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1972/07/10 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 大蔵委員会 第27号
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1972/07/10 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 大蔵委員会 第27号

#1
第071回国会 大蔵委員会 第27号
昭和四十八年七月十日(火曜日)
   午前十時二十九分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 七月九日
    辞任         補欠選任
     川村 清一君     吉田忠三郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤田 正明君
    理 事
                嶋崎  均君
                土屋 義彦君
                成瀬 幡治君
                多田 省吾君
                栗林 卓司君
    委 員
                青木 一男君
                伊藤 五郎君
                河本嘉久蔵君
                柴田  栄君
                中西 一郎君
                西田 信一君
                竹田 四郎君
                戸田 菊雄君
                西村 関一君
                野末 和彦君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  愛知 揆一君
   政府委員
       大蔵政務次官   山本敬三郎君
       大蔵省主計局次
       長        長岡  實君
       大蔵省関税局長  大蔵 公雄君
       大蔵省理財局長  竹内 道雄君
       大蔵省理財局次
       長        小幡 琢也君
       国税庁次長    吉田冨士雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉本 金馬君
   説明員
       防衛施設庁施設
       部連絡調整官   奈良 義説君
       林野庁林政部長  平松甲子雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○連合審査会に関する件
○国有財産法及び国有財産特別措置法の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○物品の一時輸入のための通関手帳に関する通関
 条約(ATA条約)の実施に伴う関税法等の特例
 に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(藤田正明君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について報告いたします。
 昨七月九日、川村清一君が委員を辞任され、その補欠として吉田忠三郎君が選任をきれました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(藤田正明君) 次に、連合審査会に関する件についておはかりいたします。
 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案について運輸委員会に対し、また、商法の一部を改正する法律案、株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律案及び商法の一部を改正する法律等の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案、以上三案について法務委員会に対し、それぞれ連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(藤田正明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(藤田正明君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(藤田正明君) 次に、国有財産法及び国有財産特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続きこれより質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○戸田菊雄君 林野庁、参っておりますか。
 四十五年度から四十六年、四十七年――四十八年もあればあとで追加をしてもらいたいのですけれども、国有林野の売り払い件数と内容、ちょっと発表してください。
#8
○説明員(平松甲子雄君) ただいま御質問の国有林野の売り払いの実績をお答えを申し上げます。
 異なる会計間の所管がえ、所属がえも含めまして、四十五年度が面積にいたしまして三千二百七十七ヘクタール、四十六年度が二千百七十二ヘクタール、四十七年度はまだ決算が終了をいたしておりませんので見込みでございますけれども、三千六百二十二ヘクタールということになっております。
 それで件数でございますが、所属がえ、所管がえを除きまして四十五年度の売り払い件数が千百十九件――先ほど申し上げました面積は、所管がえを含むものでございますけれども、所管がえ、所属がえを除きましたただ単なる売り払いのほうでは、四十五年度は件数で千百十九件でございます。それから四十六年度は千三百十二件でございます。それから四十七年度は千八十八件というふうになっております。
#9
○戸田菊雄君 そのうち四十五年度分は、一億円以上のものは何件ありますか。
#10
○説明員(平松甲子雄君) 四十五年度の売り払いの中で一億円以上のものにつきましては四件でございます。
#11
○戸田菊雄君 以下四十六、四十七年度も一億円以上でけっこうですけれども、その中で地方自治体に払い下げた件数、その内容、使用、その内訳をひとつ説明してください。
#12
○説明員(平松甲子雄君) 四十六年度が十五件でございます。それから四十七年度が十六件でございます。
 で、四十五年度の四件の売り払いの内容は、全部これは地方公共団体でございまして、公園敷と墓園敷――お墓でございますが、墓園敷でございます。
 それから四十六年の十五件につきましては、十五件のうち十件が地方公共団体に売り払いをいたしておりまして、上水道敷、公園敷、墓園敷、漁港施設といったような用途に充てられております。
 それから四十七年度の十六件のうち、二件を除きまして地方公共団体に売り払いをいたしておりまして、その中身は公園敷、下水道敷、工場用地それからキャンプ用地等々となっております。
#13
○戸田菊雄君 四十五年度から入りますけれども、いま指摘をさまれしたその四件の中身ですが、一つは、兵庫県の西宮市、これに公園敷地として払い下げておるわけですね。それから兵庫県の明石、これも同じように、これは墓園――墓地、それから鳥取県鳥取市、それから福島県のいわき市と、この四件に変わりはありませんね、間違いはありませんね。
#14
○説明員(平松甲子雄君) はい。
#15
○戸田菊雄君 それではここで四十六年度も同じようなケースがあるのですけれどもね。たとえば兵庫県の芦屋市ですね、この墓地、それから四十七年度の大阪府の高槻市の墓地、それから三重県の名張市ですかね、これの墓地。この墓地は、結局一たん地方自治体、いわゆる市、そういうところにおろしていくわけですけれども、結果的には分譲体制になっていくわけでしょう、個人の。その契約関係はどういうことになるのですかね、国有地として。これは売り払いですから、そのまま売っていくわけでしょう。それを今度受けた市は、――各個人で墓地をそれぞれ何坪と割り当てて持つわけですから、そういうことになると、結果的には個人に全部払い下げていくということになってまいりますね。それは何か林野庁としては、そういう部面の方針について、明確に方向として一定の方針を持っているわけですか、どうですか。
#16
○説明員(平松甲子雄君) この墓地は、公共墓地でございまして、まあ地方公共団体といたしましては、その地域の住民の墳墓の用に供する土地というものをやはり自治体として提供する必要があるということから、そのおのおのの自治体において墓園を造成したいということで、国有林野から用途を指定いたしまして、売り払いをいたしておるわけでございます。国有林野でございますから、墓地にするためには、相当の手入れも要りましょうから、そういうふうな実費をもって分譲するということが行なわれておるのではないかというふうに私どもは考えている次第でございます。
#17
○戸田菊雄君 まあ、先祖を敬う点については私も変わりはないのですけれども、ただ問題は、現在のこの日本の風習からいけば、一つのお寺があって、そこは檀家を形成をしているわけですね、一千軒とか二千軒とか。そういう墓地体制をとっているわけです。いわば総代制をとって、その運営方式その他は結果的に檀家を守っておるお坊さんのほうで管理をするということになってまいりますから、そういうところに全部払い下げられていくわけですね。あるものについては、ただでもらったというのもあるし、あるいはここは一坪幾らと、こういうことで買い受けたところもあるし、その態様がさまざまなんですね。そういうところまで林野庁としては、この墓地売り払いについてはその後の点検というかケースというか、そういうものを確認しておりますか。
#18
○説明員(平松甲子雄君) まあ、私どもといたしましては、通常大きな都会に住んでおられる方々は、郷里を離れて出てまいられるということから、先祖代々の墳墓の地を離れて、檀家の檀那寺であるところのお寺とも離れるということから墓地を求められる。普通、公共団体の墓地というのは、お寺には関係なしに、全体的な共同の墓地というような形で運営されておるのではないかというふうに考えられるわけでございますが、先ほどお話を申し上げました墓地について、その実態がどういうふうな運営をされておるかということについては、確認をいたしておりませんので、至急調査をしてみたいと思います。
#19
○戸田菊雄君 大蔵大臣にお伺いするんですけれども、この墓地の払い下げ等については、国有財産として、大臣のほうとしてはやっぱり了承できる、今後もやはりそういう方向で進めるという考えでしょうか。
#20
○政府委員(小幡琢也君) 墓地につきましては、これは現在国有財産法の第二十二条で、無償貸し付けの対象にしております。
#21
○戸田菊雄君 これは次長ね、売り払いなんですよ。
#22
○政府委員(小幡琢也君) 売り払いにつきましては、一般的な原則といたしましては、無償貸し付けでございますが、売り払うということになりますると、これは特別の取り扱いがございませんから、まあ時価になろうかと思います。
#23
○戸田菊雄君 いや、だからぼくの聞いているのは、方針として今後もやはり墓地その他に対しては、売り払いその他の方向でいくのかどうか。いま都市部では大都市、中都市については、それぞれ都市計画というものを進めておりますね。従来の墓地は、繁華街のどまん中に位置しているということになると、どうしても郊外の主として山林に近いほうに移転させようと、そこがたまたま国有地であったり、そういうことがあるわけです。そういうところはやはり全体としては都市計画部分に入れて墓地の構成をやっていこうと、こういう市の都市計画の中にはだいぶ織り込まれていると、そういうものについては、政府としては積極的にそういう方向で今後臨んでいくと、こういうことになりますか。
#24
○政府委員(小幡琢也君) ちょっとたいへん失礼いたしました。先ほど無償貸し付けのみで譲与ができないと申し上げましたが、訂正いたします。墓地は火葬場と同じように、これは譲与の対象になっております。したがいまして、無償貸し付けをするか、譲与をするかということになりますと、ケース・バイ・ケースでございまして、地方公共団体の実情あるいはその利用のしかたを見まして、場合によっては譲与するということになっております。
#25
○戸田菊雄君 ケース・バイ・ケースで、条件に応じて適当と判断すれば、そういうものを、土地利用は、売り払いその他の用に供していくと、こういう考えですね。
#26
○政府委員(小幡琢也君) さようでございます。
#27
○戸田菊雄君 それから、この四十六年の山形県の酒田市、これは工場用地として東北開発、これに売り払いをしていますね。それからもう一つは、九州電力の火力発電所、鹿児島県の川内市、これも四十六年度に一件払い下げをしてますね。それから、山形県の同じ酒田市ですけれども、四十七年、これは工場用地としてやっていますが、この内容はどういうものですか。
#28
○説明員(平松甲子雄君) ただいま先生御指摘のように、山形県の酒田市は、東北開発に工場用地として譲渡をいたしておりますが、工場用地の、どういう工場であったかという点については、いまここでつまびらかにいたしませんが、至急調べて御返事いたしたいと思います。
 鹿児島県の川内市は九州電力でございまして、火力発電所の敷地に提供したものでございます。
 それから、もう一つの山形県の酒田市の工場用地も、これはどういう工場でございますか、ちょっといまつまびらかにいたしませんので、あとで説明いたしたいと思います。
#29
○戸田菊雄君 これはあれじゃないですか、誘致工場じゃないかと思うんですけれどもね、いまわかりませんか。
#30
○説明員(平松甲子雄君) いまちょっとわかりかねますので、至急調べまして申し上げたいと思います。
