については、基準法の四十条、そして同法施行規則の二十七条で、八時間労働の原則から適用除外ということになっておりますですね。そして、一日九時間まで週五十四時間までと、こういうふうに明記されているところに非常に大きな問題があるんじゃないか。先ほどから週休二日制というようなことが、いまもう当面の問題として出されているときに、週休二日制どころじゃない、一日九時間労働まではいいんだというふうに出ているというところが、私は一つの大きな問題になると思うんですけれども、こういう適用除外で九時間、週五十四時間まで働かせてよいということになっている、この根拠は一体どういうところにお持ちになっていらっしゃいますか。
#48
○政府委員(渡邊健二君) 社会福祉施設については、いま先生が御指摘のとおりでございますが、基準法四十条で八時間労働の例外が定められることになっておりまして、それに基づきまして施行規則の二十七条で九時間労働が認められているものが幾つかあるわけでございます。これは社会福祉施設だけでございませんで、小規模の販売業、それから理容業、まあ旅館、飲食店等がそれらの事業にあがっておるわけでございます。これは、それらのものはやはり公衆の利便を――できるだけ不便を避ける。こういう趣旨で例外が認められておるわけでございます。ただ、先生御指摘のように、最近の一般の時間短縮あるいは週休二日制増加、こういうような状況の中で、このままでいいのかどうかと、こういう御意見もあるわけでございます。私どもも時間短縮が望ましいことは当然だと考えまして、例外が認められておりますが、できるだけ時間短縮を進めるように指導はいたしておりますけれども、さらにこの基準法四十条あるいは施行規則二十七条自身につきましても、先ほども中沢先生にお答え申し上げましたように、基準法全体の現状のままでいいかという問題の一つのこれは問題点であろうと考えておるわけでございまして、そういう意味におきまして基準法研究会等の御検討及び各方面の御意見を聞いて、今後真剣に検討してまいりたいと、かように考えておるところでございます。
#49
○国務大臣(加藤常太郎君) いま、渡邊基準局長から御答弁いたしたとおりで、まあ、これは基準法の制定のときには、国民の立場ということを重点に置いて四十条で例外を設けたんでありますが、その関係もずっと続いてはきておりますけれども、いま言ったように世界の趨勢、片一方は二日制でいって、ことによったら四十八時間から短縮しようというときに、九時間というのが、これは国民の理解を得なくちゃならぬけれども、利便もあるがちょっとこう少し古びたと、時勢に合わないというようなギャップが出てきておるんであります。基準法の研究会でももうどうだというような意見がだいぶ台頭してきておりますし、御指摘のほうも大体この点がどうだという御趣旨と思いますので、まあ、やはりこれは改正する方向で大臣としても、もうという気に、考えが省内でもやや意見がまとまっておりますし、それを受けまして基準法研究会のほうでも大体その線が強くなってきておると、こういう現状で、しかし、朝令暮改になってもいけませんので、この点は十分研究会の課題で審議いたしておりますので、今後の審議の、研究の結果、その方向でいくように進んでおります。
#50
○小笠原貞子君 いろいろな職種に限って、そういうふうに除外されているわけですけれど、私いま中心に問題を置いているのは福祉施設のことを問題に言っているわけなんです。この福祉施設を見ますと、養護施設だけではなくて、精薄児の施設や肢体不自由児、保育所と全般にわたってこういう傾向が出ているわけなんですね。いま局長も大臣もお認めになったように、まあ先ほどから言っているように週休二日制が論じられるような時代になっては、これはもうまさに前世紀的な遺物だというふうなことが言えると思うんです。私がここで強調したいことは、ただ一時間でも時間を長くしていれば国民や市民のためになるということだけでは考えられないんじゃないか。つまり御商売なんかやって、夜一時間延ばしていて、みんなの便利のサービスをするというのと違うわけですね。つまり、あとで問題にしますけれども、ここで働く人たちというのは、八時間労働でも私はこれはちょっとまだ問題だと思う。非常に労働ということから考えますと、肉体的に破壊されているわけですね。さっきの調査でもいわれているように、健康上の問題から見ても、この時間が九時間ということはたいへんな問題になってきているわけなんです。そういうことが結果的には人員を確保するということにも困難を来たしておりますし、また、せっかく確保された人員に対しても、結局これでは続かないということでやめていくということになれば、これは一般的な問題ではなくって、やはりそういう社会福祉施設に働く非常に労働が強いという場所においては、これはもう当然のこととして、こういう適用除外というようなことではなくて、やはり最低八時間ということまではやってもらわなければいけないと思うんですね。そうでないと、社会福祉施設でこれが許されているというのは、どうもやっぱり昔からの社会奉仕なんだと。あなたたちがやってくれなければこの人たちはもう困るのですからというようなことで押しつけられたような思想が、古いのが残っておりますね。だから、これが許されていままでもきたと思うのですよ。
 そこで、やっぱりそういうことではなくて、やはり働く人たちの健康を守り、ほんとうにいい施設での仕事をするという立場で考えれば、もっときちっとした考えに立たなければならないじゃないか。そうしますと、法的にこの問題についてお伺いしたいんですけれども、この適用除外という施行規則でございますね。これは労働省令でございますでしょう。そうすると、労働省の、労働大臣の責任においてこれを改正ということも、除外、取るということも権限としては可能な問題だと、こう理解してよろしゅうございますね。
#51
○国務大臣(加藤常太郎君) もう御指摘のとおりで、社会福祉ということはこれは大事だという方面から考えると、これは奉仕の信念で、大衆のためにやらにゃいかぬということから、こう四十条の規定が設けられたんでありますが、このごろ社会福祉施設、先ほど中沢委員にも申し上げたとおり、なかなか人員の確保はむずかしいのであります。これは賃金の問題も悪い。はなはだかようなことを申すのは労働省としてはぐあい悪いんでありますが、賃金が悪いから人が集まらぬ。そこへもってきて、賃金だけでなく世の中が変わってきておるんでありますから、過剰労働ということも人が集らぬ最大の要素になっておりますので、審議会の意見も法律で尊重しなくちゃならぬとなっておりますが、これは労働省のほうでやれますから、先ほどもお答えしたように大体御趣旨の線でいまいろいろな……、大臣ぴしゃっと言いたいんでありますが、これはやっぱり行政機構というのはいろいろワクがありますので、そのほうのほうもできるだけ早く進行さして、御趣旨に沿うような方向にいきます、これは。
#52
○小笠原貞子君 御趣旨にもちろん沿ってもらわなければ困るわけなんですが、先ほどから言いましたように、これは労働省令だから労働大臣の権限でできるものであるということは確実なわけですね。で、労働大臣としてはそれはいますぐはいと言うわけにはいかないと。それは労働基準審議会なんかの場所を通さなければいけないと、こういうふうな結果になるわけです。どこを通さなければ、どこを通せば大臣の権限でできるということになりますか。基準審議会のほうか。
#53
○政府委員(渡邊健二君) 法律上は、基準法上の施行の重要事項を審議することになっております基準審議会にかけることになっております。
#54
○小笠原貞子君 そうですね。じゃあ、その基準審議会というのに早急にかけて、そうしてその結論をもらわなければならないわけでしょう。そういうことを具体的に大臣がいまの姿勢でお進みになるとすれば具体的な日程としてはどういうふうに考えられますでしょうか。
#55
○政府委員(渡邊健二君) ただいま大臣もお答え申しましたような方向でわれわれもできるだけすみやかに検討いたしたいと考えておりますが、いろいろ社会福祉施設関係でございますと、公立の問題などもございます。いろいろそういうことで政府部内の意見調整等々もございますので、それらを十分考えながら大臣がお答え申し上げましたようなことで努力をいたしたいと考えております。
#56
○小笠原貞子君 もう一つ大臣にちゃんと聞いておいていただきたいことがあるんですけれども、四十五年十二月に中央児童福祉審議会の具申というのが出されておりますね。それを読ませていただいたわけなんですけれども、これにもやはりそういう施設の職員の労働時間というのが非常に多くなっているということが指摘されているわけですね。そういうことも十分御承知だろうと思いますが、そうでございましょうね、御承知の上だと思いますが。
#57
○政府委員(高橋展子君) ただいま御指摘の中央児童福祉審議会はこれは厚生大臣の諮問機関でございまして、そのような答申が出されたかに伺っておりますが、現在手元に資料がございません。
#58
○小笠原貞子君 そういうふうにいろいろの関係のところでこの問題について労働時間が非常に問題になってきて、当然これは適用除外ということをなくしていただきたいということの裏づけのために私がいままた持ち出したわけですが、去年の私、予算委員会で身障児・者の問題について発言しましたときも前向きに検討したいというようなお答えをいただきました。これは先ほどから言っているように単なる労働条件の問題だけではなくて、社会福祉施設の内容を、社会福祉の内容をほんとうに高められるかどうかということにかかってきているわけですね。だから一般の労働条件、労働時間の問題というのとは違って、福祉をほんとうに優先させてという所信表明のとおりであるとすれば、これは非常に大きな問題として内容的にも私は取り上げていただきたいと思うわけなんです。それについて前向きに検討したいと、善処したいということを言われるんですけれども、いつも前向きなんですね。前向きだけれどもさっぱり進まないんですよ。これは何年も前向いちゃったまんまでね。(笑声)それ、ほんとうだわよね。だからほんとうに困っている。ほんと、みんな前へ向いているんだけれども、さっぱり進まないですよ。それで進むのは病気のほうが進んじゃうわけですからね。だから私は、きょうどうしても、もうちょっと具体的に詰めて、何とかお答えをいただきたいわけなんです。だから労働基準審議会のほうに大体いつごろ出すということをめどとしてやるのか。そうでないとまた来年まで立ちんぼじゃ困るわけです。そこのところちょっと具体的にお答えをいただきたいんです。
#59
○政府委員(渡邊健二君) 先ほどもお答え申し上げましたように、法律に基づく規則は確かに労働省令でございますけれども、実際にそれを改正いたしますれば、実施が確保できるような体制を同時にとらなければいけないわけでございまして、それらにつきましては、いろいろ関係省との事前の調整等々も必要でございますので、それらをできるだけすみやかに進めまして、先ほど大臣がお答え申し上げましたような方向で努力をいたしたいと、かように考えます。
#60
○国務大臣(加藤常太郎君) 前向きでいままで私もよく聞いたんでありますが、人員の関係がこれ、からんでくるんであります。そうすると、ざっくばらんに申し上げますと、私、思ったことを言い過ぎるんで、あれですけれども、結局がまあ大蔵省との折衝がなかなか、人が足らぬようになるから、すぐ人員をふやせとなると予算の関係があるから、本腰をひとつ――いままで歴代の大臣からもいろいろ話があったところでありますが、これは体制が変わっておりますので、一ぺん大蔵大臣とも相談し、厚生省、厚生大臣とも関係あるんです。それでやはり省によって少しこうニュアンスがこれは立場上いたしかたない、出せば渋る、片方のほうはと、こういうような関係で、前向きでありながらもうちょっと前進しなかった。これはもう御指摘のとおりでありますので、大臣に直接私会って、「おい、これ、もうやってくれ」と、それで特に懇請しまして、前向きでなしにこれが実現するように本腰でやってみます、これは。いろいろネックがあることも私が申し上げなくてもよく御存じと思いますが、さっそくあす閣議でありますから、大蔵大臣と話してみますわ。えらいどうも内輪の話を申し上げて相済まぬのでありますが、さっそくあした大蔵大臣とやってくれと、これは役人と役人とやると前向きであって、それがうまくいかぬのでありますから、大臣とひとつ懇談して、上から下へ行って、そうして役所のほうで進めると、こういうふうな方向でいってみます。厚生大臣はわりかたまあ理解を示しているのでありますが、これもそういう関係でありますので、あしたさっそく答弁だけでなしに着手してみます。
#61
○小笠原貞子君 たいへん積極的な御発言なので、そうですかと下がりたいのですけれども、ちょっとやはり下がれないのです。と申しますのは、いろいろ隘路があるというのは私、十分承知しております。つまり大臣がおっしゃいますのには、大臣としてはそれはやりたいのだ。しかし人員の問題がある、とすればこれに予算が伴う。だから各省庁ともいろいろ話し合って体制がとれなければできないのだと、こういうことになるわけですよ。これでは全く逆なんです、考え方が。私は去年の予算委員会のときに身障者の教育の問題を取り上げましたけれども、なぜあれが免除だの猶予だのされているかと――あれがほんとうに義務教育、教育を受ける権利があるのだという教育権の保障の問題から、憲法上から考えれば、あれが義務教育を当然受けられるのだということになれば、いやでもこれは学校をつくらなければならないのですよ。いやでも先生を配置しなければならないのですよ。いまのような大臣の順序でいきますと、そうすると過密地帯になって、どんどん東京周辺というものは子供が多くなってまいります。そうするとこれはやりたいのだけれども、用地が買収できません、お金がたいへんかかりますなんということで、それでできなくなるのですよ。しかし、それは教育というものは、義務教育はこれは義務教育なんだと書かれている、それが基礎になって、そこに根拠があるからこそ、赤字財政であろうとなかろうと学校をつくらなければならないということで、いまやっているから子供の教育権が保障されるということになるわけなんですよ。だから考え方が逆なんですね。労働大臣というのは、そういう大蔵大臣の立場なんか考える必要ないのですよ。労働大臣の立場をき然と持ってくだすって、そうして、こういうことではたいへんだ、社会福祉の内容を充実させると、そして労働者の健康を守ると、そうすれば労働大臣の権限で、この適用除外というのはなくしちゃって、当然これは八時間労働でやるべきだというのを、きちっと労働大臣の権限でおやりになれば、やらなければならない、ここに根拠があるのだから、やらなければならないから、人数をふやさなければならない、だからお金が要るのだと、こっちへ押していけるのですよ。こっちを聞いておいてやりましょうなんといったら大蔵省は全然だめですよ、いままでの経過から見ても。だからそれは逆なんですね。だからもうあした閣議にかけてくださるのはたいへんけっこうですけれども、そこのところでおっしゃるときに、労働大臣としてはここのところを、適用除外というのをなくしちゃうのだと、それで最高八時間にするのだから、あとはそれに従って各省やれというくらいに、労働大臣はがんばらなくちゃだめだと思うのですよ。そうでないと同じだものね、いままでと。これは絶対きょうは下がれないのです、その辺のところ。
#62
○国務大臣(加藤常太郎君) なかなか痛いところをつかれまして、そのとおりやったらいいのでありますが、いままでが、それがなかなかいかぬので、もう私、あす、話をするときにも、その方針でぶち当たる気持ちであります、御趣旨のとおり。ただ頼んでみたってこれはうまくいきません。そういう意味で、御趣旨のような線でぶち当たらぬと、ちっとがんばらぬとこれはうまくいきませんから、婦人議員だからなかなかうまいこと言っているんじゃなくて、本腰でやります、これは。
#63
○小笠原貞子君 まあ、そういうこと、わかっていただけたと思いますけれども、ぜひ労働大臣の権限で、これ、できるんだと、だから、私、一番先の質問で確認したんですよ。ほかの関係省庁と相談しなくてもできることについては勇断をもってやるんだと、だから確認したんです、私は、一番先に。だから、そういうことをしっかり私はやってもらいたいと、そう思うわけなんで、まあ、いますぐ返事しろといっても無理かもしれませんけれども、労働大臣の権限でここのところは、まず、主体性を持って改善していくと、そして福祉の内容を高め、労働者の健康を守るということで再度しつこいようでございますけれども、労働大臣、期待してよろしいですね。
#64
○国務大臣(加藤常太郎君) 御趣旨に沿うようにやります、これは。期待して実現、必ず――期待してというと、ひょっとしてできないとき、たいへんなことになりますから、本腰で御趣旨のような、これは内容のかけ引きについてはおまかせ願って、御趣旨に沿うような線でひとつぶち当たります。
#65
○小笠原貞子君 それでは、あしたの閣議で御趣旨に沿ってくださるというおことばを信頼いたしまして、次の問題に移りたいと思いますが、どうぞしっかりがんばってください。その結果、私、見ていますし、しつこいようですけれども、ずっとこれを追っていきますから。もしその結果のいかんによっては、また再度質問させていただきますのでよろしくお願いします。
 それでは次に、こういうところの職員の病気ですね、職業病みたいに、いま、腰痛が非常にふえているわけなんです。御承知だと思います。一部、労災認定がされているわけなんですけれども、全国的に見た場合にどういうふうな傾向になっておりますでしょうか。
#66
○政府委員(渡邊健二君) 業務に基づく腰痛症、これは昭和四十六年度の労災補償の状況で見ますると、休業八日以上の者が全産業で三千三百十二ということに相なっております。ただ、これはどこで起きたかという部門別にまでは見ておりませんので、社会福祉関係でそのうち何人が入っているかまでは、これは資料がございません。ただ、個別の事例といたしましては、いろいろ社会的にも問題になっております東京の島田療育園などでも三名認められておりますし、あるいは岩手のキンダーホーム保育園でも一名、あるいは滋賀の第二びわこ学園などでは、ここ数年間で認定を受けた者といたしまして、これは何年分ですか、ちょっとはっきりしませんが、二十一名のいままで認定を受けておるというように、それぞれに応じまして業務上の疾病としての認定が進められておるところでございます。
#67
○小笠原貞子君 その業務上で、こういう施設の場合の職業による認定というのがはっきりわからないというところに、また一つ問題があると思うんですけれども、やっぱりこういう施設で、非常に私たち、一般的に見ても腰痛がふえてきているということは言えると思うんです。だから、そういう意味でこの問題もう少し重点的に施設でどれくらい、どういう条件の中でこうなってきているかという傾向を追っていただかないと、対策というのも立たないんじゃないかと思いますので、できることならそういうふうな調査というものを一度やっていただきたいと、そう思います。
 それからもう一つは、腰痛で認定されてよかったといえないんですね。認定されるということは、自分にそういう病気があるんだということで、認定してくれという要求をしながら、認定されてしまえば、非常にこれは本人にとってはつらいことなんです。私たちとしては、認定してくれというのが希望ではなくて、腰痛が起きないようにしてほしいということがもう最大の私たちの願いになるわけなんです。そこで、そういう施設においては腰痛というものがどういう関係で起こってくるかというような研究というものがなされなければ、改善されていかないと思うわけなんですけれども、この研究費が過去五年間、どれくらい支出されているかということをちょっと伺わせていただきたいと思います。
#68
○政府委員(渡邊健二君) 過去五年間の腰痛関係の調査研究の委託費、申し上げてみますると、四十三年は五十万円、四十四年が百五万円、それから四十五年以降は毎年大体百六十万円ずつ出しておりますが、四十六年度だけは、研究委託費のほかに、実態調査を別に百四十万円ほどで実施いたしておりますので、それを合わせますと、四十六年度は三百六万円ほどになっております。
  〔理事大橋和孝君退席、委員長着席〕
四十七年度も、これはまた前に戻りまして、研究委託費は百六十万円ということで、この五年間、予算を計上いたしております。
#69
○小笠原貞子君 ちょっとお伺いいたしますけれども、そのいまの金額というのは腰痛に関しての研究費でございますか、それだけでございますか、ほかのものは入っておりませんか。――そうですが、まあ、それじゃ少しずつふえてきているということが言えるかと思いますけれども、いまの金額でいいますと、四十七年度百六十万ですね、おっしゃった金額からいえば。非常にちょっと少ないようなんですけれども、去年が実態調査で百六十万取ったと、それを入れると何ぼになるとおっしゃいました、去年度。
#70
○政府委員(渡邊健二君) 四十六年度は、研究委託費のほかに実態調査を実施いたしましたので、それを入れますと、四十六年度は三百六万円に相なります。
#71
○国務大臣(加藤常太郎君) 先ほどの小笠原委員からのお話でありますが、まあ、これはちょっと蛇足でありますけれども、自民党の石本さん、社会党の田中さん、中沢さんがその前にもちょっと話しておりましたから、これはまあ小笠原さんの御意見によって動くというんじゃなしに、超党派で、特に石本さんに、私、だいぶやられておるんであります。これ、先生しっかりせぬかといってやられておりますので、まあ、全部の御意見というので当たりますから、この点、誤解ないように、あなたの御意見だけで動いたというのでもちょっとこれ弱いので、超党派的に、特に婦人議員の方々が団結してやられたので、大臣としても当然だと、こういう意味で、まあ、これはひとつ蛇足でありますが、その点を御了承願いたいと思います。
#72
○小笠原貞子君 いや、私一人が功をあせると、そんなけちな考えを持っておりませんから、それよりしっかりやってくださればそれでいいんですから、御安心くだすってけっこうでございます。
 それでいま四十七年、百六十万というふうなお答えでございましたが、昨年、労働安全衛生法のときに、私、この問題を取り上げて、研究費をふやしたいと局長もお答えいただきましたけれども、本年度はどれぐらいになっておりますか。
#73
○政府委員(渡邊健二君) 四十八年度も腰痛関係の研究委託費は百六十万でございます。
#74
○小笠原貞子君 研究費をふやしたいとおっしゃったけれども、やっぱり大蔵省が壁が厚くて去年と同じだったということになるわけなんですね。
#75
○政府委員(渡邊健二君) いろいろな疾病の科学研究費全体では、今年、かなりふえたわけでございます。いろいろ労災・安全衛生関係含めまして、科学研究委託費は四十七年度三千三百万でございましたのが、ことしは四千五百九十万というふうにふえております。ただ、先生御承知のように、近ごろ非常にたくさん新しい職業病がふえておりまして、中には全く従来研究が行き届いておらない問題もございますので、そういう問題、早急に手をつけなければ全くわかっていない問題等もございますので、従来からかなり長年月研究をしてまいりました腰痛等は、残念とは存じましたけれども、前年度並みということで了承いたしまして、他の新しいいろいろな疾病関係の研究委託費を取ることに努力をいたしたわけでございます。
#76
○小笠原貞子君 先ほど中央児童福祉審議会の意見具申の中身を申し上げましたけれども、ここにも肉体的負担がふえていると指摘されています。そうして、先ほどのお答えいただきました労働省の四十七年九月の福祉施設の調査でも、まとめの中で、「施設被収容者の入浴、衣服交換等の介護業務による腰痛等を訴える者が増加する傾向にあり、健康診断のほかこれら職員の作業全般にわたって検討を加え健康管理を進める必要がある。」と、こういうふうにいわれているわけなんですけれども、「健康管理を進める」、「検討を加えなければならない」といっておられますが、どういうふうに検討を加えられるんでしょうか。
#77
○政府委員(渡邊健二君) 従来から、たとえばそういう重い物を持ち上げるような仕事につきましては、「重量物取扱い作業における腰痛の予防について」といったような通達を四十五年に出しまして、そういうようないろいろな行政指導によってその防止をはかっておりますが、特に今年に入りましても、三月にはやはり今年も病院及び社会福祉施設に重点的に監督・指導するようにという通達を出しますとともに、さらにその細目の注意におきまして、社会福祉施設関係に働く保母等の方々については、車いす、担架等の利用などのほか、なるべく二人以上でかかえるように施設に対して指導するようにというようなことも通知いたしまして、これら保母さん方の腰痛症の予防がそれぞれの施設においてできるだけ行なわれるように監督・指導の際なども注意するように地方の出先に指示をいたしておるところでございます。
#78
○小笠原貞子君 この腰痛症の問題について、一般的な腰痛の問題とまた別に、施設のいろいろな、たとえば子供を抱いてトイレまで運んでいくとかいうような、そういう施設の中の構造の面もありますし、それから、ベッドの高さだとかいうようないろいろな特殊な施設の中での労働になるわけでございますよね。そうすると、そういう施設の中の腰痛症という場合には、その施設の中の問題を非常に綿密に具体的な中で調べるというふうな、労働科学的な立場での調査ということが必要になってくると思うんですよね。そういうようなことも研究の中にきちっと、設備の配置だとか、それから器具だとかというような、そういう具体的な施設の中の問題として研究をされたというようなことがあるんでしょうか。
#79
○政府委員(渡邊健二君) おっしゃるような腰痛、いわゆる非災害性腰痛とわれわれ言っております。福祉施設などでもございますし、そのほかでも重量運搬、重い物を運搬するときなどにそういうことがございまして、従来もそういうものについていろいろ調査・研究をしていただいた結果に基づきまして、物を持つときにはどういう姿勢で持てば腰痛が比較的起きなくて済むかとか、そういったようなかなり具体的な指導もいたしておるわけでございますが、今後一そう、さらにおっしゃったような点も研究を進めてもらいまして、それに基づきまして適当な指導をするようにつとめたいと思います。
#80
○小笠原貞子君 やっぱりそういう実態の現場の中で調査・研究していただかなければ、具体的に指導というのができないと思いますしね。それからまた、ぜひお願いしたいのは、そういう中で働いて、実際問題、ここがこういうふうに、もっとここのところの距離が近かったらいいとか、これくらいだったらいいとか、一番の問題は働いている人たち自身がつかんでいることになりますので、そういうような意見はくみ上げていただくということが大事じゃないかと、そう思うわけなんですけれども、問題は、いろいろいいことを考えようとしても、百六十万程度でどの程度のことができるんでしょうね。百六十万という金の使い道、いろいろ言ったけれども、どの程度のことが研究という名前でできるものなんでしょうか。いままでの実際の中からちょっと具体的にお答えいただければと思いますが。
#81
○政府委員(渡邊健二君) 従来、たとえば労働衛生サービスセンターに研究を委託するとか、あるいは労災病院、そういうようなところに委嘱いたしまして、実態あるいは発生メカニズム、予防のための注意、それぞれ、毎年、いろいろな項目をあげまして、研究をお願いしておるところでございまして、そういう研究に基づきまして、たとえば四十五年に出しました「重量物取扱い作業における腰痛の予防」などについても、物を運搬するときの姿勢、こういう姿勢はいけないんだとか、こういう形をすれば比較的そういうことがなくて済むんだとか、いろいろ、その結果に基づいて、できるだけ具体的に、予防のための指導の指針になるようなものをつくるべく努力をいたしておるところでございます。
#82
○小笠原貞子君 いろいろ努力していただいていると思いますけれども、やはり、何といっても予算がたいへん少ないということで、研究を依頼するほうもちょっとたいへんだと思いますし、受けたほうでも、百六十万円でこの施設なんかの腰痛症を科学的に調査しろなんといっても、ちょっと困ると思うんですよね。そろそろまた来年度の概算要求予算というものも考えなきゃならないんですけれども、来年度はこれについて何とかもっと本格的に取り組むような予算をつけていただくというようなことをどうしてもいまから心に置いていただきたいんですけれども、大臣もその点でしっかりとやっていただけると思いますけれども、どの程度しっかりやっていただけるか、ちょっとまた……。
#83
○国務大臣(加藤常太郎君) まあこれ、金額は御指摘のとおり少ないので、いま局長とも、大臣が答弁してからとんとそれが上がらなかったらたいへんなことになりますから、だいぶん去年の感触から見て本年もこれはやらにゃいかぬのでありますから、御趣意に沿うように、金額をここでどの程度というのは言えませんけれども、本腰を入れてやります。
#84
○小笠原貞子君 ここ三年間、百六十万円全然上がってないですね、いま伺った中では。でも腰痛症はどんどんふえてきているというような傾向から見ても、また来年度も同じだというようなことではやっぱり本格的な研究・調査ということもできないと思うんですね。そういう意味で、いまここで何ぼということは私も申しませんけれども、ここのところもしっかりさっきの問題と一緒に頭のまん中にでも置いてがんばっていただきたいと思います。
 最後に、もう一つお伺いしたいんですけれども、いろいろ、重い物はこうやって持ってと、御指導くださると思うのですけれども、やっぱり具体的な問題になりますと、どうしても人数が足りないからそんなこと言ってられないというので、二人で運べばいいと言われても二人じゃできないという、職員の定数の問題にかかってくるわけでございますね。いままでも基準局長から厚生省に要望書が出されていてたいへんいいことだと思いますけれども、まだまだ問題は残されておりますし、あした閣議でいろいろお話しくださること、たいへんけっこうだと思いますけれども、話だけではなくて、やはり厚生大臣に対してのきちっとした文書でこういうふうにというふうな要請を出すとかいうようなことも考えていただいて、厚生省のほうの姿勢もしっかりさせていただきたいと思うんですけれども、そういうふうな具体的な、積極的なことをやるというふうにおっしゃっていただけるかどうか、その辺のところが覚悟のほどのバロメーターになりますので、最後にしっかりしたお答えを伺わせていただいて、終わりたいと思います。
#85
○政府委員(渡邊健二君) 先生もいまお話がございましたように、私ども確かに厚生省の予算措置その他が非常に重要であって、そういう裏づけなしにはそれらの施設に対していろいろ言いましても、向こうもやりたくともできないという点もございます。そこで、私ども再々厚生省の関係局長に申し入れをしておるわけでございますが、単に文書で送っておるだけではなくて、厚生省ともときどき打ち合わせをいたしまして、お話し合いをいたしております。厚生省としても、もちろん自分たちもそういうことで、こういう施設についてのいろいろな措置を充実したいという気持ちを持っておりますので、今後とも十分連絡をとりまして、一緒に大蔵省等とも話すというようなことも含めまして、今後実際にそれらのいろいろな労働者の保護のための条件が整い得るように関係省と協力をしてまいりたいと、かように考えます。
#86
○委員長(矢山有作君) 以上で本件に対する質疑は終了いたしました。
 午後一時十分まで休憩いたします。
   午後零時三十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二十四分開会
#87
○委員長(矢山有作君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、鹿島俊雄君、藤原道子君が委員を辞任され、その補欠として徳永正利君、森中守義君がそれぞれ選任されました。
    ―――――――――――――
#88
○委員長(矢山有作君) 休憩前に引き続き、労働問題に関する調査を議題といたします。
 郵政省における労働問題について調査を進めます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#89
○小平芳平君 ちょうど郵政省の労働問題についての調査が行なわれる機会に、私、この育児時間について労働基準法第六十六条ですか、「(育児時間)」について、郵政省のおやりになっているやり方と、それから一般民間企業のやっているやり方ということについて少しお尋ねしたいと思います。
 初めに、婦人少年局のほうでお調べになった育児時間の状況について、特にいただいた資料によりますと、産業別に非常に差が大きいようですが、たとえば運輸・通信業が多いのに比べて、きわめて低い産業、製造業等は低いというふうになっておりますが、その辺の実態について労働省はどのように把握しておられますか、またその原因等についても調査しておられましたら、お答えいただきたい。
#90
○政府委員(高橋展子君) ただいまお尋ねの育児休業の民間産業における実施状況でございますが、お尋ねの点は企業として育児休業の規定をどのように設けているかという点と、それから労働者がどの程度それを請求して取得しているか、この二つの面に分かれることかと思います。
