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1972/09/06 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 文教委員会 第25号
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1972/09/06 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 文教委員会 第25号

#1
第071回国会 文教委員会 第25号
昭和四十八年九月六日(木曜日)
   午前十一時十八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 九月五日
    辞任         補欠選任
     向井 長年君     松下 正寿君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         永野 鎮雄君
    理 事
                久保田藤麿君
                楠  正俊君
                松永 忠二君
                宮之原貞光君
    委 員
                志村 愛子君
                高橋雄之助君
                竹内 藤男君
                棚辺 四郎君
                中村 登美君
                濱田 幸雄君
                二木 謙吾君
                宮崎 正雄君
                小林  武君
                鈴木美枝子君
                内田 善利君
                矢追 秀彦君
                松下 正寿君
                加藤  進君
   国務大臣
       文 部 大 臣  奥野 誠亮君
   政府委員
       首都圏整備委員
       会事務局長    小林 忠雄君
       文部政務次官   河野 洋平君
       文部大臣官房長  井内慶次郎君
       文部大臣官房審
       議官       奥田 真丈君
       文部省初等中等
       教育局長     岩間英太郎君
       文部省大学学術
       局長       木田  宏君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡辺  猛君
   説明員
       文部省大学学術
       局大学課長    大崎  仁君
   参考人
       日本住宅公団総
       裁        南部 哲也君
       日本住宅公団理
       事        播磨 雅雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国立学校設置法等の一部を改正する法律案及び
 国立学校設置法の一部を改正する法律案につい
 て
    ―――――――――――――
#2
○委員長(永野鎮雄君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨九月五日、向井長年君が委員を辞任され、その補欠として松下正寿君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(永野鎮雄君) 国立学校設置法等の一部を改正する法律案及び国立学校設置法の一部を改正する法律案について質疑を行ないます。
 質疑のある方は御発言願います。
#4
○鈴木美枝子君 私は、大学問題については専門家ではございませんから、ちょっと慎重に、ここに書かれたもの、自分が書いたものを読みながら質問いたします。文部大臣が九月四日の文教委員会で福岡県と北九州市教職員の処分問題に対してたびたび答弁なさいましたことばの中に、法律に定められたところにより運営していると、そういう答弁をたびたびなさいました。で、法律に定められたところによりというおことばに対して、私は、原則的な問題でお聞きしたいと思います。
 きまりきった、たいへん重要な問題を一度読んでから質問さしていただきたいんです。
 まず、日本国憲法四十一条、「国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である。」議会制民主主義の原理、原則について大臣からお聞きしたいと思います。
#5
○国務大臣(奥野誠亮君) 私が、法律に定められたところに従ってそのとおり運営されることについて責任を負っておりますということをたびたび申し上げたわけでございます。それは立法、司法、行政、政府は行政当局。憲法には、国政は国民の信託に基づくものだと、「その権力は国民の代表者がこれを行使」するんだと、こううたわれておるわけでございまして、その代表者、それが政府になっているのだろうと、こう考えておるわけでございます。国権の最高機関である国会が立法を行ない、そこで打ち立てられました方針を行政当局が執行していく、そういう責任を負っている、そういう意味でお答えを申し上げたわけでございます。
#6
○鈴木美枝子君 いまのおことばに私はもう一つつけ加えさしていただきます。原則とは、民主主義の人間におけるヒューマニズムを原点とするというその一言をつけ加えさしていただきます。そうして私の感じ方で言いますと、現代においては法の規定と社会における法の現実的な機能とは違うように思います。違う点があるんじゃないか。機能の問題で例をあげますと、主権在民のたてまえの問題です。国民に知しめる新聞という機能を利用して、国会の審議より先に文部省が発表し、大臣が発言して新聞に審議より先に発表することの問題の点なんです。憲法の問題には大きな開きがあるんじゃないか。その一つとして、文部大臣の発言なされました、この間の例で言えば、「先生をやめて政治屋になれ」。私はその点に関して伺いたい。たびたび大臣はその失言をあやまりましたけれども、いま言った憲法の四十一条に即して言いますと、あやまって済むものではないと、私は思っているんでございます。その点についてちょっとお答えください。
#7
○国務大臣(奥野誠亮君) 憲法の四十一条に基づきまして、地方公務員法でありますとか、教育公務員特例法でありますとか、そういうような法律が制定されているわけでございます。国権の最高機関が立法されたわけでございます。それを文部当局は現実に国民の間で守られていくように努力していかなければならないわけでございます。そうしますと、その中に公務員は同盟罷業を行なってはならない、こう書いてあるわけでございます。ところが先生方の組合がたびたび同盟罷業をやると、こういう指令をしておられる。それはやっぱり私としては避けるように努力していかなければならないわけでございまして、そういう意味で申し上げたわけでございます。ことばの言い方についてはいろいろ御批判がございましたし、私も率直におわびすべきところはおわびしたつもりでございます。いろいろ私も組合の活動の中には政治的に過ぎた点があるように思われるわけでございます。ストライキ権の奪還などということやら、あるいは基地の撤回とかいろんなことございまして、それは個人は自由に活動できるものですから、しかし公務員でありますとそれはできない。ですからそういう意味で、教育界を去って政治の社会で働いていただいたらいかがなものだろうかと私としては申し上げざるを得ない、こう申しておるわけでございます。行政当局としては、行政の秩序を守っていかなければなりませんので、それはやはり黙っていることもまた無責任だという他方の御批判も出てくる性格のものじゃなかろうか、こう私は考えているわけでございます。私は、国会の活動に立ち入った行動をしている気持ちはいささかもございませんし、また、今後もそういう意思はございません。
#8
○鈴木美枝子君 私が申し上げましたのは、法の規定と社会の法の現実的機能という問題の一つとしての新聞、その紙面に発表する大臣のことばは、人間を簡単に差別した発言です。文部大臣が先生たちを政治屋になれとか、あるいは先生達のストライキの問題を発表した中での、福岡や北九州の教師を、一ぺんに二万人の人を賃金カット処分という問題に対して、私は先ほど申し上げたんです。それを私は私のたてまえから言いますと、民主主義の人間におけるヒューマニズムを原点とする問題で申し上げました。一ぺんに二万人の人を賃金カット処分ということに対して大臣はどう思うんですか。
#9
○国務大臣(奥野誠亮君) これは、任命権者がいろんな行政処分を行なっていく、その行政処分についての御批判だと思います。その処分の内容につきまして、文部省が具体的にこれだけの人数とかいうようなことは言ったことはないわけでございます。ただ、法を犯した者については、それなりの処分をしてくれないと法は守られないんだということは常に言ってまいってきているわけでございますが、先日も、そういう趣旨におきまして文部省は地方の教育委員会について指導、助言していかなければならない、福岡県が処分を行なった。他の都道府県におきましてもその点については協力をしてくださいよ、こう申し上げてまいっておる次第でございます。どのような内容の処分をするかということにつきましては、各府県のいろんな事情もあることでございますので、少しにとどめる場合もございましょうし、場合によっては、相当な数にのぼる場合があることについても御理解をいただきたいものです、こう私は申し上げたわけでございます。具体の点について私からいまここでとかくの批判は差し控えたほうがいいんじゃないか、かように思っております。
#10
○鈴木美枝子君 新聞の発表のしかたなんですけれども、二十八日に賃金カット処分をし、その二万人内外の人たちを発表しました。大臣の発言は三十日でございました。処分をしてから二日立った三十日、福岡県に全国も処分を続けろ、そのこと自体が私はヒューマニズムに反しているという、そういう意味で申し上げたんです。「福岡県に続いて処分せよ」ではなく、全国処分はしないよう新聞に発表することはできないんですか。
#11
○国務大臣(奥野誠亮君) 先ほども申し上げましたように、私は行政運営上の責任を負っている者でございますので、やはり残念なことではございますけれども、法を破る場合には、それなりの処分をしてくださいと言わなければならない立場に置かれているわけでございます。福岡県が行なったそのあと私は黙っているということはむしろ適切でないんじゃないか、こんな感じがするのでございまして、やはり同じような方針をとってくださいと、こう言わざるを得ない。しかし、いまの姿がそのままでいいとは思いません。思いませんけれども、そういうことはやっぱり御理解をいただきたい。
 いろいろな考え方あると思うのでございます。鈴木さんのような気持ちも私はわからぬわけじゃございません。わからぬわけじゃございませんけれども、行政当局というものは、そういう立場にあるものだという御理解をいただきたいんだ、こういうことでございます。
#12
○鈴木美枝子君 前から文部大臣は、すぐ御理解をしてください、御理解をしてくださいと言いますけれども、私は、二十八日に処分して、その二日たってああいう発言をするということがたいへんに段取りよくできているんだと、段取りよくできていることを私は権力だといいたいんです。そういう権力のしかたをたびたび文部大臣は発言なさいます。
 もう一つ、筑波大学の問題に対しましても、新聞に発表いたしました文部大臣の発言をここで発表させていただきます。これは昭和四十八年六月の二十一日です。霞が関の国立大学長会議でこうおっしゃっているんです。「筑波大に関連して若干の学部教授会が反対の決議やアピールを出しているので読ませてもらったが、他の大学のことにケチをつけるより、自分たちの大学のことをもう少し勉強しては……」、こういうふうに言っていらっしゃるんです。朝日新聞の六月二十二日の朝刊です。朝日新聞というのは三百万人の読者を持っている。そういう国民が読んでいるという新聞においてなんです。そのことについてもお聞きしたいです。
#13
○国務大臣(奥野誠亮君) いま御指摘の会合で私が申し上げましたのは、東京教育大学の新しい構想、それに対していろいろな批判が出されているわけでございます。その批判を読んで見ますと、新しい構想について理解がなさ過ぎる、こう思われるわけでございます。そこで、表現が適切でありませんので、適切でなかったことについての弁明をさしていただいたわけでございますが、けちをつけるという表現は使いました。けちをつけるならその大学の構想をよく勉強してから、研究してからおっしゃってくださいよ、こう申し上げたんであります。自分の大学の勉強をしてからではございませんで、批判をするなら、よその大学の構想にけちをつけるんだから、それならその大学の構想をよく勉強し、研究してから言ってくださいよと、こう申し上げたわけでございます。
#14
○鈴木美枝子君 けちをつけるといっても、まだ筑波大学についてはいろいろ討論しなきゃならない問題ももっとあるんでしょう。そしてまた、ここでは、集まっている方たちが専門家の方たちなんですから、専門のことについて討論したいという意思は一ぱいおありでしょうし、そういう専門家ばかりじゃなくて、日本中の子供を持った人たちもそこで討論された問題が知りたいんだということがあるのに、大臣はどういう場所にいらっしゃるかというと、大ぜいの国民から見ると権力を持っている人に見えるのです。その権力を持っている人が、他の大学のことをけちをつけるより自分の大学のことを勉強しろ、こういう言い方に対して、おっしゃるということは大臣が無意識におっしゃるとしたらたいへんなことだと思います。
 そしてまた、大臣はこう言っているんです。やはり朝日新聞の六月二十二日の朝刊です。「教授会は大学の自治の根本。厳正であってほしい。他大学に文句をいうなら、個人個人の名前でされたらよい」――「個人個人の名前でされたらよい」ということはどういうことですか。
#15
○国務大臣(奥野誠亮君) 私のところへ大学の教官有志でありますとか、いうような名前でずいぶんアピールが来たわけでございます。その際に、その大学の先生方々からは、その大学の中にはいろいろな考えの方がおるものだから、かってに大学の名前を使われることは迷惑なんです、というような意見の手紙もまいっておったわけでございます。そういうことを踏まえまして、反対の意見を言う場合、これは自由でございますからどんどん言うてもらってけっこうだけれども、特定の学部の多数決とか、あるいは教官有志とかいうようなことじゃなしに、明確に名前を出して言うていただかないと、ほかの先生方に御迷惑じゃないでしょうか、元来、大学のいろいろな機関、それは大学の自治運営のためにあるわけだから、したがって、他の大学についていろいろな批判をする場合には、できる限り具体的な名前を出してしていただくことが正しいんじゃないでしょうか、こういう意味合いで申し上げているわけでございます。
#16
○鈴木美枝子君 私は、いままでこの中にいて、先ほど「権力」ということばを使いましたけれども、個人個人の名前でされたらよいと、いま大臣はそうおっしゃいましたけれど、大臣は教授たちあるいは先生方の首を切る権利も持っていらっしゃるんでしょう。
#17
○国務大臣(奥野誠亮君) ございません。
#18
○鈴木美枝子君 教育大学の中でも、勧告をする権利を、大臣がじかにしなくても、大臣の権限である文部省の中でやることができるんでしょう。
#19
○国務大臣(奥野誠亮君) いろいろな助言は当然していくべきだと思います。
#20
○鈴木美枝子君 そういう力を持っていらっしゃるから、「個人個人の名前でされたらよい」というような、言われた人間にとって最も卑しく受け取れることが発言できるんじゃないでしょうか。
#21
○国務大臣(奥野誠亮君) 私は、いろいろな意見が自由に言えるようにしたらいいと思うのです。いろいろな意見が自由に言えるようにしたらいいと思うのでありますけれども、陰に隠れてものを言うのは避けたほうがいいのじゃないかと、こんな感じがいたします。そのほうが特定大学の、いろいろな先生いらっしゃるわけですから、迷惑をかけないことにもなるのじゃないか、もちろん自分の大学のことにつきましてそれぞれの機関の意思決定をされる場合に、それはその決定票に基づいて決定されてしかるべきでございまして、ことさらだれの何がしが、どういう意見を言ったということを公表しろという気持ちはさらさらございません。私は、そういうふうに言うておるわけじゃございませんで、本来の目的、任務、それ以外のことについて行動する場合には具体の、何のだれがしであるかということを明確にされるほうが正しいのじゃないだろうか、こういう気持ちを持っているわけでございます。
#22
○鈴木美枝子君 一般の国民の人たち、私たちの持っている国民性の中では、そういう偉い立場の方、権力を持っている人が個人個人の名前を出して言ってこいと言われる場合には、おそれと、それからまた勇気のある人間は、どうして言おうかなという問題を持つものです。だれでも言っていいことばがあるというのではないのです。御自分の立場を考えて、ことばを選んで言うことが他の人間に対する思いやりでもあり、また、それは民主主義でもあるということなんです。私は外にいましても、この内側にいましても、そのことを最も感じている者の一人なんです。いま大臣がいろいろなことばを、自由にそれぞれがお話しになったほうがいいでしょうとこうおっしゃいました。それは自由ということではございません。自由というのは他の人間のことをよくよく考えることなんです。そのことに対して私はいま最初の問題を読ましていただきながら、原則についてお話したいと言ったのです。それはあまりにも国民が不幸だからです。その点について。
#23
○小林武君 ちょっと関連して、一言だけ。
 大臣ね、私の質問の時間にやればいいけれども、問題がちょうど出たから申し上げますが、私はもうこれは反対のいろいろなものについてはほとんど目を通しています。教授会の決議という場合にはそこの大学の教授でありますね。それから有志という場合には教授会の決議まではあげられない、だから有志である。しかしこれらの人たちが大臣のところへやった文章の中には、それは膨大な数になれば名前をあげることはできない、これはどこの大学の、有志はだれとだれであるかということは全部名前が出ているわけです。だからその点は少なくともああいうものに全部に目を通せば、自分の名前を隠して、そうしてやじ馬的にやっているなんていうことはないわけです。これが八千名になったと言われて、われわれはこの八千名のあれについて大体いただいているわけです。だからあなたのおっしゃるのはいささかぼくはちょっと違うのじゃないか、もちろんそれはありますよ、反対だけども、出したらこれはもうやっぱり何かあるだろう、そのことに対する恐怖心を持った人はそれは出さないです。今度の場合は前の大学の立法のときの、おたくが強行採決やった――おたくというのは政府です。あのときのいわゆるこの種の運動から見ればずっと何て言いますか、整備されたといいますか、自分の意思をはっきり出すということについては十分に手続がされている、だから、あなたもしそういう考えですというと物を正しく見ていないということで、少なくとも反対運動をしている、堂々と述べている者に対する侮辱だということになりますから、その点どうなんですか、証拠があるならはっきり言ってください。
#24
○国務大臣(奥野誠亮君) 私が国立大学の学長さんの会合で申し上げたときには、そういう決議が二種類あったと思います。一つは何々大学何々学部教授会という名前のアピール、もう一つは何々大学何々学部教官有志というアピール、そういうアピールをよこされた大学の先生の中から、こういう問題を教授会の決議だというようにして関係者にまかれるのだけれども、自分は実は筑波大学に賛成なんです、自分たちの思想、信条の自由が侵されているような感じがするんですと、こういう訴えがございました。同時に、私が先ほど来申し上げますように、大学の学部教授会というものはどういう使命を持っているものだろうか、やはり本来託されている使命を越えたようなことをしていきますと、だんだんその教授会の本来の任務についての批判が集まってくるおそれがあるものですから、大学の自治が大事であればあるほど大学の自治というものは厳正に運営してもらわなければ困るじゃないだろうかと、こういう気特ちは私は基本にございます。
 そういうことがございますので、いろいろ反対意見を表明されることは何ら私は批判すべきことじゃないと思います。賛否の両論いろいろあっていいと思うんでございます。いいと思うんでございますが、ほかの先生方に迷惑をかけないようなかっこうでやってもらわぬと困るじゃないだろうかと。だから、匿名でおやりになろうと、それはもう自由だと思うのでございます。ただ、何々大学何々学部教授会とか、何々大学何々学部教官有志とかいうような表現は避けてもらいたい。やはり正々堂々とおやりになる。お名前を出したくなければそういうかっこうで、大学に迷惑をかけない、学部に迷惑をかけない、学部の他の教授に迷惑をかけないような形において意見の表明をしてもらえないだろうか、こういう希望を持って意見を申し上げておるわけでございます。
#25
○小林武君 たった一言だけね、議論するつもりはありませんけれども、ぼくが言っているのはそうではなくと、そういう有志という名前をあれした人たちはちゃんと別なところにははっきり名前を出してやっている。たとえば相当の分量のあれだったら、全部名前を書くというところもありますけれども、これはどこの大学のだれは、有志というのはだれとだれであるということははっきり、これは皆さんが必死になっておさがしにならないでも、求められれば幾らでもはっきりすることです。そういうことを言っているのです。だから、お調べになってからいろいろなことをおっしゃったほうがいいんではないか、本人の侮辱になりますよと、こういうんです。
#26
○鈴木美枝子君 大臣はそのことを、私は、よく知っていながら、ここでおっしゃるときと外の、私がさっき一番最初に申しました一つの機構の中、外の社会機構の中で、新聞記者たちのいる中でおっしゃるときの発言とがちょっと違うんじゃないか。大臣は、何でも自由に話しなさいというふうに、自由にだれでも話してもいいじゃないかと。だれでもいいというふうな形で世の中でしゃべってみたら首になったり仕事ができなかった場合が一ぱいあるのです。これは私の、いま私が言うことは大臣と近い点が一つあると思うので、俳優の私が経験した問題で言います。
 私が原爆の被爆者の役をするとするのです。ドーランで顔にひっつりをつくって被爆者になるとするのです。でも、俳優の私自身は痛くもかゆくもないのです。大臣は、大臣のおことばを通して言って、これは飛躍するかもしれませんが、日教組の賃金カット処分を受けた人たちのつらさ、痛さは大臣にとっては痛くもなんでもない。教師の痛い生活権をねらって賃金カット処分をする。または筑波大学の問題の中の当事者である東京教育大学の教授、助教授の反対とか賛成という簡単な「ことば」じゃなくて、大学の中で未来のために学生たちと一緒に取っ組もうとする。研究・教育の問題とじかにぶつかっている教授方は苦しいとか痛いとか、そういうことが一ぱいあるんだということを私は俳優の仕事で被爆者の表現をしながら、やはり痛くもかゆくもないんだな、被爆者のその身になることはできないんだなということを徹底的に経験しているんです。大臣は痛くもかゆくもないというほんとうの苦しみや痛みについて、いいお育ちのようですから感じることがございませんでしょう。
#27
○国務大臣(奥野誠亮君) 私は、ここで申し上げていますことも、いろいろな会合で言ったり、新聞記者の皆さん方に申し上げていることも、全く同じことを申し上げています。いささか率直にものを言い過ぎるんじゃないかなという感じも、ときには人に言われたりすることがございます。同時にまた、処分の問題につきましては、この間も私はここで申し上げたわけでございますが、これで問題は解決するとは思っていない。また処分をすることも、する側もたいへんな苦痛なんだと、しかし、現状においてはこれしかないんですということも、いろいろお話をさしていただいたわけでございます。いろいろなことをよく理解しておるつもりでございますけれども、また理解の不足な点については、御指摘いただくこと何らこれ当然のことだと考えます。
#28
○鈴木美枝子君 以後考えていただきたいと思います。大臣はいつでも自由にものをしゃべっていいんだと、民主主義の世の中だから。大臣だったら自由にものをしゃべってもいいでしょう。だけど私たちが社会で生きてきて、自由にしゃべっていけないことが一ぱいあるんです。自由にしゃべったら首を切られることが一ぱいあるんです。役者の世界にもあります、新聞記者の世界にもあります。それは私は体験もし、見てまいりました。ここにも新聞記者の方がいらっしゃいます。知っていらっしゃるはずです。だからこれからはさっき私が言いました例はたいへん基本的なことで職業の立場によってやってよいことと、言ってよいこととあるわけで、大臣の立場でしたら痛くもかゆくもないんだということを心にとめて、それぞれの職業と立場を理解しながら発言することが必要です。特に国民の新聞紙上での発言は重要な問題を含んでおります。
#29
○国務大臣(奥野誠亮君) 言いたいことも言えない場合もあるということは、御指摘のとおりでございまして、私も言いたいことはたくさんございますけれども、ずいぶんがまんしていることもたくさんございます。(笑声)
#30
○鈴木美枝子君 私は、自分の本来の仕事、俳優の仕事を含めて申し上げましたから、大臣も大臣という立場から言いたいことの一つをここでおっしゃってください。
#31
○国務大臣(奥野誠亮君) 差し控えるべき事情がいろいろございますので、そういう意味で差し控えていると、それをあえて言いますことはまた問題になるだけだと思います。(笑声)
#32
○鈴木美枝子君 それじゃ、日本の中に大臣からはじまって日本じゅうの人たちのそれぞれの生きていく過程の中にそれぞれの立場があるのですね。表向きは民主主義のように見えましても、民主主義じゃないことを、大臣が証明なさいましたね。
#33
○国務大臣(奥野誠亮君) よくお話理解してないかもしれませんけれども、言いたいことなかなか言えないという場合がいろいろな場合にあること、これは私もよく理解をしているわけでございます。できる限り一人一人の人が大切にされる、言いたいことも自由に言う、それによってとかくの特別な処分を受けない。そういうような明るい社会をつくっていく、これは私たちの努力しなければならない目標だろうと、こう思っております。
#34
○鈴木美枝子君 どうぞいまのおっしゃったことを実行していただきたいと思います。そしておっしゃるときに、やはり御自分だけの考えじゃなくて、相手の立場を考えながら、新聞発表の場合、新聞は読者を持っております。国民の世論の代表でもあります。ある新聞紙面でも、そうしていただきたいと思います。
 局長さん、やはり新聞紙面で、毎日新聞です。六月二十二日の朝刊、国立大学学長会議の席上で、「反対しているのは劣等感のある学部だけだ、堂々たる大学ではこんなことはない。」、こうおっしゃっておるんです。
#35
○政府委員(木田宏君) いま御指摘になりました私の発言は、学長会議での発言ではございませんで、記者会見の際に、私の口から不用意に出たことばだろうと思います。
#36
○鈴木美枝子君 いま局長さんは、その発言した内容について言わず、場所のことをおっしゃいまいた。場所のことを言うことによって私が最初に言いました国立大学学長会議での発言を「場所が違う」という答弁にすりかえられるけれど、本質的な問題について私はいま申しているのです。もう一度読み上げます。「反対しているのは劣等感のある学部だけだ、堂々たる大学ではこんなことはない。」反対している学部のことを劣等感があると言っております。これは東京教育大学の中の文学部でしょうか。
#37
○政府委員(木田宏君) 特定の学部について言ったことではございません。
#38
○鈴木美枝子君 劣等感ということばは、どういうことなんでございますか。
#39
○政府委員(木田宏君) 私どものほうにも学部教授会の名前で反対の意見表明を寄せられたところがございます。いろいろと考えてみまして、何か不満があるというような大学が多いのではなかろうか、こういう受け取り方をしておった次第でございます。
#40
○鈴木美枝子君 いま私が大臣に言っている間に、局長さんも隣で聞いていらっしゃったでしょうが。聞いていらっしゃったあとでの御返事としては全然聞いていないような態度でいらっしゃいますし、そして「劣等感のある学部だけが反対する。堂堂たる大学ではこんなことはない。」と発言した。このことに対しての答えにはなっていないと思います。もう一回お願いいたします。
#41
○松永忠二君 関連、ちょっと答弁する前に。
