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1972/06/28 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 地方行政委員会 第12号
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1972/06/28 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 地方行政委員会 第12号

#1
第071回国会 地方行政委員会 第12号
昭和四十八年六月二十八日(木曜日)
   午前十時四十五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月二十六日
    辞任         補欠選任
     神沢  浄君     鶴園 哲夫君
 六月二十七日
    辞任         補欠選任
     鶴園 哲夫君     神沢  浄君
 六月二十八日
    辞任         補欠選任
     高橋 邦雄君     菅野 儀作君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長        久次米健太郎君
    理 事
                柴立 芳文君
                寺本 広作君
                河田 賢治君
    委 員
                鬼丸 勝之君
                片山 正英君
                玉置 猛夫君
                原 文兵衛君
                増田  盛君
                秋山 長造君
                神沢  浄君
                戸叶  武君
                和田 静夫君
                上林繁次郎君
                藤原 房雄君
                村尾 重雄君
   衆議院議員
       修正案提出者   中村 弘海君
       発  議  者  山口 鶴男君
   国務大臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    江崎 真澄君
   政府委員
       自治大臣官房審
       議官       森岡  敞君
       自治省財政局長  鎌田 要人君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
   説明員
       警察庁交通局交
       通規制課長    久本 礼一君
       運輸省大臣官房
       参事官      佐藤 久衛君
       運輸省自動車局
       業務部長     高橋 寿夫君
       運輸省自動車局
       業務部旅客課長  森  雅史君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関す
 る法律案(衆議院送付、予備審査)
○地方公営企業法の一部を改正する法律案(衆議
 院送付、予備審査)
○参考人の出席要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(久次米健太郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、高橋邦雄君が委員を辞任され、その補欠として菅野儀作君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(久次米健太郎君) 地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律案(閣法第五四号)、地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律案(衆第二八号)及び地方公営企業法の一部を改正する法律案(衆第四二号)を一括議題とし、まず、地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律案(閣法第五四号)について、政府から趣旨説明を聴取いたします。江崎自治大臣。
#4
○国務大臣(江崎真澄君) ただいま議題となりました地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律案について、その理由並びにその内容の要旨を御説明申し上げます。
 公営交通事業は、都市交通の中核の一つとして地域における交通需要にこたえ、住民福祉の向上に寄与してきたのでありますが、バス、路面電車等いわゆる路面交通事業の経営は、自家用車の増加その他社会経済の著しい変貌に伴い、昭和三十年代後半から急速に悪化してまいりました。
 これに対処するため、政府は、第五十一回国会において成立した地方公営企業法の一部改正に基づく財政再建制度にのっとり、路面交通事業の財政再建対策を推進してまいりました。しかしながら、都市構造の変化、路面渋滞等に基づく企業環境の著しい悪化並びに毎年の給与改定による人件費の大幅な上昇等のため、路面交通事業の経営状況はさらに悪化の一途をたどり、これに地下鉄事業における建設費の急騰に伴う資本費負担の累増が加わって、昭和四十六年度末における公営交通事業の累積赤字は千九百二十九億円に達し、年間営業収益の一・七倍に及ぶ深刻な経営危機に直面することとなり、このままでは都市における交通の確保に著しい支障を生ずるという憂慮すべき状況に立ち至ったのであります。
 もとより、都市における交通の円滑化を確保するためには、基本的には、都市計画と都市交通との有機的な調整をはかるとともに、各種交通機関の機能分担を明確化し、合理的な都市交通体系を形成するようにつとめることが不可欠でありまするが、当画、公営交通事業について深刻な経営危機をすみやかに打開し、その存立維持をはかり、もって地域における交通需要にこたえることができるよう緊急措置を講ずることがぜひとも必要であると考えるものであります。このような趣旨から、路面交通事業に関する新たな経営の再建制度の発足その他公営交通事業の経営の健全化の促進をはかるため、この法律案を提出することといたした次第であります。
 次に、この法律案のおもな内容について御説明申し上げます。
 まず、地方公営交通事業の経営の健全性の確保の基本についてであります。地方公共団体は、交通事業を経営するにあたっては、常に、当該地域における交通需要に即応する事業運営の効率化と利用者負担の適正化をはかり、経営の健全性を確保するようにつとめなければならないこととするとともに、国は、地方公共団体の経営する交通事業の経営の健全化が円滑に推進されるよう配慮すべきことを押らかにいたしております。
 次に、地方公共団体の経営する路面交通事業で収支が均衡せず、昭和四十七年度末において不良債務を有するものについて、昭和四十八年度を初年度として新たに経営の再建制度を発足させることといたしております。すなわち、この法律に基づいて経営の再建を行なう地方公共団体は、議会の議決を経て、その旨を自治大臣に申し出て、経営の改善合理化等に関する交通事業再建計画を定め、この計画に基づいて計画的に経営基盤の確立をはかるようにいたしております。再建計画の期間につきましては、経営の状況に応じ十五年度以内で定めることといたしました。
 なお、再建団体は、昭和四十七年度末における不良債務をたな上げするため交通事業再建債を起こすことができることとし、この交通事業再建債については、国がこの利子の全部または大部分を補給することとし、また、当該地方公共団体の一般会計がその元本及び国の補給する部分以外の利子を負担することといたしております。
 さらに、再建団体は関係行政機関の長等に対し、路線バスの円滑な運行を確保するために必要な措置を講ずるよう申し出ることができることとするほか、公営企業金融公庫の交通事業再建債の引き受け等について所要の規定を設けることといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決賜わりまするようお願い申し上げます。
#5
○委員長(久次米健太郎君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者、衆議院議員中村弘海君から説明を聴取いたします。中村衆議院議員。
#6
○衆議院議員(中村弘海君) ただいま議題となりました地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律案につきまして、衆議院における修正の趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 まず、修正の趣旨について申し上げますと、御承知のとおり、内閣提出の法律案は、地方公営交通事業の経営の現状にかんがみ、その経営の健全化を促進するため新たな経営の再建制度を設け、累積不良債務のたな上げのための再建債の発行、これにかかわる利子補給等所要の措置を講じようとするものでありますが、この際、交通事業再建計画に定める事項及び再建債にかかわる国の利子補給に関する規定に所要の修正を行なおうとするものでございます。
 次に、修正の内容について御説明申し上げます。
 その第一点は、交通事業再建計画に定める事項に関する規定の修正であります。政府案におきましては、交通事業再建計画に定める事項の一つとして「経営の改善及び合理化に関する措置の大綱」を規定しておりますが、公営交通事業の経営の健全化を促進するにあたっては、広く事業運営の効率化をはかる必要があると認められますので、これを「経営の改善及び効率化に関する措置の大綱」と修正いたしました。
 次に、修正の第二点は、再建債にかかわる国の利子補給に関する規定の修正であります。政府案におきましては、再建債に対する国の利子補給の七・一%を上限としておりますが、最近の金融情勢のもとでは、七・一%の利率の範囲内で資金を借り入れることが困難な状況となってまいりました。このため、今後さらに金融情勢の変化がありましても弾力的に対応することができるよう、利子補給の上限は七・一%に固定しないで、再建債を起こす年度における公営企業金融公庫の基準利率によるよう修正したのであります。
 以上が、この修正の趣旨及びその内容の概要であります。何とぞ御賛成を賜わりますようお願い申し上げます。
#7
○委員長(久次米健太郎君) 次に、地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律案(衆第一六号)及び地方公営企業法の一部を改正する法律案(衆第四二号)について、順次、発議者から趣旨説押を聴取いたします。山口衆議院議員。
#8
○衆議院議員(山口鶴男君) ただいま議題となりました地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律案及び地方公営企業法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨を御説明申し上げます。
 地方公営企業は、高度経済成長政策のもとで、独立採算制を押しつけられ、赤字は増大の一途をたどり、経営基盤の悪化は、その極に達しております。
 とりわけ、路面交通事業は、無政府的なモータリゼーションの進展によって、住民の利便でかつ安い公営交通には、ますますほど遠いものとなっております。ちなみに、交通事業における昭和四十七年度末累積赤字は、一千八百二十九億円であります。そのうち一千七百五十九億円が大都市の交通事業に集中しており、大企業優先の高度成長によって、大都市を中心とした公営交通事業が、いかに、危機的状態にあるかを如実に示しております。不良債務は一千二百九十二億円にものぼり、再建債未償還元金を含めると、実に、一千四百八十一億円になっております。このような赤字及び不良債務は、料金収入の一七%を占めており、公営交通事業の経営のみならず、地方財政全体に深刻な影響を与えております。この数字からも明らかなように、公営交通事業をはじめとする地方公営企業に、いたずらに独立採算制を押しつけ、抜本的対策の確立を怠ってきた自民党政府の責任は、まことに重大といわなければなりません。
