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1972/06/19 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 文教委員会 第12号
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1972/06/19 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 文教委員会 第12号

#1
第071回国会 文教委員会 第12号
昭和四十八年六月十九日(火曜日)
   午前十時九分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月十五日
    辞任         補欠選任
     西田 信一君     中村 登美君
     青木 一男君     二木 謙吾君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         永野 鎮雄君
    理 事
                久保田藤暦君
                楠  正俊君
                宮之原貞光君
    委 員
                金井 元彦君
                志村 愛子君
                塩見 俊二君
                中村 登美君
                濱田 幸雄君
                二木 謙吾君
                宮崎 正雄君
                小林  武君
                鈴木美枝子君
                松永 忠二君
                内田 善利君
                矢追 秀彦君
                萩原幽香子君
                加藤  進君
   国務大臣
       文 部 大 臣  奥野 誠亮君
   政府委員
       文部大臣官房長  井内慶次郎君
       文部大臣官房審
       議官       奥田 真丈君
       文部省初等中等
       教育局長     岩間英太郎君
       文部省社会教育
       局長       今村 武俊君
       文部省体育局長  澁谷 敬三君
       文部省管理局長  安嶋  彌君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡辺  猛君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(永野鎮雄君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続いて質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○矢追秀彦君 初めに、学校開放についてお伺いをいたします。
 今日のコミュニティーの再編におきまして、最も基本的な単位は小学校区であると考えます。そういった意味で、小学校はコミュニティーセンターとして非常に大きな働きをすると思いますので、子供の遊び場、青年のスポーツの場としてばかりでなく、地域住民の社会教育活動の場として地域ぐるみの活動が期待されると思いますが、この学校開放につきまして、文部省といたしましては基本的にどのようなお考えをお持ちになっているか、最初にお示しを願いたいと思います。
#4
○政府委員(澁谷敬三君) 御案内のように、学校教育法には「学校の施設を社会教育その他公共のために、利用させることができる。」と、こういうふうになっておりますが、社会教育法、それからスポーツ振興法はさらに積極的に学校の施設は、学校教育に支障のない限り社会教育とか、スポーツのために開放利用させるようにつとめなければならないというぐあいに、さらに社会教育、スポーツに関しましては、そういうふうに積極的につとめよという考え方になっております。体育、スポーツの見地からいいますと、わが国の場合、学校の施設が中心になっておりまして、公共的な運動広場とか、体育館が少ないものですから、それを大幅に日常生活に身近なところに拡充をいたしたいということで年々予算をふやしてもらっておりますが、やはりそれと並行いたしまして学校の施設の開放ということも非常に大事でございます。そういう見地で、社会教育局におきましては、子供の遊び場といいますか、そういう見地から、それから体育局におきましてはスポーツ活動という見地から学校開放に必要な、たとえばベンチとか、クラブハウスといいますか、更衣室のシャワー、便所、それからちょっとした集会室、休憩室、それから運動の器具を入れるそういうクラブハウスの設置、それから社会教育局、体育局、それぞれその場合の管理指導者を置くようにという、そのための補助金、そういったものを計上いたしまして学校開放の促進をはかりつつあるというのが現状でございます。
#5
○矢追秀彦君 いまもお話がございましたが、学校教育法第八十五条に「学校教育上支障のない限り、学校には、社会教育に関する施設を附置し、又は学校の施設を社会教育その他公共のために利用させることができる。」としており、さらに社会教育法では「学校の管理機関は、学校教育上支障がないと認める限り、その管理する学校の施設を社会教育のために利用に供するように努めなければならない。」、このように、この二つの法律では非常に積極的な学校開放を義務づけておるわけでございますが、現在学校開放はどのくらい普及をしておりますか、最近の増加傾向はどうなっておりますか、その点、データでお示し願いたい。
#6
○政府委員(澁谷敬三君) ちょっと調査は古いのでございますが、昭和四十四年に悉皆調査をいたしました。そのときの状況でございますと、昼間でございますが、体育館の開放は約三一%、プールは八%、それから夜間につきましては、約三〇%程度が開放をしておる。その後、社会教育局、体育局で、先ほど申し上げましたような補助金などを計上いたしておりますのでかなりふえつつあるとは思っておりますが、そういう現状になっております。
#7
○矢追秀彦君 私は、いま昭和四十七年の八月三十一日現在の、これは東京都教育庁社会教育部からのデータ「学校開放」という報告書でございますが、これを見ますと、東京都に例をとりますと、いわゆる二十三区ではかなり開放率というのはよいわけであります。しかしながら、いわゆる三多摩地区になりますとかなりその率が落ちてまいります。特に、このデータ見ていただくといいんですけれども、遊び場というのは、わりあいいわゆる都内の二十三区の場合はあるわけですけれども、都内の場合の傾向としてはスポーツ関係、これは非常に少なくなっております。社会教育になりますと非常にばらつきがひどくて、いいところとゼロのところが非常に極端になっております。三多摩方面で見ますと、やはり全般的にいま申し上げたように、二十三区と比べまして遊び場の開放も少のうございますし、また、スポーツ関係も非常に開放が少ない、社会教育も都内二十三区よりは少ない、こういうふうなことになっておりまして、非常に三多摩方面の格差が大きいわけでありますが、この理由はどこにあるとお考えになりますか。
#8
○政府委員(澁谷敬三君) いま区部とそれから三多摩地区の比較のお話がございましたが、その辺の理由は、実はいまそのような実態は十分把握しておりませんでございます。やはり区部のほうは運動広場、遊び場その他もたいへん少ないという見地からそういう学校開放の必要性に非常に迫られている、そういうことも一因ではないかと思います。
#9
○矢追秀彦君 データお持ちでないでしょう。(資料を渡す)
 区部のほうの遊び場が少ないのは、三多摩地区のほうは遊び場がまわりにたくさんあるから必要がないと、確かにそれは一理であると思いますが、しかし、その遊び場一つを見ていただいても、区部の場合でも、中学のほうはゼロが多いわけです。小学校の場合はかなりあるわけですけれども、そういう場合、ただ単なるそれぐらいのことで言えるのかどうか、特に、区部の場合は中学生の場合はどうなっているのか、その点はいかがですか。
#10
○政府委員(澁谷敬三君) 小学校と中学、高等学校の比較でございますが、全国的な傾向といたしまして、中学校の場合は比較的その当該学校の生徒が、学校教育が終わったあともよく使うということがございまして、全国的な傾向として学校開放は小学校のほうが多くなっておるというのが傾向でございますが、最近は中学、高等学校などもかなり開放に力を入れるような傾向になりつつあると思っています。
#11
○矢追秀彦君 それは三多摩方面で特に遊び場だけではなくて、スポーツのほうも非常に少ないわけです。これは、私はいまそういうまわりの遊び場があるから開放が少ないのじゃなくて、やはり三多摩方面にいろいろな区部と比べましてすべて三多摩というのは格差があるところでありますので、そういった点でいろいろな市町村の行政というものがかなりおくれてきておる、そういった点で、そういったことに対する配慮等もできない、財政の問題も含めましてそういう点から開放されてないのじゃないか、三多摩方面だから必ずしも広場がたくさんあるとは言えないと思うのです。というのは、人口急増地域はやはり三多摩方面ですから、学校だってまだまだプレハブ校舎も多いわけですし、ただ、まわりが広いからだけで片づけてはならぬと思います。先ほど文部省としては四十四年以来は調査をされておらないようでありますから、実際、東京都へ行けばそういうデータもありますし、各地方にもあるはずですから、ひとつその点はきちっと掌握をしていただいて適切な指導をしていただきたいと思うんです。その辺はいかがですか。
#12
○政府委員(澁谷敬三君) 学校開放の重要性というものは今後ますます高まると思いますので、近く御趣旨のような調査をぜひやりたいと思います。
 それから、いまの御質問は、区部と三多摩地区の比較というお話でございましたが、やはり全般的な問題といたしまして、学校開放を実施する場合にいろいろ問題点もございまして、そういう問題点の解決といいますか、問題点といたしましては、大別いたしまして、施設設備の管理上の問題、それから指導者、管理者の問題、それから事故防止あるいは事故が起きた場合の問題、そういったようなことが考えられますが、そういうことで、やはり態勢をかなり整えてやりませんと学校のほうがやりたがらないという問題もあるかと思いますが、その点につきましてはまた御質疑に応じましてお答えいたしたいと思います。
#13
○矢追秀彦君 次に、学校開放の具体的な運営についてお伺いしたいと思うんですが、この運営はどのようになっておりますか。
#14
○政府委員(澁谷敬三君) 一般的に、学校開放は教育委員会あるいは学校長の責任において実施されておるのが実態でございますが、最近はさらに開放のために必要な組織とか責任者といいますか、学校開放委員会といったような、市町村の教育委員会、それから学校側、それから地域住民、利用するほうの側、あるいはPTA、そういった関係者で組織いたします学校開放委員会などを設けまして計画的に実施をするところも次第にふえつつある、一般的にはそういうことでございます。
#15
○矢追秀彦君 先ほども少し出ましたが、学校開放を実施するにあたっていろいろむずかしい問題があると思いますが、特に、むずかしい点については何と何と何ですか、その点の説明をお願いします。
#16
○政府委員(澁谷敬三君) 大別いたしまして、施設設備の管理上の問題、指導者、管理者の問題、事故の問題などがあげられると思うわけでございます。
 施設設備の管理上の問題といたしましては、たばこの火の不始末による火災の発生とか、いろいろ器具器物の破損損壊とか、あるいは生徒の持ち物の紛失とか、それからあと片づけの不徹底、そういったような問題があげられます。
 それから指導者、管理者の問題点といたしまして、適格な人がなかなか得にくい場合がある。それからそれに対する謝金といいますか、手当の措置が十分でないといったようなことがあると思います。
 それから事故の問題でございますが、そういう適格な指導者、管理者が置かれておらない場合の事故の問題、それから事故が起きました場合の責任というか、傷害補償、そういったような問題等が一応あげられるわけでございます。
 これらの問題を解決するためにいろいろな手があるかと思いますが、体育局の関係では先ほど申し上げましたように、クラブハウスというのを設けまして、更衣室、シャワー、それから便所、水飲み場、小集会室、休憩室、器具庫、そういったものを持つクラブハウスの設置。それから窓ガラスなどが割れるおそれがありますのでフェンスを置くとか、それから夜使う場合が多いので夜間照明を運動場にするとか、そういったような補助金を昭和四十六年度から計上いたしておるわけでございます。
 それから管理指導者につきましても、社会教育局のほうでは前から子供の遊び場としての管理指導者を置くように、それから体育局の関係では、本年度からそういう管理指導者を置くようにというための国庫補助金を計上をいたすことにいたしました。それから事故の問題でございますが、児童生徒その他の場合、児童生徒の場合は学校の管理下でございませんので、学校安全会の対象にならないわけでございますが、これも、昭和四十六年度に学校管理下外、あるいは一般の社会人のスポーツ活動の場合の傷害補償の問題につきまして財団法人スポーツ安全協会というものが設置されまして、そこで、そういう方面の問題も扱うようになっております。
 それから、最近はさっき申し上げましたように、各県で学校開放がかなり前向きになりつつございまして、また、この利用するほうも夜利用したあとはきちんと掃除をしていくということで、朝非常にきれいになっておるということで学校も非常に感激といいますか、そういう利用者のマナーという面も最近はかなり向上しつつあるわけでございますが、大体問題点とか、その問題点解消のための施策とかいう状況は、そういうようなぐあいになっております。
#17
○矢追秀彦君 リーダー、指導員の確保が非常に問題となっておりますが、この人員の確保、これについての具体的な対策はどのようにされておりますか。
#18
○政府委員(澁谷敬三君) 体育スポーツの関係でございますと、そういう「地域住民の生活の中にスポーツを」ということで、スポーツ指導員というものを養成をいたしておるわけでございます。これも昭和四十六年度から十年計画で、これは中学校区単位で考えておりますが、中学校区単位に約十人のスポーツ指導員を養成をいたしたいということで、日本体育協会が事業を始めまして、国といたしましても補助金を計上いたしまして、そういう面をやっておるところでございます。社会教育局の場合は、子供の遊び場ということでございますので、その子供の遊びにつきましていろいろ事故が起きたりしないように、そういう意味の指導管理者を置くという趣旨になっております。
#19
○矢追秀彦君 いま言われた十年計画の今年度はどのようになっておりますか。昨年度からどれぐらいふやされておるのか、補助金関係は。
#20
○政府委員(澁谷敬三君) これは、四十七年から国庫補助金は若干ふえましたが、今年度は昨年と同じく二千五百万円の国庫補助でございまして、体協の計画全体は約四千五百万円ぐらいになっておるかと思います。本年度は四十七県、約九千六百人ぐらいのスポーツ指導員を養成していく、そういう国の補助金になる。なお、これは各県単位でやりますものと、翌年その中から中央に集めましてさらにやるものと、その二種類になっております。
#21
○矢追秀彦君 いま言われたスポーツ指導員というのは、どういうふうなところで、どういう教育を受けて、どういうふうになるわけですか、具体的にお願いします。
#22
○政府委員(澁谷敬三君) これはまず県の段階で、県の体育協会が県の教育委員会等と協力いたしまして、県段階でそのスポーツ指導員養成の研修、講習をやるわけでございます。どういう方を対象とするかいう問題は、これはやはり現在は有志、希望者といいますか、それが対象になっております。そういう有志、希望者の方をつのりまして、まず県段階で県の体協、教育委員会が協力いたしまして、そういう講習をやる。その中からさらに高度の技能その他を身につけるというようなことで、企画といたしまして、翌年度、中央で日本体協主催の中央研修をやるというたてまえにいたしております。
#23
○矢追秀彦君 この有志、希望者はかなり現在はあるわけですか。まあ、これは県によってばらつきはあると思いますが、大体の傾向を教えていただきたい。
#24
○政府委員(澁谷敬三君) 始まりまして三年目でございますが、非常に殺到するというほどではまだございません。大体、目安にいたしました人員は集まっておるようでございますが、つまり、このスポーツ指導員になりますと、最近は各市町村あるいは公共的な社会体育スポーツ施設で、いろいろなスポーツ教室を盛んに開設するようになったわけでございますが、子供の教室とかあるいは婦人の教室あるいは青年、社会人、そういうこのスポーツ教室の実技の指導者あるいはこの自主的なスポーツグループの指導者ということになるわけでございますが、そういう方たちの社会的な地位とか、報酬とか、そういうものがまだこれからの要素が強いもんでございますから、いまのところはそういう状況でございますが、最近は、大きな企業などにおきましても、そういったスポーツ指導員の必要性、それから市町村の教育委員会等でも非常に必要性を強く感じてきておりますので、今後は文部省としても、この養成策につきましては一そう力を入れる必要がある。そう思っておるところでございます。
#25
○矢追秀彦君 まあ、まだ待遇とか、そういう点ははっきりしていないと言われますが、現在はどうなっておりますか、特に報酬は。
#26
○政府委員(澁谷敬三君) そういうこのスポーツ教室の講師などに招かれた場合の、この報酬の基準というのが必ずしもないわけでございます。国立競技場もいろいろスポーツ教室をやっておるわけでございますが、現在は一時間千五百円といいますか、大体スポーツ教室などは二時間単位でございますので、三千円ということでございますが、実際には国立競技場に来ていただくにつきましても時間等もかかります。それから、また、つとめ場所から国立競技場に来て、それから家に帰るということで、そういう時間も食いますし、実技の指導でございますからいろいろおなかもすくわけでございまして、三千円ではちょっと低いかと思っておるわけでございますが、国立競技場が現在そういうわけでございますから、大体、これもさらにもう少し適正化をはかる必要があると思いますが、各地方の状況は大体その前後といいますか、ややむしろ低いくらいが実態ではないかと思います。
#27
○矢追秀彦君 いま指導員のお話でしたが、たとえば水泳なんかの場合は、指導員だけではなくて監視員のほうも要ると思いますが、これはどういうふうな養成といいますか、なされておるのか、現状はどのような状況ですか。
#28
○政府委員(澁谷敬三君) その水泳のような場合の管理人、監視人といいますか、そういうところの養成までは率直に申し上げまして文部省あるいは日本体育協会の系列では行なわれておりません。ただ、各地にスイミングクラブというのがございますが、そのスイミングクラブの全国的な協議会というのがございまして、これが国立競技場西ケ岡の競技場の部長がそのほうの幹事役をいたしております。
 それからもう一つ、財団法人日本体育施設協会というのがございまして、この体育施設協会というところがいろいろな体育施設の管理上の問題のいろいろな研究、それから講習会をやっておるわけでございますが、いま御指摘の点は、そういう民間の財団法人なり、そういうようなところでいろいろ配慮していただいておりますが、国なり体協としてはそこまでは考えておらない。スイミングクラブ協議会あるいは日本体育施設協会のほうでやっておりまして、そういう状況になっております。
#29
○矢追秀彦君 いま国のほうとか、体育協会ではこれは入れていないと言われますが、やはり今後の検討課題かと思いますが、その点はいかがですか。あくまでも市町村にまかせっきりでいかれるのか。ある程度はやはり水泳等の場合は監視員をつけるという指導はされるお考えですか。
#30
○政府委員(澁谷敬三君) 体育施設は、御承知のように体育館それからプール、プールも屋外プール、屋内プール、それから運動広場、それから柔剣道場、それからコート、いろいろございますが、そういったものの管理上の問題につきましては、やはり日本体育施設協会という財団法人ができました趣旨から、そういうところでかなり研究もいたしておりますし、いろいろな講習会もやっております。
 それから、文部省でも若干の補助金を計上し、また、船舶振興会その他からも補助金をもらっておりまして、現段階では、そういうところでやっていただく。文部省もいろいろ後援なり何なりをいたしておりますので、そういうぐあいに現段階では考えておるところでございます。
#31
○矢追秀彦君 次に、もう一つの問題である事故の問題でありますが、事故の防止につきましても、たとえば目黒区の場合などは校庭を六メートルのフェンスで校舎、民家と区別をいたしまして、そうして学校広場として開放しております。そのため施設の破壊なども心配があまりありませんし、危険性のほうも少ない。したがって、学校側には負担はほとんどかからない。管理の人を置く必要もないともされております。そういったわけで、学校と別の形になってしまうということで、利用者も伸び伸びと利用しておると聞いております。東京やその他大都市では、公園、広場、これが非常に少ないわけでありますので、目黒のような方法も一つの形であろうと思います。これで校庭のすみに、先ほども言われておりましたが、まあクラブハウスというものをつくっていけば、それだけでりっぱな広場になってしまうわけであります。こういうふうな方法をやはり積極的にとるように指導し、また補助金等を出していけばよいと思いますが、こういった考え方についてはどのようにお考えになりますか。
#32
○政府委員(澁谷敬三君) 御指摘のように、今後、社会教育あるいは体育スポーツあるいはその他の見地から学校開放ということがますます重要になってまいると思いますので、特に、体育スポーツ等の場合は、窓ガラスを割るとか、いろいろございますので、それから学校の校舎にまあ中に立ち入って入るとか、それから便所を使うとかいうことがございますので、まさに御指摘のような考えで、フェンスをつくるとか、それからさっきのようなクラブハウスをつくるというための補助金を昭和四十六年から計上いたしておりますが、まだその個所数等が必ずしも十分ございませんので、その増加に努力をいたしたいと、そういうぐあいに考えております。
#33
○矢追秀彦君 まあ、ここで一つ関連して申し上げますけれども、学校の校庭をある程度公園のようにするという考え方、現在、まあいまこのフェンスというと、これはまあ目黒の例ですが、校舎と校庭の問はフェンスでもいいと思いますが、いわゆる学校全体のまわりのへいを全部緑に変えていくと、これは東京都においてもぼつぼつやられつつあるわけでありますが、特に、大都市においてはこれが必要であると思います。やはり校庭の公園化という考え方です。これもやはり進める必要があると思いますが、それについては現状はどうなっておりますか、また将来どういう方向ですか。
#34
○政府委員(澁谷敬三君) 都内を歩きましても、学校のそばを通りますと、木も若干植わっておりますが、金網などのフェンスの場合には、道路から校庭、校舎がまる見えでございます。木が若干は植わってますが、ぽつぽつというようなわけでございまして、私どもとしては、学校の周囲は、校庭の広さにもよりますが、幅少なくても一・五メートル、理想は三メートルぐらいの幅でずっと苗床をつくりまして、そこが十年後には、その一・五メートルないし二メートル、三メートル幅の学校の周囲がずっと高木、亜高木、それから低木、草本と、そういうぐあいに、うっそうたる学校環境保全林といいますか、そういうぐあいになることをねらいまして、そういう手引きもつくりまして、ことしまた大気汚染地域及び市街地域の義務教育諸学校に対しまして、一応そういう学校環境緑化促進の補助金も計上いたしまして、そういうねらいでおそまきながら、ことしから国も補助金を出しまして、そういうねらいで進めたいと。それは児童生徒の自然に親しむというか、そういう教育上の見地、それから大気汚染あるいは騒音、じんあいと、そういったものの防止の見地、そのいろいろな見地からそういう事業がことしから始まっておるところでございます。
#35
○矢追秀彦君 いまの補助金は本年度は幾らですか。そして今後はどのような増加をさせていかれるつもりですか。特に、本年度のこの補助金ではどのくらい推進が可能ですか。
#36
○政府委員(澁谷敬三君) 当面の計画といたしましては、大気汚染地域及び市街地域の義務教育諸学校につきましてこれを五カ年計画で先ほど申し上げましたような植樹、それから校庭の芝植えといいますか、その苗床に接続しまして校庭の芝植え、可能なところはグランド全部、校庭の狭いところは植樹に接続したまわりといいますか、そういう芝植え、それを五カ年計画で大気汚染地域と市街地域の学校をやりたいということでございまして、本年度は、初年度分といたしまして、大気汚染地域五百校、市街地域五百校を対象にいたしまして、三分の一補助ということになっておりますが、二億四百万円の補助金が計上されたところでございますが、これを毎年漸増方式で五カ年で当面の計画としてはやりたいということになっております。
#37
