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1972/09/13 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 文教委員会 第27号
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1972/09/13 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 文教委員会 第27号

#1
第071回国会 文教委員会 第27号
昭和四十八年九月十三日(木曜日)
   午前十一時七分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 九月十三日
    辞任         補欠選任
     梶木 又三君     高橋雄之助君
     志村 愛子君     片山 正英君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         永野 鎮雄君
    理 事
                久保田藤麿君
                楠  正俊君
                松永 忠二君
                宮之原貞光君
    委 員
                片山 正英君
                金井 元彦君
                志村 愛子君
                高橋雄之助君
                棚辺 四郎君
                中村 登美君
                濱田 幸雄君
                二木 謙吾君
                宮崎 正雄君
                小林  武君
                鈴木美枝子君
                安永 英雄君
                内田 善利君
                矢追 秀彦君
                萩原幽香子君
                加藤  進君
   国務大臣
       文 部 大 臣  奥野 誠亮君
   政府委員
       警察庁刑事局長  田村 宣明君
       文部大臣官房長  井内慶次郎君
       文部省初等中等
       教育局長     岩間英太郎君
       文部省大学学術
       局長       木田  宏君
       文部省管理局長  安嶋  彌君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡辺  猛君
   説明員
       文部省大学学術
       局大学課長    大崎  仁君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国立学校設置法等の一部を改正する法律案及び
 国立学校設置法の一部を改正する法律案につい
 て
    ―――――――――――――
#2
○委員長(永野鎮雄君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、梶木又三君が委員を辞任され、その補欠として高橋雄之助君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(永野鎮雄君) 国立学校設置法等の一部を改正する法律案及び国立学校設置法の一部を改正する法律案について、前回に引き続いて質疑を行ないます。
 質疑のある方は御発言願います。
#4
○内田善利君 私は、筑波大学の問題と関連しますが、七月十七日当時、福岡で起こっておりました福岡歯科大学の問題、これを質問する予定でございましたけれども、強行採決のために質問できませんでしたので、それときのう、おとといの文部省の医科大学、歯科大学に対するやみ寄付金の問題、あるいは今後の歯科大学、私立大学に対する助成、予算の関係、そういったことを、まず、質問していきたいと思います。特に、福岡歯科大学の現在の理事会のあり方、これがやはり筑波大学の評議会、あるいは参与会等の基本的なあり方と関連があると思いますので、そういったことなどから質問を始めていきたいと思います。
 まず、第一に、今日までの――警察庁見えていますか、警察庁、まだ見えてないようですから、それでは警察庁が見えるまで、文部省にお尋ねいたしますが、八月十三日付で東京医科歯科大学の教授である桐野教授を休職処分にしておりますが、これは教育公務員特例法の第十条によって、「大学管理機関の申出に基いて」ということになっておりますが、いつどういう管理機関によって申し出があったのか。それをまずお聞きしたいと思います。
#5
○政府委員(木田宏君) 手続は、教育公務員特例法の定めるとおりでございまして、評議会の議を経て学長の申し出が文部大臣にございまして、八月十三日、文部大臣が休職発令をいたしたものでございます。
#6
○内田善利君 休職発令ですけれども、これは大学設置審議会の専門委員、それから学術審議会の委員、私立大学、視学委員をしておるわけですけれども、こちらのほうはどういうふうになっておりましょうか。
#7
○政府委員(木田宏君) 桐野教授は、事件が起こりまして、取り調べを受けられるようになりました直後に、大学設置審議会の専門委員を当時しておられましたが、専門委員の職につきましては辞職願いが出てまいりました。よってこれは、そのお申し出に基づいて、七月何日でございますか、ちょっと覚えておりませんが、お申し出を受けまして、直ちに大学設置審議会の専門委員のほうは、解職をした次第でございます。
#8
○内田善利君 大学設置審議会専門委員は辞職願いが出たわけですが、医科歯科大学のほうは辞職願いは出てないわけですね。
#9
○政府委員(木田宏君) 桐野教授からは、大学設置審議会の専門委員と、それから学術会議の会員についての辞職願いが出たというふうに承知をいたしております。
 教官の身分のことにつきましては、本人からの辞意の表明という段階まで至っておりません。起訴されましたに伴いまして、公務員法の規定による起訴休職の手続がとられた次第でございます。
#10
○内田善利君 これは、浪速医科大学、それから関連の私立大学の医学部のこういった不正事件を起こしておる。しかも、文部省のタッチしている大学設置審議会の委員をしているそういう方が、こういった不正事件を行なっている。いまから、その模様については警察庁のほうから説明していただきますが、これが休職処分でいいのかどうかという問題ですね。というのは、福岡歯科大学も、あれだけ手錠をかけられ起訴された、勾留されたそういった方が、まだ大学に居すわって、理事として今後の運営をはかっていこうとしている。そういうことが、県民ももちろん、九州にたった一つの私立歯科大学です、私たちは非常にこれが発展を希望するわけですけれども、そういう大学にしたければしたいほど、もう少しすっきりした形で正常な運営がなされていってこそ、今後のほんとうに地域社会に嘱望される大学になるんではないかと、このように思うんですけれども、この点はこれで妥当と、文部大臣はお考えでしょうか。
#11
○国務大臣(奥野誠亮君) いま問題になっておりますものが、訴訟の上におきましても明確な犯罪と確定になりました場合には、当然、懲戒処分にされる性格のものだと、かように考えるわけでございます。
 しかし、現在の段階におきましては、まだ起訴されて、事件が係属中でございますので、その間は休職処分にするというのが従来からの取り扱いの例になっておるわけでございまして、したがいまして、いずれ明確になりました段階において必要な処分はとらなければならないと、かように考えておるわけでございます。
#12
○内田善利君 私は、高等学校の経験から申しますと、高等学校では、学生が警察ざたになったというだけでもうすぐ退校処分、こういうふうに厳重な処分がなされるわけですが、私は、こういった、日本の今後の大学のあり方を根本からくつがえすようなこういう不正事件、これを休職処分ということは、これはもういかがかと、このように思うんですね。もう少し厳正な文部省の姿勢がほしかったなと。というのは、この間一番最後に小林委員からも質問がありましたが、この大学設置審議会には木田局長も安嶋局長も一緒に顔を並べていらっしゃる。そういった立場からももう少し厳正な姿勢がほしいと、このように思うんですけれども、いかがでしょうか。
#13
○国務大臣(奥野誠亮君) 本人は、この問題について、自分は潔白だと、こう言っておられるわけでございます。しかし、現に起訴されてその事件は係属中でございます。そういう場合には、国家公務員法に基づきまして、その意に反しましてこれを休職処分にすることができるという規定がございますので、それに基づきまして休職処分にさせていただいたわけでございます。もとより、その非行のあったことが客観的に明確になりました場合には、国家公務員法に基づきまして、また、懲戒処分として免職等の処分をすることができるということになるわけでございます。本人が自分は潔白だと、こう言っておられまする限りにおきましては、気持ちとして内田さんが持っていらっしゃるような懲戒処分はできない、しかし、その意に反して休職処分にはすることができる。これがいまの国家公務員法のたてまえでございますので、その点につきましては御理解をいただきたいと思います。
#14
○内田善利君 私も、罪を憎んで人を憎まない考え方で言っているわけですけれども、やはり国内に与えた影響というものは非常に大きいと思うんですね。そういった見地から申し上げておるわけです。
 それでは、警察庁がお見えになったようですから、この問題について、現状での概況を御説明願いたいと思います。
#15
○政府委員(田村宣明君) 福岡歯科大学の設立認可をめぐります汚職事件の捜査の状況でございますが、この事件につきましては、七月の中旬に事件の検挙に着手をいたしまして、現在まで捜査を続けまして、なお、現在捜査が続行中という状況でございます。
 それで、現在までの状況でございますが、取りまとめて申し上げますと一一つは贈収賄の事件でございます。当時、大学設置審議会の委員でございました東京医科歯科大学教授の桐野忠大、これが収賄者でございまして、贈賄者といたしましては、当時福岡歯科大学専務理事の七熊治夫、それから理事長穂坂恒夫、常務理事徐三春、評議員力武清士、委員の笠原稔彦、それから同じく委員の染谷広美、この六名が贈賄者側で、いずれも逮捕をいたして捜査を進めております。
 この事件の内容は、御承知のように、福岡歯科大学の設立認可につきまして有利便宜な取り計らいをしてもらいたいと、こういう趣旨で、この六名の贈賄者が桐野教授に対しまして、四十六年十二月上旬ごろに現金五十万円と四十五万円相当の日本刀一振りを贈賄、収賄した。それからもう一つは、四十六年十月六日ごろに、設立準備委員でありました七熊、笠原から現金百万円の贈賄、並びにこれに対する桐野の収賄。それから四十七年の、三つ目でございますが、二月二十四日ごろに、準備委員でありました笠原から現金三十万円をそれぞれ同様の趣旨で贈賄、あるいは収賄した。こういう事実でございまして、現在まで私どもが聞いておりますところでは、桐野、七熊、笠原、徐の四名が贈収賄罪でそれぞれ起訴になっておるわけでございます。
 それからもう一つ、徐につきましては、業務上横領の事件で、当時、業務上保管中の同大学の資金の中から、四十六年の末から四十七年の初めにかけまして現金九百万円を横領したということで送致をいたしておりますが、これについては、まだ起訴処分になったというふうには聞いてございません。現在まで警察側で捜査をいたしまして、事件としてこれを取りまとめて送致をしたというのは、ただいま申し上げたようなことでございまして、なお、現在捜査を続けておると、こういう現状でございます。
  〔委員長退席、理事久保田藤麿君着席〕
#16
○内田善利君 その起訴された中で、現在理事として、まだこのような理事会も開かれておるわけですが、理事として存続している人は何名おりますか。あるいはその中で理事は何名だったかですか。
#17
○政府委員(田村宣明君) 現在、理事であるかどうかにつきましては、私ども、直接、何と申しますか、現在の捜査に直接あれがございませんので、私ちょっといまここで承知をいたしておりませんが、当時の状況でございますと穂坂が理事長ということでございます。それから七熊が専務理事、徐が常務理事、力武が評議員、それから笠原と染谷は準備委員ということになっております。
#18
○内田善利君 七月の二十六日ですね、大学設置審議会で、超水増しになっている同大の学生定員を改善するということと、学長等教育担当側に比べて理事者側の発言力が強過ぎるなど、学校組織面での問題点を改める必要があると、このように大学設置審議会できめて、そして文部省に九月上旬までに具体的に改善策をつくるように要望したということですが、これは事実ですか。
#19
○政府委員(木田宏君) 福岡歯科大学につきましては、ことしの春、入学定員百二十人で開学をいたしたのでございますが、実際には、入学定員をはるかに上回ります二百七十一人を入学させたという実情が伝わってまいりました。そこで、文部省といたしましては、四月の十七日及び五月の七日に、穂坂理事長並びに七熊常務理事を呼び、事情を聞きますとともに反省を促したのでございます。また、事件が起こりましたあと八月十八日に、灘吉学長からもその後の事情を聴取いたしまして、特に受け入れた学生に対する措置、今後の体制の立て直し等につきまして強く意見を申し上げた次第でございました。一方、大学設置審議会におきましては、現地に調査に出向きまして事情も承知をいたし、現地での注意も与えたのでございますが、先般、大学設置審議会の常任委員会、これは九月十一日に開催されました大学設置審議会設置分科会の常任委員会におきまして、視察結果を含め、入学定員超過問題について指導すべき事項をとりまとめ、この月末に予定をいたしております設置分科会の総会にはかった上で処置をするということにいたしておる次第でございます。
#20
○内田善利君 警察庁にもう一言聞いておきたいと思いますが、逮捕者は現在六名ですね。
#21
○政府委員(田村宣明君) 逮捕者につきましては収賄側が桐野一名、贈賄側が当時の穂坂理事長以下六名、合計贈賄者側が六名、それから業務上横領事件の被疑者として一名でございますが、この一名は贈賄の被疑者と同じ人物でございますので、合計いたしまして逮捕者は七名ということでございます。
#22
○内田善利君 そうしますと、そのうち理事長、理事、合計五名ということですね。そうしますと、参考人として事情聴取をした方は何名ですか。それと、現在まだ捜査中ということですが、その後の発展の可能性ですね、この二点だけお聞きしたいと思います。
#23
○政府委員(田村宣明君) 現在まで事情をいろいろお聞きした参考人の方、それからこの被疑者でいま申し上げました者を含めまして約四百六、七十名について事情をお聞きいたしておるということでございます。それから、今後の状況はどうかということでございますが、御承知のように、捜査はいろいろな要素がからみましてなかなか見通しをつけにくいのが通常でございますけれども、現在なお、適当な表現かどうかわかりませんが、捜査を何と申しますか、終了した、あるいは打ち切ったという状況ではございませんで、なおかつ捜査すべきものがございますので、それについては捜査を進めております。したがいまして、そういう意味におきましては、今後なお、そういう捜査の余地というものが残されておるということで、どの程度にそれが延びるとか、進むということにつきましてはなかなかはっきり申し上げにくい事柄でございますけれども、なお、捜査を進めておりますし、現に毎日捜査員は捜査をやっておりますので、そういう意味では若干進むと申しますか、延びると申しますか、そういう点は考えられようかというふうに思います。
  〔理事久保田藤麿君退席、委員長着席〕
#24
○内田善利君 もう一言聞いておきます。
 山下県警本部長が収賄側が桐野一人だけではないと考えるのは常識的に当然だと、現況から見て当然だと、そのように言っておられることと、これは私大審関係の疑惑がかなり固まっているのではないかという質問に対して、そのとおりだと、このように答えられておられますが、これは県警本部長でないから答弁はむずかしいと思いますが、この点はいかがでしょうか。
#25
○政府委員(田村宣明君) 山下本部長の発言がどの時期のものでございますか、それによりましてまたいろいろ本部長の発言、そういう発言をされたといたしますならば、推測のいたしかたもいろいろございますが、本件捜査に着手をいたしました当初、あるいは前半あたりの御発言であるとすれば、当時の何と申しますか、捜査当局の希望なりあるいは意欲なりとして、そういうふうなことは当然考え得ると思います。
 それで、その後の捜査の状況で、現在の段階でどうかということになりますと、どういうところに疑いがあって、いま捜査を進めておるというようなことになりますと、たいへん具体的になりますので、特定の、いま御発言にございましたような特定の範囲をしぼって、そこにいま疑いがあるかどうかというようなことはなかなかはっきり申し上げにくいことではなかろうか。当初としては、そういうふうな方針といいますか、意欲での捜査ということと、だんだんそれが捜査が詰まってまいりまして、この段階であの委員は、どの範囲がどうだというふうに言われますと、なかなかその点はっきり名指しというほどいまの御質問はっきりしたあれではございませんけれども、相当煮詰まった感じでどうだと言われますと、なかなかはっきり疑いがございますとか、あるいはございませんということはちょっと申し上げにくいような事柄じゃないかと思いますので、そこらはひとつおくみ取りをいただきたいと、こういうふうに思います。
#26
○内田善利君 この事件は、いま警察庁から報告がありましたように、今後の私大について非常な大きな問題を示唆しておると思うんですけれども、浪速医科大学、松本歯科大学、また福岡歯科大学と、このように非常に文部省としては、抜本的に考えなければならないせとぎわにきていると、このように思うんですが、この中で、文部大臣は、認定基準に達しておれば認定せざるを得ないと、このようにおっしゃっているわけですけれども、銀行から借り入れてにせの寄付者をつくっておったとか、あるいは登記をごまかしておったとか、あるいは都市計画法の規制から除外される病院として建築許可をとっておったとか、いろんな問題がこれに付随しているわけですね。それに水増し定員、これも二・三倍という、これではたして専門教育ができるのだろうかと、どういう設備で、どのようにやっていくんだろうかと心配するわけですけれども、こういう計画が出されて、それを認可されたわけですけれども、もう一度、資金計画を再提出させるべきではないか、あるいはさせていらっしゃるかもしれませんが、もう一度どういう資金計画になっているのか。借金も相当かかえてそのままになっておるようですが、九州にたった一つしかない歯科大学ですので、まさかこれをつぶそうとは考えておられないと思いますけれども、もう一度再提出させてすっきりした形でいくべきじゃないか、このように思うんですが、いかがですか。
#27
○国務大臣(奥野誠亮君) いま内田さんがちょっとお話になりましたように、私立学校につきまして文部省の持っております権限、これには限界があるわけでございます。現在の学校教育法、私立学校法、これに基づきまして私立学校なりあるいは学校法人の設立ないし設置につきまして認可をする。同時にまた、問題がありました場合に、閉鎖をするとか、解散を命ずるとかいう権限があるだけでございまして、中間的な監督権限、これは持たせないという考え方に立っていまの私立学校法が制定されておるわけでございます。同時に、従来からの運営にあたりましても、法定された条件が整っているんなら認可を与えなければならないという考え方において進められてまいったようでございまして、そういうところに問題がありますので、私としては、やはりこのままでは問題が多い。立法的な方途もあわせ考えて善処をしていかなければならない、こういう気持ちでおるわけでございます。もとより、法定の条件を満たしておるかどうかにつきまして、十分な事務当局も調査をしてきたわけでございますけれども、資金を用意したと言われることにつきましても、それなりにいろんな角度から調査をしてございますけれども、実態が見きわめ尽くされていなかったという点があったようでございます。再提出させてはという御提案もあったわけでございますけれども、文部省が持っておる権限としてはそういうことはできない。もとより、指導助言、これはそれなりの責任は負っておるわけでございますけれども、その指導助言も監督的な運営のしかたはできないというようにわざわざ法律で歯どめがそこにもなされておると、こういうたてまえで進んできております点、ぜひ御了解を得ておきたいと、かように考えるわけでございます。しかし、そういう監督的なことじゃなしに、いまの実態につきまして非常に問題が多いわけでございますので、運営につきまして積極的な指導助言を行なっていきたいという考えでおるわけでございます。
#28
○内田善利君 私は、やはり行政的な指導助言はすべきではないかと、あるいはそれがなされなければ、大学設置審議会の委員としても二人も局長さんが入っておられるわけですから、これがこのまま桐野教授一人の問題として私は済まされない問題じゃないかと、このように思うんです。というのは、福岡歯大だけではなくて、前の浪速医科大学、松本歯科大学等、こういう一連の事故が起こっているわけですから、逃げないで、もう少し指導助言をしていただきたいと、こう思うんです。この設置のときに、いろんな理事の方もいらっしゃるけれども、福岡市建設局のお話では、都市計画法の規制から除外されている病院として建築許可が出ているわけですけれども、これが大学本部として大学の機能を果たしておるという問題、これは違反建築ではないかという問題、これなどはどのように判断しておられますか。
#29
○政府委員(安嶋彌君) 実は、建築基準法の問題は、ただいま私は初めて伺う問題でございますので、さらに実情につきまして調査をいたしたい。その上で適切な指導を加えたいというふうに考えております。
#30
○内田善利君 これは新聞にも出まして、都市計画法の規制から除外された病院ということで建築されているわけですね。ところが病院――もちろん病院ですけれども、それは大学の本部としての事務局、その他一切が置かれておるということは、違反建築ではないかと、こういう問題です。では後ほどそのお考えはいただきたいと思いますが、そこで、もう一つ聞いておきたいことは、定員が百二十名で二百七十一名の水増し入学を許可したわけですけれども、これはやはり現代の私立医科大学、また歯科大学の経営の問題もあろうかと思いますけれども、あるわけですが、この二百七十一名で、私も技術の学校を出たわけですが、専門コースに入った場合に教育ができるのかなと、このように思うんです。大体歯科大学というのは、大体これぐらいが適当という標準もあろうかと思うんですね。医科大学ではどれぐらい、まあ大学の工学部でいえば、電気工学科はどれぐらいと、応用化学教室はどれぐらいとあるわけですが、歯科大学の場合は、百二十名の定員で二百七十一名、これではたしてその専門コースに入った場合に教育できるのかと、このように思いますが、この点はいかがでしょう。
#31
