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1972/06/28 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 社会労働委員会 第15号
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1972/06/28 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 社会労働委員会 第15号

#1
第071回国会 社会労働委員会 第15号
昭和四十八年六月二十八日(木曜日)
   午前十時三十三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月二十七日
    辞任         補欠選任
     藤原 道子君     杉山善太郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         大橋 和孝君
    理 事
                玉置 和郎君
                丸茂 重貞君
                須原 昭二君
                小平 芳平君
    委 員
                石本  茂君
                川野辺 静君
                君  健男君
                斎藤 十朗君
                高橋文五郎君
                寺下 岩蔵君
                山下 春江君
                杉山善太郎君
                田中寿美子君
                矢山 有作君
                柏原 ヤス君
                中沢伊登子君
                小笠原貞子君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  新谷寅三郎君
       労 働 大 臣  加藤常太郎君
   政府委員
       労働省職業安定
       局長       道正 邦彦君
       労働省職業安定
       局審議官     中原  晁君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
   説明員
       運輸省港湾局参
       事官       高橋 全吉君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○港湾労働法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(大橋和孝君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 六月二十七日、藤原道子君が委員を辞任され、その補欠として杉山善太郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(大橋和孝君) 港湾労働法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。
 この際、加藤労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。加藤労働大臣。
#4
○国務大臣(加藤常太郎君) 先般の六月二十一日に当委員会で御審議のときに、私から三・二二の協定書の履行の問題について、労使関係については全力をあげてこれに対処すると、こうお約束いたしましたのでありますが、とりあえず、さっそく高嶋会長代行を二十五日の月曜日だったと思いますが、招致いたしまして、この労使関係の改善、特にいま三・二二の労使間の協定書の履行を強く要望いたしまして、それ以外のことも、またあとで審議の途中で申しますが、特にこの問題について責任を持ってとりあえず事業主関係の港運協会のほうからひとつ確約をしてくれと、こう言って強く私からいろいろな問題についてお話しをいたしまして、この点につきましても、高嶋会長代行が確約に近い、順守いたしますという御返答を私もいただいたわけでありますが、この問題は御承知のように、船内関係労使の話し合いが現在進行中でありますので、その経過を見きわめる必要がありますが、いずれにしても、ごく近い将来に責任を持って最終的に解決することを御本人が解約いたしました。それは御承知のように、四月一日に船主関係の協会と全日本海員組合との覚え書き及び確認書が締結されておりますので、これにも相当関係がありまして、船主団体である外航労務協会及び外航中小船主労務協会と全日本海員組合との間に協定が結ばれたのであります。それは深夜荷役の問題でありますが、御承知のように、クレーンなど、その他の操作は海員組合がいたしますので、海員組合がそれをやらないとなったら、当然この問題も一つ前進したことになって、まあいわば外堀を埋めたということになりますので、海員組合のほうはこの問題をもう問題なく実行すると思いますので、この三・二二の協定は今後実施の方向に進むことは、もう大体われわれの考えとしては間違いないと思うのであります。しかし、いろいろ労働者の、港湾のほうの組合関係がどうもうまくいかぬとかなんとかいうことを言っておりますけれども、今後引き続いて事態の推移を見まして、近日中にはこの問題が解決するわれわれの見通しであります。今後もなお一そう労働省全体、私自身も陣頭に立ちまして、最大限の努力を払いますことを冒頭にあたりまして申し上げまして、先般の、その後の経過を御報告いたしたいと思います。
#5
○矢山有作君 いまの労働大臣の御報告に関連してお聞きするんですけれどもね、端的に言うと、先般問題になっておった労使間の問題というのは、現実には解決してないということですね。
#6
○国務大臣(加藤常太郎君) 解決しつつあるというところでございます。完全に解決はいたしておりませんが、解決の前提として高嶋会長代行も確約いたしましたので、あとはこれに対する実行、そして三・二二の問題を再確認する段階の過程中であります。
#7
○矢山有作君 これはね、私は、この問題をきびしく申し上げるというのは、衆議院の審議の段階を踏まえて、そしてまた、先般の参議院における委員会での政府側の答弁を私は重視しておるから問題にしておるわけです。私が聞いておるところでは、衆議院におきましてこの港湾労働法の一部改正案の質疑が終了した段階で、労使間がこういう不正常な状態の中で、この法案を可決成立されるということは無意味ではないかという議論等もなされたようであります。しかし、そういう過程の中で、これは政府当局が責任を持って近日中に解決をしますということが一つの大きな条件になって採決が行なわれたというふうに聞いておりますし、それからまた、政府側のお考えをいままで承って、見ておりましても、労使間が正常化しないのなら、この法律を通してみても実効は期しがたいんだということで、つまり、法律が成立したって意味がないんだということをおっしゃっているわけです。そういう状態の中で、解決の見通しということだけで、はたして法案審議がやれるのかどうか、これは私は重大な問題だと思う。だから、むしろあなた方が法案審議をどうしてもやってくれとおっしゃるんなら、私は、まず三・二二協定等を破棄し、また中央団交を一切開かないといって通告をしてきた日港協のほうに三・二二協定の破棄宣言を取り消すと、中央団交は、今後開催いたしますと、こういうことをまず宣言させることが先なんです。それをしないでおいて、これは中央で交渉が開かれて解決の見通しがあるということをおっしゃっても、それは、私どもは、信頼をするわけにはいかない、こういうことであります。
#8
○政府委員(道正邦彦君) 港湾労働法の改正を行ないましても、労使間の信頼関係がございませんと、法の施行に重大な支障があるというのは御指摘のとおりでございます。そういう趣旨から、私どもといたしましては、労使間の改善、信頼関係回復、なかんずく画期的な三月二十二日の協定の再確認ということを重視して側面から努力をしたわけでございます。過程におきまして、最終的な現時点におきまする経過は、ただいま大臣からお答え申し上げたとおりでございますけれども、この過程におきまして労使間の少数トップによる事務的な折衝も行なわれております。そういう席上におきましては、日本港運協会の代表者は、組合の代表者に対しまして中央団交の再開に応ずるという際には三月二十二日の協定を順守するということをトップレベルの事務折衝の場では言っております。ただ、一番関係のある船内関係の労使交渉は、現在、最終的な大詰でございますけれども、なお最終的な決着を見ておりませんので、その経過を見守っておるわけでございますんで、近い将来に、私は、中央団交が再開され、三・二二協定も順守されるということ、そういう見通しを持ち、そういう確信を持っておるわけでございます。
#9
