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1972/07/05 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 文教委員会 第17号
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1972/07/05 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 文教委員会 第17号

#1
第071回国会 文教委員会 第17号
昭和四十八年七月五日(木曜日)
   午前十時四十二分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         永野 鎮雄君
    理 事
                久保田藤麿君
                楠  正俊君
                宮之原貞光君
                安永 英雄君
    委 員
                金井 元彦君
                塩見 俊二君
                中村 登美君
                濱田 幸雄君
                二木 謙吾君
                宮崎 正雄君
                小林  武君
                鈴木美枝子君
                松永 忠二君
                内田 善利君
                矢追 秀彦君
                萩原幽香子君
                加藤  進君
   国務大臣
       文 部 大 臣  奥野 誠亮君
   政府委員
       文部大臣官房長  井内慶次郎君
       文部省初等中等
       教育局長     岩間英太郎君
       文部省大学学術
       局長       木田  宏君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡辺  猛君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○教育職員免許法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(永野鎮雄君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 教育職員免許法等の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続いて質疑を行ないます。
 質疑のある方は御発言願います。
#3
○矢追秀彦君 一昨日に引き続きまして、質問を続行いたします。
 今度の改正案の中身についてお伺いをいたしますが、まず、第十六条の二についてお尋ねをいたします。
 これは、いままで、一部の例外を除いて、教員免許は、大学及び短大等において基準の単位を取った者にしか与えられませんでした。それが、今回の法改正によって、教員資格認定試験の合格者には免状を授与するという新しい形態がとられたわけでありますが、これは、この間も同じような意味の質問をいたしましたが、免許法の考え方の大幅な方向転換と、こう考えてよろしいわけですか。それとも、あくまでも特例であるのですか。その点の基本的な考え方をお聞かせ願いたい。
#4
○政府委員(木田宏君) これは、免許法の原則を変えようという趣旨ではございませんで、例外的に、補足的にこうした弾力的な措置がとれるようにしたいという考え方でございます。
#5
○矢追秀彦君 いま、あくまでも特例であって弾力的なものであると、こう言われておりますが、免許制度というのは、やはり教育の基本ともいうべきものであります。それが、いままで教員養成大学及び学部を中心に教員が養成されてきたのが、今度は試験に合格すればもらえるというのは、やはりかなりの大きな大転換であって、ただ単なる特例とはいいがたいと考えるわけですが、もし特例ということにしていくならば、その歯どめというのはどこに置かれているのですか。
#6
○政府委員(木田宏君) 資格認定試験は国が行なうわけでございまして、それを大学等に委嘱する場合もあり、また、種目によりましては文部省が直接実施するということのものもあるわけでございますが、いずれにいたしましても、国の予算案を通じて国会の御審議をいただきながら、実施の規模を考えていかなければならない性質のものでございます。私どもも、前回以来御説明申し上げておりますように、教員の実際に必要な分野に対する需給の状況ということを見ながら弾力的に措置したい、その弾力的な措置は予算をもって御審議をいただいて実施に取り組めるようにしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#7
○矢追秀彦君 それでは、毎年必ずしも試験があるとはいえないわけですか。
#8
○政府委員(木田宏君) 全部の種目について毎年試験をするということも、実務上の能力とか、また現実の必要性等を考えますと、それほどの必要も起こらないのではなかろうか。ですから、年によりまして実施種目が変わる、特に高等学校の一部の領域あるいは特殊教育の領域等におきましては、年によって実施種目が変わるというようなことも必要になってくるというふうに考える次第でございます。
#9
○矢追秀彦君 そうすると、現在の見通しとしては、たとえばかりにこの法案が今度通過をしたとした場合に、――通過するかしないかまだわかりませんけれども、来年度から実施になるわけですか、来年度の見通し。現在のいろいろな不足数から考えて、来年度は大体どういうふうな試験をお考えになっておりますか。
#10
○政府委員(木田宏君) 実は、四十八年度の予算の中で、この関係の経費は三千二百万円ほど計上さしていただいてございます。それは、小学校教員資格認定試験を実施するということと、それから高等学校の教員の資格認定試験につきましては五種目について実施を考えたい、それから特殊教育の教員資格認定試験につきましては養護訓練の領域につきまして二種目を考えたい、こういうことで予算の積算を御審議いただいた次第でございます。
#11
○矢追秀彦君 いま種目は言われましたが、大体人数はどの程度に置いておられますか。
#12
○政府委員(木田宏君) 人数は、現実に試験の実施要項を発表いたしまして、どのくらい受験者があるかということとの関連で見込みも立たないわけでございますけれども、これは手数料収入を一応予算では計上さしていただいておりますので、その手数料収入に見積もりました受験者の予測数といたしましては、小学校教員二千五百人、高等学校教員につきまして五種目合わせて五百人、特殊教育の養護訓練関係につきましては三百人程度という見積もりをさしていただいております。
#13
○矢追秀彦君 この見積もりでいきますと、現在不足といわれておるのが、どの程度の充足が可能ですか。
#14
○政府委員(木田宏君) ただいまのは受験者の数でございますから、現実に試験をいたしましてどの程度の合格者を出せるかということも全くの予測の域を出ないわけでございますが、小学校教員につきましては五百名ぐらいを考えられるであろうかと、高等学校教員につきましても同じように大体五分の一の百名、特殊教育につきましても五分の一の六十名ぐらい、まあこれは、いままでの、高等学校の一部の領域での柔剣道、計算実務等の合格比率等を考えました場合に、大体二割前後という実績もあるものでございますから、そのくらいの見当で考えておいてしかるべきであろうかと思っておる次第でございます。
#15
○矢追秀彦君 まあ、予測が立たないのもわからないわけではありませんけれども、しかし、そういうある程度の予測を立ててやらないと、三千二百万の予算が組まれておるわけでありますので、したがって、これは今年度中に試験は行なえるわけですね。時期はいつですか。秋ですか。来年といいますか、要するに、四十九年三月までに行なわれるのですか。四十九年度のいわゆる需要といいますか、就職には間にあうのですか。採用試験がその前にありますね、小学校の場合は。
#16
○政府委員(木田宏君) この法案が成立いたしましたならば、できるだけすみやかに準備体制をとりまして、秋にも実施をしたいというふうに考える次第でございます。
#17
○矢追秀彦君 どうも聞いておりますと非常に予測の域を出ないので、この法律案がますます非常に教員資格という大事な問題でありながら、やはりどろなわ的な法律と言いたくなってくるわけであります。いま言われた、まず今年度五百名、あるいは高校百名、それから特殊関係が六十名ぐらいしかとれないとかりにした場合、これぐらいの人数であるならば、現在の教員養成大学をもう少しきちんと充実させる、あるいはもう少し先生にならない人もかなりいるわけですし、やめる人もいるわけですから、この問いろいろ議論もありましたが、別にこの法改正をしなくてもこの程度であるならばできたのではないか、努力をすれば。それをこういうふうに今回改正をしたということは、やはり教員の資格をただ試験で取れるというふうに道だけ開いておいて、だんだんそれが拡大していくと、そうなると、先ほどから私が言いました教員免許法、教員免許というもの自身に対する大きな転換であると、ただ単なる特例ではないと、ただ、歯どめはどこまで置くべきであるのかと、こう言っているわけであります。実際五百、百、六十であれば私は先ほど言ったように努力をしたらできたのではないか、こう思うのですが、その点はどういう認識ですか。
#18
○政府委員(木田宏君) これも、前回の御質問にお答えしたところだと思いますけれども、四十七年度の採用状況を見ましても、助教諭、講師等で採用されておる者がすでに二千名もおるわけでございます。これらの方々の中にはこういう資格試験等を実施いたしました場合には、当初から教諭としての採用資格を取り得るにふさわしい能力をお持ちの方もあり得るのではないかというふうに考えてもおる次第でございます。でございますから、せっかく小学校の教員としての希望を持っておられるが、大学の在学中あるいはまた他の要因によりましてそうした免許資格が取れなくて助教諭等の身分のままで小学校の教師に出願をされて採用されるという方々に対しましても、こういう資格試験の制度によって正規の免許状を持って教諭としての採用をすることができるならば、関係者も喜んでまた小学校の教育に従事してもらえることになる、こういうふうにも考える次第でございまして、冒頭にも申し上げましたように、これを補完的な制度として弾力的に運用できるという道が開ける、また、そういう道を開いておくことが全体としての小学校教員の、小学校の教師になろうとする方々により励みを与えることにもなるのではなかろうかと思う次第でございます。あくまでも補完的なものと考えておりますために、このことにつきましての数字その他も、これだけをここで確保するというような姿勢で取り組んではおりません。しかし、そのことは決して意味がないということではなくて、今日の学校の需給状況等々勘案いたしまして、やはり励みと希望とを与える道になる、こう考えておる次第でございます。
#19
○矢追秀彦君 そうすると、この法律案の趣旨は、あくまでもせっかく何といいますか、学校の先生になろうとしていろんな点でなれなかった、あるいはなりたい人をならせるための道だという、これがあくまでも基本なんですか。不足を補完するとか、そういう安易なものでは決してないのですか。
#20
○政府委員(木田宏君) 基本的には、大学で教員養成の単位を在学中にとってこなかった人に対しましても教師になる道を開いておきたいというのが基本でございます。が、一つには高等学校の特殊の領域とか特殊教育の養護訓練の領域等のように、大学における養成訓練そのものを期待できない領域もございます。今日大学で養護訓練の教員を十分に養成するまでの体制がまだ整えられていないという一面もございますものですから、そういう領域につきましては、この資格認定試験の合格者によって正規の教員を確保するということもまた考えなければならぬかと思っております。
#21
○矢追秀彦君 どうも私よくわからないのですけれども、いま言われた広く人材を求めるというのにしてはこの法律自身がもう少し完備をされていなければならない。ただ、試験をやればそれでいいというものではなくて、やはり何らかの方法がとれるのではないかと思うのですけれどもね。たとえば、単位を落としたとすれば、通信教育によって補うとか、こういうすべて試験でその資格を与えていくという行き方に非常に安易さがあるのではないか。
 それから、いまの特殊教育がまだ体制が整っていないからというなら、それはそれだけで別に考えてやればいいのであって、こういう広く小学校、中学、高校、こういう範囲まで広げてしまったのは少し安易ではないか、こう考えるのですが、その点はいかがですか。
#22
○政府委員(木田宏君) 今日、大学への進学者も確かに多くなってきたことは事実でございますけれども、そうは申しましても、大学への進学者というのはまだ同年齢人口で三割にも満たない方々であります。また、大学に進学した方がすべて在学中に教員の資格を履修しておられるというわけではございません。在学中には他の職種のことを考えて他の勉強をしておられるという人たちもあるわけでございます。こうした大学に進まなかった人、あるいは大学在学中に教職の希望を必ずしも明確に持っておらなかった方々にありましても、なお、その後の社会的な経験を経て教職に入りたいという方は能力があるならばやっぱり迎い入れるというそういう姿勢はとっていきたいと、こう考えるのでございます。でございますから、数と申しますよりも、やはりそういう教職に対する積極的な意欲をその後の社会的な経験の中から持ってこられた方々を迎い入れる。また、他の勉強の過程でそういう気持をお持ちになった方々を迎い入れる道は、やはり一般的に開いておきたい。そして、その迎い入れます数の点につきましては、現実の正規の教員養成の需給の状況と考え合わせながら弾力的な措置がとれるようにしていきたい、こういう考え方でおるわけでございます。
#23
○矢追秀彦君 その辺が、引っかけていかれるのが私はわからないんですけれども、おっしゃるように人材を求めるだけであるならばむしろそれにしぼっておくべきであって、需給のバランスで試験のほうは考えていくと、あとの問題はやっぱり別にきちんとしないと、もし現在教員養成大学がまだかなりありますし、まあ先生がある程度評判が悪いといっても、やっぱりなる人のほうがかなり多いわけですから。しかしこれは将来、もしかりに社会の状況に大きな変動が起こってきて、要するに教員養成大学はあまり行かない、たとえ行っても学校の先生にならないような状況が生まれてきた場合に、そうすると今度こちらのほうがだっとふえてくる、そういう可能性が出てくるわけですから、やっぱりそこに歯どめは絶対必要である。そうすると需給のバランスをやられるのは私は反対をしたいわけです。あくまでも人材を求めるだけにしぼるべきであって。だから肝心な基本的な問題をおろそかにして、そういう安易な方法でいくと、いまはかりに問題がなくても、これから先問題が出てくる。ほんとうを言えばこういうことはなくていいわけでしょう、どうなんですか。むしろ教員養成大学がきちんと充実されて、そこから優秀な人材が完全に小・中・高の先生になっていけばこれはつくらなくてもよかったのじゃないですか。もしそういう優秀な方がおられたならば、そういう試験制度にしないで何らかの措置が、それだけであるならとれたのじゃないか。やっぱり足りないからそれを補うというのは、あるからこういう制度をとられたわけだと思うのですが、その点はいかがですか。
#24
○政府委員(木田宏君) 基本的には、いま矢追委員の御指摘になりましたように、これは人材があった場合に、その人材を迎えられるようにするという趣旨に立っておる、そのことは間違いございません。でございますから、この数が非常に足らなくなったときに人材があろうとなかろうと、これで足らない数をどんどんふやしていけばいい、そういう考え方に立っておるわけではございません。適任の方を教職に迎え入れる道を広く開いておきたいという趣意である。したがいまして、前回も御答弁申し上げましたように、今後の一般的な小学校教員の需給の増等に対しましては、基本的には、教員養成大学の学生増募の措置を講じていかなければならぬ、この考え方に変わりはないわけでございます。また、大学におきましていろいろな領域の教員養成が整備できるように、教員養成の体制そのものを特殊教育の領域につきましても拡充していくというこの基本の線はやはり進めていかなければならぬと思います。しかし、それだけですべての需給が完全に行なえるかと申しますと、やはり教員の養成とその需給というのは、学生が入学をし卒業をして職場に入りますまでの間、どうしても事情の変動等が起こります。過疎、過密によって足りない県があり、足りる県がありというような問題が出てまいりますし、領域によりましてはある時点で教員の非常に得にくいということもございまするから、その辺のところをやはり勘案できるような弾力的な措置というものは考えておかなければならぬ。これは需給全体を通じての一般的な問題であろうかと思いますが、この資格認定試験の制度そのものは、御指摘がございましたように、広く人材を求めるということが基本線であるわけで、これを需給の本筋にするという考えでないことだけは重ねて御説明をしておきたいと思います。
#25
○矢追秀彦君 まあ、いまの御説明ですが、私自身としてはもう少し納得できない面があるわけですけれども、具体的な認定試験の問題に入ります。
 この認定試験の方法ですが、この「研究協力者会議中間報告」の中にも少し出ておりますが、「試験の方法は、試験科目の性格に応じて、筆記試験(論述式試験を含む。)実技試験、口述試験などの適切な方法をとり入れるよう配慮すべきである。」こうありますが、具体的にどのような――これから政令でおきめになると思いますが、どういう形をお考えになっておりますか。
#26
○政府委員(木田宏君) 試験の種目については先ほど御説明を申し上げました。一般的には、小学校教員の資格認定試験は、地域的な配置等を考慮いたしまして数校の大学に実施を委嘱したいというふうに考えております。そしてこの試験は、短期大学卒業程度の水準ということで考えてまいりたいというふうに思います。一般的には、第一次試験と第二次試験の二段の試験制度をとって、第一次試験におきましては、一般教養課目、教職専門課目、教科専門課目等についての筆記試験を短大の水準で行なってまいりたい。第二次試験につきましては、教科専門課目についての論述試験及び実技試験のほか口述試験を加えていきたい。
 高等学校の教員資格認定試験及び特殊教育の教員資格認定試験につきましては、当分の間、これは文部省におきまして従来やってまいりました高等学校の柔剣道、計算実務と同様に文部省で試験委員を委嘱して実施してまいる考えでございまして、この試験の実施のしかたは小学校教員の場合とほぼ同じでございます。第一次試験、第二次試験とに分けまして、知的な能力と、それから実務的な能力とを見てまいりたい、こういう考え方でございます。
#27
○矢追秀彦君 受験資格でございますけれども、これは第五条に適合しない者以外は全部受けられるわけですか。
#28
○政府委員(木田宏君) 御指摘がございました第五条には原則があがっておりまして、十八歳未満の者とか、高等学校を卒業しない者、禁治産者等を除きまして、という規定になっておりますから、この原則はこのまま踏襲をいたします。ただ年齢では、短大卒、大学卒等の水準を考えたいと思いますので、年齢につきましては、やはり短大卒程度の年齢で経験を持っておる者ということを考えたい。これはいろいろな意味での社会的な経験もございますし、他の学識の経験もございまするが、そういう意味で十八歳よりは小学校教員の場合に短大卒と同じ程度の年齢を資格として考えたいという相談をいまいたしておるところでございます。
#29
○矢追秀彦君 そうすると受験資格基準というものはきちんとできるわけですか。
#30
○政府委員(木田宏君) これは各大学に委嘱をして、小学校教員の検定試験を実施させますために、その間の基本的な統一をとるための基準を文部省においてはっきりさしておきたいというふうに思います。
#31
○矢追秀彦君 いまの基準は、いま言われた以外に特に特筆すべきものはお考えになっておりませんか。
#32
○政府委員(木田宏君) そのほか領域によりましては、たとえば高等学校で看護などの免許状を出します場合に、看護婦の資格を必要とするといったようなことが起こってこようかと思うのでございます。それらは免許種目に応じまして資格を個別に考えてみたいというふうに思っております。
#33
○矢追秀彦君 この認定試験には教育実習は行なわれないと、こう聞いておりますが、いま言われた筆記試験あるいは口述試験、実技試験だけでありますと、実習というのが出てこないわけでありますが、現行の教員免許法では教育実習は絶対欠かせないものである、こうなっております。そういったことから、この問題をどうされるのかお伺いをしたいわけであります。まず、この教育職員養成審議会の建議の中にも、これは四ページでございますが、(1)のエの(ア)、(イ)、(ウ)、この三つですね、ここできちんと教育実習については、「八週間以上行なうこととし、同一の学生に附属学校はもとより一般の学校の経験をも得させるようにすることが望ましい。」(イ)は「教育実習を行なう時期については、専門教育の当初と仕上げの時期の二期に分けて行なうことが通常効果的であると考えられる。また、学生を附属学校の特定の学級に所属させ、学級の運営に参加させるなど、学生が常時実習校と関連を持てるような方法も検討する必要がある。」と、その次は教育機器等の利用とか、こう出ておりますが、かなりこの教育実習に対して非常にまあ必要であるのと、その内容の充実が建議されているわけでありますが、また、この「研究協力者会議中間報告」の四ページの六番のところにも、「教育者となる者にとって、教育実習は重要な意義をもつものであり、この教員資格認定試験の合格者についても、適当な期間、教育についての実地の修練を行なわせることが望ましいが、その実施に関しては実際上困難な問題が少なくないので、今後の教員養成制度の改善の方向との関連をも考慮しながら、学校段階や教科等の性格に応じて、その取り扱いをさらに検討する必要があろう。」、こういうふうになっております。これはどのようにお考えになっておりますか。この二つの提言からいいまして、今後、教員資格免許試験、そのあとに行なわれるのか、その場合にどういうふうな内容でやられるのか、なかなか実施が困難となっておりますけれども、その点はいかがですか。
#34
○政府委員(木田宏君) いま御指摘がございましたように、教育職員養成審議会におきましては、正規の教員養成教育をいたします場合に、教育実習が非常に重要であって、この実習の単位時間等を増加する必要があるという建議をちょうだいしておるわけでございます。これを一般的に取り入れますために、正規の教育養成の過程におきます教育実習の拡大につきましてもなおいろいろと検討しなければならないものがございますので、今回の改正案には、この点の御提案を差し控えた次第でございます。
 一方、資格認定試験につきましては、いまお読み上げがございましたように、中間報告におきましても、この資格認定試験という制度の実情から考えまして、教育実習を試験にかみ合わせるということが、非常に管理上むずかしい、よってこれは、今後教員養成制度全体の問題との関連をどう考えるかということがあるとしましても、主として採用者の側における採用上の留意事項ということで指導を進めていく以外にはなかろうかと思う次第でございます。教育実習のむずかしさは、正規の在学生をその教員養成の学生として指導しておる大学、あるいはそれを受け入れる現場との関係におきまして、いろいろと改善しなければならない課題がございます。ところが、この日々のいろいろな職域に散らばっております資格認定試験の受験者に対しまして、一定期間教育実習を管理するということは、たいへんむずかしい仕事になるものでございますし、また、いままでのところ、資格認定試験をとりました者が全員確実に教職につくということでもございませんので、これは、教職に出願をし、採用になりました者につきまして、こうした資格認定試験の合格者であるということから、採用者側でこの教育実習に関する問題点を指導上留意し、充実をしてもらう、こういう考え方でとりあえず対処したいと思っておるところでございます。
#35
○矢追秀彦君 現在の教員養成大学における教育実習ですが、いまいろいろお話がございましたが、現在の方向でよいのかどうかと考えますと、こういう提言もありますと、やはりまだまだ不十分ではないか、もっときちんとした教育実習というのがなければならぬと考えるわけですが、いまの今回の改正案はひとつ別といたしましても、この教育実習に対してどういうふうにこれからされようと考えられておるのか。いま言われたように、非常にやり方はむずかしいということで、またならない人もいるというので、あいまいな点もあるわけですが、実際これはもう絶対かなり強くやっていかなければならないものなのかどうか。その点、私自身専門じゃございませんので深いことはわかりませんが、私の場合だと歯学部ですけれども、一年半ですよ、臨床実習というのは、患者を見るのは。非常に長期間かけてやっております。まあ相手が人間のからだという面と生徒さんという――しかし私は、医者の立場も教師の立場も、人間の病気をなおすか人間を育てるかの違いだけであって、全く両方同じものだと思いますので、やはりもしこの教育実習ということが、非常に現場にとって、医学教育における臨床実習に匹敵するものであるとするならば、私はいまの教育実習ではまだまだお粗末ではないか。さらにそれが省略されてくるとすれば、非常に問題ではないか。その点は現場の先生方はどうお考えになっておるのか、また、文部省はどうお考えになっておるのか、その点ちょっとお伺いしたいと思います。
#36
○政府委員(木田宏君) 御指摘のように、医学の場合と似たようなところがございまして、教育実習を教員養成の大学教育の期間にもっと充実強化しなければならない、特に教員養成大学の教育内容としてはそのようにしていきたいというのがこの教員養成審議会の建議でございます。一方、それに対しまして、今日の教員資格制度は、正規の教員養成大学以外の一般大学におきましても、学生が必要な単位を取れば教員の資格が与えられるようにという免許制度の開放性と言われておりますたてまえをとっておるわけでございます。そこで、多くの私立大学、短期大学等におきまして、正規の教員養成大学ではございませんでも、学生に教員養成の資格が取れるような指導を事実上しておられるところがたくさんあるわけでございます。こういう立場の、特に私学の関係の方々は、在学中の教育実習の単位をより高めるということについては、端的に言って反対でございまして、むしろ教育実習は採用後のことにしてもらいたいと、ちょうど医師のインターン制度が医師の免許状が出ましたあとの臨床実習というふうになって変わりましたように、教員についても免許状を与えたあとの実務研修ということで、採用後のことにしてくれないかという意見が一方にかなり強くあるわけでございます。したがいまして、この両者の調整をどのようにはかっていくかというのは、まあ私どもも長い間問題意識として検討を続けておるところでございますので、今回もその点についての措置は御提案申し上げないままでおる次第でございます。これは一般的に教員養成の大学として学生の教育をいたします過程につきまして、建議にありますとおり、私どもは教育実習の単位時間をふやしていくという方向は考えて見る必要があろうというふうに思いますけれども、これを一律に、一般の教員養成大学以外の学生に対して一律に全部強要するという制度に改正いたしますことにつきましては、私どももやはり問題があって、教員の採用後の人事制度の問題とあわせて全体的に考え直してみなければいかぬ、こういうふうに思っているところでございます。
#37
○矢追秀彦君 この問題は、また機会をあらためてやりたいと思います。
 次に、この資格認定試験ですが、この試験が終わってからさらに各都道府県の採用試験を受けるわけでありますが、各都道府県ではいわゆる資格認定試験で合格をしてきた人に対する受け入れがスムーズに行なわれるのかどうか。当然正規の教員養成大学を出た人を各県がほしがると思うわけですが、そうすると、いまそうではなくても、教員が足りないところ、あるいは教員が来ないところに資格認定試験の人が集まるようになってくるわけですか。そういうようなところは現在も人が足りない。そういうところに――こういうことを言うと問題があるかもわかりませんが、資格認定試験で通ってきた人のほうが教員養成大学を出た人よりもやはりいろんな面で劣っているのではないか。そうしますと、ますます困っている県が教員の質が低下をするという、そういう傾向が出てくる心配があるんですが、その点はどのような見通しをされておりますか。
#38
○政府委員(木田宏君) いま御意見ございましたように、採用者側は採用のときの基準で採用者の必要に適合する教官を迎え入れるということにされるだろうと思います。ですから、一応資格を取っております者につきまして、採用者の立場での選考を行なわれて、十分実力のある方を迎え入れるということになるであろうと思いまするから、私は、一般的に大学で勉強した人と資格試験によって免許状を持った人と、いまお話がございましたように、後者のほうが一般的に程度が低いと、こう言い切れない面もあるし、また、そのような資格試験制度にしたのではいけない、実質的な能力が十分ある方についての保証を資格試験制度について与えていかなければならないというふうに考えておる次第でございます。
