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1972/05/08 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 文教委員会 第7号
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1972/05/08 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 文教委員会 第7号

#1
第071回国会 文教委員会 第7号
昭和四十八年五月八日(火曜日)
   午前十時十七分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     内田 善利君     藤原 房雄君
 四月二十六日
    辞任         補欠選任
     藤原 房雄君     内田 善利君
     小笠原貞子君     加藤  進君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         永野 鎮雄君
    理 事
                久保田藤麿君
                楠  正俊君
                宮之原貞光君
                安永 英雄君
    委 員
                金井 元彦君
                志村 愛子君
                大松 博文君
                濱田 幸雄君
                二木 謙吾君
                宮崎 正雄君
                小林  武君
                鈴木美枝子君
                松永 忠二君
                内田 善利君
                萩原幽香子君
                加藤  進君
       発  議  者  鈴木美枝子君
   国務大臣
       文 部 大 臣  奥野 誠亮君
   政府委員
       大蔵省主計局次
       長        辻  敬一君
       文部大臣官房長  井内慶次郎君
       文部大臣官房審
       議官       奥田 真丈君
       文部省初等中等
       教育局長     岩間英太郎君
       文部省大学学術
       局長       木田  宏君
       文部省管理局長  安嶋  彌君
       建設省計画局長  高橋 弘篤君
       自治大臣官房審
       議官       森岡  敞君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡辺  猛君
   説明員
       大蔵省主計局主
       計官       青木 英世君
   参考人
       日本住宅公団理
       事        上野 誠朗君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○教育、文化及び学術に関する調査
 (昭和四十八年度における文教行政の重点施策
 に関する件)
○女子教育職員の出産に際しての補助教育職員の
 確保に関する法律の一部を改正する法律案(鈴
 木美枝子君外八名発議)
○参考人の出席要求に関する件
○義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(永野鎮雄君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る四月二十六日、小笠原貞子君が委員を辞任され、その補欠として加藤進君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(永野鎮雄君) 教育、文化及び学術に関する調査のうち、昭和四十八年度における文教行政の重点施策に関する件を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。
 質疑のある方は御発言を願います。
#4
○小林武君 きょう、私の質問は大臣の所信表明についてであります。しかし、これ全般について質問するということではございません。大体、この所信表明の構成を私なりに読んでみますというと、「教育改革の推進についてであります。」というところまでは、これは、大臣の所信表明に至るまでの背景になる考え方であると思います。そのあとは、いわゆる中教審路線に従い、教育改革について四十八年度予算というようなものの上にあらわれたものについて説明をしていることだと、こう構成的には考えているわけであります。したがって、私の質問は後半のほうではございません、前半のことについて御質問するわけであります。
 それで、まず、最初にお尋ねいたしたいのは、この「わが国の教育は、学制百年の歴史を通じて目ざましい発展を遂げ」という、この「学制百年の歴史」というのは、これはどういうふうに理解したらいいのか御説明を願いたい。
#5
○国務大臣(奥野誠亮君) 明治初年の学制の施行、それから百年を、昨年でございましたか迎えたと考えるわけでございます。全国津々浦々に小学校を建てましたときから、戦後の六・三制施行というようなまた大きな改革も行なわれたわけでございまして、その間の百年のつもりで申し上げておるわけであります。
#6
○小林武君 ちょっとそこのどころが、学制というのはどういうふうに考えておられるのですか。
#7
○国務大臣(奥野誠亮君) 教育制度のつもりでおるわけでございます。
#8
○小林武君 学制というのは、これはわれわれの理解ですと、わが国の近代の学校制度に関する総合的な法令、その法令の期間は明治五年から教育令に移るまでの間、そのあといろいろ変化していることは御存じでしょうね。これが百年といういわゆる教育史的つかまえ方をするというのはどういうことでしょうか。まず、そのことをはっきりしてもらいたいんだ。
#9
○国務大臣(奥野誠亮君) お話しのように、学校教育制度とお考えいただいてもけっこうだと、かように考えておるわけでございます。戦前のわが国の教育制度は国会の関与するところにはなっておりませんでしたし、戦後の改革におきまして新憲法に基づきまして、教育につきましても国民主権のもとに国会において基本が定められているという方向に変わってまいったわけでございます。それらの変化を踏まえまして、明治初年から昨年に至る百年の学制百年という意味で使わしていただいたわけでございます。
#10
○小林武君 ここは、重大なところだと思うんです。たまたま学制というものは明治十二年に改正になっている、その変化というのはかなり大きいわけです。そこのところを百年にわたる――少なくとも現在に至るまでだと、こう判断していいと思うんですが、百年にわたる日本の教育史の歩みというものを学制という名前でたばねるというあなたの思想は一体どこなのか、私はなかなか理解がつかないわけでありますけれども、これはどういうことでしょう。
#11
○国務大臣(奥野誠亮君) 明治の初年、封建社会の教育、寺子屋がありましたり、塾があったりしたと思うんでございますけれども、それが津々浦々に小学校、そういう身分制度も廃止になりまして、小学校が建設された、それから数えて昨年で百年という意味でございまして、それ以上にその学制百年ということばの中に深い意味を持たせて申し上げているつもりはございません。
#12
○小林武君 これはよくわからないけれども、大臣の所信表明というのは大臣が書くものですか。まことに妙なことを質問いたしますけれども、大臣がお書きになるならばまああれだけれども、あまりお書きにならないんじゃないかという気持ちもいたしますし、あるいはお書きになっても、あるいはいろんな局長を集めて意見を聞くとか何とかということもあるんじゃないかと思うんですが、私はいまのような御答弁ではこれはいかぬと思うのです。私は、百年で一括して学制百年と言えるような事態があればこれははっきりそう言ってよろしいと思う。しかしながら、近代の日本の教育史というものをながめた場合、一体学制百年という見方で、現在までの百年間の日本の教育の歩みというものをたばねることができるかどうか、これは誤りだと私は思っているんです。あなたは、これをすらっと学制が発布になってから百年たったんだからというようなことだというと、その中間のところはどうなっているのかということです。それをすらっと百年ということを言い切ったということについてはなかなか、私のようなある程度戦前の教育に自分の教育生活の半分ぐらい以上経てきた者については理解がいかない。この点についてあなたもう一ぺん、はなはだ失礼だけれども、すらっとそう一体百年続いてきたというように簡単に考えるということが理解がいかないという、私の気持ちがわかりませんか。わからないならわからないと言ってください。
#13
○国務大臣(奥野誠亮君) 小林さんの気持ちもわかりますけれども、私はやはり封建社会から近代社会に入っていった教育というものも各般いろいろだったろうと思うのです。それを国として統一して全国的に小学校を建てることに踏み切った。つまり、明治初年の大改革だったと思うのでございまして、そういう意味で国として学校制度、教育制度についてどう取り組んでいくかということ、百年間のずっと努力を振り返ってきて、その間大きな変化もあったわけでございまして、戦後の改革が第二の大きな改革だと、これから第三の改革に取り組まなければならないというような議論も議論としてあるわけでございます。国として学校教育制度をどう打ち立てていくか、そういうことに取りかかってから、やはり百年と、こう言えるんじゃないだろうか。もののことばの使い方でございますから、小林さんのお気持ちもよくわかりますし、私たちが学制百年といっているのはそういう意味で、もう何年も前からそういうことばの使い方をしてきている、かように思っているわけでございます。
#14
○小林武君 何年も前からというのは何ですか。
#15
○国務大臣(奥野誠亮君) 昨年たしか学制百年の記念式典があげられた。また、それを目ざしまして政府も何年か前からそういう計画が行なわれてきた。また、学制百年史の編さんなども行なわれてきたというようなことを頭に置いて申し上げているわけでございます。
#16
○小林武君 その学制百年史というものの中で明治五年学制発布以来、今日に至る日本の教育の進展の状況、いわゆる幾多の教育現象を踏まえた歴史的観点に立った科学的な日本の教育の、これはわずかだけれども、概観だというようなものがそれで尽きるとあなたはお考えになって文部大臣をおやりになっているのですか。
#17
○国務大臣(奥野誠亮君) ちょっとお話しの意味合いがよくわからないのでございますけれども、とにかく日本の国全体としての学校教育制度、それが打ち立てられてちょうど百年たった。その間に大きな変化がたびたび起こってきているわけでございますけれども、今日まあそういう過程を経ながらもとにかく目ざましい発展を遂げてきた、しかし、今日は今日なりにまた大きな問題をかかえている、かように考えているわけでございます。
#18
○小林武君 ちょっと失望しましたな。そこで、私は失望したというのは、先般わが党の反対の法律案のことであなたのところへお伺いしたときに、あれはわが党の小林衆議院議員から、大臣は戦前に教育課長をやられたという話が出たのですけれども、私はそれで非常に親近感を覚えたのですけれども、小林信一君の話だから山梨県だと思うのですけれども親近感を覚えた。何か同じ苦痛のようなものを味わったという意識が私の頭の中にすっと入ったきた。それは事実と違いますか、違っていないですか。
#19
○国務大臣(奥野誠亮君) 一年ほど教育行政に県において取り組んだことがございます。お話しのとおりでございます。
#20
○小林武君 何年から何年までですか。
#21
○国務大臣(奥野誠亮君) 昭和十五年の四月から十六年の四月くらいでしょうか。
#22
○小林武君 十五年から一年間やっておった、その間ですとかなりきびしい時期ですね、二十年に敗戦になったわけですから。そのころの教育を踏まえていらっしゃるということは、やはり私が考えたと同じように、そのころはそんな詳しく知らぬですよ、ただ、教育課長をやられたということを聞いたものだから、私は、その点では少なくとも戦前と戦後を踏まえた教育というものをあなたはわかる人だと、こう見ておったので、そういうことでたいへんあれを感じたのですけれども、いまの大体、御答弁聞いているというと、あんまりお考えになっておらないようだ。このことは答えることは必要ないですけれども、申し上げておきますが、日本の教育なんというのは、戦前だって、文部省の役人なんというのはたいしたことはないですね。内務省が、内務官僚が教育の実態をもう牛耳ってきていますよ。内務官僚というものは、その点では教育についての、ある意味で、私は、実際のいわゆる掌握者だと、こう思っておるわけです。そういう中において、あなたは戦時中の非常に激しいさなかにやってきた、こういう経験をお持ちであって、一体どうですか、敗戦に導いてきた日本の教育の来方というもの、それは、あなたが内務省の官僚として文教政策に携わったのは一年であっても、内務省というものが日本の教育の実際を握ってきたということは事実なんですから、文部省なんというのは、内務省の一つの局ぐらいに当時考えているぐらい、内務省の力というものは大きいのです。そういうあなたの立場からいってあれですか、やっぱり百年間というものを通して見て、学制発布以来今日まで百年間の、それはもう全く継続してきたそういう百年間であると、こうごらんになっているか。もうこれ一つであとは聞きません、このことは。
#23
○国務大臣(奥野誠亮君) その間には非常に大きな変化があるわけでございまして、私一先ほどもちょっと触れたわけでございますけれども、戦前の教育制度そのものは、大権命令に基づいておったわけでございまして、国会が関与できなかった。戦後は国民主権のもとにおいて教育制度も例外ではない、国民支配のもとにおいて進められておるわけでございますので、全く違ったものになっていると、かように考えているわけでございます。
#24
○小林武君 そこで、あなたはここで教育改革ということを、中教審の答申に従ってまず第一に取り上げたわけです。少なくとも明治五年、幕藩体制が倒れて日本に近代の教育というものを一つつくった。それが法令の――学制というのは法令のあれですから、そういう総称なんです、それから幾多変わってきたということは別としても。その中であなたのいま言っているように、日本の教育、あるいは日本の国全体が一つの大きな敗戦とか、あるいは繁栄とかというものをいままで経験してきたわけでしょう。その中で日本の教育は抜本的な大きな変わり方をしている。その変わり方をどう踏まえるかということが現在の教育改革の中に考えられないでいくとしたら大間違いなんだ、そうでしょう。あなた、それは認めるだろうと思う。文章短いからこう書いたとおっしゃるならば、この発布以来百年ということについて、あなたの意見を述べてもらいたいし、いや別にないんだと、このとおりだと言うんなら、そうすると、今度また別に質問しますから。
#25
○国務大臣(奥野誠亮君) 明治初年の改革もたいへんな大改革であったと、こう考えるわけでございまして、士農工商の別がなくなっちゃって、さむらいの学んでいるところと、農工商の学んでるところと、みんな一緒に小学校でまとめられて、非常な大きな変化を遂げたところでございますけれども、戦後もまた、国の政治の基本であります憲法そのものが変わったわけでございますから、主権在民の憲法になったわけでございますし、教育もその例外ではなくなったということを申し上げたわけでございますから、根本的な転換を遂げたと、こう申し上げてよろしい、かように考えておるわけでございます。
#26
○小林武君 わりあいに教育に対して、まあ何というか、日本の教育というようなものの経てきた道について、非常に責任のある立場ではないような気もするんですがね。この間、何か与党の質問のあれを聞いておったら、あなたは大臣やめたら、今度は地方行政のほうへ何とかかんとかという話もありましたけれども、私はそういうものの考え方でおってもらっちゃ困る。たとえわずかの間であっても、あなたが文教政策をやる限りにおいては、日本の将来の文教政策はどうあるべきかということについて責任を持たないかぬ。しかも、あなたが言っているとおり、教育改革をやろうという、そういう重大な時期なんです。このことが、国民の総意を代表する、国民みんなが、よしやろうかと、そういうような教育改革であるならば、これは日本の将来は不安がないわけです。だから合意に達しなきゃならぬということになるわけです。だから、この段階であなたが教育改革ということを論ずる場合には、微に入り細をうがって、百年の間に、一体、日本の教育はどういうあやまちを持ち、どんな長所を持ち、将来の社会的な変化、国際変化その他を踏まえてどう対処すべきかというようなことを、あなたはここで言わなきゃならぬことだと思うのですよ。ところが、それについてはあまり聞いておらないし、いまもあんまり詳細に説明するという意欲も、あんまりないようだ。まあないと判断してよろしいですな。そんなら次に移りますが、どうですか。
#27
○国務大臣(奥野誠亮君) お話しの趣旨につきましては、たびたび御論議もいただいているわけでございますし、また、そういう意味で今後の政策、先ほど予算に盛られたことじゃないかとおっしゃいましたけれども、そういうことが改革の一つの方向だということで予算に盛っているつもりでございます。
#28
○小林武君 あなたの文章を一つちょっと取り上げてみますと、「学制百年の歴史を通じて目ざましい発展を遂げ」たと書いてある。その「目ざましい発展を遂げ、わが国の繁栄の基礎をつちかってきた」とこう言っている。しかし、それは学制発布のときの教育のあり方と、いまの教育とのあり方において、どういうつながりを持っているのか。一口に百年という年月の間でとらえることができるのかどうかという、こういう説明がないわけね、そうでしょう、あなた、その説明がないんだ。そして、その間に経験したさまざまな問題について、どう受けとめるかということもないわけだ。私は、予算委員会のときに、たいへん興味を持ったということで、ちょっと意見を述べたのは、宮澤さんの質問を取り上げて――私はあの速記録を見て、まあ非常に関心を持った。いまや重大な時期にあるということを彼は――いま速記録ありませんから、正確に伝えることはできない――重大な時期にある。敗戦ということでもって、もうどん底にたたき落とされたような、あれから現在の段階にきて、そうしていまや頂点の上に立たされた。山巓の上に、山の上に立たされたような心境だと。一歩誤ればこれは谷底へ落ちるような不安があるのだと、そのときこそ、一体、日本の指導者というものは――これはやっぱり田中総理に対する期待をそのときは述べている、与党だから。田中総理について、あなたがこの時点を、ほんとうに日本国民の進路を誤らないようにやるのはどうだと、こう言っているわけだ。私はあの人は何か政務次官も文教のことでやったことがありますけれども、文教のくろうとだとは思わないけれども、経済、財政では非常に練達のお人だと思っている。しかし、あの人の見方の中に、私はそういうものがあることを非常に好感を持ったわけです。いまのあなたの中には、それは教育という面をとらえて、教育改革を断行するという、その中において、それがないんだ。百年の間に、とにかく順調な道を歩んで、そうしていかにも発展の基礎をつちかった、このごろぼつぼつ国際的な問題も起こってくるしというようなことがあとに書いてあるけれども、これはもうほんとうのやっぱり書き方ではないと思うんですよ。これが文部省の官僚の考え方であったり、あなたのこれが本心であったということであるならば、これは教育改革というものは、これはもう油断もすきもならぬし、こんな浅薄な考え方で――これはどっかのところで、それは非常に詳しく書いたものがあるならば別だけれども、少なくとも国会議員の前に出して、国会の中で議論してくれと、これが四十八年度の文教予算の根幹になるところの思想だというのであれば、私は非常にこれは問題点があると思う。まあこれから、出てきた法律案の中にも、教育改革の問題で議論する場合もあるだろうと思いますが、あなたのその考え方には全くようわからぬところがあるわけですけれども、どうですか、この点について特に説明する必要ございませんか。変わった、変わったとおっしゃるが、あなたは変わり方をどうお考えになっているか、どういうふうになっているかということを、役人と教員との受け取り方というのは違うかもしらぬけれども、あなたは役人としては今度は別な何か警察でも何でも回っていけばいいということになるけれども、教員というものはなかなかそう簡単にはいかない。それから教員の責任という問題もそのとき出てくるわけね。あなた、ひとつわからぬだろうから、これは初中局長に聞くけども、教員の責任のことでちょっと中にはさむから、あとで大臣に伺うけれども、一体、教員が超国家主義的なものの考え方、いわゆる反動的な教育を行なったといって、戦時中の教育の責任を問われて、一体、退職を余儀なくされた者、免職、首を切られた者、これは何人あるか。それから文部省の役人とか、あるいは地方自治体の当時の県におけるところの教育課長とか何とかという者が追放を受けた者が何人あるか。これ調べてありますか、あったらひとつ聞きたい。
#29
○政府委員(岩間英太郎君) 調べはあると思いますけれども、私、正確な数字をただいま申し上げるあれ持っておりません。
#30
○小林武君 そんなこっちゃだめだよ。すぐ調べなさいよ、すぐここへ持ってきなさいよ。
 大臣、そのとき何人か追放受けたのです。しかし、そのとき追放受けた者を見ているというと、これは大体上から言われたことをやっている。そうでしょう。がっちりした教科書もあって、教育勅語があって、大日本帝国憲法もあるし、その上に構築された教育というものがあるわけです、日本の教育の。それからはずれたものならたいへんだ。あなた、内務省の役人だから知っているだろうけれども、教員の思想上の問題で綴り方事件というのがあった。それの摘発をあなたそのころならば御存じあるんじゃないですか、知っているでしょう。その摘発を受けた者はどういう扱いを受けたか。みんな知っているだろうけども、みんな懲役なんだ。私の先輩の、自民党の代議士をやった、もとの札幌市長の高田さんという人はその弁護人になって、さんざんなひどい目にあった。しかし、彼の著書の中でもその報告を書いて、何のあれもない、治安維持法の上においてでっち上げられた単なるあれだ、そういう、これはつくり上げられた罪だということを言っているんだが、しかしそんなことはともかく、そういうことがあった。それほど横にそれられないような教育をやってきたんだ。熱心にやればやるほど結局犯罪性を犯すというようなことになる。そのときの教員の置かれた立場をあなたどう理解するか。しかし、あなたたちは、命令したほうはどうなる、こうやれと言って命令したほうはどれだけの一体責任をとってくれるか。そういうことによってさまざまな、一生についての損害を受けた者たくさんいます。後に復職を許されたといっても、これは復職許されたところで、それはもうあれなんだ、退職金も恩給も非常な大きな損をしている。そういうことを調査したかどうか、あなたのほうで。初中局長、どうですか。調査したかどうかということを、私はこの前、いつかそういうことを言ったことがある。してないでしょう。教育というものに責任をここで教師が持たされた。しかし、あなたたちがそういう問題について、そう言っては悪いけれども、追放を受けたなんというのは一体どれだけいるのか。大した数じゃないと思う。おそらくそのこと自体によって追放受けた者はないだろう。そういう日本の教育の実情を見てきて、一体あなたは教育の改革ということについて、百年の間の日本の教育の移り変わりということについて、いまのような程度の理解しかない、発言もしないというような、そういう態度は私はこれはもうおかしいと思う。私は奥野さんという人はそんなことわからぬ人じゃないし、わかっているのなら言うべきだと思うのですよ。どうですか。大臣でもそれはいろいろいて、何とはなしにわかったようなわからぬようなことを言うてもやはり大臣の人もいるのだ。しかし、奥野さんはそんな人じゃない。いわゆる官僚としての道からいってもよく知っている。だから、あなたについては、これは実は教育改革を踏まえた現段階において学制百年という考え方は、これはあなたは意図的に書いたものだと、こう思っている。意図して書いたものだ。あなたが書いたものでなかったならば、これは文部省の官僚が意図して書いた。意図して書いたとしたらこれはやはり重要な問題だと、こう思うのだが、大臣からその点明らかにしてもらうし、なお、大臣が先ほども言ったように、いやこれは書かれたものを読んだというようなことであるならば、私は初中局長からも一まあ、そういうことあるなしにかかわらず、初中局長からもこのことについて、あなたも長いのだが、どうしてこんな書き方をしなければならぬか、日本の教育というようなものを一体こういう書き方をどうしてしなければならぬか。しかも第三の教育改革とは、それは中教審が書いたのでしょう、あなたのほうでその第三の教育改革というものを受けとめておいてこの程度のものを書いたというその理由、これは初中局長からも聞きたい。
#31
○国務大臣(奥野誠亮君) 小林さんが、学制百年の歴史と一口に言っておることに対して御不満なお気持ち、よくわかります。しかし、それはまた一々書いていましたらたいへんな長論文になるのじゃないかという気がいたします。戦前の教育、超国家主義的な教育をやったということはたびたび論議も出ているわけでございます。また戦後は、それを踏まえまして個人の自由意思ということについて非常に大きな力を注いでまいってきているということも制度的にもそれを明らかにしていることでもあるわけでございます。ただ、ことばを詰めて言えばこういうことになる、時間のことをあらわしているだけだと、しかし全体としてやはり、その間にたいへんな犠牲がつくられておるわけでございますけれども、全体としてはやはり大きな発展をしたということには間違いないわけでございますので、その結果をつかまえてこの表現を使わしていただいているということに御理解を賜わっておきたいと思います。
#32
○小林武君 それは、大臣ちょっと文句があるのです。そこで、あなた、文章に書けばこれだけのあれになると、こう言う。それならあなた質問したときに答えればいい、私はこう考えると。ここでは幾らかかったっていい、二十分でも三十分でもいいからあなた言うべきじゃないか。それから、どうしてこういう書き方をやったかということだね。いわゆる学制とどうつながったか。学制という一つの法令のあれを頭に持ってきて、そしていかにも明治五年にできた学制が百年間も何かずっと流れてきたような、しかも戦後は二十五年も、いやもっとたっているのでしょう、その戦後の四半世紀の問題もここでは何ら触れないでおいておくなんというやり方は、私はきわめて意図的だということをこれから聞こうと思うのですけれども、あなた、そこまで言うならば、言いなさい。それから、あなた言ったあとには、初中局長から伺いたい。
#33
○国務大臣(奥野誠亮君) 小林さんの話を伺っていてだんだんわかってきたのです、正直な話。同時にまた、そんなに意図的な考えを持って使っていることばでもなかったのです。別にこれにたいへん深い意味を特別に持たせていると、何かもうあとに意図していると、そこまでの大それたことは一つも考えていない。すらっとここに書いたわけでございます。小林さんの気持ちもよくわかります。それは、この点だけはよく御理解いただきたいと思います。
#34
