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1972/09/20 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 文教委員会 第29号
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1972/09/20 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 文教委員会 第29号

#1
第071回国会 文教委員会 第29号
昭和四十八年九月二十日(木曜日)
   午前十時五十五分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         永野 鎮雄君
    理 事
                久保田藤麿君
                楠  正俊君
                松永 忠二君
                宮之原貞光君
    委 員
                志村 愛子君
                高橋雄之助君
                棚辺 四郎君
                中村 登美君
                濱田 幸雄君
                二木 謙吾君
                宮崎 正雄君
                小林  武君
                鈴木美枝子君
                安永 英雄君
                内田 善利君
                矢追 秀彦君
                萩原幽香子君
                加藤  進君
   国務大臣
       文 部 大 臣  奥野 誠亮君
   政府委員
       文部大臣官房長  井内慶次郎君
       文部省初等中等
       教育局長     岩間英太郎君
       文部省大学学術
       局長       木田  宏君
       文部省管理局長  安嶋  彌君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡辺  猛君
   説明員
       文部省大学学術
       局大学課長    大崎  仁君
       文部省管理局教
       育施設部計画課
       監理官      佐藤  譲君
       文部省管理局教
       育施設部工営課
       監理官      新田  悟君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○派遣委員の報告
○国立学校設置法等の一部を改正する法律案及び
 国立学校設置法の一部を改正する法律案につい
 て
    ―――――――――――――
#2
○委員長(永野鎮雄君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 まず、去る九月十四日及び九月十八日にそれぞれ実施いたしました筑波研究学園部市の実施調査及び大阪公聴会について、派遣委員から順次報告を聴取いたします。
 まず、宮之原君からお願いいたします。
#3
○宮之原貞光君 筑波研究学園都市の現地調査のための委員派遣について、簡単に報告をいたします。
 派遣委員は、永野委員長、楠理事、中村委員、鈴木委員、矢追委員、萩原委員、加藤委員と私の計八名で、九月十四日まる一日をかけて筑波研究学園都市の建設状況を視察してまいりました。
 御承知のとおり、筑波研究学園都市は、土浦市から西へ十五キロの近距離にあって、南北十八キロメートル、東西六キロメートル、六カ町村にまたがる約二千七百ヘクタールの広大な地域を擁し、ここに研究者、学生を中心とした職住近接の頭脳都市を建設しようとするものであります。
 昭和三十八年官庁移動の第一陣として、東京都の研究機関と大学を筑波に集団移転することが閣議決定せられてから十年、その間多少の停とん状態がありましたが、四十三年には建設が開始され、現在は五十三年の完成を目標にして工事が急ピッチで進められております。
 建設予算の規模は約五千億円であり、移動する国立研究機関は四十三にのぼり、東京における全研究機関の三分の一、研究人員の二分の一がここに移ることになっております。
 なお、教育機関としては、国立の筑波大学の新設、図書館短大の移動のほか、高校三校、中学校七校、小学校十一校の新設が計画されております。ちなみに、この都市計画人口は十二万人の由であります。
 今回の視察にあたっては、最初に筑波新都市の環境、基本構想、建設状況及び頭脳都市としての機能の発揮の方法等の問題について、文部省の施設部長、科学技術庁の研究計画官から説明を聴取し、次いで筑波大学の建設整備状況、高エネルギー物理学研所、防災科学技術センター、筑波宇宙センター等の実情を視察いたしました。
 まず、筑波大学につきましては、体育学部の建設が他よりも先に進められており、四百メートル・トラック、ラグビー場、サッカー場、テニスコート、ハンドボールコート、合宿施設の完成状況と建設工事中の校舎、体育館、図書館等の状況を見ました。
 次に、一昨年の国立学校設置法の一部改正によって共同利用研究所として発足をいたした高エネルギー物理学研究所は、八十億電子ボルトの陽子シンクロトロンによる素粒子の実験研究施設でありますが、所員一同の努力によって着々準備が進められており、その実情をつぶさに視察いたしました。この巨大な装置が動き出す日も近いものと思われます。
 防災科学技術センターでは、大型の耐震実験装置及び降雨実験装置によって大がかりな研究が行なわれております。
 なお、筑波宇宙センターは建設途中で、外観のみを見るにとどまりました。
 以上、簡単でありますが、御報告申し上げます。
#4
○委員長(永野鎮雄君) 次に、久保田君からお願いいたします。
#5
○久保田藤麿君 国立学校設置法等の一部を改正する法律案及び国立学校設置法の一部を改正する法律案についての大阪公聴会のための委員派遣について、簡単に御報告申し上げます。
 派遣委員は永野委員長、松永理事、金井委員、安永委員、内田委員、萩原委員、加藤委員と私、久保田の八名であります。
 一行は、九月十八日早朝東京を出発し、大阪府議会議場において十二時三十分から十七時まで公聴会を開催し、所期の目的を達成し、同夜帰京いたしました。
 現地における会議につきましては、六名の公述人から、一人当たり十五分程度、それぞれの立場から忌憚のない意見が述べられた後、派遣委員から公述人に対し、きわめて熱心な質疑が行なわれ、十分に成果をあげ滞りなく全部の議事を終了した次第であります。
 六名の公述人の意見について簡単にその要旨を申し上げます。
 まず、京都大学教授田中正公述人からは、大学の本来のあり方、すなわち、教育研究の自律性を確保するため、意見の対立や進め方の多様性を克服する中で運営すべきである等から見て筑波大学の内容に対して多大の疑問を持つ。たとえば、その管理運営は研究教育の現場からの意見を集約する過程があいまいであり、自治機能の解体をもたらす危険性がある。また、人事委員会については、本来当該研究者集団がやるべき人事に非専門家の関与を認めるもので危険である。大学改革は非能率、迂遠に見えても漸次改革するよりないとの意見が述べられました。
 次に、追手門学院大学長天野利武公述人からは、現在大学側が問題としている諸点について、まず、学校教育法第五十三条の改正による学部以外の教育研究上の基本組織を置き得る点については、学部の壁を撤廃し、大学の画一化傾向を打破して今後の大学の発展に貢献するものである。第二に、副学長制度は経験上けっこうな制度であるが、人数はなるべく少ないほうがよい。第三は、学系、学群制度は学部一本の制度のより多くのすぐれた点を持っており、成功すれば他大学のよい見本となる。第四に、参与会は大学の閉鎖性をなくし、社会進歩に対応するために必要な制度であり、また、決定権を持たないから、大学自治の侵害にはならない。最後に、人事委員会は講座制の弊害等を是正するため合理的、必要な組織であるとして賛成の意見が述べられました。
 次に、東京教育大学助教授弓削達公述人からは、反対の立場から、大学は基本的に思想・信条の自由、表現の自由、学問の自由などの憲法的自由の保障が必要であるが、筑波大学はこの点十分な関心を払わず、管理運営の効率化のみに関心を示している。また、現東京教育大学執行部が教官選考基準に関する申し合わせの制定、実施など筑波移転決定の経緯の中で示した行動様式から見て、これらの人々が運営に当たる筑波大学に対して大きな危惧を持つとの意見が述べられました。
 次に、大阪大学教授伊達宗行公述人からは、現在教育は転換期にあり、また大学は大衆化し、ゲマインシャフトからゲゼルシャフトに変化し、新しい大学のあり方を模索せざるを得ないとの基本認識に立ち、また大学紛争が提起した学部の壁の撤廃、教授会の権限のあり方、学長の責任体制の確立等の課題に筑波大学構想はこたえるものであり、その波及効果を期待しているとの賛成の立場が述べられました。なお、筑波大学に対して財政投資を惜しまないと同時に、全般的には今後入試制度の改革や国際交流の推進等に取り組むべきであるとの意見が述べられました。
 次に、関西労働文化教育研究所理事長音田正巳公述人からは、現在大学が当面している問題点は、一、現在の大学は有機的連携のない存在になっている。二、学部制の欠陥があらわれている。三、総合大学の実体はなく、学部の集合に過ぎない。四、大学教授が教育・研究と管理運営の三機能を果たすことが困難になっている。五、大学が巨大化し、現在の管理体制では十分に対処できないことであり、その改善策としては、第一に、教育組織と研究組織を分離すべきである。第二に、大学の自由を確立するため、経営能力のある教官を管理運営に当たらせる。第三に、開かれた大学にするため、大学以外の学識者や学生、職員の意見を反映させることなどが必要である。筑波大学はおおむね以上の内容を含んでいるが、細部の規定のしかたで異なった方向に進む可能性があるから、副学長はラインでなくスタックであること、参与の選考は評議会にはかること、評議会は学系、学群の意見を十分反映すること、教官、職員、学生の協議会を設けることを明らかにすべきである。また、筑波大学は新しい大学をつくるための実験であるから、単独立法による特殊法人立が望ましいとの意見が述べられました。
 最後に、立命館大学教授天野和夫公述人からは、第一に、筑波大学の創設の歴史的経過を見ると、東京教育大学における学長専決体制による非民主的状況の中で進められたものであること。第二に、大学自治は、研究教育が統一的に行なわれなければならない、大学の意思は研究教育に携わるものの合意で決定されなければならない。外部特に政治権力から影響を受けないよう距離を置かなければならないことを内容とするものであるが、筑波大学の構想は大学自治の根底をくずすものであること。第三に、立法論上、筑波大学法案は憲法第二十三条、教育基本法第十条及び学校教育法第五十九条一項に違反ないし、少なくとも、不当な内容を持っているとして反対の立場が述べられました。またモデル大学をつくるよりも、教育条件を整備し、大学間の格差是正こそ必要であるとの意見が述べられました。
 以上の意見が述べられた後、派遣委員の全員から、大学の管理運営のあり方、副学長の地位と望ましい人数、学生の地位とその役割り、学部制の欠陥とその是正策、公述人の関係大学の大学改革の実情と自主改革のあり方、東京教育大学における筑波移動決定の経緯等について、きわめて真剣かつ熱心な質疑が行なわれました。
 公述人の意見及び質疑の詳細につきましては、これを速記により記録いたしましたので、会議録によって御承知願いたいと存じます。
 以上、御報告申し上げます。
#6
○委員長(永野鎮雄君) ただいまの御報告に対し質疑はございませんか。――別に御発言がなければ派遣委員の報告はこれをもって終了いたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(永野鎮雄君) 次いで、国立学校設置法等の一部を改正する法律案及び国立学校設置法の一部を改正する法律案について質疑を行ないます。
 質疑のある方は御発言願います。
#8
○内田善利君 この間、管理のところから質問を保留しておきましたけれども、公聴会並びに昨日の参考人のお話の中から二、三質問を最初にさしていただきたいと思います。
 まず、カリキュラムについてですけれども、昨日の御意見の中に、まだ講義題目もできてないし、担当教官もきまってない。そういうことで、たしか大江参考人のお話では、少なくとも、初年度分はもう決定していなければならないと、そういうお話がありました。そうして山形大学の医学部についてももうすでに、昨年の十月大学審議会の決定を経ておると、そういうようなことも聞いておりますが、また旭川医科大学のほうももうできておると、そういうことですが、まだ筑波大学についてはカリキュラムの科目も、担当教官もきまってない、こういうことでは、一番大事な教科科目、学生にとって大番大事な問題がまだあと回しになっておる、このように感じておるわけですが、この点はどのようになっておるのかまずお伺いしたいと思います。
#9
○政府委員(木田宏君) 今回、御提案申し上げております国立学校設置法等の一部改正の中で新設いたします大学のうち、いま御指摘がございましたように、医科大学の関係等は、従来からとってまいりました設置の手順で、その年度の四月一日に開校をし、学生を受れられるように教官の手順もその四月一日以前に用意をして、そして国会に法案を御提案をするという手順で進めてまいったものでございます。
 筑波大学は、これまで御説明申し上げてまいりましたように、いろいろ新しい要素を考えておりますので、設置は四十八年度の設置をいたしましても、学生の受け入れを四十九年度の四月一日というふうに予定をさしていただいておる次第でございます。そして、この法律上の設置を得ました上で具体的な教育内容、教育課程の確定、教官の発令等事前に行ないまして来年の学生を受け入れるという手順にいたす次第でございます。旭川その他は、ことしの四月に発足できる状態にして法案の御審議をいただいておりますので、その間、準備の体制が若干違っておるという点は御理解を賜わりたいと思うのでございます。
 筑波大学につきましては、こういう新しい考え方で教育課程を組みたいという関係者の意向がございまして、御提示申し上げてありますような教育課程の新たな編制の方針その他を基本線として、いま事前の準備はそれぞれ進められております。しかし、具体的な教官がきまらないほうがあたりまえでございまして、大学としての正式の発足は、この法律案が可決されましたあと急いで関係の整備をいたしたいと、こう考えておる次第でございます。
#10
○内田善利君 まだ科目も教官もきまらないのがあたりまえだということですけれども、一般の大学、学部新設の場合には、半年ぐらい前に職員組織に関する書類が作成されて、そしてその中に学部及び学科別に担当教官予定表が作成される。そしてその担当教官の資格審査がなされた上、大学設置審議会で審査されると、こういうふうに聞いておりますが、山形大学あるいは旭川医科大学と比較されましたが、おっしゃるとおりことしの四月一日開校予定であったわけですが、もうすでにことしの四月一日開校予定が昨年の十月の末に提出されて、十一月には審査会をパスしたと、このように聞いておりますが、これと比較する場合に、来年の四月一日開校予定であるならば、もうすでにその作成準備がなされなければならないと、このように思うのですけれども、この点はいかがなんですか。
#11
○政府委員(木田宏君) 事実上のいろんな事前の準備は、東京教育大学の開設準備委員会の関係の方々で進められておるというふうに承知をいたしております。幸いにして、この法案が成立いたしましたならば、正式に必要な人員の確定をいたしまして、そして四十九年度四月に学生を受け入れるべく、十月下旬には教官のリストアップその他の手順を進めて、事前の設置審議会への意見伺い等の手順は、従来のものと同じような歩調で進めていきたいというふうに考えておる次第でございます。
#12
○内田善利君 このカリキュラムとおっしゃる教育課程を拝見して、先ほども言いましたように科目、それと専攻、こういったことがまだはっきりしてないようですが、やはりこういったものを早くきめてかかるべきじゃないかと、このように思うんです。その点はどうなっておるのか。教官人事はいまやっていらっしゃると思いますが、こういった細部にわたってのカリキュラムはまだきめる必要はないのか、この点はどうですか。
#13
○政府委員(木田宏君) 実際に確定いたしますのは、この筑波大学が成立をいたしましてからのことにならざるを得ないわけでございますが、事実上の問題がございまするから、第一学群の関係につきまして東京教育大学に置かれております筑波新大学創設準備室に第一学群の開設準備に関するワーキンググループが五十六、七名の教官で構成されておりまして、ことしの二月一日に設置をされ、自来、第一学群のカリキュラムその他の必要な検討はずっと進めてこられておるように承知をいたしております。それらをもとにいたしまして、大学が設置できましたならば、すみやかに最終的な整理をすると、こういう手順に相なろうかと考えます。
#14
○内田善利君 まあ、きのうの参考人のお話の中では、若手助教授は筑波大学には行かないと、このように言っておるという発言がありましたが、非常に私は重要な発言だと思うんです。これはいかなる理由があるのか、その辺はつまびらかであれませんが、こういった教育大学の先生方が筑波大学に行きたがらない、こういうことについてはどのようにお考えですか。
#15
○政府委員(木田宏君) まあ筑波に移転することにつきまして御賛成でない教官がいるということは聞かされておりますし、また、御反対の方もおられるということも承知をしておるわけでございますが、しかし、それが教官の多数であるというふうには考えておりません。事柄がきまりましたならば、いままでいろいろと賛成、反対等の御意見がございましても、事がきまった段階におきましては気持ちよく多くの方の御協力を得られ得るものと、このように期待もいたしておるところでございます。また、教育大学の教官を中心にして現実には第一学群を構成し発足をする予定で、いろんな諸準備が進められておる次第でございます。
#16
○内田善利君 まだ担当教官もきまってないということですが、そういった状況の中で文部省の考えておられるこのカリキュラムを満たすような教官人事が発令できるのかどうか、この辺非常に私は心配するわけですけれども、この点は満たし得ると考えておられるのかどうか。
#17
○政府委員(木田宏君) いろいろと教官の候補につきましても、また現在の教官の体制よりも筑波のほうが教官数もより多くなる予定で準備を私どもも進めておるわけでございますが、そうした教官数のめどその他はこの資料でも御提示申し上げてございますが、それを前提にいたしまして教育大学の関係者が、学内の教官のほかにもいろいろと事前の御相談等をしながら準備を進めておられるやに承知をいたしております。しかし、新たな学校のことでございまするから、これらは具体的な法案の確定を待ちまして関係者の最終決定が行なわれ、その後の準備を進めていきたい、こう考える次第でございます。
#18
○内田善利君 まあそのようにスムースにいくことが望ましいことと思いますけれども、昨日あるいは一昨日の参考人あるいは公述人のお話を承っておりまして、はたしてそういうことができるのかどうか、非常に不安なわけです。
 カリキュラムにいたしましても、まだこういう状態ではほんとに発足できるのかと、きのうも参考人の方々にお聞きしたわけですが、その点を心配するわけです。
 それと、細部にわたりますが、外国語のところで、語学教育というのが非常に技術的と申しますか、専門技術人を養成するために組まれているのではないかと、このように伺うわけですが、たとえば専攻別履修コースの例で、第一学群の人文学類哲学専攻の履修例の中でも、東洋哲学ですが、一年次には第一外国語、第二外国語四単位ずつ履修しますが、二年次と三年次は専門書講読、三年次も専門書講読、このようになっております。従来私どもが外国語の勉強の場合には、幅広い教養教育としていろんな小説とか、そういったものを教わったわけですが、そういった教養の教育のために外国語はどうなっているのか。専門書講読二年、三年となっているわけですね。このまま見れば、なるほどこれは技術教育、技術人養成教育のための語学教育だなと、このように私は私なりに受けとめるわけですが、この点はどうなんですか。
#19
○政府委員(木田宏君) 御意見にございましたように、これまで外国語の履修ということを通じまして外国の諸制度、文化特に小説、思想書関係のたぐいのものを学生が履修して教養的な幅を広げるという傾向はございました。しかし、そうした外国語教育の観点から日本の外国語、外国文学の教育がどちらかと申しますと、外国語よりも外国文学の教育になって教養教育でしがなかった、そのために、現実的には外国語としての技能と申しますか、それの修得が外国語を長年履修しておるわりにはさっぱり役に立たないということもかなり反省されておる事柄だと承知をいたしております。そして外国語教育の関係者の間には確かに一般的な文学書を読むことをもって外国語の履修とするということも意味がないとは言わないけれども、もう少し、外国語そのもののことばとしての履修と、それからそれがほんとうに自分の将来の専門に役立つためには専門事項について外国の文献を読破し履修していく、自分で勉強できる、こういうくせをつけないと、外国語の教育が自分の生涯の勉強に結びつかない、こういう反省があることも事実でございます。今回筑波でこうしたいま御提示のような専門書講読というのが外国語の単位として取り入れられておりますことは、そうした新たな考え方を取り入れようということかと思います。しかし、そのかわり、それじゃ一般教育を外国語にあまり頼らないといたしますならばどうするかということ、これは教育課程全体の考え方の中で強く出ておる点でございまして、お手元の資料の一ページにあげてございますように、従来の一般教育科目等の中で関連科目、あるいは総合科目として幅広い一般的な教養教育を考え、さらに情報処理、国語教育等につきましても必要な科目数としてこれを取り上げていくという姿勢を打ち出しておりまして、特に総合科目と関連科目の考え方は、これまでの一般教育として取り上げておりましたところをその趣旨に沿ってより充実させようという考え方がとられておりますので、外国語による文化の履修という点は、従来の外国語教育とやや違うという点は御指摘のとおりかと思いますけれども、そのことによるマイナスはないもの、むしろ、それぞれの教育内容の充実を期待し得るものと、こう考えております。