 これは私たちも聞いていたわけだけれども、反対をしているのは劣等感のある学部だけ、堂々たる大学ではこんなことはない。劣等感のある学部だけ、反対しているのは。反対をしていることをこういう一体言い方で、言いざまで片づけることはいいですか。それじゃ、われわれはこれは反対だからいろいろ議論している、そうするとわれわれの言うことは何と言うのですか。堂々たる大学ではこんなことはない、反対の意見にももっともなことがあれば聞くという態度だって全然ないじゃないですか。自分からの出した法律は全科玉条で、一つも欠陥はないんだというこの慢心の気持ち、いま大臣の言ったことよりもっと悪いじゃないですか。大臣の言ったことの中には少しは幅があるわけですよ。しかし、その反対をしているのは劣等感のある学部、だからそれを指摘されたら、私がこういうところで言ったけれどもこうだと言うならばまだわかるのに、私はそこじゃ言わない。それで内容については何も言いやしない。そこでいま盛んに聞いても、ああでもないこうでもないといったようなことを言っている。いっそもっとあっさり、どうもこれ言い方が悪かったというようなことを言わなきゃ、こんなことをこのまま認めるわけにあなたいきませんよ。私たちはこういうことはやらなかったが、いまやられておるんだが、また答弁の態度も悪いね。これは大臣の意見も聞いてみたいけれども、悪いところは悪いと言っていただかないと、局長の言うこと何でもかばわれたじゃ、われわれも聞いていて少し、どういうことになっているんだろうかという話になりますよ。それから私は何もしつこくどうこうしょうという気はないけれども、これは間違いだと思うんですが、こういうことばは。間違ったことを伝えられているのか、確かに言ったなら、これはやはり言い過ぎだということを言って、次に移るなら私は何も異議ありませんよ。だけど、それをひとつあわせて言っていただくように、いたずらにわれわれは議論をしてどうこうしようと言っているんじゃないんです。そういう点についてはもっと率直に言ったらどうでしょうかね。
#42
○政府委員(木田宏君) 新聞に載りました私の発言につきましては、当時衆議院の文教委員会でも御指摘がございまして、用語として不適切であったという御注意もあり、私もそのように申し上げまして、そのことにつきましての釈明をさしていただいた次第でございます。ただ一言、いまお尋ねに関連して申し上げさしていただきたいと思いますのは、反対意見を表明している人がすべて劣等感を持っていると、こういうふうにその場のやりとりが出たわけではございません。これは学部の教授会で反対決議をしたという大学の話でございまして、個々人からの反対の御表明その他のことについてその場の話題になっておったわけではないわけでございます。それで、教授会としてそういう反対を表明しておるのはどういうところだ、こういうふうなお尋ねがありました。個個にちょうだいをしている学校の名前を申し上げるのではなくて、つい私も思慮が足りなくて、持っておりました印象で、先ほど大臣も多少お触れになりましたけれども、教授会でこの当否の決をとるというようなあり方につきましては私自身いかがかと思う点もあったものでございますから、そういう教授会でそこまで決議をするということにつきましてはその学校の教官の方々に何か別の要因もまざっているのではないかというような点から、多少そうした不用意なことばづかいになった次第でございます。その場の表現としては適切でなかったということは当時委員の方からも御指摘もあり、私もその発言につきまして不適当であったということを釈明さしていただいた次第でございます。
#43
○松永忠二君 さっき大臣もちょっと言われましたけれどもね、私は、学部がそういう決議をするのが悪いという筋合いでは私はないと思いますよ。筑波大学という法律が自分らの大学の運営に影響があるという判断をしているんだから、そこで、そういうことについて私たちはそういう面には反対だというなら、何も学部の自分らの権限外のことを言っているんじゃないんじゃないですか。だから、学部がそういうことに触れて決議をするとしても、それは行き過ぎた事柄だという断定的な言い方はできない。それからもう一つ、さっきのお話では、そういう学部がやるから何だかそういう劣等感を持っているんじゃないかという判断をしたと言うが、ますます悪いんであって、少なくも学部という、教授会というものがそれぞれりっぱな先生方、それぞれ理由はあるとしても、議論を尽くしてやったことを、外側の者がそういうきめつけ方をすることはできないでしょう。個人については中には劣等感と言っている先生もあるかもしらんから、そういう判断を個人個人で先生方いろいろあるということを言うのは、私はあんたの判断なら逆なんであって、私は個人ならいろいろある、それは純然と言っている人もあるし、そうでない者もあると言うなら、感じとしてあなたの申すことならばこれは一つの感じだ。しかし、人の学校の学部をつらまして、そうして学部だけだと、反対するやつは学部だけだ、劣等感を持っている学部だけだという言い方、それからまた、学部がそういうことをするのは行き過ぎだなんて、これまたこれはちょっと大臣に言ったけれども、私はそういう見解とは違いますよ。ますます悪いということを言っているんだが、ただあなた言うとおり、これは全く自分としては悪いことであって、非難をされたことだから、これはもう間違いだというお話のようなことがあったから、その気持ちだけはわかりますがね。逆に言えば、あなたがいま言ったあやまり方の用語が適切でないね、逆に言えば。もっと別のことばがあるでしょう。これは私はそこまでのことしか言えぬので、これは御質問の方にお譲りいたします。
#44
○鈴木美枝子君 文部省では、局長さんは首を切られることは全然ないんですか、先ほど私はここでお伺いいたしましたのは、こういう劣等感という発言の問題を持っていたからなんです。私は大学の先生方、そして、国民全体、すべての人々は劣等感は持っていません。『劣等感を持たされる』要素が今までの大臣の発言や局長の発言、または社会にあるのです。局長さんのこの発言が、この発言じゃなくても、いまの態度や、そのものが権力であり、さきほど私が言いましたように、私は、私の俳優の仕事を通して原爆の被爆者を顔にドーランをぬって被爆者の方を表現しても、原爆を受けていないものは痛くもかゆくもないのだと言うことなのです。この場所でも、全然違うとは思わないのですよ。木田さん、あなたは首になることは全然ないのですか、資本主義の日本の中で、首になってしまえばあしたから食べることができないんだという、そういうことさえも考えることができないんですか、そういう問題を含めて、反対しているのは劣等感のある学部だけで、堂々たる大学ではこんなことはないんだということに対して、私はあなたに問いかけるんじゃなくて、あなたの内部を口に出して言ってもらいたいと言っているのですよ。ただあやまって済むものじゃないと言っているのですよ。あやまって済むものじゃない立場から、この劣等感について言ってください。日本じゅうの人間が劣等感を持っていないんです、劣等感を持たされるんですという立場から局長さん返事してください。
#45
○政府委員(木田宏君) その用語の適切でなかったこと、また、そうしたことばが不用意に出ましたことにつきましては不徳のいたすところでございまして、これはおわびを申し上げるほかございません。
#46
○鈴木美枝子君 ことばのしりをとるようですけれども、不徳のいたすところということは、徳があるということを前提条件にして、その場合だけ不徳だと言っているのです。その場合だけ、このことばだけ不徳だと言っているのですよ。私はいま民主主義について問いかけているのです。だから、最初に日本国憲法四十一条、この書かれたことだけを言っているのじゃなくて、国会では聖書のようにこれを読まざるを得ない。ここの中じゃないのです、いまの日本の機構を言っているのです。だからその機構について、大臣が、法の問題だと、網の目のようにつくっていく法の中にある現実社会機構の中では、皆さん苦しんでいるのだということを私は言いたいのです。だから大きな問題を持っているのですよ。不徳のいたすところである、それだけでもう私は納得いきません。局長さん、御返事ください。
#47
○政府委員(木田宏君) その紙面に載りました私の用語につきましては、衆議院の文教委員会でも御指摘があり、大臣からも御注意がありまして、私自身適切でなかったということは強く感じておる次第でございます。
#48
○鈴木美枝子君 強く感じていらっしゃったら、今度実行に移していただきたいと思うのです。実行というのは、劣等感をだれも持っていないのだから、劣等感を持たすということは民主主義に反しますから、どうぞお忘れなく。先ほど大臣もこれからよく考えて民主主義をほんとうにつくってくださるそうですから――大臣、ちらっと横を向かないでくださいよ。だから、さっきここで、あなたは首にならないのですかと聞いたのです。そうしたら、どうおっしゃいました、ちょっとお答えになってください、首にならないということについて。
#49
○政府委員(木田宏君) 私自身もこれはいまおっしゃったような首になることは当然あるわけでございまして、役人として仕事をしております際に、常にそうした責任のあることというのは意識をして仕事をしておるつもりでございます。首にならないということ、絶対的な保障があるという考え方は毛頭とっておりません。
#50
○鈴木美枝子君 文部大臣は首になるようなことはないのですか。もし首になるとしたら、どういう方法で首になるのですか。
#51
○国務大臣(奥野誠亮君) 憲法に基づきまして、内閣総理大臣に罷免権がございます。同時にまた、国会で不信任されましても、当然退職するということになるわけでございます。
#52
○鈴木美枝子君 国民が首にすることはできるんでしょうね。
#53
○国務大臣(奥野誠亮君) 国会は国民の代表者をもって構成されていると思います。
#54
○鈴木美枝子君 国民が首にするということができるような社会機構をつくっていただきたいと思います。
#55
○国務大臣(奥野誠亮君) 現在がそういう機構になっていると考えております。
#56
○鈴木美枝子君 では、どうぞそういう暴言をお吐きにならないようにしていただきたいと思います。国民を代表してお願いを申し上げます。
 で、そういうたてまえをもった上でお話し合いをさしていただきたいと思います。お話しをじゃなく、お話し合いを。
 衆議院で終わりましたあとにこちらへ参ったわけでございますけれども、筑波大学の問題について毎日新聞の社説の中で言われていることを読みます。「参院の筑波大法案審議に望む」、「望む」というのは希望するということです。ただいまの紙面を読ましていただきます。「しかし、これまでの衆院での経過をみるとき、われわれはその審議とは一体何だったのかと多大の疑問をいだかざるをえない。野党側からは筑波大学の管理体制、教官人事、学外者の介入の恐れなどについて疑点が出され、文部省側の答弁があったのだが、それは一方が大学自治侵害の恐れがあると言い、他方がその心配はないと答えるだけで、論議は全くかみ合わなかった。不毛の審議というほかはない。」と、「国会外、とりわけ大学人の意見を十分に尊重して、新大学を一点の疑点もないものにするための努力をつくすべきである。」こういう言い方をしております。「現在の教育大学がもつ非民主的な性格によるのであり、それが筑波大構想の中の管理運営体制と相まって、大学人に多くの不安を与えているといえよう。」と、こういう形で衆議院での経過を社説――社説って一体何ですか、局長に伺います。
#57
○政府委員(木田宏君) 各新聞社の社としての見解の表明であるというふうに考えております。
#58
○鈴木美枝子君 見解の表明、これを書かれたのは、毎日新聞でございますが。毎日新聞は二百万の読者を持っております。先ほどの朝日新聞は三百万。そうすると、社説は、見解ということだけではなくて、この場合は毎日新聞の思想であり、新聞紙面上からも社説の内容を動かすことはできないという、そういう重要な問題を社説は持っております。見解ということばは軽過ぎますね。だからこういうことを、大切に受けとめる必要があります。あまり社説の問題については取り上げないんじゃないですか。気にしてないんじゃないですか、局長さん。
#59
○政府委員(木田宏君) 新聞の論調あるいはそこに報道されます関係者、その他いろんな方々の意見というのは、私どももできるだけ注意を払って、そしてその世論の動向というものは確実に私どもも把握をし、考えるべきところを考えなきゃならぬ、こういう考え方をとっておるつもりでございます。
#60
○鈴木美枝子君 そういう考えを持っていらっしゃる、そういう考えを持っている中で、先ほどのような発言をなさるわけですね。
 そこにまあ二つの方法論があります。局長さんの中にある矛盾ではなく、はっきり方法論があると思います。私は民主主義に反しているし、あるいは封建思想が残っている。こういうふうに思えておそろしいのでございます。それでお願いしているわけです。
 それでは、問題を次に移します。
 その一つは、「筑波大学の理解のために」、これは四月に出ております。「新構想をめざす筑波大学」、これは三月に出ております。これは文部省の学術局と申しますと局長さんのところが出しているのですね。私たちの手に入る前に「筑波大学の理解のために」というのは各大学に配られました、私たち議員よりも先に。一体これは何部ぐらい出しているのですか、この本は何部ぐらい出していますでしょうか。
#61
○説明員(大崎仁君) 「新構想をめざす筑波大学」というこの小さいほうの本でございますが、これを約五万二千部印刷をいたしてございます。配付先は国公私立大学、それから都道府県等の教育関係その他各種団体等でございます。それから「筑波大学の理解のために」という大きいほうの本は全体で二万二千部でございまして、これもほぼ同様な配付先に配付さしていただいておるということでございます。
#62
○鈴木美枝子君 なぜ――文教にいる私たちの手に入る前にですね、これ、四月と三月ですから。どこの大学に配っているのですか。
#63
○説明員(大崎仁君) これができました時点で、たしか各国会の先生方のお手元にも議員会館のお部屋にお配りをする手配をした記憶がございますが、もし手落ちでお手元に届いていないことがあるとしましたらまことに申しわけないと存じます。
 それからなお、配付先は、この小さいほうにつきましては国立、公立、私立を通じまして全部の大学に配っておりまして、大きいほうにつきましては主として国立大学中心でございます。
#64
○鈴木美枝子君 委員会で審議する前に、だいぶ早くから各場所へ配られているのですね。私はある大学から、――東京教育大学ではございません、ある大学からいただきました。それで議員て『一体何だろうな』と考えたことがございます。これは、どのぐらいの費用がかかっているのですか。
#65
○説明員(大崎仁君) 概数でございますが、「新構想をめざす筑波大学」が約三百万円弱でございます。それから「筑波大学の理解のために」が百八十万円ほどということでございます。
#66
○鈴木美枝子君 審議する前にこういうものを配った理由は何ですか。
#67
○政府委員(木田宏君) 政府といたしまして国会にも筑波大学についての法案を御提出申し上げ、またそのことにつきまして広く関係者に理解をしていただきたいという意味で、国会の先生方をまず先に考えて、各大学へも同時に配付をさしていただきましたので、大学のほうに先にいって先生方のほうをあとにしたという考え方はないわけでございます。何かもし手落ちがありましてそういうことになっておるとしますと、それは恐縮なことでございましておわびをしなければなりませんけれども、衆参両院の先生方にも少なくとも同じ時期あるいはそれよりも早目に御配付をさしていただいた次第でございます。
#68
○鈴木美枝子君 そういうようなことは絶えずあるのですけれども。たとえば朝日新聞の九月二日、九月五日。九月二日の毎日新聞、それらに対しては、衆議院の中で行なわれた、――『審議する前に他の大学に及ぼしませんね』、というところで終わってる、私は議事録をそう読んだのです。けれども、その参議院に法案審議が来るまでに、すでに、新聞に発表してしまう。北大、広島大などのそれぞれの大学が自主的に研究と教育を分離していくのだと、参議院での審議の前日に新聞に出ている。外側へ発表していく。そういう方法で国民に先きに知らせる。だから議員って一体何だろうというふうに思うんです。それは憲法四十一条に違反しないんですか。ちょっと私専門家じゃないんですから、その点についても聞いておきたいんです。
#69
○政府委員(木田宏君) いま御指摘になりましたのは、この九月の初めに、四十九年度の予算として私どもが取りまとめて、八月三十一日までに大蔵省に提示をしたものにつきまして、文部省としては四十九年度の予算を目ざしてこういう要求を大蔵当局にしたということを各新聞社に説明をいたし、それが記事になったことであろうかと思うのでございます。これは法律の規定に定められておりますように、翌年度の予算の調整を大蔵省に対して各省が提出するという、各省としては非常に大事な仕事の中身でございまして、その各省のやっております準備の状況は、これまた広く国民の皆さまにも知っていただく必要があるという考え方でございます。しかし、これらを政府部内としてどう取りまとめていくかというのは、年末にかけましての予算編成の過程で、これから大蔵省との相談を続けていき、政府全体としてきめて、その上で国会の御審議をいただくという手順になっておるわけでございますから、憲法四十一条の規定を無視しているわけではございません。そのことを念頭に置きながら、政府部内として必要な準備を進めているという一段階のことでございます。
#70
○鈴木美枝子君 法律が立法化される前に、網を張るように全国へこういうものを配っていくということに対しては、日本はそういうふうになっているのでしょうか。イギリスの場合は法律ができても解説書を出さない。それはなぜかというと、解釈によってどうにでも解釈することができるから。日本の場合には、どうにでもできる、読みようによってはどうにでもできるという、解釈によって審議をあとからする。それから法律をつくっていくのですか。
#71
○政府委員(木田宏君) わが国の場合に、政府からいろいろな提案をし、法案の形で国会において御審議をいただきます。その際に、できるだけ広く国民の皆さまにも、政府側としてこういう御提案を申し上げているということを知っていただきますことが、憲法のもとの今日の体制に必要なことだという考え方をとっておる次第でございます。
#72
○鈴木美枝子君 いまイギリスの場合は、という例を引きました。そういう場合に、いつでもこれは他の国だというふうにおっしゃるのを、まあ私は前提にして、こういう解説書を配る、一方的だということを言いたいのですよ。だから国会の審議のあとにすることは、イギリスの場合には節度を持っていると言っていいのですね、節度を持っている。こういうものを先に配るということを国会の中を節度としてしていないということなんです。これを先に配る、新聞に先に発表する。さっき言った民主主義の問題なんですけれども、民主主義のたてまえを御利用なさっていらっしゃるんじゃないかというふうに私は思うのです。
#73
○政府委員(木田宏君) 今日の憲法のもとにおきまして、政府各省がやろうとしておること、また国会での御審議を願おうとしておりますことにつきましても、できるだけ広く国民の皆さまに知っていただき、御批判もございましょうし、御支援もございましょう、そうした皆さまの御意見というものは、今日の行政のもとでは大事に考えていかなければならぬという意味で、お知らせすることもまた大事な役所の仕事だというふうに考えておる次第でございます。
#74
○鈴木美枝子君 先ほど、議員の手元にこれがおそくて申しわけありませんとおっしゃいました。その発言を踏まえて、私の質問なんですけれど、何かそこには一つの大きなねらいがあるんじゃないか。確かにあるんだと、私は指摘してるんです。
#75
○政府委員(木田宏君) 先ほども申し上げましたように、この説明資料は国会の文教の先生方にはまっ先に御配付、御送付をさしていただいたというふうに考えております。あと回しにしたつもりは毛頭ございません。もし何か行き違い等、落ちがございましたならば、その点は御容赦を願いたい、こういうふうに申し上げた次第でございまして、先生方をあとにして外にこれを先に配ったということではございません。
#76
○鈴木美枝子君 特に、今後はそうしていただきたいと思います。そういうふうになっていないのです。これは最初から大臣に申し上げましたとおりに、私は本日は法というものが現実の社会の機構とは違うんだということの一つの大きな例として申し上げるのです。社会機構ではこれを配っている、そして私たちはまず最初にこうなるんだということを知らされない、そして、でき上がったものに対する審議をする。でき上がったものの審議ですからね、十五日ぐらいの審議で終えちゃう。だから強行採決をするんだと、七の段取りを感じるんじゃなくて、「そうなんだ」と言い切りたいんです。だから私は最初に憲法四十一条を読んだのは、そのことで申し上げてるんです。「お願いするんじゃないんです。」、国民の立場からという立場で、首を切ることもできるんですねという意味からなんです。そうしていただきたいと思います。
 そうして今度は、開かれた大学というようなことをもう再三読ましていただきました。ここにも書かれております。局長さん、開かれた大学というのはどういう意味です、どこから持ってきたんですか。
#77
○政府委員(木田宏君) 従来とかく大学はまあ象牙の塔であるというような批評もございまして、また、大学の中にこもりまして真理の探求をするという性格からそういう一面があることも、これは否定できないことでございまするけれども、しかし、大学もまた日本の国のために、社会のために、またそれぞれの国の大学はそれぞれの置かれた社会のために必要な重要な役割りをしておるわけでございます。したがいまして、大学とその国あるいは地域社会との関係が、ただ閉鎖的な別個の存在ということではなくて、社会のために大学が必要な仕事を果たしていくという、そういう社会と大学との意思の交流と申しますか、そういう考え方をもっと広げていくべきではなかろうか。それは、大学が研究といい、あるいは教育、そしてまた第三の重要な役割りとして社会のためにサービスをするという機能を大学として持つべきではないか、そこにこそ、ほんとに生きた、また社会、国民の期待に沿う大学として発展していく、またその支持も受けることができる、そういうことになるのではなかろうかという考え方を持っておるわけでございます。その意味で、大学は学問の性質上ある意味で大学の研究者が集まって閉鎖的な社会をつくるという傾きもありますけれども、それをできるだけ研究者が社会のほうへ目を向けていく、積極的に社会の声を大学の中に取り込んでいく、こういうふうな姿にしたい、その考え方を開かれた大学ということで私ども表現した次第でございます。筑波大学におきましてはそういう意味におきまして学外のいろいろな関係者の声を大学自体が取り込むくふうをしたい、また、卒業した社会人であっても、あるいは地域社会の人々が大学の公開の講座あるいはその他のいろいろな催しに参画できるようにしたい、こういう考え方を持っております。それを開かれた大学という表現で説明さしていただいておる次第でございます。
#78
○鈴木美枝子君 いままでは、大学教授、学生は社会に貢献していなかったんですか。外部の意見や内部の教授の意見が外へ通らなかったんですか。
#79
○政府委員(木田宏君) すべての日本の大学について、日本の大学が世の中と隔絶をしておったというふうに申し上げるつもりはございません。しかし、これは多くの方々の御批判にも出ておりますように、大学が、一面ではややともすると世事にうといということを大学の特質として考え、世の中の動きがどうであろうと自分たちは大学のキャンパスの中でこういうことだけやっていればいいという考え方も強く出ておったということも否定できない一面であろうかと思います。でございますから、これらの点はもう少し世の批判、大学に対する社会の声、こういうことを大学側として積極的に聞き入れていく、こういう態度はやはり今後必要であろうというふうに考えております。
#80
○鈴木美枝子君 社会にうといのは局長さんなんじゃないですか。大学の中の教授の方たちや、そういう方たちが社会にうとくて、そうして政治的に考えが乏しいとおっしゃるのですか。そういうふうなことばはちょっと違うんじゃないんでしょうか、社会に「うとい」というのは。
#81
○政府委員(木田宏君) 個々の人のことではございませんで、やはり大学の組織、大学の運営、あるいは大学の活動そのものが社会との関係でその要請を受け入れ、あるいはそれにこたえるという機能を進めていかなければならぬと、こういうふうに考えております。
#82
○鈴木美枝子君 これからその問題についてずうっと「きょう」も「あした」も「あさって」も続けたいのでございますけれども、いま「開かれた大学」という、固有名詞から内容に入っていったわけでございますけれども、開かれた大学というのは、イギリスで一九一一年にイギリスの大学改革でつけられた名前ですね、オープンユニバーシティー。今から六二年前に英国では大学改革で開かれた大学と言っているのです。イギリスの「開かれた大学」の名をおとりになったわけじゃないでしょうね。
#83
○政府委員(木田宏君) イギリスでいわゆるオックスフォードやケンブリッジのほかにレッドブリックスと言われる新しい大学が、いま御指摘になりました年代よりははるか前につくられました。そのころにやはりそうした大学につきまして地域の関係者が大学の運営に参画をするという発想が出ておりまして、イギリスの大学の理事会あるいは評議会等には、地域の自治体の責任者でありますとか、あるいは政界、財界の関係者でありますとか、そういう方々が幅広く大学の理事機関の中に入っておられます。そうした大学の構想をとりました際にも、いま御指摘がありましたように、大学を社会との関係でつなげるというような用語か使われたことはあろうかと思います。最近オープンユニバーシティーというふうに言われておりますのは、何も特定の大学のことではございませんけれども、イギリスでは主として放送によります大学教育の拡大、これを担当いたしますまあいわば放送大学とでも言っていい性格のものをオープンユニバーシティーとして固有名詞として使っております。これは大学教育の機能をキャンパス内に来る学生だけでなくて、キャンパスをこえて市民の生活の場に大学教育を広げるという意思、そういう考え方からオープンユニバーシティー――開かれた大学、こういう固有名詞の大学までつくったかと思っております。アメリカでも最近同じような意味合いにおきまして、オープンユニバーシティーという、これは固有名詞ではございませんで、この大学の性格づけの問題として使われておる場がございます。いわゆるキャンパスの中だけでの大学の活動ということではなくて、特定のまた学生だけでなくて、広く社会の一般の方々が自由に勉学できるという意味で大学のこの壁を取っ払った大学にしたい、こういう考え方がオープンユニバーシティーというような用語になって説明されております。国によりまして使い方がいろいろかと思うのでございますが、私どもが開かれた大学と、こう使っておりますのは、先ほど来申し上げたような意味で、社会との関係を教育活動の上で、研究活動の上で、また大学のあり方を通じて緊密に広げていきたいと、こういう考え方でございます。
#84
○鈴木美枝子君 イギリスの大学改革の一九一一年――六十二年前、開かれた大学が何も新しいということばではないわけです。いまおっしゃった中で大学のたいへん足りない分、イギリスの場合一九一〇年代の、いま局長さんおっしゃいませんでしたけれども、サセックス大学の問題、ここは肝心なところですけれども、イギリスの場合は伝統的にすべて私立大学として設置したと、経費の八割を国庫負担とする補助によったと、一九一一年にですね、新しい大学、開かれた大学をつくるときに経費の八割を国庫負担とする補助にする、六十二年前にすでにそうなってるんです。そのことをどう思いますか。
#85
○政府委員(木田宏君) イギリスの場合と日本の場合と国情も違いますので、大学についても同じ用語で説明をしていくわけにはまいらないかと思いますが、イギリスの大学は、まああえて端的に申しますと、そのほとんどが日本の国立大学に相当する、あるいは近いものだというふうに御説明を申し上げたほうがいいかと思うのでございます。個々の大学は一つ一つ国王の特許状によってつくられてまいります。そしてその経費の八割方が国費であり、残りの大部分が学生の納付金並びに地域からの寄付その他の金ということになっております。まあ完全な国立ではないという意味におきまして私立という用語を使って説明する場合もございますけれども、日本の私立大学とはこのつくられ方がかなり違っておりまして、イギリスの大学の先生と意見の交換をいたします場合には、むしろ日本の国立大学に相当すると、こういうふうに考えてもらったほうがいいという説明もございます。多くの国が大学につきまして非常に多額の充実した国費あるいは公費を出し、公の教育施設として大学をつくっておるということは、広く各国で見られる状態でございます。
#86
