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1972/04/24 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 大蔵委員会 第18号
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1972/04/24 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 大蔵委員会 第18号

#1
第071回国会 大蔵委員会 第18号
昭和四十八年四月二十四日(火曜日)
   午前十時十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     竹内 藤男君     柴田  栄君
     斎藤 十朗君     山崎 五郎君
     高橋雄之助君     西田 信一君
     塚田 大願君     渡辺  武君
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     矢追 秀彦君     鈴木 一弘君
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     山崎 五郎君     初村瀧一郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤田 正明君
    理 事
                嶋崎  均君
                土屋 義彦君
                野々山一三君
                多田 省吾君
                栗林 卓司君
    委 員
                青木 一男君
                伊藤 五郎君
                河本嘉久蔵君
                柴田  栄君
                津島 文治君
                中西 一郎君
                西田 信一君
                初村瀧一郎君
                桧垣徳太郎君
                船田  譲君
                竹田 四郎君
                戸田 菊雄君
                成瀬 幡治君
                山崎  昇君
                鈴木 一弘君
                渡辺  武君
                野末 和彦君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  愛知 揆一君
   政府委員
       大蔵政務次官   山本敬三郎君
       大蔵大臣官房審
       議官       大倉 眞隆君
       大蔵省主計局次
       長        長岡  實君
       大蔵省主税局長  高木 文雄君
       大蔵省理財局次
       長        後藤 達太君
       大蔵省銀行局長  吉田太郎一君
       大蔵省国際金融
       局長       林  大造君
       国税庁次長    江口 健司君
       農林政務次官   鈴木 省吾君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉本 金馬君
   説明員
       警察庁刑事局捜
       査第二課長    中平 和水君
       外務省情報文化
       局海外広報課長  長谷川和年君
       文化庁文化部芸
       術課長      橋本  真君
       農林省農蚕園芸
       局稲作対策室長  野明 宏至君
       通商産業省企業
       局企業調査課長  黒田 明雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○入場税法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○物品税法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○農産物に関する日本国とアメリカ合衆国との間
 の協定に基づいて借り入れた外貨資金等の償還
 に関する特別措置法案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(藤田正明君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 まず委員の異動について報告いたします。
 去る四月二十日、塚田大願君、竹内藤男君、斎藤十朗君及び高橋雄之助君が委員を辞任され、その補欠として渡辺武君、柴田栄君、山崎五郎君及び西田信一君が選任され、また昨二十三日、矢追秀彦君が委員を辞任され、その補欠として鈴木一弘君が選任をされました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(藤田正明君) 次に、入場税法の一部を改正する法律案、物品税法の一部を改正する法律案、農産物に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定に基づいて借り入れた外貨資金等の償還に関する特別措置法案、以上、三案を便宜一括して議題とし、これより質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○山崎昇君 私は、物品税と入場税関係について、きわめて短時間ですが、二、三お聞きをしたいと思います。
 大蔵省から出されております解説書、あるいはその他かなり読ましていただきましたけれども、物品税というのは、性格は何なんだろうか。なぜ物品税というものがかかってくるのだろうか。どう考えてみてもあまりよくわかりません。そこで、物品税の性格についてひとつお教えをいただきたい、こう思うんです。
#5
○政府委員(高木文雄君) 物品税は、言うまでもなく間接税でございますが、どうして間接税に課税が行なわれるかということにつきましては、所得課税――法人税や所得税のほうの所得課税が、現在の日本の場合では中心的な課税でございますが、所得課税では、どうしても所得の段階で課税をされる。ところが、間接税の場合、特に物品税の場合は、消費の段階で課税をされるということから、ある意味においては、一般的にかかってきて適当でない、所得の多い方も、小さい方も一律にかかってくるではないかという議論がある反面において、選択が可能でございます。
 物品税については、物品税のかかっておる品物を、酒やたばこと同様に買う買わないの自由が消費者のほうにあるわけでございます。そこにやはり間接税のよさというものがあるのではないかと思うわけでございまして、そこで直接税中心がよろしいか、間接税中心がよろしいかという議論はいろいろございますが、やはり両者の組み合わせによって、適当な組み合わせによることがよろしいのではないかということに考えております。
 ただ問題は、現行の物品税につきましては掲名主義、名前を提げてその物品についてだけ課税をするというたてまえになっておるわけでございますが、はたして現在掲名されております物品について、バランスがとれておるかどうかというような問題については、相当問題があるわけでございます。たとえば最近では、かなり必需品に、生活必需品と見られるようなラジオであるとかテレビであるとかいうものも課税対象になっておるということについては、いろいろ論議があるところでございます。
 今後の問題といたしましては、間接税というものをやはりある程度の位置づけをしていく必要があると思いますが、その場合に、現在のような個別消費税がよろしいのか、個別個別に酒、たばこ、ある種の物品というふうな品物をきめての個別の消費税がよろしいのか、もう少しやや一般的な消費税がよろしいのかというような問題があろうかと思います。十分お答えになっているかどうかわかりませんが、大体の位置づけはそういうことでございます。
#6
○山崎昇君 その程度のことは大蔵省から出ておる本読めばわかるんです。私もその程度のことはわかる。しかし、なぜ物品税というものが必要なのかということになるとわからない。いろいろ書いてありますよ、その裏にあります租税力がどうだとか書いてありますが、なぜ生活必需品にひとしいようなものにまで物品税という税金をかけるのか、これがわからないから、物品税の性格についてあなたに聞いている。いまのお話は、ずいぶん私も読ましてもらったから、その程度のことはわかっています。だから、物品税の性格が何なのかということを、ひとつもう少し的確に答弁してもらいたい。
  〔委員長退席、理事土屋義彦君着席〕
#7
○国務大臣(愛知揆一君) 物品税あるいは同時に御審議いただいておりますが、入場税といったようなものは、一口に言えば個別消費税体系に載るものである、こう考える次第でございます。それから、物品税それ自体につきましては、個別消費税の体系の中でどういうものにかけるかということになりますると、ぜいたく品は問題ないと思いますけれども、実は、世の中がだんだん進歩してまいっておりますから、率直にいってたとえば、五年前ではぜいたく品あるいはそれに近い便益品といわれて、だれも疑問をはさまなかったものも、今日は生活必需品的なものになっておりますので、その限界を求めることは非常にむずかしい、こういうふうに考えておりますが、しかし、そこのところをある程度便益品というようなものの中に一つの線を引きまして、この程度のものはかけてもいいんじゃないかという考え方で、物品を整理し、あるいは税率や免税点をくふうをいたしまして、今日御提案しているようなものを、この年度としては適当かというふうな考え方で御審議をお願いしておる、率直に申しますとそういう考え方でございます。
#8
○山崎昇君 どうも、私の聞いていることと少し答弁が違うように思うんですが、いまの物品税法に載っておる品物には、いいか悪いかという論ももちろんあります。私の聞いているのは、物品税そのものは一体性格的に何なんだろうか。いま大臣の御説明ですと、奢侈品だから、それの担税力といいますか、うしろにあるそういうものを考えてある程度国庫に納めてもらう、こういうお話です。しかし、いろいろ考えてまいりますと、五年前は奢侈品であったが、いまは世の中が変わったから生活必需品になっている。だから、税率は多少下がっても、取っておくんだ、こうなってきますというと、最初奢侈品として考えたときの性格が変わってくると思うんですね。そういう意味で言うなら、この物品税という性格がどうしても私にはわからない。いろいろ読ましたいただきまして、大体一致しているのは、奢侈的ものなだから、その裏にある担税力を考えて取っているんだということと、もう一つは、消費の抑制を考えておるんだと、大体整理するとそういう論になっておるようでありますね。しかし、だんだんだんだん読んでまいりますと、結局は、それも理屈が合わなくなってきて、最近では、財政政策上必要だから、これだけの財源確保だという意味のほうに重きがいっているんじゃないだろうか、こう考えるのです。そういう意味で言うならば、いまの物品税多少率は下がってまいりますが、たとえば、フィルムにいたしましても、その他にいたしましても、なぜこんなに大衆課税になるようなものを物品税として取るんだろうか、こうどうしても私ども納得できないのです、正直に言うと。したがって、この税率の問題だとか品物の問題の以前に、一体物品税という性格は何なんだろうか、もう少しどうもまだわかったようでわからぬものですから、くどいようですがもう一ぺんひとつお教え願いたいと思います。
#9
○国務大臣(愛知揆一君) 個別消費税ということから申しますと、その体系で税収入をあげようと思えば、ある程度生活必需物資にもかかるということになっても、税という面からだけ言えばそういうことが言えると思いますけれども、しかし、これは、消費者の選択というようなことも考えまして、この時期においては消費の抑制ということはいかがであろうかと実は思いますけれども、そういうことで、対象となる物品の選択を政府としてもいたしまして、なるべく生活必需品の性格の強いものは省いていこう。あるいはボーダーラインと思われるようなものについては免税点を引き上げるとか、税率を引き下げるとかいうところでくふうをしていこうと、こういう考え方をとっているわけでございます。
 それから、個別消費税と一般消費税という関係があると思いますが、たとえば、一般消費税体系というものを考えます場合には、どうしてもこれは大衆的な課税にもなる傾向が強いと思うのでありますけれども、現在におきましては、そこまで考えないで、やはり特定の品目を掲げた選択をしたやり方がちょうど中間ではないかと考えているわけでございます。
 それから、将来の問題として、やはり間接税というものを全体は捨て切らない、あるいは将来の財政需要というようなことを考えてまいりますと、やはり国税の体系として、直接税に対してやはり相当程度の間接税があったほうがいいと、これはまた狭い範囲の見方かもしれませんけれども、財政当局といたしましてはそういう考え方でございますが、いずれいろいろ御議論もあると思いますが、よく問題になる付加価値税でございますが、いま政府の立場では、付加価値税というものについては一般的に相当反対も強い、しかし、同時に、間接税というものも必要であるからということになりますと、やはり物品税、入場税というものを国税に置いておきたい、これが基本的な一つの考え方でございます。どうしても品目の選択や税率、免税点の問題は、非常に率直に申しますれば、便宜的であるという御批判を受けることもやむを得ない性格のものである、かように考えます。
#10
○山崎昇君 まだ私は釈然としないのですが、たとえば、いま個人消費税それから選択の自由がある、しかし、たとえば酒、たばこに例を一つとってみましても、酒を飲むときは、これはもう選択の自由とは名ばかりであって、いま日本の風習なり慣習からいきますと、酒をはずして生活というのは成り立たない。また国民のほとんどが、多い少ないは別にいたしまして、酒と切り離した生活なんぞというものは考えられない。そうだとすれば、選択の自由ということばはありますけれども、もはや酒なんぞというのは生活そのものになってきているんじゃないだろうか、こう思いますね。それからたばこにいたしましても、私は、たばこのまないのですけれども、これも選択の自由ということばはありますが、けさテレビの放送を見ておりますというと、もはやたばこも、のまない人もおりますけれども、これまた専売の宣伝もきいているんだと思いますけれども、これももう国民一人一人でいうと、ほとんどの国民がたばこをのむ、そういう点からいきますと、選択の自由ということばだけでいくのは無理ではないだろうか、そういう意味で言うならば、最も典型的な大衆課税ではないだろうか、なぜそういうものに、この物品税といいますか、そういうものがかかってくるのだろうか、これがどうしても解けないなぞなんですね。大臣から、あるいはいま主税局長からも答弁ありましたけれども、ですから私は、きょう時間あまりありませんからこれにあまり拘泥できないと思うのですが、いずれにいたしましても、この物品税というものは、将来私は、相当整理をしなければならぬし、根本から考え直す時期にきているのじゃないだろうか、こう思うので、その点ひとつ申し上げておきたいと思うのです。
 それから、物品税今度少し下がるわけでありますが、物品税下げる理由ですね、これもまたいろいろ説明でついています。ついていますが、私ども物品税を下げるということは、その品物が、その分だけ安くなるというふうにすぐ考えるのですが、必ずしも結果はそうなっておらない。通産省からいろいろな通達も出ているようでありますけれども、ほとんど物の値段は下がっておらないし、むしろ、理由はいろいろあるでしょうけれども、上がってきておる。言うならば、物品税を下げる最大の理由は一体何だろうか、私は、税の転嫁の理論からいけば、下がった分だけ全く消費者だけかぶって、何も値段は下がらない、むしろその間の業者の利益が増すだけではないのだろうか、そういうふうにすら、極端に言えば受け取らざるを得ないようないまの状況じゃないでしょうか。そういう意味で物品税を下げる最大の理由は何なんだろう、その点ひとつ御説明願いたい。
#11
○政府委員(高木文雄君) 物品税が税率の引き下げなり、免税点の引き上げが行なわれますならば、物価に対して好ましい影響があるということは言えると思いますが、それがその物価対策ということが今回の物品税の改正の主眼ではないわけでございます。
 それでは、なぜそういう改正をするかということでございますけれども、その点につきましては、ただいまも御指摘がありましたように、現在、高級織物でございますとか、あるいは書画、骨とうでございますとかというものについては、いろいろ執行上の都合もあって課税対象になっておりません。そこでかなり物品税の体系というものは乱れているというか、そういうかっこうになっております。そこで、その間において税率が六段階になっているわけでございますが、漸次奢侈の抑制――奢侈品課税とかあるいは消費の抑制とかというための、戦前に物品税ができました当時の法の趣旨というものが稀薄になってまいりましたこととの関連から申しますと、むしろ品目別にあまり多段階の税率があることについては、なぜAの品物がBの品物に比べて五%だけ税率が高いのかという合理性というものが漸次稀薄になってきております。
 そこで、方向としては、むしろ物品税の税率幅というものは漸次簡素にしていくべきものではなかろうか、それから、対象品目については、この新しい競合品目が出てまいりますので、むしろ逆に若干拡大の方向に向かってもいいのではないか、そこで、一般消費税とは違います、あくまで個別消費税ではございますが、方向としては、一般消費税の持ちます性格に物品税の方向を近づけていくということがこの際としてはよろしいのではないかというふうに考えておるわけでございまして、それが税率の四〇%というような、製造段階四〇%というような高い税率のものを三〇%に下げていくということにした主たる理由でございます。
 免税点につきましては、免税点が置かれておりますにはいろいろ理由があるわけでございますが、それは昭和四十一年以来物価水準の変動にかかわりませず、また賃金水準の変動にかかわりませず、固定をいたしておりますものですから、前回の改定当時に、非課税になるように配慮した品物について、最近は課税になってきておりますので、それをある程度調整するというのが目的でございます。
 免税点のほうは、単にそういう価格、賃金の変動に伴う調整が趣旨でございまして、税率ないし課税対象物品の拡大、縮小の問題は、先ほど御説明したような見地からでございます。
#12
○山崎昇君 いまの御説明ですが、税率幅の簡素化をはかる個別消費税を一般消費税化するんだ、こういうお話です。しかし、私どもこの内容を見ますと、奢侈品的なものの税率は大幅に下がる、一般生活上といいますか、大衆的なものの減税幅というのはたいしたものではない。言うならば、そういう面から見れば、高いものと安いものとの税率の幅が縮まったというだけじゃないですか。そして、いま御説明ありましたように、すぐ物価にどうということは、物価全体にはそれはたいした品目ではありませんから影響ないかもしれない。しかし、この税率が下がった品物そのものですから何にも安くならない。一体これはどこへいっちゃうんだ。ただ、ことしの二月の八日ですか、通産省の企業局長から、物品税軽減効果の消費者価格への反映についてという協力要請が各業者にいきました。しかし、その後の追跡調査も何もないようであります。言うならば、物品税を下げた品物はどうなったかということはどこも把握されておらない。そして、新聞報道等を見れば、いや形が変わるんだとか中味が変わるんだとかということで、ほとんど下がるものはない、逆に上がっていくような傾向すら示しておる。こう考えますと、私は、どうもこのいまの御説明でありますけれども、今回のこの物品税の改正についてもぴんとこないものがある。そういう点一体どうなるんだろうか。
 それから、あわせまして聞いておきたいんですが、この物品税法の四十二条というのは、あれはどういう趣旨の規定ですか。特に四十二条の第二項というのはどういう趣旨の規定なのか、まず御説明を聞きたいと思う。
#13
○国務大臣(愛知揆一君) 物価の問題につきましては、まあ実はこれから物品税を下げていただこうというわけでございますが、政府としては、成案を得まして、国会に提案をすると同時に、たとえば、通産省にもお願いをして協力を要請したわけでございます。これからいよいよ下げることができますれば、ますますもって強力にお願いもし、また追跡調査もし、業界にもさらに協力を要請するというような措置をとっていきたいと思っております。
 ただ、ただいま主税局長から正直に申しておりますように、全体の物価、労賃の趨勢がこういうような状況でございますから、物品税を下げたからといって、その分だけ下げられるかどうかということについては、なかなか困難な見通しでございますが、引き続き努力は続けていきたい。これが一つのねらいでありますことはもちろんでございます。
 それから、ぜいたく品のほうが下がって、それ以外のものと権衡がとれないのではなかろうかという御指摘がございましたが、これもごもっともかと思いますけれども、先ほど申しましたように、ボーダーライン的な、たとえば、なるほど貴石とか真珠とかというものは小売り段階で二割の税率が一割五分に下がっておりますけれども、これは実際けっこうなことだと思いますが、国民生活が向上してまいりましたから、こういったようなものにつきましても、実は相当生活に溶け込んでいるものが多うございますから、そういう点で若干の引き下げということを小売り段階で考えたわけでございます。
 そのほか各品目につきまして、具体的にそれ相応の考慮はいたしたつもりでございます。
 それから四十二条は、これは沿革的な理由がございまして、二十六年に、まだ占領当時に設けられたものでありまして、対米輸出の際に、国境税の調整というものを明確にするというために、対米輸出の際に、税額を明確にしたほうがよろしいということでこの四十二条の規定が設けられたものでありまして、この趣旨並びにその立法の趣旨というものは、原価構成の表示を目的とするためにつくったものではない、こう承知しておるわけでございます。
#14
○山崎昇君 第一の免税点が上がったり、あるいは税率が下がったり――しかし、私は、時間がありませんが、やはり奢侈的なものが大幅に下がってきておる、そうして一般大衆的なものがさほど下がっておらない。言うなれば、最高が三〇%になって、上、下といいますか、奢侈品と一般生活必需品との関係の差が縮まったという程度にしか理解できない。そういう意味では、今度の物品税の改正というものはあまりいい内容になっていないのではないだろうか、こういうふうに思います。
 それから、四十二条の二項でありますが、いま大臣から主として貿易上の理由でこれがついたという。だが、いまの実定法から言えば、当然日本国内における業者といえども、物の値段をつけるに際しては、当然税金と価格というものは別個に表示しなければならない。それが四十二条二項の趣旨でなければならぬと思う。ついているのは一つもありません。これは一体大蔵省はどういうふうにいままで行政指導をしてきたのか。私は、税金というのは、やはり国民に対してひとつの教育をしなければならない、教育ということばが悪ければ取り消してもいいんですが、ある程度なじむものにしなければならない、ことばをかえて言えば。しかし、税は、先日、税調会長にも申し上げましたが、このくらいむずかしい法律はない、これはやむを得ぬ面もありますが、一回目読んだら難解だ、二回目読んだら理解が困難だ、三回目読んだら不可解だ、こういうことばすら第一線の税務屋が言っているわけです。そういうことを考えるときに、一般国民は、この税法なんというものはほとんどわかりません。ですから、物品税がどうなっておって、それが値段にどういう影響があって、それがどうなっておるのかということは全くわからないんです。そういう意味で言うなら、当然四十二条という規定があるわけですから、行政指導をして、この物の値段がこれは価格が幾らで、そうして物品税が幾らで、合計して幾らです、そういう表示をして、そういうところから国民に対して、税というものに対して、幾らかでもなじませる必要あがるのではないだろうか。もし、そういうことができあがれば、たとえば、物品税がかりに五%でありましても、それが下がれば当然そのものの値段が下がるというふうに考えてしかるべきだし、下げられるのではないだろうか、それだけで物の値段をどうするわけにはまいらないと思ます。いまの経済法則からいってそれだけではどうにもならないことは承知しておりますが、少なくともその面から私は、指導ができるのではないかと思います。そういう意味で、今後四十二条の二項についてどういう指導をされていくのか。
 さらにまた付け加えるというと、これはたばこなんかの場合は、専売法できまっておりますが、必ずしも四十二条二項でいかないと思ますが、たばこについては値段すら入っていない。たばこ屋の店頭に行けば、ピースは幾ら、何が幾らという紙は確かにぶら下がっておるんです。しかし、たばこそのものには値段すら入っていない。私はこういうやり方はやっぱり改めるべきではないか、少なくとも国民に対してはこれこれが税金です、こういうことをふだんからやっぱりなじませるような行政というものが必要ではないでしょうか。そういう意味で四十二条二項について今後どういうふうに指導されていくのか聞いておきたいと思う。
#15
○政府委員(高木文雄君) 四十二条が制定されました趣旨は先ほど大臣からお答え申し上げたとおりでございます。しかし、この四十二条が実定法として定められた以上、この規定を十全に活用して指導してはどうかという御指摘はまことにごもっともでございます。ところが、実は現実には、二十六年当時改正がありました直後におきましてかなり強力な指導を行ない、これは対外的な問題でもございましたので、その当時きわめて短期間には励行されたわけでございますが、その後守られていないのはどういうわけかと申しますと、わが国の物品税の場合は蔵出し課税でございます。製造場から移出したときの蔵出し課税でございますので、その段階でそれぞれの品物について幾らの税額を製造業者が納めたかということについては、実は、販売業者自体も明確に承知をしていない、卸の段階、小売りの段階を経て店頭に品物が並びます際には、一品一品の物品について幾らで製造段階で支払われたかということが必ずしも十分に認識されていないということが一つ問題がありますのと、長年の商慣行と申しますか、そういう意味で、業者の間において税額表示をいたしますというと、つまり一割の税額のものであれば、その表示をした税額の十倍のものが製造原価だということになりますから、したがって、その後の中間経費が幾らに当たるということが商品に明示をされるということになります。その中間経費の明示を、販売業者なり小売り業者が非常に喜ばないということがありまして、税法のたてまえと申しますか、税を国民の皆さまに知っていただくという意味から言えば、先ほど教育ということばをお使いになりましたが、まさにそういう意味ではわれわれも望ましいこととは思うのでございますけれども、さてその見地から、それを強制することについては、商取引に非常に干渉することになりますので、なかなかそれができないということで、実は四十二条二項は現実的には空文化して今日に至っているという現状でございます。
 これをさらに強力に指導すべきやいなやということについて、ただいま山崎先生から御指摘がありましたような見解をお立ての方と、現行の商取引の実態からいって、そこまで、物品税というものがあるからといって、物品税をてこにして物品税のある品物についてだけ、そこらの原価構成なり、流通経費なりを明示することを強制するのは無理ではないかというお考えの方とありました。現段階では、私どもとして、この規定をもとにして強制することはしいてしないということで二十年来まいっておるわけでございます。
#16
○山崎昇君 それは国民を忘れた議論になりますよ。大蔵省から出された本を読むと、なるべく税は国民にわからせるように、明確の原則だとか、いろんなことをあなた方言いながらも、生活に一番大事な点になってくるというと、業者側に立ったような答弁だけしかしない。それは私は、きょう時間ありませんからこれ以上申し上げませんが、四十二条の二項は厳格にやってもらいたい。そうしませんと、物品税下げたって国民わからないんですよ。この中で議論する人はわかります。ああ今度は自動車の幾ら下がったとか、あるいはダイヤモンドがどうなったとか、そういうことはわかりますよ。しかし、一般国民大衆は物の値段で判断する以外にないんですから、そんなものはわかりません。そういう意味では、やっぱり税というのは、どんなささいなことであっても国民にわかりやすくしなきゃいかぬじゃないですか。そういう意味で、この点は、きわめて遺憾でありますし、今後大蔵省としては、この四十二条の二項については厳格にやるようにひとつ指導してもらいたいというふうに、意見だけきょう申し上げておきたいと思うんです。もう私自身の時間ありませんので、入場税で一、二点お聞きをしておきたいと思うんです。これも、いろいろお聞きしたいこと山ほどありますが、この性格もまた私いろいろ読んでみたけれどもわからない。しかし、それをやっていると時間がありませんので、ごく簡潔に一、二点聞きます。
 大蔵省から出されましたこの資料をずうっと見ますというと、たとえば平均でありますけれども、一回の入場税の占める位置を見ますというと、一番安いのが競輪関係で八円、一番高いので演劇関係の九十一円ですね、入場税というものは。そうすると、一体この一回八円の入場税をなぜ取らなきゃならぬのだろうか。これはあなたのほうから出されました国税庁の税務統計による資料ですよ。一人一回の平均入場料金の推移という中に、四十六年版がありまして、たとえば競輪で言いますというと、税抜きが七十九円、税込みで八十七円といいますから一回の税金八円、私は、この競輪はギャンブルで、またギャンブル税等が論議されている時期でありますから、いいとか悪いとかということを抜きにして、なぜこの八円ぐらいのものを取らなければならぬのか。あるいはスポーツにいたしましても、せいぜい二十何円です。演劇が一番高くて九十一円です。なぜこんなものが入場税として取られなければならぬのだろうか。私は、この演劇だとか、こういうものは人間の心の形成の問題であって、きわめて重要だと思う。そういう意味で言うならば、これほどのものを取らぬでも、私は、入場税なんかは撤廃すべきじゃないだろうか、こう思うんです。これが第一。したがって、この入場税というものは一体性格何なんだろうか、一回八円ぐらい取るものの性格は何なんだろうか、どうしてもこれはいろいろ調べてみましたがわかりません。
 それから、最近問題になっておりますが、ゴルフの会員権は何十万、何百万払おうと、これはただだ。何も税金がかかっているわけじゃありません。何回行こうが、これも入場税に、規定にありませんから一つも取られない。たかだか行って一回八円の入場税が取られる。こういうことを考えてきますと、いかにいまの税というのは不公平なんだろうか。特にいまの政府は、スポーツだとか演劇だとか、映画だとか、言うならば、文化関係に対してきわめて私は、理解がないのではないだろうかとすら思わされます。そういう意味では、くどくど言いませんが、どうですか、この入場税撤廃しませんか。そうしてみますというと、今年度でわずか八十六億円ですね、この収入が。これは、法人税なり所得税なり二兆何千億あるような自然増収があるんですから、その中でわずか八十六億円で、一回八円ぐらいの入場税を取らなければならぬという理屈はないのではないだろうか、こう思うんですが、入場税の撤廃についてどうですか。
#17
○政府委員(高木文雄君) この間この席におきまして税制調査会長もおっしゃっておりましたように、入場税については、その文化的な面という角度から見ますというと、非常に問題があるわけでございます。で、それにもかかわりませず、なぜ私どもが入場税を今後とも存続するという前提でものを考えておるかと申しますと、この入場税は、実は地方税でございます娯楽施設利用税、それから、料理飲食税というものと相互に関連をいたしておりまして、それらがみんな一つのグループとして物品税と対応して、一種の品物、購入でなしにサービスの購入に対する税というかっこうになっておるわけでございます。
 そこで、最近のこの消費の傾向から申しますと、物品購入というものは、一時耐久消費財等が非常に重要な商品になっていた時代もございますが、むしろそれは最近ではだんだんそういうものの購入よりは、どっちかというとサービスを求める、所得に若干とも余裕があった場合にはサービスを求める、旅行とかを含めましてサービスを求めるということが一般的傾向になっております。そこで、間接税−消費税をよしとするならば、物品に対する税とあわせましてサービスに対する税というものが相当意味を持つものというふうに考えられるわけでございます。先ほどゴルフの例も引かれましたが、ゴルフにつきましては、ボウリング場その他と同様に娯楽施設利用税のほうで課税になっておるわけでございます。で、体系が二つに分かれまして、娯楽施設利用税と入場税とが分かれましたので、非常に御理解をいただきにくい形になっておりますが、そういうものの税の角度から、どうしても入場税を残していきたいという気持ちを持ちます税の立場は、先ほど申しましたように、そういうサービス全体の一環の問題として考えているわけでございます。で、従来から入場税については、文化という面もあり、たしなみという面もあって、もう少し考え直したらどうかという御指摘をしばしばいただいておるわけでございますが、私どもといたしましては、そのサービス課税との関連でなかなかまあ廃止しがたいということがございますので、今回はまあ、かねがね御指摘の御趣旨も入れまして税率を下げるということにとどめたわけでございます。
#18