 したがって、今後の公営交通事業の経営基盤の確立をはかるためには、国は、まず第一に、地方の自主的努力を援助するため、国の責任において、不良債務のたな上げをはかる必要があります。
 第二には、公営交通の赤字を国の責任でたな上げすると同時に、高度経済成長政策を国民福祉優先政策に転換すべきであります。この政策転換なくして、公営交通事業はもとより、地方公営企業の基盤確立はあり得ません。
 第三には、交通、水道、ガスなど、住民生活に不可欠な地方公営企業の建設費については、今後、国が全面的に負担すべきであります。
 第四には、公営交通事業については、住民の身近な公共交通輸送の確立のため、地方に大幅な権限委譲をはかるべきであります。
 こうした諸施設の推進によって、初めて住民合意による適切な料金が確保されるのであり、料金値上げ、住民負担の増大、労働者に対する合理化のみを押しつけるだけの自民党政府の政策では、決して、公営交通をはじめとする地方公営企業の基盤強化はあり得ません。
 以上、申し述べました趣旨の現状認識に立ち、公営交通事業の危機的状態を国の責任で解消し、かつ地方公営企業全体の将来にわたる抜本的対策として、今回、ここに二つの法案を提出いたしたのであります。
 まず、地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律案の要旨を申し上げます。
 第一に、国は、地域交通の確保に資するため、必要な財政上の措置を講ずるとともに、交通施設の整備、道路使用の適正化等、交通環境の整備をはかるよう規定いたしております。
 第二に、交通事業健全化計画の策定手続及び内容は、昭和四十八年三月三十一日現在、不良債務を有する団体が、議会の議決によって十年間の健全化計画を定め、自治大臣に届け出ることとし、健全化計画の内容におきましては、赤字交通事業に従事する職員の給与その他の労働条件の向上について十分配慮した上、経営健全化の基本方針、2経営健全化に関する措置の大綱、3地方債の各年度ごとの元金償還額、利子支払い額及び収支見込みに関する事項について定めるものといたしております。
 第三に、交通事業健全化債の発行及びその元利補給については、交通事業健全化団体は、不良債務のワク内において健全化債を発行することとし、国は元金償還額の三分の二を負担するとともに、利子については、ほぼ全額補給することといたしております。
 第四に、地方公共団体は、国の元金負担額及び利子補給額を除いた額を一般会計から補助するものといたしております。
 第五に、地方公共団体が自主的に定めた健全化計画に著しく支障のあるときは、助言または指導することができることといたしております。
 第六に、健全化債は、全額、公営企業金融公庫が引き受けることといたしております。
 第七に、地方公共団体の長は、交通施設の整備、交通規制等、円滑な運行を確保するため、関係行政機関の長に措置の申し出を行ない、関係行政機関の長は、適切な施策を講ずることといたしております。
 第八に、旧財政再建団体の財政再建債について所要の措置を講ずるとともに、附則におきまして、現行料金の認可制を届け出制とすることといたしております。
 以上の八点がそのおもなる要旨であります。
 次に、地方公営企業法の一部を改正する法律案の要旨を申し述べます。
 第一に、法適用事業の範囲等につきましては、第一の種類といたしまして、住民生活に直結する性格の水道、軌道、自動車運送、地方鉄道及びガス事業を決定いたしております。第二の種類といたしまして、住民生活に直接つながらないで、他の営利企業を通じて間接的に住民生活につながる性格の工業用水道及び電気事業を法定いたしまして、現行法における法定事業をその性格により二つに区分いたしたのであります。
 なお、病院事業についは、条例による法適用はもちろん、企業会計の適用もできないことといたしています。
 第二に、企業会計の原則については、第一の種類の事業は、その性格から独立採算制によらないことといたし、第二の種類は、独立採算制を採用することといたした次第であります。
 第三に、第一の種類の事業の建設投資負担については、国及び地方はそれぞれ二分の一ずっとし、地下鉄事業にあっては、国は四分の三を負担することといたしております。
 第四に、地方公共団体の建設投資負担分及び経常経費の負担分については、地方交付税でその六割を措置することといたしております。
 第五に、料金の決定につきましては、第一種の事業は、原価を基礎といたしますが、「住民の負担能力その他経済事情を勘案し、公共の福祉の増進についても適切な考慮を払った妥当なもの」と規定いたしまして、第二の種類の企業の料金原則と区分いたしたのであります。
 第六に、給与決定の原則は、現行法では生計費等よりもその企業の経営状態を中心として決定しておりますが、「職員の発揮した能率及び経営の状況を考慮して及び類似の職種」という条文を削除し、地方公務員等と同様の給与決定原則によるものといたしております。
 第七に、企業債の発行は、現行法では許可制とされておりますが、これを改正して、財政再建団体以外の団体においては、企業債の発行を自由化することといたしております。
 以上が、地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律案及び地方公営企業法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#9
○委員長(久次米健太郎君) 地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律案(閣法第五四条)を議題とし、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○和田静夫君 まず、自治大臣にお尋ねをいたしますが、この六月の東京都の「総合交通対策について」という総合交通対策担当専門委員報告、これをごらんになりましたか。
#11
○国務大臣(江崎真澄君) まだ、多忙でありまして、これは相当分厚なものですから、詳細にわたっては見ておりませんが、手元にいま持っておりますし、あらましは見ております。
#12
○和田静夫君 このレポートは、いわゆるシビルミニマムの確保を基準にして公共交通サービスの供給を考えることを基本原則としています。そして、独立採算制の原則にこれを対置をしていますが、この点、大臣はまずいかがお考えになりますか。
#13
○国務大臣(江崎真澄君) 独立採算制の問題につきましては、このレポートを見ましても、専門委員の中で意見が分かれておるようであります。まあ主文の論旨はざっと拝見いたしましたが、これは政府としては残念ながら同調いたしかねるというふうに申し上げなければなりません。しかし、今日まで私ども、この公営交通の問題につきましては、独算制というものは大きな条件として考えてもらいたいということは、地方公共団体の管理者に対して強く要請いたしておりまするが、御承知のように、再建債をたな上げしたり、今度はまたその利息を見たり、一般会計から再建債の元本を支払っていくことを認める。またそれに関連して都市財源の充実を考えていこうというような方向で、あとう限りこの経営については、国としての施策はとっておるつもりでございます。
#14
○和田静夫君 公営交通問題を論ずるときに、独立採算制問題というのは非常に大きな問題になりますし、本来的には独立採算制そのものを許容しない部分について、同一企業内で独立採算を求めるというところに無理がある、こういうことが非常に大きな問題だと思うんですね。そこで、まあ私はこれを読んで、実は次のような感想を持ったんですが、ここでも「独立採算制の問題点」として、「従来、公営交通事業は企業であり、企業である以上は独立採算制を採用することが当然であるように論じられてきた。その論拠をみると、交通サービスの利用効果は特定の利用者個人に帰属するので、交通サービスのために発生する費用を利用者が支払うのは当然であり、直接の利用と離れて費用をまかなうことは社会的不公平となるというのが主たるものであった。さらに、企業は合理的、能率的運営が必要で、独立採算制によって客観的な業績評価が与えられ、経営合理化にたいする刺激が与えられるという点があわせて主張されて来た。独立採算制の場合、企業の収支均衡が原則であるが、費用については二つの考え方がある。一つの考え方は、いわゆる実費主義で、利潤を含まない本来の費用のみをまかなえばよいとするもので、公営交通事業の従来の運営において事実上の建前とされてきた考え方である。もう一つの考え方は、費用のなかに通常の利潤(公正報酬)を含めて、均衡を達成するべきだということになり、資本の自由な流出が可能であると仮定した場合に成立するであろう利潤を論理的に前提することになるのであるが、これは市場機構によって資源がもっとも適正に配分、利用され、経済的効率が最善のものとなるとともに、経済的厚生も最大となるという考え方になるように思われる。」問題はその次ですが、「しかし、このような主張には異論もまた多いのである。都市における公共交通サービスは市民の日常生活において不可欠なものであり、公共交通施設は市民が共同で利用する施設であるのみならず、今日および将来の市民がその便益を享受するべきものである。このような施設とサービスをどのような費用負担で建設、維持、運営するかは市民の選択にかかわるもので、本来市場機構の働らきにまかせておくべきだということは出来ない。地方公共団体が公共交通事業を経営する場合、事業利益の確保あるいは収支適合を基準に、料金やサービス量を決定するのではなく、シビル・ミニマムの確保を基準にして、公共交通サービスの供給を考えるべきであろう。」これはたいへんいいことを私は言っていると思うのであります。まあ自治大臣がこの原則さえ率直にお認めにならないということには私はならないような気が実はするんです。で、まあこれも一つは都会議員選挙の争点になるといえばなるかもしれませんが、都民が一定の判断を下すでしょうが、このレポートは、これらをまとめて四十七ページでこういうふうに言っているんですね。「都市公共交通手段を市民全体の共同の生活手段と考え、この整備を公共的にはかってゆく方法は、今日の市民の意識に適合しているのではなかろうか。この考え方を満足する一つの方法は、都市公共交通の固定施設、固定設備を公共財源でまかない、その運営のための費用は利用に応じて料金で支払う方法である。公共財源の調達において所得累進的な徴税制度が活用されるならば、都市公共交通サービスの平等な利用を促進する効果をもつことになる。また、財源調達において、都心、副都心等の事業所課税措置を活用するならば、ピーク時利用にたいする増分費用の徴収を固定投資の段階で計画的におこなわれることになる。一定規模以上の土地の位置価値にたいする課税をおこなうならば、外部効果を内部化することになり、社会的不公平を解消することにもなる。都営交通事業の現実の運用は、料金改訂の経緯等から、実態的には料金収入で固定施設部分の費用をつぐないえない場合が多い。この際、明確な合理的基準を与えて運営の能率化をはかるのは、実際的な利点をもっているだろう。ただ、この場合の問題点は、税・財政改革、都市計画との斉合性の確保と、都営交通事業以外の都市公共交通事業との調整の必要性であろうと思われる。欧米諸国においては都市公共交通施設の整備に公共財源を投入する方式が一般化しているけれども、日本においては法制、行制指導の上で、このような方式を採用することが認められていないので、中央政府に対してこのような方式の採用を可能にするよう政策転換を求める努力が必要である。」ちょっと長いんですが、引用しました。こういうふうに言って、政府に政策転換を求めているわけですね。そうすると自治大臣は、この政策転換を政府に求めているという、その求めにお答えになる用意は寸分もございませんか。