 最初に、育児休業の規定というものがどのように設けられているかということでございますが、全産業を通じてみますと、特別、労働協約ないし就業規則の中で育児休業に言及して規定を設けておりますのが、全体の事業所の約半数ほどでございまして、他の事業所は特別な規定は設けてはおらないようでございます。で、規定を特に設けておりますもののうち、先生も御指摘のように産業別に見ますと、若干多い産業と少ない産業とがございますが、これは私どもの考え方といたしましては、一つには、その当該産業の女子労働力の構成というふうなことからあえてそのような規定を設ける必要がない、つまり、該当者がいないような産業というもの、事業所も考えられるかと思いますし、もう一つは、特別規定を設けないが、当然に労働基準法の規定を守るということで行なっているか、そのようなことと解釈されまして、いずれにいたしましても若干産業別に差異があることは御指摘のとおりでございます。また、そのような規定を設けております事業所で、その規定の内容等でございますが、特に規定を設けております場合には、主として労働基準法よりも上回るような内容の規定を持っているようでございます。たとえば労働基準法では一日二回各三十分ということになっておりますのをその時間より長くするとかあるいは労働基準法ではこの育児時間給の有給、無給には触れておりませんが、この時間を有給と規定するとか、そのような特別の内容を盛り込んでいるようでございまして、有給という規定を設けております事業所が全体では全事業所の三五%、時間について二回、三十分よりも長い時間を設けておりますところが一四%というようになっているわけでございます。いま申した有給あるいは時間を長くするというような点につきましても、産業別に若干の格差があるわけでございます。
 それから今度はその反対の面と申しますか、女子の側から見ますと、民間企業において働く女子で育児時間を請求した者の割合というような形でとらえておりますが、これは出産後も引き続いて働いております女子のうち、約四分の一がこの時間を請求いたしまして、取得している、このような数字が出ているわけでございます。これも産業別にでこぼこと申しますか、そのようなものがあるわけでございますが、これも主としてその事業所における労働力の構成によることが大きいのではないかと考えます。
#91
○小平芳平君 郵政省では――いま労働省からお答えになったような全産業の状況ですが、郵政省はどうですか。
#92
○政府委員(北雄一郎君) 私どものほうでは、労働基準法六十六条の規定に準拠いたしまして、労使間で協約を結んでこの問題を運用しておるわけであります。
 その内容でございますが、いまお話がありましたように、基準法を時間的にも上回りまして、一日二回おのおの四十五分ずつということで、それも有給というふうにきめておるわけであります。
#93
○小平芳平君 有給となっていても、ことしの二月二十七日に出された通知があるでしょう。これによって見ますと、有給になる人が出ますか、これで。どういう人が有給になるんですか。
#94
○政府委員(北雄一郎君) 実は、二月の通達と申しますのは、いわば内容的には従来と何も変更していないわけでございます。
 従来からこの協約がございまして、それに基づいて通達で指導してまいりましたが、二月は――「勤務時間の始業時刻または、終業時刻に引き続いて育児時間の付与を必要とする」、そういう場合につきまして、従来は、各現場長が判断をしないんだと、一級上の役所、すなわち地方郵政局、それから本省でありますとか付属機関の場合は人事局長、これが承認をする、こういう形をとっておったんでありますが、こういう措置を施行いたしましてからすでにもう制度的にも安定したというふうに私ども考えまして、ことしの三月一日以降は、そういう趣旨と、それから事務の簡素化、あるいは承認の迅速化ということもあわせ考えまして、これをその現場長で詮議して認めることができるというふうに手続を簡易化したと、こういう趣旨でございます。
#95
○小平芳平君 そういうことを尋ねているんではなくて、「承認基準」というのがあるでしょう。「自宅又は近隣において、育児を担当する親族がいないものであって、かつ、育児の場所と勤務場所との往復所要時間が二十分以上である職員は認める。」となっていますか、そういうように。そうすると、「育児を担当する親族がいないもの」、そういう人が、子供を置いて勤務に出られるんですか。また、そういう人があるんですか。
#96
○政府委員(北雄一郎君) ただいまのように、勤務時間の始終に引き続きまして勤務中の育児時間を付与すると、こういう場合は、特殊な事情のある場合に限るというふうにいたしております。このことは、ことし三月に変えたのではございませんで、従来から引き続きこういうふうにしております。
 それで、いまおっしゃいましたが、自宅または近隣において育児を担当する者がおらない、かつこの育児の場所と勤務場所との往復の所要時間が二十分以上である場合、それから、またはその育児を担当する人が家におられましても、客観的に病弱であると認められるような場合、こういった場合は、勤務時間の始終時刻に引き続いて有給の育児時間を認める、こういう制限と申しますか、そういう事情の場合には認めると、かようにいたしておるわけであります。
#97
○小平芳平君 ですから、そういう人がいますかと聞いているんです。
#98
○政府委員(北雄一郎君) そういう職員はあるわけでございます。
#99
○小平芳平君 どのくらい。
#100
○政府委員(北雄一郎君) たとえば四十七年度を見てみますと、二百九十九件ございました。
#101
○小平芳平君 そうしますと、その有給に該当しない人は無給になるわけでしょう。無給で、しかも欠勤扱いになるわけでしょう。その比率はどのくらいですか。
#102
○政府委員(北雄一郎君) 同じく昨年度の数字を見ますと、承認いたしました件数が二百九十九件でありまして、ただいまの基準から承認にならなかったものが七十四件ございます。七十四件のうち何件が、ただいまおっしゃいましたように無給扱いになっておるかというのは、調査したものがございませんのでわかりませんが、七十四件の中に若干無給扱いになっている者がおると、かように考えます。
#103
○小平芳平君 項目を実は局長読んで、そういう人があり得るですか。「自宅又は近隣において、育児を担当する親族がいないものであつて、かつ、育児の場所と勤務場所との往復所要時間が二十分以上である職員」ですね。で、「前項の近隣とは、職員の自宅または通常の通勤経路から、徒歩片道五分以内の場所」、ちょうどうまくそれに該当する人が二百九十九件あったんですか。
#104
○政府委員(北雄一郎君) そういう条件に該当して承認された者が、四十七年度において二百九十九件あったということでございます。
#105
○小平芳平君 それじゃ、この「育児を担当する親族がいないもの」、それは、育児を担当する人がいない人ってどういう人ですか。
#106
○政府委員(北雄一郎君) つぶさには存じませんが、そのおうちで、働きに出るから家が留守になる、その場合、近所の家に育児を担当してくれるような親族だとか近しい人がおれば、出がけにその方に預けてくるとか、あるいはその方がその家へ日中に来て赤ちゃんのめんどうを見る、こういう人がおらない場合ということだと思います。
#107
○小平芳平君 実際には、現場の人の声は、育児を担当する人がいない人は、有給にしますと言われても、育児を担当する人のいない人が赤ん坊を置いて出られませんよ、一年以内の人が。どうですか。――では、それはもう時間があれですから……。
 それから、実際には、この言われたとおりやろうとすれば、該当しなくなっちゃうんです。そこで、あえて育児時間を請求すると、欠勤届けを提出させろとなっているでしょう。そうすると、そのつど欠勤になるわけですか。
#108
○政府委員(北雄一郎君) 無給という場合に、これを、私どものほうでは出勤簿の処理上いわゆる欠勤、欠務という扱い以外にないものでありますから、欠務、欠勤という扱いにしているわけでございます。
#109
○小平芳平君 それじゃ、その昇給、賞与にはどう関係するんですか。
#110
○政府委員(北雄一郎君) 昇給昇格等につきましては、現実に制度的にははっきり定めておらないわけであります。しかし、それで、昇級昇格等に必要でありますところの良好な成績というものに当てはまらないということで昇級昇格が延びたという事例はないように考えております。
#111
○小平芳平君 欠勤して影響がないんですか。労働省はどう思いますか。
#112
○政府委員(渡邊健二君) 基準法の六十六条は、育児時間につきましては、労働者が六十六条の定める育児時間を請求することができるとなっておりますから、労働者の請求した時間に使用者が与えなければならないものとわれわれ解しておるのでございます。ただ、それにつきましては先生もおっしゃいましたように、基準法上はこれは無給に相なって、有給という義務づけはいたしておらないわけでございますので、それぞれの企業が就業規則なり労働協約なりでそれを上回る有給の取り扱いをする場合についてそれを一定の者に限って、それ以外の者は無給にしておるということでございましても、六十六条の基準法違反ということには直ちにはならないわけでございます。しかしながら、無給で認めるということであれば基準法違反にはなりませんが、欠勤扱いという扱いが、これが単に無給で認めるということならただいま申したようなことでありますが、それが昇給とか昇格とか、そういう経済的な利益上マイナスになる、そういう欠勤扱いになったために不利になるというようなことになりますと、これは基準法で定められた育児時間をとることを妨げる効果を持つことになりますので、そういう場合には基準法六十六条の精神から見て好ましい取り扱いではない、かように考えるわけでございます。
#113
○小平芳平君 そういうわけですよ。そういうわけですから、郵政省としては、じゃあ、何回欠勤してもきびしい制限のもとに、近隣において育児担当者がいないというような、そういうきびしい制限の中でやむを得ず欠勤扱いにされた、それでも何ら関係ないですか。関係なく扱うわけですね。
#114
○政府委員(北雄一郎君) 先ほど申し上げました現在わがほうでは制度的にこの点明確になっておらないわけでございます。しかし、現実には昇給に影響しますのは、たしか一企業機関に相当日数の欠勤があった場合に影響することになっておりますので、現実にそれが昇給に影響したという事実はまだ把握しておりません。しかし、ただいまのようなことでございますので、この点、制度的にも明確にするように検討いたしたいと思います。
#115
○小平芳平君 とにかくもう労働基準法ができまして何十年になるわけでしょう。ですからいまごろになって制度的に検討しますといって、まあ何もやらないよりもそれでもいいけれども、のんき過ぎるじゃないですか。ですから有給にするか無給にするかという点が一つ、有給にする場合、こういうきびしい、ちょっと常識では考えられないような場合を想定して有給にしておいて、あとは欠勤ということになったんでは、おそらく実際育児時間をほしい人も実際上とれないことになる結果になっているんじゃないか、また、そういうことを訴えてきたから私は質問しているわけであって、そういう点検討いたしますか。
#116
○政府委員(北雄一郎君) いやしくも基準法に違反するような事態を生むことのないように制度の改善をはかりたいと思います。
#117
○小平芳平君 それから、この有給に対する制限についてはどうですか。
#118
○政府委員(北雄一郎君) この点につきましては、やはり私どもは勤務時間の中というのを第一義的に考えておりまして、始終時刻につながる分についてはやはり現在あります労使間の協約の趣旨に基づいてやってまいりたい。現実にその件数をまた出して恐縮でございますが、四十七年度に三百七十三件の請求がありまして、そのうち約三百件は承認をしておる、こういうことでございますので、八割は承認して、二割が不承認になっておるということでございますので、それほどきびしいものでもないじゃないかというふうに存じておりますので、そういうことでまいりたいと思います。なお、他企業あるいは他の公社等の様子も十分に検討はしてまいりたい、こういうふうに思います。
#119
○小平芳平君 それは局長、請求した者の八割が承認になったのであって、実際有資格者といいますか、一年未満の子供を持っている人、その数はもっと多いわけでしょう。こんなきびしい書類を出す気しないですよ。それでも出せばどうやら通るかと思って出した人のうち、八割が通ったということでしょう、それが一つ。
 それから労働省の「解釈例規」で「〔託児所の設置〕」というのがあるのですね。「本条の実効を確保するため、大規模の事業場にはできる限り託児所を設置するよう指導すること。」と、この点は郵政省はどうですか。
#120
○政府委員(北雄一郎君) 育児室は女子職員の多い局には設けてございまして、全国で三十三の局所に設けてございます。
#121
○小平芳平君 ずいぶん多い事業場の中で三十三ということはそれで十分じゃないでしょう。
#122
○政府委員(北雄一郎君) 必ずしも十分であるとは思いませんが、やはり、かといって随所にというわけにも現実にまいらない実情があるわけでございます。
#123
○小平芳平君 それは全部なんて言っているのではないですよ、いなかの郵便局まで。そこで要するに、基準法と郵政省のやっていることを比較して言っているわけです。それからこの「取扱注意」というこの郵政局人事部長から「管内一般長殿」という書類が出ておりますが、この「取扱注意」というのはどういう意味ですか。
#124
○政府委員(北雄一郎君) この育児時間の承認はその書面審査によって行なっている実情でありますので、その場合、先入観を持たずに事実をありのままに書いてもらいたいという趣旨から、そういう取り扱いについて十分留意せよということになっておるわけであります。
#125
○小平芳平君 何で「取扱注意」ですか。先入観とは関係ないでしょう。
#126
○政府委員(北雄一郎君) 一応さっき申しましたような趣旨であったわけでありますが、何ぶんこの通達は相当古い通達でございまして、この点につきましても、この取り扱いについてこういうことでいくか、こういう「取扱注意」というようなことを解除するか、ひとつ十分に検討さしていただきたいと思います。
#127
○小平芳平君 いや、そこのところを「取扱注意」ということは、部外に出すなという趣旨ですか。
#128
○政府委員(北雄一郎君) そういう趣旨ではございませんで、要するに、その実情を率直に書いてもらいたい、それによって所属長なり何なりが判断するわけでございますから。そういう趣旨でありまして、何も部外秘という趣旨は全くございません。したがいまして、そういうことでありますし、そういったことが、そういう扱いが、だいぶ前からそうなっておりますので、この際、御指摘もありますから、こういった取り扱いを改めることについて早急に検討さしていただきたいと思っております。
#129
○小平芳平君 局長、結局、この本人が提出された書類は、それは取り扱い注意して、これは本人の私的な家庭の事情を事こまかに書くようになっていますから、そういう意味では取り扱いを注意してもらいたいわけですよ。当然の扱いだと思うのですよ、こういう個人的な書類ですから。ただ、私が尋ねている趣旨は、この育児時間の扱いについては、こういう場合は、有給にする場合はこれこれしかじかともう事こまかに書いて、それから申請を出す書類はこれこれしかじかと事こまかに書いて、これが「取扱注意」となっておりますので、そこで、郵政省当局としては、この育児時間を与える、与えないのこの書類を全体として取り扱い注意しろといっているのか、それともこの内容は、むしろ従業員一般に知らせる、むしろ積極的に所属長が内密にしているものじゃなくて、一般に知らせるべきものとして扱っておられるのかという点なんです。
#130
○政府委員(北雄一郎君) その点が必ずしも――何せ古い通達そのままでございますので、必ずしも明瞭でない点がございます。したがいまして、いま先生がおっしゃいます御趣旨、わかるような気がするのでございますので、そういったことで、十分この点につきましては改善するような方向でひとつ検討さしていただきたい、かように思っております。
#131
○小平芳平君 それでは、私の言うことがわかるような気がするって、――私の言わんとすることはこれから言いますから……。
 それはこの書類を一体だれが、部外者である、郵政局の職員でないぼくのところに渡したのかというせんさくをしているのです。ですから、そんんなせんさくは毛頭必要のない書類でしょうと、こう言っているわけなんです。要するに、この労働基準法にこういう定めがあって、郵政省当局としてはこういう取り扱い方をきめたと言ってるわけでしょう。その中には、局長御自身もこれからもう一度検討すると言っておられるような、はなはだわかりにくいことがありますけれども、しかし、このようなことで、何もどこの局のだれが渡したのだとか、それを保管すべき局長の責任がどうこうとかいうことは起こる余地がないのでしょうと、こう申し上げているのです。
#132
○政府委員(北雄一郎君) それは御指摘のとおりでございます。
#133
○小平芳平君 ありませんね。
#134
○政府委員(北雄一郎君) はい。
#135
○委員長(矢山有作君) この際、郵政省北人事局長、人事院中村職員局長から発言を求められておりますので、順次これを許します。北人事局長。
#136
○政府委員(北雄一郎君) 先般の当委員会におきまして委員長から公務の意義を明確にされたい、公務について統一した見解を示せ、こういう御指示がございました。私ども人事院と協議をいたしました結果について申し上げます。
 いわゆる公務という概念には種々の議論のあるところでありますけれども、広義の、広い意味の公務という場合、一般には、法令上、国等の官署が所掌し、遂行すべき事務の総体をさすものと考えております。一方、職務という概念がございますが、職務とは、これら官署が遂行すべき事務のうち、個々の職員が遂行すべきものとして割り当てられた仕事をいうものでございます。これらの職務の総体を狭義の、狭い意味の公務と、かように申します。そしてその広義の公務には個々の職員に職務として割り当てられた仕事以外の事務も包含されておりまして、それらの事務はしばしば請負、委託等の私法的な契約に基づいた形で行なわれるわけであります。本件につきましては、委嘱ということばを用いておりますが、その実態に即してみまするに、官署と個人との間の自由な意思に基づく私法的な契約を基礎として行なわれているものでありまして、委嘱する者と委嘱される者との間には上下の関係も、命令、服従という関係もないのでありますから、これを職務とみなすことはできないわけであります。なお、国等の行なうべき事務のうち、どれを職務として職員に割り当て、どれをそれ以外の事務として私法的な契約にゆだねるかは、特に法令の定めのない限り官署等の長の裁量に属する事項と考えられるわけであります。そして職務として職員に割り当てた事務以外の事務を職員との間の私法的な契約にゆだねたとしても、その事務が勤務時間外に行なわれ、かつ、これに対して報酬が支払われるものでない限り、国家公務員法は特段これを禁止しておるものではない、こういう解釈でございます。
 なお、勤務時間と申します概念からは、休憩時間、それから実質的に勤務を要しない休息時間も除かれる、かように考えておる次第でございます。
#137
○委員長(矢山有作君) 中村職員局長。
#138
○政府委員(中村博君) 先般の委員長の御指示によりまして郵政省の北人事局長と協議いたしました結果は、ただいま北局長から御説明申し上げたとおりでございます。
#139
○委員長(矢山有作君) 私の質問に対しての統一見解でありますから、私のほうからもう一度お伺いをしますが、いまのような、しごく何というんですか、微に入り細にわたった法律解釈をお聞かせいただきました。私は、そういう解釈を承ろうと思って、この間の問題を提起したのじゃないのです。いわゆる職場リーダーの委嘱という問題について具体的に問題を出しておるわけでありますから、それについてしろうとが聞いてもわかりやすく説明してください。あなた方にあれだけ申し上げてまだ問題点が整理できておらないようでありますからもう一ぺん申し上げます。
 職場リーダーとして委嘱されておる行為は、いわゆる公務なのかどうかということです。よく聞いてください。その問題について私どもが政府側の方々と接触した過程、たとえば検査院の方の意見を聞きました。大蔵省の方の意見を聞きました。その中で出てきたのはこの間も申し上げましたように、職場リーダーを委嘱する、そのことは公務でございます、しかし、委嘱された後に職場リーダーがやっておる活動というのは公務ではございませんと、こういう私は見解を示されております。そしてまた、郵政省の北人事局長も職場リーダーがやる活動は公務ではありませんと、こうおっしゃっておるわけです。そして、そこで起こってきた問題は公務でない職場リーダーの活動が勤務時間中に行なわれておるということを郵政省は認めておられるわけでありますから、そうすると、公務でない職場リーダーの活動を勤務時間中にやるということは、公務員の職務専念義務に違反しはしませんかと、こういうふうに問題を提起して言ったわけであります。ですから、いわゆる学生に法律講義をなさるんではないんでありますから、事実に起こった問題について非常に皆さんあんた方の言うことが、混乱をしてわれわれに理解できないところがありますから、したがって具体的な事実に即してあなたのほうからお答えを願いたい。それがあなた方、政府の責任じゃありませんか。
#140
○政府委員(北雄一郎君) 管理者すなわち局長が職場リーダーに委嘱する場合の局長の行為は、これは局長としては公務でございます。ただ、その場合、局長がその職場リーダーとの間に私法的な関係に立ちまして私法的な契約を結ぶ。したがいまして、以後、職場リーダーそのものの活動はすべて私法的な契約に基づく行為でありまして、職務として割り振られたものではございませんために、これは公務としてやるのではない。こういうことに相なります。公務としてやることでなければ勤務時間中にやれるかどうか。これにつきましては、当然主として勤務時間外の活動にならざるを得ません。勤務時間という概念をどういうふうに構成するかは別でございますが、いわゆるその勤務時間の中でやり得ます時間といたしましては、休憩時間、それからいわゆる休息時間というものはこれは可能でありますけれども、それ以外の実勤を要する時間においては公務でございませんから、やってはならない、こういうことになると考えます。
#141
○政府委員(中村博君) いま郵政省の人事局長が申し上げましたように、リーダーとなる地位を得るためには、これは私法的な契約としてリーダーたる地位を獲得するものでございます。したがいまして、その私法的契約に基づいてリーダーたる地位を獲得するものでございますから、これは委嘱という用語を用いておりましても、その実態は任命行為じゃございませず、私法上の契約でございます。したがいまして、私法上の地位に立ちますから、その職員にとりましては職務ではない。したがって職務専念義務はその件においてはかからない。逆にいえば勤務時間中にその行為をすることは専念義務違反のおそれがある、こういうことでございます。
#142
○委員長(矢山有作君) そういうふうにお答えいただけば、われわれ頭が悪くてもよくわかります。
 そこで、私は、これは委員長としてどうしてもお聞きしなければならぬのは、そういう公務でない仕事を勤務時間中にやっているということをお認めになっているわけでありますから、郵政省は。したがって、それについて責任の所在はどうなさるのか。今後、一切勤務時間中にはそういう公務でない職場リーダーの活動はやらせないならやらせない。そこのところを明確にしていただく。やっている、いままでやったことについての責任はどうおとりになるのか、それをもう一点お聞かせを願いたい。
#143
○政府委員(北雄一郎君) 勤務時間中にやってよいという範囲は、休憩時間及び休息時間のみでありまして、それ以外の実勤時間についてはこの活動はしてはならないということであります。したがいまして、今後その点をきわめて明確にいたしまして徹底を期したい、かように考えます。これまでも私ども、去年の二月の改正の前からこれは公務としてやらせているのではないという立場でございましたので、したがって、論理的には勤務時間内、つまり休憩時間や休息時間を除く実勤時間内にやってはならないという論理は当然当時からあったわけでございますが、必ずしもそれを本省として強調したかどうかということになりますと、私として反省しなければならない点があると思いますので、そういうことは今後は絶対にないようにはっきり示したい。従来もそういう角度で考えておりましたし、そういう性格のものであるということははっきりさせておったつもりでございますけれども、その中で、かりに指導が至らなくて勤務時間内にやっておったことがあったとすれば、これは私の責任である、かように考えます。
#144
○委員長(矢山有作君) それからもう一つ、統一見解を示していただくのにお漏らしがありはしませんか。――じゃあ申し上げます。
 私はこういう具体的な例を引いてあなた方の見解を求めておったのです。それに対しては答弁がまだありません。というのは、たとえば職場リーダーの活動で、エルダーがヤンガーを連れて映画見物に行っておったということを仮定をいたします。そのときに、もし災害を受けたならばこれはどういうふうな扱いになるのですかといってお聞きしたときに、北人事局長は、いま労災の問題で、通勤途上の問題も労災に入れるような方向になっておる。そして、省として願わしい仕事をこれは職場リーダーのエルダーにはやってもらっているのだから、その問題については今後検討したい、こういうふうにおっしゃったわけです。そこで、はたして、そういう場合にまで公務災害というふうな方向に持っていかれるのですか、どうですかということを、これは人事院の見解としてお尋ねをしておいたわけです。これについての御答弁がありません。やっていただきたいと思います。
#145
○政府委員(中村博君) まことに落としまして申しわけなく思っております。
 そこで、いまお尋ねの件でございますけれども、これは郵政省からも申し上げておりますように、エルダーの活動は公務ではございません。したがいまして、御設例のような劇場へ行って云々というような場合には、現行公務災害補償法の公務に起因する公務災害ということにはなりません、かように考えております。
#146
○森中守義君 いまの郵政省並びに人事院の見解で非常にはっきりしてきました。
 そこで、労働省にちょっとお尋ねしますがね、休憩時間の一時間というものは元来何を目的に、何を理由につくられているのですか。
#147
○政府委員(渡邊健二君) 基準法上は、休憩時間の規定が勤務時間によりまして四十五分または一時間と、こうなっておりまして、勤務時間によって時間の違いはございますけれども、これはその間、労働者が労働の疲労からからだを休めて、心身の健康を維持することが休憩時間を設けた趣旨であると考えます。
#148
○森中守義君 そうしますと、健康を労働者が維持するということが目的であれば、いま郵政省の人事局長は公務ではない、したがって職務専念の義務をきちんと侵したものではないという、こういう趣旨の答弁のようですから、――ただし、休憩時間はいいのだというようなお話ですね。そうなると、これは休憩時間中といえども、休憩時間は何のために設けられてあるかということになれば、これはそういう何をやろうと自由だということにならぬのじゃないか。それと、拘束時間ではないにしましても、いま申し上げるような休憩時間が特別な目的のもとに設定されてあるわけだから、これはやっぱりそういう法律の趣旨に沿うのがあたりまえ。言いかえるならば、休憩時間中の一時間といえどもそういうことをやってならぬということになりはしませんか、どうですか。
#149
○政府委員(北雄一郎君) 休憩時間は、全く拘束外の時間でございますから、それが勤務の間にそういった時間帯が設けられておると、四十五分でございますけれども、そういったものが設けられておるという趣旨は、これは十分了解いたしておりますが、その本質は、やはり全く拘束外の時間、いわば私的な時間、そこでどういう私的な活動がありましても、これはリーダー活動というものと抵触するという問題は生じないように思う次第でございます。
#150
○森中守義君 しかし、それはあれでしょう、休暇時間、拘束を一応していないといいながらも、ちゃんと休暇で特別な目的を持って使われているわけだから、そこまでリーダーを酷使する、あるいは委嘱によってこういう仕事をやってくれとか、あるいはやらせるということはちょっと問題じゃないの。これはやっぱり局内で職場にある間はこういうことはできないという解釈が妥当じゃないんですか。
#151
○政府委員(北雄一郎君) やらせるとかいうことになると、私は、問題があると思うんです。これはリーダーとヤンガーの関係は、別途、局長なり何なりが具体的に何の何時にこういうことをやれと、そういう、やらせるというものじゃございませんので、リーダーとヤンガーとの間で私的な話がついて動くと、こういうものでございますから、休憩時間中あるいは年休というような場合も同じかと思いますが、非常にそういう私的な活動が自主的、自発的に行なわれるということ、具体的な活動が自主的、自発的に行なわれるということを妨げるものではないように存じます。
#152
○森中守義君 それは一時間の休憩時間の問題はだいぶ掘り下げていけばもうちょっとおもしろいことになると思うんだけれども、一応、こういうようには理解していいですね。休憩時間中以外はリーダー活動はできないということね、さっきの答弁からいけば。そういうことですね。それと、そういうことであれば、いままではそういう区別されたものがなかった。具体的な事例をあげて言えば幾らでもある。そういうものを放置してきた責任はどうするんですか。
#153
○政府委員(北雄一郎君) 職場におります時間のうち、いま休憩時間の御指摘がございましたが、そのほかに休息時間というものもございます。休息時間というものは、特定されている場合もございますし、それから特定されてないで、手当てのときに休息というシステムもございます。こういった場合につきましても、こういったことは職務専念義務と矛盾するものではないというふうに考えます。
 それから後段の御質問でございますが、先ほど委員長にお答えいたしましたように、私ども、従来からこの職場リーダー活動そのものは公務ではないんだという概念で考えておりましたし、指導しておりました。したがいまして、勤務時間内のこの活動につきましては、当然、してはならないということであったのでございますが、特に、その点を指導する本省といたしまして強調しておったかといわれますと、必ずしもそこまで詳しくかんで含めるようには言っていなかったかもしれません。その結果、かりに実勤の中でこういうことをやっておった。そのために仕事が妨げになったというような顕著な事例は、私、聞いておりませんが、しかし、かりにそういうことがあったとすれば、これはひとえに本省のそういったきめのこまかい指導が不足であったということになりますので、その責任は私にあると、こういうように思っております。
#154
○森中守義君 きょうは大臣が一時間ということだから、ゆっくりあまり聞けませんが、要するに、いま指導が十分でなかったということのようですけれども、もともと、そういう意思のもとにしか出発していないわけだ。国会でここまで問題になったから、あっちへ行ったりこっちへ行ったり、二転三転をして統一見解が出た。もともとそういう意思がなかったんですよ。やりほうだい、しほうだいのことをやろうというところから出発しているわけだから、幾らここできれいごとを言ってみてもだめです、それは。そうなると、四十七年二月二十九日に出されている郵人要第三八号という通達、この中に、いまの統一見解というのは、もちろん盛り込まれていない、一番基本的な問題が。しかし、この通達が人事局長、経理局長から地方郵政局長、当該の郵政局長に出ている限り、この通達それ自体を変えなくちゃいかぬ。いいですか、聞いていますか。――職場リーダー制の一体活動の限界とは何なのか。いまの統一見解というのは、この中にもう一回うたい込まれないと、これは大きな問題ですよ、やっと何回も何回も議論をしていまの統一見解が出たわけだから。本来ならば、そのことがこの通達の中にきちんと表現をされて、定義づけられておくべき筋合いのものだと、こう思うのですね。それがないんだ、これには。ないところに混乱が起きた、一つの混乱が。そこで議論を詰めてやっと統一見解に到達したわけだから、当然、いまの統一見解というものは、三八号の人事局長、経理局長通達というものは当然修正をされてしかるべきである、こう思うのですが、どうなんですか。
#155