○山崎昇君 じゃ重ねて聞きますが、ゴルフやるような、これはあんまり一般化されてませんね。最近まあ若い人もずいぶん行っているようでありますが、いずれにしてもゴルフ行くったらかなりな人です。そういうものは娯楽施設利用税だけで、地方税だけでやっちゃって、そしていま私が指摘しましたように、これだけ大ぜいの者が行くような大衆的なスポーツだとか、あるいは文化関係のところへ行きますというと、娯楽施設利用税にあわせて入場税だと。言うならば、ことばを縮めて言うと、金持ち階級に対しては一つの税だけであって、一般大衆に対しては二つも三つも税をかけて取っていくと、こういうやり方に結局、結論はそうなります。そういうことは私はやっぱり考えるべきでないし、それからいま、先ほど来申し上げているように、一体なぜ八円程度の、一回まあ平均でありますけれども、なぜこういうものを取らなきゃならぬのか。だから、私は、文化の振興だとか、もっとスポーツの振興をはかるなら、当然こういうものはやめるべきだと、入場税なんというものはやめるべきだと。そしてその、八十六億程度でありますから、不足財源なら、これはもう八十六億程度ならどうやったってこれは補てんできないことはありません。そういう意味で言うになら、国民のやっぱり体位向上に関連する、精神形成上たいへん影響のありますようなこういうものについてはやめてもらいたい。まあことしはいまあなた方提案されておりますから、ここですぐ撤廃できぬにしても、少なくとも来年度はもうこういうものはやめるということの答弁ぐらいあってしかるべきだと思うんですが、どうですか。
#19
○政府委員(高木文雄君) 一つお断わりしておきますが、入場税と娯楽施設利用税は、課税対象が違っておりますから、ダブることはないわけでございます。ゴルフの場合には、娯楽施設利用税はかかりますが、入場税はかかりませんし、映画演劇等のほうは入場税はかかりますが、娯楽施設利用税はかからないわけでございます。もともと一つの体系の税でありましたものが、分解していまのような形に分かれたわけでございます。
 次に、ただいま御指摘のように、税収としては百億未満のものでございますから、現在の国の税収としてはあまり重要の意味を持っておりません。したがって、入場税は一種の税収目的のものだという――まあ税収を離れて税は考えられませんけれども、税収に主眼を置かれたものであるということではないわけでございます。それならば、入場税をやめてはどうかということになってまいりますが、入場税をやめるということの意味でございますけれども、それはどうしても他のサービス課税をやはりどのように位置づけるかという問題に影響してまいりますし、そのサービス課税そのものについては、先ほど申しておりますように、現在物品税に比べましてむしろ、何といいますか、おくれがちでございまして、物品税――物品を対象とする税よりも、むしろサービスを対象とする税のほうを将来拡充していかなければならないのではないかと、そうしないと、消費に対して税を求める場合のバランスがくずれがちなのではなかろうか、こういう関係にあるわけでございます。
 で、しかし、それとはまた別に、全然別の角度から、音楽や演芸やスポーツについて課税があるということについては問題があることは御指摘のとおりでございますので、一方においてサービス課税のあり方をどうするかということを検討すると同時に、一方においてまあいわば文化的なものに対する税というもののいかんということは検討してまいりたいと思いますが、年限を切っていつまでにやめられるかということについてはこの場ではお答えいたしかねるということでございます。
#20
○戸田菊雄君 山崎委員がいま入場税で質問しましたから、関連をして二、三の点について質問をいたしますが、入場税も、あるいは電気ガス税、そういったものは戦費調達の手段として戦時中設立されたものなんですね、だから、本来なら私は、戦後はそういう役はすでに終わったのですから、当然廃止をしてしかるべきじゃないか、こういうふうに基本的には思うのでありますけれども、ただ、今回の改正で、若干の税率の引き下げをやっております、やっておりますけれども、一番問題なのは、やはりこれは国税局長も十分御存じだろうと思うのですが、子供さんの演劇、あるいは映画、そういうものの鑑賞に対するこれは全部、何といいますか、会員制でやっている。それで何とか、いまのような世相でありますから、いい映画がないということで、両親が非常に苦労をしまして、そうして情操教育の一端として実はやっているわけなんですけれども、そういうものに対する課税を今回そのままに放置をしておくということは、ちょっと私は理解できないのですけれども、その点はどうですか。
#21
○政府委員(高木文雄君) ただいま御指摘の子ども劇場の問題は、昨年当委員会においても熱心に御議論いただきましたし、私どもといたしましてもずっと今日まで検討してまいりました。でき得るならば、何らかの解決方法を見出したいと思ったわけでございますが、解決方法としては、一つは、そういう教育的目的のものについては何か特例を設けるということが一つの道でございます。しかし、これは現在生徒、児童などが映画、演劇を鑑賞する場合に、先生に引率されていくという場合に限って入場税を課さないことにしているのは御承知のとおりでございますが、子ども劇場の場合のように、社会教育の一環として行なわれる場合に、社会教育というのはフィールドが非常に広いものでございますから、どこまでをいわば非課税措置の対象としていいかということについていろいろ検討はいたしましたが、何とも線の引きようがないということで、そっちの角度から問題を解決する方法がなかなか見つからないわけでございます。
 しからば、一種の免税点のようなことで処理はできないかということでございますが、現在の子ども劇場が非課税となるような程度にまで免税点を引き上げるということになりますというと、現在の映画のほとんど半分以上――平均以下のものは全部非課税になるというような水準になってまいります。で、そうなりますと、先ほど来山崎委員が御指摘になりましたように、本来入場税を課するのはおかしいのだという立場に立てばわかりますけれども、やはり入場税もそれなりに意味があるのだという前提に立ちますと、非課税限度をそこまで上げますと意味がないことになってまいりますというようなことで、なかなか糸口が見つからなかったわけでございます。今回たまたま税率を半分に下げることになりました結果として、子ども劇場の皆さんにとっても半分に入場税は下がるというメリットが及ぶわけでございますので、今後の問題はまた今後の問題としていろいろ検討いたしますけれども、今回はこの入場税率の半減ということでおこたえをするということにとどめざるを得なかったわけでございます。
#22
○戸田菊雄君 たとえば、非課税対象として三つほどあるわけでありますけれども、その第二項の「教員の引率により、」これを非課税対象にしているわけですね。だから、たとえば、制度上ほんとうに検討して非課税体制にもっていくということであれば、教員の引率「等」を入れて、その中には局長がいま指摘をするように、いろいろ範囲の問題でもって非常に線の引き方がむずかしいと、こう言うのならば、制度上は一応そういう対象にしておいて、そうして具体的な実施内容については別途この線の引き方を検討していく、こういうものがあっていいんではないかと思いますが、その辺はどうですか。これは何も、表現上それだけで私は事済むと思うのですね、制度上は。
#23
○政府委員(高木文雄君) 今回の改正でも、従来非課税とされております学生、生徒の範囲に、保育所や教護院の幼児や児童を加えることにいたしましたのも、気持ちとしては、漸次線を引き得るものは非課税になるようにその範囲を拡大していこうという趣旨でございます。保育所、教護院の場合も、やはりそれぞれ学校の先生に対応するような方がおられますので、そういう方が連れていかれるということであれば、線が引けるということになるわけでございます。で、子ども劇場の場合の難点は、いまのところはとにかく子ども劇場というシステムは一つの社会教育として行なわれているわけでございますが、そのメルクマールがなかなか立てにくいわけでございまして、将来この児童、生徒に対する非課税制度の延長として何かメルクマールを立て得る道が開けるならば、可能性がありますけれども、なかなかそれを見つけることがいままでのところでは困難であったということでございまして、今後とも勉強さしていただきたいと思います。
#24
○戸田菊雄君 それでは、大臣が参りましたので、ガリオア等の問題の内容について質問するわけでありますが、その前に、若干国際通貨等の問題について伺っておきたいと思います。
 その一つは、ニクソン・ショック、いわゆる二年前の八月十九日でありますが、あの声明以来、どうも政府の動きを見ていますと、なかなかわれわれは理解しにくいところがあるわけですが、一貫して政府の態度は固定相場執着といいますか、そういうところに執着をしているのじゃないかというふうに考えます。いま世界の状況を見ますると、ECブロックは、とにかくドルから離脱をしようという考えになっているのじゃないだろうかと思うのですね。それから、アメリカ自体としても、この国際通貨の基軸としては、ドルはもうだめだと、こういう考えに立っているのじゃないかと思うのですけれども、そういう中で、日本の政府の態度というものは、一貫してドルに何とかしがみついてやっていこうと、ドルと心中、いわゆるそういうきわめて不理解な状況をわれわれとしては見るわけでありまするけれども、そういう問題については大臣はどう一体お考えですか。
#25
○国務大臣(愛知揆一君) 国際通貨の問題については、私どももいろいろの機会に申しておりますけれども、ドルにしがみついていつまでも唯一の基準通貨でドルがあらねばならないという考え方、あるいは見通しは持っておりません。
 この間のワシントンでの二十カ国会議の結論のコミュニケにもありますように、調整可能な平価相場を国際的に確立するということが望ましいということになっております。これはむしろ日本の主張といいますか、あるいは期せずして各国のコンセンサスがそういうところに表現されたわけでございまして、横文字になって恐縮でございますけれども、ステープル・バット・アジャスタブル・パーバリューというようなことばが使われているということは、従来的な感覚の固定相場制度というもの、つまりアメリカだけを基準通貨にした、いわばスミソニアン以前の体制というものを今後も絶対的なものとして確立していこうという考え方ではないわけでございまして、同時に、現在の調整過程といいますか、暫定的にはお互いに変動相場制をとり、フロートしている事実を認め、かつ、これをできるだけ平静に維持していこうということを暫定的な方向としてお互いに理解し合い、支持し合うということになっているわけでございます。こういう環境でございますから、たとえば、SDRというようなものを、もっと建設的な、もっと魅力あるものに仕上げて、これをだんだんと中心に考えていくという考え方が、だんだんに強くなってきているというふうにも思われるわけでございますが、それらの点については、ひとつこれから、現は行なわれつつある蔵相代理会議で精力的に各案を検討して、できればこの秋には結論を得たいということに進んでいるわけでございます。
 一方、ドルにつきましては、日本も相当のドルを蓄積して持っているわけでございますから、ドルについても、アメリカ自身が、国際通貨の現にやはり大きな支払い手段としての地位を持っておりますことにもかんがみて、できるだけ交換性の回復をはじめとして、アメリカ自身としても大いに努力をしてもらわなければならない、そういう考え方を進めていく、これまた半面になりますが、やむを得ざる手段として、いわゆる一部では、コンソリデーションというようなことについてもよい方法はないものだろうかということが検討されている、こういうことが、諸般のこういったような情勢を反映しているものであると、こう御理解いただければ適当ではないだろうかと、こういうふうに考えるわけでございますし、同時に、日本自身といたしますれば、ドルの活用ということもあわせて、いままでよりも積極的に、まあ情勢がいろいろ変わりつつありますけれども、考えていってよろしいのではないか。
 たいへんこれは広範な問題で、なかなか簡単にはお答えしにくいと思いますけれども、ただいま申しましたのが、大体の現在の環境であり、また、日本の政府としての見方であり、努力の方向であるというふうに申し上げてよろしいのではないかと思います。
#26
○戸田菊雄君 私は当時ニクソン・ショックのときに、政府の円対策、これが発表されまして、当時、田中通産大臣、水田大蔵大臣でありましたけれども、そのときに一たん停止をしたのでありますが、大体状況はそのほうに行っているんじゃないかと思うのですね。というのは、いま国際通貨はブロックの方向に徐々に進みつつあるように私たちは判断するわけですが、もちろん学者によっては一長一短ありまして、是とする者、非とする老いろいろあるようでありまするけれども、いやおうなしにいまの状況というものは、そういうところに行っているんじゃないだろうか。一つはドル圏ですね。それから一つはEC圏、それから一つはコメコン、それから、中国を中心とする元の通貨を土台とするそういうものにいま動きつつあるんではないだろうか。そういう状況になれば、日本は一体独自にどういう具体策を持っておるのか。ですから私は、むしろこれから国際通貨の立て直しについては、従来既存の加盟国だけではなくて、社会主義国を含めて日本がイニシアチブをとって、そして総体をまとめきって、通貨体制の安定したものを確立をしていくような、相当長期にわたると思うのですけれども、そういうやっぱり具体策、方式というものが、日本が積極的に役割りを果たしていってどうなんだろう、こういう考えを一つは持つんですけれども、その辺に対する考え方、もちろんそれがためには、現在のIMF体制というものは改組しなくちゃいけないと思うのですが、その上に立って、社会主義国等を含め、全世界の国際通貨の体制というものを確立をする、こういうことが、やはり長期になるかもしれませんけれども、日本がやっていくべき役割りではないだろうか、こういうふうに一つ考えます。
 それからもう一つは、いまのフロート継続で、私は、円の大幅切り上げは不可避的になったと思うのですけれども、その辺の見解はどうでしょうか。
 それからもう一つは、今回西独はマルクを四%切り上げましたけれども、西ドイツ独自の通貨体制についての考え方というものはきちっと持っておりますね。マルクが強いのか、弱いのかという判断をきちっと出しております。日本の場合は、円が一体、外国に行くと強いと言われておるけれども国内に帰ってくると非常に弱いでしょう。一体強いのか弱いのか、その辺まだ不明快だと思うのですね。だから、そういう面に対する日本独自の考えというものを、やはり国際会議等で、私は、びっしり打ち出していく必要があるのじゃないだろうか、こういうふうに、実は考えるわけなんですが、その辺の見解についても、ひとつお伺いをしておきたいと思う。
 それからもう一つは、ドルが実質的に、今回、一〇%切り下げられたわけですから、結果的には弱いということを証明したと思うんです。大体、いま外貨準備高は、日本で二百億ドル、約六兆円ちょっとあるわけでありますが、今後、日本の政策としては、やっぱりドルを一面受け取らないという方策がひとつ必要じゃないか、一面では、ドルを切りくずして使っていく、これをたまらせないという、そういう二面政策が、どうしても必要になってくるのじゃないかと、そういう一面で、あとガリオアの返済等についてドル削減の方式をとっているようでありますから、あとで具体的な問題についてはお伺いしたと思うのですが、そういう面に対する見解は、大臣、どういうお考えを持っているか。
#27
○国務大臣(愛知揆一君) まず第一に、これは少し口はばったいことを申しますようで恐縮でありますけれども、最近の国際通貨問題についての会議において、一つの経済の秩序ある発展、いわゆるワン・ワールド・エコノミーということが終局のわれわれの目標でなければならない。そのためには、イデオロギーを越え、国境を越えて、全世界がそういうふうな方向に進むことがわれわれの終局の目的であるということを、まっ正面から切り出しておりますのは日本だけでございます。このことは、いま戸田さんが第一段に御指摘になり、かねての御主張であると思いますけれども、まさにその考え方でございます。
 それからその次に、しかし同時に、現実の問題としては、ECや、あるいは米国や、あるいは日本やと、自由世界の中では、もうすでに三大勢力であるということが、もうこれは自他ともに許すような状況になっております。そのほかに、元の問題もございましょうし、コメコンの問題も御指摘のとおりにございますが、やはり終局的には、地域的に関係の深いところ、あるいはその他従来からの沿革などによって、相当のグループが、その一つの世界の建設を目ざしながら、現実に相当の発展をしていくということは、私は、これは自然の成り行きでもあるし、あながちこれを否定することはできないと、こういうふうに考えるわけでございます。ただ、あくまでお互いの連絡、協調あるいは理解、支持ということが確保されなければ、将来ともに安定した世界経済の発展はできないと、こう思いますから、ますますそういったようなグループ同士の連携を緊密にしていかなければならない。まあ、国際通貨問題の組織などに対しましての発言力というようなものを、もっと強く確保したいということを私ども考えておりますのも、そうした考え方の一つのあらわれであるわけでございます。
 で、マルクにも御言及になりましたけれども、これはやはりEC内のバランスをとって、共同フロートをするというために必要であった措置でありまして、それなりにこれは理解ができるわけだと思います。
 それから円は、一体、強いのか弱いのかと、外に対して強く、内に対して弱いと、これはよく言われることでございますけれども、結局、これは、日本国内の物価の問題であると思います。したがって、やはり政府としてはもちろんでございますけれども、全力をあげて物価の安定、ある程度以上に上がらないというようにすることが、それすなわち、内外に対して円が安定するということであろうと思いますから、この方向にできるだけの努力は、もちろん続けていかなければならないと考えます。
 この点については、やはり国際通貨会議でも、われわれも主張を強くしておりますし、コンセンサスもできたわけでございますけれども、それぞれの国が、国内のインフレ対策というようなものに、強力な努力をお互いに続けることである。これが非常に必要なことである。そして、いたずらに為替相場を切り下げるということで国際競争力を増すということや、あるいは実際上の実勢に沿わないような相場をつくって、それで保護主義的なやり方をやるということは、お互いにやめようではないかということが、コンセンサスとしてでき上がっておりますのは、これに関進した考え方であると思います。
 それから、ドルについてはどうするかということでございますけれども、日本としては、アメリカとの間の貿易・資本の関係というものが他に比して圧倒的に多いわけでございますから、日本としては、ドルの前途については、特に関心を深く持たざるを得ないわけです。基本的には、ドルがもっとしっかりしてくれればいいと、信認が回復されることが、日本としても望ましいことだと思いますが、同時に、日本といたしましては、ドルの活用ということを考えることが必要でもあり、またそれが結果において、いわゆるドル減らしということにも通ずることであると、こう考えるわけでございますが、これはなかなか、こういう変動の多いときでございますから、的確に希望的な観測だけを申し上げるわけにまいりませんけれども、一時、百九十億ドル台から二百億ドル台にというふうな状況でありました日本の外準は、三月末では百八十億ドル、そして今後また、ある程度これが減少するという見込みも立てております。で、これは、言いかえればフロートしておる現状においての東京の為替市場の動向、あるいは事実上、現在の円の実勢相場というものが、スミソニアン以前に比べれば、相当に現実には切り上げられておりますが、そういった影響が対外貿易の面においても、相当の効果というとおかしいかもしれませんが、その効果があらわれてきつつあるということも、同時に、反映しているわけでございますから、これ以上ドルというものが急速に、巨額に蓄積されるということはまずないと見通してよろしいのではないかと思います。
 ただ、これは最近におけるドイツのマルク市場におけるような、まだ何と申しましても小康を得ている状況でございますから、先ほどお断わりいたしましたように、的確に判断、見通しを申し上げることは早計であるかと思いますけれども、まず、いまの状況から見ますれば、そして大きな異変がなければ、こうした外準の状況というものは、好ましい方向に変化しつつあると、こう見ていただいていいのではないかと思いますけれども、なお、今後とも適正な外貨準備ということを念頭に置きながら、そしてよくいわれることでございますが、多年、国民の努力によって、正常な輸出活動によって蓄積いたしましたドルでございますから、これを国民に還元をするということを常に頭に置きまして、有効適切にドルの活用ということをやはり考えていかなきゃならない。
 それからもう一つは、これはやはり非常に慎重な、また、周到な検討と、関係の国々の理解と協力が前提でありますけれども、円というものの、やはり国際的な責任といいますか、その国際的な責任というものをわきまえてどういうふうに円というものが積極的な役割りを尽くすべきであるかというような点についても、これはいますぐの問題ではもちろんございませんけれども、やはりいろいろの点から頭に置いて、常に勉強しておく必要があるのではないか、こういうふうに考えております。
#28
○戸田菊雄君 時間がありませんから、これで通貨関係は終わりたいと思うのですが、最後に、いまの大臣の答弁の中で、一つは、交換性そのものに対して希望しているような答弁であったわけですけれども、この前の国際会議においても、この交換性についてはもうすでにアメリカはやる気がないということは大体はっきりしたろうと思うのですね。
 もう一つは、金交換もこれはだめだというようなことになっているわけですが、そういう状況の上に立ってなおかつ交換性の回復を希望するという。そうだとするならば、一体この交換性回復にどういうメリットがあるんだろうか。この辺の見解をひとつお伺いしておきたいと思うのです。
 それからもう一つは、SDRの問題でありますけれども、御存じのように、現行SDRというものは、無国籍の通貨の引き出し権、こういうたてまえであります。これには結局経済性の裏づけがないのですね。現在世界的にドルのたれ流し、放出が約八百億ドルといわれているわけですね。そういう中で、現行のままのIMF体制をこのSDRに置きかえてそのままやったら、私はIMFの二の舞いになっていくんじゃないか、こういうふうに考えるんですけれども、どういうことで一体このSDRの機能なりそういう体制というものを考えていかれるのか。私は希望としては、見方としては、結局国際通貨というものは金本位性に返らざるを得ないんじゃないかというふうに考えているんですけれども、その辺の今後のSDRに対する日本としての考え方、この二点だけをひとつお伺いをして、時間が一時間内ということでありますから、これで終わりたいと思います。
#29
○国務大臣(愛知揆一君) 第一の交換性の問題でございますけれども、これは二回にわたるパリ会議、それからワシントンの会議、都合三月以来三回あったわけでございますが、これらの会議においても表明されておりますけれども、アメリカも大いに責任を感じて、国際通貨安定のためには努力をしなければならぬという態度は各国に理解されているところであって、その中には交換性の回復ということ、これは御案内のスワップというものがコミュニケにも登場してきているということも、これに相当の関係がございますし、また先ほどちょっと触れましたけれども、ある場合にコンソリデーションということも、結局交換性ということとこれは関連のある問題である。
 それから同時に、ユーロダラーといいますか、あるいはアメリカの資本の流出、これによって数百億のドルが投機の原動力になっているということの現実に対して、アメリカとしても、資本の規制ということについては、資金の移動等についてのコントロールについて相当の役割りを果たさなければならない。またこれに各国、これは非常に広範囲な国々になるわけでございますけれども、それぞれ協力をしなければならない。こういう体制が逐次具体的にあらわれてきていることは歓迎すべきことであると思いますが、さらに、これらの点については、御案内のように累次のコミュニケにもあらわれておりますように、特に蔵相会議全体として、代理会議に対して、具体的、建設的な成案をつくること、しかも、これは急速でなければならないということを会議全体として支持をいたしたわけでありまして、これらの作業が現に始まっておりますし、それから、たとえば、明後日からですか、アジア開発銀行の総会などの機会にも、いろいろとそういう点については、公式あるいは正式の話し合いではございませんでも、この代理会議をさらに鞭撻する結果になるようないろいろの案も出てくると思います。また、そういったような機会に関係国の担当の大臣等の日本に対する往来も非公式にも相当ひんぱんでございます。日本としてかくあるべしという考え方については、できるだけあらゆる機会を通じて努力を重ねていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#30
○戸田菊雄君 それじゃ、具体的に余農債務とガリオア債務の返還についてお伺いするわけですが、きのう事務当局のほうから資料はいただきました。この余農債務及びガリオア債務の概要についていろいろ述べられておるが、過去の経緯はこういう状況だと私も思うんですが、そこで問題は、余農債務の場合に、第一次、これは三十三年から昭和七十年六月三十日に返済という計画です。それから第二次の場合は、三十四年から七十年ということでドル払い、円払いということでいっているわけですが、この利子が三%、四%ということになっているんですね。ガリオア債務については、三十八年から五十二年までの計画なんですね。これは利子が二・五%。それが今後三年間、いわゆる四十八年度、四十九年度、五十年度、この三カ年で返済を完了しよう、こういう計画なんですね。
 政府関係予算の産投出資の、いわゆる開発銀行への資本出資、これが大体二千三百三十九億七千百万何がしあるわけなんです。ですから、現行、四十八年三百五十億、四十九年に二百四十億、五十年に百二十億ということで返していくわけですけれども、総額において七百十億、こういうことになるわけですね。そしてその効果がさしあたってドル減らしの一億七千五百七十五万、これを減らすことができるというんですね。だから、確かにそういう面での政府計画については一般了承をするのでありますが、財産があるんですから、一応開発銀行出資をした分の二千三百億何がしのこの財産から六百十億程度取りくずして、これを一挙にひとつ返してはどうかという考えを持つんですけどね。確かに日本開発銀行は六百十億程度出資金が減りますから、その運用資金についてはいろいろ困るということもあるでしょうが、これは昨年の改正によって五〇%、資本金のですね、弾力条項を設けて、融資体制はそのつど審議会にかけて答申さえあれば、これはできますよということを当時確認をしているんですから、そういう方式でもっていったらどうなのかというのが一つの疑問です。ですからこの点についてどういうお考えを持っているのか、考え方をひとつ教えていただきたいと思います。
#31
○国務大臣(愛知揆一君) 前段については、政府の考え方も御了承いただいておるようでありがたいわけでありますけれども、要するに、まあ繰り返して恐縮ですが、昭和七十年ですか、一番長い期限は、そしてこれを五月一日現在で勘定いたしますと二億五百万ドルの残高であって、これを繰り上げ償還をする。そして一億七千五百万ドルに元利の合計が相当減ってくるわけでございますが、これで一括返済をする。そうしてその返還をするのに際しての、要するに円の資金繰りの問題、これは国内的な問題で、産投会計から支払うわけですから、産投会計の穴埋めをいま御指摘になりましたように、今後三年間で借り入れ金をしているものを埋めていこうというわけであります。
 この内部的な操作と申しますか、これについては、そもそも、ガリオアに例をとっていえば、国民の税金の負担では返すべきでない、政府も返したくないということで、運用収入で充当するということに返還の計画はそもそも立てられているわけでございます。で、御指摘のように、出資金を取りくずすということも一つの考えでございましょうけれども、これを回収するとなりますと、現に運用中の資金の穴埋めとして政府の融資を増加する必要を生ずるのではなかろうかということ、それから一方、将来においての開銀の納付金が減少することになると。こういうふうなことも考えあわせてみますと、ここに御提案いたしたようなやり方が一番筋が通るのではなかろうかと、こういうふうに考えたわけでございまして、なるほどこの円資金の調達については三年間国内的にはかかるわけですから、そんなことをしないで、一挙にここで円のほうの手当てもしたらどうかという御案も一つの御案かと思いますし、また政府としても実は考えないではなかったわけでございます。しかし、沿革的に申しましても、それから、ただいま申しましたような関係もございますので、やはり三カ年かかってこの借入金を返済をするというほうが妥当であろうと、こういう結論をつけたわけでございます。
 なお、金額的あるいはこまかい点につきましては、政府委員から補足的に御説明をしてもらいたいと思います。
#32
○戸田菊雄君 まあ提案の内容も一つの方法だと思いますけれども、非常に私は――国家運用としては同根なんですね、特別会計の操作上でやっているわけですから。そうしますと、たとえば、所定の返還計画どおりでいけば、利子は非常に安いんですね、三%ないし四%、二・五%ですから、それぞれ安い。ところが、資金運用部から三百五十億、二百四十億、百二十億借りてくると、利率だけ考えても六・二%。で、事務当局の考えを聞きましたら、その分は返還でもって三千万ドルまけさせましたと、こう言っているんですね。だから、同じ特別会計の操作、やり方で、同じ国の金を動かしていくんですから、それを片方は安いのに、片方は高い利子で借りてきてこれを運用すると、そういうむだなことをやらないで、どうせ財産はあるんですから、その二千三百何がしの出資金の中からこれを取りくずして、そして一挙に返していく、その補てん分は、開発銀行に対して、これは五〇%の弾力条項ということで、ざっと計算しても百十何億かは浮いてくるんですね。できることになっている。あとの五百億近いものをどうするかということにかかっているわけです。それがいま、開発銀行でなければ資金運用部の四十八年度計画が遂行できないというなら、別途運用ができるようになっているんですから、そういう方法でいったほうが、むしろほんとうにドルを減らし――一面、凍結になったらたいへんだという考えもあるんでしょうが、それならそれで、早期にこういう問題を一挙に解決しちゃったらどうかという考えを持つんですが、いずれにしても六・二%の高い利子で持ってくるんでしょう、資金運用部から。その辺がどうも私は、同じ国の財政運用のしかたによって高い利子でもってそれを返すような、そういう仕組みの中で返済計画をつくっていくということは、どうも納得がいかないんですが、これは事務的にひとつ説明してみてください。
#33
○政府委員(後藤達太君) 数字的な詳細な点など御説明さしていただきたいと存じますが、第一に、その従来の経緯でございますけれども、三十七年にガリオアの返済が決定されました当時、やはり、その返済のしかたについての御議論があったやに承知をいたしております。そのときに、開発銀行に対する出資金が二千三百四十億でございました。ただし、そのうちで、ガリオア関係の返済にその財源として充当し得るもの、つまり見返り資金関係の出資のものというのが二千五十三億でございます。並びに見返り資金から産投会計が承継をいたしました開発銀行に対する貸付金がございまして、それが三百八十八億でございます。したがいまして、当時、見返り資金関係から開発銀行に対します出資金と並びにその開発銀行に対する貸付金の元利回収金、これを合わせますと二千四百億ほどでございまして、ガリオア関係の返済総額が元本で千七百何億と。それから、利子まで入れまして二千百億弱でございます。したがいまして、その元本だけで当時すでに返済所要額はカバーをしておったわけでございます。
 しかしながら、この返済のしかたとしましては、先ほど大臣の御答弁がございましたように、その運用収入で返済をしていく、その運用収入で返済をしていく予定が立ったものでございますから、したがいまして、その方針を続けてまいったわけでございまして、今回の繰り上げ償還につきましても、一時的な資金繰りをもちまして、やはり三年程度のうちには開銀の従来の方針に基づきます納付金によりまして、その借入金、短期の借入金も完済ができる、こういう予定が立ったものでございますから、その方針を踏襲したということでございます。
 それから、並びに開銀についての弾力条項の発動をして資金繰りをつけてはどうかというお尋ねのように私拝聴いたしたのでございますが、ただいまのような方針でまいっておりますので、やはり開銀の利益金の中から返済をするというような方針でまいっておるわけでございまして、開銀の借入金がふえましても、そのままストレートに利益の増加ということにはならないというふうに考えるわけでございます。したがいまして、そういう方法をとらないで、従来の方針に、御提案申し上げておりますような方法が一番合っておるんではないか、こういうふうに考えた次第でございます。
#34
○戸田菊雄君 確かに、開銀の国庫納付金実績はいただきました。どれくらい利子が入っておるか、これはわかるんです。ただ、私の言うのは、六・二%利子で資金運用部から持ってくる、片方は三%以下ないし四%という安い利子なんですから、同じ同根の国の財政運用でもって、会計操作上でそういう高い利子を払ってやらなくてもいいじゃないかと。そこで、やっぱり資本金があるんですから、それを一たん取りくずしてはどうかと。開発銀行の運用にもそれはあまりこと欠かないようだ、あまり支障がないようだ、こういう考えを持っているから一挙返済でいったらどうかというのが私の考えなんですけれども、六・二%という高額利子を払っているんですよ。それが大体三千万ドルに匹敵するんですね。だから、いわば三百八円の通貨体制でいけば約百億円近いものでしょう。だから、そういうものをやらぬでもいいんじゃないか、もう少し効果的にやりようがあるんじゃないかと、そう考えるんですけれども、それはどうなんですか。