#20
○内田善利君 私は、人文科学あるいは社会科学類等はこれはそれでもいいかもしれませんが、やはり自然学類の数学専攻というふうな、こういう場合、やはり外国語で数学書を読むとかあるいは自然科学のいろんな科学、物理的なものを語学で勉強する、これは実験の段階で外国語による実験ができるわけで、自然科学等においてはやはり教養的な外国語の履修ということは非常に私は大事であり、私もそのときに学んだ小説よく覚えているんですが、やはり必要じゃないかと思うんですけれども、それが全然ないということになれば、二年次も三年次も専門書講読ということになっておりますが、自然科学ばかりやるという、また私は実験の段階で、外国語による実験書による実験ができるわけですから、専門書だけじゃなくて、やはり教養的な外国における文学を勉強するということも必要じゃないかと思うのですけれども、全然外国語によるそういった教養的なものを読むという機会はないわけですか。
#21
○政府委員(木田宏君) いま御指摘がございました自然学類数学専攻の例等ごらんいただいておるかと思うのでございますが、外国語は大学設置基準によりますと、設置基準の必要履修単位といたしましては一応八単位ということになっておる次第でございます。したがいまして、第一外国語四単位、第二外国語四単位で、一応これをもって現在の外国語の必要単位数は充足をいたしておりまして、その上に専門書講読として二単位、二単位というものを追加いたしてでき上がっておるのでございます。また、その五ページの表の関連科目のところでごらんいただきますならば、これは関連科目の中でAは選択必修の科目でございますが、論理学とか科学思想史、哲学、科学史、経済学、社会学、こうした科学哲学、言語学、経済統計学等、かなり幅広い一般的な教養科目を関連科目として履修しなければならないようにあげてある次第でございます。またBは、自由選択でございますけれども、人文科学、社会科学系からそれぞれ履修する、六単位ずつ履修するというふうな内容になっておりまして、この基礎的な教養という点では相当充実したカリキュラムになっておる、こういうふうに理解をいたしております。
#22
○内田善利君 情報処理は二単位だけですか。
#23
○政府委員(木田宏君) 御指摘のとおりでございます。
#24
○内田善利君 カリキュラムについては以上にします。
 その次に、前回いだだいた四十九年度概算要求の概要という要旨のところの(一)が、「昭和四十九年度に第一学群、医学専門学群および体育専門学群の第一年次学生を受入れ」とこのようにありますが、この入試は一期校なのか二期校なのかということと、入試問題の作成委員、これの委嘱はいつだれになさったのか、そのことをまずお聞きしたい。
#25
○政府委員(木田宏君) 東京教育大学は現在一期校でございますので、入試の問題は、東京教育大学の現在の体制と同じで筑波大学も考えていきたいというふうに思っております。それから筑波大学の入試の準備も、事実上は東京教育大学ですでに委員等も確定をいたしまして、準備がこの八月初めから準備室に、筑波大学入試準備委員会というのが委員十一人で構成されまして発足をいたしております。また、問題作成につきましては、学長命で四十五名の教官にすでに問題作成委員が委嘱されておりまして、事前の準備が進められておる、こう承知をいたしております。
#26
○内田善利君 そうしますと、筑波大学の入試については、東京教育大の先生方が当たられると、こういうわけですか。
#27
○政府委員(木田宏君) 筑波大学が発足をいたしましたならば、そうした準備の体制を筑波大学が受け継いで筑波大学自体の問題として準備を進められることになろうかと考えます。
#28
○内田善利君 そうすると、現在委嘱されておる入試準備委員会の先生方がそのまま筑波大学の入試についてはおやりになるのではなくて、新しく大学が発足したらそこでまたあらためて準備をされると、こういうわけですか。
#29
○政府委員(木田宏君) 形式的には、筑波大学の教官の手によって準備が行なわれるわけでございますが、実質的には、東京教育大学のそうした諸準備が引き継がれることになるであろう、こう考える次第でございます。
#30
○内田善利君 そうすると、入試はどこでおやりになる予定でしょうか。
#31
○政府委員(木田宏君) 発足をいたしております筑波大学自体が入学試験を実施いたします。
#32
○内田善利君 その入試の場所ですね。
#33
○政府委員(木田宏君) 入試の場所その他は、これから準備を進めることになろうかと考えます。
#34
○内田善利君 まあ東京教育大学の先生方が入試の作成準備をなさっているわけですが、その先生方は東京教育大の入試と筑波大学の入試と分けておやりになると思うのです。また問題も同じなのか違うのか、その辺ちょっといま質問している間に一体どうなんだろうと、このように思うのですが、東京教育大学の先生方が一応二つに分けて、教育大の入試とそれから筑波大学入試準備委員会の十一名の先生方がこれに当たっていらっしゃるわけですが、入試の会場もおそらく東京教育大、まあ大塚でやられるのかどうか、そういうことになろうかと思うのですけれども、この辺はどのように計画を立てておりますか。
#35
○政府委員(木田宏君) いま申し上げましたのは、筑波大学の創設準備室に筑波大学の入試準備委員会が設けられておるわけでございます。これは東京教育大学の関係者が事前の準備をするためにそういう準備を行なっておるものでございますが、東京教育大学の入試とは別問題でございます。筑波大学の入試準備を事実上事前にいま進めておられる、こういう次第でございます。
 また、会場その他は、第一学群に関係いたします文学部、理学部では教育大学での学生の受け入れということはもう停止をしてまいることになります。けれども、入試の場所をどうするかということなどにつきましてはまだ確定しておるようには聞いておりません。筑波大学が現地でやるという考え方も十分あり得るであろう。また、その場所の見通しその他をどうつけるかということは今後の課題かと承知をいたします。
#36
○内田善利君 筑波大学、筑波でやれる可能性があるのかどうかですね、現状からいって。おそらく、まあ一期校ですか二期校ですか、はっきりしませんでしたが、それまでに校舎ができて入試ができるのかどうか、私はちょっと不可能ではないかと思うのです。したがって、大塚でやるようなことになればたいへんだなと、このように感じたわけですが。
#37
○政府委員(木田宏君) 確かに受験生の入学試験場をどれだけ確保するかというのは、大学の当事者としてはたいへんなことでございまして、自分の学校の施設だけで間に合わない場合にいろいろと他の施設の借用を考えて手配する等のことはあるわけでございます。でございますから、その試験場をどこにするかというのは、いまきまっているというふうにはまだ聞いておりませんけれども、これから来年三月の入試時期を目途にいたしまして、関係者が準備をしてまいることになる次第でございます。
#38
○内田善利君 なかなかたいへんだなと思うのですが、旭川医科大学、あるいは山形大学医学部等は完全に準備ができているのに、筑波大学のほうはまだそういう状態ではたいへんだなと、このように思うわけですが。
 その次に、概算要求の中で、「教職員定員」のところですけれども、△というのはこれは何でしょうか。たとえば学長(△1)、副学長(△5)、この△はどういう意味ですか。
#39
○政府委員(木田宏君) △は、四十八年度の予算にすでに計上されております定員を、四十九年度この数の中に充当するという意味でございまして、四十九年度の総数が欄の中に書いてあります五百三十六名ということになるわけでございますが、すでに四十八年度の人員が充当されるわけでございますから、純増が三百五十九人、こういうことになっておる次第でございます。この△の百七十七と申しますのは、四十八年度の筑波大学用としてすでに予算に計上されております九十二人分と、それから教育大学の定員の中から充当してまいります八十五人分とをあわせて百七十七名という、四十八年度予算の充当数をお示しいたした次第でございます。
#40
○内田善利君 そうしますと、学長(△1)というのは、現在の東京教育大学の学長という意味ですか。
#41
○政府委員(木田宏君) 十月に筑波大学が発足する予定で、本年度の予算に、学長、副学長、教官、
 一般職員等九十二名ほどすでに計上さしていただいております。その数字を来年も引き続くという意味でございます。
#42
○内田善利君 筑波大学の学長の任命はいつごろ行なわれる予定ですか。
#43
○政府委員(木田宏君) この大学の発足時に学長の発令が行なわれなければならないかと考えております。
#44
○内田善利君 これは、現在の東京教育大の学長がそのまま筑波大学の学長ということではないのですね。
#45
○政府委員(木田宏君) 筑波大学の学長は、東京教育大学の学長の意見を聞いて文部大臣が新たに任命するということになっておる次第でございまして、法律案にもそのように御提案申し上げておるところでございます。
#46
○内田善利君 そうしますと、私の考えが間違いかもしれませんが、東京教育大学の学長の意見を聞いて大臣が任命されるということになるわけですが、現在の東京教育大学の学長の選挙は、来年二月、このように聞いておりますが、この東京教育大の学長がそのまま筑波大学の学長になるということにはならないわけですか。なり得る場合もあるわけですか。
#47
○政府委員(木田宏君) 特定の個人を、どなたを御委嘱申し上げることになるかはこれからの問題でございまして、それはわかりません。法律上は、東京教育大学の学長が当然筑波大学の学長になる、こういうことになってございませんので、これは別々のものというふうに御理解を願いたいと思います。
#48
○内田善利君 それから副学長は(△5)ですけれども、これは四十八年度の予算の中に入っているのだということですが、そして下の五が筑波大学の副学長と申しますと、これはどういうわけでしょう。
#49
○政府委員(木田宏君) この予算の概要がその四十九年度ということで御要求がございましたものですから、四十九年度の予算の全貌をこういう形で御説明さしていただいたのでございまして、副学長五名も十月に発足をいたします筑波大学の副学長として四十八年度すでに五名の副学長を予算上定数化さしていただいておる次第でございます。それが四十九年度もそのまま継続する、こういうことでございます。
#50
○内田善利君 それから△の百七十七ですね、これの大体副学長、教授、助教授、講師、助手、それから小計七十六名、それに一般職員の九十五名――七十六名と学長、副学長の六名と一般職員を入れて百七十七名、この百七十七名の学科別はわかりませんか。
#51
○政府委員(木田宏君) ちょっといまそのこまかい表を持っておらないようでございまして、学科別の御説明はいまはいたしかねます。
#52
○内田善利君 昭和五十一年ですか、までの東京教育大学が完全になくなるまで、その過渡期のほんとうはこまかいことですが、名称はどのようになるのか。東京教育大学の教授でもあり、筑波大学の教授でもあるという形であるのか、完全に東京教育大の教授であり、また完全に筑波大学の教授であるのか。学生にしても、筑波大学の学生なのか東京教育大の学生なのか。その辺の正式な名称等はどのようになるのか、この点はどうですか。
#53
○政府委員(木田宏君) 四十八年度から筑波大学が発足をいたしますと、筑波大学の学長、教官、職員と、それから東京教育大学の学長、教官、職員とそれぞれ別の大学として存在するということになってまいります。しかし、実態的には東京教育大学の教官、職員を逐次筑波大学に移しかえていくということになりますので、年次を追いまして少しずつ定数の上で東京教育大学の教職員を筑波大学の教職員に四十九年、五十年、五十一年と、こう移しかえの操作をいたしてまいります。それに伴いまして、ある年次から筑波大学の教授に発令がえになる教官も当然それぞれの数出てくる次第でございます。しかし今日の段階まで東京教育大学の学生として入っております学生は、最後まで東京教育大学の学生として一応卒業するという予定になってございます。ただ、万一、昭和五十三年に東京教育大学が一応廃止という予定にさしていただいておりますが、その時点までにどうしても何らかの事情で卒業できない学生が残りました場合には、筑波大学のほうにその学生を引き取る。そして東京教育大学での教育内容に即して卒業までの教育を、履習その他の教育を行なうということに予定をさしていただいておりまして、これも御提案申し上げております法律の附則三項に、そのことを書かしていただいておる次第でございます。
#54
○内田善利君 それからもう一つ、これはきょういただいた補足資料ですが、この中で教員一人当たりの授業時間数ですが、一週間当たり平均十二時間を一応の標準としておるということで要求が出されておるようですが、大体大学では一週間当たりの平均時間は六時間ないし八時間と聞いておりますけれども、筑波大学が発足して学群構想が教育専念ということになれば十二時間にされたのか、これではまた相当教育、研究の分離ということになれば、研究のほうがおろそかになるんじゃないか、このように思いますが、この点はどうなんでしょうか。
#55
○政府委員(木田宏君) いまの補足資料の教員一人当たり学生数のところでまずごらんおきをいただきたいと思いますが、筑波大学は教員一人当たりの学生数六人というふうに、これはまあこれからの予算折衝を待って最終的にはきまることではございまするけれども、予定をさせていただいております。東京教育大学の今日の状況は、教員一人当たり学生数が八・〇でございますから、この点で教員の充当率はかなり高まっているというふうに御理解を賜わりたいと思います。また、全国立大学を通じてみましても、その平均よりもいい状態で考えていきたいと思っております。ただ、御案内のように、この教官の教育指導を考えます場合に、研究面の関係者その他いろんなセンター等々、学内教養施設等に配置されます教官のこともございまするので、教育上必要とされます教員数の算定にあたりましては、全領域に博士課程までの大学院ができる。そして大学院における個別研究指導に要する時間等をも念頭におきまして、十二時間という数値を一応考えているのでございますが、決して大学全体に対してこれで教育の負担が重くなる、こういう数字ではないというふうに考えている次第でございます。
#56
○内田善利君 まあ普通六ないし八時間というのはそのとおりですか。
#57
○政府委員(木田宏君) まあ専門領域によりまして教官の教育指導時間というのはかなり違っているかと思います。特に理科系で実験等まで考える教官は相当の時間になっているかというふうに考えるのでございまして、この大学の平均が十二時間というのは決して多い数字というふうには考えておりません。
#58
○内田善利君 全国の国立大学あるいは東京教育大学よりも筑波大学のほうが教官の充当率はよくなっているわけですから、よくなっているならば、それだけ時間数が減るのがほんとうなのに、おそらくこれは学群系の先生方に、教育担当、講義担当の先生方に、しわ寄せがいった結果十二時間になったのではないかと、このように私は想像するわけですけれども、そうなりましたらいよいよ授業担当の学群の先生方は研究がなかなかいまよりもできなくなるのではないか、このように心配するわけですが、こういう心配はございませんか。
#59
○政府委員(木田宏君) これまでも筑波の特色を御説明申し上げてまいりましたように、教育のシステムと研究のシステムとをそれぞれ別個に考えてみたい。どの教官もみな同じように教育、研究を担当するということではなくて、その間はそれぞれ教官の何といいますか、全体の教官の配置その他から勘案いたしまして、研究プロジェクトに専念する教官という方々も出てこられるわけでございますから、それらのことを念頭に置きながら教育を担当される教員数の算定ということを考えまして、こうした数値を一応大学側とも相談の上ではじいておるのでございます。これは一応の平均値でございまして、これによって必要な教員数をはじき出して、筑波大学全体としての教員数を、上の表でごらんいただいておりますように、まとめたと、こういう次第でございます。決して無理になるということではなかろうというふうに考えます。
#60
○内田善利君 学系と学群と分離して、こういった結果になっておるということ、全学的な立場からこうなっておるということですが、学系では一応研究をしますね。研究をしますが、これはどういう意味で学系で研究するのか。たとえば理料系、工学部関係では実験室あるいは実験の装置、そういったものはどちらに置くんでしょうか。学系の研究室あるいは学系の先生方の実験室、そこに装置、設備を置くのか、この辺はどうなんでしょう。
#61
○説明員(大崎仁君) 現在の計画では、研究用の設備につきましては、基本的なものは各学系のために設けられます施設に配置をする。かなり大型のものにつきましては、最も大型なものにつきましてはセンターというような形で全学共同利用の施設を設ける。それから中型のものにつきましては、やはり学系相互間で共同利用できるような施設計画を立てるということで、基本的に計画が進められておる次第でございます。
#62
○内田善利君 そうしますと、学生が学群で勉強しますね、実験をしようとあるいは研究をしようという場合には、学系の大型あるいは中型の施設あるいは学系の先生の実験室に連れてきて教育をするわけですか。
#63
○説明員(大崎仁君) 博士課程の学生につきましては、原則として学系施設で教育、研究指導を行なうという計画でございますが、学群それから修士課程の学生につきましては、それぞれ学群修士課程の施設自体に実験室その他の施設も設けまして、教育上必要な設備も配置をするという方針でございます。
#64
○内田善利君 私は、学生にまず教育をするという立場からやはり学群にりっぱな実験室設備を置くべきだと思うのですね。それは学系中心に、先生方中心に当然置きますけれども、そうなりますと、教育がちょっとおろそかにされているようにいま答弁の中から聞いたんですけれども、私は、学群にきちっとしたりっぱな設備をつくってあげて、そこで教育がなされるべきじゃないか、実験がなされるべきじゃないかと、このように思うのです。学系の先生のところに連れてくるとか、大型あるいは中型研究室に連れてきてやるとかじゃなくて、やはり教育を主体にする考え方ならば、学群において教育はなされるべきじゃないか、実験等はなされるべきじゃないかと、このように思うのですが、それはいかがでしょう。
#65
○政府委員(木田宏君) 学生の教育用の実験、実習設備というのは、それなりに整調をしていかなければならないと思っております。ですから通常の学生に対します教育用の実験、実習の設備というのは、修士課程まで含めまして、学群系列の施設にそうした設備を整備をしたいというふうに考えておるのでございます。ただ、大学の教官がほんとうに取り組むべき研究の領域ということになりますと、まあこれもまた専門領域によっていろいろと違うことでございまするが、筑波の高エネルギー研究所をごらんいただきましたほどのものがすべてに必要ということではないにいたしましても、かなり研究用の設備といたしましては、高度のものをきっすいのその研究者が使うということにならざるを得ないのでございます。でございまするから、大学院の博士課程の教育までを含めまして、研究用の設備は学系の系列別に中心的な整備をしていきたい。そのことが教育の上でも研究の上でも適切である、こういう考え方をとっておる次第でございます。
 また、いろんな実習施設等の整備を別途考えなければなりません。外国語センターでありますとか、農林技術センターでありますとか、体育のセンター等、教育用の設備でありましてもことのほか大きなもの、各領域が総合して教育実習用に使わなければならないもの、これらは別途実習施設として整備をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#66
○内田善利君 学群での従来のような実験室ですね、あるいは研究室、そういうものはできるんですか。
#67
○政府委員(木田宏君) 従来どおりのものが学群にできるというふうにお考えいただきたいと思います。
#68
○内田善利君 そうしますと、学系の先生の部屋にもそういった実験設備ができるし、また、学群にもそういう実験設備ができると、これは二重になるように思うんですけれども、研究と教育を分離することによって、特に工学関係の教室には、そういったものが二重につくれることになると思いますが、この辺はどのようにお考えでしょうか。
#69
○政府委員(木田宏君) 現在でも大学の教官の研究用の設備また研究の場所と一般学生の教育用の実験、実習施設とその場所とは違っておるのでございます。もちろん、事柄によりますと、学生の教育実習用の施設で教官が研究できる部分もないわけじゃございません。ないわけじゃございませんけれども、教官の研究に必要な施設というのは、二十四時間そのことのためにぶっ続けで使っていなければならぬものがかなりたくさんあるわけでございまして、それを中間で学生の教育指導上にまた使うということは必ずしもそう可能なことでもない場合がたくさんございます。でございますから、高度の研究を進めますための研究用の設備その他の体制と、学生の教育用の実験、実習施設というのは、これは別途に考えていきたいというふうに思う次第でございます。
#70
