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1972/06/05 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 文教委員会 第9号
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1972/06/05 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 文教委員会 第9号

#1
第071回国会 文教委員会 第9号
昭和四十八年六月五日(火曜日)
   午前十時十五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月四日
    辞任         補欠選任
     加藤  進君     星野  力君
 六月五日
    辞任         補欠選任
     星野  力君     加藤  進君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         永野 鎮雄君
    理 事
                久保田藤麿君
                安永 英雄君
    委 員
                金井 元彦君
                志村 愛子君
                塩見 俊二君
                中村 登美君
                濱田 幸雄君
                二木 謙吾君
                宮崎 正雄君
                小林  武君
                鈴木美枝子君
                松永 忠二君
                内田 善利君
                萩原幽香子君
                加藤  進君
   国務大臣
       文 部 大 臣  奥野 誠亮君
   政府委員
       文部大臣官房長  井内慶次郎君
       文部省初等中等
       教育局長     岩間英太郎君
       文部省体育局長  渋谷 敬三君
       文部省管理局長  安嶋  彌君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡辺  猛君
   説明員
       防衛施設庁施設
       部施設対策第二
       課長       田口 正雄君
       大蔵省主計局主
       計官       青木 英世君
       自治省財政局指
       導課長      福島  深君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(永野鎮雄君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨六月四日、加藤進君が委員を辞任され、その補欠として星野力君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(永野鎮雄君) 義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○鈴木美枝子君 義務教育諸学校の施設についてお伺いしたいんですけれども、特に、基地周辺の学校はどのくらいございますんでしょうか。
#5
○説明員(田口正雄君) 私ども基地周辺の学校の防音関係の全体計画を作成しておりますが、それによりますと千八百七十一件ということでございます。
#6
○鈴木美枝子君 千八百七十一件、そして、その防音装置の校舎は、もうどのぐらいできているのでございますか。
#7
○説明員(田口正雄君) 四十七年度までの実績は、実件数にしまして七百八十校でございます。ただいまの説明がちょっと不足でございましたけれども、全体計画の千八百七十一校と申しますのは、学校、それから幼稚園、それに学校に付属しております講堂、そういうものが内容となっております。
#8
○鈴木美枝子君 七百八十件もできているんでございますか。
#9
○説明員(田口正雄君) そのとおりでございます。
#10
○鈴木美枝子君 そうですが。私は、昭和四十七年の五月二十三日に、東洋一の嘉手納飛行場の付近にある基地周辺の学校についてお伺いしたのです。そのときに、戦争中の防空壕に入っているのと同じだというくらいに、子供が勉強するのに不都合なことが一ぱいあるのです。ですから音だけとめてみても、冷房装置とか、そういうものがなければ子供のためによくないんだと、だから冷房なんかをどうするんだ、窓をあけっぱなしにするんでしたら、音がそのまま入ってくるわけでございますから、そういう質問をして、それをどうにかしてやってくれというお願いはしておいたのですけれども、最近、沖縄にまた電話をかけまして、私がたいへん親しい先生方五、六人に聞いてみましたけれども、ちっとも直っていないわけなんです。そうしますと、この委員会でやることがちっとも効果があがっていない。そういう点についてはどうなんでございましょう。この委員会で質問したことがちゃんと約束がはたされないんですけれどもね。
#11
○説明員(田口正雄君) 防衛施設庁におきましては、昨年、沖縄が返還になりましてから、さっそく防音工事の設計、工事等、準備すべく、予算を一応確保したわけでございます。それで主として嘉手納飛行場周辺の学校、たとえば嘉手納村の嘉手納小学校、嘉手納中学校、それから読谷の古堅小学校というふうな学校につきまして昭和四十七年度設計を完了いたしまして、引き続き工事を現在実施すべく作業を進めているような段階でございます。
 なお、その中には、当地は非常に暑いということもございまして、除湿装置と、これは冷房でございますが、そういう装置も兼ねた学校防音工事をするということで現在、作業を進めておるような次第でございます。
#12
○鈴木美枝子君 まだ、防音校舎が半分もいかないのに冷房装置をするということは不可能なんじゃないか。これは沖縄ばかりじゃなくて、日本じゅうにある基地周辺の学校が冷房しないで、二重窓をそういうふうにするというのは不可能じゃないかと思うのですけれど、その点についてはやる気持ちはあるんですか。
#13
○説明員(田口正雄君) ただいまお話しのありました内地の学校につきましては、すでに昭和二十八年ころから、当庁において防音工事を実施しているわけでございますが、除湿冷房、それから温度保持、これは暖房でございますが、そういう質的改善工事につきましては、四十三年度から実施をいたしております。これはまだ全部終わっているということではございませんけれども、逐次やってきつつあるようなわけでございます。特に、寒冷地につきましては、防音工事と同時に暖房工事をやるということで、それからまた、暑い、たとえば沖縄のようなところにつきましては、学校防音工事と同時に、除湿工事をやるというふうなことで設計をして、工事をやるというふうに作業を進めているわけでございます。
#14
○鈴木美枝子君 防音のほうは進めておりますけれども、二重窓でどうにも夏なんか暑くてしょうがないというんで、冷房のほうは全然一件も――どのぐらいやっているんですか。
#15
○説明員(田口正雄君) 内地の学校で約百件ぐらいということのようでございます。
#16
○鈴木美枝子君 どこどこでございますか。
#17
○説明員(田口正雄君) たとえば除湿工事につきましては、東北地方を除いた関東地方以南の地区、これについて除湿工事をやっております。
#18
○鈴木美枝子君 寒いほうではあと回しになって、こちらのほうは暑いほうにやるということはありまえのことかもしれませんけれども、千八百七十一件もある学校の中でまだ百件なんですから、これから先もなかなかたいへんなことだというふうに思います。
 で、私は最近、小平の学校を調べたんですけれども、防音、その他についてはなんですけれども、ほとんどがまだ木造建築が多くて、小平のほうに二件ばかり防音装置の学校がある。これから第三中学校を造建するそうでございますけれども、そういう古い学校を調べるのは日本建築学会――日本建築学会というのは、どういう仕組みになっているんですか。
#19
○説明員(田口正雄君) 日本建築学会につきましては、当庁とは何ら関係がございません。
#20
○鈴木美枝子君 お答えになれる方が――何かりっぱな名前がついてるんですけれども、学校自体のバラック、それを調べるようになっているそうですが、この日本建築学会が調べる。どういう方たちが調べているんでしょうか。学校見た感じとだいぶ違うんですけど。
#21
○政府委員(安嶋彌君) これは管理局の直接の所管ではございませんが、お話しのように学会ということでございまして、大学局の学術関係のほうで担当をいたしておるわけでございます。
 建築に関する総合的な学会のようでございまして、会長は東京工業大学の学長の加藤さんだと承知をいたしております。これは、建築に関する学者、専門の技術者等をもって構成されておるわけでございまして、私どもの場合でございますと、たとえば学校の耐力度の検査をする場合に、どういう基準を用いることが適当であるかといったような問題につきまして調査を依頼をするというようなことはときどきございます。しかし、その団体自体は、別に役所の調査の下請けをするという団体ではもちろんないわけでございまして、学問上の組織でございます。役所の側が、必要な場合にしかるべきテーマについて調査をお願いすれば、それをお引き受けいただいているというような関係でございます。
#22
○鈴木美枝子君 それでは、ていねいに見るというんじゃなく、そういう学者がそろっているというだけなんでございますか。つまり、子供が勉強する上に最も必要な、勉強のしやすいようにとか、そういうように調べるのじゃなくて、ここに基準が――私が伺ったのは、一万点を基準にしてやる、そうして柱を重点的に調べるとか、土台よりも柱が中心になって調べるんだと、そこにいらっしゃる父兄の人や学校の先生たちがおっしゃるんですけれども、学者が集まって柱を調べてどうするんですか、どういう調べ方をするんですか。
#23
○政府委員(安嶋彌君) 御質問は、危険建物の判定の基準のことであろうかと思いますが、御承知のとおり、この義務教育諸学校施設費国庫負担法第三条におきまして、構造上危険な状態にある建物がいわゆる危険建物である、こういう定義をいたしておるわけでございまして、その具体的な判定の基準は政令、省令に讃っておるわけでございます。
 で、その判定の要素といたしまして構造耐力、それから保存度、外力条件、この三つについて測定をするということになっております。こうした基準を、文部省から調査依頼をいたしまして、そうして調査結果がまとまりましたものを基礎にして私どもが学校の危険な状態の判定を行なっておるということでございます。
 これは基準でございますから、実際にはかるのは、これは都道府県、市町村の教育委員会の技術関係の者が行ってはかるわけでございます。ですから、たとえば柱が傾いているとか、あるいは土台が腐っているとか、そういったようなことをはかりまして、そうしてそれを点数に評価をして、そして危険建物であるかどうかの最終判断をしておる、こういうことでございます。
#24
○鈴木美枝子君 それじゃ、その日本建築学会というのは、現実の場所へは行ってないんですね。積み上げた学問で基準を出しているという、その基準を適用しながら、その都道府県の技術者の人がそれを基準に合わせながら、だから机上のものに合わせながら、現実の柱や土台を見ているわけですね。その点について聞きたい。
#25
○政府委員(安嶋彌君) 個別の判定は、ただいま申し上げましたように。府県、市町村の建築の技術者がやっているわけでございますが、基準は、いま申し上げたように、建築学会の調査に基づいて文部省が定めた。しかし、建築学会がその基準を定めます場合には、幾つかのサンプルにつきまして実地に調査をして、そうして基準を定めているということでございます。
#26
○鈴木美枝子君 以前のことを言っても意味ないですけれども、小平の三中で、昭和四十五年の六月ころ、窓がおっこちて子供の頸動脈が切れて即死して、そうして市で補償金一千万円を出したという、そういうような学校も日本建築学会で過去においては調べているんでしょうね。
#27
○政府委員(安嶋彌君) 先ほど申し上げましたように、個々の学校につきましては、建築学会は調査をし判定をするということはいたしておりません。
#28
○鈴木美枝子君 そうですか。――個々の学校について調べないで、その基準を――基準はだれが持っていくんですか、こういう学校を調べなさいという基準は。
#29
○政府委員(安嶋彌君) 基準は負担法の、法律なり、政令なり、省令できまっておるわけでございます。ですから、それに準拠して、ただいま申し上げましたように、都道府県なり市町村なりの建築担当の技術者がそれを当てはめて点数を計算をし、判定をしておる、こういうことでございます。
#30
○鈴木美枝子君 日本建築学会にそれじゃ調べるためのお金も払っていますか。
#31
○政府委員(安嶋彌君) この基準は、昭和二十九年に作成された基準でございます。その際に、おそらく調査委託費といったようなものが支出されていると思いますが、ただいまちょっと金額等は手元に資料がございません。その後は、もちろん、それっきりでございまして、毎年度調査費を支出するというようなことはないわけでございます。
#32
○鈴木美枝子君 昭和二十九年に払ったまんま、現在は名前だけ存在しているということにもなりますね。そのときに、そういう基準を出したというだけで、以後は変わっていないのですね。
#33
○政府委員(安嶋彌君) 変わっておりません。
#34
○鈴木美枝子君 そして、完全なのは一万点とするというのはどういうわけですか、どういうふうな意味で一万点としているのですか。
#35
○政府委員(安嶋彌君) 先ほど申し上げましたように、構造耐力、それから保存度及び外力条件の三点について算定をするわけでございますが、構造耐力に百点の配点をいたしております。それから保存度に百点の配点をいたしておりまして、これの相乗積が一万点になるわけでございます。百点を構造耐力あるいは保存度について評価された建物は、これは新築早々のりっぱな建物ということになるわけでございます。で、たとえば、柱が曲がっておりましたり、土台が腐っておりましたりいたしますとその百点が十点減点になるとか、十五点減点になるというようなことになるわけでございます。かりにその構造耐力で二十点、それから保存度で二十点ということでございますれば、相乗積でその建物は四千点である、こういう計算になるわけでございます。四千五百点以下のものを危険建物として改築の補助対象にしておる、こういうことでございます。
#36
○鈴木美枝子君 いま、ところによっては五千点に引き上げてくれというところがあるのですけれども、その点については希望をかなえてあげるということはないのですか。
#37
○政府委員(安嶋彌君) そういう御要請はしばしば伺うところでございますが、四十七年の五月一日現在の文部省調査によりますと、公立の小中学校の建物で四千五百点以下の要改築面積は約四百八十六万平米ということでございます。ただいま申し上げましたように、なおこれだけの――四千五百点以下の建物がございまして、改築を要するという状態でございますので、私どもはまずはこの整備に重点を置いてまいりたいというふうに考えております。ただ、実際上の扱いといたしましては四千五百点以上五千点未満のものでございましても、実態を見ました場合に、教育的に不適格な建築であると認めざるを得ないようなものにつきましては、特例的に運用上補助対象にするということにいたしておりますが、一般的な方針といたしましては、ただいま申し上げましたように、相当数の要改築面積が残されておるわけでございますから、これの整備に重点を置いてまいりたいということでございます。
#38
○鈴木美枝子君 五千点に引き上げてもらいたい要求にはあまり答えてない感じをいま受けましたのですが、そういう建築の中に便所も入っていますか。
#39
○政府委員(安嶋彌君) 当然入っております。
#40
○鈴木美枝子君 また、前のことを引き出して申しわけないですけれども、昭和四十七年五月二十三日に、コザの越来中学校を中心にして便所のことを要求いたしましたのですけれども、そのときに五カ年計画で便所その他校舎を直すという答弁をいただきましたね。私は五カ年じゃ困ると、子供の生理的な問題があるから五カ年じゃ困るから、一日も早くしていただきたいのだ、そうしましたら、一日も早くするようにいたしますという答弁をここにいただいているのでございますけれども、先日沖縄の越来中学校の先生に聞いてみましたら、全然まだ手をつけていないというようなことでございます。その点についてはどうなんでございますか。