○政府委員(北雄一郎君) リーダー活動が公務であるかないかという点につきましては、たいへん恐縮でございますが、実は四十六年の秋ごろから四十七年の初めにかけまして、たいへん国会の各委員会でお取り上げいただきまして、そのときも私は一貫して、これは公務としての活動ではない。なぜならば、この職場リーダーを選ぶときに任命ということではないんだと、頼む、やってくれぬかと局長が言って、やりましょうと言った場合に、これが成り立つのであって、したがって、委嘱とはそういう意味であるということを再三申し上げてきたわけでございます。そのことは、先ほどお示しの通達の、恐縮でございますが、11、の「運用上の留意点」というところに(1)に「職場リーダーの指名および委嘱」という項がございます。そのイ、に「職場リーダーの指名および委嘱にあたっては、当該職員の意に反して強制したりまた承諾の有無などを」云々ということがございまして、要するに、承諾がなければだめなんだと、一方的任命とは違うんだということをこの点でははっきりさしておったのもそういった論理的展開からであったわけであります。しかし、この職場リーダー活動が公務であるかないかというようなまっ正面からの解説、あるいは指導というものをいたしておらなかったことも事実でございますので、仰せのように、これを機会にこの通達で改正すべき点は改正をしなければならない、あるいは通達でなくて、指導というような形で補足する点も相当あろうかというふうに思います。そういった点につきましては、お示しの点、それからなおほかにもいろいろ私どもとしても考えるべき点があるんじゃないかというふうに思いますので、それらを総合いたしまして、改めるべき点は改める。したがって当然、通達もそういうことというふうに考えておる次第であります。
#156
○森中守義君 局長、大体お答えとしてはそれで了承できますが、やはりリーダーの性格ということはうたい上げておかないと、通達の上で、混乱しますよ。あとこまかな解説であるとか説明というものは通達でなくても、ただここに、いまいわれるように、「リーダーの指名および委嘱」という、これだけでは十分でない。しかもその性格というものが明らかにされていなかったところに問題があるわけだから、これは、その原則だけは当然通達を修正することによって処理すべきだと思いますが、処理しますか。
#157
○政府委員(北雄一郎君) さよういたしたいと思います。
#158
○森中守義君 そこで、もともとの出発点が、前回少しお尋ねしたんだが、一番最初が昭和四十五年二月一日、東京中央郵便局から始まった。このときにおける東京中郵の総定員は二千八百三十七名、当時の実在員が二千七百九十四名で、欠員が四十三名、率で〇・〇一五%、きわめて低率。こういう低率な場合に、定着率を高めるという理由のもとにわざわざブラザー制というものを設定をしなければならぬという理由があったんだろうか。あるいは、ここを一つの出発点にして、その後、東京都内に燎原の火のようにこういうものが広がっていった。十分な資料がありませんけれども、各局ともに〇・〇一五、おそらくそれ以下の欠員状態のようです。また、郵政省の今日の要員配置の状態からいって、そう長期にわたり、いつまでもあと補充をしないという例は聞いたことがない。もちろん、今日の定員配置自体にも問題がありましょう。けれども、そういう状態の中を理解をしたのか、場合によっては数名の過員を持っているところもある。欠員といっても局幅次第にもよりましょうが、一%、二%という、こういう欠員の場合には、直ちに補充・充足という措置がとられてきておったと私は思っている。で、そうなれば、東京中郵が〇・〇一五%程度の欠員に対し、わざわざこういう措置をとらねばならぬという理由はきわめて乏しいと私は考える。であるとするならば、これは定着率を高めるというものは取ってつけたような理由づけであって、本来的な目的がない、出発点は。その辺に、ブラザー及びリーダーに変遷を見たこの制度それ自体の矛盾があるんじゃないですか。どう思いますか。
#159
○政府委員(北雄一郎君) 東京中郵局の当時の、その実施時の数字は、ただいま先生おっしゃったとおりでございますが、当該局、実はその前、毎月のを見てみますと、毎月多くて四、五十名前後の欠員がある。一番多いときで九十名にものぼる。少ないときで四十名を若干切るというような欠員がありまして、これが当時、やはり、その欠員補充を抑制しておったかどうか調べてみたんでありますが、そういうことはない。欠員があれば埋められるようになっておったわけでございます。しかし、結果的にそういう九十名から三十八名ということで不足をしている。しかも、その内容を見ますと、やはり毎月退職があり、それからまた、Uターンと申しまして、当時から東京の都心部では地元で職員が採用できない。したがいまして、遠くは北海道、九州と、遠隔地採用ということをやっておった。この人たちがどうしても国へ帰りたいということで国へ帰ってしまうというようなことも多うございまして、毎月の出入りというものは相当やはり多数になっておるわけでございます。そういった状況の中で、かつまた、採用の抑制という処置もない中で、苦心して穴があかないようにいろいろつとめまして、こういう数字、それも月によっては九十名――三十八名という波がある、こういう状況でございましたから、やはり職員を採るのにいろいろそれだけ苦心したわけでありますから、せっかくそうして入ってきた職員が定着するように、また苦心をするということはやはり喫緊の事情、必要があったんだろうというふうに思うわけであります。
#160
○森中守義君 それは必要があったんだろうでは、局長、困るな。
 これは、要するに、やめればいいと。その必要はないんじゃないですか。定着率がどのくらい高まったのかといってみても、もともと定着率が少ないからやったというものじゃないんですね。大体、定着率は高いですよ。必要ないことを、他に特別な目的を持ってやったわけですからね。
 それで、もう一つ進めてみますが、さっきの統一見解が出た以上、金の使い方、これはやっぱり相当吟味する必要があるんじゃないですか。この前から領収書の取れるものは取れ、取れないものはしかたがないと、こういうような答弁でしたね。しかし、もうこれは、公務でなければ金使っていいということになりませんよ。一体、この辺の見解、どうなのか。
 それと、ちょっとここのところ、郵政マル生の新聞切り抜きを全部調査室に集めてもらいましたが、ものすごいものだね。相当の数にのぼっている。この中で、六月十日付の東京新聞、「新人は全逓に入るな」、「大阪・住吉局の管理職ら“夜の観光”で説得」。高額な金を使っておる。これは一体どこから出る金ですか。ちょっと内容を、参考までにこれを読んでみましょう。「「大阪デラックスナイト観光バス」(一人千六百九十円)」に乗せて、あと「キャバレー「B」でビールを飲んだり」した、まあこういう記事が出ておりますね。これもやっぱりリーダー関係の金から出たの……。デラックスなキャバレーで飲んだというから、とても一人千円ぐらいで上がるもんじゃないだろう、経理局長。どこかね、こんな金は。領収書取っている……。
#161
○政府委員(浅見喜作君) 最初のお話でございますが、公務でありませんでも国の事業目的を達成いたしますために委嘱しております事柄を果たしますに必要な経費は、国が当然支出すべきものと考えます。
 それから、あとの大阪の云々というお話でございますが、私も実は新聞を見て知ったにすぎないところでございまして、金の支出の状況を現在の段階で確かめてございません。まことに相済みませんが、そういうことでございます。
#162
○森中守義君 確かめていないから所見が述べられぬということでもないだろう。新聞の記事どうりであった場合どうか。それと、たとえ公務でなくても国のために必要なものであれば金は出してもいい、と。しかし、それは無制限・無条件ということになりますか。無制限・無条件にそういう金を使ってもいいということじゃないはずだ。いつ、どこで、だれが、何のために使ったかというものがきちっとしなければ、いまの経理局長の答弁では、いかにも無制限に、無条件に全逓マル生のためならば金を惜しみません、こういうように聞こえる。問題だよ、それは。
 大蔵省、検査院、来ていますか。――どうなの、大蔵省。いま郵政省の経理局長が言うように、国のためにという言い方をした、公務でなくても金は出せる、無制限、無条件に幾らでも出すのだ、こういう言い方をしている。どこで、何のために、だれがどうしたということまである程度条件がつかなければ、こんな金、使っていいですか。検査院と両方からお答え願いたい。
#163
○説明員(岡島和男君) 公務でないにもかかわらず出せるかという点につきましては、先ほど郵政省の経理局長から御答弁があったわけでございますけれども、その支出のあり方につきましては厳に適正を期することが必要であることは言うまでもないところであります。
#164
○説明員(柴崎敏郎君) 当然のことでございますけれども、国の経費の支出につきましては、予算の費目に定められたワク内において支払いの行なわれるべき筋のものでございますので、無制限に支払いができるという筋のものとは考えられません。
#165
○森中守義君 郵政省経理局長、いままでブラザーあるいはエルダーのために使った金高――この前私、申し上げた、その中で、件数でもって領収書が添付されているもの、添付されていないもの、全体で何件になるか、その中の領収書のあるものないもの、ちょっと比率を教えてもらおう。
#166
○政府委員(浅見喜作君) この経費の支出方につきましては、御承知のように、月一組のリーダーといわば弟分に対しまして千円を限度といたし、残額がありましても翌月に持ち越せないという縛りのもとに支出せしめておりまして、そういう関係からいたしまして、もちろん私ども地方郵政局にも会計監査機関を持っております。そういう立場からの内部監査もいたしますが、第一次的には各郵政局の所属長、会計機関が自主監査をいたしまして厳正につとめるということで、いわば第一次的にはまかしておる立場からいたしまして、ただいま、どの管内で何件領収書があり何件領収書がないという数字はつかんでおりません。
#167
○森中守義君 それはまかせているからわからないというのじゃ困るよ、それは。自治監査があっても当然報告があっているだろう。調べなさいよ。
 領収書がきちんとそろっているものはどのぐらい、そろっていないものがどのぐらい、映画を見に行ったとかお茶を飲んだとか、大体、これはたてまえとしては、いま大蔵省が言っているように適正な使用でなければいかぬと、こう言う。検査院も同様なことを言っておる。まかしているから領収書がどのぐらいあるのかないのかわかりませんというようなことでは、郵政省の経理、どうなっているのか。待っているから、調べてきなさい。だめだよ、それじゃ。
#168
○政府委員(浅見喜作君) 先ほど申し上げましたような体制でやっておりますので、地方郵政局の経理部監査課におきましても、年次計画に基づきました会計監査のため臨局した局についてのみそういうことがわかるわけでございまして、全体的な数字はちょっと郵政局を通じましてもつかめないという状況にございます。
#169
○森中守義君 大体郵政省の経理どうしているんだい。そんないいかげんなことでいいのかね。臨局していなければわからぬと言っても、ちゃんと経理状況報告あっているんでしょう。いますぐとは言わないから全部出しなさいよ、そのくらいのことは経理局の監査機構もある、監査課もある、――場合によっては会計検査院に依頼してもいいよ。大臣どうですか、いまの経理局長の答弁は。国の金をそういういいかげんな認識のもとに使わせておるのですか。一体国会の予算の審議というのをどう思うのですか。郵政省の金じゃないんだよ、それは。たまたま国民の税金を、これこれは郵政省によろしいといって預けているだけのことだよ。経理局長の私有財産じゃないよ。いかにも私物的な考えを持っている。それでは困ると思う。大臣出してください、それを。領収書がついているのはどのくらい、ついていないのはどのくらい。経理局長は困難だと、こう言う。困難だからやむを得ないということじゃ通りません。どうしますか。
#170
○国務大臣(久野忠治君) 御指摘の点はまことに私は重要、重大な問題点だと思います。そういう理解でございます。でございますから、事務当局に命じまして検討さしていただきます。
#171
○森中守義君 これは大臣、よほどその辺のことはひとつ御配慮いただきませんとほんとうに問題ですよ。領収書が取れる取れないというのはリーダーの一つの裁量にかかっている。しかも経理局長がああいう姿勢ですよ。しかも現場の局長に一任をしてある、金は渡された、行ったから請求が来た、領収書はついていない。一体、そういう場合に正しくリーダー活動のために使われたかどうか、その判定はだれがするのですか。わからないじゃないですか。リーダー活動のために使ったかどうか、せめてその辺のことぐらいはきちんと整理されておきませんとたいへんですよ。だれとは言わないけれども、郵政省が委嘱をしたリーダーの中に不心得者がいないとは限らない。彼女を映画見に連れて行ったり、彼女と海水浴に行った、これもひとつその金で出してもらうかというようなことが全くないとは言い切れませんよ。言い切れるという確信がありますか。経理局長、あるかねそんなこと。だから、何のためにだれがどこで使ったかということは、少なくともこれは確認をしておく必要がある。だから、証拠書類出せと、こう言うのです。いま大臣が一応お答えになりましたから、おそらく実施されるものと期待いたしますが、もう一回ひとつその辺の――少なくとも領収書は全部取れていない、何のために使われたかもはなはだ明確でない、そういうものが相当あると思うのです。これはまた場所を決算委員会等に移してもいい。しかし浅見経理局長の当初の答弁では断じて承服できない。適正な予算の使用がああいう局長のもとで行なわれておるかどうかわからない。もう一回、大臣、重ねていままでの経過と、これからどうするか、あわせてお答えいただきましょう。
#172
○国務大臣(久野忠治君) 先ほども申し上げましたように、非常に重要な点を含んだ御発言と私は受け取っております。そういう理解でございます。でございますから、事務当局に命じて検討さしていただきます。
#173
○森中守義君 ぜひそのことは大臣の善意を期待し、いずれかの機会にまたその結果をお尋ねすることといたしましょう。
 そこで、日弁連の警告書の中に七項目の改善、改革が示されておりますね。で、これは先々回の委員会で、このことを謙虚に受けとめて善処したい、こういう答弁がありましたし、また加藤労働大臣も、このことのお尋ねに、こういうことは好ましいことではない、こういうお答えもあった。そこで、この七項目の、具体的に「根本的改革を施すべきものと考える。」、こういう提示された内容についてどういう処理をなさるおつもりですか。もうそろそろ検討が終わっていると……。
#174
○政府委員(北雄一郎君) 実は、総体といたしましては、目下検討しておる最中でございまして、いまだ結論を出しておりません。結論につきましてはできるだけ早く出したいと、かように考えております。
 以上でございます。
#175
○森中守義君 こういうものの扱いを大体通例的にどの程度の期間を経過して決着をつけるようなならわしになっているんですか。
#176
○政府委員(北雄一郎君) ならわしということは特段にございませんが、要するに、ただ日にちを遷延さしておればいいというものではないという認識ははっきり持っております。
#177
○森中守義君 そうしますと、大臣ね、特にいま、一項の「指導員の活動を公務とする」、これはさっきの統一見解で一つの答えが出ておりますからね、これはちょっとおくとしても、二項の「時間外、私生活への干渉を行わせない」、これに対してはどうお考えですか。
#178
○国務大臣(久野忠治君) いまの私生活には干渉しないということは、私は当然そうあるべきだと思います。
#179
○森中守義君 そうあるべきだということは、具体的に日弁連から提示をされたので、そういう方向で検討を加える、あるいはそれを実施するというように受け取っていいんですね。
#180
○政府委員(北雄一郎君) 恐縮でございますが……。
#181
○森中守義君 大臣に聞いているんだ、大臣に。だめだよ、それは。
#182
○政府委員(北雄一郎君) 現状もございますので、事情の説明もございますので……。
#183
○森中守義君 説明大体わかっているから、大臣から答えてくれ。
#184
○政府委員(北雄一郎君) 実は従来からも一方的な押しつけはいかぬという指導はしておる次第であります。今後もこれを徹底していくという趣旨には相つとめたいと考えております。
#185
○国務大臣(久野忠治君) 先ほど私が申し上げましたように、私生活には干渉すべきものではないという認識の上に立って検討したい、かように存じます。
#186
○森中守義君 ちょっと大臣、あとの、私生活まではわかりましたが、それをどういう意味でしょうか、させないという御意思ですか、やむを得ないという御意思ですか、ちょっと語尾がはっきりしませんね。
#187
○国務大臣(久野忠治君) 日弁連のこの警告書の中に、ただいま御指摘のように、「私生活への干渉を行わせない」という項目についての御質問と私は解しておるわけでございますが、この点については私は理解のできるところでございますから、その点を十分踏まえて検討いたしたいと存じます。
#188
○森中守義君 それから三番目の「マンツーマン方式を改め集団指導制にする」、これについてはどうお考えですか。つまりマン・ツー・マン方式というものが通達の中でもちょっと予備的に言いわけはしておりますね、組合の加入脱退等、こういうものに言及したものは解任をすることなども言っておりますからね、多少の予防線を張ってある。けれども、だれが、どこで、どうやったかということは、おおむね公にされない場合が非常に多い。しかし今日こういう問題がわざわざ国会の中で議論されているということは、このマン・ツー・マン方式が一番いけない、こういうことなんです。そこにとかくの紛争を発生をする源があるわけですから、この方式を集団指導方式に改めろ、こういっているのですがね。これをどうお考えですか。
#189
○国務大臣(久野忠治君) この点につきましては、ただいま鋭意検討中でございまして、しばらく時間をおかしをいただきたい、かように考えます。
#190
○森中守義君 ただ検討中ということでは少し承服しかねますね。大体どういうような議論の内容なのか、まあ、私はこれは一つの意見にもなりますけれども、特定の場所に、特定の日時等を定めて若い皆さん方を集める、そこで当局側あるいは組合側、公開の場所で私生活にはこういうことが望ましいとか、あるいはまたそれぞれ苦しみがあった、悩み、そういうものがあったり、いろいろな人生の体験等をそういう人たちがだれかに聞いてもらう、指導を求めるという、公開の場所でこういうことをやったらどうでしょうか。ここにいわれているのはマン・ツー・マンという、こういう方式が、ややもすると人権を侵すという疑いがあってみたり、労使の問題等をことさらに惹起する可能性があるから公開の席でやりなさい、ちっともおかしくないと思うのだね。そういう方式に改めたほうがいいんじゃないですか。そういう議論がいまあっているのかどうか、検討中という意味の内容はどういうことなのでしょうか。
#191
○政府委員(北雄一郎君) 実は、御承知と思いますが、もともとの制度は完全なマン・ツー・マンでございまして、新規採用後一年間このエルダーがつく。ところが去年二月に本省の新制度にいたしましたときに、その一人の人が新規採用職員に一年間付き切り、付き切りというのは語弊がございますが、一人一人ということですと、その人の個人的影響度があまり強過ぎるのではないかということで、実は二月からこれを前半と後半に分けまして、別のエルダーをつける。そのことによって人格的影響というものを折衷と申しまするか、そのいいところは温存するが、悪い面はある程度チェックできる、こういうシステムにいたしますと同時に、いま先生おっしゃいましたような集団指導ということが、有効な場合にはこれも使えというふうにしておるわけでございます。またこの組合加入云々という問題につきましては、これはエルダーにかたく戒めておりますし、そういったことがあった場合には解雇するという制度にもしております。また、これまた去年の四月からでございますので、そのエルダーがつく前の新規採用職員に必ず一定の文言の大きな印刷物を渡して、それを初任者教育のときに、はっきり教え込む、実はその内容はいずれエルダーがつくだろうが、その場合、組合云々の話は絶対もうしてはならぬ、またあなた方もそういう話は聞かないようにしなければいかぬという注意書きも添えておるというようなことで、極力弊害というものは除却して、そのメリットの点は伸ばす、こういうふうに考えておる次第でありますが、この点をさらに徹底をするということと、それから集団指導というような場合が具体的にどういう場合に有効であるだろうかというようなことについても検討をしておる次第であります。
#192
○森中守義君 大臣ね、さっき申し上げた、私生活への干渉を行なわせないというこの問題ですね、これは、マン・ツー・マンがそういうことは意味してるんですよ。私生活への干渉はやるべきでないという大臣の見解であるならば、マン・ツー・マンというものが私生活の干渉を行なわしめる、あるいは労使間の紛争を発生せしめる一つの根源なんです。こういうように考えてきますと、若い人たちの定着率を高める、その一つの手段としてこういうものがとられておるならば、これは他に手段が、もっとだれしもが得心をする、もっと効果的な方法、しかも内部のあるいは一般からのとかくの非難や批判をことさらに集中されなくてもいいような、公開の場所でこういうのをやれというのが、一番これはいいことじゃないですか。そういう意味でマン・ツー・マンやめたらどうなんだ。他に手段と方法はありますよ。だれが見ても、ああこれはもういいことをやってる、なるほど若い人たちの社会教育を高めている、またそのことがひいては定着率を高めていくという方法というものは、集団のほうがむしろいいんじゃないか、こう思うんですがね。こういう意味で、検討中と言われるんだけれども、これはひとつ即刻割り切って実施してみたらどうなんです。――局長の言う意味はわからない。
#193
○国務大臣(久野忠治君) マン・ツー・マン方式を改めて集団指導制にせよというのが日弁連からの警告書の内容であることは承知をいたしております、私は。承知はいたしておりますが、しかし、この問題はただいま人事局長から答弁いたしましたように、当初出発した当時の経過等もこれあり、十分この内容については検討をさしていただきたいと、かように存じます。
#194
○森中守義君 いや、せっかくのおことばですがね、局長は悪いところがあれば改めますと、こう言ってるわけだ。このマン・ツー・マンというのはいいことはないんですよ。こういうものが非常にくさいから問題が起こりやすいので、公開の場所でやりなさい、そのほうがよほど効果的であり、よからぬ疑惑や疑問を持たれなくていいんじゃないか、こう言ってるわけですよ。ですから、検討されるということは、いやしくも大臣が言われるように、「時間外、私生活への干渉を行なわせない」、これは妥当と認めると、こう言われるならば、進んで私はこういう方法を選択さるべきだと思う。経過がどうあったから、それにしがみつくという必要ないんじゃないですか。まあ、重ねてお尋ねするようで恐縮ですが、もう一回ひとつ、検討するということはそういう方向にいくんだというような意味であるのかどうなのかですね、もう一回答えてもらいましょう。
#195
○国務大臣(久野忠治君) 重要な問題点でございますので、きょうの、本日の委員会で議論されたことなどを踏まえながら検討さしていただきたいと存じます。
#196
○森中守義君 四番の「経費の支出基準を明確にし、会計を公開する」、こういう指摘がありますが、これはどうなんでしょう。
#197
○国務大臣(久野忠治君) 経費の支出につきましては、先ほど私はお答えしたと思うんでございますが、一番最初にお答えしたと思うんでございますが、これはやはり、十分この内容については不明確な要素があってはならないというふうに私は理解をいたしておりますので、そうした点等についても検討を加えさしていただきたい、かように存じます。
#198
○森中守義君 この基準というのは、千円を一つの限度額にしているようですからあらためて言うことにもならぬかわかりません、限度額につきましては。しかし領収書はこれはさっきだいぶきびしく言ったように、いかなることがあっても取るように、しかもリーダーの名をかりて彼女とコーヒー飲みに行ったり、映画見に行ったりデートまでもこれ使われちゃたまりませんよ。で、しかも郵政は、経理局長は、把握しようとしてもできませんと、こう言っている。こんなむちゃな話ありませんよ。だから、これはひとつ、さっき申し上げましたように、領収書のあるもの、ないもの資料として出してもらいましょう。そうして、一そうこのことについてはこれこそ検討してもらいたい、いかがですか。
#199
○国務大臣(久野忠治君) 先ほど申し上げましたとおり、この経費の支出については公正なものでなければならぬと私は思います。そういう点などを十分踏まえて検討さしていただきたいと存じます。
#200
○森中守義君 もうそろそろ時間がまいりますのでたいへん先を急いで恐縮ですが、五番の「組合加入への干渉を禁じ、違反した指導員に対しては厳正な処分をする」これは日弁連の説明書の中に相当分厚い実例があげられております。これは単に説明を読んだだけではおさまらない、具体的な事例があげてあるわけですからね。これは処分しますか。あるいは出された以上かなり実態が把握されておらなければならぬと、こう思うのですが、把握の状態、それといま申し上げる五項を受けて厳正な処分をするかどうか。いかがでしょうか。
#201
○政府委員(北雄一郎君) ブラザー活動自体が公務でございませんので、そういうことでございますから、行政処分というわけにはまいらぬわけでございますが、ただ解職をすると、ブラザーであることをやめさせると、それからまた、先ほど申し上げましたが、昨年の四月からは新規採用職員に半紙一ページ大の大きな紙にきれいに印刷いたしまして、そういった話はなしということを特に念を押したものを初任者教育の最初に各局で教え込むということにもいたしております。その他、当然管理者のほうでそういったことのないように気をつけるという配慮もしておるわけでございます。
#202
○森中守義君 これは人事局長ね、一つには通達で、いやしくもリーダーの任務をおろそかにした者については解職をする、こういう措置はとれるはずです。
 それから、いま一つ、なるほどリーダーの任務であるけれども、その身分、地位というものは郵政省の職員である、そういう立場からも不当労働行為の対象者になったと、あるいは不利益な処分を第三者に与えたという事例が多いわけです。何もこれはリーダーというそういう立場からの処分だけを意味しているのじゃない。当然郵政省の職員としてやってならぬことをやったと言っているわけだから、そういう郵政省の処分規定に照らして処分できないはずはない。それはどうなんですか。
#203
○政府委員(北雄一郎君) リーダーということと離れまして、管理、監督の地位にある者がこの組合の組織に関与するということであれば、これは明らかに不当労働行為でございますから、そういった場合には適正な措置をとると、過去においてもそういうことをしたことがございます。ただ一般の、一般のと申しますか、ブラザーの全部はそういう管理、監督の地位にある者でないわけでございますから、したがいまして、そういう関係は職員間においては発生しない、こういうことでございます。
#204
○森中守義君 これは内容を見れば、大体そういう地位、立場にある者が多い。よしんばなくても、不当労働行為などがずっとあげられているわけだから管理、監督の立場にあるなしにかかわらず、禁じられていることをやった以上は、郵政省の処分規程等によって処断すべきじゃないですか。これは大臣、いま局長と私との問答をお聞きのとおり、当然のことでしょうけれども、違反した指導員に対して厳正な処分をする。これは単なる指導員という立場にとどまらないで、郵政省職員という立場からも対象にすべきだと、こう思うんですが、どうですか。
 立っていろいろ横から言う必要ないよ、聞いていないんだから。
#205
○国務大臣(久野忠治君) いや、耳打ちされたとおりに私は答弁しておるわけではございません。私は私の判断で答弁いたしておりますので、誤解のないようにひとつお願いをいたしたいと思います。
 組合活動、あるいはそれぞれ職員の皆さんがこの労働組合に加入したり、あるいは未加入の方もあるわけでございますが、そういう事柄につきまして一々私たちが干渉すべき事柄ではない。私はさように存じます。
#206
○森中守義君 それからその新入職員側からの指導員の交代の申し出を認める、こういうことが言われている。このことは、いかに指導員、すなわちリーダーに委嘱されている者が一〇〇%いいということではないという意味なんです。悪いのがいる。だから指導を受けようという側の者が、こういう人は困るとか、いやだという場合にはその交代を認める、こう言っているんですが、これはどうなんです。当然でしょうね。
#207
○国務大臣(久野忠治君) 交代の申し出があった場合には認めることは、私は当然だと思います。
#208
○森中守義君 それから、最後の「労使双方の代表が指導員の指名、依嘱に参加する」、これは非常に重要な問題だと思う。しかし、これは三項の「マンツーマン方式を改め集団指導制にする」、これが実現をするならば、必ずしも七番というものは固執すべきものじゃないでしょう。しかし、たてまえとしては、一方的な委嘱、また、片一方が同意を与えたからということではこれは適当でないと思うんですね。要するに、ガラス張りの中で最も公平にやるべきだというのが日弁連の意向であり、しかも具体的な事実を中心にした調査の結果こういう答えが出たわけです。進んでこれは採用すべきだと思う。リーダー制、ひとつもうしろ暗いことはございません。公明に、正大に新入の職員のために社会教育、人間教育をやっているんだと、そういう指導をやるんだということであれば、七番というものは採用すべきだと思う。どうですか。
#209
○政府委員(北雄一郎君) 先ほども申し上げましたが、このこと自体は国の事務でございまして、したがいまして、それを人選につきまして相談するというつもりはございません。ただこれも去年の二月までは実はこのだれがだれのエルダーであるか、リーダーであるかということについて隠しておったわけでもないんですが、公表もしておらなかったわけです。で、それをはっきり掲示板に公表するということをしております。また解職した場合でも、解職したということを一々掲示板に公表する、掲示板あるいは文書で回す場合もございますが、公表するということでガラス張りにはいたしております。
#210
○森中守義君 これはガラス張りにしたと、こう言われるんだが、そうなっていないところに問題があるわけだから、いま人事局長の言うだけのことではそうかということにはなりませんよ。
 そこで郵政大臣、もうお約束の時間がきましたのでこれで終わりますが、これはどうでしょう、個々的に私はその七項目について、要望を兼ね、また約束をしてもらいたいと思って言ったわけですが、必ずしも即答が得られておりません。まあ、これは無理からぬ点もあろうかと思う。よってこの際、省議等でとことんまでこういうものの対策を一ぺん検討されて、この委員会に具体的にこの件についてはこういう措置をとった、ああいう措置をとるという、きょう公務であるかないかという統一見解が出たように、この指導員制度に対する郵政省の見解、こういう点まとめてお出しになりませんか。極力すみやかに、しかも大臣が検討したい、その妥当性を認める、こういうやや前に進んだような答弁になっておりますから、決して私は、そのことを、何を言っているかわからぬという、そういう考え方は申したくない。けれども、具体的に大臣在任中に、この問題を処理されるように、そのためには、この委員会に大臣の具体的な措置、結果というものを報告願いたい、お約束できますか。
 それと労働大臣ですね、こういうこともやはり労働省関心を持ってもらいたい。郵政大臣も真剣に取り組んでもらっていると思いますけれども、やはりちょっと何か言うと耳打ちに来るような、そういう郵政官僚の今日の姿勢は、簡単にこれは直りませんからね。そうなれば、議院内閣制の今日の政治のもとに官僚の独裁を許してはなりませんよ。いいことはいい、悪いことは悪い、処断すべきものは処断をするということをひとつ郵政大臣、助言をしてもらいたい。郵政大臣は郵政大臣で存在中にこれを片づけてください。十数年来、こういう陰にこもったような郵政省の内部事情にある。国民の事業ですからね。こんなことばっかりやっていて国民にサービスできませんよ。有能な人材が郵政を求めても逃げていくのはあたりまえ、定着性が低いというのは、見切りをつけて、さっさと郵政省を逃げていく、これが現状だと思う。若い人たちが進んで、好んで郵政省に、この事業に参加してくるような明るい、しかも、未来を持つ郵政事業に、これ郵政大臣、存在中にやってほしいと思いますね。それには具体的にこの問題をどう処理するか、こういうことだと私は思う。きょうはこの程度にしておきますが、できるだけ早く検討の結果を報告できますか。
#211
○国務大臣(久野忠治君) どうもことばじりをとらえるようでまことに恐縮でございますが、ただいま日弁連からの警告書の妥当性を認められた云云ということばがございましたが、全部妥当であるとは私は申し上げていないのでございます。御意見の点については、理解できる点もありますので、十分それを踏まえて検討させていただきますと、かように私は申し上げておるのでございますので、どうか、その点の御理解を賜わりたいと思います。
