くにさくロゴ
1972/07/12 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 文教委員会 第19号
姉妹サイト
 
1972/07/12 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 文教委員会 第19号

#1
第071回国会 文教委員会 第19号
昭和四十八年七月十二日(木曜日)
   午前十時三十二分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
 七月十一日
    辞任         補欠選任
     鹿島 俊雄君     高橋雄之助君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         永野 鎮雄君
    理 事
                久保田藤麿君
                楠  正俊君
                宮之原貞光君
                安永 英雄君
    委 員
                金井 元彦君
                志村 愛子君
                大松 博文君
                高橋雄之助君
                中村 登美君
                濱田 幸雄君
                二木 謙吾君
                宮崎 正雄君
                小林  武君
                鈴木美枝子君
                松永 忠二君
                内田 善利君
                矢追 秀彦君
                萩原幽香子君
                加藤  進君
   発議者          安永 英雄君
   国務大臣
       文 部 大 臣  奥野 誠亮君
   政府委員
       文部政務次官   河野 洋平君
       文部大臣官房長  井内慶次郎君
       文部省初等中等
       教育局長     岩間英太郎君
       文部省大学学術
       局長       木田  宏君
       文部省社会教育
       局長       今村 武俊君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡辺  猛君
   説明員
       文部省大学学術
       局教職員養成課
       長        阿部 充夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○教育職員免許法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○国立学校設置法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○国立学校設置法の一部を改正する法律案(安永
 英雄君外四名発議)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(永野鎮雄君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨、七月十一日、鹿島俊雄君が委員を辞任され、その補欠として高橋雄之助君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(永野鎮雄君) 教育職員免許法等の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続いて質疑を行ないます。
 質疑のある方は御発言願います。
#4
○内田善利君 私は、きょうは、幼稚園教育から小・中・高と、その免許状を中心にして質問していきたいと思います。
 まず、幼稚園教員の免許の状況ですけれども、この現状についてお聞きしたいと思いますが、昭和四十五年度は、一級免の大学卒が千百九十四名、短大卒が二級免が二万三千八百十三名と、このように聞いておりますが、昭和四十七年度においてこれがどのようになっておるのか。それと、臨時免許状を持っている免許取得者がどうなのか、まずお聞きしたいと思います。
#5
○政府委員(木田宏君) 昭和四十七年の三月卒業者で幼稚園の免許状を取得いたしました者は、教員養成大学で千四百名、一般大学で千二百名、短大で二万五千九百名合わせて二万八千五百名でございます。そのうち教員に就職をいたしました者は、教員養成大学で百名、一般大学で二百名、短大で九千名、合わせて九千三百名でございます。
 なお、幼稚園教員の中で臨時免許状で教員として就職しております者は、これは四十六年度の推計でございますが、教員数の約九%になると考えております。
#6
○内田善利君 いま伺いますと、四十五年度もそうですけれども、四十七年度も二級免許取得者が非常に多いわけですけれども、大学卒の一級免が非常に少ない。昭和四十七年度でも、千四百名のうちの百名、千二百のうちの百名と、このように非常に少ないわけですが、それはどういうわけでしょう。
#7
○政府委員(木田宏君) これは、幼稚園の設置の形態が私立の幼稚園が多いとか、あるいは公立の幼稚園にありましても、給与が市町村負担でございまして、義務教育の教員給与と同じ公立でもかなり扱いに違いがあるといった処遇上の問題がかなり響いておるのではないかというふうに考えます。
#8
○内田善利君 幼稚園の形態、それと待遇問題ということではないかということですけれども、大体幼稚園教員の平均給与は小学校に比べてどうなんでしょう。また、その改善方法、改善対策というようなものを考えておられるのかどうか。
#9
○政府委員(岩間英太郎君) ただいま御指摘のように、幼稚園の教員の給与につきましては、これは、国家公務員の場合には小・中学校と同じような俸給表が適用されるわけでございます。また、地方公務員につきましても、教育公務員特例法の二十五条の五の規定によりまして、国の幼稚園の先生の給与を基準として定めるということになっているわけでございますけれども、いま大学局長からもお答えいたしましたように、市町村で直接負担をしているという関係で、市町村の一般の吏員との均衡上、市町村の吏員と同じふうな給与が適用されるというふうな点がございます。そこで、国といたしましては、一応国家公務員である幼稚園の先生方の給与につきまして、まあ小・中学校の先生と同じような措置をとっているわけでございますが、まあこれで、私どもとしましては、できるだけのことはしているつもりでございます。しかしながら、市町村も、現実に、他の吏員との関係でそのようなことが起こっているということでございますので、私ども、それが国家公務員の給与を基準にしてきめられますように、指導をさらに徹底する必要があるというふうに考えているわけでございます。
 なお、教職調整額四%が幼稚園もついております。そういう問題につきましても、私ども、大臣から人事院に対しまして強くその実現方については要望するとか、いろいろやっているわけでございますけれども、まだ国並みにいっていないという点につきましてはたいへん恐縮に存じている次第でございます。
#10
○内田善利君 せっかく一級免を取った先生方がたくさんおるんですが、その先生方がやはり幼稚園――大事な幼児教育にまだまだ関心が薄いと、このようにとれるわけですけれども、やはりそういう優遇対策ということが考えられねばならないじゃないかと、このように思うわけですね。
 それと、この幼稚園教員の養成機関のあり方ですけれども、大学、短期大学、での正規の養成課程の定員の増加率ですけれども、これはどのようになっておりますか。十年計画のスタートである四十七年以前と以降に分けて、どのようになっておりましょうか。
#11
○説明員(阿部充夫君) 幼稚園教員の養成につきましては、昭和四十六年度以降、国立の教員養成大学の全部に、全四十七大学ございますけれども、この全部に幼稚園教員の四年制の課程を設置いたしたいというような考え方で増設を進めてまいりました。四十七年度現在で、設置した課程数が十七課程、入学定員にいたしまして五百十人というところになっておりますが、さらに四十八年度におきましては、五課程増設いたしまして、百五十人入学定員をふやしたわけでございます。四十九年度以降につきましても、年次を追いまして全大学に設置をするという方向で努力してまいりたい、かような計画を持っている次第でございます。
#12
○内田善利君 全大学に設置する目標であるということですが、幼児教育の重要性ということを私ここで申し上げるまでもないのですけれども、人間として能力、資質その他のものの基礎を形成する最も大切な期間でありますし、ある学者によりますと、六歳まで、すなわち幼児教育期間中に頭脳とか情緒、その八〇%は決定してしまう、そのようにいわれておりますが、そうした観点から見れば、幼児教育を担当する教員は深い知識、能力、そういうものが要求されるのは当然だと思うのですけれども、少なくとも、四年制大学の一級免を持った先生方がもう少し幼児教育に当たっていいのじゃないか、教育という面から見ればこの幼児教育にもっともっと四年制の大学を出られた深い知識と能力を持った先生方がこの幼児教育に当たってほしいと、このように思うのですけれども、この点はどうなんでしょうか。短期大学でいいということでしょうか。やはり四年制の大学を出た一級免の先生方がもう少しほしいのじゃないかと思いますけれども、この点はどうでしょうか。
#13
○政府委員(岩間英太郎君) 御指摘のとおりでございまして、最近幼児教育につきましてはいろいろな角度から新しい御意見ないしは研究が進んでまいりました。私どもも幼児教育につきましてはそういう意味で非常に期待をしているわけでございますが、先般も萩原先生の御質問にお答えいたしましたように、まだわからない面がかなりございます。特に幼児教育が人生全般と申しますかに対しましてどの程度の影響力があるのかという点につきまして、まだ、ただいま内田先生から御指摘がございましたように非常に大事だということはいわれておりますけれども、それがどういうふうに具体的に大事なのか、どういうふうに人間形成に影響があるのか、まだそういう点につきましてのはっきりした私どもで確信を得るに至らないというふうな点はあるわけでございますが、最近そういう面に注目されてきた、したがって、幼児教育を何よりも大事にしなければいけないという方も出てまいりました。私ども、幼児期の教育がいままでのように単にお子さん方を預かるというふうなことを脱しまして、幼児教育としての新しい体系に移され、それにふさわしい先生が出てこられるということを強く期待しているわけでございます。御指摘まことにごもっともでございます。
#14
○内田善利君 私は、高校教育にずっと携わってきたわけですけれども、小学校の先生、幼稚園の先生はたいへんだなといつも思いながら教員生活を送ってきたわけですけれども、高校ですとある程度知識を中心にして教育するわけですが、情緒その他の面もありますけれども、しかし小学校の先生あるいは幼稚園の先生は、何もわからないいまからの子供たちを教えていく立場の小・中・幼稚園の先生方はたいへんだと思うのです。そういった人間性の基礎をつくる先生方にせひもう少し一級免を持ったといいますか、もう少し研究を積んだといいますか、そういった能力を備えた先生方が多くなっていいのじゃないかと、このパーセントからいいましてそのように思うのです。この幼稚園教育は諸外国は非常にすぐれておる、特に英仏ソ、すぐれていると聞いておりますが、諸外国の実情はどうなんでしょうか。やはり短大とか、いまからお聞きしますけれども、教育職員免許法施行規則二十七条の幼稚園の教員養成機関ですね、そういったもので間に合わせているような日本は実情なんですが、諸外国の幼稚園教育の担当教員の実態というようなものはどうなんでしょうか。
#15
○政府委員(木田宏君) 各国の事情につきまして詳細な比較データをまだ用意してございませんので、ただいまの御質問に的確にお答えを申し上げるだけの材料を持ち合わせないことを遺憾と思いますけれども、イギリスにつきましては、御案内のように、幼稚園が幼児学校ということで小学校前段階の学校制度として位置づけられておりまして、同じような教員養成の体制の中で教員の需要がインファント・スクールという形で行なわれておるものというふうに考えるわけでございますが、しかし、イギリスにおきましては小学校、中学校につきましても教員の免許状を有していなくとも教員になれるという制度が一般的になっておりまして、学校の中の教職員の免許状区分につきましての詳細なデータを持ち合わせておりませんものですから、その意味ではちょっといまの御質問に対してどのくらいが正規のものであるかどうかという小学校の段階と幼稚園の段階との比較という点でお答えを申し上げることができない次第でございます。
 なお、アメリカにつきましては、これまた学校制度が確かにイギリスとは違って明らかに幼稚園という形態のものを持っておりますが、この学校制度が正規の学校と区分したデータというものを的確に私どもも比較できる状態で持っておりませんものですから、また州によってもその扱いが区々でございまして、ところによりますと小学校にありましても学齢期の前に、幼稚園のころから小学校に入ってしまうというようなケースもかなりたくさんございまして、年齢別に明確な区分をして教員の有資格者を小学校と幼稚園と比較して把握するというところまで、これもできておりません。たいへん恐縮でございますけれども、ただいまの御質問に対しまして的確なお答えができないことはたいへん申しわけないと思います。
#16
○内田善利君 幼児教育の担当教員の実情をまたあとでもけっこうですから教えていただきたいと思います。
 それから次に、正規のこういった大学、短大以外に文部大臣の指定する幼稚園の教員養成機関があるわけですね、これの実情はどうでしょうか。これは施行規則二十七条で、大学、短期大学に設ける養成が不十分な場合に限り置かれる、いわば補充的、臨時的な養成機関ということですけれども、この実態はどうなんでしょうか。
#17
○政府委員(木田宏君) 幼稚園の指定教員養成機関として指定をしてございますのは六十一校ございまして、そのうち公立が六つ、私立が五十五校ということになっておるのでございます。
#18
○内田善利君 これは、あくまでも大学、短期大学における養成が不十分な場合に限り置かれる補充的、臨時的養成機関ということですけれども、昭和四十年から四十六年にかけて公立では一校、私立では二十四校、指定養成機関が増加しているわけですけれども、補充的なものというものをこのようにじゃんじゃんふやしているわけですね。私はさっきから一級免を持った方がもっとほしいといっている観点からすれば、こういう幼稚園の養成機関、臨時的なものをふやさなければならないのかどうか。また、これでいいのかどうか。先ほどは、四十七大学全部、四年制の課程をつくる目標でおると、こういうことですけれども、その一方では、こうして臨時的な養成機関が続々と増加しておる。非常に矛盾を感ずるんですけれども、その点はいかがですか。
#19
○政府委員(木田宏君) 確かに幼稚園の教員養成につきまして、冒頭にお答え申し上げましたように、免許状の取得者が二万八千人おるというふうに申し上げました。これらは免許状取得者の側からとったわけでございますので、この中にはかなりの数が小学校教員の免許状とあわせて幼稚園教員の免許状を取っておるというような者も出てくるわけでございます。そこで、その現実の需給を考えますと、二万八千人の免許状を取った者がすべて正規の大学の養成者というふうにも考えられない。現実に各地域におきまして保母の養成とあわせまして、また幼稚園教員の免許状を取れるようにしたいというふうなお話等もございます。そうした現実の需要というものと対応いたしまして、教員養成機関の指定等を行なっておる次第でございます。確かに、御指摘のように、正規の大学、短大におきます養成によって十分な供給がまかなえるということが願わしいわけでございますので、今後、指定教員養成機関の指定に当たりましては、そうした地域別の需給ということも考えながらではございますが、これを将来とも大いに拡大していくという考えでは必ずしもございません。ただ、幼稚園教員の養成の課程が、小学校教員のみならず保母さんの養成課程の際に、同じようにして幼稚園教員の指定が取れるようにしたいという実態を考えますときに、それをあまりに保母さんの資格は取れるけれども、幼稚園の教員養成の資格は取れないというふうに窮屈にしていくこともいかがかという面がございまして、こういうふうな数字になっておる次第でございます。
#20
○内田善利君 大体、理由がわかりましたが、それにしても、この指定養成機関は大学の正規の課程における養成数が「不充分な場合に限り、行うものとする。」と、このように二十八条にあるわけですが、この「不充分な場合に限り」というのはどういうことを言っているわけですか。
#21
○政府委員(木田宏君) 地域別に、その大学の幼稚園教員養成課程で免許状を取った者が現実に採用しがたいといったような事情等を考えまして、そうしたその地域別の事情等を勘案して必要のある場合というふうに私どもも指定をする際に考えておる次第でございます。
#22
○内田善利君 そうしますと、これはそういう不充分な場合が起こり得ると私も思うんですけれども、これ五年に限っているのはどういうわけですか。
#23
○政府委員(木田宏君) これは、補完的なものであるということの性格と、その養成所のそういう補完的な必要性ということから考えまして、五年ごとにその実態を勘案し、また養成機関の内容等も五年ごとにもう一度考え直さしていただくという意味で、指定機関を五年というふうにいたしておる次第でございます。
#24
○内田善利君 五年ごとに考え直すということで、この五年を切ったわけですね。わかりました。
 それと、養成機関卒業の先生方が免許の取得の状況、それから就職の状況、これはどのようになっておりましょうか。パーセントがわかりましたら。
#25
○説明員(阿部充夫君) 昭和四十七年度の数字で申し上げますと、指定教員養成機関の卒業者で、幼稚園教員の免許状を取得しました者が約五千七百名でございます。
 それから、教員に就職いたしましたのが二千九百名ということになっております。比率で申し上げますと、幼稚園教員に就職をした者全体の中で、指定教員養成機関を卒業した者の率が三一%程度になるわけでございます。
#26
○内田善利君 三一%といいますと、非常にほかの大学卒業者、短期大学卒業者に比べますと大きいわけですね。四十七年の大学卒、短大卒のパーセントはどのようになっておりますか。
#27
○説明員(阿部充夫君) 四十七年度のパーセンテージで申し上げますと、四年制の大学を卒業した者の比率が三・四%、それから短期大学卒業者が残り六五%程度でございます。
#28
○内田善利君 大学卒が三・四%、そして短大が六五%、この臨時的な指定機関が三一%ということですけれども、これは私は幼児教育、幼稚園の教育という面から見れば、非常に大事な問題じゃないかと思うのですね。そういう補充的な、補完的な教員養成機関を出た先生が多くて、四年制を卒業した一番大事な教育を預かる先生がわずか三・四%ということは非常に問題だと思うのですが、これを何とかして私はこういう養成機関は廃止の方向へ持っていったほうがいいんじゃないかと、そのように思うんですけれども、むしろ、もっと別な面から英国式な幼稚園の先生を預かる、先ほどは正規な免許状がなくても教員になれる、そういう制度をとったほうがいいんじゃないかと、そういった面に優秀な先生がいらっしゃるんじゃないかと、このように思うんですけれども、この大学卒が三・四%で、短大卒が六五%で、指定機関、臨時補完的なもの三一%という実態はこれでいいのかなと思うのですが、これはいかがでしょうか。
#29
○政府委員(木田宏君) 確かに、御指摘のようにせっかく免許制度を設けており、また、幼稚園教員につきましても小学校教員と同じような一級、二級の制度も設けておる次第でございまするから、できるだけ今日のわが国の免許制度のもとにおきまして正規の学校で、正規の大学で養成できるということが望ましいに越したことはございません。
 ただ、いま現実には幼稚園の拡充期にもございまするし、いろいろな今後の奨励策の中で補完的にこうした養成機関というものが、やはり教員の三割を現実に占めるという実態もございますもんでございますから、今後の拡充期等を勘案しながら、大学の養成課程の拡大もはかってまいりますけれども、まだしばらくの間は指定教員養成機関ということを予定して、その整備を考えていくということも必要ではなかろうかというふうに思う次第でございます。
#30
○内田善利君 その指定養成機関ですけどね、ここの施設、設備の状態ですけども、これは基準があるんですか、設備基準。
#31
○政府委員(木田宏君) 一応この指定教員養成機関を指定いたします際には、指定の内規をもちまして教員数あるいは施設の整備状況等を判断をいたしておる次第でございます。
#32
○内田善利君 判断されておるということですけれども、私の聞きますところでは非常にまあ何といいますか、劣悪な基準――設備、その中てこの養成が行なわれておると、このように聞いておりますが、基準はないということなんですね。そういう基準がありませんので、結局予算もありませんし、こういった中で養成されていくということは非常に憂慮される状態にあると思うんですけれども、この点はどうなんですか。判断しておるということですけれども、その設立のときにですね。
#33
○政府委員(木田宏君) 教員養成機関の指定の一応内規でございますが、教室につきましては、当然ながら学級当たり一以上の専用教室を有すること、また実験実習施設を持っておること、体育施設を持っておること、屋内体操場等――これは中学校の保健体育の教員の場合でございますが、屋内体操場を持っておること、といったような施設についての内規を設けまして、また、幼稚園、小学校等の場合、当然のことながら楽器のピアノ、オルガンの整備、これは幼稚園教員養成機関の場合に十人について一台以上のピアノ、オルガン等を整備するという基準を持って見ておるわけでございます。
 また、教員組織につきましても、幼稚園教員につきましては専任者を四人以上といたしまして、特に音楽、図画工作、体育、それから保育内容を含む教職につきまして専門科目に各一人以上という基準を持って判定をいたしておる次第でございます。小学校、中学校等の場合には、これよりももう少し高い基準を考えておるところでございますが、幼稚園教員につきましてもそうした基準を持ちましてその教育内容の構成と、それから養成数との勘案を考えながら指定をいたしておると、こういう次第でございます。
#34
○内田善利君 それと、四年制の大学における教員養成ですけども、昭和四十六年ですが、十二大学の教員養成学部で定員がおのおの三十名ですね、そういう課程で養成が行なわれてるわけですけれども、しかも学生三十名に対して専任の教官は二名内外と、こういう状況ですけれども、これでいいのかどうかですね、お聞きしたいと思うんですが。
#35
○政府委員(木田宏君) 国立の教員養成大学に幼稚園課程を付設いたしました場合に、学生がいま御指摘のように学生数として二十名あるいは三十名という定員をつけるわけでございますが、一般的に、この授業科目は他の小学校教員養成課程あるいは科目によりましては中学校教員養成課程等と同じ講義を受けることがきわめて多いわけでございます。したがいまして、この学生定員の増に対応して学部の教官の定数増といたしまして二名を予定をする、専門課程について二名の増を予定するという措置をいたしておるわけでございますが、この二名で幼稚園教員のすべてを教育しておるわけじゃございませんものでございますから、この教育内容としては十分な体制がとれておるというふうに考える次第でございます。
#36
○内田善利君 その幼児教育の教員養成に当たる研究者と申しますか、あるいは教授と申しますか、そういう養成計画はあるのでしょうか。全国の博士課程までを備えた幼児教育学といいますか、そういった研究機関あるいは講座はあるのですか。
#37
○政府委員(木田宏君) 各教育学の諸講座を持っております国立の教育学部の中にそうした幼児教育等の専門のものもあると思いますが、ちょっと調べましてお答えを申し上げさせていただきます。――たとえばお茶の水女子大学には家政学研究科の中に幼児学専攻といった大学院の課程もあるわけでございます。東大はじめ、この教育学の学部を持っております、博士課程まで持っておりますところでは、こうしたお茶の水と同様に講座単位でこうした面の講座が設けられておると考えておる次第でございますが、ちょっといまこまかいデータが手元にございませんので後刻また御連絡さしていただきたいと思います。
#38
○内田善利君 私の聞くところでは、そういった博士課程まで備えた幼児教育学関係の講座はないと聞いておるのですけれども、あったにしても、いまお茶の水女子大学とおっしゃいましたが、その程度ですね、幼児教育の研究機関、あるいは講座、そういったものがほとんど皆無にひとしい現状なんですね。そういうことで、私は幼児教育に向かう四年制大学卒業の先生方が少ないのじゃないか、そのように思うわけです。やはり大事な幼児教育をもう少し研究する機関、講座があってほしいと、このように思うのです。この点をいかがでしょうか、文部大臣、先ほどから幼児教育についていろいろお聞きしておるわけですけれども、四年制大学卒業の先生が少ないし、また、そういった研究講座といったものも少ないしですね、もう少しこういった面に力を入れる必要があるのじゃないかと、もっともっと四年制大学を卒業した一級免を持った先生方が大事な幼児教育に携わるような方向にもっていく必要があるのじゃないかと、このように思いますけれども、いかがでしょう。
#39
○国務大臣(奥野誠亮君) 幼児教育についてさらに一そう大学院等についてまで整備をはかれという御意見でございますので、そういう点につきまして大学当局とも連絡をとりながらそういう方向で努力をさせていただきたいと思います。
#40
○内田善利君 文部省は昭和四十七年度から十カ年計画を立てて、目標の昭和五十六年には幼稚園に入園を希望するすべての四、五歳児を収園させると、こうしているわけですね。望ましいことですけれども、そのための教員ですね、幼児教育に携わる幼稚園の教員の需要、これについてはどのように対策を考えておられるわけです。
#41
○政府委員(木田宏君) 先ほどもお答え申し上げましたように、各国立大学には幼稚園教員の養成課程をすべてに拡大をしていくということで毎年学生の定員増をはかっておる次第でございます。
 また、公私立の大学におきましては、新設、拡充がはかられます際に、最近目立っておりますのがやはり保育学科の拡充等でございまして、毎年相当数の幼稚園教員の課程認定もそれに合わせていたしておりますので、地域別には先ほど申し上げましたような、なお指定教員養成機関の補充等を必要とする面もございまするけれども、今後の幼稚園の拡大に対しまして、養成数の上からはかなりの対応策がとれておるものと、こう考えておる次第でございます。
#42
○内田善利君 いままでいろいろお聞きしてきましたけれども、幼児教育に携わる先生方が、いま十カ年計画は二年目に入ったわけですけれども、大体一万人程度ですね。しかしながら、この文部省の構想、十カ年計画でいきますと、もう二倍ぐらい先生方が必要になってくると、そう思うわけですね。で、大学あるいは短大を卒業した先生が、小学校、中学校の免許状も取りながら、幼児教育のほうも取っていらっしゃるので、就職される先生方が少ないということですけれども、そういうことを考えた場合にもっともっと――まあ四十七大学全部充足するということですけれども、それでも約半分ぐらいは足らなくなるんじゃないかと、こう思うんですけれども、そういう需給状況にはなりませんか。
#43
○政府委員(木田宏君) 幼稚園教員の免許状の取得者が二万八千、これは逐年ふえておる数字になっておるわけでございますが、先ほども申し上げましたように、小学校教員の需給との関連がございまして、小学校教員の需給が比較的逼迫しておる関係上、ややともすると幼稚園教員の免許状を持っておりましても、小学校教員の免許状を持っておる者がそっちに引っぱられるというような面がございまするから、まあ実数の上でもう少し整備をはからなければならぬということはございましても、最近の伸びがかなり急激に出ておりますこと、たとえば四十七年の二万八千人は四十年には六千人でしがなかったというようなことを考えますと、これからの供給数は相当やはりあるものというふうに考えていいのではなかろうかと思っております。
#44
○内田善利君 小学校教員の需給状況が非常に逼迫してきたということですけれども、これもやはり長期計画に基づいてやらないと、先ほどから各委員から質問がこの点についてはあっておりましたけれども、小学校教員の需給計画については、つけ焼き刃のような感じがするわけですが、やはり一番ピークになってきます場合には、そういった長期計画に基づいた需給計画がなされないと今回のようなこういう改正案をつくらなきゃならないと、そういうことになるんじゃないかと思うんですね。人口急増地域における需給計画、これにしても、やはり建設省などと連絡をとりながら、調整をしながら教員の補充をしていかないといけないんじゃないかと思うんですが、建設省等とはこの人口急増地域における需給計画、これはどのようにお考えになっておりますか。