#41
○政府委員(安嶋彌君) 沖縄につきましては、御承知のとおり非常に特殊な事情がございまして、米軍の占領時代におきましては便所が整備の対象になっていなかったというようなことでございまして、御指摘のような事情にあるわけでございますが、復帰後はもちろんこれは便所等も必要面積に算入をいたしまして新築、改築等の補助対象にいたしておるわけでございます。ただ、不足面積を一挙に解消するということも、これは実際の工事の施行能力その他からして限度があるわけでございますが、しかし、一日も早くそうした事態が解消されるように私どもとしては努力をしてまいりたいというふうに考えております。ただいま御指摘の越来中学の便所につきましては、四十七年度の補助対象に私どもとしては算定をいたしておる次第でございます。
#42
○鈴木美枝子君 でもまだできてないんですね。一体、私は便所ということは便所のために言っているんじゃなくて、人間の子供のための生理の問題について言っているんです。建物ばっかりりっぱでも教育がちゃんとしているかということにはならないと思うんです。便所がちゃんとしていないような建物であっては教育はほんとうにしょうがないんじゃないかと思うのです。たとえば三倍の便所が要求されている、いまアメリカのときにそうだとおっしゃいましたけれども、現に小平なんかもそうなんですね。ここに子供が最近書いた綴づり方があるんです。便所について、「ぼくは中学へはいってびっくりした。こんなトイレがあっていいのか、陰気でくさくてはきけがきそうだ、ぼくはいまだに大便は学校でしたことがない。神聖な学校でこんなことがあってもいいのか。また校歌を使った変え歌ができている。「便所のくささ世界にはほこる……」と。だから、もっとましな、だれでも気楽に入れるような便所要求する。」というんですね。しかし便所ということじゃないと思うんですね。何か、先ほどから聞いている日本建築学会というそういう名目があるんですけれども、ほんとうは子供が喜んで行く学校じゃなきゃいけないし、子供みずから神聖な学校って書いているんですけれど、そういう点について、考えてください。これは小平のことなんです。私が去年お願いしたのは、沖縄の越来中学を一件言ったんじゃなくて、それを一つの手がかりとして全体を言おうとしたんでございます。いま小平のことなんですが、この「便所のくささ世界にほこる……」と、中学校の子供が書いているんです。このことどうにかなりますか。
#43
○政府委員(安嶋彌君) 便所のくささということになりますと、それは管理の状況等によるところがかなり大きいかと思いますが、文部省が補助行政として取り上げておりまする点から申しますと、今回、小中学校の基準面積の改定をやったわけでございますが、十八学級規模の場合におきまして便所、洗面所の面積を従来の百六平米から百七十平米に増加をいたしておりますし、また、便器の数というものもその前提といたしまして、従来の小便器十個を十六個、大便器十七個を二十八個というような増加を前提にいたしまして、ただいま申し上げたような面積の改善を行なっておるわけでございます。私どもがこうした努力をいたしておるわけでございますが、くさいといったような問題につきましては、これは町村の教育委員会において十分学校の維持管理の問題としてぜひ御留意をいただきたい点だと考えます。
#44
○鈴木美枝子君 この子供さんがくさいと言ったのは、まだ水洗便所になっていないという証明をしたんだと思うんです。これは学校だけ水洗にするわけにいかないでしょうけれども、そういう点についてくさいと言ったんであって、掃除が足りないからくさいというわけじゃないと私は思うんです。水洗とか、そういうことにするのは一体いつごろなんですか。
#45
○政府委員(安嶋彌君) ただいま御質問の点につきましては、的確なお答えがいたしかねるわけでございますが、一般的に申しますれば、この小中学校は相当多数の児童、生徒が集まっておるわけでございます。衛生上の観点から申しましても、教育的な観点から申しましても、水洗式になることが私は当然だと思います。そうした方向で、十分努力をしてまいりたいというふうに考えます。
#46
○鈴木美枝子君 昭和四十七年五月二十三日にも努力をしたいというお答えがありました。そのときはお願いしますと私答えましたんですけれど、またきょうも努力をしたいということだけでは、ちょっと私納得いかないんです。それについてお答えください。
#47
○政府委員(安嶋彌君) ただいま申し上げましたように、昨年の先生の御指摘等もございまして、便所につきましては坪数を増加いたしますとか、便器の数をふやすという前提で、補助内容の改善をはかっておるわけでございますが、水洗化の問題あるいは清掃等の問題につきましては、これは学校の設置者が主として考慮すべきことかと思いますが、御趣旨に従って十分今後とも指導してまいりたいというふうに考えます。
#48
○鈴木美枝子君 私は、そういうことが実行されなければ愛情がないと言いたいんです。特に女ですから、そういう考え方を持つんでございますけれど、それが子供に対してとてもいいんだという、そういうことを強く言いたいんですね。よく教育が、人づくりだと言いましても、そういうことをいつでも実行されないようでは、信頼がだんだんおけなくなるという感じを持つんでございます。そういう基地周辺の、私は便所というのは、便所だけを言ったんじゃなくて、一番人間に必要なものが足りないんだという面において言いたいんです。それをよく深く心にとめていただきたいんです。子供に必要なものがこんなに足りないのに防音装置、防衛庁の――学校によっては何年何月にできたという防衛庁の記名がされているというようなことなんでございますが、記名されているようなこと御存じですか。
#49
○説明員(田口正雄君) 私ども防衛施設周辺の整備に関する法律に基づきまして補助事業を実施してまいっているわけでございますが、事業主体のほうからこのことについて、まああとあとまで銘盤またあるいは定礎というふうな形で残しておきたいというふうな要望が出てまいっているわけでございます。それで、私どもとしては国の工事ということを表示する場合には、できるだけまあ統一した文句で、統一したほうがいいんじゃないかというふうなことから、一応字句、表現と申しますか、そういうものを統一するように協力をお願いしている次第でございます。ただ、これは決して私ども役所のほうから強制しているというふうなことではなくて、あくまで地方自治体のほうからの要望に基づくということでやっているわけでございます。
#50
○鈴木美枝子君 その建物を建てたところに、その石碑に防衛庁が建てたんだというしるしをつけるのは、戦争前に軍に協力した軍人政治家の名前を銅像にして書いたのと、私は同じだと思うんです。国民の税金ですから、防衛庁の出すお金は国民の税金なんですから、防衛庁が建てたという銘記をすることは民主主義に反するんだということ、国民の税金であるという、そういうことを、もし書くなら国民の税金が幾らかかったのだと、アメリカではそうしるしているのです。たとえば公共の施設を、道路をつくるときに、税金であるがゆえに幾ら幾らその道路にかかったんだと、そういう銘記をすべきだと思うんです。アメリカではそうしています。ですから、防衛庁の金で建てても国民の税金だということをどうお考えになっているんですか。
#51
○説明員(田口正雄君) ただいま先生からお話にありましたように、私どもの考え方としましては、補助金というものは、これは国民の税金であるという考えのもとに、非常に学校防音工事等については多額の補助金を出しているということで、国民の税金を使ってやったんだということの趣旨から、そういうふうな銘盤というふうなものを考えたわけでございます。
#52
○鈴木美枝子君 防衛庁が建てたという、そういう防衛庁の名前の入ったところをお取りになったほうが私はいいと思うのです。国民の税金であるということを、それを銘記するときにはお忘れになったんじゃないかと思います。私は、いま例を引きましたように、戦争前に銅像だの、そういうものに固有名詞を銘記したのと、質が変わったけれども、哲学的に言えば内容は同じだと思うんです。国民の税金を往々にしてお忘れになるやり方がそこにあったんじゃないか。忘れる形として防衛庁のそういうものを国民に愛されるものにするために銘記したんじゃないか。だから、銘記してあるところがあったとしたら、国民の税金であり幾らかかったということはもしお書きになりたくないとしたら、いままでお書きになったことはおはずしになったほうが民主主義のためでもあるんじゃないでしょうか。その点について大臣からお答えになっていただきたいと思います。
#53
○国務大臣(奥野誠亮君) 防衛施設庁の問題でございまして、私つまびらかにしておりませんので、ちょっと遠慮させていただきたいと思います。
#54
○安永英雄君 関連。これは大臣、避けられないほうがいいと思う。私はいまの関係について、防衛庁に対していま質問がありましたけれども、建築が終わり、そしてそのあと校庭、特に本館の正面に、防衛庁がこれを建ててくれたんだという感謝の意味も含めた文章があって、それが点々として立っておる。これはいま答弁がありましたようにね、この点についてはできたあとどこからその石碑の費用が出たのか、そういう計画がどこから出たのか、これは防衛庁はあづかり知らない、まあ残すために、記念のために立てたんだろうという意味の答弁がありましたけれどもね、私はこれもいま鈴木委員が聞いたような意味もあると思いますけれども、私は、それ以前の問題として建築中のこの現場に、私は全国を調べてみたんです。大体縦五メートル、横六メートル、膨大なとにかく大きな看板です。これ全部防衛庁というのが建てているんだぞというばかりの、これも規格が大体よく似ている。私は防衛庁のほうから指図しているんでないかと思われるぐらいの、汽車の窓から見ても、どこから見ても、ここは防衛庁が校舎建築をやっているんだぞと言わんばかりの大きな看板が立っているわけです。これあたりは、私は予算委員会でも聞こうと思っていがた時間がなかったんです。時間がなかったから、この防衛庁のほうから特別に予算委員会外の答弁としてこれについては自粛しますと、正式の議事録には残っていませんけれども、これあたりもやっぱり同じような意味があって、しかも、その横に自衛官募集の看板まで立てて、いかにもその施設が防衛庁こぞってやっているんだといいますけれども、たとえばごく最近、福岡県の場合、岡垣の射爆場の問題が起こった。私も現地に行ってみたけれども、それを建ててもらっているんだぞと感謝する気持ちはどこにもないんですよ。その地域にそういった射爆場があり、自衛隊の駐屯地があり、飛行場があり、その騒音に耐えかねて、訴えて訴えて訴え続けた結果が、これに不完全ながら防音装置をしなけりゃならぬような羽目に防衛庁がなっておるんですから。地元の父兄なり生徒、児童にとってははなはだ迷惑なんです。要するに、教育環境というのは破壊しておって、それに文句を言われて、まあ不完全ながらそれについて多少の対策をしておる。すみませんけれどもこれで一応、完全とは言えませんけれども防衛庁の誠意を認めてくださいという立場でああいった防音装置の校舎の建設なり、あるいは補修というものが行なわれている。この趣旨をよく防衛庁は考えて、わきまえてやらないと、いかにもこの付近の学校は全部防衛庁が建ててやっているんだと言わんばかりの態度というのは許せない。記念碑にしてもしかり。まず、私はその点について、私が委員会外で聞いた答弁ですけれども、課長が見えていますから、こういった誇大な、防音装置をする趣旨というものを全くはき違えたような、そういう国民に誤解を与えるような、そういったものについては自粛をし、そういったことは一切やめてもらいたい。私は、そう思うんだけれども、この点についてのお考えをお聞きしたい。
 それから大臣に、まあ防衛庁の問題だからとおっしゃいますけれども、これは教育の問題なんですよ、いま私が申し上げたとおり。これは大臣としてそういうことが好ましいのか好ましくないのか、それははっきりしなければならぬと思う、教育行政の長として。生徒、児童は、とにかくそういった記念碑、そういったものに毎日接触する。昔は二宮金次郎のあの――このごろまた復活してきましたけれども、その横にあるんです。こういったものが実際好ましいかどうか、あるいは建築中といえども、そこに生徒・児童が来ているんですよ。こういった者にそれを見せていいのかどうか。そういった防衛庁の態度について教育上の観点から大臣としてはどう思われるかという質問でありますから、この点についてはお答え願いたいと思います。
#55
○国務大臣(奥野誠亮君) 率直に申し上げまして、先ほどもお答えいたしましたように、その事情をつまびらかにしていないわけでございます。同時にまた、工事の場合に、責任の所在を明確にする場合には名前を掲示するということもあったりするものでございますので、私がよけいなことを申し上げるよりも、防衛庁の所管のことでもございますし、御答弁は遠慮させていただきたいと、こうお願い申し上げたわけでございますので御了承賜わっておきたいと思います。
#56
○安永英雄君 防衛庁どうですか。
#57
○説明員(田口正雄君) まず工事中の看板の件でございますが、これは非常に長期にわたる大きな工事ということで、非常に危険とか、そういうふうなこともございますので、一応国のほうの工事であるという責任の所在を明らかにする、そういう意味から工事期間中はやっているわけでございます。
 また銘盤と申しますか、定礎盤につきましては、これは先ほどおっしゃられましたように、決して国が金を出してつくってやったんだと、防衛施設庁がつくってやったんだというふうな意味を込めたものではございません。しかしながら、この問題につきましては、今後帰りまして施設庁の内部でも検討したいと考えております。
#58
○安永英雄君 自粛しなければだめですよ。
#59
○鈴木美枝子君 私これで終わらしていただくのでございますが、防衛庁では考えが至らなかったんだと思うんです。国民側に立って考えるという、つまりいま私が国民側というのは、税金という裏づけで申し上げたのでございます。そして、そういう一つの大きな矛盾が、教育と軍備との関係が、そこでおのずから一致されて出てくるという勘定。私は、建築にしましても、防音というようなことがございますでしょうけれども、これは文部省の経費で学校はやるべきだと、大臣、思うわけなんでございます。防音というそういうたてまえにおいて、そういうふうにつくらせているのでしょうけれども、防衛施設周辺整備法というのでございますが、その整備法の内容からいいましても、射撃、爆撃訓練、飛行機などによって生ずる障害というのですから、爆撃訓練というのは戦争の訓練になるわけで、そういうものの条約のあるものの中で、金を出して建築されたしるしを銘記するということ自体が、すでにもう矛盾、矛盾というか、平和憲法に反し大きな障害を表現しているということになります。教育は一番そのことを語る場所なんでございます。平和という目標について語る場所でございますから、その点について大臣に答えていただきたいと私は思ったのです。そこを並行して、並んでいるのではなくて、教育のたてまえから突っぱねなければならない問題は、大臣が突っぱねなければならないという立場から答えていただきたい。で、取りはずしていただきたいというのは、そういう意味で、大臣が取りはずしてくれという要求を、――平和憲法兼ねた教育として「民主主義の教育」と私は言ったのです。その点について、大臣に最後に安心できますように答えていただきたいというのが私の願いでございます。安心できるように答えてください。
#60
○国務大臣(奥野誠亮君) 先ほど申し上げたとおりでございますが、同時に、防衛庁のほうもさらに部内でよく協議をしたいと、こうおっしゃってるわけでございますから、実態をつまびらかにいたしません私が結論的なことを申し上げますよりも、やはり所管管に従いまして防衛庁に譲らせていただきたいと思います。あしからず御了承賜わりたいと思います。
#61
○鈴木美枝子君 譲らせてということは、御自分も、大臣も教育の立場から同じような考えを持っているというふうに受け取ってよろしゅうございましょうか。
#62
○国務大臣(奥野誠亮君) たびたび申し上げて恐縮でございますけれども、私、事情をよく承知していないものでございますので、さように申し上げているわけでございます。
#63
○鈴木美枝子君 お調べになっていただけますでしょうか。いまのお答えでしたら、事情よくわからないのでまかせたということでございます。大臣が調べて、同質な意見に立っていただけますでしょうか。
#64
○国務大臣(奥野誠亮君) 問題が出たわけでございますので、私のほうでもよく調査させていただきます。
#65
○鈴木美枝子君 ありがとうございます。
#66