○政府委員(木田宏君) 御指摘のように、専門領域によりまして、一学年の規模というのはおのずから限度があるのでございまして、医学並びに歯学の領域につきましては、大学の設置認可をいたします場合、一学年の一応限度を現在のところ百二十人というめどで審査をいたしておる次第でございます。最近、設置をされております歯科大学につきましては、一応百二十人という入学定員の学校がまあ大部分でございます。国立につきましては、かなり入学定員もこれより小そうございますが、一応大学のあり方としては、医学、歯学百二十名ということで、今後も考えていく必要があろうかと思っております。それに対しまして、福岡歯科大学のように、二・三倍も学生を入れるというのは、はなはだ遺憾なことであり、また、そのための学生指導等につきましては、今後も十分に注意を促し、指導を加えていかなきゃならぬと思っておりますが、福岡歯科大学から聞いておるところによりますと、一応百二十名といたしました場合の進学課程の教官の基準は八名なんでございますが、現在十八名の教官を入れておるようでございます。人数の上だけから申しますと、一応、二倍近い学生定員をとったことに対して、基準の二倍の教官を配当しているというふうに理解はいたしております。しかし、あと、設備その他につきましても、いろんな指導上の無理も重なってくることを設置審議会の関係者も心配をいたしまして、先般の常任委員会で来年の募集を抑制するということが望ましいというような見解が出ておる次第でございます。
#32
○内田善利君 私立医科、歯科大の水増し入学ですけれども、福岡歯大だけではなくて、城西歯大が一・九、鶴見女子医大歯学部が一・九、岐阜歯大ですか、これが一・九、それから松本歯科大学は一・八と、このように歯科大学は軒並みにこういう水増し入学を許しているわけですけれども、四十五年開設の城西歯科大学、鶴見女子大歯学部、これ一・九なんですね。四十六年、四十七年と、また四十八年と、このように歯科大学はまだほかにもありますが、全部四割。一割増しの学校、これは医大ですね。ほとんど歯科大学になりますと、七割、八割、九割という水増しをやっているわけですけれども、こういうことに対する指導はなされたわけですか。なされたにもかかわらず、福岡歯大の理事会は水増しを決定したのか、この辺はどうなんですか。
#33
○政府委員(木田宏君) いま御指摘がございましたように、歯の歯科大学はかなりどこの場合も受け入れました入学者の数が相当定員より大幅に上回っております。この点は遺憾なことでございますが、新設の大学だけでなくて、既設の、すでに完成をしております大学につきましても、全部合わせて八割も多いというようなたいへん残念な状態でございます。設置審議会におきましては、新設の学校の場合、特に医学、歯学につきましては、入学定員の厳守ということを強く要望し、注意もいたしてまいっております。また、完成年次に至りますまでの間、毎年審議会の委員が視察に参りまして、その状況もチェックをし、必要な注意を促しておるのでございますが、今日までの実態で、その改善のあとがはかばかしくないという点は、たいへん残念なことだというふうに考えております。
#34
○内田善利君 まあ、長くなりますので、これでやめますが、それからもう一つふしぎなのは、福岡県で起こった事件でありますが、福岡県議会では全然この福岡歯大のことについて審議がなされていない。七月十五日に本会議を開いたけれども、与党の議員が出席しないために、七月十五日は議長が出席要請をしたけれども応じないで一日延期して、その日は散会した。十六日に再開したけれども、審議拒否のために流会になったと、そういうようなことから、いまだにこの問題については、県議会では全然審議がなされていない。知事の説明あるいは釈明、そういったことも全然行なわれてない。そのため県民が非常に不安とふしぎに思っている状況なんですが、まあこういった状況から見ましても、先ほど警察庁のほうでは、まだまだ捜査続行中だということですが、こういったことはやはり県民はもちろん国民の不安をなくするということで審議が行なわれて、また、知事のことについても、新聞報道を見ますと、疑惑がかかっているわけですから、釈明をしていくべきである、あるいは説明をすべきであると、このように思うんですけれども、そういうことがなされてない。非常に遺憾に私は思うわけですけれども、この点について、大臣はどのようにお考えかお聞きしておきたいと思います。
 それと、西日本で五百人のコンピューター調査が行なわれたわけですが、その中で一番大きかったのが、教育を食いものにする学校屋だという声ですね。これは教育でなくて商売だという非常に強い回答があっているわけですけれども、私たちはやはり私学の実績というものを認めながらも、やはりこういった商売になってしまったのでは国民の批判を受けると、このように思うわけですね。国公立の拡充、新設をはかって先生を養成していけと、こういうコンピューター調査による調査が出ておるわけですけれども、こういった県民の声、国民の声、これを十分大臣聞いていただいて、今後の私立大学、特に医科、歯科大学に対する施策を十分行なっていただきたい、このように思うんですが、いかがでしょうか。
#35
○国務大臣(奥野誠亮君) 前段の福岡県議会において論議が十分行なわれていないというお話、初めて伺ったわけでございます。こういう問題につきましては、できるだけ全貌を明らかにしなけりゃならない。できるだけ早くそういうことができまして、多くの疑惑を解いてもらいたいものだということを強く希望している一人でもございます。
 後段の問題につきましては、お説のように、積極的に国公立の医科大学、歯科大学の増設につとめていく所存でございます。
#36
○内田善利君 この裏口入学の問題ですけれども、先ほどお話しましたように、まだ全然解決していないわけですが、いまもお話しましたように、社会的なモラルからいっても、私は、先ほど警察庁からお話がありましたが、六人の理事がまだ理事の地位におるというのは、これはもう社会が認めないんじゃないかと、そのように思うわけですね。つかまって手錠をはめられて居すわっておるという、このことの影響は、これは事、教育問題であるだけに非常に大きいと、このように思うわけですね。八月の十一日の日に父兄後援会が開かれまして、非常に正義感の強い父兄の一人は疑惑の理事は退陣せよとまで言っているわけです。議決までにはなっていないのですが、このような声も父兄の中からも出ておると、非常に私は理事が責任をもう少し感ずべきじゃないかと、このように思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。
#37
○政府委員(安嶋彌君) 御趣旨については全く同感でございます。現在、役員の中で起訴されております者は、先ほど警察庁からも答弁がございましたように、常務理事の七熊と同じく常務理事の徐、この二人でございます。理事長の穂坂氏につきましては、私どもは処分が保留になっておるというふうに伺っております。いずれにいたしましても、こうした非常に大きな問題を起こしたわけでございますから、少なくとも、ただいま申し上げました三人の役員につきましては、役員を退いてもらいたいというのが私どもの考え方でございます。先般の松本歯科大学の際におきましても、起訴並びに起訴猶予の処分を受けました役員につきましては、すべて退陣をしてもらったわけでございますが、福岡の場合も同様の措置をとるべきものと考えております。ただ、刑事局長からの答弁にもございましたように、松本の場合は、あれは捜査が落着いたしまして、その後そうした措置をとったわけでございますが、福岡の場合は、まだ捜査が継続中ということでございます。したがいまして、私どもの基本的な考え方はいま申し上げたとおりでございますが、役員を文部省に出頭していただいて、そしてそのことを直接申し上げるというような手続は実は遺憾ながらとれておりません。捜査中の事件につきまして、関係者を役所に呼び出すということは、これは一般的に捜査当局に対して遠慮をしなければならない状況であるという判断をいたしておりまして、そうした手続はまだとっていないわけでございますが、現在、理事長代行の藤井實藏氏、それから学長等に対しましては、こうした文部省の方針を伝えて善処するように求めてございます。なお、新しく発足いたしまする再建役員組織につきましては、事前に文部省と十分相談するようにということもあわせて申し上げております。基本的には御指摘のような方向で指導、助言につとめておるという状況でございます。
#38
○内田善利君 大学設置審は、十一日の常任委員会で福岡歯科大学に対して四十九年度の学生募集を抑制し、できれば募集しないことが望ましいという勧告を行なうことをきめられたそうですが、これを九月二十七日の設置審の総会で正式に決定して大学学術局長名で大学に通知されると、これはそのとおりですね。
#39
○政府委員(木田宏君) そのとおりでございます。設置審といたしましては、すでにことしの六月五日委員が現地に出向いておりまして、現地で視察し、ことしの入学状況と校地、校舎、教員組織の整備状況、図書その他の整備状況等を視察をいたしまして、それに基づきまして勧告すべき内容を取りまとめた次第でございます。
#40
○内田善利君 福岡歯大もですが、ほかの、先ほど申しました一・九倍の水増し定員をしているようなところは、これはどうですか。
#41
○政府委員(木田宏君) いずれも、現在までまだ学部が完成に至っていない、いわゆる未完成の大学につきましては、各大学ごとに視察に出向きまして、そして毎年毎年指導すべき内容を取りまとめて注意を促すという措置をいたしておる次第でございます。ただ、一般的に申しまして、入学定員が必ずしも的確に守られていないという問題につきましては、これはもっと別の観点から検討しなければならぬ行政上の課題もあろうかと考えておりますが、他のいろんな大学に対してどのような指導をするかは、大学ごとに個別に設置審で相談をしていただいている次第でございます。
#42
○内田善利君 そういうふうに指導があって、それでも経営の都合上、水増し入学が続くというような場合はどのようにされますか。解散命令というようなことも考えられるわけですか。
#43
○政府委員(木田宏君) たびたびこうした機会にも御指摘をいただいていることでございますが、基準が的確に守られていないという点につきまして、基準自体の問題点も考えなきゃならぬ点があろうかと思いますけれども、しかし、どうしても必要な基準が守られないという事態の是正の方策もあわせて検討を進めたいというふうに思っておるところでございます。
#44
○内田善利君 九州でやっと私立歯科大学ができたわけですけれども、この設立資金として約三十八億円投入しておる、このように聞いております。そして、そのうち二十六億円が借金だったと、そういうことなんですけれども、これはそうでしょうか。
#45
○政府委員(安嶋彌君) そういう新聞報道があるということは承知をいたしておりまするが、私どもが、四十七年の三月三十一日現在で公認会計士の監査報告を経た書類によりますると、正味資産が約三十億あったということでございます。その後、四十七年の八月三日の登記簿上の資産総額は三十三億、正味資産が三十三億というふうになっております。また、四十八年の三月三十一日現在、これも公認会計士の監査報告を経た金額でございますが、正味資産が三十五億というふうな報告になっております。公認会計士の監査を経た数字が三十五億ということでございますし、また捜査当局からも、ただいま内田先生が御指摘のような金額について、いわゆる見せ金であったというような連絡あるいは照会等は受けておりません。したがいまして、私のほうは一応ただいま申し上げた数字を信頼をしておるわけでございます。ただ、先ほどお話がございましたように、関係書類の再提出を求めて再調査をすべきであるという点でございますが、私ども、ぜひそうしたいというふうに考えておりますが、これまた、さっき申し上げましたように、捜査が継続中ということでございまして、関係書類もかなりなものが捜査当局に提出中というような事情もございまして、そこのところの再調査は、実際上、実施できないというような状況でございます。いずれにいたしましても、こうした大きな問題を起こした大学でございますから、御懸念のような点につきましては、私どもといたしましても、実態をさらに究明をしたいと考えております。ただ、現段階では、遺憾ながらそれに着手しがたい事情があるということでございます。
#46
○内田善利君 その点は了解しますが、とにかく二十六億円は借金だったということなんです。そうしますと、こういう状態で来年入試も中止になると、そうしますと寄付金も入らなくなると、銀行融資もおそらくストップしているんだろうと思いますが、こういった状態では大学の経営が成り立たなくなるんじゃないかと、こう思うんですね。しかしながら、いま学生がおるわけですから、その学生を、私は、放任するわけにいかないんじゃないかと、このように思うわけです。したがいまして、今後、文部省としては、学生の立場に立って思い切った行政指導をしなきゃならないと思いますけれども、この点はどのようにお考えになっておりますか。
#47
○政府委員(木田宏君) 先般、学長を招致いたしまして、今後の考え方について意見を聞きました際にも、大学当局としていろんな事情はあったにしろ、受け入れた学生については最大限の教育上の責任を果たすようにしたいということでございました。そのためには、いま捜査の段階で理事会その他も満足に行なわれていないようでございますけれども、大学の理事会にも、ひとつ積極的に今後の立て直しの方策を立ててもらいたい。これは学長自体理事の一員ではございますが、強く理事会の課題として働きかけるようにしていきたいという話し方でございました。私どもも、そうした学生の立場のことを考えました場合に、一刻も早く大学当局が理事組織及び学長以下の教職員一体となって大学の立て直しにつとめていただくということを期待したいと思っております。
#48
○内田善利君 私は、福岡歯大事件を通して、福岡歯大、西日本歯科大学ができるというときに、また大阪浪速医大みたいな、あるいは松本歯科医大みたいなことが起こらなければいいがなと内心思っておりました。それが事実になって、私は福岡におりますけれども、非常に残念なんですね。九州にやっと歯科大学ができたという喜びもこれで非常に残念な思いをしているわけですが、今後、やはりこういった問題が起こらないように、場当たり的な大学政策じゃなくて、もう少し一貫した日本の医科歯科大学対策を講じていただきたい、このように思うわけです。昭和四十五年ごろになったらぱっと、私立の医科歯科大学をつくったと、どうもうまくなくなったら国立大学というんじゃなくて、やはり国立、私学ともに総合的な計画をつくってやっていただきたいと、このように思うわけです。この点についてお伺いして、福岡歯大関係の質問はこれで終わりたいと思います。
#49
○政府委員(木田宏君) 医学及び歯学につきまして、特に私立の大学の設置にいろんな問題が起こってまいりましたことから、私どもも、大学設置審議会及び私立大学審議会の運営につきましてその審査の運びも単年度で拙速に事を進めるというのではなくって、二年審査をもって適切な判断が行なえるようにという体制の立て直しも四十八年度の申請からとるに至った次第でございまして、今日、二カ年間の審査制度を続けておるところでございます。また、御指摘がございましたように、公的な医学、歯学の教育機関というものを整備する必要があるということで、政府といたしましても、そうした計画を立てて一歩一歩進め、今国会にも御提案を申し上げておるような次第でございます。御指摘のありました方向に沿って、今後、できるだけの努力をいたしたいというふうに考えております。
 なお、ついでで恐縮でございますが、大学設置審議会のあり方につきましても、私ども、今後の運営を適切にいたします関係上、大学設置審議会の分科会に、これは昭和二十三年以来、関係行政機関の職員として五名の者が政令で規定をされて入っておりましたけれども、それを去る八月十六日改正をいたしまして、学識経験者を十人にふやす。そして学識経験者をふやすことによりまして大学設置審議会の構成をより的確にしたいというふうな改正も行なったところでございます。いろいろと御注意があります点等は、今後も、十分留意して進めてまいりたいというふうに考えております。
#50
○委員長(永野鎮雄君) 午前の会議はこの程度にとどめ、午後一時十分まで休憩いたします。
   午後零時六分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時二十八分開会
#51
○委員長(永野鎮雄君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続いて、国立学校設置法等の一部を改正する法律案及び国立学校設置法の一部を改正する法律案について質疑を行ないます。
 質疑のある方は御発言願います。
#52
○加藤進君 この前の委員会で、野党を代表いたしまして安永委員から三つの資料の要求をいたしました。それは昭和四十九年度の筑波大学関係の概算要求書、それから筑波大学のカリキュラムについて、それから第三番目に筑波大学創設準備会の最終のまとめを提出していただきたい、こういう資料要求をいたしました。けさ、こちらにその資料が手渡されたわけでございますけれども、拝見いたしますと、きわめてこれはわれわれの今後の審議に差しさわるような不十分な内容でしかないということがまず第一にはりきりわかりました。たとえば概算要求書を私たちはお願いしたのに、それにこたえていただいた資料というのはこれ一枚です。それから筑波新大学の創設準備会の最終のまとめをお願いしたのに、そのお願いにこたえられたのはこの資料一枚、それから筑波大学のカリキュラムについてということを要求いたしましたのに対して、この資料が提出されました。十分にまだ検討はしておりませんけれども、ちょっと見ただけでも非常に不十分な資料であるということがはっきりいたしておりますので、私は、ここにあらためてこの資料に補足してさらに次の資料を提出願いたいということを申し上げたいんです。
 第一には、概算要求関係でありますけれども、筑波大学というのは、新構想の大学であるというたてまえが出されておりますから、それならそれで、予算の編成上においても、他の大学とは違う点が明確にならなくてはならぬ。そういう意味の資料をぜひとも準備して、早く提出していただきたいということであります。内容は、教官当たりの積算校費、学生一人当たりの積算校費の単価とその算定の方式について、これがほかの大学と比較してどのように異なるのかという点をひとつ明確にしてもらいたい。なお、その概算予算の使用目的についても逐次明確にしてほしい。これが第一の予算書についての要求であります。
 それから第二に、カリキュラムについてでありますけれでも、これもまた総合カリキュラムという皆さんの御説明でございますから、他の大学に比べて、この点がなるほど総会的なカリキュラムであるという点が明確になるようなカリキュラムの提出をぜひお願しなくては審議が進んでいかない、こう考えますので、その点をひとつ踏んまえて次の点のカリキュラムを加えて提出していただきたいと思います。第一学群の自然学類、第二学群の比較文化学類、同じく第二学群の農林学類、それから体育専門学群の健康教育学、それから医学専門学群、こういう各学群のカリキュラムを提出していただきまして、他の大学と比較し得るような状態でひとつ資料をお願いしたい。これが第二の教育カリキュラムについてのお願いであります。
 それからまとめの問題でありますけれども、このまとめも、私は最終のまとめがもうすでにできておらなくてはならぬと思いながら、この前のような野党共同の資料提出を要求したわけでありますけれども、そのまとめにつきまして、さらに、このような諸点が明らかになるような補足の資料をいただきたいと思います。
 第一には、一教員当たりの学生数、それから一教員の一週当たりの授業時間数、それから施設環境に関する全体計画、これは大学の施設環境に関する全体計画。
 それからまとめの中に入るかどうかわかりませんけれども、まとめの中にまだ見当たりませんので、特にお願いしなくてはならぬのは、この筑波新大学の事務体制の一覧でございます。どのような事務の体制になっておるか。そしてその事務体制のもとで、どのように職員の配置計画が行なわれておるのか、この二点を明確にしていただきたい。これがまとめについての新しい資料要求であります。
 それから最後に、もう来年の四月に開校だというのでございますから、すでに学生募集要項ができておるはずだと私は考えておりますけれども、学生募集要項と、その作成のための準備状況はどうなっているのか、もしできておらないとすると、作成の準備状況はどうなっておるのかひとつ明確にしてほしい。
 以上の点を資料としてお願いしたいと思います。よろしいですか。
#53
○政府委員(木田宏君) 第一点の御要請は、用意をして提出いたします。
 第二のカリキュラムの点につきましては、本日、御提示を申し上げましたものにつきましてお尋ねをいただき、お答えをさしていただくようにお願いを申し上げたいというふうに思います。
 それから第三点にあげられました準備会のまとめにつきましては、御要請に沿ってできるだけの用意をしてみたいというふうに思っております。
 最後に、お話になりましたその準備会のまとめでございますが、非常に残念でございますけれども、国会の御審議も延びた関係等もございまして、前回も御説明申し上げましたように、最終のまとめがまだつかない状況でございます。私どもも、早く取りまとめをしなければならぬというふうにも思いながら、御審議との関係をいろいろと気にしてやっておるのでございまして、学生の募集要項も今日においてまだできておりません。鋭意担当者のほうで準備をするということでございます。したがいまして、最後の点につきましては、準備のできておりますものにつきましてお答えをさしていただくというふうにお願いをしたいと思います。
#54
○加藤進君 その中で触れられなかった点は、大学の事務体制の問題と、それから職員配置計画、これも出していただけますね。
#55
○政府委員(木田宏君) 文部省のレベルで考える概括的なものになるという点をひとつ御了承を願いたいと思いますが、御要請に沿って用意をいたしたいと思います。
#56
○加藤進君 この次の委員会までに準備して出していただけますか、よろしゅうございますね。
#57
○政府委員(木田宏君) はい。この次の委員会があすということでございますと、資料を皆さんに御提出できるかどうか、ちょっとよくわかりませんが、ひとつ早い機会に出さしていただきます。
#58
○加藤進君 あすでなければいいですね。
#59
○政府委員(木田宏君) はい。
#60
○内田善利君 午前中に引き続いて、わが国の私立医科・歯科大学の問題を、特に医学教育についてもう少しお聞きしたいと思います。
 この間、九月十一日の各新聞に出ておったわけですけれども、文部省は来年の私立医科大の裏入学寄付金の追放に踏み切ったと、法的規制をやると、したがって来年度は予算として特別助成もまず二十億円ということですが、これで裏口入学、寄付金入学が規制できるというめどがあって、こういうふうに決定されたわけですね。
#61