○政府委員(岩間英太郎君) 先ほどから大臣からもお答えしていますように、明治五年の学制発布というのは、これは日本の近代的な国家になるそのときに行なわれました教育の改革で、これがまあ現在の近代教育の基礎になっているというふうなことでこういう表現をとっているということでございます。日本も何千年来の歴史があるわけでございますけれども、まあ、私もこの前の明治百年のいろいろな展覧会で教科書などの変遷もずっと見てまいりましたけれども、あの当時、近代的な外国のいろいろな制度を取り入れてやろうとする努力が非常によくあらわれているというふうな気がしたわけでございます。そういう長い間のこの百年のいろいろな方々の御努力の積み重ねによりまして、今日の教育というものがあるというふうに考えるわけでございまして、その発端はやはり広く外国というものに目をつけて、そこから日本というものをどういうふうに今後持っていくのかというふうな先人たちの非常な大きな努力が踏み出された第一歩と。その間、また百年の間に、多くの、先生を含めまして、教育関係の方々の御努力の積み重ねで今日ができ上がってきた、そういう意味で申し上げているわけでございまして、その間に、先ほど来大臣が申し上げておりますように、あるいは先生から御指摘がございますように、間違ったこともずいぶんやってきた、それから何回か大きな改革もあったということは承知いたしておりますけれども、まあそこが第一歩で、それ以後の積み重ねで今日があったというふうな意味で、こういう表現を使ったのじゃないか、こういうふうに考えております。
#35
○小林武君 まあ、大体その考え方というのは、あなたたちの考え方というのは多く触れれば損だという考え方ですね。そうでしょう。あやまちも犯したというような、あやまちを犯したということをあなた認めたね、初中局長、それから大臣もこれを認めたと、こう言う。日本の教育というものはあやまちを犯してきた。そうしたらそのあやまちというものはどこにあったのか、どこにあやまちがあったのか。たとえば、いま教師の話をしましたけれども、教師の話も、これ途中でしり切れトンボみたようなことになっていますけれども、教師、があやまちを犯したといったら、その教師がそのあやまちを、あなたたちの行政上のあやまち、国の教育に対する方針のあやまちによって被害を受けたといったら、これからの教育についてどういう配慮が必要なのか。こういう点についてあなたたちはやっぱり見解を述べにゃいかぬですよ。あやまちの見解は述べないでおいて、教員が何か言ったら一文句をつけてやろうという考え方ばかり持っているなんというところが大体やっぱりいけぬですよ。どうですか大臣、だんだんひとつあなたもおこってひとつ答弁したらどうですかね。
#36
○国務大臣(奥野誠亮君) 私は、そのときそのときに国民全体が善意を尽くして努力してきたと思うのです。あとから考えたらあやまちということでございましょうけれども、やっぱりそのときそのとき最善を尽くして努力してきたのじゃないだろうか。私はいつかの機会に、この席でも申し上げたかどうか知りませんけれども、やっぱり鎖国から開国、欧米先進国から見ましたら、非常に危険な状態にあの当時日本はあった。そのために、富国強兵ということを国是にして努力してきた。本来、手段であったものがいつの間にやら目的に変わっちゃった。富国強兵の政策のために教育も非常に一方的なものにゆがめられてきたと、こう思うのですけれども、やっぱりそういう経過を経ていると思うのです。戦後やっぱりあの廃墟の中から立ち上がるためには経済発展は私は必要だったと思うのです。これはもうしかし手段なんです。個人の充実のための手段なんです。しかし、いつの間にやら経済の振興が目的のようなかっこうに感じられてしまって、環境の問題をおろそかにして、今日、大気の汚染とかあるいは水の汚濁とかいろいろな問題が起こっているわけでございまして、まあそういうことであって、そのときそのときはみんな最善を尽くしてきたのじゃないだろうか。大体あとから見たら、たいへんなことをやっておったなあと、こういうことじゃないだろうか、こんな気持ちでおるわけでございまして、いずれにしましても、そんなあやまちを再び繰り返してはいけないわけでございますから、何といいましても、個人の充実に力を入れながらも、しかし社会全体が、国全体がりっぱに健全に平和に発展していきますように、個人個人もやっぱり社会に目を向けてもらわなければならない、また、世界に目を向ける日本人でなければ世界の平和に寄与できないというようなことにもなってまいるのではないだろうか、かようにも思っておるわけでございます。
#37
○小林武君 どうです、初中局長。あなたあやまちというのは何ですか。
#38
○政府委員(岩間英太郎君) 私は、教育のあやまちというのは、国家目的のあやまちというのと深い関連があると思います。まあ教育は、これは社会に新しく出てまいる人、いわば白紙の人たちをいかにして社会に適合させるかということに一番大きな目的があるわけでございますから、したがって、どういう社会というのがこれが望ましいのかというふうな国家目的、その国家目的によって教育というものが従来左右されてきた。その国家目的の間違いによりまして教育が誤ったという点が私は一番いままでのあやまちの中では大きなものじゃないかというふうな感じがするわけでございます。
#39
○小林武君 なかなか重大な発言ですね。国家目的の誤りというものは救いのないおそろしい教育のあやまちになるということね。そういうことでしょう。私はそれで、少しそれではお伺いいたしますが、戦前の教育というものが、あなたのほうでは、まあわかりきったことばですが、あなた流の国家目的の誤りというような、まあ大臣もそのような意味のおことば触れていますが、ことばは違うけれども、国家目的というようなものが予想せざる方向にいくと。しかも、戦前の教育というものは非常に国家統制のきびしいものだということ。そうして、そのワク組みというのはもうはっきりしているわけです。一歩もそこから抜けられない一つの形になっている。そのこと認めるでしょう。そういう一つの日本の教育の行き方というものがある。それから戦後は、まあ自由といっても、これも国がいろいろ干渉する方法はたくさんあとでできてくるわけですけれども、しかし、大臣、教育というものは、私はやっぱり一番軌道修正のきくものでなければならないと思うのですよ。直接政策をどうするという問題ではないけれども、教育の思潮の中には、少なくとも、教育を通して国なりあるいは国民の間にある思想なりの誤りというようなもの、そういうものがあればそれを軌道修正するために教育というものがやられているのだと私は確信している、軌道修正の一番きくものなんです。そのことがなかったら教育というものは意味がない、誤った方向に猛烈に突進していくというようなことであるならば、これは教育というものは国家百年の大計にはならないわけですよ。教育自身の中に、学問自身の中にわがあやまちを判断して、常にこの軌道を修正していく、それが非常なとにかく横道にそれていって急速に一この中にあなた書いているけれども、急激なる社会変化というようなことがここに書かれているけれども、急激なるものが起こったならば、急激にこれ軌道修正しなければならぬということになる。そこに摩擦が起こるわけですね。教育というものは、私はそういう急激な摩擦を極力避けていくという、非常に賢明な性格を持っているのだと思うのです。だからそういう意味であなたたちは、教育行政に携わっている人たちは非常に重要な責任を持つわけです。教員も重要な責任がそこにあるわけです。教育行政も重要な責任があるということになるわけです。そういう点であなたはどうですか。明治五年から、それからまあいわゆる明治の教育というようなものが大体方向的に、明治五年の出発の当初はあれでしょう、明治五年の出発の当初の考え方がそのままいったとは言われないです。むしろ、その場合は、明治五年の出発の当初というものはきわめて、これはいまで言えば革新的な考え方だった。福沢諭吉流の考え方というもので出発したんだ。それが一体ほんとうに富国強兵というものが大臣の言うように、富国強兵そのものが破綻を起こすような方向にまで日本の教育というものは固まったというのはいつの時期ですか。これちょっと聞きたい。
#40
○国務大臣(奥野誠亮君) 私、先ほど申しましたのは、明治の初年、日本が開国に踏み切ったそのときの日本の状態では、やはり国全体の力を強くしなければ欧米先進国に立ち向かっていけない。へたをするとこれらの国の隷属国になるかもしれない。そこで、富国強兵が大きな旗じるしになったと、こう考えておるわけでございます。そういうたてまえで当時の帝国憲法も生まれている。また、教育につきましても、大権命令のもとに置かれて国会の関与するところでなかったということだと思うんでございまして、そういう、まあ一番の基礎のところに将来大きな問題を引き起こす私は原因があったと、こう考えているわけでございます。憲法のもとにおきましても、強兵のためには統帥権の独立というような、いまから考えればおかしいなと、こう申し上げていいかもしれません。軍の力をセーブできない、また教育の問題につきましても国民が関与できない。天皇中心に対しまして、軍部の力も加わってひた走りに走ったと、こう考えているわけでございます。結果は敗戦ということで大きな百八十度の転換をすることになったわけでございますけれども、やはり明治のその改革からきざしはあったと、こう考えざるを得ないんじゃないかと、こう思っているわけでございます。
#41
○小林武君 それは大臣ね、それは違うと思うんだ。私がさっき言ったように、明治五年のときにはいわゆる開明思想というものが非常に濃かった。それがだんだん変わっていって、大体私は完成期というのを考えるというと、いや完成期というか、むしろ非常にあぶない一つの危険の端のほうにさしかかったというのは、これはやっぱり教育勅語の発布、大日本帝国憲法の制定と、一面には何か開明思想がその中に盛られたようでありながら、この二つの中で、いまあなたがおっしゃった天皇制というようなものが非常に教育の中に天皇の教育として入り込んできた。それが具体化されたものが教育勅語。しかしもっと成長した子供というものは、今度兵隊として、教育勅語と並んで軍人に賜わりたる勅諭というもので、この二つのものがからみ合って日本の教育というものもをずっと進めていったと、こう言ってよろしいと私は思う。この点はどうですか。初中局長どうです。
#42
○政府委員(岩間英太郎君) 私は大体先生がおっしゃったようなことであろうと思います。特にまあ大正デモクラシーから昭和の初め、第一次世界大戦後から昭和の初めの不況、その後に続く満州事変、支那事変と、その前のいろいろな社会情勢からだんだん軍部が強くなっていって議会政治というものも手が出せないというふうなあのころ時点というものが一つの日本の曲り角であったんじゃないかというふうな気もするわけです。
#43
○小林武君 やっぱりね、あれでしょう。何のかんの言ったところで、教育勅語と大日本帝国憲法というものが確立して、いわゆる天皇の教育というものが出てきた。その日本の教育というものは何であったか。「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ」というそこの結びのところにくるように、日本の教育というものは、そういう富国強兵の真意はそこにあった。その日本の教育というようなものがひとつの破綻を来たす時期がきた。それを一体どう受けとめて今度いくかという問題から新しい教育に入ったわけでしょう。その新しい教育というものをどう一体文部大臣は受けとめているのかということです。それをなぜ私は聞くかというと、戦後の教育論争、いわゆる教員組合、教育現場の人間たちとそれから政府との間の争いというものは、これは非常に残念なことなんです。お互いが全く理解し合って、細部にわたってはともかくとして、一つの基本方針に従ってはお互いが理解し合って、そして進むべき道を選びながらこの対立抗争激化というものがいまだに日本の教育の中にいろんな問題かもし出している、そういうことを考えるときに、私は、あなたは明治五年のそこのところに持っていっているが、むしろそうでなくて明治五年のそこから近代教育が出発したとしてもそれがいろいろに変貌している。変貌していった中で、少なくとも、われわれがいわゆる戦前教育というようなもののあれが固まったのがいつか。それが今度は富国強兵というようなものが日本の経済とかなんとかとからみ合って外国に出ていくというような形になった。その中から一体日本の内部体制を固めるためにどういう一体、国の内外に対する激しい政策が生まれてきたかということをあなたは何のかんのって、よく知っているでしょう。思想に対するどういう扱いをやったか。教師なんていう集団の中には、もうほんとうにささやかなその中で一体ほんのわずかの新しいものを取り入れたということだけで、あるいは子供の一体気持ちにその家庭のあれをほんのわずか彼らの自由の気持ちでもって表現さしたというようなことが、治安維持法に触れるというようなことになって、どんなに一体悲惨な彼らは待遇を受けたかということをあなたたちは経験してきているわけです。そのことを私はやっぱり百年の歴史の中で、第三の教育改革ということを銘打つならば、はっきりやっぱり見きわめなきゃならぬですよ。そのことをさっきから言っている。すらすらと百年でつちかいましたなんて言うことはごまかしだと、私は、そういうことを言うのは一つのごまかしだと思う。それは過去に対する反省が一つもないということだ、そういうことだと思っている。そこで戦後の教育に対してあなたはどんな考えを持っていますか。あれに対してあなたは第三の教育改革というものをやらなければならない理由はどこにあるか。あるとするならば、それはどこに重点を置いて教育改革というものを行なわなければならないのか、それが明らかにならないでおいて、「私の第一に着手することは教育改革です。」と、こういうことを言っちゃいかぬと思うのです。何をやろうとするのか、それは予算案の説明としてはこれで私はいいと思う。金で勘定してこういうこと、こういうことをやるということはそれで認める。認めると言ったってみんな賛成しているわけじゃない。反対したんだ、賛成はしていませんけれども、その説明に関する限りはここでかれこれ説明してくれとは言いません。第三の教育改革というものを明治の初めの近代教育が日本から起こってから現在に至るまでを通してみてどうあらねばならぬのか。現在文教の最高責任者として何をやらにゃならぬかというそのあなたの心がまえをここではっきりしてもらいたい。
#44
○国務大臣(奥野誠亮君) いろんな申し上げようがあるんじゃないかと思うんですけれども、戦後の日本の教育改革、非常な勢いで進展をした。義務教育年限が三年延長されたばかりじゃなしに、高等学校も九〇%の人たちが進むようになっているわけでございますから、量的な拡大、私はほんとうにめざましいものがあるとこう思うわけでございます。しかし、静かに振り返って考えてみますと、質的になお充実しなきゃならない多くの問題をかかえているんじゃないだろうか。だから量的な拡充を遂げてきたこの機会に、もう一ぺん見直して質的な充実に最善の努力を払っていく、これはまあ非常に大きな課題じゃないだろうかとこう思っております。
#45
○小林武君 量的や質的なんていうあれじゃなくて、私がいま言ったことひとつ答えてくださいよ、逃げないように。あなたも先ほど来日本の教育というものが、少なくとも戦前の教育というものは一つのあやまちをおかしてきたと、あなたもまたその中にあって教育課長をつとめた。教育課長というのはあなたどんなにえらいかということは御自身でよくお考えになったでしょう。味わったでしょう。昭和十五年というとあなたもまだ非常に二十代の方だったと思う。私はあなたよりかも六、七年正月のもちをよけい食っているからね、教員として働き盛りのころです。そのころ教育をやって、あなたは責任者だった。そのとき日本の教育というようなものの中で、県の段階で、ほんとうに初等教育なり中等教育に全責任を負っているような老巧な、少なくともその中ではまた選ばれた人だと思われるような人が、この間もあなたに話したけれども、二十代の青年であるところのあなたに対して、あなたの前に来てどういう一体態度であったか。これは雲の上の人に対するような態度であったでしょう。そういう皆さんのこの立場というようなものは、そこから出る命令というものは、今度一々日本の教育の中に、県の教育の中に浸透していったんですよ。そういう教師の立場というものは、いま考えてみてどうですか。ほんとうに教育の自主性というようなものはああいう形でいいと思っているかどうかということ一つ考えても、戦後教育改革というものをやったんなら、一体いまの教員というものを見る場合に、あなたは、あの当時とそれとを比較して、どう一体考えているのか、よくなったと思っているのか、悪くなったと思っているのか。ある文部大臣を経験した学者の人が私に対して、戦後の教員に対してどうですかといって聞きましたら、不作法だといって非常におこっている。不作法だというのはそうなんですね、文部大臣に対して対等の立場でものを言おうという教員が出てきた。それがもうかんの虫にさわってしようがないと、こういうふうに私はお見受けした。かんの虫にさわってしようがない、私はそういう受け取り方は誤りだと思う。二十何歳の教育課長の前に行って頭を上げることもできないような老練な教師が、それをやった教育がよろしいのか、行政官の前に行っても自分の主張は、はっきり言うことは言うというような、それが反抗にとられないような状況がいいのかどうか。私はどっちを選ぶかといったら、いまこそ戦後のあれを選ぶべきだと思う。それがかんの虫にさわるというのは、これは古い考え方だと思う。しかしその中にも、対等という場合には、対等なんですから、相手方の人格を認めないわけにいかない、認めてやるわけですから、相手方の人格も認めないような行動があったとすれば、それはやっぱり反省しなきゃならぬということだね。ひとり行政の責任にある者ばかりじゃない、教師の側にもなければならぬ、対等なんですから。そういうふうに考えるんだが、一つものを考えてもそういうこともあるでしょう。だから、あなたは戦後の教育というものに対してどんな考えを持っているのか、一体どういう批判を持ち、どういう立場で改革をしなければならぬのかというようなことを具体的に言ってもらいたいのですよ。そうでなければ、教育改革ということを幾ら言ったって納得できない。そんなことをやっているうちは両者の間の意思を通ずることはできないわけです。心と心との触れ合いというのはできない。一時のごまかしはできても、できないと思う。私は、日本の教育が重大な時期に来て、第三の教育改革なんということを言われているから、この重要な時期に奥野さんという文部大臣が出られた。奥野さんはそのことについて衝に当たったんだから、やはり国会の中において自分の意見というものをちゃんと述べてもらいたい、こう思うのです。
#46
○国務大臣(奥野誠亮君) 教育の問題いろいろな角度から取り上げられるものですから、私はたいへん平板なことばかもしれませんけれども、質的な充実と、こう申し上げたわけでございます。質的な充実の場合に、いま小林さんは先生一人一人の問題をお取り上げになっていたようでございますけれども、そういう問題も当然含まれておるわけでございまして、りっぱな方々が教育界に入ってくださる、そして教育界に熱情を持って努力をしてくださる、はつらつたる空気が教育界に横溢しなければならない、そういうような体制づくり、これもやっぱり私は質的充実の中での大きな課題じゃないだろうか、こういう気持ちを持っておるわけでございます。戦前と戦後と同じようなレベルで私は比較することは適当でない、価値観がずいぶん変わっておりますし、取り巻く環境もすっかり変わってきているわけでございますので、そのままに比較することは適当じゃないと思うのでございますけれども、いまおっしゃいました、先生一人一人がそれぞれの意見を持って活発に意見の交換をし合う、そういうはつらつとした雰囲気というものは、私は教育界において特に大切だということについては、同じように強く感じているものでございます。
#47
○小林武君 それでは、少し演説をやめてぼつぼつと聞きますかな、だいぶそれでも地ならしやりましたから。
 そこで、どうですか、戦後の日本の教育を考える場合に、あなたの場合では、戦前の教育のいわゆる行政の責任者もやられたことであるし、どんなことがあっても戦後の教育でこの点だけは曲げられない、この点だけはやっぱり守っていかなければならぬ――これはワクがきまっているわけですわ、教育基本法と日本国憲法があるわけですからね。その範囲の中で……。これを認めるとか認めないとかいうことになると話はまた別だ、教育基本法を認めませんとか、それから日本国憲法を認めませんとかということになれば話は別だけれども、そんなことはお互いに言うはずもない。そうすると、その範囲の中で、新しい教育をやっていくということになると、戦前の教育からきた場合においては、どの点が一番大事だと思うか。教師に対してどうであるか。限定します、教育内容についてどうであるか。この点でどうですか、あなた。
#48
○国務大臣(奥野誠亮君) 教育内容としては、超国家主義的な教育、これを改めることに戦後の最大の目標が置かれてきたんじゃないだろうか、こういうように思います。また、教師一人一人につきましても、いろいろな方面から教育界に入ってもらう、型にはまった師範教育の人を教育界に送っていくといういき方は避けたいという意味での改革が行なわれたと、こういうふうに承知しておるわけでございます。
#49
○小林武君 どうもあれだね、質問がよくわからぬのかな。行政的にはどうですか、あなたのほうで。戦前は結局天皇に責任を負いましたね。教師の場合も、天皇に責任を負うという形であったね。そうでしょう。このことが教育というものを大きくゆがめた一つの原因であった。戦後の場合には、一体だれに責任を負うんですか、これは。
#50
○国務大臣(奥野誠亮君) 主権在民、したがって国民が主権者でございますから、国民に奉仕するものでなければならないと思います。
#51
○小林武君 そうすると、一体行政というものは、主権在民の憲法の中において国民に責任を負うということになった場合は、文部省の行政というものは、どういうやり方でいかなければならぬと思いますか。
#52
○国務大臣(奥野誠亮君) 国民の代表を国会に送っているわけでございますので、基本的な問題は国会できめてもらう、それは法律という形において制定されると思うのでございますけれども、その法律を運用していく、それが教育については文部省の役割りになっている、かように存じます。
#53
○小林武君 そうするとあなたのお考えでは、やはり文部省というものが全国的に中央集権的な方法で国民にこたえるという、そういう方式をお考えですかな。
#54
○国務大臣(奥野誠亮君) 中央集権的な方向をとるか地方分権的な方向をとるかは、国権の最高機関である国会でおきめになることである、かように思います。
#55
○小林武君 国会できめる、国会できめるというよりかも、どうですか、一体主権在民の場合において、教育というものについて、自分の子供の教育について発言するという場合に、どういうやり方がいいんですか。国会できめて、国会で法律をつくって一々これをやるというやり方でなきゃいかんですか。これはあなた、戦前と同じですよ。
#56
○国務大臣(奥野誠亮君) 国民といいましても、一応国民――どうやってその総意をきめるのか、それはやっぱり議会制民主政治をとっている日本の政治でございますので、代表者を国会に送るのだと、国会できめたことがすなわち国民のきめたことだというように受け取ってまいるべきものだと、かように存じているわけでございます。教育の進め方につきましても、地方分権的な行き方もあれば中央集権的な行き方もあろうと、かように考えるわけでございます。いずれにいたしましても、そのようなことで国会が大きな方向をおきめになる、大きな方向をおきめになって、地方の場合には教育委員会が教育行政の運営に携わっている、また文部省がそれなりに教育行政の運営に携わっている、相互に協力し合いながら行政を進めてきているんだと、かように思っているわけでございます。
#57
○小林武君 文部省が日本国じゅうの教育について統制的な、中央集権的な統制を行なうということは幾多の問題をいま教育界に投げかけおる、それが紛争の種になっているということは認めますか。
#58
○国務大臣(奥野誠亮君) たとえば、教科書の問題につきましても、戦前は国定教科書であった。現在は文部省が検定はするけれども、採択は自由に地方においてやってもらう。この検定制度につきまして訴訟が起こされているという式に、いろいろ問題の進め方について国民の間で多様な意見が絶えず出されているということは事実でございます。
#59
○小林武君 そこで、いまの教科書の問題を議論していくというとこれとてもたいへんなことになっちゃうから、教科書問題について、検定制度について問題が起こっているということ。訴訟も行なわれている。この訴訟についても裁判では、最終の裁判じゃないけれども、すでに下級裁判では一つの結論が出ていると、そういうようないろんなあれが出ていますね。
 そこで、一体議論されているようなことは、あなたのほうからいえばこれは文部省の検閲というものを非常にきびしくしていって、そして検閲やりませんというようなことは言うかもしらぬね。言うかもしらぬけれども、これはここで議論してもしようがない。あなたのほうのやつはやはり中央集権的なやり方でやっている、そして議会主義によってやると、こう言うのだが、まず一体どうですか、国で、あなたのほうで国会でものをきめる、文部省で政策をつくる、そういう場合に、あなたは文部大臣として自民党の意向というものはくむわけですか、くまんわけですか。あなた政党人でしょう。私は文部省のあり方という問題について、戦前と戦後の中においては、これは未触決の問題だと思っているんですよ、国民の相互の間で。政党の大臣がいるということ。その大臣が政策を、文部省の政策について責任持つわけでしょう。私、この間文化庁に行きましたら、文化財保護法というものを何でも改正するという意図がありそうだけれども、自分の党としてはあれはもともと議員立法でもあったものだし、いろいろ検討するのに文化庁としてはどんな考えがあるか知らせてくれんかといって行ったんです。そのときにたいへん気にしていたのは、いやいま自民党のほうの意見をまだあれしておりませんとか、自民党、自民党と盛んに言うわけです。これは政府与党一体の原則とか何とかということはどこにきめられているのかよくわかりませんけれども、少なくとも、それは自民党に了解求めて法律案ができて、その法律が上提されているという事実は動かせない。この場合はあれですかな、教育というものは全く政治的中立を保っているということになりますか、あなたたちの論理から言えば、どうですが。
#60
○国務大臣(奥野誠亮君) 私は、戦後のわが国の行政府の行政、衆議院の総選挙のたびに内閣総理大臣を指名をするわけでございますので、国民が間接的に内閣総理大臣を選んでいるんだ、こう考えているわけでございます。したがいまして、総選挙において国民に訴えていく、やはりそれぞれの政党がその政策について国民に訴え、そして批判を求めるということにならざるを得ない。したがって、また、政権を担当する政府というものが、それを構成してきた政党の意見をいろいろ求めていくということは、これは私政治的中立の問題とは直接のかかわり合いの問題じゃないんじゃないだろうか、中立的な考え方で教育を進めていかなきゃならない、これは当然でございますけれども、政党の意見を聞くから政治的中立をゆがめられるということには私はならないと考えておるわけでございます。同時に、中央集権か地方分権かという問題がございましたが、問題によっては、中央集権の制度をとっている、たとえば、私立大学を認可するのは文部大臣でございます。反対に、また高等学校の私立学校、これを認可するのは都道府県知事でございます。地方分権の制度をとっていると、こう申し上げていいのかもしれません。同時にまた、行政運営の面につきましては、戦前はどちらかといいますと、命令と服従の関係にあったという言い方ができるかと思います。今日は、基本的には指導と助言と協力の関係に向けられているんだ、こういうようなことを言うているわけでございますけれども、ですから端的に中央集権だ、地方分権だと割り切れない、やはり事の性質によってよい方向を一つ一つについて考えてきめていくということが大切じゃないかなと、こんな考え方を持っているわけであります。