○矢山有作君 ところが、私は、こういう発言をするのは、実態を十分承知しないままで申し上げておるんではないんでして、私どもも、一体、この問題がどう決着がつくんだろうかということで、全港湾の関係者を呼んで事情を逐一聞いた中で申し上げておるわけです。私どもの聞いておるところでは、日本港運協会のほうでは、トップレベルでは何とか解決しようという意欲を持っておられるようだし、解決するために努力をすると言っておられるようであります。しかし、内部事情がそれを許さない情勢があるんじゃないですか、その点が、私は、一つ問題だろうと思う。だから、そういう見込みだけで話をされましても、なかなか思うようには進まないんじゃないかと。それからもう一つ、あなた自身がいまおっしゃったように、船内関係の労使の問題がいま一番障害になっているわけですね。これも決着の見通しがまだ立っていない段階でそういうことをおっしゃっても私どもは信頼できない。第一、衆議院で法案が通過されて何日たっておるんですか。その間に交渉は遅々として進んでいないわけです。だから、私は、そういうへ理屈を言う前に、ほんとうに労使間の交渉を正常化させようというんであるならば、この労使間の関係を不正常に、今日の状態におとしいれたのは日本港運協会のほうなんですから、したがって、中央団交を拒否して三・二二の協定を破棄した日本港運協会のほうからまず三・二二の協定は効力を認める、今後、中央で積極的に団交をやっていこう、この宣言をされなければだめだと思う。その宣言をされなければ、私はいつまでたっても労使間の正常化という、いわゆる労使の間での団交すら開催はむずかしいと思います。そういう点で、私は再度お聞かせ願いたいと思います。
#10
○国務大臣(加藤常太郎君) 宣言というかたいことを言われますと、宣言とは何だと、こうなりますけれども、先ほど、私から経過の報告を申し上げましたときに、二十五日には高嶋会長代行は、私に対しては必ずやりますと、こういう確約を監督官庁の私に対しまして、はっきりと宣言と同様なことを確約いたしたことは間違いありません。それを組合その他に対してどういうような宣言をするかということにつきましては、私の言うことを信用してくれと、こういうので、やはり現在、この問題は二十一日の当委員会で問題になって、大臣としてはこれに対して全責任を持って対処するという確約をしたんだから、ここでひとつそれに対する、ただ、何だかんだというようなあいまいなことでは困るから、ここで確約してくれ、必ずやりますと、こういう私に対しては宣言と同様なことを高嶋会長代行が申したことは、これは私が直接聞いたんでありますから、対で話したのでありますから、私としては宣言と同様と受け取っておる次第でありますが、宣言ということの手続をどういう方法でするかについては、局長のほうから話を申し上げたいと思います。
#11
○須原昭二君 ちょっと関連してお尋ねしますが、実は中央の話し合い、この問題についてどうも労働省と運輸省との考え方が違っているように私たちは聞いております。六月一日の海事新聞、これは海運、海事、港湾の専門紙で、いわゆる業界紙なんですが、この中で運輸省は、中央の話し合いは形式でけっこうなんだ、要は内容の問題については地方別に、あるいはまた職種別に系統できめればいいんだ、こういうことが、運輸省の意見がこの海事新聞に明らかになっているわけです。労働省は中央できめれば、それはみんな従うと、こう思っておられるようですけれども、運輸省ではこういう意見を発表しているわけです。そうすると、労働省と運輸省というのは見解が違っているように私たちは思うわけであります。私たちは、この運輸省の意見から見ても、船内業者は労働省はこういうことを言っているけれども、おれたちは運輸省の言っていることに従うんだと、こういうことでそっぽを向いているというのがいまの現状だと思っておるのです。政府自体で労働省、運輸省の中に意見の食い違いが私はあると思うのですが、そういう政府自体の中に中央と地方にみぞをつくっている素因があるんじゃないかと私は思うのですが、その点はどうですか。
#12
○説明員(高橋全吉君) この問題につきましては、根本的には労働省の関係の問題でございますけれども、再三、労働省のほうとも御相談をしておりますが、運輸省がそのような正式な発表といいますか、新聞に対して報道したことはございませんが、ただ、私、思い当たりますのは、二十三日に日港協の総会がございまして、大臣代理で岡部港湾局長が参りまして、ごあいさつをいたしました、大臣の祝辞と。そのあと、現在中央団交が決裂しているのはまことに残念である、したがいまして、これはなるべく早く団交をする必要があるだろうということがまず一点、局長が申し上げたのはそれが第一点。しかしながら、中央団交がいま決裂したけれども、しかし地方は地方の事情があるから、地方のほうでもやはり地方で論議することと中央で論議することとを整理して並行してやるのが私としては最良の方法ではなかろうか、こういうあいさつを岡部局長はいたしました。その件が協会の方々が総会に列席しておられましたので、おそらく新聞のほうに漏れたのではないか、こういうふうに考えております。
#13
○矢山有作君 いずれにしても、いまの質疑でも明らかなように、運輸省の見解と労働省の見解が食い違っておる向きがあるということを私どもも聞いております。運輸省のほうは、いまお話に出たような業種別の交渉を認めておるということになると、労働省の考えておられることと多少食い違っておる、そういう問題もありますし、それからもう一つは、とにかく労使間の正常化を真剣に考えてこの法律が成立した暁にその実効を期しようというのであるならば、まず労使間の交渉が正常化される糸口をつくっていただいて、その糸口をつくるのは何をしたらいいかといえば、再三繰り返しておりますように、全国港湾と日港協が結んだ三・二二の協定を破棄した、これは日港協の側が破棄したのでありますから、この破棄した三・二二協定の破棄を取り消す、この宣言を日港協にさせるということです。それから、団交を拒否しておるのでありますから、団交を再開いたしますということを日港協に言わせるということであります。そうしたならば、私は労使正常化のめどが立ったということでこの法案の審議に入れると思います。そうでない限り、法案が成立しても労使がこの状態であるならば、法案の実効が期しがたいというような状態の中で、委員会がこの審議を進めるわけにはいかぬ、私はそう思うので、これは理事会で今後の進め方なり、あるいは一体政府はどういう考え方でこの法案を出してきておるのか、もう少し詰めていただきたいと思います。このままで審議を委員会でやれというのは、これはまさに委員会軽視もはなはだしいと思う。
#14
○田中寿美子君 運輸省と労働省の関係ですね、これは港湾労働者に関しては、業界に対する指導力というのは運輸省にあるわけですね。それから労働者に関する部分を労働省が担当する。しかし、港湾運送業者の認可を与えるときには、その港湾運送業者の持っている労働者の数もみんなこれは運輸省が免許を与えたり認可するときにちゃんとチェックするわけですね。で、運輸省は港湾の労働者に関してもっと私は責任を持つべきだと、労働省にだけまかせておくというようなどうも傾向があります。いまの、その三・二二協定の問題なんですけれども、それを結んだときに、そのあと運輸省では料率の値上げをしておりますでしょう。貨物運送料の。そして、その値上げをしたのは、あれは四月の何日ですか、四月二十一日かなんかでしょう。日が違っていたらあとで訂正してください。その値上げをするときに、閣議にはかってその理由をあげておりますね。どんな理由をあげていらっしゃるのですか。たしか、その理由の中に、魅力ある港湾労働者をつくるために港湾労働者の労賃の値上げをしなければいけない、こういうことになっているんでしょう。そして港湾労働者の場合の労賃の値上げというのは、非常に長時間労働である、その労働時間を八時間労働にする、そして深夜労働もしなくするということが同時に労賃値上げの重要な部分なんですね。そういうようなことを含んで料率の値上げを認可した。そして、そのすぐ直後に日港協が協定を破棄してきているでしょう。一体この辺の関係は全く不可解、不可解というよりは料率を値上げするために三・二二協定で労働者の条件をよくするということを約束しておいて、そして運輸省のほうは料率を値上げして、そしてすぐ食い逃げのように破棄をしてしまう。こういうような状況があるということについてどういうふうに説明なさいますか。運輸省は私はもっと責任を持つべきだし、この点についても労働大臣どういうふうに考えておられるか、閣議に出席していらしたと思うのですが。
#15
○説明員(高橋全吉君) いま、田中先生から御質問がありました料率の値上げの件について私から御説明いたしますと、実は近代化に向かっての港湾運送事業のあり方についての諮問をおととし以来しまして、運輸政策審議会に諮問いたしましたところ、ことしの三月二十二日に答申が出ております。その中には、港湾運送事業のあり方にもかかわらず、港湾労働者の安定的な確保が必要であるから、労働条件その他を改善する必要があるということがはっきりうたってございます。したがいまして、それに基づきまして、私たちは業界の申請に対しまして、その申請の理由は、第一に、いま言いましたように労働時間の短縮、労働条件の改善、こういうことが含まれております。その他いろいろの経費の値上がりもあるということで、平均いたしまして二二・三%の料率の値上げを認可いたしました。
#16
○田中寿美子君 それは何日ですか。
#17
○説明員(高橋全吉君) これは、四月二十三日でございます。したがいまして、私たちといたしましては、その港湾運送事業といいましても、やはり労働者、労働力の必要な事業でございますので、私たちはこれにつきましては申請どおりでございますが、認可をいたした次第でございます。
#18
○政府委員(道正邦彦君) 労使間の安定が今後の港湾労働について非常に重要な前提条件であるということはもう御指摘もございましたし、私どももそう思っております。しかるがゆえに、三・二二協定の順守につきまして、及ばずながら側面から労働省としてもあっせんにつとめてまいったわけでございます。五月の二十五日には労使双方を労働省に招致いたしまして、中央団交の再開について労使双方の少数代表による事務折衝の開催を示唆したわけであります。それを労使双方とも受けられまして、五月二十九日にかなりの時間をかけまして、港運協会側は最高幹部が出席され、全国港湾側は植草事務局長と牧次長が出席されまして、事務折衝が行なわれております。その事務折衝の結論としましては、中央団交再開の暁には三・二二協定は順守する、確認するということを双方で確認されております。ただ、先ほど申し上げましたように、一番関係の深い船内関係の労使交渉がなおいま最終段階で折衝を詰めておられる段階でございますので、その帰趨を見てなるべく早い機会に三・二二の再確認をするということを大臣に業界側が約束されておるわけでございます。なお、船内労使の最終団交は本日行なわれるわけでございます。
