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1972/04/12 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 外務委員会 第6号
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1972/04/12 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 外務委員会 第6号

#1
第071回国会 外務委員会 第6号
昭和四十八年四月十二日(木曜日)
   午前十一時七分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月五日
    辞任         補欠選任
     星野  力君     渡辺  武君
 四月六日
    辞任         補欠選任
     渡辺  武君     星野  力君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         平島 敏夫君
    理 事
                佐藤 一郎君
                山本 利壽君
                田  英夫君
    委 員
                岩動 道行君
                木内 四郎君
                杉原 荒太君
                八木 一郎君
                矢野  登君
                加藤シヅエ君
                小谷  守君
                羽生 三七君
                森 元治郎君
                渋谷 邦彦君
                星野  力君
   国務大臣
       外 務 大 臣  大平 正芳君
   政府委員
       沖繩開発庁振興
       局長       渥美 謙二君
       外務省アメリカ
       局長       大河原良雄君
       外務省経済局長  宮崎 弘道君
       外務省条約局長  高島 益郎君
       外務省国際連合
       局長       影井 梅夫君
       通商産業省企業
       局参事官     三枝 英夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        服部比左治君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○沖繩国際海洋博覧会政府代表の設置に関する臨
 時措置法案(内閣提出、衆議院送付)
○国際情勢等に関する調査
 (核兵器不拡散条約の批准問題に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(平島敏夫君) それでは、ただいまから外務委員会を開会いたします。
 沖繩国際海洋博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法案(衆議院送付)を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○森元治郎君 じゃ一つだけ伺いますが、大臣、実は高瀬君は子どものときから友だちだから――あの人、月給もらっていないのですよ。それで政府代表なんだよ。そうすると、今度はまたこれが通りますと、いまの政府代表をやめるのですよ。やめてまた政府代表、同じ肩書きの名前の政府代表になるのですね。要するに、これは銭をくれてやるためにこんなめんどうなことをしているわけだ、四十四万円の給与を。――一ぺんにできないのですかね、この行政管理なんというのは。こういうのがうんとあると思うのですよ。外務省では、特派大使とか政府代表とかいうのはこれはお金がつかない、無給だ。外務省で任命するときに、仕事をしてもらうために任命るのですから、しかも政府代表はかばんさげて客寄せにこう全世界を回るわけでしょう、どうぞおいでくださいと。そうすると、外務省のほうでは、旅費と、日当くれるのかどうか、幾らかくれるのですよ。よほどこれは金の余裕のあるおっとりした人でないと、これは生活できないですね。やっぱり本気にやらせるためには、任命したときに、同時にその金を、給与を与えたほうがいいのじゃないか。こういうややこしい回りくどいことをしないで。単に政府代表ばかりでなく、これはすべての人事で、あると思うのですよ。こういうのは、外務省設置法の改正か、そんなところでやれば、もっと機動的にできるのじゃないかなと思うのですがね。政府代表の人がやめてまた同じ名前の政府代表がなる、どうも、それでこうやって大平大臣もいろいろお忙しいのだろうが、出てきて御質問を受けて、時間をかけて、与党のほうから早く上げろ上げろというふうに言われるわけですね。そんなめんどうな手間をかけることはないと思うのですよ。すべての人事には、これはやっぱり行政の簡素化に通ずると思うのですよ。どんなものでしょう。
