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1972/06/07 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 地方行政委員会 第9号
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1972/06/07 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 地方行政委員会 第9号

#1
第071回国会 地方行政委員会 第9号
昭和四十八年六月七日(木曜日)
   午前十時四十八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月六日
   辞任          補欠選任
    藤原 房雄君      峯山 昭範君
 六月七日
   辞任          補欠選任
    斎藤 寿夫君      桧垣徳太郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり
    委員長        久次米健太郎君
    理 事
                柴立 芳文君
                寺本 広作君
                河田 賢治君
    委 員
                片山 正英君
                高橋 邦雄君
                玉置 猛夫君
                増田  盛君
                安井  謙君
                秋山 長造君
                神沢  浄君
                戸叶  武君
                和田 静夫君
                上林繁次郎君
                村尾 重雄君
   国務大臣
       自 治 大 臣  江崎 真澄君
   政府委員
       自治省財政局長  鎌田 要人君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
   説明員
       大蔵省理財局資
       金課長      福島 量一君
       自治省財政局理
       事官       土田 栄作君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方行政の改革に関する調査
 (地方財政計画に関する件)
○地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(久次米健太郎君) ただいまから地方行政査員会を開会いたします。
 地方交付税法の一部を改正する法律案及昭和四十八年度地方財政計画に関する件を一括議題とし、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○和田静夫君 ことしの二月二十一日の日本経済新聞に、教員給与引き上げのための特別措置法の実施に伴う財源措置についての自治省の方針について書かれていたわけですが、そこで、まず、自治省は交付税率の引き上げについてどのような展望をお持ちですか。
#4
○政府委員(鎌田要人君) 教員給与の改定のみにとどまりませず、明年度の税の収入見込みあるいは基準財政需要額の増加の見込み、こういったものを勘案し、さらにまた明年度一般財源といたしまして、私ども、ある程度地方独立税の強化を希望いたしておるわけでございますけれども、そういうものとのからみ合いで、交付税率の引き上げの問題に取り組んでまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#5
○和田静夫君 この記事には、「交付税率の引き上げには大蔵省の反対が強いため、むしろこれを機会に昭和二十九年度以来手をつけていない地方交付税制度そのものを抜本的に改革すべきだとする意見も省内に出ている。その方向としては、四十一年の地方制度調査会答申で打ち出された「国債収入も含め、国の総収入の一定割合(二三%程度)を地方に交付する」という構想を実現すべきだとの意見が強い」、こういうふうにあるのですが、この点はどうですか。
#6
○政府委員(鎌田要人君) ただいまお読み上げになりました記事は、観測記事の域にとどまるものと思います。私どもの段階では、少なくとも国債発行額を含めましての交付税率の問題というものについては、いまのところ検討いたしておりません。
#7
○和田静夫君 そうしますと、前段の、交付税率の引き上げについてその方向を非常に強めるということですが、大体どういう程度のことをお考えに一なっておるのですか。
#8
○政府委員(鎌田要人君) 御案内のとおり、この経済の動向、下期からある程度景気の上昇と申しますか、というものが鈍化に転ずるであろう、こういつたような見込みもあるわけでございます。明年度の地方税収あるいは国税三税の動向というものが、現段階におきましては、はなはだまだ不確定でございます。かたがた、明年度におきまする税制改正の構想、これはやはり地方税源を強化する方向と、減税の方向と、両方あろうと思うわけでございますが、あるいはまた国税の減税に伴いまする交付税の増減、こういった要素がございます。
 他方、歳出面におきましても、ただいま御指摘になられました教員給与の引き上げ、こういったものにつきましての構想というものも、これからの人事院勧告等を待って行なわれるということになるわけでございまして、そのほかに、社会福祉の充実なり、社会資本の充実、こういった面での財政需要の動向というものにつきましても、まだ不確定の段階でございますので、交付税率の引き上げという問題をかりに打ち出すにいたしましても、その幅というもののどれぐらいということにつきましてはまだ見当がつけがたい、こういう状態でございます。
#9
○和田静夫君 大臣、地方財政については、従来から、自治の本旨に立脚して地方団体の自主的な財政運営を強化する、こういうことが基本でなければならないことは何べんも強調されてきている。しかしながら、最近に至るまで、民間設備投資を主軸とするこの国の経済の成長過程においては、公共部門に対する資源配分が相対的に不足をしてその結果、住民生活に密着する公共施設等の整備ははなはだ立ちおくれている。都市問題、過疎問題、公害問題など、差し迫った各般の問題を惹起をしている、こういうことになっています。こういうような状態に対処して、地方団体が、住民に直結する行政のにない手として、住みよい生活の場を整備するとともに、福祉の充実をはかっていく、そういうことが強く要請されているのでありますが、この地方団体が、自主的な財政運営を確保しつつこれらの施策を推進していく、そのためには地方の財源、特に自主財源の増強をはかることが緊急の課題であろうと思います。いま財政局長答弁にあったとおり、交付税率の引き上げなど、緊急な課題がたくさんあると思うんですね。今後、どういうように地方財政の充実強化をはかっていこうと基本的にされているのか、大臣からひとつ。
  〔委員長退席、理事寺本広作君着席〕
#10
○国務大臣(江崎真澄君) まだ、それこそ基本構想を固める段階に至っておりませんが、今後、やはり地方財源を充実することは、御指摘のようにきわめて重要なことです。私どもも、何とかこれが具体化をはからなければならぬという姿勢でおるわけでございます。先般、この地方交付税法の改正に際して、衆議院側でも附帯決議として交付税率の再検討という一項目がございます。まあこれは国税、地方税を含めての全般の問題でありまするから、いまにわかにどうするということを確約することはできませんが、当然真剣に検討しなければならぬ段階にきておるというふうに考えております。
 それから、まあ大都市の税源対策としては、昨年事務所・事業税等、ちょっと時間切れで実行に移し得ませんでしたが、こういったものも具体的に検討したいというふうに考えております。
#11
○和田静夫君 自治省設置法の十七条ですね、この十七条には「自治大臣は、自治省の所掌事務のうち、左に掲げる事項については、地方財政審議会の議に付し、その意見を尊重しなければならない。」とあります。そして、この五号として、「地方財政の状況報告案及び地方公共団体の翌年度の歳入歳出総額の見込額の原案の作成に関すること。」とあるわけです。
 そこで、当然自治大臣は、地方財政計画の策定にあたって地方財政審議会の議を経たと思いますが、四十八年度地方財政計画がこういう形でもって策定される過程で、地方財政審議会においてどういう議論が行なわれ、それがどういう形で計画に反映をされましたか。
#12
○政府委員(鎌田要人君) 地方財政審議会におきましては、まず第一に論議となりましたのは、やはり地方交付税率の引き上げの是非の問題、それから地方債におきまする政府資金の構成比率を上げるべきだという問題、あるいは地方一般財源の強化といたしまして、先ほど大臣からも御答弁がございました都市税源、大都市税源の拡充の方向として、具体的にどのような方途を考えるべきであるか、こういった問題、歳入面におきましてはそういう論議がございました。
 それから歳出面におきましては、やはり地方単独事業、こういった系統のものをもっとふやすべきだという議論、それから、私ども自身が四十八年度の重点項目として取り上げておりましたところの、個別的な問題といたしましての超過負担の解消問題、あるいは人口急増地域におきまする財源問題、それから、公営交通をはじめとしまする公営企業の基盤強化と申しますか、こういった諸点が論議の対象になったところでございます。