#19
○田中寿美子君 いまの私の質問に対するお答えじゃないわけですね、いまのは。経過を説明なすったわけですね。三・二二協定を結んで、そうして四月二十三日には料率の引き上げをした、その料率の引き上げの理由は、労働条件をよくする、賃金の値上げとそれから労働時間の短縮、その中には深夜業をやらないということが入っているわけですね。そういうようなことを理由にして閣議にかけて料率の値上げがパスしたということだと思うわけですがね。それですぐそのあと四月二十五日に破棄をしているわけです。三・二二協定を破棄しているわけです。その関係をどう思うかということで、つまり、こちらから見れば、料率の値上げだけで食い逃げしていったというふうに言われないことはないわけです。運輸省は参事官しか出ていられないので私、非常に不満なんでね、これはもっと責任ある答弁をしていただきたい。この辺、労働省はどういう連絡をとられたのか。大臣に伺います。
#20
○政府委員(道正邦彦君) 港湾調整審議会の場には運輸省の方もお加わりいただいているわけでございまして……。
#21
○田中寿美子君 過去のことはいいです。いまのことを……。
#22
○政府委員(道正邦彦君) いやいや、事務当局としてはですね。で、緊密な連絡をとっているということを申し上げたいと思うわけでございますが、三・二二協定の問題につきましても、これをいまのような不正常な状態に置くわけにいかぬというふうにわれわれは考えまして運輸省にも連絡をいたしました。運輸省も全くそのとおりであるということで、港湾局長が総会等に行かれました際にも同じようなことを言われておるわけでございます。御指摘のように原資は獲得した、協定は破棄だということであれば一種の食い逃げになることは御指摘のとおりだと思います。そういうことがあっては私はならないと思いますので、極力運輸省とも連絡を密にいたしまして三・二二の再確認に努力をしているということでございます。
#23
○田中寿美子君 大臣にお答えいただきたいんですけれども、さっきからトップレベルのところではそういう話し合いがついていると、しかし、一番抵抗しているのは船内関係でしょう、船内の労使関係。そしてそれとは近日中に交渉してきめる予定であるというようなことでは、私たち全くこれは不安定です。不安定です。ですから、その辺を、きちんと何日にはそういう話し合いができるというような見通しがありますかどうでしょうか。加藤労働大臣御自身海運業をやっていらっしゃる方だそうでございますが……。
#24
○国務大臣(加藤常太郎君) 船内関係の労使関係の交渉でありますが、二十五日でありますが、この問題については責任を持って高嶋会長代行がやると、こう言うので、また、運輸省とも私のほうからよく連絡いたしまして、この関係は近日中に必ず解決するという確約を運輸省のほうもいたしておりますので、閣議云々の話がありましたが、閣議ではこの問題は全然触れておりませんので、閣議の問題とは別でありますけれども、船内関係のことはこれは解決しなくちゃならぬのはこの法案がどうであろうが当然な問題でありまして、これは近日中に必ず私は解決するという確信を持っておる次第であります。なお、必要があれば私からも運輸大臣に確認を、やはり港運協会のほうは直接は運輸大臣の管轄下でありますから、私のほうからもこれは話はできますけれども、もう一そう大臣のほうにも連絡をして、それを運輸省は促進するように、これが実行に、必ず解決さすような方向に持っていきたい所存であります。
#25
○矢山有作君 私は、なぜこの問題をこれだけ強く主張しておるかということを、誤解があってはいけませんから御理解いただきたいのです。というのは、この法案は可決成立されても、労使関係がいまの状態であるならば役に立たない法案であるということは政府が言っていることなんです。そういう法案を、労使関係がどうなるか解決の見通しがない状態のままで国会審議をやられるというのは、まさに国会に対する侮辱であると私は思うのです。したがってこの法案審議は問題があるということを私は言っているわけです。だから少なくとも、私は、この法案の審議に入る最低限度の保証としては、全国港湾と日港協の協定なり確認事項を一方的に破棄したのは日港協なんですから、したがって、その破棄したものを取り消す、破棄を取り消す、もとへ効果を戻すということですね。そのことと、誠意を持って中央団交を開きますということの言明があるということが最小限度の保証ではありませんかと、それすらないままに、労使の正常化がなければ役に立たないような法案を審議をさせられる、このことは私は国会軽視の典型的なものだと思う。そういう立場から発言をしておりますので、ひとつ、その点を委員長によくお聞き取りいただいて、理事会等において、今後審議をどう進めていくかということを真剣に詰めていただきたいと思います。
#26
○国務大臣(加藤常太郎君) この問題は先ほど、私から再三お答えいたしたように、国会軽視とかいうような気持ちは全然ありませんけれども、二十五日に高嶋会長代行を呼びまして、私と確約したことは、これは法案の審議を促進するための色気とかそういうことではなしに、本人自体もそういたしますと、監督管庁である私に対しまして確約したことはこれはもう既定の事実でありますので、これも宣言とか、そういうことをどういう方法でするかということは、これは事務的にいろいろ考えなくちゃならぬと思いますが、私としては、これは必ずできるという確信を持っておる次第であります。
#27
○委員長(大橋和孝君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#28
○委員長(大橋和孝君) 速記を起こして。
 それでは暫時休憩いたします。
   午前十一時七分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時三十四分開会
#29
○委員長(大橋和孝君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き港湾労働法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#30
○須原昭二君 今朝、港湾労働法案の審議にあたって、労使間の正常化というのが前提条件で満たされなければならない、こういう問題で議論が集中したわけでありますが、聞くところによりますと、労働省からあるいは運輸省から委員長に対して確認書並びに念書が提出されたと聞いておりますが、ひとつ労働省のほうから御説明いただきたいと思います。
#31
○政府委員(道正邦彦君) 本日付をもちまして、日本港運協会の会長代行の高嶋四郎雄氏から労働大臣あてに確約書が出ております。その内容は、
 一 中央団交の再開
 一 昭和四十八年三月二十二日付の労使協定の尊守
 右必ず実施することを確約致します。というのが出されております。
 なお、従来の当委員会におきます審議の経過にかんがみまして当委員会の大橋委員長あてに私と運輸省の港湾局長連名で念書を差し上げてございます。その内容は、
 昭和四十八年六月二十八日付の日本港運協会高嶋会長代行より労働大臣宛の確約書の実現かたについて責任をもって努力することを御約束致します。
 という内容のものでございます。
#32
○須原昭二君 「責任をもって」ということでございますが、これは、実に衆議院の審議の中においても今日までたびたび口頭では確認がされておるわけでありまして、念書が出たということについては非常に喜びとするところでありますが、この念書をいまお話しのように労働省の職業安定局長、運輸省の港湾局長、この局長名で捺印、記名がされております。私は、少なくとも労働省の最高責任は労働大臣であり、運輸省は運輸大臣であると思います。したがいまして、この際、そういった内容の念書が出ておるということについて両大臣は知っておられますか。
#33
○国務大臣(加藤常太郎君) 先ほどからの御審議の中で、私から再三この問題については責任を持って対処すると申し上げましたところ、いろいろな関係から高嶋会長代行の確約書、こういうものが出たことはこれは私も賛成であります。それに対しまして、責任者の局長から、いま読み上げました念書、これは先ほどからの趣旨のとおりでありますので、この念書のとおり実現をはかることについては労働大臣として責任を持って対処するかたい決意であります。
#34
○国務大臣(新谷寅三郎君) 港湾運送事業における労使紛争についていろいろ御配慮をいただきましてありがとうございます。かねてからこういう問題があるということを聞いておりまして、労働大臣ともこの問題については、これは労働省の所管でありますけれども、たえず私も情報交換いたしまして、早期解決を希望してきたところでございます。いまの念書の問題につきましては、いま労働大臣がお述べになりましたとおりに、私もこれに対しましては責任を持って努力をいたしますことをお答え申し上げる次第でございます。できるだけの努力をいたします。
#35
○須原昭二君 確約書並びに念書について知っておられる。責任を持って万々抜かりなくやっていただけると、こう確信をいたしますので、どうぞひとつお願いして、質疑を終わりたいと思います。
#36