#35
○政府委員(林大造君) こまかい計数はただいま後藤次長から御説明申し上げましたし、また必要があれば補足御説明いただけると思いますが、先先御案内のとおり、今回のドルの債務は全額返すわけでございます。で、問題は、そのドルを購入して返すための円資金を産業投資特別会計でいかにして調達するかという問題でございます。それで、御提案申し上げておりますのは、その円資金は産業投資特別会計の資産のほうに計上されております開銀出資その他を回収いたしませんで、資金繰りは運用部からの借入金でつけるということで御提案申し上げているわけでございますが、それに対してまして、先生がもう一つのやり方として開銀の出資を回収するという方法も考えられるではないかという御指摘でございますけれども、開銀の出資を回収いたしますれば、やはり開銀は、その出資金が貸し方に立っているわけでございまして、その資金繰りをつけますために、借り方でいろいろな貸し付けをいたしておりますが、その長期の貸付金を直ちに流動化することはできません関係上、何らか借入金をするなり何なりの姿で円資金繰りをつけなければいけないわけでございます。そして、その円資金繰りをつけて――その円のコストは当然のことながらかなり高い円資金コストになるわけでございます。で、そういうようなやり方で、開銀をして円資金繰りをつけさして、そして産業投資特別会計にその円を戻してこれを返済財源に充てるということは、先ほど後藤次長も申し上げましたとおり、このガリオア債務その他の返済財源といたしまして、そういうような開銀の元本に手をつけることなく、利益でもって処理したいという基本的な考え方から申しますと、やはり産業投資特別会計のほうで円資金繰りはつけておいて、そうして開銀からこの返済財源を調達いたしますのは二、三年余分にかかりますけれども、やはり利益をもってその財源を開銀から産業投資特別会計に戻してくるほうがいいのではなかろうか、こういう判断でただいま御提案いたしましたような姿を考えたわけでございます。
#36
○戸田菊雄君 三年間で返していくわけですけれども、これはドル払いですから、国内の円資金繰りの場合は、レートをどこに置いて計算しているわけですか。三百八円ですか、二百六十五円、実勢でいくんですか。
#37
○政府委員(林大造君) 対外ドル債務は、ドル建てでございますから、もちろんドルで返済をする、その円資金繰りをどうつけるかということにつきましては、積算の根拠は、現在の基準外国為替相場である三百八円を根拠にいたしまして、そうして円の所要額を計算し、それが産業投資特別会計の資金繰り上どの程度まかなえるかということになりますと、今度はこれはもっぱら円の問題でございます。為替レートとは関係がございません。その関係では、その産業投資特別会計の現在返済に直ちに充て得る流動的な資金繰りの余裕が幾らあるか、これで足りない分をどういうふうに借りてきて、どういうふうに三年間ころがしていくかということで、円の計算をしているわけでございまして、為替レートの問題が起こりますのは、その円資金繰りを、その必要額を計算いたします最初の段階、一段階であるわけでございます。
#38
○戸田菊雄君 それは三百八円に置いたということですね、実勢じゃなくて。
#39
○国務大臣(愛知揆一君) そのとおり計算いたしました。
#40
○戸田菊雄君 時間ありませんから……。ちょっと疑問なんですが、これはいいです。
 生命保険の抜本改正を考えておられるようですけれども、その骨格なり構想というものがはっきりするならちょっと説明をしていただきたい。これが一つ。
 それから、物品税の対象品目、現在まで六十九品目あったわけですけれども、そのうち一つは、宝石、貴金類、いわゆる製品に代表されるぜいたく品、これを一つかけることになっておったですね、それからもう一つは、ゴルフ用具に代表されるいわばレジャー用品ですね、それからもう一つは、家庭電器製品に代表される生活便益品、おおむね物品税の課税大要の骨格というものはこの三つによって従来処理をされてきたと思うんです。今回の改正を見ますると、残念ながらいままでの約束では物品税、総洗いをしますよと、こう言っておったんですけれども、どうもわれわれが希望するいわば生活便益品等に対する課税対象というのは一貫してやはり高いような気がするんですね。だから、これをもう少し、たとえば、私ちょっと感じたんですが、朝日新聞の四十八年四月十八日、「どう響く?物品税改正」ということで掲載をされておる。これをずっと見ますと、やはりいまの日本人の生活上、結婚とか何かを機会にしましてどうしても必要なのはたんすとか洋たんすとか、こういうふうなものは生活必需品に入っているわけですね。そういうものに対しては一貫して税をかけて、だいぶ需要が拡大をしていくわけですけれども、そういうものには一貫して税金をそのままかけていくというようなかっこうになっているわけですけれども、若干これを廃止をしたものもありますけれども、そういうものでむしろ生活便益品に対して課税対象になったものが多い。だから、当面三百億円見当の税収見積もりに対して六十億見当の減収体制はとったと言うけれども、私は将来へいってみたら、やはり増税体制になっちまうのではないか、もう五年くらいたてばですね。
 もう一つは、この生活便益品についても、いろいろ引き下げた、五%その他、まあいままで四〇%のものが三〇%になったわけですから、以下税率をずっと下げてはきているのですけれども、その下げた分を消費物価として安くなるという保証は、メーカーそのものは考えられたんではないかということを言っているのですね、経済的動向で。そういうことになると、物品税に対してやはり税の課税内容についてもう少し総洗いすると言うのですから、抜本的な改善策があってもいいんじゃないか。もう思い切って免税対象というものをもう少しふやしたらどうかということ、この辺について基本的な問題でひとつ見解を伺いたい。
#41
○国務大臣(愛知揆一君) まず、最初の問題の保険業法等の改正の問題でございますね。これは、保険業法は、昭和十四年、それから保険募集の取締に関する法律は昭和二十三年、いずれも相当年月が経過いたしておりますから、そろそろ改正を、私は、考えるべき時期に来つつあると思っております。いろいろ検討いたしております。たとえば、これ最近、保険審議会の答申もありますし、それから、国民生活審議会の消費者保護部会の答申もございますが、なかなか傾聴すべき意見がございます。たとえば、保険業法でいえば、会社の財産の評価益、それから売却益、こういうものは準備金で積み立てるということを規定しているわけでありますけれども、もう少しその規制を緩和したらどうだろうか、これは要するに、消費者保護の立場に立っているわけでございますが、これは事実上行政指導とか、会社の自主的な運用によって相当この方面では効果をあげておると思いますけれども、やはり法律自身をこういう観点にも立って改善したほうがいいのではないかとこう考えております。なかなかやはり重要な法案でございますから、多少の時間の余裕をいただきたいと思いますが、改正の方向に向かいたいと思っております。
 それから、物品税のほうは、御案内のように、ここしばらく洗い直しができませんでしたから、相当意欲を持って今度はやろうということで、非常に意欲的に税制調査会でも御検討いただいたわけでございまして、お話しのような趣旨は、だいぶ取り上げられてきたように思います。たとえば、たんすにいたしましても、別途政令で免税点のほうもだいぶ考えておりますしいたしますが、ただたんすに例をとれば、そんなことを言うが総桐のたんすはどうだと言われると、これは実は私もなかなか説明がむずかしいのでありますけれども、伝統的な工芸的なものであり、かつこれをつくっておられる職人の方々というのは、まことに零細な職人さんたちなんですね。そういう点を考えますと、総桐のたんすというのは、いわばぜいたく品と言っては言い過ぎかもしれませんけれども、伝統的な、いわば民芸といいますか、そういったような性格のものを加味し、かつ、実際につくっている人たちの立場を考えてみますると、これははずしたほうがいいんじゃないかという旧来の考え方をとったわけでございまして、そういう点については、率直にいっていろいろの御批判があると思いますけれども、基本的には御指摘をいただいたような筋で整理をし、洗い直しをしてみたわけでございます。
 なお今後の問題につきましても、これは私の考えでございますが、やはり時勢がどんどん変わりますから、洗い直しというものは、従来のように四、五年ほうっておいたというようなことではなくて、これからやはり随時時勢の要請に合うように、下げたり上げたりを考えていきたいと、こういうふうに考えております。
#42
○野々山一三君 入場税法の問題で先ほど来質問がありましたけれども、いま戸田君の質問の中で、一例として子ども劇場というものが問題になりましたですね。つまるところは、どうも線の引きようがない、区分のしかたがないということで、前向きで検討しているけれどもというお話なんですけれどもね。
  〔理事土屋義彦君退席、委員長着席〕
 一体どういうことを検討していらっしゃるのか、もう少し詳しくお示しをいただきたいんです。
 私の考え方をちょっとだけ、時間がないから述べて、見解を承りたいのですけれども、子ども劇場というのは、言うならば、社会教育という観点プラス情操教育、そして人間を形成していくという基本的なもののように思うのですね。そこで、先ほど申し上げたように、たとえば、社会教育という名前で思想的、政治的な目的を持った集団が形成している劇団などに参加をするためのものというようなものとは違うじゃないか。そうしてまた、そういう社会的、政治的なもの云々についてはまさに政治論ですからね。これがいい、あれがいいということになるとなかなか問題だと思います。そこで、線の引き方というのはきわめて明確に出るような気がするのですね。戸田君は、法律論として何々論といえばいいじゃないか。あとで政策を、政策というか、線の引き方を具体的にきめればいいじゃないかという御提議なんです。これは法律論としての問題ですね。実体論としての私の見解は、いま申し上げたように、社会教育、情操教育及び実体的な人間形成という観点からだけなんです。そういう性格をはっきりする手段は幾らでもあるではないかという、幾らでもということばは不適当かもしれませんが、あるではないか。たとえば、教育委員会なんかで認承するというようなことでいいじゃないか。率直に申し上げて、教員が連れていけば、それは無税だ、こういうわけですね。それじゃ、その教員がどういうものが教育的であるかと認定するかについては、変な話ですけれども、思想的なものを持っている教員もいるかもしれませんね。それは公的な機関が認定したほうがむしろ客観的じゃないかという意見は、私は当然通ると思います。その公的機関があかぬと言うなら、これはもう地方公共団体もあかぬし、教育委員会もあかぬということになるわけでして、一定の教員が連れていけば無税だという概念のほうがむしろ非常にいいようで、悪いということばは不適当かもしれませんけれども、わかったようなわからぬような話ということになるのじゃないでしょうかということを前提にしながら、線の引き方ということに苦労しているので、勉強中ですというのはわかりにくいので、そういう意味で、私の見解をつけ加えながらはっきりした答えをひとついただきたい。
#43
○政府委員(高木文雄君) 子供教育について何らかの処置ができないかということを検討いたしました場合の検討の焦点は、やはりただいま野々山先生から御指摘がありましたような点でございます。学校教育の場合には、教科課程その他もきめられておりますし、その中の教育課程の一環として、先生が映画なり演劇なりを児童の教育のために引率をして連れていくということであれば、これはそう何回もということでもありませんでしょうし、また先生のことでございますから、前提としてはやはり教育上の見地から引率をしていかれるということで、ある程度の一つのメルクマールがつくのではないかと思うわけでございますが、現在の社会教育は、社会教育法のたてまえからいいましても、非常に自由に同好の士がいろいろ集まって、いろいろの勉強なり情操なりのための集団をつくられるならば、それは社会教育法上の一つのグループとして認められることになっておるわけでございます。
 そこで、具体的には、子ども劇場のような場合には、親御さんが子供さんと一緒に演劇、映画を見るということであって、当然そのまたどういう演劇、映画を子ども劇場の計画として来てもらってやるかという段階から、親御さんもいろいろ参加してやられるわけでありますから、その意味において、教育効果というような点であるとか、それから、情操教育であるとかいう点については、私ども何ら疑いを持たないわけでございますが、もしそれを何らかの特別措置をとりました場合に、他のもろもろの社会教育についての子ども劇場以外の社会教育の施設については、非課税にはしないという線を引きますときに、具体的な御提案としてただいま御指摘がありましたように、たとえば、教育委員会なりなんなりで一種の認定行為というようなことがありまするならば、これは私どもも可能性がある問題と考えたわけでございます。どうも税務署がこれがいいとかあれが悪いとか言うのはぐあいが悪いわけでございますので、教育に携わっておられるところの、また情操文化というようなことに携わっておられるところの第三者的機関の方が認定をしていただけるような方法が見つかれば、それは一つの解決方法ではないか、まさに先生御指摘のような点をいろいろ調べたり、模索をしてみたりしたわけでございますが、今日までの段階では、文部省当局とも一応協議はしておりますけれども、教育委員会において、社会教育のうち、この部分は望ましい部分だ、この部分は、入場税の非課税対象にするのは無理ではないかということの判定をいたすべき基準を、社会教育のフィールドの中においてなかなか発見をしにくいということで、文部省のほうとしても、それでは私のほうで認定を引き受けましょうというところまで、なかなかこなかったわけでございます。将来とも研究いたしますが、その場合には、やはり問題の要点は、ただいま御示唆をいただきましたような点にあろうかと思いますが、教育委員会なり、その他の機関で、適当な機関でそういう認定をすることができますかどうか、その辺は今後文部省とよく相談してまいりますが、現段階では非常にむずかしいようでございます。
#44
○野々山一三君 教育委員会など第三者の機関が適正に認定するならばいいと思う。これは私は、率直にいって、税務署がいいとか悪いとか認定をするというのは、これはたいへんなことだし、実際問題として適当ではないと思いますね。
 そこで、大臣に伺いたいのですけれども、税務当局が認定するというのは、いま主税局長も言われるように、私もまた直ちに税務当局が認めるという手段でいいとは思わないことを前置きとして、国全体として今日の時代を考え、これからの時代を考えてみて、率直に申し上げて、各役所が、おれの所管ではないわいということに非常な壁がありまして、それが常識的なことでさえも実行できないという点にひとつ大きな今日的なガンがある、政治上のガンがあるというふうに私、思うのでございます。そういう点で第一に大臣どんなふうにお考えになるか。
 第二は、教育文化政策全体として子供、特に子供、子供の今日といっては語弊があるかもしれませんが、やはりある種の社会問題的な問題がございますね。そういう時代に、大蔵大臣としてはなかなか答えにくいかもしれませんけれども、教育文化政策という観点から、一体税とのかね合いでどうあるべきか、教育文化政策はどうあるべきかということについて、大臣のお考えを伺いたい。
#45
○国務大臣(愛知揆一君) 教育文化というものを税のほうからどう見るかということについては、できるだけの配慮を私はすべきものであると、かように考えます。ただ、これはもう非常に率直に申し上げるんですけれども、たとえば、所得税の問題等にしましても、一面ではそのほうを、教育というようなことに重点を置きますと、教育費控除をぜひしてもらいたいなという声が非常に強いわけでございますけれども、これはまた税のほうから申しますと、そう簡単にはいかないんで、むしろこれは、他の方法によって、結果において総合的に目的が達せられるようにするのが税としての本則だと、こういうことになると、これももっともだなと言わざるを得ないわけでございまして、その辺に接触点を見つけるのが政治の仕事であると思います。したがいまして、子ども劇場につきましては、たいへん至らざる結論であったかもしれませんけれども、従来からの国会の御論議や、世間の要請にこたえる一つとして範囲を広げて、子供さんのことだから、たとえば保育所、教護院というようなところでも、まあ、先生がついていかれるところはもうみんなよろしいと、そこに今回の結論を置いたわけでございまして、それ以上のところになりますとまだちょっと税務当局としてはふん切りがつかなかったというのが実情でございます。
 この点は、たとえば民芸等につきましても、国でやるものはいいんだと、なぜそんならば県なり地方公共団体あるいは社会教育団体がやるものは認めないのかと、これはまた同種の問題であると思うんでありますけれども、もし将来やはり社会教育とか、あるいは地方公共団体とかいうところで、全国的によるべき基準というようなものができれば、もちろんそれに応じたような税制におきましても御協力は考えましょうというふうになっておるわけでございますから、この子ども劇場の点につきましても、ひとつ今回はだいぶわれわれも考えて少し歩み寄りをしたというところで御了承いただきたいと思うわけでございます。
#46
○野々山一三君 たとえば、率直に申し上げていろんな子ども劇場というものが一つ実体的に存在している。そして父兄がそれを援護する、――まあ援護するって、子供に参観をすすめる意味で援護する。そのとき先生がそれに、一人おったらそれは無税になるんでしょうか、先生がこれいいと言ったら無税になるんでしょうか、先生がそれ知らぬと言ったら無税にならぬのでしょうか。こんな、テクニックと言うと語弊がありますけれども、わかったようなわからぬ話というのは、非常におかしな話だということになるんじゃないでしょうか。そこで、私はそういうごまかしたような、ということばは不適当かもしれませんけれども、ごまかしたような手段を講ずる――学校の先生がついていけばそれでいいんだという、そういう、まあことばは不適当かもしれませんよ、学校の先生が誘導していけばそれでいいんだという、そういうことでいくと、これは、それじゃあ先生がついていったか、ついていかないかだけで税金がかかる、かからない、ということになるわけで、非常に悪い――悪いと言っちゃ語弊があるが、悪い手段を講ずる人がおったならば、その人は得をして税金がかからない、こういうことが一体税そのものに対する信頼度というものを維持できるんでしょうか。私は、わかったものはわかったとしてやることが一番いいことだということが基本だと思いますね。その角度から言ったら、いま私が申し上げたのは一体どうなんでしょう。これは事務当局でもけっこうですよ。
 これは、ついでに大臣聞いてもらいたいんです。これは、こんなことはあまり言いたくないんですけれども、たとえばある集団と言いましょう、きょうは。ある集団は、税法上は絶対に普通の方法で税を取られることになっているのにかかわらず、公々然と新聞なんかで出てますように、三割は控除しますというのが約束されているんですよ、約束されて実行されているんですよ。ここにお見えの政府委員の人の判こも押してある事件があるんですよ。そういうものは一体どうなんでしょうか、ということまで含めましてね、全く悪いことだと、そういうものこそ責任をとってもらわなきゃいかぬということになるんじゃないでしょうか。私は何も責任追及をしてるんじゃないですよ。そういう混迷状態を続けていって、勉強してます、検討いたします、線を引くことに苦慮いたしてますということだけで一体いいんでしょうか、大蔵大臣として一体そういうことをどう考えられているか。これは入場税と、いまちょっとある集団のということを言いましたけれども、もしおわかりがなかったら、私は、関係課長に直接本物の新聞をお渡しして、ごらんくださいと言ってありましてね、わからぬはずはないので、それもついでに答えてください。
#47
○国務大臣(愛知揆一君) その御指摘のような事実があればまことにけしからぬことであると思いますから、これはひとつよく調べて徴税すべきものは徴税しなければならないと思います。
 それから、先ほどの御質問ですが、たとえば、ある劇場なり、映画館に先生が連れていって、これは学校教育法のほうから言えば、教科の目的のためにというふうなことが法律的にもございますから、そういう趣旨を取り上げて、先生がそのクラスなり何なりを集団として率いていかれるようなものは、これは税金の対象にしませんというのがわれわれの考え方でございます。ですから、たとえば、二、三人の子供さんを、たまたま先生が一人連れていったからといって、これが無税になるわけではございません。
#48
○野々山一三君 あなたもだいぶ苦しいお答えをなさっていられるのは私にもわかるのですがね、二人や三人を私は対象にしているのではございませんよ、相当大きな場所を借りて、そうして見せる、そういうものに先生が、これはいいものだから見ようではないか、つまりあなたの言われる目的ということばのカテゴリーの中に入るのですね、その目的とは一体何だということを私はあなたに聞きたい。あの二文字が一体どうなっているのですか、その二文字がどうなっているのでしょう、目的とは一体何でしょう。結局、教科課程とかなんとかといういろいろな条件があるでしょう、それに合致しなければ、その目的は果たしたことにはならぬのでしょう。ところが、実態はどうでしょうかということになると、それを追及する意味じゃないということを先ほど来申し上げている。これもいいことだ、これもいいことだというのが、つまり目的に合致するために誘導するということじゃないでしょうか。そうすると、集団であること、形成している人間集団が何である、何とは一体どういう目的を持っている何であるかということなんです。そういうものがわからぬはずはないということを私は言うのですけれども、わからなかったからその法律は死んでいるのですね、あるいは法律が乱用されている。だから、いまちょっと私が税金の余分な話をしたら、そういうやつは取ってないというのなら取りますと、そっちのほうだけえらい力を入れておっしゃる。それは非常に生きていない、片びっこだということになるんじゃないでしょうか。私のことばは間違っていますか、わかりにくいでしょうか。
 そこで、もっとずばり申し上げますけれども、子ども劇場という集団は、一体何の目的で形成されているかを認定する、それから、それがどこでどういうかっこうでやられるかということを認定するのを、第三者の機関で、ある教育委員会、教育機関――特に教育団体なんていう団体じゃいかぬのです、教育機関と言ったほうがいいでしょうね、そういうものが認定したものは、何回に限りこれは税を免除するとか、あるいはもっとふえたほうがいいというように指導していくとか、そういうことが伴って初めてその情操教育、文化教育というものが形成されるんじゃないでしょうか。それでなかったら、ちょっと、そこのところにある国立劇場ただでしょう、あんなのはだれがどんなことをやったってもいいという、極端な言い方で相すみませんけれどもね。あそこだったらただだ、これが文化だということになったらただだ、税金はかからない、それと一体どう比較されるんでしょうか。私は、頭が悪いから、よくわかるように並べてひとつ説明してくれませんか。そこのところがわかったら私も、この質問をやめますけれども。
#49
○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど来申しておりますようなことは、税のほうから見て非課税にしておるのはどういうものであるかということは、結局するところは、学校教育法に基本を置いているわけでございます。ですから、社会教育というところは、まだそこまで踏み切りがつかないと、この一点に帰するわけでございます。というのは、この非課税の規定に明瞭にございますように、「学校教育法第一条に規定する学校のうち」これこれこれこれ「幼稚園」まで入っておりますが、「その他政令で定めるものの教員の引率により、これらの学校における教育に資するため、これらの学校の生徒、児童又は幼児の団体を興行場等へ入場させる場合」と、こうなっておりまして、要するに、基本は、学校教育法にもとを置いているわけでございます。そうしてここへ今回は保育所、それから教護院をさらに範囲を広めようというわけでございまして、社会教育法のほうにまで及んでいない、ここに限界を置いているわけでございますから、先ほど来の御議論は、社会教育のほうに広げるということに税法上はなるわけで、まだそこまでふん切りがつかないということを申し上げているわけでございます。
 それからもう一つは、「国立劇場が国立劇場法第一条に規定する伝統芸能のみを公開する場所」というようなことが、もう一つの非課税のほうにかぶっておりまして、これは一口に言えば、国が企画したものと、その趣旨を言えば、そういうことになるかと思うんです。したがいまして、国立劇場以外でも、芸術祭の主催公演とか、移動芸術祭の公演というものは、国立劇場以外で行なわれるわけですけれども、国が企画したもの、ここに線を置いているわけでございまして、先ほど申し上げましたように、地方公共団体あるいはやはり社会教育関係の団体などが企画したものまでには及んでいない。ここに一つの線を引いているわけでございまして、この点についてもっとそのワクを広げるべきであるということについても、私どももそういう考え方は持たないではないんでありますけれども、こういうものの取り扱いには、お話しのように、やはりきちっとした一線が必要であると思うのでありますが、ただいまのところは、国と、それから学校教育法と、これに基準を求めていると、これが政府の態度でございます。
#50
○野々山一三君 だから私は、これは私自身が質問のしかたがまずいのだか、子ども劇場というものを先にしゃべるものだから、だからあなたのほうは、文化的あるいは民芸的、こういうぐあいに逃げられるわけですが、子ども劇場といったってこれは民芸的なものもあるわけなんですね。子ども劇場という名前をつけるものだから、とんでもないことになるみたいにお考えになるわけです。それが一つ。
 それから第二は、国が認定する――国とはどこでしょうか。結局は、教育法あるいは国立劇場云々の規定、それを管掌している役所がきめるわけですね。その役所の、言うならば、出先みたいなかっこうにある地方公共団体及び教育委員会というようなものは、ちょうど国でいえば文化庁がきめるというのと同じじゃないでしょうか。
 そこで、線の引き方は、いまのところは、国ないしは学校教育法というものだとおっしゃるわけですけれども、それは実体的に見ますと、今度は見る側からいうと、じゃあおとなだけはいいものだということになるでしょう。そうすると、子供の世界から見ると、おとなになってかってのいいやつだということになるんじゃないでしょうか。そのかってのいいやつだというものの考え方が、子供の中に形成されるということであるとするならば、いい意味の人間形成というものはできないじゃないでしょうか。その意味で、いまのところこの法律では国が、あるいは教育法でというふうに限定しているけれどもとおっしゃる。いまの法律的にはそうであっても、早急にもっと前向きにそういうものを具体的に認定していく処置を講ずべきであるというのが私の考えなんだけれども、早急にそういう措置を講ずべきであるということについての大臣のお考えはいかがでしょう。
#51
○国務大臣(愛知揆一君) 私も、御趣旨には賛成でございます。たとえて言えば、これは税のほうからばかりはいけないことでございますから、文部省それから、直接には文化庁でございますけれども、現在のところは実はいろいろ相談をいたしましたけれども、税の立場から言えば、これ以上に前進は今年度のところはできないという結論になっておりますが、なお、それらのところは十分相談をいたしたいと思います。そして前進の気持ちをもって相談をいたしたい、こういうふうに思います。
#52
○野々山一三君 これはいますぐ、この法律を審議している最中に、これからこうしますということをすぐ言いにくいかもしれませんね、率直に言いますと、あなたの立場を考えると。しかし、私は、でき得べくんば、税の立場だけを担当していらっしゃる大蔵省の立場だけではなしに、関係各機関、各省庁と相談をして、統一した見解をひとつ示していただきたいということが、私の率直な意見なんです。そしてそれを、いま申し上げたように、混迷が起こらないように、いまどっちかわからぬようになっておるというのが私の印象でございましてね。これはやはり法律的にも解決すべきであるという気持ちなんで申し上げた。統一した見解をすみやかに出していただけないだろうかということをあなたの見解を聞きたいわけなんです。
#53
○国務大臣(愛知揆一君) ただいま申しましたような、私も、考え方を持っておりますから、なるべく早い機会に、私どもの考え方をまとめて、ひとつ御批判をいただきたいと思います。
#54
○野々山一三君 それでは、ぜひすみやかに見解を示していただきたいということをお願いして、この入場税の子ども劇場と通称言ったその問題については終わります。
 次に、率直に言って、ギャンブル税と、あなたも衆議院のほうで言われたギャンブルの問題ですね。私どもは率直に申し上げてギャンブルというものはやめにしてもらいたいという立場なんですけれども、それを、率直に申し上げて、これからどうするつもりなんだろうかという、税の立場、それから、ああいうギャンブル、通称言われておる競輪、競馬など、そういうものについて政府としては、一体どういうふうにこれから処置をしていく気持ちなんだということについて、率直な見解を承りたい。
#55
○国務大臣(愛知揆一君) これは、ギャンブルと一口に言われますけれども、お話しがございましたように、競馬、競輪というようなものをどうするかということは、現在のところ政府として特別の見解を持っておりません。
 そこで、ギャンブル税ということについてどう考えるかということだけを申し上げておきますが、私は取りたいのです。取るべきであると思います。同時に、技術的にこれはなかなかむずかしい。場外馬券とか場外車券とかこれをどうやって押えたらいいか、取りたいという気持ちを、ひとつ技術的にどうやって捕捉できるかを勉強してもらいたい。できれば将来実行いたしたい、こう考えております。
#56
○野々山一三君 率直に申し上げて、あれでしょう、大ざっぱに言って三つの問題があるような気がするのです。たとえば競馬というもの、見に行くだけの人もいる、率直に言って、いい悪いは別として、見に行くだけの人がいる。それから、銭を持って行ってかける人がいる。それでもうかった、損をしたという問題があって、まあそっちのほうは、大臣のほうは税金はかけるべきであるという立場で考えたいというわけですから、この点はそれを一体幾らにかけるかということが問題でしょう。けれども、かけるべきであるというお考えは私は、大臣、わかります。
 それから第三に、益金の処理ですね。たとえば公共団体がやっているものであるならば、公共団体の、地方自治体などがやっている場合であるならば、これが一つの地方自治体の財源になる。ところが、こういう事例があるんでございますね。たとえば競輪協会、あそこからよく――私なんか知り合いの者がおりまして、率直に言って。子供の何とか施設をつくるときにはひとつどうぞおっしゃってください、お金を出しますと。ところが、私はいったことがないんですけれども、一千万だ、二千万だといってくれるわけですね。一体それがほんとうにそのものになっておるかどうかということ。子供の養育施設なり、あるいは老人施設なりというものになっているかどうかという非常な疑問があるんです。
 そこで、順番を逆にいたしますが、これはひとつ、大蔵省ではつかみ得ないかもしれませんけれども、関係機関にあれしていただいて、そのうち競輪という一例を申し上げましたけれども、そういうものが一体どれだけ益があって、どこへどういうふうに使われて、実際どういうふうになっているのかという明細をひとつ資料として出してもらいたい。これは非常に疑い深い金になるわけです。
 それから第二に、順番にいくとちょっと逆になりますが、地方公共団体の得ている収入というものは一体どうなっていて、どういうふうに使われているかということについては率直にひとつ、総歳入――まあ地方公共団体からいえば総歳入、どれだけの益がどれだけにどういうふうに使われているか、どういう効果を得ているか、このことについて伺いながら、かつ、いますぐ資料がなければ、出してもらいたい。
 そこで第三の問題は、私は、意見を言いながら申し上げるんですけれども、たとえば、いい悪いは別として、見るだけの人と、かける人と同じなんでございますね、入場税という角度から見ると。そうすると、これは全く不公平、そして同時にかける人の側からいうと、銭はあるわい、こういうことになるんじゃないでしょうか。そこで、たとえば、率直に言って、かけですから、負けた勝った、取った取られたということはありますにしても、たとえて言うならば、場内と場外を考えてみましょう、馬券の場合。いま常識的に千円券ですね。千円券を一枚買ったら、たとえば五%の分は税金をそのときにちょうだいするということが現実的にできていいんじゃないでしょうか。野球場へ入る、映画館へ行く――同じじゃないでしょうか、そういう角度からいったら。たとえば、五%というと同じじゃないでしょうか。そして、税の捕捉技術という観点から見ましても、ちょっともむずかしくない、券を買ったときに取るわけですからね――券の発券枚数によって、何%というのはすぐ出てくるわけなんでして、それが出てこないような馬券場なんというのは、それこそインチキ馬券場ということになるんじゃないでしょうか。だから、場内であるといなとにかかわらず、私はきわめて簡単に捕捉できると思う。捕捉できるから、約五十億の歳入というものが税収入としてあるわけでございましょう。ですから、いま言った入場だけ、見るだけという人と、かけるという者との間には、よく言われる線が引きにくいという問題もきわめて私は簡単なんで、これはそういう角度でいけるんではないかということなんでございますが、その第一、第二は、答弁を求めながら資料を求めたいし、それから第三の点は見解を伺いたい。
