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1972/07/05 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 地方行政委員会 第14号
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1972/07/05 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 地方行政委員会 第14号

#1
第071回国会 地方行政委員会 第14号
昭和四十八年七月五日(木曜日)
   午前十時四十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 七月四日
    辞任         補欠選任
     橘  直治君     岩本 政一君
 七月五日
    辞任         補欠選任
     玉置 猛夫君     林田悠紀夫君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    理 事
                柴立 芳文君
                寺本 広作君
                河田 賢治君
    委 員
                片山 正英君
                原 文兵衛君
                増田  盛君
                秋山 長造君
                神沢  浄君
                戸叶  武君
                上林繁次郎君
                村尾 重雄君
   国務大臣
       自 治 大 臣  江崎 真澄君
   政府委員
       警察庁交通局長  渡部 正郎君
       自治大臣官房審
       議官       森岡  敞君
       自治省財政局長  鎌田 要人君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
   説明員
       運輸大臣官房参
       事官       佐藤 久衛君
       運輸省鉄道監督
       局民営鉄道部長  中村 四郎君
       運輸省自動車局
       業務部長     高橋 寿夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
  〔理事柴立芳文君委員長席に着く〕
#2
○理事(柴立芳文君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 久次米委員長が所用で出席がおくれますため、私が委託を受けましたので、暫時、委員長の職務を代行いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨四日、橘直治君が委員を辞任され、その補欠として岩本政一君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○理事(柴立芳文君) 地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次発言を願います。
#4
○神沢浄君 法案を調べてみましたり、その他資料などを調査をしてみましたり、きょうまでの論議などを通じて、何ぶん私などは問題についてしろうとのものですから、わかりかねるようなところが多いわけなんですが、特にしろうとの私などにとっては、問題点が大きく二つ感じられるわけでありまして、私はしたがってその問題点を中心にして質問をしてみたいと、こう思うんですが、その第一点というのは、今度、国も利息のめんどうを見ると、それから地方公共団体に元利の世話をさせるというようなことで、いわゆる不良債務と称するものが八百七億ですか、これが再建計画の対象になっているようでありますけれども、しかし、一面からいたしますと、もうすでに四十六年度末で累積赤字なるものは千九百二十九億にも及んで、もう現在は二千億をこしておると、こういうような状況のようでありますけれども、そんな状態の中でもって、不良債務程度を対象にして二次計画を立ててみましても、はたしてこれはもう一次計画の二の舞いをしなくて済むのかどうなのかという、こういうふうな点がまず一つちょっとわかりかねるんです。
 それからもう一点は、この間の論議の中での大臣の所見などを承りましたり、あるいは自治省の言われておるようなこと、またその関係の研究会などの報告とか、答申とかというようなものを一べつしてみましても、なかなか進んだ言い方というものをしておるようです。ところが法案を見ますと、そういう考え方とはちぐはぐといいますか、どうも十分にこたえていないような、非常に不備、不十分なものを感じてならぬのでありまして、そんな点をひとつ中心にして、若干のお尋ねをしてまいりたいと思うんです。
 そこで、第一の問題として、冒頭申し上げましたこの八百七億なるものの算定基礎といいますか、どういうとらえ方をされているのかというような点で、累積赤字との関係においてひとつ御説明をいただきたいと、こう思います。
#5
○政府委員(森岡敞君) 昭和四十六年度末の公営交通事業の累積欠損金が千九百二十九億円ということに相なっております。御指摘のとおりでございますが、これは路面交通でありますバスと、それからだんだん撤去いたしております路面電車のほかに、地下鉄の累積欠損金、これも含めての数字でございます。ところで、地下鉄につきましては、御案内のように、別途資本費に対する大幅な援助を措置いたしました。長期間かかって収支の均衡をはかっていこうと、こういう考え方をとっているわけでございます。したがいまして、八百七億円の不良債務について再建債を発行してたな上げをすると考えておりますのは、路面交通でありますバス及び路面電車に関する不良債務でございます。
 そこで八百七億円の計算基礎でございますが、四十七年度末の路面交通に関する不良債務を対象とする考えでありますけれども、率直に申しまして、四十七年度の決算はまだ出ておりません。そこで、私どもといたしましては、まず六大都市の交通、これが全団体の不良債務の八割以上になっておりまして、これにつきましては、御案内のように、現在、第一次の再建計画を策定して再建を進めておりますので、その再建計画に基づきまして四十七年度末の不良債務を算定したいと積み上げ計算したわけでございます。その場合、不用財産の売り払いを収入に再建計画で見込んでおりまして、しかし、それがまだ全部売れておらない部分がございます。それらも売るものとして計算をいたしました。
 それから、中小都市の交通事業につきましては、これは数も多うございますので積み上げ計算ができませんので、四十六年度末の決算を基礎にいたしまして、一年間の不良債務の増加を過去の実績をもとにして推計をいたしたと、こういうことでございます。
 なお、このようにして推計いたしました八百七億円の金額につきましては、再建団体としての指定を申し出る団体の数もまだ現段階で不明でございますし、おおむね、この範囲内で十分措置できるだろうと、かように考えております。
#6
○神沢浄君 地下鉄も含まれておるという点は了承ですけれども、地下鉄の分を除きますと、大体、昨年末くらいでもって赤字の額というのはどのくらいになりますか。
#7
○政府委員(森岡敞君) 不良債務の額を申し上げますと、四十六年度末の決算では千四百八十一億円でございます。そのうち、バスが七百四十八億円、路面電車が二百六十六億円、合わせまして約一千億でございます。地下鉄が四百六十三億円でございます。ただ、ここで申します不良債務は四十六年度末の実績でございますので、先ほど申しました、不用財産の売り払いでまだ処分されていないものの差し引きは行なわれておりません。そこから、いま申し上げましたような積み上げ計算を行なって、再建団体対象になるものを八百七億円という見込みにしております。
#8
○神沢浄君 こういうふうに考えていいわけですか。大体千五百億の赤字が出ておる、ただし、そのうちには財産処分でもって消せるものがある、こういうものを除きますと八百億というんですか、数字が出ている、こういうことでよろしいですか。
#9
○政府委員(森岡敞君) 約千五百億円の中から地下鉄の不良債務約四百六十億円強を差し引き、それから御指摘の不用財産の処分見込みを差し引いて八百七億円と、こういうふうに考えていただいてけっこうでございます。
#10
○神沢浄君 そこで、いま承りました説明の中から考えてみましても、地下鉄部門を除いて約千百億、この千百億の中に八百七億というものは含まれるわけですか。
#11
○政府委員(森岡敞君) その中で、再建団体として新たな再建指定を受けて、政府の援助を受けながら再建推進をしていくであろう団体の分がおおむね八百七億、かように考えておるわけでございます。
#12
○神沢浄君 ついでにお尋ねするのですが、不用財産の処分の点ですけれども、これは、実はこの審議が始まる前に、私ども調査のために大阪の状況などを調べてきておるわけなんです。そこでもやはり、軌道敷などのいわゆる廃用資産なるものを相当持っているようであります。しかし、これを売るといいましても、なかなかこれは、個人の売買などと違いまして、容易のことではないようであります。したがって、勘定の上では合うけれども、実際に処分をするということになりますと、これはしかく容易のものではなくて、国あたりが引き受けてでもやらないことには、これは現実の勘定というものは合わない。勘定といいますか、処分はできないんじゃないかという感じがして帰ってまいりましたが、そんな点についてのお考えはどうなんですか。
#13
○政府委員(森岡敞君) 不用財産の処分の対象の中には、一番大きなものは、車庫用地などが不用になりまして、それを処分するというものが多いわけでございます。それらにつきましては、申し上げるまでもなく、いわば都市の一等地あるいはそれに近いところにあるものが多うございますので、いたずらに民間に処分をいたしまして無秩序な利用が行なわれるということになりますと、都市としての秩序ある市街地形成にむしろマイナスになるという面もございます。そこで、各都市とも、できるだけ一般会計におきましてそれを買い取りまして、将来の都市づくりの用地確保に使っていこうと、こういう考え方をとっております。私どもといたしましても、そのほうが望ましいと考えますので、一般会計が買い入れます場合の財源措置として、これは主として起債に相なろうかと思いますが、それらの面も含めまして、従来からも十分考慮してまいりましたが、今後とも考えてまいりたいと、かように思っておるわけでございます。
#14
○神沢浄君 結局、一般会計でもって買い取りをさして、これには金の要ることでありますから、その買い取りのための資金等については国でめんどうを見ていこうと、こういうふうに理解をしてよろしいわけですね。
#15
○政府委員(森岡敞君) みずからの努力によりまして資金を調達するということももちろん必要でございますが、それとあわせて、政府におきましても適切な援助を考えていきたいと、かように考えております。
#16
○神沢浄君 この問題については、また後ほど、あるいは関連をしてさらにお尋ねをするような部分があろうかと思うんですが、次へ移ってまいります。
 私は、自治省が昨年発行をいたしております、資料としていただきました例の「大都市公営交通事業財政再建の経過と反省」、これを見まして、やはり今回の法案の土台にこれがなっておるんではないか、こんなふうに解釈をして見ているわけであります。いわば第一次再建計画の総括でありまして、したがって、それが第二次再建計画の考え方というか、発想の土台になっていると、こういうことだと思うんですけれども、それでよろしいんでしょうか。
#17
○政府委員(鎌田要人君) そういうことでございます。
#18
○神沢浄君 そうしますと、まず、私は、これは大臣にお尋ねをしようと思いますが、これによりますれば、第一次再建計画の挫折の要因というのは、一つには企業環境の悪化である、さらには給与改定である、また料金適正化の遅延である、経営合理化計画のおくれである等々をあげておられるわけでありますが、私の感じますのは、それだけのことでは、全くこれはただ企業的な、技術的な点についてだけ述べられているわけでありまして、私は、現状におけるところの公営交通、ことに都市交通がかかえておる問題というものは、このような表面的な、単に企業性だとか、あるいは技術面、経営技術面みたようなものだけを取り上げましても、とうてい解決などはできはしない、そんななまやさしいようなものではないではないか。むしろ、第一次計画そのものが挫折をしたというその真の要因というのは、そういう企業性や経済性などにだけ立脚していたこと、それ自体が第一次再建計画というものを行き詰まらしてしまった、こういうことになっておるんではないかと思うわけであります。いまや都市交通問題というのは、これは国民の足を守るという上に立って、都市計画の一環として、行政の問題として取り上げていかなければ、解決の方途というものは見出せないではないか、こういうふうに思うわけであります。そのことは私が感ずるだけでなしに、大臣の諮問機関だとされております公営交通問題研究会の昨年の十月三十日の報告の中にも明らかに指摘をされております。それから自民党側の公営企業対策特別委員会というのを持たれておりますが、昨年の九月二十六日に、この特別委員会の中で、委員長が小峯さんでありますが、小峯委員長私案というものが出ているようでありますが、その中におきましても、やっぱり同じ趣意がこれは述べられているわけであります。したがって、繰り返しになりますけれども、私は第一次再建計画の挫折の要因というのは、そういう表面的、現象的なものだけをただあげつらっていただけではこれはどうにもならない。先ほども申し上げましたように、いまや全く都市計画というものに組み込んで、ほんとにもう行政という立場でもってこれを取り上げていかなければどうにもならぬじゃないかと、こういうふうに考えてみたところでありまして、その点について、ひとつ大臣の率直な所見というのを伺って質問を進めていきたいと、こう思います。
#19
○国務大臣(江崎真澄君) 御指摘のように、私やっぱり都市計画上の根本問題が横たわっておることは否定できぬと思います。それからモータリゼーションの発達によって路面交通というものが効率的でなくなったと、まあそういった他動的な原因はこれは確かにあると思います。しかし、これをしもにわかに改善するといって、すぐ間に合むものではありません。したがって、あとう限りの交通制限等をいたしまして、まあ従来の自動車第一主義、こんな感じをやはりある程度制限を加えていく、これには蛮勇をふるう必要があるというふうに思うんです。で、きょうのあれは何新聞でしたか、毎日新聞でしたかね、自動車の所有者、これはマイカーの人々を中心にしての統計で、交通上いろいろな制限を受けることはやむを得ない、そういう肯定が六五%程度あるわけですね。で、自動車というものは早いもの、早いところに効率があがるもの、まあ早くなければ値打ちのないもの、自動車のために道路を改善しようといった従来の考え方が、ここにきまして、やはりわが国においても反省の段階に入った。これは非常に好ましいことだと思っております。まあ道路づくりが非常におくれておりまするが、日本よりも所得の多い、たとえばデンマークであるとか、オランダであるとか、こういった国々においても自転車が見直される、それからまた交通機関としてのバスの優先度が確保されておる、これらは非常に有力なやはり参考として、今後すみやかに取り入れていく必要があるというふうに考えます。
 じゃ、そうかといって、企業の努力というものは一体必要ないのか、そういうわけにはまいらぬと思います。この間もたまたま私、新聞記者会見をやっておりますと、新聞記者の諸君、相当遠隔の地域からこの国会へ通ってくる。どうも同じようにバスが相連ねて来るというと、都営のバスより民営のバスのほうに乗る、そのほうが車体もいいし、サービスがいいと、こう言うんですね。ははあ、そんなものかねと。両方とも君、ワンマンだから同じことじゃなかと反問してみたわけでありまするが、いや、どうもやっぱり都営より感じがいいですよと。それ、どう違うんだと。いやまあそれはいろいろありますが、一ぺん乗ってみませんか、なんてなやりとりがありました。こういう面はやはり私、企業の管理者側でも、また企業を実際に運営する人々も、謙虚に耳を傾けていただかなけりゃならぬ点だというふうに思うんです。したがって、国としても大幅な財政援助をする、一方、路線の再編成もしてもらう、内部の合理化もしてもらう、これはやはり継続的に必要なことだというふうに考えます。しかし、企業の環境ですね、これはまた交通規制等々によって十分ひとつ確保できるように、これは国全体の施策として今後考えていかなければならないというふうに考えております。
#20
○神沢浄君 いまの大臣の御答弁を聞いておれば、非常に同感のものが多いわけです。ただ、私はもっとほんとうに基本的な考え方というか、そういう点でお尋ねをしてみたいと思うわけです。もちろん企業努力も必要である。同時に、その企業の成り立つように、企業外の交通環境の条件整備というようなこともこれは当然やっていかなければならない。しかし、そう言いましても、やはり公営交通――公共性の立場に立っておる限りは、たとえば料金ひとつきめていくにいたしましても、これはあとからの問題にしたいと思っておりますが、物価政策、その他の上からいっても、企業の立場でもって料金をきめるというわけにはこれはまいらぬというような問題がこれは当然あるわけです。そうなりますと、いまやこの公営交通、なかんずく都市交通というのは、さっきも申し上げましたように、もう都民、国民の、市民の足を守っていくという公共的な任務というものが非常にこれは大きくなってきておるわけであります。いわば全く道路と変わらないような、そういう公共性というものが大きく求められてきている。そうすると、やはり国なりあるいは公共団体のサイドからいたしますと、もう企業面を主体にして発想するんだったらばこれはとうてい間に合わない。やはり行政というか、都市で言うならば、都市計画というものの中にきちんとやはり位置づけて、それを基本にして対応していかなければ、この問題の根本的解決というものはないのではないかという点を実はお尋ねをしているわけであります。重ねてで恐縮ですけれども、その点をひとつ率直にお聞かせをいただきたいと思います。
#21