○政府委員(安嶋彌君) 裏口入学という話でございますが、これは入学時に学生から納められまする多額の寄付金についてのお尋ね、御意見だと思いますが、御指摘のとおり、四十六年度の文部省の調査によりましても、医学部だけで約八十三億円という多額の寄付金が入学時に徴収されておるわけでございます。こうしたことは、いろんな点から問題が多いわけでございますので、私ども、行政上の指導助言といたしまして、入学を条件とする寄付金はとってはいけない、あるいは入学時に任意といえども、不当に高額の寄付金をとることはよろしくないということを強く申してまいったわけでございますけれども、実際は遺憾ながらそうした指導も実効をあげていないという実情にございます。そこで当委員会等でも、しばしば御指摘になった点でございますが、そうした問題を何とかして解決をしたいということで、いろいろ考えたわけでございますが、やはりこれは法的な措置を講ずる以外にこれを規制をし、あるいは抑制をする方法がないのではないかというような一応の結論に達したわけでございます。ただ、しかし法的規制措置を講ずるといたしましても、その内容等につきましては、いろいろ困難な問題がございますので、そうした内容につきましては、私どものほうで、さらに具体的に詳細に検討をいたしたい。ただ方向としては、ただいま申し上げましたように、寄付金の規制、抑制については法的措置以外にはないのではないか、こういう考え方に立ったわけでございます。同時に、法的措置だけで寄付金が抑制されるかということでございますが、実は現在の私立大学の経費の状況を見ますと、経常費で医学部の場合は、一人当たり約二百万円という経費がかかるわけでございます。これに対しまして、私学振興財団から約八十万円程度の補助が定員一人当たりにつきましてまいるわけでございますが、それを差し引きますと、約百二十万という経費が必要になる。現在授業料等として徴収いたしております額が四十万ないし五十万でございますが、かりに五十万といたしますと、必要経費百二十万のうち、不足が約七十万出るわけでございます。こうした必要経費の不足額を補てんするために、寄付金が取られておるという面もあるわけでございます。
 現在、多額の寄付金が徴収されておりまする、それを大きく分けますと、そうした必要経費が寄付という形で徴収されている面と、それ以外の面と申しますか、部分とがあるわけでございます。そこで、私どもは、寄付金の中でも、当然教育の必要経費として必要なものについては、やみとか裏とかという、そういう批判を受けないように、ぜひこれは正規の学校納付金として徴収すべきものではないか、必要な経費であれば、そういう扱いをすることがほんとうではないかというふうに考えるわけでございます。そういたしますと、まあ、授業料の額が増加をするということに結果としてなるわけでございます。そういたしますと、さらにそうした授業料の負担に耐えないという一部の学生が出るわけでございますから、そうした学生に対して学校法人が授業料等の減免をいたしました場合、これに対して国がその減免額を補てんするということを考えてみてはどうかという点、これが第一点でございます。
 それから第二点は、入学時に多額の寄付金が徴収されるという背景には、私立の医学部、歯学部で多額の負債をかかえておりまして、これを償還するという、そういう理由があろうかと思います。ところが、この多額の負債を短期間に償還をするということになりますと、単位当たりの金額というものが大きな金額になりますので、これを長期にわたって償還をするということにいたしますならば、その単位当たりの寄付金額と申しますか、つまり必要経費額というものも、これは比較的従来よりは少額で済むのではないか。そういたしますと、その間の利子の負担が増高するということになるわけでございますので、その利子負担につきまして、一部利子補給という考え方を導入し、これを軽減することを考えてはどうか、こういう二つの点が実は事務当局の腹案でございます。
 しかしながら、これは最終結論ではないわけでございまして、法的規制の内容と一体的に、この特別な助成の内容についても検討してまいりたいというのが現段階の考え方でございまして、こうしたことによりまして、従来問題になっておりまする私立の医科・歯科大学の入学時における寄付金の問題の解決に当たっていきたい、そうした観点から現在検討をいたしておる、こういうことでございます。
#62
○内田善利君 従来、文部省としては、私大については法的規制はしないという姿勢でこられたと思うのですけれども、今回、こうして入学時の多額な寄付金を規制するために法的に規制をしたいという、結局法的規制をやるということにきめられたわけですね。まあ鋭意検討中ということですけれども、法的規制はすると、こういうふうにきめられたわけですね。
#63
○政府委員(安嶋彌君) 大臣も国会で御答弁申し上げておりまするように、法的規制ということについては、かねてそうした大きな方向が出ておるわけでございます。ただ、そのやり方、内容等につきましては先ほど申し上げましたように非常に複雑な、またむずかしい問題がございますので、その内容につきましては、具体的に詰めてまいりたいということでございます。
#64
○内田善利君 これは、法的規制ということになれば非常に大きな重要な問題を含んでおると思いますけれども、やはり私学、特に私立医歯大の問題は根本的な問題があろうかと思うのです。いままでこうして二千万、あるいは三千万出さなければ入学できないというそういう現在の私立医科歯大のあり方、そのものの根本的な究明をしないで、法的規制だけではたしてこれが規制できるものかどうか、私立大学の経営の問題等やはり複雑な問題がありますので、解決できるかどうかという根本的な解決が大事だと思うのですが、その端的な、糊塗的な感じがするわけですけれども、来年度はまず二十億円ということですが、この二十億円ではたしてこういった問題の解決ができるのかどうか。大体いま私立の医歯大は二十四校ですか、ありますが、二十校としても、これに分けますと一校五千万程度、まあいまの入学寄付金を解決するためには大体二校程度しか解決できないのじゃないか、こういうふうに考えられるわけですけれども、もう少し、抜本的な助成、そういうものはできないものかどうか、その点はいかがですか。
#65
○政府委員(安嶋彌君) 私立医科大学に対する助成でございますが、実はただいま御指摘の二十億円だけではございませんで、四十八年度の私立大学等に対する経常費の補助額が、御承知のとおり約四百三十三億あるわけでございますが、そのうち六十九億が私立の医学部に対する補助でございます。来年度はこれを約八百億程度に増額をしたいということで、現在、大蔵省に概算要求をいたしておるわけでございますが、その中におきましても相当な額が医学部に充当される予定になっております。ですから、そういう額がこのほかにあるということをひとつお考えをいただきたい。
 もう一つは、二十億という予算を一応特別助成費として要求をいたしておるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、私どもの腹案によりますと、そのうち九億が学費減免の補てんでございまして、十一億が利子補給という計算になります。学費減免の補てん九億は、これは第一年次分でございますから、これが学年進行をいたしますと六倍になるわけでございます。二十億だけでもって私立の医学部に対する助成、それだけがその助成だということではございません。そうしたものが全体として考えられているわけでございます。
#66
○内田善利君 そうしますと、この二十億というのは、入学時の寄付金対策として予算計上しようというわけでしょう。特別助成をしてそういった対策を講じようとしたのが二十億円と、こういうことに受け取ったんですが、そうじゃないのですか。
#67
○政府委員(安嶋彌君) この寄付金の規制と抑制でございますが、先ほど申し上げましたように、いろいろな複雑な問題があるわけでございます。私学は御承知のとおり、その主たる収入はこれは学生、生徒の納付金でございます。それから国の補助もございますが、ほかに寄付金というものが非常に大きな財源になっておるわけでございます。この私立の医学部はもちろんこれは私立学校でございますから、それに対する寄付金というものが一切いけないというふうにも、これはいかないかと思います。現に理工系あるいは人文社会系等の学部におきましてもある程度の寄付金は取っておるわけでございますから、そういう程度のものまでも医学部、歯学部については取ってはいけないということは、これは言い得ないかと思います。ですから、寄付金の規制、抑制ということを申し上げておるわけでございまして、寄付金をゼロにするということを私ども考えておるわけではございません。社会通念上、一般に認められておるような寄付金までこれを抑制するということは、これはやはり問題であろうかと思います。私どもが考えておりますのは、それ以外に現在の寄付金の中で必要経費と見られる部分については、これは正規の学生納付金として取ってもらい、それをこえる部分、それ以外の部分については、これはひとつ抑制をしていただきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#68
○内田善利君 新聞によりますと、こういうふうに書いてあるんですね、「文部省の構想は、法律によって裏口寄付金を禁止し、違反した場合は経常費補助を打ち切るなどの措置をとる、これとあわせて各大学には必要経費を授業料などの学費に上積みするよう指導、学生の家庭の所得に応じてそれを減免した場合、その分を補助するというもので、総額二十億円を予定している。」という、これは間違いありませんか。
#69
○政府委員(安嶋彌君) そういう趣旨でございます。
#70
○内田善利君 そうなりますと、この二十億円ではたしていいのかどうか、これで十分なのか、まあ十分とはいえないと思いますけれども、二十億円では単に間に合わせ程度のものにはならないかと心配しているわけですが、これはいかがですか。
#71
○政府委員(安嶋彌君) 私どもの考え方によりますると、先ほど申し上げましたような趣旨では、一応この額が妥当な額であろうというふうに考えております。
#72
○内田善利君 四十六年度では、先ほど言われましたが、八十三億ですね。そうしますと、これは四十六年度ですから、四十八年度では大体その二、三倍になろうかと思うんですけれども、これらについてはどのようにお考えですか。
#73
○政府委員(安嶋彌君) その点については、現在調査中でございまして、いずれその調査がまとまるかと思いますが、四十六年度の調査は御承知かと思いますが、十八の医学部についての調査でございます。今回やっておりまする調査は、これは二十六の医学部についての調査でございますから、それだけでも額は当然ふえるということは予想されるわけでございますが、一件当たり金額も伝えられるところによりますとかなり上がっておるということでございますから、四十六年度の約八十三億という金額は、最近におきましてはかなり大きなものにふくれておるだろうということは想像はいたしております。しかし、実態につきましては現在調査中でございます。
#74
○内田善利君 四十七年度にも、予算に特別助成として三十七億円要求をされたわけですね、そのときにも寄付金追放の効果は疑問だということと、その他いろいろな事情があったと思いますが、大蔵省によって削られておるわけですが、今年度はいかがでしょうか。
#75
○政府委員(安嶋彌君) それは、これからの折衝の問題でございますので、趣旨が実現できますように最大の努力をいたしたいというふうに考えております。
#76
○内田善利君 ちょっとお聞きしたいんですけれども、私立医大の何といいますか、保護者といいますか、あるいは私立医・歯大の父兄の実態ですね、医師が何%ぐらいおるのか、国立とあわせてお聞きしたいんですが、そういう調査なさっておりますか。
#77
○政府委員(安嶋彌君) ちょっと正確な数字が手元にございませんが、医学部について申しますと、私立の場合は約七割が開業医の子弟だというふうに把握をいたしております。国・公立の場合は、逆に二、三割が開業医の子弟であったかと記憶いたしております。
#78
○内田善利君 国・公立の場合は、自分の力で大学に入ったと思うんですが、昭和四十六年度が平均六百万円ということですが、いまは二千万円、三千万円といわれておりますし、私のところに、福岡歯大のときに、入学希望をした方の父兄が一千二百万円の約束で入学できるということで六百万円持っていった。さらに入学通知のあるときにまた六百万円持ってこいということで持っていった。そうしたらもう二百万円持ってこいということなんですが、どうしたらいいんでしょうかということを電話で問い合わせがあったことがありますけれども、そういった二千万円も三千万円も積まなければならないような、そういう状態ではやはりこういった七割も開業医の子弟――こういうことが今後続くならば教育の機会均等というのは失われていくのではないか、そういった教育の機会均等ということに違反しておる、そのように思うわけですけれども、こうした現状を放置するということですね、これはやはりこれをつかさどる文部省としてはもう少し抜本的に対策を講じていかなければならないことではないか、このように思うわけです。開業医の子弟でなければお医者さんにはなれない、それならば国・公立、国公立といってもなかなか非常に希望者が多くて入れない、そういう状況で、これはやはり何とかしなければ教育の機会均等の原則に反するというようなことが続いてきたのではよくない、このように思うのですが、こういったことに対する対策はどのようにお考えですか。
#79
○政府委員(安嶋彌君) そうした御趣旨も考えまして、先ほど申し上げましたような学費の減免措置というものを考えまして、学校法人がそうした減免を行なった場合には、それに対して国が補てんをするという方式を新たに打ち出しておるわけでございまして、そうした施策は、先生おっしゃいまする教育の機会均等という、そういう趣旨にかなうものだというふうに私は考えております。なお、そのほかに育英資金の貸し付けにおきましても、新たな措置をとろうということで、現在大蔵省に概算要求等いたしておる状況でございます。
#80
○内田善利君 私立大学の事務局長に文部省のOBが天くだっておるということなんですが、これはどのようになっておりますか。
#81
○政府委員(安嶋彌君) 最近、私立大学から国立大学の事務にたんのうな方を事務局長等としてぜひ迎えたいという御要請がしばしばございます。実際申しますと、むしろその要請にこたえきれていないというような状況でございますが、そうした御要請がございました場合には、もちろんこれは本人と私大側との合意が前提でございますが、私どもとしても、できるだけお世話をするようにいたしております。
#82
○内田善利君 この問題についてはまた後ほど聞きたいと思いますが、現在、全国で約二千九百カ所無医地区があると聞いているんですけれども、将来必要と思われる医者の数、これはどのようになっておりますか。
#83
○政府委員(木田宏君) 厚生省のほうで目標としておられますところは、人口十万に対して百五十人という目標数値をあげておられるのでございます。現在、医師の数が全国で十三万の見当だったかと思いますが、それによりますと、人口十万対百二十前後のところになっておる次第でございます。一応私どもといたしますと、厚生省の言っております人口十万対百五十という目標数が当面の目標数であろうかと考えております。
#84
○内田善利君 そうしますと、そういった医師の養成計画ですね、将来の展望といいますか、そういったのはどういうふうになっておりますか。
#85
○政府委員(木田宏君) 申し上げるまでもございませんけれども、医師の養成には正規の在学年数だけで六年、卒後の若干の研修等を加えましてほぼ十年かかるかと思うのでございます。今日、国・公・私立の医科大学から卒業してまいります学生数で申しまして、昭和六十年にはほぼその目標数を達成できるというふうに考えておりますし、今日の規模がそのまま続くといたしますならば、昭和六十年以降どんどんと医師の数がふえてまいりまして、人口十万対当たりの数は百五十からずっと上回っていくものというふうに考えている次第でございます。
#86
○内田善利君 私は、現在のこういったいろんな状況から見まして、あまりにも数にあせっているんじゃないか、もう少しやはり人間の命を預かる医者を養成するわけですから、質の向上ということにもう少し力を入れるべきではないかと、このように思うんですが、医者の絶対数は足らない、それで数をふやそうとすれば質が低下する、そういう問題もあろうかと思うんですけれども、質の向上ということについては、どのようにお考えでしょうか。
#87
○政府委員(木田宏君) 御指摘のように、学校のことは少し長い目で考えていかなければなるまいかと思っております。単年度にたくさんつくりますよりは、計画的に長期にわたって整備を進めていくというほうが的確な措置だというふうに考えております。現在、医師の養成増に対応いたしまして新しい国立大学等の新設も進めておるのでございまするが、一方、また既存の大学の入学定員の増という計画も、昭和四十八年度、六校行なわしていただいております。四十七、四十八年と入学定員の増をかなり既存大学について行なってまいりました。四十九年も、この考え方で進めてまいりたいと思っておりますし、公立大学にもそうした奨励をいたしたいと思っております。
 一方、また医学教育自体の改善ということも進めてまいらなければなりません。かねてからの医師の研修その他のことも含めまして、医学教育関係者の検討が進んでおりますので、私ども医学教育のあり方自体につきまして臨床教育の整備をどうするかなど、いろんな各方面の領域について検討をいたしておるところでございます。
#88
○内田善利君 質の低下を憂えるわけですけれども、水増し入学等、先ほどから問題になりましたけれども、設備もあまり整わないのに、また教官も足らないのに、水増し入学することによって質の低下をきたす、そういうおそれは十分にあると思うんです。
 私の元同僚の高校の教員の進学指導をしている先生の話ですけれども、結局進学指導しても、本人が医学部に行きたいと言っても、結局、親の金の問題があって進学指導もなかなかできない、そう言って悩んでおったわけですけれども、やはりせっかく医学を志望しても医者になれないと、多額の金を積まなければならないし、また、国立も非常に定員数が少ないので競争率が激しいというようなことから、指導が非常にむずかしいと、そう言っておりますが、やはりいま言われましたように、既存の医学部をもう少し定員の拡充、充実ということをやっていただきたいし、また、いまこの法案の中にもありますように、三つの大学の医学部を、国立の医学部を設置しようとするのに、今後の大学の根本的問題をかかえた筑波大学と一緒に抱き合わせて提出するというようなこういうことでは、私は、国民のほんとうに希望にこたえてないんじゃないか。やはり早く旭川医科大学にしても、愛媛大学、山形大学の医学部、すぐ成立できるような、国民のだれもが望んでおるこういう法律と、問題をはらんだ、今後新しい構想を打ち立てようというような筑波大学と抱き合わせにして法律をつくったというようなことは、私はまずいと思うんですね。やはり国民の声にこたえていくべきじゃないかと、そういうふうに、この医学教育を考えるについて思うわけですが、全都道府県に一医大をという目標で計画を立てられているそうですけれども、現在の進行状況は予定どおりいっているのかどうか。また、いっていないとすれば、その理由はどの辺にあるのか。その対策等を教えていただきたいと思います。
#89
○政府委員(木田宏君) 今年度、いま御提案申し上げておりますように、四十八年度の新設の医科大学、医学部三校を国立で予定をいたして御審議をいただいております。それに、同じく四十八年度開校いたしますので御一緒に御審議をいただいております筑波におきましても、医学の専門学群がございまして四十九年度から学生を受け入れる予定にいたしてございます。
 なお、四十九年度を目途としていま創設準備をいたしておりますものが三校ございます。これらは、その整備を鋭意急いでいるところでございまして、いずれ、四十九年度の予算として政府部内の準備が整いましたならば御審議をいただくようにいたしたいというふうに考えております。以後、沖繩を除きまして、八県ほど医科大学のない県が残るかと思っておりますが、これも四十九年度予算で引き続き準備を進めていく予定にいたしておりまして、いま財政当局に必要数の要求を出しておるところでございます。
#90
○内田善利君 そういうふうに医学部を拡充していこうというわけですけれども、医師養成のための教官ですね、教授もふやしていかなければならないと思うんですけれども、その場合に、総定員法のワク外にするように関係官庁に要求していると思うんですけれども、その結果はどのようになっておりますか。
#91
○政府委員(木田宏君) 医科大学をつくります場合に、国立学校としての医科大学でありますならば、国家公務員法の定員法のワク内で扱われることになるわけでございます。一医科大学をつくりますのに約一千人の教職員が要るわけでございます。私どもは必要な人員の増は、それぞれ財政当局及び行政管理庁のほうに要請をしてまいりたい。また、どうしても、その既存のワクで取り扱えないという点につきましてどのように考えるかは、所管当局の御意見もあろうかと思っておりますが、一応、国立学校の職員でございますから、必要数だけは事欠かないだけの定員は要求をしてまいりたいということで折衝をいたしておるところでございます。
#92
○内田善利君 それと看護婦の不足ですね。あるいは県立の病院から大学にスカウトされたというようなことで患者さんが非常に困るというようなことも起こってくるんじゃないかと思いますが、こういった医師対策ということも総合的に考えていかなきゃならないと、そのように思いますが、こういった点の対策はどのようにお考えですか。
#93
○政府委員(木田宏君) 御指摘のように、医科大学をつくります際に、これまた多数の看護婦が必要になるわけでございまして、看護婦の養成につきましては、誘致をされます地元各府県あるいは都市等においても、積極的な養成増、計画的な養成増を考えていただく、こういうお願いもいたし、御相談をいたしております。そうした準備の整ったところから医科大学をつくってまいりたいというふうに思っております。なお、看護婦の全国的な養成につきましては、厚生省のほうで担当していただいておりますが、なお、国立学校におきましても、正規の看護婦養成の増をはかりますために、いま御提案申し上げております法律案でも、東北大学に医療技術短期大学部を設置する予定にさしていただいておりまして、御審議を願っておる次第でございます。国立の医療技術関係の短大もやはり逐年整備を続けていって、少しでも看護婦の窮迫に対応するようにいたしたいというふうに考えております。
#94
○内田善利君 この医学教育を担当する大学学術局の体制はどのようになっておりますか。
#95
○政府委員(木田宏君) 局内課が十一ございますが、そのうちに一つ医学教育課という課がございまして、まあ一生懸命当面の課題を担当しておる次第でございます。
#96
○内田善利君 この医学教育課に医療の専門家は何人いらっしゃいますか。
#97
○政府委員(木田宏君) 医学教育課というわけではございませんが、医療問題につきましては、大学局で世話をしております医学関係の視学委員というのが相当数おられます。また、いろんな調査会、審議会に各大学の教官に御参加をいただいております。そういう非常勤で御協力をいただいております方のほか、なお文部省の科学官として大学の、まあこの方は基礎医学の病理の教授でございますけれども、併任で科学官に就任をお願いをいたしまして、そうした数多くの医学専門の教官と私どもの事務の体制との連絡調整役をお願いをいたしております。なお、看護婦の経験者は、医学教育課の中に一名就任をいたしております。
#98
○内田善利君 専門のお医者さんは何名ですか。常勤といいますか、いまのお話はあちこちから応援をいただいているという話ですけれども、常勤の先生ですね。
#99
○政府委員(木田宏君) 医師の免許資格を持った者は、常勤としては勤務をいたしておりません。しかし先ほど申し上げましたように、大学の医学の教官を併任科学官として御委嘱を申し上げております。十分そうした面での要請は果たせるというふうに考えておるところでございます。
#100
○内田善利君 私は、やはりこの医学教育を担当する医学教育課ですから、やはりこういった経験者が必要じゃないかと、こういうふうに思うんですが、まあそういうことができないと、そういう人を入れられないということでいないのか、大事な文部省の医科大学を、医学教育を担当する医学教育課に専門家の先生が常勤していないということは、これは問題じゃないかと、こう思うんですけれども、間に合っているということですが、この辺はいかがでしょう。
#101