#13
○和田静夫君 地方財政審議会の五人の委員の名前をちょっと示してください。
#14
○政府委員(鎌田要人君) 会長が新居善太郎先生でございまして、あと、委員といたしましては高木寿一先生、それから宮内、何と申すんですか、弥という字でございますが、宮内弥先生、それから吉岡恵一先生、岡本茂先生、以上五名の方でございます。
#15
○和田静夫君 この地方財政審議会の委員には兼職等の制限規定がある。で、行政監理委員などと同じく、常勤的なつとめをするものと考えられますが、会はこれは毎週一回くらいの割りで開かれているわけですか。
#16
○政府委員(鎌田要人君) 定例日が火曜日と金曜日の週二回でございます。そのほかに、臨時の必要がございますればお願いをして開いていただいておる、こういうことでございます。
#17
○和田静夫君 そこで、これはまさに勉強のためですが、地方財政審議会の過去一年間の議事録はわれわれにいただけますか。
#18
○政府委員(鎌田要人君) 地方財政審議会の案件は、御案内のとおり、ただいまのような地方財政問題に対する建議、意見書あるいは交付税の決定あるいは地方債の配分、そういった個々の案件につきまして御審議いただく、こういったことでございまして、格別議事録というものを作成をいたしておらないように思います。
#19
○和田静夫君 これは別に大臣は出席になってはいないわけですね。
#20
○国務大臣(江崎真澄君) 出席しておりません。必要に応じて、もとより求められれば出席するというわけです。
#21
○和田静夫君 そうすると、この審議会のいろいろの論議過程というのは、口頭で財政局長などから聞いて大臣は理解をする、こういう形ですか。
#22
○国務大臣(江崎真澄君) ときどき、おりに触れまして、重要な問題があれば財政局長から聞くこともあります。また、審議会としては一定の結論を文書にして私のところへ届けられます。
#23
○和田静夫君 だと思うんですね。そうすると、そういう文書、それからいわゆる会議録という正式なものでなくても、メモ的な討論内容などというものはないわけですか。
#24
○政府委員(鎌田要人君) 財政審議会の運用といたしましては、いわゆる普通の会議形式という、何と申しますか、フォーマルな形をとっておりません。したがって、速記も入れて会議形式をとるということではございませんで、私なり、あるいは税務問題のときには税務局長以下が審議会室に出ておりまして、メモ程度のものはそのときどきにおきましてつくっておりますけれども、大体は口頭での議論の応酬、こういうことで推移いたしておるように記憶いたしております。
#25
○和田静夫君 そうすると、大臣に届けられた文書というのはいただけますね。
#26
○政府委員(鎌田要人君) それは提出いたします。
#27
○和田静夫君 地方交付税法に関していえば、今年度もまた総額をどう確保するのかという問題のほかに、基準財政需要額や基準財政収入額の算定をめぐってむずかしい問題があったんではないかと実は思うんです。たとえば、事業費補正について、四十七年度に相当額を地方債に振りかえたですね。そうすると、これは四十八年度はどうなりますか。
#28
○政府委員(鎌田要人君) 御案内のとおり、四十七年度におきまして三千五百億の地方債のいわば特別発行ということを行なったわけでございますが、その中の二千六百億につきましては、これは需要振りかえということをやったわけでございます。この需要振りかえの中で、いわゆる単位費用を押さえましてそのまま据え置きましたものと、それから事業費補正を削減いたしましたものと、この両方の内容があるわけでございますが、この中で、単位費用を据え置きましたものにつきましては、今年度におきましてはこれを復元をいたしました。事業費補正の分につきましては、四十七年度に圧縮をいたしましてそのまま四十八年度は横にすべらす、こういうことで措置をいたしておる次第でございます。
#29
○和田静夫君 昭和四十六年度の普通交付税の算定に際して、法人関係税の基準財政収入額の算定が過大算定になっていましたね。その積算の問題値はどうなりますか。
#30
○政府委員(鎌田要人君) 四十六年度で基準財政収入で過大算定になっておりました。これにつきましては、御案内のとおり、千億余りの落ち込みを生じたわけでございまして、正確には千三百三十四億でございましたが、その中の千億分につきましては、地方債を発行いたしましてとりあえずの手当てをいたしました。それからその過大算定分につきましては、四十六年度の特交、それから四十七年度の特別交付税、それから今年度の普通交付税の算定、これで全部を精算をする、こういう予定にいたしております。
#31
○和田静夫君 昭和四十五年度指定の広域市町村圏の関係市町村の道路にかかる割り増し補正、これは三年間ですから切れますね。これは切ち切りますか。
#32
○政府委員(鎌田要人君) 広域市町村圏につきましては、ただいま御指摘のとおり、当初三年程度ということで、一圏域三億になるような形で道路費の割り増しと申しますか、ということをやってまいったわけでございますが、これにつきましては地方から非常に強い要望がございまして、広域市町村圏についての交付税上の取り扱いというものを継続してほしい、こういう非常に強い要望がございまして、これにつきましては、四十八年度におきましても引き続き同様の算定を行なうということで、継続をすることにいたしております。
#33
○和田静夫君 普通態容補正の甲乙丙の種地区分は、広域市町村圏という国の自治政策を前提としたもので、必ずしも客観的に都市化の度合いを私は反映したものではないと思う。地方交付税制度における補正の趣旨ですむ、あくまでも客観的な費用の逓増、逓減を反映させるという趣旨からいって、この補正は私はやめるべきだと思うんですが、いかがですか。
#34
○政府委員(鎌田要人君) いわゆる交付税におきまする普通態容補正の内容をなすものでございますが、これにつきましては、やはり現在の甲乙丙というものの考え方につきましては、私ども、まあてまえみそかもしれませんが、理由があるのではないだろうか。と申しますのは、結局、甲種地と申しますのは、いわゆる地方における中核的な都市圏、乙は、その周辺にあって、いわばその甲地域に毎日通勤人口、通学人口で入っていく、それから丙地域というものは農山村地域、こういうことでございまして、おのずから、地方的な中心都市、あるいはその周辺、あるいは農山村地域、そういうものにつきましてはそれぞれの財政需要、中核的な都市でございますればやはり都市的な施設の整備が必要でございましょうし、乙地域でございますれば、やはりその周辺地域として、中心都市と同じような行政水準のレベルというものが要請される。あるいは丙地域でございますれば、農山漁村でございますから、逆に人口の減少というものがある。そういうところで行政水準を維持していくためには、やはりそこにはまたそれに対応する措置というものが必要だと、こういうふうに、市町村のいわば類型によりまして、それぞれに適応した交付税上の措置を講じていくということは必要ではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
#35
○和田静夫君 この行政費目ごとの単位費用の伸び率と基準財政需要額の伸び率が大きく食い違っていますね。これはそもそもやむを得ないことなんですか、これは。
#36
○政府委員(鎌田要人君) この単位費用の伸び率と需要額の伸び率というものは、これはものによりまして差異があるだろう。と申しますのは、単位費用ですべてのものが表現できればいいわけでございますけれども、単位費用は、先生御案内のとおり、交付税算定の技術的な問題になりますけれども、標準団体を設定をいたしまして、その標準団体における標準経費というものを、それに最も近い測定単位で割り返して単位費用を出す。ところが、現実の地方団体は、千差万別と言ってはやや過大でございますけれども、態容を非常に異にするわけでございますので、そこに、現実に近づけるためのもろもろの補正というものを行なり、そういうことになりますというと、それによって積み上げられたものが現実の基準財政需要額ということになるわけでございますので、単位費用の伸び率というものと需要額全体の伸び率というものとはパラレルに行きがたいというところが、どうしてもこれは技術的な制約として出てまいるというふうに理解をいたしております。
#37
○和田静夫君 出てまいる。そこで大臣、これはとえば−なぜこういう質問したかというと、四十七年度の社会福祉費の投資的経費にかかる単位費用、これは対前年度比で三三・三%の伸び率なんですよ。そして、私たち国会議員は、自治省から、単位費用をこれだけ伸ばしましたと説明を受けたわけですよ。ところが、四十七年度、同じ社会福祉費の投資的経費にかかる基準財政需要額は、実に五九・三%も減っているんです。補正による割り落としによってそうなるわけですがね。これでは、われわれは国会議員として、最終補正率をどう算出するのかについて、役人の皆さんがつくる省令にまかせてばかりおくことはできなという心境になるのがあたりまえでしょう。これは与党の皆さんを含んで同じことじゃないかと思うんですよ。そこで私は、法律上はともあれ、実質上そういうことが起こるのですから、省令制定については、国会での事前、事後審査が必要だというふうに最近考えるんです。大臣いかがですか。
#38
○政府委員(鎌田要人君) いま私、うしろのほうから、事務担当者から聞いたのでございますけれども、いま御指摘になりました数字というのは、そういうことはないということを申しております。