#39
○矢追秀彦君 この資格認定試験によって教諭になった方の身分、待遇、これはどのようになりますか。教員養成大学を出たのと全然差別はないわけですか。
#40
○政府委員(木田宏君) 免許制度の上では、資格認定試験を取りました場合に普通免許状を授与する予定でございますから、免許制度の上での差異はございません。また、教諭として採用されました場合に、その教諭としての地位にも差異はございません。ただ給与計算上は、現在の給与が学歴主義によっておりますために、人によりましては若干の差異が出てくる、これはまあやむを得ないことかと考える次第でございます。
#41
○矢追秀彦君 この「研究協力者会議」では、小学校教員資格認定試験の合格者に対して「(当分の間、二級普通免許状とする。)」と、こうなっておりますが、これはどうですか、このとおりですか。
#42
○政府委員(木田宏君) この答申のとおりに扱いたいと考えております。
#43
○矢追秀彦君 現行法では、校長さんになるためには一級免許の教員となっておりますが、そうなりますと、二級免許になりますと、この人はたとえ優秀な人材であってもいまのままでいけば校長になれないということになりますが、これはあくまでも当分の間ということで、将来その人の実績とか、そういうことで一級免許に変えられる可能性はあるんですか。それとも今度校長のほうが二級免許でもなれると、こういうことになるんですか。
#44
○政府委員(木田宏君) これは現在の免許法が、二級免許状を持って教職についた方々が一定の在職期間、在職経験を経まして、なお必要な勉強を続けられました場合に、それぞれ検定によって上級の免許状を取れる道がこれは当初からの制度として開かれておるわけでございます。で、教職に正規の教諭として迎えられました場合に、あとの一級への昇進の道は同じように開かれておる、その意味での差異がないという点を御了承いただきたいと思います。
#45
○矢追秀彦君 まあ、待遇の面ではいま言われたように過去の経歴で少し違うと、こう言われておりますが、ひとつなるべくそういう差異のないようにお願いをしたいと思います。
 この問題についてのまとめとしてお伺いしたいのは、いろいろいままで伺った第十六条の二、これを検討しただけでも、やはり試験の内容がまだもう一つ、これからつくられるのでありましょうが、不明確であります。これは教育実習の問題、それからいまのところ小学校だけであって、当分の間は中・高はやらないというふうなことでございます。それから給与、待遇、身分等の点もやはり問題があると、こういうことを考えますと、先ほど来主張されておりますやはり人材を確保していく、要するに、優秀な人材が教員になれる道を開くのだというより、やはりどうしても、いろいろ言っておりますように、足りないからそれを補うのだというほうが何より強いような気がしてならないのでありますが、大臣にお伺いしたいのですが、こういった問題は、今後試験の内容を強化することだけで、はたして優秀な人材を採れるというふうなことになるんですか。それともこういった考え方自身を抜本的に改め、また私たちは反対でございますので、撤回をすべきであると思いますけれども、その点は大臣はどうお考えになっておりますか。
#46
○国務大臣(奥野誠亮君) すでに申し上げたことではございますけれども、やはり教員養成課程を歩まなかったけれども、またあるいは不幸にして大学へ進めなかったけれども、教員になりたいという熱意を持っておられる方々、これを形式的な制度だけで排除していくいき方、これはやはり考え直してもいいのじゃないだろうか。特に先生方の場合には使命感にあふれた先生方であってほしいという希望もございますので、そういう意味で学歴主義だけでいきたくない、道も求めたい、これはやはり一つの熱心な考え方であるわけでございます。同時に、不足を補うというわけじゃございませんで、正規の学校の養成課程でなかなか得がたい領域があるわけでございまして、そういう問題を特殊教育の養護訓練のほうでまいりましたり、あるいは高等学校の場合の特殊な課程、インテリアの面とかいうふうなことを申し上げておるわけでございますけれども、これは不足を補うということでなくて、学校の養成課程だけでなかなか得にくいという面もあるわけでございますので、そういう点もぜひ御理解をいただきたいのでございます。しかし同時に、従来の制度の仕組みを決して排除するわけじゃございませんで、原則は原則、例外は例外としていろいろな欠点をそこで補っていきたいと、こういう気持ちでございます。いろいろ御注意いただいております点十分わきまえながら、よい方向に法案が成立しました場合には実現を、実施をはかっていきたいと、かように存じておるわけでございます。
#47
○矢追秀彦君 次に、教員養成大学の問題点について少しお伺いをしておきたいと思います。
 教員養成大学の今日あるまでには種々歴史的な経緯がありまして、現在においてもまだまだ解決を見ない点が多くございます。国立大学協会、国大協の「報告書」にも、「新制大学の発足によって、教員の養成を大学においておこなうという原則は、形式上実現を見たものの、教員の養成をひろいかつ高度の教養的基盤において構想する考え方と、教職の専門性の徹底において教員養成を構想する考え方のいずれもが貫徹ないし止揚されず、多くの課題と不完全さをのこしたまま、現実との妥協に堕して、一種の教員養成機関の不徹底な再編に終ったといわなければならない。」と、このように出ておりますが、この辺の経過及び対策について大臣の所信を伺いたいと思います。
#48
○国務大臣(奥野誠亮君) 新たに大学にした学校などにつきまして、整備が必ずしも十分でないという御指摘もおりおりいただいております。全国の大学を一挙に整備できれば幸いでございますけれども、教官の問題などは、やはり相当の経過を経てまいりませんと充実しないという面もあろうかと思うのでございます。これらの点につきましては、内容の必ずしも十分でない大学につきまして、これを引き上げるために、今後とも、人員の面におきましても施設の面におきましてもさらに努力を続けていきたいと思います。
 なお、その他のことにつきましては、事務当局からお答えさせていただきます。
#49
○政府委員(木田宏君) 御指摘のように、教員養成大学は、戦後、旧制の師範学校を大学に並べて、教育学部として整備していくという体制をとりまして、戦後の新しい大学制度の中で、他の複合学部のあり方との関連で、それぞれに、一般教育を担当する教員養成の学部であったり、いろんな経緯を経て進んできたものでございます。
 昭和四十年のころだったかと思いますが、これを、もう少し教員養成という端的な目標を充実し、それに対して整備を進めますために、教育学部としての名称も統一し、その整備をはかってまいりました。昭和三十九年から四十八年までに、教官数で約六百四十二名の整備増をはかってきたわけでございます。しかし、なお今後考えなければならぬ問題点も幾つか残されております。たとえば、現在までのところ、教員養成学部につきましては、二つほどの大学を除きまして、大学院の課程も設けられておりません。どのような大学院に整備するかというようなこともこれからの課題でございますので、今後拡充していかなければならない問題点もたくさんあるわけでございますが、しかし、ある程度教員養成のために必要な教職員等を整備充実するという方針を立てまして、昭和四十年来整備につとめているという点は御理解を願いたいと考えます。
#50
○矢追秀彦君 現在、教員養成大学及び学部は、他の大学、学部に比較して、いろいろな面でおくれております。昭和二十五年の十月という古い時期でも、「優良教員の養成確保に関する対策について」という中で、「教員養成機関の任務の重要性と現状にかんがみ、人的物的両面にわたり、すみやかにその整備充実を図り、特に新視覚に立って検討を加え、適切な教育組織と、優秀な教授陣容の樹立をはかる必要がある」、教育系大学、学部の不備を認めて、人的物的な整備充実をすべきであると、二十数年前にもうすでに言われておるわけでございます。これは教育刷新審議会です。
 現在、国立大学において教員養成大学、学部と他の大学、学部と比較をいたしまして、教官不当たりの生徒数あるいは敷地面積、そういった点から考えまして、との程度のおくれ――比較はなかなかむずかしい面があると思いますが、その点はどのように把握をされておりますか。
#51
○政府委員(木田宏君) 教官定員と学生定員を比較して教官一人当たりの学生入学定員という点でとってみますと、教員養成の大学は、教官一人当たり学生定員が三・七人ということになっております。これは、国立大学でございますが、全大学の平均が教官一人当たり四・〇、ちょうど四人ということでございますから、平均よりは教官の数が多いということを逆に申し上げることができるかと思います。学部によりまして非常に隔たりがございまして、人文、法文系におきましては教官一人当たりの学生定員が三・九、経済では六・〇、文理の学部につきましては三・九、理が三・八、工が五・三、理工であっても四・九というような教官一人当たりの学生数になっておりますから、それに比べますと、教員養成は三・七ということで、必ずしも、その点だけからの比較をとりました場合、教員養成の教官定員が少ないということにはなっていないかと考えるのでございます。
 また、施設でございますが、施設もやはり学部によりましていろいろとその性格からくる差異がございます。教員養成学部の場合には、建物だけをとりますと、一人当たり十・六平米ということになっておりまして、これよりも低い学部は法学部、経済学部等、どちらかと申しますと学生数の多い学部が七・三、七・五というふうに低くなっております。もちろん、高いほうは、理工系その他いろいろ施設設備の大きいところがございまして、医学が一番高いのでございますが、三十六平米というふうに高うございます。国立大学は全体が理工系に傾斜をいたしておりますので、全大学の平均をとりました場合に十五・六平米というふうに、この点から見ますと、教員養成大学は建物の坪数ではやや低い、しかし他の人文系学部よりは高いということが申し上げられるかと思います。
#52
○矢追秀彦君 次に、学部と同様に重要なのは研究所でございますが、研究所については、他の学部と比較してどのような状態でありますか。
#53
○政府委員(木田宏君) 教員養成大学は、教員の養成ということを主たる使命というふうに考えて、整備充実をはかってまいりました。したがいまして、教員養成大学の研究体制は教員養成に関連がある研究施設というものに限られておりますので、他の大学全般の附置研究所といったようなものは、教員養成の大学、単科の大学でも全然ございません。また、研究施設という純粋なものよりも、むしろ教員養成の場合には実習のための施設とか、教育用の施設というものを整備をいたしておりまして、その点では、たとえば教育工学のセンターを整備するとか、あるいは障害児の研究施設等を整備するとか、そうした意味での施設の整備、それから理科教育の施設として二カ所ほど施設の整備を行なっておる次第でございますが、施設数その他は他の大学に比べると少ないということが言えようかと思います。しかし、その反面でたくさんの付属学校をかかえておりますから、付属学校が一つの教育の研究施設の場であるという点を考えますと、これまた他の大学とは違いました多くの教育の研究実習施設を持っておるということも言えようかと思いますんで、単純な比較はむずかしいかと考える次第でございます。
#54
○矢追秀彦君 この国大協の報告書にはこのように書かれてあります。これは一七ページでございますが、一番下のほうに、第四表の説明欄ですが、「第IV表は国立大学における付置研究所および研究施設の設置数を示すが、教育系については国立教育研究所をのぞいて、大学付置研究所は皆無である。研究施設は昭和四一年に七、四六年に一三を数える。第V表は昭和四六年度における学部別研究施設数であり、第IV表は教育学部附属研究施設の施設名および構成である。教育学部は最も学部数が多いのに比べ研究施設においても乏しいばかりでなく、内容的に、助教授一名のセンター的施設、あるいは助手定員一名のみにすぎないものも六施設にのぼり、さらに北大、九大、東教大、広島大などをのぞけば、新制教育学部における研究施設設置の現況は、これを研究体制の角度から見る場合、ほとんど未整備と断定しても差支えあるまい。」と、こういわれておりまして、いま局長が付属のいろんな学校があるのでさして問題ではないようなお話でございますが、この指摘とちょっと食い違いを感ずるんですが、この国大協の指摘はどうお考えになりますか。
#55
○政府委員(木田宏君) 学問一般という点から研究所が確かに七十前後置かれておるわけでございます。その研究所は主として自然科学系の研究所がたくさんでございまして、人文系はこの中で数が少ない。また、教育系そのものの研究所といたしましては、御指摘がございましたように文部省直轄の国立教育研究所があるにとどまるということであろうかと思います。しかし、これはたとえば法学と同じような研究所があるかということになりますと、これまた同様に法学系の研究所というものもそう数が多いわけではございません。研究施設につきまして同様にいま御指摘がございましたこの表の中から申しますと、教育系の研究施設というものの数が少ないということはこれは事実でございますが、しかし、この九施設というものを考えますならば、先ほど私が申し上げましたように、教員養成大学には二百三十幾つかの付属学校というものを持っておる。これは他の大学のたとえば農学部の農場に匹敵するようなものでございまして、それを除外して比較をするということは必ずしも適当でないというふうに考える次第でございます。一般的に教員養成大学は各専門の学問そのものを突き詰めると申しますよりは、やはり教員養成を中心といたしました教育の研究体制をとるということでございまするから、その教員養成大学の持っております使命にかんがみて、こうした学問そのものの研究体制の施設が他の学部と違うということはある程度やむを得ないかと思う次第でございます。
#56
○内田善利君 関連。
 付属高校とか付属中学が付置研究所と同じだとおっしゃっているわけですか。
#57
○政府委員(木田宏君) 研究施設として考えられておりますものの中には農場等の実習施設もあるわけでございまするから、そうしたものと比べますならば付属学校等はやはり教員養成あるいは教育学の重要な教育研究の場として大事な研究の施設であり実習の施設である、こう考える次第でございます。
#58
○内田善利君 それは付属高校の、たとえば付属高校に農芸高校があるとすればその農芸高校の研究所であって、大学そのものの研究所ということは言えないと思うんですが、この点をはっきり伺いたい。
#59
○政府委員(木田宏君) 教員養成は、教員養成のそのことを教育し研究をするわけでございますから、その意味では小・中・高等学校、幼稚園あるいは養護学校等の学校の場そのものが大事な研究の場であり学生の実習の場であると、こう考えておる次第でございます。
#60
○矢追秀彦君 よくわからないんですが、具体的に聞きますと、たとえば東京教育大学の場合、いまの付属というのは何をさされておるわけですか、あそこの付属高校のことを言っていらっしゃるわけですか。
#61
○政府委員(木田宏君) 東京教育大学は、付属小学校、中学校、高等学校並びに盲ろう学校、養護学校等を持っておるわけでございまして、東京教育大学は教育学を中心にいたしました研究を進めておるわけでございますから、その教育研究の場として、ちょっと正確にいま記憶しておりませんが、十幾つかの付属学校を持っておる次第でございます。
#62
○矢追秀彦君 ちょっと局長の考え方に疑義があるんですが、付属高校がその大学の研究所なんてなるとその付属高校の学生さんというのは研究対象ということになるわけですか。極端に言うと、実験対象というか、要するにいろんな教育制度を新しくやって実験していくということ、まあ東京教育大学といったら東大へ入る率が非常にいいんですよね。そっちの実験ばっかりやっているようになると思うんですけどね。付属高等学校があるから、だから研究所がなくてもいいんじゃなくて、やっぱり研究所の体制は体制として、どの程度必要とか、そういう問題はあると思いますよ、見当は。ただこういう指摘も出ておるわけですから、私としてはこれでは少ないのではないかと、だからその研究所は充実させるべきであると、こういう考えから言えば木田さんは、いや、そういう心配はないと、これだけあるんだから、そうなるといまの付属高校や付属小学校も含めて実験施設だと、何の研究をしているのか、いろいろな研究をされている、結果としては非常に優秀大学に入る率が多い、そういうことになると思うんですけれど、その点いかがですか。
#63
○政府委員(木田宏君) 農学部が農場を持ちまして、その農学の研究の場として重要な位置づけを与えておると同じように、教員養成の大学が現実に小中学校あるいは幼稚園、養護学校等の教育の場を持つことによりまして教員養成の教育方法学あるいは指導の問題、そういう研究を進めていき、学生にも指導できるということになるわけでございまするから、その意味で教員養成大学が持っております付附学校、それを他の学部の研究施設と、もし数学を入れるなら私は同じように入れて考えるべきではないか、そう申し上げておるわけでございます。現実に付属学校を中心にいたしまして先ほどの教育実習その他を学生にも教えもしておるわけでございます。これはやはり学部の性格上それが大事な教育研究の施設であるという点ならば、ただ付属学校は別にして、何か研究室だけが研究施設だと、こういう考え方をとる必要もないであろうという意味で申し上げておる次第でございます。それぞれの学部の中心といたします研究領域に対応して、必要な施設を整備してまいりたい、こう考えております。
#64
○矢追秀彦君 またこの問題は、またあらためてもうちょっと深く詰めてみたいと思います。
 この研究機関との関連でありますが、現在、教員養成大学には大学院が二つしかありません。これは先ほども指摘をされておりましたが、東京学芸大学と大阪教育大学で修士課程までで博士課程はありません。東京学芸大学が四十一年設置、大阪教育大学が四十三年の設置と、他の学部に比較して大学院数が非常に少なく博士課程もありません。この現状を今後はどのようにされるのか。要するに教員養成大学の大学院については、やはりドクターコースというものは今後とも必要ないのか、やはり設けていくべきなのか、その点はどのように考えておられますか。また大学院、マスターコース等、もっとふやされる方向なのか、この辺をお伺いしておきたい。
#65
○政府委員(木田宏君) 御指摘のように、教員養成学部には大学院の整備がおくれております。今後、その大学院の整備を進めていかなければならぬというふうに考えております。ただ、その場合、教員養成学部の持つ大学院というのが、どういう性格でどういう点をねらいにした大学院であるべきかということは十分考えてまいりたいと思っております。ちょうど大学設置審議会の基準分科会で大学院制度の改革に関する意見が、中間的な意見でございますが発表されまして、いま広く関係者の意見を集めておるところでございます。この正式の答申をいただきましたならば、それに沿って教員養成大学の大学院のあり方についての整備計画をまとめてみたい。今日、大学院におきまして教員養成大学の大学院をどういう方向で整備したらいいかという関係者の相談の会ももうすでに発足をし、検討をしていただいておるところでございますので、新しい大学院の観点に立ちまして教員養成大学の大学院につきましても、今後の整備を急ぎたいというふうに考えておるところでございます。
#66
○矢追秀彦君 同じく、この国大協の報告書の二四ページでございますが、いまの問題に関連して、こういう提言がなされております。b)のところですが、「差し当り、教育系大学・学部が大学の総体のなかで制度的な分離をこうむり、研究機能を喪失して養成所的ないし訓練所的な教育におちこむ危険を防止する必要がある。充実した研究体制に支えられ、大学としての論理につらぬかれた教育体制を備えてこそ、教員の養成もまた真にその実をあげうるのである。その意味で課程――学科目制を再検討し、研究機能の充実と発展を重視する方向で教官定員の増員、施設設備の充実、予算措置上の格差の解消、大学院の設置および整備、研究所および研究施設の増設を実現するべきである。」と、最初のほうでいきますと、先ほどの付属学部の問題もちょっとからんでまいりますが、それは別として、いまやはりここで研究所、それから大学院ということばが提言されておりますが、これに対しても、特に課程、学科目制の再検討、こういった点についてはどうですか、大学院を含めて。
#67
○政府委員(木田宏君) 今後の大学教育のワク組みを従来の学部、学科、講座制度あるいは学科目、課程制度、それぞれどう考えていくかという点は、ここに指摘がもうございますように、それぞれの学問領域に応じて考え直さなければならないところでございます。筑波の大学で一つの新しい方向を考えておるのも、その趣意に出るわけでございまして、教員養成の大学につきまして、どういう教育の体制をとることがいいかというのは、まさに指摘してありますような検討課題でございまするから、今後の整備の方向の中で私どもも十分論議をさせたい。このように考えておるところでございます。
#68
○矢追秀彦君 大学のほうに戻りますが、四十七年度、四十八年度で国立大学の場合、教員養成大学学部の受験者の数、要するに、競争率は他の学部と比較をするとどのような状態になるか。それから男女の比率、それをおっしゃってください。
#69
○政府委員(木田宏君) 四十八年度教員養成学部の志願者の倍率は四・五倍でございます。四十八年度他学部の倍率を申し上げますと、人文社会系で五・七、理工系で四・八、農水系で四・六、医歯が十二・三、薬が四・七、平均五・二ということでございまするから、平均から比べて若干低いということが言えるかと思います。
 それから、男女の比率でございますが、入学者について申し上げますと、全体を通じまして教員養成学部、女子が過半数を越えてまいりました。昭和四十七年度、逐次増加傾向で進んでまいりましたが、四十七年度の入学者の中で女子の比率を申し上げますと、小学校が六七%、中学校で五三%、その他、これは特殊教育その他幼稚園等がありますが六五%.全体で六三%が女子の学生であるということでございます。
#70
○矢追秀彦君 この女性が多くなってきたのは、どう考えておられますか。
#71
○政府委員(木田宏君) 基本的には、一つ、教職そのものが女子の職域として適格性があるということではなかろうかというふうに考える次第でございます。
 また、いままでの産業社会の発展に対しまして、一般の青年層が教育界以外の二次産業、三次産業等にまあ多少のあこがれと申しますか、そういうものを持ってきた経緯があるのではなかろうかしいうふうに考えます。今後の進み方といたしまして、まだ当分この傾向は続くかとも思いますけれども、私は若い世代の職場に対するものの考え方がやがて変わる時期が来て、教育界というものに対する魅力をより強く持つような時期が近く来るのではないかという、楽観かもしれませんが、そういう見方もしておるのでございますが、青年層のやはり社会に対するものの考え方、職場に対するものの考え方から、比較的男子の学生が教育界からはいまのところ遠ざかっておるというのが原因ではなかろうかと思います。
#72
○矢追秀彦君 時間があまりありませんので、次に、臨時教員問題について少しお伺いをします。
 日陰の先生と言われ、きびしい労働条件の中で専任教員を陰でささえている臨時教員、非常勤講師と言われる教員がおります。このような身分の不安定な教職員は、現在全国で何名おりますか。小・中・高別にお願いしたいと思います。それはそれぞれの学校の全教員数に対して何%になっておりますか。
#73
○政府委員(岩間英太郎君) 臨時教員の数は、現在一万五百八十五という数字が四十七年の一月一日の調査では出ておるわけでございます。小中学校別の調査がございませんで、ちょっと恐縮でございますが、理由別の調査をいたしていますのでちょっとかわりにはなりませんけれども、申し上げますと、病気休職の補充が千四百四十三、病気休暇の補充が五百二十四、産休の補充が三千三百十二、欠員の補充が三千百三十五、学級増の補充が二百七十三、定員減の見込みの補充が五百九十四、研修補充が四百九十、冬期分校の補充等が五百二十一、それから専従の補充が百九十三、そういうふうになっております。
#74
○矢追秀彦君 まあ、この臨時教員は、ときには講師、助教諭と呼ばれ、あるときは時間講師と呼ばれ、名称も一定しておりません。それぐらい身分も不安定でありますが、この臨時教員の実態について、いまある程度のデータを教えていただきましたが、かなりきちんとした調査はされたことがあるんですか。
#75
○政府委員(岩間英太郎君) 国会でもたびたび御指摘がございまして、まあ特に先ほど申し上げました中で、定員減の見込みの補充等の、つまり待機のための臨時教員が非常に多いんじゃないかというふうな御指摘ございまして、その解消をはかるというふうな意味におきまして、私どものほうで、先ほど申し上げましたように、四十七年の一月一日現在で調査をいたしました。各県からまたその解消につきましての考え方というものも聞いておるわけでございます。
#76
○矢追秀彦君 現在、この方たちの待遇はどのようになっておりますか。それから採用される場合はどういうふうな方法で採用されておりますか。
#77
○政府委員(岩間英太郎君) 採用につきましては、これは教育公務員特例法の十三条の規定がございまして、教員につきましては、教育長が選考によって採用するというふうになっていますから、ほかの教員と同じような採用のしかたをしておるというふうに考えておるわけでございます。
 それから、給与の問題でございますけれども、これは私どものほうで詳しく調べておるわけじゃございませんけれども、たとえば一例を申し上げますと、ある県の調べでございますと、やはり初任給でまあ千五百円−千七百円程度の差がございます。それから三年目になりますと、四千二百円ぐらいの差があるというふうな実態があるわけでございます。まあ人事院のほうでも、御案内のように、臨時職員につきましては、これはまあ本採用の職員とできるだけ給与を近づけるというふうな方向をとっておりますので、私ども、その人事院の方針に従がいまして、これを近づけていくというふうな努力をしているというところでございます。
#78
○矢追秀彦君 臨時教員は、大体まあ、一カ月から一年ぐらいの契約で採用されております。こういう採用のしかたはやはり問題があると思いますし、そのほかいろいろ身分的にも、いま給与の問題、賃金の問題が一つでありますが、共済組合への加入、あるいは退職金、またこういったものも非常にあいまいになっております。これに対してやはり国としては積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、これと今回の法改正と関連をいたしまして、やはり今回の法改正で小学校教員の不足を補うと、こういうことも資格認定試験をつくる理由の一つになっておることは再三言われておるところですが、その前に、現在あるこういった臨時職員の方がきちんと定員の中に入る、あるいはこういった人たちを何とかしていくならば、私はかなりの補充ができるのではないか。したがって、法改正これだけが理由でないと再三説明されておりますが、こういったこともきちんとしていく。先ほど来問題にしました教員養成大学の問題もきちんといけば、そう不足は出てこないと、こう思うのですが、この臨時職員に対する今後の取り組み方、これひとつ大臣のほうからお願いしておきたいと思います。
#79
○国務大臣(奥野誠亮君) 御指摘になりました臨時の先生方の中には積極的に教職につきたいという熱情を抱いておる方々もたくさんいらっしゃるだろうと思うわけでございます。そういう方々につきましては、今度の資格認定試験というものは非常に効果を持つんじゃないかと考えるわけでございまして、恵まれない姿に置かれたままで教職におられる方々に正規の地位を与えることは大切でございますので、いまお話のありましたこと、私どもも全く同感でございまして、そういう方向に善処をしていきたい、かように思います。
#80
○矢追秀彦君 局長にお伺いしますが、いまの臨時教員を定員内に入れるという考えはこれはございますか。
#81
○政府委員(岩間英太郎君) ただいま大臣からもお答えいたしましたように、矢追先生のお考えにつきましては、私どもそういう方向でやってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。そこで、定員にするかしないかという問題でございますけれども、定員にすべきものは定員にする、たとえば定員が足りないために待機しているというような教員につきましては、これはできるだけ定員の中に繰り込むように努力する。しかしながら、一度まあ教員をおやめになったような方で、たとえば産休の代替教員でございますとか、そういうところで臨時的に働いてもよろしいというふうな方も中にはおられるようでございます。そういう方につきましては、この臨時的な任用の待遇の内容を改めていくというふうな方向で対処をしていったらよろしいのではないか。そういう意味で私どもは、非常勤講師というふうなものも小学校や中学校にあってよろしいのじゃないか。そこではっきりした身分を与えて待遇を改善していく、そういう方向でいったらいかがかというふうな気がしているわけでございます。いずれにしましても、これは都道府県の人事管理の一つの非常に大きな問題でございますから、私どもも都道府県の教育委員会と一緒になりまして、適正な措置が行なわれますように、ひとつ努力してまいりたいというふうに考えます。