○内田善利君 いま騒音防止、防音ということが話題になったわけですが、その予算の中で、「公害対策、学校保健、学校安全の改善充実」という項がございますが、この中で「公害対策等」というところで六項目にわたっておりますのですけれども、この「公害対策等」、その中で(3)が「公立学校施設公害防止工事費等」、約四十八年度は十七億計上されておりますが、この公立学校施設公害防止工事費の中のこの公害というのは何をさすのか。
#67
○政府委員(安嶋彌君) 公害の内容でございますが、公害対策基本法第二条にいう公害がその内容でございまして、文部省関係で申しますと、大気汚染、騒音といったようなものがその主体になるかと思います。
#68
○内田善利君 どういうわけで、その公害対策基本法の六つの典型公害の中で、大気汚染と騒音だけが入ってあとは入らないのはどういうわけですか。
#69
○政府委員(安嶋彌君) その他が入らないということではございませんで、ただいま申し上げましたように、学校関係で申しますと、騒音あるいは大気汚染が学校関係の公害としてはおもであるという意味で申し上げたわけでございまして、その他の御指摘の事項につきましても、対象として取り上げることはもちろん可能なわけでございます。
#70
○内田善利君 私は、昨年のこの委員会でもお聞きしたわけですけれども、学校が典型公害の中の地盤降下によって大体一メートルも下がっている。ことしはさらに二十センチぐらい上回って下がっておる。昨年の御答弁の中ではくいを打ってあるのでということでしたが、くいを打ってあるのはもう一つの校舎で、もう一つの棟はくいを打ってないわけです。砂地にそのまま石を土台にしてできておる。くいを打ってあるほうは御答弁のとおりそのままで、地盤が沈下しておる。ところが、くいを打ってない校舎のほうはおりておるわけです。で、渡り廊下も最初は水平であったのが、渡り廊下はそのまま残ってこちらの棟に入れなくなったので、わざわざ階段をつけておりるようになってい。る非常に危険なわけですね。前回もこれに対して地方が非常に多額の金を出して毎年修復をしておりますので、特に、割烹室などはガス漏れ、水漏れ、パイプが折れる、そういうことで、そういう現象が起こりますので、非常に学校も心配しながら修復をやっておるわけですが、これに対して何とか国で補助できないものかなと、そう思っておるわけですけれども、前回の答弁では非常にいい答弁もいただいたわけですけれども、本件のような場合、原因者が必ずしも特定でないというような場合には公害という形で扱う、あるいは公害と申しましても、これは一般公害でございますが、一般公害という形で扱うか、実際上の措置でカバーするしかないと、そういう方法で一応いいのじゃないかというふうに考えておるというお答をいただいておるわけですけれども、まだこういった地盤沈下による学校が危険にあるいは危険状態にある、そういう学校も千葉県あたりではあるようでありますし、こういった地盤沈下による学校公害に対してもこの項を適用して、これがどこか原因者がはっきりしておれば原因者負担ということで私はけっこうだと思うのですけれども、あそこの原因の場合は佐賀県そのものがもうクリークがあり、非常に低湿のところでありますし、また埋め立て地でありますし、そういうことで原因者がはっきりしないわけですから、一般的な原因でありますから、こういったものに対しては、こういった公立学校施設公害防止工事費等を適用して負担するということはできないものかどうか、再度質問するわけです。
#71
○政府委員(安嶋彌君) 昨年の当委員会におきまして、内田先生から御質問があったわけでありますが、その後、昨年の六月二十二日に係官を現地に派遣をいたしまして、さらに、実態の調査を行なわせたわけでございますが、御指摘のように依然として沈下が続いておるようでございますし、かつまたその補修のためにも経費をかけておるようでございます。昨年度もお答え申し上げましたけれども、この補修関係の経費ということに経費の実体はなろうかと思いますが、それにつきましては四十七年度におきましても自治省の特別交付税におきまして白石町の場合は約二千三百万円、有明町の場合は約千五百万円の財政措置が行なわれておるわけでございます。現状程度の補修ということでございますと、特交でもって措置するということで一応対策としてはいいのではないかというふうに考えておりますが、昨年の答弁で申し上げましたように、これはあくまでも応急的な補修ということでございまして、このことによって地盤沈下が停止するとか、あるいは学校の危険な状態が解消するということではないわけでございます。そこで、町村に私ども申し上げておりますことは、もしこれを別な土地に持っていって改築をするとか、あるいは現在地でございましても、沈下に対する対策を十分講じた上で改築をするというような希望がございますれば、先ほど来御指摘のございましたこの公害防止工事として扱うことも可能かと思いますし、あるいは危険改築のワク内に入れて扱うことも可能かと思います。一昨年度もそういった趣旨の御答弁を申し上げたわけでございますが、現在のところ、町村はこうした補修を続けていきたいということでございまして、まだこれを危険建物あるいは公害防止工事として改築あるいは移築をするという計画はないようでございます。町村におきましてそうした計画が出てまいりましたならば、この文部省関係の補助金で措置をすることを検討してみたいというふうに考えます。
#72
○内田善利君 改修あるいは補修ということですけれども、運動場の土盛りなどは相当土盛りしなけば、一メートルから一メートル二十センチぐらい下がっているわけですから、これなどはどんどん下がっていくばかりだということですけれども、おっしゃるとおり、特交でということでずっとやっていただくならば、これでもけっこうと思いますけれども、やはり千葉県の場合もあるいは台東区の場合も、だんだんこういった地盤沈下がひびが入ったりして非常に危険校舎になるというようなことになれば、万一の場合を考えますと、やはりがっちりした改造をしなければならないじゃないかと、そのように思うわけです。補修につきましても、何か方法がないと、いつの間にかガス管が曲がって折れておったというようなことにならないようにしなければならないと、このように思うわけです。したがいまして、いまの御答弁で大体御意向はわかったわけですけれども、やはり公害防止工事費の中には地盤沈下も入れていただきたいと、考え方の中にですね。大気汚染並びに騒音防止だけじゃなくて、地盤沈下も入れていただきたいと、このように思うわけですけれども、この点はいかがでしょうか。
#73
○政府委員(安嶋彌君) 含めて考えたいと思います。
#74
○内田善利君 それから白石中学の場合は、生徒の危険防止のために、保険を別個にかけていると、こういう状態なんですが、これは御存じでしょうか。
#75
○政府委員(安嶋彌君) 聞いておりません。
#76
○内田善利君 そういう生徒が個人的にも保険を危険防止のために、あるいは危険にあった場合のために保険をかけていると、そういう実情ですから、補修だけで毎年そういうふうにやっていい状態であるのかどうか、もう一度この点検討されて、ひびが入った段階ではあぶないと思うんです。だからこの点もう一度調査されて、去年も抜本的な対策をお願いしたいと申し上げたんですけれども、何らかの方法を講じないと、私は危険な状態だと思うんですけれども、あの白石平野の国道に入りますと、あそこに行った係官の方は御存じのように国道がこんなになっている。これは建設省のほうでも考えなければならない問題だと思うんですけれども、橋が横にかかっているようなところはもとのままなんです。ところが、ほかのところの両側がたんぼのところはじっと低くなって、こういうかっこうで踏み切りのあるところはまたもとのまま。だから自動車も走れないような状況なんですね。その近くに白石中学があるわけですけれども、そういった非常に危険な状態にありますので、もう一度係官の方でも行っていただいて検討していただきたいと、このように思いますがいかがでしょうか。
#77
○政府委員(安嶋彌君) 先ほど申し上げましたように、これを改築するかどうかということは、これは町村当局の判断に待つわけでございます。町村におきましてそうした措置を講じたいということでございますれば、公害防止工事の一環として検討してみたいというふうに考えるわけでございます。しかし、御指摘のような事情もございますので、さらに佐賀県当局、あるいは町教育委員会当局の意向を聞いてみたいと思います。
#78
○内田善利君 大臣は、自治省関係でいらっしゃったわけですけれども、特交でこのままやっていくのがいいのか、それとも何とか、まあ教育関係の学校の公害問題でございますから、公害防止工事費等でこういう危険校舎は改築なりしたほうがいいのかどうか、この辺のお考えはいかがでしょうか。
#79
○国務大臣(奥野誠亮君) やはり、基本的には学校管理の責任を負っている市町村がどういう態度をとるかということできまってくるんじゃないかと、かように思うわけでございます。国庫補助制度に乗っかるものでございます場合には、文部省から補助金を交付していきますし、乗っからないものであって、やはり現実的には相当な財政需要が補修等に必要になるんだという場合には、地方財政上の問題として自治省の世話にならざるを得ないんじゃないか、こう考えているわけでございます。お話に従いまして現地のほうに対しましても文部省からも、一応、注意を換起しておくというふうにはしたいと思います。
#80
○内田善利君 それから、この間も質問があったかと思いますけれども、いわゆる基準単価の問題ですけれども、四十七年度では校舎の場合に一平米当たり三万八千円ですね。四十七年度でこの基準単価でできたのは全体の何割ぐらいに当たりますか。
#81
○政府委員(安嶋彌君) 四十七年度基準単価で建築が行なわれたものがどの程度あるかということでございますが、実は、その全体的な数字がつかみ得ていないわけでございますが、四十七年度補助金の交付決定を補助単価でいたしました後になりまして、補助単価まで経費がかからないために事業費を減額してもらいたいという申請のありました学校が百七十七校ございます。交付決定をした学校が約五千五百でございますから、三・二%は少なくとも国庫補助単価以下で工事が行なわれたということになろうかと思います。地区別に見ますと、九州、北陸、四国等が特に補助単価以下の建築実績が多いようでございます。
#82
○委員長(永野鎮雄君) 質疑の途中でございますが、委員の異動について御報告いたします。
 本日、星野力君が委員を辞任され、その補欠として加藤進君が選任されました。
    ―――――――――――――
#83
○内田善利君 そうしますと、国庫負担というのは非常に低くなるわけですが、昨今のように、木材等が非常に値上がりすればもっとひどい実情になるんじゃないかと、このように思いますけれども、この点はどのように考え、対策を考えておられるか。
#84
○政府委員(安嶋彌君) 御指摘のとおり、木材にいたしましても、その他丸鋼、型鋼、セメント等にいたしましても、最近、値上がり、ないしは価格の変動が非常に激しいわけでございます。この点につきましては、実は文部省だけの問題でもないわけでございまして、建設省その他各省に共通する問題でございますが、大蔵省その他関係省庁と十分協議をして対応してまいりたいというふうに考えております。物資の需給並びに単価の問題につきましては、通産省その他におきまして各種の措置を講じておるようでもございますし、かつまた、最近におきましてもいろんな変動が見られるわけでございますので、もう少し事態の推移を見きわめた上で、これに対応する措置を大蔵省その他関係省庁と協議をして決定をしていきたいというふうに考えております。
#85
○内田善利君 この国庫負担の対象は校舎に限っておるわけですね。付帯工事のへいとか、門とかは入らないですね。それから土地も一応入らないと、こういうことですが、これを入れる考えはありませんか。
#86
○政府委員(安嶋彌君) 公立文教施設の国庫負担の対象は、御指摘のとおり、建物だけでございます。土地につきましては、これは児童生徒急増町村の場合に補助をいたしておるわけでございますが、その他につきましては御指摘の門とか、さくとか、へいとかといったもの、その他は、これは町村の負担ということでございまして、財政上の措置といたしましては、単独事業の起債で措置をしておるわけでございます。私どもとしては、現段階では、建物の補助をさらに広げるという考えは持っておらないわけでございます。建物の整備だけでも、まだ、相当数の事業量があり、これに伴う財政負担もあるわけでございますから、むしろ、そちらに国としては重点を置いていくことが適当であると、その他の部分につきましては交付税、起債その他の地方財政措置の充実に待って整備を進めることが適当であるというふうに考えております。
#87
○内田善利君 へいとか、門についてはわかりましたが、土地ですね、土地は人口急増地域のみが対象になっているわけですけれども、いまは人口急増地域のみでなくて、日本全土の土地の問題、土地の値上がり、そういうことから考えまして、土地も私は入れるべきじゃないかと、このように思うのですが、いかがでしょう。
#88
○政府委員(安嶋彌君) 土地は建物と異なりまして、いわば非償却資産でございます。そうした観点から、土地に対する補助というものは長年行なわれていなかったわけでございますが、最近における児童生徒急増町村の極端な財政負担の増高の実態にかんがみまして、四十六年度から特別な補助をするということで踏み切ったわけでございます。したがいまして、これを一般的に全部の小中学校に及ぼすということは、ただいま申し上げました補助金が決定いたしました理由並びに経過からして、私どもはそこまではなかなかいきがたいというふうに考えておるわけでございます。なお、児童生徒急増町村以外の町村の土地購入費につきましては、これも地方債を中心にして必要な措置が行なわれておるわけでございます。
#89
○内田善利君 ここで一言お願いみたいなものですけれども、高等学校もほとんどもう全入に近づいてきたわけですが、これも設置者負担ということで、そういうこだわらないで、高等学校のやはり校舎、体育館、ああいった施設、設備も義務教育小中学校並みの国庫補助をしていくべきじゃないかと考えますが、この点はどのようにお考えですか。
#90
○政府委員(安嶋彌君) 高等学校につきましては、御承知のとおり、定時制通信教育の建物につきまして補助金が従来から支出されておるわけでございます。四十八年度におきましても約三億五千万円の補助金が計上されておるわけでございますが、昨年度に比べますと若干の減額になっておりますが、定時制教育自体の要需が減少しておるということがその背景にあるわけでございます。
 それから、危険改築にいたしましても、従来から補助をいたしておるわけでございますが、高等学校建物一般についての補助ということは、これは私ども現在考えていないわけでございますが、御承知のとおり、公立高等学校の設置は、やはり都道府県が主体としてこれを進めていくというのが基本的な考え方でございます。都道府県は、御承知のとおり、財政的にも町村に比べれば相当規模が大きいわけでございますし、かつまた、高等学校の教育は、現段階では義務教育ということになっていないわけでございますが、そうした理由から、一般的な建物の補助は現在行なっていないということでございます。この考え方は、私どもは今後もそうした方向で対処していきたいと思いますが、実際の財源措置といたしましては、都道府県に対する交付税あるいは地方債の措置を充実するということによって対処していきたいというふうに考えております。
#91
○内田善利君 次に、学校給食関係についてお伺いしたいと思うんですけれども、「義務教育は、これを無償とする。」という憲法二十六条があるわけですけれども、私たちは、かねてから、教科書無償、それから学校給食費も無償にすべきであると、このように主張し、法案も毎年提出しておるわけでございますが、この「義務教育は、これを無償とする。」という考え方から、学校給食費もやはり無償の方向へいくべきではないかと、このように思いますが、この点、大臣はどのようにお考えでしょうか。
#92
○国務大臣(奥野誠亮君) 学校給食につきましても、御承知のように、施設をつくりますとか、あるいは関係の人件費を増加しますとかいうようなことにつきましては、公費で負担をするというたてまえをとってまいってきているわけでございます。したがいまして、残るところは、給食の材料、飲食の材料、これをだれが負担するかということに狭められてくると、こう考えるわけでございます。これにつきましては、よいものを安く入手できるような、そういう意味の費用につきまして援助するという道は講じているわけでございますけれども、それ以外のものにつきましては、低所得者について国が援助する、公費負担をする、それ以外は個々の父兄、保護者で負担してもらっている。こういうことでございます。これはやはり、なおこのような姿でいくべきではなかろうかという考え方を持っているわけでございまして、あとの部分につきましては、今後もできる限り公費で助成をする内容を高めていきたい、かような考え方でおるわけでございます。