 ただ、その点はしばらくおきまして、現実に、交付税の算定にあたりまして各種の補正というものを行なっておるわけでございますが、これは、法律の委任を受けまして自治省令でやっておる。御案内のとおり、非常に短時間の間に各地方団体の資料をいただきながら私ども技術的な算定をいたしておるわけでございまして、これにつきまして、事前、事後に――いわば事前に国会で審議する機会を持つべきだという点につきましては、これはやはり、私どもにゆだねられました権限と責任におきまして、地方団体に納得のいくような算定をしてまいるということでお許しいただけないものであろうかというふうに考える次第でございます。
#39
○和田静夫君 これは大臣――いや、数字は間違ってない、私は克明に計算したんだから。数字のことはあとであれいたしますが……。
#40
○国務大臣(江崎真澄君) いま財政局長が御答弁いたしましたように、まあ妥当でなかろうかというふうに私ども考えております。
#41
○和田静夫君 いや、それは自治大臣、私は江崎自治大臣なるがゆえに、この辺のところはやっぱり少し考えてみる必要があると思うんです。これはやっぱり自治省関係者といいますか、そういう意味でのプロの皆さんなら、私は財政局長答弁で終わると思う。しかし、失礼な話だけれども、そういう立場にない大臣のときに、いま私が提言をした問題について、基本的に一ぺん考えてみていただくということが必要だと思うから実は提案をしたんです。再考をされる用意がございませんか。
#42
○国務大臣(江崎真澄君) せっかくの御提案ですから、よく検討いたします。
#43
○和田静夫君 この場限りの答弁でないようにひとつ……。
#44
○国務大臣(江崎真澄君) いやどうも。
#45
○和田静夫君 地方交付税法の第十八条の交付税の額に関する審査の申し立て制度、これはどの程度活用されていますか。それから同時に、年間件数がわかれば示してください。
#46
○政府委員(鎌田要人君) 交付税法十八条の規定に基づきまする審査の申し出、これはこれまで一件もございません。
#47
○和田静夫君 ないから活用の余地がないと、こうなるわけですか。
#48
○政府委員(鎌田要人君) 私ども、交付税の基準財政需要の算定あるいは財政収入の算定ということにつきましては、できるだけ客観的な基礎数値に基づき、できるだけ地方団体が計画的な行政というものを行なえるように財源を保護すると、こういう地方交付税法本来の趣旨に基づきました運用に心がけておるわけでございまして、ただ、やはり何と申しましても三千の地方団体にわたる問題でございますので、私どものいわば過誤、独断と申しますか、ひとりよがりになることのないように、絶えず、県、あるいは市町村の場合でございますと地方課を通じまして、それぞれの地方団体からの改善意見というものを絶えず求めており、また交付税の算定が終わりましたあとにおきましては、いわばアフターケアの意味におきまして、手分けをいたしまして、それぞれの地方団体に出向きまして批判を仰ぐ、こういう形で、県なり市町村なりの改善意見というものは十二分に耳を傾け、取り入れるべきものは、毎年毎年の算定にあたりましてこれを取り入れて是正をしておる、こういうことでございますので、あえて審査請求という形をとられなくても、いわば事前的に、あるいは事後的に片づけられておる、こういうふうに理解をいたしておるところでございます。
#49
○和田静夫君 その努力というか、そういうことでしょうと思いますが、逆の意味じゃ、私は、何かこの制度が活用されないように、活用されないように運用しているのではないだろうか。たとえば十八条には「当該地方団体に対する交付税の額の算定の基礎について不服があるときは」云々となっていますね。そうすると、当然補正係数についても不服を言うことができるはずでしょう。ところが、そういう不服を言うことができるはずだが、この補正係数についての省令と交付額がほとんど同時にきまっていたり、あるいはその特別交付税の額の算定に関する省令が二月二十八日に出るかと思えば、三月初めには特交額がきまっているという状態でもありますね。これでは、十八条という民主的な条項が発動する余地がないのではないだろうか。大臣、いかがですか。
#50
○政府委員(鎌田要人君) 御案内のとおり、この十八条の規定におきましては、「通知を受けた日から三十日以内に、自治大臣に対し審査を申し立てることができる」、こういうことに相なっておるわけでございまして、通知と同時にきまる、こういうことにはなっておらないわけでございまして、私ども、この規定に基づきまして審査の申し立てが行なわれるということでありますれば、十分にそれに対しましては、何と申しますか、レビューと申しますか、検討して所要の措置を講ずる、こういう時間的な余裕は十分あるというふうに考えておる次第でございます。
#51
○和田静夫君 三十日あるから、時間的な余裕がある。それではお聞きをいたしますが、地方交付税法の二十条は、この十条三項等のいわゆる「規定による決定又は処分について関係地方団体が充分な証拠を添えて衡平又は公正を欠くものがある旨を申し出たときは、公開による聴聞を行わなければならない」となっていますよ、二十条は。その手続あるいはその他必要な事項を自治省令で定めることとされているわけですね。この省令は定められていますか。
#52
○政府委員(鎌田要人君) 省令はまだ定められておりません。
#53
○和田静夫君 大臣、いま私が指摘したとおり、省令は定められていないんですよ。そして、手続的には民主的なものが保障されているし、余裕があると財政局長は答弁される。ここは私はやっぱりすっきりさせなければいかぬところだと思うんです。実際問題、私が述べたように、結果的にはやっぱり異議申し立てをしなくてもいいように、いいように運用がされてきている。形の上では保障されているけれども、最も具体的な部分できめなければならない省令がきまっていないんです。これは大臣、改善の必要がありませんか。
#54
○政府委員(鎌田要人君) 交付税におきまして減額の措置をとるということはよくよくの事態でございまして、私どもといたしましては、こういう事態というものが起こらないということで、いわばそういう事態を確信して、いままで省令を定めておらなかったのだろうと思います。ただ、形式的に申しますというと、そういう省令も定められておらないということはおまえらの怠慢ではないかということになりますと、これはまさにそのとおりでございまして、私ども、その点につきましては、自治省令の整備をあわせて早急に検討いたしたいと思います。
#55
○和田静夫君 私は、いま財政局長が言われたようなとおりだと思うんです。したがって、不必要なんだという考え方でそれは親切に指導されてきたんだと思う。しかしながら、地方団体の側から見ればそうはならないのであって、省令はやはり定められて、交付税額そのものについて申し出することが予定をされる条件というものは、やはりいま最後の答弁にあったように、つくられるべきだ。大臣、それはよろしいですね。
#56
○国務大臣(江崎真澄君) いま財政局長が御答弁したとおりでおりまするが、整備をしたほうがいいということになれば、これはよく検討いたして整備いたします。
#57
○和田静夫君 二月末に出される自治省令で、「特別交付税の額の算定に用いる資料を自治大臣に提出しなければならない」こうなっていますね。実際は、前年十一月から十二月にかけて、特別交付税算定にかかる基礎資料照会というのが出されております。一月末には第一次のワク配分が行なわれています。これはどういうふうに考えたらいいんですか。
#58
○政府委員(鎌田要人君) この第一次のワク配分と申しますのは、御案内のとおり、特別交付税の配分におきまして、ある程度できるだけルール化するということを心がけておるわけでございまして、ルール化したものにつきましては、第一次のワク配分でこれを配分する、こういうことでございまして、あと、ルールに乗りがたい、あるいはもともとルール化されてないそういう特殊な要因につきまして、この第二次配分ということで特交を配分いたしておるというのが実情でございます。
#59
○和田静夫君 特別交付税の額は四十七年度は千四百六十五億。そうすると、四十八年度はどうなりますか。
#60
○政府委員(鎌田要人君) 四十八年度の特別交付税の額は千六百八十七億でございます。
#61
○和田静夫君 そうすると、たいへん巨額な額に達するわけですね。いわゆるルール分については基準財政需要額に算入をしたほうがよいんではないかという、それから、してくれという声が高いわけですね。おそらく二、三日前、われわれ自治体病院シンポジウムというのをやりまして、その結果を社会党から申し入れをしたと思うんですがね。その中でも、やはりルール分についてはあれしてくれという話が、各革新市長やあるいは医者である市長たちから非常に強い意見として出たんですがね。これはそうするおつもりはありませんか。
#62
○政府委員(鎌田要人君) この普通交付税で見るか、特別交付税である程度ルール化しているものは普通交付税で見たらいいじゃないか。これは両論、私はあると思います。ただ、御案内のとおり、このルール化したものにおきましても、たとえば、いま御指摘になりましたような自治体病院ということになりますというと、三千の市町村のうちの、自治体病院を設置いたしておりまする市町村はたしか六百ぐらいだったと思いますが、そういうことになりますというと、基準財政需要の計算の場合に、自治体病院を設置しておらないところにどういうようにしてそれを遮断するか、こういう技術的な制約がございます。同様の希望が、実は公立大学を設置しておりますところの文科系、これにおきましても、普通交付税に入れてほしい。まあやはり特別交付税でございますというと、そのときどきの事情でどうなるかわからない。普通交付税であれば、まさにこれは毎年毎年安心して入ってくる、そういう気持ちもあるのだろうと思うんですけれども、その辺のところはもう少し私ども詰めて検討いたしたいと思いますが、このいま申しましたようなことで、病院の問題につきましては、明年度以降の問題として、本年度はちょっと間に合いませんので、明年度以降の問題として検討させていただきたいと思います。