#15
○国務大臣(江崎真澄君) これはさっきも私申し上げましたように、公営交通はその収入においてすべてをまかなえなどというわからないことは言っていないわけです。やはり企業内努力、これは今後といえども十分期待しなければならない。しかし、御承知のように、すでに累積の不良債務の企業外による負担、これは利息は国が見る、一般会計から元本は払っていくことを認める。そしていま、そこのお読み上げになった中にもありまするように、大都市の財源としては、今後充実させていくために、事務所・事業所税などというものも来年度からは具体化するというような方針で財源充実も考える。それから地下鉄の建設費の補助は、これは路面バス等とは問題が違いまして、非常に企業投資が過重であります。したがって、それには国及び地方において六六%のめんどうを見ていく。ハスの購入費は、これはひとつ一まあいままでなかったことですが、再建方途を明示された団体については半額を助成しよう。まことにどうもいまお読み上げになったところをあとう限りの努力で具体化しておるというのが政府の態度でございます。
#16
○和田静夫君 このレポートは、料金の無料制について疑問を投げかけてはいますが、「外国の都市では若干の実験のおこなわれたところもあるが、なお経験に乏しい。将来にわたる公共交通体系を考えるために、行政実験として無料制を試行し、そのさまざまな効果、費用と便益を計測してみることは、意味のあることであろう」、こうレポートは言っているんです。実験としてやることに、運輸省どうですか。
#17
○説明員(佐藤久衛君) 先生、ただいま御指摘の点につきまして、実は、はたして実験的な意味でこれを実施した場合、自家用車の持っている時間的な便益性、快適性等々から見て、いろいろ、これが都市文通の面から見て、はたして妥当であろうかというふうな面もまた同時に指摘されておるところでございます。したがいまして、私どもも、この提言に盛られておりますようなことを検討はいたしている次第でございますけれども、その実現等につきましては相当に慎重に考えるべきものがある、こういうふうに存じております。
#18
○和田静夫君 慎重に考えられる――慎重に考えられるということは、前提的には、いわゆる試験的な無料制、行政実験としての無料制というようなものは、論理的には一定の肯定を与えることができる、したがってそういう肯定に向かって慎重に検討される、こういうことですか。
#19
○説明員(佐藤久衛君) この答申の四十六ページに書いてございますように、バスをかりに無料にした場合、現在自家用車を利用している層がこの無料バスに転換するだろうかということにつきましては、そこに書いてございますように、価格的な意味の弾力性というふうなものが非常に少ないんじゃないかということを言っているわけでございます。したがいまして、確かに先生の御指摘のように、無料のバス輸送というものをやっているという外国の例は、実は承知いたしているわけでございますけれども、その成果につきましては、必ずしも所期の効果があがったかどうかというふうな点、非常に疑問な点がございますので、いまの段階では非常に消極的な考えでございます。
#20
○和田静夫君 これは、たとえば運輸省が運輸省、自治省が自治省という考え方だけではどうにもならぬと思うのです。そこで、運輸省が行政実験で無料制というようなものを、論理的にひとつ肯定をした立場に立って行政実験に踏み切る。その行政実験に踏み切ったときには、当然交通渋滞などもなくするというような形のものは、企業内の努力だけではできないわけですから、全体としての交通緩和政策、そういうようなものが一定のものとして対置されなければならない。そうすると、その交通規則などの徹底、あるいは専用レーンの拡大徹底などというようなことが併置されなければならない。そうでないと、自家用車との関係というのは整理できませんが、これは警察のほうはどうですか。
#21
○説明員(久本礼一君) 警察の立場から申し上げます。
 総合交通対策につきましての答申、警視庁中心に現在検討しているところでございますが、おっしゃるとおり、具体的に、公共交通機関が効率的に都市の中で動けるというための環境の情勢を交通規制によってつくり出すということは、現在、この答申を待つまでもなく、非常に必要なことだというふうに考えておりますし、また交通警察の考え方といたしましても、できるだけこのような対策を推進するようにという姿勢でまいったところでございます。したがいまして、この答申に盛られましたところの提言は、さらに検討して、これをできるだけ実現の方向へ持っていきたいというふうに考えております。
#22
○和田静夫君 そうすると、国家公安委員長、いま答弁にあったとおりのことは私としては非常に好ましい答弁だと思うのですね。それを自転車通勤などについてたいへん大きな構想を出されて、そして着実に、革新市長下でもそれを受けてやろうという気がまえです。したがって、いまの問題についても、運輸省だけに求めているとああいうような返答しか出てこないし、あれ以上には一歩も進まないと思うのです。やっぱり、いま警察側から答弁があったようなことを併置をされて、田中内閣全体としてこれに踏み切っていくという形のことがいま必要だと思うのですが、いかがですか。
#23
○国務大臣(江崎真澄君) 交通規制の問題は、私はやはり時代の要請として、思い切って蛮勇をふるわにゃいかぬ時期がきているというふうに思います。このレポートの中にもありますが、やはりラッシュ時については思い切って自動車に制限を加える。従来は、自動車はスピードを出してしかもスムースに走れるようにと、こういう政策がとられてきたわけですね。ところが、出勤時においては思い切って乗用車を制限する。そしてバス等を優先させる。あるいは世界各国で見直されておる自転車を、やはり通勤通学というような短距離の車として利用させるべく、道路づくりの構造改善もこれは建設省等に求める。こういった問題は、やはり口で言うことはやさしいわけですが、さあ実行に移そうということになると、何といっても問題があります。自転車がいいにきまっているけれども、あぶないから乗らないということですわね。また実際、警察庁の統計に見ましても、交通事故死などは自転車と自動車の場合が非常に多いというようなことから、自転車の安全性をどう確保するか、これは歩道乗り入れの問題等々を含んで十分考えていかなければならない問題であろうというふうに思います。
 それから無料の点については、これは私も寡聞で、ローマで実験されたということを聞いておる程度でありまするが、ただなら何でもいいというものじゃないんですね。ただにしたら、乗りものの好きな子供がどかどか、どかどか乗り込んできて、しめしがつかなくなった。ただだから、子供はいけませんよというわけにはいかぬ。これはローマで悲鳴あげてしまったんですね。ですから、さっき運輸省からは事務的な御答弁がありましたが、このあたりをよく考えて実験しませんというと、もの笑いになるようなことになってもこれはいけませんし、十分ひとつ各国の例等をながめまして、妥当を期していきたいと思います。
#24
○和田静夫君 妥当を期していきたい、その妥当を期していきたいというところだけ、ぼくは聞いておきたいと思うのです。
 そこで、森岡さん、どうせ行ってこられて、ぼくもそのあと、あなたのあとを追ってずっとローマからロンドンを歩いてきたんですが、どうです。それからいまの自治大臣のまん中辺の答弁、ちょっと少し度はずれないんですよ。あなた、調査されてきて報告を執筆されたんでしょうけれども、どういうふうに感じてこられました。
#25
○政府委員(森岡敞君) 鉄道なり、バスの運賃の無料にした例というのは、先ほど大臣からお話しございましたように、ローマの例しか私は聞いておりません。しかも、それは先ほど来お話しのように、実験的にやったんだということでございまして、効果については、まさにいま大臣がおっしゃいましたように、何と申しますか、交通環境の整備とかあるいは都市の将来の構造変化とか、そういうふうな方向に持っていく施策にもとてもならないというふうな結果であったというふうに私も聞いておるわけでございます。したがってまた、現在無料にしているわけではないわけでございます。やはり無料バスシステムというのは、そういう意味合いで非常に問題が多過ぎると、消極的に私も考えております。
#26
○和田静夫君 どうもやっぱり合うところが偏しているからそういうことになると思うので、たとえば住民運動、市民運動、今日のいってみれば一定の行政効果をあげるために、政策との対置において、どうしても無視することができないそういう側の、多くの市民の側に立ってみれば、あの行政実験に対しては、ともあれ、自家用車の制限に成功する、そういう形の中から、公害なら公害、排気ガス対策などの面も含んで一定の効果をあげ得たという判断、したがって、もっと計画的に、もっと長期的に行政無料実験というようなものを行なってもらいたいという要請というものは、少なくともあなたと違った意味で、私はローマにいた限りにおいては私の調査結果はそう出てます。したがって、いまこれがどちらがどうだということを言うつもりはありませんが、むげに運輸省が言われるように、否定的だということの上に立って考察するのではなくて、やはり論理的にはこのことはあり得るんだという上に立って一定の研究をされ、それに向かって実験への努力をされると、こういうことが求められるべきだと思うのですが、運輸省、全然だめですか。
#27
○説明員(佐藤久衛君) 先ほど、大臣からもお話しがございましたように、ローマの実験の実例というものを聞いておるわけでございますが、私ども承知しております限りにおきましては、必ずしも自家用車というものの交通が減らなかったというふうなことも聞いております。また、逆の現象といたしまして、いままで徒歩等で通行しておりました学生とか子供とか、そういうものがふえまして、いろいろ問題が起こったというふうなことも聞いておるわけでございまして、私どもとしましては、検討はいたしております次第でございますけれども、先ほど申し上げましたような結論、現在段階ではそういう結論でございます。
#28
○和田静夫君 私も一面的にはそうだと思うのですよ。ただし、たとえば失敗の原因を考えてみると、郊外からの通勤者に対して、そのローマ旧市内に入るまでに、たとえば駐車場が用意されるとか、いろいろな形での総合的な行政結合がなかったところに、あのときにおける行政実験のいわゆるその効果が、非常に比率が高いものであったという結論にならなかっただけだと思うのです。そういう総合性というものがやっぱり求められなければ、私も不可能だと思っている。不可能というよりも、やるべきではないと思っている。したがって、そういう総合的なものを検討され――運輸省は、単に自家用車がどういう形で減るとか何とかということじゃなくて、環境公害その他一切の、今日大都市の政治の中で行き詰まってきている、それらの問題の中に位置づけられるところの運輸行政としてこの問題をどう考えるかということを、そういうことがやっぱりこれは大臣、全体の問題だと思うのですよ、ぼくは。それで、やっぱり運輸省もそういう視点に立って検討を加えてもらう必要がある。そのことまでまさか否定をされないでしょう。
#29
○説明員(佐藤久衛君) 私どもは、いま言った無料制度というふうなものを、検討の対象にはいたしておるわけでございますけれども、それ以前に、やはり都市交通施設の基幹的なものを整備する。そうしてその基本的なものの考え方といたしましては、やはり高速鉄道あるいはまたバス輸送というふうなものにつきましての物的な環境整備というふうなもの、これは施設の整備を含めまして、そういうふうなものを整備していかなければならぬ、こういうふうに考えておるわけでございます。
