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1972/08/28 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 法務委員会 第18号
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1972/08/28 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 法務委員会 第18号

#1
第071回国会 法務委員会 第18号
昭和四十八年八月二十八日(火曜日)
   午前十時二十七分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
 八月二十四日
    辞任         補欠選任
     田  英夫君     杉山善太郎君
 八月二十七日
    辞任         補欠選任
     星野  力君     野坂 参三君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         原田  立君
    理 事
                後藤 義隆君
                中西 一郎君
                佐々木静子君
                白木義一郎君
    委 員
                増原 恵吉君
                山本敬三郎君
                吉武 恵市君
                鈴木  強君
   国務大臣
       法 務 大 臣  田中伊三次君
   政府委員
       法務大臣官房長  香川 保一君
       法務省刑事局長  安原 美穂君
       法務省入国管理
       局長       吉岡  章君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        二見 次夫君
   説明員
       警察庁警備局外
       事課長      佐々 淳行君
       外務省アジア局
       外務参事官    中江 要介君
       海上保安庁警備
       救難部長     船谷 近夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○検察及び裁判の運営等に関する調査(金大中事
 件に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(原田立君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 原文兵衛君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(原田立君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、理事の補欠選任を行ないたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(原田立君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に中西一郎君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(原田立君) 検察及び裁判の運営等に関する調査を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○佐々木静子君 前回の法務委員会で、私は、金大中事件に関しまして、法務大臣ほか各政府委員にお尋ねいたしましたんですが、まだいろいろと続いてお尋ねしたいことがありますし、また、前回の御答弁ではきわめて不十分だと思われる点もたくさんございますので、続いて質問をさしていただきます。
 外務省のほうのお時間の都合もあるようですので、主として外務省に関する部分を先にお尋ねさしていただきたいと思います。
 実はこの間の法務委員会で、外務省に対して資料の請求を要求いたしまして、そして日本における韓国大使館の韓国CIAの部員だと思われる人、これを外務省はどの程度にキャッチしているかということを御質問を申し上げたわけで、それに対してだと思うんですが、きょうこの資料をいただいているわけですが、実はこれは全く私の要求した資料と合致してないんじゃないか、こういう資料を私のほうは求めたんじゃなくて、外務省がつかんでいられる韓国CIAの実態ですね、韓国大使館内における。それを求めたにかかわらず、この資料によると、外務省から韓国の在外大使館のほうに、韓国側のほうに問い合わせたところ、これを確認することができなかった、こういうふうなばかな資料を私のほうは要求したのじゃないんですよ。どういうふうにお考えになっておられるのですか。外務省がつかんでいる資料を出すというお話だったんじゃないんですか。
#7
○説明員(中江要介君) 前回の委員会で佐々木先生から御要求のありました資料は、私が了解いたしましたところでは、日本にあります韓国大使館の館員で、元CIAであった者、あるいは現在CIAであるかもしれない者、そういう者がわかっていれば氏名及び人数を知らしていただきたい、こういうふうに私は了解いたしました。それで、いまのお話のCIAの実態といいますか、活動といいますか、そのほうは、外務省としては直接それを調査したり、あるいは調べたりという立場にもございませんし、そのほうはまた実際問題として現実はわかっておちないのですが、もし外務省としてわかることがありとせば、日本にあります韓国大使館の総領事館の館員でCIAに属していた人がいるかどうかという点であろうかと思いまして、その部分につきましては、全くの推測でございますけれども、元中央情報部の部員であった方がいま現実に外交官としてこちらにおられる方があるというふうに想像されましたので、これはお調べいたしますと、こういうふうに申し上げました。きょう提出いたしました資料は、これがそういう意味で先生の御要求になったものにぴたりといってないということは私も十分わかっておるんですけれども、とにかくとりあえずまず御報告をして、これの最後にも書いてございますけれども、さらに具体的な回答を求めるべく、昨今やっておりますので、結果がどうなりますかは別といたしまして、私どもとしては、CIAの日本における活動という面からでなく、外交官、領事官でここにいる人たちの中に元中央情報部に属した人がいるかどうかという点だけを調べているわけでございます。いままで調べましたところでは、ここに書いてあることが判明したことでありまして、これで十分と思っているわけで決してございませんので、さらに何らかの方法でこの実態をつかみたいと、こうは思っておるわけでございます。
#8
○佐々木静子君 あなたのこれは、全くばかか、あるいは極端に誠意がないか、どちらかの答えだと思います、失礼ですが。これは、韓国の人に、韓国の政府に向かって、あるいは大使館に向かって、あんたとこに諜報部員がいるかと聞いて、はい、何の何がしと何の何がしがおりますと答えるような、そういうふうなことを予測をしてあなたはこういう問い合わせをしたのですか。また、調べましてと言いましたけれども、日本側が調べることであって、韓国へ、CIAがあなたのところに何人いますかなんて聞いて、はい、何人おりますという答えは出てくるはずはないじゃないですか。そんなことをまた私どもが愚かにもそういうことをやってくれと言っているわけじゃないことは百もわかっているでしょう。いま外務省の中にそうした資料があるということをあなた前回おっしゃっているわけですよ。これまだ議事録ができておりませんけれども、速記録を調べてみますと、これ、あなたの御答弁です。中江参事官の御答弁として、韓国大使館の中にCIAに属している人がいることは知っているが、何人いるか、名前はどうかということは、資料をここに持っていないのでお答えいたしかねるとおっしゃっているわけなんですよ。だから、あなたはCIAが韓国大使館の中に何人いるか、名前はどうかということも知っているということになっているんですという答弁をしておられるわけです。ただ、資料がここにないのではっきりした答えができないと言っていらっしゃるから、私はそういう資料があるなら出してもらいたいということを言っているわけです。全部がわからないということは、私もそのときの御答弁でわかっておりましたから、知っていることだけでけっこうです、わかっていることだけでけっこうです、いまから調べてくれと言っているんじゃなくて、あなたの御答弁でわかっているとおっしゃったんだから、そのわかっている範囲のものを出してくれと言っているわけです。どうなんですか、いまでもここでお答えください。
#9
○説明員(中江要介君) 前回の私の答弁で、あるいは非常にことばがまずくて、足りなかったのかもしれませんけれども、私は、先ほども申し上げましたように、元中央情報部員であった人が外交官に来ているということは、どの人がいつ来たということを離れまして、そういうことは一応推測されておりましたものですから、これは外交官リストとかあるいは外務省の儀典にありますいろいろの資料とか、そういうものである程度推測できるのじゃないかと思ったのですけれども、ちょうどそのことを申し上げましたのは、日本も警察出身の方が外交官として在外に行っていられるわけです。こういう者につきまして、照会があれば別に何のためらいもなく、この人は警察庁出身の方、この人は農林省出身の方、この人は通産省の出身の方というふうに、別に差しつかえのないものでございますので、そういうふうにはっきりできるものと、こう期待しておりましたのですけれども、韓国側はそれを確認することについて非常に本件、いま事態が非常に機微な段階にあるためかと思いますけれども、慎重でございまして、一々時間をとって返事をしてくるものですから、私はそういうことを、別に元情報部員であったから直ちに嫌疑がかかるとか、そういうことではなくて、事実の問題として知りたいのだということを強く要求して、一応公に資料として出します以上ははっきり確認したいという気持ちでやっておるわけでございます。
#10
○佐々木静子君 私は、いまこれから確認してほしい――それも大事なことかもしれませんけれども、いままですでに外務省が把握していらっしゃることを把握していらっしゃる範囲で出してほしいと言っているわけです。いまあらためてのこのこと韓国のほうへ、外交官の経歴はどうじゃ、こうじゃと聞いてほしいということを言っているんじゃないのですよ。それはわかっているでしょう。そうしてあなたのほうも、大体ずっと外務省のほう、アジア局のほうが、この関係の深い韓国の大使館におる館員の経歴を、この事件が起こってからあらためて聞かなきゃわからないというのじゃ話になりませんね。一体何をやっていられるのか。実は私どもでもここに資料があるのですよ。大使館の、これはちょっと何カ月か前ですけれども、だから、あるいはその後かわっている人がいるかもわからないけれども、全部の名簿もあれば、ある程度お一人お一人についての経歴書も手元にあるのですよ。野党であるわれわれが急いで集めてもそのくらい集まるのですよ。外務省は一体何をしているのですか。わかっている分だけでも出してください。これが公のところで出せないというのなら、秘密理事会を開いてもいいですよ。あなたが推測しているというのはどういう人で、どういうことなのかということ、ここで言うことが非常にはばかられるというなら、はばかられる理由、はばかられるということをおっしゃっていただいたらいいわけです。どうして前にはわかっていると言っていたのに、いまになってそれがお出しになれないか。何か私は韓国の外務省に質問しているような気がしますね。日本の外務省なら日本の外務省らしいお答えをしていただきたいと思います。
#11