#57
○国務大臣(愛知揆一君) この競輪、それから第二に公共団体の関係の収入、いわば一つは競輪、一つは競馬がおもだと思いますが――競艇がありますね。そういったものの資料はいまここに持っておりませんけれども、それぞれ通産省、運輸省にお願いをして、できるだけ早く資料を提供することにします。たとえば、よけいなことかもしれませんが、競輪につきましても、通産省の監督下にありまして、厳重にその収入、支出は監督をしておると思っておりますが、これは、御承知のように経過がございますし、また今後の一つの課題でもあると思うんですけれども、もしこういう競輪をずっと続けるならば、むしろ直接歳入に――これまた古い制度に返るわけですけれども――して、国会の直接御審議をいただいて歳出に充てるというほうが、あるいは筋が立つのかもしれないと思いますけれども、まあそれは別といたしまして、現在までの資料、それから、公共団体のこういった種類の歳入歳出がどうなっておりますか、これは自治省にお願いをして資料を提供いたします。
 それから、第三のギャンブル税のかけ方でございますけれども、これは私も、野々山さんと御同様に、きわめて簡単に常識的に考えることもできると思いますけれども、まあ、入場料については、現在も入場税がかかっておりますが、安いものですから、実際対象になっておるけれども、金額が少ないということ、それから、もっと常識的な議論から言えば、勝った賞金をどういうふうに捕捉するかというようなこともあろうかと思いますが、まあそれらの点について、もう少し専門的に検討もいたしますし、いままでの研究は主税局長もいたしておりますから、御答弁申し上げたいと思います。
#58
○野々山一三君 大臣ね、問題はこう広げないで、しぼって率直に申し上げますと、勝った負けたに税金をかけるかかけないかの問題と、券を買ったという問題と、こう区分したらそれこそ明白になるのじゃないでしょうか。そこで、私は千円券なら千円券を買ったら幾ら、それまでの小さいものは――これはいいとか悪いとかの議論は政治的にはありますけれども、小さいものはこれはまあという、つまり楽しみというか――いうことで線を引く。それから、それ以上のものは五%なり一〇%なりで税金をかけると、そのときにこう取るということであれば、入場税と同じじゃないでしょうか。普通の活動写真を見に行くときと同じじゃないでしょうか。芝居を見に行くときと同じじゃないでしょうか。ですから、線が引きにくいという議論は、何もかも一緒にするとむずかしくなる。限界は、私も段階的に処理をしていくという、現実的に処理をするということが実際じゃないかということの意味から申し上げるわけなんです。
#59
○政府委員(高木文雄君) 四十七年度の税制改正の際に、相当ギャンブル税について検討いたしました。その検討いたしました際に、もし課税をするとすれば、いろいろな課税方式があるであろうということでございましたが、その中で一番まあ便であり、かつ明快であるのは、ただいま野々山委員がおっしゃましたように、いわゆる馬券の売り上げに対して、千円券なら千円券に対して五%なら五%ということにすれば、これが一番明快であるということになったわけでございます。したがって、他の方法もないではございませんが、おそらくギャンブル税を将来創設するという方向で考えますならば、方式としてはそういう方式が一番現実的な方法として取り上げられることになろうかと思います。
 その際に、なぜそれがうまくいきませんでしたかと申しますと、現在でも、残念ながら、いわゆるのみ屋さんというのがたくさんあって、私設馬券を売っておる。それは電話一本でこうやっておるということでございまして、その量がどのぐらいあるかということはなかなかわからないわけでございますが、まあ、非常に大きく見られる方は、正規の馬券の何割という程度に、したがって、何千億という単位でそういうものが動いておると見られる方もあります。
 なぜそういうのみ屋さんがはびこるかということは、これは経費が全然かからない。競馬場――国営競馬にしましても、地方競馬にしましても、競輪にいたしましても、これは、その競技をいたしますために経費がかかっておりますし、それからまた、国に納付金を納めておりますし、ということでありますから、現在のところは、売り上げ一〇〇に対して七五が勝ち馬に対する賞金としていっておりますので、二五はいろいろな経費その他に取られておるということでございますが、のみ屋さんのほうは、電話その他のわずかな経費がかかるだけでございますから、二五に当たる分が浮いてきますので、したがって、たとえば一つのやり方としては、はずれ券が十枚あれば、もう一枚は無償でひとつ渡しましょうというようなことにして、のみ屋さんのほうが割りがいいと、こういうことになっておりますので、そこで何らかの形でこののみ屋対策ということをとらなければ、さらに正規のほうの分は五%なら五%だけさらに採算が悪くなるという形では、ますますこの正規の分とのみ屋さんとの分とのアンバランスが生じてきて、正規の分がうまく運営できなくなるということで、関係団体等からもう少し待ってくれということで反対があったわけでございます。
 もう一つ、のみ屋さんがはびこる一つの事情としては、場外馬券を売っております場所が、非常に限定されておりますし、昭和三十七年以来場外馬券場はふやさないというたてまえになっておりますために、ひどく混雑をしておりまして、何ものみ屋さんの札を買うよりは、正規の札を買いたいと思っている方が他方でおられても、現実にはものすごく込んで買えないということから、ついつい電話で済ましてしまうというようなことがあるそうでございまして、ついては場外馬券場制度そのものについてもう少し考え直す必要があるからということで、見送っておるわけでございます。
 ごく最近は、農林省のほうでは、農林大臣の私設相談機関として、競馬問題懇談会というようなものもつくられて、そしてこれをどうしたらいいかということで、必ずしも税の問題とは直接関係なくではございますけれども、いろいろ検討が進んでおると聞いております。私どもといたしましては競馬、競輪、競艇を通じて何かそこらのからくりといいますか、運営のところをぴちっとしていただくと同時に、税で処理をするか、あるいは納付金といいますか、そういう制度で処理をするか、あるいはもう少し納付金割合等で何か考えるかして、全体としてもう少し実質的に関係者に税負担を求めてもいいのではないかと思っておりますが、どうもそこの仕組みが、また、各役所間でお互いに責任をなすり合っておるという御批判を受けるかもしれませんが、まだうまく進行していないということでございます。
#60
○野々山一三君 ギャンブル問題を問題にすると必ずのみ屋の話が出る。それからもう一つは、暴力団というようなものがのみ屋をやる――お酒じゃないですな、これは。そののみ屋をやる、そういう話が必ず出る。
 そこで、今度は、これは税のほうに戻るんですけれども、その暴力団の所得に対して税金をかける話がありますね、こんなばかげた話はないんですね。こんな話をするもんだから、暴力団というものは実際的に取り締まり当局が一生懸命これを撲滅すると言っていながらも存在しているわけです。そいつが今度はのみ屋をやる、こういうしかけになるわけでしょう。実際にはそういう例が多いわけでございましょう。まさにこれはしかるとかしからぬの問題ではなくて、あなたのほうでは税金の角度からだけ問題を――まあそう言うと語弊があるかもしれませんが、そういう角度。今度は別のほうの、警察庁などでいえば、今度は暴力団の云々と、こういう……。それからもう一つは、税金をかけるだけじゃ今度はのみ屋のほうがふえちゃう。そんなばかな話というのは一体正しいことでしょうか。
 そこで、文字どおり私は本気になって、税調で御議論なさるだけじゃなしに、政府全体として、この種のこののみ屋の問題、それから、暴力団の税金の問題、暴力団をなくするという問題、これとギャンブルという問題を実体的に、総体的に対処する方針がなければいけないと思うのですが、いかがでしょうか、お考えを伺いたい。
#61
○国務大臣(愛知揆一君) 実は、いまお話のありました全部をカバーしているとは必ずしも言えないと思いますけれども、政府の側も、これ必ずしも税金の問題だけでございません。総理府が中心になりまして、いまおあげになりましたような問題を、どういうふうに取り上げるかということについては、寄り寄り検討をいたしておるわけでございまして、いましかと、はっきり大体こういう方向だということを申し上げるまでには至っておりません。しかし、非常にこれは御指摘のとおり大きな問題であり、同時に、取り上げなければならぬ問題であると思いますから、関係各省とも協議をいたしたい、こう思いますし、税のほうは税のほうで、独自のまた立場もございますから、先ほど来申しておりますように、ギャンブル税というものはひとつ、私は取るべきものだと思いますから、いかにしたら捕捉できるか、効果を上げ得るか、十分検討を前向きにいたします。
#62
○野々山一三君 これは希望しておきますけれども、前向きに検討するということに、私は山ほどの期待をしたい。で、ぜひすみやかに、単なる税調という分野だけでなしに、実体的にギャンブル税というか、名前はどういうふうにするかは別として、これは早急に、税を高く取りたいとおっしゃる、そういう問題も含めまして、早急に政府としての策を内外に示して、これにこたえられるようにしていただきたいということを申し上げておきます。
 その次に、よくこれは、いま政務次官いらっしゃらないからあれですけれども、大臣もこれはいつも、税全体の問題でちょっと伺いますけれども、これからは産業第一というよりは、やっぱり国民福祉というものと、それから、経済安定というものと、税の公平というものを考えていくのだというのが三本の柱でございますね。そこで、私は端的に、ちょっとこれ次元が違うかもしれませんけれども、伺いたいのですが、私どもの――率直に言いましょう――立場から言うと、ギャンブルはやめたほうがいいと思いますが、あれから入る金がおおむねいま五十億強ぐらいありますね、ギャンブル関係。つまり、競輪、競馬、競艇など、その種のもので約五十億ですね。これは目的税にせいとは言いませんけれども、そういうものから入るものを、人間福祉とあなたが率直にいつでも言われるそっちのほうへ使う例として、きょう――きのうですか、厚生省が発表された悪い病気、難病の種類を、いままで八種類だったものを十二種類にするということにして、研究費を約五億ぐらいのものを追加する、こういうふうに発表されましたね。私は額の大小から言うと、額が小さ過ぎると思いますが、もっとふやさなければいけない。そこで、いま五十億という数字を申し上げましたけれども、この約五十億という数字を、そういうものに積極的に充てるというこの予算の組み方について、これからどういうふうにお考えだろうかということを、これは積極的にやっていかなきゃならぬことだと考えるから、あなたの見解を承りたい。
 そこで、いま日本で、病気の中で、一番人間の命をとっていく順番にずっとあがってきたのは脳卒中とか心筋梗塞、心臓麻痺ですね。その次はガンですね。大体一年間に二十七万人から三十万人なくなっているわけです。そこで、そういうものについて一体皆さん恐怖はないでしょうか。ガンときたら、がんとなっちまうというのが実際の心境じゃないでしょうか。
 そこで、私は率直に伺うんでございますが、こういう新聞をごらんください。世界で初めて悪性脳腫瘍というものをなくした。なくしたというか、なおしたという。ところが、これは何でやったかというと、工業用原子炉を臨時に医療用に使って、完全に社会復帰させたんですね。脳腫瘍にかかったら最後、一年間に大体死んじゃうんです。大体どころか、まるきり死んじゃうと言ったほうが正しい。この新聞に出ているお医者さんは、私をなおしてくれたお医者さんなんです。
 いま問題なのは、日本の経済全体からいうと、高度経済成長といわれていますが、工業用の原子炉はございますね、御承知のように。医療用の原子炉はないんでございましょう。この機械一台をつくるのに約十億円なんでございます。しかも、この医療用原子炉であるならば、手術もしないで、千分の一ミリの差もなくガン細胞を完全に殺していくことができる。そして、精神異常、それからけいれん、それからさらにまた麻痺状態、そういうものが起こっている人が、三カ月で完全に社会復帰できるんでございます。そういうものに、この種のギャンブル税というふうなもの、社会的に問題のあるもの、その金がもしここに使われるとするならば、人間の命を、あなたが言われるように、大事にすることがこれからの世の中だとおっしゃる、それを態度であらわしたということになるんじゃないでしょうか。この機械ができれば、手術もなしに何にもなしで、抵抗力も完全にりっぱになって、命が助かるんでございますよ。
 しかも、問題は二つある。医療用原子炉というのがない。十億かかる。どこでできるんでしょうか、こういうことが。これだけの金をかけて。これこそ、国がやることじゃないでしょうか。あなたが予算を組むときに、そのものをやるための金を出してやったら、人間の不安である、三番目の死ぬ順番になっているこのガンをなくすることができるんじゃないでしょうか。そうするならば、人間を大事にするというあなたの意見が通るのじゃないでしょうか。これが一つ。
 第二に、アイソトープがないんですよ。そういう状態が起こっていても、世界じゅうから患者さんがいらっしゃる。私の入院中に、私のおった部屋にいらっしゃった。その人が、現になおって、すぐ歩いて帰られた。そういうのを目の前に見ていて、あるいは世界からどんどんもういらっしゃる、患者さんが。あるいは日本からもいらっしゃる。けれども、アイソトープがないために、どんなにあくせくしても、この人たちが、死ぬのを横で見ているよりしようがないというのが現状なんですね。
 御存じでしょうか、こういうことを。もし御存じだったら、一体、こういうものに手をかけて、税というものをどうして生かすか。あなたの言われる、人間を大事にするということをどうして生かすかということに対して、私と考え方は違うでしょう。違わなかったら――私は、このことについて、積極的に、これはただ単に反対ということだけは言いません。この部分は困るけれども、こっちはやったらいいじゃないかということを私は必ず言うべきである。それが政治家としての使命であろうと思います。だから、率直に、このことについてあなたに、このギャンブル税とからんで――目的税にせいという税技術論的な論議はしません、どっちがいいでしょうかということをあなたにずばり聞きます。そして、それをやるかやらぬか、そのためにどうするかということについて、あなたの見解を率直に聞きたいのでございます。
 これは、こんな大蔵委員会だけじゃだめなんで、ほんとうは私は、予算委員会なりで聞きたいことなんですけれどもね、まず、銭を扱っていらしゃるあなたが係でございますから、政府として、大蔵大臣としてどうお考えになるかをお聞きしたい。
#63
○国務大臣(愛知揆一君) いまおあげになりましたその新聞の記事でございますね、もしかしたら畠中さんというお医者ではありませんでしょうか――。私も数年来、原子炉をもって脳腫瘍を撲滅するということは、たとえばそれに当たらないかもしれませんけれども、比較的若い医者の方で非常な熱心な人がおりまして、現に工業用の原子炉を苦労してある病院に暫時、小型のものですね。運んできて、そこで、その場合は若干の手術を伴いましたけれども、これがまあ中には結果がよくなかったケースもあるようですけれども、私自身も精神的にそのお医者さんの業績については応援して今日に至っております。これは学会ではまだ一〇〇%には認めておられない節もあるようでございますが、何とかしてこれはそういう方式を伸ばしてあげたいとかねがね考えておりました。いまもし、それ以外のまた方の記事であるとすれば、ますますこれは積極的に応援しなければならないことだと思いますが、ギャンブル税と結びつけて目的税ということも一つでございましょうけれども、やっぱりこれは国家的にうんと力を入れるべきものであると考えます。
 御参考でありますけれども、四十八年度のすでに御審議をいただいた難病奇病対策も、四十七年に比べますと倍あるいは以上の予算をつけてございますが、そうことも、私のかねて考えておりましたことも常に脳裏にございますから、私自身としても積極的な考え方を持っているわけでございます。大いにこれはやりたいことでありますし、きょうこの委員会で野々山さんから御激励をいただいて、私もたいへんありがたいと思います。大いに積極的にやりたいものであると考えます。
 同時に、率直に言って、なかなか、新しい手法を展開していくためには、いろいろまた微妙なこともあるようですから、各界各層の方々のやはり積極的な精神的な協力も必要であるし、あるいは学会のあり方等についても一段の協力をいただくことが必要だと思いますが、私は個人としても大いにやってまいりたいと思います。
#64
○野々山一三君 御指摘の畠中教授もそのうちの一人でございます。特に、脳神経外科の世界の学会長である佐野圭司東大教授、この人がプロジェクトのキャップとして、いまや、率直に言って、設計上からいえば、完全に手術も何にもしなくて、そしてもう完全に社会復帰できた人が三人です。かねて十二人の人々の処置を前にやりましたね。これは、残念ながら、工業用原子炉なるがゆえに力がない、百キロワットの熱中性子しかかからない、そしていろいろな処置をした後の療法であったために失敗だった。しかし、それが、完全に同じ機械を使って同じ処置を講じてできるようになっている。その機械さえあればということが、このグループの私どもに対する率直な、もうそれこそ執念みたいな要求なんでございます。このことを、ひとつぜひよくお考えいただきたい。そして、もはや十ミクロンの差もなくガン細胞を捕捉することができる手段ができて、学会でもう認られている。あなたはいま、まだ学会で議論があるという。学会で認められている。世界の学会がこの十月に行なわれる、そこで認められる。
 そこで、私は、この新聞記事を利用するわけじゃありませんが、ファントム104の機械一台が四億九千万だという。二台やめたらこの機械が一台できるんですということがはっきりいわれているわけですね。どちらがいいかということになれば、おのずから――私は軍備はいやだという議論はこの際はしませんよ。この際はしませんよ。ひどいことばで言うならば、軍備は人を殺す機械だ。医療用の原子炉は人を生かす機械であります。だれに聞いたって、これはどっちがいいかと言えば、そっちの生かすほうがいいと言うにきまっている。そのために金が使われることをだれが惜しむんでしょう。産業構造変革ということがよくいわれているこの時代に、それこそ関心を持っているということばだけでは、私はさみしいのです。一ぺん傍聴の皆さんも政府委員の皆さんもうちへ帰ってようく相談してください。私はここに昭和三十年から以降のガンでなくなられた人の男と女というもの全部持っています。まさにこの十年ないし十五年の間に三倍ぐらいになっているのですよ、ガンでなくなられた方。これが恐怖でないということはない。これが政治の課題でないということはない。アメリカのニクソンさんは、ガンを撲滅するための挑戦をするという、ガン撲滅戦争だということばを使われた。私は、あなたからぜひ総理に、このことばをほんとうに名実ともに生かしてもらえるような姿勢を税、国の金、能力というものから対処すべきであるということを伝えてもらいたい。そのことを要望しておきます。重ねてひとつぜひほんとうにまじめに考えて――まじめであることは間違いないと思いますけれども、まじめに考えていただきたいということをお願いをしておきます。
 入場税の問題は、そういう意味で特にギャンブルの問題と、子ども劇場の問題だけ二つだけを取り上げましたけれども、大臣の前向きな答弁に私は期待をいたしますから、この問題はそれだけで終わります。
 この際、この委員会に直接かかっている議題でない問題についてですけれども、農林省の方お見えですね――ちょっと伺いたいことかあるので、委員長ぜひこの機会に発言を許していただきたい。
#65
○委員長(藤田正明君) 委員長といたしまして、この際特に許しますが、簡単にお願いを申し上げます。
#66
○野々山一三君 大臣もこの間ずっとお聞きいただいておった例の石油タンパクの問題にからんで、この間委員会で関係各省の政務次官以下関係の皆さんに出ていただきまして、石油タンパクは結論として中止をするということになり、その類似物についてもこの際疑わしきは認めず、許さず、使わずというたてまえで措置をいたしますということであったので、それに私は期待をしておって、またそれが公式に約束をされたんですから期待をしておりました。それは四月の六日の委員会でございます。ところが、きょうここに持ってまいりましたものを政務次官にいまお渡ししましたから朗読はいたしませんがね、こまかいことは。全農と農協と愛知県経済連が――アミノヒットなど類似物について私が問題にした。そうしたら、そんな事実は全然ありませんという趣旨の、事実無根であるということを全農家に配ったんです。これが第一。
 第二に、西三河家畜保健衛生所長の談話なるものがつけ加えられておって、こんなものは扱いが悪いんだから、飼い方が悪いから何かの傷がついて、それで関節炎が起こったんで、こんなものは問題はない、こういう談話を発表している。そして今度は、A生産者――ここのところだけは読み上げますよ。「「非常によいエサで今后もくみあい飼料で豚を飼いたい」又他地区に於いては他メーカーの飼料からも関節炎の発生をみているので飼料原因説は全く無根であります。今后とも「くみあい飼料」及び子豚市場を御利用願うとともにこの記事の見解を発表します。」つまり、委員会でやったことは全然間違いなんだということの広告を全農家に発表しているのですよ。これじゃ疑わしきは認めず、許さず、使わずといって中止をさせますと言ったこととどういう関係になりますか。これをまず聞きたい。これが一つ。
 第二、私を通してものすごい電話がかかってまいりました。おまえは、おれのところで出している飼料はこれがだめだということを言ったそうだが、事実無根もはなはだしい、名誉棄損である、損害賠償を請求する、わが社はそんなことは絶対容認しない、告訴する、こういうことを言う。まさに脅迫じゃございませんか。政務次官、一体あなたはこの間この委員会で約束した、認めず、許さず、使わずということ、そしてストップさせますと言ったことと、これとはどういう関係になるのでしょう。そのことについてずばりお答えをいただきたい。
#67
○政府委員(鈴木省吾君) 先般の委員会で野々山委員、ただいまお尋ねのような御質問ございました。私は、その際、有力な学説等にそういう疑いを持たれる点があれば、さっそく善処いたしますということを申し上げました。それでさっそく農林省から係を派遣いたしまして現地調査もいたしました。またえさの分析もやっておるような次第でございます。ところが、ただいま委員からこの資料見せていただきまして、実は驚いているような次第でございます。農林省としては、そういう疑わしき点があるかどうかについてさっそく調査をいたしておる次第でございます。その前にこんなものが実は出されて、ほんとうは私のほうでも驚いているような次第でございます。
#68
○野々山一三君 驚いておるだけでどうするのですか。お答えをいただきたい。
#69
○政府委員(鈴木省吾君) ただいまいただきましたので、実はこれについてまだこれから早急に検討しなければならぬと思っておる次第でございます。
#70
○野々山一三君 この間約束したいことは認めず、許さず、使わず、したがって、中止させますと言ったんじゃありませんか。そのことと、これからいま調査してやりますということはどういう関係になりますか、あなた日本語御存じですか。
#71
○政府委員(鈴木省吾君) この記事については、私はいまこれから善処すると言ったので、それから前の件についてはさっそく実は調査をいたさせておる次第でございます。
#72
○野々山一三君 私は土曜日、日曜日きのうも使いまして、農家を歩いてみましたよ。農林省は確かに調べておりますよ。役所の人が行ったら、お百姓さんは、十のことに対しても一ぐらい言わないとあとで、こらと言われるから、ほんとのことじゃありません。これが第一です。
 第二に、あなたにお見せをした新聞発表の中に名前が出ている獣医に対しては、君は何たることを言うのかというわけで呼び出していますね。そういう調査を一体何でするのですか、そんなばかげた調査が一体正しい調査だと言えるでしょうか、あなたのほうの役所にかかわりがあるから申し上げましょう。
 これは休耕問題で、私が資料要求いたしました。見せましょう。都市計画の仮換地一般図でございます。まだこういうふうになっておらぬ地図はこれでございますと力んだのはあなたの役所ですよ。こういう資料が出てきて、一体何の価値があるのですか、まだ地球が直ってないのだ、地球が。これが本物の地図ですよ。いまある地図ですよ。そういうような地図でこれは休耕地補償をしている休耕地でございますなんて言って、こんな地図持ってきくこれでこれが駐車場でございますと言って、だれが正しい地図だと言えますか。正しい資料だと言えますか。あなたのほうの役所のそういう姿勢だから、ましてや今度のアミノヒット問題についても、インチキな調査をしかしないということを言うのは間違いでしょう。だからあなたにこの間言ったんだ。わしと一緒に見に行こうじゃないか、道も教えてあげましょう。溝も教えてあげましょう。休耕地がどうなっているかも教えてあげましょう。そうしたら、こういうことになっていますね――四十七年八月一日に概算払いをする、そして十二月になって精算をするということがいまの休耕補償のたてまえですけれどもね、いまになってあわてて――なまの話をしますよ、いままでの農地課長は転勤させられたんですよ、いままでの都市計画課長はよそへ持っていかれたんですよ。そして、いままでの帳面を全部つくり直さしているんですよ。私は、先週の中ごろにその課長たちを全部来てもらいました。私の調べの方が正しいんですよ。こういう資料で、あんた一体政務次官として国会というものをどう考えているのかね、あなたの関係の役所の諸君の姿勢というものをあなたはどう考えているのかね、その点について率直に聞きたい。
 そして同時に、ですからこれは、休耕補償はあたりまえです、やれ転用したならば、それによって税金は取りませんということを幾ら紙に書いて持ってきても、うその資料を持ってきて、ですから、間違いがありませんということを言っている。こういうばかなことが許されるんですか。あなたは国会をどう考えているんですか。
 以上のことについて正確に答えてください。
#73
○政府委員(鈴木省吾君) 実はきょう、私、出席要求をされたのは一時間前か一時間半前でございます。それで、この件につきましても、実は事務当局から先ほど経過を聞きました。どういう調査をしたのか、どういう経過だということを聞きました。ところが、全国的な調査をし、また野々山委員御指摘のところも調査の対象としていたしまして、その経過等についてはまだ詳細に実は私も報告を受けておりませんで、いま必要ならば係から御報告をさしていただきたいと思っております。
#74
○野々山一三君 あなたは――国会というのはどういうところですか、あなたの見解を承りたい。大蔵委員会というところはどういうところなんですか、見解を承りたい。そこから正式に求められた資料というものがどういうものであるかということは、あなたの政務次官という地位においてどういう関係にあるのか、答えてもらいたい。ただいま調査中でございます、と言うけれども、調査中、調査中と言う間に、こうやってひっくり返って、インチキな資料がどんどん出てきている。インチキですよ。そういう資料については、あなたはどういう責任をとるつもりなのか。委員長に要求すれば、答え方によってはあなたに時間を与えるから、休憩をしてもらって、その間に総理大臣と相談していらっしゃい。進退についてはあなたはどう考えるのか。これだけはひきませんよ。
#75
○政府委員(鈴木省吾君) まず調査の係のほうから経過を説明させていただきたいと思います。
#76
○説明員(野明宏至君) 休耕田の調査につきましては、先般の当委員会におきまして野々山先生から御指摘がございまして、ただいま全国の市町村について調査をしておる段階でございます。調査がまとまりました段階で、正式に資料として御提出申し上げるべく、現在鋭意努力しております。実は、その前に、刈谷市の問題を先生具体的な例としておあげになりまして御質問がございましたので、刈谷市の分をとりあえず中間的に取り寄せまして、先生に御説明申し上げたわけでございます。
 で、その際、ただいまの地図の件でございますが、県当局のほうから持ってまいりました地図をあわせてごらんにいれたわけでございます。その地図は、区画整理の地図でございますが、その上に、実はこことここが休耕地になっておりますというふうな形のドットをおろしまして、で、県のほうではそれを持ってまいりました。実は、その該当の部分、該当の地域につきまして、そういうふうな、もう区画整理後の状況に現在なっておって、そういうふうなものの上に持ってきて、地図を持ってまいったというふうに私ども実は理解したわけでございますが、その後よく聞いてみますと、先生からも実は、御説明に上がったときに御指摘があったわけでございますが、区画整理はまだ全部済んでないということでございます。そこで、現在県当局のほうはわかりやすい形の地図にするためにそういうものを持ってきたということでございますが、現在、現況図の上にあらためてそういうドットをおろしまして持ってまいるというふうなことで、現在調査を進めておる段階でございます。
 なお、休耕田の関係につきましては、八月一日現在で休耕しておるものがまず対象になりまして、その後十一月三十日まで、これは大体稲作期間がそうなっておりますが、それまでの間に転用とかなんとか、そういうことがございました場合には、稲作期間中において農用地以外のものに使っておるわけでございますから、休耕地の対象にならないということでございまして、十一月三十日までの間に転用等があった場合には、対象にならないということで、その辺は十一月三十日現在で確認いたしまして、一筆ごとに整理をして、休耕奨励金を最終的に精算して支払うというふうにやっておるわけでございます。そういった事務手続をベースに現在さらに詳細調査中でございます。
#77
○野々山一三君 政務次官、私が質問した四つのことについて答えなさいよ。答えなかったら、委員長に悪いけれども、時間がないから休憩にしてもらって、引き続いて調査したいと思います。
 それから、いまの稲作対策室長、刈谷市の、と言って、これ刈谷市ですか。あなた、刈谷市というのはどうなっているか。柴田先生よく御存じだけれども、刈谷市というのは、こんなものが刈谷市じゃないですよ。何十分の一だ、これ。そういう、中間報告であるといなとにかかわらず、君らの姿勢が間違っているよ。そんな、君に説明なんかもう聞かなくてもけっこう。
 税務当局に聞きますよ。先ほど申し上げたように、いまになってあわてて、あれはあのときに転作しました、転作しましたという帳面をつくり直して、そうして先般私が指摘をしたここが休耕地でございますというふうになっているところで、補償はもらう、税金は免除してもらう。そしてそれを駐車場に使っている。ところが、その駐車場も、地図のところにはちゃんとうちがある、車なんか置けないように。そういうものでやられていることで、税務当局の姿勢として一体どうお考えになりますか。そういうもので、これで間違いありませんということでおやりになると、まさにこれは脱税、違法行為ということになるんじゃございませんか。この地図がうそだというなら、うそだとおっしゃってください。私の言い方が間違っているというなら間違っているとおっしゃってください。もう一回繰り返しましょう。そのことについてお答えいただくと同時に、政務次官の見解をもう一回伺いたい。何回でも聞きます。
#78
○政府委員(高木文雄君) その問題については、具体的に私詳しくまだ承知しておりませんから、正確にお答えをいたしかねますが、御指摘のように、休耕地でないところに休耕地交付金が支給されておるということでありますならば、それは当然正当な補償金といいますか、交付金ではございませんから、課税をいたすべきものと思います。
#79
○政府委員(鈴木省吾君) 私も、実は、いまの具体的な現地のことは承知しないのでございますけれども、そういった誤っている点があれば、改めさせたいと思います。
#80
○野々山一三君 あなた、私の質問したことを、国会とは何だ、大蔵委員会とは何だ、あなたの地位は何だ、資料請求したものについてはどうしたらいいんだということについてなぜ答えないんです。なぜ答えないんですか。なぜ答えないんですか。口がないんですか。なぜ答えないんですか。
#81
○政府委員(鈴木省吾君) どうもそういうことをお聞きいただいても、ちゃんといろんな法令その他できまっておることでございます。そういう点を私ども厳格に実行していく、こういう考えでございますので、実はあらためてお答えを申し上げなかった次第でございますけれども、そういう考えでございましたので、御了解願いたいと思います。
#82
○野々山一三君 何、聞こえないですよ。
#83
○政府委員(鈴木省吾君) 法律なり、あるいは規則でちゃんとわれわれの立場というものがきまっておりますので、そういう点を厳格に実は実行してまいりたい、こういうような考えでおりましたので、あらためてお答えを申し上げなかった次第でございますので、どうぞ御了承願いたいと思います。
#84