○内田善利君 学生の研究する、勉強する面と学系の先生方が研究する面とは違うと思います。しかし、その設備はやはり一つの部屋が要り、また電源あるいはいろんなタンク、そういったものは変わりなく私は要ると思うのですね。二十四時間フルに研究しなきゃならない、また実験もずっと動かしていかなければならない、これもわかります。しかしながら大小はあっても、その設備の数においては全部私は、有毒物質を使うならば劇物、毒物の保管庫もちゃんと要るし、どっちも要るわけですから、まあ一つ例をあげますけれども、そういったことで非常にそういったものが二重につくられることになりはしないかと、そのように思うんですけれども、空気抜きにしてもどっちもつくらなきゃならないし、あるいは電源に使う変圧室、そういうところもどっちもつくらなきゃならない。そういったことで非常に研究と教育を分離することによって、そういった点で、予算面でむだな金使いをすることになるのじゃないか、このように心配するわけです。
#71
○政府委員(木田宏君) 施設、設備につきまして、絶対的な区分があって壁があるということではございませんけれども、系列別に必要な研究設備その他を中心に整理をいたしまして、それに教育上必要なものを学群として付加していく、こういう考え方で整理をいたしますならば、いま御指摘がありましたようなダブリも少なくしていくことができる次第でございます。でございまするから、教育上の施設、研究上の施設、それぞれが全く分離されて別だというふうにお考えいただく必要もなかろうかと存じまするけれども、一般的に専門領域別の研究の体制を、学系の施設に即して設備も整備をする、こういう考え方をとり、そして今度はたくさんの数の学生に対する教育上の設備というのは、数の上でもかなりの数を必要とするわけでございまするから、学生の教育用の施設に即して、教育用の設備を考える。一応そういう考え方で、この施設のレイアウトその他の配置を考えておる次第でございます。現実の教育指導上は、必要なものはそれぞれ両者で共用するということも当然あり得ることでございまするけれども、すべてにわたって共用を前提で、施設をレイアウトするということは適切でないというふうに考えて、学系の系列におきます施設の配置と、学群の系列におきます施設の配置とを、一応区分していまレイアウトができておる、こういう次第でございます。
#72
○内田善利君 工学関係のみならず、社会科学関係等でもいろんな学生に見せる標本、また研究室に置いておく標本等、やはり相当のレイアウトも検討しなければならないのじゃないかと思います。
 それからやはり公述人だったと思いますが、北海道大学の法学部の最近の改革で、研究部と教育部に分離したわけですが、これも研究部は授業を担当しない。それから教育部は授業を担当する、これはローテーションで入れかえるのだ、このようなお話ですが、これでも、私はいま言ったことを同じように、人数がふえてよけいな人がいるんじゃないかと、このように思うんですけれども、同じ考え方で研究部の人は授業を担当しない。それから教育部の人は授業を担当する、ローテーションで入れかえるということを考えますと、具体的には、やはり研究部の先生も教育にはいくという考え方はいいんじゃないかと思うんですが、そうでないと人員が余ってくるのじゃないか、こう思うんですけれども、この点はどうでしょう。
#73
○政府委員(木田宏君) 北海道大学の法学部の新たな体制は四十九年度の予算として、これから大蔵当局と相談をするわけでございまするけれども、現在北海道大学から説明を聞いて、私どももその線で考えております中身は教育の系列、教育部におきましては、公法、民事法、刑事法、社会法、基礎法学、政治学という六つの大きなくくりを考えまして、それぞれ各憲法、行政法あるいは民法、刑法、それぞれの講義は主として教授が全部担当するという考え方をとっておる次第でございます。また、研究部につきましては比較法、法史学、法社会学、法哲学という四領域を中心に、これは研究の体制でございまするから教授、助手、教務職員等の組み合わせを考えまして、研究の体制を整備するという方向を考えておる次第でございます。これで人員がむだにならないかとか、よけいな人員の配置にならないかという御指摘かと思いまするけれども、教育の体制を整備しますとともに、研究の体制をそれなりに整備していくという新たな考え方が適切であろうかと考えて実現化をはかりたい、こういうふうに思っておるところでございます。
#74
○内田善利君 北海道大学では概算要求では七十八人要求されているわけですね。現在は何人ですか、六十人ですか、そうすると十八人の増ということになるわけですか。
#75
○説明員(大崎仁君) 北海道大学の法学部では、そういう新しい体制をとります際に、学生を四十名増募をいたしたいということで、増募とも関連をいたしまして教官の増員をはかり、再編成に伴います必要な教官定員を確保するという基本的な考えでございます。当面四十九年度に関しましては、教職員含めまして四十八人の御要求でございまして、そのうち既存の定員から四十人を振りかえるという考え方でございますが、以後学年進行で整備をはかるという考え方をとっておる次第でございます。
#76
○内田善利君 この教育と研究と分離することでこまかいことを聞きましたが、もう一つこれは京都大学の田中公述人からのお話ですが、いままで木田局長は京都大学のような部も学部外の一つの組織だ、このように言っておられましたですね。ところが田中公述人は、京都大学の部というのは、学部制のワクの中で十分できる、このように言っておられましたが、この点は食い違っておると思うんですけれども。
#77
○説明員(大崎仁君) 御指摘のように、田中先生はおそらく学部に入ると申してもよろしいのではないかという話をなさったわけでございます。田中先生がそうおっしゃいました根拠は、要するに部というものは、教育と研究を一体として遂行する組織であるということと、それが同時に、いわば意思集約の基礎単位となるという二点から学部といってもよろしいのではないかというふうにおっしゃったように記憶をいたしておりますが、ただ、学部と通常申します場合に、やはり伝統的な考え方といたしまして、やはり公述人の先生その他からもお話がございましたように独立性、つまり学部自体で研究教育というものが、基本的には遂行し得る組織という要素がもう一つ本質的にあるのではなかろうかと存じております。京都大学の部構想と申しますものは、それ自体が一つの部が独立しまして、完結した教育・研究を実施するというよりは、むしろそういう部が単位になりまして、複数の部が連合して教育にあたるあるいは一つの部が教育面ではある部に連合し、研究面では別の部に連合するというように、他の部との連合して一つのまた組織をつくるということを前提にしたお考えが基本になっておるように承知をいたしておりまして、そういうことからおそらく京都大学自体でも、これは学部とはちょっと言いがたいというお気持ちで、部という名前をおつけになったのではなかろうかというふうに拝察をいたしておりますし、私どもといたしましても、京都大学の御構想の部が現在の学部にそのまま入ると、学部概念の中に入るというのはやや無理があるのではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
#78
○内田善利君 それでは、学部の中に入ると、こういうことですね。
#79
○説明員(大崎仁君) いえ、説明不十分でございますが、要するに、京都大学の部は、学部の本質的な要素の一つと考えられます学部自体で教育・研究を独立して基本的にはやり得るという資格――資格というか、という要件を欠いている組織ではないかと。つまり、一つの部だけでは、学生の教育というのができない場合をかなり想定しておりまして、二つ三つの部が連合して学生の教育をやると、それから場合によりましては研究だけをやる部もあると、そういうふうに非常にいわば表現が適切じゃございませんが、積み木細工の積み木のような性格を多分に持っておりまして、幾つかの積み木が組み合わさって初めて教育上の組織、研究上の組織というものが構成されると。それによって弾力的な組織構成なり学問間の交流なりというものを弾力的にはかっていこうというのが基本的な考え方でございますので、一つ一つの部が独立して教育・研究をするには必ずしも適さない組織であるということで、ちょっと学部のワクに入るとは言いがたいのではないかということでございます。
#80
○内田善利君 よくわからないですね。学部の中には入らない、ワクの中には入らないが、それとは違った意味のそれぞれの研究をしていく部ですか、そういうふうに受け取ったのですが。
#81
○説明員(大崎仁君) 京都大学の報告書に即して読み上げますと、「「部」は、単に従来の「教室」「学科」「学部」がそのまま移行(読み替え)するものではなく、われわれは、理念的には、全学的規模での研究・教育組織の再編成を志向しており、既存の部局機構・組織にとらわれないというのが、本構想の出発点である。」ということをまず前提といたしまして、「研究・教育は「部」のみで閉鎖的に行なわれるべきではない。むしろ、隣接の「部」との相互協力によって実現されるべきものである。」「いくつかの部が合して「系」(School)を形成することも可能である。単に、従来の「学部しがそのまま新しい「系」となるような読み替え的な移行であってはならない」というようなことをおっしゃっておられます。
#82
○内田善利君 それからもう一つは、これも大江先生だったと思うのですが、教育大の評議会が七月二十四日決定、その以前にもう文部省案ができておったと、東京教育大の自主プランと文部省は言ってこられたわけですが、そうではないという発言がきのうあったわけですが、これでやはり今度の筑波大学法案は文部省案であったということになるのですが、この点はどうですか。
#83
○政府委員(木田宏君) きのう大江参考人からいま御指摘のような何か御説明がありましたが、私どもとしては理解をいたしかねます。たびたび御説明を申し上げておりますように、筑波への新しい大学を考えるということは、すでに昭和四十二年の七月に東京教育大学が、総合大学として発展する、人文・社会・自然の均衡のとれた総合大学として発展することを期して筑波に移転するという意向をおきめになった。そして、その人文・社会・自然の均衡のある総合大学は何かという構想をそのとき以来検討を進めてこられたわけでございます。文部省は、それ以前に東京教育大学に対して、こういう大学になったらどうですかというふうな御提案など申したことは一度もございません。それが、四十四年の七月になってだんだんと東京教育大学の構想が固まってまいりまして、私ども関係者も、そうした教育大学の動き――筑波にこういう大学をつくりたいという東京教育大学の動きのあることは承知をしておったと思います。それが新しい東京教育大学の考え方として報道されるということもあったでございましょう。しかし、四十四年の七月になりまして、筑波における新大学のビジョンというものを東京教育大学自体が評議会でおきめになった。それから以後、文部省は、筑波新大学の創設準備調査会を設置して、その構想の具体化について検討を始めておるわけでございまして、それ以前に文部省が組織的な研究をし、東京教育大学にそういう考え方を持ち出したということは全然ございませんので、昨日の参考人の御発言は、私も聞かしていただきましたけれども、首肯しがたいものというふうに考えます。
#84
○内田善利君 この公述人、参考人の問題についてはほかの委員からもまた質問があると思いますが、もう一つは、全国の大学の疑心暗鬼という問題なんですけれども、文部省は、筑波大学反対あるいは批判声明を出した大学には特別設備費などの予算をつけないと、こういう問題があるわけですが、この点について、文部省は、そういう事実があるのかないのかはっきりお答え願いたいと思います。
#85
○政府委員(木田宏君) 各大学からの教育研究上の御要請によって予算その他を考えさしていただきます場合には、私ども、その大学の教育研究上の実態、その適否等を判断の上で予算をつけさしていただく、そういう教育研究上の体制に対して、できるだけ優先度の高いもの、充実度のあるものから措置をさしていただく、こういう態度で予算を扱わしていただいております。
#86
○内田善利君 それと、もう一つ午前中質問しておきたいことは、公述人あるいは参考人の意見を聞きまして、その中から感じましたことは、管理から教育を分けて忙しくないようにすると、こういうことなんですけれども、むしろ、筑波大学方式になりますと、現在の大学よりも非常に会議が多いと。先ほども一週十二時間ということもございましたが、あるいは研究、教育の分離をしたならば非常に先生方が忙しくなるんじゃないかと、このように思うわけですが、この図解を見ただけでも、審議会――教育審議会、研究審議会、これは別々の先生方が行かれると思いますが、厚生補導審議会、施設環境計画審議会、学類教員会議、専門学群の教員会議、学系教員会議、その他、これは全部、教授には、教官には決定権がないわけですが、そういう決定権のない会合が非常に多い、こういうことから先生方は非常に忙しくなるんではないか。したがって、研究がおろそかになることはないかと、このように思うんですが、この点はいかがですか。
#87
○政府委員(木田宏君) これは一般論でたいへん恐縮でございますが、ある組織が大きくなればなるほどいろいろな機能、いろいろな仕事というものがあって仕事全体の総量が大きくなるということは、これは否定できない現実だと思うのでございます。したがいまして、機構が大きくなればなるほどその機構の運営につきまして分業化が起こっていくということも、これも一般の組織に共通の課題であろうかと思います。いま、従来の大学につきまして、昨日どなたか参考人の方もやはりおっしゃっておりましたけれども、今日の大学ですでに会合が多過ぎて一人の教官の研究時間が非常に少なくなっているという御発言がございました。それは、大学の機構が大きくなればなるほどそこに関与される方々の動きがよほど機能別に分類整理されるとか、分担がうまくいくということでない限りたいへんなことになるであろうということも考えられる次第でございます。いま、この筑波大学の組織図をもとにいろいろな審議会があるということを御指摘ございました。これは、組織が大きくなりますれば、どうしても、教育の審議会、研究の審議会、いろんな分担事項が出てまいりますが、これらのことをすべて全教官が、千四百人予定しております全教官がみんな同じことをやるということになりましたら、それこそたいへんなことであろうかと思うのでございまして、できるだけ機能を分担をして、そして教育・研究、またそれぞれの学生指導についても、適切な分業ということがある程度考えられなければならないのではないかというふうに考えます。それが行なわれますほうが、むしろ一人一人の教官の研究・教育の余力というものはより大きくなる。これが、学生約九千人近い大学であり、教職員を含めまして三千五百人の大きな世帯になるという筑波大学の構成を考えますと、どうしてもそうした分業による機能の分担、効率化ということを考えなければそれこそたいへんなことではなかろうかと思っておる次第でございます。
#88
○内田善利君 私はやはり適正規模の大学が望ましいのじゃないかと思います。あまり大きくなってこういった、それぞれの分担をしていきますけれども、やはりある程度適正、適度の大きさの大学がいいんじゃないかとこのように思うのです。
 きょうは公聴会及び参考人の方々の意見を通して質問いたしましたが、昼からもとへ返りまして、管理から御質問したいと思います。
#89
○委員長(永野鎮雄君) 午前の会議はこの程度にとどめ、一時五十分まで休憩いたします。
   午後零時二十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時一分開会
#90
○委員長(永野鎮雄君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き国立学校設置法等の一部を改正する法律案及び国立学校設置法の一部を改正する法律案について質疑を行ないます。
 質疑のある方は御発言願います。
#91
○内田善利君 ここまで筑波大学法案について審議をしてきたわけですが、私は、この質問のためにいろいろ勉強したわけですが、勉強すればするほど、この大学法案には反対な立場が強くなるわけですが、どうしてもこれを強行して法案を成立させたいというような文部当局の意向であるならば、私は、筑波大学の創設と東京教育大の廃校、これを切り離して考えたらどうだろうかと、このように思うのですが、この点はいかがでしょうか。
#92
○政府委員(木田宏君) 筑波大学をつくるというのは東京教育大学のお考えでございまして、東京教育大学の関係者がその発展的な大学として筑波大学を構想されたわけでございます。したがいまして、筑波大学ができ上がりましたならば、東京教育大学が解消されてそれに乗り移るということがそもそもの大学関係者の考え方である、私どもも、そういう方向で東京教育大学との連続の上に筑波大学を考えておる、その御事情はひとつ御理解を賜わりたい、またそうすることがこの際一番適切であるというふうに考えておる次第でございます。
#93
○国務大臣(奥野誠亮君) 御承知のように、現在の大学は学部以外の組織は許されていないわけでございます。明治以来、大学の自治は大幅に許されておりましても、それ以外の組織はとれないということはいかがなものだろうかと、こう考えるわけでございまして、そういう意味で筑波大学を法定いたしますにあたりまして、公立大学あるいは私立大学が別な組織をとろうとするならばとれるようにしてあげるという弾力化、これはやはり必要ではないだろうかと、こう考えるわけでございます。国立大学の多くが筑波方式を押しつけられては困るという気持ちがあろうかと思います。国立大学につきましてはやはり法律をもって組織をきめておりますので、そういう場合には、法律改正をもって国会の御審議をいただくわけでございますので、押しつけるというようなことはとうてい考えられない、かように存じているわけでございます。いずれにいたしましても、いままでの大学の組織、それを硬直的にしておくわけじゃなしに弾力化をやはりすべきじゃなかろうか、それがまた多くの方々の望むところではなかろうかと、こういうふうに思っておるわけでございます。心配される方は押しつけられることを心配しているんじゃないか、かように考えるわけでございますけれども、そういうことは先ほど申し上げましたようなたてまえからはできない、国立大学に関しまする限りは法律をもって国会の御審議を抑がなければならないことになっております点を御理解いただきたいと思います。
#94
○内田善利君 いままでの審議の経過を見まして、東京教育大の内情等からどうしてもこの教育大学の移動という問題それと新構想大学を打ち出したということ、この二つが一緒になっておるものですから、局長は連続の上で、こう答弁をされましたが、そのために、私はかえって混乱が起きているのではないか、このように思うんです。そういった意味で、ここまできたらもう教育大学は教育大学の移動の問題あるいは廃校するか移転するかの問題、また新構想大学は、構想は新しいひとつのワクを考えて、もちろん弾力性があってけっこうだと思います。また、筑波大学が全面的に悪いとは私も思いません。しかし、これを一緒にしておるから非常に大きな混乱が起っておる、このようにきのう、おとといからの公聴会、参考人の公述を通してみても感ずるわけですよ。この際この二つを別にして考えたらどうか、こう思うんですけれども、弾力性もけっこうです。筑波大学の構想も私は全面的に反対もしません、いい面は確かにあります、しかし一緒にしておるから。もう一つは、法案の上で国立大学の医学部と一緒にして提案されておる、ここにも私は非常に大きな疑問を感ずるわけですが、行政上の何か方策があるように思いますけれども、これももうひとつここまで審議をいろいろやってきた過程におきまして、やはりここに混乱が起こっておるのは、教育大の廃校と新構想大学の構想と一緒にしたところに混乱があるのではないか。ここでどうしても強行しようという考えがあるならば別にして考えたらどうかということなんですけれども。
#95
○国務大臣(奥野誠亮君) 今日、多くの大学の内ゲバをはじめといたしましていろいろな問題が続いておるわけでございます。国民の多くは大学何とかならぬものかな、その改革に大きな期待が寄せられ続けておると思います。その際に、東京教育大学が新しい構想を打ち出してくれたわけでございまして、これを実現させるわけでございますけれども、これを契機にむしろ多くの大学が積極的に改革的な構想を打ち出してもらえないだろうか、多くの国民の期待にこたえてもらえないだろうか、それにはやはり弾力化をいたしまして、やろうと思えばやれる体制にしてあげなければならない、こう考えておるわけでございまして、一連のものとしてお受け取りいただきたいと思うのでございます。国立大学に関します限りは、押しつけようにもそういうことはできない、法律改正を要するわけでございますし、そういう場合にはやはり大学自治のたてまえ上、大学の好まないことを立法するということは従来から申し上げておりますようにあり得ないことでございますので、その点につきましても、ぜひ御了解をいただきたいものだと思います。
#96
○内田善利君 いまさらあらためて言うまでもなく本委員会でも議論されたわけですけれども、私は、東京教育大学は東京高等師範学校以来の輝かしい伝統を持っていると思います。日本の教育界に有為な人材を多数出しておるりっぱな大学だと思うんですが、その卒業生の二千人以上が署名等をしてその存続を主張しておられるわけです。この移動審議の過程の中で、文、理、教、農の新大学反対教官によって現在の大塚のキャンバスで新しい大学改革の理念を持ち込んで何回も何回もプランがつくられておるわけですけれども、これもきのう、おとといですか、問題になったわけですが、このプランが文部省に提出されておるわけですが、その内容についてどういう内容なのか、局長の先日の委員会での答弁がありましたけれども、その内容については答弁になっておりませんので、その内容についてお聞きしたいと思います。
#97
○政府委員(木田宏君) ちょっと恐縮でございますが、その内容というのは……。
#98