#31
○戸田菊雄君 それから四十六年度に東武鉄道に旅館敷地として、栃木県日光市ですが、払い下げたとありますね。これはどういう内容ですか。
#32
○説明員(平松甲子雄君) これは前に、旅館用地として貸し付けをいたしておったものを借り主である東武鉄道のほうに払い下げをしたということでございます。
#33
○戸田菊雄君 その内訳を少し詳しく説明してください。坪数その他払い下げの時価。
#34
○説明員(平松甲子雄君) 坪数は一ヘクタールでございまして、払い下げの時価は一億六千万になっております。
#35
○戸田菊雄君 坪数は幾らですか。
#36
○説明員(平松甲子雄君) 一ヘクタールでございますから約三千……。
#37
○戸田菊雄君 わかりました。
 これは四十六年度、この栃木県の日光市の東武鉄道が敷かれている土地、これはどれくらいしておったと思いますか。
#38
○説明員(平松甲子雄君) ちょっといまここでその周辺の土地の値段はわかりかねますが、国有林野を譲与いたします際には、周辺の取引時価を参酌いたしまして、なおかつ学識経験者の意見を徴するというふうな形で評価をいたしておりますので、大体この価格に近いような価格であったろうと思います。
#39
○戸田菊雄君 私の調べた範囲では、やはり時価よりは相当安くいってますね。そしてこの土地は、一ヘクタール、三千三百坪ですからね、ちょっとマイホーム主義で住宅用地に使うということであれば、相当使える土地です。その三千三百坪に旅館一つ建てるんですからね、相当なものなんですね。だから、そういうものにまで国有地というものを無制限に払い下げているというのは、私は、中央審議会でもって一定の答申を出しておりますけれどもね、そういう趣旨からいけば、相当はずれているんじゃないかという気がする。そういう点について林野庁としてどういうふうにお考えですか。
#40
○説明員(平松甲子雄君) 先ほどもお答え申し上げましたように、この案件につきましては、すでに相当前から旅館用地として貸し付けをしておりまして、その旅館用地として貸し付けておりますものを、借り主のほうから譲り渡してほしいということでございまして、林野事業の用に供することも困難であるというふうに考えられましたので、譲与いたしたわけでございまして、譲与をいたしてそこに旅館ができたんではございませんで、かなり昔に貸し付けをいたしまして旅館ができておった、それを譲り渡したということでございます。
#41
○戸田菊雄君 いろいろな条件があったにしても、やはり売り払い時においては適正価格でやるべきじゃないかと思うのですね。それはあなたのほうから資料が出てこなければ、ぼくも比較対照できないから、どれだけ一体売買価格がいったのか、その辺はわからないから、じゃ、あとでこの資料を出してください。
 それから、火力発電所の鹿児島のやつも、いつどういう契約で、坪数において、価格において、そういうもの一切資料として出してください。
 それから四件、ないし十五件、さらには十六件と、一億円以上の件数と、内容については私も調べましたけれども、それ以下の、いわば四十五年度一千百十九件、それから四十六年度一千三百十二件、四十七年度一千八十八件、この内訳を全部出してください。相当私の見た、ないし聞いた範囲では、何といいますか、その民間の全くの役に立たない土地が、国有林と相互交換をされて、それで合法名義でもってあとで全部民間の宅地造成その他に多く使われている、こういうものが相当あるというんですね。ですから、その内訳の内容について全部ひとつあとで資料出してください。私時間がなかったから、その資料要求までいかなかったけれども、それをひとつ出していただいて、いまの東武鉄道の旅館のあと敷地の問題についても、そういうことで時価価格なり、そういうものをいままでの賃貸料をどのくらい取っておったのか、そういう面も含めてひとつ、発生次元から全部資料を出してみてください。
#42
○説明員(平松甲子雄君) 御要求の資料はできるだけ早く調整して提出いたしたいと思います。
#43
○戸田菊雄君 それと、現在の国有林野事業の特別会計の用地はどのくらいありますか。
#44
○説明員(平松甲子雄君) 現在国有林野事業特別会計で所掌しております面積は、大体七百六十万ヘクタールほどでございます。
#45
○戸田菊雄君 それはいつ現在ですか。
#46
○説明員(平松甲子雄君) 四十六年度末現在でございます。
#47
○戸田菊雄君 そうすると、次長にお伺いしますけれども、大蔵省からもらった資料によりますと、八百五十九万、ちょっと数字がかけ離れているんですが、これはどっちが正しいんでしょうか。
#48
○政府委員(小幡琢也君) 私どものほうから御提出したのは、これは四十六年度末の現在額のうち、国有林野事業特別会計の土地の数量、これが約八百五十九億平方メートルという数字でございます。
#49
○戸田菊雄君 万は誤りで、八百五十九億――それじゃ林野庁の関係はその資料をもらってから再度検討いたします。再質問いたします。
 それから、医療施設の炭鉱関係の国有財産問題ですけれども、この二つの資料をいただきましたけれども、私は三池炭鉱のCOの医療施設があるんじゃないかと思うんですが、これは抜けているんでしょうか。それとも、そういうものはなかったんでしょうか、当初から。その点どうでしょう。
#50
○政府委員(小幡琢也君) 御指摘の国有の炭鉱医療施設につきまして全部調査したわけでございますが、全部で二十四施設旧産業復興公団から引き継いだわけでございますが、その中に、実は三池と申しますと、まあ大牟田市の周辺でございますが、どうもその辺のあたりの施設はこの表にはございませんので、要するに該当がないんじゃないかということでございます。
#51
○戸田菊雄君 ちょっとそうすると、次長が言われたその資料の関係ですけれども、ぼくに届いた資料は二施設だ、二十四施設というとどこどこですか。まだ出てないところが一ぱいあるわけでしょうか。
#52
○政府委員(小幡琢也君) 先生のほうに御提出いたしましたのは、現在国有の炭鉱医療施設として病院、診療所の用に供している施設ということで、福岡県の三つの施設を資料として御提出したわけでございますが、それは、先ほど申しました二十四施設のうちの三施設でございまして、他の二十一施設につきましては、いずれも国から売り払いないし処分して現在は国有ではございませんものですから、落としたわけでございます。
#53
○戸田菊雄君 それは資料で見ましたから、それは了承しますけれど、ただ問題は――防衛庁がおると思いますけれど、いままでの返還施設ですね、アメリカから返還をされた、その施設はどういう活用方式をとっていましょう。数が多いんで、大体項目的に、緑地帯とかあるいは行政財産として庁舎建設とかそういうことで、項目的に何項目かひとつあれしてください。
#54
○説明員(奈良義説君) 米軍施設で返還されたものにつきましては、直接的には、大蔵省の理財局がいろいろ御検討なされて利用計画をおきめになっておることと思います。
#55
○戸田菊雄君 それじゃ大蔵省、説明してください。
#56
○政府委員(小幡琢也君) 提供財産が返還になりました場合に、これは普通財産でございますから、大蔵大臣が引き継ぎまして、その管理をし、また利用計画を策定いたしまして処理をするということになっているわけでございます。
#57
○戸田菊雄君 どうも、この資料のことですけれども、確かに資料いただくんだけれども、きわめて不親切なんだね。提供施設及び区域の返還状況、四十八年四月十六日現在、それから四十三年度からずっとこう四十八年度までね、全部列記されて、面積、それから建物面積と二つのタイプのですね、資料は出ているんだけれども、その年度別ごとの合計は出ているけれどもね、年度を通算してどのくらい、この返還施設合計というものは出ていないんですね、これは私、計算しましたけれども。これはもう少し資料作成のときに、大体全体どのくらい提供して――この間説明でもって坪数、総面積幾らと説明しているんですから、そのうちどのくらい返還されて、年度別。合計このくらい返されました――この程度の資料はつくるときに親切みを持ってやってもらったらいいと思う。いずれにしても、四十三年度から四十八年度まで百十七件総合計。それで、返還面積は九千七百四万八千平方メートル、こういうことになるんですが、これは間違いありませんか。
#58
○説明員(奈良義説君) 四十八年度までの返還土地の総面積が、一億八千八百三十七万九千平方メートルでございます。これは国有、民有合わせてでございます。
#59
○戸田菊雄君 これはどういう活用方式にいまいっているんでしょうか。種目別でけっこうです。住宅、緑地帯あるいは地方自治体払い下げ、売り払い、いろいろあるでしょうが、その内訳をちょっと教えてください。
#60
○政府委員(小幡琢也君) 私どものほうに、この返還財産の転、活用状況の調書がございますが、これは三十二年以来の返還財産の四十七年三月末までのトータルでございますが、これによりますと、土地でございますが、総返還数量が二億七千五百二十二万平方メートルでございまして、この転、活用状況といたしまして、官庁施設、それから防衛庁施設、公共団体の施設、それから住宅施設、教育施設、それから産業施設、その他施設、未処理と、こういった区分がございます。これでよろしければ申し上げましょうか。
#61
○戸田菊雄君 それでいいんですが、産業用施設の内訳を詳しく教えてもらいたい。
#62
○政府委員(小幡琢也君) 産業施設につきましては、実はいま手元に内訳こまかいのを持っておりませんが、全体で、先ほど申しました二億七千五百万平方メートルのうち六百九十五万平方メートルございます。
 内訳につきましては、後ほど調査いたしまして御報告いたします。
#63
○戸田菊雄君 その活用内容はわかりますか。いまの産業施設。
#64
○政府委員(小幡琢也君) これは調査すればわかりますから、報告いたします。
#65
○戸田菊雄君 ただ、私の聞いているのでは、従来の慣行とか、何か、そういういろいろな企業に渡った部面も若干あるという話なんですけれども、そういう内容は全部提示していただけますか。
#66
○政府委員(小幡琢也君) 民間の企業に渡ったと申しますと、たぶんこれは旧軍港市、たとえば、横須賀とか佐世保とか呉、この辺に提供財産で返還になったものがございますから、それはやはり、平和産業都市への転換ということで、産業用に処理したものが相当ございます。そういった内訳につきましては、調査してお知らせいたします。
#67
○戸田菊雄君 それからもう一つは、民有地のやつがございますね。これは、現に契約をして、借用している部分もあるわけですけれども、この賃貸料が、非常に時価と比較をして低廉過ぎるんではないか、こういう考えがあるんですけれども、これはどうでしょう。
#68
○説明員(奈良義説君) 借料につきましては、一応内規のようなものがございまして、それによりますと、大体周辺の土地がどの程度に借りられているかというようなことを勘案し、かつ、その土地の周辺の取引価格等勘案いたしまして、そしてそれに適正な利率のようなものを掛けるという、普通一般に町で行なわれておりますような方式に従いまして、計算をいたしまして、そして所有者の方と御相談をいたしまして、大体きめておるというようなことでございますので、一般に比較して、低廉過ぎるということはないかと思っております。
#69
○戸田菊雄君 その民有地賃貸の内容については、あとで出してみてください。非常に不当な低廉の賃貸料ですしね、現在もやられているという、そういうものがございますね。だから、一応、じゃ内容を、それを出してみてください。
 それから、これは「首都圏に所在する米軍提供施設及び自衛隊基地の国有地調べ」と、これの中で、返還を予想されるもの、こういうものがございます。返還をされたもの、ないし今後返還を予想されるもの、こういうものが実はあるわけですけれども。
#70
○説明員(奈良義説君) 一月の二十三日に安全保障協議委員会で今後の統合方針等が検討されまして、関東空軍施設の大部分を横田に集約いたしまして、あとは返すという方針がきまったものが、この首都圏所在の最も中心的なものの返還予定の内容になろうかと思います。
 で、それによりますと、立川の飛行場が全部、それから関東村住宅地区が全部、それから水戸対地射爆撃場が全部、それからジョンソン飛行場の大部分、それから府中空軍施設の大部分、それからキャンプ朝霞南部地区の大部分を返還するということになっておりまして、すでに水戸対地射爆撃場、それから立川飛行場の一部、これは、東側の町に近い部分と、それから飛び地になっております大和空軍施設を含んでおります。それと、ジョンソン飛行場の大部分がすでに返還済みになっております。それから神奈川県の相模原市にキャンプ渕野辺というのがございます。これの代替施設をキャンプ座間のほうに持っていくことによりまして、今年度中にこれを返還してもらうという約束ができております。
 大体おもなものは以上でございます。
#71
○戸田菊雄君 その府中空軍の施設はいつごろ返還の予定ですか。
 それからもう一つは、キャンプ渕野辺、それから横浜海浜住宅地区、これも一応返還予定ということになっておりますが、見通しはいつころになるわけですか。
#72
○説明員(奈良義説君) 関東地区の集約計画が三年という計画で行なわれておりまして、特に、この府中空軍施設の具体的な返還期日というものがまだはっきりいたしておりません。
 それから、キャンプ渕野辺につきましては、先ほど申し上げましたように、代替施設を一部今年度中につくることによって、それが終わり次第返ってくるということになっております。
 それから、横浜の海浜住宅につきましては、これを横須賀の基地司令部の敷地の中に移すということでございまして、すでに埋め立て――その内部でも敷地がございませんものですから、泊湾というところをいま埋め立てておりまして、そこを建設用地等に使うということでございますが、現在、その埋め立てが進行中でございまして、建物の建設はまだ始まっておりません。一応予定では、すでに米側との間で話のついている部分については、五十一年末までに工事を終わる予定であったと記憶しております。