○国務大臣(江崎真澄君) 私もおっしゃる意味はよくわかるのです。で、これはもう都市計画の中に路面交通というものをどう位置づけするか、これがほんとうは先ですね。もうすでに都市計画道路を建設する段階にバスはあったんですから、しかも、だんだん車が、このマイカーを含めて、増加することはわかっておったんですから、なぜもっと総明な計画がなされ、現実に道路づくりができなかったか。いかにも私どもも残念に思います。これは人間の知恵というのは、全く高度なものであるようで、案外あとから追っかけるということが現実の面においては多いわけであります。その一つのひずみが都市計画上露骨になっておることはこれはもう間違いない、おっしゃるとおりです。ただ問題なのは、自動車は、自転車をはね飛ばしても、人を押しのけてでも相当なスピードでまかり通るもの、それが保証されなければ道路でないといったような、そういう認識の一時期がありましね。ところが、今日ではそうはいけない。お互いが自粛し合って、自動車そのものにも規制を加えようじゃないか、こういう考え方が、さっきも申し上げましたように、だんだん一般の人の間にも常識化してまいりました。これは私、一つの進歩であるというふうに思います。で、そうであるならば、そういう人々の納得を得ながら――あまりとっぴなこともいけませんが、納得を得ながら、ひとつ徐々に車の規制をして、特に通勤時においてはバスが優先的に走れるようにとか、あるいは自転車でも短距離であるならば通勤、通学が可能なように、これをもう思い切って整備するときがきておるのではないか。このことがたまたま、おそきには失しまするが、横浜視察のときに、飛鳥田市長等々と、ひとつあなたのところがモデル地域になってくれるならば、ぜひひとつラッシュ時のマイカーの制限、自転車通勤、こういったようなことを推し進めようじゃないですかと。いまこれ、全国ににわかにといってもいたずらに混乱を巻き起こします。したがって、すでにもう都下でも、八王子でしたか、相当、自転車の歩道への乗り入れ等々いろいろ配慮をしているところもありますし、その後聞きますというと、いま、新交通局長ですが、愛知県の警察本部長当時に、名古屋市内において、自動車の行きどまり道路とか、自動車の乗り入れ禁止道路とか、そういったものを思い切ってつくって、相当、名古屋においても自転車優先というような現実の行政措置もしたという報告も受けております。したがって、そういう形で今後、これはひとつ神沢さんにもお知恵を拝借するというような形で、みんなが知恵を出し合って、せめて通勤通学ぐらいは安全に自転車で通うことができるというような形にならないものか。そしてまた、マイカーは七時から九時半、十時ぐらいまでの間は自粛していただく、そして優先的にバスがすいすい走れるようにならないのか。いま、全体六車線の一車線だけをバス専用ということに時間帯を限ってやっておるところもあるようですが、これは全体の六車線そのものが少ないわけですから、横浜などでもせいぜい五キロ程度だということを聞いております。四車線の場合は、バスが優先といっても、これはお互いの認識度の問題等がありまして、なかなかその優先度が保障されない。全くこれはもう神沢さんおっしゃるとおりです。ですから、こういった面にやはりわれわれは相当な勇気を持って、車規制、特にマイカー規制、こういうものを考えるときがきたんではないか。で、これはみんなのためにマイカーの人々も協力をしてもらうと、こういうキャンぺーンが今後は必要になってくるというふうに思っております。
#22
○神沢浄君 時間をあまりこれでかけていてもしようがないですから、いまの大臣のお述べになった見解などを踏まえながら論議を進めてみようかと、こう思うんですが、この公営交通事業にかかる経過と反省というものの、これがおそらくまあ結論ということになるんだろうと思いますけれども、最後に、この「公営交通事業にかかる基本的な問題」ということでもって集約をしてあるわけですね。その(1)に「公営交通事業の再建を検討するにあたっては、単なる財政赤字の解消にとどまらず、都市交通における公営交通事業の位置づけとその果すべき役割を明らかにし、これに即した事業のあり方、経営体制等について抜本的な検討を行なうことが必要である」、こう書いてありますが、これを読んだだけではどうも具体的にはわかりかねるわけでありまして、いささか、何といいますか、問題提起というような書き方になっておるだけでありますが、そこで、都市交通における公営交通事業の位置づけいかん、その果たすべき役割りというものをどう明らかにするのか、それに即したところの事業のあり方や経営体制等について抜本的な検討はどう行なっておられるのか、こういう点をお尋ねをしたいと思うんですよ。
#23
○政府委員(鎌田要人君) 先ほど来からの先生の御指摘、そのとおりだと思うわけでございまして、私どもやはり公営交通事業という角度から都市交通を見ておるわけでございますが、やはり何と申しましても、現在の都市交通というものはこれはあと追い的である。やはりあるべき合理的な都市計画あるいは都市づくり、そういったものと一体となっての交通体系の確立、確保ということが必要であろう。そういうものの中におきまして、この各交通手段、地下鉄あるいは路面電車、路面バス、そのほかに新しい交通機関もあるわけでございますが、そういう各種交通手段の役割りといいますが、そういうものをどのように機能分担さしていくか、あるいは経営主体の面におきまして、国鉄ありあるいは公営あり、あるいは民営あり、あるいは営団あり、こういうことでございますが、この間のまた機能分担といりものをどのように考えるべきか、こういうことが基本的な問題としてあるのだろうと思います。そういう中で確立されました公営交通の役割り、あるいは公営交通の持つ交通手段の役割り、こういたものに即した公営交通事業対策というものが立てられることが基本であるというように思うわけでございます。ところが、現実におきましては、御案内のとおり、公営交通事業というものが、いま国民全体の足の中で、全国的に申しますと二割程度でございますが、たとえばこの首都圏でございますれば八%程度、あるいは名古屋あたりで三二%、あるいは近畿圏におきまして二二、三%、こういうところになっておったと思いますが、そういうことを前提にいたしまして、この公営交通事業というものを考えるということにならざるを得ないわけであります。したがいまして、先ほど申しました基本的な問題ということにつきましては、これは率直に申しまして、一自治省の問題と申しますより、やはり交通問題を所管いたしておりますところの運輸省なり、あるいは道路でございますれば建設省、あるいは道路交通の取り締まりでございますれば警察庁、こういったものを一丸といたしました政府全体としての検討の場というものが、これは必要であるわけでございまして、総合交通体系につきましての答申等も行なわれておるわけでございますが、この点の検討というものは、率直に申しまして現在進行中でありまして、まだ明確な結論を得るに至っておらない。そういう明確な結論を得るに至っておらない段階におきまして、公営交通事業の赤字というものは刻々進行しておるわけでありまして、私ども、率直に申しまして、路面交通はもう破局的な段階だ。したがいまして、そういう抜本的な対策というものができるまでということでございますれば、瀕死の病人をとっつかまえまして、このよってきたるところは何だと、こういうことを議論する迂愚にも近いことでございますので、当面、ここにお出し申しておりますような促進化方策というものを公営交通事業の分野の中で考えてまいるということが今度の立案の趣旨でございます。
#24
○神沢浄君 ちょっと重要だと思うのですが、そういたしますと、この(1)に述べられておるところの問題については、いま御答弁がありましたような意味合いのもとに問題の提起をいたしたにとどまるわけであって、まだ結論づけられているわけではない、しかし、公営交通の当面するところのその財政事情というものはほとんど破局的な危険な状態にあるので、まずは当面何か財政のやりくりをはかっておくと、これがこの法案の趣旨ということになるわけですか。
#25
○政府委員(鎌田要人君) 私どもといたしましては、そういう抜本的なといいますか、総合的な、基本的な交通体系と申しますか、交通政策の確立が一日もすみやかならんことを祈りながら、当面、この公営交通事業の経営を健全化する。公営交通事業というものをいかにして存立をはかってまいるかということに重点を置きまして、この財政措置あるいは経営健全化措置ということを考えておるということでございます。
#26
○神沢浄君 ちょっとたよりないですね、率直に言って。具体的なものができてまではいないといたしましても、基本的な考え方というようなものは、これはまとまっていなければ、私は法案を出すにもなかなか出しようがないじゃないかと、こう思うんですが、ですから、この法案の性格というものは、いろいろおっしゃられたのですけれども、要は、これから根本的な公営交通問題の解決の方途というものを講じていくのであるけれども、しかし、当面のきわめて重大なそれぞれの事業財政の現状にかんがみて、まず、目の前の財政問題の手当てだけをしておいて、そしてゆっくりやるというのか。その根本的な問題についてはこれからやるのだ、そのための当面のいわゆる財政手当てである、こういうようなことになるのでしょうかね。
#27
○政府委員(鎌田要人君) 必ずしもそうは言えないと思います。私が申し上げましたのは、そういう抜本的な交通体系、交通政策、こういうものが確立されることが望ましいけれども、それには、率直に申しまして、短期間の間に、ぴっちりした、明確にこういうものというのは私はなかなかつくりがたいだろうと思います。したがいまして、現在の都市交通の中において、公営交通事業がそれぞれの自治体において占めておりますところのこの現状というものを前提にいたしまして、その中で、現在の与えられた諸条件の中で、公営交通事業をどのようにして経営を再建をして、健全化の基盤をつくっていくかということについて、私どもは、そういう意味におきましてはこれは十全な法律というものをつくっておる。その場しのぎという気持ちは毛頭持っておらないわけでございます。
#28
○神沢浄君 私は、冒頭申し上げましたように、大臣の御所見などを伺っても非常に同感、納得するものがあるし、それから、研究会などの報告、答申などにおきましてもたいへん共鳴できるものがあるし、非常に進んだ考え方というようなものが提示されておるにもかかわらず、法案それ自体が、まことにアンバランスというか、何か十分にこたえていないような感じを受けてならないという原因というのは、私はやっぱりいまのようなところにあるんじゃないかと思うんですよ。率直のところ、この法律に盛られたものでは、当面の――それも私は十分などという感じは持ちませんが、当面の事業の財政面だけの手当てについては取り組んでいるけれども、公営交通問題というものを、都市交通の問題というものを――ここにも抜本的、根本的というようなことばが非常にたくさん使ってあるけれども、何かことばだけが乱舞しているようでもって、ちょっとわかりかねるわけですが、ほんとうに根本的、抜本的な公営交通問題解決のための方途というようなものはどこに置かれておるのかというようなことを見出すに非常にこれは困難でありまして、ですから、せめて考え方だけであろうとも、さっきからくどく私は言うのですが、都市計画的、行政的な、そういう基本の態度というようなものをこれは示さなければ、この法案というものの性格ができ上がってこないんじゃないかという点を実はお尋ねをしているんでありまして、いまの局長の御答弁だと、私が受け取るものは、当面の財政手当てだけだ、あとのことは、ひとつ、ほんとうに問題が重大だけにじっくり取り組んでいこうというふうにしか受け取れないわけですよ。そういうふうに受け取っていいということであればそれなりの審議をやるのですし、いやそうじゃないんだ、これは一つの方向というものをちゃんとお示ししておるんですということになりますと、これはまた私は問題だと、こう思うんですけれども、どっちなんでしょうかね。正直な話をしていただきたい。
#29
○国務大臣(江崎真澄君) 法案の審議をいただいておりますし、事務当局としては、これは大蔵省ともずいぶんきびしい折衝をしまして、これだけ大幅な助成方途を考えたわけです。だから、もう利子のほとんどを助成するとか、行政路線というものにどうもめんどうの見ようもないから、そういう点も含みとしながら、バス購入費の半額は国のほうで助成をするとか、これはずいぶん、独立採算制という基本原則には立ちながら、そうでない公共性の面に政府が思いをいたしてカバーするといった努力、これはお認めいただけると思うんです。したがって、事務方としては、これはもうさっきお答えしたような答弁にならざるを得ない。
 そこで、それじゃほんとうに、あと都市計画的にどうするのか、交通規制はどうするのか、ほんとうにバスはこれで運行できるのかとおっしゃるならば、ごらんのとおりの状況でございます。で今度再建債をたな上げしまして、これは十五年間――十五年というのも相当長いわけですが、それで償還していこうということで、相当な期間も見ておりまするので、実は私どもも、まああと追い的なかっこうになるわけですが、少なくともここで思い切った交通規制といいまするか、通勤帯確保のためのバス優先というような、行政措置によってできる措置は至急すみやかに形をつけていこう、こういうことで努力をいたしておりまするので、ひとつ、ぜひそういう面には御協力を願い、御理解を得たいものだというふうに考えます。
#30
○神沢浄君 大臣に一応巧みに言い回されてしまいますと、何かわかりそうな気がするんですけれども、さてとなると、どうもくつの上からかゆいところをかいておるようなもので、ぴったりするものがないわけなんですが、私はたいへん基本的な重大なところだと思うからちょっとくどく申し上げているわけですが、ですから、やっぱりいまや公営交通問題というのは、都市計画の一環として真剣な取り組みをしていかなければならぬ。しかし、まず当面の財政の問題解決というのは、これはまさに急を要する問題だから、したがって、まずそのことから取り組む、一時の逡巡も許されないというようなことでもってこの法案が出されてきておるわけであって、この法律によって都市交通問題が解決できる、公営交通問題が抜本的にこの法律によって片がつくと、こういう法律ではないというふうに受け取っていてよろしいのでしょうか。
#31
○政府委員(鎌田要人君) おそらく先生が言わんとせられるところは、都市交通基本法というものがもう一つここへ出て、それからその中で公営交通の役割りというものがはっきり位置づけが行なわれて、それでこのいまの健全化法というものが出にゃおかしいじゃないかということなんだろうと思います。私もその点は同感でございます。ただ、先ほども申しましたように、都市交通基本法的なものというのは、なかなか一朝一夕には私はできないのではなかろうかという感じが一方でするものでございますから、他方におきまして、公営交通事業を、したがいまして、現在の役割り、現在持っております現実の役割りというものを前提にいたしまして、どういうふうにして一日もすみやかな経営基盤の確立をはっていくかということが、今度の立法の目的でございます。したがいまして、私どもは、この法律によりまして、少なくとも現在の公営交通事業が受け持っておりますところの役割りを前提にして、その公営交通事業だけの――だけのというのはちょっと言い過ぎかもしれませんが、公営交通事業の経営の健全化というものは、この法律に基づく措置、並びに、先ほどから大臣がお答え申し上げておりますような諸般の施策というものが講ぜられることによって、公営交通事業の経営健全化のいしずえだけはここでつくりたい、つくれると、こういう気持ちを持っておるわけでございまして、これですべての問題が片づくかということになりますと、これはちょっと万能の法律とは考えられないところでございます。
#32
○神沢浄君 まあその辺でおきましょう。ややわかり始めたというふうな感じのところでもっておくことになるのですけれども、そこで、これに関連いたしまして、法案の中にいわゆる「国の配慮」というところがありますね。現実には、国の配慮といいましても、この法案の中で示しておるものは、利息のめんどうを見るというようなことだけのようでありますが、この法律においてはそういうあらわれ方になっておりますが、国の配慮というのはどういうふうな中身を持っておるのかという点ですね。国が配慮していくと、こう言うんですけれども、当面利息のめんどうを見るだけでもってそれですべてか。それとも――ですから、さっき私はくどくど言っておったんですが、最後まで、ただ利息だけでなしに、めんどう見ていくよというような中身を持ってのこれは条文なのかどうなのか。その点が私はたいへん問題なところだと、こう思うのですけれども、お伺いしたい。
#33
○政府委員(鎌田要人君) この「国の配慮」の規定、非常に簡単な文言になっておりますけれども、その内容といたしましては、やはり当面の経営健全化措置に関連いたしまして、国か配慮――財政面におきまする配慮というのは、利子だけではございません。先ほどから大臣が申しておりますような、再建期間におきまする当初五年間のバス購入費の助成もございますし、あるいはまた地下鉄に対しまする助成、こういった面でも、もろもろの財政的な配慮があるわけでございます。それに加えまして、やはり公営交通事業というものが円滑に事業を推進してまいる。そのためには、たとえば道路交通の規制面におきまするこれは配慮もございましょうし、あるいは、料金その他の許認可事務に対しまする迅速適切な措置をやっていただく、こういった面での配慮もあるわけでございまして、たとえばこの法律のあとほど出てまいりまする、第十条の規定によりまして、交通事業再建団体が国の行政機関に対して措置の申し出をする、それに対して適切なる対応する措置を講じてもらう、こういったことも含めまして、広く公営交通事業の健全化の円滑な遂行ということについての国の措置、配慮ということを内容とするものでございます。
#34
○神沢浄君 そこで、私は国の配慮の問題として、ひとつどうしてもこれは取り上げてみなければならないと思っておりますのは、この法律が施行されてまいりますと、元利の償還については、これは地方の公共団体が引き受けていくということになってまいると思うわけですけれども、そうなりますと、今度は地方公共団体の財政というものはやっぱり圧迫を受けざるを得ないわけでありまして、公営交通の、その事業財政のほうの問題解決の一つの方途としては講じられるけれども、置きかえレースみたいなものでありまして、今度は地方公共団体の財政のほうに問題が移るということに、これはならざるを得ないだろうと思うのですよ。これは他の行財政分野でいたしましても、そういう場合にはやっぱりそれは国の責任的立場でもってめんどうを見ておられるわけですね。そうすると、この場合も、やっぱりその際の地方公共団体の財政面のいわばめんどうを見るというか、援助というか、これらの措置というものはやっぱり国の配慮の中でもって講じられていくものであるかどうか、この点をお伺いをいたしたいと思います。
#35
○政府委員(鎌田要人君) まあこの点につきましては、私、非常に議論があるところだろうと思います。ただ、基本的に、私どもこの公営交通事業問題を考えてまいります場合に前提に置かなければなりませんのは、公営交通事業というのは、これは国が強制的にやらしておるわけではない。当該地方団体がまさに任意、自発的にやっておられることでございますから、その事業についての第一次的な経営の責任と負担というのは、これは当然当該地方団体というものが、住民のコンセンサスを得て行なうべきものだというふうに考えるわけでございます。したがいまして、この交通事業を存続させるかどうか、維持するかどうか、その点につきましての選択というのは、これは当然、当該地域住民が行なうべきものだと、こういう前提に立っておりますので、私ども、この元本の負担というものにつきましては、当然一般会計として、国の援助というものを当てにしないでやられるべきものだというふうに考えておるわけでございます。
 ただ、地方におきまして、広い意味での地方財政問題といたしまして、都市財源、都市税源、こういったものが少ない、そういった意味での都市財政の窮乏という問題がございます。この点につきまして、広く地方団体、都市財源の付与という形におきまして、たとえば法人課税の充実、あるいは事務所・事業所課税の創設、こういったことを中心にいたしまして、明年度の地方税財政対策の一環として地方団体の都市財源というものをふやしていく、こういうことが回り回って、こういったところに対する財源の付与ということに相なるというふうに理解をいたしておる次第でございます。
#36
○神沢浄君 まあお役所の立場からすれば、そういう理論の構成もあり得るんでしょうけれども、私どもが一個の政治人、まあ政治人ならずとも、一人の国民という立場で考えてみますと、いまの御答弁を平たく言いかえれば、公営交通事業というのは、その地方公共団体が、別に国が示したものでもなければ、要請したものでもなければ、注文つけたものでもなければ、公共団体自体が自分でやっておる仕事だと。したがって、その責任の主体というものはやっぱり公共団体自体にまず置かれなければならぬのではないか、まあこういうことになると思うんです。役所的理論構成ではそうもなるだろうと思いますが、しかし、いまそれじゃその交通の現状というものは、たとえば東京都を一例にとりましても、東京都民以外は乗せないぞということにはこれはまいらないわけでありまして、むしろ、あの利用しておる内容を分析をいたしますと、これは広く国民一般が、ことに東京都の場合などはほとんどもう全国的のスケールで国民一般がこれは利用しておるということになっておると思います。