#63
○和田静夫君 人口急増地域におけるこの行政需要の急増に対する公共施設整備の立ちおくれについて、これは先ほども指摘をいたしましたが、この問題に対処するに、政府は基本的にどういう態度で大臣、臨まれますか。
#64
○国務大臣(江崎真澄君) これはやはり今度の一番不足をいたしておりまする義務教育の施設等の助成率を上げるとか、具体的に一番困っている問題を積極的に解決する、こういう態度で臨んでいるわけでございます。今後の展望としましては、この過密過疎、特に人口急増地域というものの急増率を緩和できるような総合施策をとっていくこと、これが必要なことはもう申し上げるまでもございません。
#65
○和田静夫君 そこで、人口急増市町村対策にかかわる昭和四十八年度予算の概況をちょっと示してもらいたいのです。
#66
○政府委員(鎌田要人君) 人口急増地域につきましては、ただいま大臣からお話し申し上げました、小中学校の校舎建築の国庫負担率の引き上げ、これが七十七億でございます。それから、全市町村に関連するわけでございますが、屋内運動場の建築にかかわりまする国庫負担率の引き上げ、これが三分の一を二分の一に上げました。これが十七億でございます。それから校地取得に要します補助、これが九十九億でございます。それから既発地方債の利子補給が八億、それから、そのほかに地方債を五百六十億充てております。それから、人口急増地域におきまする各種の施設整備といたしまして、地方財政計画上、単独事業といたしまして一千九百二億、これを計上いたしておるところでございます。
#67
○和田静夫君 小中学校の施設について、校舎を新増築する場合の国庫負担率が、児童生徒急増市町村に限って二分の一から三分の二に引き上げられた。そこで、児童生徒急増市町村とはどういうような市町村ですか。これの定義をちょっと。
#68
○政府委員(鎌田要人君) これは文部省所管でございますので、文部省の補助要件でございますが、文部省の学校基本調査による小学校児童、中学校生徒の前年度間の増加率が一〇%以上で、かつ増加数が児童にあっては五百人、生徒にあっては二百五十人以上の市町村、その要件に該当しますか。または、ただいま申しました前年度の増加率が五%以上でございまして、増加数が児童一千人、生徒五百人以上の市町村ということでございます。なお、この要件に該当する市町村数は、四十七年五月一日で、小学校が二百四十八、中学校にかかわる市町村が百三十二となっております。
#69
○和田静夫君 そこで、四十八年度ですね。四十八年度は幾つくらいになりますか。
#70
○政府委員(鎌田要人君) ちょっと私の手元でこの数値がわかりませんが、若干増加するのではないかと思います。
#71
○和田静夫君 じゃ、これはあとで数字を出してください。
 そこで、この前年度間の増加率や増加数が基準になっているわけですね。大規模な団地などが建った場合、今年度一挙に児童生徒がふえる場合がありますね。この今年度予測される増加率なりあるいは増加数なりを配慮しないというか、顧慮しないというのは、実態にそぐわないのじゃないですか。
#72
○政府委員(鎌田要人君) ちょっと私、文部省の資料を持ってまいればよかったのでありますが、たしか私の記憶でございますれば、戸数が一千戸以上でございますか、集団住宅この場合におきましては、三年前向き先行整備ということを文部省のほうで認めておりまして、それについてはこのいまのかさ上げの補助率というものを適用するということにいたしておるように記憶いたしております。
#73
○理事(寺本広作君) 速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#74
○理事(寺本広作君) 速記を起こして。
#75
○和田静夫君 最近の住宅開発というのは、大都市近辺の用地難から、次第に都市圏の外周にまで移行しつつあります。この結果、どういうことになっているかといいますと、私の調査では、昭和四十五年の国勢調査人口がおおむね四万人以下でその後四十七年三月までの一年六カ月間に一五%以上、つまり年率一〇%以上の非常に高い人口増加率を見た市町村は、ざっと調べた限りで二十二団体あります。この中には、四十五年十月に四千五百人であった村が、一年半後には八二%もふえている、八千二百人になったという奈良県の例もあるし、それからまた、多摩ニュータウンの建設が進められる東京都の多摩市では、一年半で六五%増加しています。この二市町のほかに、一年半の間に三〇%以上えふたという市町村が、埼玉、大阪、京都、神奈川に四団体もあります。こういう状態なんですね。さらに住宅公団による大規模開発の計画を見てみますと、すでに計画の確定している分で、人口おおむね五万人以下の小さい市町村に立地する団地が、調査の限りでも十三あるわけです。人口わずか一万人から五万人までの小さな市町村に、六十ヘクタールから大は三百三十ヘクタールという大団地がこういうふうにして開かれようとしているわけですね。つまり、現に宅地開発が行なわれて、そして今後まあ行なわれようとしている市町村というのは、ほとんど小規模で、財政力が弱い。かつ、それはほとんど人口の増加のなかった市町村、しかも、宅地開発の規模というのは大きくて、これによって一挙に人口の急増を見ることになるわけですね。こういう傾向はこれは大臣お認めになりますわね。
#76
○国務大臣(江崎真澄君) 確かにそういう市町村はあると思います。
#77
○和田静夫君 そうすると、こうした小規模市町村で、今後一挙に人口増が起ころうとしている市町村について、特殊に何か手を打つべきじゃないかと思うんです。これは大臣いかがですか。
#78
○国務大臣(江崎真澄君) まあそういう一環として、今度の児童生徒の急増地域に対する助成率の増額というようなことをしたわけでありまするが、今後の問題として、当然やはり何らかの措置を講じていかなければならぬというふうに思います。
#79
○和田静夫君 何らかの措置を講じなければならね。
 そこで、地方交付税算定における人口急増補正の問題ですが、自治省は、昭和四十七年度に、人口急増率を他の補正係数に連乗する、そういう連乗方式といいますか、その連乗方式という従来の方式から、単に加算するという加算方式にやり方を変えましたね。この改定の趣旨というのはどういうことですか。
#80
○政府委員(鎌田要人君) 詳細は専門の担当官から答えたほうが的確かと思いますが、人口増加率が非常に大幅になる、たとえば、ただいま御指摘になりましたような大幅な数値になりますと、小規模団体の場合でございますというと、段階補正係数と連乗いたしますと、実態よりもより多く出過ぎる、こういうことがございましたので、実態に近い加算方式に改めたと、そういうことでございます。
#81
○和田静夫君 衆議院の山田委員と財政局長の議事録ずっと読ましてもらいましたが、同じ答弁なんですが、過大算定になり過ぎるのでやり変えたんだと。ところが、過大算定になり過ぎるので実態に合わせたと言われますが、その結果どうなっているかということを実は計算してみたんです。そうすると、四十五年十月の国調人口四千三百人で、その後一年六カ月の間に九〇%の人口増加を見たある町の場合、関係費目の基準財政需要額の合計は、従来の連乗算定方式では一億三千三百万円であるべきところ、四十七年度の加算算定方式の変更によってこれが一億円となっていますが、実に三千三百万円減少したわけです。また、国調人口二万三千人で、その後一年半に三九%伸びたある町では、三千四百万円減少していますね。この傾向は、人口十万人までの小さな団体に、程度の差はありますが、共通をしております。十万人都市でほとんど変化なし、十万人以上は従来より有利になっています。有利になったところは人口急増対策の強化としてそれでよいのですが、私がさきに述べまして大臣がお認めになった、小規模市町村に一挙に人口がふえるという今後の傾向性に照らしたとき、いま私が申しましたように、十万人以下におけるこういう減少というのは、これは時代逆行性なんですね。よって、財政局長答弁とは、具体的に計算してみると合わなくなってくるんです。
#82
○政府委員(鎌田要人君) 委員長、ちょっと技術的な問題でございますので、担当者から答弁をさしていただいていいでしょうか。
#83
○説明員(土田栄作君) 非常に技術的な問題でございますので、私から御説明さしていただきます、
 たしか、先生の御指摘のところは、京都の八幡町という町と、それから田辺町という町と、この二つの場合ではないかと存じますが、この二つの町につきましては、実は非常に小規模の団体が人口が非常に急激にふえるという状態が起こりました。で、この場合に――非常に技術的になりまして恐縮でございますが、その人口急増補正というものは一つの近似値の求め方でございまして、(1+X)nというのと、1+NXというもの、これが人口増加率が非常に少ない状態、こういう状態におきましては近似するわけでございますがその近似値のとり方として、Xの数字が非常に大きくなってまいりますと誤差が大きく出る。この点は御指摘のように、連乗方式でいきますと、急激な人口増加の団体につきましては誤差が大きくできますので、そのギャップを埋めるために、連乗から加算に改めるという修正をいたしたわけでございます。それで、それに伴いまして需要の激減が起こるという問題もございまするので、人口急増地域につきましては、いままで一年間というものの人口増加を見ておりましたものを、一年半に延ばすということによりまして、そのギャップを埋めるという修正をいたしております。それで両町とも、たしか八幡町につきましては普通交付税が大体六〇%ぐらい伸びると。それから田辺町につきましては、普通交付税はたしか二七%ぐらいだったと思いますが、そのぐらい伸びるということでございまして、全国平均の伸びよりははるかに大きな伸びというものを確保いたしております。先生御指摘のように、確かに、連乗から加算に改めたということによって、それは若干の損失はできておりますけれども、その加算が一年半になったということによりますプラスもございますので、そこのところも考えれば、さしたる両町に対する損失は起こってないというふうに考えております。