#4
○国務大臣(大平正芳君) たいへんもののわかった御質問をいただいて感謝するのです。
 本来、これは立法府と行政府の間の問題でございまして、行政府から申しますと、いまは非常に御指摘のような点、不便を感じておるわけでございまして、行政府におまかせいただくために何らかの措置がやりたいのだが、まあしかし国会のほうをクリアすることは必ずしも楽じゃなかろうということでたじろいでおるというのが現在の状況でございます。いずれこの行政組織法の問題は、政府全体で立法府との間で取り組まなければならぬ問題だと思うのでございますが、本件につきましては、この間も御説明申し上げましたように、現在政府代表というお立場で、無給でお働きをいただいておる方に実質的な給与を差し上げるということと、それから、国と国との間で契約をやったりいろいろする場合のお立場を法的に固めるということを目的としておるわけでございまして、給料を差し上げるだけが本法案の目的ではないわけでございます。けれども、いま御指摘のように、これによって名実ともに政府代表が安心してお働きをいただけるような立場をちょうだいできるわけでございますので、とりあえずお通しいただきまして、この組織法上の問題といたしましては、森先生御指摘のように、何かそこに道が発見されなければならないんじゃないか。日本の国全体の能率からいってもあまり賢明じゃないんじゃないかという感じは率直に私もいたしております。
#5
○森元治郎君 お通しくださればなんと言うけれども、これはやはり本気に……こんなものはすべてにたくさんあるのですよ、手続だけをここでやっているのが。これはやはり人手も使うし、たいへんな行政上のロスだと思うので、御注意を申し上げたんです。
 私はこれについてそれ以上質問はありません、もう皆さんやってしまったから。
#6
○渋谷邦彦君 質問する前に、開発庁来ておりますか。
#7
○委員長(平島敏夫君) 速記をとめて。
  〔午前十一時十三分速記中止〕
  〔午前十一時二十六分速記開始〕
#8
○委員長(平島敏夫君) 速記をつけて。
#9
○渋谷邦彦君 前回、海洋博に関連した投機的な問題をお尋ねをいたしました。実は二、三日前も現地のほうから電話がありまして、土地の高騰がなかんずく著しいと。それが他の物価にはね返る影響というものもございましょうし、ひいては沖繩県民の生活の圧迫にもえらい影響を与える。この点を、政府の今後の取り組む姿勢についてきびしく追及、ということよりも、その対策を明確にしておいてもらいたいという要望があったわけです。それで、まず、本部の地域を中心とした、いわゆる海洋博に指定されている会場周辺の土地の買い占め、この実態がどうなっているのか、こまかいところまでは、いま時間がありませんし、それか尋ねようとは思いませんけれども、実態的に、本土からどういう、何軒ぐらいの商社が入って土地の買い占めをやっているのか、それをまずお知らせをいただきたいと思います。
#10
○政府委員(渥美謙二君) 土地の買い占め状況というのは、御承知のようになかなか実態がつかみにくいわけでございまして、私ども、現在、県を通じまして、いろいろ諸資料等も求めているところでございますが、まだ、はっきりした計数は持っておりません。それで、大体、沖繩全土の話ということになってしまうわけでございますけれども、たびたび国会等で御報告いたしておりますように、私どもの出先の総合事務局で、各市町村別に聞き取り調査をいたしまして、その結果、売買が確実だとか、推定されるものとか、あるいは賃貸の形をとっているけれども、どうも実資的にはそういう支配関係にあるのじゃないかと、こう言われております土地が、復帰をはさみまして一年半の間に約八千万平方メートル、沖繩全島についてなされている。特に、本部を中心とする北部関係ということで押えておりますが、これは国頭地方まで入りまして、かなり広範な地域になるわけでございますが、その北部地区では、大体三千万平方メートルぐらいがそういうものの対象になっているのではないかというふうに言われております。
#11