○鈴木美枝子君 局長さんがそう言っちゃいますと六十年前につくられたのとこれからつくられる開かれた大学という、そういうものの中で肝心なことがすらすら抜けていくような気がするんですけれどもね。この一九一〇年代でつくられたときに、「政府は関与せず、」イギリスの場合なんです。「関与せず、」大学補助委員会のもとに設置した学者、著名人によって評議会をつくり、まかされた。もう六十年前にすでに新しい大学はそういう形でつくられているのですね。いま筑波大学の問題にかかわるからその前に、私はそのことを言っているのですけれど、六十年前のことをいま話をしているのですよ。創設にあたっても運営など政府は一切発言権を持たず、行使せず、すべてまかせた。これは、六十年前のイギリスのことです。
#87
○政府委員(木田宏君) イギリスの大学はその大部分が国費でまかなわれておりまして、その国費の支出を担当いたします現在の担当機関はユニバーシティー・グラント・コミッティーという政府機関でございます。このユニバーシティー・グラント・コミッティー、UGCというふうに言っておりますが、この政府機関は現在教育科学省のいわば管轄のもとにある政府機関でございます。運営上かなりの独立性が与えられております。そうしてこのUGCの責任者はアカデミックなキャリアを持った方々が委員長で就任される、そういうことから直接に教育科学省あるいは大蔵省等が積極的な関与をしないという実態はございまするけれども、政府が関与せずとまで言いますと、イギリスの実態としても適切でなかろうかと思うのでございます。これは明確な政府機関の一部でございまして、そうして税金を大学にどう配当するかということを担当しております重要な機関でございます。この機関の構成員が、いわゆる大臣ではないという意味におきまして、やや別格の機関があるというふうに御理解を賜わりたいと思います。
#88
○鈴木美枝子君 関与しないわけじゃないというが、金のことは関与していますよ。八割経費を出している。だけれども、なぜ政府が関与しないかといった、私の言っている面は学問と論理の貫徹のためになんです。学問を通すために、論理を通すために財政の権力が、金という権力が自己去勢をしていくから、だから政府が関与しないのだと、いま政府は関与しておりますよというのは金の点について、負担については八割出している。学問の自由についてどうお思いになりますか。
#89
○政府委員(木田宏君) イギリスで新しい大学をつくります場合にどういうふうにしてつくるかという点は、それぞれ大学によって事情もあったかと思いますが、一般的に承知をしておりますのは、大学創設のための設立の関係委員会をつくります。そうしてその関係委員会は、大学のことでございますから、いわゆる大学人を中心にして構成される。また、その仕事はユニバーシティー・グラント・コミッティーがその経費を持って、そうしてどういう内容の大学を構想するかというような相談を続けていただくわけであります。それがまとまりました際に、国王の大学憲章という形の、個々の大学ごとの大学憲章というものを国王の御承認をいただいて、そうしてその特許状のもとで大学が一つ一つつくられていくということでございます。これは日本の大学にたとえて申しますならば、国立大学につきまして、筑波の法案のごとくに法案を提出いたしまして御決定をいただく、御審議をいただいて、そうして成立の上で大学ができていくということと同じことだと考えるのでございます。その創設の過程の中で、大学関係者が中心になって大学の構想が練られ、それに対してユニバーシティー・グラント・コミッティーから所要の財源が割り当てられる、こういう仕儀になっております。もとよりその過程で、日本の場合でも同じでございまするけれども、大学を誘致しようとする地元の関係者がいろいろな協力をする、土地の提供をする、その他いろいろな協力をするということは似たような事情があるというふうに承知をいたしております。
#90
○鈴木美枝子君 私は全然似ていないと思うんです。名前だけ似ていると思うんです、開かれた大学というのは。手続の状態が全然違いますし、それから六十年前と現在と全然違うという、こういうものすごく大きな開きがある中で、そして新しい大学をつくるのに、イギリスの場合はそれを着手し出したのは一九一一年、そして完成するまでに、一九六一年というんですから、この間五十年かかっているんですよ。私は、衆議院と参議院の審議だけでも二十日間ぐらいだと思いますけれども、筑波大学に経過はどのくらいかかっているんですか。
#91
○政府委員(木田宏君) 筑波大学は、事の発端が起こりましたのが昭和三十七年からでございまして、今日まで十年余の期間を経ておるわけでございます。イギリスの大学で一九一一年から五十年かかっているということにつきましては、私、不明にしてどういう大学であるか存じませんけれども、戦後になりまして、イギリスが新しいニューセブンといわれる大学を一九六〇年代に、五〇年の中ごろから六〇年代にかけまして七つほどつくってまいりました。これはイギリスにおきましても、戦後大学教育の拡大が必要であるということで新しい大学がつくられたわけでございます。エセックス、サセックス等幾つかの、七つばかりの大学がつくられたわけでございますが、これらの大学は十年の間に七つほどつくられたというふうに考えておりまして、かなりの早いテンポで仕事が進められたというふうに私どもは理解をしております。
#92
○鈴木美枝子君 早いテンポでできたのは一九一一年のたたき台がはっきりしているからなんです。五十年もかけてたたき台がはっきりされたからなんですね。いま筑波大学をつくるということは、局長さんがおっしゃるとおり、文部大臣がおっしゃるとおり、全く新しい大学をつくろうというのに、あんまり審議も簡単だし、強行採決をするというのは何か問題の目的意識があるからでしょう。そういう意味で、私はよく局長さんが、世界の動きの中でとおっしゃるから、世界の動きを大学について私はやっぱり申し上げたいと思ったのです。西ドイツの大学もそうですね、建設に対して地域の要求は何かということを調べ、国家的必要性は何かとも調べるでしょう、それはどこの国でも。いま日本の筑波大学は国家的要請は何だということをきっとお考えになっているんだと思うんです。国家的要請は、筑波大学の場合は何ですか。
#93
○政府委員(木田宏君) 筑波の場合に、一番私どもが大事に考えておりますのは、大学の教育につきまして、教育の仕組みを改める点を改めていきたいということでございます。幅広い教育のシステムを考えまして、学生が入学の最初から特定の専門だけに特定しないようにしていきたい、総合的な理解の上で自分の専門を見い出していくようにしたい、そういう教育内容の改革ということが一つの非常に重要な要素でございます。
 もう一つは、研究につきまして、今日、社会の進展とともにまた技術の発展とともに、新たな研究領域を専門分化いたしますともに、また、総合的にも考えていかなければならない、この研究の体制にどのように大学としてこたえていったらいいか、これが二つ目の大きな内容でございます。この教育と研究のあり方につきまして、従来の大学教育に反省を加える、大学の運営に反省を加えるというのが筑波大学の一つの大きな要素でございます。
#94
○鈴木美枝子君 それだけ聞いただけじゃわからないんですね。いままでの日本の大学は全く悪いみたいですね。いままでの日本の大学は悪いというなら、悪い点をあげてみてください。
#95
○政府委員(木田宏君) いままでの日本の大学がすべて悪いというわけではございません。やはりそれぞれの歴史的な必要があって今日まで日本の大学が生まれてきておるわけでございます。しかし、日本の大学が明治の初にどちらかといえば、ドイツの大学に範をとりまして、そして学問の専門分野ごとに学部を構成し、また、その学部の中におきまして専門の学科ごとに学科を構成して、そこで学生の教育と研究とを進めてきた、こういう体制だけでは処理できない新たな要素が動いてきておるわけでございます。学問の専門分野が分化すればするほど、教官の研究の体制をこまかくしなければなりません。しかし、それと学生に対してはいよいよ幅広い基礎的な理解というものを大学教育におきましても与えていく必要があるという教育の新たな要請、また総合的な理解力を持たせるような学生を今日のように技術が各方面に進歩すればするほど、青年に持たせなければならないという要請、そういうことに対してただ大学が専門分化して、こまかく学部、学科が分かれていくということだけではいけないんだ、それと違った構想で幅広い、総合的な教育のシステムをとる、こういう大学をつくっていくことも非常に大きな課題になるわけであります。先ほど御指摘がございましたイギリスのニューセブン、エセックス大学等もそうでございまするけれども、従来の学問の専門領域ごとの学部という形態をやめまして、地域別に学部構成をする、エアリアスタディという考え方で別の観点からの総合的なシステムを考える、こういう新しい形態の大学としてイギリスのニューセブンという学校もつくられてまいりました。視覚研究とか社会研究とか物理化学といったような幅広い教育の領域で学生の教育のシステムを考えていこう、こういう動き方をしておるわけでございます。もとよりイギリスにおきましてもオックスフォードやケンブリッジのように、従来からの考え方の大学もございます。しかし、それらだけではない、もっと新しい要請にこたえる新しい大学が生まれてきていいではないかという事情は日本においても同様であろうかと思います。ドイツの大学改革が進みますのも、フランスでまた同じように新しい大学改革が進んでおりますのも、従来からの考え方だけでは世の中に対応できないのではなかろうかという点を関係者が考えているからでございます。
#96
○鈴木美枝子君 それではなぜ東京教育大学の、あるいはまた七千人にのぼる教授の方たちは反対しているんですか。
#97
○政府委員(木田宏君) 御反対の方々には、それぞれの御意見もあろうかと思いますけれども、東京教育大学が先ほど私申し上げましたような考え方で、これから筑波に新しい総合大学として脱皮をしていきます際に、イギリスやアメリカ、フランス等で行なわれております新たな教育のシステムを考えていく、また研究のシステムを取り入れた大学としてつくり上げていこうという東京教育大学関係者の意見によってこの筑波大学が用意されておるわけでございまして、でございますから、もちろん東京教育大学の教官のすべての方が賛成というわけではございません。こうしたことでございまするから、御反対の方々があるのも当然であり、またその意見も聞くべきものがあろうかと思いますけれども、東京教育大学の学内でその将来の新しい構想を御議論されました結果が、私、申し上げましたような、世界の他のところでこの十年来いろいろと新たな大学の構想として進められておりますのと比較的方向の近い構想が生まれてきた。これはやはり、世界的な一つの要請というものにかなった筑波大学の考え方ではないかと思うのでございます。
 で、全国各地で数千人の御反対の方々がいらっしゃるのでございまするが、それは、こうした大学のあり方につきまして新たな方式をとることにすべての方が御賛成であるとは期待できない点はあろうかと思います。やむを得ない点もあろうかと思いますけれども、大学の中に、こういう新しい要請にこたえようとする大学が出てくること、それらが生まれてそしていろんな教育研究の体制が進んでいくことというのは必要なことである。すべて大学は単一のものでなければならぬ、こうは考えませんので、私どもとしては、東京教育大学の関係者か練られましたこの筑波構想というものをぜひ実現してあげたいというふうに思っておる次第でございます。
#98
○鈴木美枝子君 実現してあげたいなんて、――変じゃありませんか。いままで一体、イギリスの場合でもまあ五十年かけたと、西ドイツの場合でも、なぜ長い時間かけなければならないかというのは、七千人もいるとか、全国のその反対している人まで納得するということが、やはり長い時間をかけて未来の日本を築いていく人間をつくり出すという――だから国家的意図ということを聞いたのは、未来についての国家的意図があるんじゃないかということを聞いているんですよ。それについて聞かしてください。
#99
○政府委員(木田宏君) 私どもも、先ほど来申し上げたことを繰り返すようにもなりますが、今日のように各領域につきまして知識の拡大が進んでおります際に、大学教育の中で、青年が幅広い知的教養を身につける、その上で自分の専門をキャッチしていく、こういう教育のシステムを考えるということは必要なことだ。これは、国の立場から考えた大学のあり方としても、そういう大学が生まれていくこと自体必要なことであるというふうに考えております。その意味では、筑波の構想というものが、私どもも、将来の方向にかなっているものがある、また、試みとしても当然進めていかなければならない、こういうふうに思っておるところでございます。
#100
○鈴木美枝子君 筑波の方向がかなっているといったって、どういうふうな――学校のことばっかり、その学校を通してどういう人間を生み出そうとしているんですか。
#101
○政府委員(木田宏君) 御案内のように、いままでの大学は、歴史的に見まして、神学、法学、哲学、医学といった四つの専門領域からだんだんと分化発展をしてまいりました。今日、世の中のいろんな専門が拡大しますにつきまして、今日の大学が持っております学部その他研究所の機構というものは分化の一途をたどっておるわけでございます。で、この専門の拡大とともに、大学の教育・研究の体制が分化していくということは、これは必要なことではございまするけれども、一方、これからの社会に巣立っていく若い青年の未来ということを考えました場合に、だんだん自分の学習をいたします領域が狭まっていくということは決して適当なことではございません。もうすでに四分の一に近い青年たちが大学にも進む、また、近い将来には四〇%の青年たちが大学で勉強をするというような動きがもう目の前に来ておるわけでございまして、そういう大学のあり方を考えました場合に、すべての青年が、大学の門戸の中で狭い専門にだけ張りつけられるという教育のシステムは考え直す必要があろうかというふうにも思うのでございます。
 でございまするから、今回の筑波では第一、第二、第三という学群を設けましたが、従来の専門によります学部区分とは違いまして、人文系、自然系、社会系というものをできるだけ総合的に構成して教育のシステムが組めるような大学ということを考える。また研究につきましても、今日、公害問題一つとっても御理解いただけますように、これはいろんな専門の領域の総合的な協力ということがなければなかなか解決のできない大きい問題がもう目の前に来ておるわけでございます。その意味では、いろいろな専門領域ごとに立てこもってしまいますような大学の組織ではなくて、専門を越えて総合的な協力体制がとれる、そして、総合的な研究が進められるようなシステムということを大学の中でも考えておかなければいけない。それは、これからの日本の社会を考えました場合に、青年教育のあり方としても、また、大学におきます研究の姿としても必要なことだというふうに考えます。
 でございますから、筑波大学におきましては、研究の体制は、大きなプロジェクトごとに研究者が協力しやすいようなそういうシステムを考えたいというふうに思っておるところでございます。同時に、個々の専門は大事にしなければいけませんが、個々の専門を大事にすると同時に総合を教育の面でも研究の面でも考えていく、この新しい努力をこれからの大学の中で生み出していくということが非常に必要なことだというふうに考えております。
#102
○鈴木美枝子君 先日、東京教育大学へ私は見学に参りましたんですけれども、ずいぶんりっぱな学校じゃありませんか。そしてまた、私はほかの大学にも行きましたよ。千葉県野田市のあれは理科大学でした。鉄条網が入口に一面に張ってありました。鉄条網なんて何で張るんですか。
#103
○政府委員(木田宏君) 東京教育大学のキャンパスにつきましておほめをいただきましたことはたいへんありがたいことだと思います。必ずしも私どもあれでいいキャンパスだというふうにも思っておりませんけれども、なおよくしていきたいというふうに思っております。
 千葉でごらんになりました大学が、どこの大学であるかはつまびらかにいたしません。が、ときには非常に荒れた姿の大学もございまして、まあ何らかの必要からお目ざわりになったような鉄条網などのかきねがつくられたものかと思いますけれども、私にはその具体の大学がわかりませんし、お答えを申し上げる何ものもちょっといまのところ持ち合わせておりません。
 しかし、一般的に申しまして、大学のキャンパスが、あまりにもたくさんの学生数をかかえ込んでおりますために、非常にみじめな状態になっておるということは言えようかと思っております。
#104
○鈴木美枝子君 どうして東京教育大学だけを引っ越しの対象にしたんですか。
#105
○政府委員(木田宏君) 東京教育大学のお尋ねかと思いますが、これは、東京教育大学が大塚の地区、それから駒場、幡ケ谷と三カ所、まあそのほかにもあるんでございますけれども、三カ所に大きなキャンパスが分かれておりまして、しかも、それぞれがかなり大学としては窮屈な状態でございます。したがいまして、昭和三十七年に、五学部を統合して大きな候補地に一緒になれるような土地をさがしたいということから今回の仕事が始まったわけでございます。東京教育大学自体が学部ごとにばらばらにいま都内に分散しておりますものをまとめて、そして一体としたキャンパスが持てるようになりたい、こういう大学側の御要請からこの問題が起こった次第でございます。
#106
○鈴木美枝子君 私は、また次もやることになっておるんでございますけれども、御要請、御要請と言いますけれども、今ここに、公表されたものがございますから、「家永三郎教育裁判証言集」この本の中にあります。七月二十四日、筑波移転の最終決定の際に、その前後のことを、裁判で家永先生が発言しているのでございますから、ここで読ませていただきます。筑波大学のことですよ。「数回にわたって機動隊が導入されまして、これはまったく暴力に対する制止ではなく、単なる暴力を伴わないデモを排除するための措置であったのでありますが、私が見ておりますと、機動隊員は暴力を行使していない学生に盾をもって、こういうふうに乱打(右手を数回振りおろす状況を示す)しているのです。そういう、学生が血を流しているのを大学当局は」――というんですから、学長さんを含めてでしょうね。「シャッターをおろした本館の屋内から、平然と見おろしておりました。まったく人間性を喪失した行為といわざるをえません。文学部の教官はその光景にたいへん心を痛めまして、大勢の者が前庭に出て、そういうような事態の悪化をなるべく防ぎ止めようとしたのでありますが、私ども文学部教官が責任者と面会のために本館にはいろうとしましたところ、われわれの目前でシャッターをおろして、通行を阻止するというような驚くべきことをやっております。」七月二十四日が筑波移転の最終決定の日だった。そこときに目撃者の先生がこう言っております。「これも私目撃しておりますが、体育学部の学生が機動隊の暴行を受けて失神いたしました。」つまり、気を失った。「ところが、機動隊員の一人が「死んだまねをしやがって」というような暴言を吐きましたので、理学部のある教授がたいへん激しく抗議したのを私は目の前で目撃しております。そして、その学生のもっている手帳を捜索令状なしに警官が押収しようとしたのを、当時たまたま来合せていた弁護士の人が、直ちにそれを奪い返したのを私は目前で目撃しております。そのような事態が起こっていたにもかかわらず、この時も大学当局は全然そのような行動に対してそれを傍観していて、なんら学生の保護のために措置をとりませんでした。」と、裁判でこういう発言をされているんです。その裁判は、東京教育大学の学生放学処分の取り消し請求事件なのです。これは東京地方裁判所民事第二部です。そのときに目撃した家永先生の証言なんです。文部省では、東京教育大学では先生方が移転したいというふうに申し込んでいるんだと、これはもう再三聞きました。そしていまも局長さんは、おっしゃいました。だからその希望をかなえてあげたい。――かなえてあげたいとは、何てまあ上からものを言うんでしょうね、かなえてあげたいなんて。税金でものをやっている人の言うことばじゃありませんよ。いまの言っていることは、皆さんが要求している、筑波へ移転したいと――反対するとか反対しないじゃないんです。その移転の最終決定の日のできごとが、ただいま読みあげたこういう日だったということなんです。――私は、きょう一時まてでございますから、この続きは次にやらしていただきます。
#107
○委員長(永野鎮雄君) 午前の会議はこの程度にとどめ、午後二時五分まで休憩いたします。
   午後一時五分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時十一分開会
#108
○委員長(永野鎮雄君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続いて、国立学校設置法等の一部を改正する法律案及び国立学校設置法の一部を改正する法律案について質疑を行ないます。
 質疑のある方は御発言願います。
#109
○小林武君 首都圏整備委員会にお尋ねいたしますが、尋ねる内容は、「筑波研究学園部市のあらまし」という、この整備委員会から出たものでございます。これに入る前にちょっとお尋ねをしておきたいんですけれども、この首都圏整備法の第一条の「(目的)」ですね。その中のまあ「政治、」は抜きにして、「経済、文化等の中心としてふさわしい」というのはどういうことになりますか。
#110
○政府委員(小林忠雄君) 東京を中心といたしますいわゆる首都圏というものに、わが国の政治、行政はもちろん、各種の企業活動の中枢管理機能、それから文化面で申しますと、大学とか各種の放送、出版等のあるいは芸術というような各種の諸機関が大体東京を中心としたところに集まっているわけでありますので、それが均衡のとれた環境のいい地域として建設されるようにと、こういう趣旨であろうかと思います。
#111
○小林武君 ちょっと大きい声で言ってくださいね。私は地声が大きいからあまり小さい声は耳に入らないのですから。そのことでよくわからなかったところもあるんですが、首都圏という場合、これはもうわかりました、法律のあれ見ればわかりますから。首都圏というものを考えた場合に、それにふさわしいという場合には、文化の場合にしぼって考えますと、どういうことになればふさわしいということになるのか、それはあなたのほうで計画を立てているんでしょう。いろんな計画があるはずですから、具体的にどういうことが望ましい一体あれなんだということを、なりゃいいですけれども。
#112
○政府委員(小林忠雄君) 実際の地域の機能というのは、政治、経済、文化というようなあらゆる多元的な機能が集中して構成されているわけでありまして、そういうような各機能が、それぞれの機能にふさわしいような配置として、全体として効率のいい、しかも環境のいい地域開発をすると、こういうことであろうかと思います。
#113
○小林武君 首都圏整備法というのは具体的な問題をやるところですからね。だからぼくは、計画を立てるということになれば具体的なものだと思うんですよ。ぼくは東京の文化的な面で言えば、東京に住んでいる人間はわりあいにいろいろな面で僻陬の県とか、あるいは何とかに住む者よりかも非常に恵まれていると、こう考える。しかし、その他あまりにも密集してしまって、非常な長所も持ちながらまた逆にそれが短所になっているというようなこともある。そういうことを考えながら、首都圏というものの一つのこうあったらよろしいという方針があって、それに従ってどう首都圏に配置するかということだと思うのですけれども、そういう点について計画というものがあるのかどうか、ないならば、ないでよろしい。
#114
○政府委員(小林忠雄君) 首都圏の現在定められております基本計画の考え方といたしましては、東京の区部を中心といたしますいわゆる既成市街地につきましては、これは人口、産業その他の機能が集中し過ぎている。したがって、こういうようなものについては、必ずしもそこに位置することが必要がないというものにつきましては、それから外側の首都圏の地域にそれにふさわしい都市構築をして分散をするという政策が基本であろうと思います。
 具体的にやっていることを申しますと、首都圏については一定規模以上の工場、それから一定規模以上の大学というものの新増設を法律をもって禁止をしているわけでございます。中のほうで禁止をしておりますけれども、しかし、首都圏全体としては何らかそういう機能が必要であるというものにつきましては、東京からおおむね五十キロ以遠のところに都市開発区域という区域を十六地域ほど指定しております。これがいわゆる衛星都市地域と申しますか、そういうようなところに工場とか大学とか、ただいまの筑波研究学園都市のように国立の研究機関というように、既成市街地の中に必ずしも立地する必要がないし、むしろ立地することが都市全体の環境のためにも望ましくないし、また施設そのものにとっても望ましくないという種類のものを分散する、こういう政策をとっているわけでございます。
#115
○小林武君 分散といっても、ただ、これを適当な間隔に散らばせばいいというものじゃないですね、そういうものでもないと思う。密集していると言うけれども、相互の関連において、教育なら教育というものが適正に配置されておれば機能的には非常に首都圏にふさわしい、東京にふさわしいでもいいし、首都圏という広い立場で考えてもふさわしいような環境ができると思う。ただ、一番問題なのは、人口が過密であって、それから工場等のいろいろなものが密集してしまった。こういうような事情がたくさん出てきましたからいろいろ考えているんだと思うけれども、それにしても、ただ散らばせばいいというものじゃないと私は思うのですが、そういう方向で具体的な計画というものはもうはっきり出ているんですか。たとえば、何だか今度は遷都論とか何とかいうのが出ているそうですけれども、これはあれですか、かなりあなたのほうで議論の対象になっていままでも検討した問題ですか。それらを含めてみても首都圏にふさわしいといった場合に、遷都という問題が起こってきたらこれは一体どういうことになるのか。そういうこともございますから、こんな話は、ここらでやめますから、ひとつあなたの考え方を述べてください。
#116
○政府委員(小林忠雄君) 現在、東京を中心とします既成市街地に人口なり諸機能があまりに集中し過ぎる原因を分析いたしますと、まず人口増の最大の原因は、高度成長期におきましては、工場への新規の就職者、具体的には三十年代におきましては中学校、高等学校の新規卒業生の就職、これによる社会増が一番多かったわけでございます。それから次には、大学への新規入学者、これが社会増の大きな部分を占めております。いまの工場への就職者と、大学への就学者が非常に多い。大学は全国の四四%程度が東京の区部にあるわけでございます。そういたしまして、そのようにして一たん就職または就学をいたしますと、出てくるときは、若年者が単身で出てくるわけでございますが、そこで就職をして就業する、あるいは大学を出ました際に、これが出身地へ戻る率が非常に少ないわけでございまして、東京で就職をする人が非常に多い。それがある一定年齢に達しまして、結婚をする、子供を持つという段階において住宅難の問題が次に起こる。さらに、子供が生まれるということから自然増がさらに当然起こってくる。こういうようなことがございますので、首都圏の工場制限法におきましては、工場及び大学の新増設を原則として禁止したわけでございます。
 次に、首都移転の問題でございますが、このように、工場及び大学について原則禁止をやりましても、なおかつ人口の社会増というものが首都圏の東京圏にさらに続いているという原因は、これはいわゆるホワイトカラー人口の増大でございまして、これは三十年代の後半以後顕著になったものでございます。これは株式取引所の第一部上場会社の本社の七〇%近くというものが、東京に本社を移すというようなことになりまして、従来大阪とか、名古屋とか、その他の地方都市にありました会社まで東京に本社を移す、さらに、各企業の中におきましても、現場のいわゆるブルーカラーの比率が合理化なりあるいは生産性の向上で減りまして、本社の管理部門の要員がふえる、こういうことからホワイトカラー人口がなおふえ続けておる。しからば、何のためにそのような事務所が東京に集中するかという原因はいろいろございますが、最大の原因は、政府の行政機関との情報の接触を求めて集まってくるということでございます。したがって、これに対する対策といたしましては、集まってくる事務所そのものを規制をするという方策と、逆にその集まってくる原因でございます行政機能そのものをどこか移転する、こういう二つの方向があるわけでございまして、現在、両方の方向について利害得失その他の調査をしているところでございます。
#117
○小林武君 いまのお話を聞いて、私は初めまあ就職者がどんどん集まってきて、それが大きくなって結婚して子供ができてというようなお話だけれども、言ってみれば、問題は、日本の企業というものが結局政治と密着していなければうまくいかないような世の中になっているわけだね。これはもういまの資本主義の段階ではそうならざるを得ない。先ほどおっしゃったが、大阪に本社があっても、大阪の本社と東京の支社とどっちが一体経費その他の上で大きいかというと、これは例外なくといっていいくらい東京支社だか、東京支店だか知りませんけれども、そのほうが大きいというようなことをよく聞く。いわゆる政治と非常に密着した企業、それから企業がほんとうに何といいますか、高度経済成長政策の中で競争していくには、そういうことをやらざるを得ないというような事情、そういうものがあるわけですね。だからあなたの、まああなたばかりじゃないけれども、もしほんとうにそこを切り離すということになったら、これは東京に置いちゃいかぬということになりますわね。行政機関ばかりか、いわゆる政府を移転させるということになるんだと思う。それは、あなたのほうの首都圏整備委員会のほうでは、そこまでやらぬでも一つの行き方があるというふうに考えて対策をいま講じているわけですか。