○政府委員(木田宏君) 大学局の内部におきましては、結局、直接医療の業務を行なうわけではございません。医科大学の世話をし、病院の世話をしていくというのが事務の立場でございます。その際に、それは医療あるいは看護についての認識の深い方が一人でも多くいるということは確かに力になるのでございますが、専任者が一人、二人いるということで片づくことではございません。医学教育につきましても、各広い領域の専門について通じていなければならぬことでございまするから、文部省は、国・公・私立の大学の教官の方々にいろんな意味で御協力と応援をいただいております。そういう方々の総力を結集することによりまして、文部省としての内部部局の事務を円滑に処理していく、こういう体制をとっておる次第でございます。
#102
○内田善利君 まあ、それで了解できないことはないですけれども、医学教育はもちろん厚生省とも関係がありますし、文部省だけで片がつく問題ではないと思いますが、厚生省と密接な連携をとることは必要ですが、その中でやはり大学の医学教育ということについては、文部省がリーダーシップをとっていくべきであると、このように思うんですけれども、この点はいかがでしょう。
#103
○政府委員(木田宏君) 医学教育に関連いたしますことにつきまして厚生省と緊密な連携をとって進まなければなりません。したがいまして、医科大学の設置を審査いたします大学設置審議会設置分科会には厚生省の医務局長にも入ってきていただいておりまするし、またいろんな医学教育の改善の会議、歯学の改善の会議等、いろいろな改善会議を持ちます場合にも、厚生省の担当局長あるいは課長の御協力を得て会議を取り進めておるという実情でございます。しかし、御指摘になりましたように、大学を中心といたしました医学教育、大学病院の整備、こういう点は文部省の仕事として進めておるわけでございまするから、私どももできるだけの勉強をいたしまして、整備につとめておる次第でございます。
#104
○内田善利君 医学問題はこれで終わりますが、やはり現在の医学教育には非常に大きな欠陥がたくさんあるように思うんです。こういった問題についてはひとつ早急に抜本的な対策を講じていただきたいと、このように要望いたします。
 次に、私この間、党大会のために文部大臣の真意をお伺いする機会を失ったわけですが、この席をかりまして、筑波大学の法案に入る前に、一言文部大臣にお聞きしたいと思うんです。
 それは、この間の文部大臣の発言の問題ですけれども、この間、他の委員から質問があっておりますので、そういった問題には触れないようにしていきたいと思いますが、文部大臣が屎尿くみ取り云々の問題ですけれども、これは、労働関係調整法に現業以外は団体交渉権はできない、教員は非現業だから違うと、こういう意味で言ったんだと、このようにおっしゃっておりますね。屎尿くみ取り云々の問題ですけれども、労働関係調整法に現業以外は団体交渉はできないと、教員は非現業だから違うと、こういう意味で違うんだと、こういうふうに言ったんだと、こうおっしゃっているわけですけれども、この点は間違いございませんか。
#105
○国務大臣(奥野誠亮君) 昭和二十一年に労働関係調整法が制定されまして、その中で警察官吏、消防職員その他現業以外の官吏その他のものは争議行為をすることができないという規定が置かれたわけであります。従来から争議行為は禁止されておったわけでございますけれども、現業以外のものに禁止することによって消極的に現業の公務員には争議権が与えられたということでございます。その現業と非現業の差を明らかにするために現業の例をあげたわけでございまして、私が、そういうことを申し上げます際には、国家公務員については五現業ということがございますので、別に五現業をさせば明らかでございますけれども、地方公務員につきましてはそういうことばがございませんし、当時、現業というものを英語ではパブリックエンタープライズ、公企業と、こうしるされておったわけでありますと、要するに料金、手数料等の収入を得て行なわれておるもの、当時の市町村においてどういうものがあっただろうかというようなことを考えながら、そういう例示をさせていただいたわけでございました。
#106
○内田善利君 教員の地位に関するユネスコの勧告ですね。これはどのようにお考えでしょうか。
#107
○国務大臣(奥野誠亮君) そのとおり理解していくべきものだと思っております。
#108
○内田善利君 これについて、その通りと思う部分と、そう思わない部分があると、スト権、交渉権はないほうがよいと、こうおっしゃっているわけですね。
#109
○国務大臣(奥野誠亮君) おっしゃっていることは、おそらく八二号に書いております、教員の給与及び勤務条件は教員団体と教員の使用者との間の交渉の過程を経て決定されるものとするということではないかと思うわけでございますが、どの部分でございましょうか。
#110
○内田善利君 これは文部大臣の答弁の中からなんですが、教員の地位に関するユネスコの勧告については、そのとおりと思う部分と、そうは思わない部分があると、スト権、交渉権はないほうがよいと、現行の人事院勧告が望ましいというようなことをお答えになっているわけですね。
#111
○国務大臣(奥野誠亮君) この間の議論のときにも、ちょっと申し上げたりしたわけでございましたが、いま私が申し上げた表現でございまして、その表現がこれはたとえば先生方と府県当局との間、教育委員会との間で交渉で給与がきめられるんだというようにおとりになりますと、それにはそのとおり賛成できないのだということでございます。
#112
○内田善利君 そうしますと、最初の答弁、最初の労働関係調整法に現業以外は交渉、団体交渉はできないと、教員は非現業だから違うと、こういう意味と、スト権、交渉権はないほうがよいということと、一方では、労働関係法を認めておりながら、一方ではこれを認めないというふうに感ずるのですけれども。
#113
○国務大臣(奥野誠亮君) 労働基本権の中に団結権と交渉権と争議権、三つあると思うのでございます。労働関係調整法で議論の対象になっております問題は争議権の問題でございます。スト権の問題でございます。ユネスコの教員の地位に関する勧告の中では、私は、そのスト権の問題はその中には入ってない、こう考えているわけでございまして、当時、日本政府がこれを受諾するにあたりましても、そういう留保条件をつけておるわけでございます。そういうことでございまして、この勧告がそのままスト権を認めるということにはならないと思うし、また八二号、ものによっては八四号にもなったりしているようでございますが、その中の給与その他の勤務条件が労使の話し合いできめられるんだというふうにも理解をしていない、この読み方によって、交渉の過程を経て決定されるものとすると書いてあるわけだから、現に交渉権は与えられておる、団体協約締結権は与えられていない、だから交渉までいけないと、こう言っているわけではないので、したがって、形式的には、これと違ったことをやっていると言わないでもおけますと、こんなことをお答えをしたこともございました。これはまた、ことばの読みようによっていろいろな解釈が私は生まれてくるだろうと、こう思います。
#114
○内田善利君 公制審の印象はどうかということについて、これはどのようにお考えでしょうか。
#115
○国務大臣(奥野誠亮君) いまのお尋ねも、おそらく私が三十日に発言をしたことに関してのお尋ねだと思います。
 二十七日に公務員制度審議会の公益側の委員の素案が出されたわけでございまして、当時新聞に大きくそれぞれ掲載されておりました。その公益側の素案の中からは教員に争議権を与えろというような意見が出ているとは読み取れなかったと、こう申し上げたわけでございまして、そのとおりに考えております。
#116
○内田善利君 非登録団体との積極的話し合いに応ぜよという公制審の報告ですね、これをどのようにお考えでしょうか。
#117
○国務大臣(奥野誠亮君) これも、そのときにお尋ねをいただきましたが、当局ということばをつかっておりますので、当局ということばに関しまする限りは、文部省は当局にはならない。しかし、登録団体であろうと非登録団体であろうと、その他のものであろうと、文部省はいろいろ積極的に話を伺っていくべきものだと、私はそういうつもりで対処していきたいと思いますと、こういうお答えをさせていただいたところでございました。
#118
○内田善利君 そうしますと、日教組とも積極的に話し合っていくと、こういうことですね。
#119
○国務大臣(奥野誠亮君) そのとおりでございます。
#120
○内田善利君 ここでちょっとお聞きしておきたいと思うのですけれども、一昨日ですか、最後に小林委員のほうから、各審議会ですね、文部省の各審議会にも日教組の代表を入れたらどうかという要望で、答弁がなかったわけですが、これについてはどのようにお考えでしょうか。
#121
○国務大臣(奥野誠亮君) 文部省の中でいま給与の問題、いろいろ検討していただいているわけでございます。その委員の中にも入れていないじゃないかという御指摘があったように伺いました。私の承知している限りにおきましては、日教組の方々に来ていただきまして、そうして意見をお述べいただいたようでございます。委員にそのまま加わってもらうことの可否などにつきましては、今後さらによく検討させていただきたいと思います。
#122
○内田善利君 政治屋の発言ですけれども、政治屋というのは、政界に入ってもらいたいという意味で言ったのだと、俗っぽい言い方で誤解を招いたことをわびると、こういうことですけれども、真意はどうなんでしょうか。
#123
○国務大臣(奥野誠亮君) そのとおりでございまして、教員である限りは、公務員として政治活動についてはいろんな制限を受けているはずでございます。また、政治的には特に中立の立場をとらなきゃならないと、こう考えられるわけでございます。そうしますと、スト権の奪回、スト指令をたびたびおやりになっている。やはり法に触れる行為でございますので、教育界で働くのじゃなくて、政治の社会で働いていただくなら何ら批判すべきことじゃない。でありますだけに、そういう意味であのような表現をしたわけでございますけれども、用語について御指摘いただきまして、たいへん恐縮だったと、こうおわびを申し上げたわけであります。
#124
○内田善利君 私も考えるんですけれども、結局この筑波大学法案に反対するとか、あるいは三教育法案に反対するとか、いろんな先生方がいらっしゃるわけですけれども、そういったいろんな法律が出てくる、それに対して賛成意見もあれば反対意見もあると、まあこういった教員に対して、政治が好きだとか、こういうことにはならないと思うんですね。やはり教員も一国民であり、教育者として児童、生徒を教育する立場にありますし、やはり政治についても深い理解あるいは深い批判力、そういったものがやはりなければ真の教育はできないんじゃないかと、このように思うんですけれども、まあこういった反発が大臣発言に対して私自身も起こってくるわけですけれども、この点をどのようにお考えでしょうか。教育者の政治的な感覚、そういうものはあってはならないのかどうかですね。
#125
○国務大臣(奥野誠亮君) 私は、政治に関心を持つことをとやかく言うていることは一つもございません。法を守ってもらいたいということを言っているわけでございまして、ことに公務員、教育者は特に法を守ってもらいたい。人個人個人については、その法の是非、善悪、いろんな考えあるかもしれないけれども、しかしその法が法として存在する限りにおいては守ってもらわなけりゃ困るじゃありませんかと、公務員についてはストライキが禁止されている。にもかかわらず、ストライキを指令し、そのストライキに加わっていく、これでは困る。そういう活動にたいへん興味を持っておられる方がいらっしゃるけれども、そういう方はやはり教育界で働くのじゃなくて、政治界で働いていただくというのが筋道じゃなかろうかと、こういう意味で申し上げているわけでございます。決して政治に関心を持つ、政治についての意見を言う、そのことがいけないんだということはさらさらございません。
#126
○内田善利君 スト権の問題ですけれども、私はまだ結論は出ていないんじゃないかと思うんですね。その前に、こうした問題が起こってくるというのは、やはりかえってそのほうが問題じゃないかと、そのように思うんですが、まあ、私たちが何回も主張してきたわけですけれども、教師といえども、やはり教育労働者には違いありませんし、教師としての人間らしい生活が保障されなきゃならないと、そのように思うわけですね。そして全力をあげて教育の仕事に熱中していく、それでこそ真の教育ができると、そのように思うんですけれども、まあそのための何といいますか、戦いといいますか、そのための行動といいますか、これは当然あっていいと思うんですね。まあ法を守れということですが、それはもう当然でございます。しかし、教育者もやはり一国民として生活が保障されなけりゃならない、そういった立場でやはり政治というものに対して関心を持ち、そうして現在スト権がはっきりしない状態にあって、私は、ああいった争議が起こるのじゃないかと、このように思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。
#127
○国務大臣(奥野誠亮君) 内田さんのお話ですけれども、結論が出ていないじゃないかというお話に対しましては、私は、たいへん違った考え方を持っております。実体法の解釈というものと立法論とはやはり別にして御議論いただかないといけないのじゃないかと思うのであります。実体法は明確に公務員に対しまして争議行為を禁止しております。それに対して、いや争議権を与えろ、与えるなと、こういう議論のあることは承知しております。やはり実体法が存在しておりまする限り、その実体法に従って行動してもらわなけりゃならない、こう申し上げたいのでございます。ことに、その実体法の解釈をめぐりまして争いがありましょうけれども、四月二十五日の最高裁の判決、これはもう明確に公務員の争議行為の禁止は違憲ではないのだ、こう判示されているわけでございますので、その限りにおきましては、私は、解釈論におきましても確定されたと、こう理解いたしておるものでございます。
 なおまた、公務員はいかにあるべきかという問題につきまして、最高裁の判決でも言うておるわけでございますけれども、憲法二十八条、労働基本権は公務員に適用がある、それはそのとおりだと、しかし別途に十五条でございましたか、「公務員は、全体の奉仕者」と書いてある。したがって、労働基本権に対する制約も適切合理的な代償措置が講じて行なわれる限りにおいては違憲ではないのだと、こういうことを示しているわけでございます。やはり全体の奉仕者でございますから、争議行為をして国民に迷惑をかける、それは奉仕者たる本分に反するんじゃないか、やはりたくさんの子供さんたちは先生の教育を受ける、授業を受けようと考えているのにその授業を受けないようにしてしまう、それは公務員は全体の奉仕者だという考え方に触れるじゃないだろうかということではなかろうかと、こう考えるわけでございます。
 同時にまた、労働基本権二十八条につきましても、団結権及び団体交渉その他の団体行動をする権利はこれを保障すると書いてあるわけございまして、そこには争議権、ストライキ権ということばは使っていないわけであります。使っていないわけでありますから、この争議権をどの範囲については制約するかということは、私はこれは立法政策の問題ではなかろうか、こう考えるわけでございまして、そういう立法政策のもとにおきましては、代償措置を講じて公務員には禁止するという態度をとっておるのじゃないだろうか。また、くどくは申し上げませんけれども、それが代償措置等を通じまして一番まあ一応妥当な考え方だと、こう言えるのじゃなかろうかと、こんな気持ちでもおるわけでございます。もちろん、昨日和歌山の地方裁判所で地方公務員法のスト権を禁止している規定が違憲だというような趣旨の判決がございましたけれども、これはわが国の裁判制度は三審制度をとっておりますので、そのことにつきましても、最終的には最高裁の判決を待たなければ確定しないことではなかろうかと、こう考えておるわけでございます。
#128
○内田善利君 先ほどちょっと質問をいたしましたが、日教組を登録団体とするということについてはどのようにお考えでしょうか。五月のILO勧告は、未登録のままにしておく日本の国内法は、結社の自由を規定するILO条約八七号に照らして疑義があると、このように述べておるわけですけれども、この点はどのようにお考えでしょう。
#129
○国務大臣(奥野誠亮君) 現在登録団体と非登録団体との区分がございますけれども、それぞれの団体の職員のみをもって構成されている団体を登録団体としているわけでございますけれども、この点につきまして、今後の立法論の問題といたしまして、いろいろ議論が将来出てくることだと思います。それにしましても、いままでのたてまえでは、みな府県の公務員の身分を持っておられるわけでございます。府県の公務員の身分を持っておられるわけでございますから、登録するということになりますと府県じゃないかと、しかも全国的な関係の人たちが集まっておられるわけだから、それをどうするかという問題が出てくるんだろうと思うのでございますけれども、これは現行の問題でなしに、将来の立法論でありませんと問題は解決しないのじゃないかと、こう思っておるわけであります。
#130
○内田善利君 この問題は、また憲法論議にもなりますのでこれで終わります。
 次に、筑波大学の法律に入っていきます。まず最初は、法改正上の問題ですけれども、いわゆる先ほどもちょっと触れましたけれども、第一条抱き合わせ問題ですけれども、野党の四党が六月六日に文教委員会で、第一条分離を提案したわけですけれども、その既成の大学を設置する、特に先ほどから問題にしました医科大学、これが組まれている地元にとってはどうしても通してもらいたいそういう医科大学、それとこんなに問題になっておる法律、しかも、日を経るごとに筑波大学法案については反対の方々が非常に多くなってきておる、そういう法律をどういうわけで抱き合わせにしなければならなかったのか、大臣もう一度御答弁をお願いしたいと思います。
#131
○国務大臣(奥野誠亮君) 筑波大学も国立学校として設置するわけでございますし、従来から国立学校は全部国立学校設置法に網羅して規定をいたしておるわけでございます。したがいまして、従来と同じ考え方で筑波大学を国立学校として設置するわけでございますので、国立学校設置法の一部改正の中に入れさしていただいた。したがって、旭川等の場合と同じ法律改正の中に入ってまいったわけであります。
#132
○内田善利君 この問題については衆議院でも、また、本委員会でも問題になっておるわけですけれども、同じような答弁を大臣もなさいますが、法律的には、内閣法制局の林第二部長が答弁しておるように、分離した形で法律はできるわけですね。
#133
○国務大臣(奥野誠亮君) 法律を二つに分けようと三つに分けようとそれはできるわけでございますけれども、筑波大学もことしの十月から開学をしたいというように考えておりますので、時期的にはそんなに切り離せないものであることは御理解いただきたい。したがって、やはり一つにするほうがむしろ筋道じゃなかろうかと、こう考えておるわけでございます。
#134
○内田善利君 そう言われますと、法律の内容がわかっていらっしゃる文部大臣の側ではそう言われるかもしれませんが、国民の立場から言いますと、どういう大学ができるのかわからないわけです。私も、質問をするということで勉強してまいりましたが、勉強すればするほどわからない点が一ぱい出てくる。そして問題点が一ぱい出てくる。そういうことで、私たち自身でもまだまだ問題があるなと、いまから質問したいことは一ぱいあるわけです。そういったことからどうしてこれを抱き合わせにしたのだろうか。それよりも昨年もそうであった。一昨年もそうであった。各大学の学部を新設するときには、それこそ、国立学校設置法一部改正だけでどんどん次から次に大学ができていった。ところが今回に限って、こうして筑波大学新設ということで抱き合わせになった旭川医科大学、山形大学医学部、愛媛大学の医学部、私は受験生の気持ちを思うと同時に、やはり日本の、先ほどから議論してまいりましたように、日本の医学行政という面から考えましてどうしてこれを分離しないんだろう、また、われわれ野党も分離提案をしたんですけれども、もう一顧だにされないと、こういう状況なんですけれども、法律的には分離できるということなんですね。これは衆議院での問答ですが、林内閣法制局の第二部長ですかのお答えでは、「今回の改定の趣旨、私が文部省から拝聴しておりますところによりますと、五十三条適用対象というのは、国立学校ではなく、私立あるいは公立大学にも及ぼすということでございますから、こうなりますと、どうしても五十三条自身を改定していかなければならないということに相なるわけでございます。」と、このように言っておるわけですけれども、こういう法律の分離ができるにもかかわらず、そういう抱き合わせをしておるということがどうにもふに落ちないんですけれども、どういうことなんですかね。いまからではもうだめですか。できませんか。まあ日にちの問題もあろうかと思いますけれども、分離して医科大学を発足すると、午前中から申し上げているように、一日も早く国民の要望する大学はつくって、そして今後の問題である筑波大学についてはもう少し審議をしていくべきじゃないかと、また国大協その他の皆さんの意見ももっと聴取していくべきじゃないかと、このように思うんですけれども、大臣いかがでしょう。
#135
○国務大臣(奥野誠亮君) 分離案をどうお考えになるか、国会の問題でございますので、私からこの処理につきましてとやかく言うことは差し控えるべきだと思います。ただ、私が推察しております分離案をとっておられる方々の中には、筑波大学は反対だと、審議するというよりも十月開学については反対だというお気持ちの方もかなりいらっしゃるのじゃないだろうかというふうに推測をするわけでございます。分離案といいますと、ほかのを早く成立させてやるんだというのでたいへん聞こえはいいわけでございますけれども、逆にいいますと筑波大学の成立は認めないのだと、こういうことではないんじゃないかなあと推測をしておるわけでございます。私たちはぜひ筑波大学を十月から開学をしたいということで、東京教育大学の計画の実現をはかりたいわけでございます。こういうことを言いますと皆さんのおしかりを受けるわけでありますけれども、やはり大学の自治を尊重するということは、大学の運営につきましても、できる限りそれを尊重するという仕組みであるべきじゃなかろうかなという気がいたします。現在の制度は学部以外は認めないわけでございますので、やはり一つ、二つ、例外をしたいという場合には、例外を認めたらいいじゃないかという考え方を持たざるを得ないわけでございまして、教育と研究の分離の問題にいたしましても、大学の中では一体として行なうわけでございまして、学部ごとに一体として行なうわけじゃございませんけれども、大学の中では一体として行なうわけでございますので、それらのことにつきましても、やはり大学当局の考え方を実現できるようにしてあげたい。不幸にして文学部が反対される。たいへん内紛を繰り返してきておりますので、私はこの点、文部省としても責任を感ずべきだと思いますけれども、そういうことがより以上にこの問題を混乱さしてきているという心配を深く持っておるわけでございます。したがいまして、また決着がついたら文部省としても積極的に融和がはかれるような努力をしなきゃならないというようなことを先ごろもお答えをさしていただいたようなことでございました。
#136