○矢追秀彦君 それからもう一つ。私、東京のほうの学校あまりよく知らなかったのですが、最近行きまして感じましたのは、校庭がアスファルトになっておりますね。これはやはり土に戻したほうがいいのではないかと考えますが、これに対しては徐々に進んでおるようですが、これに対する考え方ですね、これは市町村によって違いますけれども、特に東京は何か全部コンクリートにされております、ほとんどが。どうしてコンクリートにされたのか。土にするとまずいのか。また、する場合は相当これまた費用がかかると思いますけれども、この点伺いたい。
#38
○政府委員(澁谷敬三君) 東京の場合は小学校が約六、七割でございまして、中学校は半分以下でございますが、アスファルト舗装化されているわけでございます。これはやはりいろいろ雨が降ったような場合のぬかるみとか、それからいろいろ天気が続いた場合のほこりが立つとか、そういったような管理上の問題等からそういうことになったかと思うわけでございますが、やはりアスファルト、コンクリートでございますと、いろいろ遊んだりスポーツをやったりいたします場合に、特にひざ、ひざの関節、こういうふうに飛びはねたりなんかいたしますと、そこにいろいろ障害が起きかねないというようなこと、その他いろいろございまして、最近は土に戻す、あるいは芝生を植えるというような空気が非常に盛り上がってきておるわけでございます。大体、そういうことでございます。
#39
○矢追秀彦君 いまもお話ありましたけれども、アスファルトのせいなのかどうかわかりませんけれども、先ほど私がお持ちした報告書の一番最後に、四十七年の八月三十一日現在で、最近起きたもので比較的大きい事故を見ますと、ほとんど骨折であるわけですね。しかも土の上だったらあまり可能性のないような骨折があるわけでして、やはりこれはアスファルトのせいであると思いますので、いま一応そういうふうに進められておるのはまことにけっこうですので、こういった点から考えて、まあぬかるみ等の問題があれば土のほうをいろいろ研究工夫すればある程度は押えられると思いますし、そういった点でぜひ予算措置をしていただいて促進をしていただきたいと思います。
 次に、現在の学校自体が学校開放ということを前提としてはつくられていないわけでありまして、そのために校庭や体育館に出入りするためには、正面玄関を通らなければならない、あるいはまた便所を使用する場合は校舎の中に入らなければならない、そういうふうな構造になっているところが非常に多いわけでして、開放されても実際の使用が非常にめんどうであると、こういう点が多いわけでありますので、これから建設される学校は、この学校開放が行ないやすいような設計をしていただきたい。道路からじかに校庭や体育館に入れるような入口をつくる、あるいは便所を校庭につくると、そういうふうな設備設計でやっていただきたいと、こう考えますが、その点についてはどのようにお考えでありますか。
 また、そのための国庫補助をつけるべきであると考えますが、その辺はどうなっておりますか。
 さらに、既設の学校も可能な限りそういう改善をしていかなければならぬと思いますが、そのための費用につきましてもできるだけ国が負担をするようにお願いをしたいと思います。
 そういうふうにして、初めてこの学校教育法、社会教育法の学校開放の精神というのが生かされていくのではないかと思いますが、その三点について、どなたでもよろしゅうございますから伺います。
#40
○政府委員(安嶋彌君) 学校の設計の問題でございますが、確かに昨今の社会的な状況から申しますと、学校開放というものが、積極的に進められなければならないというふうに考えるわけでございますが、従来の学校の設計についての指導といたしましては、しばしば当委員会で話題になっておりまする学校施設指導要領の第三章に建物の配置計画という章がございまして、その第八項に地域社会の利用と学校建物の配置という条項がございます。そこでは、学校施設を地域社会の利用に供する場合には、あらかじめ施設計画においてそのことを考慮しなければならない。説明といたしまして、学校施設を地域社会の利用に供する場合には、その使用に際して、学習活動などを阻害しないよう配置計画にあたって十分考慮する必要がある。たとえば、屋内運動場や屋外運動場を地域社会の利用に供する場合、その使用にあたって利用者が学習活動や管理上の支障にならないように考慮する必要があるというふうに述べております。で、最初に先生から御指摘がありましたように、この学校開放、学校施設の社会教育等に対する利用は、これは学校教育上支障のない限りという限定がついておるわけでございます。学校は、本来、学校教育のために設けられた施設でありますから、学校施設としての利用が優先するということは当然なことでございまして、施設指導要領のこの考え方もそうした考え方を前提にしておるわけでございますが、しかし、昨今のような学校開放が必要とされるような状況がございますと、やはりそうした事柄も考慮に入れまして学校の配置を考えていく、建物の設計を考えていくということが必要かと思います。そういう点では、矢追先生御指摘のとおりだと思います。今後そうした方向で研究をし指導もしたいというふうに考えておりますが、さしあたりの措置といたしましては、学校施設の共用化あるいはその複合化といったようなことがその他でもいろいろ問題になっております。幾つかの学校を併置するとか、あるいは体育館と校舎が同じ棟の中に設けられるとか、あるいは学校の運動場が公園と共用されるとか、あるいは一つの運動場が小学校と中学校で共用されるとか、いろんな形態の学校施設が現に出ておるわけでございますし、今後またそういう形態がふえるということも予想されるわけでございます。そうした問題をさらに学問的にも研究をしていただきたいということで、学識経験者にそうした問題の調査研究を委託するということも考えておる次第でございます。
 それから補助の問題でございますが、現在この施設費の国庫負担法におきましては御指摘のような補助は考えておりませんけれども、将来この学校の体育館、屋内運動場というものを整備いたします場合には、現在の施設基準では含まれていないわけでございますが、そこに必ず便所をつくるというような積算をする、また建築の指導もしたいというふうに考えておりますので、そうしたことが可能になれば、よほど御指摘のような事態が前向きに処理できるのではないかというふうに考えておりますが、それは新築の場合、改築の場合等でございまして、現在ある施設に便所だけつくるといったような補助については、管理局の学校施設整備という立場からは現在考えておりません。ただ体育局、社会教育局等におきまして、学校開放という立場からいろいろ御検討のようでございます。
#41
○矢追秀彦君 今年度予算で学校開放のための施設設備の整備費はどれくらいありますか。
#42
○政府委員(澁谷敬三君) 社会教育局の関係と体育局の関係がございますが、社会教育局の関係では、子供の遊び場として学校を開放するというために指導員も配置いたしましてやる学校、これがほとんどでございますが、それから指導員を必ずしも配置しない、つまり遊ぶほう、利用するほうがそういう面も考えてやる。これは一部でございますが、そういった指導員の謝金、あるいは備品、消耗品等につきまして約三億四千万の補助金が計上されておる。体育局の関係では、先ほど申し上げましたようなフェンスをつくる。クラブハウスをつくる。あるいは夜間照明を施設する。それから、そういうふうに設置いたしました学校を開放いたしまして、スポーツ教室を開設する。それから開放の場合にクラブハウスの管理指導員を置くといったようなための補助金が約一億七百万弱が計上されております。
#43
○矢追秀彦君 次に、学校開放のためのリーダーの養成は現在どのようになっておりますか、そのための予算はどういうふうなことになっておりますか。
#44
○政府委員(澁谷敬三君) 体育スポーツ関係は、先ほど申し上げましたようにスポーツ指導員、これは必ずしも学校開放のためだけではございませんが、学校開放をいたしまして、いろいろスポーツ教室を開設する。あるいは公共的なスポーツ施設でスポーツ教室を開設する。あるいは学校開放、公共的なスポーツ施設を利用いたしまして、自発的なスポーツのグループが生活にスポーツを取り入れてやっていく、そういった場合の指導費というようなことで、一応スポーツ指導員の養成を体協に補助いたしまして、先ほどのようなことでやっておるわけです。社会教育局の関係は主として小学校の子供たちなりの遊び場という考え方でございますので、特別な指導員、そのための指導員の養成ということは特に考えておらないということでございます。
#45
○矢追秀彦君 予算は。
#46
○政府委員(澁谷敬三君) そのスポーツ指導員養成のための国の補助金は、本年度二千五百万円を体協に補助いたしております。
#47
○矢追秀彦君 その二千五百万円は、一校当たりどれくらいになりますか。何校くらい。
#48
○政府委員(澁谷敬三君) 失礼いたしました。学校開放の、いまは養成という見地で申し上げたわけでございますが、実際に学校開放をいたしました場合に、その学校開放に関連いたしまして置かれます管理指導者といいますか、そういう予算につきましては、社会教育局のほうは相当の額になっておりますが、先ほどの三億四千万円のうちかなりの部分が、そういう指導員の配置のための補助金になっております。体育関係のそういうクラブハウスの管理指導員費、これは今年度初めて計上されたわけでございまして、まだ今年度は七百万円弱ということでございます。
#49
○矢追秀彦君 いま言われた七百万円弱というのが、四十八年度の要求額なわけですが、学校体育施設開放運営事業六百万円、前年度が五百万円、これと同じものですか。スポーツ教室開設五十二カ所、補助率が二分の一、これに当たるのですか、いまの七百万円足らずといわれたのは。
#50
○政府委員(澁谷敬三君) スポーツ教室開設の関係はほかにもございますが、学校開放でのスポーツ教室開設のための予算は、四百六十八万円と、それから、このクラブハウスの管理指導員の謝金で、さっき記憶でちょっと七百万弱と申し上げましたが、失礼いたしました、スポーツ教室開設と、それから管理指導員謝金、これを合わせまして七百万弱の六百六十三万円ということでございましたので訂正させていただきます。
#51
○矢追秀彦君 いまリーダーが少なくて学校開放行なうと、結局最後は教職員の負担になる場合が出てまいりますので、積極的にリーダーの育成をやっていただきたい。このことは強く要望いたします。
 学校開放は子供の安全な遊び場の確保、あるいは地域の社会教育の場として、非常に貴重なものでありますので、大都市及びその周辺ではどうしてもこれはやっていかなければならぬわけでありますけれども、なかなか校庭のような広い場所を確保することは非常にむずかしくなってきております。だからどうしてもこの開放が大事になってくるわけでありますが、その予算がまだまだ――今年度から新しくついたもの等がありまして、一応積極的にはなってきておりますが、まだ少ないわけでありまして、文部省がさらにもっと力を入れてやっていかなきゃならぬと思います。もちろん、実際は自治体がやるわけでありますが、やはり何といいましても、国のほうから積極的にやっていくことが必要でありますので、最後に大臣にお伺いしますけれども、この学校開放、これがスムーズに運営されるようにやるということはさまっておりますし、現在やられておるわけでありますから、これから結局リーダーあるいは施設、これに対する積極的な予算ということになると思いますが、その点に対する大臣の所信をお伺いして、この問題についての質問は終わりたいと思います。
#52
○国務大臣(奥野誠亮君) わが国では従来から教育の面を学校教育に依存し過ぎておったんじゃないか、こう考えているものでございます。学校教育に携わっておられる方々も、そんな気持ちで自分たちが全面的に責任を負っているという気概で進んでこられた、そういうことが学校開放が案外世間の声が強いわりには進んでいない原因の一つにあげられるのじゃないかと、こんな気持ちを持っておるものでございます。私も学校開放を積極的に進めていきたい。社会教育、社会体育の施設が不備でありますだけに、一そう学校教育の施設にたよっていかなければならない面が多いと思いますので、でありますだけに、学校を新しくつくる場合にもそういう配慮ができないものだろうか、お話もございましたし、管理局長ともいま話しておったところでございます。同時にまた、学校開放に必要な施設の整備、補助金も出しているわけでございますけれども、今後一そう補助金だけじゃなしに、地方公共団体自身が、そういう気持ちで積極的に努力を払ってもらわなければならない、そういう呼びかけをすべきじゃないだろうか、こうも考えておるわけでございます。いずれにいたしましても、社会教育、社会体育に力を入れていきますためには、当然学校の施設にもそれを依存しなければならない。たよっていけますように、いろいろな面でいまいろいろ御指摘もございましたが、積極的な努力を今後払ってまいりたい、さように存じております。
#53
○矢追秀彦君 次に、学校図書館の問題について質問をいたします。
 学校図書館は児童生徒が読書に親しむ場として、学校教育の中でも非常に重要な役割りがあります。学校図書館法によってすべての学校に図書館は設置をされておりますが、その運営はまだまだ満足された状態で行なわれてはおりません。したがいまして、学校図書館はさらに充実をしていかなければならぬと思いますが、現在、学校図書館の実態はどのように掌握をされておりますか。
#54
○政府委員(岩間英太郎君) 現在、学校図書館につきましては、御案内のとおり昭和二十八年の八月に学校図書館法が制定をされまして、昭和二十九年度から施行されたわけでございます。一応基準をつくりまして、その基準に到達するまで国のほうで助成を行なうというふうな形をとっておりましたものですから、その基準の充足という点につきまして、私どもは努力をしてまいったわけでございますので、幸いにいたしまして昭和三十六年に一応基準が達成をされたということになりまして、その後の充実につきましては、これは小中学校につきましては教材費の負担金の中、それから高等学校につきましては、地方交付税によりまして財源措置をいたしましてその充実をはかっているところでございます。
 現在、学校図書館がどういうふうな形になっているかということでございますが、これは昭和四十六年の六月の全国学校図書館協議会の抽出調査によりますと、大体、小学校では三千九百冊、中学校では四千八百冊、高等学校では一万四千冊というふうな充足がはかられまして、昭和三十六年当時が小学校が平均いたしまして一人当たり三・一冊、中学校が三・七冊、高等学校が七・八冊でございましたものが、かなり増加をいたしているというふうに考えるわけでございます。
 なお、これは別の調査でございますが、昭和四十四年度に私どもがやはり抽出調査をいたしまして、調べた結果によりますと、小学校のほうでは、昭和三十六年度を基準にいたしまして一六八%の充足、それから中学校では、一四四%の充足というふうな数字もございます。まあそういうことでございますので、昭和三十六年度に一応基準を達成いたしましてから五〇%ないし七〇%程度の充足がはかられまして、学校図書館の充実が徐々にではございますけれども、行なわれているというふうな状態ではないかと思います。
 しかしながら、他方におきましては、これは昭和二十九年と申しますと、まだ図書なども不十分な時期でございまして、学校図書館というふうなものの意味というものはかなり高かったと思いますけれども、しかしながら、最近では家庭の所得もふえまして親御さん自身が子供さん方に図書のめんどうを見るというふうなことも可能になったような状態もございますし、また、図書自身もかなり豊富に出回っておるというふうな実態でございます。そういうことで、学校図書館につきましては学校図書館法に規定がございますように、図書のほかにたとえば視聴覚の教育の教材、その他学校に必要な資料を収集し、整理し、保存して児童または生徒及び教員の利用に供する、そうして学校の教育課程の展開に寄与をする、あるいは児童生徒の健全な教養を育成すると、そういうふうな目的でございますので、必ずしも図書ばかりではないというふうな感じもするわけでございます。いまのところそういうふうに学校図書館ばかりではなくて、家庭で行なうそういう教育等もやりやすくなったわけでございますが、しかしながら、最近、またテレビ等が非常に学校や家庭に入ってまいりまして、どちらかと申しますと、そういう図書を利用して思考を深めるというふうな、そういう点がおろそかになっているんじゃないかというふうな御指摘もございます。学校図書館の将来としましては、そういう点を十分配慮しなければならない、そういうふうな気持ちはしているわけでございます。
#55
○矢追秀彦君 いろいろないま問題点が出てまいりましたが、やはり何といいましても一番大事なのは蔵書の数であると思います。先ほど基準の話が出ましたが、特に小学校、中学校の場合の基準がいまどうなっておりますか。その基準に達しておる学校と、達していない学校の比率は大体どれくらいになっておりますか。データがありましたら示していただきたいと思います。
 アメリカの場合は、蔵書が日本の二倍以上もありまして、非常に充実をしているといわれておりますが、先進諸国と比較をして日本の学校図書館の冊数、蔵書の数はどのようになっておりますか。
#56
○政府委員(岩間英太郎君) 蔵書の数につきましては、先ほど御披露申し上げました以外に正確な資料を持ち合わせておらないのはたいへん遺憾でございますけれども、一応、私どもは三十六年度に悉皆調査をいたしまして、先ほど申し上げましたように小学校では三・一冊、中学校では三・七冊、高等学校では七・八冊というふうな状況をつかんだわけでございます。その後、それがどのくらい伸びておるのか。また私どもとしましては、どういうふうな方法でそれをふやしていくような手だてを講じていくのか。そういう点が必要なわけでございますが、まず最初に御指摘になりました教材の基準でございますけれども、これはまだ最終的にどういうふうな基準で充実をはかっていくかということは私どものほうではっきりした基準は先ほどの学校図書館法に基づく政令できめられております基準以外には持ち合わせておらないわけでございます。この場合も冊数の基準はなかなかつくりやすいのでございますけれども、中身をどうするのか。たとえば国語関係あるいは社会科関係あるいは理科の関係、そういうものはやはり実態に即してそれぞれの学校でお考えをいただくということが適切ではないかということで、単なる冊数の基準でございますと、これは多ければ多いほどいいというふうな点もございますものですから、なかなか基準がつくりにくいと、こういう点でございますが、現在は昭和三十六年の基準をもとにいたしまして、教材費のほうでは、たとえば十八学級の学校で十年間に約千八百冊、千八百六十五冊を整備する、まあそういうふうな一応の基準は設けて負担金の基準にいたしておるわけでございます。まあこれとても、これで十分かあるいはどういう形が望ましいのかという点になりますと、まだまだ各学校におきまして御不満な点も多いかと思います。しかしながら、先ほど申し上げましたように、どれぐらいあったらいいのか、またどういう分野ではどのぐらいの冊数があったらいいのかというふうな点につきましては、これはなかなかむずかしい問題でございますから、まあ大ワクでもって国のほうは一応財源措置を講ずる、それから個々の問題につきましては各小中学校で御配慮をいただく、そういうふうな形をとっているわけでございます。
#57
○矢追秀彦君 諸外国との比較は。
#58
○政府委員(岩間英太郎君) 諸外国との関係は私どもも調査をいたしておりませんけれども、アメリカとの関係では、先ほど矢追先生がおっしゃいましたような関係にあると思います。日本の場合の約倍ぐらいは向こうのほうが持っております。これはその国々の考え方にもよろうと思いますが、まあアメリカあたりは図書館を中心にした教育というものが特に高等学校、大学で進められている、そういうふうな関係もあろうかと思います。しかしながら、ヨーロッパの各国あたりを、私どもの海外派遣の調査団あたりの様子を聞きますと、まあ大体わが国程度ではないかというふうなことも言われております。この点、はっきりいたしませんでたいへん恐縮でございますけれども、まあ、日本におきましては古来から書物に対しましては非常にこれは大事にするというふうな風習がございましたし、また、少なくとも戦前までは図書を中心にいたしまして教育が行なわれていたというふうな点がございますので、まあこの図書の意味と申しますのは、現在でも特に思考力を高めていくという点から申しますと変わっておらないわけでございます。まあわが国独自の考え方でいくべきかと思いますけれども、御指摘もございましたので、これからは注意いたしまして外国の例等も参考にして進んでまいりたいというふうに考えております。
#59
○矢追秀彦君 いま、年間の図書購入費は平均どれぐらいになっておりますか。また、その費用負担の実態がどのようになっておりますか。といいますのは、PTAや父兄の寄付にかなりよりかかっておるという学校もあると聞いておりますが、その点はいかがですか。
#60
○政府委員(岩間英太郎君) 四十六年度の地方教育費の調査によりますと、図書購入費は小学校二万四千三百八校で合計が二十三億でございます。その中で公費でまかなっておりますのが約十七億四千万強でございまして、ただいま御指摘になりましたPTAの寄付金その他の寄付金が五億二千七百万、そういうふうな数字になっておるわけでございます。これを図書購入費一校当たりで見ますと、小学校のほうが九万四千八百七十円でございます。それから中学校のほうが十一万三千五百五十八円、全日制の高等学校が三十六万一千八百八十八円、定時制の高等学校が六万九千三百二十六円、一応そういうふうな数字であります。
#61
○矢追秀彦君 実際、図書購入費がまだまだこれは少ないと思います。これは先週の土曜日、十六日の朝日新聞に「子供の本なぜ高い」という記事が出ておりましたが、この新聞によりますと、昨年の児童図書の平均価格は六百二十五円と言われまして、これが非常に高くなってきておると。で、しかも講談社のアンケートによりますと、親が買える金額は五百円がトップで二位の千円を圧倒的に離しておると、こういうことで、やはり親が自分の子供たちに本を買えるのは、五百円ぐらいが限界であると。ところが、現在六百二十五円というふうに平均価格がなってきている。子供の本が高くなっておる。この原因についてはいろいろなことが考えられるわけでありますけれども、いま紙の値上がりに始まりましていろいろなものが上がってきておりますので、書物全体が高くなっている。これはやはり子供の本は冊数も少ないために年々高くなる、これからもさらに上がると思います。そうなりますと、やはりどうしても個人で本を買うのが少なくなってくるためにやはり図書館の充実が望まれてくるわけでありますので、そういった点で非常に、いま言われたようにPTAのほうからかなり金が出ておる。もちろん、これはやむを得ないかもわかりませんけれども、やはり公費で買う図書購入費をもっと大幅にふやしていくことが急務であると思います。特に、高等学校の場合、基準に達するまで国が二分の一の負担をするようになっておりますが、小中学校の場合も、図書購入に対して国が負担なり補助をすべきであると思いますけれども、この点についてはどうお考えになりますか。
#62
○政府委員(岩間英太郎君) 高等学校の場合には、先ほど学校図書館法によりまして一応の基準が達成された後の手当てとしまして、現在地方交付税で、図書費を含めまして教材につきまして財源措置をしているわけでございます。具体的に申し上げますと、標準規模十五学級の高等学校で百五十万の積算をいたしておるわけでございますが、その中で図書費は、これはまあ自由に使ってよろしいわけでございますけれども、大体の見当としましてはその一〇%ぐらい、約十五万くらいが当該年度の積算というふうな形になっておるわけでございます。いまのところは、地方交付税で財源措置をしておりますけれども、一般的には高等学校の費用は地方交付税でめんどうを見るようになっておりまして、特別な場合、特にその中で緊急に措置をしなければいけないようなものにつきましては、これは補助金で対処をするというふうなたてまえにいたしておるわけでございます。図書館の場合には、これは比較的経常的に充実をしていくというふうな性質のものでございますので、私は地方交付税制度になじむと思いますけれども、特別なものが、いまはちょっと考えられませんが、かりに出たような場合には、今年度予算でたとえばクラブ活動の費用につきましてめんどうを見たというふうな形で、補助制度というものは当然考えられるわけでございます。そういう場合が生じましたときには、御指摘もございましたのでその実現に努力していきたいというふうに考えております。
#63
○矢追秀彦君 次に、図書館の施設設備についてお伺いをいたしますが、現在、小中学校の図書館の平均面積はどれぐらいになっておりますか。
#64
○政府委員(安嶋彌君) 学校図書館だけの現状面積という調査は実は正確なものがないわけでございますが、現行の基準というものがあるわけでございますが、まあほぼこれに近いのではないかというふうに考えております。
#65
○矢追秀彦君 特別教室として、今年度予算では二〇%のアップをされておりますが、この中で図書館についてはどれくらいのこれから改善にかかることになっておりますか。
#66