#118
○政府委員(小林忠雄君) 首都圏整備委員会というものの役所の性格といたしまして、そういう政治経済構造についての提言というようなところまでは実はまだ手が伸びないわけでございますので、現在調査しておりますのは、一体東京に集中しておりますいわゆる中枢管理機能というものが行政機能とどのくらいのかかわり合いを持っているか、ですからかりに首都を移転するというようなことがありました場合に、非常に密着して不可分のものであるならば、それが一緒について移転をしなければならないことになるかもしれないし、そういうものが非常に大きければ、国の経済社会構造の大変革をしない限りは、政府が移せないということになるわけです。そこら辺のからみ合いについての分析をした上で結論を出したいと考えておるわけでございます。
#119
○小林武君 まあ、それはひとつそこらで置いときまして、なかなかいまの状況からいけば、首都圏整備法というようなものが期待できるような一体成果をあげることができるのかどうかというようなことさえも感ずるわけですけれども、まあ、それはひとつ政府も一生懸命考えるでしょうし、あるいは政治に関係するものもそれぞれ一生懸命やらなきゃならぬと思いますがね。
 初めこのいまの筑波学園都市というところは、これは官庁の集団移転というようなことが目標に置かれたわけですか。その場合の官庁の集団移転というようなものが、どの規模でその場合考えられたんでしょうか。
#120
○政府委員(小林忠雄君) 筑波研究学園都市は、当初から国立の研究機関、国立大学を中心とする都市をつくるということで当初から決定をしておりますので、その他の行政機関を筑波へ移すということは筑波に関する限りは当初からなかったわけでございます。しかし、その渕源を尋ねますと、昭和三十六年に首都への人口の過度集中を抑制するために必ずしも既成市街地に置くことを必要としない官庁の集団移転をすみやかに検討するということが三十六年にきまりまして、中央官庁それから国の出先機関、現業官庁あるいは附属機関等々についていろいろ検討をされました結果、とりあえず、一方、科学技術会議のほうにおきましても、別の試験研究所の立場から言って過大都市の中にあるものはこれを離れた地域に集中的に試験研究機関を移転させるべきだという答申を翌三十七年にしたわけでございます。そこで、官庁移転のうちまず第一に移転の可能であるというものは各省の付属機関でございます国立の試験研究機関及び大学であろうと、こういうことで筑波の選定が行なわれたわけでございます。
#121
○小林武君 この官庁の、既成市街地に置くことを要しない官庁というのは、大学もその中に入っているわけですか。大学と何ですか。それと科学技術会議が国立試験所機関を集中的に移転させると言われたそうですが、この根拠はどういうことですか。
#122
○政府委員(小林忠雄君) 科学技術会議の答申の内容につきまして、私いまのところつまびらかにいたしておりませんけれども、現在、首都にあります試験研究機関の現状というのが非常に騒音、振動、大気汚染というような非常に悪い環境の中にあって、施設の拡大も物理的にも不可能であるし、業務遂行上も適当でない。それから、各研究機関の研究の間の連絡というようなことも悪い。さらに、施設につきましても、だんだん大型の研究施設を必要とするのに、それが個別の研究所ではなかなか持てないというようなことから、これを集中的に整備をすることによりまして、研究環境の改善、施設の共用というようなことが行なわれ、その結果、機関相互間の、研究所の有機的な連携をはかる、このような趣旨であろうかと思います。
#123
○小林武君 何だか歯切れが悪いんですがね。たとえば、官庁の集団移転ということになったら、集団移転を行なって、非常に適切だというようなものがまずきまらなきゃならぬですね。これが三十六年の九月一日ですから、三十七年になって、科学技術会議が国立試験研究所の試験研究機関を集中的に移転させる。しかし、この国立の研究機関といっても、集中的にといっても、全部持っていくということがそれが適切であるかどうかという問題もあるわけでしょう。まず今度、移転がいよいよ始まったときになっても、各省庁の中から猛烈な反対が起こった。それは、えらい人が反対したというよりも、実際研究に携わっている人たちが反対している。その中には明らかに研究の中心になっている人たちがそういうことについて問題を提起している、こういうことがあった。だから、三十八年に官庁移転計画というものを具体化する段階になっても、これは候補地いろいろさがしたところで、なかなかそこのまとまりがつかなかったんじゃないんですか、実情として。どうなんです、それは。
#124
○政府委員(小林忠雄君) やはり現在のところで長年研究をしておられるし、東京に住んで、都市的な生活を享受しておられる、こういう方々でありますから、移転をすることについてはかなり抵抗があったのは事実であると思います。
#125
○小林武君 それだけではないようですね。ぼくもいろいろたくさん聞きましたら、試験所、研究所そのものとしてあそこではほんとうに使命の果たせないところがあるということ、こういう問題はもうどうにもならぬことですね。それから、これは研究所につとめている人間の生活という問題がどうなるかということもあるわけです。移転によって直ちにみんな首になってしまうというような、みんなでもないでしょうけれども。大多数の者が研究を捨てなければならぬ。捨てれば一つは生活の問題もあるだろうし、また、研究の一体人間的なあれがなくなってしまいますから、そういうところから問題点もあったというように聞いている。そういういろいろの計画には私はかなり思いつきであったのではないかと思うのですよ。思いつきのやり方でやって、実際はなかなかそのようにいかなかった、こういう抑判をぼくは持っているのですけれども、そのことについては、大体そのくらいにしておきまして、私は、学園研究都市と、こういうものができたわけですが、これについて、国際頭脳都市とかという新しいあれも入っているのですが、国際頭脳都市というのは、これはどういうことですか。
#126
○政府委員(小林忠雄君) 日本の科学水準というのが、特に自然科学の面におきまして国際的に高いレベルにあるということは事実であろうかと思いますが、今回筑波に移りますに際しまして、従来の国立試験研究機関が非常に古い施設、老朽施設にいるものが多い。新しい国際的レベルの研究をしようという場合には、いわゆるビッグサイエンスと申しますか、非常に巨大な施設、研究設備がないと研究ができないという種類のものもございます。そこで、日本の国立の最高レベルにある試験研究機関を一カ所にまとめることにより、これに国際的なレベルの研究施設を設けることによりまして、単に日本の試験研究の中心というだけではなくて、国際的にも非常にレベルの高い、一つの頭脳都市というものを建設したいという理想を表現したものでございます。
#127
○小林武君 まあ、宣伝ということであれば、また新しいものをつくって、これに対して一つの誇りをお互いに持とうというような気持ち、そういうようなことはよくわかるんですよ。それはけっこうだと思うけれども、私は、やはりこれが世界の国際頭脳都市と言われる、しかし国際頭脳都市、あなたは日本の科学水準というものは、科学技術の水準は高いとおっしゃる。しかし、おっしゃるけれども、まあ高いものもあるし、高くないものもあるだろうし、それから、もう一つここに集まるものはどういう種類のものが集まるかということにもあるでしょう。その点から見て、一体いろいろの試験場だとか、研究所とかが集まってくる、その集まってきたものが、国際頭脳都市という一つの機能を発揮するには、集まってきた個々のものの果たす役割りはどうなのか、それが総合されたものの力はどうなのかという判定がなかったら、国際頭脳都市なんていうものはあまり言われないと思う。だから、そういうことから言って、私にわかるように、まさに国際頭脳都市と言われるようなそういう機能と構造を持っているということをひとつ話してください。
#128
○政府委員(小林忠雄君) これは、研究の内容に属することでございますから、首都圏整備委員会としては、その内容については十分つまびらかにしておりませんけれども、まず、そういう試験研究所を引き受けます都市の基盤の水準というものを、従来の日本の都市よりも非常にレベルの高いものにする必要がある。それから、そこへ住んで研究をされる研究者の生活環境につきましても、東京等に住んでいる場合よりも相当程度水準の高いものにする、まあ、いわば下部構造と申しますか、インフラストラクチャアの面においてまずりっぱな町づくりをするということが、筑波研究学園都市建設ということで首都圏整備委員会が担当する部門でございます。
 それから次に、研究内容につきましては十分つまびらかにいたしませんけれども、研究所の用地というものは大体従前の東京都内にあります研究所の平均いたしまして四倍から五倍の広大な敷地を割りつけておるわけでございます。それから、各研究所の配置につきまして、これは筑波に移ります試験研究所はすべて自然科学系のものに限られておるわけでございますが、この自然科学系の試験研究機関を、たとえば生物系とか、あるいは理工系とか、あるいは建設系、文教系というように、研究内容に非常に密接な関連のある研究所を同じ地域にグルーピングをいたしまして立地をさせる、さらに個々の研究所の施設計画におきまして個個の試験研究が有機的に行なわれるように共用の施設というようなものについては共同で大規模なものをつくるというような計画になっております。さらに、ただいま申し上げました各系統別の団地のほかに、その中心部にすべての研究所に共通をいたします共同利用施設地区というものをつくりまして、一種のデータセンターのような機能を持たせる、あるいは各研究者がそこへ来てディスカッションをする場を提供するというようなことも考えております。さらに、将来の問題といたしましては、それぞれの研究機関がコンピューターを非常にたくさん持つわけでございます。そういうコンピューターの相互間の連携をはかって研究のデータの相互交換というようなことが定期的にできるというような施設も考えておるわけでございます。
#129
○小林武君 私は、しろうとなんですから、頭脳、頭脳といっても、ここだけが日本の頭脳でもないし、国際頭脳でもないわけだと思うのですよ。それ、一つの大きな目標を立てておやりになっているということだと思う。そうするならば、このいわゆる新しい国際頭脳都市というようなものはとりあえず、頭脳といってもどこの頭脳なのか、どういう頭脳の面なのか、それにはこれとこれとこういう組み合わせをやって、そうして構造上からこういう機能が出るとか、それが国際頭脳都市のというような話をしてもらったほうがぼくはよくわかるんですがね。いまのような話でただ言われても、ちょっとこれは土地の不動産屋の広告みたいになっちゃってはこれはうまくないと思う。そう思うんですがね。そういう点で御説明願いたいんですが。
#130
○政府委員(小林忠雄君) 首都圏整備委員会は、首都という地域に対する地域計画あるいは町づくりを担当するわけでございまして、いわば土地利用とか、あるいは都市の町づくりの基盤の整備というフィジカルな面を担当するわけであります。したがって、その上に立地をする研究機関の研究がどのようにして組み合わされるかというようなことにつきましては、私もしろうとでございますのでよくわからないわけでございまして、そういう研究内容の調整、そういうものについては、科学技術庁が中心になりまして案をまとめ、その案に基づきまして一番適当であると思われる研究所の配置及びその相互の連続の施設の整備をする、こういうことがわれわれの守備範囲に属することでございます。
#131
○宮之原貞光君 議事進行。直ちに休憩をしていただいて理事会を開いてもらいたいことがあるんです。どうも議事の運び方について妙な動議の動きがあるように察せられますから、それは委員会の運営はすべてあなた方何回も確認をされているように、理事会で十分話し合ってやることになっておりますから、直ちに休憩していただいて理事会のほうで……。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
#132
○小林武君 あんたの腹一つだけれども、あんたの腹一つじゃいかないんだから、いま言う会議開きなさい。
#133
○宮之原貞光君 理事会を開いてもらいたいと言うんですよ。(「直ちに休憩して理事会を開け」と呼ぶ者あり)
#134
○委員長(永野鎮雄君) それでは、しばらく休憩をいたします。
   午後二時四十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時十分開会
#135
○委員長(永野鎮雄君) 文教委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、小林君の質疑を続行いたします。
#136
○小林武君 いわゆる国際頭脳都市というようなものをもっと具体的に、納得のいくように、少なくとも、ここでなるほどそうかということになるのかどうかということですから、これはあれですか、あなたの口からはどういう機能を持ったあれで、国際頭脳都市というのは、こういう内容のものだというようなことを的確に言うことはできませんか。まとめてひとつやってみてください。
#137
○政府委員(小林忠雄君) 現在、国際頭脳都市云々というのは 首都圏整備委員会のいわばPR用パンフレットに書いてあることばでございまして、政府で正式に現在決定をしております、研究学園都市建設推進本部で決定をいたしました筑波研究学園都市建設計画というものによりますと、「高水準の研究および教育の諸活動が相互に有機的連繋を保ちつつ、効率的に行なわれるように整備するとともに、自然環境や歴史的遺産の保全を図り、住民の生活が健康で文化的なものとして営めるよう計画する。
 研究学園都市の建設にあたっては、研究学園地区と周辺開発地区との2地区に分け、各地区の特性を生かしつつ、総合的、一体的に整備するものとする。この場合、とくに公害の防止等に対し適切な措置を講ずるとともに、研究学園都市にふさわしい市街地環境を形成するよう配慮するものとする。
 研究学園地区における研究および教育機関の配置にあたっては、国立試験研究機関、民間研究機関および大学等における研究および教育の各分野の特性に応じ一体的な団地を構成せしめるとともに、団地相互間の有機的連繋を保ち、また、機能補完をも考慮するものとする。
 民間研究機関については、国立試験研究機関等に準ずる研究機関、および国の研究活動と密接不可分な研究機関ならびに研究機能上誘致すべき機関の積極的導入を図るものとする。
 また、私立大学についても、積極的導入を図るものとする。
 研究学園都市にかかる公共公益事業については、研究学園都市の機能を発揮するため必要な施設の先行的な整備を図るものとする。
 周辺開発地区については、研究学園地区と均衡ある発展を図るものとする。」これが政府で正式に決定しております研究学園都市建設の基本方針でございます。
#138
○小林武君 まあ、そのことをもっと具体的に、もう動いているのですから、具体的に国民に明らかにするような説明があってしかるべきだと思うのですけれども、あなたにそういうことを要求してもだめなようですが、結局しかしあれでしょう、国際頭脳都市というものをつくるからには、そういうことについて具体的な、しかもどういう大学、どういう研究機関、それが相互にどういう関連を持ちながら、いわゆる頭脳都市でもいいですし、それから、世界的水準の研究学園都市でもけっこうですが、何でもいいんですが、世界的であり国際的だということになれば、それはやっぱり相談する人があったんですか、ないんですか。たとえば整備委員会ではないわけですか。整備委員会の中に、さらに何かそういう具体的なことを決定する機関というものがなかったら、ただ、文章だけではこれは妙なものだと思うのですよ。そう思いますが、いかがでございましょうかね、それは。
#139
○政府委員(小林忠雄君) 首都圏整備委員会が担当いたしておりますのは、研究学園都市の町づくりの計画をつくること、それから町づくりの基本となります基盤的な公共公益事業の整備をどのようにするか、それからそこへどのような機関をどのような配置で、どのようなタイミングで入れていくか。で、移転をしてくる職員の生活環境の整備をどのようにするかというような、いわば入れもののほうの計画なり事業推進を主として担当しているわけでございます。
 いま御質問ございましたような、研究の内容をどのように有機的に結びつけていくかというようなことは、主として科学技術庁が中心になりまして、各省の研究機関と調整をした上で、一定の計画をこれから立てることになろうかと思います。私のほうといたしましては、そういう科学技術庁の意見、あるいは移転をする各省庁の研究機関の意見をいれまして、それぞれの専門家の研究を続けるためにどのような機関とどのような施設をするのが理想的であるかという計画を全部出していただきまして、それに基づきまして研究機関の配置及びそれを受け入れるための都市施設の整備をやるということでございます。
#140
○小林武君 ただいまのお話を承っておりますというと、まだまだ青写真もできておらぬというような話になるわけですけれども、宣伝のほうはずっと具体化していっているようにも聞こえるのですが、これはたとえばやっぱり大学を入れるということになったら、おそらく文部省に交渉したとか、直接大学に交渉したとかいうものがあるだろうと思うのですがね。
 それから、何かあるのですか、各省庁それぞれの連絡する機関というものがあるわけですか。
#141
○政府委員(小林忠雄君) 研究学園都市建設推進本部というのが内閣に置かれておりまして、これは各省の次官クラスの集まりでございまして、すべての基本的な計画はこの研究学園都市推進本部で方針を決定し、実施につきましては、それぞれの各省の責任において推進をするわけでございます。ただいまの建設の進みぐあいを申し上げますと、町づくりの建設計画というのはすでに全部できているわけでございます。で、この町づくりの基本をなします公共公益事業、いわゆるインフラストラクチュアの面につきましては、四十九年度一ぱいにおおむねの事業を完成をするということでありまして、大体四十八年度一ぱいに八〇%近くの事業を消化する予定になっております。移転をいたします研究機関が、どのようなものであるかということは、四十七年の五月に四十三機関を決定したわけでありますが、それがどのようなペースでどういうようなところへどう移転するかということにつきましては、本年の四月に研究学園都市建設推進本部におきまして正式にそれぞれの機関別に決定をしたわけでございます。現在はその計画に基づきまして、すでに三分の一程度のものにつきましては施設の建設に着手をしておりますし、そのうち数機関についてはすでに研究を始めているわけでございますが、四十三機関について全体として調和のある建物の配置計画というものを大体まとめたところでございます。現在、全部の機関につきまして実施設計の段階に入っておりまして、本年度第四・四半期から大部分の機関については建設の発注が行なわれる段階にきております。ただいまの予定では、大部分の機関については五十年度中に移転ができるようなペースで進んでいるわけでございます。
 なお、そういう建物施設の中に入れます研究に直接必要な設備でございますが、設備としてどのようなものが要るかと、こういうような発注も四十九年度からはそろそろ各研究機関が大型のものについてはしなければいけませんので、これは科学技術庁が中心になりまして各省の計画を現在まとめているところでございます。
 大体ただいま申し上げましたように、都市の基盤施設の整備がまず先行をいたしまして、これが一番先にできるわけでございまして、その次に各研究機関の建物というような入れものができるわけでございます。いま、その入れものの建設に一斉に着手している段階でございまして、その入れものの中に入れる今度は研究設備につきましては、四十九年度以降の発注という計画で科学技術庁がまとめているわけでございます。
 で、そこへ移る今度は職員の移転の対策につきましては、現在各省庁別に移転の計画をつくっているわけでございますが、入れもののほうの公務員住宅の建設につきましては、現在建設が始まっておりますが、従来のような形の公務員住宅については、いろいろ移転をされた職員の方から苦情が出ておりますので、もっと水準の高いものに今年度以降建設する分については切りかえるためのいま計画を練っている段階でございます。
#142
○小林武君 首都圏整備委員会のほうはもうお帰りになってけっこうです。どうも御苦労さんでした。
 ちょっと順序を狂わしてひとつ大学局長に聞きたいと思いますから、ちょっと南部総裁待ってください。
 いまの同じことをあなたに聞くわけだけれども、文部省のほうは大学を入れるわけですからね。入れるというのは、文部省のほうでは、その点について大学をあすこへ設立するという法律をつくって大学やった。その大学の構想というのは、法律に出ているからわかる。そうすると、それが入っていったら、相互のいわゆる国際的な世界的水準の研究学園都市というものをつくった場合に相互関係が必要でしょう。一つの都市の機能の中で大学が果たす役割りと全体が働き出すところのものとがあるわけだ。その間のことはあなたのほうは知っているでしょう。
#143
○政府委員(木田宏君) 文部省関係では筑波の研究学園都市に四機関いまのところ計画されておるわけでございますが、その中で筑波大学が規模におきましても一番大きいものでございまするし、また、この研究学園都市全体を通じても中核的な存在になるというふうに考えておりまして、筑波大学をつくりますにつきましては、この研究学園都市との関連を考えながら、学内の配置も考え、その組織運営上につきましても、たとえば参与会等の組織を予定いたします場合に、地域の研究機関との関係者ということも当然念頭に置いて、あとあとの整備が進むことになるというふうに思っておるのでございます。また、研究機関共同での連携組織というのは、それぞれの研究機関の移転が整いました段階で、あらためてまた科学技術庁その他関係者の音頭とりもあって進められることと思いますが、筑波大学におきましては、この中に大学自体が国際的にも連携のとれたものにしたい。いろいろな学会等を国内はもとよりでございますが、国際的にも研究者が来て共同研究ができ、諸会合が持てるようなものにしたい、こういうことから大学会館の整備その他におきましても、筑波大学の施設の配置あるいはその運営につきまして、いま御指摘がございましたような国際的な水準で研究、教育、その他の連携がとれるということを考えていきたいと思っておる次第でございます。すでに文部省では高エネルギー物理学研究所というのが、完成ではございませんけれども、かなり整備されておりまして、その中には外国の研究者が来ます客員部門も用意されており、そうした研究者の居住、共同研究の体制も道をすでに開いております。そういう方向で、この研究学園都市が国際的にもつながったものになるようにしたいというのが私どもの考え方でございます。
#144
○小林武君 まあ、これに長くやっていても、あなたのほうもまだ十分でないようですね。それは国際的な一つの学術の交流ということは、大学ができた場合に文部省ではやるというようなことは、一応そこで述べたわけですけれども、そこに集まるものがどういう種類の研究機関か――日本国内のですよ、それが集まって、いわゆるその都市の名称になっているところ、都市の機能というようなものをどう大学が一体享受するものは享受し、自分たちが働かなければならないものは働くもの、そういうあれについての連関については、まだ海のものとも山のものともわからないというような状況ですわね。そう言っていいです、あなたの説明ならね。大体いま首都圏のほうの話を聞くというと、どういうものが来るのか具体的じゃないですものね、あまり。ああいうことで一体どうして――その一体宣伝だけはね、頭脳都市だとか何とか言っていますけれども。
#145
○政府委員(木田宏君) 先ほど首都圏の整備委員会事務局長は具体的な機関の名前をあげませんでした関係から、いまお尋ねいただいたような御疑問が残ったかと思いますが、ここに予定をされております四十三の機関はすでに閣議で一つ一つ特定をしておりまして、科学技術庁に関係いたしますものといたしましては金属材料技術研究所、国立防災科学技術センター、無機材質研究所、それから先ほどお話にも出ましたが、共同利用の施設、宇宙開発事業団の筑波宇宙センター、この五つが予定されておりまするし、環境庁につきましては国立公害研究所が予定されております。厚生省は国立予防衛生研究所、国立衛生試験所の一部が予定されておりますし、農林省は十三の機関が特定の畜産試験場、園芸試験場等移転機関が年次とともに全部予定されておるわけでございます。通産省は工業技術院の関係研究所が予定されておりまして、先ほど小林事務局長から、主として理工系の研究所であるということでございました。筑波に予定いたします大学は、筑波大学におきましては、この具体的な技術関係の部門を、現在、予定はいたしておりませんが、一般的に基礎の充実した学問体系を、自然科学につきましても整備をする予定でございまするし、また、第三学群には経営工学群という、現在、東京教育大学にない領域の専門分野も、たとえば社会工学、情報基礎工学といった学類を予定いたしまして、こうした具体的な国立の試験研究機関と、その基礎をささえていきます研究分野としての筑波大学の研究学園都市の配置は、一応、政府部内ですでに前から相談をし、固めておるところでございますから、抽象的な議論でないことだけは御理解を賜わりたいと思います。
#146
○小林武君 幾ら抽象的でないとおっしゃっても、具体的な説明ができなけりゃ抽象的です。
 そこで、そのことはまずひとつおいて、次の機会に譲って、これは、文部省は、大学としては初めは教育大学じゃなかったわけだね、外語とどこだったか、工業大学かどこか口をかけたですか。
#147
○政府委員(木田宏君) ちょっと私自身つまびらかにいたしておりませんが、他の大学にもいろいろと呼びかけた、こういう計画があるので大学側の考え方はどうかというような連絡をした経緯はあるようでございます。それに対しまして、東京教育大学から具体的な筑波を予定してのお話が出てきた、こういう次第でございます。
#148
○小林武君 それを聞いているんですよ。ぼくは、やっぱり、一つの研究学園都市をつくるという場合には、どういう大学が来てもらいたいというのは、一つの計画としてはあるね。これは各省庁がみんなそれぞれ代表を出されて議論をしているだろうし、それをまとめるという段階になると、科学技術庁がやっていると、科学技術庁がやれば大体見当はつくんですから、どういう方向に持っていくかということが。これはもう経済との結びつきをきわめて強く考えながらやっていくでしょう。そう考えますと、初めに手を出したところはどういうところが一番先に来てもらいたかったかということがはっきりするわけでしょう。これの交渉した経緯があるということだけじゃわからないので、私が聞いたんでは、工業大学と外語、外語と工業大学というのはどんな組み合わせでやったのかよくわかりませんけれども、国際ということがついているのでなるほどそうかなあと思ったりしたけれども、これは一体どういうんですか。はっきり、局長もわからぬというのもちょっとあれだけれども、それは、あなた抜きにしてどこかでやったんですか。
#149
○政府委員(木田宏君) 東京工大も、現在の大岡山のキャンパスがすでに狭隘になっておるという点はかなり前からの課題でございまして、結局、東京工大はもうだいぶ、何年になりますかな、東京工大は横浜の長津田地区に新たなキャンパス予定地を予定をいたしまして、大岡山と長津田で将来の東京工大としての発展を期するということに方向がきまった次第でございます。都内にございます大学は、必ずしもキャンパスの状態の十分なものばかりではございませんから、国立だけでございません。他の私立の大学にも、筑波の研究学園都市の計画が始まりますと同時に、照会をいたしまして、移転の希望大学その他につきましては調査をし、その意向をまとめて政府部内としての移転計画を相談をしたと、こういう次第でございます。
#150
○小林武君 これ、文部大臣、あれですか、たとえば研究学園都市をつくるという場合には、文部省に対して、たとえば科学技術庁が技術庁として音頭をとってやるものであるならば、こういう大学が研究都市においてふさわしいあれだと、そういうものがあって、そういう相談が少なくとも文部大臣にあって、それで文部大臣がそれについてそれはどこの大学がいいかわからぬし、文部大臣がおまえ行けというわけにいかないことでしょうから、いろいろなことを、一応、しかし聞くだけは聞くということになるわけだろうと思うんですが、そうでしょう、筋からいって。それならば、ぼくは、さっきから具体的に言っておる東京工業大学と外語というものが出た。これは第一次のものだとぼくは聞いた。一番初めに口がかかったところです。教育大学なんというものは、おくればせながらというようなことになるようにわれわれから考えれば聞こえるんだけれども、どういうあれに、そこらあたりが計画的にどんな種類の大学がということの希望があったはずだと思うんだけれども、それはどうですか。