○内田善利君 そう言われますと、今度は裏を返せば、筑波大学十月一日どうしても開学したいので、そのためには、反対を防ぐために国立大学の医学部を一緒に抱き込んだらと、そういうふうにとれるわけです。いまの文部大臣のお話聞きますと。まあ反対する向きもあろうかと思います。私はこの法案を勉強してみて、なるほどこの点はいいなと、こういう新しい構想はいいなと思いますけれども、また反面、非常に管理体制といいますか、集中されたそういった面はもう少し考える必要があるのじゃないかと、そういった点も考えるわけですね。したがいまして、そういった点はもっともっと審議を尽くして、論議を尽くしていくべきじゃないか、それよりも、国民が希望しているこの医学部のほうは早く成立していくべきじゃないか、このように思うのです。確かにこの筑波大学、私は全部悪いとも言いませんし、いい面も確かにあると、こう思います。だけども、管理部内の集中で、はたして、これで発足した場合に大学はうまくいくかなと、何といいますか、管理体制は強化されても、その中ではたしてりっぱな理想的な大学になるかということについてはやはり疑問がある。まあ局長も、みんな全部一〇〇%いいとは言えないという答弁がおとついもあっておりましたけれども、私は、あながちこの国民の要望している、一日も早く――分離して提案すればすぐできる、これをやはり離さないで何とかして急いで筑波大学を早く発足させたいという考え方ですね、長年検討されてきたことでありますけれども、やはりもう少し時間をかけて審議して結論を得るべきじゃないかと、このように思うわけです。どうしても十月一日に開学するんだという立場からいけば、大臣のようなお答えが出てくると思いますけれども、この辺、もう少し考慮する必要はないか、こう思うのですね。その点はいかがでしょう。
#137
○国務大臣(奥野誠亮君) ぜひ、十月一日開学に間に合わせていただきますよう、心からお願いを申し上げておきたいと思います。
 同時に、筑波大学が生まれまして、どう運営されるかということにつきましては、大学人の手にゆだねられるわけでございますので、今後学内規則でありますとか、あるいは慣例でありますとか、そういう積み重ねを通じましてりっぱな大学が建設されていくんじゃないかと、かように考えるわけでございます。法律で規定をしておりますのは、ごく一部のことでございまして、あとはもうもっぱら大学の方々の運営にゆだねられているわけでございますので、その点は他の公立大学と何ら変わりないじゃないかと、こう申し上げたいわけでございます。
 大学の自治を尊重していくというたてまえであります以上は、東京教育大学が試みようとする方式もぜひとらしてあげてほしいと、こうお願いを申し上げたいわけでございます。
#138
○内田善利君 先ほど読みました林部長の答弁によりますと、文部省から指示があって、学校教育法の五十三条適用対象を、筑波大学ではなくて、国、公立、私立にも及ぼすということで五十三条の改定をしなければならなかったと、こう言っているのですけれども、このとおりですね。
#139
○政府委員(木田宏君) すでに法案で御承知いただいておりますように、筑波大学は従来の学部制度によらない、従来の学部とは異った学内の構成をとりたい、こういうことでございまして、学群、学系という新しい呼称をもって大学の組織を御審議いただいておる次第でございます。
 ところで、それを国立大学として他の国立大学と同様につくっていただきたいというのが今回のお願いでございまして、御提案申し上げている内容でございます。したがいまして、国立学校設置法で他の国立大学と同様に筑波大学を国立大学として御提案を申し上げる、その際に、筑波大学は学部制をとらないということの関係から、学校教育法の五十三条が、「大学には、数個の学部を置くことを常例とする。」特別の場合に、単科の大学があり得ると、こう書いてございますが、大学には学部以外の組織が予定されておらないわけでございます。筑波大学は学部の組織を予定いたしませんけれども、これも大学として同じように位置づけていくという考え方をとりたい、そのためには、こういう筑波のような従来の学部の組織によらないものも大学の組織としてあり得るという許容を一般原則においてお願いをする必要がある。これが今回筑波大学をつくるにつきまして、学校教育法の五十三条の学部だけしかないという考え方に対する許容をあわせて御提案申し上げた次第でございます。その趣意は、結局、筑波大学も国立大学として学校教育法の例外的な措置であるということを、原則に対する例外としての位置づけを認めてあげたい、そうでございませんと、学校教育法の基本原則に対しまして全く別のものだという位置づけをすることは、筑波大学が東京教育大学の発展であり、連続であるということを考えました場合にも、適当でないというのが私どもの事務を準備いたしました立場でございまして、そういう意味で法制局にも審議を願い、学校教育法の原則に対する許容を加えていただいて、筑波大学もその許容の一つとしてつくらしていただく、こういう御審議を法制局でも願い、また、国会でもお願いをしておる次第でございます。
#140
○内田善利君 そういう考え方もあろうかと思いますけれども、私は、これがやはり一つの反対の因になっていると思うのですね。というのは、東京教育大学が移転する、そして筑波大学ができる、これだけだったら、まだ問題がないと思うのです。それが五十三条を変えることによって他の国公立、私立にも及ぼすといういまはっきりした御答弁があったわけですが、ここに問題があろうかと思うのですね。繰り返して申しますけれども、やはり筑波大学についての単独立法で一ぺんこれをやって、そしてその実験を見てから、結果を見てから一般法の改正に着手していく、これならば、私はいいと思うのですけれども、これを各大学に及ぼすような一般法としての学校教育法五十三条を変えるということをやはり全部にやっていく、こういうことになるので、最初の試みですからいままでの長年の学部よりも、学系、学群構想で行こうというわけですから、やはりそれならば、それなりに単独立法をして筑波大学だけの問題にしていくべきじゃなかったかと、このように思うのですけれども、やはり五十三条を変えなければならなかったのかですね。
#141
○政府委員(木田宏君) 筑波大学は、東京教育大学の関係者が教育大学の発展として新しいビジョンをつくって、教育大学の連続の中に新たな発展を求めたいということから起こっておる中身でございます。そうして、その新しい筑波の構想が従来の学部制によらない大学である、しかし大学として位置づけたい、学校教育法の原則は学部しかないという前提になっておりまするから、その学部しかないという学校教育法の原則に対して筑波もまた大学の一つであるという許容は位置づけておきませんと、大学としての連続ということを意図しておられる教育大学の関係者の希望を十分に受け入れることにはならないであろう、こういうことから、学校教育法の学部以外の構成がないといういまの法体系に対しまして、筑波のような学部によらない例外的なものがあり得るという許容をお願いいたしまして、これは大学関係者が大学紛争の過程を通じまして、今日の大学制度にもう少し弾力化を加えてほしいという強い要請がございました。幾つかの大学改革案の中には、たとえば京都大学でございますと、学部によらない部という考え方が出てまいりました。あるいは諸外国の例で恐縮でございますけれども、従来の既存の学部という考え方をやめて、フランスではユニテッドという別の構成単位をとるということが進んでおります。ドイツでもアップタイルンクという従来の学部とは違った新しい組織を打ち出そう、それが取り入れられて進んでおるわけでございます。わが国におきましても既存の学部という考え方以外に、新たな考え方が許容されていく、これは大学改革を進める場合にどうしても必要なことだというふうに思うのでございます。これを他に及ぼすというお話でございますが、既存の学校に押しつけるという構想は毛頭ございません。新たな構想が従来のワクにこだわらないで生まれ出てくる、こういう例外的な措置があり得るということをお認めいただいた上で、筑波大学もそうした従来のタイプにない新しい大学の一つであるという位置づけを与えてあげなければ、教育大学の関係者の構想を生かしたということになるまいというのが私どもの考え方でございまして、別段それ以上の他意があるわけではございません。筑波大学を新たな大学の一つとして位置づけていきたいということのために、学校教育法五十三条に許容を加えさしていただいた、こういう次第でございます。
#142
○内田善利君 次の問題として、国立学校設置法の一部改正の中で、「第二章の二」ですけれども、「筑波大学の組織」として第二章に入っているわけですね。国立学校設置法の中で大学の管理運営まで、参与会、評議会、人事委員会と、このように国立学校設置法の中に管理運営まで入っているわけですけれども、いままでこんな形はなかったと思うんですけれども、初めてこの設置法に「第二章の二」に「筑波大学の組織」として入ってきているわけですけれども、いままではこういう形はなかったと思うんですけれども、設置法の中にこういった管理運営について「筑波大学の組織」と銘打って入っておりますが、これはどういうわけですか。
#143
○政府委員(木田宏君) 国立学校設置法は、その第一条に規定してございますように「この法律により、国立学校を設置する。」と、国立学校はすべてこの法律でつくる原則が掲げられておるわけでございます。しかし、国立学校がどういう組織であるか、どういう内容のものであるかということの基本的な原則が設置法に書かれておりまして、学部までの組織、あるいは研究所をつくるという組織、あるいは学部の中の教育につきまして教養部というものを置いて教育するという運営上の問題、これは管理運営上の問題かと思いますけれども、教養部を置くということを組織の面から運営とも兼ねてその教育のしかたを表示しておるような規定が入っております。なお、そうした規定のほかに、国立学校にいろいろな職が置かれる――学長その他の職員、それから事務局の職員、そうした職が置かれる。これもまた職員の種類によりますれば、組織ということから整備をいたしてまいりましても、運営の面も入ってくるわけでございます。したがいまして、十一条には職員の任免等の人事上の規定も国立学校設置法に書かれておるわけでございます。また、十二条で授業料のことも書いてございますし、そうした基本的な事項のほか、十三条に「この法律又は他の法律に別段の定めのあるものを除くほか、国立学校の組織及び運営の細目については、文部省令で定める。」というふうに省令への委任規定を加えておるのでございます。したがいまして、学校を設置するということに関連いたしまして、基本的な組織と、その基本的な組織の運営、任免の問題等につきましては、国立学校設置法に書かれておるわけでございます。今回、筑波大学をつくるにつきましては、学部によらない大学を設けました。その関係から新たな組織を設け、組織の一つとして参与会、評議会、人事委員会等の規定を一緒に加えさしていただきました。今日、一般の大学につきましては、十三条の政令への委任によりまして評議会等を省令できめさしていただいておりますが、筑波大学が学部によらない新たな学群、学系という組織をとりました関係上、それらとの権衡を考えまして、評議会、参与会、人事委員会等の基本的な組織を書かしていただいた、こういう次第でございます。
  〔委員長退席、理事楠正俊君着席〕
#144
○内田善利君 五月九日の文部大臣の衆議院の答弁ですが、その中で文部大臣は「大学管理法をつくる意思はない。そのかわり国立学校設置法で大学の管理運営について定める。」と、このように言われているわけですね。局長は「この設置法で個々の大学の管理を定めることも考えられる。」と、このように述べておられるわけですが、こういうことになりますと、大学の管理運営はこの法律でやるんだと、そういう趣旨になると思うのですけれども、そうなりますと、この法律は大学の管理法であるということをこの答弁が物語っておるとこのように思うのですけれども、この点いかがでしょう。
#145
○政府委員(木田宏君) 私から先に御説明をさしていただきたいと思いますが、衆議院でお尋ねがありました際に、教育公務員特例法という法律が大学管理機関という用語を使いまして、将来、大学管理機関として組織的な各国立大学あるいは公立大学を通じた管理法ができるという予定がなされておる。そのことについて、そのような国立大学、公立大学を通じた管理機関についての整備が予定されておるかというお尋ねが一つあったかと思います。大臣は、それに対して、そういう一般的な管理法を予定しておるわけではないというお答えをいたしたのでございます。なお、その意味では私も同じように、いま教育公務員特例法で予定しておりますような一般的な共通の管理機関を考えるわけではございません。ただ、筑波大学につきましては、先ほども御答弁申し上げましたように、学部によらない学群、学系という組織をとりました。したがいまして、この筑波大学が教授会をどういうふうに置くか、教官人事をどういうふうに進めるかということに関連して、学部によらないことからくる取り扱い上の問題が起こってくるわけでございます。で、全学的な組織として、学群、学系の教員会議のほかに、教授会に当たりますような、教授会の機能を代行し得るような人事委員会というものをつくらしていただく、これも筑波大学独自の組織として法律で御提案を申し上げた次第でございます。それがどのような働きをするかと申しますことは、教育公務員特例法に定められておるわけでございまして、筑波大学の必要な組織機関として参与会を規定し、評議会を規定し、人事委員会を規定さしていただいた。これは筑波大学が学部制をとらないことから来る必要な組織規定だと、その運営は国家公務員法、教育公務員特例法その他関係の規定によって運営されることになる、こういう意味で私が御答弁をさしていただいた次第でございます。
    ―――――――――――――
#146
○理事(楠正俊君) 質疑中でございますが、委員の異動について御報告いたします。
 本日、志村愛子君が委員を辞任され、その補欠として片山正英君が選任されました。
    ―――――――――――――
#147
○内田善利君 いま御答弁をお聞きしますと、そうしますと、国立学校設置法で、筑波大学の組織ですが、個々の大学の管理運営をきめていくということになれば、学校教育法も教育公務員特例法も一般規定は空文化していくということになると思いますが、そうはなりませんか。
#148
○政府委員(木田宏君) その点は、御意見ではございますけれども、そのようには考えておりません。人事の運営は、教育公務員特例法の規定によって動いてまいります。教育公務員特例法と国家公務員法の規定によって任免される、あるいはその他大学の運営に関します規定は、それぞれ母法の定めるところがあるわけでございまして、筑波大学につきましても学校教育法の運営についての規定の適用について他の大学と異なるところはございません。ただ筑波大学が学群、学系という学部でない組織をとりました関係上、人事上の処理のことを念頭に置きまして、学群でもない、学系でもない、総合的な人事委員会というものを別に置く必要があるという規定をさしていただいたわけでございます。
 なお、評議会を規定いたしましたのは、今日省令にゆだねられておりますところを法律の規定の上に持ち上げたということでございまして、国立学校設置法の体系の中にありますものを表に出さしていただきました。
 参与会も筑波大学の組織として参与会というものが置かれるという組織でございます。この組織を規定することによりまして、そのことからまいります運営上の問題もあろうかと思いまするけれども、これはやはり置かれた組織の機能という点で御理解をいただきたいのでございまして、各国立大学を通じた管理規定というものをここに持ち込んだと、こういうことではなかろうというふうに思うのでございます。
#149
○内田善利君 私は、いままで、先ほどもスト権の問題があったんですけれども、これは憲法という基本的な法律を抜きにして考えられた論議がなされたわけですけれども、やはりそれと同じで大学の自治、学問の自由という基本的な規定、学問・教育の本質にかかわる問題をこういった国立学校設置法で骨抜きにする、こういったやり方のように思えてならないんですけれども、この点はどうなんですか。
#150
○政府委員(木田宏君) 御意見でございますけれども、この国立学校設置法で筑波大学の参与会、評議会、人事委員会を規定いたしておりますことは、大学自治という考え方について毫も一般の大学と異なるものではないというふうに考えております。基本的には大学自治は文部省と大学との関係になることかと考えるのでございますが、文部省と大学との関係という点から考えますならば、筑波大学も東京大学も全く同じでございまして、今回の国立学校設置法の規定を整備いたすことによりまして、文部大臣と筑波大学との関係が他の東大その他の国立大学の関係と何ら変わることはございません。その意味では、大学自治に特定の制約を加えるという趣旨のものでないというふうに考えております。御理解を賜わりたいと思います。
#151
○内田善利君 次に、自主改革について若干質問したいと思います。
 大臣は、この筑波大学は東京教育大の自主改革であって、政府はこの自主改革の実現のために援助をしているんだと、そのようにたびたび答弁されておるわけですが、この点は問題ありませんね。
#152
○国務大臣(奥野誠亮君) そのとおりに考えております。
#153
○内田善利君 それでは、東京教育大学で筑波大学への構想が始まった時点から最終案、きょうの資料提出まで含めて、教育大学の内部における審議の経過、時間などを説明いただきたいと思います。
#154
○政府委員(木田宏君) 東京教育大学は、昭和三十七年に現在ばらばらにございます五学部の統合移転という問題を取り上げられまして、統合移転地の調査に取りかかったのでございます。その後、研究学園都市を筑波地区に建設するということの動きがあり、また、この地に東京教育大学がひとつ候補地を求めていこうという部内の検討が進んでまいりまして、昭和四十二年の七月に、その検討の結果、総合大学として発展することを期し条件つきで筑波に土地を希望すると、これを教育大学としては正式に決定されたのでございます。その後、教育大学ではいろいろとこの決定に基づきますいろんな検討その他を進めてこられました。遺憾ながら、先ほど大臣も御説明申しましたように、この四十二年七月の評議会の決定を受けまして、その評議会の決定に参加した文学部の三評議員が文学部で差しかえられるというようなことが起こり、また文学部は、この決定を不満として自後一切のこの移転問題に参画をしないというかたくなな態度をとられるに至りました。このことが、自来今日まで教育大学内部におきましてこの検討を進めるについていろんな意味でしこりになっておるということはございます。しかし、四十二年七月にそうした決定がありましてから、東京教育大学内部にマスタープラン委員会をつくりまして、いろいろと統合の場合の新しい大学の考え方を検討してこられました。昭和四十三年から四年のころにかけまして、他の東大その他の大学にも起こりました大学紛争の波が教育大学にも及んでまいりましたけれども、東京教育大学は四十四年の七月になりましてこのマスタープラン委員会でまとめました新大学のビジョンというものを実現するという、ビジョンの実現を期して筑波に移転するという態度決定が行なわれたのでございます。その後、東京教育大学におきまして、さらにこの新大学のビジョンというものの具体的な詰めの検討が行なわれまして、四十六年六月に、筑波新大学に関する基本計画案という形で、一段と整備された計画内容をまとめられました。
 一方、文部省におきましては、四十四年の七月に、東京教育大学が新しいビジョンというものを表明されまして、そのビジョンは先ほども申し上げましたように、従来の学部によらない大学というような、私ども事務の担当者からしますとかなり意欲的な内容のものでございましたから、これは文部省としても、検討を始めなければなるまいということで、四十四年の十一月に、文部省に筑波新大学創設準備調査会をつくらしていただきました。これには東京教育大学の関係者がお入りになり、また、他の学識経験者、大学関係者が入ってくださいまして、このビジョンを中心にどういうふうな大学を構想すべきであるかという検討をさしていただいたのでございます。で、四十六年六月に、東京教育大学は筑波新大学に関する基本計画案をおまとめになりましたが、それに引き続きまして、文部省の創設準備調査会におきましても「筑波新大学のあり方について」という調査会の報告をまとめてくださいました。この報告をもとにいたしまして、文部省にはあらためて四十六年十月、筑波新大学創設準備会をつくりましたが、東京教育大学におきましても、引き続き部内で新大学開設準備委員会を設けられまして、マスタープラン委員会から引き続きこの開設準備委員会として新大学への準備を部内で検討してこられたわけでございます。そうした大学内の検討の結果は、文部省に設けられました創設準備会にも大学関係者によって逐一伝えられ、また、準備会におきましても意見も申し上げまして、大学内での重ねての準備を進めていただくというような御協力をしてまいりました。そうして昭和四十七年五月、四十七年度の予算で東京教育大学に筑波新大学創設準備室というものをつくらしていただいたのでございます。で、十一月には、三輪知雄元東京教育大学学長が創設準備室長に就任され、事務を担当します職員も自乗引き続きその職につくようになりまして、今日まで東京教育大学に設けられております筑波大学創設準備室で必要な準備が行なわれ、また、東京教育大学自体、学内の開設準備委員会を中心にいたしまして、教育課程の議論その他各般の準備が行なわれてきた次第でございます。
#155
○内田善利君 そうしますと、東京教育大としては、この自主改革案の最終案といいますか、これは昭和四十六年の六月に出たのが、一応最終の基本計画案ということですね。そうしますと、これと、筑波大学の創設準備についての第一次のまとめ案が文部省から出たわけですけれども、これと比べてみましたときに、相当食い違いがあるわけですね。その食い違いについて、どういうことで教育大のこの四十六年六月の案と現在の文部省のまとめとは違うのか、その点をお聞きしていきたいと思うんですが、まず最初に、評議会の構成、これが変わっておるようですが、これはどういう経過で変わったのでしょうか。
#156
○説明員(大崎仁君) 評議会の構成メンバーにつきましては、基本的に東京教育大学の基本計画案と、それから今回御提案申し上げております法案の構成と同様でございます。ただ一点、法律にございますように、評議会があらかじめきめております、法案で定められております学長以下の評議員以外に、「評議会の議に基づいて学長が指名する教員若干人を評議員に加えることができる。」という追加の可能性が七条の四の三項で認められておるという点が異なっておるわけでございますが、これにつきましては、新大学創設準備会の御議論の過程で、法律ではっきり学長、部局長、それから学系から選出される教授、学類から選出される教授ということで限定をしてしまいますと、たとえば将来、医療短期大学部というようなものが設置されるとか、そのほか特別の必要が生じました場合に、法律を改正いたしませんと評議員の追加ができないということでは支障があるではないかという御議論がございまして、また、現在、他大学に認められております評議会につきましても、やはり同様の追加のための規定がございますが、そういうこと等も御議論になりまして、非常にごもっともな御議論でもございますので、この点が基本計画案から見ますと、追加になっておると、こういう経緯でございます。
#157
○内田善利君 私が問題にしたいのは、「学長が指名する教員」と、ここなんですけれどね。「学長が指名する教員若干人を評議員に加えることができる。」と、まあ「できる。」となっておりますけれども、これが教育大学のほうの最終案にはないわけですが、法律には、このようにつけ加えてあるわけですけれども、いまおっしゃった内容、理解できないことはありませんけども、学長が指名するというところにやはりひっかかるわけですがね。
#158