○内田善利君 文部省当局にその先生方のプランが出された、何回も出しておる、しかしどうなっておるのかわからない、有志の先生方によるプランです。
#99
○説明員(大崎仁君) 昨日、参考人の先生からお話がございましたことを手がかりにいたしまして調査をいたしましたところ、先生のお話のとおり、昭和四十四年十一月二十五日付で東京教育大学教授の入江先生以下の各先生方の連名で文部大臣あてに文書が参っております。その文書に盛られております「東京教育大学の新生のための提案」という内容につきまして、文書に即して概略を申し上げますと、「本学を人文、社会、教育、自然の各研究系より成る適正規模の、基礎科学中心の大学として改編する。この編成と規模を基に、さらに将来の可能な時期において東京地区におけるこの類の国立諸大学(例えば一ツ橋大学、東京工業大学、東京医科歯科大学、東京農工大学、東京外国語大学、東京芸術大学、お茶の水女子大学)と、特に大学院レベルにおいて互いに連携して相互補完をはかるることを期する。」というようなお考えを土台にいたしまして、研究系部門専攻というような新しい構成をとられまして、また各種のセンター等もおつくりになり、教育研究の発展を期したいと、それ以外に教官の任期制その他についても検討いたしたいというような内容の御提案でございます。
#100
○内田善利君 その御提案を文部省としてはどのように検討され、取り上げられたのか、お聞きしたいと思うんですが。
#101
○政府委員(木田宏君) 文部省がいままで準備をしてまいりましたのは東京教育大学として正規に構想をお固めになりましたものを受けて、筑波新大学の創設準備に関する研究を進めてまいった次第でございます。これは学内の有志の方々の御提案であり、それなりに御意見として伺うべきものはあろうかと思いますが、これを正規に取り上げて、私どもが検討したということではございません。しかし、ここにあげられておりますいろんな考え方のかなりの領域は、今回の筑波大学の考え方の中にもやはり取り入れられておるというふうに考えてしかるべきものがあるように思うのでございます。
#102
○内田善利君 この法案には、特に最近は多方面から反対があっているわけですが、約七千名に達する大学教授の反対声明もあっているわけですけれども、大臣はそれは一部の先生方にすぎないとおっしゃるかもしれませんが、日本学術会議もこれは反対しているんですね。この日本学術会議あるいは国大協の意見も聞かなかったということですが、たとえば日本学術会議にしても、これが反対しているということは、やはりこの法案の内容に反対の理由があるから反対しているんだと思うんですけれども、この学術会議の反対についてどのようにお考えでしょうか。
#103
○国務大臣(奥野誠亮君) 大学の自治を認めている以上は、筑波大学が新しい構想をとる、それには特段の異論はないけれども、同じような方式を押しつけられたんでは困るというような気持ちに基づく反対、これが私は一番多かったように伺っているわけでございます。反対の意見につきましても、それなりに私といたしましてもよく読ましていただき、また考えさしていただいたつもりでございます。やはりいま申し上げましたように、同じような方式を次々に他の大学に持ち込まれるのじゃないだろうか、こういう懸念を抱いておられる。そこはしかし先ほど来申し上げますように、個々に立法しなければ同じような方式を適用することはできないわけでございますので、その辺は御理解いただきたいものだと、こう私としては考えているわけでございます。
#104
○内田善利君 その方式を各大学に波及させるとかしないとかという問題よりも、私は、この学術会議がどうして反対なのか、ほんとうに波及するから、不安なために反対なのか、私はこの学術会議は選挙によって各分野の先生方が選出されてこられておると思うんです。その選出された各全国の分野別に選出された先生方の集合みたいなものであってみれば、やはり各部の先生方の代表者ということであれば、その大半の先生方が反対している事実、この事実ですね。これをどう見ておられるのか。波及するからということだけの反対では私はないと思うんです。ここまで審議をしてまいりまして、筑波大学法そのものが波及をするということもあるかもしれませんけれども、やはり本質的なものがあると思うんですが、この点いかがでしょうか。
#105
○国務大臣(奥野誠亮君) いま、ここに日本学術会議の声明を持っておるわけでございますけれども、やはり私が申し上げましたような懸念のようでございます。そして特別立法で処理するのが適当であると、こうも言うておられるわけでございます。それも一つの方法でございますけれども、先ほども申し上げましたように、多くの国民が大学の改革を期待しておるわけでございますので、大学が改革に踏み切ろうと思えば踏み切れるような弾力化の措置が必要ではないだろうか、かように考えておるわけでございます。
 そうは考えておりますけれども、全体的に特別な方式を押しつける意図はさらさらない。同時にまた、いままでの方式と筑波方式の二つに限る必要はないのであって、もっといろいろな方式、教育・研究の実をあげるような方式を各大学でくふうしていただいてしかるべきではないだろうかと、こういう気持ちまで持っておるものでございます。
#106
○内田善利君 朝日新聞の七月十七日の声の欄に、名前はもうはっきり書いてありますから言いますが、関根先生、それから西山先生、三潴先生、三教授の連名で「筑波法案は強行すべきではない」という趣旨の投書があっておるわけですが、この三教授は、筑波反対の学部の文学部の中で筑波賛成の立場をとっておられた方々なんですね、とっておられる先生方です。そういった賛成の先生でも、このような大学内部が四分五裂の状態にあっては早急に移転をしてもよい大学にはならないと、そういうことからこのような投書をなさっておるわけですけれども、東京教育大をこういった状況に追い込んだものは一体何なのだろうかと、そして、こういう状況ではたして新筑波大学ができて、いい大学になるのだろうかと、この先生のおっしゃるとおりに私は感ずるんですが、この点はいかがお感じになりますか。
#107
○国務大臣(奥野誠亮君) 昭和四十二年以来の東京教育大学の深刻な対立はまことに不幸な姿だと、こう考えるわけでございまして、他に例を求め得ないぐらいに深刻な姿をつくり出してしまったものだと、たいへん残念な感じを持っております。同時にまた、新しい試みをする場合には、賛否両論があることは私は当然なことだと思うのであります。しかし、東京教育大学が全体としてそういう道を選ばれたわけでございますので、大学自治を尊重する以上は、私はその道が実現できるようにしてあげるべきではないか、こう考えておるわけでございます。
 いろいろな細部にわたっての疑念をお持ちの方もたくさんいらっしゃるわけでございますけれども、あとは筑波大学発足後、学内規則なり慣例の積み重ねによっていろいろと筑波大学の姿が変わっていく、皆さんが理想とされるような姿に、皆さんの力で持っていかれることじゃないだろうかと、こう考えているわけでございます。筑波大学の学長さんと文部省との関係、他の国立大学の学長さんと文部省の関係、何ら変わりはないわけでございまして、他の大学と同じように、筑波大学の大学自治も文部省としては最大限度に尊重していきたい、筑波大学の中身をどうされるかということは、筑波大学にいらっしゃる方々によってつくり上げられていくことじゃなかろうかと、こう考えておるわけでございます。
#108
○内田善利君 その次は、学部を廃止することによって大学の自治は破壊されないかという質問に対して、五月九日の衆議院ですが、大臣はいまの大学は学部割拠の大学自治だと思う、そして一つの学部に起こっている問題に、他の学部は何ら関与できませんという云々という答弁をなさっておるわけですが、この答弁を聞きますと、全学の一体性といいますか、全学自治を目ざしておられると、こういうふうに考えますが、このように受け取ってよろしいですか。
#109
○国務大臣(奥野誠亮君) 学部を中心にする大学自治、何もかも悪いという気持ちは一つも持っておりません。それはそれなりに意義があるんだと思います。だからこそ、今日まで学部中心の大学自治がずうっと貫かれてきていると思うんであります。しかしまた、弊害もたくさん持っておりますよと、こういう意味で申し上げたわけでございまして、東京教育大学がまさにその弊害をあらわしたんじゃないかと申し上げたいのであります。昭和四十二年に評議会で移転を決定をした。ところが、文学部の教授会としては、大学は移転しても文学部は大塚の地区に残りたいと考えておったのに、それをきめられたんじゃ困るということで、文学部から出ておられた評議員が首を切られちゃったわけであります。そして別の評議員を選びながらも、こと移転という問題の評議員委員会の開催に際しましては、文学部の教授からなる評議員、出席させていないわけであります。まさに学部割拠の大学自治の弊害をここで示したと、こう申し上げることができるんじゃないかと思うんであります。やはり大学自治を進めていく場合に、学部に基礎を置くのも私はあながち全部が全部悪いという気持ちは持っておりません。しかし、全学的にものをきめていかなきゃならない場合には、いまのような仕組みにやはり問題のあることは事実でございますので、その問題を打開しようとして考えられる、それもまた、尊重していかなければならないことじゃなかろうかと、こう考えておるわけでございます。問題は大学自治であって、その他の自治ではない、こう考えるわけでございます。その大学自治の運営を、学部に基礎を置くか、いや、そうじゃなしに全学的なものの考え方に基礎を置くか、いろんな仕組みがあるだろうと思います。全体的なものの考え方に仕組みを置きます場合にも、学内規則やあるいは慣例の積み重ねによりまして、一人一人の教官の考え方が十分に浸透していくような方式も私は編み出せるものだと、こう存じておるものでございます。
#110
○内田善利君 そうすると、全学的な大学自治が中心であって、学部制を持ってもかまわないと、こういうことは考えられるわけですね、学部自治も考えられる。しかし、大学自治が基本だと、こういう考え方でしょうか。
#111
○国務大臣(奥野誠亮君) そのとおりに考えております。
#112
○内田善利君 そうしますと、全学自治といいますか、大学自治は全学自治を中心とするか、学部自治を中心とするかで、大学の管理運営、管理体制というのは異なってくると、このように思うんですが、大臣は現行は学部自治の割拠による大学自治であると、このように答弁になっているわけですけれども、これを全学自治に持っていくのが望ましいと、このように受け取ったわけですが、そうなりますと、当然、管理体制も変わってくると、こういうことですね。
#113
○国務大臣(奥野誠亮君) 私は、大学が全体としてはつらつとした教育・研究を行なう場になっていかなきゃならない、こう考えるわけでございます。大学が全体としてはつらつとした教育・研究が行なわれる、そういう場になっていかなきゃならない。その場合に、学部に基礎を置いて、そういう運営を考える道もございましょうし、また筑波方式のようでなければそれができないと考える考え方もあろうと思う。また、今後もいろんな仕組みが考え出されていくだろうと、こう思っておるわけでございます。
#114
○内田善利君 参与会についてお尋ねしますが、参与会は、これは学長の諮問機関にすぎないわけですけれども、これをどういうわけで法定化したのか。これも一昨日の公聴会に出ておって問題になったと思いますが、諮問機関にすぎないものを法律的に必要なのかどうかですね、この点。
#115
○政府委員(木田宏君) 各研究教育の領域につきまして、それぞれの研究者がいろいろ他の研究機関、大学等の関係者と意見を交換する、またそのつど必要な関係者の意見を徴する、これはそれぞれに行なわれていくだろうと思うのでございます。しかし、昨日も参考人の御意見がございましたように、大学全体として、大学側が積極的に地域の関係者、まあきのうは納税者というようなことばも出ておりましたけれども、そういう方々の意見に耳をかしていくという体制をとるということは、ある意味で今回の筑波大学が新しい試みとして打ち出したものでございます。これは現在の法律制度上は、必ずしも法律で書かなければならぬというものではないかとも考えます。国立学校設置法の規定によりまして文部省令にゆだねられて、文部省令でそういう組織をつくるということもできないことではなかろうかと思うのでございます。ただ、私どもといたしますと、これが筑波大学におきます新しいその地域関係者に耳をかしていくという姿勢、これは大学の基本的な性格の一部をなすものとして、やはり法律案にも掲げて御説明もしておく必要があろうというふうに考えたということが一つございまするし、もう一つは、その参与会の人事についてでございまするけれども、国家公務員法によります非常勤職員ということになりますから、やはり文部大臣が任命権を持つという公務員法のたてまえになるわけでございまして、その参与の発令につきまして、大学の学長の申し出という筋道の上で事を行なっていく、こうした参与の発令の手順につきましては、国家公務員法に対する特例規定も明示しておきたい、そうして大学側の主体的な役割りがそこにあるということをあわせて御説明申し上げるようにしたい、そういう考え方から、他の重要な機関であります評議会、人事委員会とあわせて法定の機関として御提案を申し上げた次第でございます。
#116
○内田善利君 私は、この参与会は諮問機関なのになぜこうして法定化したのか。いま局長の答弁を聞いておったわけですけども、助言だけじゃなくて、勧告権までこの参与会に与えたと、非常に強い私は諮問機関になったと思うんですね。そういうことから、こういう法律に乗っけなければならない、法定化しなきゃならない、そういうことになったのではないかなと、そう思ったわけです。したがって、これは単なる諮問機関ならば、私は学長で任命してもいいんじゃないかと思うんですが、それを文部大臣の任命にしたというところも、そういった強い勧告権を持たしていくということから文部大臣の任命にし、国家公務員特例法の特例規定に明示したということになったんじゃないかと、このように、まあ悪くとればとれるわけですが、悪くじゃなくて、あたりまえのような感じもするんですけども、勧告権ということですね、与えた理由ですね、これを持ってきた理由。
#117
○政府委員(木田宏君) これは、もともと東京教育大学の筑波大学のビジョンにおきますお考えは理事会組織をとるという非常に強い管理機関をお考えになっておったものでございます。それほどまあ東京教育大学としては関係者の意向を強く大学の管理運営に受けとめていこう、また、取り入れていこうという御発想でございました。私ども文部省に調査会を設けまして、その教育大学の考えをもとに関係者の御意見をまとめてまいりました結果、そうした強い形の管理機関ということ、これは諸外国では普通でございまするけれども、そういうものとして考えるよりは、むしろやはり学長の諮問機関としてこの際位置づけておいたほうがいい。そして大学は積極的に部外の関係者の意見も聞くし、その忠言に耳を傾けるという姿勢を明確にしよう。そういう意味でこの参与会が学長に対して、学長の諮問に応じて助言もいたしますし、また、気のついたことについて勧告もすると、こういう性格を明示させていただいたわけでございます。これはやはり大学関係者が謙虚な姿勢で世人の意見を大学運営に取り入れていこうというお考え、これをこの勧告、助言といった文言からおくみ取りいただきたい、このように考える次第でございます。
 なお、先ほど任命のことについての御指摘がございましたが、非常勤の職員でございましても参与は国家公務員になりますので、国家公務員法の規定上はほっておきますと文部大臣が直接任命権を持つようなことになってくるわけでございます。したがいまして、大学にこういう重要な組織として置きます場合には、やはり学長の位置づけ等を明示しておくことが適切であるという判断から御提案申し上げているということも御了解を願いたいと思います。
#118
○内田善利君 まあ、外部の方に耳を傾けることば私はいいと思います。しかし、勧告権まで認めるということになると、非常に強い私は影響力が出てくるじゃないかと、そう思うのです。学長が外部の方々のいろいろな忠言等に耳を傾けることはけっこうだと思いますが、これも各界の代表ということでですね。ところがこういった勧告権まで与えるとなると、私は、先ほどから申しました、参与会が大学自治への介入になるおそれがあるんじゃないか、こう思うのですけれども、勧告権というのはどういうことかですね。それと、大学自治に介入することにはならないかどうか、この点をお聞きしたいと思います。
#119
○政府委員(木田宏君) 勧告権という点は、私ども権というようなことばでは考えておりませんので、参与会は学長の諮問に応じて審議し、学長に対して助言または勧告を行なうという趣旨でございます。大学関係者が世人のいろいろな助言、忠告ということも同じかと思いますけれども、そういうすすめに対しまして謙虚に耳を傾けていくという姿勢は大学自治そのものの運営のことではなかろうかと考えまして、自治の侵害などということには当たらないというふうに思っておる次第でございます。
#120
○内田善利君 筑波大学には重要な諮問機関が二つできるわけですが、一つは学内組織、学内者の組織である評議会、それと学外者で組織する参与会ですね、この二つの諮問機関、これの審議事項はどうなのか。
#121
○政府委員(木田宏君) 評議会につきましては、法文で御提案申し上げておりますように、「大学の運営に関する重要事項について審議し」と、こう書いてございます。それから「並びにこの法律及び教育公務員特例法の規定によりその権限に属させられた事項を行なう。」、これは主として人事に関する決定権限についてこう規定したものでございます。でございますから、評議会には学内の関係者をもって構成し、大学の運営全般についての重要事項についてかなり重要な全学的な審議機関である。また、そこで決定されたことが従来慣行といたしましては大学の最終的な意思として尊重されていく、こういう慣行のものであり、また、その評議会の決定自体が法律上も決定としての意味を持っておる。特に教官の人事につきまして、基準の作成、選考等についての重要な事項をやるという大事な機関である。
 一方、参与会は、表現といたしましては、「大学の運営に関する重要事項について、」と、こう書いてございますから、その限りにつきましては評議会と同じ文面になっておる次第でございます。しかし、おのずからこの学外者からいろいろと意見を聞くという、外の人から見た大学の問題と、それから評議会は学内の構成員が大学自体の処理を進めていきます場合の重要事項ということになるわけでございますから、おのずから取り上げてまいります項目、その扱い、違いが出てこようかと考える次第でございます。
#122
○内田善利君 大学全般の重要事項が重なってどちらも審議した場合、その審議内容が異なるような意見が、異なるような場合が出てきたと、こういうような場合はどうなりましょう。
#123
○政府委員(木田宏君) これは、いままでの大学の運営ということを考えてまいりますならば、学長は評議会の意向というものをより基本として大学の意思を決定し取り進めていくことになる、このように考える次第でございます。
#124
○内田善利君 参与の人選については、しばしば議題に出たわけですが、学長の申し出に基づくを、「学長の申出を受けて」というふうにしたわけですけれども、任命権者としての大臣の裁量にはどのような幅があるのか、その基準はどういう基準で裁量されるのか、お聞きしたい。
#125
○国務大臣(奥野誠亮君) 学長の人事などにつきましては、申し出に基づきまして文部大臣が任命をいたします。「申出に基づいて」ということで、申し出があったとおりに任命をしてまいっているわけでございます。そういうことを通じまして大学の自治を尊重している姿勢を貫いているわけでございます。「申出に基づいて」という表現を使うことによって重みを持たせていると、こう申し上げていいと思うのでございます。
 参与になってまいりますと、同じような表現を使うことによって、むしろ学長人事などの重みを失わせたくない、こういう考え方もございまして、非常勤の国家公務員でございますので、「申出を受けて」という表現を使わせていただいわけであります。しかし、考え方は全く同じことでございまして、大学から申し出される、それをそのとおり発令したらいいことだと、かように考えているわけでございまして、そういう運用をしていくべきものだと、こう存じております。
#126
○内田善利君 裁量の幅、基準は。
#127
○国務大臣(奥野誠亮君) いま申し上げましたように、そのとおりに任命をしていきたい、こう思っております。
#128
○内田善利君 参与は非常勤職員なわけですが、諮問機関であるならば、先ほども申しましたが、私は学長発令が大学自治のいままでの慣行であったと思うのですが、法律上は大臣発令でもいいわけで、どちらにするかは立法政策の問題だと思いますが、それならば大学自治の観点から見て、大学の自主性にまかせて学長発令にして、文部大臣が介入しないほうがいいと、このように思うのですけれども、学長発令でできるものをあえて大臣発令にしておるわけですけれども、この辺が学長発令にすれば大学の自治が守られる、大臣の発令ということになれば行政府による大学自治の介入をたくらんでおるのではないかとこのように懸念されるわけですね。その懸念からいけば、私は、学長発令にしたほうが自然であり、そのほうが大学自治を尊重するということでいいんじゃないかと。「学長の申し出を受けて」ということよりも学長の諮問機関なんですから、大臣の諮問機関じゃないわけですから、学長の発令でやったほうが、いろんな疑念を生じない意味でも、また、大学自治を守る意味でも、そのほうが当然いいんじゃないかと、このように考えるんですけれども、この点はいかがでしょう。
#129