#45
○政府委員(木田宏君) この幼稚園のあり方は、まあ人口急増との関連も確かにあるわけでございますが、府県によりましてかなりその保育所との関係で幼稚園のあり方が違っておりまして、文部省の中で初中局と連携をとりながら、この幼稚園教員につきましての拡充策をはかっておる次第でございます。先ほども申し上げましたように、今日二万八千人の免許状取得者がある。約八年前にわずか六千人であった。こういう点から考えてみまして約二万人の増がこの八年間ではかられておる次第でございまするから、現実に幼稚園教員の需要の増が今日約九千人ほどございまするけれども、これが少々拡大してまいりましても、これまでの拡大のぺースでは対応できていけるというふうに思っておる次第でございます。ただ中心的な幼稚園教員を養成するという意味で、私ども、教員養成大学の幼稚園課程の拡大を急ぎたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#46
○内田善利君 それでは、幼稚園教育の免許状の状況につきましてはこれで終わりますけれども、最後に、文部大臣にこの幼児教育について、特に先生方の補充問題についてちょっとお伺いしたいと思います。
#47
○国務大臣(奥野誠亮君) 幼児教育の問題は、今日の社会環境の変化から考えまして、特に大切なことだと、かように考えておるわけでございます。それだけに特に幼児教育に当たる方々の資質の向上なりあるいは人員の拡充なりにつきまして、円滑を期しますように、さらに一段の準備を整えて努力を続けていきたい、かように考えております。
#48
○内田善利君 それでは、小学校の状況ですけれども、女子教員の出産あるいは結婚による退職者数、これは全体の何%くらいでしょうか、それに対する文部省の対策、どのようにお考えになっておりますか。
#49
○政府委員(岩間英太郎君) 女子教員の退職者は毎年二万人のうちの約半分、一万人ぐらいが退職しております。その中で、いろいろな事情がございますけれども、出産による退職という数字は、いま手元に持ち合わせておりませんが、いろいろな理由がちょっと複合しておるような感じでございまして、純粋に出産ということでは、ちょっといま手元に数字はございません。
#50
○内田善利君 これが全体の退職者の大半を占めると思うのですね。ですから、これに対する文部省の対策というものが私は大事じゃないかと思うのですね。そういった意味で育児休暇等についても、前々国会から参議院で審議していただいておるわけですけれども、私は小学校の教員不足について、足りなくなったから急につくるというようなことでなしに、やはり長期需給計画を立てていくべきじゃないかと、このように思うわけですね。
 先ほどもちょっと触れましたけれども、国庫負担法によって建物とか、プレハブ校舎、こういったものについては特別措置をしたわけですけれども、この教員の補充については、やはりこういった人口急増地域においては特に配慮をしていく、あるいはまた、こういった女子教員の出産、結婚というようなことは大体毎年平均しておるわけですから、そうでこぼこがあるわけではありませんので、こういったことについてもやはり対策を講ずべきじゃないか、このように思うのですが、この点はいかがでしょう。
#51
○政府委員(木田宏君) 教員の需給と、またそれに対応いたします養成の課程でございますが、需給の動きがかなり人口移動その他と相まちまして活発になってまいりますと、大学での養成ということを考えました場合に、それを常に弾力的に対応させるということは非常にむずかしいことでございまして、一般的には小学校教員につきまして、実際の就職数の六割から七割ぐらいのところが恒常的な養成数として対応策をとっていく必要があるものというふうに従来から考えておる次第でございます。今日小学校教員につきましては、昭和四十七年度に一万七千人の新規需要があるわけでございまして、それに対しまして養成数の定員といたしましては、ほぼ一万というのが国立の教員養成大学のかまえになっておる次第でございます。
 なお、そのうち就職をいたします者が七割から八割という、年によって若干の変動がございますが、これらは地域別にその年の需給の状況、人口の動態等、やはり動きがございますものですから過不足が地域によって起こる。それらの需給の調整を他の一般大学、短大等の卒業者あるいは他地域からの流動等によって補ったり、助教諭等、他の免許資格の者をもってあてがうというようなことになるわけでございまして、長期的には今後一万七千人の需要数が、二万二、三千というような数が今後十年間の間には予定できるものでございまするから、先般来御答弁申し上げておりますように、なお正規の教員養成大学におきます小学校教員の養成を、四千人程度の増を恒常的にはかっていく必要があろうかと、こう考えておる次第でございます。
#52
○内田善利君 地域的な交流もするということですけれども、地域による需給のアンバランスに対してはどのような対策を講ぜられておりますか、広域的な人事交流ですね。他地域から、過疎地域から過密地域に移転するというような場合の文部省としての対策ですね、これはどのようにしておられますか。
#53
○政府委員(木田宏君) 特に過密地域におきまして、小学校の教員の供給が足りないところでは、たとえば埼玉、奈良等の府県でございますが、正規の学校以外に、小学校教員の指定教員養成機関を設けておるところもございます。私どもはまたそうした過密都府県に対しまして、教員の資格付与事業を小学校教員のために行なっておられますので、こうした事業を予算上対象者の数を毎年千二百名程度予定いたしまして、予算も計上して資格がとれるような措置を、府県と一緒になって実施をしておるわけでございます。また、過疎県から過密県への教員の移動等につきましては、初中局のほうで県の関係者と相談しながら、必要な予算上の移動等の措置が行ないやすいような施策を講じておるところでございます。具体的には初中局長からお答え申し上げたほうが適当かと思いますが、いろんな方策を通じまして、弾力的な需給の流動化に対応するような措置もあわせてとっておる次第でございます。
#54
○内田善利君 過疎県から過密県に移る場合、支度金はどのように補助されておりますか。
#55
○政府委員(岩間英太郎君) この問題につきましては、本年度調査費を計上いたしまして、ただいまどういうふうな対策をとったらいいか検討中でございます。来年度の予算につきましては、どういうふうなことで対処するかはっきり方針をきめたいと思っておりますけれども、いまのところは検討中でございます。ただ、ただいまの支度金の問題でございますけれども、これは転出する府県のほうで支度金を含みまして、実際に支給をしているというふうに伺っております。
#56
○内田善利君 この支度金が非常にこれは十分でない。したがって、移動があまり行なわれないのじゃないか、このように思うんですね。
 次に、小学校の専科教員についてお伺いしたいと思いますが、小学校の専科教員についての基本的な考え方をまず聞きたいと思います。
#57
○政府委員(岩間英太郎君) 小学校の専科教員につきましては、ここでもたびたびお取り上げいただいておりますけれども、私どもとしましては小学校の高学年になりました場合には、やはり特別の教科につきまして、専任の教員がおったほうが教育上よろしいのではないか、そういう観点からたとえば音楽でございますとか、図工でございますとか^それから家庭科でございますとか、そういうふうな教員が一定規模の以上の学校につきましては、配置できますように定数上の措置を講ずるというふうなことをしておるわけでございます。
#58
○内田善利君 教員免許法の附則の3項ですけれども、中学校の音楽、美術、保健体育、家庭の免許状を持っておれば、小学校の教員または講師にもなれる、このように規定してあるんですが、これはやはり専科教員制というものを指向しているわけですね。
#59
○政府委員(木田宏君) 小学校の高学年等につきまして、いま初中局長が答えましたような教員が必要になるということから、こうした措置を講じさせていただいておる次第でございます。
#60
○内田善利君 そうすれば免許法そのものも、そういった専科制という視点から検討をしていくべきじゃないかと思うんですけれども、そういった考えはあるのかどうか。この四科目に限るのか、もっと四科目以上広げていく考えがあるのか、そういう点はどうです。
#61
○政府委員(木田宏君) 小学校教員の養成の課程につきまして、一応いま全科についての勉強を必要とするという体制で免許制度ができ上がっておる次第でございます。しかし、現実の養成の課程では、人文社会系を中心にして、そちらに重点を置いた学習をする学生あるいは理数科に重点を置いて学習をする学生、あるいは音楽とか図画工作等の実技関係に重点を置いて履習する学生等、各大学におきます養成の課程の中では、幾つかの山を置いてその学生の能力を生かしながら、小学校教員としての必要な勉強をさしていく、こういう指導の体制はとっておるところでございます。ただ、これを免許制度の上で、それじゃ小学校教員につきましても、理数科を中心の小学校教員免許状をつくるというところまでいっていいかどうかという点については、かなり関係者の間で慎重論が強うございまして、小学校教員の免許状といたしましては、やはり全科を担当できるという能力を立証する必要があるという意見のほうがむしろ多い次第でございます。今日その扱いについては、なお検討課題ということで、御論議をいただいておる次第でございますが、いまにわかに改めることはいかがかと考えております。
#62
○内田善利君 そうなりますと、資格認定試験のことに触れたいと思うんですけれども、特に教育実習ですね、教育実習は教職関係の必要な単位数として小学校の場合は四単位ですね、が要求されておるわけですが、全教科担当できるというそういう能力のある先生ということで、資格認定試験ということは非常にむずかしいといいますか、きびしいんじゃないかと思うんですけれども、これはどのように行なわれる予定でしょうか。
#63
○政府委員(木田宏君) やはり資格認定試験で、小学校教員の免許状を与えるといたしますならば、今日の免許制度が要求をいたしております小学校教員の必要資格というものを試験の過程の中で認定をしてまいりたいというふうに考える次第でございます。したがいまして、小学校教員の資格認定試験につきまして、できるだけ実技の領域も踏まえて認定試験を行ないたい。音楽、図画工作、体育等すべてにわたってということは多少酷にもなろうかと思いますので、今日の教員養成大学におきます指導の実態等勘案いたしながら、実技につきましては二教科程度の選択を認めて、やはり実技も試験をしてまいりたいというふうに考える次第でございます。
#64
○内田善利君 非常に中学校、高等学校の場合はいいと思いますけれども、小学校のように多教科にわたって能力が判定されるということになりますとたいへんだと思うのですけれども、またこの資格認定試験に合格して今度は各都道府県で採用試験があるわけですね。その採用試験と教育実習との関係はどのようにお考えでしょうか。
#65
○政府委員(木田宏君) 今日の資格認定試験におきましても、認定試験の合格者の中で採用という段階に入ります者が約二割から多い場合で三割という状況でございます。小学校の教員の場合に需給との関係もありますので、どの程度の合格者がどの程度の割合で採用されるかという点はちょっと予測がつきかねるのでございますが、教育実習等を資格認定試験の過程では行ないがたいものでございまするから、これを合格者を採用される都道府県の教育委員会に対しまして、採用内定時以降できるだけ早い時期に、やはり四週間程度の教育実習が行なわれ得るような指導をしてまいりたい。もし内定後、採用前までの期間がむずかしいということであれば、採用後一定期間実質的な見習いというような形で、この教育の現場に習熟させるといったような指導上の配慮をしてもらいたい、こういう指導をして、この試験の過程におきます教育実習の不備を補うようにいたしたいと考えております。
#66
○内田善利君 小学校の先生方の資格認定試験ですけれども、これもたいへんだと思うのですが、これはどこで実施するわけですか。
#67
○政府委員(木田宏君) 幾つかの大学に委嘱をして大学で実施をしてもらいたいと思っております。
#68
○内田善利君 大学で実施するということですけれども、やはり私は、この大学は固定したものでなくて流動的であってほしいと、このように思うのですが、これはいかがでございますか。
#69
○政府委員(木田宏君) やはりいま御指摘のように、その現実の必要性等を勘案しながら実施することでございまするから、大学に委嘱をいたしますにあたっても、その点は一ぺん頼んだらそこに固定してしまうということでないように考えてまいりたいというふうに思います。
#70
○内田善利君 そこで資格認定試験を通って、その人たちが今度は各都道府県の採用試験に臨むわけですが、その前に教育実習をと、もしそれができなければ採用後ということですが、私は、この実習はやはり採用以前にやったほうが適切じゃないかと思うのですね。やはりこれは経験された先生方のお話によりますと、教育実習をやって初めて自分は教員になるんだという確信がつくと、また中には教壇に立ってみて、自分は教育に向かないということをわかる、教育実習によって初めて自分が教員に向くのかどうかわかるということを聞きますので、採用後やるんじゃなくて、やはり資格認定試験の段階で、あるいはその後の採用試験までの段階で教育実習は行なうべきじゃないかと思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。
#71
○政府委員(木田宏君) 御意見の点は十分私どもわかる次第でございまして、実施の段階で、採用者であります都道府県教育委員会等と十分相談をしながら、運用してまいりたいというふうに考えます。
#72
○内田善利君 中教審路線の試補制度、こういうのはとりませんね。
#73
○政府委員(木田宏君) 今日の段階では、まだそのことまで考えておるわけではございません。これは今後の問題として、教職員の身分上のいろんな全体の扱いの過程の中で、総合的に検討さるべきものだというふうに思っております。また、教職員が在職中やはり現職教育その他で絶えず勉強をしていくという必要もあるわけでございますから、そうした今後の現職教育の整備等と相まって、今後の課題にさしていただきたいと思います。
#74
○内田善利君 今度、中学校の問題で、仮免について、高等学校もそうですけれども、二、三お聞きしたいと思うんですが、中学校、高等学校で免許教科外の担任を文部省で許可したその数の資料をいただいているわけですが、いわゆる教科外担任が中学校では五万五千六百六十八名、高校で八千二百十一名、このようになっておるわけですが、全教員数が中学校で二十一万一千六百九十八、高校では十九万九千三百九十五としますと、中学校では免許教科外の教科担任が約四分の一強ですね。高校では二十分の一の先生が免許外の授業をしているわけですが、特に、この中でも義務教育である中学校でこのように四分の一強免許教科以外の担任をしている先生がおるわけですが、四分の一強といいますと非常に多いわけですね。こういった実情をどのように考えておられるのか。私は、免許外の授業は本来やるべきじゃないと、このように思うのですけれども、やむを得ずこういうことをやらなければならない場合もあると思いますけれども、この現状をどのようにお考えになっているのか。
#75
○政府委員(岩間英太郎君) お考えのとおりでございますが、まあ定数の確保の関係上、たとえば三学級でございますと七人の先生しか配当できないというふうな状態でございます。したがいまして、少なくとも、二教科は穴があくわけでございますので、そういう観点で、この問題につきましては何らかの措置を講じなければならないというふうに考えているわけでございますが、まあ現実問題としまして、たとえば生徒数がわずかな場合に先生を九人配置するということも、先生並びにその家族の方々のことも考えますと、なかなか実際問題としてはやりにくいことだろうと思います。そこで、この問題の解決は、まあ定数法の関係だけでできるかどうかわかりませんけれども、実際にたとえば巡回教師だとかあるいは非常勤講師だとか、いろんなやり方も考えられるわけでございまして、私どももようやく定数法の関係も充実してまいりましたものですから、そういうきめのこまかい配慮をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
 現状を御説明申し上げますと、中学校の場合、十一県の抽出調査でございますけれども、三学級の場合には一教科の免許外担当教員の人数が、三学級の場合に三五・四%、二教科の場合が二二・六%、三教科の場合か八・四%、四教科の場合が三・六%、全体としまして七〇%にのぼっているわけでございます。四学級の場合には六三%、五学級の場合には四七%、六学級の場合には四〇%、そういうふうな数字が出ておりまして、傾向としましては、大体全国的にそういう傾向ではないかというふうに考えております。
#76
○内田善利君 福岡県では、免許外の授業はやらないという方向に努力をしておるようでございますが、私は、やはり免許外の授業をやることは、自分の体験といたしましても、やはりどうしても子供に対して良心的にどうも申しわけないという気持ちが立つわけですけれども、むしろ、教科免許を持っていない教科は教えないという方向が私は良心的であると、このように思うんですね。こうしたやむを得ない場合もあろうかと思いますけれども、やはり何とかこれは補充できる体制をとるべきじゃないかと、このように思うんですけれども、定数法の改正、そういったことで、学級数をふやすとか、何らかの方法で見合った充足できる体制に持っていくべきであると、このように思うんですが、いかがでしょう。
#77
○政府委員(岩間英太郎君) 御指摘のような方向も一つの方向として、改善の際には留意してまいりたいと思っております。しかしながら、どうしてもやはり無理な場合が出てくるわけでございます。そういうものをどうするかというものを、まあ具体的にいろいろ教育委員会等とも相談して対策を立ててまいりたいというふうに考えているわけでございます。
#78
○内田善利君 この問題は、非常に基本的な根本的な問題であろうかと思います。最近起こった問題ではないわけですから、こういった問題についてはひとつ積極的に取り組んでいただきたいと、そのように思うのですね。
 それから、次は高校の問題に移りますが、高校の多様化の問題ですけれども、十六条の三で教科の領域の一部について高校教員の資格試験を行なう、こうしたわけですが、この十六条の三の教科の領域、どういう領域を考えておられるのか。そういった基準は、何なのかお聞きしたいと思います。
#79
○政府委員(木田宏君) 柔道、剣道あるいは情報技術、インテリア、計算実務、情報処理等の領域を考えておる次第でございます。
 また、特殊教育の高等部の教科につきましては、理容とかリハビリテーション、邦楽、調律あるいはろう学校の場合にクリーニング、美術等のことを考えておる次第でございます。
#80
○内田善利君 この問題については、先日も他の委員から質問があったわけですけれども、この高校の多様化政策については、以前、当委員会で大臣にも質問して、大臣からも初中局長からも答弁いただいているわけですが、このような免許法の措置は逆行していくことになるんじゃないかと、先日の答弁にですね、そう思うんですが、この点はいかがでしょう。
#81
○政府委員(岩間英太郎君) 多様化につきましては、大臣からもそれから私からもお答え申し上げましたように、学科を細分することが、これが多様化ということではなかろう。もっと基礎的な知識ないしはその実習にいたしましても、基礎的なものをしっかりやるということが、本人が世の中に出ましてさらに進歩していくためには、そういうふうなことが必要じゃないかということを申し上げたわけでございます。まあ、しかしながら特殊な分野、たとえば看護でございますとか、それから、いま大学局長から申し上げましたデザイン関係、これは二十世紀の産業だとも言われておりますように、非常に将来性のある、しかもどういう分野にも活用できるようなもの、そういうものにつきまして、そういうふうな見込みの強いものにつきまして、こういうふうな制度が行なわれるということは、私は、決して私どもの考えておりますような基礎的なものをしっかりやっていくという方向とは矛盾しないんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
#82
○内田善利君 まあ、おっしゃるとおり、技術も進んでまいりますし、技術革新も進んでくると思いますけれども、新しい技術を身につけることは必要になってくると思いますが、この免許に新たに入れる必要があるのかどうか、こう思うわけです。私は、やっぱり高校教育というのはもっともっと基礎的なものに力を入れるべきじゃないか。そして幅広い知識、どんな社会にでも適応できるような社会人になるためには、もっと基本的な基礎的なものを身につけさせる。そういう方向にいくべきではないか。そういった観点からいきますと、どうしてもこういった勉強の範囲を広げていくということは、やはり高校教育の多様化ということを促進するんじゃないかと、このように思うわけです。いかがでしょう。
#83
○政府委員(岩間英太郎君) こういうふうな検定制度が行なわれます科目につきましては、先生御指摘のように、その基礎的で、しかも国民の皆様方がこれは将来とも非常に必要な分野であるというふうなものを取り上げていくべきだというふうに考えるわけでございます。まあ内田先生は、いま大学局長が申し上げましたようなものにつきましては、必ずしも御反対ではないと思いますが、今後こういうものがどんどん拡充されていくということについて、非常に危倶を持っておられるというふうに理解したわけでございますが、私どもも、将来ほんとうに基礎的で、しかも将来性のある、国民の皆様方の御納得のいただけるようなものをつくり上げていきたいというふうに考えております。
#84
○内田善利君 高等学校が足りない時代には、どんどん新設を許可して、いまは多くなって経営困難になっている高校もたくさんあるわけですが、そういったことと同じになるかどうかわかりませんが、このように領域をこまかく広げていって、そういった一部の免許状を取得した先生が、今度は多様化是正といった段階で、不用になってきたということにならないようにですね、私はしていただきたいと、このように思うのですね。むしろ、それよりも高等学校はもっともっと基礎的な方向で、特に九五%以上もう高等学校に行っておるわけですから、高等学校が義務制に近づいてきているという段階ですから、私はもっと基礎的な方向を広げていくべきであると、このように思うのですね。と同時に、別表第四の備考の三ですね、これをつくった理由は何なんでしょうか。これも安易な考え方ではないかと、このように思うのですけれども、これは理由をお聞かせいただきたい。
#85
○政府委員(木田宏君) 別表の第四の備考に三項を加えたのでございます。これはたとえば、先ほど申し上げましたように、体育の教科の領域の一つで柔道、剣道等の免許状を持っております者が体育の免許状を取れるようにしてやりたいということでございます。そして、その上位の免許状をやはり取れるようにもしてやりたい。これは教科の領域の一部を担当し得る免許状でございまするけれども、それが在職中の勉強を加えまして他の免許状に上進する際に、自分たちが履修をしてまいりました単位というものを使って上位の免許状が取れるようにできるよう一般的にはなっておるわけでございますから、今回認めようといたします、教科の一部の領域についての免許状を持ちました者につきましても、それがなお勉強を重ねまして上位の免許状を取れるようにする、他の場合と同じようにそうしたことをはかってやることが本人の将来の発展向上を激励することになるんではないかと、こう考えておる次第でございます。
#86
○内田善利君 まあ、在職中にそういった上位の免許状が取れるようにしたということは私も賛成なんですけれども、ここで言う省令という内容はそういうことを言ってるわけですか。
#87
○政府委員(木田宏君) たとえば、この省令によりまして――文部省令で定める教科について高等学校二級普通免許状を受けようとする場合に、必要とする単位数から文部省令で定める単位数を差し引くと、こういうふうに書いてございますのは、たとえば柔道の免許状を持っております者が、より広い領域であります体育の免許状を取ろうといたします場合に、資格認定なりあるいはその柔道の免許状を取りますについて履修をしたと立証できます科目は、体育を取る場合にはその重複する部分を差っ引いて取れるようにしてやりたいと。全然他の教科を取ろうとする場合に差っ引こうというつもりではございませんのですけれども、すでに自分が教科の一部の領域について免許状をもらった場合に修得しておると認定できる単位数は差っ引いていいではなかろうかと、こういう趣旨で、そのことを具体の場合に省令でそれぞれきめていきたいと、こういう次第でございます。
#88
○内田善利君 次に、実習助手についてお聞きしたいんですが、公立高等学校の実習助手について、その数を明示してほしいんですが、学科別あるいは男女別、あるいは私立高校について、おわかりならばそういった範囲で実習助手の現況をお伺いしたいと思います。
#89
○政府委員(岩間英太郎君) 現在実習助手は、四十七年の四月一日調査いたしましたところによりますと、一万一千九百八名おりまして、そのうちで農業が三千三十二名、工業が四千五百二十八名、商業が四百一名、水産が三百十九名、家庭が二百二十二名、衛生看護が九十五名、そのほか理数関係で九百六名、それから、これははっきりいたしませんが、まあ実習助手という名前でそれ以外のことをやっております者が二千四百五名というふうな数になっております。それから男女別でございますが、一万一千九百八名のうちで、男が八千二百九十四名、女子が三千六百十四名、そういう数字になっております。
#90
○内田善利君 この実習助手のことについてはたくさん聞きたいことがあるのですが、この実習助手の理数科の場合に女子が男子の三倍もいるわけですが、これはどういうことなんでしょう。
#91
○政府委員(岩間英太郎君) 理数の場合に男女別を見ますと、男子が二百六名、それから女子が六百九十九名ということで、ただいま先生が御指摘のとおりになっておるわけでございます。その理由はよくわかりませんけれども、これは結果としてそうなったということであろうと思います。
#92
○内田善利君 この実習助手の実態はどうなっておりますか。いまおっしゃったように、たとえば商業高校においては四百一名の方が全部商業の実習の助手に携わっておるのか、あるいは理数科のこういった女子あるいは男子の実習助手が理数科の先生の実習助手としてやっておるのかどうか。この辺は、実態はどのようになっておりますか。
#93
○政府委員(岩間英太郎君) 実態について調べたものはございませんけれども、私どもが聞いている範囲では、実習助手は御承知のとおり教員の給与表の適用があるわけでございまして、事務職員に比べますと待遇の上で優遇されておるということでございます。そこで、たとえば図書館等の事務に従事している者、あるいは事務に従事している者を優遇措置として実習助手というふうな扱いをしているという者もあるというふうに聞いておるという程度でございまして、実態は承知をいたしておりません。
#94
○内田善利君 実態は私の知っている範囲では、私の経験でも、私は理科をやっていたんですが、理科の助手が確かに二名おりました。おりましたが、全然自分たちの実習といいますか、実験の準備とか、そういったことはやらないで、図書館のほうに行っていたり、事務のほうに行っていたりして、理数科教員のほうには全然一人も、二人の定員でありながら全然やってないと、そういう実態なんですがね、よそはどうか知りませんけれども。私は、やはりこういった理科のほうに、特にこの理数科でお聞きしましたのは、女子が六百九十九名おって、男子が二百名しかいないわけですけれども、おそらくこの女子の六百九十九名ですね、全員理数科の実習助手をやっていらっしゃるのだろうかと、そのように思うわけですけれども、学校内で便宜いろいろ配置されているとは思いますけれども、こういった実態もやはり知っておく必要があるんじゃないかと、このように思います。給与については、先ほどお話があったように私も承知しておりますが、学校におけるこういう実態の把握ですね、それから実習助手の資格はどのようになっていますか。
#95
○政府委員(岩間英太郎君) これは各都道府県のきめるところでございまして、法令的に別に資格はないわけでございます。しかし、たとえば商業学校卒業とか、そういうふうな一般的な資格は各都道府県の人事委員会でおきめになっておられるというふうに承知しております。
#96