○渋谷邦彦君 私どもが昨年八月から九月の一カ月間現地調査をやって、ここに資料があるんですが、相当数の本土からの商社も入っておりますね。それから沖繩本島自体の企業も入っております。その数約三十社に及んでいるわけでありますけれども、われわれの段階でも、いろんな聞き込み調査等を通じまして、取得年月日、そしてまた取得された現在の土地の扱い方、いわゆる造成中であるかどうかという問題、その用途等についても、比較的苦労しながら詳しく調べたつもりですよ。で、先般も坪川さんが、沖繩のいままでの経過を十分踏まえつつ、そういうトラブルが起きたり、あるいは沖繩県民の生活の上で圧迫を加えたり、影響を与えるようなことはしない、全面的に、全力をあげてそういうことのないように対処すると、こうおっしゃられた。けれども、現実的にもうすでにそういう問題がありまして、御承知のとおり、もうすでに、海洋博がきまった時点あたりを中心として、土地の値段が二倍も三倍も上がっている、あるいはもう平均的に言えば三〇%上がっているわけですから、当然そのくらいの値上がりというものは、沖繩においては、そういう特殊性というものを考えれば十分推測もできるわけです。だから、開発庁としてそうしたような実態がまだいまだにつかめていないということは、やはりこれから約二年後に開かれる海洋博までの間にいろいろな問題というものが起き得る可能性というものが十分考えられはしないかという点については、もう一ぺんぼくはここで確認をしておきたいためにいま申し上げておるわけですが、どんなふうにそうしたすでに取得されたものについてもお考えになっていらっしゃるのか。それともう一つは、この海洋博実施について全く支障がないのかどうなのか、その辺はどういうふうに判断されていらっしゃいますか。
#12
○政府委員(渥美謙二君) まず第一点でございますけれども、御承知のように、復帰直後の混乱、それが海洋博開催というムードで若干あおられまして、断片的ではございますけれども、好ましくないような事態が起こっておるわけでございます。これを抜本的に解決しますためには、やはりどうしても沖繩県で土地利用計画というものを明らかにいたしまして、それぞれの土地の用途というものをつかみ、それにふさわしい規制をやっていかなきゃならないということになるのかと思います。まあ県のほうにおきましても、今度の六月の県会に、土地のそういったような関係の条例というものを用意しておられるようでありまして、いろいろ、造成その他については知事なり市町村長の認可を得るというような網をかぶせる地域というものを定めてそれを実施していくということを考えておられるようであります。これが実現いたしますれば、相当乱開発のほうは押えられるのではないかというふうに期待いたしております。
 第二点でございますけれども、会場近辺ということから申しますと、会場の用地は一応県のほうで取得され、国が全面的に起債にこたえるという影で手当てを終わっております。問題は、その近辺の関連事業について、今後いろいろ事業が進められる場合に悪影響を来たさないかという御趣旨ではないかと思いますけれども、確かにそういったような点から、用地の手当てというものが若干困難性があるというふうには私ども想像いたしておりますけれども、県民の御熱望、特に地元の強い御要望で、本部で海洋博を開催するということになった次第でもありますし、県民の御理解と御協力をぜひお願いいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
#13
○渋谷邦彦君 当然、沖繩県民としても海洋博に対する協力というものはいろいろな形でこれからなされるだろうとぼくは思います。だが、実質的にすでに本土から八社、いまここにわれわれが調べた範囲では、八社はもうすでに入って土地の取得をやっている。その取得の実態が、すでに土地の造成をやっているものもあるでしょうし、しかもそれが本部を中心とした地域であれば、海洋博に予定されているところと競合するわけですね。だから、そういうような実態的な現状から、むしろ県民自体よりも、本土から投資をして土地の取得をしたという問題についての整理は必要がないのか。そしてまた同時に、それの整理がつかないままに海洋博が十分見通しを立てられた上に立って行ない得るというふうに判断されているのか、その辺はどうなんですか。
#14
○政府委員(渥美謙二君) 海洋博を成功させます・ためにも、それから、私どもは海洋博というものを契機にいたしまして、本部一体にリゾートゾーンといったようなものをつくってまいりまして、それを沖繩の北部開発の柱にしたい、こういう考え方を持っておるわけでございます。したがいまして、当然その会場近辺にホテルとかあるいはレジャー用の施設とかいうものが設けられることは、それ自体は必要であり、かつ望ましい姿であろう。ただそれが、御指摘のようにいわゆる土地の買い占めであるとか投機とか、そういうことに使われる、あるいはやたらと乱開発におちいるということは、これはどうしても避けなければならないわけでございます。そこで、これはむしろ通産省のほうが中心になってお進めになっていらっしゃいますが、本部地区の開発のために、県あるいは関係市町村等も入りました第三セクターをつくりまして、それが乱開発におちいらないように、そして必要なそういう施設が円滑にできますように進めるという御構想をいまお持ちで、県とも御相談しながら進めておられるというふうに聞いております。
#15