○田中寿美子君 ちょっと関連。運輸大臣、法を運輸委員会のほうでやっていらっしゃいますから、いま大事なときですけれども、実はこちらも港湾労働法をやっておりまして、それで、で働く労働者の問題ですので、運輸大臣と労働大臣と同じ責任を持っていただくべきものだと思います。どうも、運輸省と労働省の間に食い違いがある感じがいたします。労働省が六月二十五日に協会の会長代行の高嶋氏から三月二十二日の協定に基づいて中央団交を開くという一札を入れさした、労働大臣が。ところが運輸省側はこの中央団体交渉を開く必要はないといっているというのがその海事新聞の中に出ているわけです。だから、すべてこういうように見解が運輸省と労働省との間に食い違うというのは非常に困ります。昨年、六月二十七日、この三・二二協定を破棄する一番その主体になったのは第二種業者、船内荷役業者ですね、この人たちが、この代表が港運業者の会合の幹事会に出て、われわれは運輸省の世話にはなっているけれども、労働省の世話にはなっていないと。労働省の言うことなんか聞く必要ないということを放言しているわけです。こういう状況にありますのでね、運輸省は港湾業者とたいへんまあ仲がいいと。労働省の言うことはどうも、というような機運があるようですから、運輸省の指導がどうも十分でないように思えますので、この辺、意思を統一してやってもらわないと困るのですが、今後われわれの港湾労働法の審議にもできるだけ責任ある運輸大臣や局長に出ていただきたい、こういうふうに思うのです。このことについて所信を述べていただきたいと思います。そうでないと、いまの約束、何にもならなくなるわけです。
#37
○国務大臣(新谷寅三郎君) その、新聞記事に何か出ておったかどうか、私、よく知りません、事実をよく知りませんが、いし申しましたことは、私は労働省の所管事項に立ち入ろうという考えはもちろんございませんし、できません。私のほうでできますことは、ここにもありますように日本港運協会、港湾運送業のこれは団体だと思いますが、この団体に対しまして、運輸省の立場から、これは私たちのほうの監督下にあります団体でございますから、これに対していま申し上げたように責任を持って指導をいたしますと、こういうことを申し上げたつもりでございます。
 それから、なるべく出て来いというお話でございます。事情の許す限り出席はいたしますが、非常にいま私のほうの関係の法律案も込み合っておりますので、この間、両方の理事の間で十分にお話し合いくださいまして、この両方の委員会に出席できますような場をつくっていただきたいとお願いいたしておきます。
#38
○杉山善太郎君 私は、最初に労働大臣にお尋ねいたしますが、申すまでもないことでありますが、大臣は海運関係の御出身であられますし、言うならば日本列島改造の大きなワク組みの中で、貿易の問題であるとかあるいは海運あるいは港湾、そして何といったって労働行政の日本における行政の長官であり最高権威でありますので、公正な労使関係については、およそ補佐官のアドバイスを得られるまでもなく勘どころとつぼだけはしっかりと大臣は把握しておられるというふうに御期待を申し上げておるわけであります。
 したがいまして、私は実はこの法案が日の目を見た、これは昭和四十年の時代でしたか、その原点に立ち返ってひとつ大臣に所信を、見解というものを聞いておきたいと思うんであります。
 まあ、このときに附帯決議というものがなされたわけでありますが、その当時の労働大臣は石田博英先生でありまして、運輸大臣は松浦周太郎先生でありますが、御両者お見えになっておったという経過もありますので、念のために一応認識を深めておくために、まあ、六本柱が立っておりますけれども、参議院の段階において重要な柱だけはひとつこれは――どなたか向うのほうで言っていただけますか。――じゃ、私のほうから言いましょう。
 一つ、「可及的すみやかに、本法の全面的施行をはかること。」
 二つ、「本法の適用対象港湾の範囲を拡大すること。」
 三つ、「港湾労働者の常用化を促進し、日雇港湾労働者に依存する割合をできるかぎり低減させる方途を講ずること。」
 四つ、ここが大事であります。「日雇港湾労働者の雇入については、暴力の介入等の弊害を生ずることのないよう厳正な措置を講ずること。」
 五番目でありますが、「港湾運送事業法と本法とは密接不可分に関連しているので、本法を効果的に実施するために、本法違反業者に対する許認可等については厳重な規制を行なうこと。」と。
 六番目には、「本法の施行について労使関係の意見が充分反映されるよう港湾調整審議会の組織構成について充分配慮すること。」と。この六本の柱が立っておるわけでありまするけれども、こういう柱が立つ背景の中には、ずいぶん当時の石田博英先生も骨を折られたわけでありますが、これらの問題について、これは蛇足でありまするけれども、これが一つの基本であって、まあ請願の扱いであるとか附帯決議の扱いというものについて、私、まだ経験未熟でありまするけれども、この点についていま申し上げたように大臣はどういうような現状認識を持っておられるかという点について、ひとつ大臣の腹がまえというものをじっくりとひとつお聞かせいただきたいとこう思うんです。
#39
○国務大臣(加藤常太郎君) 四十年に港湾労働法が施行されたのでありますが……。
#40
○杉山善太郎君 もう少し大臣大きい声で。大臣おとなしいから、大きい声で……。
#41
○国務大臣(加藤常太郎君) この港湾労働法は、杉山先生にもうさようなことを申するのはいかがかと思いますが、港湾労働の関係は、海上のほうが船舶その他がどんどんと改善されたと、陸上の関係もほんとうに相当近代化したと。ところが港湾労働のほうはどうも旧態依然たるあのときの状態であったのであります。御承知のように、港湾労働のほうの関係は工場のほうの労働の関係と違って特殊な性格を持っておると。そこへ持っていって波動性があると。重要であるにかかわらずどうも近代的でないと。雇用の不安定、また、前近代的な、言いかえますと、まあ昔流の雇用関係が、慣行が続いておると。長時間の時によったら労働時間だと、また、いろいろ災害が多発すると、福祉関係も十分でないと、こういう意味で、この際ひとつ港湾労働法をつくって、雇用の安定並びにこの労働力を確保するとともに、労働者の立場を擁護しなくちゃならぬと、こういう意味で、あの当時近代的にするためにこの港湾労働法が適用されたんでありますが、その後、法はつくりましたが、過去数年間の状態を見ますと、まだどうもこういろいろの点が、不就労が増大するとか、もうざっくばらんに申し上げますと、いわゆるまあ何というか手配師というか、いろいろな前近代的な好ましからざる状態が存在すると。こういう意味で、これは私はもう率直に言うほうでありますが、安定所のやり方もこれは反省しなくちゃならぬと。また関係者、労使関係もこれはよくこの事態を注視してその責任の重大性を自覚せなきゃならぬ、関係者全部でありますが。特に事業主のほうが私はどうもその事態の認識と責任観念が乏しい、こういうような関係で、港湾法をつくって、いま言ったような「暴力の介入等の弊害を生ずることのないよう厳正な措置を講ずること」。、こういうような参議院の附帯決議、――次に、「港湾労働法を効果的に実施するために、港湾労働法違反業者に対する許認可等については厳重な規制を行なうこと。」、こういう点が附帯決議にありますが、役所のほうはやっておるつもりであるが、必ずしもこれは、私は、完全にうまくいっておるのであったらこれはこういうふうな不就労の問題も出ないのでありますが、相当やっておるのが、なかなかうまくいかないというような関係で、このまま推移した場合には港湾法の登録制が破綻に瀕すると、こういうふうな現状でありますので、この際、事業主の共同の責任においてこれらの問題を、ひとつ事態を解決したいと、こういう意味で、雇用機会の確保並びに日雇い港湾労働者の範囲の拡大、日雇い港湾労働者の直接雇い入れの規制の強化、これらの問題を私はこの改正によって抜本的に改正したい、そして、近代的というこの趣旨も生かすためには今回この改正をやらなくちゃならぬと、こういうような意味で今回の改正案を積極的に提出したのであります。このまま推移した場合には、これは私はたいへんな問題だ。これが今回の法案の趣旨の改善で、従来からもいろいろ労働省といたしましては、できるだけこの趣旨を生かすように対処いたしておりましたが、なお登録制が破綻に瀕するような事態にやや近い状態になった、こういうのが今回の改正の趣旨でありまして、杉山先生の専門家の御指摘でありますので、率直に、以上私が今回のこの法案ができた経過などを申し上げた次第であります。
#42
○杉山善太郎君 労働大臣からこの法が日の目を見るときの附帯決議に対する認識というものと所見というものを伺いまして、かてて加えて、これはやはり運輸大臣と二人並んでもらわないと非常にばつが悪かったし、急がば回れ方式で非常によかったと思います。この点については理事の皆さんや委員長も非常に苦心をされたと思いますけれども。