#61
○小林武君 さっぱり問うていることに答えないで、すれ違いみたいなことを言うのがあなたの答弁だけども、そのことを、まずあまりあなたの調子に乗っておられんから。一体あなたはそうすると、政治的中立というのは、多数党の考え方は政治的中立ということになる。そのほかの者が何か教育に対して意見を述べれば、これはことによっては政治的中立を侵すことになる、こういうことになりますかな。――いやいや、よく聞いてやってくださいよ、首かしげないでね。あなたのほうで歴然たる事実でしょう。たとえば、何か野党が反対する法律案だって、法律案ができてあれするまでには与党との間に話し合いをつけて、何ぼ文部大臣ね、あんた偉くても、与党がうんと言わなかったらできないわけでしょう。法律できめられるような問題、たとえば教育の内容に関する問題、教育のしかたに対してもいろいろな教育上のこれは機微に関する問題、そういう問題の大筋は文部省がこれをきめるということに大体なっているでしょう。そうして、しかもそういうことを逸脱したら政治的中立を批判したということで、そしてこれに対して処罰もすることもできるということになっている。ところが、与党の場合においては、これは与党の考え方というのはフルに入ってきたってこれは何でもない、これはほんとうの意味の政治的中立ということは言えるのかどうか、私は、政治的中立に関するあの法律案が出たとき以来、この法律の一体理由がわからんでいる。あなたのほうでは、いまの政治的中立というのは、結局与党の考え方は政治的中立に反しない、どんなことを考えても。そういうことになっていることについてはあなたどう思いますか。
#62
○国務大臣(奥野誠亮君) 政策的な決定にあたりまして、自民党のいろんな考え方を聞く、また、社会党の考え方でも政策として取り上げさせていただく、これは、私は、政治的な中立の問題とは別個の問題だと、かように考えるわけでございます。一般に政治的中立を言われる場合には、学校教育の中で特定の政党の勢力を伸ばそうと努力してみたり、あるいはまた特定の政党の勢力を減らそうと努力してみたりするようなことはしていけませんよ、政治的な中立でなきゃいけませんよ、こう言っておるのでございまして、政策としてたとえば、大学を社会に目を向けたものにしなければならない、だから筑波大学に参与会を設けろ、こういう政策をいろんな政党の意見から取り上げていく、これは政治的中立を侵すものでも何でもないんじゃないだろうかと、こう考えるわけでございます。私は、学校教育の政治的の中立ということはいま申し上げたようなふうに理解をしているのでございます。
#63
○小林武君 それは、てまえがってな意見じゃないですか。実際問題少し考えたほうがいいんじゃないですかね。実際問題を考えたほうがいい。教育の中身に対する問題、教育に対する教師の一体自由のこの問題、そういう問題が議論された場合に、教師の考え方はある場合においては自分の信念に従って一つの教育学上の研究の成果の上に立ってやったと、こうしてもこれは摘発を受けることはあるわけです。また、それを一体自由な研究とか、教育とかのしかたに対して干渉する、法律でもやり方でも、行政でもどんどんできる。それはあれでしょう、与党の考え方がそっちのほうへいくということになったら直ちにあれじゃないですか、やれるんじゃないですか、いまの場合に。どうですか。たとえば地方分権の政治――地方分権だって、いまだって教育委員会あるわね、多少ある。しかし多少あるけれども、文部大臣というものが、政党人の文部大臣が措置要求権持ってるとか、府県の教育長の任命には文部大臣がどうするとか、結局内容的には、実質的に指揮命令権を持った形になっている。それはいわゆる政党人としての文部大臣がやるということになっている。これは政党人、政党というようなものが全くあれですか、神様じゃないんですよ。その心の中に、あまり具体的に言うといろいろなことがあるから言わぬとしても、一つの政党の利益のためにやっているというようなことがたくさんあるわね、明らかな事実として。そういうものがあっても、与党という場合には何らこれはかまわないという考え方でしょう。あなたたちのほうは。どうですかね。そこの場合においては、あなたのほうは教育の中立性というものは侵されておらないと考える、こう見ているようですね。
#64
○国務大臣(奥野誠亮君) 教育行政にあたります場合にも、憲法なりその他の法律を踏まえて行なわなきゃならないことは当然だと思います。したがいまして、学校教育の政治的中立、それをそこなうようなことを文部大臣すべきじゃございませんし、また、措置の内容いかんによっては違憲訴訟の道もあるわけでございまして、三権分立のもとでそういうたてまえがとられておるわけでございますので、私は政党出身の大臣になっているからといって、政治的中立を侵せるものではない。いまだかつて学校の先生方に対して選挙には自民党を支持しなさいというような式の要求をしたこともございませんし、またすべきものでもなかろうとかように考えておるわけでございます。
#65
○小林武君 違憲訴訟の話が出たが、それじゃどうですか、明らかにこれは教育の政治的中立に違反するようなことが教育行政の命令の中から出てきた。その場合に教員はどういう――違憲訴訟を一々起こさなきゃいかぬ。それに対して教師としては教育のあるべき姿のために是正するべきだという意思表示、それに対して改めようという要求、改めないならばわれわれは団結をしてもこれを改めてみせるというような、そういう行動、これはどうなんですか、いいんですか、悪いんですか。
#66
○国務大臣(奥野誠亮君) それぞれの人たちがいろんな意見を持つ、それを公にする、これは何ら不都合はない、かように考えるわけでございます。ただ、法律の問題にしましても、何にしましても一たん法秩序として制定されている場合に、それぞれがこれはおれは違憲だと思うんだからおれは反対をするんだということでは秩序が守られない。やっぱり、それはそれなりに法として改廃を求める、改廃をされるまではやっぱり一応正しいものとしてそのワク内で行動していただかなきゃならない、こういう性格になるのじゃなかろうか、こう思っておるわけです。
#67
○小林武君 まあ、あなたのほうはいままでの間に戦後の教育法律の改悪によってたくさんのものをつくってきた。たとえば、政治的中立確保に関する法律、あるいは教育委員会法の改悪――任命制にしたということね、先ほどちょっと述べたけれども、実質的に指揮命令を出すことができるようにした。しかも最近では文部省の官僚は――有力な官僚だね。それはそれぞれ県の委員会の中に派遣されて、そして全く文部省との間の密接な関係を教育委員会の中につなげてくるというようなやり方もやってる。そういう法律やあるいは教育の内容に関する指導要領の問題も国で干渉するということになる。そういう考え方が、一つの多数党だけできめられるのかどうかということ。それを言ってるんですよ。そういうことが一体教育の政治的中立と言えるのかどうか。私は、文部省も当初において日本の教師に対してこういう指導をやった。これはあなたのほうであとであわてて、いやあれはそんな指導じゃない。決して指導したんじゃないとこう言うけれども、ちゃんと文章にして一つの指針として出ている。その中には、やがて政党政治――日本の戦前には政党政治らしい政党政治なかったわけです。政党政治というものが起こった場合においては政党の権力的な介入というものが教育に必ず行なわれる。それに対抗する手段は、教師は団結してそしてこれに対抗するべきだということを文部省自体が進めたわね。あとで都合が悪くなっていろんなことを言ってごまかしているけれども、これはしかし事実としてそういうこと言えるんじゃないですか。先ほど私も言っているけれども、教師の責任というようなものは、政党におまえさんたちがやったんだから何とかしてくれと言ったところでだめだ、政府のそういう命令によってやったんだとこう言ってもだめ。天皇の命によってそういう教育をやったと言ったところで敗戦のときにはそんなことが通用しなかった。新しい事態になった場合において教育の責任は教師が負うべきだという、そういうことをはっきり出されちゃった。そしてそれはまた教師自身もまたそのことについてはそう言われれば一言の返答の余地もないものだということになるから、みんながいさぎよくそれについて服したということになるんでしょう。それはそうです。自分の教えた子供にさかねじ食わされたということだってあるわけですよ。何だ、先生の教えたこと、みんなろくなことじゃなかったてなことを言われる。それ言われたときに、わしもそうじゃなかったんだけども、上から命令されたからやむを得ずやったなんというようなことを言うやつはこれは質の一番悪いやつだと思う。何といっても人を教えるということ、教師の職というものは教えたことに責任を負うということ、そのことなしには教育はできない。そういうことを教師が知らされたのは敗戦の私は一大収獲だと思う。それに対していま言ったように文部省は抵抗の手段ということを教えたわけですよ、団結して当たれ、組合をつくってと。そういう事態をできないようにできないようにちゃんと法律的につくっていって、いまになってからとにかく法律につくられたんだからおまえさんたちはそのとおりやればいいんだと言ったって、もしこれがあの敗戦のときのような事態に一体なった場合にどうなるか。教師はおのれの良心に、おのれの信ずる道に従わないことで処罰を受けなきゃならぬということにだれが責任とってくれるかということになる。私は責任をだれにとらせるなんていうことを教師が考えるべきじゃない、みずからがとるべきだということを常に考えて教育をやるというのがこれが教師のたてまえ。これだけのことできないやつが教師をやるというのもおかしい。私は、そう思っている。そのことを保証する責任は文部大臣にあるんじゃないですか。どうですか、あなた。もしあなたが、多数党の党のあれだから文部大臣になったということでしょう、結局ね。しかし、文教政策というものを考えた場合に、文部省のいまのあり方が、政党政治というものの中における文部大臣という立場というようなものはこれでいいのかどうかということ、これについてどうですか、あなたの考えは。
#68
○国務大臣(奥野誠亮君) いろんな法律につきまして賛否両論ある、これはそのとおりだと思います。しかし、一応国会の議決を経たものにつきましては、これをみんなが守っていくという姿勢、これも私は非常に大切なことだと、そんな法律があってもおれは国家百年のことを考えたら反対なんだというわがままでは私は秩序が守れないんじゃないかと、こう考えているわけでございます。いま文部大臣が政党出身者である、そのことが政治的中立の立場から考えてどう思うかというお話しがございました。政治的中立を教育の社会においては特に守っていかなきゃならない。非常に大切なことでございまして、どういう出身であろうとその心がまえで進んでいかなきゃならないと思います。同時にまた、文部大臣としては教育諸条件の整備をしていかなきゃならないわけでございます。教員の処遇の問題もありますれば、あるいは教育施設の充実の問題もある。その他いろんなことがあるわけでございまして、そういうことを考えますと、私はやっぱり政党、あるいは政治家と申し上げたほうがよろしいかもしれませんが、そういうもののほうがそういうことに力を尽くしやすいんじゃないだろうか。政治の社会から全く別な学者を連れてくるよりも、私は政治家のほうが教育の諸条件を整備する場合には力があると、一般的にはそう言えるんじゃないだろうかと、こう考えているわけでございます。教育委員の任命制について御批判があるようでございますけれども、同じ主権在民の国でございましても、教員を国家公務員にしているところもございますし、日本のように地方公務員にしているところもあるわけでございます。国家公務員にしているところにおきましては、教育に対しまする中央政府の関与というものが、支配力というものがはるかに大きなものだろうと思うんでございます。これはそれぞれの考えがあってやっていることだと、こう考えるわけでございまして、いま文部省の役人が教育委員会に入ることについての御批判も承りましたけれども、やっぱり国と地方、助言と協力の関係において努力をしていく、そして平和左国家及び社会の形成者を育て上げていくと、やはり地方民であると同時に国民でございますので、両方の考え方が力をあわせ合う、これも大切な行き方じゃないだろうかなと、こう思っておるわけでございます。
#69
○小林武君 一つのあなたの意見と一致するところはね、文部省というものはいわゆる教育的な諸条件をつくり上げる意味において、そしてやるということであれば、これは私はもう政党の大臣だろうと教育のあれを政党化するというようなことは非常に少ないと思う。私は、文部省というのは、教育の条件を整備するいわゆる財政、何年たっても私立大学はうまくいかない、とにかく医学部の話しばかりこのごろやたらに出ますけれども、これはとにかく飛んでもない話、あんなたくさんの金を出さなきゃ一体大学へ入れぬかということが問題になるし、それから私立に入ったからといって、お医者さんになれば日本人を診る、いろいろ治療に当たるのがあらましだと思うんだが、こういう人たちに一体あれだけの負担をかけていくというようなことになったら、ほんとうにこの医者というものの養成の上から見ても国家的損失がやっぱり起こるんじゃないか。いわゆる人材をもっと吸収するような、集めるようなやり方というのはあるんじゃないか。いろんな問題がある。それからもう七五%も日本の大学のその中にいる学生の数占めている私立大学は、何でたくさんそんなに金払わなきゃならぬか。出たら出たでもって、もう官学尊重のあれから、非常な大学の看板の問題で差別を受ける。そういうことを考えた場合に、大学の一体格差をなくするような条件をどうしてそろえるか、私学の問題をどういうふうに財政的に考えるかというような問題について文部省がやるということについては私はこれは当然いいと思う。そこと教育の一体中身に関する問題、教師の一体教育に対する責任をはっきり果たさせるような条件の整備というのは、これは別個のあれが要る。そういう意味で、教育委員会制度というものは、任命制でない公選制の場合においては、いわゆる地方の人たちとの間の選挙によって、そうして地域住民に責任を負うという形をとったのはこれはよかったと思います。そのやり方をくつがえした。いまになって考えれば、教育の中身について一つの政党が――自民党であっても社会党でも同じですが、一つの政党が自分たちの考え方にだけ立ってやるというようなこと、自分たちの考えに合わないようなやり方というようなもの、政党の利益、不利益の上に立って教育についての干渉するというようなやり方はこれは許されてならぬはずだと思う。そう考える。あなたの考えがそういうことならいい。しかし、あなたの場合は、二つのことをごっちゃにしている。教育の条件整備のこと以外に、法律ができたら何でもやると、こういうやり方、ずいぶん文部省もあやまちをおかしているのじゃないの。マル・バツ式のとにかく試験、何だ、学力調査というのは教員がさんざん反対したのをやってやってやりまくって日本一競争をやって、そうして最後にこれは結局つまずいてやめたでしょう。反対した教師がそのために処罰される、間違ったことをやった文部省のほうは涼しい顔をして、それをやめればそれで済むという。それであとでどうですか。大学紛争とかいろんな教育界の問題が起こったときに、マル・バツ式というようなああいう試験をやることが日本の教育において大きなやっぱり欠陥であったというようなことをのめのめと言っているのじゃないですか。そんなことの学力に対する考え方、ああいうやり方というものは、日本の国の教育にマイナスにこそなれ絶対プラスにはならぬというようなことを言ったのはだれだというと、教師の側から出たじゃありませんか。片っ方が、いいことを言ったのが処罰されて、悪いことを言ったのが処罰するなんて、そんなばかなことが行なわれているところにいまの教育行政の誤りがあるのじゃないですか。だから私は政党というものの立場でものを考える場合には、教育の中身に関する問題、事の真理に関する問題、研究の自由に関する問題、学問の自由に関する問題等を含んだあれについて干渉するというようなことは、これはどの政党だってやっていかぬと思うのです。たとえば一つ取り上げてみても、どうなんです、大学の問題が法律として出てきた、大体みんなが反対だというのに、自民党さんのほうが、いや、あれはつくってやらなきゃだめだというようなことを考えるというと、どうしたって出さなければならぬという、そういう考え方を少なくともなくするという気持ちだってあなたたちにないでしょう、文部大臣ありますか。たとえば人材なんとかいう法律が出てきた。このことについて私らもあなたに言ったでしょう。あなたの党の中にだって、それはどうかなというのがある。教員のストライキ権の問題とからんで、人事院というものがあるのに、それに今度ああいう法律を出していって、人事院を逆に拘束するというようなやり方、人事院のほうも弱いもんだから、出してくれれば都合がいいというようなことを言ったかどうか、そういうことを言ったとも言われるわね。あなた、そういうことをよく知っているのだ、その点ではね。そういう問題が起こったときにだ、与党と野党の間である程度話し合いができるという空気がこん中にありますか、どうですか。それほど反対で、一体、問題を引き起こすようなことであるならば、これはひとつ再検討してみようかとか、法案出すまでの間に各党がそれぞれひとつ意見を持ち寄ってやってみようかとかいうような、日本の教育の問題だから、お互いにひとつやろうかというような話はいまだかつてないでしょう。逆にそうじゃない。反対だと言うと、よしそれでは断固やってやるというようなこれは多数党の心意気だったわね。こんなことが、法律という一体うしろだてをもってやるなんということが日本の文教政策にいいかどうかということを考えなきゃいかぬですよ。戦前の教育のことと比較して、現代のことをやるというなら、そのことを考えなければいかぬ、教育改革の中に。こういう点どうですか。
#70
○国務大臣(奥野誠亮君) いろいろなお話がございましたが、私はやはり政党が政党の利益だけを考えていろいろな政策を進めていくということでは多数の支持を国民の中に得るということは困難になってくるのじゃないかと、こう思います。自民党は御承知のように国民政党なのであります。国民全体の利益を考えていくんだというたてまえに立っている政党でございます。今日なお相当数の支持を得ているということ、やっぱり自民党だけのことを考えてやっているわけじゃないという理解を私は国民の間に得ているからじゃないだろうか、こう思うわけでございますが、こういう問題になりますと、政党間にまたいろいろ意見もあることでございますから、多くを語ることは避けておきますが、やはり最終的には国民の審判、その国民の審判を尊重する、この姿勢がなければこの議会制民主政治は守っていかれないのではないか、こういうふうに考えておるものでございます。
 何でしたかね、一番最後におっしゃったのは……。
#71
○小林武君 まあ、言わぬでいいよ、どうせそのぐらいしか言わぬのだから。まああなたね、もうこうなったらきれいごと言ったってしようがないから、私は率直に言っているのだけれども、やっぱり教育改革やるということになったら、これはお互いだけの問題じゃないのですよ。政党間の問題じゃないんだ。日本の国どうなるかという問題なんですよね。そうでしょう。あなたいろいろ、国民の支持を得られているとかなんとか言いますけれども、国民が手放しで自民党を支持してないということはこのごろの新聞の世論調査見てもわかるでしょう。ものすごい不安感を持っているわけです。国際的な関係見たって、まあ円の問題は一つの経済、財政の問題でわれわれ議論をしたけれども、円の問題一つ見ても、それは国際間の中に非常にやっぱり日本というものは大きな摩擦を起こしているということだけは事実だ。四次防についても、一体何が悪いというようなことを自民党の皆さんおっしゃるけれども、この四次防、五次防と発展した中で、どうなるかということの不安感は、大平さんが今度外国へ行っても、大平さんの帰ってきたことばの中にはそれはないけれども、新聞の論評の中には、これは多分に日本のこれからのあれについて、四次防どうだなんというようなことは記事にそのときなかったけれども、日本のあれについて、それらを含めた一つの不安感があるということは歴然たる事実だ。それから日本の商社のあれだとか、あげつらえばもうさまざまあるわけです。そういうものを考えて、いまの日本の教育を改めるということになると、ある意味では、私は政治自体がこれは謙虚になって自己を批判するべきだ。もちろん、そういう場合には自民党だけじゃないと思う。あらゆる者がおのれを省みて、よりよい政策というものはどうして立てたらいいか、真に国民に奉仕する政策とは一体何かということを、それはそれぞれ常におのれに対してきびしい目をもって批判することができないような者はそれは立てられるはずはない。しかしながら、あなたのほうのいままでの教育改革一つを見ても、ほんとうの意味でやっぱりわかっておらないと思うのですわ、私に言わせれば。やっぱり党利党略というものが先に立っているような感じでしようがない。これはしかしあなたのように長い目で見ればいつかはそういうものはなくなるというのは、国民の批判の前に遂に屈伏するだろうというようなことを言っている問題じゃない。議会政治というものはほんとうに尊重されるということのたてまえに立ったら一刻も早く、そういう状態から抜き出なきゃならない。これは与党、野党の両方が責任を感じてやらにゃいかねと思うのです。だからわれわれは言いたいことを言うわけです。悪いことは悪いと言って、面と向かって言うわけです。あなたたちのほうも受けとめて、確かにこれはおかしいと思ったことは、やっぱりやらぬほうがよろしい。特にそれは政権を持っているものは、その謙虚な気持ちがなくなったら、それはたいへんだと思う。そう考えますと、私は、あなたのこの所信表明というものを見て、いささかやっぱり足りないと思う。それにもってきて、また、中教審の答申というものについて、私はまあこれもまたなっておらぬと思うのです、正直言って。たいへん宣伝はよかったのですけれども。しかし、これは口の悪いおまえだからそんなこと言うんで、ほかのものはみんなそうかというと、そうでないんですよ。あの当時のとにかく新聞の論評みんな見てください。新聞の論評にもいろいろありますけれども、その中にやっぱりどんなゆるい目であれを批判したものでも、つぼはやっぱりちゃんと押えていますよ。そのことをどう一体あなたたちは受けとめて実際に教育改革をやろうとするのか、これについては非常な不安感を持っています。しかし、まあそれは今度矢面に立てた法律案が出てくればわれわれはやっぱり反対するものは反対してやりますけれども、私は、反対した、やれ強行突破した、そういうことの連続というようなことが何の一体国民のためにプラスになるのか、日本の教育の前進に一体どんなあれになるのかということをそろそろ考えるべき時期にきたと思いますので、まあきょうはこの点で、やめます。やめますが、ひとつ十分お考え願って、やっぱりぐあいの悪いことは、提案されても改めることは改めたほうがいいのです、私はそう思う。そのことを申し添えます。
 それからひとつ、あまり長時間にならぬようにやりますが、あなた日本教職員組合に対して、政府の反対集団だとかというような発言をなさったんだね、これはどういうことですか。この政府の反対をする団体だというのは、政府に反対する団体だとかなんとかいうようなことをおっしゃって、あとで何か苦しい言いわけみたいなことを言っていらっしゃるようだけれども、これはどういうことですか。日本教職員組合というものをあなたはそういうふうにお考えになっていままでもやってきているし、これからもやるつもりですか、これはどうですか。
#72
○国務大臣(奥野誠亮君) ちょっといま正確に覚えておりませんが、衆議院の文教委員会で、それに似通ったお尋ねがありましたときに、日本教職員組合が配っておられるビラを読ませていただきました。それは政府とか文部省に顔を向けた教員をつくろうとしているという非難でございました。それに対しまして、政府、文部省のこうやることに対して、先生方がいろいろ批判をされる、それはけっこうだけれども、政府なり文部省なりの話を聞くことが何か間違ったような感じを持っておられる、こういうところが読みとれたのだったらそれはやっぱり間違いじゃありませんか。憲法の前文にも、「権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し」と書いてある。その国民の代表が政府なんですよと、昔の官僚内閣じゃなくて、国民が選んだ内閣なんですよと、そういう点についての理解が、私はこういうビラを見ますと十分でないように思いますと、こういう応答をいたしました。そのことじゃないかと思います。
#73
○小林武君 あなたはやっぱりあれじゃないですか。日本教職員組合というものに対していま弁解みたいことがありましたけれども、やっぱり持っているじゃないですか。私はそう思うのは、あなたいろいろなことを、言を左右にしてまず会ってないのですわね。私は筋から言って、いろいろな法律をたてにとっていえば、一体会わなきゃならぬ理由どこにあるというような言い方できるかもしれない。しかしながら、初等教育から幼稚園から、もうとにかく大学までの教職員を網羅した一つの集団で、六十万とか六十何万とかという一つの教師集団がある。それらのものの一体教育上の話、もちろん教育上の話の中には教員の待遇の問題もあるでしょう。いろんな問題も持ち込まれて、そこで話をするということを拒否しているというのは、あなたおかしいと思うんだね。忙しいとか忙しくないとかね、一体どれほど忙しいか知らぬけれども、それもまた仕事の一つ、重要な仕事の一つだと私は思う。それから大臣によっては簡単に会う方もある、最近は。私のときは九年間もさっぱり会ってくれなかったけれども、そういうあれもある。中には大臣が日教組の教研集会を見に行こうと言ったら、そでをつかんで離さなかった官僚もいる。それは大臣から、その大臣から聞いたんだから間違いないでしょう、御本人から聞いたんだから。そういう関係というものはなくするべきだと思うんですよ。どうしてあなたは会って一体、それはいけぬですよ、あなたと考え方が違った場合には、いやおれはそう思わぬというようなことは、その場で幾らやり合ったっていいと思うんですよ。それから教師のほうからも文部省のやり方について、これはとにかく反対ですというようなことを言ったからって無理におこることはないと思う。どうして反対しているかということを確かめて、そうして両者でとことんまで話し合うということ、そうしてそれがなかなか一ぺんで解決できないというようなことがあったってこれしかたがない、民主主義の世の中で時間かけなくちゃいかぬのですから。そういうあれをどうしてあなたは拒否するんですか。その前の方はよく会われた。その会わないというところにあなたが日教組をどうこうするという、とにかく反対集団であって、これにはとにかく相手にならぬのだと、こう言っているんじゃないですか。そういう考え方があるんじゃないですか。
#74