○渋谷邦彦君 ですから、それは県のこれからの出方待ちということも、開発庁としては、できるだけその自主性という立場を重んずる上から、期待をされているという気持ちはわかります。けれども、やはり一面から見た場合には、国が積極的に支援するという形で取り組んでいただかなければならないのは当然でありますし、現実に、先ほど来から申し上げておりますように、土地の取得がはたして海洋博のためなのか、土地投機のためなのか、その辺がわれわれとしても不明確でありますけれども、現実にもう土地を取得している、本土からの企業体は。こうした実態的なものについては、開発庁としても当然、われわれがもうやれるくらいなんですから、お調べがついて、一体この処置についてはどうするかという今後の方針というものをお立てになった上で、さらに沖繩県に対しても側面的にアドバイスをしながらそういう方向に持っていくという、そういう考え方があってもいいのではないかということが一つ。
 それから、現在もうすでに二、三倍に上がっている一体この風潮というものをどう鎮静させるのか。あと、これからまた海洋博が始まるまでの間にいろいろな関連事業というものも行なわれる。それに伴ってまた土地が上がるということが、一応、いままでの常識から考えても十分予測される問題なんですね。よほどの強権をもってこれを押えない限りは、土地の高騰というものは必ずあり得る。そしてまた、いろんな法の盲点をくぐって土地の取得をするという、あるいは悪徳業者というものがあとを断たないかもしれない。こういったものを要するに規制するものについては、県の条例の成立というふうなものに期待されているんだろうという、先ほどの答弁で思うんですけれども、国としては何らかの手だてを、そこに、ただ県だけにまかしておくということではなくして、これはもう国際的な行事であるわけですから、当然のことながら、国自体がイニシアチブをとりながら、バックアップをするという、この二つの問題は当然起こってくると思うんですがね。この二点について、やはり確認をしておきたいと思います。
#16
○政府委員(渥美謙二君) 沖繩に非常に、復帰ということがございまして、また海洋博開催ということがございまして、先鋭的に姿があらわれているわけでございますが、本土全体を通じましてそういう問題がある。これにどう対処するかということで、今国会に、これは私ども所管でございませんけれども、いろいろ総合開発、あるいは土地関係の法案というようなものが提出されているというふうに承っておりますが、それと県がつくられる条例というものをタイアップして、ぜひうまいことやっていただきたい。そして、県のほうに対しましては、ぜひそういうことを強力に進めていただきたいという、お願いと申しますか、御指導と申しますか、そういうものは常々やっておるところでございます。
 それからまた、いわゆる県の公共用地の先行取得、こういうものをスムーズにさせる必要がございます。これは先生も御承知のように、いわゆる起債といったようなもので十分財源を見るようにいたしますほか、本年度から三カ年にわたりまして、三十二億円という支出をいたしまして、で、県にそういったような土地開発基金というものを設けていただき、そういう公共用地の先行取得というようなことを少しでも円滑にやらせるように手当てをしておるところでございます。
#17
○渋谷邦彦君 これからどんなふうに、いま説明された点の中身が推移していくか、われわれとしても見守っていかなきゃならないだろうと思うんですけれども、特にそうした問題に関連しまして、土地の取得はこれ以上申し上げても水かけ論みたいなことになってしまうおそれがあるだろうと思いますので、いずれにしても強力な、特に沖繩は大阪の万博とは比較にならない。いつも大阪の万博を比較に出しますけれども、これは比較にならないんです、もういままでの背景が違いますから。そういう点で考えをいただきたいということと、それから、先回も問題にしたんですけれども、特に上下水道の問題、ごみ処理の問題、これは海洋博をやるやらないにかかわらず、たいへんな問題であることは、四、五年前からやはり頭をかかえた政治課題として、地元としても取り組んでおられるようであります。今度やはりたくさんの人を招致するということになりますと、当然のことながら、こうした問題がやはり社会問題として起こってくることは言うまでもないのでございますけれども、こうした公共工事に対する国の負担、まあ、他の市町村と同じような補助率でもって援助するのか、この辺も非常にぼくは問題じゃないかと思うんですね。国としてやる行事ですから、県に一切の、一切のというよりは、県の、特にいままでの経過から見ましても、沖繩県自体貧しい、そういう貧しい県に対して地元負担を強要するということは忍びないわけですね。たとえば極端な話を言いますと、一円でも負担させることは忍びないという感情があるわけです。そういった点で、特別な補助というものを考えているのかどうなのか、この点どうなんですか。
#18