○国務大臣(奥野誠亮君) 先ほど大学局長が申し上げましたように、東京教育大学自身は当初理事機関構想を持っておった。外部の人に理事に入ってもらって、その決定によって学校が運営されていくという仕組みまで考えていた。言いかえれば、大学が象牙の塔にこもることなく、いわゆる開かれた大学として社会の声に耳を傾けて大学の姿勢を正していく、そういう新構想の大学を意気込んでおられたと、これは十分御理解いただけると思うのでございます。その構想がだんだん変わってまいりまして、参与会になった。言いかえれば、外部の声に積極的に耳を傾けていきたい、自分で自分のからだをそういうふうに縛っていきたいという私はものの考え方のあらわれだと思うのであります。そこまで強く外部の声に耳を傾けていきたいという姿勢をとろうとしているのに、学校自身が参与を任命してということでは私は非常に弱いものになってしまうと思うのであります。理事機関にまでしようと考えておったのが参与会になってきたわけでありますけれども、みずから外部の声に積極的に耳を傾けていこう、そういう性格を持った、特色を持った大学をつくっていこう、こう考えておられるわけでございますので、やはり私は、参与会もある程度強い性格を持ったものにすることによってその性格を強く出すことができるのじゃないだろうか、こう考えるわけでございまして、そういうところが本来非常勤ではありますが、国家公務員でありますから文部大臣任命、それを正確に打ち出しておこうと。同時に学長の申し出を受けることによって学校が基本的には考えていく、そういう姿勢をとり続けていくという姿も打ち出そうということになっているんじゃないかと、こう考えます。それほど基本的なものではないと思いますけれども、私は、やはりそれだけの決意を東京教育大学当局が持っておられたということはくみ上げていただきたいものだなと、こう希望申し上げたいものでございます。
#130
○内田善利君 各界の代表の、社会に開かれた大学ということですが、その参与会のために開かれた大学ということもいわれておりますので、私は参与会に各界の代表、それこそ網羅したらどうだろうかと思うのですが、その中に学生の代表を入れる考え方がおありかどうか、お聞きしたいと思います。
#131
○国務大臣(奥野誠亮君) 参与会でございますので、各方面の意見を入れることは適当なことだと思います。また、学生というよりも学校の先輩の代表者を入れたいという構想を持っておられるようでございます。学生の意見はいろんな形でくみ上げることも考えておられるようでございますが、参与会へ入れることが適当かどうか、それはひとつ筑波大学当局の判断に私は待ちたいような気がいたします。少なくとも、学校の先輩は入れるべきだと、こう判断をいたしております。
#132
○内田善利君 筑波大学では副学長のもとに財務委員会というのがあるわけですが、これは全学の予算配分を行なうわけですけれども、従来学部教授会が持っていた予算配分をきめる権限、それから予算執行権、そういうこともなくなるわけですが、これも副学長によって、その予算によって、人間あるいは学問のコントロール、そういうことがなされるおそれがあるんじゃないかと、このように思いますが、この点はいかがでしょうか。
#133
○政府委員(木田宏君) これは国立大学の話でございまするけれども、文部省からは大学に対して大学として一括まとまった予算をお渡ししておるわけでございます。それを大学は評議会で、評議会の中に財務関係の委員会を持ちまして、各部局にどういうふうに配分するかという御論議をしてこられました。今回、副学長を中心にした財務委員会ができましても、その実態は同じことだと考えておる次第でございます。
#134
○内田善利君 次に、人事委員会ですけれども、筑波大学に人事委員会を置いた理由についてはいままで何回もお聞きしたわけですが、この教育公務員特例法の二十五条の改正の中で、筑波大学という固有名詞を使わずに、「国立学校設置法第二章の二の規定によりその組織が定められた大学」という一般的表現になっておるわけですが、これは人事委員会方式を他の大学へも波及させるつもりの一つの例証になるのではないかと、このように思いますが、一般的規定でこういったものをつくって、筑波大学として限定して書かなかった。この辺がその人事委員会をあるいは筑波大学方式を他大学に波及させるのではないかという疑問の一つになっておるわけですが、この点はどうなんですか。
#135
○政府委員(木田宏君) これは純粋に立法技術に属することであろうかと思うのでございますが、教育公務員特例法というのは、国公立の大学を通じまして一般的に書いてありますその限りでは一般的な法律でございます。したがって、教育公務員特例法に関します限りは、個別の大学名が国立大学、公立大学で出てくるというのはいかがであろうかということから、いま御指摘になりましたように、「国立学校設置法二章の二の規定によりその組織が定められた大学」と、こういう言い方を法文の上でさしていただきました。しかし、これはまさに国立学校設置法二章の二という特定した大学になるわけでございます。国立学校設置法は一つ一つの大学を特定して規定をいたしておるわけでございまするから、教育公務員特例法の文面としてはいま御指摘のような書き方になっておりますけれども、この国立学校設置法二章の二の大学というのが筑波大学である、これは法律でそういうふうに明定されておるという意味で特定しておることに変わりがないと考えるものでございます。
#136
○内田善利君 この人事委員会の権限と評議会の権限とはどのように違いますか。どういう関係にありますか。
#137
○政府委員(木田宏君) 人事委員会は法文にも規定してございますように、「教員人事の方針に関する事項について審議し、及び教育公務員特例法の規定によりその権限に属させられた事項を行なう。」と、こう書いてございます。一つは、教育人事の方針に関する事項について審議するということでございます。もう一つは、教育公務員特例法の規定によりまして、教員の選考につきまして人事委員会がその事項を行なうということになっておるわけでございます。
 評議会は、先ほども御説明申し上げましたように、この「大学の運営に関する重要事項について」、この中には教員のみならず教職員全般の人事問題ということももちろんあろうかと思いますが、しかし、人事につきましては、「この法律及び教育公務員特例法の規定によりその権限に属させられた事項」と、こう書いてございますが、教育公務員特例法によりまして評議会の持っております人事の権能は、従来の教授会が持っております人事の権能とは違っておるわけでございます。一般的に申しますならば、選考基準を評議会が定める。その評議会が定めた選考基準によって教授会が具体的な教官の選考を行なうと、こういう役割り分担になっておりますので、人事委員会と評議会との人事に関する役割り分担という点では、同じように評議会が主として基準に関する事項をきめ、その基準に基づいて人事委員会が具体の選考をきめると、こういうことになろうかと思います。
 なお、特例法の規定によるということでございますので、この採用承認の選考基準のみならず不利益な措置を行ないます場合の審査等の事項も協議会に規定してございまするから、法律の規定によってその区分は明確に分けられておるというふうに御承知を願いたいと考えます。
#138
○内田善利君 この人事委員会も財務委員会も評議会の下部機関になりますか。
#139
○政府委員(木田宏君) 下部ということばは必ずしも当たらないのではないかというふうに思うのでございますが、それぞれがそれぞれの役割りを分担しておる。ただ、評議会は従来置かれております一般の評議会もそうでございますけれども、大学の運営全般に関する重要事項ということにつきましてきわめて全般的なものであるという点から考えますならば、人事委員会、財務委員会はそれぞれの審議事項がより細分化されておるという意味でその役割り、立場が違ってくる、こういうふうに御理解を願ったらと思います。
#140
○内田善利君 そういった人事委員会、財務委員会が評議会のもとで一種の専門機関みたいなものであるとすれば、何もこういった法律に、人事委員会を持たなくても、現行法のワク内で評議会の下にあって全学的調整の各委員会ということで、これはどこの大学でもやっておることだと思うんですが、評議会の下にあるそういった専門機関、専門委員会ということになれば、こういった法定化する必要はないんじゃないかと、このように思うんですけれども、この点はいかがですか。
#141
○政府委員(木田宏君) この点も、一つは、立法技術上のことに属するのでございまして、実は教育公務員特例法で教授会というのが教官の採用承認について大事な仕事をしておる。これは法律上明示されておる手続規定になっておるわけでございます。
 筑波大学にも教授会はそれぞれ置かれるんでございますが、人事の場合にどこの教授会にどういうふうにはかるかということは、これまでの大学と違いまして、筑波大学が学部制をとっておりませんために、学部教授会という形の教授会がない。どうしても特例法の中に、それと違った教授会の役割りをする人事委員会というものを特例法には書いておきませんと、特例法の規定自体が動かなくなるということを考えた次第でございます。したがいまして、教育公務員特例法でいいます学部教授会にかわる教授会といたしまして人事委員会というものを全学的な立場で構成をする。それが人事委員会の大事な役割りになるわけでございまして、これを特例法の規定との関連で法律上明示して人事委員会がどういうものであるかということをはっきりさしておきたいという趣意でございます。それと学群、学系という組織をとりますために、そして教官が学群にも配属されますが、学系に所属を置いて学群に配属をされたり、大学院に配属をされたりするというようなことになります関係上、その人事をやる重要な、教授会にかわるべき機関というものを全学的にどういうふうに位置づけるかというのは、筑波大学の新たな構想として重要な機能であると、こう考えまして、先ほどの参与会と並べて法律に明示して御審議をいただくことが適当であろう、こう考えた次第でございます。
#142
○内田善利君 教官の人事にわたるような人事委員会なんですが、人事委員会といったら総会と専門委員会に分かれるわけですね。副学長、研究、教育の各審議会から互選によって選ばれた委員などが人事委員会には入るようですが、こういったいままでの教授会をなくして、いままでの教授会のそういった人事権はもうなくなるわけですが、それをなくして、この専門家でない非専門家の人事委員会で教授の人事、教員の人事などをつかさどっていくということになりますと、これはむしろ教授会のほうが専門家集団でお互いの人事をやっていくと、そのほうがいいんじゃないかと思うんです。こういう人事委員会をここでつくらなきゃならない、それはまあ教授会がなくなったので、教育公務員特例法の存在価値がなくなったので、教授会にかわるものとして人事委員会をつくったということですが、むしろこれはメンバーからいけば、非専門家集団の人たちが教授会の、教員の教官人事をつかさどると、こういうことになるわけですね。
#143
○政府委員(木田宏君) 筑波大学に教授会がなくなるわけではございません。教授会は筑波大学にもそれぞれの組織機構に置かれることになるわけでございますが、教官の所属が重複して、学系に基本的な所属がありながら、学群あるいはセンターあるいは大学院その他いろんな組織に重複してこう教官が置かれるということになりますので、基本的な教官の採用承認を最終的に確定していくための教授会に相当する機関をどこにするかということは、筑波の場合に従来と違った形で設けておかなければ混乱するわけでございます。
 特例法の規定の運用も学部という形がないわけでございますから、学部の教授会にかわる全学的な教授会を明確にしたということでございまして、その構成員は評議会が定めるところにより選出される。教官と副学長で組織するということになっておりまして、これはアカデミックな人たちがほとんどを占めることになるわけであろうと考えます。その構成自体大学がやることでございます。
 でございますから、現在も教官の選考につきましては、最終的には学部教授会で特定をして学長に上申をするという形になっておりますが、その段階の前に、物理なら物理の専門の方々が選考委員会をつくって教官人事を取り進められる。それを学部という広い場で、数十人、場合によると百人をこえる教官の場で最終的な確認ということが行なわれてくるわけでございます。でございますから、まあ、人事委員会でやりますと、アカデミックな、関係者でない人が人事をやるということには毛頭ならない。大学内の組織であって、全学的に教官の人事を取り進めていくという意味ではこれもかなり考えられたいい方法であるというふうに考えておる次第でございます。
#144
○内田善利君 そうしますと、まあ教授会と、私はただ単に言いましたので、私は学部教授会のことを言ったわけですが、確かに教授会は学系教員会議、専門家群の教員会議あるいは教育審議会、研究審議会、厚生補導審議会、学類教員会議、学群教員会議等であります。ありますが、いままで、教官の選考についての人事を学部教授会がやっていたわけですから、その学部教授会にかわるものとして人事委員会ができたということなんですが、この人事委員会というのはそれこそ全学の学群、学系一切を含めた、センター等を含めた人事委員会であって、そういった人事委員会で副学長それから評議会できめられた先生方で人事をやるわけですが、私は何といいますか、これでほんとうの、真の意味の教官の人事ができるのだろうかと、何も知らないでそういった選考あるいは人事異動等できるのかどうか、この辺ふしぎに思うんですけれどね。全学的な立場で人事委員会ができてやるのと各いままでのような学部教授会で選考するのと、どちらが真に人事面をスムーズにやっていくことができるかということに疑問を感ずるわけですが、この点いかがですか。
#145
○政府委員(木田宏君) 今日、学部の中の教官人事につきまして、最終的には、学部教授会の議を経るということになっておりますが、それ以前の段階の扱いは、それぞれの大学、学部によってその選考の手順はかなり違っております。そして、その教官人事につきまして、いわゆる学科講座制の壁が厚過ぎるという批判もあるわけでございます。講座の壁がありますために、教授が動かなければ万年助教授でいなければならぬというような人事体制になる。しかも、後任の教官の発令その他について特定の教官の発言力が強過ぎるといったような批判も行なわれておるわけでございます。いろいろとその改善のくふうは、今日の学部にありましても行なわれておりまして、一般の場合には、専門領域ごとの選考委員会というのがつくられる。その選考委員会によって、一番関係の深い専門家の人たちが相談した結果が、手順として学部教授会に上がっていくということになるわけでございます。人事の最終決定を、学部教授会にかわる仕事を人事委員会がいたします場合にも、同じような手順というものが起こってまいります。教官を充足しなければならない場合に、学群からも、学系からも、ある場合によりますならば、いろいろなセンターからも、大学院のサイドからも、今度こういう教官がほしいといったような新たな要請が起こってまいりまして、その教官の要請に即してどういう選考体制をとっていくか、そのことが、人事委員会の専門領域ごとに専門委員会が設けられるという関係者の案になっておるわけでございますが、当然選考ごとに全学的な選考委員会が設けられる。その議を経て最終的に人事委員会に上がっていくということになるわけでございまして、いままで学部あるいは学科の特定の領域だけで選考しておられたという経緯から見ますならば、この人事委員会でより全学的に選考されますことのほうが、専門領域の人がいろいろな学部にもまた加わっておるにもかかわらず、特定の学部だけで選ぶというよりは、より適切な選考が行なわれ得る、また、そう期待することを考えてよいかと思っておる次第でございます。
#146
○内田善利君 副学長その他の評議会できめられた先生方で、私は、はたして血の通った人事ができるだろうかと、このように思うのですよ。学系、学群から上がってきた線に基づいて検討するのだということですが、はたしてそれでいいのかどうかという問題なんですがね。全学的な一つの人事委員会できめてしまうということについてはやはり疑問があるのですが、これは学群あるいは学系、この辺の人事を重視すべきではないかと、私は、このように思うのですけれども、これはいかがですか。
#147
○政府委員(木田宏君) 御指摘のように、学群、学系という場におきます関係者の意見というのは、基本的には相当重視されるだろうというふうに思うのでございます。しかし、大学はまさに教官の人事構成をどういうふうに進めていくかというのが、研究・教育の場として一番大事な仕事でございますから、その大学が、副学長及び評議会の定めるところによって選出された教員で人事委員会を構成し、その人事委員会が必要な専門委員会を設けまして、どのように適切に自分たちの手で人事を処理していくことができるか、これはまさに大学の基本的な性格を問われ、また能力を問われるべき重要な仕事である。そのことは、全学的な立場で論議をされるほうがより適切ではなかろうかという考え方も十分成り立つというふうに思うのでございます。
#148
○内田善利君 一教官、あるいは一助手、あるいは一事務員というような個別の人事もやはりこの人事委員会で行なうわけですか。
#149
○政府委員(木田宏君) 教員につきましては、その教員の選考を人事委員会が行なう。教授会が行なっておりますことと同じ役割りを人事委員会が行なうということでございます。
#150
○内田善利君 教官の選考以外はどこでやるわけですか。
#151
○政府委員(木田宏君) 選考の基準は、先ほども申し上げましたように、評議会できめるというのが特例法の現在の規定になっておるわけでございます。そしてまた、全体的な定員の割り振りその他をどうするかといったような問題は、人事委員会の論議もございましょうが、主として評議会その他での論議がありまして、そして、その人事委員会は教員人事の方針に関する事項を論議し、教育公務員特例法の規定によりその権限に属せられた、具体的には選考という事務を行なう、こういうことになる次第でございます。
#152
○内田善利君 教官人事以外の助教授、あるいは助手、あるいはいろいろな事務員、そういった方々の人事はこれまた人事委員会でやるわけですか。
#153
○政府委員(木田宏君) 講師、助手までは教官でございまして、教官の人事につきましては人事委員会が関与いたします。しかし、それ以外の事務員、技術職員等の数多くの人事は人事委員会とは一応別になります。これは事務局の事務局長が現在も中心になって取り進めている次第でございまして、その点は、今日と変わらないというふうに考えております。
#154
○内田善利君 この法案が国会に提出された後に、東京教育大で学長不信任が四学部から出されたわけですが、その理由は何でしょうか。
#155
○説明員(大崎仁君) 御質問の件につきましては、直接には臨時の評議会の開催の要請に対して、臨時の評議会を開催をしなかったということがそのおもな理由であったというふうに承知をしております。
#156
○内田善利君 臨時の評議会を開催しなかったので不信任案を出したということですが、その後正規の評議会は開かれたわけですか。
#157
○説明員(大崎仁君) 定例の評議会が開かれております。
#158
○内田善利君 その後いつ、どこで開かれたわけですか、何回、構成メンバーは。
#159
○説明員(大崎仁君) 正確な日時はちょっと手元にメモがございませんが、臨時の評議会の要請がございましたのに対しまして、学長からは、臨時の評議会はいま諸般の事情で開けないが、定例の評議会が近く開かれるから、その評議会でその審議を願いたいという趣旨の回答を出しまして、そこで定例の評議会が開かれたわけでございます。その席で御指摘の不信任の意思表明という問題があったわけでございます。
 それで、不信任の意思表明がありまして後、評議会が開かれない事態がある期間続いたわけでございますが、本年度に入りましてから、たしか三回ほど開かれておるというふうに記憶をいたしております。
 ただいま資料が参りましたので補足を申し上げますと、二月二十三日にただいまの学長不信任表明がございました評議会が開催をされております。それから四月十三日に評議会が開催をされまして、そこで、停年制規程の一部改正、附属学校部長候補者の選考、学長部長候補者の選考ということが審議をされております。ただこのときには、議長はやむを得ない事由で欠席をされまして、農学部長が議長を代行しておられます。
 次いで六月三十日に評議会が開催をされておりまして、冒頭に学長から議長不信任表明があったことに関する発言がありましたあと、四十九年度教育大概算要求案――これは筑波を除いた分でございます――それから、四十八年度予算の学内配分、その他附属高校長候補者の選考、筑波大学関係学内委員会等の審議状況等の事項が議せられております。
 次いで七月十三日に開かれまして、これは学則の一部改正、これはいわゆるタイの互換生その他の学生交流の取り扱いについての改正でございます。それから筑波大学関係の概算要求が議題となっております。
 それから最も最近は、八月十七日でございまして、準備室の併任室員の選考が議題となりまして、この評議会の決定に基づきまして併任室員が現在定められておるわけでございます。
#160