#73
○戸田菊雄君 この返還敷地の、先ほど次長から説明がありましたが、教育施設であるとか、あるいは住宅用地であるとか、緑地帯であるとか、各般の項目があるんですけれども、この返還の計画的な政府としての一応利用、活用、こういう計画はお持ちなんですか。
#74
○政府委員(小幡琢也君) 返還財産のうち、大規模なものにつきましては、これは国有財産中央審議会に付議いたしまして、現在、返還財産処理小委員会で、専門的にこの利用計画の大綱につきまして、審議、検討していただいているところでございまして、もちろん地方団体からの要望につきましては、公園とか、あるいは緑地、あるいは社会福祉施設、教育施設等、公共施設に対する要望はこれは承っておりますが、今後そういった要望も十分考慮いたしまして、長期的な総合的な目で、できるだけ有効な利用をはかっていきたい、このように考えているわけでございます。
#75
○戸田菊雄君 それはもうすでに四十七年の三月十日に石坂泰三国有財産中央審議会会長から、水田大蔵大臣に答申があるわけですね。その中で主張されているのは、都市の再開発、活用、この点が強く指摘をされているわけですね。ですから、東京都内とか、あるいは神奈川県内とか、そういった都市近郊の活用については、十分都市再開発に重点を置いて土地の活用というものを考えていかなければならぬ、こういうことがはっきりしているわけですからね、だから、そういう面での活用方式というものが具体的にあってもいいんじゃないか。いま東京都のいろいろな住宅建設その他を考えますと、やはり一番デッドロックに乗り上げているのは土地の問題ですね。こういった活用地があるのですから、そこは東京都の計画等にのっとって住宅その他に解放していってはどうかという考えを持つんですけれども、その辺はどうなんでしょうか。
#76
○政府委員(小幡琢也君) 昨年の三月十日の国有財産中央審議会の答申にございますように、基本的には都市の再開発にできるだけ活用するということを処理の方向としております。都市の再開率とこの場合にいいますのは、防災とか生活環境の整備といったものを含めまして、できるだけオープンスペースを確保する、こういった見地から言及されているわけでございますが、できるだけそういった趣旨に沿いまして公用、公共用優先ということで処理を考えたい、このように考えております。
#77
○戸田菊雄君 東京都の都市計画等から、そういう土地活用の申請があれば、大蔵省としてはそれに対してオーケー、そういう状況ですね。
#78
○政府委員(小幡琢也君) この場合、東京都の都市計画はもちろんでございますが、まあいろんな地域の開発計画、そういったものを全部十分把握いたしまして、地域の利用計画等にそごを来たさないように、常に磐石な協調体制でやっていきたい、このように考えております。
#79
○戸田菊雄君 ついでですから、宮城県の船岡町に旧海軍工廠がございまして、これはおそらく私の記憶では、四十二年からだろうと思うんですけれども、垂直離着陸機――いわゆるいまみたいに滑走路から飛ぶ飛行機じゃなくて、垂直的に飛び上がる、そういうものの研究開発のために、科学技術庁の敷地使用として今日までやっているわけですけれども、最近、日本油脂化薬工場と日産自動車のヘリコプター修理工場、こういうものをつくろうということで、大蔵省に払い下げを申請されている、そういう状況にありますけれども、それは払い下げる意向ですか。
#80
○政府委員(小幡琢也君) 角田市にございます旧海軍工廠のあと地でございますが、一部は、御指摘のように、科学技術庁の研究所に所管がえをしておりますが、残ったところにつきまして、現在日産自動車、それから日本油脂から、これはロケット及びその推進薬の工場用地として払い下げの申請がございます。これは地元が非常に御熱心で、地域産業の開発、地元にしてみれば産業の誘致ということで、問題がないということで、これは現在処理手続を進めているわけでございますが、ただいろんな都合がございまして、中央審議会にかけるのがもうちょっと調整に手間どると、そういうような状況でございます。
#81
○戸田菊雄君 これは私、まだ明確に調査はしておりませんが、そのうち調査はいたします。
 ただ、ちょっと聞きますと、該当市の角田市会の議会の中では、一応払い下げ申請の決議をした、大蔵省に申請しよう、こういう状況にいまあるようでありますが、その後明らかになったのは、この両会社が何に使用するのかということになると、弾薬庫、そういうものに使用しようという。それじゃ危険じゃないかということで、地域住民から反対の声がいま上がっている。そのことが過日の宮城県議会の中で問題になりまして、そういう危険な弾薬とかなんかということであれば、これは払い下げをすべきではないんじゃないか、等々の意見も一部出まして、県知事としては、そういう危険があるとするならば、当該政府と折衝して、その後態度をきめましょう、ということで、いま進行している状況なんでありますけれども、こういう点は、大蔵省としては十分掌握しているんでしょうか、現地の実情というものを。
#82
○政府委員(小幡琢也君) 最近に至りまして一部からそういう非常に危険性の問題が提供されてきておりますので、大蔵省といたしましては、この問題はやはり慎重の上にも慎重を期さなければいかぬということで、さっそく調査をしようということになっているわけでございますが、私どもで把握しておりますのは、そういった問題は、現段階においてはないんではないか、いろいろ、もしあるとすれば、誤解というものもあるんではないかと思いますので、その辺は今後地元と十分話し合いまして、円滑に事務処理をすると、このように考えておるわけであります。
#83
○戸田菊雄君 状況は十分克明にひとつ調査してみてください。
 それからもう一つは、答申でも明らかなように、民間に払い下げることは原則的にやめなさい、こういうことなんですね。私も答申のこの趣旨には賛成なので、あえてそういう民間に、林野庁の場合も、各行政庁でも、そういうものが多くございます。こういうものが、無法限とは言いませんけれども、やはり数多くやられておる。こういうものに対しては、再点検する必要があるのではないか。
 それからもう一つは、行政財産の中で遊休地が非常にございます。こういうものは、大蔵省として再調査をして、これはもっと行政財産の有効活用というものをはかっていってもいいじゃないか、こういうように考えます。ことに、農林省関係の統計事務所等の借用地その他については、非常に各地方に行ってみましても冷遇されております。こういうものは何か地方的に、いま総合庁舎という形で、それぞれ中央の出先機関の庁舎統合が行なわれておるわけですけれども、一つは、そういう方法もあるかと思うのです。そういうことで、計画を持って、何年計画で各行政財産の、あるいは庁舎の関係とか、こういうものを全部点検して、一定の計画のもとに再整備をする必要があるのではないか。そういうことになれば、国有地の活用ももう少しうまい運用ができるのではないか、こう思うのですけれども、そういう考えはございますか。
#84
○政府委員(小幡琢也君) 第一点の国有地は、できるだけ民間に払い下げることをやめよという問題でございますが、これにつきましては、私どもも十分注意いたしておりまして、極力民間に払い下げることは、慎重にやっているわけでございます。ただ物納財産とか、あるいは現に貸し付けておりまして、もう借地権が発生しておりますもの、あるいは宅造地域内に介在しております里道、畦畔とか、特別の事情のあるものにつきましては、これはやむを得ず民間に払い下げるということもございますが、それ以外につきましては、全部本省でこれはチェックいたしますので、今後はそういう民間にどんどん払い下げるというようなことは起こらないと考えております。
 それから第二点の、行政財産で遊休地について、点検の問題でございますが、これにつきましては、先ほどの昨年三月十日に出されました国有財産中央審議会の答申にも、こういった行政財産につきまして再点検をせよというのがございますので、それに従いまして、実は、昨年度昭和四十七年度一ぱいかかりまして、各省にわたりまして全国の行政財産、庁舎、宿舎等の未利用のものあるいは非効率の利用のものにつきまして全部洗いまして、その報告を現在本省でつかんでおりますので、今後はその内容を十分吟味いたしまして、真に非効率である、遊休地である、こういうものにつきましては、これはリストをつくりまして、各省にも是正措置を強く求める、そのためには、国有財産中央審議会を活用いたしまして、その場に報告して処理する、こういうようなことを現在考えておるわけでございます。
#85
○戸田菊雄君 これは要望ですけれども、ひとつ効果あるように、次長、これは適切にやってもらいたいと思うのですね。われわれもいろいろと調査をしまして、やはりそういう遊休の非活用的なものをやっぱり活用するなり、公共用として持っていることは私は賛成ですけれどもね。もう少し活用方式について検討していただきたい、これは要望ですから回答要りません。
 それからもう一つは、時間ありませんから、防衛庁のほうに資料を要求して終わりたいと思うんですが、「首都圏に所在する米軍提供施設及び自衛隊基地の国有地調べ」の、いわば返還施設の国有地調べですね。この中で、一つは一件十万平方メートル以上の施設を列挙したと、こういうことですが、それ以下のものがあるわけですね。これもひとつ資料として御提示願いたいと思うんです。
 それからもう一つは、地位協定二条四項(b)に基づく施設は含まない。これもひとつ提供していただきたい。
 もう一つは、東京都の島嶼に所在する国有財産も含まない。それもひとつ出してみてください。それは、いろんないまの通信施設一つ全国的に考えてみても一ぱいあるんですから、それは各省中の行政財産と複合した形で使用しているものもあるし、その性格のわからないものもあるのです。そういうものを資料として全部提供して、これは早急に出してもらうことをお願いをしておきたいと思う。
#86
○説明員(奈良義説君) さっそく検討さしていただきます。
#87
○戸田菊雄君 検討じゃだめなんだ、それは出してもらわなくちゃ。
#88
○委員長(藤田正明君) 速記とめて。
  〔速記中止〕
#89
○委員長(藤田正明君) 速記を始めて。
#90
○戸田菊雄君 出しますというなら問題はないのです。あなたの実態の資料の中で列挙してこういうものあります、こういってるのですから、それを出してください。無理な資料じゃないですね。
#91
○説明員(奈良義説君) わかりました。提供いたします。
#92
○戸田菊雄君 もう一つは、これは防衛庁ですけれども、集団移転をしたその使用の内容について、これ、出してくださいと言ったけれども、まだ来ていないから、きょう質問できませんけれども、この資料もあわせて出してください。
#93
○説明員(奈良義説君) さっそく提出いたします。
#94
○戸田菊雄君 けっこうです。
#95
○説明員(平松甲子雄君) 先ほど戸田先生にお答え申し上げました中で、一部訂正させていただきます。
 四十五年、四十六年、四十七年の売り払いの件数でございますが、先ほどお答え申し上げましたのは、公用、公共用の分が落ちておりまして、いまから訂正させていただきます。
 四十五年度の売り払いの件数は、先ほど千百十九件と申し上げましたが、千二百二十八件で千百五十二ヘクタールでございます。それから四十六年度は、先ほど千三百十二件とお答え申し上げましたが、千四百六十四件で、千六百五十二ヘクタールでございます。四十七年度は千二百七十五件で千五百九十六ヘクタールでございます。
 それから先ほど資料の明細について、先生から御要求ございましたけれども、何ぶん件数が非常に多うございますし、私のほうは、営林局のほうで書類を処理いたしておりますので、できるだけ急いで調製をいたしたいと思いますけれども、相当おくれるのではないか、その点だけ御了解を得たいと思います。
#96
○戸田菊雄君 これはいろいろな事情あるようですね。だけれども、私はやっぱり所轄官庁として常に掌握をしておかなければいけないわけですから。それは各種の労働条件その他にも非常に影響してくるのですね。そういうものを含めて非常に内容的には重要問題でございますから、できるだけ早く、今次の国会中に間に合うように出してもらわなければ審議進まぬですから、その点も念頭に置いて早期に提示をしていただきたい。よろしゅうございますね。
#97
○多田省吾君 私は前回、最後のほうで、国有地の民間に対する払い下げ、特に、国有地の大手不動産業者に対する払い下げの具体的問題でお尋ねしたのでございましたが、答弁漏れもございましたし、また時間もございませんでしたので、質疑が残ったわけでございます。
 再度、前回の質問を繰り返しますと、昭和四十三年度から四十七年度に至る間で、一万平方メートルから三万平方メートル以上の大規模の国有地を民間の不動産業者に払い下げている事実が数件あるわけでございます。その前に、愛知大蔵大臣から、この国有地の民間に対する払い下げにつきましては、昭和四十三年の十一月の二十六日の閣議決定で、今後は原則として国有地は民間には払い下げしないということで、原則として停止しているのだというお答えでございました。
 さらに四十七年五月十日には理財局長の通達で「国有地の有効利用について」という各地の財務局長あての通達ですか、これが出ているわけですね。この中に、閣議決定の精神で、「公共用地が取得難であり、かつ、利用し得る国有地が残り少ない現状にかんがみ、国有地は従来よりも一層公用、公共用の用途に優先的に充てることとし、都市の再開発に関連なく民間へ処分することは、原則として行なわない。」あるいは「国有地を公共用に活用する場合においても、他の緊急の需要がある場合を除き、できるだけ都市の再開発に寄与するように活用することを主眼として処理する。」等という通達も出ているわけでございます。大蔵大臣からは、公用、公共用として適しない土地もあり、民間に払い下げ妥当な場合もあるのだ、こういうお答えもございました。絶対いけないものではないという、特別な場合があるのだというお答えがありましたけれども、私は、この前質問いたしました数点の問題については、そういう特殊なものということじゃなくて、一般的にこれはちょっとひど過ぎるような姿がありましたので、まあ質問したわけでございます。