○政府委員(安嶋彌君) 学校の校舎につきまして平均二〇%の基準面積の改善を行なっておるわけでございます。平均でございますから、たとえば六学級の小規模学校の場合は二六%、十二学級の場合は二四%、十八学級の場合が二〇%でございまして、二十四学級になると一六%でございます。これを平均いたしまして二〇%の改善が行なわれているということでございます。内容といたしましては御承知のとおり特別教室が中心でございますが、図書館につきましても、特に留意をいたしておりまして、小学校六学級の学校規模の場合におきまして、現在は図書室、資料室等を含めまして二十二平米の積算でございます。二十二平米でございますと、図書の置場ということにしかならないわけでございますが、改定案では図書室を独立させまして、七十七平米というふうにいたしまして閲覧のスペースも確保するようにいたしております。また十八学級の学校の場合でございますと、現行は六十八平米の積算でございまして、収容人員は三十六人という前提でございますが、今回の改定案におきましては、百二十平米に改善をいたしまして、七十人の収容数、閲覧スペースが取れるように配慮いたしておる次第でございます。
#67
○矢追秀彦君 小中学校の図書館の面積が非常に少なくて、児童生徒が十分に学べる広さがないわけです。いまある程度の改善ができるような方向でございますけれども、大体が一教室もしくはせいぜい二教室ぐらいしかないようでありまして、授業で読書をさせようとしても図書館を使用できないような状態であります。また、そういうような状況でありますから、施設の面に対してまあ国の補助をさらにふやしていただきたいと、こう思うわけでありまして、いま言われた点まことにけっこうでございますけれども、さらにもっと積極的にお願いしたいと思います。
 特に、過密地区の学校は教室を確保するのが非常にたいへんで、プレハブ校舎なども使用しております。そんな学校では図書室を確保するということはさらに困難になるわけでありますので、どうしても学校のすみに置かれた狭い実用にならないような部屋に申しわけ程度につくられておる、こういう現状です。したがいまして、こういった点を考えますと、図書教育の重要性から考えまして、やはり図書館の建設には別途予算を組む必要があるのじゃないかと思うんですけれども、その点はいかがですか。
#68
○政府委員(安嶋彌君) 前段におっしゃいました児童生徒急増地域等におきまして、図書館が十分取れていないという点につきましては、これは地方によっても若干の差はございますが、一部にそういう傾向が見られることは事実でございます。このプレハブ教室の解消あるいは児童生徒急増市町村におけるこの教室の整備につきましては、今回補助率を高める、あるいは予算の額を増額するといったような努力をいたしておるわけでございますので、そうした需要につきましては、ただいま申し上げたような形で、対応をしていくということになりますれば、図書館に対するしわ寄せというものもよほど緩和されるはずと思います。私ども、東京、神奈川、大阪あたりの四十七年度新設の実態につきまして、若干調査をいたしたのでございますが、先ほど申し上げましたように、一部で学校図書館が十分取れていないというところもございますけれども、大阪市、大阪府といっていいかと思いますが、大阪府の実例等を見ますと、かなり学校図書館が整備されているようにも思います。一例を申し上げますと、東大阪市の西堤小学校は十八学級で百二十六平米の図書室がございますし、池田市立の石橋南小学校では十五学級で百二十六平米の学校図書館が整備されておるというような実例もございますので、全部についてたいへん窮屈な形になっておるというふうには考えていない次第でございます。なお、学校図書館についてだけの特別な補助ということでございますが、御承知のとおり、学校図書館あるいは学校の図書室は学校の建物と一体でございまして、その分だけの整備ということは実際上いろいろ問題があろうかと思います。そうしたこともございますので、従来どおりこの公立文教施設全体の整備の中に含めて整備を進めていく。基準につきましては、先ほど申し上げましたような改善を行なったわけでございますが、さしあたりはこの程度まで整備をするということに努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#69
○矢追秀彦君 次に、図書館の運営に当たる司書教諭についてお伺いをいたします。学校図書館法第七条一項にある総合計画はどのようになっておりますか。
#70
○政府委員(岩間英太郎君) これは法律ができました当時に、どういうふうな形で冊数をそろえていくか、そういう点を中心にいたしまして、さらに、ただいま御指摘のように、これに従事するような司書教諭をどういうふうにしていくか。これは現実の問題としましては、講習会を行ないまして司書教諭の養成を計画的にはかっていく、そういうふうなことでございます。それからあとは、これは大きな学校におきましては、単に司書教諭だけでは済まないわけでございまして、実際に司書教諭の仕事を助けるような司書というものも必要なわけでございます。そういう点につきまして、順次充足をはかってまいりますと、まあ図書室の整備、これは管理局の関係でございますけれども、まず入れものの図書室の整備、それから中に入れます図書の整備、さらに、児童生徒のめんどうを見ます司書教諭の計画的な養成ないしは設置の促進、それからそれを補助いたします司書の配置と、そういうふうな点につきまして、これは総合的計画というふうに一応されておりますけれども、そういう四点に分解をいたしまして、それぞれ国のほうで措置を講ずるというふうな方向でまいっておるわけでございます。
#71
○矢追秀彦君 司書教諭の仕事は片手間ではできませんので、専任ということも考えられるわけでありますが、専任にする場合は、現在定員法の範囲に入っておりませんが、これを定数法で確保する考えはあるのかどうか、また、専任にしていく方向なのかどうか、その点はいかがですか。
#72
○政府委員(岩間英太郎君) 現在の学校図書館におきましては、これは司書教諭というものは、「置かなければならない。」、ただ、「司書教諭は、教諭をもって充てる。」というふうなことになっているわけでございますから、私どもは先生が場合によりましては、これはほかの仕事をしながら司書教諭の役割りを果たしていくということが可能であろうというふうな考え方に立っておるわけでございます。これは専任の者を置くかどうかという点につきましては、学校の図書館の規模にもよろうかと思います。また、そういうふうな専任教員をつくりますということになりますと、まあ、先生の中に特別の仕事をされる先生ができてくるというふうな面もございます。そういうことがいいか悪いかというふうな、学校の運営自体から考えまして、そういう専任の先生を置いて図書館の仕事だけに専念していただくということがいいのか悪いのかという点も、これは慎重に判断をしなければならない問題であろうかと思います。しかし、仕事の分量等から申しまして、大きな規模の学校におきましては、それらの先生が必要であり、しかも学校の運営上望ましいということがあるかもしれません。そういう点につきましては、今後十分考えたいと思いますけれども、いまのところは先生の数自体を全般的にふやしていく、その中の具体的な配置あるいは先生方のお仕事の分担、そういうものについては学校あるいは教育委員会におまかせをするというふうな方向をとっておるわけでございます。そういうことでございますので、専任にするかどうかにつきましては、さらに、検討さしていただきたいというふうに考えております。
#73
○矢追秀彦君 司書教諭は、図書館運営にあたって欠かせない教員でありまして、そのことは学校図書館法でも認めておりますし、各学校に必ず司書教諭を置かなくてはならないと、こうされておることでも明らかなことでありますが、同法の附則に「当分の問」とありますが、同法が発足してもう十九年もたった現在でも、依然としてこの配置状況はまだまだ十分なものではありませんので、この学校図書館法の精神に反しておると思いますが、これからの今後の配置計画というのはどのようになっておりますか。
#74
○政府委員(岩間英太郎君) この点は御指摘のとおりでございまして、これは前々から私どもも気を使っている点でございますが、現在のところ司書教諭としての資格を持っております者、いわゆる司書教諭の講習会の修了者というのは、六万人近くおるわけでございます。しかしながら、現実に司書教諭の発令がございますのは約千人ちょっとという状態でございます。これは御指摘のとおり、法律の精神から申しますと、きわめて遺憾な状態になっておるというふうなことでございまして、私どももたびたび各県を指導いたしまして、司書教諭を置くようにというふうなことを申しておるわけでございますが、まあ、その当時は少しは県のほうもだいぶ気を使っているわけでございますが、具体的な人事の異動等になりますと、もうそういうこと一切頭の中から忘れてしまって、具体的にはたいへん法律の精神に反するような事態になっているということは、これは残念でございます。なお、まあ指導いたしますと同時に、先般の国会におきましても、この条文の改正につきまして先生方から議員立法というふうな御提案もあったようでございます。まあ、そういうふうなことをきっかけにいたしまして、私どもただいま御指摘になりましたような趣旨に沿うように一段と努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#75
○矢追秀彦君 次に、学校司書の問題でありますけれども、PTAや父兄のほうで資金を出してこの職員を置いている学校がかなりあるわけであります。その実態がわかれば教えていただきたいのです。
 それから、まあこういうふうにPTAがお金を出して図書館職員を確保しておるという状況はやはり好ましいとは考えませんので、やはり早急にこの学校司書の人員の確保をしていかなければならぬと思います。これについてどのようにこれからやろうとされておるのか、この点をお伺いしたい。
#76
○政府委員(岩間英太郎君) ただいまの学校図書館関係の事務職員のうちで、私費によるものが昭和四十六年の五月の一日でなお千四百十五人小中学校であるわけでございます。小学校で八百九十五人、中学校で五百二十名ということでございますが、これは地方財政法でもそういうふうな職員に対しまして私費でもって負担をするということは、これは禁じられていることでございます。私どものほうもそういうものを解消するために地方交付税でお願いを申し上げましたり、あるいは地方交付税の財源措置だけでは不十分だということで、定数法のほうで財源措置をするということをきめたわけでございます。現在、小学校で三十学級以上について一人、それから中学校では二十四学校以上について一人、それからさらに高等学校におきましては八百十人以上の学校につきまして一人というものが置けるような財源措置をいたしておりまして、合計で四千百四十八名の財源措置をするというふうなことになっております。父兄負担の教育費は毎年下がっておりまして、その意味では、私ども従来継続してまいりました効果があったというふうに考えておりますけれども、この職員のPTA負担というものだけはこれは絶対になくしていきたいということで、特に重点を置いてまいりまして、現実に減っていることは減っておるのでございますけれども、なお、そういうものがございます点はたいへん残念に思っております。そういうわけで、定数法あるいは義務教育費国庫負担法のほうでそういうものをなくすというふうな方向で努力をする、ぜひこれはなくしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#77
○矢追秀彦君 学校図書館の蔵書についても先ほども申し上げましたように非常に少ないわけでありますが、そういったところから、図書館法にも明記されておりますが、公立図書館との交流を活発に行ない、各学校に公立図書館の図書カードぐらいは置いて、学校を通じて公立図書館の本を借りられる、こういうような方途もやってはどうかと思いますが、公立図書館との交流という問題についてどのようにお考えになっておりますか。
#78
○政府委員(岩間英太郎君) これは、公立図書館のほうは公立図書館でいろいろ独自の御使命があると思われます。また、学校図書館のほうは学校図書館のほうで自分で努力をしていくというふうな面もあろうかと思います。交流がそういう意味でスムーズにいくかどうか、これは私もちょっと疑問に思っておりますし、それから交流させたほうが将来のためにいいかどうかという問題もございましょうし、まだそういうことを学校側のほうで考えてみたということはないわけでございますが、あるいは社会教育局のほうでそういうことをお考えいただけるというのでしたら、学校のほうもそれにあわせてやっていくという方法もあろうかと思います。ただ、公立図書館の場合には主として成人が対象ということではないかと思います。そういう意味で、私どもとしてはむしろ学校を卒業された方々あるいはその弟さんとか妹さんにその本を譲るということもあるかもしれませんけれども、卒業された父兄が、もう一応要らなくなった図書を学校のほうに寄付していただくというふうな方途がとれないものかということをいろいろ考えておるわけでございます。そういう意味でのPTAの御援助というものは、私はしていただければ非常にありがたい、そういうふうな感じがしておるわけでございます。
 なお、公立図書館との関係につきましては、社会教育局長ともよく連絡をいたしまして検討していきたいというふうに考えております。
#79
○矢追秀彦君 最後に、大臣にお伺いしたいのですが、一つは、先ほど来ずっと問題にしてまいりましたように、まだまだ学校図書館の充実がこれでは十分とは思いません。これから、特に先ほども御指摘ありましたけれども、いまテレビが非常に普及をいたしまして、私はあえて虚像文化と言いたいのですけれども、そういうことで子供たちが育てられて、はたして完全な人格形成が行なわれるかどうか、非常に疑問な点もあります。もちろんテレビもけっこうですけれども、やはり読書ということが非常に必要でありますし、最近の大学を出た方、これは全部とは言えないと思いますが、わりあい文章等が十分に書けるかどうかは、いろいろこれは評価によって違うと思いますけれども、あまり書けないという声もちらほら聞きますし、そういった点もやはり読書ということが非常に重要であると思います。この学校図書館の充実の予算を大幅に増額していただきたい、それに対する大臣のお考えと、それからもう一つは、学校図書館と関連して公立図書館、いわゆる一般の図書館でありますが、こういうものもまだまだ不十分でありまして、特に諸外国に比べますと、いまちょっとデータを持ってまいりませんでしたけれども、お話にならないほど蔵書も少ないし、特に貸し出しがいいか悪いか、これは議論がありますが、要するに、非常に貸し出しの点になるともう一つよくない。ということは、非常にアメリカをはじめとして、特にアメリカなどは利用が非常にされているということなんですね。日本の図書館は本も少ないし、利用度になるとまたうんと少なくなってくる。しかも、大きな図書館は大体受験生が占領してしまって、いわゆる一般の社会人があまり行けない。特に、これから老人対策等も充実してまいりまして年金等が充実してきた場合、むしろお年寄りが朝は図書館に行って勉強して、そこで新聞や雑誌をみな読んで公園を散歩して帰る。イギリスなんかでは大体そういう風潮になっているわけです。日本だとおそらくお年寄りの方が行くようなそういう近くにいい図書館もないし、また、行っても、若い人たちによって占領されてしまっているというふうな状況でありますと、やはり一般の国民の文化の向上ということでいろいろ問題が出てくるんじゃないか。ただ単に、図書館だけを考えるよりも、そういう社会教育といいますか、生涯教育といいますか、特に、私は老後の人たちのことを考えますと、そうでなくてもいま年金が少ないわけですから、本を自分で買って読むより図書館に行って読めばそれだけ負担が軽くなる。ところが、いま行けない状態です。図書館もありませんし、アメリカなんかと比べると図書館のその地域における数なんというのは圧倒的に少ないわけですね。日本はとにかく何でも買わしてやらせるという、こういうふうな時代になってきましたからこういう風潮になったと思いますけれども、そういう点を考えますと、学校図書館ももちろんでありますが、そういう公立の図書館、そういうほうにもむしろかなり力を入れていただきたい。この二点について大臣のお考えを伺って質問を終わりたいと思います。
#80
○国務大臣(奥野誠亮君) 学校図書館の問題につきましていろいろな面から御指摘をいただきまして、児童生徒が広く学ぶだけじゃなしに、深く掘り下げる勉強もしていかなければなりませんし、そういう意味で学校図書館の果たしている役割り、非常に私も高く評価しているものでございます。それにつきましては、図書なりその他の設備あるいは人の問題、これらの点につきまして一応学校設置団体の負担になっているわけでございますので、そういう面での配慮、先ほど初中局長から地方交付税法上の基準財政需要額への算入の問題がございましたが、こういうものにつきましてより充実いたしますように私としても努力をしていきたいと、こう思います。
 公立図書館の問題も、文部省から出します補助金、かなり急速にその金額をふやしてまいってきているわけでございます。自由時間がどんどんふえていく、その自由時間の利用、公立図書館の整備によってそういう面にも適合するように持っていかなければならない、こう思います。幸いにして、地方公共団体におきましても積極的に図書館を整備していきたいという機運が出てきているようでございます。こういう機運の出ている際でございますので、文部省といたしましても環境のよい図書館、単に読書するだけじゃなしに、一帯の環境を整備して、その中で図書館を設置していくというような方向の助言でございましょうか、そういう努力も私どもでしなければならない、こう思っておりますので、ただいまいろいろお教えいただきました御意見を中心にして努力をしていきたいと思います。
#81
○委員長(永野鎮雄君) 午前の会議はこの程度にとどめ、午後一時半まで休憩いたします。
   午前十一時五十分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四十一分開会
#82
○委員長(永野鎮雄君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は御発言願います。
#83
○宮之原貞光君 この法案と関係のあります問題で、教育基本法の第十条の問題について大臣の所見を承りたいと思います。
 御承知のように、この教育基本法の問題は、立法当時この十条の基本原則は教育行政の民主化、教育の地方分権、さらには一般行政からの分離独立、これがこの十条の基本的な原則であって、これを機構化したのが公選制の教育委員会制度であったと思います。しかし、それが昭和三十一年の地方教育行政の組織及び運営に関するところの法律ということによってこの公選制の問題は一応くずれておるわけでございますけれども、少なくとも、この教育基本法の十条というものがある限りはいま申し上げましたところの基本原則は今日でもなお堅持をされておるものだと理解すべきだと思うのでありますが、その点、大臣はいかがお考えでございますか。
#84
○国務大臣(奥野誠亮君) いまの御指摘、第十条の第一項を中心に見解をお述べになったと、こう理解いたしたわけでございますけれども、私も、この十条一項の趣旨どこにあるかよくわからないままに調べてみました。占領下の法律でございまして、教育関係者の中では、教育は他の三権とは別だというふうな考え方をお持ちになっておって、そういう式の立法をしようとしたのに対して、第十条のこの第一項は占領軍のほうから示されたものだと、こう沿革を承知したわけでございます。教育といえども例外ではないんだと、従来は天皇の大権による命令によってすべて律せられてきた。そうでなくて、やっぱり国民主権のもとに国会における法律によってすべて定められるべきだと、そういうような趣旨で、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行なわれるべきものであるというふうな趣旨で生まれたんだと、こう教えられたわけでございまして、そう教えられてみますと、なるほど全体を読んで見ましてはずが合っていることになるのかなと、こう思ったわけでございます。いずれにいたしましても、御指摘はそういう意味で民主的な運営教育全体についてもなされなければならないという御指摘だろうと思うのでございまして、そういう意味においてはそのとおりに今日も理解しておるわけでございます。
#85
○宮之原貞光君 私がお尋ねしておるのはこの十条の一項だけじゃないんです。この十条の精神と申しますか、確かに第一項は教育行政の民主化の問題が書いてあるわけです。しかし、やはり一項、二項あわせての精神は同時に教育の地方分権と申しますか、それから一般行政からの分離独立という、この精神は私はやはり基本的にこの教育基本法が現存する限り変わっておらないと、こう見ておるわけなんです。その点のものの考え方を基本的にどうお考えになっておられるか、お伺いしておるのです。
#86
○国務大臣(奥野誠亮君) 地方分権という問題は、これと私は別だと思うのであります。中央において処理しようと、地方において処理しようと、やはり国民の考えに基づいて諸制度が律せられ、それに基づいて運営されていかなければならないということだろうと思います。地方分権だろうと、中央集権だろうとやり方についてはともに民主的に行なわなければならない。その点については同感でございます。
#87
○宮之原貞光君 そうすると、この教育基本法の精神、今日の教育の精神というのは、これは地方分権という精神はもうなくなったというふうにお考えなんですか。少なくとも、たとえばこれはぼくら反対したんですけれども、例の地方教育行政の組織並びに運営に関するところの法律案にいたしましても、地方教育がやはり地方分権というものの考え方の基本だというものは変わらないと、これは見るべきだと思うんです。たとえば、昨年十月の文部時報の臨時増刊号ですか、「日本の教育百年」といサブタイトルがついておりますね。その中の改正の趣旨を見ましても、文部省がこれは編さんしたんですから。これは国と地方を通じる教育行政の縦の連絡と、地方教育行政と地方一般行政の横の連絡を強化し、いわゆる行き過ぎた地方分権を是正し云々という措置だけであって、いわゆる教育の地方分権というもののあり方は、これは戦前の教育行政とは根本的に違うということは、これははっきり言えるし、文部省自体のこの文書を見てもしてあると思うんですが、それはもう別ですか。
#88
○国務大臣(奥野誠亮君) 民主的な運営ということを私は申し上げているわけでございまして、地方において行なわれる教育の問題についてできる限り民主的に行なおうとしますと、そのものに関する限りは分権が一番望ましいと思います。教育全体が地方分権と、こうおっしゃるものですから、できる限り民主的に行なうために、地方ごとの問題はできる限り地方分権の仕組みをとることがそのねらいに合致していくと、こう思います。そういう意味で、基本的に食い違いはないのかもしれませんが、教育全般が地方分権の制度と、こういうふうに御意見がうかがえるものですから、そうなりますとちょっとひっかかるところがあるものですから、いまのようなお答えをしているわけでございます。
#89
○宮之原貞光君 しかし、少なくとも今日の初等中等教育含めての全体的の教育のあり方というのは、地方の教育行政というのが主体なんでしょう。それだからこそ、文部省のやり方としては指導、助言という域にとどまっておるんでしょう。だから、主体は何といってもやはり地方が主体だということは明確でございませんか。どうなんですか、それはあくまでもやっぱり従来のように文部省のところにあると、こうおっしゃるんですか。
#90
○国務大臣(奥野誠亮君) ものによって国会でおきめいただく、それに基づいて運営を地方にゆだねていくというものもございますし、ものによってはもう全面的に地方分権、地方でやってもらうというのもある。これが私は正しいことじゃないかと思うのでございますけれども、何を意図しておられるのかわかりにくいものですから、多少私は用心して答えている向きもあるかもしれませんけれども、全面的に地方分権だ、中央集権だというふうな言い方は、ちょっと荒っぽいんじゃないかなとこう思うものですから、いまのようなお答えをさせていただいているわけでございます。
 高等学校以下の問題につきましては、積極的に地方分権的な仕組みをとってきていること、これは事実そのとおりになってきておるわけでございます。しかし、だからといって国会がいろいろな制度を高等学校以下についてきめていく、そのことが教育基本法に反するんだというようなことになってきちゃ、少し解釈が混乱しますので、そういう意味は少しもないだろうと、こういう意味でお答えをしているわけでございます。
#91
○宮之原貞光君 まあ、大臣はそう先回り先回りして予防線ばかりだいぶ張っておられるようですが、まあ、それは出が官僚出の大臣ですから、それぐらいの堅実さはあってもいいと思いますが、少なくともやはりあれでしょう、戦前の教育行政との一番の違いというのはそこに一つ教育行政の面ではあるんでしょう。もちろん、地方分権のあり方の範囲の問題にはいろいろありますよ、それは。意見の相違もありましょうけれども、基本的には、教育基本法というものが存在し、しかも十条というものが存在しておる限り、やはり地方の教育行政というものが主体であるということは変わらないんじゃないですか。そこを私はお尋ねしておるのですよ。すべて戦前のように中央できめさえすれば、中身の問題にしろ、条件の問題であろうと、一つボタンを押しさえすれば地方がそのとおりならなければならないという仕組みじゃないのでしょう。だから、そこから半額国庫負担という問題も出てきておるのでしょう。地方にウエートが移っているということ、これは明らかな事実じゃございませんか。
#92