○野々山一三君 じゃ、もう一回戻りますけれども、こういうものは一体先般のあなたの中止させます、許しませんという答弁とどういう関係になるのですか。これも調査するんですか。もしあなたみたいな――私は、委員長、これはもう何べん聞いてもあの人はああいうことしか答えないですから、正式に私は、要求しますが、農協、愛知県経済連、全農、これを国会で、政務次官以下が政府を代表して中止をさせますと言ったことに対して、そんなことは全くないんですという趣旨の文書を出しておる、及び電話などで、訓告をするぞ、告訴をするぞ、損害賠償を要求するぞ、何でもないことを言っているぞ、ということに対しての処置をどうするかについて、あらためてこれは審査をしなければいけませんし、同時にこれらの諸君を、私は証人として要求したい。ここでなぜこういうことをやらなければならぬ理屈があるか。つまり国会で約束されたことが、こういう文書で全面的に配付されて、農民に対処するというようなことがあるとするなら、これは、事実をあなたが調査するというのは、めんどうくさい――とんでもない調査をなさっておるから、ここへ私は正式に証人としてこの人たちを呼んで、こういう事実を確かめた上で、政府を代表する政務次官としての態度を明らかにしてもらいたいということにして、そういう要求をいたします。
#85
○委員長(藤田正明君) 委員長に対してただいまの要求がございましたので、この案件につきましては、即刻理事会においてはかります。
#86
○野々山一三君 もう時間もないですから、これでやめますけれども、あらためて政務次官、もう一回念を押しますよ。国会で、あなたが政府を代表して約束をされたことがうそである、間違いであるということで、第三者がどんどんそれをやっていくということだったら、あなのたほうは、ここで約束したって何の価値もないことになりはしませんか。われわれは、この委員会であなたが約束されたことを信じておる。それじゃ、国会を無視したことになりはしませんか。そのことをよくあなたはお考えいただいて、そんな勉強をしますなんというならやめたらいい、国会議員を。こんなばかなことでは。こんな国会軽視の態度というのはありますか。あなたバッヂ取りなさい。一緒に辞表を出しましょう。あげますよ。何ですか。そのことについてもう一回伺います。これから責任ある答弁をする、態度をとりますか。
#87
○政府委員(鈴木省吾君) 私は、御意見この間ありましたので、さっそく実は対策を立てなければならないと思いまして、調査を命じ、また、資料等の分析もさせているような次第でございます。どうぞひとつ、その点は御了承賜わりたいと思います。
#88
○野々山一三君 いまの答弁では答弁になりませんし、私には了解できません。あなたに悪いけれども、もう一回あのときの議事録を読んで出直してください。あらためて伺いますよ。きょうは保留いたします。
#89
○委員長(藤田正明君) 午後二時再開とし、暫時休憩いたします。
   午後一時十七分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時三十二分開会
#90
○委員長(藤田正明君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、入場税法の一部を改正する法律案、物品税法の一部を改正する法律案、農産物に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定に基づいて借り入れた外貨資金等の償還に関する特別措置法案を便宜一括して議題とし、質疑を行ないます。
 質疑に入るに先立ち、休憩前の野々山君の質疑中、農協、愛知経済連、全農から発行された記事に対する農林当局の態度について発言を求めます。農林政務次官。
#91
○政府委員(鈴木省吾君) 全農、愛知経済連、農協の文書につきましては、農林省において調査中にこのような文書の配付があったことはまことに遺憾であります。今後このようなことのないよう厳重に指導してまいりたいと思います。
#92
○野々山一三君 文書の中に、事実無根であるということが言われておる。そして、あなたもお認めになっておるように、国会で引き続き調査をしている最中、しかも疑わしきは許さず、使わず、認めずというたてまえが委員会で認められておるのにかかわらず、かような文書を出したわけですね。これはまさに国会軽視、国会への挑戦である、無視であるということが言えるわけでして、したがって、取り消すべきであるということが一つ。つまり事実無根であるという文書を、これは間違いである、取り消すべきであるということ。そして、それに必要な文書を出して、それを指示するというようなことがなければいけない。そして、本来は国会軽視もはなはだしいかようなものについては、私は、まだ保留していますが、こんなことが許されるということなら、国会なんか存在しないんですからね。このことに対しては、農協は本来国会に対しては謝罪すべきである。全農、愛知経済連は当然謝罪すべきである、こういうふうに考える、私は。したがって、さような立場で、文書で取り消し、そして申し上げたように、そういう文書は出すべきじゃない、間違っていましたという趣旨が農民、利用者に徹底するような処置を講ずるというふうにされなければいけないと思うんですけれども、その万全の処置をと言われる、その万全の中に、いま私が指摘したような処置を講ずるつもりがあるかどうか、あらためて伺いたい。
#93
○政府委員(鈴木省吾君) 関係者に、文書をもちましてさようなことを取り消しをするような通達をいたしたいと考えております。
#94
○野々山一三君 私の述べたような趣旨の文書を出すというわけですね。そうですね。
#95
○政府委員(鈴木省吾君) さようでございます。
#96
○野々山一三君 その文書をあらためて私どものほうの委員会に、こういうものを出しまして、今後こういうことがなくなるようにいたしますという担保する意味で、文書として、これを資料として提出する気持ちありますか。私は出してもらいたいということをたてまえとして、前提として申し上げるわけです。
#97
○政府委員(鈴木省吾君) 提出いたします。
#98
○野末和彦君 午前中ちょっと出ておりませんで、午前中の質疑と重複するかもしれませんけれども、それはちょっと御了解いただきまして、物品税の面でお伺いします。
 物品税の品目をずらっとこう見渡したところが、生活必需品にはもちろんこれは全部課税されております。ところが、最近まあブームといわれております書画、骨とう、庭石などの類はその対象外になっておりまして、あえてこの物品税というワクにはこだわりませんけれども、こういう書画、骨とう、庭石というものは、大体金を持っている連中が趣味あるいは利殖の対象にしている、まあいわば高級なぜいたく品と言っていいかどうかわかりませんが、そのようなもので、しかも、最近は、これ特に、絵などは投機の対象にもなっているという現実でありまして、そういう意味から、なぜこういうような書画、骨とう、庭石などの類に税金というものがかかっていないのかというのが非常に疑問に思えるので、大臣にお伺いしたいんですが、絵画そのものにはいまのところ何の税金もかかっておりませんが、これはどういう理由からですか。
#99
○国務大臣(愛知揆一君) 絵画に限らず、美術、骨とう品というような――まあ骨とう品がそれに適当かどうかわかりませんが、要するに個人の芸術的な創作品というものに対しては、課税の対象とすることが適当であるかどうかということは、非常に問題の存するところであると思います。結局現在までの政府の態度といたしましては、課税の対象とすべきではないという意見を採用しておるわけでありまして、これは過去において骨とうなどを課税の対象にしたこともございますが、現在の政府の態度はそうでありません。
 もう一つは、いろいろ御意見もございましょうけれども、個人間の相対取引になる場合が非常に多いわけで、徴税執行上も非常にむずかしいという技術的な理由もあげることができると思います。
#100
○野末和彦君 三十七年の四月に一応廃止になっておりますね。そうすると、このときの廃止の理由というのは、やはりいまおっしゃったような理由と関係ありますね。
#101
○国務大臣(愛知揆一君) この議論が盛んに行なわれた結果、いま申し上げましたような理由で課税をやめることにいたしたと私は承知いたしております。
#102
○野末和彦君 二つの理由で大体非課税になっておるというふうに思います。芸術的創作、芸術作品ですね、芸術作品には課税するのは適当ではないということと、それから、徴税技術上の問題と、二つあると思いますが、さて芸術であるかどうかということになりますと非常にむずかしいし、いま大臣のおっしゃいました骨とう品と、あるいは書画、骨とうと一口に言いましても、何百年伝わっている文化財的なものと、それから、いわゆる現代の画家がかいたものと必ずしも同じワクの中では論じられないんじゃないかとも思いますが、いま、絵画というものが、もう芸術というようなものではなく、完全に、これは騰貴して、投機化されている、商品です。しかも、値上がりの実態が、もう異常なほど野放しであるということなんです。こういう点を、最近ちょっと値が冷えたということも聞いていますが、冷えたといっても、別に暴落したほどではありません。そこで、こういう絵画の異常なブームというものを、大臣あるいは大蔵省・国税庁のほうではある程度御存じですか。
#103
○政府委員(江口健司君) 絵画関係は、ここ、私の記憶する限りでは、例のアメリカのドル・ショック以後非常にブームを呼んでおる状況でございますので、特に、直税関係につきましては、重要な課税対象ということで認識をするように取り計らっておりますが、最近の絵画の取引につきましては、デパートあるいは画廊を通じましてまとめて売る機会が非常に多うございます。したがって、担当の職員がその現場に臨みまして資料を収集して、さらに、その画家の納税地の税務署のほうに資料を回付するということを現在せっかく励行しておる段階でございます。
#104
○野末和彦君 それがいわゆる徴税技術上非常にむずかしいということにつながってくるんだろうと思いますけれども、前回も出ましたけれども、株のもうけなぞも、要するに、技術上むずかしいということで、実際課税したいところだが、実際には課税できないというものもずいぶんあると思うんです。そのうちの一つだと思うわけですが、しかし、このいわゆる投機化した実態というものを知ると、やはりこれは野放しにしておいてはいけないんだというふうに考えるわけです。
 そこで、文化庁の方は来ていらっしゃいますね。――文化庁のほうがやはり一番絵画について関係が深いと思いますので、文化庁では、絵画の値上がりの実態をどういうふうにつかんでいらっしゃるか。大家とか、中堅、新人とか、幾人か例をあげて説明していただきたいと思います。
#105
○説明員(橋本真君) お答えいたします。私ども文化庁のほうでございますが、先生御存じのように、商品としての美術品というものは扱っておりませんので、先生のお尋ねの価格というふうなものにつきまして十分なお答えができかねるかとも思いますが、私どものほうの手元に「美術年鑑」というのがございますが、その中で、現在、わりあいに新進の作家というものの号当たりの値段、それも優秀作品についての値段というのを見ますと、たとえば、麻生三郎さんの場合は、四十六年、号当たり、優秀作品で二十万のものが、四十八年の年鑑、これは四十七年の値段になるかと思いますが、八十万になっております。それからまた瞽女の絵をかいて非常に名を売っておられますところの斎藤真一さんという方がおられますが、この方の号当たりの優秀作品の値段が九万でございますが、これは四十六年でございます。四十八年には六十万という値がついております。これはあくまでも「美術年鑑」というものによりましたものでございまして、実際の市場で売買されておる価格というものがどうかということに直接つながらないかもわかりませんですが、二、三年の間に相当の値が上がっておるということは申せるのではなかろうかと思います。
#106
○野末和彦君 そうしますと、いわゆる芸術院会員と申しますか、そういう大家ですね、梅原龍三郎とか、いろいろ、そういう大家のほうはどうでしょうか。
#107
○説明員(橋本真君) いわゆる大家――どれが大家ということかよくわかりませんが、いまおっしゃいました芸術院会員とか、あるいは文化勲章をおもらいになっておられる方等の例を申し上げますと、同じ年鑑でございますが、それによりますと、梅原龍三郎さんの場合は、四十六年の年鑑で号当たり八十万のものが四十八年の年鑑では二百万になっております。それから、また岡鹿之助さん、この方は昨年度文化勲章をおもらいになった方でございますが、四十六年の号百万が四十八年で二百万、宮本三郎先生の場合で四十六年で五十万が四十八年の年鑑で百五十万というふうな価格になっておるわけであります。
#108
○野末和彦君 大臣、物品税に直接関係のないような話をしているようなんですが、これ、いまお聞きになった値段は、もちろん市場で取引されている値と、それから年鑑というものに出ている値といろいろ差がありまして、しかも、画商とか、画廊とか、それぞれ、絵の値段のつけ方というのは、お客があってのもので、非常にまちまちなんですね。しかし、ここで言えることは、非常にここのところの値上がり率というものがほかの、たとえば、土地などと比べますると、はるかに異常な値上がりをしている。やはり、巷間、マスコミなどが、絵は異常なブームでこれは気違いざただというふうなことを、見出しにいろいろ書いてありますけれども、これは事実だというふうに思えるわけですよ。
 で、私が調べたところでも、特にことしになって、ことしの春には、三月ぐらいが一番ピークで、去年から比べてもう五倍、六倍なんてのはざらにあるわけですね、いま。これを考えるのですが、どうしてこういう異常なブームが絵画に訪れたかということが問題だろうと思うんです。で、いまたとえば、大家の絵が出ましたけれども、あるいは、一号当たりの値が出ましたが、これ、十号の大きさで家の中に飾るにはちょっと豪華ですけれども、これを飾るとする。その場合には、二千万ぐらいの値がつくわけですね。二千万というと家が一軒当然建つんで、本来、家の中に飾る絵が、絵一枚で家が一軒建つというようなことを考え、比較するのもちょっとおかしいですが、やはり異常に高いという実感があるわけです。
 で、大臣にお聞きしますが、絵がこういうふうに異常に高くなった原因、いろいろあると思いますが、直接、税の問題じゃありませんが、何かお感じになりますか。
#109
○国務大臣(愛知揆一君) 一口に言えば、インフレマインドということだろうと思うのです。要するに、そのもとは、やはりよく言われますけれども、過剰流動性というようなことが大きく響いていると思いますが、金の使い道が証券に向かい、土地に向かい、そうして今度は書画、骨とうに向かったということになると思います。原因はそういうところであると思いますが、それだけにそういったブーム的な高値の声というものはすでに相当冷えてきつつあるのではないかと思いますし、それから、これは土地についても、公示価格制度というものですらいろいろの点から問題が投げかけられているくらいですから、だれが、こういう芸術品に客観的に妥当な評価ができるかということになると、これはできないと言わざるを得ないと思うんです。ですから、少なくとも物品税の対象として考えることはおかしい。税としては、画商や画廊には個人の営業もありましょうし、法人になっているところもありましょうが、そこのやはり所得税や法人税の対象として、異常なもうけがあれば、それだけ税も高くなり、そこで捕捉すると、こういうかっこうになるだろうと思います。
#110
○野末和彦君 インフレマインドが絵画の値を押し上げたということで、投機資金が入ったわけですね。本来の美術愛好家が買っている段階ではこんなことはなかったわけなんですけれども、そうすると、土地とか株とか買うのと同じ感じで絵をいじっているとなると、これはどんな客が買っているか。これ、土地や株を買っているのと同じなわけですよ、絵を買っているお客が。そうすると、土地や株の場合は課税対象になっているが、絵は芸術だから全然これ関係ない、と。これくらい投機の対象にし、利殖の対象にしても、これ芸術だという考え方はぼくは成り立たないと思うんですが。まず、じゃ絵の売買の実態の一部に、たとえば商社とか、企業などが現実に絵をかなり買ってますね。で、これはあくまでも芸術として評価しているわけじゃないですから、芸術の値段というものはつけにくいといういまのおことばですが、しかし、値段をつけにくいということではなくて、いま問題なのは、投機の対象としているわけですよ、投機の対象として金もうけさせて、これはやっぱり物品税かけぬのおかしい。もちろん物品税をかけろと言っているわけじゃありませんけれども、これ全然野放しにしておくということには、ぼくはどう考えても納得できない。現実に芸術であっても商取引されているわけですよ。商取引されているものは、やはりここに、その絵の値段の動きというものを、政府のどこかが一応調べている、あるいは絵の動きは見ていなければいけない。監督とまでは言いませんけれども。株の場合だってそうでしょう。これは異常に過熱してくれば大蔵省は指導を強化していくわけです。商取引である以上は、何らかのそういうチェックポイントみたいなところが政府になければいけないと、こう考えるわけですよ。いま買いたい絵が幾らするのか全然これわからない。こういうことだったら、芸術だということは言いにくいので、むしろ政府のほうでどこか絵の値段を調べているのか、それをぼくはお聞きしたくなるのですがね。どうなんでしょう、野放しにしているから、芸術の質の低下を招くとかそういう芸術論議は別としまして、芸術という名のもとに異常な値でもって取引されている、しかも、これは投機資金が流れている、こういうことがあっても大蔵大臣は全然気にならないですか。
#111
○国務大臣(愛知揆一君) 気にならないことはございませんが、これは土地とか証券とかと違って、異常な今日のような状況、今日までのような異常な状況下にあって、投機の対象と言われますけれども、投機といえば、これは値が上がって、かつまたさらにそれを高く買うという見通しが立たなければ投機の対象にならぬわけで、そしてこれは国民生活に直接の関係ということになれば、文化的な生活ということからいえば、直接関係がないとは言えますまいけれども、少なくとも形而下的な生活には直接関係がないわけなんですから、これは、まあ極端なようですが、成り行きにまかせるというよりほかにはないんじゃないかと思います。同時に、しかし、先ほど江口次長がお答えしたように、異常な、画商をめぐる、あるいは展覧会とか、あるいは売り立てだとかいうところの状況については、そつなく国税庁は監視の目を光らかしておる、そしてそこから出てくる異常な、また捕捉し得るような、あるいは国民的な感覚にこたえ得るような適切な措置があれば、それに応じてまた政府としては考えなければなりますまいし、また立法の措置が必要なら立法措置も考えなければなるまいと思います。しかし、およそ文化国家で美術品に公定価格をつけるようなことをやった国はおそらく歴史的にも現在においてもないんじゃないでしょうか。これはまあ結局国民の良識に待っていくよりほかにないことだと思います。
 同時に私は、これは的確なデータを持ってのお答えではありませんが、商社が一万枚も二万枚も絵を買っているというふうなことは、これはもうかりませんから、少なくとももうかる可能性、確率性がもっと確実に長期的になければ、そろばん高い商社がそんなに買いだめを絵についてやっているとは私は考えておりません。
#112
○野末和彦君 一万枚絵があるわけないですし、画家の数が少ないので、そんなにあったらたいへんですよ。別に買い占めといっても、一万枚買い占めたと言ったわけじゃないんです。
 じゃあ今度、美術館がやはり絵を買うわけですね、予算の中で。その面から文化庁にお聞きしますけれども、最近絵の値段が高くなり過ぎたために、少ない予算の中で買いたいものが買えない、あるいは買えないで見送ったというようなことはありますか。
#113
○説明員(橋本真君) 現在美術館で美術作品の購入をいたします場合は、各館とも大体共通のやり方でございますが、美術作品等購入審査委員会というものを設けて行なっております。この審査委員会は、民間の識者、たとえば、美術評論家とか、あるいは美学、美術史の学者とか、あるいは関連の関係機関と申しますか、たとえば、ほかの美術館の専門家とか、そういうふうな方々十五、六名で構成しておりますが、そういったところではかりまして、購入の是非とか、あるいは購入の価格等について、予算と見合いながらきめております。ただ四十七年度の場合を、東京近代美術館に例をとりますと、その買います審査委員会にかける前に、一応事務的な段階で瀬踏みをいたしておりますが、そういったときに、二、三、いまはなくなりました非常に大家でございますが、そういうふうな方の絵が予算のワクの中で折り合いがつかなかったというふうな話はございます。これはしかしながら、すでにおなくなりになった作家でございますので、必ずしも現在の現役の作家のブームというふうなものと直接かかわりはないかもわかりませんが、そういった事柄も今後あるいは起こるおそれは全くないということは言えないかというふうに意識いたしております。
#114
○野末和彦君 これはもちろんいま少しは冷えてきましたし、それから、ことしの見通しですから、こうだとは言えないんですけれども、でも大臣、やっぱりあまりにも投機資金が流れまして、そうして芸術作品の値段を乱高下するようなめちゃくちゃな実態を出してくると、これはせっかくのこういう芸術作品が、もうほんとうに愛好する、あるいはそれを見たいという人の手から離れていくことになるわけですね。美術館がこれでかりに買いたい絵がもしことし買えないというような事態が起きたとしますね、あるいは、五枚買えるところが三枚になったとかいうことになりますと、これは一部の金を持っている連中が、さっきもうからないとおっしゃいましたけれども、いま絵は一人の人がずっと所有するだけではないですからね、どんどん売ったりして、回転している場合もありますし、それから、資産価値としてはたいへんな価値を呼んできたわけですから、そういう一部の人が絵を独占して、芸術が大衆の手から離れるということになるわけですよ。この原因をつくったのがそういう投機資金だというふうに考えれば、これはいわゆるほかの生活関連物資をいろいろ買い占めたと同じ金が、今度は文化財までもあり方をゆがめる、質の低下を招いてくるということになるとぼくは思うのです。
 そこで、いままさか世界の国で文化財に税金かけるところがどこもないとおっしゃいましたけれども、別に物品税かけろと言っているわけではないのです。これはどんな種類の税金だっていいと思うのです。投機税とか何でも――わかりませんよむずかしいことは。だけれども、何らかの税金の対象にしないで野放しにして、一部の金持ちの利殖の片棒をかつぐというようなことを許しておくのは、庶民感情からしてどうも納得がいかない。
 そこで、どういうふうに考えているのか。間接的にもしここで絵画のようなものに税金かけるというようなことになりますと、やっぱり値がかなり落ちついて、この異常なブームがなくなるわけです。そのために税金云々するのではありません。やはりこれは、大臣、全然生活に直接関係もないし、かといって芸術だからかけるのはおかしいといういままでと同じ考え方でいるのは、ぼくはちょっと納得がいかないんですがね。どんなものですか。物品税とあえて言いませんが、何らかのこれを課税の対象にするというような気持ちはやはり全然起きませんか。
#115
○国務大臣(愛知揆一君) あえて物品税とは言いませんけれども、その絵画というものを直接ずばりと対象にした課税の方法というものは私はとるべきじゃないと、こう考えます。同時に、先ほど来申しておりますように、これを取引の手段として、そして投機の手段として転々売買するというような面については、先ほどから言っておりますように、国税庁としてもこれはもうそつなく目を光らせておりますし、所得税や法人税の対象として当然これは捕捉されることになります。
 それから、一方において、これはまだ十分とは言えないかもしれませんけれども、累次の金融政策というものは相当きびしくここへ働いてきておりますから、やはり間接的な効果ではありますけれども、流動資金の活躍というものが防がれてくる。あるいはまた、従来手元資金に余裕があり過ぎて、一時それが絵画等に集中していたとすれば、手元が詰まってくればこれは放出するという、これはもう自由経済の一つの流れとして当然そういう現象が起こってくるわけであります。したがって、何よりも早く、一時伝えられたような気違いざたのような価格の騰貴ということが相当急速に冷えつつあるというのは、それをあらわしているのではないかと考えます。
#116
○野末和彦君 どうも大臣は、あんまり絵の実態について御存じないようで、何かのんびりしているような気がしまして、――まあ課税のお考えがなければないでしかたがありませんけれども、じゃもう一つ、似たようなもので、今度は庭石とか観賞用のいわゆる銘石というやつですよ、そういうものも、これ全然課税されてないわけですよ。で、先ほど、骨とう品は芸術的価値がある、あるいは徴税技術上むずかしいとおっしゃいましたが、じゃ今度庭石ですね、それから、いわゆる手にこう乗る、お盆の上に乗った小さい石ですけれども、銘石というやつですけれども、現実にデパートなんかで、庭石はでかいからこれは売ってませんけれども、デパートでもって銘石、それからあるいは刀、そんなものを売っています。で、刀は一千万以上の刀も現に売買されていますが、これはまあ骨とう品として扱われている。で、この庭石、銘石の類はなぜ課税の対象になってないのか。やはりこれは室内の装飾品ですから、絵ももちろんいまは室内の装飾品ですけれども、この銘石の場合、たとえば一方の宝石は税金がかかるわけですよね。一体なぜ庭石や銘石に課税されてないのか、全然理由がわからないのですが、この理由はどういうことですか。
#117
○政府委員(高木文雄君) 宝石が課税されておるのにかかわらず書画、骨とうであるとか庭石、庭木について課税がされてないのはおかしいではないかというお話は、これまでも各方面からも寄せられております。で、なぜ、過去において廃止されたということとも関連があるわけでございますが、現実にはいろいろ――一般的に宝石の場合でございますと、たとえば、ダイヤモンドはどのくらいの相場というある共通点があるわけでございますが、庭木とか庭石とかいうものについては、これはもう非常に専門家の間でも評価がまちまちでございますし、それから運送その他の運賃等によっても変わってくるというようなこともありまして、そこで、かりに物品税の対象とするといたしましても、課税標準を幾らにするかというような問題について非常に紛議が起こったわけでございます。そのほか、扱っておられる方々が小規模な企業者の場合が多いものですから、またデパートに並んでおるというようなかっこうでもありません、お店に並んでおるというわけでもないものも多いものでございますから、そこでなかなか公平に課税がいかない。一部課税、一部非課税となり、その非課税のほうが、現実、税としては――非課税といっても制度的非課税でなくて、税の執行を含めて非課税ということになりまして、それで不公平になったということからやめたものでございます。ところでしかし、いまの御指摘のような御疑問がいろいろあるわけでございまして、デパート等で、いまおあげになりました品物に限らず、いろいろの品物がかなり高い値段をつけて販売せられておるという事実、それはある意味から申しますと、庶民の感情に対しては、感情を害すれば非常にいら立ちを招く、こういう問題がございます。
 で、先般当委員会において東畑税制調査会長も、ナポレオンの帽子というようなことについて触れておられましたが、あのお話は、現実に税制調査会の中におきまして一部の委員さんの間から、あの種のものは何か課税をしたらどうかという御議論があったわけでございます。で、その場合には、石とか刀とか書画とか、そういう品物別にこういうものは課税ということではなかなかうまくいかないので、まあ冗談半分言っておられましたが、ナポレオンの帽子というものを物品税に書くわけにはいかないと言っておられましたが、そういうことになってまいりますと、もしやはりそういうものを放置できないという立場から、今後検討いたしますといたしますならば、一つ一つの商品名といいますか、品物の名前を税法上掲名するというやり方でなくて、一般的にある一定金額以上の品物について、そうしてまた一般的にかなり大々的に売り出されているものについて、何らかの形で小売り段階での課税というものが考えられないだろうかということがだんだん議題になってくるわけでございます。今年度物品税の改正にあたりましても、そういう点何とかできないかということは、事務的に、内部的には多少検討はいたしましたけれども、時期熟せずということで見送らざるを得なかったわけでございますが、まさに先ほど来御指摘がありますように、そういう品物について何らかの角度で、物品税とは申しませんが、何らかの形式での消費税の対象にすべきでないかどうかということは十分検討に値する問題でございますので、これは各方面の御意見をなお今後とも引き続いて聞いてまいりたい。先般の東畑会長の言われましたことを若干補足する意味も含めまして、御説明した次第でございます。
#118
○野末和彦君 来年ぜひやってください、これは。何らかの税の対象にしなければ、先ほど言われた庶民感情のいら立ちというものはもうおさまらないと思うのですね。結局は、金持ちだけが楽しんでいて、しかも、それが金もうけにつながっているという、そういう片棒をかつぐような――もちろん税金がかかっていないからやっているとは言いませんけれども、やはり非課税だということも、彼らが利殖の対象にする場合非常に逃げ道になっているわけですよ。国税庁だって、事情をいろいろと調べているようなことをおっしゃいましたけれども、実際には書画、骨とうの類は完全に捕捉できていないのが実情だと思うし、買っている連中が脱税の常連で、医者とか、不動産屋とか水商売とか、そういうのがおもに買っているわけですから、その辺のことを十分考慮に入れて、来年はぜひこういう品物に対して非課税のままでほうっておくということのないようにしてほしいと思うのです。
 ついでに言いますが、大臣、庭石がね、――いまのは銘石の話をしていたのですが、庭石というのは、もうある企業なり商社がごろごろ買い集めて置いているんですよ。これも彼らは商売するんですよ、それで。しかも、商売したってそれ自体には全然税金がかかっていない、最終的な所得にはかかっているというけれども。それはやはりおかしいですよ。一千万円する庭石とか、五百万円する庭石なんというのを、ごろごろ企業、商社が持っている、現に持っているんですよ。そして値上がりを持っていて、いずれ売ってもうけよう、こういうことは、やはり非課税というのはおかしいので、酒屋さんは事業所得と物品税と両方かかった品物を消費者に高く売らなければならない状態ですから、だから、大臣も、不公平感というものをもうちょっときびしく感じていただきたいのですよ。そこで来年の税改正にこれを生かしてほしいと思うのですが、最後に一言お聞きします。
 企業や商社が値上がりでもってもうけようとして、庭石をごろごろ買い集めていて、これをいずれ売ってやろうと思っている、この現実を見て、全然不公平だという気もしない、まあこういうものも非課税になっているから、税制上は文句ないからやむを得ないというようなお気持ちですか、それともやはりこれは矛盾しているから、何とかしなければ庶民に対してすまないというお気持ちですか、どっちですか。
#119
○国務大臣(愛知揆一君) 国民大衆の社会的の感覚にこたえるように税というものはなければならない。その点については全く同感です。そういう基本的な感覚で消費税体系というものもどう考えるかと、これは私どもとしても積極的に考えていく問題であると、こういうふうに考えております。
#120
○多田省吾君 私は、最初に入場税についてお尋ねします。最初に、入場税法に基づく入場税の課税目的、これをひとつおっしゃってください。
#121
○政府委員(高木文雄君) 物品税が商品の購入という事実から、その背後にある担税力に着目した税であるというのと同様の意味において、入場税は、映画、演劇、スポーツ、その他のサービスというものに対して着目をいたしまして、それを入場という時点でとらえて、そして担税力ありということから課税対象としているということでございます。
#122
○多田省吾君 アメリカは入場税につきましては一九六六年の一月以降、それから、イギリスは一九六〇年の四月以降入場税あるいは娯楽税を廃止しております。わが国においても、これは当然将来はギャンブルの入場税以外は廃止の方向に持っていくと、そういう方向が正しいのではないかと思いますが、大蔵大臣はこれはどう思いますか。
#123
○国務大臣(愛知揆一君) 消費税体系は、私は非常に大切なものだと思います。そして日本の現行の税制は、いわば個別消費税体系をとっている。そしてこれは物に対して、物の流動、取引に対してだけじゃなくて、これからサービスの提供に対する課税ということが一つのやはり寄りどころではなかろうかと思います。そういう点で、私は、入場税の廃止ということには、にわかに賛成いたしかねるわけでございます。というのは、一つは、英米の税制等の御指摘がありましたが、ずいぶんこれも変遷があるし、制度の改変も次々と行なわれております。いろいろそれぞれの国の苦心の存するところであろうと思います。
 それからもう一つは、間接税ということを考えて、入場税やめろ、物品税やめろと、こういうふうなことになると、それなら、いろいろの面で反対が非常に強いように見受けられますけれども、たとえば付加価値税というようなものを、それじゃ間接税の中心にしようかと、こういう意見が当然出てきますし、外国の英米等におきましても、州法と連邦のやり方は違うし、変遷もございますけれども、やっぱりそういう傾向が非常に強いわけですね。日本としてはどういう方向をとるかと、税を全部直接税でとることは、私は税の体系としてはとるべきでないと思います。そういう点から言って、入場税にくふうをこらすことはもちろんであります。物品税についても、物の選択、拡大、そのほかうんと考えていかなければならないと思います。現在私は、入場税を廃止するという考えはございません。
#124