○内田善利君 実習助手は、そういった方向で採用になっておるわけですが、それでいいわけでしょうか。各都道府県におまかせして、高校卒業程度ということのようですけれども、やはり実習助手、特に工業高校、あるいは商業高校、農業高校におきましては実習助手の存在というのは非常に大きな、何といいますか、意義がありますし、当然なくてはならない実習助手でございますから、私も工業高校におりますときは実習助手がおっていただいて非常によかったわけですが、そういった意味からも、またこの実習助手については給与の面でやはりまだまだ考えてあけねばならない面があるように思います。というのは、非常に臨時的にずっと実習助手をなさる方は少ないわけですね。そういった実態をつかんでいただきたいと思うんですが、こういった実習助手をしながら大学を受験していく、あるいは夜間大学を出ながら実習助手をしておるとか、そういった実態をよく掌握していただいて、こういった実習助手はもうなくてはならない仕事でございますから、実習助手についてももう少し文部省としては実態を承知していただいて、給与改善なり身分保障をしていただきたい、このようにお願いしたいんですが、この点はいかがでしょうか。
#97
○政府委員(岩間英太郎君) ただいま先生のお話にございましたように、実習助手というのは教育の面では非常に便利と申しますか、貴重な存在でございますけれども、しかしながら、高等学校卒業程度で実習助手になってしばらくの間はよろしいのでございますけれども、先行き家族を持ち、それから年齢もたっていくというふうなことになりますと、いわゆる袋小路と申しますか、になってしまって、人事管理上も非常に問題の多い存在になるというふうな点があるわけでございます。したがいまして私どもとしましては、そういう若いうちは確かに実習助手として処遇されているという点は別に不都合はないと思いますけれども、将来にわたってやはりこういうふうな方々の処置というものは考えていかなければならないんじゃないかというふうなことを常々考えておるわけでございます。まあ、どういうふうにやってまいりますか、具体の問題としてこれも検討してまいりたいというふうに考えております。
#98
○内田善利君 よろしくお願いしたいと思います。
 それから養護教員について、先日も質問がありましたので重複しないように質問したいと思いますが、免許法の十七条の三項に養護訓練の免許状についての規定、それが今回初めてなさるわけですけれども、現在盲・ろう・養護学校以外の学校の養護訓練、これはどのような先生が担当しておられるのか。またその数はどのようになっておりましょうか。
#99
○政府委員(岩間英太郎君) 現在盲・ろう・養護学校につきましては、養護訓練を担当する教員といたしまして二人ないし三人でございますか、の定数上の措置をしているわけでございます。しかしながら、そのほかにつきましてはまだそういうふうな措置をしておりませんで、いまのお尋ねがどういうあれか、ちょっと理解できないのでございますが、現在盲・ろう・養護学校につきましてはそういうふうな教員をワク外教員として措置をしているという実態でございます。
#100
○内田善利君 盲・ろう・養護学校以外の学校の養護訓練の先生はどういう先生が担当されておるのか、これをお聞きしたわけですが、聞くところによりますと、保健体育の先生がかわってやっていらっしゃるとか、そのように聞いておるわけですが、その実態はどうなのか、これをお聞きしたわけです。
#101
○政府委員(岩間英太郎君) 御指摘は、たとえば特殊学級あたりでそういうふうな養護訓練を必要とする子供たちが現実問題としていると、それに対してどういうふうな手当てをしているかというふうな御質問かと思いますけれども、そういう点につきましてはまだ私どものほうで定数法上の措置とか、そういうことはやっておらないわけでございまして、実態につきましてはちょっとお答えするだけの資料を持っておりません。
#102
○内田善利君 養護訓練教諭の養成計画ですが、現在は養成機関はないわけですね。
#103
○政府委員(木田宏君) 新しい領域でございます関係上、養護訓練の教員を養成する養成機関というのは現在ございません。
#104
○内田善利君 そうしますと、これは現在はないわけですけれども、新しい領域を設けるわけですが、この養成機関にかわるものとしてはどのようにしていくわけですか。
#105
○政府委員(木田宏君) リハビリテーションの専門家の養成はいろ厚生省の関係でいろいろとくふうをしておられます。そういう実務を通じての専門家が養成されておるわけでございまして、したがいまして、今回養護訓練というものを特殊教育の中の教科として、教科の一領域として設けることになりましたので、私どものほうでは、資格認定試験の制度を取り入れることによりまして養護訓練についての実質的な経験のある人に免許状を出せるようにしたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
#106
○内田善利君 そうしますと、新しい養護訓練という領域ができたわけですけれども、養成機関はないと、厚生省でそういった人を養成しておるということですが、そういった資格のある人を認定試験で試験をして採用すると、こういうことですか。
#107
○政府委員(木田宏君) 今日まだ正規の大学教育の課程の中での養成というものが行なわれておりませんので、資格認定試験によって経験者に資格を付与する、こういう以外に道がなかろうかと思っておるのでございます。なお、こういう広い意味でのパラメディカルの職員の養成につきましては、一般的に大学教育の中でこれを行なうという体制がおくれておりますので、今後私どもはパラメディカル一般につきましても大学教育の中で、こうした必要な指導者の養成ができるように今後の課題として取り組んでいきたいと考えておりますが、それにいたしましても、当面資格認定試験の制度で必要な教員を確保するという以外には方法がなかろうかと考えております。
#108
○内田善利君 その資格認定試験はどのような方法でやるんでしょうか。また厚生省で養成しているということですが、どこで養成しているわけですか。
#109
○政府委員(木田宏君) 厚生省の関係では現在理学療法士とか作業療法士とか視能訓練士等の資格の養成訓練をやっておられるところが必ずしも数が多いわけじゃございません。これもごく最近にこうした体制が始められた状況でございますから、国内での養成が必ずしも十分にいけるというわけじゃございませんが、そうした厚生省関係の施設で訓練が行なわれておるところでございます。私どもそういう養成施設の指導者、その他の指導的な人に委員、試験官になっていただきまして資格認定試験を実施してまいりたいと、こう考えておるところでございます。
#110
○内田善利君 厚生省で何名ぐらい、年間何名ぐらい養成されておるわけですか。また、その中からこういった養護訓練教諭を採用するということになりますと、大体どれぐらい推定、文部省としてはされるわけですか。
#111
○政府委員(木田宏君) 今日、厚生省で実施いたしておりますそれらの訓練施設でも、その養成の数というのは決して多いものではございません。したがいまして、養護訓練の教員といたしますと、特殊教育の領域でとりあえず年間百二十人程度の需要を考えなければならないのではなかろうかというふうに思うのでございますが、それらにつきましては今日までも特殊教育の教官の中で必要な現職教育等を行ないまして、講習を通じて資質を高めていくというようなことをいたしておりますから、この資格認定試験を実施いたしましても厚生省の訓練機関の卒業生だけということでなくって、現在の職場におられる教員の方々で関心の強い人たち、それからまた理解のある人たちに積極的な現職教育を加えることによって資格認定試験をあわせて単位をとらせる、免許状を持たせる、こういう措置を講じてまいりたいと考えておるところでございます。
#112
○内田善利君 私は、少し甘いような感じがするんですけれども、この養護訓練ということは、われわれが見ておりましてたいへんな仕事だと、このように思うんですけれども、そういった養護訓練教諭を現職教員の中から希望者をということですけれども、希望者があればいいと思いますが、これはたいへんなことじゃないかと、このように思うんですね。文部省自体でこういった養成機関を、あるいはそういった講習を受講者集めてやったほうがいいんじゃないかと思うんですけれども、厚生省のそういった受講者、卒業者というんですか、そういった中から採用するというのじゃなくて、文部省自体でそういった養成を検討したらどうかと思いますが、この点はいかがでしょうか。
#113
○政府委員(木田宏君) 昭和四十七年度に国立の特殊教育総合研究所も生まれまして、養護訓練に関する各種の研修をその研究所においても行なうことになっております。四十八年度には中堅の教職員三百人を対象といたしまして三カ月間の研修を特殊教育総合研究所で実施するというような計画もございます。また、何といたしましても現職者の中で希望者を募って指導するというのが当面の課題でございますから、特殊教育研究所では、さらに一年間五十人という長期研修を考えてもおるわけでございまして、文部省の立場におきましてもこうした総合研究所等の研究と相まって、養護訓練の適格者を育てていくという努力はもうすでに始めておるところでございます。
 なお、一般的には理学療法士等の養成訓練を、これも大きな大学教育の課題の中で考えていくべき課題ではございますが、何と申しましても、今日のわが国の実態ではこの領域における専門家というのが非常に不足をしております。とりあえずは講習を中心にして、そうして関係者の養成を急ぐということにいたしたいと考えておる次第でございます。
#114
○内田善利君 養護教諭について昭和五十四年度から当分の間ということでありましたけれども、昭和五十四年度から府県が養護学校を設置しなければならない、また心身障害の子供がありましても就学させなければならない義務、これを施行すると衆議院の文教委員会で奥野文部大臣もおっしゃっておるわけですけれども、そうなりますと、心身障害児が五十四万人と推定されておるわけですが、かりに全員入学したとしても定数が七・五人で一学級ですが、定数八として六万七千学級必要になるわけですね。そうすると現在の養護学校、特殊学校の教員の数ですけども、兼務者も入れて一万五千二百人と六年間で現在の六倍の教員が必要になってくるわけですが、こういった計画はなされておるわけですね。
#115
○政府委員(岩間英太郎君) 私どもが障害児と考えております者が、先生、御指摘のとおり五十四万人おるわけでございます。しかしながら、こういう子供たちをどこで教育をするかという問題になりますと、父兄の間では普通の学級で教育してほしいというような要望がかなり強い方もございます。そういう方で、普通学級で教育をするほうが適切な方はこれは普通学級に入れる、それから特殊学級で教育をしたほうがよろしい方は特殊学級へ入れよう、それから養護学校で教育をしたほうがよろしい方々は、これは養護学校に入れるということでございまして、養護学校の対象者として一応考えられますものは、現在就学猶予、免除を受けております二万一千人がその大きな意味の対象者になるわけでございます。しかしながら、その二万一千名の中でも治療をやはり優先的に考えたほうがよろしいという方々がおられるわけでございまして、そういう方は学校での教育というよりはむしろ治療のほうに重点を置いて、先生からも御指摘ございましたように、訪問教師とか、そういうふうなものを活用していく道もあるんじゃなかろうかということでございまして、いずれにいたしましても、総合的にこの問題につきましては計画を立てまして、大臣からお答え申し上げましたように、五十四年度からは二部制にし得るように、いま各都道府県とも協力をいたしまして詳細な調査、それからそれに対する対応策を検討している段階でございます。
#116
○内田善利君 障害児教育を担当する教員の養成機関として、大学の養成計画についてですけれども、特殊教育の養成課程の教官定員が二名なんですね。学生数が十五人から二十人、教官定員が二名ということですけれども、これでは医学、心理、教育と三つの面から考えましてもちょっと少ないんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
#117
○政府委員(木田宏君) 先ほども申し上げましたように、特殊教育の教官も幼稚園の場合と似たような事情もございまして、基礎免の教育は他の小学校課程、中学校課程と同じように勉強をするわけでございまして、十単位、あるいは一級をとろうとします場合に二十単位の特殊教育の領域を勉強するということに相なるわけでございます。その指導時間等との関係から専門課程におきまして二名の教官を配当するという措置を講じておる次第でございますが、他に非常勤の教官等も加えまして必要な課目の履修は支障のないようにいたしておるところでございます。ですから、二名ということが必ずしも少ないということにもなるまいかと思うのでございますけれども、今後特殊教育の教育内容の充実と相まちましていまの点は検討いたしたいと考えます。
#118
○内田善利君 実験学科ですけれども、助手の定員がゼロということはどういうことですか。
#119
○政府委員(木田宏君) 教員養成大学は一般的に申しますと科目の窓口が広いものでございますから、学生当たり教官数は他の学部よりは必ずしも少なくないのでございます。また、講座制をとっておりませんために教授、助教授、助手といったような助手の構成を科目ごとに入れるというような整備の方針になっておりませんために、いま御指摘のような助手の配置状況が必ずしも全実験科目に対応するというふうになっていない点もあろうかと思います。これは教員養成大学の多岐にわたります科目に対しての教官整備全体の問題として今後考えていかなければならぬ課題であるというふうに思っております。
#120
○内田善利君 これは、前にもどなたか聞かれたかもしれませんが、養成課程を出て盲・ろう・養護の免許を取っている人、一年間に一級免取る先生何人ぐらい出ておられますか。
#121
○政府委員(木田宏君) 昭和四十七年で申しますと、特殊教育の諸学校の免許状を取りました者が教員養成大学の学部卒業者で一千百名でございます。一般大学で六百名、短期大学で百名、合わせて千八百名が特殊教育の諸学校の免許状を取っておる次第でございます。
#122
○内田善利君 千八百名でだいじょうぶでしょうか。
#123
○政府委員(木田宏君) この特殊教育の関係の教員の最近におきます年間の需要数が約九百名でございまして、先般当委員会でも御答弁申し上げましたが、これがやはり小中学校等の学校の教員と、何といいますか、一体の人事として任命権者が人事管理を行ないます関係上、小・中学校の基礎免を持っております人たちの中からまた特殊教育の学校へ回っていくという人たちも多い実情でございます。
 また、今日の特殊教育の諸学校の拡大を考えます際に、校長及び中堅教員等々の充足を考えますと、どうしても小・中学校の教員との交流ということを前提にして職員構成を考えなければならないと思うのでございます。そういう関係で九百名が全部特殊教育の免許資格を持っておる者でないという実態等がございますんですが、当座の間のやむを得ない措置ではなかろうかというふうに考えます。また、そうした教員の人事管理の実態から勘案いたしますと、免許状の取得者が千八百あるという点はさしずめ少ない数字ではないというふうに考えておる次第でございます。と申しますのは、このほかにもいろいろと講習その他の措置も講じておるからでございます。
#124
○内田善利君 寮母についてちょっとお聞きしたいと思いますが、学校教育法の施行規則で「世話及び教育に当る」職員としての規定、これしかないわけですが、この採用の条件といいますか、資格、これはどういうわけですか。
#125
○政府委員(岩間英太郎君) 寮母の仕事でございますけれども、いま御指摘になりましたように児童等の「世話及び教育に当る」ということでございますけれども、いろいろ宿舎での世話でございますとか、教育でございますとか、あるいは起床から就寝までの食事そのほかに洗たく、掃除、子供の生活指導、学習指導いろんなことをやっておられるわけでございます。いまのところまたいろんな福祉施設等でも御案内のとおりこういうふうな世話をしていただける方がなかなか得にくいという事情もございます。特にどういう資格を定めてよろしいか、非常にむずかしいところでございますので、ともかくそういうふうなお仕事に非常に関心を持ち、あるいは子供たちに対しまして愛情を持って当たっていただくという方が必要なわけでございまして、それはちょっと客観的な資格としてはあらわしにくいという点がございますので、現在のところ資格を定めておらないというのが実情であろうかと思います。
#126
○内田善利君 これは「世話及び教育に当る」職員ですから、やはり教育に当たる職員ということになれば、私はある程度の資格が必要なのではないか。それと、この「寮母」という名称ですね、これもおかしいんじゃないか。男の人もおるように聞いておりますので、「寮母」と言うのはちょっとおかしいんじゃないかと思いますが、適当でないと思いますが、「教育に当る」職員と、このようにはっきりと銘打ってあるわけですから、こういった資格ということも必要ではないかと、このように思いますが、それと「寮母」という名前が適切であるかどうか、これはいかがでしょうか。
#127
○政府委員(岩間英太郎君) 名前につきましては、まあいろいろ御感触もあろうかと思いますが、私は非常にあたたかい感じのするいい名前じゃないかというふうな感じがしているわけでございます。
 資格につきましては、教育と申しましてもいわば母親にかわる家庭教育というふうな観点からとらえたほうがよろしいような内容ではないかと思うわけでございますけれども。正規の学校教育は、もちろん資格のある方にお世話を願うわけでございます。一般の就寝、起床その他のしつけ、そういうものも広い意味で教育でございまして、そういうふうな教育に当たっていただくということで、まあたいへん大事なお仕事でございますが、それについて資格をきめるというふうなことは、ちょっとなかなかむずかしいんじゃないかというふうな感じがするわけでございます。
#128
○内田善利君 時間がきたようでございますが、この特殊学級についてですけれども、高等学校にも置くことができると、このように法の上ではなっているのですけれども現在ゼロなんですが、まあ高等学校までは手も回らないという実情と思いますが、また義務教育ということで義務教育のほうに重点があると思うんですけれども、もう今日局等学校も義務教育制化して、九五%以上が高等学校に入っているわけですから、やはり高等学校についても特殊学級を設置することを検討しなければならない段階に入ったと思うんですけれども、そういった設置する意図がおありであるかどうか。ないとすれば、義務教育関係だけということでなしに、やはりそういったことも検討する必要があると、このように思いますが、この点はいかがでしょうか。
#129
○政府委員(岩間英太郎君) いまのところ義務教育段階では、御案内のとおり、特殊学級を設けました一番大きな原因は、精神薄弱児の出現率が非常に高くて、盲学校、ろう学校のように単独の学校に収容できないというふうなことが理由でございまして、しかしながら、最近ではそれ以外の心身障害者の方々も受け入れている学級があるわけでございます。そういう意味の学級でございましたら、これは法の規定もあることでございますし、これから考えていくべきことであろうというふうに考えるわけでございますけれども、精薄児の場合には、これはいろいろ父兄あるいは御本人の心理的な抵抗もございまして、なかなか現実問題としてはむずかしい問題ではなかろうかというふうな気がするわけでございます。いずれにいたしましても、法律上の規定があるわけでございまして、いままで御指摘のとおり、義務教育段階での充実というものを急いでおりましたので、そちらのほうに手が回っておりませんけれども、これからの課題として検討してまいりたいというふうに考えます。
#130
○内田善利君 もう一問、質問したいと思いますが、まあ、一番たいへんでそして専門的でなければならない盲・ろう・養護学校の教員の免許状の所有者が大体五〇%程度ですね。これでは私は免許状の所有者が少ないんじゃないかと思うんですけれども、これからどうしてこの一番たいへんな、しかも、専門的な盲ろう学校の教員の需給状況を調整していく考えであられるのか、この点だけお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
#131
○政府委員(木田宏君) 今日、特殊教育の教員養成の課程は定員を国立の学校だけで見ましても千二百五十名ほどかかえておるわけでございますが、これから当分特殊教育の学校の拡大ということは続いてまいると思いまするけれども、しかし、人事管理の必要性等から考えますと、先ほども申し上げましたように、小・中学校の教職員の教員層の協力を得ながら、特殊教育の学校の職員を構成していかなければならぬ。まだ当分の間、そういう時期にあると思います。そこで、私どもとしては今後の課題として、さらに特殊教育のための養成増を考えるだけでなくて、特別の専攻課程の増設を四十八年度三校実施いたしましたが、これを広げていきたいというふうに思っておりますし、認定講習の充実等をはかりまして、そうした基礎免を持っております教師に対する必要な資質の確保、免許状の取得ということに力を合わせていきたいというふうに考える次第でございます。これからの特殊教育の拡充整備を考えますときに、こうした認定講習とか、実務経験者の特殊教育の領域への積極的な参加ということを期待し、それに即応するような奨励策を十分に考えて、充実した学校がつくられるようにしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#132
○内田善利君 最後に、文部大臣にお伺いしますけれども、約二時間にわたって質問してきたわけですが、この免許状について特に養護学校、養護関係特殊学級、こういった先生方が非常に不足している。それから幼児教育についても、幼稚園の免許状について質問してきたわけですが、最後に文部大臣の御所見をお聞きして終わりたいと思います。
#133
○国務大臣(奥野誠亮君) 教育界に進んで人材が入ってくださるような施策をあわせ講じながら、いろいろ御指摘いただきました教師の確保に最善の努力を尽くすようにいたしたいと思います。
#134
○委員長(永野鎮雄君) 午前の会議はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時三十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十七分開会
#135
○委員長(永野鎮雄君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続いて教育職員免許法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は御発言を願います。
#136
○安永英雄君 今度のこの法案で、趣旨として、教員の不足、これを補てんする意義が非常に大きいわけですが、これについて、この法律を施行したとして、大体どれくらいの数が確保できるのか、これはやってみなきゃわからぬと思いますけれども、大体補てんをするという趣旨であれば、その予定はあるはずですから。
#137
○政府委員(木田宏君) 教員資格認定試験についてのお尋ねと考えるのでございますが、小学校では受験者はかなり出るかと思うのでございますが、一応資格試験の合格者として小学校五百人、高等学校は五種目合わせまして百人、特殊教育の養護訓練は二種目合わせて六十人くらいを予定しております。
#138
○安永英雄君 計どれくらいになっていますか。
#139
○政府委員(木田宏君) 計六百六十名ほど心づもりとしては予定しております。
#140
○安永英雄君 初中局長まだ見えてないんですけれども……。
#141
○政府委員(木田宏君) もし、私から答えられることでございましたら答えますから、ひとつ……。
#142
○安永英雄君 この前もちょっと質問が出たんですけれども、そういった六百六十くらいの数が足らないというので、相当欠陥を持っているこの法律案を通した、こういったことよりも、現在りっぱな免許状を持っている人、これを別途とにかく人材を集めるということであれば考慮をすべきでないかというのが私の趣旨なんですよ。これは、私はあとで申しますけれども、この免許法の改正については、内容的にやはり今後に悪例を残す、千載に悔いを残していくような個所が相当出てくる。したがって、退職をしていく人あたりを考えてみると、あとで初中局長に聞きますが、実際本人はやめたくない、しかし、各都道府県の教育委員会段階あるいは地方教育委員会段階でとにかく肩の骨が折れるほど肩たたきをやって整理していまう、本人も十分意欲がある、こういう人材はたくさんあるわけですからね。この点について私はあとで初中局長――見えたですな、さっそくお聞きしたいと思うんですけれども、一体、現在自然退職ですね、要するに人事のときに使う用語で自然退職というものはどれぐらいあるかということです。
#143
○政府委員(岩間英太郎君) 毎年の退職者は大体全体で二万名でございまして、たとえば四十六年度末は一万九千百八十八、それから四十五年度末は二万八百九十三ということでございます。そのうちで勧奨退職者は四十六年度末で九千六百八人でございますから約半数でございまして、あとのやはり同数程度が自然退職ということになるわけでございます。
#144
○安永英雄君 この点、いま局長は自然と二つに分けられたけれども、この点は、実際は内容を御存じかどうかしりませんが、この区別はなかなかつかないんですよ。また、いまおっしゃったように勧奨をして退職をさせるということ自身が私はおかしいと思うんですけれどもね。これは平気で正面切って言われたけれども、勧奨退職、勧奨して退職させるというのはどういう法規に基づいてやっておるんですか。法規ありますか。
#145
○政府委員(岩間英太郎君) これはいわゆる退職金の算定の際に、勧奨を受けて退職した場合にはいわゆる割り増しがつくわけでございます。そういう意味では給与法上のそういう勧奨という制度があるわけでございます。
#146
○安永英雄君 これは、肩たたかれて泣く泣くやめていくときに、そのときに、あとで計算して結果として出てくる問題ですから私は法的にはあなたやめなさいという形を強制するというのが勧奨退職であって、法的な根拠はないと私は思うんです。違法なことを私はやっているんじゃないかというふうな気がする。これは個々の事例を持ってこなければあれで、いろんなケースがあるからあれですけれども。しかし、一般的に言えることは、あなた方のほうで勧奨して、その結果やめた人については優遇をするという給与法上の問題に照らしてというけれども、これはあと先の問題なんで、やめさせるときの武器なんですね。本人はやめたくない、しかし、やめるとこれだけの金がくるじゃないか、もう退職金から年金から計算しちゃって突きつけて自宅まで行って、そしてあなた、これだけの金が入るのにどうしてやめぬのだ、こういうことで、これは勧奨それ自体は違法だというふうに考えますが、どうですか。
#147
○政府委員(岩間英太郎君) 本人の能力判定とそれから客観的な能力判定というのはかなり違うわけでございまして、七十でも八十でも御本人としては働けると思っておられても、仕事の上で実際上支障がある場合もあるわけでございますから、この制度自体が私は違法であるというふうには考えません。
#148
○安永英雄君 しかし、その点は程度によるけれども、行き過ぎがあってはならないと思うのですよ。私は違法と思うけれども、あなたは違法ではないと言う。しかしこれは強制的に、とにかくやめる意思のない者について何回も何回も言ってそうしてとうとう退職願いを出さしたという形はやるべきでない、こう思うのですが、そこらあたりどうです、文部省の考え方は。
#149
○政府委員(岩間英太郎君) これは勧奨退職を進める方にとりましては、やはり人事管理の責任者としての問題があるわけでございます。そういう意味から申しまして、ただいま御指摘のようにそういうふうな過度の勧奨退職が行なわれますようなことは、これは避けなければならないということは当然でございますが、それにはやはりその裏づけになるような慣行ないしは法的な整備というものが必要であろうというふうに考えるわけでございます。
#150
○安永英雄君 私は、そういう人事面の質問をするのが本旨じゃありません。そこで、各県で勧奨数何人、とにかくことしは退職者を出すのだ、そういった線を引いた上でそれに基づいて忠実に人事主管の関係の者や地方教育委員会が一斉にそのワク内を果たそうと思って、そこに行き過ぎができてきていわゆる私どもの強制退職、こういうものが生まれてきておる。そこで文部省のほう、そのワクというのは大体実績からいけば二万というのが出ていますね、結果としては二万出ている。そして肩をたたいたかたたかないかは別として、勧奨した、こういうのが九千六百もこの中に入っているというので、この九千六百というのは、私は数は明確に出てこないと思うけれども、教員としてさらに続けていきたいという意思の人は相当数この中に入っているというふうに考えるわけです。したがって、大もとは何人教員をやめさせて何人新規採用するかというこの机上の計画というものに人事の作業というものが必死になってそれについていっているというところから非常に無理がくるわけですが、各県の線の引き方、新陳代謝とか、新風を吹き込むとか、こういった看板で線を引いている、そこらあたり把握してありますか。
#151