 もう一回理財局次長からお答え願いたいんですけれども、昭和四十三年度から、四十七年度に至る五年間に、一万平方メートル以上の大規模の国有地を、民間の不動産業者に払い下げている事実がありますけれども、一、その業者名、二、その払い下げ面積、三、その契約金額、四、その用途指定の有無とその内容、この四つずつお答え願いたいわけです。もうすでに成瀬委員の資料要求で大規模の払い下げのいろいろな件数は出ているわけでございますが、特に、その中で業者名とか、そういったものが欠けておりますので、それをひとつはっきりと名前をあげて教えていただきたい。
#98
○政府委員(小幡琢也君) 昭和四十三年度から昭和四十七年度までの間に、不動産業者に対しまして売り払いました大口の事案でございますが、調査いたしましたら、全部で七件ございますが、そのほかに運輸業とか建設業、実質的には不動産関係というのが三件ございまして、合わせますと十件になるわけでございます。四十三年度が一件、四十四年度が一件、四十六年度が五件、四十七年度が三件、こうなっているわけでございます。
 それで御質問の相手方名、それから売り払い数量、それから契約金額、それから用途指定等の問題でございます。順次申し上げますと、四十三年度は相手方西武鉄道株式会社、これは鎌倉市腰越でございますが、売り払い数量一万二千五百七十五平方メートル、契約金額一億三十四万九千円、用途指定、これは畦畔でございましたので、特につけておりませんが、利用計画としてはこれは分譲住宅ということでございます。
 それから二番目は、昭和四十四年度の件で、日本山林開発株式会社、これは横浜市金沢区六浦町所在でございまして、三万八千六百八十一平方メートル、売り払い価格一億八百十一万五千円、それから、これは用途指定につきましては、分譲宅地として十年間の用途指定がつけてございます。これは畦畔ではございませんで、傾斜状の岩石地として宅造地に隣接していたところでございます。
 それから第三番目、昭和四十六年度の件でございますが、相手方東映不動産株式会社及びもう一件昭和興成株式会社、これは同じところでございますが、横須賀市馬堀町二丁目に所在しております財産、これが東映不動産が三万八千三百九十二平方メートル。昭和興成が一万八千五十三平方メートル。前者のほうは売り払い価格一億九千三百九十三万円、後者が一億六千八百十七万四千円でございまして、これも用途指定は宅造の分譲地ということで、これは指定期日から二年以内に分譲に充てるようにと、こういう用途指定をつけております。なおこれは、横須賀市でございますから、旧軍港市の審議会に付議しておりますが、地形はこれは傾斜状の山林地で、宅造地に隣接しているところでございます。
 それからもう一つ、昭和四十六年度に、相手方西大和開発株式会社、場所は奈良県の北葛城郡河合町にございます二万九千二十二平方メートル、これはため池でございまして、池が二つございまして、この池の底地、これが国有地である。これは西大和開発という会社は、これは土地区画整理事業の施行者でございまして、そのかんがい、ため池は国有地でございますが、それを含めまして西大和ニュータウン、こういったものを造成したい。全部で二百三十四ヘクタールという非常に広大なところでございますが、その中にいま言いました二万九千平方メートルのため池が二つ介在しておりまして、これはため池の機能はそのままにしまして、そのまわりを公園として造成する、乙ういう土地区画整理事業でございまして、造成したあとは、ため池は公園として町に寄付するという条件がついておりますので、そういう条件で用途指定を五年間つけたわけでございますが、それで処理したわけでございます。価格は一億一千二十三万六千円でございます。
 それからもう一つ、四十六年度に、野村不動産というのがございますが、これは横浜市戸塚区小菅ケ谷町に所在しておりまして、数量は二万二千八百二十三平方メートル、価格は一億九千九百四十八万円でございます。これも宅造地内にたくさん介在しております畦畔でございますので、これは用途指定を特につけておりませんが、利用計画は、先ほどの西武鉄道と同じように分譲宅地となっております。
 それから、同じく昭和四十七年度に、野村不動産、横浜市港南区野庭町に所在しておりますが、数量が一万七千六百四十二平方メートル、価格は一億五千四百五十五万一千円でございます。これも畦畔でございまして、同じように特に用途指定はつけてございません。
 以上が、不動産業に対しまする七件でございます。
 あと三件申しましたのは、これは京浜急行電鉄、これは横浜市港南区下永谷町に所在しております一万六千五百三十五平方メートル、価格は一億五十三万五千円、これも畦畔でございます。
 それから同じく京浜急行電鉄、横浜市港南区上永谷町にございます六万三十六平方メートル、価格は四億三千五百八十万六千円、これも畦畔でございまして、特に用途指定はつけておりません。
 それから、四十七年度、大成建設、横須賀市長沢に所在しております四万八千四百四十七平方メートル、二億四千九百四十八万七千円、これも畦畔でございまして、特に用途指定はつけておりません。いずれも宅造地内に介在しておりますまあこまかい畦畔の処理でございます。
 以上が、十件の内容でございます。
#99
○多田省吾君 前回の大臣の答弁の中にも、大半が里道、畦畔であるとか、あるいは隣接地であるとか、そういうことですから、これは特別なのだというお答えがありますけれども、東京なんかの場合、大体国有地を処分する場合は、ほとんどそういう民間との関係の場合は、等価交換とか、そういうことが行なわれているわけです。また、いままでずうっと借りていたものを、貸し付けていたものを相手方に売り払うと、こういう場合がありますけれども、いまお答えいただいたのは、ほとんど新たに民間の不動産業者に売り払ったという件が多いわけでございます。で、前回ですね、まあいまも大体少しずつ御答弁がありましたけれども、大半が里道、畦畔で、あるいは傾斜地であって、利用価値が乏しいから、土地の有効利用のために売り払って処分したと、このように前回も答弁があったわけでございますけれども、それはどこどこか、ちょっとはっきりと御明示いただきたいと思います。
#100
○政府委員(小幡琢也君) 畦畔が全体の十件のうち六件、それから、ため池が一件、それからあとの三件が宅造地域に隣接しております傾斜状の、何といいますか山――傾斜山地ですね、山林、岩石地、その三件が日本山林開発という、昭和四十四年度に処分したものと、それから四十六年度に東映不動産と昭和興成に処理したもの、この三つでございます。
#101
○多田省吾君 ほとんどが公開競争の入札ではなしに、随意契約になっているわけです。それで前回も、予決令第九十九条の二十二号に該当する「特別の縁故がある者」と、このように答弁されておりますけれども、これらの不動産業者とどのような特別の縁故があるのか、これは具体的にひとつ御説明いただきたいと思います。
#102
○政府委員(小幡琢也君) 宅造地域内に限らず、民有地内に介在しております畦畔、こういったものを処理する場合、これはやはりその地点につきましての特別の縁故ということで、その隣接の広い土地の所有者、あるいはその権利を承継した者に処分すると、これは予算決算会計令の第九十九条の二十二号の特別の縁故として処理するというふうにしているわけでございます。
 それから、もう一つのほうの傾斜状の山林というものにつきましては、これはただ隣接というだけでは、やはり厳格に考えます場合には、特別の縁故になるかどうかという問題もございますので、これはケース・バイ・ケースでございまして、隣接地と一体として利用したほうが有効な利用になるという判断に基づきまして、これは審議会にかけまして特別に取り扱うと、こういうことをしているわけでございまして、傾斜状の山林、岩石地は、いずれもその当時有利随意契約ということで、三割増しというのを適用いたしまして処理したわけでございます。
#103
○多田省吾君 この契約につきましては、やっぱり私もいろいろこまかい質問もしたいのでありますけれども、時間もございませんので質問いたしませんけれども、これには随意契約として処分できる法的根拠というものは、非常にいろいろうるさいむずかしい拘束があるわけです。これが全部一掃されているわけですね。これもちょっと疑問です。
 それから次に御質問したいのは、昭和四十三年の閣議決定で国有地、公有地の民間払い下げは原則として行なわないという通達がありますが、そういう原則を無視してまで、こういう大手不動産業者に払い下げた理由ですね、これをもっと明確にひとつはっきりさせていただきたいと思います。
#104
○政府委員(小幡琢也君) まあ、原則として民間に売り払わないと、これはあくまでも土地の有効利用という見地から出ているわけでございますが、こういった特殊の事情があります他の民有地に介在しております畦畔とか、単独利用困難な傾斜状の山林、岩石地といったもの、これはやはり物納財産なども同じでございますが、こういった特殊なものにつきましては、そういう処理もあえて不当であるというのはいかがかと思っているわけでございます。
#105
○多田省吾君 まず、先ほどもいろいろ御説明がありました中で、三件ですか、里道、畦畔の類だから用地を指定しないと、こういう問題がありましたけれども、里道、畦畔といいましても、私たちが実際に具体的に現地に行って調べておりますと、ここで想像するような田畑のあぜ道とか山林の細道、こういうものでなくて、山林のいろいろな斜面とか、のり地、くぼ地の類も含まれているわけでございます。この里道、畦畔という中にそういうものも含まれている。ですから、里道、畦畔といいましても、いろいろな種類があるわけです。ですから、幾ら隣接しているからといって、この里道、畦畔を国が払い下げをしなければ、その隣接地だけでは、そういう周辺の民有地を不動産業者が買収しただけでは、あのような現在行なわれているような大規模な開発造成はできなかったわけでございます。ところが、この国の里道、畦畔のそばに民間の土地を不動産業者がまず買収して、そうしてそれを目当てに開発造成をしようというもくろみがあったと想像できるのでございます。それで、いま次長がおっしゃったように、これは時価の三割増しだからという、こういう美名をくっつけておりますけれども、結局こういう里道、畦畔が、造成した場合の結果と比べれば、非常に有利な随意契約であり、もうほとんどあとから見れば、ただ同様の価格で不動産業者に渡っている。用途は何一つ制限していない。一たび不動産業者の手に渡ったこれらの国有地というものは、大きな機動力とそのバックにある膨大な金融資本の力で、もう山は全部くずされる。谷も埋められる。半年か一年足らずのうちに、もう整然とした高級宅地ができ上がるという、こういう寸法でございます。まあしかし、これには相当いろいろな元手がかかっているというようなことを言っておりますけれども、もう五十坪や六十坪の宅地が、何千万円という価格も生じているわけです。ですから、買収時の十倍あるいは何百倍という価格で売りに出されている。このように言っても過言ではありません。しかも、たとえば、四十四年以前に取得した土地に対しましては、現行の税制では土地保有税が全くかかりません。しかも、こういう土地ですから、絶景の高級別荘地あるいは高級住宅地というような美名で売られておりますし、また、地価の値上がりをじっと待っているというような姿もあるわけです。で、あとから私たち調べましても、なかなか住所表示とか、地名なんかも相当変更になりますし、また里道、畦畔類も図面の上ではあとかたもなく、昔の面影がなくなって非常に変わり果てている、そういう姿もあるわけでございます。そういう国有地が、この里道、畦畔類も含めて、どういう宅地造成地になっているか、そして一体どの程度の値段で売り出されているか、これはもう契約の場合も用途指定のあるものも、ないものもありますけれども、やっぱり大蔵省当局としては、その後の姿を調査する義務があると思いますけれども、もうすでに宅地造成地として売り出されているというような土地に対しまして、そのような調査をした事実があるのかどうか、その実態を知っておられるのか、この辺をひとつお伺いをしておきたいと思います。
#106
○政府委員(小幡琢也君) まあ、畦畔にもいろいろあるという御質問でございますが、これは地図をごらんになればわかりますが、非常に地形が細長い、狭長といいますか、とても単独で利用することが困難なような、そういったところばかりでございます。それから傾斜状の山林地につきましては、これはどうかというような問題につきましては、こういったものを相手方が申請してきます場合に、実は一つの例でいいますと、横浜の例でございますが、市が相手方に対しまして、宅造する場合に国有地も一緒にしてくれなければ許可をしない、そういうようなことをいう場合が多いわけです。要するに、どうせ宅地造成するのであれば、その隣接にありますちょうど傾斜状のところ、これは宅造によってくずれるという問題もあるし、これはやはり一緒にやってほしい、強く市当局から、そうしなければ開発の許可をしない、こういうような事情もございますので、ケース・バイ・ケースでございますけれども、それぞれ見まして、やむを得ない場合には処理するということにしているわけでございます。