 そういうふうな見地からいたしますと、ただ単に地方公共団体に責任の主体はあるんだということにはならないのではないか。ですから、私はそういう見地からしても、国の配慮なるものは、やっぱり国も政治としての責任を根底に置いたところの配慮というものでなければ、実際には私は成り立たないのじゃないか、公共団体だけに押しつけておいたところで、それは問題の解決にはならない、こういう点を率直に感ずるんです。そして、いまや公営交通というものはもう全くそういう性格に変わってきているのではないか。ですから、国で配慮することはもとより必要なことだと思うのですが、ただ単にその配慮というようなことよりか、むしろ、国自体がその責任を持って、そしてこの交通問題というものの対処をしていくという、こういうようなことのほうが、私はより妥当性を持っておるというふうに感じているわけでありまして、その辺の御所見を承りたいのです。
#37
○国務大臣(江崎真澄君) 今度は私からお答えしましよう。
 政治的にどうだと、こういう意味でおっしゃると思うのですが、これはやはり私、法文上は非常にうまくできていると思っているのです。これは「配慮」でなくちゃいかぬ。責任は企業主体が持ってもらわなければ困るのです。それは、路線のやはり再編成であるとか、企業内部の合理化であるとか、運賃の適正化であるとか、やはり一種の企業ですからね、企業努力ということは当然管理者が責任を持っていただく。その責任体制の確立されたところに国が相当な配慮をして助成をする。これは本来そういうものだと思うんです。なるほどおっしゃるように、その市、その地域だけに限った住民が利用しておるものではない。その公共性は多分に認めます。なればこそ民間には助成しておりませんが、このこういう公営交通については政府が助成をする。ここで国民的理解、納得も得られるものというふうに考えるわけでございます。この点は、用語としてはむしろ私は適切に配慮されておるものというふうに考えます。
 なお、この一般財源から元本支払いの分はどうするのか。これはもうさっきの財政局長の答弁に尽きるわけでありまするが、今後地方財源を充実する方途を講じていく。今度でも、美濃部さん、八億の自然増があって笑いがとまらぬなんといって一般紙に出ておりましたが、労ぜずして、好況の反映で東京都財政がたいへん潤っておるというような意向も伝えられておりまするように、それだけに、私どもは十分だというふうには思いませんが、今後、さっきも言いました事務所・事業所税の創設とかあるいは法人課税の増徴等々、いろいろ都市財源を充実して配慮はする。しかし、企業が当然努力をする主体性を持つ責任体制は、やはり確立してもらわなければならぬというふうに思っております。
#38
○神沢浄君 したがって、事業の責任は当然それは地方公共団体の事業ですから公共団体にあると、配慮の責任は国にあると、こういうような解釈でもいいわけですね。その辺はどうですか。
#39
○政府委員(鎌田要人君) 配慮の責任ということばはちょっと私には理解できないんですけれども、要するに地方団体の経営責任において行なわれると。それに対して国としては、やはり、これは先ほど申しましたような各般の配慮というものを行なうべきものだと、こういうことで御理解をいただいていいかと思います。
#40
○神沢浄君 いや、私が言っているのは、配慮の責任という表現というものが、どうもあまり使いなれぬような表現なのかもしれませんけれども、恩恵的配慮なんという意味のものではあってはならないと。恩恵的配慮に対応する責任的配慮というようなことばを考えてみたというわけですが、そういう性格のものと受け取ってよろしいのですかと、こうお聞きしているわけです。
#41
○政府委員(鎌田要人君) その点はそのとおりだと思います。
#42
○神沢浄君 時間が経過しておりますから、次に進みますが、その「基本的な問題」という集約の(2)に、「路面渋滞等の企業環境の悪化に対処し、公共交通機関による輸送の確保を図るため、道路整備、公共交通機関の優先通行の確保等を推進するとともに乗用車の規制等について思い切った検討を加える必要がある。」と、この点については、先ほど来、大臣もしばしば述べられておる点でありますが、したがって、ことに先ごろの和田質問が相当まあ掘り下げてやっておる点ですから、私は詳しくはお聞きするつもりはありませんが、まあいろいろこう調べてみまして、やっぱりこれはしかく容易なことではないのであって、ついでにお聞きしておきますけれども、警察庁の方がお見えになっておると思いますが、前に何か東京都と警視庁でもって、マイカーの規制の問題で話が不調になったというような事例があったように思います。あのときの事情なんか、どういうふうな状況だったかというようなことをお尋ねをしてみたいと思うんですが、そこで私は、私なりの考え方を申し述べてみますと、これは公営交通問題を解決していくための全くもう根本的な問題の一つだと思います。しかし、これを実現していくということは、これは非常に現状のままであるならば、もう不可能に近いようなむずかしいことであるんじゃないかと、こんな感じがしてなりません。そこで、例の研究会などの報告などの中でも、やっぱりこの際この関係の権限というものを、これを一元化することが必要であると。一元化して、そうしていわゆる責任の主体の立場に立つところの地方公共団体にこれを委譲するというような、思い切った措置をとることが必要であるということをはっきり指摘をしておるわけであります。あれを読んでみまして、私なども全くそのとおりに感ずるわけでありまして、こういうふうな点でひとつ自治省の考え方、それから警察庁の考え方――警察庁の場合は、さっきお願いしましたように、前の東京都との間の話し合いなどの事情をも含めてお聞きをしたいと思いますし、運輸省お見えになっておりましたら、運輸省などのいわば最も密接なかかわり合いのあるそれぞれ省庁の立場で、御意見を伺ってみたいと思います。
#43
○政府委員(鎌田要人君) 都市交通に関する調整と申しますか、都市交通行政の自治体首長による一元化ということは、私ども、やはり都市交通というものが基本的な都市問題の一環であり、あるべき都市計画あるいは都市づくり、こういうものと切り離せない、そういった面から申しまして、基本的な方向として望ましいことは当然でございます。一日も早いこれが実現の方策という方向に持ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#44
○政府委員(渡部正郎君) 初めにちょっとごあいさつさせていただきます。
 このたび交通局長を拝命いたしました渡部でございます。どうぞよろしく。
 まだ、来たばかりで、勉強中でございますので、十分なお答えにならないかと思いますが、先ほどから問題の出ております点について、警察として考えておりますことを申し上げたいと思いますが、マイカーの問題につきましては、いま非常に特に問題なのは、通勤にマイカーを使うということが非常に問題でございます。それで、一つはバスレーン、通常いわゆる、バスレーンでございますが、バスの優先通行帯あるいは専用通行帯というのを設定いたしまして、バスを通りやすくすると、ことに通勤時間帯における、通勤に非常に比重を置いて使われております路線バス、それの通行を円滑にするための優先通行帯、専用通行帯、現在でも相当大幅に全国的にやっておりますけれども、これを今後強力に押し進めましてバスで通勤することをより快適にしていく。バスの経営についても寄与する面があろうかとは思いますけれども、利用者から見ますと、早く確実に着けるようなバスの運行を警察の規制で確保していくということを一方でやりながら、通勤に使われるマイカーにつきましては、たとえば都心部の駐車規制を強化いたしますとか、あるいは自動車の車庫の規制についても、最近いろいろ改正されてきているわけでございますけれども、通勤にバスを使うことについては、間接的な効果をねらうことになるかもしれませんが、通勤にマイカーを使うことは使いにくいような状態をつくり出していくということを片一方でやりながら、片一方はバスに乗りやすくするというようなことで、通勤時間帯にできるだけマイカーから大量輸送機関、ことにバス等への乗りかえを促進いたしまして、それで通勤時間帯の都市交通の混雑というものをできるだけ緩和していきたい、そういう方向でのいろんな警察サイドの施策を進めていきたいというふうに現在考えているところでございます。
#45
○説明員(佐藤久衛君) 先生の御指摘の、都市交通の一元化の問題について、私どもの考え方を述べさせていただきます。
 先生御指摘のように、権限を一元化するということにつきましては、御承知のように、現在の都市交通問題というのが、交通企業の面、あるいは先ほどから先生御指摘のように、都市環境づくりの問題――これは道路の制限を含めましてでございますが、そういう問題、さらには交通規制の問題というふうな多方面にわたっておるわけでございます。したがいまして、こういった都市交通の問題を解決するためには、権限は現在は分散しているわけでございますけれども、私どもは、いろんな各種の審議会を通しまして意見の調整をはかりまして実はやっておる次第でございまして、そのような形で、私どもとしましては今後進めてまいるのが実情に一番即したものではないか、こういうふうに存じておる次第でございます。
#46
○神沢浄君 一通りお聞きしたんですけれども、大臣ね、ちょっとたよりないですよね。交通環境の整備にかかわる点について、これは何といったっても、いまそれぞれなわ張り別にやっている以上は、これはできやせぬですよ。ですから、そういう点でもって、どの程度の考えをそれぞれ省庁ごとに持っておられるかという点をお聞きしたかったわけですけれども、いま御答弁の範囲では、まことに率直に言ってたよりない。これは関係権限の一元化をとにかくはかって、そうしてこれを地方公共団体にまかせるくらいの考え方を、それぞれ省庁がやっぱり腹の底にちゃんと持たなければ、幾らこんなきれいな文章を並べて見ましてもできやしないじゃないかと思うんですよ。大臣は、これを蛮勇をふるう決意を述べられているけれども、蛮勇をふるおうと思ったつて、そんなことじゃとても蛮勇のふるいようがないと思うんです。しかし、まあ局長さん方に重ねてお尋ねをしたところで無理なことだと思いますから、私は以上でとどめますけれども、これはもうこれができなければ、幾ら抜本的に、根本的に検討をするなどという文章だけを並べてみましても、これはできない相談なんですよ。この点はひとつほんとに大臣に責任を持って蛮勇をふるっていただきたいことを要望をして、次の問題に……。
#47
○国務大臣(江崎真澄君) ちょっとお答えしましょうか。いいですか。
#48
○神沢浄君 そうですか。どうぞ。
#49
○国務大臣(江崎真澄君) 私、おっしゃるとおりだと思うんです。交通安全の推進については、各省庁が協力し合い、それを総理直轄の総理府がまとめておりますね。したがって、その安全問題とはまた別に、この交通難緩和をどうするのか、そういう問題についても、やはりいまお示しのように、相当交通規制の権限委譲を地方にまかせる、また地方も責任を持ってこれらを進めてもらう、これは当然ですが、国がやはり一体化した機関を設けて、そしてこの指導方針を明らかにしていく、こういうことでなければなかなか成果はあがりません。そこで、私も先ごろ来、何とか早く実現したいということを思っておるわけですが、いま、たとえば交通局においては、欧米諸国、特にアメリカが最近自転車の見直しをやっております。そういった現実を取り入れて立案をさす。それから運輸省には、駅前の空地その他に自転車置場というものをつくる可能性等について協力を求めておるわけです。で、私どもまた自治省としては、それについての助成方途をどうするか、これは財政局長とも話し合っております。で、ある程度の輪郭ができれば、これは総理とも相談しまして、やはり内閣の責任において思い切った措置をとろう、こういうことで目下計画立案中と、こういうわけでございます。ですから、もうしばらく時間をおかしいただきたい。この決意は相当深いものがありまするので、ぜひひとつ御協力を願いたいと思います。
#50
○神沢浄君 まあひとつその大臣の決意と、全く蛮勇に期待をしまして、この問題をおきます。
 そこで、次に(3)ですか、これは先ほどかなり論議をいたしました財政措置の拡大の問題ですから、もう時間の関係もありますから、飛びまして、(4)には、「料金、路線の免許その他の交通事業に関する許認可制度について」、ここでもまた「抜本的な検討を加え、地方公共団体が都市交通に関する責任を果し得るような体制を確立する必要がある」、まあこの都市交通問題というのはよほど抜本的、根本的にやらなきゃだめだということは、この文章を見てもわかるように、数えてはみませんけれども、かなり「根本的」「抜本的」と書いてあるんですが、この(4)の項についても、まさにこれは文字どおり抜本的にやる必要があろうと思うわけであります。
 そこで、私も勉強不足で申しわけないですが、どなたか一括してお答えをいただける方から、いまこの許認可関係というやつが、たとえば料金の場合あるいは路線の再編成の場合というふうに分けて、どんなような分野に分かれておるか、先にお聞きをしてみたいと思います。
#51
○説明員(高橋寿夫君) 公営交通事業、ハスと鉄道と両方ございますので、ことがこまかになりますので、おそれ入りますけれども、二人で分けて答弁をいたします。
 私は、ハスにつきましての現在の権限の分配関係の事実を御説明申し上げます。
 一番大きな問題は、バス路線の免許の問題でございます。これは運輸大臣の権限でございます。ただし、地方的な路線といたしまして、三十キロメートル未満、これは地方の陸運局長に委任をいたしております。それから運賃料金の認可の問題でございますが、これもただいまの路線免許の権限と同じように、三十キロメートルというのを境にいたしまして、大臣と地方の陸運局長に分かれております。その二つが一番大きな問題でございますけれども、そのほかに、路線の免許をとるときにいろいろこまかい事業計画を出してくるわけでありますけれども、その事業計画を変更する場合にいかなる手続によっているかという点について申し上げますと、たとえば自動車の車庫の位置、あるいはその収容能力の変更というものにつきましては陸運局長でございます。それから停留所の位置、それから停留所間のキロ程、これにつきましての変更、これも認可でありますけれども、地方の陸運局長でございます。それから具体的な路線と路線をつなぎますところの、運行系統と申しておりますけれども、出発点と到着点を結ぶ運行系統の設定、あるいは運行時刻の設定、変更、こういったものにつきましては全部知事権限でございます。これは認可制でございます。それから事業計画変更の中で、いま申し上げましたようなものよりさらに軽微なもの、すなわち事務所の位置の変更とかあるいは営業所の位置の変更、あるいは停留所の名称の変更その他軽微なものにつきましては、すべて知事権限に落としております。この場合、知事と申しますと、具体的には何々県陸運事務所というのがございまして、そこがこの仕事をいたしております。ただし、その問題については、いわゆる地方事務官問題というものがからまっていることは先生も御承知のとおりであります。以上概略申し上げました。
 こうしてまいりますと、路線の免許というふうなものは最近ほとんどございませんし、日々出てまいります事務の大半のものは、現在のこの制度で申しますと、ほとんど届け出制で済んでいるようなことが多いと思います。
 ただ、料金の認可につきまして前々から問題があることは事実でございますけれども、あと、停留所の位置の変更等について、これを認可制から届け出制にしてしまえという御意見がときどきございますけれども、これは実は、若干事務的になりますけれども、運賃の認可権限とうらはらになっておりまして、つまり、キロ当たり何円何十銭という認可をいたしましても、実際に停留所の位置、その停留所間のキロ程というものにあてはめて、具体的な運賃がたとえばここからここまでは二十円とか三十円とかというようになるわけでございますから、これは分けてしまいますと混乱してしまうということでございますので、運賃の認可権が大臣あるいは陸運局長に留保されているということに関連いたしまして、停留所の位置を変えるという場合には、運賃の区界の変更という形になりますので、これは届け出制じゃなくて、やはり陸運局長の認可制に落としております。
 ただ、これは実際問題としてはそうしょっちゅうあることではございませんので、私たち、よく公営事業の管理者の方から、届け出制にしろとか、自由にしろとかいう話を伺いますけれども、現実問題として、ほとんど大半は届け出制またはそれに近い認可制の運用をいたしておりますので、事実問題としてそう大きな御迷惑をかけていることは少ないと思います。
 ただ、最大の問題は、料金の認可を早くしろと、早くできないならもう各企業体にまかせろという御意見につきましては前からございますけれども、これにつきましては、私ども終始御答弁を申しております中身は、やはり、交通といいますのは、広域的な場所で行なわれるものでございますので、その地方の中で、やはり国鉄のサービスもございますし、あるいは中小私鉄のサービスもあります。また、バスの中でも、民営、公営、両方ございますので、それらをにらみながら、やはり調整しつつ運賃を決定していくということが、交通行政の立場からいうと必要なことでございますので、そういった意味で、なかなかこれを、交通企業者である地方自治体が議会できめた場合に、直ちに届け出で済むということには、直ちに私どもとしては踏み切れない点がございます。
 ただ、運賃認可に時間がかかる、そのことのためにこれほど血の出るような苦しみをしている地方の公営交通企業が危殆に瀕しつつある、それを何とかならぬかという点につきまして、全く同感でございます。実は運賃につきまして、先ほども先生お示しのように、物価対策上の配慮というものがございまして、私どもは実はしばられておりまして、重要なものは閣僚協議会、さらに軽微のものでございましてもそれぞれルールがございまして、経済企画庁との協議を済ませなければ認可ができないということになっておりますので、手間はかかっておりますけれども、私どもといたしましては、少なくともこの公営企業のように、地方の議会で通ったものにつきましては、かりにもわれわれのほうで時間を制限さしたらいかぬということで、できるだけすみやかにやるようにいたしております。過去におきましては、若干時間がかかって御迷惑かけたこともないことはございませんけれども、最近は一つ一つ督励いたしまして、こまかな配慮をいたしながら、できるだけすみやかに改定するということでやっておりますので、最近は運賃改定がおそくて困るという御苦情は比較的少なくなったように私どもは受け取っております。
#52
○神沢浄君 時間がなくなってしまいましたから、私は、まあ大臣にお尋ねすることが適切かどうかわかりませんけれども、いま御答弁聞いていてもわかるように、これはなかなか簡単なことではないようです。その簡単なことでないからということでもって問題に手がつかないということであれば、先ほどの企業環境の整備の問題と全く軌を一にしている事柄であると思うんです。やっぱり蛮勇をふるっていただかないことには問題の解決にはならないのじゃないか。大体研究会の報告を読んでみましても、国に一応調整権を残してそして思い切ってやったらどうだという趣旨のことが述べられているようであります。私どもも全く同感に思うわけであります。ですから、この再建計画の承認などの問題まで含めて、むしろ、全く必要な調整権というふうなものはこれはあってもいいように思うのですけれども、あとはひとつ思い切ってこれこそ交通整理をしなければ、これは瀕死の病人は助からぬですよ。そんな感じがしてならないんです。その点で、ひとつ大臣の御所見を承って、この問題を打ち切りたいと思います。
#53