#84
○和田静夫君 一応そう言われるけれども、これ、もうやめた人ですから――そして自治省のある担当課長なんというのは、いまあがったところの二十年間も町長やっている人をつかまえて、十数年間わしは財政畑にいたんだから、あんたの論法間違っていると言ってたいへんしかったというような状態があって、これは、このことだけでも問題だと思っていたんですが、まあ異動されたから深追いはやめますが、たいへん不遜な態度で、結果的に計算してみたらわれわれの計算のほうが合っていた。いま言ったような形になっているんですがね。なるほど、いま言われたように、小さな団体の場合に、従来の計算方式では、年度当初の人口でストレートに計算した額よりも若干高い額が算出されるようになっていた。しかし、ここにたとえば「住宅団地と財政」という、日本都市センターが出したあれがありますが、何といいますか。「住宅団地関連公共施設整備に関する研究報告書」があるわけです。これは日本都市センターに設置された研究会が、住宅団地と財政の問題に取り組んで、それで、その中で特に大団地の対策として「必要な施策を四十六年二月にまとめたものなんですがね。この中にはこういうふうに書かれているんです。「大規模住宅団地については大量の人口増加が計画的に見込まれるので、人口増加より必要となる一般行政費について当該年度の地方交付税により措置すること」こう書かれています。つまり、年度の中途にも人口増加はある。これはお認めになったとおり。それを算入すべきであるということでしょう。その分を見て、年度当初の人口分よりも割り高に算入するのは当然じゃないでしょうか。この研究会には、委員として、関係各省の局長、課長が出ていらっしゃるし、大蔵省の主計局長も出でいる。しかも、自治省の財政局長や交付税課長もお入りになっているわけでしょう。そうすると、なぜ、この研究会でお認めになったことを、現実の処理の中では、こういう形の、逆のことを行なうのか。それとも、大規模住宅団地建設に伴う人口の急増により必要な一般行政経費については、当該年度の交付税で措置することについて、別の方途を考えておられるのか。別の方途をお考えならば、ここでお示し願いたい。
#85
○政府委員(鎌田要人君) 非常に技術的に精微なお尋ねでございますので、満足なお答えが私からできるかどうか、もう少し勉強しなければお答えできないかと思いますが、ただ言えますことは、ただいま説明員からも申し上げましたように、人口急増補正につきまして、いままで一年分の増加人口というものをとっておったものを一年半に延ばしたというのは、やはり私は、いま先生お読み上げになりましたような趣旨を尊重してとっておる措置だと思います。
 それから、加算方式、連乗方式の問題でございますが、これにつきましては、私、いまの八幡町なり、その他の町村の実情をもう少し詳しく調べてみて結論を出したいと思いますけれども 、現実に、基準財政需要の計算でどちらがよく近似値を得るかということになりまして、いま説明員から申しましたような方法で加算方式に改めたという経緯がございますので、それがもし実情にさらに合ってないということでございますれば、引き続いて検討を加えることにやぶさかではございません。
#86
○和田静夫君 これは、大臣、実際問題として、私が指摘したような現象が起こっておるところでは、やっぱり市町村の側から見れば、既得的に期待をしておったものが非常に裏切られておるわけですから、この辺をやっぱり復元をするという措置を何かの形でやられることがいいと思いますがこれは、大臣、やはり政治的な判断でそこで答弁を願っておいて、あと処理をしてもいいと思いますが……。
#87
○国務大臣(江崎真澄君) ええ、そうですね、これはひとつ十分検討いたしまして、適切な措置を講ずることにいたしたいと思います。
#88
○和田静夫君 それで、交付税のこの基礎数値というのは、国調人口、これを急増率によって補正するわけですが、この急増率を求める期間を、従来はこの国調時点より半年前にさかのぼって求めることによって、そうしてたくまずして年度中の増加人口分が算入される、こういう結果になっていたわけです。これが四十七年度では、国調時点と同一時点を起点にして急増率を求めるということに変更をされた。これに伴って、従来見られていた年度中の増加人口にかかる分、アルファ分は全く削られてしまった。関係団体は、この連乗方式が加算方式に改められたとことあわせて、二重の被害をこうむっているという結果になっているわけです。この点については、去る五月八日、先ほども言った衆議院地方行政委員会で、わが党の山田委員が鎌田財政局長とやりとりをされているのですが、いま答弁があったからあれですけれども、なおしつこいようですが、鎌田財政局長が、従来一年間の急増率を採用していたが、これを一年半の急増率を見ることによって、算定方法改正による激変を緩和したと、まあ大体同一のことを言われているわけです。ところが、私はこれは事実に反すると思うのです。実際は従来二年間の急増率で見られていたものが、一年半の急増率に半年分割り落としされた。激変緩和どころか、逆に激変を拡大している。この点なんですよ。これは私の認識が違うのかどうか、私はそう思うのですで、私の認識どおりであれば、答弁の訂正をここでしておいてもらわなければならぬのですが……。
#89
○政府委員(鎌田要人君) 従来の人口増加は一年分で見ておりました。それを一年半に延ばしたということでございまして、二年を一年半に削ったということではございません。
#90
○和田静夫君 いえ、どうも、二年間の急増率で見ていませんでしたが、それ。
#91
○説明員(土田栄作君) 先生お考えになっておらねますのは、住民基本台帳人口の伸びの御指摘であると思いますが、これは、前は九月三十日に対する九月三十日の伸びということでございますので、その累積をしていきますと、四十一年、四十二年、四十三年と、一年目は一年分、二年目は二年分、三年目は三年分というふうに区分けするわけでございますが、今度の改正では、三月三十一日に対します三月三十一日――失礼しました。九月三十日に対します三月三十一日、要するに、四十五年の十月一日というのが国調時点でございますので、四十五年の九月三十日に対します四十七年の三月三十一日なり、四十八年の三月三十一日というものをとりますので、一年目は一年半、二年目は二年半、三年目は三年半というふうに見て一いるわけでございます。これまでは――ちょっと言い間違いましたが、三月三十一日に対する三月三十一日でございますので、九月三十日から三月三十一日までの半年分が切れているということでございます。その半年分を継ぎ足した、こういうことでございます。
#92
○和田静夫君 極端な超過算入分を是正することはある程度やむを得ないが、私がどうしても納得できなかったのは、四十七年度からの改正によって、年度当初の人口を測定単位として算出した額よりも減額される団体があったということです。で、私が持っている具体例によりますと、さきに述べました国調人口四千三百人で、その後一年半に九〇%の人口増加を見た町の場合に、四十七年度当初人口を測定単位として計算した需要額というのは一億八百六十万円ですね。で、実際に計算された額というのは一億三十万円。四十七年度の改正での減額が八百三十万円ですね。また、同じ町でなくて、違った町の例ですが、いわゆる国調人口が二万三千人で、そして急増率三九%の町、これは四十七年度の当初人口を測定単位として計算した需要額が三億六千万円、実際に計算された額は三億三千九百万円で、これは実に二千百万円も低くなっているのですよ。で、この団体の場合は、四十八年度では、二年半の間で六五%の急増率となっています。試算してみますと、在来の連乗方式に比べて六千四百万円、四十八年度の当初人口を測定単位としてストレートに計算した額と比べてみても、三千九百万円沈み込むことになる。これは人口急増補正とは言えずに、たいへん不合理だと思う。この不合理も是正をされますか。
#93
○説明員(土田栄作君) 先生御指摘のように、人口増加率が大きくなりましたときには、近似値の算式による誤差が非常に大きく出てまいるわけでございます。それで、一番単純なやり方は、人口を住民基本台帳に置きかえてそのまま計算するというやり方が一番ストレートであろうかと思いますが、そのストレートなやり方に比べまして、加算でやりました分と連乗でやりました分と、そのギャップというものを一応私どものほうで調べて一まいりますと、先生御指摘のような六〇%とか、倍とかいうふうにふえてまいりますと、連乗の場合に非常に過大算入が目立ってまいります。加算の場合でございますと、単純に置きかえたときに比べましてあまりギャップができないということで、加算方式に改めたわけでございます。