 それから、御質問の分譲価格はトレースしているかどうかという問題でございますが、畦畔につきまして、これはまあ用途指定をつける余地もないということでつけていない。しかし、それはもう付近を見ますと、分譲の規格がちゃんとあるということでございまして、その分譲価格がどうかというのは、それぞれの件につきまして私ども参考までにとっております。それから畦畔ではない傾斜状の岩石地、山林地につきましては、これは用途指定をつけているわけでございますが、その用途指定をつけます場合に、やはり畦畔と違いまして、この国有地を取得して、それによって不当な利得を受けることは適当ではないということで、契約書におきましては、宅造の分譲価格を押えるという措置をとっております。それは適正分譲価格をこえる場合には、そのこえる分は差額を徴収するということを契約書にうたうことにしております。適正分譲価格とは何かといいますと、分譲が終わりましてから、その土地を積み上げで評価いたします。その場合に、民間の国の指定する不動産鑑定業者二者から評価をしてもらって、これが適正であるという価格を出してもらう、それをこえる価格につきましては、差額として徴収する、そういう措置をとっておりますので、決して宅造後の分譲につきましてトレースしていないということではございません。
#107
○多田省吾君 いまおっしゃった分譲価格はどのくらいか、参考までにとっているとおっしゃいましたけれども、一例か二例、どこの土地、どこの宅造地はどの程度であるということを、場所をおっしゃって、分譲価格を一、二例をあげていただきたい。
 それから第二番目には、いま二者から評価してもらって、その評価額よりも高い場合には、差額を徴収するのだということをおっしゃっていますけれども、その実例があるのかどうか、これも全部でなくとも、一例か二例ひとつあげて、どこの宅造地は非常に高い分譲価格を言っていたので、差額徴収したという実例があるのかどうか、これも一例か二例あげていただきたい。
#108
○政府委員(小幡琢也君) あとの御質問の適正分譲価格をこえた部分については、差額を徴収するというケースは、これは実はまだ分譲が終わっておりませんので、宅地造成が終わっておりませんので、そういった実例はないわけでございます。
 それから畦畔につきまして、参考までに分譲価格をとっているというところでございますが、例を申し上げますと、四十六年の野村不動産、これは横浜市戸塚区小菅ケ谷町の事例でございますが、四十七年に分譲開始をいたしまして、その分譲価格、これが平方メートル当たり五万五千円、それからもう一つ分譲が済んでおりますのが日本山林開発株式会社という、昭和四十四年度のケースでございますが、横浜市金沢区六浦町の所在ですが、これが四十七年の四月に工事が完了しまして、五月に分譲価格を出しておりますが、それが平方メートル当たり三万六千円、このような資料をとっております。
#109
○多田省吾君 そうしますと、大体いまおっしゃった中で、四十六年の横浜市戸塚区小菅ケ谷町の場合には、払い下げ価額の場合は、一平方メートル約九千円ですか、それが分譲価格が大体平方メートル当たり五万六千円と六倍以上になっているわけです。それからいまおっしゃった横浜市金沢区六浦町ですか、日本山林開発、この場合はちょっと計算しますと、平方メートル当たり五千円の払い下げ価格が、平方メートル当たり三万円ですか、そうすると、これも六倍ぐらいの値段になりますね。これはほかとまた比べなければわかりませんけれども、相当高くなっているように見えます。
 それから次に御質問したいのは、いまのお答えの中で、横浜市の場合は、一つの例として国有地の払い下げを受けなければ、開発の許可をしないということだった、こういう場合は、地元の公共団体と協議しているというような話が出ているわけでございますけれども、そのほかの例で、この国有地払い下げに対して地元の公共団体と全部協議をしているかという問題、用途指定もないようなのが三件ありますけれども、こういう場合は、地元の自治体と連絡協議もなく、一方的に話し合いによって払い下げしたものもあるのじゃないかと思いますけれども、そうなりますと、これはたいへんな問題が起こるわけです。最近そういう団地問題等で言われているように、このような大規模開発をやりますと、義務教育施設であるところの小学校、中学校、それから郵便局とか巡査の派出所とか、それから地元の要望する公共施設、こういうものがさっぱりなくて、宅地だけ、住宅だけどんどんできてしまうということが考えられます。そうしますと、地元の公共団体では都市計画もあり、もし大規模な宅地造成を行なうならば、当然住民と密着する遊園地とか児童公園とか、あるいは役所の支所、出張所、交番、郵便局、こういった公共施設も計画するはずでございます。もし造成されたあとでこういう公共用地を確保しようとしますと、ばく大な予算が地方公共団体で必要になってまいります。ただでさえ三割自治といわれて窮乏しているところの地方財政が一そう苦しくなる、こういうことも考えられますけれども、特に、横浜とか横須賀とか、首都圏周辺の地方公共団体というものは、まあ最近は町田市なんかでも非常に財政事情から反対しているというようなわけでありますけれども、大蔵省としてこの国有財産の払い下げという立場から、あらゆる場合に地方公共団体と連絡協議をした上で払い下げているのかどうか、その辺をひとつ明確にお答え願いたい。
#110
○政府委員(小幡琢也君) 宅地造成といいますのは、かなり大規模な開発行為でございますから、その場合には当然開発行為の許可が要るわけでございまして、許可ということになりますと、これは地元の地方公共団体が当然わかっているわけでございまして、当然国のほうも連絡をするということになっているわけでございます。
 それから、横浜市の例といたしまして、隣接の国有地も一緒でなければ市は開発許可をしないと、そういう例がある、それ以外はどうかということでございますが、畦畔というものにつきましては、これは宅造ということである一定の地域を地元と相談して対象にするわけでございまして、その中に介在しているということで、これは当然地元の地方団体が承知しているということになるわけでございます。
 それから、およそ国有地につきまして、地元と連絡なしにやっているかどうかという問題につきましては、これはまあ従来はそういった例がなきにしもあらずでございまして、若干適切を欠いた例もございますが、特に、最近二、三年につきましてはそういったことのないように十分注意して、国有地を処理する場合は、地元の地方団体に連絡してやっているというのが実情でございます。
#111
○多田省吾君 私は、やはり宅造なんかの場合は、里道、畦畔といえども用途指定をつけたほうがよろしかったのではないかという点が一点ですね。
 それからもう一点は、まあ幾ら時価三割増とは言っても、一億円か二億円の売り払い契約金でありますから、むしろ国民のためというならば、無償か、それに近い価格で払い下げて、用途指定の条件をきちっとつけて、それで一定面積を造成後必ず公共用地として国または地方自治体へ提供させるという、こういうような条件をつけてやったほうが、むしろ都市再開発とか、あるいは住宅地造成に適しているんじゃないか、このように思われますけれども、これはどう考えますか。
 私たちももう少し詳しく調べたいとは思いますけれども、もしそういうただ一方的に不動産業者の方々の申請に基づいて払い下げをして、そしてできた宅地が非常にミスの多いものであったとしたならば、これは私は、大蔵省にも責任がある。そうしないためには、やはりもっと慎重にそのように用途指定をつけたり、あるいは公共用地として提供させるとか、こういった条件をつけて都市再開発がスムーズに行なわれるようにすべきではなかったかと、このように思いますけれども、これは私の提案でありますけれども、どう考えますか。
#112
○国務大臣(愛知揆一君) いろいろ具体的な事例等にわたりましても、御意見を拝聴いたしましてごもっともなことが多いと私も率直に感ずる次第であります。
 土地問題は、ことに今日における最大の問題でありますし、それから御案内のように、政府としても、税制の上でも、国土総合開発法の上でも、広範に総合的な対策を講じているわけでありますから、国有財産の処理や管理についても、こうした新しい状況下において、特に、それらの要請及び総合的な対策に合致するような方角で、特に、新しい発想の転換が必要であると、こう思っておるわけであります。今回この国有財産法の改正案を御審議願っているのにも、そういう趣旨も含めてあるわけであって、国有財産法というのは、申すまでもなく、財政法にその源を発している一つの基本法でございますから、この改正だけでそうした目的に合致するものとは思いませんけれども、この改正法の場合においても、現下の都市問題都市開発問題等にも十分資し得るようにというような趣旨が盛り込まれているわけでありますから、この際、政府の処理方針といたしましては、過去の処理について、いろいろの御批判があって、ごもっともな点も多いと思いますし、それから、われわれとしても、いまから考えれば、こうもやっておいたほうがもっとよかったかと思う点も率直に申してありますから、それらを十分考えの中に入れて、これからの処理については、いまも御提案になりましたような点は十分取り入れてまいりたいと、いまの多田さんの御提案のみならず、当委員会においていろいろの御意見や御批判をいただいておりますから、そういう点は十分考慮の中に入れて対処していきたいと、こういうふうに考えるわけであります。
#113
○多田省吾君 それから次長に、二、三点また具体的な問題でお尋ねしたいのですけれども、いまのような不動産業者に十件払い下げを行なったわけでございますけれども、払い下げ面積数量が、政府の発表数字のような数量であったのかどうか、実際はもっと多かったのではないかという疑いもありますけれども、これはきちんと測量したのかどうか、これが一点。
 第二点は、この払い下げ国有地の中に一部宅地が入っておりますけれどもこれをどう考えるのか。
 第三点は、いまおっしゃったような不動産業者、特に、日本山林開発なんていうのは、どこを調べてもそういう会社がどういう会社なのか不明でございますが、このような買い受け不動産業者が、いわゆるダミーを使っているのじゃないかというような疑いもありますけれども、また、大手不動産業者や、大手金融業者が裏面で工作しているような疑いもありますけれども、そういう事実がないのかどうか、この三点を具体的にお伺いしたい。
#114
○政府委員(小幡琢也君) 第一点でございますが、この数量は、これは非常な努力をいたしまして、実測をいたしますので、実測数量でございます。
 それから第二点でございますが、まあ一部に宅地があるのではないかという御指摘でございます。これは横須賀市馬堀町に所在の昭和興成に売り払いました件だと思いますが、全体で一万八千五十三平方メートルのうち、現状が宅地であった部分が三千百三十三平方メートル入っているわけでございますが、これは宅地造成をいたしますときの、まあ道路からそこに入る通路部分になるところでございまして、そこに従来民間の個人の方がここを占拠していた、その借地権を相手方が譲り受けたという形にいたしまして、そこを通路にしたいということでございますので、この宅地造成の一環としてやむを得ないのではないかと、しかも、その評価につきましては、私どものほうは、ほかの畦畔とか山林と違いまして、宅地としての高い評価をその部分についてはしているわけでございます。
 それから、第三点の日本山林開発という会社の問題でございますが、これは、実は宅地造成の業者は、東信不動産という会社でございまして、東信不動産がこれを造成する、それの工事の請け負いが日本山林開発でございまして、その国有地のほんの一部でございますが、それについては日本山林開発から申請があったということになっておるわけでございます。
 それから、東信不動産という会社を調べてみましたところ、これは三井信託銀行の不動産部から販売委託を受けておる、いわば三井信託の子会社というような形、それで、日本山林開発はその東信不動産から請け負いの委託を受けておる、そういう形になっておるわけであります。
#115
○多田省吾君 時間がありませんので、最後にお伺いしておきますけれども、東映不動産と昭和興成株式会社というのはどういうものなのか。あるいは、野村不動産というのは野村証券と関係があるのかどうか。この二点だけお尋ねをしてまた次回に譲りたいと思います。
#116
○政府委員(小幡琢也君) 東映不動産といいますのは、これは東映の系列会社でございます。
 それから、野村不動産、これは野村証券の系列会社でございます。
 それから、昭和興成という会社でございますが、これを調べてみましたら、昭和三十一年に評立された資本金三千六百万の会社でございまして、ただ、特別の系列下にはないということになっております。
 以上でございます。
#117
○委員長(藤田正明君) 本案に対する本日の質疑はこの程度といたします。
    ―――――――――――――
#118
○委員長(藤田正明君) 次に、物品の一時輸入のための通関手帳に関する通関条約(ATA条約)の実施に伴う関税法等の特例に関する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、去る七月三日趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#119
○竹田四郎君 ATA条約に関連する法律案に入る前に、幸い大蔵大臣御出席でございますから、大蔵省内部の綱紀の問題について一問だけお尋ねしておきたいと思います。