○政府委員(岩間英太郎君) 一応、各県で基準としてきめております基準は、六十歳以上八件、五十八歳から五十九歳が十四件、五十六歳から五十七歳が十七件、五十五歳が七件ということでございますが、実態を見ますと特に去年、ことしあたりはこういうふうな一応基準をつくっておりましても、たとえば五十五といっておりましても五十八とか、五十八歳以下は退職者がないとか、あるいは五十六といっておっても五十九まではないとか、そういう県が出てまいっております。
#152
○安永英雄君 そういった定年制の問題も、教員の中には何もないわけですが、線を引くということ、これは好ましいことかどうかという問題ですが、その点はどう思いますか。
#153
○政府委員(岩間英太郎君) 積極的に好ましいということじゃございませんが、これはある程度後進に道を開くというふうな点から申しますと、あるいはやめてからあとのいろんな設計がお立ちになると。それから申しますと、そういう一応の線があるということは悪いことじゃないというふうに考えております。
#154
○安永英雄君 私は、その点は問題だと思いますよ。文部省がそれを是認するならば、この点をたいへんなことだと私は思うんです。一応人事をさばいていく場合に、いわゆる一つの基本的な方針というものをきめて、そしてやることはいいと思いますよ。何も、無定見に人事をさばいていったらこれは大混乱をすることは私もわかっている。わかっているけれども、その中で、五十七歳にきたらあなたはやめなさいと、こう言うし、事実やめていっている。女子の先生のごときはもう五十歳あたりから肩をたたかれて、五十五あたりでは姿を消していく。あるいは夫婦共かせぎと、こういったものについては、どちらかやめなさいと、あるいは年のいった、まあ今度は教頭になろうか、校長になろうかというそのときには、主人が教頭になりたいと思えば奥さんは内助の功で、あなたはやめなさい、これは平気であるんですよ。そうしてそれは何かというと、先ほどの線があるからです。その線に従がって、それをいかにももう定年制がしかれておるような、もうとにかく一つの法律みたいな観点でやめさせてきているということは、私は、文部省のほうがやるときにはやっぱりその線があることも必要だという是認の姿をとれば、これは奨励しておるようなもので、定年制みたいなものを示したようなものなんですよ。私は、少なくとも文部省が各県の人事に関する行政について指導する場合には、少なくともこれを積極的にこの線を出してもけっこうなんだとこれを是認するという立場は私は許せないと思うんですがね。これはものの言いようがいろいろ表現のしかたもあると思いますけれども、これは頭から私は否定してかかっている。やはり人物本位とか、あるいは本人の教育に対する熱情とか、身体的条件とか、大体普通はっきりしたものであって線を引いて、とにかくその線からやめさせるとか、やめさせぬとかいう人事作業というものはすべきでないという指導こそ私は必要じゃないかと、こう思うんですがね。この点どうでしょう。
#155
○政府委員(岩間英太郎君) 文部省でも、現在国立学校の事務系を含めまして、あるいは先生の場合にも、定年制と申しますか、これは慣行としてあるわけでございます。まあそれはきわめてスムーズにいっていると思いますし、
  〔委員長退席、理事楠正俊君着席〕
また、たとえば東大で六十歳なら六十歳といいました場合に、ほんとうに惜しい方もおられます。しかしながら、そういうふうな慣行がしかれまして後進に道を譲るというふうなことは、これは全体として見ますと、私はいい制度じゃないかと。ただ、御本人にとりましては、これは御不満の場合もございましょうけれども、やはりいままで文部省あるいは国立大学全体としてやっておりますことは、別にそれによりまして支障が起こっておるということではない。ただ、年齢であまり若い方に対してそういうふうなことが行なわれるというふうな問題はあろうと思いますが、制度全般としましては、私は悪い制度ではないというふうに考えております。
#156
○安永英雄君 そこで、本題に入りますけれども、先ほど大学局長のほうで、今度の法律で大体予測しておる、また期待もしておる、この新しい先生の獲得という問題で六百六十程度の数を、非常に矛盾があるこの法律で、当面の問題としてやはり教員が足らないという立場から提案をされておるということですけれども、いまも言ったように、肩たたきで、全部とはいいませんけれども、約九千六百という、りっぱな免許状を持って教育経験も豊かだ、こういう人たちを、片やとにかく肩の骨の折れるまでたたき落としてやめさしておいて、そして非常に不十分な――やっぱり教員養成機関というものを根底からやっぱりゆすぶりますよ、これは。何も教育実習もしないような、とにかく促成栽培やろうというのははっきりしているんですよ。これはやっぱり教育のためにもよくないというんですが、たとえばあなたのほうでその線というものをたとえば最後まで撤回しないということであれば、たとえば五十五歳と、あるいは五十七歳と、福岡県あたりは五十七歳主義だと、これを五十八歳にしたら約二万は出てくる。その中から選ってくるという形を考えてもいいのではないか、こう思うんですけれどもね。私もう一回、あとはくどく聞きませんけれども、大学局長のほうで、この六百六十ぐらいの、これはまあ一年の当面の問題でしょうけれども、そうまでしなければ先生というのは獲得できませんか。ほかの意味はわかりますよ。ほかの場合のそれだけの法律案の趣旨でないということはわかりますけれども、少なくともそこのところの人間を確保する、こういった面からして、私はそうまでしないでもいいんじゃないかと思うのですけれどもね。あなたの立場から言って、どうしてもこれを提案し、可決しなければならぬという理由をおっしゃってください。
#157
○政府委員(木田宏君) 需給の点だけで御提案申し上げておるわけではございません。教育界に広くいろんなキャリアの方にも、熱意のできた方は教育界にお迎えしたいという気持ちが一つございます。学歴だけが唯一ではなかろうという考え方がございます。それと同時に、需給につきましては、先般来申し上げました地域別に、あるいはその年によりましてどうしても若干の変動等もございまするから、そうした措置を考えたい。また、特殊教育、高等学校の一部の教科の領域等、今日大学教育で十分な養成ができてない、大学教育になじみない領域もございますので、そうした補完的な措置としてはひとつ御理解を賜わりたいというふうに考える次第でございます。
#158
○安永英雄君 まあ、とにかく教員の数を確保する、人材を確保するという立場からいけばあまり意味のないものだということは私はいまのことばでわかると、別のほうの意味のほうが大きいというふうにとっていいですか。どちらもですか、あくまでもどちらもですか。
#159
○政府委員(木田宏君) 基幹となります教員の養成数を確保しようという趣旨のものではございません。これはこれまでも繰り返し御答弁申し上げたとおりでございます。基本的な小学校教員、中学校教員の養成は、本則によりまして、大学におきます養成課程を拡充するということが趣旨であることに変わりはございません。その点はまたお間違いのないようにお願いをしたいと思います。
#160
○安永英雄君 そこで、大臣にお尋ねをいたしますが、今度の七十一国会で田中総理が施政方針演説をやられたわけですが、この中で特に強調をされた教育面の問題として、「小・中学校の校長が退職後再び町に職を求めなければならないような現状を改めるため、定年の延長について真剣に検討をいたしておるのであります。」これはいままでかつてなかったことであります。しかも、施政方針演説の中で明確にこの点は言われ、そして私は予算委員会のときにもこの問題について詰めてみた。やはりこの問題は、教員というものがやめていって、そしてやめたときが一番金のかかる、子供等の学費その他で金がかかる時期だ。あるいはまた、非常に有能な、地方における有能な士であるから、この人たちのとにかくやめたあとというものは自分としても十分考えていかなければならぬ、こういう発言もあったわけですね。まあ田中さん自身は、地元の話を聞きますというと、自分の習った先生については非常に報いられておると、そして歴代大臣にない、教員のやめたあとの問題について非常に気を配っておるということは聞いておったし、異例の施政方針演説の中に入れてきたということは、私は教育界にとっては一つの大きな前進だと、こう思っておったわけです。で、この点については、田中内閣ができた当時からこの問題は盛んに演説その他でやられたものなんです。で、私は、これについて当時の稲葉文部大臣に質問をやったことがあるんです。稲葉さんはとにかく大臣になられて、もうなられたとたんにぽんぽんぽんぽん花火を上げられて、定年制六十五歳、それから給与は倍にするとか、教員養成大学をつくるとか、あるいは教員の給与というのは一般職の最高で、次官ぐらいの給与、四十何万を給するとか、ぼんぼん上げられたわけですけれども、これあたりは田中さんの発言と一連の関係があるし、自民党の政策がその当時打ち出されたときの項目をぼんぼん打ち上げられていったわけです。そこで、私は聞いたわけですけれども、ほんとうに六十五歳というのを考えているのかどうかという質問に対して、その発想はこういうところでございますと、昔から見て六十のころはまだまだお達者で、教育の業に従事していただける、これが世間の常識ではないか、そうしてわれわれのような無力な人間も就職などをお頼みされますが、しっかりしたりっぱな、しかも教育経験豊かな人をここでやめていただくのはいかにももったいないという感じもしますものですから、せめてもう少し定年を延長する、そうしてできれば学級の生徒などもう少し減らしまして、したがって定員も要るでしょうから、急にはできませんから、りっぱな経験豊かな教育者というものはそうたやすく得られるものではありませんから、お働き願ってけっこうじゃないかと、こういうところの発想でございますと、こういうふうな発言も、これは決算委員会でありますが、こういう発言もあったわけです。非常にやっぱり全国の教師この点については期待をしておったわけです。
 まあ、話ついでに続けますけれども、その当時、各全国の都道府県の教育委員会あたりはこの発言を聞いてびっくりして、そして定年制反対の決議をして文部大臣のところに持ってきたということも私は聞いている。少なくとも私の知っておるのは、九州ブロックの教育長が福岡に集まって、この発言聞いて、この質問のあとびっくりした。これじゃ人事ができないということでしたけれども、少なくとも私は、一連の総理並びに稲葉文部大臣、こういった大臣の考え方、これについて、今度やられた文部大臣の所信表明の中にはその点は触れてない。国会で小選挙区の問題について急にこれを提案しようかなどというふうな動きを田中総理はされた。そのときにわれわれの反対の一つの理由として、この所信表明の施政方針演説の中にもこれはないのを急に出してくるとは何事かという問題ですが、私は総理のこの施政方針演説というのは非常に重要だと思うし、その中できわめてこの近代まれな教育の問題、特に定年制の問題、こういうものに触れられたのは画期的と思いますけれどもね、大臣のほうはこれ一つもないんですが、私はこれを受けて、いまさっきの勧奨退職あたりの関係も思い合わせると、大臣のこの教員の退職後という問題について、あるいは退職後じゃなくて、現在の先生の定年をさらに延ばして、有能な先生を総理が言っているようにまだまだとにかく現職として残っていただいて、その経験、豊富な手腕、識見というものを生かしていきたいというその気持ちというのは全くないのかどうか、あるいは定年制についてどう考えるか、この点についてお伺いいたします。
#161
○国務大臣(奥野誠亮君) 総理の施政方針演説、それは内閣全体がそういう考え方で政治に取り組んでいこうということでございますので、文部省におきましても、もとよりそういう考え方で努力を続けているわけでございます。同時に、生活等のことに心配なしに教職に励んでもらいたいという考え方でございますので、一面には、処遇の改善を抜本的にはかっていかなければならないと思います。そういう意味において、今回人材確保法案を提出させていただいたようなわけでございます。
 退職年齢を引き上げていくという問題につきましては、全国の教育長会議や教育委員長会議におきまして、私からさしあたり六十歳以下のところは六十歳まで引き上げてくださいよ。将来は六十五歳を目標に進んでいきたいということも具体的に申し上げているわけでございます。過疎県と過密県によりまして、かなり事情が違うのでございまして、過疎県におきましては教員の定数がふえないものですから、なかなか引き上げることが困難だという事情もございます。事情もございますが、そういう県につきましては個別に相談をいたしまして、若干教職員の定数をよけい配分するようなくふうをする。あるいはまた今回設けました非常勤講師の制度、これを使いまして、この定数を割り当てるというようなことで引き上げてもらうことに御協力をいたしているところでございます。一挙にきめてしまうということになりますと、やはり定年制という制度を法制化しなければならない、こういう問題になるわけでございます。今日そういう時期でもございませんし、またこれについてはいろいろな意見が従来からあるわけでございますので、将来の問題は別といたしまして、さしあたりは定年制を延ばしていく、そのことの困難な県につきましては、いろいろな面において文部省が協力をしていく、そういうことじゃなかろうかと考えながら、一応基本的な考え方を打ち出し、あとは具体的な問題につきまして個々に相談をするということで努力をしているつもりでございます。
#162
○安永英雄君 そうすると定年制の問題については、その方向ははっきり持っている。六十五歳という線は持っているというふうにとってよろしゅうございますか。
#163
○国務大臣(奥野誠亮君) そのとおりに考えております。
#164
○安永英雄君 そうすると、具体的にそれに到達するということで、ことしの予算の中に非常勤講師という形で、そういった退職後の先生を迎えるというふうなことも考えていらっしゃるのですが、この点は、非常勤講師の予算と定数の問題はどういうようになっていますか。
#165
○政府委員(岩間英太郎君) ことし大臣のお力によりまして、一億円の予算を、補助金をさしあたり取っていただいたわけでございます。この配分につきましては、いま各府県と相談をしているところでございますが、こういう制度を今後とも拡大する方向で努力していきたいというのが大臣のお考えでございます。
#166
○安永英雄君 定年制の問題はまた機会があると思いますから、この点は、ただ文部省だけの問題でもないと思いますし、内閣すべてがこれを考えていかなければならない大きな問題ですから、ここでは申しませんが、その方向を見詰めつつ、ことしの総理の施政方針演説の一つの具現化として、ささやかであるけれども、とにかく非常勤講師というものの予算のワクを取ったということですがね。これは、使い用というのはどういうことなんですか。非常勤講師という形で退職した人と六十五歳とのつながり、これはどうなんですか。
#167
○政府委員(岩間英太郎君) この目的は二つございまして、一つは研修の代替教員を確保したい。それから、ただいま大臣から申し上げましたように、定年制の延長の一助としたいということでございます。来年は定数問題につきまして全般的に考えなければいけないということでございますから、また新しい考え方もできるかもしれません。いずれにしても非常勤講師というようなものの芽が出ましたという点は、これは私も非常に喜んでいるわけでございます。
#168
○安永英雄君 そうすると、今度の提案されている新しい免許法で六百六十程度、それから来年の卒業生という形をすれば大体充足できると思っておられますか、数の上からいって。
#169
○政府委員(木田宏君) 四十九年度の小学校教員の需給、これは大体ことしと同じように一万七千程度ではなかろうかというふうに考えておるのでございます。
 先ほど申し上げましたように、今度の資格認定制度によります措置はあくまでも補完的なものでございまして、教育界に大学出の有資格者以外の人でも適任の、熱意をお持ちの方を迎えたいということでございまするから、これで四十九年にすぐ需給がどうこうということではございません。ただ、今後の持っていき方といたしましては、教員養成大学の拡充整備を進めてまいりましても、その効果があらわれてまいりますのは、やはり数年先になりますので、どうしても過密県その他で需給に問題の起こります点は、今回の資格認定試験の方途で若干の調整をはかるというようなことは考えて、そして全体としての需給には支障のないようにしていきたいというふうに思う次第でございます。
#170
○安永英雄君 これは直接定数と関係はありませんが、稲葉さんもそうおっしゃったのですけれども、退職後の医療給付という問題についてぜひ考えていきたい、検討したいとおっしゃっておったのですが、大臣、どんなふうなものでしょうね。これはもう少し内容を見ますと、話したのは、いわゆる元気に教員として三十年、四十年働いてきて、その間、病気一つせずに、共済組合の掛け金は徹底的に払ってきて、退職したところがその医療給付のほうもない、これは何か考えてやらなきゃならぬのじゃないかという約束をしておったのですがね。ここで、退職後の先生の優遇という問題について、せめて、これは年金とか何とかいう問題もありますけれども、すぐやってやらなきゃならぬのは、ほんとうに多いんですよ。ほんとうに健康でもう一生涯教育事業に携わってきて、そうしてやめたとたんに共済組合の効力はなくなってしまう。だから、やめたときから老後に入ってそちらの不安がすぐにつきまとってくる、こういうことですが、これくらいはとにかく明年度予算あたりの中にもきちんと入れて、そしてやってあげなきゃならぬのじゃないかというふうに考えますが、どうでしょうか。
#171
○国務大臣(奥野誠亮君) 退職しますと共済組合員から国民健康保険の組合員になる。その結果は一部負担がつきまとうというようなことで、御指摘のような問題が起こっているわけでございます。したがいまして、退職後も一定期間は共済組合の組合員として給付を続けたらどうかと、こういうことでいろいろ議論をされておるわけでございまして、ぜひ、そういう方向で問題を解決していきたいと、かように思います。なお、今後の問題としても努力をしていきたいと思います。
#172
○安永英雄君 次に、教員養成機関の問題についてお尋ねをしますが、これも稲葉さんの話じゃありませんが、いまの田中内閣の方針として新構想教員養成大学の設置というものを高く打ち上げられて、そしていまにもこれにかかろうかと、昭和五十一年には新卒あたりももう出したいというふうな具体的な案まで出されて、われわれとしてもびっくりしたことがあるんですよ。大臣はいわゆる新しい教員養成大学というふうなものを考えておられるわけですか。
#173
○国務大臣(奥野誠亮君) 四十八年度の予算の上でそういう問題をどうするかということで、調査費を計上さしていただいたわけでございます。調査会で検討していただいておりますので、その結論を待った上で具体化の方向をきめさしていただきたい、かように考えております。
#174
○安永英雄君 そうすると、稲葉さんのとき考えられた文部省の――まあ文部省の構想か稲葉個人の構想か、そこのところは非常に混乱しておったんです、その当時。しておったけれども、少なくとも稲葉さんの構想、その裏には自民党の文教政策としての構想も確かにあったようでありますけれども、もちろん、いま私が質問すると、大臣としてはいまそういった検討をしていますということ以上にはわからないと思うんですけれども、しかし、いまの大臣が一つの方針を持っておられるかどうか、その点についてお答え願いたいと思うんです。
 とにかく相当詳細な話があったわけですがね。入学者の選抜、こういったものは高校長の推薦のほか調査書、作文、身体検査、人物考査を原則とする。文学、歴史、哲学、宗教学、倫理学、道徳学等は、これを必修とする。低学年は全寮制を原則とする。教育実習は三十五週ですから約一年。一年間のいわゆる昔言った強制をさせる。教育実習のため付属学校のほか数校の協力校を設立し、国が直接財政援助を行なう。在学中国費で外国の大学において一定期間研修を行なう。以上の趣旨を実現するために大学の設置事務については必要な改正を行なうということで、こういう内容をお示しになったわけで、相当進んだ、せっかちな方向だということで私もたしなめたことがあるわけですけれども、大体そういった稲葉さんの考え方、これを引き継いでそういった方向でひとつ結論を出してもらいたいというふうないま検討に入っておるのか。もうとにかく全く白紙で、そこでひとつ新しい教員養成制度あるいは大学というものを検討してくれ、こう出されておるのか。そこらあたり確かめたいと思うんです。
#175
○政府委員(木田宏君) いま御指摘がございました内容は、稲葉文部大臣が御発表になったものというよりは、むしろ、当時自由民主党の一部御関係の向きで検討されたものが紙面にも載りまして、安永委員からのお尋ねもあり話題になったことかと考えております。
 今日の教員養成大学の教育内容等につきまして、当委員会でもいろいろと御論議がありましたように、教育実習をいまのままでいいかどうかというような御検討もございます。また、その教育内容等がはたして今日のままでいいかどうかという点、いろんな立場の方々からそれぞれ御意見があるわけでございます。教員養成審議会におきましては、先般御提示を申し上げました昨年の建議の中で、教員養成のためのこれからの教育課程として幅広い人間形成とか、教職意識の涵養でありますとか、あるいは教育実習の単位をふやそうとか、そういう御提案が出ておるわけであります。これを今後つくってまいります教員養成大学、特に需給の関係から申しますと、小学校教員につきましては、本格的な養成を少し拡大をするということをしなければならぬわけでございますから、その新たな大学の新増設の際に、教育内容、また指導方針、付属学校との関係、それらをどういうふうに改善したらいいかということを中心にいたしまして、いま調査会に検討をお願いをしておる次第でございます。
#176
○安永英雄君 そこなんですよ、私の聞きたいところは。だから、現行の教員養成機関というものを否定するという立場で、新しいものをつくろうという、それをいまこの予算の中にある研究費といいますか、調査費それを使ってやっているのか、
  〔理事楠正俊君退席、理事久保田藤麿君着席〕
いまあなたがちょっと言った、いまから新しい養成機関というものをつくる、そこから出発するのか、あるいは現行のいまある養成機関のそのあり方というものを、いろいろその中にどういう問題があるのかということで、そこのところを修正なり改正をしていこうとするのか、ここらあたりが稲葉さんの場合ははっきりしておったから、私はそこをいまから聞きたいわけです。これは筑波に関係がある、そういったものかどうかということです。いまの大体全般の教員養成機関の各大学というもののあり方について、いろいろなところに欠陥もあろうし、改正せなきゃならぬところもあろう。そういったものをえぐり出して検討してください。検討にいま入っておるのか、あるいはもう全く新構想に基づく新しいものの養成機関というものを抜本的に考えて、それでいまからこれをつくろう、稲葉さんの場合はブロックに一校ずっと、こういった考え方で、場所まで、数まである程度出た、そういったものをいま予算の中にあるこの研究調査費で研究しておるのかどうか、ここが分かれ目ですから。
#177
○政府委員(木田宏君) これから新しい教員養成大学を、既存の大学の整備だけでなくて考える際に、新しい大学としてどれだけ新規なことを取り入れてやったらいいかという問題はあるわけでございます。また、それは行く行くは既存の大学の改善策につながることもございましょう。しかし、いずれにしても幾つかの大学を新設してまいらなければ、将来の需要に対して間に合わないという事態でございますから、その新たにつくります大学につきまして、従来の大学の問題点をどういうふうに改善し、前へ進めたらいいかということを御議論をいただいておるわけでございます。それは、従来の大学をいつまでもいまのままに残しておくという意味では必ずしもございません。しかし、その検討の中身におきましては、既存の大学の行き方も一つの行き方、今度の新たにつくる場合に、従来とは内容なり教育の方針なり、持って行き方が違った形態のもの、違った教育方向のもの、そういうものがあり得てもいいではないか、だから、そういう意味で、必ずしも従来のパターンにとらわれないで、ほんとうにいいものを考えるとすれば、どういう大学を構想したらいいかという点での御議論をいただいている次第でございます。その御議論の成果によっては既存の大学の改正という問題も随伴して出てくるかもしれません。しかし、既存の大学は既存の大学で整備し、新たなものは新たなものとして、多少さまの違ったものを考えるということの許容もあってよろしいのではなかろうかと、こういう心づもりで今日の問題点、改善すべき点等を御論議をいただいておる、こういう次第でございます。
#178
○安永英雄君 そこのところ、ある程度わかったんですが、これは私は文部省の内容は、よしあしは別として、その方針は早く大学関係者には、その態度はこれは国会を通じてわかるとも思いますけれども、明確にしておかないと無用の混乱を私は起こしてくると思う。予算は小さいし、予算の中でこれの検討をする予算なんというのは小さい予算ですから、しかし非常に注目をしておるわけです。いまの言い方から聞きますというと、私は非常に危険なものを感ずる。だから、既存の教員養成大学というもののいろいろな改善というものよりも、むしろ、稲葉構想に似た全く新しい教員養成大学というものを構想しておるというふうに考えるわけです。その中から、既存の中にためになることは取り入れてもいいけれども、この検討の目ざしておるところは全く新しいものをひとつつくろうじゃないかということを検討をするという出発に入っておるということは、これは非常に問題があると思うし、また幾ら聞いてもこれは大臣、いま検討しておりますし、その点についての注文その他はつけていないし、そこから何が出てくるか、それは出てきたときのことだとおっしゃるけれども、文部省の意図というのは、今の法では私は筑波に通ずるような気がする。筑波の新しい大学をつくるというあの発想と同じような発想がくるし、またこの問題は、巷間伝えられておるいわゆる五段階というふうなことも言いますけれども、いわゆる上級教員、中教審あたりが言っておるような、ああいったものを目ざして全く新しいものをつくるという方向だというふうに私も考えて注目をしていきたいというふうに考えますが、この点についてはここで注文しておきますけれども、委員会あたりで中間なり、この報告はいたしますか。いまの検討委員会なるものの性格と、それから構成と、それから大体そういった報告、どのくらいの期間あたりでまとめていくのか、その構想をちょっとお聞かせ願いたい。
#179
○政府委員(木田宏君) いま調査研究の委員会を、教員養成に御経験の深い大学の教官あるいは現場の先生方を加えまして、二十二名の構成で御検討をいただいております。その御検討の規模は、新しい大学の性格あるいはその規模、教育課程と教育研究の体制、それから、つくります場合のいろんな付属学校との関係、学生の生活環境、そういうことを含めまして、それに必要な大学の教育研究を助けるための管理組織等全般にわたります御検討をいただいております。もう一つ、大学院をこれから教員養成の領域につきましても考えてまいりたい。その大学院の考え方、規模、組織、そうした点につきましても御研究をいただいておる次第でございまして、今年度中にできるだけそうした御意見をまとめていただいて、次の施策へ進めていきたいというふうに考えておるところでございます。いずれ御意見がまとまりましたならば、中間の段階で各方面の御意見を聞くこともございましょうし、まとまった段階で私どもがその御意見をちょうだいして、また、いろいろ各方面の御意見を伺いながら実施の過程に進めていく、こういう手順になろうかと考えております。
#180
○安永英雄君 この点は、それ以上は申しませんけれども、私は筑波大学の問題とともに、私どものところに唐突として出してくる、そしてその構想についてどういう経過を踏んで審議会等が話をしたかという記録その他もなかなか、これは出さないという形になる。これは私はいけないと思うんですよ。少なくともわれわれのほうに、そういった審議会の間は秘密秘密というふうなことじゃなく、そのつどやはり、質問もします、質問もこちらのほうもしますけれども、積極的におたくのほうからやっぱりいまの審議の過程はこうなんだというくらいの中間的な報告を次々にやって、広くやっぱり国会だけじゃもちろんございませんが、これは各層にやっぱり並行しながら意見を聞いていくという形をとって、国民合意の立場をとらないと、これは大きなやはり教育の変動を来たすような問題をはらんでおりますから、これはもちろん免許法との関係非常に出てくるわけですけれども、そんな問題じゃないような気がするから、この点はひとつ私は注目をしておりますけれども、積極的に出してもらいたい。それから記録等についてもそれは個人の発言などというものはなかなか出ないものですが、そのつどまとめておけば、ずっと経過はわかっていくわけですから、手抜かりなくひとつ中間的にまとめて出してもらう、こういう約束できますか。
#181
○政府委員(木田宏君) いずれ、調査会を設けて御検討をいただいていることでございますから、その案がまとまりました段階でいろいろ御批判をいただくという機会はできようかと考えております。
#182
○安永英雄君 次に、初中局長にお聞きしますけれども、いわゆる採用、それから昇任、こういった問題についてちょっとお聞きしておきたいと思うんです。