#93
○内田善利君 結局、父兄が負担する給食費、材料代、そういったものは低所得者には補助をするということですが、「義務教育は、これを無償とする。」ということから、私はやっぱり、低所得者だけじゃなくて全員無償にしていくのがいいんじゃないかと、このように思いますけれども。というのは、やはり子供たちがこれをどのように考えるか、また、低所得者の、給付を受けている子供の父兄がどのように考えるか、その人の立場に立って見ても、これは全部無償にするほうが一番いいんじゃないかと、このように思うんですけれども、この点はいかがでしょう。
#94
○国務大臣(奥野誠亮君) お話しの考え方を頭から否定するつもりで申し上げている意味じゃさらさらございません。ただ、個々人が飲食する、そういうものにつきましては、できる限り個々人の責任において処理してもらうというような体制が全体の国の政治の進め方じゃないかと、こう考えるわけでございます。そういう意味で、なお父兄の負担にしておきたいと、こう申し上げておるわけでございます。公費で負担しますと、それだけのものをまた税金で国民から拠出してもらうということになるわけでございます。みんなで使うものにつきましては公費で負担する。だれが使うかということが明確になっている、個々の分野が明確になっているものはなるたけ個人が責任を負ってもらうというような考え方をとっておるものでございますので、いますぐそれを公費負担に切りかえるんだということについては、税金の金でまかないたいものがたくさんあるのでございますので、なかなかそこまですぐわれわれの考え方はいきかねるというのが現状でございます。
#95
○内田善利君 私は、それならば、給食を一律にクラス全体で、学校全体で食事するという考え方じゃなく、給食を希望する者だけ給食する、そういうふうにしたほうがいいんじゃないかと思うんですね。学校でやはり一緒に先生と食事をするという教育、私は、給食は、食べるということよりも、一緒に先生とともに同じ食事をする、ここに教育の意義があると、こう思うわけですね。そういったことから、一部の方々だけこれは負担させないというのじゃなくて、全部やはり無償にしていく、そういう教育が真の教育じゃないかと、このように思うんですけれどもね、いかがでしょうか。
#96
○国務大臣(奥野誠亮君) いろんな考え方はあってしかるべきだ、こう考えるわけでございます。義務教育無償をどの範囲までにするのか、法律でそれをきめるということになっているわけでございまして、衣食住といった場合には、子供さんの着ているもの、あるいはランドセルなど、かばんやあるいは筆、墨、鉛筆の類、あるいは副読本の類、あるいは食事の問題では材料費、こうなってくるわけでございまして、義務教育無償だからということになって全部を無償にするということになりますと、そういう学用品などもみな入ってくるんじゃないか、こういう気がするわけでございます。できるだけ、責任の分野が明確になっているものにつきましては、個々人に負担してもらうというたてまえでいっておるわけでございますし、また、先ほどたびたび申し上げているわけでございますけれども、税金でまかなっていきたいものが、まだまだ充実していきたい面をたくさん持っているわけでございますので、御指摘のようなところへすぐ公費をつぎ込んでいくという考え方にはなりがたいというのが現状でございます。
#97
○内田善利君 私は、クラスの教育という場を中心にして考えているわけですけれども、学校給食ですから、責任のある分野というのは、親としては、やはり自分の子供たちには自分でつくったものを食べさしたいのが本能だと思うんですね。母親としては、いろいろ献立その他で栄養その他の面を考えて、自分の子供の体質、そういうものから朝昼晩食べさしたいのが親の考え方じゃないかと思うんですけれども、やはり学校給食をする以上は、学校のこの教室の場で、先生と一緒に、友だちと一緒に食事をする、ここに私は教育の効果があるんじゃないか。学校給食という教育の場だと、そういうふうに考えるわけですね。そういう立場から、学校給食は無償にすべきである。また、憲法に従って、「無償とする。」ということであるから、これは無償にすべきじゃないかと、広げていって無償にすべきじゃないかと、このように思うわけですね。
 学用品その他ランドセルという話もありましたが、ランドセル等については私も意見があるんです。ランドセル等をかついでこの危険な交通事情の中で学校に行くよりも、私は、ランドセルをなしにしたほうがいいんじゃないか、そうして、教科書等は学校に置いて、教育は学校でしっかり学ぶと。そういう学校の行き帰りは何も持たないで行くのがいいんじゃないか。ランドセルを背中にかついで、右手にも左手にも物を持っている姿を見ますと、文部大臣はどのようにお考えになるかしれませんが、私はもう少し子供たちは自由にして学校にやるべきじゃないかと思う。聞くところによりますと、子供たちが一番自由な楽しい時間は自分の家を出てから学校に行くまでが一番楽しいそうです。これは子供たちの話ですけれども。というのは、学校では勉強勉強、そして団体生活をするわけですが、帰ったらまたさっそく塾とか何とかいまあっちこっちに行っているわけですね。そういったことで、一番自由な時間は学校の行き帰りだと言っているわけですけれども、そういった学校の行き帰りは、やはりランドセル等は持たせないで、学校で準備して、学校に行って教科書等を開いて勉強する、そういうあり方はどんなものかなと、こう思うわけですけれども、余談にわたりましたが、そういったことで学校給食は、やはり「義務教育は、これを無償とする。」という立場から無償にしていくべきじゃないか。私たちもいろいろ党内でも検討しておりますけれども、やはり学校給食は無償にすべきだと、このようにみなで結論を得ているわけですけれども、やはり教育の場だということから、責任分担ということもありましょうけれども――責任分担ということであれば、朝昼晩、親のつくった献立に基づいた子供の体質に応じた食事をさせるのが私は責任分担だと思うのですが、やはり教育の場ということで、学校給食は行なわれていると思うんですね。そういうことから再度大臣にお聞きしたいと思うんです。
#98
○国務大臣(奥野誠亮君) 義務教育は無償だから給食の材料費も無償にしたらどうかという御提案ございましたので、そういう意味では学用品、その他のものもございますと、例示として申し上げただけのことでございます。また、おっしゃいますとおり、学校給食の問題は、単に栄養を考えるだけじゃなしに、給食を通じまして、そこで教育的にそのことが運用されていく、しつけの問題もございましょうし、味わい方の問題もございましょうし、いろんなことが教育的見地から取り上げられておる、これもお説のとおりでございます。同時に、いまの学用品の問題にしましても、あるいは材料費の問題にしましても、生活の苦しい方については公費で負担をしていこうという行き方をとっているわけでございまして、それら以外の一応負担できる方々はやはり父兄に支出してもらう、そのことがまた学校給食に対する父兄の関心を深めることになるじゃないだろうかなというような、長所を言えば言うことができるのではないかと、かようにも考えるわけでございます。どの範囲まで公費で負担するかということはもう考え方の問題だろうと思います。
 ただ、くどいようでございますが、われわれは自由な社会を維持していきたいのだ、したがいまして、自分のことについては自分で責任を持っていくのだ、個人個人の責任の範囲に属することが明確なものはできるだけその経費につきましても個人個人で負担してもらおうじゃないか、しかし、生活の困難な方については、それができないので、そういう面は、国民全体で負担してあげるというやり方をしているわけでございまして、社会主義的な国の考え方になりますと、働いた収入もやはり公のものになる、そのかわり費用を公でめんどう見ていくことになります。社会主義的な行き方をするか自由主義的な行き方をするかの違いもそこに若干あるのじゃないかと、こう考えておるわけでございまして、いま申し上げましたように公費で負担するものの優先順位から考えてみますと、なお、まだいろいろあるんじゃないかと、こう考えておりますと、こう申し上げさせていただいているわけでございます。
#99
○内田善利君 私は、そういう社会のあり方によってこの学校給食のあり方を考えるのではなくて、やはり子供の立場から、父兄負担の立場から、また憲法に「義務教育は、これを無償とする。」ということがあるわけですから言っているわけですけれども、「義務教育は、これを無償とする。」という憲法の「無償とする」の考え方についてどのように基本的にお考えなのかお聞きしたいと思います。
#100
○国務大臣(奥野誠亮君) 憲法はたしか「法律の定めるところにより」という表現が入っていると思います。その法律によりましては、授業料は徴収しないとこうなされているわけでございます。しかし、それを越えまして教科書も無償にしているわけでございますし、また給食の問題でありましても、先ほど申し上げた施設設備、人件費これは公費で負担しておりますから、個人から負担を徴収しない。さらにまた、低所得者につきましては公費で負担するという仕組みもとっているわけでございます。問題は、やはり、無償の範囲は、法律で定める以外にばく然と義務教育ということになりますと、非常にとり方によって範囲は広いものにもなっていくのではないか、こう考えるわけでございます。先ほどそういう意味で若干例をあげたわけですけれども、そのほかにも教育につながる費用というものが私はいろいろあるんじゃないだろうか、こう考えているわけでございます。いずれにしましても共同で使用する、そういうことにかかる経費は、その憲法上の精神に従いましてできる限り個人負担は別途には徴収しないといういき方をしていくべきではなかろうか、かように考えておるわけです。
#101
○内田善利君 これで、この問題は打ち切ります。
 それから学校給食の関係、で牛乳用の冷蔵設備、牛乳の殺菌設備というのがありますが、これはどの程度できておるわけですか。
#102
○政府委員(渋谷敬三君) 牛乳用の冷凍庫でございますが、かなり行き渡っておりますが、毎年千三百ぐらいの補助金の申請がございますので、ことしの予算の積算は五百校分になっておりますが、設備費全体の中で申請がありましたものは補助をするように処置いたしております。殺菌のほうはほとんど補助の申請がなくなりまして、ことしは一校だけ申請がございまして、これはかなり行き渡っておる実態になっておると思います。
#103
○内田善利君 私は、なぜこんな質問をするかといいますと、宮崎県で学校給食で牛乳を飲んで生徒が七百四十六人食中毒を起こした事件があるのですね。このときの牛乳はどういう殺菌に対する注意がなされたのかどうか。七百四十六人も中毒を起こしているわけですが、この項目を見ますと非常に少ないわけですね。牛乳殺菌設備、牛乳用冷蔵設備、ことし初めて五百カ所ということになっておりますけれども、これは非常に不備じゃないか、その結果、こういう事件が起きたのではないかと思いますが、この点はいかがですか。
#104
○政府委員(渋谷敬三君) その事件はちょっと正確に記憶しておりませんが、そもそも学校に来たときに問題があったのか、その後の管理に問題があったのか、ちょっと詳しくいま記憶いたしておりませんが、御指摘のように、牛乳冷凍庫の補助金は昨年まで百校分であったわけでございます。それで、実際には千五百近く申請がございまして・設備費全体の予算が比較的ございますので流用をいたしまして千五百近い補助をいたしております。そういうことで、ことしは百校分を一挙に五百校にいたしたわけでございますが、やはり申請は千三百五十ぐらいございました。これも申請どおり補助対象にするようにいたしたいと思っておりますが、そういうことで、来年はさらに実態に合うようにこの予算は拡充に努力をいたしたいと、こう考えております。
#105
○内田善利君 これは製造にも保存にも問題があったと。そして、乳酸菌が酸敗を起こしたと、こういうことなんですけれども、この牛乳用の冷蔵設備というのは学校内にあるわけですね。それから牛乳殺菌設備というのも、これは学校内にあるわけですか。設備するわけですか。
#106
○政府委員(渋谷敬三君) 冷凍庫はもちろん学校に置くわけでございます。殺菌の設備は主として毎日運んでくれるような都会地よりも一日、二日置いておくようなところ等はできるだけ殺菌設備がほしいということで補助をいたしておったわけでございますが、申請がだんだんほとんどなくなってまいりまして、必要なところはほぼ行き渡ってきたんではないかと思っておるわけでございます。
#107
○内田善利君 そうしますと、牛乳殺菌設備というのは学校に来る前の工場あるいはその製造するところの設備に対する補助、こういう意味ですか。
#108
○政府委員(渋谷敬三君) そうではなくて、学校に参りまして、一日とか二日保管をしておくような、毎日毎日都会地の学校ですと、牛乳屋さんから毎日配給できますが、遠隔地の場合ですと、一日なり二日なり置いておく必要がございますので、そういう場合には、まず殺菌をして冷凍庫に入れるという趣旨でついておったと思いますが、そういうことでございます。
#109
○内田善利君 その牛乳に大腸菌があるかどうか、この検査はどこでやりますか。
#110
○政府委員(渋谷敬三君) 殺菌設備はいま申し上げたものと、もう一つ、自分のところで牛乳をつくっておるといいますか、つまり酪農関係が近くにあって、そこから牛からしぼったのを持ってまいりまして、それで学校で殺菌をして牛乳にするという、そういう殺菌用の設備も含まれておるようでございます。
#111
○内田善利君 そのときの衛生管理はだれがするんですか。
#112
○政府委員(渋谷敬三君) 学校栄養士、あるいは調理従事員の方がいたします。なお、場合によりまして養護教諭の先生が消毒するということもあるということでございます。
#113
○内田善利君 私は、この牛乳は毎日給食として飲むわけだし、やはりもう少ししっかりした食品衛生法に基づいた検査官が検査しないと、こういうとんでもない七百四十六人も食中毒を起こすような事件が起こるんじゃないかと、こう思うんですが。
#114
○政府委員(渋谷敬三君) 御指摘のように、毎日学校給食で使います牛乳でございますので、学校給食用牛乳使用上の注意事項についてという通達を出しております。栄養上の見地と、それから牛乳使用につきましての衛生上の見地からかなり詳しい通達を出しております。それから衛生上の場合には、市乳を使用する場合と、それから学校で殺菌器を用いてなま乳を処理する場合、そういうような場合につきましてかなり詳しい通達を出しておるところでございます。
#115
○内田善利君 その製造するところあるいは酪農で乳をしぼるところ、そこで殺菌をやるのじゃないですか。学校でやる場合がありますか、いまおっしゃったように。
#116
○政府委員(渋谷敬三君) ほとんどが市乳を使っておりますが、わずかでございますが、学校で殺菌器を使いましてなま乳を殺菌いたしましてやっておるところがわずかでございますが、ございますので、そういう場合の処理のしかたにつきましても、通達を出しておるところでございます。
#117
○内田善利君 そういう場合は、どういう学校ですか、何か特殊事情があるわけですか。
#118
○政府委員(渋谷敬三君) おもに僻地で酪農がわりあいに盛んなようなところが多いと聞いております。
#119
○内田善利君 どこですか。
#120
○政府委員(渋谷敬三君) 北海道と宮崎の一部の地域と聞いております。
#121
○内田善利君 その設備に、牛乳の殺菌設備に四十八年度は百万円負担するということですか。
#122
○政府委員(渋谷敬三君) そういうことでございます。
#123
○内田善利君 非常に私はおぼつかない感じがするのですけれどもね。やはり製造元等で、あるいはしぼるところで、きちっと殺菌になれた人が殺菌するのが私はいいんじゃないかと思うのですけれども、学校で殺菌器使って殺菌をするというのは、よほど資格のある人が食品衛生法に基づいてやらないと、こういった事故を起こすのじゃないかと、このように思うわけですね。この点、どういうようにお考えですか。
#124
○政府委員(渋谷敬三君) まさに御指摘のような傾向になっておりまして、なま乳殺菌の設備は五カ所分の予算を計上しておるのでございますが、昨年も本年度もあまり申請が出ておりませんで、ことしは一カ所だけそういう僻地の学校が出ております。そういうことで、むしろなま乳殺菌設備の予算はむしろ減らしまして、牛乳冷凍庫の補助金をうんとふやす、そういうことで努力いたしております。
#125
○内田善利君 次に、これから夏に向かって光化学スモッグの季節になるわけですけれども、義務教育諸学校における対策をお聞きしたいと思うのですが、その中で、緊急な場合の避難のための部屋はあるのかどうか。それからあるいは倒れた子供たちを収容する施設、それから養護教諭は十分といえるのかどうかですね。それから校医以外の医者との連携についてはどのような対策が講ぜられておるか。まず、この三点についてお伺いしたいと思います。