#151
○政府委員(木田宏君) 筑波の地につきましては、当時、キャンパス問題で懸案のございました東京教育大学、外国語大学、東京工大、この三者にはいずれも同時にこういう計画があるということで通知をいたした次第でございます。研究学園都市という構想か逐次移転機関の決定と同時に固まってきたわけでございますが、文部省といたしましては、そこにつくります大学は、やはり総合的な大学のほうが望ましい、これが研究機関としての他の研究機関との連携その他を考えます場合には適切ではなかろうかというふうに判断をいたしました。しかし、この筑波の計画が当初に浮かんでまいりましたときには、国立大学だけでなくて、また、一つ二つの大学ではなくて、私立の大学の地域も予定をいたしまして、できるだけたくさんの大学がこの地に集まるということができるならば、これまた、いいことではなかろうかという考え方を持っておった次第でございます。でございますから、大学につきまして、特にどういう性格の学問領域の大学だけでなければならぬ、こういうふうな議論は当時からなかったものというふうに考えます。できるだけ総合的に、たくさんの大学を考えるということで呼びかけた次第でございます。
#152
○小林武君 たくさんの大学というけれども、それは三つ以外にもあるわけですか、どういう大学とどういう大学と……。三つ以外に分ければ、たくさん、ほかの大学にいろいろ口をかけたということは、口をかけるからにはそれはやっぱりこの大学と目をつけてやったと判断していいと思いますがね。大体ぼくが聞いているのでは、工業大学と外語というのは、この外語の組み合わせがどういうようなことかなと思ったんですが、まあごくしろうと考えでいえば、外語というと、まあこれはおそらく国際とかなんとかということになったり、いろいろ学問の点からいっても、外国語というものがある程度必要でやったのかどうかというようなことも考えたけれども、ここらあたりがはっきりしない。
#153
○政府委員(木田宏君) 国立大学につきましては、先ほども申し上げましたように、キャンパスの狭隘というような問題で問題をかかえているところに呼びかけたということでございます。その意味で、東京工大、外国語大学、教育大学という三つに同時に呼びかけた次第でございます。しかし、筑波の地には、国立以外におきましても、私学――これは私学と申しますと、当然、人文系かたくさんになるわけでございまするけれども、この人文系の私立大学も都内での発展ということがだんだん窮屈になっておる時期でございまするから、筑波の地に私立大学の予定地も一応取りたいという考え方がございまして、それで私学にも一応幅広く呼びかける、こういうことはいたした次第でございます。国立につきましては、一番、具体的に敷地の問題を懸案としておりました三つの大学に呼びかけたと、こういう次第でございます。
#154
○小林武君 まあ、その新しく敷地を求めている大学というところにしぼったということは私はちょっとなかなか理解がいかないわけです。そういう性格のもんではないのでないか、やっぱりかなりの計画を持ってやったことですからね、やったことだろうと思うんですよ、法を見ておるというと。そうするというと、その際に、一体敷地が狭くてどうにもならないからというようなところだけを対象にするというようなことはあり得ないと思うけれども、これはまあいまあなたにそう言っても水かけ論みたいなことになるからこれはやめましょう。やめますが、これらの大学のうち教育大学以外がいずれも敷地で困っていたが断わったということになるんだと思うんです。これはどういう理由で断わってきたんですかね。
#155
○政府委員(木田宏君) 結局、大学側の学内意見というものが最終的にまとまらなかったということであろうかと思います。しかし、先ほど申し上げましたように、東京工大は長津田地区に別の予定地を見つけて、大岡山と長津田という二つのキャンパスを結んだ将来の構想を考えるという方向に進んでまいりまして、すでにその方向にございます。外国語大学は狭隘のまま今日に至っておりますが、これは学内の意見が結局まとまらなかったために、政府で予定したこの予定リストの中に入れていくということにならなかったという次第でございます。
#156
○小林武君 教育大学がいかにもまとまったようなことを言われますけれども、ぼくが聞いているところではさっぱりまとまらぬと思っておりますがね。まとまりということはどういうことなのかよくわかりませんけれども、話は別ですけれども、これはあなたとぼくとの間でも話も何度かした。それから安養寺さんとも話をした。これはちょっと少し横へそれますけれども。これは基本になる問題だからぼく言うんですよ。北海道は御存じのように、北海道教育大学というのがタコの足みたいにたくさんあるわけです。函館、釧路、岩見沢、札幌、旭川、五つある。これはやっぱり考えてみて、あの大きなところにみんなばらばらにあるわけですから、ある程度これを統合しながら整備していきたいというのは文部省も考えて、それは当然だと思うし、ぼくらもそう思っています。いまごろ狭い感情でものを処理しなくてもいいと思っておる。ところが、どうかというと、これはいろんな経緯はあったけれども、一つの分校から出ている評議員か、それが反対をしたために何年かかっていますか、もういまやそのためにみんな三すくみ、四すくみか知らぬけれども、札幌と岩見沢という二つの統合の対象になった分校はぼろ屋同然なんだ。かつての師範学校の校舎をそのまま使っている札幌分校。それから今度は岩見沢は岩見沢で多少ちょっとよくしてもらったけれども、これだってうまくいかぬ。教官のいわゆる整備等もこれもなかなかできない。そのときに、あなたは大学局長として何と言ったかというと、満場一致の形をとらなきゃだめだだめだと、こうおっしゃっておったんでしょうが。代々の学長みんなきりきり舞いして、そうしているんだ。ぼくはそういうことについてはあまり頭を突っ込みたくなかったけれども、この文教委員会の中で、あすこの大学はけしからぬ学生がいるからつぶさにゃいかぬというような話を某党の議員が発言したことによって、一つの政党が一体大学をつぶすとかつぶさぬとかいうことは何事だというようなことの議論になった。
  〔委員長退席、理事楠正俊君着席〕
若干そういうことで問題にはなったけれども、ぼくらの考えとしては、そんなことは大学自体がきめればいいことで、はたの者がわいわい騒ぐものじゃないというたてまえから、ぼくはそういう発言について非常に反発したわけです。しかし、われわれは何もあれしない。あなたにも話したでしょう、早くこれはきめらしたほうがいいと。満場一致、満場一致といくならこれ一番いいけれども、いかぬ場合はどうなるんだと、あの大学は。大臣、教員養成は非常に重要です。こう言うた。雨漏りしてしようのないような大学に入れておいて、師範学校当時の大学そのままにしておいて、そういう状況がとにかく現状のまま続いておるんだね。そうして、一緒になろうかというわけで、両方の間に敷地を買おうとしても、これは金がないと、それでもうのべつそういうことをやってここ何年たったですか、これで。何年ですか、大学局知っているでしょう。何年です。
#157
○政府委員(木田宏君) 正確な始期というのを覚えておりませんけれども、もう十年をはるかにこえる……。
#158
○小林武君 十年はるかにこえたね。
#159
○政府委員(木田宏君) はい。長い年月の課題でございまして、私ども苦慮しておるところでございます。
#160
○小林武君 そうでしょう。十年たってまだごたごたしています。そうしていまだにまだ敷地の問題で、ある大手のあれがしばらく待ってやるからとか、待ってやらぬからとかというようなことを、大学の教授が不動産屋に行って一生懸命になって何だかしたりしなきゃならぬような情ない状態が続いておる。それでもこれから先すぐきまるというならいいけれども、ぼくはこの間ちょっと聞いたところによると、これは何年先になるかわからぬそうだ。そういう態度もぼくはある程度認めているんですよ。学内で一致しなければ、文部省といったってそれはなかなかできないだろうと、せめて、しかし、もう大多数の者がみんなそうだということであれば、それは一、二何かがあってもというようなことはぼくらも考える。何しろ学校の問題だからね。しかし、教育大学の場合はいかにも教育大学自体の意思によってなんと言うけれども、ぼくはてんでそんなこと考えられないような状況をこの目で見ているんだからね。このやり方とは、もう全く違うというのはどういうわけだろうということをふしぎでたまらないんですよ。これは文部大臣どういうわけですか。たとえばその扱いについてね。十年ですよ。片っ方はね、もっと待ってやって十分学内の統一やったらいいと思うのに、そうして皆さんたいへんうまいこと言うけれども、教育大学の一体移転というものは、内部的には非常に大問題残しているんですよ、これどうですか。
#161
○国務大臣(奥野誠亮君) 北海道の教育大学がキャンパスが幾つにも分かれておってたいへん不便を感じられておること、よく承知しております。岩見沢と札幌を統合したらと、こういう話になっているようでございますが、位置の問題でなかなか話がまとまらないという状態のようでございます。
 筑波大学の問題は、東京教育大学で全学的な意思決定機関として評議員会がある。その評議員会で決定をしたと、それをまあ基礎にして大学がきめたのですと、こう申し上げてまいってきておるわけであります。五学部あるうちで、その後文学部が不満でずっと筑波大学問題にはその後は参画しないという不幸な状態が続いておりまして、これが一つのやはり混乱の原因になっておると思います。ただ、まあ全学的な意思決定機関がありまして、そこで決定したことでございますので、その中でいろいろな異論がございましても一たん決定したことにつきましてはできるだけそれを尊重していきませんとさらに混乱を重ねることになるんじゃないか、かような心配もあわせ持っておるわけでございます。
  〔理事楠正俊君退席、委員長着席〕
#162
○小林武君 これはまあとっくりとひとつこの問題やらなきゃならぬから、ここはもうちょっと、首都圏の話から出てきたわけですが、こういうまあここでは、納得なんか全然しないですよ。あなたのおっしゃることなんというのは上っつらのあれだし、ほんとうのもう形式も形式論理のいいところだ。そういうところにやっぱり問題残っているから、これはやりますけれども、まあ、そういうぼくが指摘したような文部省の態度というものが首尾一貫しないんですよ。一貫性を持ってやっているのならあれなんだが、一貫していないのだ。もう実際、その場限りの、何か特殊の関係があると、いかようにも都合よく解釈するようなやり方が文部省の中にあるというところに、ぼくは非常に不明朗なものを感ずる。これは、次のときの質問におもに主題になることですから、ひとつ皆さんも、私によくわかるような材料があったら提供して大いにやってもらいたい。
 どうも住宅公団申しわけありません、ちょっとおくれましたが。
 住宅公団で、この学園都市の土地の問題をやられたわけですが、住宅公団法の目的、第一条によってその業務範囲というものを考えてみた場合に、これは、今度の場合は特例でございますか、それとも、当然この法の上ではやるべき仕事ということになりますか。どうですか。
#163
○参考人(播磨雅雄君) 日本住宅公団法の「業務の範囲」という規定がございますが、この条文で、現在、住宅公団が筑波学園で行なっております現在のあの事業、あれを読みますのには、若干特殊なものとしてのやはり考え方がございます。といいますのは、住宅公団は、やはり人口集中の激しい大都市圏におきまして、住宅事情の緩和のために住宅を建て、また、これに必要な住宅地を造成していく、市街地を造成していくというのが主たる使命でございます。
 で、筑波の場合におきましても、もちろん新住宅市街地あるいは土地区画整理法によりまして住宅地もつくっておるわけですが、どちらかといえば名前にもありますように、研究機関あるいは学園の施設をつくる面積のほうが大きいわけでございますけれども、一応、首都の過密を解消しますためにその条文で読めるということで、若干例外的な運用でございますけれども、その規定でやっておるわけでございます。
#164
○小林武君 ぼくも、この「業務の範囲」の中の三十一条の二号と四号との関係を読んだわけですが、二号と四号の関係を見て、いまあなたのおっしゃることは、いささか住宅公団としては少し範囲を拡大していってやられたというふうに見ている。しかし、そのことをぼくはいいとか悪いとかといういまあれをやるんじゃないんです。私は、先ほど来からも話が出ているように、これをおやりになるなら、これはもう学校という学校には問題がたくさんあるわけですわ。たとえば、教育大学の問題のあれも、学部を統一して、そうしてどっかに広い土地を求めたいという希望は、これはもう全学一致した考え方としてあったと思う。だから、そういうものも今後、そうすると、今度やられることで、あなたのほうで今度あれを取り扱ったから、そういう面のやや範囲を拡大した点で住宅公団としてはやることになると、こう理解してよろしいですかな。
#165
○参考人(播磨雅雄君) 住宅公団の側から返事させていただきますと、実は、住宅公団が筑波学園の用地買収と造成を引き受けることになりましたのは、先ほど申しましたような条文の読み方が政府部内にございまして、その前提で、昭和三十八年の八月でしたか、閣議で筑波の地域に研究学園都市をつくるんだという閣議了解がございましたときに、用地の買収と造成は住宅公団にやらせるんだと、こういうふうな閣議了解だと記憶いたしておりますが、そういうものがございまして、それに基づいて住宅公団がやれと、こういうふうな指図がございましたので住宅公団が始めたと、こういう特殊な経過があるわけでございまして、住宅公団の発意でこういうことをやるかどうかということはまだ考えたことはないのでございます。
#166
○小林武君 いや、私は、閣議できめたから法律の拡大解釈をしていいなんというそんなことはないはずなんです。法というものは万人に平等なんです。だからぼくは、むしろあなたたちはこれから、住宅公団というのは、これを一つの前例として、その面での専門家でもあるし、かなりの力量も持っているんだと。やはりこういう面で住宅公団も考えたらどうかと。閣議は特殊のあれで、政府の命令だからやりましたというようなことでは、これは法が泣きますよ。私はやはりその点で、四苦八苦しているあれがたくさんあると思うのです。だから、そういう点で、あなたのほうで、あれですか、今度は、少し住宅公団も、学園都市だけではなくてほかのことにもと。と申しますのは、先ほど来の質問者との間にも取りかわされた中に、新しい大学というのはやっぱりできる、各国でできている。そうすると、その大学というのは、わりあいにこう、いわゆる大学都市みたいなものの形をとる傾向にもある。外部へ出ていくということになれば、そういうこともあり得るわけですね。だから政府のお声がかりだけというようなわけにもいかぬだろうと思うんだけれども、その解釈についてはどうなんですか、弾力的な考えいま持っているんですか。いやいやもうこれでこりごり、あとはもう一切やりませんということになるんですか、どうですか。
#167
○参考人(南部哲也君) 筑波の学園都市を建設する経緯はいま理事から説明したとおりでございますが、当時は、このような大規模な用地を取得しあるいは大規模な新住あるいは区画整理事業を施行する能力は、住宅公団以外になかったわけでございます。これは「業務の範囲」どうこうという話もございましたが、昭和四十五年の筑波研究学園都市建設法においてはっきりと住宅公団の仕事ということが法で明定されているわけでございます。
 そこで、いまお話しの、それでは今後起きてくる学園都市について全部住宅公団がこれを引き受けてやるかどうかという問題でございますが、政府の方針といたしましては、国土総合開発公団というものをつくるというような法案も現に国会に提出になっております。私どものほうは、あくまでやはり住宅に困窮する地帯というような地域的な制約がございますので、全国どこへでも学園都市の建設に手を伸ばすというわけにはなかなかいきません。やはり住宅難の解消、そのための宅地造成ということを第一義にしていきたいと、このように考えている次第でございます。
#168
○小林武君 そういう態度を法どおりやるということならね、一体、今度の場合だって、やっぱりよけいなことをやったと思ううですよ。それは、出どころによっては話を聞いてやるというようなものの考え方があってはまずい。住宅公団本来の使命というものについても、やっぱり土地がないためというような、ずいぶんいろんな問題が起こっているわけですよ。これで、第一条に書かれている住宅の問題についても、その土地の制約のためにうまくいかぬというようなことだってあるわけですから、私はやっぱりそういう便宜主義みたいなことをやらぬほうがよろしい、こう思っています。そうでないならば、そうでないらしくやればいいというふうに考えています。
 もうそれはけっこうです。
 それでは、文部省にお尋ねいたしますが、これはほんのこのごろの、きのう出た問題ですから、これ一言だけ、ちょっとぽつんと離れていますけれどもお尋ねいたしますが、文部省は今度何か、予算の編成に備えて、単科大学方式を重視するというようなそういう方針を決定されたわけですか。――これはただしぼくは、毎日新聞の社説だな、これで見たんですけれども、これはどういう意味ですか。
#169
○国務大臣(奥野誠亮君) 私もその記事を見まして、はあどこで決定したのかなと、こう疑問に思っているところでございます。やはりケース・バイ・ケースで、単科大学のほうがいい場合もございましょうし、あるいは学部にしたほうがいい場合もあろうかと思っておりまして、そういう決定はいたしておりません。
#170
○小林武君 具体的にいえば、この社説もまんざら何もないところを書いたというようなものでないと思うのです。たとえばこの旭川医大、静岡、滋賀、宮崎、これも独立の医科大学、それから山形、愛媛というのはどういうことなんですか。これも単科大学ですか、ということになると、来年度以降はもう大きく方針を転換したと見るべきであろうと、こう言っている議論もなるほどと思うのです。この点は、やはりあなたのほうでいつそんなこときめたというようなことおっしゃるけれども、方針がきまったかどうか知らぬけれども、事実はこれを見るというとわかるというような気がするのですが、どうですか。
#171
○国務大臣(奥野誠亮君) 医科大学をたくさんつくるのですから、その際に単科大学方式が多いと、これは御指摘のとおりだと思います。筑波大学につきましては、これはまあ総合大学方式ですから、筑波大学の医学専門学部ということになるわけでございます。ほかのほうは、大体それぞれ単科大学がよろしいんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
 山形、愛媛は学部だそうでございます。あとは単科大学を予定しております。
#172
○小林武君 医科大学を単科大学にしたというやり方、これからそういう方式をとらないというような御意見でありますね。ぼくは単科大学ちょっとひっかかりましたのは、これからの中教審答申の行き方から見たり、あるいは高等学校の多様化の問題、そういうものを見て何かそういう一貫した方針が、政府ではいよいよ具体化してやっていくつもりかなというように考えた。それにこの単科大学というのは、わりあいに中央集権的に統制しやすいですね。
 きのうちょっとぼくは国会図書館へ行ってみた。なるほどおもしろいことがあって、おもしろいことあったから紹介するというのは悪いけれども、フランスの場合には、ナポレオンがたいへん単科大学を好きで、総合大学方式によらずに単科大学をやたらに建てて、そうして総合大学を変えていく方式をとった、これは中央集権的な大学の支配、いわゆるヨーロッパの大学ですから、なかなか重みがある。それに対するまあナポレオンのそういう方式だと、しかし、それがやがては全部総合大学にいまでは変わっているという、そういうあれを見た。ぼくはそれを感じましてね、ひがみ根性かどうか知らぬけれども、ここらあたりがなかなかどうも文部省のやり口にちょっとやっぱり似たところがある。ナポレオンと文部大臣を比較したらたいへん気持ちいいか知らぬけれども、大体そういう傾向にあると言えないこともない。しかも、今度は、ぼくらが非常に問題にしているのは、総合大学である筑波大学は、今度はこれについては管理方式について非常に学長の権限を強くすると同時に、文部省がこれに対して干渉するというか、大学の自治の範囲を狭めていくような傾向にあると見ているから、ははあなるほどこれはナポレオン方式かと実は思ったりしたんですけども、これはまた後ほどいろいろひとつ質問も出てくると思いますが、いまのところは、そういう方針では決してないという、こういうお話ですが、私はもう人間が意地悪くなっているのかどうか知りませんけれども、教員養成の大学について、これはかなりの激しい意見の対立のあった文部省で、それは東北大学の教育学部というのを宮城教育大学に独立さした、ぼくらは総合大学の中で教員を養成するということは、これはやっぱり一番好ましい方法だと思っているんですよ。ぼくは教育大学の中で教員養成ということがある一つの目標として伝統的に置かれているということもこれも私はいいと思っているんですよ。しかし、そういうものが非常な反対を押し切って、そうしてまあそういうことを望んだいろいろな方もあるらしいけれども、その理由を聞いてみるというと、きわめて視野の狭い気持ちの上に立っておると、こう私はいまでも見ているのです。それを文部省が猛烈な勢いで、これはいまの大蔵大臣が文部大臣やったかな――そうでなかったかな、とにかく非常な熱心であった、愛知さんは。私はそういうことがあるものだから非常にいまいわゆる旧制の師範学校をそのまま一つの教員養成学校にしたようなところは見ていてもなかなか文部省の意向がすっと素通りするような条件もあるようだししますものですから、あるいはというようなことも実は考えた。私はできるならひとつこれから――北海道の話をさっき出しましたけれども、釧路ならば釧路のいまの教育大学のさらに釧路とか道東の方面にふさわしいような幾つかの学部を持った大学にしたほうがいいだろうし、あるいは旭川ならばいま医科大学ができたけれども教育大学があって、さらに旭川だって中央に何かしかるべきものを置いて、幾つかの学部を持った大学にしたらいいんではないか、これは個人的見解ですよ、何もだれに頼まれたのでもない。函館だって同じだろうと、こういうようなことを考えて、それが一番いいと思うぐらいなんですけれどもね。まあそれはいまそうやれということでもなければ何でもない、しかしそういうことこそが、教員養成というものに非常に私は有効だと思うのですよ。やっぱり何か師範学校のまだからが、抜け切らぬようなあれがある。そういういまの教育大学、小さいたった一つのもの、学部という学科を持った大学なんていうのはどうかと思っているわけです。そういう意味で、私は単科大学方式なんていうようなことはゆめにも考えられないし、もしこれがりっぱなお医者さんを養成するというならば、少なくとも、そういう方向でこれからりっぱな医者を出すような大学に将来変えていくべきだとさえ私は思っているんですよ。そういうことを感じましたので、ちょっと質問したわけですけれども、この点についてはどんなお考えですか。
#173
○国務大臣(奥野誠亮君) いまも申し上げましたように、単科大学方式でいくとか、総合大学方式でいくとか、そういう議論はいろいろありますけれども、文部省として方針をきめる意味での会合、議論というものはしていないわけでございます。私、個人の意見で言いますと、それぞれに特色があるのだから、どちらかでなければならないという、ただ一つの方式を固執していくということは避けたほうがいいのじゃないだろうか、私たちは新学園を日本全国の中で幾つかつくりたい、北海道には必ずまず最初につくっていきたい、こういう気持ちを持っているわけでございまして、すんなり総合大学をそこにつくることができる、それも一つの方法でしょうし、あるいは単科大学の集合体をそこにつくると、それぞれの特色を発揮させる、そして連合もはかっていくというふうなことも一つの行き方じゃないかと、こう思っておるわけでございます。まだそういうところまで踏み込んだ議論はしておりません。したがいまして、いずれにしましても、あまり固定的に考えないほうが私たちとしてはいいんじゃないかなと、こんな気持ちでおるわけでございまして、ケース・バイ・ケースで考えていくというたてまえはとっておるわけでございます。
#174
○小林武君 私は、今度の教育大学というものが廃学になって、筑波新大学のようなものが新しくてきた――たいへん都合のいいような話になって、移転か廃学か、外部の者から見ればはっきりしないような形をとりながら、事実上は廃学になる、こういうやり方については、きわめて反対の態度をとっているんです。そういうわりあいにがんこなものの考え方を私が固執するのは、これは、いまこの問題が出たからということではない。私は、戦後の日本の教育の動き方、そういうものをいままでずうっと見てきて、直接それに関係する立場に立ってきますというと、この問題は、単に教育大学の中のある学部とか、六割の人とかが賛成したとか何とかいうことで、簡単にそういうことがやられるということについてはどうも納得がいかないんです。この経過を私はとらえるのに、大学紛争というものと切り離して考えられない。昭和三十五、六年から、非常に学生の運動というようなものが、非常に一つの、何といいますか、勢いで拡大し、分裂し、また一緒になる、離合集散のあれを重ねながら、大学の学生の運動というものが、大学のいろいろな問題について、反抗といいますか、そういう動きが出てきた。この大学紛争というものについて、私は、政府側の反省というものは一つも聞いてないんですね。この間から私言っているんですけれども、ずいぶん手きびしくやっている、大学については。これはまあひとつ、大学運営に関する臨時措置法の、これは文部省の出した本でしょう、この中の大学紛争の分析にしろ何にしろ、文部省みずからがどう責任を負うかという、戦後の文教政策についてどうこうというような反省は一つもない。大体、大学の内部が悪い、学生けしからぬというようなところに大体落ち着いておる。あんなやつらはとにかく官憲の力で押しつぶすのが一番だというところに結論が行っているような気がするんですが、これについては、文部大臣、並びに大学局長も文部省古いんですから、あれについて文部省は何にも責任がないんだ、大学がいかぬのだと、こういうふうにお考えになっていますか、どうですか。
#175
○国務大臣(奥野誠亮君) 大学紛争の原因はいろいろあるだろうと思います。私がときどき国会で申し上げております一つは、戦前のエリート教育、それが大衆化された大学になってきた、大衆化された大学になっていながら、入ってきた学生の満足するような教育状態になっているか、これは一つの問題点であったのではないかという気がいたします。研究と教育の分離というようなことが大学改革の構想の中で絶えず言われている。筑波大学方式はまさにそれをとろうとしているわけでございますけれども、そういう対応につきまして大学自身も研究されるし、文部省自身もそれがしやすいような対策、これを示していかなければならない。そういう対応策、これはもう文部省自体の責任でもあるんじゃないかと思います。そのほか、いろいろな施設なりあるいは経費なり、充実をはかっていくとか、問題はたくさんあるかと思いまして、決して文部省は責任ないんだという、そんな気持ちはさらさらございません。みんなで考え、それぞれ改革を進めていかなければならない大きな問題だと、こう存じております。
#176
○小林武君 局長、どうですか。
#177
○政府委員(木田宏君) いま、大臣が御答弁申し上げましたように、やはり大学の位置づけ、役割りというものがだんだんと変わっておりますのに対して、適切な措置が文部省の施策としても十分とれてない、また、大学自体がその意味で新しい要素を取り入れることが少なかったということが、いろいろな面を通じて基本にある問題ではないかというふうに思います。ただ一つ、そのことだけで説明しがたいのは、これは世界各国ともそうでございまするけれども、一番施設、設備の充実した優秀な大学と思われているところにおきましてそうした問題が一番先鋭に出てきた。これは、今日の事態に対応ができてないということが基本にありますけれども、そのことにつきましてはもっと別の要素もあり得るのではなかろうかというふうに考えますけれども、どうも的確に御説明のできるところまでまいりません。まあ、私どもの立場から考えますならば、やはり行政当局の姿勢として大学を当局側の意のごとくに持っていくということは度しまなければなりませんけれども、もう少し大学とともに直すべき点は直すという努力を早くから進めるべきであったというふうに考えております。
#178