○内田善利君 それに関連してお尋ねしますが、筑波大学に対してはたくさんの大学教授会から反対のアピールが手元に届いておりますが、この件に関して、六月二十二日の衆議院文教委員会で大臣はこのようにおっしゃっているわけですが、それは、「教授会は、それぞれの当該大学の重要な事項を審議する機関だと、こう考えるわけでございます。そうでありますから、そういう場合に多数決でどんどんおきめになる、何ら差しつかえはないと私は思うのでございます。しかし、それをこえまして、今度のような筑波大学に対するアピールをきめる。これは多数決できめて、そして教授会の名前でアピールしていいものかどうか。」「私は、自分の思想及び良心の自由を侵されているように考えるのだ、こういう話であります。私はそれはよくわかるのであります。そういう意味では、個々の大学の教授が自分の名前を連ねてアピールをする、こういう方法をとるべきではなかろうか」というような大臣の六月二十二日の答弁でございますが、これ間違いないですね。これは木田局長が六月六日、移転反対の教授についてはどうするのかという質問に対して、「個人的にはいろいろなお考えの方がございましょう。しかし、大学の正規の機関としてきめたことにはきめたこととして従っていただく必要がある。」と、大臣の答弁と木田局長の答弁をこうしてあげましたが、それぞれ真意があると思いますけれども、いま局長の答弁と大臣の答弁は、要するに筑波に賛成する方は、個人の意思は別として機関決定に従ってもらうと、筑波に反対の方は機関決定で個人の思想を縛るのはおかしいと、大臣の答弁と局長の答弁をこうして比較するのはどうかと思いますけれども、御両者それぞれ文部省の責任あるお方ですからこうして比較しますが、この二つからこういうことになると思うんですけれども、こういうふうに受け取ってようございましょうか。筑波に賛成するほうに決定のほうは個人の意思は別として機関決定に従ってもらうと、筑波に反対のほうは機関決定で個人の思想を縛るのはおかしいと、こういうことになるんですけれども。両方の答弁からですね。――おわかりでしょうか、質問の意味が。大臣のほうは六月二十二日です。木田局長は六月六日。両方の答弁からこういうふうに受けとめられるわけですが。これいかがでしょう。
#161
○国務大臣(奥野誠亮君) 別に食い違ったことを述べておることはないと思います。私が申し上げておりますのは、大学の学部の教授会、それなりに学部の教授会としての設置目的といいましょうか、それがあると思うんであります。その設置目的をはずれたことについて多数決でどんどんいろんな行動をとる、それは避けたほうがいいじゃないだろうかと、こういう趣旨で申し上げておるわけでございます。本来の大学教授会の任務に属すること、そういうことについて教授会が多数決方式をとります場合には、多数決できまったことについて皆さんが従っていくということは当然のことだと思います。大学教授会の本来の設置目的をはずれたことについて、他の大学のあり方についていろいろ批判をしていくという場合には、それはそれぞれの大学の教授会の任務を越えている問題でございましょうから、それはやはり個々の大学の教授としてやってくださいよと、単に多数決でどういう採決の状況かわからぬままに教授会の名前でいろんなアピールをされると、違った考え方を持っている教授もたくさんいらっしゃる、その方々としては、自分の思想、良心の自由が侵されているように感ずるんだと、現実にこういう式の私へのアピールが来ているのであります。自分の大学の教授会の名前でアピールをされている、しかし私はそのアピールには反対なんですと、そんなことを単に多数決でアピールしていっていいもんでしょうかと、私としては違った見解、考え方を持っているにかかわらず、教授会の名前で行動されるもんだから私も同じような考え方を持っているように世間から見られるんだと、それがもう残念なんだと、だからそういう場合には、やはり個々の教授の名前においてアピールしていくべきものじゃないでしょうかと、こういう意見が寄せられてきているわけでございまして、私もそのとおり考えるものでございますので、そういう前提に立って申し上げたつもりでございます。それぞれの学部の教授会の本来の設置目的に関する問題についてきめられたことにつきましては反対の方もやはりそれは従わなきゃならないと、こう考えます。その設置目的を越えたことについての行動の場合には、いたずらに教授会の名前を振り回すことは私もいかがなもんだろうかと、こういう疑問を持って申し上げているところでございます。
#162
○内田善利君 木田局長どうですか。
#163
○政府委員(木田宏君) 個々の教官として大学できまったことはきまったこととして尊重するということが必要だという意味の御答弁を私は教官選考基準についての御質問の中で答えさしていただいたことを記憶しておるのでございます。問題になっております東京教育大学の教官選考基準に関する申し合わせにつきまして、「採用または昇任のうえは、評議会の決定を遵守すること。」という一項がございまして、これが文学部教授会、文学部の関係者の間で論議になっておる、そのために、文学部の教官の人事が進んでないということがございました。大学として教官人事をいたします場合に、評議会の基準に従って教官を選考するというきまりになっておるわけでございまするから、そういう基準として評議会できめられたことにつきましてはそれを尊重してもらいたいし、また、その中に書いてある「評議会の決定を遵守する」というのは、これは個々の教官が賛成、反対であるかということとは別に、きまったことはきまったこととして守っていくと、それがなければ組織体にはならないではないかという意味で申し上げた次第でございます。そのことと、大臣がいまお答え申し上げましたように、どこまでの範囲を組織としてきめることが適切であるかというのは、これはかなり大きな重要な別問題だと思うのでございます。これはいろんなところで論議も起こっておりますが、大学集団のメンバーが個人として行動し得る場合の自由の範囲と、大学集団が全体として行動する場合の自由の範囲というのは決して同じではない、むしろ、教官が個人として行動できる範囲のほうが広くなければ学問の自由、研究の自由というものは行なわれないと。大臣が先ほど答弁になりましたように、大学の教授会、評議会できめ得る事項の範囲、これは、その事柄についてやはり慎重な配慮がなければならない。そういう意味で、その大臣のお考えと私の考え方と全く同じに思っております。教授会、評議会がきめ得る事項についてきめたことにつきましては、構成員がそれを順守するというのは全く当然のことだと思っております。
#164
○内田善利君 その次に、筑波大学の開設準備の状況についてお伺いしますが、先ほどは入試準備についてはお伺いしたのですけれども、学生の教育、勉学の条件、生活環境、それから受け入れの施設、設備、校舎、図書館、実験設備、厚生設備、宿舎、食堂その他、四月一日入学までに準備がどの程度整っておるのか、私は現地に行っておりませんので、この辺ちょっとお伺いしておきたいと思います。
#165
○国務大臣(奥野誠亮君) 管理局の所管でございますので、管理局のほうからお答えします。
#166
○説明員(新田悟君) 施設の整備状況について御説明いたします。
 すでに完成済みのものといたしまして、昭和四十六年、七年度に運動場及び一部の基幹整備工事が約四億三千万で完成されております。なお、同年次に合宿所、百人ほど収容の千四、五百平米ぐらいのものが一億三千万円。なお、四十七年度から建設中のものといたしまして、図書館、体育館、体育専門学群校舎、学生寄宿舎等、トータル金額で二十八億四千万程度のものを現在着工中でございます。
 なお、本年度中に着工予定のものといたしまして、病院施設、第一学群校舎等を予定しております。
#167
○内田善利君 学園都市全体の生活環境の整備状況として住宅関係、それから上下水道、それから医療関係、こういったものはどういうふうになっておりますか。
#168
○説明員(新田悟君) 研究学園都市全体の計画といたしましては、私どもの範囲外でございますので、建設省の所管あるいは首都圏関係になるわけでございます。
#169
○説明員(佐藤譲君) 研究学園都市につきまして、道路、公共施設、公益施設につきまして御説明申し上げます。
 道路につきましては、現在都市計画道路は、四十九年度中に一応概成するということで工事が進められております。
 交通機関につきましては、現在土浦市との連絡は既存のバス路線がございますが、現地区内の都市計画道路の関連におきまして、一部バス運行ルートにつきまして新設または変更等によりまして、当面は対処すると、こういう予定にいたしております。
 上下水道につきましては、まず、上水でございますが、昭和四十八年度から学園地区内におきまして、井水、地下水を利用するということで、一部給水を開始できる予定になっております。四十九年度中には、学園地区の水源の大半を補給いたします霞ケ浦の表流水を使う。こういう給水が可能になると、こういうことになっております。
 公共下水道は、流域下水道の整備が昭和五十年から供用開始ができる、こういう予定で現在斯業が推進されております。
 購買施設その他につきましては、現在購買施設、診療施設等については、当面昭和四十九年度中に、業務を開始できることを目途に、花室東部地区に建設を予定しておりまして、現在ございます宿舎の購買施設といたしまして、あの地区での共同体としてのスーパーマーケット、これが建設されております。なお、筑波大学につきましては、学校が開設されるまでの間に、保健室、食堂、売店、こういう福利施設は整備する予定といたしております。
#170
○内田善利君 防犯施設はどのようになっておりますか。
#171
○説明員(佐藤譲君) 防犯施設につきましては、現在花室団地の中に、警察官の派出所がすでにできております。
#172
○内田善利君 派出所が一つできておるということですが、これだけで十分ですか。
#173
○説明員(佐藤譲君) 一応、四十九年度から増強される予定と聞いております。
#174
○内田善利君 四十九年度にこの筑波大学は発足する。入学生も集まる、第一次、一学年の学生が集まるわけですが、四十九年度から増強ということですか。
#175
○説明員(佐藤譲君) はっきりした数字としては記憶しておりませんが、これから工事を進めていきますのに、防犯体制を相当強固にする必要がある。そういうことで何十名かの警察官を当所に派出する必要がある、こういうふうに聞いております。
#176
○内田善利君 木田局長どうなっているんですか、その辺は。
#177
○政府委員(木田宏君) 防犯体制でございますが、筑波研究学園都市があまり騒動の起こる都市でないことを期待しておりまして、また、学園でございますから、これが下町のような警備体制があるという必要もなかろうかと思うのでございます。ただ、先ほど佐藤監理官も申しましたように、いま、いろいろなところで工事が進んでおることでもございまするし、また、これから人口もだんだんとふえていくことでございますから、その人口に応じた応分の警備上の措置、防犯上の措置、こういうことは地域の課題として進められていくものというふうに期待をいたしております。
#178
○内田善利君 それともう一つは、六カ町村で筑波学園都市建設に伴って、先ほども報告がありましたが、小学校が十二校、中学校が六校、高校四校、幼稚園が十二園の新設を予定しているということですけれども、この敷地確保が非常に困難で見通しが立たない。学園都市周辺の地域開発のために地価が暴騰して、桜村では坪相当額にのぼっておると、このようなことで見通しがつかないということですが、この辺についてはどのように対策を講じられるわけですか。
#179
○説明員(佐藤譲君) 研究学園都市地域内の小・中学校につきましては、一応土地といたしましては住宅公団が買い上げておりまして、施設につきましても住宅公団の立てかえ施工、こういうことで、現在、中学校一校、小学校一校、これがスタートしている状態でございます。
#180
○内田善利君 この学校建築費は、住宅公団が肩がわりしてやってるということですが、総額で四十八億ですか、そして償却期間が三年と、こうなってるわけですね。そのために非常に地元負担が大きくて困っておると、大幅延期を要求しているわけですけれども文部省は聞き入れてくれないと、こういうことなんですが、この点についてはいかがですか。まあ償却期間三年なんですね。これではとうてい地元負担が大きくて困ってると、こういうことなんですがね。
#181
○説明員(佐藤譲君) 研究学園都市の中におきます地方公共団体、特に桜村、谷田部町につきましては、今後の見通しとしまして児童生徒が相当程度に急増するということになると思います。そういうことで、児童生徒の急増町村、これに該当すると思われますので、現実には国庫補助の適用は日本住宅公団が立てかえ施工で建設しておりますが、日本住宅公団から買収する際に、急増町村に該当すれば三分の二の補助が受けられる、こういうことになっております。しかしながら、筑波研究学園都市の建設が国家の政策である観点から高率の補助をすべきである、こういう議論がございますので、昭和四十九年度以降十分検討していきたいと、こう考えております。
#182
○内田善利君 この新大学移行の準備についてちょっとお聞きしておきますけれども、この教育大学の先生方は全部新大学に移行するということになると思いますが、教育大学のほうで教授会で決定された先生方は全部行かれることになると思いますが、筑波大学のほうでこれを拒否するとか、そういうことはありませんね。
#183
○政府委員(木田宏君) 筑波大学は教育大学の発展的な姿のものでございまするから、筑波大学に教育大学の現有勢力は当然そのまま移転していただけるものと、こういう前提で筑波大学の教育内容その他の配慮ができておるわけでございます。でございまするから、御本人に特段の事情がない限り大学側としては教育大学の現在の教職員を筑波大学に受け入れる、こういう前提で仕事が進められておりまするし、筑波大学発足後もそういう考え方で処理されるもの、こう考えております。
#184
○内田善利君 職員、用務員、定員外職員も一諸ですか。
#185
○政府委員(木田宏君) いま一般的に常勤職員のことについて定数上のたてまえを御説明を申し上げた次第でございまして、非常勤職員その他は、これは個々の具体の課題になりますと、生活上の問題いろいろなことが起ころうかと思いまするから、それぞれに御相談を進めていく、こういうことだろうと考える次第であります。
#186
○内田善利君 移転する、移転しないは本人の意思によって決定されますね。
#187
○政府委員(木田宏君) 御本人の自由なお考えだと考えます。
#188
○内田善利君 五十三年四月一日には東京教育大は廃校になるわけですが、筑波大学のほうに行かないで残った人たち、こういう人たちの身分保障、これはどのようになりますか。
#189
○政府委員(木田宏君) その時点で、筑波に就任を希望されない教職員につきましては、個別に御相談をするという以外にはございません。
#190
○内田善利君 東京教育大学当局の調査によりますと、移転困難者が大体二百名余りいらっしゃると聞いておりますが、具体的な実態はどのように掌握しておられますか。
#191
○政府委員(木田宏君) ちょっといま、教育大学自体はすでにそういう準備その他を進めておられると思いますが、私、その具体的な数まで承知をいたしておりません。しかし、これは昭和五十三年という、いまから四年有半五年近い期間があるわけでございますから、その間にそうした方々の御相談を受けながら処理をしていく、こういうことになろうかと思います。
#192
○内田善利君 いろいろの事情のある方々がいらっしゃると思いますけれども、その理由によって、やはり二百名余りもいらっしゃると思いますが、こういった移転困難だという方々に対する対策ですね、やはりどこかでその対策機関を設けるべきであると、このように思いますが。文部省にはこのような対策機関を設けられることはありませんか。
#193
○政府委員(木田宏君) 東京教育大学自体が縮小し、整備し、残務を処理するという仕事を引き受けるわけでございますから、教育大学自体が送り出しのいろいろなお骨折りをされることだと思いまするし、個々の事情のある方についての御相談も教育大学が中心になって処理をしていくものと、このように考えております。また、当然配置転換その他のことが起こりました場合は、文部省がそれを受けて御相談に乗らなければならぬことでございますから、個々の教育大学の御相談とまって私どもも遺憾のないようにつとめていきたいと考えます。
#194
○内田善利君 筑波大学の定員ですけれども、この定員は、総定員法のワク内で確保されるのか、特別措置を講じてきめられるのか、どちらですか。
#195
○政府委員(木田宏君) 国立学校でございますし、国立学校の職員でございまするから、全体国立学校職員の定員として必要なものを要求してまいる考え方でございます。
#196
○内田善利君 新発足なんですが、最初から定員外職員をパートで置くというようなことはありませんね。
#197
○政府委員(木田宏君) かなりの教職員の増というのを予定しておりますので、それぞれに教職員の整備が進んでいくものと思います。しかし、研究上どうしても必要な非常勤職員というものは、これはそれなりにあり得ることだと思っております。しかし、いわゆる定数上の不足を補う、こういう体制のものは新発足の大学でございますので、そうした事態が起こることのないように十分な措置をとっていきたい、こう考えます。
#198
○内田善利君 筑波大学の教官、事務職員、用務員、これらの内訳ははっきりしておりますか、どのようになっておりますか。
#199
○説明員(大崎仁君) ただいま概算要求の基礎にしております全体計画で申し上げますと、全体数三千七百五十七でございまして、この内訳といたしまして、教官が千五百三十九名、ほかに学長、副学長六名がおります。それから研究教育補助職員及び事務技術系職員合わせまして千六百三十二人、それから病院職員五百八十人ということで、合計いたしますと先ほど申し上げました数になるわけでございます。
#200
○内田善利君 現在の教育大学が、筑波大学が発足したことによって非常に定員が少なくなると、残る先生が少なくなって支障を来たすというようなことは起こりませんか。
#201
○説明員(大崎仁君) 定員要求の考え方といたしましては、教育大学の教職員の定員も年次を追って筑波大学に移行を予定しておりますが、移行のいたし方といたしまして基本的に考えておりますのは、対応する学群の開設に応じまして学年進行で〇・五、一・一、一・五という比率で移行をはかってまいりたいと、したがいまして、当初の移行は少なくいたしまして、最終年度で多くを移行させるというような計画をいたしておりますので、支障の起こるようなことはなかろうかと存じております。
#202
○内田善利君 教育大には現在何名定員外職員がおられますか。
#203
○政府委員(木田宏君) ちょっと、定員外職員の数につきましては、調べましてお答えをさしていただきます。定員内の職員は合計定員としては千百五十七名でございます。
#204
○内田善利君 まあ何名いらっしゃるかわかりませんが、この定員外職員の方々が定員でないために向こうに行っても公務員住宅等にははいれない、非常にまあ劣悪な条件のままで筑波に移転するということになろうかと思いますが、こういったことについては、対策は考えておられませんか。
#205
○政府委員(木田宏君) 現在、まあ東京教育大学の職員が千百五十七名という数でございまして、今度筑波大学で先ほど課長が御説明申し上げましたように三千七百五十七というふうにかなりふえるわけでございます。事務の系列、教官以外の定員をとってみましても、五百十六人が、まあいろんな職場がございますが、二千を上回る数にふえてまいりますので、個々の職員で定員化を希望する者、またそういう措置を相当とする者につきましての御要請は十分満たし得るというふうに考えております。
#206
○内田善利君 移転を希望する者でいま定員外の方で定員になることを、全員定員化されることを実現できるということでしたが、現在定員外の方で筑波に移転するということになれば定員化されるということですね。
#207
○政府委員(木田宏君) このワク取りの問題といたしまして、筑波大学は事務職員の相当のワクの増を用意をしてまいるわけでございます。ですから、そういう意味で、その常勤としての職種について相当の方々を受け入れる余力はあるというふうに考えます。ただ、今日定員外職員として勤務しておられます職員の中には、これは職の性質上非常勤の職員であるという方もかなり多いのでございます。でございまするから、これは職の性質上、非常勤である職員という方々につきましては、その同じ職で考える以上、やはり非常勤という問題は起こり得ようかと思います。これは個々の人の問題と、それからポストの問題とは分けてやはり考えなければなるまいかと思っております。
#208
○内田善利君 定員外の職員で、非常に向こうに移行することを希望なさっている先生方を定員の中に入れていただけるわけですかと、こう聞いているわけですが。
#209
○政府委員(木田宏君) 職種が合いまして常勤の職員として勤務できるということでありますならば、それを受け入れるだけのかなりの余裕を新しい定員は考えておるということは申し上げられるわけでございます。
#210
○内田善利君 定員外職員は全部定員化するという考え方ではないわけですか。
#211
○政府委員(木田宏君) 今日の定員外職員には、その定員外職員の職務の性質上、当然に非常勤職員である人がかなりあるわけでございます。これはやはり事柄の性質上非常勤の職員であるということでございまして、定員化という問題は起こってまいりません。ただ、どうしても本質的に常勤たるべき者という方をどういうふうに処理するかという問題は確かにございまして、これらの方が常勤の職として希望される場合に、それを迎え入れるだけの数というものは筑波でかなりの余裕があるというふうに御説明をいたしておる次第でございます。
#212
○内田善利君 年次移行の場合に、三月三十一日で雇用を更新しなくて一方的に首切りをするというようなことはありませんね。
#213
○政府委員(木田宏君) これはやはり個別に十分御相談をしていかなければならぬ課題だというふうに考えております。現在でもたてまえ上、一年刻みの雇用形態ということをとっておる次第でございますが、その実態に応じて御相談すべきものと考えます。
#214
○内田善利君 先ほど資料をいただいたわけですが、事務機構についていただいたわけですが、この機構は、新大学の構想と具体的にどのようなつながりがあってできているのかお聞きしたいと思います。
#215
○説明員(大崎仁君) 新大学の構想に直接関連する点について申し上げますと、まず、現行の大学につきましては、各学部、研究所等に事務部が設けられておるわけでございますが、筑波大学の事務機構におきましては、事務組織を事務局一本といたしまして、学群、学系には各学群、学系の事務の便宜をはかるためのもちろん出先は置きますけれども、それ自体が独立の事務部を形成するというような組織形態をとらない、いわゆる事務の一元化というのをはかっておるという点が一点でございます。