#30
○和田静夫君 これは大臣、いまのやつ、私の意見として、田中内閣全体としてやっぱり一ぺん考えてみる必要がある。各省が、それぞれのパートを、パートで、狭い視野だけでもってこのこと追求をするということではない、そういう立場でぜひ必要だと思うのです。
 そこで、料金体系の問題でありますが、幼少年層あるいは身体障害者に対する無料制ですね、それから高率割引制の適用、これについてはどういうふうにお考えですか。
#31
○政府委員(森岡敞君) 運賃割引についてはいろいろな形がございます。通勤通学の定期割引、ほかに、いまお示しの、老人なりあるいは身体障害者等に対する割引もございます。各公営交通の実態は一律ではございません。かなり多様でございます。しかし、だんだんと、主として身体障害者などを中心に、一定の割引をやるという事例がふえてきているように思います。これはその都市の政策の問題であろうと私どもは考えておるわけでございます。そういう措置をとって、身体障害者その他気の毒な方々に運賃負担を割り引いていく、それはまさにその都市の政策として実施される問題であります。私ども、それについて一律的な指導とか、そういうことは現段階ではいたしておりません。
#32
○和田静夫君 そうすると、これはそれぞれの自治体別にそういう制度を政策的に取り入れていくということに対して、決してその自治省の側からはものを言わない、こういうふうに理解しておいていいわけですか。
#33
○政府委員(森岡敞君) もちろん、交通企業でございますので、おのずからその範囲については限度があろうかと思います。いま申しました身障者割引などについて考えますれば、これは私どもも政策としてとってこれは差しつかえないと、かように考えております。
#34
○和田静夫君 わかりました。
 それじゃ、もう一つだけこの部分で聞いておきますが、高校生以下の通学定期券ですね。これを文部予算で見させる、こういう形のものはいかがですか。
#35
○政府委員(森岡敞君) 自治省だけでこういう問題についてお答えを申すのもいかがかと思いますが、通学の定期割引――通勤も同じなんでありますが、この東京都の総合交通対策についての報告の中で、角本委員の意見がございます。その中にも、通勤通学の割引というのは、いわば昔は範囲が狭かった。したがって、その分については、一般の、切符を売ったり、はさみを入れたりというのに対してコストも安くなる。したがって、かなりな割引ができた。しかし、いまはむしろ通勤通学のほうが主体になってきた、こういうふうなことから、むしろ料金について、通勤通学を基本にした料金体系というものを考えるべきじゃないか、こういう意見も出ておるわけでございます。それを裏返して言いますと、通勤通学割引をいまのような形でいくことがいいのか悪いのか、そういう基本的な問題にも突き当たるのではないかという感じがするわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、現段階で通学割引がかなり大きな幅で行なわれておるということは、交通事業の経営としてはかなり負担になっておる、これは事実であろう。それについて、いまお示しのような、たとえば文教政策として何ら財政措置を講ずるとかいうふうなことは、一つの方向として考えられることだと思います。ただ、現段階では、まだ政府全体あるいは国民全体のコンセンサスとしてそこまでいっておるかどうか、その辺のところはなお疑問があるのではないか。それは、当然国民の税金を支出をして財政措置をするということに相なりましょうから、勤労青少年の問題もあります。それとのバランスとか、いろいろなことを考えてまいりますと、通学割引については、国民の税金を支出をして補てんをしていくということについては、かなりな意見の不一致というものがなおあるのではないかと、私はかように考えます。
#36
○和田静夫君 五十ぺ−じですが、「都営交通事業の過去の運営において生じた欠損にもとずく累積債務の処理は、今後の事業収入とは別個におこなうべきである。都市公共交通の改善と利用促進をはかるためには過去の重荷を除去する必要がある。また、過去における投資にともなう起債の元利負担についても、上述の趣旨にのっとり、公共財源による補てん措置を講じるべきである」、この部分について、自治大臣はいかがお考えになっておりますか。
#37
○国務大臣(江崎真澄君) これは一つの意見として出ておるというふうに拝見しておりまするが、政府としては、いま御審議いただいておるような措置を適切である、これが国としては最大限の便宜措置、また再建措置、方途であるというふうに考えております。
#38
○和田静夫君 それは、提案者側の自治大臣の答弁としては当然の答弁でありますがね。
 そこで提案をされている地方公営交通事業経営健全化促進法ですが、これは非常にとっぴなことを言うかと考えられますかもしれませんが、この法案は一体政府提出の法案ですか。自治省提出の法案ですか。
#39
○政府委員(鎌田要人君) 政府提出の法律案であります。
#40
○和田静夫君 私も、法案の提出のスタイルなんというものに、自治省の提出の法案があるなんと思っているわけじゃないですが、しかし、この法律案の内容をずっと検討しましたら、これは形式はともかくとして、実質的には、都市の交通政策について政府が総合的立場から配慮したという、そういう意味での政府提案というよりも、何かあくまでも、一行政機関にすぎない自治省の提案の法律案である。自治省の努力というのは非常に買いますが、そう思うんですよ。どうもそんな感じがするんですが、たとえば自治大臣の諮問機関である公営交通問題研究会、それが四十七年十月三十日に出した「公営交通事業の経営健全化に関する報告」ですね。私はその内容は必ずしも全面的に賛成ではありませんが、その中においても、都市交通の円滑化、効率化をはかるためには、公共交通機関の優先通行、あるいは車種別、時間帯別による強力な交通規制、それから駐車規制、都心乗り入れ自動車に対する賦課金徴収制度、あるいは地域交通行政主体の一元化などを、二十二ページで提案をされています。これらの措置は、事柄の性質上、各省にまたがる事項なんですね。またはいままでの都市交通行政の経験から、法律をつくらずに、単なる行政措置や行政で実現できるものでないこともまた明らかです。ところが、法律案を見てみますと、第十条でわずかに各行政機関に対する申し出権を認めただけで、都市交通問題の解決にきわめて重要なこれらの基本的な事項をすべて見送っている感じがします。つまり、都市の交通問題の重要性というものを、政府全体の問題として認識をする、で、総合施策として取り上げてはいない――本来ならこれは大蔵大臣でも呼んでこなければいかぬのでしょうが、私があえて、この法律案は自治省提案ではないかというシニカルな言い方をした根拠も、実はそこにあるのであります。自治大臣は行政機関の長であるとともに、国務大臣であらっしゃるのですから、そういう意味で、都市の交通問題、特に路面交通の問題については、もっと幅の広い視点から取り上げて、そうして住民の身近な足を確保するという姿勢、努力、そういうものが必要ではなかったかと思うんです。で、運輸省の担当も、そういう視点というものを十分に運輸大臣に伝えてもらいたいと思うんですね。自治大臣は、再建団体のバスの購入費に若干の補助金を出すという措置、先ほども言われました。この法案に基づく措置程度で、ほんとうに路面交通の問題が解決できると思っていらっしゃるのかどうか。あるいは市民生活の問題に冷淡な田中内閣の姿勢に共通な対応のしかたとして、路面交通の問題は若干金を配る程度でお茶を濁しておけという、そういうことなのか。この辺、大臣の所信を、先ほど来どうもその辺に偏重をした答弁が目立ちすぎますから、お聞きをしておきたいのであります。
#41
○国務大臣(江崎真澄君) 政府としては市民の足という問題には非常に関心を払っておりますから、これだけの措置をしたわけでございます。したがって、いまあなたの表現される話とは全然逆な熱意を持っておるというわけです。
 そこで、御承知のように、今度のは地方交通事業の経営の健全化なんですね、この法律案は。したがって、経営をどう健全化させるかという方途について法文化したわけであります。また、それぞれ内容的には、助成措置をとっておるというわけでありまするが、この公営交通事業の経営健全化に関するレポートの「都市交通環境の整備」、これらについては、関係各省庁とすでに連絡をとりながら、着々と対策をとっておるという実情であります。この経営の健全化、これはもうもとよりそのバックとしては、都市交通環境の整備というものがなければできないではないか、これは法そのものではなくて、各関係省庁と緊密な連係のもとに、それぞれ行政指導をして実現をしていくべき要素のものが多うございます。法律によって命令をしたりというものより、これはやはり自動車を運転するマイカー族を含んだすべての人々との間に、やっぱり合意を得る必要がある、納得を得る必要がある。そして政府としては思っ切った措置に出る。ですから、これを今度のこの法律に盛らなかった理由はそういうところにもあるわけでございますが、すでにもう自家用車の車庫保有規制などは、厳重に行なうことで実行に入っております。まあそこに先ごろ来の自転車構想も出てきたわけでありまするし、こういうことは、簡単に言いましても、全国一律一様にやれと言ってできるものじゃないんです。また実際、道路のほうの整備もそれに伴っておりません。したがって、モデル都市というか、あえて、ひとつ協力的に実験に踏み切ろうという心がまえを持っていただける地方公共団体の長の協力を得て実行に移していく、そして、道路網の整備とか、いろいろな安全施設の整備とか、そういうものと相まって、実際にやってみてどうもやってみたがこういう点がまずいとか、あれがいいとか悪いとかいうことで改善をしていくということでありませんと、自動車を簡単に排除することは、口では言えましても、その経済効率その他からいって必ず文句が出てくる。これは自動車で買い物に来る人もあるということで、商店主からの苦情も出てまいりましょう。したがって、そういうものもふっくるんで、これはやはり急ぎながらも、対策には細心の配慮をして実行に移す、こういうことだと思います。
#42
○和田静夫君 大臣の答弁、一応承っておきますが、私は、田中内閣が、日本列島改造論や、あるいは都市の高層化などに見るような構造というものを都市対策の基本としている限りでは、都市の路面交通問題というのは実は解決しないんじゃないかと考えているんですよ。産業活動に欠かせない通勤事情に対応する地下鉄路線鉄道をふやして、それだけでこの都市の中で生活する住民の足、すなわち路面公共交通機関は、はんらんする自動車によって衰退せざるを得ないでしょうし、それから、車公害というのはいよいよ深刻化すると思うんですよ。で、何よりも、田中内閣が基本政策の転換をはかる、これが交通問題を含め、都市問題解決のかぎであるということを指摘をしておきたいと思います。
 この点はまあこの程度にいたしまして、私はさきに、この地方公営交通事業再建促進法案が、どうも自治省案で、政府提出法案でないというこの感想を持たざるを得ない、そういうことを言いました。つまり、内閣の各行政機関に対する総合調整機能を問題にしたわけです。この総合調整機能に関連して、前々から何回も論議をしたところなんですが、一点だけ伺っておきたいのは、いわゆる事務官制度ですよ。これは運輸省の問題を含んで、一体これ、この間のときは大臣の一番最後の答弁というのはたいへんな決意でありますから、ゆめゆめ私はそれを疑いません。しかし、どうも、一体運輸省やる気あるのかというのは非常な疑問ですが、どうですか。
#43
○説明員(佐藤久衛君) 地方事務官制度の問題につきましては、いろいろな経緯がございまして、一応事務的な話はしておるわけでございます。ただ実施につきましては、いろいろなお調整する必要があるとは思いますけれども、今後とも関係各省と協議して努力してまいりたい、かように思っています。
#44