○国務大臣(奥野誠亮君) 私は、十二月の末に文部大臣を拝命したわけでございますから、まだ四カ月余りしかたっていないわけであります。私はたびたび申し上げておりますように、教育の基本は教師にあるし、文部省は教育の諸条件を整備する使命を負っている。したがって、教員なり教員の団体と文部省とがお互いに協力し合っていかなければ日本の教育の振興はできない。にもかかわらず、私が文部大臣になりましたときから日教組に会うのか会わないのか、こんな話ばかり聞かれる。どこにそういう姿になったのかお互いよく検討して本来の姿に戻したいものだということを言い続けてまいりました。その後日教組から会いたいというお話がございました。先にしてもらいたいと、こう申しました。それからストの指令が行なわれましたころに、こういう際だから会ったらどうかというお尋ねも伺ったわけでございます。その際私は、私のほうから会いたいと申し入れる意思はありませんと、文教三法案の撤回とか粉砕とか言っておられるけれども、この法案は国会に提出されて審議をしていただいている最中だと、私がそういう注文を受けたところでどうにもしようのないことだし、それはやっぱり政治のルールに従って解決されるべき問題じゃないでしょうかと、こう申し上げたわけでございます。それがざっくばらんのいままでの経過でございますが、私は率直にお互いに話し合うべきだと、何かかみしもをつけて話し合うという性格のものじゃなくて、お互いに協力し合う団体と文部省でございますから、積極的にざっくばらんに話し合う機会を多く持てば持つほどいいのじゃないかと、こういう気持ちを持っておるわけでございます。
#75
○小林武君 そういうことをしかしあなたのいまの言い方聞いてても、法律案に反対だからというような意見を持っているんなら会う必要ないという考え方自体もおかしいと思うんですよ。それは反対もあれば賛成もあるだろう。それが反対があるからこそ会うべきだと私は思う。そういうことをどうにもしようがないとかなんとかいうそのことを言う前に、会って一ぺん意見を聞く、両方で議論してみるというようなことを私は避けるというようなことは、あなたはやっぱり日教組というものに対して一つの偏見を持っていることは間違いはないね。これはもうやめてもらいたいね、そういうことね。それは文部大臣になってそんなこと言っているのはもうはやらない。
 それに一つ申し上げておきたいのは、質問といっても、これはこの間の与党の質問に関連してですけれども、この沖繩の問題についてこれは一つだけ聞いていただきたい。この間入学の手続の問題でたいへんここで議論された。その議論の際に私は聞いておったんですが、これは初中局長でいいが、初中局長、あそこの教員組合は組合としてはどの組合も手続について反対するというようなやり方をとったんでないということ、機関としてはそういうあれはないというふうに私は聞いているんだけれども、あなたはどうですか。
#76
○政府委員(岩間英太郎君) それはそのとおりでございます。
#77
○小林武君 そうでしょう。そこである組合の、ある組合というのはコザの何とかいう、名前はちょっと忘れましたが、組合の青年部と婦人部だということ、その問題で私は一つやっぱり重要なことが沖繩の人間でないものに忘れられておると思うんですよ。私は、最近何か朝日新聞に出た琉球学だか沖繩学だか、唱えたある学者のあれをちょっと、どこかの大学の先生の記事を読んで非常に私は考えるところがありました。その先生はとにかく幕藩時代からの沖繩に対する猛烈な鹿児島薩摩藩との関係、まあ奴隷なんていえば奴隷みたいな存在だったというようなことを、それからどう脱却するかというあれが琉球学か何かのことのあれだということを書かれている。私は、やはり幕藩体制から今日に至るまでの沖繩というもののなめてきたさまざまなことを、これを理解しないで私は一がいに沖繩のあれを批判するというようなことは、これは同胞としてやることじゃないと思うのです。私はまあ沖繩へ前の国会のときに行ったんですね。前の国会のとき、あれは補正予算を組むときの国会の前に行ったんですかね。行ったときに、私は非常に強く感じたことは、ほんのわずかのポスターですけれども、沖繩の祖国は日本でないというポスターが張られていた。私はいまの琉球学に対する一つの批判というものがいま起こっているんだそうですけれども、いわゆるそういう一つの考えが持たれるほど沖繩には長い長い一つの本土との関係ができ上がっているということを理解しなきゃいかぬと思うんですよ。しかもどうですか一体、戦時中はあそこでたくさんの人間が死に、非戦闘員までその中に巻き込まれて、また同胞の兵士がそこで殺される、今度は、戦後これが終わったと思ったら二十五年間異民族の支配の中に置かれている。そしてコザというようなところへ私行ってみて、これはもう日本じゃない、アメリカみたいだなと思うほどの安普請のいかにも退廃的な気分のするような町ですわ。その中で私は婦人と青年が怒ったということはアメリカの進駐によって、アメリカの占領下の中において、そうして目の前に見せられた婦人やあるいは青年というものがどれほど義憤を感じたか。退廃していく自分の仲間というようなものを見てどう感じたかということ。そうして今度日本に復帰になってやれやれ今度は復帰のあとにようやく平和の日本、基地のない、異民族の支配から免れたというようなそういう新しい環境ができるかと思ったら、これがまたその夢が自衛隊のあれによって依然として沖繩というのはアジアにおけるところの一つの重要な戦略的な立場を維持させられておる。こういう不信感、長年にわたる積み重ねられた沖繩人の怨念みたいなものが一挙にやはり解消することができないということです。そのことを私は理解しないで、あまり非難攻撃に重点を置いてやるというようなやり方は、これはほんとうの政治ではないと、こう思うのです。どうですか、大臣も今度の国体で、あなたは自衛隊の参加についてかれこれ言うた。そのことは、あなたはあなたの立場で言っても、地元の新聞見ても、かなりなことがあったらしい。ついに自衛隊のあれは、やじられて負けたというようなことを新聞に書いておったのを私は見たんですが、言ってみれば、そういう心を一体どうして静めるのかという問題の手当てを講じないでいくというところに、性急さに私は問題があると思うのです。だから、責めることは責めればいいというようなやり方、沖繩をほんとうによく知らないでやるというようなことは、これは政治をやる者の慎しまなければならぬことだと思うのです。大体、本州のことを内地なんと言うようなところは一われわれも内地内地と言った。しかし北海道の人間は、あまり内地なんかと言ったところで、これは、われわれ外地にいるとも思っていなかったし、北海道にいるからとにかくわれわれはどうだとか損したとかなんとかあまり考えたこともない。しかしながら、沖繩の人たちというものは、私は、これは容易ならぬ苦労をほんとうに何百年にわたって、一つの学問としてあれができるほどのそういうあれを持ってきているということをやはり理解しないといかぬと思うのですが、文部大臣として、沖繩の教育行政というものを見る場合においても、そういう考え方が十分あるべきが至当だと私は考えるのだが、ひとつ感想を承って、私の持ち時間の二時間を終わりたいと思います。
#78
○国務大臣(奥野誠亮君) 沖繩の人たちの感情をよく理解してものを進めていかなければならないということは、全く同感でございます。やはり本土の人たちの立場と、沖繩の人たちが今日まで歴史的に置かれてきた事情との間には非常な違いがあると思います。したがって、そこはよく理解してかからなければならないと思います。いま佐賀の自衛隊の野球チームのことにお触れになりました。私が開会式出席のために沖繩に参りまして、マスコミ関係の方々とお目にかかったときに、まっ先に自衛隊問題の質問でございました。沖繩の人たちの感情を理解できるかというお尋ねがございましたから、理解できますと、だから国体を開くか開かないかをきめるときに、最初のときに十分に論議しておかなければならなかった問題ですよと、この問題が起こってから、それじゃ国体を中止するかということになると、この段階で中止したら大混乱が起こる、自衛隊が参加することによって起こる混乱よりもはるかに大きな混乱が起こるから、あえてやらしてもらうのだ、いろいろな考え方があることはわかるけれども、その一つの考え方をみんなに押しつけなければがまんできないということでなしに、ひとつ成功させるように協力してくださいよというような話も申し上げたところでございまして、今後のいろいろな教育上の諸問題につきましても、やはり沖繩の特殊な事情というものをよく踏まえて考えていくようにいたします。
#79
○政府委員(岩間英太郎君) 先ほどお尋ねのございました教職不適格者の数でございますけれども、四十六都道府県の公立学校の先生方で六千三百五名でございます。
#80
○小林武君 それではもう一つちょっとやらしてもらう。それがわかったら、それらが一体恩給とか、何とかでどのぐらい損しているのか。それは私はたくさん聞いているんです。そういう、自分の意思によってやめたわけでも何でもない、そしてそのやったことがどうかというと、何か罪を犯したということです。確かにそれは教育上のいろいろな誤りであったかもしらぬけれども、やめてから退職金の問題とかなんとか、いろいろな問題が起こっているんですが、これに対する一体救済のしかたというのはないのか、どうなんです。
#81
○政府委員(岩間英太郎君) その点につきましては、私も十分承知しておりませんので、調査いたしまして、また、お答えをさせていただきます。
#82
○小林武君 大臣、そういう問題についてはどうなんですか。あなたの考え方としては、それはやむを得ないと、こう考えているか。復職に至る間に何年間も抜かされちゃっているわけです。それも極端な何であったなら別ですけれども、そうい者がいま老齢になってから非常なあれを感じている。そういう点について、私はやっぱり国がある程度の、その部面だけの責任だって負うべきだと思っているんですがね。
#83
○国務大臣(奥野誠亮君) たいへん大きな問題でございますし、教育界だけの問題じゃございませんで、全分野にまたがる問題でございますので、これこそほんとうに国会の問題として検討されるべき問題じゃないかと、こう思いますし、私もなお勉強させていただきたいと思います。
#84
○委員長(永野鎮雄君) 本件に関する質疑は本日はこの程度にとどめ、午後一時二十分まで休憩いたします。
   午後零時十七分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十五分開会
#85
○委員長(永野鎮雄君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
 女子教育職員の出産に際しての補助教育職員の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 発議者から本法律案の趣旨説明を聴取いたします。鈴木美枝子君。
#86
○鈴木美枝子君 女子教育職員の出産に際しての補助教育職員の確保に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨説明をいたします。
 ただいま議題となりました女子教育職員の出産に際しての補助教育職員の確保に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容を御説明申し上げます。
 去る第四十六回国会における本法の一部改正によって、女子の実習助手が法の適用対象に加えられ、国立及び公立の小学校、中学校、高等学校、盲学校、ろう学校、養護学校及び幼稚園に勤務する女子教育職員のすべてが、この法律の適用を受けるに至りました。その結果、いまや、学校教育の現場に勤務する教職員のうち、ひとり事務職員のみが本法の適用のワク外に置かれることになりました。
 事務職員は、その名称の示すとおり、学校の事務を担当しておりますが、その事務の内容は、文書の起案・整理、職員給与、共済、物品・教材の購入等をはじめとして、統計作成事務、学校給食事務、施設、設備の管理事務などきわめて多方面にわたり、先生方の教育活動と相まって学校運営を有機的・一体的に進めるために重要な役割りを果たしております。
 したがいまして、たとえば、女子の事務職員が一人のみという学校で、本人が出産のための休暇に入った場合、その仕事はすべての教育職員に肩がわりされることになります。ところが、教育職員は、元来そのような事務に不なれなため、病院あるいは自宅で休んでいる事務職員のまくら元へ仕事のことでいろいろと聞きに行くこととなり、本人は事実上、安心して産休を完全にとれない状態であります。また、他面では、学校事務を教育職員が分担させられることにより、教育面では手不足を生じ、その正常な実施が阻害されている事態も見のがしてはならない重要な問題であると思います。
 ところで、事務職員の男女別割合を見ますと、女子事務職員の占める割合は、幼稚園で六〇%、小学校で六九%、中学校で五入%、高等学校で四四%、特殊教育諸学校で七〇%という高率であり、国公立のこれらの学校に勤務する女子事務職員の総数は約二万九千名であります。これら多数の女子事務職員は、さきに申しましたように、その出産に際して、代替職員の臨時任用制度がないために、その大半が労働基準法で保障された産前六週間の休暇がとれない状況であります。
 このような不合理な実情を改め、かつ母体及び生児の保護と教育の正常な実施を確保するために、県はそれぞれ独自な形で代替事務職員を置くことを認めざるを得なくなってきているというのが今日の実態であります。最近私どもの調査したところによれば、代替職員の予算措置を行なっている県は約二十四県に及んでおりますが、これは、当然すみやかに制度として全国に及ぼすべきであると考え、ここに本改正案を提出した次第であります。
 次に改正の内容としては、第一に、法第二条第二項に新たに「事務職員」を加えております。これによって、女子の事務職員の出産の場合も補助職員の任用が可能になります。
 第二に、法の題名及び本則中の「女子教育職員」を「女子教職員」に改め、「補助教育職員」を「補助教職員」に改めております。これは、従前、本法の適用対象とされていた者が、教育に直接的に携わる「教育職員」に限られていたのに対して、今回、事務職員を加えるために、その字句を教育職員と事務職員の総称である「教職員」に改めるものであります。
 なおこの法律は、実施のための準備期間の必要性を考慮して、公布の日から起算して三カ月を経過した日から施行することといたしてあります。
 何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#87
○委員長(永野鎮雄君) 本法律案の質疑は後日に行なうことにいたします。
    ―――――――――――――
#88
○委員長(永野鎮雄君) この際、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案審査のため、本日、参考人として日本住宅公団理事上野誠朗君の出席を求めることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#89
○委員長(永野鎮雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#90
○委員長(永野鎮雄君) 次に、義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から本法律案の趣旨説明を聴取いたします。奥野文部大臣。
#91
○国務大臣(奥野誠亮君) このたび政府から提出いたしました義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 現行の義務教育諸学校施設費国庫負担法は、昭和三十三年に制定され、公立の義務教育諸学校の施設整備に対する国の負担制度について定めているものでありますが、以来、政府は、この制度のもとに、鋭意、義務教育諸学校施設の整備につとめてまいったのであります。
 しかしながら、屋内運動場等学校施設整備の現状及び大都市周辺地域における児童生徒の急増現象等の社会情勢の変化にかんがみ、現行制度にはなお改善すべき点があると考えられますので、今回、所要の改正を行ない、もって公立義務教育諸学校施設の一そうの整備充実をはかろうとするものであります。
 次に、法律案の内容について御説明いたします。
 まず、第一は、義務教育施設の整備を一そう促進するため、公立の小学校における屋内運動場の新築または増築に要する経費についての国の負担割合を、現行の三分の一から、中学校の場合と同様二分の一に引き上げることといたした点であります。
 第二は、児童または生徒が急増している地域における義務教育施設の整備を促進し、関係市町村の財政負担の軽減にも資するため、政令で定めるところにより文部大臣が指定する地域にある公立の小学校または中学校の校舎の新築または増築に要する経費について、昭和四十八年度から昭和五十二年度までの間、国の負担割合を現行の二分の一から三分の二に引き上げることといたした点であります。
 最後に、この法律の施行期日を、昭和四十八年四月一日からとし、昭和四十七年度以前の予算にかかる国庫負担金については、なお、従前の例によることといたしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、十分御審議の上、すみやかに御賛成くださるようお願い申し上げます。
 なお、便宜私から申し上げますが、施行日については、「昭和四十八年四月一日」とあるのを「公布の日から」と改め、「昭和四十八年四月一日から適用する」ことと衆議院において修正されております。
#92
○委員長(永野鎮雄君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は御発言願います。
#93
○松永忠二君 最初に、児童生徒急増市町村の昭和四十八年度の小・中学校の該当市町村の数、この数を四十七年、四十八年と数をひとつ報告していただきたい。
#94
○政府委員(安嶋彌君) 児童生徒急増市町村の数でございますが、その指定の基準につきましては、御承知のとおり、過去三カ年の児童の増加数が一〇%以上かつ五百人以上である場合、または五%以上でかつ千人以上である場合の市町村、これが小学校に関する指定の基準でございます。中学校につきましては、同じように、過去三カ年の生徒の増加数が一〇%以上かつ二百五十人以上であること、あるいは五%以上かつ五百人以上であること、これに該当する市町村が急増市町村ということと考えておりますが、こうした基準によりまして市町村を指定をいたしますと、四十七年度、小学校につきましてはこれが二百三十一市町村、中学校につきましては八十二市町村でございますが、四十八年度におきましては、小学校が二百四十八市町村、中学校が百三十一市町村ということになるのでございます。
#95
○松永忠二君 この児童生徒急増市町村の基準はいまお話しになりましたけれども、自治省で言っている人口急増市町村、国勢調査の結果によって五年間の増加率が一〇%以上であり、また五千人以上の増加の数を持つ市町村、こういうふうに規定している。これとこう比較をして、この基準について何か改善をしていかにゃできないとか、あるいは検討しなければいけないとかという、そういう考え方はあるのでしょうか。
#96
○政府委員(安嶋彌君) 私どもは学校施設を整備するということをその行政の目的にいたしておるわけでございますから、児童生徒の急増の状況というものを町村を判別する際の基準にいたしておるわけでございますが、自治省の場合は、教育上の問題だけではなくて、さらに広く保育上の問題でございますとかあるいは屎尿処理の問題でございますとかあるいはじんあいの処理の問題でございますとか、そうしたもっと幅の広い課題にこたえようということで、人口急増という指数基準を用いておるわけでございます。これはまあそれぞれ行政目的が違うわけでございますから、文部省といたしましては、学校施設の整備について児童生徒数を基準にするということで私どもいいじゃないかというふうに考えております。
 それから、なおその実態の問題といたしまして、人口の増加がありましても逆に児童生徒数が減少しているような町村もございますし、それから人口全体の増加が低いにもかかわらず児童生徒が急増しておるという町村もあるわけでございますので、私どもの行政目的からいたしますると、児童生徒数の増加を基準にするということでいいかと考えております。
#97
○松永忠二君 その場合、中学校の基準というのは、まあ、中学校の該当の市町村が非常に数が少ないわけですからね。何か自治省の関係でいうと、二百三十市町村が数えられて、中学校、今度ややふえたわけでありますが、中学校の状態を見て少しその数が少ないように思うのだが、中学校の基準についてはやはりこれでいいんでしょうか。あるいはなお検討する必要があるのか、この点どんなふうにお考えでしょう。
#98
○政府委員(安嶋彌君) 私どもは結論申しますと、一応これでいいというふうに考えておるわけでございます。過去二年間、今年度入れれば三年目になるわけでございますが、学校用地の補助につきましてこの基準をとっておるわけでございますが、この基準自体につきまして格別実行上の支障はなかったように考えております。
 なお中学校につきましては、先ほど申し上げましたように、増加の実数につきましては小学校の半分ということになっておるわけでございます。これは中学校の修業年限が小学校のまあ半分であると、それがそれぞれ学年進行で進んでまいるわけでございますから、そうした二分の一という実数をとっておるわけでございますが、最初に申し上げましたとおり、現行の基準で特に支障はないかと考えております。
#99
○松永忠二君 まあ、小学校の卒業生が即中学校の卒業生になっていくわけですからね。そういうふうになっていくとすると、何か少し、あまりに少ないから考える余地があるんじゃないかというふうな感じもしたわけですけれども、大体、これでやっていけるというお話でありましたので、なお検討するものあればひとつ考えてもらいたい。
 それから、人口急増市町村の財政状況、特に人口急増市町村とその他の市町村との普通建設事業の比較、それからまた普通建設事業の中で小、中学校の施設費の割合とそれから急増市町村とその他の市町村との比較、それと急増市町村におけるいま言った普通の市町村における地方債財政調達の状況とそれと義務教育施設との比較、比率の状況、地方債財源調達が急増市町村でどれぐらいの一般財源に対する比率を持っているのか。それは普通市町村と比較するとどのくらい多いのか。また、地方債財源調達の中で義務教育の施設債は一体どれくらいな比率を持っているのか。つまり急増市町村の中における小、中学校義務教育施設がどういうふうな財政的な重みを持っているかというそういう問題を明らかにするための数字です。
#100
○政府委員(安嶋彌君) 実は松永先生の御質問の全部にお答えする資料はただいま手元にはございませんが、大体の方向を示す資料がございますので、それについてお答え申し上げておきたいと思います。
 第一に、児童生徒急増市町村と全国町村の普通会計歳出総額の中における教育費の占める比率でございますが、児童生徒急増町村におきましてはそれが二三・四%でございますが、全国の町村におきましてはそれが一八・八%ということになっております。それから普通会計の歳出総額における普通建設事業費の支出割合でございますが、児童生徒急増町村におきましてはそれが四〇・三%でございますが、全国の市町村におきましてはこれが三五・六%ということになっております。それから住民一人当たりの小・中学校の建設事業費でございますが、児童生徒急増市町村におきましてはこれが約四千七百円ということになっておりますが、全国市町村の場合でございますと、これが二千五百円ということでございます。急増町村と全国市町村の財政負担の状況を示す指標といたしまして私ども手元に持っておりますのは以上の資料でございます。
#101
○松永忠二君 一部わかりましたが、自治省のほうにお尋ねいたしますが、いま一部出たのは、人口急増市町村とその他の市町村との普通建設事業の比較として急増市町村は四〇・三%である。それに対して普通の市町村はそれよりも五%低い。それから小・中学校の施設費は普通建設事業の中の二九・一%を占めている、一般の市町村はそれよりも一二%少ない、こういう数字が出たわけです。そういうことで見て、つまり人口急増市町村の普通建設事業は非常に普通の市町村より多く、その中で占めている小・中学校の建設費の費用は他の市町村に比べて一二%も多くなっているという実情がはっきりしたわけですが、地方債の財源調達が、急増市町村は他の普通市町村に比べてどういう状況であるのか、つまり地方債が一般財源のどのくらいを占めて急増市町村はあるのか。その中でまた義務教育施設債は一体何%、それは一般のいわゆる市町村よりもどれだけ多いのか、この数字をちょっと聞かせてください。
#102
○政府委員(森岡敞君) いま急に参りましたのでちょっと資料の整理が不十分でございますが、人口急増市町村とその他の市町村で、地方債現在高の一般財源総額に占める割合を四十六年度で見てみますと、人口急増市町村は九一・五%、その他の市町村は七四・八%という数字になっております。ただ、この中で義務教育施設債が幾らであるかという資料をちょっと私いま手元に持っておりませんので、その点につきましては資料を持ち合わせございませんので、必要でございましたら後ほどまた御報告申し上げたいと思います。
#103
○松永忠二君 これは、自治省がすでに法律をつくって何とか通そうというような気持ち、その中の中心が、相当大きなウエートを占めているのが義務教育施設ですから、そういう資料は的確に持っていなけりゃならぬと思うわけですが、私の手元にあるのは、地方債の財源調達は二四・一%で、普通の市町村より七%多い。義務教育施設債は地方債の中の三五・三%であって、普通の市町村よりも一二%多いと、こういう数字がある。つまり、たまたま一二%他の市町村に比べてみて普通建設事業の中の小・中学校の施設費も多いし、地方債の中における義務教育の施設債がやはり他の市町村に比べて一二%多い、こういうふうな状況は、いわゆる急増市町村における義務教育施設というものは非常な大きなウエートを持ち、しかも、それは借金で相当これをやってるという実情だという私たちは把握をしているんです。そこで、不足教室とその応急の処置は一体どういうふうになっているのか、この状況について一部ここに資料が出ていますね。きょう渡されたのですが、ここに社会増地域というふうな題目がつけてありますが、この資料でもけっこうでありますし、これらの市町村には不足教室というのはどのくらいあって、これは一体どういうふうに処理をされておるのか、その実情はどうなのか、これひとつお聞かせいただきたい。
#104
○政府委員(安嶋彌君) 社会増地域と申しますのは、先ほど申し上げましたような児童生徒急増地域だけではなくて、児童生徒が社会的な要因によりまして増加をしておる、そういう地域全体の数字でございます。概況はお手元にお配りしてあるようなことでございまして、四十七年度におきまして小学校の不足教室が七千九百三十二教室、それに対する応急的な対応の状況は、特別教室を転用しておるものが千四百三十二学級、いわゆるプレハブ校舎、プレハブ教室を建設をして対応しておるものが三千四百三十三教室、その他三千六十七教室ということでございます。
 中学校につきましては、四十七年度不足教室が千八百九教室で、その対応の状況といたしましては、特別教室を転用しているものが三百四十八教室、プレハブ教室で対応しているものが八百十三教室、その他が六百四十八教室ということでございます。その他と申します教室でございますが、これは注にもございますように、屋内運動場を間仕切りをしておるとか、あるいはすし詰め授業を行なっておるといったようなものを含んでおるわけでございます。