 さらにこの点をできるだけ早く結論を出して、その検討した事項を当委員会に提出をしたらどうか、こういう御意見でございます。できるだけ早い機会にこの検討事項につきまして結論を出すように私は努力をいたしたいと存じます。このことでひとつ御理解を賜わりたいと存ずる次第でございます。
#212
○国務大臣(加藤常太郎君) 先般の五月十日であったと思いますが、この問題につきまして森中委員からいろいろ御指摘がございまして、まあこれは、さようなことを言わなくとも十分御存じだと思いますけれども、郵政省に対しまして、私が直接指導監督というのは、労働省には労働省の立場でいろいろ郵政事業に対して不当労働行為であるとか、労働基準の違反があるとか、こういう場合にはこれは私からこう言いますけれども、やはり郵政大臣が労使関係の主管大臣でありますから、われわれから見まして、これはどうもどうかと思うようなことについては、これはよく大臣と連携をとりまして、労働行政の円滑な運営を、これは私も権限にあり、指導をするのも当然でありますけれども、いろいろ日弁連の問題、ブラザー制度の問題、この運営がなかなか微妙な点で、これがすなわち全般的に悪いと言い切れないところもありますので、先般、五月の十五日であったと思いますが、閣議の席でよく郵政大臣と話しまして、改善すべきことは改善してもらいたいと、こういうふうにお話をいたしましたし、私はまあ、これはやはりかようなことは、これは申すべきことではないんでありますけれども、えてして、労使の関係は対等だというが、やはり使用者は昔の観念で、こういくというような気持ちもありますので、明るい、働きやすい職場と、そしてそれが郵政事業本来の使命の達成の根拠にもなるのであります。しかしまた、労使関係の労働者のほうもやはり国民全体の利益幸福、公共の福祉とこういう観点からやはりこれに対しても理解を労働者のほうも示してもらって、やはりこういう国民の要求からいきますと、能率的な運営とか、いろいろ改善すべき点だとか、これが少し労働者の気持ちの悪い点もありますけれども、しかし管理者の、使用者のほうがその名目に名をかって、管理運営を強くするために労働環境なり職場の問題なりいろいろな問題が、弊害があったことはいま御指摘がありましたが、こういう問題につきましてはさっそくわれわれの事務当局から郵政省の事務当局にも話をしてよく反省して、いいことはひとつやってもらいたいと、私も大臣と話しましてこれはまあ日弁連から警告があろうが、どこがあろうがやはり国会で取り上げた問題だから大いにひとつ反省してやってくれと、やはり相互理解が何といっても労使関係にあって、気持ちよく働くと、こういう場合には、聞きますと、六人委員会というものがあって、そういうところでも労使関係がよく話し合ってうまくいくようなことに持ってきてもらいたいと、万一、これが不当労働行為があったという場合には、これは権限がある公労委がやることでありますけれども、そこまで意見を聞かなくても、こういう問題は労働省からこちらのほうと連携をとって、これはよくするような方向で、森中議員の御指摘の中にも、これはまあ、いろいろ考えなくちゃならぬ問題もあるし、また、こちらのほうの郵政省の立場から見ても、またいろいろ無理からぬような点もありますけれども、やはり改善すべきことは私は当然改善するのが日本の行政の立場からいって、労働行政の立場からいって近代的な労使関係の樹立がやはり国家の運営、民族の繁栄、労働者の立場からいっても当然と思いますので、今後ともなお一そう、具体的に問題についてよく話し合って、連携をとって話し合って改善に善処いたしますことを私はここで申し上げたいと思います。
#213
○大橋和孝君 続いて、やはりこのいまの問題について聞きたいんでありますが、ただいままでずっと質問の経過を見ておりまして、私はどうも納得がいかないのであります。いま言われておりますと、月額千円ワクのエルダーのほうがいろいろやっておるんだから気の毒だからまあ実費弁償の意味で渡すんだという、私はどうもこの意味がてんでわからないんですね、聞いておりまして。公費をこういうところに一体渡していいのか。これはもう私は非常に重大なことが行なわれておるように思います。先ほどから話を聞いておりますと、この千円の使い道も一体、はっきりと使い道がわかっていない。公金を使って何に使ったかわからない。私はこんなことを言うたらちょっと言い過ぎ、あるいはまた失言になるかもしれませんけれども、この千円をみんな、すべてのとまでは言わないまでも、みんながそういう目的に使わないで、まあ、デートに行ったりなんかする金にみな使ったと仮定をした場合、それでもこれ認めますか。わからないでしょう、それが。そうでないということが。言えないといういま話でしたね、いま聞いていますと。そうすると、結局はそういうことに使われている金が、公金が出ているということで、これでいいんでしょうか。
 それから、また、私が、これは間違ってはいない、調べたところによりますと、たとえば広島の郵政局あたりでは、そういうエルダーに対しては金は出しておらぬというわけですね。関東、大阪は出しておる。出してもないところもあるし、出しているところもあるといえば、これは出さないでおけといったらおけるはずじゃありませんか。なぜ出さんならぬのですか。私はこんな金は、この金は一体全額どれぐらいになっておるかと前、聞きましたら、相当の金額に達しているわけですね。これにも出ているように、私も資料を持っていますが、そういう大きな金を、公金を、こういうのに使って、そのしりは一体何に使われたか、時にはわからぬという。こんなけしからぬことないと思うのであります。これはもう郵政省の観点も、大蔵省からも一ぺんそんなことをはっきりしてくださいよ。そんなことで、これで議論が尽きていったとするならば、私は絶対委員として何をしているかということにもなると思うのですね。これはもうどこへいっているか、徹底的にこれは返さす必要があるのじゃないかと私は思いますよ。こんなつまらぬことでこれが行なわれているというようなことは、これはもうほんとうに許しがたいことだと思うのですけれど、どうですか。その見解を教えてください。
#214
○政府委員(北雄一郎君) その月額千円を最高限度にする実費弁償がどこに使われているかわからぬという御指摘でございますけれども、先ほど当局で答弁いたしましたのは、本省としてただいま把握しておらないと、こういうことでございます。それは当該局におきまして、自治監査という一つの一般的な方法がございます。この自治監査の方式でもって、これについても現場長がよくその支出の適正をはかれと、こういうことにしてあるわけでございまして、そういう意味で現場ではわかるが本省は把握しておらない。そのことにつきまして重ねて先ほど御質問ございまして、大臣からそういった方法につきましてはさらにその改善の方向で検討してみると、こういう趣旨のことをお答えしたと思うのでございますが、そういうことでございます。
 それから、関東、東京、近畿、東海、この四つの郵政局は、まあ、大都市をそれぞれかかえておりますので、特にこの必要度が高いというので、この四郵政局に対しましては本省としてそういった経費を流しております。他の郵政局は流しておりません。そういうことで、本省が経費を流しておるところは、この月額千円をリミットとすることができると、こういうことでございます。
#215
○大橋和孝君 ちょっと、いまの答弁でね、まあいままでの経過、私、聞いておりましたよ。聞いておりましたから、それは大臣がそうされるということも聞いたんですが、あなたはそれで責任感じないのですか。いままではそういうことを把握してないのだと、把握してないで、あなたその金を使わしておって、あなた自身、局長としてそれに責任感じないですか。ぼくはね、いま、大臣ももちろんそうだろうと思うのですがね。私は、その千円ずつ出しておって、それは事実はまだわかってませんのやと、そういうことはまだいま検査をしていないからわかりませんでしたといって、その千円――千円だけだったらまだ数は少ない。これはよそもやっていたらたいへんな金でしょう。そういう金を使っていたところを、いま私は、はっきりとしたデータはとれないだけでありまして、これからとりますというようなことでそれ済みますか。私はね、いまの議論聞いていてね、どうにもこうにも納得できぬのですがね。ぼくのような頭の悪い、あんまり知らぬやつにわかりやすいように説明してくださいよ。
#216
○政府委員(北雄一郎君) それを何に具体的に使ったかということを全部本省へあげてこいというシステムにしてないわけでございまして、現業局長の責任でやりなさいと、こういうことにしてあるわけです。したがいまして、そういうシステムでありますと、本省あるいは郵政局という上部機関が、まあ、全局ではございませんけれども、会計監査というものをいたすわけでございます。その会計監査の際に、当然そういうふうに、所定の手続で、そして所期の目的にそういった金が使われておるかどうかということも監査としてチェックしてあがってくると、こういうシステムの中に置いてあると、こういうことでございます。それで十分かどうかということについてさらに省として検討したいと、こういうことでございます。
#217
○大橋和孝君 もうあんまり時間かけたくないんであれですけれども、実際私は、これやるんなら、あげないでまかしてあると言うなら、それは結局請負制でやらしているわけですか。あなたが命令出しているんでしょう、もとは。そういうブラザー制度、あるいはまたエルダーというのを任命したりするやり方はあなたが命令を出している。それで、それは公務だと言っているわけですね。やっていることはどうだとか、いろいろありましたけれども、結局、あなたがそういうことをやらしておいて、そして、それは各局に請負でそれをやらしていると、こういうふうに見ていいんですか。
#218
○政府委員(北雄一郎君) 委員長。
#219
○委員長(矢山有作君) ちょっと待ってください。北人事局長、あなた質問の核心をつかんで答弁なさっておるんですか、どうですか。質問の核心をつかんで答弁してください。私は、いま聞いておって、大橋君の問題にしておるのは、自治監査をやろうが、現業局長が責任を持って現地で会計監査をやろうが、どんな監査をやってみたところで、いわゆる職場リーダーの活動費として出されたヤンガー一人について千円の金が、必ずしもリーダー活動に使われたということがつかめぬのではないかと。たとえば、映画に行った、その領収書が出てきた。コーヒー飲んだ、領収書が出てきた。その領収書を見て、これがリーダー活動に使われた経費としてあがってきたか、それとも彼女と映画に行っておったのか、コーヒーを飲んでおったのか、それがつかめぬじゃありませんかと、このことを大橋君は質問しておるのだと私は思いますよ。そういう国費の使い方ではやっぱりあなた方の責任は免れぬのじゃないかと、これを言っているわけですから、的確に答えてください。
#220
○政府委員(北雄一郎君) たいへん失礼をいたしました。要するに、請負ということではございませんで、そういった権限と責任を現業局長に与えておると、こういうことでございます。
#221
○大橋和孝君 その現業局長も、いま私が言っているように、つかめてないでしょう。つかめますか。それは、コーヒー代はこれです、バス代は何ぼです、どこどこへ行ったやつはこれです、トルコぶろへ行ったら何ぼですというやつが出てきましたら、それで、そのものがそこで使われたことは領収書があるからわかる。それがほんとうにその活動に使われておるのかどうなのか。自分の好きな人を連れていったり、あるいはだれか別な人と行ったりしているかもわからないじゃないですか。それは原因をつかめないだろうということがわかっていることをやらしておいて、あなたは責任を感じないんですかということを言っておるわけです。
#222
○政府委員(北雄一郎君) お示しのことはよくわかるのでございますが、要するに、現場の責任にまかせておると。したがいまして、現場で十分そういうチェックはしておるだろうと。で、どういう姿でそれをチェックしろというところまでは、手取り足取りは指導しておらないと。ただ、それは自治監査という一つの、他の事項にも共通する一つのやり方がございますので、これも自治点検項目の中、自治監査の一つの点検項目であるぞと。そういうやり方でチェックをしろと。こういうことで現場長の責任と権限にまかしておると、こういう状況でございます。したがいまして、いまのようなこと、それから先ほどの御要望にお答えいたしまして、先ほど大臣が、さらにその点検討したいというふうにお答え申しておりますので、そういうシステムで、これからもいくか、あるいはその点についてだけは、さらに何かこまかな指導といいますか、チェックといいますか、あるいは基準といいますか、そういったものによりまして現業局長にゆだねるということにするか、そこらにつきましては、省内で関係のところとも十分御相談をしてまいりたいと、こういうことでございます。
#223
○大橋和孝君 ぼくは、これからの改良のこともさることながら、いままでやってこられたことに対してあなた一ぺん考えてもらいたいということを言っているわけです。それは、いま、あなた言っておられまして、現業の局長が、じゃ、ほんとうにそれはわかりますか。ぼくは、常識的に考えて、それはできないだろうからしてあなたに尋ねているわけです。たとえば、ここの領収書をもらいました、あるいはここをもらいましたと言っても、その領収書がほんとうにそれに使われているかどうかというようなことは現業の局長だってわからぬでしょう。だれだれが連れていってだれだれをやったという報告をみな出さしているんですか。私が実際、いろいろ聞いたところでは、そうでないところがたくさんあるんですよ。そういうことがわからないで、あなたいままで見過ごしてきた。公金を何百万使ってきた。そして、それに対しては、そういうことが行なわれていることを、不明確に使われているということを知っておったということであればあなたは責任をとらなければいかぬですよ。こんな公金をそんなところに使って、これからどうこうしますの問題じゃなくて、その総締めでそういうことがやられていることに対しては、私はほんとうに責任をとるべきだと思いますよ。そんな公金、これはわれわれ国民の血税の一部ですわ。こういう金をわけのわからぬことで、だれかがデートしていることにどんどん使っておってもチェックのできない状態に置いておいて、あなたはいいんですか。私は、これはほんとうにゆゆしい問題だと思うんですよ。そういうことなんかをはっきりして、それなら、一体全体これに対してどうするんだと。いまも言ったように、出してなくても、やっているところがあるならば出すことをやめなすったらどうですか。少なくとも、過去のことをそうやかましく言わないにしても、いまからやめるということぐらい腹をくくるべきだと私は思いますね、こんなことは。まだ、それを皆さんが何か違法なこういう行為に対してカバーをしていこうという考え方は私は間違いだと思います。さっきからいろいろなことを聞いていますと、この違法的にやられている事柄を何か合理づけるような形で言いのがれていこうというような空気がその端々に感じられてしようがない。私はそこのところをきびしく考えていただきたい。
 もう一つあわせてお願いしておきたいのは、私、十分まだよくわからないんですが、このエルダーに渡す金は、一体、何項のどこによって、何日の何によって払われているか、もう一ぺん教えてくださいませんか。この間の意見もありましたので、聞いてはおりますけれども、もう一ぺん局長の口から聞いておきたい。
#224
○政府委員(浅見喜作君) 項は業務費、目は需品費でございます。
#225
○大橋和孝君 経理局長ね、それを、あなたこういうふうに出しておられて、そして、その使用は、いま人事局長に話を聞いたようなぐあいでよくわかってないんですね。あなたはそれじゃどうしておられる、こうやって経理局長として考えて、こういうことに対しては、責任はそれで十分果たされておると思っていますか。
#226
○政府委員(浅見喜作君) 一般的に国の支出は、予算の定めるところに従いまして適正な執行を国の責任において行なうわけでございまして、その間、先ほども申し上げましたように、もちろん、現場の自治監査、地方郵政局の経理部監査課を通じましての内部監査をしました上で、会計検査院の検査もお受けするというたてまえになっておりまして、その間、厳正に執行されるように私どもつとめておるつもりでございます。
#227
○大橋和孝君 いまのように、――先ほどの話は聞いておられましたね。だからして、結局、あなたは、そうした千円ずつ渡されておるのは、そのエルダーのほうもその仕事に適正に使われていると、こう見ているんですか、この状態をいろいろずっと聞きながら。
#228
○政府委員(浅見喜作君) 実は千円ずつ渡しておるわけではございませんで、月額千円を限度としまして、実際にリーダー活動に要した場合に初めて請求を待って支払われる。そうして、昨年の二月の改正通達におきましては、あくまで会計上の正規の原則であります請求払いをたてまいとしまして、例外的に立てかえ払いを認めるということできびしい指導もいたしております。したがいまして、その使い方はあらゆる面から監査をしておるわけでございますし、適正に執行されているものと私は確信しておる次第でございます。
#229
○大橋和孝君 私も調査に行きましていろいろ話を聞いてまいりました。やはりこれは、エルダーに対して千円を限度といって渡されますね。渡されたほうはもし、それを使わなかったらその業務をサボっていたことになるわけですね。それからまた、それをある程度使っておかなかったら、全体的に見てやっぱりサボってやらなかったということになるわけで、私は、やはりむしろそうでなくても使うように何とかするだろう、そういうことも働くんじゃないかと私は思うわけですよね。ですからして、その制度を、いまからいえば、人事局長あたりは実際はまだ把握してない面があるとおっしゃっている、あなたはそういうふうな出しっぱなしでうまくいっていると考えておるでしょうが、私が実際を見てきたら、そうでもないということがたくさんうかがわれる。こういうような疑問を世の中に出しておきながら、あなたは経理局長として、それで、どうもない。正しくやられていると思います、と言ってうそぶいておられるわけですか。やはりこれは、税金の使い方の面からいうならば、お金を公費として使う面からいえば、私はもっと精細にいろいろ考えるべきじゃないかと思うんですよ。ぼくは、いまの経理局長の態度は、そういうことがちまたにやられていることがある程度耳に入ってもそれを耳に入れずに、正しくやられておると思います、と言って、それでうそぶいておっていいんですか。それであれば私のほうも一ぺんちゃんと、そうした方面であなたに対してもはっきりと態度をしてやらなければいけないというふうに思います。こういうのは決算の場ですかどこですかわかりませんが、一ぺん徹底的にしなければいかぬと私は思いますよ。あなたはそのようにいま把握して、だいじょうぶだ、と言っておりますが、しかし、先ほどからのあれでは、もっと詳しいデータも出し、あるいはまた、その領収書も出してあれをしますと、こういうことの問題に対しては根本から考えますという郵政大臣の話なんですよ。そういうところで、あなたは経理局長としてやっておって、これが正しく行なわれておるのだ、ちっともかまわないのだ、また一方の郵政局では、エルダーに対して金を出してないところもある、一方では出しているところもある、このようなところのことをにらみ合わせてみて、それでほんとうに行政がうまくいっていると、そういうようなことに必ず要る金だ、こういうことになるかどうか、私はそこらのところが非常に疑問に思うんですけれども、あなたの考えをはっきりと聞かしてください。これはあとからまた一ぺん十分詰めたいと思います。
#230
○政府委員(浅見喜作君) 実は、重ねて申し上げますが、千円を月々渡し切るわけでございませんで、現に一銭も使わない局、それからエルダーもございます。そういうものは、じゃ浮いた千円はどうするか、翌月に繰り越すことを禁止しておりますし、またほかの費用に充てることも禁止いたしております。したがいまして、そういう面では厳正にやっておるつもりでございますが、ただいまお話の、それじゃ、該当する職場全部について自信があるのかというふうにおっしゃられますと、私、必ずしもここで自信を持っておると申し上げ得るわけじゃございませんで、これはいかなる金の支出につきましても間々監査に参りますというと不適正な支出というのはほかの面でもございます。そういう意味合いにおける指導違反のような中身がないと私、ここで断言申し上げるほど自信を持っておりません。
 それから広島の関係でございますが、これは先ほど人事局長も申し上げましたように、本省が通達を出しまして正規に職場リーダー制度を実施してよろしいというふうにいたしておりますのが東京、関東、東海、近畿の四郵政局でございます。したがいまして、広島が似たような制度をやっております場合に、そのための予算を私どもの本省として流しておらないという関係がございます。
#231
○大橋和孝君 重ねて経理局長にお聞きしたいと思いますが、先ほど私、申し上げたように、いろいろ領収書なんか取っておられる模様ですね。それには、いま申したように喫茶店へ行ったら喫茶店の領収書、映画へ連れていったら映画の領収書、こうなってきたのが、ほんとうに領収書はあなたの言っているように正規に使われているであろうが、それがほんとうにエルダーとしての任務に使ったときの領収書であるかどうかということはわからぬでしょう、領収書だけでは。私は、そのようなことがあって、あなたのほうは、厳正にやられておる、と言うけれども、厳正の中身がほんとうに厳正であるかないかということを正すことが十分できていないまま私は行なわれているというふうに感ずるわけです。こういうことであれば、やはりあなたのおっしゃっているような厳正な使用じゃない。ほんとうに私的なことだけに使ったかどうかということはわからないわけです。こういうようなままのような状態で、これはおそらく私どもは、社会人の常識として、こういう問題が、そういうことでやられておったと、そうじゃないかと思うのですね。ですから、私は、そういう使い方をすること自身に何か問題があるということを言わざるを得ない。先ほどから私が申し上げておるとおり。そういうところからも突っ込んで考えてみたら、そうお思いになりませんか。これは厳正なものじゃない、中には悪いやつがおるから、監査で引っかかるやつもあるんだということじゃなしに、そのもの自身、やられている事柄、その事柄が私は、もう少し経理局長の立場であれば、もっとそういうことに対して真剣に取り組むべきではないかと思うのですが、その領収書に対してどうしてそういうことになっているかということを明確に分けられるような領収書をお取りですか。
#232
○政府委員(浅見喜作君) 先ほど申し上げましたように、昨年の改正通達から、正規の支払い方を原則としておりますので、会計執行あるいは監査の立場からは遺漏なかろう、あるいは遺漏がないように監査をし、また会計検査院の検査もお受けしておるということを申し上げた次第でございます。もちろん、その金が、職場リーダーがその受け持ちますいわゆる弟分との関係において必要としたために支出されるべきでありまして、それ以外の全くリーダー自身の私的なことに使われているとすれば、これは全くの不当支出に相なるわけでございます。そういう点、これは先ほど自主監査あるいはこれに準じたあり方を、それぞれの所属長に求めておると通達で書いてございますが、申し上げたのでありますけれども、そのあり方としまして、たとえば某月某日だれそれがだれそれとどういう所で、どういう話をしたかというような報告を求めるようなシステムをとっておる局所もございますし、これは先ほど人事局長お答え申し上げましたように、それぞれの権限の委任を受けました所属長が、そういう観点から遺憾ないようにやっておるはずであるというふうに私は考えておるわけであります。
#233
○大橋和孝君 次官も聞いておってくださるのですが、こういうふうなことで、私は、こういうふうなお金を――もう私はこういうふうなことで議論していけば、それはそうだという言い方は言えると思うのですよ。ですけれども、私は、そういうことから言って、まあ、たとえて言えば、どっかにおろしてなくてもやっているところがあるならば、私はこういう不明な金は使わないようにしてほしい。先ほど森中委員のほうからもそういう話があって、よく大臣がまとめてください、という話がありましたけれども、私はこういうようなことは直ちにひとつやめるべきではないか。
 もう一つここでつけ加えて言わせていただくならば、いわゆるエルダーになられる人は、いままでからの経過でいえば、第二組合に行きなさい、と言われて、そうして、そこでやった人はそこのエルダーに任命されたと、こういう例はあとから私言おうと思いますが、みんな出ているわけですね。そうすると、何か、組合の中に局長が介入して、そうして、その中で、エルダーにして、そうしてエルダーには千円あげますよ、と言ってくる。その領収書はこうだと、これは非常に暗いものを感ずるわけですよ。そのやり方の中にね。ですから、私はそういうやり方はひとつやめて、そうして、先ほどから出ているように、みんなの場で、オッフェンバールにいろいろそういう話し合いをしていく、なんにもマン・ツー・マンで喫茶店へ行ったり、あるいはまた映画館に行かなければその話ができないわけじゃない、一ぱい飲まさなければできないわけじゃないんですから、もう少し定着させるなら何かそういう運動をするならば運動さすように、広場でやったらいいのだ、私はそういうふうにかえって思うわけですね。ですから、そこらのことがあるために、非常に変な暗いものがあるわけですから、こういう意味におきまして、私は、少なくとも千円を実費弁償してやろう、項目についてはいろんなことが出せるでしょう、それはいろいろ言われるでしょうけれども、言われましても、それの最後のとどめ、とどのつまりを考えてみたら、見分けがつかなくなってくる。そうであるならば、やっぱり社会人としてはそこにいろんな疑義が浮ぶわけですから、私は、少なくとも郵政省としてやられるならば、そういう疑義のないやり方をしていただくほうがいいんじゃないか、こういうふうに私は思うものですから、その点はもう一ぺん検討を加えて、こういう制度に金を出すことは一切しない方向で、そして、もっと明るい気持ちでできるような形にひとつ話を進めてもらいたい。私は、それについての研究をひとつできるだけ近い間に出してもらいたいと思いますが、いかがなもんですか。
#234
○政府委員(鬼丸勝之君) 先ほど来の大橋先生の御質問なり御意見、私もよく理解できるところでございます。まあ、マン・ツー・マン方式で需品費から金を出すということで、厳密にチェックするということはあるいはむずかしい面もあろうかと思います。ただ、経理局長が申しましたように、昨年の二月、従来のブラザー制度の運用でまあ不合理な点を改正いたしまして、経理支出の方法につきましてはかなり合理化して、会計検査院の検査にも十分応ぜられるようにいたしたわけでございますが、まあどうもマン・ツー・マンの場合はいまお話のような点も懸念されますので、この需品費の使い方につきましては、なおひとつ先生の御意向も体しまして、十分検討さしていただきたいと存じます。
#235
○大橋和孝君 じゃ、その問題はぜひ、もう少しいろいろ話をしたいと思いますが、時間がありませんから、ちょっとそれでとどめておきますが、この間私、五月の十日の日に質問をさしていただきましたが、そのときに考えるとか、あるいはまた話の詰まってなかった点がちょっとありますので、一、二その点をお尋ねしておきたいと思います。
 まず、このリーダーの委嘱についてでございますけれども、先般あげられましたように、第二組合員にのみその委嘱対象としておられるような傾向が非常に見られたわけでありまして、政務次官はそのときに、確かに極端な指導員の任命をしておると、こうお認めもいただいたわけでありますが、その郵政省といたしまして、是正するよう考慮中だと、こういうふうに答弁していただいておりましたが、それに具体的な措置がどういうふうにとられようとしておるのか、ひとつ伺っておきたいと思います。
 特に、私はあの王子の局に行って見せてもらいましたが、江原局長のときに対しましても、私はあのやり方に対して非常に強く要望をしておきまして、責任問題もはっきりさせていただきたいと言っておいたんですが、こういう問題に対しまして一体どういうふうにされているのか、ひとつお伺いしたいと思います。
#236
○政府委員(北雄一郎君) あのときもお答え申し上げましたが、全体といたしましては、そういうことは数の上でもなかろうかと思っております。ただ、王子局の場合につきましては御指摘のような状況になっておりました。ただ、これは六カ月間シフトしてございますので、直ちにはなかなか変えられない。しかし、御視察いただきましたあと、たしか一人全逓の人がリーダーになって、委嘱をしております。
 それから、なぜ、では従来そういうことであったのかということを調べてみたんでございますが、実は、この局は昭和四十五年の年末に闘争の拠点となりまして、翌二月に参加しました連中が処分を受けておる。また、去年の年末闘争も拠点になりまして、ようようことしになりまして処分を受けておる。こういう事情がございまして、処分を受けたばっかりの人たちにこのリーダーを委嘱するのもどうかということで、こういう変形的な形になっておったようでございますが、まあ、しかし、これは私どもまだはっきりふん切りをつけておるわけではございませんけれども、やはりそういう点について、そういう根本問題についても、このリーダー委嘱という観点からいたしますれば、若干なお考えて指導すべきものがあるんじゃないだろうか。いずれにいたしましても、六カ月間シフトいたしておりますので、その交代期を見てこれを改善する、こういうつもりでおります。
#237
○大橋和孝君 それじゃ、あとその問題についてはもう少し詰めてみますが、こういうような状態が、この王子の郵便局では非常にたいへんなことが行なわれているわけですね。ですから、そういう点を考えてみたらば、何といいますか、転任のときにどうこうするんじゃなしに、もっと早く私は処置されるべきだということを、あのときにお話を申し上げ、そういう形で十分配慮をするという、考慮をするという話であったわけでありますが、そういう観点から申しますと、この問題は、もう少し前向きに取り組んでもらわないと、やはり今後、いろいろあそこの王子の労使関係なんかがスムーズにいくことに対しては、非常に大きな障害になるのではないかというふうに思います。
 もう時間もありませんから、こういうことにあまり言いたくないと思って、私、飛ばしていきたいと思ったんですけれども、王子の郵便局でやられている事柄は、いろいろないま局長のほうの耳にも入っているだろうと思いますけれども、いろいろ無視されたり、約束がやられなかったり、それがやはり勧告を受けたり、あるいはまたいろいろ控訴された問題やら、いろいろなものがあるわけでありまして、ちょうどここでいろいろ関係の書類は持っておりますが、非常ないろいろなトラブルのもとは、私はここの局長が非常に第一組合の人たちを吸い上げる形で、いろいろな意見をいれていないところに問題があると思いますので、そういう点について、やはりこの間の委員会で御答弁いただきました、それを、そんなふうな簡単なことじゃなくて、もっと時間を急いできっちりとした処置をしていただかなければ、よけいいけないのじゃないかというふうに私は思うのですが、この点いかがでございますか。
#238
○政府委員(北雄一郎君) 当該局につきましては、私どもも、また、所轄の東京郵政局におきましても、十分そういった状況を注視してまいりたいというふうに思っております。
#239
○大橋和孝君 この問題については、積極的に、短期間に前向きの姿勢でぴっちりと処理をしていただかないと、もっともっと私はよくないという事態になろうというふうに思うから、特に、私はそれを強調しておきたいと思います。
 それからまた、去年の四月に大阪の中央郵便局でも、課長代理や職場リーダーということで、労働者を喫茶店に連れていったり、いろいろな不当労働行為があるわけでありますが、このときにも次官は、根本的に是正すべき点は是正する、というふうに答えていただいたわけでございますが、これにつきましても、ひとつ十分にやっていただきたいと思うが、その後どんなふうになっておるか。
#240
○政府委員(北雄一郎君) 仰せの点につきましては、実は、私どもが知りましたのは、日弁連の警告書の中で四十七年二月以降の唯一のケースとして指摘を受けまして、実は初めて本省として知ったわけでございます。
 その後、この問題につきまして、実は現地で、労使間でいろいろ話をしておったようでございますが、先般解決したという報告を数日前に受けました。解決の内容を実は詳細存じませんが、当該エルダーは解職したという報告を聞いております。
#241
○大橋和孝君 この状態も、私のほうで調べてみているのでは、非常にもう一つ徹底したあれが行なわれてないと思うのですよね。それから、特にまた、この王子の問題でも、先ほどは何か労働争議のあとで処罰を受けた人には、リーダーにもされぬからという話でありますけれども、これはずっと聞いて調べてみれば、ほんとうにこれはパーセントからいうて、ほとんど二組合の人ばかりですね。こちのほうの人は当然上げてもらえる人が一人ぐらい、また、いまあなたがおっしゃった一名あたりは、むしろそのブラザー活動といいますか、第二組合との関係なんかに一つの示唆があって、そういうことにされたんだと、意図的なものがあるんじゃないかというくらいにいわれているくらいでありますから、やはりこれはいろいろな点、考えてみますと、こういう問題はこの間の質疑のところで前向きにやるとおっしゃったが、この点を相当前向きにしっかり考えてもらわなきゃいけないので、私は特に、ひとつ次官、大臣ともお話しいただいて、この問題は積極的に、前に進めていただくような方向で努力していただきたいと思います。