○政府委員(渥美謙二君) 海洋博の会場の中の施設関係、それからそれに直接伴って必要な諸経費というものは、これは海洋博協会のほうで全額負担するわけでございます。地元の市町村は、したがいましてそれぞれの下水道であるとか、じんあい、屎尿処理、それから、若干の水道といったようなことを市町村事業という形でやられるわけでありますけれども、これは、一つには海洋博に直接関係があると申しますことと同時に、地元のそういったような生活基盤の向上というものを繰り上げて実施すると、こういうふうな形のものでございまして、しかも、先生御承知のように、沖繩につきましては、一般の本土の補助率よりも、普通の市町村といえども、かなり高い補助率を使っております。金額的に申しましても、それぞれあまりたいした事業ではございませんので、それほど大きな金額にはなっていないかと思いますけれども、ただ、そういったようなものでも、短期間にそういう貧困な市町村に集中するというようなことから、それの負担というものは相当生ずるおそれがあるということは十分考えておりまして、一つは起債を活用して、現実の負担といったものが直ちに起こらないようにするとか、あるいは海洋博協会と共用の部分があるものもございます。そういうものにつきましては、協会とよく御相談いたしまして、その経費のアロケーションにつとめるとか、また、特に大きな事業は本部の下水道関係でございますが、これにつきましては下水道センターにこれを委託してやってもらうというような、種々こまかい配慮を払って、できるだけ地元の負担軽減につとめたいと、かように考えております。
#19
○渋谷邦彦君 特に上水管施設の敷設については、約六億をこすと言われるくらいの地元負担が考えられておるわけであります。現実問題についてはやっぱりたいへんだと思うんですね。そうした問題については、いまおっしゃられたことを通して考えれば、海洋博協会のほうにその資金源の点についてはゆだねる、こういうことですか。
#20
○政府委員(渥美謙二君) 六億円のあれというのはちょっとよくわかりませんけれども、先生が言っていらっしゃるのは、おそらく本部一帯に現在、もとから水道が来てないところでございますから、海洋博の水需要をまかなうために、名護から本部一帯に基本的な送水管を敷設する必要があるわけでございまして、これが総体の事業費、現在十五億円と踏んでおります。で、これは県の企業局の仕事になるわけでございますが、一般に本土の場合ですと、そういった事業につきましては、国の補助率は四分の一程度ということであるわけでございますが、そういったような事情をいろいろ考慮いたしまして、四十八年度予算には特別に三分の二の補助率に引き上げております。したがいまして、地元の負担は五億円と、こういうことになるわけでございますが、当然これは起債の対象にもなりますし、また、県の企業局という大きな世帯の仕事でございますので、特にそういう地元負担という点で、大きく問題にはならないで済むのじゃないかと、かように考えております。
#21
○渋谷邦彦君 海洋博協会自体もこれからいろいろな仕事をやっていく上でお金が必要になってくるだろうと思うんですね。非常に私は財源確保ということに心配をしているんですけれども、いまどんな見通しをお立てになっていらっしゃるんですか。
#22
○政府委員(三枝英夫君) 海洋博協会につきましては、建設費関係では二百二十億の事業規模ということで一応想定してございます。その財源といたしましては、国庫補助百五十億、残りの七十億を財界からの補助、それから競輪あるいは競艇等の協会からの補助、それから一部若干の地元負担等合わせまして、それからまあ協会そのもののいろいろなバッジあるいはマークの使用料その他の事業収入と合わせましてまかなうということになってございます。それから、さらにそれ以外に、会期が迫り、かつ会期中に、運営費というのが必要でございます。これにつきましては一応百十億ということでその財源を考えてございます。
#23
○渋谷邦彦君 そうしますと、海洋博が完了するまではいま説明のあった予算のワク内で十分にまかない得る、という見通しを立てたわけでございますか。
#24
○政府委員(三枝英夫君) 必ずしも、現在の情勢から見まして、これが十分であるという保証は成り立ちませんが、やはり資金的めどとしてはそういうことで予定し、一部不確定のものもございますけれども、大体めどはつけてございます。ただ資材の高騰等がございますので、その辺はやはり事業規模につきましていろいろな調整措置を考えていかざるを得ないかと考えております。しかし、大体この金額で対処し得るというふうに考えております。
#25
○渋谷邦彦君 先ほど局長の答弁の中で、県の起債によらなければならないという部分の話がありましたね。起債もけっこうだと思いますが、それだけ県の借金になるわけですからね、はっきり申し上げますと。この際沖繩県の繁栄と平和ということを願うならば、できるだけ起債にたよらずに、国として援助できる面については極力援助するというような考え方に立てないものかどうか。この点はどうですか。
#26