 そこで私は――運輸省のほうからどなたか来ておられますか。――来ておられますね。参事官ですね。関連をして申し上げますけれども、いま先ほど私がいみじくも、六本柱が立っておるけれども、かなめは一つ、「港湾運送事業法と本法とは密接不可分に関連しているので、本法を効果的に実施するために、本法違反業者に対する許認可等については厳重な規制を行なうこと。」、こういう点がうたわれる背景の中には、当事の労働大臣と運輸大臣がほんとうに、これは新しい初めて――これは地下の中では二十数年、日本の港湾労働者が、暴力団の、表面はどうあっても一つの温床みたいなようなかっこうになっておった、これにレールを敷くためには、だれかが、いつの日にかというような、そういう経過を持っておりますので、これが地上にあらわれた形はこういうときでありますが、これは当時の石田労働大臣や松浦運輸大臣が、この法律を生み出すまでには、ひとり歩きができるようになるまでには、そういう過程の結果であります、この附帯決議というものが、ただこれは一時のがれのものであるというようなことがあってはならないと思いますので、いま労働大臣も運輸大臣もお二方が並んで一応重要な確認事項に、やはり確認の確認をやられたように、お互いの信頼感でこの議事運営というのは結局、急がば回ったという形で時間のおくれは取り戻すことができるんだというふうに私なりに受けとめておりますが、そこで、いま御承知のように、また、あなたも直接関係をして、間接に関係があると思いますけれども、港湾法等一部の改正がいま慎重審議をされておりますわね。運輸委員会の段階では。そこで、この港湾法の一部改正の目玉商品というものは何といっても三つあると思うんですが、第一番には港湾の環境整備の樹立の問題、廃棄物の処理の問題であるとか、あるいは港湾公害の防止対策であるとか、港湾の安全というようなものが一つの柱になっておると思いますけれども、その一番の最たるものは、何といっても港湾における環境の整備、充実という問題の把握のしかたについて、このごろ、はやりであるから、かっこよく港湾にグリーンベルトをつくったり、いろいろの、庭をきれいにして電話をつけるとか、明るくするというような体制ではなくて、この港湾労働法と、港湾法等一部改正の中にある目玉商品という港湾の環境の整備という問題は、これはいい意味の拡大解釈をして、いわゆる労使関係というものも、港湾労働者にしても、そして長い間苦悩して荒波を渡って港へ入ってきた船の受け入れ体制にしても、すべての荷役作業というものが機械化されてきて、これを港湾荷役の技術革新とかいっておりまするけれども、これは港湾荷役作業の近代化というふうに受けとめながら、この合理化というような形が港湾労働者を圧迫するというようなことがこれはあってはたいへんな結果になることを、私は私なりに――実は私、運輸委員にいま籍を置いておるわけでありますけれども、きょう一日この港湾労働法が非常な重要な状態の中で、とにかく審議されるというかっこうで出てまいったわけでありますが、そういうような港湾労働法というものと港湾法等一部改正という問題については十分かみ合って、これはいま両大臣が十分姿勢を新たにして、思いを新たにしてこれを云々と言っておられますので、私も、それなりに安心をいたしておるわけでありますが、したがいまして、すでに御承知のように、ILOの港湾荷役作業の関係につきましても、皆さんのほうからは岡田港政課長が行かれておって、帰っておられると思いますので、それなりに報告を受けておられると思いまするけれども、そういうような関係で、いまのこの附帯決議の五項の中の「関連」と、そして港湾というものが七年間という歴史の尾を引きながら今日に至ってきておりまするけれども、その辺についてこれを、一部改正というものが改正と名のつく少なくとも改悪というようなことになったならばたいへんなことでありますし、問題は、行政面におきましても、業者においても、問題の焦点は実際に働いておる労使関係の一つのかなめである港湾の働くすべての労働者、六大港に限らず日本列島全域には千に近い、避難港も含めれば港もあるのでありますけれども、そういうような関係で十分うまくいっているんだというようになるような方向について十分ひとつハンドルなりかじなりをうまくとってもらう必要があるんだと、この辺について、これは私は長々と申し上げまするけれども、しっかりとつぼどころを参事官もつかんでいただいて、これはやはり港湾労働法と港湾法等の一部改正というものは、無縁なものではないんだと、因果の関係は深いのだと、いわんや、すでにILOの総会の中ではこの港湾関係の条約が、条約といっても、勧告としても中身は五十歩百歩でありますので、そういう点について見解でいいのでありますが、ひとつ御披瀝いただきたい、こう思うんです。
#43
○説明員(高橋全吉君) いまの先生のお話を伺いまして、全面的に私も先生の御意見どおりでございますけれども、ただ、法律的に申しますと、港湾法と申しますのは、港湾管理者が管理する港湾の開発なり利用なり、それから管理、こういうことをきめました基本的な法律でございます。それから、港湾労働法は港湾労働者の雇用の安定、そういうふうなものを基本的に定められた法律かと思いますが、さて、港湾法の一部改正をいま審議していただいておりますけれども、今度の港湾法の一部改正は、先ほど先生がおっしゃいましたように、確かに環境の整備を中心に、その他いろいろございますけれども、中心に改正をいたすことにしております。環境の整備と申しましても、緑地をつくるとか、あるいは廃棄物の処理施設をつくるとか、要するに、港で働く方々のやはり環境も整備する必要があるので、環境を整備するといいましても、それが港で働く人たちの生活環境につながるものでございますのて、その点は今度の改正も必ずしも港湾労働者と直接関係がないということではなくて、むしろそういう生活環境をよくするという面から港湾法の一部というものも意義があるのではないかと私たちは考えておる次第でございます。
 それから、港湾労働法の一部改正と、先ほど先生がおっしゃいました附帯決議の中に、実は港湾法ではなくて、港湾運送事業法との関係を厳格にリンクさせなければいかぬというような附帯決議だと思いますけれども、実はこの港湾労働法ができましてから港湾運送事業法を改正いたしまして、港湾労働法違反、すなわち十六条あるいは十七条違反、それから、さらには職安法の四十四条違反、こういうものの違反をしまして、しかも罰金刑になった者に対しては運輸大臣は港湾運送事業の免許の取り消しなり、あるいは停止ということが現在法律上定められております。そういう条文がせっかくあるんでございますから、この辺を労働省ともいろいろ御連絡をとって、厳格にわれわれは適用していきたい、そのように考えております。
#44
○杉山善太郎君 ことばを返すという意味ではありませんけれども、港湾労働法の一部改正というものは、これはそれなりに法体系としてすっきりしているんですよね。いま運輸委員会で、また、きょうは連合審査の段階で非常に苦悩をして、なかなか難航しておるようでありますけれども、港湾法等の一部改正と、等というのがついておるので、この等というものをくせ者だとは言いませんけれども、港湾運送事業法あり、その他いろいろなものがこの中身に織り込まれておるわけでありまして、私、一歩突っ込んでお聞きいたしますが、大体この七十一国会には田中内閣のもとにおいて出すべき法案が一応整備される前夜の中で労働関係においてはまず港湾労働法の一部改正という問題と運輸関係のほうにおいては国鉄運賃もさることながら、やはり港湾法等の一部改正をすることも十分必要があるんだと、もう一つ、港湾運送事業もこれはひとつレールを敷いて、かっこうをつけなければいかぬというふうになっておったはずでありまするが、これは皆さんのほうの家庭の事情であろうかなかろうか、それは別として、これは一応お引っ込めになりました。――いや、お出しにならなかったわけでありますので、この辺が、言うならば港湾法等の「等」というところに、一つ、なかなかわれわれのほうとしては油断もすきもならぬぞと、目玉商品はあなたもいまおっしゃったとおり、確かに環境の整備充実という点については、うま味のある善意の拡大解釈もできるというところに私は期待をいたしますけれども、それはそれとして、港湾運送事業法をそれはいま出ていないのだから言えないと言われればそれでもいいんですけれども、お出しにならなかった背景とかというようなややこしいものじゃなくて、参事官として結局ここでしゃべっていただいて差しつかえないという範囲があるならば、ひとつお聞かせいただければ幸いだというふうに考えるわけなんです。
#45
○説明員(高橋全吉君) 港湾運送事業法の一部改正案を私たち実は計画したわけでございまして、最近の港湾における近代化あるいは合理化という波が押し寄せまして、それを踏まえまして運輸省といたしましては運輸政策審議会というものがございますが、そこに今後の港湾運送事業のあり方について質問をいたしました。それは一昨年の六月だと思いますが、それから延々と一年と数カ月審議をいたしまして、この三月二十日に答申をいただいております。その答申の内容には法律的な面から申しますと、一つにはコンテナとかあるいは大型荷役を導入しておりますそういう埠頭における免許の規制を弾力化すべきであるということが一つと、それからもう一つはいま元請、下請というような二重構造になっておる、しかも業種が非常に分かれておる、そういうことがやはり労働問題とも密接な関係があるので、そういうものはもう少し統合整理したらどうか。法律的に申しますとこの二点がその答申の内容に盛り込まれております。したがいまして、私たちそれらを踏んまえまして法律の検討を始めておるところでございますが、審議会の答申の大きな点はその二点でございますが、それ以外に、たとえば、運賃料金制度が現状のままでいいかどうか、あるいは業種の一本化をするにしても、どの業種とどの業種は一本化する必要はあるけれども、その他は残すべきであるかどうかというようなことでなかなか成案を得ることができませんでした。したがいまして、私たち目下さらに検討はしておりますけれども、実は内閣の法律提出期限に間に合いませんので、提出することができませんでしたけれども、現在、いま申し上げました二点の大きな点を含めまして検討をしておる段階でございます。
#46
○杉山善太郎君 今度は職安局長にひとつお尋ねいたしますが、これも原点に立ち返っての話でありますが、やはり労使関係の調整の一つの原点であるこの港湾調整審議会の組織構成について十分配慮すること、というかっこうでありますので、この港湾調整審議会について、また、この法が生まれる過程の中においても海商法の権威である東大の名誉教授である石井照久先生も私は私なりに知っておるのでありますが、ともかくもこれが日の目をみるときには大事なとにかく一つの原点なんだと、頭悩だと、そういう点について港湾調整審議会の組織構成について十分配慮するということでありますが、大体、機能とか、構成という問題についてうまくいって優秀な人材のスタッフ等であるかどうかというような問題について、幾ら人ばっかりよくても運用の妙を得なかったり、それからレールがひん曲っておったとしたならば何にもならぬので、その辺について構想設定の当時においては十分慎重審議され、結果して念には念を入れるためにこれはしっかりとひとついい人材を入れてしっかりやらなければいかぬぞということについて、この調整審議会ができて、これが機能して今日までうまくいっているんだ、満点だというようなぐあいに自画自賛できるのか、それとも……、その辺の点について、所管局長としてのあなたからひとつ御説明願いたいと、こう思うんです。