#242
○政府委員(鬼丸勝之君) ただいま御指摘の王子の問題は、この前からの大橋先生の御指摘の点をよく承っておりますので、ことにことばだけでなく、前向きに、積極的にピッチを上げて処理するようにひとつ進めさしていただきたいと思います。
#243
○大橋和孝君 もう一つ、保険の募集の実績について、私ひとつ王子の件について申しておきたいと思うんですが、この江原局長が四十五年の七月に着任されておりますね。そして保険の募集成績が、それまでは大体一〇〇%としてその目標を達しておったわけでありますが、着任以来、江原局長は組織介入といいますか、不当差別人事といいますか、先ほど申したような形で、四十六年の四月一日には保険課から六名脱退させて、そのあとすぐに、八月にはその中から二人主任に任命をしておる、そういう状況もあります。まだほかに二名の主任の発令をしているわけです、この中から。いずれも全逓を脱退した後に、第二組合に入って、そのあと主任に発令をするという非常に不当な差別的な人事をし、全逓の組合に対しては非常に圧迫的なことをしておる。また、その結果、職場では非常に不信が起こって、上司に対する不信、職員間の相互の不信、あるいは仕事に対する熱意に対しても非常に影響を及ぼして、募集成績は非常に低下をした。すなわち四十六年度、九月から四十七年の八月は目標の八四%しかできていない。四十四年十二月には四六・八%、四十五年の十二月には四〇・六%、四十六年十二月には三一・三%、四十七年十二月に至っては二二%と低下しておる。これはそうすると、局長さんのおやりになっているそうした方式ですね、これがむしろ、こういうようにして、実績は落ちて、しかも職員間には不満が起こっておる、こういうようなことが起こり得るわけなんですね。これはもう私は、そういうふうなデータを聞いて非常にさることもありなんと、私はそこの実際を見せてもらって、なかなかワンマン的な、何をわれわれが話しても耳を傾けないで、むしろどなりつけて追い返すというような態度でございまして、私は、局長さんとしてはほんとにこれは困ったものだと思って実は帰ってまいりましたが、そういう点から考えて、私はやはり、こういう不当な差別人事、あるいはまた組織的に、組織介入なんかを、こういうふうなことをやっていかれる、こういう事柄に対して、私はこの問題一つ取り上げてみましても、先ほどからいろいろあると申し上げましたが、取り上げましても、たいへんだと思います。ただ、この中で、保険課から、全逓七十三名おり、第二組合は十一名しかいないわけですね。こういうような形の中でこういうことが行なわれているということを考えてみますならば、私は、この局長さんのおやりになっている事柄は、ほんとに私は重大な、労働者に対する介入といたしましても、非常に私は問題だろうと思うんです。こういう点、労働大臣、これを見ましても、私はほんとにこんなことがいまの近代的な労使関係でいいのかと、ことに郵政省として、こういうことが行なわれていいのかという感じも実は持っているわけなんです。だから、それがブラザー制度と相関連をして、また、その何といいますか、主任にしたり何かすることなんかにして、そういう差別があったとするならば、私は非常に問題だと思うんですから、ひとつ大臣も、あるいはまた次官も、そういう点を特に銘記をして、これに対する処置をひとつはかっていただきたいと思うが、どうでございますか。
#244
○国務大臣(加藤常太郎君) この問題は、まあ、五月十日なり、またこの間も森中議員、本日も三回にわたって十分、日弁連の御意向なりいろいろな問題も聞きますし、さっそく先ほども森中議員にお答えいたしましたが、郵政大臣ともよく話をいたしまして、まあ、ブラザー制度は、やめいということも労働省はなかなか――これはまたいい場合もあるんでありますから、職場制の援助、順応という場合の、民間の場合でありますが、まあ、新入社員が来て、もうどこも、こうというときにこれを活用するという、いい面を見ればいい面も多少なきにしもあらずであります。しかし、言いかえますと、もろ刃の刃のようなもので、剣のようなもので、へたするとこれがまた、いろいろ差別的な不当労働行為に該当するようなことにもなりかねないと、こういう点で、この点では、私どもの専門家の事務当局をして郵政省の事務当局ともよく話して、やっぱりもう悪いことはちっと変えいというように指導いたしておりますし、久野大臣とも、ちょっとわしから命令というわけにいかぬけれども、ひとつ、いいことはいいことをやれと、こういって、先ほどの答弁でも申し上げたとおりでありますが、今後、妙な関係にならないように、またこれも、ざっくばらんに申し上げますと、かえって組合の操作にこれを活用するというようなことのないように、費用の質の点、これもいろいろまあ、先般もお話しいたしましたが、これもやっぱり厳正にしなくちゃこれは納得いたしません。そういう点につきまして、この制度の運用の改善、これは当局にも反省を求めて、私は労使が働きやすい、明らかな、愉快な、職場環境の育成につとめるように、よく話し合って連携を取り合って、御指示に沿うように対処いたしたいと思います。
#245
○政府委員(鬼丸勝之君) いま労働大臣から申されたとおりでございますが、特に、差別扱いの問題は、そういう意図は毛頭ございませんけれども、あるいは結果的にですね、結果的にそういうふうに思われるようなことがあったかと思いますが、そういう点は、今後十分注意してまいりたいと存じます。
#246
○大橋和孝君 いま聞いていると、非常に取り方で、えらいいいように聞こえますけれども、そうじゃないんですよ、これはもっとぐあいが悪い。これは大臣、そういうふうな取り方じゃいかぬのです。
#247
○国務大臣(加藤常太郎君) 委員長……
#248
○大橋和孝君 ちょっと、私の言うことを聞いてください。
 でね、これは結局、局長に、いま言われたとおり、千円の金を渡すわけですね。それでやらすことをさせる。そしてまた、こういう制度を置いて、そして、こういうふうに、まあ私、先ほど申し上げましたけども、ほんとうにこれは、まあ、次官はそうじゃないと言いますけれど、それに使われているんですよ。実際に発令されたのを見たら、そうなんですからね。何名やめられて、やめられた中から、いま私、数字を申し上げましたでしょう。そういうふうになってきているわけだから、それはまあいろいろな、先ほど局長に聞いたら、何かトラブルがあったからと言われますけれど、それだったら、もう少し何にも出ない人の中でこちらにもまだあるわけなんだ、いい人は。だからして、その中から選べばいいわけで、私はもっとそういうような正常な考え方であったら、そういう任命のしかたにもそんなものが出てこないと思うんですよ。だから、そういうことで、ふわっと片づけちゃったらとてもだめなんです、こういう問題は。もういろんなことが重なっておるわけです。そういうふうな人事差別をしてみたり、あるいはまた組織介入をしていろんなことをやってみたり、また、それにはうしろには金がついて動いておる。そしてまた、それがある程度、そこの局長の裁量にまかしている。局長は、それをやればやるほど、まあ、いま私は早く処罰しなさいというて、その責任をとらせなさいと言っているけれど、とらないで、何か異動のときにまたいいところへ移していくと、こんなことをやっていけば、それはもう口ではいろんなことを言うておっても、事実はそういうことをだんだんと醸成しようという上部の考え方があるとしか考えられぬわけですよ。私は、その詳しいことはよくわからないけれども、やっぱり庶民の感覚として私はそう思いますよ。そんなことをやっていて、こんなに郵政省というような近代的な、そしてまた、いろんなところで重要な任務をやっていられる方、そしてまた、その働いている人にも十分そういうことがわかってもらえなかったら仕事がうまくいかないというようなところで、何でそんな差別をして、そして、そういうために金を使って、そして何でそんなことをしなければならぬか。もし、そうやって定着のために何かいろんな教育をされるなら、広場で大勢で大っぴらにやったらどうですか。マン・ツー・マンで何やややこしいところへ行って、喫茶店へ行ったり、あるいはまた映画に行かなかったらできぬものと違いますやないですか、それは。そういうことからいったら、私は非常に近代化している状態の中で暗いものを一つつくっていくという、私は職場の中を明るくするんじゃない、いま大臣が言われたようなこととは正反対のことが起こっているじゃないか。それをチェックしてもらいたい。
#249
○国務大臣(加藤常太郎君) いまちょっと私は言い過ぎたようですが、民間の場合の新入社員が出てきて、何がどこやらわからぬというようなときに、このブラザー制度でよくリーダーがごめんどうを見るという程度はいいんでありますが、いまの郵政省の近代国家機関として、公共的な、公共の福祉の立場からいって、いまの郵政省のブラザー制度がいいという面を言ったのではないので、その点はまあ、ブラザー制度そのものの、民間の場合をちょっと例にあげましたが、今後、この問題はどうしても、まあ弊害をこれはもう十分改善して、そして御指摘のような点を郵政当局もこれはもう改善しようといってわれわれのほうにも連絡がありますから、今後、これが改善に推進するようにわれわれのほうも連携をとりまして、御趣旨に沿うように対処いたします。
#250
○大橋和孝君 それでは、特にひとつ、これは重大問題でありますからお願いをしたいと思いますが、その次に、まあ、表彰だとか、褒賞についてひとつちょっと聞いてみたいと思います。
 江原局長が着任せられてから以来、表彰が三十七名行なわれております。第二組合員が三十三名で、全逓の組合員の人はわずか四名、これを表彰しているのですね。そして、全逓組合員の四名のうちには、保険の募集成績が優秀な人が三名いるから、これは当然しなければならぬ問題の人なんです。それが三名。もう一人の人は、この全逓の組合員の方は、第二組合への加入工作に使われておる気配のある人で一名、合計その四名しかいないわけです。あとの三十三名のうち二十九名はもう第二組合へ行った人たちで、つまりこの表彰、褒賞が組織攻撃に使われていることは、こういうところから見ても非常に明らかですね、先ほどは何かいろいろ言われておりますけれども。だからして、こういうことをやっておられる関係者の厳重な処分を行なうべきだというふうに私が先ほどから言っているのは、これから見ても当然起こることでありまして、やはり差別を受けた全逓の組合員をむしろ救済をしなければならぬだろうし、これは支部との協議の上で早急にやらなければならぬし、また、同局におきましては、郵政省の表彰、褒賞の基準をひとつ明らかにして、今後かかる行為が一切行なわれないように私はしなければならぬのじゃないかと、こう思うのでありますが、まだ、その基準なんかも明確になっていないようでありますからして、やはりそういうことの疑惑のないように私は当然すべきじゃないかと思いますが、その点いかがですか。
#251
○政府委員(北雄一郎君) 当該局の表彰の具体的なことについては実は存じませんのですが、表彰であれ、人事であれ、すべて組合の所属による差別があってはならないということは、口をすっぱくしてかねてから浸透をはかっておるところであります。表彰の場合、具体的に存じませんから申せませんけれども、一応やはりそれなりの理由があったんであろうというふうに思いますが、よくこれは調べてみます。
 基準というものにつきましても、確かに点数制とかそういうものではございませんので、そういう意味ではたいへん裁量の余地のある問題でありますが、いずれにいたしましても、公正な運用をはかるということによって人事関係の諸制度は生きてくるわけでございますから、その点十分全体に徹底をさらにはかると同時に、当該局について先ほども申しました意味でよく注目をしてまいりたいと、こう思います。
#252
○大橋和孝君 いまのこういう話をちょっと出しましてもそういう感じがするでしょう。私はあまり詳しいことをよく知らない人間ですけれども、そういう感じはしますわね、一方でそういう数が出てくれば。ですから私は、やはりそういうものはできるだけ、こういう基準で数はこういうふうになったよと、あるいは別に、そういうことがあったとしても、こういう基準だから、こういうふうになってきましたよということが納得できたらふしぎに思わないわけです。基準も明確ではない。けれども、そうやって第二組合へ行った人は、もうどんどんと表彰されていくけれども、行かない者はいかないと、こうなってくると、これはだれでもひがむわけですよ。ひがむということよりも当然それはおこるわけですね。だから、こういうことがやはり近代的な労使関係にあってはならないという点で私はいま話をしているわけです。特に、そういうことで聞いてもらいたいと思います。
 それからもう一つ、シャフト・システムというのがありますね、御存じのように。これは何といいますか、泊まりだとか明けだとか日勤を、王子郵便局におきましても、やはり主事とかあるいはまた何とか、その班をこしらえて、そして、いわゆる課長代理とかあるいはまた主事とかいうような方々が中心になって、そうしてその下に主任が三名、それからまた当務者が十四名ですか、こういうのを一班として、そうして班編成をして三班ができているというふうに王子では聞いてまいりました。こういうようなことでやられておりますが、この問題についてひとつお考えを伺いたいと思うのでありますが、このシャフト・システムによって主事同士あるいはまた班同士に競争をさせようというのが当局、管理者のお考えのように私は見受けたのでありますが、職員に対するしりたたきが行なわれるわけですね、班で競争するわけだから。そして三月の五日の日の事件のように、職員に対して副課長あたりが職制で強制的にいろいろ任務を変更していく、そうして、上司の指示を聞いて、これに従わなければいけないという形でこれが進められていく。しかも、そこの中で割り振りを見てみますと、そうすると、たとえばお正月の元日の日にどうなるとか、あるいはまた正月の一日、二日というときに、もうそういう中には全逓の人が非常にたくさん使われて、そうして一方第二組合の人はほんのわずかしか、そういう悪い場合には、みなが好まないところには使われていない。こういうようなことなんかが出てきている。その詳しいことは私もそう時間がないからよう述べませんけれども、そういうシャフトのその三班編成の中で、そうして仕事組みかえの中でそういう差別的なことが行なわれている。こういうことを見ていますと、やはり若い働く人たちでありますから、かっかとくるのは当然です。それはもう詳しくは申し上げぬが、言えとおっしゃるならば、ここに資料がありますから、何月の日にはどういうことで何人何人行っていると、こういうようなことからいったら、やはりこの全逓の組合員の人のほうが、人の非常に好まないような場合、元日だとか一日だとか二日というようなときには非常にたくさん出さされているけれども、第二組合の人はあんまり行っていないとか、こういうような問題が一ぱい出ているわけですね。それは詳しいことは申しませんけれども、そういうような状態でこういうことが行なわれているということに対して、一体どういうふうにお考えになっておるのか。これも一つの組織介入であり、また一方のいやがらせであって、それが行なわれている。こういう事実がありますと、これは私は、これもいまの先ほどの問題と同じように、たいへんに職場を暗くする一つの大きな要因になっていくのじゃないかと思うのですね。こういうことに対してももう御存じだろうと思いますけれども、これをもう直ちにやめさすような、だれが見ても公正だと思うような方式を持たなければいかぬと思うのですが、その点どうでございますか。
#253
○政府委員(北雄一郎君) シャフト・システムと申しますのは、人事管理としての手法としてとっているわけではございませんので、実は、これは郵便の内勤職員の業務管理面から考案された一つのグループだということでございます。したがいまして、いわば郵務局の施策でございまして、詳細私も存じませんが、いずれにしろ担務、勤務指定等におきましても、人事差別その他と同じように、組合の所属によって差別があるというようなことはこれは私どもとしてもかりにあるとすればそれはゆゆしい問題だというふうに思います。
#254
○大橋和孝君 私は、もっとあるのですね、出そうと思えば。ですけれどもいまおも立ってやったのが表彰の問題も出しました、いまのシャフトの問題も、あるいはまた、保険局のいろいろな状態も出したわけですが、こういう点からやってみれば、この三つの問題だけを考えてみましても、私は、この王子の中でやられている事柄は、非常にそういうことがあったらゆゆしい問題だといま局長もおっしゃいますけれども、私は、ほんとうにこういうことの全然ないということを組合の人たち全体がもう、からだでそういう感じを得るようにすることが、やはり私はむしろ人事管理じゃないでしょうか。ほんとうに能率があがる方法じゃないでしょうか。先ほど、いったならば、いまの保険課のほうだってそういう不安を持たしてうまいこといかないから実際実績が下がっているでしょう。私はこれはほかのほうの問題だってそういうことが起こってくると思うんですよ。やはりそれは同僚間に不信があり、また上のほうの方に対してもいろんな疑惑があり、そしてまた、何のためにおこられるんじゃ何のためにやられるんじゃと、それで一方ではブラザー運動があって、マン・ツー・マンとかいっては喫茶店に行ってはぎゅうぎゅう締められて、おまえ第二組合へ来い来いということになってくる、そうしたらおまえ主任にしてやるぞということになってくれば、それで働いている人は戦々恐々というか、いろんな感じに追い込まれるわけですね。そして、あんたのほうはそれをやりなさい、いいことをしなさいといっても、これはなかなかできないことです。特に、私はあそこに見にいきましても、いわゆる課長代理とかなんとかいう人がうしろに立っておって一々こう注意しているわけです。何かやろうと思ったら、おまえこうだ、これはこうだ、たばこ吸うな、何やらするなと、休むなとか、もうこういうことをやっておったんでは――おそらく私はそのときにも申し上げましたけれども、監獄で、あるいはまた囚人に対してもあんなことはせぬと思うんです。みんなが、そういうことをされたら、やられる側に立ってみたらたまらないことだと私は思いますね。それでどうですかと局長に聞いたら、いやそれ、やらぬほうが悪いんですと、もう物を焼いたら困りますから、たばこは、たばこのところに行ってやりなさいと、まあ、それもいいでしょう、けれども、そのやり方自身は非常に何か感情に訴えるようなことが行なわれているわけですね。こういう問題がみなあるわけですから、この問題に対しては、この間も言いましたけれども、それならどれだけのことをやってもらったかといったらまだやられていないわけです。私は、むしろこうであるならば、それを改良すべき一番責任者が責任をとってもらう、あるいはまた、そこらで不利益をこうむったような人はこうやってやろう、こういうものが出てきたら初めて、そこで心の中のわだかまりが解けてくるわけです。もうそういうことをやるほうが私はブラザー運動をやるよりははるかに優秀じゃないかと思うんですよ。なぜ、それをやられないかということを私は聞きたいと思うんです。とんでもないほうのことをやってからに、かえって油に水を注ぐようなことをやっていくよりは、むしろそういうことをやって、責任は責任をとり、そしてまた、そういうようなことで不利益をこうむった人に対しては不利益に対する補償をし、もうこれからこういうことをしないでいこうじゃないかということをしたほうが私は能率があがると思うんですが、どうですか。もうやる意思ないんですか、それ。
#255
○政府委員(北雄一郎君) 間違いがあればこれは正す、それから間違ったことをやっておればこれは適正な措置をとると、こういうつもりでおります。当該局の状況につきましては先ほど三点お示しでございましたが、たとえば表彰にいたしましても具体的な事情を私、存じません。推察ですが、先ほども言いましたように当該局、四十五年、四十七年それぞれ年末に休暇闘争をやりますと、休暇闘争指令を出した組合員というのは大体休暇闘争に参加するわけでございます。処分を受けたばっかりの者を表彰というわけにもいかぬだろうというふうに考えますが、これも推察でございますので、よく状況を調べまして正すべきことは正してまいりたいと、こう考えます。
#256
○大橋和孝君 大臣も次官も――いま局長はああいうふうに答弁している、私は非常に不満なんです。まあ、局長の立場からいえば、あれぐらいしか言えないのかしらとは思うけれども、私は、やっぱり局長がむしろもう少し前向きな姿勢で取り組もうと言ったらぼくはまたこれでよけい明るくなると思うんです。非常に冷酷な顔をして、そして、一つの反省の色もなしにまたそれは悪ければ正すとか、そんなことはだれでも言うことなんだ、それ。それはもうそういうことから言えば、私は人事局長の値打ちないと思うんです、こんなことでは。こういう人を置いておけば、私はもっと郵政の中は暗くなるんでね、一ぺんかえてごらん、一ぺん。そうしたらもっとよくなると私は思うんです。これは暴言かもしれません。暴言かもしれぬけれども、私は内心そんなふうに思うんですよ、実際の話が。だからして、まあ、人事のことまで議員が介入はもちろんできないことはわかりますから、ほんとにそれぐらい思うほど私はこういう問題に対して怒りを感じます、ほんとに。それで私は、一方でブラザー運動が行なわれているんですよ、マン・ツー・マンでもってこうやってやると、それが定着することだ、また事務を能率化することだとお考えになっていることも一つの方法だといまおっしゃいました。けれども、そういうことをするよりはまあオッフェンバールに、こういうふうにしようと言ったほうが私はもっと能率がよくなりはせぬか。何となれば、いま一つの例でもありましたでしょう、保険の額でも減ってくるんじゃないか、こういう例を見てみると、それはそんなこともあったかもしれぬけれどもとか、あるいは表彰したりまたは人をかえたりするときにもいままでは年末闘争をやったやつはやられる、そういうことはあるでしょう。あるけれども、それ以前の問題として、一方ではブラザーをやってマン・ツー・マンでやりながら、一方ではまたそういうことをやりながら、これ全体を考えてみたら、ますます悪循環をしていくような私は感じがします。ですから、こういう点をこの間も私は最後に皆さんにお願いをしました。やりますと言っておりました。けれども、それが行なわれていないんです、いま聞いてみれば。ですら、私はもうそれなら褒賞は悪かったからやめるわと、だからもう一ぺんこうやってみんなやったらどうじゃというようなことでやったとしたら、――まあ、それは仮定の話ですけれどもね。そうしたら、私はすばらしくああそれは変わったと、こういうことになるんじゃないかと思うんですよね。これは大臣のいつもの発想のようなことで――いや、これはいかないことですから、そんなことを言うているんじゃないですよ、たとえての話なんですけれども、私は、そういうふうにして、いま局長さんが、よっしゃ、これはもう前向きにやるなんと言ったら、人事局長がそういうことを言ったら、私はよくなるんじゃないかと思うんですね。だからして、ひとつ私は局長さんに特に、そういうふうなことをしていただくような発想に発想の転換をしてもらいたいと思うのと同時に、大臣も、もう次官も、ひとつ、そういうことを強くしっかり受けとめて、王子へ私が行ってほんとうに意外に思ってまいりましたのですから、このことを訴えながら、やっぱり郵政全体に対しての養成をひとつうまくやっていただくというふうなことに転換をしてもらえないのか、こういうふうに私は思うんですが。
#257
○政府委員(鬼丸勝之君) 先ほど来、大橋先生の種々の御意見あるいは御忠告、よく理解いたしました。まあ人事局長は事務当局できわめてまじめにお答えしておるもんですから、別に冷酷なんでも何でもありませんが、ちょっと冷酷に見えるお顔で損をしているかと思いますが、(笑声)まあ、私もただいまの表彰の問題、あるいはシャフト・システムですか、そういう問題、あるいは保険の問題も、具体的にはきょう新たに伺った点も多々ございますので、先ほど、なお詳細な資料もお持ちのように伺いましたから、資料等もあとで見せていただきまして、なお詳細に伺った上で事実の究明をすみやかにいたしまして善処をいたしたいと、かように考えます。よろしくお願いいたします。
#258
○国務大臣(加藤常太郎君) 局長がいろいろの問題について――これ他省のことでありますし、ちょっとお答えしにくいんでありますが、まあ、私も逓信委員を十年しておったんであります、ずっと。加藤の顔を見ると金語楼みたいなかっこうでこっちのほうはむずかしいかっこうなので、必ずしも弁解するわけじゃありませんが、まあ、御本人は慎重慎重でいったと思いますけれども、まあ、何というか、郵政大臣とも相談して明るい職場にして、いままでの弊害がこれ何回やっても改善せぬというのでは困りますから、十分郵政大臣とも相談いたしまして御趣旨に沿うように、これはもう答弁だけでなく改善さすようによく大臣と相談いたしまして、御趣旨をよく考えます。
#259
○大橋和孝君 もう一つ、私はこの超勤の問題この間やりましたから、きょうはあまり触れておりませんけれども、ここの支出の点なんかにいたしても私はきょうは人事院やらあるいはまた会計検査院あたりにお尋ねしたいと思ったが、きょうは時間も来ておりますからやめます。そういう点からいいましてもこのリーダー制というのは、労働大臣何かよそのことだからあまり言いにくいようなことを言っておられますけれども、これはもう非常に労働問題に、不当労働行為、あるいはまた組織介入的な存在だと、いろいろな点で私はこの労働問題では一番重大な問題だと思うんですよ。もし、何ならば、そういうことにしぼって、もう少し郵政のブラザー運動、あるいはまたそのほか超勤なんかの問題、あるいはまたいろんなこういう、ずっと拾っていけばこの全体の中で労働省として考えてもらわなければならぬ点もたくさんあるわけなんでしてね。そういう点から考えますとやっぱり、私はいつも思うんですけれども、労働省というのはやっぱり労働者のほんとうに味方となって、労働行政のあり方をずっと見ていくと、これを最後の責任を持ってもらうのは私は労働省だと思うんですよ。やはり病気だとか何か健康の問題なんか厚生省に責任を持ってもらえると同じようにね、そういうものがなかったら世の中は安定しないし、われわれだれに託するかということになるわけですから、だからして、労働者がほんとうに安心ができるような指導をしてもらうことが私は労働大臣の一つの大きな任務だと思うんです。ですから、このリーダー制の問題だとか、こういうような問題の中には、労働問題としては非常に大きな問題が介入しているから、私は、特に労働大臣が郵政大臣と一緒になられて、この問題を一ぺん根本から変えると、先ほど、森中さんに対しても、近いうちにその返事をするということになっておりましたから、私は安心をいたしております。そこで聞かしてもらいたいと思っていますけれども、そこにもう一つ加えて、どうかひとつ、お金を出したりする、そんな不名誉なことも一切やめよう。ブラザー運動やられるなら、もっと大衆の場でいろいろ話をしてもらう、マン・ツー・マンで変なことをしない、そういうふうなことで、一ぺんしっかりと根から変えて、そしてこういう先ほどからやっているようないろいろな問題を局長がやる、これから抜てきして次に転勤のときにはいいとこへかえてあげますよではいかぬので、ひとつ、そういうことのないように、悪いところは悪いで規制をし、責任をとれる体制をとって、そしてこういうように職場が明るくなったと、先ほども申したように、ある程度不利益をこうむっている人には、もう少しやってやろうじゃないかということになれば、非常に気分が変わってくると思うんですね。だから、そういうような行政を、やり方をしてもらうのは、やっぱり労働大臣に相当の大きな責任がありますから、それをやってもらって、郵政大臣とともどもにやっていただく。北人事局長も非常にまじめな方で、やってやろうというわけですから、ひとつ十分に誠意のあるところを尽くしてもらって、そして、これがほんとうにいいものになったと。やっぱり、この委員会でいろいろ言いにくいことも言うたけれども、それがためによくなったというふうにならぬと、前進がないわけですよ。だから私は、特に前進をしてもらうために、最後に一つお願いをしておきたいと思います。
#260
○国務大臣(加藤常太郎君) これは数回にわたりまして、この問題に対しましては、ほんとうに十分参考になるような貴重な意見もありますし、お説のとおり、行政機構、各省ありますけれども、もうこれはやはり、組合、労働者の立場は、われわれが援護または擁護、平たく言いますと、御指摘のとおりに、味方としてやはり労働大臣が強力に推進しなくちゃこれは向上いたしません。これはお説のとおりでありますから、よく大橋委員の言われたことを意に体して、やはりこっちが、やっと、こういくわけにもいきませんので、この問題を相談いたしまして、これは改善するように――もう根本的には納得しておるんでありますが、納得したって、それがうまくいかぬ場合にはこれは意味がありませんので、御趣旨を尊重いたしまして、善処と対処、そしてこれが改善という点について大いにがんばります。
#261
○政府委員(鬼丸勝之君) 労働大臣から言われたとおりでございますが、私も、大臣によく申し上げまして、また部内の北局長はじめ関係者とよく相談いたしまして、改めるべき点はすみやかに改善するように善処いたしまして、職場の明朗化を思い切った一つの考え方で推進させていただきたいと思います。
#262
○委員長(矢山有作君) 浅見経理局長のほうから、私のほうへお答えいただくことが、前回から残っておるんじゃありませんか。私は、お答えがあるものと思ってずっと待ちおったけれども、お答えがないからあえて催促しているんですが、どうなんですか。
#263
○政府委員(浅見喜作君) たいへん失礼いたしました。
 この職場リーダー制度実施のための経費につきまして、委員長のほうから、需品費に限るといっておるけれども諸謝金、旅費などが出ておるんではないかというお尋ねがございまして、前回……
#264
○委員長(矢山有作君) 違う、違う。
#265
○政府委員(浅見喜作君) そうすると、私、記憶ございません。
#266
○委員長(矢山有作君) この間申し上げたのは、職場リーダーの活動費にも、庁費、渡切費という名目で出ておるところがある。これは、某郵政局の人事部の使用計画表によりますと、職場リーダーの活動費が庁費、渡切費から出ております。これが、あなたのほうの御答弁では、職場リーダーの活動費は需品費から出ておるとおっしゃったから、この点一致しないんで、一体どういうことなんですか御説明を願いたい、これが宿題になっているわけです。
#267
○政府委員(浅見喜作君) たいへん失礼いたしました。
 先ほども私ちょっと庁費ということばを用いましたが、実は、内部におきまして、庁費ということばをつかっております。これは、言ってみれば、需品費の省としての実行上の内訳の名前でございまして、庁費といいます場合に、諸謝金、旅費等によらない物件費的なものをかなり包括的に含んでおります。中には集配運送費でございますとか、いろいろこまかい使途がございまして、そういうものと分けまして、事実上、庁費ということばを使っておりまして、これは、予算の正式な名称も、この名称から申しますと需品費ということに相なるわけでございます。
 それから、渡切費は需品費と同じ性格のものでございます。
#268
○委員長(矢山有作君) そこで、私はやはり、ものごとの正確を期する必要があると思うんです。私がなぜあんなことを聞いたかといいますと、郵政省の一般会計の中には庁費という目がありますね。ところが、特別会計の中にはないわけですね。特別会計の中には、それに相当するものは需品費となっておるわけです。したがって、そこらを明確にしてもらわぬと、私が申し上げたような誤解が起こるんで、事実上は、需品費というのを庁費という言い方をしておられるにしても、少なくとも某々郵政局から出してくる使用計画表というようなものには正確な費目の名称を使う、こういうふうにやっていただきたいと思います。
#269
○政府委員(浅見喜作君) 実は、これはたいへん予算伝達技術にわたるわけでございますが、地方郵政局が現場に金を流しますときに、同じ需品費でありましても、集配運送費でございますとかあるいは賃金と混同して使われては困るということのために、内訳としまして、これは賃金に使っちゃいけませんよと、あるいは集配運送費に使っちゃいけませんよという意味におきまして、狭い意味で庁費ということを技術的に使っておるわけでございまして、むしろ、これを需品費として流しますと広い意味になってしまうものでございますから、混乱が起きやしないかというのが、ただいまの私の感じたところでございます。
#270
○委員長(矢山有作君) 本件につきましては、本日はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#271