○説明員(中江要介君) 私は日本の外務省として、日本の国益のために本件もまじめに取り組んでいるつもりなんです。ただ、いまの段階では主権の侵害ということについてはっきりした事実がつかめていないという状況でありますので、日本と韓国とのいろいろの相談事にいたしましても、これは引き続き通常の国交関係のもとでやらなければならない。したがって、外交官につきましては、もう先刻御承知のとおりですけれども、国際法上一定のワク組みがございまして、大使自身につきましては、この大使を受け入れるかどうかということについて事前の承認を求めるという慣行があるために、通例はこういう人を大使に送りますというときには、その大使の経歴を詳しく先方に説明して、こういう人でいいかという手続をとるので、個人の経歴その他はわかるのですけれども、館員の一人一人については、そういうことになっていないものですから、外務省が捜査権を持って捜査するなら別ですけれども、そうでない限りは、一般国際法上認められている外交官としての活動が行なわれている限りでは、あえて一人一人をせんさくするということはしないわけでございます。かりにその中の一人なりあるいは何人かが通常の外交官に認められている職務以外の職務を行なったとか、あるいはそれによって日本の法を犯したとか、そういう事実が判明いたしましたら、これは捜査当局なり関係当局と協力いたしまして、徹底的にその当該外交官を糾明いたしまして、その事実が明らかになりましたならば、これは御承知の好ましからざる人物という名目で、理由を付すことなく国外に退去することを要請するという道も開かれているわけでございます。そういう意味で、現在外務省といたしましては、韓国との関係は正常な国交関係にある状態でございますので、そのワク内で筋を通してやっていこうと、こういう姿勢が基本的にあるわけでございます。で、先般御指摘になりました大使館員の身分につきましても、推測されていると私が申し上げましたのは、個々人の何々一等書記官がそうらしいという意味で言ったのではなくて、必ず何人かはいるはずだというふうに推測される、それがだれであるかということは、やはりこれをはっきりするときには確認しないと、これは個人のプライバシーの問題もございますし、それ以上に外交官の尊厳の問題もございますので、かえってこれは国交関係上慎重でなければならぬ、こう思いまして、はっきりしていただこうと思っていま努力をしておると、この事情をひとつ御了察いただきたいと、こう思うわけでございます。
#12
○佐々木静子君 これは誤解していただいたら困るのですが、ここに名前が出たからといって、それがこの事件の犯人だと私は言っているわけじゃないので、これは韓国CIAというものが非常にいま疑惑の目で、あるいはいろいろこの世論が、韓国CIAというのがどうなっているのかということが、国民がそれを非常に知りたがっている。この金大中事件の加害者だとか何とかいうことじゃなくて、どうなっているかということを知りたがっている。そしてそういう意味で、これはもう少し、わかっているならば資料を出してほしいと言っているわけで、必ずしもそれが名誉棄損とか、やれどうのこうのという問題には、私は決してこれは当たる質問ではないと思いますし、またお答えになったからとて、その御本人を侮辱したとかあるいは外交官の体面をどうのこうのというような問題ではない、これは全く違った次元の話だと私は思っているわけですけれども、そうすると、伺いますが、外務省とすると、ある程度の事情はこれは当然のことながらいろいろ研究していらっしゃる。しかし、ここで研究していることを言ったのではやはり日韓関係がまずくなるし、国交が正常化しているこういう状態のときに波紋を投げることになるから、そうした配慮からおっしゃれないというわけですか。
#13
○説明員(中江要介君) 私が申し上げましたのは、私が具体的に個々人について知っているけれども、それを言うと国交上むずかしいという観点ではなくて、むしろ個々人について確認をするための韓国政府に対するアプローチがいまの段階では限度かあるので、そう権利として、出せと言って迫るというような性質のものではないので、むしろ日本政府の関心は、あるいは日本国民の関心は真相の究明にあるのだ、真相の究明に役立つためにいろいろなことについてできることは知っておきたいのだと、こういう趣旨で、韓国政府がその真意をよく理解してくれれば、こういう問題についても事実は事実として確認してもらえるのじゃないかという期待のもとに折衝を続けていると、こういう趣旨でございます。
#14
○佐々木静子君 これは何回も言いますが、韓国政府にいまから資料を求めてくれと言っているのじゃないですよ。あなた自身が、名前か、何人あるかということも大体わかっているけれども、いまここへ資料を持ってこなかったのではっきりしたことは言えないとおっしゃったから、これは前回ですよ、だからきょうお持ちになるか、当然これはお持ちになるのがあたりまえでしょう、こういう御答弁をしていらっしゃるのだから。お持ちにならなかったとすると、何らかの国際的な配慮からお持ちにならなかったと思わざるを得ない。そうすると、前回こうおっしゃっておきながら、外務省の中に資料がなかったということなんですか。そうすると、事実と違うことをあなたは前のときお答えになったということなんですか。
#15
○説明員(中江要介君) ちょっと繰り返しになって恐縮でございますけれども、前回私が申し上げましたのは、その個々人について私が知っているということを言ったつもりではなくて、一般に、八十人もおりますわけでございますから、その中に中央情報部出身の方がおられるということは通常考えられておるものですから、それが資料を見て確認ができるならばこれは報告いたしましょうと、こういう趣旨であったわけですが、現実問題といたしまして、外務省が持っております資料の中では、どの人がどうであるということについて確認ができなかったわけなんです。したがって、いまこの時点で、はっきりとこの人とこの人だとか、あるいは何人だとかいうことが確認できないので、これはやはり御希望に沿うべく何らかの確認の方法はないかという努力をしているというのがいまの段階でございます。
#16
○佐々木静子君 それでは、いまの御答弁でも私非常に不満足なわけです。前回の御答弁と比べると、非常に御答弁の趣旨が変わってきているように思う。姿勢も変わってきているように思う。その点非常に不満足なんですが、時間の関係もありますので、次の質問に移りたいと思います。
 これは、きょうは警察のほうにお伺いしたいのですが、先日も警察の初動捜査ということについて私質問さしていただき、また翌日の衆議院の法務委員会におきましても、この警察の初動捜査に相当ミスがあったということをお認めになったようなお話があったようにこれはお聞きしているわけなんでございますけれども、まず、この警察が、この間概略はお話を伺って、そしてこの事実をお知りになってから非常に多くの警察官を動員して捜査に当たられたという、非常に御苦労なさっているというお話は伺ったんでございますけれども、もう少し具体的に、まずこれが、警察がこの事件をキャッチされたのが何日の何時、だれがキャッチしたかということから順番に、具体的に話を伺いたいと思います。
#17
○説明員(佐々淳行君) 当日の警察の初動措置について御説明申し上げます。
 まず、第一報が入りましたのは、八日の十四時十四分ごろでございます。これは宇都宮徳馬先生から警視庁の赤木警備部長に電話で事件発生連絡がございました。この連絡に基づきまして、赤木警備部長は警視庁の外事二課長並びに麹町署長に事実調査方並びに所要の措置をとるよう指示をいたしております。この指示に基づきまして、外事二課長は麹町署に連絡をするとともに、十四時二十分に係員を現場に出向をさせました。一一〇番が入りましたのは十四時四十一分でございまして、一一〇番をおかけになりましたのは韓国民主制度統一問題研究所の東京事務所長の趙さんでございます。この一一〇番入電とともに、これは御承知のように、一一〇番が入りますと機械的にもよりの移動局が現場に急行することになっておりますので、十四時四十五分に麹町署のパトカーが現場に到着をいたしております。
 なお、十四時五十分には本庁から派遣をされました外事二課員が現地におもむきまして、現場の確保あるいは目撃者の発見、さらには通報をなさいました二人の目撃者であるところの金敬仁先生と梁一東氏から事情を聞かせていただくと、こういう措置をとっております。この第一報が入りましたのが、先ほど申しましたように宇都宮先生の電話連絡が十四時十四分でございますが、後にいろいろ調べでわかりましたところでは、事件発生はおおむね十三時三十分ごろと認定をされるわけで、一一〇番までには一時間十一分、赤木部長に対する通報でも四十五分のおくれがございました。また現場が非常に混乱をしておりまして、梁一東先生は宇都宮先生にもお電話をされ、あるいは民団の関係者にも、あるいは韓国大使館にもお電話をしておられまして、このような関係で、警察への通報が若干おくれております。現場は非常に混乱をしておりまして、いろいろ事情聴取に時間がかかりましたが、少なくとも十四時五十五分の時点で外事二課は事案の概要の第一報をそれぞれ有線電話で報告をいたし、とりあえず金大中氏らの出国警戒を羽田空港警察署並びに東京港を管轄しております水上署と月島署に手配をいたしております。
 緊急配備でございますが、この事案の特殊性にかんがみまして、いろいろ配慮をいたしたようでございますが、わかった限りの事実に基づきまして、十五時十五分、三時十五分でございますが^警視庁は緊急配備を発令をいたしました。三時三十分までに緊急配備発令時の指定検問場所に配置を完了いたしております。ちなみに、初動捜査、一番最初の段階で動きましたものが警視庁で百五十二名、それから、この緊急配備発令時に配置につきましたのが八百七十一名と報告を受けております。
 この緊急配備につきましてちょっと御説明いたしますと、いままでこういう特殊事件、誘拐犯につきましては、本人の生命の安全ということを考慮をいたしまして、無線手配を慎重に行なう、報道関係者ともすぐ報道協定を結びまして、事件を新聞その他に報道しないようにしてもらい、被害者の安全を第一に考えるというのが従来のたてまえでございまして、たとえば子供を誘拐してお余を取ろうとするというような事件に際しましては、緊急配備をむしろ慎んで、慎重にやっておるわけでございます。しかし本件に関しましては、国際的な事件であり、また韓国の要人に準ずる方でございますので、この生命の危険という、安全性ということも考慮いたしましたが、あえてむしろ緊急配備を発令したという事情がございます。
 とりあえず第一次的な初動措置について御説明申し上げますと、以上でございます。
#18
○佐々木静子君 非常に御努力なさっていることはよくわかるんでございますが、この三時十五分の緊急配備ですね、この内容ですね、それから緊急配備の発令があると、これによって動員される地域ですね、これがどのようになっているのか。
 それと、先ほど三時十五分だったと思いますが、東京の水上署と月島署のほうの、港湾関係のほうへ緊急手配したというお話ですが、これは、たとえば事件が十三時三十分に起こっているとすれば、常識で考えても、もうその時期には横浜とかもっと遠いところまで、自動車で走れば静岡、もっと向こうまで飛んで行けるわけでございますので、そこら辺のところは、東京の水上署とか月島署だけであったのか、ほかの地域の港湾関係はどうなっておったのか、その点を伺いたい、その二点。
#19
○説明員(佐々淳行君) 御指摘のように、この事件発生後、緊急配備発令までに相当時間が経過しております。その状況にかんがみまして、警視庁はもちろん東京管内のみ管轄いたしておりますので、警察庁におきまして、三時四十分、十五時四十分に主要空港並びに港、これに対する手配を管区警察局を通じまして全国的にいたしております。この前警備局長お答えをいたしましたのと重複いたしますけれども、全国の港百十九カ所並びに空港六十一空港、これに対する手配を実施をいたしております。その他高速道路のランプ、これについて、検問所等につきましても手配をいたしました。
#20
○佐々木静子君 この空港の手配というものは、一番最初にやったのは何時ですか、どこの空港をやったわけですか。
#21
○説明員(佐々淳行君) 先ほどお答えいたしましたように、警視庁の羽田空港が第一でございまして、これが十四時五十五分に羽田空港の手配を実地しております。
#22
○佐々木静子君 この事件が起こったのが十三時二十分で、空港の手配が十四時五十五分だとすれば、たとえばこれが、金大中さんのお話では飛行機を利用しておらないようですけれども、飛行機を利用しておるとなれば、もうすでに全国に飛び立つひまがありますね。たとえば大阪なら大阪に飛んだとすれば、もう次のところでどこへでも飛べるわけですし、別に大阪に限りませんけれども、そこら辺のところで、まず空の手配というものも非常におくれているんじゃないかというふうに思いますね。現実にたとえば空とか海とかいうものの手配というものをどのようにしてチェックする、具体的な方法ですね、具体的にどのようにチェックするというふうな指示を与えたわけでございますか。
#23
○説明員(佐々淳行君) おことばでございますが、先ほど申しましたように、第一報を入手をするまでに四十五分経過しており、一一〇番入電までに一時間十一分かかっておる、さらに緊急配備をいたしますためには、被害者の人相、着衣、特徴等、あるいは被疑者、この場合に五人おったと仮定いたしますと、この五人の人相、特徴を手配いたしませんと、緊急配備をいたしましても、何を目標に捜査をしていいかわからないわけでございます。また、車で出たであろう、車で出たという目撃者と申しますか、梁一東氏らの証言もございましたので、車の手配もいたしたわけでございますが、車種あるいは色、型、一切わかりません。こういうことで、緊急配備に必要な具体的な内容を入手するになお若干の時間を必要といたしたわけでございまして、御指摘のように、すでに緊急配備発令時には当然羽田に着いておっただろう、あるいは高速道路の相当の距離まで行っておったであろうということは想像にかたくないわけでございます。その点にかんがみまして、私どもといたしましては三時四十分の時点で、全国の空港並びに港、これに対する手配を実施したわけでございます。具体的な方法、空港のほうがよりチェックしやすいけでございまして、このような状況からいたしますと、少なくとも四、五人の男である、しかもやや強制連行の形になりますれば、不審点が当然認められるわけでございますので、まず羽田空港につきましては、空港ランプの出口、それからチェックインカウンター、さらに、当日韓国航空が、たしか午後六時でございましたか、ソウル行の便がございましたので、これにつきましては会社の御協力も得て乗客の徹底的点検を実施いたしております。
#24
○佐々木静子君 その緊急手配で、そうおっしゃるとおりに、人相も何もわからなければ手配のしょうがない、これはごもっともなわけですけれども、これはしかし、それと同時に、だからといって、その連絡がおくれた、警察への通報がおくれたはおくれたにしても、もうその時期に、極端な言い方をすれば日本の国外に飛び立つことも可能な、別に行き先は韓国に限らないわけですから。もっとも国外に出てしまえばしかたがないけれども、日本の国内でどこへ行くかわからない、どこへでも行ける時間の範囲内に入っているわけですから、もっと早急に広範囲に手が打てたんじゃないか、私どもそれをいま非常に残念に思うわけなんですけれども、特に、金大中さんの供述によりますと、高速道路を突っ走った、その間に検問に引っかかってないようでございますけれども、この高速道路の検問は何時にどこ、何時にどこどこというように手配され、しかも、どういうことで、どういう人相、ふうていの者を調べよというふうな手配を警察は出しておられたのかどうか。これがきっちりといっていれば当然高速道路でひっかかっていたはずで、これまた残念でたまらないわけなんですけれども、その間の事情はどうなんですか。
#25
○説明員(佐々淳行君) まず手配の内容でございますが、金大中氏につきましては、四十七歳ぐらい、身長百七十センチぐらい、中肉中背、右足を多少引きずる、髪は七・三、角顔、左の薬指にプラチナの指輪、黒の縦じまのせびろ、茶のズボン。犯人については、五人と思われる――実は現場であれされました金先生、梁さん、全部見ておりませんで、三人だけ一応人相、特徴がとれました。そのうち、甲は三十五歳ぐらい、百六十センチ、あばたづら、グレーのせびろ、乙は三十五、六歳、百六十五センチ、紺のせびろ、一見好男子、丙は三十ないし三十三歳ぐらい、百七十五センチ、太っている、せびろの色不明、あと二名については不明、車の車種、ナンバー不明、こういう手配になっております。
 高速道路の手配の状況でございますが、これは一つの反省点かと思いますが、現在の警察法のたてまえでは、都道府県自治体警察のたてまえになっておりまして、警察庁が直接関係府県に指示命令を出すことは制度上できません。警察庁のできますのは連絡調整でございまして、管区警察局に対しまして、それぞれの管轄下の警察署に連絡をするようにという指示をする権限にとどまるわけであります。その連絡調整権に基づきまして、私どもは管区を通じて手配をいたしたわけでございますが、高速道路というのは実は新しい事態、つまり警察にとりまして新しく出てきた状況と申しますか、これに対する緊急配備計画を全国的に警察庁の指令一つで一斉に実施をするという制度は、現在のところこの新事態に対処した制度ができておりません。それでも実務上の必要性から、関係府県の間で横の連絡をとって隣接府県に手配をするという制度がございまして、これに基づきまして、警察庁の発令並びに警察庁の空港並びに港湾に対する警戒、チェック、検問の指示を受けまして、空港及び港湾に通ずる主要道路の検問という形で私ども指示をいたしましたので、関係がある府県はそれぞれ独自の判断によりまして、実際には高速道路の検問を次のように実施しております。
 一つは東名高速でございますが、神奈川では、連絡を受けてすぐ、十五時四十五分から十八時三十分まで管轄区域内あるいは料金所の検問体制をしいております。これは隣接県でございます。それから名神につきましては愛知県、これは国道一五五号線その他も実施しております。そのほか、滋賀県はちょっとおくれておりますが、この日の十九時から栗東インターチェンジ、彦根インターチェンジで検問を実施しておる。また京都は、これもちょっと時間的には、七時――十九時からでございますが、京都南インターで交通検問を兼ねまして金大中氏の重点検問を実施しております。このほか、大阪は茨木インター、岐阜県は関ケ原インターで実施をしております。この西に行く道だけでなく、群馬県は東北縦貫自動車道路館林高速検問所等で十七時三十分から、また、直接高速道路とはあれですが、三重県国道一号線、岐阜県、福井県、富山県、石川県等もそれぞれ独自な判断に基づいて実施をいたしております。
#26
○佐々木静子君 これは法務省に伺いますが、前回の法務省に対する御質問で、東京地検の公安部が事件直後にこのことを知ったとお聞きしたんですが、これは警察からの連絡があったわけですか、どのような連絡が東京地検にあり、そうして検察庁とすると現実にどのような捜査指揮をされたか、簡単に述べてください。
#27
○政府委員(安原美穂君) もとより被害者等からの申告ではなくて、警察からの連絡による事件の認知でございまして、事柄の重大性にかんがみまして、警視庁とは事後十分な連絡協議をいたしておりますが、事柄は犯罪といたしましては、御案内のとおり国際性は持っておりまするけれども、通常の刑事犯罪捜査のパターンに属する事件でもございますし、特に法律上の問題点ということについて警視庁に特別の指示をするというようなことはなくて、十分の協議をいただきながら逐次こまかい点についての御相談を申し上げておりまするけれども、特別、検察庁がこうしろというような指示いうものを下すという段階には至っておりません。
#28
○佐々木静子君 これは当初はそうですが、現在においてもやはりそうですが、この公安部だけでなくて、特捜部なら特捜部でこの捜査の指揮に当たる人がきまって、緊密な連絡をとって現在に至っているわけですか、どうなんですか。
#29
○説明員(佐々淳行君) 前回申し上げましたように、事柄を公安的事件という感覚から、東京地検の公安部長が中心になりまして、それに犯罪の罪名は明白でありまするけれども、いろいろ事件そのものは複雑な背景もあるようでありますので、東京地検の刑事部もそれに応援をするという体制で現在に至っております。
#30
○佐々木静子君 それで、検察官自身が捜査に乗り出す、調べに乗り出すことは現在なさっておらないわけでございますか。
#31
○説明員(佐々淳行君) おっしゃるとおりであります。
#32
○佐々木静子君 海上保安庁に伺いたいのですが、海上保安庁は、いつこのことを御連絡を受けられたのですか。
#33
○説明員(船谷近夫君) 八日の、発生した日の十六時五十分に、NHKのテレビで臨時ニュースがございました。それがわれわれが知った最初でございます。
#34
○佐々木静子君 そうすると、テレビでごらんになってお知りになる前での警察庁あるいはその他の政府機関からの御連絡はなかったわけでございますか。
#35
○説明員(船谷近夫君) 連絡を受けておりません。
#36
○佐々木静子君 これは警察庁のほうは、海上保安庁は非常にこの事件については重大な役割りを占める役所だと思いますが、なぜ連絡をしなかったわけですか。
#37
○説明員(佐々淳行君) 先ほど申し上げました三時四十分の手配の際に、私どもは管区警察局を通じまして、それぞれの港を管轄する警察に対しまして、入管、海上保安庁等の関係官庁と連絡をして、検問――金大中氏の発見、救出に当たれという指示をいたしました。御指摘のように海上保安庁本部に対する連絡は私どもいたしておりません。また、この海上保安庁の御協力なくしては、韓国に出港する船のチェック、あるいは私どもは訪船の権限を持っておりませんので、海上保安庁の同行がなくては在泊中の船舶の調べというのはできませんので、そういう意味では、これは御指摘のように不可欠の問題でございます。第一線への指示すなわち港をまず押えるということに急いだあまり、中央での横の連絡がおそくなったという点は私ども認めざるを得ないと思います。
#38
○佐々木静子君 これは私も非常に手抜かりというか、あるいはうがって言えば、本気になって調べるおつもりがあったかなかったかという気持ちさえ持ちたいような気持ちになるのですが、たまたま金大中さんのお話では、高速道路を走って大阪とおぼしきところへ出たというお話だけれども、東京自身だって海に近いんですから、これは連絡がおくれたら、おくれただけですでに船の中にいるということもこれは当然考えられる。そこら辺で、非常に海上保安庁に対して警察からの御連絡がおくれたということがたいへん私この事件について取り返しのつかない問題だったんじゃないか。これは海上保安庁にはいつ協力の要請をされたわけですか。またその協力の要請の内容もお聞きしたい。
#39
○説明員(佐々淳行君) 海上保安庁に対します連絡は、先ほど申しましたように中央レベルでの連絡はあと回しになりましたが、現場的には月島署、水上署、これはとりあえず東京港を管轄しておる警察署でございますが、これに手配をいたしております。また、海上保安庁と私どもの間にはそういう共助協定がございますので、それに基づく現場措置、これについては必要な措置がとられたと私ども承知しております。海上保安庁に協力をお願いをいたしましたのは、ちょっと日時を記憶いたしておりませんが、中央に対する連絡を忘れたということで、私から船谷救難部長におわびをかねてお電話をいたしたことがございます。またそれより前に、事務的に、八日の午前零時から十日の午前零時までに日本から韓国に向けて出国をした船舶、これについての情報の提供をお願いをし、この貴重な資料を海上保安庁からちょうだいをいたしております。そのほか、この期間に約三百隻の韓国船もしくは韓国向けの船の捜査を実施をいたしておりますが、これは海上保安庁の御協力なくしてはできないわけでございまして、その意味では、現場的には協力関係は成立をしておったと理解しております。
#40
○佐々木静子君 海上保安庁に伺いますが、テレビのニュースでこれを十六時五十分に探知された、その後海上保安庁とすると、具体的にどのような動きをされたか、簡単に日にちを追ってお答えいただきたい。
#41
○説明員(船谷近夫君) ニュースを、テロップによるニュースでございましたが、その後五時半、それから七時に普通のニュース放送がございました。それによってある程度の事件の内容がわかったわけでございます。警察のほうに、夜の九時ごろだったと思いますが、情報はないでしょうかというような問い合わせをいたしましたところ、いまのところニュース放送されておる以上の情報がないというお話でございました。当庁としましても、沿岸の警備に関する本来の任務を持っております関係で、その晩に、十時ごろだったんですが、主として関東以西の各管区本部に、情報の収集とそれから出港船舶に対する警戒を指示いたしました。その指示に基づきまして、各出先機関が十三日まで、金氏が韓国へ帰ったということがわかった時点までに、立ち入り検査を韓国向けの船舶七十五隻についていたしました。
#42
○佐々木静子君 この海上保安庁でお調べになった船舶の中には、どういうふうな調査をなすったかはわかりかねますが、クエスチョンマークのつく船舶はなかったわけなんですか。かなりあったけれども、厳密な調査はできなかったというのか、全然クエスチョンマークのつく船舶はなかったというのか、そのあたりはどうですか。
#43
○説明員(船谷近夫君) 通常のこれは行政行為での立ち入り検査でございます。捜査権に基づく捜査の段階には入っていない処置でございますが、その関係もございますが、うちが調べましたこの立ち入り検査した船については不審事項はございませんでした。
#44
○佐々木静子君 この立ち入り検査、これはまあ捜査権に基づくものではないから非常にむずかしいと思うんですが、具体的にはどういうふうな、現実的にはどういう調査をなさるわけなのか、もう少しわかりやすく具体的におっしゃっていただきたいんですが。
#45
○説明員(船谷近夫君) これは一般の行政行為でございますので、海上における安全の保持、いろいろの法律がございますが、それが正しく行なわれておるかどうかとか、あるいは船舶の同一性なんかを見るための権限でございます。その間に不審事項があれば、それを今度は、犯罪があるかもしれないと思われる場合には捜査に切りかえて捜査をすることになります。
#46
○佐々木静子君 そうすると、そのいま犯罪があるかもしれないと思われる船舶は見当たらなかったということになるわけですか。
#47
○説明員(船谷近夫君) そのとおりでございます。
#48
○佐々木静子君 これは海上保安庁でお調べになるときは、日本の領海の範囲ですね、どの範囲の船を海上保安庁ではお調べになるのですか。
#49
○説明員(船谷近夫君) 領海内にある船舶でございます。領海外につきましては、犯罪の捜査で追跡してそれで公海まで及ぶ場合、追跡権が認められておりますが、通常のことについては領海内でございます。
#50
○佐々木静子君 この場合は、領海内の解釈は海上保安庁はどのようにおとりになりましたか。
#51
○説明員(船谷近夫君) 三マイル。
#52
○佐々木静子君 そうすると、三マイル以内にある船は、大体、このいまの御説明になったように全部を見のがすことなくキャッチしたというおつもりでいらっしゃるわけですね。
#53
○説明員(船谷近夫君) 停泊中の船で特にこの事件に関連するかもしれないということがございました、われわれが考えましたのは、韓国向けの出港予定船について重点的にいたしました。で、通常の場合、何かの嫌疑があるとかあるいは陸上における検問なんかのことをやらなくてはいけないというような事態のときには、航行船について、航行中でも停止を命じてやる場合がございますか、その特別の場合を除いては、一般にたとえば瀬戸内海を航行中の船舶を、何でもないのにとめて立ち入り検査するというようなことはいたしておりません。またそれをやるのはたいへんな迷惑になるわけでございますから、通常立ち入り検査しますのは停泊中の船舶でございます。
#54
○佐々木静子君 八月九日の夜から十日の朝にかけて大阪湾内に立ち入り検査の対象になった船は何隻ありましたですか。
#55
○説明員(船谷近夫君) 時間的にうちがどれだけやったかという調査をいたしましたのは、十三日までの調査をいたしました。で、十三日まで十二隻の立ち入り検査をいたしました。
#56
○佐々木静子君 十三日までが大阪港、神戸港を含めて大阪湾内で十二隻だけですか。
#57
○説明員(船谷近夫君) いま十二隻と申し上げましたのは大阪港でございます。個々の港全部ございませんが、第五管区がやりましたのは、これは第五管区といいますのは神戸、大阪それから紀伊なんかを担当しておりますが、二十二隻でございます。佐々木静子君 警察庁に伺いますが、この八月の九日の日の夜ですね、大阪の近辺に金大中さんが拉致されているというふうな情報が入った、この日の夜ですね、大阪府警並びに兵庫県警なども近接県で関係が深いと思うのですけれども、何人くらいの警官を動員して、どのような、これはホテル関係よりもむしろ港湾関係はどのような警備をされましたですか。
#58
○説明員(佐々淳行君) 前回の委員会で警備局長がお答えをいたしておりますので、社会党の亀田得治先生からいただいた情報の内容については省略をさせていただきますが、その具体的な情報に基づきまして、八月の九日、制私服千百五十名の警察官を動員いたしまして、旅館、ホテル、二千二百五十九カ所をチェックをいたしました。それから、海上保安庁と協力をいたしまして、大阪港停泊中の船、当時の在隻数、ちょっと私控えておりませんが、所要の立ち入り検査に御協力をさせていただくという措置をとっております。
#59
○佐々木静子君 これは九日の日の夜、千百五十名を動員されたわけですね。十日の日はどういう警備体制だったでしょうか、大阪府警を中心とする近畿地区ですね。
#60
○説明員(佐々淳行君) この前警備局長がお答えをいたしましたように、引き続き情報を亀田先生からも十一日にもちょうだいをしておるわけでございますが、情報の内容から見て、まだホテルにいる、情報の内容、重複をいたしますけれども、繰り返しますと、荷物のような状態になって発送されようとしておる、タレットホテルとかあるいはタレホテルもしくはパレットもしくはパレ、こういうようなホテルだと、こういう情報が九日の情報でございましたので、十日も引き続きまして制私服警察官一千名を動員いたしまして、さらに千七百七カ所のチェックを行ないました。それから、この段階では警察庁といたしましても全国手配をいたしまして、金大中氏の所在確認のために、管区警察局を通じまして全国ホテルのチェックを指示をいたしました。全国に五万二千軒のホテルがございますが、これを四日間で延べ二万四千名を動員してチェックをしたという集計になっておりますが、大阪におきましても、警察庁からの指令もございましたので、十日も引き続き捜査を実施しております。なお、大阪府警からの隣接府県への手配並びに警察庁からの連絡によりまして、兵庫、京都、和歌山の各府県、これが九日、十日の両日にわたりまして、制私服警察官一千八十名を動員いたしまして、約千九百カ所のホテルのチェックを実施いたしました。
#61
○佐々木静子君 話は変わりますが、一番初めの事件の発端となったホテル・グランドパレスですね、このグランドパレスを経営している会社名はどういう会社名ですか。
#62
○説明員(佐々淳行君) ホテル・グランドパレスにつきましては、犯行の現場に関することでございましたので、基礎的な資料の一つとして私ども調査をいたしました。それによりますと、ホテルは昭和四十四年の十二月十一日設立をされまして、所在地は千代代田区飯田橋一の一の一でございますが、地上二十三階、地下三階でございまして、全客室五百室、資本金は十億円、代表取締役社長は北村修三氏と承知しております。
#63
○佐々木静子君 このホテル・グランドパレスの出資者、資金関係ですね、どういうところがおもな出資口であるか、それを御調査なさっていますか。
#64
○説明員(佐々淳行君) 大口の株主は有名な一流の市中銀行というふうに報告を受けております。
#65
○佐々木静子君 銀行のほか、民間でどういうところが大口出資者であるか、そのことについての出資の内訳ですね、そういうことは把握しておられますか。
#66
○説明員(佐々淳行君) 本件の関連におきましてグランドパレスホテルを調査をいたしましたのは、犯行の現場ということの関連において基礎的な資料として調査をいたしましたので、私ども、グランドパレスホテルそのものが本件犯行に何らかの意味で関与しているという具体的な証拠がございませんので、そういう捜査はいたしておりません。
#67
○佐々木静子君 これは私も、グランドパレスはこの事件、犯行にかんでいるということでお聞きしているわけじゃない。あくまで参考の問題として伺っているわけですが、ホテル・グランドパレスに大口のお金を貸し付けているところがある、そういうことをお調べになっていられないのですか。
#68
○説明員(佐々淳行君) そういう事実は承知しておりません。
#69
○佐々木静子君 いま韓国の済州島で大きなレジャーセンターをつくる計画が日本の資本で進められている。これがホテル・グランドパレスとある程度タイアップしてやっていこうというような話があるというようなこと、そういうようなことは御調査なさっていないんですか。
#70
○説明員(佐々淳行君) 調査いたしておりません。
#71
○佐々木静子君 私どもこれはそういう面もいろいろと多範囲にわたって調査していただきたいと思う。そういう意味で今後ぜひ調査もしていただき、調査をしていただくとすれば、その結果はこちらに御連絡いただきたいとこれはお願いしておきます。よろしいですね。
#72
○説明員(佐々淳行君) どういう事件に関してでございましょうか。
#73
○佐々木静子君 ホテル・グランドパレスが犯罪に加担していると私は全然言っていないわけです。ただ、こういう大きなスケールの事件ですから、いろいろな背景というものをよく調べてみないといけない。そのためには、この事件の舞台になったホテル・グランドパレスの出資関係がどうか、あるいは大口のお金を貸し付けている人はどうかそういうふうな問題などもやはり当然、こういう大きな事件の場合は、いろいろな方面から、ホテル・グランドパレスをたまたま例にあげたわけですけれども、調べていかないといけない。それから、やはり観光関係の問題ですから、これが大韓航空の出資とタイアップしていることも考えられる、あるいは日本の資本が済州島に大きなレジャーセンターをつくろうとしている、それらの資本とのかね合いというものもあるいは考えられないでもないというようなところから、ホテル・グランドパレスの出資関係、おもな出資者あるいは大きな債権者、そういうふうなものも警察でお調べになる必要があるんじゃないかと私は申し上げている。またお調べになったとすれば、それをこちらの委員会にも教えていただきたいということを言っているわけなんです。いかがですか。
#74
○説明員(佐々淳行君) 御指摘のような点につきまして、一般情報として収集につとめてみたいと考えますが、一言お断わりをいたしておきますけれども、警察の場合には捜査権の乱用を戒められておりますので、具体的な犯罪の容疑があった場合に捜査権の行使として調査をいたしますが、本件につきましては、現在までのところグランドパレスホテルが本件犯行に関係ありという何らの証拠がございませんので、捜査はいたしません。一般情報として入手につとめてみたいと考えております。
#75
○佐々木静子君 それでは次の問題に移りますけれども、これは入管局長に伺いたいのですが、入管局長はこの事件をだれからいつキャッチされたわけですか。
#76
○政府委員(吉岡章君) 私のほうに第一報が入りましたのは、八月八日の十五時に東京入国管理事務所の審査一課長から本局の総務課へ電話通報がございまして、身元不明の者から、金大中氏が駐日韓国大使館に拉致されたが、国外連行を防ぐ手段はないかという電話があったということを、その直後、総務課の担当官から報告を受けました。
#77
○佐々木静子君 局長とすると、すぐに入管関係でどのような手を打たれたわけですか。
#78
○政府委員(吉岡章君) 入管といたしましては、まず第一に空港から出国するということが時間的にも一番可能性があるんじゃないかということで、羽田入管、これは羽田空港管轄、それから大阪入管、これは伊丹空港の関係、それから福岡入管、これは板付空港の関係、この三カ所へ電話連絡いたしまして、金大中氏が出国手続におもむいたときは、同人の出国意思を確認して、それとともに、もよりの警察に連絡をとるとともに、また本局にも報告するよう指示いたしました。これが十五時五十分でございます。なお、下関では釜山との間の連絡船がございますから、下関港に対しましては福岡入管を通じまして右指示を伝えた次第でございます。
#79
○佐々木静子君 これは入管とすると、いまお話のございました九日の日の夜、大阪にそれとおぼしき人がいる、あるいは荷物として積み出されるやもしれぬというような情報をお受けになっておられますか。
#80
○政府委員(吉岡章君) 亀田先生提供の情報として耳にいたしましたが、いつの時点であったか、いまちょっと記憶しておりません。
#81
○佐々木静子君 そうすると、その情報を聞いて、入管とすると特に特別の配備を大阪にされたとかそういうことはなかったわけなんですか。
#82
○政府委員(吉岡章君) 八月八日の十七時五十分に、立川、横浜、大阪の各出張所に先ほど申し上げましたのと同じような趣旨の指令を出しておりますが、各港出張所に対しましては翌八月九日の十四時三十五分に同様な指示をいたしております。
#83
○佐々木静子君 これは実は話が変わりますが、先日この日本と韓国との間の出入国関係についての統計を、最近一年間の出入国の状態をお聞きしたわけなんですけれども、日本へ再入国するということで出国したまま帰ってこないという人は年間どのぐらいあるのですか。
#84
○政府委員(吉岡章君) 日本に在住する人で、再入国の許可を得まして韓国に出てまいりました者の数は、いま正確に、統計を持ってきておりませんので正確な数はわかりませんが、その中で再入国許可を得ながら日本に入国してきていない者ということにつきましては、特段に調査をいたしておりません。
#85
○佐々木静子君 特段に調査をしていないということですが、大まかに言って年間何人ぐらいあるのか、それはおわかりになりませんか。
#86
○政府委員(吉岡章君) 現在はちょっとわかりかねます。
#87
○佐々木静子君 これは調べたらおわかりになると思うんですが、たとえば過去一年間、日本へ再入国するということで出かけていって帰ってこない人というものは、これは調べると、氏名も、いつ出国していつまでに帰る予定だったのが帰ってこなかったということは、これは当然入管のほうでわかるわけでございますね。
#88
○政府委員(吉岡章君) 再入国の許可を出します際には、再入国の期間というものを定めてございますから、それが経過した後も入国していないという場合には、調査すればわかるかと思います。
#89
○佐々木静子君 日本人が、たとえば韓国なら韓国、あるいは外国へ行く、そしていつまでの旅券が出る、ところがそれまでに帰ってこないというようなケースも多いと思うんですけれども、これは年間どのぐらいあるのですか。これは外務省になるのですか。
#90
○政府委員(吉岡章君) いまの御質問の点は外務省のほうがよくおわかりになると思います。
#91
○佐々木静子君 これ、私、帰ってこないというのは、全部が全部そうだというわけではもちろんないと思うんですけれども、先日、本委員会で田議員からも御質問申し上げましたように、日本人あるいは在日韓国人が韓国へ行って、そしてそのまま逮捕されて帰ってこれなくなっているのもおるわけですけれども、まあ私どものほうでここにそういうふうなケース、これ大体十件ほどあるわけで、人数にすると――工事件名でいって十件ほどですから、人数にするともっとあると思うのですけれども、そういう実態ですね、これはどこで把握してられるのか、やはり入管だと思うのですけれども、入管のほうでおわかりになりますか。
#92
○政府委員(吉岡章君) 先ほど申し上げましたように、再入国許可を持って出国いたしました人が再入国の許可期限内に帰らなかったという場合は、これは調査すればわかるわけでございます。しかし、その中でどういう理由で、あるいは本人の都合によるか、あるいはその他の理由で向こうにとどまっておるのか、そういった点はわれわれとしてもわかりかねる次第でございます。
#93
○佐々木静子君 本人の意思で帰ってこないのもいろいろあると思います。しかし、まあたとえば韓国なら韓国で、この韓国の国家権力によって帰るわけにいかない状態になっているというのも、これはあることは否定できない事実ですけれども、それが何件ぐらいあるか、これは入管でキャッチできないわけですか。
#94
○政府委員(吉岡章君) 私の手元に一応、韓国におきまして在日韓国人などが逮捕された事件というもののリストは一応ございますが、これらにつきましても、詳しい事情等につきましては現状ではちょっとわかりかねるわけでございます。
#95
○佐々木静子君 これは在日韓国人以外のことになると、日本人が向こうへ行って帰ってこれなくなっているというのは、これは外務省になるわけですか。この件については入管ではわからないわけですか。わかるほうの方がお答えいただいたらけっこうでございますが、どのぐらいの、これはまあ問題を小さくする意味で韓国に限って申しますが、韓国へ行って韓国官憲につかまるなり何らかの韓国の国家権力によって帰ってこれなくなっているのが、日本人ですね、何人ぐらいあるか。この情報を把握していらっしゃる外務省でも法務省でもどちらでもけっこうですから、何件ぐらいあるかということをお答えいただきたいと思います。
#96
○政府委員(吉岡章君) 入管としてはその数を把握しておりませんが、外務省の領事移住部では、あるいは把握されておるかと思います。
#97
○説明員(中江要介君) 外務省で把握できます案件といいますのは、当該外国で日本人が何らかの国家権力、その国の国家権力によって自由を拘束されたり、あるいはそれ以前でも嫌疑をかけられたりというようなことで、それが事件になりまして、しかも本人の要請あるいはその国の当局の通報あるいはその留守宅、友人からの日本における連絡、そういうものがある者については、外務省は在外国民の保護のための任務を遂行するということで、場合により弁護士のあっせんとか、あるいはその勾留されております場所における扱いが人道的であるかどうかということで、領事を派遣したり、あるいは本人と面会をして事情を聞いたり、あるいは希望するものを本国から取り寄せて渡したり、そういうことはいたしますけれども、一般的にその国において日本人がその国の官憲によって何らかの事件が起きた場合をすべてを網羅するような調査、捜査といいますか、そういうものは外務省としてはやっておらない、こういう現状でございます。
#98
○佐々木静子君 一般的な問題になりますが、いまそういう状態になっている日本人というのは何人ぐらいいるのか、これはちょっと外務省のほうでわかっているところ、人数だけでけっこうですから。
#99
○説明員(中江要介君) 私はすべてを網羅したものは持っておらないんですけれども、ここにありますものですと六件ございますが、この中には、いわゆる日本人と、それから日本に在住しておられました韓国籍の人と、元韓国人で日本に帰化しておられる方と、そういうのはございますけれども、事件として承知しておりますのは、いま手元の資料では六件ということになっておるわけでございます。
#100
○佐々木静子君 そうすると、この六件は全部韓国に抑留されておる人のケースでございますか。
#101
○説明員(中江要介君) これは一々そのこまかい状況は違いますけれども、現在韓国におられる人と、こういうことでございます。
#102
○佐々木静子君 いまこれは日本人ばかりですね。在日韓国人もいるわけですか、ちょっとそこのところ聞き取りにくかったものですから。
#103
○説明員(中江要介君) 両方あると思うんですが、ちょっと私急いでさあっと見ておりますので、一つ一つを詳しく申し上げる必要があればあれですけれども……。
#104
○佐々木静子君 なんでしたらその氏名だけでも、あるいはわかれば抑留されている場所とか抑留された日にちなど表にして御提出いただければたいへんありがたいと思いますが、いかがですか。
#105
○説明員(中江要介君) それでは、あとで表にいたしまして御提出いたします。
#106
○佐々木静子君 入管局長に伺いますが、在日韓国人で韓国に抑留されている者の資料があるというお話でございましたが、それは何人ぐらいの人が抑留されておるわけでございますか。
#107
○政府委員(吉岡章君) 私いま手元に持っておりますのは約二十名でございますが、詳しく見ますと日本人の名前も入っておりますので、多少その数は減るかと思います。
#108
○佐々木静子君 日本人の名前というのはあまり数がたくさんないんじゃないかというふうな感じを受けたんですが、名前だけでもちょっとあげていただけますか。
#109
○政府委員(吉岡章君) たとえば沢本三次さんのところに西部綾子さんというのがございますが、この方はおそらく日本人じゃないかという気がいたしております。沢本さんは帰化日本人でございます。
 それから、これは召喚状を受けたけれども韓国に出国しなかったという人の名前も入っておりますので、正確に再入国の許可をもらって韓国に出ていって、しかもまだ帰ってない、あるいは期限までに帰ってないという者の数は十数名になるんじゃないかと思いますが。
#110
○佐々木静子君 それもおそれ入りますが氏名と、それから抑留場所がわかっておれば抑留場所、そして拘束された年月日がわかればそれも一覧表にして委員会に出していただきたいんでございますが。
#111
○政府委員(吉岡章君) それでは、後刻整理いたしまして提出いたします。
#112
○佐々木静子君 もう時間がございませんので、大臣にお伺いいたしたいと思います。
 この間新聞でも報ぜられましたが、田中法務大臣のほうにも脅迫電話がかかってきたりしてたいへんなことであったというようなお話を伺ったんでございますけれども、新聞に報ぜられたこの二十三日の夜でございますね、それ以後脅迫電話あるいは脅迫の書面その他大臣にいろいろそんなことがやはりあるわけでございますか。その後は何にもないわけでございますか。
#113
○国務大臣(田中伊三次君) それ以後はございません。
#114
○佐々木静子君 これは法務大臣のこれまた第六感ということになるかもしれませんが、御感覚では、電話は日本人の声ではなかったというようなお話でございましたけれども、これはもちろんアジア人の声でございますね。どういう国の人の電話であったかというようなことは、まあどういうふうにお受け取りになりましたか。
#115
○国務大臣(田中伊三次君) お尋ねをいただきまして恐縮に存じますが、韓国人のなまり、詳しくはわかりませんが、そういうふうに感じました。
#116
○佐々木静子君 韓国人のなまりで、そして電話で申してきた内容が、某国CIAという表現を使ったのがけしからぬ、そういう趣旨のことでございましたか、ちょっとそこをもう少し、失礼ですけれども詳しくそのときの状況をお述べいただければけっこうだと思うんでございますけれども。
#117
○国務大臣(田中伊三次君) 某国とは何事か、某国秘密警察が関与しておるとは何事か、そういうことを言ってええと思っておるか、覚悟はきまっているか、などという表現のようであったと記憶をしております。
#118
○佐々木静子君 これは法務大臣も非常にこういう問題が降ってわいたように起こりましてたいへんに御苦労が多いと思うのでございますけれども、前回からの審議で特に思うんでございますが、外国の諜報機関についての調査をしているところが、日本の役所の中で私これ法務省の管轄じゃないかというふうに思っておるのでございますけれども、非常にこれといって名乗りをあげていただくところがない。その件について、法務省とすると何かやはりこれだけの世論が起こり、諜報機関というものはどのぐらい活躍をしているのかしていないのか、これわかりませんが、一応国民は、この金大中事件との関連において、某国の諜報機関というようなものがかなりにいま日本国内において活動しているんじゃないかということについて率直に言ってたいへんに不安な念を持っているわけです。大臣のほうにそういう電話がかかってきても、大臣は別に、だからといって身辺に危害が及ぶというふうにもお考えにはならぬと思いますけれども、一般の何の防衛力もないまあ日本人一人一人の身になりますと、やはり何かが自分たちを監視しているんじゃないか、あるいはいつ自分たちの周辺にそういうおそろしいことが起こるかわからないというふうなことで、率直に言ってたいへん不安に思っている人が多いわけなんでございますけれども、そのような不安を一掃するために、やはり治安の当局としての大臣が外国の情報機関というものに対してどのような調査をこれからしていこうと思っていらっしゃるのか、またどのようなそれに対応するだけの設備をたとえば法務省の中、これは私、治安の責任を持つ法務省としては当然何か手を打っていただきたいと思うんですが、どのようにお考えになっていらっしゃるか、それをちょっとお述べいただきたいと思います。
#119
○国務大臣(田中伊三次君) これはなかなか先生の御質問、むずかしい深刻な御質問でありまして、簡単にお答えができないんですね。と申しますのは、私は何々国CIAだ、何国の秘密警察だという表現をして、そういう肩書きを持って入国してくるということはまずない。これは何国の情報部員として、中央情報部員としての経歴があったということをこちらが察知できれば別でございますが、その入国させますときに――入国には、先生御承知のとおり、入国の目的というものを明らかにいたしまして、そういう目的で入国さすことが適当であるかどうかの審査はするけれども、その人の過去の経歴で隠してある経歴をせせり出していく、調査をするということを実際にはやってもおらぬし、やれない。それは入国管理の目的でもない。全世界どの国もそういうことをやっていない。こういうことで、入国の目的が許可に値するものということになりますればこれを入れるわけでございますから、それがどういう資格を兼任しておる者か、過去においてどういう経歴を持っておるか、黙って入ってきて、後に秘密警察の仕事をする者かどうかというようなことはなかなかわかりにくいものでございます。
 それですから、そうすると何か取り締まりの道がないのかというと、取り締まりの道はない。ヨーロッパ各国のように防諜法があるわけではない、機密保持法があるわけではない。――それがあったほうがいいと私は言うんじゃないんですよ。それは、そんなことに聞いていただいたらたいへんなことになるわけです。そんなことを思っておるわけじゃありませんが、そういうものもない。したがって、情報活動をとらえる道はない、こういう状況でございます。ただ、これらの人々がわが国国内で活動をいたしますことが、単なる思想活動、思想調査の活動、単なる情報収集の活動をいたします範囲においては、わが国では取り締まる法規がない。一歩逸脱をしてわが国刑罰法規に触れるような違反行為を起こしました場合に、初めて政府はタッチできる、調査ができる。その場合も、外交特権を持つような、外交のパスポート、外交のビザを取って入ってきておるような、外交特権を持っておりますような人の行動は、調査はするけれども逮捕はできない。先ほど外務省からもお話がありましたように、それは、外交ルートを通して退去を命ずる。なまぬるい話でありますけれども、こういうことしかできない。
 そして、そのわが国の法規違反を起こしました者が外交特権を持っていないという場合だけは、その場合だけはこれをひっとらえる。警察、検察にかけまして、厳重捜査をいたしまして、わが国の公正な裁判にかけて処断をする、そして治安の回復を行なうというそのことができるだけでございます。――まああたりまえのことを私は言うておるのでありますけれども、そういうことができるだけでございます。
 某国のCIAと言われる人々が出てきてどんな活動をしておりましても、いま申しました筋書きによる以外はこれをする道がない。むしろ日本の国内の法律制度というものから申しますと、犯罪も犯さないのに何を調べているんだ、思想活動は自由じゃないか、情報活動は自由じゃないか、どこにいけない法律があるのかということになりますので、どうもこれはやりにくい、押えにくい。私のほう、入管を持たせていただいておりまして、いろいろ局長以下苦労してやっておるのでございますが、これは、どうも最近の情勢からいうと、こういうことを知る道がありそうなもんだと、こういうふうに思うのでありますけれども、これを押える道はない。現行制度のもとにおいては押える道はない。罪を犯した場合のみと、こういう現状が実情でございます。
 そういうふうにお答えをいたします。
#120
○佐々木静子君 これは、たとえば私のおります大阪などは、在日韓国人、朝鮮人の方が非常に多い。二十万ほどおられる。これは、そういう方がどういう政治的な考え方を持つかということだけじゃなしに、好むと好まざるとにかかわらず、日本人がまた、その自分たちの仕事なり、あるいはいろんな接触を持って、いろんな韓国人とのつき合いというものも多くなってきている。そうなると、全く日常の生活においても、あ、こんなことを言うと韓国――韓国とは申しませんが、いわゆる某国のCIAに自分たちもにらまれるんじゃないだろうかなどというようなことにすらいまなってきているわけなんです、現実の問題として。
 あるいは、この人とつき合っていたんだけれども、何だかおそろしいようなことにこの人とつき合うとなるんじゃないだろうか、そういうふうな危惧さえ持ちつつあるというような、あるいは、うっかりものが言えないというふうな状態に、これは在日韓国人のことのみならず、それに関連する日本人もそういう状態にいま立ち至っているような零囲気なんです。これが、全く思想、信条、言論の自由がきっちりと憲法に保障されている日本において、外国の謀報機関のために、日本人が言うことも言えない。これは全くおかしな話じゃないか。これをこのままのさばらしておいたのでは、せっかく日本の思想の自由、言論の自由を保障したところの日本憲法をまでこれは某国の謀報機関によって脅かされるというようなことも起こらないでもないわけでございます。
 一例を取り上げますと、これは大臣の御出身地の京都で起こったことでございますので大臣ももう十分前から御承知だと思いますが、たとえば徐勝きょうだい、これは京都の高校を出て、東京の大学を出て、ソウルで反共法違反でつかまった在日韓国人でございますけれども、これの救援活動をしていた友人の日本の人たちまでも、やはり、これはちょっとおそろしくてソウルヘはうっかり行けぬじゃないか。ソウルへ行けぬばかりじゃなくて、自分たちもたいへんないやがらせをやられるんじゃないかというようなことにすらなってきているわけなんでございまして、現実の問題として、これは徐勝君ばかりじゃない。先ほどお話しになった沢本さんとか西部さんとかあるいは神戸の夏谷さんなどのように、日本人もいまこれは日本で拉致されたという説もあるわけです、そのうちの一部の方は。そういうことで、身柄を拘束されているけれども、それを救出する運動すら十分に保障されておらないという、非常にいまの日本国の憲法下、この日本の中であり得べからざる事態がこのまま放置すると起こってくるんじゃないか。やはり、それに対しては、き然たる態度で法務省は臨んでいただきたいと思うわけなんです。
 そういうことについて、たとえば、いまお話があった、CIAが外交官という名前を使い外交特権を持っている。ところが実際は、外交官の仕事をやらずに情報活動をやっている、そういう場合も、これは外交官ということであれば手はつけられないということで法務省は放置されるおつもりなのかどうなのか、そのあたりを伺いたい。
#121
○国務大臣(田中伊三次君) それは先生、そうじゃないんです 国の利益という表現をしておるのであります。――国益、これはむずかしいことばでございます、解釈のむずかしいことでありますけれども、国の利益、公安を害するような行動をとった場合は強制送還ができる。何やつたっていいんだということにはなっていないのであります。
 しかし、これは私がたいへんおことばを返すようで申し上げにくいのでありますけれども、いま仰せになったようなたいへん困った事態はあるんです。あるからこんなことが起こっておるんでありますけれども、本来日本は、世界に冠たる思想自由、表現自由の看板を上げておる。世界に冠たる憲法を持っておる。その憲法を持っておる国内においては、刑罰法規に触れるような行為をやらかさぬ限りは、しでかさぬ限りは情報活動自由ということを、たいへん私はよいことではなかろうか。えらい妙なことを言うというふうにお聞き取りかもわかりませんが、私は、この日本の世界に冠たる憲法にものをいわして、憲法と暮らしというものをしっかり抱き合わして実施をしていこうということになりますというと、どうも刑罰法規に触れざる行為というものを調査をしたり取り調べたりするということは間違いではないか。それがために何らかの具体的対策を講ずるように、法務省が立案工作に腐心をしてみるなどということは間違っているんじゃなかろうかという感じがするわけでございます、率直に感じを申し上げるのでありますけれども。罰則に触れない行動はよろしい、ただ、罰則に触れる行為があったときに断固徹底的な態度をもってこれを糾弾する、こういう組織、警察力――警察力、警備力をふやすと言うと、すぐ日本ではハチの巣をつついたような反対が起こってくるのでありますが、事が起こってみたらわかる、いかに警察の警備力が大事であるかということがわかるわけでございます。私がそれを言うのも妙に聞こえるのでありますけれども、刑罰法規に触れる行為を行なったときにおいては断固たる態度で徹底的究明が急速にできる用意を整える、これが必要なことでなかろうかと、こういうふうに考えるわけであります。
#122
○佐々木静子君 断固たる決意、それを私ども一番いまの時点において、ほんとうに政府は断固たる決意を持って臨んでいただきたいと思っているわけですが、いま私最後に申し上げましたのは、外交官としての仕事じゃなくて、いま、先ほど来おっしゃっているこのほかの仕事をしている人、たとえば某国で外交官旅券で入ってきている、そういう場合、これは外交官の仕事じゃなくてほかの仕事をしている、しかし、その場合に外交官特権をあくまで認めていくのかどうか。ここら辺の認定の問題は、たとえば、外交官の資格を持っている者が日本国内で、たとえばの話、犯罪を犯した、その場合に、これは外交官であれば外交官待権というものがあるでしょうけれども、実質的な外交官でなく、形式的な外交官特権だけを持っているような場合、それは日本政府とすると、あるいは法務省とすると、どういう態度で臨まれるのか。外務省でもけっこうです。
#123
○説明員(中江要介君) 全く仮定の問題として、いま先生御指摘のような事件が日本に外交官として駐在しております人間で起きた場合には、本人がそういう外交特権を持って、その庇護のもとにと言いますか、外交特権を乱用して自分の身の安全をはかるというふうに出る場合と、事件の実態にかんがみて、その外交特権を放棄して、自分は外交特権はある者として入国してやっておるけれども、本件については外交特権を放棄して通常の一私人として日本の管轄権に服し、日本の法のさばきを受けるというふうに出る場合と、二通りあると思うんです。で、後者の場合は、これは当然外交官として入国したにもかかわらず本国政府がその外交特権を放棄するということに踏み切れば、これは私人として通常の手続に乗ります。で、前者のように、あくまでも外交特権をたてにとって自分の安全をはかろうというような場合には、そして他方、その事件についての違法性その他がはっきりしておる場合には、いまの許されている手続といたしましては、先ほど法務大臣もおっしゃいましたように、ペルソナ・ノン・グラータ、好ましからざる人物として日本から追放すると、こういうことになります。
#124
○佐々木静子君 それでは、もう私の与えられた時間がございませんので、最後に、この二十五日に、韓国政府は在日韓国の大使館を通じて、こういう国会論議がけしからぬというふうなことを申し入れてこられた。そのことについて、これは官房長官の談話も発表されておりますし、われわれもこれは全く見当違いな、それこそ日本の主権に対する何たる侮辱だという感じを持っているわけでございますが、閣僚のお一人として、法務大臣のこの件についての御意見と、それから、特に日本で保障されている報道の自由でございますね、日本のれっきとした一流紙であるところの新聞社が韓国政府から、韓国政府がこの事件に介在しているというふうな記事を報じたということに対する非常に報復的な取り扱いを受けて、日本で保障されている報道の自由までをおびやかそうとしている。これも、私ども日本の憲法で保障されている報道の自由に対する重大な侵害であって、けしからぬというふうに考えているわけでございますけれども、閣僚のお一人であるところの法務大臣にその御所信を述べていただき、また外務省にも、この事柄についてどのような――それじゃ、先に外務省にお伺いいたしましょう。この事柄について外務省はどのように韓国のほうにお答えになったか、そのことを述べていただきまして、最後に、法務大臣の閣僚のお一人としてのこの二つの件についての意見を伺いたいと思うわけです。
#125
○説明員(中江要介君) 先生の御質問のこのこととおっしゃるのは、日本の有力新聞社の支局の閉鎖と特派員の国外退去の問題だと思うんですが、本件につきましては、前回のこの委員会で、私、まだ事実がはっきりしないので何とも申し上げられないと、こう申したわけですが、その後はっきりいたしましたのは、韓国政府としては、韓国の法令の規定に基づいてこの措置をとったんだと、こう言っておるわけです。で、当該新聞社支局及び特派員のその韓国政府の措置に対する対応振りいかんによっては、外交ルートを通じて何らかの措置が必要かと思っておったわけですが、まず、当事者間と言いますか、韓国政府当局と当該新聞社との間の話と言いますか、決着といたしましては、一応、特派員は全員お引き揚げになるということに踏み切られたわけでございます。しかし、外務省として、日本政府としてそれを放置するわけにはまいらないので、日本政府としましては、韓国駐在の前田公使から韓国政府に対しまして、新聞報道の自由は日本では保障されている、その報道の中に誤りがあったのかなかったのかということは、これはやがてはっきりする問題なんで、ただその真偽のほどについて疑問があるという程度のことで支局の閉鎖というような措置をとられるのはいかがなものかと思うというわがほうの強い気持ちは伝えてあるわけでございます。
#126
○佐々木静子君 外務省のいまの立場はわかりましたけれども、ですから、その報道の自由の保障の問題についての大臣の御所信、そして、さらにこの大きな問題である国会審議に対する韓国政府の干渉に対して、大臣の御所信をぜひともお述べいただきたいと思います。
#127
○国務大臣(田中伊三次君) わが国の某有力紙の問題につきましては、ただいま外務省の仰せのとおり、日本は、憲法上表現の自由を持っておる、その日本の有力紙に対する韓国の態度はもってのほかである、これこそすみやかに原状回復をしてもらいたい、外務省は自信を持って、しっかり、ひとつ、実現するまでの今後の交渉を続けてもらいたい、これを念願し希望をいたします。また、政府はこの方針でなければならぬと、こう考えます。
 それからもう一つの、国会の論議がけしからぬという問題、これはまことにけしからぬ話だと思うんです。どこがけしからぬか、日本の国会は日本国の憲法に基づいて活動しておる。行政権の発動、立法権の発動、司法権の発動、これは国家主権である、国会の活動は国家主権の発動である、それがけしかるとかけしからぬとか、行き過ぎであるとかないとかいうことはだれが言うのか、そういう交渉を韓国がおやりになるということは重大な国会に対する干渉である。日本国会の行動は日本憲法に命ぜられたこと以外には容喙をするものはないはずであります。当然のことでございます。国会は自信を持ってしっかり論議を重ねたい、花の咲くような論議が展開されなければ民主主義は育たない、こう私は考えておりますので、官房長官の仰せになりました反発の態度は当然である、こう考える次第です。
#128
○佐々木静子君 大臣の御所信、私も非常に敬意を表する次第でございますが、政府としても韓国政府にそのことを厳重に抗議なさるし抗議というとちょっとことばが適当でないかもしれませんが、政府の見解を強く韓国政府に発表なさるかどうか、そうした点について、閣僚のお一人としてどういうお考えでございますか。
#129
○国務大臣(田中伊三次君) それは私単独で申し上げることではありませんが、すでにこの申し入れに対し官房長官が断固たる意思の表示をしておるわけでございます。これを将来ともに貫いていく、国会はいかなる事態に関しても言論には遠慮しない、これが日本の国会でなければならぬ、こう考えております。
#130
○白木義一郎君 最初に吉岡入管局長さんに、先ほどの佐々木委員に対するお答えをもう一度お尋ねしたいのですが、それは、入国管理局に今回の事件の報告があったのがいつごろで、どういう報告がどこからあったのか、おそれいりますがもう一度お聞かせ願いたい。
#131
○政府委員(吉岡章君) それでは繰り返してお答え申し上げます。
 八月の八日十五時――午後三時でございますが、東京入国管理事務所の審査一課長から本局の総務課へ電話連絡がございまして、身元不明の者から、金大中氏が駐日韓国大使館に拉致されたが、国外連行を防ぐ手段はないかという趣意の電話があった、ということを言ってまいりました。その通報を受けましたのが、その直後であったと思います。
#132
○白木義一郎君 そうしますと、あなたのところへはすでにもう、韓国大使館員によって連れ去られたと、こういう連絡があったわけですね。そうしますと、もうこの事件は最初からそういう考えのもとに捜査を、あるいは追跡を開始したと、こういうように受け取れるわけですが、その点は警察庁のほうはどうですか。
#133
○説明員(佐々淳行君) 私どもが受けました一一〇番、並びに宇都宮先生を通じまして得ました情報では、韓国大使館員というはっきりした表現はございませんで、金大中氏と会っていたところ五、六人の男に連れ去られた、政治的なごたごただと思う、こういう趣旨の情報が第一次的に入手をされたわけでございます。もちろん、私どもの入手をいたしました情報は、現場で状況を目撃された梁一東さんと金敬仁さんからの情報でございまして、このお二人からは、韓国大使館員であるというようなお話は全くございませんでした。捜査につきましては私ども予断を持つことは禁物でございますので、事実関係を積み上げて捜査住していくというのが基本的立場でございますので、犯人がだれであろうと同じ手配をするわけでございます。したがいまして、犯人の人相、特徴、それから金大中先生――今日ではたいへんもう皆さんお顔を、テレビ、新聞等に出まして皆さん御存じですけれども、当時はまだ被害者である金大中さん自身の人相、特徴、それからそのときどんな洋服を着ておったか、こういうような基礎的な事実関係の入手につとめまして、このわかった限りの事実を、とりあえず三時十五分の緊急配備の際に流した次第でございます。
#134
○白木義一郎君 そうしますと、当局はそういういま答弁のあったようなことで、それが吉岡局長さんのところへいきますと、はっきりといまもそういうお読みになったように、これは韓国大使館員のというようなことがはっきり出ているわけです。そうしますと、今度は局長さんから全国へ連絡しあるいは通達するということになると、当然これは行く先々で、この事件は韓国の政府機関のしわざであるということが、大きく言えば日本じゅうに広がってしまうわけです。しかし、現実はまだ推測の程度を出ないわけですし、その点はどうもちょっと伺って、これは少しうかつな連絡方法だったのじゃないかど、こういうように思うのですが、その点いかがですか。
#135
○政府委員(吉岡章君) 先ほど申し上げましたのは、身元不明の者が、金大中氏が駐日大使館へ拉致されたが、国外連行を防ぐ手段はないかという電話をかけてきた、ということでございまして、入管当局がそういう判断をしたりあるいは予断を持ったということではございませんので、念のため申し上げます。
#136
○白木義一郎君 もちろんあなたのところでそういったような判断をしたということではなくて、それはあくまでも連絡、あなたのところに連絡があったわけです。そしてそれのもとにあなたが管理局長として行動を開始した、その連絡のしかた、出どころを私は心配するわけです。それが結局はあくまで後日、将来明らかになることであっても、その状態にそういったようなことが全国的に広がるようなことは好ましくないんじゃないかと、このように心配するものであります。
 次に、政府は韓国政府に対して現在までのこの事件の捜査の内容を、結果を韓国政府に送っている、こういうように伺っているんですが、その捜査の結果、また内容を詳しく御報告を願いたいと思うんです。
#137
○説明員(佐々淳行君) 韓国側に対しましては、現在までに明らかになりました捜査状況の概要を外務省を通じまして通報をし、韓国側からの捜査情報の提供をさらに促したわけでございますが、この通報いたしました内容は、主として現在までの遺留品捜査の状況、血液型のチェック、それから韓国側から通報を受けました金大中氏の血液型及び韓国側から提出を受けました指紋の照合結果、あるいは韓国に向けて金大中氏を運んだと思われまする船舶の捜査状況、グランドパレスホテルから金大中氏を運び出したと思われる車の捜査状況等につきまして、ごく概要を通報した次第でございます。捜査中の事件でございますので、あまりつまびらかにいたすことを差し控えさせていただきますが、現在までのところ、簡単に申し上げますと、金大中氏の指紋は現場に残されました指紋には合致しないということ、それから、ごく微量の人血の付着いたしましたちり紙についておった血液はB型でございまして、金大中氏はA型RHプラスでございますので、これも合致しないということ、それから車両関係では、当日のこの関係時間帯に出入をいたしました車両三十台、これについて現在割り出しにつとめておりますけれども、新聞等にもすでに出ておりますナンバーの車については、捜査の結果シロであったということを含めましてこの車両捜査の経過を説明をいたしました。それからグランドパレスホテルの二二一〇号室に宿泊をいたしました畑中金次郎という宿泊客の捜査がまだ身元をつきとめるに至っていないということ、こういうようなことを韓国側に捜査情報として提供したわけでございます。
 私どもといたしましては、何といたしましても被害者である金大中氏の供述、さらに現場の目撃者であります梁一東氏並びに金敬仁氏の参考人供述が得られませんと、現在まで承知しております金大中氏の供述なるものは、新聞を経由して私ども承知しておるような次第でございまして、基礎的な捜査資料を何とかして韓国側から提供を受けたいと、外務省を通じ再三催促をしておる次第でありますが、今回あらためて金大中氏ら三名の来日をさらに要請するとともに、これらの捜査情報の提供方を強く要請をした際に、わがほうといたしましても、本事件真相解明のために両国警察の協力が必要であると考えましたので、基礎的な捜査資料の提供をいたした次第でございます。
#138
○白木義一郎君 いまのお話ですと、両国の捜査当局のほんの簡単な調査の資料といいますか、その交換といいますか、それによりますと、金大中氏の送られた指紋と、わが国の当局の調べている金大中氏の指紋が全然符合しない、こういうふうに伺ったのですが、それとも金大中氏の、金さんの指紋は当局にないと、現場でその指紋を入手したけれども、これが彼の指紋であると断定する明確なものがないと、そういう意味ですか。
#139
○説明員(佐々淳行君) 現場に遺留されておる指紋はたくさんございますけれども、対照可能な指紋は四十七と最終的に聞いております。この四十七の指紋について、現在までのところ金大中氏の指紋と合致するものがない。そのほかの不鮮明指紋がございますので、必ずしも残されておった鮮明な指紋に合致しないからといって、金大中氏がそこにいなかった、そういうことではないと思います。
#140
○白木義一郎君 金大中氏の指紋は、いきなり外国からそこへ来てどこかへ連れていかれたというわけじゃないわけですから、どこでも入手できると思いますが、それはないわけですね。
#141
○説明員(佐々淳行君) 金大中氏の指紋につきましては、十指指紋を韓国側から外務省を通じまして正式に入手をいたしております。
#142
○白木義一郎君 被害者ですから、特に指紋がはっきりしないというようなこともやむを得ないことと思いますが、指紋くらいは簡単に入手できるのではないですかね。ほかの彼の事務所とかあるいはその他の宿泊所とかそういうところで調べれば、そうすると韓国から報告された指紋と合致する。こういうふうにわれわれしろうとは思うのですが
#143
○説明員(佐々淳行君) 金大中氏の指紋につきましては、繰り返して申し上げますが、韓国側から捜査資料として入手をいたしておりますので、私ども金大中氏の指紋を持っておるわけでございます。私の申しましたのは、現場に遺留されておった指紋と合致しないということでございます。
#144
○白木義一郎君 この事件は最初からみんな心配しているようにいわゆるミステリーであり、非常に心配なところがいろいろあるわけです。そうしますと、犯人とおぼしき指紋を相手国から送られてそれを調べるということはこれは当然なことですけれども、金大中氏は被害者ですから、韓国の報告どおり当局がそのままそれを資料にして出しちゃうことはわかるわけです。それはそれといたしまして、この現在までの日本側の捜査の結果を韓国へ報告を行なったその意図、それから、これは韓国政府からわが国にそのような要望があったのかどうか、その点をお答え願います。
#145
○説明員(佐々淳行君) 韓国側から正式な要望はございません。この捜査資料を提供いたしました理由は、本件に関しまして、真相究明のために、日韓両警察がより緊密に連絡をして真実を明らかにするために助け合おうと、こういう趣旨で、私ども、すでに新聞等にもいろいろ出ておるわけでございますけれども、新聞に出ておるものに基づいて捜査をするわけにまいりませんので、わがほうで確認をいたしました事実を通報したわけでございます。
#146
○白木義一郎君 次は、報道によりますと、出先の大使館から韓国の政府に対して、六項目ですか、申し入れを行なった、それについては政府は十分な連絡あるいは検討をして行なったかどうか、またその詳しい内容をお知らせ願いたいと思います。
#147
○説明員(中江要介君) 出先の韓国駐在の後宮大使から先方に申し入れましたのは、五項目についてというふうに一般に報道されておりますけれども、趣旨は、この五項目は例示でございまして、側も五項目だけでいいという意味ではなくて、一服的に当初より日本政府が韓国政府に申し入れております捜査状況、韓国側における捜査状況についての報告が日本側を満足させるほどの内容ないし頻度でないということで、非常にわがほうの捜査に貢献するところが少なかった。したがって、ここで、だいぶ事件が起きてから時日も経過しておりますので、一般的な形で強く情報提供についてあらためて要請するというのがまず主眼でございまして、ただ一般的に情報の提供を一生懸命やってくれというだけでは抽象的な申し入れでとどまるきらいもありますので、そこで、その際例示的に、次のような点について情報の提供があれば、よりわがほうの捜査の進渉に貢献するんだという意味で、五つの点を例示したわけでございます。
 それは、第一点は、まず先ほど佐々課長からございましたように、わがほうが韓国側に提供いたしましたように、これまで韓国側が捜査してきたその捜査状況のまとめたものをひとつ出してもらいたいというのが第一点でございます。
 第二点は、先ごろ韓国を訪れておられました春日民社党委員長に語ったところとして伝えられております、捜査に関する中間発表を行なうというふうに聞いておるんで、韓国側がそういう中間発表を行なうというのであれば、いつごろそれを発表することになっているのかという点。
 第三点は、金大中、梁一東、金敬仁の三人の供述内容があるいは食い違っているという報道があったり、あるいはその辺がどこまで進んでいるのかという点についてつまびらかでないので、この三人の方の供述内容を知らせてもらいたい。
 第四点は、これは中間的に情報をいただいておったわけですが、当時韓国に入国した船舶をそれぞれの港について調べているということであったので、それではぼつぼつその調査結果もわかっているはずだろうから、こういう韓国に入国した船舶についての調査結果を知らしてもらいたい。
 第五番目といたしまして、全般的に韓国における本件の捜査の見通しをどういうふうに現在では考えているのか。
 この五点を例示いたしまして、一般的な韓国当局の協力を強く要請した、これが昨日韓国で行なわれたわがほうの要請の内容であります。
#148
○白木義一郎君 この申し入れについて韓国政府が積極的に応じてくれるならば、これはある程度国民の前に内容が知らされる、また、さらに捜査当局の捜査も進展できると、こういうことでわれわれは期待をしておるわけですが、しかし、中間報告という話があってからいまだに中間報告も国民の前に示されていないというようなことから、この申し入れについてどのような大臣は期待をされているか。あるいは、いままでの経過の上から考えると、非常に期待ができないような感じを持つわけであります。そうしますと、国民はますますこの問題について納得のできない気持ちになり、ひいてはこれが韓国とわが国との親善友好という問題にもひびが深く入っていきゃしないか。と同時に、日本の政府の国際的威信あるいは信用にも及ぶ問題じゃないか、こういうように思いますので、大臣のお考えを伺いたいと思います。
#149
○国務大臣(田中伊三次君) 外務省の参事目からただいま御発表になりましたこの五つの項目を例示しての要請、まことに妥当な、しかも、捜査の観点からは最小限これだけはという要請であると存じます。これは韓国が四の五の言わずに、わが国と韓国との緊密な両国の間柄ということに思いをいたしていただいて、この外務省の要請に快く応じてくれるように心より期待をするものでございます。
#150
○白木義一郎君 期待をしているのは一般国民であって、わが国の責任者である政府はどの程度確信を持ってこれをおやりになったのかどうか。もし、これがまた、片っ方では韓国の総理大臣は、なかなかこれは時間がかかる問題だというように報道されているわけです。いままでの経過からいうと、これはまたおそらく歯切れの悪いことになりはしないかと、こう心配するわけです。そのときに、申し入れはした、そっぽは向かれたなんということになると、これはまた騒がしいことになる。期待はすることはけっこうですけれども、もし期待どおりにいかなかった場合は、政府はどうするか。どうして信用を回復するか、あるいは世論を納得させるか、ここまで心配するわけですが、そういう点はいかがですか。
#151
○国務大臣(田中伊三次君) 現段階においては、期待をするという態度以外にないのでありまして、あきらめないで、あくまでもしんぼう強く正しい主張を貫くことに外交上の御努力を願う。必ず、私はその誠意を示すならば、これに対する回答は役に立つ回答が来るものと、こう考えるのであります。また、金大中君をはじめこの三人の生き証人、それの日本国に送り返す問題につきましても韓国政府は、両国の緊密な間柄であるというこの事態にかんがみて、一段落、捜査の終了がいたしましました上は、必ず戻してくれるものとこれは信じて、あくまでも三君の来日というものに対して期待を持つ。あきらめないでしんぼう強くこの外交をやっていく。外交交渉というものはすべてそういうもので、こちらがあきらめて、来日がむずかしかったら書類でいいとか、捜査官を派遣することがむずかしいようであったら何かコピーをくれとかいうような態度をとらないことが必要である。必要なる捜査には協力してくれることは両国の間柄の上から当然ではないか。国際法上どんな権利があるか、どんな義務があるかということは別にして、それを越えた大事なものが両国の間にあるのではないか。韓国が同意をしてくれれば直ちにできることばっかりであります。同意をしても国際法上できぬということは一つもない。そんな無理なことはわが国は言うておりません。ですから、しんぼう強く初心を貫く努力をして外交をやるということ以外にない、こういうふうに考えております。
#152
○白木義一郎君 法務大臣のしんぼう強いこの問題に対する外交の考え方を伺って、さもありなんと思うと同時に、何だか歯切れが悪い。いろいろ立場を考えればわからないでもないんですが、国民世論はですね、何となく歯切れが悪いと感ぜざるを得ないわけです。どうかひとつ大臣の長い政治経歴を生かして、まあ相手のあることですから即決というわけにはいかないのは当然でありますが、やはり政府はこのようにやっているんだというようなことで、早く国際的な信用あるいは国内に対する政治の信用を挽回することを御協議願いたいと思います。それについては、どうも報ぜられるところによりますと、自民党政府の内部の足並みがどうもそろっていないように私たちは感ずるわけです。したがって、いまの答弁にありますようにしんぼう強く、忍耐強くと、こういうことにならざるを得ないんじゃないか。あんな法務大臣は首にしてしまえなんという自民党のお歴々もいるというような報道で、こうなるとますます国民はさびしくなる。やっぱりこれは国をあげて当たらないと、へたをするとせっかく積み上げた韓国との友好親善の問題が非常に大きく破壊される心配があるわけです。つい二、三十年前は同じ日本人として暮らしていた相手であります。その点を最もおそれるわけです。その点、何とか党内あるいは政府の足並みをそろえて、その上でしんぼう強く、ねばり強くというならば、まあやむを得ない点もあるんじゃないかとこう思うんですが、御意見を。
#153
○国務大臣(田中伊三次君) 御注意ありがとうございます。なお、政府の足並みは決して乱れておりません。足並みはそろっております。あくまでも金君をはじめ三君の来日を希望し、念願し、それに全力をあげる、急所はそこでございます。これなくして捜査は完ぺきを期することができないということは、もう政府の一致した意見で、その方針に向かっておるわけでございます。書類をよこせとか、情報をよこせとかというのは、その中間段階で言うておりますことで、それがあったらからだが来ぬでもええんだということは言っておるわけではないので、まことに態度は一致いたしまして、足並みはそろっております。先生仰せのように、最善を尽くす覚悟でございます。
#154
○白木義一郎君 そのとおりであればまことに頼もしいわけですが、どうもちらほらといろいろな意見が出るんで心配しているわけです。
 最後に、この今回の事件については、捜査当局の立場から考えますと、いきなりこんな事件が起きた、どっかへ連れていかれてしまった。しかも、その犯人あるいは被害者は、ついこの間まで同じ日本人であった。これがいわゆる外国人であれば、日本人とは顔つきから何から違うわけですから、相当これは区別ができるわけですが、その点も非常にむずかしいということで、厳重な捜査の網をくぐっていかれた、まあこういうことになるんじゃないかと思うのです。しかし、事はですね、一市民、一国民が連れ去られたというんではなくて、まあ世界的に、韓国の大統領候補ですか、とにかくアメリカでも相当注目をされている人物が、突如として日本の東京のまん中からいなくなってしまった。これがさっぱり手がかりがつかめないというのは、まあ情けない次第ではないか。もし、これが事前に日本へ亡命してきている、あるいは日本政府の庇護を、擁護を受けていたとすれば、これは相当はっきりとした捜査も警備も進んだんじゃないか、こういうように思います。そこから事が起きて、いままでいろいろと御苦心をされ報告をいれているような推移をたどっているんじゃないかと思うのです。そこで、今後こういうことが再びあってはならないという観点から、この金大中氏をどうわが国は扱ってきたか。あるいは、こういったような立場の要人を今後積極的に政府として人権を擁護し、あるいはその身辺の警戒に当たるというような姿勢をつくり上げる、進めていくには、相当な問題があるんじゃないかと思うんです。そういう点について、いわゆる亡命者ですか、亡命者に対する扱い方についての大臣のお考え、将来に対する対策、あるいはまた、これだけの有名な要人が、身辺の警戒を日本の当局がしてなかったかどうか。この二点についてお伺いして、本日、私の質問は終わりたいと思います。
#155
○国務大臣(田中伊三次君) 金君が政治亡命者であったかどうかという問題でございますが、これは本人の意思は、亡命の意思表示は今日までしたことはございません。
 で、わがほうも、私が特別在留の許可をした責任者でございますが、わがほうもこれを亡命者と認めておったわけではない。ただ、幾らか韓国本国に帰りにくい事情があったのではないかと思える節がありますわけで、本来日本に参りましたのは、病気の療養と、自叙伝を出すのについて、その原稿の校正をするために日本にとどまりたいということで、アメリカから韓国に帰る道の途中に、一月五日に日本に寄りましたのがもとでございます。それが延び延びになりまして特別滞在を許したという現状になっておりまして、亡命的色調はなかった、こういう事情でございます。亡命者をなぜ一体警護をしなかったかということには少し当たりにくい事情ではなかろうか、こう思っております。しかし、何にいたしましても、わが国で、ことに東京のどまん中でこういう事件が発生をいたしましたことについては、国家の警備力というものの上からも、深く反省すべきは反省をいたしまして今後に処していきたいと、こう考えるわけであります。係官はいずれも最近まれに見る真剣な態度をもってこの捜査に苦心を払っておるのでありますけれども、何ぶんにも三人の重要人物が日本に戻ってこない、手のつけようがない、遅々として進まないというのが現状で、いろいろ労苦を重ねておるという事情でございます。今後、先生仰せになりましたような事柄につきまして十分配慮をめぐらしまして、事を未然に防止ができますように苦心をしてみたいと思います。
#156
○説明員(佐々淳行君) 警護の問題についてお答えをいたします。
 なぜ金大中氏を警護しなかったかという御質問でございますが、私ども、金大中氏が大統領選挙の際に五百四十万票の大量得票をされて朴大統領とせり合った、韓国におきます野党の政治家として非常に有名な方であるということを十分承知をいたしており、それだけに相応の関心をもって金大中氏の動向については配慮を払っておったわけでございますが、わが国の現状を申しますと、外国要人の警護につきましては、国賓、公賓及び外交使節団の長あるいはこれに準ずる方、こういう公職にある要人の警護が、先般警備局長もお答えをいたしましたように非常に数多くにのぼっております。本年を例にとりましても、一月からイタリアの首相あるいは廖承志中日友好協会会長など八十二件九十三名の要職にある警護を要する要人が来訪しておられ、またこのほか、要人ではありませんけれども、右翼等の反対活動のおそれのある中国等の各種視察団は、本年一月から現在までで五十四団体六百八十六名の多きにのぼっておりまして、毎月おおむね百四十名程度が滞在をしておるという実情にございます。限られた警察力を有効に駆使して、これら来日外国要人が在日中に事故のないように警護担当者は最善を尽くしておるわけでございますが、今回の金大中氏の行動につきましては、七月の十日に入国をいたしまして、その際は銀座第一ホテルに宿泊をされるのを確認表しておるわけでございますけれども、その後なぜかホテルを数カ所転々とされまして、しかも日本の名前を使われて転々としておったということがあとになってわかってまいりました。警察の担当者はその所在確認につとめておったというのが実情でございます。本人の警護に関する要請もございませんで、所在もわかりませんでしたので、残念ながら今回結果的にはこういうことになってまことに私ども残念に思っておるわけでございますけれども、こういう要職にない外国要人というものを今後どういうふうに警護していくか、こういう点につきましては私ども大いに今後検討を加え改善をはかりたいと、かように考えております。
 先ほど来出ております中央官庁間の相互連絡体制という問題も含めまして、私どもは、事件発生とともに動的な現在進行しておる捜査面について努力をするとともに、警察庁次長を長といたしまする特殊国際事件対策委員会を警察庁に設置をいたしまして、この警護の問題も含めて検討中でございます。また、今後こういう、要請もない、しかし国際情勢あるいは御本人のいろいろな政治的な立場から政治紛争が予想をされるような方につきましては、要請の有無にかかわらずある程度身辺警戒をしなければいけないのではないか、そういう意味で、形式的にそういう外国のいわゆる警護対象要人でないからといって、あるいはそういう要請がなかったからといって今後それをおろそかにするということについては、今回の事件を反省、教訓の資料といたしまして、再検討してまいりたいと考えております。
 今回、御指摘のようにいろいろ――結果論でございますけれども、金大中氏が誘拐され国外に強制的に連れていかれてしまったという事実があったことは、私どもとしてもほんとうに残念に思っておりまして、一番残念に思っているのが実は私ども警察でございまして、その意味で今後こういうことのないように最善を尽くしてまいりたいとかように考えております。何ぶん初めての大きな国際的な事件でございまして、その意味で多少ふなれな点がございまして、結果的にこういうことになったことについて残念に思っております。
#157
○委員長(原田立君) 本件に対する質疑は本日はこの程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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