○和田静夫君 ちょっとあなた、大臣答弁と同じような答弁をしておってもらっちゃ困るんでね、その辺ならもう大臣の答弁でいいんですよ。もっと明確になるでしょう。福田行政管理庁長官ででさえ四十八年度を約束をした。四十八年度中の解決を約束した。そうすれば、担当しているあなた方のほうでは、もっと明確にちゃんとやらなきゃいけませんでしょう。
#45
○説明員(森雅史君) 私、直接の担当でございませんけれども、自動車局におりますので、聞き及んでおるところをお答えいたしたいと思います。
 地方事務官制度につきましては、地方委譲ということで、その方向で検討するということになっておる、そのことになっておるというふうに聞いておるのでございますけれども、現在、各都道府県に運輸省の出先機関といたしまして陸運事務所というものがございますし、この事務所の廃止ということで、まあ運輸省の地方支分部局の存立というものにおかわる相当重大な問題でもございます。それから、現にそこに働いております職員の身分の転換、国家公務員から地方公務員という面もございますので、非常に影響するところが多うございますので、現在慎重に検討中という段階でございます。
#46
○和田静夫君 これは、運輸大臣でなければやっぱりだめだったなあ。そんなことにはならないの。自治大臣は、明確に予算委員会等を通じてあれだけの答弁をされたのにそれをやれないようでは、大臣たる資格ばかりじゃない、政治家としての資格がないとまで答えておられるわけです。あなた方がそんな答弁しておったら、運輸大臣に政治家として資格がないということを、あなた方は、資格をなくなさせるために努力をしておるということになるよ。そんなことにならないんで、しかもこれは運輸省に関する限りは、われわれの側から求めたのではありません。あなた方のほうから、運輸省のいわゆる身分移管のほうをやりますと出てきたわけです。そんなにあなた方混乱させてもらっちゃ困る。どうです。明確にしましょう。ここで。
#47
○説明員(佐藤久衛君) 非常に先生のおことば、私どもも身にしみて感じており、努力いたさなくちゃならないわけでございますけれども、ただ、現在の段階におきまして、私の口から断固としてやりましょうというようなことが申し上げられないのは非常に残念でございますが、御趣旨はよく大臣のほうに申し上げまする所存でございます。
#48
○和田静夫君 自治大臣からそれじゃもう一ぺん――運輸大臣に対して直接、いまこちらも言うそうですから、しっかりこの機会に。
#49
○国務大臣(江崎真澄君) この問題は長年の懸案でありまするし、それぞれの省に事情があることは私ももう十分承知いたしております。承知をしておりながら、四十九年中には解決してもらおうということで、各省庁の協力をいま求めておるわけですね。そこで、田中内閣になって、しかも実力者の福田行管長官で、このようなことがそれぞれのセクトでまとまらないなんというようなことなら、これはいけません。だから、私は各省庁の大臣にはもう常に言っておりまするが、必ずしも歯切れのいい答弁得ておりません。そこで、福田行管長官に強くこのことを申し入れて、今後、定期的にこの問題を詰めていく会合を持つように私建言いたしましょう。そして、これは内閣としてはやらなくちゃいけませんよ。こんなことをいつまでも各省のセクトにまかせて、何の行政の合理化がありますか。これはやっぱり考えなくちゃいかぬ重要な問題だと思っております。私も決意しております。
#50
○委員長(久次米健太郎君) 本案に対する午前中の審査はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二十分開会
   〔理事寺本広作君委員長席に着く〕
#51
○理事(寺本広作君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 久次米委員長が所用で出席がおくれますので、私が委託を受けましたので、暫時、委員長の職務を代行いたします。
 地公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律案を議題とし、休憩前に引き続き、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#52
○和田静夫君 それでは、総論的なことは一応午前中の程度にひとまずしておきまして、個別な問題に入っていきたいと思いますが、その質疑に入る前に、公営企業第一課が昨年の七月に出した「大都市公営交通事業財政再建の経過と反省」、この資料は委員会に配付されていますか。
#53
○政府委員(森岡敞君) いまお示しの資料は、私どもが、大臣の諮問機関であります公営交通問題研究会で公営交通の経営健全化について御検討いただく際の資料として作成したものでございます。そういう意味合いのものでございますので、別段、当委員会にお配りいたしてございません。
#54
○和田静夫君 これは、衆議院ではどうも配付されて、衆議院で手に入れたのですがね。委員長のところでちょっと配付をする手続をとっていただきたい。
#55
○理事(寺本広作君) どうですか、資料。
#56
○政府委員(森岡敞君) お配りすることは差しつかえございませんので、そのようにいたします。
#57
○理事(寺本広作君) すぐできますか。
#58
○政府委員(森岡敞君) 直ちにとってまいります。
#59
○理事(寺本広作君) 直ちに――それじゃお願いします。
#60
○和田静夫君 配られていませんから、まず、第一次交通事業再建のいわゆる経過と反省についてひとつ説明してください。
#61
○政府委員(森岡敞君) 私ども、今回の公営交通の新たな経営再建をいたしますための対策を検討するにあたりまして、第一次の財政再建についてメスを入れまして、それの実態なり、経過あるいはさらにそれに対する反省というものを明確にしたいということで作成したわけでございます。
 で、大要を申し上げますと、まず第一次の再建計画の目標とその経過につきまして、基本的な方針は、不採算でありますし、また大都市の交通手段としての役割りを果たし得なくなっております路面電車につきまして、計画的な撤去をする。他面、地下鉄を整備いたしまして、都市交通の基幹とする。バスにつきましては、大都市においては地下鉄を補完する機能を持たしめていく。なお、バスにつきましては、ワンマン化あるいは路線再編成その他の措置を講じていく。また、一般会計との負担区分を明確化し、一般会計及び国から財政援助を行なう。なお、不用財産の売り払いあるいは人員の縮減、料金改定等の経営努力を講じていくというふうな考え方に立ちまして、四百六十五億円の不良債務について、財政再建債を発行してたな上げをいたします。そのたな上げした再建債の利子について、一部国の利子補給をやります。元金につきましては、再建期間中の経営収支の中で償還をしていく、こういう考え方をとったわけでございます。
 その趣旨とするところは、その時点におきましては、まだ路面電車に比べまして、バスの機能というものがかなり評価されたわけでございます。したがいまして、バスの運行収支によりまして過去の赤字を償却していくという考え方をとったわけであります。
 そのような考え方に立ちまして第一次再建を進めたわけでございますが、経営状況はしかしながら一こうに好転いたさなかったわけでございます。新たな不良債務がその結果累増してまいりまして、五十六年度末では不良債務が、財政再建債未償還元金を除きまして五百八十四億円、これに給与改定分を加えますと六百八十四億円程度に達するだろう、こういうふうな見込みに相なったということを指摘しております。
 そこで、これについて、うまくいかなかった理由についての反省でございますが、先ほども申し上げましたように、根本的には、財政再建債の償還を企業内の収支でもってやっていこうという考え方をとったのでありますけれども、その後の変化あるいは路面渋滞によりまして、バスはその機能を非常に削減されていく、定時性を失いまして乗客の信頼を失う、乗客は逸走する、こういう形になってまいったわけであります。反面、毎年の給与改定によりまして、大幅な歳出の増加が出てまいりました。しかし、料金につきましては、なかなかいろいろな諸条件がからみまして、その適正化がタイムリーに行なわれないというふうなことでありましたので、給与改定による増加を生み出す財源の確保がなかなかできにくかったということでございます。同時にまた、国の財政援助措置も、利子の一部の補給の部分につきまして、しかも、不良債務と企業の収益の対比をいたしまして、全部三分五厘超を補給するわけではなく、さらに薄めるというふうな形にもなっておりましたので、率直に申して不十分であるということでございます。そういう企業環境の急激な悪化あるいは経営内部での歳出面における給与費を中心とする大幅な増加、料金収入の適正化のおくれ、国や一般会計による措置の不十分さ、こういうものが相重なりまして、この第一次再建は、所期の不良債務の解消という面におきまして必ずしも十分な成果をあげることができず、むしろ、逆に不良債務がふえてくる、こういうことに相なったわけでございます。ただ、路面電車の計画的な撤去でありますとか、あるいはその他の面につきましては、またバスのワンマン化の推進でありますとか、その他の面につきましては、ある程度、私どもの考えておりました方向に進められてきたという評価はなし得るものと考えております。
 そこで、そういう反省の上に立ちまして、今後、第二次の新たな再建をするにはどのような考え方が必要かということを述べているわけであります。
 公営交通事業の財政再建を検討するにあたっては、単なる財政赤字の解消にとどまってはならないという問題。それから、それとの関連もございますが、公共輸送機関による輸送の確保をはかるために、道路整備あるいは公共交通機関の優先通行というふうな措置を思い切って講じていく。それから、国及び一般会計の財政措置につきましても根本的な見直しを行なう。料金の認可制あるいは路線の免許制度、それらにつきましても、都市交通に関する体制を整備していく、こういう観点から抜本的な検討を加える必要がある。かような提案をいたしました。
 それに基づきまして研究会で御検討を題い御報告を得たということでございます。
#62
○和田静夫君 そこで、現行財政再建計画の反省として、いま言われたように、まず第一に「計画策定上の無理」、それから第二に「財政再建計画の実行上のそご」、こういうふうに分けられておるわけですね。実行上のそごとしては、「企業環境の急激な悪化」、「毎年度の大幅な給与改定」、「料金適正化の遅延」、「経営合理化計画の遅れ」、そういうふうに掲げられています。新しくこの財政の再建計画を進めるにあたっては、これらの反省が生かされ、再び前車の轍を踏むことがないようにすることが必要なわけでありますが、まず、企業環境の悪化ですが、ここでは「再建発足後の急激な都市構造の変化およびモータリゼーションの拡大に伴う路面渋滞等により交通事業をめぐる企業環境は急速に悪化し、バス等路面交通機関の表定速度の低下、定時性の喪失をもたらした。このため利用者の信頼を失ない、乗客の逸走を招き、予想外の収入減をきたし、経営悪化を拡大した。」と、ここでこういうふうに書かれているのですが、今後の見通しは一体どうなんですか。
#63
○政府委員(森岡敞君) 公営交通事業の新たな経営再建を進めてまいります上において、都市交通環境をすみやかに整備をしていくということが、やはり一番重要な条件であり、課題であろうと思うわけであります。
 大きく分けまして、三つ問題があると考えております。まず第一は、道路の整備でございます。郊外部の道路につきまして拡幅をする、あるいはバイパス道路を新たにつくる、鉄道駅に連絡する道路の建設を進めるというふうな問題が第一でございます。第二は、バスに関連いたしますバスターミナルあるいはバスレーン、駅前広場のバス優先利用というふうな、バス関連施設の整備をぜひやってまいらなければならぬ。それから第三番目が、公共交通機関の優先通行の確保でございます。御承知のバス専用レーン等の拡大をはかっていきますと同時に、場合によりましては、バスのみの右折、一方通行区間の逆進というふうなことも一つの方法であろうと思います。さらに進んで駐車規制を強化するなど、自動車の交通規制の強化も検討するというふうな、いろいろな問題があるわけでございます。もちろん、これは自治省だけで措置ができる問題ではございません。政府各省に協力を求めまして、また地方公共団体とも十分協力し合いまして、進めてまいらなければならぬ問題であろうと考えております。