○国務大臣(江崎真澄君) 運輸省側の説明にありましたように、いろんな面から配慮されておることは私どももよく理解できます。しかし、地方議会が十分実情を参酌して決定したものをまた国がなぶらなければならぬ、これは地方議会、言いようによっては軽視であるということも言えないわけじゃないと思うのです。したがって、これは法案策定のときに、運輸省、経企庁、そして私ども自治省の間でいろいろ議論されましたが、諸物価とのにらみ合わせもあり、従来の手続上の問題もあるから、というのは、民営の場合、乗り入れてくる電車の場合、そういった料金とのバランス等等もあるから、いや、それは地方議会段階で十分そういう配慮もなされるではないか、まさか民営を無視してこの公営交通料金だけが議会を通ってしまうというものでもあるまい。やはり地域社会にしてみれば、地域社会代表の議員というものが当然そういう総合された立場に立って最終的結論をおろすものであろう、いろいろやりとりがなされたわけです。その後、総理も関心を示しまして、運輸大臣に、これは届け出制でいいことで納得しなさいと。いや、あなたがどうしてもそうやれいということならば同調してもよろしい。実はそこらあたりまで話し合いはついたもののように私は聞いております。これはもう率直な話です。ですから、こういう問題は一つずつ本来片づけていくべきものです。これは私の考え方ですが、ただ法案準備の段階で事務当局同士まとまらなかった。それから衆議院でも、行政措置として地方議会を通ってきたものは、いまの答弁にもありましたように、じんぜん日をかけてなかなか許可を出さないというようなことでなくて、すみやかにその地方議会の決定を尊重して結論づける、こういうことで処理します、こんなことでこちらのほうへ修正にならないで通ってきたわけでございます。どうしても修正ということになれば、これは私はもう一ぺん各省庁間で話し合ってみて、その議院側の御意向にこたえるかどうかということをまとめる用意がないわけではございませんが、いま、行政措置で議会側できめたものはすみやかに処置します、その意向を尊重します、こういうふうに言っておりまするので、答弁にもありまするように、そのあたりで今回は様子を見ていただくということが妥当であろうかというふうに思っておるわけでございます。
#54
○神沢浄君 わかりました。またそれは、いまの大臣の御発言にもありますように、委員会としてもさらに検討をしていきたいと思います。
 そこで、最後の御質問でありますが、衆議院で、「合理化」というのが「効率化」と、こう変わったわけであります。これは字引きを引いてもあまりはっきりわからないようなことですから、ある程度定義的な解釈というものはつけておかなきゃならぬ問題じゃないかと、こう思いますので、そういう点から――実はもう時間がありませんから、私の解釈を申し上げて、そして御所見を伺うことにいたしたいと思います。
 「合理化」というのがなぜ「効率化」に修正をされたかというと、私はこう考えるんです。「合理化」というのはいわば、何といいますか、労組などにおけるところの一つの用語になっておりまして、「合理化」という語音、いわゆることばの響きというのは、ややもすると、従業者に、労働者に対して、首切り整理だとか、労働条件の改悪だとかというようなものを連想させ、不安を招くような表現になりかねない。したがって、そういうことであるならば、これはまあ労働者が働いて初めて再建も可能でありますから、再建への意欲というようなものを低下をさしてしまうような危惧がこれは生じやすいわけでありまして、したがって、そのようなことのないということを明らかにするために、やっぱり「効率化」になったものというふうに私は解釈をいたしておるわけであります。したがって、「効率化」というものは、しいて言えば、この公営交通事業の職員の労働基本権や労働協約というものは十分に尊重した上で、労働条件の改悪などを意図するというようなことはなくて、そうして内容的には、事務の簡素化とか、あるいは監督官庁への事務手続の簡素化であるとか、または、問題になっておりますバス運行の定時性確保による住民サービスの向上であるとか、あるいは各種交通機関の――たとえばバスと地下鉄の間というふうに、各種交通機関の間の有機的な結合による交通網の整備の問題であるとか、あるいはより効果的な路線の再編成の問題であるとか、こういうようなものを私は内容としては意味しておるんだというように解釈をしておるわけなんですが、それでよろしゅうございますか。
#55
○政府委員(鎌田要人君) 大筋、小筋、いろいろございますけれども、端的に申しますと、やはり「合理化」が「効率化」に改められました。これはまあ衆議院の修正でございますので、私がこの代弁をすることはいかがかと思いますけれども、やはり「合理化」ということでは、いまおっしゃいましたような、かつての特殊な用語、首切りあるいは賃金の切り下げ、こういったイメージに結びつきやすいということで、「効率化」というふうに改められたものと私ども解しておるわけでございます。でございますから、まあその「効率化」というものの中には、広い意味での「合理化」というものも同義語である、こういうことでございまして、単に、そういう労働条件の切り下げ、こういったようなことを内容とするものでない、これはおっしゃるとおりだと思います。
 ただ、その「効率化」というのが、企業外部的な条件だけに終始するというものではないのでございまして、そこはやや私どもの理解は違うように存じます。ただ、繰り返して申し上げますが、単なる労働条件の切り下げということに結びつく誤解というものを解くために、広い用語としての「効率化」ということばに置きかえられたというふうに伺っております。
#56
○神沢浄君 もう少し論議を詰めたいところですけれども、実は私の時間がもうなくなっちゃっておりまして、皆さんに御迷惑をかけるのもたいへん恐縮でありますから、以上で私の質問は終わることにいたしますが、大臣にいろいろと御所見などを承ってまいりましたが、私は全くこの問題は、まさに蛮勇というか、何というか、これはもう思い切ったかまえで当たらないことには、ただ単なる文章でもう終わってしまうようなおそれが多分にあるような感じがしてなりません。その点をひとつ要請、期待をいたしまして、質問を終わります。
#57
○国務大臣(江崎真澄君) よくわかりました。
#58
○理事(柴立芳文君) 本案に対する午前中の審査はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時十七分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四十一分開会
  〔理事柴立芳文君委員長席に着く〕
#59
○理事(柴立芳文君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 本日、玉置猛夫君が委員を辞任され、その補欠として林田悠紀夫君が選任されました。
    ―――――――――――――
#60
○理事(柴立芳文君) 地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律案を議題とし、休憩前に引き続き、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#61
○村尾重雄君 過日の三日に、当院で参考人の意見を聴取いたしました。その参考人の中の内木場参考人だと存じますが、こういう御発言がございました。路面電車の撤去について時期尚早であったと確認すると、こうお話がございました。大臣その他、直接お聞きでなかったと思いますが、私、同意見の立場なものですし、また、最初に批判的な立場をとっておった関係から、非常に同感を覚えたんですが、私、大臣の感想をひとつ聞きたい。というのは、反省を持たれるか。たとえば第一次計画においてその柱となった路面電車の撤去というのが、いま、時期尚早だという御意見がありますが、大臣はどういう御感想を持たれるか、まずひとつお聞きしたいと思います。
#62
○国務大臣(江崎真澄君) これはいろんな見方があると思います。路面電車というものが、交通公害、それから交通事故防止、こういった観点から見直される、確かにそうだと思います。役所側から私どもに資料としてくれておりまするのには、制動距離が長いため、現在のような路面交通事情のもとではスピードアップができない。乗降のための安全地帯での横断が困難なことなどから、定時性の喪失、利用客の減少がはなはだしく、大都市においてはすでに都市交通機関としての機能を果たせなくなっておると、このような実態から見て、大都市においては、地下鉄、バス等を整備して、撤去を進めることはやむを得ないものと考える。しかし、地域の実情に応じて指導をしていくことにしたいと、こう、ここに弾力的なところを考えておるわけでございます。
 私、先生からのお尋ねですから、率直に申しますと、当時は、軌道地内に自動車、乗用車は入ってよろしい、入っちゃだめだと言ってもそれは入るし、また、入ることのほうが合理的であるということでああなったわけですね。いまになって考えてみますと、これは私は、この答弁要旨は決して間違っておると思いません。こういう見方はあると思いますが、反面からいいまするというと、ようやく、自動車のスピードアップだけが第一義ではないということに、交通機関に対する国民的な反省がもたらされてまいりました。したがって、あの路面電車、これが生きておるところは乗用車は絶対入っちゃならぬ、こういう規制をして、路面電車とバス、これが併用できぬものかどうか。バス専用路線じゃなくて、電車バス専用路線ですね、中にはバスの乗り入れの困難な地点もありましょう。しかし、そういう形にして、バスそのものも、電車の、何というのですか、乗降の安全地帯から乗り降りさせるというような指導というものはできないものだろうか。もっと総合的に考える余地はないわけではないなということを、これは率直に思うわけでございます。したがって、いま、自治省の事務当局でも申しておりまするように、路面電車は必ずしも全面撤去ということでなくて、やはりその都市の実情に応じた形で残すものは残す、これは不合理と思われるものは撤去する、弾力的に対処していくことが望ましいというふうに思います。
#63
○村尾重雄君 御承知のように、神戸はたしか残っているはずです。京都も残っているはずです。しかも、京都は四〇%といいますか、三八%まで、なお今後とも、どう言われようと残すんだという考えだということを聞いておる。最近、私、仙台へ行ってまいりました。仙台にも、周辺ずっと路面電車が走っていますが、非常に快適だし、いいものを残したと、こう思ったんですが、札幌は御承知のように、地下鉄の将来の計画線に対して円山一本はずしましたが、相当な期間、やはり二カ所ばかり長いキロ数を走る路面電車が存在しています。また、その他においても民営もございましょうが、私は東京ももうなかろうと思ったのですが、この間、王子へ行きましたら、王子から大塚ですか、ふっと乗ってみたら行く路面電車があるんですが、現在、全国でどの程度、路面電車が都市で公営のが残っているか、持続されているかということ、また、車両台数、わかれば伺いたいと思います。
#64
○政府委員(森岡敞君) 四十七年度末現在で、路面電車を公営で経営いたしております地方公共団体と、その営業キロを申し上げます。
 東京都が十二キロメートル、名古屋市が二十九キロメートル、京都市が四十五キロメートル、札幌市が十四キロメートル、函館市が十八キロメートル、仙台市が十五キロメートル、熊本市が十二キロメートル、鹿児島市が十九キロメートル、この八団体でございます。車両数は全体で九百十七台でございます。
#65
○村尾重雄君 まだほかにも……、私は岡山も民営じゃなしに市営、公営だと思うのですけれども、これは抜きにしましょう。
 大体、大部分残っているところがあるということと、台数も九百十七ですか、相当あるということですが、先ほど大臣に御答弁いただきました中に、地方都市においては、それぞれ地方都市の事情に応じて残存してもいいんじゃないかという御意見がありました。また、六大都市といいますか、大都市についても、路面電車については、いまだから大臣そういう御答弁いただいたと思いますが、当初、御承知のように、単に路面電車撤去ということが条件というよりか、計画的に撤去し、赤字財政をなしくずすためにはこれを様子見たということが柱となっておったと思う。それはよくわかるのです。わかるのですが、大体公害の立場から考えても、なお現在としては、収支の点ではかなりこれは問題があろうとは思いますが、市民の足、それから通勤、通学等を考慮しますときに、いまの交通事情で、たとえば地下鉄の建設事業というものが、財政上の関係、また住民の反対等があってはかばかしく進みません。なおその上に、これにかわって、路面電車を撤去するから、何分に何台、必ずラッシュアワーについてはこの程度の路面バスをば通らすということを、かなり地方自治体においては、また公営企業体においては、住民と約束しておるのですが、実行がなかなかされておりません。また、されても、運行がなかなか困難な事情で、いままでの路面電車にかわり得べき代行の交通機関というものは、バス利用というものはうまくいっておりません。こういうふうな点から考えます場合に、現在残された軌道等においては、相当な政治的な――先ほどお話があった配慮ということばがございますが、いわゆる配慮があってしかるべきだと、こう思うんです。この点、ひとつ御意見を政府側として承っておきたいと思います。
#66
○国務大臣(江崎真澄君) 残された電車について配慮をすることは、先ほどお答え申し上げましたように、弾力的に対処したいと思っております。
 それから、撤去したのは、私はやっぱり間違いではなかった。大都市では、地下鉄あるいはバス、そのバスがいま御指摘のように機能を果たし得ない。そこで考えられるのは、まことに思いつきで申し上げて恐縮ですが、これはいろいろ検討の余地があろうかとは思いますが、路面電車を撤去した。いまあれはすでに道路敷ということになって、一体にはなっておりまするが、もう一ぺん、たとえばあの電車を撤去した地点は、それにかわるためにバスの便益によって地域住民に迷惑をかけません、こういう約束になっているわけですね。それはおっしゃるとおりだと思うんです。それならば、路線撤去のあの敷地内を、専用バス路線として、有効にもう一度考えてみる方法はないのか。これはそれぞれの地方公共団体によっていろんな事情やら、またネックもあろうかと思いまするが、これは私は検討に値する問題のように思います。
 第一次計画の当時は、少なくとも自動車は能率的にスピードアップされるもの、これが第一義的に考えられておった時代であります。いまは、それについて大きな反省がもたらされておる時期であります。そういう国民世論の背景の大きな異なり方、こういうものを加味して検討をしてみたいというふうに考えます。
#67
○村尾重雄君 御答弁、ひとつありがたく伺っておきます。そのような趣旨に、今後の軌道といいますか、公営路面電車の効用について、十分な市民の足の利用ということを考えていただいて、一そうこれを利用しなければならない各地域というものが多数あることを、ひとつ考慮に入れていただきたいと思います。
 次いで、ちょうど路面電車のことに触れましたので、地下鉄について少しお尋ね申し上げたいと思います。
 地下鉄が、近代的な都市生活の交通機関として、これが早くから建設に踏み切られまして、また、地方都市においても、非常な犠牲を払って今日までその建設、延長に努力をされています。それはなみなみならぬものがあると思います。それは急を要するからなのであります。
 そこで私は伺いたいんですが、このたびの処置で、多額の建設費を必要とする地下鉄の公共補助制度というものは、現在どうなって処理されようとしているか、伺います。
#68
○政府委員(森岡敞君) 地下鉄の建設に対します公費からの助成につきましては、四十八年度の予算におきまして大幅な増加をみたわけでございますが、第一は、今後建設いたします建設費に対する助成でございます。これにつきましては、総建設費の六六%を六年分割で国と地方公共団体の一般会計が折半をいたしまして、すなわち三三%ずつ補助をいたすということにいたしました。これは、従来は総建設費の五〇%を国と地方公共団体が折半いたしまして、八年分割で補助いたしておりましたのを、補助率を上げますと同時に、補助金の交付期間を短縮いたしまして、その大幅な充実をはかったわけでございます。
 いまひとつの問題は、今後建設分にそのような措置を講じますと同時に、大阪あるいは東京などのように、すでに最近におきまして相当地下鉄網の建設が進んでおるところは、建設のために起こした企業債の元利償還費の資本負担が大きな経営上の問題になっております。そこで、それにつきましては、利子負担がきわめて大きいものでございますので、今後の利子支払い額をたな上げいたしまして、そのたな上げいたしました起債の利子、すなわちこれを孫利子と称しておりますが、その孫利子について全額国庫で助成をしていただく、かような措置を講じたわけでございます。この措置は、従来からも一部とられておりました。すなわち四十三年度末の政府資金によって引き受けまして企業債の利子につきましてたな上げをいたしまして、孫利子の補助をいたしておったわけでございます。しかし、ほぼ同額の縁故資金引き受けのものがございまして、それについては手当てがなかったわけでございます。今回は政府資金引き受け、縁故資金引き受け、全部を通じまして、四十六年度末の従来の企業債の利子相当額についてたな上げし、全額国から孫利子の助成をいたす、かような措置を講じたわけでございます。これによりまして、いままで御指摘のように努力をして建設いたしてまいりました大阪、東京等の地下鉄の資本負担は、きわめて大幅に資金面で軽減される、かような結果になっております。これによりまして私どもは、今後地下鉄の建設及び経営の収支は、長期間を通じてながめますと、非常に改善されるというふうに考えておるわけでございます。
#69
○村尾重雄君 少し私、数字に弱いんです。それで、いまのお話、衆議院の段階においての御答弁の中でも私承知いたしました。それをひっくるめて端的に申しますと、補助対象の建設費の二分の一を、国と地方公共団体がそれぞれ補助するということのようにとっていいんですね。
#70
○政府委員(森岡敞君) ただいま申し上げました総建設費の六六%を補助するということにいたしましたが、総建設費の中からいわゆる間接費的なものと、それから建設費のうち一割は、地方公共団体の一般会計から出資をすることにしております。その出資分の一割や、いま申しました間接費を除きまして、それに対して六六%の補助をいたす、こういう仕組みになっておりますので、実質的には五〇%強の補助ということに相なります。したがいまして、五〇%強の補助金を国と地方公共団体が折半をして助成をいたすということと、いま申しました一〇%の出資、合わせまして公費で実質六〇%の助成をしていくと、かような結果に相なるわけでございます。
#71
○村尾重雄君 特にこの地下鉄の建設、延長は、都市生活者にとって非常に重要な問題なんです。とりわけ、東京都は他の建設を進めている地下鉄がありますが、大阪、または京都にしても、この地下鉄の建設ということは市民にとっては非常に緊急、また重要な問題なんです。そこで私、なおこれが建設に一段の、たとえば補助費をいま少しふやすとか、御協力をいただきたいと、こう思うんですが、それについていま一つお尋ねしたいことがあるんです。
 というのは、札幌においてもそうだと聞きました。また京都においてもそうだと聞きましたが、道なら道、また京都府なら京都府が、たとえば電車車庫の敷地ですか、何かの面において道なり府が御便宜をばはからっているというお話を伺ったんです。たとえば大阪の場合ですが、私のすぐ近所に守口という大阪市外の地方都市があるんですが、そこまで線路は将来延びるんですが、延びれば問題はない、解決すると思うんですが、市内だけまだ建設を進めている今日、その地下鉄の利用者というものはやはり府下が多いんです。これがバスを利用し、郊外電車を利用し、大阪府の住民の方々が多数大阪市内に、昼、入ってこられるわけなんでございますが、こういうような点からいろいろ考慮いたしまして、やはり現在の建設地点において、たとえば大阪府の場合も、交通問題解決のために地下鉄建設費の補助を、地方公共団体分の半分を負担するというようにすべきでないかと、こう思うんですが、このようなはからい方があってしかるべきだと思うんですが、単にこれは大阪だけの問題じゃございません。各府県で、また都市で進められている地下鉄建設については関係のあることだと思うんですが、例を大阪に引いたんですが、これについての財政上のことについてどうお考えになるか、承りたい。