○国務大臣(奥野誠亮君) 私は、中央集権地方分権で戦前といまとの違いを比較するよりも、戦前は天皇の大権のもとに置かれた、教育制度全体が天皇の大権のもとに置かれて国会が何ら関与できなかった。今日は教育も国民主権のもとに、国民全体の関与のもとに置かれている。そこが私は大きな違いだと、こう理解をしているわけでございます。義務教育費の国庫半額負担の問題も、戦前もそういう仕組みをとっておったわけでございまして、今日とっているだけのことじゃございません。戦前も義務教育教員の給与については二分の一国庫が持っておったわけでございますので、まあ、個々の問題について話をいたしませんと、なかなか議論がかみ合わないかもしれませんけれども、教育基本法の少なくとも私は考え方は、いままでは天皇大権のもとに置かれておった、これが新憲法のもとに、国民主権のもとに置かれるのだということを強く打ち出していく、また、その考え方に基づいて教育に努力をしろということだろうと思うんでございまして、これが中央集権、地方分権、それをそのままに映し出しているのだというふうには私はよう理解しないのでございます。
#93
○宮之原貞光君 ことばじりをとらえるわけじゃありませんけれども、いまの大臣の説明ですと、戦前は天皇の大権のもとに国会で何もできなかったような話をされますけれども、国会できめたことを天皇の名によってやられたということの要素は相当あるでしょうが。だからして国会があって、ここで法律きめたわけでしょうが、戦前はすべてが天皇の命でもって、国会できめたことでも否定されておったのですか。それは私はおかしいと思うんです。少なくとも、大臣、ここの教育基本法に示されておるものは、だからこそ、あなた方は教育行政を地方に委譲し過ぎておるからということから、地方教育行政の組織並びに運営に関する法律というものをきめたのでしょうが。それにしても、やはり「地方教育行政」という名前が冠される限り、これはやっぱり教育行政の面においては、地方の、県の教育委員会、市町村の教育委員会、相当なやはり主体というものがあるということは、これは明白じゃありませんか。それはただ、戦前の天皇の名において違うわけだというわけにはまいらないのじゃないですか。どうなんですか、そこは。
#94
○国務大臣(奥野誠亮君) 戦前におきましては、教育の組織あるいはまた教育の内容、すべて国会が関与できなかったのです。法律ないのですよ。みんな大権命令です。しいていいますと、経費に関する問題、義務教育は二分の一を負担するというような問題は法律で制定された。教育内容とか、教育の組織というものはみんな大権命令できめられる、そういう憲法になっておったわけであります。そこが大きく違うと、こう私はこの教育基本法を中心にして申し上げているわけです。
#95
○宮之原貞光君 しかし、そのこととこの今日の教育基本法のあり方、教育行政のあり方が根本的に違うというのは、少なくとも、中央にあるのじゃなくて地方に主体があるということは、これは明白でしょう。そうじゃないですか。たとえば教育財政の面で申し上げても、立案当初は、これは第二次の米国の教育ミッションのことからできているわけです。その当時は財政の独立論さえもありましたね、これが第二次の勧告があった当時は。それを三十一年のさっき申し上げた法律の制定から財政上の権限というものがだいぶ名実ともに首長のほうに移っていったというような経緯から見ても、依然としてやはり根本的、基本的には地方にやはり教育の主体があるというのは当然じゃないですかね。大臣どうしてそれを固執されるのかわかりませんね。だからして、それはそうじゃなくて中央にもあるんだからという、あなた、私の次の質問に入ってきて、だから文部省やっているのはすべて誤りだと、こう言われるということは――非常に予防線を張っておられるからなかなか歯切れの悪い答弁されるのではないですか。
#96
○国務大臣(奥野誠亮君) 教育そのものが、戦前は天皇主権のもとに置かれておった、戦後は国民主権のもとに置かれている、国会がすべて民主的にこれを決定していくことに大きな違いがあると、こう考えておるわけでございます。地方分権の制度をとるか、中央集権の制度をとるかということにつきましては、どちらも民主的な運営ではありますけれども、地方にもっぱら影響の及ぶようなものにつきましては積極的に地方分権の制度をとるべきだろうと思いますし、また、そういう意味において戦後の諸立法が行なわれてきておる、こう考えてきておるわけでございます。
 重ねて申し上げますと、民主的な運営を行なうためにはできる限り地方分権の制度をとることが望ましい、そういう考え方に基づいて教育のいろいろな諸制度が地方分権の仕組みを強く打ち出してきているということは、私はそのとおりに考えます。
#97
○宮之原貞光君 そこばかり論議しておっても始まりませんがそうした場合に、続いてお聞きしたいのは、この十条の運用面におけるところの私は基本的な概念というのは、少なくとも十条の一項二項、この二つから考えられますね。不当な支配に服しないということと、教育条件の整備ということが、この十条の一番基本的な概念じゃないだろうかと、このように読んでおるのですが、その点はいかがでございますか。
#98
○国務大臣(奥野誠亮君) 私は、十条、先ほどもちょっと申し上げましたように、民主的な統制に服するんだという趣旨だと、戦前の天皇大権のもとに置かれたのとは違うんだ、教育も民主的な統制に服する点については例外ではないんだという趣旨だと第一項を理解しておるわけでございます。したがいまして、一項と二項とを一つにして解釈するということじゃなしに、民主的な統制に服するんだという意味において二項も理解するということなら私もそのとおりに思いますけれども、いま宮之原さんのおっしゃったふうには取りにくい。この規定の沿革も私なりに調査して先ほど申し上げたようなこともございますだけに、いま申し上げるような理解を持っておるものでございます。
#99
○宮之原貞光君 私は、この法律案にあるとおりのことを申し上げているのですよ。何も読まぬでもわかるのですが、「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである。」、だからここの一番ポイントは、不当な支配に服しないということが一つのポイントじゃありませんかと尋ねておるのですよ。その中身はまたいろいろあるでしょう。そこのそこまで用心して一生懸命答弁されるから、すなおな私の質問にすなおに答えてもらわなければ困りますよ。あるいは第二項は、「教育行政は、」ずっと書いて「必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない。」、こう明確にしてあるのです。それがこの二つの一番柱じゃありませんかとお聞きしておるのですけれども、どうも民主的、民主的とこうおっしゃられて、非常にぼかされておるわけですけれども、その点はすなおにそうだとおっしゃっていただけばいいんじゃないですか。
#100
○国務大臣(奥野誠亮君) おっしやつるとおりに二つのことを書いていると思います。同時に、「不当な支配に服することなく」という趣旨につきましては、私もたびたびお答えさしていただいているような点にねらいを置かれていると、こう理解しているわけでございます。
#101
○宮之原貞光君 だから、この条文から言えば、先ほどの点を私はお認めになられたのはこれはすなおでけっこうだと思います。おそらく論議というのは、不当な支配の中身とは何ぞや、これはどういう理解のしかただと、こうなりますと、これは相当論議をしなければならぬ問題だと思う。そう大臣は考えておるからさっきから予防線張っておられると思いますけれども、しかし、これはたとえば昭和三十六年発刊の田中耕太郎さんの「教育基本法の理論」とか、あるいはこれは当時の文部省自体もそうだったのですよ、昭和二十二年ですか、文部省内の教育法令研究会編の「教育基本法の解説」とかあるいは二十四年のやはり文部省内の「教育委員会の理論と運営」というところをずっと見ますと、これは私が質問をしておそらく大臣が否定されるようなことが書いてある。言うならば立法の当初は、非常にやはり不当な支配云々というものについては、教育行政という表題がついておる以上は、これは国及び地方公共団体という教育についての公権力をやはり行使するところの権限というものを対象主体にすべきだということはこれは常識的に判断されておる。ただ、その後のどういう時勢の移り変わりかもしれませんけれども、たとえば昭和三十五年の、いまのこれは文化庁の安達さんですかね、「学校経営」で述べられておるところの、そうじゃないんだという言い回し方、これはおそらくいま大臣がまさにそれで答えられようとされておるところの中身と同じだと思いますが、そういうように変革してきておるんです。私は、変革してきておる問題について、ここでどうこう議論しようとは思いません、きょうの本題ではないから。いずれにいたしましても、そういうように、法律そのものの趣旨というものが時代の進展とともに今度は解釈が変わってきておるというのは私は非常に遺憾だと思いますけれども、その問題はまあおきましょう。
 ただ、その中の教育条件の整備という問題について、若干やはり関係がありますから、お尋ねいたしたいと思いますが、この中で、やはり教育行政の面では内的な事項、それから外的な事項と私はやはり二つ大別できると思うんです。しかし、私どもはやはりこの法律の当初の趣旨というのは外的な事項、言うならば教育の施設設備というそういう面を重点にすべきだというのがこの法の趣旨だと、こういうふうに私どもは理解しておるんですね。その点は、その後文部省はだいぶ変わってきておりますけれども、いまどういうふうにお考えになっておりますか。
#102
○国務大臣(奥野誠亮君) 内的事項、外的事項というふうに区分して論ぜられる方もあること承知しておりますけれども、この法律の条文は別にそういうことを意識しないで、諸条件の整備と、こう書いてあるわけでございますので、全体を含んでいると、こういうふうに私どもは考えます。
#103
○宮之原貞光君 だからこれも先ほど申し上げましたところのいろんな著書や当時の文部省の編さんから見ますと、これはいわゆる教育の施設設備、こういうものをやはり重点にすべきであって、教育の中身についてはあまりタッチすべきではないということは当時は明確にされておったわけです。けれども、残念ながらその後のいろんな政治情勢の変化でしょう、いまの政治体制の変化でしょうけれども、そういう中で変わってきておりますから、どう変わろうといたしましても、いずれにいたしましても、この教育条件の整備の中で施設設備の面の充実ということが大事であるというこの精神は変わらないと思うんですが、どうなんですか。
#104
○国務大臣(奥野誠亮君) きわめて大切なことだと思っております。
#105
○宮之原貞光君 だからそれまでは否定されないと思うんですね。これは中教審の答申でだいぶ、私以外の、さっきも申し上げたところのアクセントを置くのは誤りだと言わぬばかりのきめつけがありましたけれども、いま局長の皆さんがいらっしゃいますけれども、当時課長かあるいは課長補佐時代のころは、私が申し上げたようなことを一生懸命言っておったんですね、ほんとうは。だから、世の中も変われば変わるものだ、同じ人でもいろいろ説は変わるものだと、私は感心しながらこれを見ておりますけれども、まあそれはいいでしょう。
 その施設設備の問題について実はいろいろ伺いたいんですが、国民の教育保障にとって、教育を保障するところの面にとって一番やはり重要なのは、この施設の面が重要でありますと同時に、私は、教育費の占めるところの比重ということは、非常に私はやはり教育の問題の中では重視しなければならぬ。そういう点から見てみますと、四十七年度の一般会計予算におきますところの文教予算の予算総額に占めるところの割合は、一〇・三%と説明をされておるわけですね。ところが、四十八年度の一般会計の予算総額の対前年比との比率は、いわゆる総予算に対しまして一〇%を割っているというようなかっこうになる。しかも、これを「国会統計提要」ですか、国会図書館が発行しているところの。これを見ますと、昭和四十三年はその比率というのは一二・一だった。四十四年が一一・六、四十五年が一一・三となっておるんですね。いま申し上げた四十七年が一〇・三、四十八年が一〇%を割るというような形で一応下降をたどっているわけですね。このことは、私は否定できない事実だと思うんです。そして同時に、国民所得と公費財政支出の教育費との比率の面で見ますと、これは一九七〇年版の文部省編の「わが国の教育水準」によりましても、いわゆる先進国といわれているところのアメリカの六・一%、イギリスの六・一%、西ドイツの五・一%に対して、日本は一九六八年に四・八%、一九六九年も四・八%なんですね。言うならば、五%台を上下をしておるというのがこれが事実のようです。したがいまして、いわゆるそういう数字の比率の面からこう見ますと、これは教育費に対するところの公費負担の貧弱さということは私は否定できないと思うのですが、その点は大臣どうお考えになりますか。
#106
○国務大臣(奥野誠亮君) 四十八年度の予算折衝終わりましたときに、私は、国の予算の中に占める比率もむしろ上がっているんだろうと思っておったんでございますけれども、最後締めてみますと、御指摘のような結果になっておりました。毎年毎年対前年度で比べますと文教予算の伸び率はずっと高まってきておるわけでございます。たまたま、国の予算全体の伸び率、今度も二四・六%も伸ばす大型予算を組んだわけでございますので、人件費の占める割合の大きい文教予算ではなかなかそこまでにならない。その結果が、全体の比率が下がっていたという結果に終わってしまったと、たいへん残念に思っております。給与の特別な改善費なども三月分しか組んでおりませんし、また、いろんな大学をつくるのも調査費しか計上しておりませんので、先行きにはかなり大きな予算になっておりますはずのものでございますけれども、現状に関します限りは、いまおっしゃったような点でございます。しかし、それにしましても、私としては、残念なことだと考えておりまして、ぜひ御指摘のようなことのないように、もっと積極的な公費支出を教育に向けられるようにさらに一段の努力をしなければならない、こういう考え方でいるわけでございます。
#107
○宮之原貞光君 まあ、国の予算面は、いま申し上げた点から見て、大臣のひとつ今後の努力を私どもは強く期待もし、また、要請も申し上げなければならないと思うのですよ。
 それから、地方財政の面におきまするところの教育費も、私は残念ながら同じ傾向にあるのじゃないだろうかと見ておるんです。たとえば、地方支出の総額と地方教育費の総額との対比を見てみますと、これは四十七年版の「国会統計提要」でございますけれども、これまた昭和三十年の二八・一%を頂点にいたしまして、ずっと比率が下がってきておるということも、これまた否定できない事実のようなんですね、この統計から見ますと。したがって、やはりこの面は、私は、やはり国の予算面にいろいろ要素の中に含まれるところの要素は別にあろうと思うんですが、これがやはりもっともっと地方財政においても、先ほど申し上げたところの、より教育というもののあり方が地方にも非常に責任があるというようになってきておるところの今日から見れば、満足すべき状態でないと、こう私は見ておるのです、この数字から見て、したがって、やはりこの面についても、相当やはり努力をしなければならぬ面だと、こう見ておるんですが、その点はどう大臣はお考えになりますか。
#108
○国務大臣(奥野誠亮君) 国の財政における姿も地方の財政における姿も同じだと思います。なお、積極的に公費支出の面を多くしていかなきゃならないと思います。ただ、しいて言わしていただきますと、この二十年、これほど経済成長なり財政の規模なり大きく拡大している国はないと思います。規模の拡大が大きいものですから、その中で教育費が全体に占める比率を高めていくということになりますと、なかなか、さらに大幅な積極的な支出の増加をはかっていかなきゃならないということになるということではないかと思います。個々の、たとえば高等学校への進学率その他を見ましても、教育そのものはかなり水準上がってきていると思うのですけれども、公費支出に関します限りは御指摘のとおりでございます。その点につきましては、いま私が申し上げましたような事情のあることも御理解いただきまして、――しかし私努力を怠ると申し上げるわけじゃございません。積極的に御期待に沿えるように、地方財政の面についても努力を続けていきたい、進めていきたい、こう考えておるわけでございます。
#109
○宮之原貞光君 これは局長さんにお尋ねしたほうがいいと思います。
 この四十五年度の文部省の地方教育費の調査報告ですね、これは何か衆議院の議事録を見ますと、衆議院でもいろいろ問題点が指摘をされておるようですし、大臣もやはり問題点があるということを肯定されておったようでございますが、それとも関連しますけれども、義務教育におけるところの教育費の地方負担率というものはどういう形になっておるのか、もしそこに資料でもあればお答え願いたいと思うのです。その傾向まであわせて。
#110
○政府委員(岩間英太郎君) 地方の歳出総額に対します国の負担割合でございますが、これは昭和四十四年ぐらいから二三%でございまして、したがって、地方の純負担分が七七%、そういうふうになっておるわけでございます。もちろん、この中には高等学校が入っておりますが、大体地方負担分と国の負担分、この二三%という数字は、昭和三十年ごろからは変わっておらないというふうな状況でございます。
#111
○宮之原貞光君 あれですよ、地方の負担分ですよ、私が聞いてるのは。この義務教育費に対する地方の負担率の問題を聞いておるのです。
#112
○政府委員(岩間英太郎君) いま申し上げましたのは、ちょっと手元に資料がございませんが、地方の地方教育費のうちで国庫負担の補助率とそれから純負担の割合、それが二三%と七七%、そういうふうな数字になっておるわけでございます。この中には高等学校も入ってるわけでございますので、ちょっと時間をいただければ計算をいたしますけれども、高等学校も含めまして地方の負担分が七七%、そういうことになっておるということで申し上げたわけでございます。
#113
○宮之原貞光君 義務教育関係はわかりますか。
#114
○政府委員(安嶋彌君) 四十五年度の地方教育費調査の小学校費でございますが、総額一兆八百九十九億円余でございます。そのうち国庫支出金が三千三百七十七億でございます。残りが都道府県と市町村の支出金ということでございます。それから中学校費でございますが、これが五千七百九十八億円余でございまして、国庫支出金が千九百二十六億円余でございます。その他は都道府県と市町村の支出。それから特殊教育でございますが、これは高等部等を含む数字でございますが、総額四百二十三億でございまして、このうちの国庫支出金が百二十四億円余でございます。その他は地方負担ということになっております。全体として申しますと、約三分の一が国庫の負担、あるいは補助で、残りの三分の二が地方負担というのが大体の姿かと思います。
#115
○宮之原貞光君 そこで、なおお尋ねしますが、父母の支出しておりますところの児童生徒一人当たりの教育費の問題ですね。これは四十七年版の「国会統計提要」には、文部省が一応調べてあるのがあるんですが、その後の最近の状況ですね、これにない、その統計がわかっておったらお答え願いたいのです。この統計は四十四年度のやつしかないんですね。ですから四十五年度以降のやつがわかっておったらひとつ答えてください。
#116
○政府委員(岩間英太郎君) ちょっと手元に資料がございませんので、たいへん恐縮でございます。
#117
○宮之原貞光君 ないんですか。これはしかし四十四年までしかないというんじゃちょっと情けないのでね。
#118
○政府委員(岩間英太郎君) これは、毎年調査をいたしておりますので数字はあるわけでございますが、大体、四十五年か六年くらいまでは出ておると思いますけれども、ただいま手元にございますのは、先生御指摘になりました四十四年のものしかございませんのでたいへん恐縮でございます。
#119
○宮之原貞光君 ないのは非常に残念ですが、整えておいてください、大事な問題ですからね。それはまあいいでしょう、ないものをどうしても出せと言っても……。
 いま私がこうして見ますと、先ほど来指摘をしてきたように、国と地方との総予算に対しますところの教育費の比率がやはり年々下降をたどっておるということは事実です。あるいは父母の教育費の負担率というものは、これは増加しておるということは否定できないと思う。まあたとえば、四十七年度の「国と地方の文教予算」という文部省の小冊子がございますわね。まあこの中にもいろいろ書いてありますので読ましてもらいました。しかしながら、いま私が申し上げましたような事実から見れば、小冊子の中で、たとえば教材の費用もその後二分の一負担をするようになったとか、あるいは教科書の無償もできた、あるいは就学援助の強化もできたと、非常にPRされておるわけなんですけれども、しかし、やはり数字というものは厳粛なものですから、したがって、やはりそれだけ努力されても追っつかないで、先ほど申し上げたところの傾向にあるということは事実なんです。これは私は端的に言うならば、田中総理がいかに教育を重視すると言っても、やはり教育の費用の面においてもほんとうに重視するということを裏づけるように、これはやっぱり公費の負担率がずっと上がっていかなければならない。ということでなければ国民はなかなか了解しにくいと思うわけです。しかしながら、事実としてはそういう状態にあるだけに、今後はやはり名実ともにこの問題については増加させるような努力をしてもらいたいと、こういうように思うのですが、その点、大臣の決意をお聞きしたいと思うのですが、いかがでしょう。
#120
○国務大臣(奥野誠亮君) 対前年度の教育費の増加率は相当なものだろうと思います。ただ先ほどもちょっと申し上げましたように、財政全体の伸び、経済成長の伸びは、これは高いものですから、全体の中に占める比率、その点において若干下がっているのではないか、こういう御指摘を受けているのだろうと思います。それにつきましても、なお一そうそういう面についても高められるような努力をしていきたいと、かように思うのでございます。実際の教育の面を見ていただきますと、かなり充実してきていることについては御理解をいただけるんじゃないかと。それをさらに財政全体の中に占める比率も上げるぐらいの大幅な公費の増加につとめなければならない、こういう点につきましては、今後さらに努力を一そう強めたいと思います。
#121
○宮之原貞光君 まあ、大臣の苦しい答弁もわかるんですが、それはまあ年々伸びているんだけれども、それよりも国の予算の総ワクが伸びているんでね。追っつかないと言ったって、これはたとえば国の政策で福祉予算、福祉の重視ということになれば、これは福祉の面ではぐっと予算がふくれ上がってくるというのが、これはやっぱり金の面で裏づけされなきゃ意味ないんですからね。いかに口でやって、教員を締めつけることばかりやったってこれは教育の増進になりゃあせぬのですから。こういうような父母が負担をしなければならない、あるいはもっともっとこの地方財政、あとからも具体的に申し上げますけれども、この超過負担の問題についてもいろいろ問題があるわけなんですから、そういう問題について除却するということになれば、これは総ワクがふえたから私ども相当伸びておるけれども追っつかないんだということだけでは、私は決して国民を納得させないと思うんです。やっぱり総ワクが伸びておるのに対比して教育費をまだうんとふやすと、こういうことがあってこそ、本物じゃないかと思いますが、どうでしょうか、その点は。
#122
○政府委員(安嶋彌君) 基本的な点は大臣の御答弁のとおりでございますが、やや補足していままでの御質疑について申し上げたいと思いますが、先ほど大臣からお答えをいたしましたように、国の予算について申しますと、本年度一般会計の伸びが対前年度二四・六%の伸びでございましたが、文部省予算は二〇・二%ということでございました。ただ、これも大臣から御答弁を申し上げましたとおり、文部省予算の三分の二は御承知のとおり給与費でございます。義務教育国庫負担金は大部分給与費でございますし、また、国立学校特別会計への繰り入れもその大部分が給与費でございます。で、給与費だけの対前年度伸び率をとってみますと、これが一七・五ないし六%ということでございます。したがいまして、その文部省予算の一般的な性格といたしまして、ただいま申し上げましたように、給与費が全予算の三分の二ということでございますから、大幅な給与改定が行なわれた場合には、文部省予算全体としての対前年度伸び率がかなり高まりますけれども、そうでない場合には相対的には、比率的には必ずしも一般会計の伸び率に及ばないといったような基本的な性格があるわけでございまして、本年度予算の伸び率につきましても、その例外ではなかったわけでございます。ただ、対前年度の文部省予算だけの伸び率ということになりますと、四十五年度は対前年度約一四%の増、四十六年度は対前年度約一七%の増、四十七年度は約二〇%の増でございましたが、本年度は二四・六%の増ということに相なっているわけでございます。
 それから父兄負担の教育費でございますが、先ほど御指摘がございましたように、絶対額といたしましては漸増いたしておるわけでございますが、お手元の、この文部統計要覧お持ちかと思いますが、にもございますように、学校教育費における公費と父兄負担の割合のうち公費の支出は近年年年高まっておるわけでございます。小学校費について申しますと、学校教育費でございますが、公費の支出が、三十年度が六六%強でございましたものが、四十四年度八〇・三%というふうな状況になっておるわけでございます。そうした点を考えましても、公費が徐々に充実されてまいりまして、父兄負担の割合はまあ相対的には減少の傾向にあるということが言えるかと思いますので、その点を補足させていただきたいと思います。
#123
○宮之原貞光君 特に、教育予算の面におきますところの続いて文教施設費の問題についてお伺いをいたしたいと思います。