 過日、安川国税庁長官が、あるハイヤー会社の車に追突をされたわけでございます。追突したということは、これはハイヤー運転手に、私は、重大な問題がもちろんあろうと思います。その点については、必ずしもまあ雨の降った日ではあるけれども、適切な運転ではなかったと思うのですけれども、追突されたからといって、運転手を往復びんたでなぐるということは、これは私は、だれが追突されたにしても、感情として憎む、あるいはおこるという感情は、私はわからないことはありません。それはそれとしてあろうと思います。私も追突された経験ありますから、いやなやろうだなと、もっと慎重に運転しろという、そういう気持ち、あるいはそういうことばというものはわかりますけれども、しかし、暴力をふるったという問題ですね、これは許されない。幾らそれが国のお役人であれ、あるいは個人であれ、追突されたから、そのお返しに暴力をふるう、このことは私は許されないと思うのです。まあ、相手がハイヤー会社という、大蔵省あたりにも関係のある、いろいろ使っているホテルの同系列のハイヤー会社であるというようなことがあって、本人は事態としては示談が成立したことであるから、それは問題は大きくしたくはないという気持ち、あるいは会社側のそういう考え方もあったと思うのですけれども、しかし、いずれにしても、国税庁長官ともあろうものが、一介のハイヤーの運転手に往復びんたを食らわすということは、私は、これは許されることではないと思うのですが、大臣は、そういうことは、高級官僚はやってもいいというふうに思っていらっしゃるのかどうか。私は、すべきではない。必要な要求は、それぞれの手続によって要求するなり、処罰を要求するなり、一定の手続があろうと思うのです。それを、いきなりおりていってなぐるということは、だれでも人間である以上は、そういう形はとるべきではない。特に、日本のような法治国家においては、それぞれの手続というのはさまっているわけでありますから、おのおの公的な手続をとって、それによって要求すべきものは要求するというふうにすべきであって、いきなりおりていって横っつらをひっぱたくということは、私は、普通の人でもほとんどこれはあり得ない、まるでやくざ的な行為だと、こういうふうに思うのですが、大蔵大臣、それどういうふうに思いますか。
#120
○国務大臣(愛知揆一君) 事柄の事実関係その他についてはいろいろと事情の説明も申し上げるべきだと思いますけれども、それはともかくとして、安川長官がこういう事故と申しますか、行為をやりましたことについては、私は、まことに遺憾なことである、いずれ本人からも陳謝を申し上げると思いますけれども、私も本人にかわり、また私の立場から申しまして、まことに申しわけのないことをいたしました、つつしんでおわびを申し上げます。
#121
○竹田四郎君 少なくとも国税庁長官という立場というのは、また特に、ほかの部局の長官とはやはり違っていると思うんですね。とにかく、国民から税金を取る立場の人であります。税務署あるいは税金というものに対する国民の考え方というものも、そうすなおな状態ではないと思う。一般的にはやっぱり余分に取られているんじゃないか、しかも、税務署における納税者への態度というものも、必ずしも親切な立場というものだけで貫いているものでもない、だから、税務署に行くのはみんなこわがるし、いやがる。そういう立場にある人が、そういう行為をするということは、これはやはり税務署全体、国税庁全体の国民に対するあり方というところに、私は、問題があると思うのですよ。そうした意味で、この問題は、たまたま私の知っている人の知人の知人であるということで、私は、あまりにもあのやり方がひどい、こういうことで訴えを受けたわけでありますから、そうした観点で、やはりこれは国税庁の姿勢そのものに問題があるのではないか、こういうふうに思うわけでありますが、そうした意味で、ただ単にこの問題を大蔵大臣がそのまま過ごしておくということになりますれば、国税そのものに対する信頼、こうしたものにも将来は響いてくるのだと。税金を取る者、取られる者、あるいは身分の高い者、低い者、そうしたことで、人間的な平等が失われる。それをこのままにしておけばそういう形になる。納税者の国税庁に対する信頼度というものも失われていくものだと。何でもかんでも権力をもってやっつけて、それで足りなければ暴力をもってやってくる。これでは税金を納める立場としては、まことに税金というものをみずから進んで納めるというような国民の態度というものを求めるにははるかに遠いものである。大蔵大臣としては、安川長官に対して、いままでどういうこの事後の措置をなさいましたか。この事後の措置についてお聞きしたいと思います。
#122
○国務大臣(愛知揆一君) 何ぶんにも本人がまだ入院加療中でもございますから、いずれ快癒いたしましたら、私も、直接本人の心境も聞いてみたいと思っております。
#123
○竹田四郎君 私も、これ以上この問題についてさらに突っ込んでいく考え方はございませんけれども、ただ単に、この大蔵大臣がその行為に対して――まあ入院してなおしているという点については私もたいへんお気の毒だと、早くひとつ全快をしていただきたいと、これは思います。しかし、そのなぐった行為というもの自体は、これはやはり大蔵大臣としては処置をすべきだ。まあどういう処置のしかたがあるか、私は詳しいことは知りませんから、具体的にこういう処置をしろという要求はいたしませんけれども、何らかの形で私は処置をすべきだと、こういうふうに思いますが、どうですか。
#124
○国務大臣(愛知揆一君) 事情もよく調べまして、本人の心境も聞いて、別途私としては処置をつけたいと、かように考えております。
#125
○竹田四郎君 ではこの問題終わりたいと思いますが、あとでひとつどういう処置をなさったか、その御報告はひとついただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
#126
○国務大臣(愛知揆一君) 承知いたしました。
#127
○委員長(藤田正明君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#128
○委員長(藤田正明君) 速記を入れて。
#129
○竹田四郎君 時間まいりましたら、大蔵大臣、どうぞ次の会へ回っていっていただいてけっこうでございます。
 私は、ATA条約というのは、あまり詳しく存じていないわけでありますけれども、これに加盟している国というのが、たとえば、社会主義国というものはほとんど入っていない、あるいは比較的まだ開発がおくれている国々というようなものがこれには入っていないわけでありますけれども、今後の日本の貿易というようなもの、通商というようなものを考えてみると、いままでのような、アメリカとの関係あるいはEC諸国との関係というようなものよりもむしろ下、というとたいへん語弊がありますけれども、経済発展がその程度にいってない国々あるいは東南アジアの諸国とか、こういうところとの通商関係というのが発展をさせなくちゃならないし、また、そういう関係というものを通商上改善をしていかなくちゃならぬ問題、たくさんあると思うのです。そうした点でちょっとこう、そういうところがなぜ一体入ってないのか。むしろそういう広範囲なものに世界の通商というものを広く、しかも、なるべく平等にやっていくという観点から考えますれば、そういうような国が進んで入れるような、そういうものにATAというものの加盟国というものをしていかなくちゃならないものだと思うのですが、そのためには一応あるいはこれへの加盟というようなものも、非常に手続的に簡単なものになっているというようにも思うのですが、これからわが国が貿易をやっていくという、そのためにいろいろな手続を簡便にしていくという点においては、そういう国々が入ったもの、そうしたものをさらに進めていくという考え方でなければならないと思うのですけれども、そうした国々には、さらにこれ以上に、一時輸入等のためにもつと簡便な方法でやっておられるのかどうなのか。むしろそういう国々には簡便にしてやって、やはり日本とのそうした見本品とか、あるいは展示品というものは、むしろこちらで受け入れていくというような体制が、私は、今後必要になってくるだろうと思うのですが、その辺との関係というものが一体この条約の中でどういうふうに考えられていくのか、この辺をひとつ御説明いただきたいと思います。
#130
○国務大臣(愛知揆一君) 一般的な考え方からいえば、お話しのように世界は一つで、イデオロギーを越えて、こうした商業取引、関税の問題というようなものが一体になって、相互にやっていくことが一番望ましい、これはもう私も同じような考え方でございますが、たとえば、ほかのことを申すようでありますけれども、IMFのようなものでも、広くイデオロギーを越えて、ほんとうに文字どおりグローバルな機構になるようにということは、私もかねがね主張しているところでございますから、こうした関税、貿易に関する条約等についても、ほんとうに多国間、グローバルな姿になることが望ましい、その方向に努力をいたしたいと思っております。
 それから第二段の問題でございますが、この条約はともかくとして、これに参加していない国との間の日本のやり方でございますけれども、これはやはりレシプロカルに考えていかなければならないと思いますが、それらの条約に国々が入らない、その状態において日本としてはどうするかということについて、今後技術的あるいはいま申しましたような関係を考えまして、いろいろ検討していきたい、かように存ずる次第でございます。
#131
○政府委員(大蔵公雄君) 若干技術的な面に関して御説明をいたしますと、現在日本に対しまして外国から一時輸入の物品を持ち込みます場合に、まず、輸入申請をいたしまして、一年以内に日本から再び本国に商品見本等を持って帰る、こういうような場合には、保証金を積みまして、それで日本に対する一時輸入が認められるわけでございます。主として今回のATA条約に加入することによりまして、利便を受けますのは、たとえば、先方のある輸出業者が日本に輸出見本を持ち込みます場合に、ATAカルネ、いわゆる通関手帳、そのカルネと申しますところの通関手帳を持っておりますと、日本に対する輸入手続をいたしませんで、日本の輸入申請書等の書類の書き込みを必要といたしませんで、担保も積む必要ございませんで、日本に対して一時輸入が認められるわけでございます。逆に、発展途上国の場合には、そういう国々から日本に対しまして、先方からやってまいりまして、そういうケースというものはあまり多くないわけでございますが、それで日本から、そういう発展途上国、アフリカであるとか、あるいは東南アジアの国々に行く場合には、日本の輸出業者が非常にそれによって、先方の通関手続を行なう必要がないものでございますから、非常な利便を受けることになるわけでございます。主としてこのATA条約に加入するかしないかと申しますのは、その国々の、自分の、いわゆる自国の利益を主体としておそらく判断をすることになろうかと思います。したがいまして、現在、いわゆる通関の手続とか、あるいは評価の問題だとか、そういったようなものを国際的に統一をしようと、こういう国際機関が、御承知の関税協力理事会という機関が、ブラッセルに本部を置いてあるわけでございますが、現在それに加盟しております国が七十カ国ございますが、このATAカルネに加入しておりますのは二十九カ国でございます、そのメンバーのうち、主としてヨーロッパ諸国が中心でございますけれども、最近東西貿易がだんだんふえてまいりまして、いわゆる社会主義国の中でも、七カ国はATAカルネ条約に参加をいたしておるわけでございまして、現在のところソ連は参加をいたしておりませんけれども、もちろんいまのCCC、いわゆる関税協力理事会のメンバー国でも、現在ソ連はないわけでございますが、だんだん東西貿易がふえるに従いまして、ソ連自身も関心を非常に最近持ち始めておりまして、おそらくそう遠くない将来におきまして、関税協力理事会にソ連も参加をすることになるのではないかと、私どもかように考えておりますが、先般五月に初めて日本におきまして、いわゆる関税協力理事会の総会を開きまして、その際アジアのLDC諸国の加入がまだ数が少ないものでございますから、それに日本といたしましても積極的に早く加盟をしてもらいたいと、こういう意図もございまして、オブザーバーとして総会に招聘をいたしまして、相当多数のアジアの国からその総会にやってまいりまして、非常に強い関心を関税協力理事会に示しまして、おそらく今後発展途上国におきましても、それぞれの国の立場から検討の上、徐々にこのATA条約にも加入をしてまいる、かようなことに相なるのではないかと、私ども考えておる次第でございます。
#132
○竹田四郎君 特に、日本に対する通商関係のいろんな意味での苦情といいますか、あるいは非難といいますか、こういうものはかなりあるわけですね。そういう中で、どうもメンバー、この条約の最後に書いてあるのがおそらくメンバーであろうと思うんですけれども、こういう国々だけでこれが進められていく、それも私は、全面的に拒否するものではありませんけれども、やはり今後のこうした通関手帳によって商品見本というようなもの、あるいは展示会、そうしたことで相互の商品というものをお互いに紹介し合う、それによっておそらく貿易というものは拡大をしていくものであろうと思うんですが、いまのお話でも、その開発途上国の利用価値というのはあまりない。日本の利用価値は非常にある。こういうことでありますと、どうもぐあいのいいほうだけは非常に取り上げて便利にやらせるわけだけれども、あまりぐあいのよくないところは、どうも相変わらず通関手続が非常にやかましいというような形というものは、今後の日本がとっていく場合に、私は、あまり好ましい方向ではないんじゃないかというふうに思うわけであります。
 それで、いまアジアの諸国もオブザーバーとして、このATA条約に将来は参加をするという内容を含めてだろうと思うんですけれども、傍聴に来ていたり、いろいろ関心を示しているわけですが、将来アジア諸国がこのATA条約に一体どういうふうで、どのくらい、どんなふうに加盟をしていくのか、あるいはこの次は入りたいというような意思表示をなさっているところがあるかもしれませんけれども、その動向というのは具体的にどんなふうになっていますか。
#133