#126
○政府委員(渋谷敬三君) 緊急の場合の避難の場所は、避難といいますか、普通はまず保健室でございますが、特に光化学スモッグ被害がひどいようなところは、管理局の助成によりまして、二重窓、空気清浄装置などの措置をすでにいたしておるところもございます。光化学スモッグの発生しやすいようなところの学校は大体養護教諭の方が配置されておると思います。それから学校医とほかの医療関係の対策でございますが、これは東京都はじめ関係府県におきましてかなりそういう緊密な連絡のとれる体制をとっておるわけでございます。
 光化学スモッグの被害によりまして疾病――目、鼻、のどがいたんだとか、あるいは中毒症状を起こしたとか、あとあといろいろ光化学スモッグによりまして治療を要するという問題につきましては、学校安全会が昭和四十六年度から特別に指定をいたしまして、光化学スモッグによります被害につきましては学校安全会の疾病の対象といたすようにいたしております。
#127
○内田善利君 緊急な場合の避難ですね、これは保健室だけで十分なのかどうかですね。机を並べて机の上に寝かせるようなことは、もうことしあたりはないと思いますけどね、保健室で十分なのか。それから、緊急な場合が多いわけですね。過日の新宿の場合も、注意報が出てすぐ窓をしめたけれども手おくれだったと、こういうことに対する対策はどのようにお考えなのか。やはり、子供たちがこういった光化学スモッグによってやはり苦しい思いをするということは、われわれみんなで、おとながそういう苦しい思いをさせないように予防対策を事前に講じなきゃならないと思うんですね。毎年毎年同じようなことが東京都内の学校で繰り返されるようなことはあってはならないと思うんですね。今後のこういったことに対する対策はどのように考えておられるのか。
#128
○政府委員(渋谷敬三君) これは大気汚染その他全体の問題になるわけですが、まあ学校のほうは防御といいますか、その避難場所につきましては、もちろん保健室だけでは足りないわけでございまして、注意報が出たような場合は、運動場等から全部引き揚げまして窓をしめるとか、まあいろいろな措置につきまして一応通達は出しておるところでございますが、端的に申し上げまして、この発生源その他全体の対策、それから、それらにつきましての各省あげての対策が必要なわけでございまして、環境庁におきまして関係各省を集めましたそういう対策協議会が設けられておるわけでございます。それの中で学校といたしましては、できる限りのそういう防御的な体制はとっておるわけでございますが、御指摘のように必ずしも十分とは言えない面がまだいろいろあるかと思いますけれども、その通達につきましてもその後いろいろなこともございますので、さらに詳しい通達をあらためて出したいということで、現在検討いたしておるところでございます。
#129
○内田善利君 この項目の中にも光化学スモッグ対策というのは全然見当たらないわけですけれども、例年学校が被害を受けてるわけですね。すぐ目をやられるわけですけれども、目がちかちかしてくるわけですね。こういった目をやられた生徒がすぐ洗眼できるような設備、それからのどがおかしくなってくるわけですけれども、そういったのどをすぐうがいできるような設備、こういったものは設備完備しておりますか、いかがですか。
#130
○政府委員(渋谷敬三君) 完備というところまではいっておらないと思います。そこで現在口洗場あるいは洗口場と言ったりいたしますが、のどを洗う、兼ねて目も洗えると、そういう設備をそういう大気汚染に対しての目の問題、あるいは咽頭の衛生、あるいは虫歯が非常に多うございますから、そういう面から口洗場あるいは洗口場の設備をもっと学校に完備すべきではないかということがいま課題になっておりまして、ただ、そうあまり金額がかさまるものでないものでございますから、そこまで国庫補助の対象として取り上げるかどうかということがいま私どもの検討いたしておるところでございます。御指摘のようにそういう洗眼なり口洗――うがいの設備は必ずしも端的に申し上げて完備しているという実態にはなっておらないと思っております。
#131
○内田善利君 私は、いまごろそういうことを検討するのじゃおそいと思うのですね。もういまごろはもう補充、補修等がなされる、あるいは増加しなければならないそういう段階にきているのがほんとうだと思うのです。大事な生徒を守る意味から相当余分にあっても私はそういうのを各学校に設置すべきじゃないかと、また設置するように指導助言をすべきじゃないかと、このように思いますけれども、この学校が一番被害を受ける光化学スモッグ対策について大臣はどのようにお考えでしょう。
#132
○国務大臣(奥野誠亮君) 光化学スモッグの被害がかなり頻発するようになってきている際でございますだけに、それに対する学校側の対応策をすみやかに文部省から各学校によく徹底するように連絡すべきだと思います。そういう意味でおそらく保健審議会等の御意見も入れているのだろうと思いますけれども、御趣旨に沿えるようにすみやかに必要な措置をとらしていただきたいと思います。
#133
○内田善利君 養護学校について校舎については三分の二補助されておるわけですけれども、未設置県の解消ということもこの委員会でしょっちゅう話題になっているわけですが、四十七年、四十八年の二カ年計画で推進しておられるわけですけれども、この四十七年の目標とその実績についてお伺いしたいと思います。
#134
○政府委員(安嶋彌君) 四十七年度の実績でございますが、養護学校の未設置県二十県を解消するということで予算を計上したわけでございますが、実際の執行は十一県でございました。精薄につきましては岩手、群馬、福井、岐阜、滋賀、徳島、愛媛、佐賀、鹿児島、病弱につきましては、福島、栃木の十一県について四十七年度予算が支出されたわけでございます。
#135
○内田善利君 二十校が目標で、実際は十一校ですか、その計画がおくれた最大の理由は何ですか。
#136
○政府委員(安嶋彌君) やはり設置者である府県の熱意の問題が一番大きな問題であろうかと思いますが、実際上のネックといたしましては、用地の取得が困難であったといったような事柄が指摘されるかと思います。
#137
○内田善利君 いまおっしゃるとおりですね、土地は急騰する一方でありますし、自治体の財政能力ではたいへんな問題があると思うのですけれども、この学校用地取得に対する文部省としての国庫負担に対する考え方は、基本的にはどういう考え方でやられるわけですか。
#138
○政府委員(安嶋彌君) 先ほども申し上げましたように、土地は非償却資産でございますから、まあこれに対する補助というのは、特に限られた場合に限定すべきであろうという考え方から、四十六年度以降児童生徒が急増いたしまする市町村の小中学校の用地の購入費につきましては、補助をしておるわけでございます。これはあくまでも特例というふうに考えておりますので、これをさらに拡充をしていくということは、現在のところ考えていないわけでございます。もちろん、現在計上されておりまする予算の内容につきましては、充実のために努力をしたいと考えておりますが、その対象をさらに広げるということは現在考えておりません。特に、との特殊教育の場合でございますと、設置者は府県でございます。まあ、財政規模も町村に比べれば非常に大きいわけでございますし、また、その設置の場所も府県内、広く選定することが可能なわけでございます。町村と違いまして、きわめて限られた地域内において土地を取得しなければならないという、そういう制約は府県の場合にはよほど緩和されているわけでございますので、特殊教育諸学校の増設のための土地の補助ということまでは現在考えていないという状況でございます。
#139
○内田善利君 最後に、東京の場合ですけれども、二十六市町で、市町の予算の中での教育費の割合が二四%ですね。全国都市の一八%に比べて非常に高いわけですが、一体これはどういうわけなのか、特に小平市、東久留米市、東村山市等の場合は四〇%をこえているわけですね。教育費がこのように四〇%をこえているような状態なんですが、これは実情はどういうことなのか、またこれに対する対策はどのようにお考えなのか、お聞きしたいと思います。
#140
○政府委員(安嶋彌君) 東京都だけの資料は持ち合わせておりませんけれども、全国的な状況について申し上げますと、町村の普通会計歳出額に対する教育費の歳出額でございますが、全国平均四十五年の場合でございますが、一八%に対しまして急増町村が二三%というふうになっております。それから普通会計の歳出総額に対する普通建設事業の支出費の割合でございますが、全国平均が三五%に対しまして、児童生徒急増町村が四〇%というふうになっております。これはやはり児童生徒が急増いたしまする町村におきましては、学校施設の整備が相当大きな財政負担になっておるということをあらわす指標であろうと思いますが、それに対しまして、先ほど来御質問がございました土地の購入費に対する補助という問題と、それから今回法改正でお願いをいたしておりまする建築費に対する三分の二補助ということで対処をしてまいりたいというふうに考えております。
#141
○委員長(永野鎮雄君) 午前の会議はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時四分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十二分開会
#142
○委員長(永野鎮雄君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は御発言を願います。
#143
○萩原幽香子君 前質問者との重複をできるだけ避けてお尋ねをいたしたいと存じます。
 まず最初に、危険校舎に関連してお伺いをするわけですが、現在、小中学校の全保有面積のうち、木造面積はどのくらいございますか。
#144
○政府委員(安嶋彌君) 四十七年の五月一日現在でございますが、小学校校舎の保有面積は五千三百三十八万平米でございます。そのうち、木造面積が二千六百二十六万平米でございまして、四九%が木造でございます。
 中学校でございますが、保有全面積が二千九百四十九万平米でございますが、うち、木造が千三百七十七万平米でございまして、四七%ということになっております。
#145
○萩原幽香子君 その中で、危険面積というのはどれほどでございますか。
#146
○政府委員(安嶋彌君) 小学校の場合でございますと、危険面積であって基準内の面積、これが三百二十一万平米、中学校の場合が百一万平米ということになっております。
#147
○萩原幽香子君 昭和四十八年度予算では、事業対象としてどれほど組まれておりますか。そして、それは現在その危険面積といわれる中の何%ぐらいに当たりますか。
#148
○政府委員(安嶋彌君) 昭和四十八度予算におきまする危険改築に対する補助金の額は約百六十二億円でございまして、その対象面積は百十八万平米でございます。したがいまして、先ほど申し上げました小中学校校舎の要改築面積が四百二十二万平米あるわけでございますが、このうち四十七年度の実施面積が約百万平米ございます。したがいまして、残りが約三百万平米程度になるわけでございますが、それに対して百十八万平米の予算措置が行なわれたということでございます。
#149
○萩原幽香子君 そうしますと、残りの、事業対象にならなかったところは一体どういうことになるんでしょうか。危険面積だということがはっきりしておりますのに、その事業対象にならなかったというところはどういうふうにされるおつもりでございますか。
#150
○政府委員(安嶋彌君) 危険面積と申しましても、使用上直ちにこれが何と申しますか、使用にたえない、使用することによって、児童生徒の生命に危険があるというようなことでは必ずしもないわけでございますので、必要な補修等を加えながらしばらくの間これをなお使用するということになろうかと思いますが、こうした残された面積につきましては、早急に改築をはかるよう今後とも努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#151
○萩原幽香子君 しばらくの間ということでございましたが、そのしばらくの問というのはどれぐらいの期間をお考えでございましょう。
#152
○政府委員(安嶋彌君) 私ども昭和四十八年度を初年度といたしまする五カ年計画を策定をいたしておりまして、五カ年のうちには危険建物のただいま申し上げました残坪数を解消したい。もちろんそれだけではございませんで、年々約七十万平米程度のものが新しく危険建物に落ち込んでいくわけでございますが、改築を要する総量はしたがいまして先ほど申し上げました三百万平米ではなくて、今後新たに危険建物になるもの等を含めまして、新しい第四次五カ年計画におきましては、約六百十八万平米の危険建物の改築を進めたい。これは五カ年で実施をしたいという計画でございます。
#153
○萩原幽香子君 五カ年ということでございますけれども、その間に私はやっぱり危険度というものはどんどん進んでいくと思うのですね。そこでお尋ねをしますけれども、認定基準を五千点に引き上げますと、どれほどの要改築面積になりますでございましょうか。
#154
○政府委員(安嶋彌君) 五千点に引き上げました場合、校舎で百十三万平米、屋体で十六万平米が新たに危険建物になるというふうに推定をいたしております。
#155
○萩原幽香子君 今後の、そうした危険度の進行状況を勘案して将来は五千点に引き上げるべきだと思うわけでございますが、ことしの概算要求で文部省としては五千点に引き上げようとされたわけでございますね。それが四千五百点に据え置かれた理由はどういうところにございますか。
#156
○政府委員(安嶋彌君) 先ほど申し上げましたように、四千五百点以下の要改築面積がなお小学校で三百二十一万平米、中学校で百一万平米残っておるという状況でございますので、まず、これの解消をはかっていくことが先決であろうということで見送ったわけでございます。
#157
○萩原幽香子君 大蔵省にお尋ねをいたしますけれども、子供が大事だとよく言ってくださるんで、その点では感謝をしておりますが、いまお聞きのような状態で、何というんですか、あぶないところで勉強をさせられている子供というものもあるわけでございますが、大蔵省はこの点についてどのようにお考えでございましょうか。
#158
○説明員(青木英世君) 危険度の判定基準としまして四千五百点とか五千点というのがあるわけでございます。四千五百点は改築を要するということでございます。それから、四千五百から五千点の間は改築をすることが望ましいと、こういうような考え方になっておるわけでございます。先ほど文部省の管理局長からお話ございましたように、四千五百点以下のものがなおかつ相当量ありますので、財政当局としてもできるだけ危険の一掃ということには努力しているわけですが、まずさしあたりそれを一掃して、その後の段階で危険の点数の引き上げというものについて検討していきたいと、このように考えておる次第でございます。
#159
○萩原幽香子君 さきの六十八国会では、この補助率を三分の一から二分の一に引き上げるような附帯決議がつけられたわけでございます。ところが、三分の一のまま据え置かれました理由を大蔵省のほうから承りたいと存じます。
#160
○説明員(青木英世君) 昨年の国会におきまして、いま萩原先生から御指摘ありましたように、危険の校舎の補助率を三分の一から二分の一に上げる。それからもう一つ、小学校の屋体の補助率を三分の一から二分の一に上げると、この二つの点の附帯決議があったかに記憶しておりますが、小学校の屋体の補助率を引き上げることにつきましては、今回の予算及びいま御審議をいただいております法律案で予定しておるわけでございます。実は危険校舎の補助率の引き上げの問題につきましては、これはまあ補助率はいろんな沿革的な事情もあるわけでございます。御承知のとおり、昔は中学校の新増築だけ補助率が二分の一で、その他が一切三分の一だったというような沿革的な事情もあるわけでして、本質的には多少新増築の場合と比べますと、危険校舎の改築の問題は校舎の状況等を見ながら当該市町村についても計画的に整備できるんじゃないかというところに多少の違いはあろうかと思っております。
 四十八年度の予算要求におきまして、文部省から二カ年計画でこれを二分の一に引き上げてほしいという要求があったことは事実でございますが、他方、人口急増市町村の補助率の引き上げの問題とか、あるいは校舎の建築の基準坪数の引き上げの問題とか、あるいは超過負担の解消の問題とか、いろいろ実は財政的にも大きな問題がございまして、附帯決議せっかくございましたが、今度はそこまで手をつけるだけの余裕は私どもございませんでした。こういう次第でございます。
#161