 文部省のこの四十七年度版の「国と地方の文教予算」の小冊子ですね。これをこう見てみますと、文部省所管の重要事項別の構成比というのがずっとこう出ておるんです。その中にずっと、義務教育費の国庫負担金が五〇%、国立学校費が三二%、公立文教施設整備費が六%、それから私立学校助成費三%、育英事業費二%、その他というかっこうになっていますね。こういう方式で四十八年度の予算をこの重要事項別の構成比で見ますと、どういうぐあいになりますかね。
#124
○政府委員(安嶋彌君) 実は、そういう計算はまだいたしておりませんけれども、先ほど申し上げましたように、文部省予算全体の伸びが対前年度二〇・二%でございます。それに対しまして公立文教施設整備費の対前年度伸び率は四七%でございますから、文部省予算における構成比も、ただいま先生御指摘よりはかなりよくなっているはずだと思います。
#125
○宮之原貞光君 その四十八年のやつがきちんとわからぬのは残念ですがね。まあ、それは傾向としてはわからぬでもないですけれどもね、ほんとうはたとえば大蔵省の主計局の予算の説明書あたりをちょっとこう拾い読みしてみたらいろんな項目が出ていますけれどもね、正確に全体の構成比ではどれだけ占めておるだろうかということは、非常にこの施設費の中での大事な面であったから聞きたかったんですけれども、まあいいです、あとからでも知らせてください。
 ところで、続いて質問をしたいのは、国と地方の教育におけるところの役割り、特に、教育財政面における国と地方の関係ですね。それを基本的にどうあるべきかということについて若干大臣からお聞きしたいのです。これはもう大臣は、長年自治省におられたから、一番得意なところだと思うのですがね、私はこう思うんですよ。冒頭にお聞きいたしましたところの教育基本法の十条の精神から見たりいたしましても、まあ教育のいろんな行政面、あるいはまた地方教育行政の主体性というものがやはり相当尊重されなければならない、こういう趣旨から、たとえば国は、地方教育行政の組織及び運営に関するところの法律の中にもあるように、指導、助言あるいは援助という一つのものの考え方が貫かれておるのですね、現行法の中において。しかし、私は、財政面では少なくとも、義務教育費の国庫負担法の第一条の目的あたりから見て、あるいは教育基本法の精神から見ますと、教育の機会均等あるいは義務教育の無償という基本からすれば、少なくともやはり国が大幅なやはり財政面での、教育財政の面についての援助はあってしかるべきだと、こういうふうに私は考えるわけです。それに対していろいろ議論もあるようで、逆にそれだったら、地方の教育の主体性というなら地方がうんと負担すべきだという意見もあるということを私も知っております。しかし、いま申し上げたように、いわゆる特に義務教育の面での教育の機会均等、無償という精神から言っても、これは国と地方との教育財政面におけるところの役割りの中では、国の比重というものは相当大きくなければならないということを考えるわけなんですが、そこらあたりのものの考え方としては大臣は大ざっぱに言ってどういうふうにお考えになっておられますか。
#126
○国務大臣(奥野誠亮君) いずれの負担に属しましても、それぞれの属する負担を円滑に支払っていけるように、財政構造全体について配慮していかなきゃならない、こう考えるわけでございます。そういう前提のもとに考えますと、設置者がその設置にかかわる施設の経費を負担するということが大原則だと思います。ただ、いま義務教育などについて例をあげられましたように、すべての地域についてナショナルミニマムを確保していく上につきましては、単に国が指導、助言だけではなしに、ある程度経費も負担していくという姿勢、それがそのことを容易ならしめるのじゃないかと、こう考えるわけでございまして、そういう見地から義務教育の校舎等についても、国が経費の一部を負担する仕組みがとられたわけでございます。その他の面につきましては、それぞれの仕事を円滑にするために国が経費を負担をしたほうがベターであるかどうかという議論になってくるのじゃないかと、こう考えるわけでございます。特定の分野について指導的な役割り、奨励的な役割りをするために経費を持つ場合もございましょうし、あるいは人事の交流を円滑にするために経費の一部を負担する場合もあろうかと、こう考えるわけでございます。基本的な点については設置者が経費の全額を負担するんだと、しかし、ナショナルミニマムを確保するためには進んで経費を負担することによって一そうその実現をはかることができるんだと、あとはそれぞれの政策目的からどの程度、どの団体が経費を負担するかという仕組みを考えてしかるべきだと、こう思っております。
#127
○宮之原貞光君 国と地方の財政負担の問題について、一番手っ取り早い話で言えば折半論というのがありますね。衆議院でもだいぶ大臣は折半論を非常にアクセントを置いて説明を、主張をされておったようでありますが、この折半論について、大臣のお考えをもう少し詳しくお聞かせ願いたいと同時に、これは一番大臣の得意とするところですけれども、地方財政法の十条の立法の趣旨ですが、「法令に基いて実施しなければならない」ところの中で、だいぶ教育費の問題についてずっと出ておりますね。地方財政法、この趣旨についてお聞かせ願いたい。
#128
○国務大臣(奥野誠亮君) 私が国と地方が経費を持ち合うという場合には、率は二分の一がいいんじゃないかと、こう申しますのは、たとえば国が三分の一なり四分の一なりを補助して、あとは地方が負担していくということになりました場合には、どちらに責任があるのか、金の出し方が少ない地方団体が大きくかかえなければならないものだから、すすめられてもなかなかそれに手が出ないんだと、手が出ないから地方が悪いんだと、地方に責任があるんだと、こういう議論になったりするもんですから、責任も双方にあるという性格を明確にしていくためには負担関係も同じがいいんだろうと、こういう荒っぽいものの言い方で、負担し合うなら折半だと私は思いますと、三分の一、四分の一国が負担するというような負担のしかたは奨励、助長になるかもしらぬけれども、責任を分かち合うという意味の負担にはならない、こんなふうに申し上げているわけでございます。地方財政法の十条は、これは最初に規定をいたしましたときには、「なお、国が進んで経費を負担する必要がある」という表現はございませんでした。「その円滑な運営を期するために」云々という規定はございませんでした。私がこの地方財政法を制定しようという気持ちになりましたのは、国がいろいろな仕事を地方に次々に持ち込んでくる。そのことはよろしいんですけれども、金の心配をしてくれないものですから、地方団体が肝心の自分のやりたい仕事もやれない。だからやはり新しい仕事を起こすのなら、同時にその財源の始末もしてやろうじゃないかというような気持ちから、こんな地方財政法をつくって、国にも責任を負ってもらおうということを考えたものでございまして、そういうことで、十条を書きましたときには、国と地方公共団体相互の利害に関係があるようなものは両方で持ったらいいじゃないかというような気持ちでございまして、その後に、戦前ありました団体問の財源調整制度がたいへん緻密なものになりまして、昭和二十五年にアメリカのシャウプ博士の勧告を受けまして、地方財政平衡交付金制度に切りかえたわけでございます。いま地方交付税制度と申しておりますが、そこでは、地方団体の経費支出の額を調べまして、それだけのものは各団体ごとに税金が満たなければ足りないだけのものを国から補てんをしていこうと、こういうような仕組みをとりましたので、相互に利害の関係のある仕事でありましても、必ずしも国がその経費の一部を負担する、補助するという必要はなくなったわけであります。そこで、「なお、進んで」云々の規定を入れたわけでございまして、やっぱり金の面においても国が一役を買わなきゃならないようなもの、それだけについて国が負担するようにしよう、そういうことを通じて、あまり補助金で地方団体を中央の考えるように振り回すことはやめようじゃないかと、国が出さなければ、それだけのものは地方団体に財源が得られるように補てんをしていく仕組みをつくったんだから、そういう制度をつくったんだから、逆に言えば地方団体に国が補助金を出す場合には、その分だけは地方団体に差し引いて財源措置をすることになる、補助金制度をとらなければ、地方団体にそれだけのものを追加して財源措置をすることになる、こういう仕組みをつくったわけですから、なるだけ補助金制度を通じて国が地方を振り回すことは避けたい。できるだけ地方団体の仕事は地方団体の自主的な考え方で運営さしていきたい。そこで、相互に利害の関係のある仕事でありましても、なおかつ、なお国が進んで負担することが適当なものだけに限定をしましょうと、こういう書き方をさしていただいたわけでございます。それが十条の沿革でございます。
#129
○宮之原貞光君 そういたしますと、この十条の「なお、国が進んで経費を負担する必要がある左の各号の一に掲げるものについては、国が、その経費の全部又は一部を負担する。」というのがありますね。そこに一が義務教育への給与、恩給、教材費ですから、これがまあ義務教育費の国庫負担法になっておると思うんだね。それから一の二が共済組合の長期給付の問題ですね。一の三がいま議論をされておるところの問題なんですがね。これから見ますと、この精神からいうと、「全部又は一部を負担する。」という条項はありますけれども少なくとも、いま私が申し上げているものは、全部のもの一つもありませんわね、これね。これは、あれですか、大臣、国が地方を振り回すのは避けたいという趣旨から、これは全部払わないんですか。大臣のいまさきの説明から見ますと、国が地方財政を振り回すのはやめたい、こういう趣旨のもとに、こういう制限をしたんだとおっしゃるんだけれども、こういうものは、そういう配慮から「全部又は一部を負担する。」と言いながら、実際の義務教育国庫負担法あるいは施設の負担法にしても全部になっておらないという理由はそこにあるのですか、原因は。
#130
○国務大臣(奥野誠亮君) いまおっしゃっている趣旨で申し上げているんじゃございませんで、基本的には、国の仕事は国が全部経費を負担しようじゃないか、府県の仕事は府県が経費を全部負担しようじゃないか、それができるような財政措置を講じよう。しかし、ものによっては地方の仕事だけれども国が経費の一部を、あるいはまた全部を負担したほうがいいものがあるだろう、それはどういうものかというと、義務的な経費である、二番目には国と地方相互の利害に関係がある経費、三番目には円滑な運営を期するためにはなお進んで国が経費の一部を負担をしたほうがよろしいと、三つの条件を書いているわけでございます。そういうことでございまして、あとは経費の種類によって二分の一がいいとか、三分の二がいいとか、全部がいいとかいうことがきまってくるんじゃないだろうかということでございます。振り回す、振り回さないの問題は、そういうことのないように事務の責任を負っているところで経費の全額を負担する、こういうたてまえをとるんだと、こういうことでございます。
#131
○宮之原貞光君 そういたしますと、さっき大臣のおっしゃった責任を分かち合う云々という折半論ですね。きわめて荒っぽい意見だとおっしゃった。私も確かに荒っぽい意見だと思う。それだから、これは「全部又は一部」とありながら、大体半分前後を持っておるんだということにはならぬわけですね、この地財法の十条というのは。折半論が根拠になっているというわけじゃないんですね、この十条は。そういうふうに理解してよろしゅうございますね。
#132
○国務大臣(奥野誠亮君) そのとおりでございます。
#133
○宮之原貞光君 それで私は、この折半論といっても、たとえば今日、じゃ義務教育国庫負担法が明確に折半になっているかどうかと、こういうことになると非常に疑問があるんです。その義務教育国庫負担法の経緯は一番皆さまが詳しいわけですけれども、しかし、やはりワクがはめられちゃっておるわけですね。ほんとうの折半だったら実員実額というのが私はほんとうの折半論だと思うんです。けれどもそれは実員実額にはなっておりませんわな。言うならば定員実額ぐらいのものですわね。実際の問題、定員法の中できちっとワクを締められるわけだから、その上に富裕県はだめだと、こういうようなことの仕組みがある以上、どうも大ざっぱだとおっしゃられるところの折半論さえも実はこの国庫負担法はいっておらないという問題点がありますね。だから名実ともに折半論でいくというならば、私は名実ともにその中身もそれにふさわしいものにすべきだと、こう思うんですが、私はやはり特に義務教育の問題であるだけに折半論というんじゃなくて、地財法の中にも「全部又は一部」という条項がある限り、できるだけやはり今後それは相当日時はかかるにしても、半額ということじゃなくて、補助の幅をふやしていくというこの努力は、やはり今後私は続けられなければならないところの義務教育費の問題だと、こういうふうに理解をしておるんですけれども、その点はやはり折半論という限界をいつまでも引かれるつもりなんですか、どうなんですか。今後の展望の問題でございますけれどもね。
#134
○国務大臣(奥野誠亮君) 国の負担率の大きな仕事につきましては、どうしても地方団体の仕事でありましても国に依存する気持ちが強くなりまして、国が経費を出すまでは積極的に自分のほうは動かない、そういう傾向になりやすいものでございます。義務教育施設のようなものになりますと、やっぱり相互に責任を分かち合う。三分の二が悪いというわけじゃございませんし、また、現に三分の二の負担率をとっておるものもたくさんあるわけでございます。相互に責任を分かち合うという意味で、三分の一などと言わないでやっぱり折半がいいじゃありませんかという意味で私はお答え申し上げているわけでございます。三分の二を二分の一に引き下げるという意味でお答えをしているんじゃなくて、三分の一を二分の一に上げるという気持ちでお答えをしておるほうにウエートを置いてお考えいただきたいと思います。ただ、負担率をよけい上げたほうがいいんだということについては、すべてに私はそう考えませんで、やっぱり地方の責任を経費の面においても自覚しながら積極的に努力を払ってもらう仕組みが大切じゃないだろうか。何でもかんでも国がやってあげるぞという姿勢は、私は、地方団体が積極的に熱意を持って努力しようとするものを若干弱める点も出てくる。そういう点もやっぱり配慮していきたいなと、こんな感じでいるわけでございます。
#135
○宮之原貞光君 それは一般論としては、あんまり国におんぶばかりされては地方の意欲がなくなるからという論も私は成り立つと思いますよ。しかし、現実の問題としては、たとえば全国知事会の超過負担調査結果というものにも出ておりますように、やはり非常にこの施設の面においても超過負担という問題が地方財政にとっては大きな問題になっているわけなんですからね。そういうような面を考えて、しかも、やはり公選の知事であるだけに、県民に対して、国民に対して、教育費の問題に対するところのやっぱり積極的な意欲というのは、国がたくさんくれるからこれぐらいでいいですということには私はならぬと思う。現実はやはり地方財政の非常なアンバラの中で、逼迫しておるところの府県にとっては非常にこの問題のしわ寄せがあるだけに、これはやっぱり不十分さが出てきていると、こういうように思えるんで、それはあんまりやり過ぎると地方が意欲がなくなるんじゃないかというよりも、むしろ私は、現実の面では逆じゃないだろうかと、こう見ているんですがね。その点はどう見ておられますかね。
#136
○国務大臣(奥野誠亮君) 私は、抽象論でお答えをしているものですから、あるいはお気に召さぬ点もあるかもしれないと思います。問題は、国と府県と市町村との財源配分がいまの姿でいいのかどうか、やはりここに一つ問題を当てて考えてみなきゃならない。府県なり市町村なりの任務とされた仕事については潤沢に金を出せるだけの財源配分が行なわれているかどうか。財源としてはむしろ国に片寄ってはせぬだろうかというようなことまでもあわせて考えていきたい。そういう財源配分が適正に行なわれているという前提に立って、私、お答えを申し上げているわけでございます。その場合でも教育というような問題については、特に国が積極的に財政負担をしなきゃならない、こういうお気持ちでございますと、それについての私は異論はございません。ただ、全額負担という形式を教育の面について広げていきますことについては、先ほど申し上げたような問題点を指摘しておきたいと、こう思うわけでございます。
#137
○宮之原貞光君 私も、大体全額負担というのは、問題があると思っているのです。すべてまるがかえという問題はね。しかし、大幅に負担をして、やはり地方の教育のアンバラがないようにいろいろな教育条件を整備していくということはきわめて大事なことなんで、ですからやはり補助率を引き上げていくという、そのことをやはり私は基本的に踏まえなければならない問題だと、こう思うのです。それはそれくらいにして、もう少し具体的にお聞きしたいと思うのです、それらの問題と関連をして。
 高等学校の問題です。高校については、補助金が施設の面では全くないわけですね。これは義務教育でないからという理由ならわかる、という理由でつけられておりますが、じゃみんなないかというと、いまそこでもささやいておられるように、定時制とか通信制には補助金というのがあるのですね。けれども全日制というものには全然ない。なぜないかというと義務制でないからという理由なんですけれども、これは若干つじつまが合わないということを率直に感じるのです。また御承知のように、高校の進学率というものは、全国平均では八七・二%ですが、東京あたりは九五%までいったと、いまや高等学校というのは普通教育、準義務教育だと申し上げてもいいくらいだと思うのですね。それだけに普通高校の分野にもこの補助金というものはやはり広げるという問題について、前向きの姿勢で検討するところの段階にきているんじゃないか、けれども、もし御答弁が義務教育でないからせぬのだと、しかし定時制や通信制にやっているのは、これは重要だからというのじゃ、なぜ重要かという、その重要性の意味のとり方によってだいぶ違ってくるので、そこらあたりはどのようにお考えでしょう。
#138
○国務大臣(奥野誠亮君) 私は、府県の仕事、市町村の仕事とされた場合には、その経費の全額を府県なり市町村なりが負担をする。そうして国民の前に責任はどこにあるかということを明確にしていく、同時に、府県の任務とされた仕事をやるに必要なだけの金は、全体としてその府県に確保していく、確保されなければ国が確保できるように財源措置をしていく、そういうことが大切だと思っているのでございます。それ以上に個々に高等学校の先生の給与なり建設費なりについて負担をしていくということになりますと、それなりの理由を何に求めるかということだと、こう思うわけでございます。現在、高等学校を国全体で考えますと、生徒数で三一%を私学が受け持っているわけでございます。残りを国立と府県立とで受け持っているのでございます。将来とも国、府県、市町村、それと私、それぞれ高等学校を経営するほうが多彩な国民教育に役立っていくんではないだろうか、それが日本全体を押し上げる力にもなっていくんじゃないだろうか、こんな気持ちを持っているものでございます。しかし、国としていろいろ奨励していかなければならない面がある。それが定時制とか、あるいは産業教育とかいった面でございまして、そういう意味で奨励的に国が補助金を出している。経費の一部を負担している。こういう仕組みをさらにどこまで広げていくか、これはそれぞれの奨励的な必要性等を考えて努力をすべきだと、こう思います。それを離れて経費の一定割合を国と地方で持ち合うのだという必要は私はないのじゃないだろうか、当初に申し上げました府県の仕事、市町村の仕事とされただけのものは、経費も十分にまかなえるように国として財源措置をしていく、全体として財源措置をしていく、それさえ的確に行なわれるなら、あえて個々の仕事について、ひもをつけると言うとことばは悪いかもしれませんけれども、ことさらに経費の一部を持つような仕組み、これは適切じゃないじゃないかと、国が持つんなら逆に当該団体に財源措置をしなければならない、それだけの分は削減するということにもなってくるんじゃないかと思います。教育の問題は、地方団体は比較的他の仕事よりも熱意を持って当たってくれるものでございますので、そういうように地方団体の自主的な運営にゆだねましても、国が指導、助言に適正を期しまする限りにおいてはその要請にこたえてもらえる性格の仕事じゃないだろうかと、だから一そう府県、市町村それぞれの責任にゆだねるいまの行き方でいいんじゃないだろうかと、こんな感じを持っておるわけでございます。ただ、先ほども申し上げましたように、個々の仕事について奨励的な色彩をもっと強めなければならない、そういうものについては積極的に国が経費の分担をするということ、これは必要だと思います。
#139
○宮之原貞光君 そうすると、定時制とか通信制に施設の面で補助があるのは奨励的な意味というのは、これは通信制教育、あるいは定時制の教育を充実したいという意味の奨励的な意味ですか。それならば、一般の、普通の高等学校もさらにあれは充実をさせるようにやはり補助金という問題が考えられてしかるべきだと私は思うんですが、片一方はそういう奨励的な意味はもうなくしてもだいじょうぶだという判断なんですか、そこらはどうなんですか。
#140
○国務大臣(奥野誠亮君) 高等学校への進学の希望者、それにこたえられるように府県が施設を整えていかなければならない、これはまあ当然のことでございまして、そういう考え方のもとにおいて公立の高等学校をつくってもらっておると思うのでございます。そういう全体的なことじゃなしに、部分的に見た場合に、定時制あるいは通信制等について特別の配慮を必要とする、国も配慮をする、府県も積極的に配慮をしてくださいというような意味における私は奨励的な補助だと、そういう意味において国が積極的に分担する仕組みがとられてきているんだと、かように考えておるものでございます。
#141
○宮之原貞光君 どうも、そこらあたりが一般の私は国民にはあまり理解できないことだと思うんです。それぞれ賛否は別にいたしましても、いわゆる高校全入運動というものがずっと広がっているぐらいに、やはりもう高等学校は普通教育だから、みんなやっぱり希望するものは高等学校に行けるようにしようじゃないかということで、やっぱり地方の各府県にしてみれば、高校を増設をしていくという、これは非常に大きな課題になっておるんですよ。そういう面では、私はやっぱり国もむしろそれを助長するようなやはり一つの政策というものがあってしかるべきだと思うんです。そういうような面から見れば、やはり奨励的な要素というものを、普通高校の面にも加えるところの私は段階にきておるんじゃないだろうかと、こう思うんです。たとえば、現在高校におけるところの助成という面では、従来予算面を見ますと、定通振興法によるところの定通高校の施設、設備費ですね、あるいは理振法、産振法によるところの職業高校の施設費の補助ですね、及び危険校舎の補助というのが従来あったわけです。しかし、四十八年度はさらに皆さん努力をされて、たとえば、この六千七百万円ですか、という定時制教育の教科書費を二分の一補助として、新規に加えられておるわけですね、今度の場合。そうなっておりましょう。この定時制教育の教科書給与費ですね。そういうようなもの、あるいはまた必須クラブの活動の補助費として六億二百四十二万円の三分の一国庫負担というものを新たに加えられておるわけです。このことは、いま私が申し上げたように、すでにもう高等学校教育というものはもう普通教育として、もっともっと普及させていって、これは奨励していかなければならないという私は要素があるからこそ、皆さんも単なる施設費だけではなくて、たとえば必須クラブ活動の教材費にまでこの助成をされておると、こういうやはり私は一つの傾向を生んでおると思うんです。だから、この論法からしていけば、先ほど、あるいは大臣が衆議院で答えられたように、高等学校以下は地方団体の財政責任と、特に高等学校はそうだと、大学は公立の大学であっても国がやりますというこの分け方だけでは不十分だと思うのです。それで律しようとしたって、皆さん自体今度はだいぶ高校のやっぱりこの施設の面については予算をふやしておられるわけですからね。このことは、私は前向きに理解しておるのですよ、皆さんの今度の措置というものは。やはり文部省もいろいろ正面切って答弁するといろいろかたい答弁をされるけれども、これはやはり高校の教育というものをさらに普及しなければならない。こういう立場に立って補助金なり助成の面ということで、相当やはり前向きの考え方をしておるのだな、こういう私は見方をしておるわけです。この財政面から見ますとですね。特にまあ先ほど大臣は、いわゆる高校の場合には、高校の増設問題について、急増地あたりは交付金や起債でいろいろめんどうを見ておる。これはまあ現行法で見ておるわけですね。これだけで足りるというようなかっこうに現実の問題としてはなっていないわけです、地方になりますとね。たとえば自治体が市町村、市あたりがやれやれと言うと、今度は県はそれならば敷地は君らが自分たち出してくれるかと、敷地は市で持ってくるならばいいとか、あるいは高等学校のワクだけはつくってやるけれども、入ってくる者のその父兄の中で中の設備をやるためには負担をせいとか、こういう地財法の違反みたいなことをやる。やってまで父兄としてはやっぱり金を出す。それは何かというと、もう高等学校はいまや普通教育で、何としてもやはり子供は高等高校までは最低歩ませたい。これは私は国民の願いだと思うのです。そういうようなこと等から見ますれば、もうそろそろ文部省あたりもこの高等学校に対するところの、充実をしていくところの、助成金という面だけではなくて、補助という面でも前向きのやはり姿勢を示すところの段階にきておる。それこそが、私は政治だとこう思うのですけれどもね。それでも文部大臣はやっぱり先ほどの御答弁のようにしっかり線を引かなければならないというお考えなんでしょうか、どうでしょうか。