○政府委員(大蔵公雄君) ただいま私が申し上げましたのは、いわゆるATA条約と申しますよりは、ブラッセルに本部を置くところの関税協力理事会に対する加盟の意思ということでございまして、今回フィリピンその他、現在のところ加盟をしておらないアジア諸国が、京都におきまして五月に行なわれましたところの関税協力理事会の総会に、オブザーバーとして招待をいたしましたところ、相当参加をしてまいりまして、それで自国に帰ってぜひこの加入に関して検討をしたい、かようなような、一般の会話の中でございますけれども、かような話をして帰りました国がかなりございますので、私ども、どういうテンポで、いわゆる関税協力理事会にこれらの国々が参加をすることになるか、ちょっと判断はいたしかねますけれども、少なくとも非常に関心を持ち始めてきた、いわゆる国際的に通関の手続あるいは評価の問題、そういったことで、国際的に一つの、どの国に行っても同じやり方で評価をし、同じ品目表で行ない、あるいは通関の手続も、できるだけ似たような通関手続で済ませるようにしたい、こういう気持ちはどの国でも持っているわけでございまして、これをできるだけ統一をしようという目的をもって設立をきれましたのが、関税協力理事会だものでございますから、それに対してまず参加をする、参加をいたしました後に、関税協力理事会の中に幾つかの、これもその一つでございますけれども、ATA条約その他のいろんな数多くの条約があるわけでございます。したがいまして、まず、関税協力理事会に入りまして、しかる後、その中のどの条約に加盟をするかということは、それぞれの国の判断によって行なわれるべき事柄ではないかと、かように考えるわけでございますが、先ほど私の、ちょっと誤解を生じますといけませんので申し上げておきたいと思いますけれども、結局日本が、加盟をしておりませんところのほかの、いわゆるLDC諸国に、日本の輸出業者が参ります場合には、その国の通関手続に従って、一時免税の手続を保証金を積んでやらなくてはならない。したがいまして、日本がかりにATA条約に加盟をいたしましても、加盟していない国に参りますときには、やはり先方の国の手続に従って通関をしなくてはならないということでございます。加盟をしております国同士でございますと、それぞれお互いに担保の保証組織その他が完備をしておりますので、加盟をしているもの同士の輸出入の場合には、お互いに通関手帳一つで、それぞれの国の通関手続をしなくても、簡便な方法で輸出入を行なうことができると、かようなことでございまして、先方、LDC諸国でございましても、この条約に加盟をいたしますれば、日本に入りますときに、同じ手続で日本に入ってくることができるわけでございまして、通関手続の場合に、レシプロカル、互いに相互主義という観念が相当世界的に発達しているわけでございまして、このあたり、こういう問題に関しまして、手続に関しまして、現在のところ日本に対して不満を述べているというようなことはございません。
#134
○竹田四郎君 私が、日本に対して不満を述べているというのは、全体としての通商貿易関係に関連して、日本に対する非難というものがある。そういう中で、やはり関税手続というものがやっかいなのか、簡略であるのかということは、かなり大きな貿易上の障害になる、ならないの問題だと思うのですが、開発途上国がこれに進んで、理事会には七十カ国程度入っているというのですから、これはかなり大半が入っているということが言えるわけなんですけれども、ATA条約に加盟することに利益を感じないという点は、開発途上国には一体どういうところがあるわけですか。
#135
○政府委員(大蔵公雄君) 私、先ほども申し上げましたように、一番これによって利便を得ますのは、いわゆる輸出国サイドだと思います。先方に参りましても、先方の国の輸入手続をしないでも、手帳一つ持つでまいりますれば、すなわち本国で手帳の上に必要事項を書いて、先方の税関に提出をすれば、それによって比較的簡単に先方の国に入ることができるわけでございます。したがいまして、おそらく現在の段階におきまして、LDCの立場から申しますると、要するに、いわゆる先進国から自分の国に入ってくる人間の数のほうが、LDC諸国からほかの先進国に対して行く場合よりは、数が多いわけだろうと思います。したがいまして、かりにこの条約に加入をいたしましても、得をすると申しますか、利便を受けますのは、その国に対して入っていくところの、いわゆる先進国側が利便を受けて、自分のほうはそれにせっかく入っても、あまりそれによって得るところはないという判断が、おそらく主たる原因ではないかと思います。この条約に加入をいたしますのに、別に代金その他を必要といたすわけではございませんものですから、もし自分の国の立場から判断をいたしまして、入ることが自分の国にとって利益があるという判断をいたしましたならば、LDC諸国も、このATA条約に加入をすると、こういう考え方になるのではないかと思います。関税協力理事会におきましては、LDC諸国に対しましても、できるだけこの条約に加入するほうが利便が多いから、加入をするように勧奨をしているように私聞いております。
#136
○竹田四郎君 確かに、やっぱり貿易市場というものを開拓する上に、これはあったほうが非常に便利だという、これはわかるわけですけれども、開発途上国が、まあたとえば、日本に対して品物を、日本が開発途上国の市場になっていないというところに、まあこの条約に入る利益というものを感じないということでありますけれども、この点は、やはりいまの日米関係の農産物等々を見てみましても、これは決して将来のために考えてみますと、そう順調にいきそうもない、かなりの摩擦というものは当然出てきそうだという点から考えますと、やはり東南アジア等の、あるいはアフリカを含めて考えていいと思うのですけれども、開発途上国からもっと物を買っていくという日本の通商態度ですね、このものがない限りは、やっぱりこれに入ってくるという利益というものは、開発途上国には与えないということになると思うのですが、その辺は、日本の、開発途上国からもっとひとつ基礎的な物品を買うという、そういう態度というものをもっと打ち出さなければ、やはりこれが金持ちの国々の間だけの便利さに終わってしまって、先ほど大蔵大臣の言ったグローバル的なものになっていかない。そうなってまいりますと、むしろ私は、場合によっては、南北の対立というものを生んでいくひとつの象徴的なものにならないとも限らないような感じがするわけですけれども、その辺は、やはりもっと開発途上国から物を買うという態度、これがなかったら、南北問題というのは解決できないと思うわけですよね。そういう態度というものを、もっと進めていく役割りというものを、当然今日の日本というものは持つべきであるし、そういうことをしていくことによって、とかくまあ孤立の立場に追いやられる危険性の多い日本というものが、やはりグローバルな形にいまは指導権を持たなくちゃならない、そういうときであろうというふうに思うのですけれども、そうした意味で、日本の通商政策というものを、もっと変えていく必要があるんじゃないか、そういう中でこういうものが進められ、開発途上国も、そうした関税上の利便を受けていくというふうにすべきじゃないかと思うのですけれども、これは政務次官どうですか。これは関税局長だけの問題ではない、日本の通商政策そのものに関連してくるわけでありますから、そういう点で、もう少しそういう方面を押し進めていかないと、いまの日本の、たとえば、いろいろな輸入物品の危機という問題も、私はやっぱりそういうものにつながっているような気がするのです。だから、一国から変なことをされる、あるいは一つの国に問題が起きるということになると、それが直ちに日本国内の産業に大きな影響が出てくるということでありますから、そういうものの扱いというものは、やはり政策を転換をし、それに伴う国際関係というものも、改善をしていかなくちゃいかぬじゃないかと思うのですけれども……。
#137
○政府委員(山本敬三郎君) ただいまお話しのように、関税条約自体が水平貿易の象徴的なものになる、それほどウエートが高いのかどうか、私は詳しくは存じませんけれども、やはり異常気象と農産物の不況、不作という問題が明らかに出てきておりますし、人によっては、アメリカは、核のかさの中に入れるという形ではなしに、資源一か、あるいは食糧、農作物等で、自分の国家的な目的を達成しようという動きをするのではないかという見方すらされる時代であります。そういうときであるから、そうでなくてさえも必要なことでありますから、そういう時期でありますだけに、さらに何かしらんあるいはLDCの諸国との間に、LDCの諸国のプラスになることが間接に日本にプラスになる、そういう政策は大胆に進めていかなければならぬときだというお説ごもっともだと思います。
#138
○竹田四郎君 その辺をひとつ今日段階のわが国としては、進めていかなければ、この一つのATA条約だけをいじっていても、これはやっぱり問題にならないし、むしろその辺は相当慎重に扱わないと、やはり南北問題をさらに激化させるということになる、その辺にひとつの危惧を感じているわけでありますけれども、そのようにひとつ転換をお願いをしたいと思うのですが、大体いま次官のお話しの中でもあったわけですが、商品見本とか、あるいは展示会とか、そういうもので、いままではこれに対する条約はなかったわけでありますから、いままでは再輸出の免税制度を利用してやったわけでありますが、今回のATAについては、何ですか、加工と修理関係ですか、これについては除外をされるというふうな趣旨のことが書いてあるわけでありますが、そういうものを除外して、具体的にいままでこの再輸出免税の制度で取り扱われた件数というか、あるいはそれの金額というか、それは大体どのくらいになっているものですか。
#139
○政府委員(大蔵公雄君) 今日まで、いまの先生御指摘のように、再輸出面で、関税定率法の第十七条で、今日までは再輸出免税が行なわれておったわけでございますが、十七条に関しまする今日までの件数並びに金額を簡単に申し上げますと、この四十四年度が、件数にいたしまして二百二十八件で、金額にいたしまして十一億六千五百万円、四十五年度が、件数にいたしまして三百六件で、金額にいたしまして十三億三千万円、四十六年度が、件数にいたしまして三百件で、金額にいたしまして十三億八千二百万円と、かような数字になっております。
#140
○竹田四郎君 この条約によると、この関免に対する対象物品といいますか、これがあるわけで、これはおそらく日本でも政令できめられることになるだろうと思うのですけれども、大体具体的にどういう物品をこれの対象にされるのか、もし、まあたくさんあるでしょうけれども、大まかなところひとつお述べいただきたいと思います。あとそれに対象にしようとする物品の、できたら一覧表というようなものもできることでありましょうし、おおよそ考えられていると思うんですけれども、そういうものありましたら、ひとつ一覧表として御提出をいただきたいと思います。
#141
○政府委員(大蔵公雄君) 私ども、現在、再輸出免税でこのカルネの対象といたしますのは、この関税定率法の第十七条に掲げてございますところの、その各号に掲げてございますところの、現在、再輸出免税が認められておりますところのものを、カルネの対象といたしたいと、その中から、先ほど先生御指摘になりましたように、加工並びに修繕、この二つの項目を除きまして、関税定率法の第十七条に掲げてございますところのものをカルネの対象といたしたいと、かように考えております。
 なお、なぜ加工並びに修繕のものは対象としないかというと、このATAカルネ条約それ自体におきまして、加工並びに修繕のものはこの対象としてはならないことに条約それ自体がなっておりますので、これは十七条の中からこの部分は除きたいと、かように考えておるわけでございます。
#142
○竹田四郎君 こういう例はいままであったと思うんですが、たとえば、中国が日本で見本市をやると、展示会をやるという形で、その中ではかなり即売会等が行なわれたわけです。そういう関係は、このカルネでは認めないというんですか、そういうものもある程度認めていく、そしてその国々の新しい製品を広く紹介するというような展示会というようなものは一切認めないのか。
 それから、いまの再輸出免税、このカルネの場合に、もしそれが再輸出されないものについては、あとで関税を取るという形になっていると思うんですけれども、いままで――先ほどの件数、四十四、四十五、四十六にわたって、件数と金額が述べられましたけれども、いままでも関税定率法十七条によるので入ったのと、それから、途中で輸出されないで国内で売られたのか消費されたのか知りませんけれども、そういう数量というのは相当違いが出てきているものなのかどうなのか、その二問、ひとつお願いしたいと思います。
#143
○政府委員(大蔵公雄君) これは文字どおり、このカルネは、再輸出免税のための手帳でございまして、いわゆる日本の国内におきまして輸入されたものが販売をされました場合には、すなわち関税は取らなくてはならないわけでございます。したがいまして、このカルネは、もともと日本の中におきまして即売をするつもりで入ってくるものに対しては、この通関手帳を使用することはできないわけでございます。
 それから一回、そのいまの再輸出免税の手続をとって後、日本においてどの程度即売、要するに、売却その他の行為が行なわれたかと、この数字に関しましては、私どもその場その場におきまして要するに税金を取ることになるわけでございますから、どの程度、少なくともここにただいま私が申し上げましたものは、日本に入ってきて、そのまま本国に送り返されたものということでございまして、そのために免税額がどのぐらいであったかという数字は持っておりますけれども、その間どのぐらい日本で一体売られたかという、こういう数字に関しましては、私ども、ただいまそういう数字を集計をいたしておらないわけでございます。
#144