○萩原幽香子君 そうしますと、この過疎地とか僻地とかいったようなところは補助率三分の一ということになりますと、地方自治体が非常に苦しい立場に追い込まれる、そういうことについて大蔵省はどのようにお考えなんでしょうか。沿革ということを先ほどおっしゃいましたけれども、こういうことにとらわれている限りは子供を救うということにはなりにくいと私はそのように考えるんですけれども、その点いかがでございますか。
#162
○説明員(青木英世君) 御承知のとおり、危険校舎につきましても、豪雪地帯とか、あるいは離島につきましては特別の法律ございまして、補助率のかさ上げを行なっておるわけでございます。いま御指摘の僻地とか過疎地一般につきましては、これはまあ公共事業のほうでもそういう補助率のかさ上げの特例ございませんあれでございまして、それからまあ一般的に申し上げますと、単に国からの補助率の裏としては起債の問題とか、あるいは地方交付税の配分の問題とかいう問題もございますので、やはりそれらも含めて慎重に検討すべき問題ではないか、このように私ども考えておる次第でございます。
#163
○萩原幽香子君 四十八年度予算で、予算額は文部省が要求されたものの何%ぐらいが組まれたわけでございますか。
#164
○説明員(青木英世君) 公立文教施設整備費全体といたしまして、危険校舎とかあるいは新増築とか、そういう全部を含めましたところで七四%というような率になっております。
#165
○萩原幽香子君 文部大臣、こういう状態でよろしいのでございますか。いかがでございます。
#166
○国務大臣(奥野誠亮君) もちろん多ければ多いほどよろしいわけでございますけれども、全体の予算で各省の要求が多いものですからこういう結果になったわけでございますけれども、今後さらに四十九年度予算を目ざしましてできる限り必要な額を確保するように努力したいと思います。
#167
○萩原幽香子君 まあ、地方公共団体が財政上苦しいだけではなくて、私が一番おそれますのは、やはり危険にさらされながら教育を受ける子供の立場というものを大蔵省も文部大臣も十分御配慮をいただかないといけないのではないだろうかというふうに考えるわけでございますね。今後まあしかしそういう問題については非常に努力をしてくださるといったようなことでございますから、四十九年度の予算もやがて組まれてまいりますでございましょうが、この点とくと御留意をいただきたいと存じます。大蔵省といたしましては、その点につきましてなおどのようにお考えになっておられますか、御決意のほどを大蔵省のほうからまず承っておきたいと存じます。
#168
○説明員(青木英世君) 先ほど四十八年度の公立文教施設の文部省の要求との対比では七四%と申し上げたわけでございます。これはまあ正直申し上げまして要求上のいろいろのテクニックの問題とかあるいはかけ引きの問題というのもございますと思いますので、前年度の予算と比べますと四七%増ということで五割近い増になっておるわけでございます。それから、四十七年度予算もたしか三六、七%くらいふえておるということで、それまでは大体二割以下ぐらいの増加でございましたが、四十六年度、四十七年度と急速な伸びを示しまして、たしか四十六年度の公立文教施設整備費全体が五百億台かと記憶しておりますが、それが三年の間に千億台というようにふえておるわけでございまして、財政当局としてもこういう問題について非常に熱意を持っておるということをひとつその点からも御了承いただきたいと思っておるわけでございます。
 四十九年度以降の問題につきましては、全体の予算がどうなるかというようなことも全然見当つけておらない段階でございますので、この公式の場で私から申し上げるのはひとつ差し控えさしていただきたいと思います。
#169
○萩原幽香子君 非常にじょうずにお逃げになったわけでございますけれども、しかし、子供というものを大事にするということが私は日本の国をほんとうによくするということに一番つながる問題だと思いますので、まあその点どうぞひとつ。
 そうして、前年度に比べて何%の増とおっしゃいましても、それは元が小さければ何%増にしていただいてもやはり大きくはならないということもあるではございませんか。だから、予算をお組みになるときに、どこに一番重点を置いて組むかということが私はむしろ大事なことで、昨年に比べて何%の増になったということはそう自慢にはならない、このように考えております。
 そこで、地価の公示価格の上昇が全国平均で前年比三〇・九%ということになったわけでございます。しかし、実際の地価はそれ以上にといいますか、たいへんな値上がりだと思います。私のところの例をとりまして恐縮でございますが、今度保育所の増築をやり始めたわけでございます。ところが一昨年始めたときには一万円を切れる地価でございました。それが本年その土地を買おうといたしましたら五万円になっておるわけでございます。このような状態でございますから、大都市の周辺の人口急増地域の学校用地の取得はとても困難になることだと思います。そこで、人口急増地域の用地取得についてどのように考えておられますのか、これは文部省のほうから承りたいと存じます。
#170
○政府委員(安嶋彌君) 児童生徒急増地域の市町村に対しまする校地の購入費の補助でございますが、昭和四十八年度予算におきましては、対前年度四十六億円増の九十八億を計上いたしております。面積では、前年度三百六十三万平米を三百九十七万平米に引き上げておりますし、単価も、前年度平米当たり一万六千円を二万一千円というふうに引き上げておりまして、量・質の両面で改善をはかっておるわけでございます。なお、この単価でございますが、これは予算の積算単価が四十八年度二万一千円ということでございまして、実際の執行におきましては、現実の購入価格、または地価の公示価格のいずれか少ない金額を基準にいたしまして補助金を支出しておるわけでございまして、実際に即したと申しますか、対応した単価で執行をいたしておるわけでございます。一律に二万一千円という単価で執行いたしておるわけではございません。
#171
○萩原幽香子君 それでは、その二万一千円というのは平均ということで、ランクがついているということでございますか。実質に合わせるということは、そういう意味でございますか。
#172
○政府委員(安嶋彌君) ただいま申し上げましたように、実際の購入価格または地価の公示価格のいずれか低い額ということでございます。ABCといったような段階を設けているわけではございませんで、実際の購入単価に対応した単価を基準にして予算を配分をしておるということでございます。四十六年度の実績について申しますと、これは大阪府の高槻でございますが、最高、平米当たり七万八百円、最低、三重県の四日市で二千百円というものがございましたし、四十七年度の実績で申しますと、最高は東京都の八王子市の十三万六千七百円、最低は埼玉県の川越市の千二百円というものがございました。こうした実勢単価に対応した予算の実施を行なっておるということでございます。
#173
○萩原幽香子君 そうしますと、この七万八百円とか十三万七千円とかいったようなものでございますと、大体どれぐらい補助をしていただけるんですか。
#174
○政府委員(安嶋彌君) 土地の購入費につきましては御承知のとおり交付率というものがございまして、これが四十七年度は五〇%になっております。これは、校地の購入の必要性、需要というものは児童生徒急増市町村だけではなくて一般の町村にもあるわけでございまして、そうした一般町村と急増町村の共通の部分につきましては補助対象にしないという扱いをいたしておるわけでございます。
 それから次に、その補助対象額につきまして三分の一の補助をするということでございます。したがいまして、実際の購入単価に対しましては六分の一の補助ということになるわけでございますが、四十六年度の場合でございますと、実際に予算計上された金額とただいま申し上げましたような方式で算定した金額にズレがございまして、その結果、七六%にそれを圧縮をするということをいたしておるわけでございますが、四十七年度の場合は、対象面積が大幅に増加をしたといったようなこともございまして、その圧縮が九七%強ということにとどまったわけでございますから、実際購入費のほとんど六分の一に近い金額が交付されておるということが四十七年度の実際でございます。
#175
○萩原幽香子君 社会増地域と、その他の地域との買収面積の比はどうなっておりますでしょうか。並びにその取得金額の比についても承りたいと存じます。
#176
○政府委員(安嶋彌君) 四十六年度の実績でございますが、社会増地域におきまする土地の買収面積は六百八十六万平米、それからその他地域におきまする買収面積が六百九十五万平米ということでございますから、その購入の面積から申しますと、大体見合った面積になるかと思いますが、買収費は、社会増町村の場合は約千百三億、これに対しましてその他の地域における土地買収費の総額は百八十八億ということでございます。総購入面積のうち、社会増地域が八五%で、その他地域が一五%、金額の面から見ますと、そうした数字になっております。
#177
○萩原幽香子君 いまの御説明を承りまして、やっぱり社会増地域というところは学校用地取得が非常にむずかしゅうございますね。そこで、お伺いするんでございますけれども、その他の地域と社会増地域の起債の状況はどのようでございましょうか。
#178
○政府委員(安嶋彌君) 小中学校用地の購入費の所要総額は九百三十一億というふうに自治省で算定をいたしておるわけでございますが、そのうち、ただいま御質疑がございました国庫補助対象事業分は四百十七億円でございます。その他は補助事業以外ということになるわけでございまして、水田債あるいは単独事業債及び地方交付税で措置が行なわれておるということでございます。なお、その国庫補助対象事業の総事業費は四百十七億でございますが、そのうち、国庫補助金が百三十九億、地方債が二百五十億、交付税が二十八億と、全体といたしまして、そうした財源措置が地方財政を通じて行なわれておるわけでございます。
#179
○萩原幽香子君 そういう状態で、学校でもひとつ建てようかなと思いますと、もうほんとうに市町村ではお手あげという状態になるわけでございますね、これは、そういうことに非常にお詳しい文部大臣でございますが、その件についてどのようにお考えでございましょう。
#180
○国務大臣(奥野誠亮君) 学校をどういう土地に建てるかということは将来の町づくりの基本になるんじゃないかと、こう思うわけでございます。同時に基本になるところは早く確保しておきませんとなかなか学校用地として取得しにくい、そういうこともございますので、自治省のほうで、地方公共団体が土地開発公社などをつくってそこで用地を確保することの得やすいように、資金措置でありますとか、税制の優遇措置でありますとか、その他いろいろなことをやっていただいておるようでございまして、そういう弾力的な運用で進行を速めていきたい。同時に、現実に学校を建てるときには、土地開発公社から市町村が今度は逆に買いつける、それに対して国庫補助をするというような行き方がとれるんじゃないかと、かように考えておるわけでございます。
#181
○萩原幽香子君 自治省おいでいただいておりますか。――いまの大臣の御答弁でございますが、もう少し詳しく、いわゆる学校用地取得の困難が予想される場合に、こういうような方途を考えていると、そういうものがございましたら、ひとつ、少し詳しくわかりやすく御説明いただきたいと存じます。
#182
○説明員(福島深君) ただいま文部大臣から御答弁がございましたように、自治省といたしましては、四十七年度から公有地拡大法の関連もございまして、都道府県知事によります先買い権と申しますか、そういう制度も創設いたしましたし、また、土地開発公社によって先行取得をする、そういうような方途も講じておるわけでございます。なお、そういうことにとどまらず、これもいまお話がございましたように、地方交付税におきまして学校関係の経費を重点的に算入をしていく、特に事業用起債等によりまして中学校の経費の算入をいたしておるわけでございますが、それとあわせまして、何と申しましても直接購入する場合の地方債の充実の問題があるわけでございます。で、地方債の組み方につきましても、ただいま文部省のほうからお話がございましたわけでございますが、義務教育施設の整備事業債も本年度はたいへん大幅にふえまして、地方債計画上におきましても千百五十億というワクになっておりますが、その中でも、計画上も用地費にかなり地方債がかかるであろうということで、四百二十二億、約四割ぐらいになりますが、そのぐらいのものは用地費ということで考えておるわけでございます。しかし、実際にはそういうことではなかなかおさまらないわけでございまして、先ほど補助の単価とか、そういう問題もございましたけれども、そういうものでおさまらないものにつきましても、地方団体の実情でほんとうに必要であると思われるものにつきましては、必ずしも地方債とか政府資金だけでやっておるわけでもございません。縁故資金等も活用しておりますので、そういうものをできるだけ活用いたしまして地方団体の要望にこたえる、こういう形で処理をいたしておるわけでございます。したがいまして、用地取得の起債につきましても、その地方債計画の額に必ずしもよりませんで、実態に即して起債を許可していくと、こういうことで対処いたしておる次第でございます。
#183
○萩原幽香子君 昨年の五月二十五日、やはり負担法の一部改正案の審議の際に、私は横浜市の浜小学校の東分校のことでお伺いをいたしました。その後、この学校ではどのように処置をされておりますか、お伺いいたしたいと存じます。
#184
○政府委員(安嶋彌君) 昨年の五月二十五日、萩原先生からお尋ねがあったわけでございますが、こうした公団住宅の一部が学校として利用されるということにつきましては、文部省もいろいろ問題があるのではないかという観点から補助対象にもしないで、その後の経過を見守ってきたわけでございますが、その後、私も現地を視察する機会も得ましたし、また、その校長さんからもいろいろお話を伺う機会を得たわけでございますが、幸いなことに、その後特に支障もなくこの学校の運営が行なわれておるというふうに承知をいたしておるわけでございます。その当時も申し上げましたように、こういう形態が望ましいと積極的に評価をするということではございませんけれども、横浜市のように児童生徒が急増をしておる、しかも、学校用地が非常に得にくいというような場所柄にありましては、こうした形もやむを得ないのではないかというような考え方に立ち至っておるわけでございます。で、この学校の運営の状況等をその後いろいろ聞いてみますと、いい点といたしましては、通学上の危険が少ないあるいは通学時間が少なくて済むといったようなこと、それから昇降口が一カ所でございまして、児童の出入りが非常に管理しやすい。それから、各教室から直接外部に出られるので万一のときの避難等もしやすいのではないか、あるいは中庭の利用度が高い、これは行って見ましたけれども、なかなかおもしろい使い方をいたしておりました。それから運動場もラバー舗装が行なわれておりまして危険も少ないし、雨が降りましても降りやんだときにはすぐに使えるといったような利点も指摘されております。また、校長先生のお話によりますと、子供が非常にのびのびしておるといったようなことも指摘されております。しかし一方、問題点といたしましては、緑が少ない、あるいは通学の楽しみがない、それから上の住宅から落下物があるということで、これは現在金網を二重にし、かつまた、その網目をこまかくする等の措置が行なわれておりますので事故はございませんが、そうした問題点がある。それから、住宅から学校への騒音の反響がたしかあるようでございます。また、学校の騒音が住居のほうに響いていくといったような問題点もあるようでございますが、いい点、悪い点いろいろございますけれども、まずまずの成果であろうというのが関係者の意見でございまして、私どももある意味ではほっとしておるというような次第でございます。
#185
○萩原幽香子君 文部大臣にお伺いしますけれども、学校という形を考えましたときに、私たちが学校というものを頭の中で描いたときに、いまおっしゃったような学校でございますね、こういうものは一体どのように評価をされるのでございましょうか。
#186
○国務大臣(奥野誠亮君) たいへんむずかしいことでございますが、分校で一年、二年だけをここに収容しておるというようにも承知しておるわけでございまして、したがいまして、おっしゃっているような学校という意味はおそらく全学年一緒になってそれぞれ長短補いながら集団訓練といったものを生かされていくというようなことをお考えになっているのではないかと推察するわけでございますけれども、全くやむを得ない措置ではなかろうかと、こう考えているわけでございまして、土地の問題からこういうことになっているわけでございましょうけれども、そういう困難な状況のもとにおいてはまあ一応やっているということになるのではないだろうかという式の管理局長の御報告であったように私伺ったわけでありますが、私も、そのように思っておるわけであります。