 で、この小中学校のプレハブ教室に対しましては、四十七年度予算におきまして約二千二百教室の解消をはかることにいたしたわけでございますが、その後、四十七年度の補正予算によりまして、約千三百教室の解消をはかることにいたしております。また市町村単独で解消をしたと見られるものが約五百教室ございますので、四十七年の五月一日のプレハブ教室四千二百四十六校のうち、ただいま申し上げましたような四十七年度の当初予算、四十七年度の補正予算、それから同じく四十七年度の町村の単独事業によりまして、約四千教室が解消されておるわけでございます。したがいまして、四十七年の五月一日にございましたプレハブは、大体まあ解消されたわけでございますが、実は、その後新たにプレハブ教室が増加をいたしております。その数が約二千五百教室というふうに見込まれておるわけでございます。したがいまして、四十八年度の当初におけるプレハブ教室といたしましては、約二千七百教室が依然として残っておるということでございますが、これに対しましては四十八年度予算におきまして早急に対処してまいりたいというふうに考えております。
#105
○松永忠二君 その社会増と急増市町村という関係、一体、この社会増の中で急増市町村というのはどのくらい入っているんですか。社会増の基準は一体どこをもって社会増の基準としているのか。
#106
○政府委員(安嶋彌君) 社会増と申しますのは、これは児童生徒が一人でも増加いたしました市町村を社会増町村というふうに私ども考えておるわけでございますが、四十七年の五月一日現在の数で申し上げますと、社会増町村の数は、小学校につきましては五百四十一町村でございます。そのうち児童の急増市町村は、先ほど申し上げましたように二百四十八市町村ということになります。
 それから中学校につきましての社会増町村の数は四百二十三市町村でございまして、そのうち中学校生徒の急増市町村に該当いたしますものは、先ほど申し上げましたように百三十一市町村でございます。
#107
○松永忠二君 まあ、この社会増ということばを使ってけっこうだけれども、要するに、一人でも多くなればその社会増だと、こういう話ですからね。そうすると結果的には不足教室の全体ということになってくるわけですね。そうすると社会増地域の小中学校の不足教室とその応急措置状況といってみたところが、結果的には不足教室というのは一体どのくらいあるのかという統計ですね。そうなってくると、急増市町村は一体この不足教室が幾らあって、そしてそれはどういう特別措置をしているかという状況がわからないと、率直に言ってこの急増市町村の対策が十分できているかできないかということがわからぬわけですね。だからそういう資料はあるんでしょうね。
#108
○政府委員(安嶋彌君) 児童生徒急増市町村だけの不足教室数は実は数字を持っておりません。けれどもただいま申し上げましたように、社会増町村の相当な部分がこの児童生徒急増町村に該当するわけでございまして、町村の数から言いますとさほどでもないような感じがいたしますけれども、児童生徒数の増減数から申しますと、社会増町村における過去三カ年の児童の増加数は約七十一万でございますが、そのうち約九割がこの児童の急増市町村でございます。七十一万のうち六十三万が児童の急増町村でございます。同じく中学校につきまして過去三カ年の生徒のいわゆる社会増が約十四万四千ございますが、これまた、その大部分である十二万六千が中学校生徒急増町村における増加数ということでございますから、町村の数で申しますと社会増町村の中におけるこの急増町村というものは少ないようでございますが、この不足の実態から見ますと、この社会増地域の小・中学校の不足教室の大部分が児童生徒急増町村における不足教室数であろうという推定はできるわけでございます。
#109
○松永忠二君 この点が少しあいまいでしてね。一般の人の理解というか、われわれも社会増と急増市町村という地域と二つあるわけですから、統計なんか出てきても、明確に急増市町村としてどれだけ不足しているのか、いわゆる社会増の基準がどこにあるのかという点で非常に不明確なんですね。急増市町村といえばいわゆる基準が明確になっているけれども、社会増というのは別にどこに基準もないし、要するに、社会増地域といって見たところが結果的には小・中学校の不足教室とその応急措置状況ということばで足りるわけでしょう。そうじゃないんですか。
#110
○政府委員(安嶋彌君) そこのところがちょっと違うかと思いますが、社会増地域と申しますのは、先ほど申し上げましたように児童生徒が増加した町村における不足教室でございますが、増加していない市町村におきましても不足教室あるいは不足坪数というものはこれはあるわけでございます。ですから全体の不足が社会増地域の不足と同じであるということにはならないかと思います。
#111
○松永忠二君 そうすると逆にまた全体の小・中学校の不足坪数、不足教室は幾らあるのか、一体それはどういうふうな応急措置をしているのかといういわゆる資料がほしくなるのですね。だからわれわれが問題にするのは小中学校の一体不足教室はいまどのくらいあって、それはどういう応急措置をしているだろうかということが一つ。あなたのおっしゃっている社会増いわゆる生徒がふえるためによる小中学校の不足教室の坪数と応急措置状況はどうなっているだろうか、その中で急増市町村といわれる地域の一体不足教室はどのくらいで、それがどういう応急措置がされているかというこの三つがないと実はわからぬわけですよ、現実に全体の展望が。だからそういうのはいまここで資料すぐ出せと言いませんけれども、この三つのものがないと実はわからないし、いわゆる急増市町村の不足教室と応急措置状況等から考えてみて、もう少しこの急増市町村の拡大を考えなきゃならぬし、これのための法律措置が必要じゃないかと、自治省と文部省も考えておられると思うんでありますが、そういう点のひとつ根拠としても、そういうものがないとわからない。ただ、この中の大部分が急増市町村でございますと、こう言ってみても、実際、その数字はわからぬ。だから、三つのやっぱり段階の、全体で一体日本の小・中学校には不足教室がどのくらいあるのだろうか、それはどんなふうに措置状況をしているのだろうか、その中で、いま問題になっている社会増はどうなのか、その中で、また急増市町村はどうなっているのかという資料をやっぱり出してもらいたいと思いますね。これはあとで一緒に答弁していただければよろしゅうございます。
 その次に移りますが、急増市町村の小・中学校の校舎の補助を二分の一から三分の二にしたために、必要な所要経費の増加額というのは一体どのくらいあるのか。これを三分の二にしたために、一体改善の見通しというのはどういうふうになっているのか、どのくらい改善されると見ているのか、この点についての見通しと、それから数字的なものをひとつお示しください。
#112
○政府委員(安嶋彌君) 小・中学校の校舎につきまして、今回、従来の補助率二分の一を三分の二に引き上げておるわけでございますが、これに伴う補助金の増加額は、本年度の積算ペースにおきまして約七十七億円でございます。このことによりまして、町村の児童生徒急増市町村の財政がそれだけゆとりができるわけでございますが、同時にそのことによりまして、こうした町村におきまする不足教室の整備がさらに促進されるであろうということを期待をいたしておるわけでございます。
 二分の一を三分の二に引き上げたことによって、具体的にそれでは従来に比べて何教室の整備が進むかということにつきましては、これは今後の執行にも待たなければならない点でございまして、的確にこれくらいの教室の整備が促進できるといったような資料は遺憾ながら持っておりません。
#113
○松永忠二君 不足坪数、不足教室の資料はあとから出すのですね。
#114
○政府委員(安嶋彌君) あとから資料を差し上げたいと思いますが、手元に持っております……。
#115
○松永忠二君 いや、いいですよ。
#116
○政府委員(安嶋彌君) よろしゅうございますか。
#117
○松永忠二君 そうすると、これとはどういう関係になるのですか。その公立文教施設費予算の昭和四十八年の、前年度予算と比べてみて四十六億ふえておるわけですね、四十六億三千六百万、私どもは四十六億ふえたのだと思ったら、七十七億というのは、どこからこういう数字が出てくるのですか。児童生徒急増市町村公立小中学校施設特別整備事業費というのがありますね、九十八億六千六百万円であるのに七十七億このために増加した、そういう数字はどういう数字でしょうか。
#118
○政府委員(安嶋彌君) ただいま四十六億対前年度に対して増加しておるとおっしゃいまするその数字は、この土地の購入費に対する補助でございまして、土地の購入費は前年度五十二億円が今年度九十八億円ということでございますから、約四十六億円ふえておるわけでございますが、私がただいま申し上げました点は、小・中学校の校舎の国庫負担率を二分の一から三分の二に引き上げたことに伴って増加する金額ということで、七十七億円ということを申し上げたわけでございます。それは資料として差し上げてありまするものの一ページの小・中学校校舎というところをごらんいただきますと、小学校の校舎につきましては対前年度約九十七億円増加いたしております。中学校校舎につきましては、対前年度約二十七億円増加しておるわけでございまして、合計百二十四億円の増でございますが、このうち七十七億円がこの児童生徒急増町村に対する補助率、負担率のアップに伴う分であるということでございます。
#119
○松永忠二君 わかりました。
 そこで、その次にお尋ねをしますが、この人口急増市町村のつまり用地取得の費用というものが一体どういうふうな状況になっているのか、いわゆる用地取得費と――これは自治省のほうで聞かしてください。用地取得費と普通建設事業の中の用地取得費が一体どのぐらいな割合を占めているのか、そうしてそれは普通市町村と比べて一体どのぐらいな増加を示しているのか、その中で小・中学校の用地取得のための費用というのは一体用地取得費の何割を占めているのか、そうしてそれは一般の市町村と比べてどれだけ多いのか、それから用地の取得債に充当されている地方債は一体どのくらいな率を占めていて、そうしてこれは一体一般の市町村と比べてみてどれだけ多いのか、前の建設費と同じような関係で今度は人口急増市町村の用地取得費の一体状況はどういうふうになっているのか、これをひとつお答えをいただきたい。
#120
○政府委員(森岡敞君) 人口急増市町村の集計いたしました普通建設事業費が約八千二百十九億円でございまして、このうち用地取得費が二千五百五億円、したがいまして、その比率は約三割になっております。それ以外の市町村につきまして見ますると、この比率が約半分の一五・四%ということになっております。
 次に、用地取得費の中での小・中学校とその他の施設との比率をとって見ますと、小・中学校用地が全体の用地取得費の中で三七・二%に相なっております。これに対しまして一般の市町村では一五・四%ということになっておりまして、半分以下ということに相なります。
 次に、用地取得費に充当いたしました地方債でございますが、人口急増市町村の場合には五六・三%充当いたしております。一般市町村の場合には四〇・九%充当いたしております。
 おおむね以上のようなことになっております。
#121
○松永忠二君 これもまたいまお話しのあったように、普通の市町村の倍、倍の普通建設費の中の用地取得の費用、小・中学校の用地のためにその中で使われているのも他の市町村の倍である。そうして地方債についても用地の取得に使っている地方債が五六%であって、普通の市町村は四〇・九%だというようなことで、特にまた用地の取得が非常な大きな地方の急増市町村の財源を圧迫しているということは、そういうことから明らかになっていると思うのですね。
 そこで、文部省にお聞きいたしますが、急増市町村の用地費の補助額が百三十九億八百万円、一体、この計算の方法というのはどうして計算されているのか、一体、地方の負担はこの中で幾らを負担をしているのか、これをちょっと説明してください。
#122
○政府委員(安嶋彌君) この用地に対する補助の額でございますが、先ほど申し上げましたように、四十八年度は約九十八億円を計上いたしておるわけでございますが、その内容といたしましては、四十六年度の国庫債務負担行為の現金化二十億、それから四十七年度の国庫債務負担行為の現金化分三十二億と、それから新たに四十八年度に補助対象にいたしました百三十九億円の三分の一の四十六億円、これを合計いたしまして九十八億という予算を計上したわけでございます。で、四十八年度に新たに対象にいたしました百三十九億円の内容でございますが、面積といたしましては約三百九十七万平米、単価といたしましては、平米当たり二万一千円という積算で百三十九億円を計上しておるわけでございます。
#123
○松永忠二君 私が聞きましたのは、そういうものを、単価二万一千円の三百九十七万平方メーターの総額の中で、一体どれだけ地方が負担し、起債でどれだけ一体出しているか、こういう状況をもっとこまかくきちっと言ってください。
#124
○政府委員(安嶋彌君) この補助金でございますが、これは、町村が買収をいたしまする学校用地のうち、基準面積内のものまたは実際の買収面積のいずれか少ない面積と、それから単価といたしましては、土地の公示価格または実際の購入価格のいずれか少ない額、その面積と単価の相乗積に対しまして、二分の一は、これは一般町村と共通の財政負担でございますので、これを補助対象から除外をいたしまして、残りの二分の一につきまして、三分の一の購入費の補助をするということでございます。したがいまして、全体の購入費に対する補助金の割合は六分の一ということになるわけでございます。で、その他につきましては、これは起債による措置が行なわれておるわけでございまして、児童生徒急増町村のこの学校用地に対する地方負担額につきましては、九五%が地方債で充当されまして、その残りは地方交付税で措置をされる。それから九五%の地方債につきましては、その元利償還費について、後年度その三〇%が地方交付税で措置されるということになっております。
#125
○松永忠二君 私が聞いたのは、こういうことになるわけですね。つまり一平方メーターの単価が二万一千円だと、それに対して全体の予算の補助の対象になる面積は三百九十七万四千平方メーター、それのつまり三分の一の補助に対して、足切りとよく言われるが、それを二分の一にまたしてしまう、だから、六分の一の結局補助しか出ないわけです。その金額が百三十九億である。それがその百三十九億という数字になっている。それじゃ、あと残りはどうするのか。あと残りは結局六百九十五億四千万円あるわけですね。その中で三百四十五億起債を認めている。だから、市町村の自己調達の金額は三百五十億四千万ある、こうなっているわけですね。これで間違いないんでしょう、自治省のほうも。
#126
○政府委員(森岡敞君) 結論的に申しますと、いま御指摘の数字でございますが、そこに至るまでの過程におきまして、二万一千円の単価で約四百万平米という見込みで計算いたしますと八百三十五億円でございますが、その中で、従来から水田債という形でいわば土地の先行取得をかなり弾力的にやってきております。それで取得した分は、これは一応地方債の手当ては必要でございませんので、それを四五%程度と見込みまして、三百四十五億円の地方債の手当てを用意いたしておる、かような関係でございます。
#127
○松永忠二君 水田債のお話も聞いておりますけれども、結局その百三十九億八百万円急増市町村の用地費補助を出すけれども、これは結果的には三百九十七万四千平米の補助事業量の中の要するに六分の一である。
  〔委員長退席、理事楠正俊君着席〕
三分の一補助とは称しても、それは他の市町村との均衡という意味で五〇%足切りをやっているわけですね。これは去年は五六%だったのを五〇%にしたということだけれども、非常に高い率の足切りをやっている。だから三分の一補助と言ったって六分の一補助にすぎない、しかも、それは一平方メーター二万一千円というずば抜けた安い金を基準にしてやっているわけですね。で、地方はどうしてこれを負担しているのかというと、地方は六百九十五億出さなければできぬが、その中で起債で三百四十五億はやれるけれども、三百五十億四千万円は結局市町村の自己調達によらなければできぬということになっているわけですね。しかし、さっき最初に聞いたように、用地の取得費というのは非常に大きなウエートを市町村の財政に占めている、その用地費が実はこういうふうな始末であるという結果になっているので、これについては、全く改めていかなければいけない、改善をしていかなければいけない筋合いのものだと私たちは思うのです。この点について大臣は、こういうものをつくったほうの立場にかつてあったわけだけれども、この点について、改善の方法とか、そういうふうなことについて、どんな御意見を持っていらっしゃるでしょうか、お聞かせください。
#128
○国務大臣(奥野誠亮君) 人口急増市町村の財政負担を考えまして、三年前に初めて土地の購入に対しまして国庫補助制度の道を開いたわけでございます。国庫財政担当者としては、用地は重要な資産でもございますだけに、それに対しまして助成の道を講ずることについては非常にちゅうちょしたものでございますけれども、あえて踏み切ってくれたわけでございます。現在では資金面につきましては、残りの分について地方債を九〇%つける、同時に地方債につきましては、元利の三〇%を基準財政需要額に算入して、実質的にはそれだけ国から助成したと同じようなことになっているんじゃないかと思うのでございます。ただ、御指摘のように、国の助成も三分の一といいながら六分の一にとどまっているじゃないかというお話もございます。そういうこともございますので、今回の改正にあたりましては、単価の引き上げ、それから足切りの適正化、それから助成対象の拡大というようなことで改善をさせていただいたわけでございます。まあそれだけにしましても、関係の市町村としてはたいへん大きな問題をかかえているわけでございますけれども、若干の改善をさせていただいたと、かように思っているわけでございます。
#129
○松永忠二君 そのために念を押して前の財政のを一そういう点から考えると、私は自治省が通そうとしている人口急増市町村等における公益施設の整備等のための特別措置、こういうようなものができれば、法的な根拠があるわけですね、要するに用地補助についても。そして、この充当率についても相当な、話はあとでやりますが。高くなってくると思うんですよ。それからまた、非常な大きな圧力を占めておるわけなので、私たちはこれを的確なものにしていくためにもこういうふうな法律的な何か根拠というものをきちっとしていくということが非常に大事なことじゃなかろうか、そういう考え方が大事だろうと思う。しかも、急増市町村等における公共施設のというこれは、要するに、ちょうど過疎の特別措置の法律のように一つの整備計画を立てて、その整備計画に基づいてその中の一翼として公共のいわゆる義務教育施設が考えられて全体的に進んでいくという意味からいっても、私は市町村の自治を取り扱う自治省としてはこういう考え方に立つのは当然だ、その中の一つだけを抜き出してこういうふうにちょこっとやったんでは、なかなか実際問題として財源的に十分な手当てができないんじゃないか。それだから三分の一補助だと大げさなことを言っても六分の一だと、しかも、それは他の過疎地域における起債の充当率なんかよりはるかに低いものであるというようなことになってくると思うんです。だからこれを高めるという、改善をする必要があるという、そういう意味からもやはり何か法的なひとつものを考えていかなきゃいけないものだと思うんです。
  〔理事楠正俊君退席、委員長着席〕
そういうふうなことを特に強く感ずるわけです。
 そこで、なお少しお聞きいたしますが、一体、用地費補助の単価は一平方メーター二万一千円だと言っているが、これは急増市町村の地価公示額と比べてみてどうなのか。最低と最高をひとつ出してみてください。急増市町村の地価公示額とこの補助単価の二万一千円と比較したものを最低、最高でけっこうですから出してみてください、建設省。
#130
○政府委員(高橋弘篤君) 先生の御質問の御要旨は、人口急増市町村の中の地価公示額の最高と最低という御質問でございます。私どもの地価公示価格は、御承知のように市街化区域内のものでやっております。したがいまして、その中から入口急増市町村の中の住宅地について、最高と最低値を県別に拾ってみたわけでございます。これは各県いろいろございますので、資料として差し上げてよろしいんですが……。
#131
○松永忠二君 一番接近したところと離れているところをあげてください。
#132
○政府委員(高橋弘篤君) たとえば千葉県で申し上げますと、一番最高が一平米十万六千円、最低が一万一千円でございます。
#133
○松永忠二君 これは急増市町村で……。
#134
○政府委員(高橋弘篤君) はい。人口急増市町村の中の住宅地でございます。これは御承知の市街化区域内についての地価公示でございますから、既成市街地みたいなところも入っているわけでございます。これは市町村単位でとっているわけでございます。最高はしたがってそういう高いのは既成市街地についてのものが入っているわけでございます。市町村単位でございます。
 それから、たとえば神奈川県で申しますと、最高値が平米当たり十四万円、それから最低値が一万九千円というようなわけでございますが、なお御要望がございましたら、ここに各県別にございます。
#135
○松永忠二君 文部省のほうで急増市町村の用地取得の場合、一平方メーターの取得の価格は最高がどのくらいで、最低はどのくらいですか。平均はどうですか。
#136
○政府委員(安嶋彌君) 四十七年度の実績を申し上げますと、最高が八王子市の分でございまして約十三万六千円でございます。最低が川越市の分でございまして千二百円でございます。全国平均は二万一千百円でございます。
#137
○松永忠二君 そうすると全国平均をとったということになるわけですね。そうすると、いまその説明から言えば非常に妥当だということですか、その説明は。そういう感じを持っておられるのか、それはどうなんでしょう。
#138
○政府委員(安嶋彌君) 先ほど申し上げましたように、本年度の用地費の補助単価は、昨年度に対しまして三一・三%ということで二万一千円を計上したわけでございます。この数字がたまたまと申しますか、四十七年度の実績単価とほとんど同じであったわけでございます。したがいまして、私ども大体妥当な単価ではないかというふうに考えておりますが、しかし用地が実際問題としてなかなか入手困難であるというような事情も一方にございまして、かなり安い土地でなければ買えないというような状況が一方にございますので、本年度の単価は、昨年度の実績単価と同じでございますが、大体この辺で四十八年度落ちつくのではないかというような想定をいたしております。
#139
○松永忠二君 私は、おっしゃるようなことだとすると、だいぶ考え方が開きが出てきていると思うのですが、いわゆる地価が非常に急上昇しているし、それからまた今後ふえていくという市町村の急増市町村における用地の取得が困難だという点から考えてみて、二万一千円の用地費補助単価というのは非常に低いのじゃないか。現に関係の市町村ですね、あるいは知事会などでもこの用地費の補助単価をもっと上げてほしいという要望が強い。同時に、いま話の出ている実質六分の一ではぐあいが悪いという話が出てきているので、この二万一千円の用地費の補助単価を上げることについては、よほど私たちは積極的な意欲を見せなければ現実には改善できないのじゃないかと思っている。三一%ですか上げたとこういう話ですが、だから実際に相当上昇をしているという状況なので、たまたま平均が二万一千円になっているというお話ですけれども、これは実際の平均の状況を見ないとわかりませんが、相当やはりこれは単価としては低いのではないかという感じを持っているわけです。大体この辺でよかろうという考え方ですね、だいぶ差があるので、私たちとしてはそれはとてもじゃないがもっと改善に努力してもらわなければ困る、こういう考え方を持っているのです。いまお話しになったのは平均そうなるというものがあるわけですから、それをひとつ見せてください。現実に一体それが現在適用できるだろうかどうか、いまあなたが平均して二万一千円になるという数字がありますね、だからそういう数字のもとになる数字を見せてもらえば、現実にそれがいま適用はほとんどできないという状況なのかどうかわかると思うので、資料をひとつ出すようにお願いをしたい。
 そこで、そのほかに急増市町村の用地費の関係の財源的措置というのが流されているが、いま少し話が出ておりますが、そのほかに急増市町村の用地費の関係の財源措置としてどういうものがあるのか。これは文部省のほうからでもよければ、自治省のほうからでもよいからお話をしてください。つまり、元利補給あるいは交付税の中における元利償還金の問題。
#140
○政府委員(森岡敞君) 当初購入するにあたりましては、補助金を除きました地方負担分については、先ほど御説明申し上げましたように、地方債を九割充当いたします。その場合に、これも先ほど申し上げましたが、公共用地先行取得債とか水田債とかいう形で幾らかでも地価の安い時期に早く先行取得をしておくということを弾力的にやってまいっておりますので、そういうふうなものと見合いながら地方債の手当てをしているわけでございます。で、地方債でございますから当然元利償還が出てまいりますが、これにつきましては文部大臣先ほどお答えございましたように、地方交付税の基準財政需要額の中に償還金の三割を算入いたしまして財源措置をいたしておるわけでございます。
#141
○松永忠二君 この元利償還金を三〇%普通交付税で見ているほかに、四十年から四十五年の間の発行の用地債について六分五厘をこえるものについて利子補給をしている。これについては五十年度までで解消をするということで四十八年度に七億二千五百万円が計上されているということだと思うんですね。だから措置としてはこういう措置もあるというふうに、積極的にむしろあなたのほうからそればっかりじゃありません、こういうこともやっているというお話じゃないかと思うが、しかしこういうことがあったとしても、用地取得に対する問題点は解消できないというのが私の考え方です。それは一つは、いま話が出てきている一平方メーター当たり二万一千円の単価の問題、それからまたこれを足切り五〇%をやっているという問題、それから地方債の充当率というか、これが結局、地方負担の中の約半分です、三百四十五億、起債の対象に認められているのは三百四十五億で、市町村が自己調達し得るのは三百五十億であります。実際は、これはもっと低くなっている。三三・七%くらいだという数字を出しているところもあります。それからいま話の出てきた学校用地債の元利償還金の算入は三〇%である。ところが同じような関係にある過疎の問題について、過疎債と比較してこの過疎債の場合には一体どうなっているのか。地方債の充当率が一〇〇%で、また元利償還金の算入が七〇%になっていろということ、だから過疎地域対策緊急措置法という法律が議員立法でできて、過疎対策についてはいわゆる充実した方策が講ぜられて、そこでさっきまた話がもとへ戻ってやっぱり急増市町村等の特別措置法案というような法案ができていて、それで過疎について一応こうした財源措置が的確になされると同じようなことを人口急増市町村の場合にやってないと、過疎と過密という問題を議論し、特に過密の問題については力を入れていこうというこの際に、やはりこういうことをやっていかなければ不均衡になるのじゃないか。過疎債と比べていろいろいわゆるこうした問題についての差ができてくるのはそこに原因がある。やはり四十八年に何とか立法しようとして自治省が考えていたこの法律は必要なものだ、こういうことから考えてみても。単にこれは学校教育の義務教育施設にだけ言っているけれども、そのほか保育所からいろんな施設、ここに述べられている施設、それからそのほかいわゆる一つの整備計画としてこれを認めていくという中で、全般的に過疎の対策を充実をしていくということは非常に必要だと、こういうことを私は強く感ずるんですが、これについて自治省側の意見と、大蔵省あたりはこれについてどんな見解を持っているのか、この点をひとつ自治省と大蔵省のほうから聞かせてください。また、最後に大臣、こういうことについて見識を持っておられましたらあとで大臣にちょっとお考えを聞かせてください。