○政府委員(渥美謙二君) 先ほど御説明いたしましたように、本部の上水道の基本的な給水管施設、こういうのは非常に大きな事業でございます。また、その水を使う需要者というのは、地元住民のほかに、会場の施設あるいは観光客といったことがございますので、そこにつきましては特に三分の二という高率な補助率を適用したわけでございます。そのほか、沖繩県全体につきまして、御承知のように全国で最高という補助率を拾って、現在まあ財政上相当な配慮を加えているところでありますので、あとは、実施にわたって下水道センターを活用するとかあるいは協会等の持ち分をどうするとか、それから起債をしてつくりました事業につきましても、これは水道その他はまあ料金で回収していくわけでございますから、その料金の設定につきまして、なるべく地元に御負担のかからないように実施上十分配慮してまいりたいと、かように考えております。
#27
○渋谷邦彦君 最後に一つだけ伺っておきたいのでございますけれども、これは必ずしも本部と限らないのですけれども、国定公園に指定されている、あるいは特別保護区域内において観光施設が乱立しているということを伝えられているんですけれども、この実態はどうであるのか、そしてまたそれが事実であるとするならば、それに対してどういう方針をもって臨まれるのか、この点だけを伺っておきましょう。
#28
○政府委員(渥美謙二君) かなり景勝の地あるいは海沿い、そういうところに、本土資本を中心といたしまして、ホテル、レジャー施設等の進出計画があるということは事実のようでございます。もちろんこれが公園指定された地域というようなことになりますれば、いろいろそういうものを建設したりしていく上につきまして規制があるわけでございますが、先ほど来御指摘がありますように、そういう手当てができる前にどんどん出ていってしまったという実態があるようでございます。したがいまして、そういったような点につきまして、私どもは環境庁や県と御相談しながら、そのために自然が破壊されるということのないように十分配慮してまいりたいと考えておる次第でございます。
#29
○委員長(平島敏夫君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○委員長(平島敏夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 沖繩国際海洋博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#31
○委員長(平島敏夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#32
○委員長(平島敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#33
○委員長(平島敏夫君) 国際情勢等に関する調査を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#34
○森元治郎君 大臣に簡単にお伺いします。
 核防条約の調印、核防条約について、四十五年の初めに条約が調印され、日本も調印して、その後問題の保障措置、査察、そういう問題が起きて、にわかに、その点がはっきりしなければ日本が不利になるかもしらぬというので、情勢を待っていたところが、五日の日にブラッセルで、国際原子力機関とそれからヨーロッパの例のユーラトムの加盟団体、加盟国七カ国の間に問題の保障措置に関する協定について調印ができたわけですね。そうすると、日本も、従来の経過では、ユーラトムが有利な条件で査察の受け方、管理のされ方がゆるくて、日本は自国で管理するんですから不利ではなかろうか、あるいは、核兵器については依然日本が拘束されない自由な立場でいたほうがいいと、あるいはまた産業界では、せっかく開発した核についての商業上の機密が、査察を受けることによって外に流れて不利をこうむるのではないかなどなどの原因で、今日まで情勢を見てきたと思うんです。しかし、時間がないからもう飛ばしまして全部聞いちまいますから。一昨年の暮れのユーラトムにおける、国際原子力機関における査察委員会で、日本の希望、すなわち査察の回数を減らそうじゃないか、もっと減らしてくれ、それで、査察の年間の数もきめておこう、そして自分の、日本の自主的な管理に大いに期待してくれといったような気持ちをこの委員会で大体認められ、もうユーラトム諸国もいずれ批准をする段階になったわけですから、日本もその批准の前途には障害がなくなったと明快に判断していいと思うのですが、いかがですか。
#35
○国務大臣(大平正芳君) まあ、いわゆるNPT問題でございますが、この条約の署名の際に政府が方針を明らかにいたしまして、これはもう万々御承知のことでございますから、この際省略いたしますけれども、この条約の批准に際して考慮すべき諸点が、その後の状況を見てみますと、御指摘のように、諸般の状況は比較的順調に推移しておるように私どもも判断しておるわけでございます。
 で、当面の問題は、いま御指摘の原子力機関との間の保障措置協定の問題でございますが、これの予備交渉というものをわれわれとしては促進していきたいと考えておりますが、その間の具体的な事情につきましては、局長から説明をさせます。
#36