 この教員養成大学を卒業して、それから採用試験をやって、それから先生になる、こういうことなんですが、実態はどうなんです。どれくらいは大体試験を受けて、そして教員になるという数のパーセントはどんなものですか。
#183
○政府委員(岩間英太郎君) 全県的な資料はございませんが、私どものほうで採用の困難であるかもしれぬという過密県につきまして調べたものがございますが、たとえば埼玉県でございますと、四十七年度は志願者が三千百六十六名ございまして、受験者が二千六百九十五名、合格者が二千二百八十二名、採用者が千六百九十五名採用すると発表いたしましたけれども、現実の問題としまして千百七十二名しか採用できなかった。五百八十七名は採用を辞退をしたというふうな数字が出ております。これは小学校の場合でございまして、中学校の場合にもほぼ同様な傾向があらわれておりまして、採用辞退が四十七年度で埼玉県では五百三十三名の辞退者がございました。
#184
○安永英雄君 採用試験という制度は、根拠はどこに求めておるんでしょうか。
#185
○政府委員(岩間英太郎君) 教育公務員特例法十三条によりまして、教員の採用は選考によって行なうと、その選考は教育長が行なうということでございますから、これは教育長のほうで基準をつくりまして、実際問題としましては先生ただいま御指摘のとおり、筆記試験あるいは口頭試問を行ないまして、その中から合格者を発表する、それからまた具体的に現場の校長先生、その他と御相談をされて、具体的な採用者を発表するというふうな方式をとっております。
#186
○安永英雄君 私の考え方は、他の職種、職場と違って、たとえば小学校の先生になろうと思って大学を出て免許をもらい、そしてこれが就職するということになれば、これはもう年がいっておろうがいっておるまいが、経験年数がどうであれ、とにかくもう完全な一人の完成された教師というものが他の職種と違って要求されるわけですね。したがって、私は、この免許状を渡すときに、いわゆる免許を取得する場合のこの大学におけるその期間というものが非常に大事だとこう思うんですよ。他のほうの大学を出て、そして商事会社でも、どこでも入ってくれば、初めはそれはどうせ未熟だという形でそれは許される。そしてだんだん経験を積んでいきながら一人間になっていく、こういうことですけれども、教師の場合はそうはいかないという性格は違うと思うんですね。そういった場合に、私は、当然免許を渡す場合には、それだけの条件というのを具備して置かなければならぬというふうに考えるわけです。したがって、これと関連してきて、今度の免許法の中で、教育実習がないというのは私はもうそれ自体もう欠陥だと、こう思っておりますが、それにはいま触れないんですけれども、本来この採用試験というものはすべきでないという私は立場を文部省としては指導方針として持つべきだという考え方なんですが、その点どうでしょうね。私は、やっぱり選考するのは当然なことです。たくさんの人が来るのですから、選考はしなければならぬ。何らかの方法でしなければならぬ。しかし、これについて、筆記試験とか、試験と、こういった形でそれで採用不採用がきまっていくという形は私はいけないんじゃないか。本来やはり大学で免許状を取ったときが当然一人前の教師だという立場をやっぱり基本的に文部省としてはとっておく必要がある、基本的に押えておく必要があるんじゃないかというふうな気がするんですが、そこらあたりどうでしょうか。
#187
○政府委員(岩間英太郎君) 大学の場合には、学生個人というものはこれは先生が接触されまして、十分人物とか一そういう点はきわめていただけるというふうに思うわけでございます。まあそういう意味で、大学での御判断というものはやはり選考の際に適正に反映されてしかるべきだと思いますけれども、またその個人ではなくて、学校という組織体の中で、また具体的に子供に接して仕事をしていただくという意味から申しますと、採用されるほうでも、また違った観点から選考を行なう必要があろうかと思います。まあこの前も、筆記試験につきましてはいろいろ問題が、まあだいぶおかしいんじゃないかというふうな御指摘もございましたけれども、まあそういう意味では、組織の中に入りましてうまくやっていけるかどうか、性格の問題もあると思いますし、また最近新聞をにぎわしておりますようなまあ欠陥教師等の問題も、これはある場合には採用の際に防げたのじゃないかというようなものもございまして、そういう意味で、採用される際にまあ慎重にやっていただくということは必要ではないかと思います。
 それからまた、これはちょっと言いにくいことでございますけれども、多くの大学の中では、免許状を出しました免許状と実際の学力とがはたして見合っているのかどうかというふうな問題もございまして、たとえば数学の先生が非常に足りない。したがいまして、数学の先生をかねや太鼓で探して、もう実際に高等学校の生徒が解くような問題がどの程度解けるかというふうな話も聞かないことではございません。そういう意味で、やはり三十数年間も子供を預かっていただかなければならぬ方々でございますから、そういう意味の慎重さというのはあってもよろしいのではないかというふうに考えます。
#188
○安永英雄君 私は、先ほど申し上げましたように、これ以上くどく申しませんけれども、採用試験というふうなことじゃなくて、大学の在学中に、とにかくもうはっきりした責任の持てる教師としての養成というものを遂げて、それから出てくる。したがって、試験というものは、在学中の成績なりなんなりで、いまのような現行で、たった一日の試験で、そしてちょっと五分か十分面接をするということじゃなくて、学校差があればあって、その点はつけてもいいと思いますけれども、やはり在学中の成績、力というものをやっぱり基準にして選考していくという立場をとるためには、試験はやるとしても、これは一参考にすぎないという形にしないと、試験の成績即採用か採用じゃないかという、こういったいまの悪弊を、ひとつこれは何とか解消しなければならぬのじゃないかという時期に来ていると私は思うんですが、この点ひとつ、ぜひそういった指導はやってもらいたい、こう思います。方針はもう聞きません。
 これとよく似た関係で、昇任、昇格の問題ですが、教頭、校長、こういった者の試験をする。これはもう相当、三十年なりそれ以上の経験を積んできて、そこで一日かん詰めになりまして、それこそいろんな問題にマル・バツつけたり、汗みどろになって、そこで校長になるかならないか、教頭になるかならないか。またそういう試験は反対であるといってピケを張ってそういう試験場を取り囲んで、とにかくさせまいとする動きもある。それだけの混乱を私は起こす必要はないと思うんですね。試験は撤廃すべきじゃないか。新卒と違って、少なくともその人は長年の経験で人物、識見、すべてわかっているわけですから、この点があんがいまた試験、ただ一ぺんの試験と面接という形でa、b、c、dつけられて、あんたはdだから校長になれない、こういうふうなやり方で非常に全国的にトラブルを起こしているということですが、この点についての考え方はどうでしょうか。
#189
○政府委員(岩間英太郎君) この点は先生のお考えに私も近いような考え方を持っているわけでございますけれども、しかしながら、府県でたくさんの先生の中から教頭さんを選ぶというふうなことになりますと、どうしても公正ということが必要になってくるわけでございます。おそらく各府県でおやりになっておられますのは、情実を防いで公正にやるというふうな意味合いが強く働いているんじゃないかというふうな気がするわけでございます。一般的に申しますと、たとえば私の場合も局長試験とか何とかやられるということになると、これはあまり気持ちのいいことではないわけでございまして、現職の方の中からそういうふうな者を選ぶ場合には、なるべく任命権者の判断でやるということが、これが筋道ではないかというふうな気がいたします。しかしながら、これも教育長の権限の範囲でございますから、私どもとやかく言う筋合のものではないと思いますけれども、まあ公正を確保しながら、しかも先生方にそういうふうな心的な圧迫というものを与えないで何かいい方法はないかということはたえず検討しなければならないというふうに考えている次第でございます。
#190
○安永英雄君 そうすると、少なくともやはり私が言ったような、一ぺんのペーパーテスト、一回の面接、こういったことで、それが唯一のきめ手となって、それで校長になるとか、教頭になるとかということでなくて、やるとしても、それは一応一つの参考といいますか、選考の一つの参考ということにとどめるべきだという考え方は私も持っておるし、局長、どうですか。
#191
○政府委員(岩間英太郎君) そうあってもらいたいものだということは考えておりますが、それは任命権者の権限の専管に属することでございますから、私のほうからとやかく、ああしろ、こうしろというふうなことは言うべきではないというふうに考えております。
#192
○安永英雄君 それはしかしちょっと逃げ腰じゃないですか。それは任命権者は県のほうだから、私どものタッチするところではない。そういうときは指導、助言のほうはすっと消えるのですか。いろいろ都合のいいどきには指導、助言があるからということで入ってこられるわけですが、私は、それくらいの指導は全面的にやるべきだと思います。これは弊害あるのですから、ペーパーテストだけでぱんときめていくというのは。その点はやはり言うべきじゃないか。そういう機会があれば指導すべきだという立場にあるのじゃないですか、これは。もう一ぺんお聞きしますけれども、それははっきりしておかなければいかぬのですよ。
#193
○政府委員(岩間英太郎君) 文部省は指導ばかりではなくて、助言という権限もあるわけでございます。言ってみれば助言の部類に属するようなことではないかというふうに考えます。
#194
○安永英雄君 そうすると助言をするのですな、私のいまさっき言ったように。校長なり教頭の選考というものは、そういったものは唯一のものではない、するとすれば参考程度にやるべきだということを助言しますか。
#195
○政府委員(岩間英太郎君) そうありたいということを教育長さん方、あるいは関係課長さん方のお集まりの際には申してみたいと思います。
#196
○安永英雄君 次に、助手の関係についてお尋ねをいたします。これは先ほど内田委員のほうからの質問にもありましたが、違った角度から質問をいたします。
 これは具体的に例を申したいと思うし、全国的な問題に波及しておりますから申し上げてみたいと思うのですが、福岡県の高等学校の場合です。で、現在刈田工業、浮羽工業、大川工業、田川工業、田川農林、山田の定時制、嘉穂農業、鞍手農業、この八校、ここに十三名がクラス担任を行なっております。いわゆる学級担任をしておられる。これについて県の教育委員会はこの学級担任、クラス担任まかりならぬ、こういうことで職務命令を出してまでもとにかくこれを排除する、こういう動きがあって、いまこの点について話し合いをしておるようでありますけれども、なかなか話がうまくいかない、こういうことでありますが、まずお聞きしたいのは、この学級担任というのは、文部省としては、私はどこをさがしてもこれは法規にも何もないですから、どういう性格のものと思われますか。これになっちゃいかぬとか、あくまでもなるというのだったら職務命令を出して、あなた学級担任やめなさいと、こう言う筋合いのものかどうかというのが結論なんですけれどもね。学級担任というのは、そもそも何かという問題ですが、これは。はっきり助手というものを差別していると私は思うのです。これは給与の問題とか、自分の問題でそれは差別されています。されていますけれども、学級担任になるかならないかという問題をめぐって職務命令まで出してやる筋合いのものではないと、私はそう思うのですが、そもそも学級担任というものはどういうものかということから私はただしていきたいと思うのです。文部省どう思っておりますか。
#197
○政府委員(岩間英太郎君) これは学校教育のやり方の一つの形態でございますけれども、学級担任というのは一つの学級の、三十人なり四十人なりの子供のめんどうを見ると申しますか、正規の教科の教育ということではないわけでございますけれども、まあしかし学校の教育の形態としまして、たとえばホームルームだとかいろいろなことがあるわけでございます。そういうものにつきまして子供を指導する一つのやり方で、これは学校の校長がそういうふうな分担を命じて、そしてそういうふうな学校の教育の仕事に当たらせるというふうな筋のものであろうと思います。したがって、法規上の別段根拠というものはないわけでございますけれども、広い意味の教育をつかさどる一つの方法、形態であろうと思うわけでございまして、したがいまして、これは実習助手というのは、実験または実習について教諭を助けるということでございますから、その範囲を越えて級担任がやるということは、これはまあ常識で考えましても異例なことでございますし、ちょっとそれは実験実習に限ってそういう教諭の職務を助けるような形で学級の指導をお世話するという場合でしたらかまいませんけれども、広くホームルームだとか、そんなところまでやるべき性質のものではないというふうに考えておるわけでございます。
  〔理事久保田藤磨君退席、委員長着席〕
#198
○安永英雄君 これは実習教師という形になっておって、そして学級担任というものになってはならないというのはもう少し詳しく言ってください。非常識とは私は受け取れない。あなたのほうが非常識じゃないですか。学級担任というのはそもそも何か。どういう仕事をするんですか。それにいわゆる実習教師だから学級担任になるのは非常識だという、こういう文部省の解釈というのはどこから出てきますか。
#199
○政府委員(岩間英太郎君) 学級担任というのは、その学校の職務分担の一つだろうと思いますけれども、広い意味の教育、たとえば生徒指導でございますとか、それからホームルームでございますとか、いろんなことがあるわけでございます。そういう職務につきまして、実習助手というのはそれを助けるような形になっておりません、法令上。したがいまして、そういうところまで踏み込んでやるということは、これはおかしいということを申し上げているわけでございます。
#200
○安永英雄君 そうするとこれは助手という立場というのは教育的な、この場合、助手いわゆる実習教師というものは一般の教諭、助教諭というものとの上下関係とか、何とかという形になるのですか。上下関係はないでしょう。
#201
○政府委員(岩間英太郎君) これはまあ平たく言えば上下関係があると言ってもいいわけでございまして、実習助手につきましては学校教育法の施行規則に規定がございますように、実験または実習について教諭の職務を助けると、そういうことでございますから、その範囲を逸脱するようなことはこれは当然おかしいと言わざるを得ないわけでございます。
#202
○安永英雄君 この実習免許の取得すべてが、この実習専任の教諭にすべきことを免許法の中でも示しているのじゃないですか、この点は。だから結局この免許法の精神というのは、上下の関係じゃなくって、両者がお互いに補い合うという教育の問題に関して、そういった形で、上下という形になりますか、給与の問題とか、その問題は別として。だからおまえ一段下だから学級担任まかりならぬ、こういう根拠はどこから出てきますか。
#203
○政府委員(岩間英太郎君) 学校教育法の体系で申しますと、たとえば大学の場合でございますと、教授は学生を教授すると、それから助教授は教授の職務を助けるというふうな関係になっておるわけでございますが、実際問題としまして、各教室等におきましてはやはり教授が助教授を指導するとか必ずしも並列の関係にあるわけではございません。それから小、中、高等学校の場合でございますと、教諭、助教諭とあって、助教諭というのは教諭の職務を助けると、そういうことでございますから、助けるというのはやはり一般的に申しますと、上下の関係にあると申しますか、指導するしないの関係にあると、そういうふうにごく普通に考えますとそういう関係になっておるわけでございます。もちろん、教授がいなければ助教授が教授の職務をやるということはあり得るわけでございますけれども、完全に命を受けてとかいうふうな規定はございません。しかし、そこにおのずから常識的な範囲で上下の関係があるといえばある、そういうことでございます。
#204
○安永英雄君 それが文部省の指導方針ということであれば、私は、まだ言いたいことがありますが、先に移りたいと思います。別のときにやります。その関係であれば、免許法の問題と大きく関係しますよ、それこそ。上下の関係という形、そんなにきびしい、あれでいわゆる免許法によって実習教師と、そして免許状も取得しておるというふうな者が一段下だから学級担任にはなるべからずという方針だと文部省は言い切るわけですか。
#205
○政府委員(岩間英太郎君) 私が申し上げておりますのは、そういう上下という関係で申し上げているわけではございません。実習助手は実験または実習についてという職務の制限があるわけでございます。それ以外のことはやるべきではないというふうに考えております。
#206
○安永英雄君 そういう差は、仕事の職務内容はあるにしても、教育に携っておる者として、規定も何もない、いわゆるホームルームとか、生徒指導とか、何とかというものについては、これはなってはならないというのはどういう理由ですか。しゃばいということですか、教諭でなければ学級担任はしてはならぬという規定は何もないでしょう、これは。だから一にかかって私は人物本位じゃないかと思うのです。同じ教育の中でやっているものについて、そこのところに一線を引くというのがおかしいと私は思うのですね。引けるものですがね、学級担任というものは。年配の者がおるし、助手として長いのがおるのですよ、実際いうと。それから大学あたり行ったら、実際若い教授よりもある面についてはもうその人がおらなければそこのところは研究も何もできていないと、こういう信頼される、人物的にもしっかりした人たちがおりますよ。しかし、さあそういった法規もないような一つの責任といいますか、分掌事務の中で何か一つやるといった場合には、この分掌事務については、おまえは助手だからやれないというふうに切って落とせるものですかね、そういったところが。うまく行っておるところがたくさんあるのですよ。これは全部はたき落としていきますか、文部省は。
#207
○政府委員(岩間英太郎君) 実習助手の場合には確かにりっぱな方がおられると、それから実習実験については、これはむしろ教諭の方よりも子供たちを指導するのに適切、適任であるもの、もちろんおられます。そういう分野におきまして生徒を指導するということ、これはもちろん否定いたしません。そのことはたいへんけっこうなことでございます。現在の学級担任というのは、むしろそちらとは別の仕事をやっておるというのが通常ではないかと思います。その教育全体につきまして実習助手がそこまで責任を負うと、その方がたとえ学士号を持っておられましょうと、博士号を持っておられましょうと、職務の上では実習助手としての身分しか持たないということでございましたら、それは教諭という身分を持っておやりになるなら別でございますけれども、それはできないということであろうと思います。
#208
○安永英雄君 それではひとつ学級担任というのは、そこまで言われるならば、仕事は何ですか、あなたの考えておられる仕事というのは。助手ではできない、教諭でなければならぬ学級担任とは何です。何をするんですか。法規もないのにあなたの頭の中に何を描いておるのです。学級担任、教諭でなければならないという、そこのところ何で差ができている。学級担任とは何ですか、具体的に言ってください。文部省のほうで出すならば、文部省はっきり態度を出してください。学級担任とはこういうものなんだということ、仕事の内容を言ってください。
#209
○政府委員(岩間英太郎君) これは別に、先ほどから申し上げておりますように、法規上の制限はないわけでございますから、これは校長なり、それから教育委員会なりそういうところで中身をきめていただくということであろうと思います。しかしながら、一般的に申しますことは、たとえばホームルーム、それから生徒指導とか、そういう面におきまして通常クラスの方々と常に日常接触をして、そういうふうな教科以外の教育上のいろいろな問題について相談に応じたり、あるいは指導したりというふうなことであろうと思います。
#210
○安永英雄君 そうであれば、何も差はつくはずはありますまい。助手であろうと教諭であろうと、いまの仕事何も差はないでしょう。生徒を指導する、ここのところに生徒指導何とか免許状とか、ホームルーム何とか免許状とか、免許外がいかぬならともかくとして、教諭だって免許外のことをやっている、生徒を指導している。そういった、あなたがいま言っただけの話の中で、その仕事というのは、教諭でなければできないということではないんじゃないですか。私はそこのところ理解できないのですね。
#211
○政府委員(岩間英太郎君) これは、たびたび申し上げておりますように、実習助手の職務が限られておるという点があるわけでございます。役所でも、たとえば私以上の方もおられますけれども、私局長として責任を持っているわけでございますから、私の仕事の範囲のことを幾ら資格があっても、それから私よりも人物、識見ともに高くても私の職務をやるということはできない、これはやはり局長という職にあるものがそういう仕事をする、そういう責任を持つということでございますから、それは学校に教諭や何か全然おらなければまた別の話でございますけれども、これはそういうちゃんと指導される方がおられるわけでございますから、そういう方に分担をしてもらって、そういう日常の生徒に対する指導というものを学級担任という形でやっていただく、実習助手の方が職務が限られておるのに、わざわざそういうことをやるという必要もないし、また、そこまでやるのは一般的な考え方からいってはずれる、こういうふうに考えております。
#212
○安永英雄君 教諭の仕事も限られておるし、それから助手の仕事も限られておる、こうおっしゃるんですね。学級担任というのは限られた中で、教諭というものの中に学級担任、これは入っているか入っていないか、法規上はない。法規上ありませんよ。だから学校教育法の二十八条ですか、あそこにはっきり書いてある。そこにはホームルームとか、いまあなたがおっしゃった職務内容というのは包括的に入っているかもしれない。それは一緒に助手の方にも包括的に入っていますよ。だから、私は、そこのところ差はないというふうに考えておるんですがね。限られておる、限られておると、教諭とあれは確かに仕事の範囲というのはありますよ。しかし、私は正体不明の学級担任と、こういったものが学校の中で生徒に教育の一環としてやるわけですから、そこには教諭という問題と助手という問題とは差はないと私は思います。これは妥当じゃないかと思うんですが、むしろそういったのは人物的にこの人が一番適当だという人を選んでいくことが教育的に一番いいんだという選び方をするのがいいんであって、私は極端にいったなら、事務職員でも、何でもとにかくこの人は一番信頼を置けるし、生徒の信望も厚いし、そこのところ学級担任という仕事をまかしたら非常に効果的にあるのじゃないかと思えば、私はそういう人たちにやらしてもいいんじゃないか。私は坂田さんにかって言ったことあるけれども、事務職員の校長つくろうということに合意したのです。二人です。一ぺんやってみようじゃないか、学校の中の教育という問題について、事務職員や養護教諭、こういった人たちの校長もやっぱりブロックごとに、作為的にでもいいからひとつつくっていけばいいんじゃないかという話まで進んでやっておったことがあるんですよ。私は、そういうことで助手という形をとっておれば、もう学級担任まかりならぬ、何とかいうふうな、法的にあれば別ですよ、それは全然できないものなら別だけれども、けっこうこなせるし、その人のほうがいい、こういった場合には、私はそこの線を引かないでも、そこは著しく助手の人がとても学級担任にはしゃばいといいますか、とても無理だといえばあれですが、一にかかって人物本位だと思うんですよ。教諭の中でも、あの人には学級担任持たせぬほうがいいんじゃないか、この人はちょっとやっぱり学級担任となれば、ちょっとぐあいが悪いのじゃないか、教科のほうにも専攻している人がいるからということであれば、助手の方もやってよろしい、ここはそう文部省の見解として私は出るのは意外だったんだけれども、そこは一にかかって人物なり、一番その学校の中の運営で教育的に一番やっぱりこの人がよろしいというところに適材適所でやっていくのがいいんじゃないですか、これがほんとうじゃないですか。あくまでもやっぱりそこのところは入れちゃならぬというふうに言えますか。そうしたら学校の中の運営はできませんよ。これ言い出されたときにはとてもできませんよ。自分の職務はこれだけです、こういうものじゃないのです。学校の中は助手だろうと教諭であろうと、校長であろうと、教頭であろうと、小使さんであろうと、みんながこう自分の分野というのを守っていったら、学校というのはできないのですよ。みなこうかみ合って何とか学校運営できているんですよ。免許法じゃないけれども、自分の免許というのは、自分の免許以外は持たないといったら、学校、全部の中学校、高等学校は麻痺状態になりはしませんか。免許法の問題でも教科外は一にかかって学校の中で話し合いでいっているんですよ。私はあとでも言おうと思ったけれども、いまさっきも質問がありましたが、新学期が始まって時間割りを私も組んだことがある。時間割り組むときに私の分野は、つまり良心的に内田さんはとられてあって、自分の免許状以外はちょっと私は責任が持てない、そんなこと勉強したこともないし。しかしそれはやってもらわなければ、時間割り組めませんね、学校成り立たないですよ。自分の勉強以外は持ちません、こう言ったらできませんよ。そこのところをやっぱり、自分は社会科の免許持っているけれども、国語のほう加勢にいかぬと学校のほうがなっていけないというところで、そこのところは話し合いで、昔は金まで出して仮免の手続しよったのですよ。そういう持ちつ持たれつの中で、学校の運営というのはやっていっているんですよ。あなたの言うように、助手と教諭との区別はこうなんだ、その分をわきまえておのずからその職務の限界があるんです、こう言われたら、学校の中いけませんよ。私の職務内じゃありません、私は本務以外しませんぞ、学校教育法に示してあるようなあの範囲しかしません、こう言ったらできないですよ。そんなものじゃないと思うのです。そういうふうにして職務の関係だったら、明確になったら、免許法上で絶対教えちゃならぬとなっているけれども、そこのところに逃げ口上をつくって、校長は頼みに頼んで、先生が足らないから、あんた図工持ってくれ、私は絵はへたくそだ、とにかく持ってくれといってあんたの仮申請しますよ。あれは願いになっているけれども願いじゃないですよ。何とか頼まれて出しているんですよ、そうじゃないと学校やっていけない。そういった面で、そんな教諭と助手との関係でみなで持ちつ持たれつでやっていかなければならない、学校の中の運営の問題は。学級担任というのにはずしてしまう、こういったことが文部省の指導であるならば、これは私はそれをはっきり言い切るならば、学校の他のほうに大きく影響してくると思うのですよ。ただ単に、この学級担任の問題だけではないと思う。文部省の考え方としては、やはりそういった適材適所といった形でやっぱりやっていくんだというのが私は至当じゃないかと思うのですよ、指導の方針としては。福岡県の場合はそういう形でおさまっていっています。私中に入って。福岡県の教育委員会もいっていますよ。そんなもんだということ、どういう関係か、私福岡の問題出したから、そう言っているのかしらぬけれども、援護射撃にはなりませんよ。ほんとうにどういうふうにして、全国的な問題ですから、そういうけじめをつけて徹頭徹尾やりますか、文部省は。
#213
○政府委員(岩間英太郎君) 教諭あるいは助教諭が教育をつかさどるということは、学校教育法上明らかでございます。しかし、事務職員が教育を行なった、あるいは実習助手がその範囲を越えて教育を行なったりするということは、私どもは適切でないというふうに考えておる次第でございます。
#214
○安永英雄君 理科助手と特殊教科助手、これは他の助手と違って二等級の渡りもできない免許法の規定がないと、こういうことですが、この理科助手と特殊教科助手、これが他の助手と違うところはどこですか。
#215
○政府委員(岩間英太郎君) 理科助手とおっしゃいましたが、これもやはり実習助手でございますから、ほかの工業、農業、水産等の実習助手とは一任用資格、それから待遇等におきましては、これは変わりがございません。
#216
○安永英雄君 変わりがあるんじゃないですか。変わりがあるから私は聞いておるのですけれどもね。附則十一項のところで、これがそれぞれ高卒、短大卒、経験年数とか、そういったもので三等級適用ということで、実習免許取得者については昭和三十八年十月以降教諭、助教諭の名称で二等級の方向にいっているのじゃないですか。そしてちゃんと給与も渡るよう大体各県やっていますよ。理科助手、これと取り扱いが違いますよ。
#217