#72
○政府委員(鎌田要人君) 重要な問題だと思います。ただ、私どもの考え方といたしましては、やはり地下鉄を建設をいたしておりますところの自治体、ただいまの場合でございますれば、大阪市が第一次的に経営の責任を負うと、こういう趣旨もございまして一般会計からの助成ということをいたしておるわけでございまして、それに対しましては、起債その他の交付税上の措置を行なっておるところでございまして、ただ問題は、それが市域外に出た場合、その場合にこの面につきまして府県の助成という道を開いてまいる、そういうことで整理をいたしておるわけでございます。問題は、結局、府県が持つのか、あるいは沿線の自治体が持つのかということになるわけでございますが、区域内においては当該自治体、区域外の場合においては、いわばその市町村の代表といいますか、という考え方で府県が助成をする、この行き方でまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#73
○村尾重雄君 いま申し上げましたように、建設をしているその市内に流入する府県民の人々もこの恩典には非常に浴しておるわけなんですから、国という立場でお考え願えることはもちろんのことだと思いますが、府県という立場でお考えいただくことが、私は最も建設に非常な苦労をしている各自治体に対しての実態だと思いますので、これが援助方についての――援助と言えば語弊がございますが、負担方についての考慮をひとつ払っていただきたいと思います。
 これはこれでまずおきまして、次に、午前中に神沢君から質問ありました、第三条のいまの「配慮」の問題なんです。これは神沢君から御質問がございましたから、私は深く触れる意味じゃないんですが、法律用語に、私、先ほども言いましたように数字に弱いんです。そこで、いままで、法律要綱のうちに「配慮」という文字が入っていることはたびたび見受けます。なお、話の中で、対談の中で、配慮をするということばのあやがあることも承知なんです。本文の主文で、やはりこれも第三条で、明らかに「配慮」という――これは重大なことばなんですが、「配慮」ということばが入っているんですが、こういう、国はこうすべきであるとか、こうつとむべきであるとかという文字をよく聞くんです。こういうときに配慮というのは――私寡聞ですが、尋ねりゃよかったんですが、法制局に尋ねずにきたんですが、配慮ということのあることを知らないんです。どう解釈していいのでしょうか、ちょっとお伺いしたい。財政上の配慮については午前中あなたからお伺いしましたから……。ただ、この文字について、これは全体に配慮ということであるのかどうかということ……。
#74
○政府委員(鎌田要人君) 実は、「配慮」という法律の用語の例でございますが、この法律と並びまして、いわば地方公営企業の基本法とも申すべき地方公営企業法というのがございます。この第五条の二で、これは昭和四十一年の改正の際に入れたわけでございますが、やはり「国の配慮」という用語を用いておりまして、「国の行政機関の長は、地方公営企業の業務に関する処分その他の事務の執行にあたっては、すみやかに適切な措置を講ずる等地方公営企業の健全な運営が図られるように配慮するものとする」、こういう用例もございまして、この今般の法律の第三条でも、同じ用語の使い方をいたしておるわけでございます。その気持ちといたしましては、これは文字どおり、心を配り、おもんばかるということでございますけれども、国のいわば地方公営企業に対する姿勢といたしまして、この許認可等の申請に対応する措置、あるいは後ほど第九条で出てまいりますところの措置の申し出、こういったものに対しまして適切な措置を講ずるということを絶えず心がけなけりゃならない、また現実の措置としても、そういう万全の措置というものは講ぜられなきゃならない、こういうことを込めておるつもりでございます。
#75
○村尾重雄君 ただいまの御答弁の中に、第一次の再建案の中に「配慮」ということばがあったと、こういうお話ですね。
#76
○政府委員(鎌田要人君) 地方公営企業法自身です。
#77
○村尾重雄君 それ以外にあればお示しいただきたいということと、いま一つは、これは大臣なり、御答弁いただいた方々にお伺いしたいんですが、今度のこの地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律案を出していただくにつきまして、その内容等について非常に御努力いただいたこと、わかります。また、自治省としてもおそらくこれがぎりぎり一ぱいの線だと、御論議あるまでもなくわれわれはそう関知しています。その「配慮」は、この法律案提出に至ったいろんな措置について、たとえば財政上予算措置等について、行政的な措置等について、十分なことをしたことだけの配慮なんですか。なお、これが今後五年ないし十五年、遂行される間、この配慮というものを、いままで努力されたことを同じ中身にとってわれわれは解釈していいのか、この辺ひとつ伺っておきたいと思います。今後の五年ないし十五年のこの計画遂行の中において、いままで済んだことだけでなくて、なおより以上の――より以上でなくても、まあ今後も同じような努力をされるという解釈を持ってよろしゅうございますかどうか。ひとつ伺いたいと思います。
#78
○政府委員(鎌田要人君) 端的に申しまして、今後の見通しの問題でございますが、私どもの考え方といたしましては、やはり財政上の配慮といたしましては、今回の措置以上のことはちょっと無理ではないだろうかと思います。したがいまして、今後、この既往のいわば借金というものは全部よそで肩がわりしてある。身軽な形で今後の経営に入っていっていただくわけでございますが、その場合におきまして、先般来御論議がございますような企業環境の改善のために、たとえば優先通行を確保する、あるいは料金の認可その他の許認可事項等がございますが、そういったものの運用におきまして、やはり企業が機動的な経営、能率的な経営というものができますように、国の権限に属する事項の処置というものにつきましては、これまで以上に関係省庁の御協力をいただきまして配慮していただく、こういうことになろうかと思います。
#79
○政府委員(森岡敞君) 配慮をするという条項の立法例でございますが、たとえば新産業都市建設促進法の十八条におきまして、国の行政機関の長、都道府県知事あるいは港湾管理者の長は、新産業都市の区域内の土地を、工場用地なり、住宅用地なり、あるいはその他の施設の用に供するために、公有水面埋立法、農地法その他の法律によっていわゆる許可その他の処分を求められたときは、「新産業都市の建設が促進されるよう配慮するものとする」、かような規定もあるわけでございます。その他にもあろうと思います。
#80
○村尾重雄君 法律案として国会に提出されたんですから、その「配慮」ということについても、こういう主文で「配慮」という文字が相当使われていることがあるんだと私もこう解釈します。それはそれでけっこうだと思います。
 そこで非常に端的な私の質問になります。できるだけダブることを避けたいと思いますので、お答えをいただきたいんですが、正直言って、第一次再建は失敗だったと思うんです。これは画餅に帰したと言う人もあります。いろいろございますが、失敗であったということはお認めいただきたいと思うんですが、無理だということならどういう御答弁をいただいてもいいんですが、私は端的にうまくいかなかった、こう思います。そこで、この第二次再建が必要となったわけなんですが、この法案による措置で再建が可能とお考えになっているのかどうか、伺いたいんです。
#81
○政府委員(鎌田要人君) 第一次再建に対しまする評価はいろいろあろうかと思います。結論的には、私は当時からこの問題に携わっておりますので、それなりの反省もしておるわけでございますが、全く失敗であったというふうには考えておらないのでございまして、やはりこの第一次再建によりまして、既往の赤字を消してまいったことも事実でございます。いろいろの評価もあろうかと思いますけれども、たとえばワンマン化が進み、あるいは先ほど御批判もございましたけれども、やはり路面電車の撤去というものも進んだということは、これはいろいろ評価の立場はあろうかと思いますけれども、さらにまた企業内部の合理化というものが進んだということについても、それなりの評価を私どもはすべきではないだろうかというふうに考えております。ただ、したがいまして、失敗ではなかったけれども、どうもことばが適切でございませんが、うまくいかなかったことは事実でございます。
 そこで、これはどういうふうにして今後うまくやっていくかという問題につきまして、私ども過去一年有余、いろいろ各方面の御意見も伺い、われわれなりに検討もし、努力もいたしたのでございますけれども、率直に申しまして、今度の再建――第二次再建と俗に申しておりますが、これにおきましては、路面交通の既往の赤字分、これは先ほども申しましたように、完全に他に肩がわりをいたしまして、非常に身軽になったことは事実でございます。それから地下鉄につきましては、これは長期的に見ますと経営基盤の確立がはかられたと、これは確信を持って申し上げられると思います。
 そこで、路面交通の結局今後の問題でございますが、これにつきましては、朝来いろいろ御論議がございましたように、やはり企業環境の改善、それからやはり企業内部におきまする料金の適正化あるいは路線の再編成、こういったものも含めましての経営の合理化努力、この両面の努力というものが行なわれるならば、私は路面交通の前途というものもこれは安心していいのではないだろうか。ただ、その前提と致しましては、あくまでも企業環境の改善ということがこれがやはり政府、当該地方団体あるいは住民、そういった方々の一体の努力によってどれだけなし遂げられるか。料金の適正化ということについていろいろの問題はございましょうけれども、どれだけタイムリーに決断をもって行なっていただけるか。そのほか、経営内部の努力につきまして、どれだけの勇断を持って実行して頂けるか。こういう今後のすべての努力というものがこのかぎになるのではないだろうかというふうに考えている次第でございます。
#82
○村尾重雄君 私の質問が非常に端的でありましたけれども、御答弁いただきまして、四十七年度の末の赤字の処理を目標とした再建対策、いわゆる過去の赤字の処理にすぎないということは、いまお話のあった中でも了承できます。そうとります。もっとも、将来に向かって積極的にどうするかについてのいま御意見をお伺いしたいのですが、私はさらにこの再建に関する基本的な考え方、なおバス路線の再編成、定時性の回復など、どの程度の、今後再建を進められていく結果、増収の見込みがあるかということを伺いたいのです。その赤字の解消だけでなくして、今後の再建を進めていく、今後の一応進められた結果、たとえばバス路線の再編成だとか、定時性の回復だとか、いろいろ計画を持っておられますが、もちろんこれは企業努力も必要なことだと思いますが、そういうことを見まして、どの程度これが回復し、なお増収があるものだということを見込まれているかどうかということを。また、御一緒に質問しますが、いまのマイカー等の乗車習慣をばバスに転換させるというような方策等々、こういうようなことについての見通しをお持ちになっているかどうか伺いたいと思います。
#83
○政府委員(森岡敞君) 企業環境を整備するということと企業努力をするということがかぎであるということを局長が先ほど申し上げました。企業環境の整備につきましては、大臣からもしばしばお答え申し上げておりますように、要するに公共大量輸送機関の優先性、プライオリティーというものを、政府、地方公共団体だけでなくて、国民あるいは地域住民全体としてこれを盛り立てていく、こういう方向に世の中を変えていくということが必要だろうと思います。そういう意味ではなかなか難事であろうと思いますけれども、それはどうしてもやらなければならない。そういうことをすることによってマイカーをいわば抑制をし、大量公共輸送機関を都市交通の中枢に据えていくということによってどの程度の増収が得られるか。これは将来の問題になろうかと思います。私どもは、各大都市の交通企業管理者と、今後、再建計画の策定を通じましてその辺のところの見通しを得ていきたい、かように考えております。現段階で数字的にその辺のところを固めることはなかなか困難であろうかと思います。
 それから、バス路線の再編成の問題でございますが、御承知のように、現在地下鉄がすでに通りまして、その区域内ではもう同一並行のバス路線の必要がないというふうな場合でも、なおバス路線が残っているようなものがございます。それから非常に長大な路線でございまして、運行の効率からいいますと、たいへんコスト高になってマイナスであるというふうな路線もあるわけでございます。そういう路線につきましては、鉄道のもより駅との短絡といいますか、そういうふうなことをかなり思い切ってやっていっていいのではないか。交通需要の変動に対応したバス路線の再編成というものをやっていくように、これまた交通管理者と相談をしていきたい。さらにそのような再編成問題とあわせましてサービスの向上をはかってまいりたい。たとえばバスの車体にいたしましても、低床式と申しまして、非常に乗りやすい、老人、子供でも乗りやすいようなバスの構造が最近ふえてまいっております。そういうものを大幅に取り入れるというふうな問題でありますとか、あるいは行き先表示がいまのバスの停留所では非常に不明確でございまして、なかなかわからないというふうな批判もあるわけでございます。そういうふうな点も、かなりきめこまかく、乗客を吸収するようなサービス対策を講じてまいりたい。これもやはり今後の問題でございますので、計数的に、それによってどの程度の増収を確保できるかということをこの段階で申し上げられる状態でございません。しかし、そういうふうな万般の対策をあわせ講じまして、十五年というかなり長期間を予定しておりますから、その期間内に、たとえば五年ごと刻みである程度の見通しを立てて、この健全化を推進していくような方策を講じてまいりたい、かように現段階では考えております。
#84
○村尾重雄君 今回の法案の第二条によりますと、事業運営の効率化とか、利用者負担の適正化などに見られるように、どっちかといいますと、公共性よりも経済性を強調されているように私たちはとるんですが、どう考えていられるか、ちょっとお聞きしたいんです。その公営交通、今日の事業におきましては、交通需要に即応する事業運営の効率化、効率をはかることは当然だと思います。しかしながら、最近の物価や人件費が上昇する状況下で、健全な経営は容易なことでないと思うんです。したがって、再建計画も、実施が可能な範囲内のものでなければ私は効果があがらないと思います。第一次再建計画が画餅に帰したとか、失敗だったとか言われるのは、この辺に大きな原因があったと、私はこう思うのです。たとえば人件費なり、物件費ですが、いまのままでペイするとか、またもとへ戻るということがあり得た場合は別として、そうでない限りにおいては、今日の計画は、この計画においても私は数カ月にしてたちまち残念ながら変更しなければならないのでないかと、こう思うのです。公営バスのような労働集約型の事業を収支均衡させることは、今日の状況では至難といわざるを得ません。それに、経費の上昇に見合った料金が常に確保されることが必要であり、人件費にスライドさせて容易に変更させるなど、機動的に対応させなければ健全な経営が成り立たなくなるということですが、これは多数の人の御質問、御意見においても、もうこれは御了承いただいていると思うのです。
 ここで、まあ同じことをお尋ねするようですが、公営交通事業の経営のかぎを握っているのは、やはり料金制度についてであろうと思います。現在運輸大臣の認可が必要とされています。午前中、運輸省の業務部長の高橋さんですか、御答弁の事柄の中に、伺ってわれわれも了承できるようなお話も中にはありました。たとえば料金が現在地方自治体に――たとえば地方議会の議決を得た場合においては、これを届け出制においてすみやかにはかれということ、また自治省の方々も、大体これについて了解をされているような向きに午前中の御答弁では承ったのですが、私たち、料金がどうして今日まで改正されているかという、数回の料金改正の状態はよく知っているのです。この点、たとえば地方自治体は料金についてまあ公聴会を開きます。そしてまた少数の審議会というのを持ちます。その上での結論として議会へ提案されますがね。市長がその人を任命したり、それからいろんな町の有力者の関係で出てくる審議会というものについて、そうわれわれ正しいものだと思いません。いろいろやはりそこには含むところのある審議会が構成されます。それが地方議会で議決された場合、地方自治制をとうとびます立場は私も変わりはございませんが、しかし、最近の社会情勢というものは、それぞれの地方自治体が議決をいただける状態が常に平静だとは思えぬようなときもあります。こういうような点を考えます場合に、午前中、運輸省の方からお話があったような御意向もうなずける点があるんですけれども、しかし何といっても、適正なといいますか、ことばの表現、正しいかどうか知りませんが、いまのそれぞれ都市交通――路面バスなり、地下鉄従事の人たちが、私は十分な労働条件、労働賃金だとは思いません。こういうふうな点から考えて、その原資となる公共料金というものが、やはり正しく適時にすみやかに、必要である場合においてはやはり決定されなければならないと、こう思うんですよ。そういう点から、いろんな点を考慮しましても、やはりひとつこの際地方議会、地方自治体というものを御信用いただきまして、すみやかな届け出制といいますが、その他の問題は抜きにしまして、料金制度に対しては、すみやかな、ひとつ運びが手おくれにならないような、あと追いにならないような処置ができるような機関決定をばするようにはからっていただきたい。そのためには、やはり認可制というふうなものはひとつこの際届け出制にしてしまって、地方自治体に一任願うというような方向がしかるべきものだと、こう思うのですが、これについて、大臣、ごく簡単でいいですが……。
#85
○国務大臣(江崎真澄君) 午前中もお答え申し上げましたので、率直に申し上げますと、法案提出までに、そういういまお示しのような議論が各省庁間において討議されましたが、法案に成文化したような結論になったわけでございます。したがって、衆議院でもこれは当然問題になりました。附帯決議で、本来届け出制になることが望ましいというような趣旨が付されております。したがって、どうも私ども政府段階ではまとまりを見なかったわけですが、もし院においてこれは修正というようなことになれば、当然その線に沿って処置をしなければならぬというふうに考えます。
 ただ、午前中も運輸省側からの答弁にありましたように、事実上、地方行政機関においてきめられたとおりにすみやかに処置をする、じんぜん日を延ばすというようなことのないように許可を早めるということを申しておりまするので、そういった行政措置で今回は御了承をいただきたい、こういうふうに考えております。
#86
○村尾重雄君 これについて、運輸省の御協力につきましては、高橋業務部長の午前中の答弁をひとつ了承しておりますので、なおこの点についての御協力をいただきたいことを要望しておきます。
 次いで、この五条についてお尋ねしたいのですが、この法律によると、五条で、交通事業再建計画は、自治大臣の承認を得なければならないものとなっております。この場合、承認の基準としての下限といいますか――はどの程度にお考えになっているか、伺いたいんです。たとえば不良債務何億円以上だとか、あるいはもっと、たとえば一億なら一億としまして、それより低いものかという、この点はどのように考えておられるのか、ひとつ伺いたい。たしか、第一次再建も、二億円とか何とか、一つの基準があったように承るのですが、いかがでしょう。そういうものはないんですか。
#87