○政府委員(影井梅夫君) ただいまの国際原子力機関とそれから日本との間の保障措置協定に関する予備交渉の問題でございますが、ただいま森先生御指摘のとおりに、ユーラトムとそれから国際原子力機関との間の協定、これが成立いたしまして署名されたわけでございますが、御承知のとおりに、ユーラトム、これはユーラトムの各七カ国とそれから国際原子力機関との間の直接の協定という形をとっておりませんで、ユーラトムという一つの国家の集合体とそれから国際原子力機関との間の協定という形になっているわけでございます。したがいまして、これを日本にそのままの形で当てはめるわけにはいかない。他面、日本といたしましては、このヨーロッパでできました今度の協定と実質的には平等の待遇を確保しなければならないという要請があるわけでございます。
 そこで、問題となります点は、ただいまの国家の集合体であるユーラトムとそれから原子力機関との間の協定、これを日本とそれから原子力機関との間の協定、ここに適用した場合に、この日本の場合にどういうふうな形にすべきであるかという点につきまして、技術的、また場合によりましては実質的な面でいろいろ考えなければならない――考えなければならないという意味は、それを拒否するという意味ではございませんで、国際原子力機関とユーラトムとの間の協定を、実質的に日本と原子力機関との間の協定にどういうふうに適用したらいいかという点に問題がございますので、これには、多少これから時間がかかるかと思います。しかしながら、すでにユーラトムとの協定ができましたので、これを基準にいたしまして、できるだけ早く日本の保障措置協定というものも進めてまいらなければならないというふうに考えている次第でございます。
#37
○森元治郎君 そうすると、その国際原子力機関と日本との関係は、実質上の形式上も、ユーラトムとの関係とは違って、いろいろ問題点がある。いずれにしても、日本とやはり国際原子力機関との間で、少なくとも協定は結ばなければならぬでしょう。その作業をすみやかにこれから行なっていくのだろうと思う。現在までにも連絡はしているのでしょうがね。どのくらいの、障害があるというのは、たいへん乗り越えられないような障害ではないような御説明だったと思うので、時間はそうかからないでも、因縁をつけて逃げる姿勢でない限り、これは協定はできると思うのですね。しかも、大筋では、こまかい技術的な細目の合意の取りつけはやっぱりいろいろとむずかしいでしょうが、モデル協定も、おととしでしたか、そのモデル協定ができたので、その原子力機関とユーラトムとの間の話も済んだわけだから、大筋はセットされたのだから、私はこれはすみやかに合意に達するように努力すべきと同時に、その時間ですね、いつごろぐらいを目途に、できると思いますか。
#38
○政府委員(影井梅夫君) 御承知のとおりに、わが国の場合には昨年の六月からこの予備交渉を始めておりますが、その際、われわれとして実質的な平等性を確保する基準になるのはユーラトムとの協定でございます。ただ、先ほど申し上げました理由によりまして、ユーラトムとの協定がそのままの形、形式では日本の場合には結べない。他方、私ども事務的に考えまして、この実質的な平等性を確保するためには、いろいろ細目にわたりまして原子力機関との間に交渉しなければならない事項もいろいろございますので、大筋におきましては先生御指摘のとおりにワクはできております。しかしながら、これを実際に交渉いたしまして、そして事務的に考えまして実質的な平等性を確保する、これを確保いたしますためには、多少の時間がかかるかと思います。
 ただいま先生から、大体いつごろかとい御質問でございますけれども、これは現在の段階におきましては、なるべく早くこれを進めたいということ以上にちょっと申し上げられないと思います。ただ、これを理由に、この保障措置協定の締結をおくらせるというつもりは毛頭持っておりません。
#39
○森元治郎君 そうすると、ユーラトム七カ国のほうは、この協定ができることによってそれぞれ各国は憲法上の手続をとると思うのですね。あなたなんかの、西ドイツとは、批准――関係の深い、連係も深いようだから、あなたのほうのふだんの接触によって、なるべく早い機会に議会においてやられると思うのですが、あるいはその他の国でもいいです、批准のやる時期、あなたが得た情報はどうですか。
#40
○政府委員(影井梅夫君) いま手元に詳細な資料を持っておりませんけれども、おそらくいまのユーラトム諸国の中で批准が一番おそくなるのはイタリアではあるまいか。その時期でございますけれども、これももちろん一応の見通しで、今後変わることがあるかと思いますけれども、年内にはおそらく無理であろうというふうな情報を得ております。
#41
○森元治郎君 西ドイツあたりでも年内は無理……。
#42
○政府委員(影井梅夫君) 西ドイツにつきましては、年内あるいは年を越すかもしれないと、大体その程度の情報を現在得ております。
#43