 それで、連乗でずっとやってまいりますと実は連乗方式といいますのは、昭和三十年代のあまり人口変動が激しくなかった時代というものは連乗方式でも、加算方式でも、あまりギャップがなかったわけでございますが、四十年代に入りましてこんな大きな人口変動があるということを予想しなくてできた制度でございます。それで、実は四十五年の国調人口を置きかえますときに、連乗でやりましたために、人口置きかえでかえって需要減になるという団体が出てまいりまして、やはりそこのところは若干制度的な欠陥があるのではないかということを考えて、修正させていただいたわけでございます。
#94
○和田静夫君 人口急増対策というのは本来交付税の役割りじゃないと思いますが、私は、大臣、これ先ほど御答弁がありましたから、なお具体的な問題についてはその答弁に基づいて処理をするとして、経常経費に対する別の財源措置というものをやっぱり考えたらいいんじゃないですかね。いかがですか。
#95
○国務大臣(江崎真澄君) よく個々の実情に即してこれは検討いたします。
#96
○政府委員(鎌田要人君) 若干補足さしていただきますと、経常経費についての別途の財源措置ということになりますと、それではそこに税源を付与するかをいうことになりますと、これはもう先ほど御指摘になりましたように、税をとれるもとがまだない、そういう状態でございますし、あるいは国かち別途の補助、交付金、こういう制度をつくるということをやれば、それはまさに交付税の役割りではないか。したがいまして、経常経費の分につきましては、これは私ども、やはり交付税の基準財政需要の算定におきまして、人口急増の補正をできるだけ実情に即するように取り込んでまいる、これが常道だろうと思うわけでございます。したがいまして、そういう方向でさらに引き続いて検討いたしたいというふうに思います。
 それから、いまの具体的にお取り上げになりました団体の場合、これがやはり、いま事務方から御答弁申し上げましたように、あまり過大算定になるという形になりますれば、やはりその点は、その方式自身について反省をしなければならないだろうという感じがいたしております。
#97
○和田静夫君 次に、人口急増補正のIIの問題ですが、つまり、投資的経費の算入の問題でもありますが、従来は、国調の翌年度は国調間の増加率その他の年度は国調以後の増加率によっています。それを年率に置き直して投資的経費が算入されてきましたが、四十七年度には、国調以後一年六カ月経過しているにもかかわらず、四十年国調と四十五年国調間の人口増加率によって計算され、算入された。したがって、国調間の五年間に伸びなかった団体というのは、四十五年十月以後に幾ら人口が伸びていても――別の要素で計算される小中学校はいいですけれども、それ以外の、庁舎であるとか、消防施設であるとかは全く見てもらえなかったという結果になっております。それで、国調間の伸びが五年間でわずか七・九%、四十五年十月以降の一年半の伸びが実に六一%。また、国調間の伸びが五%で、その後の伸びが八二%という極端な例もある。そのほかにも、四十五年国調以後に急増段階に入ったという例が小さい市町村に数多くあるわけです。このような最近の人口増加の実態を無視して、なぜこのような措置をとられたのか、非常に疑問なんです。これは自治体が好んでやっているのではなくて、国全体がいわゆる住宅政策や何かでやっていることですからね。
#98
○説明員(土田栄作君) 御説明申し上げます。
 人口増加というのは、先生御承知のように、中心から始まりまして、またドーナツになってだんだん外に伸びていくという傾向がございます。その場合に、実は、昭和四十年から四十五年までは人口がふえたのですが、先生御指摘と逆に、四十五年以降は人口の伸びがとまってしまったという団体がございますので、こういうふうな団体につきましては、実はストレートに住民基本台帳人口の伸びというものに置きかえてしまいますと、いままで人口急増補正IIで見てもらっていた財政需要というものが全く見られなくなる。ところが、これらの団体につきましても、やはり学校建設とか、公共施設整備の後遺症がございますので、これらのものに対する財政措置というものをある程度長期的にやっていかなければいけないという考え方から、四十年から四十五年間の増加人口というものを指標として人口急増補正口で見るという考え方で四十七年度はまいったわけでございます、ところが、先生御指摘のように、確かに、四十五年以降の人口急増の見方が足りないというふうな市町村からの御批判もございますので、昭和四十八年度からは、国調人口の四十年から四十五年の伸びの指標のほかに、四十五年から四十八年までの住民基本台帳の増加率というものをとりまして、これのミックス方式というものによりまして、人口急増補正IIというものの的確な算定をはかってまいりたいということで、現在のところ内部的に検討している状態でございます。
#99
○和田静夫君 施設整備は先行すべきだし、そして先行して財源付与が必要なのに、最近の数値によらずに古い数値によったのは、どうしてもこれはいまの答弁ですが、納得ができませんね。で、人口急増による投資を、短期間の急増率を根拠として算入するのが不都合というなら、その年度前五年間の急増率を常に用いるという方法もあるのではないだろうかという感じがするのですよ。この点についてあまりひまのない私たちが言っていることが、専門的にやっているあなた方のそれを否定する論拠に一体なるのかならないのか、たいへん自信がないが、とにかく私はしろうとなりにそう思いますよ。こういう点について、四十八年度では、国調人口の増加率のほかに、最近の住民基本台帳人口の増加率をあわせ用いるという方向づけだと、こういうのですね。すると、最近の急増率のウエートをどう見るのか、これ、具体的に答弁してください。
#100
○説明員(土田栄作君) 乗率といたしましては、四十年から四十五年までの国勢調査人口にかけます率が〇・八、それから、いま先生からお話がありました住民基本台帳人口に乗じます率が〇・四ということでございます。それで、これは時系列を追いまして昭和五十年の国勢調査人口に置きかわりますときまでに順次置きかえていくということによって、長期的かつ安定的な財政措置はかったらどうかというふうに考えております。
#101
○和田静夫君 住宅公団の四十七年度の住宅建設状況を見ますと、これは大臣にぜひ御答弁願いたいのですが、計画戸数八万八千戸のうち、建設できたのはわずかに三万二千戸です。その理由として、団地建設に対する地方公共団体の反発があげられているわけです。こういうような財政措置では、これは当然の帰結ではないかというふうに思うんです。これでは、関係自治体は宅地開発を許し、それから住宅建設を認めて、そしてこの増加人口を受け入れようとすれば、行政水準を下げなきゃなりません。住民にしわ寄せせざるを得ないということになるわけです。政府は住宅問題の解決を至上の命題としていると言っているわけですがね。実際の措置は、改善どころか、こういう形で逆行するということになりますね。ここで、自治大臣、これは具体的な改善を大臣からぜひ約束をしてもらいたいと思うんですよ。
#102
○国務大臣(江崎真澄君) 所定の住宅が建設されないということは、これは非常に重要な、深刻な問題というふうに私どもも受けとめております。それなるがゆえに、各省庁話し合いをしまして、そういった地域に対するいろいろな政策を充実して今日に至っておりますが、まだこれは足りない。足りないことが受け入れ側で拒否されるという結果になるわけでございまして、十分この問題等は具体的に検討もして、そういうことが解消されるように努力いたしてまいりたいと考えます。
#103
○和田静夫君 次は、地方債の問題でお聞きをいたしますが、地方債を積極的に活用していくと、当然公債比率が上昇することが予想されます。現在の地方債の資金の中で、利率、償還年限、ともに地方団体にとって最も有利なのは政府資金です。これをできるだけ多く地方団体が使えるような方策というものを講ずることが必要だと思うのですが、現実には、地方債計画中に占める政府資金の比率は毎年低下しています。また財政投融資資金計画における政府資金の中に占める地方債のシェアが少ないことは、非常に問題だと思うのです。たとえば、昭和四十八年度地方債計画における政府資金比率は五五・九%で、かつて三十年度の七〇・六%、あるいは三十五年度の七七・三%、あるいは四十年度の六三・四%と比較すると、かなり下回っておりますね。また、本年度の財政投融資資金計画に計上された政府資金の総額に対する地方債の割合も一九・八%、これと同じく三十年度の四一・八、それから三十五年度の二五・四、四十年度の二六・二と比較して非常に下回っているのです。自治省はこの点についてどういう判断をお持ちなんですか。
#104
○政府委員(鎌田要人君) 基本的には、御指摘のとおりの認識を私どもも持っておるわけであります。ただ、まあ御案内のとおり、かつては資金運用部資金というものはほとんど地方債の大部分の原資に充てられるという時代があったわけでございますが、その後、道路公団でございますとか、住宅公団でございますとか、あるいは開発銀行でございますとか、あるいは国有鉄道、こういった面の財投の伸びというものが大きくなってきておる、そういうことでございまして、全体的に地方資金のシェアというものはこれは減少してまいっておるわけでございますが、その中で、私ども毎年できるだけこの政府資金のワクというものを広げてまいりたいということで、引き続き努力をいたしたいと思っておる次第でございます。
 それともう一つは、やはりそうは申しましても、ある程度地方団体の資金需要というものは増加の一途でございますし、地方団体の中でも市場公募債が発行できる団体、これも他方においてふやしてまいっておりますし、民間資金というものの導入、活用ということも、やはりこの面はどうしてもふやさざるを得ないだろう、そこらのかね合いだということでございますが、少なくともかつての六割台は回復をできるように持ってまいりたい、こういう気持ちを持っておる次第でございます。