○委員長(矢山有作君) 次に、白ろう病に関する件について調査を進めます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#272
○須原昭二君 私は、白ろう病対策について御質問をいたしたいと思います。
 特に、この問題については、私も、三月下旬でしたか、長野県の南木曽、妻篭の営林署を中心にして、国有林はもちろんのこと、民有林の実態についても調査をいたしてまいった観点から、特に白ろう病の緊急性、抜本的にやはり対策が必要である、そういう立場から各種項目につきましていろいろと御質問をいたしたいと思うわけです。
 もうすでに御案内のとおり、林業労働者の中に蔓延をいたしておりまする白ろう病、これは、林業労働者の命をむしばむと同時に、その労働者の生活自体を破壊をしている。さらに、それだけではなくして、わが国の林業のにない手であるところのこの将来を、展望をますます私は暗くしておる現実が根強くあるということを痛感をしてまいりました。したがって、緊急に、抜本的にこの白ろう病対策を講じなければならない、そういう視点から御質問をいたすわけでありまして、時間の関係もございますから、適切、簡明にひとつ要領よく御答弁をまずお願いしておきたいと思うわけであります。
 したがって、質問に入る前に、前提として確認をしたいことがございます。国が直接経営をする国有林、国家公務員であるところの国有林の労働者の中で白ろう病症状を訴える者は、はたして現在どのぐらいあるかどうか、これをまずお尋ねをいたしたいと思います。
#273
○委員長(矢山有作君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#274
○委員長(矢山有作君) 速記を起こして。
 暫時休憩いたします。
   午後四時三十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後四時三十八分開会
#275
○委員長(矢山有作君) ただいまから委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き質疑を行ないます。
#276
○須原昭二君 ただいま前段を申し上げたわけですが、お見えにならなかったものですから、端的に申し上げます。
 現在、国が直接経営をする国有林、そこに働く国家公務員である国有林労働者の中で、白ろう病の症状を訴える者は現在どのぐらいあるのか。
#277
○政府委員(福田省一君) お答えいたします。
 現在のところでは五千四百八名となっております。
#278
○須原昭二君 五千四百八名ですね。白ろう病の認定患者は現在何人になっていますか。
#279
○政府委員(福田省一君) 現在のところでは一千二百六十九名となっております。
#280
○須原昭二君 一千二百六十九名というのは、十二月現在だと私は思います。その後すでに六カ月経過をいたしておるわけでありますが、この点はあとから補足をしていただけばけっこうかと存じます。
 そこで、チェーンソーの使用者の約五〇%、刈り払い機の使用者の約三〇%が訴え者であり、そして機械使用者の約九%が認定者となっておるというふうに聞いておりますが、そうでしょうか。
#281
○政府委員(福田省一君) 御指摘のとおりでございます。
#282
○須原昭二君 そういたしますと、機械使用者の約九%でありますから、約一割に近い方々が認定者ということは、日本はもちろんのこと、世界的にも職業病として例を見ないものではないか。林野庁はこの責任をどうお感じになっておられるのか、お伺いいたしたいと思います。
#283
○政府委員(福田省一君) チェーンソーを扱っております者の中で非常に大量の認定者があるということはまことに遺憾でございまして、この認定を受けました者をできるだけ早く治療いたしまして正業につけるようにしていきたいと、かように思っているわけでございます。
  〔委員長退席、理事大橋和孝君着席〕
#284
○須原昭二君 その責任の感じ方でありますが、きわめて淡々とお話しになりましたけれども、この責任の問題からやはり緊急性、抜本性を強調せざるを得ないわけです。特に、ちょっとよそへそれまするけれども、先ほどの千二百六十九名の認定患者がある、これは林業に働く、国有林に働く人たちの認定患者であって、たとえば林業ではなくしてほかの業種でそういう白ろう病というものは認定されておるのかどうか、その現状について労働省から掌握されておったら御報告を願いたいと思います。
#285
○政府委員(渡邊健二君) 林業関係以外にも若干建設、あるいは工業等について白ろう病がございます。
#286
○須原昭二君 認定患者がどれだけあるかということをお尋ねをいたしておるわけです、若干じゃなくて。
#287
○政府委員(渡邊健二君) 私ども一つの疾病の業種別の区分まで統計をとっておりませんので、それら林業以外のものの正確な数字を把握いたしておりませんが、そういう認定を受けた者があるということを、私承知いたしておりますので、先ほどそう申し上げたわけでございます。
#288
○須原昭二君 厚生省はどのようにお考えになっていますか。掌握されておりますか。
#289
○説明員(佐分利輝彦君) 理論的にも、実際的にも若干名の患者があり得ると考えております。
#290
○須原昭二君 若干名ということでは私は了承できないわけで、特に労働省、厚生省、この白ろう病がこれほど世の中で論議がなされておるときに、そのような若干名というような抽象的で、若干名あるらしいというようなことでは了承できないわけです。特に、私はきょうここに「鉄鋼労働衛生」これは鉄鋼連盟、いわゆる経営者の団体の鉄鋼連盟の内部にある労働衛生関連の委員会が発行した雑誌でありまするが、「某製鋼工場における振動工具作業者の健康管理」、こういうデータが出ているわけですね。これは某製鋼工場とありまするけれども、これは実は内容をずっと読んでみますると、名古屋の大同製鋼ではないかというふうに私は感ずるわけでありますが、ここの中でも非常に、特に常時白ろう症状を呈するという、いわゆる手首の白ろう症状というのが非常にたくさん出ているわけであります。したがって、白ろう病といいますと、すぐ林業に働く労働者だけのような先入観があるわけでありますが、いまのお話によりますと、労働省も厚生省もこの実態を明確に掌握されておらないきらいがあるわけです。まさに遺憾と言わなければなりません。特に、鉄鋼産業におけるところの鋳鋼のきず取りにはエアーグラインダー、あるいは鋼材のきず取りにスウィンググラインダー、それから鋳鋼の砂落とし、きず取りにニューマ、それから鋳型の砂固めにサンドランマー、こういうものを常時使っておる労働者が白ろう病認定患者になる、常時白ろう症状を呈している患者がたくさん出てきている現実を労働省も厚生省もつかんでおらないということについて非常に私は遺憾だと思うわけですが、林業労働者以外のこの振動工具を使っている従事者、あるいはそれに対する防振具の取りつけなどの対策について労働省はどのような指示を出されておるのか、この点をはっきりと御明示をいただきたいと思います。
  〔理事大橋和孝君退席、委員長着席〕
#291
○政府委員(渡邊健二君) 基準法によりまして、林業に限りませず、びょう打ち機、その他振動工具に基づきます神経炎その他疾病は、これは基準法上も業務上の疾病ということに基準法の施行規則で明記をいたしまして、これらにつきましては業務上の疾病として、もし万一、そういうものにがかった場合には、補償を行なうよういたしておりますとともに、一般の職業病に対する予防対策の一環といたしまして、そういうものの発生をできるだけ予防するよう、それぞれつとめておるところでございます。
#292
○須原昭二君 いまの御答弁では、つとめておるということであって、対象者に対する職場についてはその通達なりそういう指示が出されておらないわけでしょう。したがって、この大同製鋼におけるところの実態調査の具体的な事例からいっても、配置転換は職場の長の考え方によって多少考慮が払われておりまするが、その振動工具の時間制限の基準の提示が非常におくれております。何ら対策がなされておりません。したがって、労働者自身の判断にまかされておるというのが、今日、林業労働者以外の鉄鋼産業あるいは建設に働くところのさく岩機等を使っている人たちあるいは道路工事、舗装工事で振動工具を使っている建設労働者、こうした者は全部らち外にあるといっても私は過言でないと思うわけでありまして、先ほどの御報告によりますと、若干、若干と言われますけれども、この際、私は実態調査を行なうべきである、こう思うのですけれども、労働大臣、どうでしょう。
#293
○国務大臣(加藤常太郎君) 当然林業の関係が白ろう病の大多数だというので、道路その他いろいろさく岩機が、チェーンソーと同じような機械でありますので、白ろう病の原因になることは間違いないので、御趣旨のように、これは多少手抜かりの点もありますので、御趣旨のような点について、全体に対しまして対処いたします。
#294
○須原昭二君 いま明確に大臣から林業に限らず、すべてのやはり関連の鉄鋼あるいは建設業等々の白ろう病症状を呈しておるところの職場の実態の調査をすると、こういうふうに理解をして質問を続行してまいりたいと思います。
 この白ろう病は現在の医学の技術の段階においては完全な治療方法がない、こういうことに実はなっておるわけでありまして、そのことが一そう悲惨なものにしておるわけです。したがって、現在の認定基準、この認定基準は常時白ろう症状を呈しておるものという、きわめてきびしい条件に実はなっておるわけでありまして、白ろう病症状を出してきた場合には、もう現在の医学の技術からいってなおる見込みがないといわれておるわけであります。したがって、やはりわれわれは予防の観点から立つならば、第一期症状である、しびれ、痛みの段階において、振動機械から離していく、隔離していく、そして治療に専念をさせるというものでなくては私はならぬと思うのですが、その点はどう対処されておられますか。
#295
○政府委員(渡邊健二君) 白ろう病につきましては先ほど申しましたように、業務上の疾病といたしておりますが、これにつきましては特別の認定基準というものを設けておらないわけでございまして、医師が、これが白ろう病であるという診断をし、それが振動機械の業務に従事しておったという者であれば、これを業務上の白ろう病として認定し取り扱っておるところでございまして、特別に制限的な認定基準というものは、白ろう病については現在設けておりません。
#296
○須原昭二君 そうすると、認定基準がないというなら、どうして認定をしておるのですか。私たちが聞いておる範囲内では、常時この手、指が白ろう症状を呈しておる者を認定基準にしておると私たちは聞いておるわけです。いま局長のお話によりますと、認定基準がない、認定基準がないものが認定されますか、明確にしてください。
#297
○政府委員(渡邊健二君) いま認定基準は、業務上の疾病全部についてつくっておるわけではございませんで、たとえば頸肩腕症候群であるとか腰痛、これは業務上の腰痛と業務外の腰痛とがなかなか区別が困難であるとか、あるいは鉛中毒等どの段階から疾病というか非常にむずかしいもの等々につきまして、そういう非常に医学的に判断が区々になるおそれがあるものについて認定基準を設けておりますが、すべてのものについて認定基準を設けておるわけではないのでございまして、白ろう病につきましては、これは四十年の通達によりまして、これはチェーンソーによるものも基準法施行規則三十五条十一号の職業病であるという通達をいたしておりますが、特にどういうものに該当した場合にそうするという基準は設けておりません。したがいまして、医師がこれが白ろう病であるという診断をいたしまして、その労働者がそれまで振動機器を使う業務に従事しておるような場合には、それは一般には、白ろう病というのはございませんから、当然、そういう業務に基づいて白ろう病になったものであろうということで、業務上の疾病として取り扱っておるわけでございます。
#298
○須原昭二君 そうすると、いまのお話だと、お医者さんの見方によってケース・バイ・ケース、その人、その人によって違うということですか。――人事院にお尋ねをいたします。この認定基準というものを、いま医学通念上結論が出ておらない。こういう観点から専門医等の意見を聞いて取り扱い方を検討しておるというようなふうに私は仄聞をいたしておりますが、人事院の考え方はどうなんですか。
#299
○政府委員(中村博君) 人事院の場合は人事院規則の別表によりまして、先ほど来お話がございますような、振動機械を使うような職務についておって、そしてレイノー現象なり、あるいは神経、骨、関節、筋肉、腱鞘炎もしくは粘液嚢の疾患というものが認められた場合には、特に反証がない限り、この職業病の認定によって、認定という作用によって公務上になるわけでございますので、先生お尋ねの基準を特に定立するということは職業病認定において、こういう公務に基づいて発したものではないという反証がない限りは職業病になるわけでございますから、格別に必要ではないというふうに考えております。
#300
○須原昭二君 非常におかしいんですがね。現場で聞きますと、労働者は要するに、白ろう症状を呈した場合には大体認定してくれる、こういうことなんです。私は、それはおかしいと、こうなってはなおりゃせぬのですから、なおる段階であるところの初期のしびれ、あるいはまた、痛み、この段階で認定をさしたらどうだろうという意見を持っているわけですが、この意見に対して人事院なり、あるいは労働省なりはどうお考えになりますかということです。
#301
○政府委員(渡邊健二君) 先ほどお答えいたしましたのは、従来の取り扱いをお答え申し上げたわけでございます。しかしながら、白ろう病につきましては、いろいろこれは病理学的その他にも解明が行き届いてない点がございまして、したがいまして、私ども行政指導によって六カ月に一回の健康診断等行なっておりますけれども、どういう点を主に健康診断をしたらいいかというようなこともまだ専門的に煮詰まっておらないわけでございます。そこで、やはり医学的にそういう点をすみやかに研究し、詰める必要があると存じまして、実は、災害防止団体法に基づいてできております林業労働災害防止協会に振動障害検診委員会という専門家の委員会をつくりまして、現在そこで診断項目、診断の結果の分析、評価などについての検討を専門家にお願いをいたしておるところでございます。そこで、近いうちに御結論が出るというふうに聞いておりますので、そういう専門家の御検討の結果の御結論が出ましたならば、それに基づきまして健診項目等定めますとともに、この御結論のいかんによってやはり診断の基準、認定の基準というようなものがっくり得るような状態でございますれば、そういう診断基準、認定基準というようなものもすみやかにそれに基づいて検討してみたい、現在さように考えております。
#302
○須原昭二君 いま白ろう病の検診委員会とおっしゃいましたね。白ろう病検診委員会は四十六年の春にできているのですよ。もうすでに二年以上たっているじゃないですか。検討々々とおっしゃいますが、そういうことなんだ、皆さんの言うことは、検討というのは。二年このかた、まだ検討を続けておるのですか。いつ結論を出されるのですか。
#303
○政府委員(渡邊健二君) 専門家の方々がこれは非常に熱心に研究をしていただいておるわけでございます。私どもはやはり現在のこの問題の緊急性から考えて、すみやかに結論を出していただきたいということはお願いいたしておりまして、当初、今年の五月ぐらいまでには結果が出るのではないかということで、国会でもそういうような御答弁をしたことがあるわけでございますが、五月の初めに専門家委員会を開きましたときも、なお出席の専門家の中でいろいろな意見がございまして、もう少し、やはり医学的に、学問的に詰める必要があるというようなことで、そのとき結論が出ませんで、引き続き検討ということになったわけでございますが、私どもが聞いております限りでは、もう遠くない期間、大体七月じゅうぐらいには次の委員会で結論までこぎつけていただけるのではないか、かように考えておるところでございます。
#304
○須原昭二君 二年以上、二年半もたって、ようやく七月ごろにできるという、いま明確に出てきたわけですが、これはひとつ急いでいただかなければいけないと思うのですね。特に一般、特殊健診を問わず、管理医が行なうことになっています。特に特殊健診については、衛生管理規程に基づいた実施が非常にむずかしい。こういう状態を考えますと、実施可能なやはりもよりの病院で健診を行なうこと、健診を委嘱をするということが私は非常に前提としてまず大切だと思います。同時にまた、この白ろう病という特殊な病気でございますから、その白ろう病に対する専門医といいますか、専門医のルートが確立がどうしても必要だと思うのです。その点については非常におくれておる。その点についてどうお考えになっておられるのか、これをお尋ねをいたしておきたい。
#305
○政府委員(渡邊健二君) ただいまも申しましたように、現在、振動障害の検診委員会で御検討を願っておるわけでございますが、現在、御検討を願っておりますのは、診断項目、診断結果の分析、評価等でございます。近い機会にそれについて結論が出ましたならば、さらにそれらの専門家に治療方法等についても御研究、御検討を願いたい、かように考えておるところでございまして、それらの結果を見まして、専門医制度等々も、どういうふうにしたらいいかというようなことも研究してみたい、かように考えておるところでございます。
#306
○須原昭二君 実は先ほどの白ろう病検診委員会の問題でも、ことしの春までに何か答申をするように私たちは聞いておったわけです。それがまたおくれているわけですね。いま七月とおっしゃいましたが、また七月って来月のことでしょう。ほんとうにその点、疑わざるを得ないのです、二年半も待たされて。こういう現況ではだめですから、労働大臣、しっかりと、その点踏まえていただいて、早くやっていただくように、そして専門医体制を整えて、このような実態を一刻も早く脱皮をしていただかなければならないと思うのですが、大臣の所見を承っておきたいと思います。
#307
○国務大臣(加藤常太郎君) この点は、私、就任以来、須原委員からおっしゃったとおり、私も、もう五月だと思っておった。委員会のほうで五月に出ないというので、いま御指摘のように、十分この検診委員会のほうにも私から要望いたしまして、ぜひ、なかなか学者や医者の間でいろいろな理論もありますけれども、やはりせめて必ず七月にこれが実現するように、そうして、これが項目その他がきまりますと、診断なり健康管理の面についてもあわせてこれが結論が出るように、御趣旨のように七月じゅうには必ず出るように、あす、要望いたします。
#308
○須原昭二君 「あす、要望いたします。」という率直な回答をいただいて恐縮に思います。ぜひやっていただきたいと思います。
 特殊検診は、ただいま年に何回やっておられますか。少なくとも私はあの白ろう病の現状からいえば、あたたかいときはまだいいけれども、寒いときになりますと、これは深刻になるわけで、やはり春夏秋冬、時期に即してやるべきだと思うんですが、その点の見解をお尋ねをいたしておきたいと思います。
#309
○政府委員(渡邊健二君) 通達によりまして、チェーンソーによる白ろう病については、六カ月に一回健康診断を行なうよう指導し、進めておるところでございます。
#310
○須原昭二君 林野庁はやっておられますか。
#311
○政府委員(福田省一君) ただいま年に二回実施いたしております。
#312
○須原昭二君 その年二回という季節の問題ですけれども、やはり寒いときとあたたかいときとは、これは違うわけなんです、白ろう病の症状の訴え者のからだの体質からいって。したがって、やっぱり春夏秋冬というと四回になるけれども、一年に二回では私は少ない感じがするわけなんですが、その点はどうですか。
#313
○政府委員(福田省一君) この白ろう病につきましては、いろいろと組合との間の話し合いもございまして、ただいま私のほうで二回と申し上げましたけれども、三べんにしてくれんかというような話も出ておるわけでございまして、ただいま検討中でございます。
#314
○須原昭二君 ぜひ、二回では私は少ないと思いますから、私は少なくとも三回か四回これは実施すべきである、きわめて特に人命の問題でありますから、これは留意をしていただきたいと要望しておきます。
 それから去る四月のたしか十三日でしたか、衆議院の社労委員会で、人事院の職員局長でしたか、川俣議員の質問に答えて、医師が治療上よいと認めれば温泉治療も入院も制限するものではないという見解を明らかにされたことを私は議事録の中から読み取りました。先ほども申しましたように、白ろう病が現在では完全な治療法がないということと、療養の基準が明確でない今日においては当然なことだと私は思うんですが、いままで制限してきたこと自体が私はおかしいのではないか、その点はどうお感じになっておられますか。
#315
○政府委員(中村博君) 白ろう病に対する温泉療法の件につきましては、これは先ほど来お話がございましたように、認定基準も検査基準もなかなか医学的にはっきりしないというむずかしい問題でございます。したがいまして、その温泉療法そのものがはたしてその白ろう病の治療対策としてよろしいかどうかという点については医学的に定説がなかったわけでございます。しかし、まあ、そのような状況下におきまして、やはり一刻も早くなおっていただくということが非常に大切なことでございますので、もし医師が温泉療法することによって、治療効果があがると認められ、かつまた、お医者さんが常にその治療の態容をカバーしておられるというような場合には、これは少しでもいいことはやったほうがよろしゅうございますから、したがって、そのような場合にはこれを、いままで制限してまいりましたのはこの制限をとっぱずして、そういう条件下にある場合にはこれは相当な療養の給付として認めるのが適切であろうと、こういう考えで申し上げたわけでございます。
#316
○須原昭二君 そういたしますと、何かお話を聞いておりますと、お医者さんの判断によって違うと、こういうふうに私、聞き取れるわけです。というのは、民有林の関係の働く労働者は早くから入院も温泉療養にも制限をしておらないのです。なぜ、国有林の労働者にだけは温泉療養や、そして治療の療養の基準がまちまちであるという理由のもとにこれが制限をされてきたのか。医療というものは、御案内のとおり、なおるまで治療のやはり中断があってはならないわけです。制限があってはならないわけです。これは医学のやはり本質の問題で、なぜ国有林には制限をされて、民有林は入院もそして温泉療養も制限されておらないのか、この差別をどうお感じになっておられるのか、その点についてのお答えを願いたいと思います。
#317
○政府委員(中村博君) 私ども、特に、その絶対的に医学上効果があるものについてまでこれを制限するという気持ちはさらさらございませんので、一刻も早くなおっていただきたいと、こういうふうに念願して行政を進めてきたつもりでございます。したがいまして、いままで、まあ過去において、温泉療法等について非常に制限的なことを申しましたのは、温泉に入られることによって医療効果が確保されるかという点について、いろいろなお説があって定説がなかった、したがって、そういった状況もにらみ合いながら、最も相当な給付として温泉療養を認めていっていいかどうかということを、その医学的な判断といいますか、医学の進歩に待ったわけでございまして、現在では、そういうふうに認定なさるお医者さんもずいぶんおありのようでございます。したがいまして、そういうことがよければ、それはやはり認めるべきではないかというふうに変わってきたわけでありまして、故意に制限をしておったというものではございません。
#318
○須原昭二君 そういたしますと、私は人事院の職員局長のあの衆議院における答弁は、見解表明は、私は正しいと思っておるわけです。いまお話のように、そういうことを制限するものではない、ですから、いいことはどんどんやらせると、こういうふうにとってもいいですか。とれば、即時私は実施に移すべきだと思いますが、どのような形でいつから実施をされますか。
#319
○政府委員(中村博君) いま申し上げておりますように、医学的に見て治療効果が認められれば、これは認めるにやぶさかではございません。したがいまして、そのような、先ほど申し上げました条件下にあれば、それは、何も今後一月後なんということは申しません。
#320
○須原昭二君 それはお医者さんの判断ですね、あくまでも。制限はしないんですね、その点は念を押しておきたいと思います。
 そこで、民有林の労働者のかかっているお医者さんと、国有林の労働者がかかっておるお医者さんとは、これは違うわけですよ。だから、お医者さんが違うと、こうも格差があるものかと判断をせざるを得ないわけです。したがって、お医者さんのきめ方についても、やはり労使の中で私はきめなければならないという側面を感ぜざるを得ないんです。ですから、したがって、労使協議で医師、管理医というものをきめる気持ちはないのかどうか、その点を明確に御答弁を願いたい。
#321
○政府委員(福田省一君) この点につきましては、先ほどの労働委員会でも質問を受けたわけでございます。その際に、私お答えしましたのは、これは医学的な専門医というものをしろうとなりの、私たちも、また労働組合もこれはしろうとでございます。ですから、どの医者がいいかということについての判断は適切になされないのじゃないかというふうに思うわけでございまして、やはりそれぞれ専門の官庁にお願いしまして、そういった専門のお医者をきめていただくというのが一番適切じゃなかろうかというふうにお答えしたのでございます。現在のところでは、まだ、そういう点について、はっきりしたものがございませんので、できるだけそういう方向で関係官庁に御相談したいと思っております。
#322
○須原昭二君 できるだけ労使で話し合ってお医者さんをきめられるように、ひとつ特に要望しておきます。非常に誤解が多くなりますから、そういう労使の協議の中からきめていけば、お互いの誤解がなくなると思うんです。その点は特に要望しておきましょう。
 そこで、現在のこの段階でお医者さん、専門医の皆さんにお話を聞きますと、やはり血管拡張剤、あるいはB1・B6・B12ですね。こうした薬が白ろう病患者にはいいと投与されておる。さらに、そのほか一日に四回ぐらい温泉入浴をすることがいい。さらに、それに加えて理学療法などの治療方法が用いられておるというのがいま通常です。しかし、どうも国有林の認定患者に対して見ておりますと、まあ、何でもいいから薬だけを与えていけばいいのだというようなものの簡単な解釈に立って、血管拡張剤やあるいは神経緩和剤、B1・B6・B12などの投与が行なわれております。しかも、それが長期にわたって大量に投与されている。したがって、私は、長期に投与してもこれがほとんど効果なく、逆に胃腸障害を起こしておるというのが、率直な患者の声が耳に入ってくるわけでありまして、この安易な長期間の薬の大量投与は、私は慎しむべきではないかと思うわけであります。同時に、私は厚生省に見解をお聞きしておきたいんですが、その点はどうかということと、もう一つは、林野庁管理下にあるところの温泉療養所や宿泊所に理学療法室を設ける必要があると私は思うのでありますが、聞くところによると人事院はそれは認めないというお話だと、こういうふうに私は聞いておりますが、なぜ理学療法室をそういう温泉療養所に設けないのか、人事院の理由を私は聞きたいと思うわけであります。
#323
○説明員(佐分利輝彦君) 前段の白ろう病に対する治療方法でございますけれども、確かに御指摘のように薬を長期にわたって大量に使うということは問題があると思います。やはりバランスのよくとれた治療をしなければならないと考えております。
#324
○政府委員(中村博君) 理学療法について人事院は制限しておるという御意見でございましたけれども、私ども、その療養の給付として相当なものであるということであれば、これははずす気はさらさらございません。
#325
○須原昭二君 その、いま人事院のおっしゃることは、認めていいということですね。――いま認められてるところの療養所、どれだけありますか。全部で療養所、宿泊所は幾つあって、理学療法室があるところはどこですか。
#326
○政府委員(福田省一君) 国有林の中には相当温泉地帯もございますので、それを取り巻いていろいろ療養所がございますけれども、いま御指摘の白ろう病に関するものはこれまでのところございません。
#327
○須原昭二君 理学療法室がないというお話なんです。これをつくりたいというのが林野庁のほうのお考えも、あるいはそこに働く労働者の皆さんも多く要望しておる。にもかかわらず何か人事院はこれを認めないことだというふうに私たちは聞いてるわけで、私のほうの聞いたことが間違いであるのか、そういうことをこの際、明らかにしていただきたいと思うわけです。
#328
○政府委員(中村博君) どのような療養施設をおつくりになるかは、これはまさしく、まあ、いまの場合で言えば、林野庁でおやりになることでございまして、私どもの権限に属しないことでございます。私どもの立場としましては、適切な療養の給付である限り、それは認めるということでございます。
#329
○須原昭二君 そういたしますとはっきりしてまいりました。人事院はやはり理学療法室を設ける必要はないと、それで認めないと、こういうふうに私は聞いておったんですが、いま局長からのお話のように認めるということですから、ぜひともひとつこれは林野庁、何か人事院を、あれは人事院がだめだだめだと言ってるからということであなたのところは拒否をしてるような感じが今度はするわけです。ですから、この際、明確になりましたから、ぜひとも予算要求をして、この理学療法室を設けるようにひとつがんばっていただきたいと思いますが、どうですか。
#330
○政府委員(福田省一君) ただいまのところでは、療養補償の対象として認められておりませんので、ぜひそのようにはっきりきめていただきたいということは、人事院ともいろいろお願いしているところでございます。
 なお私ども……。
#331
○須原昭二君 認めるって言ってるからいいじゃないか。
#332
○政府委員(福田省一君) はい、そういうふうにはっきりしましたらそういうふうに……。
 ただ私は、よけいなことでございますけれども、もう一つは予防対策も必要だと思っておりますので、そういったことも含めてただいま検討中でございます。
#333
○須原昭二君 ぜひとも、これは療養、予防も兼ねてやはり理学療法室を温泉の療養所に置くとか宿泊所に置くように、ぜひとも努力をしていただきたいと思います。
 そこで、さらに進めてまいりますが、完全な治療体制の確立の展望と、それに対するやはり具体的な手段をどのように考えているかということが一つ問題点です。特に林野庁と労働省、厚生省、各般の官庁にかかわる問題点でありますが、情報の交換、研究の一元化、これをはかっていきたいと言っておられますが、具体的にどうお話し合いをされて、どこまで進んでるんですか。先ほどの白ろう病検診委員会の問題ではございませんが、二年半も答申が出てこないというような現状では、この研究の一元化、情報の交換、これは緊急に私は必要な問題点であると思うんですが、どのように進んでおりますか。
#334
○政府委員(渡邊健二君) 先ほどもお答え申し上げましたように、私ども白ろう病につきましては、医学的にまだまだ解明されてない問題がございますので、林業災防協会に振動障害検診委員会というものを設けまして、専門家の方にここ二年有余、非常に熱心に勉強していただいたわけでございます。そして、現在お願いいたしております検診項目あるいは診断の結果の評価等々については近く結論が出ることになっておりますので、これはせっかくその委員会でもう結論間近になっておりますので、いまの委員会で早急に結論を出していただきたい。また新しい方が途中で加わられますと、また長くなるというような問題もあると思いますので、現在の委員会は早急に結論を出していただきたいと思っております。
 なお、その結論が出ましたならば、先ほども申しましたように、引き続き、この委員会に治療の問題も御検討願いたいと思っておりますが、その際には、林野庁、厚生省等お呼びかけをいたしまして、せっかくいままで勉強していただいた専門委員会で、一番勉強されておると思いますので、この委員会を中心に、ほかのそれぞれの関係者の方で適当と思われる方もあれば加わっていただいて、一元的な横の連絡をとりながら治療の問題、予防の問題等を御検討いただいたらと思っておりますが、現在はもう進んでおります委員会、結論が間近でございますので、これはこれとして労働省だけでやってきたことでございますが、早く、ともかく結論を出して、それからにいたしたいと考えておるところでございます。
#335
○須原昭二君 それはひとつ前向きで理解をして進めていきたいと思います。