○多田省吾君 われわれは何も、入場税、物品税全部なくしてしまえと、こういうことを言っているのじゃありません。また、課税すべきもの、租税特別措置をできるだけなくせとか、あるいは法人税率を上げろとか、そういう課税を強化すべきものも私たちは一緒に主張しているわけです。それから見ると、入場税はやはり昔からいろいろな論議がありますように、まことに文化国家としてふさわしくない税金であると、このようにいろいろ言われてきたわけです。そういう問題のある入場税だからこそ、ここで申し上げているわけなんです。で、このたび、若干入場税を減税にしたのは一歩前進だとは言えますけれども、いま、大臣がおっしゃったような、くふうをこらすという点においては、まだまだ私は、今後もくふうをこらし、また見直すべき問題が多いんじゃないかと、このように思います。
 で、二、三関連してお尋ねしますけれども、入場税が国税及び間接税の収入に占める割合というのは、四十七年度当初で見ましても、それぞれわずか国税から見れば〇・一%、間接税から見れば〇・二%、本年度当初予算に見込まれる入場税収入は八十六億円ということでございますけれども、もしも、与えて、入場税をどうしても廃止できない理由があるとしても、国税として、存続する理由は、特別な理由はないわけでございますから、西欧諸国並みに地方財源として地方に移譲したほうがよろしいんじゃないか、むしろ移譲すべきじゃないかと、このように考えますけれども、こういった問題も、明年度の税制改正等で再検討するお考えはございませんか。
#125
○国務大臣(愛知揆一君) 入場税については、御承知のように入場税譲与税という制度が比較的最近まであったわけですけれども、これは経験上、入場税の性格からいって、税源が偏在するわけなんです。こういう点から見まして、地方税として存続することは適当でないということで国税に戻したといいますか、国税にいたしたわけであります。これは、ですから、将来たとえば、列島改造というようなことで、日本の平均的な、格差のない国づくりができるというようなことになれば、考えられることであると思いますけれども、現在においては、入場税を置くとすれば、これは国税ということに私は、意味があるんじゃないかと、こういうふうに考えております。
#126
○多田省吾君 現在入場税の免税点は、映画、演劇、演芸、音楽、スポーツ、これらについては一人一回について百円、競馬、競輪等のギャンブル関係については三十円となっておりますけれども、現実にこの免税点以下の常設の劇場等がはたして何カ所あるのか、お調べになったことがあるかどうかですね。
#127
○政府委員(江口健司君) 税務統計上は、免税点以下の常設館を調べてはおりませんが、一般的に申しますと二つ内容がございまして、常設館で催されるいろんな興行的なもの、それがすべて免税点以下であるということについては、第一線の税務署ではもちろん確認いたしてございますから、それはもうはっきりしておるわけでございますが、ただ、常設館の中で興行の種類によりまして、ある興行については免税点以下、ある別な興行につきましては免税点以上というような形になっておりますので、そういう関係では、常設館の何場が免税点以下の常設であるかということがわからない。またそれを調べても実益がないということになるわけでございますので、税務統計上は報告を求めていないと、こういうことでございます。
 ただ一般的な例を申し上げますと、きわめて一般的なものとしましては、最近始まりましたプロ野球の関係、後楽園の球場を見ますと、子供の場合には現在内野席が百円、外野席が五十円ということでございますから、おおむね後楽園が一つのプライスリーダー的な立場に立っておりますので、各地で行なわれておりますプロ野球等につきましては、大体同じような傾向にございますから、これらは非課税の範囲内ということにはなろうかと思います。
 それから、映画関係では、記録映画の会、これはしばしば公会堂等で行なわれておりますが、これも一般的な庶民を対象にするというようなことで、おおむね百円以下という例が、四十七年度の実績では多うございます。それから、映画の試写会等が、たとえば、銀座のガスホール等で毎週行なわれておるようでございますが、これは試写会でございますので、もうけ本位でないというような観点からかと思いますが、おおむね百円以下というような例が多いようでございます。
 それから、子供の遊び場等の中で、特に遊技場の中に特別のショーを催しておるような場合がございますが、こういうものも学生、子供が対象でございますので、その遊び場の中のある部分のショーの入場券等については免税点以下という例が多いようでございます。その程度で御判断をいただきたいと思います。
#128
○多田省吾君 まあ、いま子供の遊び場の問題なんか出ましたけれども、前は教員の引率によって団体で興行場に入場する場合に入場税を課さないと、その生徒、児童等の範囲に今度は学校の教育に準ずる教育を行なう施設の児童等を加えるということにしてありまして、まあ一歩前進とは言えますけれども、前からいわれていた社会教育という意味で子ども劇場なんかのこれは課税も非課税にすべきである、こういうことがずいぶんいわれてまいりましたが、今回はどうしてそれに踏み切らなかったのか、また、今後これを来年等もう一歩前進して考えていくお考えがあるのかお尋ねします。
#129
○政府委員(高木文雄君) 午前中の山崎委員並びに野々山委員の御質問に大臣からもお答えいただきましたが、現在の段階では、多田委員も言われましたように、原則としては学校教育法の分野だけに限って非課税措置ができるようになっております。
 で、社会教育の分野におきましても、教育という点におきましては全く同様でございますから、何かそれを適当に社会教育上有意義なものについて免税の道を設けるという技術が発見されますならば、その方法もあるわけでございまして、午前中も野々山委員長から御指摘があり、私どもこれはお答え申し上げましたように、何らかの基準を設けることについてなお、今後検討いたしまして、そしてその基準を見つけられますならば、そういう方向で考えることを切に積極的に取り組んでいく必要があると思っております。ただ今回は、昨年の当委員会におきますいろいろ御審議にもかかわりませず、その御提案におこたえできませんでしたのは、どうも社会教育の中で線を引くことがむずかしいというところから結論に達しなかったのでございます。
#130
○多田省吾君 次に、公営ギャンブルの各省の所管を見ますと、競馬が農林省だと、競輪とオートレースが通産省だと、まあ競艇が運輸省だと、いろいろ所管は違うようでございますが、昨年一年間の公営ギャンブル全体の売り上げは二兆四千億円に達している。警察庁がまとめた暴力団ののみ行為等の違反行為は去年だけで千七百四十件、七千四百十人が検挙されておる。四十三年を一〇〇とする検挙件数では三〇%増である。検挙人員で一五四%と激増しております。その中でも、これらの違反行為の中で競馬を舞台にするいわゆる暴力団ののみ行為が圧倒的に多い、摘発件数の半数を占めている現状です。次に競輪、競馬、競艇、オートレースの順となっておりますけれども、これらのみ屋の胴元が動かした金は推定で約二千四百億円にも達しているといわれております。このような悪の温床となっておりますものについて、国税庁としてこれらの不法所得に対してどのような課税を行なってきたのか、また今後どういう態度で臨もうとされておるのか。
#131
○政府委員(江口健司君) 一般的に入場税関係につきましては、最近特に官給入場券の発行を求める興行主層が多いわけでございますが、いま申されたのみ屋の行為等につきましては、入場券そのものは興行主のきめました金額でもって売り出しておりますが、そのほかにこれにプレミアムをつけて個人間の売買をするといったようなケースがあることは事実でございますけれども、これは入場税の問題ではなくて、むしろ所得税の問題、直接税の問題としてとらえるべきであろうと考えております。なかなか暴力団等がのみ行為等を行ないます場合の実態の把握につきましては、任意調査の段階では把握がしごくむずかしいという部類に属するわけでございますが、これらにつきましては、すでに数年前から警察当局その他関係方面と連絡を密にとりまして、私ども独自の情報、資料に基づきまして課税したケース、これはまあ統計的に中央に集まってまいりませんけれども、個々の会議等の報告で受けますと、それなりに独自の資料開発によって課税処理したものもございますし、また、多くの場合は、警察等の取り締まり関係の段階で確認されました資料等の配付を受けまして、それに基づいて課税をしておると、こういう状況でございます。
 そのほかに、これは主として査察関係は独自に開発する場合が多いわけでございますが、もちろん警察の協力も得ますけれども、最近の具体的な査察件数を申し上げますと、たとえば、昭和四十五年では五十五件の査察案件がございまして、通脱金額一千百五万、これは税額でございますから、当時は一〇%でございますので逋脱額はこの十倍ということになるわけでございます。それから四十六年度では十七件、若干件数は減っておりますが、脱税額としましては四百八十五万円というのが査察であげられた件数でございます。今後こうした傾向につきまして、特に暴力団の取り締まり関係につきましては、関係方面との連絡協調を密にいたしまして、世間の要望にこたえると申しましょうか、国税としてもそうした方面での取り締まりの一端をになってまいりたいということで現在も検討を進めておる段階でございます。
#132
○多田省吾君 それじゃ、警察庁の捜査第二課長にまとめてひとつ質問をいたしますので、お答えをいただきたいと思います。
 いま質問したようなのみ行為の問題、あるいは警察庁の発表した「犯罪白書」の中では、ギャンブル関係及び各種の興行に関連する暴力団の種別をどのように把握しておられるかどうか。
 また、地方自治体等の公共機関の所有する興行会場使用の許認可権は自治体の長にあるわけでございますけれども、これらの公共機関に所属する会場の使用について警察庁は使用の不許可とかあるいは中止、こういったものを自治体に要請した例があるのかどうかですね。それから一般興行会場の場合についても同じような例があるのかどうか。
 それから最近の例でも、自治体等公共機関が自発的に暴力団興行の会場使用拒否等を申し合わせたために、最近は表面的にはあまりなくなったように見えられますけれども、こういう興行に暴力団等が動く傾向が最近はどうなっているのかどうかですね。以上三点ですが、まとめてひとつ。
#133
○説明員(中平和水君) 第一点のギャンブル並びに興行関係に進出している暴力団の実態をどのように把握しているかという問題でございますが、まあ暴力団の取り締まりの基本というのは、やはり資金源の実態というものを明らかにしてまいるということがたいへん大事なことでございますが、この資金源の実態の把握というのはなかなか困難な問題であるわけでございます。したがって、確実な状況を申し上げますと、私どもが昭和四十五年に暴力団の検挙した者の中から、いわゆる資金源犯罪というものはどうなっているかということを調査したデータがあるわけでございますが、このとき検挙をいたしました五千三百六十九人について調べてまいりますと、約五十七億の金が暴力団のほうは資金として流れ込んでいっている、こういう実態になっております。
 その中で、いわゆるギャンブル関係と思われる賭博の関係につきまして約二十四億、それからただいまお話がありましたのみ行為につきましては約四億の金が暴力団の不法な資金として流れているわけでございます。なお賭博については、このとき大体約三百億の金が動いておるわけでございます。それからのみ行為につきましては約二十億の金が動いて、ただいま申し上げましたように約四億が暴力団の不法な資金源となっておる、こういうふうな一応実情になっておりまして、こうした検挙取り締まりを通じていま鋭意その実態を私ども把握につとめておる次第でございます。
 興行の関係につきましては、これは大体昭和四十年ごろに各地方公共団体等の協力を得まして、そして一般の方々の強い暴力排除の世論等もございまして、暴力団と興行関係との問題についてはかなりきびしい取り締まりをいたしましたし、特に地方公共団体のいろんな運営、管理する施設につきましては、締め出しの措置を強力に推進をしてまいっておるわけでございます。それ以後表面的には、暴力団が公共施設等を利用して興行等を行なって資金源にしておる、そういう形はなくなってまいっておるわけでございます。しかしながら、最近は、暴力団が実体的には主催しながら、他の人の名前で、いわゆるカムフラージュしまして興行を営んで資金源にしようとしておる。そういう動きが各地で最近また出てまいっておりますので、この点についても、実態の把握につとめるとともに、鋭意取り締まりを進めておる次第でございます。
 それから、第二点の地方自治体の会場使用の問題でございますが、これにつきましても、先般美空ひばりショー等にかとう哲也の出演等の問題で世間の話題になったわけでございますが、これも昭和四十年ごろに自治省のほうから、公共の施設について暴力団組織の利益になると認められるときには、これを貸さないことができるという通達を出しまして、各都道府県の公民館等の使用条例にそういう条項が各地で盛られているわけでございます。そういう条項に基づきまして、各都道府県の公民館等の管理者は、みずからの御判断におきまして排除等の措置を推進をしてもらっているわけでございます。
 なお、それにつきましては、私どものほうから、公民館等のほうから御連絡がありましたときには、暴力団であるかどうかということについて慎重に判断をいたしまして、積極的に御協力を申し上げて排除の措置をとってまいっておる、こういう実情になっております。
  〔委員長退席、理事土屋義彦君着席〕
この地方自治体の排除しました件につきましては、ことしに入りましてすでに三十九件出てまいっております。
 一般興行場等につきましても、やはりこれは明らかに暴力団の資金源かせぎであるというものにつきましては、私どものほうからも積極的に御連絡を申し上げ、興行場等の管理者の自主的な 任と判断において処置をしてもらっておる、こういう実情にあります。
 以上でございます。
#134
○政府委員(江口健司君) 先ほど入場税ののみ行為に関連いたしまして、四十五年分、六年分の査察処理案件というふうに御説明申し上げたかと思いますが、説明間違いでございまして、国税反則取締法によりますところの間税職員の入場税脱税事案の処理案件でございます。
 いまお尋ねの暴力団関係の査察事案を参考までに若干御説明さしていただきたいと思いますが、最近のケースで四十年以降を一応調べてみましたが、四十年から四十七年にかけまして査察案件として二十一件着手してございます。その中身は、延べの年分に直しますと、四十五カ年分に相当いたします。このうち十六件を告発いたしまして、あとの五件につきましては、告発不適ということで課税処理で済ましておる事例がございます。全体としましては、申告が四億四千百万でございますが、これに対しまして調査額が十九億七百万、したがって、増差所得額が十四億六千六百万となっております。これに伴います税額は、申告が一億八千四百万でございますが、調査の結果九億八千六百万。したがって、増差が八億二百万ということになりまして、これらにはおおむね重加算税を課すことになりまして、そのほかに加算税が約二橋四千万というのが最近八年間の実績でございます。
#135
○多田省吾君 では、大蔵大臣にお尋ねしたいのですが、この前も税調の東畑会長は、前回に引き続いてギャンブル税について考えていきたい、検討していきたいという答弁もございましたけれども、大蔵大臣としても今後、くどいようですが、ギャンブル税については税調に諮問するなり、あるいは今後粘り強くこれは検討していくと、こういうお考えがございますか。
#136
○国務大臣(愛知揆一君) ギャンブル税については、昨年の税調以来関係各省ともいろいろ相談をいたしておるわけでございますが、四十八年度には間に合いませんでしたけれども、私はギャンブル税はぜひ創設したいということを明らかに申しておる次第でございます。これにつきましては、さらに税の面でも検討しなければならない問題が若干残っております。
 それから、根本的に競馬、競輪等についてどうするか、ギャンブルというものに対してどういうふうな対処策をするのかというのが政府全体の問題でもございますから、そういう点と並行的に進めていって、ギャンブル税はぜひ実現したいと、こう考えております。
#137
○多田省吾君 次に、物品税について若干御質問します。
 今回の物品税の改正に伴う減収額は、初年度で三百七億円、平年度で百八十九億円と見込んでいるようでありますけれども、まあ、大蔵省等もいろいろ指導はしているようでありますが、この改正によって一般消費者にどの程度還元されるものと考えておられるのか。いろいろマスコミ等では、一応下げると答えたのは時計ぐらいなもんで、あとは電気製品なんかはいろいろコストも上がっているのでということでなかなか値下げにならない。時計だって、一年か二年のうちにはまたいろいろな名目をつけたり、飾りをつけたりして結局上げてしまうのじゃないか。そうすると、一般消費者に対する恩恵というものが全然なくなるのじゃないか、こういうことがいわれております。この点に対して、大蔵省がどの程度本腰を入れて指導し、またどの程度還元されると見積もられているのか。
#138
○政府委員(高木文雄君) すでに御存じだと思いますが、今回物品税の引き下げ――免税点の引き上げ、もしくは税率の引き下げに関連いたしまして、通産省が関係業界にしかるべき値下げなりについて指導をしておることは御存じのことと思います。しかしながら、ただいま御指摘のように、一般的に物価が上がりましたり、なかんずく材料費が上がりましたり、賃金が上がったりしておるところでございますから、したがって、必ずしも物品税引き下げ額だけ業界において引き下げることが可能かどうかということは、率直に申し上げて、明確にそうなるとは申し上げにくいわけでございます。
 で、本来今回の物品税の改正は、物価に対する影響は、好ましい影響があるものとは考えておりますが、主として物価対策として行なっているわけではないわけでございまして、結果として物価の上にいい影響はあると思いますけれども、三百億の減税があるからして、直ちに三百億の値下がりがあるという関係には、なかなか現実にはなりにくいのではないかと思っております。しかし、今後とも通産省のほうでも、この法案が通りましたならば、重ねて関係業界の協力を求めると言っておりますし、さらに所要の追跡調査もしたいということを言っておりますので、できる限り、これが価格に反映をして物価にいい影響になりますように期待をいたしておる次第でございます。
#139
○多田省吾君 このたび課税を廃止した品目が出ておりますけれども、その中で、マッチがいままで課税をされていたこと自体が不合理だったと思いますが、課税廃止時期を四十九年八月三十一日まで延長した特別の理由があるのかどうかですね。
#140
○政府委員(高木文雄君) マッチにつきましては、本来どうも物品税としてはもう少し早い時期に課税を廃止したいという気持ちを持っておったわけでございますが、中小企業安定法に基づく調整組合を形成をいたしておりまして、その調整組合におきまして、物品税と関連して証紙を発行して、そしてそれによって調整組合の実効を期しておるという関係がございます。それで、この調整組合の制度の年度が九月から八月までということになっておりますので、ことしの九月からこれを実施するということにつきましては、関係の意向を確かめてみましたけれども、必ずしも九月からうまくスムーズに調整組合のほうの関係で移行ができにくいということでございますので、いささか手ぬるいとは思っておりますけれども、そのような長年の調整組合の運営に支障があってもいけないかということを考慮いたしまして、約一年間猶予期間をおいて、来年の九月から廃止をするということにいたしました。それだけの猶予期間がありますならば、物品税がなくなりましても、本来の中小企業のほうの調整組合制度自体の問題として何とか支障なくやっていけるのではないかということを考えたわけでございます。
#141
○多田省吾君 それから、先ほども野末委員から書画、骨とう、庭石なんかの課税問題で、これは物品税とは限らないでしょうけれども、富裕税の対象になりそうなものに対して、全然税金がかかってないということに対して、庶民感情を刺激するのではないかという質問ございました。そのほかに、前から言われているもので、まあ高級織物、あるいは総桐たんす、あるいは金の延べ棒とか、こういったものに対しても物品税がかかっていない。特に、たとえば桐のたんすなんかは、昭和四十一年から非課税になったと言われておりますが、どうも政治非課税のにおいが強いんじゃないか。特に、田中総理が大蔵大臣時代に、配当分離課税が強行されたというように私は記憶しておりますけれども、それに続いて桐たんすなんかもどうも、いろいろな理由はありましょうけれども、政治的なにおいがあまりにも強過ぎるということが言えるわけであります。われわれはこれを、やはり国民が納得するように公平にやっていかなくちゃいけないんじゃないかと、こういう観点から、冷蔵庫とか洗濯機とか、こういう生活必需品にまで課税されていながら、そして昔は、昭和十二、十五年あたりはぜいたく品だけに課税するという趣旨であったのが、こういった課税対象が非常に大きくなっている。それにもかかわらず高級織物、総桐たんす、金の延べ棒、こういったものに全然課税されてないということはおかしいんじゃないか、こういう声が非常に強く上がっているわけです。今後において大蔵大臣としてこういう物品税のまあ今回は相当やり直したわけでございますけれども、適正な課税を今後考えているのかどうか、次の改正も、一応来年からもう少し手直しをしようと考えておられるのかどうか、その点をひとつ大臣にお尋ねをしたいと思います。
#142
○国務大臣(愛知揆一君) 物品税は、何を対象にするかということは、そのときどきの流れで慎重に検討しなければならない問題であると思います。今回は数年ぶりに見直しをやりまして、それで、その上に立っていろいろの御意見をいただいているわけでございますが、さらに、適時適切に見直しをしていきたい、こういう考え方でございますから、ただいまの考え方をもってすれば、来年度以降におきましても、ひとつ改善した考え方を建設的に打ち出していきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#143
○多田省吾君 局長にお尋ねしたいのですけれども、まあ、物品税というものは物品の消費に示されるところの担税力に応じて課税されると一面では考えられますけれども、担税力が十分ありながら、非課税になっている物品にどのようなものがあるか、品目をひとつあげていただきたい。
#144
○政府委員(高木文雄君) いま直ちに全部というわけにまいりませんが、やはり従来当委員会等で御議論いただいております高級織物であるとか、それから桐たんすであるとか、それから漆器、書画、骨とう、あいるはまだほかにいろいろあろうかと思いますが、そういうものが、比較的高級品といいますか、いわばお値段が張るものであり、したがって、それを買う方の担税力が予測されるものでありながら、課税されていない典型的なものであろうかと思います。
#145
○多田省吾君 最後に、ガリオア、エロア問題をお尋ねしたいと思います。
 ガリレオ、エロア、この債務償還に関する産投特別会計法の一部改正案というものが昭和三十七年の四十一国会で大きな論議を呼んだわけでありますけれども、この中の論議の焦点は、ガリオア、エロアの援助が債務か、あるいは単なる贈与なのかということだったと思います。この場合、当時の債務性を否定する論拠及び肯定する論拠をひとつ簡明に御説明いただきたいと思います。
#146
○政府委員(林大造君) 戦後米国から提供されましたガリオア等の経済援助は、終戦直後のわが国の社会不安除去、民生の安定、また経済の自立復興ということに資することを目的といたしまして提供されたものでございます。これらの援助の提供にあたりまして、総司令部から、日本政府に対しまして、覚書が発せられておりますが、当該覚書によりますと、これら物資の支払いについては後日これを決定するということが明らかにされております。また米国政府の関係者は、援助資金支出につきまして、米国議会に対する証言にあたり、日本及び西独に対するガリオア援助は後日返済せられるものであるというふうに言っております。で、このような事情から、政府は、ガリオア援助が無償で贈与されるのではないという米国政府の意向を十分承知しておりまして、いずれ時期が来れば何らかの形で処理する必要があるということを考えていたということを当時明らかにしております。で、その間いろいろな経緯はございましたけれども、そういうようなことで、債務か贈与かというのは、金額の確定、そのうち幾らを債務とするかという議論を経まして、債務ということで御承認いただきました協定により、四億九千万ドルを返済するということが確定したわけでございます。
#147
○多田省吾君 この法案の中で、一括償還する予定期日を四十八年五月一日とする根拠は何か、これが第一点。
 第二点は、償還予定の総額が一億七千五百七万五千ドル、邦貨換算で五百三十九億円となっておりますが、これは対ドル三百八円レートで計算しております。このように四十八年度予算で計上しているわけでございますけれども、結局、去る二月にスミソニアン協定が一年二カ月余の寿命で崩壊した。ドルは一〇%切り下げとなった。世界的に総フロート時代を迎えております。当然ここで償還予定総額の数字の根拠というものは失われているわけでございます。ですから、四十八年度予算におきましても、予算の組み直しということが強く言われたわけでございますが、私は、やはり三百八円レートじゃなくて、現在の実勢である二百六十五円とか、こういうことで支払わなければ、これは日本の損であると、このように思いますし、まあいろいろむずかしい対外的な、国際的な信義の問題もありましょうけれども、どうしてもこの三百八円レートでいまもって償還予定しているということは納得できないわけです。当然実勢の二百六十五円でやるべきだと思いますけれども、これはどうですか。この二点お伺いします。
#148
○国務大臣(愛知揆一君) 五月一日に一括償還をするということは、四十八年度予算が成立いたしましてから、若干のアメリカとの間の手続的の準備等もございますので、五月一日ということを大事をとってきめたわけでございます。同時に、したがって、五月一日現在の額に、本来なら二億五百万ドルという残高でございますものを、当日現在に繰り上げ償還にいたします関係で、一億七千五百万ドルというその積算の基礎をここに置いてあるわけです。
 それから、レートの関係は、現在は変動相場制下でございますから、基準外国為替相場が変更されておりません。したがって、三百八円で計算をした円の額で計上をするわけでございますが、ドルで返済をすることになっておりますから、三百八円で所定の手続によって小切手を日銀を通して切りますけれども、実際は、実勢のレートでドルが買えるわけでございますから、その差益分は国庫に返納されることになりますから、実質的には実勢相場で円が負担されたことになるわけでございます。また、余農債務のほうについて申しますと、同様の三百八円を基準にいたしますが、それで計算した円の差益額というものは歳出の不用になる。こういうかっこうになりますから、基準外国為替相場三百八円で仕切りますけれども、実際の負担というものは、現在の実勢相場の負担になるわけでございまして、御指摘並びに御意見と結論においては一致すると、こう申し上げてけっこうだと思います。
#149
○多田省吾君 いまから申してもおそいのでありますが、それならやはり私は、四十八年度予算の組み直しをするのが当然であったと思うんです。実勢負担をする、五月一日で負担をするわけでございますけれども、もうあと十日もないわけでございますが、大体どの程度の実勢で、二百六十五円とか、二百六十一円とか、その日のやはり実勢でやるわけですか。
#150
○政府委員(林大造君) けさほどのレートは二百六十五円五十銭でございました。二百六十五円五十銭でございましたが、現実に繰り上げ償還をいたします日までには、まだ若干の移動があるはずでございまして、現実にその決済をするときのレートが適用になるわけでございます。
#151
○多田省吾君 そうしますと、その差益分は国庫に入るということでございますが、それはどの部分に入るわけですか。
#152
○政府委員(林大造君) それは、先ほど大臣が御説明申し上げましたように、現行の規定によりますと、ガリオア債務と、それから余農債務とで扱いが違うわけでございまして、そのガリオア債務の場合には歳出に三百八円で立ちますから、それと実勢レートとの差は産投会計の収入に立つ、決算では収入に立つことになります。また、余農債務のほうにつきましては、これは実勢相場で支出をいたしますので、その三百八円と実際のレートとの差額は歳出の不用に立つわけでございます。
#153
○多田省吾君 昭和二十四年当時、池田大蔵大臣がガリオア、エロアが援助なのか債務なのかは平和条約によってきまると、このように答弁されていたわけでございますが、その後の平和条約においても、これを債務とするような何の取りきめもしなかった理由ですね。
#154
○政府委員(林大造君) 先ほど御説明いたしましたとおり、政府は、ガリオア援助が債務になるということを承知しておりまして、いずれ時期が来れば何らかの形で処理する必要があるというふうに当時考えていたと承知しております。その意味で、昭和二十四年、池田大蔵大臣当時におきましては、来たるべき平和条約の締結がかかる処理の一つの契機になると考えられていたものと思われます。しかし、平和条約締結の時点におきましては、なお、債務の支払い額及び債務の支払い方法につきましては確定を見ませんでした。それで問題の解決は、その後の話し合いにゆだねるということになりまして、昭和三十七年に至って確定に至ったわけでございます。
#155
○多田省吾君 このアメリカの対日援助物資の償還については財政法の十三条に、この規定に明らかに反するものである、また産投特別会計法の第一条の目的や精神にも全く該当しない異質の歳出である、ですから、財政、会計の原則を無視したいわゆる暴挙であるという論議もかなり強くございますけれども、この点を大蔵当局はどのように考えておられるのか。
#156
○政府委員(長岡實君) 御指摘の最初の点の財政法十三条に違反するかどうかという問題でございますが、財政法の十三条には、特別会計の設置の条件が書いてございます。多田委員も御承知のように、ガリオア債務を返済をいたしますに際しまして一番問題になりましたのは、二重払いの議論でございまして、その二重払いを避けるために、開銀納付金等の運用収入をもってこの債務を返済していくということが、昭和三十七年に方針が明らかに打ち出されたわけでございますが、そういうような特定の歳入をもって特定の歳出に充てる、一般の歳入、歳出から区分して経理していく必要があるという点につきまして、財政法十三条の特別会計の性格に違反をするものとは考えておりません。
 第二点の、産投会計で経理をすることの是非でございますけれども、これにつきましては、やはり同じく昭和三十七年の時点におきまして賠償特会で支払うべきではないかというような議論もだいぶあったようでございますけれども、
  〔理事土屋義彦君退席、委員長着席〕
その際、やはり先ほど申し上げました二重払いの議論に立脚いたしまして、二重払いを避ける意味で開銀納付金等によって支払うものであるというような趣旨から、産投特別会計法の改正をして、この中で処理をするということになったわけでございます。性格的に申しましても、かつてございました米国の対日援助見返り資金特別会計の資産負債が産投会計に承継されて計上されておるものでございましても、産投会計法違反であるという御指摘は当たらないのではないかと、かように考えておる次第でございます。
#157
○多田省吾君 われわれは、このガリオア援助を債務とは認めておりませんけれども、しいてかりに認めたと仮定しまして、産投特別会計ではなくて、賠償等特殊債務処理特別会計、これで支払うのが筋じゃないか。当時、趣旨説明に当たった政府の答弁でも、他日ガリオア、エロアを返済する場合があれば賠償等特殊債務処理特別会計をもって処理されると、こういう答弁が明確にあるわけです。なぜこれを産投特会でやっているのかですね。
#158
○政府委員(長岡實君) ただいま多田委員御指摘の、他日これを返済するような場合には、賠償等特殊債務処理の特別会計でございますかで支払うべきであるという御説明を申し上げたこともあったようでございますが、そのことが、昭和三十七年にガリオアの債務性が確認されまして、これを返済をすることになりまして、しかも、それを産投特別会計で返済をしていくという政府の提案に対して、国会でなぜ賠償特別会計で支払わないんだという御指摘があったことは事実でございます。その際、当時の田中大蔵大臣あるいは事務当局の主税局法規課長等がお答えを申し上げておりますのは、やはり昭和二十四、五年当時と、それから、昭和三十七年とではいろいろ事情も変わってまいりまして、ガリオアの債務性がはっきりいたしましたのは昭和三十七年でございまして、その際、これを返済すにあたっては、とにかく国民の負担が二重にならないようにということに一番力点が置かれたわけでございます。そういうような観点から、先ほども私から申し上げましたように、この債務を返済していくにあたりまして、もともとその納付金を受け継いで運用してまいりました開銀の納付金等によって支払っていくことが、一番はっきりと二重払いでないということの証左になるわけでございますので、そういう意味におきまして、この特別会計で返していくという方針を政府が立てたような次第でございます。
#159
○多田省吾君 最後に二、三点まとめてお伺いしたいんですが、このガリオア、エロアの償還予定額は、非常に明確に区分されて償還されてきましたけれども、ガリオアとエロアの物資の区分を明確にしているのかどうかですね。
 それから第二点は、わが国が購入したアメリカの余剰農産物の見返り代金は、まあ日銀の合衆国勘定に積み立てられ、そのうち日本政府の借款とされているいわゆる余農債務が国内のかんがい事業、電力開発等の貸付金として運用されているようでありますけれども、その運用の実態を簡明にお答え願いたい。
 第三に、わが国がこの戦後の対米債務の償還にあたって、何回か為替レートの変更が行なわれたはずでありますけれども、この対ドルレートの変更による評価益、評価損をどのように計算してきたか、その三点を最後にお伺いしたい。