 そういう意味合いで、この改正法案の中で、第十条に、地方公共団体から関係行政機関の長等に対する各般の措置の申し入れ、ないしはそれに応ずる関係行政機関の長の姿勢を示す条文を設けておるわけでございます。これらの条文に基づきまして、先ほど来申し上げました、交通環境の整備を強力に進めていくということにいたしたい、かように考えておるわけでございます。
#64
○和田静夫君 そこで、いまのような環境整備の問題を考えた場合に、たとえばバスや地下鉄等の問題について、ダイヤの編成、そういうような形のことを、一番実情をよく知っているそこの部分が、届け出ればもうそれで済んでいる、こういうような形の処理のしかたなどはお考えになっているわけですか。
#65
○政府委員(森岡敞君) ダイヤ編成あるいは停留所の位置の変更――率直に申しまして、非常に細部にわたるまで、現在政府の認可にかかわっております。そういう状態でありますと、交通環境の整備をはかり、バスの機能を充実さしていくという場合に、なかなかそれが一つのネックになりまして、うまく進まないということも私ども訴えられておるわけでございます。率直に申せば、できるだけこまかい認可は、私どもははずしてもらえぬだろうかという気持ちを持っております。そういう方向で運輸当局とも今後御相談してまいりたいと思います。しかし、とりあえずの問題といたしましては、認可を迅速にやっていただく、結論を得るまでの間は、できるだけすみやかにこの認可がおりるような方向で運輸省と話し合ってまいりたい、かように考えております。
#66
○和田静夫君 運輸省、どうですか。中央認可なんかもうはずしてしまっ らどうですか。
#67
○説明員(佐藤久衛君) 公営交通事業を含めまして、地方の交通事業に対します許認可事務につきましては、先生御承知のように、昭和四十六年に、許可認可等の整理に関する法律というのがございまして、それに基づきまして道路運送法を改正いたしまして、極力事務を簡素化いたしまして、先生の御指摘のような軽微な事案につきましては、陸運局長に落としまして即決処分をするとか、あるいはまたさらに軽微なものにつきましては届け出で足りるとか、そういうような形で極力簡素化してまいってきておるわけでございます。この問題は、公営交通事業再建そのものにも関係はいたしますけれども、私どもといたしましては、やはり地域住民に対する交通サービスの改善ということから、できるだけ行き届いたサービスができるように、極力そのような方向で、いろいろな許認可事務というものは現地限りで処理できるように、しかも、迅速にその処置をできるように処置してまいってきておりますし、また、今後、その方向を強化してまいる所存でございます。
#68
○和田静夫君 それは私が言ったような形で、ダイヤの編成や、停留所の変更などというような形のものは、もはや届け出制だけでいいと、こういうことですね。
#69
○説明員(高橋寿夫君) いまの点につきましては、先ほど来官房参事官から御答弁申し上げておりますような経緯によりまして、極力簡素化をはかってまいっております。いま例示的に先生がおあげくださいましたダイヤの問題、あるいは停留所の位置の変更等の問題につきましても、一、二年前に議論しましたときに、現在の体制のもとでできる限りのことはそのときしたわけでありますけれども、なお、その後の社会情勢の推移等もございますので、今後ますます簡素化の方向でやっていくつもりでおります。これはここ数年来、私ども運輸行政と地域の行政との関係ということにつきましては、従来の運輸行政のスタイルというものを大きな社会の流れの変化に伴って変えていかなければならぬということでやってきております。ただ、制度の改正でございますので、一ついじりますと他に波及するという点もございますので、その点につきましては、不均衡の起こらないようにいろいろ検討もいたしておりますが、しかし、それを理由にしておくらせるというようなことはいたさないということで運用しておりますす。
#70
○和田静夫君 自治大臣、これは午前中の総論の一番最後の問題と深くかかわっている感じもいたしますけれども、こんな軽微な問題については、やっぱり早急に、こんなことでそごを来たしておったんじゃ話にならぬと思うんですよ。したがって、運輸大臣と、いま私が指摘をしたような部分については、もう届け出制にする、こういう形で結論を得てもらいたいと思うんですが、いかがですか。
#71
○国務大臣(江崎真澄君) これは法制定の段階におきまして、いまおっしゃるような議論で、各省間、運輸省間との調整にあたりましたが、いま業務部長ですか一から話がありましたように、なかなか調整がむずかしかったという経緯がございます。しかし、私どもは、いまあなたがおっしゃるように、届け出制でいいんではないか。これは経企庁なども、なるほど、地方議会においてこれは議決するわけてすから――たとえば運賃などの場合ですね――議決する段階に、たとえば民営のバス、民営の軌道車等々をひっくるめて当然議論されるので、バランスを失するとかいうようなことはないのではないかという点に気がついてきたようです。ですから、これはまあ今後の問題として、十分ひとつ運輸省側と詰めてまいりたいというふうに思っております。
#72
○和田静夫君 企業環境の悪化問題の解決のためには、いまのはまさに一つの例でしかありませんけれども、もっともっと積極的取り組みを私は必要とすると思います。その辺のことは希望いたしておきたいと思います。
 そこで、現在の企業環境のもとでは、公営交通企業がどんなに努力を内的にしても、また、今回の法案で、不良債務を企業外の措置で解消をはかるとしても、なお、営業収益でその費用をまかなうことはこれはなかなか困難である、そういうふうに思います。この点は、意見を政府側と私たち異にするわけです。
 ここでさらに問題になるのは、物価の上昇と、それからもう一つは賃金の改定問題であります。私は物価が上昇する、これと必然的に関係を持つ賃金が、公務員、民間を問わず上がっていくという、そういう現状の中で、ひとり、企業職員に対してだけは賃金引き上げはいけないんだ、こういうことにはならない、そう考えます。で、公営企業であり、住民の必要から運行する路線ですから、もうからないといって事業をやめるわけにはもちろんいきません。また、人材確保、サービスの向上、あるいは労働力に対する正当な対価ということなどを考えますときに、公営交通企業労働者の賃上げもまた現在の成り行きからいって当然行なうべきであります。しかし、そういったきわめて現実的な課題に対して、自治省は従来明確な態度を示してこられなかった、これが第一次再建計画を大きく狂わせたわけであります。第二次の再建にあたっても、この点についての明確な考え方を持っていないと、私は第一次同様、再建計画がこの面だけでも失敗をする、そういう可能性を十分に秘めていると思うのであります。自治大臣は、この再建計画と賃上げとの関係でありますが、企業資産をある程度売り尽くした地方公営企業の賃上げ原資の問題ですね、この問題をどのようにお考えになっているのか、この機会に明らかにしていただきたい。
#73
○国務大臣(江崎真澄君) 国及び地方公共団体の職員の給与のほか、民間の給与、こういったものに準じて、特にこれは公営企業の職員の場合は、国及び地方公務員の給与のその実態に即応して右へならえしていくということが望ましいと思います。また、そういうふうにする努力を管理者がしていくことは必要なことであるというふうに思いますが、これはもともとやはり企業でございますから、企業の内容というものを離れて、これをしも国及び地方公務員並みに右へならえしろということを自治省として指導するわけにはまいりません。望ましいが、これはやはり企業の内容というものは当然勘案されるという見解に私どもは立つわけであります。物価が上がる、賃金も上がる、一向旅客運賃は改めない、これはなかなか問題がやはりあるのですね。ですから、そういう企業努力も一面で行われながらも、こういった問題は理想的に解決されることが望ましいと思っております。
#74
○和田静夫君 まあどっちらみち、賃金というのは労使間の交渉、折衝できまっていくものでありますし、それが賃金決定の原則ですから、そういう形でもって、いま大臣が述べられたようなことをすべて自治体側も勘案をしながらきめていく。きめていった賃金そのものについて、別に自治省の側としてはあれこれ言う筋合いはない、こういうふうに理解しておいてよろしいですね。
#75
○政府委員(鎌田要人君) ただいま大臣からお答え申し上げましたように、企業職員の給与改定を行なうにあたりましては、やはり当然、それに見合う財源というものを、これは企業内部の努力で生み出していただかなければならないわけでございまして、私ども、地方団体を信頼しておるわけでございますけれども、中にはときどきとっぴな事例も皆無ではございませんので、そういった場合は別といたしまして、そこで財源の見通しが立ち、労使間の話し合いできめられたものでございますれば、極力尊重する、こういうことでございます。
#76
○和田静夫君 さらに、六大都市の交通事業の財産売却額は現在まで一千七十三億円、これは当初予定されていた額の約二倍になっていますけれども、今後不用財産として売却できる見込み資産というものはどれぐらいありますか。
#77
○政府委員(森岡敞君) 財産の処分予定につきましては、当初見込み額の倍程度に上がっておりますが、これは主として用地の値上がり、土地の値上がりの評価増というふうに私ども考えております。
 なお、今後の新たな再建で見込み得る財産売却の予想につきましては、現段階では明らかではございません。現段階では明らかではございませんが、たとえば電力株を持っておりますとかいう団体もございます。そういうものを一体どう考えていくのか、そういうものも全部処分してはだかになってしまうのがいいのか、あるいはそれはやはり一つの資産として持つほうがいいのか、そういうふうな問題もあるわけでございます。それらをいろいろ考えあわせまして、今後の新たな再建計画の中で各都市と個別に相談をし、検討してまいりたい、かように思っております。
#78
○和田静夫君 たとえばいま言われた電力株などというような形のものについて、いまの方針はどうなんですか、現在お持ちになっている方針は。
#79
○政府委員(森岡敞君) 東京都の財政再建計画では電力株の処分計画はございません。大阪市の場合には、現在の財政再建計画では処分をする計画になっておりますが、まだ処分をいたしておりません。それにつきましては、大阪市のほうで第二次再建でどういう扱いにするか、いま非常に真剣に検討いたしております。
#80
○和田静夫君 いや、私がお聞きしているのは、あなた方のほうはどういう方針で臨まれるわけですか。
#81
○政府委員(森岡敞君) 端的に申しまして、私は何もかも売り払ってはだかになるということは、将来の企業の安定的な経営を考えますと、できるだけ避けたい。一定の資産があり、それの運用益が求められるとすれば、それは経営の一つの妙味になるわけでございますので、できれば処分しないような形でやっていたださたいと思っております。
#82
○和田静夫君 「公営交通事業の概況と財政再建」という自治省の資料の二十九ページによりますと、再建企業に対する地方公共団体の一般会計からの援助額、これが合計六百一億円になっていますね。これらの各援助項目は地方公営企業法の何条を一体根拠としていますか。たとえば十七条の二であるとか、あるいは十七条の三だとか、そういう形でちょっと説明してください。
#83