#82
○委員長(永野鎮雄君) 午前の会議はこの程度にとどめ、午後一時十分まで休憩いたします。
   午後零時八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二十二分開会
#83
○委員長(永野鎮雄君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、教育職員免許法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は御発言願います。
#84
○宮之原貞光君 まず、中教審答申、それから教養審の建議案がそれぞれ昨年、一昨年と出されておりますが、これらに対しますところの文部省の基本的な態度と申しますか、このことについて、まず、お伺いいたしたいと思います。
#85
○政府委員(木田宏君) 端的に申し上げますならば、中央教育審議会の答申、教員養成審議会の建議、それぞれ文部省としては尊重いたしまして、その実現にできるものからつとめてまいりたいと、こういう考え方でございます。
#86
○宮之原貞光君 答申を尊重するという中身ですが、これは、あそこにあげられておるところのおもな条項については全面的に賛成をし、その実現のために努力をするんだと、こういうお考えですか、どうなんですか。
#87
○政府委員(木田宏君) 御指摘になっております考え方につきまして、考え方として不賛成であるというような条項は入ってないかと思うのでございます。ただ、それをどういうふうに実現してまいりますか、それにつきましては、なおいろいろと、現状あるいは手順、その他よく検討しなければならない点があるという意味で慎重に考えたいと、こういう趣意でございます。
#88
○宮之原貞光君 考え方としては全面的に賛成だ、ただ、実現の手だて、その問題についていろいろ検討していくという方針だと理解してよろしゅうございますね。
#89
○政府委員(木田宏君) そのように考えております。
#90
○宮之原貞光君 それなら、具体的にお聞きいたしたいと思います。
 四十六年の六月の中教審答申の「教員の養成確保とその地位の向上のための施策」という項がございますね。この要旨について、まず、御説明願いたいと思うんですが。
#91
○政府委員(木田宏君) 学校教育にすぐれた教員を確保するということ、また、その教育活動の質的な水準と教員の社会的、経済的地位の向上をはかるということ、これを大きな主眼として述べられておるわけでございます。そうして、具体的に、六項目に分けて考え方がまとめられておるわけでございますが、初等教育の教員は、その目的にふさわしい持別な教育課程を持つ教員養成大学と申しましょうか、教員養成大学において養成をはかるということが一つございます。中等教育の教員につきましては、その目的に応じた教員養成大学において、そのある部分の養成をはかるものとする。しかし一方、高等教育機関卒業者で一定の要件を具備した者のうちから広く人材を誘致して教員の養成をはかる。これが初等教育、中等教育の教員養成についての基本の考え方でございます。
 それから二番目に、この教員養成大学の整備、充実に力を注ぎますとともに、義務教育諸学校の教員を確保いたしますために計画的な養成と奨学制度の拡充を考える。
 三番目に、教員としての自覚を高め、実際的な指導能力の向上をはかるため、新任教員の現職教育を充実する。その的確な実施を保障するため特別身分において一年程度の期間、任命権者の計画のもとに実地修練を行なわせ、その成績によって教諭に採用する制度を検討する。
 四番目に、一般社会人で学識経験において学校教育へ招致するにふさわしい人材を受け入れるための検定制度を拡大する。
 五番目に、教員のうち高度の専門性を持つ者に対しまして特別の地位と給与を与える制度を創設する。そのための一つの方法として、大学院と中教審の答申で呼んでいます大学院を教員養成のために設ける。
 六番目に、給与の改善をはかる、給与体系を改める。
 こういう六項目が主眼点かと承知しております。
#92
○宮之原貞光君 私も、大体、局長の答弁になった点がその要旨だと思うんですが、その要旨のねらいですかね、目標といいますかね、それはどういうことになりましょうか。教員の地位の向上ということになりますか、それとも教員をどういう方向にこの養成の面でもって、どういう教員像と申しますか、言うならば教員の地位の向上ということがこの教員養成課程のこの項目のねらいなんだと、こういうように私は理解したいと思うんですが、いかがなものでしょうか。
#93
○政府委員(木田宏君) 私もそのように考えております。教員の地位、社会的、経済的地位の向上をはかり、かつすぐれた教員を確保するということが基本的な考え方かと考えます。
#94
○宮之原貞光君 じゃ、もう少し具体的に、この中身の問題についてお尋ねしますが、その教員養成の問題について答申を受けて二年になるわけですね。また、ことしの予算の中には何か調査費も組んであるわけですがね。その教員、ここでいわれているところの教員養成の問題について、具体的に文部省が今後こういう方向に持っていきたいという点がありましたらひとつ、まず、それをお聞かせ願いたいと思います。
#95
○政府委員(木田宏君) 一つは教員の社会的、経済的地位の向上をはかりますために、教員の給与、待遇の改善をはかります措置を四十八年度から講じてまいりたいということで、これは別途法律案とともに御審議をいただいておるわけでございます。もう一つは、教職員の将来の養成を考えまして、今後の初等教員の養成のあり方、その拡充の考え方を進めるための調査会を発足をし、また、先ほどの答申の中にもございます教員養成のための新しい大学院をどういう意味で構想するかという調査会も設けまして、その発足をいたしておるところでございます。第三には、いま提案申し上げておりますような免許制度の改善をはかりたいということでございまして、これはこの法律案の内容になっておるところでございます。そのほか教員の資質の向上のために小学校教員の資格付与講習等に対しまして、授業費を出して資質の向上の授業を進めておる、こういう次第でございます。
#96
○宮之原貞光君 その養成制度とか、大学院制度の問題についての調査会を発足させてやっておると、こういうことですが、調査会でどういう問題点と申しますか、あるいはそこで、調査会で議論をされておるところの骨格ですかね、骨子ですかね、概要、まあいずれ、どう来年に入るかは別にいたしましても、その中身についておおよそ現在までの過程をひとつお知らせ願いたいと思う。
#97
○政府委員(木田宏君) 今後の考え方につきましては、一般的に教育職員養成審議会からの改善方策、これはかなり多方面にわたります建議をちょうだいいたしておるわけでございますが、先般松永委員からも御質問がございましたように、特に初等教育教員につきましては、これからの計画的な養成増ということを考えなければなりません。その場合、幾つかの新しい大学を設置していくことになるわけでございますが、中央教育審議会の答申、あるいは教養審の建議等、教員養成につきましての考え方もあるわけでございますから、それをどのように取り入れた大学を設けるか、また、その大学の教育研究の体制をどのようにしたらいいかということを一つの大きな課題としていま考えております。もう一つは、午前中の御質疑にもございましたけれども、大学院が教員養成学部にはいまだ設けられることが少ないわけでございまして、今後教員養成の教育研究の体制を充実いたしますために大学院をつくりたい。その大学院の設け方、そのねらい、あるいはその規模、どういう教育研究の体制に整えるか、そうした問題点を主として考えておるのでございます。まだ発足いたしまして両三度のお集まりをいただいておる段階でございまして、具体的な方向はまだ固まっておりません。一般的な御討議をいただいているという状況でございます。
#98
○宮之原貞光君 まだ両三度しかやられていないということですから、具体的な中身はそれじゃお聞きできないと思いますが、いままで三回討論をされた中でどういう点あたりが今後のやはり問題点と申しますかね、あるいは議論の中心になっておるか、その点お聞かせ願いたいと思うのですが、どうでしょうか。
#99
○政府委員(木田宏君) 具体的にある程度養成大学の拡充をはかるということでございますから、既存の大学におきます規模の拡大というのがどの程度まで可能であるか、どの程度からは別個の大学として別途整備拡充をしなければならないかというようなところから議論が進んでまいります。また、教育実習の取り扱い方につきまして、初等教員の養成機関につきましては、教育実習等教職関係の教育内容の充実強化を進めるべきだという御意見が出ておるわけでございます。新しい大学を考えました場合に、それをどういうふうに取り入れていったらいいかというような点も一つの問題でございます。また、それよりももっと基本にある問題といたしまして、教育課程全般をこの際一般教育、教科教育、教職教育等の専門教育、そのあり方をどう考えていったらいいか。これは一般論もありますと同時に、これから新たに大学をつくろうとした場合の教育内容としてどういう構成をとったらいいかという御論議もお願いをしておる次第でございます。また、その設置の場所、これは地域の需給との関係もございまするし、過疎過密のいろんな関係もございますが、設置の場所その他必要な整備すべき施設、生活環境等も御論議を願わなければなりません。また、そうした内容等のいかんによりましては、どういう形態の大学として設けることが適切であるか、それらのことが論議になるわけでございます。大学院につきましては、先ほどもちょっと触れたかと思いますけれども、その大学院というものを考えます場合の大きさ、規模、その教育研究のねらいと申しますか、使命と申しますか、現職にあります教職者の人たちと大学院とのつながりというものを深めていく方向で御検討願いたいというふうに思っておるわけでございますが、そういう具体の課題をどのようにこなすことができるかといった観点を中心にいたしまして大学の輪郭を御検討いただいておると、こういうことでございます。
#100
○宮之原貞光君 この問題にある程度の、私はいまの議論にも影響力を及ぼしておるのではないだろうかと思っておるのです。去年の七月でございましたか、自民党の文教制度調査会と文教部会で、教育改革の第一次試案として、いま局長のほうから文部省が議論をしておるところの課題とやっぱりつながりのある一つの方向性が出ておるわけですね。たとえば初等教員養成のためにはブロックごとに新しい特殊法人なら特殊法人とした形の大学をひとつ構想しようとか、あるいは教育実習を週三十五週に義務づけよ、学生は全寮制にして全員に就学金を支給をする、あるいは現職教育と申しますか、再教育のための大学院をつくる、あるいはまた専門職として教員を採用し、採用する場合の任期、あるいはその採用のしかたの問題、さらには就職をしたところの教員を専門職として位置づけるから、いわゆる争議権を禁止するような身分法をつくれとかいうような筋のものが第一次試案として新聞紙上見る限りは発表されております。皆さんもその問題をお読みになったことがあると思いますが、そのことと、正面切って尋ねれば、先ほどの皆さんの審議されておるところの問題とは関係ないかとも思いますけれども、やはり一定の影響力を与えていることは率直に申し上げて間違いないと思うのですがね。こういう問題についての皆さんの文部省内においてどういうこの問題に対する批判と申しますか、見方と申しますか、それをされたことがあるかどうか、お伺いしたいと思いますし、もしこれ局長がお答えできなければ、いわゆる文部大臣として、国務大臣としての大臣にぜひちょっとそこの、自分の所属するところの党の見解でありますけれども、一応文部大臣としてこれをどういうふうに見ておられるか、御所見があればまず承りたいと思うのですけれども。
#101
○国務大臣(奥野誠亮君) 自民党の文教部会におきまして、いろいろプロジェクトチームをつくりましてたいへん熱心に御検討いただいておるわけでございます。そこでまとめ上げられた改革案をお読みいただいたのだと、かように考えておるわけでございますが、こういうものを中心にして、さらに自民党全体で論議をし、そしてまた国の予算の編成にあたりましては政府と党との間で話し合いが持たれて、そして合意のできたものから実現がはかられていくわけでございまして、すでに公にされているわけでございますので、いろいろなところへそれが影響してきているということは、これはそのとおりだろうと思います。しかし、各方面の意見を聞きながら、最終的な結論になりますまでにはいろいろな変化を見ること、これは従来からの例でございます。たいへん御熱心に研究していただいておりまして、そして絶えずいろいろな改革案がつくられている、これはそのとおりでございます。
#102
○宮之原貞光君 いわゆる先ほど局長から答弁のあったところの調査会に直接影響を与えるというふうには私はあまり理解したくないのですけれども、そういうような配慮をしながら調査会ではやはり検討されておるのでしょうか、どうでしょうか。
#103
○国務大臣(奥野誠亮君) 調査会のほうでもいろいろな意見が出されているかと思います。各方面の意見につきまして参考に御理解になること、これは必要ではないかと思います。しかし、調査会をそういう党の意見で拘束するということでは、第一調査会のメンバーになってくれることもない。自主的に自分たちの見解で意見をまとめるということで調査会に進んで御協力いただいているのだと思います。影響は、いろいろな意見出ます限りにおいて影響を持つと思います。しかし、拘束するということになりますと、そういうことは全然ございません。
#104
○宮之原貞光君 なお、いま一つお尋ねしておきたいのは、中教審の先ほど局長のほうから答弁のあった教員の養成確保と地位の向上のための施策の項目とも関係する問題で、いわゆる義務教育諸学校の教員を確保するために計画的な養成の方向を樹立せよという条項がありますね。これに基づいて文部省は現在どういう養成計画ですか、今後の展望を踏まえたものを持っておられるか。特に今日週五日制の問題あるいは皆さんが政策として打ち出されたところの五千人の教員の海外派遣があるとすれば、その補充の問題あるいはこれからも問題にしたいと思いますけれども、いわゆる無免許運転の教員というのも相当おりますね、これは。そういうもののやはり補充をしていかなければいかぬと思うのですね。そういうようなこと、あるいは今後の人口増の大体の形態といったことを考えていった場合には、当然やはりこの問題についての総合的な計画というものがなければならぬと思うのですがね。その点わかりましたら、大まかな条項でいいですが、ものの考え方をお聞かせ願いたい。
#105
○政府委員(木田宏君) 教員の養成数、教員を確保すべき数に関係いたしますのは、いま宮之原委員が御指摘になりましたように、学校教育の教員としてどういう考え方で整備をはかるかという政策が先に必要になってくるわけでございます。週五日制ということをどういうふうに実施をするか、その実施のしかたいかんでは教員数に大きな響きが出てまいりますし、また、教職の定年等の問題に対してどのような措置をとるかという、そういう政策課題がすべて数になって影響を及ぼしてくるわけでございます。今日、それからの政策課題は目下検討中でございまして、担当局長のほうからまたそのことについての補足の答弁もあろうかと思いまするけれども、さしずめ私どもといたしましては、これから昭和六十年代に向けまして、かりに教職員定数の考え方が従来どおりであるといたしましても、児童生徒数の増ということが相当長期間にわたってまた継続をいたします。そのためにある程度計画的に養成数の増をはからなければならないという課題を感じているのでございます。また同時に、そのことは、これからの高等教育機関一般の拡大という課題ともあわせて考えなければならない問題であるというふうに承知をいたしておりまして、いま昭和六十年代に向けまして高等教育全体の拡大をどのように措置を進めていくか、そういう中にありまして教員養成あるいは医師、看護婦その他、それぞれの領域別の養成をどのように進めていくべきかという問題を、おそまきのようでございますけれども、昨年、ことしと引き続きまして鋭意検討を進めている次第でございます。いずれにいたしましても、教員養成につきましては初等教員の計画増というものを考えていく必要があるという点で、先ほど申し上げましたこれから新しい教員養成大学をどういう形で考えるか、従来の既存大学の拡充整備がどの範囲まで可能であるか、こうしたことの検討を進めているという次第でございます。
#106
○政府委員(岩間英太郎君) 週休二日制と関連いたしまして、学校のいわゆる五日制の問題につきましては、これは学校教育の基本に触れるような問題でございます。私どものこれに対するアプローチのしかたとしましては、まず学校教育というものがどの範囲まで学校教育で受け持つかというふうな基本的な問題から考えていかなければならない。したがいまして、当然、学校教育と社会教育、家庭教育というふうなものとの関連がきわめて大事な問題になってくるわけでございまして、そういう点を基本的に考えてまいるということでこれからその検討に着手をして、できるだけ実際に週五日制が完全に実施されます時期までに間に合うように鋭意検討を進めたいというふうに考えているわけでございます。
 それからいわゆる無免許運転の問題でございますけれども、これは僻地を含めました小規模学校の教育のしかたをどうやってやっていくかというふうな問題でございます。現在、三学級で先生が七人、教科の数は九つということでございますから、当然そこに穴があいてくるということは実際問題として、現実の問題としましては起こってくるわけでございまして、それに対する対策をどうするかということは、これは学校の定員の問題全般としまして、これも予算の要求までに間に合うように検討を進めたいというふうに考えているわけでございます。
 それから五千人の海外派遣等の研修に対しまして私どもどういう態度をとるかということでございますが、すでに現在の定数法の中におきましても研修の代替教員のようなものが若干含まれております。それからまたことしからこれは大臣のお力によりまして一億円の予算を計上いたしましてまあ非常勤講師をもってその代替に充てられるように、特に定年制の延長と関連いたしまして退職されました方々をそれに充てられるようなことも着手をしたわけでございまして、これも着手、一つまあ芽を出したというような形でございますが、今後全般としての考え方というものを明らかにしていく必要があるわけでございます。まあお尋ねの内容は多岐にわたっておりますけれども、いずれもそれにふさわしい方法で実現に移していくように私どもはこれから努力してまいりたいというふうに考えております。
#107
○宮之原貞光君 まあ、鋭意検討中といえばそれはそれで事足りるかもしれませんが、これはあとからまた具体的に触れたいと思いますが、特に教員の養成計画の問題もこれは検討中というんではもうすでに私は手おくれの感があると思うんです。これはまああとから具体的に触れますけれども、事この問題などは今後の人口増というもの大きな大体構想わかりますしね、また、いま私が具体的に指摘したところの問題は何もことしぽんと起きたところの問題ではないんです。すでに予知されている問題であるだけに非常におそいテンポですねと、こう言いたいんですけれどもね。
 次に進みますが、教養審の建議について続いてお尋ねしたいと思います。まあこれは四十五年の六月以来二年かかって検討されたということですが、まずその建議の要旨ですね、骨格ですね、それについて局長からお伺いいたしたいと思います。
#108
○政府委員(木田宏君) 先ほど御説明申し上げました中央教育審議会の建議の項目と大きなワクにおいては大体同じでございまして、第一は大学における教員養成免許制度の改善充実をはかりますために免許状の種類をどういうふうに改めるかという内容を一つ持っております。普通免許状は四年制大学卒業者ということを基本にして考えたい、短期大学の卒業者には初級免許状という考え方をとりたいということでございます。また教員養成のための教育課程、免許基準の改善等につきまして学校種別にそれぞれ説明をいたし、中央教育審議会の内容をもっと具体的に説明したような内容のものとなっておる次第でございます。それから教員養成大学の学部の整備あるいは一般大学の学部におきます教員養成のことについても触れてございますが、第二に大きな柱といたしまして研修の改善充実ということを触れてございます。特に新任教員につきましては採用後一年程度の実地修練を目標に初任者研修を段階的に実施する等の御意見があがっておるわけでございます。また、現職教員の研修のための修士課程程度の大学院の地域的配置を考慮してつくれというような御意見も入ってございます。
 第三に、教員の資格取得の道を資格認定制度によって拡大をしたい、これも中央教育審議会の意見と大体同様の趣旨でございます。最後に、教員の処遇の改善ということが同じように提案されておる次第でございます。
#109
○宮之原貞光君 その建議の要旨の特色と申しますかね、どういうところがいままでに見られない、いままでのこの教職員養成の問題と違ったと申しますかね、特色のあるところの点、そこのところをもう少し聞かしていただきたいと思います。
#110
○政府委員(木田宏君) 第一の特色といたしましては、普通免許状をいままで一級、二級というふうに分けてございまするけれども、四年制の大学卒業者を基調にいたしまして考える、これを明確にしておるという点はかなりの特色であろうかと思います。
 それから教員養成のための教育課程免許基準の改善につきまして、特に教育実習を重視した建議をちょうだいしておる、ただし、全般的なこの単位の拡大という点につきましては前回よりもやや控え目でございまして、単位数の増という点はそれほど大きな内容のことになってはございません。
 それから第三に、これはまあ中央教育審議会も触れておることでございますけれども、採用後の実地修練という、初任者教育ということを非常に重視するということと修士課程の大学院を考えるという考え方、これもかなりはっきりした御意見でございまして特色であろうかと思います。
 最後に、幅広い分野から教員の有資格者を教育界に迎え入れるための資格認定試験制度というものを具体的に提案しておられる、これらの点に特色があろうかと思います。なお、人材を教育界に吸収いたしますために給与の改善、奨学制度の充実等がありますことは当然でございますが、これらは同じ観点でございますし、教養審としては所管ということでもございませんから省かしていただきます。
#111
○宮之原貞光君 私はいま局長が答弁をされたのは、従来と変わった特色というよりは建議のまあ一つの骨組みとしか理解できないんですがね。私はやはりこの特色としての一つの問題点は、短大卒業者には当面教員になる道を残しておるけれども、年限延長や免許状に期限をつけることによってこれを段階的に解消する考え方を示唆をしておるということは私はこの教養審建議の特色の一つだと、こう思うんですがね、それいかがですか。
#112
○政府委員(木田宏君) 私が免許制度として普通免許状は四年制の大学卒業者を基調とするという御説明を申し上げましたのはそのことも含めての趣意でございまして、御指摘のとおりかと考えます。
#113
○宮之原貞光君 そうするとこの段階的な解消論というのを示唆したということは、かつて昭和三十七年から八年のころですかね、二年制の養成課程というのをずうっと廃止してまいりましたね、これはやはりそれと軌を一にする一つの方向であって、今後もこの方針は文部省として一貫してやはり貫かれていくところの方針なんだと、こういうように理解したいんですがね、そういうように理解してよろしゅうございますか。
#114
○政府委員(木田宏君) 教員の免許資格を四年制の大学を基調にして考えるという御意見は尊重をしていかなければならぬと思っております。ただ短期大学卒業者には初級免許状を与えて経過的ないろんな調整を考えなきゃならぬという御指摘もありますことでございますし、これを現実にどのようにこなすかというのはかなりむずかしい問題だというふうに感じてはおりますが、教員養成の基調が四年制大学にある、こういう点は一貫して考えたいと思います。
#115
○宮之原貞光君 いや、私が質問しているのは、基調は四年制大学かと言っているんじゃないんですよ。ここには明らかに、短大卒業者は当面の過渡的な措置として置かなきゃならぬけれども、これは段階的に解消しなさいと、こういうことを示唆しておるでしょう、明確に。そのことはかつて文部省が、この出る前に、昭和三十七、八年のころで、二年制のこの養成課程というものはなくしておるわけなんです。したがって、これはもう文部省の方針とも一致する話なんです。今度は四年制を基調とするということは、この短大卒というか、二年制課程というものは、今後、やはり好ましくないものなんです。今後としてやはりできるだけ早く解消していきたいというものの考え方は一貫してとられておると見ておるし、それは今後も変わりないですかと、こういうことを私は尋ねておるんですよ。ノー、イエスではっきりおっしゃっていただけばいい。
#116
○政府委員(木田宏君) お尋ねのとおりに考えておる次第でございます。
#117
○宮之原貞光君 それから私は、これは先ほど局長も触れておりましたけれども、この特色、いまや一つは、教育実習時間を非常に重視をするということが出ておりますね。これはもう従来の二倍ないし三倍出ておるわけですから。このものの考え方の意義なり、あるいはまたこのことについての評価を皆さんはどうされていますか。
#118
○政府委員(木田宏君) 教員養成の過程で教育実習を重視するということは、非常に大事なことだと思っております。考え方として、そういう方向を具体的にどう生かすかという検討を、私どもすべきものと、こう考えております。
#119
○宮之原貞光君 次に、私は、もう一つの特色は、上級免というのを、大学院ですか、この裏づけとして考えておる。この上級免所有者には、給与その他の処遇を関連づけておりますね。言うならば、免許状と給与との関連づけを、従来のたてまえは、免許状とこの給与とのたてまえというのは明確ではないんです。しかし、ここの、この建議の中身というのは、免許状によって給与や職制上の格づけをしておるのが、私は、特色だと、こう見ておるんですが、皆さん、それに間違いないですか、その見方は。
#120
○政府委員(木田宏君) この建議の特色というふうにお答えを申し上げていいかどうか、ちょっと自分でも迷っておるところでございますが、この免許制度というのが給与と関係を持ってしかるべきではなかろうかという点は、免許制度の内容として、一級、二級があり、あるいは普通、上級ということを考えます場合に、当然随伴して考えられるべき事柄ではなかろうかというふうにも、一般的に考えておるところでございます。
#121
○宮之原貞光君 だいぶ答弁が慎重ですが、いままでのたてまえは、一級免許状、二級免許状というので、給与の表というのはあったわけでもないでしょう、たてまえから見れば。それを、少なくとも、この上級免許状というもののランクを明確に位置づけて、給与その他の処遇を関連づけておること、これは明確でしょうが、この建議は。それは事実としてお認めになりますかということを聞いておるわけですよ。
#122
○政府委員(木田宏君) この建議が免許状と給与との関連をづけて説明をしておるということは、そのとおりでございます。
#123
○宮之原貞光君 最初にそう言っていただけばいいんですよ。何も、文部省の考えはだからどうですかというところまでは、聞きませんから。
 しかし、少なくとも建議の言っておる方向はそうであるし、最初に質問しましたように、教養審のものの考え方というのは、あんた方は賛成だと、こうおっしゃっておるんですから。これは、やっぱり給与と免許状との関連づけというものがどういうものかということは、これは明白なんですから、その点は、やはり私は明白にお答えになっておいたほうがいいと思う、その是非は別としても。
 それと、いま一つ、私は、この免許状の問題について、確かに門戸開放のことが出ておりますが、私はあなたの先ほどの御説明をお聞きしますと、検定制度の拡充ということをだいぶあげられておったんですけれども、ここで言っておるのは、いま一つは、いわゆる一般人に一年程度の特別課程を開設をする。いわゆる一般大学を出たところの人に、一年程度の特別課程を開設をして、できるだけやはり大学卒業生で現在免許状を持っておらぬ人を、一年課程の中へ入ってもらって免許状を与える。言うならば、そういう面では人材を教育界に集めようという考え方が少なくともこれは基本に据えられておると見ざるを得ないと思うのですが、そのことも間違いないでしょう。
#124
○政府委員(木田宏君) そのとおりと考えます。
#125
○宮之原貞光君 じゃ、続いてお尋ねしますが、その建議案の特に教員の資格獲得拡充の問題について、一応お尋ねしておきたいと思います。
 この教員資格認定制度の拡充の趣旨ですね。これはどのような趣旨になっておるわけでございますか。