○政府委員(木田宏君) 給与上のこと等については初中局長から答弁が補足されると思いますけれども、今日の免許法の上では、助手には免許状の制度がございません。これは工業実習につきましても、農業実習、職業実習等、すべてにわたって助手自体には免許制度がないわけでございます。ただ、工業実習あるいは商業実習等につきましては、教諭でその実習だけを担当される教諭がおられるものでございますから、免許状の種類として工業実習という免許状が出せることになっております。そういう関係から、その工業関係の助手として長く勤務をされました方に、その勤務経験を免許状取得の際に加算するという制度は位置づけてあるわけでございます。
 これは理科のほうにつきましては、理科の実習ということはもちろんございますけれども、教諭の中に、その実習だけを相当するというような教諭か設けられない、それはまあ理科におきます実習の時間との関係もございまして、理科の実験、実習はすべて理科の免許状を持った教諭が担当されるということになっておるものでございますから、そこで理科の免許状を取得しますについて理科の実習助手の経験年数を算定するという道が今日開かれてない、その意味では確かに違いがあるということはございます。しかし、給与その他の点につきましては、理科の助手と工業の助手と同じ助手としての処遇があり得るというふうに私は考える次第でございます。
#218
○安永英雄君 そうすると、それは差がついておればおかしいのですね。
#219
○政府委員(木田宏君) 理科の助手でございましても、職業関係の工業、農業等の助手でございましても、助手としての給与上の位置づけは同じであるべきだと思います。
#220
○安永英雄君 わかりました。そこのところが食い違っておるのです。そうすると、あなたのいまの説明からいけば、いま言った理科と特殊の助手以外は、違うんですね。私の先ほどから言っておるのは、その違ったほうの経験年数その他があって、その人たちが学級担任と、こういうことを言っているのですよ。その人たちが学級担任で、あなた方どうも一般的に助手という形をとっているんじゃないかという気がいましたんですけれども、そうじゃないですか。いま免許法上で言っておったあの関係からいけば、私は学級担任をむざんにしちゃならぬということにはならぬのじゃないかと思うのですがね。
#221
○政府委員(岩間英太郎君) ただいま御指摘になりましたのは、ちょっと私も勘違いしておりまして、職業関係の実習助手につきましては免許法上の特典と申しますか、そういう点があるということは確かでございます。それから現実に免許状をお持ちになっておる方もおられると思います。しかし、免許状をお持ちになっておられても教諭として発令されない限りは、その職務内容というのは限定されるということだと思います。
#222
○安永英雄君 前と同じですね。別のときにひとつやりましょう。重要な問題ですよ。ただ単に助手と教諭との関係だけじゃなくて、私はこの免許法の問題学校の運営、この問題については大きなそういう方針を持っていれば支障を来たしますよ。指導方針変えないとやっていけないですよ。みんな自分の職務というものを守り出したら学校の中間隙だらけになって、その間隙をどう結びますか、入り込んでおかなければならぬのが離れてしまって、自分の職務範囲だけを守備しておって、学校の中保っていけませんよ。あるときは入れという、あるときは離れろという支離滅裂な指導という形は大混乱を来たすということは、これは起こったら文部省の責任です。そういう指導方針を持っておれば。
 養護助教諭につきまして、現状と資格、職務内容、これについて。
#223
○政府委員(岩間英太郎君) いま養護関係の職員は、養護教諭が一万五千九百十三名、それから助教諭が八百十一名、合計一万六千七百二十四名、そういう数になっておるわけでございます。資格につきましては大学局長からお答えいたします。
#224
○政府委員(木田宏君) 養護助教諭の資格というお尋ねでございました。養護助教諭の臨時免許状は高等学校を卒業した者またはこれと同等以上の資格を有する者で、都道府県の教育委員会が行ないます教育職員検定に合格した者に授与されることになっております。実際に合格している者のほとんどが看護婦または准看護婦の免許を受けている者という次第でございます。なお准看護婦、旧看護婦または今回御提案申し上げております旧保健婦の免許を受けております者につきましては、高等学校等を卒業していない場合でも教育職員検定により、養護助教諭の免許状を授与することができるということになっている次第でございます。
#225
○安永英雄君 職務内容は。
#226
○政府委員(岩間英太郎君) 養護助教諭は、養護教諭の職務を助けるということになっています。
#227
○安永英雄君 教職員定数の標準に関する法律、これではどういう位置づけになっていますか。
#228
○政府委員(岩間英太郎君) 定数法上は、これは養護教諭、養護助教諭を含めましての数でございますが、小学校の場合は都道府県の児童数の八百五十分の一と、中学校では都道府県の生徒数の千五十分の一、それから僻地学校数の七分の一、それから無医村の数に一を乗じた数、これらを合計した数でございます。
#229
○安永英雄君 高等学校の場合、公立学校の高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準に関する法律についてどんなふうになっておりますか。
#230
○政府委員(岩間英太郎君) 高等学校の場合は、これは学校単位で一応計算しておりますけれども、生徒数が四百五人から二千六十人までの全日制課程、定時制課程のそれぞれの数に一を乗じた数、また生徒数が二千百六十人をこえる全日制課程、定時制課程のそれぞれの数に一を乗じて得た数というのが基準でございます。
#231
○安永英雄君 そういった資格、職務内容、それから定数法上の取り扱い、こういったことがそこまできておるならば、一般の助教諭と同等に学校教育法上に明確に位置づけるということが必要ではないか。いまさっきのような問題が起こってくるわけですから、ここらあたりはすっきりしなければならぬのじゃないか。いわゆる特例法の正規の適用職員と、こういうふうにして変えていかなければならぬのじゃないか、こう思いますが、そこらはどうですか。
#232
○政府委員(岩間英太郎君) まことにごもっともな御意見でございますので、ただいま学校教育法の一部改正という形で衆議院のほうに法案を提出いたしております。
#233
○安永英雄君 実習助手についていまさっきは部分を取り上げて言ったわけですが、職務内容、それから定数法でどう取り扱っておるか、免許法ではどう取り扱っておるか、これをもう少し詳しく説明してください。
#234
○政府委員(岩間英太郎君) 実習助手の職務につきましては先ほど法令上の御説明をしたわけでございますけれども、要するに、実験及び実習につきまして教諭の職務を助けるということでございますが、具体的には、先ほど先生からもお話しございましたように実験実習の指導、それからそのための準備、事後の整理、それから実験実習の指導計画の作成とか、成績の評価まで、教諭を助ける立場でいろいろお手伝いをするということになっているようでございます。
 それから実際の数は全体で一万一千九百八名でございまして、これは農業が三千三十二人、工業が四千五百二十八人、商業が四百一人、水産が三百十九人、家庭が二百二十二名、衛生看護が九十五名、それから理数系が九百六名、その他が二千四百五人というふうな数になっております。
 なお、定数法上の基準でございますが、これは工業、農業、商業、水産別に定数の上で各学科ごとに計算するようになっておりますけれども、第十一条に「生徒の数が二百七十人から千八十人までの全日制の課程又は定時制の課程の数に一を乗じて得た数と生徒の数が千八十人をこえる全日制の課程又は定時制の課程の数に二を乗じて得た数の合計数」、これが大体理科の助手といわれております。
 それから農、水、工、商業、家庭に関する学科を置く場合には、農業の場合は「当該学科の数に二を乗じ、当該学科に属する生徒の数が合計して七百二十人以上となる場合は、当該乗じて得た数に一を加える。」、水産に関する学科につきましては「当該学科の数に二を乗じ、当該学科に属する生徒の数が合計して七百二十人以上となる場合は、当該乗じて得た数に一を加える。」、工業に関する学科につきましては「当該学科の数に二を乗じて得た数に一(当該学科に属する生徒の数が合計して七百二十人以上となる場合は二)を加える。」、商業または家庭に関する学科につきましては「当該学科に属する生徒の数が合計して全日制の課程にあっては六百七十五人以上、定時制の課程にあっては六百人以上となる場合は、それぞれ一とする。」と、それから「全日制課程又は定時制の課程を置く学校の分校で農業、水産又は工業に関する学科に係る授業を行なうものの数に一を乗じて得た数」ということになっております。
#235
○安永英雄君 免許法のほうを少し説明してください。
#236
○政府委員(木田宏君) 実習助手につきましては免許法の要請、免許資格は加えられてございません。だれでも任用できることになっておるわけでございます。ただ実習助手として勤務いたしました者が、免許法の規定の上でそれぞれの実習教諭の二級普通免許状を得ようといたします場合に、一定の勤務年数を加算するという措置がとられております。それぞれの学歴と勤務年数によりましてその年限、所定の単位等はそれぞれ違っておる次第でございます。
#237
○安永英雄君 それで、初中局長のほうは、そうなっても依然としてやはりこれは免許法にないからと言うのですが、免許法の関係からいけば附則の十一項というのは、われわれが日ごろ主張しておったように、やっぱり教育に関係の密度が非常に高いということでだんだんこっちにきているんじゃないですか。そういう趣旨じゃないですか。私はそう了解しているのですが。
#238
○政府委員(木田宏君) 免許法では、実習を担当する教諭につきまして工業実習、商業実習等の免許状が用意されておるわけでございます。その際に、実習助手としての経験のあります者は工業実習、商業実習等の教諭の免許状を取りやすいようにその経験年数を算定しておる、こういう次第でございます。
#239
○安永英雄君 初中局長、いまの経験年数、そういったものを加味にして上がっていって、給与の場合もこれが二第級に渡っていっているんですよ、現実の場合。「渡る」ということばはそこまでいってないから「渡る」と言うのですが、そこまで、もう経験年数だって六年とか三年とか、とにかく成績優秀な人ですよ。そういう人たちが渡っていって給与をひとつ二等級に渡ってやろうと、こういうところまできた人というのと、全くそこまでいっていないというところと私は差があると思うのですよ、それは。何もそこのところ、努力もせずに、また経験も積んでいない者を直ちに学級担任というのは、私はそれは多少問題があるかもしれぬけれども、しかしここまできている人を学級担任にして――生徒の信望も厚い、実際に仕事もできる、また各教科から点数持ってきて学級担任としての成績のまとめもできるし、生徒の指導もできる、こういった人、それは一にかかって人物本位じゃないか。その中ではやっぱりちょっと学級担任としては、につかわしくないとみんなが見れば、それはそうかもしれません。しかしみんなが、この人ならいいと、生徒も信頼している、現にそういった学級担任をやっている、というところを職務命令でやっちゃいかぬ、そこをはずれると処分しますよというほどのことかと私は言っているのです。その問題は、そこまでいかないければならぬ問題かと言うんです。
#240
○政府委員(岩間英太郎君) そういうりっぱな方がおられましたら、これは教諭にする機会があれば教諭にすればいいわけです。やはりそういう職務の間の区分というのは明確にすることが必要ではないかというふうに私は思うわけであります。
#241
○安永英雄君 免許をやれますか。免許をどうして取るのですか。「大学行け」と言うんですか。「なりたかったら、大学へ行って正規のもを持ってこい」と言うのですか。あなたの言い方はそうじゃないですか。捨てぜりふじゃないか、「学級担任になりたかったら免許を取ってこい」と、そういう言い方じゃないか。そんな指導方針あるか。考えを言ってください。
#242
○政府委員(岩間英太郎君) これは、免許の場合と実際の任命の場合というのは別でございます。それで、それぞれ任命される場合には、それぞれの仕事の範囲というのがこれは当然きめられるわけでございまして、その仕事の範囲において仕事をするというのが当然でございます。先ほどお話もございましたけれども、事務職員が教育をつかさどる、こういうことはこれはできないというふうに考えております。
#243
○安永英雄君 まあそれは坂田さんと話をして、そこぐらい考えていかないと、養護教諭やら事務職の人の、いわゆる何といいますか、気分を高揚していくというふうな政策的な考え方からいってもという話を先ほどしただけの話であって、それは無理なことはわかっているのです。わかっているけれども、それとは違うのですよ。教育に携わって、助手といっても実際は教諭のほうにずっと入ってくるような形で、勉強もし、それでずっと入ってきておる。それで現にやってる学級担任を、学級担任は何ぞやと言ったら、それは法規にもないし何もないとあなた言ってる。それで分は守れと言ってる。分を守れと言ったら、学級担任というのは、逆に言うなら、教諭のほうで、学級担任という職務というのは私の職務ではないと、こう言ったらどうしますか。それは通りましょう。法規上はないですよ、免許状の中でも学級担任制という免許状はない。教育をつかさどる、生徒指導をつかさどる、これだけの話であって、逆に今度、教諭のほうは分を守っていけと言ったら、私は学級担任という職務は私はしません、業務命令としておまえせいと言っても、どこにありますか、法律に。学級担任とは何ぞやということがはっきりしてない。なりません、と言ったらどうなります。そういったものじゃないので、免許の区別とか何とかいうものじゃなくて、学級担任というのはやっぱり適材適所でやっていくと。あなたは学校の中の衛生管理というふうなことが一番適しているからというようなことで、免許状がないけれども衛生管理、消防士の免許は持たないけれども、あなた火元取り締まれと言ったら、火事があったときには全責任を負わにやならぬけれども、それは免許にもなければ職務の範囲にもないのです。思ってるけれども、学校の中で保っていけないからその人が責任者になってる。そういうものと同じじゃないですか。衛生主任といったって、これは養護教諭の免許状を持たないのです。持たないけれども、あなたたちの指導では、大体学校全般を動かし切るような教頭とか、その次くらいのが衛生主任にはよろしいといって、看護婦を飛び越して、養護教諭を飛び越して、それを衛生主任にしておる。しかしそれ現実にやっている。免許法からいったらできないですよ。衛生の全般に責任持てるような資格は持っていない。しかし学校を回していくためには、そういった免許状を持たなくても衛生主任になってるじゃないですか。あなたたちの指導としてはそういう人が好ましいとなってる。養護教諭のほうは、私が学校全般のこの衛生についての資格を持ってるし、全責任を持ってるから私が、と言えば、文部省の指導方針として養護教諭は好ましくない、むしろ教頭の次ぐらいの、いわゆる学校全般を動かせるような年輩の経験年数もあるような人を衛生主任に持っていきなさい、こういうことで、そういう場合にはそうなってるですよ。なってるけれども、それはもう免許とか、何とかいうことじゃなくて、やっぱり学校の全部の配置からいってその人が一番適任だといって、本人も納得したときに初めてできる話なんです。免許法の問題で万が一、そういった教諭に近づかないで、いわゆる附則十一項の商用者じゃなくても、助手でも学校の教育に携わってる者で、それはあなたに言わせると、フラスコみがいてみたり、何やかやしておる助手というのはもってのほかなんでいう、考え方だったら、それは教育の全般の考え方として間違っていますよ。私はそういったものじゃないと思う。だからそれは万人が見て、やっぱり助手であるという形の一つの条件として、やっぱり学級担任にはというときには、一部そういう考え方がもしも加わるとしても、私はそれは容認できると思うのです、そこのところは。しかしずばり言い切ってそれじゃだめなんだというふうな言い方は、私は学校の運営というものを惑わせるというふうに考えますが、それは依然として変わりありませんか、この考えは。
#244
○政府委員(岩間英太郎君) たいへん恐縮でございますが、そういうふうな、学級担任をやれるような教員の配置その他は、教諭のほうでやっているわけでございます。したがってそれ以外に、いまも基準で御説明いたしましたように、実験または実習を助けるためにこれだけの人が必要なんだということで定数上の計画もできているわけでございます。そういう方々に学級担任というような一般的な教育までお願いするということは、私は適切でないというふうに考えております。
#245
○安永英雄君 寮母について、この現状と配置、定数法との関係。
#246
○政府委員(岩間英太郎君) 寮母の数は、四十七年の五月一日現在で三千四百六名おりまして、そのうち盲学校が千六十四名、ろう学校が千十三名、精薄の養護学校が三百二十六名、肢体不自由の養護学校が九百十一名、病弱の養護学校が九十二名ということになっております。
 配置の基準でございますが、盲・ろう・養護学校の肢体不自由児を除く養護学校の数は、寄宿舎の寄宿生五人につきまして一人、肢体不自由の場合には四人について一人、ただし七人に充たないときは七人保障するそういうことになっております。
#247
○安永英雄君 この寮母の職務内容、これは非常に混乱しておると思うのですけれども、職務内容は厳格にいえばどういう内容ですか。
#248
○政府委員(岩間英太郎君) 寮母の職務内容は、「児童等の世話及び教育に当る。」というふうな規定がございます。まあ具体的な内容は実際には、起床から就寝までの間に、食事とか、着がえでございますとか、そういうことを通じてのいわゆるしつけ、それから世話、洗たく、掃除、まあいろいろなことをお願いしているわけでございます。寄宿舎における生活の全般的な世話、それから家庭教育における諸教育というものをお願いしておるわけでございます。
#249
○安永英雄君 あなたのことばで言えば、厳格にしておかなければならない、あなたのいまおっしゃったことを全部させるのですか。それは職務内容の中にはっきりしているのですか。自分の分というのがあるということですか。いまの話だったら何もかもじゃないですか。これは守らさせるんですか。もう少しそれだったら法規上の問題等明確にしてもらわんならぬ。はっきり言ってください、記録に残しておく。これはいわばはっきりしているのですか、寮母の職務内容についてきちっとやってください。
#250
○政府委員(岩間英太郎君) 寮母の職務内容につきましては、学校教育法の施行規則に、先ほど申し上げましたような包括的な規定がございます。具体的な仕事の内容につきましては、それはそれぞれ分担して最低七人の寮母を置いておるわけでございますから、そのそれぞれにつきまして校長の命によりましてそれぞれの職務分担がきまっておるということになると思います。その職務の範囲は、施行規則に書いてある「児童等の世話及び教育」というのが限界でございます。
#251
○安永英雄君 しつこいようですけれども、いまさっきの助手の問題ですけれども、いまみたいな形で助手の仕事と、そしてあなたのいまの寮母の問題になっていくと、だんだんだんだん下のほうへ行って校長とか、何とかの裁量になってくる。学級担任もこういったものについては文部省でこれこれこれとはっきり流しますか、これとも裁量にしますか。
#252
○政府委員(岩間英太郎君) 学級担任は、これは各校長先生が職務分担に応じてそれからどの程度の内容をやるか、それはおきめになればいいと思います。
#253
○安永英雄君 その際、文部省が一貫して指導するのは、助手と名のつくものは学級担任になってはならない、これは福岡県教委もそう言っている、文部省の指導だと言っているけれども、それは生きているんですな。これだけは一本筋を通しておいて、あとはまかせると、こういうことなんですな。そこをはっきりしておいてください。
#254
○政府委員(岩間英太郎君) これは学校教育法施行規則に書いてございます職務の範囲から申しますと、逸脱をするということだと思います。
#255
○安永英雄君 大学の助手についてこの現状をひとつ。
#256
○説明員(阿部充夫君) 昭和四十七年五月一日現在で申し上げますと、国立大学の助手の数は約一万二百人でございます。助手の任用資格につきましては、大学設置基準、文部省令でございますが、これによりまして大学の学部を卒業した者、または前号のものに準ずると認められる者というようなことになっております。
#257
○安永英雄君 いまのは短大、高専も入っているわけですか。
#258
○説明員(阿部充夫君) ただいま申し上げましたのは大学だけでございます。四年制の大学だけでございます。
#259
○安永英雄君 これは学問分野によっては、たとえば物理学あるいは数学など世界的水準に達している助手というのもずいぶんいらっしゃる。しかし先ほどのような初中局長の冷たいことばからいえば助手は助手、こういう形では日本の学問の発展なんというのはありませんよ。何か免許とか、身分とかそういった形で。私も一昨々年ですか、高エネルギーの法律案の検討のときにも言ったんですけれども、東大あたりへ行ってそしてああいった原子炉あたりの説明できるのは教授でもなければ何でもない、だれもできない。ワク外の教員とか助手しかできない。そして実際の指導、研究の中心は助手だ、こういっておるけれども依然として助手は助手と、こういうものの考え方では、日本の学問も科学も進歩全然しませんよ。これは私の調査ですけれども、直接学生の教育に携わっている助手というのは、これは大臣ひとつ聞いてください。東大あたりで直接生徒の教育やっているというのは助手が五五%ですよ。半分以上ですよ、実際にやっているのは。これは地方大学にいくと大体八五%、八五%は大体助手が学校、学問、研究のもう主体なんですよ。ところが実際には公務員特例法上の準用というふうな形でしごく身分もあいまい、いつの間にかワク外に出ておったなんというようなことに本人も知らぬうちにワク外の助手だったと、定員の中に入っていないというような、こういったお粗末な取り扱いは、私は許せないと思うんですよ。先ほどの学級担任にしたって、熱意に燃えて一人一人の子供のとにかく家庭も回り、高等学校の生徒のとにかく相談にも乗り、ほんとうのおやじさんのような形で結びついておるやつをよくよく見たら助手だったと、文部省もそう言っている、助手をとにかく学級担任にすべからず、こういった態度が私は許されるかと思うんですよ、実際言うと。現地に行きなさいよ、局長は。私は先ほど言った十三人の学校のところを回ってごらんなさい、あなた直接行って。どれだけの父兄の信望が厚く、生徒の信望が厚く、その人をとにかく職務命令で、おまえは助手なるがゆえに学級担任からはずすなどという、このことは許されますか。大学の場合だってそうでしょう。大学の中のことだって半分以上、地方にいったら八五%はとにかくこの助手で大学は持っている。こういった場合でも、いまだにまだこの特例法の中には準用――準用ということばは非常にあいまいなんで、身分がとにかくあいまいなんですよ。こういったものについて免許法をずばり変える考え方はないか。先ほどの初中局長じゃないけれども、くやしかったら教員の免許を取ってみろ、こういう言い方がありますか。そこらあたりは取れるようにとにかく免許法のそういったあたりをもう少し改正して出しなさいよ。はっきりしたものを出しなさいよ。そういう考え方があるかどうかお聞きしたい。
#260
○政府委員(木田宏君) 先ほど御説明を申し上げましたように、職業課程の実習助手で、一定の経験年数を経て、しかも所定の単位数を取りました者は工業実習あるいは商業実習の免許状を持つ教諭になれるわけでございます。ですからこの実習助手の場合には、かりに高等学校を出てない方でありましても、実地の経験九年以上を経て、さらに実習助手として三年以上の勤務年数があって十単位をとられた場合には実習を担当するその教諭の免許状が取れる。したがいまして、その免許状を持っておられる方が教諭として任用されますならば、いままでいろいろと御指摘がございましたような幅広い、いわゆる工業実習という免許状でありましても、職責上は教諭として任用される道が開かれているわけでございますから、それだけのりっぱな経験年数を持ち、また実力をお持ちの方々には、現在の免許法の先ほど御指摘がございました附則の規定等を御活用いただいて私は道が開けているものだというふうに考える次第でございます。
#261
○安永英雄君 大学のほうはどうです。
#262
○政府委員(木田宏君) 大学には先ほどお答え申しましたように、一万人ほど助手と称せられる者がいるのでございますが、この助手の職責は学部等によりまして非常に大きな違いがございます。ちょっとなかなか一律には扱いかねるかと思っているのでございます。医学部の助手などといわれる方々は、一般的に申しまして、もう四十になってもまだ助手といわれるたいへんな方々がおられまして、病院の臨床にありましてはかなり重要な仕事を担当しておられる。一方、また同じ助手といいながら、きわめて事務的に近いような助手もおられるものでございますから、この大学の助手の将来につきましてはこれは大学の職制の一つの改革問題としてどこでも論議が行なわれている次第でございます。もう少しわれわれもそれぞれの領域別に、またその勤務の実態を考えながら、助手の中を区分けしていくということを今後進めていかなければならないなというふうに思っている次第でございます。
#263
○安永英雄君 これは早急にひとつ、大学の問題はただ多種多様にわたっているし、あれだからなかなかできないというのがいままでの答弁なんですけれども、そうじゃなくて、やはりそれはそれであなた方も思い切って、各種学校あたり、専修学校あたり、自民党はやっていますけれどもね。思い切って整理する時期ですよ、これは実際に。そうして早く特例法の適用をはっきりして身分もはっきり安定させる、そうしてそれに伴う給与、そういったものをやらないと、自分でアルバイトしながらやっているあの助手諸君はとにかくみじめですよ。しかも、やっていることは日本の最高の学術の研究をやっているじゃないですか。それをいろんなところでほんとうの助手という形に、いろんな助手がいるけれども、それと一緒にしたりしたらだめですよ。整理して早くきちっとやっていかないとたいへんですよ。これはひとつ早急に急いでいただきたい。来年もひとつさっそく提案をして慎重審議をやりましょう。
 そこで、初中局長にお聞きしますがね、この高等学校と中学校で必修のクラブ活動というものをやって全国的に問題を起こしていると私は見ている。私はこの前、体育局長でしたか、体育面のいわゆる必修のクラブ活動という問題について質問をしたんですよ。これはもう施設と教師――指導者というものが間に合わなくて混乱しておるから、早くそういった施設、教材、こういったものは追いつかせにゃならぬ。制度つくったけれども、とにかく追いつかせにやならぬと、確かにこんなふうにとにかく不十分なところがありますという答えがありましたけれども、ただ単に、あれだけじゃありませんよ。体育だけじゃありませんよ、この必修の問題ね。この点、免許法との関係ですけれども、あなたはなかなか厳格な人ですからあれですけれども、このクラブ活動免許というのはないんですか。クラブ教師、クラブ活動教師という免許状はないんです。しかしこれがあなたのところでかってに必修なりということでこれをやって、この必修の単位を取らなきゃ卒業させないというところまで、きびしいところはものすごくきびしくしておる。だからこのクラブ活動というのは、やろうといったって施設の面等、そしてもうよく調べてみると、だんだん下のほうにいって校長に一任ですよ。校長が適当にやりなさいと書いてある。実情に応じてと、例の調子で。そして必修の中に入れておる。だからこの単位を取らなきゃ卒業できないというようなきびしいところはきちっと押えちゃって、あとは一任としているから、もう現場は大混乱ですよ。そしてこれは生徒の自発性を養うと、自発性の根本は、おまえは何々のクラブ、何々のクラブと分けられぬのですよ。だから優秀な先生とか、それから趣向によってあるところはどっと生徒が集まってくる。そうするととても一教室で一人の先生じゃとてもやれない。あるところは二、三人しかおらない。体育のごときは運動場にとにかく出て遊べ、これなんですよ。体育は一ぱい来る。そうすると体育の先生は運動場のまん中に立っておってとても指導できませんよ。必修の時間というのは、とにかく運動場で日なたぼっこか何かしておらなきゃ責任負えない。そして単位をやるかやらないかということの問題については、校長からきびしく出せと、こう言われる。やれませんよ、良心的な教師としては。単位やれますか。こういうところにいまさっきのように必修ということをちゃんと示して、それでやれと言っておって免許法との関係どう考えます。
#264
○政府委員(岩間英太郎君) クラブ活動は、ただいま先生から御指摘もございましたように、まあ生徒の自発的な活動ということもございますが、上下の関係というものが学校ではともかくとかく途切れがちになるものでございますから、そういう関係をつくるのにも非常にいい。それからまた一方、体育の関係では、子供の体力が落ちているというふうな面もございまして、まあいろいろな観点からこれが必修になったといういきさつは御存じのとおりでございます。まだ、必修になったばかりでございまして、いろいろな不備があるという点は、これはもう御指摘のとおりでございます。したがいまして、私どもも今後、施設の面、それから人的な面、そういう面でいろいろ努力をしていかなければならないというふうに考えております。私どもとしましては、できるだけ子供たちの適正に応じたような、あるいは興味に応じたようなものを選べるようにしたいということで、現在は免許状を持った先生方にそれぞれ御指導を願っているわけでございますけれども、しかしながら、非常に多岐にわたるものでございますから、それなりの方々のお手助けをいただくというふうな道も考えなければならないんじゃないかというふうに考えているわけでございます。