#142
○政府委員(森岡敞君) 人口急増地域の各種の公共施設の整備あるいは広く都市整備の問題、これは現在非常に深刻な問題になっておるわけでございますので、率直に申しますならば、やはり何らかの総合的な対策、立法を含めました措置が私どもは必要ではないかと、かように思います。ただ、その中身について考えますと、私どもの立場では単に財政的な面ばかりがおもに表面に出ておりまして、たとえば国庫補助負担率のかさ上げとか、そういう問題が出ておるわけでございますが、もちろんそれだけでは私は不十分だと思います。たとえば非常に新市街地が一挙にできるような場合を考えますと、単に補助負担率を上げただけではこれは片がつかないのでございまして、思い切った、たとえば建てかえ施工でありますとか、そういうものを考えていかなければならない。同時に、開発者と申しますか、の負担、デベロッパーの負担というものをもう少し明確にしていくというふうなことも必要であろう、そういうふうな問題を全部包含いたしました総合的な対策が必要であろうというふうな気持ちを持っておるわけでございます。そうなりますと、これは率直に申しまして非常にむずかしい、範囲が非常に広範になりますので、なかなかそれをまとめ上げるのはむずかしい、こういうことになるわけでございます。
 過疎対策との関係でございますが、実は人口急増市町村の用地補助、先ほど来お話がございました用地補助制度をつくりましたときに、過疎についても学校統合をやるのに用地補助をしてもらいたい、こういう話があったわけでございます。そこは、過疎地域は土地の値段もそれほど高くはないのだから、また統合をやる場合には、前の学校の土地を処分することもできるわけでありますから、それは必要はないのではありませんかという話をしたような経緯もあったわけでございます。必ずしも過疎対策といまの義務教育について申しますと、過密地域との間で、過疎に非常に手厚くなっており、過密に非常に手薄になっているということでは必ずしも私はないと思うわけでございます。と申しますのは、過疎の場合には用地費の補助はもちろんございませんし、学校統合の場合に国庫負担率を二分の一から三分の二に引き上げておるということでございます。過密の場合にはすでに今年度から三分の二、国庫負担率を新築全般について引き上げておりますから、この辺のところはおおむね過疎と義務教育に関しましてはバランスがとれてきておるというふうに考えていいのではなかろうか、かように思うわけでございます。
 過疎債の問題は、これは義務教育施設だけでなくて、全般的な公共施設の地方債にしついてこれは御承知のように、元利償還金の七割を基準財政需要額に算入いたしております。その点から申しますと、義務教育以外のものについて過密地域の措置がもう少し手厚いものがとれないか、こういう問題がさらに出てくるということではなかろうか、かように思います。
#143
○政府委員(辻敬一君) 急増地域の問題につきましては、私どもといたしましてもかねてからいろいろと配慮しているところでございまして、予算額の充実もはかってまいっておるわけでございます。
 施設につきましては、先ほど来御指摘をいただいておりますように、何と申しましても義務教育施設が中心でございまして、この小・中学校校舎の補助率を今回二分の一から三分の二に引き上げるということにいたしまして、ただいま御審議をいただいております法律案に織り込みまして、御提案申し上げているわけでございます。
 それから土地の問題でございますが、これは先ほど文部大臣から御答弁になりましたとおりでございまして、元来土地は地方公共団体の資産としてずっと残るものでございますから、土地の補助をいたしますのはいわば特例でございます。それを四十六年度から急増地域の施設整備の重要性にかんがみまして、特に特別措置として補助をいたしているわけでございますので、必ずしも法律で義務づけるような性格のものではないのではなかろうかという考え方を持っております。いずれにいたしましても、すでに四十六年度から実行でいたしているものでございますから、あえて法律に織り込むまでもないのではなかろうか、かような考えでおるわけでございます。
#144
○国務大臣(奥野誠亮君) 人口急増の市町村は単に財政だけじゃなしに、いろんな問題でたいへん御苦労になっていると思います。また、特別立法の問題も当該団体の立場から見ますと、それがたいへん好ましいことだと、こう思うわけでございます。ただ特別な措置をとりますと、ほかの関係の部分との比較の問題などが出てくるわけでございますだけに、国の財政担当の面から見ますと、若干問題もあろうかと思うのであります。そういうこともございますので、特に大きな問題は教育費だというようなことで、今回小・中学校についてかなり前進した措置を講じさせていただいたということでございます。
#145
○松永忠二君 それぞれお話しがありましたが、私は、これからあともう少し用地確保と、ここの問題をかねて、こういうものが必要だと私は思うんですね。それからまた、過疎対策とこまかく比べていけば、これは過密の対策が、今度ちょっと補助率が上がったりなんかした点は、おくればせながらそこへ持っていったのであって、過疎と過密がえらく差ができているという実態の上に立って持ってきたことは事実なんですよね。これはもう、それができた理由というのは、とにかく過疎の緊急措置法というのが議員立法でできたからですよね。そういう点から言えば、片方の措置についても、何も政府がやる気がないなら、それなら議員立法でもやらざるを得ないということになるわけです。われわれは、また、いま政府が、すでに、出しているようなものを、もう四年も五年も前に国会で提案をして、同じような措置をすべきだという法律を党としても出しておるわけです。だから、私はやはり、もう少し、単に学校は学校、ほかのものはものなんという考え方じゃなしに、総合的に、やっぱりさっき言った、急増市町村の財政を、めんどうを見るための措置というのは必要だと思う。そういう思想と差ができてきていることも事実だと私は思うんです。
 そこで、もう少し話を進めますが、一体ここに、さっきお話があったように、この法律案には、単に急増の、市町村だけじゃなくて、一定規模以上の宅地開発の行なわれたところも、市町村もこの中に入れたわけです。そのことを入れてるわけです。だから急増市町村の施設の問題が出てきているときに、これだけでは不利だということも、私たちからは言えるわけです。急増――ちょうど市町村の、自治省の考えている一つの案の考え方の中に、一定規模以上の宅地開発が行なわれたところをこの中に入れ込むという考え方を持っていたわけなんで、全然文部省がやってないということじゃありませんよ、いろんな点、その他あるにはあるけれども。そこで、私たちは大規模な宅地開発の行なわれている市町村、いわゆる社会増の激しい市町村の問題について、これはもっと配慮をしてもらわにゃ困るという点をお話し聞きたいわけです、考え方を。つまり今度の法律は急増市町村についてのかさ上げはやっているわけだけれども、別に、この自治省の考えているような、大規模な宅地開発の行なわれたところも同様措置をするということには、なかなかならないわけですが、そこでまず話としては、一体、過大学校というのは一体どうなっているのか。初中局長は来てるんですか。ちょっと初中局長聞かしてください。過大学校の状況について。それで一体適正規模基準というのは一体何か。どういうものを適正規模基準と定めているのか。この過大学校の状況についてひとつちょっと実情を言ってください。
#146
○政府委員(安嶋彌君) 学校統合の場合は、御承知のとおり十二学級ないし十八学級を標準的な適正規模というふうに考えまして、統合の事業を進めておるわけでございますが、ただいまお尋ねの過大学校ということでございますると、これは法令上、その他特定の定義といったようなものはなないわけでございます。かりに、小学校につきまして、三十六学級以上が過大学校だというふうに考えますと……
#147
○松永忠二君 人数で言ってください。人数のほうがわかるから、われわれには。何千人以上の学校と。
#148
○政府委員(安嶋彌君) 実はそういう資料が手元にございませんので、失礼でございますが、学級数で……
#149
○松永忠二君 初中局長のほうにありますよ、統計の基本調査に、学校基本調査報告書の中にあるでしょう。
#150
○政府委員(安嶋彌君) 千五百人から千五百九十九人までの学校――小学校について申し上げますと、千五百人から千五百九十九人までの学校が百六十九校、それから千六百人から千六百九十九人までの学校が百六校、千七百人から千七百九十九人までの学校が七十一校、千八百人から千八百九十九人までの学校が五十八校、千九百人から千九百九十九人までの学校が四十校、二千人から二千四百九十九人までの学校が四十三校、二千五百人以上の学校が一校ございます。
 それから中学の場合でございますが、千五百人から千五百九十九人までの学校が四十三校、千六百人から千六百九十九人までの学校が二十二校、千七百人から千七百九十九人までの学校が十九校、千八百人から千八百九十九人までの学校が六校、千九百人から千九百九十九人までの学校が七校、それから二千人から二千四百九十九人までの学校が七校、二千五百人以上の学校が二校。
 以上、申し上げましたのは、いずれも本校でございます。
#151
○松永忠二君 そこで私は、まあ一つの持論でもあるんですがね、学校統合というのは、そこに、適正な規模にするために統合する、そのために特に補助についても、屋内体操場あたりは二分の一という、ほかの、とこよりもよく補助をしているわけですね。その適正な規模にするためにということになると、私はこれは適正な規模じゃないと思うんですね。で、それじゃ適正な規模は幾らかと言ったら、学校統合の場合には、十二学級から十八学級だと。まあ四十五人に考えて、五百四十人から八百十人。前に文部省は、適正規模の学校は小学校幾ら、中学校幾らと、大体の数字を出していたんじゃないですか。いまじゃそんなことは全然出していませんか。一体、適正規模と考えられる基準は、小学校、中学校の場合に、どのくらいの人数なのか、これは文部省の考えている考え方をひとつ聞かせてください、初中局長。
#152
○政府委員(安嶋彌君) 先ほど申し上げましたとおり、学校統合の場合には、十二学級ないし十八学級という適正規模の基準を定めておるわけでございますが、学校教育法施行規則の十七条におきましても、それと同様に、「小学校の学級数は、十二学級以上十八学級以下を標準とする。ただし、土地の状況その他により特別の事情のあるときは、この限りでない。」ということを規定しているわけでございまして、事情によりましては、これをこえる学校がありましても、これはやむを得ないという考え方をとっておるのでございます。
#153
○松永忠二君 そうすると、大体あれですか、十二学級から十八学級が、統合のときに、やはり適正な規模だというから、文部省の考えている教育の面から考えてみても――単に、私、施設のことは聞いてるんじゃないんですがね、教育という立場から考えてみても、初中局長のほうで言っても、十二学級から十八学級が適正であろう。これは私がちょっと間違ったのか、交付税の積算の基礎になっているのは、いま学校規模は、小中学校の人数はきまっていると思うんですが、それで生徒数を割って、それを積算の基礎にしてやっていると思うんですが、これはどうなっていますか、自治省から。
#154
○政府委員(森岡敞君) 小学校が十八学級、中学校が十五学級です。
#155
○松永忠二君 十八と十五。小学校が十五で中学が十八、そうですか。
#156
○政府委員(森岡敞君) 逆でございます。十八と十五。
#157
○松永忠二君 十八が小学校で中学が十五。――そこで私はもう少しやっぱり適正規模にするという、統合で適正な規模にすると同じように、過大学校は適正な規模にするためのやはり努力をすべきではないかと思うんです。そのいまのお話で中学校で一体二千五百人から二千九百九十人までの学校が二校あるというのはどこでどういうために一体こんな大きな学校ができているんですか。小学校は何でこんなに大きな学級数を一体一校持っているんですか。何か特別な事情があるんですかね。それをひとつ聞かしてください、何かあるなら。
#158
○政府委員(岩間英太郎君) 具体的に調べる必要がございましたら調べなきゃいかぬわけでございますけれども、私の承知しております限りでは、大都市ではなくてむしろ中都市あたりでやはり用地の問題等がございましてなかなか分けにくいというふうなことで過大な学校ができているというふうに聞いているわけでございます。実際問題としまして、まあ伝統のある学校でございますと、分けて新しいところに行くか行かないかというふうなことが住民感情、その他から申しまして非常にむずかしいということもあろうかと思いますが、しかしながら、御指摘のようにあまり過大なものはやはりこれは各市町村におきましても十分気をつけていただきまして、特に過密地帯等におきましては学校の整備ということをはかっていただいておるようでございますので、それに対して私どももできるだけ協力すると、そういう方向で行くべきものだろうというふうに考えております。
#159
○松永忠二君 いまのように歴史的に二つに分けちゃどうのこうのなんて、そんなばかなことをやっている学校は私はないと思うんですよ。そうでなくて、結局みんな、私たちの調べたところでも急増市町村には入らないけれども、急増市町村に近い都市でどうしても学校用地が取得が困難だ、しかも非常に高い、分離をすれば余分に教室もつくらなければいけない。だから金がかかる。どんどん横へ、そこへくっつけて建てて過大学校ができちゃう。私は少しその感度がおかしいという感じがしますよ。この過大学校というのは初中局あたりでも苦にするという、これを何とか適正規模に持っていかなければいかぬと、こんな大きな学校で教育がやられていたんじゃ困るということで、千五百人以上の学校なんというのはやはりこれは日本の国では直さにゃいかぬ、そういう考え方が私は必要だと思うんですよ。もっといわゆる分難をして学校新設が比較的できると、そういうような状況をつくってやらなきゃできぬのじゃないか。そういう状態に実は日本の学校の中の市町村の中にある学校が相当ある。事実またそういう学校の生徒のいろんな状況を見てもなかなか十分な手が回らない。こんな学校は全く校長が職員の名前覚えるのになかなか容易じゃない。一つの一学年に中学校なんか十五人も二十人もいる。ちょうど一つの学校の学年が一学校に当たる。学年主任は特別な資料をいわゆる別に与えて、そして運営に当たらせている。実際そういう学校が幾らもあるんですよ。そこまでやれないんですよ。校長がみずからとてもじゃないが職員を掌握して十分な教育をすることができないもんだから、結果的には中学校あたりでは三学年ですからね。学年でいうと一つの学校以上のものを学年主任というかがやってるわけですよ。私は適正な規模にしなきゃできないから統合しなきゃいかぬという熱意と同じような形の中で適正な規模の学校に分離をしていかにゃ困る、教育の上で。こういう考え方の上に立ってどうしたら一体過大学校が分離をして学校の新設ができるかということを検討していく必要があるのじゃないか、今度は管理局のほうから言えば。そういう点について何かどこが支障になっているだろうかという問題を考えていかなければできない。そうでなければ、私は単に急増市町村の数がふえて、それに手当てをしたからそれで済むという筋合いではもういまないというように考えているわけですが、まずその点を少しずつ聞いていきますが、一体まず学校新設の状況はどうなのか。いわゆる過大学校の分離のために学校新設の状況は一体急増市町村についてはどうなのか。普通市町村においては学校新設というのはどのくらい一年にあるのか。この数字をひとつつかんでるのかどうか。
#160
○政府委員(安嶋彌君) 児童生徒の急増町村におきましては、過大学校を分離いたしまして新しく学校新設をするという事例がかなりございますが、実は、私ども面積で仕事をしておるものでございますから、学校数が何校あるかというお尋ねにはいまちょっとお答えしにくいわけでございますが、後刻また調査をいたしましてお答えを申し上げたいと思います。
#161
○松永忠二君 そういう点について実はわれわれはむしろ逆に議員の立場から市町村へ行って市町村の一体この過大学校を分離をしたい、新設をしたい、だけど一体それをスムーズにやるにはどういうふうな方法があるだろうかということを実はむしろ積極的に検討するという状況ですよ。まあ相当な市町村――町へ行けば全くこの状況ではとてもじゃないが学校教育できないという大きな学校が相当数ある。いま数を出しても一千人以上の学校というのは一割以上あるんですからね、一割。中学の場合は八%、この前の数字で。少し移動があるようですが、大体一割、一千人以上の学校がある。いわゆるあなた方からいえば適正規模でない学校があるわけなんです。その中には三千人近い学校もある。まず三千人の学校、この事情は何でそんなに大きな学校になっているのか、なぜこれは直せないのかということを指摘をしてするというぐらいなそういう指導というものがあってもいいように私は思うんですよ、いろんなことをおやりになっているんだから。だからこういうことを考えていくことによって教育を高めていくことが必要なのじゃないか。
 そこで一体、過大学校は分離をする、学校新設の場合の財政的措置はどうなってるのかという問題です。それでこれについては一体過疎の統合とどれだけ差があるのかという問題ですよ。これについては補助率の問題も一つあるわけですよね。で、まあ建物の補助は二分の一です。過疎統合の場合は三分の二でしょう。それから単なる学校統合、単なるいわゆる学校統合、過疎に指定されてない学校統合の場合でも屋内体操場については中学校、小学校は三分の一であったのがその当時からもう二分の一に補助率をしてあった。それから今度初めて結局、小・中二分の一になりましたから、今度はまあ大体これが平均するわけで、いままでで言うと、過疎統合の場合には三分の二の建物の補助がある。それからまた普通統合の場合でも、屋内体操場については特別措置がなされているわけです。ところが片方はやってもそういうことは全然何にもならない。また三年後の学級数による建物の用地について一体どういう起債の対象を考えていたかというと、三年後の学級数による建物面積の五倍の九〇%をいわゆる面積として考えて、それに対して起債を認めていった。これも私の計算で、少し関係者の人にも尋ねたところによると、急増地域の場合には、十学級で一万二千百七十七平方メートルが基準だそうですけれども、この計算によると、十学級で一万平方メーターしか、つまり起債対象には認められない。起債の対象になる学校敷地についても、結局この地域の過大学校が分かれる場合にそういう制限を持っている。そうして学校統合の普通統合の場合にはそれに対し実面積の九〇%の起債を認めているけれども、いま言ったような学校新設の場合には、言うとおり三年後の学級数による建物面積に五倍をかけて、それの九〇%を起債対象として認めていかないと、こういうことをやっている。もし間違っているなら私に教えてください。そういうふうになっているから、なかなか過大学校が分離をして新設するということができない。今度は急増地域についても比べてみれば、これはたいへんな違いですよ。急増地域の場合には、今度は三分の二になっているし、用地費には、いわゆる土地について三分の一、六分の一だけは補助ができ、起債がついてくるわけでしょう。それで、しかもいわゆる元利償還もついてくると。もっと、少なくも学校統合、普通のところへ学校統合すると同じような措置が、いわゆる過大学校の分離の場合に与えられていいのじゃないか。この法律を読んでみても、統合についてはなかなか詳しくいろいろ書いてあるけれども、そういう適正規模にする学校新設の問題については全然そういうものに触れてない。だからもう少し過大学校を分離して学校新設の場合の財源措置というものについて何らかの改善を加えるべきじゃないか。そういうことによって、教育的にも支障が出てきている、しかも現実的にプレハブでふやしているという状況を、そういうものも解決をさしていく必要があるのじゃないか、こういうことを私は考えているし、まあ前からよくこの点も主張して、われわれがかつて問題にしたころよりも前進してきたことは事実ですけれども、いままでわれわれの問題にしたころには、過大の学校は他のところに移る場合に不足坪数あるだけしか補助しない。要するに、一つのところに三千人がいて、三千人の子供の不足基準坪数の不足坪数しか、新しいところへつくっても、建物補助しない。それじゃ、校長室だって何だって、みんな全部自分が持たなきゃならぬ、用地もみんな買わなければいけない。これじゃ、分離できないんじゃないかと盛んに言って、いまは新設する学校ということにして、そういうふうな補助対象については新しい学校ができたという形の中で補助をしていくから、したがって、その補助面積についても非常な改善をされてきたことは事実なんですよ、従来よりは。しかし、それでもなおかっこういうふうな差があるわけです。だから私は適正な規模にするために学校統合をやれと、統合したならこういうことを協力をしようじゃないかと同じように、過大学校が分離をしていって適正な規模の学校にする場合には、国としてはこれだけのやはり協力をしてやる、だから少なくも二千人以上の学校はもうやめにしてくれと、ともかく一学級の生徒の数でさえもきちっと法律に規定をしているくらいなんだから、学校だってやはり私は適正な規模を、法律にはできないとしても一つの指導基準として持って、それについての指導の中で分離をして適正なものにさしていくという努力が必要だと私は思うのです。この点について、どうでしょうね、文部大臣、私はそういう点についてそんな考え方を持っているし、何とかしてこういうものをなくしていかなければいけないと思うわけで、ちょっと御意見を聞かせてください。
#162
○国務大臣(奥野誠亮君) お話全く同感でございます。今回、人口急増地域の学校建設につきまして小・中学校国庫負担率を引き上げさせていただきましたが、その際に私はこういう主張をしたわけでございました。過疎地域の統合の問題、これは教材等は二校にあるものが、片一方は要らなくなるのだ、ところが急増地域の場合には、分離をするので、新しく教材から何もかもつくり直さなければならない。片方は余ってくるところへ補助率を高めてあって、また急増地域については全く新しくつくり直さなければならないところで補助率が低い。これはやはり過疎地帯統合の場合に、国庫負担率を引き上げるのだから、人口急増地帯の小・中学校についても負担率を引き上げるべきだと、こういうような主張をしたものでございます。学校統合の場合もやはり教育的見地から統合するわけでしょうし、学校分離の場合も、教育的見地から分離をするのだろうと思うのでございます。現在人口急増地域についてはこれが分離について適用になります。そうでない場合については、別なそういう仕組みがないわけでございますので、ぜひ、教育的見地から分離を必要とする学校、分離に必要な建設費、それに対しまして何らかのやはりそれを誘導できるような助成の措置をくふうすべきじゃないかと、かように考えるわけでございまして、全く同感でございますので、そんな方向を将来の問題として十分考えさせていただきたいと思うのです。
#163
○松永忠二君 そこで今度は、もう一つ一歩前進して、人口急増市町村における公共施設というような、法律の中には、さっき言ったように一定規模以上の宅地開発が行なわれている市町村をも特別措置の対象としている。これはその代替案としては十五ヘクタール以上の宅地または五百戸以上の住宅建設が実施されている市町村を大体考えている。この市町村がつまりいわゆる一〇%と同ように急増市町村として中に入れてやっていこうとしているわけです。事実、現在の宅地造成というのは、団地造成というのは、実は公団の団地造成の数よりもむしろ民間のいわゆる造成のほうが多いわけですね。ここに自治省が団地進出の状況というものについて出した資料がありますが、これは急増市町村の調査でありますが、公団が三万八千七百二十七戸に対して、民間が八万二百二十四戸、で、昭和四十八年から五十二年までの見通しとして、公団が二十四万一千五百二十五戸つくるだろうというのに対して、民間は四十一万七千九百六十五、結局、つくるという、つまりいまや公団、住宅供給公社、都道府県、市町村というものと比べてみて、民間のいわゆる団地というのが非常に多くなってきている現状にあるわけです。したがって団地ができたために、その一定規模以上の宅地開発が行なわれて団地ができているために学校を新設しなければできないという状況が非常に出てきている。しかも、いま住宅公団の方も来ておられますけれども、住宅公団については宅地開発の住宅建設、住宅金融公庫の宅地融資を受けたもので三十三ヘクタール以上の宅地、一千戸以上の集団住宅については五省協定を結んで、結局これを対象にしているけれども、これでは不備じゃないか。五省協定があるからなんというようなことは言っちゃいられないということなんですよ、実は。民間のいわゆる団地形成がうんと進んできてしまっている。したがって、単に人口急増市町村の対策をしただけでなくて、自治省が考えてたように、その急増市町村の中には宅地開発の大規模が行なわれる市町村も入れ込んで対象にしているように、この対象をもっと広げる必要があるのじゃないかという――広げると言っても、だんだん数が多くなれば生徒の数がふえるわけだけれども、しかし団地ができたために、その対象にはならぬけれども、学校をふやさなきゃいけない実は市町村が出てきている。これについて公団で手当てしたからよかったと思っていると、実は公団よりも二倍以上も三倍にも民間のほうの団地ができてきちゃっているから、その民間団地ができたために学校が新設されるものについて何らかの手当てをしてこなきゃこれはできない。いま文部省がやっているのは、社会増対策として三年先の児童生徒数の見込み数に対して不足坪数を出させて、それについて助成をしているわけですけれども、これではとてもじゃないが対処できない実情にある。こういうことについて一体どういうふうに考えていったらいいだろうか。そうしてまた、一体急増市町村と普通市町村で、いわゆる三年先の児童数を見込して不足坪数を助成している学校は一体幾つあるのだと、そういう数字もわれわれは知りたいけれども、結局住宅公団の関係で手当てができているからいいというわけにいかないという状況が出ているが、これについていま文部省がやっているただ三年先のものの見込み数に不足坪数をかけて助成するというだけじゃとてもじゃないが団地がどんどんできてくるというところではかなわないということになるが、これは一体どういう対策をやっていくつもりなんだろうか。しかも、少し時間も長くなりましたんでもうじきにあれですから、ちょっとあわせてあれしますけれども、たとえば、ここで、文部省が認めているのは集団住宅三百戸以上を対象にしているわけです。その場合に、三百戸の場合に小学校については生徒数はその四五%、中学校は二二%を児童生徒数増と認められたわけです。そうして補助率、不足坪数を出している。ところが、住宅公団か開発公社のものについては認めるけれども、ほかの民間の住宅団地についてはなかなか認めないんですよ。それからまた、団地じゃなくて、ぱらぱらばらばらできたために戸数がどんどんふえてくると、そういうところについてはこれはだめなんです。だから、私の聞いてることは、三年先の児童生徒数の見込み数に不足坪数を助成しているからよいと考えているのは、これはだめだと。その不足坪数の助成のしかたについても改善を加えなきゃできない問題がある。同時に、いわゆる民間の住宅団地の進出に対して住宅公団の措置がされているだけでは不足なので、この問題についてはどういう方法で対処していくつもりなのか、今後一体どうするのか、この二つの点を検討しているなら内容を聞かしていただきたいし、お話しを聞かせてもらいたい。