#47
○政府委員(道正邦彦君) 御指摘のように附帯決議に、港湾調整審議会の組織について触れておられるわけでございます。その附帯決議の趣旨も十分尊重いたしまして、港湾調整審議会の組織構成につきましては、関係労使の代表の方々に委員あるいは専門員として御参加いただいております。石井先生のお話がございましたけれども、石井会長はじめ、委員あるいは専門員の方々は、非常に御熱心な御審議を絶えずしていただいております。今回の改正に至ります過程におきましても、たびたび建議等もいただいて、私ども御鞭撻をいただいたわけでございます。今回の改正案をまとめますにあたりましても、まあ、石井先生は途中で御病気におなりになりましたけれども、病床からでも私のほうへ、あれはどうなっている、こういう点はこうしろ、というような御指示もあったような次第でございまして、会長はじめ非常に委員の方々は、御熱心な御討議を絶えずやっていただいているわけでございます。今回の法案の審議にあたりまして、昨年の十一月十七日に建議をいただいたわけでございますが、これはいままで七年間にわたりまして、港湾調整審議会の場でいろいろ活発な御意見がありましたものの集大成というふうに申していいんではないかというふうに思っておるわけでございます。いずれにいたしましても、港湾調整審議会の組織構成につきましては、十分私どもとして配慮もしたつもりでございますし、運営も非常に活発な運営が行なわれていると、満点かどうかというお話でございましたが、満点に近いような御審議をいただいたんじゃないかというふうに私どもとしては考えている次第でございます。
#48
○杉山善太郎君 この調整審が機能して、いま議題になって審議されておりますこの一部改正について、建議書とか、あるいは意見とかというものが出て、それに関連して一部改正というものがやはり出てきておる、軌道に乗ってきておるんだというふうに受けとめておるわけでありますが、その辺のかねあい、ほどあいについて、さっとでけっこうでありますから、ひとつ御説明願いたい。
#49
○政府委員(道正邦彦君) 先生御承知のように、四十年に法が制定されまして、四十一年から施行になったわけでございます。この法律施行によりまして、私は常用化もかなり進みましたし、港の近代化、これも従来に比すれば非常に進んだというふうに考えて間違いでないと思います。ただ、法施行後数年たちますと、どうもいろいろ問題があるんではないかと、特に登録制度をつくりまして就労の確保をはかろうという法律の趣旨がどうも達成されていないと、不就労がふえると、これはどこに欠陥があるかということが法制定後数年内に問題になったわけでございます。これをどういう形で解決していくかということについてたびたび御意見をいただいております。特に、四十五年に港湾調整審議会から共同雇用の理念に立って解決をはかるべきだという御建議がございました。で、その後、そういう方向で検討すべきであるということを港調審として建議してあるのにもかかわらず政府は何をやっているんだということでたびたびおしかりやら御鞭撻がございました。そういう経過を踏まえまして、昨年来、港湾労働法の抜本的改正をやはり断行すべきであるという方針のもとに、あらためて港調審におはかりいたしまして、非常に熱心な御審議をいただいたわけでございます。その結果、出てまいりました建議が昨年十一月十七日の建議でございまして、その建議をわれわれとしては法律技術の許す限り忠実に立法化して御提案を申し上げておるつもりでございます。その骨子は、事業主団体による共同雇用体制と近代的労使関係を基盤として行なうべきであるということで、第一から第七まで、七項目にわたりましてるるうたわれておるわけでございまして、その、それぞれの項目につきまして、立法によるもの、あるいは予算によって措置をすべきもの、あるいは行政努力によるもの、あるいは労使の協力をお願いするもの等々ございますけれども、そのいずれにつきましても、私ども、今後この建議の趣旨を体しまして一生懸命に努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#50
○杉山善太郎君 まあ、ぼつぼつ審議の中身に入っていきたいと思いますが、具体的な問題としまして、昭和四十一年の七月、港湾労働法が六大港に全面施行されたという、そういう既成の事実に立って、まあ、満七年間という日月が流れたわけでありますが、法の期待した効果が具体的に生まれて一人歩きはできるようになったけれども、行政の面から見てもどこから見ても、とにかくその法の期待したような効果といいますか、があがっているかどうかについて、法には法なりの目的条項というものがあるわけでありますが、その目的条項に沿うて、たとえば港湾運送に必要な労働力、まあ、量も質もいい労働力の確保が期待どおりできたかどうか。それから労働者の雇用の安定とか、福祉の増進を行なう、そういうような問題についても、まあまあというような状態にきておるかどうか。そのため雇用の調整を行なうという、この法の目的について、具体的なその効果と成果というものがあがりつつあるかだね、どうも意に反してうまくいっていない場合と、どういうふうになっているか、その辺のところをひとつ歯にきぬを着せずずばり職安局長の、この六大港というものを、系列の出先というものを洗い流した、そして集約した中で、一つのあなたの職安局長としての把握しておられる状態を簡潔にお話しいただきたい、こう思うのですよ。
#51
○政府委員(道正邦彦君) 昭和四十一年に法が施行されましてから七年間、法律に基づきまして私ども行政的な努力も積み上げてまいったつもりでございますが、一、二申し上げますならば、たとえば附帯決議にもございましたように、常用化を促進しろということでございましたが、これは過去七年の間に約六千人の方々が常用化されております。また、港湾労働者のための住宅であるとか、その他の福祉施設につきましても、逐年整備拡充につとめてまいっております。まだまだ不十分でございますけれども、一ころに比べますならば、毎年着実な改善を見ておるものというふうに申し上げられようかと存じます。
 それから、港湾労働者の労働条件につきましても、一ころに比べますならば格段の明確化あるいは改善が行なわれておるというふうに申してよかろうかと思います。しかしながら、港湾労働法の骨子となっておりまする日雇い港湾労働者の登録制度につきましては施行後七年の運用の中で就労が逐年増大するという、まことに立法の趣旨に反するような傾向が毎年顕著になってきております。具体的に申し上げますならば、四十六年、四十七年度におきましては不就労が全国平均で十日をこえております。つまり月の三分の一は不就労だと、こういうのが実態でございます。せっかく法律をつくりまして、国も介入をしてこういう制度をつくったにもかかわらず、月の三分の一も不就労だという実態、これは私はゆゆしき事態だと、何とかしなければいかぬというふうに考えるわけでございます。こういう港湾労働の現状についての御認識は、労使はもとよりでございますが、関係各方面一致して放置できないという認識でございます。そういう現状認識を踏まえまして、港湾調整審議会の場でも非常に活発な意見がかわされ、その結論として出てまいりましたのが昨年十一月十七日の港調審の建議でございます。したがいまして、現行の港湾労働法は、それなりの効果はあげてまいったというふうに申してよいと存じますけれども、しかしながら、港湾労働法の一番のポイントである就労の確保という点については非常に問題があると、やはり現状のまま放置できないと、したがって何らかの形で改正をしなければいかぬ、その方向は港調審として十一月十七日の建議でまとめられたと、それを受けて今回法律の改正を御提案申し上げているわけでございます。
#52
○杉山善太郎君 まあ、港湾の運送に必要な労働力の確保は、この法のたてまえからいって、登録制というものが十分機能しているかどうかということにやっぱりかかってきていると思います。そこで、登録制は常用と日雇いとに区分されておるということは、私どももそれなりに了承もし、認識も持っておるわけでありますが、今日のやはり六大港における港湾の荷役の現状というものは、あるいは港湾労働の実情からして、過不足なく、とにかく均衡のとれた姿の中で、具体的には六大港の現況というものは、この点ははっきりとわからなくても、大ずかみに言い得ることは、輸出体制がやはり輸入体制に変わったため、相当に船込みというものが、出入りが激しくなってきておるのだと、このままの状態で、推移すれば、港湾の労働力の不足が慢性化するのじゃないかということが、そういう心配が、まあ私なりにあるわけでありますので、日本の国民経済は大きな影響が出てくると指摘しなければならぬわけで、船はどんどん入ってくると、大海があるんだと、倉庫が一ぱいになっちゃったんだと、仮ばしけというものも、これを廃船にするかどうかするというものも、これを倉庫がわりにするというような状態がいま出ていないが、とにかく輸出が少なくなったんだが、輸入体制というものがだんだんふえてくると、それに並行して、一体この港湾の現状というものに対して労働の雇用、――常雇、日雇いなどの関係がうまくコントロールされて事を欠かなくうまくいくかどうか、その辺についてのひとつ判断はどうですか。
#53