○竹田四郎君 カルネはそれを取り扱わないから、今後もそういうことはない、原則的にはないわけでありますけれども、しかし、法案、あるいは条約上には、そういう場合もなきにしもあらずということで、やむを得ない形で、それがどうしても不可抗力で出られなかった場合には、あるいはそれは免税措置になるかもしれませんけれども、いろいろな形が私はあるだろうと思いますけれども、そういう点に対する予防的な措置として、あるいは一一〇%の担保を積ませるとかなんとかという規定もあるということは、当然、そういうものが途中から外へ抜け出てしまう、再輸出をされないで、その国で売られるなり、あるいは贈与されるなり、いろいろなことがあるだろうと思います。そういうことがあるから、かなりきびしくそういう面について条約上も規定されておりますし、保証の問題もそういうことがきびしく書いてあるんだろうと思うんですが、きびしく書いてあるかということは、いままでこれを使ってやっていないことは、そういうことがあったということの逆証にも、私はなるような気がしますから、一体そういうものはどういうようにされているのかと、いままでのものはどうであったのかと、特に、私は発展途上国との場合というものは、そういう形のものがかなり多くなるんじゃないか、この条約に加盟しているいわゆる水平的な場合には、比較的そういうものは少なくても間に合うんでしょうけれども、今後、ATA条約をそうした問題に広げていくという場合には、やっぱりそういうようなことがかなりある地域の特産品だとかなんとかという関係で非常にあるんじゃないだろうか、その辺に一つのカルネの障害というものが出てくる可能性があるんじゃないのかと、そういうためにお聞きしたんですが、数字がないということになれば、これはしかたがないですが、それはしかしある程度つかんでいるんじゃないですか。
#145
○政府委員(大蔵公雄君) 失礼いたしました。私のところに、手元になかったわけでございますが、大体実績は、要するに、再輸出免税の認可を受けまして、その後、用途外使用ということで再輸出されませんで、国内において使用されましたものの実績、すなわち、追徴税額というかっこうで出てまいりますけれども、四十五年度の場合、追徴税額にいたしまして約二千七百七十万円。四十六年度におきまして二千一百十五万円。それから四十七年度におきまして四千九百万円、こういったようなものが、その用途外使用の実績として出てまいっております。
 なお、カルネによりまして途中、要するに再輸出されませんで、日本の国内にとどまりました場合には、その際、当然いわゆる関税を払ってもらわなくてはならないという事態が起こるわけでございますが、そのために、いわゆるカルネの発給団体が保証団体になってもらうわけでございまして、これが要するに現在のところ、各国、国際商工会議所が民間協定をつくりまして、それぞれの国に一つずつ保証団体を設けると、かようなシステムになっておりまして、おそらく日本の場合、日本商工会議所がその保証団体になろうかと思いますが、簡単にカルネによりまする手続を申し上げますと、カルネによって入ってきたものが、一定の期間以内に日本から出ていかなかった場合には、まず、保証団体であるところの日本商工会議所が、その税額を立てかえ払いをいたすわけでございます。しかる後に、立てかえ払いをいたしましたところの日本商工会議所は、たとえば、その相手国の輸出者がドイツであった場合に、ドイツの保証団体であるところのドイツの商工会議所に対しまして、自分が立てかえたものの支払いを要求をするわけでございます。そういたしますと、ドイツの商工会議所は、日本の商工会議所に対しまして、これもまた立てかえ払いというかっこうで、日本の商工会議所に対しまして払いまして、そのドイツの商工会議所は、ドイツ側におきまするところの輸出者に対しまして、その自分が立てかえて払ったところの税金の追徴をすると、追求をすると、かようなかっこうになっておるわけでございまして、それぞれの保証団体が各国の税関に対しましては、取るべき関税に対してはこれを支払うということが義務づけられるかっこうになるわけでございます。
#146
○竹田四郎君 そこでちょっと私よくわからないんですが、たとえば、いまの逆の例でいきますと、日本がドイツに見本を出しておると、そしてそのカルネを利用すると、向こうでそれがどこか国内で行っちゃったということになれば、逆の意味で、日本の商工会議所にその金が最終的には要求されるということになりますね。それと、こちらで向こうに見本市を出した団体といいますか、あるいは個人といいますか、この関係というのは、必ずしも日本商工会議所へ入っていなければならないという関係にあるんですか。そうなると、カルネの利用というのは、商工会議所に入ってなければカルネの利用はできないということになるのですか。それ以外のものはカルネは使えないということになりますと、商工会議所がこういうことをやるのは、商工会議所に、逆に言えば強制的に入らなければ、カルネの利用はできない。一般の者にはそれはできないんだというような形になるわけですが、その関係は具体的にどう処理をなさいますか。
#147
○政府委員(大蔵公雄君) いわゆる商工会議所はカルネの発給機関になりますと同時に、カルネの保証者になるわけでございます。商工会議所のメンバーである必要は全くないわけでございまして、要するに各地の、たとえば、いろんな実際上の手続はこれからつくり上げますけれども、要するに、日本商工会議所に参りまして、いわゆる手帳発給をしてもらう。発給をしてもらう場合には、一定の手数料を商工会議所に対して支払う。これは商工会議所のメンバーであろうが、商工会議所のメンバー外のものであろうが、要するに、カルネを発給をしてもらいたいという輸出者はその商工会議所に参りまして、カルネを発給をしてもらうということになりまして、そのカルネを持ちまして、手帳を持ちまして、ドイツならドイツに輸出者は参るわけでございます。先方の税関に対してこれを提出をする。ところが、その提出をした人間が、ドイツの中におきまして、日本に持ち帰るつもりであったものを先方で売ってしまった、こういったような場合には、ドイツで関税を払わなくてはならないわけでございます。そういたしますと、ドイツの税関は、ドイツの商工会議所に対しまして、その金額の請求をいたしますわけでございます。ドイツの商工会議所は、日本の商工会議所に対しまして請求をする。日本の商工会議所はその最初にカルネを発給した人間に対しまして、おまえの税金のかわりにおれが払ったんだから払えということで請求をする。そのカルネを発給いたします場合に、必要に応じて日本の商工会議所は請求者から担保を取っておりますので、日本商工会議所はその担保を利用いたしまして、そのカルネを持った者から税金相当分を払ってもらう。かような手続になろうかと思います。
#148
○竹田四郎君 そうしますと、手数料の中にその担保の金も入るわけですか。一一〇%に及ぶ金というのは、手数料と一緒に払われるのですか。手数料とは別個に、保証する限度の金額というものは、日本商工会議所に支払われる。それと一緒にカルネが発行されるということになるのですか、あとでそれは請求をするということになるのですか、どっちなのですか。
#149
○政府委員(大蔵公雄君) 手数料と申しますのは、カルネ条約それ自体におきまして、できるだけ収支相償う程度のものでなくてはならないということになっておりまして、手数料というものは非常に安い、要するに、まさしく実費そのもののようなものになると思います。私どもも、これはできるだけ安いものにしたいと指導いたしたいと考えておるわけでございますが、一方輸出するものは、物によりまして金額の大小があるわけでございます。したがいまして、担保それ自体は、発給者とその商工会議所の間の話し合いによりまして、どの程度の担保を積ませるかという問題は、個々の具体的なケースによりまして変わってくることになると思います。したがいまして、手数料の中に担保が含まれているというわけではございません。
#150
○竹田四郎君 そうするとあれですか。商工会議所の会員であれば担保はあとでもいいけれども、商工会議所の会員でない場合には事前に担保を積ませる、金額はいろいろいまおっしゃったような形で物によって違ってくるでしょうけれども、ドイツの法律に基づいて関税がかけられるであろうという金額ですね、そのくらいのものは担保を積ませるんですか、あるいはそれは返ってくれば、その間金寝ちゃうわけですからね、完全に。ですからあとから実際そういう予定外のことが起こった場合には、あとから支払うとか、あるいはその事前に一定額というものを、これも全部売っちゃうということじゃないんですから、ある点では返ってきますから、全額積ますのか、半額積ますのかわかりませんけれども、その辺はどういうふうな形になるんですか。
#151
○政府委員(大蔵公雄君) いかなる程度の担保を積むかというのは、いわゆる保証者たる商工会議所の判断であろうかと思いますが、私どもといたしましては、国際的に商工会議所が、各国に認められた唯一の保証団体である以上、商工会議所のメンバーであったほうが有利であるというような事態は、好ましくないと考えておりますので、要するに、商工会議所のメンバーであろうが、商工会議所のメンバーでなかろうが、その積むべき担保のあり方に関しましては同じであるべきだと考えております。したがいまして、今後実態、運営上どの程度の担保を積ませるかということに関しましては、日本におきまする保証団体となるところの商工会議所ともよく話をしたいと考えておりますが、これはやはり発給を申請をしてくる人間の信用状況にもよろうかと思います。したがいまして、そういったような点を勘案をいたしまして、そうおそらく全額を、輸出貨物の代金全額に相当するものを担保として積ませるということは考えられませんで、おそらく関税相当分の一部を担保として徴収をしておけば、事態は誤りないということになるのではないかと思いますが、その点は輸出者の便利のために創設をされた制度でございますので、その点をよく考えまして、この機構をつくり上げたいと、かように考えておるわけでございます。
#152
○竹田四郎君 もうこれで終わりますけれども、関税相当額の一部というのはこれはなかなかむずかしい、また、議論の多くなるところだと思うんですけれども、物品によっても違うでしょうし、あるいは資産状態によっても、信用状況によっても違うわけです。これはある程度できているわけですか、大体構想は。一部というのは、どういう種類のものについてはどのくらい、あるいは信用状況でどのくらいというような、ある標準といいますか、標準がないと、これはおそらく先へいってそのまま返ってくるのか、あるいはいまの設例では、西ドイツであるいはそれがどうしてもこの際要るんだから、それを譲ってくれというような場合もあり得ると思うんですよ。ですから、必ずしも確定した形で出ていくわけじゃないんですから、不確定な状態の中で出ていくわけですから、出すものにしてみれば、金融が詰まっているときはおそらくあまり担保積みたくないでしょうし、金融のゆるやかなときには、少しぐらい担保を積んでもそれは文句を言わない、その辺は場合によっては、私は、一つの争いになり得る問題だろうと思うんです。ある一定の基準というものがあれば、その基準に従って、当然やらなくちゃならぬということでありますから、その辺もひとつ争いのないような形というもの、一定の基準というもをの、やっぱりつくっておく必要があるんじゃないかと思うんですが、大体もうそういう構想はできているんだろうと思うんですがどうですか。
#153
○政府委員(大蔵公雄君) 実は、各国のすでにありますところの商工会議所が、カルネを発給するところの発給手数料、あるいはどの程度の担保を取っているかという例を調べましたところ、各国ともそれぞれその手数料の取り方も違いますし、また担保のとり方も、徴収のしかたも違っているわけでございます。たとえば、アメリカでございますと、比較的担保の額は高いわけで、カルネを使用する物品の価格の合計額の四〇%に相当する額を担保といたしておりますし、イギリスの場合には、相手国の当該物品に適用している税率のうち、最高の税率から計算される輸入税の額の一〇%に相当する額を加えた額、要するに一一〇%、輸入税プラス一〇%という額を担保として徴収をしております。こういうように、各国ともそれぞれ違った基準をもって担保の設定をやっておりますが、現在のところ私ども日本商工会議所が、このただいま御審議をいただいております法律の第五条に基づきまして、要するに保証者になりたいという申請を大蔵大臣に対して提出をいたすことになっておりますが、日本商工会議所におきましてまだ現在その案を検討している段階でございます。したがいまして、この保証団体としての認可を与えます際に、手数料並びに担保のあり方等に関しましては、日本商工会議所の意見も参考といたしまして、できるだけこれは輸出者に利便になるようなことを考えまして私ども設定をいたしたいと、かように考えておるわけでございまして、現在のところ最終的にどういう担保を取るかという最終案が先方からまだ――これは担保をどういう形で取るかと申しますのは、保証者たる者と輸出者との間できまるべき問題でございますので、私どもの意見はまだ申していない段階でございます。どういう案を持ってくるかということを見ました上、最終的に決定をいたしたい、かように考えておるわけでございます。
#154
○竹田四郎君 その点は、せっかくこういう便利なものができて、担保の額が多過ぎるということになれば、手続は簡便になるかもしれませんが、寝る金の額は多くなるということで、手続上の問題ではなくて、今度は経営上の問題に、金銭の問題に関連してくるわけでありますから、日本商工会議所がどういう考え方を出してくるかわかりませんけれども、ある意味では、日本商工会議所としては、自分が担保者であるわけでありますから、保証者であるわけでありますから、なるべくたくさん取っておきたいという気持ちはあると思います。しかし、あまりたくさん取るということになると、便利なものがかえって不便になるという逆作用も出てきかねないわけでありますから、その辺はひとつ商工会議所の意見をそのまま入れるということでなしに、やはり十分検討していただきたいと、こういうように思いますが、またそういう案がありましたらひとつ教えていただきたい、こういうふうに思います。きょうは以上で終わります。
#155
○委員長(藤田正明君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にいたします。
 次回の委員会は、十二日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時十二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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