○政府委員(森岡敞君) 再建団体になり、再建計画を策定いたしまして、経営の健全化を推進するかどうかということは、第一次的には経営者であります地方公共団体の自主的な判断にまかせたい。したがって私どもは、いまお示しのような、不良債務の金額によりまして再建団体にするしない、指定するしないというふうな基準をつくる考えはいまのところございません。ただ、再建期間につきましては、法律でも御案内のように、十五年以内という考え方をとっております。不良債務の額が非常に小さい場合には、わざわざ長期間を費やして計画を策定する必要もございませんので、不良債務の額の多寡に応じ、またそのときその状況に応じまして、再建期間等につきましては弾力的に考えていきたい、かように考えております。
#88
○村尾重雄君 そこでお尋ねしますが、今回の行政路線について、再建団体のバス購入費は二分の一を国で補助するということになったわけでございます。これは再建団体のみに限定されているのか。今日、それ以外の自主再建に非常に努力している地方団体等の団体に対しても、同じようにすぐ処置されるのか。なおまた、この再建促進上、自主再建に努力されている諸団体に対して自治省として特別な配慮が行なわれていいんだと、こう思うんですが、そういうことは無理な話なんでしょうか、伺いたい。
#89
○政府委員(鎌田要人君) そのバス購入費の助成は再建団体に限りまして、かつ昭和四十八年度から五年度間に限っておるわけでございます。この考え方といたしましては、財政再建団体のすみやかな再建の基礎をつくる、こういうことで、再建団体に対しまして臨時、緊急の措置としてとる、こういう考え方でございます。
 そこで、いまの自主再建なり、その他の団体にまでこれを押し及ぼすべきではないかというお尋ねでございますが、この点につきましては、いまの私どもの考え方の基礎にありますのが、ほうっておけない、ほうっておけないために、法律の規定に基づきまして再建計画を立てる、そういうものについて臨時、緊急に経営基盤を安定させるという趣旨でとったものでございますので、自主的な再建をやられる、そういった団体につきましては、おのずからそれなりの見通しを持っておやりになられるわけでございますので、このような臨時、緊急の措置を適用する必要はあるまいという考え方でございます。
#90
○村尾重雄君 これはひとつそう割り切るのじゃなしに、なかなか自治団体で再建団体を出たもの、また、再建団体にならないように非常な努力をされている団体があるのですから、これはひとつ自治省としても、そういうところには特別な考慮があってしかるべきだと、こう思うのですが、そういうことを要望しておきます。
 つきまして、バスの問題がありましたので、最後に、公営バス事業の行政路線の維持対策について数点お尋ねしたいと思います。
 公営バスの行政路線は、市内の住宅団地や鉱工業団地への路線、また学校や病院等の所在地への路線、また、住宅の少ない市の周辺部への路線等でありますが、これらの路線は、朝夕のラッシュのとき以外はおおむね閑散線であります。したがって、このような路線運行は結局赤字経営となる。自治省は、このような行政路線というものが現在各都市にあることを御承知願っているかどうかということが一つ。
 それと、今回のこの公営バスの行政路線の維持対策として、バス購入費の二分の一補助は確かにこれは対策の一つであると思います。しかし、行政路線の運営上の赤字はこれで解決できないと思うのです。今後、この面においてどのような対策を講ぜられようとしているのか、伺いたいのと、よく問題となります客観的基準を早急に設けて、新たに国庫補助制度を確立せよということ、また五年間補助となっておりますが、これは再建期間中とすべきだと、こう思うのですが、お考えを伺いたいと思うのであります。
#91
○政府委員(鎌田要人君) 行政路線の問題につきましては、これは先生もとくと御存じのとおりだと思うわけでございますが、率直に申しまして、観念的にはわかるわけでございますが、具体的にそれならばどれがそうかということになりますというと、これは私どもも、公営交通問題研究会その他運輸省等専門家の方々にもいろいろお知恵を拝借したわけでございますが、まあこれというきめ手がない。たとえば、いま御指摘になりましたように、陸の孤島みたいなかっこうになっておる住宅団地ともよりの駅、あるいは過疎地域におきまする絶対的な輸送需要がない、そういったところ等でございますと、一応区分けがつくわけでございますが、それから中に入ってまいりますというと、いわゆる行政路線プラス政治路線と、こういったようなものも出てまいりまして、営業係数とかあるいは乗車密度とか、いま仰せになりましたようなピーク時とオフピーク時との格差が非常に大きい、こういったようなものだけではじいてまいりますと、ある都市で百余りの路線がございまして、そこでかりにそういうものさしを当てはめてみると、九割までがそういうものだということになりますと、何のことはない、実質的には、結局、経営収支に対する助成、こういうことにもなりかねないということでございまして、いわば窮余の策といたしまして、先ほどの再建団体に限り、当初の五年間ということでバスの購入費の助成ということで、いわば正面からの答えになっておらないわけでございますが、応急の措置を講じたわけでございます。
 そこで、いまの団地バスあるいは過疎地域、これにつきましては、別途、運輸省のほうで助成の道が開かれておりますので、やはりそれを拡充することによって対応する。それから行政路線の客観的な基準、これにつきましては、いま申しましたように非常にむずかしい、知恵がございませんけれども、これにつきましては私どもなお引き続いて検討をいたしまして、どういう――いままで考えてなかった知恵でございますから、こつ然としていい知恵が出るという実は自信もあまりないわけでございますが、すみやかに何らかの目安をつけたいという努力をお約束を申し上げたいというふうに考えておる次第でございます。
 それから、いまの路面バスの購入費五年間、もっと続けるべきではないかという点につきましては、先ほど申しました路面交通事業の財政再建、大体当初の五年度程度で経営の安定の見通しを得たい、そのために、それに対応する措置としてとったわけでございまして、いまのところ、これを延長するということは考えておりません。
#92
○村尾重雄君 ただいま御答弁いただきました行政バス路線の予算書といいますか、要請書といいますか、なおひとつよろしくお願いしたいと思うんです。
 そこで、いま財政局長のお話の中に出ました自治大臣の諮問機関、公営交通問題研究会の報告のことなんですが、これはひとつ財政局長なり、また最後には大臣にもひとつお考えを伺って、私、質問を終わりたいと思うんですが、このうち、地方公営交通事業に対する財政援助についてですが、現在、自力で再建することの困難な公営交通の経営の危機をどうしても打開するためには、何としても、やはり国、地方自治体の財政援助の強化が中心として対策がとられる必要があると思うんです。そこで、報告書でも、再建債の元利償還について全額を国及び地方公共団体の一般会計が折半して負担すべきであるということを提言されております。今回の法案には、国が元金の償還について負担せず、利子補給についてのみその全部または一部分を負担しておられる。反面、地方公共団体の一般会計は、元金償還額の全額と、国の利子補給の対象外とされた残額を負担するなど、地方自治体の一般会計の過度の財政負担を転嫁しております。今日の地方自治体の財政需要は、御承知のように日々に増大して、ただでさえ苦しい自治体財政をさらに圧迫するものだと言えます。こうした地方自治体の財政負担を軽減するために、財政処置として今後どう考えられているか、ひとつ政府の見解を承って質問を終わりたいと、こう思うんです。
#93
○国務大臣(江崎真澄君) これは、午前中も問題になりましたように、地方財政が非常に困難を来たしております面からも、いろいろ問題を持っておると思います。しかし、午前中お答えをいたしましたように、特に大都市等におきましては新しく事務所・事業所税等々、あるいは法人税の課税強化、そういった面で財源の充実をはかってまいりたいというふうに思っております。もとより、これは一般論になるわけでありまするが、この交通事業そのものを持っておる地方公共団体の実情がそれぞれに違うものでございまするから、よくその財政事情等を勘案しまして、十分それに合うように措置をしてまいるつもりでおります。
#94
○河田賢治君 大体、各法案についての質問もありましたし、いろいろな点で政府も答弁されております。大体私が予定しておったものはかなりその中に含んでおるわけですが、一応再建問題についての質問をしたいと思うんです。
 この自治省が出しました昨年の「経過と反省」、これにいろいろの自治省の見通しやなんかのことが出ております。私、去年も局長と言い合ったことがあるんですけれども、債券のほうの償還は、それは確かにどんどん返すんですからなくなるわけですけれども、しかし、それ以外にどんどんまた新しい不良債務ができてくると、こういうことで去年言い合ったわけですが、御承知のとおり、この再建計画を立てるには、やはり地方自治体が相当これは困難すると思うんです。それは、御承知のとおり、路面交通、特にバスなどは、今日ではもう人件費さえまかなえないというような事情ですね。それで、きちんとした計画をこの前でもずっと毎年毎年立てておりますけれども、いつも計画の変更なんですね、毎年。これはまあ無理もないんですよ。政府自身だって、やはり一年の予算を組みますけれども、諸般の事情によって、経済の変動がある、あるいは歳入歳出の見通し、あるいは政策の変更で補正予算を組むわけですからな。なかなかそうはきちんとしたものが最初からできるわけじゃないと思うのですね。だから、この次の再建計画でも、確かに期限は十五年ですけれどもね、やはり相当私はこれについては困難があるし、非常に大事な点をやはりこの問題で私は注文したいのは、少なくともこの労働者の問題ですね。もう大体路面電車を撤去して、ほとんど財産は売り尽くす、もうあと幾ばくも財産というものはないわけですが、しかも、技術的にはワンマンカーを採用しておると、いろいろの点でいわゆる合理化は進んできたわけですね。だから、まあ少々路線の変更やなんかやって多少の収入を補いましても、よほどの公共料金を上げぬことにはペイしないだろうと、こういうふうに思うわけですね。しかし、これだって地方住民やあるいは議会等々が介入しますから、そうそう理事者が収支計算をこれだけでたよってやるということはなかなか困難だろうと思う。しかし、いずれにしましても、労働者が働いている限りは――この間労働組合の書記次長ですか、参考人として呼びましたときに、やはりいろいろな問題があるのです。だから、もう決定されても一年以上も給与のはっきりとしたものが渡らないとかいうような問題あるわけですね。だから、少なくともやはり労働者の問題については、まあ国家では人事院が勧告しますし、地方でも人事委員会が一般職については勧告するわけですから、そしてできるだけ一般職、それから交通関係の職員間、従業員等々の基準というものは大まかには大体決定されるわけなんですから、そういうものが、ただ自治省の書類上の、いわゆる計画がやれ出てない、おくれたとかなんとかであるようなやり方というものは、私はできるだけ省くべきだと。つまり、使用している側、交通企業ですね、企業自身はまあ半ばやはり公共団体なんですから、そこでの労働者との間の少なくとも不信を起こしたり、あるいは事業に対する、まあ大体何と申しますか、一応先の見える事業ではないものがありますけれども、したがって、そういう場合でも、やはり労使の間の関係は、特に公営企業がやっている場合には、できるだけスムーズにこれが行なわれるような、そういう措置を、むげに、自治省のほうのいろいろな計画書だって、これこれこれこれだけなければだめだとか、そういうようなことでなくて、最低限はそういうものの支払いというもの、またベースアップあるいはその他があれば、物価の上昇等々の予算変動があれば、それにこたえられるだけの準備をするような、そういう指導方法が必要じゃないかと。このことを私は再建計画の中に、先ほどまあ「合理化」と――これは「効率化」に変わりましたけれども、こういう問題は非常に私は大事だと思うのですね。その点をちょっと聞いておきたいと思います。
#95
○政府委員(鎌田要人君) 再建計画を円滑に進めてまいりますためには、労使間の信頼関係というものはこれはまあ必要であります。そういった意味での労使関係の安定ということが基本にならなきゃならないことは全く同感でございまして、この点については、あえて異を申し上げるつもりはないわけでございます。ただ、やはり一般の経営状態ではございませんで、まさに累卵の危機にあると申しますか、破綻寸前にある経営を立て直してまいるわけでございますから、私はやはりこの点につきましては、非常の覚悟を経営者側も、組合、職員側も持っていただきたい。でなければ、この危機は乗り越えられないのではないかという感じを持っておるわけでございまして、当然、この労使間の協約というものにつきましても、そういう経営の実態を踏まえ、非常な事態のもとにおける経営再建だと、こういうことで、労使間の良識によって処理をされるであろうということを確信をいたしておるわけでございます。で、給与の問題等につきましても、そういった意味で、給与改善の努力というものは当然これはなされるべきものでございますが、その原資というものは、やはり料金の適正化あるいは経営合理化の努力、こういったものを通じてやはり財源を生み出してやっていただく、このことはどうしても鉄則として考えていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
#96
○河田賢治君 まあ、それは企業である限りは、ある程度企業の方向でこれはやらなきゃならぬと思うんですが、私は、これを自治省がやりましても、なかなか――それぞれの部門では研究していると思う、当事者は。しかし、たとえば公営交通問題研究会の第七回資料ですか、ここに、「交通事業の生産性等の推移」と、こういうものが出ているわけですね。特に、これはいろいろ輸送人員であるとか、一日一車当たりの走行キロとか、一日一車当たりの収入とか、車キロ当たり収入とか、こういうように生産性の問題が出ております。しかし、自治省が出します白書などはそう詳しいものじゃないわけですね。だから、それぞれの都市の企業間の格差というものもあると思うんですよ。そういうものは、できるだけ比較するように、そしてまた、だれしもわかるような形のものを、何か、交通白書と申しますか、そういうもので出して、そしてお互いに討議もさせ、批判もし合うというような、そういう材料を出せば、かなり都市間の格差なんかも、また営業の路線、あるいはいろんな系統等々について、そういう問題をお互いにそれぞれ考える。自分のところだけ見ますと、何だか知らぬけれどもうまくいってない、もっとこれは要求しなくちゃならぬとか、あるいは何とかしなけりゃならぬとかいうようなことも出ると思うんですね。なかなか、これは大都市全部同じ条件じゃないから比較的むずかしいとは思いますけれども、しかし、そういうものをやはり下へおろして、あるいは一般に公開して、何もたいしたことじゃないんですから、このことは事実なんですから。こういうふうにして、それぞれもっとこまかく、住氏にもわかり、また、市の財政並びに交通企業のあり方というものがわかるようなものを出して――まあ各企業自身も出してはおりますけれども、そういう比較の形ではあまり出ぬわけですから、だから、こういうものを出して、多少はそういう場合の、いろんな人が考える場合の参考的なものをやっぱり出したらいいんじゃないかと、こういうふうに思うわけですね。こういう点を私は一つ考えるわけです。それでこのことについてちょっとお伺いしたいと思うわけです。
#97
○政府委員(森岡敞君) たとえば六大都市の交通管理者あるいは労働組合、それぞれお互いに特殊な事情がございますけれども、ベースアップの問題でありますとか、その他の契機があります場合には、相互の情報交換をいたしております。また、私どもその中に入りまして、それぞれお互いに状況を知らせ合って適切な結論を得るように指導もいたしておるつもりでございます。
 で、一般の地域住民なり利用者に対する状況のインフォメーションでございますけれども、これにつきましては、やはり私ども痛感いたしましたのは、昨年、長い間料金改定をやっておりませんでしたが、六大都市の料金改定をいたしたわけでございます。その際に、いまお示しのような経営状況――車キロ当たりの収入とか車キロ当たりの費用、これらを各都市とも地域住民に公開をいたしまして、公営交通を維持していくべきかどうなのかという問題、根もとの問題まで掘り下げて料金問題に取り組んで、地域住民の理解と納得を得て料金改訂の議決を経たと、こういう経緯があるわけでございます。確かに、御指摘のようなことは当然必要でございますので、私どもも、引き続きそのような方向で、公営企業の、特に公営交通の経営の実態なりあるいは将来の方向について、広く情報を提供いたしまして、皆様方の御理解と納得を得るような方法で処理してまいりたいと、かように思っております。
#98
○河田賢治君 それでは各論に入りますが、一つはバス路線ですね、地方バスの補助制度がいま行なわれております。これの基準について、どのようなところに補助をするかという基準のところを中心に、概略お話し願いたいと思います。
#99
○説明員(高橋寿夫君) 現在運輸省がやっております地方のバス路線維持対策特別補助金というのにつきまして、概略御説明申し上げます。
 御承知のように、全国的な過疎化の進展によりまして、特に過疎地域をかかえておりますバス事業の経営が非常に危殆に瀕しております。はずすわけにはいかない路線でございますので、何とか維持したいということで、ほそぼそながら始めておったわけでございますが、たとえば、昭和四十一年に車両購入費の補助金を五百万円出したのが始まりでございまして、だんだんだんだん中身をふやしてまいりまして、これが、最近では四十七年度――昨年度にかなり大幅な増額をいたしたわけでございます。この制度の御説明を申し上げます。
 これは、四十七年度から五年間にわたっての措置ということで一応でき上がっております。全国を八十七のブロックに分けまして、それぞれの地域の中でできるだけバス事業というものを集約統合していただいて、よけいな経費を少なくするということを一つのねらいにいたしておりますものですから、甲種、乙種という二つの集約のしかたを示しておるわけでございます。甲種集約会社といいますのは一地域一社になる、乙種の場合には一地域が二社になる、あるいは一地域の中が一系列会社になってしまう、こういうふうに分けております。これは、分けましたのは、集約の進んでおるものほど補助を厚くしてやろうという考え方でございまして、したがいまして、甲種、すなわち、一地域一社になったものにつきましては、バス事業部門で赤字でありますれば補助対象といたします。それから乙種の場合には、全事業が赤字にならなければ補助をしないというふうに、補助の出動する場合の基準を若干違えております。
 それからこの対象になる路線でございますけれども、これは路線補助でございまして、企業に対する補助じゃございませんので、その企業のやっております路線を一つ一つチェックするわけでございます。現在の補助基準では、一日三往復運行をしたというふうにして全部計算いたしまして、その場合に――平均乗車密度と私ども言っておりますけれども、平均して五人ないし十五人乗っかっている、一日三往復運行をするとして計算いたしまして、どこの断面で切ってみても五人ないし十五人は乗っかっていると、こういうふうな路線を対象にいたしまして、これに対する補助を考えたわけでございます。なぜ五人から十五人で切ったかと申しますと、五人以下の路線、これはもうすでに補助をいたしまして、企業というワクの中でやっていくには不可能な路線である、したがいまして、もうひとつ、これは社会政策的な補助なり、そちらのほうの援助措置のほうに移行すべき路線であるということで下限を切っております。それから、十五人以上お客さんがあるような路線、これは従来のような考え方で、すなわち、運賃を適正に処置いたすことによりまして黒字路線から赤字路線へ流していくというふうな、企業全体の総合収支という中で見るべきであるという考え方でおりますので、上のほう下のほう切りまして、ちょうど五人から十五人という乗車密度のものに対して補助をするというような考え方でございます。