○政府委員(道正邦彦君) 御指摘のとおり、港湾におきまする近代化あるいは省力化あるいは技術革新は、私どもの目をみはるものがございます。御指摘のように、輸出入の拡大に伴いまして、荷物自体もかなりふえておりますけれども、現実に荷役を必要とする荷役量、これは貨物量の増加率ほどにはふえておらないのでございます。一方、雇用面でございますけれども、四十四年ごろまで着実にふえておりました港湾労働者の数が、四十四年ごろから頭打ちになりまして、最近におきましては漸減傾向にございます。これは常用につきましてもそうでございますが、特に登録日雇い労働者につきましてそうでございます。現在は、登録日雇い労働者の数は定数を下回っておりまして、四千五百人を切っている状況にございます。しかしながら、港湾運送事業の持つ重要性、これは今後とも変わらないわけでございまするし、そこに働く労働者に喜んで働いていただくと、必要な労働力を確保するということもこれも今後変わらないわけでございます。そういう見地から見ますならば、港湾という一般の産業に見られないような重激労働の職場に優秀な労働力を確保していくということは、言うべくして非常にむずかしい問題であろうかと思います。そういう見地からも現在の港湾労働の現状は放置できないという認識から私ども今回の改正を御提案申し上げたわけでございます。いずれにいたしましても、先生御指摘のように、今後の港湾はますます重要性を増してくるわけでございますので、そこに働く港湾労働者の福祉の増進であるとか、あるいは労働条件の改善であるとか、あるいは労働力の確保するという労働問題は今後ますます重要になってまいりますので、職業安定行政の重要施策の一つとして今後ともできる限りの努力を重ねていくつもりでございます。
#54
○杉山善太郎君 いま、職安局長の見解なりあるいは説明によって、港労働の一部改正の目的の片りんというものと、その方向というものが大体外郭として一応理解はできるわけでありますが、要するに、労働力 確保は、単に労働力だけを、労働者を集めればいいと、港湾で働く労働者を集めればいいというだけじゃないのだと思うのです。日本の経済政策、言うならば全体の問題として、貿易のような問題については、何といっても港というものは、申し上げることは蛇足でありますけれども、海陸の接点であるというような形だけではなくて、世界のすべてに通ずる海の停車場であるというふうにもこれは位置づけることができると思うのであります。それだけに港湾の整備であるとか拡張であるとか、このことはもちろん必要でありますけれども、それだけに、ましてこの港湾の管理運営、言うならば港湾労働法も非常に業者の側に立っても、船主の側に立っても、あるいは荷主の側に立っても、まあ肉体をすり減らして重労働に耐えても、みんなが喜ぶような体制へ位置づけられなければならぬのだと、そういうふうに考えるわけで、そういう意味で、この港湾運送事業法のあり方というものも重大な関係があるというふうに思われます。ただ、従来のように、机と電話と、そして事務員と、そうしてこれこれだけの員数をそろえれば認可が得られるのだというような形で群をなしておると、そういうような状態であってはならないので、それもひとつ十分交通整理をするんだというふうについても、これは非常に重要なもので、そうしなければ登録しても、もちろん職業選択の自由は保障されておるんだから、これは優先権だけは与えられてもどうしても賃金の条件やその他の条件でしり込みをしてしまうというものについて三角やバッテンをつけられちゃこれはたいへんなことなんですよ。
  〔委員長退席、理事小平芳平君着席〕
でありまするから、これは余談でありまするけれども、労働者のほうの所管局長である、まあ、いま職安局長の、この法改正に対する一つの姿勢については、それなりに、私は約得と全部の理解を得るというふうには受けとめておりませんけれども、それなりに労働省側に言い分は、大臣がおられまするけれども、職安局長がああ言っておるから、まあ、それは一応聞きおくわいと、こういうことにしまするけれども、まあ、運輸省から来ておられる参事官は、運輸省側で大臣おられなくても、大体運輸大臣はこの間の運輸委員会で、おれも海運関係に三十年からの年期を入れておるんで、おまえさんたちから四の五の言われなくてもと腹を立てて、あれはおとなしい大臣なんだけれどもと、そういう一幕もありましたけれども、きょうは運輸大臣は、労働大臣も出てこられておるわけですから、胸を張って、あなたは補在官として重要な立場できょうは出ておられると思いますから、運輸大臣になったような気持ちで、ひとつこの辺のところを運輸省の見解として、どういうふうにとらえておるんだと、かてて加えて、だからこの運送事業法なども念には念を入れてせっかく検討中であるということにも関連があるとかないとかいうことは、それは私が誘導するわけにはいきませんが、まあひとつずばりでしんのある参事官の見解をお聞かせいただきたいと、こう思うんです。
#55
○説明員(高橋全吉君) 港湾運送事業法は労働集約的な業でございますが、いま先生がおしゃいましたように業種がいろいろ分かれております。たとえば法律上は一種から五種までございますけれども、一種事業、二種事業と申しまして、元請、沿岸、船内、はしかけとあるいはいかだというような業種に分かれておりまして、したがいましてその職場で働かれる労働者の方々の労働条件の改善ということは旧態依然ではいけないので、私たちとしてはその改善については、やはり先ほど申し上げました運政審の答申にも労働条件の改善が必要であるということがうたわれておりますので、私たちといたしましては、その労働条件の改善につきましては努力したいと、ただ、運輸省といたしましてどういう努力のしかたがあるかと申しますと、これはとりもなおさず、料金の際に労働条件の改善というものを盛り込んだものを優先的に認可する。したがいまして先ほど申しましたように、この四月の二十三日の料金の認可にいたしましては、これはもちろん荷主と事界との話し合いもあったわけでございますが、私たちはそれぞれの、経済企画庁なり荷主官庁であります農林省あるいは通産省とも話をつけまして、そういう面で必要であるということで申請どおり認可をいたしたわけでございます。したがいまして運輸省といたしまして労働面を見ました場合、どういう点でお手伝できるかと申しますと、とりもなおさずそういう料金面、その中に盛り込まれた内容がいいか悪いかということでございます。さらには料金の中に含まれております、これは福利関係の分担金でございますが、これも運賃の一部として認可してございますが、たとえば、そういう面で事業者が行なう労働対策に対していい面があれば、その面で私たちがお手伝いをしたい、このように考えております。
#56
○杉山善太郎君 大体理解をいたしますが、重ねて申し上げておきますが、結局何といっても港湾労働法というものが日の目を見て厳然としてひとり歩きをしておると、行政面の権威は労働大臣でありますけれども、業者側の腹の底には、許認可権を持っておるのはやっぱりこれは運輸省なんだ、おそろしいのは運輸省だというこれはふところの中へ飛び込んだわけじゃないのでありますけれども、この二つの権威というものが車の両輪のようなかっこうになってやはり使用者側、船主にしても、荷主にしても、それから業者間の港運協会側の人たちについても、一人一人としてはいいと思いますけれども、
  〔理事小平芳平君退席、委員長着席〕
全体としての労使関係の中で機能してくる場合についてはどうも約束をしたが、口約束でもしっかりしなかったのだが、結局書いたもので約束したんだが、何かのはずみでまあ言い回しは幾らでもできますよ。確認はとりつけてやったはずなんだけれども、結局パーになっちゃったので、これはまことにしょうがないので、昔なら腹を切るといった、というような、そういうような、これについては港運行政の権威はやっぱり運輸大臣でありますし、運輸省でありますので、そういう点について、やっぱりしかし次元は何といったって、労使関係の権威は労働大臣であり、労働行政であるというかっこうにあるわけでありますから、その辺のところをこれは蛇足でありまするし、失礼でありますけれども、十分ひとつうまくコントロールしてやっていただきたいということをこれは申し上げておきます。
 先へ、時間もきょうはあまりないと思いますけれども、港湾労働者の時間、いうならば労働時間というものはかなり長いということはいえるわけでございます。しかも非常に波動的であって変動性が多いのだと、それだけに夜荷役であるとか、あるいは現場の交代であるとか、その関連の中で追いとおしであるとか、すでに定評のあるとこころです。現在六大港で統計上ではなくても実際一人の労働者がどのくらい長い時間労働しておるかと、実態というものをどのように一体把握しておられるか、たてまえや倫理からいくならば、人間が働く限りにおいては、おのずから労働基準法というものさしに沿って、しかし港湾労働の、あるいは港湾の波動性や、そういう問題についてはおのずからそれなりにその特殊性というもの、これは一つの現実としてお互いが受けとめていかなければならぬ問題でありますけれども、その辺についてはどういうふうになっておりますか、説明をしてくれませんか。
#57
○政府委員(道正邦彦君) 六大港によりまして若干の差違がございますが、例として横浜の例を申し上げますと、船内の常用につきましては、四十六年でございますが、九・四時間、日雇いは九・八時間、逆に沿岸につきましては、常用が九時間、日雇いは八時間というのが四十六年の労働時間の統計でございます。なお、ただいま神戸で申し上げますならば、神戸の船内、これは常用が九・九時間、沿岸の常用が九・二時間、日雇いは七・七時間という状況にございます。いずれにいたしましても、一般の産業に比べまして長時間労働である、しかも作業内容が重激労働であるということでございますので、労働時間は短縮されるべきが望ましいというふうに存じますが。ただ、労働条件の問題につきましては、労使の話し合いによって労働協約その他できめていくというのがたてまえでございますので、これは労使自身の原則が――原則でございますけれども、われわれといたしましても、労働条件の改善、それを通じまして優秀な労働力が確保できるということも彼此勘案いたしまして、できる限りの指導、助長をはかってまいりたいというふうに考えております。そういう意味からも、三月二十二日の労働協約というのは、これは画期的なものでございますので、ぜひ順守していただきたいものというふうに、そういう面からも私どもが願っているわけでございます。