○政府委員(木田宏君) 東京教育大学のこの基本計画案によりますと、「評議会は、学長・副学長・各教官会議等から」と、「等」という字が入っておるわけでございます。「等から選出された教官およびその他の者をもって構成する。」、こういうふうに書いてございますで、この御提案申し上げております法律の七条の四、「筑波大学に評議会を置く。」という「評議会」では、学長、部局長、それから各学系ごとに選出される教授各一名、学類ごとに選出される教授各一人、こう書きました。これでは、教育大学の「各教官会議等から選出された教官およびその他の者」というのに比べますと、逆に狭いわけでございます。でございますから、若干のその「等」「その他」の含みを考えます意味におきまして、「前項各号に掲げる者のほか、評議会の議に基づいて学長が指名する教員若干人を評議員に加えることができる。」、こう書かしていただきました。これは評議会の議に基づいて学長が指名することになります。これは、なぜ「学長が指名する」と、こう書いたかと申しますと、評議会の議に基づいて指名すると、こういたしませんと、組織その他を特定するわけにまいりません。どういう組織あるいはどういうところから出てくるかということが、これは将来の大学の運営上にゆだねられるわけでございまするから、そういう意味で、「評議会の議に基づいて学長が指名する」と、こういうふうに加えさしていただいたのでございまして、この大学の基本計画の案というものをできるだけその趣旨を実現しようとするための技術上の措置だというふうに御理解を賜わりたいと思います。
#159
○内田善利君 まあ「評議会の議に基づいて」ということで、学長の指名ということですけども、やはりこういうところにはこういうのは明示しないほうがいいと思うんですけどもね。評議会の議に基づいて若干名加えることができるというふうにしたほうが、私は民主的でいいんじゃないかと、評議会そのものが非常によくなってくるんじゃないかと、メンバー構成ですね。そう思うんです。
 それからもう一つは、参与会ですけども、これが今度は、教育大の案は「学長が評議会に諮って選任する。」ということになっておりますが、これもいまと同じように今度は「文部大臣の任命」となっておるわけですが、これはどういう理由によるわけですか。
#160
○政府委員(木田宏君) この参与は、筑波大学がが国立学校でございます関係上、やはり非常勤の国家公務員ということになってくるわけでございます。確かに東京教育大学で御議論があります場合に、「参与は、学長が評議会に諮って選任する。」、当然のことだというふうに考えるのでございますが、これが非常勤の国家公務員であります関係上、法律として御提案申し上げます場合には、国家公務員法の規定の適用があるという前提で事を考えなければなりません。そうなりますと、何にも書かないでおきますと、文部大臣が国家公務員法の規定によって参与を任命するということだけになってしまいまして、この大学側の趣旨が生きてこないわけでございます。したがいまして、参与会につきましては、「学長の申出を受けて文部大臣が任命する。」というふうに、国家公務員法の特例を書かしていただきました。「学長の申出を受けて文部大臣が任命する。」ということは、その趣旨は、大学が基本計画に書きました「学長が評議会に諮って選任する。」という内部手続を前提にしておるというふうに御了解を願いたいというふうに考えます。
#161
○内田善利君 それと、今度は副学長ですがね。副学長は、教育大の案には「複数制とし、研究・教育・管理等の職務を分担し、学長を補佐する。」と、このようになっておりますが、法律は五名にふえているわけですけれども、これはどういうわけですか。
#162
○政府委員(木田宏君) 副学長につきましては、学校教育法の五十八条でございましたかに、一般的に副学長を置くことができるという規定を加えさせていただきました。筑波大学の項には副学長を設置する規定そのものは置いてございません。人数も法律で規定したものではございません。副学長を置くことができるという一般的な規定を受けまして、予算上五人の副学長を筑波大学に予定をさせていただいております。五人になりましたのは、創設準備会で東京教育大学の関係者及び準備会の関係者で論議をいたしました結果、五人必要であるという御意見になりましたので、その御意見に沿って予算の措置をさせていただいたと、こういう次第でございます。
#163
○内田善利君 それからもう一つは、自由研究期間構想があるわけですけれども、文部省案ではなくなっておるのはどういうわけですか。
#164
○政府委員(木田宏君) この東京教育大学が基本計画で御論議されました際のいわゆるサバティカル・イヤーで教官がある一定年限のあと長期の休暇が取れ、勉強ができるという御要請が入っておったかと思います。で、これは実は公務員制度一般にからむことでございまして、今回御提案申し上げております際に、国立学校の教官一般に関連いたします公務員制度の問題につきましては、なかなか筑波だけの特別な扱いということが困難でございますので、大学の設置ということを中心に検討をし、準備をさせていただきまして、公務員の身分上の扱いにつきましては別途次の機会にゆだねさせていただくと、こういうことでこの御要請を加えてないのでございます。
#165
○内田善利君 もう一つお聞きしますと、付属研究所が文部省案になってなくなってきておると、これはどうですか。
#166
○説明員(大崎仁君) 御指摘のように、教育大学の基本計画案では研究所ということで十研究所を列挙しておるわけでございますが、ただ、基本計画案にもございますように、新大学に設置される研究所は原則的にプロジェクト研究所の形態をとるということが書いてございまして、これは御議論の過程で承知をしておりますのは、研究所という名前をかりにつけておりますけれども、考え方といたしましては、従前の大学に見られる研究所と異なりまして、プロジェクトごとに研究組織を編成して、プロジェクトの目的が達成されれば解消して新たなプロジェクトにまた取り組むという性質のものであるというふうに了解をされておるわけでございます。この御構想を受けまして、準備会等で検討いたしました結果、研究所という名称を使いますことが、旧来の研究所と同様の性質を持つというような誤解を招くのではないかということになりまして、プロジェクト研究組織、特別プロジェクト研究組織というような形で準備会の案では位置づけられておりまして、教育大学側とされても、それにつきまして御了承になっておられるわけでございまして、ここに、基本計画案に掲げられております十研究所のうち、当面これをもとにいたしまして三つのプロジェクト研究というものが現在予定をされておるということでございます。
#167
○内田善利君 二、三、こうして大学案と文部省案を比較しながら聞いてみたわけですけれども、教育大学の四十六年六月の最終案といいますか、これがどこかで手直しされて、こういう文部省案になったと思うのですけれども、これを教育大の側の了解を得られたのか――もちろん得てあると思いますけれども、その手直しをされた機関、経過をお聞きしたいと思うのですけれども、これだけ手直しされている以上は、どこかで手直しが了解を得ていなければ自主的改革とは言えないのじゃないかと、このように思うからいまお聞きしたわけです。
#168
○説明員(大崎仁君) 先ほど局長から申し上げましたように、教育大学では、基本計画案発表後、基本計画案を基礎といたしまして具体的な計画を検討いたしますために、学内に新大学開設準備委員会というものを設けまして、四十八年の二月ごろまでに四十回以上の会議を開いたというふうに承っておりますが、その開設準備委員会の審議の結果が、文部省に置かれております新大学創設準備会に案として教育大学側から御出席になっておられる委員等を通じまして御提出あるいは御提言になられまして、それをめぐって準備会でいろいろ御審議をいただき、また、その結果が開設準備委員会で議論されるというような過程を通じまして次第に具体化されてきたものでございまして、現在、さきに提出申し上げました資料にございます筑波大学の全体計画案というものにつきましては、東京教育大学の評議会においても全く御了承をいただいておるものでございます。
#169
○内田善利君 その筑波新大学の創設準備会ですけれども、これに出席された教育大学の教官、これは正式な代表といいますか、そういう形で出られたわけですね。
#170
○政府委員(木田宏君) 東京教育大学の御推薦をいただいて、私どものほうで御委嘱を申し上げるということにさせていただきました。
#171
○内田善利君 そうしますと、やはり教育大側の了解は得たと、こういうことですね。
#172
○政府委員(木田宏君) そのように私ども考えておる次第でございます。
#173
○内田善利君 六月十五日の衆議院の審議で、木村東京教育大学の教授が出席されまして、この方は筑波移転については賛成派だったわけですが、創設準備委員の専門委員でもあったこの木村教育大学教授が、教育大側と文部省側の間に意思の疎通を欠いて断絶しておると、このように述べておられるわけです。これは移転賛成の方なんですけれども、しかも、創設準備委員の専門委員であった方なんですが、こういう発言があっておるということは、やはり教育大側でこれだけ評議会あるいは参与会等と、四十六年の六月にできたものがこれだけ手直しされておるということになりますと、しかも、こういうふうに意思の疎通を欠いておると、断絶しておると、こう述べておられるわけですけれども、何かこう――私たちはタッチしておりませんからよくわかりませんが、タッチされた先生がこうおっしゃっておるわけですけれども、何か押しつけみたいな事実があったのではないかと、そのように思うんですが、そういう事実はあったのかなかったのか、いかがですか。
#174
○政府委員(木田宏君) 私も、木村先生のその参考人としての御意見お述べになりましたときに聞かしていただいておりまして、私の記憶に間違いがないと思うんでございますが、木村先生は、東京教育大学が最初学系の数について十八というふうに意見をまとめておったんだと、ところがそれがいつの間にか十八ではなくて二十六にふえたと、こういう点を例示にあげられておったかと思うのです。そして、この二十六にふえたことにつきましてどうも十分に承知していなかったんで、いつの間にかこういうふうに変わったというようなお話がその前のところで出ておったかと思うのでございます。これは十八の東京教育大学で大ぐくりにまとめられました学系につきましてその後学内での御意見その他もいろいろと出てまいりまして、それらを全部取り上げて二十六というふうに最終的に大学側との御相談をさしていただきました。おそらくは、先ほど申し上げました大学の中でも、新大学開設準備委員会等での御論議が続いてきたものと思いまするけれども、大学の中も二十の専門委員会を持つほどの準備委員会でございまして、いろんな御論議の過程で逐一御承知になっていないという方があるいはあったのかと思うのでございますが、木村さんが例示にあげられました学系の問題につきましては全くそごがなかったというふうに私は考えております。
#175
○内田善利君 この筑波大学法案は、国立大学設置法の一部改正という非常に異例な形で、私に言わせれば提出されておるわけですけれども、まあ、その問題は後々たびたび出てくると思いますけれども、この筑波大学法案が、いわゆる筑波大学一校の問題ではなくて、全大学に問題があるということは先ほどからの答弁ではっきりしておるわけですけれども、まあ、その点から質問するわけですけれども、東京教育大学の自主改革を尊重すると、まあ文部大臣もおっしゃっておるわけですが、これは教育大だけではなくて他の大学でもそうした自主改革案が出てくればこれを取り上げていくんだと、こういうことですか。
#176
○国務大臣(奥野誠亮君) そのように考えております。
#177
○内田善利君 取り上げていくんだと、そのように考えておるという御答弁ですけれども、六月の十三日の木田大学学術局長の答弁によりますと、「学長、学部長選挙に職員あるいは学生を参加させるというような改革案は自主改革とは考えておりません。」という答弁があっているわけですね、六月十三日の答弁です。そうしますと、いま、文部大臣は筑波大学と同じように他の大学から自主改革案が出れば取り上げていくということですけれども、そうしますと、これは一つの例から考えるわけですが、そしてこの教育大学の四十六年六月のまとめと文部省による準備会の手直しというようなことからやはり文部省の、まあはっきり言えば、文部省に気に入ったものであれば大学の自主改革になると、気に入らなければこれは大学の自主改革にはならないと、そういうふうに受け取れるわけですけれども、そうすると、結局、大学の自主性は認められないということになりはしないかと、そのように思うんですけれども、いかがですか。
#178
○政府委員(木田宏君) 私の答弁に関することでございますので、私からまずお答えさしていただきたいと思います。
 教官の人事について、学生、職員の参加を認めるかという意味のお尋ねでございました。これは、私は、大学自治、学問の自由という基本問題にかかわることでございまして、そう簡単なことではないというふうに考えております。大学の自治――申し上げるまでもございませんけれども、教育、研究の場が教育、研究を担当する者の手によってその考え方で処理をされていくということが大事であるというのが学問研究の自由であり、それをまあ大学の場で保障しようというのが大学の自治だというふうに考えておるのでございます。そういう観点から教育、研究を担当する者の人事につきましては教育、研究を担当する者でできるだけ議論を詰めていこうというのが今日の教育公務員特例法その他の考え方になっておるものというふうに私は理解をするのであります。教官の人事あるいは部局長の人事等につきましてその教育者、研究者の仲間以外の人が参画をするという考え方が絶対にないわけではございません。諸外国におきましても理事会で教官、学部長その他責任者の選考をやるという例もございます。そういうことも、日本でも私立の大学その他では行なわれておるわけでございまするから、それらのことを一切否定しようというつもりはございませんけれども、国立大学の中でいわゆるアカデミックフリーダムというものを大事に考えてまいりますならば、教育、研究を担当する当の責任者以外の人がその人事に参画をするということにつきましてはきわめて慎重でなければなるまいというふうに考えるのでございます。私は、それも一つの改革とは思いまするけれども、この学問の自由、大学自治の基本に触れるような問題につきましては軽々に考えるべきでないという意味で御答弁を申し上げた次第でございます。(「学長はどうかな」と呼ぶ者あり)
#179
○内田善利君 まあ、いまおっしゃったことは、確かに、その教員の人事ですか、教育者といいますか、教員の人事は学生や職員が参加すべきものではないかもしれません。そう思います。しかし、いま声があっておりましたけれども学長ですね、学部長、これは管理職ですから、だから教育、研究の内容を掌握するといいますか、そういう立場ではなくて、管理するという管理職という場合には、やはり管理の対象の一員である学生、職員、これは選出に携わることは私はいいんじゃないかと、そうした自主改革案、これは認めていいんじゃないかと、このように思いますが、これもいけませんか。
#180
○政府委員(木田宏君) 私見にわたりますけれども、一つのお考えであろうとは思います。しかし、大学の管理者の人事につきましてもし現在の制度を変えるということを考えるといたしますならば、これはアメリカやヨーロッパ、ソ連等も含めまして諸外国の大学で考えられておりますように、もっと大学をささえる部外の人がその管理責任者の選考に参画をするということが論議としては先だというふうに考えます。大学の場を大学の中だけで象牙の塔にするということではなくて、大学を社会の中の大学として考えるならば、大学の管理責任者につきましては諸外国でとられておるような理事組織を一般的に考えるということも考えておかなければならない論点だと思うのでございます。ですから、そういうことと無関係に学内の関係者だけの参加が先行するということは適切でない、私見でございますけれども、私はそのように考えております。
#181
○内田善利君 これは筑波新大学に関する基本計画案、四十六年六月の教育大学の案ですけれども、この一番最後に「学生の地位と生活」、いま学生参加の問題が出ましたので、これが一番最後にまとめてあるわけですけれども、私は、この程度の、教育大学で考えられた「学生の参加」というこの内容は、四、五ページにわたっておりますけれども、これを読みまして、非常にいい考え方じゃないかと、このように思うわけですね。学生参加については相当書いてあるわけですが、「新大学と学生」という項ですね、「学生の地位と役割」、それから「学生の参加」、「参加の意義」、それから「参加の方針」、「学生の生活」、「経済生活」、「学生の宿舎」、「課外活動」、「福利厚生」、「人間交流」、そういった項目に分けて「学生の地位と生活」ということで論文がまとめられております。非常に内容としては学生参加をよくまとめてあると、このように思うんです。そういった点から、いまの考え方も、教育という立場で選出するというんじゃなくて、やはり、管理される立場から選出をする、こういう行き方できた場合に、私は、これはむげに悪いということにはならないとも思うんです。いま局長さんの答弁によりますと、外国の例を引かれたわけですけれども、やはり私は、この辺までは学生参加ということを考えていいんじゃないかと思うんです。法案には、全然学生参加についてはうたわれてないわけですが、この辺までは許されていいんじゃないか。また、教育大学から出ましたこの第六章の「学生の地位と生活」、この程度のことならば私は認めていいと、このように思うんですけれども、これはどのようにお考えでしょうか。
#182
○政府委員(木田宏君) 学生が大学で行なわれます教育、場合によれば研究に直接の関心を持っておるものでございますから、そういう教育、研究または学内の生活問題等につきまして、積極的な意見を述べ、そうした学生の意向をくみながら教育が行なわれる、学生生活も行なわれるということは望ましいことでございまして、私どもも、教育大学がおまとめになりました基本計画の中の「学生の地位と生活」に書かれております考え方につきましては、全く同感でございます。ここに書かれております個々の事項につきまして、そのすべてに対応できるだけのたとえば経済的な余力その他が一気に出てくるかと申しますと、これはこれから努力していかなければならぬという課題もございますが、考え方につきまして別段異を立てるものはございません。しかし、ここに書いてあります考え方は、この学生「参加の意義」にいたしましても、「参加の方針」のところに述べられておることにいたしましても、大学の管理責任者の人事に参画をするというような御意見は含まれていないというふうに考えております。
#183
○内田善利君 「学生の参加」のところの、「参加の意義」のところに、「学生の地位や役割にてらして、学生が大学において、より豊かな学業生活を継続していくためには、大学の運営や意思形成過程に全学生の意見・要求・批判等を反映する何らかの制度的な保障が与えられなければならないであろう。」と、このように書いてあるわけです。
 三番目には「教官・職員がそれぞれ固有の使命と役割をもっているように、学生もまた、その独自の地位と役割をもつものであるから、学生が教官・職員と同等の立場で全面的に大学の管理運営に参加することはありえないであろう。すなわち、その理由としては、次のことが考えられる。」、「学生は大学に在学する期間が短かいので、長期にわたって責任を負わねばならない事項の決定にあずかるのには適当ではない。」、「年齢からいっても、知識や経験が狭いので、教官と同等にみることはできない。」、「学生が大学へ入学してくるのは、本来、学業のためであって、総合的な判断を必要とする大学の管理運営への参加を目的としてはいないはずである。」、「以上からして、学生の参加にはおのずから「その責任を負いうる範囲内において」という限界がある。」と。この学生の参加にはおのずから「その責任を負いうる範囲内において」ということなんですから、やはり学生の参加ということは、最初にもありましたように、「大学における管理運営面への学生の参加が所期の目的を達成し、その効果を十分に発揮するためには、学生の提示する諸々の意見や要求ないし批判がつねに建設的であり、積極的な意欲のもとになされなければならない。」、こういうこともありますので、「その責任を負いうる範囲内において」学生参加を認めるべきではないかと、そのように思うわけです。
 それと、「学生の参加は、その理念ないし考え方からすれば、すでに国内国外を問わず世界的趨勢ではあるが、実際にはいまだ大学改革案のうちに示されているか、または実施の緒についた段階である。」というふうに、「学生の参加は、その理念ないし考え方からすれば、すでに国内国外を問わず世界的趨勢である。」こういうことですから、それから最後には、「参加の有効性を認め、実現可能な事項から制度化を進めるとともに、その改廃についての柔軟性をつねに留保しておくことが望ましい。」と、こういう参加についての内容があるわけですが、私はやはり、先ほどの責任の範囲内において学生参加を認めていくべきではないかと、このように思うんです。
#184
○政府委員(木田宏君) いま御指摘になりました考え方には全く同感でございます。お読み上げいただきましたように、「学生が教官・職員と同等の立場で全面的に大学の管理運営に参加することはありえないであろう。」と書いてございます。その理由を御指摘がございました。しかし、学生が、教育・研究の場で学生としての位置づけを考えて、それが伸び伸びとしたものになっていきますためには、「学生の意見や要求を生かす方向」というものを学内で考えておかなければならぬことは当然でございます。でございますから、この「参加の方針」のところにもあげてございますように、「大学の意思決定の最終段階に学生が参加するのではなく、意思形成の過程において」いろんな「意見や要求を生かす方向をとる」ということは私は必要なことであろうと考えます。特に、教育内容あるいは学生の生活問題等につきまして、そうした学生側の意向をくみ取るということはきわめて大事なことだというふうに考えております。
 ただ、これは、法案の中には、こうしたことまで規定さしていただいておりません。それは、教育内容あるいは教育そのものにつきましては、あげて大学にゆだねておることでございまして、法律案としては、大学の基本的な組織だけを書かしていただいておりますので、こうした考え方は私どもも同感でございまするけれども、それは法案の形としてではなくて、大学の運営そのものとして期待をいたしたい、こう考える次第でございます。
#185
○内田善利君 そうしますと、学長、学部長の選出、これにはやはり学生が参加すべきであると、そういう自主改革案が出た場合には、文部省としてはどのようにされますか。
#186
○政府委員(木田宏君) いまの点につきましては、先ほどもお答え申し上げましたように、事柄につきまして慎重に対処しなければなるまいというふうに考えております。
#187
○内田善利君 これは六月十三日ですが、局長は「文部省は大学からの御要請に対しまして、私どもとして国会に御説明できるような内容のものに取りまとめさしていただくということは当然かと考えます。」、六月十三日の答弁ですが、国会に説明できるような内容という答弁ですけれども、国会に説明できるような内容というのは、どういうことなんですか。
#188
○政府委員(木田宏君) 基本的な制度の改革につきましては、政府から取りまとめまして、法律案の改正その他あるいは予算に類することもあろうかと思いますけれども、御提案申し上げ、御承認をいただかなければなりません。そういう意味で、私どもが国会で十分御審議をいただき、御説明も申し上げ、そうして御賛同を得られるような内容のものと、こういう意味でございます。