○小林武君 どうも大学局長にしろ、文部大臣にしろ、まあまあ文部大臣は、そう言っては何ですけれども、このごろ文部大臣になられたんで、その前は別な専門のことで非常にやられておったんだから、まとまった一つのこうだというようなあれが、政治家として、そういう大局的なあれはあったことだろうと思うけれども、しかし木田大学局長、この程度の認識ではどうですかな。大臣も木田局長も、ちょっぴり文部省にも悪いところがありましたという程度のお話しだ。大学が大体だらしないと、これは当時、大体与党の考え方はそうですよ。大学自体がだらしないということをいろいろ言った。それだけではないんじゃないの。ぼくはやっぱり、もっとここに書いていることぐらいは、ここに書いていることでさえ、大体、言ってないよね。一体先進国におもに起こった大学、これに書いてあるけれどもね、先進国に起こった、これは社会党でも書いた。ぼくらが特別委員会をつくって書いた。あなたたちも書いた。この先進国に起こった大学、それからいまあなた言ったけれども、しかも、それがエリート・コースのような大学にもはげしく起こっている。アメリカの場合も、フランスの場合も、日本の場合もそうだった。エリート・コースばかりでおさまらなくて、だんだんだんそうでない大学に波及してきた。その一体問題点というものをあなたたちがどうとらえているかということが、これが根本的に据えられないというと、政府の大学政策というものは出てこないんですよ。あなたたちが、とにかく大学に対して政府はどうしなければならぬということが出てこないわけです。何とはなしに大学にその罪をかぶしたり、いまの若い者はろくなものはないぐらいのことを言っておったところで、これはだめだということですよ。だから、それは、わからないなんて言わずに、ここで本音を全部吐きなさい。あなた知らぬわけないんだもの、優秀な官僚で。本音吐きなさいよ。ぼくのほうのやつを読んでもいいんだ、あとで読むから。社会党は頭が悪いなと言われてもかまわない。
#179
○政府委員(木田宏君) 戦後学制改革によりまして六三三四の新しい教育制度もでき、それに基づいて従前ございました各種の専門学校、大学というよそおいのもとで逐次整備を進められてきたわけでありますが、この二十数年間の間にその充実整備、あるいはまた二十数年間の世界的に見た知的活動量の拡大というような大きな変化に対応できてないという基本問題が、大学の問題についてはあると思うのであります。その「対応できてない」と申します点は、これは大学と政府側と相ともにやはり手ぬるかったという点についての反省をいたさなければならぬというふうに考えております。でございますから、問題がすべて大学側にあるというわけではございません。ただ、これは前にも国会で御議論になったことだと思いますけれども、フランスのように国の政治体制としてかなり中央集権的な色彩が強く出ておりますところは大学全体を通じます大学法の制定、改革によりましてすべての大学の改革というものを一気に進めていくというふうな態度が出ております。イギリスやアメリカにおきましては、個々の大学の新たな努力というものを盛り立てることによって一つ一つ大学改革というものが進んでいっておるという点がございます。ドイツは、どちらかと申しますと、州並びに連邦政府の改革の筋が一つございまするけれども、やはり個々の大学の改革意欲というものも相当かみ合わせた改革が進んでおります。で、私ども、日本の今日の現状で大学改革のことを進めてまいりますには、すべての大学を一斉にある方向へ持っていくということはやはりすべきでないのでございまして、むしろ個々の大学が、どちらかと申しますならば、アメリカやイギリスに見られますように、その持っておる大学自体の研究者、教育者の新たな努力と相まって、一つ一つ改善の実をあげていく、こういう方向でつとめなければなるまいかというふうに考えるのでございます。その意味では、ただ、大学側の積極的な姿勢を私どもが待っておるだけではなくって、もっと呼びかけていくということもいたさなければなりません。で、また、事実そうした呼びかけもいたしてまいりたいというふうに考えておるのでございますが、今日まで問題が残っておるという点の御指摘についての反省といたしますならば、その私どもの呼びかけ、また大学側のそれに対応する積極性と申しますか、そういうものがいずれも十分でなかった点に問題があるであろうというふうに考える次第でございます。
#180
○小林武君 とにかく、あなたたちが考えるのは、大学と社会、政治、国家のかかわり合い、この点はっきりしてないですよ。国とのかかわり合いが。その国のかかわり合いというと、文部省が教育の問題では関係がある。このかかわり合いを明確にとらえてないというところに、今日の大学問題の解決が妙な方向にいっている。ほんとうの問題の解決ではなくて、ある程度慢性化さしたり、それが妙に別な方向にゆがめられた形でいったりしている。青年の心をほんとうにとらえるような行き方にはいっていないということです。私はそういう意味では、非常に一番この点で考えてもらわなければならぬのは、文部省だと思う。政府の文教政策だと思っております。だから、きょういまそのことの議論をやると時間の関係もございますから、まず私は、あなたたちのほうの大学に対する考え方というものがどう変わってきたか。昭和二十三年に大学法試案というものができた。大学理事会法案とも言われて、大学法試案というものが出てきた。このときの一体考え方というのは、文部省はどんな考え方をしておったのですか。
#181
○政府委員(木田宏君) 戦後新たな体制のもとで六三三四の学校制度ができました際に、当然当時私ども、政府全体を通じてでございますけれども、アメリカの指導によります教育制度というものを念頭に置いておったわけでございまして、新しい大学を府県単位に一つずつ考える。そうした大学の運営はアメリカでやっておられましたような、現在でも行なっておりますような理事組織というようなものを念頭に置いて関係者が論議を進めてきたのでございます。でございまするから、その一番端的な用語は、教育公務員特例法にそのまま残っておるわけでございまして、大学管理機関というものをそれぞれの大学に設けて、そして、その大学管理機関の手によって大学を運営するという考え方であったわけでございます。その大学管理機関と申しますのは、欧米の諸国で見られますような学外者の加った――当時の試案で申しますならば、評議会、イギスの大学における、カウンシルといったような管理機関を設ける、その管理機関のもとで民意を反映さした大学の管理運営をしていこう、こういう考え方であったかと思います。いま御指摘のございました国立大学管理法案のそのもとになっております考え方等も当時のそうした意向を念頭に置いたものである、こう考えておる次第でございます。
#182
○小林武君 そのとおりかと思うんだね。ぼくは、このときには、いわゆる外部の人を入れるといったらどうですか。役人とか、いまだって、同じだ、官僚、財界、これは中教審のメンバー見れば大体わかる。中教審のメンバー見れば第一期から第十期までは、いまここに名簿持ってきておりますけれども、このメンバーずっと見れば、よくわかる。大学の管理というものも結局そういう方式でやっていく。私はこのごろ考えてみると、この二十三年という年を考えてみると、これは日本のいわゆる支配階級というものがアメリカとの関係においてかなり自信持ってきた時代だ、まあ、そろそろいわゆる国際情勢の変化というものも出始めてきて、かなり自信を持ってきた時期にこれをやった。それと大体対応している。しかも、二十三年から三年たって国立大学管理法案、これも管理機関なんです。これは廃案になったんだね、力戦奮闘されたけれども遂にこれ国会に提出して廃案になった。これも大学の管理。そして、その間に三十三年に国大協の常置委員会で大学管理運営に関する中間報告というのが出ているんですけれども、これもあれだね、大学の管理運営なんだ。その間に何が入っているかというと、教育二法のやつが入っている。これはもうぼくがほんとうに終生忘れることのできない、義務教育諸学校における教育の中立性確保に関する臨時措置法という大達元文部大臣のこれは、あなたのほうから言えば傑作が出た。それから二年たったあとに教育委員会の任命制の大きな問題が出てきたんです。いずれも、これはもうほんとうに国会が大混乱におちいるような対立が与野党の間に起こってできた。ここに日本の教育の歩み方というものがよく出ているんです。この国大協の常置委員会の大学管理運営に関する中間報告というのも、これは学長の権限の強化とか、教授会の権限の縮小ということにあったと、私は記憶しているが、そうではありませんか。
#183
○政府委員(木田宏君) いま御指摘がございましたように、戦後の大学管理の考え方は、アメリカやイギリスの例にならいまして、学外者によって、地方公共団体の代表であるとか、政府代表であるとか、同窓会の代表であるとか、そういう地域の関係者を加えた管理機関で運営していく、これが世界各国きわめて多い大学の管理形態でございますから、その例にならうという方向で、当時関係者が論議を詰めたことはあるわけでございます。それと同時に、従来のいわゆる旧制大学以外に専門学校を取り入れました新しい大学制度のもとにおいて、いまさっきお話がございましたが、個々の単科の学校が合わせて一つの総合大学になった。その総合された大学としての運営というものがなかなか円滑に身についてこない。そういうところから、学部を主体にいたしました教授会の運営と、それから評議会を中心にする全学的な大学の運営の調和につきまして各大学関係者がいろいろと苦心を重ねたことは申し上げるまでもないところでございます。
 御指摘の国大協におきましても、昭和三十七年九月に、大学の管理運営に関する中間報告等いろいろとまとめておられますが、私もいま詳細を知っておるわけでございませんけれども、その流れは、結局、総合大学としての大学の一体的な運営をどういうふうに適切に考えていくか。その意味では、学部の処理と大学全体としての処理をどのように調和さしていったらいいかということがその当時から、そしてまた、今日に至るまでの課題であるということは御説明申し上げられると思います。
#184
○小林武君 それは、あなたのほうの課題でしょうね。文部省のほうの課題いわゆる政府の課題だ。この中は管理運営に関することばかりですわね。そして何かというと学長の権限を強化して、教授会の権限を縮小する。もうこれは財界、官僚の大学に対する発言権を持たせる。これは、一番初めの大学理事会法案、国立大学の管理法案も同様だ。そしてその間において教育二法が出て教育委員会任命制が出た。あなたは、外部のいろいろな人の、地域住民だとか、やれ何だとか言いますけれども、教育委員会法というのは、以前は地域住民の意見をくみ取るために選挙によってこれは選ばれた。それを取りかえて任命制にした。それでもなお足りなくて、今度はどうかというと、文部省がこれに対して県の教育長の任命。任命の問題それから教育委員会についての措置要求の問題が出てきた。だから、あなたの言うことは、管理運営の強化ということは結局何かと言うと、大学の自治というものを縮小していって、教授会のあれをだんだん縮小していく。そういう中で、学生の発言権だって、職員の発言権だって、出るわけがない。そういうことでしょう。この国大協というのは、ちょっとみなこれは国立大学協会だから、これは国大協もそう思っているかということに感ずるかもしれないけれども、これは、この中間報告を書いた常置委員会の一体中心になったのはだれなんですか。これは委員長というのか、主査というのか知らぬけれども、だれですか。
#185
○政府委員(木田宏君) いまお尋ねの点はあとで調べましてお答え申し上げさしていただきたいと思います。しかし、当時の問題は、従来個々の専門学校でありましたものを、一まとめの府県に一つの国立学校にまとめる、総合大学にする。どうしてその総合の実をあげるかというのが大学関係者の管理運営の問題点でございまして、その意味では、個々のそういう学校でありました時代の意識そのままでは総合大学としての実をあげ得ない。総合的な運営を学長、評議会を中心にしてどのように処理していくか。それと、個々の学部単位の運営との調和をどうするか、これが総合大学に戦後まとめ上げてからの一貫した課題である。そのことは、今後もやはり総合大学として位置づけていきます以上、考えていかなければならない問題点だというふうに思っております。
#186
○小林武君 そんなことを言ってもぼくはだませないよ。ほかの人には一時ごまかせたって、ぼくはだませない。あなたたち新しい教育というものをどう考えているのか。新しい教育というものは、権力統制をなくするというあれでしょう。そうして教育基本法ができて、新憲法ができて、その上に立った新教育、それからこの間も話したけれども、教員というような者がほんとうに責任を負えるという立場から、教育自体に対する教員の発言権というものは強化された。文部省はそのときに書いたでしょうが、みんなに見せるために。政党の介入に対して、断固教師が教育の自由を守るために労働組合をつくってやりなさいと、こう書いたでしょう。その抵抗こそが、日本の教育を、過去のあやまちを再びおかさせないのだと書いたでしょう。あなた読んでいるでしょう、そのことを。そういうあれが一体教育委員会法の改革や教育二法か出てきて、教育の政治的中立性という――これは大臣にひとつあとで答えてもらいたいと思う。教育の中立性というのはどういうことかというと、この中立性というのはどういうことであったか、大臣いまそれ見ておられるんだけれども、どういう趣旨のものであったか、その中で、一体小学校や中学校、義務制の学校や高等学校の教師に対して断固そういう不当な支配に対して対抗するだけの力を持ちなさいと、こう言っている。そうしたならば、大学の中でいま局長が言われるようなことが憂慮されたわけです。大学自治の原則に立って大学自体がほんとうに強くなれるような自治を強化するような体制を、そこでとにかくますます強化しなきゃならぬということでしょう。しかし、それもぼくはもっと拡大していって、あるいは学生もそれについて発言権がある、職員もまた発言権があるというのがわが社会党のあとで大学紛争が起こったときの考え方なんです。しかし、それに至るまでにぼくらが、急に紛争が起こったからということではない、大学問題研究会というのができて、そこでずいぶん長い間大学関係者が討論をやってきた、それを私は毎年見せてもらっておったから、それについての経過はできてから数年間にわたってずっと私は見ている。これが首尾一貫しないでしょう。あなたのおっしゃるように、管理運営を強化して学長をどうする、その学長を文部省がとにかくさらに指揮統率するような形にすることが大学を一体よくすることだという結論は出てこないんじゃないの。あなたそれをちょっと考え違いをしているんじゃないかな。これはそのときのあれじゃないかね、大学の管理運営に関する中間報告に教育委員会と同じようなものがここにある。文部大臣が学長任命に対する拒否権、自治会活動の制限、産学協同の制度化、これが原案としてあったけれども、これははずされてきたという、われわれは当時そういうふうに聞いておる。そのときの一体責任者というのはそんなにあれかね、いつまでたってもわからぬということになるのかね。そういうそこまでのあれで、だれがこれをやらしたの、ぼくは国大協がやったというから国大協も認めているというようなぐあいに考えたのだけれども、国大協のだれかがやったんだ、集まってやったんだろうと思うんだけれども、だれです。
#187
○政府委員(木田宏君) 昭和三十七年九月の国大協の、大学の管理運営に関する中間報告につきましては、ただいまちょっと資料を取り寄せておりますので、しばらくお待ちをいただきたいと思います。
#188
○小林武君 わからない。
#189
○政府委員(木田宏君) 資料を取り寄せておりますので、しばらくお待ちをいただきたいと思います。
 ただ、この機会をあれして恐縮でございますけれども、戦後の大学が教育委員会制度でも同様でございますけれども、教育界の運営に民意を反映させるというアメリカの指導の形態をとったという点は、同じように教育委員会の場合も、大学の場合も考えられるわけでございまして、新しい戦後の教育がこの民意の反映ということを意図しておりますことは、教育関係者だけの独善の世界ということではない。その運営につきまして民意の反映をはかるというのが市町村の末端まで教育委員会を設け、その住民代表を管理機関に加えるという発想になっているわけでございまして、大学につきましてはまだ実現を見ておりませんけれども、大学の管理運営につきまして学外の民意を反映できる関係者を加えた管理機関を設ける、それが教育公務員特例法には大学管理機関として予定されておるわけでございます。ただ、その大学につきましての民意を反映し得る機関というのが今日まで十分に当初の姿の形では実現されていないということはございまするけれども、学内の関係者だけの意見で教育のことを処理する、教育のことを教育関係者だけで処理をするというのは戦後からとってまいりました文部省の考え方ではなかった。教育につきまして広く地域住民の意見を取り入れる、そういう意味での民意の反映をはかることこそが戦後の新しい教育の行き方であったというふうに考えております。
#190
○小林武君 民意の反映、われわれ教育委員会でいえば、地域住民の意思に沿う、主権在民の世の中で言えば、憲法上から言えば主権者としての国民の意思が反映される、それには選挙が一番いいのです。よく政党のものわかりのいいような人が選挙でやるといい人が選ばれない。それでは大体激しい選挙で選ばれてきた参議院議員でも衆議院議員でもろくな者がいないということになる。こんなことはないはずだ。一ぺんくらいだまして出ても、それは落ちたからみんな悪いというわけにもいかないけれども、いろいろな事情がたくさんふくそうしているけれども、しかし本物というのはやはり政治家というのは必ずだれかが評価してくれて当選してくるでしょう。あるいは当選さしてもらうように自分をほんとに理解されなかったら訴えて当選してくるでしょう。完ぺきなあれはなくても、選挙というのはやはり民意の反映にはわれわれとしては全面的に肯定する立場にあるでしょう、政党人として。何であんな乱闘国会なんて言われるような国会をやって、警察官を入れてやるようなやり方をしなければならないのか。政府はなぜやったのか。あなたたちがそれを役人としてあれはたいへんよかったというならばそれは違うでしょう。だからあなたの言っていることは、政治の流れ、しかも、あなたたちの二つの目でもって見てきた政治の実態というものと照らし合わせて真理を言っていないですよ。
 いまもう一つ、来る前に文部大臣に聞いておきたい。これは文部大臣に一度聞こうと思っていた。義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する臨時措置法、この法律の第一条、「(この法律の目的)」、「この法律は、教育基本法の精神に基き、義務教育諸学校における教育を党派的勢力の不当な影響又は支配から守り、もって義務教育の政治的中立を確保する」と、こう言う。「党派的」「不当な」と言っている。しかし、党派的な影響を受ける段になったら、与党と野党と比べてみて一体どういうことになるんですか。政府・与党の一体の原則ということになっているから、一つの法律を出すのに与党と相談してやるでしょう、野党に相談なんてありますか、一体。教育の問題だから与党だけではきめられない、野党の意見もひとつ聞きましょう、あまり対立するならやめましょうというようなそんなことがあったですか、一度だって。これは文部省のえらい人たちもあなたたちもわれわれのところに来て、今度こういう法律を出しますがあなたのほうの党の意見はどうですか、と聞いたことはないでしょう。しかし、与党のところへ行ってはこういう法律を出して、また向こうのほうから出せと言われるかもしれない。そういう結局、政党が政策を持っているというのは当然だからあっていいですよ。しかし与党の反映はあっても、野党の反映はないでしょう。与党のあれは直通にいくわけですから、党派的ということになったら一切ものはみな党派的だということになってしまう。そこに政治的中立というのはどういう言いわけから出ている、われわれは多数党で政権を担当しているから党派的じゃない、おまえら少数党だから、それについてかれこれ言うのは党派的だと、こういう論理はどこから出てくるのかね。だから私はよく言う。教育の問題で対立したら抜きさしならぬというように言われないようにするためには、少なくとも、教育の中立性ということは、なかなかやらないですよ、あなたたちもやらないからね。やらないけれども、しかしある程度の節度というものはなければならぬじゃないかということをぼくはよく言うんだ、いままで。これはどういうことなのかね、これは大達さんという当時この法律を出した人はぼくに言った。おれのほうでやるのは、これ何も政治的中立破ったということにならないけれども、おまえらやったら中立破ったということになる、こう言うんです。あの人は大胆不敵な人だからそういうことを言ったんだろうと思うけれども、実際は大胆不敵でも、小心者でもみんなこれはそれでまかり通ってきたんですよ。これ文部大臣どう思いますか、政治的中立というのは。あなた政治的中立、政治的中立とよう言うが。
#191
○国務大臣(奥野誠亮君) 第一条にこの法律の目的を書いておって、そこをおっしゃっているわけでございますが、具体的内容は第三条に書いてあるようでございます。「何人も、教育を利用し、特定の政党その他の政治的団体の政治的勢力の伸長又は減退に資する目的をもって、学校教育法に規定する学校の職員を主たる構成員とする団体の組織又は活動を利用し、義務教育諸学校に勤務する教育職員に対し、これらの者が、義務教育諸学校の児童又は生徒に対して、特定の政党等を支持させ、又はこれに反対させる教育を行なうことを教唆し、又はせん動してはならない。」、でありますから、自民党につきましても、自民党の勢力を増大させる目的をもってそのような教育を行なってはならないと、書いてございますので、これはいずれの政党でありましても、教育を通じて政治勢力の伸長、減退を行なうようなことをしてはいけないということだと、かように理解します。
#192
○小林武君 あなた、大臣になってそんなとぼけたこと言ったってだめですよ。そんなことありますか。あなたのほうでやってないですか。私はよく知ってんだ、いろいろなね。しかしここでやるというとやっぱり速記録に載るからぐあい悪いから言わないけれども、それは与党というのはあれですよ。今度こういう政策で、こういうわれわれはあれすると、大学をどこへ建ててやるなんというようなこともあるだろうし、野党が言ったんじゃ、そんなものこれは通るわけないんだ、与党はそういうこと言うでしょうが。われわれはこの法律に反対するなんということが多くてさっぱりだめだ、それはあなたそこで書いておると、特定の人間が何か教員を処罰するというような目的で書いた法律だから、なかなかごまかすように書いているけれども、「何人も、教育を利用し、特定の政党その他の政治的団体の政治的勢力の伸長又は減退に資する目的をもって、」、減退に資するようなことだってやったでしょう。あなたがこの間言ったように、教員なんというのは何だと、この間問題になったあれだってやっぱり減退ですよ。教員に対してあなたそういうことを言うたということは、これによって教育の政治的中立からちょっと離れている。一体教育の政治的中立というのはどういうことなのか。自民党の政策をあなた実施しているでしょう。自民党の政策をあなた実施しないの。しているでしょう。法律の条文のことよりかもう少し具体的な話が聞きたい。
#193
○国務大臣(奥野誠亮君) いまおっしゃっている学校どこに建てるという問題、それとこの第三条の問題とは私は違うと、こう考えているわけでございます。第三条のほうは、児童、生徒に対しまして、特定の政党の勢力の増大、減退に資する目的をもって特定な考え方を植えつけていこうとする、そういうことを排除しようじゃないか、そういうことでなしに、教育の場は政治的には中立、どちらにも傾かないようにしようということを考えているわけであります。
#194
○小林武君 だから目的のところを読んでみなさいと言うんです。この法律は教員だけを処罰するためなんです。大達流に言えば、学校から刑務所に通ずる道をつくる法律だと彼は言った。それはそういうあれだけれども、この第一条見なさいよ。自分の党勢を大きくするためにやってはいけないということをここで書いているじゃないですか。「党派的勢力の不当な影響又は支配から守り」ということは、これは文部省の新教育指針を見れば、そう書いてあるじゃないですか。
#195
○国務大臣(奥野誠亮君) 第一条は、「教育を党派的勢力の不当な影響又は支配から守り」と、こう書いておるわけでございますので、特定の政党が教育を通じて干渉がましいことをする、それは排除しているわけでございますので、おっしゃっていることとだいぶ違うのじゃないか、またそういうことがあってはいけないと、こう思っております。ほんとうに私は教育の世界は、政治的には中立の立場にしておきたいものだと、こういう希望を深く持っているわけでございます。この間、私が申し上げましたのは、もうよく小林さん御理解の上であんなこと言うておられるんだろうと思うんですけれども、やはり教育公務員なものですからいろんな服務の制約は受ける。それも特に政治的に中立でなきゃならぬということだろうと思うんでございますけれども、団体を動かしていくについて勤務条件の維持改善をはかる以上に、政治的な動きが多過ぎる。それはいろいろ個人が個人としていろんな活動をされることはけっこうだけれども、元来教員の身分を持ってられるわけだから、教員の身分を持っておられる限りにおいてはやっぱり服務は守ってくださいよと、それ以上に政治的な活動をするんならやっぱり教員をやめて政治の社会で働いていただきたいと、私としてはお願いせざるを得ないのじゃないかと、こう言っているわけでございますので、そこはぜひ御理解を願っておきたいと思います。
#196
○小林武君 あなたいかにももっともらしいことを言うけれども、そんなことないですよ。労働組合が一つの方針に従ってやる、それが全部政治活動だとはこれは言い切れないでしょう。たとえば、教員の身分に関する問題だとか、教員の教育をほんとうに日本国民に責任を負う立場でやることにぐあいの悪い問題、それに対して教員の意思を発表したからそれが政治的だと言われる理由はない。あなたのような考え方をしていくというと、この法律を出すような考え方になる。処罰しなければ損だという考え方になる。それはちょうど大体戦前の教育勅語と大日本帝国憲法の思想です。こういう考え方できている。まあ少し脱線しましたけれども、そっちのほうがまだ来ないものだから。
 その後どうですか。その後、池田内閣の時代に国立大学運営法案というのが出てきた。出てきようとしたところが、これは国会提出までは至らなかった。運営管理、もうこれがいつでも同じです。そして四十二年には、今度は剱木文部大臣のときにいわゆる中教審に諮問した。今後における学校教育の総合的な拡充整備のための基本施策についてというのを出した。そしてまあ四十六年まとめて言えば、中教審答申というのが出てきた。だからこの流れをずっと見てくるというと、大学に対する一つの自民党の方針というのが明らかになった。一貫していることは何かというと、大学の管理運営で、その中に何を言っているか。それはとにかく教授会の権限を縮小し学長の権力を増し、そうして今度はどうするかというと、文部省がさらにできればひとつ学長の任命に対して拒否権を発動するような法律も出したいと、こう思ったんでしょう。――来たかね、だれです。
#197
○政府委員(木田宏君) 三十七年九月に、大学の管理運営に関する中間報告として国立大学協会が出しましたものは、国立大学協会の大学運営協議会で委員長大河内一男先生、それから委員が京都大学はじめ約二十名近い学長その他の臨時委員の方を加えて構成をしておられる機関でございます。
#198
○小林武君 それでそのときのそのまとめた小委員長というのはだれです。
#199
○政府委員(木田宏君) 小委員長は、大河内一男東大総長です。
#200
○小林武君 小委員長……。
#201
○政府委員(木田宏君) 失礼しました。東大の総長じゃございませんでした。大河内一男先生が委員長でございます。
#202
○小林武君 それで、それをまとめたのは大河内さんが毎度出てまとめたんですか。
#203
○政府委員(木田宏君) この小委員会を構成されました方を申し上げますと、委員長が大河内一男、それから、委員の中で小委員会を構成された方は、京都の奥田、それから熊本の本田、金沢の石橋、北大の杉野目、埼玉大学の藤岡の五委員でございまして、委員長と合わせて六人の方々が小委員でございます。なお、そのほか専門委員は伊藤正巳、大内力の二人が入っております。
#204
○小林武君 それは間違いないですね。
#205
○政府委員(木田宏君) いま確かめたところでございまして、間違いないと考えます。
#206
○小林武君 それは、もう時間も来ましたから、次にやりましょう。