#164
○政府委員(安嶋彌君) いわゆる前向き整備の問題でございますが、問題点はただいま松永先生御指摘のとおりでございまして、昨年、義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部改正をお願いをいたしました際に、第五条の規定が改正になりまして、それ以前は前向き整備というのは一年半の前向きが限度であったわけでございますが、昨年の改正によりまして三年前向きということが認められたわけでございます。本年度は、したがってその実施の第二年度ということでございますから、三年前向きをさらに何年前向きに今後進めていくかという問題につきましては、さらに私どもとしても検討をさしていただきたいというふうに考えております。
 それからなお、三年前向きの整備が認められる場合につきまして、これまた施行令の第五条によりまして、御指摘のように、一団地三百戸以上という限定があるわけでございます。この点につきましても実際に即しない点があろうかと思いまして、現在検討中でございます。で、ばら建ちの問題でございますとか、民間のデベロッパーの問題でございますとか、それから比較的予測可能な要素といたしましては、すでに子供が生まれておるその数の何と申しますか、いわゆる学年進行的な考え方、そういったものを前提にいたしまして予測のつく部分もあるわけでございます。なかなか予測のしがたい部分、予測が比較的しやすい部分といろいろあるわけでございますが、そういった点を中心にいたしまして、政令五条の適用につきましてさらに前向きの措置を講じたいというふうに考えておりまして、今後関係の省庁とも協議を進めてまいりたいというふうに考えております。
#165
○松永忠二君 もう一つの点は、公団だけではなくって……。
#166
○政府委員(安嶋彌君) ただいまお答え申し上げましたように、公団だけではなくて、民間のデベロッパーその他の団地形成、あるいはばら建ち等の問題があるわけでございますが、それを五条の各号の事由にどういうふうに取り込んでいくかということも含めて検討をさしていただきたいというふうに考えております。
#167
○松永忠二君 そうすると、社会増の三年先の児童生徒数の問題については三年という問題と三百戸という問題を十分検討すると、それから同時に、いわゆる住宅公団とか開発公社だけじゃなしに民間住宅や民間の住宅団地とか用地、ばら建てについてもどういうふうな把握をしていけばいいか検討をしてもらいたい。
 そこで、最初私の言ったことは、結局ないわけですよ、案が。いわゆる急増市町村についても民間住宅がうんとふえる。これは急増市町村だけじゃなくて、団地進出というのは大体民間が多くなっている。もう公団だけじゃないという話なんです。そうなってきた。そこで今度は私は一体方法があるじゃないか、じゃ、宅地造成を、住宅建設をするときに一定の規模以上のものについては義務教室施設の用地に関して自治体と協議をしなきゃいかぬとか、用地の確保を義務づけ、地方公共団体に減額譲渡の措置をする、そういうことによって宅地開発等の事業者の負担する範囲の基準を明確化する、同時に財政上、金融上の措置をしてそれを助成をするということをやっていかなければできない。単に五省協定があるからということじゃいかなくなっているわけだから、そういうことをこれがまた言っているのですよ、これが。私たちはこのようにこれに似たようなものを法律にして出したんだが、この法律をつくろうというのは、さっきちょっと説明があったが、宅地開発者の事業者による費用の負担という言い方の中で、いわゆる当該用地を一定基準により当該施設の管理者なるべき地方公共団体に減額譲渡する措置だとか、私たちから言えば、少なくも一定規模以上の団地を造成をし、住宅をつくる場合においては自治体の当事者との協議をさせると、そうして用地をちゃんと確保させておく、十五ヘクタール、五百戸というのが自治省の考え方のようだけれども、私たちまたこういう法律が必要だということを感ずる。われわれはもし義務教育の施設だけについてするなら、少なくも、そういう法律をつくらなきゃだめじゃないか、用地確保はできないじゃないか。そのために現に神奈川県あたりで市町村でそういう条例をつくっているところがあるでしょう。そういう市町村の実施の状況はどうなっているのか。しかし、私はこの条例をつくって実施をしているけれども、これはある意味においては法的根拠がないわけですよ。背景になるもの、立法すべき基本の法律というものがない。こういう法律ができることによって、これを条例化することもできるけれども、そんなこと待っていられない。そういうことから、いわゆる市町村は条例をつくって、いわゆる一定規模以上の団地をつくった場合には、事業者に減額に提供させる、学校用地を確保しておけというようなことにしたわけです。だから、そういうようなことをしなきゃできないじゃないか。いわゆる用地確保の方法というものを明確にするような法律、措置というものをしていく必要があるのじゃないか。そして、その必要に迫られて類似の条例をつくっている市町村に対して法的な根拠を与える必要があるのではないか。そういうことをある程度法的に規制をしようとしている自治省のこの考え方というのは私は正しいと思う。それでなきゃ方法がないのじゃないか。この点をひとつ聞かしてください。
#168
○政府委員(高橋弘篤君) いろいろ松永委員の御質問がございましたが、まず最初に申し上げたいのは、先生の御指摘になりました市町村が財政上の理由から宅地開発要綱をつくっております。これは、全国大体われわれ把握しておりますが、百七十七市町村においてそういうものをつくっております。これは御承知の都市計画法によりますと、線引き地域におきましては、いわゆる市街化区域、調整区域、こういう地域に宅地開発が行なわれることが多いと思います。そういうところにおいては開発許可が要るわけでございますが、その開発許可を申請する場合におきましては、その開発行為に関係がある公共施設等の管理者の同意を得ることが必要になっております。したがいまして、その同意をするそういう内規といたしまして、市町村がそういうものをきめております。しかし、これは条例できめたものは一つもございません。すべて要綱という内規的なものできめているわけでございます。その内容は非常にまちまちのものが多いわけでございますけれども、中には非常に開発者に対しまして、非常に過大な負担をさしておるというものもございますし、ただいま申し上げましたように、非常に内容がまちまちでございますから、先生の御指摘のように、私どもも何らかの形でこの市町村と、それから開発者、開発主体という間の負担区分の明確化をはかる基準というものをきめまして、そうしてその基準に従って自治体も負担をするということがいいんじゃないかと思って目下検討しておるような次第でございます。この問題につきましては、いろいろ本日も御議論ございますように、地方財政の過重負担という問題、それから開発者がどの程度負担したら妥当であるか、先生御承知のように、これは開発者がよけいに負担しますと、結局はこれは入居者、つまり住宅困窮者にこれは負担がかかる、処分価格なり、また家賃負担という形で負担がかかってくるわけでございます。そこのところの調整をどうするかということが非常に問題になるわけでございますので、そこのところを十分私どもも実態を把握いたしまして、妥当な線を目下いろいろ検討いたしておる次第でございますけれども、結局は先ほども自治省からのお話にもございましたように、地方財政の全般の改善措置の問題、また先生はあまり役に立たないとおっしゃいましたけれども、公団及び公庫の行なっている建てかえ施工制度をもっといろいろ改善したい。同時に、私どももできますことならば、そういう公的なものだけではなしに、こういう制度は何らかの形でほかの民間でもこういうことはできないかということは研究いたしておる次第でございます。いろいろむずかしい問題があるわけでございますが、関係各省と十分打ち合わせをしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
 それから、ひとつ申し上げたいのは、現在のいろいろの法制度におきましても、学校用地、一番宅地開発で問題になります学校用地につきましては、その用地についての配分を的確にする、学校の配置計画を的確にするということがすでに法制上も定められておるわけでございます。新住法におきましても、そういう規定がございますし、また、都市計画法におきましても、三十三条におきましてこれを許可する場合の基準といたしまして、そういうものは明確になっている次第でございますし、その他区画整理時におきましても、そういう設計表示におきまして、そういう計画を立てるということが基準にあるわけでございます。しかしながら、なお先生の御指摘のとおり、いろいろな問題がございますので、先ほど申し上げましたとおり、関係各省と十分打ち合わせて、先生おっしゃるような、前向きの方策を考えたいというふうに考えておる次第でございます。
#169
○松永忠二君 それがいま言うとおり用地確保したものが、事業者の負担に返らないようにするためには別の何か法的なものがなければ、幾らそんなことをやれと言ってもできないわけですね。だからここで聞きたいのは、大蔵省と文部大臣に聞きたいのですが、やっぱり問題は個々の条例というか、内規でやっている。それで、いま言うとおりいろいろ前向きに考えたい、いろいろどうしたい、こうしたいと言ってみたところが、法的なものがなければどうにもならないわけですね。だから私たちはそういうものを法律の基礎つけにする必要があるというので、児童生徒急増地域等に係る小学校及び中学校の施設の整備に関する特別措置法案というものを出したのです、前から。もう毎国会出している。衆議院で出したり参議院で出したり、やっておる。これが現実的には、部分的にいま法律になってきておるけれども、結局そんなにばらばらなことをやっていてもどうにもならない。もっと、これよりももっと市町村を対象にしてやっていく、いわゆる自治省の考え方をやっていかなければできない。だから、今回もこれについて折衝していったのでしょう。しかし、なかなかうんと言わないところがある。だから、やっぱりここでとにかく困って、内規をこしらえて、行政指導でやっている。しかし、その法的根拠はない。そういうことになってくると、やっぱりこういう問題について一定規模以上の宅地開発をする場合の事業者に、いわゆる費用負担を明確にしていくとか、あるいは用地の確保をしていく。そのかわりまた財政的な援助もやっていく。同時にそういうふうなところについてやった場合におけるいわゆる助成措置、建設についての補助措置等も手厚く考えていくという措置がなければ問題は解決しない。だから人口急増市町村のこれだけでは解決をしないものが幾つもあるということなんですね。こういう点について大蔵はそんなものはつくることはないと考えているのでしょうか。やっぱり一貫性を持ってそういう市町村が必要に迫られて、内規でやっているような実情を、やっぱり何か法的な根拠を与えながらやらせる必要があると私は思うのですけれども、どこに支障があるのでしょうかね。私はそういうことをやるべきだと思うのだが、こういう点について大臣にも一体どういうふうな意見を持っておるのか、あわせてお聞きをしたい。
#170
○政府委員(辻敬一君) 急増地域に対します問題につきましては、先ほどお答え申し上げたとおりでございまして、私どもといたしましても、かねてから予算措置その他でいろいろと配慮をいたしておるところでございます。ただ、立法をするかどうかという問題につきましては、これも先ほどお答え申し上げたとおりでございますが、たとえば用地費の補助の問題等につきましては、やはり問題があるのではないかというふうに考えておりますので、今回特に中心的になります義務教育施設につきまして、法律案に折り込んで御提案を申し上げた次第でございます。ただ、ただいまいろいろと御指摘がございましたように、実行上の問題につきまして改善をはかるべき余地もいろいろあると思います。建設省のほうからお答え申し上げました建てかえ施工の問題その他につきましては、関係する各省も多いわけでございますので、関係各省とも十分相談いたしまして、円滑に事業が運営されるように私どもといたしましても、努力いたしてまいりたい、かように考えております。
#171
○国務大臣(奥野誠亮君) 町づくりの場合に、学校をどの位置に定めるかということは私は基本的な問題だと、こう思うわけでございます。宅地開発が行なわれます場合に、まず学校用地をきめてかからなければならない。そういうことにつきましても、宅地開発を行なう人たちと一般の町の方々とその他の世論――だんだん一般の世論というものがそういう問題について非常に深い関心を持ち出しましたし、だんだんそういうことがやりやすくなってきているのじゃないか、こう思うわけでございます。さらに一歩進めて、立法的な措置をすればいいじゃないかという御趣旨でおっしゃっているわけでございますけれども、いずれにいたしましても、そういう学校の位置をまずきめてかかるということがそれらの町にとってきわめて大事な問題でございますので、それが確保されるように、いろいろな方面から善処していかなければならないと思います。文部省といたしましては、そういう場合の財政措置につきまして、規模の大きな開発が行なわれます場合には、町に対しまして相当な協力をしてきていると思うわけでございますけれども、それ以外の財政負担の問題につきましても、積極的にお世話をしていかなければならない、そういうふうに考えているわけでございます。
#172
○松永忠二君 もし、かりにいまお話しのように、何もまとめた立法は必要じゃないというなら、いまの法律を変えたらどうですか、具体的に。幾らも変えればそういうことはできますよ、用地を確保することは。たとえばここで各省にその答弁してみてください。建設省あるいは公団、それからまた大蔵省にもけっこうです。たとえば、いま都市計画法の中のいわゆる市街化区域と市街化調整区域の開発行為というものについては知事の許可になっていますからね。だからこの都市計画法が全面的に適用になってくれば、この問題についてはある程度めどがついてくるわけですよ。ところがいま市街化区域と市街化調整区域を分けている市というのは全部じゃないのですよ。市街化区域の場合もそうだし、市街化のいわゆる調整区域についても開発事業については許可制度ですからね。だから市街化区域の場合には開発事業の場合に、こういうものについてはちゃんと計画の中に入れてなければできぬということがあるから、ちゃんと学校用地に施設があるから、それで規制をしていくといえば規制行為というものはできていくわけですね。ところがこれが全面的に適用をされていない。そういう段階において直せばいいのですよ、それじゃ法律を。たとえば住宅地造成事業に関する法律の一部を改めて、第五条の(事業計画)「政令で定める規模以上の施行地区においては周囲の事情をかんあんし必要な義務教育施設の用地が配置されていること。」ということを入れれば、これは住宅地の造成事業に関してこういう事業計画の中にそれがなきゃいかぬということになる。住宅地造成事業に関する法律の第七条に(公共施設の管理者の同意等)というところの条項があるが、「第四条の認可を申請しようとする者は、施行地区となるべき土地の市町村長とあらかじめ、義務教育施設の用地に関し協議を行なわなければならない。」これを入れれば、これは宅地造成事業についてこういう用地確保について補助がどうこうということじゃないけれども、とにかく用地確保の目鼻がつくわけですよ。それから協議しなければいかぬ。これは確保してもらわなければならぬ。それから土地区画整理法の中の第六条の(事業計画)の中に「政令で定める規模以上の施行地区においては周囲の事情をかんあんし必要な義務教育施設の用地が配置されていること。」ということを入れれば、これはその点のいわゆる用地を確保できるじゃありませんか。日本住宅公団法の一部の改正をして、第三十二条(住宅の建設等の基準)というところに、「一定規模以上の宅地造成における必要な義務教育施設の用地の確保」というものを加えればいい。第三十四条の(地方公共団体の長の意見の聴取)に「義務教育施設の用地」という字を加えればいい。一貫したものの立法のほうがいいし、一貫したものならば単に学校施設だけじゃなくて、全体的な事業計画を認め、その中で補助率も高まり、起債の問題も片づいていって、いろいろな問題が片づいて、過疎対策について一貫性をもって、過密と過疎の対立的な意味からいってもいいから、私はそれをとるべきだと思う。しかしできないというならば、少なくも用地を確保する。つまり、こういう大きな団地が造成されているときに、必ず学校用地だけは確保しておいてもらわなければ困る。何もそれを安い金でよこせとは言わない。とにかく用地は確保しておかなければいかぬというためのことを明確にしようとするならば、これらの三つの法律を改正すればそれだってできるんですよ、そういうことをやろうと思えば。そういうことはやらずに、これは大蔵は文部、自治省の持ってきたこのやつは予算がたくさん要るからこれはだめだ。何もほかの行政措置をやればいいじゃないか。文部省は文部省で、それはできないからしようがない、まあちっとこう法律を改めてこちらは三分の二にしてでもこうしたらよかろうとしているわけです。だけれども、こういうふうに一つの法律をつくることは非常に過密、過疎という意味からいって、私は過密の法律をつくるべきだ。しかしそれがなかなかできないというなら、こういう法律を直せばいいじゃないか、現にある法律を。そうすれば、こうしたところのいわゆる大規模に行なわれるいわゆる団地の中で、必ず学校の用地は確保できるようになる。そうして確保した用地については言うとおり今度は別個の意味でいわゆる新急増地域等であればそれによる補助をするなり、それに準ずるところであるならば他の措置をしていくということになればこれまたそれが前進できる、そういうことをやらないでおいて、あちこちに欠けるものを持っていながら法律を一部改正してみても問題は解決できないのじゃないか。一体それだけの必要がいま強調されるなら、なぜ住宅地造成事業に関する法律の一部改正を――これは都市計画法が適用されればこれは廃止になる法律ですよ。それまでの暫定措置としてそれはできるでしょう。あるいは土地区画整理という法の一部を改正すればそれができる。住宅公団は公団で、そういうことをやれば何にもその五省協定なんかでこんなことやってないだって、確保しておいて、それでしかもそれについては五省協定の実施をしていくということにできるのじゃないですか。それを何でやれないのか。何で一体文部省はそれをやってもらえないのかということを私は言っている。それぞれのほうから説明をしてください。
#173
○政府委員(高橋弘篤君) 先生の御趣旨ごもっともでございます。したがいまして、最近のいろいろな法令にはそういうことを規定いたしておるわけでございます。さらにまた、今回の国会におきましても、この改正法を出しているものがございます。これを簡単にちょっと御説明申し上げます。
 最初に、先生おっしゃいました御承知の住宅地造成事業法、これはまあ先生のおっしゃったとおりこれはもうすでに廃止になっておる、経過的なものだけはこれは載っておるわけでございます。すべて都市計画法にこれは乗り移っているわけでございます。都市計画法におきましては、今国会でもうすでに提案いたして、建設委員会で審議されることになっておりますけれども、現在の線引き地域だけの開発許可の制度を都市計画区域内全部について開発許可を及ぼすという改正をいたしまして、現在国会に提出いたしまして審議していただくことになっておる次第でございます。
 また、新住宅市街地開発法におきましては、その第四条第二項第二号におきまして、すでにそういう関連の公共、公益施設の規定を書いてございます。つまりこれも都市計画を決定する際のその内容を定めておるわけでございますけれども、その中で、「住区内の居住者の日常生活に必要な公益的施設の敷地が確保された良好な居住環境のものとなるように定めること。」これは公益的施設につきましては、この定義の中で教育施設もこれは入っているわけでございます。
 それから区画整理につきましては、先ほど申し上げましたように、区画整理法の設計標準というのがございます。これは区画整理法の省令第九条及びそれに伴う次官通達によりまして学校の計画を立てるということが内容にきめられておる次第でございます。もう一つ説明さしていただきますと、先ほど私も申し上げました開発主体とそれから地方公共団体、特に市町村との間の財政区分の問題、基準を明確にするということにつきましては、開発主体が市町村とあらかじめ十分協議をして、そうして負担すべきものを範囲をきめる、その範囲の基準というものを定める、そういう法律を私どもはぜひつくりたいということで目下検討いたしております。できるだけ早い国会にこれを提出して御審議いただきたいということで、今後関係各省と協議いたしたいというつもりでおるわけでございます。
#174
○政府委員(安嶋彌君) 児童生徒急増地域その他におきまする学校施設の整備につきまして御指摘のような問題があることはそのとおりかと思いますが、私どもは文部行政の範囲内におきましてただいまお願いをいたしておりまするように補助率をかさ上げいたしますとか、あるいは用地費の補助を増額するといったような努力を続けてまいっておるわけでございますが、それと同時に、やはり都市計画その他におきまして学校用地があらかじめ適正な形で確保されるということがこれはきわめて必要なことと考えておりまして、実は一昨年来そうした問題点を文部省なりに整理をいたしまして建設省等にもお願いに出ておるわけでございます。その建設省における御努力の内容につきましてはいま計画局長からお話があったとおりでございますが、私どもといたしましても引き続いてさらに建設省その他の関係省庁と協議をし、問題の解決に努力をしたいというふうに考えております。
#175
○松永忠二君 まあ一部はいま立法を考えておるとか、一部は指導しているとかいうお話なので、まあそういうことでなしに具体的にこういうふうに変えていったらどうかということですが、住宅公団のほう何も話なかったですが、これどういうことですか。
#176
○参考人(上野誠朗君) 現在私ども団地をつくりますときは、その計画の段階で住宅公団法の三十四条の規定に基づきまして、地元地方公共団体の長の意見を聴取しなければならない。こういうことになっております。その段階で具体的に学校の数それから場所、そういった点を十分協議をいたしております。で、そうしまして、私のほうの団地は一時にたくさんの住宅を建てるものでございますから、地元公共団体の財政を圧迫する場合が多うございますので、学校のことが協議の段階でいろいろ問題になります。そこで現在私どもがいたしておりますのは団地の中に私どもが取得した用地を学校の敷地として原価の二分の一減額して長期割賦で地元の市町村に提供する。それから上物の学校施設につきましては私どもで建てかえて建設をいたしまして、これを長期割賦で譲渡する、こういうことをいたしております。
#177
○松永忠二君 あなたのほうは実際にはやっておるわけなんだが、実際にやっておることをきちっと法律で書いたらどうかということなんですよ、おやりになっていることは。それからまた書いておけば今度は逆にいろいろ問題になったときにその数を高めることもできるし、たとえば、総額についての折衝の場合にも非常にそれが根拠になるから、積極的にその費用も確保できるのじゃないか、こういう意味で言っているのであって、その点について一応ここで四十七年までの資料もいただけました。実際はもう少しこれが一体急増市町村と急増市町村でないところとどういうふうになっているのかということをお聞きをしたいわけですけれども、またこまかいことですから、こういうふうな点についてもやはり明確にしていったらどうかというのが私の考え方で、私はこの問題についてはどういうふうに検討してみても、やはり自治省の考えているような法律をつくっていくのが一番いいのじゃないかという感じであります。それからまた、同じ学校施設だけについて考えるなら、もう少し学校施設についてほかに入れるべきものがあるのじゃないか。学校施設さえできりゃそれでいいという筋合いでもありませんので、人口急増市町村の関連した保育所であるとか、いろんな施設もあわせて考えていくというこの考え方をやっぱりとっていくほうがいい。これについて今年度も非常に折衝はされたようだけれども、非常に期待を持っていたようであるけれども、ついに提案するところまでいってないようでありますけれども、ぜひ、この点について自治省の格段のひとつ努力を切望いたします。あわせて特に関係のある文部省としては、この法律の立案のできる方向にやはり大臣としても努力をいただきたいというのが最終的な考え、それぞれ御答弁をいただいた問題で改善をするところがあるという問題については、ひとつぜひ改善をもう少し進めていただきたいと思います。
 もう少し質問をいたしますが、今度一般的な問題でありますが、文部省のほうに、補助基準の面積を今度二〇%アップした、それについては一体、小学校の校舎の補助基準の算定の基礎というのはどういうふうに改めるつもりなのか、これについてお答えをいただきたいと思います。
#178
○政府委員(安嶋彌君) ただいま御指摘の基準改定の内容でございますが、私どもが現在考えておりまするところを申し上げてみたいと思いますが、十八学級の小学校の場合について申し上げてみたいと思いますが、まず教室関係といたしましては、理科、音楽、図工、家庭科等の特別教室の準備室を新設をしたいというふうに考えております。実験器具器材、楽器等の保管、収納、授業の準備のためのスペースといたしまして、それぞれ一教室の半分程度を考えております。それから視聴覚教室、図書室の面積増をしたいというふうに考えております。現在は器材器具置き場、図書収納スペースという広さしか考えられていないわけでございますが、それぞれ多人数で視聴できる教室のスペース、二教室分、閲覧室のスペース一教室分を確保したいというふうに考えております。それから特別活動室、児童生徒更衣室を新設をしたいというふうに考えております。中学校の場合は、教育相談室、器材器具庫を新設をしたいというふうに考えております。それから小・中学校の小規模学校におきまして特別教室を拡充をしたい、現行基準でございますと小・中学校六学級の場合、図工、美術教室が見込まれておりませんが、これを新設をしたい。それから図書室につきましても新たにスペースを設けたい。それから五学級以下の小学校につきまして、従来認められていなかった音楽教室も基準の中に盛り込んでいきたい。
 それから管理関係といたしましては、教員のための更衣室の要望が強うございますので、この点の改善をはかりたい。ほかに便所、洗面所等の面積についても改善をはかってまいりたい。これが私どもが考えておりまするごく大体の基準改定の考え方でございます。
#179
○松永忠二君 今度二〇%アップすると適正面積とはどんなふうな比較になるのか。実際の建築面積と改定基準面積との比較はどういうふうになるというふうに考えておるのか。この点はどうですか。
#180
○政府委員(安嶋彌君) この適正面積の関係でございますが、おっしゃる意味は、四十二年に文部省が出しました学校施設指導要領に示しておる、いわゆる適正面積と、今回の改定案の考え方の違いということかと思いますが、十八学級の場合について申し上げますと、適正面積案は現行基準の二八%増しでございますが、私どもが改定案として考えておりまするところは二〇%増しでございます。
 実は、面積的にはこういうことでございますが、内容といたしましては、今回の改定案と適正案は多少のズレがございます。そうしたことでございますので、この現行基準の政令改正が行なわれました場合には、適正基準につきましても所要の手直しをしてまいりたいというふうに考えております。適正基準自体は、これは文部省のいわば望ましい指導基準ということで、ただいま申し上げましたような内容の若干の改善を加えました上で、これを望ましい基準として存置してまいりたいというふうに考えております。