 それから同様の趣旨もございまして、また、厚生補導担当の副学長を置き、また厚生補導のための審議会というようなものも考慮するというようなことと関連をいたしまして、これも従来の国立大学では学生部というものが置かれて、事務局と別個に置かれておったわけでございますが、厚生補導担当副学長あるいは関係審議会等のお世話をする部局がやはり事務局の中に置かれておるわけでございます。直接新構想につながると申しますと、そのような点かと存じます。
#216
○内田善利君 この事務機構をですね。合理化されるということになりますと、定員削減、そして労働強化ということになると思いますが、その点はどうですか。
#217
○政府委員(木田宏君) 職員の定員は、先ほども申し上げましたように、まあ全体の機構も大きくなります関係もありまして、かなり増加要求をいたしております。しかし、従来個々の部局ごとに事務組織をそれぞれ張りつけてきたということでなくて、もう少し事務機構全体をそれぞれ経理あるいは施設あるいは教務、研究等を通じて弾力的に運営できるようにするという措置をとっていきたいということでございまして、これは必ずしも労働の強化ではなくて、むしろ、合理的にその軽減をはかっていくゆえんではなかろうかと考える次第でございます。
#218
○内田善利君 これと総定員法との関係はどのようになりますか。
#219
○政府委員(木田宏君) これも国立学校の職員でございますから、国立学校の定員といたしまして全体の中に含めて要求さしていただいておる次第でございます。
#220
○内田善利君 そうしますと、どこか減るわけですね。
#221
○政府委員(木田宏君) どこか減るという意味は、文部省所管以外のところで減っているかどうか私は明らかでございませんが、文部省といたしましては、四十八年度も約二千七百の定員増を認めていただいております。四十九年度は、またそれを上回る相当数の定員増をお願いしなければなるまいと、こう考えておる次第でございます。
#222
○内田善利君 私は、移転のことまでお聞きしましたが、決して賛成の立場でお聞きしたわけではありませんが、いままで公聴会あるいは参考人の方々のお話を聞き、また、自分が質問をする段階になりましていろいろ研究、検討した結果やはりたくさんの問題点をこの大学構想は持っておると思います。したがって、できるならば、国立大学の医学部等を分離して、もっとこの構想については審議を尽くすべきだということと、一番最初にきょう質問しましたときに、教育大学の廃校ということと新構想の樹立ということは分離して考えるべきじゃないかと、このように私、申しましたが、そういう観点から再考をお願いして、私の質問を終わります。
#223
○萩原幽香子君 去る九月の十日の本会議の緊急質問の中で、社会党の田議員が朴政権の政策に関しての一例として北大の助手金風C氏のことを取り上げられました。聞くところによりますと、金氏は韓国の会社の依頼で帰国され、その後逮捕されたそうでございますが、その間の事情を文部大臣御承知でございましょうか。
#224
○国務大臣(奥野誠亮君) 私、承知しておりませんので、関係者に一応尋ねてみたいと思います。
#225
○政府委員(木田宏君) いま、御指摘の助手が長い間北大を欠席という状況になっておるということは、大学から私どものほうへの報告もきておりまして、官房でその取り扱いについての相談も受け、経過を聞いておる次第でございます。その詳細は人事課長が担当しておりますので、もし詳しくということでございますならば人事課長からお答えをさしていただきたいというふうに思います。
#226
○萩原幽香子君 金氏の給与が九月から打ち切られたということは御存じでございますか。
#227
○政府委員(木田宏君) 助手の金氏が、大学側といたしましては理由なく欠席ということでございます。これは欠席でございますので、ある一定期間が切れてしまいますと、出勤していない状態ということで給与の支給ができないという状態になっております。そのことは承知をいたしております。
#228
○萩原幽香子君 本人の意思でなく、そして、しかもそのことについては大学は御存じのはずでございますね。そういう場合にも、なおかつこういうふうに給与を打ち切られる、こういうことについてどのようにお考えでございましょうか。
#229
○政府委員(木田宏君) その点もあとで人事課長からお答えをすべきかと思うのでございますが、現在の給与法のたてまえ上御本人にいろんな事情がありましょうとも、国家公務員の立場で考えますと、出勤できない状態が事実上長く継続をしておる、そして出勤できないという事実関係がございますならば、現在の給与法の規定では、遺憾ながら欠勤扱いにし、欠勤扱いとしての有給休暇の期限が過ぎてしまいますと無給の欠勤として扱わざるを得ない。これは今日の国家公務員給与法のたてまえ上、いかんともしがたいことである、こういう事情かと考えます。
#230
○萩原幽香子君 しかし、そのお考えは、ほんとうに日本の国の中にいらっしゃる場合には当てはまるかもしれませんけれども、ゆえなくして逮捕されたといったような場合には、それは適用されないのではないかというふうに私は考えます。文部省は国立学校の教員の身分の保障ということは当然やるべきではないかと思うんですけれども、そういう法のたてまえで、九月一日から給与を打ち切られたということについては、どうも私は承服しがたいものがある、こういうふうに思います。しかも、北海道には奥さんや子供さんがそのままおられるということでございますけれども、給与を切られたあとのその妻子の生活というものはどのようにお考えでございましょうか。
#231
○政府委員(木田宏君) まことにお気の毒なことだと思う次第でございます。しかし、国外におきまして、帰ってこられないという事情がどういう理由で起こったかという点につきましては、これは別途時期をかけてその事実の判明を待つほかはございません。いま御指摘のように、国家公務員の給与上の処遇が、それはいろいろな事由はございましょうとも、現実に長い間の無断欠勤ということにならざるを得ないという点から今日のような事態になっておるわけでございまして、残された家族の方々の処置につきましては、別途また御相談をして、何かお助けをするというようなことを別に考えなければならぬ課題だというふうに思うのでございます。
#232
○萩原幽香子君 その事情を聴取される、あるいは事情を調べられるということが少しおくれ過ぎているのではございませんか。そしてそういう処分、身分を切られるような形になるということでございますならば、私は、その事情がはっきりした段階においての処置がとられるべきであって、理由がはっきりわからないときに、こういうことをおやりになるということについては、私はどうも承服しがたい、そういうふうに考えるんです。いかがでございますか。
#233
○政府委員(木田宏君) ちょっと、いつから欠勤になってしまったのか、私その事実を承知いたしませんので、その点はあと担当課長参りましてからお聞きとりをいただきたいと思いまするけれども、私も、そのことの問題を知りまして、官房の人事課長にそうした扱いについての何かいい方法はないものかという相談をかけたことがあるわけでございます。で、その際に、今日の国家公務員給与法の扱いからいたしますと、有給休暇の期限が切れて、欠勤という状態が事実上もうこれらの日数以上続いている場合に何ともやりようがないんだという返事でございまして、これは今日の給与法のたてまえ上、人事を担当しているところの扱いとしてはいたしかたのないことかというふうに考えておる次第でございます。
#234
○萩原幽香子君 法律はいろいろきちっとしたたてまえもございましょうけれども、やはり何にも特例というものもございましょうし、例外というものもあってよろしいんではございませんでしょうか。
 立場をかえて、北海道大学は一人の助手を不法に奪われて、研究・教育に支障を来たしているはずだと、私は考えるわけでございますが、文部大臣は韓国政府に対してこの問題についてどのような交渉をされましたのか、承りたいと存じます。これは大臣から承りたいと存じます。
#235
○国務大臣(奥野誠亮君) いま萩原さんからお尋ねが出ますまで給与を打ち切られている等の話を承知しておりませんでした。いまいろいろお話を伺いながら、そのお話を受けとめて私なりに調査をすべきだなあと伺っておったところでございまて、これまでのところにつきまして、承知しておりませんので、事務当局のほうからお答えさせていただきます。
#236
○萩原幽香子君 御存じなかったといえばしかたがございませんけれども、大臣ね、この問題は私はむしろ金大中事件よりも考え方によれば重大な問題だと思うわけなんです。ですから、ここらでひとつ日本の文部省の態度というものをきちっとやっていただきたい。そういうふうに思います。で、こういう事例は北大だけでございますか、ほかにはございませんか。
#237
○政府委員(木田宏君) 今日までのところ、それ以外のことについてはまだ聞いておりません。
#238
○萩原幽香子君 助手とかあるいは先生とか教授とかいうんではなくても、学生ではこういう問題ございましたね。御存じでございませんか。
#239
○政府委員(木田宏君) 東大を卒業した学生が帰国後問題があったということについては、聞いておりますが、在学中の学生についての事件というのは、ちょっと私も記憶が確かではございません。御指摘によりましてまたお答えさしていただきたいと思います。
#240
○萩原幽香子君 ほかにこのようなそれでは韓国の不当な例を受けているということはございませんですね。それははっきりお認めくださいますね。
#241
○政府委員(木田宏君) 金氏の事件につきましては、事案を聞いておりません。
#242
○萩原幽香子君 その金氏のような方だけでなく、先ほど申しました学生でもこういったような例はほかにはございませんですね。
#243
○政府委員(木田宏君) 今日のところ聞いておりません。
#244
○萩原幽香子君 これは、たいへん大事な問題でございますから、十分御調査をお願い申し上げたいと存じます。
 では、問題を次に移します。いま、たいへん問題になっております筑波大学法案とともに提案されました旭川医科大学、山形、愛媛の医学部の問題についてお伺いをいたしたいと存じます。
 まず学生、受験生の問題、気持ち、そういうことについて承るわけでございますが、これは四十八年の七月二十六日の北海道新聞でございますが、「ある医大受験生の日記から」と、こういうのが出ておりますから、ひとつお考えをいただきたいと思います。「七月五日上野から特急に乗る。これまで何回も旭川医大入試について文部省に電話した。「詳しいことは大学の方に聞いてみたら」とすげない返事。」、これは問題だと思いますね。「すげない返事。〃三期校〃(旭川医大、山形、愛媛大医学部)は五月の連休、ということで必死になって勉強してきた。本当に年内試験の可能性はないのだろうか自分で確かめてみよう。それに受かれば旭川に永住しようと思うし、どんなところか見ておくのもためになる。
 七月八日夕方旭川に着く。ホテルからタクシーで医大建設地を回ったが校舎は建設中。あれで開校できるのかな。試験地に着いたものの話し相手もなく、落ち着かないので市役所前の教会で夜の礼拝に加わった。
 同九日医大にも詳しいという市長さんに会いに行った。忙しくて実現しなかったが、担当の職員に会い、「私たちは二十四日の会期切れまでに法案は成立、八月二十日ごろ入試にこぎつけたいと思っている」といわれ、が然ファイトがわく。何が何でも全力投球しよう。入試まで滞在を決め、ビジネスホテルに移る。
 同十三日二、三日前から腹が痛む、盲腸かしら、市立病院で診療を受けたら胃、小、大腸炎という。盲腸だったら親父に切ってもらおうと思ったのだが…。夜、家に電話。言葉では言わないが、親の心配が受話器を通して痛いほど胸にひびく。
 同十七日参院文教委で法案を強行採決。筑波法案は将来の大学構想に関すること、もっと真剣に審議すべきだ。が、半面ではこれで入試の時期が早まるのでは、という期待感が入りまじる。
 同二十四日ゆうべは勉強しながらテレビのニュースに聞き耳をたてっ放しだった。六十五日間も会期を延長。もうだめだ。試験は無理だ。今度こそ絶対合格して親を安心させたかった。ぼく自身つらかった浪人生活に終止符を打ちたかった。文部大臣は「年内開校する」と言うが、もう政治家の言葉を信用することは出来なくなった。むなしい口約束にすがって勉強を続けるには僕は疲れ過ぎた。」こういうことを書いております。まことに政治家不信、大臣も含めて政治家不信、こういうことをこの学生は言っているわけでございます。強行採決をされたということ、これはまことにいいことではないと、この学生自身が言っているわけでございます。私が問題にしたいのは、こういう非常にむずかしい、ほんとうに慎重審議されるべきだと、この学生さえも言っているようなことと、そして一方ではこういうふうに、みんな国民ひとしく待ち望んでいるようなものと一緒にあわせて提案をされたということには、いまもって私はどうしても了承することができない、そう思うのです。大臣、その点いかがでございますか。
#245
○国務大臣(奥野誠亮君) いまおっしゃいましたような気持ちを抱いていられる学生がたくさんいらっしゃるだろうと、たいへん心配をいたしておるわけでございます。同時にまた、筑波大学十年来の問題でございまして、慎重を期することは当然でございますけれども、大学の自治を尊重していく、大学の構想を尊重していくということについて御審議をいただいているわけでございまして、提案をいたしましたのは、二月の初旬ではなかったかと、こう思うのでございまして、国会に付託いたしましてからそう短かい期間ではないような感じがいたします。何といたしましても、この国会で成立さしていただきまして、成立いたしました暁には、早急に入学試験を実施してもらいたい、こういう気持ちでおるわけでございます。
 法案を分けてというお話につきましては、先ほど内田さんからもお尋ねがございましたので、お答えさせていただいたわけでございます。やはり今日、国民の多くは大学の改革につきまして非常に大きな希望を寄せていると思うのでございます。そういう意味におきましては、大学のあり方が明治以来一つの方針しか認めないというわが国の方式が、これはやはり私は問題があるんじゃないか、こう考えるわけでございます。弾力化をしていきたい。いろいろな方式をとらしてあげたらいいじゃないかと、こう思うわけでございまして、筑波方式もその一つでございます。また、それ以外の方式も認めていいじゃないかと、かように考えるわけでございまして、筑波大学につきましても、十月開学、そして四十九年度から入学生を入れたいんだと、こういうことでございますので、やはり急ぐことにおきましては、旭川その他とそれほど大きな開きはないと、こう考えるわけでございます。ただ、各政党間で賛成、反対ということになりますと、大きな意見の違いがございます。しかし、急ぐ点につきましては、それほど大きな私は開きはないと、かように考えるわけでございます。国立学校でありまする以上は、全部いままで国立学校設置法に掲げさしていただいてまいってきておるわけでございまするので、そういう意味においても、同じに扱うというのは従来からの扱いではないかと、かように思います。ただ、賛否を伺いながらということになりますと、分けるということになるのかもしれません。しかし、私たちとしては、いまも申し上げましたように、ぜひ弾力化を進めていきたい、そして国民の期待にこたえる各大学のあり方をくふうしてもらいたい、くふうしたものは実るんだという姿を打ち出させていただきたい、かように考えておるわけでございます。単に筑波大学だけの問題じゃございませんで、すべて各大学が真剣に考えてもらいたいものだと、こういう希望を持っておるわけであります。
#246
○萩原幽香子君 これは大臣と私との非常な見解の相違、こういうことになるわけでございます。大臣は、十年にわたると、こういうことでございましたけれども、これがほんとうに国民の前に、こういう構想が打ち出されたということになりますと、これはどれぐらいの日数がある、こういうことにもなろうかと思います。私は、こういうものを打ち出します場合には、国民ひとしく理解ができて、そして賛成ができるということが望ましい姿ではないだろうかというふうに考えるわけでございます。ですから、大臣は、十年ということを盛んにおっしゃいますけれども、その過程につきましても、昨日、私は、午後、教育大学の先生ばかりのお集まりの参考人の方々と、いろいろな御説明の中、御意見の中で、この問題についての大きな文部省側と大学側との意見の食い違いというものを、私は、この目で、この耳でまざまざと知ったと、こういうことになるわけでございます。したがいまして、私は、新しいものができるときには賛否両論があるのは当然だと大臣はおっしゃいましたけれども、事大学の機構改革という問題については、そんなに賛否両論があって、かんかんがくがくでは困ると思います。もっと国民合意の中で、この問題は進められるべきものではなかろうかというふうに私は考えるわけでございますが、大臣、その点についてはいかがでございますか。
#247
○国務大臣(奥野誠亮君) 大学の教育・研究のあり方、それは大学人の考え方を尊重すべきだと、これが大学自治の基本の問題ではないかと思うのでございます。東京教育大学が移転にあたって、ビジョンを掲げて、新構想の大学を実現したい。それはまさに筑波大学でございまするので、この実現をはかることは、私は、大学の自治を尊重するという以上は、当然のことではないだろうかと、こう考えるわけであります。もとより、東京教育大学の中で賛否両論ございますけれども、大学としての意思決定、それは評議会を通じて決定されていくわけでございますので、そこで、やはり決定されたことである以上は、東京教育大学の考え方と、こう受けとめざるを得ないじゃないかと、また、受けとめてあげるべきじゃないだろうかと、こう考えておるわけでございまして、その点につきまして、私は、大学自治を尊重する以上は、筑波大学の実現をはかる、これはもう全く相拮抗する問題じゃないかと、こう考えておるわけでございます。
 もう一つ、学校教育法の改正の問題がございます。これは大学のあり方について弾力化をはかっていきたい。いまのような硬直的な姿勢は、私は、やはり問題がある。国民は改革を希望していると、希望しておっても、各大学は改革できないじゃないかという姿、これは好ましくないと思うのでありまして、やはり改革しようと思えば改革できる道を開いておいてあげる、弾力化をはかっていくと、これは大切なことじゃないかと、こう考えるわけでございまして、今回、政府のとっている方針、これはやはりいまの国民の期待にこたえる道、あるいは大学の自治を尊重する方針にのっとる道ではなかろうかと、こう考えておるのでございます。
#248
○萩原幽香子君 私も、大臣がお手伝いをするんだと、東京教育大学がお出しになった案に対して文部省はそれをお手伝いするんだと、こうおっしゃいました。私もそれをまあ正直に――私は正直でございますから、そのように受けとめております。ところが、必ずしもそうではなかった。いわゆる大学のほうで打ち出した以前、文部省のほうがそういった案をお持ちになっておられたということになりますと、大学の自治ということは、どうも私はどのように考えたらいいのかわからないような感じがいたします。本末転倒ではなかろうかという感じがいたします。それは後ほど、私、詳しくお尋ねをしてまいりますので、いまは旭川大学の問題について伺ってまいりたいと思います。
 そこで、お尋ねをするわけですが、まず、旭川の場合、四十七年度当初予算では、どれほどの準備費がついたんでございますか。
#249
○政府委員(木田宏君) 約一千万でございます。
#250
○萩原幽香子君 それでは、四十七年度の補正予算では、どれぐらいつけられたんでございますか。
#251
○政府委員(安嶋彌君) 四十七年度の補正予算におきましては、約二億五千七百万円の予算が計上されております。
#252
○萩原幽香子君 十二月の補正予算で二億余りでございますか、間違いございませんか。
#253
○政府委員(安嶋彌君) 旭川医科大学の分とおっしゃいますと、二億五千七百方円でございます。
#254
○萩原幽香子君 その予算をおつけになりますときに、文部省は、大体四十八年四月一日に開校できるよう受け入れ体制を整えよ、こういうふうにおっしゃったということでございますが、それは事実でございますか。
#255
○政府委員(木田宏君) そのとおりでございます。
#256
○萩原幽香子君 もし、そうだとしますならば、先ほどから申しておりますように、筑波大学法案とからませて提案されたのは、ますますおかしくなるんじゃないかというふうに思いますが、いかがでございます。
#257
○政府委員(木田宏君) 従来とも、国立学校の設置につきましては、四十八年度の予算でございますから、四十八年度以前に法案の御審議を済ましていただくということをお願いを申し上げてまいりました。今回も、四十八年度の予算に伴う四十八年度の設置法として、国立学設置法の御提案を申し上げたわけでございます。その中に、開設の時期は、筑波につきましては四十八年度十月という予定をさしていただいておりますけれども、同じ四十八年の大学の設置でございまするから、一本にまとめて御提案をさしていただくというのが、政府側から、予算と関連いたしまして法案を提出する場合の自然の姿かと、こう考えておる次第でございます。
#258
○萩原幽香子君 受験生のT君でさえも、私は早く上げてもらってほんとうに試験を受けたいと、一方では非常に願いながらも、なお筑波法案は将来の大学構想に関すること、もっと慎重に審議すべきだと、その受験生自身が言っているわけなんでございますね。この事実を私はもっと真剣に考えていただかなければいけないのではないか、そう思います。そう安易に、一緒にからませてさっとこう通って、四月一日から旭川の大学が開学できると、その考え方自身に私はたいへんな問題があるんではなかろうかというふうに考えます。で、文部省は、きょうの事態がくるであろうということをちっともお考えにならなかったのでございましょうか。
#259