#265
○安永英雄君 お手伝いをしなければできぬのでしょうが。みなで持ち寄らなければできぬのでしょうが。厳格にそこのところだけ言ったってできますまい、とにかく。あんた、とにかくちょっと絵を書きよったことがあるから、あんた絵のクラブのあれになってくれ、本人は国語の先生で、ちょっと趣味で絵を書きよったのが、クラブ活動の美術のところの指導者ですよ。免許状ない。しかし私は、それは自信はない、国語のほうにいきたい。そうしたら国語ががらあきになる。校長なり何なりがとにかく頼み込んで、あんた、そこでやってくれ、こう言われる。そのときにはかみ合わなければならないでしょう。ところが、あなたのほうでは結局、クラブ活動は厳格にやれ、欠席はちゃんと押えているのですよ、出席をとれ。出席もとにかく単位のあれだと、評価もしなければならない。こういうところはゆるめたらどうですか。できぬことをやらしておる。評価とは何だ。だれか知っておったら、とにかくこのクラブ活動の単位と評価、この問題について具体的に文部省はどういう指導をしているのか、言ってください。
#266
○政府委員(岩間英太郎君) やはり必修教科として、必修の領域としてクラブ活動というものがあるわけでございますから、それに対する評価というものは、先ほど先生が御指摘なりましたように、みな進んでやっていけるかどうか、そういうような点の評価というのはできることだと思います。具体的にどういう評価をするかということでございますが、まあ子供たちが先生の指導のもとに自発的にやっていく、そのやり方の態度、その中身の充実の度合い、そういうものを考えれば評価というのはできると思います。
#267
○安永英雄君 私の聞いているのは、そんな抽象的なことではない。文部省で評価の問題について、基準を出しているでしょう。基準がなければ、とにかくあなたの言うような評価だったら卒業するとかせぬとかいうことにかかわり合いのない問題です。必修の単位の問題、単位をどれだけのものをクラブ活動の時間にとったらいいのか、明確に言いなさい。厳格に言わなければだめですよ。
#268
○政府委員(岩間英太郎君) クラブ活動というのは、これを必修にいたしました目的があるわけでございまして、その目的に沿いまして評価というのはできるはずでございます。ただ教科の評価と違いまして、どの程度まで到達したとか、そういうような到達度みたいなものを基準にしてやるのでなくて、生徒の活動自体、そういうものを教科の評価とは別の基準で評価をする。一生懸命やっているとか、いろいろなその態度はどうであるとか、いろいろなことがあると思いますが、そういうものを総合して評価というものは可能であるというふうに考えます。
#269
○安永英雄君 あなた考えておるけれども、そうではないでしょう。まだわからぬならわからぬと言ったほうがいいですよ。あなたが言うようだったら、とにかく卒業するときの単位が足りるか足らぬかというような問題ではなくて、あなたの言うようなことだったら、別に卒業するとかせぬとかいう問題とは別でしょう。あなたの言っていることをしいて私が判断すれば、まあクラブ活動のとき出席しておけばよろしいくらいの話ではないですか。そういうものではないですよ、下のほうでやらしているのは、あなたのほうが。施設もなければ、準備もしないで、かってに、とにかくあれで、免許法からいったら大学局長、おこりますよ、かってなものをつくって。大学局と打ち合わせしたのですか、大体。免許法がなかったら、正科の時間において、クラブのいわゆる課外の指導とか何とかいうなら、これはまた別ですよ。必修の中にかってに入れてですよ、あるときは免許がなかったらだめだと、こう言い、今度のここのところじゃ、免許があろうとなかろうとやれと、こう言う。評価までやれと言う。卒業するかせぬかの単位まで入れていると言う。かってなことを言っちゃいかぬですよ、そんなこと。免許をつくりなさい、クラブ活動何とか免許状というのを。それだけ激しくぴしっと言うのだったら。学校の中というのはそんなものじゃないですよ。自分の守備以上のことを働かなければ学校の中は回らぬ。学級担保一生懸命やっておるし、うまくやっておるのに、職務命令まで出して、おまえ助手だからと言って、たたっ切るという考え方でいさよったら学校の中回りませんよ。クラブ活動やめなさい。これ法律違反じゃないか、どうです。卒業するにはクラブ活動どれくらい出ればいいんですか、どうすれば卒業できるのですか。
#270
○政府委員(岩間英太郎君) 先ほど来申しておりますように、ここに具体的な評価の基準が書いてございますけれども、関係する教師の協力によりホームルームの担任教師を中心として平素から個々の生徒の活動の状況、発達の状況などの把握につとめ、適正に行なうものとするというふうな非常に抽象的なあれでございますけれども、クラブ活動につきましては、クラブ活動につきましては、クラブ活動においては、個々の生徒の興味や特技を育てるようにつとめるとともに、相互に協力して友情を深める活動となるようにすること、たいへん抽象的な表現ではございますけれども、クラブ活動の必要性につきましては、これは先生も御理解いただいておりますように、従来部活動として、一部の児童生徒が関係をしてまいりましたけれども、しかしスポーツ関係につきましては、これは体力が非常に劣ってきておるというふうな事情もございますし、それからまた相互に協力して学校生活というものをもう少し充実させるという方向で、これは教科としてやっていくことは必要であろうというふうに考えておるわけでございます。
#271
○安永英雄君 いまの、大体ニュアンスですかな、クラブ活動に対する局長の考え方というのがそのままであれば、私は、そういう趣旨は各県に指導なり、助言なりをすべきだと思いますよ。そうしないと、どこもとにかくあれで、県の教育委員会の立場は悪いのですよ、これは至って。施設、設備は何もせんで、とにかくぽうんと必修をやれ、こういってきているのですからね。一つの例を言いましょうか、こういうことですよ。県教委の力の入れ方、あなたたちが言われておるから、これはもう一番悪いのですけれども、四月末までに必修クラブの指導計画を提出せよ、提出しようだって、とにかく施設もなければ、生徒がどうなるのやらわからぬし、免許状との関係、先生に指導を受け合ってもらえるものかもらえぬものか、とにかく連日職員会議ですよ。そして校長汗だくになってとにかく頼まなければならぬ、免許状でもあれば押し切られるでしょうね、あなたこれだ、あなたこれだといって、それでいいけれども、それはないから。すべて学校はお互いに持ちつ持たれつですよ。そういうことをやる、できないと、とにかく日にちまで切って出さない校長呼びつけて、何でこれできないのだ、文部省からこう言われているんだ、今度から改革になったんだから出せと、なかなかまとまらない。これで首までは切られなかったけれども、その校長は、どう県教委は思ったのか、初めから必修のクラブ活動は私は気に食わぬから、うちの学校はやらぬというふうにとったのかしらぬけれども、人事異動で飛ばした。ひどいこともやるのですよ。あせりにあせっているのですよ、あなたのところの指導が急だから。一年生は必修クラブを履修しないと卒業できない、担当教諭の年間計画を校長は把握せよ、評価や所見欄は必ず記入せよ、こういうのを通達できちんきちんと出して、これが学校の中ではどう受けてどうやっていいかわからない、そして例の調子で、言うことを聞かなければ職務命令を出すぞ、それでも聞かなければ処分をするぞ、これがすぐについてくる。私は、いまさっきの助手の問題と同じですがね、よほど助言をしないと、先走ってとにかくこっちのほうが出しておって、その準備も整わないのに、必修に急にやるなんというのはあやまちですよ。これをやろうとすれば、相当の準備期間を置いておいて、それからやらないと、とてもできる話じゃないです。この点はひとついまの局長のことばは、まあとにかくクラブ活動というものの趣旨をよく考えていけば、これはほんとうに自発的にやらなければならぬことだし、教師のほうも免許状とか、何とか言わずに、そこのところ生徒の自発性というのを生かしてやればいいということなんですよ。そういった趣旨からいけば、私はそういう職務命令の、処分のというところまでくる筋合いの大体内容じゃないのです。ところが受け取るほうは必修という形ではさまってきているのですが、法律事項と思っているのですよ。この取り扱いにおいてはいま言ったような趣旨というのは、注意をしないと、無用の混乱を起こしてくる。だから、ここ当分は必修という問題は実験期間ぐらいに思っていていいんじゃないかと思うのですよ。私はそう思いますよ。今度初めていっとき以降やってみて施設も追いつかせる、それから教員のあれも追いつかせる、何年かするうちに一つのクラブは大体固まってくるものですよ、私は経験があるが。初めは趣味趣向みたいな形でどっとくるけれども、だんだんやっているうちに自分のほんとうに勉強しようというクラブは自然に固定をしてくるんですよ。初めは体育とか外に出て遊べばいいというふうで、そんな何というか、多少趣味趣向が多い。だから、初めはわけわからずにとにかく入れというものだからどっと入ってくる、収拾がつかない。施設もなければ、指導者もおらぬ。それが何年かするうちには、だんだん固定してくるものです。先輩後輩の関係ができて、おれは卒業したけれども、あのクラブはいいぞ、あの先生のところがいいぞという形でだんだん固まってくる。そういったところから評価とか、それから単位の何とかというふうなものはあれで、いまは私は準備期間というふうな各県指導をやったらどうかと思うのですがね、そこは。どうですかね。私はもう少し、あなた方のいまの考え方と地元で各地域で受けている印象というのは、法律できまっている、必修の中に入っている、だから、これは是が非でも何とかせなければならぬというあせりというのがあって、無用の混乱を来たしておりますからね。当分とにかく試験的にやってみるぐらいの指導をやったらどうかと思うのですが、その点どうですか。
#272
○政府委員(岩間英太郎君) 仰せのとおりだと思います。私どもも、まだ準備やそれから施設設備とか、その環境の整備につきまして、十分でないところは十分認めているわけでございます。あまり影響が出なければ、私は先生のようなお考えでよろしいのじゃないかというふうに考えております。
#273
○安永英雄君 ひとつその点はそういった形で早く指導をしてもらいたいと思います。
 次に、図書館の司書の問題でありますが、この司書の免許の取得はどういう条件が整えばいいわけですか。
#274
○政府委員(今村武俊君) 図書館の司書の資格については、図書館法で必要な事項を定めております。
 図書館法の概要を申しますと、次に述べる三種類の方途で資格を取ることができることになっております。第一は、「大学又は高等専門学校を卒業した者で、文部大臣の委嘱を受けて大学が行なう講習を終了したもの」第二が、「大学を卒業した者で大学において図書館に関する科目を履習したもの」第三が、「三年以上司書補として勤務した経験を有する者で文部大臣の委嘱を受けて大学が行なう講習を終了したもの」この三つの系統になっております。
#275
○安永英雄君 大体いまこの免許を取って、そしてどこも就職していない、こういういわゆる人たちというのはどれくらいおりましょうかな。
#276
○政府委員(今村武俊君) 現在司書になっておる者と、それから資格を取るものと比較をしてみると、その関係がわかると思いますが、現在司書の資格を持って、司書として勤めておる人は約二千人おります。それから先ほど大学の講習を受けた者、一号と三号でございますが、その系統で大学の司書の講習を受けている者が千二百名ほど毎年おります。
 それから大学で、もう大学の在学中に図書館に関する科目を終了した者が約五千名おります。つまり、七千名が毎年資格を取っておるわけですが、二千名が司書として就職しているというような関係で、図書館の司書の資格を持って司書になっていない人は非常に多いわけでございます。
#277
○安永英雄君 いま、そういった免許を持って学校関係に司書として採用されている人はどのくらいありますか。
#278
○政府委員(岩間英太郎君) 現在、学校のいわゆる司書の仕事をしている方々は、公費、私費合わせまして、大体、高等学校の私費の分がちょっとわかりませんけれども、それを除きますと、三千六百名ぐらいおります。その中で資格を持っている者の数というのは、私どものほうでちょっと調査をいたしておりませんので、お答えができないわけでございます。
#279
○安永英雄君 この学校の司書というものの配分といいますか、配当というか、この方法、基準、定数法との関係、これちょっと説明してください。
#280
○政府委員(岩間英太郎君) 現在、定数法の上では、小学校につきましては三十学級以上の学校に、中学校につきましては二十四学級以上の学校、高等学校につきましては八百十人以上の学校に、それぞれ司書が置けるような形式上の配慮をいたしております。
#281
○安永英雄君 そうすると、定数法上の問題は、司書という免許状を持って事務職という形で入っておるわけですね。この免許は、司書という免許状をちゃんと持って学校教育関係に入ってくると、これは事務職というふうに変形するわけですね、変身するわけですね。
#282
○政府委員(岩間英太郎君) 現在、学校の司書というのは、事務職員ということになっているわけでございますが、その方々が司書の資格を持っておられるかどうか、これはちょっとわからないわけでございまして、司書の資格を持っておられる方は、司書という資格を持ちながら事務職員ということになっているわけでございます。
#283
○安永英雄君 持っている人と持たぬ人と確かにあると思いますけれども、いま事務職だから。しかし持っておる人は変わった形で入っておるわけですね。しかし、実際の仕事は、この司書の仕事をやっているわけでしょう、免許を持っている人も持たない人もやっていると、こういう形になりますか。
#284
○政府委員(岩間英太郎君) そのとおりでございます。
#285
○安永英雄君 これは、結局、免許法の関係から出てくる問題ですか、そういった変わった形しているのは。事務職に入っておるのはなぜですか。
#286
○政府委員(岩間英太郎君) これは、学校教育法のいわゆる免許を必要とするような基幹職員ではないということであろうと思います。
#287
○安永英雄君 しかし、それは学校図書についていわゆる司書の免許を持っておる人は、普通のところに、たとえば図書館とかのところへ行ったときと同じような仕事をしているわけでしょう。逆に言えば、免許を持っておる、そういう仕事の免許を持っているのと全然無免許でやっている人と、事務職という名前でおるわけですね。
#288
○政府委員(岩間英太郎君) 先ほど社会教育局長からお話がございました司書というのは、これは、一般の大きな図書館のいろんな仕事をやりながらでございまして、学校図書館の場合には、これは規模がかなり小そうございます。したがって、教諭の方が司書教諭としておられて、そのお手伝いをするという意味で学校の司書がおられるという形で、いまのところは支障がないんじゃないか。特に、その大きな図書館の司書のようなはっきりとした資格を必要とする職員であるかどうか、その点がまだはっきりしてないということであろうと思います。
#289
○安永英雄君 そうすると、やっぱり非常に図書館を中心にした教育というものから考えていけば、私はちょっと軽く見ていると思うんですね。やっぱり学校図書館の中で、仮称学校司書という人がきちんとおって、しかも、その人は図書館の司書の免許をきちんと持っておるという人がおらなければうそなんで、いまのところは事務職員というのが加勢をしているんだというふうな、その事務職員の勤務する場所がたまたま図書館だったとか、あるいは図書館とどこそこと、給与と図書館をやれとか、そういった形になっているわけですね。それでは私はちょっと図書館教育というものとはずれるような気がするんで、このままいって、私はちょっと残念な気がするんですが。私自身もやはりやったことがありますけれども、図書館を中心にしてそのままカリキュラムを組んで、そうして教育をやったことがある。教科のワクもはずしてしまって、いまでいえば、文部省、首切るだろうと思いますけれども、もう配当時間もとにかくこれはワクをはずして、いいときにとにかく八十分授業をやったかと思うと、二十分授業をやったり、とにかく校時も合わせない。それから、教科のワクももうはずしてしまう、そうして図書館を中心にしてとにかくカリキュラムを組んでやることもできていますし、失敗したのか成功したのかわからぬけれども、あの当時、文部大臣の表彰状をもらった覚えがあるんでよかったんだろうと思うけれども。私は出たばっかりのときで、張り切っておったですが。
 私は、それで図書館教育というのは、そういった庁雇いの何か事務員が来て、そうして本の出し入れとか、本の修理とか、それが一人おればいいというものでもなし、ましてやいまのあれで、事務職ということで、資格があろうとなかろうと、図書館の司書の免許があろうとなかろうと、とにかく、書庫のところに出し入れをしたり、本のつくろいをしたり、こういうことだけに図書館をしておくとこれは何にもならないと思う。ほんとうに、やっぱり教育的な指導を私は図書館の中で行なわれるという責任者がちゃんとおらなければならぬ。こういう仕組みをやっぱりきちんとやる必要があると思う。そういった意味で、私は、一つはやっぱり免許の問題にかかわってくると思うんですけれども、免許法あたりを改正して、やっぱりそこに学校司書というふうな教育的な任務を持った、資格を与えた人を置くという、そういうような構想がなけりゃならぬと思うんですけれども、これは大臣にお聞きしますが、図書館というものと学校教育との関係、いわゆる学校教育の一環として図書館というものはあるわけですけれども、私は、図書館というものを中心にした教育、そういったものについて大臣どうお考えになるか、お聞きしたいと思う。
#290
○国務大臣(奥野誠亮君) 図書館を学校に持つことによって広い意味の教養の充実をはかることができると考えるわけでございます。そういう意味において、図書館の拡充をはかっていくということ、学校教育を振興する上においてもきわめて大切なことだと考えております。
#291
○安永英雄君 いま、大臣が言われたのはありきりたりのことじゃなかろうと思うのです。私は、しかし、もうそこまで来ていると思うんです。終戦後あたり、本が少なくてあれですけれども、いま大きな市の図書館とか、大きな図書館とちょっと言われたけれども、もう大体、どんな小さな学校でも図書は相当充実しているんですよ。昔、島あたりのないところの、都会から漫画でも何でもいい贈ってくれという、あの時期は過ぎて、わりと分類されたきちんとしたそこで全教科の指導ができ、研究もできるというぐらいの大体施設ができておる。ところが、悲しいかな、とにかくそこには人間がおらないというのが、これはもう、りっぱな図書館を建てて、きちんとしておるけれども、実際は戸を閉めちゃって、係がおらなきゃ何も使えない。熱心な先生は、生徒を、ある時間学級を連れていって、そこで指導しているということもありますけれども、ほとんど放課後ようやくとびらがあいて、そこで読んで帰るというぐらいのことで、ほんとうの学習に結びついたということじゃなくて、本さえ読ませりゃ、漫画のかわりに、あそこへ行けば漫画があるわいというぐらいの気持ちで、宝の持ちぐされで、図書館を非常に活用した教育というのはやろうとしたっていまできない。非常に熱心な人がとにかくかって出て、ひまを見つけて、休みには飛んで行ってやっておるというところは非常にこれは効果があがっておるという状態なんです。そこで私は、やっぱりどうしても、いまの大臣のおことばじゃないけれども、それをやるとすれば人的な配慮というものが必要だと私は思うんです。したがって、いま定数の中で、事務職員というものの中に入っている、そしてその入っておることによって、図書館専用じゃなくて、おまえは俸給事務もやらなきゃならぬのだ、分校のほうの給与もやる、図書館の定数の中に入っておる事務職員じゃないかということでいっているということで、さんざんあちらこちら、身分も安定していない。ひどいところは片雇いで行って、ほんとうに中学校出たぐらいの娘さんがただ一人座っていて、ただ貸したのに名簿だけつける、これではちょっとだめだということですけれども、ぜひひとつこの点は、免許法の関係から考えたらどういう問題があるか、ひとつ局長からお聞きしたいと思います、免許法で何とかその問題を解決できないか。
#292
○政府委員(木田宏君) 御案内のように、学校図書館法という法律がございまして、その五条に「学校には学校図書館の専門的職務を掌らせるため、司書教諭を置かなければならない。」ということになっているわけでございますが、「前項の司書教諭は、教諭をもつて充てる。」と、こう書いてあるわけでございます。で、いままでいろいろと御論議のございましたのは、いわゆる通称学校司書といわれる事務系の職員のことであろうかと思うのでございますけれども、やはりそれを、免許法は児童、生徒の教育に当たる者の基礎資格という考え方でとっておりますために、学校図書館法で、教諭の資格がある者が司書教諭になるというふうな位置づけがあるといたしますと、教諭になる人については一応の免許資格というのが今日できておるわけでございますから、この司書教諭と、いまお話しになりました学校司書との関係、その他の職制上のことがはっきりしてまいりまして、そしてその学校司書というものが教育との関係でどういう位置づけになるかということのはっきりすることが先ではなかろうかというふうに考える次第でございます。
#293
○安永英雄君 私はまた逆に考えている。それを言われると、毎年毎年この問題は話がつかないんです。そこが、上下の関係とか、何とかの関係とかいうことはあとで私はいいんじゃないかと思う。とりあえずいまみたいな、やっぱり司書の免許をきちんと持って仕事のできる人、これはやっぱり図書館にとにかく送り込む、送り込んでから、その人がどこに属するのか、だれと関係があるのか、これはやっぱりあとで考えりゃいいことなんで、この点は私は逆に考えておるわけです。
 そこで私は、もう会期も少ないので、この質問もする間もないし、免許法との関係があるから私はここでお聞きしたいと思う。
 昨年実は、自民党あるいは文部省は――正式に文部省から出たわけじゃありませんけれども、三者でこの問題について検討したことがある。そして去年免許法が通っておれば、この免許法についての附帯決議ということでかたく申し合わせた事項がある。これについてひとつこの実現をするということで、かたく、これは必要だということで申し合わせたんです。附帯決議じゃないけれども、これはぜひ実現をしてもらいたいということで考えたんですが、一つは、学校図書館の専門的職務に携わる教育職員としての学校司書制度をすみやかに確立する。来年は、この問題について提案するというところまできておったんです。これは文部省の責任を何も言うんじゃないんです。そのときは、文部省を代表してという形ではなかったわけですけれども、大体これは、附帯決議は議会の問題ですから。しかし、大体、これはやらなきゃならぬという方向で確認をしたんですが、この点は、どういうふうに実現をするかというんですがね。これは私提案してもいいんだけれども、提案するほどのことはない、ここでお約束をしていただけばいい。検討するなら検討する、実現するなら実現する。この点、いわゆる教育職ですよ、先ほど言ったように、事務職とか何とかということじゃなくて、教育職ですよ。ある程度の教育に携わるという観点から入っていくというふうな学校司書制度というものを確立をするという考え方についてはどうでしょう。
#294
○政府委員(岩間英太郎君) 昨年、議員立法で学校図書館法の一部改正が行なわれるというふうなお話は承っておるわけでございますけれども、これは御案内のとおり議員立法でございますから、国会で議員立法としていろいろなお考え方が実現されるということは、私ども実現されました暁におきましては、それに対しまして、その実行に支障のないようにしたいというふうに考えておるわけでございます。
 ただ、ただいまの教育職員というふうなことになりますと、先ほど来先生のお話を承っておりまして、非常に効果的な、学校教育の中でユニークな学校図書館の利用ということをお考えになってまた実行されたというお話を承りました。たいへん私はりっぱな試みではないかというふうに考えるわけでございますけれども、いまの学校図書館法が、これは議員立法を御批判申し上げるのはたいへん恐縮でございますが、何か普通の公共図書館のミニチュアみたいな、小型みたいな形でその法文ができておるわけでございます。要するに、児童生徒がお客さんとしてやってくるのを待ち受けているというふうな姿勢、こういう姿勢は確かに戦後の図書のないときには非常に有効であったと思いますけれども、最近子供が本を読まなくなった、したがって、考える力がなくなってきたということも言われておりますので、学校図書館そのものにつきまして私はもっと子供が興味を持てるような学校教育の一環としての役割りというものが必要なんじゃないか。そうしました暁におきましては、先生のおっしゃいますような教育職員としての学校司書ということの存在も意味ができてくるんじゃないかというふうなことも考えておるわけでございます。
 いずれにしましても、国会で法律に必要な規定が設けられました暁におきましては、私どもそれに従ってその実施に遺憾のないようにしたいということを考えておる次第でございます。
#295
○安永英雄君 文部省から積極的に出すという話はないようですが、この点は、いまの方向で進んでもらいたいと思います。
 そこで、少なくとも定数法の中の問題ですが、事務職として十把一からげに入っている。だからその中で、これはやっぱり法律ができなければ別ワクで――標準定数法の中の別ワクをつくるというわけにはいかぬと思う、いかぬとは思うけれども、事務職の中で小分けというか、そこのところを定数、これはひとつ何か歯どめをしてもらいたいという気がするんですよ。いま一緒に入っていますから、この人が配当されておるときには本人も知らないですよ、自分はどの定数できておるのか知らない。いまおっしゃったような三十、二十四、それから高等学校八百十ですか、そういうくくりできておるのと、一般の事務職としての配当と、いまのくくりできた配当と、たとえば二人をそれできたといっても、本人は事務職というふうになっておるから、どの大体定数で自分は任務を持ってここに事務職として来ておるのかと言うと、それは言わないから――故意に言わないんですよ、使いいいから。言えば図書館のほうに張りつけになってしまって一人の事務職員になるもんだから言わないで、とにかく適当にお前は分校のほうの給与とか、分校のほうの事務とかなんとか、こうなってしまう、そうじゃなくて、そこのところはきちんとこれはまあ法律ができる前ですから図書館のほうの事務職としての配当なんだということが定数法の中で、何かそこの中で線が引けないか。そしてその線を引いた中で数をふやせないものかというふうなけじめをはっきりしたらどうかという考え方ですが、その点はどうですか。
#296
○政府委員(岩間英太郎君) そういうふうな御要望はほかにもございますのですけれども、いまの定数法のたてまえが小・中学校の場合はこれは都道府県単位ではじくようなかっこうになっておりまして、たとえば校長にしても校長何名というふうな、これはちょっとあまり適切な例じゃございませんけれども、学校数に一応乗じた数というふうな表現をいたしております。ただ御趣旨はよくわかりますので、その中でただいま先生が御指摘になりましたようなことがはっきりわかるように私どものほうも指導を徹底してまいりたいというふうに考えるわけでございます。
#297
○安永英雄君 しかし、それはむずかしいということであれば、私は配当するときには何かただし書きなり注意をして、これはほんとうにやっぱり学校図書というところの事務職だというふうな形の定数を渡すときのあれをひとつ明確にして渡してもらう、これは運用上の問題ですけれども、それは約束できますか。
#298
○政府委員(岩間英太郎君) ただいま先生のおっしゃいましたような趣旨が徹底いたしますようにつとめてまいりたいと考えております。
#299