 そこで、完全な治療体制がないという側面と、いま一つは、この間、社労の本委員会で私が指摘いたしました長野の国立病院への高知営林署員の委託治療、この問題点、特に私は人体実験という過酷なる名前で呼びかけたわけでありますが、実は、伊井勝君、川村久男君の両名は、高知営林署から長野へ行って温泉に入ってゆっくり静養してこいと、こう言われて両人は勇躍四国から上がってきたわけです。そして事前に、おまえは委託治療の研究の材料であるというようなことは本人に通告しておらないのではないですか。この点が問題点です。本人は委託治療の研究のモルモットになるとは私たちは考えてないと言っているのです。そこに私は、国立病院の問題は、ここに報告書をいただいたのですが、この報告書の中では委託を受けた、契約者という名前まで清水進さんという名前で報告書が来ておりますが、営林署からこの委託治療の研究をしてくれと、こういうことで委託をされている。営林署は両人に対してはゆっくり静養に行ってこい、温泉に入ってこいと、こう言っている。こういう実態をつかみますと、何か本人がモルモットにされたという気持ちになるのは当然だと思うのですが、なぜ本人に事前にそういうことを通告しておらないのか。ここにやはり人権問題があると言わざるを得ないのです。その点はどうですか。
#336
○政府委員(福田省一君) ただいま御指摘の点につきましては、まことに遺憾なことでございまして、事前によく本人に説明をし、本人の納得を得てから行なうべきものであると思います。今後厳重に注意してまいります。
#337
○須原昭二君 いままことに遺憾だという遺憾の表明がございましたけれども、これは、これからも委託治療研究を継続をしていくということになっておると聞いております。その点の取り扱いについて今後このように本人は知らずに病院へ送ってこられるのではないかという危惧を白ろう病の症状を訴えておる患者の皆さんはみんなそう思っているわけです。こういう状態をどう解明をされていくのか、どのように対処をされていくのか、具体的に御指摘をいただきたいと思います。
#338
○政府委員(福田省一君) できるだけ早く、この治療対策を立てたいということは、動機として私は間違ってないと思うのでございますけれども、ただいま先生御指摘のような本人の了解を得ないでモルモット的な扱いをするというのはまことに遺憾な点でございます。重ねてこの点はおわびしておかなければならないと思います。これは全部のそういう認定者に周知徹底しますように今後指導してまいりたいと思います。
#339
○須原昭二君 そこで、委託治療研究の実態なんですが、たとえば伊井勝君は検査後の病状は、左肩から左半身の痛みにしびれ、痛みが拡大をいたしているわけです。あるいは川村久男君は右の小指と薬指、この二本だけから今度は中指までしびれが拡大をしておるわけです。十月の十六日に入院をして、十一月二十九日に退院をいたしているわけですが、両人とも四十五日間の入院中、しびれ、痛みが出てきたのは十一月の二十日ごろです。退院をする数日前にさらに悪化をしているわけです。筋電図の検査のために電気針によるものと本人たちは言っておりますが、実に、私はこの実態からみて、この委託治療研究の実態というものがきわめておそろしい状態になっているということを私たちは指摘をしておかなければなりません。特に、温泉療養のためと言われたが、実際には採血一回に二十CCも、入院中に三十回もとられているわけです。検査が多過ぎるわけです。一日に四回は温泉に入れたほうがいいと言われておるのに、温泉に入れない日もあった。こういうことではないか。きわめて私は遺憾だと思うわけです。特に、御本人の言っていることは、かぜや歯の治療をしてくれと、かぜを引いて、からだがえらい、あるいは歯が痛い、だから治療を要請したけれども、話が違うとやってくれなかったとも私たちは聞いておるわけでありまして、はたして、この委託治療研究というものの実態がどのような状態になっておるのか。とりわけ、治療以前に私は人道問題であると言わなければならないわけですが、その点はどう掌握されておりますか。
#340
○政府委員(福田省一君) まことに重大な問題でございまして、少なくとも私たち、レイノー現象以外に入院しました場合でも、たとえば手術するとかなんとかするというときには、本人あるいは家族の了解を得るのは当然でございます。これはまさに実験でございますから、本人の了解も得なければならないし、少なくとも家族の了解を得るというのは常識でございます。やり方について十分内容を検討いたしまして、そういう……。私たちの意図は、それは本人の了解なしに強行する意図はございませんので、十分慎重に、医学的なやり方については、私はしろうとではございますけれども、強制しないようにしてまいりたいと思います。
#341
○須原昭二君 研究も、私は医学の発展、さらに白ろう病の治療方法を探求していく側面からいって、欠かすことのできない要件だと私も思います。しかし、しかしですね、本人に事前に了解もなく、そして、この検査の内容を見ますると、ほんとうに一日たいへんな検査量なんですね。この実態を見ますると、やはり委託治療研究そのものを、項目等々、検査の項目の内容を私は再検討すべき段階にきておると思います。これをひとつ、ぜひとも再検討していただくと同時に、本人の、障害を受けて、この白ろう症状がさらに拡大している、かえって研究の材料にされて悪くなっている時点を考えますときに、休業補償はしても、たとえばチェーンソーの使用者は調整手当といいますか、特別手当というものをもらっていたわけですから、そういうものまで休業補償というものはもらえないわけです。実質的に給与の支給は低下をしておると思うんです。そういう低下した分はどうするのか、さらに、そういう障害の悪化をした補償をどう考えておるのか、林野庁の長官からひとつ御見解を承っておきたいと思います。
#342
○政府委員(福田省一君) そういうレイノー現象のために働くべき日に働けなかったという状態に対しましては、従来は百分の六十プラス百分の二十、レイノー制度を入れまして、そういう補償制度でございましたけれども、それでは私たち不十分と考えまして、そういう場合には、百分の百、つまり賃金としてこれを支給するという方向でただいま検討中のものでございます。なお、そういう検診を受けた際に、いろいろとそういう障害が出た場合の補償の問題につきましては、これは当然のことでございますので、何らかの方法で一体どうするかということを具体的に検討してまいりたいと思います。
#343
○須原昭二君 一〇〇%に前進をされたことについては敬意を払います。同時にまた、補償の問題については具体的に検討をさしていただくということですから、ぜひとも早くこの点は補償するようにひとつお願いをしておきたいと思います。
 そこで、今度は通産省お見えになっておりますか。――そこで、私はこの白ろう病というのは、やはり振動公害病だという性格を持っているものだと思うのです。有害であるとわかっていて、あるいは安全性が未確認のまま機械の製作をしたメーカーの責任も、われわれは看過するわけにはまいりません。政府はメーカーに対して、通産省はいかなる措置をとってきたのですか。この点を御報告を願いたいと思います。
#344
○説明員(杉山和男君) 通産省といたしましても、チェーンソーや刈り払い機あるいはさく岩機等によります振動障害の防止につきましては、できるだけ機械の改良、改善を行ないますようメーカー、業界に対して指導しております。で、その結果、現在までのところチェーンソー等につきまして防振装置が、大体ほとんどのすべての機械につきまして、これは輸入機械も含めてでございますけれども、取りつけられるようになりまして、ハンドル部分のみならず、エンジンの取りつけ部分等につきましても、大体つくようになってきたというのが、だんだんいい装置がつくようになってきたというのが現在までの経過でございます。
#345
○須原昭二君 きわめて抽象的な御答弁でありますが、これは四十五年の春に、これも私は議事録を読みましたけれども、参議院のこの社労委員会において吉田忠三郎委員とのやりとりの中で、労働省は一年ぐらいで無害の機械を開発をするという、林野庁も労使交渉の中で、四十五年度中に無振動の機械の開発をすると、こう断言をしているわけですね。すでに三年間を経過しているのですが、いまなお無振動機械の開発をしておらない。開発はされておらないのです。今日なお開発されておらない。この四十五年二月の労働省の通達以降機械の開発との関連において、メーカーに対していかなる措置をとったのか、具体的にひとつ御明示をいただきたい。
#346
○政府委員(渡邊健二君) チェーンソーの改良につきましては、われわれもメーカーに対して改良、開発の促進をできるだけお願いをしておるところでございますが、チェーンソーの無害な規格を設定するにつきまして、その前提といたしまして振動の許容限度がどうあるかということが非常に問題なわけでございます。この問題につきましては昭和四十五年から国際標準化機構――ISOと申しますが、そういう国際機関におきましてもこの問題は取り上げられておるわけでございまして、何回か国際会議が開かれております。日本からも、かつても、前にも専門家が参りましたが、ことしも、ことしの五月の二十一日、二十二日、ユーゴスラビアのスプリート市で開催されました会議に専門家を参加せしめたのでございますが、その結果、一応振動の測定法についての方向が、その会議で一応出されて、来年の会議で結論が得られる見込みであるという報告を、その専門家から聞いておるところでございまして、その振動の測定方法がきまりますれば、それに基づいて振動の許容限度を検討いたしまして、さらに規格の設定化について今後努力してまいりたいと考えておるところでございます。
#347
○須原昭二君 無振動機械の開発をするという断言をされた労働省、林野庁、そういう点から考えて、いまの御答弁は、いま現在、林野庁がこれでよいという機械、どんなものだというふうにお考えになっておるかということと、そういうよい機械があるならば、いつそれを導入されるのか、予算的な配慮はどうなっているのか、その点を具体的にちょっとお尋ねしておきたいと思います。
#348
○政府委員(福田省一君) チェーンソーとかブッシュクリーナーのようなものにつきましては、振動を緩和するパッキングを入れるというようなことはやっております。それはだいぶ入っております。それからもう一つはエンジンでございますが、ロータリーエンジンの開発をただいまやっておりまして、ピストンの振動がなくなる、ただ爆発振動はございますけれども、ロータリーエンジンですから、ピストン往復がないために、それで爆発音以外はあまりない、そういうロータリーエンジンの開発をいたしております。それからもう一つ実験的にいま入れておりますのは、一番いいのは振動機械を使わないことが一番いいわけです。したがいまして、現在、それをやっております。やっておりますのは、ツリーフェラーであるとか、ブッシュコンバインであるとか、あるいはそういった、要するに、トラクターに付属したものでございますけれども、そういうはさみのような機械でございますが、はさみで切る機械でございます。これをただいま導入しております。それから、地ごしらえにつきましては、これはロータリーカッターであるとか、あるいは要するに、こうぐるぐる回って、そういった灌木類を切り離してしまう。これもトラックターに付属しているものでございます。そういったものをただいま導入いたしまして実験いたしております。ただし、こういったような機械はあまり急斜地には使えないということがございます。やはり基本的にはチェーンソーとかブッシュクリーナーというようなものは必要でございます。ただいま申し上げました、できるだけそういう振動を少なくすると同時に、エンジンの改良をただいま検討している最中でございます。
#349
○須原昭二君 私も妻籠の営林署へ参りまして、現場の労働者が使っているものを自分で一ぺんやってみたんです。たいへんな振動ですよ。ですから、早くこれをよい機械にかえていく、よい機械を導入していく、かえていくという姿勢が私は必要だと思うんです。
 それからいま長官からお話がございましたように、何か聞くところによると、チェーンソーにかわる大型の自走式機械の導入をはかるというようないま御発言のように聞こえたんですが、それはそうなんですか。
#350
○政府委員(福田省一君) 御指摘のように、主として平地、丘陵地帯、そういったところの造林地におきましては、そういったものは可能でございます。ただし、国有林だけとりましても、大体急傾斜地が比較的多いわけでございますから、そういう大型の機械を急傾斜地に導入するということはいろいろ問題がございますので、全部にこういった機械が適用できるものとは考えておりません。
#351
○須原昭二君 急傾斜地はともかく平地ならばと、こうおっしゃいますけれども、これは私は危険な感じがしてなりません。すなわちそれは人減らしの合理化につながるものであり、かつまた林業の振興からいっても、きわめて山荒らし的な、とも言うべき自然の破壊につながると私は思うんですけれども、その点はどうなんですか。
#352
○政府委員(福田省一君) 御指摘のように、そういう機械はできるならば大面積の皆伐作業には適するものでございます、そういった能率重点に考えましたならば。ただし、現在のところ、昨年以来国有林の伐採方式にいたしましても、大面積の皆伐は中止しております。特に保安林等におきましては、制限を五ヘクタールというふうに限定しておりますし、平地林におきましても二十ヘクタール以下というぐあいに、しかもそれを分散して、中には天然林を置くというふうな状態にしておりますから、そういう機械を入れましても必ずしも能率があがるというふうには端的にはいかぬと思います。それはやはりいろいろ実験の段階でございまして、十分検討いたしまして、処置していきたいと思います。目的は人減らしではございません。
#353
○須原昭二君 まあ、人減らしではない。同時に、やはり自然の破壊につながるような、そういう大型の自走式機械の導入については、十分私は再検討しなければならないと思います。その点をまた要望しておきましょう。
 そこで、民有林の労働者の、改良、開発しても、労働者の次三男ですね、自分が持って作業に来るというのが実態です。買わない傾向が生まれてきて、かつ、側面においては出来高払いでありますから、白ろう病になる可能性というのは非常に私は高いと思うわけです。特に、営林署は全国で三分の二が民間に委託をしておるのが現実です。民有林の労働者の機械の改良については、私は重大な関心を寄せざるを得ないのでありますが、改良あるいは開発しても古い機械を使わざるを得ないという今日の民有林に働く労働者の実態から考えて私は助成措置をとるべきではないか、こんな感じがするわけですが、その点はどうなんですか、労働大臣。
#354
○国務大臣(加藤常太郎君) チェーンソーの問題でありますが、白ろう病はなかなかこれ、諸外国も悩んでおって、医学的にもその原因の認定がなかなか困難だと、しかし、チェーンソーそのものに原因があることだけは、これはもう判然とするような感じがいたしますし、この規格の制定が、労働省も農林省のほうも規格の制定につきまして、いま熱心に取り組んでおりますから、この規格が決定すると同時に、何かこれに対する助成措置、これはやらなくちゃならぬと思うんでありますけれども、端的にいま改良について補助金を出せということについて、的確に出しますということもなかなか言い切れない点がありますが、しかし、これは農林省ともわれわれよく協議いたしまして、御趣旨のように前向きで善処いたしますけれども、いまのところで、この程度であればやれると思いますのは、これに対する低金利の融資制度、この程度は、これはいけると思いますが、助成のところまではまだいけないというのではありませんけれども、やりますけれども、なかなかほかの業種の関係で、チェーンソーをやった場合には、のこぎりでありますから、大工でもどうだというようなことになってくると、いろいろな関係の影響もありますので、大蔵省のほうは、なかなかむずかしい点もありますが、しかし、決してあきらめません。農林省ともよく協議し、協力して、御趣旨に沿うようにするが、ぜひ特に、低利の融資制度、これはやりたい所存でございます。
#355
○須原昭二君 ぜひ低利の融資制度というような消極的ではなくして、少なくともあまり数は多くはないのですよ。ですから、これは助成措置を講ずべき方向に、ひとつよく言われる前向きで抜本的に取り上げていただきたいと要望しておきます。
 そこで、今度は時間の使用期間の制限の問題ですが、国有林では二時間規制をやって患者の発生を防ぐのだと、しかし、依然として患者の発生は減ったとは言えない現況にあります。いまなお訴え者、あるいはまた、認定者というものが続々と発生している現実を考えますと、二時間の短縮を含めて、時間の規制の再検討が私は必要だと思うのですが、その点はどうかということです。
 それから民有林では、四十五年二月、基準局長の通達によって二時間規制は全く守られていないのです。私の調査でも現実に民有林の労働者は、二時間どころではなくして、一日に五時間、六時間、実はチェーンソー等々の振動工具を使っているわけです。指導通達が守られていないのは、どこに原因があるのか、探求をされたのか、守らせるための具体的な措置をどのように検討されているのか、その点を具体的にひとつ御説明を願いたいと思います。
#356
○政府委員(渡邊健二君) 民有林につきましては、先生御指摘のように四十五年通達を出しまして、一日二時間、しかも連続操業を避けるようにということで指導いたしておるわけでございますが、確かになかなか民間の林業につきましては、その徹底につとめておりますものの十分に守られていない面があるわけでございます。したがいまして、これにつきましては、十分にやはり白ろう病のこわさというものを周知徹底いたしまして、白ろう病にならないためには、この作業基準を少なくともこれを確実に順守するよう、その趣旨の徹底につとめるよう各出先に指導いたしますとともに、林業災害防止協会という団体が災害防止団体法に基づいてできております。この民間も入りました団体を通じまして、林業の業者のほうにさらに徹底するよう指導して、申し入れをいたしておるところでございます。
 なお、これが必ずしも守られないことにつきまして、やはり民間の林業労働者につきましては、収入の確保、こういう問題も影響しておるのではないかと思うのでございまして、先生も御承知のように、林業については、出来高払い制が一般的に昔から慣行として行なわれておるわけでございまして、これは長年の慣行でございますので、急激に変更することはなかなかむずかしいとは存じますけれども、出来高払いの保障給の運用等によりまして労働者に適正な賃金が保障されるよう指導も並行して進めまして、その面からも作業基準の順守が行ないやすいように今後とも指導につとめたいと考えております。
#357
○須原昭二君 四十五年の二月に通達が出ておるんですけれども、具体的に守られておらない。さらに一そう出先を通じて通達の趣旨を徹底をさせると、きわめて抽象的な御答弁でありますが、どうも労働省は、各般の通達を見ておりますけれども、通達を出しておけば行政の責任が免れたというように考えられているんじゃないかというような感じがしてならないんです。実際には末端で守られていないんです。だから国会で追及されると、はい、通達は出しました、守らせますと、こういう百年一日として進歩がないと私は見るんですが、出さぬよりは出したほうがいいけれども、出しても効果のないようなことではもっと方法を考え直してみなければならないのではないかと思うわけです。特に、このまま放置しておけば廃人同様の重症の白ろう病患者を含む、そういう患者というものが、私は、千の単位じゃなくて、万の単位に達するのではないかという危惧を、私は、持ちます。というのは、民有林のチェーンソーは、私の調べたところによりますと、現在、十二万台あるそうです。刈り払い機は十一万台、国有林のそれぞれ二十倍から十一倍の所有状況を考えますと、私は、万単位の患者がこのままにしておきますと、重症の白ろう病患者がたくさん出てくることをもう予見してもいいのではないかと思うわけです。そういう点をどうとらえておられるかということです。
 それから、いま、守られておらない理由はどうかといいましたら、出来高払い制度、この問題を指摘をされました。私もそう思います、一つの側面として。完全に、やはり二時間規制が事業主も労働者にも守られるようにするためには、この前時代的な出来高払い制度をやめさせるということが、私は、必要だと思うわけですが、この出来高払い制度については、労働基準法の改正によって禁止し、法をもって、やはり強制的にやらせなければ、私は、できないのではないかと、こんな感じがしてなりません。何べん通達を出そうが、やらなければ、やはり法の強制においてこういう状態をつくりあげる以外に、私は、ないと思うんですが、その点は、大臣、どうでしょう。
#358
○国務大臣(加藤常太郎君) もう、そのとおりで、出来高払い、それがこの最たる要所だと、保障給を出すようにせいと、こう言ってみたって、民間でありますから、切りっぱなしではいけませんので、この問題も研究会で労働基準法の改正もいま進んでおりますので、御趣旨の点を織り込んで、労働基準法の改正問題にはこれは織り込まなくちゃならぬという、私も、考えであります。
#359
○須原昭二君 ぜひそういう点を考慮に入れて施策の面にあらわしていただきたいと、かように思います。
 国有林の林業手当の問題について今度は参りたいと思いますが、現行、先ほどお話にありましたように、国家公務員災害補償法、これは六〇%、援護金が二〇%で、八〇%の補償であったのが一〇〇%になったと、こういう御報告を聞いたんですが、いつから御実施されますか。
#360
○政府委員(福田省一君) ただいま労働組合と協議中でございますので、できるだけ早急に実施したいと思っております。
#361
○須原昭二君 労使の間でお話し合いということですから、その点はおまかせをいたしますけれども、一日も早くひとつしていただくようにお願いをしておきます。
 同時に、民有林では、労災法は六〇%であって、退職金の見舞い金はゼロという状態ですね。したがって、国家公務員と民有林で働く労働者とには大きな差があるわけですが、この差をどうしたらいいんですか。
#362
○政府委員(渡邊健二君) 業務上の負傷、疾病によって休業いたしまして、そのために賃金が得られないというときにつきましては、これは林業ばかりでなくて、全部の産業につきまして、労災保険で休業補償は、いま、平均賃金の百分の六十となっておるわけでございます。これはまあ、保険からでございますので、それぞれの企業で上積みを就業規則なり、あるいは協約等でされる。これはまあ、別途あるわけでございますが、労災保険といたしましては百分の六十になっております。これは先生も御承知のように、基準法の災害補償とも見合っております。また、国際条約におきましてもILO百二十一号条約におきましては、一時的労働不能に対する給付の基準は百分の六十となっておりますので、一応、そういうものと見合っておるわけでございます。しかしながら、林業ばかりではございません、全般につきまして、この休業補償の百分の六十という給付率につきましては、引き上げを望むいろいろな御意見もございます。そこで、労働省といたしましては、これは休業補償だけではございませんけれども、そういったような労災保険の全般につきましていろいろ問題がございますので、ことしの一月、労災保険審議会に対しまして、労災保険制度全般についての検討をお願いをいたしたところでございまして、同審議会では、審議会の中に三者構成の労災保険基本問題懇談会というものを設けられまして、いま、鋭意、問題の全般的な検討を進められておられるところでございます。したがいまして、この休業補償給付の百分の六十という給付率につきましても、その中で御検討いただけるものと考えておるところでございます。
#363
○須原昭二君 その点は、今後、その動向を見守ってまいりたいと思いますが、ただ、白ろう病は他の災害と違って、機械を使用すれば病気になるということがはっきりしているわけです。これがはっきりしている以上、その機械を使わして働かしたところの事業者がすべて責任を持つのは私は当然の理だと思いますが、その点はどうお考えになっておるかということと、その使わしておる事業者に対して、どのように対処されようとされておりますか、その点についてのお尋ねをいたしたい。
#364
○政府委員(渡邊健二君) 業務上の疾病と申しますのは、使用者の故意、過失いかんにかかわらず、使用者がそれによって生じた負傷疾病に対しては責任を負うべし、これが災害補償の理念であるわけでございます。チェーンソーにつきましても、必ず疾病になるというようなことで労働者を従事させるということは、これは労働者の健康、身体を守る趣旨から適当ではないのでございまして、私どもといたしましては、やはり行政指導をしておりますような作業基準、こういうものを厳格に守りながらやっていただきますれば、この白ろう病の発生防止に相当の効果があるものというふうに、私ども、専門家から聞いておるわけでございまして、そういう意味におきまして、この基準の励行方を使用者に極力求めておるところでございます。しかし、そういった使用者の過失、あるいは十分な注意義務を怠ったということ、それの有無にかかわらず、やはり結果として業務上の疾病になれば、使用者は当然にそれに対しまする災害補償の責任はある。もし、使用者がさらにそれ以上に明らかに定められておるような基準を守らないで、そして、そういう職業病の疾病が当然考えられるような状態で、労働者を労働さしたということになれば、その一般の無過失の業務災害責任に加えて、これは責任は重くなるわけでございまして、民法の故意、過失に基づく損害賠償責任等々も業務災害責任を越えて、また問題になり得るものであると考えております。
#365
○須原昭二君 この点は、やはり私は労働省が通達をして二時間に規制をしたと、そういうものを守っておらなければ、当然白ろう病になってくるんですから、からだによってかかる率というのは違うかもわかりませんが、やはり使わした経営者に、事業者にすべて私は責任があると思うんです。したがって、その点はひとつ厳格にこれから対処していただきたいと思います。
 さらに、時間がございませんから先を急ぎますが、国有林では月給制の職員の場合には賃金契約により一〇〇%補償されるのに、日給制だからといって私は差別することはおかしいと思うんですが、その点はどうかということ。
 それからもう一つ、常用作業員であって、機械要員はどれだけ今日あるかということ。しかも国有林における常用作業員は、昭和四十六年の四月十四日の政府統一見解に基づいて常勤の職員としての検討を急ぐべきであり、当面する処遇改善は常勤職員に準じてすみやかに改善すべきと、私は当然だと思うんですけれども、この点はどうなっているのか、この三点についてお尋ねをしておきます。
#366
○政府委員(福田省一君) 御指摘の、第一の、レイノーによりまして、働かなければならぬ日に休まざるを得なかったという場合におきましては、先ほど申しましたように、繰り返して申し上げますけれども、賃金として支給するものでございます。この国有林に勤務しております常用の作業員というものは日々雇用されるということで日給払いに実はなっております、公務員法に従いまして。ところが、十年以上勤めているというような人がその中で約三五%おります。そういうことで、永年勤続なんかついている人もあるわけでございまして、現場の作業をやっています場合には定員内の職員と、特に最近は機械化してまいりまして、集材機なんか一緒になっています。そこでいろいろと問題があるわけです。第一点のレイノーにつきましては賃金としてこれを支給するということにしたわけでございます。補償ではございません。
 それから、第二点の機械要員につきましては、現在三百七十四名ございます。これは実はいま申し上げましたように定員内の職員と一緒に同じ仕事をしているというところから発生した問題でございまして、二千七百二十三名を実は取り入れておったんでありますが、数カ年。その後またほかの仕事に移ったりあるいは退職したりということで、これは管理上の問題もございますけれども、三百七十四名の欠員が実は出ておるわけでございます。これが常用の形で現在主として機械作業の中でも集材機とか、そういったものでございますけれども、これをできるだけ早期に定員内に繰り入れる、欠員補充方式によりまして定員内に繰り入れるということにいたしたいと思います。
 それから最後の、要するに、いま申し上げましたように、国有林において現場で仕事をいたしておりますところの常用作業員であるとか、それから定期の作業員というものにつきましては、これは伐採したり、造林したりいたします仕事の基幹的な要員でございますので、これにつきましては組合ともいろいろと従来交渉を重ねてきたところでございますけれども、年度内には一応の目標を示しまして組織ができ上がりますれば、数年のうちにこれを実現してまいりたいと、こういうことはやはり国有林の経営の改善の中で考えていかなければならぬという当然の問題でもございますので、こういった問題をあわせて関係官庁ともよくお話し合いをして、早期に実現をしてまいりたいと、かように思っています。
#367
○須原昭二君 人事院ですけどね、その月給制の職員の場合、それから日給制の場合、これは差別があることはもう歴然ですが、いまお話のように、永年勤続のですね、同じように働いている人もおるわけです。その身分の違いで、同じ職場に働いて、こういう差別が出てくるということは少しでもその差別をなくしていく方向に私は善処されるべきではないかということ、それからいま一つは、常用作業員である機械要員は三百七十四名というわずかな数なんです。わずかの数ですからこれをこの定員内に組み入れていくような方途を私は早急に考えるべきだと思うのですが、その点はどうでしょう。
#368
○政府委員(中村博君) 第一点につきましては、これはまあ、先ほど来お話がございますように、災害補償としては、その常用の場合であろうと賃金職員の場合におきましょうとも、まあ身分によって差異はないわけでございます。その場合に、公務災害の場合に給与をどうするかということの取り扱いが、その身分によって差異が出てくるわけでございまして、まあ、先ほども林野庁から御説明がありましたように、臨時職員のほうにつきましては、近く全額払いということで合意なさるということでございますが、この点は一つの進歩であろうと思います。しかし、災害補償の面につきまして、いずれも六〇%でございますけれども、これは先ほど労働省から御説明があったとおりでございますが、しかし、私どもとしましては、その災害補償、給与を受けられません場合には、特に白ろう病の場合に限って、一般の非常勤の方と違って二〇%の休業援護金を積んでおるわけでございます。そのように私どもとしましてできるだけの災害補償の面におきます配慮、これはいたしておるつもりでございます。
#369
○須原昭二君 ちょっと時間がないですから先を急ぎますけれども、国家公務員の災害補償法並びに労災法ですね。いわゆる労災法の改正、まあ休業手当は一〇〇%保障するけれども、生活と労働不能に見合う障害補償を行なうべきであると、こういうふうに私は思うのですが、ところで、この間も参議院の本会議で労働大臣にいろいろお尋ねをいたしたわけでありますが、死亡災害においても現行補償法は賃金の千日分と、扶養親族に対する場合は年金とされておりますね。林業の一日当たりの賃金は大体三千円から四千円だといわれております。そういたしますと、大体まあ、三百万から四百万の見舞金にすぎないわけです。現下の情勢からいって、非常に少ないわけです。したがって、さきに労働大臣に対して本会議で御質問を申し上げたように、民事訴訟による補償額でも一千万円をこえておる。一連の公害裁判でも二千万円に近づきつつあるときに、労災補償は賃金の千日分ではあまりにも低過ぎると私は思うわけです。その他七つぐらいの課題を掲げて労災法の全面改正を私は本会議の席上で労働大臣にお尋ねをしたわけですが、幸いにも労働大臣は私の意を、ほんとうにくんだかどうかはちょっと疑問でございますが、まあ、あそこの席上においては私は私の意をくんでくれたなと思ったんですけれども、よくよくあとから議事録を読んでまいりますと、ここにはことばのあやがある、あやが。労災法については、労災保険基本問題懇談会で再検討中だが、労働省は審議会の結論が出された場合には、――ここですよ。出された場合には、できるだけ御趣旨に近い線に沿って次の国会にも出すように必要な措置をとる、こう断言されました。私はちょっと耳を遠くしておりましたものですから、前段のことをちょいと聞き落としておりました。次の国会に出してくると、よくも言ってくれたなと思って感激をしたのですが、やはり前提条件があるのですね、ここに。労働省としては審議会の結論が出された場合、――出されなかった場合にはということが問題になってくるわけでありまして、この前提の問題でありまするけれども、この表現からいえば、審議会の結論が出ない場合は次の国会には出さないとも考えられるわけです。その点はごまかしだと実は私は思いまして、この際、お尋ねをいたしまするけれども、次の国会に提出できるように審議会の結論を促進する必要があると、私は、ことばじりから言うならば、まず、審議会の結論を早めるということが洗決だと実は思うわけですが、積極的に御答弁をいただいた、あれは、次の国会に提案すると解釈をしてもいいのかどうか、この点をもう一度、くどいようですが、大臣から所見を承っておきたいと思います。
#370
○国務大臣(加藤常太郎君) この点は、渡邊基準局長から先ほど答弁いたしましたように、労災保険審議会、この審議を待って、そうして、労災保険基本問題懇談会を設けて、いまも御承知のように検討いたしております。