○国務大臣(奥野誠亮君) 旭川等の大学も、筑波大学も四十八年度開学を考えているわけでございまして、その意味においでは、同じ時期に立法をしたいということになる性格のものでございます。同時にまた、筑波大学の問題につきましては、私たちとしては、大学の構想にのっとるわけなんだから、大学自治を尊重するたてまえから考えると、これは当然理解していただける、御賛成いただけると、こう考えておりまして、率直に申し上げまして、こんなに強い反対を受けるとは考えておりませんでした。
#260
○萩原幽香子君 それは大臣、非常な私は認識不足だと思うんです。こんな大事な問題を、この旭川の医科大学あるいは愛媛、山形の医学部、これはあなたもう国民ひとしく待ち望んでいるというものでございましょう。ところが、筑波の問題にいたしましては、非常に違った意味を持っていると、大学改革にかかわることだという、この両方を同じようにお考えになるというところに、私は大臣らしからぬお考えじゃないだろうかと考えるわけでございますがね、いかがでございますか。
#261
○国務大臣(奥野誠亮君) 大学の自治というのは、私はそれぞれの大学の研究・教育のあり方をそれぞれの大学にまかせるということじゃないかと思うんであります。東京教育大学の構想じゃないかと、それなら東京教育大学の構想を認めてあげる。認めてあげるためには法律をつくらざるを得ない。そういう立法なんだから大学の自治、それを尊重するという以上は筑波大学方式、認めていただいたらいい。先ほどもちょっと答えましたように、この方式を他の国立大学に押しつけられるという心配、そういう意味における反対もずいぶんございます。学術会議の話が出ておりまして、私はそのようにお答をさしていただきました。しかし、それは誤解じゃありませんかと、そういう場合には、やはり法律改正を要するわけなんだから大学の自治を尊重すると文部省は言うておきながら、その大学のきらっておる方式を法律で書きあげて国会へ提出するということは考えられぬじゃないかと、だから押しつけるおそれなんということはあり得ない。一件一件大学について法律改正を行なわなきゃならないわけでございますので、押しつけるということは少し思い過ぎじゃないだろうか、こう申し上げたいわけであります。公立大学や私立の大学、それはみずからいろんな方式をお考えになってしかるべきじゃないかと、また考えてもらいたい。いままでのような学部方式以外は認めないというあり方じゃ私は適当でない。国民がこれだけ大学の改革に期待を寄せているわけでございますので、そこは弾力化して改革しようと思えばできるような道を開く、これも大切なことじゃないかと、こう考えているわけでございまして、そういう意味でそんなに強い反対をいただくとは予想していなかった。不明といえば不明かもしれませんが、私はそういう考え方に立って、そう思っているわけでございます。
#262
○萩原幽香子君 その問題につきましては、大臣、やっぱりこれはもう皆さんがそうじゃないなという感じを非常に強く持っている。ですから、大臣はもう衆参の審議の過程で同じ御答弁を繰り返しておいでのようでございますけれども、私たちは決してそうは考えておりません。そこに両者の行き違いがある。だから、こういうふうに両者の行き違いがあるものを大急ぎで成立させるなんていうこと自体に私は問題があるんじゃないか、悔いを千載に残すようなことをしてはならない、私はそう考えるわけなのでございます。これはあとあと筑波の問題についてはお尋ねをしてまいります。
 そこで、旭川の問題をとりますと、さらに受験生を受け入れる態勢というものについてどのように北海道や旭川がたいへんな目にあっていただいたかということがここにも出ているわけでございますね。「旭川医科大学受験生の民宿にみなさんのご協力を」というので、「三十万市民が待望している国立旭川医大の開校は、国立学校設置法の国会審議が遅れているため、開校の時期については、いまなお予断を許さない情勢にあります。したがって、入学試験の実施期日についても予測は困難ですが、一応のメドとしては七月下旬から八月上旬頃、受験者数は四千人〜五千人となる」ということを予想されて、そして、そんなものを受け入れる態勢がないから民宿に非常に期待をかけて、皆さんご協力してくださいと、こう呼びかけておられる。こういったようなことについて、私は文部省としては非常にお考えいただかなければならないのではないだろうかというふうに考えるわけなんでございます。
 なお、七月二十四日のこの北海道新聞には「どうなっているんだ」「医大関係者らがっくり」というのが出ているわけでございます。こういったような受け入れ側の問題につきましても、私は、いまこういうふうにかんかんがくがくやっておりますことはもうそんなにあせらないで、置いておいて、そうしていまこんなに困っている問題について、この医科大学や医学部の問題については、いまからでも大臣おそくございません。切り離していただけば、もう私即刻筑波の問題はやめまして、皆さんにお願いをして、この医学部、医科大学の問題にしぼって質問をしていただいて、さっそくこの場で私は上げていただきたい、このように思うわけでございます。それがほんとうにいまからお医者さんになりたい、東京の彼が旭川に住みついて、一生旭川でお医者をやりますという彼に対するこたえる道ではないか、私は、そのように考えるわけなのでございます。大臣、いかがですか。そういうふうに切りかえていただくわけにはまいりませんか。
#263
○国務大臣(奥野誠亮君) 四十三年、四十四年と激しい大学紛争が起こりました。今日もなお大学紛争は続いております。各大学を見ましても教育研究にふさわしい潤いのある環境がすべての大学に期待できるかといいますと、残念ながらいろんな問題をなおかかえておるわけでございます。私たちは大学の改革を積極的に進めていかなきゃならないと考えるわけでございますけれども、率直に申し上げまして大学の中で改革案を具体的に打ち出してくれたのは東京教育大学だけでございます。これを実らせることによって一そうそういう方向をわれわれは強めていきたいということを期待しているわけでございまして、各大学の研究・教育の潤いを一そう強めていきたい。決して文部省がこの改革案を押しつける考えではございませんで、各大学が進んで国民の期待に答えるような大学の改革案を進めてくれる、打ち出してくれることに大きな期待をかけているわけでございます。政府といたしまして、大学がいまの姿のままで、そのままでいいんだというわけにはまいりませんで、深い責任を感じております。深い責任を感じておりますが、大学人がそういう意欲を強く持ってくれなければできないことでございます。東京教育大学が幸いにして強い意欲を持ち出して、いろんな混乱は経てきておりますけれども、新しい構想を出してくれたわけでございますので、これを実現させることがより一そう他の大学にも改革の意欲を強く持ってもらうきずなになるんじゃないだろうか、こうも考えるわけでございます。そういう意味合いにおきまして、大学の改革をしばらくほうっておくというわけには政府としてはまいらない。ぜひ早くそういうことの機運をつちかっていきたいと熱願をしておるわけでございます。(発言する者多し)
#264
○萩原幽香子君 大臣の――どうぞ先生方、私の質問がまずいものですから、たいへん御助言をいただいておりますが、私は、大臣、やっぱりどちらのほうが先にやるべきかという問題はあろうかと思います。しかも、これがあとあと尋ねてまいりますけれども、ほんとうにその教育大学のこの構想についてだんだん賛成者がふえてきた段階なら、私はそれはまた一つの方法かと思います。しかしながら、教育大学の中で、反対される方のほうがだんだんふえてきているという段階の中で、これは私はそう急に大臣がお考えになっているようなわけにはまいらない。ところが、この旭川の医科大学あるいは愛媛、山形の医学部にいたしましては、もうだれもかれもこぞって一日も早く上げてください、こういうことを願っているものです。そういうものを先に上げるということがほんとうに大事なことではございませんか。それが私は政治というものではなかろうかというふうに考えるんでございますがね、大臣、その点はいかがでございます。重ねてお伺いをいたします。
#265
○国務大臣(奥野誠亮君) たいへんくどいようでございますけれども、個別の問題と全体の問題あろうかと思います。四十三年来激しい大学紛争が続いてきているわけでございまして、その中で大学の教育研究のあり方についていろんな考えが生まれてくる。その一つが東京教育大学の構想でもあろうかと思います。そういうような改革の機運、これもつみ取らないで伸ばしていくようにしなきゃならない、こう考えるわけでございますので、旭川の急ぐ問題も大切であれば、東京教育大学の改革構想を生かすことも急ぐ大切な問題だと、私はどちらが先でなきゃならないということじゃなしに、同じように急がなきゃならない問題だとこう考え、また、そうお答えをしているわけであります。
#266
○萩原幽香子君 まあいまからで、どういう構想でおくれないようにおやりになりますのか、非常な私は難問題だと思いますけれども、せひそうやってくださいと、これほどお願いをしてみても、大臣はそうはならないというふうにおっしゃるわけでございますが、それでは、どういうような過程をたどっていまの旭川大学がいろいろやっておられるかということについて、ひとつせっかく管理局長さんもいらしていただいておることでございますから、少しその問題のほうに焦点を合わせてまいります。筑波大学のことはこれであきらめたわけじゃございません、あとあとお尋ねをしてまいりますから、まあどうぞそのときにはお答えをしっかりいただきたいと存じます。
 そこで、この地元の受け入れ態勢の整備事業の進捗状況と今後の実施計画についてお伺いをいたしたいと存じます。
  〔委員長退席、理事楠正俊君着席〕
#267
○政府委員(安嶋彌君) 旭川医大の整備の進捗状況でございますが、まず敷地でございますが、約二十三万二千平米ございまして、これは、現在旭川市の開発公社の所有になっております。この土地は国が借用するという前提で、土地の借料も予算に計上されております。
 それから、現段階におきましては、後ほど申し上げますが、本校舎の建築が進捗中でございまして、まだ完成に至っておりませんので、今年四月の開校という前提で、北海道教育大学の旭川分校の附属小学校の移転あとの校舎を利用いたしまして、一般教養進学課程段階の教育の用に供するということで、すでに改修を終わっております。昨年の十月に改修を終わっております。
 それから、建物の整備の進捗の状況でございますが、先ほど申し上げましたように、四十七年度の補正予算に計上いたしました金額は二億五千七百万円でございますが、本年度すでに配当済みの予算といたしましては三億八千六百万円、計六億四千四百万円の工事が進行いたしております。内容といたしましては、一般教養校舎と基礎校舎でございます。現在の進捗状況は、コンクリートの打設を全部終了をいたしまして、サッシが現場に搬入されておるということでございます。進捗の状況は五〇%でございまして、一般教養と基礎医学校舎の進行中の分につきましては、来年三月に完成をするという予定になっております。これが完成いたしますと、仮校舎からこの新校舎のほうに移転をして教育が行なわれるということになる予定でございます。
 なお、これに引き続きまして、四十八年度、九年度、五十年度と、さらに基礎医学校舎の残りの部分、臨床研究棟、体育施設、福利施設、病棟、中央診療棟、外来棟、学生の寄宿舎、看護婦の寄宿舎、RI施設等の整備を進める予定でございまして、現在の、本年度の予算の単価で計算をいたしますと、環境整備等を含めまして約百五億という予定でございます。
#268
○萩原幽香子君 国のいわゆる助成と、それから地元負担との割合はいかがでございますか。
#269
○政府委員(木田宏君) 医科大学を創設いたすにつきましては、地元で、いわゆる基盤整備と申しますものを基本的にはお願いを申し上げております。それは、医科大学ができますために、上水道、下水道あるいは電気、ガス等がその学校の周辺までちゃんとうまく取りつけができますようなお願いをしておるのでございます。それらの点につきましては、地元の状況によりまして、御協力をいただく金額がそれぞれに違ってくるわけでございまするけれども、北海道の場合に、これは、上水道、下水道を合わせて二億前後の整備をしていただくとか、あるいは国で借り上げます土地につきまして、土地の取得のために二億七千万ほど持っていていただくとか、そういうお願いをしておりますが、道路の整備その他のことにつきましては、ちょっと具体の金額等までは私どもでわかりません。いずれにいたしましても、何がしかの地元の御協力ということをいただいておりますが、この大学全体の整備費と比べますならば大体二割見当のところではなかろうかと思ったりしております。
#270
○萩原幽香子君 国が二割でございますか。地元がでございますか。
#271
○政府委員(木田宏君) 地元がでございます。
#272
○萩原幽香子君 地元が二割でございますか。
#273
○政府委員(木田宏君) はい。
  〔理事楠正俊君退席、委員長着席〕
#274
○萩原幽香子君 私がいただいておりますこの資料でございますと、そういうふうにはなっていないようでございますけれども、地元の負担というものはかなり大きなものになっております。
 もう少しはっきりとお答えいただけませんですか。たとえば、校舎の建設用地は幾ら、それからまた、そのいわゆる附属病院についてはどうというふうに、各項目別に、関連病院ですね、そういうものについてはどうだといったように、その一つ一つについての御説明はいただけませんか。
#275
○政府委員(木田宏君) 先ほどちょっと申し上げましたように、用地の取得については二億七千万ほど地元で土地の確保をしてくだすっております。上水道、下水道合わせまして二億二千万ほどの投資をしていただいております。
 それから、あと、関連病院が一番大きいことでございますが、これは旭川の市立市民病院の整備につきまして約六億七千万ほどの整備をお願いをいたしております。
 これらがおもなものかと考えておりますが、そのほかに、教職員の宿舎の整備につきまして、四十七年度一億六千万ほどの御協力をいただいておる次第でございます。
#276
○萩原幽香子君 教職員の住宅とか、そういうふうなものはいかがでございますか。
#277
○政府委員(木田宏君) いま申し上げましたように、教職員の住宅について一億六千万ほど四十七年度御協力をいただいております。
#278
○萩原幽香子君 それに対して国のほうで、これだけ地元がやった、それに対して国はどうしたという、そういうような、はっきり一目りょう然のような、そういう資料はございませんか。
#279
○政府委員(木田宏君) これらは、もともと地元で御整備をいただくという性質のものと考えておるのでございまして、これに対して国がどれだけ持つという性質のものではございません。旭川医科大学をつくりますその用地までに上水道、下水道を持ってきていただく、こういうことは地元のほうでひとつ御協力を願いたいということでございまして、全部地元の経費負担において、いま申し上げましたものを進めていただいておるのでございます。
 ただ、関連病院につきましては、これが、病棟その他の改修工事は四十七年度地元で進めておられますけれども、先々教育上の関連病院になるという観点から、この設備につきまして、今後十年近い年月をかけて、国からも補助金を入れてその整備を一段とはかっていきたい。若干の設備費の補助、旭川の場合に千三百万ほどの補助金を四十八年度計上さしていただいております。しかし、これは、地域病院として旭川市が四十七年度六億七千万ほどかけて御整備をいただいたものでございまして、これ自体については国が経費を負担するという性質のものではございません。国は、予定されました土地の中に、先ほど管理局長から御説明申し上げましたような大学としての必要な施設を整備していく、こういう分担になっておるわけでございます。
#280
○萩原幽香子君 ずいぶん大きな――三十万都市にしては、旭川にしましても、ずいぶん大きな地元の負担があっても、なおかつ非常に待ち受けておられる。こういうことを十分お考えいただきますならば、これはぜひ一日も早く開学ができますようにというのが、私は、政府としての大きなあたたかい態度ではなかろうかというふうに考えるわけでございます。ですから、何度申しましても同じでございますけれども、いままでほっておかれたということについては、私は、やはり政府として責任を感じていただきたい。しかも、四十八年の四月一日からは開学できるように準備をしなさい、こういうことであったために、宿舎の準備から、いろんな準備をされて、だれもいないところを借り受けてしまったといったようなこともあるわけでございますから、ですから、やはり筑波と同じに扱えとおっしゃるのは、私は無理な話だというふうに考えるわけでございます。できますだけ、この問題については、一日も早くこの受験生の気持ち、あるいは親の気持ち、そしてまた地元の皆さんの要望に沿って、この開学がなされますように私はお願いをしたい。そのためには、この筑波とはやはり切り離していただかなければならないという結論が出てくるわけなのでございます。
 それでは、筑波の問題についてお伺いをしてまいります。
 先ほど大臣は、よその学校、ほかの大学、東京教育大学以外のところからは大学の改革案が出なかったと、こういうお話でございましたね。私は、大学紛争を契機に、各大学では、大学とは何か、大学はどうあるべきかといった問題についていろいろ研究がなされ、発表されたと承ったわけでございます。そこで、当然文部省としては、そういった改革案をたんねんに収集されて、研究されたと存じますけれども、この点はいかがでございますか。
#281
○国務大臣(奥野誠亮君) 各大学が真剣に大学改革のことには取り組んでいただいているわけであります。また、その構想も発表にもなっているわけでございます。しかし、最終的に確定をしていない、こういう意味で申し上げたわけであります。東京大学にいたしましても、大学改革の構想が出されたわけでありますけれども、最終的に大学としてそれでいくんだというところまでは至らなかったわけでございます。確定されたのが東京教育大学の構想だけだと、こういうふうに申し上げたわけであります。
#282
○萩原幽香子君 そうしますと、ほかの大学からもいろいろ改革案は出たわけでございますね。その資料に基づいて、各大学の改革案の、どの大学の改革案にどういう問題点があるか、これを資料に基づいて、ひとつ御答弁をちょうだいいたしたいと思います。
#283
○政府委員(木田宏君) 各大学で、それぞれ検討委員会が設けられまして、その検討が進んだ。その中間的な段階で発表になったものもありますし、けれども、最終的に大学としてこういう改革にするという一つのまとまったものになりきったのは、筑波である。大臣のお答えのとおりでございます。
 私どもは、たとえば、東京大学につきまして、東大の改革案。中間段階、中間報告といった性質のものはいろいろと聞かしていただいております。まあ、どの程度個別に御説明申し上げてしかるべきことかちょっとお答えのしかたに戸惑っておるのでございますが、東京大学につきましても、改革案を論議されました場合に、これは国立大学協会の意見にも出ておりますが、ある程度教育と研究の機能というものを分けて再構成をしてみるということも必要であろうというような御論議も出ております。教育・研究のあり方をどういうふうに直していくか、教育組織、研究組織というものをどのようにするかというのが多くの大学の基本的な課題かと考えます。
 また、その一部ではありましても、非常に大きな改革の内容は、一般教育の取り扱いでございまして、これは大学紛争の過程を通じて、各大学とも、一般教育につきましていまのままにしておくことば適切でない、何らかの形での改革を取り上げていくべきだと、これはかなり幅広く行なわれております。その一般教育の中で、特に外国語の履習方法をどういうふうにするかというのは、多くの大学で取り上げられている問題点でございます。
 また、東大の場合には、総長の補佐機関というようなことを設けていく必要がある。これは東大で現にある程度実行もされておるわけでございますが、総長補佐機関−総長室というのを設けまして、そして現実に今日までのところ二人の総長補佐という方を置かれて、総長を助ける体制をつくるというようなことは論議もされ、また、事実運用もされておる次第でございます。
 あと大学院の修士、博士のあり方をどうするかということもかなり多くの大学で取り上げられております問題点でございまして、これは私どももいま、大学院の基準改定という意味で大学設置審議会に御論議をいただいておるところでございます。
 基本的には、この教育・研究のあり方をめぐる論議が中心でございますが、さらにそれに関連いたしまして、大学の教育・研究を適切に行ないますための管理運営の問題学長補佐、副学長等については、先ほどちょっと申し上げましたが、評議会、教授会等の各種の審議機関の審議事項を明確にするとともに、その構成員の範囲を改める、あるいは学生の意向をくみ上げるための全学的な協議機関というものをどういうふうにするか。また、学部長、学長等の管理職の選考についてどういうふうな改革案を進めていくかというような御論議がかなり多くの大学において取り上げられておる次第でございます。
#284
○宮之原貞光君 議事進行。
 ただいま、私の党の国対からの連絡によりますと、衆議院におきまして文相の不信任動議の提出の手続が終わったと、こういう報告を受けておりますので、したがって、それが事実なら、私は本委員会を続行するということについて非常に問題があると思います。一応、本委員会を休憩にして、理事会でその問題を取り扱わしていただきたい、このように思いますので、そのようにひとつ、委員長、取り計らっていただきたいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
#285
○委員長(永野鎮雄君) それでは、いまの動議の件、さよう取り計らいます。
 暫時休憩いたします。
   午後四時四十八分休憩
  〔休憩後開会に至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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