#160
○政府委員(林大造君) 第一点と、第三点を私からお答え申し上げます。
 ガリオアとエロアとの物資の区分でございますが、これはガリオア援助は、一九四七年の米国の会計年度から、米国の陸軍予算法の予算項目に掲げられるようになりまして、その一項目、占領地の飢餓、疾病、社会不安防止のため、物資を供給するということで、その支出が行なわれたわけでございます。それが一九四九年になりまして、その支出目的に、経済復興の目的のためにも使用できるということが追加されました。これがエロアでございます。したがいまして、エロアとガリオアとは別の予算項目ではなくて、ガリオア資金の支出にあたって追加された一つの追加目的でございまして、ガリオアと区別は特にされていない次第でございます。したがいまして、ガリオア協定締結当時、わがほうといたしましても、いろいろ援助総額を計算いたしました。そのときに、その計算にあたりましても、ガリオアとエロアとの区分はいたしませんでした。また、米国に対しまして、昭和三十七年のいわゆるガリオア協定の発効によりまして、わが国が負担している債務、四億九千万ドルという金額の処理にあたりましても、これはガリオア、エロアを含めまして債務額が決定されたものでございます。
 それから次に、為替レートの関係でございますが、御趣旨は、為替レートの変更が行なわれた、そのスミソニアンの為替レート変更と、それから最近のレート変更をさすものと解釈してよろしいかと存じますが、これはいずれもドル建ての債務でございますので、したがいまして、ドルの金額は変わりがないわけでございます。で、そのドルを購入するための、その円の金額が少なくて済むということになっただけでございまして、したがいまして、したがいまして、まあ円建てで債務をもし評価するといたしますれば、企業会計などでございますと、あるいはその評価益といったような処理になるかと存じます。国の会計といたしましても、企業会計と同様、基準レートが変更された場合再評価をしております。四十六年十二月の円切上げの場合についてもその時点で再評価しているわけでございます。
#161
○政府委員(後藤達太君) 先生お尋ねの第二点の余農債務の運用の実態はどうなっておるかという点についてお答えを申し上げたいと存じます。
 御案内のように、余農関係の借款では第一次と第二次とございますが、それぞれ交換公文によりまして借款の使途等が明らかにされております。御案内のように、その使途と申しますのは、電力資源の開発が第一でございますが、第二にかんがい排水、開拓、これらの事業、あるいは第三に、日本国の経済の生産性の増進というのがございまして、さらに、第二次協定におきましては、これに農業関係の諸般の投資あるいはその他の経済開発計画、こういう使途が協定をされたわけでございます。したがいまして、この借款金額の運用にあたりましては、第一次協定で金額にしまして二百十億、第二次協定で百六十九億、合わせまして三百八十億ほどでございますが、これがただいま申し上げましたような趣旨に従いまして貸し付けが行なわれております。
 その貸し付け先のおもなところを申し上げますと、当時、最初に貸し付けられましたものは、電源開発事業関係、これが第一次協定では百八十億にのぼっております。これが一番大きゅうございます。第二次協定に関しましても、電源開発関係が大きゅうございまして、七十六億弱でございます。そのほか農地開発関係四十五億、農林漁業関係二十八億等々がございます。
 なお、これらの借款の運用は、一番長いもので三十年、短かいものでは十年でございましたので、この余農自体の返済のほうは御案内のように四十年でございますから、その間貸し付け先からの返済によりましてゆとりがございます。その分が再投資をされてまいっておりまして、ただいま一番最近時点の状況を申し上げますと、これはもう四十三年度から産投会計に一緒になりまして運用されておるわけでございますが、その余農関係の貸し付けの残高が四百四十三億円でございます。その最も大きなものは電源開発関係の三百五十億強、そのほか水資源開発公団への八十億等々が貸し付け残として残っておるわけでございます。
 なお、先ほどちょっと不正確に申し上げて恐縮でございましたが、これら貸付金が回収されてまいります元本あるいは利子、これで余農関係の対米の返済を毎年計画に従っていたしまして、その残りがございますものが再投資に充てられてきたものでございまして、最近時点で申し上げましたのは、その再投資分を含めました現在の残高でございます。
#162
○政府委員(林大造君) 第三点の答弁、正確な数字がわかりましたので申し上げますが、二回のドルの切り下げのうち第一回のスミソニアン体制に移りました当時のドルの切り下げによりまして産投特別会計に生じました利益、これは対米債務、ガリオア債務と余農債務と合わせまして約百三十九億円、百四十億円弱でございます。それから、今回のドルの切り下げに関しましては、まだ円との関係のレートが確定いたしておりませんので、幾らの切り下げ、あるいは切り上げ益が出るかということははっきりいたしておりません。
    ―――――――――――――
#163
○委員長(藤田正明君) この際、委員の異動について報告いたします。
 本日、山崎五郎君が委員を辞任され、その補欠として初村瀧一郎君が選任をされました。
    ―――――――――――――
#164
○栗林卓司君 まず物品税についてお伺いをいたします。
 最初にお尋ねをしたいのは、現在物品税が品目別に税率がきまっているわけですけれども、こういうやり方を今後とも続けておいでになりますかどうか。お伺いする意味といいますのは、まあ今回の物品税改正も消費構造の変化に即応するためという理由がついておりましたけれども、品目別に税率をきめるということになりますと、新しい商品が出た場合に、物品税の適用というのは常にあと追いの形でしか対策が打てませんし、そういう問題とあわせて品目別に物品税率をきめるということになると、特定業界との直接、間接の結びつきというのはどうしても避けがたい。これが物品税の時宜に適した変更を妨げている面がなかったとは言えないと思います。その意味で、品目別に物品税率をきめている現状の方向を今後とも踏襲されますかどうかお伺いします。
#165
○政府委員(高木文雄君) 今回の改正で六段階が五段階になったわけでございます。御指摘のように、だんだん消費抑制的な意味とか、あるいは奢侈品について、特に担税力を追求する意味というものが、物品税法ができました当初に比べますと漸次希薄になってきておりますから、そういう趣旨から申し上げますれば、いずれかの方向といえば、なおこの五段階のものを、より簡素にする方向に向かうべきかもしれないということは言えるだろうと思います。しかし、一般的消費税、たとえば、付加価値税につきまして見ましても、国によって違いはありますが、やはり三段階ぐらいをとっておる実情からいたしますならば、将来なお簡素化の方向に向かうことがあるといたしましても、せいぜい五段階を四段階にする程度ではなかろうかと、現在の五%税率のものを一〇%に税率を上げることも現実になかなか困難でございますし、さりとて今回の改正後もなお最高税率でございます宝石であるとか大型の自動車であるとか、あるいはゴルフ用品なんかについて、これをはたして引き下げるべきだと判断されることになるかどうか、その辺はなお疑問があるところでございますので、これ以上もとへ戻って段階がふえることはないと思いますが、方向としては同じか減る方向だと思いますが、さりとてまた三段階とか、二段階とかになるのもなかなかむずかしい、そんな感じでございます。
#166
○栗林卓司君 いまの段階ではなかなか言えないんだという趣旨のお答えのように聞こえたんですけれども、重ねてお伺いしますけれども、その段階をさらに縮めながら、何も一段階とは言いません。ただ、できることなら、特定業界との結びつきがなく、恣意の要素がなるべく入らないような簡明な税率であることが一番望ましいと思いますけれども、そういう方向で検討はされますかどうか重ねてお伺いします。
#167
○政府委員(高木文雄君) 方向としてはそういう方向であるべきものであると思います。しかし、現実問題としては、一体いつの時点で、現在、今回の改正で五段階になりましたものを、さらに一段階か二段階減らして三段階程度にすべき時期が来るかどうかはなかなかむずかしいという意味でございます。
#168
○栗林卓司君 それでは、税率のことで重ねてお伺いしますけれども、五%、一〇%、一五%等、いろいろ税率の段階がございます。それを品物別に適用する場合の基準というのはどういうことでやっておいでになるのか、一つの例を申し上げながらお伺いしますと、たとえば、喫煙用ライター、灰ざらというのは二〇%だと思います。扇風機は一五%、小型モーターボートは一〇%、二輪自動車、単車は五%、税率が高いほうが品物が比較的奢侈的であり、担税力もあるんだと、一般的な見方からすると逆にひっくり返っているように思えてならないんですけれども、品目別に税率を適用する場合の客観的な基準というのはどういう考え方でしておるわけですか。
#169
○政府委員(高木文雄君) 現在の五%課税のものは、まあ清涼飲料等々、若干特殊なものでございます。それで標準税率的な考え方は、従来製造段階二〇%というものと、一五%というものが標準税率的な考えでございましたが、今回二〇%の税率のものを相当部分一五%のほうに移しましたので、今後は大体一五%のところが標準税率的なものになるというふうに考えていただいてよろしいのではないかと思います。で、したがって、一五%の上、つまり二〇という税率のもの、あるいは三〇という税率のものは、平均的なものよりは若干担税力の強いものという考え方でございますし、それから、一〇ないし五のほうはしからざるものという大体の考え方でございます。ただ、個別物品でございますから、ただいま栗林委員御指摘のような、いろいろな事情が複雑に介在をしてまいりますので、創設の段階におきまして、あるいは途中の段階におきまして、一五であることが望ましいのではないかと思うもので一〇になっているものがありましたり、逆の場合もあり得るわけでございます。これにつきましては、なお時間をかけて漸次調整をしてまいりたい、たとえば、モーターボートの事例をお引きになりましたけれども、モーターボートについては、今回三段階に分けました。これは従来は、一〇と四〇というふうに非常に開いておったわけでございますが、これはモーターボート、ヨット等の型によりまして、スポーツ用具と見るべきものと、やや奢侈的なものと見るべきものとあるわけでございますが、一〇と四〇ではあまりにも開きが大き過ぎますので、大型、中型、小型というふうに三段階に分けたわけでございまして、これらも使用の目的、実態、それから一般的にどういうふうに使われているかということの変遷に応じまして若干ずつ手直しをしているわけでございまして、全部が全部御納得がいきますような税率区分になっているとは申しませんが、方向としては、漸次、それをただいま冒頭に申し上げましたような考え方に合いますように整理をし直していっておる、時間をかけて整理をしていっておるということでございます。
#170
○栗林卓司君 先ほど申し上げた二〇%から五%までの例は、わざわざ前回と変わっていない数字をいま取り出してみたのです。喫煙用ライター、灰ざらも、改正前も二〇%でございました。扇風機も変わらず一五%、小型モーターボートも言われるように、小型が前も一〇%、二輪自動車は前と今回も五%、これはそれぞれ類別に検討しておりますから、こう横に並べると調子が悪いのだという話になるのかもしれませんけれども、ただ何となく、これを見て感ずるのは、たとえば扇風機というものが、庶民のうちにあることがそう普通でなかった時代の残滓がここに残っている。新しい商品というものは、それはそれでまた類別の中で何となくバランスがはかられてきた。ちなみにこの扇風機を申し上げますと、この扇風機というのは免税点もない。こういったものは今後時間をかけてと言われるのですけれども、やっぱり五段階なら五段階で物品税を動かしていくということになると、わかるバランスのとり方というのはあろうかと思いますので、この点も含めて、こういうバランスの不均衡というのは、早期に是正をされますか。
#171
○政府委員(高木文雄君) 灰ざらの例を出されましたけれども、この灰ざらというのと、喫煙具でございますが、これは何か非常に特殊なものでございまして、今回廃止になりましたマッチについてもそういう議論があるわけでございますが、各国とも喫煙関係のものについては、ちょっとふしぎなくらいに各国そろって比較的物品税で税を求めておる傾向がございます。灰ざらも他の喫煙具と同じようにそういう趣旨がございまして、そういうところから二〇というのは、一見まあおかしいようでございますが、喫煙具全体という考え方である程度思想の統一がとれておるものではないかと思います。
 それから、モーターボートにつきましては、小型のモーターボートの中については、ただいま御指摘のように、あるいは、一斉に一五に上げるべきではないかという見方が一つと、最近非常に海におきますところのレジャーといいますかスポーツといいますか、そういうものとして一般化してまいりましたので、モーターボートといえばぜいたく品であるという考え方と、小型のものについていえば、かなり庶民のスポーツになってきたという考え方がありまして、そこで、十分栗林委員が言われましたような意味で今回も検討いたしたのでございますが、これを一〇をなくして一五以上にするということには、やはりいろいろ異論があったのでございます。でこの点は私どもはなお今後の検討課題だとは思いますが、しかし、小型のものについては、一〇でもそうおかしくないんではないかというふうに思っております。
 それから、扇風機の問題につきましては、これはいつも御議論があるところでございます。むしろ場合によりますと非課税にしてしまってもいいんではないかと、いまごろ扇風機が便益品であるということはおかしいのではないかという議論があるわけでございます。で、その議論はちょっと別にいたしまして、かつて扇風機その他の家庭用品につきまして、四十一年の改正のときに、二〇から一五に下げましたものと、二〇のままとまっているものとございまして、今回は二〇にとまっているものを相当数一五に下げました。この一五のグループの中から、さらに税率を引き下げるということをいたしますと、御想像いただけますように、しからば、こういう品物も一五から一〇に下げたらどうかということで、いろいろ次々と紛議を起こしますので、まさに御指摘のとおり扇風機については相当問題はありながら、それは承知をしながら一五のままとめたということでございます。しかし、典型的な例をお引きになりましたが、扇風機などについては今後どうあるべきか、これは税率だけでなくて、ただいまお触れになりました免税点の問題もあり、場合によりましたならば、課税、非課税の問題も含めて早急に検討すべき品目の一つであると考えております。
#172
○栗林卓司君 時間がありませんから先にいきますけれども、免税点のことについて続けて伺いますと、これも品目別に免税点がきまっております。その品目という中身を見ると、高いものも安いものもあるんですが、安いものは免税点をつけようと、そういうことだと思うんですけれども、それを相互の関連で見てまいりますと、どうも何となくわからない。そこで、品目別に免税点をきめなければいけないいわれというのはどこにあるんでしょう。あえてお伺いするまでもなく、何万円という免税点があるかと思うと何百円がある、一律たとえば、五千円なら五千円で線をそろえるんだということになりますとまだわかる気がしますけれども、品物別に免税点として配慮すべきものと、すべきでないものといろいろあろうかと思いますけれども、なぜこういう免税点の設置になり、しかも、今回それぞれ引き上げということをしなければいけなかったのかお伺いします。
#173
○政府委員(高木文雄君) 免税点は、品目別にそれぞれまあ言ってみればいわく困縁があるわけでございまして、横に並べますと、確かに御指摘のような問題があろうかと思います。しかし、品目別には、それぞれ意味を持っておるわけでございまして、たとえば、貴金属製品等につきましても非常に低い免税点がございますが、これはまあエンゲージリング等のうちのきわめて簡素なものについては、まあいかに貴石であっても、宝石類であっても、まあ一生に一度の結婚のときの交換リングのようなもののうちのきわめて簡素なものについては、やはり免税点は置いたらどうかということで、そういうもののお値段が幾らぐらいかというところからきまってきたものでございます。
 それから、そういうふうに消費のほうから見まして、たとえば、時計でありますならば、学生が入学祝い等に初めて買う腕時計等については、これは非課税にしたらどうかというような御議論がありまして、そういう経過を経て、学生用の時計程度まではということで、免税点が引かれております。
 それから、そういうふうに消費のほうの立場から免税点が置かれたものと、別途メーカーのほうの立場から免税点が置かれたものがございます。特に、中小企業というか、零細企業製品について、ごく一人か二人の従業員を使ってつくっている品物について、まあこまごまとそれを追求するのもいかがかと、税務署と、そのメーカーとの間でいろいろ紛争を起こすのもいかがということから、ぜいたく品でないもの、一般的な製品で、そして中小企業製品である場合に、通常売られておるものまでは非課税にしてはどうかという趣旨から免税点を置かれたものがございます。
 たんす等の免税点が、今回改正していただきますことによって、大体小売り価格十万円ぐらいまでのものは免税になるようなつもりで免税点を置いておりますが、その趣旨も、こっちのほうも、メーカーのほうの、特に、手工業的なものでございますので、そういうことも考えましてそれを考え、かつ、まあ、これも新家庭を持つ場合の一番簡素なるたんすというものを非課税にするというようなことになっておるわけでございます。
 で、免税点の制度につきましては、若干品目別にそれぞれのいわれがございますものですから、横に並べますというと必ずしもはっきりしない点がございますが、これは企業の経営の実態という面が一つ、もう一つは、消費の場合の簡素なものということが一つ、この両方からきまってきたということでございまして、今回の手直しも、大体それの過去の経緯をひとつ踏まえながら、その後の原材料の値上がりと、労賃の値上がりを考慮してきめたということでございます。
#174
○栗林卓司君 これは、大臣にお伺いしたいんですけれども、物品税免税点を考える場合に、メーカーの事情というのは考慮の対象になっていいものなのかどうなのか。もちろん理屈からいえば、最終消費者が負担すべき筋合いのものでありますけれども、蔵出し価格に対する課税という意味では、それぞれメーカー段階から取られる、その実態からくる実感というものはわかります。ところが、こういう免税点を考える場合、いま御指摘のたんす、大体市場の購入値段が十万円、あるいはハンドバック、これもおそらくそうでしょう、市場の販売値段が約六万円、それもメーカーの事情というものを配慮しなければいけないのか、配慮することが公平ということを実現する道にかなうのかどうか、その辺はいかがお考えですか。
#175
○政府委員(高木文雄君) ちょっと大臣の御答弁の前に補足いたしますが、中小企業の場合には、非常に残念ながら必ずしも一〇〇%捕捉できない場合がございます。で、ただいまのたんすでありますとか、ハンドバックでありますとかいう品物になりますと、きちっとそれを守っている業界の方と、そうでない業界の方――まあ税務調査でいろいろ追求はいたしますが、そうでない方があります。また地域によりまして、同じ家具でも、地域地域によっていろいろ事情が違っております。そこで、そこに税が介入をいたしますと、その競争関係に非常に影響が出てくるわけでございます。そこで、一方においてやはり税務署のほうとして目の届く範囲を越えますというと、いろいろトラブルが起こってまいりますものですから、そういうこともやはりどうしても現実問題として考えざるを得ないのではないかと、何ぶん掲名主義で個別物品だけかかっておるわけでして、そもそも物品税がかかっていることについて、われわれは非常に不利な扱いを受けているという感じが業界の方に強いものですから、やはりそのことを頭に置きますと、一般消費税でない個別物品税の場合には、一種の企業対策的な意味も含めざるを得ないというのがわれわれの持っております実態でございます。
#176
○国務大臣(愛知揆一君) 私も、この点は、一つの筋から言えば御意見のあるところごもっともだと思うのですけれども、やはり根本は、個別消費税というところで特定のといいますか、物品を選択して、それにかけるというところに特殊性がございますから、一般消費税のようにはいかない、個々に配慮をしなければならないというところで、メーカーの環境、あるいは直接それに関連する事情というようなことも、ある程度政策的な考慮を加えていかなければならない。いま主税局長がるる申しましたが、結局そういうことであると思います。
#177
○栗林卓司君 いま大臣が言われたとおりだと思います。
 そこで、冒頭の質問に戻るんですけれども、何段階の税率がいいかどうかは別にして、物品税というのは、何となくいやな感じのある税制だと思います。それを、恣意をはずしてもっとクリアな税制にするためにどうしたらいいのか、時間をかけてではなくて、早急に御検討をいただきたいと思います。
 物品税のことで最後に一つだけお伺いしますけれども、物価対策を主たるねらいにしたわけではないと、先ほど局長が言われました。免税点とのからみで見ますと、免税点が引き上げになりました。そうすると、まあそれがどの程度の商品であるかは別にして、従来物品税の対象であったものが、まるまる落ちるわけです。それの価格に及ぼす影響というのは、これは無視できない。少なくもこれだけは、個別に管理をしてでも下げさせなければいけない。
 たとえば、一つの数字で申し上げますと、ゴルフバッグの場合に、三千円から三千五百円に免税点が上がりました。従来ですと、四〇%の税率ですから、税金千四百円を含めて、物品税つきで四千九百円なんです。これが、まるまる三千五百円で、税が落ちます。話がこまかくて恐縮ですけれども、従来よりも五百円さらに高い商品があったとしますと、それは新しい三〇%でいって、町に出る値段は五千二百円、その差というのは、従来五百円のものが千七百円も開くことになる。その意味では、この免税点の引き上げに伴う価格に与える影響というのは、抽象的に通達でどうこうせいではなくて、具体的に追っかけないと、何のための免税点引き上げかわからないことになると思いますけれども、その点についてはどういう対策をお打ちになりますか。
#178
○政府委員(高木文雄君) 物価と物品税の改正の関係については、先ほど来申しておりますが、特に、ただいま免税点にお触れになりましたので、免税点の関連についてだけ申し上げますと、これは非常に話が複雑でございます。と申しますのは、免税点がありますと、まず、なるべくならば、免税点以下の品物をつくるという努力が重ねられております。その結果どうなっているかといいますと、材料を落とすか、あるいは手間を省くかして、免税点以下ぎりぎりでおさまるような品物が出荷されている傾向にございます。
 そこで、免税点があがりますと、そこの圧力が解放されますので、品物はよくなりましょうし、丁寧に物はつくられるようになりますが、実は、かえって、その部分の境目のところについては、上がる圧力が加わってまいるのでございます。これは、しかし、一がいには悪いと言えません。つまりいい材料を使い丁寧に物をつくって、いままでも免税点の下で、今度も免税点の下でよりいい物をつくって売り出すということについては、なかなか、それを押えるということは非常にむずかしいわけでございます。いいか悪いかが問題あるわけでございます。
 今度は、従来、二、三年前までは免税点以下でありましたものが、とてもその壁から下に押え切れなくなって上へ突き抜けた場合があるといたします。こういうものについては、免税点は上がってもいいわけですから、その辺については、それに便乗して上がることのないようにしなければならぬというのが理屈でございます。
 そこで、それぞれの品物ごとに事情が非常に違いまして、無理無理免税点すれすれのところでがんばってつくってきた品物と、前にもうすでに突き抜けてしまったものと、いろいろ問題がありますので、一律にはいきませんけれども、しかし、御指摘のように、かなりこまかく指導していかなければならないことは事実でございます。その点は、御注意を承知いたしまして、いよいよ施行になりますにあたりまして、所管官庁を通じてよく指導をお願いしたいと思います。
#179
○栗林卓司君 その所管官庁というのは通産省でしょうか。
#180
○政府委員(高木文雄君) 大部分の商品が通産省の関係でございます。
#181
○栗林卓司君 では、時間がなくてあれですけれども、通産省として、いまの問題を具体的にどう管理をされますか。――おいでいただいていると思いますけれども。
#182
○説明員(黒田明雄君) 御指摘の通達はすでに一月十九日に出してあるわけでございますが、物品税法の改正が実現しました段階で、業界ごとにそれぞれ対応策を立てさせまして、その実情をこちらで把握して、ただいま主税局長が御答弁されましたような趣旨で指導してまいりたいと考えております。
#183
○栗林卓司君 時間がないんで、なかなか申し上げるいとまがないんですけれども、先ほど局長のお答えも、すなおに拝聴していますと、何で免税点を上げたのか、理由がほんとうにわからなくなります。いままでは免税点以下に押えようとしてきた。それが、上に上がると、引き上げる圧力になる。だったら、押えておけばいいんですほんとうは、という議論だって片方では出るはずだと思います。物によっては、突き抜けた物があるかもしれない。これは、よほど、業界それぞれに対する文字どおりこまかい対策を、いやな顔をされながらでも、打っていくしかないんじゃないか。
 こまかく通産省のほうにもお伺いするいとまがありませんけれども、これだけ大幅に免税点を上げたわけですから、少なくもこの部分ははっきりと物価にはね返るように御指導いただきたいと思います。
 時間がないので、余農産物とガリオア基金の対米債務の問題について、一つだけお伺いしたいと思います。
 今回の繰り上げ償還というのは、一言で言うと、国際環境の改善に資するということがねらいだろうと思います。その手段の一つだと思います。
 直接そのことでお伺いするんではなくて、関連して、実は似たようなケースがあったということで大臣にお伺いしたいんですけれども、西ドイツの場合には、マーシャルプランの援助を受けて復興してまいりました。昨年、マーシャルプラン開始以来二十五周年を迎えたということで、記念集会がアメリカのハーバード大学であったそうです。そのときに、西ドイツのブラント首相がわざわざヨーロッパからアメリカに参りまして、総額一億五千マルクの資金を西ドイツとして提供いたします。と、それは、変な言い方ですけれども、ドイツマーシャル基金構想といわれているんだそうですけれども、どちらにしても、そのときの話からすると、一応感謝と今後の協調関係を深めていきたいんだということで、そういう申し入れをして帰ったんです。
 何も、日本でそのまねをしろということを申し上げているつもりはありません。たまたま今度対米債務の繰り上げ償還がある。それと関連して、今後の国際環境の改善ということを考えると、いろいろと考えていかなければいけないことが日本としてもあるのではないんだろうか。たまたま、似たケースとしての昨年六月のブラント首相の提案したドイツマーシャル基金構想のことにも触れながら、もし御所見があれば承りたいと思います。
#184
○国務大臣(愛知揆一君) ドイツが、いわゆるブラント構想として、一億五千万マルク――四千七百万ドルに当たると思いますけれども、こういう基金を設定したということはよく承知いたしております。これは、ドイツとしては、ドイツなりに考えた一つの計画であると思いますが、日本として、特に、ガリオア完済の機会にこういう基金ということは、現在考えておりません。おりませんけれども、御案内の、四十八年度予算でも、国際文化交流基金については、四十七年度に考えましたより以上にだいぶ奮発をいたしまして、円にして今年度百億円、昨年度分と合わせて百五十億円、これをここ一両年のうちに三百億円、つまり一億ドル基金というものを設定することにもう政府としては方針をきめておるわけでございます。アメリカとの関係だけではございませんが、これはやはり、国際的な相互理解を増進したり、国際友好親善を促進するという大きな目的で、こういうファンドを、当初計画したよりもより多くのスケールで設定することを決定をいたしております。
 なお、この基金については法律にもございますように、日本の民間からの対応する協力も仰ぎたいと思いまして、これはまだ十分の成績があがっておりませんけれども、もし当初の計画どおりにいきますならば、二億ドル資金ということに相なるはずなんでありまして、そういったようなことを、日本は日本として、日本の自主的な立場で計画いたしておりますことは御承知のとおりと存じます。
#185
○栗林卓司君 いま百億円基金の話に触れられましたけれども、それが、おっしゃるように奮発した額なんだろうか。ブラント首相の提案の内容として基金の使い道として言っているのは、一言で言うと、アメリカとヨーロッパのコミュニケーションを太くしていきたいんだ、そのために基金を使いたいんだということの趣旨のようです。日米を含めて世界と日本のコミュニケーションをどうやって深めていったらいいか。まず、何をさておいてもしなければいけないのは、世界に日本を知ってもらうという仕事だと思う。そのことに、では、日本は一体幾らお金を使っているのか。それは先進諸国の水準に比べてどのぐらいの地位にあるんだろうか。何も、ここで深く議論するつもりはありませんけれども、やはりひとつはっきりさせておかなければいけない点だろうと思いますので、外務省の担当の方おいでいただいていると思いますけれども、それぞれの自分の国を知らせるためにどのぐらいの予算を使っているかという数字をお知らせ願いたいと思います。
#186
○説明員(長谷川和年君) 御指摘のとおり、日本を海外へ知らせるという努力を私たちはやっておりますが、予算面では必ずしも世界の主要各国の予算とは肩を並べておりませんのが実情でございます。今年度の予算額は約十三億九千六百万円。これを他の国に比べてみますと、米国の一九七一年度の額は約百三十一億円。それから英国の場合は、外務省関係の海外広報の予算が七十九億円。これに加えまして、英国文化振興会の同じく広報文化関係の予算が七十三億円。ドイツの場合には、外務省の予算が三百一億円というような状態でございます。ただ、外国のこういった機関の予算には、それぞれ雇っております人員の経費が入っておりますので、必ずしもこれをそのまま数字だけでそのまま比較することはできないと思いますが、私たちとしてもなるべく今後予算が増強されることを望んでおります。
#187
○栗林卓司君 フランスの場合、幾らですか。
#188
○説明員(長谷川和年君) フランスの場合は、外務省の海外広報関係の予算が約十七億円、外務省の文化交流関係の予算が二百十三億円でございます。
#189
○栗林卓司君 時間がありませんから、多くは申し上げませんけれども、釈迦に説法ですけれども、ヨーロッパとアメリカのように近い国は別にしまして、日本みたいにヨーロッパ、アメリカから離れている場合にはよほど努力をしないと、日本を知ってもらうということはできないと思います。その意味で、いま言っていただいた各国のそれぞれ使っているお金がいい悪い、それに比べて日本の外務省が使っているお金がいい悪いということをここで裸では申し上げません。ただ、西ドイツは同じ敗戦国として、これからどうやって生きていこうかというときに、民間、西ドイツ政府を含めて相当の資金をこの東南アジアにも出しておりますし、またマーシャルプランの記念二十五周年というときには、言われなくても一億五千マルクをわざわざ飛んできて出したということもありますし、それぞれの自分の国際的立場を高めるということに必死の努力をしているように思えてならないのです。その意味で、今回対米債務の繰り上げ償還、この債務性云々についてはいろいろそれはそれで議論はある部分だと思いますけれども、あえてこれにとどめないで、問題は、ためた外貨をどうやって使うかということに本来の価値があるように思いますし、日本にいるとなかなか感じませんけれども、一歩外へ出るといかにわれわれが理解されていないかということを痛感した一人でもございますし、この方面についても格段の御配慮と御努力をぜひ期待したいと思います。
 以上で質問を終わります。
#190
○渡辺武君 私は、まず初めに入場税について一、二点伺いたいと思います。
 音楽、舞踊、演劇、映画などに対する入場税、これが国民の文化芸術活動という課税すべからざるものに対する課税だということについては、もうすでにいろいろ議論の出ているところであります。特に、この税制が芸術文化活動などをぜいたく視して、そうして戦費調達の一環として税金をかけるに至ったという戦時税制のそのままの延長だということについても、もはや議論の余地のないところだと思うんです。
 先ほど大蔵大臣は、この税制を廃止できない理由として、ほかの税制との均衡、あるいは間接税体系を維持しなければならぬということを言っておられましたけれども、私はこういう御答弁の中にこそ、芸術をぜいたく視する政府の根本的な立場がはっきりあらわれているんじゃないかというふうに思うんです。
 なぜかといいますと、たとえば奢侈品ですね、ぜいたく品、これに対する課税が歴史的にも根幹であった物品税、あるいはまた競馬や競輪に対する課税、さらに言えば、これは地方税ですけれども料理飲食税、こういうものとの均衡上、文化芸術活動に対する課税を残す、こういうことですから、結局のところは、やはりこれは文化芸術はぜいたくだと、ぜいたくは敵だという戦時中の思想と全く同じ立場に立った税理論だというふうに言わざるを得ないと思うんです。
 で、大蔵大臣、問題は、ですから、税制上の均衡というようなところにあるんじゃなくって、国民の自主的、自発的な文化芸術活動、これをまるっきり敵視するも同然、税金をかけるためにあとを追い回すという政府の根本的な立場にこそ、私は問題があると思うんです。