○森元治郎君 大臣、お聞きのとおりで、大臣の表現を借りれば、比較的順調に進んでいるらしいと、ちょっと奥歯に物のはさまったような、比較的ということばがあったけれども、いずれにしても、これを批准するにあたって一番障害になりそうなものが取り除かれることはもはや確定的になったので、そのほかにこれを政治情勢から押えるという理由はありませんね。
#44
○国務大臣(大平正芳君) 御承知のように、去年の三月、与党のほうでは特別委員会ができまして、関係各省庁の御参加も得まして、批准に関連した諸問題の検討が行なわれておるわけでございまして、われわれがこの条約を国会に批准をお願いするまでに、まずそこをクリアーせにゃいかぬと存じておるのでございますが、こういう事態の進展、それから予備交渉の推移と関連しながら、この特別委員会との接触を深めてまいって、まず与党との間の、内輪の問題で恐縮でございますけれども、調整をはからなければいかぬと考えております。
#45
○森元治郎君 十分批准してしかるべき――いま国連局長の説明の、事務的な、形成的な、多少実質的な交渉はあるにしても、これはぶっこわれることはない方向で進むようですから、たとえば原子力産業会議あたりでも、この際、日本の原子力の開発については、ぜひとも核防条約を批准しなければ発展を期すことはできないんだというたいへんな転換といいますか、そこまで来ている以上、これは当然批准さるべきものと思うんですが、大臣もう一回。
#46
○国務大臣(大平正芳君) 政府としては、この予備交渉を促進いたしまして、実質的な平等が確保されるという心証を固めてまいりますならば、これをおくらすという理由はないわけでございまして、まず与党との調整をそういうラインで急いでみたいと思います。
#47
○森元治郎君 今度は核の政策にも関しますが、従来は、自分の国だけこの条約を批准しても、よその持っている国が何するかわからないのではこわいと、だから、核の不使用ですか、たとえばそんなことの約束も取りつけるとか、あるいはまた、核も含めた一般世界軍縮の進展を持たなければ、たとえ技術的な査察の問題、平等性の問題が円満に日本の要求がいれられても、にわかに批准には進めないんだといったような意見もあったんですが、この点はもうはずして、事務当局の御答弁があったように、日本の特殊の立場、原子力共同体と違った特殊の日本と国際原子力機関との関係に一つの協定に達するまでの合意ができるならば、批准をしていいとお考えになるか、この点は大きな問題なので、御答弁いただきたい。
#48
○国務大臣(大平正芳君) 昭和四十五年の二月、本条約を署名いたした際の政府声明を回顧してみますと、軍縮交渉の進展というのが第一あったわけでございます。この点につきましては、その後は、私が先ほど申し上げましたように、比較的順調に進んでおるわけでございます。
 それから第二の非核兵器国の安全保障の確保につきましては、一九六八年に米英ソ三国が宣言をいたして、そのことを国連の安保理事会もテークノートしておるといいますか、そういう状況にございまするし、全体としてのデタントも大きな世界的な規模で進んでおるような状況でございますので、そういう問題は、その後の事態の進展は、この条約の批准について、いわばフェーバラブルな状況が出てきているように私どもは判断するわけでございますので、いま局長から御説明がありましたように、第三の原子力の平和利用面についての実質的な平等が確保されるという点に念を入れた措置を確保することができるならば、この条約の批准についての大きな障害はないんじゃないかというように、私、政府としては判断しておるわけでございまして、今後与党はじめ各方面の御理解をだんだん得ていかなければならぬと思っております。
#49
○森元治郎君 非常に大平さんにしては明快にお答え願ったと思うのだが、これはやっぱり、いまこれから始まるソビエトとの交渉にあたっても、日本がこれを批准していくんだという態度、これは外交交渉の取引にも大きな力になると思うし、大平さんの健闘で、いましも国内各政党、あなたの足元の省内、それに関係する全体の人々を見ても、もうやるべきだと、これは反対する理由はないといったふうなフェーバラブルな情勢というのは大体一致したところへ来ておると思うので、すみやかに予備交渉、これはまた別の委員会でこまかいことを御質問はするが、原子力機関との交渉も、各省協力してどんどん進めて、問題を、平等性の確立、平和利用が損がないように日本が十分に行なえるというような状況づくりができたならば、私は来年の通常国会会期中には条約の批准について国会の承認を求めるまでにいけると思うのですが、どうでしょう。
#50
○国務大臣(大平正芳君) せっかく努力をしてみます。
#51
○委員長(平島敏夫君) 本調査に関する質疑は本日はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後零時十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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