#142
○国務大臣(奥野誠亮君) 財政制度をどう仕組んでいくかという問題が一つあると思うのです。出どころはみな同じ国民のふところでございます。国民のふところから出してもらうものを、高等学校に要する経費は国民からまっすぐ府県のほうに持ってくるのか。国という一つの機関を通して府県へ持っていくのかと、こういうことになってくるのじゃないか、かように考えるものでございますので、一応府県に要する経費は全部国全体として、中央、府県、市町村全体を通じて府県に確保させるような仕組みを講ずるのなら、あえて府県の仕事について国が積極的に経費の一部を持つという必要はないじゃないかと、必要があるとするならば、それなりの理屈、たとえば、ナショナル・ミニマムを全地域について確保しようじゃないかという問題もございましょう、あるいは先ほど、奨励的な意図をもって金の一部を国が持つという場合もあろうと、こう答えたわけでございます。小中学校の先生の給与の二分の一は国が持つと同じ意味合いで、かりに高等学校の先生の給与の二分の一を国が持ったほうがいいという議論になってまいりますと、やはり基本的には財政の仕組みを、府県に要するものは全部府県で確保できるように配慮するのだからそれにゆだねようじゃないかということになるのじゃないかと、こんな気持ちでお答えをしているわけでございます。
#143
○宮之原貞光君 同じ国民のふところから出るのだったら、国も県も同じなんだから県にまかすんだというのじゃ、私はちょっと暴論だと思うのです。それはその各四十七の県が同じような財政規模を持ち、財政事情ならば、それはわからぬでもないのですよ。しかし、県によっては高等学校一個つくるのに非常に四苦八苦しているところの面がありますよ。先ほども申し上げたように、県が市町村に、高校の建設用地をお前たちがやるならばやってやろう。肩がわりはやっぱり市町村にくる。国、県の一体予算が足りないからだ、今度は中の施設設備はひとつ父母負担でやってくれと、こういうことで実際持たされておるというのが、これは現実の姿なんですよ。いろいろなところで政治問題化しておるところの問題点は。そういうところからこう考えて見ますれば、これはこのまま私はやっぱり放置できないと、こういう問題だと思うのです。何も私はいま大臣に、義務教育諸学校の教員の給与が二分の一だから高等学校も二分の一にせよと言っているわけじゃないのですよ。すべてこの施設設備の問題についてもっと国が積極的な姿勢を示すべきじゃないか、このことをお尋ねしているのです。大臣の答弁は、給与費を高等学校まで二分の一にせよと、こういうことじゃたまらないと言わんばかりの話なんですけれども、ちょっとそれは違うのじゃないでしょうか。
#144
○国務大臣(奥野誠亮君) 人口急増地域の府県では高等学校の増設に迫られておりまして、そういうこともございまして、全国知事会からも、そういう高等学校建設に要する経費について国が責任の一部を持てと、補助金制度をつくれという要望も受けておるわけでございます。第一次ベビーブームのときにも、計画的に高校を増設しなきゃならないことがございました。その際には、やはり先ほど御指摘のような仕組みをとったわけでございます。今度どういう仕組みをとるか、これはまだ結論を得ておりませんけれども、補助金制度につきましては、現状以上に広げていくことについては若干問題点があると、こう思っておるわけでございます。現在とっておりますのは、老朽改築の場合には三分の一を国が負担するという仕組みなどをとっておるわけでございまして、増設する場合には、新設する場合には国が幾ら持つというような方式はとっていないわけでございます。また、高校の進学者がふえてくる、それにつれまして、高等学校を公立で設置するか、県立で設置するか、あるいは私立、市町村立、いろんな問題もあるようでございます。国が経費の一部を持つということになりますと、私は同じような考え方で臨まにゃいけないのじゃないかということをちょっと思ったりするわけでございます。
 同時に、結果的には市町村に県がしわ寄せしていくんじゃないかという御指摘もございました。その点も、私はだんだんそういうしわ寄せが少なくなってきているように見ておるわけでございます。土地の配慮、これはなかなか県でできませんので市町村で世話してもらう。しかし、金は県が出して買い上げるという仕組みにだんだん変わってきているのじゃないだろうかと、こう考えておるわけでございます。また、県が自分で金を出せるように財政的な配慮を国全体としてしていかなきゃならない、こう考えておるわけでございます。問題は、高等学校の増設に要する経費を国がいろいろ心配しなきゃならないこと、これには一つも私は異論を申し上げていないわけでございます。その場合に、中央政府から府県への補助金という手段を一つ加えるか加えないかという問題が、いま、ここで議論になっているわけでございます。中央政府から補助金というような配慮を加えなければ、逆に府県で必要な金が多くなるわけでございますから、多くなってもそれをまかなえるような配慮を国としてしなきゃならない、こう思うわけでございます。でございますので、必要な財政需要全体について国が配慮する。これは全くしなきゃならない、同感でございます。その方法としては、小中学校の場合と同じような仕組みを高等学校にとるということになってまいりますと、先ほど来いろんなこともあったと申し上げたわけでございますが、なお慎重に考えさしていただかないと簡単には結論を出せないと、こう思っておるわけでございます。
#145
○宮之原貞光君 これは国がどういうめんどうを見るかという見方の中に、いままでのように交付金とか、起債というのがありますけれども、やっぱり限界や問題点があるのですよ。それで、やはり補助金のワクの拡大というか、そういう点でもう一回皆さんのところでも前向きにひとつ検討をしておくべき私は課題だと思うのですが、その点を重ねてお願い申し上げておきたいのです。
 なお、引き続きましてお尋ねをいたしたいと思います。
 次は、過疎過密地域におけるところの教育にかかわるところの諸問題というのは、非常に今日山積をしておるわけなんですね。そこで、まずお聞きしたいのですが、大臣は今日の過疎過密の問題がこれくらいに今日の社会的な問題として大きな政治課題になってきているところの一つの原因はどこにあると、原因はどこにあるというふうに考えられておりますか。その点、基本的なものの見方についてまずお尋ねしたいと思います。
#146
○国務大臣(奥野誠亮君) いろんな事情がございましょうけれども、基本的には経済の急成長ということになるんじゃなかろうかと、こう思っております。
#147
○宮之原貞光君 その経済の急成長という、その経済の急成長のあり方に私は問題があったと思いますが、どうですか。その経済成長について大臣が考えられておるところの中身について、あり方について何かこういうものと関連しておありだったらお聞かせ願いたいと思います。
#148
○国務大臣(奥野誠亮君) 特定の大都市に人口が集中するというようなこともございまして、日本の国土全域にわたる均衡ある発展をはかっていかなければならない。そのための施策がいろいろ行なわれました。新産業都市の建設などもその一つに属するかもしれません。ただ、経済の拡大をはかっていきます場合に、いろいろな施設を必要とするわけでございます。人手が要るということになりますと、関連して学校から、住宅から、道路から、交通施設から、港湾施設からいろいろな問題が出てくるわけでございまして、やはりすでにそういう施設が整っている関連の産業、下請企業、その他のあるところで新しい拡大が行なわれた場合には、私はコストダウン、原価はある程度切り下げられる。特定の都市に集中して経済成長を遂げてきたから、ある意味においては海外との競争力も非常に強められたのじゃないか。理想的なことを考えてやっておったのならできませんでしたけれども、かりにそれがうまくいっていたとすると、こういう早い経済成長にはなってなかっただろう。そういう意味において経済成長のあり方とも深い関連を持つ、これはもうそのとおりだと思います。したがいまして、テンポその他の点においてはまた違った形になってくる。これは言わざるを得ない。どちらがいいとか悪いとかということで私は申し上げているわけじゃございませんが、経過的なことを申し上げているわけでございます。
#149
○宮之原貞光君 まあ、それは自民党の大臣ですからそれ以上はなかなか出られぬと思いますけれども、それはしかし端的に申し上げれば、あれじゃないですかね、高度経済成長政策という池田さん以来とられたところのやっぱり一つの政策のひずみと申しますか、みんながみんな悪い面ばかりではないかもしれませんけれども、やっぱりこのひずみがこの地域再編成という形であらわれて、その諸矛盾の凝結点が一方では過密過疎という状態を私は生んでいるものだと見ております。これの一番の根っこは、大臣もいみじくも答弁されたように、やっぱり経済政策のあり方の問題が、私はやはりこういうような状況を生んだと思う。それだけにこの問題は、単に経済政策の問題、社会状態の問題だけでなくて、教育の面にもやはり大きなしわ寄せを過疎過密という状態は生まざるを得ない、そういう状態を生んできておると見ておるのです。その点、過疎過密地帯におけるところの教育上のいろいろな問題点について大臣は、後ほどまた詳しくお尋ねいたしたいと思いますが、概括的にどういう問題点を今日惹起しておると文部大臣として見ておられるか、まずお聞かせ願いたいと思います。
#150
○国務大臣(奥野誠亮君) 過疎過密の問題は、たとえば農村地帯では従来ある程度の失業予備軍を持っておったというのかもしれませんけれども、一人当たりの耕作農地というものは非常にふえてきている。わずかな人数で耕作できるだけに、いろいろなものが進歩してきているのだろうと思うのでございます。そういう方々がどんどん都市に出てきた。教育の面につきまして、小中学校とか、高等学校とか、大学とか、いろいろな段階に問題があると思います。ただ、どちらかといいますと、進学率がどんどんふえてきた。大学に関しまするものにつきましては、私学に私はゆだねてきたような感じがいたします。そういたしますと、私学としてはいなかに大学をつくっては経営がなかなか成り立たない。したがって、どうしても大都市に大学をつくるということになると思いまして、これが過密に拍車をかけたことは事実だと思います。同時にまた、過密地帯ですから、教育環境を悪くしてきているということも言えるんじゃないだろうかと、こう考えるわけでございまして、そういう意味で、今後高等教育機関を整備するにつきましては、国立、公立の高等教育機関、それに特に力を入れなきゃならない、また、そうしなければ地方に高等教育機関を整備することは困難だろうと、こうも思っているわけでございまして、そういうことについていま鋭意検討を続けているところでございます。
#151
○宮之原貞光君 大学の問題に話をしぼってやられたですがね。私が聞きたかったのは、ここの法案と関連をいたしますと、これはやっぱり初等中等教育、こういう問題に対するいわゆる過疎過密のもたらしているところの問題をほんとうは大臣からお聞きしたがったんですけれども、私の質問が非常に抽象的だったですからやむを得ません。それならば問題をしぼりながらお聞きしたいと思います。
 まず第一は、いわゆる過疎地域におけるところの教育の問題ですが、これは御承知のように、島根県は昭和四十年の国勢調査では人口減少率は全国一だったわけです。四十五年も一番下から、減少率の面では第二位になっているぐらい非常に過疎県なんですね。それで、教育の面にも非常に大きなやはりその過疎という問題が影響をもたらしておるんです。たとえば、昭和三十七年から四十六年の間に小中学生が八万三千人減少しておる。学校が百二十九校減、学級が千二百十五学級、教員が一千九人というように減じておるわけです。したがって、学校の規模も小規模校とかあるいは複式化ということが非常に進んでおりまして、五学級以下の学校が実に三三%も占めておるというのが島根県の実情のようなんです。ですから、これと関連して学校の統廃合の問題が急ピッチにいま進められておるということを島根県の教育関係の資料を集めてみれば、こう言える。このことは、私は単に島根県だけに言えるんじゃなくて、いわゆる太平洋ベルト地帯という過密地帯、人口急増地帯以外のいわゆる過疎の多くの地域では、大なり小なりこういう状態じゃないだろうかと、こう見ておるわけなんです。それだけに教育の面では多くの問題点を私は残しておると思う。特に、教育施設の面でもこれは解決しなければならない多くの問題点を残しておるものだと見ておるわけでありますが、こういうような状態の中で文部省としてはいま私は島根県の例をあげましたけれども、こういう状態について具体的にどのように把握をされておるか。これは管理局長が担当であろうから管理局長にお聞きしたいと思います。
#152
○政府委員(安嶋彌君) 過疎あるいは僻地という言い方も可能かと思いますが、そのうちの施設関係の予算について申し上げてみたいと思いますが、公立文教施設整備費全体の中におきまして、私ども過疎関係、これは僻地、離島を含む観念でございますが、これに充当される金額は、四十八年度におきまして約百五十五億円になろうかと推定をいたしております。四十七年度のこの過疎関係の施設費の補助金額が百四十三億。……
#153
○宮之原貞光君 四十何年度ですか。
#154
○政府委員(安嶋彌君) 四十七年度の実績が百四十三億でございます。その実績の比率から予算の伸びを考慮いたしまして、四十八年度の過疎関係の施設予算を推定をいたしますと、百五十五億程度になろうかと考えております。小中学校校舎の整備につきましてはたびたび申し上げておりますように、やはり児童生徒急増地域の需要が多うございますので、そちらの整備ということにかなり事業量がさかれるわけでございますが、御指摘の学校統合でございますとか、それから、これは当然なことでございますが、僻地集会室等の整備は、この過疎関係が重点になろうかと思います。
 それから、これもたびたび申し上げておるところでございますが、小中学校校舎の補助基準面積の改定を平均二〇%実施することにいたしておりますが、これも小規模学校の場合が非常にアップ率を高めておりまして、御承知のとおり、六学級の小学校でございますと二六%のアップにしたいというふうにいま考えておる次第でございまして、こうしたことも過疎関係と申しますか、僻地関係に均てんする部分であろうというふうに考えております。
 ほかに初中局関係といたしまして、僻地あるいは過疎関係の予算もかなり計上されておりますが、もし御必要がございますれば初中局長からお答えを申し上げたいと思います。
#155
○宮之原貞光君 時間が限られていますからいいでしょう。
 それで、その中で、なお具体的にお聞きしたいんですが、学校統合の問題で、今後の学校統合の計画展望と申しますか、いままでどれぐらいあったというような話でなく、今後の問題として一つの、こうなるんじゃないかと、こうしたいという見通しがあったらまずお聞かせ願いたいと思います。
#156
○政府委員(安嶋彌君) 四十八年度の、まあ四十七年度以前はこれは実績ということになるわけでございますが、今後ということになりますと四十八年度、四十八年度の事業計画につきましては、ただいま各府県から事業計画等をとりまして認定の作業に入っておる段階でございますが、例年程度ないしは例年よりやや上回った申請がくるのではないかというふうに考えております。ただ、文部省の考え方といたしまして、当委員会でもしばしば御指摘がございましたように、最近この学校統合をめぐる紛争が非常に多いわけでございます。私どもが見ましても、内容的にどうも無理があるんではないかと思われるものが若干含まれております。こうした事態でございますので、教育長会議等におきましても、あるいは施設主管課長会議におきましても、学校統合の遂行にあたっては教育的な見地を十分優先さしてもらいたいということと、地域住民の理解と協力というものをぜひ得て、それから実施に移ってもらいたいということを強く申しておるわけでございます。今後の態度といたしましては、そうした態度で指導してまいりたいというふうに考えております。
#157
○宮之原貞光君 この昭和三十二年発行ですか、学校統合の手引き、これがこの統合の実際の場合には、この手引きのとおりに行なわれておると皆さんは見ておられますか、どうなんですか。さっきあなたがいみじくも言われたように、だいぶ統合紛争というのはあるんですね。そうしますと、実際この手引きを基準にしながら行なわれておるのに紛争が起きておるとするならば、これは手引きのあり方というものにまた問題が出てきますよ。しかし、行なわれておらないから紛争が起きておるのかどうか、今日の学校統合というものが、紛争が起きておるところの大きな要因はどこにあると見ておられますか、そこらあたりちょっと御聞かせ願いたいと思います。
#158
○政府委員(安嶋彌君) 学校統合のトラブルもやはり二つあるようでございまして、手引きに大体準拠して行なわれておるにもかかわらず紛争が起こっておるというところもございますし、それから手引きに準拠しないで、つまり統合をして適正な規模の学校をつくるというんじゃなくて、むしろ、やや過大ではないかと思われるような学校をつくりあげようとする、そういう無理、それから通学距離がどうも少し遠過ぎるんではないかと思われるようなケース等がございまして、そういうことで紛争になっておるものもあるわけでございます。つまり、手引きのとおり、大体そのとおり行なわれておって紛争になっておるものと、そうではなくて紛争になっておるものとがある。いずれにいたしましても、やはり地域住民の理解と協力という事柄にかなり欠ける点があったところに紛争が起きているというのが私どもの認識でございます。
#159
○宮之原貞光君 私は、統合の手引きのポイントは、適正規模は大体十二学級から十八学級ぐらいです。通学距離は徒歩では小学校が四キロ以内、中学校が六キロ以内、あるいは教育上の問題、指導上の問題というものがいろいろ書いてあるというのが大体この中身だと、こう見ておるのです。こういう基準に大体合うているのに学校統合紛争があるというのは、具体的にどういう県で起きているのか、起きているところの原因というものは何なのか、ちょっと説明を聞かせていただきたいと思います。政府委員(安嶋彌君) 現在、学校統合の関係で紛争中というふうに私どもが報告を受けておる学校は十八校ございますけれども、その理由を分析をしてみますと、やはり一番大きいのは学校の位置問題がやっぱり町村内においてなかなかまとまらないというのが十八校の中で五校ございます。これは合併町村の場合に多いようでございますが、そうした学校の位置が折り合わないというのが五校、それから通学距離が長くなって困るということが問題になっておりますのが三校、それから学校統合しようというふうに考えたその動機がやはり過疎化によりまして児童生徒の数が減ってきたということでございますが、その学校を統合すると、それがなおさら進行するのではないかというような、そういう問題点を指摘するものが二校ございます。実は、このほかにその他というのが七校ございまして、これが数としては一番多いのでございますが、やはり住民感情のもつれその他といったようなものがかなりなウエートを占めておるようでございまして、それが七校ということになっております。全体としてはそういう姿でございます。
#160
○宮之原貞光君 私は、いま局長のほうからいろいろ答弁があったわけですけれども、見ていますと、一つの位置問題というのは、それぞれの政治的ないろいろな関係がからんでおるわけなんですね。だから、その問題も一つの大きなファクターだと思うのですが、いま一つは、市町村の実際をこう見ていると、ほんとうに教育本位からの、子供たちの教育ということを考えての学校統合というよりも、過疎になりつつある。しかし、校舎もいたんできたと、いわゆる財政上、統合すればこれだけ補助がもらえるのだという財政上のところにやはりアクセントを相当置いたところの統合という問題が、私はやはりこの紛争を起こしているところのまた大きな要因だと、こう見ておるのです。だから、実際たとえば通学距離の話は三校とされましたけれども、たとえば、私の県のほうの鹿児島の例から見ましても、これは通学距離の問題がほとんど大部分ですよ、率直に申し上げて。これは去年も申し上げたと思いますけれども、あるいはまた局長にもいろいろ苦労願っておるのですけれども、たとえば末吉中学の五校の学校統合を見ましても、いわゆる一番遠いところは十八キロから十一キロでしょう。あるいは隣の姶良郡の牧園というところの六校統合を見ましても、これもやはり距離の問題。だから、勢いバスの問題、通学費の問題といういろいろな問題がからんできておるわけです。それは町村合併の政治的な問題というよりもそういう問題が非常にからんでいる。言うならば、市町村長の頭にはやはり財政ということしかない。そこに私は大きな一つの問題点があると見ておる。そういうことになればなるほど、文部省としてのやはり指導、助言のワク内におけるところのこの学校統合の問題に対する行政指導の面の役割りというのは私は非常に大きいと思うんです。ただ、県から統合したいといってきたから、規格に入っておるか入っておらぬかでオーケー、ノーと、こういうことだけでは、これはぐあいが悪いと思うのですが、そういう点は実際皆さんが査定される場合には、具体的にやはり検討されておるんですか、どうなんですか。
#161
○政府委員(安嶋彌君) 文部省の指導といたしましては、先ほど申し上げましたように、府県の教育長会議、施設主管課長会議等で私から強くそのことを申しておりますので、まあ、本年度の予算の執行等につきましては、かなり是正されるというふうに期待をいたしておりますが、個別の認定に当たりましては、御注意もございますので、特に念を入れてそこのところは事務を進めたいというふうに考えております。
#162
○宮之原貞光君 その距離の問題と関連して父母の教育費の負担増ですね。特に通学費の問題がやはり一つの問題点になっておるんですが、その点はどういうふうに理解されていますか、皆さん握っておられるか。
#163
○政府委員(安嶋彌君) 一般に、こうかなり長い距離の通学を前提といたしまする統合におきましては、スクールバス等が運行されるのが通常でございます。そうした場合は、大部分の町村におきましては公費でもってそれを運行するということでございますが、従来の路線バスを利用するような場合でございますと、通学費の一部を町村が補助をするということをやっておるところもあるようでございますが、ただ、全国的に通学費を組織的に実は調べた材料はございません。
#164
○宮之原貞光君 だから、そこらあたりまで私はほんとうに具体的に皆さん調査をされて適切なのかどうか、そこもやはり指導してもらわなければ困ると思うんです。これは自分の県だからよく知っておりますけれども、たとえばスクールバスを利用しておるのは、それはだれもこの問題があんまり大きな負担がないことを予想される。普通のやはり路線バスの利用の場合、非常に多いんですよ。私が調べた例で申しますと、先ほどあげた牧園中学の場合ですが鹿児島県の姶良郡の牧園町というところがあるんです。これは、バスの通学生が四百三十名おるんです。これは八月を除いて平均一人年間に七千七百円負担がある。定期券が月九百円、うち町村が負担をしておるのは二百円なんです。あとはやはり父母が負担をせざるを得ないという一つの問題、これは負担の問題だけじゃなくて、路線バスの利用だけに下校時も当然、そのバスの運行時間に合わせなければならないという結果を生んできております。そのために、学校におけるところの指導は非常にその時間に制約されて中途はんぱになる。どうしてもやはりその時間帯ですからね。そこにやっぱりひとつの学校統合の教育上に及ぼすところの問題、父母負担に対するところの負担増という問題が現実の問題として、こう出ておるんです。あるいはこれは隣の曾唹郡大隅町というところですが、そこに恒吉小学校という小学校が四校統合した。ここはその中の旧須川小学校、これはバスはスクールバスがあって町で買ったんです。運転手はその部落で雇いなさいというかっこうになっておる。バスは町でやりましょう、運転手の費用はその旧小学校区の皆さんが負担をしなさいと。そうすると住民の皆さんは、最初の約束と違うじゃないかと、こう文句言ったって、すでに学校はもうそうなってるものだから、非常にそのためにしわ寄せを受けているということ。それからこれは川辺郡の坊津町というところなんですけれども、そこに秋日小学校という小さな学校があるのです。私も昔赴任したことがあるのですけれども、小さな学校ですけれども、これは結局、その坊津町の一番端っこにあるためにその町内ではどうにも行けぬのです。だから隣の町に行かなきゃならない。で、隣の町に委託をしてやるということになりますけれども、山を一つ越えなけりやならぬのです。しかも小学校なものですから、結局、雨風の強いときには父母はタクシーを拾って子供を送り迎えしなきゃならないというかっこうで非常に父母の中で問題が出ておる。しかしながら、残念ながらもとはちっちゃな部落に一つあったところの学校も過疎の現象を受けてそれだけで持てないものですから、隣の笠沙町というところにお願いをして子供を預ける。けれどもそれは隣の町からみれば、その子供を送り迎えしなきゃならないという何もないわけですから、すべてこれは父母負担の上に、いま申し上げたように、あの南の雨風の強いところでは相当しわ寄せを受けている。こういうように統合問題にからみますところのいわゆる父母の負担、通学費までですね。ここの面を考えてみた場合に、私はどうしても通学費の補助金というのですか、この問題についてはもっともっと大幅に、しかも実態を見て、重点的にやはりこの問題についてやっていくというこの行政の姿勢というものが大事だと思うのですが、その点はどうお考えになりますか。