#187
○萩原幽香子君 その際、やっぱり局長さん、先ほどおっしゃいましたように、これは非常に好ましい状態とは言えないけれども、しかし、大勢として考えるときはやはり今後起こり得る課題であろうと思うので、大都市の学校建築については調査研究会を設けて、鋭意検討を進めていくということを私の質問に対してお答えをいただいたわけでございますね。
 そこで、現在、こういう急増地域でこうしたような組み込み型の学校がどれくらいございますでしょうか。
#188
○政府委員(安嶋彌君) 現段階におきましては、この種の学校はここだけしかないと聞いておりますが、しかし、現に横浜市においてこの種のものをさらにつくらざるを得ないというような話も聞いております。
#189
○萩原幽香子君 これもやむを得ないということでございますと、この種の学校建築に将来どのように助成をなさるおつもりか、これもやっぱり好ましくないからそっとしておこうというおつもりなんでございましょうか、その点承っておきたいと思います。
#190
○政府委員(安嶋彌君) 先ほど来申し上げているとおりでございまして、望ましいとは考えませんけれども、必要な学校施設であると、こう考えざるを得ないわけでありまして、今後は十分な指導を加えながら補助対象として取り上げてまいりたいというふうに考えております。
#191
○萩原幽香子君 それでは、いまの浜小学校の問題についてはそのままということでございますね。今後、そういうことが起こる場合にはやはり補助対象として考えてみよう、こういうことでございますか。そうしますと、その補助対象というのは普通の学校の場合とどのように差をおつけになりますのか、それとも、もう同じように取り扱っていこうとお考えになりますのか、その点もちょっと承っておきたいと存じます。
#192
○政府委員(安嶋彌君) 実はまだ具体的な課題として当面しているわけではございませんので、いろいろ問題が派生するかと思いますが、原則的には普通の学校の補助と同じように考えてまいりたいというふうに考えております。
#193
○萩原幽香子君 昨年の負担法審議の際にも、人口急増地域においての学校用地取得の困難さが非常に論議されたわけでございました。そのとき私は、その解消策の一つといたしまして、人口急増地域の中学校を、美しい自然に恵まれた過疎地に求め、全寮制の学校を建てることを提案をしたわけでございます。そのとき私は、やがて週休二日制にもなりますでしょうから、これが実施されますと、父兄もまた子供とともに自然に親しむ機会にもなろうかと申し上げたわけでございます。そのときに、当時の高見文部大臣は、中学校なら全寮制にしてもいいのではないかと思うので検討をしてみたいという御答弁があったわけでございます。その後、この私の提案に対しましてどのように御検討をいただけましたでしょうか。ただ、検討をいたします、とおっしゃったままになっておりますのか、その点を承りたいと存じます。
#194
○政府委員(安嶋彌君) この問題は、管理局の施設整備という観点だけの問題ではないわけでございまして、学校のあり方の基本にも触れる問題かと思います。そこで、省内、初中局等とも検討をしてまいったわけでございますが、その中間的な問題点として若干の点を御報告申し上げたいと思いますが、まず、いい点といたしましては、都会地の非常に狭い学校から広い自然の中の学校に移るわけでございまして、そうしたことの教育的な意味が大きかろうということ。それから、全寮制ということでございますので、集団教育の効果もあるいは期待できるかもしれない。それから、繰り返しになるかもしれませんが、恵まれた自然環境で成育をする、教育が受けられるということは、児童生徒の情操、健康等に対してもいい影響があるであろうということが考えられるわけでございますが、一方、問題点といたしましては、いわゆるグリーンスクール等でやっておりまするように、短期間でございまするならば比較的問題がないといたしましても、相当長期間家庭を離れて生活をするということにつきましては、父兄等の間からもいろいろ問題が起きてくるのではないか、あるいは家庭における経費の負担の問題というものも小さくない問題であろう。また、そこで家庭教育との切断があるわけでございますが、そうした問題あるいは家庭のしつけの問題等にも問題が起こるのではないか、というようなことがございます。また、父兄の全部がそうした事柄にはたして賛成をしてくれるかどうか、そういった点も問題としてあげられるのではないかと思います。
 文部省では現在、御承知のとおり、この児童生徒の急増対策ということよりも、むしろ、まあ一種の公害関係の対策の一つといたしまして、先ほど申し上げましたグリーンスクール等の施策を進めておるわけでございますが、こうしたものの実績もさらに十分検討をしたい、あるいはそれを拡充することによって萩原先生が御指摘のようなそういう効果も期待できるのではないかというふうにも考えております。
 それからまた、その全寮制の小中学校等を設けました場合に、そこに勤務いたしまする教員の勤務に関連する各種の問題も起こってくるのではないか。こういうことがいろいろと検討されるわけでございまして、私どもも、こうした問題をめぐってさらに検討をしてまいりたいというふうに考えております。
#195
○萩原幽香子君 先ほどの考えたい問題点ということで御指摘になりました中に、私は家庭教育とか、しつけの問題ということも確かに含まれるということは思いますけれども、また逆に、いつも一緒にいて親と子がちっとも話をしないといったような家庭も決して少なくないと思います。ところが別れてみますと、私たちもそういう経験がございますけれども、まず親に手紙を書いてみようとか、そういったようなことで、むしろ、いままで全然親と子のつながりの中で考えられなかったようなものが離れてみることによってわかるという点も考えられるのではないだろうかというふうに思います。それから経費の面でございますけれども、こういうことはやはりそういうふうになれば、義務教育という形でもう少し文部省としても手当てをしていただくようなこともお考え願えれば、まあある程度の問題の解決にはなるのではなかろうかということを思います。まあ、昔の師範学校といいますと、ああああ昔師範学校だったからあんなことを言うのかということになるかもしれませんが、やはり高等小学校を卒業しまして五カ年間、いわゆる寮に入って生活をいたしました、あの当時のことを考えてみて、私は決してこれはマイナスではなかったような感じがするわけでございますね。集団生活の中でいろいろ学び取ることもございますし、離れているからといって親と子の間に断絶ができたとも私は考えられない、むしろ逆のことも考えられる、こういうようなことも考えまして、私は実はこの問題を提案したわけなんでございますね。ですから、この問題につきまして、文部大臣は教育の立場からどのようにお考えになりますか、承りたいと存じます。
#196
○国務大臣(奥野誠亮君) 全寮制の中学校という限りにおいてはたいへん好ましい教育ができるのじゃないか、こう思うわけでございます。ただ、問題は義務教育なものでございますので、希望者だけを収容するわけにいかない、そこにやはり私は問題が残るなという感じを持ちながら、聞かしていただいたような次第でございます。
#197
○萩原幽香子君 しかし、これは十分検討をしていただきますと、案外よかったということになるのではございませんでしょうか。ひとつ十分御検討の中にお入れをいただきたいと存じます。
 次に、学校統合についてお尋ねをいたします。今日まで学校統合を行ないまして、いずれもスムーズに行なわれてまいりましたでしょうか。何かの形でトラブルが起きたのはどれほどの件数がございますでしょうか。過去十年間ぐらいを単位にいたしまして、そのトラブルの原因、そしてどういう状況に発展したか、その点について承りたいと存じます。
#198
○政府委員(安嶋彌君) 過去十年くらいの間におきまする学校統合をめぐるトラブルでございますが、私どもの調査では、全国で約四十二校に及んでおるというふうに承知をいたしておりますが、理由といたしましては、やはり学校の位置が町村内においてなかなか折り合いがつかないという理由がまず第一にあげられます。言うまでもないことでございますが、学校は地域あるいは町村の中心にあるわけでございまして、その位置をどこにするかということは、町村住民全体の非常に大きな関心事なわけでございますが、そうした理由によるもの、それから通学距離が長くなるというような理由によるもの、それから過疎化がさらに進行するのではないかといったようなことによるもの、それからその他いわゆる住民感情からくるいろいろなもつれというものもあるようでございます。
#199
○萩原幽香子君 この負担法の施行令、第三条第一項第一号によりますと、十二学級から十八学級が適正基準、こういうことになっておりますね。ところがその適正基準同士の学校を統合された例はこれまでにどれほどございましたでしょうか。こちらもこちらも適正基準だと、それを統合した、こういうような例でございますね。そういう場合は、これはどういう理由によったものでございましょうか、これを承りたいと思います。
#200
○政府委員(安嶋彌君) 四十四年から四十七年度までの間におきまして、適正規模の学校が双方または一方の当事校となって統合が行なわれたものの数が小学校で九十二校、中学校で百十五校ということでございますが、このうち、適正規模の学校が関連校となって統合が行なわれたものは十一校あるというふうに承知をいたしております。これはやはり適正規模でございますれば、必ずしも統合する必要がないようなふうにも思えますけれども、統合することによってなおかつそれがつまり十二学級の学校を二つ統合することによってそれが十八学級の学校になるというようなケースも中にはあるわけでございます。かつまた、たとえば事務職員の配置が新たに可能になるとか、養護教諭の配置が新たに可能になるとかあるいは通学上の危険が少なくなるとかあるいは合併町村でございますと、統合を進めることによって住民感情、住民意識の一体化がはかられるとか、そういったようなことがいろいろ動機になっておるようでございます。
#201
○萩原幽香子君 現在紛争をやはり続けております茨城県の関城町の黒子という小学校でございますね。これは十三学級、また統合いたしました河内小学校、これも十三学級でございますね。これを統合させたということなんでございますが、非常に紛争がいまなお続いている、こういう状況でございますが、その紛争状況について文部省はどの程度調査をなさいましたでしょうか、また、どのように把握をされておりますでしょうか、承りたいと存じます。
#202
○政府委員(安嶋彌君) 御指摘のとおり、この両小学校の統合は、一方の河内小学校が十二学級で特殊学級が一学級、十三学級、それから黒子小学校は十二学級でこれまた特殊学級が一で、十三学級でございますが、両方を統合いたしまして十八学級で、特殊学級一学級の学校をつくろうというのが統合の趣旨でございます。そういうことで計画が進められておったわけでございますが、関係者の間に争いがございまして、訴訟にまで及んでおるわけでございます。そうした事情があったものでございますから、文部省といたしましては、これは補助対象にはいたしていないわけでございまして、一昨年でございましたか、本委員会におきましてもこの問題が論議をされまして、その後、茨城県の当局を通じまして、円満に解決するようにいろいろ指導をいたしておるところでございます。しかしながら、現状におきましても、必ずしも両校の統合が円満に行なわれないで、一部に自主授業というようなことも行なわれておるようでございますが、先月二十四日、県の教育委員会が、町と統合反対派に対しまして調停案を示して、具体的にこの正常化に乗り出しておるような状況もございますし、かつまた、訴訟になりました裁判所におきましても、これはむしろ和解でもって事態の解決をはかるべきではないかという裁判長の勧告等もございまして、現在そうした方向で話し合いによって解決をしたいという方向で事態が動いておるわけでございますが、ただ、今日の段階では最終的に関係者の合意が得られたという段階には至っておりません。今後とも茨城県教育委員会を通じて円満な事態の解決を期待したいというふうに考えております。
#203
○萩原幽香子君 茨城県の教育委員会の教職員第一課長さんのお話を承ったわけでございますけれども、それを聞いてみますとなかなか問題はむずかしいようでございますね。ですからこれをほんとうにうまく解決をしていただきませんと、これは四十八年四月十日の毎日に出ておったんですが、六年生の子供が自殺をはかるといったような事件さえも引き起こしている、こういう状態でございますね。ですから、そんなことになっておっても、一体文部省はどこまで手を入れてくださったのだろうかと、私は非常に気になったわけなんですね。ですからどの程度の把握をしていてくださいますのか、現在まだ紛争中ではございますけれども、その紛争の中の原因が一体どういうところにあるのだろうか、これはこの方のお話でございますと、三つ原因があげられると、こうおっしゃっているわけでございます。一つは、黒子小学校は創立以来約百年の伝統があって、そのような学校がなくなることは住民感情として納得がいかない、これが一つの理由のようでございます。それから、二つ目には、両校とも十三学級であって適正規模だ、別に統合する必要はないではないか、こういうことがあげられております。三つ目には政治的な感情のしこりだと、こういうことなんでございますけれども、私もよくわかりませんのは、この政治的な感情のしこりと、こういうものがどういうものなのかということもひとつ文部省としても調査をしていただいたほうがよろしいのではないか、そういうものの、いわゆる犠牲に子供が供されるということはがまんのならないことだと、私は考えるわけでございます。現在ではそれでは自主授業というのがどれぐらいなされておりますか。それは御調査でございましょうか。
#204
○政府委員(安嶋彌君) 六月四日現在でございますが、いわゆるその黒子教場におきまして八十二名の者が自主教育を受けているということでございます。
#205
○萩原幽香子君 そうしますと、この自主授業を受けております子供の扱いというのはどのようになるのでございましょうか。
#206
○政府委員(安嶋彌君) そのことが問題なわけでございまして、先ほど申し上げました県教委の調停案というものの内容におきましても、当分の間、この黒子教場における自主授業に対しまして、教員を派遣をいたしまして正常授業に戻すということを一つ提示をしているわけであります。つまり、当分の間その事態を、正規の教員を派遣することによって正規の授業に戻していくということが一つございます。それから、もう一つは、事態をそうしたふうに一応安定さしておきながら八月末までに結論を出すべく審議委員会を発足させたい。この二つの点を県教委が町側と統合反対側に示しているわけでございますが、最近の報告によりますと、当分の間、この自主授業を正規の授業に戻すという点につきましては関係者の間に異存がないわけでございますが、統合に関する審議委員会の発足をいま直ちにやるという点につきましては異論があるようでございまして、反対派は七月の町議会の議員選挙が済んでから委員会を発足させるべきであるというようなことを主張いたしておりますし、町側は二学期からはぜひ統合校に通学をしてもらいたいという主張をいたしておりまして、この辺のところがまだ双方の間で折り合いがついていないということでございます。私ども、先ほどお話しのように、児童をこうした紛争に巻き込むということにつきましては、まことに遺憾なことでございますので、そうした観点から、さらに、茨城県当局に対しまして十分指導をいたしてまいりたいというふうに考えております。
#207
○萩原幽香子君 そうしますと、この正常授業に戻す期間はよろしゅうございますけれども、それを越してもなおこういう自主授業が行なわれる場合に、これはどのようになりますでしょうか。そしてまた、ここで教べんをとられる先生の給与その他は一体どのようになりますのでしょうか。この点ちょっと承りたいと存じます。
#208
○政府委員(安嶋彌君) ただいま自主授業を行なっておりまする教員の給与は、これは県教委が任命をした教員ではないわけでございますから、したがって、その給与はおそらく自主授業に参加しておる児童の父兄が負担しておることと思います。教員を正規に派遣いたしますれば、もちろん、それは県において給与その他は負担をするということになるわけでございますが、お尋ねのように、この事態が今後とも解決されなかった場合にはどうなるかということでございますが、そういうことがないようにせっかく努力をしてもらいたいというふうに考えておるところでございます。
#209