#105
○和田静夫君 これは本来、大蔵省に質問すべきだったのでしょうね。
 大蔵省に一問、それじゃこの問題で最後に聞いておきますが、政府資金の地方債への振り向け分が年々低下している。政府資金の投入の重点が、財政計画中の他の事業分野に移行しているということにほかならないと思うのだが、私の調べたところでは、財投の政府資金は、相変わらず経済発展のための基幹産業、輸出政策に重点的に投入されております。たとえば道路公団であるとか、あるいは鉄道建設公団、あるいは輸出入銀行、あるいは日本開発銀行等に対する投資の年度ごとの推移を見るとこのことは明らかですが、一体、政府資金が国民大衆の零細な郵便貯金やあるいは簡保資金あるいは厚生年金や、国民年金の積み立て金の集積である以上、こういった産業優先に主として向けられて、地方債向けが少なくなるということが許されていいのかどうかというのは、これは非常に大きな問題だと思うのです。本来なら、きょうは大蔵大臣に、この辺、はっきりした答弁をもらいたかったところなんですが、昭和四十八年度の予算編成方針の冒頭には、あなた方がお書きになったのでしょうが、四十八年度の財政運営にあたって、社会資本の整備、社会保障の充実等、国民福祉の向上のため、各般の施策を積極的に推進する、こうお書きになって、大臣述べられている、また地方財政計画においても、国と同一の基調のもとに、福祉優先を中心とする財政政策を進めていくことを標榜している。そうであれば、まず政府資金の流れを変えることが必要でしょう。国民大衆の零細な資金である政府資金を、地方団体の事業を通じて住民福祉向上のため還元することである。それができないようでは福祉優先の方向につながらない、どんなに総理が言っても、大蔵大臣がそのことを言っても。これを一体大蔵省はどうお考えになっています。
#106
○説明員(福島量一君) 地方債に対します政府資金の問題でございますが、確かに戦後二十年代から三十年代にかけましては、ただいま財政局長のほうから御答弁がございましたように、資金運用部資金の主たる使途が地方債中心に行なわれておったというようなこともございまして、非常に地方債に対します政府資金の比率が高くなったという時代がございます。その後、高度経済成長の時代に入りまして、各般の政府関係機関あるいは公団、事業団等が設けられまして、国民経済あるいは国民生活各般の需要をまかなうという体制ができ上がってきたわけでございます。その過程におきまして、限られた政府資金をどう配分するかということで、一部、御指摘のような産業優先的な資金配分が行なわれたことも事実でございますが、ごく最近に至りましては、ただいま御指摘ございましたように、四十八年度の財政運営の基本方針として、国民福祉重点に移行するという方針が明らかにされたわけでございますが、その線に沿って、私どもも鋭意、財投の編成にあたりましてもその趣旨に沿った編成を行なったところでございます、
 具体的な例で申し上げますと、たとえば、いま先生御指摘の産業重点的な面に非常に資金が流れておるということでございますが、よく引き合いに出されます開発銀行を例にとって申し上げますと、財投計画全体の伸び率が二八・三%という水準にございますけれども、開発銀行に対しましては、対前年度伸び率はわずかに六%にとどまっております。それからたとえば輸出入銀行につきましても一三・八。ちなみに前年の数字を申し上げますと、四十七年度におきましては開発銀行は二七・三%の伸び率。全体が三一・六でございますが、そのうち二七・三%の伸び、輸出入銀行もほぼ同じ水準の二七・四%伸び、こういうことであったわけでございますが、たとえば先ほど申し上げましたように、輸出入銀行あるいは開発銀行等について大幅に伸び率を落としておる。
 一方、地方債につきましては一兆二千六百億、全体で三一・三%の伸びを計上しているわけです、そのほかに、ただいま御指摘のような、たとえば日本国有鉄道に対しましてはこれは三丁二%、御案内のように御審議願います国鉄再建との関連もございまして、国鉄収支の改善をはかるというような趣旨で、国鉄にはたとえば三一t二%、それから、非常に問題になっております住宅問題の解決のために、住宅公庫、公団は三二・二%、それから、もう一つ御指摘ございました道路四公団でございますが、これは三五・二%ということになっております。これは一つには、本年度から本州四国連絡橋公団が事業着手するというような問題もございますし、道路整備五カ年計画が十九兆五千億にとどまったというような事情もございまして、この金額が三五・二%と、比較的高い数字になっております。
 それからこれは老婆心までに申し上げるんでございますが、高速道路即産業道路というお話がよくあるんでございますけれども、たとえば東名とか、その辺の通過車両等を調べてみましても、三分の二程度はいわゆる普通乗用車でございまして残りの三分の一ぐらいのもちろんトラックもあるわけですが、その中でも、たとえば非常に小型のものとか、あるいは生鮮食料品を運ぶものもあるということでございまして、高速道路イコール産業道路ということは必ずしも当たらない。一方で地域開発その他の問題もございますし、それから最近いろいろ言われております国民余暇利用の問題もございます。ということなんで、高速道路もいわゆるある意味の生活福祉と申しますか、そういう点にもかなりの貢献をしておるというふうにも考えられるわけでございまして、そういった各般の需要をまかないつつ計画を編成しているわけでございますが、いずれにいたしましても、地方行政というのが、地域住民の福祉なりあるいは生活向上に非常に密接した行政分野であるということはわれわれも十分承知しておるつもりでございまして、四十八年度におきましても、先ほども申し上げましたような配分を行なったわけでございますけれども、今後とも、必要に応じてできるだけわれわれとしても協力してまいりたい。にわかに地方債計画全体の中の政府資金比率を急上昇させるということは、これはなかなかむずかしい問題でございますけれども、全体として、地方債に対します政府資金の割り当てと申しますか、配分と申しますか、そういったものについてはできるだけ多くしてまいる所存でございます。
#107
○和田静夫君 たいへん長い答弁だったが、その最後のところですね、いわゆる自治という問題、地方公共団体にもっと目を向けたそういう施策というものを、大蔵省の側がもっとしっかりやってもらいたい。
 次に移りますが、時間があれですけれども、金融機関からの借り入れ資金について、市場公募債と縁故借り入れとがありますけれども、いま市場公募債を発行している団体は何団体ですか。
#108
○政府委員(鎌田要人君) 従来は東京都ほか八団体でございましたが、四十八年度から北海道札幌市ほか十団体を加えまして、十八団体でございます。
#109
○和田静夫君 これはなぜやはり少ないのですか。
#110
○政府委員(鎌田要人君) まあ市場公募債の発行団体ということになりますというと、ある程度のまとまりのある資金需要というものが必要であろう、こういうことがございまして、それともう一つは、やはりいままででございますというと、縁故資金――地元、いわゆる昔の金庫、銀行との間の縁故資金、こういうものを活用するというところが多うございましたために、市場公募債発行団体として手を上げるという団体が少なかった、こういうことでございます。
#111
○和田静夫君 私はもっと公募債発行団体をふやすべきだと実は考えているのですが、その改善の余地はございませんか。
#112
○政府委員(鎌田要人君) 私どもも、基本的には、将来の膨大な資金需要ということを考えますというと、資金供給のパイプというのはできるだけ多いほうがいいという気持ちがございます。ただ、ことし、市場公募債の発行団体をふやすということにいたしたわけでございますけれども、名乗りをあげたところはただいま申しました十団体ということでございまして、この十団体の運用の状況を見ながら、また逐次拡大をはかってまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。
#113
○和田静夫君 縁故地方債についてももっと流動性を高める努力をすべきだと考えますが、いかがですか。
#114
○政府委員(鎌田要人君) 非常にその点は重要な問題だと思います。ただ、現在までの資金の調達の状況をみますというと、やはり債券を発行しないで、証書借り入れの形で縁故債を発行しておられるところが非常に多いわけでございまして、なかなか一ぺんにこれを債券発行という形に切りかえにくいそれぞれの団体の実情もあるようでございます。流動化をはかるということになりますと、まず債券発行に持っていく、それからそれにどのような形で流動性を付与するか。中央銀行あたりでございますというと、これをいわゆる市場公募債並みに日銀の適格担保にとる。あるいは日銀の買い受けの対象にする、ここまで持っていかないと、流動化というものは、流動性の付与ということは完ぺきを期しがたいわけでございますが、そこまでまいりますにのは、率直に申しまして、もうしばらくいろいろな努力が必要だろうというふうに思うわけでございまして、いまの流動化の第一着手というのが、市場公募債発行団体を十団体ふやした、こういうふうに御了解いただきたいと思う次第でございます。
#115