○安永英雄君 そこで、今度は現在の事務職員の中に入っているこのくくりですね、これをひとつ今度の定数法の改正、このときにはひとつ配慮を願えないかと思うんです。これも一応申し合わせできていたんです。これは法律ができるとできまいと、むしろできない場合の方法としてぜひ考えてもらいたいと思うんですね。小学校三十学級以上、中学校二十四学級以上、高等学校八百十人以上の現行の配置基準というのを必ず改正するという申し合わせをしておったんです。それで具体的に言いますと、そのときの煮詰め方としては小学校を二十四、中学校を十八、高等学校を五百十、ここまでおろす、その後煮詰めていこうということで最低とにかくそこまではひとつ次のときにはやらないと図書館の教育なんというものの前進はないということで申し合わせしたんですけれども、これは私が言ったのは最低なんで、それ以上できれば養護教諭と事務職員といま配置されておるのが大体各県で違いますけれども、十二学級が基準になっておるようです。大体十二学級以上に置けるように基準がなっている。それと同じくらいのところまで当面やはりやっていかなければならない。養護教諭と事務職と図書館のほうには司書がおるというところまでは持っていかなければならない。一挙にはこれはなかなかいかないということで、昨年の申し合わせとしては一段階として最低そこまではというところをしたのですけれども、これぜひひとつ実現してもらいたいと思うのですが、この前大臣にも質問したところが、複々学級というところだけは明確に来年はなくす、あとのところは不明だったわけですが、もちろん作業中でもあるし、あれでありましょうけれども、これはひとつ相当約束もしておることだし、この点は免許と関係ができてくると思う。先ほど言った上下の関係とか、何とかいうことでなく、いまのところは早く実質をつくらなければいかぬと思うのですよ。法律改正がなければもう定数だけでもはっきり分けてしまって、それの定数をふやしていっている。その過程でやはり免許法の改正から定数法の改正、きちっとやっていかなければならぬというように思いますね。とりあえず国会もあとわずかですからね、この問題だけは約束してもらえないかということです。
#300
○政府委員(岩間英太郎君) 昨年議員立法が通らなかったのは全く残念だと思いますけれども、現在そういうものがなくてやりますとなりますと、私どもかなりの努力が必要だと思います。これは私どもといたしましては、ただいま先生の御指摘になりましたような数字を目標に努力いたしたいと思いますが、事務職員は大臣も申し上げておりますように、ぜひこれはふやしたい。その中でどれくらいふやせるか、これは相手のあることでございますので、ここではっきりとお約束ということはできませんけれども、そういうことを目標に努力をしたいということを申し上げておきます。
#301
○安永英雄君 ちょっとここで聞いておきたいと思うのですが、文部大臣の委嘱を受けて図書館司書の講習を行なっているところ、それから文部大臣の委嘱を受けて司書教諭の講習を行なっているところ、これちょっとお聞かせ願えませんか。
#302
○政府委員(今村武俊君) 文部大臣の委嘱を受けて司書の講習を行なっておる大学が、昭和四十八年度で十ございます。この大学の中には短大を含んでおります。固有名詞についてはここに資料を持っておりません。それから大学において資格取得をする大学、その大学の数が六十ございます。短大が五十二ございます。内訳は国公私立大学にそれぞれわたっております。
 以上であります。
#303
○安永英雄君 それじゃ、次に、十七条で言う養護訓練の免許状について、新しい指導要領で養護訓練という領域が設けられておるわけでございますが、現在養護訓練の教諭を養成する機関はない、こう答えられておったわけでありますけれども、文部省ではこれにかわるべき講習会というのを開いておるということですが、それの大体実施状況なり、それから生まれてくるいわゆる訓練を受けた人というのはいまどういうことになっていますか。
#304
○政府委員(木田宏君) 養護訓練につきましては、現在現職者にあります教職員の中で、これを現職教育の講習会という形で養護訓練についての勉強をしてもらっておるわけでございます。四十六年度には機能訓練担当教員の講習会といたしまして約四百人を対象にして実施をしてまいりました。四十七年度からは国立の特殊教育総合研究所の研修事業部門がその事業を開始いたしましたので、養護訓練に関する各種の研修はこの研究所において行なうことにいたしました。四十八年度のその事業規模は約三百人を対象とする三カ月間の研修ということでございます。なお、特殊教育総合研究所自体におきまして、以上のほか一年間にわたる五十人の長期研修を行なっておるところでございます。こういう形でとりあえず現職者の出から養護訓練に習熟した教員を育てていきたいというふうに考えておる次第でございます。
#305
○安永英雄君 養護訓練の免許状に関しての省令の内容はどういうようなふうになりますか。
#306
○説明員(阿部充夫君) 省令の内容につきましては、現在検討中でございますけれども、免許状の種類を定めたいと思っております。種類は盲学校、聾学校、養護学校の別に養護訓練の免許状という形で設けたい。その場合に、養護学校に関しましては、御承知のように肢体不自由、病、虚弱等の分類がございますので、その分類別の種類を設けることにいたしたい、かように考えておる次第でございます。
#307
○安永英雄君 養護教諭の問題で、本改正案では養護教諭に関してはどういう改正の趣旨になっていますか。
#308
○政府委員(木田宏君) 養護教諭につきましては、非常に技術的な整理漏れの修正をいたしたいと思っております。それはこの法律案の附則九項の改正部分でございますが、附則九項の改正は非常に技術的な改正なんでございますけれども、従来高等学校の卒業者でなくても旧看護婦の資格を持っております者等につきましては、養護助教諭の臨時免許状を授与することができることになっておったのでございます。ところが、旧看護婦よりもいわば上位の資格であります以前の旧令による保健婦の免許を受けた者に対しまして養護助教諭の臨時免許状を出す規定ができておりませんでした。そこで、旧看護婦につきましてとられておりましたものと、実質的に同じようにそれ以上の資格を持っておりました旧保健婦の免許状を持っておりました者につきましても、高等学校を卒業していなくても臨時免許状が出せるというように救済をさしていただいた次第でございます。それが今回養護助教諭に関する改正部分でございます。
#309
○安永英雄君 養護教諭の問題についてはもう少しお聞きしたかったわけですが、いつかも言ったんですけれども、養護教諭当分の間置かんでもいいというふうになっているけれども、もう置かなきゃならぬ時期にきたんじゃないか、もうこれは私は変わられる各大臣にもいつもあれするんですけれども、別に財政の問題ではない、これはなかなか資格者がいない、資格者がいないということがわかっておって法律に書いておったら、逆に法律違反になるので、それだけの話であって、金の問題とか何とかいう問題を、出し惜しんでるんじゃないということを言われておって、私そのとおりだと思います。たとえば一昨昨年でしたか、長崎の私どもと同僚の久保知事が、私どもが行ったときには、あそこには僻地、離島が非常に多い。多いので久保知事は一生懸命その資格者を確保したんですね。二十五名だったと思いますが、二十五名の資格者を、島でもどこでも行くということを約束してちゃんと集めておるけれども、これを文部省なかなか渡さない、人はおるんです。法律のたてまえは人がおらぬから、とにかくいかぬと、こう言っておる。そういう養護教諭の資格も持って、その人はちゃんと赴任する、どんな遠いところでも行く、こういう納得している人を確保しながら、現在のあの法律にこだわってこれ許さないというのは、また法律つくった趣旨にも合わないと思うのです、そこんところ。だから資格者を得たら、これは十二学級以上とか以下とかいわないで、もう直ちにそれの人材が確保できたら、もうそれは片っ端文部省のほうは、それを任用してよろしいというふうにいかないものか。私はそれが法律の趣旨じゃないかと思うのですよ。裏の趣旨だと思う。この点あたりはどうでしょうか。全国ずっと見たら、それは需要と供給との関係で、とても供給が追いつきませんよ。しかしこれは偏在しているわけですね、だから確保できたところはこれはどんどん、県も半分見て、県財政もちゃんとやるといった場合には、確保したら、どんどん許可をしてどんどん定員を配当するということに踏み切ったらどうか。そのためには今度の定数法あたりで、そのゆとりを何か考えたらどうかということが最後この問題についてお聞きしたいと思います。どうです。
#310
○政府委員(岩間英太郎君) やはりこれは基準でございますから基準性がなければならないわけでございまして、しかもまた私どもとしましては、できるだけ全部の学校に配置をしたいというふうな考え方できておるわけでございますので、やはり基準性という点と、それから全国の学校にできるだけ同じように配置ができるようにしてまいりたいという気持ちがあるということを御了承の上で、いまのような点についてさらにくふうをさせていただきたいというふうに考えるわけであります。
#311
○安永英雄君 最後まで冷めたいのですけれどもな。私の言っとるのは、そういう基準というものを大もと変えろというのですよ。あなたたちはいまの現行の基準の中のワク内ばかりはい回っておったところでそれは出るはずはない。提案を、思い切ってその基準をとにかく次の定数法の改定のときにやったらどうかとこう言っているわけです。いまのあなたたちすぐ現行法の中やら規定の中ではい回って、その中で見ようったって、そんなこと、できゃしませんよ、それは。全国待っておったら、私の計算じゃいまから二十年かかりますよ。いまの養成関係考えてごらんなさい。どれだけの卒業生が出ていきますか。しかも学校のほうの魅力がないもんだから、育児休暇あたりつくらぬものだから、そげんところにゃ行かぬといって、いまじゃちゃんとその養成の学校を出ておるけれども、他の民間会社の大きな会社に行ってたら高給で雇うてくれる。そういう資格を持っておる者も寄りつかぬという状態でしょう。いまから二十年、五十年かかるですよ、みんな全国に潤すということで行きよったら、必置ということを待っておったら。その過程で、やっぱりそういった一つの現行法の規定というものを部分的にも破れるような、そういった考え方をめぐらすのはあなたたちの責任じゃないの。それ、ひとつどうですか。
#312
○政府委員(岩間英太郎君) 私が申し上げておりますのはその基準性を守るということでございまして、たとえば長崎の場合あたりでございますと、無医村だとか、僻地の数だとか、そんなものを配慮してやれば、ある程度基準性に乗りながら充実ができるということでございますので、やはり私ども基準をきめた法律でございますので、この基準性だけは守らせていただきたいということを申し上げたわけでございます。
#313
○安永英雄君 そういうこう薬をはるようなことじゃだめだと私、言っている。久保さんあきらめていますよ、この前来て。「安永君、とうとうおまえ、できなかったな」と、私、不足言われた。そうじゃなくて、無医村だから何とかといってこそっとやるようなことはしないで、二十五名いまから出し切れますか、そんなこう薬で。二十五名行きますまい。せいぜい行ったって二、三人じゃないですか、無医村をさがしたら。そういうものじゃないですよ。やっぱりいまから先、必置という方向をねらうなりしなきゃ、あなた二十年もたちよったらいま行こうかという人はもうおばあちゃんになっちゃって行かぬですよ。そんなのんびりした話じゃないですよ。いまある人材あったらどんどんどんどん入れていってやるということにして、とにかく養成機関をどんどんつくらして、筑波あたりへつくらぬで、あれだけの金があったら何で学校の、養護教諭のあれは何ぼありますか、大学に付置されておるのは。どんどん出すのですよ、倍も二倍もどんどん卒業生出していく、そっちのほうが先ですよ。たくさん言いたいことがありますけれども、またあとの機会にして、きょうはこれで私は質問を終わります。
#314
○委員長(永野鎮雄君) ほかに御発言なければ、質疑は終局したものと認めることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#315
○委員長(永野鎮雄君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 教育職員免許法等の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方は挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#316
○委員長(永野鎮雄君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#317
○委員長(永野鎮雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 暫時休憩をいたします。
   午後四時五十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後七時三十三分開会
#318
○委員長(永野鎮雄君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
 国立学校設置法等の一部を改正する法律案(閣法第五〇号)及び国立学校設置法の一部を改正する法律案(参第一九号)、両案を一括して議題といたします。
 両案について政府及び発議者から順次趣旨説明を聴取いたします。奥野文部大臣。
#319
○国務大臣(奥野誠亮君) このたび政府から提出いたしました国立学校設置法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律は、新しい構想に基づく筑波大学の創設を含む国立大学の新設、学部の設置その他国立学校の整備充実について規定するとともに、大学の自主的改革の推進に資するため必要な措置等について規定しているものであります。
 まず、筑波大学以外の大学の設置等について御説明申し上げます。その第一は、旭川医科大学を新設するとともに、山形大学及び愛媛大学にそれそれ医学部を設置しようとするものであります。
 これは、近年における医療需要の増大と医師の地域的偏在に対処し、医師養成の拡充をはかるとともに医学の研究を一そう推進しようとするものであります。
 第二は、国立大学の大学院の設置についてであります。
 これまで大学院を置かなかった埼玉大学及び滋賀大学にそれぞれ工学及び経済学の修士課程の大学院を新たに設置し、もってその大学の学術水準を高めるとともに、研究能力の高い人材の養成に資そうとするものであります。
 第三は、東北大学医療技術短期大学部の新設についてであります。
 近年における医学の進歩と医療技術の高度の専門化に伴い、看護婦、臨床検査技師、診療放射線技師等の技術者の資質の向上をはかるため、東北大学に医療技術短期大学部を併設するものであります。第四は、東京医科歯科大学及び名古屋大学にそれぞれ附置する難治疾患研究所及び水圏科学研究所の設置並びに千葉大学の腐敗研究所の改組についてであります。
 東京医科歯科大学の難治疾患研究所につきましては、現在同大学の医学部に附置して設けられている研究施設を整備統合し、医学の進歩にもかかわらず、現在なおその病因等が解明されていないために、治療法等が確立されていない難病についての基礎的研究を総合的に推進しようとするものであり、また、名古屋大学の水圏科学研究所は、同じく同大学の既設の研究施設を基礎とし、地球環境の諸問題の解決に資するため、大気水圏環境の構造と動態に関する総合的な研究を推進しようとするものであります。
 また、千葉大学に附置されております腐敗研究所につきましては、時代の進展に伴い、腐敗という現象の究明から発展して生命科学の一分野としての生物活性全般に関する研究をさらに推進する必要があることにかんがみ、これを生物活性研究所に改組しようとするものであります。
 第五は、国立久里浜養護学校の設置についてであります。
 心身に障害を有する児童、生徒のうち特に障害が重度であり、あるいは重複している者の教育の方法、内容等については、一昨年開設された国立特殊教育総合研究所において実際的研究が行なわれているところでありますが、この実際的研究を行なう上で行なう上で不可欠となる実験研究の場として、新たに、国立久里浜養護学校を設置しようとするものであります。
 第六は、国立極地研究所の設置についてであります。
 極地の科学に関する研究は、地球上の種々の自然現象を解明し、また地球の生成、発展の歴史を解くために不可欠でありますが、これまでの南極観測十八年の成果を踏まえ、さらに極地の総合的、科学的研究及び極地観測を推進するため、国立大学共同利用機関として、新たに、国立極地研究所を設置するものであります。
 次に、後ほど御説明申し上げます筑波大学の新しい構想の実現とともに、各大学における自主的な改革の推進に資するため大学制度の弾力化等の措置について所要の改正を行なうことといたしております。
 第一に、大学成立の基本となる組織について、これを従来認められていた学部のみに限定することなく、それぞれの大学において教育、研究上の目的を達成するため、学部以外の教育、研究のための組織を置くことが有益かつ適切であると認められる場合には、学部の設置にかえてそのような組織を置くことができることといたしております。
 大学には、従来、特定の学問領域ごとに教育と研究を一体的に行なうための組織として学部が設けられ、これが大学の中心的な組織とされてきたのでありますが、近年における大学教育の拡張と学術の急速な進展に伴い、このような学部を中心とする教育と研究のあり方について再検討を求める気運が高まっており、中央教育審議会をはじめ各方面における大学改革に関する論議の中でもこの点をめぐる各種の問題点なり提案がいろいろの角度から提起されるに至っております。すでに海外の諸大学においても、教育研究組織の改善について積極的な検討が進められており、いくつかの大学においては、新しい試みが実施に移されているところであります。わが国においても、現に多くの大学において、学部制度の改善を含め教育及び研究の基本となる組織のあり方について真剣な検討が加えられているのであります。
 そこで、これからの大学制度のあり方を考える場合、大学の基本的な構成要素を単に学部のみに限定する必要はなく、それぞれの大学における教育研究上の必要に応じ、それぞれの大学の判断するところによりさらに弾力的な組織形態をとり得る道を開くことが、大学改革を推進する上でこの際特に必要であると考えた次第であります。
 筑波大学の構想はその一つの例でありますが、筑波大学の構想に限らず、今後、大学がみずからの発意により積極的に新しい適切な組織によることを希望する場合には、その内容を十分検討の上それが実現できるようにしてまいりたいと考えております。
 なお、以上のことと関連して、従来は大学には、数箇の学部を置くことを常例とし、一箇の学部のみを置くいわゆる単科大学は特別の必要のある場合にのみこれを認めることといたしていたことを改め、大学に学部を置く場合にその数については特に問わないようにすることといたしております。
 第二に、医、歯学部における履修方法の弾力化について措置することといたしております。これまで医、歯学部につきましては、六年の修業年限を二年以上の進学課程と四年の専門課程に区分して履修させることとしておりました。しかし、最近における医学の高度の分化発展に伴い専門教育の一そうの充実をはかるとともに全在学期間にわたる充実した教養教育を行なうため、六年間を通じた弾力的なかつ効率的な教育課程を編成する必要性が医学教育に携わる多くの関係者から指摘されるに至っております。そこで、各大学の判断により、従来の方式をとることも、あるいは六年間を通ずる一貫した教育を行なうことも、いずれの方式をもとり得るように制度を弾力化する道を開くことといたしております。
 第三は、大学に必要に応じ副学長を置くことができるようにいたしました。最近、大学の中にはその規模が著しく拡大し、これに伴い組織、編成が複雑化しつつあるものが見受けられるようになっております。このような大学についてこれを有機的な総合体として教育、研究の両面にわたり適確に運営してまいることは、学長にとってまことに容易ならぬ職責となっております。大学改革に関する多くの意見の中でこのような学長の負担を軽減し、大学の機能的な運営をはかるためその補佐役を設ける必要があるという指摘がなされていることは、きわめて当然のことと思われるのであります。このような観点から、大学がその事情により必要があると判断した場合には学長の職務を助けることを任務とする副学長を置き得ることといたしたのであります。
 以上、御説明申し上げました諸点はいずれも国、公、私立を通じてすべての大学に適用される規定であり、かつ、大学がみずからの判断によってその採否を決定し得る事項であります。このような制度の弾力化を通じて大学自身の手による自主的な改革が一そうの進展を見ることを強く期待するものであります。
 次に、この法律は、以上の大学制度の弾力化を踏まえた新しい構想に基づく大学として筑波大学を新設することといたしております。
 この筑波大学は、東京教育大学が自然環境に恵まれた筑波研究学園都市へ移転することを契機として、そのよき伝統と特色は受け継ぎながらこれまでの大学制度にとらわれない新しい総合大学を建設しようとするものであり、かねてから東京教育大学との緊密な連携のもとに、同大学における検討の成果を基礎としつつ、他大学などの学識経験者の参加も求めて検討を進めてまいったものであります。
 この大学の特色の第一の点は、従来の大学に見られる学部、学科制をとらず、学群、学系という新しい教育、研究組織を取り入れていることであります。すなわち、学群は学生の教育指導上の組織として編成され、広い分野にわたって、学生自身の希望に基づく選択の中で将来の発展の基礎をつちかうことができるよう配慮されているものであり、それぞれ幅の広い教育領域を擁する第一学群、第二学群及び第三学群並びに医学、体育及び芸術の各専門学群を置くことといたしております。同時にこれらの学群の教育に当たる教員の研究上の組織として、学術の専門分野に応じて編成する学系を置き、研究上の要請に十分対処し得る条件を整備することといたしております。
 第二に、大学が開かれた大学として適切に運営されることを確保するため、その管理運営に当たる組織について次のような措置を講ずることといたしております。すなわち、参与会を設置し、大学の運営に当たり、大学自身の自主性を基礎としつつ、必要に応じて学外の有識者の意見を取り入れることができるよう配慮するとともに、副学長のほか、学群、学系などに属する教員により構成されるそれぞれの教員会議と緊密な連携のもとに評議会及び人事委員会等の全学的組織を設け、全学の協調を基礎とした機能的な運営をはかることといたしております。
 このうち人事委員会は、学群、学系制度による教育、研究の機能的分化に対処して、教育、研究両面から要請を勘案しながら全学的な見地に立って適正な人事を確保することを目的とするものであります。
 以上のような大学の管理運営方法の改善を通じて、真の総合大学にふさわしい大学の自治の確立を目ざそうとするものであります。
 なお、同大学につきましては教育目的に即した総合的なカリキュラムの編成、総合的な研究計画を遂行するためのプロジェクト研究システムの導入等、教育研究のいろいろな面に創意工夫をこらしてまいる所存であります。
 この筑波大学は、相当の規模の総合大学を目ざすものであり、その新構想の理念を確実に実現していくため、昭和四十八年十月に開学し以後年次計画をもってその整備を進めることといたしております。また、さきに申し上げましたとおり、同大学は、一面において東京教育大学の発展的解消により創設されるという側面を持つものでありますので、筑波大学の整備と並行いたしまして、東京教育大学については、年次的に閉学措置を進めることとし、昭和五十三年三月三十一日限りこれを廃止することといたしております。
 以上のほか、この法律におきましては、国公立の大学にかかる副学長の任免その他について若干の定めをすることといたしております。
 その第一は、副学長という制度を新たに設けることに伴い、その任用方法等について規定したことであります。すなわち、大学に副学長を設ける場合には、その任免等の手続きは、その職務の内容を勘案し、現行の部局長と同様の取扱いにすることといたしております。
 第二に、学長の選考等に関する事項を扱う大学管理機関としての協議会は、これを廃止し、その権限を、評議会に移すことといたしております。これは、現在、協議会と評議会の構成員が多くの大学においてほぼ一致しているという実情にかんがみ、制度の簡素化をはかろうとするものであります。
 以上がこの法律案を提出いたしました理由及びその内容の概要であります。何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願いいたします。
#320
○委員長(永野鎮雄君) 続いて安永英雄君。
#321
○安永英雄君 私は、日本社会党、公明党、民社党及び日本共産党の四党を代表して、ただいま議題となりました国立学校設置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨並びに内容の概要を御説明申し上げます。
 最近、政府はしばしば一つの法律案の中に幾つもの異質の問題を混在させて提出し、国会審議を不必要に混乱させ、ひいては国民の不利益を招いております。
 このような措置は断じて許されないところであります。
 とりわけ先般、衆議院において行なわれました国立学校設置法等の一部改正案に対する野党の分離要求に対して、政府与党がこれを拒否したように、国民の切実な医療等に対する要求に対して、法制技術上あるいは国会対策上の要請で踏みにじるという愚かなことを、参議院では繰り返さないために、国民の立場に立ってここに強い抗議を込めて本法律案を提出した次第であります。
 御承知のように、政府の提出しました国立学校設置法等の一部を改正する法律案は私ども全野党が国民の切実な要求に基づいて提出しました本法案とは、標題の上では一字違いで「等」の字があるかないのか違いですが、立法の精神におきましては、雲泥の相違があるのであります。
 私がいま、野党四党を代表して本法案を提出しましたゆえんのものは、参議院における自主的な立場に立って、本来の立法府のあり方に立ち返り、国民の立場に立った国民の多様な要求を真剣に受けとめ、その切実な緊急性の度合及び国民的合意の形成に沿って、一つ一つ着実に立法化していこうというのであります。
 以上の提案の趣旨を御了解いただき、本院におきましては、良識をもって国民の切実な願望であります旭川医科大学の新設、山形大学及び愛媛大学の医学部設置など、国民の反対が強く、その成立について世論の熟していない筑波新大学設置の問題と分離した本法案を早急に審議し、その成立をはかるべきと考えるものであります。
 何とぞ与党の諸君も参議院の良識と自主性の立場に立ち、また、新設医学部等の入試を待望している学生の心情に思いをいたし、私どもの提案の趣旨を生かすよう御協力賜りたいと思うのであります。
 以上で本法案を提出いたしました趣旨と精神とを申し上げ、次に本法案の内容の要点のみ御説明申し上げます。
 この法律は、国立学校の一そうの整備充実をはかるため、国立大学の新設、学部の設置等を行なおうとするものであります。
 その第一は、旭川医科大学を新設するとともに、山形大学及び愛媛大学にそれぞれ医学部を設置し、もって近年における医療需要の増大と医師の地域的偏在等による医師不足の事態に対処しようとするものであります。
 第二に、これまで大学院を置かなかった埼玉大学及び滋賀大学にそれぞれ工学及び経済学の修士課程の大学院を新たに設置し、当該大学の学術水準の向上と研究能力の高い人材の養成を行なおうとするものであります。
 第三は、看護婦、臨床検査技師、診療放射線技師等の医療技術者の資質の向上をはかるため、東北大学に医療技術短期大学部を併設するものであります。
 第四は、附置研究所の設置及び改組についてであります。
 東京医科歯科大学に治療法等が確立されていない難病についての基礎研究を総合的に推進するための難治疾患研究所を、名古屋大学に大気水圏環境の構造と動態に関する総合的な研究を行なうための水圏科学研究所をそれぞれ設置するとともに、千葉大学に附置されております腐敗研究所につきまして、腐敗という現象の究明から発展して生命科学の一分野としての生物活性全般に関する研究を一そう推進する必要があるため、これを生物活性研究所に改組しようとするものであります。
 第五は、国立久里浜養護学校の設置についてであります。
 一昨年開設されました国立特殊教育総合研究所における重度または重複の心身障害児の教育の方法、内容等に関する実際的研究の実験教育の場として、新たに国立久里浜養護学校を設置しようとするものであります。
 第六は、国立極地研究所の設置についてであります。
 本研究所は、南極観測十八年の成果を基礎として、さらに極地の総合的、科学的研究と極地観測を推進するため、国立大学共同利用機関として、新たに設置しようとするものであります。
 なお、この法律は、公布の日から施行することとしております。
 また、昭和四十八年度に旭川医科大学、山形大学もしくは愛媛大学の医学部、埼玉大学もしくは滋賀大学の大学院、東北大学医療技術短期大学または国立久里浜養護学校に入学したものは、在学年数の計算に関して、昭和四十八年四月一日から当該大学等にそれぞれ在学していたものとみなすなど、必要な経過措置等を規定しています。
 何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#322
○委員長(永野鎮雄君) 両案の審議は後日に行ないます。
 本日の会議はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後七時五十二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト