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1972/04/24 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 地方行政委員会 第5号
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1972/04/24 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 地方行政委員会 第5号

#1
第071回国会 地方行政委員会 第5号
昭和四十八年四月二十四日(火曜日)
   午前十一時四十三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月五日
    辞任         補欠選任
     藤原 房雄君     鈴木 一弘君
 四月十一日
    辞任         補欠選任
     鈴木 一弘君     藤原 房雄君
 四月十七日
    辞任         補欠選任
     高橋 邦雄君     赤間 文三君
 四月十八日
    辞任         補欠選任
     赤間 文三君     高橋 邦雄君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長        久次米健太郎君
    理 事
                柴立 芳文君
                寺本 広作君
                占部 秀男君
                河田 賢治君
    委 員
                片山 正英君
                斎藤 寿夫君
                高橋 邦雄君
                原 文兵衛君
                増田  盛君
                秋山 長造君
                神沢  浄君
                和田 静夫君
                上林繁次郎君
                藤原 房雄君
                村尾 重雄君
   衆議院議員
       発  議  者  山口 鶴男君
       修正案提出者   山中 貞則君
       修正案提出者   中村 弘海君
   国務大臣
       自 治 大 臣  江崎 真澄君
   政府委員
       自治大臣官房長  松浦  功君
       自治大臣官房審
       議官       近藤 隆之君
       自治大臣官房審
       議官       山下  稔君
       自治省財務局長  鎌田 要人君
       自治省税務局長 佐々木喜久治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
   説明員
       建設省都市局街
       路課長      村山 幸雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方税法の一部を改正する法律案(衆議院送
 付、予備審査)
○地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(久次米健太郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 地方税法の一部を改正する法律案(衆第五号)を議題とし、発議者から趣旨説明を聴取いたします。山口衆議院議員。
#3
○衆議院議員(山口鶴男君) ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案について、提案者を代表して、その提案の理由と内容の大要を御説明申し上げます。
 地方税源、とりわけ市町村の税源の充実強化ということは、シャウプ税制以来の課題でありますが、残念ながら今日においては、この問題の解決どころか、逆の方向にあるといっても過言ではありません。
 すなわち、市町村税について言いますと、市町村歳入中に占める税収入の割合は、昭和二十六年度の四六%から四十三年度には三五・四%となり、とうとう四十六年度には三一・七%と実に一五%も低下している状況にあります。これは主として、市町村税制が税収入の安定に重点が置かれたため、今日の都市化現象に伴う動態的な財政需要に対応し得ないという税体系の仕組みに基因するものであります。
 日本社会党は、国、都道府県、市町村を通ずる税制のあり方について根本的に再検討を加え、早急に結論を出すべきであると主張し続けてきているのでありますが、この際、憲法に保障する地方自治と住民福祉を守る立場から、基礎的地方団体である市町村の税源の充実をはかるとともに、大衆負担の軽減を行なうため、当面、特に緊急と認められる事項について所要の改正を行なうこととしたのであります。
 以下、順を追って地方税制の改正の概要について御説明申し上げます。
 第一は、都道府県民税及び市町村民税についてであります。
 その一は個人についてでありまして、まず、住民税の課税最低限につきましては、今回の政府案では約六万円引き上げられておりますが、所得税における課税最低限との差は依然として相当大きいのであります。かりに、住民税と所得税とではその性格上の相違もあり、課税最低限については必ずしも一致すべきものでないという論があるにしても、できる限り両税の格差を縮減するよう、具体的な計画のもとにその引き上げをはかる必要があると思うのであります。
 したがいまして、昭和四十八年度以降三年間にわたって住民税の課税最低限を引き上げるため、四十八年度において、基礎控除、配偶者控除、扶養控除の額をそれぞれ三万円引き上げることとしております。なお、四十八年度及び四十九年度においてもそれぞれ三万円引き上げることを予定いたしておりまして、その結果、五十年度における夫婦、子供二人の標準世帯の課税最低限は約百三十二万円となる見込みであります。
 また障害者控除、老齢者控除、寡婦控除及び勤労学生控除の額については現行十万円を十三万円に、特別障害者控除の額については、現行十二万円を十七万円に引き上げるとともに、配偶者のいない世帯の一人目の扶養親族にかかる扶養控除の額については現行十二万円を十六万円に引き上げることといたしております。
 このほか、障害者、未成年者、老年者及び寡婦についての非課税の範囲を年所得現行三十八万円から四十五万円に拡大するとともに、老人扶養控除の額を現行十一万円から十七万円に引き上げることといたしております。
 さらに、中小事業者の負担の軽減合理化をはかるため、白色申告者の専従者控除額を現行の十七万円から四十二万円に引き上げることといたしました。
 次に、現行の道府県民税所得割りの税率は、課税所得百五十万円以下二%、百五十万円以上四%という二段階の比例税率的制度となっておりますが、低額所得者との負担の均衡をはかる見地から、税率を五段階に区分する超過累進税率制に改めることといたしております。
 その二は、法人についてであります。
 最近における企業の発展は、都市、特に大都市における公共施設の充実に負う面が少なくないのみならず、公害その他の問題について、都市に多大の負担を及ぼしている実情にあるため、その負担をある程度企業に求めることは当然であると考えるのでありまして、住民税の法人税割りを、道府県民税にあっては現行の五・六%を八%に、市町村民税にあっては現行の九・一%を一五%といたしております。
 第二は、事業税についてであります。
 事業税は本来二重課税的な性格を持つものであり、特に零細な個人事業者についてはその負担の過重に著しいものがあるのであります。したがいまして、将来、個人事業税は撤廃の方向で検討を加える必要があるのでありますが、当面、所得税を納付するに至らない者に対する個人事業税の解消をはかるため、事業主控除を現行六十万円から九十万円に引き上げることといたしております。
 また、中小事業者の負担の軽減合理化をはかるため、白色申告者の専従者控除額を現行の十七万円から四十二万円に引き上げることといたしました。
 第三は、料理飲食等消費税についてであります。
 都市あるいは観光地等における市町村の行政負担は年々急増を示している反面、観光関係地の財政収入は、市町村一に対し、府県二、国四という実情にかんがみ、その財源に充てるため、県と市町村において半々とすることを目途として、四十八年度には二分の一を市町村に交付することといたしております。
 第四は、都市計画税についてであります。
 都市計画税の課税客体は土地及び家屋となっておりますが、都市計画事業に伴う受益の度合いは、償却資産についても土地及び家屋と同様でありますので、都市計画税の課税客体に償却資産を加えることといたしております。
 なお、都市計画税の賦課期日は一月一日となっておりますので、この改正規定は昭和四十九年度分より適用することといたしております。
 以上の改正により、昭和四十八年度においては、個人住民税におきまして差し引き一千百六十四億円、個人事業税におきましては二百五十一億円の減税となりますが、一方、法人税割りの改正に伴い、三千百七十五億円の増収が見込まれますので、この結果、都道府県におきましては五百六十一億円の減収、市町村におきましては二千三百二十億円の増収となり、差し引き一千七百五十九億円の増収となります。
 以上が地方税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその大要であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(久次米健太郎君) 次に、地方税法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次発言を願います。
#5
○上林繁次郎君 今回の地方税法の一部改正法律案、これの策定にあたっての、どういうところに力を入れ、どういうところに配慮をされてこれがつくられたか、その点からひとつお聞かせ願いたいと思います。
#6
○国務大臣(江崎真澄君) 今度の税制改正にあたって、どういう点に最も重点を置いたのかというお尋ねでございまするが、第一番には、住民税の課税最低限の引き上げ、市町村民税の税率の緩和、それから事業税の事業主控除の額の引き上げ、電気ガス税の税率の引き下げ、そのほか料理飲食等のいわゆる消費税、不動産取得税等の免税点の引き上げなど、住民負担の軽減合理化をはかることに意を用いました。
 第二点としては、土地にかかる固定資産税の適正化をはかりまするために、税負担の激変緩和の措置を講じながら、評価額に基づく課税を行なうこととし、その際、住宅用地について、これは税負担軽減の措置を講ずるという配慮をしたわけであります。
 第三点としましては、総合的な土地政策の一環として、土地投機の抑制、また土地の供給促進の趣旨から、特別土地保有税を創設するという挙に出たわけでございます。
 以上、大体三点に要約することができるかと思います。
#7
○上林繁次郎君 そこで、現在の情勢を見ますと、いわゆる改正案の策定時と現在との経済情勢というのは、非常に大きな変化をしているわけですね。そういった点を考えますと、税収見込み額等に大きな狂いが出てくるんではないか、こういうことが考えられるわけですが、この点をどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
#8
○国務大臣(江崎真澄君) 御指摘の点は非常に重要な点だと思います。これはドルの切り下げとか、円の変動相場制への移行という、経済的なきわめて流動的要素と申しますか、そういった事情が出てきた場面で、地方の財政計画にも影響するのではないかと。また税法上からいっても、相当な減収が見込まれるのではないか、これは衆議院の場面でもしばしば御指摘のあった点でございます。ただ、私ども大蔵省等々とも詳細に経済情勢の分析等を進めておるわけでございまするが、前のニクソンショックに始まりまして、四十六年末、円の一六・八八%の切り上げを行なわなければならなかったという、あの場面に比較してみますると、今回の場面は、日本国民もこの国際通貨価値というものについてだんだん認識を深めておるということ。それからあの場面、四十六年のときは、非常に不況のさなかでの切り上げ要請ということで、経済界としてはたいへんなショックを受けたわけでありまするが、幸い、今回の場合は景気が上昇機運に向かっておる場面であったということ。で、従来諸外国の例、たとえばマルクの切り上げ等の例を見ましても、ドイツでは、切り上げの場面というのが非常に好況の場面で実施をしてきた。そのために、相当程度の部門というものは実際的には吸収をされて、経済的な動きに大きな変動はなかったという事例を示しておるわけでございます。そこで、私どもといたしましては、まあ今度の場合はさしたる影響はないのではないかという見通しに立っておるわけでございます。もし影響がありとしたらどういう場面に考えられるだろうか、これは法人関係の税であり、あるいは軽油引取税等にまあ多少の影響があるかということは考えられるわけでありまするが、まあこれからもほとんど影響がないのではないか。これは少し甘いぞというおしかりを受けるかもしれませんが、すでに、税務局長から地方の公共団体の責任者に対しまして、中小企業の面で影響を受ける――これは特殊な業態が一つの市や町に蝟集しておるという事情のあるところもございまするので、そういう場面においては、決算の中間決算といいますか、繰り上げ決算等をしたりして、税の延納措置を認めようということをいち早く通達をいたした経緯等もございます。まあそういうものも全体からいえば吸収されて、さまで影響がないのではなかろうかという見解に立っておるわけでございます。しかし、今後の推移等につきましては、自治省としても十分慎重に見きわめをしながら対処をしてまいりたいというふうに考えております。
#9
○上林繁次郎君 いまの大臣のお話を伺っていますと、結局あまり影響はない、昭和四十六年度の変動期にあってはこれはあれだと、非常に不況であったと、今回の場合にはそういった意味で条件がちょっと違うんだと、だから心配ないと、まあこういう結論だろうと思いますがね。しかし、非常にインフレ傾向になってきて、最近特に金融引き締めということでそれらに対して対処していこうと、こういう傾向ははっきりあらわれているわけですね。ですから、これからの景気というのはどこまで見込めるのかということは、こういったこともひとつ頭に置いておかなければならない、こう私は思います。そこで、昭和四十六年の為替の相場の変更時には、補正予算で、住民税、事業税、これだけで一千三百億円の減収を見込んで財政措置をしたわけですね。しかも四十六年の変動時期には、八月後半であったわけです、その時期は。今度は二月の段階で変動しているわけですね。そうしますと、それだけに経済に及ぼす影響というものは非常に大きいであろう、こう思います。そういったものを含めて、いま申し上げたように、この前段申し上げたようなことを含めて考えた場合、やはりこれ何らかの措置をとらなければならないんじゃないか、こういう感じがするわけなんですが、この点についてひとつ解明願いたいと思います。
#10
○国務大臣(江崎真澄君) 御指摘の点はまことにごもっともな御心配だというふうに同感をいたしております。ただ、私どもも経企庁、大蔵省等々といろいろ話し合いをしておるわけでありまするが、四十六年の場合と非常に違いまするのは、さっき申し上げましたように、わが国の景気も上昇気運をたどっておる。これは金融引き締めも、まあ少なくともインフレ的傾向になってはならぬという前提で金融を引き締めをしたり、金利の引き上げをしたり、まあ予算の支出にしましても、弾力的に手かげんを加えていこうとやっておるわけでございます。これは御承知のように、世界的なひとつのインフレ――日本では幸いまだインフレというところまではいっておりませんが、欧州各国においても傾向としてもうインフレは顕著であります。アメリカにおいても同様であります。そうすると、今度の切り上げ、まあドルの切り下げで、実質的にはフロートといいましても、これは円の切り上げが実行されたと同じ形になっておりまするが、どうも輸出は鈍化しないのではないか。要するに、海外市場がインフレ傾向で、比較的物の先行きが高いという見通しでありまするので、輸入実勢というものはそんなに衰えていないということですね。これは中小企業等、特殊な部門に影響がないということとは別問題でございます。私は一つの傾向を申し上げておるわけでございまするが、そういうわけで、全体的には影響を受けたもののひずみ程度のものは吸収されるんじゃないか、カバーされるんじゃないかというのが、まあ経企庁や大蔵省の一致した見方でございまして、ことしも、この引き締めを一体いつまで続けるか。おそらく後半になりまするというと、十四兆の予算も流れ出しまするし、そういつまでも金融引き締めというわけにもまいりますまい。ある程度の物価が安定してくれば、これはやはり日本の経済規模に相応した金というものは循環いたしてまいりますというと、相当好況、景気上昇の雰囲気というものが下期には出てくるんじゃなかろうか、こういう見通しに立つわけでございます。したがって、まあさっきお答えしたような見解が出てくるわけでございまするが、十分御指摘の意味は私どももよく承りまして、慎重に配慮をしてまいりたいというふうに考えております。
#11
○上林繁次郎君 まあその点わかりました。ただ、御承知のように、現在、非常に原材料あるいは物価の上昇ですね、これで相当まいっている中小企業が多いわけですよ。そういったことをやっぱり考えますと、やはり税収に影響が出てくる、こういう感じがするわけですね。で、いま大臣からいろいろなお話がありましたけれども、現実の問題、現実の問題はそうやっていろいろ苦しんでいる中小企業が多いということ、そういったことを考えた場合に、どうしてもこれは途中でもって、たとえば税法の手直しをやらなければならぬというようなことも考えられるのではないか。その場合、思い切ってやはり年度途中で税法の改正なんというようなことも考えられるかどうか、この点いかがでしょう。
#12
○国務大臣(江崎真澄君) まあこれは地方税上の根本的な問題になるわけでございまするので、慎重に取り組まなければならぬ問題だというふうに思います。いま御注意いただいたり御指摘になる点は、これはほんとうにわれわれとしてもなおざりにできない問題でございまするので、細心の注意を払いまして、万遺憾なきを期するという態度で今度臨んでまいりたいと考えております。
#13
○上林繁次郎君 まあ結論にはなりませんけれどもね。
 それでは、昨年の地方税法の一部改正にあたって附帯決議がなされているわけですよね。これをちょっとそのまま読んでみますけれども、「住民税について、課税最低限の引上げその他の軽減措置をさらに検討し、負担の緩和をはかること」、こういうふうにあるわけですね。まあ住民税は、ことしも言うならば義務的に、基礎控除、配偶者控除、また扶養控除、この額をわずかに一万円引き上げがあった。で、現在物価の上昇率等を考えた場合に――考えた場合というよりも、そういった実情というものを、現実というものをよく踏まえた上でこういったいわゆる引き上げがなされてきたのか、こういう措置がとられたのかという点ですね、この点をひとつお聞かせ願いたいと思います。
#14
○国務大臣(江崎真澄君) これも重要な御指摘でございまするが、まあ自治省としては、附帯決議の線を十分尊重して、課税最低限の引き上げ、これはまあ個人住民税についてでありまするが、その税率緩和等もはかってまいったわけでございまして、初年度において千六十二億円減税を行なうことといたしたわけでございます。これはまあいまおことばにもありましたように、物価調整減税というような意味も含めて、こまかく配慮すべきではないかというお説であります。これは消費者物価の上昇率を五・三%、ことしなどはどうももう少し上がるということが言われておるわけでございますが、四十七年度の場合、四十六年に対して五・三%上がったというふうにいたしますと、住民税の課税最低限を引き上げるという場合、この物価調整減税と見る場合には四百六十五億円程度ということになります。昭和三十七年暮れの税制調査会の答申の算定方式による減税を同じように当てはめてみまするというと、七百五十五億円ということになります。こういうふうに考えてまいりまするというと、これは相当額、今度の減税というものは上回るわけでございまして、思い切った数字が出たと言えないことはないわけであるというふうに考えております。
#15
○上林繁次郎君 人事院調査の標準生計費、これによりますと、夫婦の場合五十九万一千円、夫婦子一人で七十八万円、夫婦子二人で九十万一千円、こういうふうになっておりますね。そこで、課税最低限と比較してみますと、標準生計費のほうが高いわけです。特に、具体的に申し上げますと、これはおわかりと思いますけれども、具体的に申し上げますと、夫婦の場合、課税最低限が五十五万二千八百十円、それから標準生計費のほうは五十九万一千二百四十円であります。それから夫婦子一人、この場合には課税最低限が七十万六千九百十円、それから標準生計費のほうが七十八万四百八十円、子供二人の場合、課税最低限が八十六万五千七百六十六円、それから標準生計費のほうが九十万一千八百円、こういうふうになっていますね。特にこの三つの場合ですね、いま申し上げた三点、これについては、標準生計費よりも課税最低限のほうが低いということ、実はこの辺はやはりもっともっと配慮をしなければならぬ、こう私は思います。この点についてどういうふうにお考えになっておるかですね。
#16
○国務大臣(江崎真澄君) 御指摘の点は、これまた非常に重要な議論を呼ぶところだというふうに思います。したがって、私どもも、今後の経済情勢、国民所得の推移等を見きわめまして、この課税最低限の引き上げは極力はかってまいりたいわけでございますが、御承知のように、個人住民税の場合は、所得税とは全然趣を異にしておりまして、まあ自分が直接恩恵を受ける地域社会の一翼を多少でもになっていただく。まあもともと個人住民税はこれはほんの僅少の額でありまするので、何千円と、千円以下の場合もありましょうし、まあ個人住民税はある程度負担していただくことが、むしろ地方公共団体運営の面からいうとこれは理想ではないか。所得税の場合は、御承知のように、所得の再配分といったような意味合いもありまして、同じ税率におきましても累進課税をとっておりまするし、これは当然免税点も思い切って引き上げるべきでありましょうし、税率等についても、まあたとえば総理大臣は来年度は法人税の強化というようなことも言っております。一方では、勤労者の経費控除というような意味を含めて、大幅な減税をしようということを言っておりまするが、これはそういうものと相対的に考えていくことは当然考え方の基本にあってしかるべきでありまするが、ただ個人住民税の場合は、ほんの金額がわずかである、また、所得割りにいたしましても、その税率はきわめて低いものであるというような意味から、極力自分も地方公共団体の一員であるといったような、ある程度分担感を持ってもらうという意味で、必ずしも所得税とは同じ形にならぬわけでありまするが、しかし、今後どいえどもこれらの点、すなわち課税最低限の引き上げ等については十分配慮をしてまいりたいと思います。おっしゃる意味についてはよく承っておきます。
#17
○上林繁次郎君 大臣のお話、何か感情論といいますか、感じの問題といいますかね、こういうようなお答えに聞こえたわけなんですがね。で、実際にいまのお話を聞いていますと、できれば、その所得税における課税最低限と、住民税における課税最低限は当然開きがあってあたりまえなんだという、極端な言い方をすれば、こういうふうに聞こえるわけですよ。ですから、そうなりますと、今後このいわゆる住民税における課税最低限の引き上げというものについては、大臣はどういうふうにお考えになっているのか。何か非常に抽象的でぼけた感じなんです、いまのお答えが。これからの方針として、大臣としての方針としては今後どういうふうにしていこうというふうに――その点ひとつお答え願いたいと思います。
#18
○国務大臣(江崎真澄君) これは率直に申し上げまして、所得税の免税点と、そしてこの住民税の課税最低限の額とは、開いておってこれは当然であろうかと、まあ一致させるという理想はありまするが、まあ先ほど来少し長く申し上げたわけでありまするが、やはり地域社会の自分も一員であるということで、そのサービスを受ける部門に対する貢献とまた責任の分担というような意味から、これはできるだけ、一人でも多くむしろ参加してもらうことのほうが理論的にも正しいのではなかろうかというふうな見解に立っております。
#19
○上林繁次郎君 まだちょっとはっきりしませんけれども、それでは先にまいります。
 四十八年度の地方税収入見込み額を見ますと、自然増収が一兆三千三十五億一千九百万円、これに対して減税は一千二百三十二億四千八百万円、まあこういうことになっておるわけですね。で、わずかに自然増収の九・四%しか減税をしないと、こういうことになるんですよ。昨年は、昨年を見ますと二二・六%の減税率であったわけです。まあ非常に開きがあるわけですね。いわゆるわれわれから言わせれば、減税はもっとやれもっとやれと言っている立場ですから、昨年の二二・六%に比べれば、今回の九・四%はあまりにも低過ぎやしないかと、こういう感じがするわけなんです。その点、どういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、その点、ひとつお答え願いたいと思います。
#20
○政府委員(佐々木喜久治君) 昭和四十八年度の場合に、ただいま御指摘のとおり、自然増収額に対する減税割合は、相対的に見ますというと、九・四%強、約九・五%の比率になっておるわけです。ただ、この減税額の相対の計算の中には、固定資産税の課税の適正化による増収額というものが計算をされて、それが差し引きになっておりますので、減税の総額が千二百三十二億ということになっておりますが、実はこの計算を除外いたして計算をいたしますならば、減税分が千七百十七億ということになりまして、減税の割合が一三・二%ということになっておるわけでございます。この固定資産税におきましては、法人の土地についての適正化ということで相当増収を見込みましたので、差し引きいたしますというと、確かに率としましては低くなっておりますけれども、実際、主として個人負担に属します部分の減税額というものは、例年のものと比べまして、比率からいいましてもそう大きな差はない比率になっております。また、絶対額から申しますというと、大体例年の倍額ぐらいの減税規模になっているということが言えるだろうと思います。なお、四十七年度の場合には、御承知のように景気の悪い年でございましたので、自然増収が非常に少なかった。そういう意味におきましては、この減税割合は高くなっているわけでございます。ひとつ、長期的に比較をしていただきますれば、大体減税の割合というものは、自然増収が相当大きかったわけでありますけれども、比率もそれほど例年と比べて少なくはないというふうに考えております。
#21
○上林繁次郎君 いまの私がお尋ねした問題は、昨年、いわゆる四十七年と四十八年とを比較しまして、それでいわゆるパーセントの上からいうと大きな開きがある、こういうことでお尋ねをしたわけですね。いまのお答えですと、四十七年度の自然増収が四千億ですね、ざっと。それに対して減税が九百十二億ですか。ですから、比率として二二・六%、こういうことになるわけですね。で、この四十七年は不況であったと、自然増収もしたがって非常に低かった、それに比べれば、それに対比するからいわゆる二二・六%という高い率が出るのだ、こういうお話ですね。今回の場合には一兆三千億、それに対して一千二百三十二億だ、それでまあこの面からの比率を見れば九・四%だ、だから当然そこにいわゆる開きが出てくるのだと、こういうお答えのように思いますがね。そうしますと、私ども毎年のように、いわゆる減税ということについては強く訴えてきているわけですけれども、そうしますと、一兆三千億の、この程度の自然増収の場合には、大体今後もこの程度の減税に終わってしまうのかどうかという問題ですね。もう常識的に考えて、この一兆三千億という増収はこれはたいへんなものだろうと思うのです。ですから、その点からいうならば、もっともっとこれはいわゆる住民の税に対する負担感を解消するためにも、もっと減税はすべきではないか、こう思うわけなんですが、その点をひとつお答え願いたいと思います。
#22
○国務大臣(江崎真澄君) 御指摘でありまするが、御承知のように、実質的には相当な減税になるということを税務局長がお答えしたわけでございまするが、御承知のように、地方の財政事情は必ずしも十分であるとは思いません。まあそこで義務的な経費はますますふえてまいりまするし、特に住民福祉の方向を政策的に充実していくために、この経費の増高というものは相当なものが見込まれるわけでございます。そんなことで、地方財政を極力豊かにする。そして、財源的にも何とか住民の要請にこたえていけるようにしていくことも、一面においては重要だと考えます。まあそんなことで、いま御指摘の意味はよくわかりますが、昨年に比して実質的な減税にはなっておると、増加分については、時代の要請にこたえるべき地方の相当な事業量増にこたえる財源に充てたと、こういうことになると思います。
#23
○上林繁次郎君 先ほどの大臣のお答えですと、住民税ですね、これ、やっぱりその地域に住む一員として、何といいますか、そういう一つの自覚といいますか、そこに住む一員としての責任感といいますか、そういうものを持ってもらいたいと、だから、納税義務者は一人でも多くなってもらいたいんだと、こういうお話があったんですけれども、私たちはその逆の考えを持っている。減税によって少しでも税負担をしなければならない人たちが減っていくという方向、そういう方向であるべきじゃないかという、こういう考え方を持っているんですよ。そういう意味からいいますと、大臣のお考えとは食い違いが出てくるわけですね。で、先ほどの御答弁から、大臣は、今後も、まあ言うならば納税義務者はどんどんふやしていきたいと、こういう考え方でいらっしゃるのかどうかということですね、この点どうですか。
#24
○国務大臣(江崎真澄君) 私が申し上げたのは、まあ住民税は、御承知のように、個人割りの場合はもうほんのわずかでございます。また、所得割りにいたしましても、これは所得税とは趣を根本的に異にいたしております。
 そこで、私、別に議論をしようと思うわけではございません。ただ、所得税の場合は、なるべく所得の多い人に重く、これは累進税をもっと重くして、特にまた法人税率などでも、引き上げの余地があるならば国際水準に合わせて引き上げていくべきである。しかし、勤労所得者の場合は、極力、所得税においては減免措置をして、なるべく税負担を少なくしていく。これは根本的な考え方として、私、全く同感でございます。ただ、住民税の場合は、所得税とは、先ほど来申し上げましたので繰り返しませんが、多少趣を異にしておる。税率も低いし、特に個人割りはもうまことに僅少の金額である。そうであるとするなら、これはただがいいという一つの考え方もありましょうが、まあわずかでも出しておるということによって、やはり地方自治を自分もになっておるんだということで、お互いが地域社会に愛着を覚え、またそれをよくしていく発言権を持つというような形で、ごくわずかならばこれは負担をしてもらうことが望ましいと、こういう意味を申し上げたわけでありまして、ただ、いつまでも据え置いて納めていただこうということを申しておるわけではありませんので、今後の経済情勢の推移等を見て、当然、課税最低限の引き上げ等を行なうことは、これはもう申し上げるまでもないことであります。ものの考え方の方向を申し上げたというふうにお受け取りいただけたらしあわせでございます。
#25
○上林繁次郎君 そこで、次には事業税についてお伺いしたいと思うのですけれども、特にそのうち、個人の事業税の事業主控除を二十万円引き上げて八十万円にしたわけですね。で、昭和四十六年度の所得税失格者のうち、事業税を納めている人の数は三十八万五千人いたわけです。四十七年度にはどの程度減ったのか。四十七年度はわかりませんので、どの程度減ったのか。また、今回の改正でどの程度になるのか。その点、ひとつお伺いいたしたいと思います。
#26
○政府委員(佐々木喜久治君) 昭和四十七年度の改正時点におきましては、事業税の納税義務者が昭和四十六年度の場合三十八万五千人、ただいま御指摘のとおりでございます。それが四十七年の改正におきまして、十二万人に減少するというふうに見込んでおったのでございますが、四十七年度の課税実績等から見ますと、大体この数字は実現されたというふうに考えております。本年度の改正の時点におきましては、この十二万人の数字は、現行法のままで推移いたしますというと、所得が上がってまいりましたので、大体十六万人程度になるであろうというふうに考えております。今回の改正におきましては、この十六万人が五万人に減少するということで、大体四分の三が、まあ七二%程度が減少するであろうというふうに考えております。
#27
○上林繁次郎君 だんだん減る傾向にあるということですね。
 そこで、先ほど提案者から提案理由の説明がございましたけれども、この中にもあるわけですけれども、個人事業税の性格といいますか、何か二重課税的な性格があるという、こういうことは絶えず言われ、考えられてきていることであります。そういう面から、いわゆる所得税、個人事業の所得税を納付しない人たち、こういう人たちに対しては、これはやっぱり非課税にすべきであるという、こういう考え方が非常に強いわけですよ。こういった考え方について今後どういうふうにお考えになっていくのか、特に、この点大臣のほうからお伺いしたいと思います。
#28
○国務大臣(江崎真澄君) これも、さっきの所得税と住民税の場合とやや似たような性格が根底に流れておるわけでございまして、個人事業税の場合は、事業が日常活動を行なうにあたりまして、地方団体のいろんな施設を直接的に利用いたします。まあそういう行政サービスの提供を受けておる。そこで、分に応じてそれぞれ必要な経費を分担していただくという考え方に基づいて課される一種の物税であります。したがいまして、所得の再配分という考え方を背景に持つ、まあ人税というべき所得税とは性格を異にしておるのではないか。今度でも相当な引き上げを行なったわけでありまするが、今後も十分配慮はしてまいるわけでありまするが、所得税と個人事業税との問題は、いま申し上げたように、区別をして処置をしていくというふうに考えております。
#29
○上林繁次郎君 そこで、今回は事業主控除の引き上げがあったわけでございますけれども、白色事業専従者控除、この改正は今回はなされていないということですね。御承知のように、現在は十七万円の専従者控除、こういうことになっておりますね。で、これを月で見ますと、一万四千円の給与分を必要経費と見るという、こういうような形になるのじゃないかと思います。月に平均すれば一万四千円という、こういうものの考え方は、どう考えても私は間違っていないかというふうに感ずるんですが、そういう点を考えた場合に、当然改正すべきである。なぜ、今回改正をしないのか。これでいいと考えておられるのか。その点をひとつ明らかにしていただきたい、こう思います。
#30
○政府委員(佐々木喜久治君) 白色申告者の事業専従者控除額につきましては、四十七年の改正におきまして、十七万円というふうに引き上げまして、所得税に合わせたわけでございます。今回、所得税の改正におきまして、白色申告者の専従者控除額は、十七万円から二十万円に引き上げられたわけでございます。
 御承知のとおり、住民税におきましても、あるいは事業税におきましても、その課税標準の計算は、前年中の所得について計算をすることになっておりますので、地方税の場合には、所得税の改正ともにらみ合わせながら、昭和四十九年度以降の問題といたしまして、この専従者控除額の引き上げにつきましては検討してまいりたいというふうに考えております。
#31
○上林繁次郎君 料理飲食税、この税制は、いわゆるこれは県に入るわけですけれども、これはいつごろですか、この税制ができたのは。ちょっとその点不勉強かもしれませんが、お答え願います。
#32
○政府委員(佐々木喜久治君) 料理飲食等消費税が、名前が途中で変わりまして、昔は遊興飲食税という名前であったわけでありますが、昭和二十五年の現在の地方税法ができまして、各税目について独立税主義をとるということになりまして以来、府県税でございます。それ以前は府県と市町村とが本税、付加税というような形の時期がございます。
#33
○上林繁次郎君 ですから、私はなぜこんなことを――いつごろできたのかということを聞いたのですけれども、御承知のように、その当時の社会情勢、また社会の仕組み、あらゆるものが大きくいまの時点では変化していると私は思います。ですから、その時点では県税ということで間に合ったかもしれない。しかしいまは、いま申し上げたように、いろいろの情勢の変化が来たされているわけです。そこで、たとえばごみ処理一つの問題にしても、こいつはもう当然市町村でやらなきゃならぬわけですね。特にごみ戦争なんといわれるくらいの時代がやってきているわけです。これに要する費用というものはたいへんなものだ。あるいはまた、環境衛生の問題にしてもそうだと思います。ですから、これらに――特に料理飲食税というものは、料理飲食という問題、これは直接つながりがあるわけですね、このごみ処理だとか、あるいはまた環境衛生の問題と。ですから、これは当然考え直さなくちゃならない時期がきているんではないか、こういうふうに思うんですね。したがって、この料理飲食税は、たとえば娯楽施設利用税のように、そういう措置の方法といいますか、そういう考え方にやはり立たなきゃいけない時期がきているんではないか、こう思うわけです。この点をどういうふうにお考えになっておるのか、お答え願いたいと思います。
#34
○政府委員(佐々木喜久治君) 料飲税の徴収の源泉において、市町村の財政需要との関係が非常に密接なものがあるということは、ただいま御指摘のとおりの事情があるだろうと思います。ただ料飲税について、これを市町村に税源として移譲するかどうかということになりますと、これはまた府県と市町村間のいろいろな事務の配分の問題とも関連をし、財源配分の問題とも関連をしてくる非常に大きい問題になってくるのではないかというふうに考えるわけであります。そしてまた、こうした料飲税について、市町村にその税源を移譲すべきであるというような考え方を強く持っている市町村において、ただいま御指摘のような財政需要との関係ということについて主張されているわけでありますが、これはまた一面、地方交付税の基準財政需要額の算定というものが現在のままでいいかどうかという問題とも関連をしてくる問題でございます。現行の市町村税の体系の中で、消費税なり流通税なりというような部分が非常にウエートが少ない、そしてまた市町村税収入が比較的伸長性に乏しい、そういう意味において、何らかの税源を市町村のほうに移すべきだというような議論をいたします場合には、現在の料飲税も含めまして、たとえば、不動産取得税とかあるいは娯楽施設利用税とか、そういうような消費税、流通税の関係について、どれが市町村税として適当であるかどうかというような判断もしなければならないんじゃないだろうか。そういう意味におきましては、税源が比較的普遍的にありますのは、どちらかといいますというと、不動産取得税などのほうが、市町村税の税源としてはむしろ適当な税種ではないかというふうに考えられるわけであります。ただ、いずれにいたしましても、不動産取得税、料飲税ともに千五、六百億の税源、そういうような大きい税源を市町村に移譲するということになりますと、やはりこれは財政上、全体として考えていかなきゃならない問題になるだろうというふうに思うわけでございます。
 それからまた、娯楽施設利用税でとっておりますような、ゴルフ場についての娯楽施設利用税においてとっておりますような交付金方式というものにつきましては、税制の面から見ますというと、やや例外的なものでございます。できる限り、その徴税について責任を持った団体が、その金を責任を持って使うといういまの独立税主義のほうが、むしろ税制としては望ましいし、そのほうが、地方自治という観点からしますならば適切ではないだろうかというふうに考えるわけであります。私どもは、むしろ現在、特に温泉等のありますような市町村のほうでいわれておりますような問題は、税制の面よりは、むしろ財政の面のほうの解決によって、いまのいろんな財政需要の増高の経費というものを見ていくほうが、より適切ではなかろうかという判断をいたしておるわけでございます。
#35
○上林繁次郎君 いろいろお答えいただいたわけですけれども、それで、いずれにいたしましても、市町村のいわゆる財政というものは非常に苦しくなってきておることは間違いございません。特に人口急増地域の問題等は、これはもう見るに忍びないくらいたいへんな状態になっているということは、これはもうおわかりのことだと思うんです。それでは、それらの窮迫した市町村に対して、財政上どういう措置をとられるのかといえば、これはこれというきめ手はない。そういう中で、やっぱり何らかの方法で、その市町村の財政を少しでも豊かにする方法を考えていかなきゃならぬ。そのための一つの方法として、やはりこの料理飲食税などというものは、実態に即した場合、当然いまの時点では、これは市町村の税収として入るということはもう正しいあり方、姿ではないか、こういうふうに私は感ずるわけですね。ですから、そういう意味で申し上げているわけで、いまのお話ですと、これらの税についてはやはり現在のままやっていくんだと、こういうことになりますか、そうなりますといまのお話ですと。私は何らかの方法で、料理飲食税、これについては市町村に還元されるそういう道をつくっていくべきではないか、こう思うわけですけれども、全然そういう考え方はないということなんですか。その点、どうでしょう。
#36
○国務大臣(江崎真澄君) 私、やっぱり一つの御提案だというふうに承ります。
 で、これはさっき税務局長が根本論については詳しく申し上げましたとおりで、そういう税のあり方を踏まえて上林さんが新しい一つの御提案をなさっていらっしゃるというふうに私自身は承っておるわけでございます。もとより、この料理飲食税というものは、府県税という形で長期的にも非常に期待の持てる税金ですから、いまにわかにここでこれをどう配分するなどというような発言をいたしますと、これは日本じゅう大騒動が起こると思いますが、しかし、ちょうど娯楽施設利用税を今度五〇、五〇に分けた。ちょっと娯楽施設利用税とは、その税収においても、また地方の期待においても、これは金額が違いますが、一つの御提案として十分承っておきまして、今後の地方税法全般の問題の中で十分ひとつこれは検討させていただくということにいたしたいと思います。
#37
○委員長(久次米健太郎君) それでは、本案に対する午前中の審査はこの程度にし、午後二時まで休憩いたします。
   午後零時四十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時十八分開会
  〔理事寺本広作君委員長席に着く〕
#38
○理事(寺本広作君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 久次米委員長が所用で出席がおくれますため、私が委託を受けましたので、暫時、委員長の職務を代行いたします。
 休憩前に引き続き、地方税法の一部を改正する法律案(閣法第四五号)を議題といたします。
 この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者、衆議院議員山中貞則君及び中村弘海君から説明を聴取いたします。山中衆議院議員。
#39
○衆議院議員(山中貞則君) ただいま議題になりました地方税法の一部を改正する法律案について、衆議院における修正の趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 まず、修正の趣旨について申し上げますと、御承知のように、市街化区域内の農地に対する固定資産税及び都市計画税については、周辺の宅地等との間の税負担の不均衡を是正するとともに、土地対策に資するため、昭和四十六年度の税制改正において、宅地等との間の税負担の均衡をはかるよう、段階的に税負担を求めることとされましたが、昭和四十七年度においては、市街化区域農地の実態をさらに的確に把握して、均衡ある課税を実施することができるようにするため、同年度限りの特例が設けられるとともに、課税の適正化をはかるため、市街化の形成状況等を総合的に考慮して検討を加え、その結果に基づき、昭和四十八年度から必要な措置が講ぜられるべきものとされたところであります。
 このような経緯にかんがみ、税負担の均衡と土地対策に資する見地から、市街化区域農地と宅地との税負担の不均衡が著しく、かつ、土地対策の必要性が特に強いと考えられる首都圏等三大都市圏の都市に所在する農地のうち、いわゆるA農地及びB農地については、昭和四十八年度ないし昭和四十九年度から、評価額を基礎として、段階的に税負担の均衡化を進めることといたしたのであります。
 次に、修正の内容について申し上げます。
 A農地及びB農地のうち、首都圏の既成市街地もしくは近郊整備地帯、近畿圏の既成都市区域もしくは近郊整備区域または中部圏の都市整備区域の区域内の特別区、指定都市及び市に所在するものに対する固定資産税については、A農地にあっては昭和四十八年度から、B農地にあっては昭和四十九年度から、その評価額の二分の一の額を基礎とし、課税の年度に応じて一定の軽減率を適用して、段階的に税負担の均衡をはかることとしております。
 なお、都市計画税については、評価額を基礎として、固定資産税の取り扱いに準じた措置を講ずることとしております。
 これらのA農地及びB農地以外の市街化区域農地については、昭和五十年度末までにその取り扱いを定めるものとし、それまでは従来の税負担に据え置くものとしております。
 以上が修正の趣旨及び内容であります。
 何とぞ皆様方の御賛同あらんことをお願い申し上げます。
#40
○理事(寺本広作君) 中村衆議院議員。
#41
○衆議院議員(中村弘海君) ただいま議題になりました地方税法の一部を改正する法律案につきまして、衆議院における修正の趣旨を御説明申し上げますと、政府案において、昭和四十八年四月一日と定められている施行期日につきましては、諸般の事情からいたしまして、同日から施行することが不可能となりましたので、これを「公布の日」に改めるとともに、これに伴う関係規定の適用について整備をはかることといたしたのであります。
 何とぞ御賛同くださいますようお願いいたします。
#42
○理事(寺本広作君) 質疑のある方は順次御発言を願います。
#43
○藤原房雄君 午前中いろいろ質疑がございまして、私は、固定資産税及び電気ガス税また特別土地保有税、これらのことに関しまして若干の質問をいたしたいと思います。時間も十分にないようなんでありまして、条文につきまして、さらに概括的な問題点句点かにつきまして御質問いたしたいと思います。
 最初に、この法案の問題でありますが、本来、これは四月一日施行の法案にもかかわらず、たいへん今日までもおくれたことは、これはたいへん地方自治体にとりましては迷惑千万な話でありまして、本来ならば、これは十分に時間をかけ、また自治体に迷惑のないようにしなければならない。理由につきましては、いろいろな理由はあろうかと思いますけれども、各党の意向が先月の末まとまりかけておりましたところ、まあ総理のツルの一声といいますか、話がありましてから、また様相が一変いたしまして、今日最終的なこの審議をするということになったわけでありますが、当委員会といたしましては、やはり地方税法というのは非常に重要な意味を持ちますので、十分な審議日程がなければならないと思いますし、この間につきまして種々の理由のあったことは十分私も承知しておりますけれども、今後こういうことのないように、ひとつ十分な御配慮を委員長及び関係の方々にお願いしたい。最初にこのことを申し上げておきたいと思うのであります。
 次に、固定資産税のことでございますが、特に評価額の問題ですが、宅地、それから畑、たんぼ、山林等のそれぞれが、四十五年度の評価額とことしの評価額との比較におきましてどの程度上がっておるかという、この比較の問題准ちょっとお伺いしたいと思います。
#44
○国務大臣(江崎真澄君) ちょっと最初に……。藤原さんが冒頭に、地方税法の審議がこんなにおくれた、しかも、参議院においては十分審議時間すらないという御指摘につきましては、私、担当大臣として少なからず責任を感じております。昨年の経緯によりまして、党側にまかせろと――本法がありまするので、いずれすみやかに結論が出してもらえるものということで党側にまかせましたところ、御承知のとおりのああいう経過をたどりまして、たいへん御審議等にそごを来たし、御迷惑をかけたことにつきましては、深くおわびを申し上げておきたいと思います。
 なお、いまの地目の区分等と、またその税率、評価の上がりぐあい等については、政府委員から答弁させます。
#45
○政府委員(佐々木喜久治君) 四十七年度、すなわち昭和四十五年度の評価額に対しまして、宅地は平均いたしまして大体八割の上昇、一・八倍ぐらいの上昇になると思います。それから農地でございますが、これは田畑とも大体五%の上昇でございます。ただし、市街化区域内の農地につきましては、宅地の上昇率とほぼ同様であるというふうに考えております。また、山林につきましては、平均的に一割程度の上昇というふうに考えております。
#46
○藤原房雄君 昭和三十九年以来、負担の調整措置がとられてきたわけでありますけれども、その間、新評価額で評価すべきであるという考え方と、それから、税負担の急増を避けるために激変緩和の措置を講ずる必要があるという、こういう考え方が、実は要約すればまあこういう二つの考え方に要約されるのではないかと思うわけですが、固定資産税制度のこういう論議を踏んまえまして、今回の改正で、この昭和四十八年、四十九年度については負担の調整措置をするわけでありますけれども、一応、昭和五十年度には評価額に基づいた課税をするという、こういうことだろうと思います。しかし、この住宅用地とそれから非住宅用地、これを区分して、住宅用地に対しては軽減措置をとる。従来は宅地として、住宅用地であろうが非住宅用地であろうが、一本になっておったわけですね。一本になったこの固定資産課税台帳に記載されておったわけでありますけれども、今回こういう措置がとられるというわけでありますが、これは実際たいへんな事務量でありまして、事務的に住宅用地と非住宅用地を区分するということは、事務量におきまして相当なものがあろうかと思います。こういう複雑な事務を処理するにあたりましては、それ相応の準備というものがなければならないという、こういうことを痛切に感ずるわけでありますが、この間のことにつきましてどのように考えていらっしゃるのか、この点ちょっとお伺いしたいと思います。
#47
○政府委員(佐々木喜久治君) 住宅用地と非住宅用地との区分の事務分量は、確かに大都市地域等におきましては相当なものがあるというふうに考えております。やはり大都市の場合には、昭和四十八年度、ほぼ一年近い期間をこの区分の作業に要するであろうというふうに考えております。ただ、徴税事務のほうの関係につきましては、住宅用地につきまして二分の一の課税標準の特例措置が講ぜられたのでございますが、その二分の一の頭打ちが適用されます住宅用地は、昭和四十八年度の場合には、全体から見ますとごくわずかの部分であろうというふうに考えますので、徴税の実務面にはそれほど大きい影響はなく処理できるであろうと。ただ、住宅用地と非住宅用地を完全に区分をして台帳上整理をつけるというためには、昭和四十八年度、ほぼ一年近くかかるんではないだろうかというふうに考えております。
#48
○藤原房雄君 次に、この非住宅用地を、法人所有の土地とそれから個人所有の土地、昭和四十八年度、四十九年度で税負担に差をつけるという、こういうことになっておりますね。従来の固定資産税は、財産の価値に着目して、資産の所有者に対して課税するという、こういう形になっておったわけですね。物的要件のみが考慮されるのであるという説明が今日まで――この資産の所有者に対して課税するという形になっておったのが、今回は物的要件、こういうものを考慮されるという、こういうことになりますと、いままでの説明とまあだいぶ、何といいますか、理論的にこの間の説明というものをどういうふうに自治省ではお考えになっていらっしゃるのか、これをちょっとお伺いしたいと思います。
#49
○政府委員(佐々木喜久治君) 固定資産税の場合に、その所有者の内容によって税負担を変えるということにつきましては、固定資産税の性格上やや問題があるだろうというふうに考えられます。その点は御指摘のとおりだと考えますが、今回の調整措置のしかたにつきまして、個人所有の分と法人所有の分とで負担調整の方法について差を設けましたのは、一つは実務的な問題から、特に個人所有の場合には、住宅用地と非住宅用地との区分をすべき分が非常に多いということのために、相当な時間がかかるわけでございます。その点では、法人所有の土地につきましては、登記簿上大体明確でございますとともに、件数が少のうございますので、できる限り評価額課税に一年でも早く近づけるということにいたしまして、個人分につきましては、一年間の余裕を置きまして評価額課税のほうに近づけるという措置をとったわけでございます。これは同時に、個人と法人の負担能力の差という点からいいますと、法人の場合には、評価額課税にできるだけ早く近づけていって、初年度に負担を多くしていくということが結果的に実現ができるということでございまして、その点は、個人所有の分は後年度のほうに負担が寄ってまいりますけれども、その間における所得水準の上昇等から見まして、そうした負担の上昇には個人の場合でもたえられるであろうということを想定したわけでございまして、実務的な理由が一つありますのと、個人と法人との間に、その負担調整の実務的な解決をする過程において負担差を若干考慮をしたということでございます。
#50
○藤原房雄君 次に、この時価課税ということですね。時価課税がどうもできかねているんじゃないかということをしばしば聞くわけでありますけれども、時価、すなわちこれは市場価格と評価額との差、これは値上がりの激しいところとそれからそうでないところとでは、いろんな問題があろうかと思います。それで、値上がりの激しいところ、それからまたそうでないところで、どのくらいの違いがあるのか。時価相場が、値上がりの激しいところと、それから過疎地のようにあまり値上がりしていないところでは、いろいろな差があるわけですね。そういう事態をとらえて、そしてその差の違いというものをどのくらいに自治省で把握していらっしゃるか、ちょっと御説明いただきたい。それから評価額に対して、仮需要による地価の上昇を除いて行なわれているというが、税負担の急増緩和の意味を含めて評価しているのではないかという、こういう気がしてならないわけですけれどもね。この間については自治省ではどうお考えですか。
#51
○政府委員(佐々木喜久治君) 昭和四十八年度の評価がえにあたりまして、できるだけ時価に近づけるというような方針で作業をしてまいったわけでありますけれども、現実には、昨年一年間の非常に大きい地価の上昇というものは、どうも完全に捕捉し切れなかったというような感じがいたします。これは実務的にも、全部の土地を評価をするというような関係で、評価の事務が、昭和四十七年度の早々から始めなきゃならないというような点もございまして、そういう意味では、最近地価公示価格というもので見られましたような地価の上昇は、十分捕捉し切れなかったということが言えるだろうと思います。そういうことで、当初私どもが考えましたのは、大体、時価水準の五割程度ではないだろうかという感じがいたしておったわけでありますけれども、やや五割の水準は割ったような感じがいたします。
 それから、最近の地価の上昇は、大都市の中心部が地価の上昇が鈍化してまいりまして、その時価の上がり方としましては、地方のほうに及んできているというような傾向が見られるようであります。それから、特に大都市周辺部におきましては、相当これは地価の上昇が見られますわけで、たとえば東京に対します埼玉県あるいは神奈川県、千葉県といったような地域では、時価に対する比率は、先ほど御説明申し上げましたような、五割をやや割った程度というものよりはもう少し時価との差が開いているような感じがいたします。
 それで、上昇率を平均的に申し上げますと、大都市地域が、先ほど総体的に一・八倍ということを申し上げましたが、大都市地域におきましては一・六六倍、普通のその他の都市におきましては一・九二倍、町村部におきましては二倍と、こういうふうな率になっております。
 それから、評価が時価に到達できないでおるという点は、やはり評価額課税ということがなかなか実現できない、そのために、相当、時価一ぱいの、目一ぱいの評価をしても、それが直ちに課税標準額にならないというような関係から、やや評価事務の面では、時価一ぱいに評価をするということができにくくなっているような感じがあるようでございます。
#52
○藤原房雄君 いまの話にまた続くわけですが、地価の上昇の激しいところと、それほどでもない、上昇の鈍化しておるところとでは、売買価格との評価額の差というものは、比較しますと、地価上昇の激しいところの土地のほうが差が大きいということはこれは当然言えると思いますが、土地の評価額は、売買価格というか、地価といっても、その土地の使用によって生み出されるところの収益力に着目するとなれば、必ずしも市場価格どおりということにはならないのではないかと思います。いずれにしましても、総体的に見て、過密地域と過疎地域とでは地価の上昇の度合いが異なりますから、評価額にも大きな差が出てくるのはこれは当然だろうと思いますけれども、このままでは、過密地域の固定資産税は非常に大きな過重なものになってくるということになりますし、また、過密地帯の固定資産税を軽くするということになりますと、過疎地域の税収が確保できないという、非常に過密、過疎の地域によって、どっちに力点を置くかというということによっていろいろ問題が出てくるであろうと思いますが、この固定資産税の評価問題について、評価そのものの問題と、それからこれに関連する税負担上の問題と、まあこれは非常にむずかしい問題ですけれども、現在のような同一の税率、同一の評価基準というものでものごとを見ていく、そういう問題については、いままでのやり方というものについてはある程度これを検討を加えなければならない。非常にアンバランスの大きい今日、時代の大きな流れの中にありまして考えるべき問題ではないかというふうに私は思うのですけれどもね。どうするかということになりますと、いろいろこれは問題がありますのであれですけれども、一つの問題提起といいますか、そういうことで考えなければならないことだろうと思うのですけれども、この間のことにつきまして、自治省としては何かお考えはございますか。
#53
○国務大臣(江崎真澄君) いま税務局長からも申し上げましたが、なかなかこれは、御指摘のように、今後にかけては非常にむずかしい問題だと思います。しかも、大都会に住む人たちは、相当の住みふりた家屋であっても、土地の値が上がっていくに比例して税負担が重くなる。売るわけにもまいらない。もとより団地等々の借家に住んでおる人とは、それは税金のことですから負担率はうんと違いましょう。うんと違いましょうが、これは今後の住宅問題、固定資産税にからんで十分考えなければならない問題であるというふうに私ども考えております。
 それから、いまおっしゃる評価額の問題でありまするが、政府としては、建設省などがいたしておりまする地価公示価格、それからこの自治省がつかさどる固定資産税の評価額、大蔵省が関係しまする相続税の土地に対する評価額、この三種類が三様の評価がなされておる。これはそれぞれ詳しい御説明をするまでもなく、藤原さん御承知のとおりでありまするが、これはやはり一本化することが望ましいという態度で、今後、地価公示価格というものに、相続税の評価も、固定資産税の評価も歩調を合わせていこうという方向にあるわけでございます。しかし、これはなかなかにわかには実現しがたいわけでありまして、これは調査の基準等においてもたいへんな大きな違いがあります。のみならず、地価公示はほんの首都圏の大都市にやっておる、おもな都市にやっておるという程度のものでございまするから、今後、しかし政府としての一本化ということでもう少し住民にわかりやすくしていく。そういう場合には、やはり私は固定資産税の場面では評価額が非常に上がるわけでしょうから、税率で手かげんをしていく、固定資産税の税率を緩和するということで、評価額は政府としては一本化が望ましい、税率は緩和するというような形で対処したらどうであろうかというので検討をいたしておるような次第でございます。
#54
○藤原房雄君 次に、電気ガス税の問題でありますが、これも毎年いつも問題になるわけでありますが、今国会におきましても、本会議で田中総理がこのことについても触れられておりましたけれども、ことしは十年ぶりに一%引き下げた、また免税点を引き上げたということでございますが、いろいろ言われておりますように、電気ガス税は悪税として廃止せよというのが私どもの年来の主張でありますが、それに伴って、政府も佐藤内閣のときは確かに悪税と言われておる。今回は一%引き下げた、免税点を引き上げたということでありますが、やはり計画的に税負担の軽減をしていくという、こういう考えが自治省当局にはおありなのかどうか。そのときそのとき、思いつきというと変ですけれども、だんだんなしくずしにしていくのか。そんなことでなくして、やはりかつて佐藤総理も悪税と言われた、そういうことから考え合わせるならば、やはり税負担の軽減というものを計画的になすべきじゃないか、こう思うのですが、この点についてはどうでしょうか。
#55
○国務大臣(江崎真澄君) 佐藤総理が悪税だと申しました根本の理由は、電気もガスも日常住活にとって欠くことのできないものである、いわゆる生活必需品である、しかも文化生活の基礎的条件をなすものである、これに税金がかかるということは必ずしも妥当な税とは言えないのではないか、こういう考え方に発するものだと思います。しかし、この税には、御承知のように、一面から、その消費量に応じて所得をまた別面から捕捉していくという、補完するとでも申しまするか、一つの消費税的な意味もあるわけでございまして、税そのものとしては、御承知のように、固定資産税であるとか、住民税であるというように、非常に地方税としては安定性のある普遍的な税金であるということが言えると思います。そこで、いま御質問の意味は私どももよくわかります。したがって、今度はガスにおいては免税点を千六百円から二千百円、電気においては八百円から千円ということに引き上げを行なったわけでありまするが、今後も、零細な、直接この必要最小限と思われる消費量程度のものについては引き上げを行なって、負担を緩和していくということが望ましいと思います。そして、いま御質問にはありませんでしたが、租税特別措置によって、重要産業等、消費物価に影響するとおぼしきものというので、この電気ガス税の大幅減免を行なっておる業種が相当ございます。これなどをこの時期にこそ洗い直しをしなければならないというふうに考えまして、目下、通産省とも事務的に連絡をとりまして、法案審議等が一段落いたしました時点で、積極的にひとつ洗い直しをやってみたいものだというふうに考えておる次第でございます。
#56
○藤原房雄君 いま大臣から積極的なお話がございましたが、確かにアメリカ等におきましても、産業用の電気ガス税につきましては逓増料金制度ですか、とられておる。通産省内部にも、こういう制度がわが国にも取り上げられなければならないのじゃないかという意見があるようにも聞いておりますが、ひとつ租税特別措置等においては、いままで大きく保護されておりました産業の電力につきましても、これは鋭意ひとつ検討していただきまして、均衡あるものにしていただきたいと思います。
 次に、特別土地保有税について二、三お伺いしたいと思うのでありますが、この特別土地保有税、これは固定資産税の評価額と購入時の時価との差が大きいほど税負担が多くなるような制度になっている。これによって土地政策への効果がどのぐらいあるのかというのはひとつの問題だろうと思いますが、この間につきまして自治省としてはどうお考えですか。
#57
○政府委員(佐々木喜久治君) 先ほども固定資産の評価額のところで申し上げましたように、現在の固定資産税の評価水準というものは、時価に対して相当低いところにあるわけであります。そしてまた、その評価額に対して、課税標準額というものはさらにそれに比較をしまして、ことしは若干差をつけたわけでありますけれども、なお評価額と課税標準額との間においても開きがあるというような状況でございます。したがいまして、特別土地保有税が現実の取引価格というものを課税標準にして課税いたします場合には、昭和四十九年度あるいは五十年度の段階におきましても、現実の固定資産税の負担と比較いたしますならば、おそらく数倍の負担差があるというふうに考えられるわけであります。そういう意味で、最近の土地取得について特別土地保有税を課税をするということによって相当な負担が一挙にあらわれる。こういう意味におきましては、土地の管理費用が急増するという意味におきまして、土地取得の抑制という効果は相当あるものというふうに考えておるわけでございます。
#58
○国務大臣(江崎真澄君) いま事務的に税務局長が御説明しましたが、今度の特別土地保有税は、土地の投機対象をこの税金によってなくするという効用と、もう一つは、従来取得した土地に、取引価格――これは一番これを捕捉しやすいと考えられる市町村に委託をいたしたわけですが、これによって、手持ちの土地を宅地ないし公共用地として吐き出させる、この両用の効果をねらったわけであります。もとより、この特別土地保有税だけによって土地投機対象を抑止したり、吐き出しを完ぺきにするということは不可能な点もありまするが、譲渡税であるとかあるいは取得税であるとか、そのほか今度の土地税制、土地政策全般の中でこれをひとつ有効に働かせよう、こういう意図に出て新たに制定をいたしたものであります。
#59
○藤原房雄君 その問題につきましてはまたいろいろあろうかと思いますが、次は特別土地保有税の適用除外の問題ですね。これは法律案の第五百八十六条、第五百八十七条ですか、非常に適用除外が多いわけなんですが、政府の税調の答申でも、適用除外については安易に拡大し、制度の実効をそこなうことのないように十分配慮する、こういうことを求めておったわけでありますが、その政策目的からいって、農業政策や中小企業政策、それらの線に沿ってそうあるべきだというものもございますが、それにやや納得できないといいますか、こんなことでどうかなと思うようなものが何項目かございます。五百八十六条の二項二十九号、市町村の建設に関する基本構想に即する用途であるとして条例で定める土地、これなんかは非常にあいまいな規定のように思うわけですけれども、そのほかまた病院の用地、このように非常に適用除外が多いということ、これは政府の税調の答申の中にも言われている、こういうことからいいまして、もっと限定された狭い範囲のものにできなかったのかどうか。だれが見てもあまりにもこれは多いということを感ぜずにはおれないと思うのでありますが、この間のことにつきまして少々お伺いしたいと思います。
#60
○国務大臣(江崎真澄君) この点につきましては、世論の動向も十分勘案をしながら、慎重に検討をいたしたつもりでございます。これは御承知のように、農林経営規模の拡大、これは農業構造改善事業等々、それから中小企業の団地経営、それから工場の地方分散の施策に適合する地域、あるいはまた宅地不足のおりから、民間業者といえども、地元がなるほどこれは優良であると認めたその宅地供給の地域等々、相当具体的に規制をいたしました。御指摘の病院等々も、地方公共団体の福祉施設の拡充強化と、今後の方向を踏まえて認めたものでございまして、相当これは世論とにらみ合わせてきびしく査定をいたしたつもりでございます。
#61
○藤原房雄君 世論の動向に従ってということでございますが、これ、何も適用除外が多いから、数が多いからという、数のことで私は云々するわけではございませんが、中にはちょっとこう検討しなければならないものもあるように思いましたので、二、三申し上げたわけでありますが、こんなにありますと、一体除外にならないのは何かという、こんな逆な考えも出てくるのではないかと思います。
 次は、特別土地保有税の課税対象となる限界を、東京都及び指定都市では基準面積の二千平方メートル、それから都市計画法第五条に規定する都市計画区域を有する市町村の区域では五千平方メートル、その他の市町村区域については一万平方メートルと、こうありますが、こういう面積を定めた基準といいますか、この面積を定めるにはいろいろな角度から検討なさったと思うのですけれども、その間のことについてちょっとお伺いしたいと思います。
#62
○国務大臣(江崎真澄君) これは先ほども申し上げましたように、土地を投機対象からはずしていこうという意図に出るわけでありまするから、将来住宅をつくろうと思ってごく小規模な土地を入手した人にまでかけるということは、これは当たりません。そこで、土地取得の抑制を目的とするというようなことから、いま御指摘のような規制をしたわけでございます。具体的には、指定都市等の区域につきましては、公有地の拡大の推進に関する法律、これに、市街化区域内の土地を譲渡しようとする場合には知事へ届け出るわけでございますね。この面積が二千平方メートル、すなわち六百坪というところから、この数字を考え方の基準にしたわけでございます。それからその他の市町村につきましては、譲渡所得の買いかえ資産、土地等の限度が、御承知のように工業の再配置等、五倍までが認められております。そうすると、この二千平米の五倍、すなわち一万平方メートルということにしたわけです。次に、都市計画区域のいわゆる市町村はどうするか。これはいまの五千平米、すなわち千五百坪。これはちょうど二千平米と一万平米の間をとったと、まあこのあたりが妥当ではないかと、一つの尺度にいたしたわけでございます。
#63
○藤原房雄君 いままで自治省でもいろんなデータをおとりになって、この法案作成にあたりましてはなさったと思うんでありますが、これらの非課税規定によって課税されない土地は、通常の取引されている土地のうちでどの程度あるのかということを、いままでのお調べになった範囲内でおわかりになりましたらお聞きしたいと思いますが。
#64
○政府委員(佐々木喜久治君) いま新聞紙上等で、商社であるとかあるいは不動産業者等が非常に土地の買い占めをやっておるというようなことが報道されておるわけでありますが、ああいう買い占めの対象になったような土地というものは、ほとんどこの土地保有税の対象になる土地であろうというふうに考えております。免税点がやや大きく定められておりますので、不動産取得税に比べますならば、課税件数から見ますというと、おそらく現在不動産取得税が課税しております件数の十分の一ぐらいであろうというふうに考えますが、さらにそのうちで、非課税規定によって課税が除外されるものというものは、まだ私ども正確な資料がつかみ得ないのでございますが、幾ら多くても、まあ課税対象となるべき取引された土地の三分の一をこえることはないであろうというふうに考えておりますが、まだ現実にこの税について具体的な調査ができない段階にございますので、さらに調査を進めまして、正確を期してまいりたいというふうに考えております。
#65
○藤原房雄君 現在、土地の買い占め等たいへん問題になっておりますが、現在、法人が過大な土地を保有して、しかもそれを利用していない、こういうところがたくさんあることを考えますと、これはすみやかに手離させる方法、これを考える必要があるんじゃないか。たとえば、法人に対する国税の譲渡分離課税では、適正利潤率以下の場合は課税しないと、こう言っているけれども、この利潤率を大きく認めれば、保有税の一・四%程度のものを課しても軽いものとなる。まあそして手離さなくなるんではないかと、こういうことも考えられるのでありますけれども、この点のことについて、
  〔理事寺本広作君退席、委員長着席〕
過大に持っております法人の土地を手離させるための対策といいますか、これがまあ十分なものでなければ意味がないだろうと思うんですけれども、この点についてはどのような見通しを持っていらっしゃるか。
#66
○国務大臣(江崎真澄君) 御承知のように、従来、法人が土地を売買いたしますると、これは法人課税は約五〇%程度のものが課税されるわけであります。それを今度の場合、なお対象の土地について二〇%程度重課しようというわけです。しかも、その法人が欠損法人であっても、その欠損は認めないで課税をするということで、譲渡所得については相当きびしい課税をすることにいたしております。この経費等につきましても、まあ最小限、必要最小限のものを見るということで押えておるような次第でございます。
#67
○藤原房雄君 いまもいろいろお話ございましたが、ずいぶん高い税率をかけますと、民間デベロッパーは土地を容易に手離さなくなるだろう。そのために住宅用地などの供給がスムーズにいかなくなる心配も出てくるわけでありますけれども、税調等でも言っておりますように、土地政策と同時に確立しなければならない。これはもう当然なことだと思いますが、この間につきましても、政府がいろいろ検討してきておることは私どももよく承知しておるわけでありますが、現在、政府として、これらのものと相合わせて、これを政策目的を遂行するために現在どのような施策をお考えになっていらっしゃるのか、その間のことについてお伺いしたいと思いますが。
#68
○国務大臣(江崎真澄君) 御指摘の点はきわめて重要な点だと思います。民間業者が大口に土地を所有しておる。これは今度市町村で特別土地保有税を課することによって、大体、その大手にかかわらず、思惑買いを含めてどの程度のものが民間の手に渡っておるかということは、市町村単位にそれぞれ捕捉ができるわけであります。今度の国総法によりまして、県では開発計画等々基本的な計画をいたします。で、これには当然市町村の意見も入るということになりますると、この土地を計画的にどう利用していくかという場面で、公有地拡大推進法等々のからみ合わせ、国総法の計画指定地域の指定等々と合わせまして、公有地に売り渡しを求めるという場面が出てくることは容易に考えられます。そうして取得価格に適正利潤を加算いたしました程度のもので、これら不要不急、いわゆる思惑対象というようなことで入手された土地が公有地として肩がわりされるように、これは十分ひとつ今後にかけて努力をしてまいりたい。また、自治省としても、そういう面については、国総法の推進をはじめ、あらゆる土地政策と合わせて行政指導もしてまいりたいというふうに考えております。
#69
○村尾重雄君 先ほど藤原委員が、冒頭に、この法案の取り扱いに対して、政府の取り扱いについて遺憾の意を表されました。私も、参議院の地方行政委員会の審議の立場から、同様の意見であるということを申し上げておきたいと思います。
 先ほども藤原委員から触れられましたし、過日の本会議の大臣の趣旨説明に際しても、たしか藤原委員からだと思いますが、触れられました電気ガス税のことについてですが、まあお話しがあったんですから、引き続いて、私、この問題について、実は私なりに、ダブること承知で確認したい点があるので、お尋ねしたいと思います。
 まあ今回、九年ぶりですか、久しぶりの税率の引き下げ、それに免税点の引き上げが行なわれました。しかし、この税は基本的に全廃される必要のある税金だと深く思うんですが、大臣に伺います。
#70
○国務大臣(江崎真澄君) 前段の点については、全くさっき申し上げたとおり、遺憾に存じておりまするので、御了承願いたいと思います。
 電気ガス税につきましては、これまた藤原さんに詳細申し上げたわけでありまするが、要するに、生活必需品に対する大衆課税であるという見地から申しまするならば、いかにも不当な税金であるというそしりは免れぬ面があろうかと思います。しかし、先ほども申し上げましたように、この税金というものは、一種の消費税、要するに個人の住宅等においては、多量に使えば使うほどそれに税金がかかるということは、やはり所得を補完する意味において有効に働いておるということも言えるわけでありまして、まあ特にこれからお互いの生活が高度になればなるほど、消費税的な形で取ることは、税の姿としてはやはり捨てがたい、味わいの深いものだというふうにも思えるわけでございます。したがって、一番困ったことは、零細な人々の必要最小限の電気ガスの使用、これにしも税金をかけることは不当ではないか。これは全く私自身も不当だと思います。その点は同感に思います。したがって、ことしも免税点の――いや課税最低限の引き上げ等を行ないましたが、なお、今後もこれを大幅に引き上げていく、これは考えなけりゃならぬと思うのです。しかし、今日、直ちにこれを廃止するかどうかと言われますると、ちょっとこれは廃止しにくい税である。市町村といたしましては、住民税とか固定資産税というふうに、相当安定をした重要な財源にもなっておりまするし、また普遍的な意味も持っておりまするし、したがって、冒頭に申し上げましたように、所得を補完するという形の消費税的性格が顕著になりまするように、今後十分検討をして、国民の間から不平不満の出ませんように措置をいたしてまいりたいというふうに考えております。
#71
○村尾重雄君 ただいまの大臣の御答弁、非常にけっこうだと思います。それはまあ過日の本会においても、同じような趣旨で大臣は述べられたということを記憶しております。そのとき、藤原委員の質問に対して田中総理も、振り返って自分が大蔵大臣の時分に、三十七年、八年、九年ですか、一%ツー三%にわたって税率を引き下げたと、それから後も、まあ一年抜けましたが、ずっと各年、免税点の引き上げは、いまおっしゃったような点については行なわれていることも私は知っております。しかし、われわれどうしてもこの点をば、くどいようですが、あなたになお押し――あなただけでなしに、きょうは税務局長おられますし、党の指導の方もおられますし、私はこの問題についてはなお考えていただきたいと思う点があるのです。
 まあ古くから、それはどういう経過からこの税金が生まれたかということについては、もう御承知になっていると思います。これは戦時中に電気ガス税というものは生まれたんです。その後まあ戦後の復興のために、特に地方都市の、また大都市のそれぞれの復興のために、相当この問題については、まあひとつお役に立ってきたと思うのです。私はいまのこの時代において、この電気ガス税というものは撤廃せなければ撤廃するときがないと思います。これは大蔵省の発表なんですが、私は新聞できょう見ただけ、テレビで見ただけなんですが、四十七年度、四千五百億ですか、税を取り過ぎたというような、税が余り過ぎたというような大蔵省の調べた結果だということが発表されたこと等を聞いております。これと地方財源とは別だとおっしゃれば別なんですが、しかし、同じように、地方財源というものもそのような意味においては相当私はふえているものだと思う。この際、私はいま一度くどいようですが、やはり電気ガス税というものは、私はだれが悪税だと言ったとか、これは言いません。これは性格からいっても消費者に課せられるものですからして、撤廃すべきだ。なお一言念を押してお聞きしたいところなんです。
#72
○国務大臣(江崎真澄君) 御指摘の意味は、私どももよくわかります。もう先ほどから詳しく申し上げましたので、繰り返しをいたしませんが、少なくとも、藤原さんにも申し上げましたように、この電気ガス税を――国の基幹産業であるとか、あるいは消費者に物価高という形になってはね返るとかいうような事情によりましたり、中には貿易貢献企業というようなことで、非常な特別措置を受けておる業種、業態がございます。そこで先頃来、通産大臣にも、いまこそそれらを考え直す時期ではないかということを提言いたしておるわけなんです。そういうものの一ぺん洗い直しをいたしまして、きょうは御指摘のように、党の政調の大幹部も御列席でございますので、ひとつこういう人たちの全面協力を得たり、ひとつぜひ洗い直しをして、それによって、増収になる分は一般消費者のいわゆる課税最低限の引き上げに充当するというようなことなどをしたら、当面その御趣旨の線に沿い得るのではなかろうか。それからまた長期の展望に立てば、おっしゃるように、だんだん、せめて一%でも税率を引き下げていくというようなことにしていくことが望ましいと思います。
#73
○村尾重雄君 いまお話があったので、少し、この問題はまた質問するのかというような態度で御答弁願っておると思っておりますが、しかし、お考え願いたいと思うことは、なるほど、私は今度の免税について全体的な数字調べませんでしたが、しかし、たとえば私が生まれて住んで、現在もおる大阪なら大阪市にどんな影響があるのかと思えば、やはり今度の処置で五億円減税になるという話なんです、電気ガス税においてね。そこで、一体幾らいただいているのだといえば五十億。四十億対十億ですから、電気四十億近く、ガス十億と。一体、ガス電気の今年度の収入予定五十億だと、こういうお話なんです。これはどうなんですかという話を私に問いまして、いや、これは今度出たのだが、われわれこういうものに対しては、大衆消費税という立場からこれには賛成できないのだから、反対の意思を表現したいと思うのだと。それはひとつやめておいてくれと。まあ言うまでもなく、これほど安定した財源はないのだと。いま大臣がおっしゃったように、確かに私はこの税源の所在が非常に普遍的であるということ、税収が安全性に富み、経済の発展にも即応して伸張する面からも非常に強いということとか、徴収が確実で容易であるという、この最後のこと、すなわち、会社が、電力会社及びガス会社が徴収していって、その電気代、ガス代の金のうちからそれぞれ地方都市に納める税金だし、人手は、人件費は要らないし、これほど容易に、しかも今日固定化したというのか、定着した、このようなけっこうな税金というものは、ひとつ、いついつまでも地方財源としては置いておいてもらいたいのだと。ところが、お考えいただいてもおわかり願えるように、すでに八年前ですか、五%まで引き下げようという、私は大きな意見が部内にあったということも承知しています。それを、これはそのとき引き下げようと思えばやれたのです。今度だって、御承知のように、田中総理が本会議で二%の引き下げを行なうと述べた。ところが、諸種のいろいろな事情と抵抗で、これが一%に落ちついておるのだ、この点は自分とすれば二%まで引き下げようと思ったんだが、一%になったということも了承してもらいたいと、こういうお話もある。私は大臣に申し上げたいことは、これは非常に定着した、今日では安定した財源だからということで、これにいつまでも私は固執していくということは、これは安易にお考えになるということは、私は相当問題があるとこう思うんです。そういうような点から、ひとつ、非常にくどいようでしたが、特に今日問題になっている物価の抑制政策の一環から見ましても、電気ガス税の撤廃というのはきわめて私は直接的な効果を持っているものだと思います。電気ガスの消費者は、電気ガス税を含んだ金額を電気ガス代として支払うているんですから、電気ガス料金は電気ガス税分だけでも実質的に高うなっているんですから、私はぜひとも、今日の物価の高騰の中で、国民生活を脅かしている、物価問題は非常に政治問題なんですから、ひとつ、非常にかすかなる消費者への負担だと、こう思っておられるかしれませんが、これは安易な税対策に安んずることなく、ひとつこれは重ねて撤廃への処置をば十分考慮されたいことを希望しておきたいと思います。お考え、なお再度伺いたいと思います。
#74
○国務大臣(江崎真澄君) 非常に御熱心な御質問でございまするが、ことし一%下げたことによりまして、百八十億、地方の財源が不足するわけです。平年度百八十億。そういうことになりまして、かわり財源をしからばどうするかというような問題も、普遍的、安定的な税金であるだけに、私ども自治省としては苦慮いたしておるような次第でございます。
 しかし、おっしゃる意味はもう十分私もわかりますし、また同感に思う点も多うございまするので、今後もこの税率の引き下げについては努力してまいりたいと思いますが、ただ、消費者についてのいささかの物価安定を含んでの貢献ということは、これはさっき申し上げましたように、課税最低限を思い切って引き上げていくということによって、零細な使用者にこたえたらどうであろうか。税の本質論をここでする場面でもありませんが、やはり日本の場合でも、こういう間接税的な、目に見えない形で、使用すればするほどそこで所得を消費税というかっこうで納めていく、所得が補完されるという間接税の形態は、これからも本来ならば進められるべきものでないかと。これは欧州でも、アメリカでも、しきりにそういう方策をとっておりまするので、そういう点からいいますると、いま全部免税にということは決しがたいものを覚えるわけでございます。しかし、今後にかけまして、経済情勢の推移、国民所得の動き等とにらみ合わせまして、御期待にこたえられる点は十分ひとつこたえられるよう努力してまいりたいと思います。
#75
○村尾重雄君 いまお話があった、特にあなたが非常に言おうとなさっておられる、消費者が、それぞれその人の消費生活において税が負担されるんだからして正しいじゃないかというような点については、あなたの御意見として私もよく聞いております。が、いまおっしゃった意見以外に、私は先ほど申し上げましたように、これは地方都市財源としては今日私は定着した、しかも、取りよい普遍的な税金であるということは私も認めるんです。
 そこで、私はここで少し申し上げたいことは、そのいまある地方自治体の事情もわかるんですが、私はこの際に、少なくともこのガスにかかる税金は、私はいますぐでもできるんではないかという見解なんです。ガス税は、御承知のように、ガス事業の性格からしても、電気と異なりまして、農山村地区にはほとんどその財源はなく、大部分は比較的――まあ裕福ということばは語弊がございますが、これは地方都市と比べた場合において裕福な大都市に偏在しているのですからして、地方都市では、その財源は重要な地位を占めて――私は今日では重要な財源の地位を占めていないのでないかとこう思うのです。こういうような点から、どうでしょう、ガスだけでも離してひとつ撤廃するというような考え方はどうです。
#76
○政府委員(佐々木喜久治君) 御指摘のとおり、ガスにつきましては、その税源の所在というものは大都市を中心といたします都市の地域でございます。しかも、ガス料金につきましては地域格差が相当あるという問題もございますし、あるいはまた現在は、ガスと競争の立場に立つ燃料もございます。そういう意味におきまして、電気ガス税のうちでも、ガスに対する課税というものをやめたらどうかというような御意見のあることも事実でございます。ただ現実には、ガスにつきましては、特に都市税源となっているというような事情もあるわけでございますが、ただ電気とガスの消費がいささか違うと。どこの家庭でも必ずガスでなければならないというような事情にないというような観点から、現在は、免税点におきまして電気とガスについては相当大きい差を設けております。そういうことで、大体、今回の免税点引き上げの措置によりまして、ガスの消費世帯の約六〇%が免税世帯になるというようなことになっておるわけでございます。まだ、先ほど大臣から申しましたように、電気ガス税につきましては、なお私どもも検討を続ける必要のある問題があることは十分承知いたしております。さらに検討をしてまいりたいと思います。
#77
○村尾重雄君 いま一つお尋ねしたいのですが、御承知のように、この都市ガスにはいま言ったような税金がかけられておる。また今日、都市の周辺、特に衛星都市等においてはプロパンガスが使用されておりますが、これには課税されておりません。私はこれは不公平な競争をしいていることになりはしないかと思う。ガスそのものは、今日、電気と同じように、生活必需物資として水や空気と同じようなものですからして――そのプロパンガスのあり方と都市ガスとのあり方においても今日非常に違っているのです。私はそこで、プロパンガスと都市ガスとが、なぜ都市ガスに課税されプロパンガスには課税されないかというような議論もしませんし、またお聞きもしませんが、しかし、事実においてプロパンガスには課税されていないのです。なかなか都市周辺のこの利用者というのは非常に多いのです。片一方は、都市ガスは課税対象になっているのですから、この際プロパンガスも同じように税をかけよというのじゃなしに、都市ガスを撤廃して、これは平均して、不公平な競争というのは――最近非常にこのプロパンガスの利用度というものは、まあ会社がどの程度ふえているか御存じだと思いまするが、非常に多いんですから、これをひとつ、不公平な点からいっても、都市ガスは撤廃さるべきだと思うのですが、いかがですか。
#78
○政府委員(佐々木喜久治君) 先ほど申しましたように、都市ガスにつきましては、プロパンガスという有力な競争燃料があることは御指摘のとおりでございます。そういうような観点から、現在ガスの消費について免税点が電気の免税点の二倍の額で設けられておりますのは、そうしたプロパンガスが通常家庭で使用されます場合の消費量と見合うような免税点というような趣旨で、免税点がガスについては引き上げられておるわけでございまして、そういう趣旨で、いま、先ほど申しましたように、六〇%をややこえるぐらいの世帯が免税世帯になっておりますというような状態になっておるわけでございまして、十分私どももその点を意識いたしております。
#79
○村尾重雄君 もう一点、ひとつお含み願いたい点があるんです。それは、都市生活を――東京都もそうでしょうが、特に下町の生活を十分ごらんになったらおわかりになると思うんですが、最近、公害ということが非常にやかましいですね。そこで、無公害燃料としての都市ガスの役割りというものは非常に大きいと、こう思うんです。まあ、私は新聞でよく見るようなし何やらとかというようなむずかしいことは今日省きますが、ばい煙防止の見地から、また都市におけるボイラー燃料を石炭から重油に切りかえた時代もありましたし、今日では重油燃焼というと亜硫酸ガスなどの排出源として大きな問題になっているときに、これに対し、天然ガスの輸入などをはかり、クリーンエネルギーといいますか、役割りが大きくなってきております。伺えば、東京ガスはすでにこれは企業で実用に使っておられるそうです。また、たとえば大阪ガスにおいても、やはりすでに輸入されて、これが企業化をしようというもう準備も十分できておられるということなんです。私は公害防止の視点から考えましても、これらエネルギーを大切に育てていくべきでないかと、こう思うんです。これはガス税を廃止して需要が他のエネルギーから移ってくる、こういう状況を私はつくる必要があるのではないかと、こう思うんです。そこで、これについての御意見を伺うんですが、もう一つ最後にことばを足したいと思いますことは、先ほどからお話があったように、毎年免税点の引き上げを行なわれております。これは所得のふえることに対して当然電気ガスの使用量がふえるので、これらの免税点の引き上げを行なわれることはあたりまえだと、こう思うんですが、たとえば、今日、九年ぶりに一%の税率を引き下げられたということ、しかも、二%引き下げようという話もあったということ、なお、今後逐年考えたいという御意見があるように、もう毎年毎年、こうしてわずかながら、一〇%かけた税金を今日なおこれを漸減しながら保っておられるということ、何か私はひっかかるところがあると思うんです。そこに私は、こういうような税金は思い切って撤廃されるのが正しいんでないかと、こう思うので、これについての御意見を伺って、この点の質問を終わりたいと思いますが、最後にひとつ。
#80
○国務大臣(江崎真澄君) ガスを大事にしろという御主張は、全く同感でございます。特に、今後ソ連との平和条約が締結されますると、いま民間で話がなされておりまするヤクートの天然ガスの開発問題もございます。しかも、あれは圧搾して国内に持ってくるというんですから、無公害のエネルギー源としての相当な効用が期待できるわけでございまして、その点は深く傾聴いたしました。
 一%でも下げるには下げたが、まああんまりけちなことをしないで、もっと思い切って減税をしたらどうかという御意見でございまするが、過去、田中大蔵大臣当時にこれの減税をいたしましたときには、地方に対する見返り財源ということで、たばこ消費税をその分だけ見込んだことはきっと御承知だと思います。今度の場合は、これについて見返り財源を実は出しておりません。自然増にすべてをゆだねておるといったような形でございまして、これがきわめて安定的、普遍的な税金でありまするだけに、何かやはりこれにかわる税源措置を考えなければならぬのではないかという点等十分考えまして、御意見は御意見として、有力な参考意見として検討さしていただきます。
#81
○村尾重雄君 次いで、先ほど山中さん、中村さん、見えまして、地方税法の一部改正法律案に対する修正案の趣旨説明がございました。この修正案を取り上げて申し上げるわけではございませんが、衆議院において今年度の地方税法の改正についていろいろと論議がされたとき、また五常間といいますか、四党間といいますか、各党理事懇談会等においてもかなり長い間熱心に御討議をされたということですが、これは要するに、三首都圏といいますか、三大都市を中心とする今日の宅地化促進のため、また住宅建設促進のためにいろいろと考慮を払われた一つの御相談だったと、こう思います。
 そこで私は、きょう、ただいま修正案の説明を伺い、また、三十六年度の自治省の案というものが大体生きてきた感があるんですが、今日のこの時点において、この農地の宅地並み課税の方式というものは、はたして、ほんとうに宅地獲得の推進のために、また住宅建設のために役立つものかどうかということをほんとうに考えました場合に、一つ大きな疑問を持つものです。そこでごく簡単にお尋ねしたいのは、たとえば、ここにありますA、B農地に対しては宅地並み課税とすると言われているんですが、三大圏域のうちの、三大都市の市街化区域内の農地の何%が現在A、B農地なのかということを私は関係者にお尋ねしたいと思うわけです。
#82
○衆議院議員(山中貞則君) 今回対象にしようとしております三大都市圏内の農地のうちのA、B農地の比率でありますが、A、B、C農地と分かれておりますことは御承知のとおりであります。それの総地積が十万八千四百九ヘクタールでございまして、今回、A農地が三千六百十二ヘクタール、B農地が一万三千二百ヘクタール、計一万六千八百十二ヘクタールとなりますので、その割合は、A、B合わせて総農地面積の一五、五%を占めるということになるわけであります。
#83
○村尾重雄君 いまお話を聞くまでもなしに、A農地、B農地の線引きといいますか、そのつくられたもの、それを私参考資料として拝見さしていただきましたが、ほとんど、三大都市においては少ない農地にしか、今度課税されるとしても課税がされないんじゃないかと、私はこう思うんです。そのことは、本来の趣旨である宅地供給にはあまり役立たないのではないかと思います。少なくとも、土地問題が非常に緊急な課題となっております首都圏並びに近畿・中部大都市においては、かつて一応浮かび出ましたC農地についても課税しないと、住宅地の供給にはほんとうには役立たないと私は思うんですが、端的な質問ですが、政府のお答えを聞きたいと思います。
#84
○衆議院議員(山中貞則君) 確かに、三大都市圏内だけに限っても、今回はC農地を除外して、五十年度までに結論を出すという措置をとっておりますから、これが的確に、一番住宅を必要とすると思考される三大都市圏、住宅密集地域――東京都だけで四畳半住まいが約六十万人もいると言われております地域を中心に限ったとはいえ、これが完全であるとは思っておりません。これは、住宅を建てるというたてまえの角度からのみ申し上げておるわけでありますが、しかし、その土地は現在農地でございますので、これを一挙にC農地というところまで広げることについては、私どもの党自体においてもコンセンサスを得ることはできませんでした。
 そこで、今回の三大都市圏内におけるA、B農地の総面積から考えまして、そのうちの、ほぼ宅地として、あるいは賃貸住宅等を含めながら住宅化されるであろう土地を、総面積の二割ぐらいに押えてみましても、単純に三十坪平均で割りましても、九十万戸ほど予想ができます。しかし、私どもとしては、一方、政府提案にいたしております宅地並み課税に伴う住宅の建設に対する促進法というものの中で、これに対して、中高層住宅を中心に租税や金融の恩典を与えることにいたしておりますので、この四階以上の高層化ということが私どもの要望どおりになりますれば、さらにまたそれ以上の――九十万戸は単純に平面で割った計算でありますから、相当大きな貢献がこれだけでもできるものと私どもとしては一応考えておるわけでございます。
#85
○村尾重雄君 いまおっしゃった御答弁の中に、右のA農地及びB農地以外の市街化区域農地については昭和五十年度末までにその取り扱いをば定めようとするものであるということなんですが、これは、かつて四十六年度にこの原案が生まれたときに――昨年度一年間凍結しましたわね、そのときも、その一年間においては同じようなことを言われておって、結局その間何ら進んだ一つの処置もされぬままに今日になって、この三月末の、また三月を越えてのきょうまで、いろいろと衆議院で――まあいろいろと両方の意見もございましょうが、各議院が相当の時間これに費されたことだと思います。だから、文字どおり、ここにある五十年度末までには云々ということについても、私はその信用度を持たないんです。というのは、いま地価の上昇、この爆発的な、しかもこの大都市の庶民のマイホームの夢といいますか、やはり住宅に対する希望といいますか、年来の、生涯の望みなんですね。これに対して、私は最近の地価の暴騰というものは、地方自治体の公共事業及び国におけるやはり公共事業の遂行に大きな障害を来たしていると、こう思うんです。そこで、さきにたしか発表されました建設省の公示価格を見てもこれは明らかだと、こう思うんです。なかなか、都市における地価の抑制ということは非常に重要なことだと思うんですが、この問題と取り組まれ、ここに一つの修正案を持ってこられた方々及び大臣ですね、この最近の地価の爆発的な上昇に対しての地価抑制策について、とりわけ大臣、どういうお考えを持っておられるか、お聞きして、この問題はなかなか非常に複雑ですので、私はこの質問終わりたいと思うんですが。
#86
○国務大臣(江崎真澄君) 土地が都会地中心に暴騰したことは私どももよくわかります。これは経済の異常な伸長によりまして過密、過疎の問題が起こり、いわゆる東京、大阪、名古屋、その三大都市圏のいわゆる五十キロ圏に三二%もの人が住む、それは全国土のわずか一%でしかないというようなこの過密現象のもたらした弊害であるというふうに考えます。そこで、何とかしてひとつ、いま緊急な問題としては一番不足しておる住宅をどうして確保するか、この窮余の策の一つとして出たのが今度の問題であります。これはもともと山中議員からも御説明がありましたように、税の負担の公平、それからもう一つは宅地の供給、この二つからなるわけです。なるわけでありまするが、私どももこの地域の約一万七千ヘクタールが半分利用されるとして、とりあえず八十五万から九十万戸程度のものが充足されるのではないか。四十五年の国勢調査のときに、住宅として必要不可欠、どうしても不足しておるというのは三百二十万戸ということでございました。したがって、この三大都市圏において百万戸近いものが公営住宅あるいは農家の賃貸住宅というような形で充足されることができれば、相当住宅難を緩和することができるのではないかということで期待をいたしておるわけでございます。
 で、どう土地の価格高騰を押えていくのかという点に関しましては、政府としては、国総法をはじめ、あらゆる土地政策を二段に三段に併用することによりまして、何とかして価格を押えたいというのでやっきになっておるわけでございます。これはもともと需要と供給の原則からきておるわけでありまするから、利用できる土地をほんとうに利用されるという形にしますれば、ある時期には当然緩和できるもの――まあ特別土地保有税だけではとても土地投機抑制ということはできませんが、取得税であるとか、あるいは四十四年以降取得したいわゆる値上がり待ちの土地等については、譲渡所得を重課するなどの方法によって、これらが有効適切に宅地に吐き出されるということを私ども促進したい。また、それに期待をつないでおるというわけなんです。なかなか一口にして申し尽くし得ないものがありまするが、足りないところは、今後といえども法改正をしたり、また新たな立法をしてでも、この住宅不足の急場をしのがなければならぬ。どうしても住宅充足をしなければならぬ。これは今日政府の最大課題の一つであるというふうに踏まえて努力しておるような次第でございます。
#87
○村尾重雄君 ありがとうございました。
 次いで、ひとつ固定資産税について若干お尋ねしたいと思います。宅地に対する固定資産税について、住宅用地に対する課題は、評価額の二分の一をもって課税するなど、このたび大きな改正を行なわれようとしております。いま、地方税法の改正のこれは大きな柱だと思うのですが、世間も注目しております。私は一、二点固定資産税について政府の所見をお聞きしたいと思うのです。
 結論的に先に申し上げますと、今回の改正内容は、住宅用地は評価額の二分の一の価格をもって課税するということになっております。これをもう一歩進めて、さらに三分の一程度に引き下げるべきではないかと思うのですが、なおまた、宅地に対する固定資産税の税率を、現行百分の一・四ですが、もっとひとつこいつも引き下げるべきでないかと思うのですが、これについて所見を、非常に簡単な質問ですが、お聞きしたいと思います。
#88
○国務大臣(江崎真澄君) 固定資産税というのは、本来、同一価格の資産について同じような税負担を求めるわけでありまするから、宅地だから何%、他の土地であるからどういうふうというわけで区別をしないことのほうが原則ではあろうかと思いますが、しかし、それは今日の宅地の異常な高騰というこの現実にかんがみまして、やはり宅地については標準価格の二分の一程度に押えていこうという特例措置をとった。これはまさに時宜を得たものというふうに、私ども、まあ自画自賛ではありませんが、思っておるわけであります。まあそれを三分の一程度に引き下げてはどうかというお説でありまするが、まあ現在のところ、二分の一程度というのが公正妥当なところではなかろうか。で、御承知のように、これ自体も相当地方財源としては重要な財源になっております。しかも、土地の値上がり、その値打ちの資産としての増加に伴いましてある程度の負担をしていただくということは、固定資産税の性格から申しましてやむを得ぬものかというふうに考えます。
#89
○村尾重雄君 少し私のつけ足すことばが不十分だったと思います。説明を省いたためだと思いますが、御承知のように、宅地の評価額は売買実例価格を基礎としております。もちろんこの場合の売買実例価格というのは実際取引価格そのものではありません。新聞広告や、巷間うわさされているこの土地の価格よりも低いわけです。売買実例価格である以上、最近の地価の高騰を反映せざるを得ません。ところで、最近の地価の上昇の実態をその価格の形成される過程から見ますると、需要と供給の――これは先ほどもお話があったと思いますが――アンバランス、特に土地投機による仮需要の増大が大きな要因になっておりまして、家屋評価の場合の再建築価額、償却資産の場合の取得価額とは別の意味合いを持っております。家屋や償却資産は、経年減価を考えると、大きなインフレでもない限り、通常、すでに持っている家屋や償却資産には大幅な値上がりは考えられません。ところが、土地だけはどんどん値上がりし、しかも、それが過剰流動資金の介入によって、最近土地投機が大きな要員になっているということになりますと、家屋も、償却資産も、宅地も、同一の税率で課税しているという現行制度がどだい私は無理でないかと、こう思うのです。今回、住宅用地を評価額の二分の一の価格で課税しようという改正案を出された理由の一つも、こういった点を考慮されたからではないかと思います。私はこれではまだまだ不十分で、宅地については、いまもお話ありましたが、他の固定資産からひとつ分離して低い税率で課税し、さらに住宅用地については特別処置を講ぜられることが適当でないかと、こう思うのですが、重ねてひとつ。
#90
○国務大臣(江崎真澄君) 御意見たいへんよくわかりました。おっしゃる意味は私どもも同感の点がたくさんございます。ただ、住宅用地にかかりまする税負担全般の問題にも関係いたすこれは重要な御提言でございまするので、十分ひとつそういう御意見なども含めまして、今後の検討課題ということにさせていただきたいと思います。
#91
○村尾重雄君 これは少し私は、これから申し上げようということと私の論旨が少し衝突すると思うのですが、実は、固定資産については相当洗い直されるべき時期がきているのでないかという考え方を私個人は持っているわけなんです。というのは、都市においてこの固定資産の負担がかなり大きいのです。ところが、全国的に見る場合において、土地資産というものは、いま申し上げたように、固定資産税というものはひとつ洗い直しをせなきゃならない一つの時期に――地方自治体財源としては私は相当考えるべき時期じゃないかと、こう思うのです。そういうことは、ひとつ私の考え方は抜きにしまして、先ほどから御質問でお話しのあった、特別土地保有税のような今日の土地対策としての税制は別につくろうということでしょうが、本来の保有税である固定資産税について税率の軽減をはかるべきであると、私はこう思っているのですが、御所見ありましょうか、いまの固定資産税について。
#92
○国務大臣(江崎真澄君) これはなかなかむずかしい問題でございまするが、やはり今後最低の土地、あるいは最小といいますか、必要最小限度でしょうね、必要最小限度の土地に、もう何年も経過した、これも必ずしも大きからざる、普通の生活程度までと考えられるような最小の家屋、これに対して、右左売れるものじゃありませんから、そういったものをまず対象に、課税最低限をどうするかというようなことを考える時期にきておるというふうに思うわけでございます。さっきも詳しく村尾さんから御指摘がありましたように、もともとこの評価額というものは、必ずしも時価に、現実の取引価格に比較すれば高い評価にはなっておりません。まあそれに一・四%程度の課税でございまするので、そんなに過重になっておるとは思えないわけです。しかし、まあ極端に土地が値上がりいたしました地域につきましては、非常な不公平、矛盾も出てまいっておりまするが、全国的に見まするというと、まあまあこの評価額は適切妥当なところにあり、税率もこの程度のものではないかというふうに考えておるわけです。したがって、冒頭申し上げるような御答弁になったわけでございまするが、今後の問題として、十分ひとつ検討してまいりたいと思います。
#93
○村尾重雄君 最近、私は東京都の有力な団体から一つの提案を受けたわけなんです。固定資産税が、地価抑制の趣旨に反して固定資産税の評価基準を時価に近づけるような方針のもとに、漸次その引き上げがはかられてきておる。その大幅な引き上げが地代、家賃にはね返ると、住宅費の負担を非常に多くして、庶民生活が今日著しく圧迫を受けておる。なお、いまの国会で地方税法一部改正案が上程され、審議中であるが、同改正案の中には、宅地にかかる固定資産税の算出法が大幅に変わるという内容が含まれている。同改正案によって税の試算をしてみると、たとえば東京二十三区平均的住宅用地の三・三平方メートル――一坪ですね――当たりの税負担額は、固定資産税、都市計画税を合算して、四十七年度が四百四十三円、五十年度には千三百五十五円、実に三倍増に強化される。したがって、たとえば百六十五平方メートル――五十坪ですね――の場合を見ると、四十七年度は二万二千百八十円、五十年度には六万七千七百八十円の膨大な課税額となっている。これがひいては地代、家賃に大幅にはね返ることも言うまでもない。まさに庶民の住宅費に猛烈な追い打ちをかけるものだと言って過言でないと、こう提案されている。それで私は、庶民の住宅用固定資産税ですね、これをひとつ庶民の住宅――まあ五十坪と制限するか、その規格のあり方は別として、非課税の対象にひとつお考え願えないかどうかということを重ねてお聞きしたいと思います。
#94
○国務大臣(江崎真澄君) たいへん詳しい御計算で、いまも事務当局と話をしておりまするが、そのとおりになるわけであります。これは五十年に六万七千円になる、現在の約三倍になるわけでございまして、これはまあ相当な価格――まあそれまでに税の減免措置をとりながらここへ到達するわけでございまするが、まさにこの四十七年度と五十年の時点とを比較しますると、これは三倍にならざるを得ないわけでございます。まあ月割り約五千円程度、決して軽からざる負担というふうに私も思います。したがいまして、さっきも申し上げましたように、必要最小限の土地と古びた家屋――これは固定資産の償却の度合いによりましょう、そういうものとからみ合わせて、今後やはりこの固定資産については配慮していく必要があるというふうに思いまして、先ほどからいろいろ事務的にも部内で相談をいたしておるような次第でございます。いま御提示の件は、まさに五十年になったときのことでございます。まあそれまでに、できるだけ必要最小限の家屋等については、課税最低限をどうするかという問題と一緒にしまして、十分ひとつ検討してみたいと考えております。
#95
○村尾重雄君 最後に一つ、大臣になおお尋ねしたいと思いますが、いま私が申し上げました数字、実は概算で、私も算出方法等について確かかどうか、関係者にお尋ねして、大体間違いがないということでありますので……。
#96
○国務大臣(江崎真澄君) 間違いないです。
#97
○村尾重雄君 この点はひとつ十分御配慮願ったことにならなければ、今後の税改正においてこの点は相当問題が加味されるものだと、こう思うんです。
 最後に少しお尋ねしたいと思うのは、法人税に対する考え方なんです。これは御承知のように、今年度の国の予算を衆参において審議している間に、特に参議院においてもそうですが、たしか総理大臣もそうだったと思いますが、愛知大蔵大臣も、法人に対して重い課税をというのはいま世論になっている、四十九年度以降は法人への重課税を基本的に問題として検討したいと、これは三月六日の新聞記事を私引用しただけでなしに、最近においてもやはり同じような、法人課税をさらにアップするということ等が、総理の方針として、やはり衆議院並びに参議院においても、強くこれをば表明されているということを私は伺っているのです。そこで、法人に対する重い課税、これは国税である法人税率を引き上げて行なうものか、住民税、法人税割りの税率を高めていこうとするのか、法人事業税の引き上げで対処するのか、いろいろとまあ意見のお分かれになっているところだと思います。そこで私は、自治大臣として、法人に対する課税の強化を望ましい方向と同じように考えておられるのかどうかということと、法人課税を強化する場合に、やはり租税配分の現状から見まして、地方税の強化という方式で実施されることが、われわれの立場から考えても望ましい考え方だと思うのですが、ひとつ大臣のお考え方を最後に伺っておきたいと思います。
#98
○国務大臣(江崎真澄君) 先ほど、所得税法の論議において田中首相が、来年度は法人税率の引き上げを考える、そしてまた給与所得者の必要経費ということばを使われたかどうかは存じませんが、免税点を引き上げて、必要経費と目される分を大幅にそれに認めていこうというような発言があったということは、私も、実は新聞で見まして、まだ現実に速記録を確かめたわけのものでも何でもございません。しかし、方向として、国際的に見ましても、日本の法人税率がまだ負担余力を残しておるということが言われておりまするし、予算審議の過程において多少それに似た発言を総理、大蔵大臣等から聞いたこともございます。これは私、今後の経済の動向、推移等を十分見守った上でありませんと断言はできませんが、負担余力をほんとうに残しておるというならば、当然これは法人税率の引き上げということは考えていいのではないか。
 それから、さっき電気ガス税について非常に熱心に御質問がありましたときに、多少私はこだわったわけでありまするが、免税点を引き上げるとしても、こういう間接税的なものは、できれば今後の税のあり方として残しておきたいといいまするか、比較的好ましいあり方ということでちょっと申し上げたわけでありまするが、間接税を日本においてはもっと取る。特に経済大国なんというようなことを言われて、国民生活が多少でも上がってくればくるほど、これはぜいたくな人や、消費を大幅に求める人にはそれだけの税負担をしてもらう、そして所得を再配分して、零細な人にはなるべく税を軽くしていく、これが私どもの考え方でもあるわけでございまして、当然、国税、地方税は一体であるべきものでありまして、法人税率が上げられるということになれば、地方税における住民税のいわゆる法人税割りにおいては、これはまた相当考慮する余地があるというふうに考えるものでございます。
#99
○河田賢治君 せっかく山中衆議院議員が来ておられますので、また提案者でもありますので、一応、宅地並み課税の問題に限ってごく大まかに質問したいと思うんです。
 今度の地方税法の一部を改正する法律案についての修正案、これは三つの、首都圏、近畿圏、中部圏と、ここだけに一応限られて、ここの市ですね、限られているわけですね。A、B農地。で、最近の地価の値上がりというものは、公示価格で発表になりましても、かなりほかのところでもずいぶん急激に上がっているというわけですね。たとえば九州の博多とかあるいは広島県とか、ああいう中堅都市ですね、こういうところも値上がりは、非常に大都市以上に値上がりの事実が激しくなっていると、こういう実情があるわけですが、いずれにしましても、この三つのところに限られた理由をちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#100
○衆議院議員(山中貞則君) ちょっと答弁の前に、先ほど村尾先生に答弁いたしましたときに、私ついうっかり宅地の供給に役立つであろう農地の課税に伴う面積を、二割と申し上げたような記憶がいたしてなりませんので、二分の一というつもりでございますから、あしからず……。
 さて、ただいまの御質問でございますが、今回の課税については、本来、衆議院の昨年の経緯から考えて、自民党ももちろんのことでありますが、野党各党も一緒になって一年間研究しようという意味の法律に委員長提案でなっておりますために、私どもとしては、これは前例もなし、今後ももうやらないつもりでありますが、政務調査会において党の案を決定しないで出先の御相談にまかせたというところに非常な誤りがございました。しかし、その結果、各党が内々合意しかけた問題について、総理大臣の宅地供給問題に対する考え方という立場から、総裁としての立場から、その了承が得られなかったために、私どもは心ならずも自民党単独による、すなわち野党が最終的に賛成していただけない案を提案せざるを得ない立場に立ちましたことを申しわけなく思っております。
 そこで、その考え方をとるにしても、なぜ三大都市圏に限ったのかという問題でありますが、一応、先ほど例をあげられました百万都市、札幌も含む百万都市にしたらどうだと。百万以上の都市というようなことも考えたのでありますが、しかし、それになりますと、今度は三大都市圏の中の三十万都市、五十万都市あたりは抜けることになりますし、なかなかこの基準をしくのがむずかしゅうございました。そこで、一番現在人口の密集地域はやはり太平洋ベルトライン中のメガロポリスである東京、名古屋、大阪中心の三大都市圏であろう。これはそうじゃないと言われれば、ほかにこぼれた地域があるわけでありますからそのとおりだと思いますが、さしあたりそこらが一番宅地という面から考えれば緊迫した土地であろう、地域であろう。現実に見ましても、全国のA、B農地の総合面積というものが、この今回宅地並み課税を受ける面積に比べてそれほど多くありません。ということは、逆に、全国の大都市、都市等のA、B農地の総面積が一万九千七百二十四ヘクタールであるに対しまして、三大都市圏だけにしぼってやりました今回の場合でも一万六千八百十二ヘクタールでございますから、約六八%はその対象地域としてとらえられた結果になる。そこで、三大都市圏をまず私たちとしては住宅事情の緊迫した地域、そして市制施行は――これは町村までという意見もこの圏内についてはありましたけれども、しかし、やはり交付税法なり、あるいはまた各種地方関係の法律においても、市というものはやっぱり自治法はじめ町村と別な立場の地位を与えておりますので、それだけの必要な住宅事情もあるものという前提に立って、町村までは除外をいたしました。したがって、同じ東京の中でも、最も山梨県寄りの桧原町あたりはこれからはずれていくということに現実になったわけでありますが、ここらの配慮をあれこれいたしながら、私どもとしては、これらの程度の案で野党の皆さまも御賛成いただけるのではないかという、ある意味ではしぼりをかけたつもりでございましたけれども、最終的には御賛成を得られないまま、参議院に、わが党、自民党だけの修正にかかる部分として御説明並びに質問を受ける、答弁をいたすという立場になりましたことをたいへん遺憾に存じております。
#101
○河田賢治君 この指定される地域とその付近とでいろいろ問題があるわけですね。たとえば、私は京都なんですが、京都でも、大阪へ行く阪急電車、ここなんかは、市、宇治市よりも八幡町というところですね、石清水八幡宮がある。ここなんか、もう宅地改造、それからどんどん家が建つわけですね。ほかよりも猛烈に住宅ができているんですよ。で、ここは町なんですね。ところが、もうあぜ道一つ隔ててこちらの市は宅地並み課税かけられると。こちらはもう全然かけぬと。こういうのは、税のたてまえからいってどういうことになりますか。たいした問題でないとおっしゃるわけですか。私はかけることは反対なんですよ。あなた方の立場からどうだということをお聞きするのです。
#102
○衆議院議員(山中貞則君) これはやっぱりどこかで線を引くと問題が出ます。第一、A、B、Cの線引き、あるいは市街化区域、調整区域の線引きそのものもやはり問題があるわけですし、今度は一例を奈良にとりますと、橿原市と明日香村とは、いま飛鳥保存の問題でいろいろ議論されておりますが、びっしり古墳のまわりまで住宅が取り巻いているのが橿原市である。しかし、その隣りの明日香村は古跡の保存されたまま、情緒豊かな万葉の昔を何とか残そうとして努力しておる。これを町村段階までべたにかけますと、明日香村もそれに入ってくるということにもなりますし、そこらのところは私どもずいぶん考えたのでございますけれども、やはり一応市制施行市以上の都市ということにいたしまして、町村はこの際、末端的にはおかしな現象が、確かに町村の区域のブロックで、ことに鉄道沿線等で途中で切れたりいたしますと問題があると思いますが、一応のそれらの点はあり得ることを覚悟の上で、町村段階を対象とせず、市以上としたということでございます。
#103
○河田賢治君 いまは町でありますけれども、たとえば人口がどんどんふえて、これが五十年末にまたこの問題を取り扱うということになっておりますが、こういうところが町から市に変わった場合、これはどうなります。この辺ちょっと伺っておきたいですね。
#104
○衆議院議員(山中貞則君) これは法律には書いておりませんが、かりにこの対象地区の中で町村であったものが市制をしいたという場合には、自動的にこの法律の対象になって宅地並み課税の対象となる、こういうことで予定いたしております。
#105
○河田賢治君 現在はC農地、じゃなくて、このCには入っておりませんが、盛んにこのごろ手紙が、この問題に対して反対してくれという手紙が続々来ておるわけです。一応現在のところは、A、B農地についてはここで規定された市街化地域だけに限ると。で、この昭和五十年度末までにその取り扱いを定めると、いわばC農地ですね、こういうことになるのだろうと思うのですが、これはそのときには政府が考えて何か出されるのか、それとも、これは大体自民党の案として出されたわけですが、その場合は、自民党の案でもう一ぺんこの取り扱いを定めるというふうになるものか、おおよその見当を承っておきたいわけです。
#106
○衆議院議員(山中貞則君) これは、本来、今回の修正案も政府提案で出すべきものと私どもは心得ております。したがって、昭和五十年度末までに、C農地に対する取り扱い等は政府が政府提出法案として準備すべきものと考えておりますが、しかし、私どもは毎年政府与党という立場で一体になって作業いたしますので、現にC農地あたりを買い占めてしまったという方が現実的に当たるならば、買ってしまっておるデベロッパー等が、C農地の規制に引っかかって、これならばもう公共団体か、国かあるいは住宅公団か何かに買い取ってもらわなければどうにもならないというような現象等も現実にはあるわけでありますから、そこらのところは、やはりC農地に対するあり方についても、C農地まで入っていきますと、農業という角度からの問題を切り離して議論することは私は不可能になると思いますので、わが党の中にも、相当な、今回の措置でさえも議論がありましたし、附帯決議にも、都市計画法に基づく生産緑地というものを創設せいというきびしい注文がつけられておりますとおり、農地に対する課税ということで農という字がついて、ほかには農業者とも、農民とも、農家とも何にも書いてない、きわめて異例の法律でございますので、C農地まで広げまする場合には、都市近郊の、逆に言うと生産性の高いことのあり得る営農形態というものを日本の農業政策の中でどうするのかという問題と正面から取り組まなければなりません。したがって、私どもは政府与党一体となって作業いたしますが、その際の提案は、やはり最終的には政府提案にしてもらいたいという気持ちでおります。
#107
○河田賢治君 大体趣旨はわかりました。主としてやはりこれを急がれる理由は、先ほどもたびたびおっしゃっていますように、宅地が、大体住宅地が非常に不足しておるということで、このほうに重点を置いて、どうしてもこの宅地並み課税もやり、農民が吐き出せばここでまた住宅を建てていくと、こういう方向でやろうという意図があるわけですね。この点ちょっとはっきりしてもらいたい。
#108
○衆議院議員(山中貞則君) もちろん、私どもとしては都市近郊営農というものを当然念頭に置いて、現在農業を営み、形状も農地であるのに、宅地並みの課税に、四年がかりであるとはいえ、段階的であるとはいえ、踏み切るわけでありますから、したがって、非常に慎重に私どもとしても議論を重ねましたし、党内においても、最終段階まで総合農政調査会農林部会等の分野の諸君の御納得を得られなかった点も実はそこにございました。しかしながら、市街化区域内の、すなわち法制定後十年以内に市街化されるべき地域であるとされて線引きをされた地域内のA及びB農地というものだけに限るならば、これは今回住宅供給政策という一面からだけ割り切って結論を出さざるを得ないだろうと。その際も、しかし営農を続けていっちゃいかぬというような法律は、これは憲法にも触れますし、私どもとしては、宅地並みの税金を払って、われわれは、自分は生産性の高い、なお償う農業をやっていってみせるという方は、たいへん御苦労だと思いますけれども、続けていってほしいし、また、それが附帯決議にあります生産緑地の構想等にうまく結びついてくれれば、私どもはこれに対してたいへんいい結果が出ると思いますが、現在は、急いでおりますというのは、御承知のように、四十六年法というものが四月一日から動き出しておりまするので、これを徴収実務から考えて、今月内に衆参両院の御審議を議了していただいて、何としても新しい法律で置きかえておかなければ、一斉にのべつ重課されるという事態が起こる。このことを現時点においては非常に心配して、急いでおるとおっしゃれば、急いでおる点はそこらにあるということは率直に申し上げたいと思うんです。
#109
○河田賢治君 その衆議院のすべての党が賛成しました生産緑地の問題ですね、これなんかについては大体どのくらいお考えになっておるんですか。たとえば、普通、田で米をつくるとか、あるいは野菜をつくるとかいうことを除外しましても、京都あたりはタケノコの産地とかお茶の産地なんですね。これは永年作物で、やはり一定の区域を限っておきませんと――まあ市街化になったところはかなり無理なところもあります、宅地にしなければならぬようなところも。しかし、かなり日本でも有名な、手間のかかる宇治茶なんかつくっておりますし、タケノコなんかも、ここらで出るようなあのまっ黒なタケノコでなくてまっ白なタケノコを、急ぐときは飛行機で送ってくるわけですね。まあそういうところもあるわけなんです。こういうものはあなた方のほうで生産緑地と言う場合に、大体考え、頭の中に入るわけですか。どうでしょう、まだそこまでお考えになっていませんか。
#110
○衆議院議員(山中貞則君) これは「都市計画法に基づく生産緑地」ということで一応附帯決議になっておりますから、その方向で検討いたしますが、都市計画法の中では施設緑地ということで考えておりますために、それは農家の人々の自由意思によって、永続的に農業が営めるということは許されない制限がございます。したがって、今回の生産緑地の場合は、そういうきびしい前提でもっては、いわゆる附帯決議で与野党一致された生産緑地の思想に合わないことになるかもしれない。そこで、生産緑地の概念については、これから私どもは新しい考え方としてどこまで導入できるか、これを考えてまいるつもりでありますが、京都付近になりますと、タケノコも本来は――まあ私どもの地方では山林でございますが、京都あたりではこれもやっぱり農地ということになっておるタケノコ栽培のところもあるわけでありますから、そうなりますと、農地になっておる竹林というものは山林ではないという、そこにまた地域的な問題もありますし、お茶もあれば、東京近郊のナシや、あるいはそういう永年作物の、都会の人たちがちょっと近郊に出てブドウその他をもいだりするようなところがありますから、こういうような問題が人間砂漠に化しりつある大都市圏の中において潤いを与える。万葉の昔から、竹むらのそよぎすらやっぱりこの生活の潤いの中にうたわれてまいっておりますから――これは岩間先生とのほうがいいんですが――そういう意味では、京都あたりの竹林というものなどは、生産緑地の場合にはたぶん対象になる方向で議論がなされていくものであろうというふうに考えます。かといって、ずっと山のてっぺんの竹林ということまでは考えておりません。
#111
○河田賢治君 大体わかりましたから、それじゃどうぞ。
#112
○衆議院議員(山中貞則君) よろしいですか。
#113
○河田賢治君 あとは建設やら、それからまた自治大臣との住宅問題で少しやりたいと思います。――住宅の問題に入ると都合がいいんですけど、しかし、あんまりそれから先やりますと都合が悪いので、地方税法の問題についてちょっとお尋ねしたいのです。
 まあ大臣はだいぶ税の負担の軽減、あるものは増強するということですね。今度は住民税の問題や宅地問題、固定資産の問題、特別土地保有税の問題等々あげられましたが、これを総体として見ますと、やはり、ことしの自治省の税務局から出ております参考計数資料によりますと、地方税は四十六年の国民所得に対する六・四、これが四十七年は六、見込みでは――実績見込みですね――六・二と、ことしの、四十八年の見込みでは六・三となっていますね。それからまた国税のほうも、これは――ここは国税とは関係ありませんけれども、しかし、国税自身も、昭和三十九年の一三・五からことしは一三・二と、ちょっとは減っておりますけれども、とにかく十年来のこういう重い税負担になっておるわけですね。ですから、これを予算を編成されたときには、まあこれからいろいろな経済的な問題もありましょうけれども、全体としては、やはり国民が税負担をより多くしておるということが言えるのじゃないかと思うのですね。この点はどういうようにお考えになりますか。
#114
○国務大臣(江崎真澄君) まあわずかばかり、確かにこれは比率からいえば上がっておるわけで、まあ自然増の分もありまするから、相当租税総額においてはふえるわけでありまするが、これはまあ税制調査会等とも十分詳細な打ち合わせの上でやっておるわけでございまするし、まあ自治省としても、自主的にまたいろいろな面から検討いたしております。と申しまするのは、国際的に見ましても、まあ日本ぐらいの国であるならば、この程度の負担は公正妥当であろうということでこの数字を結論づけたわけでございます。まあ特に今後、住民福祉の諸施設と、地方住民の要請しておる施設も相当多うございます。したがいまして、その財源を確保するという見地、それからまた国民の税負担の比率、それを世界的な見地から、日本と同じ程度の国々の負担率等を十分参酌してきめたというのが今回のこの措置でございます。
#115
○河田賢治君 大臣は都合のいいときは国際的な比較だとか言っているんですね。そんなこといえば、法人税なんてむちゃくちゃですからな。やはりしかし、これが編成されたときには――将来経済の非常な変動がありますし、最近また投機なんかでむやみやたらに物価をつり上げる、インフレーションが進む、こういうことの予測はありますけれども、しかし、これを編成されたときには、住民負担がやっぱり軽くなるような方向で編成して、初めて税を軽減したと言えると思うんですよ。それは税によりましては、非常に貧しい者にうんと税を減らす。高いところ、あるいはゴルフ税のようなものを上げるとか、こういう多少内部の操作はありますよ。しかし、全体としては税がどうなったかという場合には、やはりここに数字があらわれて初めて減税しておるんだと、こういうことが私は言えると思うわけですね。あなた方がつくられた数字にあらわれない以上は、これは減税だとは私は言えぬと思うんですね。それはそう追及はしませんけれども、それだけは認めておかぬと、これからいつもこういう問題で、このとおり減税した、減税したというようなことになりますと、えらい減税ばっかりがうたわれて、実際には全体としては減税してないということになりますから……。
#116
○国務大臣(江崎真澄君) これは、別に私も御都合主義でものを言ったつもりはございませんので、当然、所得における法人税の今後の課税率の引き上げというようなことも、もうこれは総理や大蔵大臣も言っておるというわけでございまするから、バランスをとっていくことは、これは法人税の場合も国際的に必要であるというふうに思っております。御承知のように、高福祉を追求すれば、ある程度の、高負担とまでは言わなくても、まあ例年並み、ないし例年にちょっと輪をかける程度のプラスということは、今後ともこれは必要じゃなかろうかというふうに思うわけでございまするが、なお、御指摘の点については、十分今後については配慮を加えてまいりたいと思います。
#117
○河田賢治君 それでは先へ進みまして、上林委員からも、生活最低限といいますか、住民税ですね、所得割りについてのあれが出ておりまして、非常にこれが低いということをおっしゃったんです。私、無学にして、よくわからぬのですけれども、給与所得者が――これは衆議院の地方行政委員会の調査室でつくったものなんですが、つまり扶養家族のない場合、扶養家族の数が零、このときには現行三十三万一千八百六十一円、これには社会保険料が控除をされているということになっております。今度の改正案では三十五万三千二百七十一円となっているわけですね。一体この扶養家族のない人はどのくらいおりますか。それがわかりますか。わかりましたらひとつお願いします。
#118
○政府委員(佐々木喜久治君) 扶養親族数に応じた納税義務者の分類は、統計はとっておりませんので、承知いたしておりません。
#119
○河田賢治君 それはやむを得ません。しかし、たくさんあることは事実ですね、相当。
 そうしますと、この都道府県並びに市町村民税の非課税の中に、二百九十五条ですか、これの第三号の中に、「障害者、未成年者、老年者又は寡婦」と、こうありまして、未成年者の、つまり金額が四十三万円までは非課税ということになっていますね。そうすると、この四十三万円は非課税である。これは未成年者ですね。ところが、さっきの衆議院のほうでいただいておりますこれを読みますと、扶養家族がゼロ、本人だけだという場合の課税の最低限は、今度新しくて三十五万三千円ということになっているわけですね、こういう差はどういうことになるのですか。非課税が、未成年者は四十三万だ。片方、これは老人になるか、中年になるか、あるいは少年になっているかわかりませんけれども、とにかく家族のない者では三十五万、こういう二通りできるわけですね。この場合はどういうふうな説明なんでしょうか。ちょっとこれを聞かしてください。
#120
○政府委員(佐々木喜久治君) ただいま御指摘のとおり、未成年者、老年者、寡婦、身体障害者等につきましては、非課税限度額を昭和四十八年度の場合に四十三万円ということにいたしております。これを給与所得の収入金額に換算をいたしますというと、約六十七万円弱でございます。したがいまして、独身者の課税最低限は、先ほど御指摘のとおり、給与所得者の場合に三十五万円ということになっておりますので、約三十万円の開きがあるわけでございます。この考え方は、未成年者なり、老年者、寡婦等は、一般の人に比べまして稼得力が弱い、担税力が弱いというような観点から、非課税ということにいたしておるわけでございます。したがいまして、独身者でこの三十五万円の課税最低限の規定が適用になります人々は、成年に達した人から適用になるということでございます。
 考え方としましては、未成年者との対比でございますけれども、中学校あるいは高等学校を卒業したぐらいで社会に出て働かなければならないというような人々について、一般的にそういう家庭の環境等を考慮しながら
  〔委員長退席、理事寺本広作君着席〕
非課税限度をきめたわけでございまして、それ以外に、成年に達しておって独身で働いている人ということになりますと、やはり社会的な責任というものも成年者として負ってもらわなければならない。そういうこともございまして、未成年者のような、社会的に一般的に稼得能力の弱い者については最低限度の非課税限度を定めたい、こういうことでございまして、特にこの金額につきましては、中卒の者が就職をして翌々年度までは、住民税の負担が、一般的に平均的に考えました場合に、翌々年度までは大体課税されないで済むような線のところを一応考えたわけでございます。
#121
○河田賢治君 いま、私たち青年の問題について考えるのですけれども、中学を出たり、あるいは高等学校を出て、かなりな諸君がやっぱり働きながら夜学に行く、あるいは大学に行く。ずいぶんこういうことで苦労している青年が多いわけですね。こういう諸君に対しては何かあるんですか。普通一般の所得税では、学生の控除ということがありますけれども、本人がそういうふうに働いて夜学に行っていると、こういう場合に、地方税なんかで少しは軽減するような措置はつくられていないでしょうか。
#122
○政府委員(佐々木喜久治君) ただいまの課税最低限は、一般的な課税最低限の数字でございますが、そのほかに、学生であります場合には、勤労学生控除がこれに加わってまいります。したがいまして、この数字は上がってくるわけでございます。
#123
○河田賢治君 そうすると、所得控除の中から、勤労学生は所得割りの納税義務者十万円ということが引けるわけなんですか、三百十四条の二の所得控除。
#124
○政府委員(佐々木喜久治君) 現在勤労学生であります者は、現行十万円。今回の改正におきまして、勤労学生控除を十二万円に引き上げたいということをお願いいたしているわけでございます。
#125
○河田賢治君 はい、わかりました、それでは先へ進みます。
 先ほど、宅地並み課税の問題で住宅問題が出ておるわけですが、御承知のように、今度A、B農地、これが政府の方針としてどんどん住宅を建てるということになりますが、しかし、これによりまして、現在でもいろんなところで、宅地が造成されながら、地方自治体が負担を持たんならぬので、もう家を建ててもらっちゃ困るというような事件が起こっているわけですね。よく千葉や神奈川にも出ております。きょうの新聞にも、ごらんになったかと思うんですけれども、多摩のニュータウンですね、ここでもう何年来ですか、公団は一年以上前に七、八住区の土地造成を終えて、三千二百戸を建設する用意ができているだけにじりじりしていると。というのは、多摩市がいろいろの公共施設、小、中学や幼稚園、公民館、図書館、児童館、こういう公共施設を大量につくる必要が出てくるんだと。そのときに、六十二年来の市の累積赤字は百億円に達する見込みだと。したがって、これらの費用は、当面、施行者が立てかえてくれるという約束で住宅建設が進んできたが、同市は、都、公団が公共施設建設費の一〇〇%か、それに近い補助をしない限り、住宅建設に同意できない。都、公団の立てかえでは、結局こちらが最後に負担することになると。国家事業に協力した市がそのために破産すると言って、これを拒否しているわけですね。現にこういう、もう宅地になる造成地ができていながら家を建ててないと、こういう事態なんですね。これはまあ大臣も御承知のように、最近の非常な人口激増地帯、ここは学校にしろ何にしろ、たくさん公共施設もつくらんならぬし、道路やあるいは下水その他の処理施設をせんならぬわけですね。ところが、この多摩のように相当完全になったところで現在これを拒否しているんですね。ですから、A、B農地を、これから家建てるんだと言ってわあわあ騒ぐ前に、まず、こういう問題を片づけなければ私はならぬのじゃないかと思うんです、順序からいえばですよ。こういうところに手がつかぬうちに、さてまたA、B農地だということになりますと、これはA、B農地は半ば砂漠ですよね。どこもここも、ちゃんと都市計画に従って道路ができたり、下水ができているわけじゃないんです。現に、最近いただきましたこの資料によりましても、下水処理やあるいはその他の施設は、ほとんどないところが多いわけですね、A、B農地は。こういう問題があるんです。そこで建設省の方にお聞きしますが、大体、これは大臣でないから無理かもしれませんけれども、A、B農地を今後一万七千ヘクタールですか、これらのところに五十万なり六十万の家を建てると、そうしますと、かなりこれには公共投資が要るわけですね、まず。そうしなければ、家ばかり建てても排せつするところがないということになりますから。こういう問題について、建設省のほうで、大体このA、B農地がこの法律が通ってそうしていよいよ宅地並み課税だと、そうしてこれによってどんどん住宅用地を建設するという場合に、これに集中して、一体何年がかりでそしてこれがほんとうの住宅街地になるものか、そういうような大体方向というものはおありなのかどうか、ちょっとこの辺聞いておきたいんです。建設省のほう、大ざっぱでけっこうですよ。一々あれは要りません。
  〔理事寺本広作君退席、委員長着席〕
#126
○説明員(村山幸雄君) ただいま御指摘の点は、いわゆる市街化区域の中におきまして家の建つ状態と、それから公共施設とのバランスがとれていくかどうかという御指摘であろうかと思います。私が担当いたしておりますのは街路だけでございまして、公園、下水、それぞれ担当の課長が参っておりますけれども、街路の整備の問題だけについて申し上げますと、少し話が横にそれるかと思いますが、全国で四万五千キロメートル程度の都市計画の計画決定があるわけでございまして、この都市計画の計画決定につきましては、住宅あるいは工業、商業によってそれぞれ違いますけれども、ほぼ大体一キロ間隔ぐらいの程度でそういう道路が人っておるわけでございます。幅員で申しますと、十二メートルぐらいの道路から、広いところは四十メートルというようなものが出てきておるわけでございまして、それに対します現在の全国的な整備の状況は大体どのぐらいかということでございますが、現在、残念ながらその整備率は約三〇%程度だということでございます。これに対しまして、そういう急速な宅地化に対して、そういうものがどの程度対応していけるかということが問題になるわけでございますけれども、建設省といたしましては、一応昭和六十年という設定をいたしておりますが、それに基づきまして五カ年計画というのがございます。特に街路につきましては、道路の第七次五カ年計画、これは四十八年から五十二年までの五カ年計画でございますが、これにつきましては約十九兆五千億を予定いたしておりまして、特に、先ほどのお話に関係がございます街路関係で申し上げますと、約三兆一千億程度のものをそれぞれ予定いたしておるわけでございます。このぐらいの金でどの程度の進捗がはかれるか。いろいろあるわけでございますけれども、私たちこの五カ年計画の中では、現在三〇%程度のものが約四〇%までの上昇が見られるのではないか。ただいま申し上げております数字は、どちらかといいますと、既成市街地、新市街地、それから調整区域も一部ございますが、そういうものを全部含めての数字でございますので、現在既成市街地の中で道路をつくります半分の金で郊外では倍の延長ができるというようなことでございまして、おそらく、御指摘の地域はほとんどが現在は農地であろうということでございます。そういう関係上、既成市街地の中の施行の困難ということもございますが、最重点といたしまして、市街化区域の中の新しくこれから市街地になるところで、しかも人口急増の激しいというところに最大の重点を置きまして整備をいたしてまいりたい、こういうように考えております。街路につきましては大体以上でございます。
#127
○河田賢治君 建設大臣がいまいないからやむを得んですけれども、A、B農地が大体住宅用地としてこれから急速に進めていくということになりますれば、これまでの五カ年計画で全国をどうするこうするよりも、まずここが、大体あれだけたくさんな税金がかかるようになれば、勢い住宅に、農業をやっている方が商売を変えるとかいろいろ変わってくるわけですね。そうすると、それに応じたやはり都市計画を進めなきゃならぬと思うんですね。そうすると、これまでのような速度でいったんではとうてい間に合うもんじゃない。早くそういうものをつくりませんと、スプロールで住宅ができて、あとになって道路をつくるとか、あとになって下水で掘り返すとかいうようなことは、ますますこれは金のかかることでもあるし、相当集中的にやらなきゃならぬと思うんです。そうなりますと、さっきの公団住宅の問題で多摩ニュータウンの問題を出しましたが、ここで大臣にお聞きしますけれども、つまり、単に人口急増地帯、まあこれはこの辺はみんな一つの人口急増地帯になるわけですが、そういう公共用地なんか、あるいは公共用のいろいろな施設、これらはずいぶんとこれは立ちおくれているわけです、これまででもね。一体これをあなたのほうで責任持って自治省が――まあやることはかなり建設省、厚生省の問題もありますよ。しかし、自治体を守る上からいえば、自治大臣が責任持っておやりにならなければならぬ。その場合に、従来、いろいろ都市の事務所税とかいうようなものがいまだにできていない。それから人口の過密地ですね、こういう問題に対しても、いろいろ進めなければならぬ仕事があるわけですね。これらに対して大臣はどうお考えになりますか。相当これから、何といいますか、ふんどしを締めかえて、締め直してと言うと下品になりますけれども、そういうお考えがあって、これから地方自治体が、ほんとにこんな住宅ができながら建たぬというような、こういう事態を解消するような方向をとられるかどうか、この辺をちょっとお聞きしておきます。
#128
○国務大臣(江崎真澄君) たいへん重要な御指摘だと思います。自治省としては、従来も、超過負担の問題の解消とか、特に過密地域における人口急増地域の児童急増といいますか、義務教育の施設等については、校舎の建設費でも、従来の五割であったものを今度は三分の二にその助成率を引き上げるとか、できるだけ機宜の措置をとっておるわけでありまするが、今度、国の政策として、この三大都市圏の住宅不足にこたえて宅地を造成し、その上に中高層四階建て以上の家屋をつくろう、そして勤労者諸君の要望にこたえるという大きな政策を打ち出したわけです。したがって、それに付随する公共施設の整備については、これはもう関係各省庁緊密に連絡をとりまして、旺盛にこれが推進をはかっていく、当然なことだというふうに思います。
 また、自治省としては、これはやはり責任省でありまするから、十分関係各省庁を督励しまして、かりそめにもこの宅地供給によって不便を感じたり、にわかに困難な問題にぶつかるというようなことが地方公共団体に起こりませんように、責任を持って対処をいたしたい。これは口で言うことはきわめて簡単ですが、まあ見とってください。これはやっぱり政府としての政策で打ち出した以上、それに付随する諸施設に冷淡であって、この宅地供給という緊急課題が解決するものじゃありませんから、これはひとつ大いに実をあげたいというふうに考えます。
#129
○河田賢治君 これは土地問題に入るとなかなか広範になりますのですが、しかし、ニュータウンあたりですね。これは去年、日本長期信用銀行が調査依頼されて、その地方で商店の経営なんかがどのくらいで成り立つかと。そのときに、地価がどれだけの場合には採算が引き合うかということを調べて、坪当たり十五万円だとはじいているのですね。それからほかの不動産の鑑定士、これが鑑定したのでは、平均二十万円だと言っているわけですね。そうすると、十五万から二十万、ここが限度であって、それ以上地価が上がるならばとうてい採算は成らぬと、こういうことを言っているわけです。これは同様に、地方の公共団体が住宅を建てる場合でも、今日地価がどんどんどんどん上がりますれば、現に大阪でも土地が入らなかったと。東京でも住宅が予定どおり進んでいないというような事例もありますが、これからこういうところの土地がやはりどんどん値上がりすれば、とうてい、住宅を建てましても一般の庶民は入れないわけですね。現に東京の、これは住宅公団の高島平団地ですか、ここは去年それからことしにかけてですが、面開発市街地で三DKで二万八千円から二万九千六百円。それから団地高層で、これはことしの三月の二DKですが、ここが二万五千百円から二万六千八百円と、こういうように、もうかなり二万円をこしているような状態ですね。そうすると、これですと、家賃が大体二割としましても、相当の給与を取らなければなかなかこれは入れぬわけですね。これからますます地価が上がるにしたがって、こういう事態はさらに安く供給するというようなことはできなくなると、一般の勤労者自身が、なかなか住宅が建っても、そういう家賃を払って入ることもできないというような事態になるわけですね。そうすると、どうしても土地問題としましては、もっと土地の値上がりを防ぐ。最高価格をきめてしまうとか、あるいはまたそれ以上の値で売ったり買ったりした場合は処罰をするとか、あるいは一〇〇%以上になった場合、それ以上のものは全部税金で取ってしまうとか、まあいろいろな関係をつけなければ、こういう住宅がほんとうの庶民のものになるということは保証がないわけですね、いまのままほっといたんでは。こういう点は、これは自治省だけの問題ではありません。政府全体が問題にしなくちゃならぬ問題だと思いますけれども、しかし、自治省としましては、こういう住宅公団あるいはいろんな地方の住宅供給公社、こういうものができますから、したがって、この土地問題に対する一定の、やはりもっと積極的な施策を打ち出して、建設省その他大蔵省あたりともこれはやって、そして地価を押えていく、それからまた安く住宅を供給すると、そういう責任があると思うわけですが、これについて、大臣、相当大きな問題ですけれども、ひとつ御意見をお聞かせいただきたい。
#130
○国務大臣(江崎真澄君) これはお話のように、相当大きな問題でありまするし、今度の税の均一化と宅地供給というような面から、農地の固定資産税を住宅並みにするという問題だけで解決する問題ではこれはございません。しかし、今度のあらゆる土地政策を十二分に駆使することによって、やはり解決しなければならないこの国家の緊急要請事とでも申しまするか、大事な問題だというふうに思います。そこで、いまお示しの点は、私ども、だからこそ農家にできるだけ賃貸住宅をみずからつくっていただけるように、あらゆる金融措置、また税の減免措置等々をとって、これはいずれあとからまた法案を御審議いただくわけですが、対策をしておるわけでございます。まあそういうことがもし不可能な場合でも、できるだけ公共団体にこの農地を売り渡していただく。これには譲渡所得の減免措置も考えておるわけでありまするが、そして四階建以上という意味は、できるだけそこに、地価が高ければ高いだけ、何階もの高層住宅を公共団体によって建設をするということによって、家賃の均分化、また低家賃政策を実現するというようなことを配慮しておるわけであります。
 それからもう一つ、今度公有地の拡大促進のために、調整地域にも公有地を拡大していこうという考え方ですね。そこで一番問題になるのは、民間業者が、転用もできもしない農地を仮登記などしまして所有しておる。そういうものを救うために公有地にするんではないかという疑問です。これはそういうことがあったら、もうたいへんな大問題だと思いますね。そこで、少なくとも乱開発を防止するために、二十ヘクタール以上の住宅開発その他でなければ許可をしないというようなことで調整地域は押えてきたわけでありまするが、市町村の経営する土地開発公社などであれば、当然乱開発などということはあるはずがありませんから、これはもし業者がそういうところに、地目変換もできないというような土地を持っておるという場合には、適正価格で地方公共団体が譲り受けをして、そうして地方公共団体がそういうところに住宅などをつくっていくということも決して不可能ではないと思います。だから、今度のこの住宅を充足させる政策は、これはむしろ建設大臣のお答えする分野でありましょうが、あらゆる、今度の土地政策を含めた諸施策を駆使することによって要請にこたえる、こういうことにいたしたいと思っております。
#131
○河田賢治君 この間、参議院の物価問題特別委員会で、党の渡辺議員が、参考人の江戸英雄日本不動産協会理事長、三井不動産の社長ですね、これに質問をして、まあ彼が言うには、大手不動産業者は市街化調整区域内の土地をかなり保有していると。この部分は金利費用がかさむのに開発のめどが立っていない。政府や地方公共団体が宅地供給に力を入れ、これを買い上げて住宅用地に転用する考えがあれば適正価格で放出する、こういうことを言ってるわけですね。ですから、まあもちろん適正価格というのはかなりごまかしがあると思いますけれども、とにかく不動産会社がいま各地で買い上げて、たくさん不要な土地を持って、かかえ込んで、どうにもならぬような事態にも追い込まれているわけです。ですから、やはりこういうものに対して住宅問題を解決するには、まず、さっき申しました多摩団地のようなところで、公共施設なんかの問題を解決して、住宅を建てることやあるいはその他公共関連施設、これらを整備して、そして住宅を建てれば、かなりいま百姓が持ってるのを、それ出ろっと言わんでもかなり出てくるわけですね。その辺、やっぱり私ははっきりと、事の順序からしましてそういう方向でひとつ進めてもらいたいと思うのです。だからもう大資本家自身が、住宅用地に転用することは大いに賛成だと言ってるのですから、この辺は進めるべきだと思います。
 そこで問題は、今度の地方税の改正問題で、固定資産税、特に土地なんかですね、これはだいぶ値上がりしまして――さっき民社党の委員からも話がありました。で、私も、東京都が発表したものによりますと、四十七年、固定資産税と都市計画税で百六十五平米、五十坪、この税負担が合計で二万二千百八十円、四十八年になりますと三万四千五百六十円、四十九年が四万六千六百八十円、五十年で六万七千七百八十円と、まあこういうふうに約三倍近くになってるのですね。また五十一年はどうなるのか知りませんけれども、これもまた評価がえのときです。こうなって、同じような一・七倍かけますと、これはまたべらぼうに上がっていくわけですね。御承知のように、今日個人の住宅用地というものは、あるいは生活用地と申しますか、そういうものは、別にそう収益があるわけじゃない。サラリーが上がって、若干地代や家賃も多少は払えるかもしれませんけれども、ところがそうそう払えるものじゃないのですね、営業用ならばともかくとして、こういう個人の住宅用地というものは。いまこの調子で地代が上がるあるいは家賃が上がるということになれば、今日やはり借地あるいは借家、これらが非常な困難を訴えているわけです。現に私のところに、たくさん借地借家人組合の関係者が持ってきまして、何ですか、御通知書というようなものを、代理の弁護士が判を押して、そして借地借家人に出してきているのですね。「金一八〇〇二円也」「右は地代家賃統制令の計算方法に基くものであり、通常の賃料に比して大変低額であることは御承知のところと存じます」と書いて訴えてきている。ところが、最近の東京あたりの事情を聞きましても、この一月に評価が変わったというので、二月に上げちゃおう。それが今度は四月になりますと、いよいよ固定資産税が今度は変わるのだからというので、また二千円上げるというのですね。二カ月もたたぬうちにどんどんどんどん上げている。そういう事例がいまたくさん――私この中に切り抜いてきておりますけれども、こういう事態があるわけですね。これではとうてい庶民の生活は――いまのような一般の消費物価が上がる、住んでいるところの地代あるいは家質が上がる。しかもこの中にはたくさん便乗値上げというやつがあるわけですね。これはどこでもよくあることなんですけれども、しかしそれがさらにひどくなる、こういう事態があると思います。で、こういう問題に対して、自治省はたいした手は打てぬでしょうけれども、便乗値上げというものは決していいものではないので、これに対してやっぱり一定の押えをしなければ、とめどなく歯止めがないと上がっていくという事態があるわけです。こういうことについてひとつお聞かせを願いたい。どういう対策がありますか。
#132
○国務大臣(江崎真澄君) 便乗値上げをどう防遏するかという問題だと思います。今度は、御承知のように評価価格の二分の一ということで特例措置をしておるわけです。で、これは自治省において計算をしてみますると、その固定資産税の増加分が地代や家賃に加算される、一応これはやむを得ませんですね。しかし、それは固定資産税、都市計画税の占める割合というものは大体一割程度であろう、こういう積算になるわけです。そこで自治省としましても、それぞれ地方公共団体に対して、この程度はやむを得ぬという連絡はいたしておるわけです。しかし、この地代、家賃は建設省が責任者でありまするから、当然建設省においても責任を持ってもらわなければならぬわけです。これは便乗値上げは、地代、家賃に限らず、あらゆるものに厳禁されなければならぬものでございまして、十分政府としては目を光らせてこの対策に当たりたいというふうに思います。幸いこのごろは、現実には借地借家人のほうも相当な力を団結して発揮されるようになってきておりまするから、まあ相当な効果が期待されるのじゃないか。だからまあ大体一割程度の値上げはやむを得ないという、その標準を明示することによって、これら便乗値上げを押えていくことには相当効果が上がるのじゃなかろうかと期待するわけでありまするが、なお今後十分措置したいというふうに思います。
#133
○河田賢治君 昭和四十五年の四月にやはりこういう問題があったのですね。そのとき自治省でも、便乗値上げを防げ、家賃、地代で自治省通達というものをお出しになっていますね。なかなかこれは手抜かりなくおやりになったわけですね。おやりになったわけですよ。やはり最近これと同じことが繰り返されようとしているのですからね。やはり自治省としても、地方住民の生活を守る、利益を守るという立場から、それ相当のところで通達なんかを出して、そしてひとつ便乗値上げを防ぐような世論も、何といいますか、動かしていかなければなりませんから、この辺をひとつやっていただきたいと、こう思うわけです。
#134
○国務大臣(江崎真澄君) これはおっしゃるとおりだと、全く同感に思います。
 そこで、この法律案がいま御審議をいただいておる最中でありまするから、通達を出すというわけにもまいりませんが、法案が通り次第――まあ明日にも通していただけるというお話を承っておりますが、これはもう通れば直ちにそういう通達を出したい、こういうふうに考えております。
#135
○河田賢治君 次は――えらいあちこち飛びますが、もうこれが最後の一つの問題です。
 公害防止関係施設ですね、これに対して固定資産税の軽減措置というようなことが行なわれて、こういう公害防止の施設に対するいろいろな施策がありますが、しかし、これによって地方自治体自身が、税の軽減であるとか、いろいろの特例とかということで、かなり特権的な減免税が行なわれて、これが拡大されてかなり相当な額に達しておると思うんですが、これについて自治省のほう何かありましたら、租税特別措置なんかのもの等々、地方自治体に関係するもの、これについてひとつ数字をお示し願いたい。
#136
○政府委員(佐々木喜久治君) 公害防止施設につきましては、所得課税の面におきまして特別償却の制度、並びに地方税独自のものとしましては、固定資産税の軽減措置あるいは非課税措置というものがございます。これらの地方税の減収額でございますけれども、国税の租税特別措置によりまして、特別償却等の規定によって地方税に影響している部分は、住民税、事業税を通じまして約百八十億でございます。それから固定資産税の軽減、非課税措置によりまして固定資産税が減収になっております額が五十二億円ということになっております。
#137
○河田賢治君 私は前国会でもこの問題を取り上げたわけですが、御承知のように、国際的にもこの公害問題については主として企業者負担ということが言われているわけですね。これに対する補助金を出してはならぬとか、いろんなそういう勧告を――ガイディング・プリンシプルですか、そういうもので原則を大体きめておる。わが国もこれに賛成しているわけなんですが、これは考えればやはり特別に――まあ中小企業なぞの問題は別としまして、相当大きな企業、資本金の大きい企業とか、あるいはそういう産業などに対する、私はやはり特別ないろんな形でのあれを補助したりあるいは減免したりすることはやめるべきだと思うんですよ。現に最近関東の、経済同友会ですかな、木田川なんて電力会社の社長ですか、これなんかも、やはり最近公害の問題もありますし、そのほかの問題もあります、買い占めの問題……。そこで、どうしても最近は企業家が責任を持たなきゃならぬということを言い出しているんですよ。だから、企業家自身がそういうことを言い出しているんですから、何もわざわざ自治省あたりが企業者のためにそういうものを負担して、そして住民の負担をそれだけまた重くするようなことをせぬでも、当然企業家自身にそういうものを負担さすべきである。それでなくてさえ、日本の大きな大資本家というのはいろんな点でこれまで優遇を受けて、そして住民の生活や健康を害してきたわけですよ。だから、これをいつまでもこんな調子で援助するってことは不必要でもあるし、むしろ有害だと思うんですね。やはりきびしくすることによって――最近裁判でも、いろんな公害がいわば被害者のほうが正当な要求だとして、いろんな賠償やら補償を得ているわけなんです。それで世論もそういうふうに高まってきてるわけですから、これをわざわざ、こういう設備をつくったからこれを減免してやるなんてことになりますと、これは前のそういう加害者に対する一つの共犯になるんですね。そんなことをせぬでも、公害の防止設備というものは生産の設備と一つのものなんです。一つのセットなんですね。それをこれまでやらなかったわけです。そして、エコノミック・アニマルと言われるほど、日本の経済というものがそれによって、負担がないために非常に経済的に発展したわけですけれども、発展は同時に日本に大きな公害をもたらしてる。そういう点からしまして、いまは資本家自身でも企業家が責任とらなきゃならぬということを言い出したときなんですから、私はこの地方税の問題にしましても、こういう公害施設に対するいろんな税の減免とかそのほかの優遇措置ですね、これをきっぱりやめるべきじゃないかと、こう考えるわけです。この点について大臣ひとつ。
#138
○国務大臣(江崎真澄君) 公害の問題が非常に重要問題として取り上げられたのは、ここ数年来であります。したがって、公害を排除するための諸設備に相当まとまった経費を要する。これはまた急がなければならないという要請も当然国民の間で高まっておるわけです。したがって、にわかに多額の経費を要してこの公害防除施設あるいは浄化施設をつくるということになりますると、それがひいては消費者物価などにはね返る。また、いまさっきの地代、家賃じゃありませんが、便乗値上げなどが気がまえられたんでは困るということもあって特別措置をとったというのが過去の経緯であります。しかし、いまお示しのように、この公害関係企業の税の特別措置をはじめとして、先ほど村尾さんの電気ガス税の御質問にも私お答え申し上げましたように、このあたりでもう一度この特別措置というものを見直す必要がある。これに抵抗しますのは通産省、わけてもその企業局と、こういうわけであります。したがって、先頃来、中曽根通産大臣と、こういう問題は政治家が思い切って判断をして決断しなければならぬ問題だから、ひとつあなたも同調してもらいたいということを強く要請いたしました。同君もこれには賛成をしてくれたわけであります。したがって、私どもとしては全力をあげて努力をしたい。それには、政党内閣ですから、まず自民党の税調関係だとか、いろいろな方の御協力も得なければなりませんが、やはりいま河田さんのように、これも衆議院でもしばしば出た問題でございまするので、地方行政委員会等関係者各位の格段の御協力やら御支援を仰ぎたいというふうに思っております。これは洗い直しをいたします。
#139
○河田賢治君 この公害問題について、まだ地方自治体が非常に研究体制あるいは調査の体制、こういうものが弱いわけですね。昨年環境庁あたりが、行政管理庁ですか、ここからも指摘されまして、それで検診をもっとやらなければならぬとか、あるいは人員の配置なんかも適切にやれとか、あるいは測定の機器なんか、こういうものをもっとそろえろとか、そうしてまたこれの取り扱いになれるような職員をつくれとか、こういう勧告が出たですね。それほどまだ地方自治体では十分なこれに対する対応のできる職員は、やはりそうざらにはないわけですね。ですから、最近御承知のように公害のカドミだとか、あるいはいろいろなものが、従来なかったところで検査しますと、秋田県のどこかの鉱山のあとに出てきたとか――これもう十年も前にあったことですね――もう廃山になったところで出ているとか、あるいは兵庫県の生野銀山の近くなんかも、これまた神戸の大学の先生は、こんなものはイタイイタイ病でないなんと言っていますけれども、しかし、専門家に言わせればイタイイタイ病なんで、しかもそういうものがずうっとかなり散らばっておるとか、こういうふうに、地方自治体でも十分これに対応して、そうして専門的な仕事がまだできてないように思うのですね。ことに最近は、だいぶ公害問題も裁判では一応ほぼ大きな裁判は済みましたけれども、しかし、まだまだ地方ではそういうこまかな公害がまた新しくも発生すると。したがって、地方自治体の公害方面の担当、これをやはり強めていく、それから人員なんかも配置させる。これまた必要な機械、設備、こういうものをきちんとやるようにやはりやっていただきたいと思うのです。そうしませんと、なかなかちょっとやそっとの研究者が集まりましても、これはどんどん被害が大きくなるばかりなんで、いまの間尺に合わぬのじゃないかと思うのですね。こういう点で、今後自治省は公害の監視あるいは体制について、どういうふうにおやりになるかということを聞いておきたい。
#140
○国務大臣(江崎真澄君) 今日まあこれは非常に重要な問題というわけで、地方においては非常に要請されておる問題ですね。そこで、自治省としては、四十八年度の普通交付税において、いわゆる公害関係職員の数を算入する場合の予定数でございまするが、五千七百九十四人、道府県分が三千百三十四人、市町村分が二千六百六十人というわけです。そしてその人件費――交付税上の措置ですね、これが人件費として百三十七億円、測定機械購入、監視測定等の事務費百七十八億、合わせて三百十五億と、こういう措置をすることにいたしております。
#141
○委員長(久次米健太郎君) 本案に対する本日の審査はこの程度にとどめ、次回の委員会は明日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十一分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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