#126
○政府委員(木田宏君) いろいろな職業の過程を通った方々、その社会的な生活の中から、あるいは、自分でまた独学で勉強いたしまして、すぐれた能力を身につけた方に対しましても教員の資格を取得し得る道を開きたい、そして教職に幅広い層から人材を迎え入れられる可能性を開いておきたい、これが基本の考え方かと思います。
#127
○宮之原貞光君 そういたしますと、この教員資格取得の道の拡充の条項の特色、特質点ですね。この骨子と申しますか、ここに掲げているところの。その一つは、いまあなたがおっしゃったところの資格認定制度の問題について触れておりますが、そのほかのやはり問題点の特色づけの、新しいものの考え方が示されておりますね。それはどういう点でございますか。
#128
○政府委員(木田宏君) 建議の中に載せてございますのは、一つは教員資格認定試験制度、一つは免許状を取得しなかった大学卒業者のための特別の養成課程を設置するということ、それから第三番目には小学校教諭への任用・研修につきまして特例を考えてはどうかという御提案、こういう三つの項目があるわけでございます。
#129
○宮之原貞光君 そこで、続いてお聞きしますが、いま私は中教審答申なり教養審の建議の中身ですね、そういう点についてお尋ねをしたのでありますが、この両者の関連性ですね。これは、言うならば、全く一連のものなんだと、このものの考え方は。こういうふうに理解してもよろしゅうございましょうか、どうでしょうか。
#130
○政府委員(木田宏君) かなり、考え方、その他同一の方向をとっているということは御説明申し上げられるかと思います。しかし、完全に一連のものかというお尋ねにつきましては、若干、事柄によりまして違いがある。一番具体的には、中央教育審議会におきましては、新任教員につきまして試補制度の御提案が出ておるわけでございますが、教養審につきましては、その点のものの言い方が多少違っておるかと考えるのでございます。そのほか資格取得の道の拡大等につきましてはほぼ同じような考え方に立っておると、こう理解しております。
#131
○宮之原貞光君 すると、少なくとも資格取得の拡充の問題については全く同一のものであると、こう理解してよろしゅうございますね。
#132
○政府委員(木田宏君) 同じような御意見が述べられておると考えております。
#133
○宮之原貞光君 こういうその裏の問題について、教員養成制度のあり方を中心にして私質問してまいりたいと思いますが、実は、この教員養成制度のあり方の問題についていろんな団体から要望書なり建議が出ておりますね。例示をいたしますと、全国連合小学校長会あるいは日本教育会の教育行政特別委員会とか、ずっとさまざま出ておるんですが、それらに対するところの皆さんのこの要望書に対するものの考え方ですね、意見というものがあれば、具体的にひとつお聞かせ願いたいと思います。
#134
○政府委員(木田宏君) 教員養成審議会で建議をおまとめになります間、これら関係団体からの御意見、御要請は審議会の場で御紹介も申し上げ、御論議もいただきまして、教養審として取り上げられるものは取り上げてあるというふうに考えておる次第でございます。個々にいまおあげになりましたようにかなり個別に幾つかの団体からそれぞれきておりますので、具体につきましては具体のお尋ねについてお答えをさしていただきたいと思います。
#135
○宮之原貞光君 具体的にじゃお聞きしましょう。
 全国連合小学校長会は検定制度の拡充もさることながら、小学校教育の特性にかんがみて、安易に資格を付与するようなことのないように配慮をしろ、四年制大学は絶対に必要で堅持してもらいたい、あるいは教育実習を重視をしようということあたりを非常に私はアクセントを置いた要望書になっておると見ておるんですがね、その点については皆さんのこれに対する建議あるいは要望書については考え方はどうなんですか。
#136
○政府委員(木田宏君) 全国連合小学校長会からはいま御指摘がございましたような要望がきておりまして、検定制度を拡大することもよいと、しかし安易に資格授与がなされないよう配慮するという御注意があります。こうした御意見は尊重をしたいというふうに思っております。
#137
○宮之原貞光君 日本教育学会の教育行政特別委員会、同じく日本教育学会の教育政策特別委員会等からは、小学校教育というものの特性並びに重要性から考えたら、これはむしろ四年制じゃなくて五年制課程が望ましいと、こういうような意見を出しておりますね。それについてどう思われますか。あるいはこの言っているところの趣旨はどういうことだというふうに受けとめられているんですか。
#138
○政府委員(木田宏君) 日本教育大学協会からも同じように教員養成の年限を延長して教育内容を充実したいという御意見が出ておるのでございます。これはやはり教員養成の教育内容がかなり多彩にわたる、また総合的であるということから、しっかりした教育を行ないますために十分な年限がほしいという御趣旨だと、このように考えます。
#139
○宮之原貞光君 ですからこの趣旨というのは、小学校教育というものは非常に知学教育と違ったところの特質がある。全教科を教えなきゃならない。したがって、むしろこの言い方から見れば、中学校の教員養成が四年制であっても、これは五年制ぐらいやらなければほんとうの小学校教員ができないじゃないかと、こういうことぐらいに私はやはりこの小学校教育ということを重視すれば、小学教員のあり方というものをそういう角度からこのことが強く強調されておると、こう思うんですよね。それに対しますところの皆さんの感想というと語弊があるけれども、ものの考え方はどうなんですかということを聞いているんですよ。
#140
○政府委員(木田宏君) 教育行政学会の御意見をちょっと明確に記憶いたしておりませんので、それが小学校教員だけであったかどうかつまびらかにいたしませんが、日本教員大学協会からの御意見では、小学校、中学校を通じまして望ましい制度としては修業年限を五年にすることも必要と考えられるというふうに伺っておるわけでございます。今日の大学制度との関連で考えなければならないわけでございますから、現在の段階におきましては、先ほど教養審の御建議を御説明いたしましたように、四年の課程を基調にして考えるというのが現実的なことではなかろうかというふうに思う次第でございます。
#141
○宮之原貞光君 私の記憶が間違いでなければ、日本教育学会の教育行政特別委員会なり同じく教育政策特別委員会の五年制課程がいいというのは小学校の教員養成の問題に関してだと見ておるんですがね。言うならば小学校教員を、いわゆる中学校、高校の問題には直接触れないでおって、いわゆる小学校教員の養成というものはやっぱり五年課程ぐらいでなければほんとうの小学校の全教科を担任するぐらいの先生としては出てこぬぞと、これは少なくともやはり小学校教育のあり方ということを真剣に考えれば考えるほど教育学的から見れば私はそういう結論が出たんではないかと、こう思うんですがね。そのこと自体についてはどうお考えになりますかと聞いておるんですがね。それはやっぱりほかの中学校の先生や高校の先生と同じように四年制でけっこうだと、こういうふうにやっぱり考えられますか、どうですか。
#142
○政府委員(木田宏君) やはり学校制度全体との関係も考えておかなければならないかと思いますから、小学校教員の養成ということが全科にわたってたいへん重要なことであるという点は、御意見の点理解はできますけれども、学校制度としてこれを考えました場合に小学校教員の養成だけが五年がいいというふうにはちょっと考えにくい点がある、やはり小学校、中学校等他の教員養成の全体あるいは大学制度全般との関係におきましてその修業年限の基準を定めておくほうが適切ではなかろうかというふうに思う次第でございます。
#143
○宮之原貞光君 じゃ、角度を変えてお聞きしましょう。私は五年制がいいか悪いかということを言っているんじゃない。少なくとも五年制が望ましいということを打ち出しておるということは、小学校教員の養成、やはり小学校教員というもののむずかしさですね、そういう点がやはり中学校以上に非常にむずかしい面があるぞということを、これはともかく示唆していると思うんです。その点についてはやはり同意は示されるでしょう、いかがでしょう。
#144
○政府委員(木田宏君) 教員養成ということを考えました場合に、一番大事で一番むずかしいのが小学校教員の養成、まあ中学校と比べた場合のことでございますけれども、特定の専門教科を担当いたします教員よりも全科を担当する教員のほうが養成内容としてはたいへんであるという点は御意見のごとくに私も考えます。
#145
○宮之原貞光君 それ以外に一般の教育団体からもたくさんの意見が出ておったと思うんですが、それらについてはあれですか、教養審あたりや中教審あたりでもいろいろ参考にして議論をされたんですか、どうですか。
#146
○政府委員(木田宏君) 先ほど申し上げました教育大学協会のほかに日本私立大学協会あるいは全日本中学校長会、それから工業高等学校長協会、それから高等学校長協会の中の看護部会、それから日本私立大学連盟、ちょっと任意に申し上げたのでばらばらでございますが、いろんな団体から御意見をちょうだいいたしまして、これらを教育養成審議会に御報告をし、御検討いただいた次第でございます。
#147
○宮之原貞光君 この中教審答申やあるいは教養審建議の教員養成のあり方の問題についてまた非常にきびしい批判も出ておりますね。この批判についてはどういう批判が出ておるというふうに皆さんは受けとめておられますか。
#148
○政府委員(木田宏君) 日本教職員組合からも意見が出ておりますが、これは今回の教養審の建議につきまして五項目ほどあげてございます。初級、普通、上級免許制にすることによって五段階賃金の推進とともに職階制を養成を通じて行なわせようとするという見解が出ております。それから一年間の試補制度ということについて、これは教員採用における統制支配の強化であるという見解が出ております。それから研修の強化ということについて、これは反対という趣旨のいろんな心配があるという趣旨の意見が出ております。それから短大における教員養成の追認をして、その長期固定化をうたっておるというような指摘も出ております。また、以上を通じて教員養成を旧師範学校的目的大学で行なうこととしようとしておるというような意見が出ております。批判的な御意見としてはそのほかにもあるいはあるかと思いますが、端的にいろんな意見を日教組の御意見が代弁しておられるのではなかろうかというふうに考えます。
#149
○宮之原貞光君 もう一つ、お尋ねしますが、戦前の教員養成制度というものに対するところの戦後きびしいやはり反省が加えられて現在の教員養成制度というものができ上がったわけですね。皆さんはその戦前の教員養成制度に対するきびしい反省、批判、そういう点の特徴的な点をどういうふうに理解をされておりますか。
#150
○政府委員(木田宏君) 戦前の制度に対しまして、戦後は、一つは免許制度の徹底ということをはかった次第でございます。戦前は免許状主義の原則をとりながらも、特別の事情があります場合には、代用教員でありますとか、あるいは任用資格制度をもって、免許状がなくても一定の教員を任用できるというような幅広い任用資格制度が設けられておりました。それに対して戦後は、大学におきます教育を中心とした教員養成という考え方をある意味で徹底的に貫いておる、こういうふうに御説明申し上げることができるかと思うのでございます。
#151
○宮之原貞光君 ちょっと局長ね、私の質問を非常に小範囲にとどめてお聞きになっておるんじゃないかと思いますがね。私がいまお聞きしておるのは、免許状の批判云々だけ聞いておるんじゃないですよ。教員養成制度の、いままで私が教員養成制度の問題について尋ねてきたんですから、戦前と戦後とは根本的に違ったわけでしょう、養成制度のあり方も。これ同じだったんですか。少なくとも私はやはり戦前の教員養成制度のあり方から相当戦後の教員養成制度のあり方というのは違っておると見ておるのです。それは皆さんはどういうふうなとらえ方をしておりますかと聞いておるんです。教員養成のあり方の問題について、いまあなたが説明をされたのは、教員養成と関係のあるところの免許状の問題についてあなた答弁をされましたね。
#152
○政府委員(木田宏君) 戦前の教員養成制度、御案内のように師範学校、高等師範学校という教員養成のための目的学校を設けまして、中等教育の段階から師範教育としての小学校教員の養成を行なうというような養成のシステムがございました。同時にまあ養成という点を幅広く免許制度の面から申し上げた関係上、そうした正規の養成以外に幅広い代用教員でありますとか、その任用資格によります免許状持っていない人を教職に迎え入れるというような体制もとられていたという意味でさきの御答弁を申し上げた次第でございます。学校として設けられましたものは、早くから教員養成を目的といたしました中等教育段階のものあるいは専門教育段階の養成機関があった、それに対して戦後はすべて大学レベルで教員養成のことを考える幅広い基礎教養というものを持った人に教員養成の教育活動を行なう、こういうふうに体制が変わってきたのでございますし、また、大学においてその所定の勉強をした者の以外には教員になれないというような免許制度がとられたという点が基本的に申し上げられることかと思います。
#153
○宮之原貞光君 少なくとも言えることは、戦前の養成制度というのは一つの閉鎖性ですよ、目的大学、それが一番一つの中心であったわけです。しかし、戦後は少なくともやはり戦前のそういう閉鎖的な養成のあり方あるいは師範学校講師という目的大学のこの教育のあり方というのが、非常に教師のあり方という問題とも関連してきびしい批判が起きたから、いわゆる閉鎖性というものが普通言われているところの開放性にしようと、しかも、それは一般大学の中からでも教育課程の単位を取れば教員にしょう、こういうものの考え方ができてきた。これは大きな相違であることはこれは間違いないですね。したがって、そういう戦前と戦後の教員養成制度のこの歩みの中で私は見るならば、中教審答申や教養審で言われておるところの目的大学そのものを、特に小学校の場合、そうなりますね。そういう大学の教員養成制度のあり方について、これは旧制師範の復活だと、こういう批判が出るのも私は無理からぬことだと、こう思うのです、この問題について。
 そこで、私はこのことについて大臣にひとつお尋ねをしたいのですがね。教育というのは、他の職業と違って何よりも教師の個人的な人格ということが私は要求されるところの仕事だと思うのです。したがいまして、専門的な学科の知識とか技術ということも重要でございますけれども、なおまして大事なことは子供たちと裸でぶつかり合うことのできる幅広い人間形成のできる愛情とか意欲というものが、特に私は強く学校の教師の場合は望まれるものだと思うんです。そういう精神的な人間的なものが、今日はその喪失ということが問題になっておりますだけに、このことは今後の教員養成制度の中でも特に重視をされなければならない点だと、こう思うんですけれども、ただ私は率直に申し上げて、この中教審答申なり教養審建議にいわれているところのこの教員養成制度のあり方、特に小学校の教員養成制度のあり方というのは、むしろ私はこの方向とは逆の方向にいきはしないだろうかということさえ心配をするものなんですけれども、あなたは、この教員養成制度の問題と関連してのこの教員のあり方と申しますか、そういう点についてどういうお考えですか、お聞かせ願いたい。
#154
○国務大臣(奥野誠亮君) 私も、教育の基本は師弟の間の相互信頼関係、これが一番大切だと思います。したがいまして、教師その人が一般的な幅広い教養を身につけている、生徒の信頼に足る、そういう幅広い教養を持っている人であることは非常に大切なことだと思っております。同時におっしゃいましたように教育的な愛情でありますとか、あるいは使命感でありますとか、そういうことも求めたい。そういう意味につきましては、最初からあまり専門的にこだわったかっこうで教育が行なわれることについてはやはり問題があるような感じを抱いているわけであります。
#155
○宮之原貞光君 私は、その点はいまの大臣の御答弁の限りでは全く賛成なんですけれども、これから問題にして議論をしなければならないところの、あるいは私がいままで指摘をしてまいりましたところの教養審の建議の描いているところの教師像というのはどうもそういうような方向にいっていると思えぬのですよ、率直に申し上げて。これは教養審の建議、この言われておるところの教師像は一口にいえば、非常に学校の先生に高度の専門性ということを強く求めておるということはこれは間違いないと思うんです。だから、この中身にもありますように、私が先ほど来指摘をしたりあるいは局長のほうから特徴点として答弁がなっておりますように、教育専門科目の単位をふやすとかあるいは教育実習の期間を倍増するとか、言うならば、現職教育を充実し修士課程の大学院をつくる云々と、上級免許状を与えていくというようなものだけが非常に強調され過ぎて、肝心かなめの大臣がお答えになっておるところの面のこの教師づくりという面が少なくとも建議案の中からはうかがい知ることができないんです。そこに私は非常に問題点を強く感じざるを得ない。それだから何だかこれは戦前非常に問題になったところの旧制師範学校の復活ということになっちゃんじゃないだろうかということを非常に危惧するものなんですけれども、したがって、私はやはりこういう高度の専門性ということを強調することもそれは私は否定はしませんけれども、それよりもより大事な教師としての子供に対するところの愛情とか、情熱とか、そういうものを涵養するためには一体教員養成のあり方の問題の中ではどの点を強調し、どうしなければならないか、この面が非常に欠けておるという点がうかがえてしょうがないんですけれども、大臣この点どう見ておられます。
#156
○国務大臣(奥野誠亮君) 建議の中にいろいろなことが書かれておりますし、それを取りようによってもまたいろいろ取り得ると思います。文部省におきましては、教員養成の大学をどう持っていくかということにつきまして、調査費をもらいましていま鋭意調査をしてもらっているところでございます。結論がまだ出ておりません。同時にまた、建議の中にあります若干の点につきまして、いろんな批判が起こっていることもよく承知していることでございますので、そういう批判につきましても、十分検討しながらよい結論を出していかなければならない、こう考えているわけでございます。先ほども申し上げたわけでございますけれども、いま宮之原さんのおっしゃったこと私も実は同感でして、広い一般的な知識も必要、専門的な知識も必要しかし、基本的に教育的な愛情、使命感、そういうものがなければ子供さんがついてこないじゃないか、根本的にそう思うわけでございまして、そういう形に持っていくためにどうしたらいいかということについてなお深く掘り下げて各方面の意見を聞きながらまとめていきたい、こう思っているところでございます。
#157
○宮之原貞光君 私は、こう思うんです。教師の専門性とか専門職というのは、いわゆる単なる専門職人を意味しないと思うんです。専門的な職人づくりじゃないと思うんですよ、学校の先生の場合。言うならば、やはり学問のきびしさということを知り、真理に対するところの謙虚さを備えたところの教師、子供へのひいては人間への豊かな愛情を持っているところの教師ということこそが、私はほんとうに専門性、専門職としての教師に望まれる特性だと見ておるんですけれどもね。そういう点から考えてみると、どうもこの中教審答申なり教養審のいう、特に小学校教員の目的大学ですね、その中ではそういう教師はどうしてもこれは育ち得ない。非常に先ほど指摘しましたように教職専門科目の単位数をふやすとか、そういうことだけが中身の中で強調されればされるほどそういう感じを持つんです。したがって、私はこれは大臣、この問題については今後のやはり日本の教育の一番根幹になっていくわけですから、その教師はどうあるべきかという問題点をもう少し掘り下げた角度からこの問題をいろいろと検討してもらいたいと思うんですよ。そういう点で、大臣のさらにいまお答えになられたところ以外にお考えがあれば一応お聞かせ願いたいと思うんですがね。
#158
○国務大臣(奥野誠亮君) 教師が専門職だというのは、教師は労働者なりと、こういう意見に対応して出てきたことばだろうと思うのでございまして、やはりおっしゃいました教員については愛情なり使命感なり、そういうものを求めたいというところから始まっているのじゃないかと思います。まあここでそんな論争をすべきものでないかもしれません。同時に、また目的大学じゃなくて広く開放的な大学の中から教職についてもらう人たちを見出してくる。その場合でも、さらに教職につかれてからまた勉学の機会を与えてもいいじゃないかという考え方もあったりするわけでございまして、そういうことをあわせまして全体的にもう一ぺん、先生をどうやってりっぱな先生になってもらうような教育のあり方をくふうしていくか、幅広く検討してしかるべきものじゃなかろうか、こう思っているところでございます。
#159
○宮之原貞光君 私は、ここでいま教師像論をやろうとは思いませんけれども、ただ、ここで私は申し上げておきたいのは、専門職というのは何も労働者に対置されるところの用語じゃない、概念じゃないと見ておるのです。むしろ、私はこの学校の教師というのは非常にやはり教育という専門性がきびしく要求されると同時に、これはやはり自分の労働を売って働いているのですから、労働者性ということもこれは否定できないのですよ、これはどうあなたが否定をされようと。したがって、問題は専門性と労働者性をどう調和していくかというのがこれはそれぞれの私は調和のあり方の問題が問題点であって、互いに労働者性あるいはその専門性というのは別々のものだというものの論理ぐらいぼくは暴論はないと思っておりますが、しかし、私はここでいま議論しようとは思いませんけれども、ものの考え方だけははっきりしまして、次に移りたいと思います。
 次に、私は免許制度のあり方についてさらにお尋ねしたいと思います。
 この問題は、いままでいろいろ質疑の中で明らかにしてまいりましたところの教員養成のあり方と不離一体の問題でございます。それだけにまずお聞きしたいのは、戦前の検定制度というものに対するところのあり方、これをどう大臣は見ておられますか。戦前のこの学校の教員の検定制度ですね、言うならば。まあ、いま資格認定とか何とかと書いてありますが、端的なことばで言えば検定制度ですよ、私どもの通俗的なことばで言えば。戦前は検定制度、検定制度といわれておりましたが、その点についてはどうお考えですか。大臣は当時は内務省の行政官でしたから、行政官としての立場からの当時のやはり感想を述べていただくのもけっこうだと思いますから、まず、ひとつ大臣の当時のものの見方をお聞きしたいと思います。
#160
○国務大臣(奥野誠亮君) 私自身、検定で教師になられた方に教わった経験も持っているわけでございます。その先生についての記憶、非常に今日でも鮮明でございまして、やっぱり恵まれない環境の中であえて教職につきたい、そのためにかなり勉強されたようでございまして、それだけにまた非常な熱情を持っておられた、その熱情が私に今日まで鮮明な記憶で教師として残っているんじゃないかと思います。いろいろ弊害の面もあったんだろうと思うのでございますけれども、私自身、いま昔を思い起こしますと、たいへん熱心な先生だったと、今日もなおいろんな印象が残っているということでございます。
#161
○宮之原貞光君 じゃ局長、文部省としてはどういうものの見方をしていますか。
#162
○政府委員(木田宏君) 先ほどもちょっと申し上げましたように、戦前は正規の教員養成の学校を卒業いたしました者以外に、いろいろな代用教員の制度があるとか、あるいは任用資格の制度があるとか、いろいろな制度がございました。いま大臣からもお話がありましたように、検定制度もございまして、一切の学歴がなくても検定試験をとればそれによって教員になれるという道が開かれておったのでございます。その試験検定の制度に対します批判的な見解といたしましては、試験検定の合格者には独学による知識、教養の片寄りがあるのではないか、あるいは自分の専門の領域についての熱心な勉強と熱意は十分あるにいたしましても、教職に関する教養が乏しいのではないかというような批判が一面ではあったというふうに聞いておるのでございます。
#163
○宮之原貞光君 大学の局長が、特に免許制度の問題で出す皆さんが何かよそごとみたいに、聞いておりますという答弁ではちょっと心もとないんですよ。そりゃあなたがそのころの年齢からいって、それは直接体験したこと、体験談を聞かせろというなら、私はそれでいいと思いますけれども、いまの年齢からして。少なくとも、やはり皆さんの検定制度のあり方の問題について出されているわけですから、戦前にはあの検定制度はこういう問題点があったとか、ここのよさがあったとか、そういうことぐらいはまとまった見解があってしかるべきだと思いますね、これは。
 それはさておきまして、この件について、昭和二十四年ですかね、文部省の玖村さんですね、当時の教職具養成課長ですね、この人の「教育職員免許法の解説」、これが出ていますね。これを読んでみますと、この方は戦前の検定制度の問題についてこういう評価をしている。「教育職員を一つの専門職として確立するには、その資格付与について厳な条件がつけられるべきである。教育という事業は生成途上にある人間の直接的な育成であって、単に知識技能を授ける作用があると簡単に言ってしまうことはできない。単なる知識、技能を持っているならだれでも教育の仕事はできるという考え方を取り除かなければ専門職は成立しない。そこで、本法は、従来言われていた試験検定の制度を廃止している――この試験制度というのは戦前に廃止をしたわけですね、この当時。
 けだし、従来この制度は、たとえば中等教育の場合、国民道徳とか教育大意とかについては簡単な試験は行なったにしても、主とするところは免許教科の知識や技能についての筆記及び実技試験のみであった。もちろんこの試験合格者の中にはあらゆる点からいって優秀な教員もあったが、一般的にいって、あまりに偏した教養の人があり、専門分野についても将来にあまり伸びる力を欠いており、かつ教育全体を見通すことができぬ人が少なくない。それに、みずから学校生活の経験を持たないことから生じる欠点を持つと言われている。そこで本法では、免許状授与の基礎資格に大学で受けた教育の年限というものを重く見られている。」云々と、こういうふうにおたくの――いまなら先輩にあたるわな、その玖村さんはこう述べておるんですがね。このものの見方について、おそらくまあ当時の教職員養成課長としての肩書きで出された文部省の一般的な私は見方であったことは間違いないと思う、当時としてはね。ですから、私がお聞きしておるのは、最近皆さん今度は検定制度というもの、言うならば資格認定制度というものを非常に重視した人たちですから、まさにこれは百八十度転換しつつあるわけなんですからね。だからそのものの見方というものはどういうものの見方をしておるんですかと私は尋ねるんです。それを冒頭に言ったように、と聞いておりますでは、免許法の改正案を何としても成立させようとするところの皆さんの意欲から見れば、ちょっとこれは意欲不足だと、こう思うんですがね。まあその批判は別にして、そういうことから私は尋ねたんです。
 私は、しかし、この文章の表現のしかたがどうであるかは別にしても、このものの考え方に流れているところの教員養成制度というのは、やっぱり四年制の大学卒業を中心にしていかなきゃならないというものの考え方は今日も貫かれるべきだと思っておるし、検定制度絶対反対だとは申しませんけれども、少なくともやはりこういう弊害があるということは、これは否定できないところの事実じゃないだろうかと、こう思っておるわけなんですけれども、その点先ほども申し上げたように、皆さん方の考え方をまずお聞きしたい、こう申し上げておるんです。
#164
○政府委員(木田宏君) 戦前行なわれました検定試験に対しまして、当時の玖村課長――むしろ玖村先生と申し上げたほうがいいのでございましょうが、教員養成に識見の深い玖村さんの御見解は私どももそのとおり考えるべきものだというふうに思うのでございます。先ほども独学による知識、教養の片寄りがある、教職に関する教養が乏しいといった意見を御説明申し上げました。同じように、戦前の制度に対しまして私も同じような考え方をとり得るというふうに思うのでございます。
 ただ、今日資格認定試験の制度を御提案申し上げておりますのは、戦前と今日とわが国の教育制度全体の普及度にかなりの違い、相当基本的な違いが出てまいっております。戦前は高等教育へ進学をいたします者がほんの数%にも足らないぐらいのわずかな人たちでございまして、そういう時代にこの検定制度を取り入れますことと、今日のように義務年限が九年にもなり、全部に近い青年たちが高等学校に学び、そして四人に一人が大学まで進むという、大学で教員の資格をとらない方でありましても、相当幅広い基礎的な教育、教養を身につけておられる、こういう時代とでは、資格認定試験、同じような戦前の検定制度に似た制度をとりましても、基盤がかなり違ってきておる。また、試験の運用によりましては、指摘のありましたような弊害を是正していくこともできるというふうに考えておる次第でございます。
#165