 この補助金の中に二つ種類がございます。一つは、集約路線維持費補助金というわけでございます。これはいわゆる経営費の補助になるわけであります。中身は、運送に要した経費の三分の一、これにつきまして県が補助をいたします。そういたしますと、県に対しまして、国が県の補助額の半分を補助いたします。ですから、お金の出どころからいいますならば、その路線の運送経費の三分の一を国と当該都道府県が半分ずつ補助をするということでございます。これが、四十八年度、今年度の予算では九億三千万円ほど計上されております。これは国の分だけでございますから、県の分が入りますならば約十九億近くになるわけでございます。それから、二番目に車両購入費の補助金というものがございます。これは、やはりいまのような路線に使っております車両につきまして、車齢、車の年齢五年以上のものにつきまして、一台当たり三百万ないし二百万というふうなものにつきまして補助いたしております。そしてこの場合、補助金額は車両費の全額または車両費の三分の二でございまして、先ほどの甲種、乙種の区別にそれぞれ相当いたしております。甲種の場合には車両費全額を出します。この場合も国と県が半額ずつ負担いたしております。この予算額が四十八年度では国費で一億七千万でございますから、合わせますと三億五千万ほどの金が補助として国及び県から流れるわけでございます。これが集約路線維持費補助金という、いままで御説明申し上げましたものでございます。
 このほかに、地方のバスに対する補助制度といたしましては、もう一つ、前からやっておりました離島辺地等バス路線維持費補助金というものがございます。これは、昭和四十四年度からやっておりまして、だんだんふやしてきておりますけれども、先ほど申し上げておりますような路線維持費補助金は、やはり地域の中の集約というふうなことをある程度前提にしておりますために、これに漏れてくる地域がやはりあるわけでございます。こういうものにつきましては、この二番目に申し上げます離島辺地のバス路線補助金というものが発動するわけでございますが、これは、運送費から人件費を除きました分につきまして国と県が半分ずつ負担しておりまして、これが四十八年度予算では国費で約一億円でございます。
 それから三つ目に、廃止路線代替車両購入費補助金というものがございます。これは、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、もう普通のバス経営としては、いわゆる民間バスの経営としては、補助金もらってもとてもやっていけないというところにつきましては、その地域の市町村と話し合いをいたしまして、廃止をいたします。ところが、廃止いたしますとやはり地域が困りますものですから、そこの市町村がみずから出動されまして、車両を買って住民の要望にこたえる、こういうことをやっております。その場合に、どうせそういうところでございますから、車はマイクロバスみたいな小さい車でございますから、そう高くございません。これを一応一台百五十万円と踏みまして、その三分の二を国と県が半分ずつ負担しております。これが四十八年度では国費で千八百万円でございます。これらを合わせますと、四十八年度では、この地方のいわゆる過疎バスといいますか――に対する補助金の合計が国費で約十二億でございます。
 なお、このほかに、沖繩に対しまして五千万円ほど、同じような趣旨のものがございます。以上でございます。
#100
○河田賢治君 一応基準はわかりましたが、最近団地バスの補助をやられることになったのですね。これは私たちも一つの進歩だと思います。しかし、これが非常にいわば制約されておりまして、民間で相当大きな住宅団地なんかをした場合に、この団地バスの補助の対象外ということになっているわけですが、これも、団地の大小にもよるでしょうし、駅との関係もあるでしょうが、相当、まあそういう主要な交通機関と民間の大きな住宅団地がある場合に、こういう場合は一体どういうふうにお考えになりますか。
#101
○説明員(高橋寿夫君) お答え申し上げます。
 この制度は、いわゆる先ほど申し上げました過疎バスの補助金と少し趣旨が違いまして、過疎バスの補助金は、もう本来その地域が人口減少等の過疎化が進展するために、どうしても通常の企業ベースではやっていけないというところに対しまして、まあ公的の補助をしようということでございます。
 団地の場合にはかなりまとまった需要があるわけでありまして、昔でございますならば、たいへんバスの経営対象としてはかっこうの場所であるわけでありますけれども、ただ、こういったものに対してどうしても補助が要るというふうに考えました理屈は、一つは、たとえば一千戸入居とか二千戸入居というふうな計画がありましても、一ぺんに一千戸、二千戸という計画人口が張りつくということはなかなかなくて、やはりこれが二年、三年かかって、だらだらだらだら進んでいくということがございます。しかしながら、やはり人が住んでいる以上、最小限度のバスのサービスが必要になります。そういたしますと、初めのうちはかなりこの収益としては悪くなるわけでありまして、それをおそれるのあまり、経営者はなかなかバス路線設定をしない。満ぱいになった段階で設定をするというきらいがございまして、その経過期間において、住民に御迷惑をかけるということが起きております。
 それからもう一つは、やはり団地から駅へ行く等の路線でございますから、どうしても朝晩のラッシュ時にかたまりまして、そのためにかなりたくさんの車両を用意する。ところが昼間はなかなか使っていただけないということで、ラッシュ、非ラッシュのギャップがはなはだしいことから、やはり収益性がよくない。
 こういうことから、団地につきましても、バス路線の設定を推進するために補助をする必要があるというふうに考えましたのが、まずこの創設の趣旨でございます。私どもは予算を要求するほうの側でございますから、当然いろいろ考えたいわけでございますけれども、やはり財政当局は非常に慎重でございまして、初めに広げることを非常にいやがられますので、まずこの辺から振り出しということで始めましたのが、基準といたしまして駅から二キロメートル以上の距離がある団地。これは駅と団地のセンターとの距離が二キロメートル以上ということでありますけれども、それから、最終の入居戸数が一千戸以上というところへ線を引きました。さしあたり、こういった問題の激化している東京、大阪の二大都市圏、それから、いまも先生から御指摘ございましたように、一応住宅公団、地方公共団体直営あるいは住宅供給公社等の、いわゆる公的開発にかかわるものに限るというふうにいたしたわけです。そして、一応、私どもモデル計算をいたしましたところが、大体、一団地当たり年間に千二百万ぐらいバスの欠損が出る。それを国と県が半分ずつ見るとすれば六百万ずつである。それをさらに初年度は半年分として三百万。三百万かける――東京地区八団地、大阪地区一団地、合計九団地でありますから、三百万かける九で、約二千七百万というものが今年度の国費の予算額でございます。
 それともう一つは、二年間という経過的な補助でございます。これは入居始めてから最終入居が終わるまでほぼ二年間というふうに考えまして、二年間の経過的な補助ということでやったわけであります。したがいまして、そういう経過期間以後の問題につきましては、たとえ朝晩の利用率のギャップ等がございましても、これは通常のバス路線の場合にもあることでございますので、それはバス企業全体の総合収支計算という中で、適正な運賃設定をすることによって処理していくべきであるというふうに考えまして、二年間で打ち切ってございます。
 そして御指摘の、公的開発にかかわるものになぜ限定をしたのかという点につきましては、これもやはり予算制度創設のときの一つのしばりをかけたうちのメルクマールの一つでございますが、あえて理屈をつけますならば、私どもは、おおむね公的開発のもののほうが規模が大きい。おおむね大きい。もちろん例外はございますけれども、おおむね大きい。したがいまして、やはりたくさん人がいるところから救っていこうということからするならば、まず、民間開発のものに比べるならば、公的開発のものから先にいくべきだろうと考えましたのが一点でございます。
 それから、民間の開発の場合には、これもそれぞれ規模、それから中の環境水準、住宅水準その他まちまちでございますけれども、おおむね、公的開発がやるものに比べますと、若干レベルが高いんじゃないか。それからまた、したがいまして、これはデベロッパーが、その土地の分譲価格またはその家屋の家賃というふうな形で、入居する人に負担させることが、民間の場合には比較的――容易じゃございませんけれども、公的住宅に比べるならばそこの余地がありはしないか。したがいまして、その民営会社は、公的開発の主体に比べるならば若干余裕が出るから、その余裕分を、いわゆる開発者負担として、当該路線バス会社にお金を出すこともできるんじゃないか。比較論でございますけれども、そういう比較論から、まず公的なものに限るということで始めましたが、しかしながら、民間の開発する団地につきましても、大きいものも出てまいるでございましょうし、また、それらの中身につきましても、公的住宅と比べても、同じような規格のものがどんどんふえていくということでございますならば、その実績に徴しまして、将来拡張の方向で考えたいと、こう思っております。
 また、対象の都市につきましても、東京、大阪以外にこのような必要がある地域が出てまいりますならば、実態に応じまして拡大する方向で考えていきたい、かように考えております。
#102
○河田賢治君 まあ創設されたばかりで、いろいろ注文出すのはちょっと無理なんですけれども、しかし、もより駅までの距離が二キロ以上というんですね。これについて、東京都の総合交通対策担当専門委員の報告では、この六月の総合交通対策の中でこういうことを言っているんですね。「ヨーロッパの都市で、市民が抵抗なく歩ける距離は四百メートルという調査がある」。それから第二に、「東京では、昭和四十七年暮、財団法人運輸経済研究センターが、バス停まで何メートルなら歩けますか、という調査をしたところ、五〇・一%が三百メートルと答えた」と、「都心三区になると、六七・七%が三百メートルを限界と答えている。」と、こういう報告があるらしいんですが、ですから、二キロといいますと、女の足にすればちょっとあるわけですね。特にまた、遠隔地で、しかも、何といいますか、よく山のふもとなんかにこういう団地が建設されておるところもありますが、こうなりますと、団地の通勤者も帰宅時間がだいぶおくれますし、婦女子にとって二千メートルということになると、歩行するのにはかなり無理なのではないか。なるべくそれは、健康体になるために歩け歩けという趣旨もけっこうなんですけれども、せっかくおつくりになるんなら、やはりその辺は――欧米でも四百メートルといいますとだいぶ距離が短いわけです。また東京――まあ東京の人は歩かぬことになっておりますけれども、大体三百メートルと答えているわけですね。ですから、この辺にやはりもう少し改良される余地があるんじゃないかというふうに考えるわけですが、いかがですか。
#103
○説明員(高橋寿夫君) これも創設のときでございますので、二キロと一応切ったんでありますけれども、まあ何キロにしたらいいかといういろいろな議論がございます。普通、われわれが抵抗なく歩ける距離につきましては、いまもお示しのように、大体私ども、四百メートルぐらいというのが外国の学者の調査でも言われている標準でございますが、まあ一キロぐらいはひとつかんべんしていただいて、将来一キロぐらいのところまでは何とかカバーするようにしたいと思いますけれども、一キロ未満になりますと、もちろん、病気のときとか、あるいは足の弱い方等については問題ございますけれども、バスを待っているよりも、歩いたほうが早いというふうな方も中にはあるかもしれませんので、さしあたり、一キロぐらいまで広げる方向でだんだん検討いたしたいと思っておりますけれども、抵抗なく歩ける距離の四百というようなところまでいきますのは、ちょっとむずかしいかと思います。
 それから団地自体が相当大規模な団地でございますと、現実問題として、駅から四百、五百というふうなところに団地ができるという例もそうたくさんはないものかと存じまして、むしろ私ども、各地域の住民からいろいろ苦情を承っている場合として、やはり多いのは、駅から二キロ、三キロ、相当離れて――と言いますのは、駅に近いところは大体いままでもう団地ができているところが多くて、また、できてないにしても、非常に土地が高くて団地なんかとてもつくれない。最近できる団地は、土地の安いところ、かつまた相当広い土地が残っているところということになりますと、駅から三キロ、四キロ、相当奥深く行く場合が多い。それでもう足がなければどうしても困るのに、路線が設定できないという苦情が相当強うございますので、そこへ着目した点がございますので、やはり距離の点につきましては、一挙になかなか広がらないかもしれませんけれども、もちろん、将来のことを考えますならば、だんだんそういった方向に行く必要もあるいはあるかと思います。
#104
○河田賢治君 そこで、今度は都市のバスの問題になるのですが、一応いろんな基準から行政路線として補助をするわけですね。そうしますと、大都会でいま特にバス事業が――まあ地下鉄が非常にうまくできておるところはけっこうですけれども、そうでないところは、非常に運営が、今日の収支の計算からいきますとなかなかたいへんな問題になると思いますね。大体八〇%、あるいは企業としてもバスだけでも七〇%ぐらいしか収入がないという状態ですね。そうしますと、やはりここに行政路線としての考え方を入れて、まあ多少の交通整理もあるでしょうけれども、再編成も。しかし、やはり赤字をできるだけ何らかの形で行政路線として認めていく。電車にかわってバスが通れば、やはりバス自体は、朝晩の通勤で生産活動に従事する人を乗せるわけですし、昼間、その他の一般の生活している人を乗せるわけですからな。そうむやみやたらにレジャーでバスなんかに乗って、乗り回す人も少ないわけですから――まあこれは観光バスは別ですけどね。そうしますと、やはりこういう問題についても、一般会計から行政路線として赤字を補てんしていくという方向ですね。これは自治省の交通問題研究会報告なんかでもそういう趣旨のことが言われているんじゃないかと思うんですけれども、この問題についてはどうでしょう。
#105
○政府委員(鎌田要人君) 行政路線の問題につきましては、先ほども村尾委員の御質問に対してお答え申し上げたところでございまして、なかなか行政路線というものの認定の客観的な基準というものを見出すことがむずかしい、そういうことがございます。当面の措置といたしましては、再建団体に対しまする当初五年間のバス購入費助成ということで解決をいたしたわけでございますけれども、この点につきましては、今後とも行政路線の客観的な基準というものをつくることにつきまして、各方面の知恵を結集しながら結論を得てまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#106
○河田賢治君 やはり企業となりますと、企業に携わっておる者はなかなか頭が重いわけですね。だから、まあ明年になれば――事務所・事業所税が――これは通るかどうかわかりませんけれども、しかし、そういうものが創設されて都市財政の大きな収入源が多少でもできれば、いろいろな社会保障政策の立場からも、そうしたバス路線とか何とかいうような赤字問題はある程度解消してやると、一般会計からそのほうに回してですね。そういうやはり制度をつくるべきじゃないかと思うんです。なるほど値上げの問題もあるでしょうけれども、しかし、できるだけ公共料金を上げるということは抑制しなくちゃならぬ、公共団体は。そういう責務を負っていますからね。ですから、そういう場合には何らかの方向で一般会計から補助して、あまり企業自身に重い感じを持たさぬような運営をやる。まあ効率的な運用はこれは経営はやらなくちゃならぬと思うんですよ。そういうようなお考えは大体将来に向かってありますかどうか、ちょっと聞いておきたいと思います。
#107
○政府委員(鎌田要人君) 行政路線の問題は、たとえば先ほどもちょっと申し上げましたけれども、首都圏の交通機関の分担状況を見ますというと、公営交通の分担いたしておりますのが、お客さんの数では八%ということでございまして、民営のバスについても同様の問題があるわけでございます。したがいまして、これは路面交通というものに対して行政路線というものをどのように位置づけて、どのような基準でより分けて、それに対して助成するかという全般的な問題になろうかと思います。
 当面、私どもが公営交通問題研究会におきまして行政路線の問題について御検討をお願いいたしたわけでございまして、私どもも、公営交通のサイドの面で行政路線の問題はさらに引き続いて検討いたしまして、結論を得ましたならば、他の民間企業とのバランスということも考えながら、そこでどういう措置を講じていくかということを検討しなければならない、こういうふうに考えておる次第でございます。
#108
○河田賢治君 次いで、地下鉄の問題に入りたいのですが、いま地下鉄が――今日、東京、大阪等々の大都市では、もうすっかり建物も建っちゃっているし、なかなかここを大きな道路を広げるということは無理だと思うのです。ある研究会なんかは、昭和八十年ごろまで計算してだめだ――何といいますか、道路をつくるとすれば、そこの面積をもう何倍にもしなくちゃならぬ、あるいは駐車場も相当の面積が要るというのを計算しておりますけれども、いまのような状態で進んでいくならば。しかし、いずれにいたしましても、今日自動車のほうの生産、これを、何といいますか、産業政策としてどんどんこれを伸ばしてきたと。これに応じてまた道路をつくった。しかし、やむを得ず交通機関が地下へもぐったわけなんですから、こうしますと、道路と見ていいのじゃないか、地下鉄は道路。おそらく道路としますると、自動車の台数で――私はいいかげんに勘定してみたのですけれども、四十キロの速度、市内で。それで道路三車線あって、車間距離が二十メートルあって二人乗せていく。そうすると、一時間にどれだけ走れるか。そうしますと、約九千九百九十六人ですか、こういう計算になるわけですね。しかし、地下鉄になりますと、もっと相当の人が、四万四千人ですか、一号線の四十三年。まあ二万人ぐらいは大体一号線で運んでいるわけですね。ですから、地下鉄のほうが、いわば多少不便はあるでしょうけれども、駅と駅との間が長いですから。けれども、輸送力としてはこれは一番大きいわけですね。そうしてまた、いまだんだん地下鉄が盛んに行なわれている。そうしますと、これは道路と見ていいのじゃないか。今度皆さん方の努力で負担分が若干上がりました、国が持ち、あるいは地方が持つということですね。しかし、道路と見ますと、これはやはり一般の道路の建設費、これを基準にして、ここの二分の一なら二分の一を地方自治体が持つ、さらに地下鉄が高架で場所によっちゃ走るでしょう。そうすると、そこの高架分を全部これは国が持つ。地下のほうも、道路をこした分は全部国が持つというようなやはり計算をして、地方自治体の負担を、また特に企業の負担を減らすべきじゃないか。共産党は大体いま四分の一を地方自治体に負担させる、総建設費のですね。そういうことを考えているのですが、そういうふうな理屈は成り立ちませんか。大臣ひとつ。
#109
○国務大臣(江崎真澄君) 地下鉄の場合は非常に投下資本が大きくなります。いま御指摘のような意味も確かにあります。そこで、国及びその経営地方公共団体とで今度六六%を持とうと、こういうわけですから、これはやはり相当な助成であるというふうに私ども思います。そして、これは道路と違いまして、有料で乗客を運びますから、固定資本にそれだけのものを助成をすれば、あとはペイしていくものであるというふうに積算いたしております。
#110