 ところが、他方で、文化芸術活動に対する入場税を撤廃してほしいという請願は、第四十八国会、それから五十七国会、五十八国会で、これは与野党ともに全会一致で採択されております。与党の自由民主党の中にもだれ一人としてこれに反対する者はなかった。このことを見ても、この税制の撤廃ということがこれはもうすでに世論の一致しているところだということは明らかだと思うんです。先日、東畑税制調査会長も、まあ私見ではあるがとおっしゃりながら、この税制は撤廃すべきだというような趣旨の発言もしておられるわけでありますので、一日も早くこの撤廃についての諮問を税調にすべきだと思いますけれども、大蔵大臣の御見解をまず伺いたい。
#191
○国務大臣(愛知揆一君) 私は、相当根本的にいまの御意見とは違うのであります。私は、国の税制の体系として間接税というものは、やはり相当の比重をもって考えられなければならない。その中で、現在の税制というものは、先ほどから申しておりますように、個別消費税の体系をとっております。この個別消費税の体系の中では、物について言えば、一つの傾向としては、物の選択ということも大事ですが、いわば一律の税率で簡素に徴税ができるという形が、本来なら一つの方向ではなかろうかと思います。同時に、物と同様に、これからの世の中はサービスということが国民生活の上に非常に大きな重みを持ってくるわけですから、現在の税制で言えば、国税で言えば入場税とか、あるいは地方税で言えば料飲税とか通行税とか、こういったようなものが、一つの考えられるまた現に持っている体系でございます。
 もし、消費税、間接税体系というものを別に考えなければならぬとかりにすれば、最近の外国の例などに徴しましても、むしろ付加価値税的なものに移行するというのが一つの大勢かもしれません。しかし、付加価値税というものについては一般的、概念的にも非常に反対の多いものでもございますから、そういう点も考え合わせてみれば、現行の体制の上に新しい改善策を考えていったほうがあるいはむしろいいのではないかというのが、私の考え方でございます。入場税を取って、文化、芸術を封殺して戦費を調達するなんということは毛頭考えておりません。
#192
○渡辺武君 いま戦費を調達しつつあるなんということを私は言っておるわけではないのです。しかし、サービス税というようなことで、料理屋で職業婦人を招いて、そしてどんちゃん騒ぎをやる。これにかかる税金もサービス税だ、競輪や競馬、これにかかる税金もサービス税の一種だ、そうしてまた、映画、演劇、舞踊、音楽、こういうものにかける税金もサービス税だということでならして考えているところに、戦時中同じようにしてぜいたくは敵だということで、映画、演劇その他にも税金をかけるに至ったその思想的な立場と全く同じじゃないかということを申し上げているのです。GNP資本主義諸国第二番目、間もなくアメリカに追いつくだろうということを田中総理大臣は盛んに強調しておられる。そのGNP大国が、みずから文化国家と称しながら、国民の文化、芸術活動にこういう態度をとるというのは、全くこれは恥ずかしい次第の税制じゃないでしょうか。大蔵大臣もこの点をよくひとつお考えいただきたいと思うのです。税調に諮問なさいますか、どうでしょうか。東畑税調会長が私見だと言いながらも、この廃止については積極的なお気持ちを示しておられる。どうでしょうか。
#193
○国務大臣(愛知揆一君) 私は、一方において明らかにしておりますように、ギャンブル税というようなものは積極的に取りたいと考えております。入場税の中にも、入場税で大いに取りたいものも御同様にあるとお考えになるに違いないと思います。
 それから、先ほどから私としては立場を明らかにしているつもりでありますが、芸術とか、文化の面については、一つは、学校教育法というものが一つ厳然と存在している。その系統の中では、これは、基準もはっきりしておりますから、範囲をぎりぎりまで広げてこれを課税の対象からはずす。子ども劇場というお話が大いに主張されておりますが、残念ながら、社会教育のほうの系統のものでは、税の対象としてこれを画然と一つの線を引くことが困難であるために、この点は今年度の税制から遺憾ながらそこでは及びませんでしたということを申し上げているわけであります。
 それから、同時に、国の主催とか、あるいは国が企画したものとかというものは除いてあることは御承知のとおりである。こういう点に私どもの意図というものは出ておるわけです。いかにしたらこれを地方公共団体あるいは社会教育の系統のほうにも広げていくことができるであろうか。これにはやっぱり一つのきちんとした基準がほしいと、こういうことを言っているわけでございますから、私は、あなたのこの点についておっしゃっていることは、要するに、幅、程度の問題と、それから徴税ということから考えての技術的な問題で、要するに、線は同じことを考えているのだと、私はかように考えております。
#194
○渡辺武君 どうも私の伺ったことに端的に答えていただいていないように思いますけれども、時間もありませんので次に移りましょう。
 とにかくこういう課税すべからざるものに課税をしているという、全くこの不当な税制を残しておいているためにいろんな矛盾が出てくるのですね。たとえば、今度の改正で、税率が半分になった。半分になったけれども、音楽や芸術や演劇や舞踊などに依然として税金がかけられているという点については変わりがないのです。しかも、たとえば、演劇、音楽等、これは二千円以下のものについては五%だこういうことになっておる。それ以上については依然として一〇%の税金がかかりている。ところが、他方で、いまちょうどいみじくも大蔵大臣おっしゃいましたように、国の企画して行なう催しもの、芸術祭の主催公演だとか移動公演だとか、こういうものは非課税だということになっておりますね。同じ芸術活動であって、国の主催するものについては非課税で、何で民間団体のやるものについては税金がかかるのか、これは非常な矛盾だと思いますよ。また、鑑賞する人の担税力という点からしても、私は、国の主催するものを見にいく人も、あるいは民間の人たちの主催するものを見にいく場合でも、国民の担税力という点ではそう変わりはないと思う。大きな矛盾が出てくるんです。あってならない税制、これについてどんどん国民が批判する。それを何とか部分的に手直しをしようと思うから、こういう矛盾が出てくるんですよ。歌舞伎だってそうでしょう。古典歌舞伎のある組織に入っている人たち、これが上演したときには非課税、同じ歌舞伎をやっても、その団体に入っていない人たちについてやった場合には課税する、こういう矛盾が出てくるんですよ。だから、こういう税制は、これは矛盾を解決する上でも、一日も早く撤廃すべきだと思うのです。しかし、重ねてこういうことを申し上げてもしようがありませんから、私は、最低限映画について千円、それから、また、なまものについて二千円というこの最高限度額、これを全部はずしたらどうでしょう。全部一律五%というふうになさったらどうでしょうか。その点どう思いますか。
#195
○国務大臣(愛知揆一君) これを一律に税率を五%にする、これは一律に考えるということなら一つの御提案かもしれませんが、これはまた歳入計画その他に相当の影響がございますのと、あなたが声を大にして御主張になることは、それをもっては解決はできません。
#196
○渡辺武君 解決できないから、せめてと言っている。しかも、歳入計画といったって、さっきもお話出ましたように、四十八年度の税収見込み八十六億円でしょう。
 こういう一口話がありますよ。とにかく、ジャイアント馬場が、これがレモンをぎゅうっとしぼった。もうこれ以上一滴も出ないというところまでしぼった。ところが、ある紳士がぴょこぴょことそこへ出てきて、くだんのレモンをつかんでぎゅうっとしぼったら、たらたらたらとまたレモンが出た。満場あっけにとられていたとき、彼が名刺を出した。その名刺には国税庁長官と書いてあったというんです。(笑声)まさに、大蔵大臣の御答弁、こういうところですね。ほんとうに情けない話ですよ。
 ところで、先ほどの大臣もおっしゃった子ども劇場の話ですけれども、先ほど主税局長のお話を伺いますと、どこに線を引いていいのか、そこのところがまだはっきりしないものだからと、だから、子ども劇場については非課税にしなかったんだという御答弁がありました。私も、主税局からもおいでいただき、文部省及び文化庁からもおいでいただいて話を詰めてみました。どこでどういう形で客観的な基準で線が引けるのか、いろいろやってみましたけれども、なかなか線を引くのはむずかしい。明確に線を引こうと思いますと、これはどこからどこまでが社会教育活動かということについて、これはもう税務署が介入してきめてしまうという危険性が出てくるわけですよ。だから、そういうことを避けるために、少なくとも社会教育団体の行なう催しもの、これにはもちろん子ども劇場も入りますが、それ以外の社会教育団体も入ります、これは全部非課税ということに思い切って太い線を引いたらどうでしょう。そのおつもりございますか。
#197
○国務大臣(愛知揆一君) これは先ほどから答弁しておりますけれども、文化庁なり、あるいは自治省なり、あるいは社会教育の関係なり、そこと十分相談をしてみたいと考えておることは事実なんです。要するに、せんじ詰めてみれば、さっき野々山さんの御質問にもお答えしたように、やはり税のほうとしては、まさにあなたのおっしゃるとおりなんで、税務署がそういうところへ介入して線を引くというのはおこがましいことなんで、やはり学校教育とか社会教育とか国の政策とし、かつ法律の上にもはっきりしているところに限界を置かなきゃならぬ。ですから、学校教育法の系統においては、もう、できるだけのことをいたしまして非課税にしておるわけです。社会教育法の系統のことについては、どうやって客観的な一線を画することができるか、この点が問題なんです。ですから、税務署のほうでも、したがって、守っていかなければならない一線というものを客観的におつくりくださって、そして、これは政治目的を目的にするものではない、純粋の社会教育であるとか、あるいは純粋の芸術であるとかいうことを、税務署以外のよるべき国家的な基準というものができれば、それにすなおに従うのが税の行き方であろうと、私はこう思います。
#198
○渡辺武君 税務署以外の第三者で権威のあるところといえば、これは、社会教育団体の場合だったら教育委員会もありましょうし、あるいはまた文化庁もしくは文部省もあるだろうと思うんですね。私は、やるつもりがあれば、そうごたごたせぬでも、わりあいに簡単にできるんじゃないかと思うんですね。その辺ひとつぜひ御考慮いただきたいと思うんです。
 それから次に、物品税の問題について一つだけ伺いたいと思います。現在、物品税の九五%までは、これは源泉課税になっております。ところが、わずか五%を占める貴石などの第一種物品税、これだけが小売り店頭課税という形になっております。これは、一体どういうわけでそういうことになったんでしょうか。
#199
○政府委員(高木文雄君) 貴石、貴金属に対します課税につきましては、前々から、原石の段階で課税してはどうかという議論がございます。もう一つ、製造段階で課税をしてはどうかという議論がございます。かつては、現在の小売り段階でなくて、もう少し前の段階で課税をしておったわけでございますが、実情うまくいかなかったということから、現在小売り段階に移っております。原石段階ということになりますと、現在の小売り段階での一五%を原石段階での率に直してみますと、おそらく六〇とか七〇とかいう非常に高い率になってまいりましょうかと思われますので、密輸防止についての保証がなかなかないということで、これに踏み切れないということになっております。いずれにいたしましても、小売り段階課税は、製造段階に比べて問題があることは承知いたしておりますが、宝石につきましては、長年の歴史を経まして現在の段階に落ちついているわけでございまして、今回の段階でも、検討はいたしましたが、やはり現在までやってまいりました小売り段階がよかろうということでそこに落ちついたわけでございます。
#200
○渡辺武君 この制度ができたのは昭和二十八年の六月だったと思うんですけれども、とにかく小売り店が物品税を払わなきゃならぬというような仕組みにしたのは、宝石などを輸入する大手の輸入商社、これの圧力であったんじないかという意見が非常に強うございますけれども、その点どうですか。
#201
○政府委員(高木文雄君) 全くそういうことはございません。むしろ、その前は、小売りの一つ前の加工段階での課税になっておったわけですが、加工業者というのはどっちかというと技術的手先の仕事でございます。加工業者というのは、非常に零細な方に分かれております。また、加工の段階が幾つにも分かれておりますというようなことで、非常にトラブルが多かったわけでございます。そこで、二十八年に直します際に、加工段階よりは小売り段階のほうがうまくいくであろうということで移ったわけでございまして、御指摘の、何かほかの方々の主張があったということでございますが、それは事実に全く反します。
#202
○渡辺武君 どうも納得できないところが多いですね。たとえば、原石あるいはまた輸入商社の段階で課税するという形になれば、これは密輸の防止のためにも非常に私は捕捉ができて有利だと思うんですね。ところが、そういうことになっていない。だからして、入っちゃって、小売り店で売る段階で初めて税務署が捕捉する、こういう形になっておるんですね。しかも、この制度があるために、小売り店はどうせみんな人手の少ないところですよ。記帳をやって、ややこしい納税手続をやって税金払わされている。小さな小売り店になりますと、払った税金を、これを価格の中に織り込むなんということはできないんですね。事実上その税金をしょい込むというような事態まで生まれているわけです。しかも、場合によっては、立ち入り検査までやられて、全く人権じゅうりんだという意見が非常にたくさん出ているんです。私は、この制度は百害あって一利なしという制度じゃないかと思うんだけれども、とにかくこの課税のしかたですね、これを改めるおつもりあるかどうか。改めていただきたいと思うんですけれども、どうですか。
#203
○政府委員(高木文雄君) この物品税の中で、宝石の課税方式をどうしたらいいかというのは、非常に問題でございます。物品税の中でも、確かに奢侈品の代表のようなものでございますから、宝石の課税は確実に行なわなければなりません。しかし、どうやったら確実に行なわれるかということは非常にむずかしいわけでございまして、日ごろからこういう改正とは関係なくいろいろくふうをいたしてみたわけでございますが、どうもほかに方法がないということで、小売り段階の方々、あるいはほかの段階の方々とも御相談の上で、なお、小売り段階課税ということで継続をすることにいたしたわけでございます。
 今後――ただいま記帳の問題等御議論になりましたが、何しろ宝石というのは、ほかの商品とは違いまして、やはりお値段の張るものでございますから、物品税があるがゆえに記帳が行なわれているということは、他の業種に比べれば少ないわけで、非常にお値段のお高いものですから、御商売の都合からいっても、大体記帳はしておられるわけであります。でありますから、確かにいろいろ御迷惑はかけていると思います。小売り屋さんにいろいろ御迷惑はかけていると思いますが、いまのところでは、その点を研究の上いたした次第でございますし、なお、国税庁ともよく相談をいたしまして、必要以上に御迷惑がかからないようなくふうを執行段階でもしなければならない。しょっちゅう貴石の小売り屋さんに税務署が来て困るという話をよく聞いております。その点は今後とも改善してまいりたいと思いますが、なお、当分の間、どの段階での課税かということについては、小売り段階でやらさしていただきたいというふうに考えます。
#204
○渡辺武君 次に、大蔵大臣に伺いたいんですが、ここに私持ってまいりました国税庁の資料によりますと、これには、昭和三十九年度から昭和四十七年度当初予算ですね、税収入に占める各種の税の構成比が書かれております。これを見ますと、間接税などの占める比重はずっと一貫して低下傾向をたどっております。たとえば、昭和三十九年度の間接税は四一・五%を占めておりましたけれども、四十七年度の当初では三三・九%を占めているにすぎない。これに反して直接税はずっと一貫して比重を重くしてきております。三十九年度が五八・五%、四十七年度は六六・一%、こういうことになっているわけであります。で、以前から大蔵省は、この直接税と間接税との比率つまり直・間比率を改善するんだ、別言すれば間接税の比重をもう少し大きくするんだということを言ってこられたと思うんですね。ところが、結果としては、その逆の現象が出ております。私は、別に間接税をもっと増徴しろという立場に立っているわけではありませんけれども、しかし、なぜこういうことになったのか、その点をまず伺いたいと思います。
#205
○政府委員(高木文雄君) なぜそういうふうになったかと申しますと、主として二点あると思います。間接税のほうは従量税である部分がございますものですから、従量税の場合にはお値段が上がりましてもふえていかない、経済が膨張いたしましてもふえていかないという点が一つございます。従価税の場合にも、大体比例税でございますから、国民経済が大きくなり、それに従って課税物品の量がふえてまいりましても、これは比例的にしかふえない。そこで従量と従価と、こうありまして、どっちにしても国民所得の伸びに対して一以上ふえるものがありませんから、だんだん落ちてくる。ところが法人課税、所得課税の場合には、法人課税は比例税でございますし、所得課税は累進課税でございますから、したがって税制改正を全く行ないません場合には必ず一以上にふえていく。こういう関係になるわけでございます。直接税は一以上ふえてしまう傾向にあり、間接税は一以下になる傾向がございますので、このままほうっておきますと、どんどん直接税のウエートがふえていくという制度の仕組みからくるものでございます。
#206
○渡辺武君 ところで、だんだん比重の重くなる直接税の中で見てみますと、所得税と法人税、これを見てみますと、法人税のほうは、これは景気の変動などによって、年によって比重はいろいろ動いておりますけれども、ほぼ横ばいで過ぎております、比重は。ところが、所得税、とりわけその中の源泉分ですね、所得税の。これこそが非常に急速に比重を増大いたしている。昭和三十九年度所得税の源泉分は一八・九%を占めておったけれども、四十七年度は二六・一%、非常に急激に比重をふやしております。この所得税の源泉分といえば、これは給与所得者、大体その大多数は、これは職場につとめておる労働者、こういうふうに見て差しつかえないと思うんです。この人たちの負担する税金、これが国税総収入の中でますます比重を大きくしているということ。これは、ちょうど間接税の中で、最近は生活必需品に対する課税がますます広がってきているということともあわせて、国の税制がますます大衆課税の性格を強くしてきている。傾向的にそういうことが言えるというふうに考えられますけれども、その点どう思われますか、局長。
#207
○政府委員(高木文雄君) 二つの原因があると思います。源泉の税は、われわれの分類もあまりよくないのでございますが、必ずしも給与所得だけではございませんので、利子・配当についての源泉分離課税の率が最近一五から二〇、二〇から二五と上がってきておりますから、また、配当の額、預金の額、これの伸びが非常に大きいものでございますから、その部分の増加がそこへ非常に顕著にあらわれてきております。
 第二点は、いま御指摘のように給与の伸びが大きいということでございます。しかし、この給与の伸びが大きいということは、ここ十年ほどのわが国経済の非常に特色でございます。給与上昇率は少なくとも毎年一〇%以上伸びております。したがって、確かに大衆課税の傾向は持ってきておりますが、一面においてやはり非常に低かった給与水準から改善の道をたどっておるわけでございまして、その意味においては、やはり一面においては担税力がふえつつあるということも否定できないというふうに御理解をいただきたいと思います。
 あと、なお、大衆課税であるかどうかという点については、しばしば御指摘ございますように、所得税の問題として今後とも議論していかなければならぬ問題だと思っております。
#208
○渡辺武君 一番肝心なところを、私は、落としておられると思うんですね。と申しますのは、それは給与所得が名目的には確かにふえてきております。それは否定できない事実です。しかし、それは物価が非常に急速に上がっている。したがって貨幣価値が下がっている。だから、労働者だって、それは名目賃金の額をふやさなきゃ生きていけないんです。ところが、現在の所得税制では、これは累進制になっていますから、名目額が上がれば、それだけ税額もふえてくる、こういうことがいま言ったような傾向を生み出す最大の原因ではないでしょうか。私どもは、これは所得税については、生活費非課税の原則で大幅に減税をすべきだということをかねがね主張しております。それから、また特に、この法人税については、租税特別措置その他大企業に対する特別な税の減免、これはやめて、正当に課税すべきだということも主張しております。間接税については、生活必需品に対する間接税は、これは減免もしくは廃止すべきだということも主張しておりますけれども、まさにわれわれの主張とは全く逆な傾向が従来の経験的な事実としてあらわれている。
 そこで、私、大蔵大臣に伺いたいのですけれども、政府がきめましたこの経済社会基本計画、これによりますと、昭和五十二年度までに国民の税及び税外負担は、現在よりもさらに三%ふやすと、こういうことになっている。いまのような調子で、大衆課税の性格が強くなっているところへ、さらに、国民所得に対する税負担率を現在よりも三%ふやす、こんなことをやられてはたまらぬと思うのです、国民は。一体いままでの延長線上で税負担率三%増ということを考えられておられるのか、それとも、今後税制を根本的に変えるという立場から考えておられるのか、その点を伺いたいと思うのです。
#209
○国務大臣(愛知揆一君) これは、私もしばしば指摘しておりますように、財政需要がもう年々歳々伸びていくわけなんです。その財政需要が伸びるということは、福祉国家であり、国民全体の、健康で文化的な生活ということをますます完成したいという、そういう意味の財政需要が非常に年々ふえていくわけですから、そしてそれに対して、私はしばしば御説明しておりますが、今年度でも過剰流動性というようなことがこれだけ大問題でありますけれども、公債の依存度というものは昨年度より減らして対処したつもりでございます。同時に、公債財源というものは、それであるからこそ、来年度以降において、そうそう依存度を高くすべきものではないと考えます。この点は御賛成いただけると思います。
 そうすれば、固有の税収入をどうやって確保していくかということで、財政需要をまかなわなければならない。そこでまず、直・間の比率などをどう考えていくかということについて相当検討していかなければならない。税の体系についてはかなり根本的な考え直しをしていかなければならないであろうと、四十九年度以降におきましては。
 そこで私は、従来は政府としては直・間の比率をもう少し見直して間接税比率を上げていきたいということが公式に言われておりましたが、私はそういうことも考えております。また、いま御指摘があったようなことも念頭にありますから、そう簡単に直・間の比率を幾らと幾らにするがいいというようなことをこの段階で早計に言うべきではないと、こう考えまして、その点についてもクリアカットな御返答はまだいたしておりません、私といたしましては。
 同時に、直接税の中ではどうしたらいいか。これはいま、たとえば、給与の伸び方、国民所得の伸び方、それと物価の関係、いろいろ御議論がございましたが、この点はもう少し具体的に詰めて議論を私もしたいと思います。たとえば、可処分所得の伸びというものは相当に伸びているわけであって、必ずしもいまお述べになりましたようなふうには私は見ておりませんが、そういう議論は議論として、私はやはり国民大衆的な、個人中心の税の負担はできるだけ減らしていくようにしたい。そして法人については重くしていきたい、あるいは特別措置というようなものも、いろいろ御主張になっているほどに、私は、税源について大きな寄与ができるかどうかは必ずしもわかりませんけれども、とにかくこれは感覚的にも洗い直しを相当していかなければならない。そういうことをあわせて、法人関係でどのくらいの恒久的な税源の培養ができるか、これと個人の減税ということを、相対的に考えていきたい。
 そしてその場合、たとえば勤労階級に対する所得税の減税をどういうパターンでやったならば、先般来いろいろ御議論が出ておりますけれども、たとえば、未成年者というようなところで課税をされるのはおかしいではないか。これはどうやって防ぐようにしていくことができるか。それから、たとえば各種の控除をどうやっていったらいいかというようなことを総合的にぼちぼち勉強を始めまして、国会が終わりましたら、早々に税制調査会にもいろいろと御相談をいたしまして、相当の時間をかけて、来年度の税制についてはいま申しましたような角度から、できるだけよい、また将来に備え得るようなものをつくり上げていきたいと、真剣に取り組んでいきたいと、こういうふうに考えておりますが、いま御指摘になりました中には、いま申しましたように、私は、必ずしもその事実の分析に同意しませんが、しかし、あらわれている数字の上では、御指摘のとおりですから、こういう傾向に対して、私どもも謙虚に問題を取り上げていきたいと、こういうふうに思っております。
#210
○渡辺武君 最後に一問だけ、時間がきましたので、最後に一言だけ伺いたいと思います。
 いま、大蔵大臣から御懇切な御答弁をいただきましたが、もう一つ重ねて伺いたいのは、いま御答弁を伺っておりますと、それでは三%負担率を高めるというのがどっかから出てくるのかというのが、私非常に疑問なんです。とにかく昭和四十七年度の国税の実績見込みは十六兆四千億円と、税及び税外負担ですね。ところが、五十二年度に三%税負担率を高めますというと、三十四兆三千億円という膨大な収入になるわけです。その増加が十九兆九千億円と、こういうことになる、たいへんな国民の負担ですよ。で、それがどこから一体出てくるだろうかという疑問、これ私まだ氷解しないんです。
 そこで端的に伺いたいのは、この「経済社会基本計画」にも「現行の個別消費税体系に対置される一般消費税ないし付加価値税について、今後ともさらに堀り下げた検討を行なう。」というふうにはっきりと書かれております。また、いま議題になっております物品税、これを見ましても、大体税率をずっと集めて、集めるというとおかしいが、税率を均等化して、そうしてまた課税品目も、これもいわば大衆消費物資にずっと広げていくという傾向があらわれております。まさにこれは、付加価値税制採用の下準備じゃなかろうかという気持ちが非常に強いんですけれども、この点どうなんでしょうか。
#211
○国務大臣(愛知揆一君) これを御通読いただきますと、まず、その三%の問題は、財政の需要が五十二年度までに活力ある福祉社会をつくるためには相当の伸びを示すと、そしてこれを財源関係からいうと、それを達成するためには、国民所得に対する税及び税外負担比率はおおむね三%程度高まらざるをえないと見込まれる。と、まあかなり持って回ったような表現をいたしておるわけでございますが、大体この傾向線でいけば、そして先ほど私が申しましたように、公債財源というようなことをできるだけ考えないように、あるいはその依存度をできるだけ適正にするということでまいりますと、どうしてもやはりこの程度に、私も高まらざるを得ないと見込まれるわけです。それがいいか悪いかということは御議論の存するところでございましょうけれども、先般来予算の御審議を通じても、おまえらは福祉予算だと言っておるけれども、さっぱりふえておちないじゃないかというおしかりを受けるくらいで、そういう点もさらに充実していくということになりますと、税及び税外負担の比率はどうしたって高まらざるを得ない、あるいはこの程度で済むであろうかと、率直に言えば。ですから、これはよほど歳入計画を、知恵も出し、国民的な御協力もいただき、あるいは社会感覚に乗れるような税制体系をつくらなければ、こういう状況に対応していけないんじゃないかと思うわけでございます。
 で、したがって、年度内に、たとえば、ある種の税目について高くしろとか、あるいはもっと増税を考えるべきであるということは、いろいろと、御意見を伺いましたけれども、これは非常に大問題であって、そう簡単に十日や二十日のうちにできる問題ではありませんから、しばらく時間をかしていただきたい。しかし、例年に先がけて、予算及び予算関連の諸議案を議了していただければ、もうさっそくにもこの大仕事に真っ正面から取り組んでまいりたいと、そしていろいろの御意見は、振り返ってまた今国会を通じて税についていろいろ御議論いただいたことも、すっかり整理をして、謙虚にこれを組み立てていく材料というとたいへん失礼でございますが、尊重をして考えてまいりたいと、こう思っておる次第でございます。まあ、三%はなぜそんなにふえるか、これはもっと率直に言いますと、もっとふえざるを得ないとすら、私個人は考えておる次第でございます。
#212
○渡辺武君 付加価値税制について。
#213
○国務大臣(愛知揆一君) 付加価値税制は、これに若干言及しておりますが、私はこの点は、私といたしましては、今日付加価値税を取らなければならないということは考えておりません。なぜかといえば、いまの消費税体系も、傾向としては、さっき物品税でも言いましたように、物の選択の問題と、それから、できれば税率は一律というようなことが簡単明瞭で一つの選択になり得ると思います。それから、外国の傾向などもむしろそのほうが多いように思われますけれども、しかし、国内的には、ただいままでのところ相当の反対もございますから、こういう点を十分勘考していかなければならない。現在、来年度は付加価値税制に切りかえるということは、私は考えておりません。
#214
○委員長(藤田正明君) ほかに御発言もなければ質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#215
○委員長(藤田正明君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより三案に対する討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、入場税法の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手をお願いいたします。
  〔賛成者挙手〕
#216
○委員長(藤田正明君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 次に、物品税法の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手をお願いいたします。
  〔賛成者挙手〕
#217
○委員長(藤田正明君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 次に、農産物に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定に基づいて借り入れた外貨資金等の償還に関する特別措置法案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手をお願いいたします。
  〔賛成者挙手〕
#218
○委員長(藤田正明君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
#219
○野々山一三君 私は、ただいま可決されました入場税法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四党共同提案にかかる附帯決議案を提出いたします。案文を朗読いたします。
   入場税法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 一、政府は、文化の向上、社会教育の充実に寄与すると認められる種類の催物について、今後とも入場税を減免するよう配慮すべきである。
 二、政府は、最近における競馬、競輪等の実情等にかえりみ、福祉対策の充実を図るため、ギャンブルに対する税負担を強化する方向で、その具体化に努めるべきである。
  右決議する。
 以上でございます。
#220
○委員長(藤田正明君) ただいま野々山君から提出されました附帯決議案を議題として、採決を行ないます。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手をお願いいたします。
  〔賛成者挙手〕
#221
○委員長(藤田正明君) 全会一致と認めます。よって、野々山君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。
 ただいまの決議に対し、愛知大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。愛知大蔵大臣。
#222
○国務大臣(愛知揆一君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って十分配慮いたしたいと存じます。
#223
○委員長(藤田正明君) なお、三法案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#224
○委員長(藤田正明君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
 次回の委員会は、五月八日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会をいたします。
   午後五時二十九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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