○宮之原貞光君 まあ、あんたは衆議院でも大体同じような答弁をしておられるようですね。学制が戦後は違って進学率が非常に高くなっているので云々と、しかし私はまあそれは理由にはならないと思うんです、それは。しかし、ここで私が聞きたいことは、いかに認定制度も非常にいいんだと礼賛されようとも、免許状の主体は四年制大学の教員養成が主体であるということは、これは間違いないと思いますが、その点はどうなんですか。もう一回念を押しますけれどね。
#166
○政府委員(木田宏君) お尋ねの点は、大学におきます正規の養成が原則であるという点で、間違いなくそのように考えております。
#167
○宮之原貞光君 そうすると、これ法文上はそういうふうに見えないんですがね、新しく加えましたところの十六条の二をこう見てみましても、補完的なものだという解釈はどうしてもできないんですが、これはどういうことになりましょうかね。
#168
○政府委員(木田宏君) 十六条の二というように、第四章雑則の中に入れさせていただきました。
 これは、教員の免許状あるいは免許制度の本則に対しまして、例外的な措置として考えたいという私どもの心組みでございます。
#169
○宮之原貞光君 これは、雑則にあろうとも、「第五条第一項の規定によるほか、」というのですから、「第五条第一項」というのは普通の学校を出たところの者ですね。「ほか」ですから、これはやはり法文上から見れば並列をしておるんで、どうしてもこれは補完的なものかどうかということは非常に疑いたくなるんです。
 しかし、それは別にいたしましても、少なくとも、あなた方の答弁からいえば、あくまでもこの免許制度というものは補完的なものなんだと、教員養成の主体というのは、四年制の養成大学、養成学部ですか、その課程なんだということなんですね、そうなりますと。そこの点をやはり、私は明確にまずしておいていただきたいんですがね、今後の論議の点もありますから。
#170
○政府委員(木田宏君) いまの御意見のとおりに考えておる次第でございます。
#171
○宮之原貞光君 ときに、「教員資格認定制度の拡充・改善について」という「中間報告」がございますね、このことについてお尋ねしたいと思います。
 この答申の要旨ですね、基本的な。これはどういうものになっていますかね。
#172
○政府委員(木田宏君) この「中間報告」に述べられておりますのは、資格認定制度の考え方を、一般に、いままで御説明申し上げておりますような、資格認定制度の趣意を申し述べまして、そうして当面実施すべき教員資格認定試験の種類とその実施方法について取りまとめていただいてあるわけでございます。
#173
○宮之原貞光君 その要旨の重点的な点はどういう点ですか。
#174
○政府委員(木田宏君) 資格認定試験の考え方は、「建議」その他にも述べられておるわけでございます。これは、それを実施いたします場合の、どういう種目と、どういう試験方法によってこれを取り進めていくかということを中心に述べております。
 その内容は、当面実施すべきものとして小学校教員の資格認定試験、それから高等学校教員の資格認定試験については、必要度の高い教科または領域から実施することとして、工業、商業、保健あるいは保健体育の領域の中で、特に必要度の高いと認められる科目を指摘し、また第三番目に、特殊教育の教員資格認定試験について特に必要と考えられる諸領域とその試験方法について説明がされておるものでございます。
#175
○宮之原貞光君 ちょっと私の質問が悪かったんですかね。いま局長から答弁があったのは、当面実施をすべき教員資格認定制度の一つの具体的な問題ですがね。私がお聞きしておるのは、いわゆるこの「基本的な方針」というのがその前にずうっと書いてありますね。言うならば、教員の資格認定制度の拡充改善をはかるにあたって、基本的なものの考え方はここなんだぞということをずっと書いてありますね。そこのうちの特に要点と思われる点はどういう点ですかと、こういうことを私はいまあなたに聞いておるところなんだけれどもね。
#176
○政府委員(木田宏君) 資格認定試験の実施は、教員の質的低下を招くことのないように、適正な水準の試験によって行なわなければならぬと。そうして、学力につきましては、教員として必要な一般教養、教職教養並びに教科の専門的な知識や技術などが、大学における正規の教員養成のコースを経た者と同等以上の水準に達しているかいなかということを判定する。これが一番基本的な重要な内容かと思います。
 試験方法につきましては、試験科目の性格に応じていろいろな方途をとること、また、その試験の実施は、大学に委嘱する、また文部大臣がみずから委員を委嘱して行なうという二つの方法が述べられておりますが、基本的には、この資格認定試験が大学の正規の養成コースと同等以上の実力のある人を認定できるようにすることというのが一番基本の趣意かと思います。
#177
○宮之原貞光君 私は、いま一番重要な点は、局長の言われたところの、資格認定制度の実施でいやしくも教員の質的低下を招くことのないような適正な水準におけるところの試験ですね。言うならば、ここにもずうっと書いてあるところの、大学と同じように、一般教育の面も専門科目の面も同じようなやっぱり劣らないものを云々と、こういうことが一つのポイントであると同時に、いま一つは、「教員となる者にとって、教育実習は重要な意義をもつものであり、」この認定資格の「合格者についても、適当な期間、教育についての実地の修練を行なわせることが望ましい」、言うならば、教育実習ということが非常にやはりこの中でも強調されておると見ておるのですがね、皆さんはこれはどういう理解ですか、この面は。
#178
○政府委員(木田宏君) 資格認定試験制度につきまして、教育実習をどう扱うかというのが、取り扱い上非常に大事な課題であるという点は、御指摘のとおりでございます。そのことの扱いが関係者の念頭にありますために、いま御指摘がありましたような一項目が入っておる次第でございます。
#179
○宮之原貞光君 そうしますと、いま提示されておるところの法案は、これらの諸点を十分尊重し実施できるような仕組みになっておると、こういうふうに理解されますか。
#180
○政府委員(木田宏君) 教員資格認定試験との関連で考えますと、各地に散らばっております受験者に対しまして一定期間教育実習を課するということが、現実問題としては、その試験の内容として管理をいたしますにはむずかしい内容がございますものでございますから、その後の、免許資格をとりましたあとの採用の段階におきまして、こうした受験者に対する実務研修に遺憾のないように期していく、こういう考え方で、試験の実施とその実施後の採用との関係をつなげて指導したい、こう思っておるところでございます。
#181
○宮之原貞光君 それならば、具体的にお聞きをいたしたいと思いますが、十六条の二、改正案ですね、これは、普通免許状の授与というふうにここにあるのは、小学校も中学校も言うならば四年制の教職課程を得た人に相当する一級免ですか、この授与をこの中では免許状を授与の対象としておるんですかどうですか。この文章の限りではなかなかその中身がはっきりしませんが、この意味はどういう意味ですか。
#182
○政府委員(木田宏君) 学校の種別によりましては二級免許状、二級普通免許状の場合がありますことを予定した文章にいたしておるのでございます。
#183
○宮之原貞光君 じゃ具体的に、皆さんは中学校、小学校みんな一級免を主体にして試験認定を受けさせようと、こういうことでこれをおつくりになっているんですか、今度の場合は、どうなんですか、そこは。
#184
○政府委員(木田宏君) 小学校の場合につきましては、二級普通免許状を基準といたしまして資格認定試験の制度を実施することを考えておる次第でございます。
#185
○宮之原貞光君 あなたは衆議院の文教委員会の答弁を見る限りにおいては、文章表現はこうだけれどもさしずめ小学校の資格認定試験の実施を考えておるんだと、こういう答弁をされておったんですがね、いまの話だともう広範囲のものをここでやるようにこの法案はずっと具体的な実施の面も用意されているんですか。これはもう具体的ですからね、問題はね。どっちなんです。この文章を読む限りは広範囲になっておるから中身を具体的に私はお聞きしているんですよ。
#186
○政府委員(木田宏君) 四十八年度予定さしていただいておりますのは小学校教員の二級普通免許状を予定いたしましたものと、それから高等学校の職業の一部領域に関しますものを……
#187
○宮之原貞光君 それは十六条の三でしょうが。
#188
○政府委員(木田宏君) はい。
#189
○宮之原貞光君 私が聞いておるのは十六条の二の話をいま聞いておるんですけれども。
#190
○政府委員(木田宏君) たいへん恐縮なんでございますが、十六条の三も含めまして十六条の二という一般規定をかけてあるものでございますから、十六条の二の中で高等学校のこととそれから盲ろう学校のことと、これらを全部含めました一般規定が十六条の二になっておるわけでございます。そのうち高等学校、盲ろう学校についてさらに特別な必要規定を十六条の三、十七条に規定をさしていただきました。免許状授与の特例といたしまして資格認定試験の制度があるという点につきましては、十六条の二で一般的に書かしていただいている次第でございます。四十八年度の実施につきましては、小学校と高等学校の一部の領域と特殊教育の養護訓練の二つの領域を予算上は考えさしていただいておる、こういう次第でございます。
#191
○宮之原貞光君 そういたしますと、四十八年度予算上の裏づけもあってさしずめやるのは小学校の資格認定試験では、いわゆる短大卒同等の二級免を主体にして、同等の人を対象にしておるものと考えていいんですね。
#192
○政府委員(木田宏君) さようでございます。
#193
○宮之原貞光君 それならお尋ねしますけれども、先ほど私は教員養成制度のあり方やら、それから教養審の答申の中から見て、いわゆる短大卒云々というものは、これは教員の養成のあり方から見て好ましくないんだと、これは段階的に解消するんだと、こういう方向が出て、その方向は皆さんもそのとおりだと先ほど来何回も言われている。そういう方向を片一方で認めながら、今度はとりあえず短大卒の二級免相当の人を認定試験で拾い上げたいと、こういう意味は、しかもこの提案説明を見ますと、これによって教育界に広く人材を求めるとか、教育界に広い視野と新しい経験を加えるなど教育の発展向上をはかっていく上で非常に有益なことであると自画自賛をされておるわけなんですけれども、今後の方向性ということは認めながら今度やることはそれと逆なことをやって、これが今後の教員の発展の上にきわめて有益なんだというものの言い方の提案理由の説明をしていますがね、これはちょっと常識で考えるときわめて矛盾する話だと思うんですがね、これは矛盾しませんか。どうなんですか、皆さんの基本的なあり方と見れば。
#194
○政府委員(木田宏君) いまの宮之原委員の御指摘も私も十分わかるわけでございます。ただ資格認定試験の制度がやはり補完的な制度で特例的なものであると、またその体制も正規の養成のように完全に整備できるというものでない別の方式でありますために、今日の免許制度が、今回御提案申し上げております中では一級、二級の普通免許状の制度の改正を御提案申し上げておりません。そこで、普通免許状に一級、二級あります場合に、二級普通免許状の資格を与え、さらに一級になるためには現職教育等規定の免許制度の本則にのっとった検定制度によって上級の資格を得てもらうように指導していく、このことが現実的には適切な措置ではなかろうかというふうに思う次第でございます。そしてお考えのように、将来の免許制度をどう取り上げていくかという根本問題がありまして、その方向に沿って考えていかなければならぬという点は御意見のとおりに私も考えるのではございますが、とりあえずの措置といたしまして、特例的な措置がどの段階でスタートすることがいいかという現実の判断から、今回の、いまさきのような御説明を申し上げた次第でございます。
#195
○宮之原貞光君 どうもいま局長の答弁の限りではわからぬのですが、いわゆる免許制度の方向性という基本を踏まえて現実的な処置というならその方向性の中の、一気にはいけないからとりあえずのことでこうやっておるんだというならそれは現実的な処理という形でわかるんですけれども、むしろここではあんた、二級免の人の、短大卒同等の人をたくさんつくっていこうということなんだから、これは基本的な方向と矛盾しやしませんかと言われたって、現実的な処理の方向ですってやったって納得できないでしょう。そのみんなを納得させるところの理由というのは何ですかね。
#196
○政府委員(木田宏君) 今日の免許制度は、これは免許状の種類にもよりますけれども、一般的には普通免許状にも一級、二級という二段階がございまして、そして現職教育の中で上級の免許状を取得するというような励みも与えるような免許制度になっておるわけでございます。したがいまして、この資格認定試験の制度を投入いたしました際に、その実施が今日の段階における最上級の免許制度のところに資格認定試験でいきなり位置づけてしまうということはいかがであろうかと、今日の免許制度の一番最上位のところへいきなり資格認定試験の制度で持っていけるということになりますので、将来の方向ということを考えましたならば、宮之原委員のお考えも私も十分わかるんでございますけれども、それを今日の免許制度の中で実施するということを考えますと、特例的な補完的な資格認定試験という制度でありますために、一級、二級の区別があります場合には、二級普通免許状に格づけしていくということが現実的な処置ではなかろうかというふうに考えております。
#197
○宮之原貞光君 これは大臣にお尋ねしますが、いまのやりとりをお聞きして大臣は納得されますか。私はどうしても納得できないんですがね。教養審の答申だって、私は批判はしましたけれども、しかし、その批判のあるところの教養審の答申だって、やっぱり四年制大学というものを踏まえて、そうしてそのところに行って、二年制の短大とか、二年制卒というものは今後は段階的になくしていきましょう、その方向は皆さんは正しいと、こういう一つの方向性というのが出ておるんでしょう。その方向性に沿って、ただ現実的にこういう問題があるので、とりあえずはこうしましたと言うならわかるけれども、いまのあんたの話だったら、一気に二級免を越えて一級免に位置づけるということは非常に困難性があると、こういうことなら、いわゆる大学に在学中において教育課程の単位をとらなかったところの人とか、あるいはまた大学にも行かないで、あんた方言うところの人材の優秀な人、ほんとにやろうとすれば一級に該当する人もおるんでしょうが、そういう人は本来でがまんしてもらいましたと言うには、これは私はほんとに首尾一貫せぬと思う。それでもって、そういうことにしておいてから、提案説明だけでは、教育界に広く人材を集めるとか、また、新しい経験を積んだ人を教育界に得るならば教育はさらに発展するだろうというてまえみその宣伝をして、いまのあなたの答弁では私はこれは理解できませんがね。大臣、あんた、これ、きちっとわかりますか。もし大臣、それをわからせるような説明があったらやってくださいよ。ちょっと矛盾しやしませんか。
#198
○政府委員(木田宏君) いまの宮之原委員のようにおっしゃっていただきますと、私どもとしては一面では非常にありがたい、お気持ちは非常によくわかるようにも思うのでございます。そのように激励をしていただきますならば、これはまた私どもも考えて見るという勇気もまた出てくるわけでございますが、ただ、御提案申し上げましたときの今日までの考え方といたしますと、先々の免許制度の改善ということは、これはもう御意見のとおりでございますけれども、今日の免許制度をその方向によって改正するというようなところまで私どもが一緒に御提案を申し上げているわけではございません。
 そこで、今日の免許制度の中で、いろいろと御指摘のございますような補完的な措置ということを考えていきます場合に、一級、二級の区分のあります普通免許状につきましては、二級普通免許状という線で資格認定試験を実施しておくことが、今日の免許制度のたてまえから見ますと、謙虚なと言うとことばがちょっとりっぱ過ぎるのかもしれませんけれども、そういう立場ではなかろうかという気持ちで考えまた御説明も申し上げている次第でございまして、一級にすることが絶対に不可能なんだとか、それはいけないことなんだとか、そのことだけを考えましたならば私はそうは考えないのでございます。御指摘がございました御意見は、ありがたく私どもも今後の運用上の御意見として考えておかなければならぬというふうに思うのでございますが、今日の免許制度のたてまえの中で御提案を申し上げるものでございますから、一番控え目なところで資格認定試験の制度を実施するということでお許しをいただくことがいいのではなかろうかと、こういう気持ちで繰り返し御答弁を申し上げているような次第でございます。
#199
○宮之原貞光君 あんた、だいぶ私の発言を自分の都合のいいようにとっているんですがね。木田さん、私が言っておるのは、あんた方がこの立論に立つならば、とりあえずは一級はやめまして二級だけやりましたと言うのは終始一貫せぬと言うんだよ。ほんとうに人材を下から拾い上げてくるという考えのもとで資格認定制度をとったというなら、これは一級、二級にこだわりなくやるというのが筋なんでしょう。そういうことはやめて、とりあえず二級やりましたといういまの答弁は、どうしても一貫せぬから私はおかしいじゃないか。しかし私は、さらばといって、そうやりなさいとあんたに奨励しているんじゃないですよ、それは。私らはやはり、少なくともやはり教員養成制度のあり方から見て、基本的にはやはり四年制のものをという、これも学卒というものをやっぱり基本に踏まえていって、どうしてもやはりできないところの小範囲の特殊の技術面とか、そういうものならいざ知らず、いわゆる需要供給の関係で学校を出てそういう職業がないというならいざ知らず、しかしながら、私がいま質問しておるのは小学校の問題でしょう。けれども、それは、あんたの説明納得できないというのはそこなんですよ。私は端的に助け舟出しますけれども、そうじゃないんですよ、これは。端的に私、言ってもらいたいのは、それは小学校で何でこの二級免というものを開いたかと言うと、これは小学校の需給関係からでしょう。緊急の課題としてどうしても小学校の先生が足りないからこの門戸だけ開いておきたいということなんでしょう、端的に言えば。そうじゃありませんか、大臣。どうなんですか、今度出されるところのものの考え方は。この小学校の教員の二級免云々とあんた方出したものは需給関係というのが最大の原因じゃないんですか。違いますか。そのことは伏せておいて、一生懸命弁解しようとするから私はものの言い方がなかなか苦しくなるんじゃないかと思うんですが、どうなんですか、そこは。端的に聞きますけれども。
#200
○政府委員(木田宏君) 免許制度は一般的に今回の改正でお認めをいただきたいというふうに申しながら、現実にどこからやるかという点につきまして、小学校、高等学校の一部と、こういうふうに申し上げておりますのは、小学校につきまして当座の需給の問題、その他をあわせて考えておるからでありまして、御指摘のとおりでございます。
#201
○宮之原貞光君 そうでなけりゃ首尾一貫せぬでしょうが、あんた方、いい、悪いは別にしてもね。だって、さっきは教員養成制度のあり方の問題について、教育関係の先生方、いろんな学者あたりは、小学校の先生は大事だから五年制が望ましいとさえも言っているぐらいに、小学校教員のやっぱり獲得というものはむずかしい。非常に先生というものはむずかしいんですよ。けれども、背に腹はかえられないのは、あなた方から資料をもらったところのこの展望のように、二万三千人も学校の先生が不足しておる、それをどうやっぱり、このえらいやつを先生に持っていくかという、一つの窮余の策からやっぱりとりあえずは、打ち明けたところ、やはりとりあえずこの二級免というものを考えてみたいというところが本音じゃないですか、それ。それならば、そうだと端的におっしゃいよ。そうすりゃ、そこからまた議論が発展するんですけれどもね。だから、私は、非常にあげ足をとられまいとして皆さんがこうやっておるからどうもおかしくてしょうがないんだけれども、ときには単刀直入にものを言うて問題の本質を明らかにして議論が進展するようにしたらどうですか。大臣、それ、どうなんですか、ほんとうに。率直に申し上げますけれども。
#202
○国務大臣(奥野誠亮君) たびたび、いままで申し上げてまいりましたように、第二次ベビーブームが来年から始まる、同時に全科担任ということもございまして、小学校の先生、不足ぎみでございます。なお一そうそれが不足していくわけでございますので、いま御指摘のように、こういう仕組みをそういう意味でもぜひ開かしていただきたいと考えているわけであります。
#203
○宮之原貞光君 それで、私は、さらばといって私はこれでよろしいんですと言っているんじゃないですよ。
  〔委員長退席、理事楠正俊君着席〕
やはり、この問題は需給関係からきておるというのが直接の動機になっているという点をやっぱりはっきりしたかったから言ったんです。おそらくそれはお互い、ものの考え方がそこは似ておると思う、需給関係のそこを見れば。さらばといってそれで賛成だと言っているんじゃない。それを私は言いたいんですけれどもね。だからといって――この需給関係はわかります。資料の一〇ページを見ますと、先ほども指摘をしましたように、四十九年以降実に二万三千ずつ採用しなければならぬ。しかし、これを私が指摘したい点は、さらばといって、いま申し上げたように、短大卒の二級免卒、検定の門を広げるということはちょっとやはり安易過ぎはしませんかと私は言いたいんです。もっとほかにやる方法はなかったのか。いろんな手だてをやったけれども、どうしてもこれも必要だということでやられたのかどうか。もっとほかにいろんな、二万三千人も足りないというところの教員の需給関係から、これをやはり教育界に人を集めるような手だてをしたとおっしゃるなら、その点の面もお聞かせ願いたいんです。どういう手だてをされましたか。
#204
○政府委員(木田宏君) 今後の小学校教員の供給増を考えますためには、正規の養成課程の拡大をさらに引き続き行なっていかなければならないわけでございます。お手元の一〇ページの資料の中に約四千人程度の増を考えなければならないという見通しも申し上げておりまして、このうち三千人程度は正規の養成増をはかっていく必要がある、こういうふうに思っておるのでございます。ただ、先ほど来御意見がございますように、大学在学中正規の資格を取らなかった方々でありましても、そういう方々に門戸を開くという道を考えていく、そうした今回の特例的な措置の運用によりまして若干の調整的な供給増を期待をするということをあわせて考えておると、こう御説明を申し上げたいのでございます。
#205
○宮之原貞光君 私は、非常に安易な、イージーな方法をとっておるという二点を指摘したい点は、第一あなた、この資料の二万三千人というこの見通しは、何もあなたきのうきょうわかったことじゃないでしょう。大体子供は生まれると、就学前の子供の動向を調べれば、何年後には小学校、中学校、こういうふうな児童生徒増になるだろうということはもう前もって想定できるはずなんですよ、やろうとするならば。これぐらいコンピューターシステムがずっと完備してると、世の中にね。そういうならば、ほんとうは前もってやはり大学で学ぶ機会を、やはりそういう教員養成の定員をずうっと増大して今日の事態に備えるという手だてが、四一五年前からあってしかるべきなんですよ。そういうことにはまあどの程度熱意を示されたかもわからぬけれども、あまり私どもが知っておるような熱意は示されないでね、もうここ二万三千人ずつふえますから、しかたありませんからということも一つ私は問題だと思う。
 それにもう一つ私は、この大学で学ぶという単に教員養成課程のその定員をふやすだけじゃなくて、それならばこの教員養成課程の取得の問題で、夜間大学とか通信教育ですね、通信課程とかいうものをなぜ活用するところの方策を積極的に文部省はやらないんですかと、こう言いたいんです。これはまあ衆議院でも指摘されておりましたけどね。たとえば国立の関係で夜間大学ということになれば、大阪の教育大学の教育学部をはじめとして、全国で九校しかない。あるいは通信教育の問題はみんな私学におんぶされちゃって、国立のものは一つもない。それならば国立の学校は通信教育、夜間をやってはならないという規定があるかというと、そうじゃない、ちゃんと学校教育法の中にある。これに対して一体どれだけ今日まで――あなた方が開かれた大学、開かれた大学と言うならば、そういうところに開いていくことが大学の門戸開放なんだ、ほんとう言えば、国民に開かれた大学であるならば。そういうことになると、いや、スクーリングをとるのには金がたくさんかかりますから、なんて衆議院では答弁されていますけど、それは理由にならぬと思うんですよ。少なくとも私立の大学に行ってスクーリングとったりいろいろなものをするよりは費用は国立でやれば安いはずなんですよ、いろんな面で。それを理由にならない理由をあげてそういうところの努力を怠っておる。本来ならばそういう努力をし、それでこれはこうしました、しかしながら、これでも足りないので、こういう方法も私どもはせっぱ詰まって考えざるを得なかったと、これならばある程度の説得力はありますよ。しかし、いま私が指摘しましたところの問題については、これは全然というのは言い過ぎかもしれぬけど、何ら見るべきものはやらぬでおって、しきりにやはりそういうようなことをやる。言うならば、私から言わせればですよ、教員の需給云々というものは中教審あたりは長期展望立てなさいと、こう言われながら、中教審の答申や建議の方針は尊重しますと言いながら、長期的な展望一つないじゃありませんか。
  〔理事楠俊夫君退席、委員長着席〕
そこに私は今日のやはり一つの小学校の需給関係の問題点のせっぱ詰まった問題を起こしておるところの原因じゃないだろうかと思うんですがね。この点大臣、どうお考えになりますか、これ。この自体と離れてもいいですけれども、そういうやはり問題点をどうお考えになりますか。
#206
○国務大臣(奥野誠亮君) 大学が開かれた大学として積極的に夜間の学科なりあるいは通信制大学なりもっと努力すべきだという点、全く同感でございます。いま現に放送大学をぜひ実現さしたいと考えているのもそういう点からでございますが、今後とも一そうそういう意味合いでは積極的な努力を続けていきたいと思っています。
#207
○宮之原貞光君 話を聞くと、今後すべてやるということだけにしか落ちつかぬですわね。ほんとうはこれはここまでやりましたというのが今後ほしいですね。それだけ注文しておきますがね。
 なお、この需給関係と関連してまたお尋ねしたいのですが、この資料の五ページですか、これを見ますと、年度別の教員関係の卒業生と就職状況というのがございますね。これを見ますと小学校の場合が、免許状の取得の卒業生が一万七千三百人、実際に教職に就職者が一万一千七百人。中学校は九万人おるに対して五千五百人しか教職についてないわけですね。言うならば、特に中学校のごときは八万四千人も免許状を取得しながら中学校の直接教壇には立ってない、この資料から見れば。私は、これにはいろいろ要因があると思いますが、しかしながら、その人々が来ないから、学校に就職をしないからしかたがないという形で私はこの問題を放置すべき問題じゃないと思うのです。特に中学校の場合、それなら積極的に実際に教員の免許状の資格者こんなにたくさんおるわけなんだから、それを何で教育界に来てもらうような手だてというものを教育委員会なら教育委員会を通して指導させるとか、そういうことをやらないのか。もうそのこともこれはやはり教員への就職指導への積極性という問題について非常に私は疑わざるを得ない。非常に消極的過ぎるんじゃないか。ただ文部省は出しさえすればいい、出したものが合わないから今度は便法でこうやるのだということにしか私は結果から見えないと思う。特に中学校の問題で私は言いたいけれども、これはあなた、中学校の、先ほど尋ねたところの教養審建議の中にもあったでしょう。教員資格取得の道の拡充の一環の中に、いわゆる中学校の免許状を持っておる人をある一定の期間小学校に来てもらって、その間にこれに二、三年の期限つきで小学校教諭として任用し、その期間内に小学校教員の免許状を取るように指導しなさいという建議もちゃんとあるのですよ。それに対してどれだけの積極的なあなた方手だてをやっておるかということについては何ら報告されるべきものがない以上、ただ安易に検定の門戸を広げて名前だけは人材を野からも拾い上げるとしかつめらしいことを書いていますけれども、免許状を持ちながらも八万人も教職につかないという、中学校の免許状の所有者おるのだからね。その人を小学校なら小学校の教員にやはり就職してもらう、そのための建議にも書いてあるような手だてというものを具体的にくふうするならば、相当やはりこの需給関係の問題は私は解消するところの面があると思うのですがね。そういうやはり具体的な文部省の方策というものはないんですか、あるんですか。あるならば、こういうところまでいっていますというものを聞かしてもらいたい。
#208