#165
○政府委員(岩間英太郎君) 御指摘のとおりでございまして、ただいま私どもはそういう児童生徒に対しましてはスクールバスの配置を多くする。それからそれに必要な、先ほどお話しがございましたような、運転手その他の維持費につきましては地方交付税で必要な財源措置をする。それからさらに寄宿舎等につきましても必要な対策を講ずるというほかに、遠距離通学の児童生徒につきましては、現在要保護児童につきましては生活保護による、それから準要保護児童生徒に対しましては就学奨励費というものがございますけれども、そのほかに小学校では四キロ、それから中学校では六キロ以上の児童生徒に対しましては遠距離通学児童生徒の通学費の補助を行なっております。四十八年度で総額二億七千二百四十八万三千円、対象人員が児童が一万六千人、生徒が二万八千六百人というふうなことでございますけれども、単価も改定をいたしまして、六千九百二十円から、小学校の場合には七千五百四十六円、中学校の場合には一万三千五百八十円から一万四千八百九円、実態に応じまして単価の改定もはかるという方策をとっております。なお、これは五年間の補助でございまして、それ以上は地方交付税のほうで財源措置をしていただくというような仕組みになっておるわけでございますけれども、いずれにしましても、実態に沿うようにこの問題につきましてはさらに努力を重ねてまいりたいというふうに考えております。
#166
○宮之原貞光君 だから、たとえば地方交付税とこう言っても、それは市町村に行くわけでしょう。そうすると、それは市町村の通学費の補助の増大になっても、結局それが、じゃカバーしてくれるかというと、このごろの運賃の値上がり、いろんな問題から見れば、ほんとうは実際の父兄にずっと直接響いているのかというと、あまりやはり影響をしておらないというのが実態の面なんです。ですからやっぱり僻地あるいは過疎というものに伴うところの学校統合の問題、ほんとうはそういうところにまで行き届いた手だてがあれば、逆に学校統合という問題の紛争という問題はだいぶ減少していくと思う。やっぱり父母の一人々々にとっては、自分の子供は具体的にどうなるのだろうか、ここのところが実は一番大きな問題になっているだけに、この点は来年以降の中でもっとやっぱり積極的に考えていただきたい、こう思うのです。
 なお、これと関連しますけれども、先般衆議院で社会党の山中さんから教育道路の建設の提唱があって、文部大臣は賛意を表しておられましたですね。私も、これはきわめて大事なことだと思う。今日一般道路の中では、やはりトラック等いろいろのものの運送の中から子供のけが人が相当出てきているというのが実態でありますだけに、やはりこのアイデアというか、構想というものはもっと検討すべき値打ちのある問題だと思っておりますけれども、大臣、その点は衆議院でも答弁されておりましたけれども、やはり大臣としては積極的に進めるところの意向がおありかどうか。そこらあたりをちょっと伺いたい。思いつきでな
 いようにしてもらいたい。
#167
○国務大臣(奥野誠亮君) 学校教育の充実をはかりますためには、通学の便を強化する、これは当然必要なことでございますし、その一環として通学道路の話があったわけでございます。事務当局間でも話を進めているようでございまして、建設省の事務当局も積極的に賛意を表しているようでございます。したがいまして、現地においてそういう問題がございまして中央において国庫補助等の道を要するものにつきましては、文部省から建設省に対しましても要請をしてまいりたい、かように思います。
#168
○宮之原貞光君 やっぱり僻地の問題と関連しまして、ちょっと先ほど初中局長が若干触れておりましたけれども、寄宿舎の問題をちょっとお聞きしたい。いま全国で中学校の寄宿舎の数は幾らほどあって、その全国的な分布状態はどうなっておりますか、まずお聞きしたい。
#169
○政府委員(安嶋彌君) 寄宿舎の数でございますが、小学校の場合、通年制のものが二十六でございます。それから季節寄宿舎が百十、計百三十六でございます。それから中学校の場合、通年制のものが二百十八、それから季節制のものが三百五十一、あわせて五百六十九という数字が出ております。
 府県別の資料を持っておりますが。
#170
○宮之原貞光君 大体その分布状態はどうなっておりますか。だいぶあちこちに固まっているんじゃないですか。
#171
○政府委員(安嶋彌君) それでは、一県で三十カ所以上あるところを申してみたいと思います。小中学校あわせてでございますが、北海道が五十五カ所、山形県が五十五カ所、福島県が四十六カ所、新潟県が九十カ所、ただし、これは大部分が季節制のものでございます。それから島根県が三十六カ所。三十カ所以上でございますと、以上でございます。
#172
○宮之原貞光君 広島、島根は何カ所ずつになっておりますか。
#173
○政府委員(安嶋彌君) 島根県は小学校が十二カ所、中学校が二十四カ所で、計三十六カ所でございます。それから広島県は小学校が二カ所、中学校が二十カ所、計二十二カ所でございます。
#174
○宮之原貞光君 寄宿舎の問題は、教育の上に及ぼしておるところの問題点と申しますか、いわゆるこの寄宿舎制というものに対する教育上の角度から見たところの影響と申しますか、そういうのをどういうふうに皆さんは分析されておりますか。
#175
○政府委員(岩間英太郎君) まあ昔は中学校の寄宿舎等もあったようでございまして、ある程度年齢が進んでまいりますと、まあ共同生活とかあるいは規則正しい学習生活だとか、そういうものができるという点で、ある意味では父兄から評判がいいというふうなことでございます。しかしながらまあ低学年の場合には、これはやはり家庭から離れるわけでございまして、そういう家庭から離れて生活するというための、まあ家庭あるいは両親とのつながりと申しますか、そういうような点でやはり欠ける面があるんじゃないかというふうに考えているわけでございます。
#176
○宮之原貞光君 中学校の場合はきわめて評判がいいというお話なんですが、それは具体的にどういうことからそう言えるのか、むしろその中身を聞きたいくらいなんですがね。実は私のところには中学の、やはり統合中学の問題で、やはり問題点がある点が、これは、あえて広島県の某中学校と申しておきましょう、A君からの手紙が来ておるんですがね。このA君は寄宿舎の舎監ですかね、まあ兼ねておるわけなんですけどね、こういうものの見方をしておるんですね。寄宿舎問題は過疎と結びついて深刻である、統合後中学生全員が入舎したため、地域は老父母と小学生だけとなり、活気がなくなったと住民の嘆きが大きい、土曜日には――これは一部落の様子だと思いますが、自分の子供が帰ってくるんだとごちそうを楽しみに待っておるんだけれども、なかなか帰りたがらないと、まあ貧しくて――過疎地の農家でございますからね、その家におるよりも寄宿舎でお互い子供たちとわいわい騒いだほうがいいと思うからなんだと、拝むようにして帰ってもらってきても、勉強するんでもなく、家の手伝いをするでもなく、もっぱら隣のテレビのあるところへ行ってかじりついて見ておる。したがって、親の労働に感動するというよりも、むしろその貧困な農家のあれについて軽視するところの、農業から脱出をして都会のはなやかな生活にあこがれておるような傾向さえ感じられると、したがってそこでは神域に根ざした教育というよりも、都市型の農村中学生という感じをそういう子供から私は受けます。で、ある親はこう言ったと、減反も、米をつくるなということも大きなショックだけれども、もっと重要なことは、これで自分の農業の後継者がなくなってしまうんじゃないだろうか、こういうことを感想として語ってくれたと、こういうことをこの寄宿舎の問題と関連して言っている。これは単に寄宿舎の中の生活がいい悪いということじゃなくて、過疎という問題と結びついて、なお学校統合によって寄宿舎をしなければならないという、そのことが、やはり自分たちの部落から離れた遠い所に子供たちが行っておる、それとその部落とこの子供たちが帰ってきてのつながりが、一体将来のことを考えてこれでいいのかどうかという、だいぶ悩んだところの手紙を私はもらったんですけどね。ここのところを私はやはり教育を実際に担当しておる者としての悩みは、それはいろいろの角度はありましょうけれども、一つの大きな私は強い問題点だなあと思ったんです。
 したがって、私はやはり皆さんに対して申し上げたいのは、行政をするところの立場からのみ見れば、それは学校統廃合、子供がおらなかったから、寄宿舎に入れれば便利だろうとこう思いますけれども、必ずしもその寄宿舎という一つの制度のあり方がいま初中局長がおっしゃったように評判がいいということだけに終われない、いわゆる教育上の問題、あるいはその農業、あるいはその部落というものに対するところの子供たちのものの考え方というものに非常に一つのやはり問題点を与えていると思う。この点を私はやはりあえて意見をお聞きしょうとは思いませんけれども、教育上の問題点としてやはりとらまえておいていただきたい。そういうことをしませんと、ただ、机上プランでこれとこれでひっつけて寄宿舎をつくれば何か条件はつくれるということでは私はほんとうに血の通ったところの教育行政はできないのじゃないだろうか、こういうことを強く感ずるものですから、あえてその点を私は申し上げておきたいと思います。
 時間がありませんが続いて申し上げますけれども、過疎地帯におきます屋体の問題について若干聞きたいと思います。
 この文部省の資料によりますと、屋内体育館の整備状況では、未保有校は小学校で二五・六、中学校で十六・四%と、こうなっておるようですが、これ、いわゆる過疎地域と目されるところの地域におけるところの未保有校というのはどういう状態になっておるか、まずそれをお聞かせ願いたいと思います。
#177
○政府委員(安嶋彌君) 実は、屋体につきましては、その過疎地帯という取り方は特にいたしておらないわけでございますが、豪雪地帯という――これは屋体というのは積雪寒冷、それから降雨の多い地帯の必要性のほうがより高いと思われますので、そうした地帯の調査はございますが、それによりますと、全国平均の未整備率が小中合計約二八%でございます。そのうち豪雪以外の一般地域だけの未整備状況が三二%でございますが、それに対しまして豪雪地帯は一七%ということでございますから、未整備の率から申しますと、豪雪地帯は一般地帯に比べて半分程度であるということになろうかと思いますが、御指摘の過疎という取り方のこうした数字は実はございません。
#178
○宮之原貞光君 これまあ人口急増地におけるところの屋体のあり方、問題点というのも問題ですけれども、いわゆる過疎というか、そういう地帯におけるところのまた屋体の果たしておるところの役割りというのもまた一種角度の違った要素があるから、私はやはりあえてそのことをお尋ねをしておるわけなんですがね。それで局長、なければしようがないですけれども、やはりその問題をとらえたところの角度からの私はこの問題をどうしても検討してもらいたいと思うのですけれども、必要面積をずっと皆さんの資料から見てみますと、私は、この必要面積の基準も特に過疎地帯におけるところの角度から見ればちょっとおかしいんじゃないかと思う。なるほど従来は児童生徒数に対してどれだけというのがあったが、それは学級数に基準を引き直してやったということは私は一歩前進だと認めますけれども、やはり過疎となると小規模校ですよ、いわゆる小規模校におけるところの屋内運動場ですか、屋体の果たしておるところの役割りというものは、これは実際の状況を見てみると、文部省から自分たちのところの屋体に割り当てがあったと、屋体をつくれということになったと、けれども、生徒数、学級数が少ないから規模がきわめて小さくならざるを得ないでしょう。ここだと率直に申し上げて、いわゆるバレーとか、バスケットなどができるかというと、それはもう期待できない。よく局長が衆議院で答弁しておるようにリズム運動ぐらいのものですわね。だから当然部落では在京など、あっちこっち行っているところの部落出身の人々から寄付を集めて継ぎ足しをする。それはやはり自分たちの市町村へ持っていこうたって市町村の財政が非常に貧困ですからね。なかなか単独でそれだけやれるというところのものがない。だから勢いその寄付を集めて、継ぎ足しをして何らかやっぱりかっこうのつくような屋体にしようということのやはり事例というのは少なくないのですよ。こういうことは、単に豪雪地帯だけじゃなくて、今度は南のほうの多雨地帯も多いんですよ。雨の非常に多いところもその屋体というものの必要性というものはこれは相当あるわけです。そういうようなところのいま申し上げたところの小規模学校いわゆる過疎地域に多いところの学校では、そういう一つ私は問題点があるだけに、これを単に学級数だけで基準をやるというこの線の引き方ということについては、私は、やっぱり再検討をして実態に見合ったところを、この屋体はどうあるべきかという問題を文部省もそろそろ検討すべき段階にきておると思うんですが、その点はどう考えますか。
#179
○政府委員(安嶋彌君) 御趣旨は、全くそのとおりだと思います。現在屋体の基準につきましては、小学校の場合が七段階、中学校の場合が六段階の基準があるわけでございますが、小学校について申しますと、これは政令に規定があるわけでございますが、一学級から三学級の場合は二百十七平米、四学級から五学級までの場合は二百七十六平米ということでございまして、この程度の坪数でございますと、在校生がリズム体操あるいは最近のことばで早しますと、ダンスしかやれないということでございまして、第三段階の六学級から七学級までの三百三十五平米、約三百平米に至って初めてドッジボール、それからごく簡単なバレーがやれるということでございます。したがいまして、将来の課題といたしましては、小規模の学校でございましても、ドッジボールあるいはバレー程度はやれるぐらいの広さの屋体は整備したい、そういう方向で今後検討してまいりたいというふうに考えております。
#180
○宮之原貞光君 今後、積極的に私は検討されるというのはけっこうだと思うんです。いわゆる屋体という名の講堂では困るということなんですよ、率直に申し上げれば。やはりいろんな政治的にも、経済的にも恵まれないそういう小規模学校をつくっておるところの地域の子供たちもほんとうにやっぱり大事だと、一人一人をりっぱにして育てたいという立場に立つならば、せめてやはりこういうところだけれども手を差し伸べてやるということは私はきわめて大事なことだと思いますので、その点は私は大臣も異存はないだろうと思いますがね。ぜひともひとつ努力してもらいたい、このように思うのです。
 もう一つやはり聞きたいのは、特別教室のあり方の問題です。これも特別教室設置の基準、しかも、今度の小学校の校舎についての二〇%の基準改定は、内容的には特別教室のところに配分されるという説明のようですが、それはもうそれでけっこうだと思いますが、この基準のあり方の問題について見ましても、いわゆる十八学級以上の小、中学校はこれこれこれこれと、あるいは小規模学校は、というような形できわめて生徒が少ないのだから特別教室も一つや二つでよろしいのだと、最低、音楽教室だけでいいんだと、こういう私はものの発想だと言わざるを得ないと思います。言わざるを得ません、この基準の置き方から見れば。たとえばこの基準を見ますと、十八学級以上のところには理科教室、音楽教室、図工、家庭、それから準備室の新設あるいは視聴覚教室、図書館の面積増というようなものが相当含まれておるわけですからね。したがって、私はここで言いたいことは、小規模校における、ことばをかえて私が申し上げたいのは、先ほど来申し上げておるように、過疎地域におけるところの学校と申し上げたほうがより適切だと思いますが、そういう面におけるところのこの特別教室というもののあり方ということを、少しこのあり方の問題は私は検討の値打ちがある問題だと思うんです。このことも衆議院でだいぶ最近議論されておりますので、私は多くは申しませんけれどもね。普通教室があって特別教室というものの考え方も一つの考え方だと思うんです。逆に今度は音楽、いろんなものを小規模学校においては特別教室というものを主体におきながらそこでも普通教育もできるという、普通教室の役割りもさせるというものの考え方もできると思うんです、ものの発想の面から見ればね。そうすると、やはり過疎というところの地域の子供たちを大事にする、私はるる申し上げておるのは、一人の子供だけおるところでもこれはやっぱり義務教育ですから、何とか行き届いたところの教育をさせる。僻地にあるがゆえにというので、教育の機会均等というもので差別を受けると困るというような気持ちが非常に強いものですからあえてこう申し上げておるのです。この面はやはり私は検討するところの値打ちがあるところの問題だと思っているのですが、その点いかがでしょうか。
#181
○政府委員(安嶋彌君) おっしゃるとおり、検討する値打ちの十分にある課題だと思います。ただ、今回の改定におきましては、大体従来の考え方をさらに前進させるという形で対処しているわけでございまして、小学校の場合は一学級から五学級まで、従来は音楽室がございませんでしたけれども、これを追加する。それから六学級から十一学級までの場合は、従来は図画・工作の教室がございませんでしたが、これを追加する。中学校の場合は従来一−二学級の場合は音楽室がございませんでしたが、これを追加する。三学級から八学級の場合は、美術教室がございませんでしたが、これを追加する、という形で前向きな整備をはかっているわけでございますが、ただいま御指摘のとおり、普通教室と特別教室というものの関連について、ただいま特別教室をむしろ主体にしてそこでつまり一般教科の教育が行なわれるということも考え得るじゃないかという御指摘でございまして、確かにそういう考え方もあり得ると思います。そこで、私ども今後学校施設を整備いたします場合、特に過疎地等における小規模学校を整備いたします場合に、建物の、何と申しますか、多目的使用というようなことが建築技術的にも検討できないかというふうに考えておりまして、今後、そういう技術的な課題としても御指摘の問題に取り組んでみたいというふうに考えております。
#182
○宮之原貞光君 まあ、そのほかプールの問題があるのです。これはいま簡易プールには補助金はないわけですね、あるのですか、どうなっておりますか。
#183
○政府委員(安嶋彌君) 主管は体育局でございますが、ないはずでございます。
#184
○宮之原貞光君 体育局ですね、そういえば。僻地、そういう簡易プールの問題とかあるいは教員住宅の問題とか、例をあげればたくさんありますからね。そういう問題についても私は先ほども申し上げたんですけれども、子供のいる限り教育はあるわけなんですから。ですから過疎地域の教師に求められるところの第一の主要な仕事というのは、一人の子供でもやはりこれを教育をしていくという任務があるわけですからね。そこのところをやはり大事に踏まえて、片一方は千人の学校、片一方は百人の学校だからというもので施設の面で格差があるのは当然だという考えぐらい私はこわいものはないと思いますが、その点をやはり十分踏まえて、先ほど来過疎地域の問題その他の問題については指摘してきましたから、どうぞひとつその点はさらに来年はより充実したものが議論をされてこの一部改正法案が出てくるように努力をしていただきたい、こういうふうに思います。
 もう一つは、過密地帯におけるところの問題です。まあ時間もだいぶんはしょらなければなりませんから申し上げますと、やはりこの問題で、いつもずっといままでも議論されてまいりましたように、超過負担の問題です。この問題については、大体どういう解決の方向に持っていこうというふうに基本的に考えられておるのか。これはやはり大臣からお聞きしたほうがいいですかね、この超過負担の問題。これは非常に政治的な問題にもなりつつあるわけですね。まあ、知事会の実態調査と皆さんの調査との間違い、いろいろ問題があるにしても、超過負担という問題が大きな問題になっていることは事実なんですから、それをどういうようにして、今後この問題を解決していこうというお考えなのか、そこらあたりちょっとお聞かせ願いたいと思う。
#185
○政府委員(安嶋彌君) 超過負担の問題は、確かに大きな問題でございまして、それに対しましても、私ども、所要の対応をいたしておるつもりでございますが、しかし、国の予算面積、あるいは予算単価以上に地方団体で実際の負担がございましても、それを直ちに全部国において二分の一負担すべきであるというふうな考え方はとっていないわけでございまして、単価について申し上げますと、やはり標準的な工法と申しますか、仕様を前提とした単価について国が二分の一を持つと、面積につきましても、標準的な面積について国がその二分の一を負担をするというのが基本的な考え方でございます。
 知事会の超過負担の調査についての御指摘でございますが、これは知事会自体も認めておりますように、きわめてサンプル的な調査でございまして、正確な実態につきましては、地方自治体の立場をよく理解をしている自治省、それに大蔵省、文部省、三省が合同で調査をいたしました。その結果が、四十六年度の実態で約二百二十二億円の、いわゆる超過負担があるということが、調査の結果、出てきたわけでございます。単価差といたしまして一三%強、面積差といたしまして三一%ということでございますが、そのうち、単価差につきましては、六・七%を二カ年にわたって是正をしていくと、面積差につきましては、基準改定によりまして二〇%是正をしていくというような措置を講じておる次第でございます。
#186
○宮之原貞光君 これは、知事会だけじゃなくて、たとえば自治、大蔵、文部の共同調査、地方超過負担の実態調査の結果にいたしましても、予算と実質支出の差というものは四四%もあるわけですね。それを皆さんの説明では、この単価の補助金あるいは補助基準の引き上げで二四%は見たんだと、あとの二〇%はどうするかという問題を、皆さんそれは知らぬ、市町村やれと、こういうことになるわけなんですか。それとも、やはりこの問題についても、このまま放置するわけには私はいかないと思うんですけれども、この二〇%というのは、それは市町村が持つべきだという皆さんのお考え、いまのお話から見ると、そうならざるを得なくなるんですが、これだって、私は、問題残しているんじゃないかと思いますが、そこはどうなんですか。
#187
○政府委員(安嶋彌君) その部分は、やはり市町村独自の自発的な努力でやるというふうに理解をしておるわけでございまして、国が当然持つべきものを市町村に押しつけておるんだというような考え方には立っていないわけでございます。国は、さっき申し上げましたように、標準的な仕様に基づく単価、標準的な坪数について負担をすると、こういうことが基本的な考え方でございます。それ以上は、市町村の自発的な努力でやると、こういうふうに理解をいたしております。
#188
○宮之原貞光君 私は、それも責任回避だと思う。何も私は、国が押しつけていると市町村が言っていると言っていない。しかし、現実にそういう問題があるならば、どうやるかという問題について、私は、十分話し合ってその解決策というものを見出すべきであって、それは市町村が、かってに単価はこうなっておるんだけれども、実際、たとえばアルミサッシにしたとか、まあじゅうたんをどうしたとか、窓がラスをどうしたから、かってに華麗につくったんだろうという、そういう答弁を衆議院でもやっているわけですけれども、そればかりでは、私は、済まないんじゃないかと思うんです。それならば、あなた、物価の上昇に伴うところの単価基準がいまのやつで間に合うかといったって、これは合いっこないでしょうが、率直に申し上げて。たとえば、今度はあなた方は、いわゆる六・六二%を今度の物価の上昇に対応して見たと、こうおっしゃるんでしょう、説明は。しかし、これだってこれはいつの数字かと、こう聞かれると、皆さんの答弁、要約してみると、あなた、これは四十七年の六月と四十六年の六月との対比だと、こういうのでしょう。去年の七月から実際に建築をするところのことしまでになると、たいへんな物価の値上がりですよ。そのために、あなた、田中さん、内閣評判悪いでしょうが。だから、ああいう結果になっているわけだ、選挙結果も。それぐらい、あなた、木材だけだって、いろいろなセメント、鉄材というものはどんどん、どんどん上がっておるのに、それも地方の皆さんがぜいたくな建て方をするんだからあとは知りませんということでは、私はおさまらぬと思う。それならば、この物価の値上がりに対して、ほんとうに現実に合う手直しを、皆さんは、ことしじゅうに補正予算でもされるんですか、されないんですか、それなら。
#189
○政府委員(安嶋彌君) 最近における急激な物価上昇の問題は、確かに御指摘のようなことでございまして、私ども非常に苦慮しておるところでございます。全般的な傾向を申しますと、木材は昨年の十二月がピークでございまして、その後、やや下回る傾向にございますが、鋼材は二月がピークでやや下回る傾向にございます。それからセメントはどうも引き続き上がっているようでございます。
 物価の動きといたしましては、そういう動きがございますが、それに対する対策といたしましては、木材につきましては、農林省、林野庁が中心になりまして、増産でございますとか、あるいは輸入の促進をはかるというようなことをやっておるようでございますし、また、セメントにつきましても需給の調整をいたしますとか、また、増産をはかるといったような指導を通産省が中心になってやっております。それから経済政策全般につきましては、大蔵省が各種の金融上その他の措置を講じておるわけでございます。したがいまして、物価はたいへん上がって、私ども困っておるわけでございますが、なお、変動する要素もあるわけでございまして、いましばらく、その動向を見たいということでございますが、確かにこの単価でやれるかとおっしゃいますと、問題はございますので、私ども、今年度の執行にあたりましては、その点、十分、留意をしてまいりたいというふうに考えております。