#189
○内田善利君 ということは、大学から出た自主改革案をやはり国会に提出するためにチェックをする。文部省としてはチェックするということですね。
#190
○政府委員(木田宏君) 今回御提案申しておりますように、たとえば学部制をとらない案というのはやはりこうして国会での御審議をわずらわさなければなりません。それだけの御提案申し上げるにつきましては大学の意見もございますが、それを私どもがかわって御説明できるだけの内容のものとしてわれわれも検討さしていただくということが必要になろうかと思います。そういう意味で、大学側の提案でそれを法律事項として御審議をいただけるようにいたしますためにはわれわれも勉強をし、御提案申す責任者としての責めを果たしたいと、こう考えておる次第でございます。
#191
○内田善利君 そうしますと、やっぱりチェックをするわけですから、基本的な問題については大学の自主性は認めない場合もあると、こういうことですね。
#192
○政府委員(木田宏君) 国立大学は政府、国会を離れて存在するわけではございませんので、そこまで全く自由だということには相ならぬかと思うのでございます。そういう意味で、私も申し上げておるわけでございます。
  〔理事楠正俊君退席、委員長着席〕
しかし、これは国立学校設置法にもほんとうに大学の組織、運営の基本的なことだけが書かれておるわけでございまして、それ以外の幅広い教育・研究につきましては、すべて大学の自主的な活動にゆだねるという考え方に立っておる次第でございます。私どもも、この法令の規定に規定されております事項以外のことにつきましては、すべて大学にゆだね、大学の教育・研究活動に待ちたいと、こういう考え方であります。
#193
○内田善利君 関連してお聞きしますけれども、学校教育法五十三条の改正で「大学には、学部を置くことを常例とする。ただし、当該大学の教育研究上の目的を達成するため有益かつ適切である場合においては、学部以外の教育研究上の基本となる組織を置くことができる。」となっているわけですけれども、この「有益かつ適切である場合」はというこの「有益かつ適切」これはどこで、だれが判断するわけですか。
#194
○政府委員(木田宏君) 学校教育法の第六十条で「大学の設置の認可に関しては、監督庁は、」これは文部大臣でございますが、「大学設置審議会に諮問しなければならない。」という定めに相なっております。したがいまして、学部によらない組織を設けようといたします場合に、このやはり大学設置審議会に諮問をして、その可否を御検討いただくと、こういうことに相なろうかと思います。
#195
○内田善利君 そうしますと、今回の筑波大学法案の学系、学群構想は、この大学設置審議会にいつはかられたわけですか。
#196
○政府委員(木田宏君) この国立学校につきましては、最終的には国会での御審議をいただくわけでございますが、筑波大学が、いま御指摘がございましたように、学部制によらないということでございまするから、その考え方につきましては、私ども、大学設置審議会にもう一年以上前になろうかと思いますが、筑波の構想がまとまってまいりましたころから並行して御検討をいただいてまいりました。そして、今回、こういう形で法律案を御提出申し上げるにつきましては、事前に大学設置審議会にこの法律案の考え方についての御意見をお尋ねをいたしまして、四十八年の、ことしの一月二十七日、大学設置審議会の総会におきまして、御提案申し上げているような法律改正手続を進めることについての御了承をちょうだいした次第でございます。
#197
○内田善利君 少し話題を変えますが、昭和四十九年度の予算についてですが、ここでお聞きしておきたいと思うんですけれども、四十九年度の文部省の概算要求は、国立体育大学、放送大学、新構想の教員養成大学、新芸術大学など、六種類もの新大学の創設準備費が計上されておるわけですけれども、このような大量の新大学を創設するための予算を計上したことはないと思うんですけれども、これはどういう構想に基づいて、こういう要求が出されたのか、お聞きしたいと思います。
#198
○国務大臣(奥野誠亮君) 従来から、大学改革の問題につきましてはいろんな御議論がございましたし、また、数年来予算の御承認をいただきまして調査会を設けて検討してまいったものもあったわけでございます。放送大学、大衆に開かれた大学をつくっていきたい、これはもう数年来続いている検討課題でございまして、だんだんと具体化してまいってきているわけでございます。また、四十八年度の予算におきまして工業高等専門学校の卒業生を受け入れるような高等教育機関をつくりたいということについての予算もお許しをいただいておったわけでございまして、そのほか、今日の時代を迎えましてなお不足する分野もございますし、また、新しい科学の発展に伴いまして、大学につきましてもそういう学問の振興をはかっていかなければならないというような問題もあったりいたしまして、四十九年度にかなり多彩な高等教育機関の設置の準備を始めたいということでの予算要請をいたしたわけでございます。
#199
○内田善利君 まあ、いまこうして新大学、筑波大学についていま論議がされておるわけですけれども、来年度の予算でこういうまあ概算要求ですけれども、いま大臣のおっしゃったようなこういう六大学、六種類の大学の準備費が計上されたということについて、もう少し、それぞれその内容、経過等をお教えいただきたいと思うんですが。
#200
○政府委員(木田宏君) これからのわが国の高等教育の進み方等を考えてまいりますと、進学率だけをとってみましても、過去五年間に一二%も同年齢人口比が上がるというほどの急激な大学進学の状況でございます。これから十年先等を考えておきますと、今日同年齢人口の約二八%が、十年たてば一〇%近い伸びを示すということになるであろう。ことによりますともっと高く伸びるかもしれません。過去五年間に一二%伸びたわけでございますから、もっともっと伸びるということも予測しなければなりません。しかし、そのためにはほうっておいてなるわけではございませんので、いろんな政策課題というものを進めていく必要があろうかと思います。どういうふうに考えてみましても、高等教育の拡大という方向で今後の事態を受けとめ、それに対応する施策を打ち出していかなければなるまいというのが今日の考え方でございまして、その際にいろいろなくふう、努力を加えてみて、大学教育の改善にいろんな新しい措置を加えていくということが必要なことではなかろうかというふうに思っておる次第でございます。前々から内田委員にも、いろいろと御指摘をいただいております放送大学なども、その最たるものの一つでございまして、既存の大学の考え方からいたしますと、とうてい出てくる構想ではございませんけれども、キャンパスのないこういう大学を大学として考えていくというような構想をもう数年にわたって準備を続けておるところでございまして、放送大学につきましては、すでに実験番組その他もいろいろと出してまいりましたが、現実に大学の創設に取りかかる場所も予定をしたい、そういう予算を四十九年度には実現をしてみたいというふうに考えておるところでございます。そのほか、教員養成につきましては、今後の小学校教員の養成増という大きな課題もございまするし、その際、今日まで言われております教員養成のやり方について改善を加えなければならない点の改善策を進めていく、こうした課題が少しでも前向きに進んでいくような努力というものを私どもとしてはしてみたいということで、新たな大学を考えます際に、そうした新しい大学をつくるべく創設準備にかかってみたいというふうに考えておる次第でございます。
 技術科学につきましても、大臣申し上げたとおりでございまするし、また、体育、芸術について、これは大臣のお考えもあることでございますが、いままでと違ったユニークなものを考えられないかという御下命がございます。そういうことで、これは、構想につきましての検討をそれぞれ所管のところで進めていくというような心づもりでございます。いずれにいたしましても、いま四十九年度の要求予算といたしまして、文部省から大蔵省へ提示したものでございまして、今後、財政当局とも論議を詰め、四十九年度の正式の予算として進めました段階でまた具体化いたしました内容は御説明さしていただきたいと思います。
 基本的には、今後の高等教育の拡大という方向に沿って、その中で既存のパターンだけでなく、新しい夢というものを取り進めていくということが必要である、こういう考え方に立っておるものでございます。
#201
○内田善利君 非常に総花的で、大学の多様化ということでいいように思われますが、これらは一切私は中教審路線に沿った大学構想である、そのように受けとめます。文部省がいよいよ積極的に中教審路線による大学構想に着手した、このように受けとめてもようございますね。
#202
○政府委員(木田宏君) いま、中教審路線という御指摘もございましたが、私どもの理解は、世界の大勢が、あらゆる国におきまして高等教育の拡大と多様化、そして制度の弾力化という方向に進んでおる。わが国におきましても、そういう方向を積極的に取り入れるべきだという考え方に立つものでございます。中教審の考え方も、まさにそういう考え方での御意見が述べられておりまして、これまでとってまいりました大学制度が唯一のものでない、もっといろんな改善、くふうを加えてみたらどうかというお考えが随所に出ておるわけでございますから、その方向は、世界の大勢に沿ったものであるというふうに考えておる次第でございます。諸外国でどんどんと進んでおります大学改革、日本におきましてもできるだけ青年層の期待にこたえるような新しい大学をつくっていくという努力をしなければなるまい、このように考えておる次第でございます。
#203
○内田善利君 現在、文教委員会は、こうして筑波大学法案を審議しておるわけですけれども、しかも、この法案は非常に大きな問題が含まれておるわけですが、こういった中教審路線に沿った筑波大学についてこうして慎重審議しておるまっ最中に、このような大量の大学の新設について予算要求をされたということはやはり問題だ、このように思うのですけれども、大臣はどのようにお考えでしょう。
#204
○国務大臣(奥野誠亮君) 私たちは、中教審路線ということばをお使いになりましたけれども、そのような硬直的な気持ちはさらさらございません。いろんな各方面の御意見を伺いながら、できる限りの合意のもとによい文教政策を進めていきたい、その一念でございます。でありますだけに、中教審答申の中でいろいろ問題があるといま積極的に御指摘いただき、また、それらの議論を重ねながら、よいものは進めていったらいいだろうし、また、新しいものも発見できればそれを取り上げて進めていくことが国民にとって大切なことじゃなかろうか、そういう気持ちでおるわけでございます。決して硬直的な姿勢で貫いていくというような考え方は毛頭持っておりませんので、ぜひ、いまのおことばはむしろ考え直していただきたいというふうにお願いを申し上げておきたいと思います。
#205
○内田善利君 私たちは、教育の問題については、やはり国民の合意が得られなければどんなりっぱな建物をつくっても、設備をつくっても真の教育はなし得ない、このように思うわけです。大臣からもいま同様の御答弁がありましたと思うのですが、筑波大学法案についても、やはり国民の合意が得られることが大事だと、このように思うわけです。しかし、現在この場で審議をしている筑波大学法案、これは多くの問題があることはいままでの審議の中からはっきりしてきたわけですけれども、その審議を通して筑波大学法案についてのいろんな問題を国民の前に明らかにして、そうして国民が教育を進めていくんだ、そして国民の納得のいく筑波大学法である、このようにはっきりしていきたい、そういうことからこうして審議、論議をかわしているわけですけれども、そういった審議を通して、教育とはどういうものか、そして筑波新構想大学はこれならばという国民的な合意を得る方向へいきたい、そのように考えて私も質問をしているわけですが、文部省は、その一つの志向としての筑波大学の法案をいま審議中に、この六つもの新構想大学を予算要求された、ここに私は国会審議というのは国民のためにあるのだ、そうして教育問題は国民の合意が得られなければいけないのじゃないか、こういう考え方からいまの質問を私はしたわけですが、もう一度大臣にお答えいただきたいと思うのです。
#206
○国務大臣(奥野誠亮君) 筑波大学は十年越しの問題でございまして、やはりこの際決着をつけていただきたいものだと、かようにお願いを申し上げたわけでございます。同時にまた、先ほど大学学術局長が御説明申し上げましたように、筑波大学と文部省との関係は、他の国立大学と文部省との関係と全く同じでございます。そして筑波大学の今後のあり方、それは筑波大学の皆さん方がおきめになることでございます。国立大学すべてが学部方式でなければならないことはない。やはり筑波大学が希望されるならば、学部の壁をはずす、そのこともまた特色のある運営ができるんじゃないだろうか、あまり画一的に考える必要はないじゃないだろうかという気持ちが私たちには非常に強いわけでございます。大学の自治を尊重すべきだということが絶えず言われているわけでございますけれども、それならば筑波方式を認めてくださったらいいじゃないかと、こう私はお願いをいたしたわけでございます。
 いままた、新しいいろいろな大学を考えているという御指摘がございました。積極的に考えていきたいと思います。しかしいずれにいたしましても、国立大学として設置します場合には、国立学校設置法の改正ということで、国会の御審議をいただくわけでございます。日本の大学、国立大学につきましてももっと多彩なものを用意していかなけりゃいけないんじゃないだろうか、こう考えておるわけでございますけれども、それらのあり方につきましてもやはり基本方針は別にいたしまして、それぞれの大学の自治、運営にゆだねていくべきだ、基本的には、そのような考え方は変えていないわけでございます。六十年代には、四〇%の人が大学で学べるようにしたいと、こう考えているわけでございますし、いままでの国立大学の姿を見ておりますと、やはり学ぶにふさわしい環境をつくってあげるべきじゃないか、筑波大学がその第一歩でございます。私たちがこれから多くの大学をつくるにあたりましては、積極的に新しい学園、学ぶにふさわしい環境を整えてあげたい。やはり国力もこれだけ充実してきたわけでございますので、福祉の充実もさることながら、文化の香り豊かな予算をつくってもらいたいなというのが文部省におります者の一致した願望でございまして、積極的にいままでとは違って、国立大学も国の予算の上で多数取り上げてもらいたい、しかも、それを新学園の形においてより多く取り上げてもらいたいと、こういう期待を持っておるわけでございます。いずれにいたしましても、個々に国会において設置の場合には御審議いただくわけでございますので、またその間にいろいろとひとつお知恵をお貸しいただきまして、できる限り皆さん方の合意のもとに、よい大学がどんどん生まれてくることに私たちとしては努力をいたしてまいりたいと思います。
#207
○内田善利君 大学設立についてあるいは拡充計画についてですけれども、いままでの大学設置についての計画といいますか、非常に私は戦後野放しというか、乱雑であったと。その結果、ある新聞の社説ですけれども、現在、都道府県別に見た場合、大学の進学率は東京都の場合には同一年齢の人口の二人に一人が進学している。そういうところがある反面、今度は青森県のような場合には七人に一人しか進学していない。わずか一四%というような非常にアンバランスができておるわけです。したがって、先ほどから問題になりました私立大学等では収容力をふやして赤字をカバーするために水増し入学を行なった、中にはいままで定員の十倍ぐらいの――これは医大ではありませんけれども、学生を入学させたところまで出てきた。こういった事態を招いたというのは、やはり国・公立大学の拡充あるいは私立大学の拡充、これが非常に無計画に、大学設置についての認可制度が設置基準に合っておれば認可するという仕組みですからやむを得ないとしても、非常に乱雑に大学が設置されてきた。そういうことから私立大学の四八%は東京の二十三区に集中してしまったと、また国・公立大学の人文、社会科学系の学部は学生数の二四%なのに、私立大学は六四%を占めると、こういった非常に大学の設立状態がアンバランスに今日まで設立されてきた。そういうことを考えますときに、やはり大学の拡充計画、これは相当慎重にやらないと、いよいよ東京に集まる、大都会に集まる、そういったごとになると思うんですね。そういったことで、筑波大学の設立についても慎重に審議されて、筑波の――あした視察に行くことになっておりますけれども、そういった学園都市に移転する、教育大学が移転するということでいま審議が行なわれているわけですが、やはりこういった抜本的な大学の拡充計画というのがなされないと、ただやみくもにつくっていったのではまた混乱を生ずるのではないかと、このように思うわけです。したがいまして、新大学構想けっこうですけれども、やはり国民の納得のいく方向で設立については慎重に計画を立てるべきじゃないかと、このように思うわけです。そういったことからお聞きしているわけです。
#208
○国務大臣(奥野誠亮君) いま、御指摘になりました点、私たちも問題点だとしているところでございまして、そういう問題の解決のためには、やはり場合によっては立法措置も必要になってくるのじゃないだろうか。そういうことも含めて対処すべき方法を考え出していきたい。そして国会の御審議をわずらわしたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。現在、高等教育懇談会におきまして、六〇年代までに四〇%の人たちを迎え入れる。それじゃ、どういう地域に、どういう種類の学校を、どの程度設けていくかというようなことになるわけでございますので、各省の協力も得ながら将来どういう学問を終えた人たちを社会がどの程度必要とするようになるだろうかというようなことについても御検討をいただいておるわけでございます。それを国・公・私立でどのように責任を分けていくかというようなことにもなってまいりますので、同時にまた、先ほどちょっと触れましたように、新学園――いままでの大学、必ずしも学ぶにふさわしい環境ではない。それだけに、そういう地域を確保することもたいへんなことでございます。慎重もけっこうですけれども、あまり慎重にしておりますと私はほんとうに土地が得られなくなるんじゃないか、こんな感じもするぐらいでございまして、それなりの立法措置その他のことも大切でございますけれども、かなり積極的な姿勢で今後の高等教育の整備に当たってまいりませんと、私は、今後の変化に対応できないんじゃないだろうかという心配を持っておるわけでございます。大学の改革ばかりでなしに、大学院の改革につきましても積極的に取り組んでいきたいと、こういう気持ちを非常に強く持っておるわけでございます。世の中はどんどん変わってまいりまして、これからはもう大学を出るのは普通だと、もう一つ勉強するということになりますとやっぱり大学院に行って勉強するということになってくる。戦前の大学というものは、これからの大学院がそれに相当する役割りをしてくるということになるんじゃないだろうかと、こう考えるわけでございますけれども、現在の日本の大学院をながめました場合にはまことにお寒い姿じゃないだろうかと、こう思っておるわけでございまして、私たちにはほんとうに山積みされたような問題、たくさんかかえておるわけでございます。そういうつもりで、今後積極的に私たちとしても対処していきたいと思っておりますので、いろいろと御指導を賜わりますようにお願いを申し上げたいと思っております。
#209
○内田善利君 六大学の予算要求については、それぐらいにしまして、筑波大学に返りますが、これは投書なんですけれども「「筑波新大学」計画は慎重に」という元教育大学の教授の投書ですが、「筑波大学案で廃学になる東京教育大学は、百年かかって発展してきた伝統がある。ことにその教育学部は、身障養護園、盲ろうあ小中高、実科高など膨大な付属実習機構の上に築かれている。教育部門の成果は、これらの基礎の上に生じるので、教育学部だけを移しても、それは付属病院のない医学部に等しい。これら一切を移転させるのには十数年の年月と何百億の経費を要する。教育学部、文学部は、ほとんどの教授が、これらの移転の条件が十分にみたされるまでは動けないと言うのは研究教育の使命感からで、これに廃学の法律案を強要するのは行政者の無理と思う。」云々というふうにずっとまだ続いておりますが、こういうふうに筑波新大学の計画は慎重にやってもらいたいと、このように投書が出ておりますが、私は、やっぱりいまも申し上げましたように、国民の合意が得られるように慎重に新しい大学構想については対処していかなきゃならないと、このように思うわけです。あまり慎重慎重と言うなということでしたから。
 次に、学部の解体と教育・研究組織について質問していきたいと思いますが、学校教育法の五十三条の改定のうち、まず、単科大学を常例としたことについてですが、単に単科大学が現在多くなっているから例外ではないのでという現実の認識に立って改正したということなんですが、これは、ただ単にそれだけなのか、私は、文部省の大学観というものが変わったのではないかと、そのように思うんですが、まず、その点についてお聞きしたいと思うんです。
#210
○政府委員(木田宏君) 学校教育法五十三条が、大学は複合学部であることが常例であって、単科の大学であることがむしろ異例というふうに書いてあるわけでございます。近年すでに御存じいただいておりますように、社会の複雑、高度化と学術研究の専門、分化が著しく進んでまいりまして、高等教育機関のあり方に対する社会的ないし学術研究上の要請もきわめて多様化いたしてまいりました。そうしたこの高等教育機関のあり方を考えますときに、大学の組織編成について、これを弾力的に考えておくほうがよかろう、複合大学が原則であるというような言い方だけをしておく、単科は例外だ、こういう考え方も改めておいていいのではあるまいか、学部によらない制度も取り入れるという際に、そういう意味で、いろんな大学のつくり方があり得るということをたてまえにしていただいていかがであろうというのが今回の御提案でございます。
#211
○内田善利君 五十三条は、五十三条だけで独立しているわけじゃないのですね。前項の五十二条、これでは「大学は、学術の中心として」と規定し、「深く専門の学芸を教授研究」することを「目的とする」となっておるわけですから、戦後の新制大学の理念、目的を前提として、大学は総合大学が原則であり、単科大学は例外であるから、五十三条の規定が置かれた、このように私は受け取るわけですが、ですから五十三条を改定することは、五十二条についての文部省の考え方が変わったのじゃないか、こう受け取るわけですけれども、そうじゃないですか。
#212
○政府委員(木田宏君) 現行の規定によります単科大学も、また五十二条の大学の基本性格を持っておるものだと思うのでございます。単科の大学は、五十二条の大学とは違うということではないと考えておりますので、その点は変わりがないものというふうに思う次第でございます。
#213
○内田善利君 いまの答弁ですけれども、社会的な要請に応じた多様化政策、これを実現するのだというふうに思うのですが、そのために一方では筑波方式の総合大学を進めていく、他方では単科大学の増設を進めていくということになるわけですね。そうしますと、やはり私は大学も多様化されるのかなと、この間、本委員会でも高等学校の多様化政策については失敗だったということをお聞きしたわけですけれども、大学もまたそういった考え方があるのではないかと、高校はよくないが大学はいいというわけにはいかないと思うのですが、その点はいかがでしょう。
#214