○政府委員(木田宏君) 現実に過密の都府県におきまして中学校、高等学校教員の有資格者が小学校の助教諭等として採用されている例はかなりの数にのぼっているわけでございます。そこで、当該府県におきましては、これらの教員に対して小学校教員の免許資格を取り得るようにするために教員の資格付与事業というのを実施をいたしておりまして、小学校教員に助教諭としてつとめております間、できるだけ勉強をして正規の免許状が取れるようにこういう奨励措置を講じてございます。それに対しまして、これは十一府県市になるわけでございますが、十一府県市に対しまして対象人員約千二百人ほどにのぼっておりますが、教員の資格付与事業に対する補助事業を実施をいたしております。四十八年度は三千万ほどの予算を計上して、先ほどの指摘にございましたような資格付与事業も奨励をしておるのでございます。
#209
○宮之原貞光君 しかし、それあんた過密県の例だけでしょうが。この全国的な状況を見てごらんなさいよ。過密県ではいまおっしゃったように背に腹はかえられなくなってやっているけれども、今度は過疎県では教員が余り過ぎているところもあれば、なかなか学校を卒業してもはいれぬところもあるんでしょうが。そのアンバラが相当あるんでしょう、全国的にこう見ますればね。私は、全国各県の県の教育学部ないし県内の国立大学関係のその一覧表も実は求めたかったんですけれども、まだ資料ができておらぬようですからね。それは別にいたしましても、事実非常なアンバラがあるんですよね。しかもさっき私は中学校のあれを八万とあげたけれども、それが全国的に、濃度の差はいろいろあるけれども、ばらまかれていることは事実なんです。だから、たとえば過疎県では、さっき初中局長が答弁したように、いわゆる無免許運転者が相当おるわけなんです、今度は逆にね。これはあんた、青森あたりはどうですか。中学校の場合でも免許外担当者が千八百五十五人おると、こうなっておりましょう。あるいは高知ではあんた、二千四百八十四人のうち千六百二十八人がこの免許外の担当者でしょうが。そういうような片一方ではものがある。片一方では、今度は足りなくて仮免をくれながらやっているという、しかもこの全体的な需給のあれから見れば有資格者の問題は、たとえば中学校の場合は八万何がしもずうっとばらまかれておる。こういうことになると、私はこれは各府県にまかすべきところの問題じゃなくて、それこそやっぱり文部省が指導して、総合的にこの問題を各府県間どういうように協力してもらうかということぐらいは年じゅう指導するのがあたりまえじゃないか。そういうことはしないで、この間の話じゃないけれども、教育長集めて、えらい言わぬでもいいようなことも演説ばかりやられておるんじゃ、私はこれはやり方が間違っていると思うんだ、ほんとうは。こういう具体的な問題をやってこそ大臣、大臣の値打ちがあるんですよ。そういうことが私はやられないでおって、個々にただ安易なところの道だけを求められておるというところに非常に問題点を率直に言って感じますよ。あるいはたとえば埼玉県の例ですけれども、埼玉県では現実に四年制の教育学部を出て就職しないで余っている人がおる。それでもって今度は埼玉県は二年制の養成所、県立のやつを持っているものですから、それは一〇〇%入れておるという全く矛盾した指導をやっているんですよ、教員採用を。これは埼玉の例などを見ますればね。これは何も私は埼玉だけの例じゃないんじゃないかと見ておる。そこにいろいろ見方はあるけれども、何か合理化というかっこうで安上がりの教員をつくるんじゃないかと、こういう安上がり、単価を落とすためのことをやっておるんじゃないかと、地方財政上ね。そういうやっぱり批判さえ出てくるんですよ。こういうふうに実際各県のそれぞれの教員の需要供給の状態はみな非常なアンバラになっておる。そこらあたりのところに私は文部省が全国的なやはりアンバラの調整をどういう各県話し合いをさせるかという行政的な指導というものが積極的に行なわれない限り、この問題は単なるあなた方が言うところの免許制や認定制度を広げるところのことだけではこれは解決がつかないし、しかも私から言わせれば、それは間違った考え方じゃないだろうかと、こう言いたいんですよ、ほんとうは。そこらあたりどうお感じになりますか。いま私の指摘した点、大臣の所感をお伺いしたいですね。
#210
○政府委員(木田宏君) 全国の国立の教員養成学部で小学校課程を卒業いたしました者のうち、たとえば昭和四十七年度をとりますと八千四百名の教育学部小学校課程卒業者のうち、県内で、その所在県の小学校の教員になりました者が三千三百余でございまして、四千八百ほどは県外の他府県の学校に就職をしておるわけでございます。それぞれの県によりまして、人口の異動その他かなり活発でございますから、教員養成大学の定員による需給が府県別にとりますと非常にアンバランスになっているという点は御指摘のとおりでございます。でございますが、現実にそれじゃ全国一斉に全体計算として調整がうまくとれるかという点になりますと、これはいまのように半数以上が他府県の学校に就職をするという実態がございましても、全部調整がとり切れるというわけではございません。したがいまして、どうしても局部的にいろいろな補完的な授業をする。埼玉におきましても、千葉におきましても、奈良におきましても、過密県の一部でそうした特別のくふうをしなければ小学校教員の需給が間に合わないという実態のあることも事実でございます。そうした需給の調整上の問題は、大学の正規の養成課程の調整だけではとり切れないものがございます。若干の補完的な措置というものもあわせて考えさしていただきたいというふうに思う次第でございます。
#211
○宮之原貞光君 何も私は全部それを調整できるとは言っていないけれども、調整の努力、そういうものなくして、ただこういう方法でやろうというところに安易さを私は感ずるのです。だから一つも説得力がありませんねと、こう言っているのです。そこまでやっていないと言うならばそれは考えなければならぬという気持ちは、やはり審議をする者にどうしても起こさせませんよ、これは率直に申し上げて。それだけ言っておく。次に移ります、時間がありませんからね。
 そこで、いま補完的な措置だと、こういうようなことでありますけれども、まだまだ私は、先ほど申し上げましたところの私の質問なり意見などから見て、どうしてもそのことに疑問を持つのですけれども、さらにもう一つの大きな問題点は、これと別にね。それは先般松永委員が指摘された一般教育の弾力化云々の問題ですよ。これは改正案の別表の第一と第二から一般教養の単位が全く削られておるということは、この間も局長の答弁を聞いておったけれども、どうしてもやはり理解できないですよ、率直に申し上げて。たとえばそのときの答弁の要旨としては、大学設置基準の規定で、第三十二条ですか、卒業の要件の中で、一般教育科目の三十六単位があるんだから、ここにあるんだから、あわせてここのところに明記する必要はないのじゃないかと思います。あるいはまた、こういう方法が弾力的だと言って大学側から喜ばれております云々という説明があったのですけれども、どうしても私はそのことを納得できないのですよ。できないというのは、少なくともいまあなたがおっしゃっているのは、大学教育の一般的なこれは論であって、少なくとも免許状に必要な最低修得単位の数を削減したということなんですから、言うならば、一般教育の一般的なものをどうした、こうしたというならいざ知らず、最低限度の単位数だから三十六単位ここから持っていきましたということがどうしてもできない。これは何といっても、今度の免許制度を含めて教員養成全体のあり方の中で、一般教育を軽視するというところのやり方が、ここに出ておると言わざるを得ない。それは私が先ほど来、中教審答申なり教養審答申の、いわゆる教師像という問題について指摘をしておきましたが、言うなれば、あそこで言うのは高度の専門性ということを強調するあまり、専門科目重視という一点ばりなんですよ。だからそれがたまたまここにも出てきておると、こう言われたってこれはしようがないと思うのですよ。しかも、これは単に大学教育だけではなく、資格認定試験の基準ともなるわけでしょう。この表というのは、そうではありませんか。これは先ほどあなたが説明したところの教養審、この間の説明からいわれておるところの、いわゆる一般大学と同じように学力が低下しないような認定試験をやれというものの考え方からいえば、当然これは認定試験の基準にもなるものの考え方ですよ。したがって、その認定試験の筆記試験をさせるとするならば、一般教養云々的な大学のあすこから削られておるところの面は、当然軽視をされざるを得ないところの運命になるといわれたってしかたないじゃないですか。出題の出し方として、実際の場合。そういうことを考えていけば、これはどうしてもいわゆる戦後の教員養成制度の理念の特色であったところの一般教育の重視という面が、これは弾力化云々という名前のもとにうまく削られておるのだ、こういわれてもしかたないじゃないですかね。だから私どもから見れば、これは教員養成制度の一番根本の、基本を戦後の特色であったものをここから弾力的云々という名前でうまく除去しておるというところのきわめて意図的なやり方であると言わざるを得ないんです。どうなんですか、その点は。これは一般の資格認定試験の場合には、これはまた別に一般教養の云々というのが、やっぱり三十六単位と同様に重視される試験科目になりますか、当然ならなくなるでしょうが、このあれから見れば。この基準に合わせていくというのですから。そうすると、ますますその専門だけのところに詳しい人しか選び出すことのできないような仕組みになっていきますよ、これは。そうじゃありませんか、どうですか。
#212
○政府委員(木田宏君) 免許法の別表一等に入っております一般教育科目の単位でございますが、これは大学教育を通じました一般教育、この一般教育という科目の考え方そのものも実は大学教育に共通の考え方でございまして、教員養成大学のためだけの一般教育ではないわけでございます。ですから大学各専門領域の大学教育を通じました一般教育という考え方でございまして、その上に立って学士の称号を有することとか、大学に二年以上在学する場合の、この基礎資格の中に大学の一般教育科目の単位数が掲げてあるわけでございますが、これは大学の一般教育を、いろんな教員養成学部も、他の学部も含めまして、一般教育としての扱いを指導をいたしておるわけでございまするから、その線にゆだねさしていただきたい。学士の称号を有するというのは大学の卒業資格、大学におきます一般教育、専門教育の履修を終わった卒業資格ということになるわけでございまするから、大学設置基準で一般教育というものを全部落としてしまうわけではございませんので、その意味では他の大学の他のいろんな養成の領域と同じように取り扱いをさしていただきたい。一般教育の教育内容をどのようにするがいいかという点につきまして、各大学それぞれ独自の創意とくふうがあり得るような、そのことを各大学は喜んでおるわけでございまして、大学設置基準の、前回申し上げました第三十二条の第二項の規定を入れて、こうした弾力化の措置をとれたことを多くの大学の関係者は喜び、これによって独自の運営をいたしておるわけでございます。教員養成学部の一般教育は、他の学部の学生と同じように行なわれておる面が多いわけでございますから、そういう意味では、この一般教育の考え方を大学の一般教育科目の扱いとして、そちらにゆだねさしていただくことが、適切であるというふうに考えて提案を申し上げている次第でございます。
 なお、ここから一般教育科目を落とすから資格認定試験の際に、一般教育科目を課さないことになるのではないか、こういうお尋ねでございますけれども、そうではございません。これは大学に二年以上在学するというような基準もございますし、また高等学校にありましては、学士の称号を有することというふうな基礎の資格があるわけでございますから、それに合わせた一般教育、専門教育等の教科につきまして、試験をしなければならない道理でございまして、ここから一般教育を落としたから、教員養成の内容について、一般科目を軽視するという考えは毛頭持っておりません。
#213
○宮之原貞光君 しかし、あんたが毛頭そういう気持ちはないと抗弁されようとも、ここに出ているように大学における最低の修得単位数というものは、これは教育学部の教育課程の最低限単位数ですよと、こういうことが明確になるということは、試験をする場合には当然ここが中心になって試験されていくんでしょうが。それはあなたうまいことを言って、学士号とか、何とかかんとかおっしゃいますけれども、資格認定試験の場合には、これはやっぱり基準になっていくのは、大学におけるところの最低修得単位数というものの、ここのところがポイントになっていくことは明白でしょうが。その上にプラス一般教養のものをあなたやりたいというのがほんとうなんでしょう。けれどもこれから一般を除くということは、とりもなおさず、これは中心の出題傾向とならざるを得ないんです。皆さん方がどっちみちその試験問題を書かれるかどうか知れぬけれども、そこにもうすでに私はあの教養審の建議案にいうところの高度の専門性云々といって専門科目重視主義、偏向主義というか、あれを重視し過ぎる、そういう傾向というものが、ここのあなた方の弾力云々という条項の中にもうまくはめておる、こう言われてもこれはしようがないでしょうが、実際の問題として。これはもちろん出されたところの試験問題見なければ、これは何とも言えぬかもしれないけれども、人情としてはそうならざるを得ないでしょう。あんたがどう答弁されようとも、試験をつくるところの人はやはりこれを基本にしてやらざるを得ませんからね。そうなりませんか。もしならないというなら、どういう指導をされますか。そういう問題の指導をどうされるかということをおっしゃってください。
#214
○政府委員(木田宏君) 小学校教員の資格認定試験にありましては、教員養成を担当しております。大学に御委嘱を申し上げたい。で、大学が必要とする一般教育あるいは専門教育の水準の資格認定を行なわれるわけでございます。
 高等学校等につきましては、大学卒業のレベルで学力等を認定するわけでございますから、工業でありましても、あるいは人文社会系でありましても、それぞれの大学卒として必要な一般教育、それから専門教育をそれぞれ領域ごとに判定をさしていただく、そういう資格認定試験になる次第でございまして、この免許法の一般教育科目の単位数は、大学教育としていろんな専門領域を通じての一般教育科目の単位数でございまするから、その意味では大学教育の水準を維持するという資格認定試験の上で、一般教育科目が軽視されるということはないというふうに考えております。
#215
○宮之原貞光君 考えておるというけれども、あなたがそう考えておったって、実際に文部省だけでなくして、いろいろな教育学部やいろいろな学校に委嘱するというんでしょう。そうすると委嘱されたところは、自分の大学の教職員の一番の中心のものをこう見るところの傾向がありますからね。当然これ中心のやっぱり出題傾向にならざるを得なくなるんですよ、どうやろうにも。それならばそうさせないような一体行政指導というものがなければ当然そうなりますよ、これは。だからその弊害を除去する、そういう危険性を除去するとするならば、どういう手だてをやるかということまで、きちんと言っておいてもらわなければ、私は困りますよ。ただ、あんたが幾らなりますといっても、あなたがすべて試験問題を書くんじゃないんだから。
#216
○政府委員(木田宏君) 資格認定試験は一般教育科目、教職科目、専門科目等につきまして、委嘱いたします大学に対して基本的ないま御指摘のような一般教育科目で何単位、どういう内容のものというワクづけをして、各大学に実施をしていただくことになるわけでございまするから、これは文部省として大学に委嘱をいたします場合に、一般教育科目が必要な単位にするということはお約束できる次第でございます。
 また、高等学校の教員等につきまして資格認定試験をいたします場合に、他の学部の卒業生でございまして大学の一般教育をその大学の一般教育所定の単位を取っております者については試験科目から除外するというようなことも考えたいと思っておる次第でございます。大学におきまして履修した単位を相当分として考えていくというような必要な措置はとるつもりでございますが、しょせん一般教育科目について免許法等がいままで考えておりました線と、それから免許法から一般教育を削りましても大学教育として共通に考えられております一般教育内容というものは、資格認定試験の中で生かしていく所存でございます。
#217
○宮之原貞光君 次にお尋ねしたいんですが、先般も松永委員から指摘されて問題になった件ですが、昭和四十一年ですか、この免許法の改正案が出されて、結局つぶれたやつですね。その前のほう見てみますと、一般教育科目は今回同様に削除されて提案をされておりますね。しかしながら、専門教育科目は逆に小学校の場合を見ますと、教科に関するものは現在の十六単位を四十八にする、あるいは教職に関するところのものは三十二のものを二十にしておりますけれども、合計すればいわゆる専門教育科目四十八単位のものを六十八単位に引き上げる、こういうような形で提案をされておりますね。その限りにおいては、その専門教育科目強化方針という、いわゆる教養審の答申に沿っていると思うのですが、今回のものを見ますれば、いわゆる今回のものは一般教育科目のやつはみんな削除している。そうしておいて専門教育科目はそのままになっておりますね、これを見ますと。私は先ほど来、問題を指摘してまいりましたところの皆さんの立場からいえば、尊重しますという教養審の建議の方針ともそごするような感じを受けざるを得ないのですよ、率直に申し上げて、それはおそらく皆さんどうなのかといえば、弾力化云々されて運用の面でこれは処置しますと、答えがはね返ってくるかもしれませんが、具体的に、その教養審の方針の七十単位というものから見れば、はるかにこれは少ないものなんですが、どうされるつもりなんですか。計画があるならお聞かせ願いたい。
#218
○政府委員(木田宏君) 今回の教員養成審議会の建議内容は、前回提案申し上げました教職に関する科目あるいは教科及び教科教育に関する科目の単位数とは考え方が違っております。前回ほどの大幅な増というものは必ずしも今回の場合に提案になっておるわけではございません。ただ小学校の教職専門科目につきましては現行よりも八単位ほどの多い単位数が望ましいという提案になっておるのでございますが、教育実習を主といたしましたこの教科専門科目の増加という点につきましては関係団体の意見もやや分かれておるところでございます。よって審議会におきます御論議を詰めて法案として作成するまでに至っておりませんので、今回は、その教職専門科目の単位の増等についての提案を申し上げないでおります。一般教育科目の単位数を落としておりますのは、先ほども申し上げましたように教員養成大学も、多くの大学にありましては総合大学の中の一学部でございまして、他の学部と同じように一般教育の教育を受けておるわけでございます。ですから、一般の大学の学生と同様に教員養成大学の学生にありましても、一般教育のやり方が同じように処理できると、こういうことで大学一般の考え方にゆだねさしていただくということが大学の教育上一番望ましいということから、一般教育科目を大学設置基準のほうにゆだねさしていただくという御提案を申し上げているだけでございまして、教職専門科目等の考え方につきましては、現行の考え方を変えるというところまで現在至っておりません。
#219
○宮之原貞光君 そうしますと、去年の七月三日のこの建議案ですね、これにあるところの教職専門科目の四十単位、これは採用しないで、現行の三十二ですか、これはこのままでいきたいと、そうするとこれは採用しないと、こういうことなんですね、端的にお聞きしますけど。
#220
○政府委員(木田宏君) 建議の中に、今回法律案としてまとまらずに提案申し上げてないものが幾つかございますのですが、今後の検討課題にいたしたいというつもりでございます。
#221
○宮之原貞光君 今後の検討課題にはする、ただいましなかったという、その理由を少し明確に聞かしてください。どういう点があるからしなかったのか、あるいは、こういう建議案としてまとまっておるけれども、これは意見がまとまったものでないというから現行のままでいくということにしたのか。そこらあたりの根拠を少し聞かしてください。
#222
○政府委員(木田宏君) 今回、この御建議の中に入っておりますのは、普通免許状の必要単位が提案になったわけでございます。この建議には、そのほか上級免許状、初級免許状等の提案もございます。でございますから、この普通免許状のところに書いてございます科目の単位数等を法律上の問題として取り上げますためには、私ども上級免許状の資格単位あるいは初級免許状の今後の扱い方、そういうことを全体的にまとめた上で提案を申し上げるべきではなかろうかという意味で、今回は差し控えておる次第でございます。
#223
○松永忠二君 関連。
 そうすると、その三十六単位を十二単位に流用できると、それが非常に歓迎をされているし、この考え方を移したいということを言っているわけでしょう。そうすると、そのかりに十二単位を流用するとすれば、どこへ流用するんですか、この場合。
#224
○政府委員(木田宏君) これは、それぞれの大学でそれぞれの実情に応じてお考えいただいたらいいというふうに考える次第でございます。この教職専門科目のどこかへ持っていくとか何とかというふうに限定して考えておるわけではございません。大学の卒業までに至ります必要単位数が百二十四単位でございますから、免許法の規定の上に出ております単位数以外にも学生は勉強しなければならぬということになりますので、それらの適切なところに大学の指導によって学生が選択をすると、こういうことに相なろうかと思います。
#225
○松永忠二君 そうすると、第二項の十二というのは、外国語、それから基礎学科、それから専門教科でしょう。そうすると、教員養成大学でまさか外国語へこれを流用するということはあり得ないでしょう。それからまた基礎教科っていうことになれば、これはほとんど一般教科と似たようなものです。このほうをふやすというなら、何も流用する必要はない。そうなると、どうしても専門教科のほうへいく以外にない。専門教科ということになれば、これは当然教育学とか、あるいは教育学原論とか、心理学とか、そういうものになるんだから、これはこっちのほうの教職に関するところの単位へ大体入っているんじゃないですか。そうでしょう。そういうふうなことになるから、結果的には十二単位をまるまる教職のほうへ流用していけば、結果的には四十四単位ということになってきますね。三十二単位とはいいながら、現実には四十二。半分ずつにしたところが、これを六単位ふやせば、結局三十八単位になるでしょう。上のほうが二十二単位になってくるでしょう。当然教科と教職のところが変化するわけです。いやほかにたくさん単位を取っていますから、三十六のほうは減りはしませんと言うなら、それじゃ、三十六を減らすことはないんだから、法律に書いておけばいいじゃないですか。だから、言っているように、三十六単位を流用して十二単位が三つの中のいずれかに入るということを大学設置基準ではきめているわけです。それを活用する。これを単にほかの大学でやっていることをいわゆる教員の場合にも入れるだけだと、こうおっしゃるけれども、これは一般の大学の場合には外国語とか基礎教科をふやすというやり方をしていくというやり方も一つの方法だ。しかし、ここでいわゆる教員養成大学の中で流用するということになれば、まさか外国語を流用する、十二単位を流用することはない。基礎のいわゆる教科を流用することはない。当然専門の教科で流用することはあたりまえだ。そうなってくれば、そこへ流用すれば、結果的には、さっきから話が出ている教科とか教職の単位をふやすことになる。それじゃ、結果的にはこの前提案したものと同じような趣旨のものになってくるし、そういうやり方ではつまり昔の師範学校的な教育のやり方になると指摘をしている。私も指摘をしたわけだ。そうでしょう。十二単位をどこへ流用するんですかと言ったら、十二単位はそれはそれぞれの学校でやるでしょう。やるでしょうと言ったって、設置基準には三つの科目があげてあるんでしょう。あれがここにありますから、それでそういう点を正直にこの前ははっきり分けて提案をしてきたから、いろいろ議論もしやすかったけれども、今度の場合にはそこをはっきりさせないのはおかしいじゃないか、そんなのいわゆるごまかしではないかと言ったら、いや答申にはこれありますというんで、しかし、答申はいまのところやらないという言い方をしている。だから答申をやるとすればどうなるかということで、ちゃんとそれを計算してみれば、こっちを多くしてあるわけです。つまりこれはそういうことになっているんでしょう。十六単位というのは上で一緒になっているけれども、下は三十二単位を四十単位それだけじゃなくて、十四単位を教科専門科目または教職専門科目、これを全部教職にするか、二つに割った場合と単位を両方へ足してみれば、十六へあるいは七を足し、下のほうは四十へ七を足すから四十七になるわけです。そういうふうになるわけです。だからやっぱり結果的には教職と教科専門の科目を充実することになるわけです。だから流用すると言ってみたところが、これを一般的な大学と同じようにやりますと言ってみたところが、結果的にはそういう結果になるし、そういう答申を得ているわけでしょう。それに基づいてやっているんでしょう。ただそれをはっきりここへ出さないだけの話なんですよ。結果的にはそうなるでしょう。
 それじゃ、十二単位をどこへ持っていくか言ってください。
#226
○政府委員(木田宏君) いま御意見のあります別表第一の一般教育科目の単位、そのほか専門科目の教科、教職の単位も全部そうでございますが、これは大学でたとえば文学部で英語を勉強しております者が中学校の一級普通免許状を取る場合にも同じ適用があるわけでございます。でございますから、文学部で英語を勉強……。
#227
○松永忠二君 それは教科をふやすということですよ。英語をやった者は英語を取るということは、この中の教科をふやすということですよ。
#228
○政府委員(木田宏君) 英語の専攻の者が、一般教育科目の代替として英語を受けるということもあり得るわけでございます。それから理学部の数学や物理等を専攻しております者が、それらに必要ないろんな単位の取り方をするということもあり得るわけでございます。でございますから、この一般教育の履修の方法は、教員養成学部の学生だけでなくて、全大学の全学部の学生がそれぞれ免許状を取るためにどういう単位を取るかということにいまかかわってくるわけでございますが、これは一般学部におきましては、免許状を取る学生だけでもございません。一般教育をいろんな専門の学生を一緒に考えて一般教育の指導をし、その一般教育の内容がいろいろと論議がありまして、大学の自主的な編成をしやすくするという弾力化の措置を講じてきているわけでございます。でございますから、ここで弾力化いたしましたものがすべて教科、教職に関するものにだけプラスされるということを申し上げるわけでございませんで、これは専門科目等と書いてありますのは、最低の履修単位でございますから、それ以外に卒業までに百二十四単位の中にいろんな単位の計算方法があり得る。ここのところだけプラスになるというふうに限定してお考えいただく必要はないんではなかろうかというふうに思っておるわけでございます。しかも、この一般大学で免許状を取る学生、取らない学生、分けて一般教育を実施するということは非常にやりにくうございます。したがいまして、一般大学で普通に一般教育を履修するという学生と、この免許状を取ろうとする学生とを、一般教育につきましては同じ扱いにさしておいていただきたい、これ以外のことを考えているわけではございません。
#229
○松永忠二君 私、関連ですから簡単に言いますが、そうすれば、十二単位をどこへやるんですかということを聞くよりほかない。それから十二単位をほかへやったって、ここへ加えるわけじゃありませんと言ったって、免許状の関係で、最低の取得単位としては、教科と、教職と、一般教科と三つしかないんで、その区分けのどこかへ入らなればいけない筋合いのもので、それから一般教科といったって、あるいは教科あるいは教職といったって、それ以上にまた取っているところもあるんですというお話なら、何もそんならわざわざその三十六だけを取る必要は、削る必要はないじゃないですか。三十六をそのまま載せておけばいい。十六よりもっとふえて取っているのもありますと、三十二よりもっとたくさん取っているんですというなら、何もそんなら十六も三十二も何も置く必要はないじゃないかという理屈になるわけです。議論の一番の問題は、要するに、一般大学において流用を認めたとしても、つまり教員養成の反省からきて、少なくとも免許状取得の場合における大学教育でこれをやるという趣旨から見て、三十六単位は必須としてどうしても守らなければいけない線だという、そういう非常な、つまり前との反省の上に立って三十六単位というものができたと。それはあなたのおっしゃるように、簡単に、ほかの一般大学で流用しているから、教員の場合の免許資格の三十六単位をふやしてもいいということにはならない。これはもうこの前もちょっと話を、私は疑問に思ったけれども、いまでもやはり同じようなことなんで、どう説明を聞いて見ても私はその点は理解ができませんので、まあ、そういう点を申し上げて質問を終わります。
#230