 ところが、この問題は、先ほどちょっとこれに触れましたけれども、えてして、研究会だとか、いろいろな懇談会だとか審議会とかいうのは、どうも言ったよりはおくれると、多少そういう点があります。大体、やはり審議会を通らなくちゃ法律化にもこれは困難な点もありますので、われわれといたしましては、時期は、この結論を本年じゅうにやりたい、こういう意味で、先ほど白ろう病の問題につきましても、要望すると言っておきましたが、この問題も、本会議で答弁した労働省の――これは大臣だけじゃなく労働省全体のそれに対するもう心がまえでありまして、えてして、審議会の問題の関係になりますが、しからば、私から、時期が、本年じゅうに出されるかと、こう申しますと、多少私自体でも疑問に思っておりますけれども、やはり、私の方針も、労働省の方針もこれはもう一致いたしておりますから、審議会の関係を促進いたしまして、本会議で答弁した前段のことがないように対処いたしますことを、ここに申し上げます。
 決して、それは、うまく言って逃げるという気持ちでありません。ただ、審議会の結論が出なくちゃ、これは法律化することがなかなか困難な立場でありますので、審議会のほうも、その方針で進行いたしております。なお一そう、本年じゅうに結論を出さなくちゃ、これは法案化ができませんので、この点を、委員会の御趣旨なり、また私の気持ちなりを、労働省の方針も、審議会によく話をいたしまして、御趣旨に沿うように対処いたします。
#371
○須原昭二君 ちょっと安心をいたしました。
 したがって、審議会の結論を早く促進をさせることが前提条件ですね。ですから、これはぜひとも、大臣のおっしゃるように、ことしじゅうに出してもらうように、ひとつ促進方を要請をしてください。そして、次の国会には出るようにぜひとも御尽力を願いたいと思います。
 時間があと十分ぐらいでございますから、まだたくさんございますけれども、ちょっと御質問をいたしておきたいと思います。
 特に、民有林の労働者の対策についてです。これは、先ほどの鉄鋼産業やあるいは建設業に働く労働者の白ろう病、白ろう症状、そういう患者の多くなっていると同じように、忘れられているというふうに言っても私は過言でないと思います。
 まず、民有林に働く労働者には、事業主に国家公務員並みに年二回の健康診断の義務づけ、固定の事業主のないいわゆる日雇い労働者に対しては、国かあるいは地方自治体の巡回健診制度、こういうものを私は確立する必要があると思うんですが、その点はどう対処されようとされておりますか。
#372
○政府委員(渡邊健二君) 民有林労働者につきましては、昭和四十五年二月の通達によりまして、六カ月に一回健康診断をするよう指導いたしておるところでございます。しかし、なお山間僻地に散在するものでございますので、なかなか適当な健診機関もないというようなこともございますので、そういうことのために、健康診断が実施されないというようなことがないように、労働省といたしましては、巡回健診期間を、林業労働者につきましては出しまして、そして巡回健診等も実施いたしまして、そういうことによりまして、この健康診断が的確に実施されますようつとめておるところでございますが、今後につきましても一そうそういう努力につとめまして、的確な健康診断の実施につとめたいと考えております。
#373
○須原昭二君 特に山間僻地でありますから、巡回の健診体制を確立をしても、まだ問題点が残るわけです。
 というのは、労働者がつかめ得ないようでは、やはり健診ができないものです。したがって、患者の実態もつかめない。したがって、林業の労働者手帳というような、いわゆる業者なりあるいは労働者なりの登録制を私は考えるべきだと思います。白ろう病認定者手帳を発行すべきだ、こういうふうにも実は思うわけですが、その点はどう対処されますか。
#374
○政府委員(渡邊健二君) 健康診断のやり方等につきましては、先ほども申しましたように、ただいま、振動障害検診委員会で、健診につきましていろいろ御検討を願っております。したがいまして、そういう御結論も見まして、手帳制度等も十分考えてまいりたいと思います。ただ、その場合に、全部にする必要があるのか、あるいは特定の症状を呈した人等に限定するのか、そういうような点もいろいろございますので、検診委員会の結論を承りまして、十分それらについても検討してみたいと存じます。
#375
○須原昭二君 ぜひこれは、白ろう病患者の認定患者だけの手帳ではなくして、林業に働く労働者全体にやはり手帳を交付すべきだと、そういうことでつかんでおかなければ、いかに巡回の健診体制をひいてもこれは掌握できないわけですよ。
 その点をひとつよく頭の中へ入れていただいて、全林業労働者の手帳というものを政策、行政の上へ乗せていっていただきたい、かようにお願いいたします。
 さらに、民有林労働者は、さきに申し上げましたように、チェーンソー等、自己持ちが圧倒的に多いわけです。これがしかも、やはり一番危険度の高い古い機械を使用しているのが現状なんです。したがって、自己持ちをやめさせるように、業者持ちを義務づけさせるような方向で、古いものを新しいものに更新していくということが私は前向きの姿勢で、これが必要ではないかと思うんですが、その点は業者に義務づけさせられることができますか。どうですか。
#376
○政府委員(渡邊健二君) 四十五年のチェーンソーに伴う振動障害の予防の通牒におきましては、チェーンソーは作業条件に合致したバーの長さのもので軽量で振動の少ない機種を選定せいと。そして、現在使用中のチェーンソーで、防振装置が取りつけられていないものについては、すみやかに防振装置を取りつけるようにせい、というようなことも指導をいたしておるところでございます。
 で、それらにつきまして、そういう機械の所有関係を、労働者が持っちゃいかぬというような義務づけができるかどうかは今後十分検討いたしたいと思いますが、要は、やはり無害な機械が使われるようになることが眼目であろうと、かように考えるのでございまして、先ほどもお答え申しましたように、無害な機械の開発、規格化、そういうものを進めますと同時に、そういうものが明確にできましたならば、大臣からもお答えいたしましたように、融資制度あるいは補助制度等々を十分促進いたしまして、そういうものを検討いたしまして、現実に労働者がそういう無害な機械を使うことが確保できるようにはかってまいりたいと、かように考えております。
#377
○須原昭二君 ぜひ、やっぱりこれは助成措置なりあるいは融資制度等々のものの考え方もございますが、やはり業者持ちを義務づけ化させるということが非常に私は重大だと思うんです。これは、ぜひともそういう方向へ進めていくようにお願いをして、あと二分ぐらい残っておりますから、時間制限の問題については、国有林は一日に二時間ですか、そして一週間に五時間、それから月に四十時間というふうに、機械の使用について基準局の通達が出ておるわけですね。四十五年の二月でしたか、民有林の労働者にも、二時間というような通達がなされたように聞いておりますが、守られておりません。守られておらない実態を考えますと、ここで、何らかの具体的なやはり、民間に要する対策が私は緊急な課題だと思います。その点はどうお考えになっておられますか。
#378
○政府委員(渡邊健二君) 確かに、私ども、通達をいたしましたのに実際にはなかなかこれが守られておらない点、非常に残念に思っておるところでございまして、これはもちろん基準局、監督署を通じて業者に指導をいたしますけれども、やはり同時に、業者自身がこういうものを的確に守って、そうして心配のない職場だということでないと、民有林につきまして労働力の確保も困難になりつつあると考えるわけでございます。事実、業界におきましては、若い労働力がなかなか確保できない。だんだん民有林に従事する林業労働者は高齢化してしまって、若い人が入ってこないということを業界で問題にいたしておりますので、そういうものについては、やはり適正な労働条件、特に安心して働ける労働条件でなければ、いまどき労働力の確保もできないのだということを私ども申しまして、この業者も加入いたしております林業災害防止協会――林災防協会に、そういう趣旨も含めて業者に、この作業基準の順守、それによる白ろう病の防止等に業者みずからが積極的な気持ちをもって取り組んでもらいたいということを呼びかけておるところでございまして、林災防協会も、その必要性等を、業者自身の立場においても必要だというふうに近ごろは認識をいたしまして、業者に熱心に呼びかけをいたしておるところでございますので、こういう自主的な業者のそういう自覚、そういうものと相まちまして、すみやかにこの作業基準の順守を確保するようにいたしたいとつとめておるところでございます。
#379
○須原昭二君 「つとめておるところでございます。」ということがよく出てきておりまして、具体的にその特効薬が出てこないのですよ。ですから、いかに通達を出しても、業者みずからが守らなければ何もならないわけです。たとえば林災防協会という協会を通じて業者に何べん通達しても、馬じゃないけれども、川まで連れてくることはできても、飲まない馬は水は飲みませんよ。やっぱり飲ませるようにしなきゃいけない。
 そこで私は考えたのですけれども、いままでいろいろのことを申し上げてまいりましたけれども、さらに加えて、林業労働者のやはり雇用の安定、最低賃金制、労働基準法並びに労働条件を確立をさせること、あるいは各種社会保険の完全適用など、――その機械の自己持ちをなくすことも当然でしょう。そうした、いま私が各般の事情を申し上げましたけれども、こういう問題点を総合的に集約をして、たとえば仮称でありますが、林業労働法というようなものを制定をして、法によってやはり規制をしていくという方法以外に私はないと実は思うのです。長年労働省はこの問題に努力をされてきたと思うのですけれども、過疎地帯におけるところの業界においてはなかなか目が届かない。そういう実態を考えますと、やはりこういう林業労働法というようなものを制定すべきであると私は思うのです。検討する必要が私はあると思うのですが、その点はどうなのか。
 最後に労働大臣に、この白ろう病というふうなものは、ただ、林業だけではございません。労働省に申し上げておきたいことは、特に、白ろう病というものは何か民有林、山奥だけの話ではなくして、町のまん中におけるところの道路工事の中にも、あるいは建設工事の中においても、あるいは鉱山におけるところの採石の現場においても、こういう鉄鋼の製鉄所におけるところの企業の中にも白ろう病は出てきているのです。そうした総合的なものを考えると同時に、とりあえず特に顕著になっておる、この林業におけるところの労働者について林業労働法というものを私は制定しなければならない段階にあると思うのですが、どうぞひとつ労働大臣の御所見を承って、時間がきましたから終わりたいと思います。
#380
○国務大臣(加藤常太郎君) お説のとおりで、近代産業の発展に伴って、私たちの青年時代にはなかったことが、かような驚くべきからだに支障を来たすような不幸な白ろう病に対しましては、もう少し行政の官庁も真剣にこれを検討する時代に到達いたしておると思います。林業だけでなく、あらゆるチェーンソーと同様な機械を使用いたします各産業に対しましてもそれを検討しなくちゃならぬと、特にいろいろの点で、どうもお役所の仕事は通達でうまくいかないというような点も認めないわけにいかないような感じもいたしまして、最終的には林業労働法で全体のことを考えていく、これも私、検討しなくちゃならぬと思います。これについては、二カ月前に道正安定局長と相当議論いたしましたので、補足説明をさせます。
#381
○政府委員(道正邦彦君) 先生の御質問の重要な部分が安全衛生法、安全衛生に関連してのお話もあったと存じますが、そういう点についてたとえば手帳制度をしくというようなことは十分あり得ると存じます。ただ、雇用の安定ということになりますると、地域的に非常にばらつきがございまして、需給調整が非常に困難でございますので、いま港湾労働法でとっておりますような登録制度をしくことが、はたして実効性の面からいいかどうかといういろいろ技術的な問題がございます。
 で、労働省といたしましては、農林省と十分連携をとりまして、農林省で実施されておりまする林業労働者の通年雇用奨励事業を中心として通年雇用の促進につとめておる次第でございますが、社会保険の適用のうち、失業保険につきましては、御承知のように、四十四年の法律改正によりまして、五十一年の一月末までに農林水産業の適用問題について結論を出すように法律上の義務を課せられております。で、現在失業保険の検討をいたしておりますが、農林水産の中で、特に林業から、私はやるとすればやるべきであるということで、四十七年度の予算で約五千の事業についての実態調査も実施いたしまして、現在集計中でございます。そういうものを踏まえまして、労災は適用になっているわけでございますので、失業保険の適用につきましても前向きで検討してまいりたい、こういうふうに思います。
#382
○大橋和孝君 時間がだいぶ進んでまいりましたが、私も質問を二、三用意しておりますけれども、きょうはいまのところでひとつ特に考えてもらわなければ民間の白ろう病は減らない、その一つのネックとなるものをひとつぼくは提起してみたいと思います。
 それで、その問題は、山守さんという制度です。これはもう林野庁のほうで、民間の山主があって山守がある、この制度は御存じでありましょうと思いますが、これは一体どういうふうにやっているのかひとつ御説明願いたい。
#383
○政府委員(福田省一君) たいへん申しわけございませんけれども、山守制度についての調査の資料を私、まだ準備しておりませんので、さっそく調査してお答えいたします。
#384
○大橋和孝君 実情も見てもらったらわかる。私もこの間四国へも行ってきました。それからまた奈良のあれにも入って参りましたが、ああいうところには民間の所有林がありますね。おたくのほうじゃないけれども、しかしおたくのほうが監督しているのですね、民間の山というものを。それだからして、そこには山主がおるわけなんです。山を持っている人は、吉野なんかを見ますと大阪なんかにおりまして、そして山を守っておる人にまかしてあるわけなんです。民有林の話ですよ。それにまかしてあるわけだから、山を持っている人は、実際私どもも聞いておりますし、親戚にもおるのですが、それに聞いたら、一体自分の山はどこからどこかわからぬわけです。山守に聞いてみましたら、そこのところに大きなまっすぐなやつが立っているでしょう、そこから何本目ぐらいからどっち向いて行ったらどれくらいで、それからどのぐらいの間が自分の山ですよと言っておるわけなんですね。そういうこと言って説明しておる人が現地におる山守さんです。これがみな、たとえば山の木を何ぼ切ってくださいといって頼めば、その人が適当にこれだけ切りましたよといって報告する、それでお金を納めるということでして、ほんとうに山持ちさんは、山を持っている地主さんは、一体そこの中で何本木を切ったのか、それからまた何人を入れてどれだけの仕事をさしたのかはほんまに知らないでその売り上げ金をもらっているというのがその実態なんですよ。京都でいえば、北山杉の中でいってもみなそうですよ。一番大きなこういう杉がどこどこにあります、それから何メートルぐらい行ったところからどっち向いて行ったらあなたの山ですよということなんですね。そういうような形でやっているその山守さんというのが民有の土地の絶対権利を持っているわけです。ですから、山を切るのもその人がやれば、またその労働者をやるのもその人がやるわけです。民間のいま言っているような林業の労働者はそういう山守さんを転々と紹介されていくわけですから、きょうはこの山守さんで木を何ぼ切った、翌日はどの山守さんで何ぼ切ったということになりますから、その所在が全然わからないわけなんですよ。しかも、先ほどからの議論にありましたように、そのチェーンソーは自分で持って、そして、山守から言われた分だけ切っていくわけですから、もう、その日その日の雇用関係は変わっているいっているわけですね。こういう状態でいま不安定な状態に置かれているから、先ほどからお話したように、何かいろんなことを言ったって、それは対象がきまってないんですから、結局いけない、こういうことになりまして、最近では京都なんかの民間の林業者のところにはお医者さんのほうから検査に回りました。ずっと行っていろいろ紫外線を当てたりなんかして検査をして、あんたは白ろう病ですよということを言われたら、労働者はみな困っているのですよ。労働者が白ろう病であるぞと言われたら、今度はその山守さんあたりは、それを雇うて、もしほんとうに病気でぶっ倒れたら責任を負わされるから、そういうのはなるべく飛ばすわけなんです。そういうことのない人を呼んでいくわけになりますから、へたに診断をつけられたら自分のめしが食い上がりだといって嘆いてるくらいのところがあるわけなんですね。そういう状態がある。一般の民有林とそれと比べてみますとそういう差があるわけですから、そこらのところをひとつぴちっとしなければ、私はたいへんなことだろうと思うのです。だから、それを改めるためにはどうしたらいいかということを、私はそういう組合で話をしたことがあるのです。しかし、まず、それを調べてくださって、あなたのほうでは、そういうことをどういうふうに解消して、もっと近代的な労使関係をそこに打ち立てられるかということがまず先決でありまして、それをやらなかったらとても私はいけないと思うのです。言うならば、それはちょうど港湾労働の中にもありますね。その労働者をいろいろ世話する役をしておられる人があるわけですが、それはもう労働だけの問題ですけれども、今度は山のものを切ったりなんかすることから全体を含めてそういうことがなっているのですから、これに対して私は何か十分な手当てをしなきゃいかぬと思うのですが、そこらのことに対して、少し前むきにやってもらえませんか。
#385
○政府委員(福田省一君) いま御指摘のような状態は、昔は国有林にも庄屋制度というのが実はございまして、山の経営、伐採、造林一切をまかしておったということもございます。最近は国有林におきましてはそういうことはないわけです。民有林におきましても、いま御指摘の点は確かに不在地主というのが多分にございます。これがまたいろいろなやっぱり問題がある大きな原因でございます。それはまさに御指摘のとおりでございます。したがいまして、民有林に対しましては、現在森林法の中におきまして、一つの伐採なりあるいは造林なり、その他すべて計画的に行なうように指導しておるところでございます。各県知事がそれぞれの所有者に対しまして森林の施業計画というものをつくらせまして、そして、それに基づいて計画的な仕事をする、したがいまして、それに必要な雇用の問題につきましても、先ほどからいろいろお話が出ましたように、直接そういったようなもののめんどうを見ていくということも、やはり構造改善事業その他におきましても指導しつつございます。御指摘のような、ほんとうにまかせっきりの状態というものについては、案外大きなところにあるかもしれません。実態をさっそく調査しまして、――私の考えとしましては、いま申し上げたような計画制度を導入しまして、構造改善事業、その他いろいろと合理的な施業ができるように指導しておるところでございますから、御指摘のような点につきましては、さっそく調査しまして指導を強化してまいりたいと思います。
#386
○大橋和孝君 それについて、私はちょっといろいろ話を聞いて調べてまいりました。というのは、山守さんというのはほかとの連携もとらずに、そしてかってにやっていくことではいけないので、もう少しいまあなたのお話のように、山全体を見て、そして、それをやるためにはどうするかということがきちっと計画的にできるように、やはりそういうような人がめいめいかってな、どちらかといえば、私服とは言わないまでも、どういうふうなことでやっていくべきか、そのときその場当たりで考えていくやり方じゃなくて、もう少しきちっと体系化されたものにしていかない限り、私はそれはできないと思うんです。これはもう各府県の林野を監督しておる局のほうにおいていろいろ悩んでいる重要なポイントだと思うんですね。だから、そういうのを根本的に直すためには、いろんな、そういう意見を集約をして、私は、これはたいへんな問題が残ると思うんです、何と申しますか、不在地主がみなまかしてやることなんですから。それに対して、それをうまく体系化するということは非常にむずかしいと思うけれども、これはしかしやらなかったらいまの先ほどの理論も、それから労働大臣えらい前向きで御答弁なさっていらっしゃいましたけれども、中間にそういう人がおったら、おそらくそれを言ったところで無理だと、なかなか実行できないということになると思うんです。ですから、私はこれに対してはひとつ、労働省のほうも、また林野庁のほうも、相当真剣にこれに取り組んでいかぬと、もういつまでという目安をつけて、そういうものを根本的に、お互いに話のできるようなところに持っていってつくらないと、私はできないと思うんです。で、決して、山守さんの権利が縮小されるようなことになっても話はうまく進まないでしょうし、いろんなことを考えても、私は、そのシステムをひとつ体系的にきちっとしないと、これからの問題はもう非常な問題が起こってくると思います。だから、もう絶対白ろう病は減らないと思います。私はそういうふうな感じを持ちます。ですから、私はそれに対してはひとつ徹底的な方法で、近い間にどういうふうにするということをまたこの場でもお返事をいただきたいと思いますので、ある一定の期間私のほうも一ぺんその様子を見せていただきますから、林野庁におきましても、労働省におきましても、それを根本的に直すためにそういうふうな制度をどういうふうにしてそれを発展させていくかということを考えてもらわない限り、私はだめだと思います。特に、これはひとつよろしくお願いしたいと思います。
 それからもう一つ私はここで聞かしていただきたいことは、いまの白ろう病というものはチェーンソーを使わなかったら起こらないわけですね。だから、チェーンソーというものに対してもう少し私はシビアに考えるべきじゃないか。それが、いままで話を聞いておりましても、研究をするんだとか何とかということで、まあ、だいぶ研究されたから、このごろ振動が少なくなりましたよ。どういうふうに直したかといったら、そこのところにちょっと何か振動を取るためのゴムみたいなものをはさんで、それでできたというような形になっているわけですから、私はそんなことじゃいかぬと思います。少なくとも通産省でこういうものをつくっているメーカーに対しては、あるいはいまお話の出ておりましたように、低利の融資をするなり、あるいはまた補助金を出すなりして、こういう開発はいつまでにどういうふうにせよと――外国にもいろいろ出ているわけです。いまでは、そういう振動をほとんど手に感じないような製品も外国では出ているやに聞いております。ですから、そういうようなものでもまだ完全じゃないと向こうは言って、時間を制限して使っているくらいですから、私は、もう日本のいまの工業水準からいって、ほんとうにいま金を使ったらぼくはそれができると思うんですよ。ですから、それをやるためにはもっと通産省のほうでも相当力を入れてもらわなければいかぬと思うんですが、それに対して何かその見通しというものは、もう見ておられたらわかると思うんですが、お考えを聞いておきたいと思うんです。それはもう、それさえ使わなかったら、振動さえなかったら病気は起こらぬでしょう。第一、時間も制限せぬでもいいし、そういうことをするということに対して、相当ばく大な金を使っても、ぼくはたいへん望ましい金であろうかと、こういうふうなことを思いますので、この点についてのお話をひとつ……。
#387
○説明員(杉山和男君) 通産省で先ほど従来までの業界に対しての指導の状況を申し上げましたが、今後の問題といたしまして、省内に設けられております機械の無公害化安全対策委員会というのがございますが、今年度、チェーンソーもこれの対象機種といたしまして、その性能改善の目標等につきまして学識経験者にお集まりいただいて、十分勉強してまいりたいと思いますが、なお、そのほか手に持たないという機械でございましたならば、これはそういう心配はないわけでございますので、すでに開発されております代替機械、これのさらに一そうの改良、普及ということが必要かと思いますが、この点につきましては、主として御使用になっておられます林野庁当局と十分協議して進めてまいりたいというふうに考えております。
#388
○大橋和孝君 ほんとうにそれはやってもらったらできると思うんですよ。このごろ土木機械なんか見ましても、こっちでハンドル回すだけであれだけのいろんなことができるわけですから、もう少しそれをじょうずに、小型化してでも何してでも実際振動のところに手を触れなくてもいまおっしゃるようなこともできるわけでしょうし、また、そのほかのことでは、ほんの少し私は真剣にこれに取り組むか取り組まないかで解決すると思うんですよ。ですから、私はいろんな意味で、この実地を見た結果では、私は、そういうところに対して、もう少し日本の、いまの産業の中で力を入れなさ過ぎているんじゃないか。もうイージーゴーイングというか、そういうようなことが、避けられるものを避けて通らない、こういうような形になりますので、私は、この開発に対してはほんとうに金を入れてかっちりとやるべきだと思います。ほかにもあると思いますよ。もちろんそれだけじゃない、あると思いますけれども、この白ろう病に関係しましても、もうすぐ白ろう病をなくすることができるんですからね、これやれば。ですから、私はそこらのところにはもう少なくとも通産省では真剣に取り組むべき時期である、こういうふうに思います。
 それからもう一つ、ちょうど厚生省からも来ておってくれますから、この治療の問題です。これに対しましても私は同じようなことが言えると思うんです。私はちょっと、病院課長おいでになっていますから、その道のべテランですから、お尋ねしたいと思いますけれども、いま温泉療法がきくなんといっておる時期と違いますね、いまの医学の進歩の状態からいって。こういう問題に対してどう取り組むべきかということは、もっとほかの角度からもあるはずなんです。ですから、私は、これに対しても各専門研究家に対して、日本全国から結集をして、そして、そこに対して、もっと補助金を出して、いつまでの間に、こういうものをこういうふうにして研究をしてくださいというならば、いま悪い千何百人もの人がおるわけですから、こういう方々に対しての治療法というのは、もう一歩進めれば私はできると思うんですよ。そういうところまできているところであって、まだその壁が破れないというわけですから、私は、ここでひとつ思い切り金を出してもらって、治療の根本というものにメスを入れてもらいたい。これはもう病人ができておるんですからね、これは早くなおさなきゃいかぬわけですから、私は、これ一発やるべきだと思いますね。役人のほうからもありましょうけれども、私は、もっと研究する部面はあると思います。いろいろ研究やろうと思って人体実験式にやられているというあれもありますけれども、これは、もうほんとうにやり方は、私は逆な方向からでありまして、やるべき方法はもっとオーソドックスに研究を進めるべき点があると思うんです。こういう点については、厚生省のほうにはもっとしっかりやってもらって、それをすぐ白ろう病そのものに対してひとつメスを入れていく、その病気そのものにどう対処していくかということをやるということであれば、私は、これは一年なり二年なりの間を見れば解決してしまうんじゃないかというふうに思います。ですから、そこのところをひとつ御所見を聞いておきたい。
#389
○説明員(佐分利輝彦君) 厚生省といたしましては、関係各省ともよく連絡協議いたしまして、大学、またその付属の研究機関の協力を得ながら、また、国立病院自体といたしましても、最近研究所を整備し始めておりますので、総力を結集して原因の究明、治療法の解明につとめてまいりたいと考えております。
 なお、念のために申し上げますが、白ろう病の研究については、厚生省も昭和四十年ぐらいから、わずかではございますが、研究費の補助金を研究グループに出してまいりましたし、また一、二回は科学技術庁にお願いして、特別研究促進調整費、大型のものをいただいたこともあるわけでございますが、今後、なお一そうの努力をいたしたいと考えております。
#390
○大橋和孝君 これはあまり時間もありませんから詰められませんし、また、私ちょっと、いろいろ考えたり聞いたりしたいことがありますので、またの機会に譲ってやりたいと思いますが、ひとつ思い切りやっていただきたいと思います。
 労働大臣、えらいおそくまで申しわけないんですが、この白ろう病というのは、私は、行ってみまして、これはほんとうに真剣に取り組まぬといかぬと思うんですよ、これから。もう一ぱいできると思います、しばらくほっておけば。ですから、これは労働者を守る意味においては、私は労働大臣が先頭になって、厚生省もあるいはまた通産省も、あるいはまた林野庁、農林省のほうもひとつ督励をしていただいて、そして真剣に取り組んでもらわにゃいかぬと思います。それから、もう私は人事院あたりでも、こういう労働者がおるところで、山の中におるからといって、遠くにおるからというんじゃなしに、これは真剣に取り組まなきゃいかぬと思うんですよ。いま悪い人たちを早目に治療するということにしないと、ほんとうにあと腐っちゃいますからね、指が。そうしたら、そういうようなことになってきて、もう間に合わなくなってきたら、それからあわててもほんとうに不具になっちゃうんです。手足が動かぬということは、これほど不便なことはないんですから。そういうことから考えてみますと、そういう悲惨な者を救うためには、いま大事なときなんです。ですから、私がいま言っている時間の問題もやられておりました。そんなことは徹底的にやって、もう生活保障をして、そして、そういう危険から遠避けなきゃいかぬと思います。そんなことで、まだやっていけば病気が進行する状態に置いていくということはいけないと思います。ですから、そういう点で、この白ろう病に対しましては、根本から、ひとつそれに関係ある各省は全部力を合わせて、少々のお金を使っても、こういうものをなおしていくという、一つになってこの白ろう病をやってもらえば、またほかのことにもやってもらえるという他面波及効果もあるわけですよ。こういうものを使わなかったらいいわけですからね。使わないでいけるというものを何か立てなきゃいかぬし、それはもうなった人に対して労働省のほうとしては、どう管理していくかということを徹底化することが必要だと、こういうふうに思います。どうぞ、ひとつよろしくお願いいたします。
#391
○国務大臣(加藤常太郎君) 本日の各委員の御質問、なかなかこれはほんとうに有益であって、適切であって、貴重なきょうの内容が、審議が私は大いに参考になりました。やっぱりこれは労使関係の主管庁は違いますけれども、えてしてこのようなことを申し上げるのはぐあい悪いのでありますけれども、やっぱり通産省、農林省というのは企業のほうから見るというような関係がなきにしもあらずでありますから、よく林野庁、厚生省、通産省等と今後連携を密にいたしまして、その中で、私は、これは思いつきでありますけれども実行しようと思います。あとでまた、その模様を御報告いたしますが、最近は環境庁ができて、公害問題だ何だかんだといって、水銀の問題、いろいろなことで心配いたしておるのでありますが、白ろう病の問題は、まあ、これに匹敵するような大問題だと思います。そういう意味で、何と言ったってこれは認定がなかなか困難でありますけれども、チェーンソーを使わなくて昔ののこぎりでやったときには、握りめし下げて、あれはわりかた健康であったんでありますが、最近、これはチェーンソーができてから妙な病気ができたんであります。これは間違いないんであります。原因はチェーンソーであります。近代国家として科学が進歩いたしましておりますから、先ほど大橋委員から話しがあったような、チェーンソーの改良、こういう問題に対しまして、政府がこれは助成金出すのは、私、これはもう聞いてみても、これは鼻くそばかりの金、すっと出してやれ、というような気がこれは私いたしますから、さっそく通産大臣とこの問題で話しをします。そして通産大臣の感触などをあとから大橋委員のほうへ連絡いたしまして、ぜひ、もう来年度はこいつ実現するように、こんなぐらいな、ダッダッダッというやつを、少し震動をなくするようなことは、これは原子力の時代で、ほんとうに何とか考えなくちゃならぬが、どうもその点が、多少欠陥なきにしもあらずということを痛感いたしますから、こっちが話すと、役人と話すと、もうへいへい言うばっかりであと返ってきませんから、通産大臣と話しまして、その結果、感触をあとから大橋委員のほうに必ずお伝えいたします。えらい答弁が粗雑でありますが、思ったことをパッパッと言うほうで、必ずこれはやります。
#392
○大橋和孝君 最後に、林野庁の福田長官ね、いま先ほど話したやつをひとつできるだけ早くに何かのプランを立ててください。私よりはそちらが専門ですから、どうぞひとつよろしくお願いいたします。
#393
○政府委員(福田省一君) 御指摘に沿うようにさっそく努力してまいりたいと思います。
#394
○委員長(矢山有作君) 本件につきましては、本日はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時四十分散会
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ソース: 国立国会図書館
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