○和田静夫君 次に、地方財源の不足補てん債等の補てんについてですが、昭和四十七年度の地方財政措置としてとられた地方財源不足補てん債三千五百億。本来、一般財源から措置すべきものであった、また国の景気浮揚策としてとられた公共事業の拡大に伴う地方負担、昭和四十六年度分千五百二十二億円、及び昭和四十七年度分二千九百五十四億円については、いずれもこの年度中途において地方団体に多額な財政負担を求めるものです。計画的財政運営を行なっている地方財政に重圧を与える結果になっている。したがって、これらの地方負担に充当するため発行された地方債の元利償還に要する費用ですね。これは昭和四十一年度に発行した特別事業債に準じて、全額国において補給するのが当然であると考えるんですが、いかがですか。
#116
○政府委員(鎌田要人君) この点については、従来とも御論議のあったところでございますが、やはり建設事業の財源、これにつきまして地方債を充ててまいる、こういうことでございまして、その分の元利償還を国が持つということは、結局、全部国が、地方団体が執行する公共事業について財源を持つということにほかならないわけでございまして、その点はやはりいかがなものであろうか、やはり地方団体の負担というものは当然そこにあってしかるべきではないだろうかというふうに考えておる次第でございまして、ただ、その地方債の発行が多額にのぼりまして、後年度の元利の償還に困難を来たす、こういう事態になりました場合におきまして、その時点において、全般的な地方財政対策の一環として処置をすべきではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
#117
○和田静夫君 地方財政をめぐる諸問題の中で常に論議の的になっているものの一つに、国庫補助負担事業におけるいわゆる超過負担の問題があります。これは、国と地方の財政秩序を確立する上で非常に大事な問題であるにもかかわらず、解消されない。そのために地方団体からの苦情が絶えないわけですね。で、国においては、昭和四十七年度において、義務教育施設あるいは公営住宅、保育所等の六項目について実態調査を行なった。その結果に基づいて、四十八年度、四十九年度の二年間にわたって超過負担を解消すとるいうことでありますが、全国知事会議では、四十五年ペースで二千六十九億円にも達する超過負担額が残っていると言っているんです。現実には事業量は毎年拡大して、そして物価も上昇して、施政の水準の向上も要請される。そういう状況から考えますと非常に多くなっているわけです。多額になっているわけです。特に昨年秋以降、木材やセメント等の資材について需給の逼迫、価格の急騰が顕著であって、今回の解消措置分の中にこれら物価の急騰分、これが一体どのように反映されているんですか。
#118
○政府委員(鎌田要人君) 超過負担の解消につきましては、私どもも御指摘のような趣旨に従いまして、考え方に従いまして、四十八年、四十九年度の両年度で解消の措置を、特に超過負担の大夫い六つの施設を対象にして始まったわけでございます。で、今年度におきまするこの超過負担の解消に合わせまして、いわゆる物価騰貴に伴いまする単価の改定というものを行なっております。国費ベースで申しまして超過負担の解消が二百八十三億、それから物価上昇分に見合いますものが百六十七億ございます。ただこれは、ただいま御指摘になりましたように、昨年の下期以降からの急激な物価上昇というものは、ここにはその一部分しか反映されておらないということでございまして、ただいま、公共事業の資材あるいは労務費の値上がりというものにつきましては、私どものほうから、建設あるいは文部その他公共事業関係各省に対しまして、是正の措置をとるように強く要請をいたしておるところでございます。で、建設省の公共事業分につきましては、この実勢単価に改める、こういうことで具体的な前進を見ておる次第でございますし、また地方団体で一番いまやかましく言っておられますところの公営住宅あるいは義務教育諸学校、これにつきましても、大蔵と、それぞれ関係省との間で具体的に話が煮詰められつあるように伺っておる次第でございまして、その結論を得次第、私どもといたしましても、地方団体の事業の執行に支障のないようにあわせて促進をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#119
○和田静夫君 今回の調査対象としなかった事業や、あるいはこの事務経費、特に補助職員費あるいは一般行政経費についても、十分に調査して改善をはかるべきでしょう、これ。それはそういうことですね。
#120
○政府委員(鎌田要人君) この超過負担の解消ということにつきましては、私どもは、やはりそれぞれの所管省自身が、自分のところの仕事を地方団体にいわばやっていただいておる、こういうことでございますから、それぞれの所管省自身が、むしろわれわれから言われるまでもなく、自発的に毎年毎年の予算要求の段階で是正をしていくべき責務があると思うわけでございます。で、そういった意味合いにおきまして、私どもまた、明年度の予算要求の時期になっておるわけでございますが、関係各省に対しまして強く申し入れをいたしたいというように考えておる次第でございます。
#121
○和田静夫君 財政局長がいま答弁したとおりだと思うのですね。大臣ね、これはもう少し関係各大臣に注意を喚起するということが必要なんですがね、いかがですか。
#122
○国務大臣(江崎真澄君) そのとおりでございまして、もうすでに、閣議等において、両三度このことを強く言うておるわけです。したがって、たとえば今度の資材の高騰分等につきましても、やはり、これは先のことでありまするが、補正予算等で相当見るべきではないか、ただ、事業を縮減してそれでつじつまを合わせるとか、そういうことが縮減できないものについては、勢いまた地方に超過負担を背負わせるということにもなりますから、いま強い姿勢で、実は閣議等で各省に現実調査を求めているわけでありますが、その調査がまとまり次第、やはり的確な対策を立てなければならない、対応策を立てなければならないというように考えております。
#123
○和田静夫君 いま大臣から答弁があったように、資材の価格の上昇が非常にいま著しい。物価の上昇の激しい状況ですから、国庫負担金全般について、何か定期的にか、あるいは毎年実態調査を行なうというような形で、補助対象範囲なりあるいは補助算定基準なりあるいは補助単価というものの見通し、手直し、そういうものをやはり行なっていく、そうして実情に合わして適正化をはかる、そういう努力をぜひしていただきたいと思います。
 最後に一つだけ。
 予算委員会で、厚生省の関係の分科会で、実は自治体立病院の運営費その他の問題で、いままでずっと一貫して、厚生大臣その他厚生省の担当官たちが、地方交付金の中で、あるいは特交の中で見てきていますからという答弁で、ずっと衆参両院を通じて、社労、地行などで言いのがれてきたわけですよ。しかし、そんなことにはなりませんよという論議をことしやりまして、そうして、たとえば具体的にはこれから一つ一つ厚生省と約束はとっていくつもりですが、当面、自治体立病院関係のいわゆる看護婦養成所運営費について補助をつけるということの約束はとったのです。これは財政局長もその論議のときにお聞き及びのとおりです。そこで私は、これは単に自治省、厚生省だけの答弁では、これは予算委員会における論議の答弁だけで終わってしまう。
  〔理事寺本広作君退席、委員長着席〕
具体的に次年度に向かって、大臣、これはどうしてもやはり国全体のものとして補助をつけさせる、こういうことが必要だと思っております。ここで大臣のその決意のほどを伺っておきたいと思います。
#124
○国務大臣(江崎真澄君) この問題は私もきわめて重要に受け取っております。したがって、病院自体、経営が非常に健全にうまくいっておる、これはごく少数でありまするが、そういう病院もあるんですね。それから、極端に悪い病院、これもございます。しかし、その原因は、診療費の問題ももちろんありまするし、医師の不足、いま御指摘の看護婦の不足、こういったこともございましょう。だからこれはいま補助金をどうするかということを具体的にお答えする前に、政府全体の政策として、この病院問題を、特に公共団体によるこの自治体病院の今後をどう一体していくものか、これはやはり私ども、確たる政策を立てて来年度は臨まなければならぬというふうに考えております。何せ、まだ法案審議に明け暮れしておりまして、そういうものは、事務的には検討いたしておりましても、政治的には私ども詰める段階に至っておりませんが、これはぜひひとつ努力をして、何らかの形で、自治体病院の今後というものは、なるほどこういうふうであればある程度明るい見通しが立ったというふうに言われるように施策を考えていきたいというふうに思っております。
#125
○和田静夫君 当然、その抜本的な施策も必要でありますが、非常に火急的にこう求めなければならない幾つかの具体的な問題がありますから、これは新しい年度に向かっての予算要求の中で、予算委員会の論議を踏まえて、自治省の側からは具体的には要求をされますね。
#126
○国務大臣(江崎真澄君) これは厚生省も、いま私がお答えしたような方向で御答弁申し上げておることは御承知のとおりです。したがいまして、私ども厚生省を督励しまして、十分協調を保ちながら結論を得るようにいたしたいと思います。
#127
○和田静夫君 それは結論を得られるのももちろん強く求めたいのですが、それに基づいて具体的にその折衝に入られる……。
#128
○国務大臣(江崎真澄君) そのとおりでございます。
#129
○委員長(久次米健太郎君) 両案件に対する午前中の質疑はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時三十二分休憩
  〔休憩後開会に至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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