#181
○松永忠二君 そうすると適正面積を改めていくということですね。なお、今度の基準が上がったので適正面積も改めていきたいと、適正面積との比率の差というのは、大体私もここに持っておりますけれども、二〇%アップしてもなおかっこの中学校の校舎では一〇%から五%、小学校では七%から一〇%くらいやはり差があると、したがって、まあ何と言うんですか、適正面積というのは、いまある適正面積を改めて補助面積が二〇%アップしたから目標である適正面積も改めていきたいというお話だと思うが、それは改めないんですか。
#182
○政府委員(安嶋彌君) これからの検討課題でございますが、ただいまのところ、さっき申し上げました二四%増しというこの総ワクをさらにふやしていくという考え方はとっておりません。内容的にさっき申し上げましたように、現状に即しないところもございますので、そうした点は手直しをしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#183
○松永忠二君 まあ、適正基準の算定基礎というのを少し手直しをするということ、いま私の聞いたもう一つの実際の面積とのいわゆる今度の二〇%アップによって実際建築している面積との間にどのくらいまだ差があるというふうに見ているのですか。これについてはもちろん規模によっていろいろ違うだろうけれども、どのくらいまだ差があるか、実際上。
#184
○政府委員(安嶋彌君) いわゆる超過負担の問題になるかと思いますが、超過負担の内容といたしましては、大蔵省、自治省、文部省等の共同調査によりますると、公立文教施設につきましては四十六年度ベースで四四%の超過負担と申しますかがあるという結果が出ておるわけでございますが、そのうち面積差によるものが三一%というふうな数字が出ております。このうち二〇%がただいま申し上げましたような形で、いわゆる超過負担の解消の対象になっておるということでございますから、残りは依然として残っておる。残りはあるわけでございます。ただ、私どもが考えておりまする補助基準というものは、これは現在の指導要領等に基づく教育が一応支障なく行なえるということが目途なわけでございますが、しかし、実際の町村における建築の実態を見ておりますと、基準以上に、たとえば応接室を広くするとか、あるいは特別教室をさらにふやしてまいるとかいったような事例があるわけでございますし、また、屋体等について申しますと、ただ単に生徒全体がそこで運動ができるというようなことではなくて、地域の住民全体の集会がそこで持てるような広さの屋体を整備するといったようなこともございますので、現実の建築の面積そのままが私どもは教育的に見て必要な面積として国が補助の対象とすべきものであるというふうには考えていないわけでございまして、そういう観点から今回は二〇%の基準改定を行なうことにしたということでございます。
#185
○松永忠二君 そうするとあれですか、実際の建築面積というのは、いま言ったような面もあるし、また、文部省が考えているよりももう少しほしいというような面から、実際の建築面積が出てきていると思うんだけれども、その問題はちょっとおいて、そうするとあなたたちの言う適正面積と比べてみて、今度二〇%アップしたためにそれとの差というのはもう面積的にはないというふうに見ているのですか。どのくらいあると見ているのですか。いわゆる適正な面積、いわゆる補助基準面積じゃありませんね、目標として定める適正面積が今度二〇%実際の補助面積を上げたから、ほとんどもう適正面積に近づいたんだという考えかどうか。何%まだあるというふうに考えているのか。その点はどうなんですか、最初聞いたことですが。
#186
○政府委員(安嶋彌君) 先ほど申し上げましたように、十八学級の場合でございますと現行基準の一・二四倍というのが適正面積ということでございます。それに対する改定面積というのが一・二倍なわけでございまして、適正面積にほとんど近寄っておるということでございます。しからばその差は何であるかということになりますれば、これは先ほども申し上げましたように、補助対象にはいたしませんけれども、町村が独自の努力あるいは独自の考え方に基づいて整備されるならばそれは望ましいという部分の面積であるというふうに理解をしておるわけでございます。
#187
○松永忠二君 そうすると、もう面積の基準を上げるというようなことはしばらく考えてないということですか、もう大体差もほとんど近づいているしするので。いわゆる適正面積を今後もう少し改めて、いわゆる面積としてもふやしていく、もちろん教室の種類によって教室をふやすということになるわけだけれども、そういう必要はないというふうに考えていいのですか、どうですか。
#188
○政府委員(安嶋彌君) 現行の基準は三十九年に設定されたわけでございまして、今回、九年ぶりに二割のアップということを行ないたいと考えておるわけでございます。
 現状では、私ども一応これでまいりたいと思いますが、将来の課題といたしましては、教育水準の向上ということもございましょうから、さらにまあ検討はしてまいりたいというふうに考えておりますが、本年二割まあ上げたばかりでございますので、当分はこの基準で補助行政を進めてまいりたい。先々新たな要請あるいは教育的、社会的な水準が全体として上がってまいりますような場合におきましては、さらに改善するような努力もしてみたいというふうに考えております。
#189
○松永忠二君 屋内体操場というのは補助基準面積の二〇%アップをしていないわけですが、これについては、実際の建築面積はほとんど二〇%以上増加をしているという実際状況ですね。どうして屋内体操場について二〇%の増加がいわゆる必要がないというふうに考えられたのか、この点はどうなんですか。
#190
○政府委員(安嶋彌君) 必要がないというふうに積極的に考えたわけではございません。できれば、これの基準の改定も行ないたいというふうに考えたわけでございますが、校舎の二〇%増でも相当な坪数の増になるわけでございまして、これは次の機会に見送ってさらに努力をいたしたい、こういうふうな考え方でございます。
#191
○松永忠二君 私も、ちょっと資料として――屋内体操場の小・中学校の適正面積との比較、あるいはその実際面積との比較から見て、特に実際の屋内体操場の面積が相当いま言うその基準面積を上回っているわけだけれども、これはやはり今後、一度にできなかったとしても、屋体の基準面積を上げることについては、実態から見て非常に必要だということをひとつ強調して、今後その努力を願いたいと思うわけです。
 そこで、四十八年度の予算で単価は約一〇%引き上げたわけですけれども、この単価の一〇%の引き上げの内訳というのは、超過負担解消率が六・九%で、それからこれを二年で解消していくということで三・四五%、それに物価上昇率が六・四%を加算して約一〇%増というところで、一〇%の引き上げということが考えられているようでありますが、これは間違っていれば間違っていると言ってください。
 そこで、一体、これまたこのアップというものによって、一体その実際の単価というものとどのくらい接近をしてきているのか、これについても、単価については面積云々についての考え方は大体わかりましたけれども、単価についての考え方を、今度は一〇%アップしたあとの単価の考え方については文部省としてはどういう一体考え方を持っているのでしょうか。その点も、基本的な考え方だけひとつお聞かせください。
#192
○政府委員(安嶋彌君) 単価アップの率は、お手元の資料の一ページの備考の一番上にあるわけでございますが、小学校・中学校舎でございますと、四十七年度の三万八千六百円が四万二千五百円ということで、一〇・一%のアップになっております。
 その内容といたしましては、超過負担解消分といたしまして鉄筋の場合は三・四五%、これは超過負担鉄筋の場合の六・九%の二分の一でございます。つまり、超過負担を二年で解消するということで、その第一年度分ということで三・四五%を見込んでおります。それから物価上昇率といたしまして六・六二%、合わせて一〇・一%、こういった形になっておるわけでございます。鉄骨、木造等につきましても、大体同じような考え方で単価の改善を行なっておるわけでございます。で、超過負担の鉄筋の場合の六・九%、これは鉄骨、木造等平均をいたしますと六・七%ということになるわけでございますが、超過負担の単価差といたしまして一三・一%という調査結果が出ておりますが、そのうちの六・七%を補助単価の是正という形で処理をするということでございます。
 六・七%というのはしからばどういうことかと申しますと、従来の仕様の不足分が一・六%ございますが、それに内容の質的改善分といたしまして五・一%を含めております。それは、たとえば床でございますが、従来の単価はモルタル塗りということを前提にしておったわけでございますが、今回はこれをアスファルトタイルに改善をする、それから窓のサッシでございますが、従来の単価はスチールサッシを前提にいたしておりましたが、今回はこれをアルミサッシに改善をする、あるいは天井につきまして従来は石こうボードを予定いたしておりましたが、今回は吸音板にするといったような、そういう内容改善分といたしまして五二%、従来の仕様の不足分といたしましての一・六%と合わせて、六・七%を超過負担解消分として見込んでおるわけでございます。ほかに、先ほど申し上げましたように鉄筋の校舎について申しますと、六・六二%の物価上昇分を見込み、合わせて一〇・一%の単価引き上げを行なったということでございます。
#193
○松永忠二君 私が聞いたのは、その改善の内容というよりは、まあここに私持っているのは全国の公立学校の施設整備期成会が小中学校の鉄筋、鉄骨、木造に対する単価と、文部省が予算要求している単価の比率を持っているわけですね。そういう点で、必ずしも全国公立学校の施設整備期成会ののが的確で全然誤りないとばかりは言えぬと思うけれども、これで見ると、やはり校舎のほうは比較的まだ一一%とか一六%くらいの差があるわけですが、小・中学校の屋体は二八%から一三%くらい木造の場合なっておるわけです。そうすると、屋内体操場は二〇%の基準アップもしないし、それから単価でいっても、単価差が――今度の単価は屋内体操場はやるわけですね。だけども、単価の差が屋内体操場の場合には非常に開いているわけですよ、われわれの見るところ。つまり、たとえば小・中学校の屋内体操場で、文部省は四十八年予算は四万三千円に対して公立の期成会では五万五千四百円と、一二八・八%というふうになっているわけですがね。これは必ずしもそれだけだというわけにいかぬけれども、そこへいくと、鉄筋の場合の校舎の場合には四万二千五百円が文部省の予算であるが、四万七千三百円は実際のつまり費用だという。ちょうど一一一・二%になっている。なお、一一・二%の差はある。しかし、屋内体操場のほうは非常に差が開いているわけなんですよ。だから、単価のほうも差があるし、それから基準面積についても、言うとおり面積の今度は改善をしないもんだから、屋内体操場というのは非常にこの際おくれて、負担が重いということになるわけです。ところが、文部大臣の説明の中には、「屋内運動場等学校施設の現状」というようなことで、屋内体操場を言っている。これは小学校の三分の一を二分の一にしたといったことを言っているのかもしれぬけれども、この屋内については、単価も基準面積も、なお努力をしてもらわなければいけないというような数字がわれわれの中に示されているので、この点についてのひとつ努力をなおしてほしいということを要望しておきたいと思うのです。
 それからもう一つ、超過負担解消は六・九%であるということで、これは何か大蔵省と各省の間で調査をして、書面調査や現地調査をやった結果、こういう数字を出してきて、改善措置として一つまり四四%のいわゆる予算と実質との間に差がある、その中で予算措置をしていくものは二四%で、単独分として二〇%持っている、こう言っているわけです。この調査というのは、基準坪数は一体何を使ったのか。文部省の補助基準坪数を使っているのか、施工基準というものを定めて調査をしたのだろうけれども、この施工基準というのは一体文部省との間に協議をしたのか、大蔵省独自で一体施工基準というのをきめてこういう調査をやったのか、これは大蔵省のひとつ考え方をちょっと聞きたい。そうして、この改善措置として本年一体幾らの金額が文部省のほうでは計上されているのか、補助単価措置分、補助基準引き上げ分として措置されているのか。まず大蔵省はこの調査をするにあたって、施工基準だとか、基準坪数は一体何を使ったのか、これをひとつ。
#194
○説明員(青木英世君) この調査は文部省、それから自治省、それから大蔵省の出先でございます財務局と一緒になってやっておるわけでございますが、面積につきましては、文部省の補助基準面積をとっておるものというように承知しております。
 なお、お尋ねのもう一点の超過負担解消によります……
#195
○松永忠二君 施工基準。
#196
○説明員(青木英世君) 施工基準につきましては、現行の標準工法、先ほど言いましたように、床につきますと、モルタル塗りであるとか、あるいは窓でありますとスチールサッシであるとか、そういうものを前提として考えております。
#197
○松永忠二君 文部省からあとで伺いますが、そうすると、それは一体文部省との間に協議をしてやったのかということが一つ。
 それから四四%のいわゆる超過負担があるというふうに調査して、二〇%は単独分であり、改善分が二四%というのは、どこを根拠にこういうことをきめたのか、これは文部省との間にどういうふうに協議をしたのか。
#198
○説明員(青木英世君) いまお話しの施工の基準でございますとか、あるいは標準面積、これにつきましては、文部省と十分協議をしまして一緒になって調査をしたものでございます。
 それから後段でお尋ねのちょっと四四%の数字は、あるいは公立学校のその期成会か何かの数字かもしれませんが……
#199
○松永忠二君 いえそうじゃないのです。
#200
○説明員(青木英世君) 私ちょっと承知しておらないのでございますが。
#201
○松永忠二君 これはあんたのほうの、四十六年度の国費ベースで「昭和四十六年度事業地方超過負担実態調査結果」というのを出している。それの四四%が、つまり差し引き額二百二十三億になっておる。公立文教施設整備事業費の超過負担は二百二十三億、四四%。その中の二〇%を単独分とし改善分として二四%とした、このことについては、どういう根拠に基づいてこういうふうな割り方をしたのか。
#202
○説明員(青木英世君) 四四%は、先ほども管理局長からお答えがございましたが、単価差によりますものが一三%、それから面積差によりますものが三一%でございます。この単価差によります一三%のうち、先ほどもございましたように、六・七%の半分、三・四五でございますか、これを超過負担の解消に組み入れた、それからもう一つ、面積差の三一%のうち、基準面積の改定によりまして二割を補助の対象に加えた、こういうことでございます。
#203
○松永忠二君 私が聞いているのはそういうことを聞いているのじゃない。そういうことじゃなくて、四四%を二〇%と二四%に分けたんでしょう、これはどういう基準で分けたのか。単独分で二〇%、それから改善分で二四%と分けたのは、一体どういう根拠に基づいて分けたのか。
#204
○説明員(青木英世君) ただいまお答えしたはずなのでございますが、ちょっと舌足らずで、いわゆる基準面積の改定によりまして国庫補助基準の対象としました二〇%分と、それから単価につきまして約四%、これを加えました二四%がいわば国庫の補助の対象になった。その残りの二割というものは、面積につきましては、若干ぜいたくと申しますか、国の補助以外のものとして考える、それから単価につきましても、一部標準工法の改定を考えておりますが、それをこえるものとしていわば地方で持っていただく、このように整理をしたわけでございます。
#205
○松永忠二君 それは大蔵省がきめたんですか。
#206
○説明員(青木英世君) 大蔵省、文部省、関係の省庁で相談をした結果、予算の結果として決定をしたものでございます。
#207
○松永忠二君 実際、財務局が来て、現地で県教委と立ち会ってやられたことのようであります。書面調査と現地調査もやられて、相当念を入れてやったことはわれわれも認めるわけです。そうだからといって二四%と二〇%を分けたのは妥当だということは、ちょっとそう簡単には言えないし、また、はたしてこれがどうかというような点も考えるし、現に知事会とかいろいろなところは、もうちょっと超過負担はあるのだから、二四%をもっと上げてほしいというような要望が出ることは事実なんです。これについては、当該の文部省と協議をして、施工基準をきめる、基準坪数は文部省のを使ったというのですから、特に非難をするまでのことはないと思うけれども、まあ、ひとつなおわれわれとしては改善部分を考えてほしいという希望があるということを申し上げておきます。
 それから最後にもう一つ、物価上昇の問題でありますが、物価上昇を六・四%加算した。これは前年度六月を基準にしてやったわけですが、実施段階にはそれの、=年というわけではないが、またおくれるわけですね。そうすると、大まかに言って約二年ぐらい、物価六・五%というのは、差があるわけです。前年の、四十七年の六月ですからね。この場合には、四十八年の予算にするにあたって、四十七年の六月のものを使っているわけですね。四十七年の六月からの物価上昇でしょう。何の物価上昇ですか。どこのか、それをひとつ聞かしてください。
#208
○説明員(青木英世君) 予算単価の査定にあたりましては、鉄筋で申し上げますと、四十七年度が小・中学校の校舎で三万八千六百円という予算単価であったわけでございますが、これに物価上昇率の六・四%をかけたと。その六・四%と申しますのは、便宜四十六年の六月の建築費と四十七年の六月の建築費のアップ率をとったわけでございますが、これは別段四十七年の六月の絶対額をとったということではなくて、四十七から四十八への物価上昇というものを前年と同じと仮定しまして、四十七年度の予算単価にかけて四十八年度の予算単価を決定したと、こういう次第でございます。
#209
○松永忠二君 わかりました。四十六年と四十七年のアップをそのまま四十七年と四十八年に使って、そうして六・四%という数字を出したと、こういうことですね。
#210
○説明員(青木英世君) そのとおりでございます。
#211
○松永忠二君 そこでこれもあれですけれども、実際にこういう場合において、一体こういう物価上昇率なのかどうかという点です。実際のいわゆる学校施設の資材の値上がりというのは、この程度の値上がりの状況ではないわけです。これはこまかい数字を、時間もおそくなったから聞きませんけれども、何か一応木材とか、鉄材とかそういうものも、セメントとかというものもずっと出してもらえばいいわけですけれども、とてもじゃないが六・四%というわけにはいかない。そんなのではとてもじゃないが物価上昇を見たというけれどもできない。そこで、実際はどうするのかということなんです、問題は、やっぱりそんなことはとんちゃくなしに、一体この補助率でそのままやるのか、それとも実施の際にあたって具体的な配慮をするのか、具体的に一体どういうふうな配慮をするのか。まあ、文部省以外の省の中には地域差というものを認めて、それに差をつけているというようなところもあるように聞いておりますけれども、文部省はそういうことはやらない。大体補助の単価というのは全国どこでも一律にやって、補助単価の是正をやらない。だから現実問題として六・四%程度のいわゆる資材の値上がりじゃないんだが、これのギャップというものをどう具体的に処理をしていくつもりなのか。こんなことはとんちゃくなく、やっぱり鉄筋についてはあれを使っているのか。何か違ったようなことを言うが、私は町村のどこの基準単価を使ったかというのを調べたやつを持っておりますけれども、文部省の出したそのままの単価全部を事実使っている。だからそうなってくると、一体これはこんなに木材が上がっちゃってきてこんなにセメントとかいろんなものが上がっちゃってきている、それで六・四%見てあるからそれでおしまいですということにするのか。一体予算配分の際にどういう具体的配意をするのか。これは大蔵省に聞きたいんだが、そういうことは認めないつもりなのか。こんなことは公共事業でほかの学校だけに通用することじゃなくて、そんなことをやられたら困っちまう。これは具体案を持っておるんですか、大蔵は。それともまた文部省としてもそういう点についてはこういうやり方ももう少し考えてもらいたいという案があるのか。時間がおくれたから私聞きませんけれども、木材なんかとかいろんなものがあるとすれば六・四%なんというのはもう全く架空のものであって、とってもじゃないがそんなことはできないと思うんだが、これは実施にあたってどういう配意を一体公共事業関係にするつもりなのか、大蔵のほうから基本的な考え方をひとつ聞かしてください。
#212
○政府委員(辻敬一君) ただいま御指摘にございましたように、確かに最近資材のうちでかなり上がったりしているものがあるわけでございますが、御承知のように政府といたしましては、全体としての物価安定対策にただいま全力をあげて取り組んでいるわけでございます。たとえば財政金融政策につきましても、公共投資の施行時期の調整ということをいたしておりまして、各種資材の価格とか需給の動向等に留意しながら年度内の施行時期について所要の調整をはかるということを打ち出して、ただいま実行に入っているところでございます。そのほか金融の引き締め等も行なっていることは御承知のとおりでございます。さらに輸入の積極的な拡大でございますとか、あるいは為替変動相場制の移行に伴います物価安定効果の確保でございますとか、各般の全体としての物価対策をいたしておりますが、なお、そのほかに個別的な物資に対します対策どいたしまして、当面、建築に関係のございます木材あるいはセメント、鉄鋼等につきましても個別対策をとっているわけでございます。
 木材につきましでは最近価格はやや値下がり傾向を示しておりまして、今後においても、全般的に弱含みに推移するのではないかというふうに考えておりますが、推移によりましては国有林材の出荷の促進でございますとか、あるいは民有林材の早期出荷の要請でございますとか、外材輸入の増大の要請でございますとか、いろいろな手を打つことをやっておりますし、また考えておるわけでございます。それからセメントにつきましても全体として設備の新増設をはかるとか、あるいは緊急を要する工事に対する優先的な供給をはかりますとか、いろいろな政策をとっているところでございます。
 鉄鋼につきましても、最近はやや価格が下がっておるようでございまして、一月末から価格が落ちつき、二月の中旬かちはやや値下がり傾向を示しているというように承知をいたしております。したがいまして、ただいまのところ私どもといたしましては、当面このような物価対策の効果を見きわめることにいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
#213
○松永忠二君 大臣にも一つお聞きしたいのですが、これは、おそらく公共事業の関係でいろいろ国政全体の上で問題になってくると思うが、これは一部公共事業の繰り延べというようなことをやって、半期に公共事業の達成率を規制をしていこうということを考えているようですね、もうすでにその考え方も出ております。しかし問題は、やはりここで資材の値上がりがひどく従前の単価でいかないということになってくるわけですね。
 そこでこういう問題は、それでは補正というような問題を考えるのか、それとも施行の事業量というものを狭めるのかどうなのか、この点にしぼられてくるわけでしょう。ところが事業量についてはある程度予算が通った段階で令達をしてあって予定を組んであるわけですね。各地区のいわゆる予算計上の注文を市町村なり地方がやっているわけです。だからこの点については事業量をあまり狭められるということについては困るわけです。そこで、そうなってくれば、補正とかそういうような問題でこの単価問題を、このままの単価で、いや物価上昇率は見てあるのだからというだけでは済まないと私は思うわけです。こういうような問題については大臣としては一体閣議等でそういう話が全然出ないのか、あるいはこういう問題については今後相談をしてやはり文教の施設でも大きな問題点を持っているというような考えのもとに、いま解決に少しでも前進して努力していくという気持ちなのか、この点を大臣からひとつお聞きしたい。
#214
○国務大臣(奥野誠亮君) きょうも実は閣議で大蔵大臣から公共事業の施行を弾力的に若干繰り延べていくというような報告がございました。それに対しまして経済企画庁長官からは、物価対策上もっと繰り延べをはかってもらいたいという希望があり、逆にまた、農林、建設等からはそれ以上やられては困るというような話もあったわけでございます。いずれにいたしましても政府としては物価対策に全力をあげまして、これ以上物価が上がらないように、むしろ資材その他につきましては規制をはかっていきたい、こういう努力をしていきたいということでございます。輸入その他の問題につきましてもそういう議論がいろいろ出ておったところでございまして、すでに各般の対策を通じまして政府予算の円滑な運営がはかられるように努力をしていきたいというさ中でございますので、そのように御了承を賜わっておきたいと思います。
#215
○松永忠二君 御答弁はそういう話ですが、ただ、そういうものを言っていただけでは解決できないように、予算というのは単価に基づいてやっているわけですから、それが非常ないわゆる違いが出てきたということになれば、現実的にそれを処理をしていかなければならない。また、そういう問題についてやはり何というのですか、資料を明確に持っていることが私は必要だと思う。ただ、このごろ一部下がりましたとか、あるいはこういう対策をやりましたということでは、みんなしょっていくものはどこにしょっていくかというと、今度またこの調査よりもっとひどい超過負担が現実にはかかって来ざるを得んという、やろうと思えば市町村がそれだけかぶる以外にないということになるわけですから、私はこの点についてはやはり今後機会あるごとに努力をしてもらいたい、それは口で言うのじゃなくて、現実的なものをもってひとつそういう解決のために努力をしてもらいたいというふうに希望しておきます。
 最後に、第三次五カ年計画が大体四十八年で終わるわけですが、これについては、第四次の五カ年計画というものを立てていくという心組みでいるのか、この点についてそういう考え方を同時に持っていくのか、この点をお聞きをして質問を終わります。
#216
○政府委員(安嶋彌君) 第三次の五カ年計画でございますが、資料としてお配りいたしましたものの三ページにその進捗の状況がお示ししてございます。四十七年度までに当初計画の九三%を達成をいたしておりまして、四十八年度までを含めますと、一二〇%ということになるわけでございます。そこで、私どもといたしましては、第三次五カ年計画を四年で一応終わったことにいたしまして、四十八年度を初年度とする新しい五カ年計画をつくって、今後の公立学校施設の整備をはかってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#217
○委員長(永野鎮雄君) 他に御発言がなければ本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時四十三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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