○政府委員(森岡敞君) 地方公営企業法では、御承知のように、十七条の二におきまして、本来企業収入をもってまかなうことが適当でないもの、これにつきましては、負担区分という考え方で、公費でもって負担すべきものという考え方をとっております。十七条の三では、災害復旧その他特別の理由によって必要があります場合、一般会計あるいは他の特別会計から公営企業に補助することができる、補助の規定があるわけでございます。御指摘の一般会計からの財政援助、いままでいろんな形のものが出ておりますが、その中には、いま申しました十七条の二の負担区分に該当いたしますものとして、たとえば軌道撤去なり、それに伴う路面補修の費用などはそれに当たるわけでございます。それから、再建債の利子の国庫補給以外の部分について一般会計から繰り入れをいたしておりますとか、あるいは、先ほどお話がありました、身体障害者などにつきましての割引を一般会計から繰り入れておりますとか、こういうふうなものにつきましては十七条の三の補助の規定に基づくもの、かように考えております。
#84
○和田静夫君 現在、公営企業が背負っている不良債務、これは再建を発行してたな上げにする、その元利償還の額について、利子の一部は国が補給する、これは法律案七条の規定ですね。そして、国の利子補給分を除く利子額と元金の償還は、地方団体の一般会計から企業会計に補助する、これは八条なんですね。自治省はこの法律案の施行によって、第八条に規定するものは補助できるが、その他のものは一般会計から企業会計に補助できないという、そういう解釈になりますかね。
#85
○政府委員(鎌田要人君) 企業債の元利償還の問題でございますが、御案内のとおり、今度の再建制度におきましては、これまでの経過と反省の上に立ちまして、元利分については当該企業外で全部始末をつけて身軽にしてやる、こういう考え方に立ったわけでございまして、今度の法律の中で、したがいまして、元本部分と国が補給をする利息以外の部分、これにつきましては、現在の十七条の三の規定といたしましては、災害等特別の理由がある場合に限って、かつ補助することができる、こういう規定にいたしておるわけでございますが、この元金部分と国の補給対象以外の利子分につきましては、一般会計が、いわば無条件でその分については補助をするのだと、こういう考え方をとっておるわけでございます。したがいまして、私どもの考え方といたしましては、やはり企業の経営に伴う経費というものはその企業からあがる収入をもってまかなっていく、この考え方をきびしく進めていただく、そういった意味合いにおきまして、十七条の三の規定によりまする補助というものは、できるだけきびしい制限をした形で運用をしていってもらいたいという考え方でおるわけでございます。
#86
○和田静夫君 自治省は、不良債務を企業会計外で処理することで、路面交通の再建というのは可能だと考えていらっしゃるわけですか。
#87
○政府委員(森岡敞君) なかなか、いまの諸情勢を考えますと、たいへんなことだと考えております。決して安易に再建ができるとはちっとも考えておりません。ただしかし、都民なり市民の足を守るということがぜひとも必要なことであります。そのためには、路面交通事業の経営の健全化をはからなければならない。すなわちこれがぶっつぶれてしまったのでは、都民の足は守れない。そういう前提に立ちますならば、私どもは、非常にむずかしいことでありますけれども、先ほど御説明いたしました都市環境の整備も、政府も一応協力して進めてまいる。また、企業といたしましても、利用者負担の適正化を含めて思い切って努力をしてもらう。さらに、利用者なり地域住民の納得や、理解も十分得て、都市交通事業が成り立つような方策をお互いに考えていく。あらゆる努力をやりまして公営交通事業の経営の再建ができるようにしたい、これが私どもの気持ちでございます。
#88
○和田静夫君 大臣、過去の再建計画が見込み違いになったのです。これは。これは見込み違いになったことは間違いないのですが、それと同じように、今回の再建方策も私は必ずしも成功するとは思えないのですが、この辺は大臣、どういうふうにお考えになっていますか。
#89
○国務大臣(江崎真澄君) まあ今度は、これ、できるだけのことをしたわけですから、まあ政府側としても、道路交通事情のバス優先度を認めさせるような配慮をするとか、いろいろな、これから協力体制に立たなければならぬ仕事はまだ残っておるわけでありまするが、まあこれによってひとつ再建をはかってもらいたい、努力をしてもらいたいという方針でございます。
#90
○和田静夫君 当然、法律案出されているのですから、大臣が言われたとおり、希望的な観測をお持ちだと思うのですけれども、どうも第一次再建計画の失敗といいますかね、十分に達せられなかった見込み違いの反省というものが、自治省の側のきびしい自己反省というのはあるような気がするけれども、政府全体の中においては、まあない。特に、大蔵省側の意向というようなものが強く作用をしながら、この辺の程度のものにしかとどまり得なかったというのが自治大臣のほんとうの腹じゃありませんか。
#91
○国務大臣(江崎真澄君) これ、必ずしもそうじゃございませんのでね。私どもは、たとえば第一次再建策を決定いたしましたときは昭和四十年ですね。で、あの時点といまとでは、マイカーに対する感覚一つをとってみても、これは国民的にずいぶん違っていると思うのです。あの当時、マイカーを制限しようだとか、ラッシュ時におけるマイカーの制限を強化するなんというようなことを言えば、これはごう然たる反対の声が起こったろうと思うのです。ところが、まあ先ごろ、通勤には自転車をというような構想をちょっと出してみたわけですが、これがむしろいい意味で反響があります。いや、反対だという声もないわけじゃありません。ないわけじゃありませんが、それは大事をとったり、安全度を考えての反対であって、方向として反対という声はひとつもあがってこないですね。ここだと思うんです。ですから、私は、いまの必ずしも道路幅も広くない日本においてバスの優先レーンをつくるということは、言うべくして――実際、どの都市においても合計六線ぐらいの道路しか実現しておりませんけれども、今後はこの優先度を強めたり、特に時間を限ってはバス専用路線に切りかえて、マイカーはずらりと列をなして目的地に到達することができない。要するに、マイカーによってバスの効率が妨げられたのを、今度は逆に持っていくということも必要じゃないか。これは蛮勇をふるわなければできませんね。で、私もこれ、いつまで在任するかわかりませんけれども、いずれにしろ、田中内閣は当分まだ続くわけですから、ひとつ、総理を仲間に巻き込みまして、そして、政府全体の方針として――幸い、私、いま国家公安委員長もやっておりますから、自治省、それから警察庁、それにきょうは運輸省も来ておられるから、運輸省の協力、それから、建設省がやはり道路構造を改造する面において積極的に協力してくれなければなりませんが、これを積極的に求めて、本気でやれば、私は、今度の路線バスというものは相当解決するいろんな要素を含む時代になったぞというわけで、国民的認識に期待をしておる。したがって、政府側としては、これは皆さんのやはり協力を得なければできることじゃありませんから、協力を得て、思い切った施策に出る。これはぜひひとつ、和田さんにも御協力をお願いしたいと思います。
   〔理事寺本広作君退席、委員長着席〕
#92
○和田静夫君 いまの答弁の限りにおいては、ぼくも賛成です。むしろ、空席の目立つほうに協力してもらわなければ、これはなかなかできない。よろしくそちらさんの理事のほうであれですがね。いま国家公安委員長が述べられたから、これ以上聞くのはやぼかと思いますが、だいじょうぶ、警察庁の側で、いま公安委員長が述べられたことを、逐一行政の上に乗せていけますか。
#93
○説明員(久本礼一君) 交通規制はいろいろ円滑あるいは安全というような目標がございますが、やり方といたしましては、個々の道路に措置をしていく、そういうことでございます。したがいまして、どんな施策でも、やはり個々の道路の手当てという性格はぬぐい得ませんので、したがってて、個別的にいろいろ問題があることは部分的にはございますけれども、全体の方向としては、ただいま大臣が述べられましたような形の推進を交通規制の方法として、都市交通の規制の方法としてはやっていきたいという点については全く同感でございます。
#94
○和田静夫君 運輸省はどうです。
#95
○説明員(佐藤久衛君) ただいま自治大臣から御答弁なされましたような趣旨に従いまして、私どもも極力協力をしてまいり、またそれぞれ別の立場に立って、私どものほうからも改善方をお願い申し上げる、こういうことにもなろうかと存じます。
 ただ、大都市交通の場合、もう一つ、自家用の通勤といいますか、旅客輸送の自家用のほかに、大都市の機能を維持するために、貨物輸送、特に、たとえばわれわれ日常の生活につながりますところの生鮮食料品、こういうふうなものの貨物輸送というものが大きな意味を持っているわけでございます。したがいまして、そういう問題、物流の問題といいますか、そういう問題ともからみ合わせまして、やはりこの法律にからんで問題となっておりますところの交通環境の整備というような私どもも努力してまいりたい、こういうふうに考えます。
#96
○和田静夫君 その物流の問題はもう当然だと思うのですが、もう一つぼくは、自治大臣言われませんでしたけれども、やはり通産行政の面からも、ひとつ自動車問題というものは考えてみる必要があると実はあると思っているんですよ。御存じのとおり、ただつくり、ただ売るという形で、しかも自動車は独占、寡占化という状態で、そういう状態で、もう営利中心というような形ですからね。自動車が国民生活に対して果たしている積極的な役割りというものは否定はいたしませんけれども、しかし、今日発生している社会経済問題の重要な一面というものをやはり顧慮させるような、そういう通産行政というものをこの機会に考えなければならぬと思うのです。何といったって日本の政府は高度経済成長の戦略性を持ちながら、非常に自動車産業の保護助成に力を入れてきたわけですから、その辺の反省というものも一面ではないと、都市交通問題の解決というものは非常にお寒い気がするのです。この辺はやはり閣内で、いま述べられた姿勢で、もっと強いあれをやってもらいたいと思うのですが。
#97
○国務大臣(江崎真澄君) この問題は、御指摘ですが、非常に困難だと思います。自動車産業を助成してきたという意味は、これは国際競争場裏に日本の自動車産業が立っていけるようにということで、これはまた一面非常なメリットがあったことはお認めいただけると思います。ただ、持つことを規制するということは非常にむずかしい。これは自動車会社も、御承知のように、新しい車種をどんどんモデルチェンジしていくというあのやり方については、少しスローダウンしようということを表明しましたしね。せいぜいあの程度ではないか。というのは、セコハンものを買うというのを、それじゃ制限できますか。それから、あなたは自動車を運転してもいいが、あなたは運転していけないというようなことはこれは言えませんね。これはやはりちょっとむずかしいです。
 ただ、自動車の所有者に使用を規制するということは、これはできるわけです。ですから、車庫を必ず持つようにとか、路上駐車はいけないとか、それから何時から何時までの通勤帯においてはバスが最優先であるとか、あるいは自転車が優先するとか、自動車は四車線であっても二車線しか使うことはできないという交通規制をするとか、こういったようなことはできるわけですね。ですから、これは国民全体の利便ということを考えてもらって、それに国民的な理解のもとに実行をしていく、こういうことになると思うのです。