#58
○杉山善太郎君 まあ、私の調査では――これはまあ生きた調査ですけれども――一人の労働者が常識的な考えで考えられないような労働をしているんですよ。船内労働の場合は一週間一回の休みで、もう気きのいい頑張なやはり港湾労働者であってももうからだがもたないんだと、特に、日雇い労働者の場合は常用よりも悪い待遇のもとで働かざるを得ないというのが現状でしょう。このような状態を改善して労働力を確保することが現行法の情神であり、いわんや一部改正という名のつくことの本法に対しては、このいま爼上に乗っておる法案については、この辺に十分な配慮というものについて、人間は機械の一部じゃないんだ、情神もあれば、どんな頑強な体力の常用であろうと日雇いであろうと、とくに福祉施設だとかそういうものはこれは言わずもがなの問題でありますけれども、労働力を確保するということが現行法の情神の一つの重要な中身である。だとすれば、これをどのように改善をして、具体的には末端の行政機関あるいは職安、そういったものをどのように行政指導してきておられるんですか、具体的には。
#59
○政府委員(道正邦彦君) 現在におきましても、紹介を安定所がいたします場合に、極力条件のいいところへ優先的にごあっせんするというのが原則でございますので、そういう方向で努力をしているつもりでございますけれども、現実に先生に御指摘のような長時間労働の実態があることもまぎれもない事実だと思います。そういう点につきまして行政的な努力をする、また事業主に対して指導するということもございますけれども、やはり基本は、私は労使間の交渉というものがないと、これは基本的な改善にはならないというふうに存じます。そういう趣旨から見まして、昨年来労使が交渉の場につかれまして、いままであまり団体交渉等はされたことがなかった港湾関係の労使におきまして、ほかの産業と同じような交渉が、しかも精力的に持たれてきておるというのは、私は一ころから比べますならば非常に著しい改善である、その一つのあらわれが三月二十二日の協定でもあるというふうに存じます。また、今回の改正におきまして、地区の協会、これは事業主をもって会員とする協会でございますが、そこが登録、紹介等の仕事をやるわけでございますが、いままでと違いまして、使用主が自分たちのために登録した労働者であるという自主性と責任を持って運営をはかると、また地区協会の仕事の運営につきましては、雇用調整規程というものを労働大臣の認可を得て定め、それによって運営するわけでございますが、その規程の内容等につきましては、たとえば原則として輪番制をとるとか、そういう労働条件の面についての配意も今後は十分留意して、認可等にあたって配慮すると同時に、毎日の仕事の運営につきましても、指導、監督につきまして必要があれば勧告あるいは監督の命令等の措置をとりまして、労働条件の改善につとめてまいりたいというふうに考えます。
#60
○杉山善太郎君 指導、監督命令、けっこうでありますけれども、随時立ち入り検査をやられるようなことはありますか。
#61
○政府委員(道正邦彦君) 先生の御指摘が労働条件、つまり労働基準法の関係だというふうに伺ったわけでございますが、労働基準法の監督、特に災害防止の面につきましては、労働基準行政の重点業種の一つとして、労働基準局におきましてせっかく監督につとめておるところでございます。
#62
○杉山善太郎君 若干私の勉強したいという点と、あなたの答えていただく点にズレと食い違いがありまするけれども、それならば、これは運輸省のほうに、まあ港湾労働の実態というものをそれなりに把握しておってもらうということを前提において、労働基準法に定めてある八時間労働で深夜作業もしないというような世間一般の常識的な労働を六大港でやることになったならば、港湾労働者はいままでよりどのくらい常用、登録を含めてこれを確保しなければならぬかというような点について運輸省で、あるいはこれは職安でもいいのでありまするけれども、とにかく情勢は定着しているのではなくて、より進んでいくわけでありますから、したがって、機械化されておるから、その分だけは機械が消化していくということではなくて、機械は人間が使うのであるから、港湾荷役作業がまあ機械化、革新されてきたからというようなことだけではこれはならぬと思うでありますけれども、原則として、たてまえとしては、過去の経過や実情というものはこういうしきたりがあったので、一ぺんに切りかえられないといっても、この労働時間の基準というものを八時間に置いて、夜荷役というものはやらないのだ、やらなくてもいいのだと、そういうようなふうに展望して、こういう見解の上に立った場合に、どれくらい大づかみに言っていまそれで十分であるんだとか、それともそれもふやさなければならないんだというような、そういう点については全然判断しておられませんか。
#63
○政府委員(道正邦彦君) 現在、常用労働者が六大港におきまして六万を下回っております。また、登録日雇い労働者につきましては四千五百人を切っておるわけでございます。そういう現状から、今後きちっと八時間労働に移行した場合に、どのくらい雇用がふえていくか、これはなかなか推定がむずかしいのでございますけれども、大づかみに申しまして約一割見当の雇用増が必要ではないかというふうに見込まれます。ただ、現実の問題として、どういう形で出てくるか、たとえば、現在の登録日雇い労働者の皆さんの就労は非常に多うございますが、その辺の就労日数のきめ方等によりましても違ってくるわけでございます。いずれにいたしましても、現在の労働条件と労働者の数を前提にいたしまして、これがきちっと八時間労働というふうになった場合には、大体一割程度の雇用についての影響は出てくるものというふうに推定いたしております。
#64
○杉山善太郎君 このことは、いまは遠い未来ではなくて、現に港政課長である岡田さんがジュネーブに行って帰ってきておられると思いますが、ILOの中で港湾荷役の作業の近代化の問題に関連をしてやはり推計をしなきゃならぬ問題でありますので、いま、いみじくも職安局長が職安局長の勘で、また経験で、推定で一割ぐらいというようなふうに言っておられますけれども、かつて、これはいずれこの中でも、まあ、きょう私が、これではほんとうは往復最底四時間ぐらいのものを持っておるわけでありますけれども、そういうわけには、急がば回れで、とにかく時間にもおのずから……。いま理事さんのほうからも、ほどほどにというようなふうにも聞いておりますので、きようはこれでよしますけれども、食い違いがあるんですよ、港政課長と。ずばりで言うと、これはだれがどこでということは言いませんけれども、およそ五割増ぐらいな量と質のそろった労働者というものを確保するということではないと、とにかく列島改造がいい方向へ機能して、貿易やそれから輸出入というものが、港湾をとにかく海陸の接点としてそして国際路線に通ずる停車場ということになるというと、非常なこれはなかなか慎重にやっぱり労働力の確保ということ、量質ともに保全するためには云々ということを、これはあなたの一割という程度、そんなものじゃないですよ。その辺はきょうは追及しませんけれども、それはそれとしましょうか。――岡田港政課長は数字を言っておられることもあるわけですが、それはやめておきましょうか、いずれも港政課長出てきてもらってもいいわけなんですから。
#65
○説明員(高橋全吉君) 港政課長は、うちの運輸省の港湾局、港政課長の岡田君だと思いますが、私、岡田課長からその話を聞いておりませんけれども、私たちの承知しておるところでは非常に港湾の近代化、合理化がはかられましたのは、先生の御承知のように、コンテナ船の就航が四十三年に行なわれまして、それ以来、コンテナ化の進み方は急ピッチで進んでおりまして、大体定期貨物のシエアでいいますと、四十五年の一〇%から五十年には大体三八%ぐらいになるだろうと、それから一方、やはり大型荷役機械を使いまする専用、たとえば鉄鋼埠頭、それとは別にまたはサイロ、こういうところの荷役というものも行なわれるわけでございますが、そういうような港湾の近代化あるいは合理化に伴いまして、しからば労働者の数はどのくらいかと申しますと、ここ数年大体横ばいであるというところから見ますと、これはわれわれの推定でございますが、確かに省力化して、労働者生産性は上がっておりますので、労働者の人数は要らないと申しますけれども、逆に貨物量が全体的にふえておりますので、その点で大体労働者がここ数年横ばいである、このように私たちは推定しております。
#66
○杉山善太郎君 実は、ぼくはようやく門をあけて、ちょっと中へ片足を突っ込んで仁義を尽くしたという程度のところでありますが、結局、運輸委員でありまするけれども、差しかえていただいて、実は中身に入って、とにかくまだほんとうのかなめはこれからでありますので、参事官に希望しておきますけれども、不日のときには岡田港政課長もひとつ同行をして来ていただくことを期待いたしたいと思いますが、ものごとには折り目、切れ目がありますので、いま重要なかなめに入るということになると、時間は、これは仁義ということもありますので、私は、この時点で、これは理事さんにも委員長にもお願いしておきますが、私の質問はしり切れトンボになった形でなくて、これで保留しておきますので、差しかえって、また出直す時間を次回に留保いたしておきますから、ひとつ委員長のほうで確認しておいていただきたいと、こう思うのです。
#67
○委員長(大橋和孝君) 本案につきましては、本日はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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