○政府委員(木田宏君) どうも十分な御説明ができないようでたいへん恐縮なんでございますが、この免許法の別表は、教員養成大学の学生だけでなくって、一般大学の学生で免許状を取る者にも適用があるわけでございます。そこで、一般大学で免許状を、教員養成大学以外の一般大学で免許状をとろうとする学生と――一般大学にはとろうとする学生もおりますが、とらない学生もたくさんおりまして、一緒に勉強しておるわけでございます。そしてこの大学の紛争を契機にして――その前からなんでございますけれども、大学におきます一般教育のあり方が、これがなかなか学生に対して不満足な教育内容になっておる。もう少し一般教育を、人文、社会、自然の十二単位を形式的にとらせるということでなくて、指導上のくふうもしなければならぬということから、一般大学を中心にいたしまして、一般教育のこの教育内容についての弾力化をはかったという次第でございます。その際、一般大学にありましては教員の免許状をとろうとする学生が一部おるということから、指導上にいろいろな問題が起こる。また教育の課程の組み方、その他にもいろんな問題が起こるめでございまして、大学が一般教育の改善、充実にいろいろとくふうし、努力しておることがやりやすく行なえる、そういうふうに一般大学の一般教育として同じ基準で扱わせていただくということが、総合大学としての一部に教員養成大学が位置づけられていることも多いわけでございますから願わしいのでございまして、また教員養成学部以外の学生にありましても、他の学生と一緒に一般教育を履修しながら専門に進んでいくという学生のことを考えました場合に、教員の免許資格をとるためにはぜひ従来どおりの一般教養教育でなければならぬというワクどりがありますことはかえって適切でないという意味から、一般大学の扱いにゆだねさせていただきたいという提案を申し上げている次第でございます。
#231
○宮之原貞光君 時間がございませんから端的にお聞きしますが、このことと関連いたしまして単位の修得方法ですね。この法案の別表の備考の内容を全面的に削除して、文部省令にいま移していますが、その理由、その内容は改正前と同じなのかどうかですね。そこをできるだけ簡単に。
#232
○政府委員(木田宏君) 大学教育で単位というのが何であるのかというのは、大学一般を通じて共通にきめさせていただきたい。またその単位の計算方法も大学の各専門を通じて同じように単位の計算方法をきめさせていただきたい。それ以上の他意はございませんので、大学設置基準で規定してあること以外に、ここで繰り返し規定していただく必要はなかろうという趣意でございます。
 なお、このことについてちょっとお断わり申し上げておかなきゃならぬのでございますが、昨日松永委員の御指摘に対しまして、この単位の計算方式につきまして、省令で四十五年に一部手直しをしたような御説明を申し上げたのでございますが、たいへん不勉強で恐縮でございましたが、字句の訂正を行なっただけでございまして、内容、単位の計算方法は当初から変わっておりませんで、たいへん不勉強で申しわけないことでしたが、ちょっと御訂正をさせていただきたいと思います。
#233
○宮之原貞光君 これは、単位の計算方法は基準法の第二十六条、これに書かれたやつなんですね、中身が。これは変わっていませんかね。これは先ほどちょっと言いました四十一年の通常国会における免許法審議の際、ちょっと参考人が呼ばれていろいろ答弁した中で、この問題がやっぱり問題になっているわけですね。これは、単位の計算の方法はそのころ違ったからあの問題になったんじゃないですか、たとえば一・五時間云々という計算のしかたは。変えようとしたのかね。――いや、これしかし変わっている。どうかね、変わらなかったのかね。
#234
○政府委員(木田宏君) 昭和四十年のころ、大学設置基準等研究協議会が設けられまして、この大学設置基準の改正の論議がかなり行なわれたわけでございます。そして単位の計算方法につきましては、この二十六条に書いてございますただし書きのほうをむしろ本則として考えたらどうかという意見がかなり出たのでございます。これは当時の設置基準等研究協議会の論議の中で、本則とただし書きとを逆にしたらどうかというような意見が出たのでございますが、これが実施につきましては、各大学の実情にかんがみ、なお検討すべき点が残されているということで制定当初以来今日までこの考え方は変えておりません。
#235
○宮之原貞光君 わかりました。
 次にお尋ねしますが、教育実習等の問題です。この点どうも私は衆議院におけるところのやりとりを見ましても、教養審あるいは中教審答申の教育学習の重視、こういうことを言いながら、このいわゆる検定制度の中では教育実習は全然ないんですね。それが、どうも皆さんの答弁聞いておっても納得できるような答弁にならぬのですがね、これ。現にあなた中教審、教養審にしても、いま現行のものの二倍から三倍にしようとこう言っているわけでしょう。それくらいに重視をされなければならぬのに、この認定試験制度で、このようなことが困難性があるという形で全然採用されておらないということについてはどうしても納得できないのですよね、これ。たとえば皆さんの衆議院の答弁を見ましても、局長はこう言っている。はり、きゅう、あんま、柔・剣道などの特殊教育の特殊性の説明にあなた、とてもこの問題については終始しておるんですよ。しかしながら、肝心かなめのこの小学校の教員の場合に、何でこれ省いたかという問題の理由は一つも言っていないのですよ、これは。例外的な措置だからといって、あるいは検定制度というのは補完的なものだからといって、教育実習を省くというのは、これはだれが考えても理解できない。あるいは文部大臣のこの答弁を見ると、「高校しか出ておらないけれども教職に一生ささげたい、この情熱で教育実習は除去できる」云々とこうおっしゃっていられる。そんな情熱で除去できるような教育実習というのは……あなた首をかしげていますが議事録見てごらんなさい。あなたおっしゃっているのだよ。苦しまぎれの答弁かしらぬけれどね。こういうことをやって、免許制度はあれだけやかましく言われている。自民党の皆さんだって一教育実習は大事だからさらに四十何時間にしようというぐらいおっしゃっていると思うのですね。このことが検定制度のところには全然見られないということはどうしても理解できないのですよ。それをあなたの答弁では、それは採用後に任命権者が何とかやってくれるのに期待いたしますと。これくらい責任のがれの答弁ないじゃありませんか。何ですか、これは一体、ほんとうにこの問題考えられないという理由は。一番やはりこの教員の資格の中で、特に小学校教員という全教科の先生方にとっては、教育実習というのはきわめて重要なんですよ。確かにはりとかきゅうとかというものにはそれはいろいろ特殊性があるでしょうけれども、それを十っぱ一からげにして、はり、きゅうの問題もさして要らないから、小学校教員の免許状をやる人に対しても要らないのだというのはちょっと暴論じゃないですか。これは、皆さんはこの問題どういう議論をされたのですか。非常に問題ありますね。
#236
○政府委員(木田宏君) 教育実習が教員になる者にとりまして重要な意義を持つものであるという点につきましては繰り返し御答弁申し上げているところでございます。ただ資格認定試験というその試験制度の現実から考えてみまして、ある程度の一定期間、長期にわたりますその教育実習を、この資格認定試験に各地域から個々ばらばらに受験して参ります個々人に対して教育実習を実施し管理していくという方法は、試験制度の中では取り扱いにくいということから、衆議院でも御答弁申し上げましたように、その免許資格を与えることと、それから自後の指導ということとに分けて考えまして、しかもそれを全体として教育実習を補うような指導上の措置を講ずるようにいたしたいという御答弁を申し上げておる次第でございます。教育実習全体を一般論として考えますにつきましても、なおいろいろな論議もあるわけでございますが、特に資格認定試験が正規の学校で教育をしておりますような指導上の責任体制がとれておるというわけではございませんので、どういうふうに、だれに責任を持たして、どういう段階でどういう教育実習の管理ができるかということと、この試験制度とがなかなかうまくかみ合わないという点から、試験によりまして能力のある者に免許状を与えて自後の研修ということでの補完を考えるという以外には方法がない、こういう意味で御理解を願いたいというふうに御答弁申し上げておる次第でございます。
#237
○宮之原貞光君 それは、認定試験に非常にこの問題が取り扱いにくいという、それはわかりますよ。あるいはまた、現在の教育の実習のあり方にも問題点があるということもわかる。しかし、それだからといって教育実習ということをきわめて大事な、教員の資格をとる上にとって、この要素というものを認定試験の場合には除外するという、これは理由にはならぬと思うのです。それこそ便宜主義だと、あなた方はあまりにも。こう言われたってこれはしかたがありませんよ。もしほんとうにこの教育実習というものの重要性を考えるとするならば、私はいろいろ方法あると思うのですよ。これは、たとえば一応仮採用しておいて、ある程度の期間教育実習をさせて、ほんとうによかったらほんとうの免許状をくれるとか、あるいは仮採用期間をどうするとかいう形の中でやるとか、いろいろ方法あるはずなんですよ。そういうこともしないでおいて、一つの一番重要な要素を欠いておいて、しかも本体は学校教育の中におけるところの養成が主体ですと。それで、その主体の養成の制度のところでは教育実習というのをいまの二倍から三倍にしなさいとか、一年間はいわゆる試用期間を認めなさいという一つの試用制度をつくりなさいという議論まで出ている。それくらいに重要視されながら、事認定の場合にはそのことがやられておるということは、これはどうあなた方が理屈をこねようと、これは致命的な今度のこの法案の欠陥ですよ、これは何と申しましても。したがって、私はこの問題については、やはりわれわれをして納得させるような事後処置というものについてやはり考えて、私は次の機会に提示してもらいたいと思うのですよ。それはちょっと、これはあまりひど過ぎますよ。だって、いままでの答申やいろいろなものを尊重すると言いながら、こればかり。しかも、補完的な処置が非常に、逆に言えば、これだけ差別されて、いいぐあいに扱われている。言うならば、戦前の検定制度の一つの問題点としていわれているところの、一つの科目だけには非常にたんのうだけれども、全体的な視野が云々というものの除去も、ほんとうはこういうものをやる中で除々に改善されていくわけですから、私はこの問題についてはどうしても皆さんのこのいまの説明納得できません。これだけは明確に申し上げておきます。
 それで、もう時間がありませんからもう一つだけ。免許制度の問題と関連する高校の多様化の問題ですね。いま初中局長が言いました、これは現在高校の免許法上の教科の種類は二十五だと、こう言われているのですがね、こういう答弁なんですがね。しかし、実際にはさらにこれは分化しているのでしょう。免許法上は二十五だけれども、どれくらいになっていますか。
#238
○政府委員(岩間英太郎君) 教科の数は三百八十九でございます。このうち普通教科が四十五でございまして、職業教科が三百十四、理数、音楽、美術、これが三十科目でございます。
#239
○宮之原貞光君 だから、そのように非常になっている。しかも昭和三十九年のこの免許法の改定のときには、灘尾さん、当時の文部大臣はこう言っておるんですよ。十六条の二つの2項を設けたときの言い方は、これは柔道、剣道、計算実務等だけを設ける最小限度にとどめたいと思いますと、こういう当時の議事録をたどってみれば説明をしている。今度はどうですか、今度の改定はそれにまたたくさんふやしておりますわね。しかも、この認定制度というものは、今日多様化というものが進む限りにおいては、これは際限なく広がるところの運命にあると私は思う。そうなった場合に、一体高等学校の多様化という問題はいまのままでいいのかどうか、これは相当メスを入れなければならない。いつでしたか、一般質問の中で内田先生から質問があって、大臣は、この多様化の問題については縮小する方向でやらなければいけないと思いますと、こう言いながら、今度は免許法の問題ではどんどん広げておる、これは矛盾もはなはだしいと、こう言えば、おそらく大学局長は、現実的な処理としてやむを得ませんと、こういう答えしかはね返ってこぬと思いますけれども。ちょっとやはり基本的なこの多様化という問題についてもうそろそろ、これは日本の政治の高度経済成長主義というものが、福祉、福祉だと保守党の皆さんさえもおっしゃっているところの世の中ですから、この高等学校の多様化の問題というものは教育上は決してプラスにはなっておらない、そのことを私は考えてもらいたいと思う。これは現に初中局の職業教育課の七一年調査の中にもはっきり出ているでしょう。結局、現在の高等学校に行っているところの生徒は、普通科から実業高校含めて六〇%の人々は自分の意思どおりに入っておらないという、非常に分化されているものだからそういうような方向にいっておる。そのことが私はすべての原因だとは申しませんけれども、高校教育をやはりゆがめているという事実はこれは否定できない。特に富山県の三・七体制という問題が今日大きな教育体系の中で問題になっているというのも、私はこの多様化の問題だと思うんですね。その点大臣、単なるこの問題は縮小していきたいという形でなくて、ほんとうにこの問題を考えるというならば、この問題についての免許法上の多様化を促進するようなやつも今度限りにしてもらいたいぐらいの気持ちがあるんですけれども、一体、文部大臣は、この多様化という問題についてどの程度真剣に考えられているか、もう一回やはり所信をお聞かせ願いたいし、また、文部省で現在議論をされているならば、そのことについて初中局長のほうから補足して説明願いたいと思います。
#240
○国務大臣(奥野誠亮君) いつか御議論になりましたときにも申し上げたとおりでございまして、少しこまかく分かれ過ぎたという感じは持っているわけであります。同時に、情勢の変化に対応しなければいけませんので、整理すべきものは整理する、統合すべきものは統合するという点についての努力不十分ではないかという感じも持っているわけでございます。理科及び産業教育審議会ですか、そこでいまそういう問題を調査していただいているようでございますので、初中局長のほうからあとお答えさせていただきます。
#241
○政府委員(岩間英太郎君) ただいま先生が御指摘になりましたような問題点がございまして、その改善のために私どもいま、ただいま大臣から申し上げましたように、理科及び産業教育審議会の産業教育の分科会ですでにこの問題の御検討を願うように着手しているわけでございます。私ども、方向としましては、基礎的なものにしぼってもう少し、小さな学科を立てるということが多様化ではない、もう少し大含みな基礎的なものをやることがこれが真の意味の多様化になるんじゃないかというふうな考え方をとっているわけでございます。ただ、実際の問題としましては、大企業あたりの要望はむしろ基礎的なものをしっかりしてほしいということでございますけれども、中小企業はむしろいままでどおりある程度すぐ役に立つような職業性がほしいというふうな意見もございまして、そういうものをどういうふうに今後考えていくかという点で若干問題はございますけれども、方向としましては、ただいま御指摘のございました欠陥を是正しながら、いま大臣から申し上げましたような方向で努力を続けてまいりたいというふうに考えております。
#242
○宮之原貞光君 時間がきましたから答弁要りませんけれども、やはり私は、この問題は高等学校教育のあり方の一番基本の問題だと思うんです。それは池田さんの所得倍増政策からの高度経済成長論に基づけば、これは学校投資論ですから、何といったって。だから、すぐ世の中に出て役に立つところの人という、そういう発想で高等学校教育というものを見たから、私は、今日の多様化の問題の弊害を生んでおると、こう見ておるんです、これは少なくとも。やはり、一番大事なことは、高等学校を卒業してどこのところにいこうとも、一番その基礎を教えてやると、基礎的な学力をつけるということが高等学校教育の基本になきやならぬわけです。それがもうはやりことばじゃないですけれども、地方に行けば行くほどそれはひどくなっているんです。すぐに役に立つというかっこうでね。たとえば工業高校に電気工事科というのがあるんだけれども、何のことはない、行ってみたら三年間電柱のヒューズがえばかりやっている。それがすぐ役に立つところの高等学校教育の多様化でございまして、あるいは商業高校行っても秘書科というのは電話の応接のけいこばかり三年間させていますよ。なるほどそれは就職にはいいかもしれぬけれども、人をつくるところの教育ということを考えてみた場合に、もっともっとこの問題の基本について、いま局長はいわゆる大企業はどうの中小企業はどうのとおっしゃいましたけれども、大企業なり中小企業にもあまり考慮することなく、教育という立場から考えてどうあるべきかということをもう少しやっぱり大胆に考えていただいて、この問題についてのやはりきちっとした答えを出していただきたい。それだけを強く要望いたしまして、時間が参りましたので、私の質問は終わります。
#243
○萩原幽香子君 どなたのお顔を拝見してもみんなお疲れのようで、不快指数一〇〇%みたいでございますから、できるだけ重複を避けながらお尋ねをしてまいりたいと存じます。
 質問に先立ちまして、私は、去る六月の二十九日の本会議におきましての質問の際に、国会冒頭における施政演説の中に文部省を入れないのは、政府の姿勢がやはり物と人についてのウエートの置き方が物にかかり過ぎていることのあらわれでまことに残念だと、なぜ人づくりの基本ともなるべき文教行政について国民に信を問うような機会を持たせていただけないのかというようなことを、私は、残念に思って申し上げたところでございます。で、そのときに、大臣は、御答弁を私は要求いたしませんでしたのでおっしゃらなかったわけでございますが、きょう、ここであらためてそういったようなことから、一体、教育の置かれている立場というものについて大臣の御所見を承りたい。
 さらに、今度こういう機会がございますときには、大蔵省、それから経済企画庁、そして外務省と、こういったようなところだけが施政演説をなさるのではなくて、それと一緒の、同じウエートを置いた、いわゆる文部省が、文部大臣が堂々と、私は、施政演説をしていただきたいと思うんですが、大臣、その点いかがでございますか。
#244
○国務大臣(奥野誠亮君) 今回の施政方針演説をきめます際に、民社党の側から文部大臣の施政方針演説を加えるべきだという御提案があったことを当時聞かされました。たいへんありがたい見識だなと私も思わせていただきました。同時にまた、日本の予算も、私としては文化のかおり豊かな予算になるように持っていきたいものだと、また、そういう方向に日本も持っていけるようになってきたんじゃないかと、こうも言うているわけでございます。お考え、私は、一〇〇%同感いたしております。
#245
○萩原幽香子君 そこで、四十七年の三月においての免許状取得者数、これは小学校におきまして二十万五千二百名、それに対して就職をしたのが三万一千七百名、約六分の一弱。中学校では、免許取得者数は八万九千九百七十三名、実際の就職者は五千四百六十五名、約十六分の一。そしてまた、高校でも大体十四分の一と、こういうことがいただいた表にあるわけでございますが、この現状について文部省はどのようにお考えになっておりますか、承りたいと存じます。
#246
○政府委員(木田宏君) 就職者の数は、現実に学校の現場が必要としている教員の数だと思うのでございます。小学校につきましては、いま、御意見がございましたが、二十万と申しますのは免許状取得者の総数で、三万が就職者の総数だと思いますので、小学校につきましては免許状取得者が一万七千三百ほどございまして、就職者が一万一千七百でございます。これは地域別の学卒者のありますこと、また、地域別の需要を勘案いたしますと、免許状の取得者に対して就職者の数がかなり近似しておりまして、需給の関係がたいへんだなというふうに考えておるところでございます。中学校、高等学校につきましては、大学で教科の専門を勉強しております際、あわせて教職の勉強をして免許状を取っておくという考え方の人がかなりたくさんいるということを、この数字から推察しておる次第でございます。
#247
○萩原幽香子君 それでは免許状は取得したけれども、就職はしない。こういうことでございますね。なぜでございましょうか。
#248
○政府委員(木田宏君) 現実に、就職する職場の数というのにはある限度があるわけでございますから、それと免許状を取りました者との数の対応がかなり開くということは、これはあり得るので、免許状を取った方がすぐその場で教員になるということで必ずしもございません点は、免許制度が特に開放制をとっておりまして、教員養成大学に学ぶ者以外の人たちが自分の専門の勉強をいたします間、比較的若干の教職単位を取って免許状を取得しやすいという、こういう実情があるからであろうかと考えます。
#249
○萩原幽香子君 それではお尋ねいたしますけれども、先生になりたいために採用試験は受けた。しかし、合格はできなかった。こういう人員もかなりあるわけでございますね。そのことにつきまして小、中、高別にひとつ比率を承りたいと存じます。
#250
○政府委員(岩間英太郎君) 私どもが調べましたわずかの例でございますけれども、全国的なちょっと調査がなくて恐縮でございますが、たとえば千葉県でございますと、小学校で志願者が三千四百ばかりございまして、受験者が二千九百ばかり、それから合格者が二千百人。中学校におきましては志願者が四千八百四十人、受験者が三千九百、合格者が千六百と、そういうふうな数字がございます。それに対しまして、実際に小学校で採用いたしました者が合格者の二千百人のうちの約千百人。それから中学校の場合には採用いたしましたのが四百四十八人、そういうふうな状況になっております。東京でございますと、これは四十七年度でございますが、志願者が九千六百八十六、受験者が七千七百六、合格者が四千八十四、採用者が千九百三十六と、その中に辞退がございまして、実際に採用したのが千七百十九。中学校におきましては、志願者が六千六百五十五、受験者が五千百四十六、合格者が八百四十、採用者が七百八十五、辞退した者が六十一、そういうふうな、これは採用の困難な過密県だけを対象にして調べたものでございます。大体そういうふうな傾向の状況でございます。
#251
○萩原幽香子君 これは局長さん、やっぱり全国的に統計をおとりになる必要はございませんか。
#252
○政府委員(岩間英太郎君) これは、特に、教員の採用の状況がどれぐらい困難かということを見るためにとったものでございます。その他の県につきましては、もっと、志願者あるいは受験者に対しまして採用者の数が少ないわけでございます。そういう状況も、これから各県の交流等を考えます場合には、あるいは定数の状況を考えます場合には必要であろうということで、ただいま調査を行なっておりますけれども、まだその結果が出ておりません。
#253
○萩原幽香子君 そうしますと、先ほどの認定制度でございますね、それと、試験を受けて合格をした、それでもなおかつ採用されない、こういう人がずいぶんの数にのぼるようでございますけれども、それとのからみをどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、承りたいと思います。
#254
○政府委員(木田宏君) いまのは、一般の受験者と合格者、採用者の数でございますが、そうした人たちの中で、すべてが有資格の人たちだけというわけではございません。資料の一〇ページにもあげてございますように、四十七年度の現実で考えますと、全国一万七千の採用者の中で、二千人ほど助教諭、講師等有資格でない人たちがおるわけでございます、小学校教員でございますが。こういう点を考えますと、これは、小学校の希望者の中で、ほんとうに適格である方々には、資格認定試験によりまして、いい資格を与えて職場にあったかく迎え入れていくということも一つの考え方ではなかろうかというふうに思っております。
 また、いま一、二、一番志望の多い実例があげられたわけでございますが、しかし、過密県につきましては、なおかつ、小学校の先生につきまして、実際に選考の結果、試験をいたしましても十分な採用数が確保しがたいという実情もございまして、埼玉、千葉、それから奈良等の諸県におきましては、正規の教員養成大学以外に独自の養成制度を考えておるというようなところもあるわけでございますから、数字の上で数字が整いますことと、個々の府県におきまして若干の需給のギャップがあるということは避けられない、その意味では、広く道を開いておきまして、そういう教員志望者の方を幅広く正規の資格を持って受け入れていくという道があることが望ましいかと、こういうふうに考えておる次第でございます。
#255
○萩原幽香子君 いや、いま私が申し上げましたのは、大学を出まして採用試験を受けた、それでも合格しなかった者がかなり出ていると、こういうことをいま申し上げているわけなんです。ですから、そのことについての人員がどれほどあったか。それで小・中学、高校別にその比率を承りたいと、こういうことをお願いしているわけなんです。ですから、これは、四年制の大学を出たその学生、そして自分も先生になりたいという希望を持っている人、そして各都道府県によって採用試験を受けた、受けたけれども合格できなかったと。こういう人がかなりあるということを私は知っているわけでございますから、そのことについて、どれほどの人が合格できなかったということをお聞かせいただきたいと、こう申し上げているところなんです。
#256
○政府委員(木田宏君) 先ほど初中局長が申し上げました数字は、必ずしも四年制の大学を卒業した者だけということではなかったかと思います。全体の志願者、受験者、いろんな経歴の人を含めてまとめた数字を申し上げたんではなかろうかと思うのでございます。
 国立の教員養成大学につきましては、公立小学校の教員養成課程を卒業いたしました者の中で、どれだけ就職したか、未就職者がどれだけいるかという数字はわかっておるわけでございまして、全国的に申しますと、卒業者が八千四百名ほどおるわけでございますが、その中で小学校に就職いたしました者が五千八百名、中学校に就職をいたしました者が七百名、その他の学校に就職いたしました者が二百八十五名、合わせまして六千八百名弱が教職についておりまして、未就職者は二百八十、三・三%というふうに非常に小さい数になっております。
#257
○萩原幽香子君 そこで、やはり正しい表が文部省のお手元にないようでございますね。ですから、いま私がお尋ねいたしましたことにつきまして、たとえば、四年制の大学を出ました、そうして小学校にどれだけの人が試験を受けてどれだけの人が合格したと、そういうことがきちっと表に出ていないから、いまの局長さんのような御答弁になってくるんではないかと私は思います。しかし、やはりそういうものをはっきりつかまえた上で、先ほどのような認定試験の制度というようなものも考えていただかないと、これは補完的なものだとおっしゃりながら、その一番大もとになるものがちゃんとつかめていないということでは、私はどうも承服できないという感じもするわけでございますね。まあ、私は違った面でこういうことについてのある程度の評価はしておりますけれども、やはり四年制の大学が基本であって、そうしてそういうものは補完的なものなんだと、そういうたてまえをおとりになるのなら、やはりこの基本になるものの数がはっきりつかめないと私はお話にはならない、こう思います。
 そこでお尋ねをいたしますけれども、それでは、四年制の大学を出て中学、高校で就職をする、こういう場合に、教科別にどういう形になっておりますのか。一番、教科で残されていく教科はどれか、それから一番就職のしやすい教科はどれか。こういうことを中高で教科別に承りたいと存じます。
#258
○政府委員(木田宏君) お手元に差し上げてございます資料の四ページに、中学校と高等学校の教科別につきまして、免許状の取得者と就職者の数をお示し申し上げているわけでございます。どこが就職しやすいかというお尋ねになりますと、私は、この表からそれについてのお答えを申し上げることがどのようにできるかいまちょっと迷っておるところでございますが、一般的に、免許状の取得件数の多いところ、国語、社会等は、結局、就職者との関係で非常に競争が激しいということがいえるのではないかというふうに考えます。その意味では、数字だけで恐縮でございますが、音楽とか美術というようなところが、比較的免許状取得者の中で教職につく者の比率が高いという意味で、就職がしやすいということもいえるのではなかろうかと思います。
 高等学校につきましても、一般教科の国語、社会等は就職の一番困難を感ずる部分ではなかろうかというふうに思う次第でございます。
#259
○萩原幽香子君 私は、就職がしやすいのはどこかというお尋ねを局長さん、したんではございません。実際四年生の大学を出まして、どの教科を自分が持ったと。その免許状を、たとえば英語の免許状を持って英語の採用試験を受けたと。そうしたところが、合格をした、あるいは落第をしたと。こういうことについていま私ははっきりした数字をお尋ねしているわけなんです。ですから、どこがしやすいかというのは、私も、この手元にいただいたこれ見ましたら、大体それはまあ一番たくさん免許を持ったところは中学にしましても、そんなに社会科ばっかりの先生がいるわけじゃございませんから、それは競争率が高くてむずかしいだろうと、それぐらいの想像は局長さんにお答えいただかなくても、私のほうで十分想像ができるところでございますね。私が言っているのはそうではなくて、たとえば四年制の大学を出た、そして英語の免許を取ったと、こういうのが自分の希望どおりに就職ができたという率がどれぐらいございますかと、それでその教科別にどうなっておりますかと、こういうことをお尋ねしているわけなんです。その点でお答えをいただきたいと存じます。