#190
○宮之原貞光君 何か急に大蔵大臣になられたんじゃないだろうかと、こう思うような錯覚の、えらい物価政策の問題についてのお話があったんですけれども、私は、それは大蔵大臣の答弁ならそれで了解しますよ。しかし、皆さんは物価の問題、たとえば日銀の、あなた、卸売り物価指数を四十七年の十二月との対比で見たって、相当上がっているわけでしょう。いま、いわれたところの木材が一〇三・六%ですか、形鋼は一九・四ですか。丸鋼が四一%、セメントが二・三。しかも新聞に出ておるように、卸売り物価の値上がりというのは非常にこうなっているでしょうが。それは木材、一時停滞ありましたけれども、また、こう上がり出しているわけですよね。ですから、これは船橋の例ですけれども、木材にしても、正角一等のやつで去年の十二月五万五千円であって、もう五月では七万円にもなっておるんですよ。これは近郊都市の船橋の例ですけれども、上がっていることは事実なんですからね。あなた、そういう答弁をされぬで、むしろ大臣と協力して、やはり物価が上がっている、急激にこれをやれるような措置というのはできないんですか。実際に、その矢を受けてやるのは学校をつくらなきゃならぬ市町村なんですからね。あるいはまた、高等学校なら県でしょうからね。それに対してやれない、やれないと悲鳴をあげておるなら、これを補正予算で組むなり何なりするという努力をし、地元に負担をかけないような形の方向で、超過負担をかけないような方向で、せめて、これだけでもやりますという答弁なら、私も理解できますけれども、もう少し情勢を見守りておりますというのでは、これは問に合わぬでしょう。これはやっぱり大臣どうなんですか、この問題は。きわめて、私は切実な問題だと思うから、お聞きしておるんですよ。
#191
○国務大臣(奥野誠亮君) 現状は、御承知のように、民間の需要が非常に大きいものでございますので、公共事業全体を一時的にずらせるものはずらしたいというような調整をとっている最中でございます。したがいまして、景気を刺激するような措置はいますぐにはとれない。そこにたいへんむずかしいところがございます。したがいまして、御指摘になりましたように、いまの姿で二分の一国が負担するというておっても、おっしゃっている超過負担がかなり出る。その運営に地元がかなり苦慮するという結果になっていると思います。これらの問題を将来どう解決していくかということにつきましては、いろんなことを総合的に考えていかなければならないと思うんでございますけれども、現状においてはいましばらく様子を見守る以外にはないんじゃないか、こう考えておるわけでございます。
#192
○宮之原貞光君 そうすると、指導としては、各町村にも学校をいま急激に増設するのは待ってくれという指導されるわけですか。つくるのは待てと、こういう指導もやっぱりあわせてやられるわけですか、公共事業の云々ということになりますと。
#193
○政府委員(安嶋彌君) 大臣から申し上げましたように、物価の趨勢をいましばらく見守りたいということでございますが、見守ってしかるべき対応をしたいということがその次にあるわけでございまして、そういう気持ちで申し上げているわけでございます。
 ただ、いまの段階でどういう対応をするかということは、もうちょっと様子を見ないと申し上げかねると、こういうことでございます。
#194
○小林武君 関連。
 いま、ことばの言い回しだと思うけれども、ぼくは、公共事業費の繰り延べということが起こってくることは、社会党もこれはやはりいまのあれから認めざるを得ないところもあるわけなんです。しかし学校の問題なんかを、これは景気刺激だとか何とか、民間の設備投資や何かと一緒に考えるべき性格のものじゃないですから、これは事業としてはとにかくできると、事後の対策として一体そういう物価の値上がり等に対して補正予算を組んでどうするなんとかいうことは、この間のあなたの答弁で、ぼくは、いまのところ、それについてこうこうこういう具体的なことはできないけれども対処したいと思っている、もう少し待ってくれということであれば了承するけれども、そうでなくて、繰り延べその他の事業全体の、やるかやらぬかということも含めてというような話になると、これはもう全然だめです。ただし、いまの答弁聞いていると、あれ活字にするとそういうことも入るんですよ。日本語というのはなかなかむずかしいんだよ。だからぼくは心配しているんですよ。横から口入れたのはそういうことです。だからそのことであるのかないのか、はっきりしないと、ぼくなんかは大体前にだまされたかなあと思う。
#195
○政府委員(安嶋彌君) ただいま小林先生おっしゃったとおりでございます。私は前回申し上げたことと違ったことを申し上げているつもりは全くございません。
#196
○宮之原貞光君 まあ、今後もめんどうをやはり見るという気持ちが、これは言いたくても言えない気持ちだろうと私はそんたくをしまして、善意にひとつ解釈しますから、相当やっぱり努力してもらわなきゃ困る問題だと思います。
 もう一つちょっと触れたいのは、例の用地の取得の問題です。これ、四十六年度の措置としての児童生徒急増市町村義務教育施設整備に関する特別措置要綱というのがありますね。これは大体どういうものか、ちょっと説明してくださいませんか。
#197
○政府委員(安嶋彌君) 措置要綱の基本的な考え方は四十七年度も同じでございましたが、まず、面積について申し上げますと、これは国有財産等の払い下げの基準面積というものがございまして、実際の買収面積と、それから、何と申しますか、払い下げ基準によりまする不足面積のいずれか少ない面積をまず対象にする。単価につきましては、実際の買収単価とそれから公示価格または公示価格に準ずる鑑定価格のいずれか少ない単価を対象にする。その相乗積につきまして交付率を二分の一ということにいたしまして、その二分の一について三分の一の補助をする。現金の支出は、国庫債務負担行為という形で三年間にわたって支出をする、こういう基本的な仕組みでございまして、四十六年、七年とも同じでございます。
#198
○宮之原貞光君 そういうあれでいけば、四十八年度の推計というのは一体どういうあれになりますか。大体の予想というか、推計というか、それは出ませんか。
#199
○政府委員(安嶋彌君) ただいま申し上げましたような方式で補助金の交付をしたわけでございますが、四十六年度は実は予算が若干窮屈でございまして、いわゆる圧縮率というものを掛けております。これが七六%でございました。四十七年度はこの圧縮率が九七%でございましたから、ほとんど当初考えました線に近い補助が可能になったわけでございます。四十八年度は、予算といたしまして単価を一万六千円から二万一千円に引き上げておりますし、買収面積も約三百六十万平米を三百九十万平米に引き上げておりますので、大体対応できるのではないか。四十七年度の経験からいたしましてもそういう感じを持っておる次第でございます。ただ、御承知のとおり、土地というのは建物の場合と違いまして、建築するという意思があればすぐ建つというものではございません。買おうと思っても買えないというようないろんな事情があるものでございますから、ただいまの段階で四十八年度がどういう姿になるであろうかということはにわかに予断できないわけでございますが、四十六年、七年の経験からすると大体いい線に落ちつくのではないかというのが私どもの見込みでございます。
#200
○宮之原貞光君 この問題、私はポイントは単価のとり方の問題だと思うんです。これは御承知のように、評価額と実際の価格の差というのは相当やはり大きいんですね、公示価格と実際との価格は。たとえば皆さんことし単価を二万一千円と、こうされているわけですね。実際はこれはやはり七万円、都市急増地域の周辺では。こういうのはやはり通り相場になっているんですね。したがって、単価、しかも補助率がいま三分の一ですか、その上に三年分割で五割の足切りという仕組みになっているんですね。いろんな制約があるものだからだんだんしわ寄せが市町村のほうにやはりいかざるを得ないんですね。こういうような問題を考えてみて、しかし人口はどんどんふえていくから、これは町としては何としてもやはり学校の用地を獲得をして学校を増設していかなければならない大きな課題を持っておる。だからして、たとえば、四月二十九日の日経新聞ですけれども、学校用地をめぐって神奈川県と横浜市との間でトラブルがあるということは皆さんも御承知だろうと思う。それくらいに自治体にとっては何としても解決しなきゃいかぬ、早急に手を打たなきゃいかぬ問題である。けれども、かなり単価の問題で非常な開きがある。こういうかっこうになっておるんですが、これはやはりもっとこの問題をはかるところの積極的な、現行法の問題点はわかるにしても、これを解決するところの立法的な措置というものが何かできないものか。だから、そこらあたりの問題について、たとえばこれを法律の中に入れることができるとか、あるいは急増地域については特別立法などするとかなんとかという、そこらあたりの方法というものはできないものですかね。衆議院でも、用地取得の問題の拡充について何とかしろという附帯決議があがっておるんですが、この問題について、今後どういう方向で、皆さん、文部省当局としては、解決策あるいは打開策として考えようというお考えをお持ちなのか、もし検討されておるものがあれば――何もまだまとまったものはないと思いますけれども、問題点だけでもちょっとお知らせ願いたいと思います。
#201
○政府委員(安嶋彌君) 最初に単価の問題でございますが、四十八年度単価は二万一千円でございますが、四十六年度、七年度の単価は一万六千円でございます。ただし、これは一万六千円で頭打ちをしたということではございませんで、実際の執行は、四十七年度の場合でございますと、最高が東京都八王子市で、平米当たり十三万六千円というものを対象にした部分もございます。また、最低は埼玉県の川越市でございまして、平米当たり千二百円というものも対象にいたしておりまして、全国平均は約二万一千円でございます。そういうことでございまして、個々の単価は、そうしたふうに実際に即した――もっとも実額と公示価格のいずれか少ないほうという制約はございますけれども、実態に近い単価で補助対象にしておるということでございます。
 それから問題点でございますが、これはいろいろございまして、一つは、御指摘の単価が二万一千円でいいかという問題、それからもう一つは、買収面積が三百九十万平米積算をしておりますが、これで足りるかという問題、それから交付率の二分の一がこれでいいかという問題等があるかと思いますが、来年度の概算要求の課題といたしましても、その辺のところは前向きで対処してまいりたいというふうに考えますが、ただ、これはものの量でございますから、縦、横、高さ、どれをふやしましても全体の量がふえるわけでございますので、どれに重点を置いてその絶対量をふやしていくかというようなことは、これは予算編成の段階におきまして十分検討してまいりたいというふうに考えております。
#202
○宮之原貞光君 おたくのほうでは、来年の小学校に上がってくる者、中学校に上がってくる者はどれくらいで、大体急増地においては今後どれくらいの学校増設をしなきゃならぬかということもおわかりだと思うんですね。したがって、やっぱりこの問題はもう避けて通ることのできない問題ですから、何としても、この問題の解決策にはこれはやはり積極的な手だてが必要じゃないかと思うんですが、もう一つ関連して申し上げますれば、校舎不足の問題がまた一つやはりあるんですね。これは資料の中に、社会増地域の小中学校の不足教室数とその対応策、処置状況というのを資料としていただいておるんですが、これは対応策としては、一体具体的にどういうようなかっこうで、この教室不足を解消していこうとされておるのか、それの展望でもあればお聞かせ願いたいということと、特に、プレハブ教室には補助金はないんですか。私は補助金はないものと理解しておるんですが、ないということだと、ちょっと私は、普通の一般の校舎を建てたくても建てられない、間に合わないからプレハブ教室ができておるので、これはまた市町村の御随意だと、これもちょっと私は筋が合わぬじゃないだろうかと思うんですが、そこらあたりどうお考えになりますか。
#203
○政府委員(安嶋彌君) プレハブ校舎自体につきましては、御承知のとおり補助金がございません、これは町村によりまするけれども。三回か四回それを移動して使用いたしますともう使えなくなる、いわば消耗的な器材というふうに理解されるわけでございまして、そうした観点から、これは建築物ではないということで補助金の対象にしていないわけでございます。御承知のとおり、町村自体がその経費を負担しておるわけでございますが、消耗的な器材という性質にかんがみまして、そこまではちょっと国の補助対象にしがたいということでございます。
 それから、そうした解消というか、不足教室にどう対応していくかということでございますが、やはりプレハブ教室がございました場合には、そうしたものを解消をまずやりたいというふうに考えております。ほかに特別教室や屋体を間仕切りをして転用しておるというものもございますが、そうしたものの解消にも優先的に予算をさいてまいりたいというふうに考えておりますが、一般的には、不足教室を既設学校に増築をいたしますとか、あるいは別に敷地を求めまして学校を新設してまいるとか、そういう形で予算が消化され不足教室に対応していくということになるわけでございます。
#204
○宮之原貞光君 これは、だいぶ議論せにゃならぬところだと思いますけれども、用地の問題では、衆議院のいろいろな記録を見ると、用地は、一回やったらずうっとその市町村の財産として残るんだから、あまりそれに補助を出すのはどうもいかぬという趣旨の見解が大臣のほうからあった。教室はどうかというと、プレハブというのはつくりたくてつくっているわけじゃないわけですよ。間に合わないし、しかも、別に学校つくろうとしてもつくれないからこうなっているわけなんですからね。言うなれば、教育のために緊急やむを得ざる措置としてこのプレハブ教室というのができているわけですからね。したがって、私は、この問題については補助の対象にはなりませんという木で鼻をくくったような答えでは私はちょっとどうかと思いますよ、その点は。まあ、首をひねっておられるようでありますけれども。
 ただ、関連して、この校舎不足の問題でここで明確に聞いておきたいことは沖繩の問題なんです。これは、現地の沖繩県教育振興会の代表が来まして、大臣にも私は陳情があったんじゃないかと思いますが、沖繩の教室不足の問題を具体的に聞きますが、私もいただきましたけれども、軍用地の学校用地転用に関する要請というのがあるわけです。これ、大臣どう思いますか、ちょっと大臣のお考えをお聞きしたい。
#205
○国務大臣(奥野誠亮君) 沖繩で過密な学校がかなりあるようでございます。分離するとまず用地を確保しなけりゃならない。ああいう土地でございますのでなかなか土地の手当がしにくい。そういう意味で、米軍が使っておる土地を返還を受けて学校に使わせてほしいという陳情を私も受けているわけでございます。これはもっともなことだと思っております。その一つの与儀のタンクあと地を使いたいという問題、これは幸いにして解決がつきまして、小学校に振り向けられる。したがって、与儀小学校が分離できるわけでございまして、解決済みだと思っているわけでございますが、あとの問題につきましても積極的に協力をしていきたい、こう考えておるわけでございます。
#206
○宮之原貞光君 これは、大臣は当時大臣じゃなかったけれども、沖繩国会の中で、いわゆる沖繩の基地問題と関連をして、当時の佐藤総理なり福田外務大臣あたりは、復帰さえすれば基地の縮小、返還の問題の速度が非常に速まるような答弁があったのですけれども、いまから見れば、ほとんど沖繩県民はだまされたという感じしか持たぬ、率直に申し上げて。これは、この間山中さんがなってから何の言ったってわずか一%でしょう、最近返した云々は。その問題とこの軍用基地の関連で見れば、沖繩の皆さんからすればはるかに要求とほど遠いところの問題なんです。だから、これは私はやっぱり大臣、相当文部大臣という立場からも積極的にやはり関係大臣をつついて、少なくとも、私写真を見せられたんですけれども、この軍用地の使っておるところの状況というのが非常にあき地だらけの上に、過分に使って、ぜいたくに使っているのですね。この写真集を見たって。ほんとうに沖繩の教育に協力してやろうという気持ちがあるならば、もっともっと大胆に少なくともやっぱり学校用地には解放しようと、こういうことで私はやっぱり文部大臣は積極的な姿勢を示すべきだと思うんですがね。その点、大臣の御決意なり所感なりを具体的に伺いたいのです。
#207
○国務大臣(奥野誠亮君) 与儀の小学校の問題は私が文部大臣になってから後のことでございまして、文部大臣としても大蔵大臣に公式なお願いもし、推進に当たってまいりました。幸いに解決を見たわけでございますが、その他の問題につきましても同様な気持ちでおるわけでございまして、積極的に努力を続けていきたいと思っております。
#208
○宮之原貞光君 これは大臣もお聞きだったかと思いますが、沖繩の過大規模の学校ですね、これは本土に比べて非常に高率なんですよ。小学校で、二十五学級以上の学校が全国平均では一一・八%あるのに対して、沖繩は実に二〇・七%ですね。中学校では、全国平均が八・二%に対して沖繩が一六・六%。あるいは高校では、千五百人以上の学校が全国平均では二・五%だけれども、沖繩では二八・二%という、きわめて大規模の学校に、これは大規模学校というより過大学校ですね。こうなっておる。しかも、特に那覇市周辺にこういうような状況が多い。こういう中からやはり教育ということを考えてみた場合には、これは沖繩の教育はたいへんだと、これは現地の人が要求するのは当然だと思う。それは先ほど申し上げたように、解決したのは那覇市の与儀のガソリンタンクあと地、あるいは具志川市の送信所の問題がちょびっとだけなんですね。まだまだ解決しないところの問題があるんですよ。ひとつ大臣、単にいまの答弁をおざなりにここだけの答弁にすることなく、積極的にやっぱり大臣、沖繩のこの問題については姿勢を示していただきたいということを私は強く求めたいと思うんです。
 なお、この問題と関連をして、これは局長に申し上げたいんですが、沖繩では人口急増地帯ですか、ここでいう、これに指定をされているのは沖繩では浦添市だけですか。ここにも一つ問題点があるんですね。これは復帰後の人口の移動の状況、それから例の海洋博等で那覇市に人口が非常に急増しておるのです。これはもう資料はそちらにもいっていると思いますが、多くは申し上げませんけれども。たとえば那覇市の地帯の校地の基準と保有状況から見ましても、小学校が平均三六・四%、実に五十八万四千八百三平米の不足、中学校の平均は三十五%で三十七万三千二百十二平米の不足というのが那覇市におけるところの校地の基準の状況なんです。あるいは児童数が二千名以上から三千名以上の学校というきわめて大規模の学校が沖繩では二十五校中十一小学校なんです。中学校は十二校中三校、あるいはプレハブじゃなくて問仕切りをやっているわけですね。特別教室やいろいろな教室をずっと間仕切りをしてそういう教室で間に合わせているのが七十三、プレハブが八校あるいは幼稚園のプレハブに至っては二十二校と、資料を見ますとこういう実態が出ている。きわめて私は憂慮すべき状態だと思うのです。そこで、私はここでやっぱり聞きたいのは浦添市ばかりでなくて、この際那覇市も人口急増地帯というかっこうで指定をして、特別にやはり手だてをすべきだと思うのですが、その点どうなんですか。
#209
○政府委員(安嶋彌君) 御承知のとおり、児童生徒急増町村の要件というものを私どもきめておるわけでございますが、小学校の場合でございますと、過去三カ年の増加率が五%以上で実数が千人以上、または増加数が一〇%以上で実数が五百人以上ということがその基準でございます。中学校の場合でございますと、これがそれぞれ半分になりまして、増加率が五%以上で五百人以上、それから一〇%以上で二百五十人以上というのが児童生徒急増町村の基準でございますが、那覇市の場合、四十四年度対四十七年度をとってみますと、小学校の児童の増加率が二・二%でございます。それから増加数が七百五十一人ということでございます。中学校でございますと、これが一・五%増で二百五十四人の増ということでございます。したがいまして、私どもが考えておりまする基準に合致しないわけでございますので、対象から除外をしたわけでございますが、浦添の場合、対象にしたわけでございますが、これもやや弾力的な運用をして浦添を対象にしたということでございまして、その辺は実態に即した措置をとっておるつもりでございます。今後、那覇市の人口と申しますか、児童生徒数がさらに変動するようなことであれば、その時点でさらに検討してまいりたいというふうに考えております。
#210
○宮之原貞光君 そのいまの統計は四十六年対四十七年ですか、いまの年度は。
#211
○政府委員(安嶋彌君) 四十四年度と四十七年度でございます。
#212
○宮之原貞光君 そうすると、やはり昨年度復帰してからここに至るところの状況というのは非常にすざまじいのですよ。しかも、海洋博云々ということで本土からいろんな業者が入り込んで、膨張に膨張を重ねておるのです。その上に、先ほど申し上げたように、今度は人口増の問題からばかりと言えないのは、この敷地全体の絶対量が軍用地という問題に取られているために少ない、そのために学校の用地をどこかに持ってきたくても持っていけない。そういうようなことから私はやはり過大規模の学校と申しますか、そういうふうな状況にきていると思うのです。そこがやはりここでのものさしで、あるいは皆さんのいまの基準のものさしでははかれない要素があるという点を私は理解してもらわなければ困る。したがって、やはり私は、少なくとも何%かに達しなかったからだめだということではなくて、前向きな、積極的な、弾力的な運用をしてやらなければ、私はやはり解決つかないと思う。軍用地の問題の転用もきかないわ、なおこれはずっとかさんでいくというのでは、ますます一体何のために復帰したかという、事志と皆さんから違ったかっこうの声にならざるを得ないのです。言うならば、やはり昨年から今日いろんな復帰後の状況というのは問題点が多過ぎます。これはほかの委員会でも問題になっていますが、教育上のこれは設備、施設の問題でもあるということは否定できない事実なんです。その点私はあらためてこの問題に対するところの積極的な取り組みをしていただきたいと思うのですが、この点いかがなものでしょうか。
#213
○政府委員(安嶋彌君) 沖繩の場合はいろいろ問題があるかと思いますので、沖繩県教育委員会当局とも十分打ち合わせをいたしまして、実情を聞き、必要な対策を講ずるように努力をしたいと思います。
#214
○宮之原貞光君 最後に、じゃ、はしょりましてお聞きしますが、例のずっと各委員から指摘がありました危険校舎の問題です。これは、まあ危険度が四千五百点という問題もなかなかやはり実情にそぐわない問題が出てきておりますし、補助率の三分の一というのも私はもう不合理だと思うんですよ、率直に申し上げて。大体二分の一のところにみんなきつつあるときに。したがって、この危険度の問題は最低五千点あたりぐらいまでは持っていって、相当この子供本位に危険校舎の問題をやっぱり考慮する私は段階にきておると思います。補助率の問題についても、これは検討してもらわなければならない段階にきておると思う。その点に対する皆さん方の御見解なり、あるいは今後の努力の方向について質問をして最後の締めくくり
 にしますが、どうですか。
#215
○政府委員(安嶋彌君) 危険点数の問題でございますが、現在は一般的に耐力度四千五百点以下のものを危険建物というふうにいたしておるわけでございますが、実行上は特殊教育諸学校の建物、それから積雪が多うございます特別豪雪地帯の建物等で、自然的な条件の特殊なものの場合は五千点まで対象にいたしておるわけでございます。これを一般的に五千点まで引き上げたいという点につきましては、文部省もかねてそういう考えを持っておりまして、今後ともそうした方向で努力をしたいというふうに考えておりますが、ただ、現状で申しますと四千五百点以下の要改築面積が、小学校の場合に三百七十七万平米、中学校の場合に百七万平米、合わせて四百八十四万平米あるわけでございます。年々百万平米程度の改築を行なっておるわけでございまして、本年度も百十八万平米の整備をはかることにいたしておりますが、現状がただいま申し上げましたように、四千五百点以下が相当数あるということでございますと、これをさらに五千点までに引き上げるという問題を考えます際には、やはりそこの順序というもの等も考えなければならないかと思いますが、しかし、目標といたしましては、おっしゃいますように五千点ということを目標にいたしまして、今後努力、検討をいたしたいというふうに考えております。
#216
○宮之原貞光君 補助率の問題はどうですか。
#217
○政府委員(安嶋彌君) 補助率は御承知のとおり三分の一でございますが、国会等におきましてもしばしば二分の一に引き上げるべきであるという御議論がございますので、そうした方向で検討をいたしたいというふうに考えております。
#218
○委員長(永野鎮雄君) ほかに御発言がなければ、本日は、これにて散会いたします。
   午後四時四十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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