 そこで、私は、これから具体的な問題に入るわけですけれども。そこで、大体これはぼくが言おうとするところは、あなたのほうは大学の管理運営についての一つの、昭和二十三年以来今日に至るまで、同じ方向でずっと進んできたということね。しかも、それの総まとめになったのが何であるかというと、中教審答申だ。その中教審の答申に従って、日本の教育を第三の教育改革ということでやろうとしておる。こう私は理解しているんですけれども、大体どうですか。今度の筑波の問題でも何でも、これは中教審の答申に従ってやるということだと思うんです。この間、文部大臣はちょっと、おもしろいことを言ったね。中教審の答申をうのみにしているわけではありませんと、こう言っている。うのみにしているわけではありません、と言ったのは、そこのところは、大臣に確かめておかなきゃならぬところだけれども、これ、大臣はひとつまとめておいてください。というのは、うのみにしていないというようなことを、あれだけの膨大なものですから、うのみにしていないということはどういうことなのか。これは、あなたのほうで私の誤解を受けちゃ困るだろうから、ひとつあるならば、うのみにしていないというのは、これはもう全然とにかく採用しないというふうには考えられませんからね。ひとつ、いまでなくてけっこうです。まとめておいてください。
 そこで、さっきの教育の政治的中立の問題をもう少しはっきりさしておくんですけれども、教育の政治的中立という問題は、文部大臣としてはどうやれば、教育の政治的中立だと、ぼくならまず第一に、一体教育政策というものについては、党派が一体やるべきものでないと考えているんです。われわれも一時そんなことを考えたことがある。文部省に対する考え方なんかも、私の考え方では、文部省なんというのはいわゆる教育の中身にまで干渉するというようなことはこれはやるべきでない。そうすると、どういうことになるかといったら、そういう中立的な立場をとれる、いわゆる国民の側の意思を反映するようなやり方もあるんじゃないかというような、そういう意見もあったけれども、なかなかそれが形としてこうやるべきだというような結論にまでも達していないけれど、私ならそう思う。しかし、いまの政党政治の中で、いまのような仕組みでやっていくということになると、与党になったものは教育の政策についてある程度の責任あるということは、これはいまのところ認めざるを得ないでしょう。そういう場合に、少なくとも、国民の大多数の賛成を得ないで、教育の根本にわたる問題具体的な教育の内容に関する問題そういう問題を与党がきめて、野党のたくさんの反対を受けても、これに対して意見をとるわけでも何でもない。大体もういままでの中で、強行採決はようやった。特に大学に関する問題では、大学の運営に関する臨時措置法のときもそうです。参議院では委員会二分、何も審議しない。委員会二分、それから本会議一分、それで上がってきた。衆議院もとにかく委員会は二分か三分で上がっているはずです。今度の場合もぼくは衆議院の委員会上がるとき、あそこに行って見ておった。大臣が何か遺憾の意を表明したと思ったら、ばっと始ったね。参議院にきても同じことをやった、そういうやり方できている。そういうものをずっと通してみて、これはどうですか、教育の政治的中立と言えますか。皆さんは多数党であるということは認める。しかし、あなたたちを多数党にした支持の票数もあるけれども、反対に立っているわれわれの社会党でも、そのほかの野党の皆さんの党でも、それぞれ国民の支持を受けて議員になっている。あなたたちが力をもってやってくるということは、これは政治的中立確保になるかね、どうです。
#207
○国務大臣(奥野誠亮君) 先ほど来話に出ております義務教育の中立性確保の問題は、子供を育てあげていく、教育をしていく、そういう場合に、特定の政治勢力を伸ばしたり、減退さしたりするようなことをやってはいけないということだと思います。また、公務員につきましては、教員だけに限りませんけれども、公務員は特定の政治勢力を増大させる、減退させるというような役割りをしてはいけない、こういうことだと考えております。同時に、教育諸条件を整えていく、それは文部省の役割りだと、かように考えておるわけでございまして、それは諸条件を整備する場合に、先ほどおっしゃいましたように、学校をどこに建てる。その場合には、時の政権を担当している者は、自分に有利なようにするのじゃないかというような御指摘があるのじゃないかと、こう思うわけであります。できる限り、そういう問題は教育上最も効率の高まるところを考えてやらなければならない。しかし、そういう場合には、やはり党派的な影響もあり得るのじゃないか、これは御指摘のとおりだと思います。そういう意味で、そういう責任者は政党出身者がいいか、そうでないほうがいいかというようなことが、たびたび議論としてここで行なわれていると思います。そういうものにつきまして、私は、やはり与党の力を利用する、そうしてできる限り必要な教育上の財源等を確保していく。その衝に当たる者が、特に特定の政治勢力を増大させるというようなことに片寄らない教育上の見地から努力をしていくという姿勢、これさえ守っていれば、むしろ政党人の私はやりやすいように、教育諸条件を整えやすいように思う、こんなことをお答えさしていただいたこともございます。いずれにしましても、国の政策の問題は、国会においておきめいただきます問題でございますので、おきめいただきます場合に、やはり政治勢力の多いほうの考え方が最終的には話し合いが行われましても影響力が大きいと、それはそのとおりだと思うわけであります。しかし、教育の中身の問題につきまして、あるいは教育をそのとおり行なっていく場合において、特定の政治勢力の伸長を中心に考えてはいけない。特定の考え方を押し込む、そういうことは避けなければならない。日本は自由な国として発展していかなければいけないのですから、教育界におきましても子供のときから政治思想について洗脳的な役割りを教育界が行なうようなことがあってはならない、こういうことで、特に政治的中立ということが教育において言われてきているんじゃなかろうか、かように考えているわけであります。
#208
○小林武君 そこで、あなたどうですか、教育の中身の問題、教育の内容の問題ですよ。この内容の問題をあなたたちは政党の力で変えてきたでしょう。たとえば、教科書検定というのがある。この教科書検定というようなものをやって、そうして教科書検定で教科書を変えて、平和の問題などというようなことはなるべく避けて通る。公害教育に対していろいろな圧迫があったと、再軍備の問題について初めの教科書とあとの教科書とぐっと変わってきたというのは、みんな教育の中身についてこれはこういう教え方をしなきゃだめだということを強要してきたわけでしょう。そういう問題について言ったらこれはあなたたちの意向に従って教員は、しかも、この内容を教えるのが法律化されるために、これは法律違反だという責め方をされるわけだ。日本の教師には以前もそういういろんなさまざまな問題があったから、教師が責任を負う教育においては教育についての内容にも自分たちに責任がある。納得のいくものでなければならぬ。正しいものの見方でなければならぬということになる。それなら責任取れる。しかし、中身に対してあんたは全然文部省はそれについて干渉していないと、こう言えますか。しているでしょう。そしたらあなた、教える教師が何と言ったとかかんと言ったとかということよりも教科書とか指導要領、そういうものもこれでいかなきゃだめだと、こう言ってきたらどうですか。それは一つの政党の考え方で、われわれのほうから言えばそんなことはとにかく間違いだという批判は何ぼでもやっているわけですね。それはどうなるんです。それはおれらは与党だからかまわないという、ぼくは教育の条件を整備するということであればうんと努力して、しかもみんなに公平でやるということであったら、これはあんまり意見の対立はないと思う。しかし、教育の中身に関する問題、教員が自分で責任を負わなきゃならない問題について一体それを規制するというようなやり方、それこそほんとうの教育の政治的中立というものを破っているんです、そういうことでしょう。だから何と言ったかというと、文部省自体がそう言ってあれしたじゃないですか。おまえたちの教えた日本の歴史の中でこんな誤りをおかしておったじゃないか、だから日本国民の中にものごとを科学的に処理する能力を失わせたり、ひいては戦争に突入していくようなそういう判断力のない、盲従するような国民の国民性をつくったじゃないかと言って書いたじゃないですか。そういうことは、いまの法律の中ではどうでもできるようになっているんじゃないですか。私はそれを一人の教員がやったかやらぬかというようなこと、そこに重点を置いて政治的の中立、中立と言うが、もっと上のほうから考えて、もっと大もとの問題を議論したらあなたのほうはどうだと聞いている。その点あたりまえだと思っているんですか。中身のことについてから、それからまた学校の運営、大学ならば教育・研究についてもいろいろな干渉をする、そういうやり方はいろいろな事例たくさんあるでしょう。あなたたちの要望を受けて中教審をやった、最後に答申をまとめた森戸さんなんかも助教授時代はクロポトキンの研究でとにかく大学やめなきゃならぬ。そのとき彼はどうしたかというと、どうです、なかなかそのときはりっぱだったとぼくは思う。大学の総長がとにかくわび状書いたら許してやると、こう言った。そんな意図じゃなかったという一札書いてくれれば君処分しなくてもいいんだが、それ書いてくれと言ったところが断固としてこれを拒否した。その森戸さんのまとめたところの中教審の答申の中身を見ると、まことにこれはおかしなものだ、人間もこうも変わるもんかどうかということを私、感じているわけですが、それも結局どこから要請されてそう言っているといったらあなたのほうでしょう。大体そういうふうになるような人選でやっている。そういうことが教育の中立性といえるか、一番大きな権力という力でもって教育が押し曲げられたやつの政治的中立を云々しないで、教員の自主的判断に基づく教育の問題に難くせつけて、これについて刑事罰を加えてやろうというのが初めの意図だ、これが教育の政治的中立確保に関する法律の提案の趣旨である、多少これがぼやけてきたというのは、多少の批判もあったからでしょう。しかし、実質的に行政的には十分にそれやることできるようになっているんですよ。あなたそれについて何か、いやそんなことやるのあたりまえだとおっしゃいますかな、どうです。
#209
○国務大臣(奥野誠亮君) 教育の問題がしばしば与野党激突している日本の姿、私はたいへん不幸なことだと思っております。同時に、わが国では憲法に基づいて国会がいろんな法律を制定される。その法律を執行する責任が政府に与えられておるわけでございます。したがいまして、国会で制定されました法律をゆがめて運用しているということになりますと、大問題でございまして、そういうことがあってはならないと思います。同時にまた、法律が憲法の考えと反しているという場合には、裁判所には違憲審査権が与えられておるわけでございますので、憲法に反したような、たとえば与党が多数にまかせて立法してしまうという場合には、そんなことができないように裁判所が違憲審査権を持っているわけでございますので、違憲判断をすればその法律は効力を失うわけでございます。そういうことでございますので正規に法律が判定される、その法律に基づいて行政当局が運用していく、当然運用にあたりまして、先ほど来しばしば問題が出ております教育は中立でなきゃならない、そういう考え方で教科書の検定を行ないます場合にも十分努力をしているはずでございますので、もし内容において特定の政党の勢力を伸ばすような事実が行なわれているということでありますれば、大いに御指摘をいただけばよろしいんじゃないかとかように考えるわけでございます。同時に、教育基本法には「心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。」というふうに教育の目的を書いているわけでございます。そうしますと、やっぱり国民を育成するということになりますと、国民にふさわしい国民が育成されるように、教育についても十分な配慮がなされなきゃならない。単に個人を育てるわけじゃございませんで、国民を育てるわけでございますので、国民全体で教育はこうあってほしいと、裁判所が、教科書が全くそれを無視したようなことがあってもいけないわけでございますだけに、検定というような考え方も生まれてきたと思うのでございまして、同時に検定に当たりまして、いまも申し上げましたように、教育の政治的中立を侵すような検定のしかたが行なわれていますと、これは大いに御指摘いただかなければならないという性格の問題ではなかろうかと思っております。
#210
○小林武君 あなたのあれには、悪法も法なりというそういう考え方、悪法も法なり、きまったら最後、だから悪法も法なりの信念があるから、これは無理だなと思うと力でいくわけですね。きょうも何だかあやしげなあれが出てきたなんて中断された。私は早くやめようと思ったけれども、あれが済んだんでその時間だけはよけいやらなきゃぐあい悪いかと思って、審議またサボったなんて言われるのも業腹だからいまやっているんだ。悪法も法なりじゃだめなのよ、そんなこと言ったら。教育の実質についていかなきゃだめね。教育に最も妥当な、子供にとっては教育内容というのはきわめて大事なんです。その教育内容について合意に達することができないような、少なくとも、真実でないようなことをやってはいけないということ、そのことについて政府は自由に干渉できるようなやり方をやって、そうしてどうですか、民主教育が始まった当時のあの何といいますか、純真なものの考え方というのは教育の中になくなっちゃって、教科書の中からも政治的に時の権力にぐあいの悪いようなものはどんどん削っていく。初めは憲法九条なんていうのが、いかなるものもとにかくいくさに関係あるものなら戦力として認められないてなものの言い方が文部省の憲法の話にもちゃんと出ている。それがいつの間にやら自衛隊はこれは何だてなことになるというと、それはけしからんというようなことであなたたちはやるでしょう。再軍備はあたかもこれは合法で当然なことだと言わぬばかりにやってくる。そこに見解の相違が両方に出るわけでしょう。まあ、七日にどんな判決が出るかどうか知らぬけれども、違憲かどうかというようなこの自衛隊の問題が出てきた場合に、そうなった場合に、これどういうふうにするか。あなたたちの解釈というのはどうなのか。あれは裁判長がけしからんからこういうことになったのでわれわれの考え方は正しいなんてなことを言ったら、これはまことに妙ちくりんなことだと思う。
 ぼくはさっきから言ってるのは、権力の力で教育をどうするというような行き方はこれは不当な支配なんだと、こう言っている。だから文部省自体言ったじゃないですか。政党の力というものが強大化してきた場合に、――特に強大だというのは何かというと、与党、政権を握ったものなんです。その政党に対して教育に不当な支配をかけないように教員は団結してやらぬとだめだと、こう言ってるのじゃないでしょうか。それを文部省、いくさに負けたときに初めて本心に立ち返った。ぐあいが悪くなったら今度それを捨てて、時の権力に迎合しないようなやつはこれは不良教員だというようなことになったらこれはたまったものじゃないですよ。だれが困るかといったら、教員よりかもそれは日本の子供が問題なんです。日本の行く末の問題になるでしょう。そういうふうに教育の中立性というものを見なきゃだめだと、こう言ってるのです。あなたは政党の立場に立って、与党の立場に立って、おれのやることは全部正しいと、おれたちの主張していることを教員が自分の裁量でこれは正しいのだなんてなことをやったら、それは国の法律にそむいたものだから許しておけないというのがあなたのほうの考え方でしょう。どっちがものの考え方としてすなおですか、どっちがものの考え方として正しいのですか。戦争と敗戦というものを経験した日本人にとってどっちが正しいのですか。その行き方がまるっきり変わってきたのじゃないですか。それをぼくは言ってるのですよ。
 あなたは、とにかく苦しくなると法律、その法律にもとることと言う。法律にもとる前に日本国憲法と大日本帝国憲法、教育勅語と教育基本法の差が出てきている。その上に立って現状をあなた判断しなきゃだめですよ。教員に節操を売らせるようなそういう教育をやったり研究をやったりしたら、日本の国は再び大きなあやまちをおかしますよ。教育者としての節操というものはなきゃならぬのです。それは教員だって完ぺきじゃないから教員の考えていることがみんないいなんて、そんなことを言うのじゃないのです。教師がものを教えるのにいろいろ勉強したり教えられたり自分で考えたりして、これこそ日本の将来にとって確信持てることだということを教えるのがこれが教員のつとめじゃないですか。そういう教師が不当な力の支配によっておのれの信念を曲げなければならぬときには教師はどうしたらいいのか。私は、教師は信念のために生きなきゃいかんと思うのです。それこそが、あなたたちの教師に対する期待でなきゃならぬし、親たちの期待だと思うのです。そういう考え方は政治的中立と、こういう。まあ、あまり政治的中立なんて言いたくもないけれども 正しい教育者としての生き方だ あなたはそれ認めないで、あなたの場合は、いやそれはどんなことであっても、法律が通っておればその法律どおりにやるのがこれが正しいのだ、こういう考え方はいかんですな。世の中を見たってわかるでしょう。悪い政治家もたくさんいるし、おそろしい権力でもってやっているところもある。まあ今度の韓国の問題にしろ、ひとの国を批判する前に日本のことだって考えたらいい。似たり寄ったりのことがある。権力というものは何をやっても正しいという、そんな考え方が大手を振って通るときにはそれに負けてはいかぬ。あなたは法律万能主義みたいなことを言ったらだめだ。それはあなたのあれにも出ていますな。判決の問題についても、最高裁の。あなたは前の判決のあれがとにかく目ざわりでしょうがなかった。今度あとにそれをくつがえすようなやつが出たから、やれやれこれに従っていかなければだめだというようなことを言う。上級審と下級審の場合ならともかくとして、最高裁の大法廷できまったような判決が一年や二年で引っくり返ってたまるもんですか、一体。それには政治の悪がある、そんなことの状態になれば。われわれが最も信頼している司法権にさえそんなことが出てくる。あれだけ身分を保障されているといったところでそうはいかない、身分だけではいかない。世の中の仕組みというものがものすごくいろいろな意味で支配の力を出してくる、どっから出てくるか。私はまあ経験はあまりないけれども、なかなかこの背後の力というものはおそろしいと、公務員をやっていて思った。それを言っているんですよ。教育の政治的中立というものは、あなたはもう少し考え直してもらわなければ困るな。
 こんなことをいつまでやっているわけにいかぬから、どうせまた次にやるのだから、ここでやめますけれども……。
 しかし一言言えばね、ぼくはあなたと悪口の言い合いをしているというようなことが主眼じゃない。やっぱりあなたのほうでも、とにかくこの法律を通したいという気持ちがあり、ぼくらのほうはこの法律を通したくないという気持ちがある。その中でいろいろ議論してみて、そうしてその中から何か出てくるのかどうかということもあるだろうし、全然ないならば、正々堂々とやってもらいたいのだな、正々堂々と。論議を尽くし、堂々とやってもらいたい。おかしなことをやってもらいたくない。ときどき督戦隊みたいなのがここに入ってきて、それが来るたびに何だか空気がおかしくなるようなやり方はやめてもらいたい。
 きょうは終わります。
#211
○国務大臣(奥野誠亮君) ちょっと答えさせてもらいます。
 教育の中立が、だんだん教員の政治的中立に重点を置いてお話しになっておったように伺いました。教員に限らず公務員の政治活動は制限されている。やはり私は公務員制度の変遷は御理解いただきたい、こうお願いをしたいわけでございます。封建時代は殿さまがかわっちまえば身分は失った。その後選挙制度になりましてからでも、任意に公務員を選定できる時代もございましたでしょう。そういう場合には、やはり時の権力者に全面的に協力をする、私腹を肥やす、結果は、行政の公正が妨げられるというようなことから、私は今日の公務員の試験採用というものがきまったと思うのでございます。同時に、その主権者に奉仕するにあたって国民全体、人民全体に奉仕して一部に奉仕するものじゃないというような明確な考え方が出てきたと考えるわけでございます。そういうところから特定の政治勢力に結託をしない、同時に身分保障はします、そういうことを通じて、行政の公正も確保され、公務員にとっても政治的に中立でなければならないということが強要されることによって、仕事についてもたいへんやりやすくなってくるのじゃないか、こう思うわけでございまして、やはり近代的な公務員制度のよさも御理解をいただきまして、したがって、また政治的な活動は公務員はしないということに相当重い視点を置いていただきたいなと、こう私は希望を申し上げておきたいと思います。
#212
○小林武君 この議論をやっていけば延々としてあなたと私とは一致点はないようだけれども、われわれの言うのは、特定の政党を何か日本の教師がそのために教育の場でやっておるなんてことを考えたら大間違いですよ、それは。しかし、何ぼ教師であっても一市民としての権利はちゃんと持っているんですよ、政党に投票することも。市民としての行動を全部取り上げてしまうというわけにはいかないでしょう。それは戦前の教員に対する接し方といまとは違う。だから封建時代までいかぬでいいんですよ。封建時代までいかぬでいいんだ。戦前と戦後さえはっきり比較検討されれば、これはもう簡単に出る問題なんだ。だからあなたの考え方にそれがあるから、教員から政治やるやつなんというのは政治屋だなんて妙なことを言うんだよ。それにあんたのエリーと意識が、今度はくそ、しょんべんを何だかするやつなんということを言うから、あなた、いけない。あれは用語の不的確ということではなくて、あなたの思想の問題なんですからね、だからぼくはなかなか、これは相当やらなければならぬことだと思う。ただ、さっき言うたのは、与野党というものが政治的見解を異にしたら日本の教育問題というものはいつでも対立ばかりしておって前進することのできないもんだと言ったら、そうじゃないということなんです。それはなぜかと言ったら、どんなに政党が違っていても、日本の将来をどうするかということになったら一致点はあるはずだ。どうしても一致できないときには正々堂々とやらなければいかぬ。いずれ、しかしそれは種消えるわけではない。その次にやるということをある。そういうことを言っているんです。変な手使うなと、こう言っている。よく言うくさい手を使うなということは、そういうことですね。きょうはこれで終わります。
#213
○委員長(永野鎮雄君) ちょっと小林委員にお願いを申し上げたいと思いますが、まだ相当御質疑があるようにお見受けをしますけれども、それならもうしばらく質疑を続けていただきたいと思います。
#214
○小林武君 いや、続けません。
#215
○委員長(永野鎮雄君) そうおっしゃらずに少し消化してくださいよ。
  〔「慎重審議と言うのだから」と呼ぶ者あり〕
#216
○小林武君 慎重審議は夜中までやるということじゃないんですよ、それは。その話は理事会でやりなさいよ。
#217
○高橋雄之助君 私は本委員会の運営並びに議事進行について発言させていただきます。
 本院は八月二十一日に正常化の申し合わせがされてから今日まで、筑波法案についての実質審議が八月三十日と本日、合わせてわずかに二日でございまして、その時間は十時間足らずでございます。このほかに文部大臣の発言に対する追及がありまして、これが五時間ちょっとあったと思います。このようなことでございまして、委員長並びに理事各位がいろいろ御苦労されておりますことはまことに感謝にたえません。また、与野党間にいろいろ御事情はあろうと思いますが、私は委員の一人として、特に地元でありまする関係から、旭川医大に深い関心を持っておる者でございます。こういう状態で筑波法案の内容を国民の前に明らかにすることができませんので、まことに残念の至りでございます。会期もあときわめてわずかになりましたが、委員長はどのような審議計画でこれからの委員会を運営されようとしているのか、質疑予定時間の案はどうなっているのか、われわれ委員にも知らせていただきたいと思います。
 なお、本日までの審議の進行状況から見て、今後審議を重ねるためにはかなりの日数が必要と思いますが、余すところきわめて少ないのでございます。したがいまして、定例日以外にもやはり審議をするということで、明七日もぜひ本委員会を開いていただきたいので、この際、皆さんにおはかりしていただきたいと思うのでございます。
 以上でございます。よろしく願います。
  〔「賛成、賛成」と呼ぶ者あり〕
#218
○委員長(永野鎮雄君) ただいまの議事進行に私がここで云々するわけにもいきませんので、理事会を開いておはかりしたいと思います。十分間ほど休憩を……
#219
○松永忠二君 議事進行について。
 特に高橋先生の御発言があった北海道の旭川の医大問題で非常に焦慮を重ねておられることは、私たちもよく承知をしておるところでございます。したがいまして、ここで申し上げるまでもなく、私たちはそういう旭川医大の問題とか愛媛とか山形医大その他の研究所の問題等は、非常な焦眉の急であるので、論議をしてこれを成立させて、そして早急にそれを実施をして、筑波問題については十分な議論を重ねたいと、こういうふうに言っているのでありまして、御要望に沿うように私たちとしては提案をすでにしているというところも御理解願いたいと思うわけです。
 またお話しのように、いまの御意見でいろいろ今後の審議日程について焦慮されている点も決して理解ができないのではありません。しかし、ここで特に自民党の皆さん方に御理解願いたいと思うのは、私たちが理事会で確認をした問題についてであります。これはすでにこの前、加藤先生から御意見があったときに私申し上げましたように、この前の採決が有効であるとか無効であるということは完全にたな上げをしようではないか、ということはたな上げであるということを確認をしているわけであります。それから自民党の皆さんの中には、何かこの法律はすでに成立をして補充的な質問をしているのではないかというような考え方があるようでありまして、すでにもう事済みであるという認識を持っていられるようであります。したがって、もう二十七日も迫っていることであり、そこまでいかぬでも早く処理したらどうかという御意見もあるようでありますけれども、これはそういう性格のものではありません。完全なたな上げでありますので、理事会で確認をいたしましたことは、この法律が本委員会で審議をして可決をされるのか、あるいはまた修正をされるのか、あるいはまた審議未了に終わるのか、三つの処理の方法があるということを確認し合ったのであります。決してこれが成立をするということを認めているのでもありません。また、廃案になるということを認めているのでもない。また修正し得るというそういう条件もあるということを確認したのであります。ただ、その処理のしかたについては、すでに議長等の間で協議をして本会議において処理するということは確認をいたしましたけれども、しかし、この前出しました委員長の審議の報告については、議長において、この委員会においてこの処理が済まない限りこれを凍結をするという点を確認をしているわけであります。そういう意味でこの有効、無効は関係なくたな上げであるということを明確にしているのであります。それからまた、この理事会においては、十分ひとつお互い信頼を持って事を処していこうではないか、そういうことをお互い確認するとともに、この委員会の軍営というのは理事会の協議の上に基づいて運営をされるということになっているわけです。本日先生の申された問題等についても、理事会にいろいろ話が出まして、自民党はこの前、理事会でそうした日程の問題等お話がありましたので、一応御意見を聞いた上で私たちの意見を申し上げて、理事会でこの問題は後刻いろいろ相談をしていこうということになったのであります。
 また、審議の時間等の問題にいたしましても、まあいろいろ委員長からも御要望がありましたけれども、この問題はやはり根本的にいろいろ議論をする必要もあるので、とにかくどこの委員会でも常識的ないわゆる時間で審議を終了しているし、それからまた委員の発言等も時間を制限するというような措置などをやってない。十分に審議を尽くしているという状況であるというような点も話し合いをいたしました。一体審議拒否とか、そういう問題と委員会の定例日の問題等についても、前回、公明党の大会の際に従来社会党等でも大会で休んでいるんで休んだらどうかというお話等もありましたけれども、自民党の中の強い御要望もあり、定例日であるということから私たちもそれに応じて審議をしてきたわけであります。したがって、この委員会の定例日というのにわれわれは参加しないということになれば、明らかな審議拒否でありますけれども、きまった定例の日に審議に応じていくということであれば、これは何ら審議拒否でもないということになるわけであります。いろいろ議論もあるわけでありますので、こういう場で直接委員長にその見解を求められるというようなことは、私たちとしてはあまり好ましいことではないように思うのであります。そうしたお気持ちをひとつぜひ自民党の理事に直接お答えをいただきまして、理事会で十分皆さんの御意見を反映をして理事の方に発言をしていただく。私たちもまた野党の立場から理事の気持ちをお話をしていきたいと思うのであります。いずれにいたしましても、賛成の皆さんはこの法律を通したいと考えているし、反対の皆さんはこれを通したくないという立場にあるわけでありますから、一体どこまでどういう形で審議をしていくかということについては微妙であり、かつ十分慎重でなければいかぬと思うのであります。したがって、賛成の方のお気持ちからいえばまことに不満である点もあるかもしれません。また反対の立場の者からいえば、どうも順調過ぎるという意見も実はないわけでありません。したがいまして、ひとつこうした問題は相互にお互い無効、有効はたな上げされている以上は、やはりこの点をお互いに慎重に話し合いながら運営していく以外に方法はないと私たち考えるわけであります。こうした問題も理事会でまたいろいろ議論をしていくところでありますので、ぜひひとついまのお話等で委員長がここで発言をとめられるとか、委員長にしても、私の望みたいのは、こうした問題を短時日で、時間で審議をして皆さんにお答えをするというところへいくわけはないのでありまして、そういう意味できょうは理事会できめましたように散会をしていただいて、そうした問題を含めて理事会等で議論をするということに願って、ここで暫時休憩をしてというようなことなどにしても、結果的にはすぐそれが解決するわけじゃありませんので、本日は理事会で相互信頼をするという角度から、本日の日程は大体きまっているわけでありますので、ぜひひとつそういう処理のしかたを願いたいと、私たちの立場と意見を申し上げたわけでありますので、これまた委員長のほうで、委員長もこういう点をひとつ御配慮をいただいて処理を願いたいと、そう思うわけです。