#260
○政府委員(木田宏君) 実際のこの人事管理者のほうからそうしたデータを集めるということもできないことではなかろうかと思うのでございますが、私ども大学局のほうで免許制度との関連でとりますと、免許状の取得者が何名あったかということを押えることは可能なんでございます。同時に、その教科につきましての就職者が何名あったかということを押えることも可能でございまして、お手元のような資料を調製はするわけでございますが、具体的な採用試験の段階がどうかという点につきましては、この免許制度の上からはデータをとっておらないものでございますから、せっかくのお尋ねでございますけれども、どうも的確な数字でもってお答えを申し上げることができない。遺憾に存じます。
#261
○萩原幽香子君 これは局長さん、やっぱり免許法に関係のあることじゃございませんか。たとえば中学の英語の免許状を持った者が大体どれだけ就職できたのか。先ほどから教育の問題では愛情が一番大事と、私もそう思います。信頼と愛情の問題で、それは大事だと思います。そうしますと、やはり学生の将来まで見ていくという、そういう姿勢というものはほんとうは大切なことになるんじゃございませんか。免許状は与えたけれども、その学生がどうなったのか、それはもう私のかかわり知らないところと、こういうことでは少し冷た過ぎるんではございませんか。やはり自分がここへ、中学のここへ就職したいと思ったけれども、できなかったと、そういう学生の身になって考えたときに、それは先ほどの過疎地域のように先生が足らなくて無免許運転をしているところもあるんだから、それじゃここのこの人をここへ持っていこうといったようなことも各都道府県の教育委員会に要請するということは文部省としてはできない相談なんでございましょうかね。これをちょっと承りたいんです。
#262
○政府委員(木田宏君) 免許状を取りました者がどのように就職をしておるかという点では、いまお手元に差し上げてございます数字が免許状を取りました者がどの程度に就職をしているかということを示しておると思うのでございます。ただ、具体的に志願者その他のことになりますと、これは任命権者の人事管理上の問題になりますので、その点につきましては初中局のほうで人事管理上のいろんな指導を過疎県、過密県との人事交流等につきましても配慮をして各都道府県の教育長と相談をしておるところでございます。的確なデータにつきましてはその人事管理上の問題として私どもが集めておりませんので、免許状の取得者、就職者の比率をもってその辺のところを御推察いただく以外にないと、こう申し上げておる次第でございます。
#263
○萩原幽香子君 でも、片や余っているところがある、片や足りないところがある。そうしたら、その余っているところの人を足りないところへ持っていくためにはどういう条件整備を考えたらいいだろうかというようなことは、やはり各都道府県との間でいろいろ先生の割り振りの問題については考えていただくことが必要なことになるんじゃございませんか、実際問題といたしましてね。一方では免許がなくておじおじしながら授業をしている先生がある。一方では自分が持っている免許でちゃんとやれるのに就職先がなくてそのものにつけない、就職できないという人がある。そういう人をちゃんと適材適所というところへはめ込むことが私は教育じゃないだろうかと、こう思うのでございますよね。それをいまのようなお答えでは、まことに局長さん冷たいなという感じが私はするわけでございますね。文部大臣、いかがでございますか。
#264
○政府委員(岩間英太郎君) まあ各都道府県でいろいろくふうをいたしまして、たとえば足りないところでは北海道とか沖繩まで出かけまして教員をさがしておるというふうな状態でございます。これはその県としては当然のことでございますが、しかしながら地元でやはり就職をしたいという方がかなりございまして、現実問題としまして都会の学校あるいは都市周辺の学校へ行きたがらない。あるいは住宅の事情その他ございまして、なかなかむずかしい面がございます。
 それから先ほどのお尋ねの愛情の問題でございますけれども、まあ大学のほうでもいろいろそういうふうな就職のごめんどうは見ておると思いますが、そういう点でなお至らない点は、まあ大学局長のほうで努力をしてもらいたいというふうに考えます。
#265
○萩原幽香子君 局長さん、そんな押せ押せばいけませんよ。大学局長のほうでめんどうを見てもらうなんて。ほんとうは小学校、中学校の先生の問題は、まず初等中等局長さんのほうでめんどうをごらんになるのがほんとうじゃございませんか。そんなことなんてございませんよね。皆さんいかがでございますか。
 そこで、文部大臣にひとつそれじゃ御見解を承っておきましょう。
#266
○国務大臣(奥野誠亮君) 萩原さん御指摘の資料を整えておりませんで、まことに恐縮な感じを持っておるところでございます。将来一そうそういう資料が整備されるように努力をしていくべきだと思っております。
#267
○萩原幽香子君 資料に基づいてやはりちゃんとした、何と申しますか、配慮が――資料だけ集めていただいても困りますので、それについて適切な御配慮をいただきたい。これはお願いしておきたいと思います。
 それでは、次にお尋ねをいたしますけれども、先生が卒業します国立あり、公立あり、私立ありと、こういうことでございますけれども、その国・公・私立別に、免許を取得した者と就職した者との関係をお知らせいただきたいと思います。
#268
○政府委員(木田宏君) お手元に差し上げてございます資料の五ページでございますが、いままでの資料のとり方が、教員養成大学学部、これは国立でございます。それから一般大学、短期大学、大学院等というふうに分けて表示してあるものでございますから、必ずしも正確に国・公・私立という形になってございませんが、しかし教員養成大学が国立、一般大学、短大につきましてはほぼ、まあ公立もございますが、私立が多いという点で御理解を賜わりたいと思います。
 昭和四十七年度の卒業について申し上げますと、免許状の取得者、小学校でございますが、教育養成大学、国立が一万に対しまして就職者が六千八百、一般大学は千七百人の取得者に対して千七百人就職、短期大学は五千四百の取得者に対して三千百の就職、その他大学院等で百名がある、こういう状況でございます。中学校におきましては、教員養成大学で一万二千七百――これは免許状取得者数が延べ数になっておりますことをちょっと御了解願いたいと思うのでございます。同じ人間が二教科、三教科免許状を取っておりますので、一万二千七百の取得者数が出てまいりまして、教員の就職者数は二千三百、一般大学は四万三千に対して二十分の一の二千七百、短期大学は三万千九百に対して五百、全体九万に対して五千五百と、こういうようなことでございます。
#269
○萩原幽香子君 まあ、それだからこそやっぱり各教科についてのはっきりした資料がほしいと、こういうことにもなるわけでございますね。
 それでは、次に進みますけれども、最近国民の間でささやかれているのは、教員の免許状取得が少し安易に過ぎるではないかと、こういう声が聞かれるわけでございます。つまり、専門職としての教師はもう少しきびしい免許資格が必要ではないかということをよく私も耳にするわけでございますが、大臣はその点でどのようにお考えでございましょうか。
#270
○国務大臣(奥野誠亮君) たいへん私学の間で免許状授与ということが一つの学校の特色になっておったりするところもかなり多いようでございます。そういうところから、そういう意見が出てきているのではないかと、かように考えておるわけでございます。私も若干そういう面があるように思っております。
 さて、それじゃ、これをどうすればいいかということになりますと、たいへんむずかしい問題だと思います。それは、各府県でそういうこともございますので、一応志願者について試験をするという仕組みをとっておりますので、ある程度カバーできているのではないだろうかというふうに思っておるところでございます。
#271
○萩原幽香子君 そこで私は、大学を終えまして一学期、せめて四年制の大学でございますと一学期間ぐらいは、短大におきましては少なくとも一年ぐらいは教育実習期間として現場においてやはり研修すべきだと私は考えるのです。そういうことで、自分が教職にほんとうに適している人間かどうかということもその間にしっかり見定めていただきたい。私は、かりに成績がよかったとしても自分が実際やって見ると、いやどうも私は子供はあまり好きじゃないなというような人もあるかもしれません。そういうのはもうこの実習期間にほかの方向へ転換をしてもらいたいと思うのです。私は、子供のきらいな人に教育は絶対してもらいたくない、こういう気持ちを持っておりますので、そういったようなことを考えていただく。しかも、それは定員に関係がございますから、これは、いまのような定員ではそういう私が提案しているようなことはむずかしいと思います。したがいまして、定員増をやっていただきまして、そういう四年制大学を出ても一学期ぐらい、短大なら少なくとも一年ぐらいはしっかり現場で実習してもらいたい、こういうことを思っておりますが、その点はいかがでございますか。
#272
○政府委員(木田宏君) 中央教育審議会の御意見の中にも、また養成審議会の建議の中にも、そうした教員の資質を高めるための実習ということを非常に重視して述べられてございます。特に、中央教育審議会におきましてはそうした教育実習あるいは経験ということを重視いたしますがゆえに、教員の任用資格制度との関連においていま御提案のようなことを考える、人事管理の採用あるいは処遇の中でそうした問題を考える必要があるのではないかといった御意見も出ておるわけでございます。諸外国でやっておりますような仮任用の制度とかあるいは試補制度とかというものとのからみも起こってくるわけでございまして、これは、公務員制度全般につながる非常に大きい課題でございますので、今回までまだその点についての具体案を文部部内でまとめていないのでございますが、御意見の点につきましては各方面からも指摘されている点でございまするから、私どもも今後鋭意検討を詰めてみたいというふうに考えております。
#273
○萩原幽香子君 それでは、これは定数に関係がございますのでひとつ大臣のほうから、定数はどうお考えになりますか、承っておきたいと思います。
#274
○政府委員(岩間英太郎君) ちょっと担当でございますのでお答え申し上げますが、定数の問題もやはり制度の問題と関連するわけでございまして、そういうふうな制度をやるということになりました場合には当然定数上の配慮をしなければいけないだろうというふうに考えているわけでございます。
 それからまた、実際にそういう研修をさせるということになりますと、これはその研修の対象になる子供がたいへん――これはそういってはあれでございますが、迷惑なわけでございまして、そこで現実問題といたしまして、たとえば私立の学校あたりが実習をさしてくれといいましても学校ではあまりいい顔をしないというふうな実態がございます。そこで、そういうふうな実習をしたいけれどもなかなか現実問題としてはそういう難関があるということがいま指摘されておるわけでございます。ただ、先ほどもお尋ねございましたけれども、週休二日と関連いたしまして、その学校教育と社会教育の関係をどうするかというふうな問題など出ました場合には、そういうふうな機会を利用するということも将来の可能性としてはあるわけでございますが、そういうことになりました場合には、これはそういう方面で実習の機会と申しますか、そういう学生さん方が子供を指導するというふうな機会もできてくるんじゃないかというふうに私個人としてはいまいろいろ考えておるわけでございます。
#275
○萩原幽香子君 研修をする先生が一人だけでやるということになりますとこれは迷惑だということになるかもしれません。しかし、これまでちゃんとした先生経験のある先生と一緒にやるということになれば、私は迷惑にならないということになるのじゃないかと思いますね。やり方の問題だと思いますので必ずしも迷惑になるとは私は考えられません。そういう点もひとつ十分御検討いただきたいと思います。文部省は国立大学の中での教育学部やあるいは学芸大学と、教員養成を目的としたものの志願者が他の学部と比較してどのような競争率を持っておりますのかお示しをいただきたいと存じます。
#276
○政府委員(木田宏君) 昭和四十八年度について申し上げますと、教員養成学部の志願者の倍率は四・五倍、平均は、国立大学平均は五・二倍でございますから平均よりもちょっと低うございます。理工系が四・八倍、農水系が四・六倍、それから薬学が四・七、やや平均よりも低いほうでございます。高いほうでは人文社会系五・七倍、医師系が十二・三倍というような状況になっております。
#277
○萩原幽香子君 総合大学におきまして、教育学部と他の学部との格差について各方面からいろいろ指摘をされておるわけでございますけれども、それについて御調査になったことはございましょうか。
#278
○政府委員(木田宏君) いろいろと教員養成学部と他の学部との間に格差があるという御意見があるのでございます。大学学部の教官定員等から考えてみますと、教員養成学部に必ずしも区別があって非常にまずいということではございません。先ほども御質問があってお答えしたところでございますが、教官一人当たりの学生の数、入学定員で申しますと教員養成は三・七倍であり、国立大学平均いたしまして四・〇という数字でございますから、教官当たりの学生数という点から見ますと、教員養成大学はかなり教官数をたくさんかかえておるということは言えるのでございます。ただ、何と申しましても明白な違いがあるという点は、教員養成大学につきましては、大学院をまだ設置していないところがほとんどである。そのために大学院を持っております他の学部と比べますと、いろんな体制上若干おくれがあるということは言えようかと思います。しかし、大学院を除いて学部の段階だけで考えましたならばいろんな施策の上でそう格別差別があるということではございません。
#279
○萩原幽香子君 私は、神戸大学の教育学部からそういうことについて資料をちょうだいしまして検討したこともございますし、そして実際出かけていきましていろいろな状況も聞かせていただいたんでございますけれども、いまの局長さんの御答弁でございますとそれほど格差はないということでございますが、神戸大学なんかの場合では、教育学部はかなり低いところにすべてのものがランクされているということは事実でございます。一度お調べいただいたらけっこうだと思います。
 そこで、まあ質問を次に進めますが、入試におきまして一期校と二期校をなくしたいという文部省の意図が出ておりましたようでございますね。そのことにつきまして、大臣のほうからひとつ承りたいと存じます。
#280
○国務大臣(奥野誠亮君) 一期校、二期校の区別をすることによって、高等学校の卒業生に国立学校の選択の機会をふやしてあげるべきだという従来からの強い意向がございます。反面、たとえば二期校であります横浜国立大学を見てまいりますと、志願者が一万人、現実に受験する方が五千人、席もまばらなところで受験をする。そういうところから、だんだんと二期校コンプレックスと申しましょうか、そういう傾向が出てくる。したがって、またせっかく合格者がきまりましても、中でお互いの間で学ぶ意欲といいましょうか、そういうものが必ずしも十分でないという批判が出てきておるわけでございます。私の一番心配をいたしますのは、それぞれの大学への進学者に自分のほんとうに将来の進路として選びたいところへ進めるのがほんとうじゃないだろうか。学校のいかんよりも、その職種と申しましょうか、それが一番大切なんじゃないだろうかと。一期校、二期校で二つ選択の機会を与えることはいいけれども、結果的には自分の希望しないところへも入っちゃったということよりも、やはり、しっかり進路をきめて、そしてその道を選んでもらう。そうしますと、自分の将来進もうとするところで学問するわけでございますから、それだけに熱意も入るんじゃないだろうか。選択の機会をふやしたところで入学者がそれだけふえるわけじゃない。また選択ということになれば、私立の大学、公立の大学たくさんあるんじゃないだろうか。何でもかんでも国立大学へ行かなきゃならないこともないんじゃないだろうか。そういうような疑問が非常に強いものでございますので、この際、こういう問題を考えてもらったらどうだろうか。考えるにつきましては、ただ研究してくださいじゃ進みませんので、文部省としてはこういうことで考えられませんでしょうかということで、国立大学協会と高等学校長会ですか、こういうところに検討を依頼しているというのがいまの姿でございます。
#281
○萩原幽香子君 そこで、このいま大臣から一期校、二期校についてのお考えを承ったわけでございますけれども、現在、教員養成の単科大学は全国で何校ございますか。
#282
○政府委員(木田宏君) 入校でございます。
#283
○萩原幽香子君 それでは、その中で二期校になっておりますのは何校でございますか。
#284
○政府委員(木田宏君) 入校全部とも二期校になっております。
#285
○萩原幽香子君 私は、そこにやっぱり問題があるような感じがするんです。一期校を受けて落ちた人が、二期校で先生にでもなりましょうか。こういうことで先生になっていただくとすれば、私はほんとうに情けないと思うんです。ですから、そのような形でございますならば、私はこの教員養成の大学は、単科大学は全部一期校にしていただいたほうがいい。私はそう考えます。その点についていかがでございましょうか。
#286
○政府委員(木田宏君) 現在、大学の入試問題改善会議に文部省としては一期、二期の問題を御検討いただいております。また、国立大学及び高等学校長協会等の意見もお尋ねをしておるところでございます。いま御指摘のございました点等もあわせまして、全体としてひとつ考えるようにしてみたいというふうに思います。
#287
○萩原幽香子君 幼稚園についてお尋ねをするわけでございますが、いま幼稚園の先生は、四十五年の調査によりますと、四年制の大学卒は三%と聞いておりますが、その後どのように率はなっておりますでございましょうか。
#288
○政府委員(木田宏君) その後も、その数字にあまり大きな変化はないと考えております。
#289
○萩原幽香子君 それは、やはり幼児教育というものに対しての軽視と申しましょうか、幼児教育を大事にしない考え方の中から、そういったものが生まれてきたのではございませんでしょうか。その点どのようにお考えでございますか。
#290
○政府委員(木田宏君) 幼稚園教員の就職者の中で、教員養成大学あるいは一般大学の卒業者が少ないという御指摘と思います。まあ、幼稚園が職場といたしましては私立の幼稚園がたくさんあるということが、一番大きな要因になって、このことが響いておるのではないかというふうに思うのでございます。
 現実に、教員養成大学におきましても、幻稚園教員の養成課程等を設けまして、幼稚園の拡充整備に、対応策を養成の面でも講じておるのでございますが、希望者の入りぐあいその他を見ておりますと、小学校のあるいは中学校の課程等に比べまして、幼稚園の教員養成課程に希望者の集まりぐあいが弱いと申しますか、かなり希望状況に差異があるこれは幼稚園の職場の実態からきておるものではなかろうかというふうに考える次第でございます。
#291
○萩原幽香子君 その職場の実態というものについて、文部省としてはどういうふうにお考えなんでしょうか。やっぱり私は幼児教育をしっかりやるということをたてまえに考えますならば、その私立の幼稚園が多いから魅力が少ない、希望者が少ない、こういうことになりますと、これも非常に私は問題だと思います。幼稚園の中でも、公立の幼稚園と私立の幼稚園に格差を認めていくというような形にもつながるような感じもいたします。
 それでは、お伺いをいたしますけれども、この四年制の大学卒というのの三%は、ほとんど公立の幼稚園に就職をしている。そういうことでございますか。
#292
○政府委員(木田宏君) ちょっといま私どもの手持ちの資料からは、この就職者約三百名が、公立であるか私立であるかという行く先の区分が明確にわかりません。ちょっと誤った推測で間違ったお答えをしてもいけませんので、何か補正の資料がありましたら、そのときにお答えを追加させていただきます。
#293
○萩原幽香子君 幼稚園の先生というのは、一体どういう現状でございましょうか。幼稚園をごらんになったことございますでしょうか。局長さん、いかがでございます。
#294
○政府委員(木田宏君) 幼稚園の現場は、付属の学校にも幼稚園もございまするし、それから隣近所にも幼稚園もございまするので私も見るわけでございますけれども、若干の認識はしておるつもりでございます。
#295
○萩原幽香子君 それはまことにありがたいことでございますがね、そうでございますと、文部省の木田局長さんは少なくとも幼稚園のやっていることは御承知だと、こういうふうに理解をしてよろしいんでございますね。そうしますと、その幼児教育の果たす役割り、こういうものについては、教育の分野の中でどのようにお考えになっておられますのか、承りたいと存じます。
#296
○政府委員(木田宏君) どうも私よりも担当の初中局長のほうにお答えをいただくほうが適切かと思うのでございますが、幼児期の教育が人間形成の基本をつちかう時期でありますために、非常に大事だという認識は私も持っておるところでございます。ただ、まあ所管が所管でございますので、あまりそれ以上のことを申し上げますといかがかと思いますので、次のお尋ねによってまたお答えをさしていただきたいと思う次第でございます。
#297
○萩原幽香子君 では初中局長さん、担当のようでございますので、ひとついかがでございますか。
#298
○政府委員(岩間英太郎君) ただいま木田局長から申し上げましたように、まあ人間形成の上で一番大事な時期ではないかと言われておりますけれども、率直なところまだよくわからない面が多うございます。ただいま文部省におきましては、幼児問題につきましての懇談会をお願いをしておりまして、その心理的な面あるいはその脳性医学の面の権威の方が入っておられます。たとえば、脳性医学一つにいたしましても、まだよくわからない面がたくさんあるようでございます。しかしながら可能性としましては、たとえばソニーの井深会長あたり英才教育というふうなこと、非常に御熱心でございますので、そういうふうな実績も音楽の面ではあるようでございます。そういうふうに非常な可能性秘めておりますけれども、この時期にどういうふうに子供たちを扱っていいかという点はまだ十分解明されておりません。さらに心理学だとか脳性医学だとか、そういう分野の研究が積み重ねられまして、私どもは幼児教育がこうあるべきだということが一日も早く解明されることを期待いたしております。しかしながら、他面におきまして父兄の方々、特に先生方にもたびたび御指摘になっておりますように、現在核家族化の進行によりまして幼児の扱いが非常に困難になっております。そういう面をカバーするために私どもはわからないなりにも普及の面にまず力を注ぐということで、ただいま計画を立てて普及の面に努力をしている、こういう段階でございます。
#299
○萩原幽香子君 幼児教育がやかましく言われ出されてからかなりの年数がたっていると思います。しかし、それでもまだどの時期がどうなのかといったようなことも検討中と、こういうことでございますけれども、もう少し幼児教育については力を入れていただかなければいけないのではなかろうか。三つ子の魂百までというようなこともよく言われるところでもございますし、三歳から五歳まではどういうところの分野が一番伸びるところかといったようなことについてももうすでに御検討済みでなければなりませんし、そういう意味から言って、いまの幼稚園のあり方がこれでよろしいのでしょうか、どうでしょうかということについての御検討ももうなされておらなければならないのではないか、こういう感じがするわけでございます。このたび大学卒でなくても教職の道に志す有為の人に門戸を開かれる、こういうことになりましたことについて、先ほどから宮之原先生から幾多の問題点の指摘がございました。私も一々ごもっともだと考えたわけでございますけれども、しかしやはり有為の人でも四年生の大学を出ることもできなかったと、こういう人たちのために補完的な役割りであるとしても、そういう人に門戸を広げるということにはそれなりに私は評価してよろしいのではないかというふうに考えるわけでございます。ただ具体策として出ておりますのが、初等教育にあっては小学校の教育と、こういうふうにしぼられたところに私は多少引っかかるものを感じます。小学校の教員とは一体何なのか、小学校の教育の占める役割りは一体どの辺にあるのか、こういうことをしっから踏まえていただいた上での小学校教員ということになりましたのか、ほかに何か政策的なものがございますのか、そのあたりが私の気になるところでございます。それから、中等教育では高校の保健体育、芸術、産業教育、看護といったようなところであり、特殊教育では高等部の専門教科、養護訓練、こういうところにしぼられた理由について承りたいと存じます。
#300
○政府委員(木田宏君) 制度といたしましては各学校段階にわたり、また各教科につきまして資格認定試験の制度というものを一般的に許容していきたい、お認めを願いたい、こういうふうに考えるのでございますが、現実の運用といたしまして全部の種目について一斉にそれを実施するということも必ずしも適切ではございません。実際の必要に応じて実施をしていくという考え方をとっていかがであろうかと、こう考えた次第でございます。そういう点から考えますと、大学におきましての養成に比較的なじまない領域で大学卒の中からは教員の採用がしがたい領域、あるいは正規の教員養成の体制がとられてないために高等学校の特殊な領域、その他について教員としての養成が十分に間に合わない領域、さらにまた高等学校の新しい計算、コンピューターその他、インテリアデザイン等新しい諸領域につきまして実務経験者の中からいい方を迎えたいというような、そういう領域を考えますとともに、小学校につきましては先ほど数字でも御説明申し上げましたように、免許資格を持っております者と教職に就職いたします者と全国の数字といたしましては一万七千、一万一人というふうな余裕あるバランスという数字にもなるわけでございますが、地域別に見ますと、かなり窮屈な状態にも相なるものでございますから、もう少し資格者を幅広く迎えられるようにしておくことが現実の需要に対して供給を適切ならしめるゆえんでもなかろうか、こう考えた次第でございます。幼稚園につきましては先ほどの表の御指摘もありましたが、九千三百人の就職者に対しまして免許資格者が二万八千人ほどございます。これだけのゆとりがありますならば、本則にのっとった養成の中で幼稚園教員の就職が可能になるのではなかろうか、こう考えた次第でございます。
 なお、ついででございますが、先ほどお尋ねがございまして三百人ほどの教員養成大学、国立一般大学の卒業者の中でどの程度公立の幼稚園に行き、それ以外のところへ行っておるかということでございますが、三百人のうち、数字の上では八十七名という数が公立に行っております。それ以外が国立もございますけれども、大部分私立ではなかろうかというふうに考えております。需給の実態から考えまして、さしずめ手初めするとすれば小学校を考えてみたい、こういうことでございます。
#301
○萩原幽香子君 私は、先日東京都立の高等ろう学校を二回にわたって訪問いたしまして、その中で特に幼稚部の授業を見せていただきました。そのなみなみならぬ御努力にほんとうに私は感謝をした次第でございますけれども、そのときの印象を踏まえて、この次のときには特殊教育諸学校の教員養成など特殊教育の持つ問題についてお尋ねをしてまいりたいと思います。ちょうどきょうは一時間ということでもございますので、私はきょうは特殊教育についてはお尋ねをいたしませんけれども、次には参考人をお迎えをいたしまして早期教育の必要性をとくと大臣はじめ皆さん方に御承知をいただきたい。そうして具体的な教育方法あるいは家庭ではどうすればいいかといったようなところまでも参考人を交えて質問を展開してまいりたいと存じますので、この特殊教育につきまして十分御検討を賜わって今度はお出ましをいただきたいと存じます。
 終わります。
    ―――――――――――――
#302
○委員長(永野鎮雄君) 本案の質疑は、本日はこの程度にとどめます。
#303
○委員長(永野鎮雄君) 次に、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 教職員免許法の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#304
○委員長(永野鎮雄君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時、及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#305
○委員長(永野鎮雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後五時二十九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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