 ただし、これとても全国一様、一律にということになりますと、きっと問題が起きましょう。いろいろのトラブルが起こると思うのです。そこで、まずモデル的に実験都市を設けて、そしてそのもので、官民一体になって新しい一つの交通規制というようなものを打ち出してみたらどうか。それには、たとえば運輸省なら駅前広場の一角に、これは自動車とは全然スペースが違いまするから、自転車置場の場所提供をしてもらう。それを整備するためには、自治省が何がしかのめんどうはみるとか、また、広い歩道に自転車を乗り入れていい場所であるならば、乗り入れいいように、歩道の段差をなくするように建設省に構造上の改善をお願いするとか、やらなければならぬことが一ぱいあるんですね。ですからこれは交通安全の特別委員会がこちらにもありますね。両院にあるわけですから、こういうところにも協力をいただき、地方行政委員会はもとよりひとつ御理解を願って、思い切った交通革命をやったらどうだろうか。それがない限り、これはやはり公営交通の問題でも、なかなか根本的に今後の建て直しをどうするかということは引っかかると思うのです。これをやれば、私は今度の施策で相当効果をあげ得るものというふうに思うわけでございます。
#98
○和田静夫君 ちょっと横道に入りましたけれども、もとに戻しまして、しかし、そう言われても、異常な物価の上昇がある、企業環境改善の、先ほど答弁がありましたが、具体的な見通しも非常に十分だということには考えられない。そういう意味からは、やはり私は見通しは暗い。どちらが当たるかはもう一、二年たてばすぐわかることですからあれですが、なるべくならば、それまで自治大臣でいてもらいたいと思いますがね。自治大臣ぐらいにはとどまっていないんだと言われりゃしかたがありませんけれども、公営企業はすでに財産を売り尽くしている、しかも災害復旧あるいはこれに準ずるもの以外の他会計から補助はしてはいけない、こういうことになると、路面交通事業のサービスを低下させるか、あるいは縮小廃止に追い込まれざるを得ない。私は第八条に規定するもの、いわゆる災害復旧あるいはこれに準ずるものでなくても他会計からの補助ができる場合があるのだということを考えるほうがどうもいいと思っているんですがね。この辺を、たいへん恐縮ですが、重ねて考え方をもう一ぺん明らかにしてもらいましょうか。
#99
○政府委員(鎌田要人君) これは結局、公営交通だけではございません、公営企業全体に共通する問題でございますけれども、やはりサービスの提供に伴う対価というものは、やはりこれは企業の料金あるいはその他の経営努力というものによって財源を満たしていただく。そうでございませんで、一般会計から財源の支出ができる、こういう道をゆるくしておきますというと、どうしても、まあこれは残念なことでございますけれども、親方日の丸式の経営というものは免れがたいところでございまして、そういった意味で、やはり財源の秩序を乱り、ひいては租税負担の増高を来たす、こういうことで、やはり適切ではないのではないだろうか。先ほど審議官のほうから申し上げました、たとえば社会的な弱者に対する保護という形で料金の割引をする、それに対する対価というものを、いわば一般会計がかわりに金を払う、こういったようなもの等、やはりだれが見ても納得されるような趣旨のものに限定をすべきではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
#100
○和田静夫君 それではもうちょっとここで入ってみて、再建計画がたとえば取り消される。で、この再建計画が取り消されても、すでに発行したところのものは残っていくわけですね。その再建債が残っているということを想定をして、企業は元利償環をさらに続けていかなきゃならない。この場合に、これは第九条の三項の規定によって再建計画が取り消された場合、その元利支払い額について一般会計から補助することはできない、これはそう考えているわけですか。
#101
○政府委員(森岡敞君) そのとおりでございます。
#102
○和田静夫君 そうすると、現行再建計画においても、一般会計から元利補給が行なわれてますね。行なわれているのに、なぜそういうことになるわけですか。
#103
○政府委員(森岡敞君) 現行再建計画では、先ほど局長が申しましたように、今度の八条と異なりまして、当然あるいは義務的に元利補給をするという形にはなっておりません。それから元金につきましては、私ども再建計画の改定を通じましていろいろ苦心をしてまいったわけでございますが、路面電車関係の撤去がおくれまして、それに伴って出てきた不良債務、これにつきましては、再建計画上、一般会計からの繰り入れということを認めましたが、しかし、バス運行の赤字につきまして、一般会計からの繰り入れということは再建計画上はやっていないわけでございます。そういう意味合いで、第二次、新たな再建になりました場合に、再建団体として、再建計画を策定して、それに基づいて経営再建をはかっていくという場合には、いまの特例といたしまして、元利を国及び地方公共団体が一般会計で、しかもそれは任意ではなくて、義務的に措置をする、こういう形をとっておるわけでございます。第一次の再建計画とは、その意味で内容が異なっているということでございます。
#104
○和田静夫君 地方公営企業法十七条の三に、「災害の復旧その他特別の理由により」とありますが、その「特別の理由」というのは何ですか。
#105
○政府委員(森岡敞君) 条文の上では「特別の理由」と書いてありましても、非常に抽象的な書き方であります。災害の復旧は例示でございますから、これもやはり抽象的なものの言い方になりますが、災害の復旧に準ずるような特別の理由というふうに考えるべきものと思います。具体的な運用といたしましては、基本的に経費負担の原則というものが十七条の二に定められておるわけでございますから、その十七条の二の一般会計との負担区分を明確に定めておる、それの趣旨を逸脱するような補助は、当然、十七条の三で行なうことはできない。具体的な例として申し上げました、身体障害者に対する割引の補てんとか、そういうふうなものに範囲をとどめて運用しておる、こういうことでございます。
#106
○和田静夫君 そうしますと、この特別の理由があるかないかというのはだれが判断しますか。
#107
○政府委員(森岡敞君) 法律のことでございますので、その解釈は、行政上は政府が最終的に判断するということであろうかと思います。
#108
○和田静夫君 これは法制局長官、呼んでください。
#109
○委員長(久次米健太郎君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#110
○委員長(久次米健太郎君) 速記を始めて。
#111
○和田静夫君 実は、ここは非常に重要なところなんです。私が考えるには。そして、いまの答弁は納得できませんから、政府のやっぱり統一的な見解を、法制局長官からここの部分を求めたいと思います。そういう意味で、ここの部分は次回の質問に保留をいたします。
 この六大都市のバスについて、表定速度の推移を説明してください。
#112
○政府委員(森岡敞君) バスの表定速度は、東京都について見ますと、昭和三十五年度が十五・三キロでございます。四十六年が十二・九キロでございます。したがいまして、その割合をとりますと、八四%に下がっております。
 他の都市も大同小異でございますが、最も低い表定速度は大阪市、これは三十五年が十三・二キロでございまして、四十六年は十一・八キロというふうに下がっております。率で申しますと、八九%に下がっております。
#113
○和田静夫君 これはおたくからいただいた資料だったと思うのですが、そこで、夜間は結局道路がすいていますし、それからラッシュ時の混雑はおびただしいわけですが、この表定速度というものはどういうふうにしてはかられたわけですかね。
#114
○政府委員(森岡敞君) 計算の方法は、終日のダイヤスケジュールによりまして計算をしているということでございます。したがいまして、特定のラッシュ時でありますとか、あるいは閑散時でありますとか、そういうふうなとり方をしないで、平均でございます。
#115
○和田静夫君 ちょっと失礼ですが、これはだれが測定されたのですか。警察庁ですか。
#116
○政府委員(森岡敞君) 私どもが持っております資料は、各都市で計算した資料でございます。
#117
○和田静夫君 じゃ、ちょっと確認しますが、私の資料でいいかどうか。いま言われたのをややさらに具体的に申しますが、年次別に言って、バスで、昭和三十五、四十、四十一、四十二、四十三、四十四、四十五。東京都の場合。速度、上からいきまして、単位はキロメートル・パー・アワー。一五・三、一四・〇、一三・七、一三・六、一三・五、一三・四、一三・二。指数で、昭和三十五年の上からいきまして、一〇〇、九二、九〇、八九、八八、八八、八六。
 横浜市。速度、一六・二、一六・六、一六・一、一五・六、一四・二、一三・九、一三・八。指数、一〇〇、一〇二、九九、九六、八八、八六、八五。
 名古屋市。速度、一六・七、一五・三、一五・二、一四・九、一四・八、一四・四、一三・四。指数、一〇〇、九二、九一、八九、八九、八六、八〇。
 京都市。速度、一六・三、一五・六、一五・一、一四・四、一四・一、一三・九、同じく一三・九。指数、一〇〇、九二、九三、八八、八七、八五、八五。
 大阪市。速度、一三・二、一一・八、一一・八、同じく一一・八、一一・八、一一・八、一一・八。全部そう。それから指数でいえばば、一〇〇、八九――全部八九。
 神戸市。速度、一六・五、一四・九、一四・八八、一四・五、一四・三、一三・一、一三・八。指数、一〇〇、九〇、九〇、八八、八七、八〇、八四。
 これ、確認してよろしいですか。
#118
○政府委員(森岡敞君) 大筋においてそれほど大きな違いはないのですが、そのコンマ以下の数字で、若干私どもの手元の資料と違っている面がございます。
#119
○和田静夫君 そうすると、私が確認をした資料はおたくからいただいたやつですから、これをこのままちょっと速記にとどめてもらいますが、よろしいですか。これをそのまま掲載してもらう……。
#120
○委員長(久次米健太郎君) ただいまの和田君の御要望につきましては、理事と協議の上善処いたします。
 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#121
○委員長(久次米健太郎君) 速記をつけて。
 和田君の御要望の資料掲載の件につきましては、協議の結果、本日の会議録の末尾にこれを掲載することといたします。
#122
○和田静夫君 そこで、これを全体資料として討議をしてみて、混雑時というのは一番人が利用するときですね。それから必要とする度合いもそこに集中しているわけです。朝夕のラッシュ時においては、そうすると表定速度というのはどういうふうに推移していくかということ、これ、警察庁ですかね。おわかりになりますか。あるいは運輸省ですか……。
#123
○委員長(久次米健太郎君) それでは、ただいまの和田君の質疑に対する答弁は、次回の質疑時間の劈頭答弁するということにいたします。
 それでは、本案に対する本日の審査はこの程度にとどめます。
#124
○委員長(久次米健太郎君) 次に、参考人の出席、要求に関する件についておはかりいたします。地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律案(閣法第五四号)の審査のために、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#125
○委員長(久次米健太郎君) 御異議ないと認めます。
 なお、日時及びその人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#126
○委員長(久次米健太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時三十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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