○河田賢治君 そこで、さっきは、路面のバスがもうだんだんまいりかけているという時代なんですからね。ところが、地下鉄である程度の収入があれば、一般の一つの会計とすれば、こちらのほうに回せるわけですね。できるだけ元利償還というようなものをなるべく国が持ってしまうと。地方自治体も若干持ちましょうがね。北海道あたりは、そうおっしゃるけれども、いろいろな公共事業費は十分の十持っていたでしょう。去年は港湾なんかでも十分の九ということにしましたけれどもね。だから、必要な場合は、国が、いま何が今日の社会状態の中で大事な問題であるかということを考えれば、やはり国が相当そういうところに集中的に突っ込んでいく。道路ばかりをどんどんつくっても、これはこれからますますふえるばかりで、道路は渋滞する。大阪で御承知のとおり計算したのがありますけれども、車は四十年から四十七年まで六十九万から百六十三万。ですから、四十年を一〇〇としますと二三五ですね。道路面積ではわずかに二十一キロ平米ですか、それが二十八・一と。だから、一三〇しか伸びてない。それから停滞の回数が、年間に三千七百三十四回が四十七年は九千七百二十四回と、これが二六〇なんですね。だから、このほうが大きくなっている。さらに停滞の時間は四千三十一時間から一万五千六百八十三時間になっているんですね。ですから、この停滞時間というものが一〇〇に対して三八九。だから、停滞時間というものは、大体五百メートル以上渋滞の車列が三十分以上継続して異常な状態が持続することがわかったわけですね。だから、自動車というものがものすごくふえるだけでなく、それがもたらす大きな交通障害というものがもうここまできているわけですね。だから、こういうところにむやみやたらに道路を先につくるよりも、まずそれだけの金があれば、国のほうでどんどん早く地下鉄をつくっていく。そうしてできるだけ通勤者の便を速めていく。そうして、御承知のとおり、企業全体としましては、地下鉄もやはり元利償還がかかりますと、これはほとんどプラスマイナス・ゼロあるいは赤字になっているところもあるんですね。将来は、二十何年か先になれば、これは多少黒字になるところもあるでしょうけれども、とにかく、こういうやはり政治として、非常な交通機関――これはもうある特定な大都市には限られておりますけれども、しかし、いま沖繩が大事であるとか、あるいは北海道がどうだとかいう理屈をつけるなら、やはりこういう大都市の特に交通機関を整備するということで、そういう特別な処置をする必要があるんじゃないか、こういうふうに考えるんですがね。
#111
○国務大臣(江崎真澄君) 一つの発想として承っておきますが、いま私ども政府としましては、まあこの程度が妥当なところではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。そればかりか、自動車は今後これは生産をとめるというわけにもいきますまい。生産をとめてみても、これは自由化ですから、やはり持ちたいという人の需要に従って当然外国の車が入ってくる。したがって、自動車を制限する時代にきている。これは当然考えていいわけです。ですから、そういう自動車の規制をどうするかということと相まって、路面バスの運行をスムーズにさせることはそんなに至難なことではない。いろいろ障害はありましょうが、やろうという決意をすればこれはやれることでございます。
 それから地下鉄は、大都市においてやはり将来のためにも充実していくことが望ましい。最近言われておるのは、中都市においてはモノレールを建設をしてはどうかと。これもすでに法案もできましたし、関係省庁において十分検討されておるところでありまするが、こういったものを駆使していけば、そして過密過疎の問題がもう少し国家的にバランスのとれた形で解決されてまいりますれば、やはり道路を広げ、道路を整備するということは大事なことだというふうに考えております。
#112
○河田賢治君 外国の例も――私は外国にはあまり行っていないんですけれども、やはり相当、国や地方自治体が負担して、企業自身はそう負担しないわけですね。特に、国のほうが相当いろんな点で助成金を出して、ロンドンにしましても、シカゴにしましても、まあニューヨーク等々もかなり出しているわけですね。だから、こういう点で、やはり思い切って、国の交通政策の一貫として私は大都市の交通問題は考えるべきじゃないかと、こういうように考えておるわけです。で、いま御答弁がありましたからこれ以上は追及しませんけれども、しかし、政治としてはやはりこういう問題を考えていきませんと、単にこれは地方自治体の問題だといって済まされない大きな問題があると、私はこう思うわけです。
 そこで、警察の方に聞くんですけれども、去年ですか、専用レーンとか、あるいは時間的にストップするというような問題が出てきましたですね。それで、私ちょっと新聞を京都のを見たんですけれども、去年の四月からですか、これをやりましたのは。ところが、ことしの二月ごろになると、もう全然優先ということがだめになっちゃったというようなことがちょっと新聞に出ているんですが、こういう事情は、優先レーンを決定をしている都市でも出ておるんですか。それとも京都だけの現象でしょうかしら。
#113
○政府委員(渡部正郎君) 京都におきましては、現在四条通の――これ二千六百メートルほどあるんでございますけれども、その区間で上り方向、朝の七時から九時までの二時間でございますが、それから下り方向は午後の五時から七時までの二時間、この時間帯で路線バス等の優先通行帯を設定してやっているのでございまして、いま御質問にございましたように、だめになったというような事実はないようでございます。これ、京都だけではございませんで、午前中お答えした中にも申し上げたと思いますが、バスの優先レーンは京都以外にも方々やっておりますし、今後拡大したいという考え方でいるわけでございますが、いろんなむずかしい条件がございまして、これはやりました当初に、バスレーンのところに一般の車が入ってくるとか、何かつまり運用がうまくいかないというようなことがございまして、いろいろ手を加えたりしまして、試行錯誤でだんだん改善していくというようなことは普通あることでございますが、京都についても、そのほかのところにつきましても、一ぺんやったのがだめになってやめたとか、そういうことは聞いておりません。そういうことはないと思います。
#114
○河田賢治君 私も新聞でちょっと見ただけなんですけれども、しかし、御承知のとおり、あの四条通というのは狭いですからな。多少無理もあるんです。どうしたって三車線以上の大きな道路でないと、専用バスを通すとかいうようなことは、優先バスにしましてもなかなか困難が出ると思いますね、途中おりたりする人もありますし。それから京都は、御承知のように、この間市長が、中国へ行く前でしたか、もう京都はこの前の「新平家物語」以来、特に北のほうの三千院であるとか、寂光院であるとか、あるいは苔寺その他のいわゆる名所旧跡ですね、ここヘマイカーがどんどん来て、非常にもう窒素酸化物が出てきて大気が汚染されて困ると、非常にまた道路も狭いから混雑するというようなことを言っておりました。観光バスもずいぶん一年間に入るわけですからね。京都の市長が、どうしてももう他府県からの自動車はひとつ制限しなくちゃならぬというようなことを言っておりましたが、なかなかこういう問題は困難だと思いますが、これはひとつ、この間の新聞に、マイカーに賦課金をかける、五十年度実施を目ざすということが新聞に出ておりましたが、これは運輸省が中心になって、自治省や建設省その他、何かこれからかけてやっていこうというお話があるようなんですが、最低で一台一日千円、こういうような記事が出ておりました。これはどのくらい進んでおるものですか。この点について運輸省の方、それから自治省がこれに臨んでおる態度ですね、これについてお聞きしたいと思います。
#115
○説明員(高橋寿夫君) 私からお答えします。
 実はまだ運輸省事務当局でも正式に原案つくったわけでございませんで、私ども自動車局の内部で、バスを何とかスムーズに走らしてもらいたいという悲願のあまり勉強しておりますのが一部漏れて、たいへんよくそれは書いていただいておるので、それをお読みいただきますと、ほとんど私も説明する必要ないくらいでございますけれども、実は五年ほど前にそういったことを考えたことがございまして、環状七号あたりで、入ってくる車を五百円ずつ取ってチェックをするということを考えたのでありますけれども、当時はまだまだ現在のように車というものに対する社会的批評の問題その他が必ずしも世論になっていなかったものですから、運輸省はマイカーを敵にして、マイカーを目のかたきにして、タクシーとかバスとか、そういう企業の乗りものを優先させる、けしからぬということを言われまして、たいへん心外だったんでありますけれども、機熟さず、それきりになりました。ただ、それ以後も、路面交通機関、特にバスの運行能率の低さは年々深刻になってまいりまして、ずっとこの委員会で御議論ございますように、もう企業の中でできることよりも、むしろ企業の外部関係を整備することによってでなければ、なかなか特にバスの場合には解決がつかないということになっておりますので、警察におかれましても、たとえば都心三区の全面的な駐停車禁止というようなことで、かなりマイカーは減ってまいりました。さらには、この駐停車禁止の規制措置を、さらにたとえば山手線の中ぐらいに広げるというような話を伺っておりますけれども、私どもといたしましては、そういう警察にやっていただきます交通規制がやりやすくなるためにも、やはり全体の総量規制ということを考えなきゃならないんじゃないか。そのためには、いろんなことを従来考えましたけれども、やはり都心あるいは市街地という、たいへん空間の値段の高い、かつまたみんなでこれを分け合って使わなければならないような貴重な場所において、一人がたくさんのスペースを占領して移動するということは、これはやはり遠慮してもらわなければいかぬ。したがって、そのことを法律その他をもって禁止をすることになりますと、なかなかまあむずかしい。いかなる自動車を認めて、いかなる自動車を認めないかという用途別の規制がなかなかできませんので、それであれば、たいへん乱暴かもしれないけれども、ある一定の経済的な負担をすることによって、次善の策としてその辺の選別をしようというように考えまして、その五年前に世論にたたかれてだめになったとき以来、臥薪嘗胆を繰り返してきているわけでありますが、それが最近、またたいへん世論的にも、車の抑制、特にマイカーの抑制ということが強くなってまいりましたものですから、ひとつこの辺でやろうじゃないかというんで勉強しているのが事実でございます。
 ただ、そこにも出ておりますけれども、いろんな問題がございます。対象地域をどうするか、対象車両をどうするか、そしてまた実際にそのチェックする手段方法をどうするか等々、たくさんございまして、おそらく一千万都市という東京のような舞台でマイカー賦課金みたいなものが成功すれば、もうノーベル賞をもらえるくらいのものだと思うんでありますけれども、それくらいたいへんな問題でございますので、私どもは一応事務局で何らかの原案をつくりましたらば、関係省庁にも見ていただきまして、もし政府として取り上げるということになりまするならば、これは当然運輸省でなくて、やはりどこか総合的なセクションが取り上げて、やるとなればみんなで力を合わせてやることになると思いますけれども、まだまだそういった意味ではたいへん問題の多い研究的な段階でございます。ただ、何かそういうむずかしさを克服いたしまして、警察の交通規制とこの賦課金措置というものが、縦横のからみで最適の組み合わせができることを、一事務官としては念願いたしております。
#116
○政府委員(鎌田要人君) 自治省といたしましての考え方を申し上げたいと思います。
 自治省といたしましては、かねがね大都市財源の賦与、あるいは市町村の道路目的財源の強化、さらに、いまお話がございましたような、自動車の保有、使用に伴う社会的な費用というものをある程度負担させることによりまして、マイカー保有の規制ということにも回り回って役立つ、こういったことで自動車税あるいは燃料課税、こういったものの一般的な増強ということをはかりたいということで考えておるところでございまして、当面、明年度からこの第七次道路整備五カ年計画の特定財源、市町村道に重点が移ってまいるわけでございますので、そういった意味合いもかねまして、自動車の保有あるいは取得、あるいは燃料、こういったものに対する課税の強化をはかってまいりたいということで考えておるところでございます。
#117
○河田賢治君 それでは大臣に伺いますが、運輸省のほうが、いま運輸大臣が許認可権をだいぶ持っておる、かなりいろんな点で便利を与えて、中央で認可したり、あるいはまたスムーズになるべく早く認可を与えているというようなことをおっしゃいましたけれども、しかし、少なくとも地方自治体が料金を決定すれば、これは市民あるいは都民のいわば代表が同意して料金を引き上げるとかいうようなことをきめるわけです。これに対して、自治省自身でもこの問題について諮問されたことがあるわけですね。これは法案には出ていないのですけれども、やはりそういう法律をおつくりになる必要があるのじゃないか。運輸省からはちょっときらわれるかもしれませんけれどもね。それから、外国の例をこの間法政大学の先生から聞きますと、つまり地方自治体が決定した。それを運輸大臣、あるいはその他の上の上級機関が非常に遅延して認可した。その間ずいぶんギャップができるわけですね。だから、そういうものに対して国家賠償をすることができる。ちょうど判決をして、無罪判決のときは、被告に対して国家賠償で払うというような、こういう形で――この間法政大学の方が言っておられましたですけれども、そういう制度がもう外国にはあるのですね。自治省もそのくらいの腹をもってひとつ法案をおつくりになったらどうですか。これはだいぶ閣僚間の問題になると思いますけれども、そうしませんと、やはり自治権をできるだけ尊重するという意味からも、そのくらいの法案を用意して次の国会に出されることが必要じゃないか、こういうふうに私は思うのですが、いかがですか。
#118
○国務大臣(江崎真澄君) 外国の例をお引きになってお話しになりましたが、外国の例は、おそらくアメリカの州とか、ちょっと日本の市町村とは違ったような形のものではなかろうかという感じがいたします。しかし、いまおっしゃるように、私どもは市町村議会が万全とは思いませんが、そうかといって、そこで周囲の状況を十分勘案してきめられたことならば、そう国において――バランスをとると言いまするが、あとチェックしなければならぬ多くがあるとは思いません。しかし、運輸省から午前中にもお話がありましたように、行政措置として早く結論を出すようにする、地方から出てきたものの意向は十分尊重する、こういうことですから、そこらで妥協しましょうと、こういうことですが、各党間で一致して、これは修正しようということであるならば、政府としては受け入れる用意がないわけではございません。これはある程度の積み上げはできておるわけです。しかし、衆議院側におきましても、行政措置でまあいってみてくれ、しかし、なお弊害があるようなら、またひとつ改めようじゃないかというようなところで妥協になったわけでありまするが、あえて参議院側で各党合意を得ていただくということになれば、私どもそれは十分受け入れまして、御期待にこたえるように調整をいたしたいと思います。
#119
○河田賢治君 わかりました。
 もう質問は済んだわけですが、しかし、都市の交通機関、これは前にも神沢先生が言われたように、東京都なんかは都営の地下鉄もある、それからまた営団があるとか、いろいろな私鉄も入っておりますし、それからまた陸上交通調整法ですか、ずいぶん古い法律がありまして、区域外は出られぬとか、そういうような都市交通における非常な障害と申しますか、あるいはほんとうにこういうたくさんな地下鉄を持ち、あるいは路面交通を持っているところは、やはり一元的にやるような方向にいきませんと、なかなか効率的にもいかぬと思うのですね。だから、こういう点でも自治省あたりは相当やっぱり音頭をとって、東京、大阪、名古屋とか、その他大都市の交通問題をもう少し真剣に考える時代にきているのじゃないかと私は思うわけですよ。これだけをひとつ申し上げて、できるだけそういう一元化の方向ですね、これを自治省あたりも積極的にやっていただくということを、これをお願いしてきょうは終わります。
#120
○理事(柴立芳文君) 関連して、私のほうからもちょっとお伺いしたいのですが、東京都の四十六年の収支を見てみますと、路面電車で十五億以上の赤字、それからバスで三十八億余の赤字、地下鉄で七十一億余の赤字、合計百二十六億と聞いておりますが、これは確かな数字であるかどうか。四十七年度の大体の見込みは幾らぐらいになっているのか。おわかりになればお知らせを願いたい。
#121
○政府委員(森岡敞君) 四十六年度の収支見込みは、いまお示しになりました通りでございます。
 四十七年度の見込みでございますが、なお若干数字の移動があろうかと思いますが、バスが四十四億、路面電車が十七億、地下鉄が百十五億でございまして、合計百七十七億の単年度赤という見込みでございます。
#122
○理事(柴立芳文君) そういたしますと、財政局長にお尋ねいたしますが、累積赤字が昭和四十六年度までで東京三つの企業のうちで五百六十六億と聞いております。そうしますと、いまの推定百七十七億を加えますと、単年度で相当驚くべき数字ということに相なるわけですね、そういうことに相なるでしょう。そうでしょうか。
#123
○政府委員(森岡敞君) 四十六年度の累積欠損金は、お示しのように五百六十六億でございます。四十七年度の、ただいま申しました単年度損失を積み上げました後の累積赤字は七百四十四億円程度になろう、こういう見込みでございます。
#124
○理事(柴立芳文君) 大臣にちょっとお伺いいたしますけれども、いま河田委員ほか御指摘になりましたように、非常に近い二、三年の間にたいへん赤字が現実的にふえてきているということは、いままで解明されましたように、他動的な因子と申しますか、いろいろ急に赤字がふえてきた。徐徐にずっと前から赤字がふえてきた事態もありますけれども、大きくなったのはこの近年であるという事実から、先ほどから御要望もございましたとおり、いまの法案がたいへん不安であるというふうに感じないわけにはいかない。したがって、この問題につきましては、いままでの解明の中では、どうもわれわれの中でももう少し、きまった抜本策はないかもしれないが、たとえば公営企業が普通の地方自治のいろいろな問題に関連するとするならば――することになるわけですから、どうしても公営交通企業がいいのか、あるいは民間でできないかということも考えなければならないし、しかし、その場合においても、たいへんむずかしい問題でありますけれども、何か歯どめを考えていく必要があると私は考えたわけです。だから、そういう点についてはいろいろと御検討するということでありますので、これはそう長くないうちにひとつ抜本的な対策を樹立されるように、たびたび大臣からも御答弁がありましたけれども、私どもも聞いておりましてそういうふうに考えますので、要望申し上げて終わりたいと思います。
#125
○国務大臣(江崎真澄君) 御要望の点は、私どもも関係各省庁十分協議をいたしまして、成案をすみやかに得るようにいたしたいと思います。
 また、できましたら、これは衆議院側にもお願いしておきましたが、当地方行政委員会の中に、交通規制等を含む、いわゆる路面交通バスの運行をスムーズならしめるための方策について、特に御検討をいただけるような小委員会のようなものでもおつくりいただきまして、議員の皆さんにおかれても御検討をいただけましたら、たいへんありがたいことだと思うのです。そうして、これはやはり新しい時代に取り組んでいく一つの方法を探求していくわけでございまするので、いろんな知恵を総合することが望ましい、こんなふうに思いまするので、ついでながらこれまたお願い申し上げておきたいと思います。
#126
○理事(柴立芳文君) 本案に対する本日の審査はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後三時五十二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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