○萩原幽香子君 これは、外部団体等がこの問題に対して介入してきているような経緯がある、こういうことでございますが、その点について御調査されておりますでしょうか。
#210
○政府委員(安嶋彌君) どういう外部団体があるかということにつきましては、事実は把握いたしておりませんが、かなり広く反響を呼んでおる事件でございますから、あるいはそういう関連の事柄もあろうかと思います。
#211
○萩原幽香子君 聞くところによりますと、いま自主授業をされております先生というのは、前にここにおられた方が引き続いておられて、そしてその教べんをとっておられるように聞いておりますが、その点いかがでございますか。
#212
○政府委員(安嶋彌君) 実は、そこのところ正確にまだ把握をいたしておりませんが、私どもの聞いておりまするところでは、定時制高校の先生とか、あるいは大学生がその授業を担当しておるというふうに聞いております。
#213
○萩原幽香子君 そうしますと、一緒に統合しましたら学級数は減りました。そうしますと、その両校におられた先生たちはどういうようになられたんでしょうか。
#214
○政府委員(安嶋彌君) そこまでは確認はいたしておりませんが、十二学級の学校が二つ一緒になって十八学級の学校になったわけでございますから、おそらく若干の先生がほかに移られたというようなことかと思いますが、これは茨城県教育委員会がそうした人事異動を行なっているはずと思います。
#215
○萩原幽香子君 実は、その黒子におりたいということで子供が残った場合に、そこの先生方は全部ほんとうにお引き揚げになっただろうかという疑問が私はやっぱり残ります。子供たちがここにいたい、こう言ってそこにとどまって勉強をしようというときに先生たちが全部引き揚げておしまいになったかどうか。だから私が申し上げたのは、おそらくここに残った先生も何人かはいらっしゃるだろう。それがもし県から任命された先生でないからということになって給与が打ち切られるということになったらその先生方の身分は一体どうなるんだろうか。それはいわゆる給与だけの問題ではなくて、身分の問題が一緒にからんでくると思いますが、その点はどのようになったでしょうか。これはおそらく茨城県の教育委員会が何とかされたんでしょうというだけでは、やはり私は文部省としてこういう場における情けというものが少し欠けているんじゃないかという感じがいたしますけれども、その点いかがでございましょう。
#216
○政府委員(安嶋彌君) 御指摘の点まで具体的に調査はいたさなかったわけでございますが、お話でもございますので、さっそくその辺の実態を明らかにしたいと思います。
#217
○萩原幽香子君 自分が教員をやってまいりましたので、いろいろなことがやはり気になるわけでございます。そういう点、ひとつやはりこれは教育の場だということが村の人からも、そうして子供たちからも感じられるように私はやっていただきたいものだと、こういうように考えるわけでございます。しかも、この紛争が四年間も続いているという、その中で子供の自殺事件まで起こすという、こういうことは捨てておくべき問題ではない、こう思います。どんなことがございましても、またどんな場合でも、子供を住民感情の対立の犠牲にしたり、行政当局の御都合主義の具に供してはならない、私はそう思います。子供を守る立場にある文部省の学校統合に対する基本姿勢というものをまず文部大臣から承っておきたいと存じます。
#218
○国務大臣(奥野誠亮君) 学校統合の及ばす影響は非常に大きいわけでございますだけに、何といいましても、住民の理解と協力が得られなければならない、こう考えるわけでございます。
 もう一つは、やはり教育上の効果、これを中心に考えていくべきであって、経済的な問題が先に立ってはいけないということではなかろうか、かように思っておるわけでございます。そういう条件のもとに適正規模の学校をつくり上げていくという努力が現在なされるように持っていって、初めて統合という問題が実現できるのではないだろうか、かように考えております。
#219
○萩原幽香子君 私は、教育上の効果ということの中には、やはり一番問題になるのは、子供の心ではないだろうかというふうに思うのですね。その点をよほど大事に考えていただかないと、いろいろな問題を残すのじゃないかというように思います。その点十分御配慮をいただきまして、学校統合の問題についてはお取り組みいただきたいと存じます。
 で、この負担法施行令の第三条第一項第二号によりますと、統合による適正通学距離を小学校では四キロ、中学校では六キロと定められておりますが、この通学距離は、はたして適正でございましょうか。どんな方法で通学をさせようとお考えになっておりますのか、承りたいと存じます。
#220
○政府委員(安嶋彌君) 政令には明文として書いてございませんけれども、ただいまお話しの小学校四キロ、中学校六キロという通学距離は、これは徒歩の場合ということでございまして、これがきまりました当時は、労働科学研究所の疲労度の調査等の結果を参考にいたしまして、子供の疲労の限界、それから、それだけの距離を通学してまいりましても、なおかつ勉学に耐え得るというようなことを前提にいたしまして、この距離をきめたわけでございます。
#221
○萩原幽香子君 局長さん、そうおっしゃいますけれども、小学校の四キロといいますのは、一年生の子も二年生の子も四キロでございますね。四キロというのは一体、おとなの足でどれくらいかかるとお考えでございますか。
#222
○政府委員(安嶋彌君) 四十分くらいかと思いますが、おとなの足で四十分くらいかと思いますが。
#223
○萩原幽香子君 私は、まあ女でございますので、なかなか四キロを私は四十分でよう歩きません。といたしますと、まあ、小学校の一年生や二年生の子が四キロ歩くのは、これ適正だなんとお考えになることは、私はどうも疲労度の研究をどなたがどういう形でなさってくださったかわかりませんけれども、そうして、たいがい八時半というようなときに学校が始まるといたします。一時間といえば、まあまあ子供の足で一時間と見まして七時半には出なければならないということになります。行きも帰りもそれだけ、一時間ずつを歩くということでございますが、これまあ遠足とか何かだったらよろしいでしょうけれど、どんなもんなんでございましょう。中学でしたら六キロでございますから一里半、それを毎日通うということはこれ適正ということになるんでございましょうか。ちょっと私これは適正ということになりにくいような感じがいたしますけれどね。
#224
○政府委員(安嶋彌君) これは、適正距離と申しますよりはむしろ以内ということでございますから、最高の距離という意味でございます。これをきめました当時は、先ほど申しましたように労働科学研究所の各種の調査を参考にしてきめたわけでございますが、同時に、児童・生徒の通学の実態調査をいたしましたところ、やはり小学校四キロ、中学校六キロまでというところが実態的にもかなりある例でございまして、理論的にも実態的にもまずこの辺ならば最高限として適当であろうというふうに考えたわけでございます。もちろん、おっしゃるように近ければ近いにこしたことはないと思いますが、これ以内でやってもらいたいというのがこの趣旨でございます。
#225
○萩原幽香子君 まあ少し、私は適正――以内とおっしゃいましても、やっぱり以内だから四キロであっても別にいけないということにはならないということですと、やっぱり私は一年生、二年生の子供の足でそれだけ歩かせるということはどういうもんだろうか、それで疲れないでほんとに近いところから来た子供たちと同じように学習ができるだろうかどうだろうか、こういう問題についてはもう一回私ははっきりと御調査をいただいて、ずいぶん遠方から来ておりますような子供と、近くから来ております子供との学習の状態なんかも一度調査をしていただいたらどうだろうかと思うんでございますが、その点いかがでございましょうか。
#226
○政府委員(岩間英太郎君) 昔は三里ぐらい歩いて通った場合もあるということを聞いておるわけでございますけれども、近ごろの都会の子供は特に足が弱くなったりなんかするということも聞いておりますし、全般的に体位は向上したけれども、体力は衰えておるというふうなデータもあるわけでございます。したがいまして、私どもも体育局あたりと相談しましてその点を調べてみるということはけっこうなことじゃないかというふうに考えます。
#227
○萩原幽香子君 昔は三里歩いたと、まあおっしゃるとおりかもしれませんけれども、だいぶ変わってまいりましたんですからね、あたりの情勢がすごく変わってまいりましたので、いまの子供たちに合わせて一それは歩かせることは私は決して悪いことだとは思いません。少し歩いてもらったほうがいいとほんとうは思いますけれども、しかし、一年生に四キロなんていうのはどうだろうかという問題はやっぱり私の気持ちの中に残ってまいりますので、その点お願いをしたいと思います。
 統合によって適正通学距離以上の地域から通学している生徒は現在どれくらいございますでしょうか、小中学校別にお聞かせをいただきたいと存じます。
#228
○政府委員(安嶋彌君) 小学校の場合、統合校数が七百七十七校でございまして、その学校に在学しておりまする児童約二十五万、そのうち四キロ以下の通学をいたしておりまする者が約二十二万三千人でございますから、総数の約八九%の者が四キロ以下ということになっております。
 それから、中学の場合でございますと、統合校数が五百九十九校、在学生徒数が約二十四万八千人。そのうち、四キロ以下の通学を行なっておりまする者が二十万二千、四キロから六キロまでの通学を行なっております者が約一万三千、合計八七%の者が六キロ以下の通学を行なっておるという結果が出ております。
#229
○萩原幽香子君 そうしますと、その適正通学距離以上の地域から通学している子供たちに対してはどのような対策が立てられておりますか。
#230
○政府委員(岩間英太郎君) 私どもの考えとしましては、普通に路線バスがございます場合にはそういうものを――路線バスに限りませんが、あと軌道等ございます場合には、それをまあ利用していただく。それから、そういうものがない場合にはこれはスクールバス、あるいは海の場合でございますとスクールボートというふうなもので通学をしていただくというふうな考え方をとっておるわけでございますけれども、これに対しまして小中学校とも遠距離児童・生徒の通学費の補助金を現在持っておりまして、対象人員が小学校で一万八千五百八十六人、中学校で三万七百三十六人、これは統合後五カ年間補助をいたしまして、それ以後はまあ地方交付税で見ていただくというふうなたてまえをとっておるわけでございます。それから、スクールバス、ボートにつきましては、これは購入費の補助を現在四十八年度で二億二百万ばかりございまして、これでもって購入をしていただく。それから、そのスクールバス、ボートの維持費につきましては、これは地方交付税のほうで財源措置をしていただく。一台当たり年間百七十万の財源措置をしておるわけでございます。
 それから、まあいよいよそういうふうな通うということも困難であるという場合には、先ほど来お話がございますように、寄宿舎をつくりまして、その寄宿舎の児童・生徒につきましては、これは食費、日用品費を国庫補助を行なうと、子供にとりましてはこれはただでいけるというふうなことでございますけれども、なお、寄宿舎の運営費につきましては、小中学校で児童・生徒一人当たり年間七万二千円の寄宿舎の運営費を考えるというふうな方法で、そういう遠距離の子供たちに対しましては対策を講じるという方針をとっておるわけでございます。
#231
○萩原幽香子君 適正規準によって学校統合がなされて廃校になった学校もかなりあると思いますけれども、全国で何校ぐらい廃校になっておりますか、承りたいと存じます。
#232
○政府委員(安嶋彌君) 四十七年度におきまして統合後の施設をほかに転用をいたしましたものがかなりあるわけでございますが、補助対象となっておりました施設の転用処分につきましては文部大臣の承認を必要とするものでございますから、その関係の資料が私どもの手元に上がってまいるわけでございますが、四十七年度その総数は百七十三件ございまして、そのうち三十八件がたとえばそのあいた施設を幼稚園に転用するとかあるいは中学校から小学校に転用するとかいった学校教育のために利用されております。それが三十八件でございます。それから、公民館とかあるいは集会所、青少年研修センター等の社会教育施設に利用されておりまするものが六十二件ございます。それから保育所でありますとか、役場の庁舎等に利用されておるものが八件ございます。その他農協の倉庫になりますとか、あるいは民間の工場に払い下げられるとかいったもの、あるいは解体されて撤去されてしまうといったようなもの等がございますが、総体として百七十三件ということになっております。
#233
○萩原幽香子君 こうした廃校になったものは、もう少しいい使い方もあるんじゃないかなというような感じがちょっとしたわけでございます。こうした学校をやっぱり人口急増地域の生徒たちに夏休み・春休みなど一定期間開放して自然とのまじわりを深めるような措置、こういうものは考えられないものだろうかというふうに思うわけでございますが、こういうような使い方をしておりますのは現在ございますでしょうか。いかがでございましょう。
#234
○政府委員(安嶋彌君) 実は、私どものところに承認申請としてあがってまいりましたものの中には、さようなものは含まれていないのでございますが、御指摘のようなそうした有意義な使い方というものも今後検討すべき課題であろうというふうに考えております。
#235
○萩原幽香子君 これをごらんになりましたでしょうか。読売の五月十七日の記事でございますが、「自然の中で集団生活を通して先生や生徒同士の理解を深めよう」というわけで、東京の調布四中の二年生が三百六十人、先生に引率をされまして群馬県の榛名湖畔の高原教室へ行ったと、こういうことが出ておりますね。そこで、私は、こういったような、これが移動教室というような形で、夏休みの林間学校とは違って年間の授業計画の中に組み込まれた教育の一環としてこういうことをやっている、こういうようなところがすでに出始めているところでございますから、こういう統合された学校でそういう計画を進んでやっていただきますならば、非常によろしいのではないか、こういうことも考えるわけでございますね。だから、いまからそういった面で、ひとつ、ぜひお願いいたしたいと思います。現在の社会環境は、何といっても、子供たちに対しては申しわけのない状況であろうかと思います。次の世代のにない手でございます青少年をよい環境のもとで育成することは国民全体のつとめであることは論を待ちませんけれども、とりわけ、直接、児童・生徒のために快適な教育環境を整備する立場にある文部省でございますから、ひとつ、思い切って発想の転換をしていただいたらいかがでございましょう。そういう意味で、私は中学の全寮制の問題も申し上げたわけでございますし、いまのように、廃校になったところへ子供たちを送って自然に親しませるといったようなこともお考えをいただきたい、こういうことを考えたわけでございますけれども、文部大臣、そういったようなことについて、さらに、どういう新しい計画をお持ちになっておりますか、公害に悩まされる子供を救うという面でも、どういうような御計画をお立てになっておりますか、承りたいと存じます。
#236
○国務大臣(奥野誠亮君) 従来、とかく、従来の型にはまった学校教育に日本の教育が依存し過ぎているじゃないかという意見が多いように承知しているわけでございます。体育・徳育・知育を通じて調和のとれた人間が育てられなきゃならない。同時に、また社会教育、体育の面において教育を大きく受け持ってもらう必要があるんじゃないだろうかということも強く言われておることだと、かように私考えておるわけでございます。そういう意味合いにおきまして、社会教育なり体育なりの施設の整備も急がなきゃなりませんし、同時に、また「少年自然の家」とか「青年の家」とかいったものの施設もふやしてまいってきておりますのも、御指摘になりましたような考え方に基づいているんだと、こう私存じておるわけでございます。したがいまして、いま、いろいろお教えいただきましたこと、そういう方向でやはりお考えいただいているんじゃないだろうかなと、こう私拝察いたしたわけでございまして、ぜひ、そういう社会教育、体育あるいは自然にもっと親しむ人間教育に力を入れていく、そういうことで使える施設はできる限り使えるような配慮をしていくというようなことで努力していきたいと、かように思います。
#237
○萩原幽香子君 終わります。
#238
○委員長(永野鎮雄君) ほかに御発言がなければ、本日は、これにて散会いたします。
   午後二時五十五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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