#220
○楠正俊君 いまの松永理事の発言でございますが、きょうの理事会において十分審議をしようじゃないか。その十分審議をしようということが、まだこれは六時前なんですね。それじゃ十分と言えないじゃないですか。常識の線とおっしゃいますけれども、それは平素の委員会のあれと少し違っておるんですよ。もう会期余すところ何にもないんですからね、幾ぶんも。そういうときに常識の線だとおっしゃって六時前におやめになって、それでしかも十分審議をしようじゃないかというその皆さん方の意向はそれに反映しておらぬじゃないですか。当然これはやはり慎重審議を十分ここで、(「委員長」と呼ぶ者あり)まあ、聞いてください、私の言うことを。十分質疑をなさって、われわれはこうやって聞いておるんじゃないですか、みんなそろって。どうぞおやりになっていただきたいと思っておるんですよ。それから、それもできない。しかも定例日以外もできない。それでしかも慎重審議というようなことでは理屈が通らぬじゃないですか。委員長、それは当然これは理事会を開いていただいて、その問題については理事会でこれから協議したい。その理事会の協議に従って、われわれはまた委員会は正常に運営していくことに対しては大いに賛成でございますから、理事会を開いていただきたい。
#221
○宮之原貞光君 それはぼくはおかしいと思うんですよ。けさの理事会で、いま高橋先生がおっしゃったようなものを、永野委員長から定例日以外はどうするかという問題なり、それから各党の質問時間の問題なりを、どうなっているのですか、それをまとめてもらいたいという話があったからね、まあ長くなりますからその経過は申し上げませんけれども、あなたも傍聴されておったからお聞きでしょう。だからいま現在のものを言えといえば言えません。しかし、いままでの経過はこうですと申し上げた。しかしながら、委員長のたっての、その問題についての要請ですから、四党間もいろいろ話し合いをさせてもらってそのお答えをじゃ委員長に申し上げましょう。こういうことで、その問題はとまっているんですよ。ですから、その話から見れば、いまおっしゃったところの問題と同じような問題を朝、提起されたのです、委員長から。したがって、四党間はその問題についていろいろ話し合って、それで次の理事会で委員長にお答えを申し上げて、それから協議をしなければならぬ段取りになっているんですよ。そういう段取りになっているのに、また、それでよろしいといったところをおたくの理事さんからまたいまから理事会をやりましょうと、こういったっていわゆる四党間で十分話し合いをして、委員長の提起の問題、ちょうどあなたの提起されたところの問題と同じような答えを私どもにもさせてもらって、そうしてそこで話し合いをするというのがこれが筋じゃないですか。ですから、朝の理事会の経緯から見ればそういう経緯になっているのですよ。ですから、楠さんがいま休んでやりましょうと言ったって、それはあなた方にはいいかもしれない。かっこうがいいかもしれないけれども、それならば四党――いま民社党がいらっしゃいませんけれども、私どもの、委員長から提起された宿題の問題については話をするところの時間さえないじゃないですか。だから、それはけさの確認のように、やはりこれは終わりにしていただいて、その話をぼくらにもさせてもらって、その答えを持っていって理事会でやるというのがこれがやはり効率的でしょう。またけさの話し合いから見れば、これはその筋のとおりになっているのですから、その辺、私はやはり委員長も理解しなければ、また楠さんがその前言をひるがえしてそうされたのじゃ、これはおかしくなりますよ。私の話は筋が通っているでしょう、これは。あなたも傍聴されている。向こう側の先生もけさおられましたけれども。ですから、せっかく委員長の提起ですから私どもにも検討させてくださいと、私ども野党から出ているところの委員がその負託を受けているわけですから、まず第一に私どもの間で十分話し合いをさせて、その返事を持ってこさせてもらわなければ、いまここで中断をして皆さんお待ち願ったって、これは話はつきませんよ。話がそういう経過になっているのですからね。その点を委員長、きちんとやはりけさほどの経過というものは踏まえてもらいたいと思うのです。
#222
○高橋雄之助君 ただいま松永先生、宮之原先生からいろいろお話がありまして、その事情についてはよくわかりました。ただ、私どもは、私はじめ各委員は一体どうなるんだ、こういうような状況の中で一体この法案はどうなるんだという非常な心配をしているわけです。そういう意味から、ぜひひとつこれは理事会でも十分お話を願って、一ときも早くこの審議が十分できるような態勢を整えて、時間もひとつ大いに勉強してもらう。そうして十分ひとつ掘り下げてやはり審議をしてもらうということが私の願いなんです。そういう意味でもって提案を申し上げたわけでございまして、毎日こうやってすわっていろんなことを聞いているわけでございますが、先ほど申しましたとおりまだ十時間足らずでございます。これから何日あるかということになれば、定例日だけで数えてみても、もう何ぼもないわけでありますから、それに、承りますれば、かなり質問者もおるということもまあ陰ながら承っているわけでございますから、そういう意味で、委員長は十分ひとつそういうようなやはり審議日程の問題あるいは時間の問題、あるいはまた質問者の関係、これらを十分話し合って、ひとつ計画を立ててそうして進んでもらいたい、このことを強く委員長にお願いするわけでございます。まあ、与党の委員長であり理事であるからそこで話せばいいという話もありますが、しかしながら、これは皆さんの協力を得なければできませんので、ぜひとも、そういうふうに進めてもらいたいという切なる願いを実は申し上げたわけでございますので、その点を十分ひとつ御理解いただきたい、かようにお願いします。
#223
○竹内藤男君 いろんな議論がありましたので、私、簡単に申し上げますが、小林先生がきょう六時前に質問をおやめになって、これできようは終わりになるかどうかという問題、それから明日さらに文教委員会を開くかどうかという問題が残っておるんです。その問題について早急に理事会を開いておきめを願いたいと、こういうふうに私は御要望を申し上げます。
#224
○委員長(永野鎮雄君) それではちょっと私から申し上げます。
 与野党の多数の委員からの御意見がそれぞれ出ております。最初、私がきょうの審議の経過を見ておりまして、小林委員から、五時半過ぎでしたか、きょうはこれで終わると。まあ、これからいろいろ質問するといったようなことで終わるとおっしゃった。私、委員長としても、これまでの委員会の審議の状況をつぶさに見ておりまして、先ほど委員からも御発言がありましたが、定例日というものを原則として審議をするということになりますと、ほんとに日にちがございません。しかも、まだ質疑者が相当おられるように私も承っております。そういう状況下では、なるべく消化をしていただくように御協力をしていただかぬと、委員長としても委員会の運営にむなしさを感ずるわけでございます。それで、先ほども小林委員に特にお願いをしたようなことなんですが、それに関連して与党の議員からの意見が出てきたわけですが、けさ、宮之原委員が先ほどおっしゃったように、私から、理事会に、実は特に御協力をいただくようにお願いをし、その際も、まだ、各党の委員と話し合いができないからわからないし、どういうふうになるかわからぬというようなこと。質問の時間も相当かかるであろうという予測、そういうふうな状況でこのまま、いわゆる見通しの立たないような状況下で委員会を運営していくということについては、委員長としては非常に苦慮せざるを得ないと思います。そこで、まことに理事の方々、委員の方々にも恐縮ですが、いま、最終的な何か結論を出していただきたいということは無理かもわからぬと思います。けさほどの野党の理事の方々の御意見を聞いてもそうだと思う。しかし、その大めどと申しますか、どういう形でやっていこうという大筋についての話はできるだけ早くしていただきたいという意味から、まことに恐縮ですが、しばらくの間、その点について理事会を開いてお話し合いをいただきたいと、私は特にお願いを申し上げます。
#225
○松永忠二君 委員長理事会で打ち合わせたことと全然違うじゃないですか。そんな権威のない委員長理事会……。それはあなたの気持ちはわかるけれども――速記をとめてくださいよ。(「速記をつけたままでいいですよ」と呼ぶ者あり)つけたままでいいの、それじゃ、ちょっと委員長。
 委員長がそういうことを申される気持ちは、何も全然それを無視するというわけじゃありませんけれども、大体、委員長理事打ち合わせ会できめたことは、こういうふうに委員会を途中で――きょうは相当な時間ですよ。それを途中で、理事会で、休憩していま言ったような問題を話し合って、そうしてやるというような、そんなことをきめたわけじゃないんですよ。それをただ単なる――単なると言っちゃ失礼ですけれども、そういう御意見、御要望があったからといって、直ちに委員長理事会できめたことをつくがえして、そういうことをやられるというようなことになると、これから私たちは、理事会で相談したことを皆さんに徹底した場合だって信用していただけないですよ。だから私は――委員長のそういう気持ちはけさ述べられたし、いまも述べられた。いまも述べられたって、こういう席でそういうことをおっしゃることについては、私は少し異議がありますけれども、たまたまそういう意見を言ってくれと言ったんだから、意見を言われることはまあそれとして、きょうは運営のしかたとして、とにかく鈴木さんの都合で、鈴木さんがやられて、小林さんがやられるという話で、小林さんの質問を終わるなんということを確認したわけでも何でもなしに、普通のようにひとつやろうじゃないか。それで、時間の延長の問題であるとか、その御希望もあったけれども、そのことはこっちで一度打ち合わせをした上で、私たちも皆さんと御相談をしようと言ったわけですよね。それを、そういう重要な問題を、いま言うとおり、皆さんとも打ち合わせをして、それで御意見を聞いた上でお話をしなければできないわけですよ。ここで休憩しなさいと言ってみたって、何にもそういうことをただ再度言って声を荒立てるだけの話であって、きょうは、そういうふうに理事会、委員長理事会で委員長が言ってきまったことなんですよ。それできまったことなんだから、きょうはこの時間になったらやっぱり委員会を散会して、そうして御要望があれば理事会をやるのはけっこうですよ。しかし、私たちも相談しなければいけませんからね。そうした上でなければ、御相談しなければ――私は委員長がそういう処理のしかたをするということは、これはちょっと理事会といい、委員長理事打ち合わせ会なんというのは、私たちはこれから信頼ができませんよ、話し合ったことを。だから、私たちがきめたことが実際できないのであって、しかも、お話をするようにちゃんと順序をもってやったことなんでしょう。それなら、ここでちょっと休憩してもらいたい、それでそういう運営をするという話なら、そんな運営は、あなた、けさわれわれは約束したはずはないですからね、そんなことは御協力はできませんよ。だから、ここでやっぱり散会をされて、そうして理事会をやるというならば、理事会でも私たちは相談をいたしますよ。そうしてからやっていただくように、私はやはり委員長理事打ち合わせ会できめたことは、さっき言ったとおりにお互いに信頼をしてやろうじゃないか。それができないなら、委員長、理事で幾ら何の話をしても何にもならぬから、それじゃしようがないじゃないかということで最初お話をしてやったわけですよ。それでいままでそういうことでやってきたわけですよ。しかし、まあ失礼な話だけれども、しまいの処理のしかたが少しいろいろ違ったので、私も理事会でことばを荒立てたことを言いましたけれども、一応はきょうきまったことはきまったこととして処理をされていかないと、私はそんなことをやったのじゃ――また委員長、まさかそんなことをやるということはなかろう。しかも、再度あそこの理事会で確認したことでしょう。そんなことを毎回やられてはとても責任を持って私たちも理事会の運営はできないですよ。だから、私たちから言うと、突発的に委員会を混乱させてしまうということをだれかおやりになったって私たちは責任は持ちませんよ、そういう点ではね。ただ、私たちは理事会できまったことはきまったこととして責任を持っていくという考え方ですから、だから、そういうふうに理事会できめたことはみなに徹底をしてそのとおりやってもらうと、そういうことです。だから、私たちからいえば、きょう自民党の理事の皆さんがこのことは徹底してないからこんなことになるんじゃないですか。私たちからいえば、全くどうもそういう面でもおかしい。まあ意見を申し上げておきます。私、のみませんよ、そういうことをおやりになると。
#226
○中村登美君 私どもは、野党の先生方の質問につきまして大体お一人何時間ぐらいのお見通しかぐらいは伺わせていただきたいというのは連日の非常なる希望でございます。ただいま高橋先生のおっしゃいましたのは、私どものほんどうに切なる気持ちを代表してくださったと思っておるわけでございますので、その点につきまして、委員長がただいまから委員会を開きたいということにぜひ野党の理事の先生方も応じていただきたいと思います。それは先ほども宮之原先生が、何か不穏の空気があるぐらいのことでも質疑を中断して理事会を開かれたのでございますから、大事な委員会のこれからのことを議するのですから、理事の先生方もそう御遠慮なさらずにぜひ応じていただきたいと思うのでございます。ちっともこれは無理なお願いではないと思いますが、いかがでございましょうか。先ほどの不穏の空気というのは、根も葉もない一方的な宮之原先生の、何ですか、感じ方じゃないかと思いますので、そういうことでも質疑を中断して理事会を開かれたんではないんでございますか。ですから、この大事な委員会のこれから先の問題でございますから、ぜひ理事会をお開きいただきますようにお願いするものでございます。
#227
○宮之原貞光君 速記、あるでしょう。私から言いますけれども、やっぱりあったんじゃないですか。大体ああいうことが正常化していく過程の中で委員長がわざわざ皆さんの要望の中でつけ加えて、委員長の態度というものを満場一致で確認した中に、いわゆるやはり運営については特に理事会の協議の上に立って運営をしますということを明白にしてお互いは確認をしてきたんです。その上に立ってけさほどもやってまいりました。それでけさほどやられたのは、けさ皆さんに報告されたように、委員長のほうから、それについては繰り返しませんけれども、皆さんがああいったところの要望がありましたから、その問題についてはひとつ四党間で相談をされて、十分また次の理事会で私どもの考え方というものを述べさせてくださいということでそれは一応きょうの段階は終わっておる。それに続いてきょうはどういう運営にしますかということで、私どものほうの党の内部の事情でしたけれども、それじゃ、きょうは午前鈴木、午後小林という形で、完全に質疑は終了しませんけれども、そういう形で運びましょうと一いうことで、この皆さんに言われたことの中にも明記されている。したがって、私どものほうはやはり委員会の運営というものは、その理事会の確認に従ってこれはやられるということでそのとおりやっておるわけです。けれども、ちょうど三時十五分前後でしたか、私があらためて動議を出したのは、何か具体的な中身は知らぬけれども、それはそれで推測の域を脱しませんけれども、皆さんのほうから議事進行の動議の中で、新たにこの委員会に制約を加えるような議事進行の問題があるのではないだろうか、あるようだと私は判断した。それで、この問題は理事会の運営の基本にかかわるところの問題であるだけに、私はやはり議事進行の動議を求めて中断をして、わざわざ別室に行って、あくまでも理事会の確認のとおりやりましょうねというのを再確認をして、再度これを開かれた。そのときに委員長のほうから、何も、いま皆さんから出たような意見で、委員長が言われるように、これは一応このままにして再度理事会を開きましょうという意見の提示も何もないんですよ。いま卒然として皆さんから出されたから、委員長はこれを受けて、中断をして、理事会を開かせてくださいなんとあなた提案をするから、これは理事委員長会での話し合いからも違うじゃないか。しかしながら、われわれとしては、これはこれで散会するならばあと理事会を開くことにやぶさかでありませんと、こう申し上げているんですよ。理事会を開かぬとは言ってないんですよ、松永さんは。けれども、これを休憩にしてやるという一体その意味というのはどこにあるかわかりませんけれども、問題は先ほど来いろいろあったように、きわめて多くの今後の運営に関するところの問題だから、野党間は野党間で十分相談をしなければならない問題だけに、一応きょうはこれで散会をして、理事会をやれというなら協力しましょうと。しかし、これは、短時間では、すぐここで皆さんお待ち願ってなされるような問題ではありませんよ。だから、先ほど来私どもは、きょうは委員会はこれで終わりにして、理事会を開きたいというなら、それはけさほど理事会を開くという要請はありませんでしたけれども、委員長のたっての要請なら理事会に応じましょう、こう申し上げているんで、何にもこれは無理な私どもは話をしていることになりますか。これぐらい筋道通ったけさ来の確認事項は私はないと思うのです。それを私どもが、これから理事会いやだと言うんなら、これはまた皆さんがおっしゃったことも成り立ちましょうがね。
#228
○楠正俊君 きょうの理事会におきまして、こう早く常識の線とおっしゃいますが、やめようというような話は何もなかったんです。(「ありましたよ、ありましたよ。」と呼ぶ者あり)ないのです。ありません。そんなものないのです。十分審議をしようという、そういう前提に立って、こんなに早く私は終わるとゆめ思っていなかったわけです。
 それから、一人十時間というような要望があなたのほうから出ているわけですが、一人十時間をこれから質疑をやろうじゃないかというそういう慎重審議のたてまえをとっていらっしゃる皆さま方の党が、こんなに早く終わってやめるということはわれわれはゆめ予想していなかったから、したがって私は、いま委員長が休憩を宣してやったということは、また、再び小林委員に委員長がお願いされたように、質疑を続行してもらいたい、そういう意味があるから休憩を宣したと思うのです。
 それからいま一つは、これは十分考えていただきたいのですけれども、私はい理事会の権威というものは高めてもらわなければいかぬと思うのです。理事会で決定したことはちゃんとやっぱりそれを委員会の運営を正常ならしめるために守ってもらうというようにやってもらいたい。ところが、この間松永委員がおっしゃったんですね、私に教えてくれるような気持ちでおっしゃったんでしょうが、理事会というのは、楠君そういうものじゃないじゃないか。理事会で決定しても、ほかの党からまた反対が出た場合には、それはもう一回理事会を開いてきめるということもあるんだぞと、こう言われた。したがって、いま高橋委員からそういう意見が出たら、また理事会を当然開いてやるということは、何にもこれは理事会の決定に反するでもなし、不正常な運営になるわけでもないじゃないですか。
#229
○加藤進君 いまの楠さんのお話ですけれども、楠さん、久保田さんが、自民党の正式の理事としてきょうの理事会に参加されて合意されたことについて、あなた、合意されたことを裏返しにして間違ったことを発言されておりますよ。(「時間の合意はしておりません。」と呼ぶ者あり)いや、私もその席におりました。きょうは社会党の理事のほうから、委員の発言者の事情によって、午前中は鈴木さん、午後は小林さんと、こういうことで御了解を願いたい。そして、その時刻についても五時程度をめどにしてということまではっきり言われましたよ。そして、そのことについて二人とも、いいだろう、いいだろうと簡単に私、あなたたちがこれに合意されたので、逆に私はふしぎに思ったくらいですよ。こういう状況のもとで、いまこういう公式の席上で理事会の話とは全然別個に、突然発言される、こういうことが起こってくるようでは、ほんとうに理事会で相互の信頼というものがこれはできますか。このことだけは、あなたたちもはっきり責任を持って考えていただかなくちゃならぬと思うのです。
 それからもう一つ、委員長について私は申し上げたい。これは先ほども宮之原理事からも発言がありましたね。私たちね、委員長のあの強行採決を行なったあの問題について強く発言をいたしました。その結果どういう釈明が得られましたか。前のことは略しますけれども、これからの委員会の運営については理事会の御協力を得て、理事の御協力を得て、理事会の決定に従って忠実にやります、こういう趣旨のことをきちっと書かれて、その文書も残っていますよ。ところが、そのような方向であなたいまやられておりますか。私たちが理事会で話し合ったことの範囲を大きく越えていますよ、今度のことは。こういう突然の発言があり得ると。あり得る問題についてどう処理されるかという私たちの質問に対して、あなたは、理事会の話し合いを十分に尊重してやりますから、事柄は理事会に戻しますから、こういうことを言われました。こういう取り扱いならけっこうだと見て私たちは下がったわけですよ。ですから、いま言われるように、この委員会はこれでやめて、そして、そのあと理事会にはかるという措置をとられるなら私は信頼できますけれども、そういうこともしないというような状態で、また事情もおわかりになっておられないような委員の皆さんの前に、また誤った発言をされるというような自民党の理事の方たちの態度に対しては、私は納得できませんよ。こういう状態を正常にして相互の信頼と理解をやはり深めていただくように、理事会にとにかく返していただきたい。私は、あえてそのことを強く要求しておきたいと思います。委員長、そのようにやってくださいよ。
#230
○小林武君 さっきから聞いていると、慎重審議ぼくがしないというようなことを自民党はみんな言うんですか。ぼくは慎重審議していないと言うの。いいかげんにやって、(「だれがそんなことを言った」と呼ぶ者あり)慎重審議と言えるかと、こう言ったじゃないか。ばかなことおっしゃいよ。慎重審議しないというようなことをだれが一体言える。(「十分時間という、十分時間」と呼ぶ者あり)十分時間、そんなことを理事会で一体はっきりきめてきたのかい。(「きめてない」と呼ぶ者あり)きめてなければ、そんなことは、慎重審議というのは、われわれとしてはこれだけの時間でしっかりやればいいということでしょう。君らはなぜそういうことを言う。慎重審議のことを言うのであったらね、われわれは非常な忍耐力を持ってやっているんだ、な。ふざけちゃいけないよ。忍耐力を持ってやっているんだよ。大体この二つの党はね、これは無効だとこう言っているんだ、とにかくあれを。その立場に立ってやってもこの人たちはやはりかかっておる、審議に入っているんです。われわれはどうかというとそれは無効だと思う。しかしながら、いろいろなことを言っても、結局もとに戻してやるならば、やっぱり参加するべきだというのが社会党の態度だ。この上の態度に立ってやっているんです。いままでのそのやり方について特にぼくのやり方が違ったということがあるのか。ないはずだよ。君らが一体これについて慎重審議してないなんていうようなこと、どういうことだ。ぼくに言わせれば、それじゃ慎重審議というのはぼくらの質問に対して答弁の問題だって入るわけだ。たとえばおれの質問したことをどうだ、いまだにまだ文部省はまだわからぬと言っている。さっきはようやく持ってきた、終わってしまってから。大体質問なんていうのは質問したときに答える、そういうあれが過ぎちゃったらなかなかできないわけだ。しかし、君らが慎重審議ということについてどういうあれだというようなことを、これから理事会でやるということならば、きまればぼくは理事会にはあまり文句は言わぬですよ。理事会には文句を言わぬでやっている。しかしながら、きょうああいう形で出してきて、ぼくに対して小林は慎重審議しないからだ、けしからぬからこれからやるなんて言ったら承知しないよ。そんなことを言うなら、もっとおれには言い分がある。(「何にもそんなこと言っちゃいないじゃないか」と呼ぶ者あり)言ったじゃないか、そこで。何を言っているんだ。(「十分時間をかけて慎重審議をしようというたてまえであると言っているんです。」と呼ぶ者あり。)慎重審議と言ったじゃないか。君は前言をひるがえしちゃいかぬ。(「こんなに早くやめるなら十分……」と呼ぶ者あり)こんなに早くやめるという話があるか。こんなに早くやめるというようなことを言うなら、慎重審議してないと言うんだろう。こんなに早くやめるから慎重審議でないと君は言っているんだろう。(「前のはまくらことばだよ」と呼ぶ者あり)冗談言うな。冗談言うなよ、これは。
#231
○宮之原貞光君 大体、あなた方ようく聞いてくださいよ、ぼくは非常に客観的にものを言っているつもりですよ。何も我田引水的に言っているつもりはないんですよ。けさほどの経緯と先ほどの経緯を言っているんですよ。ですから、たとえば理事会において、きょうは九時まで、あるいは十時までやってくれということでぼくらが合意して、やらぬと言うんなら、皆さんからおこられるのはあたりまえですよ。しかしながら、先ほどの審議の過程というのは、いわゆる午前鈴木さん、午後小林ということで合意を見ておる。それがその話の中のそれぞれの中身の受け取り方の相違はいまこう議論してみれば出てくるんだ、これは。ぼくら、いままでの慣例に従って、大体ぼくはどの委員会も五時から五時半ぐらいに終わっているから、だから小林委員も大体五時半ぐらいで終わればいいなと思ってやっておるわけだ。あなた方は、きょうは慎重審議だからおそくまでやらなければならない云々という、こういう気持ちでいま発言されている。しかし、理事会においてはきょうは何時までどうだという、そういうきちんとしたものがやはりないんですよ、私は客観的にものを言うならば。そうでしょう。あなただって認めるだろう。それを理事会でこれは散会にしてやるというんならぼくら応じましょう、こう言うんだよ。けれども、これは休憩にして、皆さんから話があったから、理事会の申し合わせを破って、それでこのまま休憩にしてやりましょうというなら合点いきませんよと、こう言っているんですよ。どこに無理なところがありますか。ほんとうに委員長が公正な立場に立つならば、それはいろいろ議論はありましょうけれども、本日はこれは散会にしまして理事会を開きますというんなら協力すると、こう言うんですよ。(「それじゃ高橋委員のあれを無視することになる」と呼ぶ者あり)無視することになったって、さまざまの意見があるじゃないか。それはこっちからはきょうは打ち切れという意見が出ているんだから、高橋さんはきょうやってくれと、こう言ったって、両方意見が違うんだから、無視すると言ったって、無視することにならない。ここの決定ならいざ知らずですよ、委員会の。ぼくは、だからそういうことになってはいけないと思ったから、三時半前後に、そういうことはしないように確認しましょうと言ったんです。それを心配したから先手を打ったんだ、あなた方に。委員会で妙なものをきめられたら困るから、ざっくばらんに言うけれども。そういう動きがあったんだ。だから、いまのあなたの発言があったように、高橋委員の意見を無視するといっても、こういうもので委員会を拘束しようとする魂胆があるから、私は議事進行で発言を求めて、休憩をしてそしてこれについては常に理事会の確認どおりやりますかと言ったら、やりますと言うから、それならいいでしょうと、こう言っているんですよ。どこに無理があるか。もしこれからやるんなら、私たちは退場します。そんなばかな話はないですよ。
#232
○委員長(永野鎮雄君) しばらく休憩します。
   午後六時十七分休憩
  〔休憩後開会に至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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