○政府委員(木田宏君) 大学は五十二条の規定にもありますように、「知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的」としておるのでございまして、社会の各方面の知識、技術が分化し、高度化してまいりますならば、それに応じて大学もまた多様化し、分化していくという一面があることは否定できないかと思うのでございます。そして今日たとえば看護の関係の方々からは、看護関係の大学をたくさんつくれという御要請もございます。新しい知識が出てまいりますならば、それに対応するような教育を大学でやれというような御要請も高まってまいります。そうした社会の第一線の場につながる最高の教育機関でございまするから、高等学校とは別の意味におきまして、私は、大学の教育研究の多様化ということは当然考えておかなければなるまいかと思う次第でございます。
#215
○内田善利君 次に、これは他の委員からも質問があったかと思いますが、学部を解体して研究組織と教育組織を分けなければならない理由、その根拠について基本的にお伺いしたいと思います。
#216
○政府委員(木田宏君) 今日までの学部は、基本的には専門領域、学問の専門分野ごとに学部構成がとられてきておるわけでございます。これが大学の発足以来進んでまいりました姿でございました。そして近年になりまして、哲学、神学、法学、医学のほかにいろいろな技術的な諸領域の学部ができてまいりまして、今日では工学部のほかに水産学部、畜産学部等、いろいろな領域の学部が進んでまいりました。しかし一面におきまして、大学の教育内容がただ専門、分化するということだけでは適切でない、多数の青年たちが大学に学び、また幅広い社会での活躍ということを考えました場合には、もっと総合的な知識というものを従来の専門分野とは別な角度で要求するという要請も起こってきておるわけでございます。その一つが、地域研究等に見られますように、イギリスの新しい大学に出てまいりますヨーロッパ学部といったような地域を中心にした教育のシステムを考えるというような考え方が出てきておるわけでございます。これからの青年層が一面では専門的な知識を身につけなければならぬ、と同時に、それだけではなくって、一面では幅広い総合の教育ということを考えなければならぬという要請も起こってまいりました。したがって、今回従来の考え方によります専門領域ごとの分化とは違った角度から総合的な教育のシステムを考えていこうという構想になった次第でございます。第一学群、第二学群、いずれも人文、自然、社会の各領域を総合的に取り上げていくような教育のシステムを考えてみたい、こういう次第でございます。一方、また研究につきましては、今日すでにたくさんの国立大学におきまして、数多くの研究所が設けられておりますごとく、研究領域が高度化し、専門化するに従いまして、大学の教育とは別に、研究に専念する体制をとっていかなければならぬということで、これまた、その研究の高度化、専門化が進んでおるわけでございます。この研究につきましても、教育と同じように、専門をきわめて細く高くという一面がありますと同時に、また他の諸領域と総合的に研究いたしまして、大きな研究体制をとらなければならぬ。特に、昨今のように公害あるいは自然環境その他の非常に幅広い大きな人間社会の問題を考えますときに、人文社会系の問題も、自然科学系の問題も、きわめてシステム的な総合的な研究をとらなければならぬという課題も起こってくるわけでございます。したがいまして、研究を専門分化すると同時に、総合的に取りまとめられるようなシステムというものを考えていかなければならない。それぞれを専門と総合ということで考えていくという必要から、筑波大学におきましては、教育のシステムと研究のシステムとを機能の上で分離をして、弾力的な研究ができ、弾力的な教育ができる、こういう教育と研究のシステムを学群、学系という形でとらしていただく、研究は学系ごとに系列別のグループをつくりますけれども、さらに、全学的な大きなプロジェクトの研究ができるように、固定した研究所ということでなくって、プロジェクトごとにルーズリーフに総合できるような研究の体制もあわせて考えたい、こういう次第でございます。
#217
○内田善利君 まあ学系、学群という構想ですから、新しい構想ですから、利点もあり、また欠点もあろうかと思うんですけれども、学部制の弊害がどういう形であったのか。いまおっしゃったような専門と総合ということ、また研究もいままで学部ではやはり行なわれたと思うんですけれども、そういう研究が不十分であったのかどうか。学部の今日までの弊害といいますか、これをどうしても学系、学群構想にしなきゃならなかった理由ですね、根拠ですね、これはどうでしょう。
#218
○政府委員(木田宏君) わが国の国立大学すべてとも申しませんけれども、たとえば東京教育大学をごらんいただきましても、その学部のそれぞれの歴史的な経緯が違うわけでございます。体育専門学校であったり、東京高等師範であったり、東京文理科大学であったり、それぞれの歴史がございまして、今日、国立大学の学部は、それぞれ戦前からの歴史をしょった一つの学校として運営されていた面もございます。そういう関係上、戦後総合大学というふうに一体に総合化を取り入れるということにはなったのでございまするけれども、やはり学部ごとの独立の運営ということが、かなり基礎にまあ歴史的な流れとしても残っておりました。したがって、大学の総合的な運営という点につきましては、戦後いろんな大学関係者がこの時点で考え直す必要があるという意見を述べておられるのでございます。学部がそれぞれの立場で発展してまいりました関係上、たとえば化学の領域を一つとってみましても、理学部にも化学の領域があり、農学部にも化学の領域があり、薬学部にも化学の領域があるというように、いろんな学部にそれぞれ同じ系列のものが入っておる。しかも、それが歴史的に学部という一つのかたまりのワクの中で事を処理するという大学になっております関係上、なかなか相互の一体的な運営が行なわれがたい、こういう点を大学全体としてこの時点であらためて考え直してみる、そうして同じ化学の系列の人は同じ大学の化学の専門家として協力し、提携できるというような、この従来の学部を超えた系列別の組織というものを研究の上で考えていく必要があろうということでございます。ですから、それが組織的にやりやすくなるようにするということは、従来の学部がかかえておりました一つの壁というものを改善することになり得るものだと、こう考える次第でございます。
#219
○内田善利君 いまの学部制の弊害ですけれども、いまおっしゃったことは私は学部の弊害というよりも講座制の弊害じゃないかと思うんですが、どうですか。
#220
○政府委員(木田宏君) 御指摘になります講座ということの歴史的に持ってまいりました現在の実態にもいろいろと問題がある点は御意見のとおりかと考えます。
#221
○内田善利君 私はここで、この筑波大学でいう新しい学群、学系のカリキュラムについてお聞きしたかったんですけども、まあ内容が、きょういただいたので見ておりませんが、あるいはまた他の委員からも質問があろうかと思いますけども、これはどこでできたんでしょうか。
#222
○説明員(大崎仁君) 創設準備会において検討を基本的にはされておるものでございます。
#223
○内田善利君 創設準備会で準備されたものがそのまま新大学が発足した場合にはカリキュラムとして採用されるわけですか。それとも大学の――法律はどうなっておりましたですかね、教科はやはり学長がつくるんだと思うんですけれども、準備会のつくったものでやるのか。
#224
○説明員(大崎仁君) ちょっとことばが足りないで申しわけございませんでしたが、新大学のカリキュラムの組み立ての基本的な考え方、つまり授業科目の区分をどのような形で組み合わせるかというような基本的な考え方につきまして、教育大学側の御検討の成果をもとにいたしまして創設準備会で御審議をいただいたものでございまして、その成果はさきに御提出をいたしております「筑波大学の創設準備について(第一次まとめ)(改訂案)」にも記載がされておるわけでございます。ただ、個々の学群、学類で具体的にどういうカリキュラムを組むかということにつきましては、教育大学のそれぞれ御関係の先生方がそれぞれの分野につきましてその基本的な考え方を基礎にいたしまして検討を進めておられるわけでございまして、本日、御提出申し上げました資料もその御検討の成果の例を提出させていただいたわけでございます。
 なお、制度的には御指摘のように、筑波大学が成立いたしまして、筑波大学の先生方の手によりまして筑波大学の教育課程がきめられるわけでございますが、これは先般来御審議をいただいておりますように、実際筑波大学で教育、研究に従事されます中心となられる先生方は、現在東京教育大学におられる先生方でもございますので、東京教育大学における審議の成果というのがそのまま筑波大学が発足を見ました暁には筑波大学に受け継がれて正式に練り上げられていくというふうに理解をいたしております。
#225
○内田善利君 カリキュラムの編成は、これは副学長が行なうようになっておりますね。
#226
○説明員(大崎仁君) これは、学類の教授会が基本的には原案をきめまして、ただ学類限りできまらない事項、たとえば学群共通にどういう科目を開設するか、あるいは全学共通にどういう科目を開設するかというような問題等がございますので、それらの問題、それから学群、学類の教育課程相互間の調整というようなことを、教育審議会というまあ審議会を設けることを予定されているわけでございますが、その教育審議会というところで各学群、学類の代表者が集まりまして、副学長がそれに加わりましてそこで調整をしていくということが想定をされておるわけでございます。
#227
○内田善利君 実際、まあ授業する教授は、どこかでこの教育課程の編成にタッチするわけですね。
#228
○説明員(大崎仁君) 現在学部の教育課程が、学部の教授会で御審議され、実質的に定められていくと同じような意味で、学類に所属されます教員と申しますのが、つまりは学類の教育に携わられる先生方でございますが、その先生方の集まりである学類教員会議というところで基本的な審議が行なわれるということでございます。
#229
○内田善利君 そうでないと、教授する現場の先生、教授がノータッチでは、ただ副学長がきめたそれを教育していくということであれば非常に問題だと思いますが、そういうどこかで教授の実際タッチする先生方がこのカリキュラムについてはやはり意見を述べ、また作成していくということがなければ私はいけないと思うのですね。そういうことがなされるならばけっこうだと思います。
 その次、学系についてお尋ねしますけれども、学系というのは、単に同じ専門の先生方が集まって、本籍のような、教員としての帰属組織というものにすぎないのか、それともそこで同じ専門家集団が実際に共同で研究していく組織なのか、その点はどうですか。
#230
○説明員(大崎仁君) 学系には御指摘のように二つの性格がございまして、まず第一の性格といたしましては、すべての筑波大学の教員は、それぞれの専門分野に応じまして学系に所属をするということがございます。その学系におきましては、これは基本的な研究条件というものを平等に保障をされまして、その中で個別に研究に従事をされる先生ももちろんいらっしゃいましょうし、テーマによりまして学系内部で共同で御研究をされる先生もいらっしゃいましょうし、また場合によりましては学系を越えましての共同研究ということも想定をされようかと存じます。
#231
○内田善利君 その学系の先生方が研究なさるその研究上の予算あるいは施設、そういったものはどのような配置になるのですか。
#232
○説明員(大崎仁君) 施設につきましては、学系施設というものを建築上の上でも、学群施設とは一応別に独立させて現在構想されていると承知をいたしておりますが、そこで主として研究が行なわれますが、教育面でも、大学院の博士課程の指導はむしろその学系施設を中心に考えてはどうかというような考え方のようでございます。で、その必要な予算につきましては、これは国の予算の積算といたしましては、教官一人当たりの額というものを想定いたしまして、いわば包括的な積算によりまして大学に配賦があるわけでございまして、その配賦された予算を学内で財務委員会あるいは評議会等の諸機関でその配分について御協議になり、その御協議の結果に基づきましてそれぞれの組織に配賦されるというのが基本的なあり方かと存じます。
 なお同様の事柄につきましては、他大学でもそのような方式をとっておるところでございます。
#233
○内田善利君 今度は、学群、学類に属している先生方もおられるわけですね。その学群、学類に属している先生方の研究はどのようになりますか。
#234
○説明員(大崎仁君) 先ほど申し上げましたように、学群、学類に属しておられる先生方は、いわば二重所属の形になるわけでございます。したがいまして、たとえば哲学の教授が第一学群の人文学類で教えておられると同時に、その教授は哲学思想系に属して、そこで研究もしておられるという状態になるわけでございまして、研究費の配分につきましては、学系に配当されます研究費を使用して研究され、教育関係の経費につきましては、学群運営のために配当される教育経費を使うという形になろうかと存じます。で、現在の学部につきましても、やはり研究用経費、教育用経費、まあ言いかえますと、基本的な経費といたしましては教官当たり積算公費、学生当たり積算公費というような区分等もございますので、それらのそういうような方向での研究、教育それぞれへの経費の配分というものが学内でなされるというふうに考えております。
#235
○内田善利君 学系でいろいろ研究がなされるわけですが、その助手、それから事務職員の配置、人事管理等、これはだれがどのようにするわけですか。
#236
○説明員(大崎仁君) 助手につきましては、これは教官の中に入りますので、教授、助教授等と同様にそれぞれの専門分野に応じまして、それぞれの対応する学系に所属するということになろうかと存じます。研究補助職員の配置につきましては、現在検討されておりますところでは、各学系当たりそれぞれの学系の専門分野によりますが、学系当たりに適正な数を配当するという方向で検討が進められておりまして、従来はどちらかと申しますと、講座を単位にして、そういう定員配置等が考えられておった向きがございますけれども、筑波大学においては学系を単位にということでより大規模な単位ごとに研究補助職員もその学系の学問分野教官数というものとの兼ね合いで定員の配置がなされるというふうに考えております。
#237
○内田善利君 学群、学類にもやはり配置されますか。
#238
○説明員(大崎仁君) もちろん学群、学類にも同様の意味で必要な補助職員というのは配置をされる予定でございます。
#239
○内田善利君 先ほどカリキュラムをきょういただいたわけですけれども、これはいつでき上がったわけですか。
#240
○説明員(大崎仁君) これは先ほど差し上げましたものは、現段階での検討の成果でございまして、先ほど申し上げましたように、正式の決定というものは筑波大学の発足を待ちませんと、その最終確定ということがないわけでございますが、カリキュラムの検討自体はすでに昨年来、それぞれの教育大学の担当の組織及び文部省に置かれております準備会、それぞれた検討が進められておりまして、現時点で煮詰まった成果というふうにお考えをいただければよろしいのではないかと存じます。
#241
○内田善利君 国立大学で、しかも新構想大学をいまから審議している最中なんですけれども、福岡歯科大学、けさ取り上げて言ったのですけれども、やはり新しい大学をつくる場合にカリキュラムも検討しないで、私は審議を終われないのです。ほんとうは、きょうカリキュラムの問題について質問したかったんですけれども、いま出てきて、ただどこでつくられたのか、どういう過程を経てきたのかお聞きしたわけですけれども、内容まだ全然見ておりませんし、衆議院でも、この教科課程については質疑がなかったようですけれども、いま初めて出てきてここで審議しろといっても、中を見てないので、私は一番大事な問題はカリキュラムの問題だと、このように思うわけですね。だからこの点はひとつ次の委員会に内容は質問さしていただくとして、私は、私立大学の場合でも、一年前には設置審議会がカリキュラムを編成して教員人事まで明らかになっているんですけれども、国立大学で、きょう初めてこの内容をいただいたわけです。私は非常にこれは遺憾だと思うのですね。これは一体どういうことなのか。
#242
○政府委員(木田宏君) すでにお配り申し上げております「筑波大学の創設準備について(第一次まとめ)」の中に、学群におきます教育課程の編成方法といたしまして基本的なカリキュラムの考え方はごらんをいただいておる次第かと思うのでございます。この教育課程の基本的な方向につきましては、私どもも創設準備会でも検討し、大学設置審議会でも議論をいたしておりますが、大学設置の審査にあたりましては、その専門領域ごとにどういう専門の教官をそろえ、学生数に対応する教官数を用意するかというワク組みを御検討いただくわけでございますが、カリキュラムの詳細にわたりまして一々審査をするというシステムにはなってございません。それはおのずから従来の学部のかまえ方から当然関係者が予定をしておるということかと思うのでございます。現実のカリキュラムは、先ほど来御答弁申し上げておりますように、大学自体の、これこそ教育研究の自由の問題でございまして、私どもは、その基本的な考え方と基本的なワク組みということにつきまして、大学設置の場合に審査をさしていただくわけでございます。でございますから、どの程度の中身までの御要請ということか、はかり知れませんけれども、カリキュラムの基本に関する事項につきましては、すでに当初御配付申し上げました考え方と、それから若干資料の御要求によりましてそれを補充申し上げました、この教育課程の、ききょう御配付申し上げたものでございますが、これで御了知を賜わりたいものだというふうに考える次第でございます。これ以後のことにつきましては、これ自体もそうでございますけれども、新大学ができまして、大学自体の教育内容の問題として確定していただくほかはございません。私どもは結局それに対応する人員の予算の数ということを気にするわけでございまして、それが準備できます最小限の範囲内においてカリキュラムの議論というものを必要と考えておる次第でございます。
#243
○内田善利君 木田局長は、一つの大学の中で学部制と学部以外の組織とをあわせ持つことは可能であると、このように答弁されておるわけですが、その場合、どのような管理体制でいかれるわけですか。
#244
○政府委員(木田宏君) 学部制をとりますところは、おのずから学部学科という従来の構成になろうかと思います。学部以外の組織をとります部分につきましては、それがどういう組織をとるかということに従いまして、その運営管理、運営の体制がきまってくるのではないかというふうに考えます。
#245
○内田善利君 まだたくさん質問したいわけですけれども、あと理事会があるし、いろいろ各党でも用事があるようにも思いますので、質問を保留してやめたいと思いますけれども、この管理運営についていまお聞きしたわけですが、教育の管理というのはどのようにお考えでしょうか。
#246
○政府委員(木田宏君) 申し上げるまでもございませんけれども、教育そのものは個々の一人一人の教官の活動であろうかと思います。しかし、大学として学生に所定の専攻を履修させるだけの教育のシステムをつくる。それを学生に与えていく、この体系を考え、体系に沿った講義をそれぞれの教官に分担していただく、こういう組織づけをいたしますことは教育の管理であり、運営であろうかと考える次第でございます。
#247
○内田善利君 学部を廃止することによって大学の自治は破壊されないかという質問に対して、五月九日の日に大臣は、いまの大学は学部割拠の大学自治だと思う、一つの学部に起こっている問題に他の学部は何ら関与できません、このように答弁をされておるわけですが、この答弁をお聞きしまして、全学の一体性と申しますか、全学自治ということを目ざしているんだと、このように受け取ってよろしいでしょうか。
#248
○国務大臣(奥野誠亮君) いまの学部自治すべてが悪いと申し上げているわけじゃございませんで、それぞれ特色があろうかと思います。しいていまの学部制の欠陥を申し上げれば、学部割拠の大学自治になっているじゃありませんか、やはり全学的な大学自治を目ざそうとすると学部の壁というものを取りはずさなきゃならない、筑波構想というものが考えられるんではございませんでしょうかという意味でお答えをしているわけでございます。
#249
○内田善利君 そうしますと、当然学部自治に足を引っぱられないためには、学部教授会の権限を取り上げていくということになるわけですね。
#250
○国務大臣(奥野誠亮君) 学部教授会の権限を取り上げるんじゃなくて、学部のいろんな問題につきましても、全学的な機構のもとにそれを決定していくということが必要じゃなかろうかと、こう考えているわけでございます。東京教育大学一つをお取り上げいただきましても、私が申し上げていることについては御理解をいただけるんじゃないだろうかと、こう思います。
#251
○内田善利君 そうしますと、全学的な大学自治ということは、現在の学部制でもできるということなんでしょうか。
#252
○国務大臣(奥野誠亮君) なかなかむずかしい場合がたくさんあるんではないだろうか、人事一つ取り上げましても学部の中だけで行なわれているという場合には、全学的に考えて、もう少し広い範囲から人材を物色したらいいじゃないかという場合にも、なかなかやりにくいのではないだろうかという気がいたします。一番そういうことで、問題の起こったのは私は医学部ではなかっただろうかと、こう考えておるわけでございまして、人事の問題で指摘する場合に、私は医学部のかつての姿を御想像いただければ、私の申し上げていること御理解いただけるのじゃないかと思っております。
#253
○内田善利君 要するに、全学自治を中心にするか、学部自治を中心にするかということで、大学の管理体制も異なってくるのは当然かと思うのですが、大臣は、現在は学部自治の割拠による大学自治だと、これを全学自治に持っていくのが望ましいと、こういうことですけれども、そういうことになりますと、当然管理体制も変わるのが当然であると思うのですが、変わらないとすれば、いまのままでいいんじゃないかと、こう思うのですけれども。
#254
○国務大臣(奥野誠亮君) 学部ごとに教育・研究を一体として行なっていくか、それを学部ごとじゃなしに、大学ごとに教育と研究とを一体として行ないたいということになりますと、学部ごとに人事が行なわれていた学部がなくなるわけでございますので、教育の系統から人を出してもらい、研究の系統から人を出してもらい、そして人事委員会というものをつくるという方便をとらざるを得なくなるのではなかろうか、こう考えているわけでございます。一例でございますけれども。
#255
○内田善利君 これはどうですか、いま管理の問題を聞いているわけですけれども、あと管理の問題と先ほどのカリキュラムの問題が残っているわけですが、次の委員会に……。
#256
○松永忠二君 ちょっと速記をとめさせてください。
#257
○委員長(永野鎮雄君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#258
○委員長(永野鎮雄君) 速記をつけて。
 本日の会議はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後六時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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